通し番号 4055 分類番号 16-2B-13-03 (成果情報名)アスパラガス露地長期どり栽培における有望品種「NJ953」の選定 [要約]アスパラガス露地長期どり栽培で、米国ラトガース大学育成「NJ953」を畦幅1 50cm×株間35cm(190株/a)で定植し、径10∼12mmの茎を株あたり4∼5本立茎し、茎葉 を繁茂させ4月∼10月にかけて収穫することにより、茎枯病の発生が抑えられ、高収 量が得られる。 (実施機関・部名)神奈川県農業総合研究所 生産技術部 連絡先 0463-58-0333 [背景・ねらい] 土地利用型省力栽培が可能で、直売により地場消費できる新たな品目の導入が求められ ている。アスパラガスは鮮度が重要な作物であるものの茎枯病が多発するため、適切な栽 培管理を行う長期どり立茎栽培技術で高収益が得られる品種を選定する。 [成果の内容・特徴] 1 露地で畦幅150cm×株間35cm(190株/a)で定植し、径10∼12mmの茎を株あたり4∼5本立茎 し、茎葉を繁茂させると4∼10月にかけて収穫可能となり、2年株で200kg/a、3年株で 300kg/a収穫できる(表1)。 2 「NJ953」は、頭部の締まりは中程度であるが、若茎伸長が速く、収量性も高い。茎枯 病発生程度は対照品種と同等である(表1、2)。 3 全遊離糖は収穫時期によって大きく変動するが、品種間差は認められない(表2)。 [成果の活用面・留意点] 1 「NJ953」は、株あたり収穫本数が多いが、収穫期後半になると1本重は低下する。 2 茎枯病対策として、定期防除を行う。 3 「NJ953」は、平成18年1月よりパイオニア エコサイエンス(株)から販売開始予定。 [具体的データ] 表1 収量及び品質 平成15年度(2年株) 品種 収量 可販収量 (kg/a) (kg/a) 219 219 191 235 187 177 212 146 196 ウエルカム スーパーウェルカム Glande NJ953 NJ956 NJ977 NJ978 NJ1064 ガインリム 平成16年度(3年株) 収量 可販収量 (kg/a) (kg/a) 176ab 153 abc 143 bc 187a 158abc 147 bc 165 ab 119c 124 c ab 324 331 292 361 315 296 309 240 274 281 268 abc 244 bc 325 ab 289 ab 257 abc 259 abc 209 c 210c 商品化率 (%) A品率 (%) 87 81 84 90 92 87 84 87 76 81 73 77 79 85 82 76 80 57 1本重 (g) abcd 18.7 20.6 ab 20.2 abc 17.2 cd 17.6 bcd 18.6 abcd 17.3 cd 21.3 a 16.0d 異なる英文字間でTukey法により5%水準で有意差があることを示す。 表2 品種特性 品種 z) 系統 雄株発生率 (%) ウエルカム スーパーウェルカム Glande NJ953 NJ956 NJ977 NJ978 NJ1064(紫) ガインリム 69 40 47 100 100 100 100 100 100 出芽 時期 早 中 中 中 中 早 中 遅 遅 茎枯病 Y) 発病程度 頭部の締まり 若茎伸長速度 x) (緩1∼硬5) (cm/日) 0.4 0.7 0.7 0.4 0.6 0.6 0.5 0.3 0.3 3.6 2.4 2.9 3.3 3.4 4.0 3.3 3.3 2.7 Z) 育種元:ウエルカム、スーパーウェルカム、Glande(California 13.7 14.5 13.8 16.9 15.3 14.3 14.8 15.3 14.9 Y) 平成16年度作で茎の一部に病斑が発生したため除去した被害茎数(本/株) X) 平成16年8月30日、8月31日及び9月1日の各日における5個体の平均値 V) 平成16年4月12日収穫の若茎下部1/3部分100g当たりの値 平成14∼16年度試験研究成績書(野菜) [研究課題名] アスパラガスの立茎栽培技術の確立と県内産地育成 [研究期間] 平成14∼17年度 [研究者担当名] 久保深雪・佐藤達雄・高柳りか 3.0 3.3 2.9 2.8 2.8 2.9 3.1 2.5 2.8 Asparagus Seed&Transplant(米国))、 NJシリーズ(米国ラトガース大学)、ガインリム (Asparagus VB(オランダ)) [資料名] 全遊離糖 v) (mg/100g)
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