インタビューフォーム - 日本メジフィジックス株式会社

2016年4月改訂*(第5版)
日本標準商品分類番号
874300
医薬品インタビューフォーム
日本病院薬剤師会の IF 記載要領(1998 年9月)に準拠して作成
放射性医薬品
肺血流分布異常部位診断薬
生物由来製品
処方箋医薬品
放射性医薬品基準テクネチウム大凝集人血清アルブミン(99mTc)注射液
Lungscinti® Tc-99m Injectable
剤
形
注射剤
1バイアル(2 mL)中, テクネチウム大凝集人血清アルブミン(99mTc)
(検定日時において) 185MBq
規格・含量
一
和名:放射性医薬品基準テクネチウム大凝集人血清アルブミン(99mTc)注射液
般 名
洋名: Technetium(99mTc) Macroaggregated Human Serum Albumin Injection
製造・輸入承認年月日
製 造 承 認 年 月 日 :1992 年 2月 21日
薬 価 基 準 収 載 ・
薬価基準収載年月日 :1982 年 9月 1日
発
発
売
年
月
日
開発・製造・輸入・発売・
提携・販売会社名
担当者の連絡先・
電 話 番 号 ・ FAX 番 号
売 年 月 日 :1992 年 4月 1日
製造販売元
日本メジフィジックス株式会社
日本メジフィジックス株式会社 担当〔
〕
TEL 〔
FAX 〔
〕
〕
:登録商標
本 IF は 2016 年4月改訂の添付文書の記載に基づき作成した。
IF利用の手引きの概要
~日本病院薬剤師会~
1.医薬品インタビューフォーム作成の経緯
当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者(以下,MR と略す)等にインタビューし,当該
医薬品の評価を行うのに必要な医薬品情報源として使われていたインタビューフォームを,
昭和 63 年日本病院薬剤師会(以下,日病薬と略す)学術第2小委員会が「医薬品インタビュー
フォーム」(以下,IF と略す)として位置付けを明確化し,その記載様式を策定した。そして,
平成 10 年日病薬学術第3小委員会によって新たな位置付けと IF 記載要領が策定された。
2.IF とは
IF は「医療用医薬品添付文書等の情報を補完し,薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に
必要な医薬品の適正使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の裏付けとなる情報等が
集約された総合的な医薬品解説書として,日病薬が記載要領を策定し,薬剤師等のために当
該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼している学術資料」と位置付けられる。
しかし,薬事法の規制や製薬企業の機密等に関わる情報,製薬企業の製剤意図に反した情報
及び薬剤師自らが評価・判断・提供すべき事項等は IF の記載事項とはならない。
3.IF の様式・作成・発行
規格は A4 判,横書きとし,原則として9ポイント以上の字体で記載し,印刷は1色刷り
とする。表紙の記載項目は統一し,原則として製剤の投与経路別に作成する。IF は日病薬
が策定した「IF 記載要領」に従って記載するが,本 IF 記載要領は,平成 11 年1月以降に承認
された新医薬品から適用となり,既発売品については「IF 記載要領」による作成・提供が強制
されるものではない。また,再審査及び再評価(臨床試験実施による)がなされた時点ならび
に適応症の拡大等がなされ,記載内容が大きく異なる場合には IF が改訂・発行される。
4.IF の利用にあたって
IF 策定の原点を踏まえ,MR へのインタビュー,自己調査のデータを加えて IF の内容を充実
させ IF の利用性を高めておく必要がある。
MR へのインタビューで調査・補足する項目として,開発の経緯,製剤的特徴,薬理作用,臨
床成績,非臨床試験等の項目が挙げられる。また,随時改訂される使用上の注意等に関する
事項に関しては,当該医薬品の製薬企業の協力の下,医療用医薬品添付文書,お知らせ文書,
緊急安全性情報,Drug Safety Update(医薬品安全対策情報)等により薬剤師等自らが加筆,
整 備 す る 。 そ の た め の 参 考 と し て , 表 紙 の 下 段 に IF 作 成 の 基 と な っ た 添 付 文 書 の 作 成 又 は
改訂年月日を記載している。なお適正使用や安全確保の点から記載されている「臨床成績」や
「主な外国での発売状況」に関する項目等には承認外の用法・用量,効能・効果が記載されて
いる場合があり,その取扱いには慎重を要する。
目 次
Ⅰ.概要に関する項目 ·················· 1
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 · · · · · · 13
1.開発の経緯
1.警告内容とその理由
2.製品の特徴及び有用性
2.禁忌内容とその理由
Ⅱ.名称に関する項目 ·················· 2
1.販売名
2.一般名
3.構造式又は示性式
4.分子式及び分子量
5.化学名(命名法)
6.慣用名,別名,略号,記号番号
7.CAS登録番号
3.効能・効果に関連する使用上の注意とその理由
4.用法・用量に関連する使用上の注意とその理由
5.慎重投与内容とその理由
6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法
7.相互作用
8.副作用
9.高齢者への投与
10.妊婦,産婦,授乳婦等への投与
11.小児等への投与
Ⅲ.有効成分に関する項目 ·············· 3
12.臨床検査結果に及ぼす影響
1.有効成分の規制区分
13.過量投与
2.物理化学的性質
14.適用上及び薬剤交付時の注意
3.有効成分の各種条件下における安定性
(患者等に留意すべき必須事項等)
4.有効成分の確認試験法
15.その他の注意
5.有効成分の定量法
16.その他
Ⅳ.製剤に関する項目 ·················· 4
Ⅸ.非臨床試験に関する項目 · · · · · · · · · · · · · · · · · · 16
1.剤形
1.一般薬理
2.製剤の組成
2.毒性
3.製剤の各種条件下における安定性
4.他剤との配合変化(物理化学的変化)
5.混入する可能性のある夾雑物
6.製剤中の有効成分の確認試験法
7.製剤中の有効成分の定量法
8.容器の材質
9.その他
Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目 · · · · · · · · · · · · · 17
1.有効期間又は使用期限
2.貯法・保存条件
3.薬剤取扱い上の注意点
4.承認条件
5.包装
6.同一成分・同効薬
Ⅴ.治療(診断)に関する項目 ·········· 6
7.国際誕生年月日
1.効能又は効果
8.製造・輸入承認年月日及び承認番号
2.用法及び用量
9.薬価基準収載年月日
3.臨床成績
10.効能・効果追加,用法・用量変更追加等の年月日
Ⅵ.薬効薬理に関する項目 ·············· 8
及びその内容
1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群
11.再審査結果,再評価結果公表年月日及びその内容
2.薬理作用
12.再審査期間
Ⅶ.薬物動態に関する項目 ·············· 9
1.血中濃度の推移・測定法
2.薬物速度論的パラメータ
3.吸収
13.長期投与の可否
14.厚生労働省薬価基準収載医薬品コード
15.保険給付上の注意
Ⅹ
Ⅰ.文献 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 19
4.分布
1.引用文献
5.代謝
2.その他の参考文献
6.排泄
7.透析等による除去率
8.その他
ⅩⅡ.参考資料 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 20
主な外国での発売状況
ⅩⅢ.備考 · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · · 20
その他の関連資料
Ⅰ.概要に関する項目
Ⅰ.概要に関する項目
1.開発の経緯
ヒトの肺血流シンチグラムは,1963 年,上田らの 131I 標識トリオレイン乳化液法に始まり,同年
Taplin らが 131I 標識大凝集人血清アルブミンをイヌに用い, 翌 1964 年, Wagner, 飯尾らによって
臨床に応用されて以来,肺局所血流分布を知るための簡便かつ有効な方法として用いられてきた。
この検査は,初期には欧米に多い肺塞栓症, 肺梗塞症のスクリーニング診断を主要な目的とした
が,その後,肺気腫,気管支炎等の慢性閉塞性肺疾患, 肺感染症, 肺癌等種々の肺疾患のほか,
心弁膜症や先天性心奇形等の心疾患に起因する肺循環障害の診断においても有用であることが確
認され,心肺疾患の診断用薬剤として広く臨床面で応用されるに至った。
標識核種として上田らの開発以来用いられてきたヨウ素-131(131I) は,その半減期が比較的長い
こと,γ線エネルギーが高いこと,β線を放出するために患者への被曝が大きいこと,また体内
で遊離する
131
I による甲状腺被曝が大きいこと等の欠点を有しているが,99mTc が導入されたこと
により,それらの問題が解決された。
当社は製剤化技術の開発研究を進めた結果,大凝集粒子の粒度分布範囲の縮小, 均一化に成功し,
既調製の 99mTc 標識大凝集人血清アルブミン注射液(ラングシンチ®Tc-99m 注)として供給すること
を可能とした。
2.製品の特徴及び有用性
本剤を静脈内に注射すると,テクネチウム-99m で標識された大凝集人血清アルブミンが,右心内
で血流と完全に混合された後,肺の毛細血管床に一時的に捕捉されるので,肺の局所血流に応じ
た肺シンチグラムを得ることができる。
本剤中のテクネチウム-99m は,141keV のγ線を放出するためシンチグラムを描くのに適しており,
また半減期(6.01 時間)が短く,β線を放出しないため被検者の被曝が少ないという特徴を有して
いる。
また本剤は,調製操作が不要であるため細菌汚染のおそれがなく,均一性, 安定性に優れ,術者
の無用の被曝を防ぐことができる。
- 1 -
Ⅱ.名称に関する項目
Ⅱ.名称に関する項目
1.販売名
(1)和名
®
ラングシンチ Tc-99m 注
(2)洋名
®
Lungscinti Tc-99m Injectable
(3)名称の由来
肺(Lung)血流シンチグラフィを得るところから命名された。
2.一般名
(1)和名
放射性医薬品基準テクネチウム大凝集人血清アルブミン(99mTc)注射液
(2)洋名
Technetium(99mTc) Macroaggregated Human Serum Albumin Injection
3.構造式又は示性式
〔推定構造〕
過テクネチウム酸イオン(99mTcO4-,7価)の形で加えられたテクネチウムは,注射用大凝集人血
清アルブミン懸濁液中に含まれる塩化第一スズにより4価のテクネチウム(99mTcO2+)まで還元さ
れ1),2),この形で大凝集人血清アルブミンと結合しているものと推定される。
4.分子式及び分子量
該当資料なし
5.化学名(命名法)
詳細構造式が未確定のため,命名できず
6.慣用名,別名,略号,記号番号
99m
Tc-MAA
7.CAS登録番号
CAS-54277-47-3
- 2 -
Ⅲ.有効成分に関する項目
Ⅲ.有効成分に関する項目
1.有効成分の規制区分
該当しない
2.物理化学的性質
(1)外観・性状
(2)溶解性
(3)吸湿性
(4)融点(分解点),沸点,凝固点
(5)酸塩基解離定数
(6)分配係数
(1)~(6):放射性の標識化合物であり微量のため該当資料なし
(7)その他の主な示性値
〔核物理学的特性〕
99m
Tc として
物理的半減期:6.01 時間
主γ線エネルギー:141keV(89.1%)
3.有効成分の各種条件下における安定性
放射性の標識化合物であり微量のため該当資料なし
4.有効成分の確認試験法
p.5〈Ⅳ.製剤に関する項目〉 - 〈6.製剤中の有効成分の確認試験法〉の項参照
5.有効成分の定量法
p.5〈Ⅳ.製剤に関する項目〉 - 〈7.製剤中の有効成分の定量法〉の項参照
-3-
Ⅳ.製剤に関する項目
Ⅳ.製剤に関する項目
1.剤形
(1)剤形の区別,規格及び性状
区別:注射剤(溶液)
規格:2 mL 中,185MBq(検定日時において),ガラス製バイアル
性状:白色~淡黄色の懸濁液
(2)溶液の pH,浸透圧比
pH:4.5~6.0
浸透圧比:約 1.5(生理食塩液に対する比)
粒子径:10~60μm 90%以上
100μm 以上の粒子を含まない
(3)注射剤の容器中の特殊な気体の有無及び種類
窒素
2.製剤の組成
(1)有効成分の含量
1バイアル(2 mL)中,
テクネチウム大凝集人血清アルブミン(99mTc)(検定日時において)185MBq
大凝集人血清アルブミン溶液
1.5mL
本剤の成分である大凝集人血清アルブミン溶液には人血清アルブミン(採血国:日本,献血)が
使用されている。
(2)添加物
1バイアル(2 mL)中,
無水塩化第一スズ 0.24mg,日本薬局方ベンジルアルコール 0.03mL,
日本薬局方生理食塩液,リン酸緩衝液適量
3.製剤の各種条件下における安定性
本剤は放射線遮へい用鉛容器に収納されるため,常時遮光されている。
1.2~8℃保存
本剤を2~8℃で 36 時間保存して試験を行った結果,安定であることが確認された。
2.室温(20~23℃)保存
本剤を室温(20~23℃)で 24 時間保存して試験を行った結果,安定であることが確認された。
3.加温(40℃)保存
本剤を 40℃で 24 時間保存して試験を行った結果,安定であることが確認された。
4.他剤との配合変化(物理化学的変化)
該当資料なし
- 4 -
Ⅳ.製剤に関する項目
5.混入する可能性のある夾雑物
特になし
6.製剤中の有効成分の確認試験法 *
1.テクネチウム-99m
放射性医薬品基準一般試験法ガンマ線測定法の Ge 半導体検出器による測定法により試験を行う
とき,0.141MeV にピークを認める。
2.テクネチウム大凝集人血清アルブミン(99mTc)
75vol%メタノールを展開溶媒として,ろ紙クロマトグラフィーにより約 10cm 展開して試験を
行うとき,原点付近以外の放射能はろ紙上の総放射能の5%以下である。
7.製剤中の有効成分の定量法
適当量について,放射性医薬品基準一般試験法ガンマ線測定法の定量法により放射能を測定する。
8.容器の材質
無色透明のガラス製バイアル,放射線遮へい用鉛容器
9.その他
放射性医薬品につき放射能を有し,また経時的に放射能が減衰する。
〔減衰表〕
Time
MBq/バイアル
MBq/mL
9:00
261.5
130.7
10:00
233.0
116.5
11:00
207.6
103.8
12:00
185.0
92.5
13:00
164.8
82.4
14:00
146.9
73.4
15:00
130.9
65.4
16:00
116.6
58.3
- 5 -
Ⅴ.治療(診断)に関する項目
Ⅴ.治療(診断)に関する項目
1.効能又は効果
各種肺疾患並びに肺循環障害を併発する心疾患の肺血流分布異常部位の診断
2.用法及び用量
本剤をよく振り混ぜた後,通常,成人には 37~185MBq を肘静脈内に注射し,注射直後から被検部
をガンマカメラ又はスキャンナで撮像することにより肺シンチグラムをとる。
投与量は年齢,体重により適宜増減する。
3.臨床成績
(1)臨床効果
臨床試験において本剤が有効であると報告された適応症は次のとおりである。
1.各種肺疾患(363 例/365 例,有効率 99.5%)
肺癌,気管支拡張症, 肺のう腫性疾患, 慢性肺気腫, 気管支炎, 気管支喘息, 肺結核, 肺線維
症, 肋膜炎, 他
2.肺循環障害を併発する心疾患(54 例/54 例,有効率 100%)
弁膜症, 心疾患による肺水腫, 中隔欠損, 炎症, 他
(2)臨床薬理試験:忍容性試験
該当資料なし
(3)探索的試験:用量反応探索試験(用法・用量設定試験)
該当資料なし
(4)検証的試験
1)無作為化平行用量反応試験
該当資料なし
2)比較試験
該当資料なし
3)安全性試験
該当資料なし
4)患者・病態別試験
該当資料なし
(5)治療的使用
1)使用成績調査・特別調査・市販後臨床試験
該当資料なし
- 6 -
Ⅴ.治療(診断)に関する項目
2)承認条件として実施予定の内容又は実施した試験の概要
該当しない
- 7 -
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群
該当しない
2.薬理作用
(1)作用(集積)部位・作用(集積)機序
肘静脈内に投与された本剤は,右心内で血流と完全に混合された後,肺の毛細血管床に捕捉され
て一過性の微小塞栓を生じ,その分布は肺局所血流量に比例する。
(2)薬効を裏付ける試験成績3)
健常成人 11 例(男性4例,女性7例)に本剤 37~185MBq を静注し,5分,1,3,6,24 時
間後に,ガンマカメラにより体内分布の経時変化を測定した。図1に肺野に設定した ROI におけ
る静注後5分の測定値を 100 とした時の各時点における相対値を示す。
静注後の経過時間とともに肺野の放射能は指数関数的に減少した。生物学的及び実効半減期はそ
れぞれ 16.1 時間,4.4 時間と算出された。
100
肺野放射 能 %
50
(
)
10
1
3
24
6
投与後経過時間(時間)
図1.肺野放射能(相対値)の経時変化(11 例の平均値±標準偏差)
- 8 -
Ⅶ.薬物動態に関する項目
Ⅶ.薬物動態に関する項目
1.血中濃度の推移・測定法
(1)治療上有効な血中濃度
該当しない
(2)最高血中濃度到達時間
該当しない
(3)通常用量での血中濃度3)
健常成人 11 例(男性4例,女性7例)に本剤 37~185MBq を静注し,静注後5,15,30 分,1,
3,6,24 時間に採血し,全身循環血液及び血漿中の放射能残存率(対投与放射能)の経時変
化を検討した(図2,3)。
投与直後に一旦低下した全血及び血漿中の放射能は,その後徐々に上昇し,3時間以降は緩やか
に減少した。
血中放射能(%投与量)
10
5
1
3
6
24
投与後経過時間(時間)
図2.血中放射能の経時変化(11 例の平均値±標準偏差)
血漿中放射能(%投与量)
10
5
1
3
6
24
投与後経過時間(時間)
図3.血漿中放射能の経時変化(11 例の平均値±標準偏差)
- 9 -
Ⅶ.薬物動態に関する項目
(4)中毒症状を発現する血中濃度
該当資料なし
2.薬物速度論的パラメータ
(1)吸収速度定数
該当しない
(2)バイオアベイラビリティ
該当資料なし
(3)消失速度定数
該当資料なし
(4)クリアランス
該当資料なし
(5)分布容積
該当資料なし
(6)血漿蛋白結合率
該当資料なし
3.吸収
該当しない
4.分布
(1)血液-脳関門通過性
該当資料なし
(2)胎児への移行性
該当資料なし
(3)乳汁中への移行性
該当資料なし
(4)髄液への移行性
該当資料なし
(5)その他の組織への移行性3)
健常成人に本剤を静注し,5分,1,3,6,24 時間後に,ガンマカメラにより体内分布の経
時変化を検討した。6時間後にわずかな腎臓部の描出を認め,24 時間後では肺中の放射能は減
少し,肝臓及びわずかではあるが脾,腎臓部に放射能が認められた。
- 10 -
Ⅶ.薬物動態に関する項目
5.代謝
(1)代謝部位及び代謝経路
該当資料なし
(2)代謝に関与する酵素(CYP450 等)の分子種
該当資料なし
(3)初回通過効果の有無及びその割合
該当資料なし
(4)代謝物の活性の有無及び比率3)
初期排泄尿のクロマトグラフィによる代謝物検索の結果,本剤の約 60%が代謝されており,代
謝物は単なる過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)ではなく,生体成分と結合した 99mTc 化合物で
あることが推測された。
(5)活性代謝物の速度論的パラメータ
該当資料なし
6.排泄
(1)排泄部位及び排泄率3)
健常成人 11 例(男性4例,女性7例)に本剤 37~185MBq を静注し,1,3,6,24 時間後に
採尿を,24 時間後に採便を行い,尿中及び排便中の放射能濃度を測定した。
尿中への放射能の排泄は投与後から漸次増加し,24 時間までに約 26%が排泄された。一方,糞
便中に排泄された放射能は 24 時間で 0.6±0.5%であった。尿中累積排泄率を図4に示す。
尿中累積排泄率(%投与量)
30
20
10
1
3
6
24
投与後経過時間(時間)
図4.尿中累積排泄率(11 例の平均値±標準偏差)
(2)排泄速度
前項〈(1)排泄部位及び排泄率〉を参照
- 11 -
Ⅶ.薬物動態に関する項目
7.透析等による除去率
(1)腹膜透析
該当資料なし
(2)血液透析
該当資料なし
(3)直接血液灌流
該当資料なし
8.その他
〔吸収線量〕
(MIRD法により算出)
臓 器
吸収線量(mGy/37MBq)
肺
3.00
肝
臓
0.43
脾
臓
0.35
腎
臓
1.10
胃
壁
0.23
小 腸 壁
0.17
大腸上部壁
0.21
大腸下部壁
0.17
赤色骨髄
0.22
卵
巣
0.10
精
巣
0.05
全
身
0.19
- 12 -
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
本剤は,貴重な血液を原料として製剤化されたものです。問診,感染症関連の検査等の安全対策
を講じていますが,血液を原料としていることに由来する感染症の伝播等の危険性を完全に排除
することはできないことから,疾病の診断上の必要性を十分に検討の上,必要最小限の使用にと
どめるようお願いします。
1.警告内容とその理由
特になし
2.禁忌内容とその理由
(1)右心側から左心側への血管シャントのあるチアノーゼを呈する患者
(2)肺血流に高度の抵抗がある患者(肺高血圧症, 膠原病等)
[いずれも,症状が悪化するおそれがある。]
3.効能・効果に関連する使用上の注意とその理由
特になし
4.用法・用量に関連する使用上の注意とその理由
特になし
5.慎重投与内容とその理由
特になし
6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法
診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし,投
与量は最少限度にとどめること。
7.相互作用
(1)併用禁忌とその理由
特になし
(2)併用注意とその理由
特になし
- 13 -
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
8.副作用
(1)副作用の概要
臨床試験(のべ 434 例)において副作用が認められた例はなかった(承認時)。
その他の副作用
頻度不明※
呼吸器
呼吸困難
消化器
嘔吐,悪心
循環器
血圧低下,頻脈
その他
顔面蒼白,発汗,冷汗,脱力
※自発報告につき頻度不明
(2)項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異常一覧
副作用発現頻度:前項〈(1)副作用の概要〉を参照
臨床検査値異常:該当資料なし
(3)基礎疾患,合併症,重症度及び手術の有無等背景別の副作用発現頻度
該当資料なし
(4)薬物アレルギーに対する注意及び試験法
該当資料なし
9.高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので,患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与
すること。
10.妊婦,産婦,授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には,原則として投与しないことが
望ましいが,診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与するこ
と。
11.小児等への投与 *
(1)小児等に対する安全性は確立していない(現在までのところ,十分な臨床成績が得られてい
ない)。
(2)* 低出生体重児,新生児に使用する場合には十分注意すること。[外国において,ベンジル
アルコールの静脈内大量投与(99~234mg/kg)により,中毒症状(あえぎ呼吸,アシドーシ
ス,痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアル
コールを含有している。]
- 14 -
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
12.臨床検査結果に及ぼす影響
該当資料なし
13.過量投与
該当資料なし
14.適用上及び薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等)
(1) 反復投与を行う必要がある場合は過敏反応の可能性を考慮して慎重に投与すること。
(2) 投与前にはバイアルを充分振とうすること。
(3) 投与の際に細い注射針を使用すると粒子径が小さくなり,肝への取込みがみられることがあ
るため,21G 以上の太い注射針を使用すること。
15.その他の注意 *
(1) (社)日本アイソトープ協会医学・薬学部会放射性医薬品安全性専門委員会の「放射性医薬品
副作用事例調査報告」において,まれに血管迷走神経反応(血圧低下, 顔面潮紅など),アレ
ルギー反応(発赤,発疹),その他があらわれることがあると報告されている。
*
(2) 本剤は,医療法その他の放射線防護に関する法令,関連する告示及び通知等を遵守し,適
正に使用すること。
16.その他
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Ⅸ.非臨床試験に関する項目
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
1.一般薬理
該当資料なし
2.毒性
(1)単回投与毒性試験
雌雄ラット(S.D.系)及び雌雄マウス(ICR 系)各群 10 匹に対し,本剤の成人に対する通常投与量
のそれぞれ 300 倍及び 1500 倍を尾静脈より投与した。投与後の観察結果,体重の経時的推移,
剖検において,動物種及び雌雄間に差はなく,異常と考えられる所見は全くなかった。
(2)反復投与毒性試験
該当資料なし
(3)生殖発生毒性試験
該当資料なし
(4)その他の特殊毒性
・粒子数及び粒度分布
本剤中の大凝集人血清アルブミン量は1 mL あたり 0.9mg であり,その粒子数は1 mL あたり
30 万~60 万個,粒度分布は 10~60μm の粒子が 90%以上,100μm 以上の粒子は含まない。
Weibel の計算によれば,ヒト正常肺には 300~500μm 径の筋性小動脈が 10 万~20 万個あり,
その各々が 50~300μm 径の小動脈を 100 個, 10~50μm 径の細動脈を 2000 個, 10μm 径以下
の毛細管を 20 万個含むという4)。
本剤2 mL を投与した場合,その中に含まれる粒子数は 60 万~120 万個であり,これらがすべ
て1個ずつ肺の毛細血管を閉塞するものと仮定しても,ヒトの正常肺の毛細血管床の 150~600
分の1しか閉塞せず,肺血行動態の阻害は起こらない。
上田ら5)は,実際に投与する量の 2000 倍以上の大凝集人血清アルブミンをイヌに投与して初
めて肺動脈圧の上昇をみたと報告している。
・抗原性
大凝集人血清アルブミンの抗原性は否定されており,小川ら6)によれば,ウサギを用いた実
験で通常の投与量では問題にならないことが立証されている。
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Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目
Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目
1.有効期間又は使用期限
有効期間:製造日時から 30 時間
2.貯法・保存条件
2~8℃,遮光保存
3.薬剤取扱い上の注意点
(1)生物由来製品
(2)処方箋医薬品 注意-医師等の処方箋により使用すること
4.承認条件
特になし
5.包装
185MBq
6.同一成分・同効薬
同一成分薬:テクネ®MAA®キット
同効薬:なし
7.国際誕生年月日
該当資料なし
8.製造・輸入承認年月日及び承認番号
製造承認年月日(原承認):1981 年6月 26 日,(56AM)第 727 号
代替新規承認年月日:1992 年2月 21 日,20400AMZ00267000(低濃度化,包装単位変更)
承認事項一部変更承認年月日:2007 年 2 月 23 日(有効期間延長)
9.薬価基準収載年月日
1982 年9月1日(1982 年9月1日付厚生省告示第 163 号)
10.効能・効果追加,用法・用量変更追加等の年月日及びその内容
なし
11.再審査結果,再評価結果公表年月日及びその内容
該当しない
12.再審査期間
該当しない
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Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目
13.長期投与の可否
該当しない
14.厚生労働省薬価基準収載医薬品コ-ド
4300411A1024
15.保険給付上の注意
特になし
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ⅩⅠ.文献
ⅩⅠ.文献
1.引用文献
1)Gorski B,et al:J Inorg Nucl Chem 32:3831-3836,1970
2)横山 陽,他:「Bioinorganic Chemistry」 (「化学」増刊,田中久,他編), 化学同人,1974,
p.249
3)鈴木雅紹, 他:基礎と臨床 12:707-715, 1978
4)大柳光正, 他:核医学 16:927-931, 1979
5)上田英雄,他:最新医学 20:1718-1726, 1965
6)小川 弘,他:薬学雑誌 86:20-26, 1966
2.その他の参考文献
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ⅩⅡ.参考資料/ⅩⅢ.備考
ⅩⅡ.参考資料
主な外国での発売状況
本剤と同一成分の製剤は,現在欧米において広く臨床に使用されており,米国薬局方,英国薬局方
にも収載されている。
ⅩⅢ.備考
その他の関連資料
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