122 - 長岡技術科学大学 情報・経営システム工学課程・専攻

日本知能情報ファジィ学会
合同シンポジウム
第 24 回北信越支部シンポジウム & 第 19 回人間共生システム研究会
講演論文集
期日:2015 年(平成 27 年)11 月 14 日(土)12:50∼18:00
会場:石川工業高等専門学校 〒929-0392 石川県津幡町北中条
主催:日本知能情報ファジィ学会
北信越支部,人間共生システム研究部会
12:30 受付開始
12:50 開会のあいさつ
井上博行(福井大学)
第 1 セッション(人間共生システム 1)
司会:井上博行(福井大学)
13:00 (15 分)
インタラクティブデジタルインスタレーション 「遊ぼう!夜の美術館@21 美」の制作
○越野
亮(石川工業高等専門学校)
13:15(20 分)
自動車におけるインタラクションロボットのための発話推定
岡島恵一,奥村雅敏,増田寛之,大島徹,小柳健一,本吉達郎(富山県立大学),
高山英一(株式会社高山自動車)
13:35(10 分)
作業者の運動モデルとモーションセンサの出力履歴に基づくアシスト制御
○佐橋 克弥,野村 慎之介,井上 卓也,高橋 泰岳,川井 昌之(福井大学)
13:45(10 分)
人型ロボットのためのパーティクルフィルタを用いた全身リンク姿勢の実時間模倣
○山本将平,高橋泰岳(福井大学)
13:55(10 分)
ラッセルの円環モデルを導入した RNN を用いた情動推論・情動表現生成学習システムの検
証
○辻本
拓也,高橋
泰岳(福井大学),前田
陽一郎(ものつくり大学)
14:15(20 分)
高高度モニタリングシステムのためのカイト型テザー係留飛行ロボットを用いた昇降機能
付マウントの開発
○近藤 智行, 轟 千明, 高橋 泰岳(福井大学)
休憩(14:35-14:45)
第 2 セッション
司会:畦原 宗之(長岡技術科学大学)
14:45 (10 分)
視覚障碍者を支援するための飲食店メニュー認識に関する研究
○李
晶,高木
昇(富山県立大学)
14:55(15 分)
Kinect を用いた視覚障碍者のための音声案内付き触図の開発に関する研究
○大垣
海,高木
昇(富山県立大学)
15:10(15 分)
物理学で用いられる触図の作成に関する研究
○平野
壮暁,高木
昇(富山県立大学)
15:30(15 分)
点図ディスプレイを用いた視覚障碍者向け作図支援システムに関する研究
○正木勇治,高木昇(富山県立大学)
休憩(15:45-15:55)
第 3 セッション
司会:高木
昇(富山県立大学)
15:45(15 分)
模擬評価関数と対話型 GA によるポスターデザイン支援システム
○池端
秀治,山田 耕一,畦原 宗之,鈴木 泉
(長岡技術科学大学)
16:10(15 分)
室内空間の感性イメージに合致する背景音楽の自動生成
∼感性イメージから楽曲の特徴要素への変換手法∼
○高橋 弦太, 畦原 宗之, 山田 耕一, 鈴木 泉
(長岡技術科学大学)
16:25(15 分)
製品デザイン間のイメージ距離を測る新指標
○山根 誓史,山田 耕一,畦原 宗之,鈴木 泉
(長岡技術科学大学)
16:40(15 分)
楽曲絵地図:初心者を対象とした楽曲情報の表示方法に関する研究
○大園恭平
畦原宗之
山田耕一
鈴木泉
(長岡技術科学大学)
16:55(15 分)
局所特徴量の平滑化とサンプリングによる Bag-of-keypoints 法におけるデータ圧縮
○角谷
翔平、鈴木
泉、山田
耕一、畦原
宗之
(長岡技術科学大学)
17:10(10 分)
子ども向け英語学習 DS ソフトの評価についての研究
○伴 浩美(長岡技術科学大学),木村 春彦(金沢大学)
17:20(10 分)
T-formula の発見と展開(1)
○塚本弥八郎(名城大学)
17:30(10 分)
T-formula の発見と展開(2)
○塚本弥八郎(名城大学)
17:40 休憩
17:50 奨励賞
17:55 閉会式
表彰式
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
1
2
Production of Interactive Digital Installation
“Let’s Play! Night Museum @ 21 st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa”
Makoto Koshino
National Institute of Technology, Ishikawa College
Abstract: This paper shows a case study of a cooperation project with Ishikawa KOSEN and Kanazawa city,
"The Kanazawa night museum projects" as the night bustle creation projects. The theme is interactive projection
mapping in order to enjoy playing at the 21st Century Museum of Contemporary Art and Kanazawa Noh Museum.
1. はじめに
2. 実施までの経緯
昨年度(2014 年度),金沢市から新たな金沢の夜の
金沢市との連携事業の最初の打ち合わせを 4 月
文化観光を提供する「金沢ナイトミュージアム」
「夜
15 日(水)の卒研配属 1 日目のときに実施した.そ
のにぎわい創出事業」として,石川高専にプロジェ
の後,4 月 27 日(月)に 21 美に実地調査を行い,
クションマッピングの依頼があり,見て楽しむだけ
投影する場所の検討を行った.その後,5 月 3 日(日)
でなく,参加型・体験型の遊んで楽しめるインタラ
に金沢市の企画で,金沢城プロジェクションマッピ
クティブな作品を学生 1 人 1 つ制作し,2014 年 8
ングを見学し,金沢城プロジェクションマッピング
月 22 日(金)∼23 日(土)に,金沢市を代表する
の監修をされた映像作家の菱川勢一氏ら
施設である金沢 21 世紀美術館(以下,21 美)と金
DRAWING AND MANUAL のクリエーターたち(プ
沢能楽美術館(以下,能美)の屋外で実施した.
ロデューサーとディレクター)と,金沢工業大学(以
参加型・体験型の遊んで楽しめるインタラクティ
下,金沢工大)の学生たちで金沢駅鼓門プロジェク
ブな作品をテーマにした結果,最終的に制作した作
ションマッピングをするグループとの交流が行われ
品の多くが建物の形状に合わせてマッピングするも
た(翌日の北國新聞に掲載された).5 月 21 日(木)
のではないものになった.そこで,場所や空間全体
に 21 美において,21 美の学芸員(チーフ・キュレ
を体験できる作品のことを総称するインスタレーシ
ーター)の方と投影する内容についての検討を行っ
ョンという用語を本論文では使うことにした.また,
た.そこで,コンセプトやストーリーの重要性など
単にインスタレーションという用語を使うとデジタ
を教えていただき,今後の参考となった.
ルではないアナログ的なアート作品であることが多
6 月 16 日(火)に,金沢学生のまち市民交流館で,
いため,デジタルインスタレーションという用語を
「第1回夜のにぎわい交流会」と題して,菱川勢一
使うことにした.
氏ら DRAWING AND MANUAL の制作スタッフと
今年度は,10 月 2 日(金)と 3 日(土)の夜 19
金沢工大のグループと昨年の作品を紹介の交流会を
時から 21 時の 2 時間を 2 日間,昨年と同様に学生
行った.そこで,菱川氏から「客観的な視点を持ち
が 1 人 1 つ制作した作品を金沢 21 世紀美術館と金
続け金沢ならではの夜のにぎわいを生み出す演出を
沢能楽美術館の屋外壁面に投影した.制作に携わっ
検証してほしい」
「作品は総合演出をやらなきゃいけ
た学生数は専攻科 2 年生 2 名,専攻科 1 年生 1 名,
ない。幅広い年齢の人に受け入れられるポイントを
本科 5 年生 3 名の合計 6 名であり,作品数は 6 つで
探す視点が重要」
「映像で楽しませるだけでなく、演
ある.
出に学びを取り入れて,光に加賀五彩を使う演出な
ど、観客に何かを持ち帰ってもらえたらパーフェク
ト」
「大人数が同時に参加できる仕組みがあったらい
1
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
い」などといったアドバイスをいただいた.このア
l
見た目がきれいでよかった
ドバイスをもとにコンセプトを考え,アイデアを出
l
石川の伝統工芸をテーマにしているのがよか
った
して,制作した.
表1
実施までの経緯
日時
l
→
→
50 人
38 人
よくなかった
→
0人
内容
卒研配属&金沢市との最初の
「加賀友禅の色に似ていて,ついてくるとすごくき
キックオフミーティング
れいだったし,楽しかった.」「自分についてくるか
4 月 27 日(月)
21 美にて実地調査
らおもしろかったです.」という感想をいただいた.
5 月 3 日(日)
金沢城プロジェクションマッ
4 月 15 日(水)
ピングと機材の見学・制作チー
ムとの交流会
5 月 21 日(木)
21 美にて学芸員の方からの
アドバイス
6 月 16 日(火)
夜のにぎわい交流会
(菱川氏らからのアドバイス)
9 月 15 日(火)
投影実験(2 作品)
9 月 30 日(水)
投影実験(3 作品)
10 月 2∼3 日
本番
図1
3. 2 加賀五彩花火
昨年,制作した Kinect センサーを用いて,手を上
3. 制作物
3.1
加賀五彩ステップ
に振ると花火が打ち上がり,手を上に速く振ると,
加賀五彩ステップ
よりたくさんの花火が打ち上がるようにしたものを
菱川氏の「幅広い年齢の人に受け入れられるポイ
発展させて,手を大きく広げて上に振ると惑星型の
ント」「光に加賀五彩を使う演出」「大人数が同時に
花火が打ち上がり,ジャンプするとナイアガラの滝
参加できる仕組み」というアドバイスから,歩くと
のような花火が打ち上がるようにした.また,金沢
壁に加賀五彩(臙脂、藍、黄土、草、古代紫)の色
らしくするために,加賀友禅に使われている加賀五
が光り,加賀友禅で使われる花が舞い,友禅流しの
彩の色にした.同時に 2 人対応できるようにした.
雰囲気を感じられる音を演出することで,誰でも簡
単に遊べるインタラクティブインスタレーションを
制作した(図 1).
人の検出には Kinect v2 (同時に 6 人認識でき,人
物の検出範囲は 0.5m∼8.0m)を用いた.超単焦点
(明るさ 3000lm)のプロジェクターを壁の近くに
プロジェクターを設置し,人を検知できる範囲の歩
いてほしいところにフルカラーLED テープを設置
し,様々な色を試したところ青がもっとも綺麗に見
えたため青にした.
1 日目には LED の電光掲示板を設置し,参加者に
以下の 4 つのうちどれかを選んでもらった.
l
図2
自分の動きに合わせて変化するのがよかった
→
57 人
2
加賀五彩花火
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
3.3
加賀手鞠を使った「てまりうむ」
れるのがおもしろかったです!映像なのに実際にや
Leap Motion を使って手をかざすと手の影が現れ,
っているように感じた.とても楽しかったです.
上から落ちてくる手鞠で遊べるインスタレーション
Amazing すばらしい by 外国人.この技術をあや
を制作した.
つれたときの喜び,てまりがリアルで楽しい.色々
な楽しみができます!
普段は美術品として飾られていてなかなか触れる
機会のない手鞠を多くの人に楽しんでもらうという
3.4
コンセプトのもと,加賀に伝わる「手鞠の歌」に出
加賀友禅スワイプ
てくる蝶を取り入れた作品に仕上げた.手鞠の素材
Kinect を使って手を横に振ると加賀友禅の背景
は地元のキャラクターの「たまひめちゃん」に使わ
画像が切り替わり,手をあげると花が散ったりする
れているものをいただき,プログラムを制作した.
インスタレーションを制作した.
2 日目に実際に遊んでいただいた方の人数を数え
加賀友禅の素材は能登印刷様からフリー素材を購
たところ,2 時間で 101 名という結果であった.そ
入した.購入する際にこのイベントで利用すること
のほとんどの方から「面白かった」という声をたく
を伝えて,ぜひ使ってほしいというコメントをいた
さんいただいた.センサーを使った作品は慣れが必
だいた.
要であり,小さな子どもの小さな手に反応しないと
いうトラブルがあった.
2 日目の最後のほうでは,参加者がプロジェクタ
ーと壁の間に入って,参加者自身が影を使って遊ぶ
ようになった.このような遊び方を参加者が考えて,
楽しめるのもこのようなインスタレーションの特徴
だと考えられる.
図4
3.5
加賀友禅スワイプ
加賀リウム
普段は Boid アルゴリズムで自律して動く鳥が,
人が歩いていると寄ってくるインスタレーションを
制作した.Kinect センサーより人物の検出範囲を広
図3
てまりうむ
く,検出できる人数を多くするため,赤外線カメラ
を使用した.
1 日目の感想:楽しかった.つかむのが難しかった
赤外線投光機と赤外線カメラを使って取得した映
です.はたいたりつかんだりするのが楽しかったで
像の背景差分を取り,通路上を歩く人の場所を検知
す.またやりたいです.つかめたり,穴に入れたり,
した.
いろいろできて難しくて楽しかったです.新感覚で
おもしろい
2 日目の感想:てまりを黒いところにやるのが大変
でした.現実でやっていることが映像として表示さ
3
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
図5
システム構成
図7
加賀友禅と影
1 日目は作品体験の待ち時間も短く,スムーズに
運営できた. 2 日目は,1 日目の様子が北國新聞に
大きく掲載され,参加者によるブログ記事や SNS の
投稿などの影響もあり,近隣の金沢城,しいのき迎
賓館,兼六園,石浦神社でもイベントがあったため,
大盛況であった.(昨年と比べると 2 日目に若干人
数が増えた.)
天気予報では低気圧の影響で前日まで雨が降る予
図6
加賀リウム
定であったが,2 日間とも快晴になった.ただ,夜
は少し寒く感じるような気温であった.
昨年は,研究室や会議室で用いられる 2600lm 程
感想:みんなで楽しめた.超楽しいです!楽しい金沢旅.
みなさんの努力で素敵な作品を仕上げましたね!楽しま
度のプロジェクターを用いたが,今年はおやべ光の
せてありがとうございます.また見たい.きれいだった.
まちプロジェクト実行委員会から,8000lm のプロ
いいね.たのしい・映像が動いて楽しかった.ないす技術
ジェクターを 2 台お借りすることができ,また学内
☆おもしろい!! みんなで感動できました!Good!! きれ
で購入した 7000lm のプロジェクターを 2 台使うこ
いで楽しい!とりがきれいでした
とができ,昨年と比べてとても綺麗に投影すること
ができた.
3.6
加賀友禅と影
様々な点で昨年と比べて,改善することができ,
昨年よりとてもよかったという声を多数聞くことが
当初,能楽美術館の壁面に加賀友禅の画像を投影
できた.
し,加賀友禅の中の鳥や雲などが動く演出を制作し
た.通路がちょうどプロジェクターと壁面の間にあ
謝辞
り,通路を通ると,影が壁面に投影され,参加者が
段々と影で遊ぶようになった.参加者自身で遊び方
金沢市役所企画調整課の藤田様,小森様には大変
を考えて,楽しんでいたのがこのインスタレーショ
お世話になりました.また,作品を制作した越野研
ンの魅力になった.
究室の学生たちに深く感謝します.
4. おわりに
金沢市の発表によると,来場者数は 1 日目(金曜
日)が 800 人,2 日目(土曜日)は 1700 人,合計
E-mail: [email protected]
2500 人であった.
4
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
Talking inference of interaction robot in vehicle
⃝
1
1
1
1
1
1
2
⃝ 1 Yoshikazu Okajima, 1 Masatoshi Okumura, 1 Hiroyuki Masuta, 1 Toru Oshima,
1
Ken’ichi Koyanagi, 1 Tatsuo Motoyoshi, 2 Eiichi Takayama
1
1
Toyama Prefectural University
2
2
TAKAYAMA CARS
Abstract: This manuscript describes a robot interaction for driving assist system of vehicle. It is important to estimate the objective driving evaluation and the suitable talking timing. We propose a driving
evaluation system applying a simplified fuzzy inference, and an interaction timing estimation method
applying a spiking neural network. Through preliminary experiment, we discuss the effectivity of the
proposed method for robot interaction in an electric vehicle.
1
1
1
(Micro
Electric Vehicle: MEV)
MEV
i-DM[1]
2
MEV
MEV
1
MEV
4.5kw
MEV
3
3
ECU
MicroAutoBox
5
dSpace
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
3
⃝
MEV
8
⃝
MEV
AutoBox
3.2
Spiking Neural Network(SNN)
3
3.1
(Spiking
[5][6] SNN
Neural Network: SNN)
2
9
[3][4]
spike response
SNN
SNN
2
SNN
Hebb
SNN
MATLAB/simulink
[2]
2
2
SNN
2
7
⃝
1: The prototype MEV
2: Driving Evaluation Map
6
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
4
4.1
MEV 10-1000
B4(BM9)
2
MATLAB
3: Measurment of Demand Torque and Velocity
ZMP
CarTomo UP PRO 2014
3
5 6
4
3
1.8
5
0.6
4: Measurment of Angular Velocity of Pitching
4
6.1
10.9
4.2
7(a)
7(b)
7(a)
A
8
⃝
B
B
5: Measurment of Demand Torque and Velocity
7
⃝
C
C
D
A’
B’
C
5
⃝
7(b)
6: Measurment of Angular Velocity of Pitching
4.3
SNN
9
SNN
8
10.0
A
B
7
3.4
2
1
2.7
8
⃝
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
EV
2
1.7
(a)Rapid Acceleration
20[km/h]
(b)Comfortable
Acceleration
7: The Change of Fuzzy Inference Output
5
⃝
A’
B’
B’
8
⃝
7(b)
A’
8: The Output of SNN: Rapid Acceleration
5
9: The Output of SNN: Comfortable Acceleration
MEV
[2] The MathWorks, Inc.:
MATLAB&simulink 2010
2
[3]
:
pp.27-30 2012
SNN
[4]
2
:
8
pp.129-146
2012
[5]
:
/
/
Vol.48 pp.57-62 2004
[6] W.Maass and C.M.Bishop: Pulsed Neural Networks The MIT Press 1999
[1]
:
)
i-DM(
Vol.68
E-mail: [email protected]
pp.46-49 2014
8
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
Power Assist Control based on User Motion Model and Motion Sensor
⃝
⃝ Katsuya Sahashi
Shinnosuke Nomura
Yasutake Takahashi
Takuya Inoue
Masayuki Kawai
University of Fukui
Abstract: This study aims to control a power assist suit in real time under condition where bio-signal
measurement are not reliable because of high-temperature and high-humidity in an inhospitable environment. We propose a power assist controller based on 9 axis motion sensors attached to a user measuring
geomagnetism, acceleration and angular velocity of user’s limbs. The controller estimates future motion of
the user’s limbs based on a database of the user limb motion and assist the motion in real time. This report
conducts an experiment with one degree of freedom power assist arm to evaluate the proposed method.
1
2
20[kg]
1
[1]
[2]
1 2
9
1:
9
1
[3]
(1)
PD
ˆ
u = −kp (r θ − r ˆθd ) − kd (r θ̇ − r θ̇d )
u
9
kp
(1)
r
θ
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
∆t
kd
r
ˆ
(r θ̂d , r θ̇d )
θ̇
h
rˆ
θ̇d
∆t
h
θ
θ̇
60
Arm posture
Force
100
40
50
20
0
0
-20
-50
-40
-100
K-
8
,
Force[N]
θ̂d
Angle[deg]
r
9
10
11
Time[s]
∆t
12
-60
13
4:
3
4
2[kg]
(
2)
2[kg]
3
PD
4
enc angle
Force
3
4
[1]
, Purwanto Eko,
,
.
. 2004
, pp. 1221–1222, 2004.
[2]
,
,
.
.
, Vol. 79, No. 806, pp. 3487–3500, 2013.
[3]
,
,
,
,
,
. 31
, pp. 340–343,
.
2015.
2:
0
0
-20
-50
Force[N]
20
-60
3
Time[s]
4
1
E-mail: [email protected]
-40
-100
2
9
(
40
50
1
3
60
Arm posture
Force
100
Angle[deg]
910-8507
5
3:
10
)
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
Real time Imitation of whole Body Link postures based on Particle Filter
for Humanoid Robot
⃝
⃝Shohei Yamamoto,
Yasutake Takahashi
University of Fukui
Abstract: Humanoid robot becomes popular in our daily life. Therefore, imitation learning from human
behavior observation has become more important. Most conventional imitation learning approaches for
humanoid robot assume that the sequence of joint angles for the imitation humanoid robot is known through
the observation of the human demonstration. However, the human demonstrator needs to use expensive
and hard-to-use motion capture system to know the sequence of the actual joint angles for the humanoid
robot imitation. On the other hand, an inexpensive camera with depth sensor enables us to observe the link
posture of the human demonstrator, instead, with reasonable accuracy in a fast and comfortable manner.
We have proposed a particle-filter-based joint angle estimation method for the humanoid robot to imitate
human demonstration. The method provides a realistic solution of the estimated sequence of the joint
angle for the humanoid robot imitation in real-time. This paper shows experiments with a real humanoid
robot and the validity of the method.
1
2
[1]
Microsoft
Kinect
Kinect
15
(
1
Aldebaran
NAO
2)
Σr
l
[2]
m
j
(1)
ϕj =
[3]
pl
11
pm
|| ||
pl − pm
∥ pl − pm ∥
l
(1)
m
Algorithm
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
1
[3]
HeadPitch
RShoulderRoll
RShoulderPitch
RElbowRoll
RElbowYaw
RWristYaw
RHand
RHipYawPitch
RHipPitch
RHipRoll
RkneePitch
RAnklePitch
HeadYaw
LShoulderRoll
LShoulderPitch
LElbowYaw
LElbowRoll
LWristYaw
LHand
LHipYawPitch
LHipPitch
LHipRoll
LkneePitch
LAnklePitch
LAnkleRoll
RAnkleRoll
(a) Imitation of
Upper Body Posture
2: NAO
3: Human Posture Imitation by Humanoid Robot
http://doc.aldebaran.com/
2-1/family/nao dcm/
1: Kinect
(b) Imitation of
Lower Body Posture
2
actuator sensor names.html
2
1.5
1.5
1
1
Algorithm 1
1:
2:
0.5
0
-0.5
LSholderRoll
LSholderPitch
LElbowYaw
LElbowRoll
RSholderRoll
RSholderPitch
RElbowYaw
RElbowRoll
-1
Initialize particles Θt =
for m = 1 to M do
[1]
[2]
[M ]
(θt , θt , · · · , θt )
angle[rad]
angle[rad]
0.5
-1.5
-2
-2.5
0
1000
0
-0.5
LSholderRoll
LSholderPitch
LElbowYaw
LElbowRoll
RSholderRoll
RSholderPitch
RElbowYaw
RElbowRoll
-1
-1.5
-2
2000
3000
4000
5000
6000
time[ms]
7000
-2.5
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
time[ms]
Update particles with the motion model:
[m]
[m]
θt = θt−1 + N (0,Σ)∆t
Calculate the belief of each particle with the
3:
4:
5:
6:
7:
8:
9:
10:
measurement model:
w[m] = h(h ϕ1t , · · · , h ϕN
t |θ t )
(a)
(b) NAO
4:
NAO
4
end for
for m = 1 to M do
draw m from Θt with probability ∝ w[m]
Kinect
[m]
add θt toΘt+1
end for
NAO
return Θt+1
3
NAO
kinect
400
Kinect
3(a)
NAO
3(b)
[1] Tetsunari Inamura, Iwaki Toshima, Hiroaki Tanie, and
Yoshihiko Nakamura. Embodied symbol emergence
based on mimesis theory. Int. J. Robotics Research,
Vol. 23, No. 4, pp. 363–377, 2004.
[2]
.
[3]
2
.
,
, 2013.
.
NAO
. pp. 21–23, 2015.05.
4
NAO
4(a)
910-8507
4(b)
(
E-mail: [email protected]
12
)
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
RNN
Investigation of Learning System for Emotion Estimation and Emotional Expression Motion
Generation based on RNN with Russell’s Circumplex Model
⃝1
⃝ 1 Takuya Tsujimoto,
1
1
2
Yasutake Takahashi,
2
Yoichiro Maeda
1
1
2
2
University of Fukui
Institude of Technologists
Abstract: Interactive Emotion Communication (IEC) has been proposed and studied so far. IEC consists
of three processes, recognition of human emotion, generation of robot emotion, and expression of robot
emotion. Those processes have been designed by hand one by one. This report proposes a comprehensive
system that learns human emotion recognition and robot emotion expression both. The system is a
recurrent neural network including Russell’s circumplex model explicitly and learns human emotion and
corresponding motion pattern simultaneously. We show the validity of the proposed method through
experiments.
2
1
Ry
-
Rˆx Rˆy
Ct
20
(Interactive Emotion Communication:
IEC)
1
[1]
(
)
)
KINECT
ANG (
4
)
SAD (
3
)
JOY
REL (
4
RNN
RNNRCM
BPTT (Back Propagation Through Time)
[2]
RNNRCM (Recurrent Neural Network with Russell’s
Circumplex Model)
[3] RNNRCM
[3]
IEC
RNNRCM
1
2
1: RNNRCM
RNNRCM
[3]
2
RNNRCMC
1
RNNRCM
Rx Ry
(
Rx
13
)
10
100
10
10
0.01
<
= 0.005
0.01
<
= 0.01
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
λщ‫ޖ‬
ɶ᧓‫ޖ‬
Јщ‫ޖ‬
ᵤᶃᶃᶂᶀᵿᶁᶉ
JOY(x,y)
ANG(x,y)
ἅὅἘỿἋἚ‫ޖ‬
(-0.707,0.707)
ἅὅἘỿἋἚ‫ޖ‬
(0.707,0.707)
REL(x,y)
SAD(x,y)
(-0.707,-0.707)
(0.707,-0.707)
3:
਒ள‫ޖ‬
4
਒ள‫ޖ‬
(a)JOY
1: RNNRCM
(b)ANG
1
1
JOY
ANG
SAD
REL
JOY
ANG
SAD
REL
0.5
(c)SAD
0.5
0
-0.5
00
0.5
1
(d)REL
-1-1
-0.5
0
0.5
1
4:
(a) RNNRCM
(
[3])
2:
(b) RNNRCM
(
)
(
4
)
4
RNN
4
RNN
RNNRCM
[3]
3
RNNRCM
2
[1]
2
,
,
.
.
(
), Vol. 24, No. 5, pp. 933–943, 2012.
[3]
[2] J.A.Russell. A circumplex model of affect. Journal of
Personality and Social Psychology, Vol. 36, pp. 1161–
1178, 1980.
4
4
[3]
2
(x, y) = (0, 0)
,
,
1.0
◦
(θJOY , θAN G , θSAD , θREL ) = (45 , 135◦ , 225◦ , 315◦ )
3
4
4
910-8507
JOY ANG SAD REL
,
.
rnn
.
31
, pp. 648–651, 9 2015.
3
9
1
(
E-mail: [email protected]
14
)
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
高高度モニタリングシステムのためのカイト型テザー係留飛行
ロボットを用いた昇降機能付マウントの開発
Development of Lifting Mount of Kite based Tethered Flying Robot for High-Altitude
Monitoring System
⃝ 近藤 智行,
⃝ Tomoyuki Kondo,
轟 千明,
高橋 泰岳
Chiaki Todoroki , Yasutake Takahashi
福井大学 University of Fukui Abstract: We have developed kite-based tethered flying robots as one of the high altitude monitoring
systems and evaluated them so far. Real robot experiments have revealed that it is hard to lift up a kite
attached heavy monitoring sensors from the ground because wind speed on the ground is low even though
it is high at the high altitude in general. In order to lift up heavy monitoring sensors with the robot, we
propose that the kite is lifted up first to acquire enough lifting power, and then, the monitoring sensors is
lifted along the tether line later. This paper reports a new lifting mount for our kite-based tethered flying
robot and its experimental results.
1
緒言
われているが,昇降機能がなく,マウントの高度の操
近年,災害や事故などが起きた際に活動するレスキ
作はカイトの高度変化に依存するため,マウントの目
ューロボットが注目され,災害現場の情報収集の一環
標高度を実現する高度にカイトを昇降させると十分な
として,無人航空機などを利用した自律的情報探索の
揚力を得られない可能性がある.本稿ではカイト型テ
研究が行われている.無人航空機を用いて情報収集す
ザー係留飛行ロボットのための昇降機能付きマウント
る際は機動性が優れているが,燃料を用いているので
の開発と提案するマウントによるモニタリングシステ
連続的な活動が困難である.また,バルーンを用いた
ムの一例として,上空から得た動画を利用したパノラ
情報収集では長時間滞空することが出来るが,ガスの
マ画像の作成について報告する.
注入に資格が必要であり,さらに強風時の離陸は安全
2
規約により禁止されている.
昇降機能付マウント
本研究で開発したテザー係留型飛行ロボットと昇降
本研究では,無人航空機やバルーン等を用いたシス
機能付マウントを用いたモニタリングシステムの概要
テムを補完するものとして,自然エネルギーである風
を図 1 に示す.このロボットは上空で取得したデータ
力を用いて飛行するカイト型テザー係留飛行ロボット
を用いて制御を行い上空に停留させる.図 2 に今回開
を提案し,設計・製作・開発を行ってきた [1].これま
発した昇降機能付マウントを示す.昇降機能付マウン
で自律飛行を実現するための制御器の設計や学習手法
トには,気圧計,モーションセンサ,GPS,風速計が
の研究を行ってきたが, 本稿ではカイト型テザー係留
取り付けてあり,情報を無線で地上に送る.また,カ
飛行ロボットを用いた上空でのモニタリングシステム
メラを取り付けているため取得した映像を用いて画像
の実現を目指した.上空での情報収集を実現するため
処理を行うことができる.さらに,マウントを吊り下
にカメラやセンサをカイトに取り付けて高高度に飛翔
げるケーブルを立体的に配線させることで上空のカメ
させる必要がある.しかし,特に弱風時において,重
ラマウントの姿勢を安定させる.
量物を取り付けてカイトを地上から飛翔させることが
マウントを目標高度まで持ち上げるために,カイト
難しい.そこで,はじめにカイトを先に高高度まで飛
を高高度に飛翔させてから地上付近にあるテザーライ
翔させ,十分な揚力を得られる高度で停留させた状態
ンに昇降機能付マウントを取り付る.そこから,昇降
で,重量物を地上から持ち上げる昇降機能付マウント
機能付マウントをテザーラインに沿って上昇し上空に
を提案し,開発を進めている.先行研究としてカイト
停留させ,センサによる情報収集やカメラを使用し上
型の飛行物体を用いたカメラマウントの研究 [2] が行
空からの撮影を行う.
15
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
4
上空からの映像を用いたパノラマ生成
撮影された動画から画像を取り出し, それらのデー
タを用い,OpenCV(Open Source Computer Vision)
を用いて 2 次元のパノラマを作成した.作成したパノ
ラマ写真を図 4 に示す.図 4 より今回の合成でカメラ
の取得できる範囲より大きな画像を取得することが出
来た.
図 1: カイト型テザー係留飛行ロボットと昇降機能付
マウントを用いたモニタリングシステムの概要図
+RWZLUH
$QHPRQHWHU
$UGXLQR8QR*36
0RWLRQ6HQVRU
$QHPRPHWHU%DUR
PHWHU&DPHUD
図 4: パノラマ画像
,PSHOOHU
$QHPRPHWHU
5
結言
本稿では昇降機能付きマウントを用いたモニタリン
グシステムの一例として,上空から得た動画を用いて
図 2: 昇降機能付マウント
マッピングについて検討した.本稿の実験結果より上
空写真を用いてパノラマ合成ができた.
昇降機能付きマウントの安定性評価
3
今後の課題として,リアルタイムにカメラから得た
昇降機能付マウントはテザーラインに沿うため,テ
画像をパノラマ写真に出力させ上空からの情報収取に
ザーラインが揺れた時にマウントも振動する.このこ
役立つアプリケーションを開発する.また,2 次元の
とにより,カメラも揺れ取得した画像に影響を及ぼす. マッピング形成だけではなく 3 次元マッピングを作成
そこで,マウントを安定させるためにテザーラインと することを上げられる.さらに,カメラマウントを手
昇降機能付マウントを固定する棒の長さを変化させ, 動で持ち上げていたがモータを用いて自動的に持ち上
姿勢角を用いて安定性評価を検討し,その結果を図 3 げることが課題である.
に示す.図 3 より,棒を長くすると姿勢角の値の変動
参考文献
が小さく,特にロール回転の値が小さいので本稿で用
[1] Yasutake Takahashi, Tohru Ishii, Chiaki Todoroki,
Yoichiro Maeda, and Takayuki Nakamura. Fuzzy Control for a Kite-based Tethered Flying Robot. Journal
of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics, Vol. 19, No. 3, pp. 349–358, 2015.
いるマウントでは棒を長くする方が安定させることが
出来たことがわかる.
Yaw
Pitch
Roll
Yaw
Pitch
Roll
40
Yaw[deg], Pitch[deg], Roll[deg]
Yaw[deg], Pitch[deg], Roll[deg]
40
20
0
-20
-40
[2] Paul Y. Oh and Willia E. Green. Mechatronic Kite
and Camera Rig to Rapidly Acquire,Process, and
Distribute Aerial Image. IEEE/ASME TRANSACTIONS, Vol. 9, No. 4, pp. 671–678, 2004.
20
0
-20
-40
0
1000
2000
3000
Time[sec]
4000
(a) 長さ L=0.36[m]
5000
0
500
1000
Time[sec]
1500
連絡先
〒 910-8507 福井県福井市文京 3 丁目 9 番 1 号
2000
(b) 長さ L=1.56[m]
福井大学 工学部 知能システム工学科
近藤 智行 (インタラクティブ・ロボティクス研究室)
図 3: 昇降機能付マウントの姿勢角
E-mail: [email protected]
16
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
視覚障碍者を支援するための飲食店メニュー認識に関する研究
A Study of Restaurant Menus Recognition for Blind People
○李 晶
高木 昇
○Jing Li
Noboru Takagi
富山県立大学大学院知能デザイン工学専攻
Graduation School of Engineering, Toyama Prefectural University
Abstract: Extracting text from complex images is difficult. This paper proposes a method for assisting visually
impaired people to read text in restaurant menus. In our method, a preprocessing procedure is first applied to process
the original image; a SVM classifier is then introduced to recognizing the characters and non-characters according to
their HOG features. Finally, our proposed method is implemented to do the experiment; accuracy, precision and recall
rates are calculated to check the effectiveness of our proposed method.
1. はじめに
チャンネルの値を用いて,色の平均値を計算し,閾
値によって,「円」の色と近い部分を抽出すること
である.以下,各処理の詳細について述べる.
視覚障碍者は残存視覚を有する弱視,視覚をもた
ない全盲の2種類に分けられる.視覚障碍者支援の
手段としては,色々な種類がある.例えば,交差点
での音による合図や駅のホームなどの環境整備,ボ
ランティアと盲導犬による支援もある.近年,視覚
障碍者を支援するため情景画像から文字情報を抽
出する研究がなされている[1][2].そこで,視覚障
碍者が一人で飲食店へ行き,メニューの文字情報を
自ら確認できるなど,視覚障碍者が手軽に一人で情
報を取得できるシステム開発を考えられる.現在,
複雑な背景を持つメニューから,文字列を安定的に
抽出できる技術はまだ確立されていないため,本研
究では,複雑な背景を持つメニューから文字列を抽
出できる手法の開発を目指している.
2. 本システムの概要
本研究では,画像処理を利用して,複雑な背景を
持つ画像から文字列を抽出する手法を検討する.図
1 のような処理を行う.まず,RGB 画像を入力し.
入力された画像に対して前処理をする.前処理とし
ては平滑化,グレースケール化,2値化,ラベリン
グ処理,ノイズ除去を行う.
図 2:入力画像例
図 1:システムの流れ
次に,前処理された画像に対して SVM による「円」
を検出する.「円」を検出した後,価格の数字が同
じ色で書かれている特徴を用いて数字を検出する.
同じ色で書かれているメニューに対して,品目も一
緒に抽出する.
図 3:出力画像
まず,平滑化手法としては、上下左右 4 方向か
らの RGB 値の変化分に対し、明度値にメディアン
フィルタを掛けた値の差分で重み付けをする
WMFAD[2]を利用する.WMFAD により同じオブジ
ェクトを表す画素が似たような RGB 値を保持して
おり,かつノイズを除去できている.次に,図 2 の
ような入力画像をグレースケール画像に変換し,大
津の判別分析法により 2 値化をする.また,連結成
分を抽出するため,ラベリング処理し,連結成分の
サイズによるノイズ除去をする.メニューは文字と
料理の写真で構成されていることが多い.このため,
文字列を抽出するために,文字に対して大きすぎる
連結成分や小さすぎる連結成分を除去する.次に,
残った領域に対して,HOG を特徴量とした SVM を
適用することで,「円」を検出し,色抽出処理をす
る.図 2 のような画像を入力して,図 3 のような画
像を出力した.画像を拡大して品目と値段のところ
に注目する.入力画像の一部,色抽出処理による出
力画像の一部をそれぞれ図 4,図 5 に示す.
3. 処理過程
図 4:入力画像を拡大した画像の一部
前処理としては平滑化,グレースケール化,2値
化,ラベリング処理,ノイズ除去を行う.次は,HOG
特徴量[3]を用いた SVM で「円」を検出する.抽出
した「円」の色を基準として,色抽出処理によって
価格の数字を抽出する.色抽出処理とは,RGB 各
図 5:出力画像を拡大した画像の一部
17
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
4.「円」の識別実験
文字列の実験結果を表 3 に示す.表 3 の正解数 1
は品目の大半と価格を正解した数である.品目の大
半とは、濁点などの見落としなど許容範囲としたこ
とである.品目の大半と価格が正解の例を図 8 に示
す.正解数 2 は品目と価格の全てが正解の数である.
品目と価格の全てが正解の例を図 9 に示す.正解率
1 は正解数 1 と品目・価格の数の割合である.正解
率 2 は正解数 2 と品目・価格の数の割合である.
本研究では,SVM を用いた文字「円」判定を実
験している.提案手法を MATLAB により実装し,
LIBSVM と呼ばれる SVM 向けのライブラリを利用
する.SVM では,RBF カーネルを利用し,学習デ
ータを用いる.実験画像はインターネットから 7 枚
ダウンロードした.
図 6: ポジティブ例
図 7:ネガティブ例
図 6 のような「円」の画像をポジティブサンプル
として訓練し,図 7 のような画像をネガティブサン
プルとして訓練を行った.今回の学習訓練データと
しては,ポジティブサンプルは 360 枚を用意し,ネ
ガティブサンプルは 16,248 枚を用意した.実験方
法としては,まず,サンプル画像のサイズが異なる
ので,60×60 ピクセルの画像に変換する.変換され
た画像をサンプルとして訓練し,得られた学習デー
タを利用する.最適なパラメーターを決めるため,
交差検定を行って,メニューに対して「円」の識別
率を評価する.交差検定では,学習に使うために集
めたデータをいくつかに分割する.今回は,5 グル
ープに分けた.本研究では,カーネル関数は RBF
カーネルを利用するため,c と g の二つのパラメー
タをチューニングする.g は RBF カーネルで用いる
パラメータで,c はコストを表すパラメータである.
今回の実験を通して,パラメーターは c=8,g=0.5
が最適な値であると分かった.
図 8 品目の大半と価格が正解の例
図 9 品目と価格の全てが正解の例
先行研究[4]では,メニュー画像を 4 枚利用して評
価した.
正解率 1 は 55%で,
正解率 2 は 16%である.
先行研究の実験結果に比べて,正確率が高くなった
ということがわかった.
6.まとめと今後の課題
5.実験評価
今回の実験結果を表 1 に示す.ただし,表 1 の
中の TP は True Positives(真陽性),FN は False
Negatives(偽陰性),FP は False Positives(偽陽性)
である.
表 1:文字「円」の実験結果
「円」の数
検出の数
TP
FN
FP
128
110
108
20
2
今回の実験評価は精度,再現率と F 値で評価した.
精度とは抽出した領域中に文字領域がどの程度含
まれているかという正確性に関する指標である.再
現率は対象画像中の文字領域をどの程度抽出でき
たかという網羅性に関する指標である.F 値とは,
精度と再現率という,正確性と網羅性の総合的な評
価の際に利用される尺度である.
精度
98.2%
表 2:文字「円」の評価結果
再現率
F値
84.4%
90.8%
結果より,再現率は 100%ではないため,
「円」は
SVM によって非「円」として判定された.精度が
98.2%なので,文字成分を抽出できていることがわ
かった.
表 3:文字列の評価結果
先行研究
本研究
価 格
の数
75
65
正解
数1
41
65
正解
数2
16
49
正解
率1
55%
100%
本研究では,画像処理を利用して,複雑な背景を
持つメニューから文字「円」と価格の数字を抽出す
る手法を検討した.大きいサイズのメニュー画像か
ら文字列抽出できるシステムを開発した.しかし,
インターネットからダウンロードしたメニュー画
像は大体サイズが小さく,解像度が足りないという
問題点がある.今のシステムは高解像度画像から文
字列抽出できるが,低解像度画像から抽出できない
状態である.現在,低解像度に対して予備実験して
いる.解像度を高める方法も考えている.今後の目
標としては,低解像度画像から文字列抽出できるシ
ステム開発を目指している.
参考文献
[1] 佐々木隆行,
“均質領域とエッジ抽出を用いた情
景画像からの看板文字抽出”,富山県立大学院工
学研究科知能デザイン工学専攻,修士論文,2015
[2] 平山勝裕,他,
“カラー情報を利用した情景画像
中の文字列の高精度抽出”
,電子情報通信学会技
術研究報告,PRMU,Vol.104,No.742, pp.91-96,
2005.
[3] 山崎俊彦,
“画像の特徴抽出 Histogram of
Oriented Gradients(HOG)”,映像情報メディア学
会誌,Vol.64,No.3,pp.322-329,2010.
[4] 小林慎平,他,
“視覚障害者向けの飲食店メニュ
ー情報取得支援システム”
,電子情報通信学会
技術研究,WIT,Vol.112,No.472,pp.139-144,
2013.
連絡先
〒939-0311 富山県射水市黒河 5180
富山県立大学 知能デザイン工学専攻
李 晶
E-mail:[email protected]
正解
率2
16%
75.4%
18
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
Development of A Method for Producing Tactile Graphics with
Audio Guidance to Support Visually Impaired People
,
Kai Oogaki, Noboru Takagi
Toyama Prefectural University
Abstract:
Diagrams, graphs and figures are frequently used in mathematics, physics and other
textbooks. However, these figures are usually inaccessible to many visually impaired people.
Therefore, tactile graphics are produced convey non-textual information. This is because, tactile
graphics are designed to be represented by raised surfaces, so visually impaired people can feel
them with their fingertips. This paper proposes a system for assisting the visually impaired to read
tactile graphics with audio guidance. Three methods are supposed for the visually impaired to start
the reading, and an evaluation experiment is done to show which way is an effective method for the
visually impaired to start the reading of tactile graphics with audio guidance.
,
1.
,
.
.
512×424pixel
19201080
.
,
,
.
,
512×424pixel
102×143pixel
1
,
,A4
.
,
.
,
,8
[1].
745mm
,
.
,1pixel
2mm
.
±
,
.
,
.
,
.
1
,
.
,
.
,
,
.
.
,
.
2.
,
,
,
,
.
,
,
,
,
,
,Kinect
.
.
1mm2
Kinect
,
,
Kinect
20
.
,
2
.
,
2
3.
.
,Kinect
745mm
,
4.
.
,
.
.
) ,
.1mm2
,y
,
.Kinect
2
,
19
pixel
2
2pixel
.
1pixel
40
(21
x
×
1
.
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
,
,
7.
4
3pixel
.
.
.
,
.
(1)
6
(2)
(3)
4
2
0
2x
,y
4
5.
4
,3
.
1: Kinect
1
.
2
,
1
3
.
2
,
PC
Enter
,
.
PC
.
Enter
2
.
,
1
,
,
.
3:
.
,
.
3
,
.
6.
3
3
.
,
3
,
,3
.
,
,
.
,
.
,
2
.
,
8.
.
3
.
,
.
3
.
3
1
.
1
,
,
,
.
.
,
,
.
,
3
.
.
5
,
2
,
,
2cm
2:
,
.
3
5
1
[1]
.
.
,
,
,
,
,“
”,
,
, 2004.
.
1:
2:
3:
E-mail:[email protected]
20
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
21
1
A Study for Creating Tactile G raphics used in the Teaching M aterial of Physics
1
2
Masaaki Hirano1, Noboru Takagi2
Toyama Prefectural University
Tactile graphics are frequently used by visually impaired people to understand graphs,
Abstract:
diagrams and figures in textbooks. However, producing a tactile graphic is not a simple task. Although
some work have been done, their method have not been used widely. This is because, their methods need
the users, who producing tactile graphics, have much computer operation experience; and often need
human intervention during their workflow. Therefore, we aim to develop a system for automatically
translating hand-drawn figures into tactile graphics. In this paper, a method for recognizing
hand-drawn figures corresponding to the figures in physics textbooks is proposed.
P
[
P
R
L
L3
L
LR
a
a
L
L
P]
×
P
PR
]
d
R
LR
C
a
a
P
LR
P
a
[
P
P
LR
a
L
R
L
345
L
P
L
a
L
[2]
L
L
L
L3
L
LRr
P
1
L
r
3
]
L3
a
PR
a
P
L[
[
345
L3
RL
[
R
[
P
L
r
L
a
aR
L
L3
R
L
L
P
R
L3
P
a
P
P
a
3
P
r
a
a
a
LR
a
3
L
3
L3
LR
P
3
1
P[
P
L
a
·
L
]
[
n
a
P
P]
L3
L3
P
P
C
×P
R
a
P
P
P
r
PR
2
a
R
[
d
LR
PR
21
sin
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
a
P
L
R
LR
LR
LR
LR
e
e
3.3.1
LR 4
P
L3
P4
3.1
2
LR
LR 3.3
8
LR
3
×
3
P
!! P]
L3a
!(!! )
10
!!
2
P
L
a
3
a
L3
2
L3
!!
LR
e
!(!! )
!!
!(!! )
!!
!!
P
!!
1!! !! !!
L
3.3.2
LR
C
3
e
R 3
LR
P!!
2
3
[
L3
3.3.3
R
a
11
11
P
.
P
×
]
]
[
×
a
P
L
a
2
3.2
a
.
2
R
P
2
(!! , !! )
PR
R
P
sin
(!! , !! )
L
P
3
R
(!! , !! )
PR
3
P
3.2.1
LR
a]
]
P
L
LR
P
]
P
R
2
(!! , !! )
L
3a
]
[1]
×
a
,
,
P
]
P
pp.113-125, 2004.
[2]
, EDEL plus,
http://www7a.biglobe.ne.jp/~EDEL-plus/
[3] R.Ladner, ”Automating Tactile Graphics
Translation”,
Proceedings of the 7th international ACM
SIGACCESS conference on Computers and
accessibility pp. 150-157, 2005.
3.2.2
LR
L3
L
(!! , !! )
3.3
LR
,
,
e
P]
aP]
a
P
E-mail: [email protected]
L3
a
P
22
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
A Study of Drawing System with Refreshable Braille Display Available for
Blind People
Yuji Masaki, Noboru Takagi
Toyama Prefectural University
Abstract: Tactile graphics are widely used for blind people to access visual information, such as
diagrams, graphs and figures. As an effective way for communication, some of blind people tend to create
tactile graphics by themselves. Tactile graphics can be created by using special papers, called swell
papers. However, embossed lines cannot be erased. As a method for solving this problem, refreshable
Braille displays are considered to be used to present the graphics. In this paper, a system is proposed for
assisting the blind to draw diagrams through using refreshable Braille display.
×
×
DV-2
(DV-2)
2]
[1
.
1
LaTeX
LaTeX
(1)
(2)
(3)
LaTeX
(4)
.
2
(DV-2)
1
2
[3]
DV-2
(DV-2)
48
32
DV-2
DV-2
23
4
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
DV-2
×
DV-2
2.4mm
2.4mm
1
DV-2
DV-2
1
DV-2
4
4
DV-2
(48
32
)
4
DV-2
DV-2
(1)
(
)
(2)
(
2
)
(1)
(2)
web
4
2
2
1
2
1
DV-2
DV-2
2
[1]
3
DV-2
vol.114
no.512
pp.83-88
2015.
[2]
vol.7
no.1
pp.87-94
2002.
[3]
fMRI
http://www.nips.ac.jp/fmritms/outline/researchach
ievements/by2004/02-2.html
3
DV-2
DV-2
E-mail:
DV-2
24
[email protected]
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
模擬評価関数と対話型 GA によるポスターデザイン支援システム
Poster Design Support System with Emulated Evaluation Function and Interactive
GA
○池端秀治,山田耕一,畦原宗之,鈴木泉
○Shuji Ikebata, Koichi Yamada, Muneyuki Unehara, Izumi Suzuki
長岡技術科学大学
Nagaoka University of Technology
Abstract: The paper presents a basic design of a poster design support system employing the
interactive genetic algorithm with an emulated evaluation function, which emulates the
user's evaluation on his/her preference about poster designs. The system acquires
knowledge about the user's preference from interactions between the user and the system in
the past, develops the emulated evaluation function based on the knowledge, and evaluates
the individuals of GA using the function. It is expected that the user's burden of heavy
interactions with the system, which has been discussed as the main issue of interactive GA,
would be mitigated. The paper introduces the interactive GA into a poster design support
system, and proposes a basic design of the system.
1. はじめに
てユーザに提示し、対話によって新たな評価を得る。
(6) 満足する解を得るまで(3)から(5)を繰り返す。
解空間が広大なためすべての候補解の探索はでき
ないが、個々の解の評価関数を作ることはできる、
模擬評価関数は决定表から次のように作成する。
という問題が数多く存在し、そうした問題には遺伝
(1) ユーザが良いと評価した個体集合を Dg、属性値
的アルゴリズム(GA)がしばしば用いられる。また、
v を持つ個体の集合を Xv とするとき、各 v に対する
評価関数の作成は困難だが,ユーザは個別の解を評
十分スコア 𝑠(𝑣) = |𝐷𝑔 ⋂𝑋𝑣 |/|𝑋𝑣 |を求める。|・|は
価できる問題もあり,そのような問題には対話型
集合の濃度、分母が 0 のときは s(v)=0。
GA が用いられる。しかし、対話型 GA はユーザに
(2) 個体 c の模擬評価関数は、𝑓(𝑐) = ∑𝑣∈𝑉(𝑐) 𝑠(𝑣)と
大きな対話負担を強いる。
する。ただし、V(c)は個体 c の属性値集合である。
松原ら[1]は、対話履歴から獲得した知識を用いて
3. 提案システム
3.1 遺伝子型
ユーザの評価を模擬する模擬評価関数を作成し、そ
れを用いる対話型 GA を提案した。本稿では、この
方法を用いて、ユーザの感性を反映したポスターデ
松原らの提案手法を用い、利用者の感性を反映す
ザインを生成するシステムの構築を目指し、その概
るポスターデザイン生成システムを作成する。
2020 年東京オリンピックロゴの候補であったポ
略について述べる。
スターデザインをモチーフとして利用する。ポスタ
ーデザインの遺伝子型は遺伝子長 24 桁とし、その
2. 模擬評価関数を用いた対話型 GA
松原らが提案した対話型 GA は次の手順に従う[1]。
内訳は次のとおりである。背景色(1 桁)
、ロゴ 1 マ
(1) ランダムに個体を生成し、初期世代集団を作成。
ス形(9 桁)
、ロゴ1マス色(9 桁)
、ロゴ背景色(1
(2) 集団内から数点の個体を選択し、ユーザに提示
桁)、文パターン(1 桁)、文図配置パターン(1 桁)、
し、対話によりユーザから評価(良い/悪い)を得る。
文フォント(1 桁)、文色(1 桁)
。
(3) 評価データを决定表に追加し、决定表から知識
(1)背景色:色は配色においてよく考慮される十二色
獲得を行い、ユーザの模擬評価関数を得る。
相環[2]から 12 色に加え、オリンピックの元ロゴ[3]
(4) 模擬評価関数を用いて、決められた回数だけ GA
のポスターデザインから金銀と黒白の 4 色を使う。
の世代交代を行なう。
計 16 色の中から決定する。
(5) 世代交代をした集団内から数点の個体を選択し
(2)ロゴ1マス形:ポスター内のロゴイラスト部を 9
25
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
マスに分け(図 2)、それぞれについてデザインパー
ツの図形を決定する。パーツは、正方形、二等辺三
角形(×4)
、1/9 反扇形(×4)、1/9 扇形(×4)、円、
四分円(×4)
、1/4 反扇形(×4)の計 22 種である。
左右非対称な図形は上下左右の向きを変えて 4 パタ
ーン用意する。
(3) ロゴ1マス色:各マスのパターンの色である。
背景色と同様に 16 色用意する。
(4) ロゴ背景色:9 マス全体の背景色である。全体
の背景色と同様に 16 色を用意する。
(5) 文パターン:文①「TOKYO 2020」、文②「XXXII
OLYMPIC SUMMER GAMES」から、XXXII や
SUMMER を除くことで 4 パターン作成。
(6) 文図配置パターン:イラストと文の配置を決定
する。紙面を大きく上下四つに分け、それぞれにロ
図2
ゴ、オリンピックロゴ、文①、文②を配置する。計
デザイン案
24 種。
(7) 文フォント:windows にプリインストールされ
4.今後の課題
ているフォントの中から印象が異なる 12 種を選択。
模擬評価関数に基づく対話型 GA を用いてユーザ
(8) 文色:他の色と同様、計 16 種。
の感性を反映したポスターデザインを生成するシス
テムの基本設計を行った。今後は、詳細設計をしつ
つシステムを構築し、評価を行なう予定である。詳
遺伝子長
0
10
背景(16種)1桁
ロゴ1マス色(16種)9桁
文パターン(4種)1桁
文フォント(12種)1桁
図1
細設計においては、個体の形質遺伝性のよい選択と
20
ロゴ1マス形(22種)9桁
ロゴ背景色(16種)1桁
文図パターン(24種)1桁
文色(16種)1桁
交叉の方法を検討することが課題である。
参考文献
[1]
遺伝子型
松原、山田、畦原:対話履歴からの獲得知識に
基づく模擬評価関数を用いた対話型進化計算、日本
3.2
感性工学会論文誌 (accepted)
対話手順
[2]
集団内からの個体選択では、画面に 20 個体を表
12 色の色相表のカラーシステム色相環チャー
示し、その中からユーザは 5 個程度を選択する。シ
ト :http://iro-color.com/colorchart/munsell-color-sy
ステムはその評価データから模擬評価関数を作成し、
stem.html
GA による探索を数十回行う。その後、ランキング方
[3]
式で 20 個体を抽出し利用者に提示する。ユーザが探
ク競技大会組織委員会:東京 2020 大会エンブレム
索を終える場合は最良の個体を選択し、終了する。
>> TOKYO 2020: http://tokyo220.jp/jp/emblem/
そうでない場合、利用者は再度 5 個程度を選択する。
(2015/08/28 確認)
(2015/10/09 確認)
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピッ
連絡先
池端秀治
E-mail:[email protected]
26
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
室内空間の感性イメージに合致する背景音楽の自動生成
~感性イメージから楽曲の特徴要素への変換手法~
Automatic Composition of Background Music which Matching to Kansei Images of
Indoor Space - Transforming Methodology from Kansei Image to Features of Music ○高橋 弦太
畦原 宗之
山田 耕一
Genta Takahashi Muneyuki Unehara
Koichi Yamada
長岡技術科学大学
Nagaoka University of Technology
鈴木 泉
Izumi Suzuki
Abstract: Background music has widely used in a lot of scenes. The purpose of this
study is to generate background music without knowledge of composition, by using
some of data extracted from real space. Our proposed system that creates background
music by automatic composition is useful in terms of cost and time.
In this study, the system for automatic composition is proposed that makes
background music determined by kansei images of indoor space. The system gets some
of information from a certain room, such as the color information and distance
information, and converts to some parameters. This paper focuses to describe the
methodology which transforms from kansei image features to the background music.
1. はじめに
背景音楽は社会の様々な場面で利用されている.
しかし,場面に合った背景音楽をその都度人間が作
曲すると,多くの時間やコストが掛かる.そのため,
背景音楽の生成にプログラムによる自動作曲を利用
する事は有効な手段となる.
既存の自動作曲の手法としては,画像の色情報を
用いて楽曲を生成する手法[1],遺伝的アルゴリズム
を用いた手法[2]等がある.本研究では背景音楽を作
成する対象として室内空間を想定し,対象空間の色,
距離などの情報からその空間の印象を表す感性イメ
ージを得る.そしてその感性イメージに合致する楽
曲をシステムにより自動生成することで,作曲に関
する知識が乏しいユーザであっても,空間のイメー
ジに合った楽曲を作成することを可能にすることを
目標とする.
筆者によるこれまでの研究[3]では空間の特徴パラ
メータから空間の感性イメージへの対応付けまでを
中心に検討した.本稿では,感性イメージに対応す
る適切な音楽構成要素の具体的な検討について述べ,
提案手法による背景音楽生成を試みた結果を述べる.
2.2 手法の改善
以前のシステムにおいては,空間の特徴パラメー
タから楽曲の特徴パラメータへの変換方法を,経験
的な手法によって決定していた.そこで,感性語を
用いて空間の印象と楽曲の印象の対応付けを行い,
それに従って変換を行う事で,より適切な変換が行
えるのではないかと考えた.具体的には,空間や楽
曲の印象を表すための感性語群を用意し,空間の特
徴と感性語群,楽曲の特徴と感性語群を SD 法によ
るアンケート等を用いてそれぞれ対応付ける.そし
て,得られた対応関係を用いて,空間の特徴パラメ
ータから楽曲の特徴パラメータへの変換を行う.こ
のような方法を用いることで,空間の印象を反映し
た楽曲を適切に生成できると考えている.
2. 提案手法
2.1 これまでの研究における手法と問題
筆者による以前の研究[3]においては,まず対象の
室内空間から色,距離情報を取得し,空間の特徴を
表すパラメータを得る.そして空間の特徴を表すパ
ラメータから楽曲の特徴を表すパラメータへの変換
を行い,パラメータに基づく特徴を持つ背景音楽を
自動生成していた.空間の特徴の取得には Kinect[4]
を用いた.
しかし,評価実験を行ったところ,パラメータご
とに別々の曲が作曲されたものの,元となる空間の
特徴が十分に楽曲に反映されているとは言えなかっ
た.そのため,本稿では手法の改善を行う.
図 1 感性語群を介したパラメータ変換
感性語を用いる際,楽曲を表す感性語と空間を表
す感性語で同一のものを用いることができない可能
性もあるが,参考文献[5]などを調査した結果,共通
した感性語を用いても問題ないと考えられるため,
感性語群は空間用と楽曲用で共通のものを使用する.
3. 感性パラメータによる楽曲生成
提案手法におけるシステムは対象の室内空間の印
象を分析する部分と,感性語群から作曲を行う部分
27
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
表 2 感性語と楽曲構成要素の対応
に大きく分けられる.この章では,提案手法のうち,
感性語群から楽曲を生成する部分について述べる.
3.1 空間の特徴パラメータと感性語の選定
まず,参考文献[5]における因子分析の結果から,
空間の特徴を表す 3 種類のパラメータとして「快適
性」「活動性」「個性」の 3 つを用意し,それに対応
する感性語群を決定した.各パラメータとそれに対
応する感性語群を表 1 に示す.パラメータのうち,
「個性」については正方向のみの単極尺度,それ以
外については両極尺度により与えることとした.
表 1 使用する感性語群とパラメータの対応
快適性
負方向
正方向
活動性
負方向
正方向
暖かい
暗い
明るい
個性的な
堅苦しい
騒がしい
柔らかい
落ち着い
た
くつろぎ
やすい
自然な
くすんだ
狭い
鮮やかな
広い
面白い
人工的な
素朴な
派手な
さびしい
活気のあ
る
下位の構成要素
対応感性語の予定
パート数
テンポ
(なし)
(なし)
(固定のためなし)
さびしい-活気のある
・騒がしい-落ち着いた
曲の長さ
(なし)
(固定のためなし)
基準音
コード進行
(なし)
暗い-明るい
T,S.D の配置
堅苦しい-柔らかい
具体的なコード
個性的な
伴奏パート
個性
(正方向
のみ)
冷たい
緊張した
構成要素名
パターン数
面白い
音色
刻みの細かさと
リズム
分散和音
/同時和音
人工的な-自然な
緊張したくつろぎやすい
素朴な-派手な
転回形
パターン
狭い-広い
緊張したくつろぎやすい
ベース
パート
メロディ
パート
各感性語について,その感性語の空間・楽曲の印
象に対する当てはまり度合いを-3~+3(単極尺度で
は 0~+3)の対応度で表すものとする.
音色
冷たい-暖かい
音域制限
さびしい-活気のある
音の細かさ
騒がしい-落ち着いた
モチーフ数
くすんだ-鮮やかな
上昇系・下降系
暗い-明るい
修飾音
素朴な-派手な
音高の移動幅
騒がしい-落ち着いた
曲の調性は長調とし,その基準音は A~G までの
いずれかの長調の音程とする.基準音の高さは「暗
い-明るい」の対応度を使用し,表 3 のように決定す
る.
3.2 楽曲の各構成要素の生成アルゴリズム
各感性語の対応度を表すパラメータより楽曲の生
成を行う手法について示す.
本稿では,表 1 のように設定した室内のパラメー
タとその感性語群に関する対応関係をもとに,背景
音楽を構成するどの音楽要素に各感性語が影響する
かを,背景音楽に関する経験則的な考察をもとに,
表 2 のように設定することとした.「構成要素名」
には楽曲を構成する上位の構成要素名を,それに対
応したより詳細な楽曲構成要素を「下位の構成要素」
として分解し,この各々に対して,1 対~複数対の
感性語を対応させ,音楽のバリエーションを持たせ
ることとした.
次に,表 2 のように設定した対応関係をもとに,
それぞれの感性語について,感性語の持つイメージ
や強度に影響を受け,適切に合致すると思われる楽
曲構成要素を,背景音楽としてふさわしいと考えら
れる要素の中から経験則的に設定した.以降で各要
素について順を追って説明する.
楽曲の長さは 16 小節,拍子は 4/4 拍子で固定とす
る.また,楽曲のパートについては,メロディ,伴
奏,ベースの 3 種類を用意する.最初に楽曲全体の
テンポと基準音の高さを決める.テンポを t[BPM],
感性語のパラメータのうち「さびしい-活気のある」
を p j ,「騒がしい-落ち着いた」を p c として,式
表 3 基準音の高さの決定表
対応度
-3
-2
-1
0
1
2
3
基準音
G(-5)
A(-3)
B(-1)
C(0)
D(+2)
E(+4)
F(+5)
3.3 コード進行の生成
次に曲のコード進行を生成する.音楽理論上のコ
ードの役割から,コードはトニック(T),サブドミナ
ント(S),ドミナント(D)の 3 種類に分けられる[6].
本手法では,まずこれら T,S,D のうちどの種類
のコードを配置するかを決め,その後具体的なコー
ドを決定する.T,S,D の配置は「堅苦しい-柔らかい」
のパラメータから,表 4 のように決定する.
表 4 コード進行の決定
値
-3
-2
-1
0
1
2
3
進行 1
TSDT
TTSD
TDTT
TDTS
TTST
TSTS
TDST
進行 2
SDTT
TSDT
STSD
TDTT
DSTT
DTSD
STST
進行 3
TDTT
SDTT
TSDT
STSD
TDTT
DSTT
DTSD
進行 4
TTSD
TDTT
SDTT
TSDT
STSD
TDTT
DSTT
表 4 の進行 1~進行 4 のうちいくつの進行を使う
かは,「面白い」のパラメータから決定する.次に,
具体的なコードを決定していく.T,S,D それぞれに
ついて 2~5 の候補を用意し,
「個性的な」のパラメ
t 90 ( pi pc ) 10 …(1) で決定する.ただし
pi pc は小数点以下切捨てとする.
28
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
の音色は「冷たい-暖かい」のパラメータから表 8 の
ように決定する.
ータから実際のコードを選択する.パラメータごと
のコードの候補を表 5 に示す.
表 5 実際に配置されるコードの候補
値
T
S
D
表 8 メロディパートの音色決定表
候補
0
I
VIm
1
I
VIm
IΔ7
2
IΔ7
VIm7
I9
IIIm
3
IΔ7
VIm7
I9
IIIm7
0
IV
IIm
1
IV
IIm
IVm
2
IV7
IIm7
IVm
IVΔ7
3
IV7
IIm7
IVm7
IVΔ7
0
V
V7
1
V
V7
2
V7
IIIm7
VIIdim
V9
3
V7
IIIm7
VIIm7(♭5)
V9
III♭
VI♭
VIIdim
III7
3.4 伴奏とベースパートの生成
次に,伴奏,ベース,メロディの各パートに音符
を配置していく.まず,伴奏パートの作成を行う.
伴奏パートでは,まず使用する音色を「人工的な自然な」から表 6 のように決定する.
音色
-2
-1
オルガン
0
ギター
1
2
ピアノ
3
ストリングス
続けて,伴奏の音符配置を決定する.まず,
「緊張
した-くつろぎやすい」から,伴奏を鳴らすリズムを
決定する.その後,「素朴な-派手な」から,決定し
たリズム上でコード内音をどのように鳴らすかを決
定する.最後に,使用する和音の転回形を決める.
転回形とは,和音に含まれるコード内音のうちどの
音が一番下に来た形であるかを表す[6].転回形は
「狭い-広い」のパラメータから決定する.パラメー
タが大きいときはコードの音同士の高さの幅を大き
くし,音高を分散させる.
続いてベースパートの作成を行う.ベースパート
においては音色を固定とし,「緊張した-くつろぎや
すい」のパラメータから,表 7 のように 7 つの 1 小
節分パターンから 1 つを選択し,コードに合わせて
平行移動させて使用する.
値
-3
-2
-1
0
1
2
3
1==5
==1=
1==3
=5=1
1.5.
1.5.
1..1
.51.
1=3=
5=1=
1==1
1===
1===
5=1=
-1
音色
シンセパッド
オルガン
エレキピアノ
0
1
2
3
ピアノ
ギター
サックス
バイオリン
値
-3
-2
-1
0
1
2
3
全音
0
0
0
1
2
4
8
付点 2 分+α
0
0
1
2
4
8
4
2 分+α
0
1
2
4
8
4
2
付点 4 分*2+α
1
2
4
8
4
2
1
4 分*2+α
2
4
8
4
2
1
0
付点 8 分*2+α
4
8
4
2
1
0
0
α(4 分以下)
8
4
2
1
0
0
0
次に,メロディの音高の上昇・下降による音の移
動パターンを作成する.移動パターンの候補は上昇,
交互上昇,上ターン,停滞,下ターン,交互下降,
下降の 7 種類とし,表 9 と同様の重み付けルーレッ
トによって 1 小節ずつ選択し,これを 2 小節並べて
モチーフの移動パターンとする.このようにして全
てのモチーフのリズムと移動のパターンを作成し,
16 小節分並べてメロディラインを作る.その後,作
成した移動パターンにしたがってメロディの音符を
配置していく.このとき,1 音につき具体的にどの
くらい音高が移動するかを「騒がしい-落ち着いた」
のパラメータを使用して決定する.小節の最初の音
はコード内音から選び,それ以降は,パラメータに
従い表 10 のように決定した基準値±2(最低 1)を移
動幅とする.
表 7 ベースの作成パターン
パタ
ーン
-2
表 9 メロディのリズムパターンの選択確率表
表 6 伴奏パートの音色決定表
-3
シンセ
パッド
-3
次に,メロディを構成するモチーフ数を決定する.
モチーフとは 2 小節単位からなるメロディのパター
ンであり,メロディの最小単位となる[7].モチーフ
数は「くすんだ-鮮やかな」から決定する.さらに,
メロディの音符が移動する音域の範囲を「さびしい活気のある」から決定する.
その後,メロディの実際の音符配置を決定する.
まず,「騒がしい-落ち着いた」のパラメータから,
表 9 に示すような確率による重み付けルーレットに
より 1 小節分の基本パターンを作成し,これを 2 小
節分並べてモチーフのリズムパターンとする.αは
ある程度自由度のある音符配置で,乱数によりそれ
ぞれ決められた候補から選ぶ.
これらのアルゴリズムにより 16 小節分のコード
進行が生成される.
対応度
対応度
表 10 メロディ音移動幅の基準値決定表
3.5 メロディパートの生成
最後に,メロディパートの生成を行う.メロディ
パラメータ
-3
-2
-1
0
1
2
3
基準値
5
4
4
3
2
2
1
このとき,1 小節分の移動パターンをここで決定
29
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
した移動幅で作ったとき,その移動後の音高がメロ
ディの音域を超えている場合,1 小節分の移動パタ
ーン全体を 1 オクターブ下げることで音域内に収め
る処理を行う.
最後に,「素朴な-派手な」のパラメータに従って
修飾音を追加し,メロディの音符配置を完成させる.
このようなアルゴリズムによって,感性語の対応度
を表すパラメータから背景音楽の自動生成を行う.
感性語群を用いない前回の手法と比べ,楽曲のコ
ード進行や楽曲構成がより自然なものとなり,改善
されたと考えられる.しかし,具体的な評価につい
てはアンケート等による客観的な基準が必要である.
5. 今後の課題
5.1 空間の印象理解
現在,感性語群からの楽曲生成部分を中心に研究
を進めているが,空間の特徴から印象を分析する部
分についても改善を進める必要がある.これまでの
研究における手法 [3]では,入力された色情報の
HSV 各要素の平均や距離情報の平均などを主に利
用していた.今回の楽曲生成においては,自分で考
案した対応関係を使用したが,より適切な感性語と
の対応関係については,ユーザに対するアンケート
評価等により決定する必要がある.
4. 楽曲生成実験
前項で提案した手法を用い,実際に感性語群から
楽曲の生成を行い,手法の有効性を確かめる実験を
行った.空間から感性パラメータを抽出する部分の
システムはまだ完成していないため,本稿では空間
から 12 対の感性語パラメータが得られたと仮定し
て楽曲の生成を行った.
4.1 楽曲生成に使用した感性パラメータ
楽曲生成の入力として想定した室内空間の画像を
図 2,その画像から得られたと仮定した感性パラメ
ータ群を表 11 に示す.
5.2 ユーザによる介入方法
空間から受ける印象について,ユーザ側が持たせ
たい印象と空間の特徴から得られる印象が異なるよ
うな場合が考えられる.例えば,暗い店内に対して
明るい背景音楽を付けたい場合等が挙げられる.こ
のような場合に,ユーザの要求に応じて生成される
楽曲の印象を変化させることで,より有用なシステ
ムになると考えられる.
6. おわりに
本稿では,室内空間の印象を反映した背景音楽の
自動生成手法を考案し,楽曲生成部分の手法につい
て述べた.また,手法に従って実際に楽曲生成を行
った.今後は生成された楽曲について実際にアンケ
ートを行い,空間の印象を反映しているかどうかを
評価する.また,その結果をふまえて感性語群との
対応関係を修正し,システムの改善を行う.
図 2 楽曲生成実験における入力画像
表 11 入力画像から得られると仮定したパラメータ
快適性
活動性
個性
負方向
正方向
値
負方向
正方向
値
正方向
値
冷たい
暖かい
-1
暗い
明るい
2
1
堅苦し
い
騒がし
い
緊張し
た
人工的
な
柔らかい
-1
2
鮮やか
な
広い
-2
落ち着い
た
くつろぎ
やすい
自然な
くすん
だ
狭い
個性的
な
面白い
1
素朴な
派手な
-1
-1
さびし
い
活気の
ある
-3
参考文献
[1]小島健治:RGB MusicLab ホームページ:
http://www.kenjikojima.com/rgbmusiclab/
[2]山田 拓志,椎塚 久雄:遺伝的アルゴリズムを用
いた自動作曲について:情報処理学会研究報告 1998,
pp7-14
[3]高橋 弦太,笹岡 久行:マルチモーダルな情報を
用いた背景音楽の自動生成手法に関する基礎的研
究:旭川工業高等専門学校専攻科 特別研究論文
[4]Xbox 360 - Kinect - Xbox.com:
http://www.xbox.com/ja-JP/kinect,2014.10.31
[5]横山 亮一,山内 秦樹,石田 秦一郎:有機 EL
照明下での空間の印象:LED 照明との比較,映像情
報メディア学会技術報告 36(52), pp29-32, 2012
[6]北川祐 著:コード進行ハンドブック ポピュラー
音楽のためのハーモニー理論,株式会社リットーミ
ュージック,1999
[7]草道 節男:コードネームで解りやすいメロディ
創作 基礎的な形式を身につけよう,株式会社音楽之
友社,2001
2
-1
4.2 生成された楽曲
4.1 の感性パラメータを用いて実際に作曲を行っ
た.生成された楽曲の楽譜の一部を図 3 に示す.
図 3 生成された楽曲の楽譜
連絡先:畦原 宗之
[email protected]
30
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
1
2
.
A New Index for Measuring Image Distance between Product Designs
0
Chikashi Yamane
Koichi Yamada
Muneyuki Unehara
Izumi Suzuki
0
Nagaoka University of Technology
Abstract: Kansei / Affective Engineering studies many ways of designing products with images
given as the requirements. However, novelty is also important for product design as long as it is a
new product design. A product that looks "cool" but has an appearance similar to another product
in the market might not be "cool". The study proposes a new index for measuring image distance
between product designs.
2.2
-
[2]
5
]
2
]
4
E
7
5
9
2
2
2
2
6
7
]
7
]
E
4
2.1
7
5
E
[1]
]E
2
7
E
E
4
7
5
E
[
2
2
,
]
5E 14
(
14
1
)
14
31
3
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
1
(
)
1
[1]
1(+
)
1
2
2
E
9
6
7
9
9
5
E
4
E
2
E
[1]
E
E
2
5
3
5
]
9
[3]
2]
2
]
4
]D]
4
:
.
7
E
(
)
.
E
,-
)
)
[3]
E
E
[email protected]
32
)
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
.
4
“The Pictorial Music Map”: A Study of the display method of music
information for the beginner
@
○Kyohei Oozono, Muneyuki Unehara, Koichi Yamada, Izumi Suzuki
Nagaoka Univercity of Technology
Abstract: In this study, we propose a display method of music information replaced to conventional
method e.g. “piano roll” for music composition. The “Pictorial Music Map” is generated which is
usually seen on a daily basis and easy to understood whole state of a musical piece intuitively. In
this paper, we describe considering rules and methodologies of correspondence between elements of
musical pieces and elements of the pictorial map adopted.
1
e
,
e
e
t
a
.
.
e
eg,
a
,
e
s
u
a
e
a
,
r
.
.
,
g
e
a
,
u
e
,r
,
n
.
u
e
g,
er
u
n
,
(
re,
e
.
.
:
,
r
.
e
g,
,c
s
,
e
ag
.
g
,
s
u
a
g
t
(
.
s
,
e
e
,
33
1)
g
a,
n
,
u
g,
e
s
a,
u
et
.
r,
h
h
,
e
g
ag,
,
r
,
a
a
c
.
.
g,
e
t
)e
e
a,c
e
t
,
c
a
,
p
.
u
r
.n
t
er
ag,
,
.
e
ar
r
ag,
a
a
.
,
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
,
a
et
e
t
.n
u
ag,
,
u
c
e
t
,
t
,
et
e
a
1
[1]
h,
e
s,
c
a,t
e
.
4
u
[2]ag,
e
a,
.
ag,
et
,
e
.
e
2
g,
,
et
j
et
g,
t
a,
r
2
g
,
ag
e
e
s
a
e
ag,
n
,
s
a
.
,
o
,
a
g,
g
e
e
,
,
e,r
ag,
ag
,
.
e
(
)a
g
a
.
a
(
g,
c)a
,
u
a
a
a
.
h
e
j
s
o
a,
.
er
a
,
,
g,
a
t
h,
.
a
e
h
t
a
.
.
u
,
a
u
g
a,
,
s
.
u
,
a
.
e
,
e
e
s
,
.
.
e
r
u
u
o
,
e
4
[3]ag,
u
e
,
,
.
e
g,
.
et
h,
a
g,
.
e
34
e
,
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
ž
g,
t
o
ž
,
e
o
.
s
,
u
t
r
r
.
,
e
s
ž
,
et
j
,
,
,
,
uc
u
c
t
e
3
ag,
e
3
e
.
e
2.
,
e
,
u 3
e
a
).
,
1.
.n
ž
s
n
(
=
(
e
(
.
3
,
(
n
g
e
u
na
s
,
3
(
(
ž
.
.
t
,
35
,
).
ag
e web
[3]
3.
ag 4.1
3
e
)
e,
.
e
ž
×
).
a
4.
ž
)e
g
)
ca
ž
.
e
g
)
s
,
,
3.
g
ž
ž
3
g,
,
2.
(
e
.
e
2
e
,
.
e
e
e
4
e
t
,
.1
u
a
3
g
g,
.
2
e
k.
MML(Music Macro Language)a
t
.
a
r
t
,
ag,
.
)
.
e
e
eg
1.
t
.
e
(
e
e
e
a
e
.
,
ag,
e
s
.
o
.
o
g,
e
,
agn
u
o
e
e
.
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
.
s
g,
et
e,
r
t
.
u
e,
et
e,
,
s
s
.
[1] Mac
GarageBand,
URL:http://www.apple.com/jp/mac/garageband/
:2015/9/16
[2]
et
,
,2005
[3]
,
,
,
2011
3
[4]
4.3
URL:http://www.kisnet.or.jp/nappa/software/m
,
et
ap/mapkun.html
e
,
a
:2015/10/13
,
s
.
u
ag,
e
a
.
g
h
eg
,
u
.
u
ce
g,
4 1-7-,328 4-0-53- 9 -. 26
e
e
e,
a
u
.
53
ag,
,
,
a,
os
s
o
et
e
e
s
.
,
a
,
36
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
S
-
.-
BF
Data Compression by Sam pling Sm oothed Local Descriptors of Bag-of-keypoints M ethod
Shohei Sumiya, Izumi Suzuki, Koichi Yamada, Muneyuki Unehara
Nagaoka University of Technology
Abstract: The effectiveness of a vector quantization technique of bag-of-keypoints method is examined.
In this technique, the local descriptors are smoothed by taking moving average, and then the descriptors
are sampled at the instance. This process of sampling smoothed descriptors can be used not only for
creating visual words, but also for the instance representation process of training data and the object to
be classified. That is, the number of descriptors can be reduced, or in other words, the local features can
be compressed in the whole process of bag-of-keypoints classification. It was confirmed, in the
experiment of four classes of image classification, that the number of features can be reduced by 6%
without affecting classification accuracy.
S
SIFT
nn-
[3]
global rate !
!=1
Bag-of-keypoints
BOK [1]
!!
1
!
=
n −1
(1)
!
k =0 !,!
⊥
!!
BOK
visual words
! = 1, 2, … , !
VW
1
VW
!!,! ! = 1, 2, … , !
! = 0, 1, … , ! − 1
!!
n-
Scale-invariant feature transform
SIFT
!!,! = !!
S
n-
!
[2]
interest points
sampling
smoothed feature
SSF
VW
SSF
m[3]
sampling rate !
!!
37
! = 1, 2, … , !
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
!!,!
! = 0, 1, … , ! − 1
n-
! = 1, 2, … , !
!!
3
m-
sampling rate !!"#
!!
4
RSF
SSF
sampling rate
!!!"
m-
5
!<!
5.84%
! = 33
Global rate !
representation by sampled
features RSF
m-
BOK
rate !!"#
RSF
SSF
sampling
sampling rate !!!"
1
global rate
Caltech-256 Object Category Dataset
4
VW
n60
55
1
10
k-means
Weka
500
SVM
global rate ! = 1~45
I
BOK
!=1
T
[1] G. Csurka, C. Bray, C. Dance, and L. Fan, Visual
sampling rate
Categorization with Bags of Keypoints, Workshop on
Statistical Learning in Computer Vision, European
1
Smoothed
!!!" = 1 and !!"# = 1
Conference on Computer Vision, pp. 1-22, 2004.
2
SSF
!!!" = ! and !!"# = 1
[2] D. G. Lowe, Distinctive Image Features from
3
SSF + RSF1
!!!" = ! and !!"# = !/2
Scale-invariant Keypoints, Int. Journal of Computer
4
SSF + RSF2
!!!" = ! and !!"# = !
Vision, Vol. 60, No. 2, pp. 91-110, 2004.
[3] I. Suzuki, Vector Quantization by Sampling
5
4
Smoothed
Scale Down
1
SIFT
Features
for
Classification, MIRU, 2015
10
2
global rate !
E-mail:[email protected]
38
Bag-of-keypoint
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
子ども向け英語学習 DS ソフトの評価についての研究
A Study on the Evaluation of Nintendo DS English Learning Software for Children
○伴 浩美 1,木村 春彦 2
○Hiromi Ban1, Haruhiko Kimura2
1 長岡技術科学大学大学院
1Graduate
School of Nagaoka University of Technology
2 金沢大学大学院
2Graduate
School of Kanazawa University
Abstract: A portable game machine, the Nintendo DS, adopts some novel manipulation techniques,
such as touch screen and voice recognition, etc. It is not only a game machine, but also has been used
as a teaching material in several fields. These days, English communication ability has been
regarded as important more and more with the advance of globalization. English was made a
compulsory subject at elementary schools in 2011 in Japan, so we can say English education at an
earlier age has been accelerated. In this study, in order to search for the possibility of using the DS
software effectively as an English teaching material for children, we examined the customer reviews of
the DS software to clarify what evaluations have been performed.
1. はじめに
順)の 10 種類のソフトである.
任天堂が開発し,2004 年から世界各国で発売した
それぞれの試料に対し,Amazon.co.jp に寄せられ
携帯型ゲーム機ニンテンドーDS は,2010 年 3 月に
たカスタマーレヴューについて調査を行った.各商
日本国内の累計販売台数が 3,000 万台を突破し,さ
品に対するレヴュアーによる「おすすめ度」
・
「楽し
らに,次世代機であるニンテンドー3DS も発売され
さ」とコメントの 3 点について調べた.なお,コメ
た[1].ニンテンドーDS はタッチスクリーン,音声
ントについては,ジャストシステム社のテキストマ
認識などの斬新な操作方法を取り入れたものであり,
イニングソフト TRUSTIA/MiningAssistant を使
任天堂が「所有者の生活を豊かにするマシン」を目
用し,解析を行った.
指すと述べたように,単なるゲーム機であるにとど
3. 結果と考察
まらず,教育や教材にも活用されており,その成果
まず,各試料の「おすすめ度」は 1 から 5 までの
も報告されてきている[2][3].
5 段階で表され,5 がおすすめ度が最も高い.各試料
近年,グローバル化が進むにつれ,英語コミュニ
の「おすすめ度」について,その件数とおすすめ度
ケーション能力が益々重要視されてきている.2011
の平均を表 1 に示す.
年度より小学校 5,6 年において英語が必修化され,
英語教育の早期化もどんどん進んでいると言える.
表1
各試料の「おすすめ度」
そういう状況の下,子ども向け英語学習 DS ソフ
評価 (低 ←)
総数
1
おすすめ度
トが種々発売されている.本研究では,DS ソフト
試料
を幼児・児童教育における教材として導入,有効に
ソフトA
11
ソフトB
10
活用していく可能性を探ることを目的とし,英語学
ソフトC
ソフトD
ソフトE
11
ソフトF
12
ソフトG
5
ソフトH
7
1
ソフトI
6
1
ソフトJ
4
習 DS ソフトについてどのような評価がなされてい
るのか,検討を行った.
2. 方法
(→ 高)
2
3
4
5
平均
標準偏差
1
2
2
2
4
3.545
1.37
1
3
3
1
2
3.000
1.26
33
2
4
8
19
4.333
0.91
9
4
3
2
2.778
0.79
1
1
1
5
3
3.727
1.21
1
2
3
2
4
3.500
1.32
2
3
3.600
0.49
1
3
2
3.857
1.17
4
1
3.833
0.90
3.000
1.22
1
1
2
今回,調査の対象とした試料は,子ども向け英語
学習 DS ソフト A(発売日: 2006 年 7 月 6 日)~ ソ
表より,DS ソフトのおすすめ度の平均値は 2.778
フト J(発売日: 2009 年 3 月 26 日)
(発売日の古い
(ソフト D)~ 4.333(ソフト C)となっている.10
39
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
試料の平均値の平均は 3.517 である.平均より低い
次に,コメントの解析結果の一例として,最もコ
ものは 4 試料で,7 試料が平均 3.5 以上と,今回,調
メント数が多いソフト C について,名詞句と形容詞
査を行ったソフトが全体的に高い評価を得ているこ
句,名詞句と動詞句の係り受けのそれぞれ上位 15
とが明らかとなった.
位までの結果を表 3 に示す.
次に,各試料の「楽しさ」の評価について調べた.
表3
「楽しさ」についても「おすすめ度」と同様,1 から
5 までの 5 段階で表され,5 が「楽しさ」が最も高
順位
い.各試料の「楽しさ」について,その件数と楽し
さ評価の平均を表 2 に示す.
表2
各試料の「楽しさ」
楽しさ
評価 (低 ←)
試料
総数
平均
標準偏差
2
3
4
5
6
1
3
1
1
3.333
0.94
ソフトB
9
1
5
1
2
3.444
0.96
ソフトC
ソフトD
29
3
7
19
4.552
0.67
5
2
3.000
0.38
1
5
2
3.500
1.36
4
3.364
1.37
2
4.000
0.89
3.750
0.43
3.833
0.90
3.000
1.22
ソフトA
1
(→ 高)
9
2
ソフトE
10
2
ソフトF
11
1
ソフトG
5
ソフトH
4
ソフトI
6
ソフトJ
4
2
4
2
1
1
3
1
1
4
1
1
2
ソフト C の係り受けトップ 15
係り受け関係
名詞句
形容詞句
係り受け関係
頻度
名詞句
動詞句
頻度
1
発音
よい
5
単語
覚える
6
2
英語
よい
2
ゲーム
クリア
3
3
子供
楽しい
2
英語
触れる
3
4
勉強
楽しい
2
自分
録音
3
5
キャラクター
かわいい
2
ゲーム
やる
3
6
単語
難しい
2
練習
書く
3
7
操作
簡単
2
ゲーム
選ぶ
2
8
お勉強
よい
1
ソフト
使う
2
9
切っ掛け
よい
1
ゲーム
始まる
2
10
キャラクター
よい
1
感じ
なる
2
11
英語
楽しい
1
英語
覚える
2
12
ごほうび
よい
1
1歳
教える
2
13
繰り返し
楽しい
1
単語
not 分かる
2
14
ソフト
よい
1
ごトレーニング
える
2
15
導入
楽しい
1
トレ
える
2
名詞句と形容詞句の係り受け関係を見ると,ソフト
C は,
「操作」が「簡単」で,
「ソフト」・「発音」・
表より,DS ソフトの「楽しさ」の平均値は 3.000(ソ
「キャラクター」などが「よい」ため,
「子供」が「導
フト D,J)~ 4.552(ソフト C)となっている.10
入」として「英語」を「繰り返し」て「勉強」でき
試料の平均値の平均は 3.578 である.平均より低い
る「楽しい」ものであることが分かる.一方,名詞
ものが 6 試料あるものの,10 試料全てが 3.0 以上で
句と動詞句の係り受け関係からは,ソフト C では,
あり,4.0 以上の高い評価のものが 2 試料ある.先
「書く」
「練習」を通じて,
「アルファベット」・「単
述の「おすすめ度」が最も高かったソフト C が,楽
語」・「英語」を「覚える」ことができる点が評価さ
しさという観点でも最も高い評価を得ている.
れていることが窺われる.
ソフト全体について,
「おすすめ度」と「楽しさ」
4. まとめ
の相関を調べた.結果を図 1 に示す.
(高 →)
子ども向け英語学習 DS ソフトについてどのよう
6
な評価がなされているのか,カスタマーレヴューに
5
ついて検討を行った.今後は,子どもたちにソフト
を使用してもらい,その使用感について対面調査を
楽しさ
4
行う予定である.
3
参考文献
2
[1] 「ファミ通.com」
,<http://www.famitsu.com/game/
news/1233252_1124.html>.
[2] 「2007 年 10 月 26 日(金)経営方針説明会・中間
決算説明会 任天堂株式会社 社長 岩田聡 講演内
容 全 文 」, <http://www.nintendo.co.jp/ir/library/
events/71026/07.html>.
[3] 「 産 経 新 聞 ENAK 」, <http://www.sankei.co.jp/
enak/2007/may/kiji/21life_nintendo.html>.
1
0
0
1
2
3
4
おすすめ度
図1
5
6
(高 →)
子ども向け英語学習 DS ソフトの「おすすめ度」と
「楽しさ」
今回,調査を行った子ども向け英語学習 DS ソフト
連絡先
について,
「おすすめ度」と「楽しさ」には強い正の
伴 浩美
E-mail: [email protected]
相関があることが明らかとなった.
40
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
T-Formula の発見と展開 (1)
On T-Formula(1)
塚本弥八郎
Yahachiro Tsukamoto
名城大学名誉教授
Emeritus Professor, Meijo University
Abstract: Another expression of Choquet integral named T-Formula was proposed in 2013 by the author.
In order to calculate Choquet integral with respect to capacities, permutation is required in advance. Using
this formula, no permutation is required. In this article, how it was found is shown.
1
序 論
1A (i) :=
2013 年のファジィシステムシンポジウムにおける「温
現を提案した. 通常 ショケ積分の計算にはあらかじめ
並べ替えの操作が要求されるが, この formula ではそ
の必要はなく被積分関数そのままで表現しかつ計算可
能となる. まずは, T-formula によるショケ積分の表現
上の表記は次稿でその役目を果たすことになる.
を示す. 詳細は後述する.
! Ch
&+
" #$
%
f ◦ dv =
f (i) −
f (j)
v(A)
i∈A
j∈Ac
1 if i ∈ A
0 else
i ∈ N における i が単に名義尺度の番号のようなも
のであるとき, 次のように言語的表現も使える.
'
”in”
if i ∈ A
1A (i) :=
”notin” else
故知新」セッションで, 筆者はショケ積分の新しい別表
A⊆N
'
以下の記号を定める. y ∈ R について
y + := max(y, 0)
y − := max(−y, 0)
(1)
ただし, N は有限集合, v(·) は Capasity を表す.
このとき
実は, 上記 (1) 式はショケ積分の別表現のみでなく,
y = y+ − y−
(2)
集合関数 v(·) を次の簡略記号を用いて表す.
Capasities が加法的ならば通常のルベーグ積分, 確
率分布ならば期待値の表現として適用可能である.
(
(
v(f ≥ α) := v({x ( f (x) ≥ α} )
次章で記号と基本事項の定義などの準備をする. 第
同様に, f : N → [0, ∞) についても,
(
(
{f ≥ α} := {x(f (x) ≥ α}
3章で, T-formula の発見のプロセスの概略を述べ, 第
4章で, T-formula のいくつかの性質を示す. ショケ積
分等の別表現への T-formula の適用について述べる.
のような簡略記号を用いる.
簡単のために, 単調増加関数 f : [0, 1] → [0, 1] の単
さらに, 本稿に続く別稿で, 原定義を離れて T-
formula から出発した計算アルゴリズムを示す. 結び
関数 (simple function) による表現は縦軸を等分割して
で, 既存の積分表現との比較をし, この T-formula の持
次のように表す.
つメリットについて触れる.
f2 =
2
準 備
n
"
1
i
·1
n {f ≥ n }.
i=1
以下では, f : N → R+ と非加法的測度を扱うが, 本稿
では, 関数の分割はこのように横割りの分割を扱う.
n 点集合 N := {1, 2, . . . , n} の部分集合, A ⊆ N を
次式で定義される特性関数 1 A : N → {0, 1} で表す.
有限集合 N = {1, . . . , n} について考える.
Tsuka(1) ー 1
41
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
(6) 式は (3) 式より次式で表される (本田 [3]).
)
,
! Ch
" $
f ◦ dv =
fi mv (A).
定義 1: ファジィ測度
集合関数 v : 2N → [0, 1] が次の3条件を満たすとき,
v をファジィ測度または (Capasities) と呼ぶ.
A⊆N
v(∅) = 0
v(N ) > 0
∀A, B ∈ 2N , v(A ∪ B) ≥ v(A) ∨ v(B)
f1.
f2.
f3.
本節では, 包除積分 (6) 式がショケ積分 (5) 式にな
ることを明確に示す式を誘導する. n 点集合で解くの
のように正規化して扱う場合もある.
はかなり困難で, まずは 2 点, 3 点集合の場合につい
て解き, それらの結果から類推するという試みの中で,
定義 2 : Möbius 変換
Möbius 変換, m : 2
T-formula の発見
3
f3. は単調性の条件, f2. については, v(N ) = 1
N
(7)
i∈A
T-formula は見出された. 文献 (塚本 [5]) から1部を引
→ 2 , は次式で定義される.
N
用する.
∀A ∈ 2 について,
N
"
mv (A) :=
(−1)|A\B| v(B).
3.1
(3)
B⊆A
N = {1, 2}, f ∈ [0, ∞)N とする.
v1 = v({1}), v12 = v({1, 2}), f2 = f ({2})
以下ではまぎれのない限り, m G(A) を単に m(A)
v
のように記す.
などの簡略記号を使う. f1 , f2 の順序関係はあらかじ
め設定しないことに注意する.
逆 Möbius 変換 は次式で表される.
∀A ∈ 2N について,
v(A) =
"
m (B).
(7) 式より,
! Ch
(4)
v
B⊆A
V := {v | v : 2
N
→ [0, 1]}
i=1
積分になることが読み取れる.
(5)
f ◦ dv =
1 たとえば,
加法的測度.
"
A⊆N
i∈B
3点集合
N = {1, 2, 3} の場合, 包除積分 (6) 式をまともに解
くと, その一般形は以下のようになる. かなり長い式に
部分集合 A ⊆ N の基数を k で表す, k := |A|.
"
"
"
"
·=
·+
·+
·.
,
"*
$ +
(−1)|B\A|
fi
v(A).
B⊇A
3.2
なるので分けて表記し, 最後にそれらの和をとる.
定義 4:包除積分
Ch
(8)
に, f1 と f2 の間に順序関係を考慮すると直ちにショケ
& #
&
f (σ(i))−f (σ(i−1)) v f ≥ f (σ(i))
)
mv (A)
をすることなくショケ積分を計算することができる. 仮
ただし, f (σ(0)) := 0, σ(i) は N 上の Permutaion.
!
i∈A
fi
,
上式 (8) を使うことにより関数値 f1 , f2 の並べ替え
定義 3 : Choquet 積分
f ◦v :=
$
(f1 − f2 )+ := (f1 − f2 ) ∨ 0.
Möbius 変換はファジィ測度と加法的測度との差を表し
ている.1
n #
"
A⊆N
)
ただし,
N
なわち, 集合 V と集合 M は一対一対応である.
Ch
f ◦ dv =
"
= (f1 − f2 )+ v1 + (f2 − f1 )+ v2 + (f1 ∧ f2 ) v12
M := {m | m : 2 → [0, 1]}
と定めると, v とその Möbius 変換 m は一対一対応, す
!
2点集合
A⊆N
"
(6)
A:k=1
m({1, 2}) = v({1, 2}) − µ({1, 2}). ただし, µ は
A:k=1
A:k=2
· = (f1 − f2 ∨ f3 )+ v1
+ (f2 − f3 ∨ f1 )+ v2
+ (f3 − f1 ∨ f2 )+ v3 .
Tsuka(1) ー 2
42
(9)
A:k=3
(10)
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
"
A:k=2
(証明)
· = (f1 ∧ f2 − f3 )+ v12
+ (f2 ∧ f3 − f1 )+ v23
+ (f3 ∧ f1 − f2 ) v31 .
"
$
· = ( fi ) v123 .
+
で占められる場合以外, 右辺は 0 となる. このことか
ら直ちに, |A| = k のとき,
(11)
"
(12)
i
A:k=3
k = 1, . . . , n について, (14) 式の第1項の
集合 A が1番目から k 番目までの f に対応する要素
A : |A|=k
(10) 式における vi の係数を見ると, 1番大きいもの
と2番目に大きいものとの差を表している. もし f1 が
h(A) = f (σ(k)) − f (σ(k − 1))
ただし, f (σ(0)) = 0.
1番でないときは次の項へ進み, f2 が1番でないとき
はさらに次の項へ進む, 結果的に, 1番大きいものと次
ここに現われる f (σ(k)) における k は集合の基数
に大きいものとの差だけが残る. k = 2 の場合にも結
k ∈ {0, 1, 2, · · · , } がとる値としての k である. した
がって, f (σ(0)) = 0 の表記は自然である.
果的に2番目に大きいものと3番目に大きいものと差
また, A : |A| = k について,
#&+
.
f
−
f
c
i
j
i∈A
j∈A
が残る.
たとえば,
0 ≤ f1 ≤ f2 ≤ f3 ≤ 1 とすると, 直ち
に次式を得るが, これはまさにショケ積分である.
"
· = (f3 − f2 )v3 + (f2 − f1 )v23 + f1 v123 .
が生き残る項はただ一つの部分集合である. [補題 2]
(15) 式から, k 番目に大きい f は次式により得る.
A⊆N
f (σ(k)) =
n 点集合
3.3
n # "
"
k=k
さらに, 4点集合の計算結果を眺めることにより, n
A: |A|=k
&
h(A)
(16)
(証明略)
点集合の場合の表記を以下のように類推することがで
補題 1 は k 番目に大きい f とその次に大きい f の
きた. Ac で N = {1, 2, . . . , n} に対する A の補集合を
差を, 補題 2 は k 番目に大きい f の値を求める式で
表すものとする.
ある.
[命題1] (5) 式で定義された n 点集合の Choquet
積分の別表現として次式を得る (塚本 [5]),
! Ch
" #$
% &+
f ◦ dv =
fi −
fj
v(A). (13)
A⊆N
i∈A
[補題 3]
"
h(A) =
A⊆N
j∈Ac
%
f (i).
i∈N
本稿でいう T-formula とは上の (13) 式を指す.
(証明略)
[補題 4]
4
v(N ) のみが与えられ, ∀A ⊂ N について v(A) = 0 の
とき,
! Ch
f ◦ v = h(N ) · v(N )
(17)
T-formula の性質
f : N → [0, ∞) に対して,
集合関数 h : 2N → [0, ∞) を次式で定義する.
#$
&+
%
h(A) :=
f (i) −
f (j) i∈A
同様に, v(A)(̸= 0) のみが与えられ, ∀B (̸= A ⊆ N ) に
(14)
ついて v(B) = 0 のとき,
j∈Ac
!
[補題 1]
その基数が k の部分集合 ∀A ⊆ N について,
#
& #
&
"
h(A) = k 番目に大きい f − 次に大きい f .
A:|A|=k
(15)
Tsuka(1) ー 3
43
Ch
f ◦v =
#$
i∈A
&
f (i) v(A)
(18)
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
Choquet 積分の表現
5
参考文献
(命題1)
(13) 式は (14) 式で定義した h(A) により,
!
Ch
f ◦ dv =
"
[1] 菅野道夫,室伏俊明 : 講座ファジィ第3巻,ファ
ジィ測度, 日本ファジィ学会編, 日刊工業新聞社,
1993
h(A)v(A).
(19)
[2] P.Benvenuti, R.Messiar and D.Vivona : Mono-
A⊆N
tone set functions-based integrals,
In E. Pap(Ed.), Handbook of measure theory,
Chapter 33, Amsterdam: Elsevier Science, 2002
のように表記できる.
[証 明]
[補題1] より
"
|A|=k
[3] 本田あおい:包除積分とその画像評価モデルへの
応用, 第 34 回東海ファジィ研究会講演論文集,
h(A) = f (σ(k)) − f (σ(k − 1)).
n # "
"
&
g(·) =
k=1 A: |A|=k
"
pp.10-1 ∼ 10-6, Feb. 2013
[4] R.Messiar and A.Stupnanova : Decomposition
Integrals, Int. Journal of Approximate Reason-
g(·)
ing, 54, 1252-1259, 2013
A⊆N
なので, Choquet 積分の原定義 (5) 式を得る,
"
h(A) v(A) =
n #
"
i=1
A⊆N
ただし, f (σ(0)) := 0.
[5] 塚本 : 包除積分に関する一考察, in CDROM, 日
&
f (σ(i)) − f (σ(i − 1)) v(A)
本知能情報ファジィ学会評価問題研究会, 第 18 回
あいまいな気持ちに挑むワークショップ (in 相
馬), Nov. 2013
2
[6] 塚本 : ファジィ測度と積分のやさしい学び方 (そ
の5), 東海支部総会での講演, April, 2014
[命題2] f : R → R+ で, 値域が {y1 , . . . , yn } の
ような n 個からなる単関数について考える.
Ai := (f ≥ yi ),
h(Ai ) :=
# $
x∈Ai
[7] E. P. Klement, R. Mesiar, F. Spizzichino and
A. Stupnanova : Universal integrals based on
copulas : Fuzzy Optimal Decision Making, 13,
(i = 1, . . . , n)
f (x) −
%
x∈(Ai )c
&+
f (x) 273-286, 2014
[8] 塚本 :TS-formula による色んな積分の表現, 第
と定めると, Choquet 積分は次式のように表すことが
30 回東海支部ファジィ研究会講演論文集,
pp.11-1∼11-6, Aug. 2015
できる.
!
Ch
f ◦ dv =
n
"
h(Ai ) v(Ai )
(20)
i=1
(証明略 for saving space)
連絡先
6
結びに代えて
塚本弥八郎
E-mail: [email protected]
ここでは, 主にショケ積分の T-formula による表
現についてのみ述べた. 新たに次稿では T-formula か
ら出発した積分の計算アルゴリズムおよびファジィ測
度の同定問題について触れる.
2 (19) 式と (7) 式は有限集合 N のすべての部分集合についての
和を計算すればよいという形式で表現されていることに留意する.
Tsuka(1) ー 4
44
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
T-formula の発見と展開 (2)
On T-Formula(2)
塚本弥八郎
Yahachiro Tsukamoto
名城大学名誉教授
Emeritus Professor, Meijo University
Abstract: Following the previous article, this is concerned with the development of calculational algorithms using T-Formula. Furthermore, it challenges to identification problem of fuzzy measure (capasities).
1
Möbius 変換を用いた Choquet 積分の表現の再掲.
&
'
% "
Ch
E (f ) =
fi mv (A).
(4)
序 論
前稿に続いて, ここでは原定義から離れて, T-formula
に基づく積分計算のアルゴリズムを示す. まずは, Cho-
A⊆N
i∈A
(2) 式と (4) 式は, すべての部分集合の和をとる形式で
quet 積分, さらに, 平均や加重平均などの通常の統計量
も T-formula を用いて求めることができることを示す.
表記されていることに留意する.
さらに, 各要素についての関数値(個別評価)及び
積分値(総合評価)の組が多数データとして与えられ
データベース関数による計算
3
て, ファジィ測度を推定する問題は非加法的測度の同
定問題と呼ばれていて, 評価モデルの構築に欠かせな
まずは, Choquet 積分の T-formula を使った計算方
い課題である. 本稿では, T-formula を適用してこの問
法を示す.
題に挑戦する.
(2) 式を直接使った計算は Excel のデータベース関数
を使用により以下の手順で簡単に実現できる.
2
準備
3.1
前稿で示した重要な式をより簡潔な形で再掲する.
f : N → [0, ∞) に対して,
で定義する.
h(A) :=
!"
i∈A
要素数 n を入力.
h : 2N → [0, ∞) を次式
f (i) −
#
j∈Ac
f (j)
$+
Choquet 積分も簡潔に次のように書く.
%
E Ch (f ) =
h(A) v(A)
第1列には要素の名称を記入. ただし, この部分は DB
には入れない.
(1)
f と空集合を除いた (2n − 1) 個の部分集合で第1行を
作成.
(f, sub1, sub2, . . . , subn) のタイトルで列を作成する.
”f ” 列には, f1 , f2 , . . . , fn の値を入れる.
(2)
1 から (2n − 1) 個の自然数を n 桁2進数(文字列)に
変換.
A⊆N
[補題 1’]
2 列目から各々を1桁づつ縦に記入.
特性関数の値 1 と 0 を ”in” と ”notin”に置き換える.
以上で, (n + 1) 行 2n 列 からなる DB が作成される.
その基数が k の部分集合 ∀A ⊆ N について,
!
$ !
$
%
h(A) = k 番目に大きい f − 次に大きい f .
A:|A|=k
DB の作成
検索条件を2つ作成する. (表1参照)
(3)
[補題 1”]
{A : |A| = k} の中で生き残る A はただ一つである.
すなわち, ただ一つの部分集合を除いて h(A) = 0 .
以上の準備を俟って, f (·) と v(·) を入力するとただ
ちに積分値を得る.
Tsuka(2) ー 1
45
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
必要がある. Excel にある関数 = dec2bin, = mid など
表 1: List of Data-Base etc.
澤 川澄
3.2
f
9
5
の命令を使用することにより自動的に DB を作成する
Sub1
notin
in
0.1
Sub2
in
notin
0.9
Sub3
in
in
1.0
Subsys.
DB
Capasities
Sub1
in
5
Sub2
in
9
Sub3
in
5
Subsys.
belong
DMIN
Sub1
notin
9
0
0
Sub2
notin
5
4
3.6
Sub3
notin
0
5
5
Subsys.
notbelong
DMAX
T-formula
8.6
ことは可能である.
T-formula による他の積分計算
4
前節では, ショケ積分の計算方法を示したが, v(·) の
与え方により, よく知られた積分が同じ T-formula に
より求めることができる. 以下の4つについていずれ
も最小必要限の入力で OK である. n 点集合のとき,
4.1
通常のルベーグ積分
n 個の関数値と n 個の測度を入力とし, 加法性によ
りすべての部分集合について測度を求め, T-Formula
の計算を実行.
2点集合の場合
2つの要素は名前や背番号など名義尺度のままで良
い. DB の第1行は関数の名称 f と3つの部分集合の
詳細はスライドにて示す (sumif 関数の活用).
名称からなる. 第 1 列には f の値を入れ, 第2, 3行
の2, 3, 4列には対応する要素が各部分集合に属すれ
4.2
ば ”in”, 属さなければ ”notin”を書く. (属す, 属さな
い, と書いても良い.)
確率変数の期待値
シングルトンに付与される確率測度が非負かつ和が
以上の3行4列を DB として定義する.
1であることと, 加法性から容易.
検索条件は 2行3列で, 2行目のすべての列に ”in”
と書かれたものと, ”notin” と書かれたものを2つ作成
しておく.
4.3
DM IN の計算に当って, 最初の検索条件で実行すれば,
各部分集合にに属するものの中での f の最小値を, 2
つ目の検索条件で実行すれば, 属さないものの中での f
上にほぼ同じ.
の最大値を得る. まさに, h(A) の括弧内の第 1 項と第
4.4
2 項の計算そのものである. 最後にすべての部分集合
メディアン
データ数 n が偶数と奇数の場合で分けて, データベー
について, あらかじめ入力された v(·) で, T-formula を
ス関数の中で得られた値を用いて以下のように求める
計算する. 表 1 に DB, 2 つの検索条件, DMIN, DMAX
ことができる.
などを示す.
3点集合の場合の DB は4行8列で作成される. DB
If n is even then
DMIN, DMAX at k = n/2
の 1 列目は f の値からなる. 2行7列からなる検索条
件を2つ作成し, T-formula の実行に入ればよい.
3.3
加重平均
M edian = (DM IN + DM AX)/2.
If n is odd then
DMIN, DMAX at k = (n + 1)/2
M edian = (DM IN + DM AX)/2.
(Where k = |A|).
多要素のとき
現実的には4ないし5要素ぐらいまでなら, あらか
じめ DB を作成しておけば, 応用しやすいと思われる.
しかしながら、かなり多い要素数の場合には他の, た
とえば, VB, C 等での T-formula の計算方法を考える
Tsuka(2) ー 2
46
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
紅組と白組を合体して, 次式に従って n 個からなる
ファジィ測度の同定問題
5
データを作成する.
前節までは, すべての部分集合のファジ測度と各要
y C := y red −(f1 −f2 ) v1 ,
素についての関数値が所与のときの総合評価値を求め
y C := y white −(f2 −f1 ) v2 .
新たに次の回帰式より v12 を推定する.
る問題であった.
C
y C = f12
v12 .
(7)
本節では, T-Formula に基づいてファジィ測度の同
定問題に挑戦する. その特徴はデータを分割して行う
5.2
路線別同定にある.
3点集合
モデル1: (4) 式の回帰式を使用のとき, 説明変数
の数は7個になる.
以下では, 総合評価値としての積分値を y とする.
路線別同定法では, グループの分割数は f1 , f2 , f3 の
5.1
2点集合
大小関係に対応して 3! = 6 個, 各グループでの説明変
数の数は3個となる.
路線別同定について, 2点集合で説明する.
しかしながら, ここではデータを以下の3グループ
に分割する.
問題は n 個のデータを用いて, 集合関数 v1 , v2 , v12
名大組 = {A : f1
is top}
⇒ v1
f2 } を満たす赤組と Dwhite = {(y, f1 , f2 ) : f2 > f1 }
中京組 = {A : f2
is top}
⇒ v2
計算で v2 を通過しない, かつ白組のデータは v1 を全
名城組 = {A : f3
is top}
⇒ v3
の推定である.
1
路線別とはデータの組を, Dred = {(y, f1 , f2 ) : f1 >
の白組に分けることから始める. 赤組のデータは, 積分
く用いていないという点に注目する.
2点集合で見たように, v1 , v2 , v3 が各組から推定す
赤組のデータからは v1 , v12 を, 白組のデータから
ることができる.
v2 , v12 を推定する. このことにより, v1 , v2 に関して
は, それぞれ独立に求めることが可能となる.
5.3
紅組の n1 個のデータについて,
y red = (f1 − f2 ) v1 + f2 v12 .
分割数は n! 個, 各グループでの説明変数の数は n 個
となる. かなり複雑になるが、(4) 式を直接用いた回帰
(5)
式では説明変数の数は (2n − 1) 個である.
これまでに提案された同定問題では, K2 問題, すな
白組の n2 個のデータについて,
y
white
= (f2 − f1 ) v2 + f1 v12 ..
n 点集合
わち, 要素間の相互作用は2個の間でのみあるとし, 3
(6)
個以上の間では加法性が満たされているものと仮定し
て説明変数の数を小さくするという工夫をしている.
ただし, n1 + n2 = n.
K2 問題に還元するとき, 2変数の間に非加法的相互
作用があるのに, 同じ変数を含む3変数間では相互作
用がないものとする仮定はかなり理解し難い点である.
(5) 式から v1 が, (6) 式から v2 が推定される.
路線別同定法では一挙に推定することはやめて路線毎
に少ない説明変数で推定しようとするものである.
1 本田らは
Möbius 変換を用いた (4) 式により誘導される回帰式,
y = f1 m1 + f2 m2 + (f1 ∧ f2 ) m12
に基づいて係数 m(·) を推定している.
Tsuka(2) ー 3
47
日本知能情報ファジィ学会 合同シンポジウム 2015
第24回北信越支部シンポジウム&第19回人間共生システム研究会
6
結びに代えて
謝 辞
第 13 回 FSS の「温故知新}セッションへの投稿を
1. 計算上の問題, Choquet 積分の原定義では, 関数
値による permutation が必要であるが, 本表現では不
呼び掛けて下さいました林勲関西大学教授に謝意を表
します. 日頃, 有益な議論を頂いた東海ファジィ支部の
要である. さらに, T-formula による計算では言語の使
皆様に御礼申し上げます.
用領域が広く, このことが理解を容易にしている. さら
に, 通常の統計量も計算可能である.
参考文献
2. 有限集合 N = {1, . . . , n} と定めたとき, N は n
個の違うものの集まりで, これらの数字はさしあたり
[1] 塚本 :T-formula の発見と展開 (1), 東海支部ファ
ジィ勉強会, pp.1-4, Oct. 2015
背番号のようなものと解するべきであろう. 自然数の
(ここ多数の文献あり.)
部分集合だというのであればそのように宣言し, そこ
では和について閉じているものとなる. しかし, ただの
名義尺度としての数字であれば, 足したり引いたりす
るのはおかしいことになる. 順序尺度としてみなして
も f (σ(0)) := 0 というのは関数の定義域からはみ出し
連絡先
ている. はみ出しているのであえて定義するという主
塚本弥八郎
張もあろうが, T-formula による Choquet 積分表現で
E-mail: [email protected]
はこのような心配は無用となる. 3. ファジィ測度の同定問題では, 述べたような路線
別同定法により説明変数の数を少なくすることができ
るので, その有用性が期待される.
4. ただし, 現段階ではまだ Idea の段階でり, 今後の
課題は路線別同定法の有効性を simulation も含めての
検討である. さらに, T-formula のどこかにファジィ集
合を導入したときの研究である.
さて, システムの定義は色々だが, システムとは複数
の要素の集まりで, 互いに関係性を持ち, かつ全体とし
て何か目的性を与えられている, という点は共通項と
してある.
典型例の一つは, たとえば, スポーツにおけるチーム.
ファジィ測度論はシステム理論の一領域であると以
前から言われてきた. 加法性も一つの関係であるが, さ
らに非加法的な部分に隠されている関係性を明らかに
しようとしているからである. したがって, その非線
形な部分を単に数値として求めるだけではなく, その
背後にある相互関係の意味を明らかにすることこそが
ファジィ測度論の生命線である. Tsuka(2) ー 4
48