2012/4/19、 、講演資料 トヨタ生産方式(TPS)の本質と トヨタ生産方式(TPS)の本質と ITを活用した グローバルでの グローバルでのモノづくり でのモノづくり 黒岩惠 ([email protected]) (一社)持続可能なモノづくり・人づくり支援協会( 会長 (一社)持続可能なモノづくり・人づくり支援協会(ESD21)会長 )持続可能なモノづくり・人づくり支援協会( NPO「ものづくり 「ものづくりAPS推進機構」理事長 推進機構」理事長 「ものづくり 九州工業大学大学院客員教授 本日のトピックス 1. 製造業の現状認識とESD21 2. トヨタの経営哲学、トヨタ生産方式(TPS) 3. トヨタ生産方式(TPS)の本質とツール 4. TPSを基本にしたIT化とITによるTPSの進化 5. ITによる商品開発のQCD改善 6. グローバルものづくりへのIT化事例 7. まとめ <講師略歴> <講師略歴> 九州大修士課程修了後、トヨタでロボット含む生産技術開発、 工場建設、大規模制御情報システム開発、FAおよびTPSのIT化推進。 2000年より、トヨタのトップを補佐し、国のIT化施策に関わる。 定年退社後は、名工大(産学連携センター)客員教授、NPO活動に従事。 現在、(社)持続可能なモノづくり・人づくり支援センタ、NPO法人「ものづ くりAPS推進機構、九州工大大学院客員教授など。 Old Economy と New Economy ・IT社会の「光と影」。「我々は何を残し、何を捨てるのか」 (注) IT (Information Technology) と ICT (Information & Communication Technology) は同義で使います Old Economy てるか? 何を残し、何を捨てるか? ・ハード ・アナログ ・右脳 ・Face to Face ・暗黙知 ・匠の世界 ・ローカル ・クローズ ・スロー New Economy ・ソフト ・デジタル ・左脳 ・Virtual ・形式知 ・ IT(機械化) (機械化) ・グローバル ・オープン ・スピード 日本は東アジアの一島国になりつつある? リーマンショック、東海地区のトヨタショック、東日本大震災により 日本経済は疲弊。一からの出直しは戦後の復興と同じ? 1人当たり 人当たりGDPの世界ランキング推移 の世界ランキング推移 人当たり 2000年 2008年 3位 23位 出所:World Economic Outlook Database IMD国際競争力順位の変遷 国際競争力順位の変遷 業種別製造品出荷額の対前年比増減率推移 食料品 鉄鋼 生産用機械 輸送機械 製造品出荷額等の県別推移 愛知県 1990 1位 2010年 27位 出所:World Competitiveness Yearbook 出所:経済産業省「工業統計」 40兆 神奈川県 20兆 日本経済を支えてきた製造業の今後 東アジアと連携強化は必須 総人口:世界67億人の6割強(2010年) 総生産伸び率: 8.9% (2010年)、日本2.3% 製造業の海外展開の要因: ・超円高 ・国内法人税 ・人件費 ・電力問題 ・為替リスク ・少子高齢化 ・市場拡大 GDPの伸びの GDPの伸びの6 の伸びの6割は自動車産業 世界市場のシェアの推移 自動車とデジカメは強い 法人税の国際比較 今後は、国内投資より海外へシフト 1400億円 1400億円 出所:産業構造審議会報告書(平成22年6月) ESD21のトップページ のトップページ https://www.esd21.jp/ リーン方式の名で競争優位のビジネスモデル として知られた と、イノベーションの として知られたトヨタ方式( 知られたトヨタ方式(TPS)と、イノベーションの トヨタ方式( ツール、情報技術(ICT)のシナジーによる事業展開 のシナジーによる事業展開 ツール、情報技術 団塊世代と若手のコラボ、参加者の自己実現、 QOLを支援する自律分散組織による事業展開 ESD21の海外連携国、ミヤンマー の海外連携国、ミヤンマー ・中国+1の東アジア展開国 として、ESD21の連携支援国 ・「市場、労働コスト、親日的、勤勉、 豊富な天然資源、安全な国」として ミヤンマーの発展は期待できる 2月、ミヤンマーのビジネス誌 「The Future」出版記念講演 “TPSと とITのシナジー”ということ のシナジー”ということ ビジネス活動とは「人間系(TPS)・機械系(IT)による、 情報処理・加工・伝達/生産のプロセス」をとおして、 お客様が満足(CS)する価値を創る活動 QCDの向上、CS/CV増加 入力 人 モノ 金 情報 情報の処理・加工・伝達 (設計図/決済書/生産情報 など、情報の流れ) 生産 (モノの流れ) QCD (Quality, Cost, Delivery) CS=Customer Satisfaction CV=Customer Value 出力 QCD 量 CS/CV オフィス業務 =人間系+機械系(コンピュータ) 生産現場業務=人間系+機械系(ロボット化/自動化) TPS IT 人の知的創造が企業競争力の決め手 ・トヨタ方式の基本は、技術よりマネジメント力、人的能力UP ・IT時代においても人(というコンピュータ)が最大の経営資源 ・人材育成(人的能力)と人・組織のモチベーションUPの仕組み創り 出典:『日経ビジネス 2000.1.10』日経BP社 産業構造の変化とイノベーション ITの技術革新により、全ての産業のプロダクト(消費財、 生産財、サービス)と、ビジネスプロセスは大きく変化した <課題> (1) 少子高齢化と人口減少の急速な進展 (2) ICTの技術革新による情報化・知識社会の進展 (3) グローバル化の急速な進展 (4) 地球規模での持続可能性(地球温暖化など) 自動車産業 IT業界の構造変化 垂直構造 (80年代中頃まで) 全製品をカバー 全製品をカバー IBM DEC 水平構造 (現在) 1. 2. 3. EV/HV対応(地球環境) 対応(地球環境) BRICs対応(メガコンペティション) 対応(メガコンペティション) バリューチェーン CPU: Intelほか OS: Windowsほか (例) モジュール化 Roof AP: SAPほか Cock-pit N/W: Ciscoほか 周辺: Canon ほか Front-end PC: Dellほか Chassis MCC Smart (例)プリウス Rear Seat Door トヨタ生産方式の歴史 1. ライン停止の文化 豊田佐吉 ・自働化(=Autonomation) コンセプト: 1902 自働化 ・人的能力を備えた自動化 2. Just-In-Time Process 豊田喜一郎 ・ “Just-In-Time” コンセプト: 1938 - 次工程の必要な部品だけを生産する - ムダの排除 3. 金型のシングル(10分以内)段取り 4. かんばんシステム - 引き生産 - 次工程の後補充 Type-G Toyoda Automatic Loom with Non-stop Shuttle Change Motion (1924) 新郷重夫 大野耐一 TPSの基本と求める組織構造 の基本と求める組織構造 TPSの理念: の理念: 二本の柱: ゴール お客様第一(Customer First) お客様第一( ・ジャスト・イン・タイム(Just-In-Time ) ・ジャスト・イン・タイム( ・自働化 (Autonomy, 自律した自動化) 自律した自動化 常にあるべき姿(To Be)を目指し「改善」し続ける 人間集団を創り上げること <30年前> 実世界 ディーラ 抽象化 モデル N/W 本社 具体化 車両工場 エンジン工場、 部品サプライヤ ホロニクス型:調和型自律分散 ホロニクス型: オーケストラ(組織)という 全体は、構成する各演奏者 という個で成り立つ サトウサンペイ、「フジ三太郎」朝日新聞より <2000年以降> 指揮者という統率する人がいなくても自律分散 (自己完結)した組織で仕事、すなわちシステム オルフェウス管弦楽団 (指揮者のいないオーケストラ) が自己組織化されて、運営される理想像の追求 トヨタシステム・・・TPSと トヨタシステム・・・ とToyota Way トヨタ生産方式の本質は、技術や方法論でなく、人的能力 向上 トヨタシステムの4P(Philosophy, People, Process, Problem solving) 顧客満足CS 顧客満足 、顧客感動CD 、顧客感動 顧客価値CV 顧客価値 (Customer Value ) QCDE( Quality, Cost, Delivery , Environment) の追求 Just-In-Time 必要な物を 必要な量を 必要な時に ・工程の流れ化 ・タクトタイム ・後工程引取り ・小ロット化 人とチームワーク People & Teamwork 改善活動 無駄の排除 ・現地現物 ・真因の追究 ・7つの無駄 ・問題解決 自働化 (Autonomy) ) 工程内での 品質の造り込み (問題の顕在化) ・省人化 ・自立化/自律化 平準化 (Leveled Production)、標準作業 、標準作業 目で見る管理(Visual Management):情報共有 ):情報共有 目で見る管理( 従業員満足 ES (Employee Satisfaction) 労使信頼、企業風土、 トヨタのDNA トヨタの トヨタ生産方式の2本の柱 「お客様第一」を理念に2本の柱「ジャストインタイム」と「自働化」 ジャスト・イン・タイム (売れないモノを造る余裕はない) 1)ジャスト・イン・タイム 平準化を前提に 「必要なモノを、必要な時に、必要なだけ」 造り、運ぶ 2)自働化 自働化 (不良品を造っておれない) 機械にもインテリジェト化して 「異常や問題があれば自ら止まり」、 見張り番をなくして省人化する モノと情報の停滞をなくし、 リードタイムの短縮 資金回収 ・新車開発のCE/SE の迅速化 ・生産・販売のTPS 人も機械も自律化して 自工程完結、品質確保 ・品質を自工程で造りこむ ・人の付加価値/生産性UP 阻害要因をひとつひとつ知恵を出して解決 ムダ・異常を排除して原価低減につなげる ビジョンの共有 “Toyota Way 2001” ・「トヨタの基本理念」の行動指針として2001年に策定 年に策定 ・「トヨタの基本理念」の行動指針として ・「人を最大の経営リソース」とするTPS(トヨタ生産方式)をベースとして策定 (トヨタ生産方式)をベースとして策定 ・「人を最大の経営リソース」とする 暗黙知として存在 するトヨタ独自の 思想・価値観・手法 真のグローバル 企業への脱皮 <2本の柱> 本の柱> Continuous Improvement 知恵と改善 Respect for People 人間性尊重 トヨタウェイとして グローバルトヨタで 見える化、情報共有化 <5つのキーワード> つのキーワード> Challenge Kaizen Genchi Genbutsu (現地現物) Respect Teamwork ものづくりとトヨタ生産方式(TPS) TPSは、リーン方式 は、リーン方式(アジャイル)の名で世界の人達は真剣に学ぶ は、リーン方式 アジャイル)の名で世界の人達は真剣に学ぶ 1970 トヨタ 生産方式 の発展 1990 2000 2010 ’37 トヨタ自動車創立 伝統的TPSからの脱皮 伝統的 からの脱皮 ’73 トヨタ生産方式(社内マニュアル) ・グローバル展開 ’78 トヨタ生産方式出版(大野) ・生産から経営全般 ’83 トヨタ生産方式出版(門田) ・ICTの技術革新 ’85~90 USの日本産業の視察 リーン 方式の 発展・展開 (US,海外) T ’90 The machine that change the world(Womack) リーン生産方式がUSから世界に普及 リーン生産方式が から世界に普及 ’03 The Toyota Way (Liker) TPSを起源とした 手法/コンセプト 国内の 製造業 1980 リーン方式が他産業界へ普及 6シグマ、ECR,TOC 6シグマ、 生産の海外移転 Agile ソフト 開発 再度、海外移転 (円高など) 生産の国内回帰 リーン方式という名のトヨタ生産方式(TPS) リーン方式という名のトヨタ生産方式( 生産現場だけでなく、全ビジネス活動はリーン方式への脱皮が必要 <GM・トヨタ生産性比較> ・トヨタ生産性比較> GM Framingham 製品時間[時間/台] 製品時間[時間 台] 31 1987年時点の調査資料 年時点の調査資料 Toyota NUMMI Takaoka Fremont 16 19 135 45 45 作業スペース 8.1 4.8 7.0 平均部品在庫 2週間分 2時間分 2日分 不具合[件/100台] 台] 不具合[件 19世紀 クラフトマン生産 (職人の手工業) 20世紀前半 マス(大量)生産 (フォード方式 フォード方式) フォード方式 20世紀後半 リーン生産 (トヨタ方式 トヨタ方式) トヨタ方式 出典:J.P.Womack, et al., The Machine that Changed the World (IMVP Survey) 21世紀の企業競争力の向上は? ・N/Wコラボレーションによる バーチャルエンタープライズ ・人と組織の知的資産の創造、 知の共有と再生産 ・人(TPSによる改善・改革力)と IT(技術とツール)のシナジー 17 USがトヨタから学んだ がトヨタから学んだ NUMMI 全米一のローテク工場が生産性では全米一(米Fortune誌) TPSの本質 “人間性尊重による人的能力向上のしくみ”が USの得意とするハイテク戦略を凌駕した。 • 1982 – GMがカリフォルニア州フリーモント工場を閉鎖 – 最低の生産性、欠勤率 • 1984 – NUMMI (Toyota & GM)として再開 – GM閉鎖でレイオフされた労働者(多能工化して)で再開 – スタッフの役割は、指示ではなく支援 – 訓練された小グループで自律的運営(設計、現場作業) – 作業者の判断によるラインストップ、問題点の顕在化と改善 • 1985 – 生産性と品質は2倍に.GM全工場を抜く. NUMMIはGMとの提携解消。トヨタは同工場の一部でテスラ テスラとEV(電気自動車)生産 テスラ リーン思考の5つの原則 ・TPS/リーン方式は、お客様のPullによる価値の流れの構築 ・全ての業種業態におけるTPS/リーン思考の共通概念 1. Specify Value 顧客の期待で価値を定義し、 商品各々の価値を表現する 5. Work to Perfection ムダを徹底的に削除して、 全ての活動が顧客の価値 を創造する 2. Map the Value Stream 価値の流れを全プロセスで見える化。 各ステップで顧客サービスに対して 価値有無の割合をマッピング 3. Establish Flow 商品、サービス、情報の流れを、 全プロセスを通して最初から 最後まで連続した動きにする 4. Implement Pull 後工程が前工程にPull情報(TPSでは“かんばん”) を出さなければ、前工程は何もしない。 TPSで良く使われる言葉 で良く使われる言葉 Andon Andon (行灯) : Signboard Mieruka (見える化) : Visibility , Visual management Genchi Genbutsu (現地現物) :Go and see for yourself Hansei (反省) : Self-reflection Heijunka (平準化) : Production Smoothing Jidoka (自働化): Autonomation, Automation with human intelligence Just-in-Time (ジャストインタイム) :JIT Kaizen (改善):Continuous Improvement Kanban (かんばん) :Sign, Index Card Muda (ムダ) : Waste Mura (ムラ) : Unevenness Muri (無理) :Overburden Kanban ツールの使い方をとおして本質を学ぼう ツールや” Know how” より “ Know why” を アジャイル TPS 明示知 (形式知) かんばん、あんどん ポカよけ、一個流し Pull ツール(Tool) リファクタリング、ペアプロ TDD,朝会、イテレーション ツールの本質 “How to”やツールの 存立根拠、本質 TPSの本質 TPS/Agileの本質 人的能力の100%発揮 人間性尊重 暗黙知 日本的経営の持つ良さの堅持 ①TPSでは、お客様のPullに合わせた仕事の流れ、モノの流れの構築。 そのために、ムダの徹底的な排除。 ②「あるべく姿をめざして」改善しつづける人間集団を創ること。 TPSの根底思想:原価主義より原価低減 の根底思想:原価主義より原価低減 ・利益を上げるためには、原価低減努力しかない。 一人一人が「これ1個いくら」という原価意識を持つ ①売価を上げる ②原価を下げる 需要 > 生産 需要 < 生産 原価主義: 原価低減: 売価 = 原価 + 利益 利益 = 売価 - 原価 利益 利益 売価 売価 原価 原価に一定の利益を乗せて 売価を決定 原価 売価は買い手が決める 利益確保のために原価を低減 リードタイムの短縮 リードタイムとは ・最初の工程から最後の工程までのモノの通過時間 ・生産のリードタイム=加工(組立)時間+運搬時間+滞留時間 ・ビジネス全般では、「受注から納品まで、代金回収までの時間」 加工(組立)時間 素形材 素材加工 (鋳造、鍛造) 機械加工 (旋削、研削) 組付け、組立 お客様へ (次工程) 付加価値を 付けた時間(V) 運搬時間、手待ち、在庫の滞留時間(T) リードタイム=原価 リードタイム短縮は原価低減と同じ トップクラス(V/T=1/200~300),普通( V/T= 1/2,000~3,000)、 ひどい現場( V/T= 1/20,000~30,000) 徹底したムダの排除 <7つのムダ(無駄)> ムダの定義 「原価を高める生産の諸要素」、 「付加価値を高めないもの全て」 ① ムダ なくすことができる作業上の不必要な動作 1)造りすぎのムダ (最悪なムダ) 2)手待ちのムダ 3)運搬のムダ 4)加工そのもののムダ 5)在庫のムダ 6)動作のムダ 7)不良品、手直しのムダ (例) 待ち時間、材料の並べ直し ② 付加価値はないが必要な作業 今の条件下では付加価値はないが、 やらなければ ならない動作 (例)組付けのため、部品を持ってくる作業 正味作業 ムダ 作業者の 動作 ③ 付加価値のある正味作業 作業により、付加価値を与える動作。加工作業や 付加価値はないが、 組立作業により、モノの形状や質を変える作業 必要な作業 リードタイム短縮 ジャストインタイムの目的はリードタイム短縮 お客様に価値を提供するリードタイムの削減 第一ステップ; 第二ステップ; ムダの削減 付加価値のない必要な作業を無くす リードタイム短縮 = コスト低減 付加価値 付帯業務 付加価値作業とムダ、 付加価値のない付帯作業 の区分 $ $ $ $ $ $ $ $ ムダ お客様への価値作業 結果: 結果 リードタイム短縮, リードタイム短縮 コ スト削減, スト削減 品質向上 リードタイム短縮 コスト削減 25 IT活用によるトータルリードタイム短縮 活用によるトータルリードタイム短縮 ・リードタイム短縮はコスト低減と同じ (1)商品開発期間短縮 (2)生産、物流、販売の連携によるリードタイム短縮 ・情報の共有化、見える化、オープン化 商品開発 生産準備 開発リードタイム 生準リードタイム 二次 一次 生産ライン 販売店 (卸) 営業所 (小売) 情報のリードタイム 調達のリードタイム 生産リードタイム 物流・販売リードタイム トータルリードタイム お客様 お客様の引きによる流れの構築 TPSの「あるべき姿」=仕事(物)の流れ、人間尊重と生産性の両立 ・お客様からのPULL ・自律化 ・リードタイム短縮 ・平準化 ・同期化 ・小ロット化 ・一個流し ・セル方式 発散 収束(集約) 素形材 完成品 (車) 発散 お客様 部品 生産(発散と収束) 逆生産(リサイクル) 収束 素材から部品、部品から車まで同期化 1a-1b-1c-1d-1e-1f 2a-2b-2c-2d-2e-2f 完成品(車) A-B-C-D-E-F na-nb-nc-nd-ne-nf A B C お客様 D E F 27 生産工程の流れ化 TPSの「あるべき姿」は「顧客の引きに応じた、滞留のない流れの構築」 の「あるべき姿」は「顧客の引きに応じた、滞留のない流れの構築」 1.流れの簡素化 ・外注に中間工程を出すな 安価な設備を使って内製化 2.工程の分岐合流をなくす(乱流から整流へ) 工程の組み方の悪さ 迷路の解消 熱処理 鍛造 検査 鍛造 安価な設備で整流化 熱処理 ショット 検査 ショット 製品があちこちに停滞 在庫量大 簡素な流れ 先入れ先出し 工程間停滞少 3.ラインの中は1個ずつ工程順に流す 各作業者がある量を造ったら次工程へ品物を運ぶ 材料 A 在庫 在庫 A A B 在庫 B 在庫 B C 完成品 1個ずつ品物を造り次工程へ流す 材料 A⇒B⇒C 完成品 お客様の引き(Pull System) ) お客様の引き( ・お客様(次工程)の引き(Pull)による作業(運搬、生産) ・かんばん方式は次工程の引き(Pull)による連続した流れを実現 一般的なビジネスプロセス : Push Process Push 中間在庫 ボトルネック スペース 指示装置から各工程へPush情報 工程1 工程2 工程 工程3 工程 工程4 工程 指示装置 待ち時間 個々のペーパークリップがバリューチェーンにおける お客様のPush それぞれの仕事のプロセスとイメージ トヨタ生産方式(TPS) トヨタ生産方式( ): Pull Process ボトルネックを無くす 仕事に流れをつくる 作業場所を小さくできる お客様の引き 品質は向上する 後工程のかんばんのPull情報 工程1 工程2 工程 工程4 工程 引取りかんばん Customer Pull 工程3 工程 お客様のPull トヨタの車づくりにおける物と情報の流れ <生産工程 生産工程> 生産工程 物の流れ 情報の流れ Assembly Line Control (ALC) プレス 溶接 塗装 販売店 組立 車両組立工場 鋳造 鍛造 機械加工 組立 部品メーカ 生産指示かんばん 部品引き取り かんばん 工程 工程 工程 後工程のPullによる「かんばん方式」 後工程の による「かんばん方式」 Process 注文(Push) Process Process 注文(Push) <MRP(Push)> 注文(Push) モノの流れ 情報の流れ 情報システム 注文(Pull) 注文(Pull) 注文(Pull) Process Process Process 内示(Push) <Kanban(Pull)> 情報システム 内示注文; 情報システム(MRP) によるPush、確定注文; かんばんによるPull 部品発注の量 (Forecast, Real) 内示 (Push) かんばん(実需) (Pull) Time (Month) 31 “かんばん”を外す TPSを基本の生産・物流も を基本の生産・物流も 80年代初からIT化 年代初からIT化 ・伝統的TPS(人間情報処理システム)は (人間情報処理システム)はITで進化 ・伝統的 (人間情報処理システム)は で進化 ・現在、TPSは“トヨタウェイ”としてトヨタの全部門へ ・現在、 は“トヨタウェイ”としてトヨタの全部門へ <80年代前半まで> <90年代~> 本社 生産工場 IT IT TPS IT TPS 人中心の日本的管理 人中心の日本的管理 ・単一民族 ・農耕文化 ・「和」「道」 ・暗黙知 -プロセス指向 プロセス指向 -改善 改善 -協働 協働 -オープン オープン -フレキシブル フレキシブル <現在> 人間系(TPS) と機械系(IT) 技術(IT)中心 技術( 中心の欧米的管理 中心の欧米的管理 -結果指向(成果主義) 結果指向(成果主義) イノベーション ・経営管理の融合 -イノベーション -創造 創造 ・良いとこ取り ・人種の“るつぼ” -クローズ クローズ の経営へ ・狩猟/略奪文化 -固定化 固定化 (マニュアル化) ・「自己主張」 ・形式知 車両組立工場のIT化(生産・物流) 車両組立工場の 化(生産・物流) ・欧米のCIM(IT化)に対してトヨタはHIM(人主体の (人主体のTPS) ) (人主体の ・80年代後半からTPS(人間情報システム)をITで強化 TPSによる人材育成を基本にしたIT(道具)導入。 80年度後半 組立工場のIT化 プレス工程 ブロードバンド ・自律分散型ALC ・ブロードバンド ・RFID 90年度後半 ボディー溶接工程 かんばん方式のIT化 ・e-かんばん 塗装工程 RFID 組立工程 RFID IT化推進と現地現物 IT化の課題 ・ビジネス活動は“生身の人間”による生きたシステム。 改善できないIT化はダメ。柔らかい自律分散型のIT化 ・しくみの悪さを情報システム(IT化)により隠蔽させるな ・情報システム(IT化)の導入で無駄込みの自動化にするな ・現地現物 ・3現主義=現場・現物・現実 「現場に行って、現物を通して、現実を見て行動すること ・5ゲン主義=3現主義+原理・原則 原理:多くの物事がそれによって説明できると考えられる 根本的な理論 原則:基本的なルールで日進月歩する 34 なぜ、なぜを5回で真因の追究 なぜ、なぜを 回で真因の追究 TPSによる人材育成の肝は、「なぜなぜ分析」による真因の追究 (米国のロジカル・シンキング手法で体系的に学ぶことは可能) 機械が動かなくなった ①単純な表現 ②因果関係は逆も成り立つか ③問題は事実に基づき、拡散しない 1回目 回目 なぜ機械は止まっ なぜ機械は止まったのか 過負荷で 過負荷でヒューズ ューズが切れた 2回目 回目 なぜ、過負荷 なぜ、過負荷にな 過負荷になっ になったか 3回目 回目 なぜ十 なぜ十分に潤滑 分に潤滑しないか 潤滑しないか 潤滑ポン 潤滑ポンプがくみ がくみ上げていない 4回目 回目 なぜ十 なぜ十分にくみ 分にくみ上げないのか ポンプの軸が磨耗してガタガタ 磨耗してガタガタ 5回目 回目 なぜ磨耗 なぜ磨耗したのか 磨耗したのか 濾過機がついてなく 濾過機がついてなく切粉 機がついてなく切粉が 切粉が入った 入った 軸受部の 軸受部の潤滑が不 潤滑が不十 が不十分 再発防止対策: ストレーナの取付け 人間系と IT系とのアナロジー 系とのアナロジー 人間系 人(の脳) 組織 管理 情報伝達 情報伝達 企業内連携 コンピュータ 情報システムアーキテクチャ 機械系 IT系 系 Control 制御 Communication 通信 企業間連携 ・取引 ・マーケティング、設計、生産 ・開発 ・垂直 ・水平 ・開発、設計 ・同業 ・異業 ・スタッフ、ライン ・域内 ・域外 ・前工程、後工程 ・国内 ・国外 ・管理部門、現場 企業 組織 組織 企業 個人 個人 組織 個人 個人 企業 組織 組織 企業 ビジネスパートナ 企業 企業 コンピュータ連携 ・TCP/IP ・API ・EAI ・EDI ・SOAP ・UDDI ・EC(B2B,B2C,B2G) ・CGI ・DGI ・GUI ・P2P ・CORBA ・サーバークライアント インターネッ インターネット エキストラネ エキストラネッ ストラネット イントラネッ イントラネット COM COM COM COM LAN COM COM COM COM WAN COM COM COM COM=Computer COM チームワークによる改善 1.情報(方針、販売、生産、品質)の共有化と共通認識 1)見える化 2)標準づくり(標準無ければ改善なし) 3)チームによる改善 ・QCサークル発表会などによる知識の交換 ・知識、技能の伝承 ・個人(チーム)、組織力UPのためのベクトル合わせ ・組織としての能力開発 (多能工化へのスキルマップ) 2.改善は職場の5Sから 3.なんでも話せる職場づくり ・あいさつ ・朝のミーティング ・休憩所での雑談 ・インフォーマル活動 4.IT化は個人や組織細胞を活性化し、コラボレーションを促進する。 組織としての ベクトル合わ ベクトル合わせ 組織力小 組織力大 システム/プロセスの見える化例 システム プロセスの見える化例 1枚の紙(巻紙)で、すべての関係者が全体を鳥瞰・俯瞰できる 従 来 システムブロック図 TLSCの活用 工程管理 基本構造図 工程図 システム・プロセスの見える化 システム範囲 システムの狙い ・・・・・・・・ W 吊上げ 正常 タグ交換 はねだし 電 着 床裏 ブース シーラ 建 付 シーラ マグカードを読ませる 建付 車両到着を知る 車両到着を知る 工程制御図 担当者 管理者・ユーザ には理解難 • 生産・物流分野の情報 システムの企画・検討 (注) TLSC=Total Link System Chart コンピュータ 機能図 コンベアを 停止させる 書込OK? NG OK 続行 マグカード入力を促す IDタグに 車両情報を書込む 車両番号認識 車両番号検索 車両情報一時保管 IDタグ用に車両仕様編集 現在トヨタで数百枚 管理者・ユーザを交えた検討 • 生産・物流分野 情報システムの企画・検討 • 業務プロセス分析・スリム化 • システムの開発 車のオーダーデリバリの業務改革 1.人は課題が「見える化」され、定量化されれば、全員参加の チーム活動で自発的に課題解決に動く (TPSの真髄・トヨタの風土) 2.全体の俯瞰,「見える化」され、各ポイントでのパフォーマンス メジャ(KPI)の明確化が、関係者の問題意識の共有化に有効 トータルリンクシステム図(TLSC) 見える化 全体最適 頻度 工 程 指個別改革 標 実態調査 年 年度計画 受注予測 予測的中率 月 販売計画 計画との (週) 生産計画 乖離率 輸送計 ファーム 遵守率 週 画 オーダ変更 リジェクト率 生 産 L/O遵守率 日 調 達 納期遵守率 完成車輸送 到着納期遵守率 納 車 納車日遵守率 目標 実績 NBC <85% <95% 0% 100% <95% <95% 100% 95% 98% 99.7% グローバル物流システムの設計 TLSCによる物流ルート、在庫、運搬量、運搬頻度、オペレーション、コスト などを1枚 枚の図面(巻紙)で全体を俯瞰し、多くの関係者から知恵の創出。 図面(巻紙) 事例3 北米での部品調達物流 (変更後) ITツール(物流シミュレータ)により最適化、関係者との情報共有化 - 太いパイプ、多頻度 イプ、多頻度 ・共同物流化(サプライヤ~ 共同物流化(サプライヤ~クロスド イヤ~クロスドッ クロスドック) ・北米のクロスドック設立 生産拠点 クロスドック センター 生産拠点 新しいITツールによる業務改革 新しい ツールによる業務改革 コミュニケーション力向 ュニケーション力向上 力向上 ・社内情報共有 ・従業員満足(ES) ・顧客満足向上(CS) (予約、カタログ、デジタルサイネージなど) 業務の効率化 効率化 ・CRM, SFA,ほか業務アプリ <最近注目されるICTの技術> ・Public クラウド(SaaS, PaaS, IaaS) ・仮想化(クライアント/サーバ/ストレージ) ・SNS ・NGN ・マイクロブロギング(Twitter) ・スマートフォン、タブレット端末 ・Business Intelligence ・SOA ・OSS ・Business Architecture 80年代中~ 2000年代中 スマートフォン ・クライアント/サーバ ・WEBシステム ネオダマ タブレット ネットワーク オープン ダウンサイゼイング マルチメディア IT構造の変化 45 ITによる業務改革の取り組み による業務改革の取り組み 経営戦略と一体化した、全体最適なIT活用による業務改革 ①開発~生産準備~調達のデジタル化 ②サプライチェーンの強化・可視化 ③顧客視点のマーケティング・バリューチェーン ④グローバルリアルタイムマネジメント 経営戦略 ④グローバルリア グローバルリアルタイ ルタイムマネジメ ネジメント システム 開発 生準 システム 調達 システム 生産 システム 物流 ③顧客視点の マーケティング/バリ ング バリュ バリューチェーン チェーン システム 販売 システム アフターセールス システム システム ②サプライチェ サプライチェーンの イチェーンの 強化・見える化 業務 ①開発~ 開発~生準~ 生準~調達の デジタル化 ジャストインタイムの目的はリードタイム短縮 ジャストインタイムのレベルを決める物差しはリードタイム リードタイムの大切さ ① キャッシュフロー ②競合他社 ③お客様の期待 ④ コスト低減 新車開発期間(月) 企画 スタイリング CAD設計 試作 生産準備 金型製造 量産立上げ 非付加価値時間 付加価値時間 設計コンセプト 商品開発 開発リードタイム 開発期間 量産開始 付加価値 付帯業務 生産準備 生準リードタイム 一次 生産ライン 調達のリードタイム 生産リードタイム 二次 新製品開発のリードタイム の短縮は宝の山 (コンカレント/サイマルテニアス Eng.) ・非付加価値時間カット ・並行(コンカレント)開発業務 トータルリードタイム 販売店 (卸) 営業所 (小売) 物流・販売リードタイム お客様 ムダ トヨタの主査制度と大部屋 主査システムとプロジェクトマネージャによる大部屋により 良いコミュニケーションとコラボレーション環境 Body Interior Chassis Elect. Proto. Eng. 機能横断 機能横断組織による「大 横断組織による「大部屋 組織による「大部屋」での 部屋」でのマ 」でのマネジメント <OOBEYA> > 品質、原 品質、原価、開発工程 価、開発工程 部品表 部品表、CAD/CAM/CAE 設計 生産準備 部品調達 人 生産 しくみ 部品仕入れ先 ICT 生産管理 物流 新車開発のリードタイム短縮 ・新車開発のQCD: 品質(CS/CD)、コスト(原価企画)、開発期間 ・組織改革、CE/SE 「見える化」によるコラボレーションとIT利活用 開発・試作 製品開発 商品企画 評価・検討 生産 実物 図面 実物による評価 開発・試作 現在 生産準備 量産設計 商品企画 製品開発 CE=Concurrent Eng. SE=Simultaneous Eng. シリーズ開発 L/O 生産 設計/生産準備のフロントローディング 評価・検討 生産準備 情報システム支援 ・スタイルCAD(DSR) 3次元モデル ・CAD/CAM (CATIA/Pro-E) ・CAE SMS(部品表) ・V-Comm/CASE (立体ビジュアル評価、会議) ・設変、図面情報の電子化 投入工数 過去 L/O(量産開始) 量産設計 変革後 ・性能向上 ・成形性 ・設備 従来 早期検討 設変作業 早期織込 期間 グローバルビジネスへのICT活用 グローバルビジネスへの 活用 グローバル展開の課題 ・人材の流動化 ・人材の育成 ・日本側の膨大な支援工数 ・暗黙知から明示知 ・自立化/自律化 ・現地(人)化 経営人材確保・育成としくみの確立 工場マネジメント改革(ソフト) 生産ラインの質の改革(ハード) 立地の違 電話、メール、 、メール、WEB 立地の違い: 電話 、メール、 経験の違い: マニュア ニュアル化 言語の 言語の違い: 通訳、 通訳、脱言語化 脱言語化 ICTの積極的活用 の積極的活用 ・デジタルエ ・デジタルエンジニア ンジニアリンク ニアリンク ゙(固有技術 ゙(固有技術・ 技術・技能 + コンピュ ンピュータ技術 ータ技術) 技術) ・情報ネッ ・情報ネットワーク(テレ ーク(テレビ会議 ビ会議、 会議、メール、画像 ール、画像伝 画像伝送)によ )によるコラボレーショ ーション ① 脱言語(色、絵、数字) ② ビデオ化(繰り返し見る) ③ 疑似体験(アニメーション) ④ ノウハウ手順書 ⑤ 脱言語DB化(簡単検索) ⑥ リアルタイムモニタ(現場の共有) グローバル・サプライチェーンへの対応 サプライチェーンの質的変化にもトヨタ生産方式(TPS) の基本の遵守 サプライチェーンの質的変化にもトヨタ生産方式( リードタイム・在庫の画期的削減 チェーンの短縮化、スリム化 ① 細い物流を太 い物流を太い物流 を太い物流 ② 低頻度から 頻度から小 から小ロット多頻度 ロット多頻度、満 多頻度、満載 、満載 サプライチェーンの整流化 付加価値, 付加価値,種類はできる 類はできるだけ できるだけ後 だけ後工程で作り 工程で作りこむ で作りこむ 供給拠点の 供給拠点の多極 拠点の多極化: 多極化:複雑 化:複雑化 複雑化 世界市場 世界市場への 市場への供給 への供給拠点 供給拠点は 拠点は日本1極 日本1極 米州 米州 欧州 欧州 日本 日本 アフリカ アフリカ 豪亜 中近東 アフリカ アフリカ 商品 新Project のサプライチェーン 欧州 日本 ベネズエラ ベトナム アルゼンチン アルゼンチン 南アフリカ シンガポール フィリピン インドネシア マレーシア インド タイ 豪亜・ 豪亜・中近東 生産部品 主要5生産拠点 商流の中心拠点 2000年代初のトヨタの 年代初のトヨタのIMVプロジェクト プロジェクト 年代初のトヨタの グローバル商品戦略 IMVPはトヨタのグローバル戦略の第一歩 輸出拠点の海外化 1999年 1999年 A車のグローバル生産体制 のグローバル生産体制 約25万台 25万台 日本 12万台 6万台 2万台 インド タイ 2万台 インドネシア 1万台 アルゼンチン ① 日本が完成車輸出拠点 ② アセアン域内各国少量生産 2万台 南アフリカ 2004年 2004年 A車のグローバル生産体制 のグローバル生産体制 約50万台(計画時点 0万台 計画時点) 計画時点) ・タイを完成車輸出拠点化 ・タイをASEAN ・タイをASEAN地 ASEAN地区の R&Dセンターへ R&Dセンターへ 4万台 タイ 21万台 4万台 インド 7万台 8万台 ブラジル アルゼンチン 6万台 南アフリカ インドネシア その他 2000年代初のトヨタの 年代初のトヨタのIMVプロジェクト プロジェクト 年代初のトヨタの 新車同時立上げプログラムと推進体制 【狙い】 商品力向上、原価低減への取組 力向上、原価低減への取組み例 上、原価低減への取組み例 ・グローバル全体最適の構築 ・グローバル全体最適の構築 ・現地事 業体の主体的参 ・現地 事業体の主体的 参画 関連プロジェクトの推進 ・海外事業所の自立化の人材開発プロジェクト ・事務技術・技能系派遣人材、現地技能系育成 (1)ミ (1)ミニバンのつくり方の工夫 ニバンのつくり方の工夫 (2)プ (2)プラットフォームは フォームは全車 ームは全車型 全車型共通 (3)ボデーバリエ (3)ボデーバリエーションの適正 ーションの適正化 適正化 (4)原価企画 (4)原価企画の工 企画の工夫 の工夫 (5)現地調達 への挑戦 (5)現地調達100%への への挑戦 Board Member CEO:役員 開発、調達、生産、物流、事業、経理の担当役員 各地域Virtual Company(VC)代表 タイVC タイ 戦略スタッフ リーダー :役員 専任スタッフ:数名 新車P 品質 導入企画 資金・資本 供給戦略 南米VC 南アVC インドVC インド インドネシア ンドネシア VC 地域VCのキーワード:①地域最適、②現地主体、③即断即決、④開発・生産・販売一体 需給 渉外 2000年代初のトヨタの 年代初のトヨタのIMVプロジェクト プロジェクト 年代初のトヨタの プロジェクトの課題と目標 グロー グローバル化、 バル化、シリ 化、シリー シリーズ化(車両 ズ化(車両仕 化(車両仕様のシ 様のシンプル ンプル化)による課題 化)による課題達 課題達成 商品力向上 力向上 プロダクト IMVの の車型:5 ・キャブ、3車 ャブ、3車型 ・SUV ・ミニバン HILUX 品質 原価 現生産車比 減 現生産車比30%減 車比 現調化100%、 、 現調化 10ヶ国同時ソーシンク ヶ国同時ソーシンク プロジェクト ・全世界同時立上 界同時立上 ・車型・仕 型・仕様削減 TUV 現生産車 現生産車 グローバル品 グローバル品質確保 生産・物流 IMVの目 の目標 の目標 ・グローバル拠点・ グローバル拠点・集約化、 集約化、需給 化、需給管理 需給管理 ・日本並みの 並みのオペレーション、 オペレーション、 リーン・ リーン・フレキシブル工程 フレキシブル工程 開発効率 ビジネス プロセス リソース ・開発 ・開発、生産準備 、生産準備、 準備、製造の効率 造の効率化 効率化 ・原価、渉外含 ・原価、渉外含め 渉外含めビジネスプロセスの ビジネスプロセスの 見える化 見える化 金、人、ノウハウ、IT ほか 2000年代初のトヨタの 年代初のトヨタのIMVプロジェクト プロジェクト 年代初のトヨタの 商品力向上、原価低減への取組み (1)ミニ (1)ミニバンの ミニバンのつくり バンのつくり方の工 つくり方の工夫 方の工夫 ・ボデー構造 ⇒ アジアカー アジアカー( (車種名 車種名キジャン)の良 キジャン)の良さ )の良さを取り入 を取り入れ フレーム構造 フレーム構造 ・駆動方式 ⇒ 多人数乗車、悪路を考慮して 考慮してFR方式 して 方式 (2)プラッ (2)プラットフォームは全車 フォームは全車型 ームは全車型共通 (3)ボデーバリエ デーバリエーショ ーションの適正 ンの適正化 (4)原価企 )原価企画の工夫 画の工夫 (5)現地調達100%への への挑 )現地調達 への挑戦 IMV 物流費 万円/台減 物流費、関税な 関税などで現量産 現量産車比で4-18万円 比で 万円 台減 100 現調率(%) ・世界 ・世界最適生産・調達 生産・調達 ・長期安 ・長期安定 期安定供給を 供給を考慮し、 考慮し、 拠点化の 拠点化の促 化の促進 (日系企業の進 日系企業の進出 業の進出など) ・現地資材 ・現地資材・型の調 資材・型の調達促 ・型の調達促進 達促進 現生産車 90 74 80 60 50 58 50 40 20 0 タイ インドネシア 南ア アルゼンチン インド 2000年代初のトヨタの 年代初のトヨタのIMVプロジェクト プロジェクト 年代初のトヨタの プロジェクト推進コンセプト More<データ、画 <データ、画像。英語 <文字、 <データ、画像。英語>、 像。英語>、Less< >、 文字、紙、日本語 、日本語> 原価 (30%低減) ・原価低減活 ・原価低減活動 ・現地調達 ・現地調達100% ・5極点( 極点(10ヶ国 10ヶ国) ヶ国) 開発、生産準備 製造の効率化 商品力向上 <日本・現地の分 集中と分散)> <日本・現地の分担 本・現地の分担(集 中と分散 > 2.図面完成度, Engineering領域 Manufacturing領域 工程・設備 完成度向上 開発/ 開発/設計 工程/品質 工程/品質計画 品質計画 3. リードタイム短縮 への工夫 4.車両仕様、 構造の工夫 ・バリエ ・バリエーショ ーション削減 ・部位・部品のシンプル化 5.関係組織の コラボレーション 日本集中 全世界同時立上 1.日本と現地の役割分担 分担範囲 型/設 型/設備製作 車両生産 車両生産 A〈 〈タイ、 タイ、南アほか) B〈 〈マレーシアほ マレーシアほか) C〈 〈インドほ インドほか) ITの の利用・活用 情報ネットワーク 情報ネットワークと ネットワークと、 デジタルエンジニアリング によるコラボレーション によるコラボレーション 物流の基本的な考え方 <基本ポ 基本ポリシー> リシー> チェーンの 短縮化 スリム化 スリム化 リードタイム・在庫の画期的削減 リードタイム・在庫の画期的削減 <実現の為 実現の為の手法> の手法> (平準化を前提 準化を前提に) 前提に) ① 細い物流を太 い物流を太い物流に い物流に ② 低頻度から小 頻度から小ロット多頻度、 多頻度、満載 ③ 物と情報の徹底 物と情報の徹底的な 徹底的なリ 的なリードタイ ドタイムの短縮 <サプライチェーンの整流化> ① 見える化 ② 自働化 付加価値,種類はできるだけ後工程で作りこむ 現地化・ 現地化・現 化・現調化 幅=種 幅=種類 材料 粗材 加工 組付 車両工場 内外製の最適 内外製の最適化 最適化 前工程 長さ=リードタイム 長さ=リードタイム 後工程 トヨタ方式のIT化 トヨタ方式の 化による進化 ・トヨタ生産方式(TPS)という「人間系」をITという「機械系」で強化 ・ 「見える化」情報共有によるグローバルサプライチェーンの構築 ・海外事業体を含めた経営体質の強化 ・新車開発のリードタイム短縮 ・お客様までのジャストインタイム ・お客様視点のマーケティング・バリューチェーン 経営管理 商品開発 欧州 グローバル経営情報 アメリカ 販売 日本 部品 物流 豪亜 車輌 生産準備 生産 54 トヨタの情報システム全体概要 仕入先 仕入先 ボデ-メーカ 企画 企画 連結子会社 連結子会社 海外事業体 海外事業体 海外仕入先 開発・試作 開発・試作 PDM PDM ボデ-メーカ ボデ-メーカ 調達情報 調達情報 ネット調達 車両受注 車両受注 工場管理 生産指示 生産指示 システム ( ALC) (ALC) 部品表 部品表 (構想、試作、号口、 (構想、試作、号口、 工程、工務、補給) 工程、工務、補給) 部品手配 部品手配 e ( (eかんばん) かんばん) お客様情報 商品情報 商品情報 新車物流システム 新車物流システム 新車物流システム 海外生産部品物流システム 受注・納車 受注・納車 商 談 インターネットサイト (G AZOO) インターネットサイト( GGAZOO) AZOO) インターネットサイト( 販売店システム (ai21) 販売店システム (ai21) 販売店ホームページ 販売店ホームページ 販売店ホームページ国内販売店 お客様 お客様 営業スタッフ 営業スタッフ 部品仕入先 輸 送 アフターセールス アフターセールス 海外代理店 日本仕入先 SMS 補給部品物流システム ( A-TOP) (A-TOP ) 販売店システム 販売店システム WARP) ネット調達(WARP) ネット調達( 生産指示 経理・人事 連結決算 連結決算 原価企画・ 原価企画・ システム システム 管理システム 管理システム 会計システム 会計システム 会計システム 連結経営 連結経営 人事システム 人事システム 人事システム 地域統括会社 調 調達 達 CAD/CAM CAD/CAM( CATIA,Pro /E) /E) (CATIA,Pro DE DE CAE CAE ( LA、 FEM含む) (LA 、FEM 含む) ( V-Comm)) (V-Comm 設計情報 国内販売店 海外仕入先 海外代理店 海外代理店 輸送会社 国内販売店 ビジネスの中核SMSの構成概要 の構成概要 ビジネスの中核 70年代に開発された部品表を中心とした基幹系のSMSは 2000年代初に再構築された。投資額300億円 AS(企画構想) (企画構想) 技術SMS 部品標準化 シナリオ DISCAS 部品情報システム (企画・構想段階) 号口想定 部品表 アフターマーケット 号口(量産)段階 FS(号口想定) (号口想定) 工程SMS 号口 部品表 目次 目次 本紙 本紙 内外製・工程 を付与する 工程部品表 目次 本紙 工務SMS 工場部品引き当て システム TOPPS かんばんシステム 補給SMS 部品表本紙 WARP 原価企画・管理システム グローバル試作システム 調達情報管理システム 号口部品調達 システム(内示) Ceisar トヨタ版PDM 品番別進捗管理システム グローバル補給 パーツシステム 海外生産部品 A-TOP システム 補給部品デポ 受発注、入出庫 システム 56 グローバル部品調達システムWARP グローバル部品調達システム WARPはトヨタの全世界共通部品調達システム(2002から稼動) 新車開発の企画段階から世界最適調達による原価企画・低減 システムの狙い 1.情報一元化 (発注先、価格、発注量、海外仕入先などの収集とグローバルで共有) 2.戦略立案サポート (品番別、車種別の価格/発注金額など技術情報との紐付け) 3.構想段階での発注方針立案 (品目別調達方針、車種別発注方針の早期立案、 問題点の早出しと対策) 4.グローバルでSE/生産準備情報を蓄積 (早期に問題点を潰し、出図完成度UP) 5.ビジネスパートナとのデータ授受の拡大 (情報リードタイム短縮、業務効率化) 企画・構想 試作 量産(号口) 従来システム(品番、仕入先、単価) WARP (World wide Automotive Real-time Purchasing system) WARP全世界共有DB (・品番 ・品目 ・仕入先 ・地域 ・車種) 57 経営理念の好循環と持続可能な企業 「お客様第一(CS)を最重点理念におくことで、従業員のモラール(ES) が上がり、社会貢献によって信用が増す。結果として収益向上」という 企業理念の好循環により、企業の競争力、持続可能性を維持。 ESは①自律化②責任感③達成感による、従業員の元気、活気から。 精神 従業員満足 お客様満足 (ES) お客様に喜ばれ、社会に 貢献できる喜びと働き甲斐 (CS) 顧客第一でお客様に喜ばれる 商品とサービスの提供 個人 社会 企業の 社会的責任 利益 (Profit) お客様の信頼があれば、 利益は後でついてくる (CSR) 持続可能社会への貢献 (納税、地球環境保全など) 物質 TPSによる による改善と によるイノベーション による改善と ITによるイノベーション ・「改善する、活気あ ・「改善する、活気ある」 気ある」職 る」職場風土をい 風土をいか をいかにして醸成 にして醸成する 醸成するか するか ・ TPSは改善する人的 は改善する人的能 はイノベ は改善する人的能力, ITはイ はイノベーシ ノベーショ ーションのツ ンのツール ・PDCAサイ サイク 向上への改善活動の サイクルを速 ルを速め、QCD向上 め、 向上への改善活動の促 への改善活動の促進 ①イノベーション: 技術革新、 、IT活用 技術革新、BPR、 ②改善:創意工夫 サークル、TPSな など 改善:創意工夫、 意工夫、QCサ ークル、 ビジネス環境 ビジネス環境分 環境分析 あるべき姿 System level 新ビジネスモデ ビジネスモデル モデル構想 2 ①イノベーション ①イノベーション プロダクトイノベーション プロセスイノベーション ②改善 継続的改善 継続的改善活 的改善活動 ② 改善 PDCAのサイクルを速やかに回す 2 1 1 欧米の実態? 現状の姿 Time 人と組織細胞の活性化 ・組織細胞の活性化 ・メンバーの意欲と活力を高める職場形成 ・個人の気(やる気、元気、活気、士気など)をUPするしくみづくり 人はいかなる時 人はいかなる時に仕事に意欲 事に意欲、 意欲、満足を 満足を感じるか 感じるか? るか?(日米の調 日米の調査結 の調査結果は 査結果は同じ 果は同じ) 同じ) 1.自 律 (Autonomy) 2.責 任 (Responsibility) 3.達 成 (Achievement) 4.適 性 (Opportunity) 5.仕事そのもの(the work itself) 6.向 上 (Advancement) 7.評 価 (Recognition) お客様重視 持続可 持続可能な発展 な発展 問題意識 の共有化 コミュニケーション Sustainable Development 絶えざる改善 全員参加 員参加 仲間意識 の醸成 改善意識 改善意識 の高揚 の高揚 まとめ: TPSと とITに によるグローバルなものづくり ビジネス活動は「人間・機械系(IT)」でなる 人に投資(人材育成)するか、機械(IT化)に投資するか ITを活用したグローバルな情報共有と見える化の推進 企業の競争優位は、“あるべき姿を目指し、改善しつづける 人間集団づくり“ に向けた企業風土づくり 機械化/自動化/IT化の効果的導入は、TPS/リーン方式の 実践による「人的能力向上」、「仕事の流れ化」 「見える化」と情報共有による全員参加の改善/改革 全体最適は、ITツール(N/Wコラボレーション)の強み IT化以前のTPSの第一歩(5S、見える化)と「なぜなぜを5回」 で改善できる職場風土の醸成が重要 ご清聴ありがとうございました ・障子を開けてみよ、外は広いぞ (豊田佐吉) ・拘らない心、捉われない心、偏らない心、広く、広く、 もっと広く、これ般若信教、空の心なり 黒岩 惠 ([email protected])
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