川 崎 市 議 会 定 例 会 会 議 録 【 速 報 版 】

平成19年(2007年)第2回川崎市議会臨時会会議録
第1日(5月21日)
平成24年6月15日(金)
平成24年(2012年)
第2回
川 崎 市 議 会 定 例 会 会 議 録
【
速
報
版
】
( 第 3 日 )
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
議事日程
第1
議案第88号
川崎市個人市民税の控除対象となる寄附金を受け入れる特定非営利活動
法人の基準等に関する条例の制定について
議案第89号
川崎市小児医療費助成条例の一部を改正する条例の制定について
議案第90号
川崎市保育園条例の一部を改正する条例の制定について
議案第91号
川崎市視覚障害者情報文化センター条例の制定について
議案第92号
川崎市地区計画の区域内における建築物等の形態意匠の制限に関する条
例の一部を改正する条例の制定について
議案第93号
川崎市地区計画の区域内における建築物に係る制限に関する条例の一部
を改正する条例の制定について
議案第94号
川崎市消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例の制定につい
て
議案第95号
川崎高等学校及び附属中学校等新築工事請負契約の締結について
議案第96号
川崎高等学校及び附属中学校等新築電気設備工事請負契約の締結につい
て
議案第97号
川崎高等学校及び附属中学校等新築空気調和設備工事請負契約の締結に
ついて
議案第98号
川崎港コンテナターミナル・コンテナクレーン製作工事請負契約の締結
について
議案第99号
仮称新川崎地区産学官共同研究施設クリーンルーム整備工事請負契約の
変更について
議案第100号 市道路線の認定及び廃止について
議案第101号 黒川地区小中学校新設事業の契約の変更について
議案第102号 川崎市立小学校及び聾学校冷房化等事業の契約の変更について
議案第103号 訴えの提起について
議案第104号 訴えの提起について
議案第105号 訴えの提起について
議案第106号 訴えの提起について
議案第107号 訴えの提起について
議案第108号 訴えの提起について
議案第109号 訴えの提起について
議案第110号 訴えの提起について
議案第111号 訴えの提起について
議案第112号 訴えの提起について
議案第113号 川崎市下作延中央保育園の指定管理者の指定についての市長の専決処分
の承認について
議案第114号 訴訟上の和解について
議案第115号 和解について
議案第116号 和解について
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
速報版
議案第117号 和解について
議案第118号 和解について
議案第119号 和解について
議案第120号 和解について
議案第121号 和解について
議案第122号 和解について
議案第123号 和解について
議案第124号 和解について
報告第2号
平成23年度川崎市一般会計繰越明許費繰越額の報告について
報告第3号
平成23年度川崎市一般会計事故繰越し繰越額の報告について
報告第4号
平成23年度川崎市港湾整備事業特別会計繰越明許費繰越額の報告につい
て
報告第5号
平成23年度川崎市病院事業会計継続費繰越額の報告について
報告第6号
平成23年度川崎市病院事業会計予算繰越額の報告について
報告第7号
平成23年度川崎市下水道事業会計予算繰越額の報告について
報告第8号
平成23年度川崎市水道事業会計予算繰越額の報告について
報告第9号
平成23年度川崎市工業用水道事業会計予算繰越額の報告について
報告第10号
平成23年度川崎市自動車運送事業会計予算繰越額の報告について
報告第11号
川崎市情報公開条例第35条の規定による運営状況の報告について
報告第12号
川崎市個人情報保護条例第41条の規定による運営状況の報告について
報告第13号
川崎市審議会等の会議の公開に関する条例第11条の規定による運営状況
の報告について
報告第14号
地方自治法第180条の規定による市長の専決処分の報告について
第2
請願・陳情
第3
議案第125号 川崎市男女共同参画センターの指定管理者の指定について
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付議事件
議事日程のとおり
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速報版
出席議員
平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
(59人)
41番
廣
田
健
一
1番
小
川
顕
正
42番
石
田
康
博
2番
小
田
理恵子
43番
浅
野
文
直
3番
竹
田
宣
廣
44番
大
島
4番
押
本
吉
司
45番
石
田
和
子
5番
添
田
勝
46番
宮
原
春
夫
6番
三
宅
隆
介
47番
市
古
映
美
7番
猪
股
美
恵
48番
竹
間
幸
一
8番
川
島
雅
裕
49番
東
正
則
9番
田
村
伸一郎
50番
潮
田
智
信
10番
原
典
之
51番
飯
塚
正
良
11番
青
木
功
雄
52番
雨
笠
裕
治
12番
橋
本
勝
53番
花
輪
孝
一
13番
大
庭
裕
子
54番
菅
原
14番
勝
又
光
江
55番
後
藤
晶
一
15番
為
谷
義
隆
56番
岩
崎
善
幸
16番
松
川
正二郎
57番
嶋
崎
嘉
夫
17番
月
本
琢
也
58番
鏑
木
茂
哉
18番
木
庭
理香子
59番
矢
澤
博
孝
19番
吉
田
史
子
60番
坂
本
20番
露
木
明
美
21番
河
野
ゆかり
22番
浜
田
昌
利
23番
かわの
忠
正
24番
林
浩
美
26番
松
原
成
文
27番
吉
沢
章
子
28番
山
崎
直
史
29番
井
口
真
美
30番
佐
野
仁
昭
31番
石
川
建
二
32番
斉
藤
隆
司
33番
岩
隈
千
尋
34番
山
田
益
男
35番
織
田
勝
久
36番
粕
谷
葉
子
37番
吉
岡
俊
祐
38番
山
田
晴
彦
39番
岡
村
テル子
40番
沼
沢
和
第3日(6月15日)
明
進
茂
-------------------
欠席議員
25番
明
- 99 -
(1人)
尾
作
均
平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
速報版
第3日(6月15日)
出席議会局職員
出席説明員
長
阿
部
孝
夫
局
小金井
勉
副 市 長
砂
田
慎
治
総務部長
安
藤
勲
副 市 長
三
浦
淳
議事調査部長
野
村
正
人
副 市 長
齋
藤
力
良
病院事業管理者
秋
庶務課長
福
井
和
彦
月
哲
史
上下水道事業管理者
議事課長
石
塚
秀
和
平
岡
陽
一
政策調査課長
鈴
木
和
恵
総務局長
船
橋
兵
悟
議事係長
小
泉
幸
弘
総合企画局長
飛
彈
良
一
財政局長
小
林
隆
議事課担当係長
山
本
市民・こども局長
山
﨑
茂
議事課担当係長
鈴
木
こども本部長
岡
本
隆
経済労働局長
伊
藤
環境局長
稲
垣
正
健康福祉局長
木
村
実
まちづくり局長
金
子
弘
建設緑政局長
大
谷
雄
二
港湾局長
大
村
研
一
川崎区長
豊
本
欽
也
幸 区 長
森
下
和
子
中原区長
板
橋
洋
一
高津区長
秋
岡
正
充
宮前区長
石
澤
桂
司
多摩区長
池
田
健
児
麻生区長
瀧
峠
雅
介
会計管理者
鈴
木
交通局長
田
巻
耕
一
病院局長
三
浦
政
良
消防局長
福
井
昭
久
山
敏
子
正
人
邊
直
美
田
充
邦
井
出
長
生
代表監査委員
松
川
欣
起
監査事務局長
桑
原
賢
治
人事委員会委員長
金
作
幸
男
人事委員会事務局長
間
中
一
彦
市
和
良
孝
市民オンブズマン事務局長
栗
教育委員会委員長
峪
教 育 長
渡
市選挙管理委員会委員長
山
選挙管理委員会事務局長
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- 100 -
長
縁
智
晴
外関係職員
-------------------
速報版
平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
午前10時0分開議
〔局長「ただいまの出席議員議長とも59人」と報告〕
○議長
大島
明
昨日に引き続き、会議を開きます。
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○議長
大島
明
本日の議事日程を報告いたします。本日の議事日程は、お手元に配付
してあります議事日程第3号のとおりであります。(資料編*ページ参照)
-------------------
○議長
大島
明
これより日程に従い、本日の議事を進めます。
-------------------
○議長
大島
明
日程第1の各案件を一括して議題といたします。
昨日に引き続き、各会派の代表質問を行います。民主党代表から発言を願います。33番 、
岩隈千尋議員。
〔岩隈千尋登壇、拍手〕
○33番
岩隈千尋
私は、民主党川崎市議会議員団を代表して、平成24年第2回川崎市議
会定例会に提案された諸議案並びに市政一般について質問を行います。
まず、質問に入る前に、今月6日に薨去あそばされた寬仁親王殿下に対し、謹んで哀悼
の意を表します。
さて、市長は定例会冒頭に、直近の人口増、並びに本年は政令指定都市移行40周年と記
念すべき年であるということを述べられました。振り返ってみると、本市が札幌市、福岡
市とともに 政令市に移 行した1972年―昭和47年は、札 幌冬季オリ ンピックに 始まり、 浅
間山荘事件、沖縄返還、田中角栄内閣発足、そして日中国交正常化など、国内外において
ま さ に 激 動 の 年 だ っ た と 言 え る で し ょ う 。 当 時 約 98万 人 だ っ た 本 市 の 人 口 は 、 現 在 143万
7,000人に達しています。本市は他都市と比べ、財政力指数も比較的高く、高齢化率も全国
平均を下回っておりますが、今後、急速な高齢化が推測されます。現在、国において社会
保障と税の一体改革の議論が大詰めを迎えておりますが、社会保障改革や事業の無駄削減
等を通じて税財源を確保し、制度の長期的な基盤確立、現役世代の将来不安を払拭すると
いった我が党の理念を今後ともしっかりと堅持することを表明し、以下質問に移ります。
まず、地方分権と新たな大都市制度の創設、特別自治市について伺います。真の分権型
社会を構築するため、それぞれの地方公共団体がさまざまな地方制度を選択し国と連携す
る姿勢は、我が会派も強く推進するところです。最初に、義務づけ、枠づけの見直しに伴
う関係条例の整備について伺います。市長は、さらなる権限移譲や義務づけ、枠づけの見
直しなどを国に要求していくと発言されましたが、分権型の条例体系と自治体の政策を事
務の側面から体系化する基本の考え方について伺います。
次に、これまでの代表質問において、大都市制度特例事務に係る税制上の措置不足額等
について質疑し、権限と税財源について議論してまいりました。指定都市市長会では、新
たな地方税制と財政調整について、都道府県税を特別自治市が一括徴収する点を強調して
います。同じ特別自治市構想を主張する横浜市の諮問機関は、県からの独立で経済効果5
兆円、県職員1,200人の削減を試算し3月末に公表しましたが、本市の場合はどれほどにな
ると想定しているのか伺います。また、新たな税制を確立した場合の本市のメリットにつ
いても伺っておきます。
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
速報版
横浜市の発表に触発されたのか、黒岩神奈川県知事は翌月、県全体を特区として規制緩
和を進め、1国2制度のような神奈川独立国構想を突如発表しました。前述した税制の問
題も含め、本市の目指す方向性とは一線を画すものですが、市長の率直な見解と、今後、
県から協議を投げかけられた場合の対応について伺います。これについては昨日の他会派
とのやりとりで理解しましたので、答弁は結構です。
市長は、第30次地方制度調査会第7回専門小委員会において、その一例として、特別自
治市になると県議会議員が不要になる点や、一部の市議が県議を兼務する形など、議会制
度について画期的な案を述べられていました。今後、特別自治市構想の中に新たな議会制
度について言及するのか伺います。次に、現在国においては、仮称大都市地域における地
方公共団体の設置等に関する特例法案、いわゆる大阪都構想を念頭に置いた法案が実現さ
れようとしています。この法案が新たな大都市制度の創設にどのような影響を及ぼすと認
識しているのか伺います。
次に、市職員の綱紀の粛正について伺います。先日、市立川崎病院の職員による覚せい
剤取締法違反、自動販売機設置料金の横領が発覚し、それ以外にも強制わいせつ、住居侵
入、窃盗等の犯罪から生活保護受給者の個人情報紛失など、職員による不祥事が多数発生
しています。そこで、市職員の綱紀の粛正を図る必要があると考えますが、市長の見解を
伺います。
次に、川崎縦貫高速鉄道整備事業と総合都市交通計画について伺います。およそ2年を
経て、新技術による川崎縦貫鉄道整備推進検討委員会の提言書が公表されました。我が会
派はこれまで、地下鉄事業からの脱却、横浜市営地下鉄3号線延伸等既存路線の活用、南
武線の輸送力向上を求めてまいりましたので、今回の結果は容易に予測できたものと認識
しております。市長は2009年の市長選において、計画推進と建設費の3割削減をマニフェ
ストに掲げていましたが、これも検討委員会により、現段階では不可能であることが証明
されました。市民へ掲げた公約です。これに対する市民への説明責任と本事業の凍結を任
期中に表明すべきと考えますが、伺います。
また、総合都市交通計画骨子案も公表されましたが、計画の目標年次はおおむね20年後
としますと明記されています。一方、地下鉄に関しては、検討委員会より、おおむね25年
以上の時間を要すると書かれております。当局は、地下鉄事業に関し中長期的に位置づけ
る旨伺っておりますが、総合都市交通計画の目標年次以内に事実上不可能な地下鉄事業を
盛り込むことは、実効性のある施策になるとは考えられません。これらの整合性について、
これは計画を統括しております齋藤副市長に伺います。
次に、震災瓦れきの広域処理について伺います。市長はこれまで、震災瓦れきの広域処
理について他の自治体に先駆けて受け入れを表明し、さきの定例会においても、私は、か
ねてより、被災地の早期の復興に向けましては災害廃棄物の処理が不可欠であり、国のリ
ーダーシップにより、全国的な協力体制のもと、広域処理を推進していくことの必要性を
訴えてまいりましたと答弁した上で、できるだけ早期の受け入れに協力したい旨、改めて
表明しています。しかしながら、先月17日の記者会見では、環境省による災害廃棄物推計
量の見直しが進む中で、もう1年以上がたち、現地で処理する道筋ができる時期、今ごろ
になって処理できないという瓦れきがどのくらい出てくるのか疑問に思っているとし、東
北地方だけで処理できると理解していると述べたと報道されました。県や県内政令市が被
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速報版
平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
災地との新たなマッチングについて協議している中、このような誤解を生じかねない発言
をしたことについて市長の発言の真意と見解を伺います。
次に、防災対策全般について伺います。これまで喫緊の課題であると指摘してきた臨海
部防災対策です。市長は九都県市首脳会議の場で、臨海部石油コンビナートの減災対策促
進に向け、共同研究会を提案したと仄聞しております。そこで、本市の臨海部防災対策を
行う上で、法に基づく全体の統括責任は県にあるものの、一朝有事の際の具体的な防災・
減災対策は事実上本市が担っております。この間も、県と本市の具体的な役割分担の明確
化を求めてきました。現段階の内容について伺います。県の新たな津波予測を受け、本市
の津波浸水予測及び海岸保全施設への影響はないのか伺います。また、今年度末までに、
石油コンビナートを初め臨海部全体の防災計画を策定すると伺っておりますが、その全体
計画と進捗状況について伺います。
これまで我が会派の代表質問において、陸閘の整備の方針が示されました。本年度2カ
所整備するということですが、すべての整備が終了する計画年次をお示しください。
次に、帰宅困難者対策について伺います。先日、市は、公共施設における一時滞在施設
を17カ所指定しました。昨年9月には、市内主要駅周辺の民間事業者に提供の可否に係る
意向調査を行ってきましたが、協定の締結等の進捗状況を伺います。あわせて、主要駅に
おける駅前滞留者対策について、JRや私鉄各線との備蓄物資の置き場等の連携状況並び
に今後の展開を伺います。次に、情報提供のあり方ですが、可能な限り帰宅困難者を発生
させないために、家族の安否情報、交通機関や幹線道路に関する情報が不可欠です。こう
した情報提供のあり方について具体的にどのような検討を行っているのか伺います。次に、
帰宅困難者の移動手段としてのバスネットワークについて伺います。3・11発生当日は、
一部の市バス路線のみ終夜運行していました。今後、民間バス事業者との連携も必要と考
えますが、見解を伺います。
次に、災害時における市役所、区役所の電力供給について伺います。市役所庁舎及び区
役所庁舎の非常時における電力確保の状況ですが、非常用エレベーター、消火ポンプ、非
常用照明、庁内イントラシステムなどの最低限の稼働のために約10時間分の電源を確保し
ておくのが一般的であるということですが、それぞれの庁舎における非常用電力確保の目
的とその時間設定の根拠について伺います。また、さきの震災後に市庁舎の電力確保に対
する基本的な考え方や対策において見直しが行われた結果であるのかどうか、現状を適切
な内容であると考えているのかどうか、見解を伺います。
次に、殿町国際戦略拠点について伺います。KING SKYFRONT地区に移転が決
定した国立医薬品食品衛生研究所は、国と川崎市が土地を取得し、建設を進めることとし
ていますが、土地取得が複数年にわたるため、移転による波及効果等を考慮すると、取得
を前提に建設を前倒しする、または取得が終了した部分から先行して建設を進めるなどの
手法も検討すべきと考えますが、見解と今後のスケジュールについて伺います。次に、平
成23年度は土地取得のため国の予算措置が実施されましたが、平成24年度以降の殿町国際
戦略拠点に対する国費の投入見込みについて伺います。次に、B地区における国立医薬品
食品衛生研究所以外の施設立地状況の見通しについて伺います。次に、現在建設中の仮称
産学公民連携研究センターで、企業や大学等が入居できるレンタルラボの募集を行ってい
ますが、入居者へのインセンティブ等の内容及び現時点での応募状況について伺います。
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次に、隣接する大田区とのかかわりについて伺います。大田区では、旧荏原製作所跡地に
大規模な宅配便配送センターが建設され、区内の交通に大きな影響を及ぼすと仄聞してい
ます。こうした中で連絡道路の必要性が増してきていると考えますが、現時点における大
田区、川崎市にかかわる交通課題についてどのような調整、検討を行っているのか伺いま
す。
また、5月28日に行われた新川崎・創造のもり、NANOBIC新館完成披露式典に大
田区の副区長が来賓として出席されました。議会として、大田区のものづくりと川崎市の
ナノテク・ライフサイエンス分野との連携について積極的に促進するよう求めてまいりま
したが、産業連携についてどのような取り組みがされているのか伺います。
次に、5月24日に公益財団法人実験動物中央研究所と川崎市との連携協力に関する基本
協定が締結されましたが、協定の目的と内容、実験動物中央研究所が稼働して1年近くが
経過した時点で基本協定締結に至った経緯について伺います。次に、課題である殿町3丁
目への交通アクセスの改善やA地区の研究開発、業務、商業、レクリエーション、交流機
能等の整備についての進捗状況を伺います。
次に、新川崎地区について伺います。新川崎地区では、A地区において8社の企業進出
が決定し、創造のもり第3期事業としてNANOBIC研究棟の竣工、また、9月の竣工
を目指しクリーンルーム棟の建設が急ピッチで進められています。今後、研究施設や企業
等の連携強化のため、新川崎地区を中心とした関係機関の組織化を検討していると仄聞し
ていますが、具体的な内容について伺います。次に、NANOBICクリーンルーム棟で
は500平米の増設が可能な設計となっていますが、活用をどのように考えているのか伺いま
す。その際、クリーンルームの仕様として清浄度がクラス100あるいはクラス1万のどちら
を基本として想定しているのか伺います。次に、現在のところ、4大学コンソーシアム、
東京大学と日本アイ・ビー・エムの講座、パナック株式会社、地元企業のサイヴァクス株
式会社の入居が決定していますが、今後の誘致の考え方、とりわけ市内企業誘致のアプロ
ーチをどのように進めていくのか伺います。また、あとどのくらいのキャパシティがある
のか伺います。
次に、市税事務所の再編後の経過について伺います。昨年12月から再編して半年を経過
した現時点において、当初心配されていた混乱はないのか、あわせて成果と課題について
伺います。他都市と比べ、比較的少ない徴税事務員の人員の見直しは検討しないのか伺い
ます。
公契約条例と入札契約制度の見直しについて伺います。昨年4月に、政令市の第1号と
して本市の公契約条例が施行されました。4月1日以降に入札の公告と指名がなされ、対
象となった契約数は、特定工事請負契約が15件、特定業務委託契約が34件とのことです。
特定工事、特定業務それぞれについて、条例施行の効果について伺います。特定工事につ
いては、最大の眼目とされた重層下請労働者の作業報酬下限額策定の実施と、この賃金支
払いの実行についての確認、賃金台帳の把握の実態、さらに作業報酬額を労働者本人が確
認を行った事実の有無の確認について伺います。特定業務については、作業報酬下限額を
請負金額全体の中で調整することを目的に、労働者の雇用の形態を常勤職員から非常勤、
パート化して総人件費の削減を図るのではないかといった懸念を指摘してきました。この
1年間の条例施行を受けて、この問題点の指摘について本市としての見解を伺います。
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
次に、入札契約制度の見直しについて伺います。我が会派は昨年度、積極的に入札契約
制度改革について提言を行ってまいりました。この3月に、設計積算事務適正処理検討委
員会の報告書として一定の成果が示されたと評価します。この報告書の実施状況について
は、今後の取り組みについての効果の検証を本年度末に再点検を行うとしています。この
委員会における提言として、設計積算業務に当たる技術職員を工事担当部署以外に異動さ
せることなく、全体のバランスも考慮しつつスペシャリストとして育成するとされていま
す。この指摘事項について、技術系職員の育成と異動について、この4月の人事異動、配
置についてどのように反映されたのか伺います。今後の取り組みについても具体的に伺い
ます。
次に、子育て支援と待機児童対策についてこども本部長に伺います。平成23年3月に策
定された第2期川崎市保育基本計画に基づき、本年4月においては前年より1,585人の認可
保育所の定員増を図ったものの、利用申請者の伸びもあり、615人の待機児童を数えるに至
りました。待機児童にカウントされない認定保育園など認可外の本市の保育施策で対応し
ている児童数は1,274人に上り、認可保育所による利用ニーズでは限界があり、認可外保育
施設等による対応の必要性が改めて明らかになりました。そこで、本市が昨年に打ち出し
た認可外保育事業の再構築に向けた取り組みについて何点か伺います。平成23年6月に設
置された全庁的なワーキンググループの議論の経過と成果について伺います。これと別に、
認可外保育事業再構築検討委員会については本年5月22日に第1回の会合を開催したとの
ことですが、当面の課題と平成24年度秋の基本方針の策定に向けての進捗状況を伺います。
ここでの論議と全庁的なワーキンググループでの論議との関連についても伺います。認可
外保育事業再構築検討委員会の中で認可外保育施設の一元化が議論されていると仄聞しま
すが、狭義で地域保育園と言われる川崎型認定保育園以外の認可外保育施設も対象になる
のか伺います。
次に、川崎駅西口まちづくりについて伺います。現在、堀川町C地区に建設中の仮称ラ
ゾーナ川崎東芝ビルについて、スマートコミュニティ事業に関する部門を集結し、スマー
トコミュニティセンターとして整備するとの記者発表がありました。計画当初、本社機能
の一部が移転とのマスコミ報道や、平成22年第3回定例会で我が会派同僚議員の質問に対
し、床面積から算定した就業人口8,000人から1万人の想定で、約4億円を超える税収増や
年間約44億円余の経済効果が見込まれるとの答弁がありましたが、今回スマートコミュニ
ティセンターに至った経緯について、本市としてどのように把握されてきたのか伺います。
次に、西口地区整備事業の中で、2階レベルですべての街区にアクセスできるよう各街区
を歩行者デッキ等で連結するとした街並み形成について、当該地区とミューザ川崎を結ぶ
ペデストリアンデッキの位置、規模、形状等について、関係者との協議経過と進捗状況に
ついて伺います。次に、大宮町A-2街区について伺います。さきの12月議会で、シティ
ホテルの誘致については川崎駅周辺を最優先で進める、大宮町A-2街区についても候補
地として積極的に働きかけていくとの答弁をいただきましたが、現在の協議状況について
伺います。また、JR東日本の変電所移設の状況についても伺います。次に、JR川崎駅
へのアクセス向上と東西自由通路の混雑緩和、駅東西の利便性、回遊性等の向上を図るた
め北口自由通路の整備が進められていますが、1日の乗降客37万人の駅としては、もう1
カ所、南口改札の新設を要望する声が川崎駅東口・西口商店街や駅周辺住民の方々から多
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く寄せられています。北口自由通路新設と並行して計画を進めることは厳しい状況である
とは思いますが、既にある東西連絡歩道橋や駅構内の東海道線、京浜東北線、南武線の連
絡通路を活用すれば実現性の高い計画であると考えますが、見解を伺います。
次に、浮島第1期埋立地に保管され、日々ふえ続けている一般廃棄物の焼却飛灰並びに
下水汚泥焼却灰について伺います。まず、水溶性セシウムを含む一般廃棄物の焼却飛灰で
すが、本市では最終処分場が海面埋め立て方式のために、埋め立てた後に外洋に排出する
海水から溶け出たセシウムを取り除く必要があります。そういった中で、ゼオライトや同
鉱物をまぜ合わせたしっくい、放射性物質を吸収する布等、新しい技術が研究機関や大学
で開発されてきており、その実用化に期待が高まっています。我が会派も、これまで議会
の中でこの問題を取り上げてまいりました。そういったことから、国立環境研究所と共同
研究を進めるとともに、国と協議を重ねているとのことです。そこで、現在の進捗状況に
ついて伺います。また、特定産業廃棄物に指定され、自治体が処分するとされる1キログ
ラム当たり8,000ベクレル以下の下水汚泥焼却灰の処分方法については、セメント原料化や
埋め立て方式など幅広に検討するとともに、安全性を第一優先に、国や他都市の動向を注
視しながら慎重に進めるとしていますが、上記のような共同研究が進んだ場合、同じよう
に最終処分場での埋め立ても可能と考えますが、見解を伺います。
次に、川崎市一般廃棄物処理基本計画行動計画改定案について伺います。この計画案で
は、特に重要な施策を新たに4つの最重点施策として位置づけていますが、その効果につ
いて伺います。特に、その最重点施策の中に普通ごみの収集回数の見直しを検討していま
す。平成19年4月の見直しで週4回から3回に変更し、平成25年度から週3回から2回に
変更することとしています。環境意識の向上等のメリットがある反面、市民にかかるその
負担はとても大きく感じます。市民の合意のあり方と意見集約の方法について伺います。
また、環境負荷低減の指数だけでなく、今回の改定案には載っていない効率的な事業体制
を示す職員数や人件費の見込み、適正化を図るとする収集車両数等を市民に提示すること
が理解を得るために必要ではないかと思いますが、見解を伺います。さらに、ごみの減量
化に不可欠なミッスクペーパー及びプラスチック製容器包装分別収集の実績について、現
況と収集計画量、計画量に満たない場合の対応、広報体制について伺います。
次に、高齢者施策について伺います。第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画で
は、介護保険給付費の推計を、本年度600億円台から平成26年度にはおよそ740億円になる
と見積もられています。さらに、要支援・要介護認定者数の大幅な見込み増などさまざま
な課題がある中、制度の持続性について本市はどのようにとらえているのか、今後の施策
に対する見解を伺います。また、現事業計画を見ると、平成26年度において小規模特養施
設の新規計画はなく、施設から在宅へという国の基本的な考え方から、次期第6期事業計
画では介護施設整備を縮小する計画なのではとの懸念もありますが、今後の施設計画につ
いて伺います。また、本年度より介護保険事業者の指定権限が都道府県から市町村に移譲
されました。介護事業者への営業許可権限を本市は担ったわけですが、介護の量の充実か
ら質の充実が求められる中、特に本市がその権限を適切に運用できることは何か伺います。
次に、生活保護制度全般について伺います。生活保護受給世帯の増加とともに、不正受
給も平成22年度ベースで2億円を超えるなど、制度運用の適正化は喫緊の課題となってい
ます。今年度、本庁の保護指導課が生活保護・自立支援室となり、就労自立支援等が強化
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されていますが、拡大、増加する業務に対し、現在の10人体制では手薄感が否めません。
生活保護・自立支援室の人員体制の一層の強化を検討すべきと考えますが、見解を伺いま
す。また、警察官OBが1名配置されましたが、どのような役割を果たしているのか伺い
ます。今後の方向性についても伺っておきます。不正受給や親族扶養については、芸能人
を初め各方面で問題になっています。厚生労働省は、給付の適正化のため、地方自治体に
よる調査権限の拡大や不正受給に対する罰則強化も検討していますが、本市ではどのよう
な対応が考え得るのか伺います。親族扶養について、現行の生活保護法のもとでは、扶養
義務者がいるにもかかわらず生活費の負担等の協議が調わない場合には、自治体は家庭裁
判所への申し立てを活用することが定められていますが、本市は過去にどれだけ活用して
きたのか伺います。また、運用上の問題点についてもあわせて伺っておきます。不正受給
者の年代や属性等の内訳について、一部では高校生の比率もそれなりに高いと仄聞してお
りますが、本市の実態について伺います。
次に、第3次かわさきノーマライゼーションプランに関連して何点か伺います。我が会
派は、これまでも親など扶養者の高齢化に伴い、障害者が住まいと生活支援を一体的にサ
ービスとして提供されるグループホームやケアホームの増設、さらには居宅において介護
を行う方の一時休息、いわゆるレスパイト的な意味合いから、身近な地域における短期入
所の充実を地域福祉施策の2大眼目として早急な改善及び充実を求めてきました。グルー
プホーム、ケアホームについては、平成23年度実績を見ると、見込み量が896人に対して実
績が756人と大きく下回っております。設置する際の費用負担や世話人の人材確保の困難さ
などが進捗を妨げる原因となっていることは、これまでの議会での質疑や関係者からのヒ
アリングで 明らかにな っておりま す。第3期 障害福祉計 画で示され た見込み量 ―目標 値
は、平成24年度の901人から計画期間に毎年80人ずつ上乗せした数値となっております。こ
の数値の根拠について伺います。また、どのように具体的に実現を図るのか方策を伺いま
す。ケアホームの中でも、重度重複障害者対応のケアホームの設置が長年にわたる当事者、
関係者からの切実な要望となっております。さきに指摘した数値目標のうち、重度重複障
害者の内数について伺います。重度重複障害者対応のケアホームの運用については、夜間
の職員の配置といったナイトケアの充実及び医療のバックアップ施設との連携が不可欠で
あることも、この間の議会での質疑により明らかになっております。この課題について、
本市の補助負担のあり方を含め、具体的な考え方を伺います。
次に、短期入所の充実について伺います。現在市内で38床用意されておりますが、施設
併設のショートステイの稼働率が低い状況が大きく改善されておりません。この原因と稼
働率向上に向けて本年度取り組む課題について具体的に伺います。ショートステイの増床
のあり方と潜在的な利用量について、本市の考え方と試算値について伺います。ライブリ
ー渡田のような短期入所専門の施設を本市中北部にも設置する必要があると考えますが、
伺います。通所施設やグループホームなどを活用して、身近な場所でショートステイを利
用できる仕組みづくりも提言してまいりました。これに対する見解と本年度の対応につい
て具体的に伺います。緊急時短期入所用ベッドは4床しかありません。この稼働の状況に
ついて伺います。この高齢者等短期入所ベッド確保事業実施要綱を見ても、特段緊急性が
認められるというよりは、圧倒的に短期入所の受け皿が少ないことを緊急性という表現で
区分けしている印象です。この際、レスパイト的な意味合いでいつでもすぐに利用できる
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短期入所施策に大きくかじを切る必要があると考えますが、見解を伺います。
次に、本年9月1日から導入を予定している不活化ポリオワクチンについて伺います。
昨年度は接種率が70%台に落ち込み、未接種児がふえたことでポリオの再流行を懸念する
声が医療関係者からも多く聞かれ、生ワクチンよりも安全性が高いとされる不活化ポリオ
ワクチンの早期導入が求められてきました。そこで、法定接種導入に際し、事業費の予定
額について伺います。また、医師会に委託契約を行うとのことですが、具体的な内容につ
いて伺います。また、接種開始までわずか3カ月しかありませんが、市民への周知はどの
ように行うのか伺います。
次に、駐輪場利用料金の改定による影響について伺います。4月からの駐輪場利用料金
の改定に伴い、その後の利用率や駅周辺における放置自転車の実態がどのように変化して
いるのか伺います。また、機械化に伴い、電磁ロックにきちんと車輪をはめていない、駐
輪場内のあいたスペースへ放置するなど悪質なケースも見受けられます。市はこのような
課題に対し、指定管理者とどのような協議と対策を講じているのか伺います。
次に、川崎社会保険病院について伺います。病院譲渡は5月18日に入札が行われ、新た
な法人に落札決定しました。これまで川崎市は、いかなる運営主体であれ、安定的に医療
が継続的に供給できるように、地元要望に基づいて譲渡条件に関する意見を独立行政法人
年金・健康 保険福祉施 設整理機構 ―RFOに提示して きたとのこ とです。落 札までの 経
過及び今後の日程について伺います。現状についてですが、事前の調査で6月1日現在、
入院患者数37名、常勤医師7名、非常勤医師40名、常勤看護師40名、常勤准看護師5名が
勤務していることがわかりました。診療科目は内科のほか14科目、介護老人保健施設「サ
ンビューかわさき」は定員100名のところ入所者数は58名です。緩和ケア病床入院者は5名
と伺っております。入院患者のほとんどは療養病床の入院患者であり、一般病床では受け
ていません。こうした状況を改善すべく、5月30日に正式契約が取り交わされたと伺って
おりますが、まず、従来の運営主体である社団法人全国社会保険協会連合会及びRFOと
医療法人社団葵会とは、移管に向け、いついかなる協議を行うのか伺います。次に、これ
までも市及び県より要望意見がRFOに対して寄せられてきました。今後、新法人を交え
た協議は行われていくのか、時期と内容について伺います。その際、市内医療機関はもと
より、川崎市医師会、川崎市病院協会、川崎市歯科医師会などの医療関係団体や地元町内
会との協議はどうするのか伺います。次に、雇用について、神奈川県の要望では、病院及
び介護老人保健施設で働く医療従事者の継続雇用について配慮するよう求めています。来
年4月1日の引き渡しまでの雇用と新法人移管後の継続雇用の配慮について伺います。
次に、救急医療体制について健康福祉局長に伺います。これまでの議論では、療養病床
数が少ないということが救急搬送に時間がかかっている原因だということでした。他方、
他都市との比較では、横浜市と川崎市では療養病床数はほぼ同じレベルですが、救急搬送
時間では3倍以上のおくれをとっています。何ゆえこのような差が生じるのか理由を伺い
ます。また、本市の療養病床の稼働率についても伺っておきます。次に、現在の救急搬送
の状況と、救急の時間短縮を目指した今後の救急搬送の方向性を伺います。
次に、ホテル、旅館、簡易宿泊施設等の防火・消火対策について伺います。5月13日に
広島県福山市の宿泊施設において死者7名、負傷者3名が発生した火災を踏まえ、市内の
ホテル、旅館等の宿泊施設に対して、消防局、健康福祉局、まちづくり局及び各区役所保
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健福祉センターが連携して実施した合同の特別立入検査の状況についてそれぞれお答えく
ださい。
建築基準法では、建築時に適法であった建築物については、その後に法改正がされても
改正法に適合させる義務のない既存不適格建築物となりますが、今回、ホテル、旅館等に
対する特別立入検査を実施した結果と、既存不適格建築物は何件あったのか伺います。
次に、福山市においては消防法違反を覚知しながら長期間放置したと聞いておりますが、
本市の対応を伺います。また、今回、立入検査を受けての消防法令の違反改善状況につい
て伺います。
次に、児童生徒の通学路安全対策についてですが、これは昨日の他会派とのやりとりで
理解したので、答弁は結構です。
次に、教育委員のあり方について伺います。現在、人口143万人に対し6人の教育委員で
職務を遂行されていますが、南北に長く、その地域性が大きく異なる川崎市においては、
教育委員会制度を残しつつも、地域課題に対応した教育委員に準ずる組織の設置が求めら
れていると思います。各区は20万人の人口を擁し、住民1人当たりの自治の適正規模から
見ても、各区の教育環境の違いから見ても、各区に教育委員に準ずる組織を置くことが必
要ではないかと考えます。教育は地域住民にとって身近で関心の高い行政分野です。地域
住民の意向を反映した教育行政を実現することが求められています。また、課題に対応し
たよりきめ細やかな教育を実現することも求められています。このような実態を踏まえて、
平成20年から設置された各区教育担当の成果と行政区地域教育会議の取り組みの課題を交
えて、これからの各地域の教育のあるべき姿について伺います。
議案第88号、川崎市個人市民税の控除対象となる寄附金を受け入れる特定非営利活動法
人の基準等に関する条例の制定について伺います。昨年6月のNPO法等の改正を受け、
今年度から条例指定を受けたNPO法人に対する寄附控除がさらに拡大されることになり
ました。まず、この条例を制定することで期待される効果について伺います。経済的効果
について試算があれば伺います。次に、市民税控除による本市の見込まれる減収額につい
て伺います。次に、昨年の法改正により、指定都市は県と同等のNPO法人の所轄庁とな
りました。そこで本市も、これまで以上にNPO活動の促進に対する政策判断を他都市と
の相違の中で確立することが重要と考えます。そこで本市は、この2月に先行した県の条
例運用や条例指定に準ずるのではなく、独自の基準での運用や条例指定を行う必要がある
と考えます。2月の県の条例施行後、運用上の特徴的な動向や課題の認識があれば伺いま
す。次に、これを受けて、本条例案との比較の上で、指定基準などを初め相違点について
伺います。次に、住民税の寄附金控除の対象拡大は、住民税に対する納税者の関心を喚起
する契機になるとも思われます。見解と対応について伺います。次に、昨年4月の法改正
で特定非営利活動の活動分野が全19分野に拡大され、さらに、この19分野に準ずる活動を
新たな1分野として指定都市で定めることができるようになりました。今後の対応につい
て伺います。次に、本市の権限拡大によりNPO法人の運用実態の把握が大きなテーマと
なります。例えば生活保護制度等を不正に悪用していると言われている貧困ビジネスや実
体のないNPO法人に対して寄附を装うなど、実質的に脱税行為を行う懸念など、実態把
握の課題は枚挙にいとまがありません。担当部局の人員の増員なども含め、これからの対
応について伺います。
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議案第91号、川崎市視覚障害者情報文化センター条例の制定について伺います。本条例
の制定理由として、現行の盲人図書館を廃止して、視覚障害者情報文化センターとして視
覚障害者の自立と社会参加をさらに促進するとのことです。まず初めに、施設機能として、
新施設へ移行することにより現行と比較してどのような機能強化がなされるのか伺いま
す。次に、中途視覚障害者が増加しているようです。従来の情報提供とは異なる媒体提供
や教育訓練が必要と考えますが、伺います。次に、管理運営を指定管理者に行わせるとし
ています。考え方として、利用者へのサービスの向上や効率的・効果的な運営を行うため
としていますが、施設運用等については利用者やボランティアの方の意見を反映できる仕
組みづくりが大切と考えます。このことについてどのようにしていくのか伺います。
議案第95号、議案第96号、議案第97号に関連して伺います。本議案は、学校を川崎市初
の中高一貫教育校として整備するものです。現在、生徒、保護者、教育関係者の熱い関心
は、多彩なプログラムや大学への進学実績など特徴ある公立中高一貫教育校の実現を求め
ています。本件は工事請負契約の段階に入っていますが、それらがどのような学校生活を
実現させるべく描かれたものであるのか、ソフト面における理解が十分に浸透していると
は思えません。そこで、中高一貫教育校として生まれる川崎高等学校及び附属中学校の建
学の精神について伺います。さらに、この高校では全日制の普通科、福祉科、生活科学科
とともに、昼間と夜間の両定時制高校も同じ校舎内で過ごしますが、目指す学校像として
「生徒相互が主体的に交流し、活力のある学校」を掲げていますし、現在の平面プランに
おいても各科、各校の生徒が同一校舎内を行き来できるようになっています。このように
あえて多様な生徒の交流を促進させるねらいが何であるのか、また、それによりどのよう
な教育の実現を期待するものなのか伺います。
次に、議案第98号、川崎港コンテナターミナル・コンテナクレーン製作工事請負契約の
締結について伺います。まず、現状のコンテナクレーンの稼働能力、稼働状況及び新設コ
ンテナクレーンを含めた将来的な稼働能力、稼働状況の想定について伺います。次に、釜
山港などの海外諸港や国内他港を経由して輸出入されているコンテナ貨物を京浜港へ利用
転換を促進するための事業などに対して、平成24年度に川崎港利用促進コンテナ貨物補助
制度を拡充し、利用拡大を目指すとされておりますが、その制度の趣旨と概要、拡大する
対象事業と補助金額の内容について伺います。次に、国内貨物の集荷力の増加を目指し、
各種補助制度やインセンティブ制度を実施してきた中で、内航コンテナ船の入港料の全額
免除の制度が4月1日より実施されておりますが、その制度の概要について伺います。ま
た、このような事業の展開による川崎港の利用拡大をどのように想定しているのか伺いま
す。次に、青島、大連などの中国華北の港と川崎港の間にコンテナ定期航路が新規に開設
されましたが、どのような経緯で開設に至ったのか伺います。また、今回のような定期航
路拡大について、今後どのように誘致の事業展開をしていくのか伺います。
以上で質問を終わりますが、答弁によっては再質問させていただきます。(拍手)
○議長
大島
〔市長
○市長
明
市長。
阿部孝夫登壇〕
阿部孝夫
それでは、私から、ただいまの民主党を代表されました岩隈議員の御
質問にお答えいたします。
地方分権改革などについてのお尋ねでございますが、初めに、義務づけ、枠づけの見直
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しに伴う関係条例の整備についてでございますが、市民に身近な基礎自治体として地域の
実情を踏まえ、介護保険の指定居宅介護支援事業に係る人員、運営に関する基準や道路構
造に関する基準など、高い自由度のもとで行財政運営を行うための基準等について条例を
制定し、行政サービス等を行っていくことが必要であると考えております。次に、議会制
度についてでございますが、今後、地方制度調査会で特別自治市に関する制度設計が進め
られると考えておりますので、今後、市民や議員の皆様の御意見等を伺いながら、国に対
しても必要な意見を述べてまいりたいと存じます。次に、いわゆる大阪都構想を念頭に置
いた特例法案についてでございますが、大都市制度の見直し論が活発になっている点につ
きましては一定の評価をするところでございますが、本市が特別自治市として提案する基
礎自治体中心の地方分権改革とは少し異なるものと考えております。本市といたしまして
は、今後も特別自治市の創設が実現するよう積極的に国に働きかけを行うなど、さらに取
り組みを進めてまいりたいと存じます。
職員の綱紀粛正についてのお尋ねでございますが、職員の服務規律の確保と公務員倫理
の確立につきましては、あらゆる機会をとらえ、全庁を挙げてさまざまな対策を講じてき
たところでございますが、依然として一個人の身勝手な行為や業務執行上のミスなど幾つ
かの不祥事が発生し、市政に対する市民の信頼を損なう結果につながっていることはまこ
とに遺憾であると考えております。職員の不祥事防止等に関する取り組みにつきましては、
継続的な意識啓発や注意喚起を地道に行うことが重要であり、とりわけ日々の業務を通じ
て行う管理監督者による指導が必要であると考えております。今後につきましても、この
ような取り組みを継続的に行うことにより、着実に服務規律の確保と公務員倫理の確立を
図るとともに、職員の不祥事防止に努めてまいりたいと存じます。
川崎縦貫鉄道についてのお尋ねでございますが、縦貫鉄道の整備には多額の事業費を要
するため、社会経済状況の変動などに対処できるよう、事業の推進に当たり総事業費の3
割削減の検討をすることを目指し、新技術による川崎縦貫鉄道整備推進検討委員会におい
て専門家の委員に御議論をいただいたところでございます。その結果、本事業は事業性が
あり整備目的が達成されることから、整備意義、必要性があることが確認されましたが、
総事業費の削減率については、新技術の導入を前提とし、最善の条件を満たしたケースに
おいて26%という検討結果でございました。収支採算性や事業費の削減について整理され
た意義は非常に大きく、今後の検討のための基礎的なデータとしても役立つものと考えて
おります。また、蓄電池や燃料電池などの新技術の導入につきましても有意義であるとの
見解でございますので、このたびの提言内容につきまして川崎市総合都市交通計画検討委
員会において御説明し、縦貫鉄道の位置づけについて御検討していただき、今後の方向づ
けをしてまいりたいと考えております。
災害廃棄物についてのお尋ねでございますが、東日本大震災の発生から1年以上が経過
した今なお、被災自治体におきましては復旧・復興に向けた懸命な取り組みが進められて
いるところでございます。こうした中、本年3月、国から岩手県陸前高田市と大船渡市の
木くずについて広域処理の要請がありましたことから、速やかに被災地へ職員を派遣し、
現地の状況を確認したところ、既に被災地において処理が可能となっていたものでござい
ます。こうした情報の行き違いが、さきの報道につながったところでございますが、基本
的な考え方はこれまでと変わっていないところでございます。現在、国において改めて災
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害廃棄物推計量の見直しが行われておりますことから、引き続き情報収集に努め、被災地
の早期復興に向けて、神奈川県などとも連携を図りながら、安全性の確保を前提に広域処
理の実施に向けた取り組みを進めてまいります。以上でございます。
○議長
大島
明
〔副市長
○副市長
齋藤副市長。
齋藤力良登壇〕
齋藤力良
川崎縦貫鉄道及び総合都市交通計画についての御質問でございます
が、縦貫鉄道につきましては、新技術による川崎縦貫鉄道整備推進検討委員会において整
備意義や必要性が確認され、NEDOのロードマップにおいて動力システムに関する新技
術の実用化は早ければ2020年ごろと想定されていることから、中長期的な視点に立ち、総
合都市交通計画の中で位置づけを検討することが提言されております。総合都市交通計画
につきましては、本市の将来を見据え、おおむね20年後を目標としたマスタープランとし
て、実現を目指すべき施策やその取り組みの時期、方向性などを位置づけていくものでご
ざいますので、今後、提言の趣旨を尊重し、縦貫鉄道を含めた各種施策の短中長期の段階
的な取り組み方針などについて検討し、本年度末を目途に計画を策定してまいります。以
上でございます。
○議長
大島
〔教育長
○教育長
明
教育長。
渡邊直美登壇〕
渡邊直美
教育委員会関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、地域課題に対応した教育の実現についての御質問でございますが、教育委員会
といたしましては、学校、地域、区役所等と連携して、学校運営支援や総合的な子ども支
援を推進していくために、平成20年度から各区に区教育担当を配置しております。これに
より区役所の保健福祉機能を生かした連携ができるようになり、地域の方々からの相談や
学校の課題にも、よりきめ細やかで迅速な対応や支援ができるようになりました。具体的
には、学校訪問を通じ、学校の自主的、自律的な運営に対する支援に努めてまいりました 。
さらに、学校の状況を理解している区教育担当が区役所の保健福祉サービス課や保護課な
どと連携し、初期対応に向けた適切な指導助言を行うことで問題の早期解決を図り、相談
や報告を受けた多くの案件が終結しております。また、地域教育会議につきましては、地
域の教育力の向上を図るために市民が自主的に教育に参加する組織として、51中学校区、
7行政区に設置されており、学校、家庭、地域が連携して広く市民が意見交換を行う教育
を語るつどいや、子どもの意見表明の場となる子ども会議などの事業を実施しております。
中学校区地域教育会議では、学校や地域と協働して地域に身近な課題に取り組んでおりま
すが、行政区地域教育会議は、区全体の生涯学習活動の促進を図るとともに、区内の中学
校区地域教育会議の交流会を開催するなど相互のネットワーク化に取り組んでおります。
また、行政区子ども会議の開催により、中学校区子ども会議での意見を取りまとめ区長に
伝えるなど、行政区における地域の教育力の向上を推進しております。行政区地域教育会
議につきましては、地域の特性を生かして市民の方々が自主的に運営するものでございま
すが、中学校区地域教育会議との役割の明確化や、より広い市民の参加の促進が課題と考
えておりますので、引き続き支援してまいります。今後とも、区教育担当の成果や地域教
育会議の取り組み等を踏まえ、地域に根差した学校づくりなど、より地域の方々の御意見
を反映した、より密度の濃い教育行政のあり方を検討してまいりたいと考えております。
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次に、中高一貫教育校についての御質問でございますが、初めに、建学の精神について
でございますが、川崎高校は創立100周年を迎えた伝統ある学校であり、学校教育目標とい
たしまして「心豊かな人になろう」を掲げ、他を認め、思いやる心をはぐくむ教育に力を
入れている学校でございます。附属中学校の教育目標につきましては、川崎高校の学校教
育目標を根本に据え、今年度中を目途として決めてまいりたいと考えております。次に、
生徒の交流についてでございますが、「心豊かな人になろう」の教育目標の実現を目指し、
学校行事、学習活動、生徒会での交流など高校生が中心となって行う自主的、自治的な取
り組みは、中高一貫教育校ならではの教育活動であり、大切であるととらえております。
また、専門学科には将来のスペシャリストを目指した生徒が学んでおり、他の生徒にとり
ましても、みずからの将来を考える上でよい刺激になると考えております。時間帯の異な
る定時制課程につきましては、生徒会を通しての取り組みなど、生徒の実態に応じた創意
工夫ある交流活動が可能になると考えております。このような交流を図ることによって、
お互いの立場や気持ちを理解し、良好な人間関係をつくり上げるとともに、学び合える関
係性がはぐくまれることを期待しているところでございます。以上でございます。
○議長
大島
明
〔総務局長
○総務局長
総務局長。
船橋兵悟登壇〕
船橋兵悟
総務局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、臨海部の防災対策についての御質問でございますが、神奈川県と本市との役割
分担についてでございますが、石油コンビナート等災害防止法においては、県知事が本部
長を務めます防災本部において石油コンビナート等防災計画を作成し、及びその実施を推
進することとされ、また、本部長は防災本部の事務を総括することなどが規定されており
ます。また、神奈川県石油コンビナート等防災計画では、石油コンビナート等特別防災区
域で災害が発生または発生するおそれのある場合におきましては、市長が現地本部長とし
て、2次災害防止も含め、現地の状況に即応した応急対策活動を行うことと定められてお
ります。このため本市では、具体的な応急対策活動を定めた仮称臨海部防災対策計画を策
定してまいります。次に、本市の津波浸水予測についてでございますが、本年3月末に神
奈川県が公表しました津波浸水予測と国の津波浸水予測の検討結果を活用してまいりたい
と考えており、今後、この予測結果に基づいて、津波被害想定調査や津波避難計画の策定、
海岸保全施設の整備などについて検討してまいりたいと存じます。次に、仮称臨海部防災
対策計画につきましては、石油コンビナート災害時の避難計画のほか、臨海部における津
波対策や帰宅困難者対策、液状化対策などを定めることとしておりますが、臨海部のほと
んどの地域が民有地であることから、事業所と行政との役割分担が課題と考えられますの
で、これらを含めて平成24年度末までに計画を策定する予定でございます。現在の進捗状
況でございますが、3月には津波避難施設の1次指定を行うとともに、臨海部立地企業等
との情報・意見交換会を適時開催しており、企業等からは、従業員の帰宅対策や企業活動
継続の判断に資するため、鉄道の運行状況や主要幹線道路の通行状況の情報伝達のあり方
などが課題と伺っております。したがいまして、本市におきましては、避難対象地域や避
難路の検討などを行うための災害影響評価の作成にも着手するとともに、引き続き企業等
の防災対策に関する情報共有を図ってまいりたいと存じます。
次に、帰宅困難者対策についての御質問でございますが、初めに、民間施設の一時滞在
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
速報版
施設としての指定についてでございますが、主要ターミナル駅周辺の民間施設に対しまし
て、帰宅困難者対策の協力について働きかけを行っているところでございます。各施設管
理者とは、施設提供の際の運営方法や近隣の他の一時滞在施設との連携方法などについて
協議を進めており、協議が調い次第、協定を締結してまいりたいと考えております。次に 、
交通事業者との連携についてでございますが、駅前滞留者対策を推進するためには、交通
事業者と連携するとともに、一時滞在施設管理者等との連携も重要であると考えておりま
す。このため、主要ターミナル駅ごとに、交通事業者を初め、区役所、警察署、消防署、
近隣商店街などの関係者による協議会を設置し、災害時における各主体の役割や備蓄の保
管場所など、帰宅困難者対策について地域ぐるみで協議を進めていく予定でございます。
次に、帰宅困難者への情報提供についてでございますが、本市においては、災害情報等の
メール配信のほか、家族安否を確認する災害用伝言ダイヤルの利用などについて周知する
とともに、一時滞在施設の管理者などに対しては、テレビやラジオなどで得られた災害情
報や交通機関の運行状況などについて情報提供するよう働きかけを行っているところでご
ざいます。さらに、ツイッターの活用による災害情報の発信も検討を進めているところで
ございます。次に、民間バス事業者との連携についてでございますが、各種輸送手段を確
保しておくことは帰宅困難者対策として重要なことと考えておりますことから、内閣府の
首都直下地震帰宅困難者等対策協議会における輸送体制の検討の動向なども見据えなが
ら、民間バスの活用について検討してまいりたいと存じます。
次に、市役所庁舎及び区役所庁舎の非常用電力確保等についての御質問でございますが、
初めに、非常用電力確保につきましては、停電が発生した場合におきまして、消防用設備
や非常用照明など必要最小限の照明などの電源確保及び災害対応上必要な防災行政無線、
総合防災情報システム、ネットワーク機器等を稼働させることを目的として非常用発電設
備を設置しているものでございます。次に、非常用発電設備の稼働時間につきましては、
建築基準法においては非常用照明などを30分以上作動させることが規定されており、また、
消防法では消防用設備を2時間以上作動させるために必要な燃料を確保することが規定さ
れており、市役所庁舎等につきましては、これらの基準を満たしているところでございま
す。次に、非常用電力確保に対する考え方や対策についてでございますが、東日本大震災
発生直後から、市役所庁舎や各区役所庁舎等へ新たに大容量蓄電池を導入し、停電時の業
務継続などに備えているところでございます。いずれにいたしましても、非常用電力の確
保につきましては非常に重要であると考えておりますので、庁舎の建てかえなどにあわせ
新たに非常用発電設備を導入する際には、施設の機能や規模等を考慮し、災害時における
災害対策本部の運営、さらに医療や衛生、福祉、インフラをつかさどる業務などが継続で
きるよう、必要な電力の確保について関係局と検討してまいりたいと考えております。以
上でございます。
○議長
大島
明
総合企画局長。
〔総合企画局長
○総合企画局長
飛彈良一登壇〕
飛彈良一
総合企画局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、大都市制度についての御質問でございますが、初めに、本市が特別自治市にな
った場合の効果についてでございますが、県との二重行政の解消などによる行財政効果や
基礎自治体としての権限の強化による市民サービスの向上などについて、現在、総合企画
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速報版
平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
局が中心となって年内をめどに試算等を行っているところでございます。次に、新たな税
制を確立した場合のメリットについてでございますが、特別自治市の事務権限に応じた財
源を一元的に徴収する税財政制度とすることにより、補助金等による国や県の関与がなく
なるなど、自己決定と自己責任のもと、一元的、総合的な行財政運営が可能となると考え
ております。
次に、殿町国際戦略拠点などについての御質問でございますが、初めに、国立医薬品食
品衛生研究所の整備についてでございますが、現在国において具体的なスケジュールにつ
いて検討していると伺っております。同研究所の移転は、国際戦略総合特区の取り組みの
推進に弾みをつけるとともに、市民生活の安全・安心や地域の活性化にもつながると考え
ておりますので、早期の開設に向けて、国や地権者であるUR都市機構などと協議調整を
行っているところでございます。次に、平成24年度以降の国費の見込みについてでござい
ますが、特区関連予算は総合特区計画として認められた事業に対して投入されるものでご
ざいまして、今年度につきましては、国に対して再生医療やがん治療などに関する研究開
発費などの財政支援措置を要望しているところでございます。今後も、特区計画を随時更
新申請しながら国費の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、B地区における国立医薬品食品衛生研究所以外の施設立地の見通しについてでご
ざいますが、現在、UR都市機構が土地区画整理事業を進めているところでございますが、
国際戦略総合特区の指定を受けたことにより、医薬品や医療機器の製造企業など多方面か
ら関心を寄せられているところでございます。次に、仮称産学公民連携研究センターのレ
ンタルラボへの入居企業等についてでございますが、現在、同センターの事業主に対して
多くの企業等から問い合わせが寄せられている状況でございまして、入居企業等への支援
措置といたしまして、本市独自のイノベート川崎や産業立地促進資金などのほか、特区制
度を活用した国の財政、金融、税制措置などが用意されているところでございます。次に、
大田区の工場跡地に建設されている配送センターについてでございますが、同センターは
都内に向けた配送が中心であると伺っておりますが、羽田空港を中心とした交通課題は周
辺自治体の共通課題でありますことから、今後とも大田区とは密接に協力して対応してま
いりたいと考えております。
次に、実験動物中央研究所と本市との連携協力に関する基本協定についてでございます
が、実験動物中央研究所は、昨年7月の開設以来、国際戦略総合特区の中核施設として運
営を続けてきております。また今年度は、その隣接地に本市の健康安全研究所などが入居
する仮称産学公民連携研究センターが整備される予定であり、双方の有する知見を生かし、
市民生活の安全・安心はもとより、国際的な貢献にもつながる共同研究の実施やライフサ
イエンス分野における施策の推進などを目指して、このたび協定の締結に至ったものでご
ざいます。次に、交通アクセスの改善についてでございますが、昨年10月に京浜急行大師
線産業道路駅前を起点とするバス路線を開設し、アクセス向上を図ってきたところでござ
います。また、歩行者アクセスにつきましても、昨年度は市道殿町夜光線の歩道改築及び
街路灯の設置を行い、今年度は、最寄り駅である小島新田駅からのアクセス路について案
内サインの設置を予定しているところでございます。次に、A地区の進捗状況についてで
ございますが、A地区では現在土地区画整理事業が施行中でございますが、この4月に殿
町第2公園の一部と下河原公園が供用を開始したところでございます。殿町3丁目地区整
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
速報版
備方針の中では、B地区を先行土地利用エリアと位置づけているところでございますので、
A地区につきましては、B地区の土地利用の進捗状況を見据えながら、にぎわい・交流機
能なども含めた複合的土地利用の地域として検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長
大島
明
〔財政局長
○財政局長
小林
財政局長。
小林
隆
隆登壇〕
財政局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、市税事務所についての御質問でございますが、市税事務所の開設に当たりまし
ては、市政だよりを初めとする各種広報により十分に周知を図ったこと、また、市県民税
の申告時期には区役所に臨時窓口を開設して対応を図ったことなどから円滑な移行ができ
たものと考えております。現時点では再編から半年が経過したところであり、成果を十分
に検証できる段階にはございませんが、平成23年度における市税の収入率が前年度を上回
る見込みであるなど一定の成果を得ているものと考えております。今後は、再編による効
果を生かし、職員の専門性の向上を着実に図ることが課題と考えております。次に、徴収
事務の担当職員につきましては、市外の滞納者に対する滞納整理事務をかわさき市税事務
所に集約したこと、また、この6月からは民間事業者を活用した電話による納付案内業務
を行う納税お知らせセンターを開設したことにより、滞納整理事務をより効率的に執行で
きる体制を整えた上での配置となっておりますので、その効果を見きわめてまいりたいと
存じます。
次に、公契約条例の運用状況についての御質問でございますが、初めに、予定価格6億
円以上の特定工事請負契約につきましては、受注者から提出された労働者の賃金等を記載
した台帳を順次確認しておりますが、現在までのところ、作業報酬下限額を下回った賃金
の支払い等の条例違反の事実は確認されておりません。また、労働者から、自身の賃金等
を記載した台帳を閲覧できないなどの申し立てもございません。次に、予定価格1,000万円
以上の建物清掃等の特定業務委託契約についてでございますが、本条例は、当該契約に係
る作業に従事する労働者の賃金の抑制を図るものではなく、労働者の雇用形態にかかわら
ず作業報酬下限額以上の賃金を確保し、もって公共サービスの品質確保を図ることを目的
としているものでございます。今後も公契約条例の趣旨にのっとり、引き続き適正な運用
を図ってまいりたいと存じます。以上でございます。
○議長
大島
明
市民・こども局長。
〔市民・こども局長
○市民・こども局長
山﨑
山﨑
茂
茂登壇〕
市民・こども局関係の御質問にお答え申し上げます。
特定非営利活動法人の条例指定制度についての御質問でございますが、初めに、この制
度を導入することによる効果につきましては、経済的効果の試算はございませんが、地域
に根差した活動を行うNPO法人の財政基盤を強めるとともに、市民による相互支援を促
進し、市内における特定非営利活動の健全な発展が図れるものと考えております。次に、
市民税控除による減収見込み額でございますが、さまざまな前提条件があるため、具体的
な想定は困難でございますが、控除額は寄附金額の2,000円を超える部分の6%に限られて
いるとともに、適用上限額もあることから、過去の寄附実績により試算した場合、数百万
円程度の減収と想定しております。次に、神奈川県における制度の運用上の特徴的な動向
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
や課題の認識でございますが、先行する県とは密接な連携を図っており、県の運用等も参
考にして本市における制度構築を行ったところでございまして、引き続き共通する課題等
に対応してまいりたいと考えております。次に、県の指定基準等との相違点でございます
が、法人の公益性と運営面での健全性を判断基準とするなど基本的な考え方は共有してお
りますが、具体的な基準の設定につきましては、公益性の判断基準の部分で異なっており
ます。一例を挙げますと、県におきましては、支持されている実績を判断する選択肢を複
数設定しており、その中で100人以上の住民等からの署名という基準を設けております。一
方、本市におきましては、一定の金銭的な負担を伴わない賛同は基準とするには明確では
ないと考えるため、支持をはかる基準の対象を寄附者等に限定するとともに、現時点では
数値基準を満たせない法人でも、これを目標として努力してもらうことにより寄附を促進
するという考え方をとっております。
次に、納税意識の喚起についてでございますが、この制度は、納税者が自身の意思によ
り市民税の一部をNPO法人に託すことができる制度であるとも言えますので、結果的に
納税意識を喚起する契機になるものと考えております。制度の周知に当たりましては、こ
の点も含めました広報に努めてまいります。次に、特定非営利活動の分野についてでござ
いますが、新たな分野を追加しても活動の範囲は広がらず、分野が細分化されるだけであ
り、現行の19分野で対応が可能であると考えておりますので、本市におきましては、現時
点では条例により分野を定めていないところでございますが、今後必要に応じて検討して
まいりたいと存じます。次に、NPO法人の実態把握についてでございますが、特定非営
利活動促進法の趣旨として、特定非営利活動の自主性、自律性を担保するために、NPO
法人に対する行政の監督等は必要最低限のものにとどめられ、その活動の是非は団体の自
治及び団体情報の開示による市民の判断にゆだねられております。しかしながら、御指摘
の懸念もございますので、他部署等とも十分な連携を図り、実態把握に努めまして、今後
とも適正な対応に努めてまいります。以上でございます。
○議長
大島
明
こども本部長。
〔こども本部長
○こども本部長
岡本
岡本
隆
隆登壇〕
こども本部関係の御質問にお答え申し上げます。
認可外保育事業の再構築についての御質問でございますが、初めに、ワーキンググルー
プの議論についてでございますが、昨年6月に庁内の関係局の職員によるワーキンググル
ープを立ち上げ、認可外保育事業の課題について整理を進めてきたところでございます。
課題につきましては、各制度の内容がわかりにくいこと、受け入れ年齢が異なり統一性が
ないことや保育料の格差の問題等、認可外保育事業の質の維持向上に向けての課題を取り
まとめ、関係局において共通認識を図ったところでございます。次に、認可外保育事業再
構築検討委員会についてでございますが、本年5月に学識経験者などの外部委員で組織す
る検討委員会を開催し、委員の方々に本市の認可外保育事業の現状を理解していただくた
めに制度の詳細を説明させていただいたところでございます。今後は、本市の複数にわた
る認可外保育事業について、現行の制度のよい部分を残しながら、また国の子ども・子育
て新システムの動向も踏まえた、市民にとってわかりやすく利用しやすい制度となるよう
再構築をしていくことが重要であると考えております。また、基本方針の策定につきまし
ては本年の秋ごろを予定しております。次に、ワーキンググループとの関連についてでご
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
速報版
ざいますが、検討委員会で議論、検討していただいた内容につきましては、関係局のメン
バーで構成するワーキンググループに諮りながら、より実効性のある基本方針の策定に向
けて調整してまいります。次に、対象となる事業でございますが、現行の認可外保育事業
であるかわさき保育室、おなかま保育室、川崎市認定保育園、地域保育園について、すべ
てを対象に検討を進めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、子育て
家庭の多様な保育ニーズへの柔軟な対応が図れるよう、効果的な認可外保育事業の再構築
に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長
大島
明
経済労働局長。
〔経済労働局長
○経済労働局長
伊藤和良登壇〕
伊藤和良
経済労働局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、大田区との産業連携についての御質問でございますが、本市と大田区は、とも
に高度なものづくり基盤技術を有する企業が集積しておりますことから、相互に連携を図
りながら、それぞれの強みや特徴を生かした地域経済の活性化に取り組んでいるところで
ございます。具体的な取り組みといたしましては、平成8年から活動を開始し、岩手県北
上市や新潟県三条市など東日本の23の工業都市が参加する産業のまちネットワーク推進協
議会におきまして、本市と大田区などが中心的な役割を担い、地域間ネットワークの構築
に向けた調査研究や情報交換等を行っているほか、平成23年度から活動を開始している東
京区部・神奈川臨海部地域産業活性化協議会に本市と大田区も参加し、ライフイノベーシ
ョン関連産業等における広域連携の促進に取り組んでおります。また、本市が主催する医
療現場の開発ニーズを紹介するセミナーや川崎市産業振興財団が開催する医工連携研究会
に大田区の企業や行政、支援機関の職員の参加を呼びかけたほか、大田区からは区内に新
設された工場アパートの竣工式に本市職員が招かれ、ものづくり産業のビジネス拠点とな
る企業集積施設の先行事例として視察するなど、さまざまな分野での相互交流を図ってい
るところでございます。今後もこうした取り組みを積極的に展開するとともに、新設され
たNANOBICなどの活用や殿町3丁目に立地するライフサイエンス分野の研究機関と
のネットワークを生かし、ナノテク・ライフサイエンス分野における連携を図り、両地域
のものづくり技術の高度化を図ってまいりたいと存じます。
次に、新川崎地区についての御質問でございますが、新川崎地区におきましては、創造の
もり地区のケイスクエア・タウンキャンパス、KBICを初め、製造業を中心とした多数の
企業や研究機関など高度な先端技術産業の集積が進んでおり、新川崎地区及びその周辺にお
ける就業者人口は1万7,000人を超えるものと推計しております。今回のNANOBIC研
究棟の完成を契機といたしまして、こうした新川崎地区の産業集積のポテンシャルを最大限
に生かし、新川崎地区及び周辺に立地する企業、大学、研究機関等の情報交換、交流を推 進
するため、新川崎地区ネットワーク協議会の設立の準備を進めているところでございます。
協議会の具体的な活動といたしましては、各企業、大学が有する技術、研究内容の情報交
換や企業見学会の開催など定期的な交流の場を開催する予定であり、こうした協議会の運
営等を通じ、新川崎地区の特性を生かした産学公民の連携を促進することで、先端技術を
核とした新しい価値の創造を目指してまいりたいと考えております。次に、NANOBIC
のクリーンルーム増設についてでございますが、本年9月に供用開始予定のクリーンルー
ム棟におきましては、ナノ・マイクロ領域の加工から組み立て、計測、評価まで一連の作
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速報版
平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
業を行うことができる大型クリーンルーム、約750平米がございます。さらに、クラス1万
のクリーンルーム、約500平米の増設が可能な設計となっておりましたが、このスペースに
つきましては、東京大学と日本アイ・ビー・エム株式会社の共同研究プロジェクトである
東京大学社会連携講座が独自の仕様のクリーンルームを整備する予定となっております。
次に、NANOBICの今後の入居企業誘致についてでございますが、入居者の今後の研
究開発の進展に伴う増床ニーズへの対応や新規に入居を希望する企業等のニーズなどを勘
案し、NANOBICの機能を最大限に高める企業の誘致等に活用してまいりたいと考え
ております。次に、NANOBICの入居可能キャパシティについてでございますが、研
究棟及びクリーンルーム棟を合わせ、現在、研究棟内の約50平米の新事業研究室1室しか
空き室がございませんが、4大学ナノ・マイクロファブリケーションコンソーシアムがク
リーンルームに整備予定の研究機器や一時利用研究室の市内中小企業による利用の促進を
図るとともに、さらなる産業集積を図るため、創造のもり第3期事業第2段階の早期の実
施に向けた検討を進めてまいります。以上でございます。
○議長
大島
明
〔環境局長
○環境局長
稲垣
環境局長。
稲垣
正
正登壇〕
環境局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、ごみ焼却飛灰等についての御質問でございますが、本市におきましては、東日
本大震災対策本部の中に設置しております放射性物質対策検討特別部会において、ごみ焼
却飛灰及び下水汚泥焼却灰について、安全性を第一優先に処分方策や再利用方策の検討を
進めているところでございます。国立環境研究所との共同研究につきましては、これまで
処分方法ごとの放射性物質の溶出率の変化や溶出防止に効果があるとされるゼオライト等
の薬剤の活用等について研究を行ってきたところでございます。この3月末には、国から
水面埋め立てに関する考え方が示されましたので、引き続き、ごみ焼却飛灰及び下水汚泥
焼却灰の一体的な処分に向けて、これまで関係局と連携を図り実施してきた調査研究の結
果や国立環境研究所の研究データなどを踏まえ、有識者からの御意見も伺いながら、でき
るだけ早期に放射性物質対策検討特別部会の中で埋立処分の安全性の確認を行ってまいり
たいと考えております。
次に、一般廃棄物処理基本計画の行動計画の改定についての御質問でございますが、初
めに、最重点施策の効果についてでございますが、プラスチック製容器包装の分別収集の
拡大や普通ごみの収集回数の見直しを実施することなどにより減量化や資源化の一層の促
進が図れますとともに、3処理センター体制への移行により温室効果ガスの削減が図れる
など、資源循環型社会、低炭素社会の構築に向けた効果、さらには財政負担の軽減などが
見込まれるところでございます。次に、市民の方々の意見集約の方法などについてでござ
いますが、廃棄物処理は市民生活に最も密着した行政サービスの一つであり、市民の方々
の御理解、御協力が不可欠でございますことから、行動計画の改定に当たり、4月下旬か
ら約1カ月間、市民意見を募集いたしますとともに、5月末現在、合計11回の説明会を開
催し、約1,200名の市民の方々に対し、直接御説明の機会を設けてまいりました。今後は、
こうした場で寄せられた御意見をもとに、学識経験者や市民代表の方々で構成されます環
境審議会で審議の上、答申を取りまとめていただき、この答申を踏まえ、行動計画を改定
してまいりたいと考えております。次に、効率的な事業執行体制の確保や財政負担の軽減
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速報版
などについての情報提供についてでございますが、これまでも市民説明会の場などを通じ、
3処理センター体制への移行に伴う財政負担の軽減など、事業の執行体制の全体像をお示
ししてきたところでございまして、引き続き、環境面での効果だけでなく、こうした財政
面での効果につきましても丁寧に御説明してまいりたいと考えております。次に、昨年3
月から拡充いたしました分別収集の実績などについてでございますが、平成23年度実績で
ミックスペーパーが1万618トン、プラスチック製容器包装が3,896トンと、計画量に対し
それぞれ約7割の達成状況となっているところでございます。普及広報につきましては、
これまでも川崎フロンターレと協働した啓発キャンペーンや廃棄物減量指導員の方々と連
携した排出指導などを行ってまいりましたが、さらなる分別排出協力度の向上に向けて、
引き続きさまざまな関係者と連携を図りながら、市民の方々に一層の御理解と御協力がい
ただけるよう広報の充実に努めてまいります。以上でございます。
○議長
大島
明
健康福祉局長。
〔健康福祉局長
○健康福祉局長
木村
木村
実
実登壇〕
健康福祉局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、 第5期高齢 者保健福祉 計画・介護 保険事業計 画―かわさきいきい き長寿プ ラ
ンについての御質問でございますが、介護保険制度の運営につきましては、高齢化の進展
に伴い運営がますます厳しくなることが予想されるところでございますが、現在、国の社
会保障・税一体改革大綱におきまして保険給付と税負担のあり方について検討されている
ところでございますので、国の動向も踏まえながら、必要な対応を図ってまいりたいと考
えております。次に、介護保険施設等の整備につきましては、国は平成24年度の介護保険
法改正におきまして、重度者を初めとした要介護高齢者の在宅生活を支える仕組みとして、
24時間対応の定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの在宅サービスを創設したところで
ございますが、本市におきましては、来年度実施する高齢者実態調査の結果や施設サービ
スの拡充による介護サービス費への影響を勘案しながら、今後の施設整備につきまして検
討してまいります。次に、介護保険事業者に関する権限につきましては、介護保険制度の
健全かつ適正な運営の確保を図るため、指定、指導、監査を行うものとされております。
本市におきましては、これらの権限が本年4月に県から移譲されたことを踏まえ、体制を
整備したところでございまして、市民にとって身近な窓口として介護サービスに関する情
報を容易に把握できる環境となりましたので、それらの情報にも十分留意するとともに、
事業者からのさまざまな相談や問い合わせに対しましても指定権者として適切に対応し、
サービスの質の向上につながるよう、的確できめ細やかな指導や監査を行ってまいりたい
と考えております。
次に、生活保護制度についての御質問でございますが、初めに、生活保護・自立支援室
の体制についてでございますが、今年度から、生活保護の適正実施並びに就労支援策、就
学支援策等の自立支援施策の充実を図るために、保護指導課から生活保護・自立支援室に
体制を改編し、対応を図ってきているところでございます。昨年11月から生活保護自立支
援対策会議を開催しており、幹事会と課題に対応した4つの専門部会を設け、現在、具体
的な施策展開について部会ごとに検討を進めているところでございます。今後につきまし
ては、就労支援体制の強化など可能なものから実施するとともに、仮称川崎市生活保護自
立支援対策方針を年度内に策定し、具体的な事業の検討を進めてまいります。こうした事
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第3日(6月15日)
業の展開に当たりましては、必要な人員体制についての検討を行ってまいりたいと考えて
おります。次に、警察官OBについてでございますが、本市におきましては、今年度から
生活保護・自立支援室に非常勤職員として1名配置しているところでございます。主な職
務内容といたしましては、暴力団員等からの行政対象暴力に対する生活保護担当職員への
研修を実施することなどとしております。現在は、各福祉事務所を巡回し、行政対象暴力
等の内容の把握、対応方法等の検討のほか、生活保護担当職員の安全確保のための実地調
査を実施しているところでございます。また、今年度中に福祉事務所で活用するための不
正受給防止に特化した統一的なマニュアルを作成する予定としておりますが、次年度以降
の方向性につきましては、今年度の状況を踏まえ、今後検討してまいります。
次に、生活保護受給者に対する扶養についてでございますが、生活保護法においては、
補足性の原理に基づき、生活保護受給者に対する各種調査を実地及び書面にて行っており
ます。扶養義務者の調査につきましても、調査をする際には、対象者に扶養能力の有無が
判断できる内容の書類等の添付をお願いしております。しかしながら、現在の制度では扶
養義務者へ回答を強制できるものではなく、扶養義務者の資産調査を行う権限もないため、
対応に苦慮しているところでございます。今後、国において扶養義務者に対する扶養の履
行が確実に行われる仕組みについて検討していくこととされておりますので、その動向を
注視してまいります。また、扶養の履行の家庭裁判所への申し立てにつきましては、対象
者が十分な扶養能力があるにもかかわらず正当な理由なくして扶養を拒み、他に円満な解
決の道がない場合に考慮することとされておりますが、扶養義務者の能力を調査すること
の権限がない現行制度では、十分に扶養能力があるかを判断することが難しいため、本市
におきましては申し立てを活用した事例はございません。次に、不正受給についてでござ
いますが、平成22年度における不正受給件数372件のうち、高校生による就労収入の未申告
等により不正受給となりましたのは45件で、全体の12.1%でございます。これらの未申告
を防止するために、福祉事務所におきまして、高校生がいる世帯にはケースワーカーが毎
年3月に就学状況を確認し、収入申告について指導するとともに、高校生向けリーフレッ
ト「アルバイト収入などの届出義務について」を配付することにより、届け出義務につい
ての周知徹底を図っているところでございます。
次に、第3次かわさきノーマライゼーションプランについての御質問でございますが、
初めに、グループホーム、ケアホームの増設数についてでございますが、第3期障害福祉
計画におきましては、入所施設及び精神科病院から地域移行される方の数と、現在家族と
地域で生活されている方で今後家族から独立する障害者の数等を勘案し、目標数を80人と
しているところでございます。定員拡充の方策につきましては、運営法人にメールやホー
ムページなどを通じて拡充計画を周知し、新たにホームを立ち上げることを希望する法人
のために研修を行うほか、今年度新たにバリアフリー化した新築の補助を創設したところ
でございます。次に、重度重複障害者対応型のケアホームについてでございますが、重度
重複障害者の目標数は特に定めてはおりませんが、新築の補助は2カ所分の予算を確保し
ております。また、ナイトケアを充実させるために夜間、休日の職員体制に対する加算を
新たに設けるなど、重度重複障害者に対応できるケアホームの体制整備に取り組んでまい
ります。次に、短期入所の充実についてでございますが、短期入所の定員は、南部に単独
型のライブリー渡田が10人、中北部には施設併設型のつばき寮、柿生学園、れいんぼう川
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
速報版
崎、みずさわの合計28人でございまして、合わせて38人の体制を確保しております。稼働
率につきましては、緊急枠として空床の確保をお願いしていることや、男女で利用希望に
差があるために女性専用のベッドの稼働率が低くなることなどにより、施設によっては稼
働率が低くなっておりますが、その改善に向けて運営法人と協議してまいりたいと考えて
おります。潜在的ニーズにつきましては、第3次かわさきノーマライゼーションプラン改
定版策定に当たっての生活ニーズ調査の結果では、短期入所が不足していると感じるとの
回答が多く、利用の増加が見込まれるところでございまして、平成25年度に開設を予定し
ている井田重度障害者等生活施設において20人の短期入所の整備を進めているところでご
ざいます。また、単独型の北部への設置といたしましては、平成23年10月に通所施設の授
産学園つつじ工房に併設して4床を新設したところでございます。次に、緊急短期入所用
ベッドにつきましては4床を確保してございますが、平成22年度は延べ738人、平成23年度
は延べ400人の利用となっており、おおむね良好な稼働状況となっております。短期入所施
策につきましては、今後とも緊急時に利用できる体制を維持していくとともに、利用調整
や情報提供の仕組みについて検討し、レスパイト等のニーズにも十分こたえられるよう、
身近な通所施設等を利用した短期入所の仕組みについて検討し、タイムリーに安心して利
用できるよう体制整備を図ってまいります。
次に、不活化ポリオワクチンについての御質問でございますが、導入に係る事業費につ
きましては、現在、春のポリオ集団接種も実施中であり、切りかえ後の接種対象者数など
不確定な要素が多いため、現時点では正確な金額はお示しできませんが、今年度当初予算
では生ワクチンで計上していた2,000万円ほどの事業費が、不活化ワクチンへの切りかえに
より、1本5,000円から6,000円程度のワクチンを4回接種することなどから数億円単位に
増大するものと考えております。次に、医師会との委託契約でございますが、従来から実
施しております定期予防接種と同様に、医療機関で個別にワクチン接種ができるようにす
ることが必要でございますので、7月には、事業に御協力いただける医療機関の医師を対
象に説明会を開催した後、医師会と委託料について協議を行った上で契約手続を進めてま
いります。また、市民の方への周知につきましては、市政だよりやホームページ及び各区
保健福祉センターでのチラシの配布などとともに、今年度の対象者などへ個別通知を送付
することにより、切りかえに当たって混乱が生じないよう周知に努めてまいります。
次に、川崎社会保険病院についての御質問でございますが、初めに、落札までの経過な
どでございますが、本市では、本年2月3日付をもちまして、地元からの要望に基づき、
同病院がいかなる経営形態にあっても、地域における医療と介護の連携拠点として安定的
に医療機能が確保されるようRFOに意見書を提出いたしました。その後、RFOの譲渡
検討委員会における本市や県の意見書を踏まえた譲渡条件の決定を経て、5月18日に一般
競争入札が行われ、医療法人社団葵会が落札したものでございます。同法人からは、本市
に対しまして、地域医療の推進のため法人を挙げて取り組みたいとの意思が示されており
まして、今後は、病院及び介護老人保健施設の移管に向けた関係法令に基づく手続を進め、
譲渡契約に基づき、平成25年4月1日までに同法人が病院等の所有と運営を引き継ぐこと
とされております。次に、移管に向けての協議でございますが、葵会とRFO、社団法人
全国社会保険協会連合会は既に譲渡に向けた全体協議を開始しており、今後は各部門にお
いてさらに詳細な引き継ぎを行うと伺っているところでございます。また、本市といたし
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速報版
平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
ましては、葵会による譲渡条件の確実な履行を初め、業務の円滑な引き継ぎなど、譲渡条
件に盛り込まれた本市の要望意見を遵守し、一日も早く病院の医療機能が回復されるよう
国及びRFOに対して求めているところでございます。次に、医療関係団体等との協議で
ございますが、本市では、要望意見において、川崎市医師会など地元の医療関係団体との
連携や地元町内会との交流を求めているところでございますので、速やかに開始できるよ
う必要な支援を行ってまいります。次に、雇用関係につきましては、このたびの入札によ
り、新たな経営主体である葵会のもとで今後病院の運営方針が明確にされると考えており
ますので、本市といたしましても、葵会から病院職員等にしっかりと説明するなど、医師
及び看護師等の医療従事者の安定的な確保に向けて配慮するよう国及びRFOに要望して
まいります。
次に、救急医療体制についての御質問でございますが、総務省消防庁による平成21年中
の救急搬送実態調査では、本市の重症以上傷病者の現場滞在時間が30分以上かかった事案
の占める割合は16.5%であり、横浜市の5.4%の約3倍の数値であったことなどから、本市
におきましては、救急搬送時間の短縮を目指した取り組みを進めているところでございま
す。各都市における救急隊の現場滞在時間の格差につきましては、療養病床数のほか、さ
まざまな要因があると考えており、救急隊と医療機関との間の情報交換の迅速化や救急患
者を円滑に受け入れる拠点病院の整備、さらには救急病院の後方病床としての療養病床整
備、とりわけ一般病床と療養病床をあわせ持つケアミックス型病院の整備などの対策が必
要であると考えております。次に、本市の療養病床利用率についてでございますが、厚生
労働省の平成22年病院報告によりますと、86.2%となっているところでございます。次に、
救急搬送時間の短縮を目指した取り組みについてでございますが、現在本市におきまして
は、救急隊と医療機関との間の情報迅速化の仕組みである川崎スタンダードの運用開始、
搬送先医療機関が速やかに決定しない場合においても救急患者を円滑に受け入れる川崎市
重症患者救急対応病院の開設、さらには市内の救急告示医療機関から最も要望の多い後方
病床としての療養病床整備に取り組んでおります。救急搬送において現場滞在時間が30分
以上かかった事案の占める割合につきましては、川崎スタンダード運用開始以前の平成21
年の16.5%から、運用開始後の平成23年には12.9%に改善されているところでございます。
5月28日開催の神奈川県医療審議会におきましては、全国初の特例病床制度を利用した川
崎市重症患者救急対応病院が承認され、また、川崎社会保険病院が医療法人社団葵会に譲
渡されることにより、救急病床と療養病床をあわせ持つ市内初の本格的なケアミックス型
病院として整備される見込みでございまして、今後につきましても、さらに現場滞在時間
の短縮が図られるものと考えております。
次に、視覚障害者情報文化センターについての御質問でございますが、初めに、機能強
化する点でございますが、現在の盲人図書館が実施しております点字刊行物、録音物等の
製作、収集、閲覧及び貸し出しや視覚障害者用の読書用機材、日常生活用具の展示会につ
きましては引き続き行ってまいります。また、日常生活及び社会生活を営むために必要な
訓練や文化、学習及びレクリエーションの活動の支援、点訳者、朗読者等のボランティア
の養成、団体の支援などの充実を図るほか、視覚障害者の重要な情報収集手段であるイン
ターネットの活用など新しい技術の導入等を推進してまいりたいと考えております。次に、
中途視覚障害者に対する情報の提供媒体や訓練についてでございますが、中途視覚障害者
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の多くは中高齢者であることから、点字の習得が難しい傾向にあるため、CDにデジタル
録音したデイジー図書等の録音媒体による情報提供の充実が不可欠であると考えておりま
す。また、自立するための日常生活訓練も重要であり、白杖を使用した歩行訓練、点字指
導、日常生活動作訓練、情報にアクセスするためのパソコン操作訓練等が必要であると考
えております。次に、施設運営についてでございますが、利用者やボランティアの方の御
意見を伺うことは大変重要でございますので、そうした御意見を施設の運営に反映できる
ような仕組みを検討してまいります。以上でございます。
○議長
大島
明
まちづくり局長。
〔まちづくり局長
○まちづくり局長
金子
金子
弘
弘登壇〕
まちづくり局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、川崎駅西口のまちづくりなどについての御質問でございますが、初めに、堀川
町C地区のスマートコミュニティセンターに至った経緯についてでございますが、本市と
しても東芝における主要機能の一部が移転することはお聞きしておりましたが、その具体
的な内容につきましては、企業内部での決定事項であったため、記者発表当日に伺ったも
のでございます。なお、スマートコミュニティセンターにつきましては、東芝にとりまし
て重点事業である社会インフラを支える電機事業部門や情報通信システムを支えるクラウ
ドソリューション部門並びにその関連するグループ会社が集結する重要な拠点になるもの
と伺っております。次に、ペデストリアンデッキの協議経過などについてでございますが、
川崎駅周辺総合整備計画に基づき、堀川町C地区と大宮町地区をペデストリアンデッキで
結ぶ計画を進めているところでございます。関係者との協議経過などにつきましては、関
係者の方々からさまざまな御意見などをいただいておりまして、位置等について合意が得
られておりません。しかしながら、本市といたしましては、歩行者の回遊性強化などの観
点から必要な施設と考えておりますので、設置について御理解が得られるよう今後とも協
議を進めてまいります。次に、大宮町A-2街区の開発計画についてでございますが、新
たな川崎の顔として駅前にふさわしいホテルなどの導入について、本年4月に土地所有者
に働きかけを行ったところでございます。これに対して土地所有者からは、将来の川崎に
おける新たなマーケットを見据えた駅前にふさわしい施設となるよう、川崎市と協議しな
がら導入する機能について検討していく旨伺っているところでございます。次に、変電所
の移設についてでございますが、新設変電所の設置と切りかえ工事は本年4月に完了して
おり、近日中にも既存変電所の解体、撤去工事に着手する予定であると伺っております。
次に、JR川崎駅の南口改札の設置についてでございますが、南口改札の設置につきまし
ては、本年3月末に川崎商工会議所ほか4団体から設置要望をいただいたところでござい
ますが、本市といたしましては、川崎駅周辺総合整備計画に位置づけられました北口自由
通路及び北改札について整備に向けて取り組んでいるところでございますので、現段階で
はその工事の着手及び完成に全力を投入してまいりたいと考えております。なお、南口改
札の設置につきましては、北口自由通路などの完成後の駅利用者数、歩行者の流れなどを
調査分析し、必要性を含め検討してまいりたいと考えております。
次に、特別立入検査を実施した結果と既存不適格建築物についての御質問でございます
が、初めに、立入検査の結果についてでございますが、43件のホテル、旅館等の宿泊施設
に対する立入検査を行い、現行の建築基準法に適合していない建築物を35件確認いたしま
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した。これらの建築物の所有者などに対して、立入検査時に不適合の内容について説明を
し、改善の指導を行ったところでございます。次に、既存不適格建築物についてでござい
ますが、建築物は新築時だけでなく、増築などを行う場合にはその時点の法律が適用され
ることとなります。そのため、立入検査の対象となった建築物について、増築や用途変更
などの履歴のほか、各時点における建築基準法の適合状況について現在調査をしていると
ころでございます。以上でございます。
○議長
大島
明
建設緑政局長。
〔建設緑政局長
○建設緑政局長
大谷雄二登壇〕
大谷雄二
建設緑政局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、技術職員の育成についての御質問でございますが、本市が発注する工事に係る
設計積算の適正処理を図ることを目的として設置された設計積算事務適正処理検討委員会
において、本年3月末、短期的及び中期的な対策を定めた報告書が取りまとめられたとこ
ろでございます。今後、この中の提言を踏まえ、技術職員の効果的な人材育成に向けて計
画的な研修を継続的に実施するとともに、能力、実績を重視した人材の登用や適材適所の
人事配置なども含め、全体のバランスを考慮した中で、スペシャリスト育成の観点から人
事異動のあり方について関係局と協議し、年度内に一定の方向性を出してまいりたいと存
じます。
次に、駐輪場の利用料金の改定などについての御質問でございますが、初めに、新たな
料金体系導入後の駐輪場の利用率や放置自転車の実態につきましては、毎年6月に実施し
ております川崎市内鉄道駅周辺における放置自転車等実態調査の結果などを踏まえ、本年
秋ごろを目途に検証し、駐輪場の利用促進や利用率の平準化など放置自転車対策を推進し
てまいりたいと存じます。次に、違法駐輪対策についてでございますが、本年度より駐輪
場の管理運営に指定管理者制度を導入し、現在、指定管理者がみずから効率化を図るため、
電磁式ラックや自動ゲートシステムの導入など機械化を進めているところでございます。
機械化された駐輪場につきましては、駐輪場利用の適正化を図る観点から指定管理者と協
議を行い、管理人の巡回の強化や警告札を取りつけるなどの対策を実施しております。特
に違法駐輪が多い駐輪場におきましては、カラーコーン等を設置するなど、区画外に駐輪
できないよう措置を講じているところでございます。今後も引き続き指定管理者などと連
携を図り、適正な駐輪場の管理運営に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
○議長
大島
明
〔港湾局長
○港湾局長
港湾局長。
大村研一登壇〕
大村研一
港湾局関係の御質問にお答え申し上げます。
陸閘の整備計画についての御質問でございますが、現在、陸閘改良のための準備段階と
して、海岸保全施設の現状調査に向けた取り組みを進めているところでございます。国及
び神奈川県においては、想定される津波の高さを検討しており、今後、その検討結果を踏
まえた海岸保全基本計画が策定されますので、その計画に基づき陸閘改良に係る詳細設計
を実施し、工事を進めてまいります。整備水準は、想定される津波の高さにより変動する
可能性があること、また、本市の海岸保全施設のほとんどが民間敷地内に設置されている
ため事業者との調整に時間を要することなど、整備に際しての不確定要素がございますが、
可能な限り迅速な整備が求められているところでございますので、おおむね3~4年で全
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施設36カ所を整備してまいりたいと考えております。
次に、ガントリークレーンの稼働能力等についての御質問でございますが、川崎港コン
テナターミナルには現在ガントリークレーンを2基設置しておりますが、点検、修理など
により1基しか使用できない状況が一定期間生じ、安定性の面で課題があることなどから、
平 成 23年 の コ ン テ ナ 取 扱 個 数 は 速 報 値 で 約 3 万 2,000T E U と な っ て い る と こ ろ で ご ざ い
ます。このため船会社等から強い要望が出され、ガントリークレーンを増設し、3基体制
とすることが求められておりましたが、増設により、1基が定期点検等により使用できな
い状況においても常に2基での荷役が可能となり、コンテナターミナル利用の定時性、安
定性、信頼性が高まり、既存の航路におけるコンテナ貨物の利用拡大や新規航路の開設が
図られるものと考えております。
次に、川崎港の利用拡大等についての御質問でございますが、初めに、川崎港利用促進
コンテナ貨物補助制度についてでございますが、この制度は、国際コンテナ戦略港湾であ
る京浜港が、コンテナ貨物の取扱量の拡大を目指し、それぞれの港の実情を踏まえながら
3港連携して平成23年度から実施しているものでございます。制度の概要につきましては、
船会社または荷主等の事業者が川崎港において補助対象となる事業を行った場合に、コン
テナ貨物1FEU当たり5,000円の補助金を交付するものでございます。補助対象となる事
業は、海外諸港や国内の他の港での積みかえから川崎港の利用に転換する事業、既に川崎
港を利用している事業者が取り扱いを増加させる事業、川崎港で新たに取り扱いを始める
事業、内貿振興のため京浜港との間で相互協力体制を構築する協定を締結している八戸港
または仙台塩釜港との間でコンテナを輸送する事業の4事業でございまして、平成24年度
におきましては、いずれも1事業当たりの上限額を1,000万円から2,000万円に拡充してい
るところでございます。また、内航コンテナ船の入港料の全額免除制度につきましては、
京浜港の連携した取り組みの一環として、川崎港コンテナターミナルを利用するすべての
内航コンテナ船の入港料を免除するものでございます。この制度は、国内のコンテナ海上
輸送網の充実や国内他港との連携の強化に寄与するものであり、川崎港利用促進コンテナ
貨物補助制度とあわせ、定期コンテナ船の新規航路開設や長期継続利用の促進に結びつく
ものと考えております。今後もこれらの制度などを活用することなどにより、京浜港とし
ての一体的な取り組みを一層充実させるとともに、川崎港の強みである冷凍冷蔵倉庫群の
集積を生かし、増大するアジアからの輸入貨物に対応するなど、川崎港の利用拡大を図っ
てまいりたいと考えております。
次に、コンテナ定期航路の新規開設の経緯についての御質問でございますが、本市では、
川崎港におけるコンテナ利用の一層の拡大を図るため、官民一体となってコンテナ貨物の
集荷を強力に推進することを目的とした川崎港戦略港湾推進協議会を昨年9月に設立し、
11月には同協議会主催の川崎港セミナーin青島を開催したところでございます。このセミ
ナーは、川崎港コンテナターミナルの背後に集積する冷凍冷蔵倉庫を利用する食品メーカ
ーなどの荷主と連携した中で、当該荷主の冷凍食品工場が多い中国山東省青島市をターゲ
ットにして、川崎港―青島港間のコンテナ定期航路を開設することを目的に開催したもの
でございます。セミナーのほかにも、荷主、商社と協力関係を構築した中でコンテナ貨物
集荷を行うなど積極的なポートセールス活動を展開するとともに、船会社との協議を進め
てまいりました。この結果、本年5月に川崎港と青島港などとを結ぶ新規コンテナ定期航
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路の開設に至ったところでございます。次に、今後の誘致活動についてでございますが、
このたび開設された新規航路の一層の利用促進を図るため、冷凍食品などを扱うリーファ
ーコンテナの集荷活動を国内外で精力的に行うとともに、川崎港の背後に立地する荷主等
からの要望が特に強い上海航路、煙台航路等の誘致にも積極的に取り組んでまいります。
以上でございます。
○議長
大島
明
〔消防局長
○消防局長
消防局長。
福井昭久登壇〕
福井昭久
消防局関係の御質問にお答え申し上げます。
福山市のホテル火災を踏まえた特別立入検査の実施状況などについての御質問でござい
ますが、初めに、関係部局と連携して実施した合同の特別立入検査についてでございます
が、類似するホテル、旅館等に該当する施設44対象について5月15日から29日まで実施し
たところでございます。検査の結果、26対象に違反があり、違反の内訳といたしましては 、
消防訓練の未実施など防火管理に関する違反が20件、誘導灯の球切れなどの消防用設備等
に関する違反が31件、階段、通路の物件存置など避難管理等に関する違反が19件、合計70
件となっております。次に、違反処理体制についてでございますが、立入検査において消
防法令違反が認められた場合は、毎月1回以上改善を促す指導を継続実施するとともに、
関係者に改善の意思が見られない場合は、警告書、命令書を交付するなど早期改善に向け
た対応を図っているところでございます。次に、違反改善状況についてでございますが、
人命危険につながる避難経路の物件存置など5件は即時改善させ、6月6日現在、既に40
件が改善されており、残り30件につきましても、改善が確認されるまで担当検査員が電話
による督促もしくは直接出向くなど、関係者に対して継続指導することとしております。
以上でございます。
○議長
大島
明
岩隈議員に申し上げます。ここで休憩をお諮りいたしたいと思います
ので、御了承願います。
お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長
大島
明
御異議ないものと認めます。暫時休憩いたします。再開は午後1時と
いたします。
午後0時1分休憩
-------------------
午後1時0分再開
〔局長「ただいまの出席議員副議長とも52人」と報告〕
○副議長
岩崎善幸
会議を再開いたします。
休憩前に引き続き、代表質問を行います。岩隈議員。
○33番
岩隈千尋
それぞれ御答弁ありがとうございました。再質問に入る前に意見要望
させていただきます。
まず、生活保護についてですが、生活保護事務では、局長の答弁によると、より多くの
人員が必要なのではないかと推測されます。窓口で対応する人員も、国基準である80対1
人体制を維持しているとのことですが、生活保護受給世帯の増加、多様化、複雑化などを
考えると、今後、よりきめ細かい事務執行のための環境づくりが必要になると思われます。
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速報版
また、現場で働くケースワーカーが正確かつ迅速に対処するためには、司令塔である生活
保護・自立支援室の充実を早急に整備するべきと考えます。行財政改革については異論は
ありませんが、増員が必要な部署については相応の配置を要望したいと思います。
同じく生活保護における扶養義務についてです。局長からの答弁によると、扶養義務者
の能力を調査する権限が現行制度ではないので、家裁への調停等を活用した例はないとい
うことでした。扶養義務に関しては民法との兼ね合いもありますが、現代社会の実態と合
わない部分も存在します。現役世代の平均給与が減少する中、被保護者と扶養義務者がと
もに倒れては本末転倒です。今後、適正給付について、国との協議の際には実情に応じた
制度の構築を要望します。
それでは、再質問に移ります。川崎市総合都市交通計画について市長に再質問いたしま
す。地下鉄事業については、技術面において不確定要素が高いことを指摘してまいりまし
た。また、路線面においては、これまで新百合ヶ丘―武蔵小杉の初期整備区間、武蔵小杉
―川崎の2期整備区間と別々に議論されてきました。しかし、推進検討委員会では市域全
体の鉄道ネットワークについて指摘し、臨海部の再編や羽田空港の重要性など社会環境の
変化について言及しております。新技術の確立には長期間を要することが判明した今、初
期、2期整備と切り離して検討する意味がわかりません。むしろ川崎市初の総合都市交通
計画を策定するに当たり、市民ニーズの高い横軸、縦軸の鉄道ネットワークの構築、川崎
市新時代鉄道ネットワークとして時間をかけ、全体のコンセプトや意義が確立した段階で
総合都市交通計画へ位置づけられるものであります。技術面と路線面がともに中途半端な
内容による計画策定には無理が生じます。再考を求めますが、見解を伺います。
同じく地下鉄について市長に再質問いたします。市長は、整備の意義、必要性、事業費
の削減は最大26%と述べられましたが、これについては関係機関との難易度が大と提言書
に専門家より示されております。この数字のとおり進まないことは明白な事実です。また、
市民への説明責任については答弁で一切触れられておりませんでした。我が会派も、これ
まで新技術による研究等については否定したことはございません。しかし、従前より主張
しておりますのは、地下鉄事業と蓄電池や燃料電池といった将来予測が困難な新技術がマ
ッチングしたことがそもそも迷走の発端であり、その発言は市長にあります。市長、副市
長、局長以下行政が、極めて凍結に近い地下鉄事業についてまだ行いますと言い続けるこ
とは、市民に対し無責任であると言えます。市長みずからが市民へ掲げた公約が破綻した
今、説明責任を果たすことが求められます。市長の政治家としての答弁を伺います。また 、
本事業については一たん区切りをつけ廃止し、新技術が成熟したしかるべきときに再度改
めて検討すべきと考えます。あわせてお答えください。
公契約条例と入札契約制度の見直しについて再質問いたします。特定業務については、
作業報酬下限額を請負金額全体の中で調整することを目的に、労働者の雇用の形態を常勤
職員から非常勤、パート化して総人件費の削減を図るのではないかといった懸念を指摘い
たしました。この質問に対し、本条例は、当該契約に係る作業に従事する労働者の賃金の
抑制を図るものではなく、労働者の雇用形態にかかわらず作業報酬下限額以上の賃金を確
保し、もって公共サービスの品質確保を図ることを目的としているとの財政局長の御答弁
でした。作業報酬下限額以上の賃金を確保するための入札予定価格の考え方及び公共サー
ビスの品質確保に向けた評価の仕組みとあり方について担当副市長に伺います。
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第3日(6月15日)
次に、子育て支援と待機児童対策についてこども本部長に再質問いたします。効果的な
認可外保育事業の再構築に取り組むとの御答弁をいただきました。さきに指摘いたしまし
たが、待機児童にカウントされない認定保育園など認可外の保育施策で対応している児童
数は1,274人に上り、認可外保育施設等による対応の必要性が改めて明らかになりました。
ところが、認可外の保育施設が待機児童の解消を初め地域における保育事業の重要な役割
を担っているにもかかわらず、認可保育所の整備を計画どおり進めることで認可外事業を
圧迫するという矛盾した現実があります。これからの本格的な認可外保育事業の再構築に
向けた取り組みの議論の中で、認可保育所を優先的に整備することだけではなく、むしろ
利用者のニーズや負担の見直しとあわせて保育実績のある認可外保育所を積極的に活用す
るという考え方は、保育事業全体の費用対効果の視点からも、将来の人口動態の視点から
も十分に検討すべき課題と考えます。見解を伺います。
第3次かわさきノーマライゼーションプランに関連して再質問いたします。れいんぼう
川崎やみずさわ、そして現在進められている井田重度障害者等生活施設は、地域移行を前
提とする通過施設とされています。そのとおり実施するには、地域移行の受け皿となるグ
ループホームやケアホームの建設を運営法人に任せることなく、当初より計画の一部とさ
れなければいけません。重度重複障害者対応のケアホームの運用については、ナイトケア
を充実させるために夜間、休日の職員体制に対する加算を新たに設けるとの御答弁をいた
だきましたが、もう一方の課題である医療のバックアップの構築について考え方を再度伺
います。
ショートステイの需要にこたえるためには、以前の障害分類に従って建設された既存施
設の障害特性の垣根を取り払い、多様な障害者を広く受け入れられるハード、ソフト両面
からの施設整備と運営が求められます。施設のバリアフリー化、夜間、休日の職員体制の
確保など、より手厚い対応が必要な身体障害などを伴う人への対応が求められます。ショ
ートステイについては、レスパイト等のニーズにも十分こたえられるよう、身近な通所施
設等を利用した短期入所施設の仕組みについて検討し、タイムリーに安心して利用できる
よう体制整備を図ってまいりますとの御答弁をいただきましたが、具体的に、既存の施設
内に環境の整った寝室の確保やスプリンクラーの設置、朝夕の食事の提供をどのように行
うのか、また、夜間用の職員体制を上乗せする経費をどのように確保するか、本市が基準
と補助のあり方を社会福祉法人に明確に示すことが重要と考えます。具体的な対応と考え
方について健康福祉局長に伺います。以上です。
○副議長
○市長
岩崎善幸
阿部孝夫
市長。
川崎縦貫鉄道等についてのお尋ねでございますが、その中で公約が破
綻という大変きついお言葉がございました。そのような批判を民主党の代表質問でいただ
くとは思いもよりませんでしたが、お答えいたします。
初めに、川崎縦貫鉄道についてでございますが、最先端の技術を導入した新たなモデル
を構築することにより、省エネルギーや地球温暖化対策など、研究開発都市川崎にふさわ
しい地下鉄として将来的に国際社会への貢献につなげていくことが非常に重要であるとの
考えから、このたびの検討を行ったものでございます。そのためには、一定の時間をかけ
ても実現に向けて継続的に取り組んでいくことが重要であると考えております。私がマニ
フェストにお示しした事業費の3割削減の検討につきましては、検討委員会の提言におい
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速報版
て事業費の削減率は最大で26%でしたが、路線の整備と新技術の導入の意義が確認された
ところでございます。次に、総合都市交通計画についてでございますが、都市の骨格とな
る鉄道ネットワークについては、これまで築いてきた都市構造や交通基盤を基本としつつ、
環境配慮や防災対策などの重要な政策課題に対応するよう、主要な事業について長期的な
財政フレームに及ぼす影響などを見据えながら、短中長期の段階的な取り組みの方針や戦
略的な展開などについて、これまで検討を進めてきた川崎縦貫鉄道を含めて、川崎市総合
都市交通計画検討委員会において十分御議論いただき、計画を策定してまいりたいと考え
ております。以上でございます。
○副議長
岩崎善幸
砂田副市長。
○副市長
砂田慎治
公契約条例と入札契約制度の見直しについての御質問でございます
が、初めに、特定業務委託契約の予定価格につきましては、契約規則第14条第2項に基づ
き、取引の実例価格、需給の状況、履行の難易等を考慮して定めております。なお、労働
者の賃金につきましては、委託契約締結後に受注者から提出される労働者の賃金が記載さ
れた台帳により確認しているところでございます。次に、公共サービスの品質確保に向け
た評価の仕組み等についてでございますが、特定業務委託契約におきましては、従来から
実施しております業務内容の完了検査に加えまして、公契約条例に基づき労働者の賃金を
確認することで一層の品質確保が図られるものと考えております。いずれにいたしまして
も、公契約条例の趣旨を踏まえ、今後とも適正な運用に努めてまいりたいと存じます。以
上でございます。
○副議長
岩崎善幸
○こども本部長
岡本
こども本部長。
隆
認可外保育事業の再構築についての御質問でございますが、
保育所入所申請者が増加傾向にある中、さらなる保育需要の高まりと多様な保育ニーズに
対応するためには、柔軟な対応が図れる認可外保育事業の役割が重要であると認識してお
ります。また、認可外保育施設を運営する事業者につきましては、それぞれ設立経緯が異
なり、施設ごとに特色を生かした運営を行っているところでございますが、待機児童対策
においても一定の効果を上げている状況を踏まえ、良質な保育が提供できるように認可外
保育事業の再構築を検討してまいります。いずれにいたしましても、最小の経費で最大の
効果を上げることが使命でございますので、関係局と調整を図りながら、実効性のある認
可外保育事業の再構築に努めてまいります。以上でございます。
○副議長
岩崎善幸
○健康福祉局長
木村
健康福祉局長。
実
第3次かわさきノーマライゼーションプランについての御質
問でございますが、初めに、ケアホームにおける医療のバックアップについてでございま
すが、ケアホームにおきましては、障害者自立支援法の規定により、近隣の医療機関に協
力医療機関をお願いしておりまして、日常的な受診や緊急対応、必要に応じて総合病院へ
の紹介等をしていただいております。とりわけ重度重複障害者につきましては、日常的な
ケア、訪問看護の必要性、通院時の状況報告の内容、緊急時の対応方法など利用者の身体
状況を詳細に確認しておりますが、主治医との連携が何よりも重要と考えておりますので、
緊急時の受け入れ体制等について緊密な連携を図るよう運営法人に周知しているところで
ございます。次に、短期入所の整備につきましては、既存の通所施設に併設することは課
題も多いことから、身近な生活の場であるグループホームでの実施や、今後計画している
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通所施設に併設することを基本に検討してまいります。また、短期入所につきましては、
自立支援給付費だけでは安定的な運営が難しいことから、本市独自の補助として、入所者
の処遇向上を図ることを目的とした定率加算、重複障害者など支援の必要性が高い入所者
等を受け入れた場合の実績加算、食事の提供などのために職員体制を確保している場合の
支援体制加算を実施しておりまして、これらについては今後も継続してまいります。以上
でございます。
○副議長
○33番
岩崎善幸
岩隈千尋
岩隈議員。
それでは、最後に意見要望させていただきます。
さきに市 長は、マニ フェスト評 価に対する 御批判が ―評価が厳しいとい うお答えが ご
ざいました。我が会派は、大都市制度を初め、市長、事業計画を応援する部分はきちんと
応援させていただきます。しかし、チェック機能を果たすことが議会のあるべき姿だと考
えております。市長が今御答弁された新技術の導入や路線整備の意義等は、市民ニーズに
こたえているとは思えません。なぜなら、これまでの我が会派の調査、また新聞報道でも 、
7から8割の市民が地下鉄事業に関しては懐疑的であるからです。一方、我が会派がこれ
まで主張している総合都市交通計画における鉄道施策、横浜市営地下鉄3号線の延伸や南
武線の利便性向上等は極めてわかりやすく、昨年行政が行った市民アンケートに見られる
ように、多くの市民、またニーズに裏づけされています。初めて策定される本市の総合都
市交通計画です。市民のため最善なものをつくる、我が会派が求めるのはその1点です。
あいまいもことした事業計画を盛り込むのではなく、より実現性の高い、優先順位、重要
性などを加味した戦略的な展開を強く要望させていただきます。あとは委員会に譲り、以
上で質問を終わります。
○副議長
岩崎善幸
32番、斉藤隆司議員。
〔斉藤隆司登壇、拍手〕
○32番
斉藤隆司
私は、日本共産党を代表して、2012年第2回川崎市議会定例会に提案
された諸議案並びに市政一般について質問を行います。
最初に、市長の政治姿勢についてです。市長は、消費税を増税するなら地方の配分をふ
やすように要請すると定例記者会見で述べたとのことですが、本市企業会計の経営に大き
な影響を及ぼし、さらなる市民負担につながる問題についてはどのように考えているので
しょうか。病院事業においては、市立3病院については2010年度で仮払い消費税額約7億
円 を 最 終 消 費 者 と し て 負 担 し て い ま す 。 そ の う ち 、 い わ ゆ る 損 税 の 試 算 額 が 約 2 億 7,000
万円です。公的病院として厳しい経営を続けている中で、税率が上がれば上がるほど病院
経営を圧迫することになります。上下水道事業では、直接水道料金としての値上げに連動
します。10%で約30億円を新たに料金に転嫁することになります。交通局においてはもっ
と深刻です。乗車料金に課せられる税金は内税ですから、10%になれば2億8,700万円の減
益になります。消費税の負担が上乗せされれば、厳しい経営をさらに圧迫することは目に
見えています。消費税の負担増を口実に公共料金の値上げということになれば、ほかの消
費税の負担とあわせて雪だるま式の負担を市民に負わせることになります。独立採算制を
とっている公営事業にとっても、経営を圧迫する消費税の増税は、市民生活を守るべき市
長の立場からも認めるべきではないということを強く要望いたします。
脱原発についてです。5月5日に北海道電力の泊原発3号機が定期検査で運転を停止し
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て、国内に50基あるすべての原発がとまりました。福島原発の大事故を経験して、日本で
も世界でも原発撤退を求める声が大きく広がっています。ドイツ政府は2022年までに原発
から全面撤退することを決定し、発電量の40%を原発に依存しているスイスも撤退を決め
ました。大事故を起こした当事国である日本がどうするのか、世界が注目しています。今 、
多くの国民の中で、このまま原発を続けていいのかという真剣な模索と探求が広がってい
ます。若い世代や広範な人たちが声を上げ、新しい運動の波も起きています。今重要なこ
とは、原発ゼロの日本への決断をすることです。そうしてこそ、電力供給や自然エネルギ
ーへの転換でも、原発立地自治体の雇用と営業を守る対策でも本腰が入ります。さらに、
大飯原発の再稼働をねらう動きが強まっていますが、京都府と滋賀県の知事が原子力規制
庁の早期設置を求めたことを逆手にとって、野田内閣は規制庁設置を原発再稼働と結びつ
け、前提条件のように扱ってきました。推進機関と規制機関は完全に分離しなければなら
ないというのは国際的な原則です。ところが、政府案は原子力規制庁を環境省の外局とし
て設置するものです。民主党が丸のみする考えを示している自公案は原子力規制委員会を
設置するとしていますが、環境省の外局とする点では違いがありませんし、何よりも両案
とも原発推進、再稼働のための規制機関でしかありません。こうした立場ではなく、原子
力規制機関は、廃炉や使用済み核燃料の処理までを担う機関と位置づけるべきです。こう
した立場を堅持して原発ゼロを目指すべきと考えますが、市長の見解を伺います。
リニア新幹線の建設問題についてです。これは9兆円という巨額の資金を要することや、
使用電力も新幹線の3倍以上と言われるなど、エネルギー浪費型の交通体系であります。
また、大深度トンネルであることから、活断層の影響や火災時の安全性の問題、電磁波に
よる乗員、乗客の健康被害、振動、騒音、環境や市民生活への重大な懸念などを指摘、川
崎市として国とJR東海に対して厳しい対応をとることを求めてきました。そこで市長に
伺います。巨額の資金を長期にわたって投入してリニア新幹線の建設を急ぐ必要があるの
か、東海道新幹線の老朽化の解消、地震・津波対策はますます後回しになるのではないで
しょうか。鉄道網の耐震化、整備こそ優先させるべきではないでしょうか、伺います。ま
た、大量の電力を使用する交通システムは省エネ社会の構築に逆行するものと思いますが、
見解を伺います。さらに、立て坑建設に伴う市民生活、健康被害、環境破壊などの点から
見ても建設すべきではないと考えますが、伺います。
地震防災対策についてです。東日本大震災の発生で、これまで指摘されてきたプレート
地震、断層地震などの発生が早まったとの指摘や、地震の活性期に入っているということ
が専門家から指摘されています。まさに災害発生と隣り合わせの毎日を暮らしているとい
うことです。建物倒壊による人命喪失を回避する第一の課題は、旧耐震基準木造住宅の耐
震化です。東日本大震災以後、市民の耐震対策への関心が高まっています。事前の調査で
も、既に新年度予算として確保された耐震改修助成予定件数100件を超える勢いで助成申請
されています。3月議会でも指摘したことが現実になっています。予算を抜本的に増額し
て市民の願いにこたえるべきと思いますが、今後の対応について伺います。潜在的に耐震
化を希望している市民は多く存在していることが予想されます。普及啓発の徹底と同時に、
渋谷区が行ったように旧耐震基準の建物居住者の悉皆調査などを実施し耐震化の徹底に努
めるべきと思いますが、伺います。
家具の転倒防止事業についてです。9月1日の防災の日に合わせて、ひとり暮らし高齢
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者世帯及び高齢者のみ世帯、ひとり暮らし障害者に対して家具の転倒防止金具の取りつけ
を助成する事業ですが、いつ発生するかわからない状況をかんがみて速やかに募集を開始
して、希望する人にはすべて実施すべきと思いますが、伺います。また、対象を拡大して
子どもや高齢者がいる世帯も対象にすべきと思いますが、伺います。
耐震改修事業や家具の転倒防止対策など、震災予防対策の所管と受付窓口を各区役所に
設置し、行政区ごとに迅速かつきめ細かく対応できるようにすべきと思いますが、見解を
伺います。
防災備蓄についてです。地域防災計画修正案では、家庭においては3日分以上の飲料水、
食料や非常用品等の備蓄を図るように努めなければならないとされ、食料及び生活必需品
の備蓄も自助、共助の考え方に基づいて確保されることを前提としています。市民が自主
的に備えることは必要なことですが、市民の自主的な備蓄を当てにして自治体としての備
蓄数を少なく見積もる今の備蓄計画の立て方は改めるべきだと思いますが、見解を伺いま
す。避難所となる市立小学校への防災備蓄ですが、112校のうち、防災倉庫が設置されず、
空きスペースも活用されていない小学校が34校もあります。地域の避難所として必要な物
資を早急に全小学校に備蓄すべきと思いますが、対応を伺います。
また、児童生徒用備蓄物資は、非常食、飲料水が全生徒数の3分の1しか予算化されま
せんでした。それはいつごろ、どのように設置されるのか伺います。今後、全生徒分の非
常食、飲料水、防寒具を備蓄すべきですが、伺います。
石油コンビナートの避難計画策定の進捗状況について伺います。また、避難所等の設置、
臨海部特有の有毒ガス等から労働者の命を守るためにガスマスク等の備蓄など、具体化に
ついてはどのようになっているのか伺います。
小 杉 駅 周 辺 再 開 発 に 関 連 し て で す 。 大 規 模 民 間 開 発 事 業 に お け る 住 宅 は 、 こ れ ま で 198
メートルのタワーマンションを初めとして、既に竣工したもので4,276戸、人口は計画で1
万2,800人余りふえ、さらに今後の計画では4,412戸、計画人口で1万3,200人余りの人口増
が予定されています。こうなれば合計8,688戸、計画人口2万6,000人余りという首都圏で
も 有 数 の 超 過 密 都 市 が 出 現 し ま す 。 再 開 発 は 南 武 線 の 北 側 に 進 み 、 小 杉 町 2 丁 目 で は 190
メートル級の超高層マンション計画が進行しようとしています。最近再開発の概要が発表
された旧ホテル ザ・エルシィ跡地などの小杉駅北口地区170メートル、小杉町3丁目東地
区160メートル、さらに日本医科大学病院の再編整備などの予定があります。この地域は、
これまでの再開発が工場や企業のグラウンド跡地だったところに対し、周辺には低中層住
宅が立地する住宅地域です。日影や圧迫感、わけても風害などに対する住民の不安はとて
も大きなものです。20年前に完成した隣地のタワープレイス周辺は、強烈なビル風でまと
もに通行できない、軽自動車が運転中浮き上がるなど深刻な事態を起こしています。当時、
タワープレイスの環境影響評価結果は、当計画に伴うビル風が計画地周辺に与える影響は
軽微であると評価するというものでしたが、実態は余りにも違いました。今回、小杉町2
丁目の開発に伴うアセス準備書でも風環境については同様の予測がなされています。今回
はストレートではなく建物の低層部に風が当たるので、ビル下の周辺通行には支障はない
との説明がありましたが、ペデストリアンデッキなどはどうなのか、タワープレイス周辺
の風による害をそのたびに体験している住民の不信は募るばかりです。市として本当に大
丈夫と言い切れるのか伺います。そもそも小杉駅周辺再開発は、高度経済成長期につくら
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れたまちづくりの仕組みです。今、日本を代表する民間のシンクタンク、野村総研は、現
在の住宅着工ペースを続ければ、30年後には空き家率が40%に達すると予測しています。
都市の空き家率が30%を超えると居住環境は著しく低下し、上下水道などのインフラやご
み収集などの行政サービスの効率も悪化して、自治体財政を逼迫させる可能性もあると警
告しています。今のうちに人々を小杉駅周辺に呼び込んでおこうとするかのような都市計
画が果たして50年、100年先の歴史の審判に耐えられるのか、改めて検証し直すことが自治
体の責任として求められているのではないでしょうか、伺います。
普通ごみの収集についてです。川崎市環境審議会から川崎市一般廃棄物処理基本計画の
行動計画改定案が示され、先ごろ市民からの意見募集も行われました。最重点施策の一つ
として、普通ごみの収集回数を週3回から2回に変更することが挙げられています。ごみ
収集は公衆衛生を保全する仕事ですが、普通ごみの収集が週2回になれば、子どもや大人
のおむつ、夏場の生ごみなど、置いておくことのできないごみをどうするのかなど、さま
ざまな問題が生じます。ごみの減量化と公衆衛生を保全するための普通ごみの収集回数は
別に考えるべきです。十分な市民への説明と市民合意がないまま来年度からの普通ごみ収
集回数の変更を行うべきではありません。伺います。
中小零細企業への支援についてです。川崎市の工業統計調査によると、2010年12月31日
時点の従業員4人以上の事業所数は1,452カ所で、9年前の2001年と比べ3割も減少してい
ます。必死で維持している事業所でも、先行きの見えぬ経営に後継者不足が追い打ちをか
け、ものづくりの基盤の崩壊が大きな問題となっています。ある工業団地の会長さんは、
約35社の構成員のうち後継者がいる事業所は5~6社、経営者のほとんどは65歳以上で、
このままでは技術の継承ができなくなると危機感を募らせていました。大企業は中小が支
え、中小は零細企業の技術によって支えられているんですという言葉に、零細企業も含め
た中小企業への緊急な対策の必要性を再認識させられました。まちの中小企業、とりわけ
零細企業は、経営の困難とそれゆえの後継者不足でまさに先の見えない状況の中、必死で
頑張っています。そこに光を当て支援を行うことは、本市のものづくりの基盤を守るため
にも必要です。支援策がこうした事業者に届いていない現状では、実態をつかむことから
始めるべきではないでしょうか。経済センサスによれば、2010年の製造業の事業所数は市
内3,900カ所あり、そのうち従業員10人未満の零細な事業所は2,834カ所です。これを対象
とした経営状況や市に求める支援策、後継者問題等、市独自の調査を行うべきと思います
が、伺います。
正規労働者の雇用拡大策についてです。2011年度の川崎市の緊急雇用創出事業臨時特例
基金事業は40事業ありましたが、単年度事業のため、2012年度も継続するのは11事業です。
しかし、国の補助金を活用した緊急雇用創出事業であるため、短期雇用であり、同じ人は
2年継続して雇用されません。これでは市みずから不安定雇用を拡大しているようなもの
です。川崎市の雇用対策事業で雇い入れた人については、要望を聞き、実態をつかんで、
正規の仕事につけるよう市独自の取り組みを進めるべきです。伺います。川崎市が委託し
ているキャリアサポートかわさきで働く求人開拓員も、同事業の一つ、緊急雇用対策求人
開拓強化事業での単年度雇用です。求人開拓員の仕事は、市内企業を継続的に訪問する中
で事業状況を把握し、そうした積み重ねから信頼関係を築く中で求人開拓につながってい
くものではないでしょうか。1年単位で求人開拓員がかわり、飛び込みでしか求人開拓で
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きないのでは、とてもその役割を果たすことはできません。また、単年度雇用であるため、
昨年度は市民のために仕事を探していた求人開拓員を、今度はみずからの職を探さなけれ
ばならない状況に置いているのも、市の事業のあり方、労働者の使い方としては極めて問
題だと言わなければなりません。北九州市では、若年者求人開拓事業を社団法人北九州中
小企業団体連合会に委託し、専任の求人開拓員3人を配置し、2011年度は求人数1,218人の
実績を上げています。市内の中小企業の実情に詳しい団体に委託し、専任の求人開拓員を
配置していることがこうした実績につながっています。川崎市も、求人開拓員を単年度雇
用ではなく市独自で正規で雇用すべきです。伺います。
厳しい雇用情勢のもとでは、やはり市が雇用拡大の先頭に立つことが必要です。北九州
市では、新卒等採用拡大ローラー作戦に取り組み、市長、副市長、局長など幹部職員が中
心になって市内企業を訪問し、2011年度は地元中小企業420社を訪問し、成果を上げていま
す。担当課長は、直接訪問することで雇用創出だけでなく企業から意見や要望などを受け、
実情も知ることができるなど、産業政策としても重要な意味を持っていると話していまし
た。たびたび要望してきましたが、川崎市でも一人でも多くの安定的な求人をふやすため、
市長を先頭に全庁挙げて市内企業を訪問すべきです。市長に伺います。
子育て支援策についてです。小児医療費助成制度についてです。小児医療費助成制度の
通院の助成対象が小学校1年生に拡大されますが、9月からの実施について保護者からは、
学年の下半期しか対象にならない、医療費がかかる年度当初にさかのぼって助成してほし
いとの声が寄せられています。小学校入学直後は環境の変化が子どもの心身に与える影響
は大きく、医者にかかる機会がふえます。4月からの医療費の自己負担分は、申請があれ
ばさかのぼって償還払いなどで助成すべきと考えますが、伺います。
今年度、わずか1歳分しか拡大せず、小学校1年生までの本市は他都市から大きく立ち
おくれてしまいました。早急に中学校卒業まで拡大し、所得制限を撤廃すべきです。3月
議会で市長は、引き続き拡充を検討すると述べましたが、こども本部が今年度予算の編成
に向けて小学校6年生まで拡大する予算要求を出していた経過からも市長の決断が待たれ
ます。拡充の内容と時期について伺います。
保育所待機児童解消についてです。4月1日現在、認可保育所に申し込んで入所してい
ない児童数は2,651人で、待機児童数は前年より236人減少したとはいえ615人に上り、県内
では最多となりました。待機児童が減少したのは、認定保育園、かわさき保育室など、本
市の認可外保育施策で対応している児童数等がふえたことによるものです。こうしたもと
で、先日、子育て家庭の妻の86%が正社員やパートで仕事につくことを希望しているとい
う政府の調査結果が、近く閣議決定される2012年版子ども・子育て白書に掲載されると報
道されました。長引く景気低迷で賃金水準低下に加え、リストラ、非正規雇用拡大など雇
用の不安定さが増す中、夫婦共働き志向が顕著になったと報じています。保育ニーズが今
後もますます増加することを示す調査結果です。待機児解消目標年度を明確にすべきです
が、伺います。2013年度に向け、2012年度中に1,435人の定員増の取り組みを進めますが、
緊急対策として2013年度の整備計画を前倒しして定員増をさらに引き上げるべきと考えま
すが、伺います。2015年度までを計画期間とする第2期川崎市保育基本計画では、今後に
ついては市内にある国有地や県有地、企業等の土地等を活用した保育所整備の推進とあり
ますが、まだ1カ所も活用整備していない県有地の具体化がどうなっているのか伺います。
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ほかの公有地活用の計画と取り組みについても具体的に伺います。期間中の整備計画の引
き上げについても検討すべきと考えますが、伺います。
児童虐待対応と児童相談所等の体制の強化についてです。2011年度の児童虐待相談・通
告件数は前年度より273件ふえ、1,320件になりました。児童虐待の防止と対応の強化は喫
緊の課題です。私たちはこの間、横湯園子元日本児童虐待防止研究会理事に話を聞き、こ
ども家庭セ ンター―中央児童相 談所も視察 しました。 児童相談所 では、人員 をふやす と
ともに高い専門性が求められることから、経験年数の浅い職員や新入職員をどう育てるの
かが大きな課題になっていると伺いました。本年5月、川崎市児童福祉審議会第4部会は、
2歳児のお子さんの虐待死亡事例の検証報告書を出しました。この報告書の総括の最後は、
2009年12月、2011年8月の検証報告、提言で指摘された課題が本事例にも見受けられ、保
健福祉センター、児童相談所、乳児院が支援していたにもかかわらず、幼い命を守れなか
ったことは、前2回の教訓が十分生かされたとは言いがたい状況であり、今回の提言も踏
まえて早急に具体的な方策を示すことが必要ですと結んでいます。この報告書には、問題
点と課題、改善のための貴重な提言が提起されています。その中の児童相談所における組
織的対応の徹底・組織体制整備についてです。ソーシャルワークを機能させるために児童
福祉司、児童心理司、管理職を含めた専門性の向上、新任職員を組織としてフォローでき
る人員配置、OJT等の体制整備が求められる、マンパワー不足、多忙、疲弊により本来
業務が果たせない状況にまで追い込まれている事実が見受けられた、よって、人員配置に
ついて見直すべきである、本事例では、必要な情報が共有されずに客観的視点を欠いたま
ま個人で判断、対応がなされた状況が見受けられる、組織的な判断、対応の徹底のために 、
必要時には必ず複数対応ができるよう人員配置も見直すべきであるとしています。ソーシ
ャルワーク機能や組織的な判断、対応のために人員配置を見直すべきとしていますが、見
解と対応を伺います。
次に、本市では、地区担当が継続相談のケースワークに並行して新規ケースの初期対応
や緊急対応、さらには重篤ケースの家族再統合まで担い、対応件数も増加している、初期
対応、緊急対応、家族再統合、司法的対応等、高い専門性を要する分野については専任で
実施できる人員配置、体制整備が必要であるとしています。現在の3児童相談所における
地区担当の1人当たりのケース件数を伺います。専任で実施できる人員配置、体制整備が
必要であるという提言について見解と今後の対応を伺います。保健福祉センターの課題と
児童相談所との連携についてです。報告書では、虐待ケースの家庭復帰後の支援を児童相
談所のみで担うことは難しく、個々のケースで必要な支援は当然異なるが、地域支援体制
の基本はルール化する必要があると考えられるとしています。保健福祉センター内で情報
共有、協議、方針決定をする会議等の位置づけを明確にしておく必要がある、児童相談所
における所内会議のように位置づけが明確な会議を設置し、そこで組織決定に基づく対応
を徹底することが求められる、また、原則複数人対応とすべきであり、それを可能にする
人員配置も検討すべきであると提言しています。地域支援体制のルール化について見解と
対応を伺います。保健福祉センター内で位置づけが明確な会議の設定と、原則複数人対応
とするための人員配置も検討すべきということについての見解と対応を伺います。
中学校給食についてです。北九州市では、中学生の食生活状況調査の結果、モデル実施 。
そのさなかにも賛否両論ある中、論点整理を行い、他都市の視察で中学校給食がごく自然
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に定着していたこと、給食時間も改善されたこと、家庭での弁当づくりがなくなっても親
子のコミュニケーションの変化は生じていないなど検証し、完全給食に踏み切りました。
都市にはそれぞれの成り立ち、状況の違いがあり、中学校給食の実施方法はさまざまです。
私たちが視察した都市では、子どもたちのために中学校給食をいかに実施していくかとい
う立場から、さまざまな工夫と知恵で取り組まれていました。川崎でもことし、中学生の
食育、食生活の調査を行うと約束されています。ことし2月に出された学校における食に
関する指導プラン(小学校)によると、調査からうかがえる子どもたちの現状では、朝食
を食べていても御飯とふりかけ、お茶漬けのみ、甘いパンのみといった偏った内容、朝食
では子どもだけで食事をしている家庭が多いなどが書かれています。生きた食育は、体験
を通して習慣化を促すための持続的な指導が必要と言われています。これだけ見ても、学
校給食の果たしている役割の大きさを実感します。ほかの政令指定都市のほとんどが実施
している中学校給食を川崎でも、いよいよ足を踏み出す時期に来ているのではないでしょ
うか、伺います。
通学路の安全対策についてです。全国で登下校中の児童が犠牲になる痛ましい事故が相
次いでいます。県内でも、小学生の登下校中の交通事故により、過去3年、毎年200人以上
の負傷者が出ており、通学路の安全対策が喫緊の課題になっています。文部科学省、国土
交通省、警察庁からは、8月末までに全国の通学路の緊急点検を実施するよう通知が出さ
れています。全市域での危険箇所の点検と改善には全庁挙げた取り組みが求められていま
すが、全庁横断的な体制づくりと取り組みの方針について伺います。本市では、教育委員
会が2008年度から5年間の事業として通学路安全点検事業を行ってきました。市立の全小
学校で、学校、PTA、町内会などが合同で通学路の危険箇所を点検し、安全対策を区役
所等に要望する取り組みです。現時点で改めて全学校を対象に同事業を早急に実施するこ
とを含め、危険箇所の調査と把握、安全対策に万全を期すべきと考えますが、対応を伺い
ます。これまでの通学路安全点検事業は、各学校が5年間に1回だけ実施するというもの
で、今年度が最終年になっています。人口増加が続き、街並みや危険箇所の変化が目まぐ
るしい本市では、同事業を毎年の全校実施の事業として継続、拡充すべきと考えますが、
伺います。
障害者施策についてです。移動支援についてです。ふれあいガイドと移動支援が一本化
されました。行く先によって報酬に差別をつけるということがなくなったことは当然です
が、この機会に利用料が1割になったことは理解できません。そのため、5時間の利用で
は利用料が243円から811円に上がってしまいます。ほかの支援も利用していて上限額まで
使っている人は影響がないとのことですが、移動支援だけを利用している人は大幅な値上
げになります。もとの3%に戻すべきと思いますが、伺います。移動支援に利用上限時間
があることも障害者の願いを損ねています。そもそも出かけるのに月40時間を超える場合
はあらかじめサービス調整会議で認めてもらわなければならないという仕組み自体がおか
しなことです。行きたいときに行きたいところに行くことを制限する仕組みはやめるべき
ですが、伺います。重度障害者医療費助成に精神障害者を加えることについてです。こと
し2月、県が助成金を出すことになり、市単独で精神障害者にも助成している自治体はす
ぐに受け入れましたが、本市は、新たな財政負担が発生するため受け入れていません。本
市はさらに、行革プランや新総合計画第3期実行計画で助成要件の見直しを行うとしてい
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
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速報版
ることから、たとえ精神障害者も助成対象になったとしても、他方で所得や年齢の制限、
一部負担金が導入されるのでは意味がありません。重度障害者にとって、医療は生きるた
めにどうしても必要です。現行の重度障害者医療費助成は堅持し、精神障害者を含む制度
を改正すべきですが、伺います。
議案第91号、川崎市視覚障害者情報文化センター条例の制定についてです。川崎市盲人
図書館の新築、移転に伴い、名称を変更し、機能を強化するとともに、管理を指定管理者
に行わせるとするものです。本市の盲人図書館は1962年に設立され、50年にわたって点字
図書館の機能だけでなく、早くから視覚障害者訓練事業などを直営で行ってきた歴史ある
施設です。個々の職員は異動しても、館の中で全体として支援のスキルやノウハウを継承
し、培っています。指定管理者制度の導入に際して一番懸念することは、この継続性を担
保できるのかということです。川崎市が独自に歩んできた盲人図書館の役割を将来にわた
って継続できるのか伺います。
かわさきいきいき長寿プランについて伺います。老人介護施設への入所について相談に
見えた70歳を過ぎた男性、Aさんは、95歳の母親と2人暮らしでした。母親はほぼ寝たき
りの状態で、数年前、人工肛門の手術を受けています。頑張って在宅介護を続けてきまし
たが、もう疲れ果てた、施設に入ってもらわないと自分も倒れてしまうと施設探しをしま
したが、普通でも施設入所は厳しく、人工肛門設置ということでさらに入所に困難を来し、
やっと受け入れてくれた老人保健施設も3カ月ほどと言われ、家には引き取れず、精神的
に疲れ果てています。この厳しい老老介護の実態、老人介護施設の整備は本当に切実です。
老人保健施設は期限が区切られてしまう、療養病床は少ない、老人病院は長期にわたれば
費用的にやっていけない、家庭での介護が困難な人工肛門、胃瘻などを設置している方は、
だれもが心豊かに安心して住み続けられる川崎のどこが安心の居場所になるのでしょう
か、伺います。
特別養護老人ホームの整備についてです。待機者数は、今すぐ入所したい、いずれ入所
したいを合わせて4月1日現在5,595人と、引き続き特養ホームの不足は極めて深刻です。
横浜市では、入所の必要性、緊急性の高い申込者がおおむね1年以内に入所できる整備水
準を維持し、整備していくという姿勢です。川崎市の第5期計画では必要度の高い方から
入居できるように取り組みを進めますとしていますが、おおむねどの程度で入所できるこ
とを目安にしているのか伺います。
孤立死を防ぐネットワーク事業の構築についてです。社会、地域から孤立した状態で餓
死、病死する痛ましい事件が起きています。札幌市白石区では、ガスもとめられ、暖房が
ない状態で、生活保護を拒否された42歳の姉が死亡後、障害を抱えた妹が餓死、凍死。最
後の電話の発信先は111。119番か110番にかけようとしたがかなわず、玄関先で倒れた状態
で発見されたとのこと。障害年金を受給していたのに、市はこの方の情報について一行も
書かれておらず、白紙だったそうです。これらの事例は、関係機関が連携し、生活保護受
給に適切につなげていれば防げたもので、こうした事態を受け、各自治体で孤立死を防ぐ
取り組みが始まっています。北九州市では、生活保護申請が拒否された結果、餓死する事
件が相次いだことを真摯に受けとめ、生活保護行政の改善のみならず、孤立死対策として
2008年度からいのちをつなぐネットワーク事業を実施しています。この事業は、地域にお
ける既存の見守りの仕組みを結びつけ、網の目を細かくすることによって、支援を必要と
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速報版
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する人が社会的に孤立しないよう必要なサービスにつなげていくものです。そのため16名
の職員を配置するとともに、社会福祉協議会や民生委員のみならず、電気、ガス、水道な
どの企業活動も含めたサポート体制をつくり、今年度は各区役所にも筆頭係長を配置する
拡充をしています。横浜市も庁内にプロジェクトチームをつくり、対策に乗り出しました。
川崎市においても、孤立死を防ぐためこうした取り組みを行うべきだと思いますが、伺い
ます。
このような孤立死を防ぐ対策が求められているときに、川崎市は今年度、生活保護費の
不正受給を減らすためとして警察官OBを雇用したとのことです。いわゆる不正受給の件
数や金額は、川崎での発生率で見れば件数ベースで5年間平均1.45%にすぎず、金額ベー
スでも0.374%で推移しています。また、不正受給とされている中には、高校生の子どもが
クラブ活動費や塾代などを捻出するためのアルバイト代など、申告義務があると思わずに
未申告であったような場合も含まれています。これらは申告さえすれば教育経費として、
あるいは資格取得等の生業経費や介護の経費なども、当該世帯の自立更生に資する費用は
幅広く収入認定から除外され得るものが多いのです。問題は、こうした制度がほとんど周
知されず、活用もされていないということです。こうした現状の改善を抜きに警察官OB
の活用を図るというのは極めて問題です。そもそも社会福祉行政と警察行政とは目的、性
格を異にしており、警察官OBが持つのは犯罪に関する専門性―警察法第2条第1項
―で、要援護者の保 護、育成、 更生等の専 門的な知識 、技術では ありません 。生活保 護
制度の国民の権利を否定し、治安対策に変質させるおそれがある警察官OBの活用は撤回
すべきです。伺います。いわゆる不正受給をなくすためには、ケースワーカーがきめ細や
かなケースワークの中で、世帯主のみならず全世帯員に収入の申告義務があることを被保
護者に十分に周知するとともに、当該世帯の自立更生に資する経費については積極的に収
入認定除外を行うことを通じて、自発的に収入を申告させることが何よりも重要であり、
これが十分になされれば、不正と言われる受給件数が激減することは明らかです。そのた
めにも、1人のケースワーカーが100件以上ものケースを抱えるような現状を改め、基準に
従っ た 人 員 配置 ―80利用 世 帯 に 対し て 1 名 ―と 専門 性の 向 上 を 図る こ と こ そが 重 要 で
す。伺います。
川崎港コンテナターミナルについてです。川崎港と中国青島港を結ぶ新規コンテナ定期
航路が開設されました。これまでに2回入港していますが、その実績は、見込みの80から
100TEUに対して1回目が21TEU、2回目が40TEUとのことでした。今後増加が見込
めるとのことですが、年間最大を見込んでも5,200TEUで、昨年度実績3万2,000TEU
と合わせても3万7,200TEUですから、現在のガントリークレーン2基の年間処理能力12
万5,000TEUの29.8%にすぎません。こうした状況にもかかわらず、どうして3基目のガ
ントリークレーンが必要なのでしょうか。港湾局長の見解を伺います。以上で質問を終わ
ります。(拍手)
○副議長
岩崎善幸
〔市長
○市長
市長。
阿部孝夫登壇〕
阿部孝夫
それでは、私から、ただいまの共産党を代表されました斉藤議員の御
質問にお答えいたします。
まず、原子力発電についてのお尋ねでございますが、東日本大震災に伴う福島第一原子
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力発電所の事故により、これまで国が保証してきた原子力の安全対策について、市民は大
きな不安を感じたことと思います。人類がコントロール不可能な技術に過度に依存するこ
とは望ましくないと考えており、電力供給につきましては、可能な限り速やかに再生可能
エネルギーを中心とした発電システムを構築していくことが重要であると考えておりま
す。現在、国におきましても、今後の方針の決定に向けて動いているところでございます
ので、これらの動きを引き続き注視してまいりたいと存じます。
リニア中央新幹線計画についてのお尋ねでございますが、初めに、リニア中央新幹線の
建設についてでございますが、国の交通政策審議会において、その目的、意義として、三
大都市圏間の高速かつ安定的な輸送の二重系化による災害リスクへの備えなどが挙げられ
ておりますので、災害対応の面も含めて、国としてJR東海に建設の指示を行ったものと
認識しております。次に、消費電力量についてでございますが、新幹線整備やエネルギー
政策などは国の重要な政策でございますので、消費電力量の件も含めて、国政レベルで鉄
道事業者等を適切に指導していただきたいと考えております。次に、立て坑建設について
でございますが、リニア中央新幹線については、重要な交通インフラとして国の政策で進
められているものでありますが、市民の生活環境に密接な影響があるものと認識しており
ます。したがいまして、本市といたしましては、立て坑設置等による本市への環境負荷が
可能な限り低減されるよう、JR東海に文書により要請を行っております。
雇用拡大についてのお尋ねでございますが、雇用の拡大を図るため、キャリアサポート
かわさきで行っております求人開拓につきましては、これまで組織的な対応により成果を
上げてきたところでございますので、今後も引き続き経済団体等とのネットワークを活用
するとともに、各関係機関と連携しながら就業支援に努めてまいりたいと存じます。
小児医療費助成制度についてのお尋ねでございますが、本制度につきましては、子育て
支援の一層の充実のため、引き続き拡充に向けた検討を進めてまいりますが、制度の安定
性、継続性が重要であると考えておりますので、必要な財源を確保した上で対応してまい
りたいと存じます。以上でございます。
○副議長
岩崎善幸
〔教育長
○教育長
教育長。
渡邊直美登壇〕
渡邊直美
教育委員会関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、児童生徒用備蓄物資についての御質問でございますが、今年度の取り組みとい
たしましては、小学校と特別支援学校に配備する備蓄物資につきまして、小学校長会危機
管理研究会議並びに特別支援学校長会と協議し、飲料水、アルファ米、栄養補助食品、氷
砂糖を配備することにいたしました。現在、納入業者を選定するなどの調達手続を進めて
おりますが、全国的に備蓄用食料が不足している現状でございますので、物資の調達が整
ったものから順に各学校に配備してまいります。また、来年度以降につきましては、防災
訓練での使用状況等を勘案した上で、必要な物資の備蓄に向けて関係局と協議してまいり
たいと考えております。
次に、中学校給食についての御質問でございますが、本市の中学校の昼食につきまして
は、個人の嗜好や食事量に違いがあることや、みずからの食べるものはみずから判断し、
選択できる力を養うことなどの教育的効果の点からも、家庭からのお弁当を基本としてお
ります。また、教育委員会では、これまでも学校の食育につきまして、学校における食育
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推進検討会議を設置し、各校種ごとに検討を進めております。今年度につきましては、こ
の検討会議に中学校作業部会を設け、中学校における食育の推進について検討する中で、
ランチサービスの改善を含めた昼食のあり方についても検討を進めてまいります。
次に、通学路の安全対策についての御質問でございますが、初めに、全庁横断的な体制
づくりについてでございますが、教育委員会といたしましては、関係局を初め、市内の各
警察署との調整を図り、喫緊の課題として通学路の安全対策を全庁的に検討しているとこ
ろでございます。6月4日には、教育委員会が中心となり、市民・こども局、建設緑政局、
各区役所、小学校長会、各警察署による川崎市通学路安全対策会議を開催し、通学路につ
いての状況の共有を図ったところでございます。次に、危険箇所の調査及び把握、今後の
安全対策についてでございますが、5月30日付で文部科学省より通学路調査についての文
書が出されておりますが、本市におきましては、5月14日付で各学校に通学路の状況調査
を依頼しており、その調査結果を集約し、川崎市通学路安全対策会議で共有を図ったとこ
ろでございます。今後は、各学校からの危険箇所の改善要望について、各区教育担当を中
心に、各警察署や関係局で構成している区ごとの部会におきまして、情報を共有するとと
もに、改善策を検討してまいります。次に、今後の安全点検事業についてでございますが、
マンションの建設やそれに伴う交通規制など、通学路の状況の変化も著しい昨今でござい
ますので、川崎市通学路安全対策会議の中で、これまでの通学路安全点検事業の方向性を
検討することも含めて、関係局を初め、市内警察各署と連携を図り、危険箇所の点検及び
改善を推進し、今後とも児童生徒の登下校時の安全確保に努めてまいりたいと考えており
ます。以上でございます。
○副議長
岩崎善幸
〔総務局長
○総務局長
総務局長。
船橋兵悟登壇〕
船橋兵悟
総務局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、区役所における震災予防対策についての御質問でございますが、各区役所では、
これまでも耐震改修事業や家具の転倒防止対策などを含む市民からのあらゆる相談に対応
してきたところでございます。また、本年4月1日からは、危機管理体制の強化を図るた
め、各区役所に副区長直轄の危機管理担当を設置したところでございます。今後とも、そ
れぞれの区の地域特性を踏まえた震災予防対策や地域防災力の向上に向け、取り組みを行
ってまいりたいと考えております。
次に、地域防災計画等についての御質問でございますが、初めに、備蓄計画についてで
ございますが、備蓄食料や毛布など備蓄数量の算定に当たりましては、家屋の倒壊、焼失
等によって発生する避難者を対象として算出しているところでございます。現在、新たな
川崎市地震被害想定調査を進めておりますので、今後、この結果に基づき備蓄計画の見直
しを行ってまいりたいと考えております。次に、避難所への備蓄についてでございますが、
本市では、地域防災拠点と定めている市立中学校51カ所に独立型備蓄倉庫の整備を行い、
災害用物資の備蓄を進めているところでございます。また、避難所となる小学校等につき
ましても、一時的余裕教室などを活用した備蓄に努めており、今後も引き続き未実施の小
学校への備蓄を進めてまいりたいと考えております。
次に、石油コンビナートの避難計画策定についての御質問でございますが、計画策定の
進捗状況といたしましては、石油コンビナート等特別防災区域においてタンク火災や爆発、
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毒液等の漏えいなどの災害が発生した場合の避難対象地域や避難路の検討等を行うため、
災害影響評価の作成に着手したところでございます。今後、具体的な避難計画の策定を進
めてまいりますが、その際にはコンビナート災害から住民や従業員の安全を確保するため
の施策や資器材などにつきましても、神奈川県と連携して検討してまいりたいと存じます。
以上でございます。
○副議長
岩崎善幸
〔こども本部長
○こども本部長
岡本
こども本部長。
岡本
隆
隆登壇〕
こども本部関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、小児医療費助成制度についての御質問でございますが、本制度につきましては、
子育て支援のための重要な施策でございますので、今年度から所得制限の緩和と対象年齢
の拡大を実施することとしたところでございます。制度の移行に当たりましては、市民の
皆様へ確実にお知らせするため、一定の周知期間を確保する必要がございますことから、
条例の施行を本年9月からとさせていただいたものでございます。市民の皆様が円滑に医
療費助成を受けられるよう、現在、医療機関等への周知やシステム改修等の準備を進めて
いるところでございまして、助成の遡及適用は考えていないものでございます。
次に、保育所待機児童解消についての御質問でございますが、第2期川崎市保育基本計
画の策定に当たりましては、保育ニーズの高まりとともに、保育所利用申請者数の増加も
見込んでいたところでございます。平成23年度につきましては、1,585人分の認可保育所の
整備を実施し、待機児童数は615人で前年度と比較して236人減少しておりまして、一定の
効果があったものと認識しております。今後につきましても、計画を着実に推進すること
により、できる限り早い時期の待機児童解消を目指してまいります。次に、県有地を活用
した保育所整備についてでございますが、県は、平成24年度から平成26年度の今後3年間
においては、県有地の貸し付けによる社会福祉施設整備について、原則として1市町村1
件の用地貸し付けを検討するものとされておりますので、整備に適した用地の貸付制度の
活用に向けた県との協議に当たりましては、関係局と連携調整を図ってまいります。次に、
計画期間内における公有地を活用した保育所整備についてでございますが、平成23年度は
市有地の活用により4カ所で390人の定員増を図ったところでございます。平成24年度につ
きましては市有地及び国有地の活用により2カ所で300人、平成25年度につきましては市有
地の活用が1カ所で120人の定員増を図ってまいります。いずれにいたしましても、公有地
や民有地の活用に加え、民間事業者を活用した整備など、多様な手法を用いながら保育所
整備を着実に推進してまいります。
次に、児童虐待への対応についての御質問でございますが、初めに、児童相談所におけ
る体制整備についてでございますが、児童虐待の相談・通告件数の増加を踏まえ、適切な
支援を行うことができるよう、児童相談所内部の業務体制の見直しと改善が必要であると
考えております。今後、相談支援にかかわる業務執行体制のあり方、職員の人材育成など
の観点を総合的に検討しながら、執行体制の整備に努めてまいります。次に、地区担当1
人当たりのケース数についてでございますが、平成24年5月現在、3児童相談所の地区担
当1人当たりの平均持ちケース数は82ケースでございます。次に、専任の人員配置につい
てでございますが、児童相談所における相談支援業務につきましては、ケースのニーズに
応じた多種多様な対応が求められております。平成23年度に開設したこども家庭センター
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の医師等による高度専門的機能を生かした取り組みを実施するとともに、今後、相談支援
のあり方を検討してまいりたいと存じます。次に、地域支援体制のルール化と保健福祉セ
ンター内での体制整備につきましては、提言を受けまして、今後、庁内関係部局で検証、
検討を進めてまいりたいと存じます。以上でございます。
○副議長
岩崎善幸
〔経済労働局長
○経済労働局長
経済労働局長。
伊藤和良登壇〕
伊藤和良
経済労働局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、中小零細企業への支援についての御質問でございますが、市内中小企業の経営
実態の把握につきましては、毎年2月に川崎市産業振興財団が市内中堅中小企業経営実態
調査を実施しておりまして、平成24年2月に実施した調査では、市内2,165社を対象に調査
を実施し、476社からの回答を得ているところでございます。この調査におきまして、景況
感や事業方針、経営課題などの基礎的な調査項目に加えて、事業承継や従業員の採用、海
外展開などの項目について、アンケートによる調査を行うことにより、市内の製造業が直
面する経営課題及び中小企業を取り巻く環境の変化等を把握しているところでございま
す。また、歴史的な円高や東日本大震災の影響など緊急的な課題につきましては、地元の
中小企業などで組織する川崎市工業団体連合会を通じて、アンケートやヒアリングを行う
など、迅速に地域経済の状況の把握に努めているところでございます。さらに、出張キャ
ラバン隊により中小企業を個別に訪問し、直接経営者等からヒアリングを行うとともに、
金融機関との連携を強化し、金融機関が持つ専門性と地域に密着した幅広いネットワーク
から得られるさまざまな市内中小企業の経営状況に関する情報について意見交換を行うな
ど、アンケート調査以外の手法も活用しながら、後継者問題を初めとする市内中小企業の
経営課題等の把握に努めているところでございます。このほか、内陸部の下野毛・宮内地
区や久地・宇奈根地区など、住工混在の進展等に伴う操業環境保全対策などの課題に直面
している地域においては、地元の工業団体と連携し、地域の中小製造業者等の方々と課題
整理や方策の検討等についての勉強会を立ち上げるなど、地域単位での実情把握について
も積極的に取り組んでいるところでございます。今後も、関係機関との連携を一層強化す
ることにより、中小企業の経営状況の把握に努めるとともに、企業のニーズに応じた支援
に取り組んでまいりたいと存じます。
次に、正規労働者の雇用拡大策等についての御質問でございますが、初めに、国の交付
金を活用した緊急雇用創出事業につきましては、離職を余儀なくされた方の一時的な雇用
機会を創出するための事業となっており、国の要綱に基づき、1年以上の雇用ができませ
んので、雇用期間終了後の状況の把握に努めるとともに、支援が必要な方につきましては、
本市独自の取り組みであるキャリアサポートかわさきを初めとする各就業支援事業の周知
を行っているところでございます。次に、キャリアサポートかわさきで行っている求人開
拓につきましては、緊急雇用創出事業を活用することにより、前年度を大きく上回る5,700
人の求人を開拓しておりますが、新規失業者として雇い入れた求人開拓員16人のうち10人
の方が、こうした経験を生かし、次の就職先を決定しております。今後とも、各就業支援
事業の推進などにより市内の雇用環境の改善に努めてまいりたいと存じます。以上でござ
います。
○副議長
岩崎善幸
環境局長。
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〔環境局長
○環境局長
稲垣
稲垣
正
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正登壇〕
環境局関係の御質問にお答え申し上げます。
普通ごみの収集についての御質問でございますが、廃棄物処理は市民生活に最も密着し
た行政サービスの一つであり、市民の方々の御理解、御協力が不可欠でございますことか
ら、行動計画の改定に当たりましては、4月下旬から約1カ月間、市民意見を募集いたし
ますとともに、5月末現在、合計11回の説明会を開催し、約1,200名の市民の方々に対し、
直接御説明の機会を設けてまいりました。今後は、こうした場で寄せられた御意見をもと
に、学識経験者や市民代表の方々で構成されます環境審議会で審議の上、答申を取りまと
めていただき、この答申を踏まえ、行動計画を改定してまいりたいと考えております。こ
の行動計画に基づき、プラスチック製容器包装の分別収集の全市展開に合わせ、平成25年
秋を目途に収集回数の見直しに取り組んでまいりたいと考えておりますが、その実施に向
けましては、市民の方々の御理解と御協力を得ることが何より重要でございますので、普
及広報のための期間を十分に確保し、市政だよりやリーフレットの全戸配布、地域ごとの
住民説明会の実施など、きめ細やかな広報に取り組んでまいります。以上でございます。
○副議長
岩崎善幸
〔健康福祉局長
○健康福祉局長
木村
健康福祉局長。
木村
実
実登壇〕
健康福祉局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、家具転倒防止事業についての御質問でございますが、申込期間につきましては、
例年8月30日から9月5日までの防災週間におきまして、防災意識の高揚及び防災知識の
普及啓発のための行事が開催されることから、9月を申込期間としておりますが、昨年度
はこれに加えて1月に追加募集を行ったところでございます。今年度につきましても、市
政だより等による広報を行い、平成24年9月を申込期間として予定しておりますが、年度
末までの申込期間の拡大を検討してまいります。なお、次年度以降につきましても、今後
の申込件数などの推移を見ながら申込期間の拡大について検討してまいります。また、本
事業につきましては、高齢や障害などの理由で、御自身では家具の転倒防止金具を取りつ
けることが困難な方を対象としておりますので、今後につきましても、身体機能が低下さ
れた方の居住の安全性の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、障害者の移動支援についての御質問でございますが、本市では、本年4月に移動
支援事業の改正を行い、社会生活上必要不可欠な外出を移動支援、余暇活動等の社会参加
のための外出をふれあいガイドに分けていたものを、外出の目的を問わず移動支援に一本
化いたしました。障害者自立支援法に基づく居宅介護等の福祉サービスの利用者負担は
10%で、月ごとにサービス利用料を合算して、利用者の市民税額に応じた月額上限額まで
を負担していただいておりますが、非課税世帯については負担額はございません。移動支
援等につきましては、これまで上限管理をしておりませんでしたので、移動支援は3%、
ふれあいガイドは8%の負担率に軽減しておりました。今回の改正にあわせて上限管理を
導入したことにより、他のサービスと同様、負担率を10%に統一いたしましたが、このこ
とにより、利用者全体の70%に当たる非課税世帯については利用者負担がなくなったとこ
ろでございます。次に、移動支援の利用上限時間につきましては、公平性の観点から月40
時間と定めておりますが、支給基準を超えてサービスの必要な方に対しましては、区のサ
ービス調整会議において検討の上、支給を認めているところでございます。
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次に、重度障害者医療費助成制度についての御質問でございますが、この制度につきま
しては、昭和48年度から県による全額補助制度により開始されたもので、重度の身体及び
知的障害がある方を対象に医療費の自己負担分を助成するものでございます。この間の補
助制度の見直しにより、県の補助率が現在は3分の1となっているほか、県の制度として
は、一部負担金と所得制限が導入されており、さらに65歳以上の新規手帳取得者を対象外
としているところでございますが、本市におきましては、対象者への影響を配慮し、一部
負担金の導入等を見送っているところでございます。県におきましては、平成24年度から
精神障害者保健福祉手帳1級所持者の通院医療費を既に助成対象にしている市町村を中心
として補助制度を拡大いたしましたが、未実施の市町村に対しましても平成25年10月を目
途に拡大するとのことでございます。本市といたしましても、助成額が毎年増加している
課題があるため、制度を安定的に維持するための観点から慎重に検討を行っているところ
でございます。
次に、視覚障害者情報文化センターについての御質問でございますが、今回の整備に当
たりましては、現在の盲人図書館が実施している点字刊行物、録音物等の製作、収集、閲
覧及び貸し出しや視覚障害者用の読書用機材、日常生活用具の展示会については引き続き
行ってまいります。また、日常生活及び社会生活を営むために必要な訓練、あるいは文化 、
学習及びレクリエーションの活動の支援、点訳者、朗読者等のボランティアの養成、団体
の支援などの充実を図るほか、視覚障害者の重要な情報収集手段であるインターネットの
活用など新しい技術の導入等を推進してまいりたいと考えております。また、指定管理者
制度の導入に際しましては、必要な職員の確保や円滑な運営開始のため、十分な引き継ぎ
期間を確保することとしております。さらに、指定管理者による管理に移行した後におき
ましても、モニタリングや評価を定期的に実施し、適切な管理監督を行うことにより、適
正な運営の確保に努めてまいります。
次に、医療依存度の高い要介護高齢者への対応についての御質問でございますが、国は、
平成24年度の介護保険法改正におきまして、高齢者が要介護状態になっても、可能な限り
住みなれた地域で在宅を基本とした生活が継続できるよう、医療、介護、予防、生活支援
サービス、高齢者の住まいが切れ目なく提供される地域包括ケアシステムの構築に向けた
取り組みの推進を示しております。また、地域包括ケアシステムの実現に向け、要介護高
齢者の在宅生活を支えるため、医療との連携を図りながら、定期巡回訪問と随時の対応を
行う定期巡回・随時対応型訪問介護看護や小規模多機能型居宅介護と訪問看護などの複数
のサービスを組み合わせた複合型事業所のサービスが創設されたところでございますの
で、当該サービスの提供などによる在宅サービスの充実に努めてまいります。
次に、特別養護老人ホームの整備についての御質問でございますが、特別養護老人ホー
ム整備促進プランにおきましては、要介護度3以上の方で、自立した在宅生活が難しいと
考えられる方や、療養段階で退院を余儀なくされる入院中の方などを早期に入居する必要
性の高い方と想定し、平成25年度までの必要整備数を定めております。申し込みをされて
いる方の個別の状況や個々の施設の受け入れ体制などに応じて異なりますが、おおむね1
年から2年程度で入居できることを目標としておりますので、平成26年度の2カ所200床の
計画とあわせ、引き続き着実な整備に努めてまいります。
次に、孤立死対策についての御質問でございますが、本市におきましては、75歳以上の
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
速報版
介護保険等のサービスを受けていないひとり暮らしなどの方を対象として、民生委員・児
童委員の御協力をいただき、生活実態等を調査し、必要な方に対し見守りを行うひとり暮
らし等高齢者見守り事業を初めとして、緊急通報システム事業、福祉電話相談事業、生活
支援型食事サービス事業など、高齢者の孤立死を防止するためのさまざまな取り組みを行
っているところでございます。また、麻生区などの先駆的な取り組みを踏まえ、コンビニ
エンスストアなど地域の民間事業者等の協力により、異変のある高齢者の連絡を区や地域
包括支援センターで受け、必要な支援につなげる高齢者見守りネットワーク事業を全市的
な取り組みとして新たに開始したところでございます。さらに、孤立死などの課題を解決
するため、平成20年5月から庁内に対策連絡会議を設置しており、各局で行われている取
り組みの情報の共有化を図っております。今後につきましては、対策連絡会議の場を活用
しながら、区役所や地域包括支援センターなどの関係機関、新聞販売店や水道検針事業者
など民間事業者との連携強化に努め、地域の見守りネットワークの充実を図ってまいりた
いと考えております。
次に、生活保護制度についての御質問でございますが、初めに、警察官OBの活用につ
いてでございますが、本市におきましては、今年度から生活保護・自立支援室に非常勤職
員として1名配置しているところでございます。主な職務内容といたしましては、暴力団
員等からの行政対象暴力に対する生活保護担当職員への研修を実施することなどとしてお
ります。また、この職員が直接単独で要援護者への面接等を行うことはなく、ケースワー
カーからの対応困難ケースの相談に対するアドバイスや成功事例などの取りまとめ、対応
の手段などを各福祉事務所間で共有していくこととしており、生活保護制度の趣旨を十分
踏まえた配置であり、今後も有効に活用してまいります。次に、ケースワーカーの配置に
ついてでございますが、本市におきましては、平成24年4月1日現在288名のケースワーカ
ーを配置しており、ケースワーカー1人当たりの生活保護受給世帯数は80.3世帯と、ほぼ
国が示す標準どおりとなっております。また、平成17年度から社会福祉職の重点配置を行
い、この4年間で98名の増となり、288名中147名が社会福祉職となっております。さらに 、
専門性の向上につきましては、新人新任職員研修や新人職員の指導を行う指導職員研修な
ど階層別研修を充実させるとともに、今年度から新たに面接研修、医療・介護扶助研修な
ど専門性のスキルアップを図ることとしております。以上でございます。
○副議長
岩崎善幸
まちづくり局長。
〔まちづくり局長
○まちづくり局長
金子
金子
弘
弘登壇〕
まちづくり局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、木造住宅の耐震化についての御質問でございますが、初めに、木造住宅耐震改
修助成制度の今後の対応についてでございますが、想定される地震被害に関する最近の報
道などの影響により申請件数が大幅に増加し、今年度当初予算100件に対し、それを上回る
事前相談が寄せられているところでございます。現在、予算の調整を行い、相談がござい
ました市民の方々には御利用いただけるよう準備をしているところでございます。今後、
さらに多くの相談が寄せられた場合には、関係局と協議し適切に対応してまいります。次
に、普及啓発などによる耐震化の推進方策についてでございますが、引き続き、住宅相談
窓口での御案内や市政だより、ホームページ、パンフレットの配布による周知を行うとと
もに、各種イベントなどによる説明会、相談会などを強化いたしまして普及啓発の拡大に
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速報版
平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
努めてまいります。
次に、小杉町2丁目の開発についての御質問でございますが、初めに、ビル風対策につ
いてでございますが、小杉町二丁目開発計画に係る環境影響評価によりますと、ペデスト
リアンデッキも含めた風環境評価結果において、建物南側の地表部分とペデストリアンデ
ッキ部分の一部で風の強い部分の出現が予測されておりますが、防風効果のあるひさしや
樹木などによる対策を施すことによって低中層市街地相当の風環境に改善されると評価予
測されております。建物完成後につきましても、環境影響評価に関する条例に基づく事後
調査制度により、事業者が風害に関する調査を実施し、適切に検証を行うとともに、大き
な影響が生じている場合は、新たな措置を適切に講じることとしております。また、タワ
ープレイス周辺のビル風につきましては、地元から風害に関する御意見をいただいており
まして、小杉町二丁目開発計画の環境影響評価におきましても、当ビル周辺で風の強い部
分が出現しております。タワープレイス及び周辺開発事業者の協力を得ながら、風の実態
調査を行い、できる限り早急に改善するよう、本市としても働きかけてまいります。次に 、
小杉駅周辺のまちづくりについてでございますが、小杉駅周辺地区につきましては、都市
計画マスタープラン小杉駅周辺まちづくり推進地域構想に基づき、本市の広域拠点として、
駅を中心に商業、業務、住宅、医療、福祉、教育など多様な機能をコンパクトに集積させ
るとともに、質の高い公共公益施設の整備を図り、交流とにぎわいがあふれるまちづくり
を進めているところでございます。また、本市の総合的な住宅政策の指針である住宅基本
計画において目指しているユニバーサルデザインや省エネルギーの視点も踏まえながら、
災害にも強い良質な住宅ストックの形成も必要であると考えております。これらの取り組
みにより、長期的には将来の高齢化や人口減少が進んだ社会にあっても、安全で快適に暮
らせるまちづくりが実現するものと考えております。以上でございます。
○副議長
岩崎善幸
〔港湾局長
○港湾局長
港湾局長。
大村研一登壇〕
大村研一
港湾局関係の御質問にお答え申し上げます。
ガントリークレーンについての御質問でございますが、コンテナターミナルにおきまし
ては、現在、2基のガントリークレーンが稼働しておりますが、点検、修理などにより1
基が使用できない状況が一定期間生じているところでございます。一方、利用者からは常
に2基のガントリークレーンが稼働していることが安定的な寄港や大型コンテナ船の寄
港、小型コンテナ船の2隻同時着岸へ対応するための重要な要素であると強く要望されて
おります。このため、1基を増設し、3基体制とすることで、点検、修理などにより1基
が使用できない場合においても、常に2基が稼働している状態にすることとしたものでご
ざいます。今回の新規定期コンテナ航路につきましては、回を追うごとにその取扱コンテ
ナ数が増加しており、4回目に入港した6月7日には85TEUを取り扱ったところでござ
いますが、当該航路が取り扱う貨物につきましては、さらなる増加が見込まれるところで
ございます。3基目のガントリークレーンを整備することは、川崎港コンテナターミナル
の定時性、安定性、信頼性を大きく高めるところでございますが、これに加え、ターミナ
ルの背後における冷凍冷蔵倉庫群の集積がますます進んでいる状況がございますことか
ら、さらなる新規航路の開設などによるコンテナ貨物の増加につながるものと考えており
ます。以上でございます。
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
○副議長
○32番
岩崎善幸
斉藤隆司
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速報版
斉藤議員。
答弁をいただきました。再度質問させていただきます。
まず、木造住宅耐震改修助成事業、家具の転倒防止事業についてです。いつ地震が起こ
るかわからない時期を迎えている切迫感を持って、戦略的に取り組むことが求められてい
ます。現在の木造住宅耐震改修助成事業については、既存不適格建物の解消という制約が
あり、混構造建物や全体の2分の1を超える店舗併用住宅などが対象になりません。こう
した建物も含め、市民の命を守る耐震対策の視点に立って、かねてより提案している一部
屋耐震や部分耐震などを助成する制度を具体化すべきです。防災危機管理を所管する砂田
副市長に見解を伺います。家具の転倒防止事業についてですが、市政だよりやホームペー
ジの掲載だけでは、ひとり暮らしの高齢者や障害者に重要性や効果が周知徹底できません。
身体機能が低下された方の居住の安定性の確保と言うならば、対象者について早期実施計
画を立て、訪問活動を通じて制度を周知すると同時に、市内建設業者などの協力も仰いで
戦略的に実施すべきです。伺います。また、阪神・淡路大震災を経験した教訓から、神戸
市では子どもやお年寄りがいる世帯にまで広げて実施しています。神戸市を参考に制度を
拡充すべきです。改めて伺います。木造住宅耐震改修助成事業については、まちづくり局 、
家具の転倒防止は健康福祉局とそれぞれ違う部署が対応し、一方は住宅政策、一方は福祉
政策という位置づけになっています。震災対策という視点に立ち、事前防災対策を計画的、
戦略的に実施できるよう、関係局を横断する仮称事前防災対策室などの部署を創設すべき
ですが、見解を伺います。
児童虐待対応と児童相談所の体制の強化についてです。地区担当1人当たりの平均持ち
ケースは82件とのことです。大変多い持ち件数です。これらの件数について、継続相談の
ケースワークに並行して、新規ケースの初期対応や緊急対応、さらには重篤ケースの家族
再統合など、高い専門性の業務を担っていくためには、専任で実施できる人員配置、体制
整備が必要です。答弁では、今後、相談支援にかかわる業務執行体制のあり方、職員の人
材育成などの観点を総合的に検討しながら、執行体制の整備に努めてまいりたいとのこと
ですが、人員増も含めた体制の整備をすべきですが、伺います。保健福祉センター内の体
制整備について、報告書では、虐待対応時、子どもを守る役割と母親を支える役割を同時
に1人の職員が担うことは困難を伴う場合が多いと考えられ、原則として複数人で対応で
きる体制が必要であると提言されています。答弁では、今後、庁内関係部局で検証、検討
を進めていくとのことです。母子保健業務を中心に多岐にわたる業務を担っている保健福
祉センターですから、人員増も含めた体制整備をすべきと考えますが、伺います。
正規労働者の雇用拡大策についてです。川崎市の雇用対策事業で雇い入れた人について、
正規の仕事につけるよう、市の独自の取り組みを進めるべきとただしたのに対して、キャ
リアサポートかわさきを初めとする各就業支援事業の周知を行っているとの答弁でした
が、そこで正規雇用につながる保証はありません。国の施策で1年以上の雇用ができない
と言うなら、市として独自策に取り組むべきです。再度伺います。川崎市が委託している
キャリアサポートかわさきで働く求人開拓員についてです。求人開拓員の果たしている役
割をかんがみれば、求人開拓員として正規雇用で専任化し継続させていくべきではないで
しょうか、再度伺います。2011年度は、求人開拓員16人のうち、10人が就職先を決定した
とのことですが、ほかの6人について今後の対応をどうされるのか、伺います。
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速報版
平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
重度障害者医療費助成に精神障害者を加えることについてです。答弁では、財政負担が
重くなっているので、制度の検討を行っているとのことです。これは一部負担金などの導
入を意味していると思いますが、県内33市町村のうち、既に精神障害者も助成対象にして
いる市町村は15自治体に上ります。そのすべてが一部負担金は課していません。重度障害
者が医療を受けるということは命をつなぐことです。県の補助率が低いから、市の財政負
担が重くなったから制度を見直すというのは、命を守る意義から外れることになるのでは
ないでしょうか。一部負担金や所得制限の導入などをせず、直ちに精神障害者を助成対象
に加えるべきです。伺います。
特別養護老人ホームの整備についてです。胃瘻、ストマなどを装着している要介護高齢
者のことで伺いました。答弁で幾ら在宅サービスの充実に努めていくと言われても、この
方の場合など、長い間の介護で、しかも自分も高齢で疲れ果ててしまった、在宅ではこれ
以上介護できないというのです。このような方の受け入れは、数が少なくても行っている
特養ホームもあります。このような高齢者を含めて、特養ホームの整備の促進はどうして
も必要です。答弁ですと、おおむね1~2年程度で入所できることを目標にしているとい
うことでした。この4月時点で特養ホーム待機者のうち、すぐに入所したいという方は
4,142人でした。2012年、2013年の2年間での整備数は891床です。今の整備水準では、と
てもこの方々は1~2年で入所できないと思いますが、伺います。
小杉町2丁目開発に関連してです。開発に伴う風害についてですが、タワープレイスの
場合、ほとんど影響はないと言いながら、実際にはひどい風害が起きています。防風効果
があるひさしや樹木などによる対策で、低中層市街地相当の風環境に改善されると言いま
す。完成後も大きな影響が生じている場合は新たな措置を講ずると言いますが、どのよう
な措置を講ずるのでしょうか、伺います。タワープレイスの風害については前から指摘が
されていて、その改善が求められてきました。今になって風の実態調査を行い、できる限
り早急に改善するよう、川崎市としても働きかけていきたいとの答弁でしたが、どんな対
策が講じられるのですか、伺います。小杉駅周辺のまちづくりについてです。既に極端で
急激な人口集中は、子育て、教育、交通環境などで困難が起きています。ここにさらに人
口集中をさせて、安全で快適なまちが実現できるのでしょうか、伺います。周辺住民は、
もうこの周辺に住宅は要らないと言っています。この声に対しての見解を伺います。
ガントリークレーンについてです。昨年度のガントリークレーンの稼働実態は、1基し
か使えない日数は年間64日でした。残りの301日は2基がフル稼働していたかといえば、2
基が同時に稼働した日数は延べ30日だけで、残りの271日は2基とも使えるのに1基しか使
われなかった、あるいは2基とも遊んでいたということです。ところが、ことし5月から 、
木曜日だけ外航船が2隻同時接岸することになりました。そして、この日だけのために、
つまり、週1回のために3基目を整備しようというわけです。しかも、その2基のガント
リークレーンの使用時期ですが、先行していたNYKラインは3時間から6時間とのこと
ですが、新規の連雲港や青島から来るSITCは1時間程度だといいます。これは明らか
に過大投資ではありませんか、見解を伺います。以上です。
○副議長
岩崎善幸
砂田副市長。
○副市長
砂田慎治
地震防災対策についての御質問でございますが、初めに、木造住宅
耐震改修助成事業についてでございますが、この助成制度の目的は、大規模な地震発生時
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
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速報版
にも建築物全体が倒壊しない耐震改修を促進するところにございますので、安全性の確保
が建築物の一部に限定され、十分な効果が見込めない一部屋耐震や部分耐震につきまして
は対象としていないところでございます。しかしながら、耐震補強を進めるため、昨年度
から構造上重要な1階部分の補強を先行して行い、2階部分については次年度に行うなど、
段階的な耐震補強についても助成制度の対象に加えたところでございます。次に、家具転
倒防止事業についてでございますが、制度の周知につきましては、市政だよりやホームペ
ージへの掲載のほか、地域包括支援センター連絡会議や市社会福祉協議会に対しまして、
対象者への制度の周知をお願いしているところでございます。今後につきましても、本制
度について、民生委員・児童委員の日ごろの見守り活動にあわせ、生活実態に応じて必要
とされる方へ効果的に御案内できるよう、さまざまな機会を通じて制度の周知に努めてま
いります。次に、本事業の対象者についてでございますが、家具の転倒防止は、震災時の
被害を減少させる対策として、自助による取り組みを基本として推進していくことが必要
と考えておりますので、本事業では、災害時要援護者対策の一つとして、ひとり暮らし高
齢者・障害者、高齢者のみの世帯などで、みずから家具転倒防止金具を取りつけることが
困難な世帯を対象として実施してまいりたいと存じます。次に、震災対策の全庁的な取り
組みについてでございますが、首都直下地震の発生が懸念される中、地震災害による被害
を軽減するためには、地域防災計画を基本に全庁的な連携のもと、住宅の耐震化や家具の
固定化等に限らず、さまざまな震災対策を進めていくことが重要でございます。今後につ
きましても、危機管理室が中心となって全庁的な連携を図りながら、震災予防対策や地域
防災力の向上に向けた取り組みを進めることにより、市民の皆様の安全・安心の確保に努
めてまいりたいと存じます。以上でございます。
○副議長
岩崎善幸
○こども本部長
岡本
こども本部長。
隆
児童虐待への対応についての御質問でございますが、初めに、
児童相談所につきましては、児童虐待に関する専門相談機関として、ケースの状況に応じ
た適切な判断と支援が求められており、平成23年度にこども家庭センターを中心とした児
童相談所3カ所の体制を構築したところでございます。今後につきましては、総合的なア
セスメントの実施を含めた組織的な対応等を図るため、個々の職員の計画的な人材育成や
業務執行のあり方について検討し、体制の整備を図ってまいりたいと存じます。次に、保
健福祉センターにつきましては、保健福祉センターと児童相談所を中心とした関係機関の
連携強化に向けて、要保護児童対策地域協議会の実効的な運営を図り、区内の関係部署や
地域の社会資源等と連携した相談支援が実施できるよう、業務執行体制の整備について庁
内関係部局で検討を進めてまいりたいと存じます。以上でございます。
○副議長
岩崎善幸
○経済労働局長
経済労働局長。
伊藤和良
正規労働者の雇用拡大策等についての御質問でございます
が、初めに、本市独自の取り組みについてでございますが、キャリアサポートかわさきで
は、若年者から中高年齢者まで幅広い年齢層の方々のライフスタイルに合わせた多様な働
き方に対応するため、正規雇用を初め、さまざまな雇用形態の職業を御紹介しているとこ
ろでございます。また、地域人材育成事業を活用し、特に厳しい雇用状況にある若年者を
対象とした新卒未就職者等就業支援事業や研修中の資格取得などを通じて就職を支援する
介護人材育成雇用事業など、正規雇用を目指す事業にも取り組んでいるところでございま
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速報版
平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
す。次に、求人開拓員の専任化についてでございますが、キャリアサポートかわさきにお
きましては、毎年度、企画提案方式により委託事業者を決定しておりますので、雇用期間
終了後の求人開拓員を正規雇用として専任化するよう義務づけることは困難と考えており
ます。次に、就職が決定しなかった求人開拓員につきましては、本市からの継続的な支援
の働きかけに応じて、委託事業者による取り組みが着実に進められており、具体的な成果
に結びついているところでございます。今後も、緊急雇用創出事業により雇用した方々に
対しましては、キャリアサポートかわさきなどの就業支援事業を御紹介してまいりたいと
存じます。以上でございます。
○副議長
岩崎善幸
○健康福祉局長
健康福祉局長。
木村
実
初めに、重度障害者医療費助成制度についての御質問でござ
いますが、現在、国におきましては、少子高齢化のさらなる進展を見据え、持続可能な制
度として今後も維持できるよう、健康保険制度や後期高齢者医療制度などの医療制度の見
直しや障害者自立支援法の改正が進められているところでございます。重度障害者医療費
助成制度は、こうした国の医療費制度を補完する県の一部助成による市単独の制度であり、
重度の障害がある方に対する医療費負担を軽減するための重要な制度であると考えており
ますので、制度を維持継続するために、国や県の動向を注視しながら、医療費助成のあり
方について慎重に検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、特別養護老人ホームの整備についての御質問でございますが、高齢化の進展に伴
い、医療依存度の高い要介護高齢者が介護現場で増加することが見込まれることから、医
療と介護が連携してケアを提供していくことがますます重要となっております。国では、
今般の介護保険制度の改正により、介護職員等がたん吸引などの医療行為を看護師と共同
で進めるための方策が講じられたことから、今後につきましても、介護老人保健施設、介
護療養病床を初め、特別養護老人ホームなどにおいて、引き続き一定程度の受け入れが行
われるものと考えております。特別養護老人ホームの整備につきましては、第5期高齢者
保健福祉計画・介護保険事業計画―かわさきいきいき長寿プランにおきまして1,100床程
度の増床を計画しておりますので、着実な整備に努めるとともに、在宅生活の支援として
小規模多機能型居宅介護事業所の整備を促進するほか、認知症高齢者グループホームや介
護老人保健施設などの多様な居住環境の整備に努めてまいります。以上でございます。
○副議長
岩崎善幸
○まちづくり局長
まちづくり局長。
金子
弘
小杉町2丁目開発についての御質問でございますが、初め
に、建物完成後のビル風対策についてでございますが、本計画の実施に伴い大きな影響が
生じた場合には、風環境の調査及び分析の結果によりますが、さらなるビル風対策といた
しまして、ペデストリアンデッキの上部にひさしを設けるほか、常緑樹の高木を植栽する
ことなどによる対策が考えられるところでございます。次に、タワープレイス周辺のビル
風対策についてでございますが、今後、周辺開発事業者の協力を得ながら、季節による風
の実態調査を行い、その結果を分析した上で、植栽のほか防風スクリーンなどのさまざま
な対策の効果検証を行った上で具体的な対策を検討してまいります。次に、小杉駅周辺の
まちづくりについてでございますが、駅を中心にさまざまな都市機能をコンパクトに集積
していくとともに、質の高い公共公益施設の整備を図ることとしておりまして、教育施設
や保育施設、地域のための備蓄倉庫、集会室、公共的駐輪場などの整備のほか、ペデスト
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
速報版
リアンデッキ、緑化されたオープンスペースなどの整備を促進し、安全で快適なまちづく
りを推進しているところでございます。次に、住宅についてでございますが、市内の住宅
戸数は充足した状況にあるとはいえ、住宅の老朽化や耐震性能、バリアフリーの面で必ず
しも十分な状況ではないことから、小杉駅周辺につきましても、防災や居住水準、環境面
に配慮した良質な住宅ストックの形成を図っていくことが必要であると考えております。
以上でございます。
○副議長
岩崎善幸
○港湾局長
港湾局長。
大村研一
ガントリークレーンについての御質問でございますが、コンテナ
物流においては、安定的かつ迅速な荷役の実施が必要不可欠でございます。おのおのの船
舶は、それぞれの運航計画を立て、複数の港に寄港しておりますことから、港側の都合に
より船舶の着岸時刻を調整することは、効率性の観点から船会社としても受け入れがたい
ところでございます。しかも、船舶の運航は、気象条件、東京湾の入り口の混雑の度合い、
他の港における荷役の状況等による寄港時間の長短などにより変動するものであり、毎回
一定のスケジュールどおりに運航できるものではございません。したがって、2隻が同一
日に着岸する場合など、どのような状況下においても、おのおのの船舶が着岸後、速やか
に荷役作業を開始できるような体制を整えておくことが重要であり、こうしたことから、
1基が保守点検に入っても2基が確実に使用できるよう、ガントリークレーンの3基目の
整備を行うものでございます。現状でも、木曜日だけではなく、他の曜日においても本船
とコンテナバージが同一日に着岸するケースがございますが、3基体制とすることにより、
コンテナターミナルの信頼性や利便性が高まり、既存航路を利用しようとする荷主がふえ
るとともに、新規航路が開設され、大型船の入港や2隻が同一日に着岸する件数の増につ
ながるなど、コンテナターミナルの利用促進が図られるものと考えております。以上でご
ざいます。
○副議長
○32番
岩崎善幸
斉藤隆司
斉藤議員。
答弁いただきました。再度質問させていただきます。児童虐待対応に
ついてです。業務執行体制の整備について、庁内関係部局で検討を進めてまいりたいとの
ことです。検証報告書の最後で、今回の提言も踏まえて、早急に具体的な方策を示すこと
が望まれると結ばれています。庁内関係部局の検討について、早急に検討会を立ち上げる
べきと考えますが、伺います。その検討会では、虐待予防対策も含めた検討とすべきと考
えますが、検討内容の基本的な見解を伺います。以上です。
○副議長
岩崎善幸
○こども本部長
こども本部長。
岡本
隆
児童虐待への対応についての御質問でございますが、児童虐
待の対策を推進するに当たりましては、子どもと家庭に関係する部署の連携が重要であり
ますことから、庁内の関係部局による検討会立ち上げの準備を進めているところでござい
ます。また、検討内容についてでございますが、虐待の予防、早期発見、早期対応、再発
防止など、児童虐待にかかわる切れ目のない支援の充実のための体制整備について検討を
進めてまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。
○副議長
○32番
岩崎善幸
斉藤隆司
斉藤議員。
答弁をいただきました。先ほどの答弁では、市民の切実な要求である
小児医療費助成の拡充を4月までさかのぼってほしいとの要望にはシステムの準備が必要
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速報版
平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
と拒否し、就職活動に失敗して自殺する若者が1,000人を超えている現実から、市独自に雇
用拡大策をとるよう求めたのに対して困難であるなどと全くこたえる姿勢を見せませんで
した。その一方で、ガントリークレーンの3基目整備については、昨年2基が同時に稼働
した日数は30日だけで、ことし5月から木曜日だけ2隻同時接岸することになった。つま
り、週1回のために3基目を整備することになるが、これは過大投資ではないかと指摘し
たのに対し、答弁では2隻が同一日に着岸する場合など、どのような状況下においても、
おのおのの船舶が着岸後、速やかに荷役作業を開始できるような体制を整えておくことが
重要などと、船会社に対しては過剰とも言える思いやりを示しました。市民の声は、今後
本当に深刻になるかわからない船待ちの解消よりも、現に深刻な特養ホームの入所待ちの
解消などにこそ、それだけの思いやりを持って取り組んでほしいということではないでし
ょうか。今必要なのは、大企業本位の呼び込み型の産業政策ではなく、地域経済の主役で
ある中小企業に光を当て、自然エネルギーへの転換などさまざまな取り組みを強め、地域
経済の活性化を進めることこそ政治の責任であることを指摘し、あとは委員会に譲り、質
問を終わります。
○副議長
岩崎善幸
お諮りいたします。暫時休憩いたしたいと思いますが、御異議あり
ませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長
岩崎善幸
御異議ないものと認めます。およそ30分休憩いたします。
午後3時9分休憩
-------------------
午後3時40分再開
〔局長「ただいまの出席議員議長とも54人」と報告〕
○議長
大島
明
休憩前に引き続き、ただいまから会議を開きます。
ここであらかじめ、会議時間の延長についてお諮りしておきたいと思います。
お諮りいたします。本日の会議時間につきましては、ただいまのところ午後5時を過ぎ
ることが予想されますので、その場合には会議時間を延長することにいたしたいと思いま
すが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長
大島
明
御異議ないものと認めます。よって、そのように決定いたしました。
-------------------
○議長
大島
明
それでは引き続き、代表質問を行います。みんなの党代表から発言を
願います。2番、小田理恵子議員。
〔小田理恵子登壇、拍手〕
○2番
小田理恵子
私は、みんなの党川崎市議会議員団を代表いたしまして、平成24年
第2回川崎市議会定例会に提案されました諸議案並びに市政一般について質問いたしま
す。
国内景気は依然厳しく、産業の空洞化と雇用情勢の悪化はとどまるところを知りません。
その中にあって川崎市は、環境、ナノテク分野を初めとする最先端企業を多数擁する産業
都市、環境先進都市でもあります。そして、市域のみならず、国内経済の牽引役としての
役割を担うことのできる都市であると考えております。本市におきましては、京浜臨海部
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
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ライフイノベーション国際戦略総合特区やかわさき新産業創造センターなどの拠点形成活
動に加え、5月31日には川崎商工会議所が専修大学と連携協力に関する覚書を締結いたし
ました。大学の所有する知的資源の活用による経済活性化が期待され、さらなる産学官連
携交流や市内の学生が本市経済の新しい担い手として、また、世界経済を活性化できる人
材を本市から多く輩出できることが期待されます。今後は、こうしたさまざまな取り組み
を相互に連携させ、点から線へ、線から面へと拡大しながら相乗効果を生み出し、市域全
体がイノベーションを創造する都市として新たなステージへの飛躍が求められます。我々
会派は、川崎市のポテンシャルを十二分に生かし、それに政策という形で新たなスパイス
を加えることにより、地域経済の発展につなげていくことを決意し、質問に入ります。
初めに、川崎市の水ビジネスの国際展開について、市長にお伺いいたします。5月25日
に上下水道分野における国際展開の実施方針が発表されました。このアクションプランで
は、中国・瀋陽市、ベトナム・ダナン市、オーストラリア・クイーンズランド州など、本
市とゆかりのある都市を対象地域とし、国際協力機構の協力を得て実現に向けて進めてい
くとのことです。本アクションプランには、対象地域への水ビジネス支援や対象地域を皮
切りにアジア地域へ展開すると書かれておりますが、我が国の水ビジネスは、フランスの
ヴェオリア社やスエズ社のような、いわゆる水メジャーと呼ばれているグローバル企業に
比べて後発であり、このアクションプランでは着実なビジネス展開は厳しいように見受け
られます。そこで、川崎市がこうした水メジャーとの国際競争の中で勝ち残っていくため
には、現在の水メジャーが抱えている課題に注目し、本市が新たなビジネスモデルを提案
することが不可欠と考えますが、見解をお伺いいたします。さらに、水ビジネスは、それ
単体で整備するにとどまらず、電気、ガス、データ通信など、さまざまなインフラを組み
合わせたトータルサービスとして戦略的に推し進めるべきと考えます。例えば、クイーン
ズランド州は海洋資源と熱帯雨林を有する環境を背景に、研究所や企業が多数立地するバ
イオサイエンスの拠点としてバイオエネルギーの生産に力を入れており、環境再生のまち
である本市としては、現地の特性を生かしたサービス展開を提案することができるポテン
シャルを活用できます。また、本実施方針の中にプラットホームとして、かわビズネット
を設立する予定と書かれておりますが、意欲や実績のある民間企業が中心となり国際展開
を進めるという抽象的な運営方針であり、マネジメントの主体が見えてきません。本市は
中核事業者という側面もございますので、強い方針とリーダーシップを持って進めるべき
と考えますが、見解をお伺いいたします。
続いて、水ビジネスを初めとした経済協定を締結した都市との都市間交流についてお伺
いいたします。経済交流を通じた都市間連携を進めるに当たり、企業間レベルから市民レ
ベルにどのように連携を深めていくのか、お伺いいたします。例えば、国際教育プログラ
ムを都市間で組み、子どもたち同士で友好関係を結ぶ機会をつくることや、環境関係団体
の間で友好関係を結ぶ機会を設けることで都市間での市民レベルの交流が深まると想定さ
れますが、具体的な方針をお聞かせください。
次に、スマートシティ戦略についてお伺いいたします。先日、東芝スマートコミュニテ
ィセンターが来年10月、川崎駅西口に開所予定との発表がなされました。スマートシティ
の構成要素の一つとして挙げられるビルディング・エナジー・マネジメント・システム、
いわゆるBEMSと呼ばれる建物全体のエネルギー供給やセキュリティ等の整備面を統合
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的に管理し、エネルギー消費量の削減を行うシステムの導入が具体化するという動きは非
常に注目すべき点で、中核施設としての役割も期待されるところです。本市のスマートシ
ティ戦略につきましては、2月の第1回定例会における我が会派からの代表質問に対して、
市長より全市展開を進めるに当たっての意欲的な御答弁をいただきました。本市のスマー
トシティ戦略を今後どのように進めていくのか、市長にお考えをお伺いします。
また、市民参加のスマートシティを実現する際には、ICTツールの活用が不可欠です。
佐賀県武雄市では、フェイスブック等のソーシャル・ネットワーキング・システム、いわ
ゆるSNSを活用した市民意見の集約に向けて動き出しておりますが、そこで課題となっ
てくるのが、ICTが苦手な、いわゆるスマート弱者の方々へのケアです。武雄市では、
ICT寺子屋を定期的に開催し、そこで市民の方が無料で受講できるパソコン、インター
ネットの講習を行うなどして、情報が伝わりにくいという弊害の解消を目指しております。
市民が情報を収集する上では、市政だより等の紙媒体への対応に加え、ICTリテラシー
の向上が必要となります。本市でも、ホームページへの掲載という手段で情報公開を推進
しておりますが、どのような形でこうした情報弱者の方々への対応を進めているのでしょ
うか、現在の取り組みと今後の方針を総務局長にお伺いいたします。
続いて、農業の新技術の活用について、経済労働局長にお伺いいたします。本市の販売
農家数は年々減少し、平成22年現在では697戸となっており、平成2年の1,300戸と比較し
ておよそ半数になりました。また、年齢別農業就業人口を見ると、平成22年現在で60歳以
上人口が全体の62.5%となっており、農業従事者の高齢化が進んでおります。そんな中、
今春、明治大学黒川農場が開設され、都市農業の新しい形の創出が期待されます。農場内
にある温室では、1年間に最大で15回の収穫ができるような効率的な栽培が研究され、同
大学生田キャンパスにおいては、室内における野菜栽培の研究も進められております。こ
れらの研究は、気象要件に左右されず、計画的な栽培を進められるという利点に加え、農
家所有の物件内で栽培できる可能性もあるため、実用化が期待されます。しかしながら、
初期投資に費用がかかり、栽培する場所によっては工場という扱いになる可能性もあり、
制度面での課題も存在します。室内栽培が実用化されれば、現在の農地に加え、農地以外
の場所での耕作が可能になり、川崎発の新しい都市農業の形として農家の経済的な課題解
決が期待できますが、実用化に向けた課題と本市の方針をお伺いいたします。
次に、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区について、総合企画局長にお
伺いいたします。川崎市は、本年5月24日に公益財団法人実験動物中央研究所と連携協力
に関する基本協定を締結いたしました。実験動物中央研究所を京浜臨海部ライフイノベー
ション国際戦略総合特区の中核施設として位置づけ、ライフサイエンス分野の研究開発を
加速させることにより、市民生活の安心・安全の向上を初め、KING SKYFRONT
への企業や研究機関等の一層の集積が期待されております。一方、今国会においては動物
愛護管理法の見直しが終盤を迎え、実験動物に対してもさまざまな議論がなされています。
民主党の環境部門・動物愛護対策ワーキングチームでは、実験動物施設に対し厳しい規制
や運用を求める可能性が一時出たものの、5月31日の取りまとめにおいては実験動物に関
する部分については削除され、現行のままということで決定いたしました。今後、継続的
に実験動物に関する議論は慎重になされていくと考えますが、そこでお伺いいたします。
実験動物中央研究所をライフイノベーション総合特区並びに殿町地区の中核施設として位
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置づけることにより、実験動物に関する注目が本市に集まることが予想されますが、実験
動物に対する本市の考えをお聞かせください。また、国は環境省を初め関係省庁の所管に
なりますが、本市はどの部局が所管するのか、お伺いいたします。また、総合特区と実験
動物を一元的に対応する関係部局の設置が必要なのではと考えますが、見解をお伺いいた
します。
次に、兵庫県においては、先進的な取り組みとして実験動物施設の届け出制を条例化し
ておりますが、本市の見解並びに実験動物に対して自治体が関与する範囲や指導の規範の
見解がございましたらお聞かせください。健康福祉局長にお伺いいたします。
次に、東京電力に対する損害賠償請求についてお伺いいたします。川崎市では、本年2
月1日、東京電力に対し、水道、工業用水道、下水道事業に係る原子力損害の一部として
約2億円の賠償請求書を提出いたしましたが、いまだ東京電力からの支払いはございませ
ん。平成24年3月末までに川崎市における放射性物質対策に要した経費は11億円を超える
見込みであり、本市では放射性物質対策に要した費用全額について東京電力に求めていく
方針を掲げております。支払い請求を含め、今後の対応について総務局長にお伺いいたし
ます。
次に、総合特別事業計画について市長にお伺いいたします。政府は、5月9日に東京電
力の経営改革対策等をまとめた総合特別事業計画を認定し、実質の国有化を正式に決定い
たしました。本年の2月には、川崎市を含む首都圏を構成する9つの都県市が共同して、
国や東京電力などに対して緊急要望を行いましたが、この総合特別事業計画では要望の実
現性が低いと思えますが、見解を市長にお伺いいたします。また、本市の今後における電
力事情への対応についての見解、国や東京電力等への対応についてもあわせてお伺いいた
します。
次に、行政評価についてお伺いいたします。昨年より我が会派が指摘しておりますとお
り、本市の施策進行管理・評価票は、評価指標の設定が妥当性に欠けており、施策の評価
と事務事業の達成度の関係性が不明瞭であるなどの課題があり、そのため、予算編成や議
会での積極的な活用には至っておりません。また、住民への意見募集に対しての意見数が
少ないことから、住民への説明責任を果たすという点でも十分に活用がなされていないの
ではないかと憂慮しております。こうした問題意識から、我が会派では行政評価のあり方
について研究を重ねており、そこで問題として挙げている点について幾つか質問いたしま
す。まず、施策課題の評価が現状どおりで適切なのかどうか、見解をお伺いいたします。
本市の施策体系でいう90の基本政策レベルでの評価が必要と考えますが、お伺いします。
細かな264の施策課題ごとの評価のみでは、市のマネジメントが適切に行われているのかど
うかを短時間で把握することはできませんし、市民にとって分厚い冊子をすべて読まなけ
ればならないのは相応の負担感があると考えます。また、施策進行管理・評価票を作成す
る職員の受けとめ方ですが、活用が不十分で成果が見えないのでは、やらされ感を持って
しまうのではないでしょうか、この点について見解をお伺いいたします。総合企画局長に
お伺いいたします。
次に、区民会議についてお伺いします。区民会議について必ず話題に上るのは、その認
知度の低さです。我が会派でも平成23年第3回、第4回定例会と続けてこのことに触れて
おりますが、その際に対策として、パンフレットを用いた広報、区民会議交流会、フォー
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ラム開催に加え、新たな取り組みとして動画映像作成など、さまざまな媒体を通じて認知
度向上に取り組むとの答弁をいただいております。それも有効な手段ではございますが、
やはり重要なのは、区民会議での成果が市民に見えることではないでしょうか。区民会議
条例によると、区民会議委員の任期は2年となっております。区民会議で委員が議論を行
い、提言し、それを区の事業として実践するとなりますと、議論から2年以上たってから
成果が見えることになります。成果を分析し、課題を発見するには、さらにもう1年必要
と考えます。任期を2年から3年へ延長することが必要と考えますが、条例の変更を含め、
市としての考えをお聞かせください。また、区民会議での提言が反映された区の事業につ
いて、把握検証がなされているのか、お伺いいたします。区民会議は、自治基本条例第22
条に規定されておるとおり、地域の課題を区民の参加と協働によって解決する流れの中で、
課題の解決の方向や方策について区民が調査審議する仕組みであるため、課題そのものの
設定が非常に重要であると考えます。テーマ、課題設定において、区ごとの分析はどのよ
うにされているのか、例えば区民アンケートなどの調査結果は利活用されているのでしょ
うか。また、数値目標を示すことが少なく、課題が見えづらいと感じます。事務事業総点
検と連動する意味でも、数値目標を示す必要性について、見解をあわせてお伺いいたしま
す。昨年度の区民会議については、委託の程度は異なるものの、すべての区でその運営を
民間会社に委託しております。区民会議条例第11条では、区民会議の庶務は、各区役所に
おいて処理するとありますが、業務委託しなければ運営ができないものなのか、また、区
民会議の委員から要請があり委託しているのか、並びに選定に当たっては区民会議の委員
によってなされているのか、お伺いいたします。次に、開催の形態として全体会議、専門
部会、フォーラムとありますが、全体会議で委託業者を入れるメリット、また、入れた場
合と入れない場合の違いについてお教えください。同じく、専門部会、フォーラムについ
てもお答えください。
次に、川崎市の学習状況調査について教育長にお伺いいたします。市内の小中学生の通
塾率が小学生は5割を超え、中学生は6割近くとなっております。このような状況の中、
経済格差が教育格差につながるような事態を回避するためにも、公立学校における教育の
質の担保が求められております。本年4月17日に全国学力・学習状況調査が実施されまし
た。全国的に見ますと、3割の抽出調査校に加え、自主参加の学校も含め、全国の公立学
校の参加率はおおむね8割から10割となりましたが、一方、川崎市については抽出調査校
のみ3割の参加となりました。これは、川崎市では独自の学習状況調査を実施しており、
また、平成19年から3年間の全国学力・学習状況調査結果により、川崎市の状況が全国と
同じ傾向を示していたためとの回答を受けております。川崎市独自の学習状況調査は、全
国学力・学習状況調査と比較してどういった利点があるのか、カリキュラムや指導にどの
ように反映されているのか、お伺いいたします。さらに、授業力の向上を推進するに当た
り、昨年は授業力こだわりハンドブックの配付を行っておりますが、この結果、学習状況
調査の数値結果に変化が見られたのか、お伺いいたします。学習状況調査の結果を受けて
の今後の課題と対策についてもお伺いします。
次に、通学路の安全対策について教育長にお伺いします。京都で通学中の子どもたちが
犠牲になった痛ましい事故も記憶に新しいことと思います。本市といたしましても、子ど
もたちの安全を守るために、登下校時の通学路の安全性の検証が改めて必要であると感じ
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ております。川崎市では、新年度ごとに各学校じゅうの通学路の点検をしていると聞いて
おりますが、その効果測定はできているのか、登下校中の事故件数の推移とあわせてお聞
かせください。
また、平成21年4月より施行された学校保健安全法の第30条では、警察やボランティア
団体等地域の関係機関、関係団体との連携に努めることとされています。具体的にどうい
った連携がどのように行われてきたのか、市民・こども局、教育委員会、建設緑政局に関
連する取り組みでございますので、それぞれの局長にお伺いいたします。
次に、児童虐待への取り組みについて、こども本部長にお伺いいたします。過去の死亡
事例の検証結果からは、要保護児童対策地域協議会などを通じて、関係機関の連携が図ら
れているにもかかわらず、児童への虐待が後を絶たないことから、改めて児童相談所とそ
の他機関との連携を見直し、適切な役割分担をすることが課題として浮かび上がってきて
おります。児童相談所以外で虐待のリスクがある親子が接触する機会の多い行政の窓口と
いえば、区の保健福祉センターが挙げられると思いますが、区の保健福祉センターに児童
虐待に特化した対応ができる職員が配置されているのかどうか、お伺いいたします。さら
に、通告件数が急増する中、児童相談所の負荷が増し、職員の疲弊を招いております。深
刻なものから軽度なものまで、ほとんどすべてのケースを児童相談所が主体的に対応する
のではなく、児童相談所と区役所間でのケースの振り分けが必要であると考えますが、見
解をお伺いいたします。また、児童相談所や乳児院の職員への聞き取りの中で、児童虐待
に及ぶ、またはそうしたリスクがある親の中には精神疾患を患っている例が少なくないと
の指摘がございました。こうした精神疾患を抱えた親のケアを児童相談所や区の保健福祉
センターで十分に行えているのかどうか、お伺いいたします。児童虐待に至るまでの原因
は複雑に絡み合っております。一人でも多くの子どもたちを虐待から救うためには、児童
相談所や区の保健福祉センターだけではなく、行政の中のさまざまな窓口が児童虐待への
知識を高め、連携して当たる必要があります。職員への研修はどのように行われているの
か、現状をお伺いいたします。
次に、母子家庭の就業と生活支援について、こども本部長にお伺いします。平成22年国
民生活基礎調査によりますと、母子世帯の総所得は262万円で、児童がいる世帯の総所得が
697万 円 で す か ら 、 そ の 所 得 の わ ず か 4 割 と い う 状 況 で す 。 母 子 世 帯 の 総 所 得 は 、 平 成 16
年が224万円、平成19年が236万円と推移しておりまして、一方の児童がいる世帯全体の総
所得が減少傾向にあるため、その差は縮小傾向にはあるものの、依然格差は大きい状況で
す。また、失業率が両親家庭より母子家庭のほうが高いというデータもあり、母子家庭に
着目した雇用対策や生活支援の拡充が求められます。川崎市では第2期川崎市母子家庭等
自立促進計画を策定し、これに基づき母子家庭支援を行っております。また、相談や就業
支援等の拠点として川崎市母子福祉センター「サン・ライヴ」を運営していますが、こう
した施策の一層の充実とともに、施設等を積極的に利用しようとしない母子世帯へのフォ
ローなどが重要と考えます。現在の取り組み状況と今後の課題についてお伺いいたします。
また、母子家庭への雇用支援策として、雇用を行った事業者へのインセンティブを与える
施策が効果的と考えますが、お伺いします。例えば港区では、仕事と子育ての両立や男女
がともに働きやすい職場の実現のために取り組んでいる中小企業を港区ワーク・ライフ・
バランス推進企業として認定し、認定企業に対しては工事入札の際の加点対象としており
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ますが、母子家庭支援対策としてこうした施策を検討されないか、お伺いいたします。
次に、生活保護世帯への就労支援についてお伺いします。全国の生活保護受給者数は、
本年3月時点で210万8,096人と過去最多を更新し続けております。川崎市においても同様
で、平成24年度予算における生活保護扶助費は約595億円となり、一般会計予算の約1割を
占めるまでに増加いたしました。被保護世帯数は、平成20年3月時点で1万7,516世帯であ
ったものが、平成24年3月時点には2万3,115世帯と約30%増加しております。中でも、就
労可能な世帯を含むその他世帯は、平成20年から2,378世帯増加でほぼ倍増しております。
これは昨今の雇用情勢の悪化により、就労可能な世帯が被保護世帯となっているためと考
えられます。生活保護予算の構成について、数年前までは医療扶助費が半分以上を占めて
おりましたが、平成24年度生活保護予算の構成比は、医療扶助費が39.1%、次に生活扶助
費34.8%、住宅扶助費22.6%と医療扶助費の割合が減少し、生活扶助費の割合が増加して
おりますことからも、その他世帯のうち、就労可能な世帯への就労支援及び自立支援対策
が特に必要と考えます。その他世帯に向けた就労支援について、現在までの市の取り組み
状況についてお伺いいたします。さらに、昨年度のその他世帯の世帯数とうち就労可能世
帯、就労支援を行った世帯数及びその結果就労に至った世帯数についてお伺いいたします。
また、川崎市では昨年11月に生活保護自立支援対策会議を設置しておりますが、現在まで
の検討状況と今後の計画について、健康福祉局長にお伺いいたします。
次に、議案第88号、川崎市個人市民税の控除対象となる寄附金を受け入れる特定非営利
活動法人の基準等に関する条例の制定について、条文に記載のない点について幾つか質問
いたします。本制度は、基本的には県民税分と市民税分を合わせて10%の寄附金控除が受
けられるようなものとするとのことですが、既に示されている本市の公益要件と県の公益
要件では違いがあります。県は金銭的な支援だけでなく、無償ボランティアの実績でもよ
いとしておるため、場合によっては県と市で指定するNPO法人が異なる場合が想定され
ますが、どの程度柔軟に対応するのか、お伺いいたします。また、神奈川県指定特定非営
利活動法人審査会については原則として公開となっておりますが、川崎市も同様の見解で
よいのか、お伺いいたします。さらに、県では県内市町村や民間支援機関等が開催する説
明の際に、県の職員による出前説明会を受け付けており、制度の周知に努めておりますが、
本市で同様の予定はあるのかどうか、お伺いいたします。なお、県との連携に関しまして
は、制度や手続上の連携だけでなく、県の実施している神奈川チャリティアクション・キ
ャンペーンに連動した広報活動等を川崎市で行うことなども寄附の機運の醸成には有効と
考えますが、見解を市民・こども局長にお伺いいたします。
次に、議案第89号、川崎市小児医療費助成条例の一部を改正する条例の制定について、
こども本部長にお伺いします。小児医療費の助成対象が満6歳までから1歳引き上げられ、
満7歳までとなりました。これにより制度予算は昨年度より約5億円増加の約33億円とな
っております。また、本制度の所得制限は、若干の変更はあるものの継続されると聞いて
おります。そこで、この制度における本市の基本的な考え方についてお伺いいたします。
この制度は、子どもの健やかな成長を目的としたものなのか、それとも所得の再配分を目
的としたものなのか、お答えください。また、本市は今後、年齢の引き上げと所得制限の
緩和、どちらに重点を置いて拡充を図ることを考えているのかについてもお伺いいたしま
す。また、本年6月より子ども手当が所得制限つきの児童手当となります。本市の小児医
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療費助成制度における所得制限も児童手当に連動することになりますが、変更内容につい
てもお伺いいたします。本市において現行の制度下において所得制限を受ける世帯の割合
は、助成制度対象となる小児がいる世帯の中でどの程度なのかもお伺いいたします。また、
新制度で所得制限を受ける世帯の割合についてもお伺いいたします。
次に、議案第95号、議案第96号、議案第97号、川崎高等学校及び附属中学校等新築工事
についてお伺いいたします。5月16日の総務委員会で設計の概要が明らかになりましたが、
ICTツール等を活用したスマートな教育を可能にするための環境整備はどの程度織り込
まれているのか、お伺いします。あわせて、2020年を目標として推進されている文部科学
省の教育の情報化ビジョンの実現に向けて、新設校には川崎市独自の教育ITソリューシ
ョンを期待するところでございますが、見解と進捗状況についてお伺いいたします。さら
に、今後増改築される市内学校へも同様の配慮がなされるのか、教育長にお伺いいたしま
す。
次に、議案第99号、仮称新川崎地区産学官共同研究施設クリーンルーム整備工事請負契
約の変更についてに関してお伺いいたします。本工事は、平成23年10月5日に契約したに
もかかわらず、わずか半年ほどで契約変更となっております。施設入居者の決定に伴う不
可欠な仕様の見直しが変更の理由とのことですが、この仕様の見直しがなぜ契約当初に想
定できなかったのか、お伺いします。また、研究開発に必要とのことですが、研究開発と
いう名目であれば、今後の仕様の見直しについても市が負担することになるのかどうか、
見解を経済労働局長にお伺いいたします。
以上で質問を終わらせていただきますが、御答弁によっては再質問させていただきます。
(拍手)
○議長
大島
〔市長
○市長
明
市長。
阿部孝夫登壇〕
阿部孝夫
それでは、私から、ただいまのみんなの党を代表されました小田議員
の御質問にお答えいたします。
水ビジネスの国際展開についてのお尋ねでございますが、本市におきましては、環境と
経済の調和と好循環による低炭素社会の実現を目指し、カーボン・チャレンジ川崎エコ戦
略を展開しており、その施策の一つとして、環境技術による国際貢献の推進に取り組んで
いるところでございます。上下水道分野におきましても、これまでオーストラリア・クイ
ーンズランド州において雨水を処理して飲料水や中水に活用する省水型・環境調和型水循
環プロジェクト、ベトナム・ダナン市において下水道や廃棄物処理を整備する環境インフ
ラ整備事業調査への協力、JICAを通じた職員の海外派遣などを行ってきたところでご
ざいます。世界の水ビジネス市場においては、上下水道施設の建設や運転管理、料金徴収
等の一体的なサービス提供が求められておりまして、このたびの実施方針におきましては、
事業運営の技術、ノウハウを有する本市と、部品、機器や組み立て、建設などの技術、製
品等を有する民間企業が連携するプラットホーム「かわさき水ビジネスネットワーク」
―かわビズネットを 構築して水 ビジネスを 推進するこ とにより、 世界の水環 境改善へ の
貢献を目指しているものでございます。今後、かわビズネットを通じて水ビジネスを進め
るに当たりましては、コーディネート機能が大変重要と考えておりますので、海外ビジネ
スの豊富な実績を有する商社を中心に、対象国・地域のさまざまなニーズを的確に把握し
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た上で、ニーズに応じた官民のチームを形成し、事業可能性調査、事業提案を行い事業実
施に至るよう、本市として積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
水ビジネスなどの都市間交流についてのお尋ねでございますが、海外との都市間交流に
つきましては、包括的な交流にかかわらず、相互の地域の発展につながるような実質的な
関係の構築がますます求められるようになってきておりまして、本市におきましても、環
境や経済分野など、テーマを定めた具体的な交流を行っているところでございます。この
たびの上下水道分野における国際展開を初めとする海外都市との連携につきましても、今
後の事業内容の充実や両市市民の理解など、地域への広がりを勘案しながら取り組んでま
いりたいと存じます。
スマートシティ戦略についてのお尋ねでございますが、持続可能な低炭素社会の実現に
向けて、環境やエネルギー問題などを解決しながら、超高齢化が進み、人口減少を迎える
社会においても、安全・安心で快適な市民生活を送ることができる暮らしやすいまちづく
りを進めていくことが重要であると考えております。こうしたことから、市内の事業者が
有する最先端の環境技術や市民の高い環境意識など、本市の強みを生かしながら、川崎ら
しいスマートシティの構築に向けて構想の策定に着手したところでございます。今年度に
つきましては、市街化が進み、高度なものづくり機能や研究開発機能が集積した産業都市
であり、首都圏における電力・エネルギー供給拠点としての機能を果たしている本市の特
徴を踏まえ、エネルギー分野、交通分野、防災への配慮など、幅広く市民や事業者、有識
者などの御意見を伺いながら、本市が目指すべきスマートシティ像を明確化し、この実現
に向けた各施策の取り組みを整理し、構想素案の取りまとめを行ってまいります。さらに、
構想を牽引する取り組みとして、川崎駅周辺地区や臨海部地域、富士見周辺地区を初めと
して、都市拠点の形成や公共施設の再編の機会などをとらえて、モデル事業の具体化を進
めてまいります。こうした取り組みを踏まえ、来年度につきましては、施策、事業の体系
化を行うとともに、モデル事業などの事業推進計画を取りまとめ、スマートシティ構想を
策定し、まちづくり全体の中で環境先進都市を目指してまいりたいと考えております。
東京電力などへの対応についてのお尋ねでございますが、この5月に国が認可いたしま
した総合特別事業計画につきましては、経営合理化方策とともに、外部事業者との連携に
よる老朽火力のリプレースなど、電力供給のための今後の取り組みが示されたところでご
ざいまして、こうした内容が国において認められたものと認識しているところでございま
す。また、この夏の電力需給につきましては、昨年より改善し、一定の電力供給が確保さ
れておりますが、確実な節電が求められる中、地球温暖化対策などにもつながるライフス
タイルの構築につなげていく必要があるものと考えておりまして、本市といたしましても、
川崎市電力需給対策基本方針に基づく夏期における市役所の率先取り組みを推進するとと
もに、市民、事業者と協働した取り組みを進めてまいりたいと考えております。次に、電
力料金の値上げにつきましては、中小企業などが対象となる割引メニューが新たに導入さ
れましたが、一層の配慮が必要と考えておりまして、本市といたしましても、引き続き他
の自治体と連携しながら、東京電力に必要な対応を求めてまいります。なお、昨年のよう
な緊急時においては、庁舎や市立病院などの重要施設への電力供給について配慮すること
なども申し入れてきたところでございます。以上でございます。
○議長
大島
明
教育長。
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〔教育長
○教育長
第3日(6月15日)
速報版
渡邊直美登壇〕
渡邊直美
教育委員会関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、学習状況調査についての御質問でございますが、初めに、本市独自の学習状況
調査につきましては、学校が子どもたちの学習状況を把握し、指導方法や教育課程の改善
に生かすこと、子どもや保護者に学習状況を伝え、家庭での学習のあり方を改善すること
を目的としております。その利点についてでございますが、小学校におきましては、平成
17年度から5年生を対象に、また、中学校におきましては、昭和43年度から全学年を対象
に、学習状況調査を実施しております。教科数につきましても、全国学力・学習状況調査
が3教科であるのに対して、中学校で国語、社会、数学、理科、外国語の5教科で実施し
ていることで、広く生徒の学習状況の把握ができるものとなっております。各教科の問題
は、教員によって本市の児童生徒の実態に即して作成しており、このことが一人一人の学
習状況に応じたきめ細やかな指導につながっております。また、学習状況調査の結果につ
きましては、授業において児童生徒に、設問に解説を加えながら返却することで学習内容
の定着を図ったり、設問や観点ごとに分析された個人票を配付して、児童生徒が学習状況
と課題を把握できるように活用しております。さらに、小学校では5月に実施しており、
夏休み前に子どもと保護者に分析結果を通知し、夏休みや9月以降の学習への取り組む態
度や家庭での学習のあり方を改善することにも役立てております。次に、学習状況調査の
数値結果についてでございますが、授業力こだわりハンドブックは、校内研究の持ち方、
授業の視点などを示し、継続的に活用することによって教員自身が授業を改善するきっか
けとなり、各校の研究、研修のガイドラインとされております。特に、授業力向上研究協
力校での学校評価アンケートでは、「学校が意欲的に学習できるように授業を工夫し、適
切なアドバイスを行い、基礎的な学力を身につけるように努力している」と回答した生徒
が、平成22年度68%、平成23年度77%と9ポイント上昇しており、授業力向上の取り組み
や教員の授業改善を肯定的にとらえております。こうしたことから、学習状況調査の結果
と授業力の向上にはつながりがあると考えております。次に、今後の課題と対策について
でございますが、学習状況調査につきましては、設問ごとの正答率を調査結果として得て
おり、これをもとにさまざまな角度から各学校では学習指導の課題等を把握し、改善を図
っているところでございます。教育委員会といたしましては、この学習状況調査の活用と
ともに、現在推進しております少人数指導や教育活動サポーターの配置、指導主事の各学
校への訪問、授業研究会や各種研修会を通して、きめ細やかな指導の充実や授業改善に向
けた取り組みを行うとともに、教員の指導力を絶えず磨き、児童生徒の学習習慣の確立と
学習意欲の向上につなげられるよう、引き続き取り組みを推進してまいりたいと考えてお
ります。
次に、通学路の安全対策についての御質問でございますが、初めに、通学路の点検及び
改善による効果についてでございますが、関係局、関係機関の協力をいただきながら、交
通規制や電柱巻きつけ標示、路面標示の設置等の改善を図っており、さらに、各学校では
PTAや地域の方々にボランティアとして協力をいただきながら見守り活動を実施してお
ります。これらの改善策は、ドライバーの注意喚起を啓発するとともに、交通事故の抑止
効果となっております。本市全体の登下校時の交通事故件数の推移につきましては、平成
19年の38件からおおむね減少傾向になり、平成23年は25件となっております。また、学校
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速報版
平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
保健安全法では、学校においては、児童生徒等の安全の確保を図るため、保護者との連携
を図るとともに、地域の実情に応じて警察署や関係機関、その他の関係団体、地域の住民
等との連携を図るよう努めることとされております。教育委員会といたしましては、これ
までも関係機関と連携を図ってまいりましたが、今回の痛ましい事故を契機として、教育
委員会が中心となり、市民・こども局、建設緑政局、各区役所、小学校長会、各警察署で
構成する川崎市通学路安全対策会議を開催したところでございます。今後とも、お互いに
情報を交換したり、課題を共有したりしながら児童生徒の安全の確保に努めてまいりたい
と考えております。
次に、中高一貫教育校についての御質問でございますが、平成26年4月に供用開始する
校舎におきましては、ICT機器を活用した効果的な学習ができるよう準備を進めている
ところでございます。具体的には、教育用パソコン及び校務用パソコンの整備に加え、校
内に充実したLAN環境を整備することにより、個々の状況に応じた学習ができるととも
に、一度に多くの生徒がインターネットを利用した調べ学習等が可能となる環境を整えて
まいります。また、パソコン、電子黒板機能つきプロジェクター、書画カメラを複数の教
室に常設することで、これらのICT機器を日常的に利用できる環境を整えてまいりたい
と考えております。本市の教育の情報化につきましては、文部科学省の教育の情報化ビジ
ョンを踏まえ、平成24年3月に川崎市教育の情報化推進計画を策定し、学びの場における
ICTの活用による確かな学力の育成を目指しております。川崎高校では、現在、情報端
末を活用した基礎学力向上授業の教材研究やICT機器を活用した指導法の研究を進めて
いるところでございます。また、総合教育センターでは、企業と共同して授業における情
報端末の必要な機能や適切かつ有効な活用方法の研究を進めているところでございます。
今後増改築される学校におきましても、生きる力に資する情報活用能力を育成しつつ、環
境整備面につきましても本市の情報化推進計画に基づいて進めてまいりたいと考えており
ます。以上でございます。
○議長
大島
明
〔総務局長
○総務局長
総務局長。
船橋兵悟登壇〕
船橋兵悟
総務局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、情報弱者の方々への対応についての御質問でございますが、情報通信技術が目
覚ましく進展する中、生活のさまざまな場面でインターネットやパソコン等を利用する機
会がふえているため、情報機器を利用する能力及び情報を活用する能力、いわゆるICT
リテラシーの向上は重要な課題であると認識しております。本市では、これまで市民の皆
様が情報通信技術に親しみを感じ、有効に活用していただくために、高齢者の方などを対
象としたパソコン研修等を実施してきたところでございます。また、このような研修の実
施に際しましては、ホームページや市政だよりへの掲載のほか、リーフレット等を関係施
設に配付するなどの周知を行ってまいりました。今後につきましても、市民の皆様がICT
リテラシーをより向上していけますよう、国の動向や情報通信技術の進展を踏まえ、取り
組みを継続してまいりたいと存じます。
次に、東京電力への損害賠償請求についての御質問でございますが、東京電力福島第一
原子力発電所の事故に伴い本市が放射性物質対策に要した費用につきましては、12月末時
点では平成23年度末までの支出額として11億円を超えるものと見込んでおりましたが、現
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速報版
在、支出確定額の集計を行っておりまして、今年度に繰り越した事業費や契約差金、また 、
想定しておりました放射性物質を含む土壌等の除去や運搬費用の減額等がございましたの
で、既に請求済みの2億円余を含め、総額で8億円を超える額と見積もっているところで
ございます。今後、最終集計及び請求項目等の精査を行い、請求額が確定次第、東京電力
へ請求してまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長
大島
明
総合企画局長。
〔総合企画局長
○総合企画局長
飛彈良一登壇〕
飛彈良一
総合企画局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、国際戦略総合特区における実験動物等についての御質問でございますが、初め
に、実験動物に対する本市の考え方についてでございますが、実験動物中央研究所は、高
品質で均質かつ再現性のある動物の開発などを行うことにより、実験動物を用いた人の病
気の研究と解明を通じて、医療の発展と人類の健康、福祉の向上に貢献することを目指し
ているところでございまして、今後も、こうした医療技術の向上や新たな医薬品の開発な
どに向けて、動物の愛護及び管理に関する法律等の関連法規にのっとって適切に運営され
ていくことが必要であると考えております。京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総
合特区は、医療・健康面からの国際貢献や我が国経済の持続的な発展を牽引していくこと
を目指しておりまして、特区における実験動物におきまして、動物愛護管理法の改正等が
あった場合には、同法の本市の所管部局である健康福祉局等と連携をしながら、適切に対
応してまいりたいと考えております。
次に、評価制度についての御質問でございますが、本市の評価制度は、すべての施策課
題、事務事業を位置づけた川崎再生フロンティアプランの実行計画の進行管理を行うとと
もに、評価結果を施策、事業の改善に反映する仕組みでございまして、すべての所管部署
が、みずから事務事業の達成状況等について点検評価を実施し、その結果を公表している
ところでございます。これまで学識者、市民、議会等からさまざまな御意見をいただく中
で、評価の内容をわかりやすく説明することや指標の設定方法などについて適宜改善を図
ってきたところでございます。次に、基本施策レベルでの評価についてでございますが、
川崎再生フロンティアプランでは、基本政策、政策の基本方向、基本施策、施策課題、事
務事業という政策体系をとっておりますので、基本施策の配下では施策課題、事務事業が
多岐にわたることから、施策の内容がより広範となり、目的などが抽象的で評価結果が概
念的になるなど、市民にとって結果的にわかりにくくなるものと考えているところでござ
います。次に、評価制度と職員のかかわりについてでございますが、本市の評価制度は、
すべての所管部署がみずから点検する仕組みでございまして、PDCAサイクルを推進す
ることで、より効果的な施策執行につながることを目指しているものでございます。また、
人事評価制度における組織目標とも連携した仕組みとしているところでございます。以上
でございます。
○議長
大島
明
市民・こども局長。
〔市民・こども局長
○市民・こども局長
山﨑
山﨑
茂
茂登壇〕
市民・こども局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、区民会議についての御質問でございますが、区民会議委員の任期につきまして
は、より多くの区民の参加を得られることが必要であること、一方で1年では委員が十分
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に能力を発揮できないことから、任期を2年とし、パブリックコメントの手続を経て条例
制定に至ったところでございます。また、本市の附属機関等の設置等に関する要綱に基づ
き、各区の状況に合わせて要綱で回数制限を設けて再任できることとしておりますことか
ら、現状の任期が適当であると考えております。次に、区民会議の提案が反映された区の
事業についてでございますが、事務事業総点検の中で地域課題対応事業として、その取り
組みの成果について確認検証を実施しており、区民会議に報告を行っているところでござ
います。次に、テーマ、課題設定における分析についてでございますが、区役所が業務を
通じて把握した課題だけではなく、区民会議の委員がみずからの活動等を通じて把握した
課題などについて、専門部会や全体会議で協議の上、調査審議のテーマとして選定する際
に、整理分析するための材料として区民アンケート結果などを活用しております。また、
数値目標についてでございますが、区民会議の審議結果を反映した事業を実施する中で、
課題内容によっては数値で目標を示すことが困難なものもありますが、状況に応じた目標
設定を進めてまいりたいと存じます。次に、区民会議の運営における業務委託についてで
ございますが、運営業務の補助として、各区役所において業者を選定し、全体会議、専門
部会の運営及び企画の補助、資料作成におけるデータの収集、フォーラムの運営などを委
託しているところでございます。全体会議、専門部会、フォーラムそれぞれにおける課題
や内容によって異なりますが、効率的・効果的な運営を図るため、必要に応じ活用をして
いるところでございます。
次に、通学路の安全対策についての御質問でございますが、区役所、川崎市交通安全協
会及び警察が連携し、各小学校において、1年生を対象に歩行教室、3・4年生を対象に
自転車教室を開催するなど、交通安全教育に努めております。また、通学路を通行する車
両の運転者や地域の方々に通学路であることを周知するため、通学路と記載した電柱巻き
つけ標示を各小学校等と連携を図りながら設置しております。朝夕の登下校時の見守りと
して、地域のボランティア団体や警察が主要な交差点で交通監視を行っているほか、安全・
安心まちづくりの観点から、下校時を中心に安全・安心まちづくり対策員が青色回転灯を
装備した車両により、小学校周辺等をパトロールする活動を実施しております。今後も引
き続き、関係機関・団体などとの連携を強化し、通学路の安全対策を推進してまいりたい
と存じます。
次に、特定非営利活動法人の条例指定制度についての御質問でございますが、初めに、
神奈川県と本市の公益要件の違いを踏まえた対応につきましては、寄附の促進を図る観点
から、県民税分と市民税分を合わせて法人への寄附金の10%が控除できるよう、県と市の
双方で指定されることが望ましいものと考えております。県と市の基準の違いから、指定
する法人が異なる場合が想定されるところでございますが、指定を受けた法人の多くが、
多様な税制上の優遇措置が与えられる認定を取得するものと見込まれております。したが
いまして、県による指定の後、認定を受けた法人への寄附につきましては、市税条例等に
基づいて市民税の寄附金控除の対象となることができることから、多くの場合、市民税、
県民税ともに税額控除が受けられるものと考えております。次に、審査会の公開について
でございますが、県におきましては、個別法人の審査は非公開の扱いとしているものの、
審査の透明性を高めるためには可能な限り公開することが望ましいと考えられることか
ら、審査方法についての審議等、個別法人の審査にかかわらない部分については原則公開
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としていると伺っておりまして、本市も同様の考え方をとっているところでございます。
次に、出前説明会の開催についてでございますが、本市におきましては、市内で活動する
NPO法人等を対象として、条例指定制度及び認定制度に関する説明会の開催を予定して
いるほか、本市が実施している出前講座のメニューの一つとして、要請に応じて複数の
NPO法人関係者等を対象とした講座を随時実施することとしております。次に、寄附の
機運を醸成するキャンペーンなどの県との連携でございますが、制度の導入後、寄附を促
進するための取り組みを進めていくことが重要であると考えておりますので、県及び県内
政令指定都市が連携して作成したポスターの掲示やチラシの配布等を行うほか、市政だよ
りや市ホームページなどによる広報を通じた取り組みを推進してまいりたいと考えており
ます。以上でございます。
○議長
大島
明
こども本部長。
〔こども本部長
○こども本部長
岡本
岡本
隆
隆登壇〕
こども本部関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、児童虐待への取り組みについての御質問でございますが、保健福祉センターに
おける職員の配置につきましては、家庭児童の福祉に関する相談や指導業務の充実強化を
図るため、家庭相談員を配置して対応するとともに、母子保健事業を通じて、虐待が疑わ
れる事例を把握し、早期に対応を行うことができるよう努めているところでございます。
次に、児童相談所と区役所の役割分担についてでございますが、要保護児童対策地域協議
会におけるケース進行管理部会を活用して、児童相談所と保健福祉センター双方のケース
情報を共有し、リスクの重症度によって役割を分担することとしておりますが、個々の事
案における具体的な支援方法等についての協議調整がさらに必要と考えております。次に、
児童相談所のケースで精神疾患を抱えた親に対するケアの現状につきましては、児童相談
所において児童福祉司が児童心理司や精神科医師の助言をもとに、保健福祉センターの障
害者支援係や精神保健福祉センターと連携し支援を行っておりますが、さらに充実させて
いくことが今後の課題と考えているところでございます。次に、職員への研修の実施状況
についてでございますが、児童相談所及び区役所の職員につきましては、各職場における
集合研修や派遣研修、要保護児童対策地域協議会における研修などを通じて専門性の向上
に努めております。また、関係機関の職員や民生・児童委員、保育所の保育士等を対象者
とした研修等も実施しているところでございます。
次に、母子家庭に対する支援施策についての御質問でございますが、母子家庭に対する
支援につきましては、就業支援として母子家庭自立支援給付金事業等を行うとともに、川
崎市母子福祉センター「サン・ライヴ」において、生活に関する相談や講習などの生活支
援も行っているところでございます。これらの支援策の利用促進につきましては、事業案
内のチラシの配布や母子福祉センター便りを年3回発行し、市内各施設に置くなどして広
く周知を図っております。次に、今後の支援策についてでございますが、事業者に対する
インセンティブの制度を導入することにつきましては、雇用の拡充を図る手法の一つであ
ると考えられるところでございます。どのような制度が母子家庭の雇用の促進にとって効
果的か、他都市の状況も調査し、研究してまいりたいと存じます。当面の課題といたしま
しては、母子家庭を孤立化させないことが必要と考えておりますので、引き続き広報を行
うとともに、母子福祉団体等と連携し、母子家庭のニーズや状況の把握に努め、ニーズに
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速報版
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沿った事業実施を検討してまいりたいと存じます。
次に、小児医療費助成制度についての御質問でございますが、初めに、本制度の目的は 、
小児に係る医療費の一部を助成することにより、その健やかな成長と小児保健の向上に寄
与するとともに、福祉の増進を図ることにございます。本制度につきましては、重要な子
育て支援策として、これまでも通院助成対象年齢の拡大や所得制限の緩和により段階的に
拡充してまいったところでございますので、今後も引き続き両面から検討してまいりたい
と考えております。次に、所得制限緩和についてでございますが、本制度の所得限度額に
つきましては、児童手当における所得制限に準拠しておりますので、児童手当法施行令の
改正に伴い、本制度においても、本年6月から所得制限を緩和いたしました。その内容は 、
夫婦と子ども2人の4人世帯の場合で、年収860万円から960万円まで引き上げたものでご
ざいます。次に、所得制限を受ける世帯の小児の割合についてでございますが、限度額引
き上げ前は約2割でございまして、6月の引き上げ後の割合は約1割と見込んでいるとこ
ろでございます。以上でございます。
○議長
大島
明
経済労働局長。
〔経済労働局長
○経済労働局長
伊藤和良登壇〕
伊藤和良
経済労働局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、農業の新技術の活用についての御質問でございますが、明治大学生田キャンパ
スでは、平成21年度に植物工場基盤技術研究センターが設置されており、黒川農場の生産
温室におきましても、将来の食料の安定供給などを図るための各種研究が行われておりま
す。植物工場は、太陽光線や温度、水など、作物の栽培環境を高度に制御することにより、
野菜等を周年、計画的に生産することが可能な栽培施設でございます。現段階では、研究
施設として、生産コストの削減や環境、人体に負荷をかけない生産システムの開発を目標
に研究が進められていると伺っているところでございます。植物工場の実用化に向けた課
題といたしましては、環境制御や搬送装置の導入などの施設依存度が高いこと、電気代や
栽培資材が高価であるなど、設置・運営コストが大きくかかること、安定的な販路の確保
が必要であることなどが挙げられます。また、税制面での取り扱いが農地とは異なるなど、
制度面での課題もございますが、季節や天候に左右されず、安定的な栽培が可能なこと、
地域や土地を選ばないこと、省力化が図れること、栽培管理が容易なことなど多くのメリ
ットもございます。本市といたしましては、こうした取り組みについて、産業化や食料自
給率の向上という観点からも大変期待しておりますので、今後の明治大学の研究成果に注
視してまいりたいと存じます。
次に、工事請負契約の変更についての御質問でございますが、初めに、仕様の見直しに
ついてでございますが、本工事は、新川崎・創造のもりに整備を進めております、かわさ
き新産業創造センター新館「NANOBIC」のクリーンルームの整備を行う工事でござ
います。今回の仕様の見直しは、クリーンルーム内の精密機器の洗浄等に用いられる純水
の製造能力の増強や、微細な加工工程等で使用する特殊ガスの供給配管の追加、酸素濃度
計の増設等の安全対策の強化など、クリーンルーム内での高度な研究開発に必要なインフ
ラの供給能力等を充実させるため、実施するものでございます。本施設は、最先端の研究
開発に取り組む企業、大学等が、仕切りのないオープンな空間でナノ・マイクロ技術を核
とした産学連携に取り組む点が大きな特徴でございまして、仕様の決定に当たりましては、
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速報版
当初の設計段階から大学等へのヒアリング等を行っていたところでございます。しかし、
昨年12月末に入居予定者が決定し、入居予定中小企業者等にも具体的なヒアリングを実施
いたしましたところ、将来的な拡張も踏まえた世界最先端の科学技術分野の研究環境への
対応や、クリーンルーム内の最先端研究機器の地元中小企業向け共同利用のより幅広い利
用用途への対応が必要となったため、当初の仕様を変更し、入居者共通の研究インフラの
増強等を実施するものでございます。こうした世界水準の研究環境の整備を通じ、ナノ・
マイクロ技術を核としたライフサイエンス・環境分野等での新技術・新製品開発を促進し、
市内ものづくり企業の基盤技術の高度化を図るとともに、我が国経済の成長のエンジンと
なる産業の創出へとつなげてまいりたいと考えております。次に、今後の仕様の見直しに
ついてでございますが、個々の入居者の研究開発の進展に応じて必要となる研究設備等に
つきましては、個々の入居者の負担により設置すべきものでございますが、施設管理者側
として用意する必要がございます入居者が共通に利用する研究インフラ環境等につきまし
ては、今回の仕様の見直しによりまして、今後の拡張性を含め十分な対応が図られるもの
と考えております。以上でございます。
○議長
大島
明
健康福祉局長。
〔健康福祉局長
○健康福祉局長
木村
木村
実
実登壇〕
健康福祉局関係の御質問にお答え申し上げます。
初めに、実験動物施設の届け出制についての御質問でございますが、実験動物施設につ
きましては、現在、動物の愛護及び管理に関する法律に基づく届け出対象とはなっており
ませんが、国におきましては、届け出対象の見直しも含め、同法の改正に向けた検討がな
されております。この検討の中では、実験動物施設の届け出制に関し、研究機関等による
自主管理を尊重すべきとする意見や、施設における実験動物の取り扱いに関する透明性の
確保が必要とする意見などがあったと伺っておりますので、本市におきましても、今後の
法改正に向けた国の動向を注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、生活保護受給世帯の就労支援等についての御質問でございますが、現在までの取
り組み状況につきましては、各福祉事務所に1名から2名の自立生活支援相談員を配置し、
就労支援プログラムを活用し実施しているところでございます。支援内容は、就職活動の
仕方や生活リズムの指導、就労意欲の喚起など、一人一人に対応した寄り添い型の支援と
なっております。また、昨年度のその他世帯数は4,440世帯で、全生活保護受給世帯に占め
る構成比は20.05%でございまして、全世帯における就労可能者数は2,783名で、そのうち、
その他世帯の就労可能者数は1,858名となっております。また、自立支援プログラムを1,086
名が活用し、うち538名が就労に至っております。次に、生活保護自立支援対策会議につき
ましては、昨年11月以降、自立支援対策会議を5回、幹事会を4回開催し、さらに課題に
対応した4つの専門部会を設け、部会ごとに検討を進めているところでございます。4つ
の専門部会はそれぞれ、雇用の創出、就労支援をテーマとする就労支援施策検討部会、子
どもの健全育成支援をテーマとする居場所づくり・学習支援検討部会、高齢・障害世帯等
の生活支援をテーマとする生活支援部会、生活保護行政の適正実施をテーマとする生活保
護適正実施検討部会となっております。昨年度は、それぞれの部会において現状及び課題
の分析を行い、現在、具体的な施策展開について検討を進めているところでございます。
今後につきましては、就労支援体制の強化など可能なものから実施するとともに、仮称川
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速報版
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崎市生活保護自立支援対策方針を年度内に策定し、次年度以降展開する具体的な事業の検
討を進めてまいります。以上でございます。
○議長
大島
明
建設緑政局長。
〔建設緑政局長
○建設緑政局長
大谷雄二登壇〕
大谷雄二
建設緑政局関係の御質問にお答え申し上げます。
通学路の安全対策についての御質問でございますが、通学路の安全対策への取り組みに
つきましては、これまでにも通学時等における安全確保を目的として、学校やPTA、区
役所、交通管理者等が連携し、実際に通学路を歩いて合同で点検を行い、点検結果を踏ま
えまして交差点のカラー舗装や外側線、カーブミラー、横断防止さく設置等の安全対策を
実施してきたところでございます。今後におきましても、引き続き交通管理者等関係機関
と情報の共有を図りながら連携を強化し、通学路の安全対策を実施してまいります。以上
でございます。
○議長
大島
明
○2番
小田理恵子
小田議員。
それぞれの御答弁ありがとうございました。先に幾つか要望を述べ
させていただいた上で何点か再質問いたします。
まず、水ビジネスの国際展開についてです。水ビジネスの国際市場に参入するに当たっ
ては、やはりマネジメント力が重要になってまいります。民間企業との連携を進めるかわ
ビズネットを構築するとのことですが、本市も事業者の一人として、海外でのビジネス競
争に対応できる人材の獲得や育成を進めていただきますことを要望いたします。
続きまして、スマートシティ戦略についてです。全市展開を進める上で、構想の素案を
まとめるという御答弁をいただきました。CCかわさきや策定中の総合都市交通計画、そ
して上下水道事業の国際展開など、関連施策との連携を行い、本市の強みを生かすマネジ
メント機能を強化するようなスマートシティ戦略の推進を要望いたします。
次に、農業の新技術の活用についてです。植物工場を初めとした新しい技術の活用につ
いては、今後、明治大学の研究成果に注視していくとの御答弁でした。税制を初めとした
制度面での課題があるとのことですが、研究成果を注視しつつ、実用化に向け想定される
課題の整理を早い段階から進めていただきますことを要望いたします。
次に、国際戦略総合特区と実験動物についてですが、特区内に実験動物の中核施設を持
ち、ライフイノベーションを推進していく本市は、実験動物について国内外から注目され
るであろうことは否定できません。今後、センシティブな課題が出てきた場合にも、本市
として確実な対応、調整ができるよう、さまざまな角度から考慮していく必要があると考
えます。関連部局との連携強化も含め、検討いただけますよう要望いたします。
次に、本市の行政評価制度について、我が会派では、学識経験者を入れて行政評価のあ
り方に関する研究会を定期開催するなどしておりますので、今後、その成果を示してまい
りたいと思いますが、ここでは1点だけ要望を述べさせていただきます。事務事業につい
ての点検結果がホームページに掲載されておりますが、施策課題別の評価結果を開いて、
初めて事務事業についての点検結果を参照することができます。もっとわかりやすい掲載
方法について検討をお願いしたいと思います。
次に、川崎市学習状況調査に関連して授業力の改善について要望いたします。学習状況
調査の結果を踏まえた授業力の改善への取り組みについて、一定の効果があったとの御答
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
速報版
弁でしたが、教育委員会といたしましても、学校経由だけでなく、ぜひ保護者や生徒の生
の声を直接聞く機会を持っていただき、さらなる授業力の改善に取り組んでいただけます
ようお願いいたします。
次に、児童虐待の取り組みについて、未然予防、早期発見といった点が重要視されてお
ります。それに加えて、虐待を受けた子どもに対し、漏れなく精神的ケアを受けさせるこ
とができているのかどうか、点検していただきたいと思います。特に家族再統合後の子ど
もについては、親の意向によって十分な精神的ケアを受けているかどうか大きく左右され
ている可能性がございます。たとえ見守り支援で十分となっている家庭の子どもであって
も、継続的な精神的ケアの機会が保障されますよう、虐待を受けた子どもの精神的ケアを
徹底することを望みます。
それでは、3点再質問させていただきます。まず、東京電力への損害賠償請求について
再度お伺いいたします。本市が費やしてきた放射性物質への対応に係る支出分を東京電力
に継続して請求していくということは理解いたしましたので、支払い時期について伺いま
す。下水道事業分について、横浜市には支払われたにもかかわらず、川崎市に支払われな
いのは疑問に思います。
次に、区民会議について再度質問いたします。多くの区民の参加が得られることが必要
であるとの答弁もございましたが、我が会派がたびたび指摘しておりますように、認知度、
傍聴者数を含め、残念ながらそうした状況になっていないのが現実と感じております。ま
た、提案が反映された区の事業について、区民会議に報告を行っているとのことですが、
市民の参加と協働による区民会議の提言が政策にどう生かされていくのか、わかりやすく
市民に提示することこそ、理解と周知につながると考えますが、今後の取り組みを伺いま
す。
最後に、生活保護施策に関してですが、御答弁の中で自立支援対策会議における4つの
部会の中の一つとして、子どもの健全育成支援をテーマとする部会を開催するとの御答弁
がありました。貧困から児童虐待につながるケースの予防、早期発見の観点から、生活保
護世帯に対しケースワーカーが対応した際の情報を児童相談所と連携する必要があると考
えます。現在、児童相談所とはどういった連携を行っているのか、お伺いいたします。以
上です。
○議長
大島
○総務局長
明
総務局長。
船橋兵悟
東京電力への損害賠償請求についての御質問でございますが、東
京電力に対しましては、平成24年2月1日に水道、工業用水道、下水道事業分につきまし
て、第1回目の賠償請求書を提出した後、それぞれの事業ごとに個別に事前協議を進めて
いるところでございます。下水道事業の賠償金につきましては、事前協議が調ったところ
でございますので、東京電力によります請求内容の最終審査を経た後、速やかに支払いと
なる見込みでございます。また、水道、工業用水道事業分につきましても、同様の手続を
経まして支払いの手続が行われる予定でございます。以上でございます。
○議長
大島
明
○市民・こども局長
市民・こども局長。
山﨑
茂
区民会議についての御質問でございますが、区民会議は
区民の参加と協働による地域社会の課題の解決を図ることを目的としており、審議結果に
基づき、区民と地域の団体等の参加と協働による課題解決の実践や地域の団体等と区役所
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速報版
平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
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が役割分担した取り組みが推進されております。区民会議の提案が反映された区の事業に
つきましては、区民会議への報告を初め、区の状況に応じて市政だより区版、区民会議だ
より等の広報紙、ホームページやメール配信などにより広く区民の方々にお知らせしてい
るほか、フォーラムの開催を通じて直接区民会議委員から報告を行っているところでござ
います。今後とも、さまざまな機会を活用し、区民会議の認知度向上に取り組んでまいり
たいと考えております。以上でございます。
○議長
大島
明
○健康福祉局長
健康福祉局長。
木村
実
生活保護受給世帯の児童相談所との連携についての御質問で
ございますが、生活保護業務を実施している中で、児童虐待が疑われるケースなどにつき
ましては、カンファレンス等による情報の共有や児童相談所からの要請に応じ同行訪問を
行うとともに、要保護児童対策地域協議会等を活用し、児童相談所との連携を図っている
ところでございます。今後とも、子どもに対する専門的な支援を要する生活保護受給世帯
につきましては、児童相談所とのより一層の連携を図りながら対応してまいりたいと考え
ております。以上でございます。
○議長
大島
明
○2番
小田理恵子
小田議員。
御答弁ありがとうございました。最後に、意見要望を述べさせてい
ただきます。
まず、区民会議についてですが、住民自治を考える上で区民会議は非常に重要な取り組
みであり、より多くの市民が参加できる仕組みを考えていかなければなりません。例えば、
高津区がふるさとアーカイブ事業として、みんなでつくるふるさと写真マップというワー
クショップを行い、その成果をスマートフォンアプリ「たかつぶらり」にて多くの方々に
触れてもらう取り組みを行っております。こうしたアイデア、ICTツールの活用を促す
ことによって、より多くの市民が住民自治に関心を持つことも十分に考えられます。実際、
我が会派でも、まち歩きを取り入れたタウンミーティングを開催しており、市民の方々と
ともに、その地域の課題の抽出を行い、それを市民の方々とのディスカッションを通じて、
どうすれば課題につながるかというワークショップを実施しておるところでございます。
自分のまちをこうした見方をしたことがなかったが思わぬ課題が見つかった、まちに対し
て新しい発見ができた等々、建設的な意見も多く見られ、例えば区民会議における課題抽
出にリンクさせることも可能ではないかと感じております。ぜひ今後の取り組みに、こう
した市民参加型のアイデアを活用することを要望いたします。また、区民会議の運営にお
ける業務委託については、専門性の高い業者に委託しているわけでありますので、区民会
議委員にも周知を徹底し、委員各位からの調査依頼やコンサルテーションにも対応できる
環境整備をしていただけますよう要望いたします。
次に、生活保護世帯への対応についてですが、現在、寄り添い型の支援を行っていると
の御答弁でした。就労支援につきましては、平成23年度は就労可能世帯2,783世帯中、4割
の1,086世帯が自立支援プログラムを受け、受講者の約半数の538名が就労に至ったとのこ
とでした。就労対策に関しましては、自立支援プログラムの義務づけの検討など、さらな
る自立世帯数の増加に努めていただきますよう要望いたします。また、児童虐待などの社
会問題は、複数の要因が絡み合って発生することが多く、一つの側面だけをとらえて対策
を行っても改善に至らないことがございます。こうした組織を超えて関連し合う課題への
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速報版
対応につきましては、従来の組織の枠組みを取り外し、相互に連携協力し合いながら実効
性の高い取り組みを期待いたします。
川崎市は経済都市であると同時に、大都市の中で最も人口のふえ続けている生活都市で
もあります。経済性と居住性、ある意味では相反する両面を兼ね備えたスマートな都市を
実現するための各種施策の推進を期待するところでございます。また、そのため、庁内を
初め関係機関との連携を深めながら、多様なニーズに対応できる組織と人材の育成に努め
ていただけますよう要望し、あとは委員会に譲りまして質問を終わります。ありがとうご
ざいます。
○議長
大島
明
以上をもちまして、日程第1の各案件に対する各会派の代表質問は終
わりました。これをもちまして代表質問を終結いたします。
-------------------
○議長
大島
明
次に、議案の委員会付託についてであります。
日程第1の案件中、報告案件を除く議案37件につきましては、お手元に配付してありま
す議案付託表(その1)のとおり、それぞれの常任委員会に付託をいたします。(資料編
*ページ参照)
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○議長
大島
明
次に、日程第2の請願、陳情を議題といたします。
平成24年第1回定例会以降、去る6月6日までに受理し、常任委員会に付託する請願、
陳情は、お手元に配付してあります請願陳情文書表のとおりであります。
ただいまの請願、陳情につきましては、文書表のとおり、それぞれの常任委員会に付託
をいたします。(資料編*ページ参照)
なお、この際、お諮りいたします。ただいま付託をいたしました請願、陳情のうち、本
会期中に審議未了となったものにつきましては、議会閉会中の継続審査にいたしたいと思
いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長
大島
明
御異議ないものと認めます。よって、そのように決定いたしました。
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○議長
大島
明
次に、日程第3の議案第125号、川崎市男女共同参画センターの指定管
理者の指定についてを議題といたします。
直ちに、理事者に提案理由の説明を求めます。市民・こども局長。
〔市民・こども局長
○市民・こども局長
山﨑
山﨑
茂
茂登壇〕
市民・こども局関係の追加議案につきまして御説明申し
上げます。
議案書の1ページをごらんください。議案第125号、川崎市男女共同参画センターの指定
管理者の指定についてでございます。この施設の指定管理者として、TEPCOパブリッ
クサービスに管理を行わせるものでございまして、指定期間は平成24年7月1日から平成
28年3月31日までの3年9カ月でございます。指定の理由についてでございますが、川崎
市男女共同参画センターの指定管理者であるTEPCOパブリックサービスから、東京リ
ビングサービス株式会社が平成24年6月30日に脱退することになったことにより、指定管
理者を再度指定する必要が生じたためでございます。なお、法人の概要につきましては、
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2ページから3ページにございます参考資料を御参照いただきたいと存じます。
以上で、市民・こども局関係の追加議案の説明を終わらせていただきます。
○議長
大島
明
以上で、提案説明は終わりました。
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○議長
大島
明
これより議案第125号に対する代表質疑を行います。発言は自席でお願
いいたします。
それでは、御発言を願います。35番、織田勝久議員。
○35番
織田勝久
私は、民主党川崎市議会議員団を代表して、議案第125号、川崎市男女
共同参画センターの指定管理者の指定について代表質疑を行います。
指定管理期間に指定管理者となる団体の構成に変更があり、指定管理者を再度指定する
必要が生じたため、議会での議決を求めるとのことであります。このたびの再指定に当た
って、民間活用推進委員会での議論を経たとのことですが、今回は新たな選定ではなく、
再度指定を行うとの結論に至った判断理由と根拠について伺います。
今回の事例は、これまでの指定管理者の選定における事例とは異なった案件と仄聞して
います。今回の事案を経て、指定管理者の選定の中で従前の指定管理期間に指定管理者と
なるJVなど団体の構成に変更があった場合の選定のあり方を整備すべきと考えます。対
応を伺います。
○議長
大島
○総務局長
明
総務局長。
船橋兵悟
指定管理者制度についての御質問でございますが、指定管理者制
度は、平成15年の地方自治法の改正により導入された制度でございまして、その運用をよ
りよいものにしていくためには、さまざまな事例を適切に整理しながら積み重ね、全庁で
共有していくことが重要と考えております。こうしたことから、適宜制度運用のマニュア
ルである事業者選定等に関する手引きを見直し、各局担当者向けの説明会を毎年度開催す
るなど、取り組みを進めているところでございます。こうした中で、特に指定管理者が共
同事業体の場合につきましては、構成団体の変更などさまざまなケースがございますので、
今回の事例につきましても、マニュアルの一部運用を見直すなど、全庁で共有を図りまし
て、今後もより適切で効果的な運用に努めてまいりたいと存じます。以上でございます。
○議長
大島
明
○市民・こども局長
市民・こども局長。
山﨑
茂
川崎市男女共同参画センターの指定管理者の指定につい
ての御質問でございますが、本市における指定管理予定者の選定は、原則として5年を期
間として公募により行うこととしておりますが、合理的な理由がある場合には、これによ
らないことができるものとしているところでございます。今回の事案につきましては、共
同事業体から脱退する事業者の担当部門が共同事業体の代表者へ移管され、現在の指定管
理者の業務が引き継がれ、業務の実施に大きな変更が生じるものではなく、サービスの継
続性が確保されることから、民間活用推進委員会での審議を経て指定期間を残存期間とし
非公募による選定としたものでございます。以上でございます。
○議長
大島
明
○35番
織田勝久
あとは委員会に審議を譲り、代表質疑を終わります。
○議長
大島
以上をもちまして、ただいまの議案第125号に対する代表質疑を終結い
明
織田議員。
たします。
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平成24年(2012年)第2回川崎市議会定例会会議録
第3日(6月15日)
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ただいまの日程第3の議案第125号につきましては、お手元に配付してあります議案付託
表(その2)のとおり、市民委員会に付託をいたします。(資料編*ページ参照)
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○議長
大島
明
お諮りいたします。本日はこれをもちまして散会することとし、明日
16日から21日までの6日間は委員会における議案審査等のため休会とし、次回の本会議は
22日の午前10時より再開し、各案件に対する委員長報告、討論、採決等を行いたいと思い
ますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長
大島
明
御異議ないものと認めます。よって、そのように決定いたしました。
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○議長
大島
明
本日はこれをもちまして散会いたします。
午後5時18分散会
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