愉快なニ-ベルンゲン(Die lustigen Nibelungen)あらすじ

愉快なニ-ベルンゲン(Die lustigen Nibelungen)あらすじ
主な出演者
グンター(Gunther、ブルグント国王、バリトン):Michael Kraus
ウーテ(Ute、グンターの母、アルト)
:Regula Rosin
ダンクヴァルト(Dankwart、グンターの父、バス):Kurt Schreibmayer
フォルカー(Volker、王子、あだ名は「英雄」、テノール):Karl-Michael Ebner
キゼルハー(Giselher、王子、あだ名「巨人」、ソプラノ):Martina Dorak
クリームヒルト(Kriemhild、王女、あだ名「小令嬢」、ソプラノ)
:Renée Schüttengruber
ハーゲン(Hagen、叔父、あだ名「残忍ハーゲン」、バス)
:Lars Woldt
ジークフリート(Sigfried、あだ名「龍殺し」
、テノール)
:Robert Wörle
ブリュンヒルデ(Brunhild、女王、ソプラノ):Birgid Steinberger
小鳥(Ein Vogel、ソプラノ):Johanna Arrouas
2 匹の若い竜テイッツエルとタッツェル:Kelly と Josephine
第一幕
ヴォルムスの城内
グンターの家族が食卓に集まっているが、王は悩ましげな表情で、一人玉座に座ってい
る。皆が王の病を心配し、それぞれが、おかしな忠告をする。王は、
“実は頭痛の種はブ
リュンヒルデとの決闘のことなのだ”と打ち明ける。
アイスランドの女王ブリュンヒルデは結婚を申し込む各国の王と決闘し、彼女が負けた
ら結婚すると言っているのだが、これまで申し込んだ王や王子全員を負かし、殺してし
まっている。グンターは決闘を申し込んだものの、今になって後悔しているという訳で
ある。一同は、相談の末、そジークフリートを呼ぶのが一番だという結論を出す。クリ
ームヒルトはその名を聞いて歌い出す、ロマンス〈ある目クリームヒルトのために夢を
見た EinsttrMlmte Kriemhilden〉
。
やがて、角笛の音とともにジークフリートが二匹の小龍(ブルドッグの変装)と共にや
ってくる。
「登場の唄〈私が高校を出てから
Ich
bracht's aus
dem
Gymnasium〉
」
を歌う。彼は、
“恐れを知らない、清らかな騎士である”と自己 PR をおこたらない。グ
ンター一家一同は彼を丁重に迎え入れる。
皆は有名な「龍殺し」のことを訊く。ジークフリートは、この商売は十年このかたやっ
ているが、なかなか大変な仕事で、競争相手も多く、出費も多いのだと説明する。皆は、
“でもラインの黄金の持ち主は貴方なのでしょう”と質問する。彼は、
“確かに黄金はラ
インの河底の砂の中に埋めてあることになっているが、実はこの 550 万マルクの金貨は
銀行に預けてあり、年利 6%の利息がもらえるのだ”と説明する。皆、それを聞いて大
喜びする。
ウーテは王女クリームヒルトがいないので心配する。彼女は英雄の出現にそなえて念入
りに化粧をしていたのだ。やっと支度ができたクリームヒルトが現れる。ジークフリー
トはその美しい姿を見て一目惚れするが、どうも腹の底では女王の身分と持参金に期待
をしている様子。クリームヒルトも、ジークフリートが男前ではないので、彼の財産に
興味がある様子。ロマンテイツクだが、現実的な愛の二重唱〈今日は、優しいお嬢さん
Hei,gnädiges Fräulein〉を歌う。
執事がブルンヒルデ一行の到着を告げる。グンターは真っ青になり、
“この危機を救って
くれた者には王国の半分をやる”と言う。すると、ジークフリートが、
“私が助けましょ
う、私は隠れ蓑(実際は帽子)を持っていて、それをかぶると他人からは見えなくなる
ので、ブリュンヒルデを後ろから押さえてあげます”と言う。そこにブリュンヒルデが
女戦士(ワルキューレ)達を従えて入って来る。グンターはおびえて姿を隠そうとする
が、一族郎党が“王たるもの、威厳を示してください”と強要するので、仕方なく決闘
にのぞむ。広間の中に特設リングが設けられ、ハーゲンがリングアナウンサーとなり、
グンターとブリュンヒルデの「素手による戦い」が始まる(K-1 のような感じ)。最初は
ブリュンヒルデがグンターを圧倒するが、姿を消したジークフリートが、後ろからブリ
ュンヒルデを羽交い締めにして、そこへグンターが一撃を加え、グンター大勝利となる。
グンターの一族、家来が勝利の合唱をして幕が閉じる。
第二幕
城内の大広間
ブリュンヒルデはグンターの妻となり、ジークフリートは、その報酬としてクリームヒ
ルトをもらい、二組の結婚式が挙げられたので、皆は大広前で酔っぱらっている。
ハーゲンはクリームヒルトに、ジークフリートが不死身になった理由を聞き出すように
話をする。
宴は終り、皆は広間から去って行き、最後にクリームヒルトとジークフリートが甘い愛
の二重唱を歌う。彼女は夫に龍の血を浴びて不死身となったと聞くが、どうしてなのか
とか、シイの木の葉が落ちたところは血を浴びなかったと聞くが、それは何処なのだな
どと、いろいろと質問する。ジークフリートはそれらの質問をはぐらかし、妻を連れて
寝室に行く。
一方、グンターとブリュンヒルデは先に寝室に入っているが、ブリュンヒルデはグンタ
ーに格闘ごっこやろうとねだる。グンターは“王と妃がそんなことすべきでない”と、
取り合わない。ブリュンヒルデは、相手にしてくれない夫グンターに頭にきて、夫を寝
室から閉め出してしまう。何とか、もう一度、寝室に戻ったグンターだが、結局、ブリ
ュンヒルデにベランダに閉め出さてしまう。グンターは、なさけない声でジークフリー
トに助けを求める。寝室から出てきたジークフリートは、ベランダに閉め出されたグン
ターを下ろし、なんてみっともないと軽蔑する。ジークフリートは、クリームヒルトが、
不死身の理由を教えて貰えないので怒リ、隠れ帽子を棄ててしまったので、もう助けら
れないと言う。グンターは、それなら真っ暗な大広間で格闘してくれと頼む。
そこで、グンターが寝室のドアをノックし、ブリュンヒルデを誘い出す。深夜の大広間
で、ジークフリートが彼女をおさえつける。ブリュンヒルデは力で圧倒され、おとなし
くなり、ダンターを愛しているとジークフリートを抱きしめる。その時、グンターが物
につまずく。彼女は“いったいここに誰がいるの”と叫ぶ。その声を聞いて、城中から、
一族や家来が集まってきて、大広間が明るくなる。そこで、皆、ブリュンヒルデとジー
クフリートが抱き合っているのを見つけてしまう。
“どうしたことか”と問うブリュンヒ
ルデに、ジークフリートは“悪いのはグンターだ”と言い、グンターは“ジークフリー
トが悪い”と言い張る。遂に二人は決闘しなければ白黒がつかない羽目に陥る。グンタ
ーは嫌がるが、ハーゲンにけしかけられて、深夜の大広間での決闘にのぞむ。最初はジ
ークフリートが圧倒するが、隙を突いてハーゲンが、ジークフリートのウィークポイン
トである背中を叩いてしまう。
ジークフリートは、背中かあらシイの木の葉を取り出し、がっくりと倒れる。皆が、ジ
ークフリートの敗北をたたえる合唱で幕となる。
第三幕
城の中庭
暗転で、三幕へ。翌朝、朝食のためダンクヴァルト、ウーテとハーゲンが庭に用意され
たテーブルに着いているが、他の人が来ないので、少しいらいらしている。ブリュンヒ
ルデ、ハーゲン、クリームヒルトが、三々五々、やって来るが、唯一人ジークフリート
だけが、風呂に入っているので、ここに来ない。
ブリュンヒルデは“ジークフリートがこの城に居るのは絶対に嫌だ”と言い出す。かと
いって彼を追い出せば、ラインの黄金も共に姿を消してしまう。そこでハーゲンが、
“そ
れなら、今や生身となったジークフリートなのだから殺してしまおう”と提案する。ク
リームヒルトは、
“たった一日で未亡人になるのは嫌だが、まだ他にも求婚者がいるから、
皆のためなら仕方がない、いいわ”と薄情なことを言う。では何の武器で殺害するかと、
ひと議論まきおこるが、剣で殺ることになり、皆は輪舞を踊る。
皆が、引き上げた後、ハーゲンは、ここで彼の哲学を披露する〈フッ!フッ!
何もしらん
わしは
Huh,Huh,lch weiß nicht〉。彼の人生哲学は結局金、ラインの黄金の利息な
どを考える。
誰もいなくなった中庭にジークフリートが現れ、私の妻はどうも貞節ではないと歌う。
そこへ、小鳥があらわれて、彼に忠告し、面白い二重唱となる。
小鳥は“これはオペレッタだから、さして真剣に考えなくてもいいよ。でももし安心し
て過ごしたいなら、持っている株を少し売り、財産を少なくしておいた方が安全だよ”
と忠告する。
そこへ、ハーゲンがジークフリートを狙って背後から忍び寄るが、小鳥が危険を知らさ
れ、難を逃れる。ハーゲンは、ジークフリートに全て見披かれたことを悟り、申し訳な
かったと彼に謝る。ジークフリートは気にするなと言って彼と握手する。
それを見てブリュンヒルデは怒る。ハーゲンは彼女に、もしジークフリートを殺せば、
彼が投資している株が急落し、誰の得にもならないと説得する。しかし彼女の怒りはお
さまらない、困ったジークフリートは小鳥を呼び、どうしたものかと相談する。
小鳥は、
“一番良いのはブリュンヒルデとブルグントの一族に財産を分けてやることです。
金さえやれば話はつきます”と教えてやる。ジークフリートは小鳥の忠告通りにするこ
とにする。その後、ジークフリートはブリュンヒルデに求愛し、一緒に寝室へ向かう。
そこで、お互いが愛情を確かめ合っている時、皆が集まってくる。
ジークフリートとブリュンヒルデが、寝室から出てきたところを、皆が迎えて、グンタ
ーが“これからもよろしく頼む”とジークフリートに依頼する。そして、最後はクリー
ムヒルトもジークフリートに抱きつき、全員で合唱をして幕となる。
※オペレッタは状況に応じて、演出やセリフが変わることがあります。あくまでもご参考程度に。