連載自転車社会の環境改善を目指して No.36 自転車で楽しむカナダケベックシティ文特定非営利活動法人自転車活用推進研究会会員横浜交通まちづくり協議会理事／インディペンデントライター中村利恵事務局：〒 141-0021 東京都品川区上大崎 3-3-1 自転車総合ビル 4 階 TEL 080-3918-2932 URL http://www.cyclists.jp/ 自転車に優しい街として知られ、世界のトップ 10 に入っているモントリ夏が満喫できるサイクリングオールがあるケベック州、そこに次いで人口が多いケベック・シティは私に夏はケベックアにとって待ちにとって第二の故郷となっている。旧市待った季節。1 年分の太陽を浴びよ街（オールドケベック）はユネスコうと人々は外に出る。そしてあらゆ世界遺産に登録された城壁に囲まれるところで自転車を乗る人たちの姿ている都市があり、ヨーロッパを感じ写真 1 自転車が積めるラピッドバスる街並みが楽しめる。紅葉の季節のメイプル街道ツアーなどどで知られているが、自転車での楽しみ方としを見かけるようになる。週末は自転車を積んで自然の中で過ごす車がの開発、商業地区の再開発などの計道路を連なり、競技選手と思われる画が進行している。ライダーも道路各地で走行練習して一部ではあるが文化や自然も含め公共交通は主にバスで、通常の低ている。ちなみに UCI WorldTour て紹介したい。日本における自転車の床バスの他に郊外向けに運行する 2 環境改善へのヒントがあると思う。連結のラピッドバス（自転車を積め Grand-Prix Cycliste de Quebec という自転車競技が 9 月に開催されるようになっている）や市内向けにている。電気で動くエコバスもあるが、まだ自転車専用通行帯は市街地を入れまだ充実しているとは言えず、日中て 400km あり、広大なセントローケベック州はフランス語が公用の通勤などは多くの人がマイカーにレンス川に沿って、または山や丘か語で、英語が通用するモントリオー頼っている。しかしダウンタウンにらの眺めを満喫しながら自転車を楽ルと比較してケベック・シティはケ住む学生などは、道路網が限られてしむことができる。ケベック州、各と言われるフベックア（ケベック人）いることで発生する朝夕の道路渋滞プロバンスを連結する自転車専用道ランス語を母国語とした人たちが大を回避するため、自転車で移動する路のネットワークは 5,000km を越ケベック・シティ半を占める。フランス語といっても、人たちも少なくない（写真 1 ）。パリなどで話している言葉とは若干広大なセントローレンス側に面し、すということだ。ルートマップや情報もネットなど違い「 Oui（ Yes ）」というだけでケ自然も豊かなこの場所は、冬は曇りベックアとわかってしまうらしい。や吹雪が長く、摂氏マイナス 40 度、や休憩所なども各地に点在、ルートも人口は 55 万人で東京の杉並区、板積雪も 4m 近くなる。7、8 月が夏の橋区と同等。世界に準じて高齢化ピークで日中は 30 度を超える日もでも入手でき、自転車専用の宿泊所明記した専用のガイドブックもある。レンタルショップが数箇所あり、は進んでいるがベビーブームもあり、多いが、夜は一桁代の気温まで下がガイド付のツアーや、ダウンタウン人口が年々雇用とともに増加していることも多く、ドライで過ごしやすや郊外の滝をみるコースなどが用意る。住宅が足りないため、市街地へい。また夏は夜 9 時ごろまで明るい。されている（写真 2 写真 3 ）。「自転車検定」を始めましたインターネットで、いつでも受験できる「自転車検定」サイトを設けました。無料のお試し検定も行っています。自転車活用推進研究会のホームページ〈 http:// w w w.cyclists.jp/ 〉からどうぞ。 044 クションマッピングやシルク・ドュ・うし、子ども連れでいくと、ステーソレイユのパフォーマンスショーがジの前列に子どもを入れてくれたり連日開催されるなどがあった。する。もちろんフランス語なのでカフェスティバルのメインにあたるロック、ブルース、ピップホップなどジュアルに話せたらもっと楽しいだろうと思うのだが。の音楽の祭典は芝生が一面に広がる写真 2 レンタサイクル店アブラハム平原で開催され、約 8 万人規模の収容を持つ。料金は 92カナ島でのサイクリングセントローレンス川の中に、シー購入するだけでいつでも好きな時にドルの産地で有名な大きなオルレア行ける。前の方ででも盛り上がるこン島や小さな無人島なでいくつかのとも、ピクニック気分でシート持参島が点在している。橋がある島もあで後方で寝転びながら見ることもでるが、通常は自動車も自転車も乗せきる。メインの有名アーティストとられるボートが運行されている。観して、一昨年はポール・マッカート光客向けに島で自転車を借りて周ニー、昨年はレディー・ガガ、ビリー・遊することもできる。昨年、グロスジョエル、ブライアン・アダムス（な島（ Grosse-ile ）で自転車を借りた。んとブロンディが前座）、今年はミッ手入れもされていない自転車が盗難夏の風物詩とし Festival D eté De ク・ジャガーで、まさに 7 月 15 日に防止用にチェーンでつなげ、無造作 QUEBECという 7月初旬に開催され開催され、入場制限がされたほどのに並べられてるだけ。自分で気にるサマーフェスティバルがある。音人出だったようだ（写真 4 ）。入ったのを乗ってねと食堂のおば写真 3 その向かいの港にあるマーケットサマーフェスティバル楽やストリートアート、パフォーマン連載ダドルのピカピカ光るピンバッチをコンサートが始まる夜の 7 時半、さんがいうだけの気軽なものだった。スなど400を超えるイベントやショー人々は一斉に現地を目指す。道路網が 11 日間通して開催され 170 万人のが限られるため、渋滞が発生するし、射しと水辺、ひろがった大地を満喫観客が訪れると言われている。駐車場探しの車も連なる。その脇をしかし島でのサイクリングは風と陽できるのどかな時だった。子どもたちも無料で楽しめるイベスイスイと自転車が通る。日本ではケベックの道路は冬の寒さの温ントもあり街中で日夜旧市街地を中見られないスタイルの自転車も滞っ度差により、アスファルトの道路環心に賑わいが絶えない。無料イベンている車の横をのんびり追い越して境は決して良いものとは言えないが、トといってもクオリティが高く、市制いく（写真 5 ）。見ていて楽しい光景文化を味わえる街並みや自然を堪 400 周年を記念したイベントでは、ケだ。余談だがケベックアはフレンド能できる場所としてはお勧めしたい。ベック出身のシルクドソレイユ設立リーだ。初対面でも気さくに話し始多少言葉は通じなくても人懐っこい者、ギー・ラリベルテが穀物サイロのめる。コンサートの仮設トイレで並ケベッアがフレンドリーもてなして壁面に世界最大657mの 3Dプロジェんでいてもお互いに話し始めてしまくれる。写真 4 フェスティバルの様子（ 2014 年）写真 5 フェスティバルへ向かう人写真 6 Grosse-ile のレンタサイクル ※ケベックでの自転車のルールや罰則などについて、細かく掲載されている安全ガイド（第 7 版フランス語）がダウンドードできるのでよかったらご覧ください。 http:// w w w.saaq.gouv.qc.ca /publications /prevention /guide_velo.pdf 自転車・バイク・自動車駐車場　パーキングプレス　2015　8月号 045