三次市学校版環境ISO規格 (PDF形式30KB)

三次市学校版環境ISO規格
環境ISOの取り組みを始めるにあたって、以下の基準に基づいて校内のシステム
をつくってください。
環境方針
環境への取組に関する方針を決めます。
方針は、児童・生徒や教職員の環境への思いや考えを踏まえるとともに、取組の
特徴などを表したものにします。
また、この環境方針は、掲示板などで周知すると良いでしょう。例えば、
・ 自然とのふれあい体験を通して、自然に対する感性や環境を大切に思う心
を育てる。
・環境を大切に思う心と共に、自分たちにできることを実践していく行動力
を育てる。
・ わたしたちは、学校や家庭等のエネルギー節約・資源のリサイクルに努め
ます。
・わたしたちは、環境問題について学習します。
・ 私たちは、自然や生き物を大切にします。
・ 私たちは、よりよい環境作りを実践します。
・ 私たちは、身近な環境について学習します。
・ 私たちは、物や資源を大切にします。
など、独自に考えてください。
組識と役割
まず、それぞれの学校ごとに、誰が何をするのか役割と責任を決めます。
組織を一覧表にしておくと役割・責任が分かりやすくなります。
・ 環境 ISO 部を環境実践責任者とし、計画などを作成している例
環境管理総括者
校長
環境管理責任者
教頭
環境実践責任者
環境 ISO 部
環境リーダー
教職員
環境実行員
児童
1
・ 児童会、生徒会を環境リーダーとし、地域と連携した例
環境管理総括者
校長
環境管理責任者
教頭など
環境リーダー
児童会・生徒会
環境実行員
児童・生徒、PTA など
・ 各委員会を環境リーダーとし、地域と連携した例
環境管理総括者
校長
環境管理責任者
教頭など
環境リーダー
環境委員会など
環境実行員
児童、教職員、PTA、地域の方々など
教
・教職員と児童・生徒の役割を細かく分けた例
最高管理総括者
環境行動全般の総責任者
環境管理責任者
環境行動全般のとりまとめとチェック
推進責任者
一般職員への環境教育指導
省エネ・省資源などの取り組み
児童・生徒への環境教育、指導
環境推進員
通勤車両の燃料削減
実験用化学薬品等の安全管理 など
環境リーダー
児童・生徒の環境活動におけるリーダー
環境実行リーダー
クラスにおける環境活動リーダー
省エネ・省資源・節水などの取り組み
教室、校舎、校庭の美化
環境実行員
地域での環境活動
環境学習、研究
など
職
員
児童・生徒
環 境 調 査
それぞれの小中学校ごとに、環境に影響を与えていることをすべて洗い出します。
環境に影響を与えるとは…、
①
そのことが環境に悪い影響を与えているもの、あるいは環境によくないと
考えられるもの
例えば、・ 照明器具を使う
・ ごみを出す
・ 理科の実験で廃液を出す
・ 給食を残す
・ 紙・電気・水のむだ使い
など
②そのことが環境に対してよい影響を与えるもの、あるいは間接的によい影響を
与えることが予想できるもの
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例えば、・ グリーン購入を推進する
・
地域での美化活動を行う
・
環境学習を実施する
・
地域清掃活動をする
・
自然体験学習をする
など
環境調査の方法は特に指定しませんが、重要なポイントは、洗い出すときに漏れ
がないことです。(調査した結果は記録として残しておけば、目標を決める際の重
要な資料になります。)
また全校的な取り組みであることから、調査は子どもたちで「環境調査委員会」
などを組織し、職員と一緒に行うことが環境教育にもつながります。
中学校では、さらに環境影響の項目の内容や度合いなどに踏み込んで調査しても
構いません。例えば、『職員の自動車での通勤』が、「エネルギー(ガソリン)の
消費」「大気汚染」などの影響を生み、その度合いを「大」「中」「小」で表した
り、点数化したりするのもいいでしょう。
要は、日常学校生活の中で行動していることが、環境に何らかの影響を与えてい
るということを子どもたちのみならず、先生たちも知るということが環境調査の目
的です。
学校ごとに環境調査をどのようにやるかを考えることから学校版環境ISOは始
まります。
実 行 計 画
環境調査で洗い出した項目で、
・環境に悪い影響を与えるものについては、改善して環境負荷を減らす。
・環境によい影響を与えるものについては、さらに積極的に進める。
ための目標をつくります。
例えば、・ 電気使用量を昨年度から○%削減する
・ 学校からのごみの排出量を○%削減する
・ 水道使用量を○%削減する
・ 学校で購入する文房具類はすべてエコマークのついたもの
にする
・ 毎月1回、地域内で空き缶・ごみ拾いをする
・ 職員室の冷房設定温度を28℃にする
・ 総合的な学習の時間に、各学年で環境学習を行う
・ 自然体験学習を行う
・ 花いっぱい学校活動を行う
・ 地域と連携して清掃活動を行う
3
など
など、学校ごとに目標をつくります。
目標値は、何も制約はありません。この取り組みを継続していくことを念頭に、あ
まり無理な目標値は設定しないほうがいいでしょう。
目標値も必ず向上しなければならないことはありません。電気や水道、ガスなどの
使用量は2∼3年の取り組みで、これ以上削減できないレベルに達します。
その場合、「昨年度実績以上にならないようにする」という目標でも構いませんし、
場合によっては電気設備を新たに設置したため、昨年よりも必ず増加するケースもあ
ります。その場合、新たな設備の電気使用量を把握した上で、「○○%の増加にとど
める」という目標でもよいわけです。
目標数は規定しませんが、目標の中に1つは環境学習(体験)を入れてください。
また、宣言した目標については、児童・生徒及び職員全員が分るような場所に掲示
してください。
キックオフ宣言
職員、生徒・児童が一丸となって環境にやさしい学校づくりをする宣言「キックオ
フ宣言」を全校職員、児童・生徒を集めて最高責任者が行います。キックオフ宣言の
内容は、ポスターにするなど児童・生徒及び職員全員が分るように掲示します。
行
動
目標を設定したら、それを達成するために「誰が」「何を」「いつまでに」
「どのように」すればいいのかを「手順書」や「行動計画書」としてまとめます。
例えば「電気使用量を昨年度実績から2%削減する」という目標の場合…、
1.各教室の電灯は、朝○○時にならないと点けない。
2.昼休みや体育の時間は必ず消灯する。(誰が消すか決める)
3.上記の消灯を担任が毎日チェックする。
4.グラウンドのナイター照明の使用手順書を別途定める。
5.職員室の冷房運転開始温度を○○℃とし、設定温度を○○℃にする。
6.OA機器のスイッチをこまめに消す。
7.天気のいい日は窓際の電灯を消す。
8.毎月の電気使用量をグラフにして、掲示板に貼り出す。
などのように、目標を達成するために実行することをすべて手順として定めます。
この場合、教職員と児童・生徒の役割分担を明確にする必要があります。
また、その手順どおりに学校全体で行動しなければならないので、全員への周知を
どのように行うかも決めます。
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(例)
役割分担
児童
目標:電気のむだをなくします。
○ 教室にいない時や休み時間は電気を消します。
○ 必要のない時はコンセントを抜きます。
○ 天気のよい日は窓側の電気を消します。
・ 日直、係が責任をもって消灯する。
※ 帰りの会で「できたかなカード」でチェックする。
環境委員
教職員
環境教育担当
事務職員
※ 消灯を呼びかけるカードをスイッチのところに貼る。
※ 放課後に各教室を巡回し、消し忘れなどをチェックする。
○ 天気のよい日は窓側の電気を消します。
・ 各担当が確認する。
○ 天気のよい日は階段、廊下の電気を消します。
・ 全職員が気をつけて消す。
○ 印刷機の使用後はスイッチを消します。
・ 使用者が責任をもって消す。
・ 昼休みに当番が消す。
○ 必要のない電気機器のコンセントをこまめに抜きます。
・ 全職員が心がけ実行する。
※日直当番が職員用「できたかなカード」でチェックする。
※ 毎月の電気使用量をグラフに表し、児童に知らせる。
※ 毎月の使用量を調べ、環境教育担当に報告する。
監視・記録
「手順書」や「行動計画書」ができたら、全員がそのとおりに行動しているか、
あるいは目標がどのくらい達成しているかなどを監視、測定します。
行動状況の監視は、クラスや個人ごとに、チェックシートをつけてもいいでしょう。
目標がどのくらい達成しているのか、あるいは進捗状況などは、測定する頻度や測
定の仕方、誰がするのかなどを決め、定期的に測定します。
監視や測定した結果は、必ず記録して、わかるところに掲示又は保存しておきまし
ょう。
例えば「電気使用量の削減」を目標にした場合…、
1. 各クラスの掲示板に「電灯チェックシート」を貼り、クラスの環境
実行リーダーがチェックする。
2. パソコン教室では、パソコン授業の担任教師は授業が終わった時、
電源のOFF状況を確認し、チェックシートに記入する。
3. 職員室の昼休み、放課後などに、不必要な照明やOA機器の電源を
切っているか、推進責任者がチェックし、記録表に記録する。
4. 事務職員は毎月、電気使用量を電力会社からの伝票に基づきチェ
ックし、グラフにして掲示板に貼り出す。
5
など
見
直
し
監視・測定の記録を見て、行動が守られていない、あるいはこのままでは目標を
達成できないことが予想される場合、何らかの見直しをかけて軌道修正します。
また、年度末には目標の最終結果をまとめ、達成した目標をさらに向上させる、
あるいは継続しても構いませんし、また新たな目標を設定して環境保全に取り組ん
でも構いません。
要は、毎年目標を見直し、継続的に改善を行っていけばよいのです。
そ
の
他
「三次市学校版環境ISO規格」は、学校において環境を管理するための必要最少
限のきまりを定めたものです。
この規格に基づき学校ごとにシステムをつくるのですが、環境調査の仕方やチェッ
ク表の様式などに決りはありません。
各学校ごとに知恵と工夫で、使いやすいシステムやユニークな取り組みを期待します。
学校から地域事業所等への環境ISO取得の啓発をするという意味からも、保護者
や地域へ学校版環境ISOの取り組みをアピールするように心がけてください。
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学校版環境 ISO
−
環境にいい学校づくり宣言項目(例)
職員の行動
【省資源・リサイクル】
1 紙の消費を抑え、再生紙を利用します。
2 消耗品・備品の購入を抑えます。
3 空き缶・空き瓶等をリサイクルします。
4 給食の残飯を堆肥等に利用します。
5 グリーン購入を導入します。(リサイクル素
材)
6 洗車時の水の使用料を節約します。
7 給湯室での水を節約します。
8 トイレでの水を節約します。
9 清掃時の水を節約します。
10 プール・グラウンド等での水を節約します。
【省エネルギー】
11 OA 機器のスイッチをこまめに切ります。
12 照明のスイッチをこまめに切ります。
13 空調機器のスイッチをこまめに切ります。
14 清掃時の電気の使用を節約します。
15 冷暖房機器の使用を節約します。
16 移動時の車の利用を減らします。
17 通勤時の自動車利用を減らします。
18 給湯室でのお湯を節約します。
19 暖房機器(ストーブ)の使用を節約します。
【化学物質】
20 給湯室での洗剤の使用を減らします。
21 清掃時の洗剤の使用を減らします。
22 殺虫剤・除草剤等の使用を減らします。
23 実験における薬品の使用を減らします。
【汚染関係】
24 排出ごみを減らします。
25 給食室からの排出ごみを減らします。
26 実験廃液を管理します。
27 清掃時の排水を減らします。
児童・生徒の行動
【省資源・リサイクル】
1 紙の消費を抑え、再生紙を利用します。
2 空き缶・空き瓶等をリサイクルします。
3 トイレでの水を節約します。
4 手洗い・歯磨きの水を節約します。
5 清掃時の水を節約します。
【省エネルギー】
6 照明のスイッチをこまめに切ります。
7 清掃時のお湯の使用を節約します。
8 暖房機器(ストーブ)の使用を節約します。
【化学物質】
10 清掃時の洗剤の使用を減らします。
【汚染関係】
11 排出ごみを減らします。
12 清掃時の排水を減らします。
【悪臭騒音】
28 給食の残飯を管理します。
29 実験の臭気に配慮します。
30 校内放送の使用を配慮します。
31 授業の騒音に配慮します。
【環境保全】
32 校舎・校庭の美化作業に努めます。
33 環境に関する催しや活動に参加します。
34 環境について、学習します。
35 自然(海・山・川)に親しみ、学び、知りま
す。
【その他】
学校の環境への取り組みを家庭に伝えます。
【悪臭騒音】
13 給食の残飯をきちんとかたづけます。
14 校内放送の使用を配慮します。
【環境保全】
15 校舎・校庭の美化作業に努めます。
16 環境に関する催しや活動に参加します。
17 環境について、学習します。
18 自然(海・山・川)に親しみ、学び、知りま
す。
【その他】
学校の環境への取り組みを家庭でも実践します。
* その他学校独自に宣言項目を検討していただきます。
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