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2008.12
2004.07
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-海外雑誌の主要タイトルとサブタイトル紹介による情報-
*記事の詳しい内容については、各誌をご覧ください。
海外雑誌:
Modern Plastics Worldwide;
Plastics Technology ;
Plastics Engineering ;
Kunststoffe International ;
その他
〈12 月度のトピックス〉
世界経済は同時不況の様相を呈し深刻さを増しています。不況の長期化が予想されている
なかで経営者は日々の状況変化の分析と対応に追われています。先月は米国樹脂市場の動向
を中心に Chemical Week 誌 10 月 13/20 日号の記事を紹介しました。
今後の樹脂の需要動向については適時見直しが必要な状況下にあります。今月は
Kunststoffe International 10 月号の特集記事“Special:Trend Report(49~131 ページ)”
を取り上げて紹介します。
特集記事の冒頭で、プラスチック業界も厳しい状況に置かれているが、プラスチックは卓
越した特性を持った材料で、エネルギーの節減にも大きく寄与していると述べており、樹脂
企業の経営者は「プラスチックこそ 21 世紀の素材であると確信し、自らの道を見出すべき
である」と報じています。
この特集記事は汎用樹脂、エンジニアリング樹脂、高機能樹脂および熱硬化性樹脂の市場
動向をそれぞれ詳しく報じています。今月のトピックスは、この記事のなかのポリアミド樹
脂に関する記事「Polyamides(82~85 ページ)」を要約し紹介します。
BASF 社(独)のポリアミド樹脂(PA 樹脂)マーケティング部長は、PA 樹脂市場の大き
なトレンドは「技術的に難しい成形に対する技術サービスの提供」と「オーダーメイド樹脂
グレードの提供」であると述べ、主な用途と新しい PA 樹脂グレードを紹介しています。
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優れた加工流動特性を持つ PA 樹脂:
ナノ粒子を添加し流動性と耐熱性を向上させた BASF 社の Ultramid○R A3 High Speed
ファミリー(PA66)をはじめ Lanxess 社(独)、DSM 社(オランダ)、および Rhodia
社(仏)の加工流動特性の良い PA 樹脂グレードを紹介しています。また BASF 社は衝突
時の強度特性シミュレーション・サービスを提供しユーザーの開発を支援したことにより
Opel Corsa の形状が複雑な「Lower Bumper Stiffener」に Ultramid○R CR が採用された
と述べています。
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大きな荷重が掛かる部品向け PA 樹脂:
BASF 社が ContiTech Vibration Control 社(独)と共同開発した「Opel Vectra および
Saab 9-3 の Ultramid○R A3WG10 CR(PA66)製 Torque Rod Support」や BASF 社の強
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度特性シミュレーションを活用した「Ultramid○R CR ファミリーを用いた車体補強部材の
開発」について詳しく述べています。BASF 社のほか、Rhodia 社および Lanxess 社も同
様のサービスを提供しており、これら高強度の PA 樹脂と CAE サービス(Computer Aided
Engineering)は家庭用洗濯機の部品などの分野でも新しい用途を開くツールになると述
べています。
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PA 樹脂と他の素材とのハイブリッド:
2006 年に Lanxess 社が発表したガラス繊維強化 PA 樹脂と耐熱性ゴムを複合成形した
オイルパン、および BASF 社が Elastogran 社(独)、KraussMaffei 社(独)と共同開発
した PA 樹脂と架橋性 TPU 樹脂のハイブリッドを紹介しています。
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電気回路の絶縁材用途向け PA 樹脂:
金属ならびに他の封止樹脂とよく接合して湿気や油分から電気回路を守る BASF 社の
Ultramid○R Seal-Fit、および LDS(Laser Direct Structuring)システムを使用する MID
(Molded Interconnect Devices)向けのグレード Ultramid○R T LDS を紹介しています。
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ボンネット内の部品向け PA 樹脂:
近年のエンジンの高温運転化や新しい添加剤を含む冷却水に対応する BASF 社の
Ultramid○R HRX のほか、Rhodia 社、DuPont 社(米)、および Arkema 社(仏)の高耐
熱性で高耐加水分解性の PA66 樹脂グレードを紹介しています。
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高耐熱性 PA 樹脂:
190℃の高温と圧力変化に耐える BASF 社の PA66 樹脂 Ultramid○R A3W2G10、および
Rhodia 社の Technyl○R HT を紹介しています。そのほか高耐熱性で低吸水性の PPA 系樹脂
(芳香族アミド樹脂)である DuPont 社の Zytel○R HTN、Solvay 社(ベルギー)の Amodel○R 、
EMS-Grivory 社(スイス)の Grivory○R HT、および BASF 社の Ultramid○R T KR 4355 を
紹介しています。
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車体向け PA 樹脂:
オンラインの塗装工程(200℃-30 分)に耐え、熱膨張係数が最小で、前後処理が不要
な樹脂として、BASF 社は Ultramid○R TOP 3000 を上市しています。そのほか Sabic 社(サ
ウジアラビア)、Ineos 社(英)、および Rhodia 社が車体向けの PA66 樹脂グレード、
PA+PPE ブレンド樹脂を上市していると述べています。
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環境保護上の PA 樹脂:
バイオ原料であるヒマシ油からのセバシン酸を使用した BASF 社の PA6/10 樹脂
Ultramid○R Balance、再生可能なバイオ原料を使った Arkema 社の PA11 樹脂、および
DuPont 社の PA6/10 樹脂を紹介しています。
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以上、注目される用途と新しいグレードを紹介して、PA 樹脂は今後も堅調に伸び続けると
述べています。
(Kunststoffe International 10 月号
p.82-85)
〈主 要海外誌 記事のデ ィクショ ナリー〉
汎用樹脂(PVC, HD-PE,LD&LLD-PE,PS)の動向
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PVC 樹脂:2004 年以降、年率 5.2%で伸びて 2007 年の世界のポリ塩化ビニル消費量は
3,530 万トンに達しました。中国が需要を牽引し今後も堅調に伸びると予測しています。
現在、中国の塩化ビニルの生産能力は約 1,230 万トンで世界の生産能力 4,100 万トンの
約 30%に達しています。
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HD-PE 樹脂:2004 年以降、年率 4.3%で伸びて 2007 年の世界の消費量は 3,045 万トン
に達しました。今後の需要量の予測はなされていませんが、生産能力については現在の
3,464 万トンは 2010 年に 4,192.5 万トン(21%増)になると予測しています。この間、
中東の生産能力が 112.5%、アジアが 33%増加すると予測しています。
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LD&LLD- PE 樹脂:2004 年以降、LD-PE は年率 1.7%で伸びて 2007 年の世界の消費
量は 1,800 万トン、LLD-PE は年率 6%伸びて 2007 年は 1,950 万トンに達しました。現
在の LD-PE 生産能力は 2007 年 1,973 万トンが 2010 年に 2,158.5 万トン(9.4%増)、
LLD-PE 生産能力は 2007 年 2,157.0 万トンが 2010 年に 2,672.0 万トン(24%増)にな
ると予測しています。今後の需要の伸びは、LD-PE は横ばいで、LLD-PE は年率 5%と
予測しています。なお、LD-PE および LLD-PE の製造方法の動向を詳しく紹介してい
ます。
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PP 樹脂:2003 年から 2006 年の需要の伸びは年率 4.8%で、2007 年は 5.4%伸びて消費
量は 4,500 万トンに達しました。今後の需要量の予測はなされていませんが、汎用樹脂
の代表として堅調に伸びると期待されています。PP 樹脂の約 75%は LyondellBasell
社(オランダ)が開発したフレキシブルプロセスで作られていると紹介し、西欧の PP
樹脂メーカーが生き残るには顧客密着型の製品の提供とエンプラに引けをとらない物性
にするための改良技術の開発が重要であると述べています。
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PS 樹脂:近年 PS 樹脂の需要はあまり伸びず、2007 年の消費量は 1,150 万トンで生産
能力は 1,500 万トンと生産設備の稼働率は約 73%になっています。このため PS 事業に
ついては合弁などによる生産設備の統廃合が行なわれ、現在も進行中であると報じてい
ます。PS 樹脂(Hi-PS+GPS)の 2006 年~2011 年の需要は世界市場の約 40%を占め
るアジアが 4.6%で伸び、世界市場としては年率 2.6%で伸びると予測しています。
(Kunststoffe International 10 月号
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p.51-76)
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スチレン系共重合樹脂(ABS,AS,ASA,MABS)の動向
スチレン系共重合樹脂は分類上で汎用樹脂になっていますが、標準的な ABS 樹脂から特
定用途向けの MABS 樹脂など幅広い種々の共重合樹脂があり、さらに ABS+PC、ABS+PA、
ABS+ASA など種々のブレンド樹脂があります。
2007 年世界のスチレン系共重合樹脂消費量(出典:BASF 社)
需要量
シェア(%)
(万トン)
ABS(除くブレンド品)
640
79
ABS ブレンド品
50
6
AS(除く ABS 向け)
70
9
ABS+ASA ブレンド品
35
4
MABS
15
2
800
100
合計
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ABS 樹脂はスチレン系共重合樹脂市場の約 80%になっていますが、その伸びは近年
低下し、特に北米と日本の ABS 市場は低迷しています。今後の需要の伸びは次のよう
に予測しています。
20011 年までの ABS 樹脂の伸び(出典:BASF/SRI)
地域
2007 年消費量 シェア 2006~2011 年
(万トン)
(%) 伸び年率(%)
460
72
5.8
北米+南米
77
12
0.8
欧州+アフリカ
90
14
2.2
その他の地域
13
2
640
100
アジア
合計
―不明―
4.6
ABS 樹脂の生産は ChiMei 社(台湾)、LG Group(韓国)が世界の 1 位、2 位で両社
の生産能力は世界の 75%を占めています。中国では 2007 年に約 70 万トンの新プラ
ントが稼動し、2010 年には中国の生産能力は 180 万トンになると予測されています。
一方、欧州ではプラントおよび事業の統廃合が進められていると報じています。
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AS 樹脂は PMMA 樹脂および PC 樹脂より安価な樹脂として家庭用品、電気製品、化
粧品容器など耐薬品性と透明性が要求される用途で使われています。年平均 7%で伸
びており、今後も堅調な伸びが期待されています。
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ASA 樹脂は、耐衝撃強度に優れ、銀・ゼオライトなどの添加剤を加えて殺菌性を付与
したグレードがサニタリー器具や医療器具などで使われています。用途の幅が広くそ
の他に木工、樹脂および金属製品のコーティング用 ASA フィルムなどに使われていま
す。ABS+ASA ブレンド樹脂のほか ASA+PC ブレンド樹脂は耐候性に優れ屋外用途、
ASA+PA ブレンド樹脂は寸法安定性と音響減衰特性に優れ自動車の内装品に使われ
ています。ASA 樹脂は今後も堅調な伸びが期待されています。
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MABS 樹脂は耐衝撃強度が優れた透明樹脂で医療用途、化粧品および医薬品容器など
で PC 樹脂、PMMA 樹脂と競合しています。今後も AS 樹脂、ASA 樹脂と同様に年率
2~3%で堅調に伸びると予測しています。
(Kunststoffe International 10 月号
p.77-81)
PC 樹脂は 2010 年まで年率 5~6%で伸びると予測、アジア、中東で新製造プラントの完
工が予定されているが稼動時期の延期の動きがある
2007 年の消費量は 315 万トンで、今後は若干伸びが低下して 2010 年までの平均成長率は
5~6%と予測しています。最大の市場は中国で、世界市場の約 29%(約 90 万トン)を消費
しています。既存メーカーの生産能力増強のほか、韓国、ロシアで近く完工する新プラント、
およびサウジアラビアの Sabic 社と Saudi Kayan 社(Sabic の子会社)による年産 26 万ト
ンの大型プラントの計画について述べています。一方でプラントへの投資を延期する動きに
ついても詳しく述べ、生産量の拡大よりコンパウンドなど下流領域への投資が検討されてい
ると報じています。
(Kunststoffe International 10 月号
p.86-92)
POM 樹脂は長ガラス繊維を使用した高強度のグレードのほか高耐熱グレード、低 VOC グレ
ード及び滅菌性グレードなどの開発により用途を広げ今後年率 6~7%で伸びる
2007 年の全世界の需要量は約 85 万トンで、内訳は欧州(含む東欧、アフリカ)が 40%、
アジア(含む日本)と北米がそれぞれ 30%です。今後も POM 樹脂の需要は年率 6~7%で
伸びて 2010 年に 95.5 万トンに達すると予想されています。欧州のユーザーが中国へ移り、
今後は中国が大きく伸びてアジアの需要が欧州を超えると予測しています。生産能力のトッ
プ3は Ticona 社(独)、ポリプラスチック社(日)、DuPont 社(米)で旭化成ケミカルズは
第 6 位です。中国では Bluestar Chemical New Materials 社のほか Ticona 社(独)および
DuPont 社(米)が生産能力の拡大を進めています。ガラス繊維、Kevlar 繊維、あるいはグ
ラファイトほかの各種添加剤により強度、潤滑性、導電性、滅菌性を付与、向上させたグレ
ード、および低 VOC 品(Volatile Organic Compounds)、高耐熱品などの開発が用途の幅を
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広げ、需要の拡大を牽引すると述べ、新しいグレードとその用途を詳しく紹介しています。
(Kunststoffe International 10 月号
p.93-96)
PMMA 樹脂は幅広い用途があり、太陽電池および発光ダイオード向けの用途が今後注目
される
2007 年の PMMA 樹脂(コンパウンドおよびシートなど中間製品を含む)の消費量は約
150 万トン(アジア地域 55%、欧州 22%、NAFTA21%、その他 2%)です。PMMA 樹脂
の用途はアジアではオプトエレクトロニクスが、欧州では建築がトップになっています。今
後の需要の伸びは中国を中心にアジアが牽引すると述べています。Evonik Industries 社(独)
、
Altuglas International 社(仏)、Lucite 社、および LG MMA 社(韓国)などの各社が中国
を中心にしたアジア地域での生産・販売能力の増強を進めていると報じています。今後注目
される用途は、太陽電池向けのミクロな Fresnel Lens 構造を持つ PMMA 樹脂シート、発光
ダイオードを使用した広告などの用途であると述べています。なお記事と前後して三菱レイ
ヨン(日)が Lucite 社(英)を買収すると発表されました。この買収により三菱レイヨンは
MMA モノマーおよび MMA 樹脂(PMMA)で世界トップのメーカーになります。
(Kunststoffe International 10 月号
p.97-100)
PBT 樹脂は年率 8%で伸び、今後も新しい用途を拓き継続的に伸びると期待されている
PBT 樹脂(Polybutylene Terephthalate)の多くはガラス繊維、難燃剤とのコンパウンド、
あるいは PC 樹脂、PET 樹脂とブレンドして使われており、2007 年の PBT コンパウンド樹
脂の消費量は約 90 万トンに達しています。2010 年に世界の生産能力は 100 万トンを超える
と Lanxess 社(独)は予測しています。主な用途である自動車分野、電子・電気分野に加え
て BASF 社(独)、Lanxess 社などの加工流動性を高めたグレードおよびハロゲンフリー難
燃グレードによる新しい用途について述べています。
(Kunststoffe International 10 月号
p.101-105)
PET 樹脂はバリア特性の改良により飲料ボトル向けの需要が堅調に伸びる
2007 年の PET 樹脂(Polyethlene Terephthalate)の消費量は約 4,500 万トンに達し、飲
料ボトル向けが大きく伸びています。PET 樹脂の生産では繊維向けを含めて中国が世界一に
なっています。ドイツにおけるノンアルコール飲料容器の約 75%は既に PET 樹脂製で、今
後もバリア特性の改良により飲料ボトル用途で堅調に伸びると予測しています。
(Kunststoffe International 10 月号
p.106-109)
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PPS 樹脂は金属を代替して自動車のボンネット内の部品などで伸びる
耐化学薬品特性と 200℃で継続使用できる高い耐熱性を持つ PPS 樹脂(Polyphenylene
Sulfide)には架橋型と直鎖型があり、2007 年の世界の PPS 樹脂(直鎖型)消費量は約 5 万
5,000 トンで 2012 年には 14 万トンに達すると予測しています。自動車部品のほか PPS 樹
脂製の水中ポンプおよびポンプインペラーのほか、燃料電池のプレート、航空機機材などに
向けた新技術によって新しい用途開発が進んでいると述べています。
(Kunststoffe International 10 月号
p.110-112)
ポリアリルスルホン樹脂(PSU, PESU, PPSU)は耐熱性、剛性、強度および耐加水分解性
に優れ、分離膜向けなどで伸びる
ポリアリルスルホン樹脂(PSU:Polysulfon、PESU:Polyethersulfon、PPSU:PolyPhenylsulfon)は 2007 年の消費量は約 5 万トンで 2020 年には 10 万トンを超えると期待されてい
ます。医療機器、自動車部品、電子・電気機器など幅広い分野で使われており、特に PSU
樹脂および PESU 樹脂は有機溶媒に溶解した後に水溶液処理することで微細な多孔構造を
形成し分離膜の素材として使われています。これらの用途について述べています。
(Kunststoffe International 10 月号
p.113-116)
液晶樹脂の消費量は年数万トンながら今後も電子・電気産業分野を中心に堅調に伸びる
液晶ポリマー(LCP)はラメラ構造を形成する結晶性樹脂で優れた耐熱性・熱安定性と強
度を持つ樹脂です。用途に応じて種々の品種が提供され幅広く使われています。最大のユー
ザーは電子・電気産業ですが、自動車、家庭用品、スポーツ・レジャー用具などの用途、およ
びアラミド繊維の代替としての高強度 LCP 繊維について述べています。
(Kunststoffe International 10 月号
p.117-119)
Ticona 社は中国で高機能樹脂の生産能力を増強し、欧州では POM 樹脂の大型プラント
の建設に着手した
Ticona 社(独)は中国 江蘇省 南京に液晶ポリマーVectra○R LCP の新プラント(年産 7,000
トン)を建設し 2010 年生産を開始する。この地区では 2008 年に長繊維コンパウンド樹脂
Celstran ○R と超高分子ポリエチレン樹脂 GUR ○R の生産が行なわれており 2009 年には
Celstran○R の生産能力を増強します。なお、2008 年 9 月 30 日フランクフルトの Höchst
Industral Park 内で POM 樹脂 Hostaform○R の新プラント(年産 14 万トン)の建設に着手し
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たと報じています。
(Modern Plastics Worldwide 11 月号
p.12)
薄肉・長尺品の射出成形においてシミュレーション・ソフトウェアーを使ったシステマチックな
加工条件の検討と選定
長さ方向と肉厚の寸法比(Flow-length to Wall-thickness Ratio)が 100~200:1 の成形
を行なう射出成形機の要件と加工条件の選定について詳しく述べています。代表的樹脂とし
て LCP 樹脂を取上げ ESTECO 社(伊)の modeFRONTIERTM、および Moldflow 社(米)
の Moldflow Plastics Insight○R (MPI)を使ったシステマチックな加工条件設定について紹
介しています。
(Modern Plastics Worldwide 11 月号
p.42)
射出成形品の金型設計を支援する最新の 3 次元ソフトウェア
繊維強化コンポジット樹脂の成形、複合成形、マイクロ成形など複雑な射出成形品の金型
設計を支援する CoreTech System 社(台湾)の Moldex3D R9.0、MPI 6.2、MDL 6.0、お
よび MPA 8.1 のほか、Sigma Plastic Services 社(米)の Sigmasoft○R 4.6 および Vero USA
社(米)の VISI Flow16 について詳しく紹介しています。
(Plastics Technology 8 月号
p.48-55)
ガラス繊維強化 PA66 樹脂を使ったメルセデス・ベンツ 250 CDI のエンジンオイルパン
メルセデス・ベンツ 250 CDI は最高出力 204 馬力の 4 気筒ディーゼルエンジンを搭載して
います。この PA66 製オイルパンは従来のアルミ製に比べて 1.1kg 軽く、コストは 20%安く
なったと報じています。
(European Plastics News 11 月号
p.7)
ガラス中空糸を利用した自己修復性を持つコンポジット樹脂
これは、樹脂と硬化剤をガラス中空糸の中に入れたコンポジット樹脂で、航空機の機体が
小石などにより損傷した場合、中空糸内の樹脂と硬化剤が滲出し小さな傷を自己修復するも
のです。樹脂、硬化剤のほかに蛍光マーカーを中空糸内に入れることにより損傷個所の検出が
容易にできると述べています。この研究開発は Bristol 大学(英)が EPSRC(Engineering
and Physical Sciences Research Council)の資金で Hexcel Composites 社(英)の協力を
得て行なわれています。
(European Plastics News 11 月号
p.14)
DuPont 社は Invista 社がナイロン樹脂の特許と売却時の契約を侵害していると告訴した
Invista 社(米)は 2004 年に Koch Industries 社(米)が買収した元 DuPont 社の繊維部
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門ですが、Invista 社がナイロン樹脂の特許と売却時の契約を侵害していると DuPont 社(米)
は告訴しました。この告訴の数ヶ月前に Invista 社は DuPont 社と Rhodia 社(仏)が共に
Invista 社のブタジエンからアジポニトリルを製造する特許を侵害していると告訴していま
す。
(Chemical Week 11 月 17 日号
p.14)
2009 年にかけて稼動し生産される見込みの中東のエチレン(約 1,200 万トン)は世界の
石油化学産業に大きな影を落としている
Chemical Week 誌 11 月 24 日号のカバーストーリー「Mideast:PetroChem Downturn
Looms on the Horizon」は、世界経済が極端に落ち込んでいるなかで 2008 年~2009 年にか
けて生産される見込みの 1,200 万トン(世界のエチレン生産量の約 10%に相当)により業界
は壊滅的打撃を受け中東も利益を失うことになると述べています。この記事の冒頭で BASF
社や Dow 社は石油化学部門で 20%~25%の減産処置をとったと報じています。また市場の
低迷と混乱が M&A の機会を大きくするだろうと報じています。
(Chemical Week 11 月 24 日号
p.19-21)
汎用樹脂が低迷するなかで高機能樹脂は 2012 年まで年率 6.1%で伸びて 82 億ドルの
市場になると Principia 社は予測している
コンサルタント会社 Principia 社(米)は最近の調査報告書で、高機能樹脂(High
Performance Polymer)の市場は新しい用途と新しい樹脂により 2012 年まで年率 6.1%で伸
びて 82 億ドルになると述べています。そのなかでフッ素系樹脂と高機能ポリアミド樹脂が
大きく伸びて 5 年以内に 10 億ドルの市場になると述べています。用途別では電子・電気分
野で最も大きく伸びる LCP 樹脂を中心に年率 6.8%伸びて 18 億ドル市場になり、工業製品
分野の高機能樹脂は年率 5.6%で伸びて 14 億ドル市場に、自動車分野では金属部品の代替と
ボンネット内の高耐熱性の高機能樹脂は年率 5.8%での伸びると予測しています。
(Chemical Week 11 月 24 日号
本件についてのお問い合わせは、(株)旭リサーチセンターhttp://www.asahi-kasei.co.jp/arc/までお願い申し上げます。
p.24)
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