岡垣町認知症サポートブック

岡垣町認知症サポートブック
元気・安心
いつまでも住みなれた地域で暮らせる町
岡垣
認知症・・・
誰もが、一度は耳にしたことのある病気だと思います。しかし、その具体的
な症状や対応の仕方を知っているという人は、あまり多くないのではないで
しょうか?
このサポートブックは、町民のみなさんに、少しでもこの病気を正しく理解
していただき、地域での生活を笑顔で、安心してもらうために作成しました。
岡垣町
福祉課
高齢者支援係
(地域包括支援センター)
目
次
1. 認知症を理解しましょう ………………………………2~3 ㌻
(1) 認知症ってどんな病気? ………………………………2 ㌻
(2) アルツハイマー型認知症の進行例 ……………………3 ㌻
(3) 老化による『もの忘れ』と認知症による『記憶障害』
2. 認知症の現状は? …………………………………………4 ㌻
3. 認知症に早く気付くためにチェックしてみましょう!…5 ㌻
4. 認知症かな?と思ったら …………………………………6 ㌻
(1)相談しましょう ………………………………………………6 ㌻
(2)早めに医師の診断を受けましょう …………………………7 ㌻
5. 認知症の進行と主な症状 …………………………………8 ㌻
6. 認知症の人の状態に応じて受けられる支援一覧
………9 ㌻
公的サービス・介護サービス …………………………10~13 ㌻
7. 認知症の人への接し方
…………………………………14・15 ㌻
8. 認知症の人の安全を守るために ………………………16・17 ㌻
9. 認知症を予防するには
…………………………………18・19 ㌻
1
1.
認知症を理解しましょう
(1)認知症ってどんな病気?
認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働
きが悪くなったために記憶力や判断力などに障害がおこり、日常生
活に支障が出て、それがおおよそ6ヵ月以上継続している状態です。
最も多いものはアルツハイマー型認知症で全体の約70%、次に
多いものは脳血管性認知症で全体の約20%で、この2つで約9
0%を占めています。
アルツハイマー型認知症
脳血管性認知症
●どんな病気?
●どんな病気?
アミロイドベータというたんぱく質が脳の神経
細胞に過剰にたまることによって脳細胞を壊し
脳梗塞や脳出血が原因となって起こる。
●特徴は?
・脳血管障害を起こすたびに、進行する。
ておこる。
・もの忘れは強いが、判断力や理解力は
●特徴は?
・昔の記憶は残っているが、最近のことを忘れる。
保たれていることもある。
・緩やかに進行する。
・服薬管理、金銭管理が難しくなる。
※その他の認知症
レビー小体型認知症
●特徴 ・実際には存在しないものが見える「幻視」が見られることがある。
・筋肉がこわばり、手足の震え等が現れることがある。
前頭側頭型認知症
●特徴 ・抑制が効かなくなり、暴力的になる等性格の変化が見られることがある。
・万引きや信号無視等社会ルールに違反することがある。
・こだわりが強くなる。
この他にアルコール性認知症などもあります。
!軽度認知障害(MCI)とは…
もの忘れが同年代に比べ多くなるものの、認知症にまでは至っていない状態をいいます。
5 年後位で約半数がアルツハイマー病等へ進行するといわれます。
この段階で、認知症の発症を防ぐために、脳の活性化を図ることや運動することはとても大切
です。
2
(2)アルツハイマー型認知症の進行例
早期からの治療や生活改善が大切です!
認
知
正常な老化
正常なレベル
軽度認知障害
機
(MCI)
能
軽
の
低
認
下
知
度
中等度
発
治療開始
病
治療や生活改善など
早期から対策を実施!!
治療や対策をせず
放置した場合…
不安、妄想、睡眠
障害、徘徊などの
症
高
度
症状が出てくる
時
間
の 経
過
(3)老化による「もの忘れ」と認知症による「記憶障害」の違い
老化による「もの忘れ」
認知症による「記憶障害」
●体験や出来事の一部を忘れるが、ヒン
●体験や出来事の全部を忘れてしまうた
トがあれば思い出すことができる。
め、ヒントがあっても思い出すことがで
●もの忘れしている自覚がある。
きない。
●もの忘れをしている自覚がない。
たとえば…
たとえば・・・
朝ごはんのメニューは思い出せないが、
朝ごはんを食べたことを忘れている。
朝ごはんを食べたことは覚えている。
日常生活に大きな支障はない
日常生活に支障がある
3
2.
認知症の現状は?
日本人の平均寿命は男性80.21歳、女性86.61歳(平成 26 年 7
月厚生労働省調べ)と世界のトップレベルですが、一方で長寿になれば認知
症になる可能性は高くなります。年齢が5歳あがると、認知症の割合が2倍
になると言われ、85歳以上では約4人に1人が認知症と言われています。
平成 26 年 4 月 1 日現在で岡垣町の要介護と認定を受けた 1,800 人のうち、
認知症高齢者(日常生活自立度Ⅱ以上)は 890 人(約50%)です。
高齢者人口 100 人あたりでみると 10 人(9.5%)となり、年々増えてきて
います。
認知症高齢者数の推移
1200
900
12.0%
8.9%
9.5%
9.5%
9.0%
600
300
6.0%
778
857
認知症高齢者数(日常
生活自立度Ⅱ以上)
認知症高齢者出現率
890
3.0%
0
0.0%
H24年
H25年
H26年
※日常生活自立度Ⅱ以上とは…
日常生活に支障をきたすような症状や意思の疎通の困難さが多少みられるが
誰かが注意していれば自立できる状態のこと。
4
3.認知症に早く気付くためにチェックしてみましょう!
↓↓当てはまるものに○をつけ、点数を合計します↓↓
ほとんど
質 問
時々ある
頻繁にある
(1点)
(2点)
ない
(0点)
1 同じ話を無意識の内に繰り返す
2 知っている人の名前が思い出せない
3 物のしまい場所を忘れる
4 漢字を忘れる
5 今しようとしていることを忘れる
6 器具の使用説明書を読むのが面倒
7 理由もないのに気がふさぐ
8 身だしなみに無関心である
9 外出がおっくうだ
10 物(財布など)が見当たらないのを
他人のせいにする
(大友式認知症予測テスト~認知症予防財団HPより
抜粋)
合計:
点
点数の目安
0-8点 (正常)
・・・ もの忘れも老化現象の範囲内。疲労やストレスによ
る場合もあります。点数が8点に近い場合は、気分
の違う時に再チェックしてみてください。
9-13点(要注意)
・・・家族に再チェックしてもらったり、数か月単位でこ
まめに再チェックを!認知症予防策を生活へ。
14-20点(要診断)・・・認知症の初期症状が出ている可能性があります。
家族にも再チェックしてもらい、結果が同じなら、
認知症専門外来への受診をおすすめします。
5
4.認知症かな?と思ったら・・・・
「何かがおかしいな?」
「ひょっとしたら・・・」と思ったら、できるだけ早
く相談機関やかかりつけ医・もの忘れ外来などに相談し、専門家のアドバイス
を受けることが大切です。
早期発見・早期診断が大切!!
① 治る病気や一時的な症状の場合があります
脳の病気(慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、正常圧水頭症など)や甲状腺ホル
モンの異常、薬の副作用で認知症のような症状が出た場合は、早くに治療
すれば良くなる場合があります。
② 進行を遅らせることが可能な場合があります
認知症を早く診断し、早い時期から薬を飲んだり、周囲が適切な関わり
を持つことで進行を遅らせる場合があります。
③ 今後の生活の準備をすることができます
早期の診断を受け、症状が軽いうちに、ご本人やご家族が認知症への理
解を深め、病気と向き合い話しあうことで、今後の生活の備えをすること
ができます。
(1)相談しましょう
相談機関名
岡垣町地域包括支援センター
所在地
電話
野間 1 丁目 1 番 1 号
282-1211
岡垣町高齢者相談センター
公園通り 1 丁目 7 番 1 号
282-5167
岡垣町東部高齢者相談センター
鍋田 2 丁目 1 番 5 号
282-5103
宗像遠賀保健福祉環境事務所
宗像市東郷 1 丁目 2 番 1 号 0940-36-6322
(岡垣町役場福祉課高齢者支援係内)
(こころの健康相談室)
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(2)早めに医師の診断を受けましょう
●もの忘れ外来
認知症についての不安や心配がある方が、気軽に受診し、相談できる医療機
関です。認知症の早期発見・早期対応のために、診察や相談・助言を行います。
また、必要に応じて、より専門の医療機関の紹介やかかりつけ医、家族等への
情報提供や助言を行います。
対象者:認知症について不安や心配がある方。
費 用:医療保険等による自己負担あり。
岡垣町内の医療機関
医療機関名
所在地
電話
遠賀中間医師会 おかがき病院
大字手野145
282-0181
高倉クリニック
公園通り1-7-1
282-0081
堤病院
鍋田2-1-1
282-1234
※受診希望するときは、必ず電話で確認してください。
●認知症疾患医療センター
福岡県が指定する認知症専門医療機関です。診察前に精神保健福祉士が本人
や家族の相談を受けます。一般的に言われる“もの忘れ”だけでなく“話のつ
じつまが合わない”、“落ち着かない”など、おかしいな?と思ったら何でもお
気軽にご相談ください。診察は脳神経外科・精神科の各専門医が担当します。
対象者:認知症について不安や心配がある方やそのご家族など。
費 用:相談は無料。診察は医療保険等による自己負担あり。
医療機関
医療機関名
医療法人光風会 宗像病院
所在地
宗像市光岡 130 番地
電話
0940-36-2775
※福岡県認知症医療センター
※受診や相談を希望するときは、必ず電話で確認してください。
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5.認知症の進行と主な症状
認知症は少しずつ進行し、症状が変化していきます。
家族や周囲が認知症を理解し、進行に合わせて上手に対応していくことが大切です。
※症状の現れ方には個人差があります
認
知
症
の
進
行
正常な
レベル
軽度認知障害
(MCI)
※もの忘れが多いが
軽度
中等度
高度
自立して生活できる。
●同じことを何度も
繰り返し聞く
本
人
の
様
子
の
例
認 知 症
認知症
日常生活
の疑い
は自立
見守りがあれば
日常生活は自立
日常生活に手助
常に介護
け・介助が必要
が必要
●同じものを買って ●知っている場所
くる
で迷子になる
●日付や曜日が分か ●計画どおり行動で ●着替えや入浴を
らない
●好きだったことに
興味がなくなる
きない
嫌がる
●約束を忘れる
●徘徊が見られる
●味付けが変わる
●すぐ興奮する
●トイレの失敗をする
●家族の顔が分からなく
なる
●話さなくなる
●寝たきりになる
●何を探しているの
か分からくなる
◎地域行事やボランティア
家
族
の
心
構
え
など社会参加を働きかける
◎趣味やレクリエーションを
楽しむように働きかける
◎家庭内でも役割を持ち、
継続できるようにする
◎接し方の基本的な ◎介護者自身の健康管
コツ等を理解す
る。
理を行う
◎介護サービスを上手
◎相談窓口をみつけ
る
に利用する
◎合併症を起こしやすく
なることを理解して
おく
◎どのような終末期を
迎えるか家族間で話し
◎家族間で話しあう
合う
いつもと違う、何かおかしい、困ったことがある等気づいた場合は
早めに地域包括支援センターへ相談してください
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6.認知症の進行に合わせて受けられるサービス
認知症の生活機能
認知症の疑い
認知症は有するが日常生活は自立
誰かの見守りがあれば日常生活は自立
日常生活に手助け・介護が必要
障害 物忘れはあるが、金銭管理や買い物、書類 買い物や事務、金銭管理等にミスが見られ 服薬管理ができない、電話の対応や訪問者の対応な 着替えや食事、トイレ等がうまくできない
作成等を含め、日常生活は自立している
るが、日常生活はほぼ自立している
常に介護が必要
ほぼ寝たきりで意志の疎通が困難である
どが一人では難しい
支援の内容
地域包括支援センタ-
相談窓口
高齢者相談センター・居宅介護支援事業所・民生委員
(P6)
こころの健康相談室(宗像・遠賀保健福祉環境事務所)
にこにこステップ教室・おでかけ!ヘルシークッキング
脳若トレーニング・生き活きデイ教室・楽らく健康教室
介 護 予 防 ・
いきいき長生き講座・出前楽らく健康教室
認知症ケア
ふれあいサロン・老人クラブ
(P10)
認知対応型通所介護
訪問介護・通所介護・通所リハビリ・訪問看護・訪問リハビリ・短期入所(介護予防)
お互いさま命のネットワーク活動・避難行動要支援者避難支援制度・緊急通報装置給付等事業
安心・見守り
(P10)
徘徊高齢者等位置探索サービス・はいかい高齢者等SOSネットワークシステム
軽度生活援助事業・買い物支援サービス・配食サービス・寝洗濯乾燥消毒事業・福祉機器の貸与・送迎サービス
生活支援
買い物支援サービス
老人日常生活用具給付事業
介護用品給付サービス事業
◇権利擁護
(P11)
日常生活自立支援事業
成年後見制度
かかりつけ医・もの忘れ外来・認知症医療センター・かかりつけ歯科医・かかりつけ薬局
医療(P7)
訪問看護
介護(P12)
訪問介護・通所介護・通所リハビリ・訪問看護・訪問リハビリ・短期入所・小規模多機能型居宅介護
有料老人ホーム
住まい
サービス付高齢者向け住宅
(P13)
グループホーム
介護老人保健施設・介護老人福祉施設
家族支援
(P13)
在宅介護者の会・在宅介護者のつどい
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(1)介護予防・認知症ケアサービス
①介護予防教室
元気な高齢者が要介護にならないようにするために、料
理教室や運動教室、脳のトレーニングの教室等を地域で行っています。
②老人クラブ活動
おおむね60歳以上の会員で構成される、地域を主体としたクラブです。高齢者自身によ
る介護予防や相互の生活支援、地域の仲間づくりを行います。
③認知症対応型通所介護(医療保険)
認知症の方を対象にした食事や入浴、日常生活動作訓練などが受けられる日帰りのサービ
スです。
施設名
にこにこクラブ
住
所
岡垣町大字手野145
連絡先
093(283)0346
(おかがき病院内)
(2)安心・見守りサービス
①お互いさま命のネットワーク活動(社会福祉協議会で実施)
高齢者や障害者、児童などが自治区の中で安心して生活できるように、住民・
民間企業・各関係機関等が協力しながら、見守り・支え合う活動を行います。
②避難行動要支援者避難支援制度
災害時等、自力又は家族の力だけでは避難することが困難な方をあらかじめ登録し、平常
時における見守りや災害が発生した時の避難支援活動に役立てる制度です。
③緊急通報装置給付等事業
緊急時における連絡手段の確保が困難な人に対して、急病や災害等の緊急時にボタンを押
すだけで消防署や高齢者相談センターに通報できる装置の給付・貸与を行います。
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④徘徊高齢者等位置探索サービス
徘徊のおそれのある認知高齢者等に専用の機器を身に付けてもらい、外出したまま居場所
が分からなくなった時に、その人の現在位置をGPSで探索し、ご家族にお知らせします。
⑤はいかい高齢者等SOSネットワークシステム
徘徊などにより行方不明になるおそれがある高齢者等の情報を事前に登録し、行方不明に
なった場合、警察署をはじめ、町や自治区などの関係機関が連携して探索を行います。
(3)生活支援サービス
①軽度生活支援事業
日常生活の援助が必要な在宅の高齢者に対して、日常生活の簡易な援助を行います。
(外出・散歩の付き添い、宅配の手配、食材の買物、庭木の伐採、その他日常生活の援助
など)
②買い物支援サービス
移動販売車を運行し、日常の買い物に支障をきたしている人を支援します。
③「食」の自立支援事業(配食サービス)
調理や買い物が困難な在宅の高齢者の食の確保と安否確認を目的とし、週5回を限度に夕
食の弁当を自宅まで配達します。配食曜日は、火~土曜日(8/13~15、12/29~
1/3を除く)です。
④寝具洗濯乾燥消毒事業
自宅まで寝具の回収に行き、洗濯・乾燥・消毒をし、配達までを約1週間で行います。年
度中2回(10・3月予定)実施するうち、1回利用できます。
⑤福祉機器の貸与(社会福祉協議会で実施)
身体上の障害により日常生活が困難な者に対して、約3ヶ月の間、福祉機器の貸与を無料
で行います。
⑥送迎サービス(社会福祉協議会で実施)
通院や公的機関での手続きをする時、他の交通手段の利用が困難な虚弱高齢者等に対し、
送迎の支援をします。
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⑦老人日常生活用具給付事業
高齢者の日常生活上の便宜を図ることや安全を守るため、電磁調理器・火災報知器・
自動消火器の給付を行います。
⑧介護用品給付サービス事業
在宅で常時、紙おむつ等を必要とする人で、寝たきりの高齢者や認知症高齢者に対し、介
護用品(紙おむつ等)を自宅まで配達します。
⑨日常生活自立支援事業(社会福祉協議会で実施)
判断能力が十分でないため、日常生活に困っている人に対して、福祉サービスの利用や日
常的な金銭管理、書類等の預かりを行います。
⑩成年後見制度
認知症等で判断能力が不十分な方や財産権利を守る制度です。本人の判断能力が十分でな
く、親族がおらず、成年後見制度の利用が困難な人については、町長が申立人となり、申
立てにかかる費用や後見人報酬を町が助成します。
(成年後見制度利用支援事業)
(4)介護サービス
①訪問介護
ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事・入浴や排泄など支援します。
②通所系介護(通所介護、通所リハビリテーション)
デイサービスセンターに通い、食事や入浴介助、日常生活動作訓練などを受けます。閉じ
こもり防止や生きがいづくりにもなります。
③訪問看護
看護師が自宅を訪問し、医師の指示に基づいて療養上の世話や必要な診療の補助を行いま
す。
④訪問リハビリ
通院や外出が困難な方のご自宅にリハビリスタッフが訪問し、住み慣れた環境でできる限
り自立した生活が送れるよう、必要なリハビリテーション訓練を提供します。
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⑤短期入所生活介護
短期間施設に宿泊しながら介護や機能訓練などを受けることができます。
⑥小規模多機能型居宅介護
通いを中心に自宅で受けるサービスや泊まりのサービスを一体的に提供します。
(5)住まい
①有料老人ホーム
高齢者に住まいを提供し、入浴・排泄・食事の介護・食事の提供その他の日常生活上の必
要なサービスを提供する施設です。
②サービス付高齢者向け住宅
安否確認と生活相談など高齢者の生活を支えるサービスを提供し、バリアフリー構造の賃
貸住宅です。
③認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症の方が少人数で共同生活をする入所施設です。要支援2以上の方が対象となります。
④介護老人保健施設
病状が安定した方がリハビリや介護を受ける施設です。
⑤介護老人福祉施設
在宅生活が困難な常時介護が必要な方が利用できます。要介護3以上の方が対象となりま
す。
(6)家族支援サービス
①在宅介護者の会
岡垣町在宅介護者の会「こもれびの会」では、在宅で介護をしている家族が集まり、情報
交換やリフレッシュしてよりよい介護ができるような活動を行っています。
②在宅介護者のつどい(社会福祉協議会で実施)
在宅で介護をしている人の心身のリフレッシュや情報交換のできる交流会を開催してい
ます。
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7. 認知症の人への接し方
【基本姿勢】
認知症の人への対応の心得“3つの「ない」
”
①
驚かせない
②
急がせない
③
自尊心を傷つけない
認知症の人への対応には、認知症に伴う認知機能低下があることを正しく理解して
いることが必要です。そして、偏見を持たず、認知症は自分たちの問題であるという
認識をもち、認知症の人を支援するという姿勢が重要になります。
認知症の人だからといって、つきあいを基本的には変える必要はありませんが、認
知症の人には、認知症への正しい理解に基づく対応が必要になります。
記憶力や判断能力の衰えから、社会的ルールに反する行動などのトラブルが生じた
場合には、家族と連絡を取り、相手の尊厳を守りながら、事情を把握して冷静な対応
策を探ります。
ふだんから住民同士が挨拶や声かけにつとめることも大切です。日常的にさりげな
い言葉かけを心がけることは、いざというときの的確な対応に役立つでしょう。
・・・・・・・・・・・・・
【具体的な対応の7つのポイント】
・・・・・・・・・・・・
① まずは見守る
② 余裕を持って対応する
③ 声をかけるときは一人で
④ 後ろから声をかけない
⑤ 相手に目線を合わせて優しい口調で
⑥ おだやかに、はっきりした話し方で
⑦ 相手の言葉に耳を傾けてゆっくり対応する
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【こんなときはどうするの??】
人に会う約束などを忘れてしまうことがあります
大事なことや出来事はメモに書き留める
メモは、本人の目にとまる場所に張り紙をするなどの工夫をしておくと思い出
しやすくなります。メモした内容を思い出せないようなら、さりげなく教えてあげ
ましょう。
食事を済ませたのに、食事をとってないという
説得せず、関心を他にそらすようにしよう
食事を済ませたということ自体を忘れてしまっています。
食事を済ませているとわから
せようとしても、かえって不満や不信感を抱いてしまうことになります。いったん気持ち
を受け止めて、お茶を出すなど気持ちの転換を促しましょう。そのうち、忘れて気持ちが
変わることもあります。
時間にあわせた行動がとれない
日時や時間の見当がつく工夫を
デジタル時計や大きなカレンダーなど、本人が理解しやすいものを用意するなど工
夫をしてみましょう。日付や時間を覚えてもらおうとヒントを繰り返し、本人の気づ
きを促そうとするとかえって混乱することがあります。日付などは「今日は何日です」
とシンプルに伝えることも大事です。
夜中ゴソゴソ動いて困らせることがある
規則正しい生活をする・日中活動的に過ごす
昼夜が逆転してしまうと、夜に目が覚め、暗く静かな部屋に一人でいることで不安な気
持ちが大きくなることから起こる行動で、叱ったり注意したりでは混乱し悪化する場合が
あります。早寝早起きの規則正しい生活と、日中活動的にすごすように工夫しましょう。
何度も同じこと聞く・話す
初めてのつもりで接する
「何度言えばわかるんですか」など強く指摘すると混乱して怒ることもあります。何度
話しても初めての様に聞いてあげましょう。時間が無いときには「用事があるのでまた後
でゆっくり聞かせてください」など事情を話しましょう。
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8. 認知症の人の安全を守るために
“徘徊”について
認知症による行動・心理症状の一つとして“徘徊”があります。
認知症による徘徊高齢者は年々増え、今後も増加が予想されます。
次のような方を見かけたら、ぜひ声掛けをしましょう。
おかしいなと思ったら役場福祉課もしくは警察署にご連絡を!
*季節にあわない服装をしていたり、服装がどこかちぐはぐな様子がみられる。
*不安そうで落ち着きがない。
*ぼーっとして、何も持たず歩いている。逆に大きな荷物を持っている。
*履き物が不揃い。
*信号のないところで道路を横断しようとしたり、車道を歩いている。
認知症などにより徘徊行動が見られる方の安全を確保するため、岡垣町では次のよ
うな取組みを行っています。
①.防災メール・まもるくんを活用しての行方不明者捜索メール配信
認知症高齢者等が徘徊行動により所在不明となった場合に、早期発見・早期保護を
図るため、防災メール・まもるくん登録者に対して、行方不明(徘徊)情報を、電子
メールで配信するシステムです。
配信対象者:防災メール・まもるくんに登録している人。
配 信 内 容 :行方不明(徘徊)高齢者等探索協力依頼、発見連絡等
【防災メール・まもるくんへの登録方法】
右記のQRコードを読みこんでアクセスしてください。
その後、システムにより送付されてくる登録案内メール
の指示に従い、システム登録を完了させてください。
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②.はいかい高齢者等SOSネットワークシステム
認知症等による徘徊行動で、所在不明となった場合に、警察をはじめとする行政機
関や、交通機関、地域組織が連携協力し、早期発見・早期保護を図ります。
対象者:認知症等による徘徊行動がみられる人、知的障害者(児)
費 用:無 料
お問い合わせ・登録申し込み:折尾警察署☎691-0110、役場福祉課
③.徘徊高齢者等位置探索サービス事業
徘徊のおそれがある認知症高齢者等に専用の機器を身に着けてもらい、外出したま
ま居場所が分からなくなったときに、その人の現在位置をGPS(全地球測位システ
ム)で探索し、ご家族にお知らせします。
対象者:認知症等による徘徊行動がみられる人や知的障害者を介護している人
費 用:登録料の 9 割を町が負担。その他の費用は全て利用者の負担です。
(生活保護世帯は登録料のみ無料)
お問い合わせ・登録申し込み:役場福祉課、高齢者相談センター
④.認知症サポーターになりましょう!
●認知症サポーターとは?
認知症について正しい知識をもち、認知症の人や家族を温かく見守る応援者のこ
とです。いつ自分や家族、あるいは知り合いが認知症になるか分かりません。認知
症サポーターになり、認知症の人が住みやすい地域を作りましょう。
●認知症サポーターになるには
『認知症サポーター養成講座』を受講すればどなたでもサポーターになることが
できます。
町の出前講座として『認知症サポーター養成講座』を行っています。
お問い合わせ・申し込み:中央公民館 ☎282-0162
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9.認知症を予防するには?
生活習慣病の予防と脳の活性化が有効です。
研究の進歩から、食べ物に気をつけたり、運動をしたり、頭を使う生活をすると、
認知症にならずにすんだり、認知症になる時期を遅らせることができる可能性がある
ことがわかってきました。
(1)生活習慣を改善しましょう
①.ウォーキングや水泳、サイクリングなどの有酸素運動をしよう!
有酸素運動をすると脳に酸素が取り込まれ、認知症と関係の深い脳の前頭葉などの
血流が増し、神経細胞を活性化します。またアルツハイマー型認知症の原因物質とな
るアミロイドベータ(脳のごみ)の分解を促し、脳内にたまりにくくします。
♪ウォーキングのすすめ♪
●1 日 30 分の早歩きを週 5 日程度(10 分ずつの 3 回に分けてもいい)
●1 日に 7000 歩から 8000 歩を目標に!
●最初は頑張りすぎず、短い時間からはじめる。歩きやすい靴を選ぶ
②.バランスの良い食事をしよう!
■ 野菜・果物・魚を食べよう!
野菜や果物に含まれるビタミン C、ビタミン E、ベータカロチンには、抗酸化作用
があり、認知症予防に効果があることが分かっています。
魚を食べている人は認知症になりにくいことが分かっており、特にサバなどの青
魚に含まれているDHAやEPA(不飽和脂肪酸)は、脳の神経伝達をよくしたり、
脳の血行をよくする働きがあります。
③.しっかり睡眠をとろう!
アルツハイマー型認知症の原因物質となるアミロイドベータ(脳のごみ)
は睡眠中に分解が促されます。早寝早起きして十分な睡眠をとりましょう。
④.ストレスをためないようにしよう!
ストレスをためるとアミロイドベータがたまりやすくなります。
趣味や運動などを通してこまめにストレスを解消しましょう。
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(2)脳を刺激しましょう
①.頭を使う生活をしよう!
認知症になる前から低下し始める下記の 3 つを鍛えることが認知症予防に効果的です。
■ エピソード記憶を鍛える
「昨日の夕ご飯に○○を食べた」というように、体験したことを記憶して思い出す
機能です。
●2 日遅れの日記をつける
●レシート見ないで家計簿をつける
■ 注意分割機能を鍛える
2 つ以上のことを同時に行うとき、適切に注意を配る機能です。
●料理をするときに一度に何品か同時に作ってみる
●仕事をテキパキ片付ける
●人と話すとき、相手の表情や気持ちに注意を向けなが
ら話す
■ 計画力を鍛える
新しいことをする時に、段取りを考えて実行する能力です。
●旅行の計画を立てる
●新しい料理を考える
●園芸作業等の計画を立てる
●パソコンで仕事をする手順を考える
●囲碁や将棋、麻雀などで次の手を考える
※出所:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所「認知症に強い脳を作ろう!」
②.コミュニケーションをとろう!
楽しく会話することが脳に良い刺激となり、脳の神経細胞が活性化されます。
家族や大勢の人と話したり一緒に活動したりしてコミュニケーションをとりまし
ょう。
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発行/岡垣町
福祉課 高齢者支援係
(地域包括支援センター)
平成 27 年 4 月