[ プレスリリース 2016.6.24 ] 芸術公社ゼミナール開講! アートと社会をつなぐ職能の思想と最新スキルを学ぶ 芸術公社ゼミナールとは? 芸術公社は、芸術と社会の関係性を更新することをミッションに掲げ、国内外で様々な芸術文化事業を 展開する NPO 法人です。13 名の設立メンバー+2 名の新規メンバーは、プロデューサー、エディター、 リサーチャーなど、アートと社会をつなぐための異なる専門性、スキル、言語を持つエキスパートたち。 本ゼミナールは、普段、アートプロジェクトの企画・制作・運営や、それを取り巻く文化政策、法務とい った芸術文化環境の現場の最前線に立つ芸術公社メンバーが講師となり、それぞれが長年の実務経験の 中で構築してきたスキルから、その背後にある考え方や仕事の文法を、わかりやすく解説し、ともに学ぶ シリーズです。 ◆芸術公社ゼミナールの特徴 1. アートと社会をつなぐ職能の思想と最新スキルを学ぶ 芸術表現の多様化や機会の増大に伴い、アートと社会をつなぐ職能も日々進化しています。芸術公社メ ンバーは、まさにその最前線で格闘するプロフェッショナル。現在進行形で紡がれる思想や最新スキル を、講義と対話によってわかりやすく伝授します。 2. ビギナー目線から、徹底解説! 本ゼミナールは、芸術公社にインターンとして関わる 4 名の学生が主体となって企画運営しています。 各回のゼミは、彼らが事前に投げかけた質問に丁寧に応答する形で構成されますので、ビギナーの方で も安心してご参加頂けます。 3. オムニバス形式で、聞きたい回だけ受講可能 日々忙しい社会人の方にも気軽にいらしていただけるよう、本ゼミナールは平日の夜の時間帯に開催、 聞きたい回だけの単発受講が可能です。もちろん全シリーズ通しての受講は大幅割引で大変お得。また、 各回終了後には講師や受講者を交えた懇親会を開催、ネットワークの拡大にも繋がります。 こんな方にオススメです ・ 国内外の芸術活動の現場を支える制作やマネージメントに従事している、あるいは興味がある方 ・ リリサーチや PR、翻訳などにおけるコミュニケーション能力の向上など、具体的なスキルを獲得 したい方 ・ 現場での課題を通して社会と芸術の繋ぎ手としての考えを深めたい方 1 ◆スケジュール <ゼミ1> 7月8日(金)19:00-21:30 相馬千秋 プロデュースの基本:問いや違和感を形にする方法 <ゼミ2> 7 月 11 日(月)19:00-21:30 影山裕樹+鈴木理映子 アートを再構築する編集術 <ゼミ3> 8 月 1 日(月)19:00-21:30 平昌子+望月章宏 「創客システム」としての広報(パブリック・リレーション) <ゼミ4> 8 月 8 日(月)19:00-21:30 若林朋子 芸術助成制度を学ぶ ∼社会と芸術の良き関係構築に向けて∼ <ゼミ5> 9 月 5 日(月)19:00-21:30 大舘奈津子 美術のマネジメントを学ぶ ∼100 年残る作品をつくるために∼ <ゼミ6> 9 月 12 日(月)19:00-21:30 戸田史子+藤井さゆり 舞台芸術のマネジメントを学ぶ∼現場の質を上げるために∼ <ゼミ7> 9 月 20 日(火)19:00-21:30 林立騎 リサーチ入門∼作品・企画・プロジェクトを豊かにするプロセス∼ <ゼミ8> 9 月 26 日(月)19:00-21:30 田村かのこ+ウィリアム・アンドリューズ 有効なコミュニケーションを実現する「翻訳」との向き合い方 <ゼミ9> 10 月 3 日(月)19:00-21:30 須田洋平 表現の自由と制限:創作における法的課題のケーススタディ <ゼミ10> 10 月 11 日(火)19:00-21:30 岩城京子 芸術を社会に開く文章術:わからなさを細分化する書き言葉 2 ◆受講料 ゼミ 1 回分受講 2,500 円 ゼミ3回分受講セット券 6,500 円(1,000 円お得!) ゼミ 5 回分受講セット券 10,000 円(2,500 円お得!) 全ゼミ受講パス 20,000 円(5,000 円お得!) *参加する初回のゼミにて、ご予約された全ゼミ合計金額を現金にてお支払いいただきます。 ◆定員・お申込み *参加ゼミ数に制限はございませんが、先着順となります。お早めにお申込みください。 *定員は各回 15 名程度を予定しています。 お申込みフォーム http://artscommons.asia/projects/seminar より ◆会場 SHIBAURA HOUSE 〒108-0023 東京都港区 芝浦 3-15-4 http://www.shibaurahouse.jp/about/access_contact JR 田町駅芝浦口より徒歩 7 分 都営三田線・浅草線 三田駅 A4 出口より徒歩 10 分 ◆お問い合わせ 特定非営利活動法人芸術公社 [email protected] 080-3936-6676 主催:特定非営利活動法人芸術公社 パートナー:SHIBAURA HOUSE 3 <ゼミ1> 7月 8 日(金)19:00-21:30 相馬千秋 プロデュースの基本:問いや違和感を形にする方法 自ら芸術作品を作るのではなく、作品を特定の方向性や環境のもとに「作らせる」ことによって、新しい 価値や流れを生み出すのがプロデューサーの仕事です。フェスティバル/トーキョー09-13 や芸術公社 をはじめ、国内外で作品やプロジェクトを多数企画してきた相馬千秋は、「プロデュースとは、自分が持 つ社会に対する問いや違和感を、表現者やスタッフらと共に形にする思考/行動/お金のプラットフォ ームをつくること」と語ります。本講義では、相馬が手がけた数々のプロデュース例を紐解きながら、企 画の発想法と実現のためのノウハウを伝授します。 講師プロフィール 相馬千秋 (そうま・ちあき) アートプロデューサー。国際舞台芸術祭「フェスティバル/トーキョー」初代プ ログラム・ディレクター (F/T09 春∼F/T13)、横浜の舞台芸術創造拠点「急な 坂スタジオ」初代ディレクター(2006-10 年)、文化庁文化審議会文化政策部 会委員(2012-15 年)等を歴任。2012 年より r:ead(レジデンス・東アジア・ ダイアローグ)を創設、アジアにおけるコミュニケーション・プラットフォー ム作りに着手。2014 年仲間とともに NPO 法人芸術公社を設立し代表理事に 就任、法人の経営や各種事業のディレクション全般を行う。また国内外で多数のプロジェクトのプロデ ュースやキュレーションを行うほか、アジア各地で審査員、理事、講師等を多数務める。2015 年フラン ス共和国芸術文化勲章シュヴァリエ受章。2016 年より立教大学現代心理学部映像身体学科特任准教授。 4 <ゼミ2> 7 月 11 日(月)19:00-21:30 影山裕樹+鈴木理映子 アートを再構築する編集術 バラバラの素材を一冊の本やウェブにまとめ上げることで、あらたな価値や思想を社会に投げかける編 集者。では、アートに関する本・雑誌は、「市場の論理」と「未来の読者」の間で、誰に向けて、何を目 指し、どのような仕組みで世の中に発信されているのでしょうか。本講義では最新刊「あなたは自主規制 の名のもとに検閲を内面化しますか」などアート関連書の出版プロデュース・編集を行っている編集者 の影山裕樹、「<現代演劇>のレッスン:拡がる場、超える表現」の編著者で、演劇ライターの鈴木理映 子の二人から、具体的な編集プロセスや出版の歴史を実例に、アートや演劇の世界を再構築する編集術 を学びます。 講師プロフィール 影山裕樹(かげやま・ゆうき) 雑誌「スタジオボイス」、出版社フィルムアート社編集部などを経て独立。アー ト/カルチャー書のプロデュース、ウェブサイトや広報誌の編集、展覧会やイベ ントの企画・ディレクションなど幅広く活動している。近年は「フェスティバル /トーキョー」(2012、13)「十和田奥入瀬芸術祭」「札幌国際芸術祭 2014」 など各地の芸術祭やアートプロジェクトに編集者、ディレクターとして携わる。 著書に『大人が作る秘密基地』『ローカルメディアのつくりかた』、共編著に『決 定版・ゲームの神様 横井軍平のことば』など。芸術公社では『あなたは自主規制の名のもとに検閲を内 面化しますか』などの出版物の企画・編集を行っている。 鈴木理映子 ( すずき・りえこ ) 編集者、ライター。演劇情報誌「シアターガイド」編集長を経て、2009 年より フリー。演劇専門誌、広報誌、公演プログラムでの取材・執筆のほか、『遊びを せむとや航行す大駱駝艦の非常なる日常』(シアターガイド)、『F/T ドキュメ ント』(F/T09̶13)、『ポストドラマ時代の創造力』(白水社)などの編集を 担当。青山学院大学「ACL 現代演劇批評アーカイブ」の開設にも携わる。編著に 『<現代演劇>のレッスン拡がる場、越える表現』 (フィルムアート社)。新国立劇場企画サポート委員。 芸術公社では主に Scene/Asia の編集を担当する。 5 <ゼミ3> 8 月 1 日(月)19:00-21:30 平昌子+望月章宏 「創客システム」としての広報(パブリック・リレーション) PR とはパブリック・リレーション、すなわち「パブリックなものとの関係づくり」のことを意味します。 マーケディングに基づく動員数拡大という数値的目標だけではなく、いかに観客との対話の中で、作品 やプロジェクトの魅力を伝え、その反響や批評を再び観客と共有し、あらたな「創客」の循環を生み出し ていくのか。本講義では、共に F/T12-13、札幌国際芸術祭、恵比寿映像祭など多数のアートプロジェク トの PR を担当してきた平昌子、望月章宏に、一方通行の発信に止まらない PR のあり方や思想、そのノ ウハウについて学びます。 講師プロフィール 平 昌子 ( たいら・まさこ ) 建築の実施経験を生かし、建築から現代美術といった専門的な展覧会、美術イベ ント等の広報、PR を行う。近年の活動はヴェネチアビエンナーレ日本館(2011 年-2015 年)、G-tokyo(アートフェア)、ルーヴル- DNP ミュージアムラボ、第 15 回文化庁メディア芸術祭、フェスティバル/トーキョー、恵比寿映像祭、東京 都庭園美術館リニューアル、PARASOHIA:京都現代芸術祭、札幌国際芸術祭、 岡山芸術交流 2016 など。芸術公社では各種事業の PR のほか、これからの広報 のあり方について研究。 望月章宏 ( もちづき・あきひろ ) 1977 年長野生まれ。上智大学文学部卒。カルチャー誌の編集部を経て、アート やファッション、カルチャー分野での企画、制作、PR のプロデュース、ディレ クションを行う。 6 <ゼミ4> 8 月 8 日(月)19:00-21:30 若林朋子 芸術助成制度を学ぶ ∼社会と芸術の良き関係構築に向けて∼ 国・自治体による公的助成、民間財団や企業の支援など、今日の日本の芸術助成制度は、助成目的の多様 化に伴い複雑化しています。インディペンデントに活動するアート NPO や芸術団体にとっては、ファン ドレイズは存続を左右する重要課題。本講義では、日本の芸術支援に詳しい若林朋子とともに、アートを めぐるお金の流れと助成制度の今を概観し、助成する側、される側双方の視点から社会と芸術の新たな 関係性を考えます。 講師プロフィール 若林朋子 ( わかばやし・ともこ ) プロジェクト・コーディネーター、プランナー。デザイン会社勤務を経て学生 に戻り、英国ウォーリック大学院で文化政策とアートマネジメントを学ぶ。 1999 年∼2013 年、公益社団法人企業メセナ協議会に勤務。プログラム・オフ ィサーとして、企業が行う文化支援活動の推進と環境整備に従事。調査研究、 メセナ事業の企画・運営(ネット TAM 等)、助成事業の運営、政策提言、出 版、セミナー等を担当した。現在はソーシャルプロジェクト全般に活動領域を 広げ、編集、執筆、コンサルティング、調査研究、各種コーディネート等を行っている。NPO 法人理事 (芸術家と子どもたち、JCDN、アートプラットフォーム)、監事(ON-PAM、音まち計画)、ARTS for HOPE 運営委員。 7 <ゼミ5> 9 月 5 日(月)19:00-21:30 大舘奈津子 美術のマネジメントを学ぶ∼100 年残る作品をつくるために∼ アートマネジメントの中でも、直にアーティストと対峙し、伴走するのが、アーティストレップやマネジ メントと呼ばれる仕事です。アーティストのあらゆるニーズに応える基本業務に加え、社会や美術史と いった大きな文脈を捉え、展覧会や出版物など具体的にアウトプットしていくことが求められます。こ れまで森村泰昌、荒木経惟、やなぎみわといった国際的アーティストのマネジメントに携わってきた大 舘奈津子は、その原動力を「100 年残る作品をつくるために」という一言で表現します。本講義では、 現代美術のマネジメント術の A to Z を解説してもらいながら、そこに流れる根本的な姿勢を学びます。 講師プロフィール 大舘奈津子 ( おおだて・なつこ ) 一色事務所にて、荒木経惟、森村泰昌、笠原恵実子、やなぎみわ、藤井光のマ ネジメントに携わる。2010 年よりウェブマガジン「ART iT」の編集を兼任。 『ヨコハマトリエンナーレ 2014』ではキュレイトリアル・アソシエイツを務 め た 。 こ れ ま で 担 当 し た プ ロ ジ ェ ク ト と し て 『 や な ぎ み わ : Windswept Women-The old Girls' Troupe』(ヴェネツィアビエンナーレ日本館、2008 年)、『Yasumasa Morimura: Theater of Self 』(ウォーホール美術館、ピ ッツバーグ、2013 年)『荒木経惟 往生写集』(豊田市美術館、新潟市美術 館、資生堂ギャラリー他、2014 年)など。芸術公社では、 Scene/Asia および、レクチャー・パフォ ーマンスのキュレーションを担当。 8 <ゼミ6> 9 月 12 日(月)19:00-21:30 戸田史子+藤井さゆり 舞台芸術のマネジメントを学ぶ∼現場の質を上げるために∼ 「その場・その時」の一回性を基礎とする舞台芸術のマネジメントは、美術とはまた違ったスキルが求め られます。創作の核となるアーティストだけでなく、異なる技能を持ち寄るスタッフや演者との信頼関 係づくり、創作プロセスの共有・進行、モチベーションとバランスを保つフィーの支払い・・・これらは 全て、作品の質を左右するほど重要でありながら、なかなか言語化・ノウハウ化が難しい部分でもありま す。本講義ではこれまで Port B、リミニ・プロトコルなど数々の演劇作品の制作を手掛けてきた戸田史 子、藤井さゆりに、その「最も言語化しにくい部分」を敢えて語ってもらうことで、舞台芸術制作のエッ センスを共有します。 講師プロフィール 戸田史子 ( とだ・ふみこ ) コーディネーター、制作、翻訳。早稲田大学理工学部建築学科卒業後、ベルリ ンの魅力にとりつかれ 2002 年より 3 年弱在住。チケットの安さも手伝い、 観劇やライブ三昧の日々を過ごす。帰国後はパフォーミング・アーツ業界を中 心に各ジャンルのはざまに生息。現在までに、海外アーティスト(リミニ・プ ロトコルなど)の国内公演制作、国内アーティスト(ポツドール、PortB、チ ェルフィッチュなど)の海外公演制作、映像翻訳(『ピナ・バウシュ 夢の教 室』など)を行う。好きなものはすこし熱めの温泉と音楽、島に旅行すること。 芸術公社では主にレクチャー・パフォーマンス・シリーズの制作を担当。 藤井さゆり (ふじい・さゆり) コーディネーター、制作。1985 年生まれ。日本大学理工学部研究科博士前期 課程建築学科修了。2011 年より「フェスティバル/トーキョー」に制作スタ ッフとして勤務。都市空間で展開するパフォーマンスや演劇プロジェクトの企 画・制作を担当。2014 年からはフリーランスとして、アートプロジェクトの コーディネート、舞台制作を行うほか、アーティストたちと街なかを舞台にジ ャンルに捉われない様々なプロジェクトを企画・展開している。芸術公社では 主に「みちのくアート巡礼キャンプ」の制作を担当。 9 <ゼミ7> 9 月 20 日(火)19:00-21:30 林立騎 リサーチ入門∼作品・企画・プロジェクトを豊かにするプロセス∼ 昨今、リサーチを単なる下準備としてではなく、創作や企画における不可欠なプロセスと位置付け、その 手法やチーム体制自体を更新しようとする動きが生まれています。作品やプロジェクトを豊かにするた めのリサーチとは、いったいどのように行われているのでしょうか。本講義では、ノーベル賞作家エルフ リーデ・イェリネクの翻訳者としてのリサーチから出発したのち、高山明/Port B の『東京ヘテロトピ ア』や『大分メディアコレジオ』でリサーチを統括、さらに東京芸大でリサーチプロジェクト「geidaiRAM」 を運営する林立騎に、リサーチの複数のタイプや動き方、思想について学びます。 講師プロフィール 林立騎 ( はやし・たつき ) 翻訳者、演劇研究者。おもに戯曲や演劇理論を翻訳、ノーベル賞作家エルフリ ーデ・イェリネクの『光のない。』三部作の翻訳で第 5 回小田島雄志翻訳戯曲 賞。2005 年より高山明/Port B の作品制作に参加、Port 観光リサーチセンタ ー所長として『東京ヘテロトピア』でリサーチを監修、『大分メディアコレジ オ』や『秋田国語伝習所』などで演劇/観光/教育を横断するプロジェクトの リサーチを担当。2014 年より京都造形芸術大学非常勤講師(演劇学)。2015 年より東京都港区文化芸術サポート事業評価員。東京藝術大学特任講師として 多様な分野の社会人メンバーとともにリサーチプロジェクト「geidaiRAM」を展開中。芸術公社では芸 術と社会の理念の更新を課題とする。 10 <ゼミ8> 9 月 26 日(月)19:00-21:30 田村かのこ+ウィリアム・アンドリューズ 有効なコミュニケーションを実現する「翻訳」との向き合い方 海外作品の上演やそれに伴うトークイベント、多言語での報告書作成など、アートの企画・制作において 翻訳・通訳が必要になるとき、求められるのはどんな「翻訳」でしょうか。単なる言葉の変換ではなく、 異なる価値観や文化を超えて創作・対話するための具体的な方法を考えることは、アートと社会をつな ぐ表現につながるはずです。本講義では、アート専門の通訳・翻訳者の活動団体「Art Translators Collective」を設立した田村かのこと、フェスティバル/トーキョーなど多くの国際芸術事業の翻訳を行 うウィリアム・アンドリューズと共に、伝えたい他者に届けるための翻訳の可能性について考えます。 講師プロフィール 田村かのこ (たむら・かのこ) アートトランスレーター。タフツ大学工学部土木建築科(米国)、東京藝術大学 美術学部先端芸術表現科にてそれぞれ学位を取得後、通訳・翻訳、編集、広報な ど幅広く活動。2015 年にアート専門の通訳・翻訳者の活動団体「Art Translators Collective」を設立し、表現者と思考を共にする翻訳の提供と新たな価値創造を 試みる。2016 年より東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクテ ィス専攻特任助教を兼任し、アーティストのためのコミュニケーション授業を担 当。芸術公社では、r:ead(レジデンス・東アジア・ダイアローグ)のトランスレ ーション・ディレクターとして、東アジアにおける対話のあり方を探る。 ウィリアム・アンドリューズ ( William Andrews ) ライター、翻訳者。イギリス生まれ。キングス・カレッジ・ロンドン(ロンドン 大学)卒。2004 年から日本に滞在。専門分野は演劇やアート、歴史など。日本 の戦後社会運動とカウンターカルチャーを研究中。フェスティバル/トーキョー をはじめ、多くの国際芸術事業の翻訳、海外広報を担当する。バイリンガルの情 報サイト、TOKYO ART BEAT を運営する GADAGO NPO の会員。芸術公社で は、主に SCENE/ASIA に参加。その他のプロジェクトでも英訳を担当する。 11 <ゼミ9> 10 月 3 日(月)19:00-21:30 須田洋平 表現の自由と制限:創作における法的課題のケーススタディ 民主主義国家では「表現の自由」が保障されている、というのは本当でしょうか。それはどのような法的 根拠のもとに、どのような前提のもとに成立している「自由」なのでしょうか。この講義では、弁護士と して芸術公社の監事・法務顧問を務める須田洋平とともに、著作権や性的表現など、芸術表現の自由と制 限が拮抗する判例のケーススタディを行い、創作に法的課題を再確認します。 講師プロフィール 須田洋平 ( すだ・ようへい ) 弁護士(日本・米国ワシントン州)。東京大学法学部、ワシントン大学(アメ リカ)ロースクール、ナント大学(フランス)メトリーズを卒業し、ワシント ン州最高裁判所マデセン裁判官付ロークラーク、旧ユーゴスラビア国際刑事法 廷(オランダ)インターンを経て、2006 年に日本で弁護士登録。アメリカ及び フランス滞在経験があるため、英語及びフランス語での業務にも対応する一方、 国際人権問題、環境問題、過労死問題等についての講演・執筆活動も行う。近 年、芸術と人権に関わる事案を受任し、芸術の公共性に関心を寄せている。芸 術公社の設立以来、監事として 法人のガバナンス及び法務一般を担当している。 12 <ゼミ10> 10 月 11 日(火)19:00-21:30 岩城京子 芸術を社会に開く文章術:わからなさを細分化する書き言葉 多くの人は、芸術にも他の学習科目のように「正しい解答」を探してしまい、「わかる/わからない」の 二元論で作品を片付けてしまいがちです。しかし、芸術作品とは「解答」ではなく「質問」を投げかける 装置です。アート・ジャーナリストは、個々のアートが投げかける問いが、よりビビッドに鑑賞者に突き 刺さるように、そして芸術が社会をより深く思考するための試金石になることを気づかせることを専門 とします。本講義では舞台芸術ジャーナリスト・演劇研究者の岩城京子氏を迎え、単に作品の良し悪しを 語る批評を越えて、社会において「芸術について書くこと」の意義と作法について、実際のライティング 指導も交えて学びます。 講師プロフィール 岩城京子 ( いわき・きょうこ ) パフォーミング・アーツ(演劇・舞踊など)を専門とするフリージャーナリストと して活動。東京とロンドンを拠点に世界 19 カ国で取材、和英両文で執筆を行 う。主な 執筆先に、AERA、新潮、朝日新聞など。ロンドン大学ゴールドスミ ス校博士課程在籍、ならびに同校非常勤講師。ロンドン大学東洋アフリカ研究 学院メディア研究所、ヨーロッパ日本研究国際会議などで日本現代演劇にまつ わる研究論文を発表。近年はフリーのアート・コンサルタントとして、フェス ティバル/トーキョーや ウェールズ国立劇場などに協力。芸術公社では主に Scene / Asia チーフ・デ ィレクターとして、アジア諸地域のリサーチ、執筆、ウェブサイト運営、キュレーションの指揮を執って いる。 13
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