第1回 日本在宅薬学会フォーラムin関東

第1回
日本在宅薬学会フォーラムin関東
講演抄録集
在宅療養支援に活かそうバイタルサイン
11月 23日(水・祝)
10:00∼16:30
2016年
EBIS303 カンファレンススペース AB
プログラム 11月23日(水・祝) ‣•≝••㤊‣
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開会式
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基調講演
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「地域包括ケアシステム構築と薬局・薬剤師の役割」
講師
木村 隆次
一般社団法人 青森県薬剤師会 会長
ランチョンセミナー ‣≔≝…‧㤊‣․≝…‧
「在宅療養支援に活かす訪問計画の立て方・考え方」
講師
川添 哲嗣
医療法人つくし会 南国病院 薬剤部長
共催:株式会社モリモト医薬
シンポジウム
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「医療者の共通言語としてのバイタルサイン」
シンポジスト
小黒佳代子
株式会社ファーマ・プラス 専務取締役
「バイタルサインを活用したCOPD患者への在宅療養支援
∼おせっかい薬剤師が見た地域包括ケアと薬局内連携の課題∼」
シンポジスト
田 恵玲奈
さかい薬局グループ 株式会社薬心堂 統括本部長
「はんかくさい薬剤師から、なまらはんかくさい薬剤師へ」
シンポジスト
佐藤 一生
理事長講演
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北海道ファーマライズ株式会社 ひまわり薬局 店長
「私が薬剤師にバイタルサインを伝えてきた本当の理由」
講師
閉会式
狭間 研至
一般社団法人 日本在宅薬学会 理事長
‣
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1
基調講演
地域包括ケアシステム構築と薬局・薬剤師の役割
き む ら
りゅうじ
講師 木村 隆次
一般社団法人 青森県薬剤師会 会長 / 公益社団法人 青森県介護支援専門員協会 副会長
2025年に「ベビーブーム世代」が75歳以上(後期高齢者)に到達します。市区町村は、2025年を目途に高
齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために日常生活圏域ごとに「地域包括ケアシステム」の構築
を進めています。
「地域包括ケアシステム」に係る理念や努力義務は、
介護保険法第5条第3項で明確にされ、
2014年6月に可決、成立された「地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律」第2条に
「地域包括ケアシステム」とは、地域の実情に応じて、高齢者が、可能な限り、住み慣れた地域でその有す
る能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、介護予防(要介護状態若しくは要支
援状態となることの予防又は要介護状態若しくは要支援状態の軽減若しくは悪化の防止をいう。)、住まい
及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される体制をいう。と定義づけられました。
この体制を構築するため同時に介護保険法改正で地域支援事業が充実されました。併せて予防給付の
見直しもされ要介護1から5の高齢者を除く、要支援1、2それ以外の虚弱(フレイル)高齢者は、訪問、通
所型サービス、日常の食事の支援、配食サービス等、買い物代行、外出支援など市区町村が地域の実情
に合わせてアレンジできる新しい介護予防・日常生活支援総合事業によって支えられます。これは、移行
期間がありますが2017年4月に全市区町村で始まります。
また、地域支援事業のうち、実施が義務化されている包括的支援事業は、「地域ケア会議」「在宅医療・
介護連携の推進」
「認知症施策の推進」
「生活支援サービスの体制整備」
の4つあります。
法改正により、「地域ケア会議」設置、目的が法律に明記されました。この会議で地域課題が発見、把
握され、地域づくり・資源開発の検討がされ、市区町村責任において政策形成されるということです。つま
り「地域ケア会議」が開催されるごとに地域包括ケアシステムの構築推進がされます。これは、まさに「まち
づくり」のエンジンです。結果として全国津々浦々で地域の実情に応じた自助・互助・共助・公助を組み合
わせた地域のケア体制を整備できるのです。
介護保険法に位置づけられた地域支援事業の各事業の中で果すべき薬局の機能、薬剤師の役割を解説し
ます。
■ 略歴
昭和33年 青森県青森市に生まれる
昭和57年 城西
(じょうさい)大学 薬学部卒業
杏林薬品株式会社
(現キョーリン製薬 (株 ))入社
平成2年9月 有限会社まる萬きむら (現プロマックス ) 代表取締役就任
平成2年10月 「ハロー薬局」開設
平成12年9月 指定居宅介護支援事業者
「ハロー介護保険相談室」開設
<社会活動>(現在委嘱されている委員 主なもの)一般社団法人 日本健康・栄養システム学会 理事、公益財団法人 杉浦記念財団 評議員、
青森県医療審議会 委員、あおもり高齢者すこやか自立プラン推進協議会 委員、青森県保健・医療・福祉包括ケアシステム推進協議会 委員、
青森県福祉・介護人材確保定着推進協議会 委員、青森県介護予防市町村支援委員会 委員、青森県運営適正化委員会 委員 苦情解決部会
長、青森市健康福祉審議会 委員、青森市地域密着型サービス等運営審議会 委員
<著書・執筆等>青森県 一般紙 東奥日報(とうおうにっぽう)日曜日朝刊「薬と賢く付き合おう」100週連載(2000∼2002)、
「クスリと暮らし」
、
東京新聞出版局(2003,3)、
「高齢者の暮らしを支える薬剤マネジメント ー薬剤師は生活機能の見張り番ー」薬ゼミ情報教育センター(2010,
1)
「走り続ける介護保険 今とこれから ー2025年をめざして医療・介護の仕組みはこう変わるー」株式会社 社会保険研究所(2015,
3)
2
ランチョンセミナー
共催:株式会社モリモト医薬
在宅療養支援に活かす訪問計画の立て方・考え方
かわぞえ
て つ し
講師 川添 哲嗣
医療法人つくし会 南国病院 薬剤部長
「富士山頂に立ちたい!!」
さて、何が必要ですか? コース決定、登山グッズの準備、トレーニング、休暇申請などなど多くの項目
が浮かぶはずです。では何から準備しますか? いつから準備していつまでに完了しますか? これを考えて
いる時は最高に楽しいですよね。
もう一度整理します。「ワクワクする目標を立て、現状を把握し、足りないものは何かを考え、それらをど
の順番で準備し、実行し、いつまでに完了すれば良いのかを考える」
実はこれはコーチングの考え方そのものであり、計画の立て方の
「極意」
です。
では在宅訪問の「計画書」
を、認知症の方への服薬支援を例にとって考えてみましょう。
Step1) 患者さんの思いは?「病気を治したい」「薬をきちんと飲みたい」「病状を落ち着けて、 子供や孫と
さっぽろ雪まつりに行きたい」この中で一番ワクワクするのは?
また、この時点でケアマネジャーのサービス計画書との連動もとても大切です。
「病状がよくならない」
Step2) 現状は?「薬が飲めない」「支援者がいない」
Drはきちんと薬を服用することで状態はかなり落ち着くはずなんだが、、、とコメントされています。先ず
はきちんと服用してもらうことを薬剤師は考える必要がありそうですね。
Step3) どうすればきちんと服用できるのでしょう?「服薬支援」「用法の整理」「処方提案」「声かけ、介
助者の決定」などなどたくさん浮かぶはずです。その時、服薬支援や嚥下補助などのグッズを考えてみましょ
う。また、きちんと服用できるようになると効果も出ますが、思わぬ副作用も出るかもしれません。体調チェッ
クのために、五感、バイタル、検査値のチェックも取り入れましょう。そして、介護サービスとの連動を踏
まえた処方提案もお忘れなく。
Step4) 期限は?評価は? これを忘れてはいけません。計画には期限と評価を入れましょう。そして医師、
看護師、ケアマネジャーにも伝えて情報共有し、達成度に応じて内容を見直していきましょう。
■ 略歴
1990年: 神戸学院大学 薬学部卒業
(1990∼1994年:営業職)
ニチバン株式会社大阪支店
(1994∼1998年:病院薬剤師)
服部病院(兵庫県三木市)
に1年間、JA高知病院(高知県南国市)に3年間勤務。
(1998年∼2014年:薬局薬剤師) 高知県高知市にて開局。くろしお薬局グループとして2014年までに高知県内外に16店舗を運営。
この間、在宅医療に深く関わる。
(2014年4月∼:再び病院薬剤師)
医療法人つくし会 南国病院 薬剤部長就任。院内での外来や病棟での活動を大切にしつつ、地域の中で
多くの医療介護職と連携しながら働く日々となっている。
<役職> 医療法人つくし会 南国病院 薬剤部長、公益社団法人高知県薬剤師会 常務理事、高知県病院薬剤師会 理事、
全国薬剤師・在宅療養支援連絡会 副会長、HIP研究会 理事、NPO法人高知県緩和ケア協会 副理事長、
日本緩和医療薬学会 評議員、日本老年薬学会 理事、高知大学医学部 臨床教授
<著書>「Do処方、特変ナシ」から脱却セヨ!
(日経 BP社)、体調チェックフローチャート
(じほう、共著)、在宅医療 Q&A(じほう、共著)、
在宅薬剤管理入門(南山堂、共著、主監修)
<所属学会・研究会等>
医療薬学会、緩和医療薬学会、日本老年薬学会、日本認知症ケア学会、全国薬剤師・在宅療養支援連絡会
(J-HOP)
、HIP研究会 、簡易懸濁法研究会
3
シンポジウム
医療者の共通言語としてのバイタルサイン
お ぐ ろ
か
よ
こ
シンポジスト 小黒 佳代子
株式会社ファーマ・プラス 専務取締役
私は大学卒業後に数年の病院勤務を経た後、10年近く主婦として過ごしたブランクがある。仕事を再開
することになった時、再び薬剤師をするのはとても気が重かった。処方箋をもとに薬を準備し、薬剤情報
提供書とともに説明してお渡しするという薬剤師の仕事は、私でなくてもできると思っていたからだ。しかし
薬局薬剤師として復帰して15年が経過した現在、私は薬剤師として一番充実していると感じている。狭間研
至先生との出会いが私の薬剤師人生を変えたと言っても過言ではない。数社の薬局勤務を経て自ら薬局経
営に携わるようになり2年ほど経過した2010年のことである。当時は薬剤師としてもっと深く患者と関わりた
いと在宅訪問を開始し、ある高齢者施設の薬の管理を任されるようになっていた。薬剤の効果について施
設看護師からヒアリングする一方で、疑義照会の機会は増え、症状に応じて調節できるように便秘薬や睡
眠導入剤を別包にしたり、誤薬防止のために貼付剤にまで患者が特定できるよう名前をつけるなど、深く関
わろうとすればするほど私たちの作業としての仕事も増加していった。従業員からは「薬局がこんなことしな
ければいけない理由が分かりません」と言われて退職されてしまった。私は何か間違っているのだろうか?寂
しい気持ちのまま長野県で行われた学術大会に一人で参加した私は、書籍売り場で何気なく狭間先生の「薬
剤師のためのバイタルサイン」という本を購入した。そのときは狭間先生のことは存じあげなかったが、帰り
の新幹線で本を一気に読み終わってしまった。私は間違っていなかった!と背中を強く押されたような気が
した。
現在の私にバイタルサインの測定は欠かせない。同じ志を持つ仲間も増えてきた。薬物療法の効果を自
ら確認して評価するのはもちろん、他職種とともに一人の患者を共有する上で、バイタルサインは医療者の
共通言語だと実感しており、聴診器を忘れると仕事の半分もできないと感じている。症例を通じで皆さんに
お伝えしたい。
■ 略歴
【略歴・職歴】1989年昭和薬科大学を卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院の薬剤部で薬剤師として従事していたが、結婚を機に退職。
2002年調剤薬局に勤務を始める。二社を経て、2008年現在の株式会社ファーマプラスの専務取締役として就任。医療における薬剤師の役割を
探求し、在宅活動を始める。他職種や地域に求められる薬局薬剤師として活動中。
【所属学会】日本在宅薬学会評議員、日本緩和医療薬学会、日本臨床腫瘍薬学会、日本褥瘡学会、日本プライマリ・ケア連合学会
【認定】在宅療養支援認定薬剤師、日本薬剤師研修センター認定薬剤師・実務実習指導薬剤師、日本在宅薬学会認定エヴァンジェリスト
4
シンポジウム
バイタルサインを活用した
COPD患者への在宅療養支援
∼おせっかい薬剤師が見た地域包括ケアと薬局内連携の課題∼
た さ き
シンポジスト 田
え
れ
な
恵玲奈
さかい薬局グループ 株式会社薬心堂 統括本部長/さかい調剤薬局
【はじめに】
本格的な超高齢化社会を迎える中、加齢による身体的・生理的機能の変化は個人差も大きく、ポリファー
マシーの検証も含め薬物治療における投与設計や副作用早期発見・服薬支援などのきめ細かい配慮と共
に、多職種による総合的な治療とケアが重要となっている。一方で、時々入院、ほぼ在宅とされ、退院後
は限られた医療資源の中で患者さんのくらしが中心となった包括的なケアが必要とされている。
さかい調剤薬局(以下、当薬局)ではバイタルサイン講習会を受講後、2012年より在宅訪問を開始した。
バイタルサインの他に、体調チェックフローチャートや五感を用いて薬学的評価を行い、多職種との連携に
活用している。100%薬局提案型在宅の店舗における、第一症例目の事例を報告する。
【症例】
79歳、男性。介護保険の利用は未申請であった。COPD・糖尿病・心房細動。認知症の妻と二人暮らし。
肺炎治癒・退院後に在宅開始となった。 訪問時のバイタルやフィジカルチェックにより、 薬剤による副作用
や、新規疾患・風邪症状など早期発見が可能となった。栄養評価にて低栄養が示唆されたが、患者のこ
だわりが強くケア提案が中々受け入れられなかった。在宅で薬剤師に何ができるのか?を模索する中で、
呼吸ケアリハビリテーション教室への参加をきっかけに、患者に係る多職種との連携が可能となり、治療と
ケア向上につながった。
【おわりに】
薬局薬剤師がバイタルサインを活用し呼吸ケアリハビリテーションに関わることで医療と介護がより効果的
につながり、地域包括ケアの橋渡しに寄与できた一例と考える。また、在宅業務を始めることで、これま
でになかった業務フローを入れるだけではない、 薬局内連携の課題も見えてきた。対物から対人へのシフ
トチェンジをどう行ったのか?当薬局での取り組みも併せて共有したい。
■ 略歴
<プロフィール>
1974年福岡県生まれ。1998年に福岡大学薬学部を卒業後、製薬会社(現在の田辺三菱製薬)のMRとして勤務。もっと患者さんの側で薬剤師
として働きたいとの思いから、2001年厚生省薬剤師実務実習生として福岡市薬剤師会薬局百道店、九州医療センター薬剤部にて研修。2003年
より福岡市薬剤師会薬局にて勤務。2012年より現在のさかい薬局グループへ入社。既存の保険薬局から、地域に求められる健康の駅を目指して、
「薬局が変われば地域医療が変わる!」と仲間づくり・在宅・教育研修に奮闘中。
<資格>
日本在宅薬学会認定:在宅療養支援認定薬剤師、漢方認定講師育成セミナーインストラクター、エバンジェリスト
日本薬剤師研修センター認定:実務実習指導薬剤師、研修認定薬剤師
日本ACLS協会認定ヘルスケアプロバイダー
望診法指導
<所属学会・研究会等>
日本在宅薬学会、日本褥瘡学会、日本緩和医療学会、日本緩和医療薬学会、リハビリテーション栄養研究会、日本呼吸器ケアリハビリテーショ
ン学会
5
シンポジウム
はんかくさい薬剤師から、
なまらはんかくさい薬剤師へ
(はんかくさい;北海道弁で
「ばからしい」
。なまら;北海道弁で
「はなはだしく」。
)
さ と う
シンポジスト
か ず お
佐藤 一生
北海道ファーマライズ株式会社 ひまわり薬局 店長
「はんかくさい」とは、北海道弁で「ばかげた」「まぬけな」といった意味を持つ言葉であり、決して良い
意味ではありません。わたしは「患者に触れてはいけない」という薬剤師の立ち位置に対し20代の頃から違
和感を持っており、何とか薬剤師の価値観を変えたいと考えていました。わたしはその頃から
「はんかくさい」
薬剤師であったのかも知れません。そんな折り、2010年にバイタルサイン講習会に出会い、受講し、その
後の薬剤師ライフにさらにたくさんの「はんかくさい」
変化が起こりました。
そして今年の8月、地元北海道室蘭市で行われた在宅ケア連絡会にて、ついには「なまら(北海道弁で非常
に・とても・はなはだしく)はんかくさい」人物として、「愛しのはんかくさい」シンポジウムにおいてシンポジ
ストに選ばれてしまうまでに進化してしまいました。
本フォーラムでは、ますます拍車がかかるはんかくさい活動として、①フィジカルアセスメントを実践でど
う活かしているか、②薬剤師の新しい価値観を誰にどのように伝達しているのか、この2点を中心にお伝え
したいと考えております。①については、深刻な違和感に気付き救急搬送につながった在宅患者など3名の
エピソードをご紹介いたします。②については、日本在宅薬学会のエヴァンジェリストとしてバイタルサイン
講習会を6回、社内でのバイタルサイン講習会を2回開催し、地域の研修会や学会などでも多数お話しする
機会をいただいた話題について触れたいと思います。
薬剤師が変われば地域医療が変わる実感を肌に感じながら、これからの在宅医療をも変える可能性のあ
る薬剤師のあり方ついて、「環境をみる」、「生活をみる」、「身体をみる」、「薬剤をみる」といった4つの視
点についてご提案いたします。
ひまわり薬局の地域における現在の役割・位置づけを、動画を交えながらお伝えしてまいりたいと思いま
す。少しでも得るものがございましたら幸いです。
■ 略歴
1997年 東京薬科大学卒業
1999年 共立薬科大学大学院薬学研究科 博士前期課程修了
北海道ファーマライズ株式会社 西いぶりエリアグループ長
ひまわり薬局 店長・管理薬剤師
日本薬剤師研修センター 認定薬剤師
認定実務実習指導薬剤師
日本プライマリ・ケア連合学会 プライマリ・ケア認定薬剤師
日本在宅薬学会 在宅療養支援認定薬剤師
日本在宅薬学会 評議員
日本食品安全協会 健康食品管理士
日本食品安全協会 管理士会 北海道支部 幹事
日本医療メディエーター協会 北海道支部 監事
6
理事長講演
私が薬剤師にバイタルサインを伝えてきた
本当の理由
は ざ ま
け ん じ
講師 狭間 研至
一般社団法人 日本在宅薬学会 理事長
私が代表を務める薬局の薬剤師に対してバイタルサインの講習会を開いたのは、2009年6月であった。当初
は、少し違和感や抵抗を示した薬剤師も、その法的な意味合いを説明しつつ理論や手技を教えると、み
な熱心に学びはじめ、在宅・介護施設・薬局店頭を問わず、患者さんの状況を把握し、薬学的アセスメン
トを行うようになってきた。
そこで、その5ヶ月後に、一般社団法人在宅療養支援薬局研究会を設立し、薬剤師のためのバイタルサイ
ン講習会を開催した。ここでは、自社で教えた経験を踏まえ、法的留意点や手技を、なぜ、薬剤師がバ
イタルサインなのかという文脈と、それらを薬剤師が採取し活用することの意義とともに伝えてきた。
それから7年がすぎるなかで、状況は大きく変わった。研究会組織は、2012年には日本在宅薬学会へと名
称を変更し、 講習会の受講生は3,500名を越えている。また、エヴァンジェリストという講師役は260名を
越え、それぞれの地域や所属する組織で、理論や手技とともに、薬剤師がバイタルサインに取り組むこと
が持つエッセンスを伝えるようになりつつある。
薬学教育が6年制に移行し、チーム医療推進が叫ばれる中で、薬剤師がバイタルサインを学ぶ目的はそれ
ぞれのスキルアップのように捉えられることも少なくない。もちろん、薬剤師がバイタルサインを学び、現場
で活用できるようになれば、そのスキルは、確かにアップする。しかし、それは目的ではなく結果である。
では、 一体何が目的なのか。私は、薬剤師が果たすべき役割や、その専門性の礎がどこにあるかを考え
れば、バイタルサインは単なる手段の1つであって、その目的は、もっと根本的かつ普遍的なものであるこ
とが理解していただけると考えている。
本講演では、私自身が取り組んできた7年あまりの経験をもとに、薬剤師がバイタルサインを学ぶことの目
的や、その文脈や意義について私見を述べるとともに、私の思いつきのようなアイディアが確信に変わりつ
つある現状を皆様と共有したい。
■ 略歴
昭和44年 大阪生まれ
ファルメディコ株式会社 代表取締役社長
一般社団法人 日本在宅薬学会 理事長
医療法人嘉健会 思温病院 院長
熊本大学薬学部・熊本大学大学院薬学教育部 臨床教授
平成7年大阪大学医学部卒業後、大阪大学医学部付属病院、大阪府立病院
(現 大阪府立急性期・総合医療センター)
、宝塚市立病院で外科・
呼吸器外科診療に従事。
平成12年大阪大学大学院医学系研究科臓器制御外科にて異種移植をテーマとした研究および臨床業務に携わる。
平成16年同修了後、現職。医師、医学博士。
現在は、地域医療の現場で医師として診療も行うとともに、一般社団法人 薬剤師あゆみの会・一般社団法人 日本在宅薬学会の理事長として薬
剤師生涯教育に、近畿大学薬学部・兵庫医療大学薬学部、愛知学院大学薬学部の非常勤講師として薬学教育にも携わっている。
<著書>薬局マネジメント3.0(評言社)、薬局が変われば地域医療が変わる(じほう)、薬剤師のためのバイタルサイン(南山堂)、薬局3.0(薬事
日報社)
、外科医 薬局に帰る
(薬局新聞社)
、がんにならないのは、どっち(泰文堂)など
<共著>臨床調剤学
(南山堂)、薬物治療学(化学同人)
、新 IT 医療革命(アスキー新書)
、IT が医療を変える(アスキー・メディアワークス)
など
7
第1回日本在宅薬学会フォーラムin関東 協力企業一覧
◆共催セミナー◆
株 式 会 社 モリモト医 薬
◆広告◆
アルフレッサファー マ 株 式 会 社
エ ー ザイ株 式 会 社 多 摩 コミュニケ ーションオフィス
株式会社大塚製薬工場
小野薬品工業株式会社
株 式 会 社 スズケン
第一三共株式会社
大正富山医薬品株式会社
田辺三菱製薬株式会社
株 式 会 社ツムラ
帝 人ファー マ 株 式 会 社
日本 ベ ーリンガ ーインゲル ハイム株 式 会 社
M e i j i S e i k aファル マ 株 式 会 社
持田製薬株式会社
株 式 会 社 モリモト医 薬
(2016 年 11 月 23 日現在 五十音順)
第1回日本在宅薬学会フォーラムin関東 大会役員一覧
◆運営責任者◆
鏑城 正則(株式会社アポロン 代表取締役/日本在宅薬学会 理事)
鈴木 勝宏(日本薬科大学臨床薬学教育センター 教授)
◆実行委員◆
輿石 徹 (東京医科大学八王子医療センター)
福田 進 (有限会社TKファクトリー ろんろん薬局)
吉田 聡 (株式会社LEE 薬局・なくすりーな)
重山 昌人(横浜薬科大学 臨床薬剤学研究室 主任教授)
中山 邦 (株式会社シーエスグループ 代表取締役)
斎藤 英子(こせき薬局)
長井 彰子(有限会社あやせ薬局 管理薬剤師)
小西 恵里(株式会社エフ アンド エフ)
松浦 憲司(日本メディカルシステム株式会社 太陽堂調剤薬局 薬局長)
久保田洋子(日本薬科大学臨床薬学教育センター 教授)
荻堂 義規(有限会社荻堂薬局 薬王堂薬局)
荒木 玲子(ファーマシーはとり薬局)
小川 亮子(有限会社タカコーポレーション 十二所薬局)
水谷 織絵(株式会社ウェルパーク)
神山 綾香(有限会社ひかり薬局 取締役)
(2016 年 11 月 23 日現在 順不同)