2011年2月3日 プジョー・スポール発 新しい1年に向けて 2011年、今年もプジョー・スポールはレース及びラリーに邁進、さらなるタイトル獲得とそれぞれのイ ベントでの勝利を狙います。一方、チーム・プジョー・トタルの耐久レースプログラムは、今年もル・マン 24時間を目標に発進します。 2011年の目標: 先頃おこなわれたモンテカルロラリーでプジョーは勝利をおさめ、2011年シーズンを最高の形でスタ ートしました。今年100周年となる伝統のモンテカルロで勝利を収めたのは、プジョー・フランスのサポ ートを受けた「207 S2000」を駆るブライアン・ブフィエ/サビエ・パンセリ組です。プジョー・スポール は子会社や顧客の皆様と共に、インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ(IRC)はもちろんのこと、各 国ラリー選手権でも活発に活動を行います。また、プジョーのスポーツ部門では、ラリーとサーキットで 熱い支持を頂いているワンメイク・シリーズの運営にも力を注ぎ、アマチュア参加者やチャンピオン候補 者、プジョーファンのみなさまの熱意に応えて参ります。 一方、プジョー・スポールでは耐久レースに重点的に力を 注ぎます。昨年、スタートしたばかりの「インターコンチネン タル・ル・マン・カップ(ILMC)」で、マニュファクチャラーズ・ タイトルを獲得するなど、素晴らしい年となりました。 今年はタイトル防衛を目指す一方、ル・マン24時間 (6月 11〜12日)に照準を合わせます。今年のILMCは7レース、 うちル・マン24時間ではダブルポイントが加算されます。何 と言っても今年は、テクニカル・レギュレーション変更を受け た新世代マシンで臨む初のサルテ・サーキット(訳注:ル・マ ン24時間の開催サーキット)。待ち遠しいかぎりです。 90Xから908へ: 908HDiFAPは、2007年ル・マン・シリーズのタイトルや 2009年のル・マン24時間でのワンツーフィニッシュ、 2010年新設されたILMCでのタイトル獲得など、プジョー の輝かしい歴史の一翼を担ってきました。 「私たちが新しいマシンの名を908としたのは、勝利の歴 史をしっかりと引き継ぎたいとの思いからなのです」と、プ ジョーのマーケティング&コミュニケーション・ディレクター、 クザビエ・プジョーは述べています。 「同時に、このマシンは、時代の要請に応えるプジョーのコンセプトにパーフェクトに合致しています。 南米への進出過程にある「408」、各ディーラーにデリバリーされつつある「508」、そして近々もう少し 詳しい情報をご提供することになる新型「308」、プジョー初のディーゼル・ハイブリッド車である「300 8ハイブリッド4」。プジョーはモータースポーツと実社会のかかわりを常に意識し、ニューモデルを展開 してきました。そして今回、私たちが自信を持って送り出すのが908なのです。」 「905」そして908HDiFAPのあとを受ける908は、プジョー・スポールが耐久レースのために開発し た3世代目のマシンとなります。先代と同じく、課せられた使命は1992年、1993年、2009年と挙げ たル・マン24時間レースにおける勝利を重ねることです。908は、最新のテクニカル・レギュレーション を満たし、「シャークフィン」と呼ばれるエンジンカバーを装着。クローズド・ボディに4つの同一タイヤ、 最大出力550馬力、3.7リッターV8 HDi FAPディーゼル・エンジン採用です。プジョー・スポールは、 粒子フィルターをつけたディーゼル・エンジンで耐久レースを走って5年目になります。 (FAPとは「粒子フィルター」の頭文字)。 1998年以来、世界中で700万台を超えるHDiエンジンを販売し、プジョーはクリーンなディーゼル・エ ンジン領域における、メインプレーヤーとしての地位を確立してきました。 908はプジョーのロードカーと同じテクノロジーを採用しています。プジョー・スポールとロードカー部門 のエンジニア、スペシャリストたちが協力しあって燃料効率性などの研究を進め、環境への配慮と高い パフォーマンスを両立させたマシンをロードカーにおいても、モータースポーツにおいても提供している のです。 プジョー・スポールの最新耐久ニューマシンに選ばれた技術: 2009年のル・マン24時間が終わるとすぐ、新テクニカル・レギュレーションに備え、プジョー・スポー ルのエンジニアたちはニューマシンの設計にとりかかりました。908HDiFAPにおける経験を生かそう、 と彼らは考えました。「レギュレーションは大幅に進化しましたが、私たちには蓄積がありました」とプジ ョー・スポールのテクニカル・ディレクター、ブルーノ・ファマンは述べています。「この4年間で培った経 験のおかげで進むべき方向性とやり方は明確に見えていました。もっとも、前のマシンから引き継いだ デザインは、結局フロントガラスのワイパーだけでしたけどね! 何より難しかったのは、レースを戦い ながら全く新しい車のデザインも考えなくてはならなかった点です。エンジン性能、空力、重量配分のベ ストな組み合わせを見いだすことを目標に頑張ってきました。そして私たちがどこにたどりついたか、そ の成果を是非レースで見て頂きたいと思います」 クローズド・ボディ: 「以前のテストから、オープン・ボディでもクローズド・ボディでも、空力の点ではほとんど違いがないこ とがわかっていました。クローズド・ボディにするとレースの際に圧迫感は強まる一方、ドライバーの安 全性は高まります。そこで、これまで通りで行くことにしました」 エンジン: 「V12の経験もフルに生かしました。結局、ターボ搭載ディーゼルV8にしましたが、その特性はV12に 非常によく似ています。「V」のアングルはバランスを考えて90度(V12の場合は100度)です。総排気 量3.7リッターで最大出力は550馬力。最初にシャシーダイナモの上で走らせたのは、2010年1月 25日でした」 4本の同一タイヤ: 「今のLMPマシンの弱点は、フロントのグリップ力でした。それを補うにはタイヤの接地面積を増やすこ とです。レギュレーションの許容範囲内で、より大きなフロントタイヤを履くことが求められます。この点 に関してはパートナーであるミシュランと密な連携のもと、開発が進められました」 空力: 「2011年のレギュレーションでエンジンパワーの大きな削減が求められている為(ほぼ150hpのダウ ン)、空力、空気抵抗、ダウンフォース(下向きの力)の関係を改めて見直す必要が生じました。その結 果、高いレベルの最高速を維持する為に、ダウンフォースを大幅に抑えることとなりました」 ニューマシンが初走行を果たしたのは、2010年7月27日でした。「これは自分たちで課したデッドライ ンでした。全くのニューマシンですから、走らせてみてトラブルが出ることも予想していました。確かに問 題は生じましたが、テストが進むに従って、一つ一つ、解決することができました。何より心強かったの は、マシンのハンドリングが期待に恥じない、素晴らしいものだとわかったことです。ともあれ、このマシ ンの真価がわかるのは、最初のレースでライバルと走る時。私たちは、ライバルが何をしているかに気 を取られることなく、粛々と準備を進めていきます。目標に向かっていくのみ。2010年の初走行から 2011年のル・マン24時間までに、複数のサーキットで計12回のテストを敢行する予定です」とブルー ノ・ファマンは締めくくりました。 ILMCの拡大: 2010年に3戦だったILMCは、今シーズンは7戦へと拡大します。 アメリカでの2レース(セブリングとプチ・ル・マン/ロード・アトランタ)、ヨーロッパでの3レース(スパ-フ ランコルシャン、イモラ、シルバーストーン)、中国での1レースに、伝統のル・マン24時間です。「もちろ んILMCタイトルは防衛したいと思っています」と、プジョー・スポールのディレクター、オリビエ・ケネル は強調します。「2010年は全3戦で優勝しましたが、今年は特に狙っているラウンドがあります、それ がル・マン24時間レースです。 伝統のル・マンがILMCに組み込まれましたが、それは必要な、いや必要不可欠なことだと思います。 ル・マンが組み込まれた事は、ILMCにとって非常にメリットが大きいのです。プジョーのような自動車メ ーカーが、その最高のノウハウと技術を集めたショーケースとも言える耐久レースに、より注目が集ま ることになるからです。プジョーでは各戦に2台エントリーするべくACO(フランス西部自動車クラブ)に 申し込みました。例外はスパ-フランコルシャンで、ル・マン24時間直前の実戦練習を兼ね、3台をエン トリーします」 すばらしいドライバー: 今シーズンは、去年よりもバランスのとれたカレンダ ー、テクニカル・レギュレーションの変更、ニューマシン の登場と新しいことずくめですが、チームを支えるドラ イバーはおなじみの顔ぶれです。 「2010年のル・マン24時間が終わり、本拠地ベルジ ーに戻ったとき、私はドライバーのみんなに言ったん です、2011年も頼むぞ、と。」とオリビエ・ケネルは締 めくくりました。 「彼らはひとりひとりが真のプロフェッショナルであり、世界を代表する9人のドライバーです。去年と同 じ顔ぶれで戦う、これこそが最強の作戦です」と。 ル・マンに参戦する3チーム ●908 7号車:アレクサンダー・ウルツ/アンソニー・デイビッドソン/マルク・ヘネ ●908 8号車:フランク・モンタニー/ニコラ・ミナシアン/ステファン・サラザン ●908 9号車:セバスチャン・ブルデー/ペドロ・ラミー/シモン・パジュノー プジョー・シトロエン・ジャポンでは、今シーズンもル・マン24時間耐久レース優勝に向けてのプジョー・スポ ールの活躍をタイムリーに配信し、ブランドの認知向上に努めて参ります。
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