フランスの農業協同組合における農業指導*の現状・特徴・示唆 小池恒男 (一社)農業開発研修センター 1.フランス農業の特徴 フランスの国土面積は日本の 1.4 倍、農用地面積は国土の 53.3%、EU28 カ国の農用地面積の 16%を 占め EU 最大。農業生産額は EU28 カ国の 19%を占め、EU 最大。農産物輸出額はアメリカ、オランダ、 ドイツ、ブラジルについで世界第5位。南西部のボルドーから北東部のナンシーを境界に北部は農業地 帯、パリ郊外や中央地域には小麦など大規模な穀物地帯が広がる一方、同境界より南部は山岳地帯となっ ており、肉牛の放牧など畜産業が盛んでその大半が条件不利地域。地中海沿岸やボルドーなど南西部、ロ ワール地方などはワインの生産が盛ん。 2.農業指導組織の実態 表 2-1 農業指導組織別の指導員数 3.農業協同組合の設立状況 表 3-1 フランスの協同組合の分野別主要統計 4.2 つの事例にみる農業協同組合の農業指導の実態 1)調査対象地域の特徴 今回調査対象事例とした事例が所在する 2 つの県は、表 4-1 の県番 44 のロワール=アトランティック 県と県番 49 のメーヌ=エ=ロワール県である。そしてこの 2 つの県は、県番 53 のマイエンヌ県、県 番 72 サルト県、県番 85 のヴァンデ県とともにペイ・ド・ラ・ロワール地域圏(地方または州、ここ では地域圏で統一)に属している。ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏は、フランスの北西部に位置し、ロ ワール川に沿って立地している。ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏の 5 つの県と2つの調査対象は以下に 示すとおりである。 表 4-1 ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏(地方あるいは州)の5つの県と2つの調査対象 県番 県 名 県 都 調査対象 44 ロワール=アトランティック県 ナント(州都) CDDM 49 メーヌ=エ=ロワール県 アンジェ フルーロン・ダンジュ 53 マイエンヌ県 エヴァル 72 サルト県 ル・マン 85 ヴァンデ県 ヨン (CDDM) 2)フルーロン・ダンジュ(園芸販売専門農協) 3)CDDM(ナント野菜栽培連盟) 5.農業協同組合の農業指導の特徴と示唆 *本研究は、(株)農林中金総合研究所の委託に基づく「フランスの農業会議と農業団体に関する調査研究」 に基づくものである。
© Copyright 2024 Paperzz