プラハに赴くきみへ - WordPress.com

プラハに赴くきみへ
プラハは、仕事ですか?寒さに向かうこの季節に、大変ですね。どうぞ、お身体にお気をつけてい
ただいて、あの人懐こい表情をした東欧の街の空気を味わって下さい。
ぼくがプラハにいったのは、もう随分前のことになります。プラハで毎年、春に開催されている「プ
ラハの春」音楽祭をきくのがそのときのぼくの目的でした。プラハのもっとも美しい季節に開催され
ているのが「プラハの春」音楽祭ですから、ぼくは大小さまざまな会場で催されたコンサートを楽し
みつつ、同時に、プラハの町に流れる、柔和な表情をしたそよ風を堪能しました。
つい最近、ブルノ生まれのメゾ・ソプラノ、マグダレナ・コジェナーの録音した、
「わが母の教え給
いし歌」と題された素敵なアルバムをききました。ドヴォルザークをはじめとして、ヤナーチェク、
ノヴァークやマルティヌーといった、コジェナーにとって祖国の作曲家の作曲した歌をうたっていま
す。むろん、アルバム・タイトルになっているほどですから、あのドヴォルザークの名歌「わが母の
教え給いし歌」も、その表現力にとんだ声をいかして味わい深くうたっています。
このアルバムで初めて耳にする歌もありましたが、どの歌も、あの土地の歌で特徴的な親密な表情
をしていますので、初対面の歌とは思えませんでした。コジェナーには、1999年に録音された「あ
こがれ」と題された、ドヴォルザークやマルティヌー、ヤナーチェクの歌曲をうたったアルバムがあ
りますので、今回の「わが母の教え給いし歌」はその続編ということになります。
音楽というのは不思議なものですね。プラハを訪れたのは遠い日のことなのに、コジェナーのうた
う二枚のアルバムに耳をすましていたら、プラハの、あれは何という公園だったのでしょうか、公園
のベンチでぼんやり過ごしていたときに感じた空気を生々しく思い出しました。これもまた、音楽を
きくことのご利益のひとつといえるでしょう。
仕事で忙しくて、プラハに来たからといって、お前みたいに呑気に過ごせる時間なんてないんだよ
といわれてしまいそうですが、そのコジェナーが母国の歌をうたった2枚のアルバムをお送りしてみ
ます。遠い所を訪れると、思いもかけないタイミングで、あの厄介な時差という奴に睡眠を妨げられ
ることがあります。そんなときにでも、ナイトキャップがわりに、この2枚のCDをきいてみて下さ
い。
旅慣れているきみのことだから、心配はいらないと思いますが、頑張りすぎは禁物ですよ。お元気
に帰国されるよう、祈っています。
「あこがれ〜ドヴォルザーク、マルティヌー、ヤナーチェク歌曲集」マグダレナ・コジェナー(「Love
Songs」 Magdalena Kozena)
「わが母の教え給いし歌」(「Songs My Mother Taught Me」)
*旅先で