4月1日号 - 公益財団法人品川区スポーツ協会

ライフ
l
u
f
i
t
r
Spo
VOL 44
発行者:財団法人 品川区スポーツ協会
〒 141-0022
東京都品川区東五反田 2-11-2(品川区立総合体育館内)
TEL 03-3449-4400 ・FAX 03-3449-4401
http://www.ssa.or.jp
平成 23 年(2011 年)4 月 1 日発行
(年 4 回、1 月 1 日・4月 1 日・7 月 1 日・10 月 1 日発行)
財団法人品川区スポーツ協会は、品川区における体育、スポーツおよびレクリエーションの普及、振興を図り、誰も
が気軽にスポーツを楽しめる機会を提供し、区民の心身の健全な発達と明るく豊かな地域社会の形成に寄与することを
目的としています。
区民スポーツ大会(冬季)マラソン大会=大井ふ頭中央海浜公園周回コース〈平成 23 年2月6日〉
平成23年度品川区スポーツ協会の事業と予算
2P
運動前後の柔軟体操とロコモーショントレーニング②
3P
公益財団法人への移行準備状況
3P
スポーツ協会 - 引き続き体育館の指定管理者に
3P
平成22年度の顕彰
スポーツ講演会 - パネルディスカッション開催
組織[加盟 27 団体](五十音順)
空 手 道 連 盟
キャンプ協会
グラウンド ・ ゴルフ協会
クレー射撃連盟
ゲートボール協会
3P
剣 道 連 盟
サッカー協会
柔 道 会
4・5・6P
少林寺拳法連盟
水 泳 連 盟
ス キ ー 連 盟
ソフトテニス連盟
ソフトボール連盟
卓 球 連 盟
ダンススポーツ連盟
テ ニ ス 連 盟
な ぎ な た 連 盟
軟式野球連盟
バスケットボール連盟
バドミントン協会
バレーボール連盟
フォークダンス協会
ボールルームダンス協会
民 踊 連 盟
ライフル射撃協会
陸上競技協会
第60回区民スポーツ大会(冬季)結果
7P
トピックス
7P
ジュニアスポーツ指導者の危機管理力
7P
弓 道 連 盟
スポーツ・レクリエーション活動の普及と振興に努めます
平成 23 年度品川区スポーツ協会の事業と予算
平成 23 年度財団法人品川区スポーツ協会事業計画
(案)および同収支予算(案)が 2 月 22 日に開催された
平成 22 年度第 3 回評議員会に諮られたのち、引き続き
開催された同第 3 回理事会で決定されました。
平成 23 年度の予算総額は、3 億 8,380 万円余で前年
度に比べ 357 万円増加しました。増の主なものは、総合・
戸越両体育館の維持管理経費の増によります。
平成 23 年度は、当協会が総合・戸越両体育館の指定
管理者として再度品川区から指定されました。これまで
の5年間の実績を踏まえ、これからのスポーツニーズに
的確に応える運営に心がけ、利用者の皆様に満足してい
ただける施設を目指してまいります。
また、当協会は公益財団法人への移行認定申請を予定
しています。加盟団体の皆様の一層のご支援とご協力を
お願いいたします。
平成 23 年度収支予算
事業活動収入計
383,878,279 事業活動支出計
(単位円)
383,878,279
基本財産運用収入
4,828,470 事業費支出
366,250,576
特定資産運用収入
23,451 管理費支出
17,627,703
会費等収入
事業収入
2,704,000
29,169,900
補助金等収入
128,648,708
体育館運営収入
210,579,550
ジュニア育成収入
6,454,200
雑収入
1,470,000
事業計画(概要)
・各種スポーツ教室の開催 (24,666 千円)
子どもからお年寄りまでの区民を対象に、さまざまな
スポーツプログラムを企画し、区民のライフステージに
対応した各種スポーツ教室、23 事業を開催します。
・マスターズ大会の開催 (489 千円)
年代別に誰でもスポーツを楽しむことができて、参加
者同士が交流できるスポーツ交流大会を 5 種目(バドミ
ントン、水泳、ラージボール卓球、9 人制バレーボール、
ソフトバレーボール)行います。
・区民スポーツ大会の開催 (23,095 千円)
春夏秋冬の各時季に広く区民を対象に各種スポーツの
競技会、発表会、集いを区と共催で開催し、区民スポー
ツを振興するとともに、区民相互の交流・親睦を図りま
す。あわせて品川区の競技スポーツを推進します。
春季 19 種目、夏季 3 種目(水泳、ソフトボール、ジ
ュニアテニス)、秋季 24 種目、冬季 4 種目(マラソン、
スキー、中学バレーボール、同バスケットボール)を予
定しています。
・体育、スポーツおよびレクリエーションの団体への助
成 (3,399 千円)
スポーツ協会加盟団体が広く区民を対象に生涯スポー
ツの振興を目的として各種スポーツ・レクリエーション
2
事業を企画・運営し、開催するための活動を支援します。
・体育、スポーツおよびレクリエーションの指導者の育
成、研修ならびに派遣 (694 千円)
スポーツの指導者や役員など指導的な立場にある区民
を対象に、スポーツの普及・振興のためのテーマを設定
し、講演会を開催します。また、各種スポーツの研究大
会や全国集会等に各種指導的立場にある方を派遣し、ス
ポーツについての見識を深め、区民のスポーツの振興に
役立たせます。
・体育、スポーツおよびレクリエーションの活動に必要
な調査、研究ならびに情報の収集と提供 (1,120 千円)
区民に各種スポーツ事業等の情報を提供し、スポーツ
に対する興味と関心をもっていただき、スポーツを行う
契機とします。また、スポーツに関する調査・研究を行
い、区民スポーツの普及・振興に役立たせます。
・体育、スポーツおよびレクリエーションの功労者の顕
彰(160 千円)
区民スポーツやレクリエーションの振興に顕著な功績
があった方および団体に対して功労表彰を行います。
・指定管理者としての受託事業 (210,579 千円)
区立総合体育館・戸越体育館の指定管理者として、両
体育館の維持管理および運営を行います。
・スポーツ協会としての受託事業 (65,703 千円)
区民を対象に、野外活動の指導助言、学校温水プール
の運営、ぜん息児童や大気汚染で健康被害を受けている
子どもたちの水泳教室等を区から受託し、実施します。
・東京都体育協会からの受託事業 (6,454 千円)
平成 25 年に開催される東京国体を目指したジュニア
スポーツの普及・振興を図るため東京都体育協会から事
業を受託し、各種スポーツ事業を実施します。
・その他の事業 (400 千円)
日本のトップリーグに所属するプロスポーツ等のチー
ムや選手を招致し、見るスポーツの醍醐味と感動を区民
に与えるとともに、一流選手と地元区民との交流やクリ
ニックをとおして品川区のスポーツを推進します。バス
ケットボールとハンドボールの種目を予定しています。
運動前後の柔軟体操と
ロコモーショントレーニング②
平成 22 年 11 月 20 日・21 日に、日光林間学園「光林
荘」で行われた宿泊研修会の講義の概要を前号に引き続
きご紹介します。
ロコモティブシンドローム
ロコモティブシンドローム(ロコモ=運動器症候群)
とは、主に加齢による運動器の障害のために、移動能力
の低下をきたし、要介護になっていたり、要介護になる
危険の高い状態をいいます。運動器とは、骨・関節・じ
ん帯、筋肉・腱、脊椎・脊髄、末梢神経など、身体を支
え、動かす役割をする器官の総称です。
[運動器の特徴] 日本臨床整形学会(2009)
・運動器は毎日造りかえられている
・その分解と形成のバランスに使用頻度(必要度、力学
負荷程度)が影響する
・使用程度(力学負荷の程度)は適性である必要がある
(過小だと維持されない、過剰だと損傷につながる)
・自覚症状なしに進行する(サイレントな器官)
・頻度は高い
・運動器の障害は要介護につながる
[ロコチェック] 診断のための検査でなく、自分の問題に気づくための
方法です。40 歳以上の人はまずロコチェックをしてみ
ましょう。自分の身体を意識することが大切です。
① 片足立ちで靴下が履けない
② 家の中でつまずいたり滑ったりする
③ 横断歩道を青信号で渡りきれない
④ 階段を登るのに手すりが必要である
⑤ 15 分ぐらい続けて歩けない
⑥ 2kg 程度(1ℓの牛乳パック 2 個ぐらい)の買い
物をして持ち帰るのが困難である
⑦ 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布
団の上げ下ろしなど)
※社団法人日本整形外科学会「ロコモパンフレット
2010 年度版」より
皆さんはいくつ当てはまるでしょうか。一つでも当て
はまれば、ロコモである心配があります。今からロコト
レを始めましょう。
ロコモーショントレーニング(ロコトレ)
ロコモにはいろいろなレベルがあります。自分にあっ
た安全な方法で、まず開眼片足立ちとスクワットから始
めてみたらいかがでしょうか。
①開眼片脚立ち
転倒しないように、イスや机など必ずつかまるものが
ある場所で行います。左右に1分間ずつ、1 日 3 回、合
計で 6 分間です。床に足が着かない程度に片足を上げ、
踏ん張って、片足でバランスをとることに意識します。
②スクワット(ハーフスクワット)
ゆっくり深呼吸をするペースで、5~6回繰り返しま
す。1日3回程度行います。足は踵から 30 度くらい外
に開き、体重が足の裏の真ん中にかかるようにします。
イスに座るイメージで、つま先より膝が出ないように、
大腿の前後の筋肉、臀部周辺の筋肉に力を入れることを
意識します。
その他、ストレッチ、骨力トレーニング、ラジオ体操、
ウォーキングなどの習慣づけもお勧めです。
メタボリックシンドロームは心臓や脳血管などの「内
臓の病気」、ロコモは、「運動器の障害」が原因です。共
に一つひとつは重症でなくても、複数重なることで重症
化し、健康寿命が短くなります。
ロコモ予防で、健康長寿。
元気で素敵な明日のために!
公益財団法人への移行準備状況
平成 23 年 2 月 22 日に開催された平成 22 年度第 3 回
理事会で、「財団法人品川区スポーツ協会評議員選定委
員会規程」に基づく評議員選定委員会の外部委員の選任
が行われました。選任された外部委員は次の方々です。
㈶大田区体育協会専務理事(事務局長兼務)西川泉氏
区立伊藤学園校長(小学校体育研究会主任)青木哲男氏
スポーツ協会-
引き続き総合体育館・戸越体育館の指定管理者に
㈶品川区スポーツ協会は、品川区から区立総合体育館
および戸越体育館の指定管理者に引き続き指定されまし
た。現在の総合体育館が開館した平成 18 年 4 月 1 日か
ら 5 年間、指定管理者としての実績が評価されたものと
思われます。
今後とも、指定管理者制度の趣旨・目的である経費の
節減、サービスの向上をより一層図ってまいります。な
お指定期間は、平成 23 年 4 月 1 日から平成 28 年 3 月
31 日までの 5 年間です。
(敬称略)
平成 22 年度の顕彰〈おめでとうございます〉
寄付をありがとうございました(敬称略・五十音順)
社団法人東京都レクリエーション協会表彰
団体 品川区グラウンド・ゴルフ協会
個人 藤本秀子(品川区ボールルームダンス協会)
個人 長坂健一
団体 テニス連盟
3
〔平成 23 年 2 月末現在〕
スポーツ講演会-パネルディスカッション開催 テーマは「指導スタッフの育成について」
平成 22 年度のスポーツ講演会が 1 月 22 日(土)、総
合体育館会議室で NPO 法人バレーボール・モントリオ
ール会(注)との共催で開催されました。
内容はパネルディスカッション形式で、テーマは「指
導スタッフの育成について」です。コーディネーターに
は、テレビ朝日アナウンサー宮島泰子氏、パネリストに
はモントリオール五輪女子バレーボール金メダリスト神
白(旧姓飯田)高子氏、ソウル五輪男子バレーボール代
表井上謙氏、日本経営教育研究所長屋あゆみ氏、品川区
体育指導委員鈴木ゆみ江氏が務められました。
はじめに、宮島氏から成人の週 1 回以上のスポーツ実
施率が国の目標の 50%に近づいてきたが女性の実施率
がこの 3 年間で減少していること、平成 22 年度段階で
総合型地域スポーツクラブが全国に 3,114 箇所設立され
ていること、スポーツ立国戦略の副題に「スポーツコミ
ュニティ日本」が謳われていることなどが紹介されまし
た。また、人間であれば誰でもが持っているスポーツを
する権利をこれから一人ひとりが意識し、それを推進し
ていく力になってもらいたい、その一助として総合型地
域スポーツクラブがあることが強調され、パネルディス
カッションに移りました。
・・・・・・・・・・・・・・・
宮島 鈴木さん、品川区で唯一の総合型地域スポーツク
ラブをつくられましたね。今の状況はどうですか
鈴木 3 年間準備し、昨年 3 月 28 日に設立総会を開催
しました。まだ 1 年経っていませんので総合型の楽しさ
を皆で見つけようしているところです。
宮島 おとなりの長屋さんは、北上からなぜ来ていただ
いたかというと、今日本でとても注目されている総合型
クラブが北上にあるんです。それは「フォルダ」という
クラブです。
長屋 名前のとおり、パソコンでフォルダというのがあ
りますよね。フォルダから何でも飛び出すと。地域の皆
さんがやりたいものをどんなプログラムでも形にします。
今年で 6 年目ですけども年間で 120 種目あります。
宮島 その一つを紹介すると、あれは県と県をかけた試
合でしたね。
長屋 北上市民だけで盛り上がるのもいいのですが、隣
は秋田県、勝負をしようということになりました。何が
いいか。一般の人、地域の方が参加できるものはないか。
綱引きをしました。勝ったほうが、60cm 県境を動かせ
ます。1 回目は岩手県が勝ちました。秋田寄りに県境が
動いたのです。翌年、危機感をもった秋田の方が今年負
けたら大変だと、大勢押しかけました。結果は秋田が勝
ち、県境は元に戻りました。次の試合が楽しみです。
宮島 スポーツ界というと、何かしようとすると上から
命令系統のようなシステムになっているのが多かったと
思います。反対に、やりたいことがあったら言ってみて、
私たちが助けるからという「言いだしっぺ制度」をつく
っているのがこのフォルダなんです。さて、先ほどバレ
ーボール教室で指導した神白さん。お子さんとお母さん
がパスを一緒にやった目的は何ですか。
4
神白 親子で、なかなか外で遊ぶ機会が今は少ないです
よね。何も言わずお母さんとキッズで組んでやってみて
と言ったら、お母さんレベルでやってくださるところ、
子どもにあわせるところ、いろいろな場面を見ることが
できました。お互いに思いやりをもってやっていたとこ
ろがいいなと、思いました。
宮島 今スポーツというと、皆同じ年代でやっていませ
んか。ママさんならママさん、ボールの違う点もあるけ
ど、一般の人が一緒になることもないし、中学生は中学
生、小学生は小学生、みんなバラバラに孤立してやって
いる。神白さんのところには「神白杯」がありますね。
神白 試合形式なんですが、1 面はスポーツ少年団、も
う 1 面は中学生、あとの 2 面はママさん。お互い隣同士
で大人の姿を見たり、子どものファイトある姿を見たり
するのは刺激があっていいです。かれこれ 28 年になり
ます。そこに今回高校生が入って盛り上がっています。
宮島 今まであった垣根をとっぱらってみよう、そうい
うことをやるといろんな新しい交流ができて、そこで違
うスポーツの価値観も生まれてきます。そこが総合型の
一つの魅力だと思います。ところで、井上さんはお子さ
んの時どういう形でスポーツを始められたんですか。
井上 母がママさんバレーをやっていて、母に連れられ
てきている子どもたちをコートに入れて、一緒に始めた
のがバレーボールを選択したキッカケです。
宮島 子どもたちをどうやって体を動かすチャンスを与
えるか、そういう道に上手に入れてってあげられるか、
という意味でも総合型地域スポーツクラブがあればいい
なという気がします。長屋さん、子どもにとってのスポ
ーツはすごく重要ですよね。体を動かすだけでなく沢山
の得るものがあると思いますが。
長屋 体育指導の現場で子どもとかかわって学んだこと
があります。例えば甲子園に出場する野球チームのこと
を思い浮かべてください。強いチームって、技術もそう
ですけど、心の部分とか、礼節といわれる部分、道具を
丁寧に扱う、人と会ったらあいさつする、目上の人を尊
敬してたてて行動する、人の話を聞くときは相手の眼を
見てじっとして聞く、返事は「ハイ」とする、しっかり
と躾けられた子どもたちが技術にそれが乗っかったとき
に甲子園という場に行けると思います。礼儀正しく体の
部分だけでなく心の部分、躾といわれる部分とか人との
かかわり方、これが育ってくると技術をいれたときにす
ぐに芽が出ますね。これを現場で学ぶことができました。
宮島 スポーツを通じてコミュニティづくりという話し
をしましたが、コミュニティをつくるだけでなくて、人
をつくっていってくれるもの、ということですか。
長屋 今の子どもたちと言ってよいと思いますけど、人
とのかかわりが希薄になっている。子どもたちが地域で
育てられる、というものがない。近所づきあいも希薄で
す。そのとき、スポーツという場をとおして指導者が大
人として、地域の担い手として、こういうときはこうし
なさい、躾の部分とそれをもとにコミュニケーションが
図られていくので、人と会話していてもその人は無礼な
人だと感じることなく、心地よい関係性のまま、いろん
なことがスポーツだったり、大人になって仕事だったり、
友達づきあいができているなと感じています。
宮島 鈴木さん、今の話を聞いて子どもたちをこれから
スポーツに誘導していくという意味において、総合型は
非常に大きな力があると思いますが。
鈴木 本当にそう思います。でも最近、僕は運動が苦手
なんだ、ということを聞きます。というのは、野球のレ
ギュラーになれなかった、サッカーのレギュラーになれ
なかったことが原因で、体を動かすことから遠ざかって
しまいます。でも体を動かすことが本来子どもは好きな
ので、体を動かすことが好きだな、と思ってくれるよう
なキッカケを総合型でできればと思います。
宮島 人間というのは動物ですから、体を動かすことが
なければ脳も働いていきません。前に番組で作ったこと
があるのですが、幼児期、特に 3 歳から 10 歳までの間
にどれだけ体を動かすかということによって、脳の動き
方、働き方が大きく変わっていく。ものすごく運動する
ことによって脳が活性化します。やんちゃな子どもたち
はそれなりの力、ポテンシャルを脳でも持っています。
そういう子どもたちには運動を沢山させた方が良いとい
うことはデータ的にもでています。さて井上さん。井上
さんは結構やんちゃな子どもでしたか。
井上 結構いろんなことをやりました。バレーボールが
最後でしたが、野球とかスポーツもやりましたが、学校
から帰ったら玄関にカバンを置き、川に行き、山に行き
という感じでした。
宮島 あーやっぱりね。私、オリンピック選手にこのこ
とをずいぶん聞きました。橋本聖子さんはスケートを親
が教えたことだけがクローズアップされていますけど、
子どもの頃、野山駆けずり回って、石の上乗って、木に
登って、そういう自然と一緒に遊んでいる、それがベー
スにあって小さな筋肉が沢山作られ、脳にもいろいろ指
令がいき、そしてオリンピック選手がつくられていくと
ころまでいくんだな、と。子どもの頃、練習だけに夢中
になっていないでしょ。
井上 ぜんぜんしていないです。バレーボールの練習を
本格的に始めたのは高校のときからです。中学生のとき
はバレーはやっていましたけど、それは大会の時だけ。
それ以外の時は陸上部に行って一緒に走ったり、野球部
で人が足りないからお前ちょっと来いとか。3 人から 4
人ぐらいの同じ人間が今週の野球にでたり、次の週のバ
レーの試合に出たり、という感じでした。一つの競技を
専門にやったという記憶がほとんどないですね。
宮島 私、早稲田大学のスポーツビジネス科の修士論文
のチェックを頼まれていて、実業団のマラソンの監督だ
った人が大学院に入って、その人が書いた修士論文をみ
てびっくりしました。日本のトップになった人、例えば
オリンピックの代表になった人となっていない人との比
較ですが、中学校のときに、代表になった人は「朝練」
なんかほとんどやっていない。そして練習時間や試合数
も少ない。中学時代、心も体もいじめていない。精神的
にも追いつめていない。勝たなきゃいけないというプレ
ッシャーも受けていない。そういう人が日本代表になっ
ていくんです。このディテールがはっきりした調査論文
5
左から神白氏、井上氏、鈴木氏、長屋氏
に愕然としました。将来的に強い日本の選手になって欲
しいと思ったら、中学・高校と楽しんでやってもらわな
いと困る、神白さんどうでしょう。
神白 環境だと思っています。私は愛知県弥富町の出身
で育ったところは周りが田んぼでした。中学・高校時代
は練習らしい練習をしたことなかったです。家から学校
に通うのに 1 時間半から 2 時間かかりましたから朝練を
したことない。体力もそんなには優れてあるほうでもな
かった。監督に怒られないよういろいろ考えながらやっ
てきました。指導者はあんまりがみがみ教えるより、子
どもに考えさせる指導の方がいいです。自然に子どもな
りに考えてやると思います。自分自身もそうでした。
宮島 ここまでで、指導者に求められるものは代理達成
を求めてはいけないということだと思います。子どもた
ちに勝たせてあげる、という言葉の下に、子どもたちを
使って栄光を自分の手にしたいという指導者が非常に多
くなっています。今日はこの指導者とは違う指導スタッ
フ育成という観点から長屋さんにお願いします。総合型
地域スポーツクラブには若い人たちがメンバーに入りつ
つありますけど、気づくところがありますよね。
・・・・・・・(中略)・・・・・・・・
長屋氏は宮島氏の問いに、各地の施設を訪れたときの
指導スタッフのコミュニケーションスキル不足を指摘さ
れました。また宮島氏は、スポーツ少年団が総合型クラ
ブで様々な大人とのかかわりで子どもたちの生活面がし
っかりしてきていることを紹介しました。
長屋氏は、子どもが学ぶ最初のスタートは視覚から入
ることをアメリカの心理学者アルバート・メラディアン
の法則を紹介し、さわやかな挨拶を普段周りの大人たち
がしていたら、「挨拶しなさい」と言われなくても、子
どもたちはそうするものだということで定着する、と語
っていました。また、子どもを扱うプログラム持ってい
る指導員には、指導者としてというよりも一社会人とし
てお手本になるように、お願いしているとのことです。
井上氏は、管理職を対象にした企業内研修では「やっ
てみて、言って聞かせて、させて見せ、ほめてやらねば、
人は動かじ」という山本五十六の名言を使い、人の指導
方法を説かれています。
・・・・・・・・・・・・・・・
宮島 さて、鈴木さんここまでで総合型に期待されるも
の、そして総合型が単にスポーツを提供するだけでなく
(6 ページに続く)
(5 ページから続く)
ていろんな役割がありますけど、長屋さん、井上さん、
神白さんのお話から何か感じられたことがありますか。
鈴木 「スポクラ・しながわ」は歩みだしたばかりなの
で、この 1 年弱の間にウォーキングをやってみたり、そ
れからバレーボールの大会を地域でやったんですね。も
う少し皆さんに、総合型は特別な人じゃなくて、地域の
中で、体動かそうよ、通ってきてください、そこから次
のステップに行かれるようなものにしたいと思っていま
す。まだ個人会員が少なく、財政が厳しい状況です。こ
れから個人会員を増やしまして、会費を多く集めお二人
のようなアスリートの方をお呼びして、イベントを開く
ことができるクラブにしていきたいと思います。
宮島 助成制度などもありますから、お金を心配しなく
てもアスリートを呼ぶシステムというのができつつあり
ます。そういうのを利用していただければいろんな活動
ができると思います。それとスポーツ協会の競技団体に
協力していただければ、27 種目あっという間に増えて
しまいます。今、小学校でワンバウンドするバレーボー
ルが流行っているらしいですね。そういうものも、でき
ない子のためには新しい、それこそ泥んこの中のバレー
ボールとまではいかなくても、いろんな工夫をしたもの、
そうすると 27 の競技団体は二つぐらい、ちょっと変わ
ったものだと 50 種目、急にできるかもしれないし、そ
う考えるといろいろな競技団体のご協力を得ながら総合
型地域スポーツクラブが育っていくものだと思います。
宮島氏
鈴木 本当にそのとおりだと思います。皆様ご協力お願
いいたします。
宮島 全国に 3000 余の総合型地域スポーツクラブで一
番人気がある種目は、ウォーキングです。ご近所散歩で
こんなお店が増えたなーとか、こんなところに柿がなっ
ているなーと。そんな感じで日々心も潤っていくので散
歩というのは中々いい入口だと思います。「ちい散歩」
をばかにしちゃいけません。フォルダでは散歩でいいイ
ベントやっていますか。
長屋 私どもも、年間を通して行っています。専門家を
お呼びして、普通のウォーキングとそれからノルディッ
クウォーキング、これはストック状のものを持ってやり
ますが、実はこれ定着するのに時間がかかりました。私
も面白そうなので、生徒として参加しました。公園の間
を歩いていたんですね。気持ちよく歩いていたら、皆さ
ん、病み上がりと思ったらしく、リハビリですか、杖が
ないと歩けないんですか、といわれてしまいました。こ
れは通常のウォーキングよりも全身運動です。要は可動
域が広くなるので、ものすごくこう下半身よりどちらか
というと上半身、腹筋、背筋、すべて、それを楽しみな
がら歩くことで全身のトレーニングになります。
宮島 鈴木さんどうですか、ノルディックウォークやっ
てますか、今。
鈴木 インストラクターさせていただいております。こ
の総合体育館の中にポールがあります。
宮島 そういうことで、なかなかいいアイデアが浮かん
でまいりました。そろそろまとめの時間に近づいてきた
んですけど、ここまでいろんな話が、総合型をどうやっ
てつくってきたのか、という話から、親子の話、それか
ら礼儀の話、いろいろでてまいりましたけども、何かこ
うお感じになっていることがございましたか。
井上 一番感じることは、敷居を高くしてはいけない、
ということです。例えばバレーボールだと 3 回で返さな
ければいけないとか、必ずスパイクで返さなければいけ
ないとか、3 回のうち、1 回で返しても、2 回で返して
もいいんですけど、どうしてもルールから先に入ってし
まって、なにか楽しさを見失っているような気がします
ね。今こうお話を聞いていますと、総合型地域スポーツ
クラブというのはそれとは違ったもので、敷居をまず低
くしなきゃいけないんだな、長く続けることなんじゃな
いかと。長屋さんが長く続けてこられたのは、多分最初
はいろいろおありになったと思うんですが、参加された
方たちが話し合ったりとか、そういう形でいろいろやり
ながら今の「フォルダ」とうい形、「沢山、もうなんで
もありね」という形に行き着いたんだと思います。
宮島 神白さんいかがでしたでしょうか。これまでいろ
いろな話がでてきましたけれども、異年代の話、礼儀の
話、スタッフに求められるもの、一番ここが私の心にし
みたなというのは。
神白 お互いに思いやり、思いやりをもって接する。感
謝する気持ちが一番大事かな。そういうところに最後は
人と人とがつながって、自然にその言葉がでてくるよう
になると。あ、この形をとってよかったな、こういうこ
とをやってよかったな、ということがすごく感じられま
すね。バレーを通して学ばせていただいたり、こうだよ
と指導したりとか、お互い思いやりをもちながら、感謝
しあう。こういうところが指導するほうも、指導を受け
るほうもステップアップにつながるのかなと思います。
宮島 ありがとうございます。今日はいろいろな話に及
びましたけど、
「私は会社で経理を長いことやっていた
ので計算だったら任せて」とか、
「計算は下手だけど写
真撮るのは趣味でね。写真撮るのは任せて」とか、
「私
はウェブづくりが専門だからウェブやる」とか、一人ひ
とりが皆得意なものをお持ちだと思うので、そういうと
ころをちょっと総合型に助けていただいく、それによっ
て大きな力になっていくのが総合型地域スポーツクラブ
だと思うのです。私たち、NPO 法人バレーボール・モ
ントリオール会もそういった形で、皆様のなにかお手伝
いできるような形であればいくらでもお手伝いをしてい
きたいと思います。皆、声を掛ければ多分手助けしてく
れない方はいないと思います。鈴木さんも、自信をもっ
て頑張って 「スポクラ・しながわ」 を発展させてください。
(注)NPO 法人バレーボール・モントリオール会は、モントリオール
五輪女子バレーボール日本代表メンバーと取材記者らを中心に
結成された団体です。
6
第 60 回区民スポーツ大会(冬季)の結果
トピックス
日程や参加者数、優勝者は次のとおりです。(敬称略)。
●スキー大会
1 月 29 日(日)、志賀高原サンバレースキー場
回転競技、男子 23 人・女子 15 人
優勝 男子=幾島次雄、女子=松井美由紀
●マラソン大会
2 月 6 日(日)、大井ふ頭中央海浜公園周回コース
10㎞一般男子 60 人・女子 24 人、同壮年男子 78 人・女
子 28 人、5km 一般男子 43 人・女子 32 人、同壮年男子
20 人・女子 8 人、3km 中学男子 26 人・女子 7 人、2km
小学男子 42 人・女子 27 人、ファミリー 2km3・4 年 21 組、
同 1・2 年 37 組
優勝 10㎞一般男子=玉木雅也、同一般女子=鹿島田真
理子、同壮年男子=手塚一朗、同壮年女子=鈴木さおり、
5km一般男子=齋藤寛明、同一般女子=河原佳代、同壮
年男子=原川静男、同壮年女子=照井英里子、3km中学
男子=大塚翼、同中学女子=山本夏子、2km小学男子=
小園翔仁、同小学女子=岡本菜那、ファミリー 2km3,4
年=嘉村優・浩、同 1,2 年=小園絢仁・眞一
◎フォークダンス協会創立 60 周年記念大会挙行
―― 長野県北安曇郡松川村から応援
品川区フォークダンス協会(高須みちよ会長、会員
54 人)は平成 22 年 12 月 26 日(日)、総合区民会館「き
ゅりあん」イベントホールで創立 60 周年記念大会を開
催しました。この大会には、関係機関の来賓のほか、当
協会が安曇節のその牧歌的な素朴さや格調高い踊りに魅
せられ、5 年前から交流している長野県北安曇郡松川村
の村長や正調安曇節保存会の会員 21 名が応援に駆けつ
けました。
式典では、来賓の濱野健品川区長や平林明人松川村長
などが挨拶され、また、当協会名誉顧問の三笠宮崇仁殿
下の祝辞が代読されました。式典に引き続き、保存会の
皆さんによる安曇節が、当協会会員によるフォークダン
スのほか品川音頭が披露され大会を盛り上げました。
◎五輪金メダリストによるバレーボール実技講習会開催
1976 年カナダのモントリオール五輪女子バレーボー
ル金メダリストが指導するバレーボール実技講習会が 1
月 22 日(土)、小・中学生やママさんバレーボールチー
ムの選手 80 人が参加し、総合体育館で開催されました。
この講習会は、バレーボールを通してスポーツの楽しさ
を多くの方に知ってもらおうと、NPO 法人バレーボー
ル・モントリオール会が主催し、品川区スポーツ協会の
共催で開催したものです。実技講習会の後、パネルディ
スカッションが行われました。
ジュニアスポーツ指導者の危機管理力 ― 多分大丈夫は大丈夫ではない !!
指導者養成研修会を開催 ( 東京国体関連事業)
導にあたっていただきたいと思います」、と語っていま
した。参加者は、講師の話に聴き入り、メモをとってい
ました。
なお、研修会テーマと同名の図書(南北社、阿部和雄・
三輪康廣著)がスポーツ協会事務局に常備しています。
希望される方には貸し出しますので、当協会までお申し
出ください。
講師プロフィール
日本体育大学教授・コーチ学研究室主任、国際体操連盟
名誉国際審判員、全日本学生体操連盟会長
平成 25 年開催予定の東京国体を見すえ、スポーツ協
会ではジュニアスポーツの普及とジュニア選手の発掘・
育成を行うため、平成 18 年度からジュニア育成地域推
進事業に取り組んでまいりました。平成 22 年度は、弓道・
ゴルフ・サッカー・柔道・ソフトテニス・卓球・バドミ
ントンの 7 種目で実施し、競技人口の拡大やジュニア競
技環境の整備を行ってきたところです。
平成 22 年度のジュニア育成地域推進事業の一環とし
て指導者養成研修会が 2 月 20 日(日)、総合体育館会議
室で開催されました。この研修会には、区内の学校の部
活動顧問の先生や体育教諭、スポーツ協会加盟団体指導
者など 47 人が参加しました。
講師には日本体育大学教授で、器械体操日本代表の内
村航平選手が所属する同大器械体操部の部長でもある三
輪康廣氏を招き、「ジュニアスポーツ指導者の危機管理
力」をテーマに講演していただきました。
講師は、「スポーツ危機について理解していても、実
施していないといった油断からケガなどのアクシデント
を招きます。スポーツにおける危機は、あらかじめきち
んと学ぶことで予防ができます。各種目の指導員の方に
は、スポーツにおける危機管理を十分理解したうえで指
7
●