本学テニス部員に対する練習方法についての検討 宮地弘太郎(関西国際大学) 道上静香(滋賀大学) 細木祐子(園田学園女子大学) 目的 これまで,様々なゲーム分析が行われてきてい るが,練習プログラムにフィードバックするケースは 少ない。練習の多様性という側面から考えると学習 導入段階では,ブロック練習最終的には,ランダム やシリアル練習の方が学習効果が高いとされてい る。指導者の主観的観察においてもネット付近での プレーの改善が必要であるとされる,本学2名に対し て,短期的なプログラムを実施し,パフォーマンスに どのような変容をもたらすか検討する。 分析方法 •勝ち試合、負け試合におけるポイント決定時に用いられた技術の違い及び Error,Winner時におけるそれぞれの傾向を分析するために2×2のχ2乗検定を 用いて、有意差が表れた場合には、残差分析を行い項目間の差について検討 した。対象試合は,Pre期においては,三木谷杯(兵庫県チーム対抗戦)2試合, Post期においては,関西学生春季テニストーナメント4試合を対象とした。いず れも,ダブルスであった。 ブロック練習内容1 研究対象 本学テニス部T選手(4年),K選手(3年)の2 名であった。T選手は,高校時代団体戦のダ ブルスでインターハイ出場K選手は,高校時 代全国大会に出場経験なし。今年,2012年 ダブルスで,インカレ(予選)出場を決めた。 Post-‐test 2012,5月下旬 新たな練習方法取り組み期間 毎日同じメ ニューを繰り 返す事はな く、ゲーム形 式は,マッチ 練習がメイ ン ブロック練習内容2 pre Post 選手 Coach ポーチ練習2(発展系) •クロスラリーから3球目ポーチ(10分) •サーブリターンからポーチ(リターンはクロス)(10分) シリアル練習 ランダム練習 Coach シリアル 練習 ランダム 練習 Coach 選手 ラケット出し(ゲーム形 式,想定練習)(30分) 関西学生春季テニストーナメント ! ! ! ! ! ! ! ! Χ ! ! ! ! ! Χ2(1)=11.221 P<.01 残差分析:**P<.01 0% ポーチ練習1(ラケット出し) •ネット張りつき(10分) •1球目ポーチ(10分) 選手 三木谷杯 Error! Winner! ! ラケット出し(ポーチ,ス マッシュ,カバー) 30分 ブロック 練習1,2 ! 練習方法 実験方法の概要 Pre-‐test 2012,2月上旬 結果と考察 表1 勝ち試合と負け試合におけるError Winnerの総数 50% 44.2 pre 55.8 38.4 0% 100% Post 61.6 50% 100% 66.6 52.8 34.4 47.2 攻撃 その他 攻撃 その他 図2 Winner時における攻撃とその他の 割合 •ネットプレー(攻撃)での Error,Winnerは減少傾向 •7試合を通しての勝ち試合と負け •その他(サーブ,リターン,ス 試合ネットプレー(攻撃)の割合 トローク,守備)は増加傾向 は,ErrorがWinnerを上回った •Pre-‐Post期においてネットプ •7試合を通して,ネットプレー(攻 レー(攻撃)に有意差は伺えな 撃)勝ち試合→Error少ない。 Winner多い。有意差<.01 かった。 図1 Error時における攻撃とその 他の割合 •今後は,実施期間及びプログラムの検討をしてゆきた い。 参考文献 •義岡昌明,西聖二,笹子悠歩,山本正嘉:高校生サッカー 選手に必要な基礎体力を総合的に改善する為のボール を利用したトレーニングプログラムの検討,スポーツパ フォーマンス研究,4,71-‐92,2012 •高橋仁大:テニスの競技力向上に及ぼす要因を 探る−学生選手のゲーム分析をデータに−,ス ポーツパフォーマンス研究,1,211−222,2009 •杉原隆:運動指導の心理学−運動学習とモチベーションか らの接近−,pp70-‐74
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