クリスマス・忘年会・年末年始とお酒を飲む機会が増えてきます。東京消防庁のデータでは、1年で最も多く1 2月に『急性アルコール中毒』で搬送されています。今回は『急性アルコール中毒』について特集します。 アルコール飲料としてエタノールを短時間に多量に摂取したために通常の酔った状態を超えて、運動失調や意識障害、さらには 昏睡、呼吸抑制、血圧低下といった状態が生じること。重症の場合には死亡することもある。 血中のアルコール濃度、つまり飲んだアルコールの量に比例し、誰でもが陥る急性中毒。 通常、飲酒すると「ほろ酔い期」「酩酊(めいてい)期」「泥酔期」「昏睡期」という順で、徐々に血中アルコー ル濃度が上がるので、酔ってきたという自覚がある。 飲酒開始から血中アルコール濃度の上昇までには時間差があり、血中アルコール濃度がピークに達するには飲酒後 30~60分の時間がかかる。このため、短時間で大量の酒を飲むと、酔っているという自覚なしにアルコールを摂取し、 「ほろ酔い期」「酩酊期」を飛び越えて一気に「泥酔期」や「昏睡期」に到達してしまう。 ※酒量等には個人差があります。 血中アル コール濃度 0.05% 酩酊度 目安の酒量 影響 ビール 微酔期 0.08% 日本酒 ウィスキー 陽気、皮ふが赤くなる、判断が鈍くなる 中ビン~1本 1合 シングル~2杯 体温の上昇、ほろ酔い気分、脈が速くなる 中ビン1~2本 2合 シングル~3杯 0.10% 酩酊期 声が大きくなる、気が大きくなる、立てばふらつく 中ビン3本 3合 ダブル3杯 0.20% 泥酔期 千鳥足になる、何度も同じことを喋る、呼吸が速く なる、吐き気、嘔吐 中ビン4~6本 4~6合 ダブル5杯 まともに立てない、言語・意識がはっきりしない 中ビン7~10本 7合~1升 ボトル1本 つねっても揺り動かしても反応しない、呼吸がゆっ くり深い、死に至る場合も 中ビン10本超 1升超 ボトル1本超 0.30% 昏睡期 0.40% ◆酔いが回るにはある程度の時間がかかるので、飲み始めの30分~1時間程度は意識的にゆっくり飲む。 ◆空腹時はアルコールの吸収が早まるので、アルコールの吸収を遅らせる蛋白質や脂肪分を含んだつまみを 食べながら飲酒する。 ◆酒の強さには大きな個人差があるので、自分のペースでその日の体調に合わせて飲むこと。 個人差があるが、一般的に代謝できるアル コールの限度量は、男性は45~55cc、 女性の限度量は30~40ccとされている。 ビール 男:2本 女:1.5本 日本酒 男:2合 女:1.5合弱 ウィスキー 男:ダブル2杯 女:ダブル1.5杯弱 ◆救急車 意識を失うほど泥酔している場合には、迷わず救急車を呼ぶ。つねっても起きず、浅く速い呼吸やあまりにもゆっくりした呼吸の場合には極め て危険性が高い。激しい嘔吐、吐血がある場合にも救急車を呼んだ方がよい。 ◆心肺停止状態 心肺機能の停止状態なら心肺蘇生法・AEDの適用。救急車が到着するまでは呼吸の確保と体温を維持。 ◆回復体位 仰向けの状態では舌がのどに落ち込んだり、嘔吐物がのどに詰まって窒息する危険があるので、必ず体と頭を横向きにして寝かせること。絶 対に目を離さず、顔色や呼吸の様子を常に観察し異常が見られた場合には、救急車を呼ぶ等の適切な処置をする。 From the author・・・楽しいお酒で、楽しい時間をお過ごしください。 もちろん、お酒は20歳になってから。 参考文献: http://health.yahoo.co.jp/katei/detail/?sc=ST010110&dn=2&t=key 東京消防庁ホームページ 他
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