3.0 User`s Guide and Reference Manual

WSJT Version
(PCサウンドカード利用による
微弱電波通信のコンピュータプログラム
by K1JT)
3.0
User’s Guide
and
Reference Manual
December 1, 2002
Manual Copyright 2001, 2002
by
Joe Taylor, K1JT and Andy Flowers, K0SM
日本語訳
高橋 寿久 JH1OQW
2003 3 19 翻訳 Ver.1
WSJT
INTRODUCTION
序文.
.............................................................1
.......................................................................................4
SYSTEMREQUIREMENTS 必要なシステム................................................................…....4
INSTALLATION プログラムのインストール....................................................................... 4
INITIAL SETUP
初期設定.............................................…......................................5
STATION PARAMETERS 無線局の諸元設定................……................................................5
T/RSWITCHING 送受信の切り替え......................…....…...............................................5
T/R LEVEL 送受信レベル...............................................................................................5
RX AUDIO LEVEL 受信オーディオレベル.….........……...................................................6
TX AUDIO LEVEL 送信オーディオレベル.....…..............................................................7
FREQUENCY READOUT 周波数の読み出し................….............................................…8
AMPLIFIER REQUIREMENTS 出力段のリニアリティ.………………………………………………...…8
OPERATING IN FSK441 MODE
FSK441の操作...............................................…9
RECEIVING FSK441 FSK441の受信.......…..........................................................…9
DECODED TEXT 解読..……................... ..................................................................…10
MOUSE-PICK QSO マウス操作によるQSO...…...........................................................10
FINAL PREPARATION FOR a QSO QSOのための最終準備………….……………………………….. 11
STANDARD QSO Procedure 標準QSOの方法...........................…................….........11
HOW WSJT DECODES AN FSK441 SIGNAL
FSK441の解読法……......………...…12
ON-SCREEN CONTROLS スクリーンを見ての操作..........................................................14
TEXT BOXES 通信文欄.............................................................................................15
OPERATING IN JT44 MODE JT44モードの操作(EME)......……............................16
2
HOW JT44 WORKS JT44の動作原理….........................................................................16
RECEIVING JT44 JT44の受信..........................…......................................................18
DECODED TEXT 通信文の表示法..................................................................................18
BIRDIES スプリアス信号群.........................…............................................................20
STANDARD MESSAGE FORMATS 標準通信文の形態…………...…........................................22
PRACTICAL OPERATING HINTS 実際の通信方法........…................................................22
SOLAR AND LUNAR DATA 太陽と月のデータ.......................….....................................23
ON-SCREEN CONTROLS スクリーンを見ての操作........................................................23
TEXT BOXES 通信文欄.............................................................................................25
OPERATING IN EME ECHO MODE
EMEエコーモードの操作.....…..................26
HOW EME ECHO MODE WORKS EMEエコーモードの動作...................…...................... 26
ECHO SENSITIVITY エコー感度.....................................…......................................... 28
THE “MEASURE” SUB- MODE 計測サブモード............…............................................28
EME CALC EMEカルク.........................................................................................29
MENUS
メニュー.................................................................................................30
APPENDIX A: 付録A:信号プロトコルの仕様 ......……...............................................33
FSK441.........................................……...................................................................33
JT44..............................................................……...................................................34
EME ECHO MODE..............................................……................................................37
APPENDIX B: 天文学上の計算..................................………………..….................37
APPENDIX C: ソースコードの開示と利用........................……………..................38
APPENDIX D. 将来の展望………………………………..........................................40
3
Introduction 序論
WSJTとはコンピュータープログラムの名称であり、K1JTによって考案され、微弱信号通信を
目的としている。このプログラムは、現在のところ3つの操作モードを提供している。それは
FSK441、JT44とEME Echoモードである。FSK441は流星痕反射の高速通信用に設計されて
いる。このため主にピングping(パルス)を送り地上から100Km上空の流星のイオン化した痕跡
に反射させる。このようなピングの反射信号は受信機のノイズ上数dBが殆どである。これらの
ピングを使用することによって、2mバンドからその上のUHFまで、通信距離は800か2200Km
の範囲でのQSOが容易に出来る。JT44はほぼ一定の信号強度の非常に弱い信号レベルの通信に
向いている。このプログラムはCWで最も弱い信号で認識できるレベルよりも10―15dB弱い信
号を解読する能力がある。この方式はトロッポスキャッタとEMEに対しては理想的である。EME
のQSOでは従来大きな設備を要したが、JT44を用いることにより、小さな設備でもEMEが十分に
可能となる。EME Echoモードは月からの反射電波を捕らえることをテストするためのもの
である。月からの反射レベルを予測するためにサンノイズ、アンテナ温度の測定ツールも用意
している。
System Requirements 要求システム
WSJTはMicrosoft Windowsの95, 98, 98/SE, ME, NT, 2000, and XP. Minimumで動作が可能である。
ハードウエアは最小でペンティアム75Mhz及び24MBのRAM容量と40MBのDiskスペース及び800×
600のグラフィックスとサウンドカードが必要である。WSJTを使いながら、例えばPSK31のような
ソフトを同時に使うには、Windowsの最新のバージョンと高速CPUを使うと良い。シリアルポート
(COM)のDTRとRSTは送信機のPTTのスイッチとして使用される。この接続はトランシーバのオー
ディオ出力をサウンドカードの入力に接続し、サウンドカードの出力をトランシーバのマイク入力
へ接続する。これらのアクセサリーは簡単に入手が可能である。 FSK441とJT44は送信局と受信
局の間の時間同期を必要とする。あなたはコンピュータのクロックを1秒以内の精度とそれを保
持する方法が必要である。
多くの局ではインターネットクロックセットプログラムを用い、あるいはGPS受信機を使用して
いる。また、WWWVを聞いて手動でコンピュータクロックをセットしたり、放送局の時報を利用
するのも一つの選択肢である。しかしこの方法は面倒であり、注意深く時刻を見ていなければ
ならない。コンピュータのクロックは変動する傾向にある。EMEや流星反射のスケジュールの始
まりにクロックをUTCにセットするのは難しく、いわんや30分後に正確さを期待できない。
プログラムのインストール
WSJTのプログラムは無料ソフトでpulsar.princeton.edu/ joe/K1JTまたはヨーロッパのミラー
サイトのwww.vhfdx.de.からファイルWSJT300.EXEかまたは同類のファイルネームまたはもしあ
れば新しいバージョンNoをインストールできる。WSJTのインストールファイルを実行して、適
当なロケーションに永久保存する。このプログラムをCDにファイルしている場合には、適当な
ハードディスクにインストール場所を決め、WSJT300.EXEを実行してWSJTをインストールする。
もし、アップグレードを希望しそれが見つかれば、それが出来る。UPD301.EXE、ヴァージョン
4
3.01というような表示になる。これは通常のインストールパッケージよりもフアイルの大きさが小
さい。例えばニューバージョンのファイルはWSJT.EXEとWSJT1.DLLのファイルに上書きされる。
このため、先にインストールしたディレクトリーを確認することが必要である。
初期設定
無線機とコンピュータの間を適当なケーブルで接続する。もしこの接続が分からない場合には、
サウンドカードの無線機への接続の記事を参照して欲しい。例えば2000年5月号のQST誌WB8IMY
のPSK31の記事などが参考になる。WSJTのプログラムをスタートするために、Windowsのディ
スクトップのアイコンまたはスタートメニューからダブルクッリクする。まずFSK441モードを
スタートさせる。ここでFSK441モードかどうか確認が必要である。ファンクションキーF7でも
良い。それから次のステップに進む。
ステーションパラメータの設定
Station Parameters
まずSetupのアイコンを開き、Optionsをセレクトする。Optionsのテキストボックスが開く。My
Callのボックスに自局のコールサインを入れる。6デジットのグリッドロケーターをタイプするコ
ンピュータクロックが地方時を示しているときには、UTCにオフセットタイムを入れて時刻を合わ
せる必要がある。日本は9時間の時間差があり、−9または+9を入れる。送信T/受信Rの切り替
えスイッチの構成について、これは個々の無線局によって異なるが、このRX,TXの遅延時間は
数十分の一秒かそれ以上かかる。これは送信と受信が重なりあうことを防ぐためである。
FSK441モードでは周期的に無線局のIDを確認しあうために数分間にこのIDを出す。これを促進
するためにソフトをインストールしたディレクトリーに音声ファイルを用意している。所謂
ID.WAVである。必要な情報を含んでおり、音声かCWレコーディングである。これは選択して使
用が可能である。無線局の自動識別は現在の所FSK441モードだけである。メッセージテンプレ
ート(message templates)の中でNA DefaultsまたはEU Defaults をクリックすると編集が可能
である。NAは北アメリカ流であり、EUはヨーロッパ流である。小さな変更は問題ないが大きな
変更は相手局を混乱させるばかりであるので注意したい。また世界中に対しても同じことが云
える。Doneのボタンを押すとOptionsスクリーンは消えて、メインスクリーンへ戻る。
送信/受信の切り替え
T/R Switching
セットアップアイコン(Setup)をクリックしてSet CoMPortを開き使用するコムポートを設る。
もしVOXコントロールを使用するのならば 0 を入れ自動PTTを使用不能に設定する。次にPTT
コントロールのためDTRまたはRTSラインを使うかセットアップメニューで指定する。DTRまたは
RTSの配線されているかどうかわからないときには両方をチェックすること。このメニューで両
方使うか、使わないかチェックが可能である。もし、独自のインターファースを使いPTTをコン
トロールしたいならば、9ピンのシリアルポートコネクターを使い、DTRは4ピンへRTSは7ピン、
グランドは5ピンを使用する。非常に簡単なコントロール用インターファースを下記に示す。
これは2N4401トランジスターを使っている。PTTのスイッチを押したら、T/Rスイッチが働くの
で、A,B、B,C,DのラベルのTuneボタンをクリックする。これらの4つのボタンはFSK441のオ−
ディオトーンを発生するが、これはパソコンのサウンドカード経由で送信機へ送られる。
5
ここで、注意したいのはWJSTのトーンは100%のディユティ−サイクルになり、フル増幅が行わ
れる。CWは50%のディユティサイクルになる。もし30秒間の高ディユティサイクルの送信
を続けるならば、ファイナル増幅器には過負荷がかかる。このためパワーを絞る必要があるTX
Stopをクリックすると、送信は停止する。
受信オーディオレベル
RX Audio Level
次のステップは受信機とサウンドカードのオーディオレベルとの調整である。もしAGC回路が働
いているならば、設定をファースト(Fast)にするか、オフにする。また時にはRfゲインを下
げるかノイズブランカをオフにする必要があるかもしれない。あなたはノイズブランカを使っ
て実験をしたいと思うかもしれない。WSJT信号はノイズブランカの影響は受けない。ただ他の
ケースで流星乱反射のパルス(ping)は厳しくクリップされる。ほとんどのノイズブランカJT44
1モードでは使用可能で有用である。FSK441モードで運用の場合、混信のない周波数に同調さ
せ、受信時の間を記録するためにRecordをクリックしてスタートする。まずはじめに、WSJTス
クリーンの底部STATUS BARのエントリーフォームのファイル File:callsign yymmdd
hhmmss に注目すべきである。Text Boxにコールサインをまたyymmddへ現在の日付けをいれ、
hhmmssには時間をいれる。第二のStatus Barのなかのn sに注目すべきである。Nはファイル
ネームを数秒間録音した時間の整数を現している。数秒間の音声を録音した後にStopをクリッ
クする。第三のメッセージはRX Noise:xdBを表す。このメッセージはサウンドカードによっ
てディジタル化した受信ノイズレベルをdBで示している。鋸歯状の緑のラインは滝(Waterfall)
のスペクトログラムに沿って大きな表示窓に現れる。この緑のラインは録音(水平軸)中の受信
ノイズパワーを示している。このWaterfallのプロットは時間と受信信号の周波数分布を示して
いる。もし緑のラインと周波数分が見えないときは,サウンドカードに受信ノイズが十分に送ら
れていないか、受信ノイズが存在しないかのいずれかである。受信機のオーディオレベルを調
整するかまたはコンピュータのオーディオレベルを調整して、短い録音を繰り返して、ノイズ
レベルを0dBに近ずけることが必要である。名目上は0dBであるが+−2または3dBはそう厳しく
調整しなくても良い。コンピュータのサウンドミキサーはSetupメニューから呼び出すことが出
来て、スライダーの調整が可能である。それらを一応総て試みる必要があるかもしれない。そ
れからLine inの代わりにマイクinを使う場合には実験が必要である。それからサウンドカー
6
ドの特別効果を得るための音質コントロールや3‑Dサウンドはオフすべきである。録音レベルが
正しく調整されるとwaterfallのスペクトグラムの下に波のように揺れる緑のラインが表れる。
そしてプロットエリアの外側の渕に短い水平のマークをつける。WSJTは受信機のオーディオレ
ベルが極端に小さいかまたは全く無いかメッセージを表示する。もしこれが表示されたらコネ
クターケーブルとサウンドカードのミキサーの選択を見直す必要がある。WSJTの最適なミキサ
ーの設定は他のソフトの設定とは異なるかもしれない。また他のプログラムとしばしばスイッ
チしながら使う場合にはその都度再調整が必要である。また例えば QuickMix のような無償
のユーティリティプログラムがある。これを導入すれば簡単にプログラムをスイッチ出来る。
送信オーディオレベル
TX Audio Level
WSJTモードは情報を送信するためにオーディオ周波数偏移を使用している。FSK441は送信機を
ドライブするために4つのオーディオトーンを使用し、JT44は44トーンを使用する。EMEエコー
モードは複数の周波数を使用する。これらのモードで送信するときには、各々のトーンは同じ
大きさのパワーにすべきである。FSK441のプログラムでは、混信を与えない周波数かまたはダ
ミーロードを用いて、4つのチューンボタンA,B,C,Dの順にクリックしてチューンする。これは
SSBモードで882、1323、1764、2205Hzの単純音が送信される。この時の送信出力または終段の
電流値を見て各トーンの出力値をチェックする。その結果その変動レベルが10%以内か、20%
以内であれば問題は無い。しかし50%の差ははっきりと限界状況の信号に対して了解度が低
下するのは避けられない。送信機を正しく調整して、その送信出力はモードとメッセージとは
関係なく一定にすべきである。PSK31とは状況が異なり、送信機のリニアリティや歪を考慮して
オーディオゲインを減らす必要は無い。実際に4つのFSK441のトーンの出力が等しくなるよう
7
にオーディオゲインの調整の必要があるだけである。スピーチプロセッサーを使って送信スペ
クトラムのレベルを揃えることが可能である。テキストで述べたようなトーンのレベル調整を
再度行う前にそのような簡単な処置をすべきである。このためSetup │ Optionsスクリーンでは
4つのFSK441のトーンが別々に増幅度をセット出来るようにしてある。相対的な数値は欲しい
数値にスケールを合わせることが出来る。これらの値は0.0から1.0までの間に設定すべきであ
る。この数値はパワーではなく電圧増幅度を示している。もし例えばトーンDが他の3つに比べ
て2倍のパワー出力があったとするとDの数値は0.707(0.5の平方根)に減らして補正すべきで
ある。この増幅度の設定はJT44およびEMEエコーモードでは効果が無い。
周波数の読み出し
Frequency Readout
WSJTのしきたりとして、送信・受信はUSBを使用する。スケジュールまたは他の目的のために周
波数の操作はキャリアを抑圧した電波またはもっと単純な電波として、そのダイアル上周波数
を示している。多くの無線局は望ましい周波数に正確に較正していない。送信する前に、目的
とする周波数に対して100ないしは200Hz以内の誤差に設定すべきである。もっとも単純な方法
は良く較正した周波数カウンターで、送信出力を小さくしてその周波数を計測することである。
カウンターで計測する場合に、抑圧したキャリアにオーディオトーンを加えた状態で周波数を
読むべきである。テスト機をセットアップ後、シングルトーンを送信するためにTuneのボタン
を選び送信する。例えば、144150.000KhzのUSBにセットされていると、ボタンAを押し送信する
と、オーディオトーンは882Hzなので、周波数カウンターは144150.882Khzと表示する。もしそ
の表示が高いか、低い場合には今後常に周波数の補正をしなければならない。多くの安いカウ
ンターはVHFでの使用において、Hz付近での計測が出来ない。しかしながら、WSJTのいかなるモ
ードでも100Hz程度の精度が出れば十分である。上記の例で周波数を144150.000KhzのUSBにセト
して882Hzのトーンを送信すると、周波数カウンターの読みは144150.9Kzとなり144150.882kHz
に十分接近している。もしダイアル表示が144150.475kHzならば較正が475Hz低いということ分
かる。もしあなたがスケジュールを立てて他のステーションと交信する場合にはそのダイアル
周波数よりも高い周波数にセットしなければならない。
終段アンプの要求事項
Amplifier Requirements
FSK441,JT44,EME Echoの各モードの送信信号は単一周波数の正弦波である。
送信中は信号が断続することはない。一つの信号から連続して位相が変化して次の信号に変化
して行く。結果として、WSJTは終段パワーアンプの高い直線性は要求しない。従来のRTTYやFSK
方式のように2つの周波数を同時に使用しないので、この信号は内部総合変調による波形の歪
は生じない。FSK441,JT44,EME Echoの各モードの送信信号はもし、C級のアンプまたは高効率の
ノンリニアのアンプを使っても、不必要なサイドバンドまたはスプラッタの発生はない。(但し
この場合、音声によるIDは使えない)ただ注意したいのはフル増幅の送信状態が30秒以上続くの
で、パワーを絞るべきである。
8
FSK441モードの操作
FSK441の受信
Operating in FSK441 Mode
Receiving FSK441
WSJTは各々のレコーディング周期の終わりに受信した信号をディスプレーに表示する。緑のラ
インの信号強度を示すグラフと時間軸の関係では0.1秒間隔で平均化したパワー(これは受信機
の信号電圧を平方根したものである)を示す。ピングを示すパルス波は雑音波のベースライン
の中で突出したスパイク波として確認できる。フルスケール(プロットエリアの上面)は受信
ノイズパワーの変動波よりも30dBレベルが高いことを示す。FSK441モードにおける、受信雑音
の録音は右上の小さなプロットエリアの紫の曲線を作り、その曲線上に4つの黄色の印を一緒に
表示する。
赤い識別マーク
この紫の曲線は受信ノイズの平均スペクトラムを示し、その中に信号が無ければ、サウンドカ
ードと受信機のIFとオーディオの総合パスバンド特性を示している。縦軸のスケールはdBであ
り,黄色の識別マークの長さは10dBに等しい。そのWindowの上部の識別マークはFSK441によ
る4つの信号の周波数を示し、これは882、1323、1764、と2205Hzを表している。理想的には受
信機のバンドパス特性は概ねフラットにすべきであるが、それは紫の曲線が600から2205Hzまで
ほぼ水平になるようにすべきである。もしあなたの受信機がこのような状態に無いときは、WSJT
はこれを自動的に補正してベストに持ってゆく機能がある。赤い曲線はこの小さいプロットエ
リアに現れる。紫のカーブと類似しており、信号解読アルゴリズムによって表示され強いスパ
イク波を除いて表示される。もし赤の曲線が無ければ、それはピングは見つけられないことを
示している。もし大きなプロットエリアの底部に沿って赤い識別マーク(red tag)があれば信
号エリアを示している。
9
テキストの解読
Decoded Text
受信した信号からテキストを解読するとセンタースクリーンの白いテキストボックスにテキス
トが現れる。例えばK1JとK0SM間のQSOで示すとそのテキストは次のようになる。
FiledID
T
Width
Rpt
DF
dB
|
15.0
260
8
26
-21
K1JT 27 K0SM 2727
*
154000
154100
154500
17.2
40
2
16
195
R3 1#
6.7
100
5
26
-21
RRR
3
◎最初のNoは録音のスタート時間である。これはhhmmssで示している。
◎次のTはピングを受信してファイルに関連付ける時間を秒で表している。
◎3番目と4番目の数字はwidthはピングの持続時間ミリ秒と(S+N)/Nで計測した尖頭値をdB
で示している。
◎ Rptはシグナルリポートを示している。
◎ DFは受信周波数と信号のオフセット(周波数差)をHz単位で示している。
もし一つの符号化された信号を解読したならば、それはR26,R27,RRR,または73のように表示さ
れる。テキストはマルチトーンのメッセージを解読して作る。上の例では最初のピングでは2
つのコールサインとシグナルリポートの27を含んでいる。UTC:15:40:15.0に生じたピングは
260ms続いた。信号ピークはノイズレベルよりも8dB高かった。期待した受信周波数より21Hz低
かった。この信号は15:41:17.2に受信した。これは非常に短く有効な情報は含んでいなかった。
あなたはそのうちに流星反射信号よりもそのような雑音信号を認識するようになる。FSK441の
信号は端的に短く、静的な潰れた信号というよりは直感的にべちゃくちゃ喋るような信号で明
らかに分かるものである。シングルトーンのピングは耳でも申し分なく容易に認識できる。WSJT
はこれらのはっきりと分かる信号であり、他の信号とは異なり、テキストを圧縮して送り出す
ことが出来る。このプログラムは、時には、ノイズ、スプリアス(birdeis)によって翻弄され
る。経験を積んでくると、必要な直観力が身についてくる。15:45:06.7のピングはRogerメッセ
ージのシングルトーンを解読している。マルチトーンのメッセージは左側の欄にRRRとして表示
される。WSJTはマルチトーンの通信パターンを解読しようとうる。その周期的なメッセージの
長さが認識され、そのプログラムが繰り返されると、読解されたコピーを送り出す。
解読されたテキストに*を発見することがあるが、シングルトーンの解読は同じ欄の中の数字
を伴うことがある。これは1から3等級の相対的な信頼性を示している。マルチトーンメッセー
ジで解読される周波数の解像度は約43Hzである。この数値の周波数の差の大きさはさして重要
ではなWSJTは200Hzまたはそれ以上離れているFSK441信号を正しく受信することが出来る。しか
しRITを使うか、サイドチューニングすることで100Hz以下にすることでDFを減らすことが出来
る。QSOの相手を混乱させないために、送信周波数を一定に保つことが一番良いことである。
マウス操作
Mouse-Pick Feature
マウスポインターをスペクトラムエリアの中へ動かすと数秒以内に水平位置は底の左下に数値
的に表示される。そのグラフのエリア内で、マウスの左ボタンをクリックするとある時間内に
存在する信号は何でも解読しようと試みる。マウスの右ボタンも同様であるが、メッセージの
平均化は出来ない。限界ぎりぎりのピングを解読しようとするときに、少しずつクリックする
ボタン位置をずらしてクリックする。マウスのクリック動作を用いた方法は自動ピング発見方
式が失敗に終わることがあり、これを防ぐには良い方法である。
10
QSOの終了準備
Final Preparation for a QSO
メインスクリーンのT/Rのボックスの中に送信と受信の周期の長さが記入される。30秒間隔の周
期は標準仕様である。ただ他の値もとることが出来る。もし初めのシーケンス間で送信をした
いならばTX Firstのボックスをチェックを入れる。北アメリカの流星散乱通信では西部の殆ど
のステーションに対してT/Rシーケンスにおいて、初めに送信する。他の地域では違った協定が
あるかもしれない。通信相手のコールサインをTo radioのテキストボックスの中に書き込み
Generate StdTextsをクリックすると通常使用されるメッセージのシーケンスが作られる。メ
ッセージを編集して、もし望むなら特別なメッセージを作ることも出来る。Standard/Custom
Textsを切り替えると6つのテキストボックスを編集することが出来る。WSJTはあなたのカス
タムメッセージをセーブして次の時のそのプログラムを動かすときに使うことが出来Lookup
ラベルのボタンをクリックすると、WSJTはプログラムをインストールしたディレクトリーの
CALLSIGN.TXTのファイルを捜しに行く。このファイルはデータ-ベースで、コールサインの
リスト及びグリッドロケータとその他の有用な情報を含んでいる。エキザンプルファイルはプ
ログラムの分類項を含んでいる。これはあなたの地域とその時間に関する項目を適用したいと
思うときに使う。(編集はノートパッドかその他のASCIIテキストエディターを使用して、す
でに存在しているフォーマットに従う)。To radioのコールサインがデータベースにあればプ
ログラムはグリッドロケータを隣接したテキストボックスに書き込み、それを使って距離や方
向を計算する。LOOKUPファイルをリクエストして、また他局のグリッドロケータを知ってい
るならばマニュアルでエンターすることが出来る。ただ4デジットのロケータはその精度が落
ちるのは仕方が無い。付け加えて大きな円周の方位角を認識するためにプログラムは高100km
の流星の痕跡からの反射に対して、直接パスの統計的なホットスポットの方位に対して角度を
上げる。このホットスポットはランダムな流星の方向を考えて、2つの特別な位置との間の反
射に対して幾何学的にベストなものを考えた方向である。このホットスポットは赤でハイライ
トしてその日の時刻で最も好ましいものの一つである。覚えていて欲しいのは流星のシャワー
を通じて流星のパスの方向はランダムである。これらの条件下でのハイライトスポットは必ず
しも良いものではない。
標準QSOの手順
Standard QSO Procedure
WSJTのQSOを完了することは、もし標準の操作手順に従っていれば、非常に効率的である。高速
流星散乱通信の実際についてはWEBを注意深く探し読むことが必要である。または例えば次URL
から入手出来る。
URLs www.qsl.net/w8wn/hscw/hscw.html and www.meteorscatter.net/hsms.htm.
非常に簡潔に記述している北アメリカの最小流星散乱通信のメッセージ手順は次の通りであ
る。
1 もし他局からコールを受信したら、自局と他局の両方のコールサインを送れ。
2 もし両方のコールを受信したら、両方のコールとシグナルリポートを送れ。
3 もし両方のコールとシグナルリポートを受信したら、Rとあなたのシグナルリポートを送れ。
4 もしRプラスシグナルリポートを受信したら、RRRを送れ。
5 もしRRRを受信したら、あなたの情報の全てが確定承認になる。これでQSOは正式に完了で
ある。しかしながらこれを知らない局もあるので、社会通念的な73sまたはこれに類似した
情報を送り完了になる。あなたが自動の受信と送信が出来る状態にあるとき、CQに答える
か、コールするか、スケジュールのいずれかをスタートさせるために必要なTXメッセージ
をクリックしてAuto Period Onをオンさせる。
11
WSJTのFSK441信号の解読法
How WSJT Decodes an FSK441 Signal
受信の周期が終了したときに、全てのピングに対して、閾値の幅Wと信号の強さSを自動的に
選別と解読を行う。分離した信号の強さの閾値STはシングルトーンメッセージを運ぶピングに
対して対応している。3つのパラメーターはデフォルト値としてW=40ms、S=2dB、ST=-2dB
デフォルトボタンをリセットすることにより戻すことが出来る.修正は+または-ボタンをクリ
ックして次にパラメータラベルをクリックすることにより行える。WSJTがFSK441信号を解読
するプロセスをフローチャートに示す。
WSJT はノイズフロア以上の
信号を見つけたか
No
YES
信号は解読されない
テキストは表示されな
それは S より大きい信号>S?
(ST シングルトーン)
Yes
持続時間は>W か?
No
スペクトラムは FSK441
信号のようにみえるか?
(QRN パラメーターから
見て推定する)
周波数はツール以内か?
WSJT は解読した信号とデータを
テキストボックスへ表示する。
YES
ピングの幅は20ms周期内で計測し報告される。FSK441は1秒間に147文字を送信出来る、20msの
ピングでは約3文字である。それにもかかわらずWSJTはノイズレベルより1dBまたは2dBの信号を
12
20msのピングで、3ないし4文字を正しく解読できる。シングルトーンのメッセージは流星散乱
通信に度々使用される速記表現法である。
バンド幅が狭くなっているので、解読器を使うことが出来き、マルチトーンが要求するシグナ
ルレベルよりも6dBかそれ以上低くても解読できる。STのリミットを‑2dBに設定すると、通常の
コンディションからほぼ正しい値である。シングルトーンの解読失敗の確率は非常に低い。む
やみやたらに、デコーディング(解読)を行うより、WSJTのシングルトーンのメッセージを聞
く経験を積む方が非常に賢い方法である。あなたは流星散乱通信を巧くこなせるようになりま
た相手局のDF(周波数のズレ)を知るようになるとSTの閾値を小さい値にセットするようにな
る。WSJTはQRNフィルターを有し、インパルス的な混信と正統なFSK441信号を明確に区別する。
QRNパラメータは1から10セットできるがデフォルト値は5である。ノイズの多い環境下では、ア
ンテナが雷雨や雷の放電するような雲の方向へ向いていると、テキスト表示がメチャメチャに
なる。QRNの設定値を高くすると、これらの障害から救われるようになる。しかしながらこの高
いQRN設定値はプログラム動作の感度を悪くさせるか、誤同調させる。非常にノイズが低い場所
でQRN=3が筋の通った選択である。WSJTは送信と受信のご同調を補正するように働く。しかしな
がら、誤同調が200hZまたはそれ以上になると一般に解読精度を悪化させる原因になる。各々の
解読されたピングに対して、DF欄に最も良い周波数偏差の推定をリストにしている。これらの
推定精度はマルチトーンのFSK441でおよそ+−22Hzである。シングルトーンに対してはこれよ
りも幾分か良い値になる。QSOを通じこれらの周波数偏差を許容値以内に保つようにDF欄を良く
ウオッチすると信号の解読率が向上する。もしDF値が+−100Hz以上になったら、再度受信機の
周波数の同調を補正する必要がある。例えば、DF値が‑280Hzで正しく解読が出来ているとして、
赤線のスペクトラルカーブが強いピングに対して左にずれたとするとピングは正しく解読されて
いない。このため適当の値の補正を行い低いずれを正す。またはRITコントロールを使うか、機
能にもよるが、T/Rのスプリット機構を使用して補正を行う。送信周波数は一定に保つことが必
要である。これを動かしたら、あなたの相手局はあなた自身の信号を同時に同調を取ろうとす
るだろう。だからあなたは送信周波数をいじってはいけない。これはただ、相手を混乱させる
だけだ。送信機と受信機の相対的な同調によって、オフセットが441Hzとなった場合にFSK441
の特別な関係からDFの値は0になり解読は不良となるということを知らせておく。そのような
状況になると赤いスペクトラル曲線は右か左に寄って、スペクトラムの上部または底部が失わ
れるので、それと理解出来る。また正しい信号を受けると元へ戻ることが出来る。Tol(周波数
偏差)はデフォルト値400HzからTolを小さくすることによって周波数の偏差の幅を狭くするこ
とが出来る。もし通信相手の信号をはっきりと解読できるならば、Tolを100以下にして、ノイ
ズバーストを解読して失敗するような事態を減ずることができる。そのような状況下では、そ
の他の閾値を、W=20ms,S=1dB,ST=‑5dBのような小さな値に設定するとQSOを失敗無く完了するこ
とが出来る。あなたは通信相手のシグナルを効果的にロックオン出来る。解読用のパラメータ
を数回調整してから、Decode Again(再度解読)をクリックすると全体の受信ファイルを再処理
するためのトリガをすることになる。何時もと変わらずに、信号の姿の上にマウスポインター
を置き、右または左のマウスボタンをクリックして、信号を解読する。通信の初めと終わり近
くの信号がノイズに埋もれて行くか、または信号が弱くなってゆくかの時にメッセージの解読
エラーが発生するが、これはピングに対する閾値の選びかたに関連してくる。勿論CWでもまた
他の通信モードでも信号が限界ギリギリの所では同様なエラーは発生する。或るディジタルモ
ードは高い精度とエラー訂正機能を持たざるを得ないが、FSK441は高速通信をするために高精
度を要求しない。必要な精度は繰り返しの機能とオペレータの技能によって達成される。
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スクリーン上の制御
On‑Screen Controls
Auto Period ON/OFF(周期の自動設定)送信と受信の時間周期をオン、オフする。
スケジュールを通じて、自局と相手局は常に交互に送信する。RXとTXの継続時間はT/R Period
(T/Rの時間周期を設定するパラメータ)パラメータによって設定される。
Brightness (明るさ調整) ウォーターフォールスペクトラムの明るさを調整する。
Decode Again (再度解読する)最後のメッセージの解読または解読したファイルを再度解読
する。これにより、表示したパラメータが変わるかもしれない。
Erase(消去)テキストボックスにある解読された情報とグラフィックエリアにある情報すべて
が削除される。
Generate Std Texts(標準通信文の生成)FSK441で使用さる標準通信文を生成する。
これはテンプレート内にあるメッセージとテキストボックス内のMy Call,To Radio,Reportを使
用して作る。メッセージの標準文はIARUの地域によって若干異なっている。(参照 NA Defaults
and EU Defaults under the Setup │ Options menu item.)
このボタンはTXメッセージ1までとTolパラメータ400Hzまでリセットが可能である。Lookupはコ
ールサインをradio boxへエントリーするためにコールサインのデータベースをサーチする。も
しコールサインが見つかればそのステーション間のグリッドロケータを使って距離と方位角を
計算する。
Monitorは連続的な記録を行う。通信間小さなギャップは除かれるが、コールした周波数、通信
した内容などを記録する。解読したテキストは各々の記録が終了してから表示される。
PlayはカセットレコーダのPLAYのような機能である。サウンドカードを通して記録したファ
イルをスピーカーから音を出す。
QRNを高い値に設定すると空中ノイズ等を抑圧する効果がある。ただこれは感度が悪くなるか
または信号を解読出来なくなる。デフォルト値は5である。
Recordのボタンをスタートさせると音声を録音する。このプログラムはT/Rperiodが入ている
間までか、Stopボタンを押すまで継続する。もしAuto Period OnがセットされるとT/R周期が
終了するまで録音が継続する。録音が終了するとプロットと解読が始まる。このコントロール
はカセットレコーダのRecordボタンのような働きである。
Reset Defaultsは解読パラメータW, S, ST, QRN, Tolをデフォルト値へセットする。
Sセットはマルチトーンのピングを受信する際に最低信号強度を少し増加させるように働く。
もし2dBにSをセットすると、WSJTはノイズフロアレベルよりも上または2dBの信号とW(継続
時間)パラメータをセットすることによる、その制限時間よりも長い時間を用いて信号を解読し
ようとする。Sを更に低い値にセットすると弱い信号を解読するようになるが、また解読エラ
ーも増加する。その調整は+-ボタンで行う。現在のセット状況はWSJTスクリーンの右側のス
テータスバーで見ることが出来る。
Save Last をクリックすると次の録音を始めるときに消去を行うファイルからの消去を停止
させる。. (次のメニュー項目を参照 Save │ Save Decoded and Save │ Save all.)
Send 1 ‐ 6. これらのボタンを押すと送信状態になる。決められたメッセージがTXシーケンス
の終わりまで送信される。またはもしAuto periodがオフならば、T/RPeriodがボックスに掲
載されている間まで送信される。送信中はTXメッセージのボックスのバックがカラー化されて
送信中であることが認識されやすいようになっている。黄色い背景色はマルチトーンのメッセ
ージを表し、ライトブルー色はシングルトーンのメッセージを表している。
Single-Tone Messages. をクリックするとR26,R27、RRR,と73のシングルトーンの短縮メッセー
ジを送信することが出来る。シングルトーンメッセージは信号が弱い場合やQRMのある時など非常
14
に効果的でQSOを完結することが出来る。STのセットははWSJTが解読を試みるシングルトーンの
最小信号値を決める。これはSがマルチトーンに対して同様な働きと同じである。そして更に弱い
信号に対しても解読が成功するように動作する。STはWSJTフォームの右側の底部のステータスバ
ーに表示される。Standard Texts / Custom Texts はTXメッセージの2つのセットの間を切り替え
る。スタンダードテキストは殆ど流星散乱通信に用いられる。カスタムテキストはグリッドロケー
タ等のメッセージに使われる。カスタムメッセージはWSJTを閉じるときと次のプログラムの
スタートのときにセーブされる。StopはRecord,Monitor、Playを終了するときに使う。これ
はカセットレコーダーのStopボタンと同じ機能である。Tolはソフトウエアフィルターのバン
ド幅または許容差をセットする。WSJTは設定値Hzよりも大きい誤同調に対する判断機能は持
っていない。デフォルトTolから最大値の400Hzの間までである。通信相手のオフセット周波数
が決まるまでそのままにすべきである。DF値が決定したら受信機を再同調させてDF値を小さ
くする。解読の確率を上げるためにTol値を減少させることが可能である。現在のTolはWSJT
フォームの右下のステータスバーに表示されている。Tune A, B, C, D.はFSK441の4つの標準
信号を夫々発生する。これらを利用して送信機のオーディオレベルを調整したり、ファイナル
の調整、ALCの調整などに使用する。
TX Firstは、もしT/Rシーケンスの初めて周期の間に送信をしたいと思うならば、チェックマ
ークを入れるべきである。もしスケジュールの相手局が最初に送信するならばチェックは入れ
ない。北アメリカでは流星散乱通信の大会で最も西側に位置するステーションが初めに送信す
る取り決めになっている。残りの他の世界でも最も東のステーションが通常初めに送信する。
TX Stopは送信の進行を中断させる。それはAuto Period Offの切り替えではない。
スタートからもう一つの送信を妨げるためにTX Stopを押して次にAuto Period Offを切り
替える。Wはメッセージの解読をしたいと思われるインパルス信号のバンド幅を最小限にセッ
トする。Wの値を調整するために+−のボタンで調整する。この設定値はスクリーンの右下に
表示している。
Text Boxes (テキストボックス)
Decoded Text このボックスはプログラムウインドの中央にある大きなエリアの所である。
解読された情報やその他の有用な情報、ピング毎のラインの表示などをする。ラインの数が大
きくなった場合にはスクロールが現れる。このウインドのデータの編集は出来ない。しかしな
がらテキストをハイライトには出来る。コピーをウインドウズのクリップボードに貼り付けが
可能である。このときCTRL‑Cとタイプする。CTRL‑Vで何処へでも貼り付けることが出来る。
Grid 出来栄えの良いLookupの次に、このボックスはTo radioにコールサインと6桁のグリッ
ドロケータをディスプレーする。グリッドロケータは手で入力が可能である。ただの4桁のロケ
ータも知られておりスペースを加える。
Reportはシグナルリポートを相手局に送る場合にこのボタンをクリックする。
Generate Std Textsは標準メッセージを作る。FSK441においてはHSCWと同様オペレータ
は2つの数字を使ったリポートシステムを使用する。これは最初のデジット(1-5)はピングの継
続時間を示し次(1-6)にシグナルの強さのリポートを表現する。Generate Std TextsはTxメ
ッセージを#1にまたTolを400Hzにリセットすることに気がついて欲しい。
Status Barはプログラムウインドの底部に沿って設けられおり、ファイルネーム、ポジショ
ン、Rxのオーディオレベル、解読パラメータ等を表示する。
To radioはコールされたコールサインまたは通信した無線局のコールサインを含むべきであ
る。テキストはレコーディングがすんだファイルネームの頭の部分をテキストボックスに入れ
るべきである。T/R Periodは自動送信と受信の周期の長さを数秒間の間にセットする。
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JT44モードの操作方法
Operating in JT44 Mode
JT44はどのように動作するのか
How JT44 Works
JT44のメッセージフォーマットはデータ送信時に135のインターバルを含んでいる。一つのイン
ターバルは0.186秒である。69個のインターバルは同期トーン1270.5Hzを伴っている。残りの66
インターバルは22文字のメッセージを運び、3回繰り返す。43個のインターバルは各々の文字を
振り当てられており、周波数1302.8Hzから1755.0Hzまで、唯一の周波数を夫々有している。正
しいメッセージの伝送には送信機と受信機間の同期が必要である。このため各局のパソコンの
クロックはUTC時間にセットしてその精度は1秒以下が望ましい。
上記の図はJT44の時間と周波数スペクトラムの関係を示している。ここでは強い信号を受信し
ておりバンド幅2500HZで約+10dBのS/Nになっている。
オーディオの送信に1秒かかり、その後135のインターバルが続く、時間に換算すると25.08秒と
なる。最終の3.92秒(スイッチの切り替え時間などマイナスが必要)の送信時間は将来には音
声またはCWでその局のIDのために使われるかもしれない。しかし、この点に関しての将来計画
は今の所無い。この約4秒のアイドルタイムはEMEの伝播速度に伴う遅延時間と2局間のコンピュ
ータクロックのオフセット時間などの遅れを巧く融通し合う時間に使われている。WSJTは記録
を終了すると同期信号に基づいてそのファイルを分析する。そしてオンオフのパターンを処理
しながら信号のS/Nのベストな所を探す。これについては上記の図を参照するのと同時に付録A
(Appendix A)にも目を通して欲しい。プログラムは、サーチのために、+−600Hzの範囲と
タイムオフセット−2.0〜+4.0秒までの間をスキャンする。時間と周波数の同期を行っている
詳細についてはプログラムウインドの上部に表示されている。以下に詳細を述べる。一度WSJT
が周波数と時間のオフセットを決定するとDFとDTで示される。それは22文字のメッセージを解
読するように働く。平均して、メッセージに含まれている文字は6.8dBの同期信号よりもS/Nが
良くない。これはこれらの文字に費やす時間が少なく、他の文字周波数の持っているエネルギ
ーよりも小さいからである。しかしながら文字信号のスペクトラムは一回30秒かかるが、これを
何回も数多く繰り返して平均することにより、この欠点をカバーすることが出来る。何回かの
繰り返しを2回ダブらせることにより、S/Nは1.5dB改善される。
16
4回では3dBの改善になり、16回では6dBを得るし更に増える。もし信号の強さが安定し同期信
号が発見できるならば、通信は最大15分から20分以内に、良好に解読される。送信時間の半分
を同期信号に費やしているがこのメリットは1.5dBである。これは実際に巧く妥協が出来ている
と思う。情報の伝送は2500Hzのバンド幅でバックグラウンド・ノイズに対してS/Nが−28または
−29dBの時でさえ受信時に同期が掛かることを意味している。CWとの比較をしてみると、最小
のCWがコピーできるS/Nは−11dBといわれている(同じ雑音レベルで)。または50Hzのバンド幅で
は+6dBに等しい。JT44は従来のCWに比べて十分低い信号レベルで通信が可能である。
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TX Messages(送信メッセージ)
JT44の受信
Receiving JT44
JT44の通信は送信機と受信機が同期しないとデータの解読が出来ない。成り行きとして、ただ
唯一の方法として、秘伝を云えば、auto Period On をオンすることによって送信と受信の周
期の同期を取ることが出来る。まさにFSK441モードのように、WSJTは受信シーケンスが完了し
てJT44信号を記録してから分析に入る。グラフィックディスプレーは解読したテキストを表し
ている。これはディスプレーの中央のテキストボックスに表示される。Monitorコマンドをクリ
ックすることによって最初の0.5秒と30秒毎のJT44の信号がディスプレーに送られる。WSJTは最
初と2回目の送信シーケンスのメッセージを各々蓄積する。だからメールを読むことが出来、続
いて誰か他のQSOをフォローすることが出来る。通信をしながらSetup|TX Mute(またはショ
ートカットF3を使う)にチェックすると、実際に送信していなくてもあたかも他のステーショ
ンとQSOをしているかのような効果が得られる。
テキストの解読
Decoded Text
JT44は解読されたテキストのために2つの分離したテキストボックスを持っている。大きいデ
ィスプレーは各々の受信サイクルの後の新しい情報のラインを表示する。強い信号(正に受信
可能な閾値より上にある信号)によって作られた解読文字列は次のように見えると思う。
FileID Sync dB DT DF │ ̲
194300 3 -16 -0.2 12 * K0SM K1JT K0SM K1JT
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ファイルID欄にはUTCによる受信周期のスタートタイムを表示している。この場合では19:43:00
を示している。これらの6文字はディスクにストアしたデータ−のファイル名も兼ねている。
Sync(同期)はメッセージが正しく同期したことを示し非直線性の表示であるが0から10の数字
で表示される。1またはそれ以上は同期が有効であることを示す。つぎにくるのが信号強度であ
り、2500HzのパスバンドにおけるS/N比測定結果をdBで表示している。DTはあなたのパソコンの
クロックと受信信号のオフセットを計測した結果を示している。もし両局のクロックが正確に
セットされていればおおよそ0になる。EME通信ではおよそ+2.5秒になる。
最終的にDFパラメータは受信信号の周波数と自局の受信ダイアルの周波数のオフセット(周波
数のずれ)を示しHz表現される。WSJTの通常の操作では、同期は+−600Hzの周波数と−2.0から
+4.0秒の間に対して取れるようになる。JT44の運用では非常に弱い信号処理を含んでいる。最
も弱い同期を取ることが可能な信号はただ1回の送信で良い解読結果を得ることが出来ない;
−24dBから−29dBの安定した信号ではプログラムの同期化が一般的には可能であるが、メッセ
ージの中の数文字しか正しく解読できない。各々の送信に対してユーザーがセット可能 SYNC
(同期)閾値がある。デフォルトはS=1である。WSJTは平均化したメッセージを蓄積して、中央
スクリーンの近くにある小さなテキストボックスに表示する。平均化した各々のメッセージは
*マークを付けてDF欄の後ろに表示する。このようにWSJTは受信した連続した周期列からメッ
セージを作り上げることが出来る。次のページの図解はK1JTが144MHzでのEMEQSOの内容をGM
4JJJが受信したテキストを示している。ここで4つの受信周期でのコピーは有効性が無いが、
これを平均化して作り直すと完全なメッセージを再生することが出来る。最終的な記録からの
情報はグラフィックディスプレーに示され、全てのテキストはメインテキストボックスへ表示
されている。時々信号は同期閾値以下になり解読不能になる。また混信はDFまたはDTを誤らせ
Time
#Recordings included
/#total recordings
Average
19
text 平均化して解読したテキスト
てしまう。もしプログラムが解読したエラーが確認できれば、Excludeボタンを押して、平均化
したデータの中から最も新しい記録を削除することが出来る。また同様にIncludeボタンを押す
ことによって、同期閾値を越えても解読不良を起こしたデータを最新のファイルに含ませるこ
とが出来る。若干数の受信周期を平均化メッセージに加えることによってWSJTはその各々周期
内で幾つかの平均化フォームを提供する。各々の解読されJT44メッセージに伴って右端に3つの
特別の数字がある。これらの数字は偶数または奇数の平均を表現している。メッセージの文字
の 最後のN は標準メッセージの#2の終わりの文字を引きずっており繰返えされた文字の回
数をします。繰返えされるメッセージの(下の例のメッセージフォアマットを見ると)内容は
そのような内のメッセージを平均化することによって、S/N比で5.4dBのゲインの向上が可能で
ある。更にFold Msgにチェックを入れるかFoldボタンを押すと22文字のメッセージのうち11
文字分を1回と2回で平均化するプログラムを実行することが出来る。この手順で11文字分を正
確に繰り返すことで感度を1.5dB分アップすることが出来る。
バーディ(バンド内に広がる不要電波)
Birdies
バーディとは狭いスペクトラル範囲に広がる不要のローパワーの信号でノイズや、パスルス信
号、キャリア信号等である。コンピュータやVDTはバーディのソース源である。ヴィデオゲーム
やコーヒーメーカなど操作しているとき、またはあなた自身のトランシーバさえも同様である。
だから通信をする前に、使用する周波数または近傍のバーディをチェックしなければならない。
特にスケジュールのときは周波数を選ぶ必要がある。長時間の信号平均化技術であるJT44は聞
くことの不可能なバーディを見つけることが可能である。赤線のグラフィックディスプレーの
中にスパイク波として現れる。これは見つけ出した同期信号を壊す働きをする。(一般にはブ
ルーカーブに含まれてそうならない場合もある)JT44でQSOをしている時に、周波数に近接した
1つまたはそれ以上のバーディによってプログラムが同期を乱して擬似テキストとしてそのバ
ーディ信号を解読してしまう。クリアな周波数で通信することがベストであるが、QSOの途中で
浸入して来るバーディには通信が妨害されることがある。
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有効な DF と DT
強い信号だが同期はかからなかった
次の図解は有効なJT44シグナルとともにパスバンド内に現れたバーディによって生じた例を示
している。この図の中で赤い線はバーディを示し、DF=−150とDF=−11を示している。有効な部
分の同期信号はDF=+201Hzのときである。プログラムは信号の強いDF=−11を選択した。プログ
ラムはこの信号のために正しいDTを見誤った。だから少し上ずったある程度の強さのキャリア
は多くのDTとよく似た偽りのランダムタイミングパターンを持ち適合してしまう恐れがある。
これはブルーの曲線内で賑やかな沢山のピークを作っている。信号は比較的強いけれども、同
期値がゼロ(Sync=0)なので同期がかからない。このためテキストは何も表示されない。プロ
グラムは一度JT44信号を見つけると何かが表示されテキストが現れるのですぐ分かる。もし赤
い線の適当なスパイク波をマウスでクリックするとそのときFreezeをチェックする。その結果
としてWSJTはDFがセレクトされた小さな範囲内の周波数をサーチする。サーチされる範囲はTol
パラメータによって決められる。図解上では前の図のなかの一つに類似の記録が示されており、
この時間の凍結(Freeze)がチェックされておりそしてTolは100Hzである。
バーディを無視
正しい同期信号を
見つける
100Hzウインドの外側のバーディは無視される。同期値を2に増加している。(通常良い同期
を得るためには適当な値である)そしてテキストが表示される。ここの実例ではRU1AAがEMEのQC
を出していた。Tolパラメータを25Hzのような低い値にセットするかもしれないが、EMEのド
ップラシフトはゆっくり変化してそしてある無線局は段々にドリフトしてオーバータイムにな
るということ心に記憶しておくべきである。Zap Birdies(バーディ退治)のボックスにチェッ
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クマークを入れておくのも効果的である。JT44の同期周期の間に残っているバンド幅の短い信
号を無視するようなことを解読器に教え込もうとするだろうけども、信号のパスバンドに押し
込むようなバーディに対してはJT44信号のコピーは改善される。そして同期信号の周波数から
上方に485HZ幅まで伸ばすことが出来る。バーディはまだ赤い線に表示されるがそれらの流れを
取っておくことが出来る。
標準メッセージのフォアマット
Standard Message Formats
JT44モードにおける送信と受信の周期は常に30秒の長さであり、UTCの30秒周期の上に成り立っ
てる。メッセージの長さは22文字である。もしメッセージが22文字に満たない場合にはその残
部はスペースで満たされる。もし22文字以上になったら22文字しか送信されない。JT44はきっ
ちりした同期を要求するので送信中のメッセージの変更は出来ない。しかしながら次に送るメ
ッセージはいつでも前もってセレクトが可能である。送信中を除いては、他のメッセージの変
更が可能である。WSJTはJT44において2つのメッセージフォアマットを用意している。いずれ
のフォアマットも伝播モードが色々変わってもQSOに対して有効である。更に他の多くのフォア
マットについても有効である.標準の方法を採用すると限界ギリギリのQSOにも有効である。
必要な情報を正しく交換することは非常に大切である。QSOを有効にするためには完全なコール
サインとグリッドロケータ、シグナルリポートの一部分と Roger の了解信号である。EME Msgs
メッセージボックスのチェックマークによって2つの標準メッセージを選択することが出来る。
そして送信ボタン(Genarate Std Texts)を押す。この標準メッセージの繰返しは奇数、偶
数、ラストN文字を平均化して、最初のメッセージと次のメッセージの半分を解読出来るように
する。
Tropo/Ionoscatter: (“EME Msgs” not checked)
1. K0SM K1JT FN20
2. K0SM K1JT FN20 RRRRRRR
3. RRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR
4. 7373737373737373737373
5. (empty, user defined)
6. CQ K1JT CQ K1JT
EME: (“EME Msgs” checked)
1. K0SM K1JT K0SM K1JT
2. K0SM K1JT OOOOOOOOOOOO
3. RORORORORORORORORORORO
4. RRRRRRRRRRRRRRRRRRRRRR
5. 7373737373737373737373
6. CQ K1JT CQ K1JT
実際の操作へのヒント
Practical Operating Hints
JT44通信の成功の秘訣は周波数の一致と時間同期が達成されているかを確実にすることでる。
周波数は目的の周波数から数100Hz以内に良く較正されているか確認をする。EMEのパスで生ず
るドップラシフトについて、特に144MHzよりも高い周波数での運用ではRITで正しく調整すべき
である。次にWindowsのクロックについては1秒または1秒以内の誤差でセットしそれを保持し
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ていなければならない。陸上のQSOに対して、良好なコピーを得るためのクロック誤差は2局
間で+-2秒以内である。(実例としてもし各々の局が1.1秒の誤差があり、その誤差が大きくな
る組み合わせになると少なくとも同期を取ろうとした時に一方の局は確実に同期が外れてしま
い解読不能になる)EMEでは伝送に時間が2.5秒の遅れを生じるので、WSJTでは最大のDF(時
間差)は4.0秒までが認められる。このため外側にぶれる2局間の時間誤差(clock offset)は
2秒から1.5秒に減少させなければならない。EME通信ではDTを1.7から3.3秒以内になるように
狙っていかなければならない。絶対的な範囲は1.0から4.0秒である。
太陽と月のデータ
Solar and Lunar Data
JT44とEMEエコーモードに於いて、スクリーンの右上にあるボックスは、月の追尾、サンノイズ
の測定、受信機の同調、それから現時点におけるEMEのパスロス(伝送ロス)の評価など有用な
データが用意している。太陽の座標、は方位角(Azimuth Az)高さは(Elevation El)とし
て与えられ角度は度(Degrees)である。同じようなやり方で月についても表現する。昇天(RA)
赤緯(Dec)ローカル時間角度; Local hour angle(LHA)RAを除いて全ては角度(度)で
表す。月の半径(semi‑diameter)SDアーク分で与えられる。ドップラシフトはHzで与えられる。
もしGrid Boxが空白ならばDopplerの部分は空白になっている。双方向のドップラシフトは自
局の位置と相手局の位置により決まる。EMEエコーモードにおける、ドップラはセルフエコーの
Noである。Gridボックスは単純に無視されている。Tskyはその運用周波数での月の方向の宇宙
のバックグラウンド温度である。近地点(perigee)に関連してくるが、月と現在の自局の距離
における伝送損失がありこれをdBで表す。Dgrd(degradation)は月が一番地球に近く尚且つバ
ックグラウンドの宇宙の雑音温度が低いときの伝送損失である。これはEME通信のベストな日時
を示している。
スクリーン上のコントロール
On‑Screen Controls
送受信自動周期設定のオンオフ(Auto Period ON/OFF)は決められた送信/受信時間でオンオ
フを行う。スケジュールの間、自局と相手局の間で、必ずどちらかの1局だけが送信を行う。も
し受信することのみを選ぶならばF3またはメニューアイテムのSetup │ TX mute押すことによっ
て送信を止めることが出来る。
クリアアベレージ(Clear Avg.)このボタンをクリックすると小さなテキストボックスと解読
されたメッセージのアキュムレータ(データを蓄積しているところ)のテキストを消去する。
このコマンドの使用法は相手局が新しいメッセージの送信をスタートし始めた時または蓄積
された情報が不要になったときに使用される。
クリップ(Clip)はデフォルトによりゼロにセットする。もしクリップの値を1、2、または
3と増加させるとメッセージを解読する前に 軽く
中ぐらい
激しく その信号をクリ
ックする。この使用法はノイズまたは他の信号のの増大、流星からの反射ノイズ、などを減ず
るために使用する。ある状況下での使用は残ったJT44の弱い信号を同期する能力の回復を補う
効果がある。再解読(Decode Again)は最終のファイルを開き再度解読を行う。これはパラメ
ーターが変わったか、Clear Avgが実行された後に行う。Dsecはクロックのオフセットパラメー
ターで数秒間の間に0.5秒ずつ増加させて計測される。その値は(ステータスバーパネルの右下
に表示される)Windowsによって設定されたUTCの時間を保つための修正にプラスされる。もし
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小さな時間修正が必要のときそれを使用することが出来る。しかしなら、通常ではコンピュー
タクロックが正確ならばDsecはゼロにセットしておく。
EMEの標準メッセージ(EME Msgs.)のボックスをクリックするとCW EME通信の標準メッセー
ジのフォーマットを変えることが出来る。多くのオペレータはもっと自分に合ったメッセージ
スタイルを望んでいる。しかしながらそれはQSOを完結するための一部分の変更になる。このボ
ックスにチェックを入れるか、外すかは標準テキストの発生(Generate Std Texts)を押すこ
とでお望みのメッセージを作ることが出来る。
消去(Erase)は解読されたテキストボックスのテキストとグラフィックデータ、最終的に解読
が決まったテキストなどの全ての消去が出来る。
除去(Exclude)解読が最終的に決まったテキストから最も最近のデータを除去する。この使用
法は解読されたデータの中で間違った具合の悪いデータを除去するために使用する。
Fold.はこのボタンをクリックすると最も最近記録した11文字のメッセージを解読する。この最
終的に解読されたメッセージはきちんと折りたたまれ整理された状態で示される。このため22
文字のメッセージに戻すことが出来る。(もしFold Msgのチェックボックスが外されているな
らば)再解読ボタン(Decode Again)を押すことによってメッセージを広げて示すことが出来
る。
Fold Msg.のチェックボックスにチェックを入れると初めに11文字最後に11文字を示し
JT44の感度を1.5dB平均で高めることが出来る。
Freeze.このボックスにチェックマークを入れるということは、相手局とDF(周波数のずれ)を
持ったまま通信が確立した時に、その次に受信する期間にその周波数近の周波数をサーチした
いと望んだときに必要になる。目標のDFを修正したいとき、マウスによって赤い線上をクリッ
クするが、このレンジはTolのパラメータを調整することによって決められる。
標準テキストの発生(Generate Std Texts)のスイッチを入れるとJT44モードの標準テ
キストの生成が出来る。メッセージはMycallサインとToradio相手局名等のテキストボックス
である。このボタンはTXメッセージ1までリセット出来る。そしてTolパラメータを200Hzにリ
セットする。メッセージの標準フォアマットは最初のチェックマークまたはEME Msgsボック
スのチェックを外すことによって変えることが出来る。Includeはもし信号レベルが‑32dBより
も大きければ、Sパラメータによって決められた同期値よりも低くても最終解読メッセージフ
ァイルへ最近記録したものを蓄える。
LookupはTo radioボックスにあるコールサインをcallsign.txtをサーチするプログラムを起
動する。もしコールサインが発見されればそのステーションのグリッドロケータから距離と方
位角をサーチする大きな円が表示される。
プレー(Play.)このコントロールは サウンドカードの出力を通して処理された最も新しいフ
ァイルを再生する。これはカセットレコーダの再生と同じのようなものである。
初期値にリセット(Reset Defaults)はパラメータS,Clip,Tolを最初の設定値にリセットす
る。SはJT44Decoderの同期(Sync)の閾値をセットする。この値を高くすると信号の解読率が
向上する。これを高い値にすると非常に弱い信号を解読することが出来ない。初期設定値は1
である。
Save Lastはこのボタンをクリックすると次のレコーディグのスタートの時点で最後に記録し
たファイルを消去するのを防止する。(Save │ Save Decoded and Save │ Save all.のメニュ
ーアイテムも参照のこと)
Standard/Custom Textsは2つの異なったTXメッセージを選ぶことを許可する。
標準テキストはJT44のQSOに良く使われる。Customテキストはコンテスト情報や名前などを書き
込んでおくのに使われる。カスタム情報はWSJTを閉じるときにセーブが可能である。次のプロ
24
グラムスタート時にリストアされる。
Stopは記録の進行をストップする。カセットレコーダのストップと同じような働きをする。
Tolは同期信号のトーンを見つけるためサーチが行われるがそのオフセット周波数の範囲をセ
ットする。TolはFreezeボックスにチェックマークがある時のみ使用が可能である。正しいオフ
セットが確立して、赤いカーブの上をマウスでクリックするとセットが出来る。このときTol
の値を減らして解読の失敗確率を下げることが可能である。Tolの調整の範囲は25から200Hzで
ある。
TX Firstは此処にチェックマークをつけると、もし必要ならば各々の1分間の初めの30秒間に
送信が連続して行われ、毎分の初めに繰り返される。もし相手局が最初に送信するのであれば
チェックは外しておく。
TX Stopは送信状態をストップさせる。これはAuto Period Offを切るのではない。
スタートから送信をしないようにするためにはTX Stopを押してそれからAuto Period Off
を押しておく。一度JT44の送信をストップすると再びそれをスタートすることは出来ない。
それは時間の同期が失われるからである。
バーディを撃退する。(Zap Birdies.)
もし受信したJT44の同期信号トーンの上の500Hzの狭いバンドの中に混信がしつこくあり問
題を生じた場合にはZap Birdiesにチェックを入れる。
もし正しい同期信号周波数を捉えている場合およびFreezeボックスにチェックマークが入っ
ていれば、それは非常に有効である。
テキストボックス
Text Boxes
繰返し受信を行い解読が確定した通信文(Average Text.)このテキストボックスは以前受信
して解読が確定した全ての情報を含んでいる。(またはClear Avgが押されて全文が消去され
るが、それ以降の情報)この表示は最終のファイルも含んでおり、プログラムは受信したメッセ
ージのベストな解読情報を表示する。解読された通信文、情報、メッセージ(Decoded Text)
このボックスはWSJTフォームの中央にあり大きなエリアを占めている。各々のラインは受信し
た周期のスタートタイム、レコードした時の同期(Sync)値、信号強度をdBで、更に自局のコ
ンピュータクロックと受信した信号の相対時間のオフセット(DT)値、周波数のオフセット(DF)
値、それから解読したテキスト文を表示する。そして解読したテキストの終わりに奇数、偶数
と最後のNのメッセージが内部メッセージの平均値として表示される。このテキストの編集は出
来ないが、WindowsのクリップボードへCTRL‑Cコマンドを使ってコピーが可能である。まCTRL‑V
を使うと何処へでも貼り付けが可能である。グリッド(Grid.)Lookupが巧く行けば、このボッ
クスはコースサインの持つ6桁のグリッドロケータをTo radioのボックスへ表示する。また手
動でグリッドロケータを入力することが出来る。ただ4桁のロケータもあるがこの時はスペース
を2つ加える。ステータスバー(Status Bar)はプログラムスクリーンに沿って細長く表示さ
れる。これはファイルの位置、RXのオーディオレベル、レコーディングパラメータなど有用な
情報を示す。無線局へ(To radio)はコールした局、または通信が成功した局のコールサイン
を含むべきである。このボックスの中へ入力したテキストは、レコードが開始された最初のフ
ァイルネームの部分になる。
25
EMEエコーモードの操作
EME
エコーモードの働き
Operating in EME Echo Mode
How EME Echo Mode Works
EMEエコーモードはEME通信の設備能力を評価するために設計されている。F9キーを押すことに
よってまたはメニューモードからこのモードをアクティブに出来る。WSJTのコントロールボタ
ンの殆どがスクリーンから消えて、エコーモードの基本的なコントロールボタンしか表示され
ない。もしFSK441とJT44モードの通信が可能の状態にあり、正しいシグナルレベルにセットさ
れているならば、まずWSJTをスタートさせて、F9をヒットしてEMEエコーモードに切り替える。
そしてアンテナを月に向けて、雑音の少ない周波数を選びAuto Period Onをクリックする。プ
ログラムはスタートして次のような動作を繰りかえす。
次のループを繰返す:
1.2.0秒間、固有周波数のトーンを送信する。
2.エコーの帰り始めを待つため約0.5秒間待機する。
3.2.0秒間送信した信号を受信して信号を記録する。
4.信号の解読、データを積上げ平均化してその結果を表示する。
5.ステップ1からの作業を繰返す。
このループサイクルの時間は6秒かかる。送信機のdutyサイクルは2/6または33%である。この
ためFSK441やJT44に比べて送信機にかかる負荷が少なく遊んでいると考えるかもしれないが、
送受信(T/R)リレーは非常に良く働いている。この工程で発射されるトーンの周波数は名目上
の1500Hzを中心とした付近をランダムに選んだ周波数である。テキストボックスに示される
Dither;おろおろする(Hz)はオフセットの大きさをHzで示している。(ランダムに送信される
周波数と1500hzとの差を示している)。記録され計算された各々のデータは蓄積され平均化さ
れる前に、オフセットの総量によってシフトされる。この手続きは受信機のパスバンド(通過
帯域幅)内にあるバーディの影響を最小限に抑えることに非常に効果がある。平均化したスペ
クトラム内において、ある一定の周波数のバーディは広いレンジを汚しているが、一方目的の
信号もしっかり捕捉されている。
二つのカーブは6秒間のループを受信したものをグラフィックエリアに表示している。各々のカ
ーブは400Hz以上にわたり、受信した信号のパワーのスペクトラムを示しており、目的のエコー
の周波数を中央に示している。青いカーブはバーディフリーのパスバンドを選んだことを確認
できる参照スペクトラムを示している。送信が始まってからドップラシフトを計算して除去し
たために一列に並んでいる。この直線はドップラ効果を変えたために、または送信周波数がラ
ンダムに変わるようにして出来たものではない。安定したバーディはブルーカーブの上に固定
して留まっているので簡単に見つけることが出来る。赤いカーブは本来必要とするエコー信号
であり、ドップラ効果による変化とプログラムされたランダム信号を補正して、その結果を表
示している。求めるエコー信号は赤いカーブの中央のDF=0に接近して、幅の狭いスパイク波と
して表している。グラフィックディスプレーに加えて、WSJTのテキストウインドに現れる文字
ラインは次のフォームになる。
N
Level
Sig
DF
Width
Q
エコーサイクル
ノイズレベル
dB
信号強度dB
エコーフセット
周波数Hz
エコーのバンド幅
Hz
エコーの品位
32
33
0.8
0.6
-31.7
-31.5
3.6
3.6
1.3
1.3
4
5
テキストボックスのNは完成したエコーサイクルのナンバーである。受信機のバックグラウン
26
ド・ノイズレベルをdBで表す。平均の信号強度をdBで表す。見つけたエコーのオフセット周波
数(推定したドップラシフトを修正したもの)をHzで示す。エコーのバンド幅をHzで、見つけた
エコーの相対的なクオリティ(品位)を0‑10のスケールで示す。バックグラウンドノイズのレ
ベルは、WSJTの全てのモードでは、相対的に与えられてゼロdBに設定される。信号強度FSK441
及びJT44では、2500Hzのバンド内のノイズパワーと比較してdBを用いる。Q=0ではエコーの発見
は出来ていないかまたは信頼性が乏しい。この時のDFとWidthは意味がない。そして信号強度は
上限値にある。Qの値が大きいのはエコー測定がハッキリと増加していることを示している。
WSJTを初期設定値に戻すことによって、受信と送信の周波数が一致していると推定している。
スクリーンボックスのRIT(Hz)は、受信機の受信周波数を動かすことができ、この実例として、
大きなドップラシフトに適用することが出来る。23cmでの運用を考えるとき、最初に予想でき
るドップラシフトは‑1400Hzである。このケースの場合1500Hz(名目上)を送信するとオーディ
オトーンは100Hzとして解読される。これでは受信機のパンドパス帯域の下限以下になってしま
い実際は受信できない。エコー測定がスタートする前にこのリットボックスでオフセットをセ
ットすると、トランシーバのリットコントロールを使い予想されるドップラシフトまたはその
周波数付近を受信することが出来る。このプログラムはドップラシフトを+800Hzまで追跡する
ことが出来る。もし必要ならばいかなる調整もいらない。受信したエコーは通常赤いカーブの
中央に現れるようにすべきである。6mまたは2mではではリットの必要は無いかもしれない。此
処でのドップラシフトは非常に小さく、SSBのバンド幅内にエコーは必ず収まってしまう。EME
のエコーモードはエコーがDF=0となるように受信したスペクトラムが直線になるようドップラ
シフトを計算したものを使う。数Hzのオフセットが期待される。ただその有効エコーの周波数
は良く明確にされ更に安定であることである。もしClear Avgをクリックして新しい測定がス
27
タートすると、エコー信号は再び同じDFで再び作られる。自分自身のエコーを探すのを絶対確
実にするためにリットを用いて50Hzがハッキリ分かる範囲以内で受信周波数のオフセットを試
して見ることである。反対の方向へ50Hzリットすることによってそのエコーをシフトさせるべ
きである。
エコー感度
Echo Sensitivity
もし自分自身のエコーを聞くことが出来るならば、Auto Period On.をトグルした後に10秒間
以内に赤いカーブの中にある大きなスパイク波を発見すべきである。そのエコーは可聴レベル
よりも15ないし20dB低いならば数分以内にその赤いカーブの中にハッキリとしたスパイク波
を発見すべきである。あなたが期待する実例として、K1JT局の運用例を示す。2mの運用で、送
信出力は400Wアンテナゲインは17.6dB(4×9elyagis)を用いて水平線を狙った。このシステム
でCWの自分自身のエコーは聞くことが出来なかった。しかしながら月が上昇してアンテナ角度
が0から10度にアップするWSJTのエコーモードを使用するとその月内のいかなる時刻でもエコ
ーを見つけることが出来た。実にこの状況下ではパワーアンプをオフしてFT487のベアフットの
35Wをアンテナに送りこれでも容易にエコーをまだ見つけることが出来た。EMEエコーは5分間で
‑38dBまで信号が低下しても見つけることが出来る。このスペクトラル分析が実行されてEMEの
エコーモードでは0.67Hzのバンド幅の検出と周波数の解像能力を有する。もし送信機または受
信機が持っている短時間での周波数安定度よりも大きく変動する値、すなわちそのシステムの
変動が数秒の間で1Hzよりも大きくドリフするかふらつく(wobbles)とあなたのシステムのエコ
ー感度は悪化してしまう。現代の6mと2mの無線機はこのような周波数の変動の問題は生じない。
UHFとマイクロウエーブの運用を考えるとあるシステムでは更に多くの問題があるかもしれな
い。
サブモードでの
計測
The “Measure” Sub-Mode
受信機の相対的なノイズパワーを計測するためのユーティリティがあり、計測(Measure)ラベ
ルのボタンを使用する。Measureボタンをクリックすると1秒間だけオーディオを記録してノイ
ズパワーのレベルを計算する。名目上のゼロdBレベルに関連付けたdB単位で表示する。このプ
ログラムは2秒間の周期で繰返される。この結果を緑のカーブでグラフィック表示される。要約
データも大きい方のテキストボックスにその結果を表示する。もし累積ファイルDECODED.CUM
がファイルメニューから有効になっているならば、そのデータはそのファイルに書き込まれる。
修正したユリウス暦がオンになっており、その計測結果も同時に書き込まれる。
28
このモードを利用してサンノイズ、アンテナ温度、グランドノイズ、プリアンプゲイン、そし
てその他の有用なシステムの品位を、選ばれた参照レベルで相対的に計測することが出来る。
もし計量的な計測をしたいならば、受信機のAGCがオフになっているか確認する。(例えば較
正されたアッテネータなどを使用すると)テストデータのある部分ではデータの精度が向上し、
dBレポートに関しての確認などについては、そのシステムの信頼度が向上する。前のページ
のスクリーン像は計測モードでそのステーションのプリアンプを2分間の間に5回オンオフを
繰返して計測したものである。サイドの黄色のチックマーク(目盛)は5と10dBの目盛を表す。
このグラフからプリアンプのゲインはおよそ7dBであることが分る。
EMEカルク(EMEの計算表)
EME Calc
スクリーンの左下のEME Calcのボタンをクリックすると月からのエコー強さを予測する簡単
なユーティリティプログラムが現れる。(次のページを参照する) あなたのシステムの必要事
項を入れて計算(Compute)を押す。もしDXステーションに関しても同様である。その結果両局
のセルフエコーの最大信号強度と各々の位置における各々の信号強度が計算で見ることが出来
る。Nowをクリックして、Setup │ Optionsページで指定されたバンドの周波数を入れる。そし
てその周波数の宇宙温度をいれる。ファイルにこれらのパラメータをセーブすることも出来る。
Loadは後でそのデータを呼び出すことも出来る。此処で重要なのは計算されたエコーの強さは
最大値であるということ知っておくことが大切である。ファラディ回転、設定したパラメータ
が信頼が置けるなど、これらの条件が全てが正しく働いたとして推定している。
実際のエコー強度が予測した値よりも小さいという理由は沢山存在するが、信号強度が少し大
きいと云う理由は非常に少ないということである。
29
メニュー
Menus
ファイルFile│
Open オープンはディスクに記録したファイルを呼び戻す操作である。そのファイルは
標準のWAVEであり、11025Hzのサンプリング周波数で8bitのノーマルフォーマットで記録
されている必要がある。
Delete files in RxWav はWSJTに関連して、RxWavのサブディレクトリにある全ての
*.WAVのファイルを削除する。この削除を実行する前に確認の要求が訪ねられる。
Save text in file DECODED.CUM はWSJTのインストールディレクトリの中のファイルネ
ームDECODED.CUMに解読したテキストの全てを書き込む。もしこのファイルが存在しない
ときにはそのファイルを新規に作成する。
Delete file DECODED.CUM はそのファイルを新しくしてスタートしようとして蓄積し
た全てのテキストをデリート(削除)する。
Exit はそのプログラムを終了する。
セットアップSetup │
オプションOptions
マイコールMy call.このボックスにあなたのこるサインを入れる。グリッドロケ
ータ Grid locator.6桁のグリッドロケータを入れる
UTCオフセット UTC offset.もしコンピュータがUTCにセットされていないなら
ば、適当な数を入れてWSJTクロックを設定する。
30
もしあなたの位置がグリニッチより東にあるならばマイナス値をいれる。
(日本の場合は時差が9時間なので‑9を入れる。)
受信の遅延
RX delay
は送信の終了と次の(受信)記録のスタートの間の最小の遅延を決めてそれを
守らせる。通常の目的はアンプのスイッチングトランジェントによる発生する
尖頭値による破壊を防ぐためである。RX delayは
EMEエコーモードでは効果がなく、0.5秒一定の遅延が使用される。
送信の遅延TX delay
はとPPTラインをオンして、送信機へ最初のオーディオトーンを送りスタート
する間の決められた最小の遅延をいう。この遅延はアンテナリレーとマストに
設置してあるプリアンプをこの切り替え時間を通して送信された高周波電流か
ら保護することが出来る。TX delayはEMETエコーモードでは効果は無く、0.5
秒一定の遅延が使用される。
IDを出す間隔
ID Interval
FSK441モードでは自動的のその局のIDを自動的に時間を用いてセットする。こ
のためWSJTのあるディレクトリにID.WAVの名前のオーディオファイルを用意し
なければならない。
このファイルは運用したモードでその局のIDを示す。即ち音声、CW、ACWのID
として440Hzのキーイングしたサイドトーンとして記録されるべきである。ゼロ
の値のとき、自動ID作成は行われない。JT44モードでの自動ステーションIDは
今のところ、取り入れられていない。
31
NA/EU Defaults.
FSK441モードではGenerate Std Textsボタンを押すとメッセージをを作るこ
とができる。NA/EU Defaults.のボタンを押すことによってこのテンプレートを
初期の設定に戻すことが出来る。メテオスッキャターの操作手順はIARUの各地
域によって変わってくる。北アメリカ、ヨーロッパでは、WSJTは標準メッセー
ジを自動的に作成する。世界のその他の地域では必要に応じてその内容を変更
すべきである。標準のテンプレートは編集が可能である。例えば自動的に付録
したものには /P”を加えるか、他の接尾辞または接頭辞をコールサインに加え
るかまたはコンテスト交換の正しいフォーマットを付ける。例えばもしインデ
ィアナデ(W9)で運用のG4FDXがメッセージTX1の内容を変えてK1JTと通信
する前に %T W9/%M”と変え彼がGenerate Std Textsを押すとTX1のメッ
セージボックスに K1JT W9/G4FDX”と表れる。
FSK441のトーン強さを変更する。
FSK441 Amplitudes.
もし必要ならばこのボックスを使ってFSK441の各々のトーンの相対的な強さ
を調整することが出来る。詳細はTXのオーディオレベルの調整の項目を参照の
こと。JT44モードでは現在この調整については設定していない。
オーディオ出力
Audio output.
サウンドカードから無線機への接続に於いて左、右または両方にチェックを入
れてステレオチャンネルを選択する。
周波数の単位はMhz
Freq MHz.
操作するときのバンドの周波数はMhzが基準である。この入力はJT44モードまた
はEMEエコーモードで運用するときドップラシフトの計算とスカイバックグラ
ウンドの温度を計算するときに用いられる。
COMポートのセット
Set COM port
T/Rのスイッチングを行うときのコムポートを選択する。
必要とするポートのナンバーをインプットする。もしコンピュータによるT/R
のコントロールを望まないときには 0 を入力する。
シリアルポートのDTR, RTS.の使いかた
シリアルポートの信号線は2本ありDTRとRTSである。この両方かまたはいずれの
一方をT/Rスイッチのシーケンスへ接続する。
ボリュームの調整 Adjust RX/TX Volume controls.
メニュー項目をクリックして、サウンドミキサーのコントロールパネルで調整
する。
グラフィックポインタを変える。 Alternate graphical pointer.
FSK441モードのマウスポインタはマウスをグラフィック領域に置くとポインタ
が十字線に変わる。もしものアイテムにチェックを入れておくとポインタは矢
印のままになる。
PTTロジックを変える
Alternate PTT Logic.
この項目にチェックを入れると、COMポート経由のT/Rのスイッチイングを少し
変えることが出来る。このオプションによってハードとソフトが巧く働くよう
になる。
Tx Mute.
この項目にチェックを入れると(ソートカットはF3)送信すること防止する。
32
Auto Period Onを同時に使うとモニターの一方的なQSOになる。
新しいコールサインを入力する Enter new
To radio
callsign.
この項目を選ぶと(ショートカットF4)To radioとcallsignのボックス
がクリアされ空になり、新しい入力待ちになる。
モード
Mode │
WSJTは現在3つの通信モードをサポートしている。FSK441、JT44,とEMEエコーモ
ードである。このモードを切り替えるには、このメニューを使うかショートカ
ットキーF7,F8,F9を使用する。
セーブ Save │
解読した内容をセーブする
Save Decoded.
この項目にチェックを入れると解読したテキストファイルをWSJTをインスト
ールしたディレクトリ下のサブディレクトリRxWavへセーブされる。
全てをセーブ
Save All.
この項目にチェックを入れるとサブディレクトリRxWavへ記録した全てのファ
イルをセーブする。
ヘルプ
Help │
ヘルプはWSJTのユーザガイドと参考マニュアル(マニュアルは今読んでいるも
の)の要約メッセージを表示する。
WSJTについて
About WSJT
バージョンと著作権を表示する。Windowsのソフトによってはシステム情報のボ
タンがありコンピュータとそのOSについての情報を表示する。
どのメッセージを送信するか
Which message should I send?
この項目を選択すると(ショートカットはF5)リマインダ(思い出させる)ボ
ックスを立ち上げてFKS441とJT44の最小限必要なQSOのための標準メッセージ
を表示する。
Appendix A: Specifications of the Signal Protocols
付録A:信号プロトコルの仕様
FSK441
FSK441は4トーンを用いて、441ボーの周波数シフトを使用する。オーディオトーンの周波数は
882、1323、1764、2205Hzである。各々符号化した文字を使い、3トーンのインターバルと3/441
秒(およそ2.3ms)の送信時間を必要する。FSK441はアルファベット43文字へ適用させている。同
じような使用法はPUK43システムを開発したRobert Larkin,W7PUAでも使用している。文字の符
号化は下のような表で定義している。4つのトーンは0‑3のラベルを付ける。トーンは882から
2205Hzであり順番に並べている。例えば T はコードNo210であり、送信するトーンの順序は
1764、1323、882Hzである。<space>空白は033である。3‑トーンのシーケンスは最も高いトー
ン(No3)でスタートする場合はそのトーンは使用されない。もし送信されたメッセージが常に少
なくとも一つのスペースを含むならば解読するアルゴリズム(演算法)はそのメッセージの内
容から(先頭のゼロから)正しい同期が確立される。この解読の戦略は流星痕散乱通信に対し
てFSK441が高効率である秘密の1つになっている。
33
FSK441 character codes (FSK441の文字コード)
1 001 H
2 002 I
3 003 J
4 010 K
5 011 L
6 012 M
7 013 N
8 020 O
9 021 P
. 022 Q
, 023 R
? 030 S
/ 031 T
# 032 U
<space>
$ 100 W
A 101 X
B 102 Y
C 103 0
D 110 E
F 112 Z
G 113
120
121
122
123
130
131
132
133
200
201
202
203
210
211
033 V 212
213
220
221
223
230
231
4つのシングルトーンの文字コードは000,111,222,333でありショートハンドメッセージとし
て特別に決められている。これらの決められた文字を繰り返し送信すると単一の周波数のトー
ンが送られることになる。ショートハンドメッセージはこれらの4トーンを使って R26 ,
R27 , RRR と 73 に割り当ている。これらのメッセージは流星通信の中でコールサインの
後で度々交換される。
JT44
JT44は44トーンのFSK信号として扱い、11025/2048=5.38ボー(baud)の計算になる。全ての送信
されるメッセージは135のデータ間隔を有し、各々2048のオーディオサンプルの長さがある。69
個のインターバルは118×11025/1024=1270.5Hzの同期信号トーンを含んでいる。残りの22個の
インターバルは22文字のメッセージを含み、3回繰返される。各々の文字は、11025×(N+121)
/1024のトーンによって表される。ここでNは0から42までの範囲での整数である。此処で使用さ
れる文字は、数字の0‑9、文字のA‑Z、特別文字の.,/#?$とスペースだけでありその他の文字は
使えない。JT44は時間の同期を必要とする。送信と受信の周期は通常30秒間隔であり、UTCの30
秒間隔でスタートする。送信されたオーディオは1秒のTxインターバルと135×2048サンプルを
サウンドカードのサンプリングレート11025Hzでおよそ25.08秒の間まで続く。最後の3.92秒間
34
の送信時間では(T/Rのスイッチングとトランジェント・リカバリー;過渡状態からの回復の時
間を差し引いて)将来、無線局の識別に使われるかもしれない。そのアイドルタイムはEMEにお
ける伝送時間の遅延、およそ2.5秒にも使われる。この時のクロックのエラーは1秒まで認めら
れる。69個の同期トーンの間隔と66個の文字トーン間隔の間に、擬似ランダムパターンが持っ
ている自動修正機能を挿入してタイムラグゼロでスパイク波をいたるところで低い値に落とす
機能がある。この同期パターンを整列配置することによって同期が掛かり易くなりこれがJT44
の基本原理の 秘訣 の1つになっている。これは周波数のずれと時間誤差を巧く適合させるソ
フトである。このプログラムは周波数誤差+−600Hzまでと時間のオフセット−2.0から+2.0
秒まで同期をかけることが可能である。許される時間のオフセットの幅はEMEによる遅れを考慮
するとオフセット時間が変動する。同期トーンと43文字のトーンの周波数は下記のように割り
当てられる。
Frequencies of JT44 tones
N Char Freq (Hz) ‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑
<sync> 1270.5
0 0 1302.8
1 1 1313.5
2 2 1324.3
3 3 1335.1
4 4 1345.8
5 5 1356.6
6 6 1367.4
7 7 1378.1
8 8 1388.9
9 9 1399.7
10 . 1410.4
11 , 1421.2
12 <space> 1432.0
13 / 1442.7
14 # 1453.5
15 ? 1464.3
16 $ 1475.0
17 A 1485.8
18 B 1496.6
19 C 1507.3
20 D 1518.1
21 E 1528.9
22 F 1539.6
23 G 1550.4
24 H 1561.2
25 I 1571.9
26 J 1582.7
27 K 1593.5
28 L 1604.2
35
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
M
N
O
P
Q
R
S
T
U
V
W
X
Y
Z
1615.0
1625.8
1636.5
1647.3
1658.1
1668.8
1679.6
1690.4
1701.1
1711.9
1722.7
1733.4
1744.2
1755.0
この擬似ランダムシーケンスは135の送信間隔の各々に振り当てられ、下表で作られた同期また
はデータ情報の何れかを伴う。 1 は同期トーンを 0 はデータトーンのシーケンスを表す。
Interval # 1=sync(同期), 0=character(文字) tone
1‑20:
1 1 1 0 1 0 0 0 0 1 1 1 0 0 1 1 0 0 0
21‑40:
1 0 0 1 0 0 0 1 0 1 0 1 1 1 0 1 0 1 1
41‑60:
1 0 0 1 0 0 1 0 1 1 1 0 0 1 1 1 0 0 0
61‑80:
0 0 1 1 1 0 1 1 1 0 1 0 0 1 1 1 1 0 1
81‑100:
1 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 1 0 1
101‑120:
1 1 1 1 1 0 1 0 1 1 0 1 0 0 0 0 0 1 1
121‑135:
1 1 1 0 1 1 0 1 1 0 1 0 1 1 0
0
1
0
0
0
0
感度の比較のために、50Hz のバンド幅で耳でコピー出来る CW 信号と良く理解出来る JT44
信号の最小信号レベルの比較を下表に掲げる。信号レベルは 2 つの方法で示している。
バンド幅 50Hz の時を基準にした S/N 比とバンド幅 2500Hz に取った場合の S/N 比である。
後者は WSJT によって報告されている。これらの計測の 2 つは、10×log(2500/50)=17.0dB
の差が出る。このため 50Hz 表示では 2500Hz 表示から 17.0dB を差引いた値になる。
信号の形式
Minimum intelligible 12 WPM CW signal
1分間12ワードの速度のCWの可聴可能な信号
JT44 random message
JT44 random message after 4 minutes
バンド幅50Hz
時のS/N(dB)
+5.0
WSJTのレベル
(dB)
‑12.0
‑6.1
‑9.1
‑23.1
‑26.1
‑11.3
‑12.1
‑28.3
‑29.1
ランダムメッセージを4分間かけて解読
JT44 RORORORORORORORORORORO message
JT44 Random message after 16 minutes
36
ランダムメッセージを16分間かけて解読
JT44 limit for synchronization
‑12.9
‑29.9
同期の限界(同期が外れると受信できない)
JT44の信号平均化の特長は信号レベルが多少にかかわらず安定していることが必要である。QSB
のかなりかかった信号はCWを超えるJT44の利点を減じてしまう。卓越したCWの受信者は信号の
ピークで解読するためである。またWSJTにより受ける恩恵は他の要因でも変わる可能性がある。
EMEエコーモード
EME Echo Mode
EMEエコーモードでは検出用のバンド幅が0.67Hzと非常に幅が狭い。このためJT44よりも非常に
弱い信号の検出が可能である。この信号レベルの閾値はQ=1として計算すると
信号強度(Sig)=‑29.4−5logN
で与えられる。Nはエコーサイクルの回数である。(もしNが10Tavgよりも大きく、尚Tavgは
1分間に平均化する回数であり、N/10Tavgで置き換える)この式は1分間にN=10ならば発見でき
るエコーの信号強度は−34dBまで検出できる。もし5分間でN=50ならば−38dBまで検出すること
が出来る。
Appendix B: Astronomical Calculations
付録B:天文学上の計算
WJSTは太陽、月のトラッキングデータ、EME信号のドップラシフト、スカイバックグラウンド温
度などの天文学上の計算を用意している。これらの計算によって宇宙を理解し、計算の精度を
知り何かを感ずることが出来る。ある一定の時間の基で太陽と月とその他の惑星の動きの位置
を3次元で具現化した太陽系の計算はJPL(ジェット推進研究所)の最高技術である。
例えば月または惑星の天空の座標はある時間に対して、約0.0000003度以内で確定することが出
来る。Ephemerisテーブルと補間ルーチンは簡単にWSJTへの導入が簡単に出来た。その精度は
我々の目指す精度を超えてやり過ぎの感があるが、WSJTは高精度なデータにフィットするよう
な倍音の項目(harmonic terms)を制限した計算方式を使用している。正確なアルゴリズムは
太陽と月の位置を決めるのに使用され、これはVan Flandern and Pulkkinen (Astrophysical
Journal Supplement Series, 44, 391‐411, 1979).によって開発された。
太陽と月の位置に関する角度0.02度と0.04度の精度はこの論文から得ている。この精度は1千年
の間良い精度を保つことになる。この精度に関しnutation and aberrationの効果は最も小さな
惑星の摂動を無視することが出来る。(月と木星と土星と天王星の摂動は含まれる)Ephemeris
タイムと宇宙タイムは等しいとして扱う、リープセコンド(leap seconds)については無視を
した時間運びを採用している。これらと他の全ての近似値は特別に決めた精度レベルで定数と
している。太陽に対しての座標は地球から見ている。だから月が接近したとき昼間の視差は重
要であり真上にきたときの(topocentric)座標はあなたの位置により与えられる。太陽と月の
両方に関して、採用した高度はそのディスク(円盤)の中心上に現われ、大気の屈折があり修
正している。予測したEME信号のドップラシフトの精度を改善するために月との距離が拡大
するにしたがって、更に多くの通信周期が使用される。WSJTは地球の中心に関連した位置を決
定するために地球のoblatenessを正確に説明する。ドップラシフトの最終精度は144Mhzでは1Hz
37
よりも大きくWSJTによって計算される。これはJPLのephemerisを用いて計算した結果と直接確
認される。WSJTの宇宙バックグラウンド温度は全天の408MHzのHaslam et al. (Astronomy and
Astrophysics Supplement Series, 47, 1, 1982)マップを引用している。スケールは周波数に
対して(‑2.6)べき乗を採用している。このマップは1度の解像力がある。EMEのアンテナビー
ムははこの角度よりも広い角度になっている。このためあなたのアンテナはこのホットスポッ
トを見つけることが出来ず、スカイ温度は極端に低く観測される。サイドローブとグランドの
反射が極めてよくこれらを理解していなければ、それは実際に良く使用するスカイ温度を正確
に取り扱えない。
Appendix C: Availability of Source Code
付録C:ソースコードの入手の可能性
WSJTにおける全ての計算は古い手法で書かれているがこれは誉れ高い言語ホートランである。
ドキュメントとアルゴリズムの方法に関して、FSK441とJT44の符号化と解読についてソースコ
ードのパッケージが用意されてWSJTのWebサイトに置かれている。このパッケージはWSJTのコア
があり信号処理を探求する人には興味があるだろう。またWSJTをLinuxのようなプラットフォー
ムに移植したいと考える人にも参考になる。(もしこの付録の中のランゲージはむしろ神秘的
であると感ずるならば、それはWSJTコードがあなたのために作られていないからである!。)
ソースコードはtarfileとしてパッケージ化されURL:
pulsar.Princeton.edu/ joe/K1JT/wsjt.tarからダウンロード出来る。そのファイルはフォート
ランルーチンを含みFSK441とJT44の信号の発生と解読のために使用される。それからシュミレ
ートした信号のアルゴリズムのテスト、プログラムを実行しコンパイルするためのサンプル例
を含んでいる。LinuxまたはWindows下でのパッケージを使用するために、tar.exeを持っている
とするとCompaq Visual Fortranコンパイラをdf.Exeで動かすことが出来る。df.exeは次の
ように進行する。Tarfileからソースコードを摘出して:
% tar xf wsjt.tar
プログラム testfsk441 and testjt44をコンパイルする。
% compile
もし種類の違ったフォートランコンパイラを持っているならばコンパイルスクリプトの小さな
変更が必要になるかもしれない。
テストプログラムはFSK441またはJT44の信号の特長を持ったメッセージを発生させるまでをセ
ットアップしている。発生した信号はランダム・ガウシアンノイズを埋め込んでおり、それら
は電波を実際にFSK441またはJT44を受信したに似ている。このため信号強度、ピングの持続時
間、DF,DTをセットすることが出来る。またメッセージの送信も同様である。実例としてプログ
ラムtestfsk441を走らせると140msの持続時間を持つピングを発生させて信号強度は+2dBとな
る。"W8WN K1JT"のメッセージを実行して次のコマンドをタイプする:
% testfsk441 "W8WN K1JT" 140 2
その結果次の内容が出力される:
00099 5.0 100 2 16 22 JT W8WN K1JT W8W$
これはもしそのファイルが正しく発生して記録されているならば、テキストのラインは WSJT
のテキストボックスの中に表示される。発生したファイルはファイルネーム 00099.wav として
セーブされる。セーブしたファイルをプレーすることにより発生したピングを聞くことが出来
る。経験を積んだ FSK441 のオペレータはそのトーンが流星からピングであるか聞き分けるこ
38
とが出来る。もしシングルトーンのメッセージ、R26,R27,RRR,または73を実験したいと望
むならば、コマンドラインのメッセージフィールドを夫々次のようにセットする:
“++“, “**“, “%%“, or “@@“.
JT44のアルゴリズムのテストのため、つぎのコマンドラインにしたがって何かをタイプするこ
とが出来る。
コマンドライン:
% testjt44 "RU1AA K1JT OOOOOOOOOOO" 0 0 ‑25 10
これはメッセージ"RUA11 K1JT OOOOOOOOOOO"を持った 10 ファイルを発生させる。
DT=0,FD=0 であり信号レベルは‑25dB である。また次の Output をする。
000001
000002
000003
000004
4
3
2
3
‑25
‑25
‑25
‑24
‑1.0
‑1.0
‑1.0
‑1.0
‑1
0
0
0
000005 4 -25 -1.0 0
*
*
*
*
RUSYAAK8 TMOKJTR79OZOT
OU,1A K1/RMO5.OQAAO4OR
#O1AA #MJTUOSGN$ OOR6O
.U1Y2 #QJL4O0,96OO 2?J
* RZK5I K1TT#Z,2KQ2OOO$O
AO
OO
OO
O
O
O
O
O
00 0
000006 2 ‑24 ‑1.0 0
* CV5SANHVITW FOOBOOR0OG
OO O
000007 3 ‑25 ‑1.0 0
* RU1?C 01K4 O2OEO#OOO,/
OO O
000008 3 ‑23 ‑1.0 0
* RURA7AVAST6Q6NOI$ETSSW
6A O
000009 3 ‑25 ‑1.0 ‑1
* R,V$M KYU #GOO8OO?CLOB
OO O
000010 4 ‑25 ‑1.0 0
* ZUVTU#K1JT 2OPOOOOHOOJ
OO O
リアルタイムで記憶した完全なファイルがあれば、再びこれらのラインは WSJT の中のテキスト
ウインドをスクロールすることによって表示することが出来る。このファイルはファイルネー
ム 00001.wav through 00010.wav,としてファイルされている。そしてこのファイルを上記に示
すように再生することが出来る。前のランの後に次ぎようのうにタイプすると
% cat decoded.txt
JT44 の平均化して蓄積したメッセージを見ることが出来る。JT44 の平均化したメッセージウイ
ンドに次のように表示される。
000001 1 1/1
RUSYAAK8 TMOKJTR79OZOT
000002 1 2/2
RUIYA K1UTMO5.OOD#OOOR
000003 1 3/3
RU1AA K1ATKO5.OODOOOOO
000004 1 4/4
RU1YA K1JTKO5.OOOOOOOO
000005 1 5/5
RU1AA K1JTKOSOWQOOOOOO
000006 1 6/6
RU1SA K1JT OFOOOOOOOOO
000007 1 7/7
RU1SA K1JT OOOOOOOOOOO
000008 1 8/8
RU1AA K1JT OOOOOOOOOOO
000009 1 9/9
RU1AA K1JT OOOOOOOOOOO
000010 1 10/10
RU1AA K1JT OOOOOOOOOOO
発生した信号は非常に弱いにもかかわらず、各々の30秒の送信時に解読されないならば平均化
ソフトは即座に正しいメッセージを作り上げるということを述べておきたい。
Appendix D. Possible Future Developments
付録D:将来の発展の可能性
39
WSJTは常に進歩している。将来の発展に対する計画は勿論、変更するためが主題であるが、
次のページのグラフが示すようにその理由がハッキリしている。そこには本命候補があり、幾
つかの可能性を秘めている。そのダイアグラムは使用可能な最小信号レベルでの数多くの通信
モードを示しており、そのグラフは文字伝送レートの関数としてプロットしている。信号レベ
ルはWSJTを使用して2500Hzのバンド幅内のノイズパワーに関連付けてdBで表している。この中
の点線は 理論的な限界 を表し、高い伝送レートはより強い信号強度を要求する。この関係
は正比例しているといえよう。伝送レートを高くするとは更に幅広いバンド幅を要求し、この結
果大きなノイズパワーを比例して受けるようになる。モールス信号は非能率なプロトコルであ
る。それは平均して各々の文字は約12.7のキーを下げる dit インターバルが必要である。
この非能率は11dBのS/Nのペナルティを強要する。このため周波数‑感度のディジタルモードで
比較すると改善されている。FSK441は6000LPMのハイスピードのCWよりも約8dB良いということ
を示しており、1.5倍の情報処理量を達成している。2000LPMに対しては3dBで4.5倍である。中
央の伝送レートのスケールは12WPMのモールスは‑12dBの信号レベルまでコピーが可能である。
しかしJT44は同じ伝送レートで‑23dBまで到達する。平均化のアルゴリズム(incoherentな積分
の積み重ねによって)を使用するとJT44は約‑29dBまで到達する。EMEのエコーモードではスタ
ート時が‑30dBで数分以内に‑38dBを達成する。(50Hzのバンド幅では‑21dBとなる。訳者追加)
このディスカッションから将来のWSJTの発展に対して、2つの興味深い可能性が示唆される。も
しincoherentなモードよりもcoherentな平均化プログラムをJT44のようなモードに使用できれ
ば、平均して4分以内に現在のシステムよりも3dB近くゲインが改善される。理由としては平均
化のスロープがオクターブ毎に1.5から3.dBほど増加が見込まれるからである。より高い伝送レ
ートに於いて、毎秒10‑50の文字伝送の付近にハッキリした適用のギャップが存在している。2
つの 幻のモード は試験的にJT6MとFSK110と呼ばれており図に示している;このモードはた
だペーパー上に存在しているモードであるが、ただその実施は6mバンドの効果的な流星散乱通
信のブームを本当に起こすかも知れない。FSK441は第一に2mバンドを狙って設計されている。
ランダムな流星ピングは一般にただ100msほど続く、しかしながらピングの継続スケールは波長
の長さを2乗している。だから6mでは、はっきりと更に遅い伝送レートになり、1回のピング
でコールサインとシグナルリポートを送ることが出来る。FSK110とJT6Mモードは6dBと13dBの感
度のギャップがあるが夫々FSK441を超えている。
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