製造業 中小企業事例 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 高効率クリンカクーラー導入によりセメント製造用熱エネルギーを低減 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 八戸セメント株式会社 平成25年度補正予算エネルギー使用合理化事業者支援事業 ◎総事業額:約8億2,300万円 ◎補助金額:約2億5,400万円 取組の概要 ●取組の背景と目的 海外のセメント工場の新設プラントは様々な新技術を駆使した高効率クリンカクーラーを導入し、効率化を図っている。 また国内同業他社のプラントにおいても、高効率クリンカクーラーの導入実績があることから、既存設備よりも高い熱交換 率を有するクリンカクーラーを導入することで、燃焼用2次空気昇温を達成して省エネを図ることを目的としている。 ●導入設備の概要 ◎高効率クリンカクーラー落口部分散システム(クリンカ 落口においてクーラー内へ均一にクリンカを分散させ る。) ◎高効率クリンカクーラー格子(小風量で効率的な熱交 換を可能にする格子) ◎高効率クリンカクーラー格子駆動装置 ◎クリンカ冷却用空気調整 サスペンション ファン(適切な冷却風量 プレヒーター を格子に送風する装置) ◎高効率クリンカクラッ シャ(低動力でクリンカ を効率的に粉砕する装 置) サスペンション プレヒータ 導入前 SC炉 クリンカの流れ ファン 石炭 高温空気 集塵機 ファン 石炭 キルン 3次空気 2次空気 ファン ファン 損熱 輸送機 クリンカ クリンカクーラ クラッシャー 冷却面積66㎡ 輸送機 動力 動力 冷却装置 動力 ファン ファン ファン ファン ファン ファン ファン ファン クリンカ 冷却面積70㎡ クラッシャー ファン 格子上クリンカの下から冷却用空気を導入し、 クリンカの冷却、 及び熱交換を実施。 熱交換された空気は燃焼用の2次空気としてキルン、 仮焼炉に回収される。 輸送機 サスペンション プレヒータ 導入後 SC炉 石炭 キルン 2次空気 動力 ファン 石炭 高温AQC排気 集塵機 低温AQC排気 3次空気 損熱 クリンカクーラ (本体流用) 冷却面積93㎡ 本体拡張 クリンカ クラッシャー 高効率冷却装置 ファン ファン ファン ファン ファン ファン ファン ファン ファン 高効率冷却装置導入により、 クリンカの冷却効率が向上しキルンへの回収空気温度 が上昇する。 =セメント製造用熱エネルギー削減が図れる。 ▲焼成工程の設備 2次AQC 動力 輸送機 押入空気 動力 ロータリー キルン 集塵機 高温AQC排気 輸送機 高効率化事業範囲(新設設備) クリンカの流れ 高温空気 運用状況と省エネルギーの効果 エネルギー使用量 (原油換算kℓ/年) 導入前 123,643 導入後 119,343 削減率 3.5% クリンカの焼成はセメント製造の重要な工程である。焼成効率を高めるために粉体原料を プレヒーターを通して予熱し、キルン(窯)により1,450℃の高温で焼成することでクリンカ を生成し、その後クリンカクーラーで冷却する。更新したクリンカクーラーは従来型よりも少 ない冷却空気で効率良くクリンカを冷却できるだけでなく、冷却によって生じる2次空気の温 度が従来型よりも高いため、キルンへの回収温度が上昇し、セメント製造用熱エネルギーを削 減することが出来た。 〈計画値〉 ◎投資回収年数:8.3年 事業者概要 八戸セメント株式会社 ■住所:青森県八戸市大字新井田字下鷹待場7-1 ■電話:0178-33-0111 ■資本金:1億円 ■従業員数:77名 ■URL:http://www.hachi-ceme.jp/ ■事業内容:セメント製品製造・産業廃棄物のリサイクル 1921年(大正10年)操業の当社は、地域との共生を通じ基礎資材であるセメン トを供給し続けています。工場は原料受入から各生産工程、最終製品の出荷まで、 ISO9001・14001国際規格に基づく一貫したシステムにより運用されています。 高品質のセメントを生産するとともに、産業活動や生活の過程で発生する各種 廃棄物、副産物の有効活用を進め、資源のリサイクルと環境保全により、循環型社 会形成に貢献していきます。 4
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