/アプリケーション・ノート チャンバー テストチャンバーおよびインキュベーターにおける湿度計測 よくある質問 テストチャンバーで高分子薄膜タイプ の湿度センサを使用するメリットは 何ですか? 高分子薄膜センサを使用する最大のメリットは、 メンテナンスが容易で、幅広い温度範囲で動作 できることです。 の飽和水蒸気圧Pwsは、よく知られています。 水蒸気圧Pwは温度に依存せず、Pwがわかれ ば、臨界温度までの温度範囲では、相対湿度 は求められます。 水の沸点を超える温度において、水蒸気圧が全 圧より高いということはありえないため、実際の Vaisala HUMIC AP ®高分子センサは、-70~ 相対湿度(%RH)の値には限界があります。つま +180℃(-94~356°F)のテストチャンバーで使 り、水の沸点を超過する時の加圧されていない 用可能です。計測は、水の氷点や沸点に制限さ 状態における最大相対湿度は、グラフの通り、常 れません。 に100%RHを下回るということになります。 Vaisala HUMICAP®高分子薄膜センサの長期安定 例えば、摂氏120℃(華氏248 °F)における最大相 性は非常に優れており、推奨校正期間は年に1回 対湿度は51%RHです。これは、飽和水蒸気圧Pws です。通常のセンサ寿命は10年以上です。他のセ がおよそ1.987bar(28.8psia)であることから計算 ンサ技術と異なり、このセンサはガーゼ、給水シス テム、水タンクはもちろんのこと、これらの構成材 に関連するメンテナンスも必要としません。 水の沸点を超過した場合、湿度はどの ように計測されるのですか? されます。1.01325bar(14.696psia)の標準大気圧 における最高Pwは、同じく1.01325barとなります。 これは、51% RHとなります。 加圧されていない状態では、露点温度など、その 他の湿度パラメータにも限界があります。最大露 テストチャンバーの内部には、どのよ うに湿度センサを設置すればよいで しょうか? プローブ全体の温度がテストチャンバー内の空気 温度と平衡状態になるよう、プローブケーブルの 一部がチャンバー内に入るように湿度プローブを チャンバー内に取り付けてください(写真)。プ ローブをチャンバー内の壁面に取り付けた時に プローブ先端部と末端部との間に温度差がある と、それがセンサと実際の空気との温度差を引 き起こす恐れがあります。これが、不正確なRH 計測はもちろんのこと、結露のリスクさえ引き 起こします。例えば、40℃/95%RHのテストチャ ンバーでは、プローブ温度が1℃低下するだけで プローブに結露が生じます。テストチャンバー外 部の部屋からの熱伝導に起因するこのような温 度の効果は、容易に起こります。 点は沸点と同じですので、常に100℃(212 °F) Vaisala HUMICAP® 高分子薄膜タイプ湿度センサ となります。 は、水の沸点を超過する温度でもそれ以下の温度 Vaisala HUMICAP®センサは、温度180℃(356 °F) と同様に存在する水蒸気に応答します。しかし、 を上限とする未加圧および加圧条件の両方におい 水の沸点を超える温度における相対湿度の最大 て湿度計測ができることが検証されています。 値には物理的限界があります。 ヴァイサラ湿度計算ソフトは、さまざまな条件に 相対湿度(RH)の定義は、 おけるすべての湿度パラメータを計算できる、使 RH=Pw/Pws*100% いやすいソフトです。 となり、Pwは水蒸気圧、Pwsは飽和水蒸気圧を www.vaisala.co.jp/humiditycalculator 意味します。臨界温度373.98°C/705.16°Fまで 高温における最大湿度 標準大気圧下における 推薦する 設置方法 推薦しない 設置方法 1.テスト室 2.温度プロープ 3.モジュール電子機器 写真:湿度プローブ用プローブクランプで、テストチャンバー 内への設置が容易かつ確実になります。 温度 (%RH) プローブを設置する際は、湿度の現場校正を考 慮しなければなりません。 ヴァイサラ湿度校正 器HMK15などの飽和塩を用いた校正器を使用 する場合は、校正器にプローブが挿入できるよう に、チャンバー内部に十分な長さのプローブケー 温度(° C) ブルが必要です。 密閉式チャンバーへのケーブルフィー ドスルー送りはどうなりますか? テストチャンバー内のセンサ精度を維 持するにはどうすればよいでしょう? のですが、テスト環境にパーティクルまたは水溶 ヴァイサラのテストチャンバー内計測用湿度プ テストチャンバーでは、さまざまな素材がテスト ります。設計とプローブ設置を慎重に行うことに ローブは、非常に気密性の高く作られています。 および熟成されます。素材の中には、湿度センサ より、結露を回避するのが最善なのです。最も要 プローブケーブルフィードスルー周辺のシール の精度に影響を及ぼす恐れのある化学物質を放 求の厳しい高性能チャンバーでは、結露防止に加 も、気密性が高くなければなりません。ヴァイ 出するものがあります。ヴァイサラは、一般的な 温プローブを使用できます。 サラは、この目的にさまざまな付属品を提供し HUMICAP®の性能では不十分な条件向けに、周 ています。シリコン素材の使用は一つの選択肢 期的に湿度センサを加熱して化学汚染を除去す ですが、この素材を使用すると取り外しや再設 る、センサパージ機能つきの機器をご用意してい 2線式接続と3線式接続の違いは何 ですか? 置が難しくなるだけでなく、素材が硬化する間に ます。センサパージ搭載の機器では、不適当なシー 計測機器には、2線式と3線式の両方が使用され ガスとなって放出される化学物質が原因で計測 リング材またはその他の素材のガス放出を原因と ています。2線式による設置方法は、供給電源や ドリフトを引き起こす場合もあります。 するドリフトは、ほとんど問題になりません。 出力信号をすべて2本の線だけで接続する方法で センサパージが搭載されていない機器は、チャン シーリング材は湿度センサに影響し ませんか? す。これは、 「ループパワー」接続としても知られて バーを一時間160℃に手動加熱すれば回復でき います。 線内の電流(4..20 mA)は、ダイレクトに ます。センサから典型的な汚染のほとんどは、通 湿度値を示します。2線式接続は設置方法が単純 密封時にチャンバー壁やケーブルフィードスルーに 常これで十分除去できます。 で、かつ電気的干渉への耐性があります。 使用されるシール材の中には、湿度ドリフト、応答 性の素材があると、ドリフトが増加する恐れがあ 3線式による設置方法の場合、供給電源は出力 こすものがあります。これが発生しやすいのは、シ 結露は湿度センサにどんな影響を及 ぼすのですか? ーリング材が硬化する間に化学物質が蒸発する場 湿度センサで水が結露すると出力が100%まで プを提供します。また、3線式機器では、カレント 合です。例えば、一般家庭用品質のシリコンシーラ 進むのが普通で、液体の水がセンサからすべて ループ特有の電流制限のためループパワー式機 ントは、硬化中に酢酸またはメタノールを放出し 蒸発するまでその付近を出力しつづけます。度重 器では利用できない付加的な機能(センサパー ますので避けなければなりません。幸い、この効 なる結露による長期ドリフトは取るに足らないも ジやプローブ加熱など)も利用可能です。 時間の増加、湿度変換器のヒステリシスを引き起 信号から分離されます。この接続タイプは、電圧 出力または0-20mA出力で、より幅広い信号タイ 果は一時的なもので、これらのガスの放出が終わ れば、徐々に消滅します。元のセンサ特性への復 元が速いのは、高温下です。 湿度変換器は、これらの素材が硬化した後で設 置することをお奨めします。もしそれが現実的で なければ、出荷時にヴァイサラの湿度プローブに 装着されている黄色の保護キャップを、シーリン グ材が硬化する間のセンサの保護に使用しても よいでしょう。 著しい乾燥条件で使用されるチャンバー内では、 湿気を吸収し、水分のバッファーとして機能する 制御機器エレクトロニクス(2.)からの湿度モジュール(1.)への2線式接続(A)および3線式接続(B) シーリング材もあることに注意しましょう。 こ れらの素材は、比較的少量でもチャンバーの乾 燥を遅らせる恐れがあります。 詳細は以下よりお問い合わせください。 www.vaisala.co.jp [email protected] Ref.B210927JA-A ©Vaisala2010 本カタログニ記載される情報は、 ヴァイサラと協力会社の著作権法、 各種条約 及びその他の法律で保護されています。 私的使用その他法律によって明示的 に認められる範囲を超えて、 これらの情報を使用(複製、送信、頒布、保管等を 含む) をすることは、 事前に当社の文書による許諾がないかぎり、 禁止します。 仕様は予告なく変更されることがあります。
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