虐待疑い事例の通報 虐待ケースへの対応 まほろば保育園園長から相談あり ・1歳7か月の男児 ・からだに青あざがあり、よく休む あらまほしき保健所 もしかして 虐待!? 確認すべきこと ○ 母子カードによる確認 ・家族状況 ・生育状況 ○ 園長、担当保育士と面談 ・本人の詳しい状況の確認 ・家庭の状況の確認 ○ 他機関(子ども家庭支援センター等)の 情報の確認 母子カードから把握した状況 ○ 4か月児健診は受診しており、特に問題 は指摘されていない。 ○ 1歳6ヶ月児健診は未受診 ○ その後は特に相談もなく、保健所とのか かわりはなかった。 ○ 子ども家庭支援センターには情報は入っ ていない 保育園を訪問して情報把握 所内ケースカンファレンス ○ 家族の状況 ・家族構成は父母と本人の3人 ・父親は26歳 フリーター ・母親は23歳 パート勤務 ○ 男児の状況 ・1ヶ月ぐらい前からお尻に大きなあざが時々ある ・発育・発達には特に問題なし 緊急対応の必要性は低いと判断 保健所医師としてどのように対応すべきか 経過 1歳6か月児健診の結果 ○ 1歳6か月児健診受診の勧奨 ・電話で受診勧奨 ・父親は始めは来るのを渋っていたが、結 局母親が連れて行くことを了解 ○ 母親が連れて健診に来所 保健所医師として何を確認すればよいか ○ 診察 • 発育・発達には問題なし • あざもほとんど消えて目立たなくなってい る ○ 母親の子どもへの接し方 ○ 家庭環境の把握 • 家庭環境には問題あり 家庭環境の問題 • • • • 経済的不安 父親の育児への協力が得られない 母親も心身ともに不安定 身近に相談相手がいない 保健所医師としてどのような支援を考えるか 今後の対応 ○まほろば保育園での支援 ・子どもの心身の状況の見守り ・母親の相談相手 ○保健所での対応 ・定期的に家庭訪問・電話等で状況を把握 ○育児グループへの参加を勧める グループ名:あらまほしき保健所 チェックリスト(Check List) 指導医(保健所長) はい 事前 いいえ はい 事後 いいえ はい 事前 いいえ はい 事後 いいえ 研修医の意欲を高めることができる 対応方針を指導できる 情報収集の仕方を指導できる 面接の仕方について指導できる プライバシーの保護について指導できる 研修医 他人の発言を傾聴できる 事例を正しく把握している 虐待の背景やリスクを理解している 母子保健事業を理解している 保護者に共感的支援ができる 指導者(保健師) 事前 はい いいえ 事後 はい いいえ グループ名 テーマ 達成される到達目標 一般目標:GIO→ 行動目標:SBOs→ あらまほしき保健所 児童虐待 研修医は、児童の権利が尊重され心身ともに健やかに成長できるように、児童虐 待に関する法制度を理解するとともに、社会資源を活用して虐待予防・早期発 見・対応、その支援に参画し、利用できる能力を習得する。 ① 児童福祉法、母子保健法、児童虐待防止法、こどもの権利条約等の関係法規を理解し適用できる。 ② 児童相談所、子育て支援センター、民生児童委員、医療機関等の社会資源の存在を知り活用できる。 ③ 虐待の背景やリスクを理解し、共感的支援ができる。 ④ 母子保健事業の中で虐待防止の取り組みが応用できる。 ⑤ 関係する機関や人と良好なコミュニケーションをとることができる。 ⑥ 医師として虐待を早期発見し、通報することができる。 ⑦ 児童虐待の実態を把握し、効果的アプローチができる。 ⑧ 個々の事例の虐待のリスクを評価できる。 ⑨ 個々の事例の虐待の対応策を提案できる。 学習方法(方略) LS 方法 行動目標 L 時間 指導者、補助者 学習 予算 備考 媒体 場所 1 所長、担当者 保健所 資料 なし 前 中 いつ 後 フォロー NA 論述 評価方法 どのように評価するか 指導医へのフィードバック 口頭 客観 シュミ 実地 観察 レポート ○ オリエンテーション L D ①②③④⑤⑥⑦⑧⑨ 1 所長、担当者 保健所 資料 なし ○ LS1 目的の共有 ○ 総括 ○ L D ①④ 1 所長、担当者 保健所 資料 なし ○ LS2 母子保健総論 ○ 見学 LS3 両親・母親学級への参 指導 加 ④⑤ 3 医師・担当者 保健所 ビデオ なし 参加者 ○ ○ ○ ○ 実習 ④⑤ 3 担当者 家庭 母と子 なし ○ ○ ○ ○ 見学 LS5 乳幼児健診・カンファレ 診察 ンス D 見学 LS6 子育てグループ 指導 ④⑧ 9 医師・担当者 保健所 受診者 なし ○ ○ ○ ○ ④⑤ 3 担当者 保健所・実施会場 参加者 なし ○ ○ ○ ○ 見学 ②④ 3 担当者 子ども家庭支援センター 資料 なし 参加者 実習 ④⑧ 1 担当者 保健所 資料 なし 相談者 カンファ ②③⑤⑧⑨ 3 参加者全員 保健所 資料 なし ⑥⑦ 3 担当者 保健所 資料 なし ロールプレイ ③⑤ 3 担当者 保健所 ビデオ なし ○ L D 2 所長、担当者 保健所 資料 ○ LS4 新生児訪問同行 LS7 子ども家庭支援セン ター LS8 電話相談 LS9 虐待ケースカンファレ ンス 実習 LS10 虐待実態把握と評価 D LS11 コミュニケーション技 能 LS12 まとめ どのような基準で達成とする か ①∼⑧ 行動目標 SBOs 虐待事例への対応策を提案できる 事例の把握 意見の論理性 他人の発言への傾聴 感情的言動の抑制 わかりやすい発言 非 常 に よ い 良 い ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 悪 い 非 常 に 悪 い ○ ○ ○ なし 普 通 ○ ○ ○ ○ 統括 ○ ○ ○ 週間スケ ジュール 午 前 午 後 9月5日 月 9月6日 火 オリエンテーション 子育てグループ 目標の共有 母子保健総論 子 ど も 家 庭 支 援 セ ン 4か月児健診 タ 9月7日 水 新生児訪問 9月8日 木 3歳児健診 虐 待 の 実 態 把 握 と 評 虐待ケースカンファレンス 価 9月9日 金 電話相談 コミュニケーション技能訓練 母親学級 まとめ 表 地域保健・医療、予防医療(保健所)分野における臨床研修の到達目標「医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令の施行について」 到達目標 I 行動目標 (医療人として必要な基本姿勢・態度) <患者−医師関係> 患者、家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握できる。 患者を全人的に理解し、患者・家族と良好な人間関係 を確立する。 <チーム医療> 指導医や専門医に適切なタイミングでコンサルテーションができる。 上級および同僚医師、他の医療従事者と適切なコミュニケーションがとれる。 医療チームの構成員としての役割を理解し、保健・医 療・福祉の幅広い職種からなる他のメンバーと協調す 関係機関や諸団体の担当者とコミュニケーションがとれる。 る <安全管理> 医療を行う際の安全確認の考え方を理解し、実施できる。 患者及び医療従事者にとって安全な医療を遂行し、安 全管理の方策を身に付け、危機管理に参画する。 <症例呈示> 症例呈示と討論ができる。 チーム医療の実践と自己の臨床能力向上に不可欠 な、症例呈示と意見交換を行う。 <医療の社会性> 保健医療法規・制度を理解し、適切に行動できる。 医療の持つ社会的側面の重要性を理解し、社会に貢 医療保険、公費負担医療を理解し、適切に診療できる。 献する。 医薬品や医療用具による健康被害の発生防止について理解し、適切に行動できる。 II 経験目標(A 経験すべき診察法・検査・手技) <医療記録> チーム医療や法規との関連で重要な医療記録を適切 に作成し、管理する。 <診療計画> 保健・医療・福祉の各側面に配慮しつつ、診療計画を 作成し、評価する。 到達目標 診断書、死亡診断書(死体検案書を含む)、その他の証明書を作成し管理できる。 QOL(Quality of Life)を考慮にいれた総合的な管理計画(リハビリテーション、社会復帰、在宅医 療、介護を含む)へ参画する。 到達目標 食事・運動・禁煙指導とストレスマネージメントができる。 性感染症予防、家族計画指導に参画できる。 地域・職場・学校検診に参画できる。 予防接種に参画できる。 <地域保健・医療> 必修項目 へき地・離島診療所、中小病院・診療所、保健所、介護老人保健施設、社会福祉施設、赤十字社 血液センター、各種検診・健診の実施施設等の地域保健・医療の現場を経験すること 保健所の役割(地域保健・健康増進への理解を含む)について理解し、実践する。 地域保健・医療を必要とする患者とその家族に対して、 全人的に対応する。 診療所の役割(病診連携への理解を含む)について理解し、実践する。 C 特定の医療現場の経験 <予防医療> 予防医療の理念を理解し、地域や臨床の場での実践 に参画する。 <小児・成育医療> 周産・小児・成育医療を必要とする患者とその家族に 対して、全人的に対応する。 <精神保健・医療> 精神保健・医療を必要とする患者とその家族に対して、 全人的に対応する。 周産期や小児の各発達段階に応じて心理社会的側面への配慮ができる。 虐待について説明できる。 学校、家庭、職場環境に配慮し、地域との連携に参画できる。 母子健康手帳を理解し活用できる。 デイケアなどの社会復帰や地域支援体制を理解する。 -1-
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