02-23.

病気を科学する
子宮頸がん
~予防から最新治療まで~~
~
予防から最新治療まで~~
横浜市立大学附属病院 化学療法センター長産
婦人科
宮城悦子
卵管
子宮頸がんと
ヒトパピローマウイルス
(HPV)
卵巣
閉経期女性に多く、
初期から不正出血
若い女性に多く、
初期は無症状
日本人女性の子宮頸がん(
日本人女性の子宮頸がん(浸潤がん)
浸潤がん)罹患率
(1985年から
10年ごとの比較
年ごとの比較))
(1985年から10
日本人女性の子宮頸がん死亡率上昇
(20~
1985年からの推移
年からの推移))
(20~59歳 59歳 1985
死亡者の若年化は,
極めて大きな
社会的損失です!
(国立がんセンターがん対策情報センターHPより )
横浜市立大学産婦人科浸潤頸がん症例における
進行がんⅢ・Ⅳ期の割合の増加
(国立がんセンターがん対策情報センターHPより 子宮頸がん妊婦に多発、発症ピーク若年化
国立循環器病センターと兵庫県立がんセンターの調査
国立循環器病センターと兵庫県立がんセンターの調査
産婦人科など分娩を行う全国約1500施設を対象(2008年)
産婦人科など分娩を行う全国約1500施設を対象(2008年)
(読売新聞
(読売新聞 10月16日(土)14時31分配信)
10月16日(土)14時31分配信)
出産を終えた50歳代だった発症のピークが若年化し、逆に出
産年齢が高くなったことで、発症と出産の時期が重なったことが
要因とみられる。
51%の施設から回答があり、患者数は計162人(平均年齢 31.7歳)に達した。70%は早期がんで、子宮を一部切除し妊
娠は継続できたが、子宮を全摘し、中絶の対象となった進行期
の患者も44人いた。
妊婦10万人当たり約30人が発症していると推定。
この数字は、国立がん研究センターが発表した罹患率ピー
クの30歳代の35人に匹敵する。
(横浜市立大学附属病院産婦人科データベースより 横浜市大医学部 嘉村 実裕子作図)
どうして日本の若い女性に子宮
頸がんが増えているのか?
ヒトパピローマウイルス(HPV)
L1タンパク
五量体
その理由は・・・
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染機会の増
加(→しかし,先進国は同じ)
多くの若い女性が,子宮温存手術が可能な早期
がんや前がん状態を発見できる子宮頸がん検診
を受けていない(→こちらが最大の要因)
若い女性の頸がんの方が進行が早い可能性も!
L2 タンパク
および核
環状
DNA
 HPVはパピローマウイルス属のウ
イルスである。 1
 HPVはエンベローブを有さない球
状の外皮(カプシド)内に二本鎖
DNAを持つ比較的小型のウイル
スである。 1,2
 ヒトに感染する型は100種類以上
が特定されており、30~40種類の
型が性的接触によって感染する。
 これらのうち、約15種類が発癌性
であり、子宮頸癌を引き起こす可
能性がある。 3,4
1. De Villiers E‐M. Virology 2004; 324: 17‐27; 2. Munoz N et al. Int J Cancer 2004; 111: 278–85, 2. Howley PM, Lowy DR. In: Knipe DM, Howley PM, eds. Philadelphia, Pa: Lippincott‐Raven; 2001:2197–2229. , 3. Schiffman M, Castle PE. Arch Pathol Lab Med. 2003;127:930–934. 4. Wiley DJ, Douglas J, Beutner K, et al. Clin Infect Dis. 2002;35(suppl 2):S210–S224. 発癌性HPVは全ての年代で検出されますが
特に若い女性で検出率が高くなっています
子宮頸部内におけるHPVのライフサイクル
子宮頸管
ウイルス分子が
集まりウイルスが
放出される
成熟扁平
上皮層
ウイルスは宿主細胞を
利用してウイルスDNA
を複製し、ウイルス遺
伝子がコードしたタンパ
ク質を発現させる
扁平上皮層
傍基底細胞
HPVが子宮頸部
上皮の基底層に
感染する
基底(幹)細胞
基底膜
正常上皮
感染上皮
Adapted from Frazer IH. Nat Rev Immunol 2004; 4:46–54.
男女間におけるHPVの感染様式
日産婦医会報平成22年7月1日号より(出典はbrenda YH et al; EID 2008:14, 888)
男 性
陰 茎
女 性
6.8%
子宮頸部
男 性
17.4%
陰 茎
10.5%
10.4%
8.8%
陰 嚢
11.4%
肛 門
4.8%
HPV感染はコンドーム
では予防できません!
手 指
5.9%
47.1%
28.2%
陰 嚢
27.8%
性器全体
ハワイの大学生25カップルを対象に平均7.5カ月間経過観察
(平均年齢 男性28歳、女性26歳)
C-25
HPV感染のリスク
HPV感染のリスク
HPV感染のリスク
HPV感染は非常にありふれたことである.
性交相手が1人のみの女性における子宮頸部HPV
感染の累積リスクは46%である(初交の3年後).
最大80%の女性が生涯のうち一度はHPVに感染す
る.
ほとんどの感染は消失するが、高齢になるほど消失
しにくくなる.
⇒発癌性HPV感染のリスクは初交後でも
高く、そのリスクは性活動がある限り女性
の生涯を通して持続する.
1. Collins S, et al. Br J Obstet Gynaecol 2002; 109:96–98; 2. Schiffman M, et al. J Natl Cancer Inst 2003; 31:14–19;
3. Sellors JW, et al. CMAJ 2003; 168:421–425; 4. Dunne EF, et al. JAMA 2007; 297:813–819;
5. Brown DR, et al. J Infect Dis 2005; 191:182–192; 6. Koutsky L, et al. Am J Med 1997; 102:3–8;
7. Bosch FX, et al. J Natl Cancer Inst Monogr 2003; 31:3–13; 8. Castle PE, et al. J Infect Dis 2005; 19:1808–1816.
C-9
子宮頸がんの
早期発見~治療
細胞診検査
子宮頸部擦過細胞診
従来から行われている
標準検査法
○細胞診はがんを疑うような異常な
細胞の有無を調べる。
○現在はハイリスクHPV感染の有無を検査
することも可能(自費,一部保険)
コルポスコープ診
初期がん(酢酸加工)
子宮頸部生検
(パンチバイオプシー)
病理結果は
上皮内癌
(0期)
浸潤癌(酢酸加工)
スライド提供:高山須実子先生
膀胱,直腸へ
進展した進行
子宮頸癌
(Netter医学図譜より)
卵巣を残す
手術も可能
リンパ浮腫の問題点
機能:歩行の制限
形態:四肢の左右差による衣服の制限
その他:皮膚の角化(象皮病)、繰り返
す蜂窩織炎、リンパ管炎、潰瘍形成、
発熱、リンパ漏
リンパ浮腫は,顕性化する前からの,
マッサージ,ストッキングなどでの予防が重要
子宮頸がん検診の問題点
アンケート調査でも約7割の女性が未受診の惨状!
20歳台の受診率が特に低い。
正確な受診率の把握にも問題あり。
(公費検診,職域健診,保険診療,その他の自費診療)
宮城県における,検診受診率増加による 頸がん死亡率減少効果
(%)
35
30
14
受診率
30.4
死亡率
12
29.2
10
12.1
25
8.5
9.4
25.1
20
8
16.9
15
6
6.5
10
4.0
5.4
5
0
一般女性の頸がん検診受診率について
Coverage rate
Mortality(/100000)
0.2
1961 65
70
75
80
85
4
2
90 94
0
Sato S, Konno R, Yajima A et al. Acta Cytol 1997
先進各国の子宮がん検診受診率
台湾も70%達成、
死亡率減少著しいとの報告!
(OECD Health Working Paper No. 29, 2007)
イギリスにおけるJade Goody効果
イギリスは検診システムがブレア政権下で整備され、
検診受診率上昇により、死亡率も劇的に低下してき
た。しかし最近は若年層の受診率が低下傾向、25~
29歳の65%を最低とし、30~34歳の71%。
英国のリアリティー番組タレント、ジェ
イド・グッディさん(享年27)が子宮
頸がんで余命わずかと宣告され、
2009年3月22日に亡くなった。
定期的な検査の必要性に対する
認識が強まり子宮頸がん検診を受
ける若い女性が急増し、彼女の功
績が高く評価されている。
初回子宮がん受診者の
高い細胞診異常発見率、がん発見率
(2008年神奈川県子宮がん車検診)
初診
再診
(総数6,732人)
(総数14,355人)
要再精検率
1.52%
0.72%
がん発見率
0.15%
0.02%
初回受診者の細胞診がん発見率は再診者
の7倍以上.
未受診者への受診勧奨が,子宮頸癌による
死亡率減少のKey.
子宮頸がん検診無料クーポン券の効果
(日本対がん協会調べ)
(日本対がん協会調べ)
2008年度と2009年度の伸び率の比較
1.1倍→1.8倍
(初回に限れば1.0→3.7倍)
20歳受診数 9.6倍
25歳受診数 4.5倍
しかし,使用率は約2割・・・
↓
最低でも5年間の継続を!
しかし、5年毎無料の認識の懸念も!
現在の日本のワクチン接種システムの概要
- 勧奨ワクチンは限られている [ 分類 ]
子宮頸がん
予防ワクチン
(HPVワクチン)
(HPV
ワクチン)
予防接種法
定期接種ワクチン(Ⅰ)
定期接種ワクチン ( II )
任意接種ワクチン
[ ワクチン]
[対象]
ジフテリア
小児
百日咳
小児
ポリオ
小児
MR (はしか + 風疹)
小児
はしか
小児
風疹
小児
日本脳炎
小児
破傷風
小児
インフルエンザ
>65 歳
B型肝炎, 水痘, A型肝炎,
肺炎球菌, Hib,流行性耳下腺炎
HPVワクチン
希望者
参考:予防接種の手引き
2010年1月13日 朝日新聞
平成21 年10 月16 日
社団法人 日本産科婦人科学会
社団法人 日本小児科学会
特定非営利活動法人 日本婦人科腫瘍学会
ヒトパピローマウィルス(HPV
)ワクチン接種の
ヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチン接種の
普及に関するステートメント
朝日新聞 2010.12.10
(1) HPV ワクチン接種が広範に行われることにより、将来、わが国における
子宮頸がんの発生を約70%減少させることが期待できる。このことはわが
国の女性とその家庭に幸福をもたらすだけでなく、子宮頸がん治療に要す
る医療費を大幅に抑制することにつながる。
(2) 11~14 歳の女子に対して優先的にHPV ワクチンを接種することを強く推
奨する。なお、接種の費用については公的負担とすべきである。
(3) 11~14 歳でワクチン接種を受けることができなかった15 歳~45 歳の女
性に対してもHPV ワクチンの接種を推奨する。本接種についても何らかの
公的支援が望まれる。
(4) 現行のHPV ワクチン接種を行っても、子宮頸がんの発生をすべて予防で
きるわけではない。したがって、子宮頸がん検診は今後もきわめて重要で
あり、検診受診率の向上を目指した啓発が必要である。また、ワクチン接種
者のフォローアップ体制が構築されることが望ましい。
20-25歳2価HPVワクチン国内臨床対象者
の試験組入れ時におけるDNA陽性率
HPV
(n=519)
HAV
(n=521)
Total
(n=1040)
91.5%
88.7%
90.1%
HPV-16 陽性
6.2%
6.9%
6.5%
HPV-18 陽性
3.3%
4.8%
4.0%
HPV-16 、HPV-18どちらか陽性
8.5%
11.3%
9.9%
HPV-16、 HPV-18 両方陽性
1.0%
0.4%
0.7%
HPV-16 and HPV-18 陰性
% = DNA測定が可能であった集団における割合
陽性 = HPV DNA陽性(PCR法による), 陰性 = HPV DNA陰性(PCR法による)
Konno R et al. IGCS 2009; 19: 905-911
HPV 16型・18型に感染すると
高度異形成・上皮内がんに進展しやすくなる
ワクチン接種前のHPV検査は必須
ではない。集団としては不要。
日本人子宮頸がん患者における
HPV-16/18の年齢別検出率
子宮頸がん予防ワクチン
若年者ほどHPV16/18の
比率が高い
L1タンパク
80%
感染性 HPV
~
60%
検
出
率 40%
~
100%
非感染性 HPV VLP
20%
0%
20-29
(n=10)
30-39
(n=29)
40-49
(n=44)
50-59
(n=25)
60(n=32)
 HPVに似たタンパク質の
殻をもつワクチン
感染力は全くなし
ウイルス遺伝子
~
~
~
L2タンパク
 本物の感染性HPV
100種類のうち約15種類に
発がん性
年 齢
1.Kirnbauer R. et al. Proc Natl Acad Sci USA. 1992; 89:12180-12184 2. Roy P. and Noad R. Human Vaccines. 2008; 4: 5-8
3. Frazer I. Virus Res. 2002; 89: 271-274 4. Schiffman M et al. Arch Pathol Lab Med. 2003;127:930–934
Onuki M et al.:Cancer Sci. 100, 1312–1316, 2009より作図
2種類の子宮頸癌予防ワクチン
HPV ワクチンが作用する機序
ワクチンが
免疫細胞に
働きかけて
抗体を作る
ワクチン
抗体のついた
HPVは免疫細
胞に食べられ
死滅
サーバリクス(グラクソ・スミスク
ライン)
 1接種分の用量
0.5ml
 アジュバント(免疫増強剤)
AS04 (GSK独自開発)
- Al(OH)3
500μg
- MPL
50μg
本物のHPVは
感染できない
抗体が本物
のHPVの
表面につく
2価ワクチン
 L1-HPV16
 L1-HPV18
20μg
20μg
 蛋白発現系  接種スケジュール
1. Stanley M. Vaccine. 2006;24(suppl 1):S16–S22. 2. Batista FD, Neuberger MS. EMBO J. 2000;19:513–
520. 3. Tyring SK. Curr Ther Res. 2000;61:584–596. 4. Roden RB, Hubbert NL, Kirnbauer R, et al. J Virol.
1996;70:3298–3301. 5. Chen XS, Garcea RL, Goldberg I, et al. Mol Cell. 2000;5:557–567.
10
ガーダシル(メルク-万有)
 1接種分の用量
0.5ml
 アジュバント(免疫増強剤)
アルミニウム塩
225μg
4価ワクチン
 L1-HPV6
 L1-HPV11
 L1-HPV16
 L1-HPV18
20μg
40μg
40μg
20μg
 蛋白発現系
酵母
 接種スケジュール
0、2、6ヶ月
バキュロウイルスHi-5細胞
0、1、6ヶ月
世界100カ国以上で承認
(2価ワクチン)
サーバリックスを3回接種することで十分な抗体価が得られる
サーバリックスの接種スケジュール
利き腕ではない側より左右交互に接種して下さい
(筋注)
2価HPVワクチン:15歳以上の女性における免疫原性
100,000
血清抗体陽性率100%*
15~25歳
26~35歳
36~45歳
46~55歳
15~25歳(HPV16)
15~25歳 (HPV18)
(有効性試験)
自然感染後より
も
8倍以上高い
10,000
15-25 歳
26-35 歳
10000
36-45 歳
46-55 歳
1,000
1000
100
自然感染
10
1
0
7
12
18
25–32
33–38
39–44 45–50
51–56
57–62
63–68
69–74
75–76
追跡月数
*
有効性試験データは除く
HPV 18
Log10 GMT(EU/mL)
HPV014試験
年齢群別抗体価の比較(2価ワクチン)
血清抗体陽性率100%
10,000
*
自然感染後より
も
8倍以上高い
1,000
現在8年を超えた追跡データよ
り,20年以上は高い抗体価が
維持されるとの推計
7
12
18
25–32
33–38
39–44 45–50
51–56
100% 100% 100% 100%
57–62
63–68
69–74
自然感染
1
HPV-18
75–76
HPV 16型・
18型に起因する
型に起因する
16型・18
中等度異形成~上皮内がん以上の病変の予防効果
(高度異形成・上皮内がん)
100% 100% 100%
10
追跡月数
Harper DM, et al. Lancet 2006; 367:1247–1255; Wheeler CM, et al. ESPID 2008; Abstract; Schwarz TF, et al. J Clin Oncol 2006; 24 (Suppl 18):Abstract 1008; Schwarz TF, et al. J Clin Oncol 2007; 25 (Suppl 18):Abstract 3007;
Schwarz TF, et al. EUROGIN 2007; Abstract;Schwartz TF, et al. Vaccine 2009; 27:581–587.
(中等度異形成)
100%
55歳までの抗体価のデータあり,任意接種として個人の
利益のための接種は接種希望者の理解の上でなら可.
(検診不要になるとの誤解がないように!)
自然感染
10
0
100
HPV-16
100
1
GMT (EU/ml) (log)
Log10 GMT(EU/mL)
HPV 16
C-60
Schwarz TF J Clin Oncol 2006; 24(18S): 1008
ATP cohort, Seronegative at entry, month 7 results
すべての発がん性HPV
すべての発がん性HPV に起因する
中等度異形成~上皮内がん以上の病変の予防効果
(中等度異形成)
(高度異形成・上皮内がん)
安全性(国内臨床試験;小児+成人)
HPVワクチン接種後の失神症例について
●販売開始以降の副反応報告状況(平成21 年12 月~平成22 年10 月)
☆副作用報告例数:81 例 →うち、『失神』の報告は11件
☆企業出荷数量:601,962 本
☆推定接種者数:40 万人※
(※接種スケジュールを勘案し、これまでの1人あたりの平均接種回数を1.5 回
と仮定して出荷数量より推計した数)
●副反応例詳細
失神の報告は11件ありました
厚生労働省発表資料より引用
世界におけるHPVワクチンの優先・推奨接種年齢状況
Age
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
医療介護ニュース 2010年12月10日
25
26
USA
Greece
Canada1,2
Australia
2-year catch-up ended June 09
3ワクチンの接種事業を説明
-厚労省が全国担当者会議(12
月9日)-
-厚労省が全国担当者会議(12月
France
Switzerland1
Poland4
Belgium1,6
Austria3,5
UK, New Zealand
Luxemburg
Germany1
Sweden
Norway 7
Netherlands1
優先接種対象
Denmark1
Spain4
Italy8
In some regions only
推奨接種対象
Romania
Portugal
公費負担されている国
Abu Dhabi
Ireland3, Mexico
Panama
Older women on individual basis; 2 Quebec – vaccination 10–13y in school and 14–17y through HCP, no province is funding above 18y; 3 No funding; 4 Regional administration,
only one cohort may be funded; 5 Includes boys, no funding. 6 Recommendation for one primary cohort between 10-13y in reality is administered at 12y with catch up now
increased to 18y. 7. Only 12 year olds funded.
1
この事業で接種費用を助成するワクチンは、子宮頸が
んを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン、イ
ンフルエンザ菌b型(ヒブ=Hib)ワクチン、小児用肺炎球
菌ワクチンの3種類。
都道府県に基金を設置して、市町村が行う接種事業費
の2分の1を国が負担する。期間は今年度補正予算が成
立した11月26日から来年度末まで。
事業の実施に当たっては、市町村が医療機関と接種に
ついて委託契約を結ぶ。接種方法については、医療機関
での個別接種を原則とする。
2009年9月データ
本邦での子宮頸がん予防のハードル
多くの女性がHPVと子宮頸がんの関連性を知ら
ず、多くの母親は子宮がん検診を受けていない。
自分がなるかもしれない疾患であることを知らな
い(夫・父親も更に知らない)。
厚生労働省と財務省(高額のワクチンに対する
公費助成,定期接種化)、文部科学省(性教育と
いうより健康教育)の今後の動き
ワクチン公費助成を行わない自治体があれば,
新たな地域格差の問題も。
ワクチンの予防効果は70%(100%には検診が
不可欠)→継続的な啓発の重要性。
小学生へ(高学年はHPVワクチン接種対象者となる)
小学生へ(高学年はHPVワクチン接種対象者となる)
子宮頸がん予防をどのように伝えるか?
子宮頸がん予防をどのように伝えるか?
子宮頸がん予防の
教育,啓発について
子宮とは、みんながここで育った、
お母さんのおなかにある大切な場所
~どのように,子供や親に
情報を伝えるか~
命の大切さの教育のなかで、子宮のことを知ってほしい!
子宮頸がんになると,
赤ちゃんを産めなくなっ
たり,死んでしまうこ
ともある!
予防注射は痛くても,
3回がんばろう!
お母さんには検診を
すすめよう!
卵管
卵巣
様々な感染の予防注射の必要性を
国際比較で感じてもらう。
これからの人生を豊かに生きていくために、
様々な教育を受ける中高校生へ
(健康についての主体的な理解の中で)
(10万対)
(10万対)
400
180
350
175
300
170
科学的ながん予防政策により、
罹患率、死亡率は減少
を1990年代から実現
250
200
死亡 率
罹 患 率
健康教育の中で、予防できる病気がある
ことの例→タバコの害や子宮頸がんにつ
いて、しっかり学校で教えていただきたい。
→ぜひ、学期末試験のヤマへ
ウイルス,免疫,がんなどの科学教育とし
ても,興味を持つように。
セックスと関連がある病気としては、知ら
ないことの怖さやいわゆるSTDとHPV感
染の違いをしっかり教えていただきたい。
アメリカのがん罹患率・死亡率の推移
165
160
1974
76
78
80
82
84
86
88
90
92
94
(年)
がん予防生活術
たばこは最大の危険因子:たばこをやめずにいくら食
生活を注意しても, 大きな予防効果は期待できません
アルコールも確実な危険因子です:お酒でがんの
予防はできません!
体を動かして肥満に注意:テレビの健康番組に時間を割く
より,適度な運動の時間をとる方がよほど健康的!
野菜と果物をしっかりとり,肉類と塩分は控えめに:マ
スコミ情報に右往左往しない,サプリメントや健康食品は基本
的には不要.
有効性が確認されている検診を受けよう
胃がん(レントゲン),大腸がん(便潜血検査),肝臓がん(肝炎
(国立がん研究センターHPより)
ウイルス,血液検査),乳がん(マンモグラフィー併用),子宮頸
子宮頸
がん(細胞診)
(東北大学 坪野吉孝先生「がんは予防できる」より引用)
横浜市立大学附属病院
の取り組み
横浜市立大学 子宮頸がん予防プロジェクト
2010年1月22日より横浜市立大学附属病院に
おいて,病院・医学部関係者を対象の自由診療
による「子宮頸がん予防外来」を開始。 すでに200人以上に接種(接種者台帳作成)。
子宮がん検診の機会を逃してしまっている方
子宮がん検診の機会を逃してしまっている方
には、任意検診も提供。
大学としての組織的なサポートとして,先端医科
学研究センターの研究プロジェクトに採択. 現在は,附属病院に保険診療でおかかりの患者
さんにも接種枠を拡大。
大学からの地域に根差した情報発信が横浜市、
神奈川県から全国へ広がることを期待。
HPVワクチン接種者の頸がん検診歴
2年後の調査で100%
の達成が
私たちの目標です.
HPVワクチン接種者で頸がん検診歴が
ある女性の受診状況
医療関係者にも,
まだまだ啓発は
必要です.
(横浜市立大学附属病院
子宮頸がん予防外来)
(横浜市立大学附属病院
子宮頸がん予防外来)
ワクチン全接種者120名のうち、アンケート回収者で20歳以上で、かつ性
経験ありの方を対象とし、5月14日現在で、93名の方が対象.
横浜市立大学医学部
横浜市立大学附属病院
ま と め
この国の女性が子宮頸がんで大切な子宮
や命を失わないために,一人一人が実効
性のある子宮頸がん予防の行動を起こす
べき時であると考えます。
子宮頸がんの予防には、思春期から成人
に至るまでの継続的な啓発も極めて重要
です。
横浜市,神奈川県が日本の子宮頸がん
撲滅のモデルとなるような活動を,横浜市
大は行っていきます。