デジタルドキュメンテーション(アーカイブ)するための手法例

文化財保護の体系
(指定)─重要文化財─【
国宝
(指定)─重要文化財─【特に価値の高いもの】─
特に価値の高いもの】─国宝
有形文化財
(登録)─登録有形文化財(建造物のみ)
無形文化財
(指定)─重要無形文化財
(選択)─記録作成等の措置を講ずべき無形文化財
有形の民俗文化財
文
民俗文化財
化
(指定)─重要有形民俗文化財
(指定)─重要無形民俗文化財
無形の民俗文化財
(選択)─記録作成等の措置を講ずべき
無形の民俗文化財
(指定)史跡─【
(指定)─特別史跡
(指定)史跡─【特に重要なもの】─
特に重要なもの】─(指定)─特別史跡
財
記 念 物
(指定)名勝─【
(指定)─特別名勝
(指定)名勝─【特に重要なもの】─
特に重要なもの】─(指定)─特別名勝
(指定)天然記念物─【
(指定)─特別天然記念物
(指定)天然記念物─【特に重要なもの】─
特に重要なもの】─(指定)─特別天然記念物
伝統的建造物群─(市町村が決定)─伝統的建造物群保存地区
─(選定)─重要伝統的建造物群保存地区
文化財の保存技術─(選定)─選定保存技術
埋 蔵 文 化 財
デジタルドキュメンテーション(アーカイブ)するための手法例
①失われたものを再現する
3DCADによるモデリング
【CGによる再現
(VR、、AR、
3DCADによるモデリング【
CGによる再現(VR
AR、MR)】
MR)】
→文献、資料、有識者による考証も重要
②現存するものを再現する
→非接触記録例として
A.画像処理
【観測衛星、空中撮影、地上撮影】
A.画像処理【
観測衛星、空中撮影、地上撮影】
→物体表面を画像解析により計測
B.レーザー系
【地上(据置、
B.レーザー系【
地上(据置、ハンディ)、
ハンディ)、移動式(
移動式(空中、
空中、車載)】
車載)】
→物体表面の形状、色(RGB)
・強度をレーザープロファイラーで計測
→物体表面の形状、色(RGB)・強度をレーザープロファイラーで計測
C. 透過系【
透過系【X線CT、レーダー探査、音響測深】
X線CT、レーダー探査、音響測深】
→物体内部(X線)、地中(電磁波)、海底(
→物体内部(X線)、地中(電磁波)、海底(超音波)
超音波)を計測
「3D」化する
ことで一般にも身近なものに
「3D」化することで一般にも身近なものに
文化財3D計測におけるデータ取得方法
3D計測(非接触)の取得方法一覧
文化財3D計測におけるデータ取得方法
1.ワークサイズ(10cm
×10cm)の計測方法
1.ワークサイズ(10cm×
10cm)の計測方法
デジタイザ
KONICA MINOLTA
FARO
Artec
Roland
フォトグラメトリ
計測サンプル
三 脚
文化財3D計測におけるデータ取得方法
2.ワークサイズ(1.0m
×1.0m)の計測方法
ワークサイズ(1.0m×
1.0m)の計測方法
デジタイザ
KONICA MINOLTA
FARO
Artec
フォトグラメトリ
計測サンプル
三脚・手持
文化財3D計測におけるデータ取得方法
3.ワークサイズ(5.0m
×5.0m)の計測方法
3.ワークサイズ(5.0m×
5.0m)の計測方法
デジタイザ+
デジタイザ+レーザースキャナー
Artec
KONICA MINOLTA
FARO
Leica
TOPCON
フォトグラメトリ
計測サンプル
三脚・手持
ハンガー
文化財3D計測におけるデータ取得方法
4.ワークサイズ(10.0m
×10.0m)の計測方法
4.ワークサイズ(10.0m×
10.0m)の計測方法
レーザースキャナー(LS)
FARO
TOPCON
Leica
RIGEL
フォトグラメトリ
計測サンプル
ハンガー
文化財3D計測におけるデータ取得方法
5.ワークサイズ(50.0m
×50.0m)の計測方法
5.ワークサイズ(50.0m×
50.0m)の計測方法
レーザースキャナー(LS)
FARO
TOPCON
Leica
RIGEL
フォトグラメトリ
計測サンプル
ハンガー
UAV(ドローン)
UAV(ドローン)
文化財3D計測におけるデータ取得方法
6.ワークサイズ(100.0m
×100.0m超)の計測方法
6.ワークサイズ(100.0m×
100.0m超)の計測方法
LS又は無人航空LS
TOPCON
RIGEL
Leica
YAMAHA
フォトグラメトリ
計測サンプル
UAV(ドローン)
UAV(ドローン)
文化財3D計測におけるデータ取得方法
7.ワークサイズにおける計測方法の推移(過去事例より)
無人航空LS
レーザースキャナー
デジタイザ
レーザー系
UAV(ドローン)
UAV(ドローン)
ハンガー
フォトグラメトリ
三脚・手持
0 1
5
10
50
100×
100×100m
文化遺産3D測量業務フロー
業 務 依 頼 ( 委 託 )
現 地 踏 査 ・ 写 真 判 定
現地および写真(遠隔地の場合)、過去実測図面にて
現況の状態を把握する。
納品データヒヤリング
必要なデータの精度(分解能)、図面スケールなどをヒヤリングし、
計測可能かテスト計測データ検証または過去の計測実績より照査する。
3 D 取 得 方 法 の 選 定
求められる分解能、可能な機器仮設法、予算などから、使用する計測機器の
選定(単体計測・コラボ(複数)計測)を決定・準備する。
3
D
デ
ー
計
タ
測
作
成
可 視 化 デ ー タ 処 理
図
化
納 品 デ ー タ 作 成
納
仮設法により屋外(発掘・調査現場)・屋内(大学、博物館等)で計測
(3Dレーザースキャナー、3Dデジタイザ、写測、ハンディスキャナー等・・・)
①単独モデル処理、②ハイブリッドモデル処理、
③工業系(レプリカデ-タ作成)、④テクスチャ処理
①4Dデータ処理、②マスコミ向け、展示会用VR処理(レンダリング)、
③納品データ適正化(PCスペックにより)
①オルソ図(サフェース、テクスチャ)、②描線図
閲覧・計測可能な、各種ビューアソフトファイル形式へコンバート
品
文化遺産におけるUAV(ドローン)活用体系
埋蔵文化財における空中写真撮影手法
クレーン
RCセスナ
RCセスナ
UAV(ドローン)
UAV(ドローン)
RCヘリ
RCヘリ
・自立飛行が可能
リフティングケーブル
提供:㈱シン技術コンサル様
・RCセスナやヘリに比
べ操作が簡単
バルーン
・RCヘリに比べ低速・
静止時の安定性が高い
・地上撮影より作業時間
の短縮が可能(コスト減)
ハンガー吊
UAV(ドローン)
UAV(ドローン)における埋蔵文化財撮影方法
①撮影分解能を踏まえた飛行計画
埋蔵文化財の場合、一般の地形図と異なり、
1:10や
1:10や1:20スケールの遺構図(描線図化含)が必
1:20スケールの遺構図(描線図化含)が必
要なことが多い。そのスケールに対応出来る、
・カメラ(一眼レフ推奨)・・・RAW
撮影奨
・カメラ(一眼レフ推奨)・・・RAW撮影奨
・一眼レフがペイロードok
な翼数(6or
or8)
8)
・一眼レフがペイロードokな翼数(6
・撮影高度(分解能)
・飛行ルート
の準備・計画が必要となる。
8翼タイプ
“3D Laser Scanning
for Heritage”
Heritage”
より抜粋
UAV(ドローン)における埋蔵文化財撮影方法
②標定点の設置、観測
高解像度スケールのモデリングを実施する
ことからフォトグラメトリ解析の精度を向
上するため、標定点を適切な箇所に分散設
置する。
高々度からの解析では多少の揺らぎ(誤
差)は許されるのだが、埋蔵文化財の1:10
ス
差)は許されるのだが、埋蔵文化財の1:10ス
ケールの解析では写真上の任意でのGCP
(Ground Control Point)とは別に座標が担
Point)とは別に座標が担
保された適切な標定点の観測値補正で、ゆ
らぎ・破綻の少ないオルソ画像が作成可能
となる。
標定点設置例
UAV(ドローン)における埋蔵文化財撮影方法
③運行前安全確認
フライトを実施する前に事前に現場担当者
とヒヤリングを実施して
・発掘作業員の待避
・危険物の撤去
・フライト制限時間の確認
を確認し、更に
・カプラーや配線の確認
・ネジの増し締め
・バッテリーの確認
・PC、プロポ、GPS
の通信状況の確認
・PC、プロポ、GPSの通信状況の確認
をおこない、かつ遺構に墜落するのを防ぐ
ため、リスクチェック・回避プログラム確
認を実施、遺構範囲角に人員を配置してお
こなう。
点検時の様子
UAV(ドローン)における埋蔵文化財撮影方法
④撮影(フライト)
通常12時~14時の時間帯で撮影は実施
される。まずルクス計などで現地の状況を
確認し、シャッター速度、ISOなどのパ
ラメータの設定をおこなう。埋蔵文化財
(特に重要遺構部分)では、必要な分解能
を得るために、土木地形のフライトとは異
なり、かなり低空を飛行する場合も多い。
よって、発掘境界面の土壁や柵に衝突しな
いよう、十分監視をおこないながらフライ
トを実施する。
なお、垂直写真のみで解析すると縦落ちが
急な範囲での破綻が発生するので、専属の
カメラマンによる、斜め写真を補足撮影す
る場合もある。(遺構によっては、UAV
のみでジンバル制御にて斜め撮影すること
も可)
撮影(フライト)の様子
UAV(ドローン)における埋蔵文化財撮影方法
⑤その他(リスクマネージメント)
埋蔵文化財では遺構内にトレンチ(縦溝)
が縦横に走り、複雑に入り組んだ重要遺構
も珍しくない。また、多くの遺構断面や5
cmピッチのコンター図などの作図も必要
となることも多い。写真測量ではトレンチ
内は土色(黒褐色)で濡れており、かつ影
(暗部)になり解析が難しく、その下に重
要な遺物がある場合は、UAVのみにこだ
わらず、レーザースキャナーやデジタイザなどの3D
計測機器とコラボすることも念頭に置いて
おくことが重要である。
(※発掘現場は、測量後掘り進めたり、埋
められることが多く、再測不能なケースが
ほどんどのため。また樹木が繁茂している
現場はUAVでは対応出来ない)
レーザースキャナーでの補測
UAV撮影不可な現場例
UAV(ドローン)撮影写真解析(オルソ化・モデル化)
①フォトグラメトリソフトによる解析(オルソ化)
RAWデータを調整して
JPEG化した後、
化した後、
RAWデータを調整してJPEG
JPEGデータ及び標定点データをマルチパス方式
JPEGデータ及び標定点データをマルチパス方式
のフォトグラメトリソフトに読み込み、解析する。埋
蔵文化財では土木現場に比べ非常に狭い範
囲ではあるが、1現場で500
~1000枚の写真
囲ではあるが、1現場で500~
1000枚の写真
を合成する。下表の紹介ソフトであれば、
大量の画像処理も可能である。
Pix4UAV
模擬遺構例
PhotoScan
解析協力:㈱Koike
解析協力:㈱Koike
Smart3D
UAV(ドローン)撮影写真解析(オルソ化・モデル化)
②モデル化
解析が終了した3Dモデルデータは
OBJや
OBJやVRML、
VRML、PDFなど様々な形式に
PDFなど様々な形式に
アウトプット出来る。
埋蔵文化財ではこれらより、詳細な断
面図を抽出、図化することになるが、
オルソ画像に特価しているため、クオ
リティ(分解能)不足になることが多
い。
ここで、ハイエンドなASC
(クラウ
ここで、ハイエンドなASC(クラウ
ド)データを別途エクスポートし、リ
バースエンジニアリングソフトを使用して、レーザー
スキャナー同様モデリングを実施、微地形の再
現をおこなっている。
モデルを再構築した遺構
講演内容についてのお問い合わせは、3DNJ
ホームページから。
講演内容についてのお問い合わせは、3DNJホームページから。
http://www.3dnethttp://www.3dnet-j.com
ご静聴ありがとうございました。
3DNetworkJapan
3DNetworkJapan
代 表 田子 寿文