もくじ - アルファ ロメオが

もくじ
モデルの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
ストレスフリーなドライビングと完璧な快適性・・・25
デュアルゾーン式フルオートエアコン・・・25
アルファ 147 ──世界が認める4年の実績・・・3
マルチファンクションディスプレイ ・・・・27
日本でのサクセスストーリー ・・・・・・・・・・・・・5
オーディオ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
オーディオ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
ニューアルファ 147・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
ステアリングスイッチ<2.0-16V> ・・・28
一新した、スポーティースタイリング ・・・・・7
BOSE®サウンドシステム<2.0-16V装備車> ・・29
エクステリア ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
インテリア ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
装備品 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
標準装備品とオプション装備品 ・・・・・・・・・・31
熟成したエンジンと最先端メカニズム ・・・・・9
ボディカラーとインテリアカラー ・・・・・・・・33
エンジン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
5速マニュアルトランスミッション ・・・・・13
ALFA MAESTROプログラム ・・・・・・・・・・35
セレスピード<2.0-16V装備車> ・・・・・・・14
メーカー修理保証 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
コンフォートサスペンション<2.0-16V>・・・15
P.A.S.S.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
安全性を支える最新テクノロジー ・・・・・・・・16
テクニカルスペック ・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
ブレーキアシスト付きVDC<2.0-16V> ・・・17
主要諸元、動力性能 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
HBA<2.0-16V> ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
ASR<2.0-16V、1.6-16V> ・・・・・・・・・・・・20
グループ各社の貢献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・41
エアバッグ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
Teksid(テックシッド)・・・・・・・・・・・・・・・41
フロントエアバッグ ・・・・・・・・・・・・・・・・21
Magneti Marelli(マニェーティ・マレッリ)・・42
サイドエアバッグ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
Fiat Research Centre(フィアットリサーチセンター)・・43
ウインドエアバッグ ・・・・・・・・・・・・・・・・22
完璧な安全性のための厳しい道のり ・・・・23
FPS(車両火災防止システム)・・・・・・・24
電装系統の保護 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
THE MODEL IN BRIEF
■モデルの概要
■アルファ 147──世界が認める4年の実績
2000年10月の発売から4年(日本では2001年10月販売開始)。パリ国際モーターショー(2004年9
月開催)でのワールドプレミアを経て、魅力あふれる現行モデルの後継車、ニューアルファ 147
がデビューしました。高く掲げた目標の達成はもちろん、予想を遙かに上回る出来栄えに仕上がっ
た車です。
モータージャーナリスト、一般ドライバーを問わず非常に高い評価を得ているアルファ 147は、
現在までに、「ヨーロッパ カー オブ ザ イヤー:2001年」をはじめ、
「Volante d Oro:2000年」、
「Trophées du design:2000年」
、
「Auto Importado del Año en Brasil:2002年」を受賞。読者投票で
は「Auto Europa 1:2001年」
、
「L auto che preferisco:2001年/2003年/2004年」など、27にも
のぼる数々の栄誉に輝きました。優雅で、快適、安全、最新鋭テクノロジーを備えたスポーティー
モデルという、まったく新しい取り組みで揺るぎない成功を手中におさめています。
2000年10月の発売開始から2004年9月までの販売台数は、全世界で約360,000台。この数字はアル
ファ 147がいかに素晴らしい評価を得ているかを裏付けるもので、期待を上回る成果を上げ、当
初の使命を充分に果たした証しです。その使命とは、品質の点で常に従来モデルにさらなる改良を
重ね、属するセグメントのトップに立つ、確かな足掛かりを残すことにほかなりません。そして、
このセグメントは、今やプレミアムコンパクトスポーツモデルの購入者層が潜在する領域になって
います。
これまでに、アルファ 147は主だった目標を次々と達成。イタリア最高峰のデザインセンスと最
先端技術、そして非常にバランスに優れたエンジンとトランスミッションに加え、独特なフォルム
は高い評価を得ています。さらに、5ドアモデル、パワフルなGTA、CONNECT装備車<イタリア
仕様車>、TIシリーズ、JTDシリーズ<イタリア仕様車>、セレスピードなど、新しい特徴を持つ
バージョンが次々と147ファミリーに加わり、高い注目を浴びてきました。アルファ 147の成功は幸
運のみならず、最新トレンドを充分にリサーチして築かれた直感的センス、ユーザーのニーズ、市
場や競合他車の動向予測などがもたらしたもの。この複雑な方程式を解くカギは最も厳しい判断基
準である、時代を読み取るセンス。長く愛されることこそ、真の成功の証し。そして今、ニューア
ルファ 147にそのバトンが手渡されました。
−3−
ニューアルファ 147は通勤時など日常の運転でさえ、運転する楽しみと満足感を実感できること
が自慢です。そのDNAに競争本能を刻みこまれた車にとって、これは生まれつき備わっている特
性。見せびらかしたくなような単なる華美さではなく、いかなる天候や路面状況でも卓越したロー
ドホールディングが、この特性を証明します。スポーティドライブをこよなく好む成熟した方なら、
優れた安全性を備えたパワーとパフォーマンスを誇るコンパクトモデル、ニューアルファ 147が
自分のニーズにジャストフィットすると感じるはず。サラブレッド並みのスポーツパフォーマンス
を備える一方、ヨーロッパの都市部によくあるような狭い道でも縫うようなクールな走りを約束す
る、スタイリングセンスが光るニューモデル。人に見せびらかすより、上質感を静かに堪能したい、
そんな方々のための車がニューアルファ 147なのです。
心高鳴るパフォーマンスと、均整のとれたボディフォルムに、力強ささえ感じさせるニューアルファ
147。他の車とは一線を画したイタリアンセンスが香る車です。今回、インテリア、エクステリア
共にモディファイを施し、サイズはわずかに大きく、そして独自の個性をさらに強調。イタリア仕
様車では、最高出力150 PSの1.9 JTD-16Vマルチジェットエンジン、新設計のコンフォートサス
ペンションをはじめ、VDC(Vehicle Dynamic Control:動的スキッドコントロール)、ASR(Anti
Slip Regulation:駆動輪空転防止機能)
、そしてEBD(Electronic Brakeforce Distributor:電子制御式
制動力配分機構)装備のABS、ウインドエアバッグなど最先端テクノロジーを駆使した安全装備も
用意しました。
ニューアルファ 147、ヨーロッパでは2004年11月から販売を開始しています。
−4−
■日本でのサクセスストーリー
日本での販売開始は2001年10月。まずは、直列4気筒2.0 TWIN SPARK(ツインスパーク)エン
ジン+5速セレスピード、右ハンドルの3ドアと5ドアモデルがデビューしました。
2002年:
◆1月:右ハンドルの5MT、3ドアモデルを追加設定。
2003年:
◆2月:左ハンドルの5MT、5ドアモデルを追加設定。
◆5月:V型6気筒3.2リットルエンジンを搭載し、最高出力250 PSを誇る6MT、左ハンドルの3ド
アモデル「147 GTA」を販売開始。
2004年:
◆1月:新たにTIシリーズを追加。右ハンドル5MT、3ドアの「147 TI 2.0」と右ハンドル、3ドア、5
速セレスピードの「147 TI 2.0 Selespeed」を販売開始。
◆3月:直列4気筒1.6リットルの TWIN SPARKエンジンを搭載した「147 1.6」の右ハンドル
5MT、5ドアを販売開始。
◆5月:右ハンドル6速セレスピード、3ドアの「147 GTA Selespeed」を追加。
◆7月:2.0エンジン車にリネアロッサシリーズを追加。
◆9月:TIシリーズの「147 TI 2.0」にスポーツサスペンションを装備した4車種(3ドア、右ハン
ドル、5MT車/5ドア、左ハンドル、5MT車/3ドア、右ハンドル、SELESPEED車/5ド
ア、右ハンドル、SELESPEED車)を追加。
日本での人気の高さは発売後4年を経ても衰えることなく、まさしく好評の一途を続けています。
●アルファ 147シリーズ国内販売実績(147GTAも含む)
通算約13,000台
−5−
NEW Alfa 147
■ニューアルファ 147
■一新した、スポーティースタイリング
ニューアルファ 147。車を単なる便利な移動手段としてはとらえず、車に対する独自の取り組み
を貫いてきた、アルファ ロメオブランド。そのブランドの創造性に満ちあふれた活力を強烈に表
現するニューモデルです。アルファ ロメオ車はいつでも、必要性よりも、感動を望む方々のため
にデザインされています。アルファ ロメオのデザイナーやエンジニアが、現行モデルを大きく進
化させるべくニューモデルづくりの出発点に掲げたのが、美的センス、最先端技術に対する熱い想
い、ドライバーズシートに座ったときに感じる純粋な喜び、自分の個性を表現すること、でした。
●エクステリア
エクステリアでは、常にアルファ ロメオ車に求められる、スポーティーエレガンスを強調するため
のモディファイを実施。確固たる信頼を得ているボディフォルムはそのまま継承し、リアエンドに
比べ、フロントエンドは大胆に変更しました。フロントエンドグリルはより大きく、新設計のヘッ
ドライトを強調するデザイン。その結果、グリルがボンネットに対して低くなったことで、さらに
アグレッシブなフロントエンドに仕上がり、この印象はコンビネーション型ヘッドライトにより、さ
らに強調されています。新設計のヘッドライトユニットは、現行モデルよりも横長になり、黒を背
景色に外側からロービーム、ハイビーム、方向指示器と、3つの円形ランプをレイアウトしました。
エアダクトを盾グリルの中央と左右の3か所に設けることで、これらを3部構成のように際立たせ、
アグレッシブ感を強調。また、バンパーとフェンダーデザインをリニューアル。フロントオーバー
ハング部が少し長くなり、ボリューム感を醸し出しています。
リアエンドでは、テールゲートのデザインを見直し、端部にアクセントとしてクロームフレームを
添えました。テールランプはよりスタイリッシュなデザインに変更。現行モデルに比べ、より三角
形に近い形状とし、テールゲートのクロームフレームが、三角形の形状をさらに強調しています。
アルファ ロメオ車の象徴とも言える三角形のモチーフは、このニューアルファ 147にも多く採用
されており、フロントエンドにそびえる盾型グリルは、ニューデザインのバンパーにより、さらに
その形をアピールしています。スタイリングでは、三角形のモチーフと傾斜ラインをベースに変更。
これにより、ダイナミック感と車全体になめらかなボディラインを生み出しました。
−7−
●インテリア
インテリアでは、ドライビングポジションはそのままに、小物入れをステアリングコラム横に新た
に用意。緻密な表面仕上げ、スムーズで無駄のないラインなど、バランスに優れたデザインを踏襲
しています。
また、アルファ ロメオに期待されるスポーティーエレガンスを目標に、いくつかの点で、デザイン
を変更しています。まず、メーターパネルの外観デザインを一新。メーターパネル全体を1枚のフェ
イスパネルで覆う一体型を採用しました。パネル内に配置した3連メーターの背景色はシルバーまた
は黒で、読み取りやすく視認性も向上しています。
インストルメントパネルのカラーバリエーションでは、既存のブラック&ブラック、ブラック&グ
レイ、ブラック&ベージュ(新たに、エンボス加工を施した水牛革製を採用)に加え、グレイ&グ
レイを新たに設定しました。また、シートトリムには新たにカネロニを用意。ドアハンドルパネル
にはクロームフレームを施したトゥイーターを装備しました。また、リアシートのヘッドレストも
ニューデザイン。高さ調節が可能で、後方視認性が大きく向上しています。
ここではイタリア仕様車を基本に記載しており、フィアット オート ジャパンが独自に設定した日本
仕様車については、後述の「標準装備品とオプション装備品」
「ボディカラーとインテリアカラー」
をお読みください。
−8−
■熟成したエンジンと最先端メカニズム
ニューアルファ 147には、3つのガソリン仕様と3つのターボディーゼルエンジンを設定し、魅力
的で個性あふれるエンジンバリエーションとしました<イタリア仕様車>。いずれのモデルも最先
端テクノロジーと最上級のパフォーマンスを提供します。
まずは、DOHC16バルブのTWIN SPARK(ツインスパーク) 1.6リットルシリーズ。イタリア仕
様車では、105 PSと120 PS仕様の2タイプを用意しており、前者は最高出力77 kW [105 PS]/
5,600 rpm.、最大トルク140 N・m [14.3 kgm]/4,200 rpm.(EEC測定値)。日本仕様車の<1.616V>にも該当する後者は、最高出力88 kW [120 PS]/6,200 rpm.、最大トルク146 N・m [14.9
kgm]/4,200 rpm.で発揮します(EEC測定値)。
次に、日本仕様車<2.0-16V>にも該当するDOHC16バルブの2.0 TWIN SPARKエンジン。このエン
ジンは最高出力110 kW [150 PS]/6,300 rpm.、最大トルク181 N・m [18.4 kgm]/3,800 rpm.で発揮
(EEC測定値)
。これらのTWIN SPARKシリーズエンジンは、実に多くのアルファ ロメオユーザーに
親しまれています。
また、イタリア仕様車では、1.9JTDシリーズとして100 PSと115 PS仕様の2タイプを用意してお
り、前者は最高出力73.5 kW [100 PS]/4,000 rpm.、最大トルク200 N・m [20.3 kgm]/2,000 rpm.
(EEC測定値)。後者は最高出力85 kW [115 PS]/4,000 rpm.、最大トルク275 N・m [28 kgm]/
2,000 rpm.で発揮します(EEC測定値)
。さらに、パワフルな1.9 JTD 16V M-jetターボディーゼル
も用意しました。この1.9リットルターボディーゼルエンジンは、最高出力110 kW [150 PS]/
4,000 rpm.、最大トルク305 N・m [31 kgm]/2,000 rpm.(EEC測定値)を発揮。ガソリンエンジンの
データと比べても、なんら遜色はなく、現在最も進化した最新世代コモンレール方式JTDエンジン
です。「M-jet」はマルチジェットと呼ばれ、アルファ ロメオが独自に開発したマルチジェットテ
クノロジーを特徴としています。
つまり、マルチジェット方式とマルチバルブを採用したJTDエンジンは、すでに定評あるTWIN
SPARK 16バルブシリーズガソリンエンジンと同じく、アルファ ロメオという車を特徴づける偉大な
るスポーツマインドや類い希な運転する満足感、熱い血潮を感じるかのような真のパフォーマンス
を約束します。
−9−
ニューアルファ 147は、「コンフォートサスペンション」と呼ぶ、乗り心地重視のサスペンション
セッティングも、初めてオプションとして用意しました<イタリア仕様車>。コンフォートサスペン
ションでは、前輪にダブルウィッシュボーン式を、後輪には最新型マクファーソンストラット式を
採用。サスペンション形式は従来と変わりませんが、乗り心地の点で、従来型よりも一層快適に仕
上げています。一般的には、乗り心地とハンドリング性能は相反する要素のひとつ。ユーザーが最
も気にするはずの、この点について、運転する楽しみのためにハンドリング性能を損なうことは微
塵も許さず、乗り心地を大きく改善しました。日本仕様車では、2.0-16Vシリーズにコンフォート
サスペンションを標準装備する予定です。
以下では、今回導入予定の日本仕様車に限定して詳しく説明しています。
− 10 −
●エンジン
アルファ ロメオの心臓とも言うべきエンジンは、そのスムーズで軽快な回転マナー、豊かなトル
ク特性と比類なきレスポンスをもって生まれただけでなく、ドライバーの意のままにそのパワーを
引き出せることが特徴です。
日本仕様車に搭載するエンジンは、おなじみのTWIN SPARK(ツインスパーク)シリーズ。1.6リッ
トルと2リットルの2タイプを揃え、いずれも可変バルブタイミング機構を備える直列4気筒16バル
ブエンジンです。
◆1.6 TWIN SPARK(1.6-16V):
最高出力88 kW [120 PS]/6,200 rpm.、最大トルク146 N・m [14.9 kgm]/4,200 rpm. (EEC測定値)
◆2.0 TWIN SPARK(2.0-16V):
最高出力110 kW [150 PS]/6,300 rpm.、最大トルク181 N・m [18.4 kgm]/3,800 rpm.(EEC測定値)
今日、高性能エンジンに広く使われている可変バルブタイミング機構のオリジナルは、1982年にア
ルファ ロメオが世界に先駆けて採用。エンジンに対するアルファ ロメオの情熱の高さを示す典型例
です。さらに、2.0-16V エンジンには、バリアブルジオメトリーインテーク(可変吸気制御)シ
ステムも導入し、日常的なドライビングで問われる「使いやすさ」にも大きく貢献しています。
優れた燃焼制御を約束する品質の高さは、すでに実証済み。ドライビングが何より楽しみなドライ
バーに限って言えば、アルファ独特の偉大なドライブフィーリングの特徴である、豊かなフレキシ
ビリティと伝統的なアルファエンジンのハイパフォーマンスを充分に堪能することができます。
さらに特筆すべき点は、同クラスエンジンの中でもリッターあたり75 PSの高出力を誇りながら低回
転域でもあふれるトルクを生みだすこと。また、高性能とスムーズな回転特性を実現し、低速域で
も扱いやすいキャラクターが自慢。その反面、回せば回すほどその魅力に引き込まれるエンジンで
す。アルファ ロメオが長年培ってきたツインスパーク方式の燃焼制御技術は、ニューアルファ 147
にとって最適なものであることは間違いありません。
このエンジンは絶対的な信頼性をも、もたらしました。絶え間ない研究の結果、TWIN SPARKエン
ジン開発当初のオリジナルに比べ、メカニカルな効率をより高めるため、以下のような改良を施し
ています。
◆吸気、排気バルブタイミングギア系統の変更と最適化
◆熱力学的改善:低速および低負荷時での燃費改善を主眼にして燃焼室容積を小さくし、関連する
吸気、排気のバルブとポート径を小径に変更
◆シリンダーヘッドにメタル製ガスケットを採用し、シリンダーヘッド締め付けトルクの低減化と
締め付け後の軸力低下を低減。バルブタイミング系でのパワーロスを低減
− 11 −
また、クランクシャフトおよびピストンなどの軽量化を図り、1.6-16Vエンジンでは約4 kg 、2.016Vエンジンは約3 kgの質量(重量)軽減を達成。回転マスの低減と小径化による重心位置の改善に
より、エンジン回転中の全回転数域で振動を軽減した結果、回転中のエンジンノイズを大幅に減少
させることに成功しています。シリンダーごとの排気量が大きい2.0-16Vでは、2本のバランスシャ
フトによる振動吸収と相成ってさらにスムーズな回転マナーを提供します。
電子制御式スロットルコントロールは、エンジン制御ユニット(E-ECU)がスロットルバルブ開
度を補助制御する機構。この最新テクノロジーは、すでに上級セグメント車ではおなじみの「ドラ
イブバイワイヤー」とも呼ばれるもの。アクセルペダルとスロットルボディ間ではメカニカルリン
クとなるアクセルケーブルを排除し、ドライバーの意志であるアクセルペダルの踏み込み量は信号
電流として電気的に制御ユニットへ伝達します。制御ユニットはドライバーの要求と、そのときの
エンジンの状態に応じた最適なスロットルバルブ開度を調節し、適切な出力トルクをエンジンに発
生させます。その結果、このシステムは動力性能と燃料消費量、さらに排出ガスの有害成分レベル
を大きく改善し、ヨーロッパの排出ガス規制「Euro-3」をクリアしています。
2.0-16Vエンジンではバリアブルジオメトリーインテークシステムも採用。このシステムは、瞬間的
な一定時間あたりのエンジンが要求する空気吸入量に応じ、インテークマニフォールドの長さを変
化させるシステム。一般に低回転域では吸入空気の流速が遅いので長いマニフォールドが求められ、
反対に高回転域では速い空気流速を有効にして速い燃焼を実現するために短いマニフォールドが求
められます。これらエンジン回転域によって相反する要求を、マニフォールドの長さを可変式にす
る(共鳴過給と慣性過給を使い分ける)ことで解消し、広い回転域で最適な空気量を各シリンダー
に供給します。このシステムはラムエア効果とレゾナンスチャンバー効果を生みだし、エンジンの
トルク特性に大きな改善をもたらしました。
以上のような改良の結果、最大トルクの約90%にも相当する出力トルクをわずか約2,000rpm.から発
生し、有効トルク域の拡大化と共にフレキシビリティを大きく高めました。とりわけ2.0-16Vエン
ジンは、パフォーマンスとフレキシビリティの点で最高位に君臨。吸気ポートのバリアブルジオメ
トリー機構が、高速走行だけでなく市街地走行でも、高いポテンシャルを充分に活用できることを
約束します。
2つのエンジンは、以下のようなポテンシャルを発揮します(メーカー参考値)
。
◆1.6 TWIN SPARK(1.6-16V):
最高速度195 km/h、0〜100 km/h加速:10.6秒。
ECE combined cycleでの燃費データ:8.2R/100 km(換算値12.1 km/R)
◆2.0 TWIN SPARK(1.6-16V):
最高速度208 km/h、0〜100 km/h加速を9.3秒。
ECE combined cycleでの燃費データ:8.9R/100 km(換算値11.2 km/R)
− 12 −
●5速マニュアルトランスミッション
5MTやセレスピードも基本になるマニュアルトランスミッションは、すべて同じ構造。定評ある5速
横置き型を採用しています。このマニュアルトランスミッションは2本のリモートコントロールケー
ブル式で、これらのケーブルには、ハイテク素材であるハイパーテクノポリマーを駆使した結果、強
度、軽さ、自己潤滑性のいずれの点でも画期的な進化を遂げています。その結果、作動音の低減と
軽い操作力を実現しながら、レバーの動きの渋さや不快な振動がシフトレバーに伝わることを排除。
メカニカル式のリバースギアミスシフト防止機構や素早いシフトチェンジを可能にするアシスト機
構も組み込んでいます。
2軸式トランスミッションは横置きに配し、端部にはディファレンシャルユニットを結合していま
す。すべての前進ギアにボーグワーナー式シンクロメッシュを採用した結果、素早いシフトチェン
ジを可能にし、軽快なシフトフィーリングを達成。タウンユースでの使いやすさを考慮し、負荷の
大きな1速と2速ギアにはトリプルコーン式を、3速ギアにはダブルコーン式を装備しています。
ギア自体の加工精度の高さも見逃すわけにはいきません。全ギアにハイメッシュ加工を採用し、5
速ギアとファイナルドライブギアは、加工コストのかさむ加熱処理+スーパーフィニッシュ仕上げ。
より静かな動力伝達とスムーズな作動を実現しました。
トランスミッションギアのオイル潤滑は、専用オイルラインによる圧送式を採用。この方式は、常に
充分なオイルを供給できることでトランスミッションギアのフリクションロス軽減や、耐久性が向
上するだけでなく、トランスミッションオイルの撹拌抵抗が大きい低温時でも優れたシフトレバー
操作性能を提供。油温に影響されにくい安定したシフト操作が可能です。
クラッチ操作機構は、油圧作動式を採用。さらに、レリーズベアリング側コントロールシャフトのス
ライディングブッシュには、フリクションロスをゼロにした特殊素材を使用し、クラッチペダル操
作フィーリングを大きく改善。クラッチマスターシリンダーには、樹脂製ボディにスチール製シリン
ダーと樹脂製ピストンを組み合わせました。また、クラッチ操作系の軸受けにも効果的なアンチフリ
クションブッシュを使用し、クラッチペダルにかかるスラスト力を大きく低減。また、レリーズシ
リンダーをアウトプットシャフトと同軸上に備える、油圧式コアキシャルクラッチレリーズコント
ロール(CSC)機構を全モデルに採用しています。
レリーズシリンダーをトランスミッションケース側面に配し、長いレリーズフォークを作動させる従
来型の油圧作動機構に比べ、レリーズフォークを廃した直動式のCSC機構はいくつもの利点がありま
す。この新機構はトランスミッションの効率と耐久性をより高めるだけでなく、レリーズフォーク
を使わないことからクラッチジャダーが起きにくく、エンジンからクラッチペダルへ伝わる振動や
作動ノイズ低減するなど、快適なドライブフィーリングにも貢献します。
さらにアルミニウムやポリマー樹脂など、革新的な素材選びと斬新な製法により、クラッチペダル
機構全体で約2 kgの質量軽減を達成。特殊樹脂製の軽量なクラッチペダルアセンブリーは、踏み
込むときの軽い操作力だけでなく、放したときの戻り方も早いためスポーティードライブにも最適。
なめらかなシフト操作性と共に軽快で確実なクラッチ操作を約束します<左ハンドル車>。
− 13 −
●セレスピード<2.0-16V装備車>
現行アルファ 147で好評を博している「セレスピード」は、ニューアルファ 147にもラインアッ
プしています。今回の採用にあたり、作動ロジックなどをさらに改善。とりわけ、CITYモードで
の設定や作動を大幅にリファインしました。CITYモードを選べば、独自の自動変速機能によりオー
トマティック車と同じようにイージードライブを楽しむことができます。また、今回のリファイン
によりイージードライブ指向のドライバーへの新たな配慮を加えました。たとえば、1度選んだ走
行モードを記憶し、次に選び直すまで(エンジンを止めても)は、そのモード(CITY/マニュアル)
を維持します。
ニューアルファ 147と組み合わされた新型セレスピードは新型ECUの採用により、従来よりもさ
らに洗練されたオペレーションを提供。イージードライブ、スポーティー、快適性、そして安全性
をすべての状況でいかんなく発揮します。
イージードライブの点では、まるでロボットが操作するかのようなシフトアップ/ダウンとクラッ
チ操作を実現すると共に、オートマティック車のような気軽さも提供。さらに、ハンドル背面に設
けたパドル式ステアリングスイッチ、あるいはセンターコンソールのジョイスティック(シフトレ
バー)により、シーケンシャルシフト式マニュアルトランスミッションの操作を意のままに楽しむ
こともできます。
スポーティーさでは、エンジン性能を最大限に発揮させるクイックでスムーズなシフト、タイムラ
グのないクラッチ操作。たとえば、フル加速時には素早い自動クラッチ操作により、途切れること
がない加速感を味わえます。
快適性は、クラッチペダル操作と車速に応じて変速するわずらわしさを排除した結果、マニュアル
トランスミッションに比べ、操作労力を大幅に軽減。しかも、シフトミスの心配や変速操作の義務
から解放され、思わぬエンジンストールの懸念も皆無です。スムーズな自動変速と、状況に即した
トルクを駆動輪へ伝えるので、ビギナーにありがちな低速域でのギクシャクした走りは起こり得ま
せん。とりわけCITYモードでは、市街地走行での理想とも言えるオートマティックトランスミッ
ションとして作動します。
セレスピードは安全性にも大きく貢献。ドライバーのミスユースを最小限にすることも自慢のひと
つです。シフトチェンジするとき、シフトレバーの操作に気を取られたり、ハンドルから手を離す
必要がありません。
− 14 −
●コンフォートサスペンション<2.0-16V>
ニューアルファ 147が新たに採用するのが、コンフォートサスペンション。イタリア仕様車では150
PS仕様の1.9 JTD 16V M-jetターボディーゼルに標準装備。今回導入する日本仕様車では、<2.016V>モデルに標準装備としました。新設計のこのサスペンションは、フロントにダブルウィッシュ
ボーン式を、リアにマクファーソンストラット式を踏襲しながら、伝統的なハンドリング性能と、よ
り快適な乗り心地を両立させたことが、何よりの特徴。このためフロントのダンパー(ショックアブ
ソーバー)ロッドは、現行型の11.5 mmから13 mmに延長し、テフロン製のロッドガイドを導入し
ました。さらに、この新型ダンパーの特徴を生かし、最適なサスペンション機能を発揮させるため、
フロントおよびリアにはコンフォートサスペンション専用にセッティングを刷新。また、最適なダン
ピング特性を得るため、多彩な仕様設定変更も含め、サスペンションのジオメトリーにも手を加えて
います。これらすべての変更は、路面接地力の限界域でさえ、偉大なるスタビリティと容易なコント
ロール性能にも貢献していると言えます。ハンドルの操作性は非常になめらか。ニュートラルな感覚
と共に積載量の変化や、あらゆる路面状況下でも、絶妙な乗り心地を約束します。
アルファ 156や147の成功を決定づけたハイマウントアッパーアームのダブルウィッシュボーン式フ
ロントサスペンションと、マクファーソンストラット式のリアサスペンションは、ニューアルファ
147でも、すべてのモデルに標準装備。アルファ ロメオのエンジニアたちは、モデルごとに異な
る特性や質量(重量)配分に応じて、最適なサスペンション特性に仕上げるため微妙なチューニン
グに熱意を注ぎ込みました。フロントのダブルウィッシュボーン式について言えば、セッティング
を見直し、アンチロールバー(スタビライザー)は、これまでの中実型から新設計の中空型に変更。
これにより、同様のバネ定数(剛性)と旋回特性を確保しつつ、約1.7 kgの軽量化を果たしています。
その結果、前輪駆動車特有の優れたコントロール性能と共に、スポーツカーのように正確で、ハン
ドルレスポンスに優れたコンパクトモデルに仕上りました。ニューアルファ 147は、最高の旋回グ
リップ性能や、コーナー入り口での素早い進入に非常に有効な、精密とも言えるハンドルレスポン
スを提供。これに大きく貢献しているのは、リアサスペンションです。アルファ ロメオは、不等長
トランスバースリンクと最新の動的弾性力学に基づき、あえてサスペンションブッシュのたわみ特
性を積極的に利用しました。また、マクファーソンストラット式サスペンションは、構成部品が軽
量なこと、ホイールストロークが大きく前後方向のフレキシビリティが高いため、優れた乗り心地
を提供できること、セッティングに関しての自由度が高いことなどが優れた点。これらが集大成と
なり、高速走行時には最上のスタビリティを、ワインディングロードでは驚くほどシャープなハン
ドルレスポンスを約束するというわけです。
− 15 −
■安全性を支える最新テクノロジー
安全性の観点についてはニューアルファ 147に競合するライバルは存在しないと言えるほどです。
特筆すべき、ボディ剛性では、ねじれとたわみ剛性値は110,000 kgm/rad <3ドア>、95,000
kgm/rad <5ドア>を達成しています。
言うまでもなく、負圧式サーボアシスト付きブレーキシステムには、X字形独立二重配管式のブレー
キ液圧回路を装備。この結果、素早い応答性をはじめ、スムーズなブレーキングコントロール、短
い制動距離を実現しています。とりわけ、前輪ディスクには、ベンチレーテッド型の大径284 mm
を、負荷の小さい後輪には、ソリッド型251 mmを採用しました。
ニューアルファ 147では、すべてのモデルにEBD(Electronic Brakeforce Distributor:電子制御式制
動力配分機構)付きのABSを標準装備。また、<2.0-16V>ではパニックブレーキ操作を補助する
HBA(ブレーキアシスト機構)をはじめ、ASR(駆動輪空転防止機能)やMSR(エンジンブレー
キ制御機能)も備え、あらゆる路面状況下で車のコントロールをパーフェクトに補助するVDC(動
的スキッドコントロール)を標準装備。<1.6-16V>では、ASRのみを備えています。
パッシブセーフティーでは、フロントのデュアルエアバッグやサイドエアバッグ、後席乗員の頭部
をも保護するウインドエアバッグなど、今日考えられる安全装備のすべて、と言えるほどのアイテ
ムを日本仕様車に標準装備しました。
さらに、パッシブセーフティーについては、最高のものを取りそろえたと自負しています。FIAT
AUTO SAFETY CENTRE(フィアット オート セーフティ センター)の設計者らは、前面衝突や
側面衝突、横転、転覆、火災発生など、起こりえるすべての事故項目について、さまざまな設定速
度で幾種類もの衝突対象物を想定し、あらゆる体型の乗員に対しても万全の乗員保護機能を達成す
るように実施しました。その結果、このニューモデルは同セグメント中、最高レベルの安全性能を
誇っています。
− 16 −
●ブレーキアシスト付きVDC<2.0-16V>
あらゆる路面状況下で車のコントロールをパーフェクトに維持するため、ニューアルファ 147<
2.0-16V>では、ブレーキアシスト機構付きVDC(Vehicle Dynamic Control:動的スキッドコント
ロール)を標準装備。これはヨーロッパ製の他車では、ESPなどと表記される装置と同じものです。
スピン寸前のような状況下でドライバーの回避能力を補助するこの革新的なシステムは、車を操る
主役はあくまでドライバーであることを基本理念に導入されました。危険回避時のドライバー操作
をアシストしながらも、アルファ ロメオの伝統を感じさせる卓越したロードホールディングを生
かし、状況に応じて補助するにとどまります。ノーマルな走行状況では、決してVDCがドライバー
の操作を妨げたり、無粋に介入したりせず、危険な状況下になったときに、ほぼ瞬間的に緊急回避
策を自動制御。運転する喜びを微塵たりともそいだりはしない、そんなポリシーを感じるはずです。
エンジン回転中、VDCは常にスタンバイ状態で作動しています。
また、MSR(エンジンブレーキ制御機能)はエンジンブレーキによる制動力をコントロール。路面グ
リップが低い状況での走行中にアクセルペダルを急に放したり、シフトダウンしたときにエンジンブ
レーキが強すぎてタイヤがグリップ(接地力)を失ったときなど、瞬時にMSRが作動して強すぎる
エンジンブレーキトルクを抑制。駆動輪ロックを防いでスピンを回避します。たとえば、冬季のト
ンネル進入時に予期せぬ凍結路面を見つけ、驚いてアクセルペダルを放してしまい車がスピンしそ
うになる、というような状況でもすこぶる安心。MSR機能がほどよいエンジンブレーキを作用させ
ます。MSRとはドイツ語のMotor Schleppmoment Regelungの略記、英文表記ではEngine drag
torque control:エンジンブレーキ トルク コントロールの意味です。
VDCはタイヤの路面グリップを前後、左右方向とも、常にモニターしています。万一、車にスキッド
(横滑り)が起こると、この状態を解消し、ドライバーの意志に沿った進行方向に車の向きを保つよ
うに作動。各センサーは、刻々と変わる車の姿勢(向き)を垂直軸まわりの回転速度と横方向の加
速度をヨーレイト変化により検出し、ハンドルの回転角度からドライバーが望む進行方向を感知、
VDCコントロールユニットに情報を伝えます。これらのデータをコンピューターが瞬時に比較演算
し、車がタイヤの接地限界内にあり、ドライバーの意志に沿って曲がっているか、もしくはノーズ
が滑り出している(アンダーステアー)
、またはテールが滑り出している(オーバーステアー)かを
計算結果モデルにしたがって導き出します。
スキッドが起きたとき、ドライバーの意志に沿った本来の進路に修正するため、VDCはスキッド
の程度に応じ、内輪あるいは外輪に個別にブレーキを作動させて片側輪の走行抵抗を増やすことで
ヨーモーメント(回転力)を発生させ、アンダー(オーバー)ステアーを解消。同時にスロットル
バルブを閉じることで過剰なエンジンパワーを制限します。
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この装置の開発時にアルファ ロメオのエンジニアたちが心がけたユニークな点は、ブレーキ作動に
よる自動制御の介入によってドライブフィーリングをじゃましないように、できる限りスムーズに
させたこと。そのため、エンジンパワーの出力制限も限定的なものにとどめ、スポーティーパフォー
マンスとその偉大なドライブフィーリングの満足感を常に失わないように心がけました。
VDCコントロールユニットはこれらの非常に高度かつ複雑な課題を瞬時に処理するため、ABSセン
サーやエンジンコントロールユニットと絶え間なく交信しています。さらに以下の装置やシステム
もVDCの作動を支援するため重要な働きをしています。
◆ボディ(車両挙動制御)コンピューター:
ABSとエンジンコントロールユニット、トランスミッションコントロールユニット<MT車を除
く>などからの刻々と変わる情報を常にモニター
◆電子制御スロットルシステム:
ABSと協調作動し、エンジンパワーを自動制御
◆メーターパネル内VDC表示灯:
VDCの作動をドライバーに告知
◆ハンドルの回転角度(舵角)センサー:
ドライバーの旋回意志を感知
◆車内フロアに設置したジャイロセンサー:
ヨーレイト検出と横方向加速度を感知
VDCには、MSRをはじめ、後述のHBAやASRの機能も備えています。
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HBA:<2.0-16V>
ニューアルファ 147のVDCには、パニックブレーキ時に威力を発揮するブレーキアシスト機構も
備えています。HBA(Hydraulic Brake Assistance)と名付けられたこの機構は、ABSコントロー
ルユニットのポンプを電子制御で作動させ、ブレーキ液圧を瞬時にブーストします。
パニックブレーキをかけるとき、ほとんどのドライバーは危険を認識した時点でブレーキペダルを
素早く踏み込みますが、その力(踏力)は充分ではありません。モータースポーツのプロと呼ばれ
るようなドライバーでない限り、女性やお年寄りを含む一般的なドライバーはパニックブレーキ時
に最大制動力を発揮させるほど力強くブレーキペダルを踏み込むことができない傾向があります。
なぜなら、一般的なドライバーは同じ操作を繰り返していると、反射的に日常的な行動をしがちな
「無意識モード」に陥りやすく、その結果、危険な状況でも無意識に日常とほぼ同じ踏力でブレー
キペダルを踏み込むからです。ニューアルファ 147のブレーキアシスト機構では、この点に着目。
パニックブレーキ時のブレーキ踏力が日常時とほぼ同じでも、素早く踏み込んだことを感知すると、
最大踏力時と同等の減速力を発生させます。
このブレーキアシスト機構は、危険回避時などに自分の意志で素早く的確なブレーキペダル踏力を加
減して車をコントロールできる、プロフェッショナルライクなドライバーにとっても明らかなメリッ
トがあります。その理由は、この機構がすべての状況下で制動時に起こるタイムラグを短縮するた
め。つまり、ブレーキペダルを踏み込み始めた時点で、ブレーキ液圧回路内の圧力が最大になり、
最大制動力を発揮。この結果、生命にかかわるほど重要な最初の瞬間を有意義にできるからです。
− 19 −
●ASR<2.0-16V、1.6-16V>
ニューアルファ 147は、ダイナミックコントロール(動的操縦性)において卓越した安全性を維
持しながら、老若男女を問わず、ドライバーのスキルやドライビングスタイルに応じた「運転する
楽しさ」を堪能できる車。ASR(Anti Slip Regulation:駆動輪空転防止機能)は全速度域におい
て、駆動輪への個別自動ブレーキ制御とエンジン出力制御などにより、常に最適なトラクション性
能を提供します。
このシステムは、ABSセンサー信号から各ホイール/タイヤの回転速度を感知し、タイヤの空転が
起きている度合いを計算します。そして、異なる2つの方法によって、タイヤのグリップが回復す
るように自動的に制御開始。路面に対して駆動力が大きすぎ、両輪が空転を起こしたとき(例:瞬
間的なアクアプレーニング発生時や、未舗装路面、積雪路、凍結路などでの加速時)は、スロット
ルバルブ開度を自動的に小さくしてエンジン出力トルクを減少させます。
一方、片輪が空転を起こしたとき(例:タイトコーナーでの加速時やボディの姿勢変化によって内
輪が浮き気味になり、グリップを失ったとき)は、ドライバーがブレーキペダルを踏み込まなくて
も、空転しているホイール/タイヤに自動ブレーキを作用させます。その結果、擬似的なLSD
(Limited Slip Differential:リミテッド スリップ ディファレンシャル)効果により、必要充分な駆動
力を確保します。
路肩側に雪が残っている斜面のスタート時に、路肩側駆動輪に有効な駆動接地力を得られないとき
や、荒れた舗装路面の走行時で片輪が浮き気味になるなど、わずかなグリップロスで空転が起こっ
たときにも役立ち、安全性にも大きく貢献するはずです。
ASRはエンジン回転中、常にスタンバイ状態で作動。また、ASR機能を一時的に解除するASR-OFF
スイッチをセンターコンソールに備えています。実際にASRが作動を開始すると、スイッチ部の
ASR表示灯やメーターパネル内の表示灯が点滅。これは同時に、路面が滑りやすく、デリケートな
アクセルペダル操作が必要なことをドライバーに知らせることにもなります。ASR-OFFスイッチ
で強制的にOFFにしたときや、万一の異常時には、ASR表示灯が点灯を続け、ドライバーに知らせ
ます。
タイヤチェーンを装着したときは、ASR-OFFスイッチで強制的にOFFにしてください。タイヤチェーン
が雪を噛み込むときに、連続して起こるわずかなスリップをASRが認識し、自動ブレーキを作動させ
ることがあるからです。
VDCやMSR、HBA、ASRは時代の流れと共に次々と実用化された最新電子制御デバイス。アルファ
ロメオでは充分に吟味しながらも積極的に採用しています。革新的な最新テクノロジーの導入によ
り総合的な安全性を飛躍的に高めながらも、ドライバーの意志を微塵も損なわず、アルファ ロメオ
伝統の偉大なるドライブフィーリングにこだわり続けています。
− 20 −
●エアバッグ
フロントエアバッグ:
ニューアルファ 147は、全モデルに合計6つのエアバッグを標準装備。フロントエアバッグの膨張
時容量は、ドライバー側:42リットル、助手席側:100リットルとしました。これらの作動につい
ては、センターコンソール内の専用コントロールユニットが制御。実験室での膨大なデータに基づ
いて設定された基準によって、衝撃の大きさを判定します。衝突時に一定以上の衝撃を受けると、
瞬時にエアバッグが膨張。膨張には最新方式を採用しています。エアバッグ自体の材質は6/6ナイ
ロンを選択。6/6ナイロンは透過性があるため衝突で衝撃を受けた(膨張した)後、数十秒で完全
にしぼみ、皮膚に対する擦過傷を最小限に抑えます。また、エアバッグ自体の構成も大きく改良。
エアバッグが膨張するとき乗員に直接激しくぶつからないように、徐々に破断する布テープを2か
所に貼り付けた特殊な畳み方を採用。ジェントルに膨張するための工夫がなされています。
エアバッグコントロールシステムに異常が起きていないかを常にモニターするのが電子制御のダイ
アグノーシスシステム。低速域でのちょっとした接触やパーキング時にバンパーをぶつけた程度の
衝撃でも、また、悪路などでの凹凸通過時のように衝撃が衝突に起因しないようなときもエアバッ
グは作動しません。
助手席側エアバッグには乳幼児が着座するときなどに備え、キー操作で任意に作動を停止できるエ
アバッグキャンセラーを助手席側インストルメントパネル側面(ドアオープン時に操作)に装備。
進行方向に対し後ろ向きに乗せなければならないベビーシートでもエアバッグが衝撃を与えること
を回避し、代わりにプリテンショナーシステムがその効果を十全に発揮します。エアバッグキャン
セラーは、とくに大きく膨張する助手席側で、いまや必須アイテムです。
サイドエアバッグ:
側面衝突時に前席乗員の腰部分と胸部分を保護するように設計されたサイドエアバッグは、前席シー
トバック側面部に2つ内蔵しています。この位置にサイドエアバッグを設置することで乗員の身長や
シート位置の前後の違いにかかわらず、最も効果的な乗員保護機能を発揮。その結果、ドアインナー
パネル側に設置するタイプのものに比べ小さな容量(11リットル)で同じレベルの効果が期待でき
ます。
センターピラーには側面衝突を感知するセンサーを配置。側面衝突が起こると、センサーが横方向
の加速度(G)信号を感知してサイドエアバッグを作動させるだけでなく、フロントエアバッグと
シートベルトプリテンショナーシステムのコントロールユニットにも情報を伝達し、必要に応じて
これらすべてのエアバッグやプリテンショナーシステムを作動させます。このようにそれぞれの乗
員保護装置が一体となって、効果的、総合的な乗員保護機能を果たせるのです。
− 21 −
ウインドエアバッグ:
さらにニューアルファ 147では、全モデルにウインドエアバッグも標準装備。左右のサイドウイン
ドー上部に装備したウインドエアバッグは、万一の側面衝突時にサイドウインドーの上方から下が
るように膨張し、前席および左右後席乗員の頭部を保護します。
側面衝突対策にウインドエアバッグはとりわけ重要。アルファ ロメオのエンジニアは、側面衝突
対策として可能な限りの頭部保護用エアバッグをテストし、この車にとってベストなものを選びま
した。ほかのタイプと比較すると、たとえば、シートバックレスト内蔵の大容量シングルタイプ
(サイドエアバッグ兼用型)では、頭部と腰部を1つのエアバッグで同時に保護できることがわかっ
ています。このウインドエアバッグは、常に正しい位置で膨脹するので、頭部保護効果が大きく向
上。またサイズが小さい(30リットル)ため膨脹速度が速く、さらに、上から下に瞬間的に膨張す
るため、乗員への2次災害の心配が皆無。たとえ、乗員が腕を広げていても安心です。ウインドエ
アバッグは、衝突時にサイドウインドーが割れたときでも、サイドウインドー開口部全体をカバー
します。この結果、車の横転時も含め、前席だけでなく左右後席乗員の頭部保護に大きな効果を期
待できるのです。
左右ドア側2つのウインドエアバッグは、車内側サイドウインドー上部のトリム内部に組み込まれ
ており、「SRS AIR BAG」のシンボルでその存在をさりげなく表示。万一の膨張時には、ほかの
エアバッグと同じように膨張を妨げることなくトリムが切り裂かれ、ウインドエアバッグが左右の
サイドウインドー部分にふくらみながら上から下へと広がります。
− 22 −
●完璧な安全性のための厳しい道のり
アルファ ロメオのエンジニアは、あらゆる速度域で起こる衝突条件、さまざまな衝突対象物、身
長や体重など物理的な特性に着目し、幅広い層の乗員を保護するために何をすべきかを充分に検討
しました。これらの複雑で多種のパラメーターに対し、多くの実験を重ねることで技術的な解消方
法を導き出しました。ゆえに、ニューアルファ 147は、パッシブセーフティーの面で究極のシス
テムを装備。今日入手できる最先端の安全装備を備えています。
主要な安全装備品は以下の通り。
◆ドア内蔵のサイドインパクトビーム
◆衝撃吸収式ステアリングコラム
◆6つのエアバッグ
◆プリテンショナー+ロードリミッター付き前席シートベルト
◆後席中央にも備えた3点式ELRシートベルト
前席および後席シートはアンチサブマリン構造を採用。横方向に強固なシートフレーム構造が衝突
時の衝撃によって乗員の身体がシートベルトの内側へ潜り込まないように支え、シートベルトの乗
員保護効果を確実に発揮させます。クッション表面のパッド部はシートホールディングを高めるた
め、部位によって異なる硬さを選び、最高の快適さと共にワインディングロードでも縦、横の両方
向に乗員を確実にサポートします。
前席ヘッドレストは高さおよび角度調整式を標準装備。すべての後席ヘッドレストは格納時と乗車
時用に高さを調整でき、中央席にも3点式シートベルト共にヘッドレストを備えています<2.0-16V>。
前席シートベルトはアンカー高さ調節機構はもちろん、プリテンショナーに加え、ロードリミッター
機構も装備。アンカー高さ調節機構は、シートベルト着用時の快適性もさることながら、シートベル
トの乗員保護効果を最適化しました。電子制御式プリテンショナーは、衝突時にシートベルトバッ
クルをミリセコンド単位の速さで引き込み、シートベルトをさらに乗員の身体に密着させるように
作動します。
さらに衝突後、乗員の上体が前傾すると、シートベルト巻き取りリール部分に内蔵したロードリミッ
ター機構がシートベルトの張力を一定以上に高くならないよう適切に調整し、乗員の肩部分にシート
ベルトが食い込むのを防ぎ、エアバッグと共に乗員の上体をソフトに受け止めます。
これらの巧みで正確な作動は、最先端テクノロジーだけが、成せる技。2ウェイ式加速(減速)度
センサーは、配置された各センサーからの信号を補完し、サイドエアバッグやウインドエアバッグ
が作動可能かどうかの情報をメーターパネルへ提供します。メーターパネルの警告灯や表示灯は、
ドライバーへ各装置が作動できるかどうかを知らせます。
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FPS(車両火災防止システム):
車両火災防止システムのFPS(Fire Prevention System:ファイヤー プリベンション システム)
は、アルファ ロメオ全モデルに共通する良き伝統のひとつ。また、衝突後に起き得る車両火災を
防止するという面から見ると、究極のプリベンティブセーフティーとも言えます。
FPSのメインユニットにはイナーシャ(慣性式作動)スイッチが設置してあり、衝突や横転時の衝
撃でスイッチが作動すると燃料供給ポンプの作動をただちに停止。その結果、燃料供給は停止し、
供給配管の圧力も下がることで、燃料の漏出を防ぎます。また、このシステムを含む燃料供給系は
衝突時に損傷を受けないように、パイプの材質や配置、接続部分の取り付けなどにはとくに安全性
を考慮して設計しました。また、強化樹脂製燃料タンクは最も安全性が高いと言われる後車軸前方
に配置。耐破壊強度や不燃性についても、基準クリアはもとより、充分に配慮しています。
電装系統の保護:
大電流を処理する主要配線には、マキシヒューズと呼ぶ、大容量ヒューズを採用。万一の電装系統
異常時、配線の過熱が起こる前に電源を遮断します。また、大電流を扱うスターターモーターとオ
ルタネーターの接続配線には、耐熱性が高く衝撃や振動、劣化に対して耐久性の高いケーブルアウ
ターを採用し、そのレイアウトも最も安全な場所や経路を厳選しています。
電装系統、燃料供給系統、ブレーキ配管系統などを構成するユニットや配管類についても、走行中
の振動や外部要因からの影響を受けにくく、万一の衝突時でも充分に保護できるような場所を吟味
して配置や取り付け方法に配慮。同時に、すべてのインテリアトリムが、火災防止基準(火炎伝搬
率100 mm/min以下)をクリアしていることも見逃せません。
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■ストレスフリーなドライビングと完璧な快適性
ニューアルファ 147は、多くのドライバーが期待するレベル以上の快適な居住空間を約束するだ
けでなく、スペースの点においてもドライバーと同乗者に、充分な広さを提供します。また、この
ニューモデルは、先進テクノロジーを駆使した装備品も多彩に取りそろえました。デュアルゾーン
式フルオートエアコンを筆頭に、マルチファンクションディスプレイ、独自のHiFiサウンドで名高
いBOSE社製サウンドシステム<2.0-16V装備車>が、ひときわ目立つ存在。ここでは、日本仕様
車の代表例について記載しています。
●デュアルゾーン式フルオートエアコン
ドライブ中の車内温度や湿度、ベンチレーションのコントロールは、ドライバーはもちろんほかの乗
員の心地よさを左右する最も重要な要素のひとつです。また、優れた暖房能力とベンチレーション性
能により、フロントウインドーやサイドウインドーの曇りや霜付きをすばやく解消。プリベンティ
ブセーフティーの点でも重要な機能を果たします。
ニューアルファ 147では最先端のデュアルゾーン式フルオートエアコンシステムを搭載。設定さ
れた温度に対し、送風温度調節をはじめ、送風量、送風口切り換え、コンプレッサーのON/OFF
などをエアコン用コントロールユニットがすべて自動制御。さらに、ドライバーと助手席乗員のそ
れぞれの要望に応じ、左右個別に温度設定できることがデュアルゾーン式の真骨頂。暑がりのドラ
イバーと寒がりの助手席乗員のペアでも、2人ともまったく不満のないエアコンとして快適な温
度・湿度を提供するのでロングツーリングも一層楽しめます。もちろん、後席乗員への配慮も忘れ
ず、センターコンソール後部に後席専用エアコン送風口を設置しています。
ニューアルファ 147 のエアコンは、温度調節機能も万全です。車内と車外の温度センサーは、そ
れぞれの温度を感知し、乗員が設定した温度にすばやく達するようにエアコンが作動。たとえば、
車内乗員の人数が変わり、乗員自身の発熱量や余地空間の大きさが変化すると、それに合わせて温
度や送風量、吹き出し口を変えて対応します。
加えて、フロントウインドー中央下に配置した日射センサーは、車内へ降り注ぐ日射量と日射角度
を敏感にキャッチ。直射日光の影響による、車内温度の余分な上昇を予測し、エアコン制御ユニッ
トに情報を送信することで車内温度センサー情報を補正します。
これらのセンサーからの信号は、絶え間なくモニターされ、送風口切り換えや外気導入量、ヒーター
機能とのミキシングなど、常に最新情報として自動的にエアコンをコントロール。送風口からの送風
量と送風温度は、ユーザーが温度設定スイッチで選んだ温度に対して最も効率よく達するように調
整されます。その結果、車外温度の変化にかかわらず、常に快適な車内環境に保ちます。
− 25 −
送風口の切り換えは7つのポジションから選べ、車内の隅々にわたり充分な送風を約束します。ま
た、このシステムでは、「LO(最大冷房)」、「HI(最大暖房)」、「MAX DEF(クイックデフロス
ト)」の3つのモードをワンアクションで選ぶことができます。
設定温度は0.5℃単位まで調節できるようにこだわりました。また、温度設定スイッチの調節範囲
は16℃分とし、左右個別の設定温度差は7℃までの範囲で自由に選べます。
フルオートエアコンながらマニュアルでの操作も、もちろん可能。以下のすべての操作を文字通り
ユーザーの意志で手動操作することができます。
◆左右独立の設定温度の調節
◆送風口の選択
◆送風量の調節
◆冷房コンプレッサーのON/OFF
◆内気循環モードと外気導入モードの選択
◆クイックデフロストのON/OFF
アルファ ロメオを選ぶ方ならば、エアコンのためにエンジンパワーを犠牲にしたくないと考える
ドライバーも少なからずいるはず。たとえば、3速ギアで絶妙なコーナーリングを楽しんでいると
きに、コンプレッサーがONになるような無粋なことは排除したいと考え、エアコンの手動操作は、
常に自動制御よりも優先します。ユーザーが冷房コンプレッサースイッチをOFFにしたり、いずれ
かのスイッチ操作で部分手動制御を選ぶと、フルオート制御は中止。オートモードスイッチ右側の
フルオート表示灯が消え、再びユーザーの意志でONにしない限り、フルオート制御はONになりま
せん。また、クイックデフロスト以外のモードでは、エンジン始動時に、前回エンジンを止めたと
きの状況に応じてシステムが自動的に作動しますが、このエンジン始動時の自動作動をOFFにする
こともできます。冷間時のウォームアップ中に電動冷却ファンを回すなど、環境保護の観点から矛
盾するような行為を避けることができます。
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●マルチファンクションディスプレイ
ニューアルファ 147のメーターパネル中央には、革新的なデジタル表示式マルチファンクション
ディスプレイを配置。このデジタル表示式ディスプレイには、5つの主要な機能があります。
1. トリップコンピューターとして、ドライバーに役立つ情報の表示。
2. ドライバーのリアクションが必要になるようなドアの閉め忘れやハンドブレーキの戻し忘れなど、
重要部分の状態をモニターし、車の状態を知らせるチェックモニター。
3. 路面凍結警告や万一の異常を知らせる警告メッセージ。
4. 表示単位を切り換えたり、制限速度を設定したりする表示設定。
5. 次回点検時までの残り走行距離に応じ、点検時期を自動表示するメンテナンスインジケーター。
また、イタリア語はもちろん、英語、ドイツ、スペイン、フランス、オランダの各言語に表示を切
り換えるインターナショナル性にも配慮。ヨーロッパ製のライバルたちを迎え撃つため、今までと
は異なるスタンスでより多くのアルファ ロメオファンを受け入れようとする積極性のシンボルで
もあります。
今回デビューする日本仕様車では以下のような機能を備えています。
◆年月日表示
◆外気温度表示(路面凍結アラーム付き)
◆アラーム作動時のシンボルと警告メッセージ表示(油圧低下など)
◆ドアやテールゲートの閉め忘れ表示
◆トリップコンピューター機能(平均燃費、瞬間燃費、平均速度、走行可能予測距離、走行経過時
間、トリップメーター):区間別と全行程の2種表示
◆プリセット制限速度の警報表示
◆メンテナンスインジケーター機能(次回点検時期を走行距離に応じて表示)
◆メンテナンス情報表示(ブレーキ液指定規格などを表示)
◆表示言語(6か国語)や表示単位の切り換え機能
◆表示照度の調節機能
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●オーディオ
オーディオ:
オリジナルのイタリア仕様と同じデザインにこだわったオーディオ(CDプレーヤー内蔵ラジオ:ド
イツ、ブラウプンクト製)は、インストルメントパネルのデザインにジャストフィットするニュー
アルファ 147専用仕上げになっています。
ラジオとしては、PLLデジタルチューナー式AM/FMラジオ(*)を装備。音質重視のFMバンドでは、
自動受信メモリー機能をもつFMTをはじめ、FM1やFM2、計3つの受信局メニューを用意。それぞ
れに6局分のプリセットメモリーを備えています。一方のAMバンドには、FMバンドと同じくプリ
セットメモリー局を自動的にスキャニングする機能や自動サーチ機能も備え、自宅から遠く離れた
場所でも迷うことなく最適な受信局を探すことができます。
今回、ニューアルファ 147への採用にあたり、CDプレーヤーには「MP3-CD再生機能」を新たに
装備<2.0-16V>。一般的な楽曲ファイルに比べ、ファイルサイズを約1/5〜1/10に圧縮できるMP3
ファイルにより、ラジオ内蔵分のディスク1枚でも非常に多くの曲を再生することができます。再
生メニューには、リピート、ランダム再生機能などを備え、操作方法は一般的なCDプレーヤーと
変わりありません。アルファサウンドを堪能できない渋滞時など、退屈解消に大いに役立つはずで
す。日本仕様のオーディオには、卓越した音響空間を演出するため、ニューアルファ 147専用に
ベストチューニングを施したアクティブサブウーファー付きBOSE®サウンドシステム(後述)も用
意しています。
(*):このラジオはヨーロッパRDS(ラジオデータシステム)仕様を基本に設計されています。日
本国内では放送局側がRDS仕様に対応していないため、一部使用できない機能が含まれてい
ます。
ステアリングスイッチ:<2.0-16V>
ハンドルにはオーディオ操作用のステアリングスイッチを装備。純正オーディオならではの優位性
を生かし、オーディオの音量調整をはじめ、ラジオの選局やCDのトラックチェンジなど、主要操
作をこのスイッチで可能にしています。これにより一時的にせよ、ドライビングポジションを変え
たり、ハンドルから手を離す必要がなくなりました。
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●BOSE® サウンドシステム<2.0-16V:装備車>
ニューアルファ 147では、あらゆる状況においてもどの乗員をも満足させるHi-Fiサウンドを追求。
オリジナルデザインのCDプレーヤー内蔵ラジオ(MP3再生機能付き)だけにとどまらず、独特の音
場空間と臨場感の豊かさでその名をはせる「BOSE®サウンドシステム」をニューアルファ 147専用に
ファインチューニングして採用しました。すでにご存じのようにBOSE社は、残響効果とアクティ
ブなトーンコントロールを巧みに利用すると言う独自の路線を築いたHi-Fiオーディオメーカーです。
200ワットもの大出力BOSE製パワーアンプで駆動されるスピーカーは、同軸型2ウェイスピーカー
(ツィーター:45 mm+フルレンジ:168 mm)をドアパネルとリアサイドウインドー下に装備。
さらに、5チャンネル式リニアアンプ駆動のサブウーファーをラゲッジルームに備え、小音量時に
不足しがちな低音域を完璧に補正します。サブウーファーは、専用エンクロージャーに組み込んだ
133 mm径。リッチバスタイプと呼ばれる、このBOSE製サブウーファーは、低音専用設計により
ボイスコイルの振幅ストロークを格段に大きくしたことが特徴。専用エンクロージャーと共に豊か
な低音特性を発揮します。
独自の音場空間が織りなす臨場感は、あたかもライブコンサート会場にいるかのような興奮と感激を
イメージさせるに違いありません。そのリアルな音質は、クリスタルクリアな高音、深みのある豊か
な低音を奏でてくれます。聴き始めに感じる不自然な音を排除しただけでなく、聴き続けていると落
ち着かなくなるような居心地の悪さも徹底的に排除。乗員の乗車位置にかかわらず、どのシートで
聴いても広がりのある音場空間とHi-Fiサウンドを提供します。このサウンドシステムはニューアル
ファ 147の車内空間専用に残響特性や周波数特性、各部ごとに異なる吸音特性などの音響特性を白
紙の状態から完璧なまでにファインチューニングしたこその結果なのです。
ニューアルファ 147専用のファインチューニングを達成するためにBOSE社のエンジニアらは、正真
正銘の「デザインイン」を実行し、開発当初から参画。関連するオーディオコンポーネントを丹念
に選び抜き、リスナー(乗員)とスピーカーとのベストポジションを見極めるため、彼ら独自の卓
越したノウハウにしたがってスピーカーの配置場所を決定し、最適なスピーカーを選択しました。
システムの中核を成すパワーアンプには、デジタルシグナルプロセッサーを内蔵。たとえば、小音
量時に低音域が聴き取りにくくなることを防ぐように最適なトーンコントロールを制御し、音量変
化に連動してすべて自動的に音質を補正します。ユーザーは通常の音量をコントロールするだけで
よく、人間の聴覚特性にマッチした音質補正の効果は完璧とも言えるほど。従来型オーディオシス
テムの音量だけのコントロールとは根本的に異なり、常にどんな音量で聴いているときでもナチュ
ラルなハイクオリティサウンドを約束します。
また、アクティブイコライザーは優れた電気出力特性に貢献し、全周波数領域で過不足なく、バラン
ス感に優れた、透明度の高い音を全可聴域にわたって提供。この結果、走行中の車内でも音質コント
ロールにわずらわされることなく、音楽そのものに集中でき、楽しむことができるのです。このシス
テムが創り出す音は、アクティブコンプレッサーの作用により、大音量時でも歪みや、出力不足から
起こり得るクリップ感のないクリアなサウンドとなっています。これらの先進的なコンポーネントが
創り出す比類なきハイクオリティサウンドは、世界的に有名なBOSEブランドが保証しています。
− 29 −
EQUIPMENT
■装備品
■標準装備品とオプション装備品
今回デビューする日本仕様車について、記載しています。
●エクステリア
●インテリア
●オーディオ
2.0-16V
5MT
2.0-16V
SELESPEED
1.6-16V
5MT
熱線吸収ガラス
●
●
●
ポリエリプティカルヘッドライト
(ロー&ハイビーム)
●
●
●
ヘッドライト光軸補正コントローラー
●
●
●
フロントフォグランプ
●
●
●
ヒーテッド電動ドアミラー
●
●
●
リアデフロスター:タイマー付き
●
●
●
リアフォグランプ
●
●
●
15インチタイヤ+アルミホイール:195/60R15
−
−
●
16インチタイヤ+アルミホイール:205/55R16
●
●
−
メタリックペイント
○
○
○
パールペイント
−
△
−
内部照明付きグローブボックス
●
●
●
レザーステアリングホイール&シフトノブ
●
●
●
ティルト&テレスコピック式ステアリングホイール
●
●
●
5速マニュアルトランスミッション
●
−
●
CITYモード付き5速セレスピード
−
●
−
高さ調整式ドライバーズシート
●
●
●
前席センターアームレスト
●
●
●
マルチファンクションディスプレイ
●
●
●
・
トリップコンピューター
●
●
●
・警告メッセージ表示機能
●
●
●
・モニター機能
●
●
●
・外気温度、時刻表示機能
●
●
●
・メンテナンス表示機能
●
●
●
後席センターアームレスト
●
●
−
分割可倒式リアシート
(6:4)
●
●
●
ラゲッジネット
●
●
−
ラゲッジネットフック
●
●
●
オーディオコントロール用ステアリングスイッチ
●
●
−
AM-FMラジオ/CDプレーヤー
(MP3対応)
●
●
−
AM-FMラジオ/CDプレーヤー
−
−
●
○
○
−
R
BOSE サウンドシステム
●:標準装備、○:オプション装備、△:受注生産、−:設定なし
− 31 −
●快適装置
●安全装備など
2.0-16V
5MT
2.0-16V
SELESPEED
1.6-16V
5MT
ダスト/ポーレンフィルター
●
●
●
バニティミラー
(両席)
●
●
●
インテリジェントウォッシュ機能付きワイパー
●
●
●
フォローミーホーム
●
●
●
パワーステアリング
●
●
●
運転席ランバーサポート
●
●
−
マップランプ付きフロントルームランプ
●
●
●
残照タイマー付きルームランプ
●
●
●
デュアルゾーン式フルオートエアコン
●
●
●
パワーウインドー
(タイマー付き)
●
●
●
集中ドアロック
●
●
●
キーレスエントリー:アンサーバック付き
●
●
●
ポップアップ式カップホルダー
●
●
●
ラゲッジルームランプ
●
●
●
コンフォートサスペンション
●
●
−
二重合わせガラス式フロントウインドー
●
●
●
ABS+EBD
●
●
●
VDC(MSR、HBA、ASR機能付き)
●
●
−
ASR
−
−
●
デュアルエアバッグ
(助手席キャンセラー付き)
●
●
●
サイドエアバッグ
(フロントシート組込型)
●
●
●
ウインドエアバッグ
●
●
●
高さ調整式フロントシートベルト
●
●
●
プリテンショナー+ロードリミッター付きフロントシートベルト
●
●
●
アンチサブマリニングシート
●
●
●
ドア内蔵サイドインパクトビーム
●
●
●
アルファコードⅡシステム(盗難防止装置)
●
●
●
後席3点式シートベルト
(中央席を含む)
●
●
●
後席ヘッドレスト
(中央席を含む)
●
●
−
ハイマウントストップランプ
●
●
●
ファイヤープリベンションシステム(FPS)
●
●
●
○
○
−
●レザーパッケージ レザーシート
レザー仕上げ前席アームレスト
レザー仕上げドアインナーパネル
●:標準装備、○:オプション装備、−:設定なし
− 32 −
■ボディカラーとインテリアカラー
<1.6-16V>
シート素材
アルファテックス
ブラック
シートカラー
ソリッド
メタリック
145
130
アルファレッド
●
201
ポーラ ホワイト
●
603
ナヴォーナ グレー
●
846
ハラマ ブラック
●
<2.0-16V>
シート素材
アルファテックス
シートカラー
ソリッド
メタリック
レザー
ブラック
ブラック
サハラ ベージュ
145
402
445
130
アルファレッド
●
●
●
201
ポーラ ホワイト
●
●
●
603
ナヴォーナ グレー
●
●
−
846
ハラマ ブラック
●
−
●
<2.0-16V SELESPEED>
シート素材
シートカラー
ソリッド
メタリック
パール
アルファテックス
レザー
ブラック
ベージュ
ブラック
サハラ ベージュ
145
165
402
445
130
アルファレッド
●
−
●
●
201
ポーラ ホワイト
●
−
●
●
245
キアーヤ ディルーナ ブルー
−
●
−
●
603
ナヴォーナ グレー
●
−
●
−
693
ル・カステレ ブルー
●
−
●
●
846
ハラマ ブラック
●
−
−
●
414
ヌヴォラ ブルー
−
−
−
△
●:標準装備、△:受注生産、−:設定なし
− 33 −
ALFA MAESTRO PROGRAM
■ALFA MAESTRO プログラム
フィアット オート ジャパンでは、日本国内のアルファ ロメオ正規輸入車オーナーのためにさらな
る「オーナーセーフティー」を用意しています。Alfa MAESTRO プログラムは、従来からの
P.A.S.S.(24時間サポート)と新たに設定された3年間、または走行距離100,000kmまでの新車時
メーカー修理保証を組み合わせたものです。
●メーカー修理保証(3年間または走行距離100,000kmまで)
従来のメーカー1年保証を延長し、新車時から3年間または走行距離100,000kmのいずれか先に達す
る時期までを保証期間とするメーカー修理保証プログラムです。車を構成する純正部品(消耗品な
どを除く)そのものが原因となって不具合(故障)が起きたとき、保証書に示す条件にしたがって
無料で修理を承ります。また、塗装面については新車登録時から3年間(走行距離無制限)
、ボディ
パネルの腐食については新車登録時から8年間(走行距離無制限)をメーカーが定める条件にした
がって保証いたします。
適用期間中に起きた使用上の不具合について、その修理にともなう部品代および整備費用が無料と
なります。主たる保証対象部品はエンジン、トランスミッション、サスペンション関連の部品から
電装、電子制御ユニット関連の部品にまでおよびます。
ただし、バッテリー、ブレーキパッド、クラッチディスク、ベルト/ホース類、エンジンオイルな
どの消耗品類、ボディ、ガラス、モールディングなどの外装部品、そして一般点検整備やホイール
アライメント調整作業などの整備費用は保証の対象外となります。くわしくは、アルファ ロメオ
正規ディーラーまでお問い合わせください。
●P.A.S.S.(Perfect Assistance Service System)
P.A.S.S.は、自家用乗用車の自損を含む事故発生や万一の故障時などに、365日24時間体制でユー
ザーをアシストするサービスシステムで、主たる対象は乗員です。新車登録されたすべてのアルファ
ロメオ車は、新車登録後3年間を無料でこのサービスを受けることができます。
P.A.S.S.がアシストする主な項目:
・事故、故障発生現場での車両のクイックサービス、または最寄りのアルファ ロメオ正規ディー
ラーまでの車両の移送、およびその費用負担
・旅行を継続するための代車、またはレンタカーの手配、あるいは当初の目的地までの交通手段の
手配、およびその費用負担
・ドライバーおよび同乗者全員の帰宅の手配、およびその費用負担
・現地で修理を待つ間の宿泊手配、およびその費用負担
・修理後に車両を受け取るとき、それにかかわる交通手段の手配、およびその費用負担
などです。なお、上記のいずれの場合も、適用範囲およびその金額には限度があります。
− 35 −
TECHNICAL SPECIFICATIONS
■テクニカルスペック
■主要諸元、動力性能
今回デビューする日本仕様車について、記載しています。
2.0-16V 5MT
●寸法・重量
全長(mm)
4,225
全幅(mm)
1,730
全高(mm)
1,450
ホイールベース(mm)
2,545
トレッド(mm)
前輪
1,510
後輪
1,495
車両重量(kg)
ハンドル位置
1,300
1,330
左
右
乗車定員(名)
5
ドア数
5
ラゲッジルーム容量(R)
●エンジン
2.0-16V SELESPEED
形式
292(後席格納時:1,042)
横置・直列4気筒 DOHC16バルブ、油圧ラッシュアジャスター
吸気側:可変バルブタイミング
可変吸気式、2バランスシャフト
ボア×ストローク
(mm)
83.0×91.0
3
総排気量(cm )
1,969
最高出力(EEC基準)
110 kW(150 PS)/6,300 rpm.
最大トルク
(EEC基準)
181 N・m(18.4 kgm)/3,800 rpm.
圧縮比
10.0:1
点火方式
デジタル式ダイレクトイグニッション、
ノックセンサー付き
燃料供給装置
マルチポイント式電子制御燃料噴射、
リターンレス配管
使用燃料
無鉛プレミアムガソリン
燃料タンク容量(R)
60
排出ガス浄化装置
●トランスミッション
三元触媒+ラムダセンサー Euro 3適合
形式
5速マニュアル
ATモード付き
5速シーケンシャル
シンクロメッシュ
変速比
前進フルシンクロ
1速
3.545
2速
2.238
3速
1.520
4速
1.156
5速
0.919
後進
3.909
最終減速比
3.867
クラッチ形式
− 37 −
乾式単板
乾式単板
油圧作動式
電子制御油圧作動式
1.6-16V 5MT
●寸法・重量
全長(mm)
4,225
全幅(mm)
1,730
全高(mm)
1,450
ホイールベース(mm)
2,545
トレッド(mm)
前輪
1,510
後輪
1,495
車両重量(kg)
1,240
ハンドル位置
右
乗車定員(名)
5
ドア数
5
ラゲッジルーム容量(R)
●エンジン
292(後席格納時:1,042)
形式
横置・直列4気筒
DOHC16バルブ、油圧ラッシュアジャスター
吸気側:可変バルブタイミング
ボア×ストローク
(mm)
82.0×75.6
3
総排気量(cm )
1,596
最高出力(EEC基準)
88 kW(120 PS)/6,200 rpm.
最大トルク
(EEC基準)
146 N・m(14.9 kgm)/4,200 rpm.
圧縮比
10.3:1
点火方式
デジタル式ダイレクトイグニッション、
ノックセンサー付き
燃料供給装置
マルチポイント式電子制御燃料噴射、
リターンレス配管
使用燃料
無鉛プレミアムガソリン
燃料タンク容量(R)
60
排出ガス浄化装置
三元触媒、
ラムダセンサー
Euro 3適合
●トランスミッション
形式
5速マニュアル
シンクロメッシュ
変速比
前進フルシンクロ
1速
3.909
2速
2.238
3速
1.520
4速
1.156
5速
0.919
後進
3.909
最終減速比
4.067
クラッチ形式
乾式単板
油圧作動式
− 38 −
2.0-16V
5MT
●ステアリング
形式
2.0-16V
SELESPEED
1.6-16V
5MT
油圧パワーアシスト付きラック&ピニオン
*
回転半径(m)
5.8
(*)
:メーカー参考値
●サスペンション
前輪
ダブルウイッシュボーン式独立懸架
リンク結合型スタビライザー
後輪
マクファーソンストラット式独立懸架
不等長トランスバースリンク
リンク結合式スタビライザー
●タイヤ/ホイール
タイヤ
アルミホイール
●ブレーキ
形式
205/55R16
195/60R15
6.5J×16
6.5J×15
X字型-2系統油圧式(バキュームサーボ付)
ABS+EBD
付加機構
●電装システム
VDC、MSR、HBA、ASR
前輪:ディスク
(外径)
ベンチレーテッド
(284 mm)
後輪:ディスク
(外径)
ソリッド
(251 mm)
バッテリー容量(Ah)
60
ACG最大出力(A)
●動力性能
(メーカー参考値)
ASR
50
105
最高速度(km/h)
208
195
0〜100km/h加速(秒)
9.3
10.6
0〜1km区間加速(秒)
30.2
31.8
CO2排出量(g/km)
210.9
194.1
− 39 −
THE CONTRIBUTION OF
FIAT GROUP COMPANIES
■グループ各社の貢献
独特の個性と天性のセンスを身にまとったプレミアムコンパクト。そして、装備、エンジン、メカニ
ズムのどの点でも最新テクノロジーを駆使した車。これがアルファ ロメオのエンジニアと熟練工ら
に求められたニューモデルの概要でした。目標達成のため、フィアット社は最良の資源を調達し、製
品開発から生産工程に至るまで、常に高い品質と信頼性での基準を確保。また、外部協力メーカー
をはじめ、Teksid(テックシッド)やMagneti Marelli(マニェーティ・マレッリ)、Fiat Research
Centre(フィアットリサーチセンター)などグループ会社とも良好な協力関係を築いてきました。
この協力関係が実を結び、革新的な解決策が次々と導き出され、同一カテゴリーでの新基準となる
ニューアルファ 147が誕生しました。
●Teksid(テックシッド)
Teksid(テックシッド)社は、子会社であるMeridian Technologies社を通じてイタリアのVerres
(ベレス)工場で、マグネシウム製フレームを生産。ニューアルファ 147用には、左、右ハンドル車共
にインストルメントパネル内部のフレームを納入しています。この特異なマグネシウム製フレーム
の最たる特徴は、高い剛性と抜群の振動吸収特性。そのため、一体成形型フレームを採用でき、車
内のきしみ音などを大きく軽減するだけでなく、側面衝突時の乗員保護効果も目を見張るものがあ
ります。また、卓越したステアリング剛性にも大きく貢献。アルファ ロメオ独自の特徴である、意
のままに操れ、なめらかでクイックなハンドルレスポンスを支える陰の立て役者です。スチール製
に比べ、約60%も軽量化を実現したことで燃料消費量も軽減でき、リサイクル率は100%を達成して
います。
インストルメントパネル内フレームにマグネシウム製を採用しているのは希有な例。これは、アル
ファ ロメオブランドと革新的なテクノロジーの融合を示すひとつのシンボルにもなっています。
− 41 −
●Magneti Marelli(マニェーティ・マレッリ)
Magneti Marelli(マニェーティ・マレッリ)は、ニューアルファ 147にとって、スポーティーや快適
性、安全性の点で最良の新型コンポーネントを提供しています。とりわけ、今回のニューモデルで
は同社の技術の粋を極めた、最新型の2ペダル式マニュアルトランスミッションであるセレスピー
ドユニットを採用。セレスピードユニットがアルファ ロメオの量産モデルに初めて採用されたこ
とは、同社の輝かしい技術水準の高さを象徴している一例と言えます。クイックレスポンスと信頼
性の高さで知られるセレスピードトランスミッションは、フェラーリ製F-1マシンテクノロジーの
直系産物。ゆえに、作動柔軟性や信頼性は抜群。また、リーズナブルな価格により、今日ではアル
ファ ロメオやマセラティをはじめ、中、小排気量エンジン搭載のスポーツモデルに広く採用され
ています。
ボディコンピューターも同社の最新テクノロジーにより製品化されたもの。この小さなコンピュー
ターは、直接あるいは間接的に多数の電源制御をコントロールし、その他多くの車載コントロール
ユニット(イモビライザーやリモコンキー、各種メーター類、燃料の残量表示など)と交信するこ
とで、多才な能力を発揮します。
さらに、マニェーティ・マレッリは試作とすべてのテストを含め、フロント用のダブルウィッシュ
ボーン式と、リアのマクファーソンストラット式をサスペンションユニットとして供給。これらの
ユニットは、正確で応答性のよいハンドリングの点で高く評価されているだけでなく、ニューアル
ファ 147では、乗り心地さえも大きく改善しています。
− 42 −
●Fiat Research Centre(フィアットリサーチセンター)
個性的でとどまることがないパフォーマンスを提供する車、つまり、いかなるすばらしい車を創り
出すにも革新的な手法が必要です。夢の車を設計するため、デザイナーやテストドライバーらと同
様、スポーツ志向のアルファユーザーの声も参考にしました。その結果、目を見張るダイナミック
パフォーマンス、ドライビングプレジャー、快適性をコンセプトにした競合モデルに負けないニュー
モデルが誕生。優れた保証制度のもと、すべてのドライバーに最大限の安全性、品質、信頼性を提供
します。
Fiat Research Centre(フィアットリサーチセンター)は、独特なアルファ ロメオブランドに合
わせ、斬新独自な設計手法を取り入れ、ニューアルファ 147の設計、生産チームを結成。設計や
試作、生産過程における評価ポイントや判定手法の主な例を以下に紹介します。
◆クオリティインデックス(QI)
ユーザーの評価と相関する車の技術的な特徴。その車がブランドの価値と一致してユーザーの要
望に応えているかどうかを示します。
◆作戦展開と目標達成率
エンジンやサスペンション、ボディ構造、インテリアなどに、ユーザーの要望と技術的なデザイン
目標を取り込んでいるか、どうかを示します。
◆各専門分野からの構造最適性
効率の高い構造を生み出す最適手法を用いることで、最高の性能と最小の質量(重量)を実現し
ています。
◆クラッシュ&バイオメカニカル手法
最良の乗員保護機能を有するパッセンジャーキャビンを提供し、万一のとき、無防備な歩行者や
サイクリストに対して危害が少ないソフトなフロントエンドを確保。弱者への配慮をもつ車のフ
ロント部分を形成しつつ、現在および将来の法規制をも考慮しています。
◆コンピューターを用いたエアロダイナミック特性
燃費や風切り音の低減を考慮しながら、可能な限り美しいエクステリアデザインを達成。インテ
リアでは快適性に貢献する最適な換気性能やエアコン性能を実現するための流体力学特性(エア
ロダイナミクス)を考慮しています。
◆NVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)
快適性向上のため、最小限のノイズ(騒音)とバイブレーション(振動)を達成。ノイズの少な
いパッセンジャーキャビンは、あらゆる運転条件下でのストレスや疲れを減らし、ドライバーに
心地よい空間を創り出し、集中力を高めます。
− 43 −
◆ダイナミックパフォーマンス(ハンドリング)
フィアットをはじめランチア、アルファ ロメオ車は、入念に設計されたサスペンションやステ
アリングシステム、ブレーキシステムを伝統的な特徴としており、どんな速度域においても、運
転して楽しく、意のままに操ることができることを約束しています。
◆経験にも基づく人間工学
スペース配分やインテリア(シート、内装トリムなど)
、プライマリー(運転に直結する主操作)系
やセカンダリー(快適装備品など補助操作)系のコントロールスイッチ、ドライビングポジション
を自由に調節可能とするドライバーとのインターフェイスは、効率的な設計のためにバーチャル
モジュールを駆使しています。また、人車一体感を実現するため、これらの要素については設計
初期の段階から丹念に吟味しています。
− 44 −