PoC (Push to talk over cellular) 調査報告書

PoC
(Push to talk over cellular)
調査報告書
第1.0版
2004/06/24
(株)フジシステムズ 時弘
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以下は当文書を利用するにあたっての注意事項です。以下について了承されない方は、速やかに当文書を
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変更履歴
年月日
版数
区分
2004/06/10
0.1
A
新規作成
2004/06/24
1.0
U
正式版に版番号を更新
区分:A=追加/U=更新/D=削除
項番
変
更
内
容
備
考
目次
1.
はじめに ....................................................................................................................................................... 1
2.
参考文献 ....................................................................................................................................................... 2
3.
POC(PUSH TO TALK OVER CELLULAR)について.............................................................................. 3
4.
構造概要 ....................................................................................................................................................... 6
5.
各機能エンティティの概要 ......................................................................................................................... 11
5.1
POC FUNCTIONAL ENTITIES (POC 機能実体) ....................................................................................... 11
5.1.1
PoC Client.................................................................................................................................... 11
5.1.2
PoC Server................................................................................................................................... 11
5.1.3
GLMS(グループ及びリスト管理サーバ) ................................................................................... 15
5.2
EXTERNAL ENTITIES PROVIDING SERVICES TO POC SYSTEM ................................................................ 16
5.2.1
SIP/IP Core.................................................................................................................................. 16
5.2.2
Charging Entity........................................................................................................................... 16
5.3
PRESENCE SERVER............................................................................................................................... 16
6.
総括 ............................................................................................................................................................ 17
Page 1
1. はじめに
本書は、PoC(Push to talk over cellular) の概要について調査した内容をまとめたものである。
今後、一般的な知識として、また業務で PoC を担当するようなことがあった場合に、「まず、 PoC とは何
か?」といった点から知識を習得するために活用していただくことを想定している。
Page 2
2. 参考文献
本書は、Web 上での各関連記事以外に以下の資料を参考にしている。
[1] Push to talk over Cellular (PoC) –Architecture Draft Version 1.0 –07 April 2004
[2] Network Working Group Request for Comments: 3261
Page 3
3. PoC(Push to talk over Cellular)について
PoC によってユーザは、下図のように 1 対 1 の音声及びデータ通信又はグループチャットができるようになる。
Member A
Member E
Wireless Network
Member B
Member D
Member C
図 1:PoC のグループ・セッションの例
Pust-to-Talk over Celluar (PoC)は、1対1またはグループ間での迅速なコミュニケーション手段で、携帯端末を
トランシーバーのように利用することができる。会話を開始するためには、ダイヤルを回す代わりに、ボタンを
一押しするだけで簡単に「仲間リスト」にアクセスしたり、連絡したい相手を選んだりすることができる。ボタ
ンをもう一押しするだけで、発信者の声は受信者に届けられる。
さらにグループ・コールを作成すると、仲間リストの全員が、まさに電話会議のように発信者からのメッセー
ジを同時に聞くことができる。個々の受信者にSMSを送ったり、電話をかけたりする代わりに、キーを一押し
するだけで、メッセージは仲間リストに登録されている友人や職場の同僚全体などに直接送信される。
通信事業者にとって、PoC は音声サービスの全く新しい領域を切り開き、電話サービスを大幅に強化する。自
分の電話に PoC 機能を持つエンドユーザは、端末をより頻繁に使用するようになることが過去の経験から実証さ
れており、その結果、通信事業者に対して新しい収益源を提供する。その上、PoC サービスは、即座のコミュニ
ケーションを望むエンドユーザから、中間連絡などを頻繁に必要とするさまざまな規模の企業まで、多様な市場
に適合する。
すでに米国の Nextel 社の成功が有名であるが、欧州をはじめアジアなどでも普及していく可能性がある。
Page 4
■関連記事 ■ http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0402/27/news013.html
『欧州でもプッシュ・ツー・トークがブームの兆し』(ITmedia Mobile 2004/02/27)
携帯のトランシーバ機能「プッシュ・ツー・トーク」に Nokia が乗り出したのに続き、Siemens、Sony Ericsson な
ども追随。各社が対応端末を発表している。その狙いと、普及への課題は?
今年の「3GSM World Congress 2004」の展示会場は、3G 本格化の期待から展示面積は 2 万 7000 平方メートルと前年比 18%
増、過去最大となった。その中で 3G ほどではないが、現実的な関心を集めていたのがプッシュ・ツー・トークだ。
米国での米 Nextel の成功が有名だが、欧州でも昨年 Nokia が乗り出したことから、欧州系端末メーカーがこの動きに従ってい
る。会場で、各社のプッシュ・ツー・トーク端末を探してみた。
現在、欧州市場で唯一、プッシュ・ツー・トークサービスを開始すると明言しているのは英仏で強いシェアを持つオペレータ
ー、仏 Orange。同社のブースでは、米 PalmOne の Handspring スマートフォン、「Treo 600」を展示していた。
プッシュ・ツー・トークでは、IM のように話す相手をグループ化でき、相手の状態を見ることができる。操作は、同社のプッ
シュ・ツー・トークのサービス名称“Talk Now”をメニュー画面から選び、通話状態にある相手を選択して、通話ボタンを押す
だけ。プッシュ・ツー・トークは IP を利用したウォーキー・トーキーのようなもので、通話は一方通行となる。通話ボタンを離
すと、今度は相手が通話ボタンを押して話す。Orange では、ビジネスユーザーを想定して「Treo 600」を最初のサービス端末に
選んでいるが、現在 Nokia や Sony Ericsson などの端末をテスト中という。同社の“Talk Now”は英国で 3 月、仏で 5 月に開始
予定だ。
すでに米国で CDMA 向けに 3 機種のプッシュ・ツー・トーク製品を提供している米 Motorola は「Motorola v400」を展示してい
た。どちらかというとハイエンドよりの折りたたみ式で、「米国市場の経験をいかした作り」(Motorola の担当者)と自信だ。
側面のボタンを押すだけで表示される“バディーリスト”のほか、通話がスピーカーから聞こえないようにするボタンも用意し
た。将来的には、プッシュ・ツー・トークから電話にスムーズに移行できるような工夫を考えているという。v400 は今年第 2 四
半期発売予定で、今年中にあと 2 機種投入する。スマートフォンでのサポートも計画している。
Siemens は、会期中に発表した新製品「Siemens CX1」に装備する。同端末はビデオ録画可能なカメラなどエンターテイメント
機能を充実させたローエンド向けの端末で、今年第 2 四半期に発売する。Simens はターゲットを若者と明確に絞っており、出会
い系アプリケーション“Picture Chat”をデモしていた。匿名で参加できる不特定多数のグループ内で、MMS で写真をやりとり
した後プッシュ・ツー・トークに移行、音声でのコミュニケーションを楽しむことができる。同社 Mobile 部門社長のルディ・ラ
ンプレヒト氏は、差別化として「完全に標準に準拠する」とコミットを示している。
英 Sony Ericsson は、昨年 10 月に発表した Symbian ベースのスマートフォン、「P900」でデモ。同社は会期中、米 Sonim
Technologies と提携し、Sonim のソフトウェアを利用してプッシュ・ツー・トーク機能を提供すると発表している。詳細な戦略
は、3 月の CeBIT で明らかにする。
このほか、会場には展示がなかったが韓 Samsung も欧州で今年第 3 四半期に発表する予定だ。同社は米国ですでにプッシュ・
ツー・トーク端末を提供しており、欧州市場では、スマートフォンと折りたたみ式ローエンド端末の 2 つのラインナップを想定
しているという。Symbian OS を搭載した「x700」を発表したばかりの Panasnic は、x700 では漏れたが、時期製品ではサポート
候補に挙がっているという。
欧州、プッシュ・ツー・トークの課題
このように、今年欧州市場でも各社がプッシュ・ツー・トークを推進していくようだが、課題はいくつかある。まず SMS との
差別化だ。米国とは異なり、欧州ではすでにテキストをやりとりする SMS が広く普及しており、SMS の音声版ともいえるプッシ
ュ・ツー・トークが入り込む余地はあるのかという声が出ている。
各メーカーのプッシュ・ツー・トーク端末のタイプの違いから分かるように、各社が想定しているターゲット層は異なるよう
だ。共通して聞かれたのは、工事現場などフィールドワーカー。全端末で実装する予定の Nokia 以外は、若年層をターゲット層
と見るかで見解が分かれている。すでに米国で経験のある Motorola の担当者は、欧州では、SMS が普及している若者層よりオフ
ィスワーカーや家庭にニーズがあるだろうと述べていた。
−次ページへ続く−
Page 5
次に、相互運用性だ。現行のままだと、例えば Siemens ユーザーは Nokia ユーザーとはプッシュ・ツー・トークができても、
Motorola ユーザーとはできないといったことが想定される。また、Samsung が Nokia のソリューションを採用すると発表したほ
か、Motorola も非欧州系メーカーと提携の話が進んでいると明かすなど早くも“派閥”が生まれつつある。
SMS の成功が相互運用性にあることから、プッシュ・ツー・トークでも相互運用性は成功を左右する大きな要因となる。標準
化の動きとしては、Ericsson、Motorola、Nokia、Siemens が中心となって PoC(Push to talk over Cellular)という仕様を策
定し、昨年 8 月に標準化団体 OMA(Open Mobile Alliance)に提出している。ただ、現時点では仕様は完了しておらず、今年サ
ーバと端末間での相互運用性をテストする。サーバやネットワークをまたいだ完全な相互運用性が実現するまでには、あと 2 年
ほどかかりそうだ。
プッシュ・ツー・トークに熱心なのはオペレーター側も同じだ。複数の端末メーカーが、欧州以外にも幅広いオペレーターか
ら話を持ちかけられていると明かしている。実装が簡単でコストも安いことから、音声からさらなる収益を得たいオペレーター
は、次なるキラーアプリケーションの最有力候補として見ているようだ。実際、帯域と料金の観点から見ると、帯域使用率の低
いプッシュ・ツー・トークは収益性が高いアプリケーションといえる。
欧州市場で、現時点で導入計画を発表しているのは Orange のみ。公には発表していないが、英 Vodafone など主要オペレータ
ーが意向を示しており、今年中には出揃いそうだ。Orange によると、課金体制はまだ決定していないが、通話毎の課金ではなく
月額制の可能性が高いという。
■関連記事 ■ http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0403/18/news023.html
『圏外でも使える 「Push –to –Talk」技術』(ITmedia Mobile 2004/03/18)
米 Nextel Communications は、人気の「Push-to-Talk」と呼ばれる携帯電話を使ったトランシーバ技術を圏外でも使えるよう
にする考えだ。
Nextel にのティム・ドナヒューCEOは3月17日、投資家向けのカンファレンスで、この新サービスを「オフネットワーク
の Push-to-Talk」と説明した。ただし同社が全米で提供している DirectConnect サービスよりも通信範囲はずっと狭いと話し
ている。
Nextel に機器を供給している Motorola が、新サービス向けの技術を開発した。新サービスでは、携帯電話内に組み込む追加
の無線チップを利用する。
Push-to-Talk では、ワンタッチでほかのユーザーの携帯電話に連絡を取れる。トランシーバのように1秒以内に連絡可能。ダ
イヤルやネットワークへの接続が不要なため、通常電話よりもスピーディで安価だ。
また Nextel は間もなく、ワイヤレスメールサービス「NextMail」を立ち上げる意向。このサービスでは音声を添付でき、PC
を使う相手にそれを聞かせることができる。
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4. 構造概要
PoC で使われるアクセスネットワークは、IP接続性が要求される他の結節点と同様の無線アクセスと、IP移
動性が含む。
PoC では 3GPP([3GPP TS 23.228])及び 3GPP2([3GPP2 X.P0013.2])に規定される IMS(IP multimedia subsystem)
能力をベースとした SIP(Session Initiation Protocol )/IP コアを利用する。
GLMS Management/Administration
Ie
Ipl
Igs
Ik
Ips
Presence
Server
If
Itn
In
It: Floor Control and media
Itn: Floor Control and media
Is: PoC Client to Proxies Session Signaling
If: Proxy to PoC Server Session Signaling
In: Proxy to Proxy Session Signaling
Im: Group Mgmt to PoC Client
Ik:Group Mgmt to PoC Server
Remote PoC Network
It
GLMS
PoC Server
Is
SIP / IP Core (based on IMS/MMD capabilities)
PoC
client
ACCESS NETWORK
Im
Bold box identifies PoC functional entities
Remote PoC Network contains the same network elements and reference points as
the home PoC network
図 2:PoC の構造
※ 太字の四角は、PoC 機能実態を表す
※“
Remote PoC Network”は、同じネットワーク構成とホームネットワークとの参照点を持つ。
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■関連記事 ■ http://www.nec.co.jp/press/ja/0403/0802.html
『IPとSIP技術をベースとしたIMSソリューションの実用化について』
(NEC プレスリリース 2004/03/08)
NEC は、移動体通信のトータルソリューションプロバイダーとして、他社に先駆けて 3GPP(3rd Generation Partnership
Project)標準に適合した IMS(IP Multimedia Subsystem)ソリューション製品を実用化しました。現在、移動体通信事業者とのト
ライアルを行っており、早ければ 2004 年後半にも実現する商用サービスの開始に向けて、商用システムを出荷する予定です。
IMS は 3GPP において標準化されている技術で、IP および SIP(Session Initiation Protocol)技術をベースに携帯電話のパケッ
ト網上で新しいマルチメディアサービスを実現させるものです。IMS は、共通の SIP セッション上で多くのサービスを実現可能
にし、将来的には、音声通話とデータサービスを統合させるソリューションとして注目されています。NEC の IMS ソリューショ
ン(図 1)は、次世代モバイルマルチメディアサービスプラットフォーム、および将来のユビキタス社会実現のコアソリューショ
ンとして位置づけています。
NEC は、サービスソリューション事業やネットワークインフラ事業において培ってきた実績と技術を融合させることで、次のよ
うな優位点と差別化ポイントを持つ IMS ソリューションを提供します。
(1) 3GPP 標準に準拠した機能
(2) 豊富なアプリケーションサービス、およびサービス連携
(3) 既存端末ユーザへのサービス展開
(4) 異なるサービス網とのシームレスなインタワーク機能
(5) 汎用 UNIX サーバと NEC 独自のミドルウェア、アプリケーションの連携により、安価で信頼性の高いプラットフ
ォームを実現
(6) IPv4、IPv6 どちらのアドレス体系でもサービス展開可能
NEC の IMS ソリューションは、移動体通信事業者間の競争がますます激しくなる中で、新サービス提供による収益の引き上げ
と、ユーザのキャリア間乗換の低下を期待できるサービスラインアップを取り揃えていきます。たとえば、POC(Push-to-Talk
over Cellular)サービスは、複数ユーザでの音声チャットを可能とし、無線リソースの影響を最小限に抑えつつ ARPU(Average
Revenue Per User:加入者あたりの月額利用金額)を引き上げることが可能なサービスです。POC は、同時に複数人との通話が可
能なサービスで、従来の 1 対 1 型の音声通信サービスとは異なる、新しいスタイルのモバイルコミュニケーションをユーザに提
供します。 また、プレゼンスサービスは、ユーザ同士が互いのステータス(暇、会議中等)を移動体通信事業者のネットワーク上
で共有するという新たなコミュニケーションツールであり、ユーザと移動体通信事業者の結びつきを強め、ユーザのキャリア間
乗換の低下が期待できるサービスです。NEC は、その他にもインスタントメッセージ、グループチャットなど多彩な IMS サービ
スを取り揃えており、移動体通信事業者様の新サービス展開を牽引します。
さらに、NEC 独自の SIP ゲートウェイにより、SIP をサポートしていない端末 でも IMS サービスを受けられるソリューション(図
2、図 3)を実現しました。これにより、非 SIP 端末ユーザを多数抱える移動体通信事業者様も IMS サービスを広く展開させるこ
とができると同時に、SIP 端末が増加していく過程でスムーズなサービスマイグレーションを可能にします。
なお、NEC では、モバイルインターネット関連のサービス開発にも注力しており、移動体通信事業者様に対して総合的なモバイ
ルサービスソリューションを提供していきます。
これからも NEC は、ベストソリューションパートナーとして、新スタイルモバイルサービスソリューションおよび最適なネット
ワーク環境を提供することで、ユーザの新たなコミュニケーションの創造と移動体通信事業者様の事業拡大に貢献していきま
す。
−次ページへ続く−
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図1
図2
図3
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■関連記事 ■ http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NCC/NEWS/20040308/141070/
『NEC,携帯のパケット網上で SIP ベースの通信を実現するシステムを実用化』
(日経コミュニケーション ニュース 2004/03/08)
NEC は 3 月 8 日,3G 携帯電話のパケット通信網上で,SIP ベースの通信を実現するシステムを実用化したと発表した。現在,複
数の携帯電話事業者と実験を行っており,早ければ 2004 年後半にも,国内外の携帯電話事業者向けに商用システムを出荷する。
今回 NEC が発表したシステムは,3G 携帯電話の標準化団体「3GPP」が規定した,双方向通信サービスの技術仕様「IP
Multimedia Subsystem(IMS)」に準拠。IMS は「SIP(Session Initiation Protocol)」を使って,相手の携帯電話と接続す
る。SIP は,IP ネットワーク上で 2 つ以上のノード間にセッションを設定するプロトコル。VoIP(Voice Over IP)や IM
(Instant Message)などに利用される。
NEC ではいくつかのアプリケーションも用意した。その中の一つ,「POC(Push-to-Talk over Cellular)」は,携帯電話をタク
シー無線やトランシーバのように利用できる音声チャット・サービス。ボタンを押しながら話すことで,あらかじめ登録した利
用者全員に音声が届き,ボタンを放せば,ほかの人の発言が聞こえる仕組み。
また,SIP に対応していない端末でも今回のシステムを利用できるように,ゲートウエイも用意した。SIP を利用できるネット
ワークと HTTP を利用した携帯電話端末のネットワーク間に設置する。非 SIP 端末では JAVA アプリケーションを利用して接続す
る。
■関連記事 ■ http://www.nokia.co.jp/company/release_031028_3.html
『ノキア、携帯電話ネットワークを利用した Push-to-Talk 製品を発表』
(Nokia Japan Press Releases 2003/10/28)
フランスのニースで開催されている例年のカスタマーイベントである Nokia Mobile Internet Conference において、ノキアは、
GSM/GPRS 通信事業者が Push-to-Talk を提供できるようにする 2 つの新製品を発表しました。Push-to-Talk とは、世界中の多数
のユーザーグループで人気のある「トランシーバー」タイプの新しい音声サービスです。ノキアの PoC(Push-to-talk over
Cellular)ソリューションにより、通信事業者は既存の GSM/GPRS ネットワークを利用して、この魅力的な方式の簡易音声サービ
スを世界で最も広く使用されている携帯電話システムである GSM 上で提供することができます。
Nokia Push to Talk Call プロセッサが PoC トラフィックを処理し、Nokia Push to Talk レジスターが PoC 加入者データを処理
します。2 つの PoC 製品は、既存のマルチベンダーGPRS ネットワークに接続することができます。商用出荷は、2004 年第 1 四半
期に開始される予定です。
ノキアの PoC ソリューションの一部として、Nokia Push to Talk レジスターと Nokia Push to Talk Call プロセッサは、数ある
中でも 1 対 1 およびグループ Push-to-Talk のようなユーザー機能、複数グループの同時監視機能(スキャンニング)、ユーザー
によるダイナミックなグループ作成、企業ユーザー向けのフリート管理機能などのユーザー機能をサポートします。
製品は 2003 年 6 月から通信事業者で試験が実施され、ヨーロッパ、アジア、北米、ラテンアメリカの GSM ネットワークで 20 以
上の試験が現在も進行中です。ノキアの PoC はアクセスに依存せず、ほかの無線アクセス技術上での運用が期待されます。これ
らの製品は完全にスケーラブルで、1 つのネットワークで数千万のユーザーをサポートすることができます。
ノキアの PoC ソリューションは、SIP(Session Initiation Protocol)を使用して、PoC 通信に使用する IP セッションを確立し
ます。Push to Talk 機能を装備した SIP 対応携帯電話は、2004 年第 1 四半期にノキアから提供される予定です。Nokia PoC Call
プロセッサおよびレジスターは、ノキアの IP マルチメディア・コア・ソリューションの一部です。
ノキア・ネットワークスの副社長兼ジェネラルマネージャーであるペトリ・ポイホネン(Petri Poyhonen)は、「当社では、
Push-to-Talk をさまざまな市場できわめて重要なサービスとして認識しており、この利益の多いビジネスに入っていく手段を
GPRS 通信事業者に提供しようと取り組んでいます」と述べています。「ノキアの PoC ソリューションにより、通信事業者は既存
の GSM/GPRS ネットワークをコスト効率の高い方法で利用することで、Push-to-Talk 市場に参入することができます。PoC
(Push-to-talk over Cellular)はノキアの IP マルチメディアにおける中心的な主要サービスで、完全な IP マルチメディアサ
ービスへの道を歩む通信事業者に当座の収入を得るチャンスを提供します。」
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■関連記事 ■ http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/ex01/309834
『米 Motorola、ネットワーク間で Push-To-Talk 機能を利用できる技術』
(nikkeibp.jp ニュース 2004/05/27)
米 Motorola は米国時間 5 月 25 日、トランシーバのようにボタンを押すとすぐに会話ができる携帯電話の Push-To-Talk 機能を、
異なるネットワーク間で利用できるようにする技術「Cross-Technology PoC(Push-To-Talk over Cellular)」を発表した。
GPRS、CDMA2000 1X、Wi-Fi(IEEE 802.11)ネットワークに対応する。
Motorola 社によると、同技術はモバイル通信の業界団体 Open Mobile Alliance(OMA)に提出した標準仕様案に準拠しており、
標準ベースの PoC クライアントであれば修正は不要だという。
Motorola 社副社長兼 Global Telecom Solutions 部門担当ジェネラル・マネージャの Murali Aravamudan 氏は、「当社のソフ
ト・スイッチと IP ネットワークに関するノウハウを活用して、既存の標準に基く技術を開発した。当社の双方向通信サービス仕
様『Motorola IP Multimedia Subsystem(IMS)』を利用しているため、『Push-To-Video』など、将来、提供する機能にも対応
させることができる」と説明する。
Motorola 社は Cross-Technology PoC によって、消費者の Push-To-Talk 機能に対する関心の高まりに応えることができるとみ
る。事業者は、自社の異なるネットワークにアクセスしているユーザー同士に Push-To-Talk 機能を提供できるようになるほか、
他社と提携して Push-To-Talk 機能に対応したローミング・エリアを拡大できる。また Wi-Fi ネットワークを持つ企業も、PushTo-Talk 機能を導入できるようになる。
同技術は将来、EDGE(Enhanced Data Rate for Global Evolution)、HSDPA(High Speed Packet Downlink Access)、WCDMA/UMTS(Wideband CDMA/Universal Mobile Telecommunications System)、WiMAX(IEEE802.16)技術にも対応する予定であ
る。
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5. 各機能エンティティの概要
5.1
PoC Functional Entities (PoC 機能実体)
5.1.1
PoC Client
PoC クライアントは、携帯電話ターミナルにあって、PoC サービスにアクセスするのに用いられる。
PoC クライアントが行うこと: (SHALL)
● PoC セッション開始、参加(例えば、話す、聞く)と終了。
● PoC アプリケーション・サービス・インフラで、ユーザー登録を実行する。
● PoC アプリケーション・サービス・インフラで、認証に参加する。
● PoC アプリケーション・サービス・インフラ(例えばグループ・リスト)で、それぞれの PoC グループ・
リストへのアクセスを提供する。
● PoC 機能を実行すると瞬時に会話を発生させる。そして、PoC 機能が実行されていないときには、受けた
会話を再生する。
● 発言制御方法(例えば、要求を作って、指令に反応する)をサポートする。
● PoC アプリケーション・サービス・インフラ(例えば無線起動)でダウンロードされる PoC 構成データを
取り入れる。
PoC クライアントが行うこと: (MAY)
● 瞬時の個人の警報の取扱いをサポートする。
● PoC グループ・リストを管理するために、PoC 加入者との接触を提供する。
● PoC 加入者の現在の条件に関して、PoC サービスにアクセスを提供する。
5.1.2
PoC Server
PoC サーバーは、PoC サービスのためにアプリケーション・レベル・ネットワーク機能を実現する。
PoC サーバーは、PoC 制御(Controlling)機能または PoC 参加(Participating)機能を実行する。(MAY)
PoC 参加(Participating)機能と PoC 制御(Controlling)機能は、PoC サーバーの独特の役割である、そして、図 3 は一
つのネットワーク内で 1 対 1 の PoC セッションの機能配置を示す。
PoC サーバーは、同時に、PoC 制御(Controlling)機能と PoC 参加(Participating)機能を実行する。(MAY)
Page 12
Controlling
POC
Function
1:1
1:1
Participating
POC
Function A
Participating
POC
Function B
POC
Client A
1:1
1:1
POC
Client B
図 3:PoC 制御機能、PoC 参加機能、及び、PoC クライアントの関係
PoC サーバーの役割(PoC の制御機能、PoC 参加機能)は、PoC セッション・セットアップの間に起こり、そし
て、全ての PoC セッションが持続している間続く。
1 対 1 の PoC セッションと特別な PoC グループ・セッションの場合には、招待したユーザーの PoC サーバーが
PoC 制御(Controlling)機能を果たす。
チャット PoC グループと前もって合意したグループ・セッションの場合には、グループの独自性を所持/主催す
ることは、PoC サーバーが制御する。
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Network A
Controlling
Participating
POC
1:1
Function
POC
POC
1:1
Client A
Function A
POC
Participating
1:1
POC
1:1
Client B
Function B
Network B
図 4:PoC 制御機能、PoC 参加機能、及び、1 対 1 の PoC セッションの関係
PoC セッションには、PoC 制御(Controlling)機能を実行する PoC サーバーが1台だけ存在する。その PoC セッシ
ョンには、1つもしくはそれ以上の PoC 参加(Praticipating)機能を実行する PoC サーバが存在する。
図 4 は、複数のネットワーク環境間での 1 対 1 の PoC セッションの機能配置を示す。
Page 14
PoC 制御(Controlling)機能を実行している PoC サーバーは SIP セッションを N 数持つ、そして、媒体と発言の制
御は 1 つの PoC セッションで行う。そこで、N は PoC セッションの多くの参加者である。
PoC 制御(Controlling)機能を実行している PoC サーバーは、PoC セッション・シグナリングのために PoC クライ
アントに直接の通信を持たない。
PoC 制御(Controlling)機能を実行している PoC サーバーは、PoC 参加(Paticipating)機能を実行している PoC サーバ
ーのローカルな方針に基づき、PoC クライアントと直接の通信を持つこともありえる。
PoC 参加(Participating)機能を実行している PoC サーバーは、常に PoC クライアントと直接通信し、かつ、PoC 制
御(Controlling)機能を実行している PoC サーバーとも直接通信する。
図 5 は、PoC グループ・セッションの複数のネットワーク環境で、PoC 制御(Controlling)機能、PoC 参加
(Participating)機能、及び、PoC クライアントの関係を表す。
Network X
Controlling
POC
Function
Network A
Participating
POC
Function A
1:N
1:1
POC
Client A
Network B
1:M
Participating
POC
Function B
POC
Client B
1:1
図 5:PoC グループ・セッションの間 PoC 制御機能、PoC 参加機能、及び、PoC クライアントの関係
PoC 制御(Controlling)機能は、招待したユーザーのホームネットワークまたは招待されたユーザーのうちの 1 人の
ホームネットワークで PoC サーバーに割り当てられることができる。
5.1.2.1
Controlling PoC Function (PoC 制御機能)
PoC 制御機能は以下のことを行う:
● 集中化した PoC セッション処理を提供する
● 集中化した媒体配置を提供する
Page 15
● 話し手識別を含む集中化した発言の統制機能を提供する
● SIP セッション処理(例えば SIP セッション開始、終了、その他)を提供する
● 方針施行をグループ・セッションへの参加に提供する
● 参加者情報を提供する
● 集中化した良質な情報を集めて、提供する
● 集中化した料金を請求しているレポートを提供する
5.1.2.2
Participating PoC Function (PoC 参加機能)
PoC 参加機能は、以下のことを行う。
● PoC セッション処理を提供する
● PoC クライアントと制御している PoC サーバーの間で中継機能を提供する
● ユーザー媒体適合方法を提供する
● PoC クライアントと制御している PoC サーバーの間で発言の制御メッセージ・リレー機能を提供する
● PoC クライアントに代わっての SIP セッション処理(例えば SIP セッション開始、終了、その他)を提供す
る。
● PoC セッション(例えばアクセス制御、有効性資格、その他)に入るための方針を提供する
● 良質な情報を集めて、提供する
● レポートを満たしている参加者を提供する
媒体がPoC参加機能を実行しているPoCサーバーを迂回しているならば、PoC参加機能のリスト化されたオプショ
ン機能は使われない。
5.1.3
GLMS(グループ及びリスト管理サーバ)
PoC ユーザーは、グループを運営する GLMS と PoC サービスのために必要とされるリスト(例えば接触とアクセ
ス・リスト)を使う。
GLMS は以下の機能を実行する:
● グループとリストを作成して、修正して、検索して、削除するためにリスト管理オペレーションを提供する
● グループとリストの保管機能を提供する
● リストに修正の通知を提供する
Page 16
5.2
External Entities Providing Services to PoC System
PoC システムに対するサービスを提供している外部の実体
5.2.1
SIP/IP Core
SIP/IP Core は、SIP プロキシーと SIP レジスターを含む。
SIP/IP Core は、PoC サービスのために以下の機能を実行する。
● PoC クライアントと PoC サーバーの間のシグナルを送る
● アドレスの分析サービスを提供する。
● SIP の圧縮をサポートする。
● ユーザーのサービス・プロフィールに基づく PoC クライアントの認証と認可を実行する。
● 登録状態を維持する。
● 情報を満たすことを提供する。
5.2.2
Charging Entity
これは、オペレーターの領域に属するかもしれない外部の実体である。この実体はオペレーターをネットワーク
化するいろいろな役割をとる、および/または、サービスプロバイダは料金を請求している活動をする必要があ
る。
5.3
Presence Server
プレゼンス・サーバーは、PoC サービスをサポートするために必要である以下の機能を実行する:
● PoC クライアント(例えば「届く」、「妨げない」、「利用できない」、「オフラインで」)のプレゼンス
資格を維持する
● PoC クライアントから PoC クライアントに関するプレゼンス情報の公表をサポートする
● PoC クライアントで PoC クライアントに関するプレゼンス情報の参照/取得をサポートする
● PoC クライアント・プレゼンス情報の監視をサポートし、参照/取得を認可する
● プレゼンス・リスト申込の許可をサポートする
● 他の領域でメンバーを含んでいるプレゼンス・リストの終末過程に必要な申込をサポートする
● 他のプレゼンス・サーバー(プレゼンス・リスト)から、プレゼンス情報を参照/取得をサポートする
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6. 総括
特に米 Nextel の例や、Nokia, Motorola などの世界的な動向を考えると、PoC とは決して新しいものと言え
るものではない。(P7,8,12,13 の関連記事を参照)
例えば、Pnasonic においても次機種モデルでは必須になることが確実である。(P7 の関連記事を参照)
<<主な市場動向>>
● 米国
−> すでに Nextel 社がサービスを展開中
● 欧州
−> Nokia, Motorola Sony Ericsson などが製品を発表、2004 年中に発売。
Panasonic は、次機種モデルで対応予定。
我社としても、その開発に携わることになる可能性が充分に考えられる。
実際の担当者レベルでは、「PoC Client」や「PoC Server」、「SIP」といったキーワードが頻繁に使用され
るようになり、その担当者は、本書からさらに掘り下げた調査を行い、理解を深める必要があると思われる。
その際、本書がその導入としての手助けになれば幸いである。