資生堂の広告戦略について 経営学研究会 後期部会 第一回 経営学部 一回 2012.10.15 1.研究目的 化粧品会社(今回は資生堂にフォーカ スをあてる)の 広告戦略の意図とその適正について • □化粧品は他の商品について原価が安い • □化粧品は不況時でも売上が下がりにくい(準必需品であ る) • に対し、 • ■化粧品は広告宣伝費が多い • という風潮が根強い。 • このことから、 • ○化粧品会社(資生堂)の大量?の広告宣伝費の意図 • ○化粧品会社(資生堂)の広告宣伝費は必要なのか • の2点を中心に研究をすすめた。 資生堂を選んだ理由 • 今回代表的な化粧品会社の研究対象として 資生堂をあげる。 • 売上ランキングで一位のシェアである • ツバキ・マキアージュ・エリクシール・ウーノな ど最近社内のブランドを統一化させ、ひとつ のブランドに対し多額の広告宣伝費をかけて いる傾向にあるからである。 資生堂の売上高と原価 800000 700000 600000 500000 400000 売上高 300000 売上原価 200000 100000 (百万) 0 2008 2009 資生堂 損益計算書より 大体原価率20%ほどで推移している。 2010 2011 2012 化粧品会社の売上 各業界の広告宣伝費 • 各業界の4媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)の広告宣伝費(千万) 40,000 35,000 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 左から順に エネルギー・素材・機械/食品/飲料・嗜好品/薬品・医療用品/化粧品・トイレタリー/ファッション・アク セサリー/精密機器・事務用品/家電・AV機器/自動車・関連用品/家庭用品/趣味・スポーツ用品/不動産・住宅設備/出版/ 情報・通信/流通・小売業/金融・保険/交通・レジャー/外食・各種サービス/官公庁・各団体/教育・医療サービス・宗 教/案内・その他(2007年 電通「日本の広告費」 資生堂の広告宣伝費 広告宣伝費 1750 1700 1650 1600 1550 広告宣伝費 1500 1450 1400 1350 1300 (億円) 2005 2006 2007 広告費、売り出し費含む。 2008 2009 2010 2.分析方法 • 資生堂の広告の意図 →資生堂が出している広告 →化粧品業界の広告の傾向についての書籍 →資生堂の広告について詳しい書籍 →資生堂が公的に出している文章 • 適正な広告 →広告についての書籍 ※フォーカスをあてる広告媒体 • 今回は広告の中でも一番強い力があるといえ、大衆向きの広告が しやすいということかテレビCMについて説明する。 • テレビ • 大体ワンクールでCMは変わる • 大衆向け(→そのためニーズの狭い高級化粧品にはあまり向かな い) • 延べ視聴率=到達率×頻度 • GPR=リーチ×フリクエンシー • リーチ重視⇒多くの人に • フリクエンシー重視⇒頻繁にみるように 3.分析 資生堂のCM • 前述したとおり、資生堂は2005年以前に10 0近くあったブランド「選択」「集中」をこころみ て、30近くに減らした。 • このことより、以前の資生堂や他の化粧品会 社にくらべて明確に「メガブランド化」が強く見 える。 TSUBAKIの例 • コンセプトは「Japan Glamour」新しい日本の美 の基準 • ブランドメッセージ「日本の女性は、美しい。」 • 販売当初 取り立ててゴージャスさやセレブ感をだすというより、日常に近い目線での溌 剌として女性像。 ナレーション少なめ。効能やブランド名を押し出さない。 MAQUILLAGEの例 • コンセプトは「my precious」=私の上質なもの • しかし、プロジェクトチームの中で「TOKYOITE」 をコンセプトにおく。 自分らしさを表現。 TSUBAKI同様女性像や生き方に触れたフレーズ が投げかけられている。 「ブランドの世界観」を立てる 化粧品業界の広告の傾向 • P&Gとか、カネボウ、コーセー、ちふれとか花 王とか。 花王の例 1400000 1200000 1000000 800000 広告宣伝費 600000 売上高 400000 200000 0 2006 2007 2008 2009 2010 2011 花王の例 広告宣伝費 120000 100000 80000 60000 広告宣伝費 40000 20000 0 2006 2007 2008 2009 2010 2011 花王のCM 適切なCMとは? ターゲット層に「記憶に残りやすく」 「購買意欲がかきたてられる」 ①全体の売上の中から粗利益を計算し、その後AMP予算を想 定し、その中から広告予算を設定する方法。企業としての利益 目標を設定し、その結果をマーケティングして使用できる予算を 確定し、その中で広告費比率を決定していく。(内発的な理由か ら) ②SOMとSOVによる競合他社との関係を考慮していく。(外発的 な理由から) 一般的な広告予算と市場反応 市場反応 広告予算 • SOV シェア・オブ・ボイス • 特定の業界全体の広告費総額に占めるブラ ンドの広告費の割合 • SOM シェア・オブ・マーケット • 業界の売上高全体に占める特定ブランドの 売り上げ高の割合 SOVとSOMの目安 SOM 1-3% 4-6% 7-9% 10-12% 13-15% 16-18% 19-21% 22-24% 25-27% 28-30% MS<AS MS=AS MS>AS SOV +5 +4 +2 +4 +1 +2 0 -3 -5 -5 4.考察 • 近年の資生堂は機能性より、コンセプトを何 度もいい、「世界観づくり」を押し出している。 5.結論 参考文献 • • • • • • • よくわかる化粧品業界 よくわかる広告業界 化粧品マーケティング 資生堂ブランド 資生堂hPp://www.shiseido.co.jp/ 花王hPp://www.kao.com/jp/ アースアンドエコロジー
© Copyright 2024 Paperzz