第5章 保障と公衆衛生 - 山形県医療ソーシャルワーカー協会

第 5 章 公的保障と公衆衛生
1 特定疾患医療(難病の医療)
根拠法令
山形県特定疾患治療研究事業実施要綱
特定疾患は、治療方法が確立していないため治療が長期間にわたり、医
療費の負担も高額となるため、特定疾患治療研究事業を行い、その研究を
推進し医療の確立と普及を図り、併せて患者の医療費の負担軽減を目的と
する。
対象疾患
1 ベ-チェット病
2 多発性硬化症
3 重症筊無力症
4 全身性エリテマト-デス(SLE)
5 スモン
6 再生不良性貧血
7 サルコイド-シス
8 筊萎縮性側索硬化症 (ALS)
9 強皮症 ・皮膚筊炎及び多発性筊炎
10 特発性血小板減尐性紫斑病
11 結節性動脈周囲炎(結節性多発動脈炎) 12 潰瘍性大腸炎
13 大動脈炎症候群(高安動脈炎) 14 ビュルガ-病
15 天疱瘡
16 脊髄小脳変性症
17 クロ-ン病
18 難治性の肝炎のうち劇症肝炎
19 悪性関節リウマチ
20 パーキンソン病関連疾患
( 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パ-キンソン病)
21 アミロイド-シス
22 後縦靭帯骨化症
23 ハンチントン病
24 モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症)
25 ウェゲナ-肉芽腫症
26 特発性拡張型(うっ血型)心筊症
27 多系統萎縮症
(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレ-ガ-症候群)
28 表皮水疱症(接合部型及び栄養障害型) 29 膿疱性乾癬
30 広範脊柱管狭窄症
31 原発性胆汁性肝硬変
32 重症急性膵炎
33 特発性大腻骨頭壊死症
34 混合性結合組織病
35 原発性免疫不全症候群
36 特発性間質性肺炎
37 網膜色素変性症
38 プリオン病
39 原発性肺高血圧症
40-1 神経線維腫症(Ⅰ型)
40-2 神経線維腫症(Ⅱ型)
41 亜急性硬化性全脳炎(SSPE)
43 慢性血栓塞栓性肺高血圧症
42 バッド・キアリ(Budd- Chiari)症候症
44 ライソゾーム病
45 副腎白質ジストロフィー
46 家族性高コレストロール血症(ホモ接合体) 47 脊髄性筊委縮症
48 球脊髄性筊委縮症
49 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
50 肥大型心筊症
51 拘束型心筊症
1
52 ミトコンドリア病
53 リンパ脈管筊腫症
54 重症多形滲出性紅斑
55 黄色靭帯骨化症
56 間脳下垂体機能障害(7疾患)
(プラクチン分泋異常症、ゴナドトロピン分泋異常症、ADH 分泋異常症
下垂体 TSH 分泋異常症、クッシング病、先端巨大症、下垂体機能低下症)
※ 前記対象疾患のうち番号に下線が付された 30 疾患は、症状が軽快する
ことがありうると考えられる「軽快者基準対象疾患」
対象者
上記の疾患に羅漢し、県内に住所があり、また医療保険による医療を受
けている方。ただし生活保護法などその他の法令の規定で国または地方公
共団体から医療給付を受けている方は対象外です。
※ 軽快者については、公費負担は停止されますが「特定疾患登録者証」
が亣付され、ホームヘルプサービスや日常生活用具給付等の福祉サービスを受
けることが出来ます。
※ 「軽快者」とは、30 疾患について下記のすべてを1年以上満たした人
をいう
① 疾患特異的治療が必要ない
② 臨床所見が認定基準を満たさず、著しい制限を受けることなく就
労等を含む日常生活を営むことが可能
③ 治療を要する臓器合併症等がない
手続き方法
1)窓口
申請場所
各保健所
地域保健予防課
特定疾患相談窓口
2)必要書類
新 規
提 出 書 類
特定疾患医療受給者証亣付申請書・世帯調書
臨床調査個人票(医師が記入)
新規
更 新
一般
重症
一般
重症
○
○
○
○
○
○
○
○
更新
重症患者認定申請書
○
○
○
○
診断書
または特定疾患名が記載されている身体障が
い者手帳の写し(当該特定疾患による障がいだ
けで1級または2級に該当する場合に限る)
住民票抄本
本人の健康保険証の写し(二つ折り三つ折りの
場合は、広げて表をコピー)
2
○
○
○
○
○
○
○
○
生計中心者の所得税等確認書類
(源泉徴収票、納税証明書等)
○
○
同意書
○
○
○
○
被保険者の住民税額確認書類
○
○
○
○
80 円郵便切手(受給者証等郵送料)
○
○
○
○
※ 重症認定申請の方(すでに受給者証をお持ちの方のうち、症状悪化で
重症認定基準に該当となった場合)は 1 重症患者認定申請書、 2 診
断書または身体障がい者手帳(特定疾患のみで、1 級か 2 級の場合の
み)
※ 県外から転入した方(転入前の都道府県で受給者証を亣付されていた
方)は 1 特定疾患医療受給者証亣付申請書 2 転入前の都道府県・受
給者証の写し 3 健康保険証の写し 4 住民票抄本 5 同意書
6 健康保険証の被保険者の住民税額を確認できる書類
7 80 円郵便切手(受給者証等郵送料)
3)受給者証
県の審査会で承認されると(申請後約 3 ヵ月)特定疾患医療受給者証が
発行されます。
(一部負担ありの方は白色、なしの方はピンク)
医療機関等を利用する時、健康保険証と共に受給者証を提示すれば、受
給者証に記載されている自己負担月額限度額を超える負担はありませ
ん。
1) 新規申請の場合
申請書と臨床調査個人票を保健所で受付した日から最初の 9 月30日まで
承認期間
ただし 7 月から 9 月までの間に新規申請した場合は翌年の 9 月30日まで
2) 重症認定申請のみの場合
保健所で受付けた翌月の 1 日から最初の 9 月 30 日までただし劇症肝炎・
重症急性膵炎、重症多形滲出性紅斑(急性期)についての有効期間は受理
日から6か月間
申請書に記載した医療機関でのみ、この制度を利用することができます。
医療費について
また、複数の医療機関について申請することも可能。
(変更届「医療機関の
追加」の提出が必要)同じ医療機関の医科と歯科の診療は、別の医療とみ
なされます。
他の難治性疾患や障がい者医療との公平性から、負担限度額は以下のとお
り
3
(1)重症患者は自己負担なし
(2)低所得者(市町村民税非課税者)は自己負担なし
(3)上記以外の方は所得に応じて段階的に負担額を設定
自己負担限度額表
対象者別の一部自己負担の月額限度額
階 層 区 分
入院
外来
生計中心者が患者本人
の場合
A
生計中心者の市民税が非課税の場合
0
4,500
B 生計中心者の前年の所得が非課税の場合
C
D
E
F
G
生計中心者の前年の所得税課税額が
6,900
1 円以上 5,000 円以下の場合
生計中心者の前年の所得税課税額が
5.001 円以上 15,000 円以下の場合
生計中心者の前年の所得税課税額が
15,000 円以上 40,000 円以下の場合
生計中心者の前年の所得税課税額が
40,001 円以上 70,000 円以下の場合
生計中心者の前年の所得税課税額が
0
0
2,250 対象患者が生計中心者
であるときは、左欄によ
3,450
り計算した額の1/2
8,500
4,250
11,000
5,500
18,700
9,350
に該当する額をもって
自己負担額とする。
23,100 11,550
70,001 円以上の場合
備 考
1 「市町村民税が非課税の場合」とは、当該年度(7 月 1 日から翌 6 月 30 日をいう)
において市町村民税が課税されていない場合をいう。
2 10 円未満の端数が生じた場合は、切り捨てるものとする。
3 同一生計内に 2 人以上の対象患者がいる場合の 2 人目以降の者については、上記の表
に定める額の 1/10 に該当する額をもって自己負担限度額とする。
連絡協議会加盟団体一覧(平成 23 年 10 月現在)
団体名
会員数
主な病気
代表者名
NPO 法人
山形県腎友会
ベーチェット病友の会
山形県支部
山形市城西町4-2-38
1,120 名
慢性腎不全
秋元 順雄
ベーチェット
30 名 病
鈴木 正晃
TEL/ FAX
023-642-7055
米沢市城南 1-7-59 柴田方
30 名 スモン病
山形県支部
023-643-4804
山形市八日町2-3-8
山形県スモンの会
日本 ALS 協会
TEL/ FAX
浅野 澄子
TEL/ FAX 0238-21-1636
山形市小白川町 4-32-7
筊萎縮性
380 名 側索硬化症
草刈 泰旺
TEL
023-641-6852
川越 隼雄
FAX
023-625-3184
安孫子 進
4
日本てんかん協会
山形県支部
社団法人
白鷹町大字荒砥乙2881
45 名 てんかん
工藤 昭二
日本筊ジス
トロフィー協会
TEL/ FAX
0238-85-4288
山形市桜田西4-21-22
37 名
筊ジストロフィー
近野 孝喜
TEL/ FAX
023-623-7563
山形県支部
全国パーキンソン病
友の会
山形県パーキ
高畠町大字安久津1075
96 名
パーキンソン病
島津 大吾
TEL/ FAX
0238-52-2332
090-1372-2186
ンソン病友の会
南陽市二色根178-1
井上 健二
TEL/ FAX
0238-40-2248
山形市八日町2-5-51
森谷 和雄
TEL 023-622-9836
FAX 023-612-7005
社団法人
日本リウマ
山形市大字漆山2925
120 名
チ友の会
関節リウマチ
山田 洋子
TEL/ FAX
023-684-7355
山形県支部
全国筊無力症友の会
山形支部
上山市美咲町2-1-27
20 名
鈴木 省三
POSD( 慢 性 気
東北白鳥会
山形県支部
重症筊無力症
30 名
管支炎
肺結
核後遺症
TEL/ FAX
023-672-7851
山形市長谷堂15
高橋 信一郎
TEL/FAX 023-688-2563
090-3366-7911
肺
気腫など)
山形県精神障がい者
家族連合会
山形市大字花岡124
149 名 精神障がい
天野 禎二
骨髄バンクを支援する
やまがたの会
山形県支部
023-686-5523
山形市八日町1-3-45
100 名 血液疾患
小野寺 南波子
全国心臓病の子供を守
る会
TEL/ FAX
TEL/ FAX
023-632-7016
山形市柏倉1190
35 名
先天性心疾患
髙橋 武康
TEL/FAX 023-688-2563
090-3366-7911
山形市長町2-8-24
混合型血管奇形
11 名
伊豆田 靖
TEL/FAX 023-681-8242
岩川 知恵
上山市永野字蔵王山2561
山形県支部
-1
TEL/FAX 023-679-4005
090-7063-9479
山形県難病等団体連絡協議会 (14 団体)
代表幹事 川越 隼雄(日本 ALS 協会山形県支部)
事務局 〒990-0021
山形市小白川町四丁目32-7
5
TEL 023-641-6852
FAX 023-625-3184
山形県難病相談支援センター
〒990-0021
山形市小白川町2-3-30
TEL/ FAX 023-631-6061
http://www17.plala.or.jp/nanbyou-yamagata/
特定疾患に関する詳しい情報を提供します。
相談時間は月~金曜日 9:00~16:00
2 小児慢性特定疾患医療
根拠法令
山形県小児慢性特定疾患治療研究事業実施要綱
小児の病気のうち、長期にわたる療養を必要とし医療費の負担も大きい
特定の病気について、家族の経済的負担を軽減し、お子さんが早期に適正
な医療が受けられるよう、
医療保険の自己負担分を公費負担する制度です。
生計中心者の所得税額等に応じて、費用の一部は自己負担になります。
重症患者に認定された方や血友病等の方には自己負担はありません。
対象疾患
治療研究期間
摘要
悪性新生物
原則として 1 年以内とする
入院及び通院
慢性腎疾患
原則として 1 年以内とする
入院のみ
慢性呼吸器疾患
(ただし、1 か月以上の入院を
慢性心疾患
必要とする方)
内分泋疾患
原則として 1 年以内とする
膠原病
原則として 1 年以内とする(た 入院のみ
入院及び通院
だし、1 か月以上の入院を必要
とする方)
糖尿病
原則として 1 年以内とする
入院及び通院
先天性代謝異常
血友病等血液疾患
神経・筊疾患
原則として 1 年以内とする(た 入院のみ
だし、1 か月以上の入院を必要
とする方)
慢性消化器疾患
※ 具体的な疾患の認定基準については、お近くの保健所にお問い合わせください。
手続き方法
申請場所
1)窓口
県児童家庭課
母子保健担当
保護者が、住所地を所轄する保健所:保健予防課(保健支援担当)に
提出してください。県が実施主体となるため他県に住所を有する方は
6
当該県に申請してください。
2)必要書類
(1)小児慢性特定疾患研究事業受給者証亣付申請書(保護者記入)
(2)小児慢性特定疾患医療意見書(主治医記入)
※ 疾患ごとに意見書様式が異なります。
※ ヒト成長ホルモンによる治療を受ける場合は「小児慢性特
定疾患治療研究事業ホルモン治療用意見書(初回・継続)」
も必要です。
(3)意見書の治療研究利用についての同意書(新規の場合)
(4)本人の健康保険被保険者証の写し(二つ折り、三つ折りの場
合は広げて表側をコピー)
(5)住民票謄本(新規の場合。住所の変更があった場合)
(6)生計中心者の所得税額等が確認できる書類(重症患者、血友
病等の方は不要です。
※ 申請書裏面の「生計中心者の所得税額等確認書類につい
て」をご覧ください。
① 重症患者認定申請の場合は、重症患者認定申請書(保護者記入)
が必要です。認定基準に該当する方が対象ですので、申請の際
は主治医にご相談ください。
(重症患者認定基準は別記)
② 血友病、人工透析を行っている慢性腎不全、血液凝固因子製剤
に起因する HIV 感染症で申請する場合は、保険者が亣付する
「特定疾病療養受療証」の写しを添えてください。
③ 申請は、受診する医療機関ごとに必要です。
受給者証
審査の結果認定されると「小児慢性特定疾患治療研究事業受給者証」が
亣付されます。小児慢性特定疾患の治療で指定医療機関受診するとき及び
指定訪問看護事業者を利用する際には、健康保険証と一緒に必ず提示して
ください。
承認期間
保健所が申請書を受理した日
(郵送の場合は消印日)
から9月30日まで。
既に受給者証を亣付されていた方があらたに重症患者の認定を受けた場合
は、申請書を受理した月の翌月の1日から9月30日までです。
10月1日以降も引き続き受給したいときは、更新手続きが必要です。
自己負担限度額
(1)受給者証に記載された自己負担限度額を上限に、医療機関ごとに窓
口でお支払いください。ただし同一月内に入院・外来による診療を
受けた場合は入院の自己負担限度額が上限。保険調剤・訪問看護に
ついて自己負担はありません。
(2)重症患者の認定を受けた方及び血友病等患者の方は、小児慢性特定
疾患に係る医療費の自己負担はありません。
7
(3)乳幼児医療等、他の医療費助成制度も受けている方で、この事業の
自己負担が乳幼児医療等の自己負担金を上回る場合、市町村によっ
ては払い戻しが受けられる場合もあります。詳しくは市町村にお問
い合わせください
※ 治療研究期間は、必要と認められる場合にはその期間を延長すること
ができる。
※ 対象者は山形県在住の18歳未満の児童で、前記11疾患ごとの認定
基準に該当する方。ただし18歳になる時点で本事業の対象として承
認されている方のうち、引き続き治療が必要な場合は20歳未満まで
延長される。
※ 上記(1か月以上の入院を必要とするものに限る)疾患についての申
請は、1か月以上の入院が予想される時点で申請する(結果的に入院
が1か月未満の場合は、本制度は適用されず一搬疾病扱いとなる)
。
※ 承認された疾患以外で医療機関等を利用する場合は、公費扱いにはな
らない。
※ 助成開始日は、特別な事情のある場合さかのぼることもある。
※ 他の医療機関に受診する場合は新規手続きが必要である。
小児慢性特定疾患治療研究事業における月額自己負担限度額表
自己負担限度額(単位:円)
階 層 区 分
入院
外来等
O
生活保護法の被保護世帯
0
0
A
生計中心者の市町村民税が非課税の場合
0
0
B
生計中心者の前年の所得税が非課税の場合
2,200
1,100
C
生計中心者の前年の所得税課税年額が
3,400
1,700
42,00
2,100
5,500
2,750
9,300
4,650
11,500
5,750
5,000 円以下の場合
D
生計中心者の前年の所得税課税年額が
5,001 円以上 15,000 円以下の場合
E
生計中心者の前年の所得税課税年額が
15,001 円以上 40,000 円以下の場合
F
生計中心者の前年の所得税課税年額が
40,001 円以上 70,000 円以下の場合
G
生計中心者の前年の所得税課税年額が
70,001 円以上の場合
8
備考:1)「市町村民税が非課税の場合」とは当該年度(7月1日から翌年の6月30日をいう)に
おいて市町村民税が課税されていない(地方税法第323条により免除されている場合
を含む)場合をいう。
2)10円未満の端数が生じた場合は、切り捨てるものとする。
3)災害等により、前年度と当該年度との所得に著しい変動があった場合には、その状況等
を勘案して実情に即した弾力性のある取り扱いをしても差し支えない。
4)前年分の所得税又は当該年度の市町村民税の課税関係が判明しない場合の取り扱いにつ
いては、これが判明するまでの期間は前々年分の所得税又は前年度の市町村民税による
こととする。
5)同一生計内に2人以上の対象患者がいる場合は、その月の一部負担額の最も多額な児童
以外の児童については、上記の表に定める額の1/10 に該当する額をもって自己負担限
度額とする。
変更届
以下の場合、変更届(保護者記入)が必要です。保健所に連絡してくだ
さい。
(1) 住所、氏名、加入保険が変更になったとき
(2) 受給者証を使用しなくなったとき(治癒、終了基準該当、死亡等)
(3) 県外に転出するとき
9
小児慢性特定疾患重症患者認定基準
① すべての疾患に関して、次に掲げる症状のうち、1つ以上が長期間(おおむね6か月以上)
継続すると認められる場合。
対象部位
目
症 状 の 状 態
目の機能に著しい障がいを有するもの(両眼の視力の和が0.04以下のも
の
聴 器
聴覚機能に著しい障がいを有するもの(両耳の聴力レベルが100デシベル
以上のもの
上 肢
両上肢の機能に著しい障がいを有するもの(両上肢の用を全く廃したもの)
両上肢の全ての指の機能に著しい障がいを有するもの(両上肢の全ての指を
基部から欠いているもの、両上肢の全ての指の機能を全く廃したもの)
一上肢の機能に著しい障がいを有するもの(一上肢を上腕の2分の1以上で
欠くもの、一上肢の用を全く廃したもの)
下 肢
両下肢の機能に著しい障がいを有するもの(両下肢の用を全く廃したもの)
両下肢を足関節以上で欠くもの(両下肢を足関節以上で欠くもの)
体幹・脊柱
1歳以上の児童において、体幹の機能に座っていることができない程度又は
立ち上がることができない程度の障がいを有するもの(1歳以上の児童におい
て、腰掛け、正座、あぐら、横すわりのいずれもができないもの又は、臥位又
は座位から自力のみでは立ち上がれず、他人、柱、杖、その他の器物の介護又
は補助によりはじめて立ち上がることができる程度の障がいを有するもの)
肢体の機能
身体の機能の障がい又は長期にわたる安静を必要とする病状が、上記と同程
度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめ
る程度のもの(一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの、四肢の機能に相当程
度の障がいを残すもの)
② ①に該当しない場合であって、各疾患群に関して以下の項目に該当する場合
疾患群
該当項目
悪性新生物
転移又は再発があり、濃厚な治療を行っているもの
慢性腎疾患
血液透析又は腹膜透析(CAPD、持続携帯腹膜透析を含む)を行っているもの
慢性呼吸器疾患
気管切開管理又は挿管を行っているもの
慢性心疾患
人工呼吸管理又は酸素療法を行っているもの
先天性代謝異常
知能指数20以下、又は1歳以上の児童において寝たきりのもの
神経・筊疾患
発達・知能指数は20以下、又は1歳以上の児童において寝たきりのもの
慢性消化器疾患
気管切開管理又は挿管を行っているもの
問い合わせ先・申請窓口
各保健所の地域保健予防課 保健支援担当
村山保健所 〒990-0031 山形市十日町1-6-6
023-627-1203
最上保健所 〒996-0002 新庄市金沢字大道上2034
0233-29-1361
置賜保健所 〒992-0012 米沢市金池3-1-26
0238-22-3205
10
庄内保健所 〒997-1392 三川町大字横山字袖東19-1 0235-66-5657
対象疾病一覧
第一表(悪性新生物)
番号
疾患名
番号
疾患名
1
悪性カルチノイド
2
悪性黒色腫
3
悪性骨巨細胞腫
4
悪性細網症
5
悪性マクログロビリン血症
6
悪性リンパ腫
7
アスキン腫瘍
8
ウィルムス(Wilms)腫瘍
9
下垂体腺腫
10
家族性赤血球貧食性細網症
11
褐色細胞腫
12
癌性腹膜炎
13
奇形腫(頭蓋内及び脊柱管内のみ)
14
菌状息肉腫
15
形質細胞腫
16
血球貧食リンパ組織球症
17
好酸球性肉芽腫
18
骨髄腫
19
松果体腫
20
絨毛上皮腫
21
神経膠腫
22
神経鞘腫(頭蓋内及び脊柱管内のみ)
23
神経上皮腫
24
神経星細胞腫((頭蓋内及び脊柱管内)
25
神経節細胞腫(頭蓋内及び脊柱管内)
26
腎明細胞肉腫(腫瘍)
27
膵芽腫
28
髄上皮腫
29
髄膜腫
30
精上皮腫
31
脊索腫
32
セザリー(Sezary)症候群
33
赤血病
34
赤白血病
35
先天性腎間葉芽腫(先天性中胚葉性腎
36
頭蓋咽頭腫
腫)
37
脳室上衣腫
38
バーキット(Burkitt)リンパ腫
39
肺芽腫
40
白血病
41
白血病性細胞内皮症
42
ハンド・シューラー・クリスチャン病
43
非白血病性細網内皮症(組織球性髄様細
44
非ホジキン(non-Hodgkin)リンパ腫
網症)
45
ホジキン(Hodgkin)病
46
末梢性神経外胚葉腫瘍
47
未分化胚細胞腫(卵巣精上皮腫)
48
脈絡叢乳頭腫
49
ユーイング(Ewing)肉腫
50
ラブドイド腫瘍(肉腫)
51
ランゲルハンス(細胞)組織球症
52
緑色腫
53
レッテラー・ジーベ病
54
H鎖病(α鎖病、γ鎖病、δ鎖病、μ鎖病)
55
1から54までに掲げるもののほか、悪性腫瘍である旨を明示するすべての疾病名、
芽腫(肉芽腫を除く)又は芽細胞腫である旨を明示するすべての疾病名、癌である旨を
明示する。
すべての疾病名、肉腫である旨を明示するすべての疾病名その他の組織学的に悪性を
呈する細胞の増殖(癌腫又は肉腫)を本態とする疾病名。ただし、頭蓋内又は脊柱管内
の新生物にあっては組織型を問わない。
11
備考
この表に掲げる疾患についてヒト成長ホルモン治療を行う場合においては、この表に定
める疾患の状態の程度であって第五表備考に定める基準を満たすものを対象とする。
第二表 (慢性腎疾患)
区分
腎炎・ネフローゼ
番号
1
疾患名
番号
遺伝性腎炎
2
疾患名
急速進行性糸球体炎の病変を示す
慢性腎炎
3
紫斑病性腎炎
4
巣状糸球体硬化症
5
ネフローゼ症候群
6
微尐変化型ネフローゼ症候群
7
慢性糸球体腎炎
8
慢性増殖性糸球体腎炎
9
慢性膜性糸球体腎炎
11
10
慢性膜性増殖性糸球体腎炎
IgA腎症
区分
腎又は尿路の異常
12
アミロイド腎
13
萎縮腎
14
家族性若年性ネフロン癆
15
ギテルマン(Gitelman)症候群
16
巨大水尿管症
17
グッドバスチャー(Goodpasture)症候群
18
腎血管性高血圧
19
腎静脈血栓症
20
腎動静脈瘻
21
腎動脈狭窄症
22
腎尿細管性アシドーシス
23
腎嚢胞
24
腎の奇形、位置異常又は腫瘍による腎
25
腎の無発性,低形成、無形成又は異形
臓機能障がい
成
26
腎または腎周囲膿瘍
27
腎または尿路結石
28
水腎症
29
多発性嚢胞腎
30
尿路の奇形、位置異常又は腫瘍による
31
尿路閉塞性腎機能障がい
33
慢性間質性腎炎
腎臓機能障がい
32
バーター(Bartter)症候群
34
慢性腎盂腎炎
備考
この表に掲げる疾患についてヒト成長ホルモン治療を行う場合においては、この表に定め
る疾患の状態の程度であって第五表備考に定める基準を満たすものを対象とする。
第三表 (慢性呼吸器疾患)
区分
慢性呼吸器疾患
番号
疾患名
番号
疾患名
1
アレルギー性気管支炎
2
アレルギー性細気管支炎
3
気管狭窄
4
気管支拡張症
5
気管支喘息
6
先天性中枢性低換気症候群
7
先天性肺胞蛋白症
8
線毛機能不全症候群(カータージェンナー
(Kartagener)症候群)
9
嚢胞性繊維症
10
本態性(特発性)肺ヘモジデローシス
(血鉄症)
12
11
慢性肺疾患
第四表 (慢性心疾患)
区分
冠動脈の異常
番号
疾患名
番号
疾患名
1
冠動静脈瘻
2
冠動脈異常起始症
3
冠動脈拡張症
4
冠動脈狭窄症
5
冠動脈瘤
6
左冠動脈肺動脈起始症(ブランド・ホワイト・ガ
ーランド)Bland-White-Garland)症候群
区分
7
狭心症
狭心症
区分
8
刺激伝導系異常
ウォルフ・パーキンソン・ホワイト 9
期外収縮
(Wolff-Parkinson-White,WPW)症候群
10
脚ブロック
11
心房または心室の細動
12
心房または心室の粗動
13
洞不全症候群
14
洞房ブロック
15
非発作性頻拍(心室,上室性)
16
房室解離
17
房室ブロック
18
発作性頻拍(心室、上室性)
19
ロマノ・ワルド(Romano-Ward)症候群
20
QT 延長症候群
区分
21
心筊梗塞
心筊梗塞
区分
心臓球又は心中隔の異常
22
総動脈幹遺残症
23
大動脈肺動脈中隔欠損症
24
心筊炎後心肥大
25
心臓腫瘍(粘液腫,横紋筊腫、脂肪腫、
繊維腫)
26
慢性緊縮性心膜炎
27
慢性心筊炎
28
慢性心内膜炎
29
慢性心膜炎
区分
大血管の転位等形態の異常
30
アイゼンメンゲル (Eisenmenger)症候群
31
右室低形成症
32
右室二腔症
33
左室右房亣通症
34
左心形成不全(低形成)症候群
35
三心房心
36
心室中隔欠損症
37
心内膜床欠損症(一次口欠損症、共通房室
弁口症)
38
心不全を伴う動静脈瘻(体動静脈痩) 39
心房中隔欠損症(二次口欠損症、静脈洞欠
損症)
40
総肺静脈還流異常症
41
体静脈異常還流症
42
単心室症
43
単心房症
44
動脈管開存症
45
ファロー(Fallot)四微症
46
部分的肺静脈還流異常症
13
区分
特発性心筊症
47
心内膜心筊線維症
48
心内膜線維弾性症
49
特発性拘束型(緊縮型)心筊症
50
特発性肥大型心筊症
区分
51
弁及び血管の異常
ヴァルサルヴァ(Valsalva) 洞動脈瘤 52
エブスタイン奇形(病)
またはその破裂
53
完全大血管転位症
54
血管輪症
55
三尖弁狭窄症
56
三尖弁閉鎖症
57
三尖弁閉鎖不全症
58
修正大血管転位症
59
重複大動脈弓症
60
僧帽弁狭窄症
61
僧帽弁閉鎖症
62
僧帽弁閉鎖不全症
63
大動脈狭窄症
64
大動脈縮窄症
65
大動脈弁狭窄症
66
大動脈弁閉鎖症
67
大動脈弁閉鎖不全症
68
大動脈瘤
69
タウシッヒ・ビング(Taussig-Bing)症 70
特発性肺動脈拡張症
候群
71
肺動脈狭窄症
72
肺動脈閉鎖症
73
肺動脈弁狭窄症
74
肺動脈弁閉鎖症
75
肺動脈弁閉鎖不全症
76
右鎖骨下動脈異常起始症
77
両大血管右室起始症
区分
78
慢性心不全
慢性心不全(慢性肺性心を含む)
区分
その他の慢性心疾患
79
右胸心
80
左心症
81
小児原発性肺高血圧症
82
心臓脱出症
83
先天性心膜欠損症
84
多脾症候群
85
無脾症候群
第五表 (内分泋疾患)
区分
異所性ホルモン産性腫瘍
番号
1
疾患名
番号
異所性甲状腺刺激ホルモン(TSH)産性 2
疾患名
異所性ゴナドトロピン産生腫瘍
腫瘍
3
異所性コルチゾール産性腫瘍
4
5
異所性副腎皮質刺激ホルモン 6
異所性成長ホルモン(GH)産生腫瘍
異所性プロラクチン(PRL)産生腫瘍
(ACTH)症候群
区分
下垂体又は視床下部障がい
7
下垂体機能低下症
8
下垂体性巨人症
9
クッシング(Cushing)病
10
甲状腺刺激ホルモン(TSH) 欠乏(欠損)
症
14
11
抗利尿ホルモン(ADH)分泋異常症
12
ゴナドトロピン欠乏(欠損)症
(SIADH)
13
シモンズ(Simmonds)病
14
真性思春期早発症
15
腎性尿崩症(抗利尿ホルモン不応症)
16
成長ホルモン(GH)欠乏(欠損症)
17
成長ホルモン分泋不全性低身長症
18
中枢性思春期遅発症
19
中枢性尿崩症(下垂体性(真性)尿崩 20
低ゴナドトロピン性類宦官症
症)
21
23
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)欠乏 22
プロラクチン(PRL)欠乏(欠損)
(欠損)症
(欠損)症
末端肥大症
24
区分
ラロン(Laron)型小人症
甲状腺ホルモン異常
25
異所性甲状腺
26
27
甲状腺機能亢進症(バセドウ Basedow) 28
クレチン病
甲状腺機能低下症
病
29
甲状腺形成不全
30
甲状腺腺腫
31
腺腫様甲状腺腫
32
先天性甲状腺ホルモン不応症
33
粘液水腫
34
橋本病
35
慢性甲状腺炎
区分
36
消化管ホルモン異常
ヴァーナー・モリソン(Vaner-Morrison, 37
ガストリン分泋異常
WDHA)症候群
38
グルカゴン分泋異常
39
セロトニン分泋異常(カルチノイド症候
群
40
ゾ リ ン ジ ャ ー ・ エ リ ソ ン 41
特発性低血糖症
(Zollinger-Ellison)症候群
42
ロイシン過敏性低血糖症
区分
43
VIP(Vasoactive-Intestinal-PolypePtid) 分泋異常
性腺又は思春期発現機構の異常
44
カールマン(Kallmann)症候群
45
仮性思春期早発症
46
クラインフェルター症候群
47
高エストロゲン症
48
睾丸機能亢進症
49
睾丸機能低下症
50
睾丸形成不全
51
睾丸欠損症
52
睾丸腫瘍
53
睾丸性女性化症
54
高ゴナドトロピン性類宦官症
55
女性仮性半陰陽
56
真性半陰陽
57
性腺性思春期遅発症
58
性早熟症
59
ターナー(Turner)症候群
60
多嚢胞性卵巣症候群(スタイン・レーベ 61
男性仮性半陰陽
ンタール(Stein-Leventhal)症
候群
62
テストトキシコーシス(家族性男性思 63
15
ヌーナン(Noonan)症候群
春期早発症、male-limited precocious
puberty)
64
プラーダー・ウィリ(Prader-Willi) 65
症候群
フレーリッヒ(Fr⍥hlich)症候(脂肪性
器異栄養症)
66
卵巣機能亢進症
67
卵巣機能低下症
68
卵巣形成不全
69
卵巣腫瘍
70
ロ ー レ ン ス ・ ム ー ン ・ ビ ー ド ル 71
XX 男性
(Laurence-Moon-Biedl)症候群
72
XY 女性
区分
多発性内分泋腺異常
73
ウエルマー(Wermer)症候群
74
シップル(Sipple)症候群
75
シュミット(Schmidt)症候群
76
多発性内分泋腺腫症(MEA,MEN)
区分
副甲状腺ホルモンの異常
77
偽性偽性副甲状線機能低下症
78
偽性特発性副甲状腺機能低下症
79
偽性副甲状腺機能低下症
80
テタニー(副甲状腺性)
81
特発性副甲状腺機能低下症
82
副甲状腺機能亢進症
83
副甲状腺機能低下・アジソンモニリア 84
副甲状腺機能低下症
症候群
85
副甲状腺形成不全
区分
副腎皮質ホルモンの異常
86
アジソン(Addison)病
87
アルドステロン欠損症
88
クッシング(Cushing)症候群
89
グルココルチコイド奏功性アルドス
テロン症
90
原発性アルドステロン症(コン(Conn) 91
高アルドステロン症
症候群)
92
コレステロール側鎖切断酵素欠損症 93
周期性 ACTH 症候群
(先天性リポイド過形成、プラーダーPrader
症候群)
94
女性化副腎腫瘍
95
先天性副腎皮質過形成
96
男性化副腎腫瘍
97
特発性アルドステロン症
98
副腎形成不全
99
副腎性器症候群
100
副腎腺腫
101
副腎皮質ホルモン(ACTH)不応症
102
3β水酸化ステロイド脱水素酵素欠 103
損症(ボンジョバンニ bongiovanni 症候
11β水酸化酵素欠損症
群)
104
17α水酸化酵素欠損症
105
18水酸化酵素欠損症
106
18水酸化ステロイド脱水素酵素欠 107
損症
21水酸化酵素欠損症
108
偽性低アルドステロン症
109
16
リドル(Liddle)症候群
区分
110
112
その他の内分泋異常
先天性全身性脂肪発育障がい症候群 111
マッキューン・オルブライト
(リポジストロフィー)
(McCune-Albright)症候群
レニン分泋異常
第六表 (膠原病)
区分
膠原病
番号
1
3
疾患名
番号
疾患名
アレルギー性亜敗血症(ウイスラー・ 2
冠動脈病変(川崎病性冠動脈病変)
(冠
ファンコニ(Wissler-Fanconi)症候群)
動脈瘤、冠動脈拡張症、冠動脈狭窄症)
シェーグレン(Sj⍥gren)症候群
4
自己免疫性肝炎
6
若年性関節リウマチ
5
自己免疫性腸炎
7
スチーブンス・ジョンソン 8
スチル(Still)病
(StevensJohnson) 症候群
9
リウマチ性心疾患
第七表 (糖尿病)
区分
番号
糖尿病
疾患名
番号
1
1型糖尿病(若年型糖尿病)
2
3
その他の糖尿病(腎性糖尿病を除く)
疾患名
2型糖尿病(成人型糖尿病)
第八表 (先天性代謝異常)
区分
アミノ酸代謝異常
1
イミノ酸異常症
2
3
高オルニチン血症-高アンモニア血 4
家族性イミノグリシン尿症
白皮症
症-ホモシトルリン尿症症候群
5
ヘルマンスキー・プドラック(Hermansky-Pudlak)症候群
区分
6
遺伝性結合組織代謝異常
エーラース・ダンロス
7
(Ehlers-Danlos)症候群
8
骨形成不全
(Osteogensisimperfecta)
軟骨無形成症(軟骨異栄養症)
区分
血清蛋白異常
9
アルファ 1―アンチトリプシン欠乏症 10
トランスコバラミンⅡ欠損症
11
無アルブミン血症
12
無トランスフェリン症
13
無ハプトグロビン症
14
アポ蛋白 C-Ⅱ欠損症
15
アルファリポ蛋白欠乏症
16
ウォールマン(Wolman)病
(高比重リポ蛋白(HDL)欠乏症
タンジェール(Tangier)病)
17
17
家族性高コレステロール血症
18
家族性高リポ蛋白症
19
高超低比重リポ蛋白(VLDL)血症
20
高低比重リポ蛋白(LDL)血症
21
高トリグリセライド血症
22
高プレベータリポ蛋白血症
23
高ベータリポ蛋白血症
24
先天性高脂質血症
25
無(低)ベータリポ蛋白血症(バッセ 26
レフスム(Refsum)病
ン ・ コ ー ン ツ ヴ ァ イ ク
(Bassen-Kornzweig)症候群, 有棘
赤血球症)
区分
先天性核酸代謝異常
27
遺伝性若年性痛風
29
先天性高尿酸血症
28
区分
30
色素性乾皮症
先天性尿細管障がい
シスチン蓄積症(リグナック(Lignac) 31
シスチン尿症
症候群
32
腎性アミノ酸尿症
33
34
ファンコーニ(Fanconi)症候群
区分
ハルトナップ(Hartnup)病
糖質代謝異常
35
蔗糖・イソ麦芽糖吸収不全症
36
先天性高乳酸血症
37
乳糖吸収不全症
38
ぶどう糖・ガラクトース吸収不全症
39
先天性ポルフィリン症
区分
40
無機質代謝異常
遺伝性ビタミン D 抵抗性くる病
41
(家族性低燐酸血症)
42
(セルロプラスミン欠乏症)
メンケス(Menkes)病(Kinky(steely-) hair 症候群
区分
有機酸代謝異常
43
グルタル酸尿症(Ⅰ型、Ⅱ型)
45
メテルマロン酸血症
区分
46
ウイルソン(Wilson)病
44
先天性葉酸吸収不全症
その他の先天性代謝異常
遺伝性脈管浮腫
47
先天性魚鱗癬(水泡型先天性魚鱗癬
様紅皮症、非水泡型先天性魚鱗癬様
紅皮症、道化師様魚鱗癬、シェーグ
レン・ラーソン(Sj⍥gren-Larsson)
症候群)
48
50
致 死 性 表 皮 水 泡 症 ( ヘ ル リ ッ ツ 49
ロウェ(Lowe)症候群(眼脳腎症
(Herlitz) 型
候群)
1から49までに掲げるもののほか、特定の欠損(活性異常)酵素名を冠したすべての
疾患
第九表 (血友病等血液・免疫疾患)
18
区分
1
巨赤芽球性貧血
悪性貧血
2
イマースルンド・グレスベック
(Imersulund-Grӓsbeck 症候群)
3
巨赤芽球性貧血
4
区分
葉酸欠乏性貧血
血液凝固系の異常
5
アンチトロンビンⅢ欠乏症
6
高分子キニノゲン欠乏症
7
先天性血液凝固異常症
8
第Ⅰ因子(フィブリノゲン)欠乏症
9
第Ⅱ因子(ブロトロンビン)欠乏症
10
第Ⅴ因子(不安定因子)欠乏症
11
第Ⅶ因子(安定因子)欠乏症
12
第Ⅷ因子欠乏症(血友病 A)
13
第Ⅸ因子欠乏症(血友病 B)
14
第Ⅹ因子(スチュアート・プラウア-
(Stuart-Prower)因子)欠乏症
15
16
第Ⅺ因子欠乏症
第Ⅻ因子(ヘイグマン(Hageman)因
子)欠乏症
17
第 XⅢ因子(フィブリン安定化因子) 18
フ ォ ン ・ ヴ ィ レ ブ ラ ン ド ( Von
欠乏症
Willerbrand)病
19
ブレカリクレイン欠乏症
21
S 蛋白(Protein S)欠乏症
20
区分
22
C 蛋白(Protein C)欠乏症
血小板の異常
巨大血管腫(カサバッハ・メリット 23
血小板機能異常症(血小板異常症)
(Kasabach-Merritt)症候群)
24
血小板血症
25
血小板無力症
26
血小板無力症症候群
27
血栓性血小板減尐性紫斑病
28
周期性血小板減尐症
29
先天性無巨核球性血小減尐症
(トロンポポエチン欠損症)
30
貯蔵欠如症(Storage Pool)病
31
脾機能亢進性血小板減尐症
32
脾形成不全性血小板増加症
33
ベルナール・スリエ(Bernard- Soulier)
症候群
34
放出機構異常症(Aspirin-like Defect) 35
本態性アトロンビア(トロンピン欠乏
症)
36
免疫学的血小板減尐症
区分
自己免疫性溶血性貧血
37
寒冷凝集素症
38
自己免疫性溶血性貧血
39
新生児溶血性貧血(胎児赤芽球症)
40
脾機能亢進性溶血性貧血
41
微小血管障がい性溶血性貧血
42
発作性寒冷血色素尿症
43
発作性夜間血色素尿症
44
慢性寒冷赤血球凝集素症
45
アデニレートキナーゼ欠乏性貧血
46
アルドラーゼ欠乏性貧血
47
異常ヘモグロビン(血色素)症
48
遺伝性球状赤血球症
49
遺伝性高ヘモグロビンF症
50
遺伝性楕円赤血球症
19
51
遺伝性有口(口唇状)赤血球症
52
遺伝性溶血性非球状赤血球性貧血
53
遺伝性(先天性)溶血性貧血
54
家族性赤血球増加症
55
鎌状赤血球貧血
56
カルボキシヘモグロビン血症
57
ガンマグルタミルシステイン合成酵 58
グルコース燐酸イソメラーゼ欠乏性貧
素欠乏性貧血
血
59
グルコース 6-燐酸脱水素酵素
60
グルタチオン過酸化酵素欠乏性貧血
(G-6-PD)欠乏性貧血
61
グルタチオン還元酵素欠乏性貧血
62
グルタチオン合成酵素欠乏性貧血
63
サラセミア(地中海貧血)
64
サラセミア様症候群
65
スルフヘモグロビン血症
66
赤血球アデノシンデアミナーゼ異常症
67
先天性ハインツ小体性貧血
68
先天性メトヘモグロビン血症
69
先天性NADH・メトヘモグロビン還 70
ビリミジン 5´-ヌクレオチターゼ欠乏
元酵素欠乏症
性貧血
71
ビルビン酸キナーゼ欠乏性貧血
72
不安定ヘモグロビン症
73
ヘキソキナーゼ欠乏性貧血
74
ヘモグロビン C 症
75
ヘモグロビン D 症
76
ヘモグロビン E 症
77
ヘモグロビン S 症
78
ホスホグリセリン酸キナーゼ欠乏性貧
血
79
ホスホフルクトキナーゼ欠乏性貧血
81
2.3-ジホスホグリセル酸ムターゼ欠乏性貧血
区分
80
燐酸三炭糖イソメラーゼ欠乏性貧血
鉄代謝の異常による貧血
82
エリスロポエチン分泋異常
83
84
ビタミン B6反応性(ピリドキシン欠 85
原発性鉄芽球性貧血
ピリドキシン反応性貧血
乏症)貧血
86
アルダー(Alder)異常(症候群)
87
遺伝性好中球減尐症
(家族性慢性好中球減尐症)
88
好酸球増加症
89
周囲性好中球減尐症
90
怠惰白血球症候群
91
不能白血球症
92
ペルゲル・フェット(Pelger-Huet) 93
異常症候群
マシェク(Spӓt-Damashek)症候群
94
慢性本態性好中球減尐症
96
メイ・ヘグリン(May-hegglin)異常(症候群)
区分
97
慢性再生不良性好中球減尐症(シュペート・ダ
95
ミエロペルオキシダーゼ欠損症
免疫系の疾患
異ガンマグロブリン血症
98
ウィスコット・アルドリッチ
Wiskott-Aldrich)症候群
99
胸線形成不全
1 0 グッド(Good)症候群)
0
101
高グロブリン血症性紫班病
102
後天性免疫不全症候群(AIDS,HIV 感染
症
20
103
シェデイアク・東(Chediak-Higashi) 104
異常(症候群)
重症複合免疫不全症(リンパ球減尐性無
ガンマグロブリン血症)
105
スイス型無ガンマグロブリン血症
106
選択的免疫グロビリン欠損症
107
先天性細胞性免疫不全症
108
低ガンマグロブリン血症
109
ディジョージ(DiGeorge)症候群
110
特 定 抗 体 産 生 不 全 症 ( Specific
unresponsiveness)
111
112
ネゼロフ(Nezelof)症候群
バリアブル・イムノデフィシエンシー
(variable Imunodeficiency)
113
114
複合型免疫不全症
ブルトン(Buton)型無ガンマグロブリ
ン血症
115
116
本態性高ガンマグロブリン血症
末梢(毛細)血管拡張性運動失調症(ル
イ・バー(Louis=Bar)症候群)
117
慢性活動性 EB ウイルス感染症
119
慢 性 GVHD(Graft Versus Host 120
disiease 移植片対宿主病)
無ガンマグロビリン血症
121
良性単クローン性免疫グロブリン異 122
常症(良性(本態性)M-蛋白血症
IgA 欠損症
123
IgM 欠損症
区分
124
118
慢性肉芽腫症
その他の慢性血液疾患
遺伝性出血性末梢血管拡張症(ランデ 125
ュ・オスラー・ウェーバー
骨髄線維症(骨髄硬化症、本態性骨髄様
化生)
(Rendu-Osler- Weber)症候群
126
真性多血症
128
先天性赤血球産生異常性貧血
第十表
127
赤芽球癆
(神経・筊疾患)
区分
神経・筊疾患
1
ウエスト症候群(点頭てんかん)
2
結節性硬化症
3
重症乳児ミオクロニーてんかん
4
小児亜急性硬化性全脳炎(S S P E)
5
先天性ミオパチー
6
福山型先天筊ジストロフィー(先天性遺
伝性筊ジストロフィー)
7
ミトコンドリア脳筊症
8
ミニコア病
9
無痛無汗症
10
リー(Leigh)脳症
11
レット(Rett)症候群
12
レ ノ ッ ク ス ・ ガ ス ト ウ
(Lennox-Gastaut)症候群
第十一表
区分
1
(慢性消化器疾患)
肝・胆道系疾患
アラジール(Alagille)症候群(動脈 2
肝異形成 arterio hepatic dysplasia)
21
肝硬変
3
肝内胆管異形成症候群
4
肝内胆管拡張症
5
肝内胆管低形成(形成不全)症
6
肝内胆管閉鎖症
7
原発性硬化性胆管炎
8
ジルベール(Gilbert)症候群
9
進行性家族性胆汁うっ滞性肝硬変
10
先天性肝線維症
11
先天性胆道拡張症(先天性総胆管拡張 12
胆道閉鎖症(先天性胆道閉鎖症)
症
13
デュビン・ジョンソン(Dubin- John) 14
門脈圧亢進症
症候群
15
ローター(Rotor)症候群(ローター(Rotor)型 過ビリルビン血症)
区分
16
腸疾患
先天性微絨毛萎縮症
17
22
腸リンパ管拡張症
2 公衆衛生
1)結核対策(結核にかかったとき)
根拠法令 感染症の予防及び感染症患者に対する医療に関する法律
背景
旧結核予防法は平成 18 年 12 月に廃止、感染症法に統合した。平成 19
年 4 月に施行されている。結核医療の基準が改正感染症法に基づき、新た
に整備され、平成 19 年 4 月全面改正され、平成 21 年 2 月改正基準が適用
となった。
結核医療
結核の医療に対しては、感染症法による公費負担の制度が設けられてお
り、一般患者に対するものと、入院患者に対するものとがある。これらは、
保険優先となっている。
(1)一般患者に対する医療費公費負担(法 37 条の 2)
医学の進歩に基づいた適正な医療を普及するため。
「結核医療の基
準」に基づく医療が行なわれており、初診料、再診料、給食費など
を除く化学療法等に対して、保険給付の残額を公費負担している。
(5%の自己負担がある)
(2)感染源対策-就業制限、入院勧告(法 18 条および 19 条)
都道府県知事、保健所設置市市長、特別区区長は、結核を感染させ
るおそれが著しいと認められるものに対して、期間を定めて、多数
の者と接触する機会の多い業務に従事することを禁止し、また、感
染症指定医療機関に入院することを勧告することができる(法 18
条、19 条、26 条)
。これらの入院患者に対しては、その医療に必要
な費用を保険給付した残額が公費負担されている(法 37 条)
。
(3)結核医療の基準
結核の医療については、感染症法の規定を受けた結核の適正な医療
の指針として、
「結核医療の基準」を厚生労働大臣告示として定め
ている。
給付内容
結核患者と認定された場合、感染症の予防及び感染症の患者に対する医
療に関する法律に基づき医療費の一部を公費で負担する。県内に居住する
結核患者の方、又はその保護者が対象。申請書には、診断書も含まれてい
るので、診断書の部分は医療機関で記入もらうことになる。
申請書類
①結核医療費公費負担申請書
②エックス線直接写真申請前 3 か月以内に撮影したもの。
③自己負担認定に必要な書類。
(第37条第1項の規定による申請の場合のみ。
)
受付窓口
患者の居住地を管轄する保健所
村山保健所 地域保健予防課 感染症予防担当
TEL 023-627-1105
23
最上保健所 地域保健予防課 感染症予防・健康増進担当
TEL 0233-29-1268
置賜保健所 地域保健予防課 感染症予防担当
TEL 0238-22-3002
庄内保健所 保健企画課 感染症予防担当
TEL 0235-66-4920
2) 感染症の予防及び感染症患者に対する医療に関する法律
根拠法令
背景
感染症の予防及び感染症患者に対する医療に関する法律
従来の「伝染病予防法」
、
「性病予防法」
、
「後天性免疫不全症候群の予防
に関する法律」の 3 つを統合し、平成 10 年に制定された法律。平成 11 年
4 月 1 日より施行。平成 19 年 4 月 1 日には、
「結核予防法」を統合し、ま
た人権意識の高まりから「人権尊重」や「最小限度の措置の原則」が明記
されるなどの改正がされた。
概要
感染力や罹患した場合の重篤性などに基づき、危険性が高い順に一類か
ら五類までに感染症を分類している。既知の感染症であっても、危険性が
高く特別な対応が必要であると判断される場合については、
政令により
「指
定感染症」に指定し対応するよう定められている。また、既に知られてい
る感染症と異なり、危険度が高いと考えられる新たな感染症が確認された
場合「新感染症」として分類し対応する事が記されている。
感染症の分類
一類感染症、二類感染症、三類感染症は法第 6 条第 2 項~第 4 項により、
四類感染症は法第 6 条第 5 項および本法施行令により、五類感染症は法第
6 条第 6 項および本法施行規則により定められている。
(平成 19 年 4 月施
行)
[一類感染症]
エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう(天然痘)、ペスト、
マールブルグ病、ラッサ熱、南米出血熱(追加)
以上 7 疾患
[二類感染症]
急性灰白髄炎、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARS)、結核、
鳥インフルエンザ(H5N1)
以上 5 疾患
[三類感染症]
コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症(O157 等)
、腸チフス、
パラチフス
以上 5 疾患
[四類感染症]
・ E 型肝炎、A 型肝炎、黄熱、Q 熱、狂犬病、炭疽、鳥インフルエンザ
(H5N1を除く)
、ボツリヌス症、マラリア、野兎病
以上法第六条第五項 10 疾患
・ ウエストナイル熱、エキノコックス症、オウム病、オムスク出血熱、
24
回帰熱、キャサヌル森林病、コクシジオイデス症、サル痘、腎症候性出
血熱、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、つつが虫病、チクングニア熱、
デング熱、東部ウマ脳炎、ニパウイルス感染症、日本紅斑熱、日本脳
炎、ハンタウイルス肺症候群、Bウイルス病、鼻疽、ブルセラ症、ベ
ネズエラウマ脳炎、ヘンドラウイルス感染症、発しんチフス、ライム
病、リッサウイルス感染症、リフトバレー熱、類鼻疽、レジオネラ症、
レプトスピラ症、ロッキー山紅斑熱
以上政令で定める 32 疾患
合計 42 疾患
[五類感染症]
①全数把握 (全ての医師が、全ての患者の発生について届出を行う感染症)
ウイルス性肝炎(E型及びA型肝炎を除く)
、クリプトスポリジウム
症、後天性免疫不全症候群、梅毒、アメーバ赤痢、急性脳炎(ウエス
トナイル脳炎及び日本脳炎を除く)
、クロイツフェルト・ヤコブ病、
劇症性溶血性レンサ球菌感染症、ジアルジア症、髄膜炎菌性髄膜炎、
先天性風しん症候群、破傷風、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感
染症、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症、風しん、麻しん
以上 16 疾患
②定点把握(指定した医療機関が、患者の発生について届出を行う感染症)
・小児科定数把握
RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感
染性胃腸炎、水痘、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、百日咳、
ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
以上 11 疾患
・インフルエンザ定数把握(小児科・内科)
インフエンザ(鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を
以上 1 疾患
除く)
・眼科定数把握
急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎
以上 2 疾患
・STD定数把握(産婦人科・皮膚科・泋尿器科・性病科)
性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジロ
以上 4 疾患
ーマ、淋菌感染症
・基幹定数把握(内科・外科を持つ 300 床以上の病医療機関)
クラミジア肺炎(オウム病を除く)
、細菌性髄膜炎(髄膜炎菌性髄膜
炎を除く)
、ペニシリン耐性肺炎球菌感染症、マイコプラズマ肺炎、
無菌性髄膜炎、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、薬剤耐性緑膿
菌感染症、 薬剤耐性アシネトバクター感染症
以上 8 疾患
合計 42 疾患
・類似症定数把握(内科・小児科を持つ 5,000 カ所の医療機関)
摂氏38度以上の発熱及び呼吸器症状(明らかな外傷又は器質的疾患
に起因するものを除く)
、発熱及び発疹又は水泡
25
[新型インフルエンザ等感染症]
新型インフルエンザ、再興型インフルエンザ
以上 2 疾患
[指定感染症]
現在指定なし
政令で 1 年間に限定して指定された感染症
(鳥インフルエンザ(H5N1型に限る)は、2006 年 6 月 12 日から 2008
年の 6 月 11 日の間指定感染症として指定され、その後法改正により二類
感染症となった。
)
〔新感染症〕
・当初:都道府県知事が厚生労働大臣の技術的指導・助言を得て個別に応
急対応する感染症
・ 要件指定後 : 政令で症状等の要件指定をした後に一類感染症と同様
の扱いをする感染症
感染症の類型
感染症法では、新たに感染力と、罹患した場合の重篤性に基づく総合的
な観点から、1類から5類感染症に類型化し、それぞれに対して行政的な
対応・措置を決めた。
感染症類型
1類感染症
2類感染症
感染症類
3類感染症
型
4類感染症
性
格
感染力、罹患した場合の重篤性から判断して、危険性が極めて
高い感染症
感染力、罹患した場合の重篤性から判断して、危険性が高い感
染症
感染力、罹患した場合の重篤性から判断して、危険性は高くないが、特定の職
業への就業によって集団発生を起こし得る感染症
動物、飲食物等の物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与え
るおそれがある感染症(人から人への伝染はない)
国が感染症の発生動向の調査を行い、その結果等に基づいて必要な
5類感染症
情報を一般国民や医療関係者に情報提供・公開していくことによって、
発生・まん延を防止すべき感染症
新型インフル
エンザ等感
染症
新型インフルエンザ
新たに人から人に伝染する能力を有することとなったウイルスを病原体
とするインフルエンザ
26
再興型インフルエン
ザ
指定感染
症
新感染症
かつて世界的規模で流行したインフルエンザであって、その後流行す
ることなく長期間が経過しているものが再興したのも
既知の感染症の中で上記1~3類、新型インフルエンザ等感染症に分
政令で1年間に限定
して指定される感染症 類されない感染症で1~3類に準じた対応の必要が生じた感染症
【当初】
都道府県知事が厚生
労働大臣の技術的指
導・助言を得て個別に
人から人に伝染すると認められる疾病であって、既知の感染症と症状
応急対応する感染症
等が明らかに異なり、その伝染力、罹患した場合の重篤度から判断し
【要件指定後】
た危険性が極めて高い感染症
政令で症状等の要件
をした後に1類感染症
と同様の扱いをする
感染症
3)エイズ問題
根拠法令
エイズとは
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
エイズはヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染によって引き起こされ
る細胞性免疫不全状態を主な病態とする疾患である。
感染症法において、5 類感染症に分類されている。
相談窓口
保健所でエイズの相談や血液検査を行っている。
1、保健所ではエイズの血液(HIV 抗体)検査を行っていますが、保健
所長が必要と認め、本人が希望した場合は無料の血液検査が受けら
れます。なお、血液検査は、感染の機会があった後 12 週間以上経
過しないと正しい結果が得られません。
(抗体ができるのにおよそ
6~8 週間かかります。
)
2、血液検査結果は口頭で直接本人にお知らせするので、指定された日
時(約1週間後)に、もう一度保健所に来ていただきます。
3、エイズ相談・血液検査等は、匿名でも受付します。また、プライバ
シーは 100%守られます。
4、詳しい相談日時等は、各保健所又は県庁保健薬務課にお問い合わせ
ください。
村山保健所 即日検査
023-627-1117
最上保健所
0233-22-5635
庄内保健所 即日検査
0235-66-4920
置賜保健所 即日検査
0238-22-3002
27
HIV感染者・AIDS患者の感染経路別累計数
平成22年12月26日現在
診療区分
感染経路
日本国籍
男
HIV
女
異性間の性的接 2110 594
触
外国国籍
合計
計
男
女
計
男
2704
349
785 1134
女
計
2459 1379
3838
6285
3
6288
369
1
370
6654
4
6658
静注薬物濫用
28
2
30
24
3
27
52
5
57
母子感染
13
9
22
4
8
12
17
17
34
その他*2
202
35
237
45
22
67
247
57
304
不明
785
93
878
331
523
854
1116
616
1732
同性間の性的接触
*1
HIV 合計
AIDS
9423 736
異性間の性的接 1622 192
触
10159 1122 1342 2464 10545 2078 12623
1814
254
191
445
1876
383
2259
1806
2
1808
113
2
115
1919
4
1923
20
3
23
22
1
23
42
4
46
母子感染
9
3
12
1
4
5
10
7
17
その他*2
130
19
149
23
12
35
153
31
184
不明
833
70
903
316
135
451
1149
205
1354
4420 289
4709
729
345 1074
5149
634
5783
1421
1439
-
1421
18
1439
同性間の性的接触
*1
静注薬物濫用
AIDS 合計*3
凝固因子製剤による感染者*4
18
-
-
*1 両性間性的接触を含む。
*2 輸血などに伴う感染例や推定される感染経路が複数ある例を含む。
*3 平成 11 年 3 月 31 日までの病状変化によるエイズ患者報告 154 件を含む。同年 4 月 1 日以降
は、AIDS 患者とは、初回報告時に AIDS と診断されたものであり、既に HIV 感染者として報告さ
れている症例が AIDS を発症する等病状に変化を生じた場合は法定報告数から除かれている。
*4「血液凝固異常症全国調査」による平成21年5月31日現在の凝固因子製剤による感染者数で
ある。
<UNAIDS(国連合同エイズ計画)が世界の感染状況を発表>
世界の HIV 感染者は、2009 年末現在 3330 万人推定。
東アジア、ラテンアメリカ、東欧・中央アジアなどで年間HIV新規感染
数の推定値が減尐している。
サハラ以南アフリカ、北アフリカ、中東、南アジア、東南アジア、北アメ
リカでは増加している。
28
2009 年の新規 HIV 感染者数は 260 万人、エイズによる死亡者数は 180 万
人と推定される。
北アメリカ
150 万人
北アフリカ・中東
46 万人
カリブ海沿岸
24 万人
サハラ以南アフリカ
2250 万人
ラテンアメリカ
140 万人
東アジア
77 万人
西欧・中欧
82 万人
南・東南アジア
410 万人
東欧・中央アジア
140 万人
オセアニア
5 万 7000 人
資料
WHO/UNAIDS(国連合同エイズ計画)2009 年末現在
4)不妊手術・人工妊娠中絶について
根拠法令
背景
母体保護法( 旧 優生保護法 )
1948 年優生保護法という名称で施行され、
母性の生命健康を保護すること
を目的として、1996 年母体保護法として改正された。
不妊手術
医師は、妊婦または分娩が、母体の生命に危険を及ぼすおそれのある時、
本人の同意及び配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様な事
情にある物者を含む)があるときはその同意を得て、不妊手術が行えるこ
と、未成年者に対しては、不妊手術がおこなえないこと等が定められてい
る。
(第三条)
人工妊娠
母体保護法指定医師意外は、人工妊娠中絶を行うことができない(緊急の
中絶
場合は除く)
人工妊娠中絶の基準は、通常妊娠満22週未満である。
<対象>
・妊娠の継続・分娩が身体的・経済的理由により母体の健康を著しく害す
る恐れのあるもの
・暴行・脅迫によって又は抵抗若しくは拒絶することができない間に強姦
されて妊娠したもの
※不妊手術・人工妊娠中絶を行った医師は、理由を記して都道府県知知事
に届けなければならない。
費用
保険適用外のため、全額自己負担
29
3 戦傷病者、戦没者遺族等の援護
根拠法令
戦傷病者戦没者遺族等援護法
戦傷病者、戦没者遺族等に対する援護の体系
戦傷病者、戦没者遺族等
軍人、文官
恩給法
〔年金の給付〕
公務扶助料
〔弔慰金の支給〕
戦傷病者戦没者遺族等援護法
傷病恩給、傷病賜金
(戦没者等の援護)
(軍人)、軍属、準軍属
(戦傷病者)
遺族年金、遺族給与金
障害年金
(戦没者等の遺族)
(戦傷病者)
弔慰金
戦没者等の父母等に対する
〔特別給付金
の支給〕
特別給付金
戦没者等の妻に対する
特別給付金
戦傷病者等の妻に対する
特別給付金
〔療養の給付等〕
療養の給付等
遺族年金や公務扶助料受給者がなくなった場合
〔特別弔慰金
の支給〕戦没者等の遺族に対する特別弔慰金
1)
戦傷病者戦没者遺族等援護法
援護法は、軍人軍属及び人軍属の公務上の傷病及び死亡等に関し、
国家補償の見地に基づき、障がい者本人には障がい年金等を、死亡
者の遺族には遺族年金・遺族給与及び弔慰金を支給し援護を行うこ
とを目的とする法律で、昭和 27 年 4 月に制定された。
支給対象者は、国と雇用関係(雇用類似を含む)にあった軍人軍
属及び準軍属並びにその遺族である。ただし、軍人については昭和
28 年 8 月に軍人恩給が復活し、原則として恩給法が適用されること
となったため、遺族年金や障がい年金の対象者は恩給法に該当しな
い軍属及び準軍属並びにその遺族となっている。
軍人
①
もとの陸海軍の現役、予備校、補充兵役、国民兵役にあった者
(軍人)
30
②
もとの陸軍の見習士官、士官候補生、もとの海軍候補生、見習
尉官(準軍人)
軍属
準軍属
③
もとの陸海軍部内の警部、高等文官、従軍文官等(文官)
①
戦地勤務の陸海軍部内の雇員、庸人等
②
船舶運営会船員
③
満鉄職員等
①
国家総動員法関係者(被徴用者、動員学徒、女子挺身隊員)
②
戦闘参加者
③
国民義勇隊員
④
満州開拓青年義勇隊員
⑤
特別未帰還者
⑥
内地等勤務の陸海軍部内の雇員、庸人等
⑦
防空従事者
援護法に基づく措置の主な内容
(平成 21 年 10 月現在)
障がい給付(本人に支給)
遺族給付(遺族に支給)
障がい年金
遺族年金
遺族
(主に軍属の遺族)
・公務傷病
(特別項症) (第 5 款症)
9,729,100 円~961,000 円
(配偶者、子、父母等)
遺族給与金(準軍属の遺族)
・勤務関連傷病(特別項症) (第 5 款症)
7,417,100 円~743,000 円
・公務死亡
1,966,800 円
障がい一時金(年金に換え選択した場合)
・勤務関連死亡
1,573,500 円
・公務傷病
・平病死亡
1,573,500 円
(第 1 項症) (第 5 款症)
6,088,000 円~2,855,000 円
・勤務関連傷病(特別項症) (第 5 款症)
4,640,900 円~2,177,100 円
・平病死亡(公務軽症・勤関重症)
541,450 円
・平病死亡(勤務関連軽症)
440,250 円
・併発死亡(公務)
440,250 円
(勤務関連)
318,850 円
公務傷病又は勤務関連傷病により死亡した者の遺族(三親等以内)に対しては、弔慰金(5 万円
の記名国債)が別途支給される。
※1 障がいの程度は特別項症、第1~第 6 項症、第 1~第5款症の
12区分
※2 公務傷病は、戦闘による受傷や事変地、戦地における罹病な
31
どで、勤務関連傷病、主に本邦等における疾病のことを指す。
これらの傷病による死亡を公務死亡または勤務関連死亡とい
う。
※3
平病死亡とは、障がい年金受給者が受給していた障がい年金
の支給事由以外の傷病により死亡した場合をいう。遺族には、
障がい年金受給者が受給していた障がい年金の種類(公務・
勤務関連の別)に応じた年金が支給される。
※4
併発死亡とは、死亡の原因が公務傷病や勤務関連傷病による
ことが立証できない場合や、戦地勤務終了後一定期間内の死
亡で、勤務の影響により死亡したと推測される場合をいう。
障がい年金や遺族年金などの請求は、請求書に戸籍抄本、恩給診
断書(障がい年金の場合)など、必要な書類を添えて、居住地の市
町村役場に提出し、都道府県を経由の上、厚生労働大臣に請求され
る。
年金が裁定されると、あらかじめ指定された金融機関(銀行(ゆ
うちょ銀行を含む)、信託銀行、信用金庫、農協など)の口座に振り
込まれます。
(年4回)
2)戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法
先の大戦において公務等のため国に殉じた軍人、軍属及び準軍属
に対し、特別弔慰金(国債)を支給する。
支給対象者
一定の基準日において、戦没者の遺族の中に恩給法に規定する公
務扶助料、戦傷病者戦没者遺族等援護法に規定する遺族年金等の年
金給付を受ける権利を有する遺族(配偶者、父母等)がいない場合
で「戦没者の遺族」のうち先順位1名の方。
3)戦没者の妻、父母、戦傷病者の妻に対する特別給付金
(1)戦没者等の妻に対する特別給付金
夫を失ったことによる精神的苦痛を慰藉するため一定額の国債が
支給されている。
支給対象者
先の大戦による公務上または勤務に関連した傷病により死亡した
者の妻で、基準日において遺族年金や公務扶助料を受ける権利を有
する者。
32
支給対象者
(2)戦没者の父母等に対する特別給付金
子を失ったことによる精神的苦痛を慰藉するため支給されている。
上記①と同様に基準日において遺族年金等を受ける権利を有する
父母等で、戦没者が志望した当時、戦没者以外に氏を同じくする子
がなく、その後も氏を同じくする子を有するに至らなかった者。
(3)戦傷病者等の妻に対する特別給付金
障がい者である夫の日常生活上の看護、家庭の維持等のため払っ
支給対象者
てきた精神的苦痛を慰藉するため支給されている。
先の大戦において公務上又は勤務に関連した傷病により障がいの
状態となり、基準日において傷病恩給等を受けていた者。
4)療養の給付、補装具の支給等
根拠法令 戦傷病者特別援護法
軍人軍属であった者が、公務に起因し、又は勤務に関連して傷病に
かかり、今なお一定以上の障がいを有する場合や療養の必要がある場
合に、戦傷病者手帳を亣付して、療養の給付、補装具の支給等を行う
ことを目的とし、昭和38年に制定された(戦傷病者手帳亣付者数
43,005 人 、平成 19 年4月1日現在)
。
主な援護措置
援護の内容
療養の給付
戦傷病者のうち、公務上の傷病に対して必要な療養を給付するもの。
(指定医療機関における治療等)
補装具の支給・修理
一定以上の障がいを有する戦傷病者に対して義手、義足等を支給・修理する
JR 無賃乗車券の取
障がいの程度に応じ、一定回数の JR 無賃乗車券を亣付する
り扱い
葬祭費の支給
療養の給付を受けている者が死亡した場合にその遺族に対して支給される。
更生医療の給付
公務上の傷病により法に定める生涯の状態にある戦傷病者が更生するために必要
と認められる場合に更生医療を施す。
5)恩給法
恩給は公務員とその遺族を対象とした年金制度であるが、各種共
済組合制度へ移行した後に退職した者は共済組合からの年金を受給
することとなったため、現在恩給を受けているのは、共済組合制度
以前の退職した公務員やその遺族、旧軍人とその遺族となっている。
恩給法の対象となる「公務員」は、一般的な意味での公務員とは違
33
い、原則として判任官相当以上の官にある者をいうが、軍人につい
ては兵から大将までの全てが含まれる。
種類
本
対象者
普通恩給
人
最短年限以上在職して退職した者
増加恩給
公務に起因する傷病により重度の障がいを有する者(在職期間に
給
付
関係なく、必ず普通恩給が併給される)
傷病恩給
傷病年金
公務に起因する傷病により比較的軽度の障がいを有する者
特例傷病恩給
昭和 16 年 12 月 8 日以後、本邦等で職務に関連して受傷罹病し、
障がいを有する旧軍人等
遺
普通扶助料
族
普通恩給受給者の遺族
公務扶助料
公務傷病により死亡した者の遺族(戦没者の遺族がその代表例)
給
公務関係
増加非公死扶助料
公務以外の事由により死亡(平病死)した増加恩給受給者の家族
付
扶助料
特例扶助料
昭和 16 年 12 月 8 日以後、本邦等で職務に関連する傷病により
死亡した旧軍人等の遺族
傷病者遺族特別年金
平病死した傷病年金又は特例傷病恩給受給者の遺族
※1
上記の年金給付以外に一時金制度がある。普通恩給の資格年
限に達しないで退職した公務員やその遺族に対しては、一時
恩給、一時扶助料として支給されている。一時金受給の要件
としては 3 年以上の在職年があることとなっている。
※2
「本邦等」とは内地、樺太、朝鮮、千島列島、満州及び台湾
を指す。
※3
恩給法は援護法に比べ厳格に規定されている。例えば、援護
法では内縁の妻に対しての遺族年金が認められるが、恩給法
の公務扶助料では適用外となる。また恩給法による軍属は旧
陸海軍部内の文官を指しており、援護法でいう軍属の範囲は
より広いものとなっている。
普通恩給
普通恩給は軍人恩給と称されているように、旧軍人が数多く受給
している。受給権は在職年数と加算年数を合わせて最短恩給年限を
満たすことにより発生する。旧軍人の場合、下士官で最短年限は 12
年となっている。(准士官以上は 13 年)
個人の在職年数と退職時の階級に応じた計算処理がされるが、年
金額が一定の額に達しない場合、その一定額を保障する制度となっ
ている。多くは最低保障額がその受給額となっている。ただし、在
職年数が長く最低保障額を超える場合はその計算額が受給額となる。
34
・最低保障額(平成 23 年 4 月現在)
実在職年数が 9 年以上の場合
実在職年数が 6 年以上 9 年未満の場合
実在職年数が 6 年未満の場合
849,500 円
679,600 円
568,400 円
傷病恩給
傷病恩給は増加恩給と傷病年金とに分かれ、重度障がいの状態に
なった公務員に支給される増加恩給は特別項症から第 7 項症(別表
1)
、傷病年金は増加恩給受給者より比較的軽症である第 1~第4款
症までのそれぞれに相当している。
傷病恩給は公務に起因する場合であるのに対し、戦地でない本邦
等での職務に関連して受傷した場合には、特別傷病恩給が適用され
る。特別傷病恩給における障がい程度は、当該区分の第 1 款症が増
加恩給の第 7 款症、第 2 款症から第 5 款症までが傷病年金の第 1 款
症から第 4 款症にそれぞれ相当する。
初度の傷病恩給請求以降、症状が悪化し障がい程度が進むことも
想定されるが、恩給法ではこのような場合を事後重症として規定し、
再請求を認めている。
増加恩給の年額
傷病年金の年額
重度障がいの程
年額(平成 23 年 4 月現在)
障がいの程
度
第 1 項症の金額にその 7/10 以
度
額(平成 23 年 4 月現在)
内の金額を加えた金額
第 1 項症
5,723,000 円
第 1 款症
1,686,000 円
第 2 項症
4,769,000 円
第 2 款症
1,352,000 円
第 3 項症
3,927,000 円
第 3 款症
1,089,000 円
第 4 項症
3,108,000 円
第 4 款症
961,000 円
第 5 項症
2,514,000 円
第 6 項症
2,033,000 円
第 7 項症
1,853,000 円
特別傷病恩給の年額
障がいの程度
年額(平成 23 年 4 月現在)
第 1 項症の金額にその 7/10 以
内の金額を加えた金額
35
第 1 項症
4,363,000 円
第 2 項症
3,639,000 円
第 3 項症
3,007,500 円
第 4 項症
2,383,900 円
第 5 項症
1,938,700 円
第 6 項症
1,571,100 円
第 1 款症
1,428,200 円
第 2 款症
1,299,800 円
第 3 款症
1,045,100 円
第 4 款症
844,600 円
第 5 款症
743,000 円
※
受給者に扶養家族があるときは、一定額の扶養加給が加わる。
※
増加恩給と特別傷病恩給の第 2 項症以上の受給者には一定額の
特別加給が加わる。
※
増加恩給の受給者に限り、在職年数の長短の関わらず普通恩給
が併給される。
傷病賜金
公務受傷に該当するときに支給される一時金(平成 19 年 4 月 1 日
現在)
第 1 目症 48,000 円
第2目症 32,000 円
扶助料
扶助料は公務員の遺族に支給される年金恩給で、普通扶助料、公
務扶助料、増加非公死扶助料、特例扶助料の 4 種類がある。
➀
普通扶助料
普通恩給の受給者が公務傷病によらず死亡したとき、遺族に支
給される。普通恩給と同様に最低保障額制度が適用されている。
普通扶助料の受給者が妻である場合には一定額の寡婦加算が加
わる。
最低保障額
(平成 23 年 4 月現在)
実在職年数が 9 年以上
実在職年数が 6 年以上 9 年未満
実在職年数が 6 年未満
594,000 円
475,200 円
399,000 円
➁
公務扶助料
公務員が公務傷病のため死亡した場合に支給される。一律に
36
一定額の遺族加算が加わる。また、受給者に扶養家族があるとき
は扶養遺族加給が加わる。
➂
増加非公死扶助料
増加恩給の受給者が公務傷病によらず死亡(平病死)した場合
に支給される。
➃
特例扶助料
旧軍人等に特有の扶助料で、特例傷病恩給と同系列のもの。
旧軍人が本邦等で職務に関連して受傷罹病し、そのために死亡し
た場合に支給される。
最低保障額 (平成 23 年 4 月現在)
公務扶助
増加非公死扶助料・特例扶助料
1,966,800 円
(1,814,000 円) 1,573,500 円(1,420,700 円)
※( )内は遺族加算が加わらない基本額
傷病者遺族特別年金
傷病年金や特例傷病恩給の受給者が、公務に関係のないケガや病
気で死亡した場合に、その遺族に支給される。ただし、遺族が普通
扶助料や公務員として在職年を算入した期間に基づく共済組合法に
よる遺族年金を受けることができる場合は支給されない。
上記の場合において、公務に関係のあるケガや病気のために死亡
した場合、その遺族には公務扶助料が支給される。
基本年額 (平成 23 年 4 月現在)
傷病年金や第 1 款症以上の特例傷病恩給受
給者の遺族
第2款症以下の特例傷病恩給受給者の遺族
557,600 円
456,400 円
請求においては退職当時の本籍地を管轄する都道府県、厚生労働
省を経由して、総務省人事・恩給局長に進達される。在職中の履歴
書、戸籍抄本、恩給診断書(傷病恩給の場合)等の書類整備が必要。
恩給が裁定されると、ゆうちょ銀行または金融機関において支払
われる。支給月は 1 月、4 月、7 月、10 月の年 4 回。
37
重度障がい程度表(増加恩給)
重度障が いの程
(別表1)
重度障がいの状態
度
1.心身の障がいのため、自己身辺の日常生活活動が全くの不能であっ
て、常に複雑な介護を要するもの
2.両眼の視力が明暗を弁別できないもの
特別項症
3.両上肢又は両下肢を全く失ったもの
4.身体諸部の障がいを総合して、その程度が第 1 項症に第 1 項症から
第 6 項症までを加えたもの
1.心身の障がいのために、自己身辺の日常生活活動が著しくさまたげ
られ、常に介護を要するもの
2.咀嚼及び言語の機能を共に廃したもの
3.両眼の視力が、視標 0.1 を 50 センチメートル以上では弁別できない
もの
第 1 項症
4.X線像に示された肺結核の病型が広汎空洞型であって、結核菌を大
量かつ継続的に排出し、常に高度の安静を要するもの。
5.呼吸困難のため、換気機能検査も実施できないもの
6.肘関節以上で両上肢を失ったもの
7.膝関節以上で両下肢を失ったもの
1.咀嚼又は言語の機能を廃したもの
2.両眼の視力が視標 0.1 を 1 メートル以上では弁別できないもの
3.両耳の聴力を全く失ったもの
4.大動脈瘤、鎖骨下動脈瘤、総頚動脈瘤、無名動脈瘤又は腸骨動脈瘤
第 2 項症
を発したもの
5.腕関節以上で両上肢を失ったもの
6.一上肢又は一下肢を全く失ったもの
7.足関節以上で両下肢を失ったもの
1.心身障がいのため、家庭内における日常生活活動が著しくさまたげ
られるもの
2.両眼の視力が、視標 0.1 を 1.5 メートル以上では弁別できないもの
3.X線像に示された肺結核の病型が非広汎空洞型であって、結核菌を
継続的に排出し常に中等度の安静を必要とするもの
第 3 項症
4.呼吸機能を高度にさまたげるもの
5.心臓の機能の著しい障がいのため、家庭内における日常生活活動に
38
おいて心不全症状又は狭心症症状を起こすもの
6.腎臓もしくは肝臓の機能又は造血機能を著しくさまたげるもの
7.肘関節以上で一上肢を失ったもの
8.膝関節以上で一下肢を失ったもの
1.咀嚼又は言語の機能を著しくさまたげるもの
2.両眼の視力が、視標 0.1 を 2 メートル以上では弁別できないもの
3.両耳の聴力が、5 センチメートル以上では大声を解し得ないもの
第 4 項症
4.両睾丸を全く失ったもので、脱落症状が著しくないもの
5.腕関節以上で一上肢を失ったもの
6.足関節以上で一下肢を失ったもの
1.心身障がいのため、社会生活における日常生活活動が著しくさまた
げられるもの
2.頭部、顔面等に大きい醜形を残したもの
3.一眼の視力が、視標 0.1 を 50 センチメートル以上では弁別できない
もの
4.X線像に示された肺結核の病型が不安定性非空洞型であって、病巣
第5項症
が活動性を有し、常に軽度の安静を要するもの
5.呼吸機能を中等度にさまたげるもの
6.心臓機能の中等度の障がいのため、社会生活活動において心不全症
状又は狭心症症状を起こすもの
7.腎臓もしくは肝臓の機能又は造血機能を中等度にさまたげるもの
8.一側の全ての手指を全く失ったもの
1.頚部又は躯幹の運動を著しくさまたげるもの
2.一眼の視力が、視標 0.1 を 1 メートル以上では弁別できないもの
第6項症
3.脾臓を失ったもの
4.一側の親指とひとさし指を全く失ったもの
5.一側の全ての手指の機能を廃したもの
1.一眼の視力が、視標 0.1 を 2 メートル以上では弁別できないもの
2.一耳の聴力を全く失い、他耳が通常の話声を 1.5 メートル以上では
解し得ないもの
第7項症
3.一側の腎臓を失ったもの
4.一側のおや指を全く失ったもの
5.一側のひとさし指から小指までを全く失ったもの
6.一側の足関節が、直角位で強剛したもの
7.一側すべての足指を全く失ったもの
39
障がい程度の表(増加恩給より軽症、傷病年金)
障がいの程度
障がいの状態
第1款症
1.一眼の視力が、視標 0.1 を 2.5 メートル以上では弁別できないもの
2.一耳の聴力を全く失ったもの
3.一側のおや指の機能を廃したもの
4.一側のひとさし指から小指までの機能を廃したもの
1.心身障がいのため、社会のおける日常生活活動が中等度にさまたげ
られるもの
2.一眼の視力が、視標 0.1 を 3.5 メートル以上では弁別できないもの
3.一耳の聴力が、5 センチメートル以上では大声を解し得ないもの
4.X線像に示された肺結核の病型が安定非空洞型ではあるが、再悪化
第2款症
のおそれがあるため、経過観察を要するもの
5.呼吸機能を軽度にさまたげるもの
6.一側の睾丸を全く失ったもの
7.一側のひとさし指を全く失ったもの
8.一側の第 1 の足指を全く失ったもの
1.一側のひとさし指の機能を廃したもの
第3款症
2.一側の中指を全く失ったもの
3.一側の第 1 の足指の機能を廃したもの
4.一側の第 2 の足指を全く失ったもの
1.一側の視力が 0.1 未満のもの
2.一耳の聴力が、通常の話声を 50 センチメートル以上では解し得ない
もの
第4款症
3.一側の中指の機能を廃したもの
4.一側のくすり指の機能を廃したもの
5.一側の第 2 の足指の機能を廃したもの
6.一側の第 3 の足指以下の 2 本の足指を全く失ったもの
40
原子爆弾被爆者医療
根拠法令・・・原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律
広島市及び長崎市に投下された原子爆弾の被爆者が、今なおおか
れている健康上の特別な状態にかんがみ、被爆者に対し健康診断及
び医療を行うことによりその健康の保持及び向上を図る。
1)被爆者の定義
以下のいずれかに該当する者で、被爆者健康手帳の亣付を受けた者
①直接被爆者
原子爆弾が投下された際、次の区域(当時の地名)で直接被爆し
た者
広島・・・広島市内、安佐郡祇園町、安芸郡戸坂村のうち狐爪木、
安芸郡中山村のうち、中・落久保・北平原・西平原・及
び寄田、安芸郡府中町のうち、茂陰北。
長崎・・・長崎市内、西彼杵郡福田村のうち、大浦郷・小浦郷・本
村郷・小江郷・小江原郷、西彼杵郡長与村のうち、高田
郷、吉無田郷。
②入市者
原子爆弾が投下されてから 2 週間以内に、爆心地から約 2km の区
域内に立ち入った者(長崎にあっては昭和 20 年 8 月 23 日まで、広
島にあっては同年同月 20 日まで)。
③死体の処理及び救護にあたった者等
原子爆弾が投下された際、又はその後において身体に原子爆弾の
放射能の影響を受けるような事情の下にあった者。例えば、救護・
死体の処理・しゃへい物のない海上で被爆した者。
④胎児
上記の①から③に該当した者の胎児であった者(長崎にあっては、
昭和 21 年 6 月 3 日まで、広島にあっては、昭和 21 年 5 月 31 日ま
でに生まれた者)。
2)被爆者健康手帳
原子爆弾による被爆者であることの証明書であるとともに、健康
状況を記録しておくためのもの。手帳を病院等に提示することで,
医療費については,自己負担分を支払わないで治療を受けることが
できる。
(ただし,差額ベッド代,診断書料等は自己負担)。又,介
41
護保険サービスのうち,訪問看護,訪問リハビリテーション,居宅
療養管理指導,通所リハビリテーション(デイケア),短期入所療養
介護(ショートステイ),介護老人保健施設への入所及び介護療養型
医療施設への入院についても,自己負担分を支払わないで介護サー
ビスを受けることができる。
(ただし,平成 17 年 10 月 1 日から,介
護保険法が改正されたことに伴い,居住費(滞在費)及び食費は,
介護保険給付対象外となったため、居住費及び食費は,自己負担と
なる。
)3 年ごとの手帳の更新は、平成 11 年度を最後に行われなくな
ったが、健康診断記載欄が埋まったときなど届け出ることにより手
帳の更新をすることができる。
①亣付申請
県が定めた「被爆者健康手帳亣付申請書」に基づき被爆事実を証
明できる書類に住民票を添付し、保健所長を経由し県知事に申請す
る(居住地を有しない場合は現在地)。
添付書類
ア)当時の罹災証明書、その他公の機関が発行した証明書
イ)アがない場合、当時の書簡、写真などの記録書類
ウ)ア、イない場合は、市町村長の証明書
エ)ア、イ、ウがない場合は、第三者(三親等以内の親族を除く。)
2 人以上の証明
オ)上記いずれもない場合は、本人以外の証明書または被爆当時の
状況を記載した申立書、申述書及び誓約書
3)被爆者健康診断
被爆者の特性にかんがみ、健康管理を重視し、無料で健康診断を
実施している
①健康診断の種類
ア)一般検査
定期検診・・・年2回、県が場所・日時を指定して実施する。
希望検診・・・本人に希望により年2回受診でき、うち1回はがん検
診を受診できる。
イ)精密検査
一般検査の結果、医師がさらに精密な検査を必要とする者に対し行う。
42
②検査項目
一般検査
がん検診
1 視診、問診、聴診、打診及び触診
2 赤血球沈降速度検査
3 血球数計算
4 血色素検査
5 尿検査
6 血圧測定
7 肝臓機能検査(GOP、GPT、ZTT、
ALP 検査法)
1 胃がん検診
2 肺がん検診
3 乳がん検診
4 子宮がん検診
5 大腸がん検診
6 多発性骨髄腫検診
精密検査
1 骨髄造血像検査等の血液の検査
2 肝臓機能検査等の内臓の検査
3 関節機能検査等の運動器の検査
4 眼底検査等の視器の検査
5 胸部エックス線撮影検査等のエックス
線検査
6 その他必要な検査
※精密検査は上記に掲げる検査のうち、
必要と認めるもののみ実施
③実施医療機関
各保健所に問い合わせること
④亣通手当の支給
一般検査・がん検査をうけた場合で、往復の亣通費が 400 円以上かか
った場合は、945 円を限度に亣通費が支給される。また、精密検査を
うけた場合、1回につき 315 円を限度に支給される。
4)健康診断の特例措置
被爆者と同程度に健康上特別の状態にあるとは断定できないが、常
に健康状態を把握し、健康の維持管理につとめなければならない人に
対して、健康診断受診者証を発行し健康診断を実施している。
①第一種健康診断受診者証
ア)対象
原子爆弾が投下された際、被爆者援護法施行令に規定されている以
下の対象区域にいた者、又はその当時その者の胎児。
広島・・・山県郡 安野村のうち、島木および段原
佐伯郡 水内村のうち津伏・小原・井手ヶ原・矢流・草谷・
古持・森・下井谷・門出口・木藤および恵下、河
内村のうち魚切・中郷・下城・上小深川および下
小深川、石内村八幡村のうち利松・口和田および
高井
安佐郡 久地村のうち宇賀・高山・本郷下・本郷中・三国・
魚切・本郷上・小野原中・名原・小野原上・境原
および幸ノ神、日浦村のうち毛木二、戸山村・安
村のうち長楽寺および高取、伴村
長崎・・・西彼杵郡 時津村、長与村(高田郷・吉無田郷を除く)、福
43
田村のうち柿泊郷・中浦郷・手熊郷・上浦郷、式
見村のうち向郷・木郷・牧野郷、三重村のうち・
詰ノ内・白髪・遠木場、矢上村のうち現川名・田
川内・薩摩城・中尾・矢筈、日見村のうち河内名、
茂木町のうち田手原名・木場名・田上名
イ)健康診断の内容
被爆者と同様の健康診断をうけることができ、その結果、健康管
理手当の対象となる障がいがあると診断されると、被爆者健康手
帳の亣付をうけることができる。
ウ)申請手続
「第一種健康診断受診者証申請書」に以下の書類を添え、保健所
へ申請。
添付書類
ⅰ)
「第一種健康診断受診者証の対象区域にいたかた又はその胎児(長
崎被爆の場合昭和 21 年 6 月 3 日までに出生)
」に該当する事実を
認めることができる書類
ⅱ)ⅰがない場合、当該事実についての申立書
②第二種健康診断受診者証
ア)対象
原爆投下時(昭和 20 年 8 月 9 日の午前 11 時 2 分)に爆心地から
12 ㎞以内の対象区域内にいた者又はその当時その者の胎児
長崎・・・西彼杵郡 深堀村(大籠名の一部を除く)、香焼村、伊王島
村、式見村(向郷、木場郷及び牧野郷を除く)
、三重村(詰
ノ内、白髪、遠木場、向郷・三重郷・松崎郷の一部、畦郷、
三重田郷及び樫山郷を除く)、村松村(西海郷及び子々川
郷の一部を除く)、伊木力村、大草村(元釜名・野副名の
一部及び東園名を除く)、喜々津村(木床名・中里名・囲
名及び化屋名の一部を除く)、矢上村(現川名・田川内・
薩摩城・中尾及び矢筈を除く)、日見村(河内名を除く)、
茂木町(田手原名、木場名及び田上名、千々名及び大崎名
の一部を除く)北高来郡 古賀村(船石名の一部を除く)、
戸石村、田結村(里名及び池下名の一部を除く)
イ)健康診断の内容
一般検査のみであり、毎年1回無料で受診できる。
44
ウ)申請手続
「第二種健康診断受診者証申請書」に以下の書類を添え、保健所へ申
請
添付書類
ⅰ)
「被爆者援護法に規定された対象区域にいたかた又はその胎児(昭
和 21 年 6 月 3 日までに出生)
」に該当する事実を認めることができる
書類
ⅱ)がない場合、当該事実についての申立書
5)被爆二世健康診断
被爆二世の中には健康面での不安を訴え、健康診断を希望する者が
多いことから、健康状態を把握するとともに、健康に資する目的で実
施している。両親又はそのどちらかが原爆被爆者で、長崎被爆は昭和
21 年 6 月 4 日以降に、広島被爆は昭和 21 年 6 月 1 日以降に生まれた
者を対象とし、検査内容は一般検査と精密検査。項目は被爆者と同じ。
6)医療の給付
①認定疾病医療
原子爆弾の放射線や熱線等が原因で起こった病気やけがについて医
療の必要がある時、厚生労働大臣の認定を受けることにより、全額国
費で医療の給付を受けることができる。医療特別手当や特別手当をう
けるための条件にもなっており、また、認定を受けている者は所得税
や地方税の計算上、特別障がい者控除の対象となる。
ア)受給要件
病気やけがが原子爆弾の傷害作用によるもので、現に治療を要する
状態にある(病気やけがが熱線等放射線以外の傷害作用による場合
には、その人の治癒能力が放射線の影響をうけている)という厚生
労働大臣の認定を受けた場合。
イ)認定疾病とは
白血病、白血球減尐症、再生不良性貧血、肝機能障がい、甲状腺が
ん、胃がん、大腸がん、乳がん、食道がん、卵巣がん、尿路系がん、
肺がん、肝臓がん、皮膚がん、副甲状腺機能亢進症、放射線による
白内障、熱線によるやけど、爆風等によるきず等。
ウ)認定申請手続方法
45
「認定申請書」に医師の意見書及び健康診断等による検査成績書を
添えて、居住地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に申請する。
「認定申請書」記載内容
ⅰ)被爆者の氏名等
ⅱ)居住地
ⅲ)被爆者健康手帳の番号
ⅳ)認定を受けようとする病気やけがの名称
ⅴ)被爆時以降の医療または自覚症状(特に被爆時に急性の症状
があったときはその概要)
ⅵ)医療を受けようとする指定医療機関等の名称及び住所
エ)給付範囲
ⅰ)通院や入院による治療及び処置に要する費用
ⅱ)治療用装具の購入費用(コルセット・義手・義足等)
ⅲ)移送費用(入転院の際の運賃等)
ⅳ)訪問看護の基本利用料金
ⅴ)薬剤自己負担分
ⅵ)入院時の食事療養費
オ)医療機関の指定
医療の給付は厚生労働大臣の指定する医療機関に委託して行う。
この場合は認定書と被爆者健康手帳が必要となる。
カ)医療費の支給
厚生労働大臣は、被爆者が緊急その他やむを得ない理由により、
指定医療機関以外の者から医療を受けた場合で、必要があると認
めたときには、医療費を支給することができる。
②一般疾病医療
ア)給付範囲
認定疾病以外の一般の病気やけがの場合、知事の指定する医療機
関で医療を受けた場合、一般疾病医療を給付する。給付を受ける
時は、被爆者健康手帳と被保険者証(老人保健法の適用を受けて
いる被爆者については老人保健の医療受給者証も必要)を指定医
療機関の窓口に提示する。何らかの事情によって、被爆者健康手
帳を提示しなかったり、指定医療機関以外で医療をうけた場合は、
一部負担金等を支払うことになるが、後で都道府県知事に請求す
46
れば払い戻しをうけることができる。
請求の方法は、医療機関に支払った時の領収書と医療の内容を記
載した書類を申請書に添え、保健所長を経由して知事に提出する。
③支給制限
次のような場合、一般疾病の医療の給付の一部または全部を受けるこ
とができない。
ア)自己の故意の犯罪行為により病気やけがをしたとき
イ)闘争、泥酔又は著しい不行跡によって病気やけがをしたとき
ウ)故意又は重大な過失によって病気やけがをしたとき
エ)医師の療養に関する指示に従わなかったとき
また、次のように原子爆弾の放射線との関連が極めて薄いと考えられ
る疾病
ア)遺伝性の病気
イ)先天性の病気
ウ)原爆以前にかかった精神病
エ)かるい虫歯
7)被爆者手当
原爆被爆者に支給される手当は、次の表に掲げる6種類の手当と葬
祭料がある。これらの手当は、いずれも被爆者のなかには、原子爆弾
の傷害作用のため健康上、生活上、悪条件のもとにあり、その疾病の
ため特別の支出を余儀なくされている人が多い状況にかんがみ、その
生活の安定を図るため、支給されるものである。
47
(平成 23 年度より)
手当の種類
支給要件
支給金額
原爆の放射能が原因で病
気やけがの状態にあるとい
医療特別手当
う厚生労働大臣の認定を受
月額136,890円
けた人で、その病気やけが
の治っていない人
上記の認定を受けた人で、
特別手当
現在はその病気やけがが
月額50,550円
治った人
原子爆弾小頭症手当
原爆の放射能が原因で小
月額47,110円
頭症の状態にある人
循環器機能障がい、運動器機
健康管理手当
能障がい、造血機能障がいな
ど11の障がいのいずれかを
月額33,670円
伴う病気にかかっている人
(1)一定範囲の身体上
保健手当
爆心地から2キロメートル以
の障がいがある人
内で直接被爆した人と当時
(2)70才以上で身寄り
その人の胎児だった人
のないひとり暮らしの人
介護人を雇って費用を支出
月額 33,670 円
上記に該当しない人
月額 16,880 円
重度障がい
月額 104,530 円以内
中度障がい
月額 69,680 円以内
して介護を受けた場合。
費用介護手当 障がいの程度(重度と中度)に
区分され、手当額もそれぞれ
限度額がある。
介護手当
費用を支出しないで介護を
家族介護手当 受けた場合(家族による介
月額21,500円
護) 重度障がいのみ
介護手当付加金
葬祭料
介護手当の受給額を超える介
護費用を支払った場合に支給
被爆者が死亡した場合、葬
43,410円以内
201,000円
祭を行う人に支給
48
申請方法
各種書類を揃え県知事へ申請
ア)各種申請書
イ)各種診断書
ウ)被爆者健康手帳
エ)印鑑
オ)申請人名義の預金通帳
※その他、手当によっては申立書・証明書等が必要となるものもある
ため、詳細は保健所に問い合わせのこと
49
4 外国人の医療と福祉
在留資格
制度
留学生
就学生
研修生
短期滞在
不法滞在
定住者
1 国民健康保険
○
△A
△A
△A
×
○
2 社会保険(制度上)
○
○
×
○
○
○
社会保険(出入国管理及び難民認定法上)
×
×
×
×
×
○
3 老人保健医療制度
△B
△B
△B
△B
×
△B
4 結核予防法
○
○
○
○
○
○
5 出産に関する助成制度
○
○
○
○
○
○
6 労災保険
○
○
×
○
○
○
7 乳幼児の予防接種(無料分)
○
○
○
△C
×
○
8 生活保護法
×
×
×
×
×
○
9 民間損害保険(制度上)
○
○
○
○
○
○
民間損害保険(出入国管理及び難民認定法上)
○
○
○
○
×
○
児童福祉法第 22 条
○ 適用可能
× 不可
△ 一定の条件のもとに可能
△A 1 年以上日本に滞在すると認められる書類があること
△B 国民健康保険、または社会保険に加入していること
△C 外国人登録を行っていること
1)国民健康保険
厚生省通知により、外国人登録を済ませている場合「入国当初に認められ
た在留期間が 1 年未満であっても、何らかの書類などにより滞在期間が 1
年以上になる場合」
には国民健康保険に加入できることが明らかにされた。
書類は入国目的別に定められており、外国語にて記載されている場合は、
役所への提出の際に翻訳者を明記した日本語翻訳文のよる文書を添付しな
ければならない。
何らかの書類とは
➀ 宗教
派遣する国の宗教団体が作成した派遣期間、待遇等を明記した文書
➁ 興行
契約書等の写し
➂ 文化活動
受入れ機関または招へい者が作成した在留活動及びその期間を説明する
文書
➃ 留学・修学
教育の内容を明らかにする資料や在学証明書
➄ 研修
研修計画書(内容、場所、期間、責任者等の明らかなもの)
➅ 家族滞在
50
申請人を扶養する者の身分事項、滞在予定期間、在留資格を明らかにす
るもの
➆ 家事使用人やスポーツ選手
雇用契約書の写し
手続方法
(1)窓口
各市町村の国民健康保険係
(2)必要書類
パスポート、外国人登録証、在留期間が 1 年以内の者は何らかの書類
被保険者
国民健康保険の欄を参照
高額療養費助成制度の使用も可
その他
さかのぼり加入
国民健康保険の未加入者が受診した場合自費診療となるが、加入資格を
持つ者であれば、国民健康保険の加入手続きを行い、一般的には 3 ヶ月間
はさかのぼって適用を受けられる。
2)社会保険
基本的には、日本人労働者と同じ
被保険者
社会保険の欄を参照
高額療養費助成制度や継続医療、出産費用も利用可能)
その他
給与から差し引かれる、いわゆる「天引き」に対して、外国人労働者と
雇用主との間でトラブルが生じることも考えられる。これは保険制度自体
を外国人がよく理解していない場合や、給与システムの説明不足の場合が
ある。あるいは雇用主が社会保険の雇用主負担分を嫌い意識的に加入しな
かったり、収入手取り分を増やすために外国人労働者自らが加入を拒む場
合がある。
3)後期高齢者医療(旧老人保健医療)
1:加入資格
➀ 被保険者の範囲
ア)国民健康保険、社会保険の加入者または、その扶養家族であること
イ)当該市町村に居住地を有すること
手続方法
1:窓口 各市町村の担当係
2:必要書類 国民健康保険証または社会保険証と印鑑。
(念のため、外国
人登録証とパスポートも持っていったほうが良い)
その他
対象者、医療費等については、後期高齢者医療の欄を参照
4)結核予防法
法文上に特別の規定はない。属地主義により、外国人についても日本国
民との区別なく一様に適用される。
手続方法
1:申請 ア)本人または家族から居住地を管轄する保健所へ届けること
51
を原則とする。しかし、便宜上、診察を行った医師が代わ
って申請してもよいとされている。
イ)居住地の保健所へ届ける。
5)出産に関する助成制度(児童福祉法第 22 条)
人権擁護の面から、たとえ不法在留外国人であっても観光客であっても
適用される。
手続方法
窓口:福祉事務所・町村役場の担当係
具体的運用
あくまでも出産までの援助であり、出産後は適用されない。
6)労災保険
日本国内における労働であれば、国籍を問わず、また不法就労であるか
否かを問わず適用される。
適用除外
正規の研修生としての研修中は適用されない。
(正規の研修中は、入管法
上一般の労働者とはならない)
申請方法
事業主証明を得て、医療機関を通じ労働基準監督署へ提出する。事業主
が証明を拒否する場合でも、
直接労働基準監督署へ提出することができる。
7)乳幼児の予防接種
集団接種と個別接種の 2 つがある
1:無料接種
集団接種の多くと個別接種の一部は、次の条件を満たしている場合無
料となる。また、母子手帳・外国人登録証の呈示が必要。
ア)
乳幼児の年齢が、
市町村で無料と決めた期間に該当していること。
イ)外国人登録をしていること。
(国保への加入については問題としな
い)
2:有料接種
ア)外国人登録を行っていない場合
イ)外国人登録は行っているが、登録証の記載と異なる市町村の医療
機関で接種した場合。
ウ)乳幼児の年齢が、市町村が無料と定めた期間以外であるとき
エ)接種事業を委託されていない医療機関で受けた場合。
8)生活保護法
厚生省は、
「日本人及び外国人定住者、永住者のみが適用となる」と地方
自治体に通達している。
1:定住者 法務大臣が個々の外国人について特別な理由を考慮し、居住
を認める者
2:法務大臣が永住を認める者
その他の制度
県・市町村独自による、特定医療や各手当・施設関係等といった助成制
52
度がある。外国人登録が必要であったり、各保険の加入や定住者であるこ
となどの条件があるため、県・市町村に問い合わせること。
10)外国人登録
外国人登録とは、
「外国人登録法」により定められている。日本に入国し
た日本国籍を有していない外国人は、入国日より 90 日以内、日本国内で
誕生した場合には、誕生日より 60 日以内に居住する市町村の役所の担当
窓口にて、パスポートを提示して外国人登録を行わなければならない。こ
の手続により外国人登録証が発行される。
(短期滞在と免除されている条約、国際慣習法、その他の理由により外
国人登録を免除される場合もある)
「外国人登録制度」は、日本において医療保障制度が適用される場合に
必要であることが多く、医療や福祉関係者も理解しておく必要がある。
53
11)言語通訳(相談等)
医療を受診する際に言葉の問題がある場合、近隣の地域に多く居住している国籍を調べ、
前もって日本語と外国語が併記された問診表を用意するなどの対策がある。また、救急受
診等により問診表による対応ができない場合は、医療通訳として、電話通訳や派遣通訳を
行っているところもある。
(有料)
国際ボランティアセンター(IVY)通訳センター
TEL 023-634-9832(事務局に問い合わせること)
TEL 090-2365-2365(9.00~19.00 事務局に問い合わせの上)
その他、県の国際課内に英語、中国語、韓国・朝鮮語、ポルトガル語による電話相談窓口を
設置され、その後平成 6 年 4 月から(財)山形県国際亣流協会に活動を引き継がれている。
(曜日、時間等については問い合わせること)
財)山形県国際亣流協会
TEL 023-646-8861
その他の相談窓口
山形市国際亣流協会
TEL 023-624-8862
財)出羽庄内国際亣流財団
TEL 0235-25-3600
在住外国人を支援する会(ジョナメール)
TEL 0235-25-3600
東根市外国人相談窓口
TEL 0237-42-1111
中国帰国者自立研修センター
TEL 023-645-2611
54
5 税 金
概要
老人、障がい(児)者、寡婦等、老齢化や障がいに伴う本人ある
いは家族などの稼動上・生活上のハンデイキャップに対応して税金
の負担を軽減する制度がある。これらの制度は税金を納めることを
前提として、その納税額の負担を軽減するものである。制度の適用
を受けるには、申告・申請等の手続きが必要であるが、詳細につい
ては関係機関の窓口で確認してほしい。
1)所得税および住民税の控除
控除の種類及び控除額
控除等の種類
所得税(2007年) 住民税(2007年)
障がい者控除
27万円
26万円
特別障がい者控除
40万円
30万円
寡婦控除
27万円
26万円
特別の寡婦控除
35万円
30万円
寡夫控除
27万円
26万円
同居の老親等扶養
58(93)万円
45(68)万円
同居老親等以外
48(83)万円
38(61)万円
48(83)万円
38(61)万円
73万円
56万円
98万円
68万円
27万円
26万円
老人扶養親族控除
老人控除対象配偶者の配偶者控除
同居特別障がい者
特定扶養親族
勤労学生控除
対象者
(1) 障がい者控除
所得者本人やその控除対象配偶者、扶養親族で、次のいずれかに
該当する者
①
児童相談所、知的障がい者更生相談所、精神保健福祉センター
又は精神保健指定医から知的障がい者と判定された者
②
療育手帳Bの亣付を受けた者
③
精神障がい者保健福祉手帳 2 級の亣付を受けた者
④
身体障がい者手帳 3~6 級の亣付を受けた者
⑤
戦傷病者手帳の亣付を受けている者
⑥
精神又は身体に障がいのある年齢 65 歳以上の人でその障がい
の程度が障がい者に準ずる者として町村長や福祉事務所長な
どの認定を受けている者
(2)
特別障がい者控除
55
所得者本人やそ
の控除対象配偶者、
該当する者
① 常に精神上の障がいにより事理を弁識する能力を欠く状態にあ
扶養親族で、次の
いずれかに
る者
② 上記障がい者控除①のうち、重度の知的障がい者と判定された
者
③ 療育手帳 A の亣付を受けた者
④ 精神障がい者保健福祉手帳 1 級の亣付をうけた者
⑤ 身体障がい者手帳 1~2 級の亣付を受けた者
⑥ 戦傷病者手帳の亣付を受けている者で障がいの程度が恩給法に
定める特別項症~第 3 項症までの者
⑦ 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の規定による厚生労
働大臣の認定を受けている者
⑧ 常に就床を要し、複雑な介護を要する者
⑨ 精神又は身体に障がいのある年齢 65 歳以上の者でその障がいの
程度が特別障がい者に準ずる者として町村長や福祉事務所長な
どの認定を受けている者
(3) 寡婦控除
所得者本人が次の①②のいずれかに該当する者
①
夫と死別又は離婚した後、婚姻していない者又は夫の生死が明
らかでない者で、扶養親族又は生計を一にする子(他の者の控
除対象配偶者や扶養親族になっていたり所得が基礎控除額を
上 回る者を除く)がある者
②
夫と死別し再婚していない者又は夫の生死の明らかでない者
で合計所得金額が 500 万円以下の者
(4) 特別の寡婦控除
寡婦のうち、扶養親族である子を有し、かつ合計所得金額が 500
万円以下の者
(5) 寡夫控除
妻と死別又は離婚した後、婚姻していない者又は妻の生死の明ら
かでない者で、生計を一にする子(寡婦の場合と同じ)がある者で、
かつ合計所得金額が、500 万円以下の者
(6) 老人扶養親族控除
56
扶養親族のうち、年齢 70 歳以上の者に適用される。
(7) 同居老親等扶養控除
老人扶養親族のうち、所得者又はその配偶者の直系尊属で所得者
等のいずれかと同居を常況としている場合に適用される。
(8) 老人控除対象配偶者控除
控除対象配偶者のうち年齢 70 歳以上の者に適用される。
(9) 同居特別障がい者
特別障がい者である控除対象配偶者や扶養親族のうち、所得者や
その配偶者又は所得者と生計を一にするその他の親族のいずれかと
の同居を常況としている者である場合に適用される。
(10)特定扶養親族
16 歳以上 23 歳未満の扶養親族
(11)勤労学生控除
所得者本人が生徒、学生、訓練生であり合計所得金額が 65 万円以
下の場合で、所得金額のうち給与所得等以外の所得が 10 万円以下の
者
(1)所得税
手続きの方法
①窓口
税務署
②提出書類
確定申告の場合はその申告書に記入し、障がいを理由とする控除
については、手帳の提示あるいは証明書を添付する。なお、源泉徴
収の場合は勤務先の給与担当係へ扶養控除申告書を提出する。
(2) 住民税
①
窓 口
②
提出書類
市役所・町村役場の税務担当課
市町村民税・県民税申告書に記入し、障がいを理由とする控除に
ついては手帳を提示あるいは証明書を添付する。なお、所得税で申
告した者又は源泉徴収の者はこの手続きは不要である。
③
非課税
57
次のいずれかに該当する者に対しては、住民税(所得割及び均等
割)を課税しない。
ア) 前年中に所得が無かった者
イ) 生活保護法による生活扶助を受けている者
ウ) 未成年者、障がい者、寡婦(夫)で前年の合計所得金額が 125
万円以下の者
エ)
均等割を納付する義務のある夫と生計を一にする妻は
その均等割りが非課税
2)利子非課税制度
制度の内容
預貯金、公債の利子について、それぞれ 350 万円の元本に対する利
子・配当金が非課税となる。
対象者
手続きの方法
次のいずれかに該当する者
①
身体障がい者手帳の亣付を受けている者
②
遺族基礎年金の受給者(妻に限る)
③
寡婦年金の受給者
(1) 窓 口
各金融機関等
(2) 申請書類
① 預入される銀行などであらかじめ「非課税貯蓄申告書」を提出
し、貯金の預け入れの際に、「非課税貯蓄申込書」を提出する。
② 障がい者等に該当する旨等告知し、必要な確認書類を添付する。
3)相続税
制度の内容
障がい者が、相続により財産を取得した場合、次の金額が税額から
控除される。
対象者
6 万円×(70-相続時の満年齢数)
①
障がい者控除
②
特別障がい者控除
12 万円×(70-相続時の満年齢数)
民法に規定されている相続人であり、かつ次に該当する者。
① 障がい者控除の対象となるのは所得税等の障がい者控除対象者
に同じ。
② 特別障がい者控除の対象となるのは所得税等の特別障がい者控
除の対象者に同じ。
手続きの方法
(1) 窓
口
(2) 提出書類
税務署
相続税申告書
58
4)贈与税
制度の内容
特別(重度)障がい者の生活を安定させるために扶養親族や篤志
家などの個人が、その財産を信託銀行に信託し、信託銀行がその財
産を管理・運用して障がい者の生活費や医療費などの経費を金銭で
定期的に支払う契約(特別障がい者扶養信託契約)に基づいて、特
別障がい者が信託受益権の贈与を受けた場合には、信託受益権の価
額のうち、6000 万円までの金額について贈与税が課税されない。
対象者
所得税の控除対象となる特別障がい者控除の対象者に同じ。
手続きの方法
窓
口
信託銀行(詳細については、信託銀行又は最寄りの税務
署に照会のこと)
5)自動車税及び自動車取得税
制度の内容
対象者
身体等に障がいのある方が所有する自動車等で、一定の要件にあ
てはまるものは申請により自動車税及び自動車取得税が減免となる。
(1) 身体障がい者手帳の亣付を受けている者
障がいの区分
該当障がい級・号
視覚障がい
本人運転の場合
家族運転・介護者運転の場合
4級1号まで
本人運転に同じ
(4級1号には両眼の視力の和が 0.09 以上
0.12 以下の方が該当)
聴覚障がい
3級まで
本人運転に同じ
平行機能障がい
3級まで
本人運転に同じ
音声機能障がい
3級まで
該当しない
2級2号まで
本人運転に同じ
(喉頭摘出における音声機能障がいのある場合に限る)
上肢
(2級2号には障がい級2級の方のうち両上
肢障がいの肩が該当する)
肢体不自由
6級まで
下肢
3級1号まで
(3級1号には障がい級3級の方のうち両下肢障
がいの方が該当する)
体幹
5級まで
3級まで
乳幼児期以前の非進行性の脳
上肢
2級両上肢まで
本人運転に同じ
病変による運動機能障がい
移動
6級まで
3級両下肢まで
心臓・腎臓・呼吸器・腼胱・直腸・ 3級まで
本人運転に同じ
小腸機能障がい
ヒト免疫不全ウィルスによる免疫機能障がい
3級まで
59
本人運転に同じ
肝臓機能障害
3級まで
本人運転に同じ
(2) 療育手帳 A の亣付を受けている者
(3) 精神障がい者保健福祉手帳 1 級の亣付を受けている者。
(4) 戦傷病者手帳の亣付を受けている者のうち、障がいの程度が
一定の範囲に該当する者
対象となる自動車
減免を受けることができる自動車は、障がい者の方一人につき 1
台である。
○ 障がい者の方本人名義の自家用車に限る。ただし、知的障が
い者、精神障がい者又は 18 歳未満の身体障がい者の場合は、
その障がい者の方と同居し生計を同じくする方(家族)の名
義でも対象となる。
○ もっぱら障がい者の方の通学、通院、通所、もしくは生業の
ために継続的に同居の家族が運転するもの(家族運転とい
う)
○ 障がい者の方が単身で生活している世帯の場合又は世帯全
員が障がい者である世帯(世帯全員が家族運転の場合に減免
対象となる障がい級・号である場合に限る)の場合にその障
がい者の方の通院・通学、通所もしくは生業のために障がい
者の方を常時介護する方(介護者)が継続して日常的に運転
するもの(介護者運転)
手続きの方法
(1) 窓 口
自動車税事務所、各総合支庁税務課
(自動車の所有又は取得の形態により、申請の時期や窓口が異な
るので注意を要する)
(2) 提出書類
① 自動車税・自動車取得税減免申請書
② 自動車税納税通知書(5 月定期賦課時に減免申請する場合のみ
必要)
③ 自動車税・自動車取得税申告書(自動車登録時に減免申請す
る場合のみ必要)
④ 自動車検査証(車検証)の原本
⑤ 運転免許証
⑥ 障がい者手帳など
⑦ 印鑑
⑧ 「身体障がい者などのために運転する旨の証明書」
(家族運転
60
又は介護者
のみ必要)
運転の場合
減免申請する自動車
申請の時期
減免対象税目
自動車税
自動車取得税
5 月定期賦課時
○
―
新車を取得して減免申請するとき
自動車の登録時
○
○
ナンバーのついてい
自動車取得税が課税さ
自動車の登録時
ない中古車を取得し
れる自動車の場合
○
○
て減免申請するとき
自動車取得税が課税さ
○
―
既に所有している自動車(4 月 1 日現在障がい
者の方本人の名義で登録されている自動車)を
減免申請するとき
自動車の登録時
れない自動車の場合
ナンバーのついてい
自動車取得税が課税さ
自動車の登録時
る中古車を取得(家族
れる自動車の場合
名義の自動車を本人
自動車取得税が課税さ
登録した翌年度の
名義に変更する場合
れない自動車の場合
5 月定期賦課時
×
翌年度から減免
○
○
―
を含む)して減免申請
するとき
(3)申請の時期
6)個人事業税
制度の内容
両眼の矯正視力が 0.06 以下の視力障がい者で、あんま・マッサー
ジ・指圧、はり、灸柔道整復、その他医業に類する事業を個人で営
む場合は、個人事業税が課税されない。
61
6 財産管理等について
1)自己破産等
根拠法令 新破産法
多額の借金を抱え、支払うことができなくなった状態を「破産」という。
借金を整理する方法には、
「個人再生」
、
「任意整理」
、
「特定調停」等がある
が、最も強力な債務整理の方法が「破産手続」である。手続き方法によっ
てデメリットも違うため、住宅を残せるかなど、具体的に専門家に相談し
適切な方法を選択することが望ましい。
「自己破産」とはバブル崩壊後の長引く不況の中で、破産した個人債権
者の再起を支援し、労働者の生活を守るためにある「経済社会のセーフテ
ィーネット」の一つである。平成 17 年の新破産法の施行により、破産手
続きと免責手続きの一体化など、手続きの合理化が図られている。申し立
て件数は、平成 15 年度の 24 万件をピークに減尐傾向に転じており、平成
21 年度は 12 万件であった。
しかし、
複数の消費者金融業者から借り入れ、
いわゆる自転車操業によってなんとか凌いでいる人や、フリーターの増加
によって再び増加傾向に転じることも十分に考えられる。
窓口
住所地の地方裁判所 破産係
山形地方裁判所
代表 023-623-9511
山形地裁 新庄支部
代表 0233-22-0265
山形地裁 米沢支部
代表 0238-22-2165
山形地裁 鶴岡支部
代表 0235-23-6666
山形地裁 酒田支部
庶務課 0234-23-1234
*希望者には連日、制度案内ビデオの上映も行われている。
手
続
62
「破産手続」には大きく分けて二つの方法がある。
① 財産がある場合・・・管財人選任
債務者の財産を強制的に金銭に換え債権者間で平等に分配を行い
つつ、債務者本人に生活を再建する機会を与える方法。期間:1~2
年管財人の選出や、弁護士費用にそれぞれ数十万円を要す。複雑な手
続きが長期に渡るため、司法書士や弁護士等、専門家への相談が望ま
しい。
② 財産がない場合・・・同時廃止
換金できる財産がなく、破産宣告と同時に破産手続きが終了する方
法。期間:3~6 ヶ月 破産者自らによる手続きも可能。
(自己破産)
申立ての際に手続き費用(1.5 万円~)を要す。
*期間、費用については債権者の数等によって異なる。
必要書類
破産申立て書、陳述書、戸籍謄本、住民票、資産証明書、所得証明
書、財産目録、債権者一覧表、その他
*法律扶助制度・・・弁護士による無料法律相談、代理援助(訴訟や弁護士
費用の立替)
、書類作成援助を行う制度。資力基準等
条件あり。
詳しくは、日本司法支援センター 法テラス山形
( 0503383-5544
デメリット
http://www.houterasu.or.jp/yamagata/ )まで
・連帯保証人がいる場合、連帯保証人は一括で債務を返済
しなければならない。
・破産者の本籍地のある市町村役場の破産者名簿への記載
と、官報への公示。
・金融機関の情報センターのリスト(ブラックリスト)への
登録(5~10 年間はお金を借りたり、ローンを組むこと
が難しくなる)
。
・法律上の資格制限・・・弁護士、後見人、会社の取締役等
にはなれない。
・一定の財産を失う。不動産(土地・住宅)を手放す。
注意点
「自己破産」を選択することによって、上記法律上の制限以外にも経済
的な信用を失うといった日常生活上の不都合が生じる可能性は否定できな
い。各市町村役場などで行われる弁護士による「無料法律相談会」や「法
律扶助制度」等利用し、状況に最も適した方法を慎重に選択することが重
要である。破産手続きを行う能力がない場合、後述の「成年後見制度」を
活用すると良い。
社会保険料(健康保険など)
、税金(住民税、自動車税など)は、免責の
対象外となる。
63
2)成年後見制度
根拠法令 民法 任意後見契約に関する法律 後見登記等に関する法律 整備法
「成年後見制度」は従来の禁治産宣告・準禁治産宣告制度に代わり、平
成12年4月より施行され、判断能力が不十分な成年者(例えば、認知症高齢
者、知的障害者、精神障者等)の財産管理及び身上監護に関する法律行為
を保護する仕組みである。自己決定の尊重、残存能力の活用、ノーマライ
ゼーション等の理念を踏まえた、柔軟で弾力的な制度を目指す。
相談窓口
住所地の家庭裁判所、弁護士会、司法書士会、社会福祉士会、社会福祉協
議会
山形県弁護士会(高齢者・障がい者に関する委員会)
023-622-2234
山形県司法書士会(リーガルサポート山形支部)
023-623-3322
山形県社会福祉士会(権利擁護センター ぱあとなあ山形) 023-615-6565
手
続
① 法定後見制度
家庭裁判所によって選ばれた成年後見人等が本人に代わって本人を保
護・支援するもの。申立てができるのは、本人、配偶者、4親等内の親族、
検察官等だが、身寄りがないなどの理由があれば、市町村長による申立て
も可能。判断能力を下記基準によって判定し、その程度によって制度を選
べる仕組みとなっている。
・ 後見: 自己の財産を管理・処分することができない日常的に必要な
買い物も自分ではできず、誰かに代わってもらう必要がある
程度
・ 保佐: 自己の財産を管理・処分するには常に援助が必要である日常
の買い物程度は単独でできるが、重要な財産行為は自分では
できない程度
・ 補助: 自己の財産を管理・処分するには援助が必要な場合がある重
要な財産行為について、自分でできるかもしれないが出来る
64
かかどうか危惧があり、本人の利益のために、誰かに代わっ
てやってもらったほうがよいという程度
② 任意後見制度
本人に十分な判断能力があるうちに、あらかじめ任意後見人となるべき
者やその権限内容を定めておいて、公証人役場での「公正証書」の方式で
手続きし、本人の判断能力が低下した後の各種事務を委任するもの。
デメリット
・選挙権を失う(保佐、補助は除く)
。
・法律上の資格制限・・・弁護士、後見人、会社の取締役等
にはなれない(補助は除く)
。
その他
後見・保佐の場合、申立て後に原則として全例、本人の判断能力につい
ての鑑定が行われる。鑑定医は、本人の主治医等がいれば家庭裁判所から
依頼がある。しかし、主治医が専門ではない場合など鑑定をすることがで
きない場合には専門の医師を探す必要があり、家庭裁判所が探し依頼する。
被後見人の精神鑑定は精神科医の判断が必要で、費用は10万円程度掛かる。
後見人の報酬は、家庭裁判所の審判で特に定められない場合は無償であ
る。第三者が後見人に就任する場合などは、1年程度経過後に、報酬付与の
申立てに基づき、裁判所が本人の財産の状況、事務量や内容を総合的に勘
案して報酬額を決定する。
医療行為についての同意権がなく、同意書等へのサインは出来ない。
日常生活自立支援事業
根拠法令 社会福祉法
日常生活自立支援事業とは、認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等の
うち判断能力が不十分な方が地域において自立した生活が送れるよう、利用
者との契約に基づき、福祉サービスの利用援助等を行うものである。
対象者
① 判断能力が不十分な方(日常生活を営むのに必要なサービスを利用する
ための情報入手、理解、判断、意思表示を本人のみでは適切に行うこと
が困難な方)
② この事業の契約内容について判断しうる能力のある方
*契約内容が理解できないほど判断能力が低下している場合、
成年後見
制度の利用が考えられる。
相談窓口
住所地の市町村社会福祉協議会(実施主体は都道府県・指定都市社会福
祉協議会)
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サービス内容
① 福祉サービスの利用援助
② 預金の払い戻し・預け入れ・解約の手続き等日常生活費の管理
③ 日常生活上の消費契約及び住民票の届出等の行政手続に関する援助
④ 定期的な訪問による生活変化の察知
援助の流れ
相談受付 ⇒ 訪問調査 ⇒ 支援計画作成 ⇒ 契約 ⇒ 援助開始
利用料
実施主体が定める利用料を利用者が負担する。
山形県の場合、1回あたり 1,500円(約1時間程度、亣通費含む)
但し、契約締結前の初期相談等にかかる経費や生活保護受給世帯の利用料
については無料となっている。
その他
<契約締結審査会>
この事業の利用契約締結や見直しの際に、利用希望者が契約を結ぶ判断
能力等に疑義がある場合に審査を行う。契約締結審査会の委員は福祉関係
者や弁護士、医師などである。
<運営適正化委員会>
この事業が適正に行なわれているかどうかを監督し、必要に応じて助言や
勧告を行う。このほか、福祉サ-ビスに関する利用者等からの苦情の解決に
向けての相談・助言や話し合いのあっ旋を行っている。
「日常生活自立支援事業」と「成年後見制度」
制度
日常生活自立支援事業
成年後見制度
管轄
厚生労働省
法務省
法律
社会福祉法
民法の一部改正
任意後見契約に関する法律
対象
精神上の理由により日常生活を営
精神上の理由により判断能力が不十分な者
むのに支障がある者
著しく不十分な者
欠く状況にある者
援助者
専門員 生活支援員
補助人、保佐人、成年後見人
実施主体
都道府県社会福祉協議会
弁護士会、司法書士会、社会福祉士会等
費用負担
低額 (生活保護受給者は負担なし) 報酬を自費払い
費用基準
あり(山形県は1500円)
なし
手続き
本人、家族、関係機関等が相談
本人等一定の申立て権者(市町村長も可)
内容
委任契約による助言、情報提供、代 財産管理、身上監護(類型により異なるが本
行、日常的金銭管理(50万円程度 人の意思を尊重)
まで)、書類預かり
代理権
限定的(福祉サービス利用契約等) あり
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監督機関
専門員、運営適正化委員会
家庭裁判所、後見監督人、任意後見監督人
能力判定
契約締結判定ガイドラインに基づ
医師による鑑定
き専門員が判断
意後見では医師の診断書でも)
疑義がある場合は契約締結審査会
による審査
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家庭裁判所(補助・任
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