様式1―表紙 聖徳大学短期大学部 平成24年度 第三者評価 聖徳大学短期大学部 自己点検・評価報告書 平成24年6月 様式2―目次 聖徳大学短期大学部 目 次 自己点検・評価報告書 ................................................ p. 1 1.自己点検・評価の基礎資料 ......................................... 2.自己点検・評価報告書の概要 ....................................... 3.自己点検・評価の組織と活動 ....................................... 4.提出資料・備付資料一覧 ........................................... p. p. p. p. 2 24 26 29 【基準Ⅰ 建学の精神と教育の効果】.................................... 基準Ⅰ-A 建学精神 ................................................... 基準Ⅰ-B 教育の効果.................................................. 基準Ⅰ-C 自己点検・評価.............................................. ◇ 基準Ⅰについての特記事項.......................................... p. p. p. p. p. 39 40 42 52 55 【基準Ⅱ 教育課程と学生支援】 ....................................... 基準Ⅱ-A 教育課程 ................................................... 基準Ⅱ-B 学生支援 ................................................... ◇ 基準Ⅱについての特記事項 ......................................... p. p. p. p. 56 58 76 98 【基準Ⅲ 教育資源と財的資源】 ....................................... 基準Ⅲ-A 人的資源 ................................................... 基準Ⅲ-B 物的資源 ................................................... 基準Ⅲ-C 技術的資源をはじめとするその他の教育資源 ................... 基準Ⅲ-D 財的資源 ................................................... ◇ 基準Ⅲについての特記事項 ......................................... p. 99 p.101 p.112 p.117 p.119 p.123 【基準Ⅳ リーダーシップとガバナンス】 ............................... 基準Ⅳ-A 理事長のリーダーシップ ..................................... 基準Ⅳ-B 学長のリーダーシップ ....................................... 基準Ⅳ-C ガバナンス ................................................. ◇ 基準Ⅳについての特記事項 ......................................... p.124 p.125 p.128 p.131 p.135 【選択的評価基準 1.教養教育の取り組みについて】..................... p.136 【選択的評価基準 2.職業教育の取り組みについて】..................... p.153 【選択的評価基準 3.地域貢献の取り組みについて】..................... p.176 様式3―自己点検・評価報告書 聖徳大学短期大学部 自己点検・評価報告書 この自己点検・評価報告書は、財団法人短期大学基準協会の第三者評価を受けるた めに、聖徳大学短期大学部の自己点検・評価活動の結果を記したものである。 平成24年6月30日 理事長 川 並 弘 純 川 並 弘 純 岡 田 耕 一 学長 ALO 1 様式4―自己点検・評価報告書の基礎資料 聖徳大学短期大学部 1.自己点検・評価の基礎資料 (1)学校法人及び短期大学の沿革 川並香順・孝子夫妻が昭和8年東京の大森に聖徳家政学院・新井宿幼稚園を創立して 以来、本学園は、一貫して幼児教育・女子教育に力を注いできた。現在では幼稚園から 始まり、小、中、高等学校、短期大学から四年制大学、さらに大学院を擁する総合学園 として、「和」の精神を建学の理念とし、社会に通用する人間としての能力の育成と、 人格の形成、“心”の教育に当たっている。 学園は戦時中の東京空襲により、建物、教育教材などすべてを失い、焼け野原の中か ら復興に当ってきた。 昭和40年、 千葉県松戸の地に聖徳学園短期大学の設置が認可され、 高等教育機関としての短期大学が発足し、「家政科」と「保育科」が開設され、「保育の 聖徳Ⓡ」を築き上げる基となった。さらに、昭和44年「文学科」 「音楽科」 「保育科第二 部」、昭和47年「初等教育学科」「通信教育部保育科」、昭和49年「初等教育学科第二 部」と年を追うごとに学科を新設、7学科となる。併せて専攻科を昭和42年「保育専攻」 昭和46年「音楽専攻」、平成元年「福祉専攻」平成5年「初等教育専攻」「服飾文化専攻」 「食生活専攻」 「国語専攻」 「英語専攻」 「仏語専攻」、平成6年「通信教育部保育専攻」、 平成13年「医療保育専攻」を開設し、11専攻となる。 その後、女性の高学歴化が進み、四年制大学への志向が強くなるのに応えて、平成2 年に聖徳大学を開学、人文学部「児童学科」「日本文化学科」「英米文化学科」を開設 し、長年の念願であった幼稚園から大学までの一貫教育体制が整備される。 これ以降、18歳人口の減少による少子化の進行、社会のグローバル化、高度情報化、 社会の意識の多様化、長引く経済の低迷などにより、大学・短期大学を取り巻く環境の 著しい変化に対応するため、短期大学から学部への改組転換等により、短期大学部は「保 育科第一部」「保育科第二部」「総合文化学科」「通信教育保育科」と専攻科「保育専 攻」「医療保育専攻」「介護福祉専攻」「服飾文化専攻」「通信教育部保育専攻」とな り、大学は、開学当初の1学部3学科から平成24年度現在5学部10学科(通信教育部 2 学部5学科)へと拡充され、社会のニーズに対応する教育を展開している。これと平行 して、平成10年4月には、児童学研究科(通学・通信)と言語文化研究科(通学・通信) から成る大学院が設置され、幼稚園から大学院までの一貫した教育組織が完成した。な お、大学院についても、平成24年度現在6研究科へと拡充している。 また、附属学校については、昭和41年の「聖徳学園短期大学附属幼稚園」開園をはじ めとし、昭和46年「聖徳学園短期大学附属第二幼稚園」 、昭和49年「聖徳学園八王子中央 幼稚園」 開園、 昭和51年 「聖徳学園短期大学附属第三幼稚園」 「聖徳学園多摩中央幼稚園」 、 昭和58年「聖徳学園短期大学附属中学校」 「聖徳学園短期大学附属高等学校」 「聖徳学園 短期大学附属聖徳高等学校」 、昭和59年「聖徳学園短期大学附属聖徳中学校」 、昭和61年 「聖徳学園短期大学附属小学校」 、 平成16年 「聖徳大学附属浦安幼稚園」 と年々が開校 (園) し、現在、幼稚園7園、小学校1校、中学校2校、高等学校2校、専修学校1校を併せ もつ総合学園として充実・発展している。 2 聖徳大学短期大学部 (2)学校法人の概要 ■学校法人が設置するすべての教育機関の名称、所在地、入学定員、収容定員及び在籍 者数(評価実施年度の5月1日現在) 平成24年5月1日現在 教育機関名 所在地 入学定員 収容定員 在籍者数 151 341 111 聖徳大学大学院(通信教育) 千葉県松戸市岩瀬 550 55 165 76 聖徳大学 千葉県松戸市岩瀬 550 1,020 4,561 4,092 聖徳大学(通信教育) 千葉県松戸市岩瀬 550 900 4,180 3,450 聖徳大学短期大学部 千葉県松戸市岩瀬 550 640 1,285 904 聖徳大学短期大学部(通信教育) 千葉県松戸市岩瀬 550 550 1,600 1,018 聖徳大学幼児教育専門学校 東京都港区三田 3-4-28 140 315 238 聖徳大学附属女子高等学校 千葉県松戸市秋山 600 489 1,467 529 聖徳大学附属女子中学校 千葉県松戸市秋山 600 160 480 262 聖徳大学附属取手聖徳女子高等学校 茨城県取手市山王 1000 360 1,080 327 聖徳大学附属取手聖徳女子中学校 茨城県取手市山王 1000 160 480 109 聖徳大学附属小学校 千葉県松戸市秋山 600 105 630 460 聖徳大学附属幼稚園 千葉県松戸市岩瀬 550 ― 400 342 聖徳大学附属第二幼稚園 千葉県松戸市小金原 7-14 ― 400 269 聖徳大学附属成田幼稚園 千葉県成田市中台 3-8 ― 270 125 聖徳大学附属浦安幼稚園 千葉県浦安市日の出 5-4-2 ― 300 215 聖徳学園三田幼稚園 東京都港区三田 3-4-28 ― 315 312 聖徳学園八王子中央幼稚園 東京都八王子市椚田町 1003 ― 320 104 聖徳学園多摩中央幼稚園 東京都八王子市鹿島 1 ― 400 200 聖徳大学大学院 千葉県松戸市岩瀬 550 (3)学校法人・短期大学の組織図 ■評価実施年度の 5 月 1 日現在の専任教員数、非常勤教員数、専任事務職員数、非常勤 事務職員数 ①教員数 平成 24 年 5 月 1 日現在 専任教員 学科 教授 保育科第一部(通信教育含む) 准教授 講師 兼任 助教 教員 計 12 18 6 0 36 139 保育科第二部 2 0 0 0 2 2 総合文化学科 7 9 2 1 19 60 保健センター 0 3 1 0 4 ― 21 30 9 1 61 201 合計 ②事務職員数 平成 24 年 5 月 1 日現在 専任事務職員 兼任事務職員 計 男 9 60 69 女 17 39 56 合計 26 99 125 3 聖徳大学短期大学部 ■ 学校法人の組織図 学校法人東京聖徳学園組織機構図(教学部門) 児 心 平成24年4月1日 童 理 学 ・ 福 祉 学 部 児 部 心 社 人 文 学 部 童 理 会 児 社 祉 科 学 科 学 科 ※学生募集停止 学 科 ※学生募集停止 ※心理学科へ 科 名称変更 科 ※学生募集停止 学 福 祉 理 床 科 学 福 童 会 心 臨 学 学 心 理 生 涯 教 育 文 化 学 科 女 性 キ ャ リ ア 学 科 外 人 監事 理 事 会 間 音 栄 養 楽 学 学 学 科 ※学生募集停止 文 化 学 科 日 本 文 化 学 科 人 間 栄 養 学 科 ※学生募集停止 部 人 間 栄 養 学 科 部 演 学 科 音 理事長 語 米 評議員会 常務理事 国 英 奏 楽 学 総 合 科 通 信 教 育 部 児 童 学 部 児 童 学 科 ( 通 信 教 育 ) 通信教育部心理・福祉学部 心 理 学 科 ( 通 信 教 育 ) 社会福祉学科(通信教育) 顧問 児 童 学 科 ( 通 信 教 育 ) ※学生募集停止 通 信 教 育 部 人 文 学 部 相談役 社 会 福 祉 学 科 ( 通 信 教 育 ) ※学生募集停止 心 理 学 科 ( 通 信 教 育 ) ※学生募集停止 英米文化学科(通信教育) 日本文化学科(通信教育) 教 学園長 副学園長 聖 徳 大 学 学 大 学 院 児 職 童 研 学 究 研 究 科 教 科 児 職 実 童 践 学 専 専 攻 攻 長 児童学研究科(通信教育) 児 童 学 専 攻 ( 通 信 教 育 ) 副 学 長 臨 床 心 理 学 研 究 科 臨 相 談 役 言 日 語 文 化 研 究 科 英 学 長 補 佐 床 本 米 人 間 栄 養 学 研 究 科 人 音 音 楽 音 楽 楽 文 化 研 究 科 間 音 児 童 学 研 究 心 理 文 文 栄 養 学 専 攻 化 専 攻 化 専 攻 学 専 攻 表 現 専 攻 教 育 専 攻 楽 専 攻 所 言 語 文 化 研 究 所 生 涯 学 習 研 究 所 聖 徳 大 学 川 並 弘 昭 記 念 図 書館 聖 徳 博 物 館 保 健 セ ン タ ー 情 報 処 理 教 育 セ ン タ ー A O 入 試 研 究 セ ン タ ー 心 理 語 学 教 教 育 育 相 セ ン 談 タ 所 ー 聖徳大学生涯学習社会貢献センター 聖 徳 大 学オ ープンアカデミー 聖徳大 学オ ープ ンアカデミー 音 楽 研 究 セ ン タ ー 保 育 科 第 一 部 長 保 育 科 第 二 部 合 文 化 学 科 聖 徳 大 学 短 期 大 学 部 学 副 学 長 総 相 談 役 通 信 教 育 部 保 育 科 学 長 補 佐 専 聖徳大学幼児教育 専門 学校 聖徳大学附属女子 高等 学校 聖徳大学附属女子中学校 聖徳大学附属取手聖徳女子高等学校 聖徳大学附属取手聖徳女子中学校 聖 徳 大 学 附 属 小 学 校 聖 徳 大 学 附 属 幼 稚 園 聖徳大学附属第二幼稚園 聖徳大学附属成田幼稚園 聖徳大学附属浦安幼稚園 聖 徳 学 園 三 田 幼 稚 園 聖徳学園八王子中 央幼 稚園 聖徳学園多摩中央幼稚園 4 攻 科 聖徳大学短期大学部 学校法人東京聖徳学園組織機構図(事務部門) 平成24年4月1日現在 監 事 理事会 評議員会 理事長 常務理事 学 園 事 務 局 企 画 室 企画室参与 学園事務局長 秘 書 室 総 務 課 顧問 総 務 部 相談役 学 園 史 編 纂 室 総務部次長 人 事 出 版 事 業 財 務 調 整 募 情 経 理 部 学 事 入 務 局 報 施 経理部次長 大 金 シ ス 経 経理部長 学 課 セ テ ム 課 課 管 ン 課 課 理 設 課 理 タ 課 ー 入学センター長 大学事務局長 学 大学事務局参与 生 部 学 生 課 学生部長 学 寮 課 学生部次長 国 際 交 教 流 務 課 課 イ ン タ ー ン シ ッ プ 室 生 涯 学 習 部 生涯学習部長 生涯学習部次長 教 育 研 究推 進部 キ ャ リ ア 支 援 室 通 信 教 育 学 務 課 生 涯 学 習 課 保 健 セ ン タ ー 図 書 館 事 務 室 博 物 館 事 務 室 総 合 知 メ 財 デ 戦 ィ ア 略 室 課 聖徳大学幼児教育専門学校 事務室 聖徳大学附属女子高等学校 事務室 聖 徳 大 学 附属 女子 中学 校 事 務室 聖徳大学附属取手聖徳女子高等学校 事務室 聖徳大学附属取手聖徳女子中学校 事務室 聖徳大学附属小学校 事務室 聖徳大学附属幼稚園 事務室 聖 徳 大 学 附属 第二 幼稚 園 事 務室 聖 徳 大 学 附属 成田 幼稚 園 事 務室 聖 徳 大 学 附属 浦安 幼稚 園 事 務室 聖徳学園三田幼稚園 事務室 聖徳学園八王子中央幼稚園 事務室 聖 徳 学 園 多摩 中央 幼稚 園 事 務室 出 版 会 事 会長 5 務 室 聖徳大学短期大学部 (4)立地地域の人口動態・学生の入学動向・地域社会のニーズ ■ 立地地域の人口動態(短期大学の立地する周辺地域の趨勢) 千葉県における平成 19 年度から平成 24 年度の人口推移(人) (各年 5 月 1 日現在) 平成 19 年度 平成 20 年度 平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度 6,096,774 6,134,214 6,172,836 6,197,622 6,216,204 6,199,790 総人口は、平成 23 年まで毎年増加していたが、増加数及び増加率は平成 21 年をピ ークとして減少傾向にあり、平成 24 年には総人口も減少した。県の長期計画では、平 成 29 年までは人口増を続けると予測されていたが、7 年早くなった。 これは、これまで東京に近く、県全体の人口増を牽引していた柏市、松戸市、市川 市、浦安市などが、東日本大震災による液状化被害や放射線量の高い「ホットスポッ ト」とされたことなどにより、県外からの入り込み人口が激減したことによるものが が大きい。また、高齢化に伴い増えつつあった死亡数が出生数を上回り、 「自然減」に 入るという長期的な人口構造の変化もあり、回復は厳しい状況である。 ■ 学生の入学動向(過去の実績と未来の予測、学生の出身地別人数及び割合) 地域 北海道 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 新潟県 富山県 石川県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 京都府 大阪府 兵庫県 鳥取県 島根県 広島県 山口県 平成 19 年度 平成 20 年度 平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 人数 割合 人数 割合 人数 割合 人数 割合 人数 割合 (人) (%) (人) (%) (人) (%) (人) (%) (人) (%) 1 0.2 1 0.2 2 0.5 0 0.0 2 0.4 2 0.4 2 0.5 2 0.5 0 0.0 2 0.4 2 0.4 2 0.5 2 0.5 3 0.8 4 0.9 8 1.6 2 0.5 5 1.3 4 1.1 0 0.0 8 1.6 3 0.7 6 1.6 6 1.6 5 1.1 5 1.0 4 1.0 7 1.9 6 1.6 5 1.1 13 2.5 12 2.9 17 4.5 8 2.1 11 2.4 90 17.5 77 18.5 64 17.1 58 15.4 73 16.2 6 1.2 4 1.0 9 2.4 6 1.6 5 1.1 1 0.2 2 0.5 1 0.3 4 1.1 1 0.2 51 9.9 38 9.1 54 14.4 60 16.0 75 16.6 195 38.0 175 42.0 117 31.3 130 34.6 174 38.6 85 16.6 56 13.4 66 17.6 65 17.3 64 14.2 7 1.4 3 0.7 1 0.3 4 1.1 2 0.4 14 2.7 11 2.6 5 1.3 4 1.1 7 1.6 0 0.0 0 0.0 1 0.3 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 0.3 0 0.0 0 0.0 4 0.8 4 1.0 0 1.1 0 0.0 1 0.2 3 0.6 2 0.5 1 0.0 1 0.3 5 1.1 1 0.2 0 0.0 0 0.0 2 0.5 0 0.0 5 1.0 7 1.7 4 0.0 3 0.8 5 1.1 0 0.0 1 0.2 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 0.2 0 0.0 2 0.5 0 0.0 2 0.4 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 0.2 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 0.2 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 0.2 1 0.3 0 0.0 1 0.2 2 0.4 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 0.2 6 聖徳大学短期大学部 平成 19 年度 平成 20 年度 平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 人数 割合 人数 割合 人数 割合 人数 割合 人数 割合 (人) (%) (人) (%) (人) (%) (人) (%) (人) (%) 0 0.0 1 0.2 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 0.2 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 0.2 0 0.0 1 0.2 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 0.2 0 0.0 0 0.0 0 0.0 1 0.3 0 0.0 0 0.0 1 0.2 1 0.3 1 0.3 0 0.0 2 0.4 0 0.0 1 0.3 1 0.3 2 0.4 5 1.0 4 1.0 6 1.6 7 1.9 4 0.9 513 100.0 417 100.0 374 100.0 376 100.0 451 100.0 地域 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 その他 合計 ※入学者のいる都道府県のみ記載。その他は、外国の学校、大検等 18 歳人口は、平成 32 年度までは 120 万人~116 万人で推移しているが、その後減 少する。本学入学者の約 4 割を占める千葉県の人口についても減少が 7 年早まってお り、今後、学生募集が厳しくなることが予測される。 ■ 地域社会のニーズ 千葉県は、県が目指す姿の基本理念として、 「千葉は元気の発信源。首都圏、そして 日本をリードし、県民が「くらし満足度日本一」を感じ、誇れる千葉の実現」を掲げ、 この基本理念の実現に向け、県を取り巻く「時代背景と課題」を踏まえた上で、 「くら し」 「子ども」 「経済」というキーワードに着目し、 「安全で豊かな暮らしの実現」 「千 葉の未来を担う子どもの育成」 「経済の活性化と交流基盤の整備」の3つの基本目標を 設定している。 「千葉の未来を担う子どもの育成」の基本目標のもとで、子育てに必要 な多様なサービスを提供し、地域全体で子育てを支援する体制づくりが進み、安心し て子どもを生み育てられる地域社会づくりが着実に進んでいる。また、家庭・学校・ 地域が一体となり、心が豊かで、身体が健やかに育ち、郷土を愛し、個性輝く子ども たちが地域社会に元気と活気を与え取組みも着手されている。 保育科第一部は、理論と実技の多様な授業を組み合わせたハイレベルの教育・指導 で得意分野をもつ幼稚園教諭や保育士を育成しており、保育・幼児教育系の学科では 千葉県下において最大の 350 名の入学定員を有している。卒業生への求人数も相当数 に上っており、学習ニーズだけではなく、人材ニーズにも応えている。さらに働きな がら学ぶ意欲のある人のために、定員 50 名の保育科第二部(夜間・3 年制)も設けて いる。また、総合文化学科は、140 名の入学定員を有し、複数のブランチ(科目群) を設け、学びの自由度が高い履修システムを採用しており、学生の多様な学習ニーズ に柔軟に対応できる工夫をして設置した学科である。このため、社会人の学習ニーズ へも対応することができる学科となっている。 【幼稚園・保育所 求人件数及び求人数】 平成 19 年度 求 人 件 数 求人数 幼稚園 保育所 計 777 537 1,314 1,787 1,503 3,290 平成 20 年度 求人件数 850 767 1,617 求人数 2,125 1,917 4,042 平成 21 年度 求人件数 845 724 1,569 7 求人数 2,112 1,810 3,922 平成 22 年度 求人件数 903 899 1,802 求人数 2,257 2,247 4,504 平成 23 年度 求人件数 947 1,086 2,033 求人数 2,367 2,715 5,082 聖徳大学短期大学部 ■ 地域社会の産業の状況 千葉県の産業のうち、工業は昭和 20 年代前半まで醸造業が中心であったが、その後 の県の工業誘致により、鉄鋼業、石油化学工業などの企業が進出し、浦安市から富津 市までの海岸部に京葉工業地域が形成されている。県の工業の主要業種は、石油・石 炭、化学及び鉄鋼となっている。 一方、温暖な気候や豊かな漁場などに恵まれ、農業産出額は全国 3 位(平成 22 年生 産農業所得統計確報) 、海面漁業の漁獲量は全国7位(平成 22 年漁業・養殖業生産統 計確報)となっており、全国有数の農業県・水産県でもある。本学の所在する東葛飾 地域は、大消費地の東京に近く、小松菜やほうれん草などの野菜や日本なしの栽培が 盛んである。 また、商業については、小売業の事業所数が 39,063 店、従業者数が 330,640 人、年 間商品販売額は約 5 兆 7,550 億円(平成 19 年商業統計確報)となっている。地域でみ ると、本学所在の松戸市のほか、千葉市、船橋市、市川市、柏市の上位5市で、県内 全事業所の 40.0%、年間商品販売額の 49.9%を占めており、本学の近隣は、県内でも 商業の盛んな地域となっている。 ■ 短期大学所在の市区町村の全体図 松戸市 8 聖徳大学短期大学部 ■主要駅からのアクセス (5)課題等に対する向上・充実の状況 ① 前回の第三者評価結果における三つの意見の「向上・充実のための課題」で指摘 された事項への対応について(領域別評価票における指摘への対応は任意) 改善を要する事項 対策 成果 (向上・充実のための課題) 評価領域Ⅲ 教育の実施体制 保育科第一部・第二部及び総 教員数の偏りは改善した。 学科によっては教員数に若 合文化学科に比べ、介護福祉 干の偏りが見られるので、教 学科第一部・第二部の教員数 員配置を検討する必要があ に若干の偏りがあったが、介 護福祉士の養成は、大学の社 る。 会福祉学科において養成を 行うこととし、廃止した。 評価領域Ⅸ 財務 財務状況は健全であるが、私 立学校法の改正による経理 公開に即した財務諸表の整 備に留意されたい。 ホームページに消費収支計 算書、貸借対照表及び資金収 支計算書のほか、決算の概要 及び図を掲載した。 9 学園報による教職員等学園 関係者への公開から広く一 般の方にも分かりやすい財 務情報等の公開になった。 聖徳大学短期大学部 ② 上記以外で、改善を図った事項について 改善を要する事項 保育科学生の就職活動 保育科学生の就職率は 95%以上を保っているが、 受動的な態度で就職活動に 臨む学生が増えている。主 体的に自信をもって就職活 動をさせることが必要であ る。 質の高い保育者養成 幼稚園や保育所などの保育 現場では、質の高い保育者 が求められている。保育科 では、課題探求能力と人間 関係調整力を備え、チーム 貢献できる保育者養成を今 日的な課題としている。 基礎学力の不足 就職内定率を向上させるた めに、就職試験に対応しう る基礎学力を養成する必要 がある。 社会人基礎力の不足 離職率を下げ、仕事を持続 的に行うために必要なビジ ネス・経済・時事等の知識 及び行動力・社会適応力・ コミュニケーション力等を 修養しなければならない。 対策 成果 文部科学省平成 21 年度「大 プロジェクトを開始したこ 学教育・学生支援推進事業」とにより、学生は主体的に 学 生 支 援 推 進 プ ロ グ ラ ム 積極的に就職活動に取り組 に、保育科の「学生生活を むようになり、早期に就職 就職活動へ発展させるため 内定を得る学生が 20%増え の総合的支援」が採択され、た。 保育科教員の担当する「基 礎ゼミ」とキャリア支援室 職員の就職支援を一体化し たプロジェクトを始めて、 今日に至っている。 文部科学省平成 21 年度「大 保育科に入学して間もない 学教育・学生支援推進事業」1 年生と、学習や実習を重 大学教育推進プログラム ねてきた 2 年生が少人数の に、保育科の「自ら考え行 グループになって、1 年間 動し、チーム貢献できる保 にわたり自分たちの関心の 育者養成」が採択され、課 ある分野を主体的に学び、 題探求能力と人間関係調整 成 果 を 発 表 す る こ と に よ 力を養い、チーム貢献でき り、1 年生、2 年生なりに課 る保育者を育てることに努 題探求能力、人間関係調整 めて今日に至っている。 力を養うことができるよう になった。 従来行ってきた「自然科学 全体に偏差値(1.7 倍)の 総合講義」 「人文科学総合講 向上が見られた。 義」に加え、SPI 対応のク ラスを編成し、特に数理に 関する学力の向上を図って いる。 社会人として仕事をする諸 学期ごとの自己評価によれ 能力を養成し、持続的な就 ば、ほとんどの学生に就業 業につなげるため、平成 18 意欲の向上が見られた。 年以降実施してきたキャリ (平成 21 年度卒業生 70% ア教育を一新した。そのプ が平成 23 年度卒業生 90% ログラムは、 「実学・実践に に向上) よる女性のコンピテンシー 育成」をテーマに、平成 22 年度文部科学省「大学生の 就業力育成支援事業」に採 択され、事業を継続してい る。 ③ 過去7年間に、文部科学省の設置計画履行状況等調査において留意事項が付された 短期大学は、留意事項及びその履行状況を記述する。 留意事項 該当なし 履行状況 該当なし 10 聖徳大学短期大学部 (6)学生データ ① 入学定員、入学者数、入学定員充足率、収容定員、在籍者数、収容定員充足率 (各年度5月1日現在) 学科等の名称 保育科第一部 保育科第二部 介護福祉学科 介護福祉学科 第二部 総合文化学科 専攻科 保育専攻 (昼間主コース) 専攻科 保育専攻 (夜間主コース) 事項 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 備考 入学定員 600 350 350 350 350 入学者数 280 254 271 343 348 充足率(%) 46 72 77 98 99 収容定員 1,200 950 700 700 700 収容者数 640 532 538 609 701 充足率(%) 53 56 76 87 100 入学定員 50 50 50 50 50 入学者数 27 19 17 31 27 充足率(%) 54 38 34 62 54 収容定員 150 150 150 150 150 収容者数 84 78 70 71 69 充足率(%) 56 52 46 47 46 入学定員 70 募集停止 ― ― ― 入学者数 14 ― ― ― ― 充足率(%) 20 ― ― ― ― 収容定員 140 70 廃止 ― ― 収容者数 51 12 ― ― ― 充足率(%) 36 17 ― ― ― 入学定員 ― ― ― ― ― 入学者数 ― ― ― ― ― 充足率(%) ― ― ― ― ― 平成 19 年 収容定員 40 廃止 ― ― ― 度募集停止 収容者数 3 ― ― ― ― 充足率(%) 7 ― ― ― ― 入学定員 140 140 140 140 140 入学者数 96 101 88 77 54 充足率(%) 68 72 62 55 38 収容定員 280 280 280 280 280 収容者数 214 201 189 165 131 充足率(%) 76 71 67 58 46 入学定員 30 30 30 30 30 入学者数 1 0 0 0 0 充足率(%) 3 0 0 0 0 収容定員 60 60 60 60 60 収容者数 4 0 0 0 0 充足率(%) 6 0 0 0 0 入学定員 15 15 15 15 15 入学者数 0 0 0 0 0 充足率(%) 0 0 0 0 0 収容定員 30 30 30 30 30 収容者数 0 0 0 0 0 充足率(%) 0 0 0 0 0 11 聖徳大学短期大学部 学科等の名称 専攻科 医療保育専攻 専攻科 介護福祉専攻 専攻科 服飾文化専攻 通信教育部 保育科 通信教育部 専攻科 保育専攻 事項 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 入学定員 20 20 20 20 20 入学者数 4 6 3 6 1 充足率(%) 20 30 15 30 5 収容定員 20 20 20 20 20 収容者数 5 6 3 6 1 充足率(%) 25 30 15 30 5 入学定員 25 25 25 25 25 入学者数 1 8 7 7 1 充足率(%) 4 32 28 28 4 収容定員 25 25 25 25 25 収容者数 1 8 7 8 1 充足率(%) 4 32 28 32 4 入学定員 10 10 10 10 10 入学者数 0 0 0 0 0 充足率(%) 0 0 0 0 0 収容定員 20 20 20 20 20 収容者数 0 0 0 0 0 充足率(%) 0 0 0 0 0 入学定員 500 500 500 500 500 入学者数 81 108 114 84 78 充足率(%) 16 21 22 16 15 収容定員 1,500 1,500 1,500 1,500 1,500 収容者数 1,450 1,297 1,216 1,111 1,018 充足率(%) 96 86 81 74 67 入学定員 50 50 50 50 50 入学者数 0 0 0 0 0 充足率(%) 0 0 0 0 0 収容定員 100 100 100 100 100 収容者数 0 0 0 0 0 充足率(%) 0 0 0 0 0 備考 ② 卒業者数(人) 区分 保育科第一部 保育科第二部 介護福祉学科 介護福祉学科第二部 総合文化学科 専攻科保育専攻(昼間主コース) 専攻科保育専攻(夜間主コース) 専攻科医療保育専攻 専攻科介護福祉専攻 専攻科服飾文化専攻 通信教育部保育科 通信教育部専攻科保育専攻 19 年度 418 16 40 6 97 3 0 9 5 0 111 0 12 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 304 227 225 220 20 22 23 19 33 9 ― ― 3 ― ― ― 101 80 84 80 3 0 0 0 0 0 0 0 4 6 2 6 1 8 5 7 0 0 0 0 147 92 85 81 0 0 0 0 聖徳大学短期大学部 ③ 退学者数(人) 区分 保育科第一部 保育科第二部 介護福祉学科 介護福祉学科第二部 総合文化学科 専攻科保育専攻(昼間主コース) 専攻科保育専攻(夜間主コース) 専攻科医療保育専攻 専攻科介護福祉専攻 専攻科服飾文化専攻 通信教育部保育科 通信教育部専攻科保育専攻 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 38 44 27 34 26 8 5 3 5 9 6 4 3 ― ― 1 0 ― ― ― 19 13 14 15 11 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 199 216 200 202 216 0 0 0 0 0 ④ 休学者数(人) 区分 保育科第一部 保育科第二部 介護福祉学科 介護福祉学科第二部 総合文化学科 専攻科保育専攻(昼間主コース) 専攻科保育専攻(夜間主コース) 専攻科医療保育専攻 専攻科介護福祉専攻 専攻科服飾文化専攻 通信教育部保育科 通信教育部専攻科保育専攻 19 年度 20 年度 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 111 0 2 0 0 0 1 0 0 0 0 0 133 0 21 年度 0 0 0 ― 1 0 0 0 0 0 410 0 22 年度 0 0 ― ― 0 0 0 0 0 0 361 0 23 年度 1 1 ― ― 1 0 0 0 0 0 331 0 ※ 通信教育については、休学者、授業料滞納者。 ⑤ 就職者数(人) 区分 保育科第一部 保育科第二部 介護福祉学科 介護福祉学科第二部 総合文化学科 専攻科保育専攻(昼間主コース) 専攻科保育専攻(夜間主コース) 専攻科医療保育専攻 専攻科介護福祉専攻 専攻科服飾文化専攻 通信教育部保育科 通信教育部専攻科保育専攻 19 年度 20 年度 21 年度 353 255 189 12 13 19 30 25 6 5 1 ― 64 54 38 3 3 0 0 0 0 8 4 6 3 1 7 0 0 0 63 110 46 0 0 0 ※ 通信教育については、その他を含む。 13 22 年度 23 年度 190 201 19 15 ― ― ― ― 40 38 0 0 0 0 2 5 5 5 0 0 53 59 0 0 聖徳大学短期大学部 ⑥ 進学者数(人) 区分 保育科第一部 保育科第二部 介護福祉学科 介護福祉学科第二部 総合文化学科 専攻科保育専攻(昼間主コース) 専攻科保育専攻(夜間主コース) 専攻科医療保育専攻 専攻科介護福祉専攻 専攻科服飾文化専攻 通信教育部保育科 通信教育部専攻科保育専攻 19 年度 20 年度 14 0 0 0 5 0 0 0 0 0 0 0 4 0 2 0 5 0 0 0 0 0 0 0 21 年度 6 0 2 ― 6 0 0 0 0 0 0 0 22 年度 23 年度 13 3 0 0 ― ― ― ― 9 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 (7)短期大学設置基準を上回っている状況・短期大学の概要 (平成24年5月1日現在) 教授 准教授 講師 助教 計 保育科第一部 12 18 6 0 36 18(7) ― 5 保育科第二部 2 0 0 0 2 2(1) ― 0 総合文化学科 7 9 2 1 19 7(3) ― 1 (小計) 〔ロ〕 (合計) 21 0 21 27 3 30 8 1 9 1 0 1 57 27(11) 4 ― 61 27(11) ― 6 7(3) ― 7(3) 6 備考 専任教員数 学科等名 助手 設置基準 で定める 教員数 〔イ〕 〔ロ〕 非常勤教員 ① 教員組織の概要(人) 教育学・保 育学関係 教育学・保 2 育学関係 家政関係 60 文学関係 201 ― 201 139 [注] 1 上表の〔イ〕とは、短期大学設置基準第22条別表第1のイに定める学科の種類に応 じて定める教員数(昼間又は夜間において授業を行う学科が通信教育をあわせ行う場 合には、短期大学通信教育設置基準第9条第2項に定める教員数を含む)をいう。ただ し、通信教育学科のみを置く短期大学の場合は、短期大学通信教育設置基準第9条第1 項別表第1に定める教員数をいう。 2 上表の〔ロ〕とは、短期大学設置基準第22条別表第1のロに定める短期大学全体の 入学定員に応じて定める教員数をいう。なお、昼間又は夜間において授業を行う学科 が通信教育をあわせ行う場合には、短期大学通信教育設置基準第9条第2項に定める教 員数を加算する。 3 上表の〔イ〕及び〔ロ〕の欄の( )には、短期大学設置基準第22条別表第1のイの 備考第1号に定める教授数を記入する。通信教育学科のみを置く短期大学の場合は、短 期大学通信教育設置基準第9条第1項別表第1備考第2号に定める教授数を記入する。 14 聖徳大学短期大学部 4 上表の助手とは、助手として発令されている教職員をいう。 5 備考欄には、当該学科の種類(短期大学設置基準第22条別表第1のイにいう「学科の 属する分野の区分」)を記載する。 ② 教員以外の職員の概要(人) 平成24年5月1日現在 専任 18 0 2 6 26 事務職員 技術職員 図書館・学習資源センター等の専門事務職員 その他の職員 計 ③ 校地等(㎡) 専用 (㎡) 共用 (㎡) 共用する 他の学校 等の専用 (㎡) 計 (㎡) 在学生 備考 基準面積 一人当た (共有の (㎡) りの面積 状況等) (㎡) 聖徳大学と 校舎敷地 0 58,794.71 0 58,794.71 共用 運動場用地 0 32,238.00 0 32,238.00 基準面積 聖徳大学と 共用 借用面積: 773.25 ㎡ 17.82 借用期間: 20 年 短大 小計 その他 合計 0 91,032.71 0 91,032.71 9,800 0 10,567.16 0 10,567.16 42,060 0 101,599.87 0 101,599.87 大学 ④ 校舎(㎡) 専用 共用 共用する他の学校等 (㎡) (㎡) の専用(㎡) 7,474.30 79,224.27 11,785.43 区分 校舎 計 99 0 12 14 125 平成24年5月1日現在 区分 校地等 兼任 81 0 10 8 99 その他は寄 宿舎敷地 (4 箇所) 合計 51,860 平成24年5月1日現在 計 (㎡) 98,484.00 ⑤ 教室等(室) 基準面積 備考(共有 (㎡) の状況等) 6,900 聖徳大学と共用 平成24年5月1日現在 講義室 77 演習室 64 実験実習室 60 情報処理学習室 8 語学学習施設 2 ⑥ 専任教員研究室(室) 平成24年5月1日現在 専任教員研究室 39 ⑦ 図書・設備 平成24年5月1日現在 図書 〔うち外国書〕 学科・専攻課程 (冊) 保育科第一部 保育科第二部 総合文化学科 計 38,555 〔7,826〕 6,348 〔1,263〕 275,836 〔35,034〕 320,739 〔44,123〕 学術雑誌 〔うち外国書〕 (種) 視聴覚資料 電子ジャー (点) ナル〔うち外 国書〕 231 3 982 〔33〕 〔3〕 35 1 159 〔9〕 〔1〕 1,572 20 20,819 〔170〕 〔20〕 1,838 24 21,960 〔212〕 〔24〕 15 機械・器具 (点) 標本 (点) 1,035 39 32 0 95 2 1,162 41 聖徳大学短期大学部 図書 〔うち外国書〕 学科・専攻課程 (冊) 図書館 学術雑誌 〔うち外国書〕 (種) 視聴覚資料 電子ジャー (点) ナル〔うち外 国書〕 面積(㎡) 閲覧席数 7,268.38 841 席 面積(㎡) 体育館 機械・器具 (点) 標本 (点) 収納可能冊数 700,000 冊 体育以外のスポーツ施設の概要 2,379.14 体育実技室 823.32 ㎡ 体育実技室 580.00 ㎡ 離山テニスコート 2 面 3,390.00 ㎡ 竹ヶ原テニスコート 1 面 1,522.90 ㎡ (8)短期大学の情報の公表について ①教育情報の公表について 事項 公表方法等 1 大学の教育研究上の目的に関すること 2 教育研究上の基本組織に関すること 3 教員組織、教員の数並びに各教員が有する学位及 び業績に関すること 4 5 入学者に関する受け入れ方針及び入学者の数、収 容定員及び在学する学生の数、卒業又は修了した 者の数並びに進学者数及び就職者数その他進学及 本学の公式ホームページ び就職等の状況に関すること URL:http://www.seitoku.jp/ jouhou_datafile/top.html 授業科目、授業の方法及び内容並びに年間の授業 トップページ「情報公開」で の計画に関すること 閲覧できる。 6 学修の成果に係る評価及び卒業又は修了の認定に 当たっての基準に関すること 7 校地、校舎等の施設及び設備その他の学生の教育 研究環境に関すること 8 授業料、入学料その他の大学が徴収する費用に関 すること 9 大学が行う学生の修学、進路選択及び心身の健康 等に係る支援に関すること 16 聖徳大学短期大学部 ②学校法人の財務情報の公開について 事項 公開方法 事務所に備え置き、利害関 係者からの請求による、閲 覧 財産目録、貸借対照表、収支計算書、事業報告書及び監 ホームページ 査報告書 URL:http://www.seitoku.jp/ から「財務情報」 毎年 学園報 6 月号 (9)各学科・専攻課程ごとの学習成果について ■ 学習成果をどのように規定しているか 聖徳大学短期大学部は、学生が修得すべき学習成果を明確化することにより、 「何を 教えるか」よりも「何ができるようになるか」に力を置き、各学科において培う学士 力として必要な「知識・理解」 「汎用的技能」 「態度・志向性」 「統合的な学習経験と創 造的思考力」を学位授与の方針(ディプロマポリシー)として定めている。 学習成果として、建学の理念「和」に基づいて、円満な人格を備え、広い見識と専 門性、創造性を有する「実践力のある女性」を設定し、各学科では、多彩な領域と礼 節、専門性にとらわれない幅広い視野と豊かな人格形成の基本を学ぶ全学共通科目、 理論と実践を体系的に学ぶ専門教育科目の学習を通し、達成されるべき学習成果とし て次のように定めている。 Ⅰ 保育科 保育に必要な専門的力量および実践的指導力を身につけ、社会の一員として適切 に行動することができる幼稚園教諭または保育士になるため、次の能力を身につけ る。 1) 子どもおよび幼児教育に対する情熱・使命感・責任感 2) 保育に関する専門的知識 3) 課題探求能力を持ち、理論と実践を結びつけた主体的な学習ができる力 4) 保育専門職にふさわしい実践的な技能と表現力 5) 人間関係調整力を持ち、チームに貢献できる力 Ⅱ 総合文化学科 専門分野における専門的知識と技能を身につけ、広い視野を持って社会に自立で きる女性になるため、次の能力を身につける。 1) 現代社会で女性として自立できる能力 2) 修得した能力を基にして新たな課題に挑戦できる力 3) 広い視野を持ち、他者の立場を理解して物事を判断できる能力 17 聖徳大学短期大学部 ■ どのように学習成果の向上・充実を図っているか 本学では、より質の高い教育の仕組みを構築するため、ISOの品質マネジメントシ ステム(ISO 9001)の規格を適用した、独自のシステム「聖徳リアライズシステム」 (SEITOKU REALISE SYSTEM)を導入しており、本学が目指す教育を実現するために必要な 「あるべき教育活動」を組織として確立するため、次の4つのシステムを構築している。 【学園の教育とSEITOKU REALISE SYSTEM(4つのシステム)】 このシステムでは、「計画されたものが、その目的を達成できたか? 達成できないので あれば、それはなぜか? が追求され、障害となる問題を明確にし、その改善を図り、所 期の目標を達成する」という手順を辿り、「計画」(Plan)「実施」(Do)「点検」(Check) 「改善」(Act)の、いわゆるPDCAの検証のサイクルを、遅滞なく、しかも的確に回転 させ、改善し、その完成に向けてレベルアップしていく。 このシステムは、教職員の不断の努力、緊密な協力体制によって維持され、学生及び 保護者の「夢を実現する」教育の質を確保、向上する役割を担っている。 18 聖徳大学短期大学部 【教育の質マネジメントシステムの体系図】 建学の精神・使命及び目標 建学の精神・使命及び目標 方針・ 目標策定 『教育の質』方針の決定 フィードバック 各組織別教育方針 各組織別教育方針 SEITOKU SEITOKU REALISE REALISE SYSTEM SYSTEM の中期ビジョン の中期ビジョン SEITOKU SEITOKU REALISE REALISE SYSTEM SYSTEM 当年度実行計画 当年度実行計画 経営者による 見直し 『教育の質』目標の決定 改善指示 サービス実現 モニタリング 教育プロセス 評価 年度評価 教育成果の 確認 講義 オリエンテー ション シラバス 作成 時間割編成 授業編成 検収・ 管理 発注 発注先の評価・ 選定 受験生・高校への 広報活動 教材・ 外部 委 託サービスの 評価・選定 入学手続 教育方針の 説明 学部・学科新設 企画 教育実現プロセス 各組織の範囲 学校認知度向上策 管財 改善策の決定 学生等及び保 護者の要求事 項の確認 企画 開発 マネジメント レビュー 教育サービス目標 内部監査 年間行事計画の策定 研修・行事 成績管理 窓口業務(証明書発行など) 学生等及び保護 者満足度評価 学生等及び保護者相談 人的資源 施設、設備 運用 再発防止 処置 未然防止 処置 記録管理 記録の 整理保管 規定外の 発見 維持・管理 再発防止処置 未然防止処置 記録の 取得 教室・施 設の整備 人材配置 教育・ 研 修 教職員の 採用 システムを支える プロセス 文書管理 規定外サー ビスの管理 プロセスの監視・測定 本学では、このISO「教育の質マネジメントシステム」によって、中期計画が策定 され、この中期計画に基づいて年度計画が作成され、全教職員が計画的に年度計画の実 現、課題解決に努めることになっている。 特に、本学が保証する「授業の質」の実現を明確にするため、 「教育の質マニュアル」 に授業計画(シラバス)の立案、授業・成績評価等の実施の管理手順、必要な授業のス キルを身につけ、 発展させるためのFD活動の手順を定め、 全教職員で取り組んでいる。 19 聖徳大学短期大学部 20 聖徳大学短期大学部 (10)オフキャンパス、遠隔教育、通信教育のその他の教育プログラム ■ オフキャンパス 未実施 ■ 通信教育 本学は、通学課程保育科の併せ行う課程として、昭和47年から通信教育部保育科を 開設している。 通信教育部保育科の修業年限は3年で、卒業時には短期大学士(保育)の学位が授 与される。さらに必要単位を修得することにより、幼稚園教諭免許や保育士、図書館 司書資格を取得することが可能である。 通信教育課程の授業形態は、学生が自宅で印刷教材(教科書)に基き学習する「通 信授業」と、特定の期間大学へ登校して授業を受ける「面接授業(スクーリング) 」に 区分して、授業を実施する。 通信教育課程の学生と通学課程の学生との教育・研究水準を等しく保つため、通信 授業の各教科書に『学習指導書』または『学習の指針』を準備し、教科指導を行って いる。また、面接授業においては、懇切丁寧に各教科の参考文献等を提示し、本学の 図書館にてこれら文献の利用を可能にし、教育ならびに研究の支援を行っている。 ①通信授業 通信授業では、学生が自宅で教科書を十分に熟読しながら、参考文献等も利用して 理解と学習を深めている。自宅での学習は、原則として A5 判の教科書 100 ページを もって 45 時間相当の学習と見做し、1 単位の学習量とする。履修科目 1 単位につき 1 課題のレポート作成(2 単位の科目は 2 課題、4 単位の科目は 4 課題)を学生に課して おり、学生は、レポートを大学へ送付し、担当教員から添削指導を受ける。担当教 員は提出されたレポートの内容が課題に沿ってまとめられているかを確認し、内容 が充分であれば合格の評価を記し、内容に不足があれば細かく講評を記して返却を する。 レポートで合格を得た学生は、科目終了試験の受験資格を得ることができ、試験 に合格することで単位を修得できる。 科目修了試験は学生の学習状況に配慮し、年間10回、日曜日に実施する。試験は 松戸キャンパスの他、遠隔地に在住する学生の負担を軽減するため全国の約20都市 でも実施する。 ②スクーリング 演習や実験、実習を伴うなど、対面でなければ教授することが困難な授業科目に ついては、スクーリングを実施する。スクーリングでは、学生は特定の期間大学の 松戸キャンパスに登校し授業を受け、担当教員から直接指導を受ける。 スクーリングは、教室確保の観点から、通学課程の学生が長期休暇に入る夏期(7 ~8月) 、冬期(12月) 、春期(2~3月)やゴールデンウィーク期間中において実施す る。 21 聖徳大学短期大学部 スクーリングでは、各科目の開設日程の最終日にスクーリング試験を実施する。学 生はスクーリング試験に合格することで単位を修得できる。 卒業研究は、行き届いた指導を行うため通信とスクーリング併せて実施し、卒業 時に審査のうえ、単位認定を行う。 通信授業とスクーリングを併用する科目では、学生は自宅学習の後課題レポート を提出し、合格することでスクーリングに出席する資格を得ることができる。通信 授業の科目終了試験は行わず、スクーリング試験に合格することで単位を修得でき る。なお、スクーリングを実施する際は、遠隔地に在住する学生の負担を軽減する ため、松戸キャンパス近辺の宿泊施設として本学の学生寮を提供(女性のみ)する 他、一部の科目については松戸キャンパス以外の場所でエリアスクーリングを実施 している。 ③教育上の配慮 通学課程の学生が利用可能な食堂や購買等の学内施設や川並香順記念講堂におけ る鑑賞会への参加、図書館については、通信教育課程の学生も利用可能となってい る。特にスクーリング時においては、日曜日でも図書館等の施設を開館し、通信教 育課程の学生の利用に供しており、本の貸し出しやコピー(学生の実費負担)につ いても常時便宜を図り、個別に対応している。 ■ その他の教育プログラム 未実施 (11)公的資金の適正管理の状況 ■ 公的資金の適正管理の方針及び実施状況を記述する(公的研究費補助金取扱いに 関する規程、不正防止などの管理体制など)。 公的資金の適正管理の方針及び実施については、「聖徳大学及び聖徳大学短期大学 部における研究活動に係る行動規範」に基づき、公的研究費の取扱いに関し、「聖徳 大学及び聖徳大学短期大学部における公的研究費の取扱いに関する規程」を定め、適 正に管理・運営している。 (12)その他 ■ 上記以外に、評価員が理解を深めるのに役立つ情報があれば記述する。 国際標準化機構として知られる ISO について 本学では、所属する教職員が、教育・研究活動を推進・展開する際に依拠している ISO(国際標準化機構)について、その概略を記す。 ISO(International Organization for Standardization)は、国際規格を制定する民 間の機関で、155 カ国もの国家的な認証機関の連合体として知られ、世界最大の品質 認証機関と言える。わが国では、JIS 規格で名高い日本工業標準調査会(JISC)が、そ のメンバ-である。戦後間もない昭和 22(1947)年に設立され、事務局はスイスのジュ 22 聖徳大学短期大学部 ネ-ブに置かれている。設立以来、世界貿易の急拡大と共に、 「品質の各国基準」が貿 易障壁になるのを回避するものとして、 「国際標準」 、とりわけ「品質管理の国際標準」 へのニ-ズが高まり、認証発行件数が急増する。平成2(1990)年代には、環境問題へ の世界的な取り組みが強化され、 「環境管理」の評価方法が深められ、 「品質管理」は 「経営の質」の評価へと高められる。こうして「教育」 「自治体」 「食品の安全性」な どに、評価対象が拡大する。本学が他に先駆けて認証を取得したのは、 「教育の質の管 理」(ISO 9001)と「環境管理」(ISO 14001) である。 学校法人東京聖徳学園は、学園創立 70 周年を期して、平成 15(2003)年 11 月 18 日 に、品質マネジメントシステム(ISO 9001)及び環境マネジメントシステム(ISO 14001) の両規格を、学生寮・セミナ-ハウスを含む、幼稚園から大学・大学院までの学園全 体で、同時認証取得を果たしている。 その趣旨は、本学園は創立以来 70 年にわたり、建学の理念である「和」の精神の具 現を図る、その教育目標が、女性教育・幼児教育・人間教育である。そのために、高 い品質の教育サ-ビスの提供を目指し、その実現を目指す仕組みの構築に努力を傾け ている。また、地球環境を守る取り組みでは、身近なゴミの分別や省エネ活動など、 学園独自の環境教育により、その心を育むことを目指している。 学園の教職員が一般に用いている「教育の質マネジメントシステム」(ISO 9001)や 「環境マネジメントシステム」(ISO 14001) は、本学園が築き上げた独自のシステム を体系化し、 「聖徳リアライズシステム」(SEITOKU REALISE SYSTEM)として集大成した ものである。それを幼稚園から大学・大学院までの一貫教育を通じて、学園が培って きた「教育の質の管理」と「環境への取り組み」をシステム化したもので、その内容 が国際規格に適合するものとして平成 15 年 10 月に ISO の認証を取得し、毎年実施の 定期審査と、3年に1度の更新審査を受けることになっている。大学の学部・短大部 は各学科単位で5年間の「教育の中期目標」や「環境教育の中期目標」を策定し、そ の実践に鋭意、努力を続けている。教育・研究活動に限らず、 「組織・運営や施設・設 備」をも評価対象としている。 その ISO の「教育の質管理」や「環境管理」の核心にあるのが検証のシステムであ る。すなわち、 「計画されたものが、その目的を達成できたか? 達成できないのであ れば、それはなぜか? が追求され、障害となる問題を明確にし、その改善を図り、 所期の目標を達成する」という手順を辿る。 「計画」(Plan)「実施」(Do)「点検」(Check) 「改善」(Act)の、いわゆる PDCA の検証サイクルを、遅滞なく、しかも的確に回転さ せることが、私たち教職員の責務であり、職場での日常の課題である。詳細は省くが、 不測の事態が招くトラブルを、未然に防止、又は適切に対応するシステムも用意され ている。優れて特徴的なことは、学生の夢、すなわち「なりたい自分をどう実現させ るか」を視野に「学びのシステム」 (自発的な学びを促す)や「教えのシステム」 (効 果的な授業の改善・充実) 、 「教育のプロ養成システム」 (教育技能の組織的な研鑽)な どを構築し、顧客である学生や社会の要請に応えようとする仕組みになっている。 23 聖徳大学短期大学部 さらに、教学組織においては、教育方法を組織的に実践・定着を図るため「教育の 質マニュアル」を策定しており、ここでは、建学の理念である「和の精神」を具現す べく、それをどうカリキュラムに反映し、シラバスで授業を展開し、成績評価で確認 する。また、それを支援するための学生指導に関する種々の方策を検討する。さらに 授業力アップを図る「学生の授業評価」や教員自身による「授業に対する点検・評価 の試み」に取り組むこととなっている。 2.自己点検・評価報告書の概要 ■ 概要は、四つの基準に基づいて記述する。 基準Ⅰ 建学の精神と教育の効果 聖徳大学短期大学部は、聖徳太子の「和」の精神を建学の理念として明確に掲げ、 今日に至るまで「人間教育」 「女性教育」という大きな柱を基礎として「和」の精神の 実現に努めている。 「和」の精神は学生便覧にわかりやすく示されており、学生、保護 者、教職員に共有されている。さらに、ホームページや総合案内、オープンキャンパ ス等において学外へも積極的に周知を図っている。 本学は、平成 22 年1月 27 日に教学経営方針として「聖 徳 大 学 が 求 め る も の 」 (三 つの方針)を明確に定め、ホームページで公表している。さらに、学生便 覧 へ の 掲 載 、加 え て 平 成 24 年 度 か ら 教 育 課 程( 履 修 要 項 )へ も 掲 載 し て お り、学生はことある機会に触れることとなっている。 本学では、ISO(9001)の「教育の質マネジメントシステム」を構築しており、 自己点検・評価委員会が主体となり、各委員会と連携・協力し「授業計画の質」 「成績 評価の質」さらに「担任による学生サポートの質」の管理を恒常的に組織的に実施し、 教育目的の達成状況を検証・評価するための適切な取組を行っている。事務職員は連 絡、印刷、広報活動等で積極的に関与している。教員は、自己点検・評価活動を通じ て得られた成果を恒常的に教育の質向上に役立てている。 基準Ⅱ 教育課程と学生支援 本学は、学位授与の方針に対応した教育課程編成・実施の方針に基づき、教育目標 を達成するため、全学共通科目と各学科専門教育科目の二つを大きな柱とし、全学共 通科目では幅広い視野と豊かな人格形成の基本を学び、専門教育科目では各学科の教 育目標に合わせた理論と実践を体系的に学ぶカリキュラムを編成している。 教員は、履修規程、シラバスに明示した成績評価基準により、学生の学習成果を評 価し、その担当科目の授業において同僚評価や学生による授業評価を受け、授業改善 に役立てている。事務職員は、補助資料の印刷や図書館利用に関するガイダンスを積 極的に実施するなど、密接に連携をとり、教育活動を全面的に支援している。また、 クラス担任、教員、事務職員、各委員会によって学生の生活支援、進路支援も行って いる。 24 聖徳大学短期大学部 基準Ⅲ 教育資源と財的資源 本学は、短期大学設置基準に定める必要教員数及び教育課程を遂行するために必要 な教員を確保している。専任教員は、担当する専門授業科目の展開を可能とする研究 を行っており、その状況はホームページにおいて公表している。FD活動は、自己点 検・評価委員会が主体となり、FD公開授業など適切に行われている。事務組織は、 大学の目的の達成に向けて支援する任務を果たす上で適切な規模と機能をもっている。 SD活動は、「SEITOKU REALISE SYSTEM マニュアル」において規定され行っている。 また、就業に関する諸規程を整備・周知し、諸規程に基づいて就業を管理している。 校地校舎の規模は、短期大学設置基準を満たしており、教育研究組織の運営及び教 育課程の実現にふさわしい施設・設備が整備され、有効に活用されている。施設設備 の維持管理の規程を整備するとともに、定期的な防災・防火訓練等を行っている。ま た、ISO14001を認証取得し、「東京聖徳学園環境方針」を定め、地球環境保全に取 り組んでいる。 技術的資源としては、ネットワーク環境、ポータルサイト、コンピュータ演習室、 CALL教室などを整備している。 財的資源についても、教育研究活動が安定してできる固定資産及び流動資産を有し ており、財務上の基礎を確立するため、適切な収支に係る財務計画を策定し、これら の教育研究活動に対して必要な教育研究環境の整備充実及び教育研究経費のための資 金配分を適切に実施すると共に、関係者に明示している。 基準Ⅳ リーダーシップとガバナンス 理事長は、理事会において建学の精神及び教育理念・目的を十分に理解し、この法 人を代表し、その業務を総理している。理事会は、学校法人の業務を決し、理事の職 務の執行を監督している。理事会は、第三者評価に対する役割を果たし、責任を負っ ている。理事は、学校法人の建学の精神を理解し、法人の健全な経営について学識及 び見識を有している者を選任している。 学長は、大学の経営と教育研究に関する運営を統括しており、学科長会を主宰し、 大学運営の重要事項について諮問し、審議を求め、教授会を主宰し、教育研究上の重 要事項について諮問し、審議を求めている。 監事は、理事会に出席するなど、法人の財産の状況及び理事の業務執行の状況を監 査しており、平成17年の私立学校法改正に則り、監事による監査報告書を作成し、理 事会及び評議員会へ報告している。評議員会は、私立学校法に基づき運営している。 学園の各組織は、5 年後の将来の姿をイメージし、その達成に向けた中期計画を策 定しており、その計画に基づいた財務計画を策定し、教育・研究の充実と施設設備の 維持・管理等の強化を図りつつも、コスト意識を持った支出の削減を行い、収支の均 衡予算の実現に努めている。また、計算書類、財産目録等は、学校法人の経営状況及 び財政状態を学校法人会計基準に基づき適正に表示しており、特に課題はない。公認 会計士の監査意見への対応についても適切である。 25 聖徳大学短期大学部 教育情報の公表については、大学における教育研究活動の状況やその成果に関する 情報をウェブ上で広く社会に発信、公表している。また、財務情報の公開についても、 ホームページ上で、財産目録、貸借対照表、収支計算書、財務の概要、監事の監査報 告書を公表するほか、毎月発行している教職員および後援会等に配付している学園報 の6月号に消費収支計算書を毎年掲載し、広く社会に周知している。 3.自己点検・評価の組織と活動 ■ 自己点検・評価委員会(担当者、構成員) 本学の自己点検・評価委員会は、「各学科に所属する教授、准教授、講師又は助教 のうちから指名された者」「事務局長、事務局次長、学生部長、学生部次長、教務課 長、総務課長」「その他学長が指名した者」で構成しており、事務は、学生部教務課 が担当している。 委員会の運営は、同一キャンパスに併設されている聖徳大学と合同の形で行ってお り、学長が委員長及び副委員長を任命し、委員長を3名の副委員長が補佐する体制と なっている。なお、この自己点検・評価報告書の作成に関しては、前回の第三者評価 や聖徳大学における2回の機関別認証評価の経験を活かし、学科長会に直結した「第 三者評価推進委員会」を設置し行った。 ■ 自己点検・評価の組織図 理事長・学長 学科長会 《構成》 議長=学長 構成員 (1) 理事長、(2) 学長、(3) 副学長、 (4) 学長補佐、(5) 各学科長、 (6) 聖徳大学川並弘昭記念図書館長、 (7) 保健センター所長、 (8) 聖徳大学オープンアカデミー校長、 (9) 事務職員の部長職以上の者、 (10) その他、学長が必要と認めた者 事務 総務部総務課 《審議事項》 大学の運営に関する重要事項 教授会 自己点検・評価委員会 《構成》 委員長 副委員長 委員 (1) 各学科に所属する教授、准教授、講師又は 助教のうちから指名された者 (2) 事務局長、事務局次長、学生部長、学生部 次長、教務課長、総務課長 (3) その他学長が指名した者 事務 学生部教務課 《審議事項》 (1) 自己点検・評価の計画、実施に関すること (2) 自己点検・評価の結果の活用に関すること (3) その他、自己点検・評価に関し、委員会が必 要と認めた事項に関すること 第三者評価推進委員会 《構成》 構成員 ALO、学長補佐、各学科長、事務局長 事務 総務部総務課企画グループ 《機能》 自己点検・評価報告書の作成 26 聖徳大学短期大学部 ■ 組織が機能していることの記述(根拠を基に) 自己点検・評価委員会が管理主体となり作成した「教育の質マニュアル」に基づき、 毎年、次のとおり点検・評価を行っている。 【授業の質管理】 ①授業計画(シラバス)の点検による「授業計画の質」の管理(教務委員会) ②成績評価の点検による「成績評価の質」の管理(教務委員会) ③担任指導の点検による「担任よる学生サポートの質」の管理(学生生活委員会) 【FD活動】 ①FD公開授業の管理(自己点検・評価委員会) ・一般公開授業 ・研究グループによる授業 ②学生による授業評価(アンケート調査)(自己点検・評価委員会) なお、学生による授業評価(アンケート調査)については、この調査結果を踏まえ て、教員は任意の一科目について「授業アンケートの結果の考察」をまとめ公開して いる。その「考察」に当たっては、評価点が5段階で3以下の項目については、その 検討を義務付けており、検討結果を踏まえて「改善の方策」を提示し、前回の「改善 の方策」の評価・検討も行うこととしている。これらの教員個々の評価と並んで、教 員相互の授業評価を通して、学科などの全体的評価の検討も行い、全体像も示してい る。また、教育研究及び社会貢献とその支援については、個人や組織(学科、施設、 委員会等)から提出された資料やデータに基づき「年次報告書」を作成し、学内サイ ト教務課のホームページで公開されており、学内においては、閲覧が可能となってい る。このほか、研究と教育の統合を図るものとして「(FD紀要)-聖徳の教え育む 技法」を刊行している。 今回の自己点検・評価報告書の作成に関しては、前回の第三者評価や聖徳大学にお ける2回の機関別認証評価の経験を活かし、学科長会に直結した第三者評価推進委員 会を設置し、学長補佐の助言のもと、ALOが中心となり各学科長とともに作成し、 事務局がそのサポートを行った。 ■ 自己点検・評価報告書完成までの活動記録 平成23年 7月8日 機関別認証評価機関決定(学科長会) 7月22日 第三者評価申し込み 9月14日 自己点検・評価報告書の作成等の体制・スケジュール決定(学科長会) 9月28日 学内説明会開催 各部署へ資料の提供・作成を依頼 第三者評価推進委員会にて編集作業 27 聖徳大学短期大学部 平成24年 1月26日 自己点検・評価報告書(案)報告・意見聴取(学科長会) 3月29日 自己点検・評価報告書(案)報告・意見聴取(学科長会) 4月20日 第三者評価報告(自己点検・評価委員会) 6月8日 自己点検・評価報告書(最終案)付議(学科長会) 6月29日 自己点検・評価報告書承認(学長) 28 様式5―提出資料・備付資料一覧 聖徳大学短期大学部 4.提出資料・備付資料一覧 記述の根拠となる資料等 基準Ⅰ:建学の精神と教育の効果 A 建学の精神 建学の精神・教育理念についての印刷物 創立記念、周年誌等 B 教育の効果 教育目的・目標についての印刷物 学生が獲得すべき学習成果についての印刷 物 資料名 提出 資料 (1)総合案内2012 (2)総合案内2013 (3)学生便覧2011 (4)学生便覧2012 (5)聖徳学園七十五年の歩み ◎ (3)学生便覧2011 (4)学生便覧2012 (3)学生便覧2011 (4)学生便覧2012 (6)3つのポリシー(教育経営方 針「聖徳がもとめるもの」 ) ◎ C 自己点検・評価 自己点検・評価を実施するための規程 (7)聖徳大学短期大学部自己点 検・評価委員会規程 過去3年の間にまとめた自己点検・評価報 (8)平成20年度年次報告書 告書 (9)平成21年度年次報告書 (10)平成22年度年次報告書 (※平成23年度は作成中) (11)明日の教育を目指して―学 生による授業評価(アンケー ト調査)の結果の考察―2008 (12)明日の教育を目指して―学 生による授業評価(アンケー ト調査)の結果の考察―2009 (13)明日の教育を目指して―学 生による授業評価(アンケー ト調査)の結果の考察―2010 (※平成23年度は作成中) (14)2009新入生・保護者の意識 調査報告 (15)2010新入生・保護者の意識 調査報告 (16)2011新入生・保護者の意識 調査報告 (17)2009卒業生の意識調査報告 (18)2010卒業生の意識調査報告 (19)2011卒業生の意識調査報告 第三者評価以外の外部評価についての印刷 (20)Certificate Renewal審査報 物 告書 基準Ⅱ:教育課程と学生支援 A 教育課程 学位授与の方針に関する印刷物 (6)3つのポリシー(教育経営方 針「聖徳がもとめるもの」 ) (22)教育課程(履修要項)平成 29 備付 資料 ○ ◎ ◎ ○ ○ ◎ 聖徳大学短期大学部 記述の根拠となる資料等 教育課程編成・実施の方針に関する印刷物 入学者受け入れ方針に関する印刷物 資料名 24年度 (6)3つのポリシー(教育経営方 針「聖徳がもとめるもの」 ) (22)教育課程(履修要項)平成 24年度 (6)3つのポリシー(教育経営方 針「聖徳がもとめるもの」 ) (22)教育課程(履修要項)平成 24年度 (23)授業科目担当者一覧 カリキュラムに対応した授業科目担当者一 覧(教員名、担当授業科目、専門研究分野) シラバス (24)2011授業計画(SYLLABUS) ―平成23年度― 保育科 (25)2011授業計画(SYLLABUS) ―平成23年度― 総合文化学科 (26)2011授業計画(SYLLABUS) ―平成23年度― 専攻科 (27)2012授業計画(SYLLABUS) ―平成24年度― 保育科 (28)2012授業計画(SYLLABUS) ―平成24年度― 総合文化学科 (29)2012授業計画(SYLLABUS) ―平成24年度― 専攻科 (30)平成23年度学習のしおり〈卒 業・幼二種・保育士・司書課程〉 (31)平成24年度学習のしおり〈卒 業・幼二種・保育士・司書課程〉 単位認定の状況表(評価実施年度の前年度 (32)平成23年度単位認定状況表 に卒業した学生が入学時から卒業までに履 修した科目について) 学習成果を表す量的・質的データに関する (33)GPA資料 印刷物 (34)懇談会資料 (35)成績評価報告書 (36)成績原簿 B 学習支援 学生便覧等(学則を含む) 、学習支援のため (3)学生便覧2011 に配布している印刷物 (4)学生便覧2012 (21)教育課程(履修要項)平成 23年度 (22)教育課程(履修要項)平成 24年度 (30)平成23年度学習のしおり〈卒 業・幼二種・保育士・司書課 程〉 (31)平成24年度学習のしおり〈卒 業・幼二種・保育士・司書課 程〉 学生支援の満足度についての調査結果 (19)2011卒業生の意識調査報告 30 提出 資料 備付 資料 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ 聖徳大学短期大学部 記述の根拠となる資料等 就職先からの卒業生に対する評価結果 卒業生アンケートの調査結果 短期大学案内・募集要項・入学願書 入学志願者に対する入学までの情報提供の ための印刷物等 入学手続者に対する入学までの学習支援の ための印刷物等 学生の履修指導(ガイダンス、オリエンテ ーション)等に関する資料 資料名 (37)訪問指導報告書 (19)2011卒業生の意識調査報告 (1)総合案内2012 (2)総合案内2013 (38)SEITOKU 聖徳大学通信教育 部/2012 (39)平成24年度聖徳大学・聖徳 大学短期大学部入試要項(推薦 入試・特別入試・一般入試) (40)平成24年度聖徳大学・聖徳 大学短期大学部AO(アドミッ ション・オフィス)入試要項 (41)平成24年度聖徳大学・聖徳 大学短期大学部入学金等減免 〈特別〉指定校推薦入試要項 (42)平成24年度聖徳大学・聖徳 大学短期大学部指定校推薦入試 要項 (43)平成24年度聖徳大学・聖徳 大学短期大学部私費留学生・私 費留学生特別奨学生入試 帰国 子女特別・社会人特別入試要項 (44)平成24年度聖徳大学・聖徳 大学短期大学部編入学入試要項 専攻科入試要項 (45)平成24年度聖徳大学・聖徳 大学短期大学部〈アスリート・ サポート〉特別奨学推薦入試要 項 (46)平成24年度聖徳大学・聖徳 大学短期大学部(一年次入学) 〈アスリート・セカンドキャリ ア支援〉特別奨学推薦入試要項 (47)平成24年度 4月生・10月 生 学生募集要項 (1)総合案内2012 (2)総合案内2013 (38)SEITOKU 聖徳大学通信教育 部/2012 (48)目的別対応コース表-2012 版あなたのキャリアと目的の免 許・資格の対応表 (49)入学手続についてのお願い (50)入学前学習について (51)新入生オリエンテーション プログラム 平成24年度 (52)聖徳通信 (53)在学生オリエンテーション 資料 31 提出 資料 備付 資料 ○ ○ ◎ ○ ○ ○ 聖徳大学短期大学部 記述の根拠となる資料等 学生支援のための学生の個人情報を記録す る様式 進路一覧表等の実績(過去3年)について の印刷物 GPA等成績分布 学生による授業評価票及びその評価結果 社会人受け入れについての印刷物等 海外留学希望者に向けた印刷物等 FD活動の記録 SD活動の記録 基準Ⅲ:教育資源と財的資源 A 人的資源 教員の個人調書(専任教員については教員 履歴書、非常勤教員については過去5年間 の業績調書) 教員の研究活動について公開している印刷 物等(過去3年) 資料名 (54)時間割 (21)教育課程(履修要項)平成 23年度 (22)教育課程(履修要項)平成 24年度 (24)2011授業計画(SYLLABUS) ―平成23年度― 保育科 (25)2011授業計画(SYLLABUS) ―平成23年度― 総合文化学科 (26)2011授業計画(SYLLABUS) ―平成23年度― 専攻科 (27)2012授業計画(SYLLABUS) ―平成24年度― 保育科 (28)2012授業計画(SYLLABUS) ―平成24年度― 総合文化学科 (29)2012授業計画(SYLLABUS) ―平成24年度― 専攻科 (30)平成23年度学習のしおり〈卒 業・幼二種・保育士・司書課程〉 (31)平成24年度学習のしおり〈卒 業・幼二種・保育士・司書課程〉 (55)聖徳大学Webポータルシステ ム(Active Academy)の手引き (56)Uni Vision(学生情報画面) (57)進路調査カード (58)進路一覧表 (33)GPA資料 (32)平成23年度単位認定状況表 (13)明日の教育を目指して―学 生による授業評価(アンケート 調査)の結果の考察―2010 「該当なし」 (3)学生便覧2011 (4)学生便覧2012 (59)一般公開授業時間割 (60)公開授業に対する評価表(様 式3) (61)一般公開授業報告書 (62)研修朝礼報告予定表 (63)教員紹介ページ http://www.seitoku.jp/daigaku/ kyoinfd/gaka.html (64)教育研究業績書 (8)平成20年度年次報告書 (9)平成21年度年次報告書 32 提出 資料 備付 資料 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 聖徳大学短期大学部 記述の根拠となる資料等 専任教員等の年齢構成表 科学研究費補助金等、外部研究資金の獲得 状況一覧表 研究紀要・論文集(過去3年) 事務職員の一覧表(氏名・最終学歴) B 物的資源 校地、校舎に関する図面(全体図、校舎等 の位置を示す配置図、用途(室名)を示し た各階の図面、校地間の距離、校地間の交 通手段等) 図書館、学習資源センターの概要(平面図、 蔵書数、学術雑誌数、AV資料数、座席数 等) C 技術的資源 学内LANの施設状況 資料名 提出 資料 (10)平成22年度年次報告書 (※平成23年度は作成中) (63)教員紹介ページ http://www.seitoku.jp/daigaku/ kyoinfd/gaka.html (65)教員数及び教員の学位保有 状況 http://www.seitoku.jp/jouhou_d atafile/top.html (66)科学研究費補助金等、外部 研究資金の獲得状況一覧表 (67)聖徳大学研究紀要 短期大 学部 第42号 (2009) (68)聖徳大学研究紀要 短期大 学部 第43号 (2010) (69)聖徳大学研究紀要 短期大 学部 第44号 (2011) (70)-(FD)紀要- 聖徳の教 え育む技法 第4号 (71)-(FD)紀要- 聖徳の教 え育む技法 第5号 (72)-(FD)紀要- 聖徳の教 え育む技法 第6号 (73)事務職員一覧 ○ ○ ○ ○ (3)学生便覧2011 (4)学生便覧2012 (74)位置及び校地、校舎の配置 図の概要 (3)学生便覧2011 (4)学生便覧2012 ○ ○ (3)学生便覧2011 (4)学生便覧2012 (3)学生便覧2011 (4)学生便覧2012 マルチメディア教室、コンピュータ教室等 の配置図 D 財的資源 「資金収支計算書・消費収支 「資金収支計算書・消費収支計算書の概要 (75) 計算書の概要(過去3年)」[書 (過去3年)」[書式1]、「貸借対照表の概 式1] 要(過去3年) 」 [書式2] 、 「財務状況調べ」 「貸借対照表の概要(過去3 [書式3]及び「キャッシュフロー計算書」 (76) 年) 」 [書式2] [書式4] (77) 「財務状況調べ」 [書式3] 資金収支計算書・消費収支計算書(過去3 (78)平成21年度資金収支計算書 年) (79)平成22年度資金収支計算書 (80)平成23年度資金収支計算書 (81)平成21年度消費収支計算書 33 備付 資料 ○ ○ ◎ ◎ 聖徳大学短期大学部 記述の根拠となる資料等 貸借対照表(過去3年) 中・長期の財務計画 事業報告書(過去1年) 事業計画書/予算書(評価実施年度) 寄附金・学校債の募集についての印刷物等 財産目録及び計算書類(過去3年) 教育研究経費(過去3年)の表 基準Ⅳ:リーダーシップとガバナンス A 理事長のリーダーシップ 理事長の履歴書 現在の理事・監事・評議員名簿(外部役員 の場合は職業・役職等を記載) 理事会議事録(過去3年) 寄附行為 諸規程集 組織・総務関係 資料名 (82)平成22年度消費収支計算書 (83)平成23年度消費収支計算書 (84)平成21年度貸借対照表 (85)平成22年度貸借対照表 (86)平成23年度貸借対照表 (87)財務計画 (88)平成23年度事業報告書 (89)平成24年度事業計画書 (90)平成24年度予算書 (91)創立75周年記念事業募金趣 意書 (92)平成21年度決算報告書 (93)平成22年度決算報告書 (94)平成23年度決算報告書 (95)教育研究経費(過去3年) 提出 資料 備付 資料 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ (96)理事長の履歴書 (97)理事・監事・評議員名簿 ○ ○ (98)理事会議事録 (99)学校法人東京聖徳学園寄附 行為 (100)規程集 学校法人東京聖徳学園組織規程、 学校法人東京聖徳学園事務分掌規 程、学園文書処理規程、公印取扱 規程、個人情報保護基本規程、リ スクマネジメント規程、罰則処理 規程、個人情報取扱規程、セキュ リティ対策規程、情報システムセ キュリティ対策規程、緊急時対応 規程、苦情及び相談対応規程、コ ンプライアンス・プログラム文書 管理規程、委託先管理規程、法規 制管理規程、聖徳大学及び聖徳大 学短期大学部における研究活動の 不正行為に対する通報等に関する 取扱要領、財務情報の公開基本要 領、聖徳大学短期大学部自己点 検・評価委員会規程、聖徳大学川 並弘昭記念図書館規程、聖徳大学 ヒューマンスタディに関する倫理 委員会規程、聖徳大学短期大学部 企画委員会規程、聖徳大学短期大 学部自己点検・評価委員会規程、 聖徳大学短期大学部相互評価委員 会規程、聖徳大学短期大学部教務 ○ 34 ◎ ○ 聖徳大学短期大学部 記述の根拠となる資料等 人事・給与関係 財務関係 資料名 委員会規程、聖徳大学短期大学部 学生生活委員会規程、聖徳大学短 期大学部就職委員会規程、聖徳大 学短期大学部学寮委員会規程、聖 徳大学短期大学部図書委員会規 程、聖徳大学短期大学部紀要委員 会規程、聖徳大学短期大学部全学 実習委員会規程、聖徳大学短期大 学部国際交流委員会規程、聖徳大 学短期大学部生涯学習委員会規 程、聖徳大学短期大学部入試・学 生募集対策委員会規程、聖徳大学 短期大学部情報教育委員会規程、 聖徳大学知財戦略委員会規程、聖 徳大学教員免許更新講習委員会 規程、聖徳大学全学教職・資格課 程委員会規程、学生ボランティア 活動支援委員会規程、聖徳大学A O入試研究センター規程 就業規則、再雇用職員就業規則、 第一種嘱託職員就業規則、特任職 員任用細則、第二種嘱託職員就業 規則、聖徳大学・聖徳大学短期大 学部教員勤務細則、聖徳大学短期 大学部教員選考基準、聖徳大学短 期大学部教員選考基準細則、聖徳 大学・聖徳大学短期大学部教員選 考基準細則取扱、聖徳大学・聖徳 大学短期大学部客員教員に関する 規程、助手の任期等に関する規程、 副手規程、聖徳大学短期大学部副 学長選任規程、聖徳大学及び聖徳 大学短期大学部相談役選任規程、 聖徳大学並びに聖徳大学短期大学 部学長補佐及び学長特別補佐選任 規程、定年規程、学校法人東京聖 徳学園役員報酬等規程、給与規程、 退職金規程、学校法人東京聖徳学 園国内旅費規程、学生募集等出張 運用内規、学校法人東京聖徳学園 海外旅費規程、育児休業および育 児短時間勤務に関する規程、介護 休業および介護短時間勤務に関す る規程、聖徳大学短期大学部教員 懲戒委員会規程 東京聖徳学園経理規程、固定資 産・物品管理規程、服務のしおり (ハンドブック) 、備品管理実施要 領 35 提出 資料 備付 資料 聖徳大学短期大学部 記述の根拠となる資料等 教学関係 資料名 聖徳大学短期大学部学則、聖徳大 学短期大学部通信教育部学則、聖 徳大学短期大学部学長選任規程、 聖徳大学及び聖徳大学短期大学部 学科長等選任規程、聖徳大学短期 大学部学科長会規程、聖徳大学短 期大学部教授会規程、聖徳大学・ 聖徳大学短期大学部特別奨学生規 程、聖徳大学・聖徳大学短期大学 部入試要項(推薦入試・特別入試・ 一般入試) 、聖徳大学・聖徳大学短 期大学部AO(アドミッション・ オフィス)入試要項、聖徳大学・ 聖徳大学短期大学部入学金等減免 〈特別〉指定校推薦入試要項、聖 徳大学・聖徳大学短期大学部指定 校推薦入試要項、聖徳大学・聖徳 大学短期大学部私費留学生・私費 留学生特別奨学生入試 帰国子女 特別・社会人特別入試要項、聖徳 大学・聖徳大学短期大学部編入学 入試要項 専攻科入試要項、聖徳 大学・聖徳大学短期大学部〈アス リート・サポート〉特別奨学推薦 入試要項、聖徳大学・聖徳大学短 期大学部(一年次入学) 〈アスリー ト・セカンドキャリア支援〉特別 奨学推薦入試要項、平成 24 年度4 月生・10 月生学生募集要項、東京 聖徳学園川並奨学基金規程、川並 奨学金の給付に関する細則、川並 奨学基金運用規則、川並奨学金の 給付に関する細則、川並奨学金支 給事務取扱要項、聖徳大学短期大 学部外国人留学生に対する川並奨 学金給付に関する規定、聖徳大学 及び聖徳大学短期大学部における 研究活動に係る行動規範、聖徳大 学ヒューマンスタディに関する倫 理規程、学校法人東京聖徳学園セ クシュアル・ハラスメントの防止 に関する規程、学校法人東京聖徳 学園セクシュアル・ハラスメント 防止委員会規程、学校法人東京聖 徳学園セクシュアル・ハラスメン ト対策委員会規程、学校法人東京 聖徳学園セクシュアル・ハラスメ ント調査委員会規程、学校法人東 京聖徳学園セクシュアル・ハラス 36 提出 資料 備付 資料 聖徳大学短期大学部 記述の根拠となる資料等 資料名 提出 資料 備付 資料 メント防止機構図、聖徳大学研究 紀要投稿細則、聖徳大学及び聖徳 大学短期大学部における研究活動 の不正行為に対する通報等に関す る取扱要領、教育の質マニュアル B 学長のリーダーシップ 学長の履歴書・業績調書 教授会議事録(過去3年) 委員会等の議事録(過去3年) C ガバナンス 監事の監査状況(過去3年) 評議員会議事録(過去3年) 選択的評価基準 1.教養教育の取り組みについて (101)学長の履歴書・業績調書 (102)学科長会議事録 (103)教授会議事録 (104)企画委員会議事録 (105)自己点検・評価委員会議事 録 (106)知財戦略委員会議事録 (107)教務委員会議事録 (108)学生生活委員会議事録 (109)就職委員会議事録 (110)学寮委員会議事録 (111)図書委員会議事録 (112)紀要委員会議事録 (113)全学実習委員会議事録 (114)国際交流委員会議事録 (115)生涯学習委員会議事録 (116)入試・学生募集対策委員会 議事録 (117)情報教育委員会議事録 (118)ボランティア活動支援委員 会議事録 (119)教員免許更新講習委員会議 事録 (120)全学教職・資格課程委員会 議事録 ○ ○ ○ (121)監事の監査報告書 (122)評議員会議事録 ○ ○ (19)2011卒業生の意識調査報告 (123)聖徳学園シリーズコンサ ート公演予定 演奏会解説 (124) 「新入生歓迎フレンドシッ プ・ツアー」しおり (125) 「学外研修Ⅰ(志賀高原研 修) 」しおり (126)「学外研修Ⅱ(北海道研 修) 」しおり (127) 「テーブルマナー」しおり (128) 「基礎ゼミⅠ・Ⅱ」授業内 容 37 ○ 聖徳大学短期大学部 記述の根拠となる資料等 資料名 提出 資料 備付 資料 (129)キャリアデザイン・ノー ト 2.職業教育の取り組みについて (130) 「SEITOKU夏期保育 大学」パンフレット (131) 「気づきノート」 (132) 「自らが考えチーム貢献で きる保育者養成―異学年共同 コミュニティによる課題解決 型学習」パンフレット (133) 「人間力を養成するユニッ ト別キャリア教育―社会に貢 献できる自立した女性の育成」 (134) 「実学・実践による女性の コンピテンシー育成―キャリ アの自己管理から就業能力の 育成へー」パンフレット ○ (135) 「SOA公開講座」パンフ レット (136) 「教員免許更新講習」パン フレット (137) 「免許法認定公開講座」パ ンフレット (138) 「司書・司書補講習」パン フレット (139) 「介護技術講習」パンフレ ット (140) 「出前授業」パンフレット ○ 3.地域貢献の取り組みについて 38 様式6―基準Ⅰ 聖徳大学短期大学部 [基準Ⅰ 建学の精神と教育の効果] (a)基準Ⅰの自己点検・評価の要約を記述する。 聖徳大学短期大学部は、聖徳太子の「和」の精神を建学の理念として明確に掲げ、今 日に至るまで「人間教育」 「女性教育」という大きな柱を基礎として「和」の精神の実現 に努めている。 「和」の精神は学生便覧にわかりやすく示されており、学生、保護者、教 職員に共有されている。教職員も学生も、学内において、普段から建学の精神を様々な 形で具現化している。さらに、教職員は創立記念日式典等の行事の際に、建学の精神に ついて定期的に確認をしている。また、学生は普段の学生生活だけでなく、聖徳教育を はじめとする集団生活の機会に、 「和」の精神を実現し、重要性を確認している。 建学の精神に基づき、学則第 1 条に本学の目的を、それを受けて第 1 条の2に保育科 第一部、第二部、総合文化学科の人材の育成に関する目的及び教育研究上の目的を定め ている。保育科の人材の育成に関する目的は「和」の精神に基づき社会貢献できる保育 者の養成である。総合文化学科の人材の育成に関する目的は「和」の精神に基づき豊か な人間性と創造性を備えた人材の養成である。 保育科、総合文化学科ともに、建学の精神及び人材の育成に関する目的及び教育研究 上の目的に基づいて、 学位授与の方針にそれぞれの学科の学習成果を明確に示している。 すなわち保育科は、 「子どもおよび幼児教育に対する情熱・使命感・責任感」 「保育に関 する専門的知識」 「課題探求能力」 「理論と実践を結びつけた主体的な学習能力」 「実践的 な技能と表現力」 「人間関係調整力」 「チームに貢献できる力」である。また、総合文化 学科は、10 のブランチ(専門分野)それぞれの専門知識と技能の習得とともに「女性と して自立できる能力」 「新たな課題に挑戦できる力」 「広い視野で他者の立場を理解し物 事を判断できる能力」である。 なお、建学の精神に基づき、学則第 43 条に専攻科の目的を定めている。さらに、各専 攻の目的及び目標が「入学案内」に示されている。特に目標は各専攻の学習成果につな がるものである。 本学はISO9001 の「教育の質マニュアル」に基づき、学習成果を焦点とする査定の 手法を有しており、教員はこのマニュアルに則って学習成果を測定しており、教育の質 保証を担保している。 「教育の質マニュアル」に従い、教員は学習成果をあげるために、 シラバスに記載した各科目の授業目標、授業計画、総合評価の割合等を厳守している。 学生の学習成果を量的・質的データとして測定し、各教員の学習成果の測定結果は、学 科の科別会で定期的に検討・点検している。 学部及び短期大学部の教員と事務職員で自己点検・評価委員会を組織している。平成 15 年に取得した品質マネジメントシステムISO9001 の「教育の質マニュアル」に基づ き、自己点検・評価委員会の指導の下に、関連する事務局との連携により、シラバス、 成績評価、担任指導、FD活動等について日常的・定期的に自己点検・評価を行ってい る。また、自己点検・評価の成果も毎年、公表している。教員は、シラバス、成績評価、 担任指導、FD活動等の自己点検・評価活動に真摯に取り組んでいる。また、事務職員 39 聖徳大学短期大学部 は連絡、印刷、広報活動等で積極的に関与している。教員は、自己点検・評価活動を通 じて得られた成果を恒常的に役立てている。 (b)基準Ⅰの自己点検・評価に基づく行動計画を記述する。 第 1 に、教職員がそれぞれの教育活動、事務活動で「建学の精神」を具現化すること により、学生に「建学の精神」がどの程度浸透しているかを確認する。具体的には、3 月に卒業予定者に行う「卒業生の意識調査」 (アンケート)で、学生の「建学の精神」の 浸透度を測定・評価する。その結果を教員会、科別会等で検討し、さらに次年度に活か す。 第 2 に、平成 24 年 4 月より1年間にわたり、各学科のカリキュラムマップ、カリキュ ラムツリーの作成を通じて、全教員が学科の教育目的及び学習成果と各科目との相関に ついて認識をさらに深めるようにする。同時にこのことにより学科のカリキュラムの見 直しを行い、各教員はシラバスの改訂に役立てるようにする。 第 3 に、3 月に卒業予定者に行う「卒業生の意識調査」で、学生自身が学科の学習成 果をどの程度達成したかを調査する。 第 4 に、学科の科別会で、シラバス、成績評価、担任指導、FD活動についての自己 点検・評価の問題点を抽出し、改善に努める。 [テーマ] 基準Ⅰ―A 建学の精神 (a)テーマ全体の自己点検・評価の要約を記述する。 聖徳大学短期大学部は、聖徳太子の「和」の精神を建学の理念として明確に掲げ、今 日に至るまで「人間教育」 「女性教育」という大きな柱を基礎として「和」の精神の実現 に努めている。 「和」の精神は学生便覧にわかりやすく示されており、学生、保護者、教 職員に共有されている。教職員も学生も、学内において、普段から建学の精神を様々な 形で具現化している。さらに、教職員は創立記念日式典等の行事の際に、建学の精神に ついて定期的に確認をしている。また、学生は普段の学生生活だけでなく、入学式、学 位授与式、新入生歓迎フレンドシップ・ツアー(FT)をはじめ、聖徳教育の学外研修 における集団生活の機会などに、 「和」の精神を実現し、重要性を確認している。 (b)自己点検・評価に基づく改善計画を記述する。 学生に建学の精神がどの程度浸透しているかを確認するための計画を立て、 実行する。 [区分] 基準Ⅰ―A―1 建学の精神が確立している。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 聖徳大学短期大学部の建学の精神「和」及びその教育理念・理想について、以下のよ 40 聖徳大学短期大学部 うに端的に示している。 本学は、創立者で初代学長の川並香順先生により、日本文化の祖と仰がれる聖徳太子の「和」の精神を建 学の理念として揚げ、今日まで「人間教育」 「女性教育」という大きな柱を基礎として、 「和」の精神の実現 に努めています。「和」とは、なごみであり、親しみであり、穏やかさであり、助け合うことであり、他人 を思いやることです。 ※「学生便覧」 以上から明らかなように、短期大学部は、 「和」の精神による「人間教育」 「女性教育」 を実現することを目指している。そして「和」の精神が示す教育理念・理想は、子ども を育てるよき母親として、よき幼児教育者として、世界を舞台に活躍できる女性として ふさわしい、思いやり、やさしさ、協調性といった「心」を育てることにある。 短期大学部の新入生には、内容が整備された「学生便覧」を年度当初に配布し、新入 生オリエンテーションで説明をしている。学生便覧は、本学の兼任教員を含めて教職員 全員に配布している。兼任教員には、前後期の授業開始にあたって開催する「兼任教員 会」で、学長又は副学長が口頭で建学の精神について説明している。通信教育部の学生 には、 「履修と学習の手引き」を配布し、学習ガイダンスを実施し、建学の精神について 説明している。新入生の保護者は入学式に参加することになっており、式終了後の最初 の保護者会で保護者に学生便覧を配布し、各学科長より「建学の精神」の説明を受けて いる。さらに、後援会支部総会・保護者会(11 支部にわたる)で保護者に再度説明して いる。 建学の精神は本学のホームページ、 「入試要項」 、本学について紹介している「SEI TOKU 総合案内」に記載のうえ公表し、オープンキャンパス、キャンパス見学、高 校教員対象入学説明会、高校訪問、各種進学相談会、各種ガイダンス等の機会に説明し、 積極的に周知を図っている。 全学共通科目「聖徳教育」は建学の精神「和」を具現化した科目である。学生だけで なく指導する教員も、聖徳教育によって建学の精神を共有することができる。さらに建 学の精神「和」は、以下のように具体的な形で学内において教職員、学生が日常的に共 有している。学内における教職員及び学生同士の挨拶、全ての授業における授業前・授 業後の挨拶を励行している。学生の授業への出席、教職員の会議への出席を励行してい る。 クリスタルホール 1 階の聖徳学園建学記念館には、聖徳学園の創立者川並香順・孝子 両先生の生い立ちを前史として、昭和 8 年に「和」を建学の理念として聖徳家政学院、 新井宿幼稚園を開いてから、今日に至るまでの学園の発展を実物資料や映像資料によっ て紹介している。従って学生や教職員はいつでも建学の精神に触れることができる。ま た、学内には、聖徳太子の肖像画、川並香順・孝子両先生の写真が掲示され、 「和」の精 神を具現化したモニュメントが展示されており、学生、教職員は常に建学の精神に触れ ていると言える。 毎年 4 月 27 日に創立記念日式典を開催し、学園の全教職員が出席する。学長の講話や 特別講師による講演により、全員が建学の精神「和」を確認しあう機会となっている。 41 聖徳大学短期大学部 学生にあっては、入学式、学位授与式、さらに聖徳教育の一環として実施する新入生 歓迎フレンドシップ・ツアー(FT) 、学外研修Ⅰ(志賀高原研修) 、学外研修Ⅱ(北海 道研修)などの集団生活の機会に建学の精神「和」の重要性を確認している。なお、研 修に出席した学生のレポートを読むことにより、建学の精神の浸透度をある程度確認す ることができる。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 建学の精神は確立しており、学生、保護者、教職員に共有されており、課題は特に見 あたらない。ただし、今後は学生に「建学の精神」がどれだけ浸透しているかを測定・ 評価する必要がある。 [テーマ] Ⅰ―B 教育の効果 (a)テーマ全体の自己点検・評価を基に現状を記述する。 建学の精神に基づき、学則第1条に本学の目的を、それを受けて第 1 条の2に保育科 第一部、第二部、総合文化学科の人材の育成に関する目的及び教育研究上の目的を定め ている。保育科の人材の育成に関する目的は「和」の精神に基づき社会貢献できる保育 者の養成である。総合文化学科の人材の育成に関する目的は「和」の精神に基づき豊か な人間性と創造性を備えた人材の養成である。両学科ともに、その教育目的に学習成果 を明確に示している。両学科の教育目的は学生便覧に示しており、短期大学部のホーム ページで公表している。新入生、保護者、兼任教員には口頭で伝えている。また、両学 科とも科別会で教育目的を定期的に点検している。 保育科、総合文化学科ともに建学の精神及び教育目的に基づいて、学位授与の方針に 学習成果を明確に示している。すなわち保育科は、「子どもおよび幼児教育に対する情 熱・使命感・責任感」 「保育に関する専門的知識」 「課題探求能力」 「理論と実践を結びつ けた主体的な学習能力」 「実践的な技能と表現力」 「人間関係調整力」 「チームに貢献でき る力」である。総合文化学科は、10 のブランチ(専門分野)それぞれの専門的知識と技 能の習得とともに「女性として自立できる能力」 「新たな課題に挑戦できる力」 「広い視 野で他者の立場を理解し物事を判断できる能力」である。 専攻科の目的は学則第 43 条に示されており、 本学を卒業した学生又は同等以上の学力 のある者に対し、一層高度な知識を与え、かつ、自発的研究の能力及び態度を養うこと を目的としている。さらに、各専攻の目的及び目標が「入学案内」に示されている。特 に目標は各専攻の学習成果につながるものである。 教員は、シラバスに記載した「評価の要点」 「総合評価の割合」を厳守し、さらに学習 の進行状況に応じての評価を行うなど、量的・質的データとして測定する仕組みを備え ており、学習成果の点検も実施している。また、最終的な学習成果としての卒業者数、 就職者数等の基本的データは本学ホームページで紹介している。 42 聖徳大学短期大学部 保育科、総合文化学科ともに学校教育法、短期大学設置基準、教育職員免許法、児童 福祉法施行規則等の変更や改正について文部科学省、厚生労働省の通達、官報を適宜確 認し、法令順守に努め、確実に教育に反映している。さらに教員は、 「教育の質マニュア ル」に基づき、以下の通りに成績評価、授業評価、担任評価を行い、教育の質を保証し ている。 教員は、シラバスの「総合評価の割合」に則った成績評価、学習達成度に基づいた成 績評価、絶対評価に基づいてC段階を基準とする成績評価等、学習成果を焦点とする査 定の手法を有している。 「公開授業」 「学生の授業評価」 (アンケート調査) 「成績評価報告書」 「学生による授 業アンケート・・・結果の考察」等を活用することにより、的確なPDCAサイクルに 従って授業・成績評価を行っている。 担任指導については、 「担任指導の指針」の確認に始まり、 「クラス担任マニュアル」 に基づいて学生指導を行い、保護者との面談を経て前期・後期の学期末には「担任報告 書」を提出する。的確なPDCAサイクルに従って担任指導を行っている。 本学はISO9001 の「教育の質マニュアル」に基づき、学習成果を焦点とする査定の 手法を有しており、教員はこのマニュアルに則って学習成果を測定しており、教育の質 保証を担保している。 「教育の質マニュアル」に従い、教員は学習成果をあげるために、 シラバスに記載した各科目の授業目標、授業計画、総合評価の割合等を厳守している。 学生の学習成果を量的・質的データとして測定し、各教員の学習成果の測定結果は、学 科の科別会で定期的に検討・点検している。 聖徳大学短期大学部の教育方針 ○建学の精神「和」及びその教育理念・理想 本学は、創立者で初代学長の川並香順先生により、日本文化の祖と仰がれる聖徳太子の「和」の精神を 建学の理念として掲げ、今日まで「人間教育」 「女性教育」という大きな柱を基礎として、 「和」の精神の 実現に努めています。 「和」とは、なごみであり、親しみであり、穏やかさであり、助け合うことであり、 他人を思いやることです。 ※「学生便覧」 ○学則第 1 条 短期大学部の目的 本学は聖徳大学短期大学部と称し、聖徳太子の「和」の精神を建学の理念として学校教育法に則り、一 般教育と密接な関係を保ちつつ保育・生活文化・福祉ならびに文学に関する理論と実際にわたり教授・研 究し、かつ、円満な人格を陶冶して文化国家の要望する良識と技能をそなえた文化人・家庭人としての良 き女性の育成を目的とする。 ○学則第 1 条の2 保育科第一部、保育科第二部、総合文化学科の目的 本学の人材の育成に関する目的及び教育研究上の目的は次のとおりとする。 一 保育科第一部 保育に関する理論と技術に立脚しつつ、幅広く教育研究を展開し、保育に必要な専門的な力量及び実践 的な指導力を培い、社会に広く貢献できる幼稚園教諭・保育士の養成を目的とする。 二 保育科第二部 保育に関する理論と技術に立脚しつつ、幅広く教育研究を展開し、主に働きながら学ぶ社会人を対象と して、保育に必要な専門的な力量及び実践的な指導力を培い、社会に広く貢献できる幼稚園教諭・保育士 の養成を目的とする。 三 総合文化学科 多様な学習ニーズに柔軟に対応できる教育課程を通じて、豊かな人間性と創造性を備えた人材を養成す る。また、社会に開かれた短期大学として、社会・経済の活性化や地域コミュニティーの形成に積極的に 貢献していくことを目的とする。 ※「学生便覧」 43 聖徳大学短期大学部 ○学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー) 聖徳大学短期大学部は、聖徳太子の「和」の精神を建学の理念とし、円満な人格を備え、広い見識と専 門性、創造性を有する「実践力のある女性」の育成という教育目標を掲げ、これを具現化することを意図 したカリキュラム(教育課程)編成をしている。このカリキュラムにおいては、厳格な成績評価を行い、 所定の単位を修め、実現力・実践力・人間力を備えた学生に卒業を認定し、学位を授与する。 ・保育科 短期大学士(保育) 幼児教育に関する理論と技術を幅広く勉学することにより、保育に必要な専門的力量および実践的指導 力を身につけ、社会の一員として適切に行動することができる幼稚園教諭または保育士の養成を目的とし ており、以下の知識・能力・人間性を有するに至った者に学位を授与する。 1.子どもおよび幼児教育に対する情熱・使命感・責任感を身につけている。 2.保育に関する専門的知識を修得している。 3.課題探求能力を持ち、理論と実践を結びつけた主体的な学習ができる。 4.保育専門職にふさわしい実践的な技能と表現力を身につけている。 5.人間関係調整力を持ち、 「チームに貢献できる力」を身につけている。 ・総合文化学科 短期大学士(デザイン) (ファッション) (情報) (フード) (トラベル・観光) (文芸・ 言語) (健康教育) デザイン・インテリア、ファッション、ITコミュニケーション、フード・調理、製菓、観光・ホテル、 文芸・編集、図書館司書、養護・保健、幼児栄養のいずれかのブランチ(専門分野)において専門的知識 と技能を身につけ、広い視野を持って社会に自立できる女性の育成を目的としており、以下の能力を有す るに至った者に学位を授与する。 1.現代社会で女性として自立できる能力を身につけている。 2.修得した能力を基にして新たな課題に挑戦できる力を有する。 3.広い視野を持ち、他者の立場を理解して物事を判断できる能力を身につけている。 ※「教学経営方針」 「学生便覧」 「ホームページ」 ○教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー) 教育目標を実現するために、すべての学生に提供する「全学共通科目」と各学科の「専門教育科目」の 二つを大きな柱としている。全学共通科目では、多彩な領域と礼節を学び、専門性にとらわれない幅広い 視野と豊かな人格形成の基本を育成するカリキュラム、専門科目では、それぞれの学科の教育目標に合わ せ、理論と実践を体系的に学ぶ段階的カリキュラムを編成している。 ・保育科 短期大学士(保育) 学科の教育目的を達成するために、以下のような方針に基づく教育課程の編成・実施を行う。 1.幼稚園・保育所等の現場に通用する教育力を養うため、理論とともに実技・実習を重視する。 2. 「聖徳教育」 「礼法」を基礎とした教養教育、幼児教育に関する専門教育、創造力と表現力を育成する 表現教育、人間関係調整力や課題探求能力を育成する教育、専門的知識や実践的指導力を学ぶ実習教育 等を有機的・発展的に結びつける。 ・総合文化学科 短期大学士(デザイン) (ファッション) (情報) (フード) (トラベル・観光) (文芸・ 言語) (健康教育) 学科の教育目的を達成するために、以下のような方針に基づく教育課程の編成・実施を行う。 1.人文科学系および自然科学系の各総合講義を履修し、基礎学力を養う。 2.卒業後の社会生活に備え、二年間を通じて「キャリア導入」「自己探求」 「仕事探求」 「社会探求」か らなるキャリア教育プログラムを実施する。 3.広い視野を身につけるため、所属するブランチ以外の科目を自由に選択・履修することができるフレ キシブルな学習システムを探る。 ※「教学経営方針」 「学生便覧」 「ホームページ」 ○入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー) 聖徳大学短期大学部では、本学の教育理念を理解し、本学における学修を通して、礼節や広い見識と創 造性を育み、さまざまな課題を解決するために、自ら考え行動する意欲を持った女性を求めている。 ・保育科 短期大学士(保育) 保育科の教育目的を達成するため、以下のような条件を有する者を入学させる。 1.入学後の学修に必要な基礎学力を有する。 2.子どもと積極的にかかわり、活動する行動力がある。 3.ピアノ・表現遊び・創作舞踏などに親しみ、意欲的に学ぼうとしている。 4.人間・社会・自然・文化などにかかわる諸問題に関心を持ち、社会に積極的に貢献する意欲がある。 5.他者と積極的にコミュニケーションをとり、協調してものごとに取り組む態度が見られる。 ・総合文化学科 短期大学士(デザイン) (ファッション) (情報) (フード) (トラベル・観光)(文芸・ 言語) (健康教育) 学科の教育目的を達成するため、以下のような条件を有する者を入学させる。 44 聖徳大学短期大学部 1.いろいろなことにチャレンジする意欲を有する。 2.自分の能力を伸ばすために日常の努力を惜しまない気力を有する。 3.将来の活躍を目指し、自分の可能性を追求する積極性を有する。 ※「教学経営方針」 「学生便覧」 「ホームページ」 ○学則第 43 条 専攻科の目的 専攻科は、本学の卒業生又はそれと同等以上の学力のある者に対し、一層高度な知識を与え、かつ、自発 的研究の能力及び態度を養うことを目的とする。 ※「学生便覧」 ○各専攻の目的 ・保育専攻 専門科目への見識を深め、幼児教育の指導者を目指す。 ・医療保育専攻 入院中の子どもや、病後のケアが必要な子どもの保育を学ぶ。 ・介護福祉専攻 ニーズが高まる介護福祉士の受験資格が 1 年で取得可能である。 ・服飾専攻 多彩な角度からファッションにアプローチし、スペシャリストを目指す。 ※「入学案内」 ○各専攻の目標(学習成果) ・保育専攻 音楽・図画工作・体育・児童文化・英語といった基礎を学び、健康、人間関係、環境、言葉、表現の各領 域について理解を深める。幼稚園や地域で活躍できる指導的な幼児教育者を養成する。 ・医療保育専攻 入院中の子どもや、病後のケアが必要な子どもたちを、適切に保育し、心身の発達を促す。医療と看護の 知識を持った「医療保育のプロ」を育成する。 ・介護福祉専攻 高齢者や障がい者に対する福祉を幅広い視点でとらえ、専門的知識と技術を持った人材育成を目指す。ニ ーズが高まる介護福祉士の受験資格を、1 年で取得する。 ・服飾文化専攻 服飾について各側面からアプローチし、ファッションの総合的なスペシャリストを養成する。衣料管理士 1 級の資格が取得できる。 ※「入学案内」 (b)自己点検・評価に基づく改善計画を記述する。 カリキュラムマップ、カリキュラムツリーの作成により、全教員が学科の教育目的及 び学習成果と各科目との相関について認識をさらに深めるようにする。また、自らの担 当する科目と他教員の科目との相関についての理解を深めるようにする。 [区分] 基準Ⅰ―B-1 教育目的・目標が確立している。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 聖徳大学短期大学部学則第 1 条で本学の目的を次のように示している。 本学は聖徳大学短期大学部と称し、聖徳太子の「和」の精神を建学の理念として学校教育法に則り、一般 教育と密接な関係を保ちつつ保育・生活文化・福祉ならびに文学に関する理論と実際にわたり教授・研究し、 かつ、円満な人格を陶冶して文化国家の要望する良識と技能をそなえた文化人・家庭人としての良き女性の 育成を目的とする。 第 1 条において、 「和」の精神に基づき、専門の研究とともに円満な人格を陶冶して良 識と技能をそなえた良き女性の育成を目的として示している。さらに第 1 条を受けて、 第 1 条の2で、保育科第一部、第二部、総合文化学科の教育目的を次のように示してい る。 45 聖徳大学短期大学部 第1条の2 本学の人材の育成に関する目的及び教育研究上の目的は次の通りとする。 一 保育科第一部 保育に関する理論と技術に立脚しつつ、幅広く教育研究を展開し、保育に必要な専門的な力量及び実践的 な指導力を培い、社会に広く貢献できる幼稚園教諭・保育士の養成を目的とする。 ニ 保育科第二部 保育に関する理論と技術に立脚しつつ、幅広く教育研究を展開し、主に働きながら学ぶ社会人を対象とし て、保育に必要な力量及び実践的な指導力を培い、社会に広く貢献できる幼稚園教諭・保育士の養成を目的 とする。 三 総合文化学科 多様な学習ニーズに柔軟に対応できる教育課程を通じて、豊かな人間性と創造性を備えた人材を養成す る。また、社会に開かれた短期大学として、社会・経済の活性化や地域コミュニティーの形成に積極的に貢 献していくことを目的とする。 保育科は「和」の精神に基づき、社会貢献できる保育者の養成を目的としている。また、 総合文化学科は、 「和」の精神に基づき、豊かな人間性と創造性を備えた人材の養成を目 的としている。 短期大学部学則第 1 条で、保育科、総合文化学科ともに、一般教育と密接な関係を保 ちながら専門理論及び実際について教授・研究し、円満な人格を陶冶し、良識と技能を 備えた文化人・家庭人としての良き女性を育成することを目的とすると定めている。第 1 条を基に、第 1 条の2に、保育科、総合文化学科それぞれの人材育成に必要な学習成 果を以下の通り明確に示している。 保育科では、学習成果として、第 1 に、全学共通科目と専門教育科目による「幅広い 教育研究」を目指している。第 2 に、専門教育と実習を有機的に関連づけることにより 「専門的な力量及び実践的な指導力」を培う。第 3 に、人間性と専門性を備えた「社会 に広く貢献できる幼稚園教諭・保育士の養成」である。 総合文化学科では、 「多様な学習ニーズに柔軟に対応できる教育課程」 を編成しており、 教育課程そのものが学習成果を明確に示している。すなわち、多様な学習ニーズを受け てデザイン・インテリア、ファッション、ITコミュニケーション、フード・調理、製 菓、観光・ホテル、文芸・編集、図書館司書、養護・保健、幼児栄養の 10 ブランチ(専 門分野)のうち、主ブランチの学習と他のブランチの学習を選択することにより、 「豊か な人間性と創造性を備えた人材」を養成している。 専攻科の目的は学則第 43 条に示されており、 本学を卒業した学生又は同等以上の学力 のある者に対し、一層高度な知識を与え、かつ、自発的研究の能力及び態度を養うこと を目的としている。さらに、保育専攻は専門科目への見識を深め、幼児教育の指導者を 目指し、医療保育専攻は入院中の子どもや病後のケアが必要な子どもの保育を学び、介 護福祉専攻はニーズが高まる介護福祉士の受験資格が 1 年で取得可能であり、服飾文化 専攻は多彩な角度からファッションにアプローチしスペシャリストを目指すなど、それ ぞれの専攻の目的が明確な学習成果を示している。 保育科、総合文化学科、専攻科の教育目的・目標を学生便覧に掲載している。短期大 学部及び専攻科の新入生には、 「学生便覧」を年度当初に配布し、新入生オリエンテーシ ョンで説明をしている。兼任教員には、前期・後期の授業の開始にあたって開催する「兼 任教員会」で、各科長が学科の教育目的・目標の説明をしている。新入生の保護者には、 入学式当日の保護者会で各科長が学科の教育目的・目標の説明をしている。短期大学部 46 聖徳大学短期大学部 のホームページにも掲載しており、いつでも見ることができる。以上のように、保育科、 総合文化学科、専攻科は教育目的・目標を学内外に明確に表明している。 保育科、総合文化学科ともに、毎月開催する科別会で折にふれて学科及び専攻科カリ キュラムや教育内容が教育目的・目標に十分に則したものとなっているか点検している。 さらに、ISO9001 に基づき、両学科とも教育目的・目標に基づき中期ビジョン(5 年 後を見通す)及び年間の目標を設定し、実施状況を評価・報告することになっている。 なお、保育科、総合文化学科ともにそれぞれの教育目的・目標を点検することにより、 これまで以上に職業教育の充実の必要性を認識し、保育科は平成 21 年「学生生活を就職 活動へ発展させるための総合的支援」並びに「自ら考え行動しチーム貢献できる保育者 養成 異学年共同コミュニティによる課題解決型学習」 で文部科学省のGPを獲得した。 また、総合文化学科は平成 18 年「人間力を養成するユニット別キャリア教育 社会に貢 献できる自立した女性の育成」で文部科学省のGPを獲得し、さらに平成 22 年「実学・ 実践による女性のコンピテンシー育成 人間力から仕事力へのテイクオフ」で文部科学 省の「大学生の就業力育成事業」に採択された。以上のように両学科は教育目的・目標 に合致した、充実した職業教育を継続・実践している。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 保育科、総合文化学科、専攻科は教育目的が確立しており、学生便覧に掲載し、ホー ムページで公表している。新入生、保護者、兼任教員にも伝えている。従って教育目的 そのものの周知は行き届いていると言える。ただし、専任教員、兼任教員ともに、教育 目的と自らの担当する科目の相関だけでなく、自らの担当する科目と他教員の科目との 相関についての理解も深めることが必要である。 ⅠーB-2 学習成果を定めている。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 保育科、総合文化学科共に以下のように、学習成果を建学の精神に基づき明確に示し ている。 [保育科] 学位授与の方針に示している学習成果は、 「子どもおよび幼児教育に対する 情熱・使命感・責任感」 「保育に関する専門的知識」 「課題探求能力」 「理論と実践を結び つけた主体的な学習能力」 「実践的な技能と表現力」 「人間関係調整力」 「チームに貢献で きる力」である。これらの知識・能力・人間性は、まさに建学の精神「和」に基づく学 習成果と言える。 [総合文化学科] 学位授与の方針に示している学習成果は、10 のブランチ(専門分野) それぞれの専門的知識と技能の習得を礎にして、 「女性として自立できる能力」 、 「新たな 課題に挑戦できる力」 「広い視野で他者の立場を理解し物事を判断できる能力」という3 つの能力の獲得である。これらの能力の調和は、まさに建学の精神「和」に基づいた学 習成果と言える。 47 聖徳大学短期大学部 保育科、総合文化学科共に以下のように、学習成果を学科の教育目的・目標に基づき 明確に示している。 [保育科]保育科の教育目的は、学則第 1 条の2に定めている。 保育に関する理論と技術に立脚しつつ、幅広く教育研究を展開し、保育に必要な専門的な力量及び実践的 な指導力を培い、社会に広く貢献できる幼稚園教諭・保育士の養成を目的とする。 保育科の学習成果(学位授与の方針)の「子どもおよび幼児教育に対する情熱・使命 感・責任感」は教育目的の「社会に広く貢献できる幼稚園教諭・保育士の養成」に基づ いている。同様に「保育に関する専門的知識」は「専門的な力量」に、 「課題探求能力」 「理論と実践を結びつけた主体的な学習」は「幅広い教育研究」に、 「実践的な技能と表 現力」 「人間関係調整力」 「チームに貢献できる力」は「実践的な指導力」に基づいてい る。 [総合文化学科]総合文化学科の教育目的は、学則第 1 条の2に定めている。 多様な学習ニーズに柔軟に対応できる教育課程を通じて、豊かな人間性と創造性を備えた人材を養成す る。また、社会に開かれた短期大学として、社会・経済の活性化や地域コミュニティーの形成に積極的に貢 献していくことを目的とする。 第 1 条の2に示された総合文化学科の教育目的から明らかなように、総合文化学科の 学習成果である「10 のブランチそれぞれの専門的知識と技能の習得」は教育目的の「多 様な学習ニーズに柔軟に対応できる教育課程」 に基づいて達成されるものである。 また、 「女性として自立できる能力」 「新たな課題に挑戦できる力」 「広い視野で他者の立場を 理解し物事を判断できる能力」は「豊かな人間性と創造性」に基づくものである。 なお、専攻科については、建学の精神、教育目的に基づき各専攻の具体的な目標が「入 学案内」に示されており、これは学習成果につながるものである。例えば医療保育専攻 は「入院の子どもや、病後のケアが必要なこどもたちを、適切に保育し、心身の発達を 促す。医療と看護の知識を持った『医療保育のプロ』を育成する。 」である。 「教育の質マニュアル」に基づき、保育科、総合文化学科、専攻科に共通する、学習 成果を量的・質的データとして測定する仕組みは以下の通りである。各科目の担当教員 は、シラバスに記載した「授業の目標」に基づき「評価の要点」 「総合評価の割合」を厳 守して学生の学習成果を評価する。教員は定期試験だけで学生の学習成果を評価するの ではなく、学習の進行状況に応じて中間試験、小試験、レポート等を課して学習成果を 継続的に評価し、総合評価へとつなげていく。学期途中で開催される保護者会では、学 生の学習成果が記された面談用資料をもとに、本学教員が保護者と面談をおこなってい る。なお、学期終了時に、各学生の累積GPAを測定し、クラス担任、保護者に報告す る。 保育科、総合文化学科独自の学習成果の測定は以下の通りである。 [保育科] 「聖徳教育Ⅲ~1(基礎ゼミⅠ) 」 「基礎専門体育Ⅰ」 「基礎専門体育Ⅱ」 「音 楽Ⅰ」その他、同一科目を複数の教員が担当する場合は、教員同士が同一のシラバスに 従い、同一の評価基準で学生の学習成果を評価する。 幼稚園実習、保育所実習、施設実習については、実習園を基に、各実習委員会で決め た評価基準に従って総合的に評価する。 48 聖徳大学短期大学部 [総合文化学科] 学習成果の測定については、全科目を通じて、GPAを用いた数値 化によって把握できる。とりわけ、前項の教育目的を達成するために設置された基幹科 目である「自然科学総合講義」 「人文科学総合講義」 (以下「総合講義」とする)及び「キ ャリアスタディⅠ・Ⅱ」においては、独自の方法を用いて測定を行っている。総合講義 では、入学時に実施する試験によって、能力別クラスを編成している。そのうち、最上 位クラスをSPI対策講座として特設し、模擬試験を適宜行いながら、偏差値の推移を 測定している。 また、 「キャリアスタディⅠ」 (1 年次開講)では、学生は前期にマナー講座の受講後、 マナープロトコル協会主催の検定試験を受験する。後期にはBISOCIE新聞(6~8 グループに分かれた学生が自主的に選んだテーマについて取材し、発行する新聞。学科 のウェブページに公開する)の制作からコンペティション(公開)を行う。「同Ⅱ」(2 年次開講)においても、 「魅力あるレストランを考える」をテーマにケーススタディを行 い、発表会(公開)を実施する。これらの結果と評価によって、質的な成果が測定でき る。加えて、平成 23 年度から「キャリアスタディⅠ・Ⅱ」には「気づきノート」を用意 し、授業時に講義内容の記入を義務付け、年度末にコンピテーション到達度を自己評価 することによって、学習内容の振り返りと成果の質的測定を図る。 保育科、総合文化学科、専攻科の入学者数、在学者数、卒業者数、就職者数、卒業後 の進路状況産業別就職者数等のデータは本学ホームページで公開している。学園全体の 教育活動の成果を紹介する刊行物として「聖徳フラッシュ」 (年間 6 回刊行)があり、短 期大学部の学習成果も記載している。 「聖徳フラッシュ」は学生ばかりでなく、保護者に も郵送している。また、大学の現況を紹介する刊行物として「学園だより『Wa』 」 (年 間 4 回刊行)があり、短期大学部の学習成果も記載している。 「学園だより『Wa』 」は 学生に配布している。 なお、保育科、総合文化学科、専攻科それぞれの学習成果の学内外への表明は以下の 通りである。 [保育科] 保育科では例年、学生の様々な学習成果を以下のように学内外に発表して いる。 (いずれも平成 23 年度実施) 。 ○第 46 回保育表現研究発表会 保育科 2 年生がクラスごとに授業で学んだ様々な知識・技術を駆使して、舞踏と表現あそびの発表を行 い、一般公開している。なお、クラスによっては大学祭で再度発表することもある。7 月 9 日実施。 ○第 12 回ピアノ演奏会 卒業年次生で「音楽Ⅰ」を履修する学生より優秀な学生がピアノ演奏を発表し、一般公開している。11 月 26 日実施。 ○第 3 回学生フォーラム 保育科 1・2 年生で構成する 37 の研究グループが 1 年間の研究成果を発表し、一般公開している。平成 24 年 1 月 13 日実施。 ○実習体験発表会 クラス単位で 2 年生が 1 年生に幼稚園実習、保育所実習、施設実習の体験を発表する。12 月 16 日実施。 学内の公開授業としている。 [総合文化学科] 前項に紹介した通り、 「キャリアスタディⅠ」ではBISOCIE新 聞のコンペティション、 「キャリアスタディⅡ」では「魅力あるレストランを考えよう」 の発表会を開催し、学内の他、保護者、取材先、近隣の高等学校などへ案内している。 49 聖徳大学短期大学部 さらに、BISOCIE新聞作品はホームページに掲載するとともに、学生が編集した 雑誌『九十九段』にも採録の上、オープンキャンパスの来場者や高等学校に配布してい る。また、卒業研究・卒業制作を設けているブランチにおいては、研究成果及び作品を 年度末に学内発表する機会を設けている。 [専攻科] 保育専攻、医療専攻では終了論文を必修としており、介護福祉専攻では 事例研究を必修としている。毎年 2 月に、終了論文発表会、事例研究発表会を実施して おり、学生の学習成果を発表する機会となっている。 「教育の質マニュアル」に基づき、保育科、総合文化学科、専攻科に共通する、学習 成果の定期的点検は以下の通りである。 教員は学生の成績評価とともに「前期・後期成績評価報告書」を教務課に提出する。 この報告書には、 「評価点の分布状況」等について問うものがあり、報告書に回答するこ とにより、教員は学生の学習成果の点検ができる。 担任には前期・後期終了時に学生の成績(クラスの学生全員のGPA、各クラスのG PA平均)が届けられる。担任はこれによってクラス学生の学習成果を点検し、必要に 応じて学生と面談する。点検した後に、科別会で必要に応じて意見交換を行う。 3 月の科別会で、学科の全学生の学習成果の点検をし、進級判定、卒業判定を行う。 なお、保育科、総合文化学科独自の学習成果の定期点検は以下の通りである。 [保育科] 幼稚園実習、保育所実習、施設実習の評価については、各実習終了後に科 別会で実習評価(学習成績)の点検を行っている。 [総合文化学科] 「キャリアスタディⅠ・Ⅱ」については、担当教員が学生の「気づ きノート」を定期的に点検しながら、学生に個別指導を行う。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 各教員は、シラバスに記載した「授業の目標」を目指して「評価の要点」 「総合評価の 割合」を厳守し、学生の学習成果を測定・評価している。ただし、学位授与の方針に示 した学習成果を踏まえて、自らの担当する科目と他教員の担当する科目との相関につい て理解を深めることにより、学習成果をより正確に測定・評価することに努める必要が ある。 基準Ⅰ―B-3 教育の質を保証している。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 学校教育法、短期大学設置基準、教育職員免許法、児童福祉法施行規則等の変更や改 正について文部科学省、厚生労働省の通達、官報を適宜確認し、法令順守に努めている。 例えば、平成 23 年度については以下の通りである。平成 22 年厚生労働省告示第 278 号 を受け、保育士養成カリキュラムを改正した。 「平成 22 年保育士試験における幼稚園教 諭免許所有者の科目履修等による試験科目免除について」の通知を受け、本学としての 学生指導方針を明確に示した。中教審「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の 50 聖徳大学短期大学部 在り方について」を受け、短期大学部に相応しい「キャリア教育」教育課程を編成した。 また、 総合文化学科では、 平成 24 年度に図書館法施行規則の一部改正に伴う措置として、 図書館司書ブランチ及び司書養成課程における開設授業科目の変更を行った。 ISO9001 の「教育の質マニュアル」に、学習成果を焦点とする査定の手法を示して いる。査定の手法の一部を紹介すると以下の通りである。 第 1 に、シラバスの「総合評価の割合」に則った成績評価をすることである。各教員 は、科目の性格に相応しい学習成果を査定するために、 「総合評価の割合」を設け、それ に則って複数の査定の手法を活用している。 第 2 に、学習達成度に基づいた成績評価をすることである。成績評価は当初に計画さ れ、予定された学習内容を学生が十分に理解し、目標に達しているか否かを測定するも のである。従って、学習の達成度と直接に関連性を持たない要素、例えば出席点や学生 の人柄等を成績評価には持ち込まないことになっている。 第 3 に、絶対評価に基づいてC段階を基準とする成績評価をすることである。本学で は、100 点満点で 60 点(60%)を合否の基準点と定めている。この基準点は、定められ た到達目標を達成するための必要最小限の段階や程度を表す基準点と見なすものである。 つまりC段階に基準を置いて評価を行い、目標以上の成果がどの程度得られたか、その 度合いによってB、A、Sという各段階の評価が考慮されるのである。 第 4 に、成績評価の偏りへの対処をすることである。例えば、少人数の授業では、教 員の熱意と学生の勤勉・努力が相まって、大部分の学生が到達目標に達し、SないしA の高い評価を得ることがある。一方、Aの評価が極端に多い場合には、その科目を履修 する学生の能力に対して、授業内容が易しすぎる可能性があるとも考えられる。そのよ うな成績への偏りを是正するために、教員は成績表提出の際に「成績評価報告書」も併 せて提出することになっている。 第 5 に、厳密な成績評価をすることである。要求水準に達しない学生に対して、安易 に合格点を与え、甘い点数をつけることは、決してその学生のためにはならない。学生 には、一般社会が求める水準に達していないことをきちんと伝えることが教員の責務で あると認識している。 授業・成績評価については、以下のようなPDCAサイクルを有している。教員はシ ラバスの授業目標達成のために、 シラバスの授業内容に沿って授業を進め、 授業の経過、 学生の学習状況に応じて小テスト、レポート等で過程評価を行う。また、学期中に 1 ヶ 月に及ぶ「公開授業」を通じて自らの授業方法について評価・反省するとともに他の教 員の授業方法についても参考にすることができる。さらに、 「学生の授業評価」 (アンケ ート調査)を受け、その結果を授業に反映させる。定期試験終了後に学生の成績評価を するが、その際に「成績評価報告書」を提出し、適正な評価を下したかどうか点検を行 う。同時に「授業についての点検評価表」も提出し、授業の質の自己チェックを行う。 また学期末には、 「学生の授業評価」を基に「学生による授業アンケート・・・結果の考 察」を提出する。そしてこれまでの成果・反省を踏まえて、新たにシラバスの改訂、授 51 聖徳大学短期大学部 業方法の改善につなげていく。 担任指導については、以下のようなPDCAサイクルを有している。担任は 4 月はじ めに開催する担任会で「担任指導の指針」について確認する。担任は毎年改訂される「ク ラス担任マニュアル」の指導内容を実行する。具体的にはコミュニケーション・タイム の活用、クラスアワーの活用により一人一人の学生の支援にあたる。また、支援の経過 として、教員は学生との面談結果を「保護者会資料」に記入し、保護者との面談に役立 てるとともに、今後の学生支援につなげていく。前期・後期終了時に、担任は「クラス 担任マニュアル」の指導事項を確実に実施したかどうかを「担任指導報告書」に記入し、 提出する。これまでの指導成果、反省を次年度の担任指導に活かしていく。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 個々の教員は、 「教育の質マニュアル」に則って成績評価、授業評価、担任評価等をし ており、教育の質保証は維持されていると判断できる。しかしながら、 「教育の質マニュ アル」はあくまでも基本原則である。従って、 「教育の質マニュアル」を基にしながら、 教育の質をさらに高めていくことに努める必要がある [テーマ] 基準Ⅰ―C 自己点検・評価 (a)テーマ全体の自己点検・評価の要約を記述する。 学則第1条の3に基づき、自己点検・評価に関する事項を審議するため、聖徳大学短 期大学部自己点検・評価委員会を設置している。平成 15 年に取得した品質マネジメント システムISO9001 に基づき、自己点検・評価委員会の指導の下に、関連する事務局と の連携によりシラバス、成績評価、担任指導、FD活動等について日常的に自己点検・ 評価を行っている。自己点検・評価の成果としては、教員の授業の報告として「明日の 教育を目指して・・・学生による授業評価(アンケート調査)の結果の考察」 、FD活動 に絞った研究紀要として「聖徳の教え育む技法」 、大学の説明責任として「年次報告書」 を毎年刊行している。 各教員も真摯にシラバス、成績評価、担任指導、FD活動等の自己点検・評価活動に 取り組んでおり、事務職員は連絡、印刷、広報活動等で積極的に関与している。教員は、 自己点検・評価活動を通じて得られた成果を恒常的に役立てている。 (b)自己点検・評価に基づく改善計画を記述する。 教員が個々に行っている自己点検・評価を、学科の科別会で話題として取り上げる。 52 聖徳大学短期大学部 [区分] Ⅰ―C-1 自己点検・評価活動等の実施体制が確立し、向上・充実に向けて努力して いる。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 学則第 1 条の3で、自己点検・評価について次のように定めている。 第 1 条の3 本学は、教育研究水準の向上を図り、前条の目的及び社会的使命を達成するため、教育研究活 動等の状況について自ら点検及び評価を行う。 2 前項の点検及び評価に関する事項は別に定める。 第 2 項に基づき、自己点検・評価委員会規程を定め、学科の教員と事務職員で構成す る自己点検・評価委員会を組織している。 自己点検・評価委員会規程第 4 条に審議事項について以下のように定めている。 第 4 条 委員会は、次の各号に掲げる事項を審議する。 (1)自己点検・評価の計画、実施に関すること。 (2)自己点検・評価の結果の活用に関すること。 (3)その他、自己点検・評価に関し、委員会が必要と認めた事項に関すること。 本学では、品質マネジメントシステムISO9001 を平成 15 年に取得した。本学の教 育活動についてはこのシステムの「教育の質マニュアル」に基づいて日常的に自己点検・ 評価を行うことを義務づけている。具体的には、シラバス、成績評価、担任指導、FD 活動等である。教員はシラバスの授業目標、授業内容に従って授業を進めながら、自ら の授業の点検・評価を日常的に行っている。成績評価については、定期試験のみでなく、 学習経過に応じて小テストやレポート等を学生に課すなどして正確・公正な評価を目指 し、日常的に点検・評価を行っている。担任指導については、各担任は毎年改訂される 「担任マニュアル」を基に学生の支援を行い、日常的に自らの学生支援を点検・評価し ている。FD活動は、前期・後期それぞれ約 1 ヶ月にわたる公開授業期間となっており、 教員は日常的に授業方法についての自己点検・評価を行っていると言える。 専任教員は、前期・後期それぞれ授業終了後に「学生による授業評価(アンケート調 査)の結果の考察」を教務課に提出する。前期分は教務課に保管され、教員は常時閲覧 することができる。後期分は教務課でまとめて「明日の教育を目指して・・・学生によ る授業評価(アンケート調査)の結果の考察」として報告書となり、公表している。 平成7年以来継続して行ってきたFD活動をさらに発展させ、 平成 18 年よりFD活動 に絞った「研究紀要」として「聖徳の教え育む技法」を刊行し、教えるプロとしての教 員の資質の向上や指導のスキル・アップを図ることを目指している。平成 23 年時点で 6 巻刊行されている。 社会から求められる大学の説明責任として、 「年次報告書」を毎年刊行して専任教員の 「教育の効果」と「研究の成果」を広く公表している。なお、本学のホームページでも、 専任教員全員の研究及び教育業績を公表している。 自己点検・評価活動については、 「教育の質マニュアル」に基づいて、全教職員が関与 している。具体的には以下の通りである。 シラバスについては、教員が「教育の質マニュアル」の「A.授業計画(シラバス) の点検」に従って執筆する。教員のシラバスを教務課が回収し、教務委員会が「 『授業計 53 聖徳大学短期大学部 画(シラバス) 』のチェック基準」に基づいてチェックする。チェックした結果を学科長 に報告する。是正の必要があれば、学科長が各教員に伝える。 成績評価については、教員が「教育の質マニュアル」の「B.成績評価の点検」に従 って学生の成績評価と「成績評価報告書」を教務課に提出する。教務委員会が各教員の 成績評価と「成績評価報告書」を「成績評価及び成績評価報告書のチェック基準」に基 づいてチェックする。チェックした結果を学科長に報告する。是正の必要があれば、学 科長が各教員に伝える。 担任指導については、担任が「教育の質マニュアル」の「C.担任指導の点検」に従 って前期・後期終了時に「担任指導報告書」を学生課に提出する。学生生活委員会が「担 任指導のチェック基準」に基づいてチェックする。チェックした結果を学科長に報告す る。指導の必要があれば、学科長が各教員に伝える。 FD活動については、教員が「教育の質マニュアル」の「A.FD公開授業」 「B.学 生による授業評価」に従って公開授業や授業評価(アンケート)を行う。教員は公開授 業実施後、 「公開授業報告書」を教務課に提出する。自己点検・評価委員会は「公開授業 報告書チェック基準」に基づいて「公開授業報告書」をチェックする。チェックした結 果を学科長に報告する。問題が指摘された場合は、学科長が教員に伝える。教員は授業 評価(アンケート)実施後、回収したアンケート用紙を教務課に提出し、後日、教務課 がアンケート結果を教員に文書で報告する。それに基づいて、教員は「学生による授業 アンケート・・・結果の考察」を教務課に提出する。自己点検・評価委員会は「学生の 授業評価のチェック・ポイント」に基づいて「結果の考察」をチェックする。チェック した結果を学科長に報告する。指導の必要があれば、学科長が各教員に伝える。 以上の教員の自己点検・評価活動を円滑に進めるために、事務職員は連絡、印刷、広 報活動などで積極的に関与している。 また、全教員が学長との連携の基に取り組む自己点検・評価活動として「学園長への レター」がある。年度末に教員は教育・研究・職務の実績、各自の「年度計画」の達成 状況、学園に対する要望・意見などを文書にまとめ学長に提出する。学長が読んだ後、 組織的なレベルでの対応が必要な提案があれば、学長より随時学部長・学科長会議ある いは教授会に提案され対応がなされる。 なお、教員が共通に取り組む自己点検・評価活動として「実績振り返り制度」がある。 教員それぞれが 1 年間の職務について振り返り、自己申告する制度である。教員の実績 振り返り基準は、 「研究」 「教育」 「管理運営」の 3 要素で構成されている。所定の様式に 従って自己申告した実績を学科長が確認し、基準に基づいてデータ化され係数化された のち、昇給や賞与等の処遇に反映される仕組みになっている。 自己点検・評価の成果を、以下のように活用している。 シラバスについては、 教員は年度末に授業や試験方法の評価・反省を踏まえて改訂し、 次年度に臨んでいる。成績評価については、教員は半期ごとに提出する「成績評価報告 書」を基に、学生の成績の分布状況を分析しながら授業の質・量を振り返り、次年度に 54 聖徳大学短期大学部 活かしている。担任指導については、半期ごとに提出する「担任報告書」を基に得られ た自己点検・評価の成果を次学期の学生指導に活用している。FD活動については、教 員は半期ごとに提出する「学生による授業評価の結果の考察」及び「授業についての点 検評価表」を基に自らの授業の自己点検・評価を今後の授業に活用している。年度末に 刊行する「明日の教育を目指して」を読むことで他教員の授業成果・反省も活用してい る。さらに「聖徳の教え育む技法」を読んで授業方法の工夫に役立てている。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 本学では、自己点検・評価のための規定及び組織を整備し、教員は真摯に自己点検・ 評価を実施している。しかしながら、整備された規定及び組織という環境の中で、やや もすると自己点検・評価がマニュアルの指示通りに実施され、その結果、自己点検・評 価を受容的に受け入れる傾向が一部に見られる。教員には自己点検・評価を通じて現状 に満足するのではなく、一層の向上を目指す姿勢が求められる。 ◇基準Ⅰについての特記事項 (1)以上の基準以外に建学の精神の効果について努力している事項。 なし (2)特別の事由や事情があり、以上の基準の求めることが実現(達成)できない事項。 なし 55 様式7―基準Ⅱ 聖徳大学短期大学部 [基準Ⅱ 教育課程と学生支援] (a)基準Ⅱの自己点検・評価の要約を記述する。 平成 22 年 1 月 27 日に短期大学部保育科、 総合文化学科の学位授与の方針を制定した。 学位授与の方針には、卒業の要件として「所定の単位を修めること」 、成績評価の基準と して「厳格な成績評価」を実施することを明確に示している。さらに保育科、総合文化 学科それぞれの学位授与の方針の具体的要件を示している。 保育科、総合文化学科ともに、学位授与の方針に対応した教育課程・実施の方針を明 確に示している。すなわち教育目標を達成するために、全ての学生に提供する「全学共 通科目」と各学科の「専門教育科目」の二つを大きな柱としている。全学共通科目では、 専門性にとらわれない幅広い視野と豊かな人格形成の基本を形成するカリキュラムを編 成している。専門教育科目では、それぞれの学科の教育目標に合わせ、理論と実践を体 系的に学ぶ段階的カリキュラムを編成している。シラバスには、各科目について達成目 標をはじめとして必要な項目を示して、学生の学習指針となっている。 保育科、総合文化学科ともに、学位授与の方針の学習成果に対応した入学者受け入れ の方針を明確に示している。すなわち、入学者受け入れの方針に示している保育科の 5 つの条件は、保育科志望者に求められる明確な入学前の学習成果である。総合文化学科 の 3 つの条件は、それぞれのブランチに共通する能力として求められる入学前の学習成 果である。また、入学者受け入れの方針に対応して多様な入学者選抜の方法を取り入れ ている。 保育科は、幼稚園教諭二種免許状、保育士資格を取得する学生に相応しい教育課程を 編成している。総合文化学科は、65 単位の卒業所要単位を全学共通科目、学科共通科目、 専門教育科目、選択科目で効果的に編成している。従って両学科ともにその学習成果は 達成可能であり、実際的な価値がある。 保育科は、保育科学生の卒業後評価への取り組みを行っている。また、総合文化学科 は、学内合同セミナーに参加した企業、外部講師として招聘した企業から卒業生の動向 を聴取している。 専攻科については、学則第 43 条の専攻科の目的を基に、保育専攻、医療保育専攻、介 護福祉専攻それぞれの目標が「入学案内」で示されている。 「一層高度な知識を与え、自 発的研究の能力及び態度を養う」という専攻科の目的は社会的に通用性がある。各専攻 の目的に相応しい高度な知識と技能を習得するための教育課程が編成されている。少人 数制の授業、教員の個別的な指導により、学生の学習意欲を維持させることができ、専 攻科の教育課程の学習成果は一定期間で獲得可能である。なお、専攻科にあっては、現 在、医療保育専攻、介護福祉専攻に在籍者がいるが、医療保育へのニーズ、介護福祉士 へのニーズも高く、学習成果には実際的な価値があると言える。 保育科、総合文化学科ともに、教員はシラバスの総合評価の割合に従った成績評価、 学生の学習達成度に基づいた成績評価、C段階を規準とする絶対評価に基づく成績評価 を行っており、 学位授与の方針に対応した成績評価基準により学習成果を評価している。 56 聖徳大学短期大学部 教員は、前期・後期とも担当する全ての科目について、学生による授業評価(授業アン ケート)を受け、授業改善に役立てている。FD活動として、前期・後期とも、参観教 員の専門分野を限定しない「一般公開授業」と同一専門分野の教員間で行う「研究グル ープ授業」を実施し、教員は少なくとも 2 回の授業参観をすることになっている。毎月 行う科別会では、各科目担当者より必要に応じて学生の学習進度状況が説明され、学科 の全教員が教育目的・目標の達成状況を把握している。事務職員は教員と密接に連携を とり、教員の教育活動を全面的に支援している。図書館職員は、学生の学習向上のため に様々な支援を行っており、特に図書館利用に関するガイダンスを積極的に実施してい る。ほとんどの教員はコンピューターで授業資料を作成し、コンピューターを用いて授 業をする教員は年々増加している。 保育科、総合文化学科ともに、 「学生便覧」 、 「教育課程」 、 「教員一覧」だけでなく、科 目ごとの学習支援のための印刷物を学生に配布している。入学予定者には入学準備教育 を、本学入学後の 1 年生全員には基礎学力形成のための補習授業を行っている。また、 保育科はピアノの補習授業、実習の個別補習授業、総合文化学科は人文科学総合講義(国 語、時事社会) 、自然科学総合講義(数学)というように、それぞれの学科に相応しい補 習授業を行っている。保育科は、担任が中心となり、学科の全教員が学生の指導助言に あたっている。総合文化学科は、クラス担任、ブランチ責任者、基礎ゼミ担当者、修学 アドバイザーとしての教務担当教員が指導助言にあたっている。 本学では、担任、教員、14 の事務窓口の事務職員、19 の委員会によって学生支援のた めの組織を整備している。学生が学友会で主体的に参画する活動が行われるように支援 体制を整備している。運動系 19 団体、文科系 38 団体のクラブ・同好会の活動を奨励し ている。自宅から通学できない学生のために 4 つの寮を完備しており、人間教育の場と しての寮生活を目指している。 奨学金制度については、 日本学生支援機構奨学金の他に、 本学独自の聖徳大学後援会就学助成、聖徳学園川並奨学金がある。保健センターが学生 の健康管理、メンタルヘルスケア、カウンセリングなどの業務を日常的に行っている。 学生ボランティア活動認定制度を設け、学生のボランティア活動を奨励し、ボランティ ア活動を評価している。 教職員、就職委員会、キャリア支援室の連携により、学生の進路支援を活発に行って いる。キャリア支援室には7名の職員がおり、学部、短期大学部ごとに担当を決めて学 生の就職支援をしている。保育科学生には「YES」 、総合文化学科学生には「Comp ass」という就職の手引書を配布し、就職活動に役立てている。 「TOEICテスト」 「就職模擬試験」をはじめとして各種の試験、講座を開講している。 短期大学部入試要項及び「AO入試」入試要項に、各学科の入学者受け入れの方針を 明確に示している。聖徳大学入学センターが常時、受験の問い合わせに適切に対応して いる。入試・学生募集対策検討委員会の規定に基づき、入学者受入れの方針に相応しい 多様な入試選抜を公正かつ正確に実施している。入学手続き者については、入学後の学 習を円滑にするために入学準備教育を実施している。 57 聖徳大学短期大学部 (b)基準Ⅱの自己点検・評価に基づく行動計画を記述する。 第 1 に、 「教育課程(履修要項) 」 「授業計画(シラバス) 」にも学位授与の方針を記載 する。そしてオリエンテーション時等に、 「教育課程」 「授業計画」の説明の際、学位授 与の方針についてさらにわかりやすい説明をする。 第 2 に、全教員が「教育の質マニュアル」に則って担当科目のシラバスを見直し、学 生がさらに興味を持って活用できるようなシラバスを作成する。 第 3 に、保育科において、 「音楽Ⅰ」 「実習」での補習授業を早期より開始し、退学者、 留年生の減少に努める。 第 4 に、保育科、総合文化学科ともに、学生の卒業後評価の取り組みを計画的に行い、 その成果を学科の学習成果の点検に役立てる。 保育科は、 平成 24 年度中に、 幼稚園実習、 保育所実習で教員が実習園に訪問した際、卒業生の評価を積極的に聴取し、聴取した結 果を学科で分析する。また、実習指導を依頼している幼稚園、保育所の実習担当者との 「実習研究協議会」を定期的に開催する。総合文化学科は、平成 24 年度中に、卒業生の 評価を聴取する企業を拡大し、聴取した結果を学科で分析する。さらに、卒業生に対す る支援システムを充実させる。 第 5 に、入試によって合格の時期が異なるので、入学予定者には適宜、有用な学生生 活の情報を提供する。 第 6 に、学科の学習成果をさらに高めるために、学科単位の FD 活動を実施する。現在 は、参観教員の専門分野を限定しない「一般公開授業」と同一専門分野の教員間で行う 「研究グループ授業」により一定の成果をあげている。学科が抱える課題を解決し学習 成果を高めていくためには、例えば、学科教員全員が共通の課題をもって同一の授業を 参観し、話し合いの機会を持つことが必要である。特に保育科は実習指導、総合文化学 科は「基礎ゼミ」について検討する。 第 7 に、総合文化学科において、平成 23 年度の学生の就職活動及び就職支援の反省を 踏まえ、雇用情勢の悪化という状況の中で、就職内定率を上げるための対策を学科及び キャリア支援室との連携のもとに立て、 実行する。 併せて各ブランチの問題点を抽出し、 学科の未来像について検討する。 第 8 に、長期履修生の受入れの是非について、学科ごとに検討する。 [テーマ] 基準Ⅱ―A 教育課程 (a)テーマ全体の自己点検・評価を記述する。 平成 22 年 1 月 27 日に短期大学部保育科、 総合文化学科の学位授与の方針を制定した。 学位授与の方針には、卒業の用件として「所定の単位を修めること」 、成績評価の基準と して「厳格な成績評価」を実施することを明確に示している。さらに保育科、総合文化 学科それぞれの学位授与の具体的要件を明確に示している。 保育科は、 「厳格な成績評価」 に基づいて卒業生を輩出していること、 「和の精神」に基づいて集団や社会に適応できる 58 聖徳大学短期大学部 人間性豊かな保育者を育成していることで、その学位授与の方針は社会的に通用性があ る。また、総合文化学科は、 「広い視野を持って社会に自立できる女性」の育成を目的と しており、その学位授与の方針は社会的な通用性がある。なお、毎年 3 月の科別会で卒 業判定、就職状況の確認をし、あわせて学科の学位授与の方針の点検を学科の教員全員 で行っている。 学位授与の方針は「学生便覧」 、本学を紹介するパンフレット「SEITOKU 総合 案内/2012」 、短期大学部ホームページに掲載し、公表している。 保育科、総合文化学科ともに、学位授与の方針に対応した教育課程編成・実施の方針 を明確に示している。すなわち教育課程は、教育目標を達成するために、すべての学生 に提供する「全学共通科目」と各学科の「専門教育科目」の二つを大きな柱としている。 全学共通科目では、専門性にとらわれない幅広い視野と豊かな人格形成の基本を育成す るカリキュラムを編成している。専門教育では、それぞれの学科の教育目標に合わせ、 理論と実践を体系的に学ぶ段階的カリキュラムを編成している。専門教育科目について は、学位授与の方針に示した学習成果に対応した、わかりやすい授業科目を編成してい る。 なお、シラバスでは、各専門科目に授業内容を要約するサブタイトルをつけており、 科目をさらにわかりやすいものにしている。シラバスには、各科目について達成目標を はじめとして必要な項目を示している。教員はシラバスに基づいて授業を行い、 「教育の 質マニュアル」の成績評価の基本方針に則って厳格に成績評価をしている。 学校教育法第 92 条に基づき、 主要な授業科目には専任教員を配置することを基本方針 としている。専任教員数は、保育科は短期大学設置基準の 20 名に対して 38 名、総合文 化学科は短期大学設置基準の 7 名に対して 19 名であり、 短期大学全体の収容定員に応じ て定める教員数を加えた短期大学全体の基準数である 34 名に対しても 61 名となってお り、基準数をはるかに上回っている。 法令を遵守した上で、教育目的・目標の達成状況や保育現場や社会情勢を踏まえなが ら、毎年、学科、専攻科の教育課程の見直しをしている。 保育科、総合文化学科ともに、ホームページ、 「総合案内」 、 「入試要項」に掲載して、 学位授与の方針の学習成果に対応した入学者受け入れの方針を明確に示している。入学 者受け入れの方針に示している保育科の5つの条件(専門の学修のための基礎学力、子 どもと関わる意欲、表現・実技科目への興味・関心、自分を取り巻く環境への興味・関 心、コミュニケーション能力)は、保育科志望者に求められる明確な入学前の学習成果 である。また、総合文化学科が示している3つの条件(チャレンジする意欲、日常の努 力を惜しまない気力、自分の可能性を追求する積極性)は、総合文化学科志望者に求め られる明確な入学前の学習成果である。 本学では、各学科の入学者受け入れの方針に対応して、AO入試、推薦入試、特別入 試、一般入試等、多様な入学者選抜の方法を取り入れており、専門分野で必要とされる 資質・学力を評価・判定している。 59 聖徳大学短期大学部 両学科共に、以下の点から、学習成果の査定(アセスメント)は明確であると判断す る。 [保育科]原則として全ての科目について 15 回の授業回数を確保しており、各教員は 15 回の授業で学習成果を上げるために緻密な授業計画・内容を作成している。同系の科 目では、教員間で連携を取り合って授業内容の重複を避けることに努めている。また、 FD活動の成果も含めて授業内容・方法等についての評価・反省をし、学生が達成でき る学習成果について研究を継続している。なお、学生の授業の出席はきわめて良好であ り、授業計画に基づいた授業と学生の真摯な授業出席により、教育課程の学習成果は達 成可能である。 ほとんどの学生は幼稚園教諭二種免許状と保育士資格を取得するため、2 年間で 99 単 位以上の授業を履修する必要がある。授業科目は 1 年次、2 年次とも量的・質的にバラ ンスよく配当しており、基礎的科目から応用科目へとつながり、学生は着実に一定期間 で学習成果をあげることができる。一部の科目については、教員が個別に補習を行って 成果をあげている。 90%以上の学生が幼稚園教諭二種免許状及び保育士資格を取得し、95%以上の学生が 保育者になっている。教育課程の学習成果に実際的な価値があると言える。 全科目ともに、各教員はシラバスの「授業の目標(学習の成果) 」を目指して「授業計 画」を作成し、授業を行い、 「評価の要点」を踏まえて「総合評価の割合」に従って厳格 に評価をしている。従って各科目の学習成果は測定可能である。 [総合文化学科] 学科の教育目的を達成するために、基礎学力(人文科学系及び自然 科学系の各総合講義) 、キャリア教育プログラム(キャリア導入、自己探求、仕事探求、 社会探求) 、専門教育、教養教育(所属するブランチ以外の科目)からなる教育課程を編 成している。卒業所要単位数は 65 単位であり、学生の負担にはならない。また、併せて 免許・資格科目を専門教育科目に組み込んだブランチにおいては、複数資格を取得する ことも十分可能である。最近 3 ヶ年の卒業率は 90%以上を保っており、免許・資格取得 を希望する学生のほとんどが取得して卒業している。従って本学科の教育課程を通じた 学習成果を一定期間内に獲得することは十分に可能である。学習成果は、各学期の成績 評価及びそのGPAによって測定される。また、質的な面での測定も併せてなされてい る。 保育科では、教員の実習施設への巡回訪問、実習施設と保育科教員の「実習研究協議 会」 、卒業生へのアンケート等によって、卒業生の就職先からの評価を聴取している。以 上の聴取結果を担当者が取りまとめて、科別会で報告し、教員の話し合いをもち、卒業 生の実態把握をした後、教員は学習成果の点検に活用している。 総合文化学科では、学内合同企業セミナーに参加した企業、外部講師として招聘した 企業から卒業生の動向を聴取している。 専攻科については、学則第 43 条の専攻科の目的を基に、保育専攻、医療保育専攻、介 護福祉専攻それぞれの目標が「入学案内」で示されている。専攻科の目的は本学の卒業 60 聖徳大学短期大学部 生又はそれと同等以上の学力のある者に対し、 「一層高度な知識を与え、自発的研究の能 力及び態度を養う」ことにあり、社会的に通用性があると言える。また、専攻科の目的 及び目標については科別会で定期的に点検している。さらに専攻科については、各専攻 の目的に相応しい高度な知識と技能を習得するための教育課程が編成されている。少人 数制の授業、教員の個別的な指導により、学生の学習意欲を維持させることができ、専 攻科の教育課程の学習成果は一定期間で獲得可能である。なお、専攻科にあっては、現 在、医療保育専攻、介護福祉専攻に在籍者がいるが、病児保育・病後児保育の重要性に ついては認知されており、医療保育へのニーズも高まりつつあり、学習成果には実際的 な価値があると言える。また、介護福祉専攻では、ニーズが高まっている介護福祉士の 受験資格を 1 年で取得可能である。従って学習成果には実際的な価値があると言える。 (b)自己点検・評価に基づく改善計画を記述する。 第 1 に、学位授与の方針を「教育課程(履修要項)」 「授業計画(シラバス) 」にも記載 し、学生への周知を徹底する。 第 2 に、学生がさらに興味・関心を持つようなシラバスを作成し、これを活用するた めの方策を立てる。 第 3 に、保育科、総合文化学科ともに、学科の学習成果の点検のために、学生の卒業 後評価への取組みをさらに積極的に進めていく。 [区分] 基準Ⅱ―A―1 学位授与の方針を明確に示している。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 保育科、総合文化学科に共通する学位授与の方針に、卒業の要件として「所定の単位 を修め、実現力・実践力・人間力を備えた学生」に卒業を認定し、 「成績評価の基準」と して「厳格な成績評価」を実施することを明確に示している。これを受けて、保育科、 総合文化学科それぞれの学位授与の方針を以下のように示している。 [保育科] 幼稚園教諭または保育士の養成を目的とする保育科では、保育科独自の学 位授与の方針として以下の 5 つの要件を示している。この 5 つの要件は、保育科ならで はの免許及び資格取得の要件に関連するものでもある。 1.子ども及び幼児教育に対する情熱・使命感・責任感を身につける。 2.保育に関する専門的知識を修得している。 3.課題探求能力を持ち、理論と実践を結びつけた主体的な学習ができる。 4.保育専門職にふさわしい実践的な技能と表現力を身につけている。 5.人間関係調整力を持ち、 「チームに貢献できる力」を身につけている。 [総合文化学科] 総合文化学科の学位授与の方針では、デザイン・インテリア、ファッション、ITコ ミュニケーション、フード・調理、製菓、観光・ホテル、文芸・編集、図書館司書、養 護・保健、幼児栄養のいずれかのブランチ(専門分野)において専門的知識と技能を身 につけ、広い視野を持って社会に自立できる女性の育成を目的としている。そのために 61 聖徳大学短期大学部 以下の 3 つの能力を有するに至った学生に学位を授与するが、この 3 つの能力は、卒業 の要件、成績評価の基準を明確に示している。 1.現代社会で女性として自立できる能力を身につけている。 2.修得した能力を基にして新たな課題に挑戦できる力を有する。 3.広い視野を持ち、他者の立場を理解して物事を判断できる能力を身につけている。 「教学経営方針」より 保育科、総合文化学科の学位授与の方針を学則には規定していないが、学位授与の方 針は、 「学生便覧」 、パンフレット、ホームページに掲載している。 新入生には、 「学生便覧」を年度当初に配布し、新入生オリエンテーションで説明して いる。学生便覧は本学の兼任教員を含めて教職員全員に配布している。学生便覧は学内 専用サイトで、学位授与の方針に関する情報はホームページで閲覧が可能である。本学 を紹介するパンフレット「SEITOKU 総合案内/2012」の 21~24 ページに、 学位授与の方針に示されている「実現力・実践力・人間力」について具体的に説明して おり、入学希望者や保護者にわかりやすく公表している。 両学科共に、学位授与の方針は以下の点で社会的に通用性があると言える。 [保育科] 第 1 に、 「厳格な成績評価」に基づいて卒業生を輩出している点である。教 員の改善努力にも関わらず、毎年 1 割程度の学生が留年しているが、保育者としての「質 の保証」 「質の維持」を考えたとき、適切な対応であり、このことが本学へ入学を希望す る高校生も、就職先の施設も本学を信頼する理由となっている。 第 2 に、 「和の精神」に基づいて、集団や社会に適応できる人間性豊かな保育者を養成 している点である。幼稚園、保育所では、専門的知識・技術だけでなく「チーム保育」 が求められており、本学は「聖徳教育」を初めとしての諸行事、さらには専門教科にお いても人間性の形成を重要視している。 [総合文化学科] 「女性の社会的自立」を謳った学位授与の方針は、現在の雇用情勢 に即応するものであり、少なくとも日本社会においては、十分な通用性を有する。 保育科、総合文化学科共に以下の通りに、学位授与の方針を定期的に点検している。 [保育科] 本学の建学の理念である「和」の精神は永遠の価値を持つものであるが、 それを具現化した学位授与の方針は社会状況や保育現場で求められる保育者像に応じて 変わる必然性がある。学位授与の方針は平成 22 年 1 月 27 日に制定されたばかりである が、保育科では、毎年 3 月の科別会で卒業判定、就職状況の確認をし、あわせて学科の 学位授与の方針の点検を教員全員で行っている。また、毎年実施している「卒業生の意 識調査」 、 「新入生の意識調査」等も学生を知るための参考資料として活用している。 なお、本学が平成 22 年 1 月 27 日に教学経営方針「聖徳大学、聖徳大学大学院が求め るもの」を制定する際に、保育科は、近年、保育現場で求められている「チーム保育」 の重要性を受けて、 「チームに貢献できる力」を「学位授与の方針」に加えている。 [総合文化学科] 学位授与の方針のみを検討する委員会組織はないが、 学生募集対策、 自己点検評価、就職など各種委員会の検討課題から学位授与の方針に関わる問題点を抽 出し、必要に応じて科別会での検討を行っている。 なお、専攻科については、学則第 43 条の専攻科の目的を基に、保育専攻、医療専攻、 62 聖徳大学短期大学部 介護福祉専攻それぞれの目標が「入学案内」で示されており、この目標は学位授与の方 針と関連するものである。この目標はホームページにも掲載している。専攻科の目的は 「一層高度な知識を与え、自発的研究の能力及び態度を養う」ことにあり、社会的に通 用性があると言える。また、専攻科の目的及び目標については科別会で定期的に点検し ている。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 学位授与の方針は「学生便覧」 、パンフレット、ホームページには掲載しているが、さ らに学生への周知を図るために、 「教育課程(履修要項) 」 、 「授業計画(シラバス) 」に掲 載する。 基準ⅡーA―2 教育課程編成・実施の方針を明確に示している。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 保育科、総合文化学科共に以下の通り、教育課程は学位授与の方針に対応している。 [保育科] 短期大学部の学位授与の方針として、聖徳太子の「和」の精神を建学の理 念とし、円満な人格を備え、広い見識と専門性、創造性を有する「実践力のある女性」 の育成という教育目標を掲げている。この学位授与の方針に対応して、保育科では、 「全 学共通科目」と「専門教育科目」の二つを大きな柱として、以下の方針に基づく教育課 程の編成・実施を行っている。 1.幼稚園・保育所等の現場に通用する教育力を養うため、理論とともに実技・実習 を重視する。 2. 「聖徳教育」 「礼法」を基礎とした教養教育、幼児教育に関する専門教育、創造力 と表現力を育成する表現教育、人間関係調整力や課題探求能力を育成する教育、 専門的知識や実践的指導力を学ぶ実習教育等を有機的・発展的に結びつける。 [総合文化学科] 学位授与の方針として示した理念のうち、 「いずれかのブランチ(専 門分野)において専門的知識と技能を身につけ」という目的に対応して、免許・資格の 取得を目指すブランチにおいては、免許・資格に関わる科目を配当し、履修の意図を明 確に示している。 また、 「広い視野を持って社会に自立できる女性の育成」には、学科共通必修科目とし て「総合講義」 「キャリアスタディⅠ・Ⅱ」を設置し、学位授与の方針1~3に示された 能力を「コンピテンシー(=仕事力) 」として具体的に細分化し、それぞれの能力の育成 を図っている。 なお、本年度から「キャリアスタディⅠ・Ⅱ」ばかりでなく、全学共通科目「聖徳教 育Ⅰ」に配当されている「アセンブリー・アワー」に企業及び社会貢献事業関係の外部 講師を招聘することによって、学位授与の方針に沿った授業内容を展開している。 なお、 専攻科にあっては、 各専攻 (保育専攻の修了所要単位数は 2 年間で 62 単位以上、 医療保育専攻は 1 年間で 47 単位以上、介護福祉専攻は 1 年間で 48 単位以上)の目標に 63 聖徳大学短期大学部 相応しい教育課程を編成している。 保育科、総合文化学科共に以下の通り、学習成果に対応した、分かりやすい授業科目 を編成している。 [保育科] 教育課程には、保育科第一部、第ニ部共に「幼稚園教諭コース」 「保育士コ ース」について、教育職員免許法施行規則及び児童福祉法施行規則に基づき系列ごとに 専門教育科目群が編成されている。各系列の専門教育科目群は保育科の5つの学習成果 にほぼ対応している。 なお、シラバスでは、各専門科目に授業内容を要約するサブタイトルをつけており、 科目をさらにわかりやすいものにしている。一例をあげると以下の通りである。 科 目 群 ○音楽 ○音楽Ⅱ~1 ○音楽Ⅱ~2 ○図画工作Ⅰ ○図画工作Ⅱ ○体育Ⅰ ○体育Ⅱ ○教職実践演習 学習成果(シラバス の授業目標に基づ き作成) 2.3.4 2.3.4 2.3.4 2.3.4 2.3.4 2.3.4.5 2.3.4.5 1.2.3.4 シラバスのサブタイトル ○ピアノ実技 ○楽典と声楽 ○楽典と声楽 ○造形美術表現と鑑賞指導の理論と実践 ○造形美術表現と鑑賞指導の理論と実践 ○保育表現研究発表会における創作舞踏 ○遊びから身体表現へ ○自己課題を明確にし、教師に求めらる資質能力 を学ぶ ※右欄の数字については以下の「保育科の学習成果」を参照 保育科の学習成果 1.子どもおよび幼児教育に対する情熱・使命感・責任感を身につけている。 2.保育に関する専門的知識を修得している。 3.課題探求能力を持ち、理論と実践を結びつけた主体的な学習ができる。 4.保育専門職にふさわしい実践的な技能と表現力を身につけている。 5.人間関係調整力を持ち、 「チームに貢献できる力」を身につけている。 [総合文化学科] 総合文化学科の教育課程の枠組みは以下の通りである。なお、学位 授与の方針に対応する科目の体系的編成については、 (1)に紹介した。 <学科教育課程の科目区分> 科目区分 全学共通 学科共通 専門教育 選択 科目 聖徳教育Ⅰ~Ⅲ 日本の伝統と文化Ⅰ 礼法基礎講座 英語Ⅰ・Ⅱ スポーツと健康Ⅰ・Ⅱ 情報活用演習 キャリアスタディⅠ・Ⅱ 各ブランチ必修科目 環境論、他ブランチ科目、免許・資格関連科目 卒業必須単位 Ⅰ(1) Ⅱ(1) Ⅲ(2) 2 2 4 2 1 4 32 14 ※卒業所要単位数は、全学共通 15+学科共通4+専門教育 32+選択 14=計 65 なお、専攻科にあっては、教育課程に記載されている専門科目についてはシラバスで 分かりやすく詳細に解説されている。 「教育の質マニュアル」には、教育の質保証に向けて、成績評価の基本方針が示され ており、教員は基本方針に則って厳格に成績評価を実施している。さらに教務委員会は 教員の成績評価と成績評価報告書を照合し、以下のようなチェック基準に基づいて点検 64 聖徳大学短期大学部 している。 成績評価及び成績評価報告書のチェック基準 1)評価がシラバスの総合評価の割合に則って適正に行われていますか。 2)学習達成度と直接関連性がない出席点や人柄等が評価に加味されていませんか。 3)絶対評価に基づいて評価されていますか。 4)SおよびA、ならびにD評価が、受験者数の 50%を超えているかなど、極端に多くはありませんか。 5)少人数クラス(受験者数が 10 名未満)の成績評価がSないしAに集中(90%以上が目安)していませ んか。 6)Cが成績評価の基準になっていますか。 7)全教員、同一の学科の教員、同一名の授業科目を担当する教員の平均的な評価値と比較して、著しい評 価傾向がありませんか。 8)成績評価報告書の記載内容と成績評価に著しいくい違いがありませんか。 9)シラバスの記載事項に則って授業が行われ、それに見合った評価ができていますか。また、シラバスの 記載事項に変更が生じた場合、学生に告知する手続きが適性に行われていますか。 10)評価対象とならない(受験資格を有しない)学生に対して評価を行っていませんか。 11)成績評価の姿勢に疑問点や問題点がありませんか。 12)「成績評価報告書」への記載事項に漏れはありませんか。 本学では、学生が履修計画を作成し、履修の進捗状況を把握するために、すべての授 業科目について、統一された様式によるシラバス(授業計画)を作成している。シラバ スには、以下の項目が明示されている。 「教育の質マニュアル」にシラバスの「執筆要領」 「シラバスのチェック基準」を明示しており、教員はそれらに則ってシラバスを作成す ることになっている。 授業区分。授業科目。サブタイトル。履修条件。担当教員名。複数担当。担当教員の所属。オフィスアワー。 単位。授業の方法。開講時期。出席要件。授業の目標。授業の内容。授業計画。教科書。評価の要点。総合 評価の割合。履修上の注意事項や学習上の助言。 なお、下記の「教育課程のPDCAサイクル」に従い、シラバスの改訂を毎年、実施 している。 「2011 卒業生の意識調査報告(平成 23 年 3 月調査結果) 」によると、シラバスの活 65 聖徳大学短期大学部 用状況を示すデータは以下の通りである。保育科学生の 60%程度、総合文化学科学生の 70%程度の学生がシラバスを読んでいる。しかしながら、「よく読んだ」という学生は 20%を割っている。 保育科 総合文化学科 シラバスについて、どの程度読みましたか。 (4 段階評価) よく読んだ 自分の関心のあるところだけ 合 計 読んだ 15.2% 42.9% 58.1% 18.3% 52.1% 70.4% 聖徳大学短期大学部通信教育部においては、教科書には『学習指導書』を用いて教科 指導を行い、また「面接指導(スクーリング) 」の際の履修科目に必要な参考文献等の提 示を行い、図書館と連携して各種文献・参考書の貸し出しを可能にしている。 授業の形態は配布された教科書を中心に自宅等で学習する「通信授業」と、特定の期 間に登校して授業を受ける「面接授業(スクーリング) 」に大別される。 「通信授業」で は自宅等で教科書を中心に学習し、その学習成果をレポートにまとめて教員の添削指導 を受け合格した後、科目終了試験を受けて合格して単位を修得する。 「面接授業(スクー リング) 」では、特定の期間大学に登校して、科目担当教員から直接授業を受け、スクー リング試験に合格して単位を修得する。 スクーリングの実施は夏と春の2期で、一部は 12 月にも実施される。なお、一部科目に ついてはエリア(学外)スクーリングが実施される。 「通信授業」と「面接授業」を併用 して行う授業科目もあるが、この場合は通信授業のレポートとスクーリングの授業とを 併せて単位認定が行われる。また、実験に関しては、 「面接授業(スクーリング) 」で行 い、ピアノの実技は、 「通信授業」と学内・学外(エリア)の「面接授業(スクーリング) 」 で行う。 本学においては、短期大学設置基準に基づき、聖徳大学短期大学部教員選考基準及び 同細則を定めており、教員の採用、昇任にあたっては、教育研究上の実情を踏まえて厳 格に運用している。教員の教育上の指導能力については、採用、昇任時に長期の教育実 績を評価するほか、学年度には全専任教員を対象とした「実績振り返り制度」等を活用 している。さらに、本学では、学校教育法第 92 条に基づき、主要な授業科目に専任教員 を配置することを基本方針としている。従って保育科、総合文化学科、専攻科は、それ ぞれの教育課程に関わる授業科目は教員の資格・業績を基にした適切な教員配置となっ ている。 なお、専任教員は学科に所属し、教育研究に従事するとともに、研究分野毎に 44 の研 究室(学部の教員も参加)に所属し、研究室には主任(教授)を置き、共同研究やFD 活動を立案し実施しており、その成果を担当科目の授業に活かしている。 保育科、総合文化学科、専攻科では、下記の「教育課程の編成のPDCAサイクル」 に基づき、以下の通り教育課程の見直しを定期的に行っている。 66 聖徳大学短期大学部 [保育科] [専攻科] 教育目的・目標の達成状況や保育現場の状況を踏まえて、学期末 に科別会で教育課程の見直しを行っている。また、法令の改正を受けて、計画的に教育 課程の見直しを行っている。法令に基づいて、平成 23 年度は、新しい保育士養成カリキ ュラム、そして幼稚園教諭二種免許状取得に必要な科目として「教職実践演習」を取り 入れている。さらに、本学独自の「キャリア総合演習」を必修化している。 [総合文化学科] 平成 16 年度学科開設以降、教育課程の見直しは、ブランチ主任が中 心となって毎年度行っている。そのうち、学則変更に関わる改訂は、以下の 2 回である。 平成 18 年度に、 「キャリアスタディⅠ・Ⅱ」を学科共通必修科目として設定。平成 24 年度に、図書館司書ブランチ及び司書養成課程における開設授業科目の変更(図書館法 施行規則の一部改正に伴う措置) 。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 「卒業生の意識調査」から明らかなように、学生はシラバスを十分に活用していると は言えない。 基準Ⅱ―A―3 入学者受入れの方針を明確に示している。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 保育科、総合文化学科共に以下の通り、学科の学習成果に対応する入学者受入れの方 針を示している。 [保育科] 学位授与の方針の学習成果は以下の通りである。 1.子どもおよび幼児教育に対する情熱・使命感・責任感を身につけている。 2.保育に関する専門的知識を修得している。 3.課題探求能力を持ち、理論と実践を結びつけた主体的な学習ができる。 4.保育専門職にふさわしい実践的な技能と表現力を身につけている。 67 聖徳大学短期大学部 5.人間関係調整力を持ち、 「チームに貢献できる力」を身につけている。 上記の学習成果に対応する入学者受け入れの方針は以下の通りである。 (カッコ内の数 字は、対応する学位授与の方針の番号である。 ) 1.入学後の修学に必要な基礎学力を有する。 (2) 2.子どもと積極的にかかわり、活動する行動力がある。 (1) 3.ピアノ・表現遊び・創作舞踏などに親しみ、意欲的に学ぼうとしている。 (4) 4.人間・社会・自然・文化などにかかわる諸問題に関心を持ち、社会に積極的に貢献する意欲がある。 (3) 5.他者と積極的にコミュニケーションをとり、協調してものごとに取り組む態度が見られる。 (5) 幼稚園教諭や保育士の養成を目的とする保育科にあっては、保育者にふさわしい知 識・能力・人間性として5つの学習成果を示している。その学習成果に対応する入学者 受け入れの方針として、具体的に5つの方針を保育科志望者に求めるものである。以上 から明らかなように、保育科の学習成果に対応する入学者受け入れの方針を明確に示し ている。 [総合文化学科]学位授与の方針の学習成果は以下の通りである。 1.現代社会で女性として自立できる能力を身につけている。 2.修得した能力を基にして新たな課題に挑戦できる力を有する。 3.広い視野を持ち、他者の立場を理解して物事を判断できる能力を身につけている。 上記の学習成果に対応する入学者受け入れの方針は以下の通りである。 1.いろいろなことにチャレンジする意欲を有する。 2.自分の能力を伸ばすために日常の努力を惜しまない気力を有する。 3.将来の活躍を目指し、自分の可能性を追求する積極性を有する。 総合文化学科にあっては、10 のブランチ(専門分野)において専門的知識と技能を身 につけ、広い視野を持って社会に自立できる女性の育成のために3つの学習成果を示し ている。その学習成果に対応する入学者受け入れの方針として、上記の3つを総合文化 学科志望者に共通して求めている。以上から明らかなように、総合文化学科の学習成果 に対応する入学者受け入れの方針を明確に示している。 なお、専攻科にあっては、 「一層高度な知識を与え、かつ、自発的研究の能力及び態度 を養う」という目的は学習成果にも繋がるものであり、目的に相応しい「本学の卒業生 又はそれと同等以上の学力の者」を受け入れるという方針を示している。 保育科、総合文化学科共に以下の通り、入学者受入れの方針は、入学前の学習成果の 把握・評価を明確に示している。 [保育科] 保育科は幼稚園教諭・保育士の養成を目的としており、多くの志望者は保 育者を目指すという明確な意欲・態度をもっている。従って入学者受け入れの方針に示 している5つの具体的な条件は、保育科志望者に求められる明確な入学前の学習成果で ある。条件1~5についてみると、専門の学修のために基礎学力が必要であり(条件 1) 、 子ども好きなだけでなく子どもと関わる意欲(条件2) 、表現・実技科目への興味・関心 (条件3) 、自分を取り巻く環境への興味・関心(条件4) 、コミュニケーション能力(条 件5)が高校生活を通じて求められる。また、これらの条件は高校生にとってわかりや すい条件と言える。 [総合文化学科] 入学者受け入れの方針に示している3つの具体的条件は、それぞれ のブランチに共通する条件であり、総合文化学科志望者に求められる明確な入学前の学 習成果である。いろいろなことにチャレンジする意欲(条件1) 、日常の努力を惜しまな 68 聖徳大学短期大学部 い気力(条件2) 、自分の可能性を追求する積極性(条件3)が高校生活を通じて求めら れる。これらの条件は高校生にとってわかりやすい条件と言える。 本学では、 入学者受け入れの方針に対応した多様な入学者選抜の方法を取り入れている。 短期大学部の募集区分と選抜方法は、 「入試ガイド」における学科の募集単位等に示す通 りである。公募推薦(前期・後期日程)では、書類審査・作文・面接試験を課して、専 門分野で必要とされる学力を総合的に評価、判定している。自己推薦(前期・後期日程) では、書類審査・作文・面接試験の方法、又は書類審査・基礎学力テスト・面接試験の 方法を受験生自身が選択できるように工夫をし、専門分野で必要とされる学力を総合的 に評価、判定している。一般選抜では、科目試験方式とセンター試験方式の2方式を採 用し、専門分野で必要とされる学力を判定する受験科目を各学科が独自にそれぞれ設定 している。AO入試においては、事前相談・エントリーシート・提出書類・面談へと段 階的な入試を行っている。私費留学生特別入試、帰国子女特別入試、社会人特別入試に おいては、学力や適性を重視した選抜を行っている。 専攻科では、出願資格を限定した上で、書類審査、小論文、面接を実施し、各専攻に 相応しい入学者を選抜している。 通信教育課程では、書類審査によって判定している。 なお、短期大学部では、入学者受入れの方針を踏まえて入学者選抜試験結果の分析や 入学者の追跡調査等を行い、入学者選抜方法改善の基礎データとして活用している。 入試区分一覧 短期大学部 ●AO入試 AO入試 ●推薦入試 指定校推薦入試 公募推薦入試 自己推薦入試 エリア特別推薦入試 同窓会・後援会推薦入試 ●一般入試 特別奨学生入試(科目試験方式) 特別奨学生入試(センター試験方式) 全学全学科統一入試 センター試験入試 一般入試 ●特別入試 地元密着特別奨学入試 私費留学生特別入試 私費留学生特別奨学生入試 帰国子女特別入試 社会人特別入試 <アスリート・セカンドキャリア支援>特別奨学 推薦入試 専攻科 ●書類審査 小論文 面接 短期大学部通信教育部 ●書類選考 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 保育科、総合文化学科、ともに、入学者受入れの方針を明確に示し、入学者受入れの 方針に対応した多様な入学者選抜の方法を取り入れており、課題は特に見当たらない。 69 聖徳大学短期大学部 専攻科も同様である。 Ⅱ―A―4 学習成果の査定(アセスメント)は明確である。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 保育科、総合文化学科ともに、教育課程は大きく「全学共通科目」と「専門教育科目」 で編成している。両学科に共通な全学共通科目は、 「多彩な領域と礼節を学び、専門性に とらわれない幅広い教養と豊かな人格形成の基本を育成する」カリキュラムであり、聖 徳教育、教養科目、外国語、健康教育、情報活用として具体的に示している。シラバス には、各科目の学習成果としての「授業の目標」を明確に示しており、その学習成果は 具体性がある。なお、各学科の専門科目については以下の通りである。 [保育科] 専門教育科目は、保育科の教育目標に対応した「理論と実践を体系的に学 ぶ段階的カリキュラム」である。幼稚園教諭二種免許状取得、保育士資格取得に必要な 科目を網羅した上で、教育課程編成・実施の方針に示すように「幼児教育に関する専門 教育」 「創造力と表現力を育成する表現教育」 「人間関係調整力や課題探求能力を育成す る教育」 「専門的知識や実践指導力を学ぶ実習教育」等が有機的・発展的に結びついてお り、各科目はこのようなカリキュラム体系の中に位置づいている。各科目ともにシラバ スに学習成果としての「授業の目標」を明確に示しており、その学習成果は具体性があ る。 [総合文化学科] 学科の教育目的を達成するために、基礎学力(人文科学系及び自然 科学系の各総合講義) 、キャリア教育(実学的カリキュラム、実践的カリキュラム) 、専 門教育(所属ブランチの科目) 、教養教育(他のブランチの科目)を総合した教育課程を 編成・展開しており、その学習成果には具体性がある。また、卒業所要単位は 65 単位で あり、学生の負担にならないと判断できる。過去 3 年間の卒業率は 90%以上を保ってお り、免許・資格取得者の実数は少ないが、登録した者のほとんどが取得して卒業してい る。従って、本学科の教育課程を通じた学習成果を一定期間内に獲得することは、十分 に可能であると判断できる。学習成果は、各学期の成績評価及びGPAによって測定さ れる。また、質的な面では、 「総合講義」における能力別によるクラス編成とその成績推 移の把握、 「キャリアスタディⅠ・Ⅱ」における検定受験や「気づきノート」の活用など によって測定可能である。 なお、専攻科については、各専攻の目的に相応しい高度な知識と技能を習得するため の教育課程が編成されている。例えば、保育専攻は保育、教育、心理、保育内容等に関 する専門的な知識や技能を習得する。医療保育専攻は、医療保育論、保育看護、小児医 学研究、療養保育等に関する専門的な知識や技能を習得する。介護福祉専攻は、老人福 祉、障害児(者)福祉、介護の基本、認知症の介護等に関する専門的な知識や技能を習 得する。従ってそれぞれの教育課程の学習成果に具体性があると言える。 保育科、総合文化学科共に以下の通り、教育課程の学習成果は達成可能である。 [保育科] 保育科の教育課程の専門科目は、幼稚園教諭二種免許状取得、保育士資格 70 聖徳大学短期大学部 取得のための必修科目がほとんどである。従って、シラバスに掲載している各専門科目 の授業計画は文部科学省、厚生労働省の指導に従った内容で構成している。原則として 全ての科目について 15 回の授業回数を確保しており、各教員は 15 回の授業で学習成果 をあげるために緻密な授業計画・内容を作成している。実習指導のような同系統の科目 間では、 教員間で連携を取り合って授業内容の重複を避けることに努めている。 「音楽Ⅰ」 のように、同一科目を複数の教員が担当する場合は、同じシラバスで授業を進め、同一 基準で評価するように努めている。また、例えば「児童文化Ⅰ~1」 「児童文化Ⅰ~2」 等のような科目では、同じ教員が両方の科目を担当し、基礎的な内容から応用的な内容 へと授業を進めることにより、学生は着実に学習成果をあげることができる。半期又は 通年の授業を終えた後、FD活動の成果も含めて授業内容・方法等についての反省・評 価をし、次年度のシラバス作成につなげるように努めており、学生が達成できる学習成 果について研究を継続している。 なお、授業に対する学生の出席はきわめて良好であり、授業計画に基づいた授業と学 生の真摯な授業出席により、教育課程の学習成果は達成可能であると言える。 [総合文化学科] 本学科の履修方法では、全学共通科目 15 単位、学科共通科目「キャ リアスタディⅠ・Ⅱ」4 単位、専門教育科目 32 単位に加えて選択科目 14 単位以上を課 している。その 14 単位には所属ブランチ以外の開設科目及び免許・資格科目をも算入す ることを許容している。従って、卒業所要単位 65 を満たすことは負担にならない。併せ て免許・資格科目を専門教育科目に組み込んだブランチにおいては、複数資格を取得す ることも十分可能である。 なお、専攻科にあっては、平成 21 年度以降は医療保育専攻と介護福祉専攻に在籍者が いるが、両専攻共に 10 名以下の少人数教育を実施し、教員の指導が十分に行き届いてい る。また、両専攻は実習を必修としており、学習成果を実習に活かすことができる。さ らに学生の学習意欲も高い。従って、両専攻の教育課程の学習成果は達成可能である。 保育科、総合文化学科共に以下の通り、教育課程の学習成果は一定期間で獲得可能で ある。 [保育科] 90%以上の保育科学生は例年、幼稚園教諭二種免許状と保育士資格を取得 している。そのために 2 年間で 99 単位の授業を履修する必要があり、これは学生にとっ てやや負担と思われる。しかしながら、以下のような取り組みによって、教育課程の学 習成果は一定期間内で獲得可能である。 授業科目数は 1 年次、2 年次ともに量的にバランスよく配当している。授業科目は、1 年次から 2 年次へ基礎的科目から応用科目へ発展するものであり、学生は着実に一定期 間で学習成果をあげることができる。 保育科では、常に「質の高い保育者」の養成を目指しているが、そのために毎月の科 別会で、各教員が必要に応じて担当科目の学習成果の達成状況について報告している。 特に「音楽Ⅰ」のピアノの学習到達度、幼稚園実習・保育所実習・施設実習における学 生の評価等が報告され、報告内容を基に学科教員で学生の支援を検討している。検討の 71 聖徳大学短期大学部 結果、補習の必要な学生には、教員が個別に補習を行っている。 なお、学生が卒業必修科目又は免許・資格に係る科目の履修が不可能になった場合、 以下の規定にあるように第Ⅰ部生は第Ⅱ部で、第Ⅱ部生は第Ⅰ部で 2 科目まで授業科目 を履修することができる。 短期大学部Ⅰ・Ⅱ部生の授業科目の履修の取扱いについて 1.短期大学部Ⅱ部生で、卒業必修科目又は、免許・資格に係る科目の履修が不可能となった場合、2 科目 を限度として、第Ⅰ部において授業科目を履修することができる。 2.短期大学部Ⅰ部生で、卒業必修科目又は、免許・資格に係る科目の履修が不可能となった場合、2 科目 を限度として、第Ⅱ部において授業科目を履修することができる。 幼稚園教諭二種免許状と保育士資格の両方を取得するための必修単位数は過去 5 年間 ほとんど変わっていない。さらに過去 5 年間の保育科生の卒業率をみると、保育科第一 部では 90%程度を保っている。 <過去 5 年間の卒業率> 年度 第Ⅰ部(%) 第Ⅱ部(%) 平成 19 年度 89.1 66.7 平成 20 年度 93.6 83.3 平成 21 年度 89.3 75.9 平成 22 年度 90.6 86.4 平成 23 年度 88.3 94.4 [総合文化学科] 総合文化学科については、下記の通り、卒業率は 20 年度を除いて 90%以上を保っている。また、免許・資格取得者の実数は少ないものの、登録した者の ほとんどが取得して卒業しているところから、本学科の教育課程を通じた学習成果を一 定期間内に獲得することは、十分に可能であると判断できる。 <過去 5 年間の卒業率> 年度 卒業率(%) 平成 19 年度 92.2 平成 20 年度 89.7 平成 21 年度 92.4 平成 22 年度 95.2 平成 23 年度 93.8 <過去 5 年間の免許・資格取得者数> 平成 19 年度 平成 20 年度 平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 中学校教諭二種(国語) 年度 2 1 1 0 2 中学校教諭二種(英語) 2 0 0 0 0 中学校教諭二種(家庭) 0 1 0 0 0 中学校教諭二種(保健) 5 2 0 0 0 17 15 7 3 2 1 2 0 0 0 18 17 19 16 17 0 1 1 0 1 養護教諭二種 幼稚園教諭二種 図書館司書 司書教諭 衣料管理士 3 1 0 3 1 11 15 6 9 5 ビジネス実務士 9 0 4 0 2 秘書士 0 0 3 0 0 情報処理士 7 1 14 16 8 インテリアプランナー 0 0 0 3 0 訪問介護士 0 0 0 0 0 75 56 55 50 38 フードスペシャリスト 合計(のべ人数) なお、 専攻科にあっては、 現在、 学生が在籍する医療保育専攻は 1 年間で 47 単位以上、 介護福祉専攻は 1 年間で 48 単位以上履修することが必修であり、 学生にはやや負担であ ると思われるが、過去の退学者は極めて少数である。これは、少人数制の授業、教員の 個別的な指導により、学生の学習意欲を維持させることができるからと思われる。従っ 72 聖徳大学短期大学部 て、専攻科の教育課程の学習成果は一定期間で獲得可能である。 保育科、総合文化学科共に以下の通り教育課程の学習成果に実際的な価値がある。 [保育科] 学位授与の方針に「幼児教育に関する理論と技術を幅広く勉学することに より、保育に必要な専門的力量および実践的指導力を身につけ、社会の一員として適切 に行動することができる幼稚園教諭または保育士の養成を目的」とすると示している。 学位授与の方針から明らかなように、保育科は幼稚園教諭または保育士の養成を目的と しており、90%以上の学生が幼稚園教諭二種免許状及び保育士資格を取得し、95%以上 の学生が保育者になっている。従って教育課程の学習成果は実際的な価値があると言え る。 本学が卒業予定者に毎年 3 月に実施する「卒業生の意識調査報告」によると「実技・ 演習・実習系の授業」に対する満足度で、 「満足している(3 段階評価) 」と回答した割 合は平成 23 年度卒業予定者 64.9%、平成 22 年度卒業予定者 58.0%、平成 21 年度卒業 予定者 64.0%である。また、平成 23 年に実施した「聖徳大学短期大学部保育科 卒業 生アンケート」の集計結果でも、 「表現科目(実技系科目) 」に対する評価が高い。アン ケート結果から明らかなように、子どもに対する「実践的指導力」について実際的な価 値が特に高いと言える。 また、保育科専任教員 39 名のうち 34 名が幼稚園実習、保育所実習、施設実習のいず れかの委員会に所属している。従って、専任教員は担当科目と実習との関連性を捉えて 授業に臨んでおり、学生は保育現場にふさわしい専門的知識・技術を学習することがで き、学習成果は実際的な価値があると言える。 [総合文化学科] 本学科の掲げた学位授与の方針は、 「女性の社会的自立」である。従 って学習成果の実際的価値は、実社会での評価を待たねばならない。しかし、卒業時の 就職内定率すなわち社会的自立の出発点における学習成果を見れば、その価値の一端が 判断されることになろう。 過去 5 年間の就職内定率は以下に示すように、 平成 19 年度をピークとして徐々に低下 している。その最も大きな要因は、雇用情勢の悪化であろう。学習成果が社会において 実際的価値を発揮する以前の段階で苦境に陥っているのが現状といってよい。 <過去 5 年間の就職内定率> 平成 19 年度 平成 20 年度 平成 21 年度 内定率(%) 86.0 76.8 58.9 ※数値は、就職希望者に対する内定率を示す。 平成 22 年度 66.1 平成 23 年度 65.5 なお、専攻科にあっては、医療保育専攻、介護福祉専攻共に保育士資格を取得してい ることが入学の条件となっている。医療保育専攻の学生はその上で医療保育という専門 の保育を修得する。病児保育・病後児保育の重要性については認知されており、ニーズ も高まりつつあり、学習成果には実際的な価値があると言える。また、介護福祉専攻で は、ニーズが高まっている介護福祉士の受験資格を 1 年で取得可能である。福祉専攻の 卒業生は保育士資格を持った介護福祉士として現場からの評価が高い。従って学習成果 には実際的な価値があると言える。 73 聖徳大学短期大学部 保育科、総合文化学科、総合文化学科いずれも以下の通り、教育課程の学習成果は測 定可能である。 [保育科] 全科目について共通するのは、教員はシラバスの「授業の目標(学習の成 果) 」を目指して「授業計画」を作成し授業を行い、 「評価の要点」を踏まえて「総合評 価の割合」に従って厳格に評価をしていることである。従って各科目の学習成果は測定 可能である。 教育課程編成・実施の方針に掲載している「聖徳教育」 「表現教育」 「人間関係調整力 や課題探求能力を育成する教育」 「実習教育」については以下の通りである。 「聖徳教育」のうち、 「聖徳教育Ⅰ、Ⅱ」については主に体験(出席)と感想レポート によって学習成果を測定している。また、 「聖徳教育Ⅲ」は、保育科教員が科別会で検討 した共通の学習成果の測定基準がある。 「表現教育」には「基礎専門体育Ⅰ、Ⅱ」 「音楽Ⅰ」 「音楽Ⅱ~1、2」 「図画工作Ⅰ、 Ⅱ」 「児童文化Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」等がある。共通するのは、教員が明確な目標(学習成果)を 目指して細かな計画を立て、学生が自らの進度を確認しながら授業を受け、さらに教員 が学生の学習過程を見極めながら到達度(学習成果)を評価していることである。 「人間関係調整力や課題探求能力を育成する教育」には主に「キャリア総合演習」 、 「教 職実践演習」があるが、共通するのは学生が毎回の授業成果を記録にとり、学生の自己 評価と担当教員の評価を総合して学習成果を測定していることである。 「実習教育」のうち、 「幼児教育実習指導」 、 「保育実習指導Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」については、 原則として全ての授業に出席することが条件とされており、欠席した学生については補 講を実施している。このようにして「実習の準備」を学生全員に十分にさせ、一定の水 準を確保した上で実習に臨ませている。 「幼児教育実習Ⅰ、Ⅱ」 、 「保育実習Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」 に共通するのは、学生の実習園での「評価票」を基本としながらも、実習録、実習感想 レポートも参考にし、各実習委員会で学生の実習評価を討議している。なお、実習園の 「評価票」の成績の芳しくない学生については、実習担当教員が学生と面接をして、そ の面接内容を評価の参考としている。 以上のように、教育課程の学習成果については質的な観点、数値的な観点を十分に考 慮しながら測定しており、測定の正確さも高いと言える。 [総合文化学科] 学習成果は、各学期の成績評価及びその平均値(GPA)によって 測定される。また、質的な面では、すでに紹介した(Ⅰ―B―2(3) )とおり、 「総合 講義」における能力別によるクラス編成とその成績推移の把握、 「キャリアスタディⅠ・ Ⅱ」における検定受験や「気づきノート」の活用などによって、測定可能と考えられる。 [専攻科] 教員はシラバスの「授業の目標(学習の成果) 」を目指して「授業計画」 を作成し授業を行い、 「評価の要点」を踏まえて「総合評価の割合」に従って厳格に評価 をしている。さらに、少数の学生を対象とする授業のため、教員は学習過程の評価を行 うことができる。従って学習成果は測定可能である。 74 聖徳大学短期大学部 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 保育科、総合文化学科ともに、学習成果の査定は明確である。ただし、平成 23 年度は 保育科第Ⅰ部で 12%、総合文化学科で 6%の留年生を出している。第Ⅱ部については、 平成 23 年度は 6%の学生が留年している。両学科ともに、これまでの調査により留年の 原因は解明されている。従って今後も、学習成果の評価を厳格に保ちながらも、学生へ の個別的な対応によって留年生を減少させることに努める必要がある。特に保育科にお いては、 「音楽Ⅰ」 「実習」のための補習授業を早期より開始する必要がある。 基準Ⅱ―A―5 学生の卒業後評価への取組みを行っている。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 保育科、総合文化学科共に以下の通り、卒業生の進路先からの評価を聴取している。 [保育科] 保育科学生の卒業後評価への取り組みとして、以下の 3 つの取り組みを実 行している。 第 1 に、幼稚園実習、保育所実習、施設実習等で専任教員が巡回訪問をする際、保育 科卒業生の評価を聴取している。教員は得られた評価を「訪問(電話)指導報告書」に 記入し、各実習員会が取りまとめて科別会で報告する。 第 2 に、学生が実習指導を受ける幼稚園や保育所の実習担当者(幼稚園教諭、保育士 等)と本学の専任教員で不定期ではあるが「実習研究協議会」を開催しており、その際 に、卒業生の評価を聴取している。なお、平成 23 年 11 月 30 日に千葉、東京、埼玉の実 習先幼稚園の担当者 16 名と本学の幼稚園実習実施委員(学部児童学科9名、短期大学部 保育科6名)で「平成 23 年度幼稚園実習研究協議会」を聖徳大学 10 号館で開催した。 第 3 に、保育科では、平成 23 年 4 月に保育科卒業生 1529 名(平成 8 年度入学者 602 名、平成 13 年度入学者 556 名、平成 18 年度入学者 371 名)にアンケート調査「聖徳大 学短期大学部保育科 卒業生アンケートのお願い」を依頼し、その集計結果を出してい る。アンケート内容は広範囲に及ぶものであるが、幼稚園、保育所等の施設に就職した 卒業生の実態を知ることができ、卒業後評価として活用している。 なお、専攻科については、保育科と同様な取り組みで臨んでいる。 [総合文化学科]卒業後の進路の大部分が一般企業である。従って、全員を対象とした 企業からの意見聴取は困難であるため、学内合同企業セミナーに参加した企業、外部講 師として招聘した企業から卒業生の動向を聴取する方法を採っている。 なお、総合文化学科では、平成 23 年 4 月に総合文化学科卒業生 159 名(平成 18 年度 卒業生 91 名、平成 22 年度卒業生 68 名)にアンケート調査「聖徳大学短期大学部総合文 化学科 卒業生アンケートのお願い」を依頼し、その集計結果を出している。回収率は 低いが、卒業生の実態を知ることができ、卒業後評価として活用している。 保育科、総合文化学科共に以下の通り、卒業生の進路先から聴取した評価結果を学習 成果の点検に活用している。 [保育科] 「指定幼稚園教育実習 訪問(電話)指導報告書」をはじめとする「指 75 聖徳大学短期大学部 導報告書」は、実習終了後に各実習委員会が取りまとめ、科別会で報告している。 「実習 研究協議会」で得られた情報は協議会に出席した教員より科別会で報告している。 「聖徳 大学短期大学部保育科 卒業生アンケートのお願い」の集計結果は集計担当者が科別会 で報告している。以上のように、聴取した結果は科別会で報告され、教員間で話し合い がもたれ、各教員が学習成果の点検に活用している。 なお、専攻科も保育科と同様である。 [総合文化学科] 企業側からの意見は、単なる数値よりも個別で具体的な内容のほう が役に立つ。それゆえ、特に問題の生じた事例については、キャリア支援室とも相談し ながら丁寧に対処するとともに、 「就職セミナー」等への反映や成果の質的点検に活用し ている。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 保育科では、幼稚園、保育所、施設との「実習研究協議会」の定期的実施について検 討する必要がある。教員の実習施設への巡回訪問で、卒業生の就職先からの評価の聴取 数を増やすことが必要である。総合文化学科では、卒業生の評価のための情報入手が十 分とは言えない。 [テーマ] 基準Ⅱ―B 学生支援 ■基準Ⅱ―Bの自己点検・評価の概要を記述する。 (a)テーマ全体の自己点検・評価の要約を記述する。 保育科、総合文化学科、専攻科いずれも、教員はシラバスの総合評価の割合に従った 成績評価、学生の学習達成度に基づいた成績評価、C段階を基準とする絶対評価に基づ く成績評価を行っている。従って学位授与の方針に対応した成績評価基準により学習成 果を評価している。また、教員は、学生の成績とともに「成績報告書」も教務課に提出 することになっており、成績の分布状況を把握している。 教員は、前期・後期とも担当する全ての科目について学生による授業評価(授業アン ケート) を受けている。 授業アンケートは学生自身の自己評価と授業評価の項目があり、 教員はアンケート結果を授業改善に役立てている。 本学では、FD活動として前期・後期とも、参観教員の専門分野を限定しない「一般 公開授業」と同一専門分野の教員間で行う「研究グループ授業」を実施し、教員には少 なくとも 2 回の授業参観を義務付けている。参観した教員は「公開授業に対する評価表」 に授業内容、教材、教授技術等の評価を記述する。授業担当の教員は「公開授業に対す る評価表」を検討して「一般公開授業報告書」を作成することで、授業・教育方法の改 善をする。 毎月行う科別会では、 各科目担当者より必要に応じて学生の学習進度状況が説明され、 学科の全教員が教育目的・目標の達成状況を把握している。また、主に担任が学生の出 76 聖徳大学短期大学部 席状況を把握し、保護者会等を通じて保護者との連携を密にしながら卒業に至る指導を している。 上記の教員の教育活動が円滑に行われるために、事務職員は教員と密接に連携をとっ て全面的な支援をしている。また、事務職員は職務を通じて学生の学習成果を把握して いる。 図書館職員は学生の学習向上のために様々な支援を行っており、特に図書館利用に関 するガイダンスを積極的に行っている。また、年間 2 度実施する「図書館の利用に関す るアンケート調査」により、学生の図書館の利便性を向上させることに努めている。 ほとんどの教員はコンピューターで授業資料の作成をし、コンピューターを用いて授 業をする教員は年々増加している。学内LANにより、教職員間の学内連絡はほとんど 電子メールで処理されている。教職員のコンピューター利用技術の向上のために、パワ ーポイント講習会やWEBポータル研修会を実施している。 学習成果の獲得に向けて、保育科、総合文化学科、短期大学部通信教育部では、以下 のような学習支援を組織的に行っている。 [保育科] 保育科では、学生の学習への動機付けのために 2 年間にわたり、十分なオ リエンテーション、ガイダンスを実施している。学習成果の獲得に向けて、 「学生便覧」 、 「教育課程」 、 「教員一覧」だけでなく、科目ごとに学習支援のための印刷物を学生に配 布している。入学予定者に対しては、入学準備教育を実施し、入学後は「基礎ゼミⅠ、 Ⅱ」 「国語」により保育科に相応しい基礎学力の形成にあたっている。なお、個別的な補 習として、 「音楽Ⅰ」のピアノの補習授業、実習の補習授業を積極的に実施している。 担任を中心として、学科全体で学生に指導助言を行う体制を整備している。担任は「担 任マニュアル」に基づき、 「クラスアワー」 、個別面談、日常の会話等によりクラスの学 生の指導助言を行っている。保護者会を通じて、保護者との連携も密にしている。全教 員は、 「オフィスアワー」によりいつでも学生の来室を受け入れている。 「音楽Ⅰ」の成績優秀な学生は「ピアノ演奏会」への参加を奨励し、実習成績の優秀 な学生には「実習体験発表会」への参加を奨励している。また、 「基礎学力判定試験」の 成績の優秀な学生には公立保育士採用試験や公立幼稚園教諭採用試験への受験を勧めて いる。 [総合文化学科] 総合文化学科では、学習の成果の獲得に向けて、新入生オリエンテ ーションの他に、履修内容が多岐に亙る「キャリアスタディⅠ・Ⅱ」について、初回授 業時に年度を通じて実施する内容、受講方法、評価方法などを詳細に解説している。学 習支援のための印刷物として、新入生オリエンテーション時に「総合文化学科履修方法」 を配布し、単位の構成と履修上の注意事項を説明している。一般企業への就職を目指す 総合文化学科学生が筆記試験に対応できる基礎学力を養成するため、「人文学総合講義 (国語、時事社会) 」 、 「自然科学総合講義(数学) 」を開講している。 ブランチが 10 分野に別れ、一クラスに複数ブランチの学生が所属する。従ってクラス 担任だけでなく、 ブランチ責任者が学生と直接面談したり、 基礎ゼミ単位で指導したり、 77 聖徳大学短期大学部 修学アドバイザーとしての教務担当教員が関わる等の工夫をして、学生の学習上・進路 上の相談に乗り、助言を行っている。 [短期大学部通信教育部] 短期大学部通信教育部では、在宅学習とスクーリングによ る学習が中心である。全国各地で学ぶ学生の負担を軽くするために、科目終了試験は日 曜日に全国 23 都市で開催し、 同一科目につき年間 8 回まで終了試験を実施する体制を整 えている。スクーリングは、学生のスケジュールを踏まえて夏、冬、春の3期間に開催 している。さらに、ピアノ技術( 「音楽Ⅰ」 )の向上を目指し、学生の進度を考慮してピ アノ試験は年間 20 回程度開催し、このうち 4 回は地方で実施している。学生が効率的・ 効果的に学習を進めていけるようにするために、全国で「学習ガイダンス」を実施して いる。通信教育部学務課が学生の電話での問い合わせに対応し教員への連絡にあたって いる。 本学では、担任、学科教員、14 の事務窓口の事務職員、19 の委員会によって学生の生 活支援のための組織を整備している。学生が学友会で主体的に参画する活動が行われる ように支援体制も整備している。 学生が有意義な学生生活を送るために、 運動系 19 団体、 文科系 38 団体のクラブ・同好会の活動を奨励している。 栄養価を重視した、特色のある 5 つの学食を設置しており、売店も充実している。ギ ャラリーやモニュメントの展示など、学内が芸術作品で満たされている。自宅から通学 できない学生のために 4 つの学生寮を完備しており、人間教育の場としての寮生活を目 指している。奨学制度については、日本学生支援機構奨学金(貸与)のほか、本学独自 の制度として聖徳大学後援会奨学助成(貸与) 、聖徳学園川並奨学金(給付)がある。保 健センターが学生の健康管理、メンタルヘルスケア、カウンセリングなどの業務を行っ ている。 「提案箱」 、 「卒業生の意識調査」等により学生の意見や要望の聴取に努め、学生の生活 支援に役立てている。各学科とも社会人学生の受け入れを積極的に進めており、全学的 に社会人学生の学習を支援している。学生のボランティア活動を奨励し、学生ボランテ ィア活動認定制度を設け、学生のボランティア活動を評価している。 教職員、就職委員会、キャリア支援室の連携により学生の就職支援を活発に行ってい る。キャリア支援室には7名の職員がおり、学部、短期大学部ごとに担当を決めて学生 の就職支援を行っている。保育施設関連の資料は豊富であり、学生は過去の就職者の内 定報告書を参考にすることができる。保育科学生には「YES」 、総合文化学科学生には 「Compass」という就職の手引書を配布し、就職活動に役立てている。就職ガイダンス や就職対策講座等を示した「年間スケジュール」を学生便覧に掲載しており、学生は計 画的に就職活動を進めることができる。就職試験対策として、1 年次より「TOEIC テスト」 、 「就職模擬試験(一般常識・適性検査) 」をはじめとして各種の試験、講座を開 講している。毎年 4 月最初の教員会で、前年度の 3 月末時点での「学科別 就職状況」 を配布し、科別ごとに就職状況を分析・検討し次年度に活かしている。本学の専攻科へ の進学、学部への編入等の支援も担任、入学センター、教務課の連携の下に行っている。 78 聖徳大学短期大学部 短期大学部入試要項及び「AO入試」入試要項に各学科の入学者受け入れの方針を記 載している。なお、 「AO入試」入試要項では、入学者受け入れの方針を受験生にわかり やすく解説した「聖徳大学・聖徳大学短期大学部が求める学生像」を学科ごとに記載し ている。 聖徳大学入学センター(担当者 17 名)が常時、受験の問い合わせに適切に対応してい る。また、 「キャンパス見学&受験相談」 「オープンキャンパス」 「出張オープンキャンパ ス」 、AO入試を希望する高校生のための「事前相談(保護者同席も可能) 」を実施して、 学科の紹介を十分に行っている。 入学者受け入れの方針に相応しい多様な入試選抜を、入試・学生募集対策検討委員会 の規定に基づき、公正かつ正確に実施している。入学手続き者については、入学後の学 習を円滑にするために入学準備教育(学習)を実施している。 (b)自己点検・評価に基づく改善計画を記述する。 第 1 に、学科の課題を解決し、学科の学習成果を一層高めるために、学科単位のFD 活動を計画、実施する。保育科は「幼稚園実習」 「保育所実習」 「施設実習」の事前指導 について、学科全体で検討する。総合文化学科は「基礎ゼミ」について検討する。 第 2 に、保育科において、文章表現力等の基礎学力、ピアノ等の基礎技能の不足して いる学生の補習授業を一層充実させる。 第 3 に、入学予定者が入学後の学生生活に適応できるようにするために、入学予定者 に送る情報をより充実させる。 第 4 に、総合文化学科の就職希望者の就職率を上げる。そのために問題点を抽出し、 改善に努める。併せて、各ブランチの問題点を抽出する。 第 5 に、長期履修生の受入れの是非について、各科で検討する。 Ⅱ―B-1 学科・専攻課程の学習成果の獲得に向けて教育資源を有効に活用している。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 学位授与の方針に、教育目標達成のために厳格な成績評価を行うことを掲げている。 これを受けて、教員は以下のような成績評価基準により、学生の学習成果を評価してい る。すなわち、1)シラバスの総合評価の割合に則った成績評価、2)学生の学習達成 度に基づいた成績評価、3)C段階を基準とする絶対評価に基づく成績評価等であり、 教員は厳格な評価を実行している。 教員はシラバスの総合評価の割合に基づいて、学生の学習経過を把握している。さら に教員は、学期末に学生の成績とともに「成績報告書」も教務課に提出する。従って、 成績の分布状況も把握している。担任には、学期末ごとに学生の成績一覧(クラス全学 生の累積GPA、全クラスのGPA平均)が配布される。従って、クラスの一人一人の 学生の学習成果の状況を把握できる。学科長には全クラス学生の累積GPA、全クラス のGPA平均が配布される。従って、学科の学生全員の学習成果の状況を把握できる。 79 聖徳大学短期大学部 なお、WEBポータルシステムが完成すれば、担任がクラス学生の累積された学習成果 の状況をいつでもパソコンでチェックすることができるようになる。 教員は授業評価( 「授業アンケート」 )を定期的に実施している。学期毎にマークシー ト形式の専用アンケート用紙によって、授業期間後半に原則として全科目を対象に実施 し、集計結果は教務課より担当教員に送付される。さらに、学生の授業に対する率直な 意見を聴取する目的で、自由記述のアンケートも必要に応じて実施している。教員はそ れらを承けて「アンケート結果の考察」を提出することになっている。 学期毎の授業評価の集計結果は担当教員に送付され、教員は学生による授業評価の結 果を認識している。 「授業アンケート」から明らかなように、 「この授業に関する評価(こ の授業に対するあなた自身の評価を示してください。 ) 」には 15 の評価項目があり、教員 は自らの授業評価を詳細に認識し、点検することができる。なお、 「授業アンケート」の 項目「B-14、15」は教員が自身の授業科目の特色を踏まえて、独自に質問項目を作成 することができるようになっている。 「授業アンケート」は「A.あなた自身の自己点検(あなたはこの授業をどのような 態度で受けていますか) (6項目) 」と「B.この授業に関する評価(この授業に対する あなた自身の評価を示してください。 ) (15 項目) 」から構成されており、教員は学生自 身の自己評価と授業評価を詳細に認識・点検することができ、授業改善のために活用し ている。 教員は「授業アンケート」の集計結果を基に「アンケート結果の考察」を執筆し提出 することになっている。 「アンケート結果の考察」では、 「アンケート調査の結果と問題 点の考察」 「改善の方策」について執筆するが、これにより授業改善の方策を得ることが できる。 アンケート結果の考察 1.科目の目的(達成目標)と授業内容 2.アンケート調査の結果と問題点の考察(どう解釈し、どのように対応したか、評価項目の平均値が 3 点 未満の項目については必ず記載) 3. 「授業に対する取り組みに、熱意や情熱が感じられますか」の項目の平均得点とそれに対するコメント 4.改善の方策(前回の『結果の考察』を踏まえて努力あるいは改善された事項も含めてください。 ) ※「アンケート結果の考察」より抜粋 なお、下記の「授業の質のPDCAサイクル」に基づき、教員は学生の授業評価を授 業改善に役立てるとともに、自己点検・評価委員会は授業評価の「評価項目」の見直し を行い、より効果的なアンケートの作成を目指している。 80 聖徳大学短期大学部 保育科、総合文化学科、専攻科は以下の通り、授業内容について授業担当者間での意 思の疎通、協力・調整を図っている。 [保育科] 「基礎ゼミ」 「音楽Ⅰ」 「児童文化Ⅰ~1」等、同一科目を複数の教員が担 当する場合は、担当教員間で定期的に授業内容について話し合いを行い、共通のシラバ スに基づいて共通の授業目的、内容、方法で授業を行っている。 保育科には「幼稚園実習委員会(教員 13 名で組織) 」 、 「保育所実習委員会(教員 10 名で組織) 」 、 「施設実習委員会(10 名で組織) 」があり、それぞれの委員会で定期的に学 生の実習指導について話し合いを行い、共通の目的、内容、方法で実習指導を行ってい る。さらに、学科長、各実習委員会の主任、副主任等で構成される「実習指導委員会」 で、実習指導についての話し合いを行い、3 実習の連携に努めている。 なお、例えば平成 23 年度より実施する「教職実践演習」 、 「保育課程論」等、新しい科 目については、その担当者が科別会で科目の紹介をし、関連する実習委員会との間に授 業内容の調整をするなど、活発な話し合いを進めている。 [総合文化学科] 各ブランチの専門教育科目内においては、複数教員が同一科目を担 当することがほとんどないため、調整の必要がない。複数担当者間での意思疎通・協力・ 調整の必要が認めら れるのは、以下の科目である。 学科共通科目「キャリアスタディⅠ」に含まれるBISOCIE新聞製作及び発表に ついては、複数担当者全員によって、計画立案から実施、成果の発表に至るまで綿密な 打ち合わせを行っている。また、 「キャリアスタディⅡ」に配当された「魅力あるレスト ランを考える」については、外部講師を複数招聘しているため、同一内容で展開できる ように、事前打ち合わせを実施し、共通理解を図っている。 基礎学力養成のために設置した「総合講義」のうち、 「自然科学総合講義」は能力別ク 81 聖徳大学短期大学部 ラス編成である。従って、授業の進度や評価などの調整を行うため、複数担当者間での 意思疎通を随時図っている。 さらに、ISO中期目標に「基礎ゼミⅠ・Ⅱ」の充実を掲げた。そのため、毎学期選 出された教員の授業を学科全員が参観し研究している。 [専攻科] 保育専攻、医療保育専攻、介護福祉専攻のそれぞれの主任が授業担当教員 の意見を聴取している。さらに 3 専攻の主任による「主任会議」を随時開催し、授業内 容についての意見交換を行っている。 本学では、ISOシステムの「教育の質マニュアル」に従い、教員の教育能力開発の 取り組みの一環としてFD授業を実施している。これには、参観教員の専門分野を限定 しない「一般公開授業」と同一専門分野の教員間で行う「研究グループ授業」の 2 種類 があり、下記の「授業の質(FD)のPDCAサイクル」に基づき実施している。 「一般公開授業」は前期と後期に実施され、兼任を含め、原則として、全ての授業が 1 ヶ月程度公開される。専任教員には前期と後期に、それぞれ少なくとも 2 回の授業参 観を義務づけている。参観した教員は「公開授業に対する評価表」に授業内容、教材、 教授技術等の評価を記述する。授業を担当する教員は、参観教員の「公開授業に対する 評価表」を検討して、 「一般公開授業報告書」を作成する。この授業報告書を作成する過 程より、 授業・教育方法の改善が行われる。 それによる平成 23 年度の改善事例としては、 学生への発問の工夫、説明の工夫、座席の工夫、板書の工夫など、学生の意欲を増進さ せるための試みが挙げられる。 「研究グループ授業」は、研究分野を同じくする教員間での公開授業であり、前期・ 後期に各 1 回実施している。この「研究グループ公開授業」では、参観した教員は「一 般公開授業」と同じ様式の「公開授業に対する評価表」に記述し、公開授業の実施後、 82 聖徳大学短期大学部 教員間で反省会を開く。それを踏まえて公開授業を実施した教員が「研究グループ授業 報告書」を作成する。それによる平成 23 年度の授業改善の事例としては、学生の質問を 促し、イメージしやすい事例(実践例)の提示などが挙げられる。 以上のように、FD活動を活発に行っている。しかしながら、今後は各学科の課題を 解決し、学習成果を一層高めるために、学科によるFD活動も必要である。 毎月行う科別会で、全ての科目ではないが、各科目担当者が必要に応じて学生の進度 状況を説明し、学科の全教員が教育目的・目標の達成状況を把握している。前期・後期 終了後、クラスごとの成績が担任に届けられ、担任はクラスの学生の成績を知り、クラ スの教育目的・目標の達成状況を把握している。3 月の科別会で成績判定会議を行い、 全学生の成績が発表される。なお、現在はWEBポータルシステムを開発・導入中で、 完成の際には担任がクラスの学生の成績等を詳細に把握できる予定である。 教員は以下の点から、学生に対して履修及び卒業に至る指導ができると判断する。 4 月はじめに学年ごとのオリエンテーションがあり、学生は履修についての説明を受 ける。授業開始後 1 ヶ月ほど経過した時点で、各科目担当教員はその時点での学生の出 席状況を教務課に提出する。教務課は提出された出席状況を各クラスの担任に届けるこ とになっている。従って担任はクラスの学生のすべての授業の出席状況を知ることがで き、これに基づいて学生の指導をする。 本学では毎年 6 月より地区ごとの保護者会を順次開催する。担任は教務課から学生の 成績資料(合格科目と不合格科目が掲載)を受けとり、資料を参考にしながら学生と個 人面談をする。担任は個人面談、成績を基に保護者会の面談資料を書く。保護者会では、 作成された保護者会面談資料を基に学科の専任教員が保護者と面談をする。こうして、 保護者に対しても、学生の履修状況について説明し、助言をしている。さらに、保護者 と面談した教員は、その内容を文書にまとめ、後日、担任に渡すことになっている。 さらに、それぞれの学科において、以下の点からも、教員が学生に対して履修及び卒 業に至る指導ができると判断する。 [保育科] 担任が各担当科目の教員と連携をとりながら、クラスの学生の教育目的・ 目標の達成状況を把握している。 1 年次の「基礎ゼミⅠ(前期開講) 」 、 「基礎ゼミⅡ(後期開講) 」はクラスの学生を 2 グループに分け、片方のグループを担任が、他方のグループを保育科専任教員が担当す る。従って担任とともに専任教員も 1 年間、学生の学習指導を継続することができる。 ほとんどの保育科学生は「幼稚園教育実習」 、 「保育所実習」 、 「施設実習」をするが、 実習で不合格となった学生には個別指導した後、再実習をすることができるように指導 をしている。 [総合文化学科] 上記担任制度の他、入学時の履修指導のために修学アドバイザーと して教務担当教員を配置し、卒業まで相談に応じている。また、卒業に至る各方面の指 導は主として担任が行うが、とりわけ進路に関しては、基礎ゼミ担当教員を中心として 面談員を構成している。教員一人当たり学生 5~6 名を担当しながら、就職活動や編入試 83 聖徳大学短期大学部 験対策などの相談と指導を中心に行う。 事務職員は以下の通り、所属部署の職務を通じて学習成果を認識している。教務課事 務職員は、全学生の成績管理を通じて学習成果を認識している。学生課事務職員は、 「聖 徳教育」や奨学金の受付業務等を通じて学生の学習成果を認識している。インターンシ ップ室事務職員は、実習履修基準に達しない学生の抽出、学生の実習評価票の管理等を 通じて学習成果を認識している。キャリア支援室事務職員は、学生のGPAを参考にし て学生の就職支援を行っており、学習成果を認識している。 事務職員は上記に掲げた業務を通じて、教員と連携をとりながら、各学科の学習成果 に貢献している。 学生便覧 19 ページに「事務窓口案内」が具体的に掲載されている通り、それぞれの事 務窓口が各学科の教育目的・目標に関わる業務を担当している。さらに各委員会を通じ て事務職員は教員と連携を取り合って教育目的・目標の達成に努めている。従って事務 職員は所属部署の職務を通じて各学科の教育目的・目標の達成状況を把握している。 SD活動として、各部課の部長、課長、グループリーダーを対象として、学生支援の 職務を充実させるための研修活動を実施している。人事課より各課の事務職員に相応し い外部研修が通知され、事務職員は積極的に外部研修に臨んでいる。また、毎週火曜日・ 木曜日に行われる朝礼で、外部研修出席者は研修の成果を発表している。 学生便覧に保育科、総合文化学科、専攻科それぞれの学事日程が示されており、事務 職員は学事日程に基づいて計画的に学生に対して履修及び卒業に至る支援を行っている。 特に短期大学部の新入生には入学式後の 3 日間にわたり新入生オリエンテーションを実 施しているが、事務職員は教員と連携して教育課程の説明、履修計画の作成、履修方法、 学生生活に関するガイダンスに関わっている。 平成 21 年 9 月 5 日にリニューアル・オープンした川並弘昭記念図書館(以下、図書館) では、図書の貸出・返却、資料の閲覧以外に、職員が学生の学習向上のために以下の支 援を行っている。特に情報リテラシー教育支援のために、短期大学部必修科目「基礎ゼ ミⅠ」で図書館利用に関するガイダンスをする機会が多い。 1.相互協力サービス 求めている図書が図書館で所蔵していない場合、所蔵している他の大学図書館の図書が利用できる。 (閲 覧、文献複写、現物貸借による。 ) 2.図書館利用に関するガイダンス 図書館の利用法や学術情報の検索方法等を分かりやすく説明するガイダンスを随時実施いている。グルー プでも個人でも可能。 3.レファランスサービス レポートや卒論などで必要な図書館資料や雑誌論文の探し方などの様々なサポートを行う。 4.購入希望 必要な図書の購入希望ができる。 ※「LIBRARY図書館利用ガイド」より 学生の図書館の利便性を向上させるために、図書館職員は夏期及び冬期の 2 度にわた り、 「図書館の利用に関するアンケート調査」を定期的に実施している。アンケート用紙 は図書館カウンターにあり、さらに図書館ホームページの「利用者アンケート」からも 回答できるようになっている。アンケートの集計結果は本学の図書委員会(教員と事務 84 聖徳大学短期大学部 職員で組織されている)で検討され、図書館の利便性を高めるための改善に役立てられ ている。 ほとんどの教員が、コンピューターで授業資料の作成をしている。コンピューターを 用いて授業をする教員は年々増加している。 専任教員と事務職員は全員コンピューターを所持し、学内LANにより、学内の連絡 はほとんど電子メールで処理されている。また、保育科では、保育科内の共通メールア ドレスがあり、これによって保育科専任教員全員への連絡・情報の伝達を迅速に行うこ とができる。平成 23 年度よりWEBポータルシステムが一部導入され、学生の成績は全 てコンピューター処理されて教務課に電送されるようになった。 短期大学部の学生は、 「SEICAシステムサイト」により、学内・学外のパソコンや 携帯電話を通じて様々な情報が閲覧できる。なお、SEICAシステムサイトの利用方 法については 1 年前期の授業「情報活用演習(基礎) 」で行っている。 IT施設として、メディアパーク(1 号館 4 階図書館内) 、メディア工房(メディアパ ーク内) 、AVブース(メディアパーク内) 、スタジオ(1 号館 4 階) 、情報処理教室(1 号館地下 2 階)がある。これらの施設は授業で学生が使用する他、クラブ・個人で利用 できる。 平成 22 年度、23 年度それぞれ 2 回、教員を対象に「パワーポイント講習会」を実施 し、コンピューター利用技術の向上を図っている。また、平成 23 年度よりWEBポータ ルシステムの導入にともない、教員対象に「WEBポータルシステム説明会」を 7 月に 3 度実施している。さらに、12 月 9 日には、 「WEBポータル活用講座」でWEBポータ ルを活用した教育活動についての講座を開催している。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 各学科の課題を解決し、学習成果を一層高めるためのFD活動を更に工夫する必要が ある。特に、保育科は「実習」について、総合文化学科は「基礎ゼミ」についての改善 のための学科によるFD活動をさらに深めていくことが必要である。 Ⅱ―B-2 学科・専攻課程の学習成果の獲得に向けて学習支援を組織的に行っている。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 短期大学部の新入生には、入学式後の 3 日間にわたり新入生オリエンテーションを実 施している。第 1 日目には、学長講話やVTR視聴により本学の教育理念、教育目標等 について説明する。第 2 日目には、学科別の指導(ガイダンス)があり、各学科の紹介、 教育課程の説明、履修計画の作成、履修方法について説明している。第 3 日目には、学 生生活に関するガイダンスを実施している。3 日間にわたるオリエンテーション(ガイ ダンスを含む)を受けることにより、学生は各学科での学習への動機付けを高めること ができる。 短期大学部保育科第二部の新入生には入学式後の 2 日間(両日とも夜間)にわたり、 85 聖徳大学短期大学部 第 1 部生と類似の内容でオリエンテーション(ガイダンスを含む)を実施している。 専攻科の新入生には、入学式の翌日に専攻科オリエンテーションを実施している。教 務課による教務ガイダンスと専攻科別にクラス担任の指導がある。 在校生には、学年のはじめにオリエンテーション(ガイダンスを含む) (1 日間)を実 施している。 通信教育部保育科の新入生には、入学式当日にオリエンテーション(ガイダンスを含 む)も実施している。入学式当日のオリエンテーションに出席できない学生や在学生の ために学期の途中で学習ガイダンスを実施している。 なお、授業が始まってからも、以下のように学科、専攻科ごとのガイダンスを実施し ている。 [保育科]保育科には「幼稚園教諭コース」と「保育士コース」があり、どちらのコー スも、 多くの学生が幼稚園教諭二種免許状と保育士資格の両方を取得する。 保育科では、 今後の保育状況を踏まえて、学生に幼稚園教諭二種免許状と保育士資格を取得すること を勧めるために、毎年 5 月に、1 年生を対象に「免許・資格取得のためのガイダンス」 を実施している。 [総合文化学科] 上記新入生オリエンテーションの他、履修内容が多岐に亙る「キャ リアスタディⅠ・Ⅱ」については、初回授業時に年度を通じて実施する内容、受講方法、 評価方法などを詳細に解説している。 [専攻科]それぞれの授業の担当教員が初回の授業でガイダンスを行っている。 短期大学部の 1、2 年生には、学習成果の獲得に向けて、4 月はじめのオリエンテーシ ョンで「学生便覧」を学生に配布している。さらに 1 年生には「教育課程」 、 「教員一覧 (専任教員の写真と担当科目が掲載されている)」、「LIBRARY 図書館利用ガイ ド」を配布している。 「教育課程」はウェブサイトでも閲覧することができる。なお、学 科ごとに、以下のような印刷物を配布している。 [保育科] 1年生には、特に以下の科目で学習支援のための印刷物を最初の授業時に 配布している。 科目 「基礎ゼミⅠ、Ⅱ」 「幼児教育実習指導」 「保育実習指導Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」 「音楽Ⅰ」 「 (幼保)基礎専門体育Ⅰ」 「児童文化Ⅲ~1」 「キャリア総合演習」 「教職実践演習」 学 習 支 援 の た め の 印 刷 物 「キャリアデザイン・ノート」 「実習の手引き」 「2011 年度 音楽Ⅰ 保育科カリキュラム 学生用」 「平成 23 年度 音楽Ⅰ(ピアノ実技) 年間計画表」 「基礎専門体育Ⅰ・Ⅱ 授業注意事項」 「基礎専門体育Ⅰ 創作舞踊資料」 「保育表現研究発表会までの進度予定表(創作舞踊)保育科」 「保育表現研究発表会(表現遊び)までの流れ」他。 「プログレスノート」 「教職実践演習 ポートフォリオ」 [総合文化学科] 総合文化学科の学生の学習支援のための印刷物として、新入生オリ エンテーション時に「総合文化学科履修方法」を配布し、単位の構成と履修上の注意事 項を説明している。同時に「キャリアスタディⅠ」の実施予定表を配布する。また、 「キ ャリアスタディⅠ・Ⅱ」では、初回授業時に「BISOCIEノート」 (22・23 年度入 86 聖徳大学短期大学部 学生) 、 「気づきノート」 (23・24 年度入学生)を配布し、使用方法についてガイダンス を行っている。 保育科、総合文化学科ともに、入学前準備教育(学習)として、AO入試合格者全員に 対して、本学に入学するまでの間に基礎学力の形成として「学習記録ノート(8 週間分) (前期AO入試合格者) 」 、 「作文(2 題) (後期AO入試合格者) 」 、 「国語・英語ワークブ ック」 、 「各科の課題」が課され、提出することになっている。なお、課題の提出率は 100% であり、入学予定者全員が課題に取り組んでいる。AO入試以外の入試合格者に対して は、 「各科の課題」が課されている。 保育科、総合文化学科ともに 1 年次に「基礎ゼミⅠ(前期、週 1 コマ) 」 「基礎ゼミⅡ (後期、週 1 コマ) 」があり、1 年生全員に「基礎ゼミ」を通じてそれぞれの学科に相応 しい基礎学力の形成を図っている。また、保育科では、 「国語」の授業を半期間開講し、 基礎的な国語力の形成を図っている。 なお、それぞれの学科固有の補習授業として以下のものがある。 [保育科] ○ピアノの補習授業 保育科は開学以来、実践力・即戦力として現場で活躍できる保育者を育成するという 観点から、ピアノの実技指導( 「音楽Ⅰ」 )には特に力を入れており、綿密な計画を立て て指導にあたるとともに、ピアノの実力が不十分な学生に対して、以下のようなピアノ の補習授業を実施している。 ピアノ特訓 特別補習授業 ピアノ悩み相談室と ピアノ・クリニック 春期特別ピアノ特訓 Ⅰ部 1 年生、Ⅱ部 1・2 年生対象で、3~4月に 2 回実施 する。 ○対象進度:Ⅰ部 1 年生⇒B105 番以下。Ⅱ部 1 年生⇒B 93 以下。Ⅱ部 2 年生⇒AE6番以下。 夏期特別ピアノ特訓 Ⅰ・Ⅱ部生対象で、8~9月に 2 回実施する。 ○対象進度:Ⅰ部 1 年生⇒B59 番以下。Ⅰ部 2 年生⇒A E6 番以下。Ⅱ部 1 年生⇒B49 番以下。Ⅱ部 2 年生⇒B 99 番以下。Ⅱ部 3 年生⇒AE9番以下。 Ⅰ・Ⅱ部生対象で、Ⅰ部は 1 年生後期から、Ⅱ部は 2 年後期から実施する。卒業年 次は前後期合わせてⅤ期に亘る。期毎に進度調査を行い、グループを組み直す。 ピアノ悩み相談室で受けた後、相談内容によっては実際にピアノを使いながらアド バイスをするピアノ・クリニックへ移行する。就職活動における音楽課題について の相談、アドバイスを行う。 ※B⇒バイエル。AE⇒アドバンストゥ・エチュード ○実習の個別補習授業 幼稚園実習、保育所実習、施設実習で実習施設から低い評価を受けた学生には、実習 担当教員が個別指導をして、実習録の書き方、指導案の作成などの指導を通じて基礎学 力・技術力の養成を図っている。 [総合文化学科] 一般企業への就職を目指す学生がほとんどであるため、筆記試験に対応できる基礎学 力を養成しなければならない。そのため、以下の通り、 「総合講義」を平成 16 年度以降 実施している。 人文科学総合講義・・・国語、時事社会。 自然科学総合講義・・・数学。 87 聖徳大学短期大学部 特に数学には著しい学力差が認められるので、入学時に試験を行い、能力別編成クラ スを 5 段階に分けて実施している。なお、平成 22 年度からは優秀者のみを集め、SPI 対策クラスを特設した。このSPI対策クラス以外は、前期終了時の成績によって、後 期から適合するクラスへと移動させる。この方法によって、能力の低い学生にも対応し た教育を施すことが可能となっている。なお、国語能力の多くは漢字分野が占めている ため、短大部共通で卒業までに漢字検定準 2 級を取得するよう奨励し、聖徳教育Ⅲの成 績に反映させている。 保育科、総合文化学科、専攻科は、担任を中心として、学科全体で学生に指導助言を 行う体制を整備している。年度始めに「担任会議」を開催し、全クラスの担任が担任業 務について確認している。担任は「担任マニュアル」に基づき、 「クラスアワー」 、個別 面談、日常の会話などによりクラスの学生の学習上の悩みなどの相談にのり、適切な支 援を行う。また、前期・後期ともに 6、7 回の授業が終わった頃に、教務課より各担任に クラス学生の出席状況を報告する。それに基づいて、担任は授業への欠席が目立つ学生 の指導をする。 担任だけでなく、学科の全教員が学生の指導にあたる方針で、研究室のドアに「オフ ィスアワー」を掲示しており、その時間帯はいつでも学生の来室を受け入れ、相談にの ることになっている。学科全体で支援をする必要のある学生については、毎月開催され る科別会で各教員が報告し、学科全体で具体的な支援がなされる。 なお、担任は毎年開催される保護者会(平成 23 年度は地域ごとに 11 回実施)のため に「保護者会面談資料」を作成し、保護者に学生の学習状況を説明し、保護者の理解を 得るよう図っている。 総合文化学科では、ブランチが 10 分野に別れ、一クラス内に複数ブランチの学生が所 属する。従って、クラス担任だけではすべてを掌握することが困難である。そのため、 クラス担任だけでなく、ブランチ責任者が学生と直接面談する、あるいは基礎ゼミ単位 で指導する、修学アドバイザーとしての教務担当教員が関わる等の工夫をしながら、学 習上・進路上の相談に乗り、助言を行っている。 短期大学部通信教育部では、在宅学習とスクーリングによる学習が中心である。普段 は在宅学習(通信科目)で、学生は自宅に送られてくる教科書と学習指導書を使い学習 し、レポートを提出する。教員によるレポート添削を受け合格したら科目終了試験を受 け、単位を修得する。全国各地で学ぶ学生の負担を軽くするために、科目終了試験は日 曜日に全国 23 都市で開催しており、 同一科目につき年間 8 回まで終了試験を実施してい る。 講義、演習、実技など、教員から直接受けたほうが効果的な科目はスクーリング(通 学授業)で実施している。学生のスケジュールを踏まえて夏(7 月下旬~8 月下旬の4週 間) 、冬(12 月中旬~下旬の 1 週間) 、春(2 月下旬~3 月中旬の3週間)がスクーリン グの期間となっている。 さらに短期大学部通信教育部では、ピアノ技術( 「音楽Ⅰ」 )を重視しており、学生の 88 聖徳大学短期大学部 進度を考慮してピアノ試験は年間 20 回程度開催しており、 このうち 4 回は地方で実施し ている。本学教員によるピアノレッスンも同時に行われており、希望者はピアノレッス ンを受けて試験に臨むことができる。なお、在宅で効果的にピアノ練習する学生のため に、指定課題曲の弾き方を紹介したDVD、VHSのピアノ教材(どちらも本学教員が 作成)がある。 学生が効率的・効果的に学習を進めていけるようにするために、主に新入生を対象に 全国で「学習ガイダンス」を実施している。学習ガイダンスでは、個別相談も実施して おり、学習進行に関する不安や疑問を解消することができる。 なお普段、松戸キャンパスに通学できない学生のために、通信教育部学務課が学生の 電話での問い合わせに対応している。 学生の電話での問い合わせによって用件を確認し、 そのうえで質問票を通信教育部学務課に提出してもらう。質問票の内容に応じて、回答 は教員又は学務課が記述し、本人に送付する。 保育科では、進度の早い学生や優秀性に対する学習上の配慮として、以下の支援を行 っている。毎年 12 月に保育科の卒業年次生による「ピアノ演奏会」を川並香順記念講堂 で公開している。 「音楽Ⅰ」を履修する保育科卒業年次生で、ピアノの進度の進んでいる 学生は 5 月に「ピアノ演奏会オーデション」を受け、オーデションに合格することによ り、 「ピアノ演奏会」に参加することができる。 また、12 月に保育科 2 年生が、クラス単位で「実習体験発表会」を実施している。幼 稚園実習、保育所実習、施設実習の成績優秀な 2 年生(担任が推薦)が 1 年生に実習の 成果を発表し、助言をすることになっている。 保育科 2 年生を対象に 4 月はじめのオリエンテーション時に、 「保育科就職対策 基礎 学力判定試験(保育科教員が作成) 」を実施している。試験結果及び 1 年次終了時点での GPAの得点も踏まえて、成績優秀な学生には、担任が公立保育士採用試験や公立幼稚 園教諭採用試験への受験を勧めている。 平成 23 年度入学生より保育所実習を終了した学生には、 実習保育所より返送される評 価票を開示することになった。 (ただし、保育所実習は平成 24 年 5 月に実施する。 )これ まで評価票の開示は実習評価の芳しくない学生のみを対象に実施していた。しかしなが ら、評価票の成績(単なる数値だけでなく、指導者のコメントも含む)を知ることによ り、評価の高い学生はさらに自己向上を目指すことができる、との配慮からである。な お、この試みの効果が確認できれば、順次、幼稚園実習や施設実習でも実施する予定で ある。 総合文化学科では、組織的な対応はしていない。各担当教員の判断に任せ、さらに高 度な内容の理解を深めるよう指導している。 専攻科においては、保育専攻、医療保育専攻では終了論文を、介護福祉専攻では事例 研究を必修とし、毎年 2 月に論文発表会、事例研究発表会を行っており、優秀な論文を 選考し、さらに指導をして、全国保育士養成協議会の主催する学生研究発表会で発表さ せている。 89 聖徳大学短期大学部 留学生の受け入れについては、 「私費留学生特別入試」を毎年実施している。選考方法 は以下の通りである。総合文化学科の留学生の受け入れ実績は、平成 16 年度学科設置以 降、3 名(中国 1 名、韓国 1 名、モンゴル 1 名)である。平成 23 年度に保育科に 2 名合 格しているが、3 月 11 日の東日本大震災を理由に 2 名とも入学を辞退している。 Ⅰ方式(日本留学試験を利用する方法) ※原則として日本留学試験『日本語』200 点以上の取 得者 ①書類審査 ②日本語(日本留学試験) ③作文 ④面接 Ⅱ方式(日本語能力試験を利用する方法) ※原則として日本語能力試験 2 級以上の合格者 ①書類審査 ②日本語(日本語能力試験) ③作文 ④面接 留学生の派遣については、協定校留学(協定校の大学へ留学する)と認定校留学(学 生が自分で目的を定めて留学先を選び、大学で認められて留学する)がある。本学はア メリカをはじめ5つの国や地域の大学と協定を結んでいる。なお、過去 5 年間に留学し た短期大学部の学生はいない。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 保育科、総合文化学科、専攻科では、学習支援を組織的に実施している。ただし、保 育科においては、授業、実習等での基礎学力、基礎実技能力の向上が課題となっている。 Ⅱ―B-3 学科・専攻課程の学習成果の獲得に向けて学生の生活支援を組織的に行っ ている。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 本学では、学科毎にクラスを編成し、担任の教員を置く「クラス担任制」を採用して いる。担任は、学生生活における指導・助言、単位履修の方法や成績についての指導・ 助言、保護者など家庭との連絡にあたっており、クラスアワー(クラス担任によるミー ティングの時間) 、研修旅行時のミーティング、さらに担任オフィスアワーでの個人面談 などを通して学生のニーズに応じた支援を行う。クラスアワーに対しては、経費の支援 が行われている。また、担任だけでなく、学科の全教員が学生の生活支援にあたる体制 を整備しており、研究室のドアに「オフィスアワー」を掲示して、その時間帯はいつで も学生の来室を受け入れ支援することになっている。 学生に関わる事務窓口として 14 の窓口があり、事務職員が対応している。学生にとっ て特に日常的に関わりの深い教務課、学生課、インターンシップ室、経理課は同じフロ アに設置されている。なお、各事務窓口の具体的な事務内容は学生便覧P.19 に記され ており、学生はそれを参考にして窓口を活用できる。 教務課、インターンシップ室、学生課、学寮課、国際交流課、キャリア支援室、経理課、総合メディア室、 施設管理課、入学センター、総務課、生涯学習課、通信教育学務課、知財戦略課 学生生活に関する重要事項については、 教員と職員で組織される 19 の委員会で審議す る。 企画委員会、自己点検・評価委員会、知財戦略委員会、教務委員会、学生生活委員会、就職委員会、学寮委 員会、図書委員会、紀要委員会、全学実習委員会、実習実施委員会、国際交流委員会、生涯学習委員会、入 試・学生募集対策検討委員会、情報教育委員会、ボランティア活動支援委員会、教員免許更新講習委員会、 全学教職・資格課程委員会、ヒューマンスタディに関する倫理委員会 90 聖徳大学短期大学部 本学の学友会は、専任の教職員と全学生で組織されており、 「学生の自主的な文化活動 をとおして、教職員と学生との親睦を図り、有意義な学生生活を過ごせるようにするこ とを目的」として活動しており、学生が主体的に参画する活動が行われるように支援体 制が整備されている。 「学友会」 (会長などの役員は学生)において、新入生歓迎会や聖 徳祭(学園祭) 、震災被災者のための募金活動、さらに前期・後期のクリーン活動などの イベントの企画、立案、実施にあたっている。 本学では、学生が有意義な学生生活を送るために、クラブ・同好会などの課外活動に 参加することを歓迎し、支援体制を整備している。クラブ・同好会は、平成 23 年 4 月現 在で運動系 19 団体、文化系 38 団体が活動している。これらのクラブ・同好会の運営を 支援するために、年間 350 万円の予算が計上されている。 ●クラブ・同好会一覧(平成 23 年度) □運動系 1.剣道部 2.硬式庭球部 3.サッカー部 4.水泳部 5.スキー部 6.ソフトテニス部 7.ダンス部 8.バスケットボール部 9.バドミントン部 10.バトン部 11.バレーボール部 12.ハンドボール部 13.ラクロス部 14.クラシックバレエ同好会 15.水球同好会 16.聖徳アスレチック同好会 17.太極拳同好会 18.リズムなわとび同好会 19.レクリエーション同好会 □文化系 20.アテレコ研究部 21.E.S.S 22.音楽研究部 23.華道部 24.茶道部 25.児童文化研究部 26.写真部 27.手話研究部 28.書道研究部 29.ハンドベル部 30.美術部 31.フォークソングクラブ 32.放送研究部 33.漫画研究部 34.ユースホステルクラブ 35.エレクトーン同好会 36.オペラ研究同好会 37.おりがみ研究同好会 38.教育研究同好会 39.弦楽同好会 40.香料研究同好会 41.自然観察同好会 42.社会福祉研究同好会 43.出版研究同好会 44.生涯学習研究同好会 45.小児発育研究同好会 46.聖徳大学BBS同好会 47.造形デザイン研究同好会 48.中国文化研究同好会 49.DTPクリエーション同好会 50.長唄研究同好会 51.日本舞踊研究同好会 52.ハワイダンス同好会 53.ブリティッシュミュージック研究同好会 54.ボランティア同好会 55.ミュージカル同好会 56.ライブラリー研究同好会 57.礼法同好会 ※「学生便覧」より 本学には、学生のキャンパス・アメニティを満たすための施設として、以下のものが ある。 ○食堂施設 学生生活において、毎日の食事は重要な要素をしめている。学生が勉学や課外活動に エネルギーを消費するためには栄養価のある食事が必要であり、それぞれ特色のある5 つの学食が学内に設置されている。 食 堂 施 設 レストラン「リリブ」 サロン「アコール」 カフェ「ハーモニー」 レストラン「アミティエ」 学生ホール「リュミエール」 場 所 7 号館地下 1 階 7 号館 8 階 クリスタルホール 1 階 クリスタルホール 3 階 1 号館 5 階 ○売店・・・売店として、クリスタルホール 2 階に三越直営店「ジャンティ」がある。 学生生活における日常生活に必要な規定用品、文房具、書籍などの学用品をはじめ、日 用品、食品などを取り扱っている。 ○聖徳学園 建学記念館(クリスタルホール 1 階) ・・・学園の発展を実物資料や映像資 料によって紹介しており、常時入館することができる。 91 聖徳大学短期大学部 ○利根山光人記念ギャラリー(クリスタルホール 1 階) ・・・聖徳学園で 34 年間にわた り、学生の指導や教育環境の整備に尽力した故・利根山光人先生を顕彰しての記念ギャ ラリーである。本学所蔵の作品などを展示している。 ○ギャラリー(クリスタルホール 1 階) ・・・本学が所蔵している美術資料・学術資料な どを展示するための施設である。 本学では、父母同居の自宅、または保護者の認める祖父母、兄弟姉妹、伯(叔)父、伯 (叔)母宅から通学できない場合は、原則として 1、2 年次は全員本学の学生寮に入寮す ることになっている。本学には順和寮、香風寮、富士見寮、和心寮の4つの学生寮を完 備している。 「和」の精神に基づき、学生寮は「教育寮」としてのあり方を追及し、寮生活を人間 教育の場と捉えている。つまり、集団行動や他学生とのコミュニケーションをとる機会 を多く得ることで、 人間同士が共存していくための豊かな心を養うことを目指している。 学生とその保護者に本学の寮生活の趣旨を理解していただくために、 パンフレット 「学 生寮のご案内 こころとこころ」を配布している。 過去 3 年間の各学生寮への入寮者数は以下の通りである。 平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 順和寮 66 名 93 名 83 名 香風寮 79 名 76 名 45 名 富士見寮 99 名 和心寮 69 名 64 名 55 名 合 計 214 名 233 名 282 名 本学は最寄り駅であるJR常磐線・地下鉄千代田線・新京成線「松戸」駅より徒歩 5 分の好立地にあり、学生の自動車、自動二輪、自転車による通学を禁止している。 本学における奨学制度は、日本学生支援機構奨学金(貸与)の第一種(無利子)及び 第二種(有利子)のほか、本学独自の制度として、聖徳大学後援会奨学助成(貸与) 、聖 徳学園川並奨学金(給付)がある。聖徳大学後援会奨学助成は、最終学年に在学中、経 済上の理由により校納金の納付が困難となった場合、その学生に学業を継続させるため 校納金の一部を貸与する奨学助成制度である。聖徳学園川並奨学金は、継続的に国際社 会に通用する優れた人材を育成することを大きな目的として、①諸外国より聖徳大学大 学院・聖徳大学・短期大学部に入学する学生に対する奨学助成、②諸外国に留学する聖 徳大学大学院・聖徳大学・短期大学部の学生に対する奨学助成がある。 さらに、 地方公共団体や企業、 その他の育英団体などの奨学金も学生に紹介している。 また、本学では入学にあたって、 「勉学及び諸活動への意欲あふれる優秀な学生を学費面 でバックアップするため」に「SEITOKU奨学支援制度」 (特別奨学生Ⅰ種及びⅡ種 による授業料減免制度)を設けている。 本学では、保健センターが学生の健康管理、メンタルヘルスケア、カウンセリングな どの業務を行っている。保健センターには専任教員 5 名、事務員 2 名、看護士2名のス タッフがおり、定期健康診断をはじめとして、心身の健康相談、栄養相談などに応じて いる。また、保健センターだより「けんこう」を発行し、広く健康啓発活動を行ってい る。 なお、保健センターと各教員との連携を図るため、学期当初には「保健センターから 92 聖徳大学短期大学部 のお願い」の文書を全教員に配布し、授業中に心身の不安定な学生が見受けられた場合 は、保健センターへの連絡をすることを要請している。 応急処置(6号館 1 階保健室) 相談室(6号館 2 階) 健康相談 6204・6205 研究室 こころの相談 6201・6202・6206 研究室 栄養相談(申し込み 6 号館 2 階 6205 室) 本学では、全ての教職員が日常的に学生の学生生活に関しての意見や要望を聴取する ように努めている。特に保育科教員はインテーカー講習、ファシリテーター講習を受講 し、総合文化学科教員はコーチング研修を受講しており、学生の意見を受容的に聴取す る姿勢を備えている。 学生は、学内 2 ヶ所に設置されている「提案箱」 (CampusSuggestionBox)に意見や 要望や提案等を書いて投函することができる。寄せられた意見等は定期的に開函され、 関係部局より回答している。なお、責任をもった提案と回答をとの見地から、意見等は 原則として記名で寄せることにしている。 毎年、卒業式間近に卒業予定者を対象に、 「卒業生の意識調査」アンケートを実施し、 アンケート結果を参考にして学生生活の改善に役立てている。また、毎年、入学式当日 に、新入生の意識を的確に把握し、今後の学生指導の参考にするために「新入生の意識 調査」アンケートを実施している。 国際交流委員会、国際交流課、担任の連携体制のもとに、学部・短期大学部の留学生 の学習及び生活の支援を行っている。教員と職員で構成する国際交流委員会が留学生の 実態把握とともに学習・生活の諸問題について検討し、国際交流課が留学生の事務窓口 となっている。 留学生も入学後は、各学科のクラスに所属し、クラス担任が留学生の学習及び生活の 支援を行う。特に学習面では、クラス担任が授業の出席状況、単位修得状況等を把握し、 授業担当教員との連携をとりながら学習の支援にあたっている。 なお、留学生のための行事として、1)留学生オリエンテーション、2)留学生フレ ンドシップパーティー、3)聖徳祭、4)留学生壮行会、5)仲良し昼食会があり、留 学生のための情報交換の場としても活用されている。また、留学生のために、大学独自 で奨学金制度「聖徳学園川並奨学金(給付) 」を設けている。 通信教育部保育科を設置しており、社会人の受け入れを行っている。 保育科第一部、総合文化学科、保育科第二部、専攻科においても、社会人の受け入れ を積極的に進めており、全学的に社会人学生の学習を支援している。特に保育科第二部 は、その教育目的に「主に働きながら学ぶ社会人を対象」として受け入れることを目指 しており、社会人学生が多い。 社会人学生も入学後は一般学生と同じクラスに所属し、クラス担任の支援を受け、授 業・行事に参加する。本学では、特に保育科二部の社会人学生の学習を支援するために、 諸施設の終了時間を次のように定めている。 川並弘昭記念図書館 自習室 21:30 21:30 各窓口 コピー機 93 21:30 21:30 聖徳大学短期大学部 ピアノ練習室 21:50 学生情報端末 21:30 なお、保育科二部学生には、就労時間を踏まえて授業の開始時間を 18 時(土曜日は 16 時 25 分)とし、授業料の月納を許可するなどして学習支援を行っている。また、保育科 一部生で諸事情により通学が困難になった者に、転科試験に合格することで保育科二部 への転科を許可することで、学生の修学の継続を支援している。 障がい者の受け入れのための施設整備については、校舎出入り口のスロープや校舎内 における昇降機の設置など、 バリアフリーへの対応は校舎の主な部分では完了している。 また、耐震対応では、平成 23 年 3 月 11 日の東日本大震災において一部の建造物で漏水 断水の被害があったものの、人身への被害はなく、ことに免震設計の図書館では書架か らの図書資料等の落下が極めて僅少であった。 障がいをもつ学生への生活支援については、保健師やカウンセラーが日常的に相談に 応じるが、その自立支援のために、専門業者を通した就職先の開拓や就職活動上の助言 などを必要に応じて行うこととしている。 短期大学部では、現在、長期履修生を受け入れる体制を整えていない。 本学では、ボランティア活動支援委員会、キャリア支援室、クラス担任の連携のもと、 学生ボランティア活動認定制度を設け、学生のボランティア活動を奨励している。この 制度は、定められた基準を満たしたボランティア活動に対して大学が評価し、認定証を 交付するものである。短期大学部学生でボランティア活動認定を受けた人数は以下の通 りである。 平成 21 年度 2 平成 22 年度 6 平成 23 年度 1 なお、ボランティアを行った学生の成果を発表する機会として、平成 23 年 12 月 2 日 に本学の香順メディアホールで、 「第 2 回ボランティア活動発表会」を開催した。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 全学的に学生の生活支援を組織的に行っており、課題は特に見当たらない。 Ⅱ―B-4 進路支援を行っている。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 各学科の教員、事務局長、キャリア支援室長、事務職員で就職委員会を組織し、キャ リア支援室との連携により学生の就職支援を活発に行っている。就職委員会では、就職 活動のための「年間スケジュール」 ( 「学生便覧」に記載)に沿って、各学科の学生の就 職活動に関わる課題について審議し、学生の就職支援に役立てている。さらに、各クラ スの担任教員とキャリア支援室との連携も密であり、 「進路調査カード」を共有して学生 の就職支援にあたっている。 なお、 平成 23 年度より、 学科内の教員の就職体制を確立し、 学科教員全員による就職支援を行っている。 キャリア支援室には 7 名の事務職員がおり、学部、短期大学部ごとに担当を決めて学 生の就職支援にあたっている。キャリア支援室職員は、学生便覧に掲載された就職活動 94 聖徳大学短期大学部 のための「年間スケジュール」に基づいて、学生の就職支援を計画的に行っている。キ ャリア支援室には幼稚園、保育所、施設及び企業等の資料が整備されており、学生は自 由に資料を閲覧することができる。特に保育者養成施設に関する資料は、就職活動年度 分だけでなく、過去 3 ヵ年の資料が整備されている。過去の就職者の内定報告書に詳し く体験記が書かれており、学生は参考にすることができる。 就職支援室に近接してBISOCIE<キャリア教育>ルームがあり、就職ガイダン ス、個人相談、設置された 6 台のコンピューターによる情報収集等、就職支援のために 多目的に利用されている。なお、短期大学部の保育科 1 年生には「YES」 、総合文化学 科 1 年生には「Compass」という就職の手引書が配布され、就職活動の指針として大い に役立っている。 就職のための資格取得、就職試験対策等の支援は以下の通りである。 短期大学部 1 年生全員は、新入生オリエンテーション第 2 日目に「TOEICテスト」 を受ける。また、11 月には「就職模擬試験(一般常識・適性検査) 」を受ける。どちら も結果は本人に伝えられ、 キャリア支援室での個人面談の資料として活用される。 また、 本学では、基礎学力向上の対策の1つとして、1・2 年生全員が日本漢字能力検定(日 本漢字能力検定協会)を実施し、準2級合格を目標としている(毎年 6 月・10 月・2 月 に実施) 。 保育科教員、キャリア支援室の連携のもとに、希望者を対象に公立保育士受験講座、 公立幼稚園教諭受験講座も実施している。外部講師による教員採用試験対策講座(1 年 生対象で 12 月集中、2 年生対象で 5~6 月集中) 、公務員受験対策講座(1 年生対象で 3 月)を実施している。 さらに、以下のように本学を試験会場とする各種検定試験を実施し、学生の受験を奨 励して資格取得をバックアップしている。 TOEIC。日本漢字能力検定。秘書技能検定。色彩検定。メンタルヘルス・マネジメント検定試験。 ※「学生便覧」より 毎年 4 月最初の教員会(全教員が出席する)で、前年度の 3 月末時点での「学科・専 攻科別 就職状況」が配布される。この資料には学科ごとに職種別の就職状況、進学状 況を記載している。同時に「就職に関する考察」という資料も配布される。この資料に は、クラスごとの就職率、GPA(クラスの全体平均及び内定者平均)を記載している。 これらの資料を分析・検討し、さらに科別会で話し合いをもち、就職支援にあたってい る。 なお、最近 3 ヶ年の保育科、総合文化学科の就職率は以下の通りである。 保育科第一部 保育科第二部 総合文化学科 平成 21 年度 97.1% 100.0% 58.9% 平成 22 年度 98.4% 100.0% 66.1% 平成 23 年度 98.5% 93.3% 65.5% 進学については、保育科卒業生は本学専攻科(保育専攻、医療保育専攻、介護福祉専 攻)へ、総合文化学科卒業生は専攻科(服飾文化専攻)へ進学することができる。また、 両学科卒業生ともに聖徳大学児童学部 3 年次、人文学部 3 年次、人間栄養学部 3 年次、 95 聖徳大学短期大学部 音楽学部 3 年次への編入学制度を設けている。内部進学・編入学については担任が相談 を受け、 担任との連携のもとに入学センターが個々の学生の支援にあたっている。 なお、 他大学の編入学受験についてはキャリア支援室が担当している。留学については、担任 とともに国際交流課が個々の学生の支援を行っている。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 整備された就職支援体制の基で充実した就職支援を行っているものの、雇用情勢の悪 化の影響を受け、総合文化学科の就職率が良いとは言えない。 Ⅱ―B-5 入学者受入れの方針を受験生に対して明確に示している。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 短期大学部入試要項及び「AO入試」入試要項の最初のページに、学部・短期大学部 共通の学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針、入学者受け入れの方針を示した上 で、各学部・学科の入学者受け入れの方針を記載している。なお、 「AO入試」入試要項 では、入学者受け入れの方針をわかりやすく解説した「聖徳大学・聖徳大学短期大学部 が求める学生像」を学科ごとに記載している。 聖徳大学入学センター(担当職員 17 名)が常時、受験の問い合わせに適切に対応して いる。また、フリーダイヤル 0120-66-5531 でも資料の請求・問い合わせに対応してい る。 なお、 「キャンパス見学&受験相談」を電話予約により毎日実施している。これは、 オープンキャンパスに参加できない高校生や落ち着いて相談したい高校生のために、本 学の在学生がキャンパスを案内したり、高校生が学科や入試について知りたいことに専 門のアドバイザーが答えるものである。 平成 23 年度はオープンキャンパスを 10 回、出張オープンキャンパス(本学のオープ ンキャンパスを学外で実施するもの)を 5 回、進学相談会を 19 都道県で実施し、高校生 への対応にあたった。 AO入試を希望する高校生には、期間を決めて「事前相談(保護者同席も可能) 」を実 施している。これは、AO入試担当教員(6 名)が、AO入試の特色や手順などを説明 し、志望学科選定の参考になるように学科についての情報を伝えるものである。 聖徳大学入学センターには 17 名の事務職員がおり、 広報事務と入試事務を担当してい る。学校案内や学生募集要項の作成と配布、新聞やマスコミを通しての広報活動、高校 訪問、入試説明会の企画・実施、出張授業のための教員手配、ホームページの充実など、 広範囲にわたる広報活動を行っている。なお、入試学生募集対策検討委員会との連携の もとに、入試方法・日程、オープンキャンパス日程、高等学校教員対象入試説明会の日 程について審議・決定している。入試終了後は、入学センターが入試に関わるデータを 作成し、入試の反省材料として活用し、次年度入試の改善に臨んでいる。 入学選抜の実施体制については、入試・学生募集対策検討委員会の規程に基づき、委 員長(副学長)を本部長とする入試実施本部が設置され、試験実施全般を統括している。 96 聖徳大学短期大学部 入試当日は、入試問題の出題関係については、各科目の出題者は、問題内容と模範解答 のチェックを担当し、入試問題の採点関係については、各科目の採点者(出題含む)が 答案の採点を担当している。また、AO入試の面談を実施するさいに、事前に面談につ いての研修会を実施している。具体的には、以下の実施体制により、公正かつ正確な入 試選抜の実施を図っている。 ○入試実施本部は本部長のもと、学科長が本部を統括する。 ○試験監督者は教員、事務職員が分担し、①問題冊子・解答用紙の配布、②受験生に対 する必要事項の指示、欠席状況の調査などを行う。 ○面接試験者は当該学科長以下、教員が担当し、①面接、②評価などを行う。 ○入試問題作問者については、委員長(副学長)の委託により複数の委員が担当し、① 作問、②質問対応、③採点を行う。 ○入学センター入試グループは、①試験場の設定、②関係機関との協議、連絡及び対応、 ③監督者等の配置、④問題冊子などの保管・管理・輸送、⑤答案などの整理・発送、 ⑥その他試験の具体的な実施準備・処理、⑦入試問題・解答用紙の印刷、⑧願書受付 から入学手続処理を請け負う業務委託者の指導・監督を行う。 ○施設管理課は構内警備 (不審者の進入の防止など) 及び構内諸施設の維持保全を行う。 ○保健センターは受験生の健康に関する緊急措置を行う。なお、通信教育課程において は、学科長における書類審査に基づいて、通信教育部科長(教員)が判定をしている。 ※「聖徳大学入試・学生募集対策検討委員会規程」より 入学手続者には「入学前の学習」と題した課題を提供するが、その際に各学科長の「入 学までの心がまえ」という文書を同封している。なお、平成 23 年度より、 「聖徳フラッ シュ(聖徳学園の教育活動等の紹介をしている刊行物) 」を、AO入試合格による入学手 続き者には 10 月と 1 月に、AO入試以外の合格による入学手続き者には 12 月と 1 月の 二度にわたり郵送することになった。 本学は入学予定者に対し、以下の入学準備教育(学習)を行い、入学後の学習につな げるための支援をしており、そのことがオリエンテーションにもなっている。 入学予定者に対しては、入学を控えた 12 月ごろに、 「入学前の学習」と題した課題を 提供し、提出させている。保育科では幼稚園教諭コース、保育士コースともに共通の課 題を、総合文化学科では各ブランチ共通課題とブランチごとの課題を提供している。な お、平成 23 年度入学者の課題提出率は 100%であり、高い提出率を誇っている。 AO入試合格者については、 前期合格者、 後期合格者それぞれに以下の課題を提供し、 提出させている。なお、平成 23 年度AO前期・後期合格者の課題提出率は 100%であり、 課題の提出を徹底させている。 前期合格者の学習課題 ①学習課題A「学習ノート」 (8 週間の学習生活の記 録) ②学習課題B「国語・英語ワークブック」 ③学習課題C「各学科の課題」 後期合格者の学習課題 ①学習課題A「作文」2 題( 『私が努力したこと』 『思いやりの心』について) ②学習課題B「国語・英語ワークブック」 ③学習課題C「各学科の課題」 97 聖徳大学短期大学部 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 入学手続き者に対する入学までの情報提供をさらに充実させる必要がある。 ◇基準Ⅱについての特記事項 (1)以上の基準以外に教育課程と学生支援について努力している事項。 なし (2)特別の事由や事情があり、以上の基準の求めることが実現(達成)できない事項。 なし 98 様式8―基準Ⅲ 聖徳大学短期大学部 【基準Ⅲ 教育資源と財的資源】 (a) 基準Ⅲの自己点検・評価の要約を記述する。 本学の教員組織は、 学校教育法第 92 条及び短期大学設置基準に定める必要な教員を教 員を確保している。教員の所属する組織には、学科長、必要に応じて学科長補佐を置き、 教員の教育・研究活動を統轄するなどの責任ある教員組織編制をとっており、学長の主 宰のもと、学科長会議を構成し、教育研究に係る適切な責任体制が確保された教員組織 を整備している。 教員の採用、昇任についても、諸規定を整備し、教育研究上の実績を踏まえて運用し ており、適切な教員の採用、昇任を行っている。さらに、教員(兼任を含む)の採用に あたっては、学長及び副学長による面接(兼任教員は副学長のみ)を行い、教育研究上 有為な人材の確保に努めている。 主要な授業科目には専任教員を配置することを基本方針としており、全体としては、 担当割合を高いレベルで維持している。また、実験や実習などの授業運営の実情を考慮 して適切に補助教員の配置を行っている。 専任教員には、週1日を研究日として認め、研究、研修等を行う時間も確保しており、 各教員は担当する専門授業科目の展開を可能とする研究を行っている。この短期大学に おける教育研究活動の状況や成果に関する情報は、ウェブ上で広く社会に発信、公表し ており、さらに、研究紀要の発行を年1回行い、専任教員の研究成果の発表の機会確保 している。 また、ISO(9001)「教育の質マネジメントシステム」を導入し、 「教育の質マニュ アル」に基づき、自己点検・評価委員会を中心に関連部署と連携し、 「授業の質管理」及 び「FD活動」に取り組んでいる。この「教育の質マニュアル」は、学内サイトに掲載 され全教職員に周知されている。 アドレス http://kanon.seitoku.ac.jp/center/faculty/faculty_index.html 事務の組織は、 「学校法人東京聖徳学園組織規程」に基づき、管理部門として学園事務 局、学務部門として大学事務局を置いており、その職務は「学校法人東京聖徳学園事務 分掌規程」に規定され、事務組織の責任体制は明確である。 事務職員は、原則5年ごとに改訂される中期ビジョンと、前年度の成果と反省及び業 務環境に影響を与える内外的な事項を踏まえ、個別計画書を作成し、日常的に業務の見 直しや事務処理の改善を行っている。事務をつかさどる専門的な職能についても、この システムにおいて、教育の質及び環境に影響のある仕事に従事する職員については、個 人別の力量不足分を明確にして、必要な力量がもてるような教育・訓練を実施すること としており、新規採用職員への初任者研修をはじめ、能力向上のための外部研修に積極 的に参加するなど資質の向上のための取組を組織的に行っている。また、 、事務室には、 ネットワークやPCなど事務処理に必要な環境が整備されている。 就業規則をはじめとする教職員の就業に関する諸規程は、「服務のしおり」にまとめ られ、学内サイトに掲載し、教職員に周知されている。 99 聖徳大学短期大学部 危機管理については、緊急時・災害時の対応について、学生便覧へ掲載するなど周知 を図り、年 1 回、防災・防火訓練を行っている。 このほか、研究室、一般教室、実験室等には情報コンセント、また、無線 LAN を設置 しており、PCの持ち込みを可能としたICT環境を整備している。さらに、学生生活 に必要な情報を提供する共通のポータルサイトを開設しており、学生及び教職員用にウ ェブ・ポータル(アクティヴ・アカデミー)が導入され、学務・教務情報システムが稼 動し、教務連絡、履修状況管理、成績管理、授業支援(学生カルテ、アンケート、出欠 管理など) 、スケジュール管理など行えるよう整備され、有効に活用されている。 事務局の情報システム課及び総合メディア室により、情報処理に関する研修会、IC Tの活用教育に関わる実践事例や教材開発等の研究、 授業研究の交流が推進されている。 財的資源については、 「よりよい教育はよりよい教育環境から」の経営理念の下で、短 期大学の目的に沿った教育研究活動が安定してできる固定資産及び流動資産を有してお り、債務は教育研究の安定的な遂行にとって過大なものではない。 財務上の基礎を確立するため、適切な収支に係る財務計画を策定し、これらの教育研 究活動に対して必要な教育研究環境の整備充実及び教育研究経費のための資金配分を適 切に実施すると共に、関係者に明示している。 (b) 基準Ⅲの自己点検・評価に基づく行動計画を記述する。 一部学科における、必修科目の専任教員の担当割合が低い状況については、社会のニ ーズや受験生の動向を踏まえ、教育課程の見直しにより、改善を図る。 専任教員における研究活動の活性化を推進するとともに、科学研究費補助金をはじめ とする外部研究費等の獲得の強化を図る。 事務職員においては、学園のミッション・ビジョンの実現を人材マネジメント制度の 運用を通じて実現させることを目指し、既に平成 24 年度から新人材マネジメント制度を導 入した。この制度は、役割等級を基盤とし、スキル・役割・職責に基づいた評価・処遇・ 人材育成へと繋がる制度を目指すものであり、次のとおり求める人材像として定義して いる。 ①学園全体への貢献とは何かを自身で考え、行動する人材 ②少数精鋭の組織を担うプロフェッショナル人材 ③チームワーク、コミュニケーションを通じて、人を育てる人材 この制度の運用と定着に力をいれていくと共に、 事務職員の人材開発制度構築を進め、 SDの強化を図っていく。 技術的資源については、その大半を占める情報関連のハード及びソフトは日進月歩で 進化しており、これに相応する設備整備が必要となる。特に近年は学生のPC所有率が 増加し、それとの互換性も考慮し計画的に更新していく。また、既存のAV機器だけで なく、電子黒板をはじめ、多種多様な情報機器の総合的活用が教育に不可欠となってい 100 聖徳大学短期大学部 る現状を踏まえ教員のICT活用能力向上が必要となっており、これに対応した講習会 等を継続的に実施していく。 防犯対策として、 既に平成 24 年 4 月 1 日から学内へ入校する際に学生証又は教職員証 の提示を義務付けた。 財務計画の基本目標である、帰属収入に対する①消費支出差額の比率を5%とする、 ②帰属収支差額の比率を10%以上にする、③流動資産に係る関係比率を全国平均並と する、の以上3項目を達成するため、 「定員充足による学生生徒等納付金の確保」 、 「寄付 金等の外部資金の獲得」 、 「人件費の削減」 、 「管理経費の圧縮」等について積極的に取り 組み、今後とも 5 年後のビジョンの財務計画を着実に遂行する。 [テーマ] 基準Ⅲ-A 人的資源 (a) テーマ全体の自己点検・評価の要約を記述する。 教員組織は、学校教育法第 92 条に基づき、学長、教授、准教授、講師、助教、助手等 を置き、短期大学設置基準に定める必要教員数及び教育課程を遂行するために必要な教 員を確保している。教員の所属する組織には、学科長、必要に応じて学科長補佐を置き、 教員の教育・研究活動を統轄するなどの責任ある教員組織編制をとっている。 学科長は、 学長の主宰のもと、副学長、学長補佐(5名) 、図書館長等とともに学科長会議を構成し ており、教育研究に係る適切な責任体制が確保された教員組織を整備している。 教員の採用、昇任は、 「学校法人東京聖徳学園就業規則」並びに「聖徳大学短期大学部 教員選考基準」及び「同細則」に基づき、教育研究上の実績を踏まえて運用しており、 適切な教員の採用、昇任を行っている。さらに、教員(兼任を含む)の採用にあたって は、採用候補者全員に対して学長及び副学長による面接(兼任教員は副学長のみ)を行 うことで、教育研究上有為な人材の確保に努めている。また、教育上の指導能力につい ては、採用、昇任時に長期の教育実績を評価するほか、各年度には専任教員を対象とし た「実績振り返り制度」等を活用している。 主要な授業科目には専任教員を配置することを基本方針としており、全体としては、 担当割合を高いレベルで維持しているが、一部担当割合が低くなっている。また、実験 や実習などの授業運営の実情を考慮して適切に補助教員の配置を行っている。 専任教員には、週のうち1日を研究日として認め、研究、研修等を行う時間も確保し ており、各教員は担当する専門授業科目の展開を可能とする研究を行っている。この短 期大学における教育研究活動の状況や成果に関する情報は、 ウェブ上で広く社会に発信、 公表している。さらに、研究紀要の発行を年1回行い、専任教員の研究成果の発表の機 会確保している。 本学では、ISO(9001) 「教育の質マネジメントシステム」を導入し、平成 15 年に 「教育の質マニュアル」を策定(平成 21 年改訂)しており、全教員(兼任を含む)に周 知され、自己点検・評価委員会を中心に関連部署と連携し、 「授業の質管理」及び「FD 101 聖徳大学短期大学部 活動」に取り組んでいる。この「教育の質マニュアル」は、学内サイトに掲載されいつ でも閲覧できるものとなっている。 アドレス http://kanon.seitoku.ac.jp/center/faculty/faculty_index.html 事務の組織は、 「学校法人東京聖徳学園組織規程」に基づき、管理部門として学園事務 局、学務部門として大学事務局を置いており、その職務は「学校法人東京聖徳学園事務 分掌規程」に規定され、事務組織の責任体制は明確である。 事務職員は、原則5年ごとに改訂される中期ビジョンと、前年度の成果と反省及び業 務環境に影響を与える内外的な事項を踏まえ、個別計画書を作成し、日常的に業務の見 直しや事務処理の改善を行っており、事務をつかさどる専門的な職能についても、IS O(9001) 「教育の質マネジメントシステム」において、教育の質及び環境に影響がある 仕事に従事する要員に対して、個人別の力量不足分を明確にして必要な力量がもてるよ うな教育・訓練を実施すると定め、新規採用職員への初任者研修をはじめ、能力向上の ための外部研修に積極的に参加するなど資質の向上のための取組を組織的に行っている。 なお、事務室には、ネットワークやPCなど事務処理に必要な環境が整備されている。 就業規則をはじめとする教職員の就業に関する諸規程は、 「服務のしおり」にまとめら れ、学内サイトに掲載し、教職員に周知されている。 また、危機管理については、緊急時・災害時の対応について、学生便覧へ掲載するな ど周知を図り、年 1 回、防災・防火訓練を行っている。 (b) 自己点検・評価に基づく改善計画を記述する。 短期大学設置基準に定める教員の基準数は、大幅に満たしているものの、一部学科に おける、必修科目の専任教員の担当割合が低い状況については、社会のニーズや受験生 の動向を踏まえ、教育課程の見直しにより、改善を図る。 専任教員の教育研究活動の推進については、 環境が整っていると考えており、 今後は、 この環境を生かし、さらなる研究活動の活性化を推進するとともに、科学研究費補助金 をはじめとする外部研究費等の獲得の強化を図る。 事務職員においては、学園のミッション・ビジョンの実現を人材マネジメント制度の 運用を通じて実現させることを目指し、 平成 24 年度から役割等級を基盤とした新人材マ ネジメント制度を導入する。この制度の運用と定着に力をいれていくとともに、事務職 員の人材開発制度構築を進め、SDの強化を図る。 教員を含む労働者のメンタル不全への対応については、保健センターを中心とした体 制を構築し、発生しにくい組織作りに努める。 102 聖徳大学短期大学部 [区分] 基準Ⅲ-A-1 学科・専攻課程の教育課程編成・実施の方針に基づいて教員組織を整備し ている。 (a) 自己点検・評価を基に現状を記述する。 本学では、学校教育法第 92 条に基づき、学長、教授、准教授、講師、輔教、助手など を置き、教員は学科に所属し、教育研究に従事している。なお、本学は、聖徳大学を併 設しているため、専任教員については、大学設置基準、専門職大学院設置基準及び短期 大学設置基準を満たした上で、相互に兼担の発令を行っている。また、教員は、研究分 野毎に 44 の研究室(大学の教員も参加)に所属し、研究室には主任(教授)を置き、共 同研究やFD活動に取り組んでいる。 学科には、学科長、必要に応じて学科長補佐を置き、教員の教育・研究活動を統轄す るなどの責任ある教員組織編制をとっている。学科長は、学長の主宰のもと、副学長、 学長補佐(5名) 、図書館長等とともに学科長会議を構成しており、教育研究に係る適切 な責任体制が確保された教員組織を整備している。 学科の専任教員数は、次の通りである。 【平成 23 年度 専任教員数】 専 任 教 員 数 等 学科・専攻 教授 保育科第一部(通信教育含む) 准教授 講師 助教 計 基準数 うち 助手 教授 12 19 6 0 37 18 7 4 保育科第二部 2 0 0 0 2 2 1 0 総合文化学科 9 9 2 1 21 7 3 1 保健センター 0 3 1 0 4 - - 0 (大学全体の収容定員に応じた教員数) - - - - - 7 3 - 合 計 23 31 9 1 64 34 14 5 規模、教育内容に応じ、短期大学設置基準に定める必要教員数以上の教員を配置して おり、教育課程を遂行するために必要な教員を確保している。このことから、専攻科の 基礎となる学科としても適切であると考えている。 また、職位については、短期大学設置基準に基づき、 「聖徳大学短期大学部教員選考基 準」及び「同細則」を定め、教育研究上の実情を踏まえて適切に決定している。 専任教員と兼任教員の配置については、 学科の教育課程編成・実施の方針に基づいて、 主要な授業科目に専任教員を配置することを基本方針としており、その担当状況は、次 の通りである。 【必修授業科目の担当状況】 通学課程 学科 保育科第一部 教授・准教授担当 科目数 割合 37 75.5% 講師担当 科目数 割合 9 18.4% 助教担当 科目数 割合 0 0.0% 兼任講師担当 科目数 割合 3 6.1% 幼稚園 28 82.4% 4 11.8% 0 0.0% 2 保育士 35 76.0% 9 19.6% 0 0.0% 2 4.4% 保育科第二部 32 68.1% 8 17.0% 0 0.0% 7 14.9% 103 5.8% 聖徳大学短期大学部 幼稚園 23 74.1% 3 9.7% 0 0.0% 5 16.2% 保育士 30 68.2% 8 18.2% 0 0.0% 6 13.6% 総合文化学科 100 42.0% 5 2.1% 4 1.7% 129 54.2% 11 37.9% 0 0.0% 0 0.0% 18 62.1% 7 30.4% 0 0.0% 4 1.7% 12 52.2% 12 46.2% 0 0.0% 0 0.0% 14 53.8% 5 21.7% 0 0.0% 0 0.0% 18 78.3% 16 59.3% 0 0.0% 0 0.0% 11 40.7% 8 33.3% 0 0.0% 0 0.0% 16 66.7% 文芸・編集 16 57.1% 0 0.0% 0 0.0% 12 42.9% 図書館司書 8 40.0% 0 0.0% 0 0.0% 12 60.0% 2.1% 0 0.0% 8 42.1% 0.0% 0 0.0% 8 42.1% デザイン・インテリア ファッション IT コミュニケーション フード・調理 製菓 観光・ホテル 養護・保健 幼児栄養 6 31.6% 5 11 57.9% 0 出典:学内で集計(専門科目のうち必修科目の担当状況を集計) 専攻科 教授・准教授担当 科目数 割合 保育専攻(昼・夜) 35 52.2% 学科 講師担当 科目数 割合 0 0.0% 助教担当 科目数 割合 0.0% 兼任講師担当 科目数 割合 32 47.8% 医療保育専攻 14 37.9% 0 16.2% 0 0 0.0% 17 45.9% 介護福祉専攻 14 35.9% 6 23.1% 0 0.0% 16 41.0% 服飾専攻 17 47.2% 9 23.1% 0 0.0% 19 52.8% 出典:学内で集計(専門科目のうち必修科目の担当状況を集計) 通信課程 学科 保育科(幼稚園) 保育科(保育士) 保育科(司書) 保育科 全体 教授・准教授担当 科目数 割合 50 73.5% 講師担当 科目数 割合 5 7.4% 13 助教担当 科目数 割合 - - 12.1% - - 兼任講師担当 科目数 割合 13 19.1% 30 28.0% 64 60.0% 52 68.4% 4 5.3% - - 20 26.3% 166 66.1% 22 8.8% - - 63 25.1% 出典:学内で集計(専門科目のうち必修科目の担当状況を集計) 通信課程 専攻科 学科 保育専攻 学生がいないため未開講。 教授・准教授担当 科目数 割合 - - 講師担当 科目数 割合 - - 助教担当 科目数 割合 - - 兼任講師担当 科目数 割合 - - 出典:学内で集計(専門科目のうち必修科目の担当状況を集計) 短期大学全体としては、必修科目における専任教員の担当割合を高いレベルで維持し ているが、総合文化学科については、学科の特性として 10 のブランチにおいて、それぞ れの専門的知識と技能に加え、 「女性として自立できる能力」 「新たな課題に挑戦できる 力」 「広い視野で他者の立場を理解し物事を判断できる能力」の 3 つの能力の習得を目的 としているため、学科共通科目 4 単位に各ブランチの専門教育科目 32 単位を合算した 51 単位を必修科目としており、短期大学設置基準に定める教員の基準数は、大幅に満た しているものの、必修科目における専任教員の担当割合が低くなっている。 補助教員の配置については、助手 6 名、教育支援者として副手 5 名(所属は学生部教 務課)を任用しており、各学科における教育課程を遂行するために、実験や実習などの 授業運営の実情を考慮して適切に配置を行っている。 104 聖徳大学短期大学部 教員の採用、昇任は、 「学校法人東京聖徳学園就業規則」並びに「聖徳大学短期大学部 教員選考基準」及び「同細則」に基づき、教育研究上の実績を踏まえて運用しており、 適切な教員の採用、昇任を行っている。教員(兼任を含む)の採用にあたっては、採用 候補者全員に対して学長及び副学長による面接 (兼任教員は副学長のみ) を行うことで、 教育研究上有為な人材の確保に努めている。また、教育上の指導能力については、採用、 昇任時に長期の教育実績を評価するほか、各年度には専任教員を対象とした「実績振り 返り制度」等を活用している。 (b) 自己点検・評価を基に課題を記述する。 短期大学全体としては、必修科目における専任教員の担当割合を高いレベルで維持し ている。しかし、総合文化学科は、学科の特性として 10 のブランチの専門的知識と技能 に加え、 「女性として自立できる能力」 「新たな課題に挑戦できる力」 「広い視野で他者の 立場を理解し物事を判断できる能力」の 3 つの能力の習得を目的としているため、学科 共通科目 4 単位に各ブランチの専門教育科目 32 単位を合算した 51 単位が必修科目にな っており、短期大学設置基準に定める教員の基準数は、大幅に満たしているものの、必 修科目における専任教員の担当割合を高めていく必要がある。 基準Ⅲ-A-2 専任教員は、学科・専攻課程の教育課程編成・実施の方針に基づいて教育 研究活動を行っている。 (a) 自己点検・評価を基に現状を記述する。 各教員は担当する専門授業科目の展開を可能とする研究を行っている。その成果は、 本学紀要に限られることなく、国内外の学会誌、あるいは著作において発表され、応分 の評価を得ている。以下、その例を教員の所属部門毎に掲げておく。なお、実務や実技 を主とする分野の教員は、その分野での応分の実績を有している。 【教育内容等と関連する研究活動の例】 保育科第一部 職 位:教授 授業科目:保育内容・人間関係 研究業績:新保育内容シリーズ2「人間関係」編著、一藝社、平成22年5月 保育科第二部 職 位:教授 授業科目:保育原理 研究業績:「モンテッソーリ教育の与える影響」日本モンテッソーリ協会、平成23年3月 総合文化学科 職 位:教授 授業科目:介護技術 研究業績:「介護福祉士の再教育に関する検討」 (口頭発表)第16回介護福祉教育学会、平成21年9月 出典:各教員組織部門からの申告 平成 22 年6月 15 日の学校教育法施行規則の改正を受けて、本学では、平成 23 年4月 105 聖徳大学短期大学部 1日の施行を俟たずに、平成 22 年 12 月1日までに、同規則の規定する大学における教 育研究活動の状況やその成果に関する情報をウェブ上で広く社会に発信、 公表している。 情報公開項目は、次のとおりである。 【情報公開項目】 1 学校法人の概要 (1)建学の精神、(2)歴史と現状、(3)設置学校等、(4)役員、評議員及び教職員に関する情報、 (5)当該年度の主な事業計画の概要 2 教育研究の概要 学長のメッセージ 1)教育研究上の目的並びに取得可能な学位に関する情報 ◆学部・学科・課程・研究科、専攻ごとの教育研究上の目的 ◆3つのポリシー(教学経営方針「聖徳大学が求めるもの」)並びに取得可能な学位 ※学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針、入学者受入れの方針 2)教育研究上の基本となる組織に関する情報 ◆学部、学科、研究科、課程等の名称 ◆研究機関・附属施設 ◆入学定員、収容定員及び修業年限 3)教員組織及び教員数並びに教員の保有学位、業績に関する情報 ◆教員組織 ・組織機構図、・会議・委員会組織図 ◆教員数及び教員の学位保有状況 ◆教員の業績等(学科から見る 氏名から見る) 4)学生に関する情報 ◆入学者、在学者数 ◆卒業者、就職者等 ◆卒業後の進路状況産業別就職者数 5)教育課程、学修の成果にかかる評価及び卒業認定にあたっての基準に関する情報 ◆教育課程及び卒業(修了)に必要な修得単位数 大学、短期大学、大学院、教職大学院、通信教育(大学・短大)、通信教育(大学院) ◆授業計画(シラバス) 6)学習環境に関する情報 ◆交通アクセス ◆キャンパスマップ ◆川並記念図書館 7)学生納付金に関する情報 ◆授業料、入学金、その他の費用徴収 ◆利用できる奨学支援制度 8)学生支援と奨学金に関する情報 ◆学生支援 学生支援組織(事務)、キャリア(就職・進学)支援、学生寮、履修、留学生支援、課外 活動(クラブ同好会) 保険制度、保健・衛生等 ◆奨学金制度 (3)特色ある取組みの内容 1)教育力向上の取り組みの概要 ◆聖徳新教育システム「SEITOKU REALISE SYSTEM」 (全学園でISO9001、14001国際規格を認証取得) ◆聖徳教育 2)国際交流の概要(留学、協定校、国際交流施設) 3)社会貢献・連携活動の概要 ◆単位互換制度 ◆高大連携授業 ◆公開講座 聖徳大学オープンアカデミー(SOA) ◆教員免許更新講習 ◆免許法認定公開講座 ◆司書・司書補講習 ◆夏期保育大学 ◆管理栄養士試験対策 ◆介護技術講習 ◆研究所(ニュース、講座、イベント等) 106 聖徳大学短期大学部 児童学研究所、言語文化研究所、生涯学習研究所 ◆心理教育相談所 ※心の悩み、子ども問題、家族の問題に関する相談 ◆環境報告書 ◆ニュース・イベント ・ニュース・イベント 出典:http://www.seitoku.jp/jouhou_datafile/top.html 科学研究費補助金など外部資金の獲得については、教員会において知財戦略委員会と 事務局の教育研究推進部知財戦略課による、科学研究費助成事業(科研費)の申請に関 する説明会を開催し、採択者の発表や研究計画書の書き方について勉強会を行うなど獲 得に向けて積極的に取り組んでおり、平成 23 年度の科学研究費補助金の採択状況は、次 のとおりであった。なお、他の受託研究及び研究助成等については、該当がなかった。 【科学研究費助成事業(科研費)による研究】 氏名 学科 職名 研究種目 宮本 茂樹 保育科 教授 基盤研究(B) 高橋みゆき 保育科 講師 基盤研究(C) 基盤研究(B) 中村 裕 保育科 講師 若手研究(B) 正道寺康子 総合文化学科 准教授 基盤研究(C) 蓑輪 裕子 総合文化学科 准教授 基盤研究(C) 村田 カズ 保育科 准教授 基盤研究(C) 浅岡 淳子 総合文化学科 教授 基盤研究(C) 研究課題名 小児病棟で働く医師・看護師以外の職種の 役割-その実態と教育制度の確立に関する 研究(研究代表者) 医療保育における保育支援過程のモデル構 築(研究代表者) 小児病棟で働く医師・看護師以外の職種の 役割-その実態と教育制度の確立に関する 研究(研究分担者) 1960年代のネパールにおける国民教育 制度の創設および整備過程(研究代表者) 『琴操』を中心とした中国古琴曲および音 楽説話の日本古典文学への影響に関する研 究(研究代表者) 精神障害者が地域で一人暮らしをするため の「住宅管理力」に関する研究(研究代表 者) 0歳から5歳までの対人行動の発達プロセ スの検討-保育園での観察-(研究分担者) 超高齢社会における福祉用具活用の実証的 研究-わが国の介護問題の解決を目指して -(研究分担者) 専任教員の研究費については、 「服務のしおり」ハンドブックにおいて、研究図書費を 含め、年額40万円(消費税込)、その内、研究旅費10万円、助手については、研究図書 費・研究旅費を含めて年額3万円と定め適切に運用している。この他、 「学校法人東京聖 徳学園在外研修規程」 「学校法人東京聖徳学園国内研修規程」 「聖徳大学及び聖徳大学短 期大学部における公的研究費の取扱いに関する規程」など、研究活動に関する規程を定 めており、整備ができていると考えている。 専任教員の研究成の発表の機会については、紀要委員会を設置し、 「聖徳大学研究紀要 投稿細則」に基づき、研究紀要を年1回発行することで確保している。 専任教員の研究室については、全員に研究室(居室:床面積 は教員1人当たり平均 12.9 ㎡)が与えられている。この教員の居室には電話回線、インターネット接続ができ るイーサネットの配線が行われており、更に、空調設備も用意されている。個室率は 26.2%で、研究室を共有する教員が多い。元来、研究室を共有することで、情報も共有 107 聖徳大学短期大学部 し、相互に意見交換する機会を増やしたほうが良いとの考えがあったことが反映されて いる。 専任教員の研究、研修等を行う時間については、「教員勤務細則」によって、週のう ち1日を研究日として認め、研究、研修等を行う時間を確保している。研究日の設定は、 所定の期日までに、学長へ届出ることとなっており、学期開始前に、教務課へ研究日の 希望日を提出させ、 ほぼその希望が達成されることになっているので適切な運営である。 もし、学会などが研究日以外に開催されても、研究日を補講に充当することで、支障を きたさないようになっている。 また、資質の向上を図り学園の発展に寄与することを目的として、専任教職員は、 「在 外研修規程」によって、在外研修員として短期 6 ヶ月以内、長期 6 ヶ月を超え 1 年以内、 国外において研究、調査等に専念する機会が与えられており、専任教員の留学、海外派 遣、国際会議出席等に関する規程を整備していると考えている。 本学のFD活動については、 「教育の質マニュアル」に規定され、学内サイトに掲載し 全教員(兼任を含む)に周知されている。 【アドレス】 http://kanon.seitoku.ac.jp/center/faculty/faculty_index.html FD活動は、自己点検・評価委員会が主体となり、毎年度、次の活動を行っている。 ①FD公開授業(一般公開授業) ・・・前期、後期 自己点検・評価委員会によって定められた一定期間内にFD公開授業を実施する。 ②研 究 グルー プ 授 業 (F D 公 開授業 ) ・・・前期、後期 自己点検・評価委員会によって定められた一定期間内に各 研 究 室グル ー プ の中 か ら 1 名 の教員 を 選 任し、 研 究 授業を 実 施 する。 実 施 後、反 省 会 を開き 、 研 究 授 業 を 実 施 し た 教 員 が「 研 究 グ ル ー プ 授 業 報 告 書 」を 作 成 し 、研 究 グ ル ー プ 主 任 の 確 認 印 を 受 け て 、「 公 開 授 業 に 対 す る 評 価 表 」 を 添 付 し 教 務 課 へ 提 出 する。 ③学生の授業評価(アンケート調査) ・・・前期、後期 自己点検・評価委員会によって定められた一定期間内に学生の授業評価(アンケー ト調査)を実施する。ただし、受講生が 10 名未満の場合に限り、 「アンケート調査」 は実施しなくても良いことになっている。なお、 「アンケート調査」を実施しない場合 には、 (可能な範囲で)学生の授業評価(アンケート調査)チェック基準の項目に対応 する内容の「授業報告書」を提出することとしている。 学生による授業アンケートのうち任意の1科目について、①科目の目的(達成目標) と授業内容、②アンケート調査の結果と問題点の考察、③「授業に対する取り組みに、 熱意や情熱が感じられますか」の項目の平均得点とコメント、④改善の方策(前回から 努力あるいは改善された事項を含む)について「結果の考察」を纏めることとしてい る。なお、ア ン ケ ー ト 調 査 の 「 結 果 の 考 察 」 ( 原 稿 ) は 、 自 己 点 検 ・ 評 価 委 員会において、次の観点でチェックすることになっている。 108 聖徳大学短期大学部 【チェック基準】 1)現状の説明:授業の形態(必修・選択の別、対象学科・学年、受講者数など)が記載されていますか。 2)科目名と目標(達成目標) :考察対象とした科目名(1科目)および授業内容や目標(技能修得の科目 などの達成目標)が記載されていますか。 3)問題点: 「アンケート調査」の結果に示された問題点が明示されていますか。評価項目の平均値が3点 未満の場合、 ( 「自由表記」の欄に要望事項が記されている場合も) 、それを問題点として明示されてい ますか。 4) 「授業に対する取り組みに、熱意や情熱が感じられますか」の項目の、平均得点とそれに対するコメン トが記載されていますか。 5)3)の問題点をどう解釈し、どのように対応されたかが考察されていますか。(担当教員の責務を超え る問題は、検討事項として付記してください。 ) 6)その他、努力された事項や改善の方策などが記されていますか。前期で提示された改善の方策が検討 されていますか。 7)制限文字数(1,500 字~2,000 字)以内でまとめていますか。 8)表記されている内容がわかりやすい文章で記載されていますか。 また、本学ではISO(9001) 「教育の質マネジメントシステム」を導入し、平成 15 年に「教育の質マニュアル」を策定(平成 21 年改訂)しており、自己点検・評価委員会 を中心に関連部署と連携し、 「授業計画」 (シラバス)の点検による「授業計画の質」の 管理、成績評価の点検による「成績評価の質」の管理、さらに担任指導の点検による「担 任による学生サポートの質」の管理を恒常的、組織的に実施している。教育目的の達成 状況を検証・評価するための適切な取組が関連部署と連携して行っていると考えている。 (b) 自己点検・評価を基に課題を記述する。 本学には、専任教員の研究活動に関する規程の整備、研究紀要の発行、研究室の整備、 研究日による研究・研修時間の確保、教育の質マニュアルの整備・FD 活動推進、学生 の学習成果向上を目指した専任教員と関係部署との連携など、教育研究活動を推進でき る整った環境がある。今後は、それらを生かし、さらなる研究活動の活性化に努力する とともに、科学研究費補助金・外部研究費等の獲得の強化を図る。 基準Ⅲ-A-3 学習成果を向上させるための事務組織を整備している。 (a) 自己点検・評価を基に現状を記述する。 本学の事務の組織は、 「学校法人東京聖徳学園組織規程」に、管理部門の事務組織(学 園事務局)として、企画室、秘書室、総務部(総務課、学園史編纂室、人事課) 、経理部 (経理課、施設管理課) 、出版事業課、財務調整課、募金課、情報システム課を、学務部 門(大学事務局)として、入学センター、学生部(学生課、学寮課、国際交流課、教務 課、インターンシップ室、キャリア支援室) 、生涯学習部(通信教育学務課、生涯学習課) 、 保健センター、教育研究推進部(図書館事務室、博物館事務室、総合メディア室、知財 戦略課)を置くことを規定している。また、その職務は「学校法人東京聖徳学園事務分 掌規程」に規定しており、事務組織の責任体制は明確である。 職員数は、管理職(教員が兼任している場合を除く)を含めて、管理部門 73 名、学務部 門 125 名となっている。 事務をつかさどる専門的な職能については、「SEITOKU REALISE SYSTEM」マニュア ルにおいて、各組織・部門は、「学園の理念」「学園教育の質方針」「SEITOKU 109 REALISE 聖徳大学短期大学部 SYSTEM 中期ビジョン」 「教育の質目標」 「環境方針」 「環境目的・目標」に則り、教育の 質及び環境に影響がある仕事に従事する要員に対して、個人別の力量不足分を明確にし て必要な力量がもてるような教育・訓練を実施すると定め、新規採用職員への初任者研 修をはじめ、能力向上のための外部研修に積極的に参加する機会を与えるなど、資質向 上の取組を毎年組織的に行っており、それぞれ事務をつかさどる専門的な職能を有して いると考えている。 事務には、組織に関する「学校法人東京聖徳学園組織規程」、職務に関する「学校法 人東京聖徳学園事務分掌規程」 、 事務処理に関する 「学校法人東京聖徳学園文書処理規程」 、 「学校法人東京聖徳学園公印取扱規程」 、 「東京聖徳学園経理規程」就業に関する「学校 法人東京聖徳学園就業規則」 、 「給与規程」 、 「退職金規程」 、 「定年規程」 、 「学校法人東京 聖徳学園国内旅費規程」 、 「学校法人東京聖徳学園海外旅費規程」などの規程を整備して おり、適切に事務処理を行っている。 事務室は、8号館(クリスタルホール)5F に、企画室、秘書室、総務部(総務課、 学園史編纂室、人事課) 、財務調整課、募金課、4F に経理部経理課、学生部(学生課、 国際交流課、学寮課、教務課[音楽:2号館1F] 、インターンシップ室) 、教育研究推 進部知財戦略課、3F に入学センター、7号館 1Fに経理部施設管理課、B1Fにキャリ ア支援室、1号館4Fに教育研究推進部(図書館事務室、博物館事務室、総合メディア 室) 、情報システム課、6号館1Fに保健センター、実習指導室、5号館2Fに通信教育 部学務課、10号館1Fに生涯学習部生涯学習課の事務室が置かれている。各事務室に は、事務処理に必要なネットワークが構築されており、各個人にはPCが与えられてい る。このほか電話、ファックス、プリンター、書庫、文房具など事務処理に必要なもの が整備されている。なお、消耗品については、必要に応じ、物品購入申請により購入が 可能となっており、事務部署に必要な情報機器、備品等を適切に整備していると考えて いる。 危機管理等に係る体制の整備については、 「消防計画書」において、防災・防火管理に ついての必要事項を定め、学事日程に防災・防火訓練日を設定し、定期的に訓練を実施 すると共に、緊急時・災害時の対応や避難経路について学生便覧へ掲載するなど周知を 図っている。 さらに「セキュリティー対策規程」において、施設・設備の保全及び情報の安全管理の 体制を定め、ことに個人情報の漏洩や改ざんなどの事態に対しては「緊急時対応規程」 によって対処することとしており、適切に対策を講じていると考えている。 日常的に業務の見直しや事務処理の改善については、原則5年ごとに改訂される中期 ビジョンと、前年度の成果と反省及び業務環境に影響を与える内外的な事項を踏まえ、 計画される個別計画書により、日常的に業務の見直しや事務処理の改善を行っており、 適切に改善を図っていると考えている。 110 聖徳大学短期大学部 (b) 自己点検・評価を基に課題を記述する。 学園のミッション・ビジョンの実現を目指し、事務職員の人事制度をさらに強化を図 るため、スキル・役割・職責に基づいた評価・処遇・人材育成へと繋がる制度とし、S Dの強化を図る。 基準Ⅲ-A-4 人事管理が適切に行われている。 (a) 自己点検・評価を基に現状を記述する。 就業規則をはじめとする教職員の就業に関する諸規程は、労働基準法など関係法令に 基づき規定しており、 「服務のしおり」にまとめられ、学内サイトに掲載し、教職員に周 知されている。 【服務のしおり】 規程集 •就業規則について •綱領 •就業規則 •育児休業及び育児短時間勤務に関する規程 •介護休業及び介護短時間勤務に関する規程 •学校法人東京聖徳学園セクシュアル・ハラスメントの防止のための指針 •セクシュアル・ハラスメントの具体例 •学校法人東京聖徳学園セクシュアル・ハラスメントの防止に関する規程 •学校法人東京聖徳学園セクシュアル・ハラスメント防止機構図 •定年規程 •永年勤続者表彰規程 •川並香順賞規程 •川並香順賞規程施行細則 •学校法人東京聖徳学園国内旅費規程 •学校法人東京聖徳学園海外旅費規程 •慶弔見舞金規程 •学校法人東京聖徳学園親和会規約 •学校法人東京聖徳学園学費減免規程 •マイカー通勤管理規程 •聖徳大学大学院研究生規程 •聖徳大学児童学部通信教育に関する規程 •聖徳大学人文学部通信教育に関する規程 •研究生に関する規程(聖徳大学短期大学部) •学生処分に関する内規 •学生の事故処理要領 •聖徳大学・聖徳大学短期大学部教員勤務細則 教職員の採用、任免、服務、出退勤及び人事記録等については、諸規程に基づき総務 部人事課において適正に管理・運営されている。 また、心身の健康管理を掌る組織として保健センターが置かれ、医師、看護師、保健 師、カウンセラーが常駐しており、学生及び教職員の心身の健康管理を行っている。 (b) 自己点検・評価を基に課題を記述する。 心身の健康管理を掌る組織として保健センターが置かれ、医師、看護師、保健師、カ ウンセラーが常駐しており、学生及び教職員の心身の健康管理を行っている。今後は、 教職員のメンタルについて組織的対応を図っていく。 111 聖徳大学短期大学部 [テーマ] 基準Ⅲ-B 物的資源 (a) テーマ全体の自己点検・評価の要約を記述する。 教育研究組織の運営及び教育課程の実現にふさわしい施設・設備が整備され,有効に 活用されている。校地及び校舎の規模は短期大学設置基準を満たしており、また学生寮 を完備しているほか、 施設・設備のバリアフリー化及び耐震化への配慮もなされている。 これらの施設・設備の運用に関する方針は明確に規定され、教職員及び学生に周知され ている。 また、耐震構造を組込んだ書架など、図書館は最新の設備と利用環境を有し、図書、 学術雑誌、視聴覚資料その他の教育研究上必要な資料が系統的に収集・整理され、 「こど も図書館」も開設されており、これらは有効に活用されている。 防災・防犯対策についても規程が整備・周知され、適切に運用されている。さらに、 地球環境保全の配慮に基づく省エネルギー対策がとられ、広く社会に公表されている。 (b) 自己点検・評価に基づく改善計画を記述する。 施設・設備など物的資源は、適切に維持、管理されているが、さらなる防犯対策とし て、学内への入校管理の強化を図る。 また、 バリアフリー環境についても、 校舎内出入り口のスロープや昇降機の設置など、 主な部分では対応が完了しているが、現時点では、まだ十分ではないため、学生、教職 員のニーズを把握し、 必要に応じた整備を行っていく。 なお、 、 テニスコートについては、 使用者の意見及び需要を把握し整備を検討する。 図書館では、 聖徳博物館や貴重書展示室にある実物の学術資料から図書の参考文献や、 学習図書を利用させる誘導やその逆の誘導を行っていく。また、メディアパークの学習 支援機能を発展させ、プレゼン用機器の拡充、リフレッシュエリアの設置、ITアドバ イザーやラーニング(学習)アドバイザーの配置などを行い、近年各大学図書館で整備 が進んでいる「ラーニング・コモンズ」を実現し、学生の共同的な自学自習環境を整備 していく。また、図書館職員は、国立情報学研究所、私立大学図書館協議会等外部の団 体が開催する研修会などへの計画的に参加によりスキル・アップを図る。 防犯対策を強化として、 学内へ入校する際に学生証又は教職員証の提示を義務付ける。 [区分] 基準Ⅲ-B-1 学科・専攻課程の教育課程編成・実施の方針に基づいて校地、校舎、施設 設備、その他の物的資源を整備、活用している。 (a) 自己点検・評価を基に現状を記述する。 聖徳大学短期大学部は聖徳大学と同キャンパスにあり、校地は聖徳大学と共用となっ ている。その面積は全体で 91,032.71 ㎡(借用地 773.25 ㎡を含む)である。この面積 は、短期大学置基準の 9,800 ㎡と大学設置設置基準の 42,060 ㎡(収容定員 4,206 人)の 112 聖徳大学短期大学部 合計 51,860 ㎡を満たしており、短期大学置基準を充足している。 また、校舎面積は 7,474.30 ㎡であり、短期大学置基準の 6,900 ㎡を満たしている。こ のほか運動関係の用地、広場などが確保されている。 校舎内は、出入り口のスロープや昇降機の設置など、主な部分ではバリアフリーへの 対応が完了している。 校舎には、学科・専攻課程の教育課程編成・実施の方針に基づいて授業を行う教室(講 義室、実習室、実験室、ピアノレッスン室、ピアノ練習室自習スペース、メディアホー ル、奏楽堂など) 、図書館、講堂、体育館(実技室を含む) 、福利厚生施設(保健センタ ー、食堂、売店など) 、教員研究室、事務室などが有機的に配置されている。 講義室 77 演習室 64 実験実習室 60 情報処理学習室 8 語学学習施設 2 なお、本学は通信による教育を行う保育科を設置しており、印刷教材等の保管・発送 事務は、通信教育学務課が担当している。事務室は 5 号館 5202 室にあり、14 名の職員 が勤務している。通信教育に関わる全ての印刷教材等は、隣接する 5201 室に保管してお り、必要な印刷教材をいつでも発送することができる。また、5201 室には、通信学生が 個別の添削指導、実習指導を受けるためのスペースも十分に確保されている。 レポートの添削については、通信教育学務課事務室(5202 室)でレポートを受け取り、 各研究室で行っている。 本学の川並記念図書館(以下、図書館)は、平成 21 年 9 月 5 日にリニューアル・オー プンし、免震構造を組込んだ書架など、最新設備の図書館が整備され、図書、学術雑誌、 視聴覚資料その他の教育研究上必要な資料を系統的に収集・整理し、地域の子どもを対 象とした「こども図書館」も開設している。この図書館には学園が収集した貴重資料を 公開するための「聖徳博物館」が付設されている。なお、平成 23 年 10 月 31 日に川並弘 昭記念図書館と改称している。 図書館は、面積 4,808 ㎡を有し、閲覧座席数 841 席、インターネット利用可能なパソ コン 60 台、日曜日・祝日も利用可能な自習室が設置されている。館内は、無線LANが 整備され、貸出用ノートパソコン 40 台を用意している。館内に新設された「子ども図書 館」には『おはなしの部屋』と『たいけんの部屋』があり、 『おはなしの部屋』は“読み 聞かせ”の授業の場として、 『たいけんの部屋』は、幼児・児童に音の性質を理解させる ための放物面の天井や、滑車の原理を学ぶための天井に吊り下げたフックなどの工夫し た仕掛けを使い体験することで、本を読んだだけでは得られない、効果的な学習ができ る場所として有効活用されている。館内には、勉強の疲れを癒すためのコーナーや学内 のパソコンから読みたい本を請求すると数分で館内の窓口(カウンター)に届けられる 自動書庫(アーカイビング・システム)も設置しており、学生の利便性に十分に配慮し ている。主な所蔵資料は、図書 470,518 冊(和書 395,504 冊、外国書 75,014 冊)、雑誌 2,942 種(和雑誌 2,312 点、外国誌 630 点)であり、他に視聴覚(AV)資料 32,617 点 を収蔵している。学術情報データベースは 14 種、電子ジャーナルは、Wiley、HighWire、 Springer、Ingenta Connect、Elsevier などから提供される 143 種がある。 113 聖徳大学短期大学部 学術情報データベース ProQuest Research Library PsycINFO Science Direct ジャパンナレッジ・プラス N 医中誌 Web RILM 学術コンテンツポータル 聞蔵Ⅱビジュアル 毎日 NEWS パック ヨミダス歴史館 東洋経済デジタルコンテンツ・ライブラリー 平成 23 年度の入館者数は、 267,375 人(前年比 9%増)で 1 日の平均は 882 人であった。 貸出冊数は 58,193 冊(前年比 18%増)である。 平成 23 年度の年間受入数は、図書 10,336 冊(和漢書 9,395 冊、洋書 941 冊) 、雑誌 1,189 種(和雑誌 805 種、洋雑誌 384 種)である。 図書館の整備及び運営に関する重要事項を審議するため、 図書委員会が置かれており、 女子短期大学に相応しい資料を系統的に収集するため、図書の選定等を行っている。図 書の選定については、流通業者の「新着図書情報」をもとに図書委員が推薦する図書又 は、学生・教職員の申込み(Web 可)による図書から図書委員会において選定している。 なお、廃棄については、保管場所があるため現在は行っていない。 図書委員会は、平成 23 年度に 8 回開催しており、当面の諸問題として、シラバスに掲 載された参考図書、図書館ガイダンス、インターンシップ、データベースの利用などに ついて協議を行った。 本学が所蔵する学術資料は、特別展覧会を開いて公開している。なお、平成 23 年度に 開催した展覧会は次の表のとおりである。 会場 聖徳博物館 こども図書館 展覧会等の名称 会期 ルイス・キャロル生誕 180 年記念 「不思議の国のアリス」展 日本の伝統行事「端午の節句」 日本の伝統行事「七夕」 日本の伝統玩具「からくり玩具」展 日本の伝統行事「正月飾り」 日本の伝統行事「雛飾り」 ピカソ生誕 130 年記念「スペイン三大巨匠ピ 8 号館 カソ・ミロ・ダリ」展 ギャラリー 「ピーターラビットとその仲間たち」展 追悼写真展 「川並弘昭先生を偲ぶ」展 利根山光人記 リスト生誕 200 年記念「ロマン派作曲家たち 念ギャラリー の自筆書簡」展 聖徳祭参加「教職員の作品」展 「ディズニー・セル画」展 平成 23 年 9 月 19 日~ 平成 24 年 5 月 12 日 平成 23 年 4 月 7 日~6 月 6 日 平成 23 年 6 月 13 日~8 月 6 日 平成 23 年 8 月 9 日~12 月 14 日 平成 23 年 12 月 22 日~ 平成 24 年 1 月 23 日 平成 24 年 2 月 6 日~3 年 24 日 平成 23 年 4 月 5 日~12 月 26 日 平成 23 年 2 月 6 日~8 月 11 日 平成 23 年 6 月 26 日~7 月 23 日 平成 23 年 8 月 1 日~10 月 29 日 平成 23 年 11 月 5 日~11 月 15 日 平成 24 年 2 月 23 日~4 月 14 日 スポーツ施設は、体育館 2,379.14 ㎡、体育実技室 823.32 ㎡、体育実技室 580.00 ㎡、 離山テニスコート 2 面 3,390.00 ㎡、 竹ノ原テニスコート 1 面 1,522.90 ㎡を有しており、 体育の授業をはじめ、課外活動など有効に活用されている。 114 聖徳大学短期大学部 (b) 自己点検・評価を基に課題を記述する。 バリアフリー環境については現時点では、主たる部分では完了しているがまだ十分で はない。また、テニスコートの老朽化の箇所についての修繕等が必要である。 図書館では、図書の電子化とインターネットの普及により電子化された情報を入手す るための最新機器の導入やソフトの充実、それを操作するための専門知識を備えた職員 が必要となっており、自主的にスキル・アップできる職員の育成が課題の一つとなって いる。また、多様なコンセプトで構成された本学図書館各フロアの機能を有機的に結合 して、学生の自主的・共同的学習に結びつけることも課題の一つとなっている。 基準Ⅲ-B-2 施設設備の維持管理を適切に行っている。 (a) 自己点検・評価を基に現状を記述する。 固定資産管理規程、消耗品及び貯蔵品管理規程等を、財務諸規程を含め、次のとおり 整備し管理している。 固定資産・物品管理規程 川並弘昭記念図書館規程 備品管理実施要領 聖徳大学川並香順記念講堂管理規程 聖徳学園亦楽庵使用に関する規程 教室等施設貸出使用に関する取扱要領 聖徳学園メゾン・アコール規定 聖徳学園メゾン・アコール駐車場利用規定 聖徳学園メゾン・アコールならびに寮駐車場料金規定 経理規程 経理事務実施要領 資本的支出と修繕費支出取扱基準 さらに、教育教材用物品の購入と管理(専任教員)については、「服務のしおり」ハ ンドブックにおいて、次のとおり定められ、周知し、管理を行っている。 (1)物品の購入申請 学園では、物品の外部調達は、経理課調達グループで行うことになっており、直接購入することは堅 く禁止されております。申請手続をしてから納入までには、相当日数を必要としますので、授業等で必 要とする場合は、あらかじめ年間需要計画に基づき、学科長・教務課とお打合わせのうえ、余裕をもっ て申請されるようお願いいたします。なお、緊急を要する場合には、事前に事務局(経理課等)に連絡 されるようお願いいたします。 (2)申請の要領 ① 提出日 毎週月・木曜日 ② 提出先 経理課調達グループ ③ 申請書作成枚数 2枚(1枚控、1枚提出) ④ 申請書用紙の使用区分 ○資産に関する機器・備品(修繕の場合も含む) ○消耗品等に使用 (注)① 申請書には必ず数量及び定価(税込)の記入をお願いいたします。 ② 機器・備品の申請の場合は、別紙申請理由書に学科長の所見を記入してもらうとともに、必要 となる授業名等と申請数量の算出の根拠を記入してください。 (購入申請書・経理課調達グループ) (3)物品の管理 研究室・実験実習室で使用する物品のうち、先生方が共用するものについては、当該学科長または主 任の先生が管理責任者となり、学園の研究費で購入した物品、または個人が専用する物品については、 専用される先生に管理責任をもっていただきます。科学研究費補助金で購入した備品扱いとなる物品は 学園に寄附することになっております。詳細については知財戦略課にお問い合わせください。 ① 管理の方法 115 聖徳大学短期大学部 ア 研究室に備付の「備品台帳」または「備品登録カード」で行ってください。 イ 一般教室の物品については、教務課で管理いたします。 ② 受領 申請された物品が納入されたときはご連絡いたしますので、認印をご持参のうえ、経理課調達グルー プまで受取りに来てください。 ③ 移動 保管または使用中の物品を他に移動されるときは、移動の手続を済ませてから、実施してください。 ④ 除却・返納 保管または使用中の物品で損傷が甚だしく、修理しても再使用の見込みのないものまたは不用になっ たものは、返納の手続をしてください。なお、学内の異動および退職の際には、「備品台帳」または「備 品登録カード」と現品を確認のうえ、経理課調達グループに除却または返納をお願いいたします。 ⑤ 備品調査 毎年1回備品調査をするため、保管または使用中の物品について、台帳と現品との照合または調査票 を提出していただきますので、そのときはご協力をお願いいたします。(物品に関するご不明の点は、 経理課調達グループにお問い合わせください。) ⑥ 弁償責任 故意または過失で、物品を亡失しまたは損傷したときは、その管理責任者または使用者に弁償してい ただきます。弁償の方法は、原則として、亡失の場合は同一物品とし、損傷の場合は修理に要した費用 を負担していただきます。 (4)その他 専任の先生が、研究費で物品または図書を購入される場合は、次の「15 研究費」をご参照ください。 危機管理に係る体制の整備については、 「消防計画書」において、防災・防火管理につ ての必要事項を定め、学事日程に防災総合訓練日を設定し、年 1 回定期的に訓練を実施 しており、平成 23 年3月 11 日の東関東大震災の発生時においては敏速な避難体制をと ることができた。さらに、施設・設備の保全及び情報の安全管理については、 「セキュリ ティ対策規程」にその体制を定め管理しており、ことに個人情報の漏洩、紛失及び改ざ んなどの事態に対しては「緊急時対応規程」によって対処することとしている。また、 研究費等の不正使用の防止についても、 「公的研究費の取り扱いに関する規程」などを制 定し、管理する体制をとっている。 この他、災害防止の監視及び警備については、施設管理課の管理の下で中央管制装置 (オペレーター)を設置し、校舎等の状況を常時監視するほか、警備委託契約により警 備保障会社の警備員が指定の場所で守衛にあたるほか、定期的に校舎を巡回し、外部侵 入者・不審者対策を行っている。また、緊急時・災害時の対応や避難経路については、 学生便覧に掲載し周知を図っている。 コンピュータシステムのセキュリティについては、Firewall によるアクセス制御をイ ンターネット系と教育系・事務系ネットワーク分岐点の 2 箇所で行うとともに、ウィル ス検知ソフトをサーバー及びクライアント PC へインストールすることで、 セキュリティ 対策を講じている。 省エネルギー・省資源対策、その他地球環境保全には平成 15 年 11 月に国際規格であ る環境マネジメントシステム(ISO14001)を認証取得し、 「東京聖徳学園環境方針」を定 め、 「建学の精神『和』のもとで、地球環境を大切にする心を育み、環境保全活動に積極 的に取り組む『聖徳地球市民』を育成する」ことを宣言し、地球環境保全に取り組んで いる。この取組みについては、毎年度、環境報告書として纏められ、理事会へ報告され るとともにホームページにおいて広く社会に公表している。 116 聖徳大学短期大学部 (b) 自己点検・評価を基に課題を記述する。 施設設備は、適切に維持、管理されているが、さらなる防犯対策として、学内への入 校管理の強化を図る。 [テーマ] 基準Ⅲ-C 技術的資源をはじめとするその他の教育資源 (a) テーマ全体の自己点検・評価の要約を記述する。 編成された教育課程の遂行に必要なICT環境として、研究室、一般教室、実験室等 には情報コンセントを設置している。また、無線 LAN を設置しており、PCの持ち込み による利用を可能としている。さらに、学生生活に必要な情報を提供する共通のポータ ルサイトを開設している。そのブランチとして、学生及び教職員用にウェブ・ポータル (アクティヴ・アカデミー)が導入され、学務・教務情報システムが稼動し、教務連絡、 履修状況管理、成績管理、授業支援(学生カルテ、アンケート、出欠管理など) 、スケジ ュール管理など行えるよう整備され、有効に活用されている。 事務局の情報システム課及び総合メディア室により、情報処理の教育、学内ネットワ ークの利用教育等に関し、学生及び教員の情報活用能力の向上をめざして、情報処理に 関する研修会、ICTの活用教育に関わる実践事例や教材開発等の研究、授業研究の交 流が推進されている。 (b) 自己点検・評価に基づく改善計画を記述する。 技術的資源の大半を占める情報関連のハード及びソフトは日進月歩で進化しており、 これに相応する設備整備が必要となる。特に近年は学生のPC所有率が増加し、それと の互換性も考慮し計画的に更新していく。また、既存のAV機器だけでなく、電子黒板 をはじめ、多種多様な情報機器の総合的活用が教育に不可欠となっている現状を踏まえ 教員のICT活用能力向上が必要となっており、これに対応した講習会等を継続的に実 施していく。 [区分] 基準Ⅲ-C-1 短期大学は、学科・専攻課程の教育課程編成・実施の方針に基づいて学習 成果を獲得させるために技術的資源を整備している。 (a) 自己点検・評価を基に現状を記述する。 本学のネットワーク環境は、学外向け回線として 1 回線を 100Mb 専用回線の学術系ネ ットワーク SINET へ、別に商用プロバイダ経由で 100Mb ベストエフォート回線の計 2 回 線としている。学内基幹ネットワークは 1Gb で、支線は 1Gb を可能な配線とし研究室、 一般教室、実験室等には情報コンセントを設置している。また、1号館4~8階では無 線 LAN を設置しており、PCの持ち込みによる利用を可能としている。さらに、学生生 活に必要な情報を提供する共通のポータルサイトを開設している。 そのブランチとして、 117 聖徳大学短期大学部 学生及び教職員用にウェブ・ポータル(アクティヴ・アカデミー)が導入され、学務・ 教務情報システムが稼動し、教務連絡、履修状況管理、成績管理、授業支援(学生カル テ、アンケート、出欠管理など) 、スケジュール管理などを行っている。 学生の情報技術の向上については、全学共通科目に「情報活用演習(基礎)」「情報 活用演習(教職)」を開設しており、1年次の前・後期において十分なリテラシー学習 ができるよう配当されている。保育科では、保育現場におけるコンピュータの活用を念 頭に置き、保育だより・保健だより等の文書作成や、運動会等の園行事のチラシ・ポス ター・プログラムの作成、情報技術を用いた遊びのためのツールの作成を通して、Word、 Excel、PowerPoint の使い方についての技術を習得させ、2年次に「教職実践演習」の レポート等の提出において、デジタルデータでの提出を義務付け、実践による継続的な 技術習得ができるよう配慮している。また、総合文化学科では、専門科目に繋げる情報 リテラシー教育として実施しており、就職先を見据え、専門科目の中に「CAD」・「プ ログラミング」をはじめ、多くの情報科目が開設されている。 学生が利用可能な情報環境(ITC)は、以下の通りである 【学生が利用可能な情報環境】 1.メディアパーク( 1 号館4 階図書館内) 開放時間内は、44台のパソコン、25台のノートPCを自由に使用できます。また、無線LANが利 用できますので、個人のパソコンでもインターネットが利用できます。ノートPCは図書館内であれ ば4 階以外でも利用できます。 2.メディア工房(メディアパーク内) パソコンを使ったデジタルビデオ編集、スキャナでの静止画の取り込みから加工、大判プリンタで の印刷などができます。 3.AVブース (メディアパーク内) VHS・DVD・BD・LDの視聴ができます。個人用ブース10、5 人用ブース3 台が利用できま す。 4.スタジオ( 1 号館4 階) ビデオ作品制作のための撮影機材の貸し出し、スタジオを利用した撮影や音声の収録ができます。 5.情報処理教室( 1 号館地下2 階): 8 教室 授業優先ですが、使用していない時は開放します。 6.他号館のパソコン 7号館1階に 14 台、3号館 6 ・7階に 22 台自由に使用できるパソコンがあります。 事務局の情報システム課及び総合メディア室は、情報処理の教育に関すること、学内 ネットワークの利用教育に関すること等の業務を担い、学生及び教員の情報活用能力の 向上をめざして、情報処理に関する研修会、ICTの活用教育に関わる実践事例や教材 開発等の研究、授業研究の交流を推進するとともに、コンピュータ演習室などの特別教 室を整備し、 専門教育科目における特別な PC 機器及びソフトウェアの充実を図っている。 (b) 自己点検・評価を基に課題を記述する。 文部科学省「大学改革推進等補助金」を活用し整備した機器が一部あり、補助対象期 間終了後の事業の継続及びカリキュラムとの整合性を含めた、機器更新の検討が必要で ある。また、これ以外の機器についても、ICT関連システム(ハード・ソフト)は陳 腐化が早く、それに対応した更新を進める必要があり、特に専門分野で使用しているシ ステムは比較的高価なシステムであるため、授業計画等を含め、今後、総合的に計画的 に検討し、進めていかなければならない。 118 聖徳大学短期大学部 [テーマ] 基準Ⅲ-D 財的資源 (a) テーマ全体の自己点検・評価の要約を記述する。 「よりよい教育はよりよい教育環境から」の経営理念の下で、短期大学の目的に沿っ た教育研究活動が安定してできる固定資産及び流動資産を有しており、債務は教育研究 の安定的な遂行にとって過大なものではない。また、入学生の増加による学生生徒等納 付金等の収入増、補助金及び寄付金等の獲得によって、教育研究活動を安定して遂行す るための経常的収入も継続的に確保されている。消費収支においては支出超過になって いるものの、帰属収支において平成 23 年度のは収入超過となり、教育研究活動のキャッ シュフローの収支も収入超過となっている。教育研究活動に対して必要な教育研究環境 の整備充実及び、教育研究経費のための資金配分は適切に実施されている。これらの教 育研究活動を円滑に運営するための財務上の基礎を確立するため、適切な収支に係る中 期計画を策定し、関係者に明示している。 (b) 自己点検・評価に基づく改善計画を記述する。 大学・短期大学、附属学校等、学園の教育機関全体である「5年後のビジョン」に基 づき財務計画を策定しており、評議員会、理事会に報告し、承認されている。この中期 計画では帰属収入に対する①消費支出差額の比率を5%とする、②帰属収支差額の比率 を10%以上にする、③流動資産に係る関係比率を全国平均並とする、の以上3項目を 基本目標とした財務計画を策定している。その主な施策として掲げた「定員充足による 学生生徒等納付金の確保」 、 「寄付金等の外部資金の獲得」 、 「人件費の削減」 、 「管理経費 の圧縮」等について積極的に取り組んでおり、今後とも 5 年後のビジョンの財務計画を 着実に遂行する。 [区分] 基準Ⅲ-D-1 財的資源を適切に管理している。 (a) 自己点検・評価を基に現状を記述する。 本学は創立以来、「よりよい教育はよりよい環境から」の経営理念の下で、人材確保 を含む教育環境の整備充実を図ることを経営方針としている。 平成 23 年度における日本私立学校振興・共済事業団の定量的な経営判断指標に基づく 経営状態の区分(法人全体)は「A3」にあり、過去 3 年間の教育研究活動のキャッシュ フローは黒字を継続し、正常な経営状態にある。 法人全体の消費収支の状況は、平成 21 年度 19.8 億円、平成 22 年度 41.5 億円、平成 23 年度 14.8 億円の支出超過となったが、平成 23 年度の帰属収支は収入超過に転じ、改 善傾向にある。支出超過の主な原因は、学生数の減少によるものである。なお、短期大 学においても、学生数の減少により支出超過であるが、平成 23 年度は保育科を中心に学 生数が増加に転じ、帰属収支は収入超過にまでは至らないものの改善傾向にある。 法人全体の貸借対照表の平成 23 年度資産総額は、 固定資産 871.2 億円、 流動資産 82.5 119 聖徳大学短期大学部 億円、合計 953.7 億円であり、負債総額は、固定負債 122.6 億円、流動負債 57.4 億円、 合計 180 億円となっている。貸借対照表関係比率では、消費収支差額構成比率を除き特 に大きな問題はない。有形固定資産は、図書館の整備充実を含む新 1 号館の新築工事の 完成に伴い平成 21 年度大幅に増加した。固定負債は、退職給与引当金の計上を期末要支 給額 100%へ変更したことにより、大幅に増加した。なお、退職給与引当の一部につい て、特定資産を設定しており、今後は段階的に繰入する計画である。 資産運用は、市中金融機関等への預金が中心で、他の運用は行っていない。 教育研究経費の帰属収入に対する比率は、平成 23 年度は法人全体で 32.39%、短期大 学においては 38.58%となっており、学生の教育に必要な経費の支出は充分である。 短期大学(通学課程)の収容定員充足率は、学生募集の強化により、下表のとおり徐々 に改善傾向にあり、平成 24 年度は 79.7%まで改善している。但し、総合文化学科にお いては 50%を下回っており、今後とも改善が必要である。 「短期大学(通学課程)の収容定員充足率一覧表」 学科 保育科第一部 保育科第二部 総合文化学科 計 事項 収容定員 在籍者数 収容定員充足率 収容定員 在籍者数 収容定員充足率 収容定員 在籍者数 収容定員充足率 収容定員 在籍者数 収容定員充足率 平成 22 年度 700 538 76.9% 150 70 46.7% 280 189 67.5% 1,130 797 70.5% 平成 23 年度 700 609 87.0% 150 71 47.3% 280 165 58.9% 1,130 845 74.8% 平成 24 年度 700 701 100.1% 150 69 46.0% 280 131 46.8% 1,130 901 79.7% (b) 自己点検・評価を基に課題を記述する。 平成 23 年度は、法人全体の帰属収支が収入超過になったものの、消費収支において は支出超過の状態が続いており、 今後とも財務計画を着実に遂行し、 収支均衡を目指す。 基準Ⅲ-D-2 量的な経営判断指標等に基づき実態を把握し、財政上の安定を確保するよ う計画を策定し、管理している。 (a) 自己点検・評価を基に現状を記述する。 本学園は、学園創立以来、建学の理念である「和」の精神の具現を図る、その教育 目標が、女性教育・幼児教育・人間教育である。そのために、高い品質の教育サ-ビ スの提供を目指し、その実現を目指す仕組みの構築に努力を傾けており、学園創立 70 周年を期して、平成 15(2003)年 11 月 18 日に、本学園が築き上げた独自のシステムを 体系化して「聖徳リアライズシステム」(SEITOKU REALISE SYSTEM)としてシステム化 した。その内容が国際規格に適合するものとして ISO の認証を取得した。このシステ ムにより教育の質の向上・充実に取り組んできている。 本学では、このISO「教育の質マネジメントシステム」によって、中期計画が策 120 聖徳大学短期大学部 定されており、この中期計画に基づく年度計画を作成し、全教職員が計画的に目標の 実現、課題解決に努めている。 このシステムは、教育・研究活動に限らず、組織・運営や施設・設備をも対象とし ており、「計画されたものが、その目的を達成できたか? 達成できないのであれば、 それはなぜか? が追求され、障害となる問題を明確にし、その改善を図り、所期の目 標を達成する」という手順を辿ることとなっており、「計画」(Plan)「実施」(Do)「点 検」(Check)「改善」(Act)の、いわゆるPDCAの検証のサイクルを、遅滞なく、し かも的確に回転させ、改善し、その完成に向けてレベルアップしていく。また、詳細 は省くが、不測の事態が招くトラブルを、未然に防止、又は適切に対応するシステム も用意されている。 このシステムは、教職員の不断の努力、緊密な協力体制によって維持され、学生等 及び保護者の「夢を実現する」教育の質を確保、向上させるものとなっている。 【教育の質マネジメントシステムの体系図】 建 び目 目標 標 建学 学の の精 精神 神・使 ・使命 命及 及び 方針・目標策定 『教 育 の 質 』方 針 の 決 定 フィー ドバ ック 各 各組 組織 織別 別教 教育 育方 方針 針 SE IT O K SEITO KU U RREEA ALISE LISE SY SYST STEEM M の の中 中期 期ビ ビジ ジョン ョン SEITO SE IT OK KU U REA R E ALISE LISE SY SYSTEM ST E M 当 当年 年度 度実 実行 行計 計画 画 経営者による 見直し 『教 育 の 質 』目 標 の 決 定 改善指示 モニタリング 教育プロセス 評価 年度評価 教育成果の 確認 講義 オリエンテー ション シラバス 作成 時間割編成 授業編成 検収・ 管理 発注 発注先の評価・ 選定 受 験 生 ・高 校 へ の 広報活動 教材・ 外部委 託サービスの 評価・ 選定 入学手続 教育方針の 説明 学部・学科新設 企画 教育実現プロセス 各組織の範囲 学校認知度向上策 サービス実現 管財 改善策の決定 学生等及び保 護者の要求事 項の確認 企画 開発 マネジメント レビュー 教育サービス目標 内部監査 年間行事計画の策定 研 修 ・行 事 成績管理 窓 口 業 務 (証 明 書 発 行 な ど ) 学生等及び保護 者満足度評価 学生等及び保護者相談 施 設 、設 備 人的資源 再発防止 処置 未然防止 処置 記録管理 プ ロ セ ス の 監 視 ・測 定 運用 各部署において作成する個別の年度計画書の作成にあたっては、次のとおり、毎年度 理事会に報告された共通の重点指針が示され、必ず計画に盛り込むこととなっている。 121 記録の 整理保管 規定外の 発見 維 持 ・管 理 再発防止処置 未然防止処置 記録の 取得 教室・施 設の整備 人材配置 教育・研 修 教職員の 採用 システムを支える プロセス 文書管理 規定外サー ビスの管理 聖徳大学短期大学部 【 「平成 24 年度計画の学園共通重点指針」について】 「平成24年度計画」策定にあたり、全学園が特に重点的に取り組むべき事項を「学園共通重点指針」とし て次のとおり設定し、本学園のすべての組織(部門)がこの指針に関する施策を年度計画に必ず盛り込むこ ととする。 学園共通重点指針 (教育) ◎教育の質及び顧客満足度の向上 (1)学生(生徒、児童、園児)のより高い学習成果の達成 (2)卒業後進路の充実 (経営) ◎基盤整備 (1)収支の改善 ① 入学者・入園者数の確保(担当地区の入学者数アップ等) ② 支出の削減 (2)教職員のスキルアップ (3)リスク管理体制の整備 (環境) ◎環境意識の向上 (1)環境教育(授業及び学外活動)の徹底 (2)CO2 排出量削減に向けた省エネルギー取り組み(電気、水、紙、ゴミ他) 加えて、活動に影響を与える可能性のある事項を環境側面(内的要因・外的要因)と して抽出し、前年度の成果と反省を踏まえて計画書を策定し、日々、改善に取り組んで いる。 大学・短期大学、附属学校等、学園の教育機関で、中期計画である「5 年後のビジョ ン」に基づき財務計画を策定しており、評議員会、理事会に報告し、承認されている。 この中期計画では帰属収入に対する①消費支出差額の比率を 5%とする、②帰属収支差 額の比率を 10%以上にする、③流動資産に係る関係比率を全国平均並みとする、の以上 3 項目を基本目標とした財務計画を策定している。その主な施策として掲げた「定員充 足による学生生徒等納付金の確保」 、 「寄付金等の外部資金の獲得」 、 「人件費の削減」 、 「管 理経費の圧縮」等について積極的に取り組んでいる。また、人件費については人事課に よる人事計画に基づき、施設設備については施設管理課による中期修繕計画に基づき、 それぞれ計画的に進めている。 学生生徒等納付金の源泉となる学生の確保については、本学が長年に亘り幼児教育等 に積極的に傾注してきた教育への取組評価もさることながら、受験生への情報提供、オ ープンキャンパス等の内容見直し、教職員の高校訪問の強化及び入試方法等の改善を行 うなど、志願者及び入学者の確保に積極的に努めてきた。 その結果、短期大学の志願者は、平成 22 年度 555 名、平成 23 年度 686 名、平成 24 年度 670 名であり、入学者についても、平成 22 年度 386 名、平成 23 年度 455 名、平 成 24 年度 435 名と、着実に回復している。 外部資金の獲得については、短期大学の採択制の補助金として、平成 21 年度 23 百万 円、 平成 22 年度 19 百万円、 平成 23 年度 17 百万円を獲得し、 科学研究費補助金として、 平成 21 年度 5 百万円、平成 22 年度 5 百万円、平成 23 年度 7 百万円を獲得している。 また、寄付金については、施設設備の充実などを目的とした学園創立 75 周年記念事業募 金を平成 20 年度より行っており、平成 23 年度現在までの累計額は、法人全体で合計 610 122 聖徳大学短期大学部 百万円の実績を挙げている。 人件費の削減については、人事計画に基づき教職員の削減を行い、教職員人件費は平 成 23 年度と平成 19 年度を比較すると 431 百万円減少している。 管理経費の圧縮についても、学生募集経費を中心とした経費削減により、平成 23 年度 と平成 19 年度を比較すると 435 百万円減少している。 財務公開においては、ホームページ上で、財産目録、貸借対照表、収支計算書、財務 の概要、監事の監査報告書を事務所に備え置き、公表するほか、毎月発行し教職員およ び後援会等に配付している学園報 6 月号に消費収支計算書を毎年掲載し、広く社会に周 知している。 (b) 自己点検・評価を基に課題を記述する。 平成 23 年度は帰属収支が収入超過になったものの、 消費収支においては支出超過の状 態が続いており、今後もとも財務計画を着実に遂行し、収支均衡を目指す。 ◇ 基準Ⅲについての特記事項 (1)以上の基準以外に教育資源と財的資源について努力している事項。 なし (2)特別の事由や事情があり、以上の基準の求めることが実現(達成)できない事項。 なし 123 様式9―基準Ⅳ 聖徳大学短期大学部 【基準Ⅳ リーダーシップとガバナンス】 ◆基準Ⅳの自己点検・評価の概要を記述する。 (a) 基準Ⅳの自己点検・評価の要約を記述する。 理事長は、建学の精神に基づき、質の高い教育を行うことを最も重要な責務とし、学 園の業務執行に対してリーダーシップを発揮し、短期大学経営を先導するリーダーシッ プと経営責任を果たしている。また、教学面でも理事長が学長であることから教学組織 との連携が取れている。 理事会は、理事長のリーダーシップのもと、私立学校法、学校教育法、短期大学設置基 準等に基づき、適切な対応がとられており、理事会等の学校法人の管理運営体制が確立 されている。 学長は、建学の精神に基づき、質の高い教育を行うことを最も重要な責務とし、大学 の経営と教育研究に関する運営を統括している。また、経営面でも理事長が学長である ことから経営組織との連携が取れている。 学科長会、教授会及び委員会等の教学運営組織では、学長のリーダーシップのもと、 学生が修得すべき学習成果を明確化するため、 「学位授与の方針(ディプロマポリシー) 」 「教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー) 」 「入学者受入れの方針(アドミ ッションポリシー) 」を教学の経営方針「聖徳が求めるもの」として定め、広く公表し、 実践し、短期大学の向上・充実を図っており、学習成果を獲得するための教授会等の教 学運営体制が確立されている。 監事は、監査法人による監査が適正になされているか、並びに法人全体の財務処理が 学校法人会計基準に則った会計処理であるか、そして財産の状況が適正かつ妥当である か等を監査すると共に、理事会・評議員会に出席し、理事の業務執行状況についても監 査を行い、学校法人の業務又は財産の状況について、毎会計年度、監査報告書を作成し、 当該会計年度終了後 2 月以内に理事会及び評議員会に提出し、報告を行っている。 評議員会は、寄付行為の規定に基づき開催され、予算及び事業計画、決算報告及び事 業の実績報告などの諮問にこたえており、諮問機関として適切に運営されている。 学園各組織の中期計画である「5 年後のビジョン」に基づき財務計画を策定しており、 評議員会、理事会に報告し、承認されている。 予算編成は、財務調整課が中期の財務計画に基づき、各部門から提出された予算要求 をもとに、学園全体の消費収支の均衡を図った各部門の配分原案を作成し、理事会の審 議決定を経て、各部門に予算配分している。予算の執行にあたっては、決裁権限者の承 認と確認が必要であり、支払稟議書及び物品購入申請書等が記票され、財務調整課にお いて予算枠、権限、執行計画準拠等のチェックが行われた後、予算執行票が作成され、 決裁権限者の確認と承認を受け、発注、検収、支払がなされる。 計算書類、財産目録等は、学校法人の経営状況及び財政状態を学校法人会計基準に基 づき適正に表示しており、特に課題はない。また、公認会計士の監査意見への対応につ 124 聖徳大学短期大学部 いても適切である。 資産は、固定資産台帳及び備品台帳に基づき管理している。更に、備品には「備品ラ ベル」を貼付し、年 1 回の棚卸を実施している。 資金においては、月次支払資金集計表により経理課で残高管理している。 寄付金については、特別募金活動として平成 20 年度より最高の教育を継続・実現する ための「施設・設備の充実」 、持続可能な学園環境の推進に向けた「環境対応型キャンパ スの整備」 、学ぶ意欲を支援する「奨学金制度の新設」を目的とした学園創立 75 周年記 念事業募金を行っている。 試算表は、月締め後に毎月システムより出力しており、理事長には、 「予算実績対比表」 の形で、半期ごとに報告している。 教育情報の公表については、大学における教育研究活動の状況やその成果に関する情 報をウェブ上で広く社会に発信、公表している。また、財務情報の公開についても、ホ ームページ上で、財産目録、貸借対照表、収支計算書、財務の概要、監事の監査報告書 を公表するほか、毎月発行している教職員および後援会等に配付している学園報の6月号 に消費収支計算書を毎年掲載し、広く社会に周知している。 (b) 基準Ⅳの自己点検・評価に基づく行動計画を記述する。 入学定員を充足していない学科については、社会のニーズや受験生の動向を踏まえ、 教育課程の見直しにより、改善を図る。 財務計画を着実に遂行し収支均衡を目指す。また、月次決算の理事長への報告体制を 確立させるとともに、月次試算表の早期完成を目指し、仕組みの見直しを行っていく。 また、より一層、経理システム、資産管理システムの充実を計り、理解しやすい学校 会計報告書等を作成し、監事による監査業務の支援体制の強化を図ると共に、監査機能 や監査内容を明確にする。 [テーマ] 基準Ⅳ-A 理事長のリーダーシップ (a) テーマ全体の自己点検・評価の要約を記述する。 理事長は、建学の精神に基づき、質の高い教育を行うことを最も重要な責務とし、学 園の業務執行に対してリーダーシップを発揮し、短期大学経営を先導するリーダーシッ プと経営責任を果たしている。また、教学面でも理事長が学長であることから教学組織 との連携が取れている。 理事会は、理事長のリーダーシップのもと、私立学校法、学校教育法、短期大学設置 基準等に基づき、適切な対応がとられており、理事会等の学校法人の管理運営体制が確 立されている。 125 聖徳大学短期大学部 (b) 自己点検・評価に基づく改善計画を記述する。 特段の課題はない。 [区分] 基準Ⅳ-A-1 理事会等の学校法人の管理運営体制が確立している。 (a) 自己点検・評価を基に現状を記述する。 本学園の理事長は、平成元年 3 月に大学院修士課程を修了と同時に、同年 4 月学校法 人東京聖徳学園法人本部総務課へ入職し、平成 5 年 4 月から学校法人東京聖徳学園評議 員に就任、平成 18 年 6 月から理事に就任、同年 7 月副理事長に就任、平成 23 年 5 月か ら理事長に就任、さらに、同年 7 月から学園長に就任し現在に至っている。また、事務 職暦としては、法人本部総務課へ入職後、平成 6 年 4 月から法人事務局次長(平成 11 年 8 月迄) 、大学事務局次長(平成 18 年 6 月迄) 、平成 9 年 11 月から理事長室長(平成 19 年 8 月迄) 、平成 17 年 4 月から学園事務局長(平成 20 年 1 月迄)を務め、教員暦に ついても、平成 11 年 4 月に聖徳大学の専任講師として就任して以降、平成 12 年 4 月助 教授、平成 17 年 4 月教授に昇任、平成 18 年 7 月からは聖徳大学及び聖徳大学短期大学 部学長補佐(平成 21 年 7 月職名変更、旧職名は学長特別補佐) 、平成 22 年 4 月から学長 補佐(総括) 、平成 22 年 11 月から聖徳大学及び聖徳大学短期大学部副学長(管理運営) 、 平成 23 年 5 月から聖徳大学及び聖徳大学短期大学部学長に就任し現在に至っている。 理事長・学長は、入学式の式辞をはじめとし、さまざまな学校行事の機会を通じ、本 学の建学の精神である「和」について語っている。また、学生及び保護者並びに教職員 に配付される学生便覧においても建学の精神「和」について明記しており、学生は常に 触れることになっている。 また、教職員については、4 月 27 日の創立記念日式典、12 月末の研修旅行など全教職 員が集まる機会における講和等において歴史や経緯を含め、 その思いを語り伝えている。 以上のとおり、理事長は建学の精神及び教育理念・目的を充分に理解し、学園の発展 に寄与できる者である。 本学園では、寄付行為第 18 条に基づき、理事で構成する理事会が最高意思決定機関と して置かれ、学校法人の業務を決し、理事の職務の執行を監督している。また、評議員 会及び監事を置き、ガバナンスを確保した業務執行を行っている。 理事の構成については、私立学校法第38条の定めに基づき、寄付行為第9条に選任 条項を次のとおり定めている。 【寄附行為】 (理事の選任) 第9条 理事は、次の各号に掲げる者とする。 (1) 学園長、学長、校長及び園長のうちから、理事会において選任された者 1人以上3人以内 (2) 評議員のうちから理事会において選任された者 3人 (3) 聖徳大学幼児教育専門学校創立者の縁故者のうちから、理事会において選任された者 2人 (4) この法人に功績のあった者又はこの法人に関係ある学識経験者のうちから、理事会において選任さ れた者 2人 126 聖徳大学短期大学部 2 前項第1号及び第2号の理事は、それぞれの職務を退いたときは、理事の職務を失うものとする。 理事は、寄附行為第9条(理事の選任)に基づき、学校法人の建学の精神を理解し、 法人の健全な経営について学識及び見識を有している者を選任している。また、学校教 育法第 9 条(校長及び教員の欠格事由)の規定は、寄附行為第13条(役員の解任及び 退任)第2項第三号に、 「役員は、学校教育法第九条各号に掲げる事由に該当するに至っ たときは退任する。 」と定めており、学校教育法第9条(校長及び教員の欠格事由)の規 定を寄附行為において準用している。 理事長の選任は、寄附行為第8条(役員)第2項に「理事のうち一人を理事長とし、 理事総数の過半数の議決により選任する。」と定めており、建学の精神及び教育理念・ 目的を充分に理解し、 学園の発展に寄与できる者を理事会において選任している。 また、 理事長の職務は、同第14条に、 「理事長は、この法人を代表し、その業務を総理する。 」 と定めており、理事長は、学校法人を代表し、その業務を総理している。なお、同第1 5条に「理事長以外の理事は、この法人の業務について、この法人を代表しない。 」と定 め、理事の代表権の制限についても明確にしている。 理事会は、理事長が理事会を招集し、議長を務めている。 理事会は、3 月と 5 月の定例と臨時の開催としているが、年間予定としては、5 月、7 月、9 月、11 月、12 月、3 月の 6 回を予定し、臨時開催日程については、議案の有無に 応じ開催を決定している。 理事会は、寄付行為第 18 条の定めに基づき、適切に開催運営している。 【寄付行為】 (理事会) 第18条 この法人に理事をもって組織する理事会を置く。 2 理事会は、学校法人の業務を決し、理事の職務の執行を監督する。 3 理事会は、理事長が招集する。 4 理事長は、理事総数の3分の2以上の理事から、会議に付議すべき事項を示して理事会の招集を請求さ れた場合は、その請求のあった日から7日以内に、これを招集しなければならない。 5 理事会を招集するには、各理事に対して、会議開催の場所及び日時並びに、会議に付議すべき事項を、 書面により通知しなければならない。 6 前項の通知は、会議の7日前までに発しなければならない。ただし、緊急を要する場合は、この限りで ない。 7 理事会に議長を置き、理事長をもって充てる。 8 理事長が第四項の規定による招集をしない場合には、招集を請求した理事全員が連名で理事会を招集す ることができる。この場合における理事会の議長は、出席理事の互選によって定める。 9 理事会は、理事総数の3分の2以上の出席がなければ、会議を開き、議決することができない。 10 前項の場合において、理事会に付議される事項につき書面をもって、あらかじめ意思を表示した者は、 出席者とみなす。 11 理事会の議事は、法令及びこの寄附行為に別段の定めがある場合を除くほか、出席した理事の過半数で 決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。 12 理事会の決議について、直接の利害関係を有する理事は、その議事の議決に加わることができない。 決算及び事業の実績の報告は、寄附行為第35条(決算及び実績の報告)に基づき、 毎会計年度終了後2月以内に、監事の監査を受け、5月理事会の議決を経た決算及び事 業の実績(財産目録、貸借対照表、収支計算書及び事業報告書)を評議員会に報告し、 その意見を求めている。また、平成 24 年度に短期大学の第三者評価(機関別認証評価) を受けることについても、平成 24 年度事業計画として理事会に諮られており、理事会は 第三者評価に対する役割を果たし責任を負っている。このほか、関係法令の改正や短期 127 聖徳大学短期大学部 大学の発展のために、必要な学内外の情報が報告されており、理事会は、短期大学の運 営に関する法的な責任があることを認識している。本学では、理事長が短期大学の学長 であることから学則変更等においても教学組織との連携も取れている。 財務情報の公開については、寄附行為第36条(財産目録等の備付け及び閲覧)第2 項に、 「この法人は、財産目録、貸借対照表、収支計算書及び事業報告書及び業務又は財 産の状況の監査報告書を事務所に備えておき、この法人の設置する学校に在学する者そ の他の利害関係人から請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて、これを 閲覧に供しなければならない。 」と定め、私立学校法の定めるところに従い、閲覧に供し ている。また、教職員及び後援会等に配布している「学園報」とホームページ上で公表 し、広く周知している。 「学校法人東京聖徳学園寄附行為」の定める基本方針により、本学の管理運営に関す る諸規程は、 「学校法人東京聖徳学園組織規程」の第3章「教学部門」の第 2 節「短期大 学部」及び第4章「事務部門」において学長以下の役職者の任務と選任方法について定 め (学科長等の教学部門の役職者の選任方法については独立の規程によって定めている) 、 また 「学校法人東京聖徳学園事務分掌規程」 によって事務部の任務について定めている。 同規程は、その第1章第1条において、 「学園の建学の精神に基づいて全学的に教育研究 の充実を図り、学園の発展に資する業務を効果的かつ能率的に推進する」との事務管理 の目的を掲げている。なお、管理運営に関する諸規程は、教職員に公開されている 【管理運営に関する規程】 (いずれも教職員に公開) ・学校法人東京聖徳学園寄附行為 ・学校法人東京聖徳学園組織規程 ・学生部に関する規程 ・学校法人東京聖徳学園事務分掌規程 ・学園文書処理規程 ・組織管理規定 ・個人情報取扱規程 ・セキュリティ対策規程 ・情報システムセキュリティ対策規程 ・緊急時対応規程 ・就業規則 ・学校法人東京聖徳学園海外旅費規程 ・学校法人東京聖徳学園国内旅費規程 ・学校法人東京聖徳学園セクシュアル・ハラスメントの防止 に関する規程 ・聖徳大学及び聖徳大学短期大学部学科長等選任規程 ・聖徳大学短期大学部教授会規程 ・聖徳大学短期大学部教員選考基準 ・聖徳大学短期大学部教員選考基準細則 (b) 自己点検・評価を基に課題を記述する。 理事長は、建学の精神に基づき、短期大学の経営を先導するリーダーシップと経営責 任を果たしており、理事会は、理事長のリーダーシップのもと、私立学校法、学校教育 法、短期大学設置基準等に基づき、適切な対応を図っている。また、教学面でも理事長 が学長であることから教学組織との連携がとられ、理事会等の学校法人の管理運営体制 が確立されており、特段の課題はない。 [テーマ] 基準Ⅳ-B 学長のリーダーシップ (a) テーマ全体の自己点検・評価の要約を記述する。 学長は、建学の精神に基づき、質の高い教育を行うことを最も重要な責務とし、大学 128 聖徳大学短期大学部 の経営と教育研究に関する運営を統括している。また、経営面でも理事長が学長である ことから経営組織との連携が取れている。 学科長会、教授会及び委員会等の教学運営組織では、学長のリーダーシップのもと、 学生が修得すべき学習成果を明確化するため、 「学位授与の方針(ディプロマポリシー) 」 「教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー) 」 「入学者受入れの方針(アドミ ッションポリシー) 」を教学の経営方針「聖徳が求めるもの」として定め、広く公表し、 実践し、短期大学の向上・充実を図っており、学習成果を獲得するための教授会等の教 学運営体制が確立されている。 (b) 自己点検・評価に基づく改善計画を記述する。 入学定員を充足していない学科については、社会のニーズや受験生の動向を踏まえ、 教育課程の見直しなどにより、改善を図る。 [区分] 基準Ⅳ-B-1 学習成果を獲得するために教授会等の短期大学の教学運営体制が確立して いる。 (a) 自己点検・評価を基に現状を記述する。 本学園の学長は、平成元年 3 月に大学院修士課程を修了と同時に、同年 4 月学校法人 東京聖徳学園法人本部総務課へ入職し、教員暦は、平成 11 年 4 月に聖徳大学の専任講師 として就任して以降、平成 12 年 4 月助教授、平成 17 年 4 月教授に昇任、平成 18 年 7 月からは聖徳大学及び聖徳大学短期大学部学長補佐(平成 21 年 7 月職名変更、旧職名は 学長特別補佐) 、平成 22 年 4 月から聖徳大学及び聖徳大学短期大学部学長補佐(総括) 、 平成 22 年 11 月から聖徳大学及び聖徳大学短期大学部副学長(管理運営)、平成 23 年 5 月から聖徳大学及び聖徳大学短期大学部学長に就任し現在に至っている。 公益財団法人私立大学通信教育協会理事、一般社団法人全国栄養士養成施設協会理事、 財団法人保健衛生協会理事長、全国音楽療法士養成協議会理事、公益財団法人松戸市文 化振興財団理事、関東私立短期大学協会理事、千葉県私立大学短期大学協会理事、社団 法人日本フードスペシャリスト協会理事、日本私立短期大学協会短期大学運営問題委員 会副委員長、一般財団法人短期大学基準協会広報委員会副委員長、同協会第三者評価委 員会委員、同協会自己点検・相互評価推進委員会委員、文部科学省私立大学等研究設備 費等補助金等に係る選定委員会委員、社団法人日本フードスペシャリスト協会専門委員 会委員、日本私立大学協会私立大学基本問題研究会「学校法人の在り方研究ワーキング グループ」特別委員、公益社団法人東京都専修学校各種学校協会運営委員、松戸警察署 協議会委員、社団法人千葉県経営者協会北総支部幹事、松戸商工会議所第三号議員、千 葉県教育委員会特別免許状検定審査会副委員長、港区児童施設災害時行動マニュアル作 成業務委託事業候補者選考委員会委員などの役職に就いており、高等教育の教育振興に 務めている。 129 聖徳大学短期大学部 以上のとおり、学長は人格高潔にして学識に富み、学園の教育研究方針を実現する本 学の教学面の責任者として相応しい人物である。 学長は、入学式の式辞をはじめとし、さまざまな学校行事の機会を通じ、本学の建学 の精神である「和」について語っている。また、学生及び保護者並びに教職員に配付さ れる学生便覧においても建学の精神「和」について明記しており、学生は常に触れるこ とになっている。 また、教職員については、毎年 4 月 27 日の創立記念日式典、12 月末の研修旅行など 全教職員が集まる機会における講和等において歴史や経緯を含め、その思いを語り伝え ている。 更に、学生が修得すべき学習成果を明確化するため、 「学位授与の方針(ディプロマポ リシー) 」 「教育課程編成・実施の方針(カリキュラムポリシー) 」 「入学者受入れの方針 (アドミッションポリシー) 」を平成 22 年1月 27 日に教学の経営方針「聖徳が求めるも の」として定め、広く公表し、実践を求め、短期大学の向上・充実を図っている。 聖徳大学短期大学部学長選任規程第2条(資格)に「学長は、人格高潔にして学識に 富み、学園の教育研究方針を実現する本学の教学面の責任者でなければならない。」と 定めており、理事長が、学長になるべき者を指名し、理事会に諮り、任命することとし ており、規程に基づき選任され、校務をつかさどり、所属職員を統督し、教学運営の職 務遂行に努めている。 現在学長は理事長が兼務しており、 「学校法人東京聖徳学園組織規程」第6条おいて、 「校務を司り、所属職員を統督する」と定め、大学の経営と教育研究に関する運営を統 括している。 学長の職務は、 「校務を司り、所属職員を統括する。 」 ( 「学校法人東京聖徳学園組織規 程」第6条)としており、短期大学の経営と教育研究に関する運営を統括している。学 長は学科長会を主宰し、大学運営上の重要事項について諮問し審議を求め( 「聖徳大学短 期大学部学科長会規程」 ) 、 また教授会を主宰し、 教育研究上の重要事項について諮問し、 審議を求めている( 「聖徳大学短期大学部教授会規程」 ) 。なお、合同教授会の規定は有し ていない。 教授会は、総務部総務課が事務を担当しており、議事録を整備している。 教授会の下には、次の委員会が設置され、委員会規程に基づき、適切に運営されてい る。 【委員会】 企画委員会 自己点検・評価委員会 知財戦略委員会 教務委員会 学生生活委員会 就職委員会 学寮委員会 図書委員会 紀要委員会 実習実施委員会、 国際交流委員会 生涯学習委員会 入試・学生募集対策検討委員会 情報教育委員会 ボランティア活動支援委員会 教員免許更新講習委員会 全学教職・資格課程委員会 ヒューマンスタディーに関する倫理委員会 130 聖徳大学短期大学部 全学実習委員会 学長は学科長会を主宰し、大学運営上の重要事項について諮問し審議を求め( 「聖徳大 学短期大学部 学科長会規程」第2条第2項) 、また、短大教授会を主宰し、教育研究上 の重要事項について諮問し、審議を求めている( 「聖徳大学短期大学部教授会規程」第2 条第2項) 。なお、合同教授会の規定は有していない。 教授会は、総務部総務課が事務を担当しており、議事録を整備している。 三 つ の 方 針 に つ い て は 、平成 22 年1月 27 日に「聖 徳 大 学 が 求 め る も の 」と し て纏め、ホームページで公表するとともに、教授会の構成員である教授のみ ならず、全教員へ教員へ配布し周知を図っている。さらに、教育課程(履修 要項)にも、三つの方針を掲載し、学生へも明確に示している。 本学では、ISO(9001)の「教育の質マネジメントシステム」において、自己点検・ 評価委員会が主体となり、各委員会と協力し「授業計画の質」 「成績評価の質」さらに「担 任による学生サポートの質」の管理を恒常的に組織的に実施し、教育目的の達成状況を 検証・評価するための適切な取組を行い、教授会において最終的な卒業判定を行ってい る。 以上のとおり、学習成果を獲得するために教授会等の短期大学の教学運営体制を確立 している。 (b) 自己点検・評価を基に課題を記述する。 入学定員を充足していない学科については、社会のニーズや受験生の動向を踏まえ、 教育課程の見直しなどにより、改善を図る。 [テーマ] 基準Ⅳ-C ガバナンス (a) テーマ全体の自己点検・評価の要約を記述する。 監事は、監査法人による監査が適正になされているか、並びに法人全体の財務処理が 学校法人会計基準に則った会計処理であるか、そして財産の状況が適正かつ妥当である か等を監査すると共に、理事会・評議員会に出席し、理事の業務執行状況についても監 査を行い、学校法人の業務又は財産の状況について、毎会計年度、監査報告書を作成し、 当該会計年度終了後 2 月以内に理事会及び評議員会に提出し、報告を行っている。 評議員会は、寄付行為の規定に基づき開催され、予算及び事業計画、決算報告及び事 業の実績報告などの諮問にこたえており、諮問機関として適切に運営されている。 学園各組織の中期計画である「5 年後のビジョン」に基づき財務計画を策定しており、 評議員会、理事会に報告し、承認されている。 予算編成は、財務調整課が中期の財務計画に基づき、各部門から提出された予算要求 をもとに、学園全体の消費収支の均衡を図った各部門の配分原案を作成し、理事会の審 議決定を経て、各部門に予算配分している。予算の執行にあたっては、決裁権限者の承 認と確認が必要であり、支払稟議書及び物品購入申請書等が記票され、財務調整課にお 131 聖徳大学短期大学部 いて予算枠、権限、執行計画準拠等のチェックが行われた後、予算執行票が作成され、 決裁権限者の確認と承認を受け、発注、検収、支払がなされる。 計算書類、財産目録等は、学校法人の経営状況及び財政状態を学校法人会計基準に基 づき適正に表示しており、特に課題はない。また、公認会計士の監査意見への対応につ いても適切である。 資産は、固定資産台帳及び備品台帳に基づき管理している。更に、備品には「備品ラ ベル」を貼付し、年 1 回の棚卸を実施している。 資金においては、月次支払資金集計表により経理課で残高管理している。 寄付金については、特別募金活動として平成 20 年度より最高の教育を継続・実現する ための「施設・設備の充実」 、持続可能な学園環境の推進に向けた「環境対応型キャンパ スの整備」 、学ぶ意欲を支援する「奨学金制度の新設」を目的とした学園創立 75 周年記 念事業募金を行っている。 試算表は、月締め後に毎月システムより出力しており、理事長には、 「予算実績対比表」 の形で、半期ごとに報告している。 教育情報の公表については、大学における教育研究活動の状況やその成果に関する情 報をウェブ上で広く社会に発信、公表している。また、財務情報の公開についても、ホ ームページ上で、財産目録、貸借対照表、収支計算書、財務の概要、監事の監査報告書 を公表するほか、毎月発行している教職員および後援会等に配付している学園報の 6 月 号に消費収支計算書を毎年掲載し、広く社会に周知している。 (b) 自己点検・評価に基づく改善計画を記述する。 財務計画を着実に遂行し収支均衡を目指す。また、月次決算の理事長への報告体制を 確立させるとともに、月次試算表の早期完成を目指し、仕組みの見直しを行っていく。 また、より一層、経理システム、資産管理システムの充実を計り、理解しやすい学校 会計報告書等を作成し、監事による監査業務の支援体制の強化を図ると共に、監査機能 や監査内容を明確にする。 [区分] 基準Ⅳ-C-1 監事は寄附行為の規定に基づいて適切に業務を行っている。 (a) 自己点検・評価を基に現状を記述する。 監事の職務は、私立学校法第 37 条 3 項に ①法人の業務を監査すること、②法人の財 産の状況を監査すること、③法人の財産の状況について、毎会計年度、監査報告書を作 成し、当該会計年度終了後 2 カ月以内に理事会及び評議員会に提出すること、④第 1 号 又は第 2 号の規定による監査の結果、法人の業務又は財産に関し不正の行為又は法令若 しくは寄附行為に違反する重大な事実があることを発見したときは、これを所轄庁に報 告し、又は理事会及び評議員会に報告すること、⑤前号の報告をするために必要がある ときは、理事長に対して評議員会の招集を請求すること、⑥法人の業務又は財産の状況 132 聖徳大学短期大学部 について理事会に出席して意見を述べること、と規定されており、この規程に基づき本 学園の寄付行為にその職務を定めている。 監事は、監査法人による監査が適正になされているか、並びに法人全体の財務処理が 学校法人会計基準に則った会計処理であるか、そして財産の状況が適正かつ妥当である か等を監査すると共に、理事会・評議員会に出席し、理事の業務執行状況についても監 査を行い、学校法人の業務又は財産の状況について、毎会計年度、監査報告書を作成し、 当該会計年度終了後 2 月以内に理事会及び評議員会に提出し、報告を行っている。 これらの監査によって、学校法人会計基準に基づいた経理処理の適正性や継続性、経 営内容の健全性、安全性については充分に検証されている。 また、監事は、期中・期末監査とも会計監査内容の報告を受ける等、公認会計士と連 携した体制を取っており、監査法人と日常的に問題点や疑問点を相談して業務が円滑に 進められるよう努めている。 (b) 自己点検・評価を基に課題を記述する。 経理システム、資産管理システムのより一層の充実を計り、理解しやすい学校会計報 告書等を作成して、監事による監査業務の支援体制の強化を図り、監査機能、監査内容 を明確にする。 基準Ⅳ-C-2 評議員会は寄附行為の規定に基づいて開催し、理事会の諮問機関として適 切に運営している。 (a) 自己点検・評価を基に現状を記述する。 本学園の評議員会は、寄付行為第20条第2項に評議員の定数を「19人以上23人 以内をもって組織する。」と定め、現員22人で構成している。理事は、寄付行為第8 条第1項にその定数を「8人以上10人以内」と定め、現員9人で構成しており、理事 定数の2倍を超える数の評議員をもって評議員会を組織している。 評議員会は、定例(3月、5月)及び臨時開催としており、臨時開催は理事長が必要 と認めたとき又は評議員総数の3分の1以上の評議員から会議に付議すべき事項を示し て、評議員会の招集を請求された場合に開催することとなっている 評議員会は、寄付行為の規定により開催運営しており、議長は、会議のつど評議員の うちから評議員会において選出することとなっている。 評議員会の諮問事項は、私立学校法第42条の規定に従い、次のとおり寄付行為第2 2条に定めており、理事長の諮問機関として適切に運営している。 【学校法人東京聖徳学園 寄付行為】 (諮問事項) 第42条 次の各号に掲げる事項については、理事長において、あらかじめ評議員会の意見を聞かなけれ ばならない。 (1)予算、借入金(当該年度内の収入をもって償還する一時の借入金を除く。)及び基本財産の処分並 びに運用財産中の不動産及び積立金の処分 (2)事業計画 133 聖徳大学短期大学部 (3)予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄 (4)寄付行為の変更 (5)合併 (6)目的たる事業の成功お不能による解散 (7)寄付金品の募集に関する事項 (8)その他この法人の業務に関する重要事項で理事会において必要と認めたもの また、理事長は、監事の意見を付し、毎会計年度終了後2月以内に決算及び事業の実 績を評議員会に報告し、その意見を求めることとなっている。 (b) 自己点検・評価を基に課題を記述する。 評議委員会は、寄付行為の規定に基づき開催し、理事長の諮問機関として適切に運営 しており、特段の課題はない。 基準Ⅳ-C-3 ガバナンスが適切に機能している。 (a) 自己点検・評価を基に現状を記述する。 大学・短期大学、附属学校等、学園の教育機関で、中期計画である「5 年後のビジョ ン」に基づき財務計画を策定しており、評議員会、理事会に報告し、承認されている。 予算編成は、財務調整課が中期の財務計画に基づき、各部門から提出された予算要求 を検討し、学園全体の消費収支の均衡を図った各部門の配分原案を作成し、理事会の審 議決定を経て、各部門に予算配分している。予算の執行にあたっては、決裁権限者の承 認と確認が必要であり、支払稟議書及び物品購入申請書等が記票され、申請部門長の確 認と承認を得ることになっている。申請書等は、財務調整課において予算枠、権限、執 行計画準拠等のチェックが行われた後、予算執行票が作成され、決裁権限者の確認と承 認を受け、発注、検収、支払がなされる。 計算書類、財産目録等は、学校法人の経営状況及び財政状態を学校法人会計基準に基 づき適正に表示しており、特に課題はない。 独立監査人による監査は、公認会計士 3 名と税理士 1 名(監査補助)による 4 名体制 で、学校法人会計基準に則り適切な会計処理が行われているか、私立学校振興助成法に 準拠しているか、本学経理規程に則り適正な経理処理が行われているか等々の様々な観 点から年間 22 回の監査と検証が行われており、 公認会計士の監査意見への対応について も適切である。 資産は、固定資産台帳及び備品台帳に基づき管理している。更に、備品には「備品ラ ベル」を貼付し、年 1 回の棚卸を実施している。 資金においては、月次支払資金集計表により経理課で残高管理している。 寄付金については、特別募金活動として平成 20 年度より最高の教育を継続・実現する ための「施設・設備の充実」 、持続可能な学園環境の推進に向けた「環境対応型キャンパ スの整備」 、学ぶ意欲を支援する「奨学金制度の新設」を目的とした学園創立 75 周年記 念事業募金を行っている。 試算表は、月締め後に毎月作成しており、理事長には、 「予算実績対比表」の形で、半 134 聖徳大学短期大学部 期ごとに報告している。 教育情報の公表については、 平成 22 年6月 15 日の学校教育法施行規則の改正を受け、 平成 23 年4月1日の施行を俟たずに、平成 22 年 12 月1日までに、同規則の規定する大 学における教育研究活動の状況やその成果に関する情報をウェブ上で広く社会に発信、 公表している。また、財務情報の公開についても、ホームページ上で、財産目録、貸借 対照表、収支計算書、財務の概要、監事の監査報告書を公表するほか、毎月発行してい る教職員および後援会等に配付している学園報の 6 月号に消費収支計算書を毎年掲載し、 広く社会に周知している。 【教育情報の公表ホームページ】 URL:http://www.seitoku.jp/jouhou_datafile/top.html 【財務情報の公開ホームページ】 URL:http://www.seitoku.jp/から「財務情報」を選択 (b) 自己点検・評価を基に課題を記述する。 平成23年度は帰属収支が収入超過になったものの、消費収支においては支出超過の状 態なので、今後とも財務計画を着実に遂行し収支均衡を目指す。また、月次決算の理事 長への報告体制を確立させるとともに、月次試算表の早期完成を目指し、仕組みの見直 しを行っていく。 ◇ 基準Ⅳについての特記事項 (1)以上の基準以外にリーダーシップとガバナンスについて努力している事項。 なし (2)特別の事由や事情があり、以上の基準の求めることが実現(達成)できない事項 なし 135 様式10―教養教育 聖徳大学短期大学部 選択的評価基準 1.教養教育の取り組みについて ○概要 聖徳大学短期大学部の目的として、学則第 1 条に「聖徳太子の『和』の精神を建学の理 念として学校教育法に則り、一般教育と密接な関係を保ちつつ保育・生活文化・福祉なら びに文学に関する理論と実際にわたり教授・研究し、かつ、円満な人格を陶冶して文化国 家の要望する良識と技能をそなえた文化人・家庭人としての良き女性の育成を目的とす る。 」と定めている。そして目的の達成のために「一般教育」すなわち教養教育を重視して いる。 学則第 1 条の目的を受けて、 「学位授与の方針」に「円満な人格を備え、広い見識と専門 性、創造性を有する『実践力のある女性』の育成」という教育目標を掲げている。そして、 その実現のために「教育課程編成・実施の方針」に「教育目標を実現するために、すべて の学生に提供する『全学共通科目』と各学科の『専門教育科目』の二つを大きな柱として いる」ことを示している。 全学共通科目では、多彩な領域と礼節を学び、専門性にとらわれない幅広い視野と豊か な人格形成の基本を育成するカリキュラムを編成している。全学共通科目は「聖徳教育(4 単位) 」 「教養科目と外国語(8 単位) 」 「健康教育(2 単位) 」 「情報活用(1 単位) 」で構成 されている。 「聖徳教育」は本学独自の人間形成のための教養教育である。 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 人間教育・教養教育としての聖徳教育Ⅰ・Ⅱ・Ⅲそれぞれの目的を学生便覧に明確に示 している。平成 23 年 2 月に、 「聖徳大学・聖徳大学短期大学部における『キャリア教育』 の充実に向けて」を発表し、①『和』の精神に基づく人間形成②社会人基礎力③専門性を 活かしたキャリアデザインという3つのユニットによる学生のキャリア形成を本学のキャ リア教育として確立し実践している。そして「 『和』の精神に基づく人間形成」を担う聖徳 教育は、キャリア教育という新たな目的を加えることになった。 聖徳教育Ⅰ・Ⅱ・Ⅲそれぞれに相応しい測定・評価基準を定め、実施している。また、 毎年 3 月に、卒業予定者に「卒業生の意識調査(アンケート) 」を実施し、学生の満足度を 調査し、その結果を次年度の聖徳教育の計画作成の参考にしている。 以下に、聖徳教育Ⅰ・Ⅱ・Ⅲそれぞれの現状について述べる。 ○聖徳教育Ⅰ(①アセンブリアワー②シリーズコンサート③映画鑑賞会④文化講演会 ⑤漢字検定)の現状 聖徳教育Ⅰの日程については、年度当初に学内掲示、パンフレットの配布、学生便覧 の学事日程欄への掲載等で学生に周知している。 ①~④については、芸術鑑賞、講演・講義の聴講が中心で、学生は受動的な態度で臨 みがちになりやすい。そのため、演目や講演・講義テーマ等の選択に配慮している。例 えばアセンブリアワーでは、他学科の教員の話を聞くことを通じて、学生が自己の人間 形成の糧とすることを本来の目的としている。しかしながら、現在はキャリア教育の一 環としての特色を明確にして、学科の専任教員及び外部講師の講義を増やしたり、女性 としての学生に必要な健康教育を取り入れるなど、学生にとってより有用で重要なテー マ・内容になるように努めている。 136 聖徳大学短期大学部 ○聖徳教育Ⅱ(①新入生フレンドシップ・ツアー②学外研修Ⅰ③学外研修Ⅱ④テーブル マナー)の現状 聖徳教育Ⅱの日程については学生便覧の学事日程欄に掲載して、 学生に周知している。 実施前には各クラスの学生生活委員に説明したり、全学生に説明をするなどして研修旅 行の事前打ち合わせを十分にして、成果を上げるように努めている。 聖徳教育Ⅱは、毎年ほぼ同じ内容で実施している。聖徳教育Ⅱは、集団行動、他人へ の思いやり、規律遵守など人間形成に最も相応しい内容であると言える。 ○聖徳教育Ⅲ(①基礎ゼミⅠ②基礎ゼミⅡ)の現状 聖徳教育Ⅲでは、基礎ゼミⅠ・Ⅱは通常の授業時間に組み入れられ、シラバスに沿っ て授業が進められている。保育科、総合文化学科ともに、基礎ゼミプロジェクトの教員 が話し合いにより、学科に相応しい基礎ゼミの内容を考案し授業計画を作成している。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 聖徳教育の目的は人間教育、教養教育であると共にキャリア教育でもあるということが、 学生にまだ十分に周知されていない。 アセンブリアワーの年間計画は年度当初に学生に示されるが、担当講師の講義テーマは アセンブリアワー当日に発表される。このために、学生はアセンブリアワーへの期待感を 持てないまま、受動的な態度で講義を聴くことになりがちである。また、保育科、総合文 化学科ともにアセンブリアワーで、他学科の教員の講義が理解できない、必要性を感じな いという意見も出されている。アセンブリアワーは大勢の学生が一堂に会するために、学 生の私語も目立つ。 新入生歓迎フレンドシップ・ツアー、学外研修Ⅰ、学外研修Ⅱについては、受動的な態 度で参加する学生がおり、学生同士によるリーダーシップやフォロアーシップをさらに発 揮できるような機会を設けることに努めていく必要がある。 最近の学生の傾向として、3泊4日の学外研修Ⅰ(志賀高原研修) 、6泊7日の学外研 修Ⅱ(北海道研修)の実施中に体調不良を訴える学生が増えつつある。 聖徳教育Ⅲについては、今後もPDCAサイクルに基づき、前年度の反省を次年度に活 かして、内容の改訂に努めていく必要がある。 聖徳教育は本学の建学の精神「和」を具現化する重要な科目であり、教員による学生評 価、学生の満足度だけでなく、学生自身が聖徳教育の目的をどれほど達成したかを認識で きていなければならない。しかしながら、学生自身による目的・目標の達成度についての 評価(自己評価)はこれまで実施してはいなかった。 (c)自己点検・評価を基に改善計画を記述する。 本学では、新入生に 4 月当初に 3 日間にわたるオリエンテーションを実施し、本学の教 育について紹介している。平成 24 年度新入生には人間教育・教養教育・キャリア教育とし ての聖徳教育について説明し、周知させる。また、在学生に対しても、聖徳教育を実施す る際に、再確認させる。 平成 24 年度のアセンブリアワーの年間計画に、これまでの日程、担当講師だけでなく、 講義のテーマも掲載して学生の興味・関心を引きつける内容にする。 アセンブリアワーは学科ごとに同学年の学生全員が聴講する。大勢の学生が興味・関心 137 聖徳大学短期大学部 をもって主体的に講師の話を聞くためには、講師も大勢の学生に対する講義方法について 研究する必要がある。そのために、平成 24 年度は、FD活動の一環として、アセンブリア ワーも公開授業とし、アセンブリアワーを担当した専任教員が自己評価を踏まえてアセン ブリアワーの向上のための研修会・研究会を開催する。 新入生歓迎フレンドシップ・ツアー、学外研修Ⅰ、学外研修Ⅱについては、学科の特色 を活かして、学生がリーダーシップやフォロアーシップをさらに発揮できるような企画を 考え実行する。 「基礎ゼミⅠ」「基礎ゼミⅡ」については、本学がこれまで継続して取り組んでいる入 学前準備教育との連続性を踏まえ、各学科の専門教育へ接続する初年次教育としての位置 づけを明確にする。そしてそのような位置づけに相応しい内容を構成していく。 平成 24 年度より、聖徳教育ⅠⅡⅢそれぞれの目的・目標に基づいた具体的なねらいを 学生に明確に示し、それに基づいて学生がねらいの達成度を自己評価するシステムを構築 する。 「卒業生の意識調査」における聖徳教育に対する満足度を測定する際、 「満足している」 「どちらとも言えない」 「満足していない」 の3 段階の測定方法を4 段階の測定方法に変え、 25 年卒業予定者に実施する。 ■以下の基準(1)~(4)について自己点検・評価の概要を記述する。 基準(1)教養教育の目的・目標を定めている。 短期大学部学則第 1 条の教育目的に則り、短期大学部では、建学の精神である「和」を 理解し実践するため、人間教育としての「聖徳教育」を実施している。聖徳教育では、学 生の豊かなキャリア形成の一環として、 「和」の精神に基づく人間形成(豊かな教養、情操、 基礎学力、基礎技能、コミュニケーション能力等)を以下の目的に基づいて行っている。 ○聖徳教育Ⅰの目的 本学の建学の精神である「和」に基づく人間形成の場として、国内外の芸術の鑑賞、講 話、講演等を通して、幅広く深い教養を身につけ、豊かな感性を養うことを目的とする。 また、鑑賞や講演における社会人としてのマナーを磨くとともに、言語表現力を高め、発 信力、コミュニケーション力の向上を目指す。 (学生便覧 P.12 に掲載) ○聖徳教育Ⅱの目的 学外研修においては、自然、異なる気候・文化に触れ感性を磨きつつ、規律ある団体生 活の体験を通して、また学生同士の親睦、学生と教員の交流を深めながら、他人を思いや り理解する心を培うとともに、社会人として必要なマナーを習得することを目的とする。 (学生便覧 P.12 に掲載) ○聖徳教育Ⅲの目的 大学生になったことを自覚させ、節度ある生活態度と主体的な学習態度を育成すること を目的とする。また、思考力と文章表現力等を図って、専門教育への基礎的導入を果たす ことを目的とする。 (学生便覧 P.12 に掲載) なお、平成 23 年 2 月に、 「聖徳大学・聖徳大学短期大学部における『キャリア教育』の 充実に向けて」を発表し、①『和』の精神に基づく人間形成②社会人基礎力③専門性を活 かしたキャリアデザインという 3 つのユニットによる学生のキャリア形成を本学のキャリ ア教育として確立し実践している。そして聖徳教育は「 『和』の精神に基づく人間形成」を 担うものである。すなわち聖徳教育の目的として、人間教育、教養教育と共にキャリア教 138 聖徳大学短期大学部 育が新たに加わったことになる。 [聖徳教育の内容] 聖徳教育Ⅰ 聖徳教育Ⅱ 聖徳教育Ⅲ ①アセンブリアワー(健康教育講義を含む) ②シリーズコンサート(古典芸能鑑賞を含む) ③映画鑑賞会 ④文化後援会 ⑤漢字検定 ①新入生歓迎フレンドシップ・ツアー(FT) ②学外研修Ⅰ(志賀高原研修) ③学外研修Ⅱ(北海道研修) ④学科指定の行事(テーブルマナー) ○Ⅲ~1・・・基礎ゼミⅠ ○Ⅲ~2・・・基礎ゼミⅡ 出典:学生便覧 基準(2)教養教育の内容と実施体制が確立している。 ○聖徳教育Ⅰの内容と実施体制 ①アセンブリアワー 1)内容 アセンブリアワーとは、学生が日頃の授業では接することのない他学科の教員の講話、 専門分野の話題、さらには人生観や世界観等を聞く時間である。日頃はとかく自己の関 連知識だけの修得に追われがちな学生生活の中に、豊富な知識と人生経験豊かな教員の 話や考えにふれ、自己の人間形成の糧とすることを目的としている。 なお、平成 23 年度より聖徳教育はキャリア教育の一環としても行われるようになっ た。そのために、保育科、総合文化学科ともに、他学科の教員の講話は減少し、専門職 に相応しい教養、社会人に必要な健康教育、外部講師による社会人基礎力の養成等、学 科にちなんだ内容を増やしている。特に健康教育については、学生が健康で充実した学 生生活を営むことができることを目的として、保健センタースタッフ(医師 2 名、看護 士 2 名)より、 「自立した女性の健康管理」健康教育実施計画案を作成し、4 回シリーズ の健康教育を実施している。 平成 23 年度に保育科、 総合文化学科で実施したアセンブリアワーは以下の通りである。 日 時 5 月 20 日(4 時限) 5 月 27 日(4 時限) 7 月 29 日(4 時限) 10 月 7 日(4 時限) 10 月 14 日(4 時限) 12 月 1 日(4 時限) 12 月 16 日(4 時限) 1 月 27 日(5 時限) 日 時 5 月 20 日(4 時限) 7 月 29 日(4 時限) 10 月 7 日(4 時限) 12 月 2 日(4 時限) 保 育 科 第 1 部 1 年 生 講 師 テ ー マ 濱田朋美・田島悦子 健康教育①・・・健康診断の結果の見方とそ の対策 古橋和夫 子どもへの絵本の読み聞かせはなぜ必要か 近長由紀子(外部講師) キッザニアの子どもたち 濱田朋美・田島悦子 健康教育②・・・運動と栄養 免疫力アップ のために ※10/7 はFクラス、10/14 は 濱田朋美・田島悦子 Fクラス以外が対象 岡野浩哉(外部講師) 健康教育③・・・月経の悩みや妊娠・性感染 症の予防・デートDV 濱田朋美・田島悦子 健康教育④・・・タバコ・アルコール・薬物 乱用・携帯の害 岡田耕一 働くこと、愛すること 保 育 科 第 1 部 2 年 生 講 師 テ ー マ 野原八千代 自立した女性になるために 近長由紀子(外部講師) キッザニアの子どもたち 碁石雅利 日本語常識王を目指そう 前野春枝(外部講師) 自立した消費者になるために 139 聖徳大学短期大学部 保 育 科 第 2 部 1 年 生 総合テーマ・・・働くこと、学ぶこと、愛すること 日 時 講 師 テ ー マ 4 月 15 日(6 時限) 岡田耕一 働くこと、愛すること 4 月 22 日(6 時限) 上野美穂 味覚のしつけは乳幼児期から・・・乳幼児の 食と栄養の大切さを学ぶ 5 月 6 日(6 時限) 落合 進 虫の世界をのぞこう 5 月 13 日(6 時限) 櫻木真智子 子どもの体の特徴と健康(運動) 5 月 20 日(6 時限) 村田カズ 母子関係の重要性 5 月 27 日(6 時限) 中野真紀子 保育現場で実現される愛について・・・シル ヴァスタイン「おおきな木」 、松居和「なぜわ たしたちは0歳児を授かるのか」をもとに 6 月 3 日(6 時限) 檜垣昌也 福祉、そして不登校・<ひきこもり>に関わる まで 6 月 10 日(6 時限) 三谷亜矢 愛情をもって育む、子どもの感性と音楽 6 月 24 日(6 時限) 永井妙子 子どもの幸せを願って・・・歴史に学び、保 育者として何ができるかを考える 7 月 29 日(6 時限) 大熊光穂 障害のある子とともに・・・障害のある子ど も・人を理解するとはどういうことか 日 時 5 月 20 日(4 時限) 6 月 17 日(4 時限) 7 月 15 日(4 時限) 10 月 14 日(4 時限) 11 月 25 日(4 時限) 12 月 1 日(4 時限) 12 月 9 日(4 時限) 12 月 16 日(4 時限) 1 月 20 日(4 時限) 日 時 7 月 15 日(4 時限) 11 月 25 日(4 時限) 12 月 9 日(4 時限) 1 月 20 日(4 時限) 総 合 文 化 学 科 1 年 生 講 師 テ ー マ 濱田朋美・田島悦子 健康教育①・・・健康診断の結果の見方とそ の対策 原田義也 地球環境を考える 大島有志生(外部講師) 果物業界の現状と女性の活躍 濱田朋美・田島悦子 健康教育②・・・運動と栄養 免疫力アップ のために 石井孝幸(外部講師) 接客という仕事 岡野浩哉(外部講師) 健康教育③・・・月経の悩みや妊娠・性感染 症の予防・デートDV 龍崎英子(外部講師) 千葉県郷土料理に学ぶ・・・太巻き祝い寿司 を中心に 濱田朋美・田島悦子 健康教育④・・・タバコ・アルコール・薬物 乱用・携帯の害 和田佐知子(外部講師) 女性のための社会的自立・・・視覚障害者と しての社会的自立 総 合 文 化 学 科 2 年 生 講 師 テ ー マ 大島有志生(外部講師) 果物業界の現状と女性の活躍 石井孝幸(外部講師) 接客という仕事 龍崎英子(外部講師) 千葉県郷土料理に学ぶ・・・太巻き祝い寿司 を中心に 和田佐知子(外部講師) 女性の社会的自立・・・視覚障害者としての 社会自立 出典:教務課資料及びアセンブリアワー担当者への聴取に基づき作成 2)実施体制 アセンブリアワーについては、各学科長と教務課との連携により実施している。学科 長が学科の教員の意見を参考にして講師を決定し、それに基づいて教務課が年度計画を 作成する。同学年の学生全員がアセンブリアワーに出席するため、教務課職員が学生の 誘導を行う。 140 聖徳大学短期大学部 ②シリーズコンサート 1)内容 短期大学部では、海外各国の著名なオーケストラをはじめ、世界的な演奏家、バレエ や日本の伝統古典芸能等を招き、聖徳大学川並香順記念講堂において「聖徳学園シリー ズコンサート」 (昭和 56 年から)を開催(平成 23 年度終了まで全 1544 回)している。 この演奏会は、短期大学部の学生のための教養講座として開催されているもので、他に 例のない短期大学部の特色をなしている。 平成 23 年度に保育科、 総合文化学科の学生を対象として開催したシリーズコンサート は以下の通りである。 月 日 4 月 18 日 5 月 18 日 5 月 23 日 時 間 18:15 18:15 18:15 5 月 26 日 18:15 6月3日 6 月 14 日 6 月 21 日 18:15 18:15 18:15 6 月 28 日 9 月 27 日 10 月 6 日 18:15 18:15 18:15 10 月 11 日 10 月 13 日 18:15 18:15 10 月 21 日 11 月 8 日 18:15 18:15 12 月 7 日 1 月 11 日 18:15 18:15 1 月 12 日 18:15 演 目 聖徳学園「入門コンサート」 京劇西遊記『五百年後の孫悟空』 イェルク・デームス ピアノコン サート 歓迎オルガンコンサート 第 38 回聖徳学園「能楽鑑賞会」 ウィーン少年合唱団 ドレスデン・フィルハーモニー管 弦楽団 第 42 回聖徳学園「文楽鑑賞会」 第 28 回聖徳学園「歌舞伎鑑賞会」 ウィーンの森Buhneバーデン 市劇場オペラ『カルメン』 ベルリン放送交響楽団 チェコ国立ブルノ・フィルハーモ ニー管弦楽団 第 8 回聖徳オペラ『こうもり』 第 32 回聖徳学園「落語鑑賞会」 鬼太鼓座 レニングラード国立バレエ『白鳥 の湖』 送別オルガンコンサート 必修学科・学年 保育科 1 年。総合文化学科1年。 保育科 2 年。総合文化学科2年。 保育科Ⅱ部全学年。 保育科 1 年。総合文化学科 1 年。保育科Ⅱ部 全学年。 保育科 1 年。総合文化学科 1 年。 保育科 2 年。総合文化学科 2 年。 保育科 2 年。総合文化学科 1 年。 保育科Ⅱ部 3 年。 保育科 2 年。総合文化学科 1 年。 保育科 1 年。保育科 2 年。総合文化学科 1 年。 総合文化学科 2 年。 総合文化学科 2 年。 保育科 1 年。保育科 2 年。保育科Ⅱ部 2 年。 総合文化学科 1 年。 保育科 1 年。総合文化学科 1 年。保育科Ⅱ部 全学年。 保育科 1 年。総合文化学科 1 年。 保育科 2 年。総合文化学科 2 年。 保育科 2 年。総合文化学科 2 年。 出典: 「聖徳学園 シリーズコンサート公演予定 演奏解説」より抜粋 2)実施体制 シリーズコンサートの演目は、各学科に相応しいものを選定委員会で選んでいる。選 定委員会は学長、事務局長、教員、教務課音楽グループで構成されている。教務課音楽 グループ(2 号館 1 階)がプログラム「聖徳学園シリーズコンサート公演予定 演奏会 解説」を作成し、年度当初に全学生に配布する。教務課職員がコンサート当日の学生誘 導を行う。なお、コンサート中の学生のマナー指導のために各学科の教員2名が同席す る。 ③映画鑑賞会 上記シリーズコンサートの他、映画鑑賞会を「聖徳教育Ⅰ」に含め、上映している。 各学科の映画選定委員(教員 1 名)が学科の学生にふさわしい映画を選定している。平 成 23 年度映画鑑賞会で上映した映画は以下の通りである。 学 科 保育科 対 象 保育科 1・2 年生 上 映 日 6 月 11 日(3 時限) 141 映画タイトル さくらんぼ坊や・4 聖徳大学短期大学部 総合文化学科 総合文化学科 1・2 年生 10 月 28 日(3 時限) 100 歳の少年と 12 通の手紙 ④文化講演会 1)内容 文化講演会は、社会人として巣立つ卒業年次の学生を対象に、各分野の第一線で活躍 している学外の著名人を招いて、講演をいただくものである。平成 23 年度文化講演会 (1月 24 日実施)は、以下の通りである。 講 演 者 元参議院議長、本学名誉博士 児童学部児童学科客員教授 倉田寛之氏 演 題 「社会人になるための心がまえ」 2)実施体制 学長が学科教員の意向を受け、文化講演会の講演者を選定する。当日は、学生課職員 が学生の誘導をする。 ⑤漢字検定 1)内容 社会人にふさわしい基礎学力の形成を目指して、平成 18 年度より、短期大学部の学生 が 2 年次終了時までに日本漢字能力検定協会(漢字検定)の検定試験で準 2 級(高校在 学程度)を取得することを目標としている。そのために、本学を検定試験会場として、 年 2 回(6 月・10 月)検定試験を受けることを義務づけている。 2)実施体制 教務課が学事日程を踏まえ、年間スケジュールを作成する。本学が検定試験会場とな り、当日は教務課職員と各学科の担任教員が誘導を行う。平成 23 年度は以下の日程で 実施した。 第 1 回 6 月 10 日(金) 6 月 19 日(金) 7 月 8 日(金) 第 2 回 10 月 23 日(日) 11 月 11 日(金) 受 験 す る 学 生 短大部 1 年生。保育科 2 年生。 実習該当者(6/10 に実習のため受験できない学生) 。 準 1 級・1 級受験者。 総合文化学科 2 年生。 受 験 す る 学 生 実習該当者(11/11 に実習のため受験できない学生) 。 準 1 級・1 級受験者。 短大部 1・2 年生。 受験結果は以下の通りである。 平成 23 年度第 1 回漢字検定 短期大学部 1 年生の受検結果(合格率) 準1級 2級 準2級 3級 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 2 0 0.0% 43 5 11.6% 103 28 27.2% 252 82 32.5% 平成 23 年度第 1 回漢字検定 短期大学部 2 年生の受検結果(合格率) 準1級 2級 準2級 3級 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 2 0 0.0% 53 1 1.9% 84 8 9.5% 56 1 1.8% 平成 23 年度第 2 回漢字検定 短期大学部 1 年生の受検結果(合格率) 準1級 2級 準2級 3級 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 1 0 0.0% 58 5 8.6% 137 35 25.2% 128 19 14.8% 142 聖徳大学短期大学部 平成 23 年度第 2 回漢字検定 短期大学部 2 年生の受検結果(合格率) 準1級 2級 準2級 3級 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 受験者 合格者 合格率 1 0 0.0% 54 0 0.0% 84 7 8.3% 47 3 6.4% 出典:教務課資料より抜粋 ○聖徳教育Ⅱの内容と実施体制 聖徳教育Ⅱの実施体制 新入生歓迎フレンドシップ・ツアー、学外研修Ⅰ、学外研修Ⅱは、学長をリーダーと して、学生部長、学科長、聖徳大学サービスセンター(学生課職員を中心とする事務職 員で編成する)、担任を中心とする学科教員、医師、救護職員、旅行業務を取り扱う会 社の連携・協力により実施している。さらに、計画を円滑に安全に実施するために、原 則として毎年同じ宿泊施設を利用して研修を行っている。 ①新入生歓迎フレンドシップ・ツアー ◆内容 新入生歓迎フレンドシップ・ツアーには、学科の 1・2 年生全員とほとんどの専任教員 が参加する。この研修の目的は、箱根の新緑の自然の中で1泊 2 日の集団生活・集団行 動をすることにより、新入生と在校生、教員と学生が相互の信頼関係を深めることにあ る。また、社会人になるために必要な規則正しい団体生活を理解し、体験することによ って、社会人としての知識・能力の高揚を図り、自己の大学生活を一層高めることにあ る。 主な内容は、初日午後はクラスごとにフィールドアスレチック、クラスアワー、バス ハイクのいずれかを選択・実施する。初日夜は、夕食後に新入生と 2 年生がグループを 編成してグループミーティングを行う。グループミーティングでは、新入生と 2 年生が 自己紹介をして、大学生活についての話し合い、ゲーム、歌唱、教員の話等を交えなが ら楽しいひとときを過ごし、親睦をはかる機会である。第 2 日目は、美術館や水族館等 の観光地を見学する。平成 23 年度は以下の通りに実施した。 実 施 時 期 5 月 9 日~10 日 (1泊2日) 5 月 13 日~14 日 (1泊2日) 参 加 学 科 保育科Ⅰ部 1・2 年 保育科Ⅱ部 1・2・3 年 総合文化学科 1・2 年 宿 泊 場 所 富士箱根ランド(静岡県田方郡函南町桑原 1354) ②学外研修Ⅰ(志賀高原) ◆内容 1 年生が3泊4日で長野県志賀高原で行う研修である。集団生活の中で、社会人とな るための規則正しい団体生活を理解し、自制心を養い、他人に対する思いやりの気持ち を涵養することを目的とする。併せて、志賀高原の自然の中で生活することを通じ、地 域環境を保持するため、学生各自がどう行動していけばよいかを考え、実践する機会と している。また、クラスあるいは学科等の枠を越えて実施される各種行事(ハイキング、 キャンプファイヤー、クラス対抗かくし芸大会等)は、学生相互、学生と教員の親睦と 理解を深める機会でもある。 第 1 日目は、バスで往路に向かう途中で観光地を見学し、夕食後はキャンプファイヤ ーを行う。第 2 日目は、昼間はハイキング、夕食後はかくし芸大会(クラスごとに披露 143 聖徳大学短期大学部 する)を行う。第 3 日目は、昼間は学生の選択によりハイキングかバスハイクを行う。 第 4 日目は、復路に向かう途中で観光地の見学をする。平成 23 年度は以下の通りに実 施した。 実 施 時 期 9 月 2 日~5 日 (3泊4日) 参 加 学 科 宿 泊 場 所 保育科生・・・ホテル一望閣(長野県下高井郡 山之内町大字平隠 7148) 総合文化学科生・・・熊の湯ホテル(長野県下 高井郡山之内町志賀高原熊の湯温泉) 保育科Ⅰ部 1 年 保育科Ⅱ部 1 年生 総合文化学科 1 年 ③学外研修Ⅱ(北海道研修) ◆内容 学外研修Ⅱの目的は、1 年次に学んだことを基本に、さらに 2 年次になって北海道に おいて規則正しい生活により、建学の精神である他人に対する思いやりの気持ちを涵養 することにある。現地では、ホテルステイマナーやテーブルマナーの習得をはじめ、聖 徳教育のまとめとして自己を磨き上げるよい機会であり、クラスの団結力を深めること にもなる。なお、日程の合理化、航空機内の乗務マナー体験学習ということから羽田― 札幌間は往復とも空路を利用する。平成 23 年度は以下の通りに実施した。 実 施 時 期 6 月 20 日~6 月 26 日 (6泊7日) 参 加 学 科 保育科 2 年 6 月 6 日~12 日 (6泊7日) 総合文化学科 2 年 宿泊場所(宿泊地、旅館名) 1 日目(札幌、札幌グランドホテル) 2 日目(温根湯、大江本家) 3 日目(川湯、川湯ホテルプラザ) 4 日目(十勝川、第一ホテル) 5 日目(登別、登別グランドホテル) 6 日目(定山渓、章月グランドホテル) ④学科指定の行事(テーブルマナー) 1)内容 ホテルの「フランス料理の会食とテーブルマナーを学ぶ会」として実施している。会 食会では、フランス料理の作り方や食べ方の講習を受け、実際に食事し、正しいテーブ ルマナーを体験学習する。社会人としてのマナーを習得する貴重な機会である。 テーブルマナー終了後は、参加学生は期日までに課題レポートを提出する。平成 23 年度のレポート課題は「フランス料理会食とテーブルマナーを学び、これからの自分自 身にどう活かせばよいか」 (1500 字以上)である。平成 23 年度は以下の通りに実施した。 実 施 日 時 12 月 7 日、12 時~ 参 加 学 科 総合文化学科 2 年生 場 帝国ホテル 富士の間 所 2)実施体制 総合文化学科科長、総合文化学科教員、教務課、ホテル担当者の連携のもとに実施し ている。 ○聖徳教育Ⅲの内容と実施体制 1)内容 保育科、総合文化学科ともに、基礎ゼミⅠ(1 年前期開講) 、基礎ゼミⅡ(1 年後期開講) の内容は、 「短期大学部『基礎ゼミⅠ』授業計画」 「短期大学部『基礎ゼミⅡ』授業計画」 (どちらもシラバスに掲載)を踏まえて、学科独自の特色を持たせた内容で構成されてい る。両学科の基礎ゼミⅠ・Ⅱの平成 23 年度授業計画は、以下の通りである。 ・保育科 基 礎 ゼ ミ Ⅰ 目的 ①大学生になったことを自覚し、節度のある生活態度と主体的な学習態度を育成する。 ②充実した学生生活を送り、キャリア(就職を含めた人生)形成につなげる。 144 聖徳大学短期大学部 回 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 学 習 目 標 学 習 内 容 ガイダンス・・・ 「基礎ゼミⅠ」 (1)基礎ゼミⅠの目的・内容について理解し、充実した保育科生活の を理解する。 スタートをきる。 (2)教員、学生が自己紹介をし合い、親睦を深める。 学科教育の内容・特色につい (1)幼稚園教諭、保育所保育士の仕事を理解する。 ての理解を深める。 (2)保育科の学修の重要性を理解する。 (3)コース制で学習することの意味を理解する。 大学生活で大切にしたいこと (1)保育科生として何を大切にしたいかをグループで考える。 基本文の練習 1 (1)文書作成のための基本的な文法事項を身につける。 基本文の練習 2 (1)文書作成のための基本的な文法事項を身につける。 敬語・・・保育科生に必要な (1)保育科生にふさわしい自分を目指す。 敬語の使い方を学ぶ (2)保育科生にふさわしい敬語の使い方を学ぶ。 あいさつ・・・保育者にふさ (1)幼稚園や保育所の生活において、あいさつの大切さを知る。 わしいあいさつを身につける (2)様々な生活場面でのあいさつを身につける。 常識・・・常識の意味と必要 (1)学生が感じる、常識のない行動(言動)について話し合う。 性について考える (2) 「常識」という言葉について思うことを話し合う。 礼儀作法・・・保育科生にふ (1)保育者を目指す学生にふさわしい礼儀作法について考える。 さわしい礼儀作法について考 える 生活に必要な知識・技術・・・ (1)保育科生に必要な生活知識・技術の自己チェックをする。 生活技術を自己チェックし、 (2)主な生活技術の確認をする。 改善する 新聞への関心を高める (1)情報化時代にける新聞の特性について理解する。 (2)新聞の活 用について話し合う。 新聞記事を読む・・・保育・ (1)新聞の読み方を学ぶ。 (2)新聞を読んで語り合う。 教育記事を読み、学習に活か す 新 聞 記 事 で ス ピ ー チ を す (1)学生が「保育・教育」に関する新聞記事をもとにスピーチする。 る・・・ 「保育・教育」記事に (2)スピーチについて、学生が評価する。 ついてスピーチする 自己PRをする (1)保育科生としての半年間を振り返る。 (2)振り返りの成果を発表する。 就職ガイダンス (1)キャリア支援室による就職ガイダンスを受ける。 出典:保育科「基礎ゼミⅠ」授業計画より抜粋 ・保育科 基 礎 ゼ ミ Ⅱ 目的 ①思考力と文章表現力などの育成を図り、専門教育への基礎的導入を果たす。 ②自信をもって就職活動へ臨むための支援を行う。 回 学 習 目 標 学 習 内 容 1 ●ガイダンス・・・ 「基礎ゼミ (1)基礎ゼミⅡの目的、方針、進め方について理解する。 Ⅱ」を始めるにあたって ● (2)保育科生としての半年間を振り返り、後期のスタートを切る。 文章表現の学習 その1・・・ (3)原稿用紙の使い方を学ぶ。 原稿用紙に書く 2 基本文の練習 その3 (1)基礎ゼミⅠ(その1、その2)を踏まえ、文章を書く上での基本 的な約束事を身につける。 3 基本文の練習 その4 (1)尊敬語、謙譲語、丁寧語を用いた表現を学ぶ。 4 文章表現の学習 その 2・・・ (1)保育者にとって、文書コミュニケーションが重要であることを理 要約の仕方を学ぶ① 解する。 (2)天声人語の記事を読み合う。 (3)熟読した文章を要約する。 5 文章表現の学習 その3・・・ (1)新聞の保育(教育)記事を読み合い、要約する。 (2)文体、文 要約の仕方を学ぶ②・・・文 の長さ、文の構成、用語などについて学ぶ。 体について学ぶ 6 ●電話によるコミュニケーシ (1)実習施設への電話のかけかたについて練習する。 (2)敬語の使 ョン ●地図の描き方を学ぶ い方について学ぶ。 (3)自宅から最寄り 駅までの地図を描く。 7 実習体験を語る (1)附属幼稚園実習の体験を発表する。 145 聖徳大学短期大学部 8 9 10 ●(第 7 回の続き) ●文章 表現の学習 その4・・・符 号の使い方について学ぶ 感謝を表現する・・・実習施 設へお礼状を書く 職業観・・・職業観をもつ 11 自分を見つめる・・・履歴書 を書く 12 自己PRをする 13 14 15 就職ガイダンス 救急救命講習・・・救急救命 講習を受ける (1)第 7 回の続き。 (2)符号の使い方について学ぶ。 (1)封筒の書き方について学ぶ。 (2)手紙の書き方について学ぶ(実習のお礼状を書く) 。 (1)何のために働くのか、どのように働くのか、考え語り合う。 (2)自分の職業観を文章にまとめる。 (1)履歴書の意味について理解する。 (2)履歴書を書きながら、自分を見つめる。 (3)保育所保育指針の漢字の読み書き試験。 (1)保育科生としての 1 年間を振り返る。 (2)振り返りの成果を発表する。 (1)キャリア支援室による就職ガイダンスを受ける。 (1)子どもの生命を守る保育者にとって必要な「救急救命講習」を受 講する。◎終了者には「終了証」が公布される。 出典:保育科「基礎ゼミⅡ」授業計画より抜粋 ・総合文化学科 基 礎 ゼ ミ Ⅰ 回 1 10 学 習 目 標 基礎ゼミⅠの目的と授業概要 を知る ノートのとり方と資料収集の 技術を知る 図書館の利用法を知る 生活規律の維持と主体的な学 習態度の確立 自分の将来計画を考え、卒業 までの 2 年間の学習計画を立 てる ライフプランの点検と確認 他者を知ることが、良い人間 関係構築の第一歩 社会常識を豊かにする方法お よびマナーについて コミュニケーション力をつけ よう 新聞記事を話題にして(1) 11 新聞記事を話題にして(2) 12 大学・学科教育への導入基礎 演習(1) 大学・学科教育への導入基礎 演習(2) このゼミの成果と課題 「基礎ゼミⅡ」の予告と宿題 2 3 4 5 6 7 8 9 13 14 15 授 業 概 要 当ゼミの目的・授業概要等の説明。メンバーの自己紹介または他者紹介。 大学の授業での上手なノートのとり方と資料収集の方法と検索技術に ついて学ぶ。 本学図書館の内容と利用の方法を具体的に知る 学習・研究の基礎も健全生活から。先ずは自分の過去と今の生活を点検 してみる。 ライフプランを作成後、学習計画をたてる。資格取得やクラブ活動、ま た遊びやアルバイト等を学習とどう調和させるか、具体的にイメージす る。 ライフプランと学習計画に無理がないか、具体的かを点検する。 自己発見への導入。 ダイアモンドランキングシートの作成と発表(グ ループ作業) 。 今の若者はなぜ常識がないのか。常識・非常識とはまた良識やマナーと は?具体的事例で討議しつつ理解を深める コミュニケーションで大切なモノは何か?ゲームやロールプレイを通 じて、コミュニケーションの基本技術を学ぼう 新聞の社会面を題材に。事件報道の記事から、事実認識と背景などを考 察、社会の持つ問題点への気づきを得る 新聞の政治・経済・国際面を題材に。現代の政治・経済、国際間での問 題点を知る。 ブランチごと、あるいは担当別でプログラム作成の上、学生に提示する。 全体を振り返って、成果と問題点を話し合う。また、 「基礎ゼミⅡ」 (1 年後期に備えて、小説・随筆と論説・評論をそれぞれ数冊ずつ読んでお くこととする(宿題) 。 出典:総合文化学科「基礎ゼミⅠ」授業計画より抜粋 ・総合文化学科 基 礎 ゼ ミ Ⅱ 基礎ゼミⅡ 第Ⅰ部 1.コラム ・竹井寛子「無表情」 ・高井有一「海恋い」 ・仙田洋子「九月のノスタルジー」 ・斉木紀久子「交番の優しい紫陽花」 2.評論 ・井上ひさし「接続詞のない時代に」 146 聖徳大学短期大学部 3.読み物 ・ 「内の美と外の美」 ・藤原正彦「まずは我慢力を」 ・曽野綾子「通信簿の評価はあった方がよい」 ・辺見じゅん「アムール旬会」 ・日高敏隆「人は実物か見えるか?」 ・宮脇俊三「米坂 109 列車―昭和二〇年」 ・筧久美子「款冬花―蕗のとう」 ・寺田寅彦「どんぐり」 4.音読 基礎ゼミⅡ 第Ⅱ部 1.要約の仕方 2.小論文の書き方 3.レポートの書き方 4.手紙書き方 5.履歴書の書き方 6.エントリーシートの書き方 7.プレゼンテーションの仕方 8.本の紹介 9.電話のかけ方 10.電子メールの書き方 出典:総合文化学科「基礎ゼミⅡ 目次」 2)実施体制 保育科、総合文化学科ともに、クラスごとに 15~25 名程度の少人数グループを編成す る。クラス担任と専任教員がそれぞれ前期の基礎ゼミⅠ、後期の基礎ゼミⅡを担当する ので、クラス担任は、1 年間を通じてクラスの学生と関わることができる。また、基礎 ゼミを担当する専任教員とも連携を取り合ってクラスの学生の情報を入手することも できる。 半期の基礎ゼミで、原則 15 回の授業を確保しており、全クラスの学生が共通の授業計 画に基づいて基礎ゼミを受講することができる。特に保育科では学生数が多く、16 グル ープあるので、授業の質の保証を保つために、基礎ゼミプロジェクトの教員が基礎ゼミ の授業計画、内容、マニュアルを作成し、科別会で配布・説明している。総合文化学科 も、基礎ゼミプロジェクトの教員が基礎ゼミの授業計画を作成し、担当教員に説明・指 導している。 基準(3)教養教育を行う方法が確立している。 ○聖徳教育Ⅰの方法 アセンブリアワーについては、1・2 年次ともに、金曜日 4 時限目を設定している。年 間のアセンブリアワー予定表は学内掲示板及び学内ホームページに掲載している。同学 科・同学年の学生全員が大教室で講義を聴講するために、クラスごとの座席指定とし、学 生は事務職員の誘導のもとに着席する。社会人としてのマナーを身につけるために、本学 指定のフォーマルスーツを着用し、定時に遅刻した場合は入室することができない。アセ ンブリアワー終了後、学生は感想レポートを書き、提出する。感想レポートはアセンブリ アワーを担当した講師に渡され、講師自身の自己評価の資料として活かされる。 シリーズコンサートについては、授業のない 18 時 15 分より開演し、学生の帰宅時間を 配慮して 20 時までに終了する設定としている。年度当初に、 「聖徳学園 シリーズコンサ ート講演予定 演奏会解説」が全学生に配布される。シリーズコンサートは、川並香順記 念講堂で行われ、一般客も同席する。従って鑑賞の心得として、フォーマルスーツの着用、 147 聖徳大学短期大学部 開演 10 分前までの入場、演奏中の私語の厳禁、携帯電話等音の出る物は電源を切るといっ たことを指導している。また、鑑賞中の学生のマナー指導のために、学科の教員 2 名も同 席する。 なお、必修指定以外の演奏会でも、希望する学生は入場することができる。演奏会当日 に講堂入り口で先着順に「シリーズコンサート希望入場カード」を受けとって入場するこ とができる。 漢字検定については、本学を検定試験会場として、年 2 回(前期・後期 1 回ずつ)検定 試験を実施している。従って学生は、2 年間に 4 回漢字検定試験を受ける機会がある。高 校時代に「級」を取得している学生は、上位の「級」を目指して受験する。また、初めて 漢字検定を受ける学生は「3 級」から始める。 ○聖徳教育Ⅱの方法 ①新入生歓迎フレンドシップ・ツアー、学外研修Ⅰ、学外研修Ⅱ 新入生歓迎フレンドシップ・ツアー、学外研修Ⅰ(志賀高原研修) 、学外研修Ⅱ(北海 道研修)では、詳細な日程・時程・内容を示した「しおり」を学生に配布し、研修旅行 の目的・内容についての周知を図っている。新入生歓迎フレンドシップ・ツアー及び学 外研修Ⅰ(志賀高原研修)では、学生課より各クラスの学生生活委員(2 名)に研修旅 行の説明があり、それを受けて生活委員がクラスの学生に旅行の説明をする。また、学 外研修Ⅱ(北海道研修旅行)は6泊7日にわたる長期の研修のため、学生課職員が各学 科の学生全員に研修旅行の説明をしている。このように、事前の十分な準備の下に研修 旅行を実施し、成果をあげることに努めている。 研修施設では、朝食・夕食の際に、パンフレットに基づいてスケジュールを確認し、 学生全員が計画的な集団行動・個人行動をとるように努めている。 また、研修旅行中は、各クラスの 2 名の生活委員が聖徳大学サービスセンター(旅行 本部)の指示を受けながら、各部屋の室長(学生)と連携を取り合って、クラス責任者 としての指揮をとることになっている。生活委員、室長はリーダーシップを発揮し、他 学生はフォロアーシップを発揮することで、研修旅行の成果をあげることができる。さ らに新入生歓迎フレンドシップ・ツアー、学外研修Ⅰ(志賀高原研修)では、グループ ミーティング、レクリエーション等の手順は学生に任されており、学生はリーダーシッ プを遺憾なく発揮できる。 ②学科指定の行事(テーブルマナー) ホテルの「フランス料理会食とテーブルマナーを学ぶ会」として毎年実施しており、 総合文化学科の 2 年生全員が参加する。 平成 23 年度は 12 月 7 日に開催された。 学生は、 当日の申し合わせ事項として、服装、靴、持ち物等について細かな指示を受ける。テー ブルマナー終了後は、レポートを提出する。 ③欠席者への扱い 聖徳教育Ⅱは学生が参加することが原則として必須であるが、事情により欠席した場 合は、欠席者にそれぞれの研修旅行に相応しいテーマのレポート提出を義務づけている。 平成 23 年度の「欠席者のためのレポート課題」は以下の通りである。 ・新入生歓迎フレンドシップ・ツアー(FT) 1 年生対象「将来の夢を実現するために、生活・勉学・交友関係の3つの視点から自らの大学生活の目標を設 定する。 」 (800 字) 2 年生対象「聖徳教育におけるFTの目的を踏まえて、新入生に勧めたいこと、アドバイスしたいことを述べ よ。 」 (1200 字) 148 聖徳大学短期大学部 ・学外研修Ⅰ(志賀高原研修) 「聖徳太子に関する著書を読み、太子の唱えた『和』の精神が現代社会や自分の生き方の中に、どのように生 かされたら良いかを考察する。 」 (3200 字) ・学外研修Ⅱ(北海道研修) 「北海道における地理、自然、風物、歴史等について調査し、その成果をレポートにまとめる。 」 (4000 字) ・学科指定の行事(テーブルマナー) 事前に欠席連絡をした学生対象⇒「女性の身だしなみについて」又は「フランスの食文化」どちらかを選択。 (1500 字) 無断欠席した学生対象⇒①「女性の身だしなみについて」又は「フランスの食文化」どちらかを選択。 (1500 字) ②「自分のとった行動が、社会人としてどのような意味を持つか」 (1500 字) ※①②共に提出する。 ○聖徳教育Ⅲの方法 「基礎ゼミⅠ」は 1 年前期、 「基礎ゼミⅡ」は 1 年後期に履修する。 「基礎ゼミⅠ」 「基礎 ゼミⅡ」ともに 15 回の授業を確保され、学科の専任教員が担当し、15~25 名ほどの少人 数によるゼミ形式の授業を行う。保育科では、基礎ゼミ用のテキスト「キャリアデザイン・ ノート」を学生に配布し、テキストのテーマに沿って授業を行う。総合文化学科は、詳細 な資料を学生に配布して授業を行う。 基準(4)教養教育の効果を測定・評価し、改善に取り組んでいる。 ○聖徳教育Ⅰの効果の測定・評価と改善 ①聖徳教育Ⅰの測定・評価 平成 23 年度卒業予定者の聖徳教育Ⅰの評価基準は以下の通りである。 学 科 保育科第一部 保育科第二部 総合文化学科 シリーズコンサー ト実施回数 11 回 8回 11 回 映 画 実施回数 2回 0回 2回 合計 13 回 8回 13 回 出席要件 (2/3回) 9回 5回 9回 上記の当該回数(開催回数の 2/3 回)を充足し、かつアセンブリアワーに 8 回以上出 席し、課題(レポート等)を提出した者は合格とする。さらに下記の漢字検定の準 2 級 試験の合否を加味した成績評価基準により最終的な評価をする。 (保育科第一部・総合文化学科のアセンブリアワー総回数:12 回+文化講演会 1 回=13 回) (保育科第二部のアセンブリアワー総回数:15 回) アセンブリアワー シリーズコンサート等 全出席 全出席 8回 上記の最低出席回数 漢字検定 準2級 上記以外 合格 不合格 合格 不合格 合格 不合格 評価 S A B C A B ②聖徳教育Ⅰの改善 卒業予定者に毎年 3 月に実施する「卒業生の意識調査(アンケート) 」によると、2011 年 3 月卒業予定者のシリーズコンサートへの満足度は、保育科の場合、「満足してい る・・・36.1%」 「どちらとも言えない・・・50.3%」 「不満・・・12.6%」である。総 合文化学科の場合、 「満足している・・49.3%」 「どちらとも言えない・・・33.8%」 「不 満・・・12.7%」である。保育科、総合文化学科ともに「不満」と回答した学生は 12% 程度であり、極めて少数である。ただし、 「どちらとも言えない」がそれぞれ 50.3%、33.8% であり、学生の満足度をさらに高めるために、取り組みへの改善が望まれる。 149 聖徳大学短期大学部 「卒業生の意識調査(アンケート) 」で、2010 年、2011 年卒業予定者のアセンブリア ワーへの満足度は以下の通りである。 他学科の先生の講義はとても興味深かった ものの見方や考え方が広がった 役に立たないと感じた よくわからない 保育科 2011 年度 2010 年度 15.7% 16.4% 32.5% 36.0% 15.2% 15.9% 36.6% 30.4% 総合文化学科 2011 年度 2010 年度 19.7% 20.8% 32.4% 37.7% 21.1% 14.3% 26.8% 27.3% 出典: 「卒業生の意識調査(アンケート) 」 (201 年、2011 年)より抜粋 アンケートから明らかなように、 「他学科の先生の講義はとても興味深かった」 「もの の見方や考え方が広がった」という学生が半数を占めながらも、一方では「役に立たな いと感じた」 「よくわからない」という学生も半数を占めている。アセンブリアワーの 本来の目的は、他学科の教員(外部講師を含む)の話を聞くことで、教養を広げ自己の 人間形成の糧とすることにある。最近のアセンブリアワーのテーマは例えば「健康教育」 のように、学生にとって実際的な価値をもつテーマが選ばれている。また、聖徳教育が キャリア教育としても位置づけられているので、当該学科の教員の講義も増やしつつあ る。テーマについては、できるだけ学生の興味・関心を引き、有用なものに変わりつつ ある。 ○聖徳教育Ⅱの効果の測定・評価と改善 ①聖徳教育Ⅱの測定・評価 保育科学生については、新入生歓迎フレンドシップ・ツアー、学外研修Ⅰ、学外研修 Ⅱへの出席を 100%評価する。総合文化学科学生については、さらに学科指定の行事(テ ーブルマナー)への出席を加える。参加できなかった場合は、指定された課題のレポー ト提出が義務付けられている。全てに参加あるいはレポート提出をもって「認定」と評 価される。 ②聖徳教育Ⅱの改善 「卒業生の意識調査(アンケート) 」で、2009 年、2010 年、2011 年卒業予定者の学外 研修(FT、志賀高原)への満足度は以下の通りである。保育科学生については、3 ヶ 年ともに 70%程度の満足度を保っている。総合文化学科学生については、50%程度の満 足度であるが、 「つまらなかった」 という比率が 2009 年の 23.2%から 2010 年は 15.3%、 さらに 2011 年は 7.0%へと減少している。 聖徳大学及び聖徳大学短期大学部の全学部、全学科の学生にとって新入生歓迎フレン ドシップ・ツアー及び学外研修は必修であるが、保育科学生の満足度が最も高い。その 理由は、ほとんどの保育科学生は保育者を目指し、そのために研修旅行における団体生 活を将来の「チーム保育」「幼児の引率」等に必要であることを自覚して参加している からだと思われる。保育科学生には、研修旅行前及び研修旅行初日に研修旅行の意義に ついて説明しており、学生も納得しているように思われる。 楽しかった どちらとも言えない つまらなかった 保 育 科 2011 年度 2010 年度 69.6% 72.5% 24.1% 22.2% 4.2% 3.9% 2009 年度 69.5% 23.6% 6.5% 総合文化学科 2011 年度 2010 年度 53.5% 55.6% 33.8% 29.2% 7.0% 15.3% 2009 年度 43.2% 32.6% 23.2% 出典: 「卒業生の意識調査(アンケート) 」 (2009 年、2010 年、2011 年)より抜粋 一方、総合文化学科は 10 のブランチの学生が研修旅行に参加する。1 クラスに複数の 150 聖徳大学短期大学部 ブランチの学生がおり、保育職、教員職を目指す学生はごく少数であるため、研修旅行 の意義が保育科ほどには伝わりきれないところがある。 「つまらない」と回答した学生 が減少傾向を辿っているので、今後はより一層、キャリア教育という視点から研修旅行 の意義について学生に説明することに努めることが必要と思われる。 さらに、保育科、総合文化学科ともに学外研修の内容はほぼ同じであるが、今後は、 それぞれの学科に相応しい内容を取り入れることも必要である。 ○聖徳教育Ⅲの効果の測定・評価と改善 ①基礎ゼミⅠ・Ⅱの測定・評価 保育科、総合文化学科それぞれの学科で定めた基準に基づいて測定・評価する。保育 科、総合文化学科ともに、明確な評価基準で評価を行っている。参考として、保育科の 「基礎ゼミⅠ」の評価基準を以下に示す。 「基礎ゼミⅠ」評価基準 (1)評価のための項目 ①出席日数 ●15 回授業のうち、4/5以上の出席を原則とする。 (欠席は3回まで可) ②キャリアデザイン・ノートへの記入 ●学生はキャリアノートの「Ⅰ キャリアデザイン・ノート(P.3~10) 」の中で、以下の箇所への記入をす ること。 番号 記入する学生 番号 記入する学生 ① 全員記入 ⑬ 該当者のみ記入 ④ 該当者のみ記入 ⑭ 該当者のみ記入 ⑤ 該当者のみ記入 ●キャリアノートの「Ⅱ キャリア形成4領域プログラム」 「Ⅲ 補足資料」の中で、授業で使用した以下の箇 所への記入をすること。 ページ テーマ ページ テーマ P.12 充実した学生生活を・・・ P.39 保育科生に・・・ P.13 幼稚園二種免許状を・・・ P.40 人間関係を豊かに・・・ P.15~18 基本文の・・・ P.41 心をつなげる「あいさつ」 P.27~28 注意する表現・・・ P.42 あいさつの言葉 P.30 自己紹介のための・・・ P.46 第 1 回就職ガイダンス P.32 自己PR P.64~65 保育に必要な・・・ ③配布資料への記入 ④授業中の学生の発言、発表 (2)評価基準 評価 評 価 基 準・内 容 原則として、 (1)①②③を満たしていること。 (②については、欠席した日の課題はこなしていな C い。 ) 原則として、 (1)①②③④を満たしていること。 (②については、欠席した日の課題もこなしてい B ること。 ) 原則として、 (1)①②③④を満たしていること。 (④については、課題について的確な発言、発表 A をしている点を評価する。 ) ※特に第 13 回「新聞でスピーチをする」での口頭発表、第 14 回「自 己PRをする」での口頭発表を重視。 原則として、①②③④を満たしていること。 (②については、記入内容が優れていることを評価す る。 ) (④については、積極的・意欲的に発言し、優れた内容であることを評価する。 ) ※特に第 C 13 回「新聞でスピーチをする」での口頭発表及び文章作成、第 14 回「自己PRをする」での口頭 発表を重視。 ○補足 「基礎ゼミⅠ」の評価では、①キャリアノート記入と②発言・発表という2つの観点からの評価を目指して います。 ・ 「キャリアノートへの記入」をB及びCの客観的な評価基準(目に見える評価)としています。 ・ 「キャリアノートへの記入」をベースに、 「発言・発表」をS及びAの評価基準としています。 従って、今後の学生指導として、学生にキャリアノートへの記入をきちんとすることをお伝え下さい。 出典:保育科教員用「基礎ゼミⅠ評価基準」資料 151 聖徳大学短期大学部 ②基礎ゼミⅠ・Ⅱの改善 「卒業生の意識調査報告」で、最近 3 年間の「聖徳教育Ⅲ(基礎ゼミ) 」への満足度は 以下の通りである。 満足している どちらとも言えない 満足していない 保 育 科 2011 年 2010 年 24.6% 25.6% 59.7% 55.1% 14.7% 17.9% 2009 年 30.2% 53.1% 16.4% 総合文化学科 2011 年 2010 年 23.9% 43.1% 60.6% 45.8% 11.3% 11.1% 2009 年 24.2% 50.5% 25.3% 出典: 「卒業生の意識調査(アンケート) 」 (2009 年、2010 年、2011 年) 」より抜粋 2011 年については、保育科学生の 14.7%、総合文化学科学生の 11.3%が「満足して いない」と回答しており、満足していない学生はごく少数である。しかしながら、「ど ちらとも言えない」と回答した学生がそれぞれ 59.7%、60.1%を占めている。 保育科では、第 1 部 1 年生に対して、毎年、 「基礎ゼミⅠ」 「基礎ゼミⅡ」終了時に、 「基礎ゼミ」の有用性についての独自のアンケートを行っている。2011 年度前期に行っ た「基礎ゼミⅠ」アンケート結果は以下の通りである。 (5 段階評価で、 「非常にそう思 う」場合は5、「ある程度そう思う」場合は4、 「どちらとも言えない」場合は3、「あ まりそう思わない」は2、「そう思わない」場合は1で評価する。集計の結果、評価 5 と 4 を「そう思う」 、評価 3 を「どちらとも言えない」 、評価 2 と 1 を「そう思わない」 としてまとめたのが以下の集計結果である。 ) アンケートの集計結果から明らかなように、項目1、2、3のように学生にとって極 めて有用性の高いものがある。しかしながら、項目5、6のように「新聞」の有用性が 学生に十分に伝わっていないようである。 アンケート項目 そう思う 1. 「基本文の書き方」は役に立った。 2. 「敬語の使い方」は役に立った 3.常識や礼儀作法について勉強になった。 4.生活技術のチェックは役に立った。 5.新聞への関心が高まった。 6.これからは新聞を読もうと思うようになった。 7.人前でスピーチをする自信がついた。 8.キャリアデザイン・ノートは役に立つと思う。 9.キャリア支援室の「就職ガイダンス」は役に立った。 79.3% 88.1% 80.7% 62.7% 50.2% 47.6% 45.3% 61.9% 66.7% 評 価 ど ちら とも 言 えない 17.4% 10.2% 15.8% 33.2% 38.7% 35.2% 37.9% 29.0% 25.1% そう思わない 3.3% 1.7% 3.5% 4.1% 11.1% 17.2% 16.9% 9.1% 8.2% 「基礎ゼミⅠ」 「基礎ゼミⅡ」の目的は「節度ある生活態度と主体的な学習態度の育成」 「専門教育への基礎的導入」である。そのために各学科の専任教員が学科に相応しい「基 礎ゼミ」の内容を考えている。そして達成度については各学科が定めた「評価基準」に 基づいて測定・評価している。ただし「基礎ゼミ」の内容の有用性については学生に十 分に理解されているとは言えない。また、学生の高い満足度を得ているとは言えない。 今後は、 「基礎ゼミ」の有用性、満足度を視点に入れた改善が必要である。 152 様式11―職業教育 聖徳大学短期大学部 選択的評価基準 2.職業教育の取り組みについて 聖徳大学短期大学部は、平成 23 年 2 月 23 日「聖徳大学・聖徳大学短期大学部における 『キャリア教育』の充実に向けて」 (以下「キャリア教育の充実に向けて」と略す)を定め て、学科ごとに充実した職業教育に取り組んでいる。 「キャリア教育の充実に向けて」において、職業教育の目的を次のように定めている。 「キャリア教育は、豊かな人間性教育と社会人として必要な基礎能力の向上教育を体系的 に構築し、これらの教育を通じ就業力・仕事力を備えた女性の育成を目指すものである」 。 そして、職業教育を通して育成したい力を具体的に5つにまとめている。 (1)豊かな教養・情操を有していること 美しいものや自然に感動する心を持ち、他人を思いやったり他国の文化を理解したり できる力。社会人として認められ、活躍していく上では何よりも、誰からも好かれ尊重 される豊かな人間力を備えていることが肝要である。 (2)社会人として活躍できる基礎学力・基礎技能を有していること 正しい日本語を用いて物事を考え、表現できる力。また一時的な感情に左右されず、 物事を冷静に分析し思考できる力。豊かな言語駆使力や論理的思考力は社会人として、 仕事をしていく上で必須の要素である。 (3)他者と理解し合うコミュニケーション力を有していること 他人を理解し、かつ自分と異なる意見を持つ人に対して自分の考えを整理して表現で きる力。他者の意見を傾聴できる力も含め、他者と情報や意思を交換し、共有できるコ ミュニケーションカは社会人として必須の要素である。 (4)仕事を進める上で必要なプレゼンテーション力(発信力)を有していること 学習した知識や考え出したアイディアなどを社会に発信し、他者を説得できる力。会 議での報告・企画提案などのプレゼンテーション力は、仕事を進める上で折衝能力、交 渉能力、説得能力として重要な要素である。 (5)社会的評価の基盤となる実行力(実践力)を有していること 物事を実践する力。一般的に「実行力」「チャレンジ精神」と呼ばれる対課題基礎力 は、課題に気づき、整理する力(課題発見力) 、課題を解決するための計画を立案する 力(計画立案力) 、立案した計画を実行する力(実践力)などからなり、社会的評価の 基盤となるものである。 上記の「5つの力」を育てるために、教育課程及び教育課程外の取り組みを次のよう に図式化している。 153 聖徳大学短期大学部 教育課程及び教育課程外の取り組み <教育課程> 学生のキャリア形成 <教育課程外> Å類 聖徳教育 聖徳教育Ⅰ 聖徳教育Ⅱ〜1、Ⅱ〜2 聖徳教育Ⅲ〜1、Ⅲ〜2 「和」の精神に 基づく人間形成 豊かな教養・情操 基礎学力・基礎技能 コミュニケーション力 教養教育 礼法基礎講座 インターンシップ 情報教育 社会人基礎力 就 職 豊かな教養・情操、 ガイダンス 基礎学力・基礎技能、 プレゼンテーション力 相 談 情報提供 採用試験 対策講座 B類 専門教育科目 学科の専門性 専門性を活かした キャリアデザイン 担任指導 自分を知る 社会を知る 未来を創る ※各学科の専門教育の中に、学生個々が「自分のキャリア形成」について考える科目を開 講する。 「キャリア教育の充実に向けて」を基に、短期大学部保育科、総合文化学科は学科独自 の職業教育を実施している。 なお、保育科は、平成 21 年 7 月に「学生生活を就職活動へ発展させるための総合的支 援」が平成 21 年度文部科学省「大学教育・学生支援推進事業[テーマB]学生支援推進プ ログラム」に採択されている。また、同年 9 月には、 「自らが考えチーム貢献できる保育者 養成―異学年共同コミュニティによる課題解決型学習―」が平成 21 年度文部科学省「大学 教育・学生支援推進事業[テーマA]大学教育推進プログラム」に選定されている。 総合文化学科は、平成 18 年度に「人間力を養成するユニット別キャリア教育―社会に 154 聖徳大学短期大学部 貢献できる自立した女性の育成―」が平成 18 年度文部科学省「現代的教育ニーズ取組支援 プログラム」に採択されている。また、平成 22 年度に「実学・実践による女性のコンピテ ンシー育成―キャリアの自己管理から就業能力の向上へー」が平成 22 年度文部科学省「大 学生の就業力育成支援事業」に選定されている。 両学科ともに、これまで充実した職業教育を実施している。そして、「キャリア教育の 充実に向けて」 を基に、 さらに学生の志望に即した職業教育を目指して今日に至っている。 以下に、保育科、総合文化学科それぞれの職業教育の取り組みについて述べる。 Ⅰ.保育科の職業教育 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 保育科の専門諸科目は、幼稚園教諭、保育士の養成と密接に関連し、それ自体が職業教 育ともなっている。しかし、最近の学生の学習意欲の低下等の現状を踏まえて、保育科で は「キャリア教育の充実に向けて」に掲げられた5つの力を育成するために、聖徳教育Ⅰ. Ⅱ.Ⅲ、 「キャリア総合演習」 、また教育課程外の学生指導を有機的に組織し、職業教育を 実施している。 聖徳教育Ⅰ.Ⅱ.Ⅲは、本学の建学の精神「和」に基づく人間形成の場として、国内外 の芸術、講話、講演、学外研修等を通じて、幅広く深い教養を身につけ、豊かな感性を養 い、言語表現力、コミュニケーション力、社会人として必要なマナーを修得することを目 的としている本学独自の教育である。とりわけ、 「聖徳教育Ⅲ」は、 「基礎ゼミⅠ.Ⅱ」と して、全学共通科目の1分野として開講され、1年次の学生の通年の必修科目となってい る。この「基礎ゼミⅠ.Ⅱ」は、少人数の授業で、原則として専任の担任が担当し、大学 での生活や学び方を身につけることを目指したものである。 「基礎ゼミⅠ」の目的は、「大 学生になったことを自覚させ、 節度ある生活態度と主体的な学習態度を育成する」ことにあ り、また「基礎ゼミⅡ」の目的は、 「思考力と文章表現力の育成を図って、専門教育への基 礎的導入を果す」ことにある。通年の授業を通して、上記の教育目標を達成し、あわせて 就職活動へ臨むための支援を行い、キャリア形成につなげようとしている。 保育科は、平成23年度より聖徳教育Ⅰ.Ⅱ.Ⅲに加えて、キャリア形成をめざす科目 として「キャリア総合演習」を新設している。保育科の職業教育の中核的な科目に位置づ け2年間の必修科目とした。 「キャリア総合演習」は、1年生と2年生が少人数の異学年共同コミュニティを形成し、 学生の主体的な学びを推進する教育プログラムである。学生は、コミュニティごとに学習 テーマ、活動内容を決定し、コミュニティの仲間と協力しながら、テーマに沿って1年間 継続的に協働的な学習に取組む。多様な人間関係の中で、自ら考え、行動していくことで、 課題発見力・行動力・傾聴力・自己表現力などを向上させることを目指している。 この教育プログラム(「自ら考え行動しチーム貢献できる保育者養成-異学年共同コミ ュニティによる課題解決型学習」 )は、平成21年度「大学教育・学生支援推進事業[テー マA]大学教育推進プログラム」に選定されたものであり、現在、この教育プログラムを 「キャリア総合演習」として継続、発展させながら取り組んでいる。この授業は、保育科 全教員が担当している。 職業教育と後期中等教育との円滑な接続に関しては、AO入試、推薦入試で保育科に入 155 聖徳大学短期大学部 学を予定している生徒に課している「入学前の学習について」がある。キャリア形成の意 識を高め、基礎的学力を養成するために、入学後に役立つと思われる学習課題を課し、入 学後の勉学に備えさせている。 「基礎ゼミⅠ.Ⅱ」 、 「キャリア総合演習」、公立幼稚園対策講座と公立保育士対策講座 は保育科内のプロジェクトチームにおいて内容の検討が行なわれ、改善に努めている。 「SEITOKU夏期保育大学」は、学び直し(リカレント)の場として、全国の保育者 に門戸を開いたもので、毎年 7 月に児童学科と共催して開催される。本年で45回目を迎 える本学の伝統的な行事のひとつである。 本学では前期ならびに後期に1か月にわたりFD公開授業を実施している。また、「キ ャリア総合演習」の教員研修会を実施してきた。平成24年度は、科内の課題についてF D活動を実施することを、ISO9001「教育の質マネジメントシステム」の年間計画 に入れている。 「キャリア総合演習」の測定・評価および改善については、課題解決能力と人間関係調 整力の伸びについて多面的な評価活動を行い改善に努めてきた。また、聖徳教育Ⅱの学外 研修Ⅰ(志賀高原研修)と学外研修Ⅱ(北海道研修)、聖徳教育Ⅲ(基礎ゼミ)、保育表現研究 発表会、シリーズコンサート、実習について、保育科独自の「学生満足度調査」を実施し ている。 調査の結果については、科別会に報告され教育内容の改善に努めている。 保育科全体の諸活動に関する計画と評価として、ISO9001「教育の質マネジメン トシステム」があり、5年後ビジョンならびに年間計画書に基づくPDCAサイクルによ り教育の質の維持と向上に努めている。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 平成20年12月に出された、中央教育審議会答申「学士課程教育の構築に向けて」で は、大学全入時代を迎えて、総じて学生の学習意欲の低下や目的意識の希薄化がみられる との指摘がなされている。保育科においても、幼稚園教諭免許状や保育士資格を取得する という目的意識はもっているが、学習意欲の低下や知識・理解力不足は例外ではなく、近 年、十分な教育効果をあげることが困難な状況にある。また、多様な人間関係を経験して いない学生は、学内の友人関係や実習において、コミュニケーションがうまくはかれず、 自己の力を出せないために自信を失い、学習意欲を低下させているという課題がある。志 を持って入学してきた学生ではあるが、こうした理由から学習意欲を失って退学する者も 依然として多くいる。 また、幼稚園教諭の免許と保育士資格を取得するため、カリキュラムが過密となってお り、キャリア意識を高めることに有効であると思われるボランティア活動等を自主的に行 なう時間的余裕に乏しいことも課題である。 保育科の「キャリア総合演習」は、大学教育推進プログラム事業として3年間取り組み、 課題も残されているが、課題探求能力と人間関係調整力の育成において、一定の成果を認 めることができた。昨年度までは、大学教育推進事業として展開してきたこともあり、異 学年交流委員会(学科長と各部会代表者で構成)が中心となり、定期的に取組の進捗状況 を確認しながら方向性を決定してきた。平成24年度からは、保育科内に「キャリア総合 演習」担当のプロジェクトチームを置き実施する体制を取っているが、その実効性を高め 156 聖徳大学短期大学部 る課題がある。 公立幼稚園教諭、公立保育士の採用試験は難関になっていることもあり、実績の低下が みられるが、合格者数を増やすことが課題である。 「SEITOKU夏期保育大学」は、学び直しの場となっているが、本学の卒業生の参 加人数を増やし、リカレント教育の場としてさらに充実した研修会とすることが課題とし てある。 保育科内には、幼稚園実習委員会、保育所実習委員会、施設実習委員会があり、それぞ れ担当する実習の事前事後指導を行なっているが、3つの実習委員会の連携を深める課題 がある。また、実習指導等を通して保育現場についての理解を深め、職業教育に対する教 員の意識をさらに高めることが必要である。 (c)自己点検・評価を基に改善計画を記述する。 「基礎ゼミⅠ.Ⅱ」の内容については、保育科内の「基礎ゼミ」を担当するプロジェク トチームを中心に内容の改善に努める。 「キャリア総合演習」については、評価結果にもとづき異学年交流委員会で改善計画の 立案を行ってきた。改善計画を次年度の取組に反映させ実行することで、PDCAサイク ルを有効に展開し、取組の実効性を高めていくように務めてきた。今年度は「キャリア総 合演習」を担当するプロジェクトチームが、成果発表の計画、評価活動等を立案し、科別 会に報告する体制となっている。 「キャリア総合演習」の意義・内容について教員の理解は 深まってきたが、職業教育に関する教員の意識をさらに高めるため、 学外の研修会等への 参加、また学科内の研修会等を行なう。 ISO9001「教育の質マネジメントシステム」の年間計画については、職業教育の 向上を目指す項目を設定し実施する。科別会でこれらの課題について話題にして、職業教 育に対する教員の意識を高める。 保育科独自に行なっている公立幼稚園対策講座と公立保育士対策講座の指導について は、キャリア支援室と連携し、それぞれの対策講座を担当する保育科内のプロジェクトチ ームが計画を立案、実施し、改善に努める。 「SEITOKU夏期保育大学」については、児童学部、生涯学習課と連携し、保育科 内のプロジェクトチームを中心に計画を立案し実施する。 幼稚園実習、保育所実習、施設実習の事前事後指導の内容をさらに高めるとともに、個々 の学生の成長を見つめ保育者としての資質向上をはかるため、実習間の連携を深める。 FD活動の成果をあげ、紀要「聖徳の教え育む技法」に論文を執筆するなどして教員の 教育的力量を高める。 幼稚園教諭、保育士の仕事を理解し、職業意識を高めるうえで、入学前のオープンキャ ンパスでの教員の説明は有効な機会になっている。生徒が自己の適性等を的確に判断でき るように、オープンキャンパスにおける進学相談を充実する。 推薦入試、AO入試で合格し、保育科に入学する予定の生徒に対して、学習意欲の高揚、 基礎的学力の増進をねらいとして、課題を課し入学に備えさせている。また、提出された 課題については、教員が指導講評し返却している。キャリア形成への意識をさらに高める ため、入学前の学習課題の内容を再検討する。 157 聖徳大学短期大学部 ■以下の基準(1)~(6)について自己点検・評価の概要を記述する。 基準(1) 短期大学における職業教育の役割・機能、分担を明確に定めている。 「キャリア教育の充実に向けて」に掲げられた5つの力を育成するために、1.教育課 程内の教育、2.教育課程外の学生指導を有機的に組織して職業教育を実施している。 1.教育課程内の教育 保育科は、 「幼児教育に関する理論と技術を幅広く勉学することにより、保育に必要な 専門的力量および実践的な指導力を身につけ、社会の一員として適切に行動することがで きる幼稚園教諭または保育士の養成を目的」(ディプロマ・ポリシー)としている。 聖徳教育Ⅰ.Ⅱ.Ⅲは、選択的評価基準「教養教育の取り組みについて」において詳述 しているように本学の特色ある教育であり、 「和」の精神に基づく人間形成、豊かな教養・ 情操、 基礎学力・基礎技能及びコミュニケーション力の育成を目指したものである。教養 教育である礼法基礎講座は、豊かな教養・情操を涵養し、情報活用演習(基礎及び教職) は、基礎学力・基礎技能、プレゼンテーション力を育成し、社会人基礎力となる力を育成 する。 とりわけ、 「聖徳教育Ⅲ」は、 「基礎ゼミⅠ.Ⅱ」として、1年次の学生を対象とした通 年の必修科目である。 「基礎ゼミⅠ.Ⅱ」は、少人数の授業で、原則として専任の担任が担 当し、大学での生活や学び方を身につけることを目指している。保育科における「基礎ゼ ミⅠ.Ⅱ」の目的は、「大学生になったことを自覚させ、節度ある生活態度と主体的な学習 態度を育成する」こと、 「思考力と文章表現力の育成を図って、専門教育への基礎的導入を 果す」ことにある。主体的な学習態度を確立すること、人間関係を築くこと、新聞記事を 題材にして社会動向を考えること、文章表現力を鍛えること、また実用性の高い表現方法 を学ぶことなどを通して、就職活動へ臨むための支援を行い、キャリア形成につなげよう としている。 保育科の専門諸科目は、幼稚園教諭、保育士の養成と密接に関連し、それ自体が職業教 育となっているが、平成23度より、キャリア形成をめざす科目として「キャリア総合演 習」を新設した。保育科のキャリア教育の中核的な科目に位置づけ2年間の必修科目とし ている。 「キャリア総合演習」は、1年生と2年生が少人数の異学年共同コミュニティを形成し、 学生の主体的な学びを推進する教育プログラムである。学生は、コミュニティごとに学習 テーマ、活動内容を決定し、コミュニティの仲間と協力しながらテーマに沿って1年間継 続的に協働的な学習に取組む。多様な人間関係のなかで、自ら考え、行動していくことで、 課題発見力・行動力・傾聴力・自己表現力などを向上させることを目指している。 平成21年度「大学教育・学生支援推進事業」の大学教育推進プログラム( 「自ら考え 行動しチーム貢献できる保育者養成-異学年共同コミュニティによる課題解決型学習」 ) に 採択されたこの教育プログラムを「キャリア総合演習」として継続し発展させながら取り 組んでいる。 2.教育課程外の取組 この領域には就職ガイダンス、就職相談、就職情報の提供等があるが、これらは主とし てキャリア支援室が行なう。また、学生のボランティア活動は社会的・職業的自立に大き 158 聖徳大学短期大学部 な影響を与えるものであるが、本学においてはボランティア活動を希望する学生はキャリ ア支援室が窓口になり、教職員が必要な指導や支援を行うシステムになっている。 キャリア支援室が行う指導に加え、保育科独自に行っている公立幼稚園対策講座、公立 保育士対策講座がある。また、担任制度によって学生は担任からの指導や援助を受けるこ とができる。 このように保育科は、聖徳教育Ⅰ.Ⅱ.Ⅲ(基礎ゼミ)、専門教育、 「キャリア総合演習」 、 また教育課程外の学生指導を有機的に組織し職業教育を実施している。 基準(2) 職業教育と後期中等教育との円滑な接続を図っている。 職業教育と後期中等教育との円滑な接続に関しては、推薦入試等で保育科に入学を予定 している生徒に課している「入学前の学習について」がある。キャリア形成の意識を高め、 基礎的学力を養成するために、入学後に役立つと思われる学習課題を課し、入学後の勉学 に備えさせている。 推薦入試で合格した入学予定者は、2つの課題に取り組む。課題Ⅰは、絵本・童話など を読んで、考えたことや感想をまとめることである。課題Ⅱは、新聞を読む習慣をつけ、 新聞記事を通して、子どもについて今どのような関心や動き、また問題が起きているかを レポートにまとめることである。新聞記事の内容をまとめることは、社会的関心をひろげ ることになり有益な学習となっている。絵本・童話を読む課題は、今後の学習への興味付 けにもつながるものである。教員は、提出されたレポート等について指導講評し、教務課 を通じて返却している。 また、ピアノ(音楽Ⅰ)は、必修科目として、2年間学ぶ保育科の特色ある教育のひとつ であるので、課題ではないが事前の練習を勧めている。 AO入試に合格し保育科に入学予定の学生は、3つの学習課題に取組む。高校生活の充 実と学習意欲の高揚をねらいとする学習課題Aは、作文課題(2題)である。国語・英語・ 数学の基礎的学力の養成・増進をねらいとする学習課題Bは、ワークブックである。志望 学科の理解と入学後に必要な基礎的な学力の養成をねらいとする学習課題Cは、保育科独 自の課題を課している。保育科では、推薦入試で合格した生徒と同様に、絵本・童話を読 んで考えたことや感想をまとめることと新聞記事を通して子どもについて今どのような関 心や動き、また問題が起きているかをレポートにまとめる2つの課題を出している。 学習課題AとBは、AO入試研究センターが指導講評するが、学習課題Cは、保育科の 教員が指導講評し、AO入試研究センターを通じて返却している。 新聞記事に関するレポートは、入学後、社会動向を考える学習として新聞記事を題材に した「基礎ゼミⅠ」の授業にむすびつくものである。 推薦入試で入学をする聖徳大学附属高校の生徒に対しては、入学後の準備、意欲を確か める再面談を2月に実施している。 基準(3) 職業教育の内容と実施体制が確立している。 「基礎ゼミⅠ.Ⅱ」は1年次の学生を対象とした1年間の必修科目であり、原則として 専任の担任が担当し、大学での生活や学び方を身につけることを目指している。保育科の 「基礎ゼミⅠ.Ⅱ」の内容は、前述したように、主体的な学習態度を確立すること、人間 159 聖徳大学短期大学部 関係を築くこと、 新聞記事を題材にして社会動向を考えること、 文章表現力を鍛えること、 また実用性の高い表現方法を学ぶ学習などである。保育科内のプロジェクトチームが、毎 年内容の改善に努めている。また、各回の具体的な授業計画が科別会に報告され、内容の 検討が行なわれている。 学生の学習意欲を喚起し学生主体の課題解決型学習(Project-Based Learning)を実践 している「キャリア総合演習」は、卒業必修として保育科の全教員が担当し実施している。 「キャリア総合演習」の目標は、 「①客観的な根拠を示しながら自分の意見を相手に伝え、 論証に裏づけられた討議により、 コミュニケーションできる基礎的能力を身につけている。 ②コミュニティでの活動を通して、コミュニティ内での個人の責任、他者との協調の重要 性を理解している。 ③継続的で協働的な学習を行い、 課題探求能力を身につけ、 リーダ ーシップを獲得している。これら①②③を獲得することによって、最終的には保育者とし てチーム貢献できる力を身につける」ことである。学生は、異学年共同コミュニティを形 成し、教師の援助と指導のもとコミュニティの仲間と協力しながら、テーマに沿って1年 間継続的に協働的な学習に取り組んでいる。テーマについての討論、考えの共有、学習計 画の立案、必要な情報の収集、資料の読み解き、他者の意見を聞くなどして自分の考えを 表現すること、レポートの作成等の内容が組みこまれている。 「大学教育・学生支援推進事業」の期間内であった昨年度は、異学年交流委員会(学科 長と各部会代表者で構成)が中心となり、定期的に取組の進捗状況を確認しながら方向性 を決定してきた。異学年交流委員会には下部組織として3部会を設置し、保育科の全教員 がいずれかに所属することで細部についての検討を重ねる体制をとってきた。本年度から は保育科の職務分掌のひとつとして「キャリア総合演習」を担当するプロジェクトチーム を置き、学科長の指導のもと、実施する体制を取っている。また、その活動方針は科別会 で報告され決定される。 保育科独自に行っている公立幼稚園対策講座と公立保育士対策講座は、保育科内にそれ ぞれの講座を担当するプロジェクトチームがあり、 キャリア支援室と連携し指導している。 基準(4) 学び直し(リカレント)の場として門戸を開いている。 「SEITOKU夏期保育大学」は、学び直し(リカレント)の場として、全国の保育者 に門戸を開いたもので、毎年 7 月に児童学科と協働で開催される。本年で45回目を迎え る本学の伝統的な行事のひとつである。 この「SEITOKU夏期保育大学」は、保育に携わる者が全国から参加し幼児教育の 研修の場として、昭和43年に「夏期保育講座」として開かれたのが始まりである。それ が平成3年、第24回から「聖徳プレ・スクールセミナー」に名称を変更し、さらに第2 6回を迎えた平成5年から「SEITOKU夏期保育大学」に改称したものである。全国 の保育者を集め、保育に関する理論と実践を高める研修の場であり、受講者は保育の現場 の先生方が主であったが、学生も参加することが可能である。 平成23年度の「SEITOKU夏期保育大学」は、7月23日(土)に「保育の未来」 を総合テーマとして実施した。参加者は510名であった。全体会では、 「保育の質を高め るために-子どもの経験からふりかえる保育プロセス」というテーマで、秋田喜代美氏(東 京大学)の講演が行なわれ、午後は、保育現場や育児の場面でニーズの高い内容をテーマと 160 聖徳大学短期大学部 して、11の分科会に分かれ実施した。 11の分科会は、 「保育の未来第一歩-保幼小の連携-」 「特別な保育ニーズのある幼児 の理解と支援」 「保育の中の言葉と人間関係」 「乳児の癒しの環境を考える」 「保育者とコミ ュニケーション力を磨こう」 「子どもの『わくわく感・どきどき感』の育て方」 「保育者と 保護者による子どもへのチーム援助」 「光で遊ぼう」 「再発見!ペープサート」 「感じる心が 育つ音楽の魔法」 「楽しい身体表現」であり、これらの研修を通して保育者としての力量を 高めた。 2005年度からの総合テーマと参加者は次のとおりである。 2005年 第38回 子どもの生活を考える~園、家庭、地域の連携~ 561名 2006年 第39回 「子どもを守る」を考える 737名 2007年 第40回 「子育て」を考える 541名 2008年 第41回 子どもの発達を考えよう 548名 2009年 第42回 子どもを育てる 678名 2010年 第43回 子どもの心~みつめる、ふれる、ともに~ 578名 各回、外部の講演者による講演会を開催し、その後本学の教員が講師を務める分科会を 設定している。終了後は、満足度等に関するアンケートをとっているが、全体の満足度は 高い数値となっている。また、一般に開かれた講習会であるが、卒業生も多く参加してお り、2010年、2011年の場合、参加者に占める本学卒業生は約32パーセントとな っている。 「SEITOKU夏期保育大学」は、学び直し(リカレント)の場として一定の成 果をあげている。 基準(5) 職業教育を担う教員の資質(実務経験)向上に努めている。 幼稚園教諭としての経験をもち実務に精通した教員を積極的に採用し、 「教職実践演習」 「幼児理解・保育相談」 「保育内容・人間関係」等の授業を行っている。 また、本学では毎年度、前期ならびに後期に1か月にわたりFD公開授業を実施してい る。これには個人による一般公開授業と研究グループ公開授業とがある。期間中、原則と して教員が担当するすべての授業が公開の対象となる。 一般公開授業では、授業を参観した教員が評価表を授業担当教員に直接提出し、授業担 当教員は、反省点、改善点等をまとめ、報告書として評価表を添えて大学に提出する。研 究グループ公開授業では、各研究室から選任された教員が授業を実施し、反省協議会を経 て報告書として評価表を添えて大学に提出する。 個々の教員及び研究グループのFD活動の成果は、毎年、紀要「聖徳の教え育む技法」 にまとめられ刊行されている。 また、新設された「教職実践演習」の教育内容を検討するため、平成 23 年度前期に保 育科内にプロジェクトチームを立ち上げ、授業内容を検討するとともに、ポートフォリオ 等を作成してきた。 「教職実践演習」は複数の教員が担当したが、教員間の意思および教育 内容の統一を図ることができた。 保育科内には、幼稚園実習、保育所実習、施設実習を担当する実習委員会があり、教科 担当を含め教員はいずれかの委員会に所属し、実習の事前事後指導に当たっている。保育 科の実習指導を通じて、保育現場についての理解を深め職業教育に対する教員の意識を高 161 聖徳大学短期大学部 めている。 「大学教育推進プログラム」を実施するにあたっては、平成21年11月、永堀宏美氏(人 材育成研修コンサルタント)を講師に迎えファシリテーター研修会を実施した。 平成22年 6月に同じく永堀宏美氏を講師にファシリテーター研修会を実施した。また、平成22年 11月と平成23年12月に保育科内で取組の状況について共通認識をもち、成果や課題 を共有して今後の活動に活かすことを目的とした研修会を持ち、 「キャリア総合演習」を担 う教員の教育的力量の形成に努めた。 基準(6) 職業教育の効果を測定・評価し、改善に取組んでいる。 「キャリア総合演習」は大学教育推進事業に採択されたこともあり、多面的な評価活動 を行い、課題解決能力と人間関係調整力の伸びについての評価を行なってきた。 評価は異学年交流委員会の評価部会が中心となり、 1.学生の自己評価、 2.学生間評価、 3.ファシリテーターとしての教員による評価、4.学生フォーラムにおける外部評価など さまざまな角度、指標からなる評価ツールを用いた。 学生の自己評価は、修得すべき力(相手の意見をていねいに聴く力・自分と周囲の人々 や物事との関係性を理解する力・意見や立場の違いを理解する力・現状分析で目的や課題 を明らかにし進んで取組む力など)がどの程度獲得できたか、学習成果を自ら確認するも のである。 学生間評価は、同一の異学年共同コミュニティを構成した1年生と2年生が、1年間の 取組の成果について相互評価を行い、各自の課題発見を促し成長のための手助けとなるも のである。 教員による評価は、修得目標である課題探求能力と人間関係調整力について、課題発見 力・行動力・傾聴力・状況把握力・自己表現力などの指標ごとに評価を行なうものである。 外部評価は、学識経験者、幼稚園園長、保育所所長等に外部評価者を依頼し「学生フォ ーラム」における学生の成果発表と取組自体について評価を求めるものであった。これら の評価結果については、テーマ学習成果報告書ⅠⅡⅢにまとめられている。また、評価結 果は科別会に報告され、それをもとに取組の改善に努めた。 以上は、「キャリア総合演習」に関する評価活動であるが、その他、保育科独自に「学 生満足度調査」を実施している。 調査の項目は、授業、聖徳教育Ⅱの学外研修Ⅰ(志賀高 原研修)、学外研修Ⅱ(北海道研修)、聖徳教育Ⅲ(基礎ゼミ)、保育表現研究発表会、シリー ズコンサート、実習についてである。調査の結果については、科別会に報告され、教育内 容の改善に努めている。 また、前述したように全学的な取組ではあるが、前期ならびに後期に1か月にわたりF D公開授業を実施している。期間中、原則として教員が担当するすべての授業が公開の対 象となる。一般公開授業では授業を参観した教員が評価表を授業担当教員に直接提出し、 授業担当教員は反省点、改善点等をまとめ報告書として評価表を添えて大学に提出する。 この評価活動は、職業教育に限られるものではないが、教育の効果を測定・評価し、教育 内容を改善する機会となっている。 また、保育科全体の諸活動に関する計画と評価として、ISO9001「教育の質マネ ジメントシステム」がある。5年後ビジョンならびに年間計画書に基づくPDCAサイク 162 聖徳大学短期大学部 ルにより教育の質の維持と向上に努めている。5年後ビジョンの策定および年間計画のな かに、学生募集と並んでその重要な項目として職業教育に関する事項を挙げている。具体 的施策としては、 「キャリア教育の推進」 「幼稚園免許・保育士資格の双方取得」 「公立幼稚 園対策講座・公立保育士対策講座の実施」 「基礎ゼミの内容の見直し・検討・改善」がある。 それぞれ数値目標を立て、半期ごとに評価を加え改善に努めている。 Ⅱ.総合文化学科の職業教育 短期大学は 4 年制大学と同じように、 「学術の中心として、高い教養と専門的能力を培 うとともに、深く真理を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供す ることにより、社会の発展に寄与する」(教育基本法第7条第 1 項)ことを基本的な役割と しているが、同時に、幅広い職業人や高度専門職業人を養成し、社会に輩出する役割と機 能を担っている。特に社会における教育分担という考えに立った場合、就業に直結する短 期大学の社会的役割は大きい。 総合文化学科(以下本学科)では、そのような観点に立って「若者が卒業後、円滑に職 業生活に入ることができない社会に未来はない」との考えに基づく職業教育を大学教育の 根幹ととらえて取組んでいる。平成 18 年度には、文部科学省の「現代的教育ニーズ取組支 援プログラム=現代GP」の採択を受けて「人間力を養成するユニット別キャリア教育」取 組みを目的としたキャリア教育をスタートさせた。さらに21年度からはこの取組をさら に発展させて、就業力の源を「コンピテンシー」 (Competency 就業に対する適格性を備え、持 続的に就業するために必要な能力=仕事力)ととらえ、その能力を育成するための実学的・実践 的教育体系「実学・実践による女性のコンピテンシー育成」を構築、文部科学省の「就業力育成 支援事業」の採択を受けて事業推進に邁進しているところである。 「実学・実践による女性のコンピテンシー育成」事業の概念図(図1)は次の通り。 (図1) 地域連携 ・産業界との連携 ・高等学校との連携 ・実践的カリキュラム ・実学的カリキュラム ・就職率のアップ ・就業意欲の向上 学生参加 社会や仕事を理解し、 仕事力のある人材の育成 支援体制 ・コンピテンシー到達度 自己評価 ・気づきノート ・インターンシップ 教育体系 ・キャリアアドバイス ・履修指導 ・持続的就業力支援 情報システム 課題 コンピテンシー(仕事力)・ 持続的就業力の育成 原因 仕事に対する理解不足、 自己正当化的な就業観等 人間力はあるが、 就業意欲が低い 現状 (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 本学科の現在の職業教育「実学・実践による女性のコンピテンシーの育成」の推進に当たって は、大学内でその役割・機能、分担を定め、教育については教員組織が、教育支援についてはキ ャリア支援室及び教務課がそれぞれ担当、産業界・高等学校とのキャリア教育連携については全 学を挙げて取組んでいる。また、卒業生に各種就業情報を提供する「持続的就業力支援情報シス 163 聖徳大学短期大学部 テム(女性が生涯働き続けるための情報システム) 」を作るなど、女性が自らの能力と就業するこ との意義を自覚し、社会の一員として生涯にわたり活躍することを目指す取組を広範に展開して いる。 学生にコンピテンシーをつけるための教育カリキュラムとして配置しているのが、以下 の①~③の必修カリキュラムと④のインターンシップの取組みである。 ① 基礎学力を向上させる取組(人文科学総合講義、自然科学総合講義、基礎ゼミ) ② 実学的カリキュラム( 「人間を知る」 、 「世界を知る」 、 「社会を知る」 、 「企業を知る」 ) ③ 実践的カリキュラム(新聞制作・発表、事業企画の立案・発表、商品開発・発表) ④ インターンシップ このうち、後期中等教育との連携を図る目的で配置したのが、言語能力や数的処理能力 を向上させるための「人文科学総合講義」 。企業人としての基礎知識の修得を目的として配 置したのが 「産学連携による実学的教育カリキュラム」 。 このカリキュラムは 「人間を知る」 、 「企業を知る」 、 「社会を知る」 、 「世界を知る」の4つの領域に分けて学習し、コンピテン シーの基盤である人間関係形成能力(コミュニケーション能力)や企業の実務・経営知識、 政治・経済等に関する知識、世界情勢に関する時事知識などを年間30回のオムニバス形式 で学ぶことにしている。 実践力を育む取組として配置した「産学連携による実践的教育カリキュラム」は産業界 との連携に基づいて行う商品開発等の取組と、グループワークでの新聞制作・発表、ビジネス 企画の立案・発表を行う取組で構成している。 これらのカリキュラムを支えるのは、産業界で実務に通じている社会人講師や長く社会 人として実務に通じた経験を持つ本学科の専任教員・非常勤教員である。地元金融機関を はじめ大手のファッション企業、旅行代理店、新聞社など産業界各社から社会人講師の派 遣を受けて実施している。とくに地元産業界と連携して毎年1回実施している地元産品の展 示・即売会では、学生が授業で学んだ知識や技術を生かして開発した商品「弁当」を地元企業 が商品化して販売するなど多くの実践的教育の実績を上げている。 これらの職業教育取組の実施体制の中心となるのは「キャリア教育推進委員会」である。同 委員会は、全学的組織である教務委員会、就職委員会、自己点検・評価委員会の3委員会と連 携して取組を推進する。また、これら3委員会は、キャリア教育推進委員会に対し、体系的な 履修計画の下に学習が行われるよう定期的に監査・評価・指導・助言を行う仕組みとなってい る。キャリア教育推進委員会は、履修指導からキャリアアドバイス、産学連携・高等学校との 連携など職業教育に関する具体策を検討するとともに、企画・運営部隊として職業教育を取り 仕切る。 一方、リカレントの場として、聖徳大学・聖徳大学短期大学部では「聖徳大学オープンアカデ ミー(Seitoku University Open Academy=SOA)」を用意して、門戸を開放しており、リカレ ントを希望する本学科の卒業生はSOAを受講することが少なくない。SOAには、本学科で開 講している科目や類縁の科目もあり、学科の専任教員、非常勤教員も講師として加わっている。 学科で学んだ学問の深化を図りたいと考える卒業生や生涯にわたって自己の能力を更新した いと希望する卒業生はSOAの場で手軽にリカレントの機会を得ることができる。 「生涯に わたって自己の能力を更新したい」と希望する卒業生が、大学時代に学んだ学部、学科の 学問とは異なった学問領域を学ぶことも可能で、生涯教育としての職業教育として位置づ 164 聖徳大学短期大学部 けられる。 職業教育の効果の測定・評価の体制は、「キャリア教育推進委員会」の中の「進路総括部会」 で、評価から改善実行に至る検討を行う。また、本取組に関わる評価結果は「キャリア教育推 進委員会」を通じて全学的組織である「教務委員会」「就職委員会」「自己点検・評価委員会」 に報告し、評価や助言を受ける。それに基づき、「キャリア教育推進委員会」で改善策の検討 を重ね、次年度実施へと移る。 具体的な評価手法としては以下の4つを採用している。 ①学生による授業評価…職業教育の終了時に授業評価を実施。 ②学生による自己評価…「コンピテンシー到達度自己評価票」「気づきノート」により、自己 肯定感や就業意欲の向上、コンピテンシーの習得状況を確認・評価する。 ③教員による評価…「キャリアアドバイス部会」が、学生のコンピテンシー到達度の評価とア ドバイスを行い、全体評価の資料とする。 ④外部評価…協定企業及び連携高等学校から1名ずつ外部評価者として委嘱。評価手法の1つで ある学生による自己評価は、年間3回実施し、自律的にキャリア管理を行うシステムとして機能 している。 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する 平成18年度以降の職業教育の推進を通じて、学生には説得力、共感力といった総合的な人間 力の側面では向上効果が見られた(図2) 。しかし、それが必ずしも就業意欲の向上には結びつか ず、現実社会や仕事に関する理解の不足、 「自分の好きなことしかしたくない」といった自己正当 化的な労働観・就業観、 「やりたい仕事がみつからない」といった現実逃避等の傾向を改善するに 至っていない。また、就職率についても、全般的に厳しい社会情勢という背景はあるものの、2 1年度以降むしろ低下傾向にあり、就職率を左右する就業意欲の向上と就職率の向上は、本学科 の直面している喫緊の課題である。 (表1) (図2)全国統一就職模擬試験(START)の結果 (図3)STARTの結果 (表1) 平成18年度 卒業者数 115名 就職希望者数(%) 就職内定者数(%) 85名(69.6%) 62名(77.5%) 平成19年度 97名 平成20年度 101名 74名(73.3%) 64名(86.5%) 70名(69.3%) 54名(77.1%) 平成21年度 80名 58名(72.5%) 38名(65.5%) また、 「人文科学総合講義」など基礎学力を向上させる取組を通じて、学生の学力レベルが 165 聖徳大学短期大学部 上昇していることも確かである(図3) 。しかし、総じて入学時に学力水準の高い学生は顕著 な伸びを示すが、入学時に低レベルの学生は伸び悩むという結果が出ているのも事実である。 従って、伸び悩む学生に対してどのようにフォローしていくか今後の課題である。 「実学的カリキュラム」は、経営・マーケティング、企業・職業、政治・経済といった社会科 学関係の科目が中心で、人文系学科である本学科の学生にとっては取組みにくい高度な内容を含 んでいる。新聞を読む習慣が少ない学生に、そうした高度な内容を理解させるのは極めて難しく、 一般常識を含めた全体的なレベルアップ(底上げ)が課題である。グループワークを中心とする 「実践的カリキュラム」では、学生のグループワークへの参加意識にばらつきがあり、教授する 教員の指導力が求められている。 実学的カリキュラムは、その多くが基礎学力の向上への取組みを除いて、社会人講師や企業の 協力に基づいて実施している。従って、今後長期にわたって授業を継続していくうえでは、企業 の協力が継続的に得られるか否かが課題である。 職業教育を担う教員の問題については、実践的カリキュラム、実学的カリキュラムとも社会 人講師に教育をゆだねている分野が多いが、日ごろ学生と接触することの少ない社会人講師では、 学生の意見や要望を吸収しづらいという問題があることも事実である。とくに実践的教育は、教 員が指導力を発揮するうえでも、教員と学生の日常の接触が重要な要素であり、学生の意見・要 望に即時に対応できる体制作りが求められる。 職業教育の授業評価で重要なことは、学生が職業教育の意味を理解し、社会人・職業人として 自立していくために必要な基盤となる能力や態度をどれだけ習得しているかを適切に判断するこ とである。それには、教員の評価だけでなく、学生の自己評価や第三者の評価も合わせて、でき 得る限り多様な視点、観点で判断する必要がある。とくに、知識だけでなくコミュニケーション 能力や説得力、共感力といったいわば人の内面や態度にまで入り込んだ評価をするには多様な見 方や判断が不可欠である。従来、こうした評価をする場合、多くの大学、短期大学では業者によ る「自己発見」 「自己分析」テストに任せることが一般的であるが、分析的な手法によるこれらの 評価はともすれば画一的になりやすく、必ずしも学生の実態を写すものではい。 さらに重要な問題点は、自己分析の評価結果にとらわれた学生が、結果的に職業選択の視野を 自ら狭めるというケースに陥ることも少なくない状況になっていることである。そもそも、職業 教育による学生評価は、学生を単に類型化するものではなく、本来学生が持っている能力の開発 という視点、観点から臨まなくてはならないものである。もともと、人は多様な能力を有してい るものであり、職業教育は学生の多様な能力を引出し、社会的・職業的自立のために必要な能力 を育むという視点が必要不可欠である。そうした観点からの評価体制を確立することが不可欠で ある。 リカレント教育に関しては、本学科の教員がSOAの場に、それぞれ各自の専門科目を 開講することができれば、学問の深化を図りたいと考える本学科の卒業生にとっては大きなメ リットであると考えられる。とはいえ、学科の教員として通常の学科の授業や学生指導を している専任教員にとっては、SOAでの授業開講は精神的、肉体的負担ともなる。この ため現在、学科の専任教員でSOAに講座を開講しているのは3人にとどまっているのが 実情である(平成24年1月~3月期) 。 就職指導上の課題もある。従来、本学科では正社員としての就職を前提として就職指導に取組 んできたため、社会情勢の変化に伴って、派遣社員や契約社員といった雇用形態が増え、定着化 166 聖徳大学短期大学部 しているにも関わらず、適切に対応してきたとは言い難い状況である。とくに、図書館司書など 特定の職種では派遣社員や契約社員が常態化し、一定数の就職(採用)が見込めるにも関わらず、 適切に対応してこなかったことは就職指導上の問題として自省し、解決すべき課題である。社会 の雇用形態の変化にとどまらず、 社会が求める人材ニーズは絶えず変化するものであることを 前提に、ニーズを汲み取るために、大学と社会との間で常に対話できるシステムを持つこ とも重要な課題である。 (C)自己点検・評価を基に改善計画を記述する 就業意欲を向上させ、就職率の向上に結び付ける「改善計画」の中核となるのが、平成22年 度に5年計画で開始した「実学・実践による女性のコンピテンシー育成」取組の一段の強化であ る。取組強化の中で特に重視しているのが、基礎学力を含めた全体的なレベルアップと理解力の 向上であり、そのための手法として、コーネル式ノートなどを参考に本学科が独自に開発した「気 づきノート」の積極的活用を図る計画である。同ノートは、学習した内容の要旨を簡略化して記 述する欄、講義内容に関するキーワードを記述する欄、講義内容に関して学生が気づいた事柄を 記述する欄、学生の自己評価欄などで構成され、ノートへの記述を通じて学習効果を上げ、授業 内容に対する理解度を高めていく計画である。 コンピテンシーに不可欠の基礎学力の向上については、入学者の基礎学力レベルに格差 があるため、特に数理分野において同一クラスでの授業は事実上困難であり、レベルに応 じたクラス編成(5クラス)とし、すでに改善に取組んでいるところである。また、学生 の職業教育に対する認識が不十分な点に関しては、学科の役割や機能、育成する人材像を 明確にするとともに、 それらを学生や入学志望者に分かりやすく提示していく計画である。 さらに、職業教育を専任教員が担当していく点については、教育するうえで必要な知識、 技能を習得するための取組を検討していく。 長期にわたって職業教育を継続していくための措置として、社会人講師の派遣先となる企業と の協力関係をさらに強固にするほか、必要に応じて社会人講師の中から本学科の教員として採用 することも検討していく。また、経済・社会や雇用環境が変化する中で、学生に求められる能力 や学習分野等が変化することを想定し、社会人講師を柔軟に配置換えできるように産業界との間 で情報交換を密にし合うこととしている。 一方で、専門性と実務性を必ずしも要しない分野の実践的教育では、専任教員が積極的に職業 教育を担当する。一例として、学生のグループワークへの参加意識を高めるための改善策として、 従来、学外のファシリテーターに依頼していた教育指導を、平成24年度から全面的に専任教員 の担当に切り替える。専任教員が担当することによって、より多く学生の意見や要望を円滑に吸 収することが可能になるとみられ、一段の教育効果の向上を図ることができると考えている。 就職指導の面では、キャリア支援室と教員組織間の連絡を密にするとともに、学生への時宜に 即したアドバイスをするために、平成23年度に運用を開始した「持続的就業力支援情報システ ム(女性が生涯働き続けるための情報システム) 」の学生向け就職情報サービスの平成24年度内 の完全運用を目指す。これにより、在学生だけでなく卒業生にも各種就業情報を提供したり、就 職アドバイスをしたりすることが可能になる。また、絶えず変化する雇用形態や環境、社会のニ ーズを効率よく汲み取るための産業界との連携を一段と進めていく計画である。 これらの措置により、就業意欲の判断基準である就職希望者率を現在の60%台後半から平成 167 聖徳大学短期大学部 25年度70%台、平成26年度90%台に、また70%台である就職率を平成25年度80% 台、平成26年度90%台にそれぞれ向上させる計画である。 リカレント教育に関しては、学科教員が毎年少なくとも1講座をSOAに開講し、高ま っているリカレント教育への社会的要請に応えていくことを検討している。授業や学生指 導などに携わる専任教員の負担は少なくないが、通常5~10回の開講回数を1~2回と するなどの工夫も考えられるし、負担の大きい講義方式から、比較的負担の少ない演習方 式に切り替えることも授業内容によっては可能である。また、1年3期の全てに開講が困 難な場合、1期だけの開講にするなど可能な限りの工夫・改善をしてリカレント教育への 要請に応えていく計画である。 評価体制については、本学科の教員以外の第三者を加えた委員会を設置し、提携している高等 学校や企業に評価委員を委嘱して、本教育システム自体のあり方及びその教育効果について客観 的な評価を依頼する。そのうえで、本教育システムのさらなる改善につなげていく。 具体的には、学生の自己評価、教員の評価、第3者の評価を総合した新しい評価方法の確立を 目指す計画である。評価の基本的な考え方は、業者のテストなどを使った評価とは異なり、学生 を類型化することではなく、学生の多様な能力を引出し、社会的・職業的自立のために必要な能 力を育むという視点に基づいて行っていくこととしている。 ■以下の基準(1)~(6)について自己点検・評価の概要を記述する。 基準(1)短期大学における職業教育の役割・機能、分担 本学科で展開している体系的職業教育体系「実学・実践による女性のコンピテンシー育成」の 推進に当たって全体を総括するのは「キャリア教育推進委員会」である。同委員会は、平成18 年度に「人間力を養成するユニット別キャリア教育」で本学科が「現代的教育ニーズ取組支援 プログラム」の認定を受けるのに先立って設立した。同委員会は、全学的組織である教務委員 会、就職委員会、自己点検・評価委員会の3委員会と連携して取組を推進する。また、これら 3委員会は、キャリア教育推進委員会に対し、体系的な履修計画の下に学習が行われるよう定 期的に監査・評価・指導・助言を行う仕組みとなっている。 キャリア教育推進委員会は、総合文化学科長を委員長とし、学科の専任教員及びキャリア支 援室職員、教務課職員をもって構成する。また、同委員会は従来、傘下に「基礎学力強化部会」、 「基礎技能育成部会」、「ビジネス研究部会」、「進路総括部会」、「キャリアアドバイス部 会」、「履修指導部会」の6部会がある。これら6部会に本学科の全教員が配置され、企画立 案、運営、進捗管理、経費管理、履修指導、学生に対する相談・指導・助言等、取組全体の審 議・決定・実践・評価をする。 168 聖徳大学短期大学部 6部会以下の構成は、総合文化学科の教員とキャリア支援室、教務課の職員が担当する。6 部会のうち5部会で、取組遂行・支援のための各種プログラムを実践し、他の1部会(進路総 括部会)が評価活動を行う。全体の組織図を下記【図4】に示す 【図4】 教材開発 基礎学力強化部会 教科担当 基礎ゼミ 教務委員会 パソコン 基礎技能育成部会 ウェブ壁新聞 学長 就職委員会 キャリア教育 推進委員会 ビジネス研究部会 ビジネス社会 委員長 学科長 副委員長 学科長補佐 キャリア支援室長 委員 各部会長 自己点検・評価委員会 キャリア支援室 社会科学 教務課 就職状況調査 進路総括部会 アンケート 自己点検・評価 キャリアアドバイス部会 キャリア助言・指導・相談 履修指導部会 こうした職業教育体制のもとに推進している体系的職業教育体系「実学・実践による女性のコ ンピテンシー育成」取組は、教育については教員組織が、教育支援についてはキャリア支援室及 び教務課がそれぞれ担当し、産業界・高等学校とのキャリア教育連携については、教員組織が窓 口となり全学を挙げて取組むなどその役割・機能、分担を明確に定めている。 また、卒業生に各種就業情報を提供する「持続的就業力支援情報システム(女性が生涯働き続 けるための情報システム) 」は、教員組織およびキャリア支援室が連携して役割を分担、学生への 就業情報の連絡や学生からの個別相談に当たっている。 基準(2)職業教育と後期中等教育との円滑な接続を図っている。 職業との関連性を重視した実学的な教育に取組んでいる本学科の教育体系はもともと、 4年制大学以上に後期中等教育との関連性が強い。そうした認識に立って、本学科では従 来から「基礎学力の向上」と「実践力育成」の二つの側面で後期中等教育との円滑な接続 に力を入れている。 まず、基礎学力向上の側面では、学生が義務教育及び後期中等教育で習得した知識、能 力を確認・発展させることを狙いに、専門科目とは別個に人文科学総合講義、自然科学総 合講義、英語、基礎ゼミⅠ(数学など非言語・論理的思考力の向上を目指す科目を網羅) 、 基礎ゼミⅡ(文章表現力など言語表現力の向上を目指す科目を網羅)の各科目を必修科目 に設定している。後期中等教育で未習得であったり不完全習得であったりした学生の再教 育と発展的展開教育を実施し、就業に必要な基礎学力の向上に結びつけている。 「人文科学総合講義」などの基礎学力向上の取組みでは、入学生の学力レベルの低下、学習 意欲の低下が進む中で、いかに学力を上げるかが大きな課題である。本学科では、入学時 に基礎学力テストを行い、学力に応じたクラス編成をしたうえで、学生一人ひとりの基礎 169 聖徳大学短期大学部 学力レベルを上げるよう取組んでいる。学力評価に用いるのは、学内テストのほかSPIテ スト、全国統一就職模擬試験(START)などであり、平成18年度以降、いずれも基礎学 力の着実な向上が認められた。例えば、22年度入学者の中で人文科学総合講義のなかの「S PI受講者クラス」を対象に実施したSPIテストの結果では次のような結果(全国偏差値レ ベル)が得られた(表2)。 (表2) 【平成22年7月実施】 ・75(偏差値)以上 ・70~74 ・65~69 ・60~64 ・55~59 ・50~54 ・45~49 ・40~44 ・39以下 0人 0人 2人 4人 6人 4人 4人 1人 0人 【平成23年2月実施】 ・75(偏差値)以上 ・70~74 ・65~69 ・60~64 ・55~59 ・50~54 ・45~49 ・40~44 ・39以下 1人 1人 3人 3人 5人 3人 4人 1人 0人 一方、学力の向上を就業に結び付ける取組では、県内の高等学校(市立松戸高校)とキャ リア教育連携協定を締結、就業力育成を図るための相互交流の取組を進めている。具体的には、 ①本学学生が連携校に出向き、学んだ知識を生かして生徒の進路相談やキャリア形成相談等に当 たり、説明、指導、アドバイス等を行う②本学のキャリア教育授業に連携校の生徒が参加する③ 企業関係者を招いたキャリア特別講座へ連携校の生徒が参加する―などの取組を実施している。 基準(3)職業教育の内容と実施体制が確立している。 1:職業教育の内容 本学科の職業教育「実学・実践による女性のコンピテンシー育成」の特徴は、産業界で用いら れているコンピテンシーの要素を分析して女子短大生の就業に際して不可欠と思われる事項を抜 き出し、それを達成することを要件として組み立てたことにある。具体的には、 「実学的教育カリ キュラム」によって仕事とその実態への理解を育み、 「実践的教育カリキュラム」によって仕事の 遂行や対人活動、チームワークなどに関する事項の理解を進める。また、教職員によるコーチン グスキルを利用したキャリアアドバイス体制の構築、履修指導体制の充実によって、学生のコン ピテンシーの習得を支援する。一方、学生は「コンピテンシー到達度自己評価」や「気づきノー ト」の作成を通じて、自らコンピテンシーの到達度を確認し、自律的に「自己キャリア管理」を 行う。教員は全員が学生に対するキャリアアドバイスを行えるよう研修プログラム(FD)を受 講する。また、卒業生が離職しても再び就業しようとする活動を支援するために「持続的就業力 支援情報システム(女性が生涯働き続けるための情報システム) 」を構築し、卒業生に各種就業情 報を提供する。さらに、高等学校生徒にキャリア育成に関わる授業を公開し、本学キャリア教育 の“公”化を図ることにしている。 具体的な職業教育の中身は、必修科目として配置している以下の①~③のカリキュラム と、選択による④のインターンシップで構成している。 ① 基礎学力を向上させるカリキュラム(人文科学総合講義、自然科学総合講義、基礎ゼ ミⅠ・Ⅱ) ② 「実学的カリキュラム( 「人間を知る」 、 「企業を知る」 、 「社会を知る」 、 「世界を知る」 ) 【表3】 170 聖徳大学短期大学部 ③ 実践的カリキュラム(新聞制作・発表、事業企画の立案・発表、商品開発・発表) 【表4】 ④ インターンシップ 「基礎学力を向上させる取組」では、人文科学総合講義で言語能力を、自然科学総合講 義で数理処理能力を、基礎ゼミで一般常識を習得・向上させることを狙いにそれぞれ年間 30コマを配置している。 「実学的カリキュラム」は、コミュニケーション能力(人間関係形成能力)に関する科 目、企業・経営に関する知識に関する科目、政治・経済等に関する科目、世界情勢に関す る科目-等を配置、幅広い職業人として求められる知識を習得できるようにしている。担当す る教員は、現役の社会人として実務経験豊富な社会人講師及び社会人として長年実務に携わっ た経験を持つ教員(専任教員及び非常勤教員)とし、年間30回のオムニバス形式で授業を進 めている。 「実践的教育カリキュラム」は、ブループワークでの新聞制作、事業企画の立案・発表を行 う取組と、商品開発等産業界との連携に基づいて行う取組で構成している。このうち、連携企 業である千葉興業銀行と共に実施している地産地消プロジェクト(正式名称は「千産千商プロ ジェクト」 )では、学生が授業で学んだ知識や技術を生かして開発した商品を地元企業と連携し て商品化した。 「インターンシップ」は、産学連携協定を結んでいる千葉興業銀行及びその他協力企業に、 本学科学生の受け入れを依頼し、毎年夏季休暇中に実施している。 【表3】 実学的カリキュラム(独立方式) 科目名:キャリア実務教養(1年、2年次開講) 月 週 講義内容 コンピテンシー 月 週 講義内容 の意味 4 2 導入 人間関係形成 9 4 社会を知る 3 人間を知る 人間関係形成 10 1 社会を知る 4 人間を知る 人間関係形成 2 社会を知る 5 2 人間を知る 人間関係形成 3 社会を知る 3 人間を知る 人間関係形成 4 社会を知る 4 人間を知る 人間関係形成 11 2 社会を知る 5 人間を知る 人間関係形成 3 社会を知る 6 1 人間を知る 人間関係形成 4 社会を知る 2 企業を知る 仕事の理解 5 世界を知る 3 企業を知る 仕事の理解 12 1 世界を知る 4 企業を知る 仕事の理解 2 世界を知る 7 1 企業を知る 仕事の理解 3 世界を知る 2 企業を知る 仕事の理解 1 2 世界を知る 3 企業を知る 仕事の理解 3 世界を知る 4 企業を知る 仕事の理解 4 世界を知る コンピテンシーの 意味 経済社会の理解 経済社会の理解 経済社会の理解 経済社会の理解 経済社会の理解 経済社会の理解 経済社会の理解 経済社会の理解 世界動向の理解 世界動向の理解 世界動向の理解 世界動向の理解 世界動向の理解 世界動向の理解 世界動向の理解 「実学・実践による女性のコンピテンシー育成」事業に関わる平成 22 年度及び平成 23 年度の 主な取組は次の通りであった。 ① 後期中等教育との円滑な接続を図る基礎学力向上のための人文科学総合講義(科目 名)を実施。 ② 実践的取組として、連携先の千葉興業銀行で学生がインターンシップを体験。 ③ 実践的取組として、千葉興業銀行と連携して、同行主催の「千産千商事業」に協賛、 千葉県産の食材を利用した料理7品目のレシピ開発と調理、お菓子 6 品目の製作及 171 聖徳大学短期大学部 び出展企業のポスター制作を実施。 ④ 高大連携のキャリア教育事業として、グループワーク授業「壁新聞制作」のコンペ ティション及び「魅力あるレストラン」のプレゼンテーションに、高等学校の生徒 及び高等学校の進路指導担当教員が参加。 ⑤ 教職員によるコーチングスキルを利用したキャリアアドバイス体制の構築を図るため、学 科教員が2日間にわたりコーチング技術、パフォーマンス技術の講習を受講。 ⑥ 学生及び卒業生に各種の就職情報を提供するとともに、教員がアドバイスするための「持 続的就業力支援情報システム(女性が生涯働き続けるための情報システム) 」を構築。 ⑦ 実学的・実践的カリキュラムとして配置した「キャリアスタディⅠ(実学的カリキ ュラム) 」 (科目名) 「キャリアスタディⅡ(実践的カリキュラム) 」 (〃)を実施。 【表4】 実践的カリキュラム(組み込み方式) 科目名:キャリア実践演習(1年、2年次開講) 実施時期 実施方法 内容 コンピテンシーの意味 2月2週~4週 協定企業等で実施 インターンシップ体験 実践力の育成 4月2週~5月3週 実践的プログラムの展開 5月4週~6月4週 産学共同プロジェクトⅠ(準備) 実践力の育 正課授業での演習 方法策定等のアイデア創出 7月1週~3週 計画、立案、打合せ等、企業側との折衝 企画力の育成 7月4週 協力企業等で実施 産学共同プロジェクトⅠ(参加) 実践力の育成 9月4週 全体 報告会 実践力の育成 10月1週~10月3週 実践的プログラムの展開 実践力の育成 10月4週~11月3週 産学共同プロジェクトⅡ(準備)方法策定等のアイ 実践力の育成 正課授業での演習 デア創出 企画力の育成 計画力の育成 11月4週~12月2週 計画、立案、打合せ等、企業側との折衝 企画力の育成 計画力の育成 1月2週~3週 協力企業等で実施 産学共同プロジェクトⅡ(参加) 実践力の育成 1月4週 全体 報告会 実践力の育成 2:実施体制 これらの職業教育取組の実施体制の中心となるのは「キャリア教育推進委員会」である。同 委員会は、全学的組織である教務委員会、就職委員会、自己点検・評価委員会の3委員会と連 携して取組を推進する。また、これら3委員会は、キャリア教育推進委員会に対し、体系的な 履修計画の下に学習が行われるよう定期的に監査・評価・指導・助言を行う仕組みとなってい る。 さらに、キャリア教育推進委員会は、総合文化学科長を委員長とし、学科の専任教員及びキ ャリア支援室職員、教務課職員をもって構成する。また、同委員会は傘下に「基礎学力強化部 会」、「基礎技能育成部会」、「ビジネス研究部会」、「進路総括部会」、「キャリアアドバ イス部会」、「履修指導部会」の6部会を設置する。これら6部会に本学科の全教員が配置さ れ、企画立案、運営、進捗管理、経費管理、履修指導、学生に対する相談・指導・助言等、取 組全体の審議・決定・実践・評価をする体制となっている。 職業教育の実施体制の概念図を以下に示す(図5)。 172 聖徳大学短期大学部 (図5) 履修指導、キャリアアドバイス (教職員) 卒業生 張 出 義 講 連携先高等学校 助言 指導 学生 学生 就業力支援 コンピテンシー到達度 自己評価、気づきノート 実学的カリキュラム (講義) 実践的カリキュラム (演習) 講師招聘 連携・協力先 地域企業・NPO インターンシップ、 事業協力 基準(4)学び直し(リカレント)の場としての門戸を開いている。 聖徳大学・聖徳大学短期大学部ではリカレントの場として、聖徳大学オープンアカデミー (Seitoku University Open Academy=SOA)を用意して、門戸を開放しており、リカレントを 希望する本学科の卒業生はSOAを受講することが多い。 SOAは年間を3期に分けて開講し、1講座当たり5~10回のコマ数が授業体系となってい る。開講されている学問領域は、教育・心理、文学・歴史、生活・社会、資格・情報、芸術・文 化、健康・スポーツ、語学、キッチンの9分野である。このほか、一日だけの講座や、特設講座 などもあり、講座(科目)の総数は176(平成24年1月~3月開講分)となっている。受講 生は一般市民が大半で、受講者の増加に伴って科目数、コマ数とも毎年、増えている。本学科で 開講している科目や類縁の科目もあり、学科の専任教員、非常勤教員も講師として加わっている。 学科で学んだ学問の深化を図りたいと考える卒業生や生涯にわたって自己の能力を更新し たいと希望する卒業生はSOAの場で手軽にリカレントの機会を得ることができる。 「生涯 にわたって自己の能力を更新したい」と希望する卒業生が、大学時代に学んだ学部、学科 の学問とは異なった学問領域を学ぶことも可能で、生涯教育としての職業教育として位置 づけられる。 講座には卒業生以外の一般社会人の参加が多く、卒業生にとっては学生とともに学ぶリ カレント教育よりも、気軽に学習できるとうメリットもある。 基準(5)職業教育を担う教員の資質(実務経験)向上に努めている。 本学科の職業教育を担当しているのは、人文科学総合講義、基礎ゼミの担当教員を除いて大半 が現役の実務に携わっている社会人講師、もしくは長く社会人として実務に携わってきた実務経 験豊かな専任教員及び非常勤教員である。実践的カリキュラムも同様に、担当する教員は社会人 講師、及び実務経験豊かな専任教員、非常勤教員である。いずれも卓越した実務経験を持つ教員 であり、最新の実務の知識や経験を職業教育に反映させている。 実学的カリキュラムの教育内容と社会人講師は次の通り(表5)。 173 聖徳大学短期大学部 (表5) 科目名 人間を知る 企業を知る 社会を知る 内容領域 ・ビジネスマナー ・ビジネス・コミュニケー ション ・企業実務 ・労働・雇用 ・仕事の内容 ・経済と暮らし ・貿易・通商 ・時事問題 世界を知る 授業内容 世界のマナ―、礼儀 ビジネスマナー 対人コミュニケーション 企業の仕事、経理・営業・販売の仕 事、銀行の仕事、 企業研究 国家の予算と経済 公共事業と経済 マーケッティング ・世界の政治 ・世界の経済 ・世界の環境問題 社会人講師(企業) マナー・プロトコール協会 千葉興業銀行 オンワード樫山 近畿日本ツーリスト 読売新聞 朝日新聞 社会人講師による職業教育の場には、専任教員が必ず出席し、参観することを本学科では義務 付けている。これは、社会人講師の授業を参観すること自体が、教員のFD(教員研修)である という考えに基づくもので、社会人講師の豊富な知識や技能に触れることで、専任教員自体の職 業教育に対する理解を深めることにつながっている。また本学科では、職業教育は、 「職業教育」 という枠の中だけでなされるものではなく、 「専門学問領域を含めた短期大学の全カリキュラムの 中で行われるべきものである」と位置づけており、専任教員が社会人講師による職業教育を参観 することは、教員が自らの専門学問領域を教授する際や、学生指導をする際の職業教育への言及 効果等を期待したものでもある。 さらに、職業教育を進めるに当たっては、学生一人ひとりの目標を教員が聞き出しながら助 言するなどの取組みが重要であるとの判断から、職業教育に当たる専任教員全員が実務と しての「コーチング技術」のFDを受け、その技法の修得を目指すなど教員の資質向上に 努めている。実学的カリキュラムは社会人講師による授業を基本とし、専任教員が管理し ていく体制をとった。実践的カリキュラムは、社会人講師による授業と、専任教員の授業 の中に実践的要素を加えていく授業の二本立て体制となっている。社会人講師による授業 である場合には、専任教員が授業に出席して管理していく体制をとっている 基準(6)職業教育の効果を測定・評価し、改善に取組んでいる。 職業教育の効果の測定・評価については「キャリア教育推進委員会」の「進路総括部会」を 中心に、提携先の産業界及び高等学校からの参加も得て行う体制となっている。評価結果は「キ ャリア教育推進委員会」を通じて全学的組織である「教務委員会」「就職委員会」「自己点検・ 評価委員会」に報告し評価や助言を受ける。それに基づき、「キャリア教育推進委員会」で改 善策の検討を重ね、次年度実施へと移る。評価測定手法の内容は以下の通りである。 ①学生による授業評価…職業教育の終了時に授業評価を実施。 ②学生による自己評価…「コンピテンシー到達度自己評価票」「気づきノート」により、自己 肯定感や就業意欲の向上、コンピテンシーの習得状況を確認・評価する。 ③教員による評価…学生のコンピテンシー到達度の評価とアドバイスを行い、全体評価の資料 とする。 ⑤ 外部評価…協定企業及び連携高等学校から1名ずつ外部評価者として委嘱。職業教育に対す る評価を得て、改善に取組む。 平成18年度に職業教育をスタートして以降、学生による授業評価は半期ごとに実施してき 174 聖徳大学短期大学部 たが、23年度から学生による自己評価、教員による評価、外部評価が加わった。このうち、 学生による自己評価(コンピテンシー自己到達度評価)は半期ごとに実施、外部評価は年度末 に実施する。また、気づきノートを利用した自己評価は、毎回の授業ごとに実施し、教員が閲 覧・評価のうえ学生に返却する。これにより、授業効果の評価判断が各授業ごとに下されるよ うになり、学生の学習効果の向上やコンピテンシー向上への助言などに活用できる仕組みとな っている。 本学科では、平成18年度以降「人間力の養成」を目的としたキャリア教育に積極的に 取組み、平成21年度からは就業力の源を「コンピテンシー」ととらえ、その能力を育成する ための実学的・実践的教育体系を構築したが、これらは学生の授業評価や教員評価を踏まえてキ ャリア教育推進委員会で検討を重ね、改善策として打ち出したものである。 Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)に至る一連の PDCA サイク ルの概念図は以下の通り(図6)である。 (図6) 報告 教務委員会 報告 実施 点検 外部評価 評価 評価 キャリア教育 推進委員会 就職委員会 自己点検・ 評価委員会 企画立案 各部会 進路総括部会 改善指導 評価・助言 報告 授業評価 各教員 改善指導 175 評価 企業 高等学校 学生 自己評価 様式12―地域貢献 聖徳大学短期大学部 選択的評価基準 3.地域貢献の取組について (a)自己点検・評価を基に現状を記述する。 1)聖徳大学オープン・アカデミー(SOA) 本学では、社会人の教養を高め、文化の向上に資するために、 「聖徳大学オープン・アカ デミー」 (SOA ソア)を開講して各種の教育サービスに努めている。各種の教育サービ ス活動の計画を、前年度の実績を踏まえて立案しており、その詳細は各種のメディアによ って周知している(P) 。その教育サービス活動は立案された計画に基づき適切に実施して いる(D) 。活動の終了後は各種の調査を行い、参加数、参加者の満足度などからみて活動 の成果が十分に上がっていることを確認し、その上であらためて計画の履行状況を検証し ている(C) 。その次年度に、日程、講座数、講座内容などにおいて、さらなる改善のため の取り組みを行っている(A) 。従って、PDCAに基づいて地域社会のニーズに相応しい 公開サービス活動を行っている。 2)高校への出前授業 保育科、総合文化学科共に、進学希望の高校生に大学についての理解を深めてもらうた めに、本学科の教員が高校に訪問して出前授業を実施している。各高校の出前授業の要望 を原則として全て受け入れている。保育科、総合文化学科共に、教員は多忙な校務を抱え ながらも、高校生のキャリアデザイン形成、大学理解の一助となればとの思いから積極的 に取り組んでいる。 3)職員研修への協力を通じての松戸市との交流 短期大学部が所在する松戸市では、市立保育所に勤務する保育所職員を対象に「保育課 職員研修実施計画」に基づいて職員研修を実施している。短期大学部保育科及び大学児童 学部等の教員が、松戸市の「職員研修実施計画」に基づき、毎年、保育所職員の研修に講 師、指導者として参加している。 4)総合文化学科と地域の「共生関係」を基本的考えとする教育的交流活動 総合文化学科では、大学で学び獲得された知識が社会に伝達され、応用されていくこと が、研究、教育と並ぶ大学教育の重要な機能の一つであり、かつ伝達・応用の過程を通じ て学生が就業力の源であるコンピテンシー(仕事力)を育むことができるという考えを基 調としている。このような考えを基に、平成 22 年度に文部科学省の「就業力育成支援事業」 の採択を受けて以来、地域貢献(社会貢献)の取組を授業カリキュラムの中に位置づけて 積極的に取り組んでいる。 本取組では、千葉県の産業界が行う「千産千商見本市」に本学科学生が参画し、授業で 学んだ知識や技術を生かして料理やお菓子の制作・販売、企業のポスター、商品パンフレ ットの制作などの実践的な取組を行っている。さらに、千葉県内の企業である「株式会社 万葉軒」と連携して、本学科学生が制作した料理レシピを万葉軒が商品化して千産千商見 本市の場で販売も行った。 5)短期大学部保育科教員による東日本大震災被災地の子どもと保育者への支援 東日本大震災後に、短期大学部保育科では保育科教員有志により「保育科東日本大震災 支援プロジェクト」を立ち上げ、平成 23 年度は延べ 9 つの幼稚園、保育所、児童福祉施設 で保育活動によるボランティアを実施することができ、先方施設から大変感謝された。 176 聖徳大学短期大学部 (b)自己点検・評価を基に課題を記述する。 1)聖徳大学オープン・アカデミー(SOA) SOAのどの事業もPDCAサイクルに基づいて毎年実施しており、課題は特に見当た らない。ただし、SOAの中心事業であるSOA公開講座については、2011 年度は受講者 目標を下回り、前年度の受講者 6903 名に対して 2011 年度は 6515 名であった。 2)高校への出前授業 教員の積極的なボランティア精神に支えられて実施しており、 課題は特に見当たらない。 ただし、出前授業を行った教員自身は自己評価をして次回の出前授業に臨んでいるが、教 員全体での意見交換等の機会はこれまで設けられていない。 3)職員研修への協力を通じての松戸市との交流 松戸市の保育所職員の資質向上、 専門性の向上を目的として、 多様な職員研修に応じて、 短期大学部保育科及び大学児童学部等の教員がそれぞれの専門的な立場から支援・指導を 行っており、課題は特に見当たらない。職員研修のニーズを十分に満たしていると判断で きる。 4)総合文化学科と地域の「共生関係」を基本的考えとする教育的交流活動 総合文化学科の地域貢献は、単なる貢献にとどまらず、学生教育という観点に立って進 めているものであり、その意味で本取組が地域社会から厚い信頼を受け支援され続けるこ とが必要不可欠である。そのためには、既存の協力提携企業との協力関係を継続するとと もに、連携企業をさらに増やして、学科の教員・学生と企業との共同研究の実施や商品の 共同開発などを進めていくことが課題である。 5)短期大学部保育科教員による東日本大震災被災地の子どもと保育者への支援 有志によるボランティアとして始めた活動であるが、被災地の幼稚園、保育所から大変 感謝されている。有志の取り組みから保育科全体としての取り組みの方向へと進めてきた が、今後はさらに体制を整えて組織的な活動として展開していくことが望まれる。 (c)自己点検・評価を基に改善計画を記述する。 1)聖徳大学オープン・アカデミー 毎期実施しているSOA受講者への満足度調査結果を生涯学習委員会に諮り、希望講座 の開設等、受講生の意見を講座の改善に反映させている。また、SOA協力者会議を年 2 回開催し、外部有識者に講座企画に対する意見を聴取し、講座運営に反映させている。そ の結果、平成 24 年度第Ⅰ期SOA講座として、4 つの特設講座、28 の公開講座を開設する ことになった。 2)出前授業 出前授業にPDCAサイクルを取り入れ、半期に 1 度、出前授業を行った教員で意見交 換会を開催し、各教員の意見を出前授業に反映する。 3)職員研修への協力を通じての松戸市との交流 毎年 3 月に、松戸市役所職員が次年度の「保育課 職員研修実施計画」を携えて本学教 員と打ち合わせを行っている。平成 24 年度の研修計画では、学部、短期大学部 3 名の教員 が研修指導をすることがすでに決定している。計画的に研修を実施しており、本学も今後 も協力を惜しまない所存である。 177 聖徳大学短期大学部 4)総合文化学科と地域の「共生関係」を基本的考えとする教育的交流活動 現在、協力連携を希望する企業 1 社と連携協定締結を前提に交渉を進めているところで ある。平成 24 年度前期には協定を締結し、後期には産学共同開発による商品(洋菓子)を 開発し、本学科の学生が企画した商品として地元企業から販売する予定である。 5)短期大学部保育科教員による東日本大震災被災地の子どもと保育者への支援 短期大学部保育科では、 保育科教員で構成する 14 のプロジェクトチームがある。 例えば、 その中には「基礎ゼミプロジェクト」や「学生募集プロジェクト」などがあり、計画的な 活動を行っている。平成 24 年度は、 「東日本大震災支援プロジェクト」を新たに加え、さ らに組織的なボランティア活動を進めていく予定である。 ■ 以下の基準(1)~(3)について自己点検・評価の概要を記述する。 基準(1)地域社会に向けた公開講座、生涯学習授業、正規授業の解放等を実施している。 1.聖徳大学オープン・アカデミー(SOA) 1)目的及び内容 聖徳大学短期大学部学則は、その第 16 章「公開講座」第 67 条において、 「社会人の教養 を高め、文化の向上に資するため、本学に公開講座を開設することができる」と定めてい る。本学では、これに基づいて大学教育の公開サービス活動を展開している。その中核と なっているのが、 「聖徳大学オープン・アカデミー」 (SOA ソア)である。 「聖徳大学オ ープン・アカデミー規程」第 3 条には、その事業内容として(1)公開講座、英会話講座、 課外講座、 (2)SEITOKU夏期保育大学、各種セミナー等、 (3)図書館司書、司書 補講習、その他各種検定試験、 (4)その他SOA事業に関することと定められている。 2)実施体制 SOAは、平成 4 年 4 月に開設、平成 13 年 4 月には学内規程を整備し、上記の「聖徳 大学オープン・アカデミー規程」をはじめ、すでに規定されていた「協力者会議規程」を 改正、さらに「外部講師採用基準」 「公開講座修了者に関する取扱要領」を新たに制定した。 公開サービス活動の企画・立案・運営にあたっては生涯学習委員会などの教職員を主要 な構成員とする委員会が組織的に監理し、また運営の実際にあたっては生涯学習課などが 支援体制をとっている。なお、その開催にあたっては、詳細をホームページ (http://www.seitoku.jp/soa/koukai/)で案内しているほか、パンフレットを関係機関を 通して配布するなどの広報活動を展開している。 SOAの中心事業であるSOA公開講座については、その開講数及び受講者数は開設時 10 講座、延べ 273 名であったが、平成 14 年の 10 周年では約 70 講座、延べ 1,000 名を越 え、平成 23 年度にまでに通算 58 期開講し、延べで 68500 人以上が受講している。 3)具体的な公開サービス活動 ○SOA公開講座 社会人を対象とする公開講座である。SOA公開講座の実施については、毎年、生涯学 習委員会において、前年度の実績を踏まえて講座や担当講師、それに日程等を内容とする 計画案を決定し、公表している。年間を第Ⅰ期(春期:4 月~7 月) 、第Ⅱ期(秋期:9 月 ~12 月) 、第Ⅲ期(冬期:1 月~3 月)の 3 期にわけて開講する。なお、受講生の確保にあ 178 聖徳大学短期大学部 たっては、前年度の満足度調査を踏まえ、次年度の受講者目標数を出している。SOA会 員(会員は優先継続申込制を適用)への案内状送付、近隣地域への新聞折込広告、近隣施 設へのチラシ広告の配布、地域紙への掲載、ホームページ(前掲)への提出などの広報活 動を展開している。 平成 23 年度、22 年度、21 年度の 3 ヶ年の実績は以下の通りである。 受講者目標 受講者数 開講講座数 平成 21 年度 6,300 6,627 481 平成 22 年度 6,600 6,903 526 平成 23 年度 7,000 6,515 503 ○教員免許更新講習 教員養成課程を有する短期大学として、学部とともに、現職教員の教員免許の更新に資 するため、文部科学省の要請により教員免許更新講習を開設し、制度が制定された平成 21 年度の前年の試行講習より参画している。本学では、教員免許更新講習委員会が、講習に 関する企画、運営について審議し、実施に当たっている。文部科学省の様式による受講者 評価により満足度調査を実施し、その様式に本学独自の自由記述欄を設け、受講生の要望 把握に努めており、受講者目標数を出している。同委員会では、受講対象校への受講案内 の送付、千葉県教育委員会経由での県内対象校への受講案内配布、本学ホームページ(前 掲)への掲載などの広報活動を展開している。 平成 23 年度、22 年度、21 年度の 3 ヶ年の実績は以下の通りである。 受講者目標 受講者数 平成 21 年度 1,000 896 平成 22 年度 1,320 1、234 平成 23 年度 1,320 1、986 ○夏期保育大学 昭和 43 年に始まり、平成 23 年度で第 43 回を迎えた。幼稚園教諭や保育所保育士など、 保育関係者を対象とする公開講座である。短期大学部保育科及び学部児童学部の教員を中 心とした委員会を設置し、講座内容、講師、日程などの企画、立案、さらに実施体制など について審議している。受講者へのアンケートを基に、次年度の受講者数目標を定めてい る。関東を中心とした地域への幼稚園、保育所へのハガキ、リーフレット送付、学内ニュ ースへの掲載、ホームページ(前掲)への提出などの広報活動を展開している。 平成 23 年度、22 年度、21 年度の 3 ヶ年の実績は以下の通りである。 受講者目標 受講者数 平成 21 年度 600 684 平成 22 年度 750 577 平成 23 年度 600 505 ○免許法認定公開講座 短期大学部は学部とともに教員養成課程を有する大学として、現職教員の免許状上進、 隣接校種免許状、栄養教諭免許状、特別支援学校教諭の免許状取得の支援として、文部科 学省への申請、認定を得て免許状認定公開講座を開設している。生涯教育課が、講座に関 する企画、運営を行っている。講座実施後にアンケート結果を検討し、受講生の意見を次 年度に反映させている。関東を中心とした地域への幼稚園、小学校へリーフレット送付、 学内ニュースへの掲載、ホームページ(前掲)への提出などの広報活動を展開している。 平成 23 年度、22 年度、21 年度の 3 ヶ年の実績は以下の通りである。 受講者目標 平成 21 年度 1,223 平成 22 年度 1,000 179 平成 23 年度 930 聖徳大学短期大学部 受講者数 955 882 1,037 ○司書・司書補講習 司書・司書補講習は、文部科学大臣の委嘱を受け、図書館法に基づき開講している。司 書科目担当教員(短期大学部総合文化学科及び学部の教員)による委員会を設け、司書講 習、司書補講習の企画、立案、実施について検討している。文部科学省への申請、委嘱を 経て、司書講習は 7 月下旬より約 2 ヶ月間、司書補講習は 8 月上旬より約 1 ヶ月間開講し ている。関東を中心とした地域の図書館へ受講案内及びポスターの送付、ホームページ(前 掲)への提出などの広報活動を展開し、受講生を確保している。また、当講習は厚生労働 大臣指定教育訓練講座ともなっており、資格を満たすことにより受講料の一部が補助され る。募集定員は司書講習 100 名、司書補講習 50 名で、例年定員をほぼ満たしている。なお、 司書・司書補講習では、満足度調査は行っていない。 ○介護技術講習 介護技術講習は、介護福祉士国家試験を受験する際、この講習の受講終了により実地試 験が免除となる。担当教員による委員会を設け、計画を策定、日本介護福祉士養成施設協 会への申請、指定を経て例年 6 月、7 月の 2 回実施している。日本介護福祉士養成施設協 会からは各施設へ講習会開設機関の一覧が発送され、周知が図られている。平成 23 年度の 募集定員は、2 回で合計 80 名である。第1回(5 月)に受講者 11 名(修了者 11 名) 、第2 回(6 月)に受講者 26 名(修了者 17 名)であり、受講者の合計は 37 名、修了者の合計は 28 名であった。なお、司書・司書補講習においては、満足度調査は行っていない。 4)SOAの優れている点 ①SOA (SeitokuOpenAcademy) を中心として多種多様な大学開放事業を広汎に展開し、 多くの参加者を得ている。 ②地域の生涯学習拠点として、高い満足度を得ている。 ③前年度の実績を検証し、当該年度の活動に活かしており、地域のニーズに応えている。 基準(2)地域社会の行政、商工業、教育機関及び文化団体等と交流活動を行っている。 1.出前授業 短期大学部では、全国の高校に大学授業の出前をしている。 1)目的及び内容 進学希望の高校生に、 「大学って言うけれど、いったい何を学ぶところなんだろう?」 「どんな先生がいて、どんな授業をしているんだろう?」 「進学する前にちょっと体験して みたいな・・・!」 ( 「2011 出前授業」パンフレットより)といった高校生の疑問に答え るために、短期大学部の教員が高校に赴き、高校生に大学の模擬授業を行うものである。 さらに高校生一人一人の進路への相談等にも応じている。授業については、各学科の代表 的な授業を高校生向けに用意している。 2)実施体制 各学科の学科長、専任教員、聖徳大学入学センターとの連携のもとに実施している。 2011 年度については、2066 校の高校に本学の「2011 出前授業」のパンフレットを郵送 している。各高校はパンフレットの授業案内を参考にして「出前授業申込書」を本学へF AX送信する。高校の要望を各学科の学科長に伝え、学科長が各教員に出前授業を要請す 180 聖徳大学短期大学部 る。なお、出前授業後、受講生徒の感想・アンケート結果などを入学センターへ郵送して くれる高校もあり、今後の参考にしている。 3)実施状況 ●2009 年度 保育科(24 校) [高校名] 館山総合高校。取手第二高校。 県立松戸高校。忍岡高校。柏陸高校。友部高校。潮来 高校。船橋芝山高校。鷲宮高校。西武台千葉高校。柏 中央高校。松戸南高校。目黒高校。第四商業高校。青 井高校。市川北高校。古河第二高校。白井高校。江戸 崎総合高校。分水高校。佐和高校。淵江高校。聖徳大 学附属女子高校(2 回) 。聖徳大学附属取手聖徳高校。 総合文化学科(4 校) [高校名] 鉾田高校。市立川崎高校。聖徳大学附属女子高校。聖 徳大学附属取手聖徳高校。 ●2010 年度 保育科(16 校) [高校名] 市立松戸高校。誠和福祉高校。市川北高校。 大成女子高校。船橋古和釜高校。田柄高校。松戸南高 校。忍岡高校(2 回) 。実籾高校。浦安高校。豊岡高校。 柏陸高校。三郷北高校。館山総合高校。聖徳大学附属 女子高校(2 回) 。聖徳大学附属取手聖徳高校。 総合文化学科(4 校) [高校名] 三郷高校。横手城南高校。聖徳大学附属女子高校(2 回) 。聖徳大学附属取手聖徳高校。 ●2011 年度 ・保育科(10 校) 高 校 名 市立松戸高校 水海道第二高校 船橋啓明高校 石巻好文館高校 松戸六実高校 松戸南高校 県立松戸高校 都立江東商業高校 聖徳大学附属女子高校 聖徳大学附属女子高校 聖徳大学附属取手聖徳高校 担当教員 掃守純一郎 岡田耕一 掃守純一郎 永井妙子 岡田耕一 寺田博行 岡田耕一 岡田耕一 岡田耕一 古橋和夫 永井妙子 講 義 テ ー マ 子どもが喜ぶ保育教材 保育者の条件 笑顔の保育 幼稚園・保育所・子ども園ってどんなとこ 保育者になるために・・・自分探しの旅へ 環境構成における教師の役割 保育者になるために・・・自分探しの旅へ 保育者になるために・・・自分探しの旅へ 子どもの心を理解するための基本原理 絵本の読み語り 子どもの発達と遊び ・総合文化学科(10 校) 高 校 名 深沢高校 清水高校 西邑楽高校 中央学院高校 浦和第一女子高校 潤徳女子高校 皆野高校 聖徳大学附属女子高校 聖徳大学附属女子高校 聖徳大学附属取手聖徳高校 担当教員 杉本幸子 佐藤七枝 菱沼久恵 菱沼久恵 菱沼久恵 菱沼久恵 菱沼久恵 菱沼久恵 正道寺康子 正道寺康子 講 義 テ ー マ 夢を創るファッション業界で活躍しませんか (食品科学在籍の生徒に対して)コース理解のための講演会 あなたはファッションに興味がありますか あなたはファッションに興味がありますか あなたはファッションに興味がありますか あなたはファッションに興味がありますか あなたはファッションに興味がありますか あなたはファッションに興味がありますか 古代の異界探検 アジアの中の「樹下美人図」 4)出前授業の優れている点 ①高校 2 年生を対象とする出前授業が増加しており、高校生のキャリアデザイン形成に役 立っている。 ②高校生の「大学理解」に役立っている。 181 聖徳大学短期大学部 2.職員研修への協力を通じての松戸市との交流 本学が所在する松戸市は、平成 23 年度現在、22 の市立保育所があり、計画的な研修計 画に基づいて市立保育所職員の質的向上を目指している。短期大学部保育科は、大学の児 童学部とともに松戸市の公立保育所職員の職員研修に講師として毎年協力している。 短期大学部保育科が松戸市と本格的に交流をもつようになったのは、 平成 19 年度からで ある。平成 19 年度に、文部科学省の「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」 に、聖徳大学生涯学習委員会が企画した「子育てから手の離れた女性のための保育ブラッ シュアップ・資格再活用プログラム」が採択された。その際、松戸市の協力のもとに以下 のようなブラッシュアップ講座を実施した。 ●「保育士ブラッシュアップ・資格再活用プログラム(全 15 回) 」の内容 目 標 A.専門知識・技術の ブラッシュアップ ・保育の基本を再確認する ・現代の子どもの諸問題を 理解し、保育方法を修得 する B.様々な保育現場の理解 ・保育者の活躍の場を探る C.保育施設での実習 ・本学の保育施設で実習を する テ ー マ ①保育所保育の目的と内容 ②幼稚園教育の目的と内容 ③乳児の保育 ④子どもの病気への対応 ⑤子どもの発達と保育 ⑥子どもの生活習慣の指導 ⑦障害児の保育 ⑧幼稚園、保育所における食育 ⑨松戸市の保育状況・・・公立保育所で活躍する臨 時保育士 ⑩保育ボランティアの仕事・・・幼稚園、保育所以 外の保育現場で活躍する保育者 ⑪保育士の派遣・・・活躍する派遣保育士 ⑫~⑭子育て支援センター「聖徳にこにこキッズ」 における実習 ⑮子育て支援センターにおける実習反省会 担当講師 短期大学部教員 短期大学部教員 短期大学部教員 短期大学部教員 短期大学部教員 短期大学部教員 短期大学部教員 松戸市立保育所長 松戸市立保育所長 松戸市社会福祉協議会ふ れあいサービスセンター 所長 セイワコーポレーション 学部教員 出典: 「子育てから手の離れた女性などのための保育活用ブラッシュアップ ・資格再活用プログラム 成果報告書」より抜粋 この企画の実施にあたっては、協力者会議のメンバーとして松戸市健康福祉本部児童家 庭担当部をはじめとして 6 名の市役所職員の協力を得ることができ、2 名の市立保育所長 がブラッシュアップ講座の講師を担当された。さらに、この講座には、松戸市の非常勤職 員も受講生として参加している。 このブラッシュアップ講座での協力により、短期大学部保育科と松戸市との交流は毎年 以下のような形で継続している。 ●平成 20 年度の取り組み 「平成 20 年度 松戸市保育課職員研修」 (松戸市)より抜粋 研修名 主任保育士 研修(2 回) 臨時保育士 研修(1 回) 目 標 子どもの最善の利益を 確保した保育のコーディ ネーターとしての役割を発 揮できる主任保育士を育成 する。 子どもや保護者が安心でき る保育を提供するために、自 らの保育技術を磨く。 目 標 子どもの最善の利益を確保した 保育を職場に波及できる主任保育 士を増やす。 内 容 所内研修計画を立てリ ーダーとして研修を進 める。 学んだことを実践に活かせる職員 を増やす。 講演「乳児の育ちと遊 びについて」 上記の職員研修に短期大学部教員 2 名が研修指導者、講演者として協力した。 182 聖徳大学短期大学部 平成 20 年度は、さらに千葉県保育協議会東葛支会保育士部会研修会で、松戸市立二十世 紀ヶ丘保育所の委託研究「多様な機関との連携と協働」に、短期大学部教員が助言者とし て 1 年間にわたり活動した。 ●平成 21 年度の取り組み 「平成 21 年度 保育課 職員研修計画」 (松戸市)より抜粋 研修名 全体講演会(1 回) 目 的 保育所保育指針の施行に伴 い職員一人一人が資質向上 のための実践力をつける。 目 標 保育所保育指針に基づき実践でき る職員を増やす。 主任保育士研 修(2 回) 子どもの最善の利益を考慮 した保育のコーディネータ ーとしての役割を発揮でき る主任保育士を育成する。 子どもや保護者が安心でき る保育を提供するために、自 らの保育技術を磨く。 子どもや保護者が安心でき る保育を提供するための知 識や技術を学ぶ。 保育を取り巻く社会情勢に 対応していくために、施設長 として保育所運営などの課 題を自覚し人間性を高める。 子どもの最善の利益を考慮した保 育を職場に波及できる主任保育士 を増やす。 臨時保育士研 修(1 回) 非常勤保育従 事職員研修(1 回) 公民合同施設 長研修 (1 回) 学んだことを実践に活かせる臨時 保育士を増やす。 自分の保育を見直し、実践に活かせ る非常勤従事職員を増やす。 施設長として役割を担える所長、園 長を増やす。 内 容 講演「保育者が自らの 保育力を高めチームの 一員としての役割を担 うためには」 所内研修計画を立て、 コーディネーターとし ての役割を理解し研修 を進める。 実技・・・ふれあい遊 びや手遊びなど 講演「気がかりな子へ の理解と援助につい て」 講演及び意見交換「施 設長としてのメンタル ヘルスについて」 上記の職員研修に、短期大学部教員 2 名、学部教員 3 名が講師として出席した。 ●平成 22 年度の取り組み 「平成 22 年度 保育課 職員研修計画」 (松戸市)より抜粋 研修名 主任保育士研 修 (2 回) 非常勤保育従 事職員研修(1 回) 公民合同施設 長研修 (1 回) 目 的 保育課程に基づいた保育実 践に向け、各計画との連動性 を図り保育の質の向上に繋 げる。 子どもと保護者が安心でき る保育を提供するための知 識や技術を学ぶ。 保育を取り巻く社会情勢に 対応していくために、施設長 として保育所運営などの課 題を自覚し人間性を高める。 目 標 実践や記録を通して評価できる主 任保育士を増やす。 内 容 評価の方法を学び実践 に繋げる。 自分の保育を見直し、実践に活かせ る非常勤保育従事職員を増やす。 講演「子どもや保護者 への理解と援助につい て」 保護者とのコミュニケ ーションの図り方を学 ぶ。 施設長として役割を担える所長、園 長を増やす。 上記の職員研修に、短期大学部教員 1 名、学部教員 2 名が講師として出席した。 ●平成 23 年度の取り組み 「平成 23 年度 保育科 職員研修計画」 (松戸市)より抜粋 研修名 主任保育士研 修 (2 回) 目 的 「子どもの最善の利益の確 保」のため教育的保育内容に 視点を置き、強化構築できる リーダーの育成を図る。 目 標 保育所の教育的保育内容を見直し、 質の高い教育とは何かを考え実践 する主任保育士を増やす。 調理員研修 (2 回) 保育所給食の大切さや役割 を学び、専門性を活かしなが ら意欲的に食育に取り組む。 食事を通した人間関係の大 食環境の大切さを学び、日々の保育 実践に活かせる職員を増やす。 内 容 子どもの経験がより豊 かになるために、5領 域が子どもの姿を基に した計画、実践、評価 になっているのかを検 証する。 講演「保育所の食環境 について」 子どもの成長に合わせた援助の仕 講演「食と人間関係に 臨時保育士研 183 聖徳大学短期大学部 修 (1 回) 非常勤職員研 修 (1回) 施設長研修 (1回) 切さを学び、子どもの情緒の 安定や人との豊かな関わり を育むようにする。 子どもや保護者、職員とのコ ミュニケーションの重要性 を学び、子どもや保護者が安 心できる保育を提供する。 保育所の社会的役割や施設 長の責務について自覚し、こ れからの保育所(園)運営の あり方を探る。 方を学び、日々の保育実践に活かせ る保育士を増やす。 ついて」 保育所の役割、職員の協働性につい て理解できる非常勤保育従事職員 を増やす。 講演「一貫性のある保 育を共に進めるため に」 職員との協働性を基に施設長とし て役割を担える所長、園長を増や す。 講演「子ども・保護者・ 職員など、人との信頼 関係を築くためのコミ ュニケーションを学ぶ 上記の職員研修に、短期大学部教員 2 名、学部教員 3 名が講師として出席した。 3.総合文化学科と地域の「共生関係」を基本とする教育的交流活動 1)目的 総合文化学科では、大学で学び獲得された知識が社会に伝達され、応用されていくこと が、研究、教育と並ぶ大学教育の重要な機能の一つであり、かつ伝達・応用の過程を通じ て学生が就業力の源であるコンピテンシー(仕事力)を育むことができるという考えを基 調としている。このような考えを基に、平成21年度に文部科学省の「就業力育成支援事 業」の採択を受けて以来、地域貢献(社会貢献)の取組を授業カリキュラムの中に位置づ けて積極的に取組んでいる。 大学が行う社会貢献活動には、ボランティア活動や施設の貸し出しなどといったケース が多々みられる。しかしながら、本学科の地域貢献は、大学教育の中で獲得された知識や 技術が、教員及び学生の伝達・応用活動を通じて地域社会に還元されていくことを目的と するものである。さらに還元過程の中で行う地域企業との産学連携の場を通じて、学生が 地域の教育力によってコンピテンシーの要素である実践力を育むことも目的としており、 大学と地域の「共生関係」を基本的考え(コンセプト)とする教育的交流活動を目指して いる。 2)実施内容及び方法 地域貢献の取組みとして本学科の授業カリキュラムに配置している科目の名称は「産学 連携による実践的教育カリキュラム(表1) 」である。同カリキュラムは、文科省の就業力 育成支援事業の対象として採択された「実学・実践による女性のコンピテンシー育成」取組の 中で、柱となる重要なプログラムとして位置づけているものであり、地域の産業界との連携に 基づいて行う実践的教育である。 プログラムは年間30回の授業コマ数の中で①千葉県の産業界が行う「地産地商見本市(主 催は株式会社 千葉興業銀行=以下千葉興業銀行) 」に本学科学生が参画し、授業で学んだ知識 や技術を生かして料理やお菓子の制作・販売、企業のポスター、商品パンフレットの制作など の実践的な取組みをする②千葉県内の企業(株式会社 万葉軒=以下万葉軒)と連携して、本学 科学生が制作した料理レシピを、万葉軒が商品化して千産千商見本市の場で販売する、の二本 立てからなっている。 地域貢献に関わる実践的カリキュラムは、調理実習、製菓実習、DTP演習等の既存の教育 課程の中で学んだ理論と演習の知識を実践に生かす試みであり、取組を通じて大学教育の中で 獲得された知識が、学生の伝達・調理・応用活動を通じて社会に還元されることになる。 184 聖徳大学短期大学部 具体的には「製菓ブランチ」 、 「フードブランチ」 、 「幼児栄養ブランチ」の学生が千葉県産 の食材を使って教員の指導の下に“聖徳レシピ”を作り、実際に料理やお菓子を作るとと もに、 「文芸・編集部ブランチ」の学生が出店企業のポスターや販売商品のパンフレットの 制作を担当する。 取組は22年度からスタートし、同年度は地産地商見本市における料理やお菓子の製作・販 売を行ったが、23年度には同取組に加えて、弁当の製造・販売会社である万葉軒と連携し、 学生が授業の中で企画、開発した3品目の料理レシピを万葉軒が商品化、千産千商見本市で万 葉軒が一般に販売するなど、取組を強化した。 (表1)地域貢献に関わる実践的カリキュラム 実践的カリキュラム(組み込み方式) 科目名:キャリア実践演習(2 年次開講) 実施時期 実施方法 内 容 4 月 2 週~5 月 3 週 正課授業での演習 実践的プログラム(知識習得等) 5 月 4 週~6 月 4 週 (商品企画、レシピの開発等) 産学共同プロジェクトⅠ (準備) 商品企画等のアイデア創出 7 月 1 週~3 週 試作品の開発 産学共同プロジェクトⅠ 計画、立案、企業側との折衝 7月4週 協力企業等で打ち合わせ 産学共同プロジェクトⅠ(参加) 9月4週 全体 報告会 10 月 1 週~10 月 2 週 正課授業での演習 実践的プログラムの展開(応用の検討) 10 月 3 週~11 月 2 週 (商品化企画等) 産学共同プロジェクトⅡ 展示即売等 (実践) 商品化のための企業との折衝等 11 月 3 週~12 月 2 週 振り返り 企業側との折衝 1 月 2 週~3 週 グループワーク 評価 1月4週 全体 報告会 3)実施体制 本取組の実施主体は、キャリア教育推進委員会である。キャリア教育推進委員会は、総合文 化学科長を委員長とし、学科の専任教員及びキャリア支援室職員、教務課職員で構成している。 同委員会は、全学的組織である教務委員会、就職委員会、自己点検・評価委員会の3委員会と 連携して取組を推進する。また、これら3委員会は、キャリア教育推進委員会に対し、体系的 な履修計画の下に学習が行われるよう定期的に監査・評価・指導・助言を行う仕組みとなって いる。 本学科の地域貢献の取組は、大学(教員、学生)が一方的に地域に貢献するということでは なく、地域の教育力によって学生を教育するという「共生」の考えに基づくものである。従っ て学内的には本学科の専任教員が第一義的な取組責任者となり、キャリア支援室の職員が協定 締結から渉外に至るまでの対外的な業務を支援する体制をとっている。 4)他企業からの要請 本学科の地域貢献は、単なる貢献にととどまらず、学生教育という観点に立って進めて いるものであり、その意味で、本取組が、地域社会から厚い信頼を受け支援され続けるこ とが必要不可欠である。そのためには、既存の協力提携企業との協力関係を継続するとと もに、連携企業をさらに増やして、学科の教員・学生と企業との共同研究の実施や商品の 共同開発などを進めていくことが、教育的観点からいっても重要である。 一方、地域貢献の取組を始めて以降、地域の企業サイドからも本学科との協力連携を求 める声が出ており(表2) 、これらの要請に対しても適切に対応していくことが地域社会 185 聖徳大学短期大学部 の負託を受けた大学の課題である。 (表2) 千葉興業銀行と連携協定を結んで実施している「地産地商」事業に参加した企業に、2 年間にわたり本学科 との協力連携に関する調査を実施した(回答 21 社) 。その結果、次のような結果と評価(コメント)が得られ た。 【連携協力を希望する企業】 ・是非連携したい 10 社 ・今後検討したい 8 社 ・現在のところ考えていない 3 社 【連携の内容】 ①大学との間でコラボ商品を開発し、一般に販売したい。商品開発については(学生を含め) 、現実的に討議 したい。 (株式会社 万葉軒) ②未利用の魚(カタクチイワシ等)や低利用の魚を食材として活用できる商品の開発等で連携協力したい。 (有限会社 アルガマリーナ) ③商品開発、販売開拓、美味しさの分析等で連携協力したい。 (有限会社 九十九里ファーム、農業法人 パ ッケージセンター) ④大学との間で協力できる対象を考えていきたい。 (株式会社 リカンヌ) ⑤パッションフルーツを利用した「スウィーツ」あるいは調理全般に関わる新たなパッションフルーツの利用 法の研究 (熱帯村=園芸農家の共同組織) ⑥野菜ペーストを利用した商品会開発等 (株式会社 生産者連合デュポン) ⑦食育に関する連携協力ができる (株式会社 石井大一商店) 5)本取組の優れている点 ①総合文化学科の学生が教育課程の中で学んだ理論と演習の知識・技術を実践に活かし、 本取組を通じて学生が地域貢献できることである。 ②本学科の地域貢献は地域との共生を基本コンセプトとしており、大学の教育・研究の成 果を地域社会の活性化につなげるとともに、学生が地域の教育力によって人間的に成長す ることができ、地域にとっても学生にとっても大きなメリットがある。 基準(3)教職員及び学生がボランティア活動等を通じて地域に貢献している。 1.短期大学部保育科教員による東日本大震災被災地の子どもと保育者への支援 東日本大震災による被災者の支援のために、本学では父母会や学友会による募金活動に よる支援を行った。また、学園からは、学生の被災状況に応じて震災特別措置として、2011 年 7 月末までに学部及び短期大学部の通学生、 通信生合わせて 78 名に対して入学金と授業 料の総額 15,256,000 円の特別措置減免を行っている。 短期大学部保育科の学生は東日本地域の幼稚園、保育所でも実習指導を受けている。ま た、本学の卒業生が東日本地域の幼稚園、保育所で保育者として活躍しており、保育科と 被災地との関係は大変深い。そこで、保育科教員有志が被災地の幼稚園、保育所の子ども たちの「心のケア」と保育者への支援をしようとの願いから、ボランティアで「東日本大 震災支援プロジェクト」チームをつくり、保育科教員ならではの支援活動を実施すること になった。 1)目的及び内容 東日本大震災被災地の子どもたちに「笑顔を取り戻してもらいたい」という願いから、 保育科教員有志により、被災地にある幼稚園や保育所の子どもたちに楽しい保育活動の支 援を行う。併せて保育者への保育支援を行う。 主な内容は、子どもや保育者と一緒に歌を歌ったり、手遊びをしたり、人形劇やパネル 186 聖徳大学短期大学部 シアター、 ボードビルなどを発表したりして、 子どもたちに楽しい時間を過ごしてもらい、 保育者には保育の参考にしてもらう。 2)実施体制 保育科教員有志が「東日本大震災支援プロジェクト」チームをつくり、被災地の幼稚園、 保育所と連携を取り合って支援活動を行う。なお、このプロジェクトチームの支援活動に は保育科の全教員が賛同しており、支援活動を行う教員の交通費等の支援は保育科全教員 で行っている。 3)具体的な活動 平成 23 年 3 月 11 日の東日本大震災以来、保育科教員有志が被災地へのボランティア活 動の提供について話し合い、 同年8 月22 日より以下の施設でボランティア活動を実施した。 ●実施日及び施設 月 日 ①8 月 22 日 (10:00~10:30) (10:40~11:30) ②8 月 24 日 (10:00~10:45) 場 所 茨城県いわき市 施 設 いわき市立白土保 育所 担当教員 幸田眞希 参加者(約人数) 子ども 160 名。 保育士 30 名。 茨城県水戸市 見和めぐみ保育園 小畑秀樹 ③8 月 25 日 (10:00~10:50) ④12 月 7 日 (10:00~11:00) ⑤12 月 13 日 (10:00~10:45) ⑥12 月 13 日 (11:00~11:45) ⑦平成 24 年 2 月 15 日 (13:00~13:30) ⑧平成 24 年 3 月 2 日 (10:35~11:05) ⑨平成 24 年 3 月 23 日 (10:30~11:00) 福島県いわき市 東田保育園 掃守純一郎 茨城県北茨城市 旭幼稚園 掃守純一郎 福島県いわき市 あかい幼稚園 小畑秀樹 福島県いわき市 小川幼稚園 小畑秀樹 宮城県仙台市 たんぽぽホーム 幸田眞希 福島県白河市 丘の上幼稚園 掃守純一郎 宮城県仙台市 たんぽぽホーム 幸田眞希 子ども 110 名。 保育士 10 名。 保護者 4 名。 子ども 110 名。 保育士 13 名。 子ども 100 名。 教諭 20 名。 子ども 90 名。 教諭 10 名。 子ども 100 名。 教諭 10 名。 子ども 14 名。 職員 10 名。 保護者 14 名。 子ども 160 名。 教諭 30 名。 保護者 25 名。 子ども 15 名。 職員 10 名。 保護者 15 名。 ボランティアをした 3 名の教員の話しによると、これらの施設は震災による建物の被害 はないが、重機を使用して園庭の土を入れ替える除染作業をするため、子どもたちが園庭 で遊ぶことが制限されるなど、普段通りの保育をまだ十分に行うことができない状況にあ ったとのことである。さらに、今後も例年通り、外で実施する行事ができるかどうか、不 安であるとのことである。 どの施設でも、本学教員のボランティア活動を子どもがとても楽しむことができ、感謝 されている。 なお、白土保育所、見和めぐみ保育園でのボランティア活動では、保育科学生も自主的 に参加している。 ●主なボランティア活動内容 担 当 教 員 幸田眞希 掃守純一郎 主 な 活 動 内 容 手遊び。絵本の読み聞かせ。紙芝居。人形劇。 パネルシアター。手遊び。ボードビル。人形劇。 187 聖徳大学短期大学部 小畑秀樹 ピアノとギターの弾き歌いによるコンサート。 4)活動の優れている点 ①「保育の聖徳®」の保育科教員が遊び、歌、人形劇、手遊びを通じて子どもに楽しい時間 を提供している。 ②8 月中のボランティア活動には保育科学生も参加しており、学生にとって貴重なボラン ティア体験ができた。 ③ボランティアをした施設には本学卒業生が就職しているところもあり、卒業生への保育 活動の支援をすることができた。 188
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