龍ケ崎市情報化推進プラン (平成 24 年度から 28 年度まで) 龍ケ崎市 平成 24 年 3 月 は じ め に 本市では平成14年度~17年度に「龍ケ崎市情報化基本計画」,平成18年度~23 年度の「龍ケ崎市第2次情報化基本計画」と「龍ケ崎市第2次情報化基本計画後期計画」 の下で,行政の簡素化・迅速化や市民サービスの質的な向上を図るため,情報化の推進に 努めてまいりました。 その結果,本市における情報化の基盤やシステムの整備は一通り完了し,情報通信技術 は効率的で質の高い市政運営や市民満足度の高い市民サービスを推進するうえで不可欠の ものとなりました。 一方,急速に進む少子高齢化等の社会問題や地球温暖化といった環境問題,更には平成 23年3月11日に発生した東日本大震災への対応など,これまで想定されなかった様々 な課題が生じ,本市を取り巻く状況は大きく変化しています。 そこで,本市はこれまで以上に市政運営に大きな役割を果たすことになる情報通信技術 を活用し,新たな情報化の取組に向けた第一歩を踏み出すとの思いを込めまして,このた び龍ケ崎市情報化推進プラン(平成24~28年度)を策定いたしました。 今後は,本プランに基づいて,新たな情報通信技術の積極的な研究と活用を進めるとと もに,これまで市が取り組んできた情報セキュリティの強化やシステム経費の適正化の一 層の推進を図ってまいります。 なお,情報化推進プランを実現させるためには,市議会はもとより,市民の皆様のご協 力が必要不可欠であると考えておりますので,今後とも,本市の情報化推進の取組に一層 のご理解とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。 平成24年3月 龍ケ崎市長 中 山 一 生 目 次 第1章 推進プランの基本的な考え方.............................................1 1.策定の目的............................................................1 2.計画期間..............................................................2 3.推進プランの性格......................................................2 第2章 現状と課題.............................................................3 1.情報通信技術の進展と情報化の捉え方....................................3 2.情報化の進展状況......................................................3 第3章 市の目指す情報化のあり方...............................................6 1.情報化の基本方針......................................................6 2.情報化の目標..........................................................6 第4章 推進プランの施策体系...................................................8 1.推進プランの体系......................................................8 2.数値指標設定の基本的な考え方..........................................8 3.推進プラン体系をサポートする施策......................................8 4.推進プランを実現する体制..............................................9 第5章 取組方針・取組項目....................................................11 [目標1]市民と市との情報共有・交流の強化を図ります.....................11 (取組方針)市の情報発信を充実させます.............................11 [目標2]市政の透明性と効率性を向上させます.............................13 (取組方針1)市の財政情報の可視化(見える化)を進めます...........13 (取組方針2)事務運用の円滑とさらなる効率化を進めます.............14 (取組方針3)システム経費の最適化を進めます.......................16 [目標3]情報通信技術の変化への対応能力を強化します.....................18 (取組方針)新技術の適用方針の明確化を進めます.....................18 [目標4]情報システムを推進するための基盤を強化します....................20 (取組方針1)情報セキュリティ対策レベルの更なる向上を図ります.....20 (取組方針2)情報化推進体制の強化を図ります.......................21 (取組方針3)自治体クラウド時代に向けた新たな基盤を構築します.....22 用語解説......................................................................24 龍ケ崎市情報化推進に関する規程(平成20年3月21日訓令第6号)..............26 3 第1章 推進プランの基本的な考え方 1.策定の目的 本市では,平成14年度に第1次情報化基本計画(計画期間:平成14年度~17 年度)を策定,その後,平成18年度から第2次情報化基本計画(計画期間:平成 18年度~23年度)を策定し,計画的に情報通信技術(以下「ICT」という。) を活用した様々なシステム導入をしながら業務改善をしてきました。 効率的で質の高い行政経営を展開し,より一層の市民満足度の向上を図るためには, 技術革新のスピードが速いICT分野の動向に十分留意しながら,個別の業務システ ムの効率化にとどまることなく,全体としての最適化を視野に入れた情報化を推進す ることが必要であり,「電子自治体」の構築につながるもの考えます。 現在,地方公共団体の情報化に関係の深い技術として,共同利用を促進して必要な 機能を低コストで調達し,さらに,システム運用面の煩雑さからの開放なども期待さ れる「自治体クラウド(図1)」や「地域情報プラットフォーム(図2)」が注目を 集めておりますが,「電子自治体」を構築するためには,このようなICT開発動向 等を踏まえた組織的,かつ,計画的な取組による業務改善が肝要です。 このため,本市においては,情報化の基本方針のもと,目標を設定するなど取組事 項を明確化するとともに,従来の業務原課中心から情報化統括責任者(CIO)を中 心とする推進体制を確立し,より効果的で効率的な情報化を推進するため,龍ケ崎市 情報化推進プラン(以下「本プラン」という。)を策定します。 「自治体クラウド」のイメージ(図1) [総務省:地方公共団体におけるクラウドコンピューティング技術の活用] 「地域情報プラットフォーム」のイメージ(図2) [総務省:地域情報プラットフォームについて] ■ 地域情報プラットフォームを活用したシステム再構築を行うことで,システムの効率化が可能 1 2.計画期間 本プランの計画期間は,本市の最上位の計画であるふるさと龍ケ崎戦略プラン(以 下「戦略プラン」という。)との整合性を考慮して,平成24年度から平成28年度 の5か年とします。 また,日進月歩で進むICT分野の技術革新等を考慮し,計画期間の3年目に当た る平成26年度に,本プランの前期2年における情報化の取組状況及びICT分野の 情勢等を総合的に検討のうえ,必要に応じ後期2年の計画内容を適宜修正することと します。 3.推進プランの性格 (1)戦略プランで位置づけた重点戦略及びまちづくり宣言(基本目標)に基づく施 策の推進に資するプランとします。 (2)本プランは社会経済情勢を踏まえるとともに,必要性や優先順位等を整理した うえで,主要な情報化施策の基本的な方向性や取組を示します。 2 第2章 現状と課題 1.情報通信技術の進展と情報化の捉え方 総務省が取りまとめた「平成22年通信利用動向調査」で明らかなようにインター ネットの利用は当たり前のこととなり,ほぼ1人1台となった携帯電話の普及に象徴 されるように,ICTは,社会生活を営んでいくうえで身近で必要不可欠な存在とな っています。 ○ 「平成22年通信利用動向調査」(総務省編)より [平成22年末におけるインターネットの利用状況] ・インターネット利用者数:9,462万人 ・インターネット人口普及率:78.2% 総務省:平成22年通信利用動向調査 また,近年は,インターネットを利用した新たなサービスが様々に提供されるよう になり,単に利便性が高まるのみでなく,インターネット上で個人が簡単に情報の発 信ができるようにもなりました。そして,このようなサービスが広く普及してきたこ とで,個人が発信した情報が多くの人の目に触れやすくなりました。個人の意見等で も社会の広い範囲で影響を持つ可能性が出てきており,情報伝達における見逃せない 大きな変化が生じてきています。 2.情報化の進展状況 平成14年度から23年度までの2期にわたる情報化基本計画に基づき「電子自治 体」の実現に向けて,市民サービスの向上や庁内業務の効率化及び高度化を念頭に置 き,情報化の推進に取り組んできました。 (1)情報システムの進展状況 ①住民情報基幹系システム(平成8年2月当初運用開始) 平成20年3月に更新再稼働を行い,機器及びシステムの安定化・経費の削減 を図りつつ,住民票や税証明書等の発行や住民の異動受付などの窓口サービスの 迅速化を図りました。 また,更なる経費の削減や度重なる法改正への柔軟な対応及び窓口サービスの 向上を図るため,平成24年1月には「龍ケ崎市新住民情報基幹系システム」を 稼働させ,運用を開始しました。 ②総合窓口 平成23年9月に本庁舎1階窓口の配置換えを行い,住民票や税証明書及び各 3 種異動受付をするための共通カウンターを設置しました。 さらに平成24年1月からは,「龍ケ崎市新住民情報基幹系システム」の稼働 と同時に,「総合窓口機能」を利用した新たな窓口業務がスタートとして,ワン ストップ型の市民サービスがスタートしました。 ③イントラネット系システム(平成15年3月当初運用開始) 平成23年3月にサーバ類及び端末の全面入れ替えを行いました。特にサーバ 類については,仮想化技術を取入れ,サーバ機器の集約化により機器調達費用や 機器保守費用の縮減を図りました。 ④市公式ホームページ(平成11年3月当初運用開始,平成15年3月第1回リ ニューアル) 平成20年12月に第2回目のリニューアルを機に,市民への発信情報が「利 用しやすく」,「分かりやすく」,「探しやすく」をキーワードにコンテンツ内 容の充実化を図りました。 ⑤電子申請・届出システム(平成16年7月当初運用開始) 平成21年10月にリニューアルし,色使いやボタンの配置,表示方法等が利 用者にわかりやすいデザインに変更されたことにより,ユーザビリティが向上し ました。 ⑥公共施設予約システム(平成15年10月当初運用開始) 市内のテニスコートやグラウンドなどをはじめ茨城県や参加市町村の公共施設 の空き状況検索や仮予約が可能な「いばらき公共施設予約システム」を利用し, 施設に赴くことなくリアルタイムな空き状況の確認や仮予約がパソコンや携帯電 話で行えるようになりました。 ⑦統合型GISシステム 茨城県域統合型GISが平成20年10月から運用を開始しており,市役所内 部で使用するゼンリン住宅地図情報の共有化を行いました。また,公開型GIS (いばらきデジタルまっぷ)で公共施設等の情報を公開することにより所在地等 の位置情報が提供できるようになりました。さらに空中写真撮影を共同化するこ とにより大幅な撮影費用の縮減を図りました。 ⑧戸籍システム 平成20年9月より戸籍管理のシステム化を行い,戸籍データの検索等の速度 が飛躍的に向上し,事務の効率化が図られました。 ⑨地方税申告システム インターネットを利用して電子的に手続きを行う eLTAX(エルタックス:地方 公共団体が共同で運用するシステム)を導入し,法人市民税・固定資産税償却資 産・給与支払報告書の電子申請・届出が行えるようになりました。 (2)情報通信基盤の進展状況 ①いばらきブロードバンドネットワーク(IBBN)の再構築 平成15年4月に整備し,茨城県及び県内市町村の共同通信基盤として利用し てきたいばらきブロードバンドネットワークを平成23年2月に再構築を行い, これまでの2.4ギガ帯域から10ギガ帯域へ拡張されました。 ②住民基本台帳ネットワークのIBBNへの移行 IBBNの再構築により,情報セキュリティ対策が確保できたことから,これ まで別回線からIBBNへ移行することが可能となり,通信費用の縮減を図るこ とができました。 ③市民向け光回線を市内全域に整備 平成18年度から光回線の整備について,市民の皆様の声を反映させるため, 要望書としてまとめ,通信関連企業へ働きかけを行った結果,平成21年8月に 4 市内全域を整備することができました。 (3)推進してきた情報化体制 ①推進体制 龍ケ崎市情報化推進委員会の設置 情報化統括責任者(CIO)の設置 CIO補佐官(専門職)の設置 IT推進リーダーの設置 ②情報セキュリティ体制 緊急情報セキュリティ会議の設置 情報セキュリティ委員会の設置 情報セキュリティ統括責任者(CISO)の設置 情報セキュリティ管理者の設置 5 第3章 市の目指す情報化のあり方 1.情報化の基本方針 情報化の推進に当たっては,「市民サービスの向上」「行政運営の簡素化・効率化」 「地域活力の向上」「共通的に取り組む事項」を考慮した全体最適化の観点から,各 業務システムの導入・改善等を実施することを基本方針とします。 なお,平成24年1月に稼働を始めた総合窓口システムは,市民サービスの向上及 び行政運営の簡素化・効率化の観点に沿った業務改善の事例ですが,このようなシス テム化においては,稼働後の利用状況や市民ニーズの変化等を捉えながら,「市民お もてなし型」業務改革・組織改革につなげていくことが肝要です。 2.情報化の目標 本プランを計画的に推進するため,情報化の基本方針を踏まえ,以下の4つの目標 を設定します。 (目標1)市民と市との情報共有・交流の強化を図ります パソコンや携帯電話等の普及した今日においては,これらを活用して「市民」と 「市」との間で,これまで以上に多様なコミュニケーションを実現できる可能性が高 まっています。 市からの情報発信については,市民の市政への参加・参画の前提として引き続き重 要ですが,今後はそれを更に発展させ,「市民」と「市」との情報共有・交流の強化 を図ることで,市民の市政への更なる参加・参画を促進していくことが強く求められ ます。 本計画においては,市民と市との情報共有・交流の強化を目標の1つに捉え,既存 システム及び通信基盤の有効活用を図り,その達成に向けた取組を強化します。 (目標2)市政の透明性と効率性を向上させます 市は,これまでも住民情報基幹系システムやイントラネット系システムのネットワ ーク基盤の再整備や充実化を推進し,市政の効率化を図ってきました。しかしながら, 今後も続く厳しい財政状況を考えた場合に,持続可能な市政運営を実現していくには 情報システムを活用して市政のより一層の効率化が強く求められます。 更に昨今では,市政の効率化に加えて,市民の参加・参画意欲を高められるよう市 政に関する情報を「見やすく」,「わかりやすく」,「探しやすく」提供するなどし て,市政の透明性を向上させる取組も重要となっており,そこでのICTの役割は大 きなものであり今後注力していかなければなりません。 そこで,本プランにおいては,市政の透明性と効率性の向上を目標の1つと捉え, その達成に向けた取組を強化します。 (目標3)情報通信技術の変化への対応能力を強化します 平成22年通信利用動向調査のとおりインターネットが普及した昨今では,インタ ーネット利用端末(パソコン,スマートフォン,携帯電話等)を利用してインターネ ット上から様々な機能を持ったシステムサービスが無償または極めて安価な費用で利 用できるものが急増しています。 また,システムサービス提供ベンダーがソフトウェアだけでなく,ハードウェアも すべて一括で提供することで,システム導入を短期間で行うことのできる技術形態が 注目され,導入事例が増えている状況です。 これらの状況を踏まえ,本プランでは情報通信技術の対応能力の強化し,ICTに 関する情報の収集能力,選別能力,評価分析能力等のさらなる向上を図りつつ,これ らの新たな技術等についての基本的な考え方や市としての対応方針等を定めます。 6 (目標4)情報システムを推進するための基盤を強化します 効果的な情報システムの利活用を推進していくためには,情報通信技術の面だけで はなく,それらを動かす人材の確保や育成とシステムの運用及び管理をするための組 織体制の強化が必要不可欠です。 市では,これまでもIT推進リーダーを配置して情報システムの利活用を推進する ための人材を育成し,また,管理しているデータ等を保護し,システムの安全を確保 するため,情報セキュリティ管理者を中心としたセキュリティマネジメント体制の整 備等行ってきました。 しかしながら,情報通信技術の進展に伴い,その充実がこれまで以上に重要かつ必 要不可欠となってきているため,これまでの取組を更に発展させ,主に人材育成面を 中心とした強化策の取組を進めます。 7 第4章 推進プランの施策体系 1.推進プランの体系 本プランにおいては,情報化の目標,取組方針及び取組項目の順序で体系化を行い, その関係性を明確化したうえで,不断の取組を行うこととします。 具体的には,情報化の基本方針を具現化するために4つの目標を設定するとともに, 目標を達成するために注力すべき分野を取組方針として掲げ,その下に施策として取 組項目を位置づけます。 基 本 方 針 情報化推進プラン 目標 取組方針 取組項目 2.数値指標設定の基本的な考え方 計画の実効性を担保するためには,数値指標を定めた上で進捗管理を行うとともに, 取組の成果を検証しながら次の取組へと発展させることが肝要です。そして,計画目 標を達成するために,各取組項目がどの程度寄与するのかなど,事前にその因果関係 を十分検討することが不可欠です。 一方,ICT分野においては,総じて数値指標による成果の進捗管理が発展途上の 段階にあるため,現状では,数値指標自体の検討がまずは必要です。 そこで,本プランにおいては,数値指標による進行管理を念頭に,本プランの前期 2年間に数値指標の検討を行うこととし,平成26年度に数値指標を決定したうえで, 後期2年間は数値指標に基づく進行管理を行うこととします。 3.推進プラン体系をサポートする施策 本プランを推進させる体系を機能させるためには,システム評価制度の強化や職員 のICTリテラシーの向上及び情報政策課やCIO補佐官等による支援が必要となり ます。これらと同時に,「自治体クラウド」や「地域情報プラッフォーム」等を活用 した競争原理の積極活用,調達の公平性・透明性の確保に向けて,調達手順の標準化 を推進していきます。 ①情報政策課におけるシステム評価の強化 8 情報政策部門の役割であるシステム評価について,現在実施しているシステム事前評価に 加え,システム等の調達時にも仕様書や契約方法等について,確認の改善活動を行います。 ②職員のICTリテラシーの向上 本プランを円滑かつ適正に実施するためには,ICTを利活用する能力を育成する ことが求められており,市職員のICTリテラシー(活用能力)向上を図るための各 種研修を実施します。 ③調達の標準化(既存ガイドブック等の徹底及び改善) システム調達時の手順や技術標準を明記した既存のガイドブック等の周知徹底を促 し,調達の標準化の改善を図る。これまで業務所管課ごとに行ってきた,新規開発や 再構築時の調達を標準的な手順で行うことにより,ICT経費の適正化を図ります。 構 想 ・ 企 画 適 用 範 囲 基 本 計 画 策 定 予 算 手 続 調 達 手 続 業 者 選 定 シ ス テ ム 設 計 シ ス テ ム 開 発 シ ス テ ム テ ス ト 導 入 ・ 検 収 運 ・ 用 評 ・ 価保 守 情報システム導入ガイドブック 既 存 手 続 き 等 情報システムの導入等に 係る事務手続要綱 システム開発ガイド システム運用ガイド 4.推進プランを実現する体制 本プランの実現化に向けたシステム導入等については,情報政策課がシステム評価制 度の中で全体最適化を見据え,「自治体クラウド」や「地域情報プラットフォーム」等 を活用したシステムの一元化や集中管理の視点で計画から調達時まで指導・調整を行っ ていきます。 情報システムのクラウド化やシステム間連携・運用の統合を進め,競争原理の積極的 活用を図ることは,経費の縮減につながる反面,安定的な運用を損なう恐れもあるため, 計画の推進に当たってはCIOを中心とした推進体制での強力な指導調整の下,各施策 を効率的・効果的に実施していくこととします。 CIOを中心とした推進体制 (成熟モデル(PDCAサイクルモデル)) 9 CIOを中心とした推進体制に向けて① (現状モデル) CIOを中心とした推進体制に向けて② (初期モデル) CIOを中心とした推進体制に向けて (あるべき推進体制モデル) 龍ケ崎市役所 全体管理組織(PMO) 評価・監査 CIO 情報化統括責任者 評価・監査部門 (情報化推進委員会等) 支援 CIO補佐官 CIO支援スタッフ 広報 部門 人事 部門 会計 部門 調整 情報システム 部門 (情報政策課) 方針、指針、指示、 助言、調整等 報告、要望等 :ITガバナンスにおける主要部門 :その他の関連部門 個別管理組織A 個別管理組織(PJMO) PM O:プログラム ・マ ネジ メント・オフ ィス PJMO: プロジ ェクト・マ ネジ メン ト・オ フィス ITベンダー等 10 ・・・ 個別管理組織B ITベンダー等 第5章 取組方針・取組項目 体 系 図 目標1 市民と市との情報共有・交流の強化 を図ります 取組項目1 : 龍ヶ崎市公式サイトの充実化 取組方針 市の情報発信を充実させます 取組項目2 : SNSによる情報発信の充実化 取組方針1 取組項目 : 財務会計システムの活用 市の財政情報の可視化(見え る化)を進めます 目標2 市政の透明性と効率性を向上させます 取組項目1 : 住民基本台帳カードの普及促進 取組項目2 : 総合窓口の段階的な拡充 取組方針2 事務運用の円滑とさらなる効率 化を進めます 取組項目3 : 福祉窓口業務の効率化 取組項目4 : 法改正に伴うシステム対応の着実な実施 基 取組項目1 : 情報化管理制度の実効性強化 本 取組方針3 方 システム経費の最適化を進めます 針 取組項目2 : 総合情報化顧問制度のさらなる活用 取組項目3 : システム評価のあり方の検討 取組項目4 : システム構築方法の標準化 目標3 取組方針 情報通信技術の変化への対応能力を 新技術の適用方針の明確化を進め 強化します ます 取組項目1 : オープンソースの活用策の検討 取組項目1 : 情報セキュリティマネジメント体制の拡充 取組方針1 情報セキュリティ対策レベルの更 なる向上を図ります 目標4 情報システムを推進するための基盤を 強化します 取組項目2 : クラウド導入の検討 取組項目2 : システム面での事業継続計画の検討 取組項目3 : 市民向け情報セキュリティ啓発の実施検討 取組項目1 : 情報化人材の育成強化 取組方針2 情報化推進体制の強化を図ります 取組項目2 : システム部門の体制見直し・強化 取組方針3 自治体クラウド時代に向けた新た 取組項目 : 被災者支援業務のシステム化 な基盤を構築します [目標1]市民と市との情報共有・交流の強化を図ります この目標には,1つの取組方針と1つの取組項目を位置づけています。 (取組方針)市の情報発信を充実させます 市公式ホームページ等を通じた情報発信は,市民への情報提供や情報交換の手段 として効果的であり,市と市民とを結ぶ接点としても大変重要です。 さらに,今日では,情報通信技術の発展によりメール配信やツイッター・フェイ スブック等のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの多彩な情 報発信が可能となり,さらに携帯電話や多機能携帯端末(スマートフォン)等の身 近な機器の利用と組み合わせることで,市民の手元に情報を直接届けることもでき るようになりました。 このような状況を踏まえ,本プランでも引き続き市の情報発信の充実を取組の柱 11 に据え,情報自体の鮮度や質も含めた情報発信の充実に取り組んでいきます。 この取組方針に関連する本プランにおける取組項目は,以下のとおりです。 ○取組項目1 龍ケ崎市公式サイトの充実化 [概要] 龍ケ崎市公式サイトは,平成20年12月にリニューアルを行い,各種機能を 充実させてきました。これにより,ホームページ作成業務が大幅に簡易化された ほか,「みんなの市長室」や市長ブログの開設,更には各課のブログの開設等, 市から積極的な情報提供に取り組んできました。 今後は,情報発信の玄関口として,ホームページへの期待度の高まりやホーム ページの充実化が求められることから,ホームページ作成システムの機能を最大 限に有効活用し,情報の鮮度や質も含めた情報発信の充実を推進していきます。 また,障がい者・高齢者のホームページの利用に配慮するための日本工業規格 「JIS X8341-3」,総務省「みんなの公共サイト運用モデル」に基づ いた「龍ケ崎市ウェブアクセシビリティガイドライン」を策定し,ホームページ を作成する際のガイドラインとして運用していきます。 なお,平成28年度以降の現行システムの見直しについては,当市における基 本的な考え方等を多様な手法(例:市民や第三者機関等による外部評価,龍ケ崎 市情報化推進委員会等による内部チェック等)を活用して課題や改善点を計画期 間の中で整理します。 [主な担当部署] 情報政策課 [スケジュール等] 年度 H24 H25 H26 H27 内 充実化 容 次期公式サイ 次期公式サイ 公式サイトのリニューアル トの検討 ト見直し作業 H28 現行システム ○取組項目2 SNSによる情報発信の充実化 [概要] 東日本大震災時に,SNSを利用した情報発信が自治体においても有効であった ことから,当市においても平成23年度よりツイッターとフェイスブックによる情 報発信を開始したところですが,これらの情報発信をさらに充実化していきます。 ツイッター,フェイスブックのそれぞれのメリットを活かし,災害時の有効な情 報提供の手段として活用するとともに,日頃の運用においてはイベント情報や行政 情報などのリアルタイムな情報発信を行います。また,フェイスブックでは,「各 課のブログ」などのコンテンツも運用開始し,市民との情報交換の手段としても活 用していきます。 [主な担当部署] 情報政策課,秘書広聴課 12 [スケジュール等] 年度 H24 H25 H26 H27 H28 充実化 内 容 ツイッター開始 提供情報の充実化 フェイスブック 新コンテツの検討 (ブログ開始) twitter [目標2]市政の透明性と効率性を向上させます この目標には,3つの取組方針と9つの取組項目を位置付けています。 (取組方針1)市の財政情報の可視化(見える化)を進めます 市の財務状況の可視化(見える化)は今後ますます重要な課題となると市は捉え ています。これまでの計画ではICTによる事務のスリム化を前面に出す形で取組 を進めてきましたが,今後は財務状況の見える化を取組の柱として新たに掲げ, それを情報分析の高度化や事業等の見直しに結びつけることを通じて,市政の透明 化と効率性の向上を推進していきます。 この取組方針に関連する本プランにおける取組項目は,以下のとおりです。 ○取組項目 財務会計システムの活用 [概要] 総務省から地方公会計制度の考え方が示されたことを踏まえ,本市の財務会計システ ムについては,平成22年度から機器及びシステムを更新し,機能の強化を図りました。 この機能強化により,今後は事務の効率的運用に努めるとともに財務状況を分 かり易く公開することで,より一層の透明化に努めます。 [主な担当部署] 企画課,財政課,会計課 [スケジュール等] 年度 内 容 H24 H25 H26 H27 H28 透明化 財政状況の公開 13 イメージ図 (取組方針2)事務運用の円滑とさらなる効率化を進めます 市の業務の広い分野にシステムが浸透し,ICTによる事務の効率化も相当程度 進んできましたが,事務運用の円滑化と効率化はICTの長所を最も発揮しやすい 分野でもあることから,引き続き重要であると考えます。また,ICTの利活用を 事務運用の見直しにつなげることでさらなる効率化を実現することが可能となるた め,今後においても事務運用の円滑化とさらなる効率化を取組の柱として掲げ,市 政の効率性の向上を推進していきます。 この取組方針に関連する本プランにおける取組項目は,以下のとおりです。 ○取組項目1 住民基本台帳カードの普及促進 [概要] 市では,閉庁時であっても市民カードまたは,住民基本台帳カードを使って自 動交付機で住民票や印鑑登録証明書の交付を行っています。また,平成24年7 月からはコンビニエンスストアでも交付が出来ることとなります。今後は,自動 交付機やコンビニエンスストアでの取得できる証明書の種類の拡充化により住民 基本台帳カードの普及促進を図り,また住民基本台帳カードへのワンカード化( 市民カードを始めとした様々カードの集約化)を推進することで,更なる市民サ ービスの利便性を向上させます。 [主な担当部署] 市民課,情報政策課 [スケジュール等] 年度 内 容 H24 H25 H26 H27 H28 普及促進 コンビニ交付 発行対象証明書追加検討・交付 に対応 無償交付期間 ○取組項目2 総合窓口の段階的な拡充 [概要] 平成24年1月から市庁舎南側窓口においては,共通カウンターを設置し,1 つの窓口から諸証明書(住民票の写し,印鑑証明及び税証明)の交付を可能とし ました。 今後は,申請書の統一を図るなどワンストップサービス構築に向け,「自治体 クラウド」や「地域情報プラットフォーム」,先進自治体の取組みや事例を最大 限活用することで,市民おもてなし型の総合窓口化へ向けて段階的な拡充を図っ ていきます。 [主な担当部署] 市民課,保険年金課,税務課,情報政策課,企画課 14 [スケジュール等] 年度 H24 H25 H26 H27 内 拡充化 容 ワーキング等 順次拡充 による検討 (ワーキング等によるPDCA作業) H28 例:将来的な総合窓口のイメージ ○取組項目3 福祉窓口業務の効率化 [概要] 高齢者福祉業務や子育て支援業務(結婚,妊娠,出産,子育て,教育)等につ いて,ICTを活用して効率化を推進します。 平成24年度から地域包括支援センターが市の直営化となり,市役所に同業務 システムが継承されました。高齢者は,若年層に比べて生活全般のサポートが必 要となるため,高齢者を対象とした福祉業務は,全体最適化の観点から全庁を横 断した業務の効率化・業務改革が強く求められます。 また,子育て支援業務については,結婚,妊娠,出産,子育て,教育と,総合 的な子育て支援に係る市民サービスのワンストップ対応を目指した窓口業務の開 設を検討します。 [主な担当部署] 情報政策課,高齢福祉課,社会福祉課,こども課,健康増進課 [スケジュール等] 年度 H24 内 福祉窓口業務 の効率化 容 H25 ワーキング等による検討 H26 H27 ワンストップ窓口の順次拡大 15 H28 ○取組項目4 法改正に伴うシステム対応の着実な実施 [概要] 平成24年7月の住民基本台帳法の一部を改正する法律の施行への対応を一つ の契機として,平成24年1月から新住民情報基幹系システムがスタートしまし た。今後,予定されている大規模な法改正等へのシステム対応については,この システムのスタートを機に運用及び保守の中で行うことで改修経費を縮減し,事 務運用の円滑化や効率化が可能となりました。 今後のシステムへの取組として,法改正等に伴ったシステムへの対応について 適切に進捗されているか実績管理を把握することが必要であると考えており,法 改正等に伴うシステム対応を着実に実施させることが重要であるため,取組項目 の一つとして,その適切な進捗管理や実績管理を行いながら市全体としての業務 運用の円滑化とさらなる効率化を図っていきます。 [主な担当部署] 情報政策課 [スケジュール等] 年度 内 容 H24 H25 H26 H27 H28 法改正へ の対応 住基法改正 順次法改正対応 介護保険法改正 順次法改正対応 (取組方針3)システム経費の最適化を進めます 昨今の業務を行う手段として,システムが普及したことにより以前に増してシス テム経費の最適化が求められます。 本プランでは,より一層システム経費の最適化に注力することを取組の柱として 掲げ,効率的なシステムの導入等による費用対効果の向上を推進していきます。 この取組方針に関連する取組項目は,以下のとおりです。 経費の推移表(単位:円) ○取組項目1 情報化管理制度の実効性強化 [概要] システム経費の最適化を進めるためには,システムの改善等を進めていく過程で仕様 書や見積書の内容等を精査し,システム経費の妥当性のチェックを行っていくことが肝要 です。このシステム経費の妥当性のチェックを広く進めていく意味合いも含め,平成20年 度から龍 ケ崎市情報化推進に関する規程に基づき,情報化に関する推進及び管理制度 の強化と,予算編成を連動させるなど,実効性の強化に努めてきました。 しかし,その普及と定着がまだ十分図られていない状況にあるため,自治体ク ラウドや地域情報プラットフォームを活用し,先進自治体のICTコストの公平 公正と透明性の確保を進めていきます。 16 [主な担当部署] 情報政策課,財政課,契約検査課, [スケジュール等] 年度 H24 H25 H26 H27 H28 システム化まで 内 のプロセス検討 容 情報システム調達ガイドラ インの見直し 新情報システム調達ガイドラインによる適 正なシステム調達 ○取組項目2 総合情報化顧問制度のさらなる活用 [概要] 情報通信技術が秒進分歩ともいうべき速度で進歩し,システム構築を外部委託 することが一般化した今,ICTに関する新たな知識や活用能力の向上がこれま で以上に職員へ求められるようになっています。しかし,ICTが多様化し,技 術水準が高度化している状況の中で,職員のみで迅速に変化に対応していくこと は極めて困難といえます。この状況を踏まえ,平成22年度から業務委託の形で 外部の専門家をCIO補佐業務(専門的視点からの当市の情報化における総合的 な支援)に従事させる仕組みを導入しました。これまでもITアドバイザーとい う形でシステム導入時の仕様書や見積書等のチェックを中心に一定の成果を上げ てきましたが,これまで以上にその活用が望まれるため,その更なる活用を図り ながらシステム戦略を強化し,システム経費の最適化を推進するとともに,CI Oを中心とした推進体制(龍ケ崎市ICTガバナンス体制)も構築していきます。 [主な担当部署 情報政策課,財政課,契約検査課 [スケジュール等] 年度 H24 H25 H26 内 人材検討 容 CIO補佐官 ICT専門技術者の委託又は雇用 の配置 H27 H28 ○取組項目3 システム評価のあり方の検討 [概要] これまでのシステム評価については,様々な検討を行ってきましたが有効な方策を見 出せないのが実態です。システムの導入効果等の事後的な検証を行っていくためには, 制度としてのシステム評価は必須であると考えますが,実際には有効な評価を行い,制 度運用を軌道に乗せていくまでには,整理すべき課題が山積していると考えます。そこ で,CIOを中心とした推進体制(龍ケ崎市ICTガバナンス体制)の下で,システム評価制 度の確立に向けた検討をこの計画期間に行います。 [主な担当部署] 情報政策課 [スケジュール等] 年度 内 容 H24 H25 H26 検討 CIOを中心とした評価内容の順次改善 17 H27 H28 ○取組項目4 システム構築方法の標準化 [概要] システム経費の最適化を図っていくには,今後も市全体としてシステムの管理 及び運用の最適化を推進し,それによりシステム経費の低減を図っていくうえで は,情報システム調達ガイドラインを改訂するなど,指針に沿ったシステムの管 理及び運用を行っていくことが重要であると考えます。 そこで,市全体のシステの最適化によるシステム経費低減を行っていくために, CIOを中心とした推進体制(龍ケ崎市ICTガバナンス体制)の下で,システ ムの構築方法や管理運用の標準化の指針となる情報システム調達ガイドラインの 検討をこの計画期間に行い,課題や基本的な考え方を整理します。 [主な担当部署] 情報政策課,財政課,契約検査課 [スケジュール等] 年度 H24 内 検討 容 課題整理 H25 改定作業 H26 H27 H28 新ガイドラインによる運用 [目標3]情報通信技術の変化への対応能力を強化します この目標の下には,1つの取組方針と2つの取組項目を位置付けています。 (取組方針)新技術の適用方針の明確化を進めます 情報通信技術は秒進分歩とも言うべきスピードで進化しており,毎日のように新 しい技術や活用方法が生み出されています。 これらの流れを反映して,近年では,インターネット上で多様な機能を持ったシ ステムサービスが無償または極めて安価で利用できるものが急増しているほか,シ ステムサービス提供業者がソフトウェアだけでなく,ハードウェアもすべて一括で 提供することで,システム導入を極めて短期間で行うことのできるような技術形態 も現れてきています。 これらは,個人情報保護や情報セキュリティの観点からの課題も指摘されていま すが,これらの課題が解決できれば,うまく活用することでシステム経費の削減や 柔軟なシステム導入を実現できる可能性が大いに見込まれる技術でもあります。そ のため,今後の動向を含めて,その進展を不断に捉えていくことが求められます。 そのことを踏まえ本プランでは,今後の市の情報化施策に反映させていくことを念 頭に,新技術の適用方針の明確化を新たに取組の柱に掲げ,新技術に関する調査研 究とそれらに対する市の考え方の整理を進めていきます。 ○取組項目1 オープンソースの活用策の検討 [概要] システム経費やシステムの管理運用負荷の軽減を図るため,オープンソースを 積極的に取り入れる自治体が近年増えつつあります。その利用形態については, 単にソフトウェアの導入に止めるケースからオープンソースとしての公開されて いるパッケージシステムを導入するケース,システム開発をすべてオープンソー スで行うことをルール化したうえで中小システム会社に構築を委託して低コスト でのシステム開発を行うケース等,様々なケースが存在しています。 しかし,本プランではオープンソースの活用策の検討を1つに位置付け,自治体クラウド や地域情報プラットフォーム,先進自治体の取組みを活用しながら,オープンソースに関 する調査研究とその活用に際しての市の考え方の整理を積極的に進めていきます。 18 [主な担当部署] 情報政策課 [スケジュール等] 年度 H24 内 検討 容 課題整理 順次導入 H25 H26 H27 H28 ○取組項目2 クラウド導入の検討 [概要] クラウドコンピューティング方式については,短期間でシステム導入が可能で あり,かつ低コストでサービス提供が可能という特徴を有しているために,近年 特に注目が集まり,総務省がこの方式を活用して自治体クラウドという形でその 取組を開始し,総務大臣を本部長とする「自治体クラウド推進本部」が設置され 体制が整備されました。 また,「総務省政務三役会議」においては,各地方自治体の長には,現有シス テムの更新時期を踏まえ,順次クラウド導入を推進するための「電子自治体最適 化計画(仮称)」の作成に努める旨の法整備も検討しており,クラウド導入の全 国展開と業務の標準化を推進する方向性も示されています。 これらを背景として,クラウドコンピューティング方式によるシステムサービ スを提供するシステム会社が増加傾向にありますが,システムを自前で保有しな いというシステム形態ゆえに,情報セキュリティ対策や現行の業務との適合性が 課題と考えられており,本格的な普及はこれからという段階にあります。 しかし,これらの課題を克服できれば,クラウドコンピューティングは魅力的 なシステム形態であるといえます。 そのことを踏まえ,本プランではクラウドコンピューティング方式導入の検討 を位置付け,CIOを中心とした推進体制(龍ケ崎市ICTガバナンス体制)の 下で,調査研究と活用策の市の考え方を整理し推進します。 [主な担当部署] 情報政策課 [スケジュール等] 年度 H24 内 検討 容 課題整理 順次導入 H25 H26 H27 H28 クラウドのイメージ図 19 [目標4]情報システムを推進するための基盤を強化します この目標の下には,3つの取組方針と6つの取組項目を位置付けています。 (取組方針1)情報セキュリティ対策レベルの更なる向上を図ります 市では,個人情報の保護及び情報セキュリティの確保のため,これまでも龍ケ崎 市情報セキュリティ規則に基づき,職員の適正な運用及び情報の取り扱いを行って きました。しかし,他団体のセキュリティ事故の事例を見ると,運用面中心の安全 対策のみでは十分とは言えない状況になっております。加えて,災害時等における 事業継続や広く市民を含めた情報セキュリティ対策への意識の啓発等も含めて対応 が求められるようになっております。 そこで,龍ケ崎市第2次情報化基本計画に引き続き,市の情報セキュリティ対策 のレベルを一層高めていくことを取組の柱として掲げ,これまで取組を進めてきた 対策の充実に加えて,これらの新たな課題の解決に向けた検討も進め,信頼できる 情報セキュリティ対策を行ううえでの組織体制の強化を推進していきます。 この取組方針に関連する本プランにおける取組項目及び検討項目は,以下のとお りです。 ○取組項目1 情報セキュリティマネジメント体制の拡充 [概要] 平成21年度に市は情報セキュリティポリシーの見直しを行い,主に「教育」 「啓発」「自己点検」を中心にセキュリティマネジメントの運用を強化して取り 組んできました。 しかし,情報通信技術は日々進歩しており,業務におけるシステム利用形態が 高度化していることも考えると,これらに即応するセキュリティマネジメント体 制の拡充が今後ますます重要になります。 そこで,さらなるセキュリティレベルの向上を目指すため,実効性の確保によ り重点を置き,監査も視野に入れたセキュリティマネジメント体制の拡充をCI Oを中心とした推進体制(龍ケ崎市ICTガバナンス体制)の下で,推進してい きます。 [主な担当部署] 情報政策課,総務課 [スケジュール等] 年度 H24 H25 内 拡充化 情報セキュリティ規則等の 容 見直し作業 H26 H27 H28 システム内部 システム内部監査 監査試行 ○取組項目2 システム面での事業継続計画の検討 [概要] 現在,市においても様々な危機を想定して,全庁的な事業継続計画の検討が進 められています。しかし,これらの計画はまだ整備段階にあることもあり,業務 システムの停止リスクやその影響度等まで視野に入れたものとはなっていないの が実情です。 一方,業務システムの中には,災害時等においてすぐに必要とされるものから, 当面システムを稼働させないで済むものまで様々な類型のものが存在しており, これらの類型に応じた目標復旧時間の設定や実際にその目標時間での復旧を可能 とするために必要となるバックアップシステム等の構築も有事の際を考えると不 可欠となると考えられます。そこで,主にシステム面から見た事業継続計画のあ 20 り方の検討を位置付け,先行事例等の調査研究やシステムの類型に応じた復旧時 間や復旧方法等のあり方に関する検討を行い,この計画期間でシステム面から見 た事業継続計画のあり方についての課題と基本的な考え方の整理を行います。 [主な担当部署] 情報政策課,危機管理室 [スケジュール等] 年度 内 容 H24 H25 H26 H27 H28 検討 業務課題整理 策定作業 訓練試行 訓練 訓練 ○取組項目3 市民向け情報セキュリティ啓発の実施検討 [概要] ICTを悪用した犯罪(サイバー犯罪)等に象徴される情報化の負の側面が広 く顕在化してきている今日においては,市民生活の安全安心を確保していくため に市職員のみならず市民向けの情報セキュリティ啓発も重要となっています。 情報セキュリティを含めた情報教育の強化は,現在も児童や生徒向けに教育課 程の技術・家庭科や各教科での情報通信機器の利用の中でその強化に取り組むな ど,本プランでは,市民向けの情報セキュリティ啓発の実施検討を位置付け,先 行事例等も参考にしながら,将来を見据えて市民向けの情報セキュリティ啓発に ついて,幅広い検討を行い,この計画期間で実施に向けた課題と基本的な考え方 の整理を行います。 (取組方針2)情報化推進体制の強化を図ります 着実に効果を上げる情報化を進めていくには,ネットワーク等のハード面のみで なく,それらを動かす人材や管理運用体制の強化が同様に不可欠です。市はこれま でも情報化を進める人材体制の整備を行ってきましたが,情報化の更なる進展に伴 い,その充実がますます必要となってきています。そこで,着実に効果を上げる情 報化推進の基盤を確立するため,引き続き本プランでも情報化推進体制の強化を取 組の柱として掲げ,CIOを中心とした推進体制(龍ケ崎市 ICT ガバナンス体制) を構築し運用することで,これまでの取組を更に発展させて,より具体的な人材育 成や管理運用体制の強化を図っていきます。 この取組方針に関連する本計画における取組項目は,以下のとおりです。 ○取組項目1 情報化人材の育成強化 [概要] 着実に効果を上げる情報化を進めるためには,システム構築に必要となる前提 条件等を整理し,情報化を適正に実現するための確立した手順を踏んで実施する ことが不可欠です。そのためには,情報化推進部門はもちろんですが,情報化の 実施主体である業務主管課の職員にも十分なICT活用能力が求められることに なります。これまでも情報化担当者の設置や情報化関連ガイドラインの策定など により,情報化人材育成体制の整備に市は努めてきました。しかし,情報化人材 の育成がまだ十分に進んでいないのが実情であるため,これまでの取組を更に強 化し,全庁的な情報化実施体制のレベルの底上げを図るとともに,役割別に求め られるICT利活用能力の明確化や情報化人材の計画的な強化を図ることを目的 とした育成プログラムの実施等により,その実現を引き続き目指していきます。 [主な担当部署] 情報政策課 [スケジュール等] 21 年度 H24 H25 H26 H27 H28 研修の実施 内 IT推進リーダー会議 容 操作研修会 情報セキュリティ研修会 ○取組項目2 システム部門の体制の見直し・強化 [概要] 着実に効果を上げる情報化を進めるためには,人材育成と同様に情報化を適正 に実現するための確立した手順を確実に実施するための管理体制が必要となりま す。そのため,市は平成19年度に情報化関連規程類の再整備を行い,平成20 年度から情報化統括責任者(CIO)を設置し,更に平成23年度からCIOを 補佐するアドバイザー(CIO補佐官)を委託方式により取り入れるなど,情報 化推進体制の強化を実施してきました。 しかし,情報化人材の育成が十分とまでは進んでおらず,その普及と定着が課 題となっております。そこで,CIOを中心とした推進体制(龍ケ崎市ICTガ バナンス体制)を構築することで,効果を発揮できる情報化をより一層着実に実 施し,業務効率やサービスの向上とシステム経費の適正化を実現させていくため, システム関連部門の体制や業務分担等の見直し及び強化を行い,「自治体クラウ ド」等の推進にも適合した新しい情報化推進体制の充実化を図っていきます。 [主な担当部署] 情報政策課 [スケジュール等] 年度 H24 H25 H26 H27 H28 体制の検証 内 容 規程及び規則等の改正検討 CIOを中心とした推進体制 龍ケ崎市役所 全体管理組織(PMO) 評価・監査 評価・監査部門 (情報化推進委員会等) CIO 情報化統括責任者 支援 CIO補佐官 CIO支援スタッフ 広報 部門 人事 部門 会計 部門 調整 情報システム 部門 (情報政策課) 方針、指針、指示、 助言、調整等 報告、要望等 :ITガバナンスにおける主要部門 :その他の関連部門 個別管理組織(PJMO) PM O: プログラム ・マ ネ ジメント・ オフ ィス PJM O:プロジ ェクト・マ ネジ メン ト・オ フィス 個別管理組織A ITベンダー等 ・・・ 個別管理組織B ITベンダー等 (取組方針3)自治体クラウド時代に向けた新たな基盤を構築します 市が自治体クラウドを導入する効果の1つは,他自治体等と各種業務アプリケー ション及びハードウェア等のICTリソースを共同利用することで,相乗効果によ るコスト削減が実現できることです。 一方で,自治体クラウドによって共同利用されることになるICTリソースの運用・管理等は, 自治体毎によって異なる要素をどこまで認め,どこまでを標準化(共通化)していくか,責任 22 範囲をどのように明確化していくか等,多くの課題が予測されます。 そこで,他自治体等と共同利用できるメリットが最大化する業務を自治体クラウ ド導入のモデルケースとして,早期に事例化することで,コスト削減にシステムの 最適化を目指していきます。 自治体クラウド導入を推進するためには,他自治体等との協同が必要となるため, これまで述べてきたCIOを中心とした市内部の推進体制(龍ケ崎市 ICT ガバナン ス体制)のみでは,自治体クラウドに必要なガバナンス確立はできません。 そこで,CIOを中心とした市内部の推進体制を基本とした自治体クラウド推進 体制を他自治体等にも提案していくことで,龍ケ崎市を中心とした他自治体を含む 推進体制を構築し,効果的なクラウド型業務システムを導入していきます。 この取組方針に関連する本計画における取組項目は,以下のとおりです。 ○取組項目 被災者支援業務のシステム化 [概要] 市の被災者支援業務については,東日本大震災等の教訓から,個々の所管課業 務としてではなく,組織横断的な取組が求められており,全体最適化の観点から 業務の効率化等による改善が必要といえます。 喫緊の課題として,過去の被害(小貝川の決壊等)及び東日本大震災といった 震災も念頭に置くなど,市長をはじめとして,全職員が被災時に部署毎の組織の 壁を払拭した組織横断的な被災者支援業務へ対応し,地域全体の課題を克服し, 災害発生の際には,消防等の関係機関との連携による被災者支援業務を迅速に行 うため,システムによる運用・管理が必要となっています。 システム化にあたっては,関係部署との意識共有を図るため,被災者を支援す るための対象業務を整理し,また,自治体や国・県等の関係機関と連携を推進で きるシステムを推進する観点から協議会を設立しする等,効果が十分に発揮でき 推進体制の確立していきます。 また,システムの導入形態については,業務継続を担保する観点から災害発生 時に効果を発揮できるクラウドを活用したシステム導入を推進していきます。 [主な担当部署] 危機管理監,危機管理室,情報政策課 [スケジュール等] 年度 内 容 H24 H25 H26 H27 導入及び運用 仕様決定 システム導入 運 用 被災者支援システムのクラウド化(イメージ) 23 H28 用語解説 ※ICT 情報(information)や通信(communication)に関する技術の総称 ※ICTリテラシー 情報通信技術を使いこなす能力,更にはそこから得られる各種情報を有効に利活用する 創造的能力という2つの意味で使われる。 ※インターネット 通信プロトコル(ネットワークでコンピュータ同士が通信を行う上でのルール)を用い て全世界のネットワークを相互に接続した巨大なコンピュータネットワークのこと。 ※イントラネット系システム 市役所本庁舎及び本庁舎と出先機関等を通信回線で結んだ情報通信機器のネットワーク で,主に市民への情報提供,事務処理等を目的とした基盤及びシステム等をいう。 ※オープンソース ソフトウェアの設計図にあたるソースコードをインターネットなどを通じて無償で公開 し,誰でもそのソフトウェアの改良や再配布が行えるようにすること。また,そのような ソフトウェアのこと。 ※SNS(ソーシャルネットワーキングサービス) 人と人とのつながりを促進・サポートする,コミュニティ型のウェブサイトのこと。代 表的なものとして,ツイッター,フェイスブック及びミクシー等がある。 ※ソーシャルメディア インターネット上で展開される情報メディアのあり方で,個人による情報発信や個人間 のコミュニケーション,人の結びつきを利用した情報流通などといった社会的な要素を含 んだメディアのこと。 ※仮想化技術 システムの構成を利用者から見た機能に影響を与えず,柔軟に変えられる仕組みのこと で,複数のサーバを1台のサーバのように稼働させるなどある。 ※クラウドコンピューティング 利用者が自分のコンピュータでデータ等の処理を行うのではなく,主としてインターネ ットを経由して,インターネットの先につながっているコンピュータにデータ等の処理を させるなどして,各種のシステムサービスの提供を受けるという形態のシステムの構築方 式や利用形態の総称をいう。 ※サーバ コンピュータのネットワークにおいて,クライアントコンピュータに対し,自身の持っ ている機能やデータを提供するコンピュータのこと。 ※自治体クラウド 地方自治体の情報システムをデータセンターに移し,複数の市町村がシステムを共同で 利用できる環境,または環境をつくる取組みを指す。総務省は,サーバなどシステム構築 に必要な機器をデータセンターにおいて,ネットワークを介して共同利用を可能にするク ラウドコンピューティングを地方自治体に普及させる動きとして2009年から「自治体 クラウド」の言葉を使って開発実証実験を推進している。 ※住民情報基幹系システム 市役所本庁舎内及び本庁舎と西部出張所,東部出張所及び保健センターを通信回線で結 んだ情報通信機器のネットワークで,主に市民の生活に関する業務を処理することを目的 とした基盤及びシステム等をいう。 ※情報セキュリティ 重要だと考える「情報」に関して,機密を守り,誤った使用や改ざんを防ぎ,必要なと 24 きに安全確実に利用できるようにしておくこと。 ※スマートフォン 携帯電話とパソコンPDA(携帯情報端末)の機能を組み合わせた多機能携帯電話のこ と。 ※地域情報プラットフォーム 様々なシステム間の連携(電子情報のやりとり等)を可能にするために定めた,各シス テムが準拠すべき業務面や技術面のルール(標準仕様)のこと。 (例)業務システムのデータ項目やインタフェース標準,データ形式や通信手順の標準等 ※ツイッター 140文字以内の「ツイート」と称される短文を投稿できる情報サービスで,日本では 「つぶやき」と意訳され定着している。 ※電子自治体 コンピュータやネットワークなどのICT(情報通信技術)を行政のあらゆる分野に活 用することにより,国民・市民の方々や企業の事務負担の軽減,利便性の向上及び行政事 務の簡素化・合理化等を図り,効率的で効果的な自治体を実現しようとするもの。具体的 には,インターネット等による行政情報の提供,市民の方々,企業,自治体との間の手続 の電子化及びワンストップサービスの実現など ※フェイスブック SNSの中でも,実名で現実の知り合いとインターネット上のつながり,交流をする サービスのこと。世界最大のユーザ数を誇り,2012年1月現在で8億人以上のユーザ がいるとされている。 25 龍ケ崎市情報化推進に関する規程(平成20年3月21日訓令第6号) (目的) 第1条 この規程は,市における情報化の推進体制を定めることにより,情報化施策を円 滑に推進し,情報技術を用いて行財政の効率化及び市民サービスの向上を図ることを目的 とする。 (情報化統括責任者) 第2条 第1条の目的を達成するため,情報化統括責任者(以下「CIO」という。)を 置く。 2 CIOは,次条第1項に規定する情報化責任者に対して,指導及び助言を行う。 3 CIOは,副市長をもって充てる。 (情報化責任者) 第3条 CIOを補佐するため,情報化責任者を置く。 2 情報化責任者は,各部における情報化施策の統一的,効率的及び効果的な推進に努め なければならない。 3 情報化責任者は,政策推進部長をもって充てる。 (アドバイザー) 第4条 情報技術の専門的視点から意見を聴取するため,必要に応じてアドバイザーを置 くことができる。 2 アドバイザーは,情報技術に関する専門知識を有する者を充てるものとする。 3 アドバイザーは,次条第 1 項に規定する龍ケ崎市情報化推進委員会に出席し,意見を 述べることができる。 (龍ケ崎市情報化推進委員会) 第5条 次の事項を審議するため,龍ケ崎市情報化推進委員会(以下「委員会」という。) を設置する。 (1) 情報化基本計画の策定及び改訂に関すること。 (2) 情報化施策の推進及び調整に関すること。 (3) システムの導入等に係る予算化に関すること。 (4) 前各号に定めるもののほか,情報化の推進に関すること。 2 委員会は,委員長,副委員長及び委員をもって組織する。 3 委員長は,会務を総括し,委員会を代表する。 4 副委員長は,委員長を補佐し,委員長に事故あるとき又は欠けたときは,その職務を 代理する。 5 委員長は,政策推進部長をもって充てる。 6 副委員長は,総務部長をもって充てる。 7 委員は,部長(総務部長及び政策推進部長を除く。)及び議会事務局長をもって充てる。 (会議) 第6条 委員会の会議(以下「会議」という。)は,必要に応じ委員長が招集し,委員長が 議長となる。 2 委員長は,必要があると認めたときは,会議に委員以外の者の出席を求め,説明又は 意見を聴くことができる。 3 委員長は,会議の結果をCIOに報告しなければならない。 (情報化推進検討部会) 第7条 委員会は,第5条第1項各号の事項を調査又は研究させるため,委員会に情報化 推進検討部会(以下「検討部会」という。)を置く。 2 検討部会は,検討部会長及び検討部会員をもって組織する。 3 検討部会長は,情報政策課長をもって充てる。 26 4 検討部会員は,総務課長,契約検査課長,秘書広聴課長,企画課長及び財政課長をも って充てる。 5 検討部会は,委員会から付議された事項について,調査又は研究し,検討部会長がそ の結果を委員会に報告しなければならない。 (専門部会) 第8条 委員会は,必要に応じ専門部会を置くことができる。 2 専門部会は,専門部会長及び専門部会員をもって組織する。 3 専門部会長及び専門部会員は,職員のうちから委員長が指名する。 4 専門部会は,委員会から付議された事項について,調査又は研究し,専門部会長がそ の結果を委員会に報告しなければならない。 (庶務) 第9条 委員会,検討部会及び専門部会の庶務は,政策推進部情報政策課において処理す る。 (その他) 第 10 条 この規程に定めるもののほか必要な事項は,別に定める。 付 則 この訓令は,平成20年4月1日から施行する。 付 則(平成21年3月31日訓令第22号) この訓令は,平成21年4月1日から施行する。 付 則(平成23年4月14日訓令第16号) この訓令は,平成23年5月1日から施行する。 27
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