第1回 多治見市交通バリアフリー基本構想策定委員会 議事録

第1回 多治見市交通バリアフリー基本構想策定委員会
日
時:平成 24 年 8 月 3 日(金)10:00~12:00
場
所:多治見市 産業文化センター 中会議室(3階)
議事録
■策定委員
氏
名
1
磯部
友彦
2
安藤
秀章
3
水野
政和
4
宮木
幸英
5
土本
房子
6
肥田
和明
団体名・役職名
中部大学 工学部
都市建設工学科 教授
(財)岐阜県身体障害者福祉協会
多治見支部長
多治見市悠光クラブ連合会
副会長
宏
第 12 区 区長
8
小野
肇
第 19 区 区長
たつ子
10
若尾
和之
11
岩村
龍一
12
加納
正男
学識経験者
福祉団体関係者
市民団体関係者
多治見ながせ商店街女性部
部長
多治見市バリアフリー推進市民
委員会
津田
土岐
備考
ママズカフェ
7
9
選任区分
JR 多治見駅周辺
地域住民
公募市民
公募市民
東濃鉄道株式会社
乗合営業部次長
㈱コミュニティタクシー
代表取締役
岐阜県
多治見警察署交通第一課長
岐阜県多治見土木事務所
道路維持課長補佐
13
岡田
栄成
14
河田
祥則
多治見市 福祉課長
15
荻野
正道
多治見市 道路河川課長
1
公共交通事業者
関係行政機関の 代理
職員
伊藤
直幸
市職員
代理
秋山
登
■第1回 多治見市交通バリアフリー基本構想策定委員会 次第
1
挨拶(市長)
2
出席者紹介
3
委員会の設置目的の説明
4
委員長の選出
・委員長:磯部友彦
5
職務代理:安藤秀章
・本委員会の公開の承認
議題
(1)多治見市交通バリアフリー基本構想に向けて
(資料 01、資料 02、参考資料 01、参考資料 02)
(2)重点整備地区の位置および区域(案)と多治見駅周辺地区のバリアフリー整備進
(資料 03、資料 04)
捗状況について
(3)多治見市交通バリアフリー基本構想策定のためのアンケート調査の実施について
(資料 05、参考資料 03)
■議 事 録 (◎委員長、○委員、●事務局)
(1)多治見市交通バリアフリー基本構想に向けて
(資料 01、資料 02、参考資料 01、参考資料 02)
○委員
「障がい者」という表現は全国的な表現の仕方か多治見市だけであるか。また「害」の
漢字のイメージが良くないため「障がい者」となったと思うが、「障」の漢字も同様ではな
いか。また、「老人」という言葉は昔から敬語として使われていたが、なぜ「高齢者」とい
う言い方になってしまったのか。
●事務局
「障がい者」は、全国的に統一されつつある。多治見市では、全庁的に会議や書類等で
の表現は「障がい者」で統一する方針である。ただし、法律用語として「障害者」とされて
いる場合は、漢字のままとする。「高齢者」と「老人」については、法律でも「高齢者」と
取り扱われているため、本基本構想においても「高齢者」で統一する。
◎委員長
国の法律や制度の漢字表記はそのまま使わざるを得なく、
「高齢者、障害者等の移動等の
円滑化の促進に関する法律」であれば、これが正式なタイトルであるため、文字は変えられ
ない。そのため「障がい者」と「障害者」の両方が混在することになる。
○委員
私は障がい者であるが、
「障がい者」の表現の仕方について、個人的には気にしていない。
2
(2)重点整備地区の位置および区域(案)と多治見駅周辺地区のバリアフリー整備進捗状況
(資料 03、資料 04)
について
○委員
私は「多治見市バリアフリー推進市民委員会」の委員にもなっている。
「第 3 期バリアフ
リー推進計画」の既存計画と、これから策定する本基本構想との整合性を図るとされている
が、どのように擦り合わせるのか。
もう一点、
「重点整備地区の区域を決める」とあるが、その点については何の議論もなさ
れないのか。基本構想の内容として「心のバリアフリー」などもうたっていながら、重点整
備地区には土木建築に関するハード整備に偏ってはいないか。
●事務局
上位計画である第 6 次総合計画をはじめ、福祉や障がい者に関する計画など様々な関連
計画があり、それぞれの目標年度は一致していないが、全体の大きな流れを見据えながら、
それぞれの計画に応じた形で目標年度を設定することになる。
また、前回の平成 18 年の基本構想には「心のバリアフリー」について、具体的な進め方
について触れられていない。ただ単に、段差の解消を目指すだけでなく、人の手で補う意味
での「心のバリアフリー」ということを、今回の基本構想では取り上げていきたい。
全市でバリアフリー整備を実現することはすぐには難しいため、とりわけ重点的に行う
エリアを定め、そこから考え方や改良方法を全市に広げていくようなきっかけとなることも
含め、まずは重点整備地区について進めていきたい。
○委員
「心のバリアフリー」については、ハードありきという考え方にはとらわれないように
進めていくことを是非ともお願いしたい。
また、国からの補助については、どのようなことに対して補助金が下りるのか。
●事務局
前回の補助金のメニューとしては、JR多治見駅のバリアフリー施設ということでエレ
ベーターやエスカレーターの整備に 3 分の 1 の補助をいただいた。
現在、駅北の土地区画整理事業をしているが、社会資本整備総合計画の交付金のなかで、
特にバリアフリーの事業を挙げると工事費の 4 割の補助がいただけることになる。このよう
な補助金等も活用しながら、市からの財源を抑えて整備している。
○委員
総合福祉センターから多治見駅までの道路は利用者が少なく、多治見駅付近では、自転
車が散乱しているため、エレベーターまでの通路が見通せず、どの経路がエレベーターまで
辿り着けるのかわからない状況である。また、前回の基本構想では、多治見駅から市民病院
までの経路は堤防道路を通るようになっているが、人の通りが少ない道路よりも人通りが多
3
い道路を障がい者の方も通ってもらえば、周りの人も障がい者の方に声を掛けやすくなり、
心のバリアフリーにつながるのではないか。市民病院へ行く場合では旧 19 号線を整備し、
駅前から来られるようにできればと思う。
●事務局
福祉道路として、多治見駅から線路沿いを通る総合福祉センターまでの道路を、前回の
基本構想に位置づけて整備し、利用者が少ないが、安全な経路として整備をしているため、
多く利用していただければと思う。この経路とは別に、北側にバリアフリー化された歩道の
整備がほぼ完了しているため、こちらの利用者が増えたことも影響していると考えられる。
駅北のエレベーターへの動線については、近々、自転車の立体駐車場の整備と同時に、
散乱している自転車も整理するため、わかりやすい案内となるように工夫する。
また、駅から市民病院へ行く経路については、今年度、建設部ではバリアフリー化を図
った道路整備を予定しており、地域の方々のご意見をお聞きしながら、生活で多く使われ、
なおかつ安全な経路を市民病院まで誘導できる形をとれないかと思う。
◎委員長
市民病院までの経路は、川沿いの堤防道路を想定しているのか。
●事務局
平成 18 年の基本構想では、多治見駅から県道停車場線を真っ直ぐ南へ行き、陶都大橋の
北詰から堤防道路を使って市民病院へ入る経路としている。堤防へ上がる勾配がきつく、車
いすではとても上がれない道路であるため、福祉道路として問題がある。別の経路を選択し
なければならないことは認識しており、地域の方々の意見をお聞きしながら、経路を確定し
なければならないと思っている。
◎委員長
以前の法律では「道路法による道路」をバリアフリー化するという条文があるため、堤
防道路というのは、これに該当せず、特定経路の指定ができなかった経緯がある。
国の基準には達しないが、地域で工夫し、知恵を出し合うしかなく、思いやりや譲り合
いができれば、いろいろな道に生活関連経路としての可能性が出てくる。
車いす利用者として、多治見というまちやこの辺の道についてどう思われるか。
○委員
多治見のまちのバリアフリーは、道が良くても、最終的に目的地の店舗が利用できるか
が課題となっている。また、歩道の幅員 2mを確保することについても個人的には譲り合え
ばいいのではないかと思う。多治見市がバリアフリーに対して意識を向けているのならば、
歩道の幅員 2mという縛りではなくて、
「やさしいまちになること」が一つの指針となれば、
いい基本構想になるのではないか。
4
○委員
中が大変広くなっているオストメイトなど多機能トイレで学生が着替えに使用している
ところを見掛けたことがあり、誰のために多機能トイレがあるかを理解して欲しい。
また、障がい者(車いす)マークや高齢者マークはどこでも販売しているが、障害者手
帳を持っている方だけに配布していただけると非常にいいと思う。車いす用の駐車場に入る
時だけそのマークを貼って駐車している方を見掛ける。
障がい者が公共施設等のトイレの近くに駐車することができ、スムーズに移動できるよ
うに基本構想のなかで考慮していただきたい。
◎委員長
どのお店にトイレがあり、どこに車いす使用者用の駐車場があるかなどが分かる「車い
すマップ」がいろいろなところでつくられている。正しい使い方を周知、啓発するというこ
とが大切になる。周りを見て、自分が優先してもいいのか、他人を優先させなければならな
いのかという気持ちが譲り合いという話になり、すべて通じるのではないか。
○委員
駅北が開発され、白山神社から安養寺までの通りにあった信号機が駅の方へ移設された。
現在の信号機で右折できないため、以前の信号機があった交差点を右折し、通り抜けの車が
非常に多く、その通りは精華小学校の通学路であるため、朝は非常に危険な状態であり、児
童の母親や学校の先生方が見守りを行っている。警察からは「近い距離に信号機2つは付け
られない」ことを聞いた方もおり、以前の場所に信号機の設置はできないかお聞きしたい。
是非、子どもたちが安心して横断できるような工夫をお願いしたい。
◎委員長
通学路での事故は全国的にも話題となっており、通学路と今回のバリアフリーは同時に
考えていく必要がある。
●事務局
都市計画部のなかに区画整理課があり、現在、工事を進めている。通学路となる道路は
まだ完成していないため、まずはその道路を完成させることが一つである。安全な経路とし
て新しい信号機を通ることを勘考できないかと思う。いずれにしても、安全な経路を通って
いただけるような方向で学校とも調整したい。
○委員
新しい信号機と以前の信号機の間隔は 100mもない。そこに信号機を設置して制御すると
渋滞が起こり、歩行者にも危険が及ぶことが想定される。現在は土地区画整理事業中の道路
で、現在は正十字路であるが、最終的にはT字路になる計画であると聞いている。
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ただし、今の状態では危険であり、真ん中にポストコーンを立てて右折や左折ができな
いように、警察の方から区画整理課の方へ提案をしているが、まだ話がまとまっていない。
市の方で努力していただいている状況である。
○委員
土地区画整理事業をしている駅北には、公共のコミュニティ広場とコミュニティホール
の2つができると聞いている。それに関して、現在の多治見駅のコンコースを伸ばし、突き
当りにエレベーターを設けて、両サイドからコミュニティ広場やコミュニティホールにも行
けるようにしていただきたい。
●事務局
その内容については「水と緑の委員会」を立ち上げて検討を進めている。分庁舎と保健
センターが入る公共公益施設を、広場の北側に建設しようとしており、そのコミュニティ広
場の土地は、元々は複合施設を計画しており、その複合施設内を歩かせることを考えていた
が、その建築構想自体が中断しており、どうなるかわからない状況である。これが具体化し
てくるとそのままの構想になるかと思うが、建築を行わないということがあれば、ご提案の
あった自由通路を延長するような形にもなるかもしれない。
公共公益施設は生活関連施設になると思うが、その生活関連施設と自由通路の間は生活
関連経路になるため、当然、バリアフリー化を図るということになる。
○委員
2 歳と 5 歳の子どもを連れて実家のある音羽町から太平町(総合福祉センター)にいくこ
とがあるが、以前の道路(市道 413200)は子どもを連れて歩くには怖かったため、一本、
奥の道路を通っていた。いまは道路を広く整備していただいたため、その道路(市道 413200)
を通って総合福祉センターへ通っている。
法律では、歩道 2mの道路を重点的に整備することとあったが、確かにそんなに広い道路
は必要ないかもしれない。しかし、小さな子どもを持つ親の目線としては、子どもと手をつ
ないで安心して歩くことができる道路や、お年寄りや車いすで生活されている方にも安全な
道路をつくっていただきたい。
◎委員長
弱者となるとお子さんや子連れの方も対象となる。道幅の話も車いすの方を基準とする
と「1m+1m」であるが、手をつないで横に歩く幅も必要となる。いろいろな場面を想定し
た横幅があることを考えながら整備していかなければならない。
6
(3)多治見市交通バリアフリー基本構想策定のためのアンケート調査の実施について
(資料 05、参考資料 03)
○委員
アンケート配布者のなかで、特に視覚障がい者の方は歩くことに対して意見があると思
うため、配慮してアンケートを出していただきたい。配布の際は、点字等による対応をお願
いできればと思う。
●事務局
それぞれ対象者の方の中から無作為に抽出することになる。点字やスピーチオによる対
応を考えている。
○委員
アンケートは本人が答えるのか。アンケート内に専門的な言葉も出てくるため、できる
限り大きな字で、ふりがなを付けていただければ、多くの方が回答できると思う。
●事務局
原則、本人としているが、障がいの状況などによりお答えできない場合は、付添いの方
が代わりにご記入していただくなどして、ご協力いただければと思う。
○委員
視覚障がい者宛の点訳をしているが、スケジュール的に点字は間に合わないため、音声
での対応でお願いしたい。
○委員
調査票 1,080 票を送って本当に戻ってくるのか、
これが適正な数字なのかが心配である。
また、手間の掛かることではあるが、アンケートと並行してヒアリングを実施した方が
いいのではないか。直接お伺いして、話を聞くということも必要である。
●事務局
アンケートの返信は半数を超えるとみている。統計学的に約 1,000 件中の返信が 50%超
であれば一定の有意性はあると想定している。
また、ヒアリング等の実施については、当事者や市民の方の意見を多く取り入れるとい
うことが規定にあるため、年間スケジュールを考えながら実施することを検討する。
○委員
アンケート内容を基本構想に反映されるということで、多治見市では 3,000 人以上の利
用者に達しているJR多治見駅周辺のみを重点整備地区の対象とするとしておきながら、ア
ンケートでは他の地区について答える選択肢が見られる。「よく利用する施設」を生活関連
7
施設の選定に反映するのであれば、JR多治見駅周辺に絞ったアンケートで集約されたらど
うか。答えていただいても、それが反映されないようなアンケートは意味がないように思う。
アンケートの結果を多治見市交通バリアフリー基本構想のためだけではなくて、今回と
は別のステージで意見を反映することであれば、その実施する効果はあると思う。
●事務局
本基本構想に特化させるのか、他のところでも利用するのかについては、精査させてい
ただき、その結果については委員長と事務局に任せていただきたい。
◎委員長
多治見市の中心地である駅周辺は、近くに住む方も利用するが、遠くから来られる市民
の方も利用することから、広い範囲で意見を聞くことに意味はあり、有効に活用はできると
思う。アンケート(案)は慎重に練っていただき、実施を進めていきたいと思う。
以上
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