中小企業の会計に関する指針(平成22年版)

最 新 の 税 務 動 向
第8回
∼中小企業の会計に関する指針(平成22年版)∼
平成22年4月 26 日付で『中小企業の会計に関する指針』の改正が公表されました。
これは、日本税理士会連合会、日本公認会計士協会、日本商工会議所、企業会計基準委
員会が主体となって設置された「中小企業の会計に関する指針作成検討委員会」が、法
務省、金融庁及び中小企業庁の協力のもと、中小企業が計算関係書類を作成するに当た
って拠るべき指針を明確化するために作成したものです。
【改正点は、以下のとおりです。】
① 棚卸資産の評価方法から後入先出法が削除されました。
② 企業結合の分類から持分の結合が削除され、増加する株主資本の会計処理も削
除されました。
③ 個別注記表の項目に金融商品、賃貸等不動産、持分法損益等に関する注記が追
加されました(公開会社でない場合は不要)。
④ 資産除去債務の本指針における取扱いとして、
「有形固定資産の取得、建設、開
発又は通常の使用によって生じるその有形固定資産の除去に関する法律上の義
務及びこれに準ずるものは、会社法上、資産除去債務として負債の部に計上し
なければならない」は、今後の検討事項となりました。また、企業会計基準第
18号「資産除去債務に関する会計基準」は、原則として平成22年4月1日
以後開始する事業年度から適用されていますが、今後の企業会計慣行の成熟を
踏まえ、引き続き検討することとなりました。
この改正は、企業会計基準委員会が公表した各種の企業会計基準等のうち、企業会計
基準第18号「資産除去債務に関する会計基準」、改正企業会計基準第9号「棚卸資産の
評価に関する会計基準」、企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」に対応し
た会計処理の見直し等を行っています。
関係四団体においては、本指針を取引実態に合わせたより合理性のあるものとするた
めに、年次ごとの見直し及び改正を行うことを決定しています。関係者が協力して本指
針の定着に取り組んでいくことにより、中小企業における会計の質の向上、ひいては持
続的な経済社会の成長と経済基盤の整備に貢献できることへの期待を表明しています。
なお、適用状況を確認するための書類として、
「中小企業の会計に関する指針の適用に
関するチェックリスト」を日本税理士会連合会が作成しています。
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