平成27年度投資家説明会の主な御質問

平成27年度投資家説明会の主な御質問
Q1
今年度及び今後の地方金融機構債(国内債)の発行方針、特に超長期債の20年から
30年債の発行に関する考え方を聞かせていただきたい。
(理事長)
A1
金利リスクという観点も含めて、長めのものを積極的に発行していきたいというよ
うに思っています。投資家の皆さんのニーズも長いところにあり、6月発行の20年債は
当初計画の倍にしました。その他、私ども特有のFLIPという、年限、金額を投資家の
ニーズに応じて発行できる部分があり、既に4月のFLIPでは30年債を4件、170億円発行
しています。当面のニーズがありましたら、ぜひこのFLIPを活用していただきたいと
思います。
Q2
40年貸し出しを開始されるという変化に備えたリスク管理上の取り組みがどうなっ
ているか。
(理事長)
A2
下水道や地下鉄などは本来、非常に長期を有するものですし、減価償却の期間も40
年と長いわけです。それに対して最長30年の貸し出しでしたので、機会があれば、わ
れわれも40年というものをやったほうがいいのではないかと思っており、かねて検討
していましたが、今般財政資金のほうが最長40年までに踏み切ったので、われわれも
最長40年までの貸し出しを行うということです。
40年貸し出しを導入するに当たり、金利期間も40年にするか、金利期間は30年とい
うことで、貸し出しは40年するが30年後に金利だけは見直すというものをシミュレー
ションし、どちらでも機構の健全性をそこなわない範囲で行えるという結果でありま
したが、やはり金利40年か30年見直しでは無視できないリスクの差がありますので、
金利40年は見送ることとしました。
金利30年の見直しでも返済の期間は延びますので、やはり貸し出しのデュレーショ
ンは長くなります。平均の調達期間も長めでやることで、リスクをミニマイズする努
力をする所存です。
Q3
昨年12月に日本国債が格下げになったが、その後、機構の外債の資金調達状況につ
いてご教授をいただきたい。
(理事長)
A3
海外IRでは、アメリカの生保とか投信とか大手の投資家についていえば、格下げは
一つの材料ではあるけれども、それだけで決めているわけではないという非常に優し
い話でした。ただ国際機関等ではルールがきちんとしていて、なかなか難しいという
お話でした。
実際に今年の2月と4月に、それぞれドルで10年、7年のベンチマーク債を発行しまし
たが、あまり大きな影響は感じられず、いずれも非常に好条件で、かつ投資家も、わ
れわれが募集した金額の1.5倍ぐらいの手を挙げていただきました。特にこの4月の発
行については、欧州の中央銀行に随分買っていただきました。
グローバルのマーケットでは日本に対する信任は結構高くて、格付だけを見ている
ということはどうもなさそうで、国際機関とかそういうところへの影響は無視できな
い程度ありますが、われわれが外債を発行していく上で、大きな支障というようには
感じていません。
Q4
調達年限を延ばすという方針を示されたが、そのような場合の収益の影響について
教えていただきたい。
(理事長)
A4
収益に与えるインパクトは、ほぼニュートラルということです。どちらかというと
債券のこのような金利状況では、債券の平均期間のほうを少し延ばしますので、そう
いう意味では収益的には、そうでないケースに比べて若干収益が下に振れることにな
ると思います。ただいずれにしても、今イールドカーブが基本的に寝ていますので、
デュレーションの変化による収益のインパクトは、いずれにしても非常に小さいと思
います。
Q5 デュレーションギャップの中期の管理目標が2年以下という状況の中で、足元の実績
が1.15年と、目標を大幅に下回っている状態です。今後そのような調達のほうの年限
を延ばしていくと、デュレーションギャップがさらに低下すると考えていいのか。
(理事長)
A5 残高のデュレーションギャップと、毎年の貸し出しと資金調達のデュレーションと2
つあるのですが、毎年の本年度の単年度の貸し出しと調達のデュレーションギャップ
はできればゼロ近辺にしたいと思っています。ただ、ずっとこのデュレーションギャ
ップをゼロにしようと思っているわけでは決してありません。その時々の金利状況で
毎年のデュレーションギャップをコントロールしていこうと思っています。いずれに
しても2年以内と。それから当面は残高のデュレーションギャップも1年の下のほうと
いう推移になると思います。
Q6
地方債の市場化を進めていくためには、全国型市場公募地方債の発行団体を増やし
ていくか、あるいは既に市場公募債を発行している各団体が市場公募債での調達を増
やしていくかがあると思われます。市場公募債の発行団体数はここ3年、54団体とな
っていますが、地方債の市場化を推進する上で、発行団体はまだ増えていくと考えて
よいのでしょうか。
(総務省地方債課長)
A6
全国型市場公募地方債の発行団体数が増える可能性はあると思っています。最近は
機会を捉えて、未発行団体とコミュニケーションを取っていますし、市場公募債を発
行することでメリットを受けられる団体はまだあると思います。
地方債の市場化の推進については、発行団体数の増加、発行規模の拡大に加え、地
方団体と市場との間のコミュニケーションの推進が重要であると考えており、総務省
はもちろんのこと、発行体である地方団体が市場関係者と日頃から情報交換等を積極
的に行うことを通じて、市場との相互理解を深めることも重要と考えております。
Q7
地方公務員の共済組合では、行財政改革の関係もあり、年金の受給者が組合員の数
に比して非常に増えていて、長い債券を持ちにくいという状況があります。逆に短い
ものを発行していただけると大変ありがたいという状況ですので、ご検討いただきた
い。
(理事長)
A7
少し長期にシフトすると申しましても程度の問題でして、27年度の債券発行計画を
ご覧いただくとおり、やはり10年債が中心です。あくまでもこの計画は、私どものニ
ーズに基づく部分ももちろんありますが、投資家の皆さんのニーズを反映したつもり
です。10年債が枯渇するということでは決してありませんので、ぜひ引き続きご応募
いただければと思います。