/ サクセスストーリー ライフサイエンス 治験スポンサーと健康増進のための研究を支える 信頼性の高い環境モニタリングシステム 「ひとつの治験における医薬品とサンプ ルには、少なく見積もっても10万ドル以上 の価値があります。 (ヴァイサラ環境モニタ リング) システムが2台のフリーザーに問題 (ひとつはフリーザーの温度センサに校 正が必要なことによる問題、 そしてもうひと つはコンプレッサーの故障による問題)が あることを検知した時、研究対象の医薬品 の費用を節約できただけでなく、研究その ものが救われました。 こうした研究は健康 増進に役立つものであり、治験に用いる サンプルと医薬品は高い精度と信頼性を もって保護されなければならないのです」 ―Jonathan Olesh (AGMG/ACT情報システム責任者) 1976 年に設立されたカリフォルニア州アナハイムの消化器 センターでの研究に資金を提供している製薬会社は、施設とそ 病学医療グループ連合(Associated Gastroenterology 、欧州医 の業務プロセス、および米国食品医薬品局(FDA) Medical Group:AGMG)とその研究組織であるアナハイム 薬品庁(EMA)等による厳しい規制の順守に対する継続的な 治験センター(Anaheim Clinical Trials:ACT)は、あらゆ モニタリングを実施しています。毎月、5 社から 15 社の治験 る医薬品分野の臨床研究を行ってきました。世界中の製薬会 依頼企業から監視員がセンターを訪れ、適正規範(GxP)の 社やバイオテクノロジー企業から資金提供を受けている ACT あらゆる面について監査を行います。訪問時に監査員は、冷 では、さまざまな消化器疾患に対する新しい治療法を開発し、 蔵および冷凍されたすべての薬品とサンプルが特定要件を満 年間に 100 件を超える治験を実施しています。医師、研究員、 たす状態に保持されていたことを保証する温度記録を要求しま 看護師、職員などで構成される AGMG/ACT チームは、最高 す。また、制御環境の周囲条件を適切な温湿度に維持するた 水準の内視鏡装置を備え、専門のスタッフが対応する最先端の めに継続的なモニタリングが実施されていたことを提示しなけ 施設で、患者に最先端の治療を無料で提供しています。同セ ればなりません。 ンターは、常勤の麻酔専門医を置く米国内で数少ない消化器 病研究治療センターのひとつです。 課題: ソリューション: この施設では、モニタリング機器の故障ま センターに、viewLinc ソフトウェアと、 たは記録の消失により重要な温度データ モニタリングを行うすべての環境に対応 を失うリスクを抱えていました。停電やバッ 可能な多様なセンサを備えたヴァイサラ テリー切れのために記録装置への電力供 環境モニタリングシステムが導入されまし 給が停止すると、装置内のデータは永久 た。このシステムの導入により、作成が容 に消失してしまいます。環境データは、欠 易な構成済みのレポートと、冗長性のあ 測のない完全なものであるだけでなく、正 るデータ記録という 2 つの大きな成果を 確であることが現行適正製造規範(cGMP) 手にすることができたと Olesh 氏は言い により求められます。米国食品医薬品局 ます。レポートは容易に作成され、その (FDA) 連邦規則第 21 条によれば、 制 まま監査に使用できるため、このシステム 御エリアにおけるパラメータの計測と記録 を導入以来、センターを訪れる監査員が に用いるセンサ機器は定期的に校正を行 納得のいく報告が可能になりました。三重 い、査察時は付属の書類を直ぐに提示で の冗長性を備えた記録方式は、常に完全 きるように管理する必要があります。 な記録を確保します。記録されるデータ 情 報システム責 任 者である Jonathan Olesh 氏は、研究室、フリーザー、冷蔵庫、 薬局、保管エリアを含む施設の制御エリア は、1)(各機器の)計測地点、2)ホスト サーバ、および 3)自動データ転送により 保存されます。 における新たなモニタリングソリューショ また、この他にも、ヴァイサラのモニタリ ンを選定することが必要でした。 ングシステムの導入によって想定していな 既存のモニタリングシステムでは一元管理 ができないため、当時、データの取得と かった効果を得られました。Olesh 氏は 次のように話しています。「私たちが使用 - 課題 ■ この治験企業では、ユーザーにより 設定可能な複数の方法(E メール、 PC 表示、ローカル機器画面表示、 SMS/ テキスト、および携帯電話メッ セージ)で担当者に警告を送るモニ タリングシステムが必要でした。 ■ モニタリングシステムの機器には、精 度と最終校正日を示す校正証明書を添 付した NIST (米国国立標準技術研究 所)トレーサブルな校正が必要でした。 ■ 特定領域を担当する複数のユーザー がオンラインでアクセスできるWeb ベースの集中型モニタリングシステム が求められていました。 モニタリングシステムのソフトウェア が作成する記録は、記録の欠測がな い完全なオーディットトレイル(監査 証跡)を意味する、21 CFR Part 11 (連邦規則第 21 条第 11 章)の順守 に役立つものでなければなりません。 そのため、システムには停電やネット ワークのダウンタイム時にデータの喪 失を確実に防止する冗長性のある記 録が必要です。 ■ レポートの作成は手間のかかる困難な作 業でした。このため、この新たなソリュー ションは、この課題を解決するものでなけ ればいけませんでした。 以 前 の モ ニタリングシステム に つ いて Olesh 氏は次のように話しています。「以 前のシステムは効率が悪く、治験スポン サー企業がセンターの治験業務に求める 正確さを検証できるものではありませんで した。センターでは、プローブを備えたセ ンサ機器と周囲モニタリング用センサ機器 を使ってパラメータの計測と記録を行って いましたが、モニタリング環境がしきい値 を逸脱しても通知することはできませんで した。私たちには、チャンバーや部屋の 状態が仕様を逸脱したときに通知できる常 時モニタリングシステムが必要でした」。 FDA第21条第1章、サブチャプターC―医薬品:総則、パート211:最終医薬品の現行適正製造規範(cGMP)、サブパートD―装置、第211.67節参照: http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfcfr/CFRSearch.cfm?CFRPart=211&showFR=1&subpartNode=21:4.0.1.1.11.4 、2013年5月8日現在 新しいモニタリングシステムの選択に際 し、Olesh 氏は数社のサプライヤーを検 討しました。まず、既存システムのサプラ - ソリューション ■ ヴァイサラ環境モニタリングのソフト ウェア viewLinc は、複数の方法 で警告を発するように設定すること ができます。リモートモニタリング、 レポート作成、およびアラーム管理 のためのモバイル用に最適化された インターフェースにより、ユーザーは スマートフォンでアラームが発生し た場所を迅速に特定し、アラーム受 信を確認することができます。 ■ 各 センサ 機 器 の 精 度 は、 NIST ト レーサブルなマルチポイント校正で 保証されます。ヴァイサラでは、 米 国試験所認定協会(A2LA) の認 可を受けた自社の校正施設で ISO/ IEC 17025:2005 と ANSI/NCSL Z540-1-1994 の基準に合わせた機 器の校正を実施しています。 ■ モニタリングシステムは、標準プロト コルで既存のネットワークを使用し ます。機器接続のオプションとして、 Wi-Fi、 PoE、イーサネット、 USB による PC への直接接続、またはこ れらの組み合わせがあります。ユー ザーは、自分の担当領域を管理す るために Web ブラウザによりシステ ムにログインします。 ■ viewLinc のレポートは、米国食品 医薬品局(FDA)、中国国家食品薬 品監督管理局(SFDA)、欧州医薬 品庁(EMA)などの国際機関による 規制を順守するクライアント企業の品 質要件の順守を保証します。安全性 が高く、改ざんが防止された完全履 歴機能付きレポートの作成に手間の かかる設定をする必要はありません。 サマリーレポートには、数値、モニ タリング箇所、記録期間、受信確認、 是正措置のほか、モニタリングを実 施した場所の詳細が記録されます。 イヤーにはより正確で高価なバージョン が存在しましたが、データを収集し、分 析し、構成してスポンサーの要件を満た すレポートを作成するには、このアップグ レード版システムを使ってもなお手間のか かるプロセスが必要でした。また、別の システムは使いやすいインターフェースを 備えておらず、Olesh 氏によれば、まる で DOS を連想させるようなものでした。 さらにこのシステムには、専用のネットワー クと大型の壁掛け型モニターを設置する 必要がありました。「viewLinc ソフトウェ しているフリーザーのいくつかは、センサ が不正確、あるいは、大きな誤計測を起 こしかねない状況でした。viewLinc を導 入してから、フリーザー内蔵モニターの指 Cずれていることに気づきまし 示値が数° た。ヴァイサラ製センサの指示値がフリー ザーの一つに修理が必要なことをはっきり アの最新性と優れた設計を理由に、ヴァ イサラのモニタリングシステムを選びまし た。私たちは、直感的な操作が可能なイ ンターフェース、Web ベースのアクセス、 テキストとダイヤルアウトによる警告、そ してクリック・アンド・プリントによるレポー ト作成を必要としていたのです」 。 と示したのです。私たちは、 そのフリーザー ヴァイサラのシステムを導入して以来、研 モニターの再校正を行い、フリーザーの 究室の職員と治験スポンサー企業向けの コンデンサーが完全に故障する前にそれ 温度記録担当者はレポートと機器校正に を修理しました」 。少なく見積もっても臨 ついての質問攻めから解放され、質問 床研究には 100 万ドル以上の価値がある を受けることが全くなくなったと Olesh でしょう。このように機器の故障を事前に 氏は話します。「今では、校正証明書と 特定できたことにより、この施設は 10 万 viewLinc でプリントアウトしたレポートを ドルを超える研究投資費用のロスから回 監査員に渡すだけで温度記録の妥当性を 避することができたと考えられます。 容易に証明することができます」 。 詳細については、www.vaisala.co.jp/jp/lifescience/ をご覧いただくか、 以下よりお問い合わせください。 www.vaisala.co.jp/contact Ref. B211299JA-A ©Vaisala 2013 本カタログに掲載される情報は、 ヴァイサラと協力会社の著作権法、 各種条約 及びその他の法律で保護されています。 私的使用その他法律によって明示的 に認められる範囲を超えて、 これらの情報を使用 (複製、 送信、 頒布、 保管等を 含む) をすることは、 事前に当社の文書による許諾がないかぎり、 禁止します。 www.vaisala.co.jp 仕様は予告なく変更されることがあります。
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