デジタル化の完遂に向けて

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大阪市中央区谷町 1 丁目6番4号
〒540-0012 天満橋八千代ビル4階
近自無協だより
一般社団法人
近畿自動車無線協会
Tel 06-6941-4600
Fax 06-6946-1660
No. 222 (H28.10)
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デジタル化の完遂に向けて
----- 残る特例措置等によるアナログ局の早期完全移行を ------会員の皆様方の経営努力と支援制度の創設、積極的な活用で、タクシー無線のデジ
タル化は、その期限の本年5月31日を迎える中、大きく進展しました。
今後は、この6月の特例措置により再免許を受けたアナログ局と有効期限未到来の
アナログ局の計画的なデジタル移行が課題です。
“デジタル化”の進展
デジタル移行期限後の本年9月末現在の近畿2
表 1 移動局 (自営無線のみ)のデジタル化率
府4県の自営無線のデジタル化率は、免許人数で
府県名
移動局数
デジタル局
率%
270者中248者の91.9%、移動局数で14,
大 阪
4,180
3,822
91.4
334局中の13,694局の95.5%となって
京 都
3,512
3,451
10
98.3
います。
(総務省データ)。
兵 庫
1,901
1,887
99.3
奈 良
898
882
98.2
当協会会員における移動局
(自営無線方式のみ)
和歌山
429
359
83.7
のデジタル化は、9月末現在、表1のとおりで、
滋 賀
823
794
96.5
11,743
11,195
95.3
ほぼ同率の95.3%となっています。
計
また、IP 無線(推計6,496局)を含む会員の
表 2 会員 (IP 無線含む)のデジタル化移行率
デジタル化率は、表2のとおり175会員中16
府県名
3会員の93.1%で、移動局数では18,239
大 阪
局中の17,
691局の97.0%となっています。
デジタル会員
率%
46
45
97.8
京 都
22
20
90.9
この中で、大阪をはじめ規模の大小にかかわら
兵 庫
47
44
93.6
ず、携帯IP無線システムへの移行が急激に進ん
奈 良
27
26
96.3
だのが大きな特長です。昨年4月から本年5月末
和歌山
20
17
85.0
までの間で、
4,147局の移動局がIP無線へ移
滋 賀
13
11
84.6
行しています。期限ギリギリまで待ってIP移行
計
175
163
93.1
された会員が多くなっています。
-1-
会員数
残るアナログ局のデジタル化移行
デジタル化移行を計画しながらも、助成金の申請手続き等に時間を要する
など止むを得ぬ事情から、特例措置としてのアナログ局の再免許を受けたも
ののほか、若干ですが、免許の有効期限が未到来でアナログ局としての免許
がまだ残っているものもあります。
1
特例措置の再免許を受けたアナログ局について
残る会員のアナログ局 548 局については、
近畿総合通信局からは、今回のアナログ再
一部免許の有効期間が満了していないアナロ
免はあくまで特例措置であり、その再免許申
グ局(3 者 97 局)がありますが、アナログ終了
請時に提出した「アナログ周波数の使用停止
計画確約書を添付して本年 6 月の再免許を受
計画確約書」に記載した期限までには必ずア
けたアナログ局の 10 者 464 局については、4
ナログ通信方式の周波数の使用を終了(自営無
者が本年 12 月まで、残る 6 者は来年 5 月末ま
線のデジタル化又はアナログ無線局の廃止届
でとなっており、全会員が 1 年以内のデジタ
の提出)するようにとの、強い指導を受けてい
ル移行を計画しています。なお、このうち 1
ます。
者 13 局については、既にこの 6 月中に IP 無
確約書記載の終了計画どおりの計画実行を
線へ移行完了しています。
2
お願いします。
有効期限未到来のアナログ局について
免許年月日の関係で、たまたま有効期限
タル化の移行期限は本年5月末との考え
が未到来で、アナログ局として残っている
方ですので、有効期限に関わらず計画的な
無線局(97 局)がありますが、基本的にデジ
デジタル移行をお願いします。
これまでに協会事務局で把握したこれらのアナログ局の移行計画の内容(一部不確定のものを
含む)は次表のとおりです。
アナログ局残
デジタル自営無線
会員数
局数
会員数
大阪
1
358
0
0
1
358
京都
2
61
1
3
1
58
兵庫
3
14
3
14
0
0
奈良
1
16
1
16
0
0
和歌山
3
70
2
37
1
33
滋賀
2
29
2
29
0
0
全体
12
548
9
99
3
449
-2-
局数
IP 無線移行
会員数
局数
再免許手続き(免許の有効期間が平成 29 年 5 月 31 日)について
1
再免許申請について
免許の有効期限が来年29年5月31日
今年度は対象となる会員は多くはありま
までとなっている無線局については、その
せんが、お手元の無線局免許状で免許の有
再免許の申請を、本年の12月1日から来
効期間をお確かめの上、対象となる無線局
年2月28日まで(有効期限の6ヶ月前か
をお持ちの会員は、お付き合いされている
ら3ヶ月前まで)にしなければ免許が切れ
無線機メーカー、代理店等へご確認等いた
てしまい、6月1日以降は無線が使用でき
だき、早期に手続きを進められるようお願
なくなります。
いします。
2
再免許の電子申請手続について
例年取り組んでおりますが、当協会では、
こととしています。経費、労力等の負担軽
申請手続きの電子化を進めています。特に
減のため、是非、電子申請を活用ください。
免許申請や再免許申請については、申請手
こちらも無線機メーカー、代理店等へご相
数料が28%の減額となることから、賛助会
談ください。
(再免許処理方針が決まり次第、
員等と連携して、積極的に電子申請を行う
お知らせいたします。)
デジタル化支援制度の利用状況について
財政的な支援の、①日本政策金融公庫の低利融資 と②高齢・障害・求職者雇用支援機構の高
年齢者雇用安定助成金 の二つの制度の利用状況です。多くの事業者が活用されています。
27 年度の財政支援の活用は、低利子融資制度(日本政策金融公庫)が、90 社、7 億 36 万円、
高年齢者雇用安定助成金の取組みが、整備計画認定 468 社、支給総額 19 億 5,258 万円(493 社)
に上っています。
なお、28 年 6 月末での合計では、低利子融資が、216 件、19 億 8,357 万円、高年齢者雇用安
定助成金が、認定 985 社、支給総額 24 億 67,559 万円(653 社)になっています。
財政支援
25 年度
低利子融資
26 年度
27 年度
117 件
90 件
207 件
合
計
制度活用
―
10 億 8,783 万円
7 億 36 万円
17 億 8,819 万円
高齢者雇用
認定 47 社
412 社
468 社
927 社
安定助成金
支給 1,000 万円
2 億 1,625 万円
19 億 5,258 万円
21 億 7,883 万円
制度活用
(2 社)
(63 社)
(493 社)
(558 社)
-3-
IP 無線共済事業の一部拡充について
IP 無線への移行が急ピッチで行われる中、全自無連が昨年12月から始めた IP 無線による無
線配車を支援する「無線共済事業」は、8月末現在、84社、928移動局を超える申込・相談
がなされています。近畿では、5社、57移動局の利用となっています。
この無線共済事業は、全国各地の小規模事業者や兼業事業者に多く採用され、ランニングコス
トを抑えた IP 無線の利用者に喜ばれていますが、さらに、本格的データ配車システムへの拡充
や端末リース制の適用など利便性の拡充が求められており、全自無連では、無線共済事業の拡大
等について検討を進めています。
そうした中、大手事業者向けの本格的データ配車ソリューションシステムへの無線共済適用に
ついて、ソフトバンク、西菱電機等の対応協力がいただけることになりました。
また、今後の適用拡大策として、NTT ドコモから、端末レンタルサービスの提供について提
案がありましたので、専門委員会及び正副会長会に諮り、実施に移していくこととしています。
その他の拡充策については、引き続き通信提供事業者等との折衝を進めています。
①
ソフトバンク:データ配車ソリューションシステムへの適用
②
NTTドコモ:端末レンタルサービス提供の適用申出
無線共済制度利用の特典
無線共済事業の拡充
【特典1】 会員限定の割安な通信料金 基本通信料
(月額)870円以下
【特典2】 導入費用の大幅縮減 車載IP無線機の特別
ディスカント、回線利用契約手数料の減免
【特典3】 通信料の従量制撤廃(ソフトバンク)・
通信料わけあい制導入(ドコモ)
通信料上昇不安を解消
【特典4】 減車等に伴う車載端末解除料の減免扶助
IP無線音声配車システム
携帯通信事業者
携帯基地局
ABCタクシー
通信管理サーバー
無線配車センター
【特典5】 ハンディ機、指導車、兼業事業者の対応可能
指令局用IP無線機
携帯基地局
CTI顧客管理PC
(オプション)
上りAVM
スマホ配車
(非対応)
迎車
NTTドコモの無線共済事業適用
電話注文
配車指令
デジタル化貫徹に寄与
11台以上の端末リース制を適用
顧客
配車センターに指令局(車載器を転用)を設置し、音
声配車指示を行う。(AVMは上りのみオプション)
自営IP無線データ配車システム
固定通信事業者
GPS
携帯基地局
ABCタクシー
統合型配車アプリ提供
携帯通信事業者
専用回線
自前システム
ソリューション
無線配車センター
AVM無線配車サーバー
携帯基地局
ソフトバンクの無線共済事業適用
CTI顧客管理システム
スマホ配車
迎車
本格的データ配車システムを拡充
IVR自動
音声対応
電話注文
センター・サーバー設備、車載端末等を自前整備し、
携帯IPネットワークを利用して無線データ配車を行う。
-4-
顧客
タクシー無線高度化セミナーのご案内
~ICT の利活用によるタクシー無線の一層の高度化を目指して~
開催趣旨
デジタル化を踏まえた「タクシー無線」の一層の高度利用に向けて、現在開発、実証実験等
が行われている ITS や自動走行、音声自動翻訳システム等の ICT 関連の新たな技術や取り組
み等について理解を深め、その利活用や連携による今後の高度化や事業の活性化、利用者の利
便性の向上等の検討に資することを目的として開催します。奮ってご参加ください。
○
日 時
平成28年11月24日(木)午後2時から午後5時まで
○
会 場
大阪
京橋 太閤園 迎賓館2階 ゴールデンホール
大阪市都島区網島町9-10 TEL 06-6356-1110
○
セミナー 受
付 午後1時30分から
開 演 午後2時から
演題1 「ITS や自動走行の概要と将来展望」(仮題)
ITS、自動運転の技術や制度の概要と今後の展開、将来展望などについて
講
師 トヨタ自動車㈱
渉外・広報室
コネクティッドカンパニー
担当課長
菅沼 英明
ITS企画部
様
演題2 「タクシー事業における多言語音声翻訳システムの活用」
鳥取で行われている観光タクシーでの社会実証実験の模様や今後の取り組
みなどについて
講
師 KDDI㈱ 技術開発本部
課長補佐
階
技術戦略部
研究開発企画グループ
有良 様
演題3 「タクシー無線の高度化の取り組み」
これまでのデジタル化の取り組みと今後の移動体通信の高度化の動向など
について
講
閉
師 (一社)全国自動車無線連合会
専務理事
岡﨑 邦春
様
会 午後5時
なお、セミナー終了後、講師を交え簡単な交流会を開催します。併せてご参加ください。
○
定 員
100名 (定員になり次第申し込みを締め切ります。)
○
参加費 無料
○
参加申込み 近畿自動車無線協会 事務局
会社名、参加者名、連絡先を明記の上、FAX にてお申し込みください。
-5-
トピックス
「神戸ドコモ見守りサービス実証事業」スタート
~
神戸市域のタクシー事業者22社が協力
~
神戸市と株式会社NTTドコモは、
「神戸ドコモ見守りサービス」の実証事業の第一弾と
して、神戸市内の2校の小学生への「見守りサービス」を、9月15日から開始すると発表
しました。
○「見守りサービス」の仕組み
小さな「BLCタグ」※を持った児童が、地域の協力する施設のレシーバーや、協力
する住民あるいはタクシー運転手などのスマートフォンとすれ違うことで、すれ違う人
や利用している施設から、その児童の位置情報を転送して、保護者などのスマホへ知ら
せるものです。概要は、下図のとおり。
このデータのやり取りは全て自動で行われ、住民やドライバーも、スマホに専用のア
プリをダウンロードし登録するだけで協力できるものです。
(神戸市 9 月 15 日付報道発表資料より)
※BLC(Bluetooth low energy)タグは、小型電池を内蔵し定期的に信号を送るもので、
大きさも数センチ程度、いろいろなものに取り付け、その信号を受けことでおおよその
位置が分かります。low energy のとおり、内臓電池は数ヶ月から 1 年程度持つといわ
れています。
そして、協力する鉄道の駅とともに、地域の公共交通機関として、兵庫県タクシー協会の
神戸市域の事業者22社が、神戸市、NTT ドコモと連携して、この実証事業に協力します。
ICTを活用した新たな取り組みですが、地域の隅々まで移動するタクシーがこの事業に
参加することにより、より大きな効果が見込まれます。さらに地域に密着し、地域に信頼さ
れて、一層の地域社会貢献が進むことが期待されます。
-6-
全自無連 総務委員会・IP組織委員会等の開催
去る9月14日(水)から15日(木)にかけて、全自無連の総務委員会及び
第6回全国 IP 組織委員会の合同会議と、全国専務理事会議が開催され、
デジタル化移行の結果や無線共済事業の拡充等について議論がなされま
した。その概要を報告します。
[平成28年9月総務委員会 第6回全国IP組織委員会
合同会議]
平成28年9月14日(水)14時から (会場 東京 自動車会館2階 会議室)
近畿からは、全国IP組織委員会副委員長の 古知愛一郎 理事が出席されました。
①
デジタル化移行の結果について
・デジタル化及び IP 無線への移行結果と今後の取り組みについて
②
無線共済事業の拡充について
・無線共済事業の拡充と関係規定の改正検討について
③
報告
無線共済規程の制定等について
提案、承認
提案、承認
全自無連として、デジタル化及び IP 無
端末レンタルサービスの適用申出等につ
線への移行結果の総括を行うともに、残る
いて、及びこれらの拡充に伴う無線共済規
アナログ局の移行計画等について報告さ
程の改正案について、審議、承認され、来
れました。また、無線共済事業の拡充につ
る10月7日開催の正副会長会に諮り決
いては、本紙4頁記載のソフトバンク社の
定されていくことが確認されました。
データ配車システムへの適用とドコモの
[全国専務理事会議] 9月14日(水)13 時~15日(金)12 時 (会場 全自無連会議室)
上記委員会への出席のほか、各議題の更なる論議と、28年度の事業計画の具体化、会
議配置、また組織の強化策等について意見交換が行われました。
****
○ 近畿関係
1
お知らせ
第三級陸上特殊無線技士
****
無線従事者免許講習会 開催される。
9月2日(金)、大阪市北区の「天満研修センター」において2府4県か
ら39名の受講者が集まり従事者免許講習会が実施され、受講者全員が合
格となりました。
なお、追加の講習会の開催の照会を若干いただきましたが、本年度の開
催はこの1回のみで、今後の計画はありません。来年2月頃に行う「従事
者需給調査」の結果を受けて、次年度(29年度)の開催を計画します。
-7-
2
タクシー無線担当者会議(賛助会員対象) 開催される。
9月27日(火)、大阪市中央区の「エル・おおさか」において、タクシ
ー無線担当者会議(賛助会員対象)が開催されました。残るアナログ局の
デジタル化完遂の推進方策や来年5月31日で有効期間が切れる無線局
の再免許手続き等、また、今後の高度化方策等について、説明や意見交換
が行われました。
○ 無線局定期検査の実施について
今年度の無線局定期検査の指定を受けた基地局は、この10月、11月が一番多くなっ
ています。登録点検等は、検査指定月の3ヶ月前からできますので、指定月間近になってあ
わてることのないよう、早めの準備をお願いします。
なお、今年度の定期検査対象の無線局は、会報誌(No.220)に掲載しています。
【今後の会議等の予定】
○ 全自無連関係
1
全国自動車無線連合会
正副会長会議 10月7日(金)~8日(土)(徳島市)
坂本克己会長出席
2
ICT推進シンポジウム(仮称) 12月9日(金) (東京開催予定)
○ 近自無協関係
1
正副会長会・理事会
2
タクシー無線高度化セミナー 11月24日(木)( 同 太閤園)(理事会終了後)
11月24日(木)(大阪京橋
太閤園)
事務局編集後記
久しぶりにセミナーを開催できることとなりました。ICT の利活用がどんどん進んでいく中
で、デジタル化後の取り組みの柱の一つとして、新たな ICT の導入、連携等によるタクシー無
線・タクシーサービスの高度化が挙げられていますが、今回は、今後のタクシー事業に大きな
関わりを持つであろう ITS や自動運転、また自動音声翻訳等の技術動向や実証実験の模様など
について、直接、研究や実証実験に携わられているご担当者からお話を伺います。奮ってのご
参加をお待ち申し上げます。(T)
※ 一般社団法人近畿自動車無線協会のホームページ、電子メ-ル
U
R
L
近自無協メール
電子申請メール
http://www.disclo-koeki.org/09a/01017/index.html
[email protected]
[email protected]
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