活動&自己評価報告書

 Fレックス活動報告(2010年度)
福井県大学間連携取組
活動&自己評価報告書
平成20年度「戦略的大学連携支援事業」
個性的な地域創生のための学習コミュニティを基礎とした仮想的総合大学環境の創造
2011年3月23日
福井県学習コミュニティ推進協議会(Fレックス)
-1-
Fレックス活動報告(2010年度)
目 次
1 はじめに 3
2 Fレックス活動報告&自己評価
2-1 推進協議会 4
2-2 学習チーム 11
2-3 FDチーム 16
2-4 地域チーム 21
2-5 基盤チーム 25
2-6 学生チーム 29
3 参加校報告
3-1 福井県立大学 34
3-2 福井工業大学 41
3-3 仁愛大学 44
3-4 仁愛女子短期大学 46
3-5 敦賀短期大学 54
3-6 福井医療短期大学 57
3-7 福井高等工業専門学校 59
4 資料集
4-1 シンポジウム 61
4-2 研究会 65
4-3 その他のイベント 79
4-4 配布印刷物 87 / P.88
<別冊>
4-5 出張報告書 -2-
はじめに(2010年度)
1 はじめに
ます。特に、Fレックスで構築した ICT システムは、
国内の他大学に評判も高く、今年度に入り、7 グル
Fレックスは、ところどころ思う通りにいかなか
ープ、12 大学、1企業から 34 名の訪問調査が入っ
ったこともありますが、本年度の目標をほぼ達成し、
たことからも、関心の高さが覗えます。また、これ
来年度はさらなる拡大を目指して活動を行っていき
らの ICT システムは、導入しただけでは使ってもら
ますので、よろしくお願いいたします。
えず、各システムを取巻くコミュニティの形成が必
Fレックスは、平成20年度に文部科学省の戦略
要となり、Fレックスの利用率の高さは、こういっ
的大学連携支援事業に採択され活動が始まりました
たコミュニティ(人のネットワーク)の形成も確実
が、福井県内の高等教育機関がゆるく連携し、学習
に進んでいることを意味しています。
コミュニティを形成することにより、お互いの教育
3年間のにありますが、来年度からは、学生チー
リソースが利用できるようにするためのプロジェク
ムと地域チームをなくす代わりに、活動の期間が決
トです。プロジェクトの当初に、
まっており、必ずしも全組織から人が入らなくても
良い、ワーキンググループ(WG)制度も採用し、学
(1) 継続的な大学連携基盤(人のネットワークおよ
生チームや地域チームで行っていた活動の一部を WG
び ICT システム)の構築
に移して活動していけたらと思います。また、事務
(2) 学習コミュニティによる大学間および地域コミ
局機能も強化し、広報等は事務局で担当できたらと
ュニティの活性化
思います。さらに、今年の 6 月には、学長・校長が
(3) 大学間連携による大学教育の改善と改革の推進
参加したシンポジウムを予定しており、ここで、F
(次代の大学のあり方への提言作り)
レックスと福井県が運営している大学連携リーグを
含めた、福井県内高等教育機関連携の新しい姿を模
という3つの目標を掲げました。3年間プロジェク
索できたらと思います。
トを実施して、この3つの目標はほぼ達成したと考
さて、Fレックスは来年度以降も継続し、将来的
えております。もちろん、人のネットワークの広が
には、福井県の高等教育機関のインフラとして機能
りがまだ十分でない、とか、提言をつくるにはまだ
させていきますので、ご協力をよろしくお願いいた
問題点の洗い出しが足りないといった、不足はいく
します。
つかありますが、基本的なところはクリアしており
図1 運営体制
- 3 -
推 進 協 議 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
2-1 福井県学習コミュニティ推進協議会
(3) 大学間連携による大学教育の改善と改革の推進
(次代の大学のあり方への提言作り)
2.1.1 構成員
次に各年度の目標は以下のとおりです。
福井県学習コミュニティ推進協議会(以下、推進
◎2008年度
協議会)は、会長、副会長、各チームのリーダ、サ
(1)大学連携の人的体制と ICT を使った支援システ
ブリーダ、各大学・高専の代表の教員(リーダ、サ
ムの整備
ブリーダと兼任ができる)
、事務局長、関連組織の
(1-1) FDチーム,学習チーム,地域チーム,
基盤チームの体制構築
メンバー、事務局から構成されます。以下にメンバ
ー構成をあげます。
(1-2) コミュニティ推進員の選定
◎会長 山川 修(福井県立大学)
(1-3) 大学間および地域コミュニティの人的ネ
ットワークの事前構築
◎副会長 藤原 正敏(仁愛女子短期大学)
(1-4) ICT を使ったコミュニティ形成支援シス
◎メンバー
テムの整備
坪川 武弘(福井工業高等専門学校:FDチームリ
(1’) 連携大学に向けての普及啓発活動
ーダ)
杉原 一臣(福井工業大学:学習チームリーダ)
(1’-1) 公募によるマスコット・キャラクタの選定
田中 洋一(仁愛女子短期大学:学習チームサブリ
(1’-2) 宣伝パンフレットの作成と配布
ーダ)
(1’-3) 学習コミュニティシンポジウムの開催
菊沢 正裕(福井県立大学:地域チームリーダ)
(1’-4) 活動の記録と配信
北野 皓嗣(敦賀短期大学:地域チームサブリーダ)
篭谷 隆弘(仁愛大学:基盤チームリーダ)
◎2009年度の目標
徳野 淳子(福井県立大学:基盤チームサブリーダ)
(2)学習コミュニティによる大学間および地域コミ
ュニティの活性化
森 俊之(仁愛大学)
堀 秀昭(福井医療短期大学)
(2-1)大学間および地域におけるコアコミュニテ
竹内 弘幸(福井県立大学事務局長)
ィの形成
吉村 喜信(福井工業大学事務局長)
(2-2)コミュニティにおける成功事例と失敗事例
小東 勇士(仁愛大学事務長)
の共有化
吉川敏 通(仁愛女子短期大学事務長)
(2-3) 学習コミュニティをサポートとするため
河原 辰樹(敦賀短期大学事務長)
の ICT システムの改善
斉藤 俊彦(福井医療短期大学事務課長)
武田 良正(福井工業高等専門学校事務部長)
◎2010年度の目標
◎関連組織 西川 泰夫(福井県大学・私学振興課長)
(3) 学習コミュニティ活性化による高等教育機関改
◎事務局
矢崎 勝(福井県立大学)
革の推進
(3-1)学習コミュニティの拡大
2.1.2 活動目標
・ターゲットを絞った研究会や合宿等の開催
まず、本取組全体の目標は下記のとおりです。
・Fレックスの拡張+外部組織との連携
(1) 継続的な大学連携基盤(人のネットワークおよ
・学習コミュニティ形成メカニズムの研究
(3-2)自然な新しい大学連携取組の発生
び ICT システム)の構築
・GP等教育補助金や研究資金の獲得
(2) 学習コミュニティによる大学間および地域コミ
・共同利用拠点への応募
ュニティの活性化
-4-
推 進 協 議 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
(3-3)連携基盤システムの拡張と公開
ほとんど毎月実施しています。その数は 3 年間で、
・連携基盤システムのさらなる拡張
21 回におよび、テレビ会議システムを併用し、遠隔
・ソースコードのオープンソースコミュニ
地からも参加できるようにしました。参加者は毎回
ティへの還元
20 名前後です。研究会のテーマと開催場所を表 2-1-
・ノウハウの学会等への公開
1 に示します。
対面の活動の 2 番目として、外部から講師を呼び、
本報告書では、この目標に沿って活動を評価します。
参加校の教職員・学生が外部とコミュニケーション
をすることにより学ぶ機会をつくる「Fレックスシ
2.1.3 3 年間の活動
ンポジウム」年に 2 回程度開催しました。3 年間で
Fレックスの 3 年間の活動を、対面の活動、ネッ
共催も含めて 7 回のシンポジウムを開催しました。
ト上での活動、教材・DB の作成、広報活動、ノウハ
こちらもすべて VOD 化し、Fレックス参加者はいつ
ウの共有、の 5 つの視点から記述いたします。
でも閲覧可能になっていますし、第 5 回以降はイン
◎対面の活動
ターネットから視聴できる、ライブ配信も行ってい
ます。対面の参加者は毎回 60 名前後です。シンポ
まず、対面の活動の一つ目は「Fレックス研究会」
ジウムのリストを表 2-1-2 に示します。
です。これは参加校の教職員・学生が発表者となり、
表 2-1-1 Fレックス 研究会リスト
回数
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
Fレックス研究会テーマ
LMS利用の事例報告
Fレックス各チームの活動報告
Moodle講習会
VOD研究グループ報告
学生理解と学生支援について
地域学習コミュニティの形成に向けて
eポートフォリオの利用法
大学連携の現状報告とFレックスの今後
学生による授業アンケートを考える
大学等における英語教育の最前線
情報教育における連携
Fレックス活動報告
高等教育のあり方について」
Fレックスの効果的な利用法
テキストマイニングの利用法
公開授業と授業改善の取り組み
SNSにおけるコミュニティ活動
日本語パソコン学習会による多文化交流
授業収録・配信システムの運用について
学習評価・GPAの導入と学士力保証
3年間の活動報告
開催日
2009年2月5日
2009年3月27日
2009年4月22日
2009年6月22日
2009年7月30日
2009年8月24日
2009年9月25日
2009年10月30日
2009年11月30日
2010年1月29日
2010年2月12日
2010年2月26日
2010年3月26日
2010年4月16日
2010年5月27日
2010年7月15日
2010年11月4日
2010年11月19日
2010年12月22日
2011年1月28日
2011年2月28日
開催場所
福井工業大学
福井県立大学
福井県立大学
福井工業大学
仁愛大学
福井県立大学
敦賀短期大学
仁愛女子短期大学
福井工業大学
仁愛大学
福井工業大学
福井県立大学
福井工業高等専門学校
福井県立大学
福井県立大学
福井県立大学
福井工業大学
国際交流会館
福井県立大学
仁愛女子短期大学
福井県立大学
表 2-1-2 Fレックス シンポジウムリスト
回数
1
2
3
4
5
番外
6
Fレックスシンポジウムテーマ
大学連携で取組むソーシャルラーニングの可能性
大学間連携と相互研修型FD
大学連携で始まる新たな地域力の創造
情報基礎教育を考える
eポートフォリオが変える高等教育
戦略GP採択プログラムの成果と展望(石川、富山と共催)
若者のチカラと地域のチカラ
-5-
開催日
2008年12月19日
2009年5月29日
2009年12月12日
2010年6月12日
2010年10月2日
2010年12月18日
2011年3月5日
開催場所
響のホール
響のホール
坂井市いねす
福井県教育センター
アオッサ
石川県政記念しいのき迎賓館
みくに文化未来館
推 進 協 議 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
研究会やシンポジウムでは議論する時間が少ない
Web システム以外にも、テレビ会議システム、Web
という意見が多数あったため、2010年 9 月 3 日、
会議システム、授業収録配信システムを整備してお
4 日に、池田町の冠荘にて、
「Fレックス合宿研修
り、ここでは、ネット上での活動として、各システ
会」を開催しました。30 名弱の参加で、初年次教育、
ムの利用率を確認します。
ポートフォリオ、学生理解の講演、スキルアップ講
SNSは、Fレックスのコミュニケーションの中
座と盛りだくさんの項目が実施されました。合宿研
心となっています。2011年 3 月 4 日現在の諸元
修会の評判は良く、今後も継続的に開催されること
は以下の通りです。
となりました。
ユーザ数 6874 人(ログイン 36%,アクティブ 4%)
学生関連のイベントでは、就職の意識を高めるた
コミュニティ数 306(1ヶ月 18%,アクティブ 10%)
めに開催された「RT会」
(Round Table)と、学生
書込み件数 119430 件(平均 170 件/日)
に気軽な発表の場を提供するために開催された「L
メッセージ件数 37200 件(平均 53 件/日)
T会」(Lightning Talk)があります。RT会は、
LMSは各参加校で活発に利用始めており、現在、
企業の方数名と学生数名が同じテーブルに付きキャ
175 コースが作られています。現在までにアクセス
リアをテーマにした議論を行うというものです。回
が 1659810 回あり、これは 1 日平均 2371 回のアク
りにはギャラリーの学生と教職員が議論を傍聴し、
セスがあることになります。
キャリア意識を高め、4 回開催されました。LT会
e ポートフォリオも2010年度に入ってから次
は、基本的には、学生が主体になって開催し、参加
第に授業等での利用が増え始め、現在 1710 のビュ
者が一人 5 分間程度の短いプレゼンをする会です。
ー(ホームページ)が作成されています。またホー
LT会は各大学の持ち回りで 7 回開催されました。
ムページ作成にも利用する試みがなされています。
RT会とLT会のテーマや開催日時は表 2-1-3 に示
その結果、ビューに蓄積する学習成果物は 27240 件
します。
になっており、平均 16 件/ビューの学習成果物が存
在することになります。
◎ネット上での活動
TV会議システムは、Fレックス研究会では必ず
Fレックスでは、コミュニティ形成を支援するた
利用している他、各チームの会議等でも利用されて
めの SNS(Social Networking Service)
、授業を支
います。稼働率は月に数回から週に 1 回程度です。
援するための LMS(Learning Management System)
、
Web会議システムは、TV会議システムの補助
学習者を支援するための e ポートフォリオシステム
という位置づけですが、まだ周知が行き届いていな
が、ネットワーク経由で利用できる Web システムと
いせいか、利用率はあまり高くないです。しかし、
して2009年 4 月より導入されています。また、
Web会議システムは、パソコンとWebカメラが
表 2-1-3 Fレックス RT会、LT会リスト
番号
RT01
RT02
RT03
RT04
LT01
LT02
LT03
LT04
LT05
LT06
LT07
RT会、LT会テーマ
仕事を知る。夢を語る。
仕事とライフスタイル。
地域を支える力。そして世界へ。
自分でキャリアを切り開く力。
be interested in ふるさと
福井のオススメのスポット
あなたのオススメの祭り
オススメのデートスポット・プラン
その時 私のターニングポイント
2011年のマイプラン
開催日
2010年7月9日
2010年8月1日
2010年9月15日
2010年10月29日
2009年12月19日
2010年3月3日
2010年6月27日
2010年9月5日
2010年11月14日
2010年12月19日
2011年2月11日
-6-
開催場所
福井県立大学
仁愛大学サテライトキャンパス
江守商事本社ビル
福井県立大学
鯖江・らてんぽ
福井県立大学
仁愛女子短期大学
敦賀短期大学
仁愛大学
福井工業高等専門学校
福井工業大学
推 進 協 議 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
あれば、10 地点まで接続できるので、TV会議シス
機器だけさらに一台追加購入し、福井県立大学と仁
テムが利用できないところなどでの利用が今後増え
愛大学に配置し、利用者の利便性を高めています。
ていくと考えられます。
授業収録・配信システムは、2010年 10 月に
◎教材・DB作成
導入しましたが、導入直後からかなり良く利用され
Fレックスで開催された全ての研究会(21 回)
、
ています(月に数回)
。講演の VOD 化だけでなく、
シンポジウム(7 回)
、合宿研修会(1 回)は、映像
ライブ配信や、CD などのメディアに焼くこともでき
として記録(VOD 化)し、Fレックス内で使用した
ることから、Fレックスの研究会やシンポジウムは
スライドと共に閲覧可能になっている。これは、F
もちろんのこと、参加校独自の講演会やFD活動に
Dの教材として利用価値が高いと思われます。
も利用されています。2010年 12 月には、収録
表 2-1-4 Fレックス関連発表論文
番号
内容
1
山川修,「SNSを利用した大学間学習コミュニティの可能性」,第5回ネットワーク生態学シンポジウム予稿集,
pp223-225,2009.
2
藤原正敏,坪川武弘,小林秀紹,辻野和彦,菊沢正裕,本田和正,島田幹夫,山本新一郎,北野皓嗣,「福井
県内での大学・短大・高専間のFD 活動の連携へ向けて」,第15回大学教育研究フォーラム発表論文集,
pp.104-105,2009.
3
篭谷隆弘,西出恭生,梶田将司,山川修,「CASマルチソース化による大学間共通認証とWebサービスへの実
装」,情報処理学会研究グループ報告(第11回CMS研究会),pp.50-53,2009.
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
山川修,藤原正敏,篭谷隆弘,坪川武弘,菊沢正裕,北野皓嗣,杉原一臣,「福井県大学間連携取組(Fレック
ス)の概要と目的」,教育システム情報学会研究報告,vol.24, no.1, pp.24-27,2009.
田中洋一,山川修,「SNSとeポートフォリオを用いたインフォーマル・ラーニングの実践」,第34回教育システム
情報学会全国大会講演論文集,pp.326-327,2009.
篭谷隆弘,西出恭生,山川修,「福井県大学間連携Webサービスの認証基盤構築」,第34回教育システム情
報学会全国大会講演論文集,pp.140-141,2009.
山川修,多川孝央,安武公一,隅谷孝洋,井上仁,「SNSのトモダチ関係の時間発展に関する複雑ネットワー
ク解析」,情報処理学会研究グループ報告(第12回CMS研究会),pp.38-42,2009.
山川修 , 篭谷隆弘 , 徳野淳子 , 斉藤徹 , 大熊一正 , 北野皓嗣 , 平塚紘一郎 ,「大学連携による学習コミュニ
ティ形成支援システムの設計と構築」,平成21年度情報教育研究集会講演論文集,pp.133-136,2009.
山川修,多川孝央,隅谷孝洋,安武公一,井上仁,「学習コミュニティ評価のための実践環境,手法,ツール」,
日本教育工学会第25 回全国大会講演論文集,pp.961-962,2009.
藤原正敏,坪川武弘,,「TV会議システムやWEBを利用したFD活動」,第16回大学教育研究フォーラム発表論
文集,pp.160-161,2010.
Funaki, S. "Creating Multicultural Learning Communities through Information and Communication
Technology (ICT) - A Case Study of a Computer Study Group for Immigrants in Japan", IFSW 2010 Joint
World Conference on Social Work and social development: The Agenda conference Online proceeding
paper, http://www.swsd2010.org/en/workshops.html#w7
多川孝央,山川修, 安武公一,隅谷孝洋,井上仁,「大学SNS におけるコミュニケーションのネットワーク構造
の分析」,日本教育工学会第26 回全国大会講演論文集, pp.271-272. 2010.
山川修,篭谷隆弘,徳野淳子,田中洋一,澤崎敏文,「学習コミュニティ構築を意図した連携基盤システム」,
教育システム情報学会第35回全国大会講演論文集,pp.341-342,2010.
田中洋一,「Fレックスを発表の場として用いたインフォーマルラーニングの実践」,教育システム情報学会第35
回全国大会講演論文集,pp.303-304,2010.
Takahiro Tagawa, Osamu Yamakawa, Koichi Yasutake, Takahiro Sumiya, Hitoshi Inoue, "An Analysis of
Communication Network Structures In a University Social Network Service", Proceedings of E-Learn
2010, pp.2726-2733, 2010.
16
田中洋一, 山川修,「大学間連携におけるオープンソースeポートフォリオを用いた教育の実践」(課題研究), 日
本教育工学会第26 回全国大会講演論文集, pp.137-140, 2010.
17
山川修,藤原正敏,坪川武弘,篭谷隆弘,菊沢正裕,杉原一臣,北野皓嗣,徳野淳子,田中洋一,澤崎敏文,
「大学連携における学習コミュニティのデザインと実践」(課題研究),日本教育工学会第26回全国大会講演論
文集,pp.67-70,2010.
18
村上正行, 山田政寛, 山川修,「SNSを活用した教育・学習の実践・評価」, 教育システム情報学会誌, Vol.28,
pp36-49, 2011.
-7-
推 進 協 議 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
表 2-1-5 Fレックス関連招待講演
番号
内容
1
先進事例発表会&意見交換会(愛知県立大学主催),「福井県内の大学連携事例:Fレックス ワークによる大学連携 」,2009.7.31,(於:愛知県立大学),山川講演
2
教養教育ワークショップ(山形大学主催),「Fレックス:福井県大学間連携FDについて」,2009.8.7,(於:山形
大学),坪川講演
3
平成22年度全国高専教育フォーラム・プロジェクト研究集会(独立行政法人国立高等専門学校機構主催),
「福井高専でのFD活動と福井県内の大学間連携FD活動 」,(於:長岡技術科学大学),坪川講演
4
5
6
人のネット
SDセミナー(公立大学協会主催),「SNSを使った情報共有の有効性」,2010.9.10,(於:名古屋都市セン
ター),山川講演
シンポジウム「公立大学の地域と連携した学生支援」(公立大学協会主催),「地域協働型でつくるラーニング
ポートフォリオによる学習支援」,2010.11.11,(於:北九州市立大学),山川講演
情報教育研修集会企画セッション「大学間連携による教育学習支援情報環境の現状と課題」(情報処理学会C
LE研究会),「Fレックス −福井県大学連携プロジェクト」,2010.12.10,(於:京都府民総合交流プラザ 京都
テルサ),山川講演
また、環境 NPO が行っている地域住民への講座を
表 2-1-6 Fレックス訪問調査
録画させてもらい、環境教育の教材として 4 コース
番号
1
2
3
4
5
6
7
19 コマの環境教育教材を作成しました。
さらに、福井県内の高等教育機関が実施してい
る公開講座情報の一元化と、単位互換制度で受講で
きる科目の情報の一元化をするためのシステムを開
発しました。
8
◎広報活動
訪問者
開催日
山口県立大学から2名
2009年9月30日
富山大学から2名
2010年10月27日
滋賀県立大学から2名
2010年11月29日
朝日ネットから2名
2010年12月17日
都留文科大学から4名
2011年2月4日
上越教育大学から5名
2011年3月1日
山梨県立大学から5名
2011年3月8日
大学eラーニング協議会、
2011年3月24日
7大学14名
3 年間では、インターネットと紙媒体利用して広
2.1.4 2010年度の活動についての自己評価
報活動を行った。インターネットの広報としては、
2010年度の目標に沿って自己評価を行います。
Fレックスホームページ(http://f-leccs.jp/)を
作成し、Fレックスの情報発信に努めました。また、
◎学習コミュニティの拡大
一般向けのパンフレット、活用ガイドを 4 種類(LMS、
SNS、e ポートフォリオ、総合)
、教職員向けの季刊
学習コミュニティの拡大のところで示した「タ
のニュースレター(1 号 6 号)と、ターゲットを
ーゲットを絞った合宿等の開催」に対応して今期合
絞った広報物を作成し、浸透を図りました。特に、
宿研修会を開催しました。ただ、科目別の研究会等
ニュースレターは参加校の中で、あまりFレックス
は残念ながら開催できず、新たなメンバーへの拡大
の活動に熱心でない教職員にも、Fレックスの活動
はなりませんでした。
「Fレックスの拡張+外部組織との連携」に関し
を伝える重要な役割を果たしました。
ては、
第 5 回Fレックスシンポジウム
(第 1 回 Mahara
◎ノウハウの共有
オープンフォーラム)開催後、Mahara ユーザコミュ
Fレックス関係のノウハウは、国内外の学会で 18
ニティ(MUC)をFレックスが中心になって形成し、
件の発表を行っています(表 2-1-4 参照)
。招待講演
Fレックスのポートフォリオシステム(Mahara)を
も、5 件実施しています。
(表 2-1-5 参照)さらに、
利用して、MUC のページを作成しています。このよ
訪問調査の依頼も増えており、3 年間で 8 件、13 大
うに、Fレックスが国内のコミュニティ形成に携わ
学 1 企業から、36 名の方がFレックスに訪問調査に
り、拡張が始まっています。
「学習コミュニティ形成メカニズムの研究」に関
来られました。
(表 2-1-6 参照)
-8-
推 進 協 議 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
しても、前述のノウハウの共有化のところで述べた
以上の結果から、2010年度の目標に関しては、
とおり、積極的に国内外の学会等で発表を行ってい
かなりの部分で達成されたといえます。
ます。
2.1.5 3年間の自己評価
◎自然な新しい大学連携取組の発生
さて、2010年の目標に沿った自己評価が終わ
「GP等教育補助金や研究資金の獲得」は、計画
ったので、3 年間の目標に戻って自己評価をしてみ
はしていたものの、事業仕分けで、来年度のGPの
ます。
予算がなくなり、難しい状況です。
「共同利用拠点
への応募」に関しては、すでに応募済みで、結果を
(1) 継続的な大学連携基盤
待っているところです。
この中には、人のネットワークの構築とシステム
の構築が含まれていました。人のネットワーク構築
◎連携基盤システムの拡張と公開
に関しては、着実に組織を越えたネットワークが形
「連携基盤システムのさらなる拡張」は、今期、
成されつつありますが、まだその広がりが 10%程度
授業収録・配信システム、公開講座情報システム、
にとどまっているので、70 点としておきます。シス
単位互換制度情報システムなどを構築し、従来のS
テムの構築と運用に関しては、適切な更新と運用に
NSにも、動画サーバを附置するなど、ニーズに沿
より、利用が定常的にあり、国内大学からも注目を
った拡張を行っています。
「ソースコードのオープ
集めているということで、90 点としておきます。
ンソースコミュニティへの還元」に関しては、一部
は還元していますが、全体的には遅れています。
「ノ
(2) 学習コミュニティ
ウハウの学会等への公開」に関しては積極的に行っ
大学間学習コミュニティについては、教員の学習
ています。
コミュニティも、学生のコミュニティも、コアが形
成されたといえます。ただ、人のネットワークの広
がりが、まだ少ないので、70 点としておきます。地
福井県
大学連携リーグ
LT会・ RT会
WG
評価委員会
福井県
学習コミュニティ
推進協議会
(Fレックス )
事務局
定常的
全体的
活動
基盤チーム
FDチーム
チーム
WG
定期的
部分的
活動
教材作成
WG
アンケート
分析 WG
ものづくり
連携 WG
学習チーム
(新)
地域チーム
図 2-1-1 Fレックスの新運営体制(案)
-9-
推 進 協 議 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
域学習コミュニティに関しては、地域チームにおい
す。
(図 2-1-1 参照)なお、WG には、その活動に必
て、地域におけるユニークな活動はありましたが、
要なメンバーだけが参加することを想定しています。
残念ながら、地域チームの中で大学連携の意義が発
また、事務局体制を強化し、広報活動なども事務局
見できなかったということで、
50 点としておきます。
が担える必要があるでしょう。
ただ、大学連携にとって地域との関わりは重要なの
「大学連携リーグとの連携強化」では、学長・校
で、将来的には、目的を絞った新地域チームを立ち
長が所属しトップダウン的に動ける大学連携リーグ
上げて、地域学習コミュニティの形成に再チャレン
と、ボトムアップの活動が盛んなFレックスの間の
ジすることも考えておく必要があると思われます。
連携を取る必要があると考えています。その端緒と
して、2011年 6 月に、福井県内の高等教育機関
(3) 大学教育の改革と改善
の長全てが揃い、
「今後の大学連携を考える」シン
FD活動の活性化という視点では、各組織のFD
ポジウムを、福井県とFレックスの共催で開催しま
委員長が頻繁に情報交換をして各組織に刺激を与え
す。このシンポジムをきっかけに、大学連携リーグ
ただけでなく、共同の授業公開も実現し、FDの共
とFレックスの連携の強化を模索できたらと考えて
同実施に一歩踏み出したということで、80 点として
います。
おきます。新しい教育方法の開発という視点では、
最後の「大学連携を継続するための仕組みつく
Fレックスが Mahara を使った教育改善の中心にな
り」は、運営体制の見直しや連携強化を含んだ話で
りつつある点、SNS や e ポートフォリオと LMS を連
すが、それ以外に、大学連携を継続する仕組みのた
動した教育の試行錯誤が始まっている点を評価して
めに必要なことは検討しなくてはいけないと思い、
70 点としておきます。ただ、次世代高等教育への提
あげてあります。
言つくりという点では、いくつか重要な視点は見え
本報告書は、3 年間の活動報告なので、来年度以
てきていますが、まだ、まとめるとことまでは至っ
降の具体的な目標については触れませんが、来年度
ていないということで、50 点としておきます。
は継続的な大学連携の仕組みを構築するのが、大き
な目標になることは間違いありません。
大学コンソーシアム京都の事務局長は、継続的な
2.1.6 今後の方向性
Fレックスは、今年度で文部科学省の補助金が終
大学連携に必要なものは、行政からの支援、自己資
了し、来年度から新たなステージに入るわけだが、
金、大学からの人的支援ということをおしゃってお
導入したサーバの保守費等は、参加各校からの分担
ります。大学コンソーシアム京都と福井は規模が違
金(4 年制大学 30 万円/年、短期大学 15 万円/年、高
うので、一概に同じことをするべきとは思いません
等専門学校 20 万円/年)と福井県からの補助金を充
が、この3つの点は、大学連携を継続する上で重要
てることが決定しています。ただ、今後、大学連携
な視点ではないかと思います。言い換えれば、
「人」
、
を継続していこうとすると検討しなければならない
「物」
、
「金」をどうやって定常的に調達するかとい
以下の項目があると考えられます。
う問題ではないかと思います。この仕組みに関して
は、来年度中にある程度見通しをつける必要がある
だろうと考えています。
(1) 運営体制の見直し
(2) 大学連携リーグとの連携強化
(3) 大学連携を継続するための仕組みつくり
最初の「運営体制の見直し」では、定常的なチー
ムだけではなく、期間を区切って活動するワーキン
ググループ(WG)を作ってはどうかと考えていま
- 10 -
学習チーム(2010年度)
2-2 学習チーム
ミュニティの運営
(3)学生を中心とした学習コミュニティの立ち上げ
2.2.1 構成員
(4)チーム合同研究会の開催
各参加校において学習コミュニティ形成の窓口と
(5)コアメンバーによる日常的な情報交換とその結果
なるメンバーが中心となって、活動を進めてきまし
としてのコミュニティの活性化
た。2010年度の参加メンバーは以下の通りです。
◎リーダー
杉原 一臣(福井工業大学)
#2010年度
◎サブリーダー
田中 洋一(仁愛女子短期大学)
◎「学習コミュニティの一般教員への拡大」
(1)各組織の教員の 20 30%程度が参加した学習
◎メンバー
福井県立大学
山川 修、津村 文彦、中村 匡、
亀田 勝見、黒川 洋一
福井工業大学
木川 剛志、大嶋 元啓、
中城 智之、砂川 武義、
田邉 奈美
仁愛大学
森 俊之、三浦 努
仁愛女子短期大学
乙部 貴幸、河野 久寿
コミュニティ活動
(2)各教科に絞ったFレックス研究会の開催
(3)安全な公開の場としてのFレックス利用の
試行(授業、イベント等)
(4)SNS、LMS、e ポートフォリオを学習コミュニ
ティ形成に活かすための試行
(5)動画共有配信システムによる学習コミュニ
ティの試行
(6)単位互換制度情報の一元化
敦賀短期大学
北野 皓嗣、入澤 学
福井工業高等専
長水 壽寛、丸山 晃生、
本報告書では2010年度(1) (6)の点を自己評価し
門学校
村中 貴幸、芳賀 正和
た上で、3 年間の活動内容についても述べます。
福井医療短期大学
繁田 里美、藤本 寛巳
なお、2008年度と2009年度は、福井県立大
学の山川 修がリーダー、サブリーダーを福井工業
大学の杉原一臣が務めました。
2.2.3 3 年間の活動(2008 2010年度)
2008年度と2009年度については、各年度
の活動報告書に詳細が記載されていますので、以下
に概要のみ述べます。
2.2.2 活動目標
各年度に定めた、学習チームの目標は以下の通り
◎2008年度の活動
です。
チームの創設された2008年度は、次年度から
#2008年度
の連携基盤システムの本格稼働に向けて、学習コミ
◎「学習コミュニティ形成に向けた準備」
ュニティ形成のための準備と、各参加校におけるコ
(1) 各組織の教員・学生の意識を高める啓蒙活動
アメンバーの確保を主な目標として活動しました。
(2) チーム合同研究会の開催
当時の主な活動としては、対面会議や合同研究会の
(3) 学内における協力教員(コアメンバー)の確保
開催に加えて、e-learning に関する国際会議(ELI2
(4) 学内における協力学生の確保
009・WBE2009等)に合同参加しました。
(5) システムの試用と情報の蓄積(仮 SNS 利用)
特に、合同研究会に関しては、2009年 2 月に第
1 回の合同研究会(F レックス研究会)を学習チー
#2009年度
ム主催で開催し、これ以降、月に 1 回の頻度で F レ
◎「コアメンバーによる学習コミュニティの形成」
ックス研究会が開催されています。また、コアメン
(1)コアメンバーによる学習コミュニティ形成の試行
バーが中心となって、各参加校内で SNS 上に設置
(2)各組織の教員の 5 10%程度が参加したに学習コ
する学習コミュニティを組織しました。
-11-
学 習 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
◎2009年度
システムが本格稼働した2009年度は、特定テ
ーマに関する学習コミュニティの形成を目標に活動
しました。主要なものとしては、コアメンバーを中
心とした SNS や LMS の授業での活用、月に 1 回の
頻度で開催される F レックス研究会、国内外の学
会・シンポジウムへの参加・発表があります(活動
の詳細は、2009年度の報告書をご覧ください)
。
特に、特定テーマに関しては、第 7 回(9/25:敦賀
短大)で「e ポートフォリオ」
、第 10 回(1/29:仁
愛大)で「英語教育」
、第 11 回(2/12:福井工大)
で「情報基礎」に関する F レックス研究会が開催さ
れるなど、特定分野のコミュニティ形成に向けた活
動が始まりました。また、参加校の学生有志による
「学生間学習コミュニティの形成」を担当するチー
ム(学生チーム)が創設され、学生の視点に立った
コミュニティ作りが始まりました。
・教育システム情報学会第 35 回全国大会( 8 月:
◎2010年度
北海道大学)
2010年度は対面の会議を 5 月に開催した他、
・第 7 回地域 SNS 全国フォーラム in 掛川( 9 月:
主に学習チームが主催する研究会を 2 回実施しまし
大日本報徳社、掛川城)
た。各研究会の内容は以下の通りです。
・日本教育工学会第 26 回全国大会( 9 月:金城学
#第 15 回研究会:
院大学)
「テキストマイニングの利用法 」
( 5/27:福井県立
・平成 22 年度情報教育研究集会(12 月:京都府民
大)
総合交流プラザ 京都テルサ)
#第 17 回研究会:
・北陸三県合同フォーラム「戦略GP採択プログラ
「SNS におけるコミュニティ活動」
(11/4:福井工
大)
ムの成果と展望」
(12 月:石川県政記念しいのき
この他に、学習サポートシステム(e ポートフォリ
迎賓館)
・Moodle Moot Japan 2011( 2 月:高知工科大学)
オ)に関する研究会の創設にも取り組みました。
2009年 9 月の F レックス第 7 回研究会(敦賀
・第 8 回地域 SNS 全国フォーラム in 坂井「世代を
短大)にて、システムの利用に関する紹介が行われ
超えた新たな地域力の創造 若者や女性も活躍す
ましたが、コアメンバーの尽力によって、2010
るほやほや SNS を目指して 」
(3 月:みくに文
年 10 月に e ポートリオに関するシンポジウム(F レ
化未来館)
・第 7 回ネットワーク生態学シンポジウム(3 月:
ックス第 5 回シンポジウム)を開催しました。
蔵王ルーセント タカミヤ)
また、メンバーは、国内外の学会、研究会、国際
会議に参加し、F レックスに関する発表および、情
・教育システム情報学会2010年度特集論文研究
報収集を行いました。国内の学会で参加したのは、
会「実用的 e ラーニング環境の構築と運用」
( 3
以下の通りです。
月: 九州工業大学)
- 12 -
学 習 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
なお、F レックスが共催した「第 8 回地域 SNS 全国
られなかったことが原因であると考えます。今後は、
フォーラム in 坂井」では、学習チームのメンバーが
各テーマに関する小規模コミュニティの形成、つま
企画・運営にあたると共に、フォーラムにて F レッ
り、一部の参加校による共通テーマの発掘と WG
クスの活動を参加者に紹介し、地域 SNS の活動に
(ワーキンググループ)の形成を支援する組織づく
従事している人々から高い評価を得ることができま
りを F レックス内部で実現したいと思います。
した。国際会議については、以下の通りです。
・Educause Learning Initiative2011(2011年 2 月:
◎安全な公開の場としての F レックス利用の試行
2010年度の途中より、SNS のブログ等におい
Washington, D.C)
国際会議の報告については、SNS 等を利用して、他
て、映像コンテンツのアップロードが可能になりま
のメンバーと情報共有を行っています。
した。その後、ユーザによりコンテンツのアップロ
ードが始まり、映像を介した情報交換の活性化に期
待が持てます。また、F レックスの SNS では、元々、
2.2.4 2010年度の活動についての自己評価
2010年度の目標に沿って自己評価を行います。
ブログの公開範囲を 3 段階で設定できるので、ユー
◎各組織の教員の 20 30%程度が参加した学習
ザ側が画像や動画コンテンツの公開範囲を適切に指
コミュニティ活動
定し、またコミュニティ内の他のメンバーが注視す
2011年 2 月末現在、チームメンバーは 70 名
ることで、個人のプライバシーを守ることができま
前後で、F レックスの活動に参加しています。20
す。この点において、F レックスの基盤システムは
10年度時点での参加 7 校の教員数が 550 名前後で
「安全な公開の場」としての特徴を有しています。
あることを考慮すると、参加率は 13%であり、年度
今後は、授業等における SNS コミュニティでの映
当初の目標であった 20 30%程度の参加は達成され
像利活用、F レックス版「Who’s Who」や仮想文
ませんでした。各参加校に対する広報活動が十分機
化祭の施行など、映像を活用したコミュニティの形
能しなかったことや、特定分野に関する比較的規模
成に取り組む予定です。
の小さいコミュニティの形成が進まなかったことが
原因であると考えられます。前者の広報活動につい
◎SNS、LMS、e ポートフォリオを学習コミュニテ
ては、第 17 回研究会のように、教員や学生の区別
ィ形成に活かすための試行
なく参加し議論ができる場を増やす必要があります。
SNS に関しては、これまでと同様、盛んに利用さ
後者のコミュニティ形成については、教員によるコ
れていて、ブログは継続的に書き込まれていますが、
ミュニティの数が学生に比べてかなり少ない上に、
多くの SNS コミュニティには継続性の問題があり
コミュニティの継続性にも問題があります。教員の
ます。特に、授業のようなコミュニティでは、活動
基盤システム利用に対する支援体制など、教員によ
期間とメンバーの範囲が非常に限定的になり、大学
るコミュニティ形成を促進するような取組みを今後
間の連携につながらないという事例が観察されてい
検討します。
ます。一方で、既定の枠を持たないコミュニティは、
コミュニティの価値観に賛同するユーザが参加校の
◎各教科に絞ったFレックス研究会の開催
垣根を越えて参加しており、その活動は継続的でと
2010年度は、特定教科に関する研究会につい
ても活発ですが、これらの一部は「学びの場」とし
ては 1 度も実施されず、2010年 6 月に開催され
て機能していないように見受けられ、学習チームの
た「情報基礎教育」に関する F レックスシンポジウ
担う「大学間学習コミュニティの形成」との位置付
ムのみの活動に留まりました。参加校全体で共有で
けを改めて確認する必要があると考えます。
きる課題テーマが非常に限定的であったことや、学
LMS に関しては、学習チームメンバーを中心に、
習チーム内でこういった活動を支援する体制を整え
今年度、100 を超えるコースで利用されました。2
- 13 -
学 習 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
009年度が65のコースであったことを考えると、
ただし、今年度においては、目立った活動はありま
約 50%の増加ということになります。教員の LMS
せんでした。
に対する関心は比較的高く、学生や生徒にとっては
利便性の高いツールですので、日常的な利用支援体
2.2.5
制の整備に努めつつ、コアメンバー以外の利用拡大
3 年間の活動についての自己評価
3 年間の活動を次の 4 つの点で自己評価します。
を図る予定です。
(1)大学間学習コミュニティの形成
e ポートフォリオについては、2010年 10 月の
コミュニティの形成については、当初に設定され
F レックス第 5 回シンポジウムにおいて、e ポート
た各参加校におけるコアメンバーの擁立から、コア
フォリオの活用に関する紹介が行われました。この
メンバー以外によるコミュニティの形成まで、ほぼ
シンポジウムには、全国の e ポートフォリオに関心
計画通りに活動は進展しました。しかし、教員によ
のある研究者が多数参加しましたが、シンポジウム
る学習コミュニティの形成と活動が低調でした。一
終了後に、この参加者を主体とする e ポートフォリ
方で、学生によるコミュニティの形成は予想以上で
オ「Mahara」のユーザ会が発足するなど、F レック
あったと思います。ただし、コミュニティの継続に
ス参加校内での関心は高まりつつあります。また、
関しては、どの分野においても主要な課題の 1 つで
参加校の一部では、FD活動の一環として、e ポー
あり、コミュニティの拡大及び活性化に向けて、今
トフォリオ講習会の開催の他、学習履歴のキャリア
後更なる創意工夫に取り組む必要があります。特に、
教育への活用に関する議論が行われるなど、昨年度
継続性のあるコミュニティ活動を実現すべく、テー
と比較して、e ポートフォリオに対する期待は大き
マ作りと規模の調整を中心に改善を試みます。
くなっています。
(2)合同研究会の開催
合同研究会については、ほぼ月に 1 回程度の頻度
◎動画共有配信システムによる学習コミュニティの
で開催することができましたが、最終年度において、
試行
様々な教科に関する研究会の開催が停滞ぎみであり、
2010年度前期に、基盤チームの尽力により、
先にも述べたように、一部の参加校による共通テー
映像収録システム「MediaSite」が導入されて以降、
マの発掘を行い、それらに関する WG の活動を促進
動画共有・配信に関する情報交換が活発に行われる
して、より多彩な研究会の開催を実現し、結果とし
ようになり、SNS 上に「授業収録・配信システム活
てコミュニティの更なる活性化につながればと考え
用」
、
「TV 会議・Web 会議・授業収録システム運用」
ています。
のコミュニティが創設されました。また、第 19 回
(3) SNS、LMS、e ポートフォリオの活用
これらのシステムの利用に関しては、推進協議会
研究会において、映像収録や配信をテーマとする報
並びに基盤チームの尽力によって、ほぼ計画通りの
告があり、その後、各参加校において活用に関する
活動が行われたと思います。
協議・検討が行われました。導入されたシステムは、
SNS や LMS に関しては、年度当初より使用実績
インターフェースが非常に優れていて、第 19 回研
が増えていて、2011年 2 月末現在、SNS に関し
究会以降の研究会やシンポジウムでは、この映像収
ては300 を超えるコミュニティ、
LMS については100
録システムが実際に使われています。今後、このシ
を超えるコースが設置されています。また、201
ステムの活用が一層盛んになると予想されます。
0年度に導入された機能により、画像や動画コンテ
ンツの蓄積が容易になったことを踏まえると、これ
◎単位互換制度情報の一元化
らのシステムの利用頻度は一層高まると予想されま
単位互換制度に未加入であった参加校の一部で、
す。e ポートフォリオについては、当初の利用が極
2011年度からの参加の意向が出ていて、今後、
めて少なかったものの、学習チームメンバーによる
情報一元化に向けた活動が本格化する見込みです。
- 14 -
学 習 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
広報活動の結果、e ポートフォリオに関するシンポ
来から存在した単位互換制度をより活かすための取
ジウムの開催やユーザグループ会の結成が行われる
り組みであり、TV 会議システムや LMS を用いた単
など、e ポートフォリオに対する認知は急速に進ん
位互換制度の授業を近い将来に実現したいと考えて
でいます。一部の参加校では、FD活動の一環で使
います。
用するという計画が挙がっており、今後の展開が非
常に注目されます。そ一方で、システムの多機能化
と共に、日常的な支援体制が急務となっており、こ
の点に関する継続的な議論が重要です。
2.2.6 2011年度の目標と活動について
2011年度の大きな目標は、
「多彩な学習コミ
ュニティを形成する」こととします。2010年度
に達成できなかった、各教科に関するコミュニティ
の形成を目指すと共に、新たに導入された機能を活
用して、従来とは異なる授業や学習形態を試行しま
す。また、各参加校の共通テーマとして、新たに「キ
ャリア教育」に着目し、FDチームと共に、参加校
におけるキャリア教育に資する活動を実施します。
大きな目標をブレークダウンした、具体的な目標
は、以下の 6 項目です。
(1)各組織の教員の 20%程度が参加した学習コミュニ
ティ活動
(2)各分野に関する WG の形成と運用試行
(3)年 4 回程度の学習チーム主催共同研究会の実施
(4)システム上での映像コンテンツを利用した授業イ
ベントの実施
(5)各種情報システムの利用支援体制の充実
(6)単位互換制度情報の一元化
目標(1)は、昨年度の目標から下方修正し、より現実
的な数値を設定しました。目標(2)に関しては、参加
校による部分的連携を模索するものであり、この成
果は今後の学習コミュニティ拡大の試金石となりう
るものと考えます。目標の(3)に関しては、学習チー
ムの活動を他チームや各参加校に周知するために必
要と判断しました。目標(4)については、2010年
度から導入された新しい機能を実践で使用すること
により、新たな授業方法を F レックス全体で検討で
きればと考えています。目標(5)は、目標(1)の達成
には必要不可欠であり、有効な策を講じたいと考え
ています。最後の目標(6)は、昨年度に引き続き、従
- 15 -
FDチーム(2010年度)
2-3
FDチーム
動の重点課題を以下のように設定し、方針の修正を
2.3.0. 2008年度、2009年度の活動
しました。
各年度毎にまとめを行ない報告しているので、取
2009年度報告より抜粋
り組みの詳細は省きます。成果と課題の部分で、3
「重点項目を示します。
年間を通して総括的に述べます。
(1) 学生理解・学生支援のための協同の取り組み
・共通の学生動向調査を実施することを検討
2.3.1. 今年度のFDチーム
(2) 学習評価と成績について、
「学士力保証」とも
以下のメンバーで活動を進めました。
関連させた調査・研究
福井県立大学 本田 和正
・シラバス作成や試験と成績評価の仕方、GPA の導
福井県立大学 境 宏恵
入などについて実態の調査
福井工業大学 島田 幹夫
・学習成果の評価に関する研究会
仁愛女子短期大学
内藤 徹
(3) 公開授業と授業改善のための協同の取り組み
仁愛女子短期大学 藤原 正敏
・学校横断的な公開授業と授業検討会の開催
(サブリーダー)
・授業をビデオ化して参観するなどの形態
敦賀短期大学 北野 皓嗣
(4) F レックスとしてのFD合宿の実施
仁愛大学
山田 晴美
・スキルアップ講座と研究会を組み合わせて実施
仁愛大学
森 俊之
(5) 課題別FDの推進のための組織作り
福井医療短期大学
山本 達
・初年時教育や教科教育の改善あるいは学生支援等
福井医療短期大学
木田 章
の調査研究を進める上で小グルーブやワーキンググ
福井工業高等専門学校 坪川 武弘
(チームリーダー)
福井工業高等専門学校 江本 晃美
福井大学
ループを F レックス内に設けて今後の継続的なFD
活動の組織化をはかりたい。次年度はそのためのき
っかけを作りたい。
」
西川 嗣雄
(オブザーバー)
2010年度の目標の再設定
(1) 相互研修型FD活動の推進
2.3.2. 活動目標
2008年 10 月に今後 3 年間の活動目標を定め
・FD関係の課題別研究の共同実施と共通アン
ケート等の検討(学生理解と学生支援)
ました。全体の目標と2010年度の目標は以下の
・公開授業等の授業改善活動の推進
ようにしました。
・カリキュラムと成績評価に関する研究の推進
・継続的な課題別研究会の組織化
3 年間のFD活動の目標
(1) 連携校間および各教育機関内における相互
研修型FD活動の推進
(2) 各校のFD活動の経験交流と共同の取り組
みによる教育改善活動の連携
(3) 国内外の優れたFD活動の調査と紹介およ
びFD資料の蓄積
(2) FD/SD 活動での地域・企業をまきこんだ連
携の模索と今後の方向性の検討
・ネットワークを利用したFD活動の推進
(資料の蓄積と公開、学校を超えた議論の場の
提供)
・地域・企業を巻き込んだ高等教育に関する議
論の開始と促進
・SD 活動についての研究の着手
2009年度の活動のまとめから2010年度の活
-11-
F D チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
2.3.3. 今年度の活動
リ化しがち、(3) ICT の活用をどうしているか、が
FDチームの会合を次のような日程で開催しまし
上げられました。福井県立大学の津村文彦先生の「東
た。
南アジアの文化と社会」(2009年 7 月 1 日 1 限
第 1 回 3 月 30 日(福井工業高等専門学校)
目開講 共通講義棟 L101 にて)を合同公開授業とし
第 2 回 5 月 10 日(仁愛大学)
て引き受けていただきました。
第 3 回 6 月 14 日(仁愛大学)
この授業では間接参観も実現するため、コミュニ
第 4 回 7 月 15 日(福井県立大学)
ティー推進委員に授業のビデオ録画をしてもらい、
第 5 回 10 月 18 日(仁愛大学)
ネットを通じての参観を実現しました。時間的・場
第 6 回 11 月 22 日(仁愛大学)
所的な制約のため直接参観できなかった人のために
第 7 回 2011 年 2 月 22 日(仁愛大学)
も機能的でした。
半月後の 7 月 15 日に開催した「公開授業研究会」
また、大きな行事として
では指定討論者(3 名)からの問題提起を受けて活発
(1)
な討論が展開されました。とりわけ大人数の講義で
合同公開授業と授業研究会(福井県立大学
にて 7 月 1 日津村先生公開授業 7 月 15 日研究会)
どのように学生に授業に集中させるかや、資格取得
(2) 「学生理解のためのアンケート」の実施(6
と直接結びつくような講義とのちがい、ひいては知
月上旬)
識伝達型の授業と問題考察型の授業との違いと共通
(3) F レックス合宿研修会(9 月 3-4 日 池田町
点などが議論されました。また、授業での ICT の活
冠荘)
用についても議論がありました。
(4) 「学習評価・GPA、学士力保証」研究会(2 月
研究会参加者の意見としては、
「合同の公開授業
4 日仁愛女子短期大学 第 20 回 F レックス研究会)
とその研究会は各校の独自の公開授業の限界を越え
(5) Fレックスニュースレター第4号にてFD特
る刺激的なものであった」というのが多くありまし
集
た。また、ビデオ録画による間接参観の可能性も大
を開催しました。
きいことが指摘されました。現在何名かの先生が自
分の講義風景を録画することを試みておられます。
2.3.3.1 FDチームの会合について
ただ学校を越えて公開してもよいという授業者が
今年度は、2009年度のまとめの中から出てき
多く出てくるような「文化」を生み出す努力が今後
た豊富な課題を実施していくために、対面会議を多
必要でしょう。
数開催しました。この会議では、企画案の策定とと
もにその背後の理論的な部分についてもかなり議論
2.3.4.2 「学生理解のためのアンケート」
しました。そのことが企画そのものを深める上で重
現在の学生は「ゆとり世代」として小中高指導要
要であったと考えられます。
領の大きな変化の波の中で育ってきています。その
中で従来の教育方法ではうまく行かない、効果が上
2.3.4 企画のまとめ
がらないという指摘が広くなされています。では実
2.3.4.1 合同公開授業と授業研究会
際の学生はどうなのか、それを知る必要があるので
F レックスとして始めて合同の公開授業を持ちま
はという意見があり調査を考えました。この面で学
した。公開授業そのものは各校で独自に開催されて
生理解の重要性を強く説いておられる溝上慎一氏
います。大学を越えての公開授業を持つことにはど
(京都大学高等教育研究開発推進センター) が行っ
のような意義があるのかを検討しました。その中か
ておられる学生アンケートを福井県内で一斉に実施
ら共通の課題として (1) 大人数講義での授業の工
することを決めました。溝上氏は全国的なデータと
夫はどうしているのか、(2) 独自公開授業がマンネ
の比較では 11 月に実施するのが最もよいとのこと
- 17 -
F D チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
でしたが、合宿研修には議論したいということもあ
関としては多くの議論点があります。2011年 2
り、6 月に実施することにしました。2010年の
月 4 日に関係する研究会を開催しました。GPA 導入
6 月上旬に、福井県立大学、福井工大、仁愛大学、
の先進的な事例として、圓月勝博氏 (同志社大学教
仁愛女子短大、敦賀短大、福井工業高等専門学校の
務部長) を招いて基調講演をお願いしました。その
学生合計約 860 名にアンケートを行いました。この
後、GPA を導入している福井工大の事例を島田先生
分析を依頼しました。
から紹介いただき、各校の成績評価などについて簡
溝上氏からは、2 つのライフから見て福井の学生
単に報告を受けました。
がどのような状況なのかを詳しく分析してもらいま
成績評価方法や GPA 導入をどう考えるのかについ
した。
「良く学びよく遊ぶ」タイプは見いだされた
て議論の出発点となりました。
が、将来展望が弱すぎるとの指摘があり、大きな宿
題となりました。今後の展開を、
「キャリア教育」
との関連で行うこと、定点観測がこれからも必要で
あろうとFDチームでは分析しています。
2.3.4.3 F レックス合宿研修会
第 1 回 F レックス合宿研修会を2010年 9 月 34 日に福井県池田町の冠荘で開催しました。池田町
は山間部の町で風光明媚な所です。この合宿の狙い
図 1. 合宿研修会
は、(1) 十分な時間をかけた研究会の開催、(2) 初
年時教育と学生理解についての意見交換、(3) スキ
ルアップ講習会、(4) 参加者の交流、です。7 校か
2.3.5 3 年間の成果と課題
ら約 30 名の参加の参加を得ました。内容は次のよ
2.3.5.1 成果
うに 3 研究会としました。
主な成果としては次の 3 点を指摘することができま
研究会 1「初年次教育、ポートフォリオの取り組み」
す。
報告 島田 幹夫 氏 (福井工業大学)
(1) 各校独自のFD活動の振り返りができ、県内・
本田 知己 氏 (福井大学)
全国の状況との比較ができ、前進のための多くの刺
研究会 2「アンケートから見る福井県の学生の特徴」
激やヒントを得ました。またFD担当者の後押しと
溝上 慎一 氏(京都大学高等教育研究開発推進セン
もなりました。
ター)
(2) 単独では困難な研究会やシンポジウムを共同で
研究会 3「スキルアップ講座 プレゼン能力の向上
多数開催することができました。そのなかから、教
を目指そう」澤崎 敏文 氏 (Fレックスコミュニ
育改善の現状と課題が明確になってきました。
ティ推進員)
(4) SNS 上での議論と情報交換、研究会・合宿等を
参加者のアンケートでは、ほとんどが満足をしてい
通じての対面の議論と交流を持つことが出来ま
ました。
した。教育改善をきちんと議論できる人的なネ
ットワークが形成されてきました。
2.3.4.4 「学習評価・GPA、学士力保証」研究会
高等教育機関の「出口管理」として学士力保証を
2.3.5.2 課題
求める動きが顕在化しています。学習をどう評価す
主な課題としては次の 3 点をあげます。
るのか、成績評価はどうしているのか、国際的な基
(1) 高等教育をめぐる課題と問題点などは議論して
準を鑑みて GPA の導入を図るのか、など高等教育機
きましたが、実際の改善活動へ結びつく提案などが
- 18 -
F D チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
不十分です。課題の掘り下げと実現可能な提案の作
携の模索と今後の方向性の検討
成や成功例作りが求められています。
・ネットワークを利用したFD活動の推進
(2) FDをめぐる教職員間のネットワーク作りが中
(資料の蓄積と公開、学校を超えた議論の場の提
供)
心となり、高校・企業・地域などの高等教育を取り
・地域・企業を巻き込んだ高等教育に関する議論
巻く人たちとの教育改善の議論が組織できていませ
の開始と促進
ん。高等教育は閉じていないので、キャリア支援教
・SD活動についての研究の着手
育等を通じた「一貫教育化」をする時代になってい
ます。また、FD連携への教職員の参加もまだ十分
ではありません。
2.3.6.3 2011年のFD活動の方針など
(3) SD 活動については手つかずの状態です。教員間
(1)
研究テーマとしては、1)キャリア教育のあり
ネットワークの中にいっしょに参加して進めること
方と学生理解・学生支援、2) 公開授業などの
を追求すべきです。
授業改善として、ビデオを用いた授業録画と
公開、3) 学習評価、学士力保証、をあげます。
(2) 第 2 回 F レックス合宿研修会を、
「キャリア教
2.3.6. 今後の方針
2.3.6.1 これから 3 年間の目標
育を考える」
、
「PISA が提起した学習観」など
今後 3 年間(程度)の方針として「相互研修型FD
をテーマとして企画します。
の推進」を基調として以下の目標を設定します。
(3) 学生理解アンケートの継続を検討します。
(1)【各校のFD活動】各教育機関における、実情
(4) FDチームの会議を定期的に開催します。
に応じたFD活動の独自の創造的な展開
(2)【協働のFD活動】県内の高等教育機関相互の
FD活動の交流と協働による教育改善活動の推進
(3)【他との連携】高等教育機関をとりまく、関係
教育機関・企業・地域との教育改善をめざす連携の
追求
(4)【FD資料の蓄積】連携機関のFD資料などの
蓄積と国内外の優れたFD活動の調査と紹介
(5)【人的連携の環】FD活動推進の人的ネットワ
ークの構築
2.3.6.2 2011年度の目標
2010年度のまとめを参考に、2011年度の
重点課題を次のように設定します。
(1) 相互研修型FD活動の推進
・FD関係の課題別研究の共同実施と共通アンケ
ート等の検討(学生理解と学生支援)
・公開授業等の授業改善活動の推進
・カリキュラムと学習評価に関する研究の推進
・継続的な課題別研究会の組織化
(2) FD/SD活動での地域・企業をまきこんだ連
- 19 -
F D チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
FD活動の実態
FDの歴史
FDの組織
授業公開
福井県立大
学
2002年F
Dワーク委
員会
教育・学習
支援チーム
各部局の裁
量で実施
前期・後期
の年2回実
施
講演会、セ
ミナー等実
施
報告書
研修会等
(企画者の
裁量によ
る)
福井工業大
学
2001年F
D推進委員
会
FD推進委
員会
授業公開・
見学制度
前期・後期
に計年4回
実施
各種の研修
会,講演会
の実施
FDコミュ
ニケーショ
ン4回、報
告書
研修会など
を公開
FD委員会
公開授業週
間を設定
(公開と参
観)
前期・後期
に中間(記
述)と期末
(マークと記
述)の年4
回実施
FDシンポジ
ウム、各種研
修会の実施
報告書(「仁
愛女子短期
大学のF
D」)
FDシンポ
ジウム、講
演会
FD委員会
制度化され
ていないが
2009年
度より実施
前期・後
期、全科目
実施
実施
専任教員に
対し講義の
良い点・悪
い点を調査
まだ取り組
んでいない
公開授業週
間を設定,
各科年1名
の義務的公
開授業
前期・後期
の年2回実
施,報告書
は学内のみ
公開
各種講演
会,研修会
の実施
報告書
FD研修会
はF レック
スに公開し
ている
(未実施)
中間調査と
学期末調査
学科内FD
研修,講演
会
報告書
学内研修:
FD講演会
は学外にも
オープン
各学部で実
施
各学部で各
種研修会,
FD講演会
等
その他全学
的なFD実
施予定
各学部で随
時作成
全学的なも
のは他校に
オープン
(一部学部
開催もオー
プン化)
仁愛女子短
期大学
2000年4月
からFD委
員会
敦賀短期大
学
2002年よ
り自己点検
活動として
福井工業高
等専門学校
2001年に
自己点検・
評価委員会
として
創造教育開
発センター
仁愛大学
2003年に
自己点検委
員会として
FD推進委
員会
2003年に
各学部FD
委員会とし
て
各学部FD
委員会,
高等教育推
進センター
FD・教育
企画部門
福井大学
(オブザーバー)
授業アンケート
医学部で実
施
- 20 -
研修会等
報告書等
他校への企
画のオープ
ン化
参加校
地 域 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
2-4 地域チーム
をキーワード検索して一覧できるシステムを構築する
ことでした。参加校の公開講座の情報収集、案内方法、
2.4.1 構成員
講座の分類法、担当者などの違いを知りました。検索
10 名(教員 7、事務員 3)体制で発足、途中参画 3、
に使うキーワードの選定、画面に表示する項目、デー
転勤や異動による辞任 4(既メンバー)を含めのべ 17
タの入力時期や方法等について熱心に議論しました。
名。この他、他チームの 2 名の協力を得ました。
半年後の2009年3月にシステムを完成させ、200
リーダー
菊沢 正裕(福井県立大学)
9年前期にチームメンバーによる利用実験と画面等の
サブリーダー 北野 皓嗣(敦賀短期大学)
改善を行った後、後期から公開による試行実験を行い
メンバー 舟木 紳介(福井県立大学2009.2
ました。そして2010年前期より本利用に入ってい
)
、羽木 秀樹(福井工業大学)
、池田 俊彦(同20
ます。
10.4 )
、江藤 浩一(同2010.4 )
、森 俊之(仁
2010年前期にシステムの案内ちらしとアンケー
愛大学)
、内山 秀樹(仁愛女子短期大学)
、河原 辰樹
ト調査票を公開講座の各教室に排置しました。Fレック
(敦賀短期大学)
、森 芳周(福井工業高等専門学校)
、
スと公開講座のシステムの知名度は3割程度の学校もあ
津田 良弘(福井工業高等専門学校2009.4 )
、石
れば殆ど知られていない学校もありました。調査対象
田 圭二(福井医療短期大学2010.4 )
、國兼 充代
者が比較的高い年齢層や既受講生であることが低知名
(同2010.4 )
度、低利用率の原因と思われました。システムの使い
既メンバー 乙黒 亮(福井県立大2008.9 20
勝手が悪い、遅い等の意見がありました。一方、Fレッ
09.2)
、柏 正信(福井工業大学、2008.9 20
クストップ画面に置いたタグから公開講座サイトを訪
10.3)
、恐神 正博(福井工業大学2009.4 20
れた延べ数は半年で1万件程度ありました。また新規受
10.3)
、小寺 光雄(福井工業高等専門学校2008.9
講生、若い受講生の獲得にのこのサイトは有効ではな
2009.3)
いかと考え、2010年10月にシステムの改善に踏み
協力員 篭谷 隆弘(仁愛大学)
、マイク・ヨコハマ(コ
切り、2011年2月に機能や画面を一新しました。
ミュニティ推進員)
2.4.2 活動目標
「個性的な地域創生のための学習コミュニティを基
礎とした仮想的総合大学環境の創造」のために地域チ
ームが目標とした活動は次の2つです。一つは、7つ
の機関の教育資源を「一つの総合大学」と同じように
地域の人が享受できる仕組み、すなわち各校の公開講
座を一元化する事業です。もう一つは、「個性的な地
域創生のための学習コミュニティ」の形成や運営の方
法を探求する地域活動事業です。この事業では、F レ
ックスメンバーと地域住民が一緒に学習する場を新規
公開講座システムのトップ画面
につくること、およびコアメンバーが主宰する既存の
地域活動を、F レックスと関わりを持たせて発展させ
新規地域活動として、Fレックスメンバーが在福外国
ること、を目標に取り組みました。
人と多文化交流する事業に取り組みました。チームメ
ンバーの1人(社会福祉学科教員)の専門性(多文化ソ
2.4.3 活動内容と成果
ーシャルワーク)を活かしたものです。2007年に福井
地域チームが真っ先に始めたのが参加校の公開講座
県が実施した在福外国人アンケート調査結果によれば、
- 21 -
地 域 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
多くの在福外国人は、日常生活基盤としてのICT利用
する環境学習のための「エコカレッジ福井」活動を取
度の高さを示す一方で、日本語のみによって構築され
り上げました。運営委員10数名、学習者等関係者100
ているICTを活用したバーチャルコミュニティには接
名を超す活動体です。運営委員、学習者、同窓会等にF
続の問題のみならず、参加してからのコミュニケーシ
レックスのSNSを利用して頂き、Fレックスメンバー
ョン方法においても様々な困難があることが推測でき
と交流する試みを1年余続けましたがICTの壁は高いも
ました。そこでFレックスに参加する学生および教職員
のでした。Fレックスのサイトに地域の方を呼び込むに
が在福外国人とのICTを活用した学び合いを通して、
は、PRや勧誘だけでは難しいと考え、2年目以降、魅
外国人が日常生活で抱えるICT利用の困難を理解し、
力あるコンテンツ作りを始めました。
さらにお互いの文化・言語の相違を学びあう双方向的
エコカレッジの授業(野外学習や、200人が集まる活
な「多文化学習コミュニティ」を形成することをめざ
動報告会を含む)をLMSに取り込み、エコカレッジ福
して、
「外国人のための日本語パソコン学習会」を企画
井の受講生および、カレッジに参加できない若い現職
しました。福井県国際交流協会との協働事業として実
層に教材を提供したいと考えています。現在、30以上
施した学習会には、2名から10数名の外国人(国籍:中
の講義が収録されています。LMSとSNSを連結させて
国、ブラジル、フィリピン、ベトナム、タイ、スリラ
おり、遠隔学習者と対面学習者が交流の先に、環境行
ンカ、年齢:15歳から50歳)および学習をサポートす
動を共にするようになることを期待しています。
る学生および教職員が数名参加して、2009年6月か
ら2010年9月にかけて計10回(単発、連続講座、地
域を変える等の3形態で)実施しました。
日本語パソコン学習会の模様
2010年11月には一般市民(外国人への日本語指
導の専門家が参加)を交えた研究会で総括しました。
外国人参加者のニーズが充分に高い一方、サポートす
る側の学生のリクルートが難しいこと、リクルートや
企画に携わる教員が少ない事が課題でした。そのため
福井市と鯖江市の2か所でしか実施できず、今後参加校
の地域で開催してゆくことが課題です。
エコカレッジ授業をLMSに搭載
その一方、実際に参加した学生や教職員は、外国人
へのICT支援のボランティアを体験できたことだけで
もう一つの既存の地域活動として、チーム員の1人が
なく、お互いの文化・言語の相違を学びあう貴重な時
主導してきた福井市森田地区のまちづくり支援活動を
間を共有できたと語っています。また、日本語パソコ
取り上げました。活動の一環として、情報の共有、コ
ン学習会は芸術文化や映像制作の領域で、また新たな
ミュニケーションの活性化を目的にICT(特に地域
地域での外国人支援プロジェクトにつながっています。
SNS)の活用を促進すべく、2年目に関係者への説明、
既存の地域活動の一つとして、チーム員の1人が主宰
デモンストレーションなどを行いました。しかし、地
- 22 -
地 域 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
域のまちづくり団体の中核メンバーは上記の「エコカ
カレッジ福井では、LMSがなくてはできない教材や映
レッジ福井」以上に高齢化しているのに加え、ネット
像のアーカイブ機能を利用するにとどめました。今後、
へのアクセス環境や意識も乏しい状況でした。加えて、
時代が進む中で、あるいは若い層が参加する中で、そ
地域の要である公民館のSNS等への接続が制限されて
れらが有効になると考えます。
いるため、当初描いていた、地域− 学生− 教員をSNS
(4) 地域連携事業に求められる要件と一つのアイデア
で結ぶネットワークを確立できない状況にあり、ICT
要件の一つはチームメンバー全員が役割をもつ活動、
の壁は上記団体以上に高いことを実感せざるを得ない
二つ目に大学連携が不可欠な活動、三つ目にSNSなど
状況です。今後、時間の経過とともに、ICT世代の地
ICTが役に立つ活動であることです。事業自体は活発
域のまちづくりへの参画が期待されるので、長い目で
に展開されましたが、Fレックスのメンバーが積極的か
SNS等への参加を促していきたいと思います。
つ日常的に関わることが難しく、また各々の事業に大
学連携の利点を活かす場面が少ないうえに、ICTの壁
もありました。その点で、公開講座事業以外、取り上
げた事業に合格点を出せませんでした。
SNSやLMSに魅力的なコンテンツを作れば、地域
SNSのように活動がより活発に展開されたかも知れま
せん。終盤になってそのことに気付き、次の事業を開
始しました。それは、福井市に多数ある小河川の水生
生物調査を行い、その結果をSNSの地図上に掲載し、
もりた夢駅『夏物語』
情報共有と交流を行うものです。今回の経験があって
こそのアイデアだと思います。
(5) 反省をこめて
公開講座事業は各機関の責任分担があり全員が動き
2.4.4 自己評価
ましたが、他の事業はリーダー任せになりがちでした。
(1) 公開講座事業
コアメンバーのうち教員は各自の専門性を活かすプロ
目標を達成し、情報入力等の維持管理に入ります。
ジェクトを考え、事務員は業務の枠を超えた活動に興
(2) 在福外国人と学生が多文化交流する事業
味を抱く工夫をする、学生や教職員と比べ経験等が非
道半ばですが、時間をかければ広がってゆく手ごた
均質な地域の人々と連携するにはキーパースンを発掘
えを感じました。最初ボランティアで参加した学生や
する、などの点が重要であったと思います。
教員も,得るところ大と感じ,その後何度も参加して
います。外国人のニーズも高いので、日本人にとって
も魅力的なテーマで事業展開すれば多文化学習コミュ
2.4.5 地域チームの解消
ニティが広がると思われます。
3 年間行ってきた地域チームの活動のうち、公開講
(3) 既存の地域活動をFレックスに展開する2事業
座一元化事業は単位互換事業を扱うチームに移行し、
これも道半ばです。地域の人々にとってSNSや LMS
地域活動事業は個別のプロジェクトとして F レックス
を使うことの壁は相当に高いものでした。地域SNSの
の新たな枠組み(WG など)に組み込むことによって
ように、学習コミュニティにこだわらず美味しいレス
地域チームを解消します。そして、F レックスが本来
トラン情報や地域のイベントを通じた出会いの場とす
果たすべき地域との連携機能とは何かを改めて考え、
ることから始めると3年間で広がりを出せたかもしれま
その必要性を確かめてから「新地域チーム」を発足さ
せんが、Fレックスの「学習コミュニティ形成」の精神
せることにしました。
や大学の使命からはずれることを危惧しました。エコ
- 23 -
地 域 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
活動関連文献
Funaki, S. (2010) Creating Multicultural Learning Communities through Infomation and Communication Technology -A case Study of a Computer Study Group for
Immigrants in Japan, 2010 Joint World conference on
Social Work and Social development
菊沢正裕 (2010) 社会人向け環境教育システムの設計,
教育システム情報学会第 35 回全国大会講演論文集
- 24 -
基 盤 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
2-5
基盤チーム
2008年度
各システムの仕様検討を行いました。主なシステム
2.5.1 構成員
は SNS(OpenSNP)
、LMS(Moodle)
、e-Portfolio(Mahara)
、
F-LECCS の基盤チームは、各組織の ICT 基盤に関わ
ポータル(NetCommons)テレビ会議システム(Polycom)
る教員から構成され、本取り組みの実施にあたり必要
などです。また必要となる関連業者の選定とカスタマ
となるネットワーク接続や各種 Web システムの構築な
イズ・設定の検討などを行いました。
どについて検討・調整などを行います。なお、必要に
その後システムのテスト運用を開始しました。その
応じ、その実装に必要となる事業者とも調整を行いま
ためにまず FISH(福井情報スーパーハイウェイ)を利
す。その構成員は以下の通りです。
用する IP アドレスの割り当て行い、その後 Web サービ
(※は本年度より)
スへのユーザ登録を行いました。
◎リーダ 篭谷 隆弘(仁愛大学)
2009年度
◎サブリーダ 徳野 淳子(福井県立大学)
各 Web サービスの本格運用を開始しました。しかし、
◎メンバー
統一認証(CAS の導入、各大学認証システムとの連携)
山川 修(福井県立大学)
については、カスタマイズの遅れから、実運用は後期
池田 岳史(福井工業大学)
から開始しました。
大熊 一正(福井工業大学)
また各 Web サービスの改良を行っていきました。SNS
北野 皓嗣(敦賀短期大学)
にはユーザの要望などに対応して、多数の改良を行い
入澤 学(敦賀短期大学)
ました。LMS には日付表示や日本語ファイル名への対
平塚 紘一郎(仁愛女子短期大学)
応を行いました。
また2009年度からテレビ会議システムの利用が
田中 洋一(仁愛女子短期大学)
斉藤 徹(福井工業高等専門学校)
日常化し、基盤チームメンバーが中心となって、研究
奥田 篤士(福井工業高等専門学校)
会での機材の準備などを行ってきました。一部不具合
内藤 岳史(福井工業高等専門学校)
などがあったので安定運用に向けての試行錯誤を繰り
清水 幹郎(福井工業高等専門学校)
返しました。
大野 史博(福井県立大学)
高島 良美(福井医療短期大学)※
2.5.4
石田 圭二(福井医療短期大学)※
2010年度の活動目標
2010年度当初に定めた目標は下記の通りです。
(1) 講義録画配信システムの導入と運用
2.5.2 活動目標
(2) 各 Web サービスのバージョンアップ
(3) 各システムの安定運用
本チームの全体的な目標は以下の通りです。
(1)ICT システムの構築
(4) 公開講座情報・単位互換情報の閲覧システムの開
(2)ICT システムの運用
発(年度途中より計画)
(3)システムプログラムの改変・成果物などを学会・オ
2.5.5 2010年度の活動内容
ープンソース開発コミュニティに還元
2010年度の活動内容を挙げます。
2.5.3 前年度までの活動
(1) 講義録画配信システムの導入と運用
2008年度および2009年度の活動内容は以下
各校では教育力向上を目指して様々な講演会なども
の通りでした。
行われていますが、その内容をリアルタイムやアーカ
イブとして他校へも配信するために講義録画配信シス
- 25 -
基 盤 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
テム(Mediasite:配信サーバ1台、レコーダ 2 台)を
導入しました。従来は、コミュニティ推進員によりビ
デオで撮影した映像を PC を用いて取り込みデータの圧
縮をするなどしてそれを LMS 上にアップロードするこ
とにより記録していましたが、非常に時間と手間のか
かる作業でした。今回のシステムを導入したことで、
講演時の講演者が用いるスライド資料を中心にビデオ
映像を手軽に記録することが可能となりました。また
その圧縮は即時行われるので、講演後は簡単な編集と
サーバへのアップロード程度の作業ですみ、各校の教
(2) 各 Web サービスのバージョンアップ
員での作業が可能となりました。また、閲覧は Web ブ
ラウザを通じて行うことができ、また内容に応じて自
F レックスの基盤システムは図のような構成をして
校内・F レックスメンバー向け、一般公開など配信範
おり、これまで日常的な学習を支援する Web サービス
囲を限定することも可能です。
として SNS,LMS,e-Portfolio をシングルサインオンで
連携させて利用しています。
導入にあたっては、まず年度当初、国内で主に利用
されている2社のシステムを比較することから始めま
した。両社それぞれにデモンストレーションを行って
もらい、それをもとにチームで比較・議論しました。
最終的にシステムの安定性や利用時の容易性などを考
慮し Mediasite のシステムを決定しました。仕様の決
定を行い 8 月に入札が行われサーバの設定後 9 月から
実運用に入りました。
各校の会場で利用するレコーダは 2 台であるため、
講演などの開催に併せて各校を移動させる必要があり
オープンソースのシステムで構築されているこれら
ます(普段は福井県立大学と仁愛大学にて保管)
。その
を本年度もカスタマイズやバージョンアップし、利用
ため、SNS 上にコミュニティを設けその運用に必要と
者の利便性を向上させてきました。大きな改善点とし
なる予約・利用後のデータの配信状況の連絡などを行
てはまず、SNS の動画投稿対応です。これまで SNS で
うこととしました。
のブログ投稿には、文章の他に写真や文書ファイルを
すでに、これまでFD関連講演や研究会、シンポジ
添付することが可能でしたが、動画については、投稿
ウムなどの記録・配信に利用されています。また今後
者独自で外部の動画サーバ(例えば YouTube など)に
授業改善などを目的に授業の記録なども計画されてい
動画を投稿し、そのリンクを埋め込むことしかできま
ます。これにより県内高等教育機関全体での質の向上
せんでした。今回の対応では F レックス独自の動画配
を目指すことが容易になりました。
信サーバを設置することで、外部へデータを置くこと
なく、F レックス内で公開することが可能となりまし
た。このことで、学生が日常的な学内外の活動を動画
として記録しそれを他の学生に公開することが可能と
なりました。またすでに人物紹介や授業での作品など
が投稿され、活用されています。
- 26 -
基 盤 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
は各校が独自に行なえるようになっています。さらに
同様のシステムを福井県の大学間で実施している単位
互換制度の授業科目情報共有としても利用できること
から、同一システムを流用して用いることとなりまし
た。
その他 SNS では、全文検索への対応や投稿ランキン
グ対応などを含め、開発本流のバージョンアップに対
応させました。
2.5.6
LMS として利用している Moodle については、基本バ
2010年度の活動についての自己評価
ージョンのアップデートに加えて、主なカスタマイズ
着実に、システムの改善を継続することができまし
として携帯電話対応(Moodle Lite)を行いました。こ
た。利用が日常化した SNS や LMS は既に F レックス参
れにより学生は普段利用する携帯電話より LMS の授業
加者にとって必要不可欠なものとなってきています。
毎のコースページにアクセスし、フォーラムへの書き
そしてその利用者数も増加してきています。
込みやアンケートへの回答が行なえるようになりまし
しかし一方で発生した問題点として、1つめは LMS の
た。また出席確認を携帯電話を用いて行うことも可能
不定期なトラブルがありました。授業時に利用出来な
となりました。今後の Moodle Lite のバージョンアッ
いと大変困ることになるので、極力起こらないよう情
プでは小テストへの対応も予定されていることから、
報収集が必要ですが、それでも障害は突発的に起こる
教員が出題する確認テストなどに場所を問わす解答す
ものなので、迅速な対応が必要です。そこで、今年度
ることが可能となります。現在 Moodle はオープンソー
利用する教員間および業者との緊急連絡網を作成しま
スコミュニティにおいて 2.0 が発表されており、今後
した。またもう一つ発生したトラブルとしてはテレビ
そのバージョンへ対応していくかどうかの検討を行っ
会議システムの MCU が故障した点です。これについて
ています。
は業者に依頼し修理までの期間、代替機で対応するこ
ととしました。
コミュニティ推進員が不在となる来年度以降、録画
(3) 公開講座情報・単位互換情報の閲覧システムの開
発
記録等を各校である程度できるように、講義録画配信
地域チームが中心となって進めている、各参加校で
システムの運用を軌道にのせることができました。ま
開催される公開講座を一元管理し、検索・閲覧できる
た、来年度以降のシステムの維持(バージョンアップ・
システムを新たに開発しました。従来は LMS 上の機能
セキュリティ対策など)のための費用について、各校
を用いて行ってしましたが、新たなシステムにより主
での費用負担などを決め、ある程度道筋をつけること
催校・会場や実施日時、講師、分野などにもとづく効
ができました。
率的な閲覧が可能となりました。また、データの登録
- 27 -
基 盤 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
2.5.7
3 年間の自己評価
基盤チームでは、この事業の開始当初から基盤シス
テムの導入やその改善を行ってきましたが、それらは
的確に行われたと考えています。また、F レックスの
このオープンソースシステムの Web サービスの組み合
わせと統一認証は、国内外でも他に例のない先駆的な
システムの構築であったと考えています。また各校の
協力により大きなトラブルもなくこのシステムを運用
していくことができました。
また、利用ユーザから寄せられるシステムの要望に
ついても定期的にシステムのカスタマイズなどを継続
することで柔軟に対応していくことができました。
オープンソースシステムの改善点を開発コミュニテ
ィなどに還元することについては、まだ十分行えてい
ないですが、SNS についてはは開発本流へ F レックス
のカスタマイズ項目を反映してもらった項目もありま
す。今後も継続して取り組んで行こうと考えています。
特に e-Portfolio システムの Mahara については国内で
の運用実績が乏しいので、F レックスでのカスタマイ
ズや運用が他の機関でも役立つものと考えています。
また来年度以降 F レックスのこれまでのノウハウを
他の機関等で応用してもらうことが予定されています
が、その際に基盤システムについても当然参考にされ
ることになると思うので、必要となる資料文書等を整
備していく必要があると考えています。
- 28 -
学 生 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
2-6 学生チーム
・レクレーション等の実施
・PR活動
2.6.1 構成員
(3)学生を中心としたコミュニティの立上げと継続
Fレックスの学生チームは、各大学等で本事業に興
味のある学生で構成され、Fレックス参加学生のコミ
◎2010年度の全体目標
ュニティ形成の促進、イベントの企画・運営、レクレ
2010年度の目標としては、
「学生コミュニティを
ーション活動等を行います。その構成員は以下の通り
コアメンバーから一般学生に拡大する」ことを掲げま
です。
した。2009年度に様々な活動をしてきた学生チー
ム、そして、学生活動ですが、約5000人の学生参
加者から比較すると、まだ一部です。2009年度の
◎学生チーム担当 澤崎敏文(コミュニティ推進員)
2009年度学生リーダ 三田村 祐典(福井大学)
報告書でも指摘があるように、
「対面に基礎づけられな
2010年度学生リーダ 加藤 翔大(仁愛大学)
いコミュニティは継続が難しい」ことがわかりつつあ
るため、対面で行われているリアルなコミュニティに
なお、2010年度から、学生チームという枠組み
FレックスSNSを活用してもらうことで、さらなる
を超えて、イベントごとにプロジェクトチームを編成
広がりと活性化が期待されます。ただ、機能面や利便
して実施するという形へ体制変更を行いました。これ
性だけをPRしても、コミュニティは自然発生的には
に伴い、参加する学生の数が増大したため、参加学生
活性化しにくいため、クラブ活動の連絡網として活用
の名称は省略します。
促進を図ることに加え、授業やゼミ等のフォーラムと
して積極的に使うなどの教員側からのアプローチも必
要であると考えられます。
大きな目標をブレークダウンした、2010年度の
2.6.2 活動目標
具体的な目標として、以下の4項目を掲げました。
学生チームでは、主体が学生となるため、その運営
方法等は他のチームとは違ったものになっています。
(1) 大学でのクラブ活動での利用促進
また、他の4チームと違い、学生活動・学生チーム全
(2) 学生主催の大学連携イベントの開催
体としての目標を公式にかかげて活動していないため、
(3) ライトニングトークのような定期イベント開催
ここでの目標は、学生チーム担当者の活動指針的な内
(4) 就職のための学生によるコミュニティ活動
容であることをご了承ください。
2.6.3 活動とその評価
◎2009年度の全体目標
2008年度当初4チーム
学生チームでは、対面の活動としては、チーム会議
体制で動き出したFレックス
や各種イベントを、ネット上では、SNSやWeb会
でしたが、学生自身によるコ
議システムを使ったコミュニティ形成に取組みました。
ミュニティ活性化のチームを
特に、2010年度からは、学生チームという枠を
作ってはどうか、との意見が
超えて、開催する企画・イベントごとにプロジェクト
出たことから、各大学等から
チームを編成して、イベントを開催するという体制に
の推薦等によりFレックス学生チームが結成されまし
変化させることで、多くの興味ある学生達に参加して
た。具体的な活動目標は下記のとおりです。
もらうことに成功しました。
(1)コアメンバーによる交流の促進
(2)Fレックスの活動を通した大学間交流の促進
○活動の基軸は4つ
・イベント
学生活動の軸は大きく分けると4つあります。
- 29 -
学 生 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
2009年に実施した仕事・キャリア等を考えるイベ
ント「福井仕事塾」の発展型にあたる「Fレックス・
ラウンドテーブル」
、学生が自由なテーマに基づき5分
程度の短いプレゼンを行う「ライトニングトーク」
、そ
して、オフ会やバーベキュー大会などのインフォーマ
ルなイベント。最後に、それらを結びつけるSNS上
でのコミュニティ活動や学生ポータル作成、Ustream
等による番組作成などのICTを活用した活動です。
[2009年度に開催された福井仕事塾の様子]
しかし、継続的な開催をすることができず、次年度
以降、同様な趣旨のイベントの開催とその継続が望ま
れ、そこから発展的に生まれてきたのがこのラウンド
テーブルです。
[ラウンドテーブル02の様子、仁愛大学にて]
○ F レックス・ラウンドテーブル(RT会)
このイベントは就職活動に直結するものではありま
ラウンドテーブルと
せんが、仕事ということをより具体的にとらえ、また、
は、企業等の第一線で
社会の第一線で活躍する30代 40代の中堅社員か
活躍する方々から、実
ら仕事に関する価値観等を直接聞くことで、将来に向
際の仕事のあり方やア
けた自己研鑽や日々の学習に活用できるスキルを身に
ドバイスをいただき、
つけることができ、参加した学生の間でも好評のイベ
また、普段の就職活動
ントとなりました。また、企画に携わった学生も、会
等ではできない自由闊
場準備やチラシの作製等、大学の枠組みを超えて一つ
達な意見交換をフラッ
のイベントを作り上げていく過程で多くのことを学ぶ
トな立場で行うことで、
ことができたとの感想が多く、実践コミュニティの一
実践的なビジネススキルやコミュニケーションスキル
つとして非常に大きな成長を遂げたイベントとして評
等を学び、自分自身のスキルアップにつなげていくこ
価することができます。
とを目的としたフリートーク会です。
特に、第4回「キャリアワークアウト」ではグルー
この企画の前身として、2009年に開催された学
プ面接のシミュレーションを実際の企業人事担当をお
生企画「福井仕事塾!」がありました。福井県内で活
招きして実施。就職活動に活かすことができる実践的
躍する有名社長を招いて仕事に関する講演会およびワ
なイベントとなりました。加えて、これまで学習とい
ークショップを開催し、40名以上の参加者を集めて
った大学内における連携から大学卒業後のキャリア教
非常に盛況なイベントとなりました。
育を大学連携で考えるといったきっかけを与える重要
なイベントとなりました。
- 30 -
学 生 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )

RT01「仕事を知る。夢を語る。
」



[ライトニングトークの様子、仁愛女子短大にて]
RT02「仕事とライフスタイル。
」


2010.07.09 福井県立大学
このイベントでは、参加者が5分程度の短いプレゼ
2010.08.11 仁愛大学サテライト
RT03「地域を支える力。そして世界へ。
」
ンテーションを行い、意見交換、交流を行いました。

大学教員の方々や地域活動をしているNPO等も参加
2010.09.15 江守商事本社ビル
RT04「自分でキャリアを切り開く力。
」
し、実践コミュニティとしての学生活動に新しい方向

性を示してくれたように感じます。また、学生チーム
2010.10.29 福井県立大学
という枠組みから、大学ごとのプロジェクトチームと
して実施したことで、新しい参加者(企画者)が増え、
交流の輪が広がるという良い結果をもたらしています。
○ ライトニングトーク(LT会)
2011年度の継続的な開催も既に決まっており、F
対面を中心とした継続的なイベントの開催というこ
とを意図して、ライトニングトーク(LT会)が企画・
レックスを代表する大学交流イベントとして発展しま
開催されました。当初2009年度は学生チームの単
した。
発企画としてスタートしましたが、継続性を望む声の
高まりや、キャンパス内での開催の希望があったこと
○ 学生ポータル事業
から、各大学を巡る形での定期的なイベントとして発
2009年度は途中
展。下記の日程で7回開催されています。





LT01「be interested in」
で企画がストップして

しまった学生チームホ
LT02「ふるさと」
ームページの作成です

が、プロジェクトチー

2010.03.03 福井県立大学
LT03「オススメのスポット」
ム化したことで、20

10年度から別の学生
2010.06.27 仁愛女子短大
LT04「オススメの祭」
グループによる学生ポ

ータルサイトの企画が
2010.09.05 敦賀短期大学
LT05「デートスポット・プラン」


2009.12.19 鯖江市らてんぽ
スタートしました。
2010.11.14 仁愛大学
この企画は、学生目
LT06「ターニングポイント」
線で編集した学生のた

めの便利な情報を集めたホームページの作成が主です。
2010.12.19 福井工業高等専門学校
LT07「2011年のマイプラン」
企画の立ち上げ、ミーティングからホームページの構

築までの全ての工程をFレックス参加校の学生が連携
2011.02.11 福井工業大学
して実施。ラウンドテーブルやライトニングトークな
- 31 -
学 生 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
どのイベント時に参加学生等にニーズの調査やアンケ
○ イベント等への参加、発表
ートを実施するなど、他のイベントもうまく活用した
学生チーム主催のイベントやプロジェクトチームが
活動となりました。また、技術的な問題を克服するた
企画したイベント以外にも、県内で開催された各イベ
めに、SNSのコミュニティ機能を活用して簡易に情
ントやFレックス研究会、パソコン講習会等に参加し
報更新できるような工夫を行うなど、実践コミュニテ
ました。また、レクレーションとして、スポーツ交流
ィとしての学習の場としても大きく機能したと評価す
会、バーベキューなども開催しました。主なものは以
ることが出来ます。
下のとおりです。
○ Ustream 番組企画
2010年度後半から、
一部の学生有志により、
Ustream を活用したネット
番組「エフレクストリーム
(Flexstream)」が始まり
ました。毎回2時間ほどの
間に特定のテーマ等を自由
[上:2010年バーベキュー大会、下:FMラジオ出演]
に議論している様子をインターネット上に公開すると

いう企画ですが、FレックスSNSやツイッター等と
たんなんFM「青春ジョイコミ」出演(2009
年 5 月)
もうまく連動し、多くの視聴者を獲得しています。

この企画も、回を重ねるにつれ、単に視聴する側か
ePortfolio、
ら企画側へと移ってくる学生も出始め、LMS、
年)

SNS 等のシステムを超えた新たなツールの活用と活動
日本語パソコン学習会補助(2009/2010
の広がりの可能性を見ることができます。
おもしろフェスタ、パネル等出展(2009年 8
月サンドーム)

仁愛女子短期大学大学祭、パネル出展(2009
年 10 月)

シンポジウム、パネル出展(2009年 12 月い
ねす)

学生交流フェスタ、パネル出展(2009年 12
月)
○ 学生チームミーティング
イベント等を実行するため、学生チームミーティン
[Fレクストリームの実際の画面]
グおよび各イベントのプロジェクトチーム会議を数多

2011.01.28. - テスト放送 (福井県立大)
く開催しました。また、SNSのコミュニティ内には、

2011.02.04. – 第1回 (福井県立大)
学生チームのコミュニティがあり、このコミュニティ

2011.02.11. - 第2回 (サテライト会場)
を活用して、イベント等の打ち合わせ、資料の共有等

2011.02.15. - 番外編 from ワシントン DC
を実施しています。このSNSのコミュニティを活用

2011.02.25. - 第3回 (サテライト会場)
することで、大学の違いや距離的な制約を克服してい

2011.03.19. – 第4回 (福井県立大)
ます。
- 32 -
学 生 チ ー ム ( 2 0 1 0 年 度 )
らはプロジェクトチームとして多くのイベントに拡
大・拡散していき、最終的には学生自らの活動として
ようやく機能しはじめたと見ることができます。特に、
「福井仕事塾」
「ラウンドテーブル」のような取り組み
は、参加学生の団結力を高めたり、Fレックスの活動
を対外的に大きくPRするのに貢献しました(新聞等
でも大きく報道されました。
)
。また、ライトニングト
ークのように、継続的に開催できるイベントも、ネッ
ト上から対面コミュニティへ発展するよいきっかけづ
[2010年度学生チームミーティング、坂井市ゆりの里にて]
くりとなっています。
既に来年度のイベント企画も立ち上がりつつあり、
次年度以降、学生達の自律的な活動に期待が持てます。
2.6.4 自己評価
「学生コミュニティをコアメンバーから一般学生に拡
大する」という大きな目標は、確実に達成しつつあり
ます。また、それらを実現するために掲げたイベント
開催等も全て目標通り実施・達成できています。
学生チームという枠組みから企画ごとのプロジェク
トチーム体制に移行したことで、イベントの実施にも
スピード感が生まれ、また、参加者・企画者の数も増
え、新たな交流の広がりに大きく貢献しました。20
[たんなんFMのラジオ番組収録現場]
09年度に見られていたように、当初計画していたイ
ベントや企画が最後まで実現しなかったり、学生への
周知が不十分だったために、参加者が不十分でイベン
トとして成立しなかったということもほとんどなくな
り、学生の自主的な活動の芽が生まれつつあります。
RT会、LT会といった基幹的イベントを定期的・
継続的に開催することで、実際のコミュニティの形成、
そしてネット上へと発展。また、そこから新たな対面
コミュニティへ発展するよいきっかけづくりとなって
います。例えば、各参加校の学生同士による相互交流
が始まったり、その様子をブログでレポートしたりと、
Fレックスがなければ実現しなかった交流が多数始ま
っています。
○ コアから全体に広がる自律的活動に期待
これらを、チーム形成と発展という目でとらえなお
すと、2009年度から学生チームをコアメンバーと
して活動の基礎がつくられ、それが、2010年度か
- 33 -
福 井 県 立 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
3-1 福井県立大学
 大野 史博(基盤チーム)
 澤崎 敏文(推進協議会、学生チーム)
3.1.1 構成員
 マイクヨコハマ(推進協議会)
福井県立大学では、2008年度は 8 名、2009
 矢崎 勝(事務担当)
年度は 16 名、2010年度は 15 名の教職員(うち、2
 足立 昌代(事務担当)
名は本学に籍を置くコミュニティ推進委員)が参加し
2010
ました。
年度
メンバーは、表 3.1.1 に示すように、それぞれ推進
 山川 修 (推進協議会、F レックスリー
ダー、学習チーム、基盤チーム)
 菊沢 正裕(推進協議会、地域チームリー
協議会、FDチーム、学習チーム、地域チーム、基盤
ダー、FD チーム)
チームに分かれ、2 名の事務職員とともに、F レックス
 徳野 淳子(推進協議会、基盤チームサブ
の運営に携わってきました。また、本学の学生の有志
リーダー)
も学生チームの活動に参加してきました。
 本田 和正(FD チーム)
 堺 宏恵(FD チーム)
表 3.1.1 本学の F レックス構成員
 津村 文彦(学習チーム)
2008
 山川修(F レックスリーダー、協推進議
年度
会、学習チームリーダー、基盤チームサ
 亀田 勝見(学習チーム)
ブリーダー)
 黒川 洋一(学習チーム)
 中村 匡(学習チーム)
 菊沢正裕(推進協議会、地域チームリー
 舟木 紳介(地域チーム)
ダー、FD チーム)
 大野 史博(基盤チーム)
 本田 和正(FD チーム)
 澤崎 敏文(推進協議会、学生チーム)
 津村 文彦(学習チーム)
 マイク・ヨコハマ(推進協議会)
 中村 匡(学習チーム)
 矢崎 勝(事務担当)

舟木 紳介(地域チーム)
(※2009 年2 月より
 足立 昌代(事務担当)
乙黒亮と交代)
 大野 史博(基盤チーム)
3.1.2 研究会等の開催状況
 矢崎 勝(事務担当)
2008年 8 月に本事業が採択されて以来、201
2009
 山川 修 (F レックスリーダー、推進協
0年度までに開催された F レックス研究会や会議、学
年度
議会、学習チームリーダー、基盤チーム)
生イベントのうち、本学で開催されたものを表 3.1.2
 菊沢 正裕(推進協議会、地域チームリー
に示します。この他、各チームの連絡会議も行われて
ダー、FD チーム)
きました。
 徳野 淳子(推進協議会、基盤チームサブ
また、連携校で開催された F レックス研究会につい
リーダー)
ては、毎回テレビ会議システムを通して本学図書館棟
 本田 和正(FD チーム)
2F の特別利用室に配信してきました。
 新宮 晋(FD チーム)
F レックス研究会やシンポジウムでは、表 3.1.1 に
 津村 文彦(学習チーム)
示す構成員を中心に活動報告を行ってきましたが、第
 中村 匡(学習チーム)
10 回研究会「大学等における英語教育の最前線」では、
 亀田 勝見(学習チーム)
本学の大武博先生にご発表いただきました。
 松下 泰山(学習チーム)
2009年度後半からは、学生チーム主催のライト
 黒川 洋一(学習チーム)
ニングトーク(LT)会やラウンドテーブル(RT)などのイ
 舟木 紳介(地域チーム)
ベントも開催され、本学の学生も多数参加しました。
- 34 -
福 井 県 立 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
表 3.1.2 本学で開催された F レックス研究会等
2008
2008.08.28
年度
2009.03.27
2010.12.22
第 1 回学習コミュニティ推
配信システムの運用につい
進協議会
て」
第 2 回研究会「海外出張報
2011.02.28
告、各チーム活動報告」
2009
2009.03.30
第 1 回評価委員会
2009.04.22
第 3 回研究会「Moodle 講習
年度
2009.08.18
2009.08.24
2010.02.26
2010.03.03
第 21 回研究会「3 年間の F
レックス活動報告」
2011.03.23
第 3 回評価委員会
3.1.3 F レックスノートパソコンの利用状況
会」
2009.06.24
第 19 回研究会「授業収録・
福井県立大学 FD 講演会の参
2009年度に本学に割り当てられた予算で、ノー
加校への配信「大学におけ
トパソコン 42 台(Fujitsu FMV:32 台,MacBook Pro:
るキャリア教育の位置付け
10 台)を購入しました。これに合わせ、本学第 2 情報
と キャ リア セ ンタ ーの 役
演習室を図 3.1.1 に示すような協調学習室に変更し、F
割」
レックス研究会や語学の授業を行いやすいよう、教卓
第 2 回学習コミュニティ推
に AV 機器も整備しました。同室は、2009年 10 月
進協議会
から利用を開始しています。
第 6 回研究会「地域学習コ
2009年度は、授業や F レックス研究会など、教
ミ ュニ ティ の 形成 に向 け
職員が監視しているもとでのみ学生の利用を許可する
て」
という方針で運用していましたが、2010年度から
第 12 回研究会「F レックス
は利用率を上げるため、盗難防止のためのセキュリテ
活動報告」
ィワイヤーロックを購入・設置し、利用マニュアルも
ライトニングトーク第 2 回
作成して、学生の授業時間外の利用も認めました。
「ふるさと」
2010
2010.03.23
第 2 回評価委員会
2010.04.16
第 14 回研究会「F レックス
年度
の効果的な利用法」
2010.05.27
第 15 回研究会「テキストマ
イニングの利用法」
2010.07.01
F レックス公開授業「東南ア
ジアの文化と社会」津村文
図 3.1.1 第 2 情報演習室
彦先生
2010.07.09
ラウンドテーブル 01「仕事
2009年度は、1 年生を対象とした教養ゼミ(Web
を知る。夢を語る。
」
2010.07.15
の可能性と問題点を探る)の 1 授業で、2010年度
第 16 回研究会「公開授業と
は、導入ゼミ(テレビを読もう)
,複雑系科学、情報処
授業改善の取り組み」
2010.10.01
理 D、情報処理 F、教養ゼミ(Web の可能性と問題点を
第 3 回学習コミュニティ推
探る)の 5 つの授業で使われました。
進協議会
2010.10.29
また、授業時間外での利用状況を調査するため、利
ラウンドテーブル 04「キャ
用者アンケートを実施しました。アンケートは、2011
リア・ワークアウト:自分
年 1 月 17 日 2 月 18 日まで F レックス LMS 上で実施
でキャリアを切り開く力。
」
しました。アンケートの質問項目を以下に示します。
- 35 -
福 井 県 立 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
また、同室を利用したことがある本学の学部生 1 4 年
図 3.1.4 Q3「パソコンを使って行う作業」の回答
生の 30 名が回答した結果を図 3.1.2 図 3.1.6 に示し
結果
ます。
【質問項目】
Q1. 第 2 情報演習室を利用する頻度について
Q2. 第 2 情報演習室を利用する目的について
Q3. 第 2 情報演習室のパソコンを使ってよく行う作業
について
Q4. F レックス各種サービス(SNS, LMS, e ポートフ
ォリオ)の利用頻度について(第 2 情報演習室以
外からの利用も含む)
Q5. 第 2 情報演習室の環境について
図 3.1.5 Q4「F レックス各種サービスの利用頻度」の
回答結果
図 3.1.2 Q1「利用頻度」の回答結果
図 3.1.6 Q5「環境についての満足度」の回答結果
図 3.1.2 の結果から、6 割以上の学生が週 1 回以上同
室を利用していることが分かりました。また、回答し
た多くの学生が、学内の既存の情報演習室と同じくら
いの頻度で同室を利用していることが分かりました。
図 3.1.3 の結果を見ますと、利用目的を「授業」と
図 3.1.3 Q2「利用目的」の回答結果
回答した学生も多く見られますが、
「レポートなどの課
題の作成」など授業時間外にも積極的に利用している
学生が多いことが分かりました。また、回答に含まれ
る「研究活動」や「ゼミコン」については、この結果
では少数でしたが、2010年末頃には、同室が学部
3 年生のゼミ活動で遅くまで利用される光景が毎日の
ように見られました。
また、図 3.1.4 の結果から、F レックス LMS が同室を
利用している学生の間でも多く利用されていることが
- 36 -
福 井 県 立 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
分かりました。特に、図 3.1.5 の結果から、8 割近く
の学生が週に 1 度は F レックスの Web サービスにアク
F レックス LMS の利用方法は授業によって様々です
セスしているという結果が得られています。
が、主な用途は以下の通りです。
また、図 3.1.6 の結果から、全体的に満足している

連絡事項や授業で使用した資料の掲載
学生が多いことが分かりますが、
「満足」
、
「やや満足」

関連サイトの紹介
と回答した具体的な理由としては、
「グループワークが

課題の提出
やり易い」
、
「パソコンが新しい」
、
「設備が整っている」
、

ビデオ講義
「広くて使い易い」など意見が挙げられました。一方、

学生が授業についての質問、要望、感想を書き込
「不満」
、
「やや不満」の理由としては、
「プリンタやス
むためのフォーラムの設置

キャナが無い」
、
「PC の起動が遅い」などの回答が見ら
れました。
小テストモジュールによるオンラインテストの実
施

以上の結果を踏まえ、今後は、更に多くの学生に利
用されるよう、問題点の解決、更なる使い勝手の改善
フィードバックモジュールによる授業評価アンケ
ートの実施

に取り組んでいきたいと考えています。
3.1.4 F レックス LMS(Moodle)の利用状況
評定による成績の開示
この他、語学の授業では、教員が添削した英作文や、
2009年 4 月の F レックス基盤システム本運用開
静止画・動画コンテンツの掲載に利用されており、特
始時から、本学の授業でも F レックス LMS を利用して
に静止画の掲載には lightbox モジュールが活用されて
きました。
年度毎のFレックスLMSの利用状況を表3.1.3
きました。また、LMS のオンラインテキストを使って、
に示します。運営開始当初の2009年度前期は、一
授業の質問や感想を提出させるという取り組みや、フ
般教養を担当する学術教養センターでのみ利用されて
ォーラムやグループ機能を使って、グループディスカ
いましたが、2009年度後期から専門科目のコース
ッションを行う取り組みなども行われてきました。ま
も開設され、多くの教員・学生に利用されるようにな
た、2010年度からは、新たに導入された出欠管理
ってきました。
モジュールが多くの授業で活用され、担当教員からは、
出欠管理が非常に楽になったという声が聞かれました。
表 3.1.3 F レックス LMS の利用状況
年度
学部
利用
その一方で、携帯電話の機種によるトラブルが多く発
教員数
生したという苦情もあり、更なる改善が必要だと感じ
31
9
ています。これについては、その他の機能改善要望と
コース
数
2009
学術教養センター
年度
生物資源学部
3
3
経済学部経営学科
2
1
計
36
13
2010
学術教養センター
57
16
年度
生物資源学部
9
5
看護福祉学部
9
4
経済学部
3
5
78
30
計
併せて、適宜基盤チームに報告していきたいと考えて
います。
3.1.5 F レックス SNS の利用状況
本学では、入学年度の 4 月に全ての学生を F レック
スユーザとして登録しています。2011年 2 月 28 日
現在、1,798 名の学生(平成 19 年 22 年に入学した学
部生、大学院生)と 277 名の教職員が参加しています。
このうち、F レックス SNS にログインしたことがある
※1「教員数」は各コースに教師として登録されているユーザの総数
ユーザは 905 名で全体の約 44%でした。
※2 専門科目の教員数と重複するため,学術教養センターの欄の「教員
2009年度の運用開始当初は、学習チームの教員
数」に協力教員は含んでいない.
を中心に、学習コミュニティの形成に努めてきました
- 37 -
福 井 県 立 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
が、F レックス構成員の教員が担当する授業のコミュ
県大・情報処理
情報処理 E(山川)の
ニティの開設や、学生チーム主催のイベントの開催な
E・2010
教員、受講者の情報交
どをきっかけに、学生の積極的な利用が見られるよう
換
になりました。
現在、ブログを通して日常的に教職員、学生が情報
教養ゼミ(津村)
学術ゼミ(津村)
〔
「A
2010年後期
か B か」を論じ尽くす
を発信している他、コミュニティで様々な情報交換が
90 分〕の教員、受講
行われています。表 3.1.4 に示すように、教員主導の
者の情報交換
授業支援コミュニティ、委員会コミュニティ、学生主
委員
(県大)学教C研
本学 学術教養センタ
導のサークル活動や趣味のコミュニティなど多数存在
会等
究委員会
ーの研究委員会の情報
しています。また、2010年度には、本学で新たに
交換
始まった海外英語研修プログラム LEAP のコミュニティ
(県大)教育学習
本学「教育・学習支援
が作られました。渡航の準備や研修の様子、その後の
支援チーム
チーム」の情報交換
成果報告などの情報が交換され、その様子は、本プロ
サー
ふくい・うみがめ
ふくい・うみがめサー
グラムに参加していない F レックスユーザにも公開さ
クル
サークル(福井県
クル連絡用
れました。同プログラムは、来年度以降も継続して行
活動
大)
※学生が管理者
われるため、ここに蓄積された情報が効果的に再利用
趣味
ぷらぷら写真館
写真投稿コミュニティ
されることを期待しています。
※学生が管理者
一方で、このように全体から見える利用とは別に、
各 F レックス構成員の周辺に存在する学生の多くは、
小規模集団でのメッセージの交換や、公開範囲を限定
3.1.6 F レックス e ポートフォリオの利用状況
してブログの投稿を行っており、こういった全体から
F レックス e ポートフォリオ(Mahara)は、200
は見えない形での利用も進んでいます。特に授業にお
9年度前期に、山川先生の導入ゼミ〔テレビを読もう〕
ける教員と受講生とのブログやメッセージを通したや
で使用されました。2010年度からは、同じく、山
り取りは、教員と学生の距離を縮めるツールとして、
川先生が情報特論 E や情報特論などの授業で積極的な
非常にうまく機能していると感じています。
利用を始めているほか、ティーチングポートフォリオ
としても利用されています。また、F レックス第 5 回
シンポジウムでの講演や活用ガイドの発行をきっかけ
に、授業での利用を検討する教員が増えてきました。
しかし、現在のところ、LMS や SNS など既に活用し
表 3.1.4 福井県立大学の教員・学生が管理者となってい
ている他のサービスとの連携方法を模索している教員
るコミュニティの一例(2011 年 2 月 28 日現在)
も多く、活用されるに至るには、もう少し検討が必要
分類
コミュニティ名
内容
授業
ThirdStone,
教養ゼミ〔音律の数理
支援
Fmajor
とポピュラー音楽理
な状況です。
3.1.7 その他システムの利用状況
論〕
(中村)の教員、
本学図書館棟 2F の特別利用室にある MCU を通して、
受講者の情報交換
2009年度 2010年度に開催された F レックス
ソーシャルワーク
ソーシャルワーク論
研究会を毎回中継してきました。2009年度末には、
論Ⅰ、Ⅱ県大社福
Ⅰ,Ⅱ(舟木)の教員、
可動式のテレビ会議システムを新たに購入し、本学で
(2010 年度入学)
受講者の情報交換用
開催された F レックス研究会の模様を連携校に配信し
ました。
- 38 -
福 井 県 立 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
また、2010年度からは F レックスの基盤システ
した。
ムに授業収録・配信システム(Mediasite)が新たに加
まず、新入生に対し、入学時に F レックスの案内を
わったこともあり、本学で開催された研究会等の収録、
配布し、1 年次前期必修の「情報基礎演習」の授業で F
VOD 化も行ってきました。
レックス LMS を用いるとともに、F レックス各種シス
テムの利用方法を説明しました。
3.1.8 2008年度の活動についての自己評価
また、学内の教員に対して、F レックスニュースレ
2008年度は、表 3.1.1 に示す学内 F レックス構
ターの配布や、各種研究会の掲示を行い、活動への参
成員を選出し、活動体制を構築しました。プロジェク
加を呼びかけました。また、ICT に不慣れな教員でも F
ト採択後は、各チームの会議が本学でも何度も開かれ
レックス各種システムを容易に授業に取り入れること
ました。2008年度に、運営体制の基盤を作ってい
ができるように、LMS や e ポートフォリオの活用ガイ
たことで、翌年度からスムーズに活動に取り組めたと
ドを教員に配布しました。その結果、表 3.1.3 に示す
考えています。
通り、F レックス LMS の利用率は順調に伸びてきてい
ると思います。
3.1.9 2009年度の活動についての自己評価
また、3.1.3 で述べた通り、F レックスノートパソコ
2009年 4 月に F レックスの基盤システムの本運
ンを用いて構築した協調学習室(第 2 情報演習室)を
用が開始され、本学においては、それまで使用されて
授業時間外も利用できるようにしたことで利用率が向
いた BbLS から F レックス LMS(Moodle)へと移行する授
上し、これまでには無い新たな学びの場を学生に提供
業や SNS や e ポートフォリオ(Mahara)を利用した授
できたと思っています。
業など、新たな取り組みが行われてきました。また、TV
前述の通り、この協調学習室は、授業や課外学習以
会議システムの導入で、学内で開催した講演会や研究
外にも、F レックスの各種イベントにも利用されてき
会の様子を連携校へ配信したり、本学を中継して連携
ました。その中でも、特に、学生チーム主催のラウン
校の会議に参加出来るようになりました。この他、F
ドテーブル 04 には本学からも多くの学生が参加しまし
レックスノートパソコンの購入に伴い、第 2 情報演習
た。また、このイベントを機に、SNS 上で学生のコミ
室の設計を大幅に変更しました。以上を踏まえますと、
ュニケーションが活発に行われるようになったことは、
F レックスとしても本学としても、大きく飛躍した一
非常に良かったと思っています。
年であったと思います。
3 年間の活動を終えて、学内の多くの教員・学生に F
その一方で、徐々に、LMS や SNS の利用者が増えて
レックスの活動が認知され、また、LMS や SNS をはじ
いったものの、依然として、F レックス構成員を中心
めとした F レックス基盤システムも無くてはならない
に利用している状況にあったと思います。また、他の
存在になってきていると思います。
教員から「TV 会議システムや Web 会議システムのよう
今後は、3 年間続けてきた F レックスの活動を絶やさ
な便利なものがあるということを知らなかった。是非
ず継続し、さらに発展していきたいと思います。当面
使いたい。
」という声も寄せられました。こういったこ
の課題としては、F レックス SNS に新たに追加された
とを踏まえ、F レックス構成員以外のユーザも自発的
コミュニティ階層化機能を使って、現在独立して存在
に、かつ継続して利用していけるように広報、運用の
するコミュニティに階層関係を持たせ、大学や部局、
両面から努力する必要があると感じました。
委員会などの連絡用に利用していきたいと考えていま
す。また、現在、F レックス LMS, SNS, e ポートフォ
3.1.10 2010年度の活動についての自己評価
リオの授業におけるそれぞれの住み分けが明確になっ
2010年度は、2009年度に基盤が構築された
ていないため、これら併用することの価値について、
F レックスの活動をさらに多くの教員や学生に知って
連携校と情報交換しながら探っていきたいと思います。
もらい、各種システムが利用されるよう活動してきま
最後に、3 年間の F レックスの活動にご協力下さった
- 39 -
福 井 県 立 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
全ての教職員、学生の皆様に心より感謝の意を表しま
す。そして、今後とも F レックスの更なる発展にご協
力をお願い致します。
- 40 -
福 井 工 業 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
3-2 福井工業大学
に、リメディアルを重点テーマに掲げて、活動を行い
2010年度並びに 3 年間の活動について報告し、
ました。
活動内容の自己評価を行います。
3.2.3 2010年度の主な活動
3.2.1 福井工業大学の構成メンバー
表 3-2-2:F レックス研究会における本学の主な活動
F レックスの学習コミュニティ推進活動において、
今年度の活動を行うにあたり、学内の委員会や事務局
とのより一層の連携を図るべく、学内メンバーを一部
日付
名称
2010.06.12
F レックス第 4 回シンポジウム「情
報基礎教育を考える」
(司会担当)
F レックス第 17 回研究会「SNS にお
けるコミュニティ活動」
(会場校及
び報告)
F レックス第 20 回研究会「学習評
価・GPA の導入と学士力保証」
(報告)
2010.11.04
変更しました。各チームのメンバーおよび連携組織は
次の通りです。
2010.01.28
表 3-2-1:Fレックスの学内メンバー
チーム名称
教職員名
連携部署・委員会
基盤チーム
池田 岳史
大熊 一正
FDチーム
島田 幹夫
宇治橋 康行
名越 清家※
堀田 裕一
杉原 一臣
木川 剛志
大嶋 元啓
中城 智之
砂川 武義
田邉 奈美
羽木 秀樹
池田 俊彦※
江藤 浩一※
柏 正信
杉原 一臣
山本 新一郎
電子計算機センタ
ー、教務委員会、
情報教育部会
学務課、FD推進
委員会
学習チーム
地域チーム
学生チーム
2010.02.28
2010.03.05
F レックス第 21 回研究会「3 年間の
Fレックス活動報告」
(報告)
F レックス第 6 回シンポジウム「世
代を超えた新たな地域力の創造」
(司
会担当)
※「第 8 回地域 SNS 全国フォーラム
in 坂井」との共催
学務課、教育方法
検討委員会、教務
委員会、情報教育
部会
表 3-2-3:F レックスニュースレターへの寄稿
庶務課、社会貢献
課、地域連携委員
会
Vol.3
巻数
テーマ
Vol.2
福井工業大学における新しい英語教
育プログラム
(環境生命化学科:甲斐 泰)
情報化社会で求められる技術者の養
成に向けて
(経営情報学科:杉原 一臣)
学びの場を創造するための SNS
(経営情報学科:杉原 一臣)
サステナブルな学習コミュニティを
目指して
(経営情報学科:杉原 一臣)
Vol.5
学務課、学生委員
会
Vol.6
※は新加入のメンバー
3.2.2 活動目標
(1) 学内における広報活動
福井工業大学では、
「ユーザ数の増加」と「基礎学力
昨年度に引き続き、F レックスの取組を周知するた
の補填(リメディアルの実施)を2010年度の目的
めに、学内での広報活動に重点を置きました。学内・
として、次の 5 つの目標を設定しました。
学園広報誌への寄稿、F レックス関連広報物(F レック
①SNS や LMS 等の情報システム利用登録者の増加(教
ス研究会のチラシ、ニュースレター、F レックス活用
職員は全体の 30%、学生は全体の 70%)
ガイド等)の配布や掲示を行うと共に、学内における
②コンピュータ系以外の分野での LMS の利用
F レックス研究会(第 17 回「SNS におけるコミュニティ
③授業における SNS の利用
活動」)の開催ならびに報告者の派遣(第 20 回「学習評
④リメディアルに関する学内研究会の設置
価・GPA の導入と学士力保証」
、第 21 回「3 年間の F レ
⑤F レックスにおける学生活動の支援
ックス活動報告」)の開催を通して、学内の教職員や学
特に、教職員による SNS や LMS の利用を促進するため
- 41 -
福 井 工 業 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
生に F レックスの取り組みに触れる機会を提供しまし
9 月:福井県池田町)に、FD推進委員会委員等、計 5
た。
名が参加しました。合宿では、FD活動の報告の他、
(2)F レックス利用に関する支援
京都大学の溝上 慎一氏による「アンケートから見る福
広報活動と並行して、前期開講授業からの LMS 利用
井県の学生の特徴」
、コミュニティ推進委員の澤崎 敏
促進を図るため、教員向けアカウントの発行と同時に、
文氏による「スキルアップ講座− プレゼン能力の向上
利用マニュアル配布等の利用支援活動を行いました。
を目指そう」といった内容が取り上げられ、参加者は
学生向けのアカウントについては、年に 2 回開催され
他大学の教職員と各テーマで議論を交わすと共に、交
ているパソコン講習会(セキュリティ講習会)の前期に
流を一層深めました。
おいて、F レックス並びに F レックスの SNS、LMS、e
(6) 学内研究グループの活動
本学では、推薦入試による入学者を対象に、数学や
ポートフォリオに関する説明を実施した他、2010
年度後期に「教養講座」と呼ばれる教養科目において、
英語等の添削指導を実施しています。とりわけ、数学
実際に操作説明を行い、学生の利用促進を図りました。
教育に関しては、入学後も十分な学習サポートが必要
(3)授業における SNS や LMS の活用
との考えが主流であり、数学リメディアルに対する関
心の高まりは顕著です。また、リメディアルにおける
これらの準備を経て、2010年度は、次の 11 つの
e-learning の活用に注目が集まっています。今年度は、
科目で LMS の利用実績がありました。
「プログラミング実習Ⅰ・Ⅱ」
学習支援センター長の下、「数学部会」・「高大連携
「コンピュータ実習 GⅢ・GⅣ(JAVA)」
部会」
・「情報教育部会」をメンバーとする、WG(ワー
「コンピュータ実習 GⅢ・GⅣ(C#)」
キンググループ)が結成され、数学リメディアル用の
「ネットワークシステム論」
e-learning コンテンツ作成に向けた活動が行われてい
「ネットワークシステム演習」
ます。また、昨年度発足した「映像活用研究会(仮称)」
「情報セキュリティ」
においては、
「ショートフィルムの作成」や「FD活動
「経営情報処理Ⅰ・Ⅱ」
における授業映像の収録」といった活動が行われまし
LMS は、教員側には資料配布や課題提示、受講生側に
た。
は課題提出や成績状況の確認など、双方の利便性を高
(7) 学生の活動
今年度、F レックスの活動に関心を持つ学生が現れ、
めることを目的として導入されています。結果として
は、学生による授業時間外での課題提出が顕著になり、
学生チーム主催である、ライトニングトーク(LT)・ラ
当初の計画通り、授業担当者・受講生双方の利便性が
ウンドテーブル(RT)会等のイベントに参加するように
高まりました。一方、SNS については、先に述べた、
「教
なりました。特に、LT会については、2011年 2
養講座」の他、卒業研究活動のためのコミュニティが
月に、本学にてLT会(テーマ:
「2011年度のマイ
設置され、数は少ないものの、利用実績はありました。
プラン」
)を開催し、多数の学生が参加してくれました。
(4)ノート型パソコンの利用状況
また、
「RooCup プロジェクト」など、本学学生有志の
学習コミュニティへの参加を促進するために導入し
コミュニティが SNS に創設されました。
たノート型パソコンについては、利用頻度がそれほど
高まっていません。本学学生は、入学時にノート型パ
この他、各チームのメンバーが様々なシンポジウム
ソコンを購入するため、パソコンを持参しなかった場
やフォーラムに参加し、他の地域での活動事例を見聞
合に使用されることがほとんどであり、利用頻度は頭
しました。
打ちになっています。頻度向上のための工夫は今後の
課題で。
3.2.4 2010年の活動についての自己評価
(5)学内におけるFD活動
当初の目標に沿って検証しますと、①については、
FDチームの主催で行われた合同合宿(2010年
2011年2月末時点での利用登録者数は教員38名(全
- 42 -
福 井 工 業 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
体の 27.94%)、学生 1265 名(全体の 71.79%)で、教員に
う働きかける予定です。
ついては当初の目標を若干下回りました。しかしなが
ら、教員・学生共に、
「希望者のみを登録する」という
3.2.6 2011年度の目標と活動について
方針で臨んだ結果としては、非常に良好であったと考
2010年度に掲げた目標は概ね達成することがで
えています。ただし、登録者全員が情報システムを頻
きました。2011年度の活動については、今年度の
繁に使用している訳ではなく、利用者の多くは授業に
状況を踏まえて、
「ユーザ数の増加」と「ICT を用いた
おける利用がほとんどでした。特に、SNS の利用頻度
リメディアルの実践」を主要な課題とします。前者は、
はとても少なく、教員・学生共に大学間の交流が深ま
新技術に対する壁の高さから生じる心理的負担を軽減
ったとは言えません。②については、
「情報セキュリテ
することが重要な点であると考えます。後者について
ィ」といった座学の授業における利用実績はありまし
は、学習コミュニティへの参加促進には必要不可欠で
たので、目標は一応達成されたと考えます。一方で、
あり、2011年度はリメディアルの本格実施に向け
語学系の利用については、本学独自の英語教育システ
て取り組む予定です。また、後者の問題解決に ICT が
ム(CALL システム)があるため、実績はありませんでし
有効であることを示すことができれば、前者の解決に
た。③に関しては、卒業研究等での SNS 利用がありま
つながることも期待されます。
最後に、主要課題に基づき、2011年度の具体的
した。④については、リメディアルを検討する体制が
整いましたので、今後はより多くの試行を行います。
な目標を以下に 6 つ挙げます。
最後の⑤は、学生による F レックスへの参加が目立つ
①SNS や LMS 等の情報システム利用登録者の増加(教職
ようになり、今後の学生間交流が非常に期待されます。
員は全体の 35%、学生は全体の 80%)
②情報系分野以外での SNS や LMS の利用
3.2.5 3 年間の活動についての自己評価
③FD活動における e ポートフォリオの試行
(1)学内における F レックス利用
④ICT を用いたリメディアルの実践(数学等)
F レックス各チームの尽力により、本学において、SNS
⑤F レックスにおける学生活動の活性化
や LMS、e ポートフォリオ等を利用できる環境が整備さ
⑥F レックスの利用に際する倫理観の養成
れ、授業における利用が実現したことは非常に大きな
目標の①は、教員の利用増加に重点をおいたものです。
成果であったと考えます。ただし、理工系大学である
目標の②については、情報教育に関する部会より各学
本学においても、利用率の増加は緩やかです。ICT へ
科に利用の検討を依頼します。目標の③に関しては、
の関心は高い一方で、新技術の利用に対する壁も高く、
キャリア教育を見据え、FD推進委員が e ポートフォ
ユーザ数増加のためには更なる工夫が必要です。
リオのノウハウを蓄積できるよう支援することを考え
(2)FDとその連携
ています。目標の④と⑤は、先述の通りです。最後の
FDに関しては、FD推進委員会の主導によって、
⑥については、入学時から F レックスの利用を推進す
連携が機能し、予想以上の成果を得ることができまし
る一方で、コミュニケーションにおけるマナーの乱れ
た。今後は、従来の活動に加えて、
「キャリア教育」に
を未然に防ぐためのものです。このことから、インタ
ついて他の参加校と議論を深め、より質の高い教育の
ーネットの適正な利用に関する教育を充実させたいと
実践につながればと考えています。
考えます。
(3)学生間交流
参加校の中では取り組みが最も遅かったですが、F
レックスに関心を持つ学生が徐々に現れてきたことで、
今後の学生間交流には大きな期待が持てます。ただし、
対面のない、コミュニケーションは短期間で停滞する
可能性があるので、学生には対面の活動に参加するよ
- 43 -
仁 愛 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
3-3 仁愛大学
校のように新たなパソコンを整備するところまではで
きませんでしたが、テレビ会議システムを利用しやす
3.3.1 構成員
くするために高性能プロジェクター等の機器等も整備
2009年度より、学内組織として、地域大学間連
することができました。また、2009年度および2
携専門委員会を設置し、このFレックス事業も含めて
010年度にわたって、他の連携校の担当者と一緒に、
さまざまな福井県内の高等教育機関の連携を推進する
情報収集や研究発表などの活動にも参加することもで
体制の基盤を整備しました。この委員会委員のうち、
きました。
Fレックス事業の各チーム担当者は表 3.3.1 のとおり
です。
3.3.3 SNSの利用状況
本学では、Fレックスの利用にあたっては、あらか
表 3.3.1 本学の各チーム担当者
推進協議会
基 盤
FD
学 習
地 域
森 俊之
じめ本人に登録申込書を書いてもらうという形で、本
篭谷 隆弘(基盤チームリーダー)
人から申請のあったものだけを利用者として登録する
篭谷 隆弘(情報NW管理室長)
という方式をとりました。
宮川 祐一
2010年2月末日現在と2011年2月末日現在
山田 晴美(FD推進委員長)
での登録者数および利用者数を表 3.3.2 にまとめまし
森 俊之
た。
表 3.3.2 SNS の登録および利用者数
三浦 努
森 俊之
橋詰 武宏(地域連携室長)
森 俊之
※( )内は学内の担当部署を示す。
進協議会の担当者を含めるようにしました。
(ただし、
学習チームに関しては関係する部署が明確でないため、
2010年
度
度
登
録
者
数
全 体
154 名
557 名
学 生
539 名
539 名
教職員
14 名
18 名
利
用
者
数
全 体
55 名
198 名
学 生
47 名
187 名
教職員
8 名
11 名
チーム担当者は、すべて2名ずつで構成することと
し、うち1名は学内の関係部署の担当者を、1名は推
2009年
各学部より1名ずつとなるように構成しました。
)こう
することで、学内の部署との連携がスムーズに行える
表に示されるとおり、登録申請をして登録しても実
ことを目指しました。
際に利用に至らないものも見られ、両年度とも登録者
2010年度も、引き続き、同様の構成で取り組み
のおおむね36%のものが利用していました。全構成
ました。
員数に占める利用者数の割合は、2009年度が12%、
2010年度が17%となっており必ずしも高いとは
3.3.2 事業推進のための予算と機器備品の整備
いえませんが、年度が進むにつれて登録者・利用者が
本学は、Fレックス事業に対して、2009年度よ
増加する傾向がみられました。
り途中参加するという形になったため、文部科学省か
なお、自身のブログを作成している本学関係者が1
らの当該事業に対する補助金は受けることができませ
9名、本学の関係者が管理人となっているコミュニテ
んでした。したがって、大学として事業推進のため独
ィは20件でした(2011年2月末日現在)
。必ずし
自に予算(機器備品費、消耗品費、旅費交通費、報酬
も利用者数は多いとはいえませんが、他の学校の人と
手数料など)を組み、対応をしてきました。それによ
交流を深めている活発な学生もみられました。
り、2009年度にはテレビ会議システムを1台導入
し、研究会等に利用することができました。他の連携
- 44 -
仁 愛 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
3.3.4 LMSの利用状況
の方に参加してもらえました。
2009年度には2人の教員により4コースが開設
されました。2010年度には2人の教員により8コ
ースが開設されました。コース数は増加しましたが、
3.3.7 まとめと今後の展望
開設した教員はどちらの年度も同一教員であり、その
仁愛大学は、2009年度より途中参加したことも
意味ではこの2年で大きな変化はみられませんでした。
あり、他の参加校と比べると、学生ならびに教職員に
本学の場合、このFレックスによるLMS以前に、本
対する浸透度がまだまだ不十分なところが多いという
学独自にLMSが構築されており、既にこちらでの利
のが現状です。新入生に対するガイダンスや広報紙の
用がかなり進められています。こちらは、正規の授業
配布などという形でこれまで広報してきましたが、今
以外のコースも含めて全部で、2010年度の段階で
後ますますの広報活動が必要といえます。
41コース、2011年度の段階で64コース開設さ
その一方で、まだ一部の学生ではありますが、積極
れています。このことが、FレックスにおけるLMS
的に他大学のものと交流するものもみられています。
の利用が進まない一因と考えられます。他大学との連
また、FD推進委員の教員の中で積極的に他大学のF
携や、SNS等の他のシステムとの平行利用など、新
D活動と連携する動きもみられてきました。必要とす
たな利用法の開発と周知が今後の課題といえます。
るものが必要とする形で他大学と連携していく文化が
少しずつ広がっていることが、この2年間の成果とい
えるのではないかと考えられます。
3.3.5 eポートフォリオの利用状況
現在のところ、学生・教員を含め数名のものが試行
錯誤している状況です。他の大学の活用事例などを参
考にしながら、今後、利用法を検討していければと考
えています。
3.3.6 研究会などの開催・参加
Fレックス研究会は、2009年度に、第5回研究
会(2009年7月30日「学生理解と学生支援につ
いて」
)と第10回研究会(2010年1月29日「大
学等における英語教育の最前線」
)が本学を会場として
開催されました。そのほかのFレックス研究会やシン
ポジウムなどは、テレビ会議システムによる受信も含
め、担当者などが中心となって出席してきました。
また、学生チームによるラウンドテーブル(RT会)
が1回(2010年8月11日)
、ライトニングトーク
(LT会)が1回(2010年11月14日)
、本学を
会場として開催されました。
Fレックスの事業とは異なりますが、本学の学内F
D講演会(2010年10月26日「学生とともに作
る授業-双方向型授業への誘い」立命館大学 木野 茂
教授)を、Fレックス参加校の皆様にも公開し、多数
- 45 -
仁愛女子短期大学 (2010年度 )
3-4 仁愛女子短期大学
 河野久寿(学習チーム)
 平塚紘一郎(基盤チーム)
3.4.1 構成員
 吉川敏通(事務担当)
仁愛女子短期大学では、2008年度は 6 名、20
 山田浩隆(事務担当)
09年度は 6 名、2010年度は 7 名の教員、及び事
務職員 2 名が参加しました。
3.4.2 研究会等の開催状況
メンバーは、表 3.4.1 に示すように、それぞれ推進
2008年 8 月に本事業が採択されて以来、201
協議会、FDチーム、学習チーム、地域チーム、基盤
0年度までに開催された F レックスシンポジウムや F
チームに分かれ、2 名の事務職員とともに、F レックス
レックス研究会のうち、本学で開催されたもの及び本
の運営に携わってきました。また、本学の学生の有志
学教員が発表等を行ったものを表 3.4.2 に示します。
も学生チームの活動に参加してきました。
また、連携校で開催された F レックス研究会につい
ては、毎回テレビ会議システムを通して本学に配信し
表 3.4.1 本学の F レックス構成員
2008
年度
ました。
 藤原正敏(F レックスサブリーダー、推
本学独自の研究会としては、FD委員会及び情報メ
進協議会、FDチームサブリーダー)
ディア教育支援室共催のFレックスSNS講習会・F
 篭谷隆弘(推進協議会、基盤チームリー
レックスLMS講習会、全学教授会での研修報告等を
ダー)
行いました。
 内山秀樹(地域チーム)
 田中洋一(学習チーム)
表 3.4.2 本学が関わる F レックス研究会等
 乙部貴幸(学習チーム)
2008
 河野久寿(学習チーム)
年度
 吉川敏通(事務担当)
2009
年度
2009.02.05
例発表」
(報告者 1 名)
2009.03.27
告、各チーム活動報告」
 藤原正敏(F レックスサブリーダー、推
(報告者 2 名)
進協議会、FDチームサブリーダー)
2009
2009.07.30
年度
第 5 回研究会「学生理解と
学生支援について」(報告者
 田中洋一(学習チーム)
1 名)
 乙部貴幸(学習チーム)
2009.08.24
第 6 回研究会「地域学習コ
 河野久寿(学習チーム)
ミ ュニ ティ の 形成 に向 け
 平塚紘一郎(基盤チーム)
て」
(報告者 1 名)
 吉川敏通(事務担当)
年度
第 2 回研究会「海外出張報
 山田浩隆(事務担当)
 内山秀樹(地域チーム)
2010
第 1 回研究会「LMS 利用の事
2009.09.25
第 7 回研究会「eポートフ
 山田浩隆(事務担当)
ォリオの利用法」
(報告者 1
 藤原正敏(F レックスサブリーダー、推
名)
進協議会、FDチームサブリーダー)
2009.10.30
 田中洋一(推進協議会、学習チームサブ
第 8 回研究会「日本の大学
連携の現状とFレックスの
リーダー)
今後の利用法」
(会場校)
 内山秀樹(地域チーム)
2009.11.30
第 9 回研究会「学生による
 内藤徹(FDチーム)
授業アンケートを考える」
 乙部貴幸(学習チーム)
(司会)
- 46 -
仁愛女子短期大学 (2010年度 )
2010.02.12
2010.02.26
2010
2010.04.16
年度
2010.05.27
第 11 回研究会「情報教育に
は、卒業研究、課題作成、F レックスへのアクセス等
おける連携」
(報告者 2 名)
です。利用ソフトウェアは、Word、Excel、PowerPoint、
第 12 回研究会「F レックス
ブラウザ等。本分室のメリットは、所属学科の学生だ
活動報告」
(報告者 1 名)
けが利用していること、卒業研究等指導教員の研究室
第 4 回シンポジウム「情報
に近いことがあげられました。そのため、リアルな学
基礎教育を考える」(コーデ
習コミュニティが形成し、学生同士の議論が促進され、
ィネータ)
教育効果も高かったようです。学生の評価も高いので
第 5 回シンポジウム「e ポー
すが、プリンターが設置されていない点が不満のよう
トフォリオが変える高等教
です。
育」
(コーディネータ)
2010.11.04
第 17 回研究会「SNS におけ
るコミュニティ活動」
(報告
者 1 名)
2010.01.28
第 20 回研究会「学習評価・
GPA の導入と学士力保証」
(会
場校、司会)
2010.02.28
第 21 回研究会「3年間の F
レックス活動報告」(司会、
図 3.4.1 幼児教育学科 e-Learning 分室
報告者 1 名)
2010.03.05
第 6 回シンポジウム「若者
ノートパソコンは、2009年 12 月に利用を開始し
のチカラと地域のチカラ」
ました。Fujitsu FMV は、Fレックスと積極的に関わ
(コーディネータ)
る学生コアメンバーに対して、1 年ごとに貸出します。
インターネット接続の相談にのり、借りた学生全員が
3.4.3 Fレックスパソコンの利用状況
自宅からFレックスにアクセスできる環境を構築しま
2009年度に本学に割り当てられた予算で、デス
した。SNSの活性化を図るため、記事やコメントの
クトップパソコン 16 台(Fujitsu FMV:14 台,Apple
定期的な投稿をお願いしています。投稿件数の上位者
iMac:2 台)
、ノートパソコンを 43 台(Fujitsu FMV:
には、次の年度も継続的に貸し出すことを説明し、投
33 台,Apple MacBook:10 台)を購入しました。
稿の動機づけを図っています。貸出を始めてから、学
デスクトップパソコンは、既存の e-Learning 室の分
生の投稿数が顕著に増加しました。特に幼児教育学科
室として、幼児教育学科及び音楽学科の建物にある部
では、借りている学生をコアにして、周囲の友人への
屋に設置し、学生がゼミや自学自習時にFレックスを
利用の広がりが見られました。
使いやすい環境を2009年 12 月に構築しました。パ
貸与した学生数名へのインタビュー調査を行ったと
ソコンの利用が消極的である両学科学生の利用者の増
ころ、e-Learning 分室の結果とほとんど同じでした。
加を目的としています。特に、音楽学科の iMac では、
ただし、利用頻度は学生によって大きく異なり、継続
演奏会を撮影したビデオアーカイブの制作・公開を行
的に毎日利用する学生もいれば、課題提出時・試験前・
いました。
卒業研究発表前のみ利用する学生もいました。また、
両学科の学生数名にインタビュー調査を行ったとこ
大学へ定期的に持ってくる学生もいました。貸出ノー
ろ、両室とも頻繁に利用されています。頻度が多い時
トパソコンのメリットは、PowerPoint がインストール
期には、毎日利用している学生も多いです。利用目的
されている点やインターネット接続が可能な点をあげ
- 47 -
仁愛女子短期大学 (2010年度 )
る学生が多かったです。そのため、e-Learning 分室よ
内訳は、生活科学学科生活情報専攻 1 年次選択科目(約
りも貸出ノ―トパソコンから F レックスへアクセスす
100 名)
、幼児教育学科 1 年次選択科目(約 110 名)で
る学生の方が多かったです。
あり、1 年の約 2/3 の学生が利用したことになります。
MacBook は、生活科学学科生活環境専攻にて取り組
2010年度は、F レックスのメリットも理解され、
む卒業制作作品アーカイブ化プロジェクト等のため活
利用教員や科目数が増加しました。
用しました。これまで散在していた過去の卒業生の卒
業制作作品の画像を整理し、ネット上でアーカイブす
表 3.4.3 F レックス LMS の利用状況
ることにより、学生や関係者がどこからでも共有でき
年度
る環境を作り、学生の学習成果の向上、学生の学内外
学部
コース数
生活情報専攻
5
幼児教育学科
1
計
6
2009年
者との交流を促進することを目的としています。同時
度
に、Flash 等を用いた実践的な Web 制作を通して、学
生のスキルは非常に向上し、自信と学習意欲の向上に
もつながりました。ただし、インターネット上での公
2010年
開に至っておらず、本作業を後輩へどう引き継いでい
度
くかが今後の課題です。
生活情報専攻
15
幼児教育学科
3
教養科目
2
計
導入した MacBook の活用状況は、この2年間で2回
20
生を中心として、延べ 71 名(延べ 623 日)の利用があ
FレックスLMSの利用方法は授業によって異なり
りました。いずれも、2009年度より2010年度
ますが、主な用途は以下の通りです。
の方が増加しており、貸し出し日数は約 1.3 倍に増加
しています。この貸出 MacBook 導入のお蔭で、本学の
Mac 環境が大きく拡充し、スキルと学習意欲の向上に
50
500
45
450
40
35
400
350
30
300
25
250
20
200
15
10
150
100
延日数
延人数
5
0
連絡事項や授業で使用した資料の掲載

関連サイトの紹介

課題の提出

学生が授業についての質問、要望、感想を書き込
むためのフォーラムの設置

小テストモジュールによるオンラインテストの実
施
延べ日数
延べ人数
つながりました。


フィードバックモジュールによる授業評価アンケ
ートの実施

FレックスSNSやeポートフォリオへのリンク
50
0
2009年度
基本的には、仁短 Moodle でも同様なことができます
2010年度
が、FレックスLMS特有のものとしては、Fレック
図 3.4.2 貸出 MacBook の利用状況
スSNSやeポートフォリオへのリンクです。授業の
最後に、LMSの授業評価アンケートをした後、違和
3.4.4 FレックスLMSの利用状況
感なく、eポートフォリオの振り返りノートを書かせ
本学では、7年前から仁短 Moodle を運用しているた
ることができました。
め、CAS 化されていなかった2009年度前期でのF
その他として、卒業研究の公開作品として、学生が
レックスLMSの利用はありませんでした。CAS 化さ
2 つのコースを制作しました。1つは、
「接客のための
れた2009年度後期からは、FレックスSNSやe
手話教材」であり、福井市森田地区の病院等に配布し
ポートフォリオとの連携も可能となり、2 科目の授業
た手話 DVD の動画教材を FLV 形式で閲覧できるように
及び 2 名の卒業研究ゼミで利用されました。2 科目の
- 48 -
仁愛女子短期大学 (2010年度 )
してあります。もう1つは、
「PC ボランティア入門(視
表 3.4.4 仁愛女子短期大学主催コミュニティ
覚障がい編)
」であり、大学生対象に開催した視覚障が
(2011年 2 月末時点で開設されているもの)
い者向けパソコンボランティア養成講座の内容を基に
分類
コミュニティ名
内容
して、スライド教材と確認テストで自学自習できるよ
仁愛女子短期大学
幼児教育学科のコミュ
うにしてあります。
幼児教育学科
ニティ
仁愛女子短期大学
音楽学科のコミュニテ
音楽学科
ィ
3.4.5 Fレックス SNS の利用状況
生活環境専攻学生
生活環境専攻1・2回
コミュニティよりブログを中心として、コミュニケ
コミュニティ
生のコミュニティ
ーションがなされているのが現状です。ブログを通し
生活環境(201
生活環境専攻1回生の
たコミュニケーションにより、忙しい教員と学生をつ
0年度仁愛女子短
コミュニティ
なぐオンライン・オフィスアワー的な役割も果たして
期大学入学クラ
いると思います。
ス)
2009年度開設のコミュニティ利用例としては、
学
科
・
ク
ラ
ス
等
全体広場(全員必須のコミュニティ)にて、学生演奏
会、卒業制作展等のイベント紹介がなされ、他校関係
者の来場がありました。卒業研究として学生が開催し
た大学生対象パソコンボランティア養成講座にも、福
仁短_1情A(藤
生活情報専攻1回生情
原担当)クラス
報管理コース A クラス
のコミュニティ
仁短_1情B(田
生活情報専攻1回生情
中担当)クラス
報管理コース B&メデ
井大学学生の参加がありました。また、学生が卒業研
ィアコミュニケーショ
究で制作したホームページを紹介し、感想を求めたと
ンコースクラスのコミ
ころ、他校の教員・学生・地域の方よりコメントをも
ュニティ
らうことができました。他の学生グループは、コミュ
食物栄養(201
食物栄養専攻1回生の
ニティマップ機能を利用して、学生視点でのグルメ情
0年度仁愛女子短
コミュニティ
報のコミュニティを運営していました。卒業研究では、
期大学入学クラ
グループ研究を進めるためのツールとしても、ゼミの
ス)
コミュニティが有効に活用されていました。
2010年度に開設されたコミュニティは、200
9年度に比べ、大幅に増加しました。大学のサークル、
委員会、クラス等、現実のグループ活動の連絡ツール
に使われることが多いようです。また、学生が趣味の
コミュニティを作り、他大学の学生と交流を深めるこ
とも増加しました。
卒
業
研
究
ゼ
ミ
運用2年目となり、問題になったのは、管理者が卒
業した場合の対応です。定期的にログインしているユ
ーザの場合は大丈夫ですが、異なる場合は教員が仲介
となり、管理権の委譲を行いました。
J-Dnet(仁短デザ
仁短のデザイン、被服
イン系 OG 井戸端
系専攻・コースを卒業
会議)
した方の情報交換の場
環境デザイン研究
生活環境専攻内山ゼミ
室(仁短内山)
のコミュニティ
2010仁愛短大
生活環境専攻西畑ゼミ
/西畑研究室
のコミュニティ
ファッションデザ
生活環境専攻前田ゼミ
イン研究室(仁短
のコミュニティ
maeda-h)
仁短_田中ゼミ2
生活情報専攻の201
010
0年度田中ゼミのコミ
ュニティ
- 49 -
仁愛女子短期大学 (2010年度 )
仁短_田中ゼミ2
生活情報専攻の200
仁短コスプレサー
VP サークルの活動報
009
9年度田中ゼミのコミ
クル
告、連絡等
ュニティ
授
業
・
学
生
支
援
等
※学生が管理者
仁愛女子短期大学
幼児教育学科の201
仁短映像研究サー
映像研究サークルの活
乙部ゼミ2010
0年度乙部ゼミのコミ
クル
動報告、連絡等
年度
ュニティ
仁短パソコンボラ
パソコンボランティア
仁短_情報処理演
生活情報専攻開講科目
ンティアサークル
サークルの活動報告、
習前期2010
の情報処理演習201
連絡等
0年度授業用コミュニ
仁短ソフトテニス
ソフトテニスサークル
ティ
サークル
の活動報告、連絡等
仁短_情報メディ
教養科目の情報メディ
仁短漫画研究
漫画研究サークルの活
ア入門(幼児)2
ア入門2010年度幼
動報告、連絡等
010
児教育学科の授業用コ
※学生が管理者
ミュニティ
仁短フットサルサ
フットサルサークルの
仁短_生活情報論
生活情報専攻開講科目
ークル☆Kicker☆
活動報告、連絡等
2010
の生活情報論2010
仁愛女子短期大学
写真サークルの活動報
年度授業用コミュニテ
_写真サークル
告、連絡等
ィ
※学生が管理者
仁短_IT パスポー
生活情報専攻主催対策
じんあい こども
幼児教育学科が開催す
ト試験対策講座
講座受講生のための掲
のくに 2010
る2010年度「じん
示板
実行委員会
あい こどものくに」
仁短 F レックス PC
F レックスの貸出ノー
実行委員会のコミュニ
コミュニティ
トパソコンを借りてい
ティ
る学生のコミュニティ
第 45 回仁短祭実
2010年度仁短祭実
仁短 F レックス学
仁短 F レックス学生チ
行委員会
行委員のコミュニティ
生チーム
ームのコミュニティ
委員
仁短_生活情報専
生活情報専攻の教員コ
ボスニア・ヘルツ
ボスニア・ヘルツェゴ
会等
攻会議室
ミュニティ
ェゴビナ研修生受
ビナからの「情報」教
仁愛女子短期大学
情報メディア教育支援
け入れ準備
育研修の準備コミュニ
_情報メディア教
室のコミュニティ
※学生が管理者
ティ
育支援室
サ
活 □
動 ク
ル
若者理解コミュニ
「大学生理解」研究に
ティ
関するコミュニティ
初年次教育を考え
初年次教育に関するコ
仁愛女子短期大学
情報メディア教育支援
情報メディア教育
室運営委員会のコミュ
支援室運営委員会
ニティ
る
ミュニティ
仁愛女子短期大学
FD委員会のコミュニ
英語教育ゼミ
小学校英語、早期英語
FD委員会
ティ
仁短ジャグリング
ジャグリングサークル
手話を通した「ろ
ろう文化や手話に関す
サークル
の活動報告、連絡等
う文化」入門
るコミュニティ
研
究
等
に関するコミュニティ
※学生が管理者
- 50 -
仁愛女子短期大学 (2010年度 )
森田まちづくり井
森田地区のまちづくり
Ⅰ」
、
「教育の方法と技術」にて、
「振り返りノート」と
戸端会議
関係者コミュニティ
して利用しました。特に、
「情報システム演習Ⅰ」では、
仁短お姉さんクラ
社会人入学をした学生
個々の学生が Web 制作の企画書を Mahara 上に作成し、
ブ
のコミュニティ
学生間で共有しました。
上記のようにコースラーニング系の利用が主でした
※学生が管理者
FTV
リラックマ愛好会
好きなテレビに関する
が、ディベロップメント系の利用も試験的に開始しま
コミュニティ
した。生活情報専攻の1クラスにおいて、卒業後の目
※学生が管理者
標や受講科目で得たスキル等を振り返るために、個々
リラックマに関するコ
の学生が「就活カード」を作成しました。
今後は、ボランティア活動のポートフォリオ、生活
ミュニティ
気楽にテニス
趣
味
ビリヤード部
テニスを楽しむコミュ
環境専攻学生の制作物ポートフォリオ等を試行してい
ニティ
く予定です。
F レックス・ビリヤー
ド部の活動報告・連絡
3.4.7 本学学生チームの活動
サッカーを見るの
サッカー観戦好きのコ
本学学生チームの活動は、表 3.4.5 のとおりです。
が好き
ミュニティ
ただし、2010年度はチーム制からプロジェクト制
Drive 好き
車好きのコミュニティ
に変更されています。2010年度は、学生の自主的
※学生が管理者
な活動が増加しました。下表以外にも、F レックス番
一生どうでしょう
「水曜どうでしょう」
組「Flextream」への参加、F レックス女子会やコミュ
します
という番組に関するコ
ニティオフ会の実施等も行っています。
ミュニティ
表 3.4.5 本学学生チームの活動
※学生が管理者
☆free talk☆
日付
雑談コミュニティ
※学生が管理者
活動内容
2009年 7 月
アンケート調査(約 770 名)
2009年 10 月 17
仁短祭でのブース出展
日
2009年 12 月 12
第 3 回Fレックスシンポジウ
日
ムでの展示
週間ごとの研究報告を書くポートフォリオとしてのみ
2009年 12 月 15
第1回大学連携リーグ学生交
の利用でした。
日
流フェスタでの展示
3.4.6 Fレックス Mahara の利用状況
2009年度前期は、卒業研究の田中ゼミにて、1
20 日
2009年度後期は、
「情報システム演習Ⅰ」
、
「教育
の方法と技術」にて、
「振り返りノート」として、1回
2010年 5 月 30
SST ランドでのバーベキュー
ずつの授業で学んだことや感想等を書くことに利用し
日
大会の企画・運営(参加者:
約 50 名)
ました。ただし、多人数で利用する場合の管理のしに
くさ等の問題点もわかり、ID でソート可能になるカス
2010年 6 月 27
第 3 回LT会(仁短)
「福井の
タマイズを依頼しました。また、本学学生には、マイ
日
オススメのスポット」企画・
運営
ビューごとに自分で記録をまとめ、公開範囲を設定す
2010年 7 月 9
ることが難しいようでした。
日
2010年度は、
「生活情報論」
、
「情報システム演習
- 51 -
RT会 01(県大)への参加
仁愛女子短期大学 (2010年度 )
2010年 8 月 11
3.4.9 2008年度の活動についての自己評価
RT会 02(仁大)への参加
2008年度は、学内の F レックス構成員を選出し、
日
2010年 9 月 5
第 4 回LT会(敦短)への参
活動体制を構築しました。学内構成員による会議、他
日
加
大学とのチーム会議を繰り返すことで、活動目標等を
2010年 11 月 4
第 17 回 F レックス研究会への
明確化しました。また、他の教員への広報として、活
日
参加
動報告会等を数回開催しました。
2010年 12 月 19
第 6 回LT会(高専)への参
年度末に発足した学生チームとしては、1回生学生
日
加
会役員から2名が企画会議に参加し、2009年度か
2011年 2 月 11
第 7 回LT会(工大)への参
らの活動の準備を行いました。
日
加
3.4.10 2009年度の活動についての自己評価
F レックスに登録する学生・教職員は増加しました
3.4.8 F レックス登録者の推移
2011年 2 月末時点での利用登録者数は、常勤教
が、ほとんど利用していない方もいるので、利用方法
員 23 名(全体の 62%)
、非常勤教員 3 名、職員 18 名、
等の周知が必要だと感じられました。また、研究会等
学生 571 名(全体の 100%)です。2009年度の学生
への教員の参加も、ほとんどがFレックスの構成員の
登録は申請者のみで、前期はゼミレベルでしたが、後
ため、より積極的な広報が必要です。
期は授業単位での登録が増加しました。2010年度
Fレックスで購入したパソコンによるSNS活性化
は各学科長や専攻主任の判断により、学生全員を登録
の効果はでていますが、利用開始時期が遅かったこと
しました。
もあり、2010年度の利用状況で効果を判断するこ
とにしました。
表 3.4.6 常勤教員の登録者数
年度
人数
割合
2008
6
12.0%
2009
19
47.5%
2010
23
62.2%
3.4.11 2010年度の活動についての自己評価
第1の活動目標である「基盤システムのアクティブ
ユーザ数の増加及びSNSコミュニティの活性化」に
関しては達成しました。先述のとおり、全学生を初期
登録したため、学生が利用したいと思った時点で使え
るようになった効果が高いです。
SNS 利用に関しては、サークル、委員会、クラス等
の連絡を中心として広まり、コミュニティ数・ブロガ
ー数ともに増加しました。そのため、他大学の学生と
表 3.4.7 学生の登録者数
の交流も増加し、課外活動への動機付け効果も高くな
年度
人数
割合
2009前期
45
6.5%
2009後期
303
43.7%
2010
571
100%
りました。
第2の活動目標である「e ポートフォリオ利用の促
進」に関しては、学生利用者数は達成しましたが、教
員利用者数は達成できませんでした。来年度の利用者
増加に向けて、Mahara ユーザコミュニティのサイトや
メーリングリストの告知に努めていきたいと思います。
また、メディアサイトによる利用方法の VOD 等、ユー
ザコミュニティの情報を増やしていく予定です。
第3の活動目標である「Fレックス研究会への構成
- 52 -
仁愛女子短期大学 (2010年度 )
員以外の参加者の増加」に関しては達成できませんで
した。F レックスFDチームの効果もあり、本学のF
D活動は活性化していますので、その一環として研究
会・シンポジウムへの参加を広めていきたいと思いま
す。
3年間の活動を通して、学生にも教職員にも F レッ
クスが認知され、インフラとして利用され始め、文化
としても広がったと思います。ただし、1年次の情報
リテラシー授業での利用の有無が、その後の学生利用
率へ影響しているようなので、利用セミナー等の開催
により補っていく予定です。また、2年間の短期大学
のため、活動が活発な学生が卒業する影響も大きいで
す。今後も現在の活動が継続するように、
「(1)仲間意
識、(2)達成感、(3)レスポンス」を与えられるような
場づくりを進めていきたいと思います。
- 53 -
敦 賀 短 期 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
3-5 敦賀短期大学
所に固定するのではなく可働式としました。会議室、
大教室、小教室、パソコン教室など様々な場所でTV
3.5.1 構成員
会議を行うことができました。月1回のペースで開催
敦賀短期大学では、以下の教職員がチームメンバー
されたFレックスの研究会を聴講するのにも利用し、
として F レックスの活動に携わっています。
第7回の研究会は本学から配信しました。
2)Fレックスパソコンの導入
北野 皓嗣(基盤チーム、FDチーム、学習チーム、
Fレックスの利用を促進する目的で、2009年度
地域チームサブリーダー、推進協議会)
にデスクトップパソコン20台を導入しました。教室
河原 辰樹(地域チーム、推進協議会)
に配置するのではなく、講義時間外に学生が利用でき
福永 信義(学習チーム)
るように、図書館、パソコン実習室、就職資料室、食
入澤 学 (基盤チーム、学習チーム)
堂、ホールに配置しました。通常利用ではなくFレッ
クスにアクセスしてもらえるように、Fレックスのス
3.5.2 2008年度の活動状況
テッカーを貼り、利用マニュアルを配置しました。学
1)情報交流の始まり
生はFレックスパソコンを好んで利用する傾向はみら
初年度は活動基盤であるサーバーシステムが構築途
れましたが、Fレックスへのアクセスは期待したほど
中であるため本格的な活動は遅れましたが、その準備
増加しませんでした。
を通して、参加他校との情報交流が始まりました。実
質的にはこの情報交流が一番大きな成果であったとい
利用マニュアル
えます。本学は嶺南に位置しており、距離的にも他の
高等教育機関との交流が不便でしたが、Fレックスの
活動を通じて情報交流が格段に増加しました。
2)国際会議聴講
ステッカー
アメリカ合衆国で高等教育への ICT 活用を推進して
いる ELI(Educause Learning Initiative)の年次総
会に参加しました。本学ではいわゆる e ラーニングの
ツールはまだ導入していませんでしたが、先進国の活
図 3.5.1 Fレックスパソコン
用状況を目の当たりにし、多大な刺激を受けました。
この経験は、次年度からLMSやSNSを展開する大
きな駆動力となりました。
(翌年以降も同じ会議に継続
3.5.4 学習チーム関連の活動状況
参加しました。
)
1)LMSの利用状況
2009年4月にLMSが稼働して以来、情報系の
3)TV会議システム導入
年度末にようやくTV会議システムが稼働し始めま
科目を中心に利用が進みました。2010年度にはワ
した。これにより嶺北の参加校とのやり取りが円滑に
ード・エクセルのスクリーニングテストに用いられ、
なりました。
新入生全員が利用するに至りました。学生ははじめ戸
惑いを見せますが、すぐに操作に慣れていきます。逆
3.5.3 基盤チーム関連の活動状況
に教員のほうが操作習熟に時間がかかることもありま
1)TV会議システムの活用
した。LMSは2010年度までに6科目で利用され
2008年度末にTV会議システムが稼働して以来、
るようになりましたが、いずれも情報系の科目に限ら
3年間で接続時間が70時間に達しました。利用する
れており、語学や一般教養など他の分野への展開が期
人数に合わせていろんな部屋で利用できるよう、1か
待されます。
- 54 -
敦 賀 短 期 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
表 3.5.1 敦賀短期大学のLMS利用状況
科目名
前
期
2
0
0
9
年
度
後
期
3
月
2
0
1
0
年
度
前
期
後
期
担当
行われていなかった授業公開が始まりました。しかし
ながらまだ手法として定着しておらず、公開後の意見
内容
ネットワーク構築
北野
小テスト、感想
マルチメディア検定
入澤
小テスト、期末テスト
マルチメディア検定
入澤
小テスト、期末テスト
3DCG
北野
感想、質問
Office 応用
北野
意見交換
ゼミナール
北野
意見交換
英単語
小テスト
一般常識
小テスト
ネットワーク構築
北野
小テスト、感想
プとして「敦賀屋」を出店しており、地域活動の一環
マルチメディア検定
入澤
小テスト、期末テスト
として敦賀駅前商店街の活動に参加しています。4月
Word 応用
入澤
課題提出・添削
Web 基礎
入澤
課題提出・添削
Web プログラミング
入澤
課題提出・添削
市」において模擬店を出店したり、学生バンドが演奏
マルチメディア検定
入澤
小テスト、期末テスト
で参加したり、ハロウィーン等のイベントに協力した
Word 応用
入澤
課題提出・添削
Web データベース
入澤
課題提出・添削
交換が深まらない状況です。2010年7月に行われ
たFレックスの公開授業の取り組みなどは大きな刺激
となり、今後のFD活動の励みとなっています。
3.5.6 地域チーム関連の活動状況
敦賀短期大学では敦賀駅前商店街にアンテナショッ
から12月の第 1 日曜日に開催される「駅前ふれあい
りしていますが、FレックスのICTツールを活用し
たり、Fレックス参加校と連携するような活動はあり
ませんでした。
2)SNSの利用状況
3.5.7 学生の活動状況
2009年度は本人の了解を得て個別に登録する方
式でしたが、2010年度からは新入生に対し全員L
Fレックスの活動の中で学生が中心となっているも
MSを利用してもらうことになり、全体に説明したう
のがいくつかありますが、全体としては本学の学生は
えで一括登録する方式に切り替えました。同時に教員
あまり積極的には参加できていません。本学在学中に
についても一括で登録しています。3年間で登録者総
Fレックスを利用して人的ネットワークを広げ、卒業
数167名になりましたが、そのうち1度でもログイ
後他校に編入して活発な活動を継続している例はあり
ンしたことのある人数は68名にとどまります。
(20
ますが、それを除けば、学生チームのサイト構築に部
11年3月4日現在)ブログを投稿したことのあるの
分的に携わったり、本学で開催されたLT会に発表者
は約20名で、ブロガーランキングに名を連ねる2名
として参加するといった受動的参加にとどまっていま
を除いては散発的投稿にとどまっています。コミュニ
す。
ティについても、2010年度になって講義関連のコ
3.5.8 今後の活動
ミュニティが3つ作られましたが、いずれもさほど活
発な動きはありません。業務に関連したコミュニティ
本学がFレックスの活動に参加することにより、ま
も2つ作られました。現在はあまり活発ではありませ
ず教職員の間で情報交流が起こりました。これがきっ
んが、今後利用の拡大が期待されます。
かけとなり、ざまざまなところでそれまでになかった
新しい動きが生まれています。また、Fレックスによ
って提供されたLMSは、本学の講義の一部としてな
3)eポートフォリオの利用状況
くてはならないものとなっています。SNSは一部活
教員間の試験的利用にとどまり、学生も参加した本
用しているメンバーはいますが、完全に定着している
格的運用には至っていません。
とは言えず、部分的な活用にとどまっています。この
ように、3年間の活動でいろんな成果が上がっていま
3.5.5 FDチーム関連の活動状況
Fレックスにより活動のヒントが得られ、本学のF
すが、本学の中の成果にとどまっています。今後、も
D活動が活性化しました。2009年度よりそれまで
っと他の参加校と「連携した」成果を上げていくため
- 55 -
敦 賀 短 期 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
には、アクティブに活動するメンバーを増やしていく
必要があります。教員サイドでは情報関連の教員にと
どまっていますが、これをもっと広げていく必要があ
ります。学生はどんどん入れ替わり、活発に活動する
学生もすぐに卒業してしまうので、新たな中心メンバ
ーを育てる必要があります。そのためには、他校との
...
対面の交流が必要と考えます。FレックスはICTを
利用したバーチャルな交流を活用していますが、それ
を始めるきっかけとして、対面の交流が必要だろうと
考えます。様々な機会を利用して、本学の学生と他の
Fレックス参加校と対面で交流できる機会を設け、全
体の交流を活発にしていきたいと考えています。
- 56 -
福 井 医 療 短 期 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
3− 6 福井医療短期大学
3.6.3 平成 22 年度活動報告
2010年度は次の様な活動を行いましたので報告
3.6.1 構成員
します。
福井医療短期大学は、2010年 4 月に F レックス
(1)5 月 21 日(金)教職員に対して「F レックスについ
に参加させて頂きました。現在、推進協議会、FDチ
て」説明会実施
ーム、学習チーム、地域チーム、基盤チームに以下に
教員 4 名追加登録
示す 10 名の教職員が参加しています。
(2)7 月全学生に案内を配布し、F レックスに登録を呼
推進協議会
び掛けましたが、登録希望者 11 名であり、今回は登録
堀 秀昭、斉藤 俊彦
しないことになりました。
FDチーム
(3)9 月 3 日(金) 4 日(土)第 1 回合宿研修会
山本 達、木田 章
リハビリテーション学科 山崎京子教授が参加
学習チーム
(4)10 月 1 日(金)学習コミュニティ推進協議会
繁田 里美、藤本 寛巳
事務課長斉藤、事務課高島が参加
地域チーム
(5)11 月 18 日(木)F レックス会長山川先生、副会長
石田 圭二、國兼 充代
藤原先生来校、本学学長と会談
基盤チーム
(6)12 月 9 日(木)第 1 回合宿研修会報告会開催
石田 圭二、高島 良美
リハビリテーション学科山崎京子教授が発表
(7)1 月教職員に対して「F レックスについて」アンケ
3.6.2 関連機器の整備
ート実施
情報処理室に PC40 台を設置し、学生が自由に利用
(8)その他 F レックス関連広報物の配布
出来る環境になっています。
3.6.4 アンケート結果
教職員に対して「F レックスについて」アンケート
を実施しました。アンケート配布枚数 53 枚、回収数 36
枚、回収率 68%でした。
「F レックスを知っていますか」の問いに対して「は
い」と答えた教職員が 88.9%あり、F レックスに対し
また、小松短期大学と遠隔講義システムを利用し、
ての認知度は高い結果となりました。
遠隔授業を行っていましたが、現在は利用されていま
(1)F レックスについてのコメント
せん。今後、このシステムの有効利用が大きな課題で
①言葉を知っているだけでより深い内容がわからな
す。
い。
②活用していないのでわからない。
③内容について殆んどわからない。
④大学連携リーグがあるので、あまり期待すること
はない。
(2)F レックスに対しての要望
①共同研究をすることでの人的・物的交流を図れる
とよい。
②学内の環境整備を必要とする。
- 57 -
福 井 医 療 短 期 大 学 ( 2 0 1 0 年 度 )
③機会があれば、食育や人間関係のコツ等の公開講
座を学びたい。
④他大学と情報交換(交流活動、就職活動)ができ
たらよい。
⑤学生に対しての認知度の向上。
⑥現状では既存の SNS サイトに大学側が介入した方
が利用率は高いと思う。
⑦メリットをメリットとして活かせるように。
3.6.5 まとめと今後
(1)本学においては、F レックスに対して認知度は高か
ったが、その内容についてわかっていない教職員が多
く、利用度を高める対策が必要と考えます。教員が LMS
を利用すれば、学生の登録者数も増えると考えられま
す。
(2)現在、F レックス活動は事務局が中心となっていま
すが、教員が中心となることが理想と考えます。
(3)本学においては、ハード面が整備されておらず、教
員から F レックス参加に対して疑問視されているのが
現状です。
- 58 -
福井工業高等専門学校(2010年度)
3− 7 福井工業高等専門学校
ICT 利用の会議に参加し、発表を含めて情報の収集等
を行なうことが出来ました。主なものは以下の通りで
3.7.1 2010年度の推進体制
す。
基盤チーム 高久 有一、斉藤 徹、
・ELI-2009 (2009年 1 月) 斉藤徹 (電子情
奥田 篤士、内藤 岳史、清水 幹郎
報科)
FDチーム 坪川 武弘、江本 晃美
・WBE-2009 (2009年 3 月)
学習チーム 丸山 晃生、長水 壽寛、村中 貴幸
芳賀正和 (機械科)、辻野和彦 (環境都市科)
地域チーム 津田 良弘、森 芳周
・CSCL-2009 (2009年 6 月)
坪川武弘 (一般科目・自然系)
3.7.2 福井工業高等専門学校での主な予算使用
・WBE-2010 (2010年 3 月)
(1) 2010年度
青山義弘 (電子情報科)、小寺光雄 (一般科目・
・国際会議派遣(1 名)
人文系)
・LMS 環境の整備(アルバイト、委託)
・ELI-2011 (2011年 2 月) 江本晃美 (環境
都市科)
(2) この 3 年間の予算にもとづく整備
・テレビ会議システム
各参加者の専門分野は教育・情報関係とは限らない
校舎の改修が昨年度一段落したため、一般科目教室
にも関わらず重要な刺激を受けています。
事務室から e-Learning 室へ移して常設としました。
・学生のアクセス環境の整備
3.7.3 この 3 年間の大学間連携事業の推進について
全学生と教職員を毎年ユーザー登録しています。
(1) 学内での担当部署
e-Learning 室の PC 機器の一部更新し、従来の総合
FD推進の組織である創造教育開発センターが担当
情報処理センター端末室(3+1 室)の混雑を緩和し、学
することになり組織対応をしてきました。
(教員 8 名+
生の学内からのアクセス環境を充実しました。
教務係り)そのためこれまでにのべ 14 名が関わりまし
・moodle 関連の強化をはかりました。また moodle ネ
た。以下特徴としては、
ットワークを用いて学内と F レックスの moodle の連携
・4 つのチームにセンター員を配置
が図れるようになりました。
・毎月のセンター会議で現状等の報告を行なう
・ネットワーク等基盤に関する部分は総合情報処理セ
ンターの協力を得ています
・校務運営委員会などの学内組織での連携推進が承認
されています
が上げられます。
(2) 2010年度の活動への参加状況
2010年 6 月の学生理解アンケートには、4 年生
の全学科 (5 学科) の学生に実施することができ、F レ
ックスの合宿とは別に2011年 2 月 4 日に溝上氏を
招いて「学生アンケートから見る福井工業高等専門学
図 1. e-Learning 室
校の学生の特徴」として講演会を開催しました。
F レックスの合宿研修には、8 名の教員が参加しまし
(3) この 3 年間の国際会議等への派遣
た。
従来参加する機会のなかった教育関係の国際会議や
- 59 -
福井工業高等専門学校(2010年度)
3.7.4 教職員への広報と普及
基盤はうまく機能するようになっています。
(2) FD活動での連携
(1) この 3 年間の教職員への広報
以下のように広報活動をしています。
F レックスの研究会へは創造教育開発センター員を
・教員会議での報告を、随時実施
中心にかなり参加しました。また、独自のFD活動を
・メーリングリストへのポスト(数は少ない)
F レックスに公開することも進めてきました。
・すべてのパンフレットとニュースレターの配布
(3) その他の活動
・センター報告書での詳細な紹介
地域チームとしての様々な活動への参加、学生チー
(2) 福井工業高等専門学校主催の講演会等の F レック
ムへの本校の学生の参加を進めてきました。
スへの紹介
教職員・学生への広報は、積極的・継続的に行なっ
・田中毎実氏講演会(2008年)
てきました。学内では「F レックス」という呼称は定
・澤崎氏プレゼン講座(2009年)
着しました。
・溝上慎一氏講演会 (2011年)
(4) 今後へ向けて
近年教職員が多くの仕事を抱えている中で、教育問
3.7.5 学生への広報と普及
題や学生とのやり取りに、F レックスの SNS を利用す
(1) この間に学内のmoodleの利用は進んできています。
る意義は大きく、簡単に使えるように講習会をこまめ
(2) 上級生の中での SNS 等の利用例
に実施する必要があります。また、FD活動として「学
・5M、5EI のクラスでは澤崎さんが英語の授業におい
生支援や学生理解」のテーマが期待されています。更
て、コミュニケーションの場として利用
に、低学年への対応と、大学生相当の 4 年生以上への
・5 年生の卒業研究室単位での利用
対応の違いと工夫が必要となっています。
・専攻科生や 3,4 年生の一部の学生も積極的に利用
(3) 低学年での F レックス SNS 利用の問題
昨年度 3 年生による面白半分のコミュニティ作成や
写真の無断借用の例が発生しました。そのため情報リ
テラシーの育成段階を考えて、主として 4 年生以上で
SNS 利用をはかることとしました。
(4 年生夏のインタ
ーンシップを期に大人としての自覚が育つことが多い
ため。
)もちろん、低学年でも希望者には利用をすすめ
ています。
3.7.6 学内の moodle を F レックスで公開
学内の moodle 上で作成したコンテンツを moodle ネ
ットワーク機能を用いて F レックスの moodle からも利
用できるようになりました。まだコンテンツの共有は
していません。
3.7.7 まとめと今後
(1) ICT 基盤
F レックスへの SNS や LMS での参加条件が整い、ア
クセス環境も充実してきました。また、TV 会議システ
ムの恒常的な利用が可能となりました。この面での ICT
- 60 -
資料集:シンポジウム(2010年度)
4-1 シンポジウム
山川 修(福井県立大学 学術教養センター)
4.1.1 シンポジウムの開催
第3部 パネルディスカッション
Fレックスでは、毎月1回は、対面でのミーティン
グとして、研究会または、シンポジウムを開催してい
ます。
講習会や報告会的なものも含めて参加校で行う研究
会と、福井県外から研究者・有識者をお招きし、対外
的なイベントとして公共の施設を使って行うシンポジ
ウムがあります。どちらも、参加無料でどなたでも参
加できるものです。
Fレックスが発足した2008年には、第1回シン
ポジウム「大学連携で取組むソーシャルラーニングの
可能性」を福井市まちなか文化施設 響のホールで開催
し、福井県内外から多くの参加がありました。
すべてビデオ収録を行い、FレックスLMSにプレ
ゼンテーション資料やデジカメ画像などと合わせてア
ーカイブしております。
4.1.1.1 Fレックス第1回シンポジウム
●テーマ 大学連携で取組むソーシャルラーニングの
可能性
日時:2008年12 月19 日(金)13:00 18:00
場所:福井まちなか文化施設 響のホール
(福井市中央1-4-13 Tel 0776-30-0086 )
プログラム
第1部 講演
学びのパラダイムシフト:学習コミュニティという概
念
大島 純(静岡大学 情報学部)
大学生を対象にしたキャンパスSNS( さとあい) の
展開を通して」
金西計英(徳島大学 高度情報化基盤センター)
第2部 講演
「SNS連携による情報プラットホームの創造_
つながりを可視化してまちを元気にする地域情報化」
和崎 宏(インフォミーム(株)代表取締役)
「学習コミュニティを核にした大学連携の取組み」
- 61 -
資料集:シンポジウム(2010年度)
4.1.1.2 Fレックス第2回シンポジウム
4.1.1.3 Fレックス第 3 回シンポジウム
●テーマ 大学間連携と相互研修型FD
●テーマ 大学連携で始まる新たな地域力の創造
日時:2009年5月29日(金) 13時 18時
日時:2009年12 月12 日(土)
場所:福井市まちなか文化施設 響のホール
13 時 30 分 17 時
福井市中央1-4-13 0776-30-0086
場 所:坂井地域交流センター いねす多目的ホール
プログラム
坂井市坂井町蔵垣内34-14-1
第1部 講演
第1部 講演
「京都大学高等教育研究開発推進センターによる相互
開会挨拶 F レックス会長 山川 修
研修型FD連携」
来賓挨拶 坂井市副市長 北川 貞二 氏
田中 毎実氏(京都大学・高等教育研究開発推進セン
「SNS と新たな地域力の創造」
ター長)
庄司 昌彦( しょうじ まさひこ) 氏
「東日本FDネットワーク つばさ の活動」
( 国際大学グローバル・コミュニケーション・セン
小田 隆治氏(山形大学・高等教育研究企画センター
ター主任研究員)
部門長) 「ラーニングシティ」
第2部 講演
市民の叡知が流れる地域づくり
「函館での大学間連携 -函館大学センター構想-」
柵 富雄( さく とみお) 氏
雁澤 好博氏(北海道教育大学函館校・地域連携セン
( 富山インターネット市民塾推進協議会事務局長)
ター長) 第2部 パネルディスカッション
「福井県内の教育改善活動の現状と連携による今後の
福井県内の3つの地域活動事例紹介
展望」
「大学連携と地域力創造」
藤原 正敏(仁愛女子短期大学・FD委員長・Fレック
ス副会長) 第3部 パネルディスカッション
講演者全員によるパネルディスカッション
- 62 -
Tel:0776-72-7600
資料集:シンポジウム(2010年度)
4.1.1.4 Fレックス第4回シンポジウム
4.1.1.5 Fレックス第5回シンポジウム
●テーマ 情報基礎教育を考える
●テーマ e ポートフォリオが変える高等教育
日時:2010年6月12日(土) 14 時 18時
日時:2010年10 月2 日( 土) 14 時 18時
場所:福井県教育センター 大ホール
場所:アオッサ研修室6 0 1
TEL 0776(23)1887 〒910-8544 福井市大手2-22-28
福井市手寄1-4-1 AOSSA( アオッサ)6階
プログラム
福井市地域交流プラザ Tel:0776-20-1535
第1部 講演
プログラム
高校の教科「情報」の新学習指導要領について
第1部 講演
清水 康敬 先生
eポートフォリオとの付き合い方
東京工業大学 監事 ( 常勤 )・名誉教授
理論と実践の観点から
高専における「情報基礎教育」への取組について
森本 康彦 東京学芸大学 情報処理センター 准教授
岡田 正 先生
第2部 実践報告
津山工業高等専門学校副校長
Mahara による自己学習を目指した研究指導
大学における「情報基礎教育」への取組について
久保田 真一郎 熊本大学 総合情報基盤センター 助教
小高 知宏 先生
酪農学園大学のeポートフォリオ活用教育と手書き課題
福井大学大学院工学研究科教授
活用システムの開発
「情報基礎教育」に期待する-企業経営の立場から-
遠藤 大二 酪農学園大学 獣医学部 教授
河村 将博 氏 株式会社カワムラモータース社長
大学間連携におけるMaharaを用いた教育の実践
第2部 パネルディスカッション
田中 洋一 仁愛女子短期大学 生活科学学科 准教授
講演者全員によるパネルディスカッション
グループディスカッション
第3部 パネルディスカッション
講演者全員によるパネルディスカッション
- 63 -
資料集:シンポジウム(2010年度)
4.1.1.6 Fレックス第6回シンポジウム
●テーマ:若者のチカラと地域のチカラ
日時:2011 年3月5 日(土) 13時 18時
場所:みくに文化未来館
〒913-0047 福井県坂井市三国町神明1-4-20
電話:0776-82-7200
企画趣旨:若者にとって地域は、大きな学びの場です。
地域にとって若者は、大きな財産(新たな考え方、行
動力)です。若者と地域が学び支え合うことにより、
お互いのチカラが向上し、魅力的な人間と地域を育て
るサステイナブル(持続可能)な場(コミュニティ)
づくりについて、一緒に考えてみましょう。
プログラム
第1部
講演
(1)福井県のまちづくりに関わる県内学生の活動報告
学生が地域活動に参加することによってもたらす効果
桂木麻里奈(仁愛大学人間学部)
福井大学「雑木林を楽しむ会」の学生
(2)県外(都市部)学生が福井県のまちづくりに関わる
活動報告
伊藤洋子(株式会社「系」代表取締役、元東海大
学教授、元「月刊宣伝会議」編集長)
(3)SNSを用いて、まちづくりに関わった若者の事例報
告
虎岩雅明(株式会社トライワープソリューションズ代
表取締役)
(4)地域のまちづくりへのSNS活用事例報告
庄司昌彦(国際大学グローバル・コミュニケーション・
センター主任研究員)
(5) グループディスカッション
第2部 パネルディスカッション
講演者全員によるパネルディスカッション
- 64 -
資 料 集 : 研 究 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
4− 2 研究会
4.2.2 Fレックス第2回研究会
Fレックスでは原則として、毎月1回参加校を会場
●テーマ: 国内・海外研究会の報告とプロジェクト
に研究会を実施しています。
チーム報告
日 時: 2009年3月27日(金)13:00 18:30
場 所: 福井県立大学 L208教室(TV講義室)
4.2.1 Fレックス第1回研究会
第1部 国内・海外研究会の報告
●テーマ: LMS利用の事例発表
第2部 各チームの今年度の活動と次年度の課題
日時:2009年2月5日(木)17時 19時
場所:福井工業大学多目的会議室
講演1: 一般講義科目におけるLMSの利用実態
津村 文彦 (福井県立大学) 講演2:オープンソースLMSを活用したFD実践報
告
田中 洋一 (仁愛女子短期大学)
4.2.3 Fレックス第3回研究会
●テーマ: Moodleを利用する教員向け講習会
日時:2009年4月22日(水)13:30
場所: 福井県立大学図書館棟2階 情報第2演習室
福井県永平寺町松岡兼定島4-1-1
講師: 篭谷 隆弘(仁愛大学)
Fレックス基盤チームリーダー
LMS(Learning Management
- 65 -
資 料 集 : 研 究 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
System) として 定評のあるMoodle(オ
理科に関する興味・関心と知的探求心等の育成を応援
ープンソースの授業サポートツール)の基本的な使い
するための様々な理科増進事業を開催しております。
方から、実際の授業で役に立つ資料配付や小テストの
この事業において行う科学実験の詳細をVOD化し、
作成、集計の方法などをすでに、稼働しているFレッ
ウェブ配信したり、教材化する試みを進めています。
クスのサーバーを使って実践的に学びました。
6月に早稲田大学遠隔教育センターにて研修した際
に 得られた技術や知識を含め、教育現場でどのよう
会場が情報演習室である利点を活かし、参加者はハ
な活かし方が有るのかなどを報告させていただきまし
ンズオンセミナーのように実際にコースの作成などを
た。
しながらの研究会でした。
講師: マイク・ヨコハマ (コミュニティ推進員) Fレックスでは、研究会、シンポジウムをVOD化
して、LMSサーバにて、関連資料も含めて共有でき
るシステム作りを進めてきています。
6月に幕張メッセで開かれたInterrop M
edia Convergence 2009の研修
を踏まえ、簡単に利用できる方法などを提案させてい
ただきました。
4.2.4 Fレックス第4回研究会
●テーマ: VOD研究グループ報告
日 時: 2009年6月22日(月) 16:00
18:00
場 所: 福井工業大学 多目的会議室
講師: 砂川 武義 (福井工業大学) 福井工業大学では、小中学生・高校生の科学技術、
- 66 -
資 料 集 : 研 究 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
4.2.5 Fレックス第5回研究会
4.2.6 Fレックス第6回研究会
●学生理解と学生支援について
● テーマ: 学習コミュニティの形成に向けて
日 時: 2009年7月30日(木) 17:00
地域が学ぶ、地域と学ぶ、地域に学ぶ
19:00
日 時: 2009年8月24日(月) 14:00
場 所: 仁愛大学G301 プレゼンテーションルーム 16:00
〒915-8586 福井県越前市大手町3-1-1 0
場 所: 福井県立大学 福井キャンパス
778-27-2010
L208教室(TV講義室) (1) 大学生研究フォーラム2009報告
910-0095 福井県吉田郡永平寺町松岡兼定島4-1-1
藤原 正敏(仁愛女子短大)
7月25日 26日開催の「大学生研究フォーラム」
開会挨拶「地域学習コミュニティの形成にむけて」
(京都大学)の特徴や感想などの報告。Fレックスの
菊沢 正裕 (地域チームリーダ 福井県立大学)
<学生理解>への具体的な取組、8月5日にJAIC
主催で東京でのボスニア・ヘルツェゴビナの先生方へ
第一部 チーム活動報
の講演など。
司会:恐神 正博 (地域チーム 福井工大) (2)各校の学生理解や学生支援の取り組みについて
(1) 地域が学ぶ
の報告と討議
「公開講座一覧検索サイトの構築」
FDチームメンバー
篭谷 隆弘 (基盤チームリーダ 仁愛大学)
連携参加校のこれまでの学生の実態調査や学生理解の
(2) 地域と学ぶ
ための取り組み例の報告、課題などの整理。 学生向
「外国人のためのパソコン学習会の形成」
けに行なっているアンケートなどの紹介、学生の抱え
舟木 紳介(地域チーム 福井県立大学) ている問題などで把握していること、携帯電話やイン
(3) 地域で学ぶ
ターネットがもたらす学生生活の変化などつかんでい
「まちづくりの森田地区で学ぶ」
ること、印象など、現在の学生をめぐる諸問題。
内山 秀樹(地域チーム 仁愛女子短期大学) 「エコカレッジ福井で学ぶ」
菊沢 正裕 (地域チームリーダ 福井県立大学) 第2部 総合討論
「Fレックスと地域との関わり」
座長 森 芳周(地域チーム 福井工業高等専門学校)
閉会挨拶「今後の活動にむけて」
北野 皓嗣(地域チームサブリーダ 敦賀短期大学)
- 67 -
資 料 集 : 研 究 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
スペイン南部アンダルシア地方のコルドバ
で行われたEDM(Educational Dat
a Mining) カンファレンスの報告です。
http://www.educationaldatamining.
org/EDM2009/
山川 修(福井県立大学)
(2) Net Commonsの使い方
Fレックスのポータルサイト(http://f-le
ccs.jp)で使われているコンテンツマネジメン
トシステム
Net Commonsを活用した、各チーム、各参
加校の情報発信方法について解説。
澤崎 敏文(コミュニティ推進員)
(3) eポートフォリオの利用
田中 洋一(仁愛女子短大) eポートフォリオって何ができるの?
eポートフォリオ事例報告
eポートフォリオに関する議論
4.2.7 Fレックス第7回研究会
Fレックスメンバー以外に新潟県長岡大学から2名
の参加があり、議論に加わりました。
●テーマ: eポートフォリオの利用法
日 時: 2009年9月25日(金) 17:00
19:00
場 所: 敦賀短期大学111教室
〒914-0814 福井県敦賀市木崎78-2-1
(1) 国際会議報告
CSCL09
ギリシャのロードス島で行われたCSCL (Com
puter Supported Collabor
ative Learning) カンファレン
スの報告
http://www.isls.org/cscl
2009/
坪川 武弘(福井工業高等専門学校) EDM 09
- 68 -
資 料 集 : 研 究 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
4.2.8 Fレックス第8回研究会
●テーマ: 日本の大学連携の現状とFレックスの今
後の利用法
日 時: 2009年10月30日(金) 17:0
0 19:00
場 所: 仁愛女子短期大学 A210会議室
〒910-0124 福井県福井市天池町43-1-1
第1部:日本の大学連携の現状報告
教養教育ワークショップ(於:山形大学 2009年
8月)
坪川 武弘 福井工業高等専門学校
第11回山形大学教員研究会教養教育ワークショップの1つとして「大
学連携FDネットワークを考える」がありました。 ここでは、長野県
の事例(信州大学)
,四国の事例(愛媛大学)
,つばさの事例(山形大学)
,
Fレックスの事例が紹介され、地域的ネットワークに関する実情と問題
点などが議論されました。これらの概要を報告しました。
先進事例発表と意見交換会(於:愛知県立大学 20
第2部 : Fレックスの今後の方向性
09年7月) 澤崎 敏文 コミュニティ推進員
司会:山川 修
先進事例として招かれたFレックス。この我々のプロジェクトが、外部
Fレックスも活動を始めて1年たちました。文部科学
からどのように受け止められたのか。当日の意見交換会を踏まえて、も
省からの補助金は来年度が最終年度なので、そろそろ
うひとつの先進事例として招かれた南大阪地域大学コンソーシアムや愛
再来年度以降、大学連携をどうするかを議論する時期
知県の連携事業との興味深い相違点や共通点について報告します。
に来ています。
第1部の他の大学連携の現状を踏まえて、Fレックス
FDネットワーク代表者会義(於:京都大学 2009
の今後をどうするかを議論したいと思いますので、皆
年9月) 山川 修 福井県立大学
様のご参加をお待ちしています。
日本全国でFDに関して大学連携を実施しているFDネットワークの第
2回目の会合。日本のFDが俯瞰できました。興味深いFD活動をいく
つかとりあげて報告します。
全国大学コンソーシアム研究交流フォーラム(於:北
海道教育大・函館校 2009年9月)
菊沢 正裕 福井県立大学
基調講演「大学教育改革の焦点」では,高等教育が向かう「学ばせる大
学,成長させる大学,開かれた大学」の行方を示唆。分科会では「大学
連携を推進する大学コンソーシアム(共同体) が,この数年間に全国
各地でここまで前進していた!」を実感。
- 69 -
資 料 集 : 研 究 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
4.2.9 Fレックス第9回研究会
4.2.10 Fレックス第10回研究会
●テーマ: 学生による授業アンケートを考える
●テーマ: 大学等における英語教育の最前線
日 時: 2009年11月30日(月)17:00 19:00
日 時: 2010年1月29日(金17:00 19:00
場 所: 福井工業大学多目的会議室
場 所: 仁愛大学G301プレゼンテーションルーム
〒910-850 福井県福井市学園3丁目6番1号
〒915-8586 福井県越前市大手町3-1-1
第1部: 学生による授業アンケートの現状と課題に
0778-27-2010
ついての報告
(1) FレックスLMSの利用例
司会:FDサブリーダー 藤原 正敏 (仁愛女子短期
大武 博(福井県立大学)
大学)
英語授業においてMoodleを実際にどのように利用できるのか現在
報告者:Fレックス参加6校のFD担当者
模索中であるが、多少の経験を基に、利用法の具体的事例を紹介し、今
(1) 授業アンケートの項目
後の発展的活用について情報交換をしたい。
(2) 実施時期と方法
(3) 結果の利用
(2) 工学英語教育について
(4) 課題・問題点
甲斐 泰(福井工業大学)
第2部: 自由討論
福井工業大学では、平成21年度文部科学省大学教育推進プログラム(教
<アンケートの現状評価と課題・問題点>
育GP)に、
「入学初年次から学ぶ工学英語」を提案し、採択された。こ
司会:FDチームリーダー 坪川 武弘(福井工業高等
のプログラムの特長は、英語科教員と専門分野教員が協力して、新しい
専門学校) 工学英語教育プログラムを作成し、入学初年次から実施することである。
第6回研究会(7月30日 仁愛大学) での議論 を
事業の柱は、CALL教室による少人数教育と、工学英語のための新し
受け、大学間連携の良さを活かし、より効果の上がる
い教材開発であり、プログラムの最後には海外連携校訪問も組み込んで
アンケート作り・解析法のアイディアを持ち寄り、今
いる。現在、計画を立ち上げたばかりであるが、その進捗状況について
後の研究課題と方向性の整理ができれば良いと考えて
も紹介したい。福井工業大学では、平成21年度文部科学省大学教育推
います。
進プログラム(教育GP) に、
「入学初年次から学ぶ工学英語」を提案
し、採択された。このプログラムの特長は、英語科教員と専門分野教員
が協力して、新しい工学英語教育プログラムを作成し、入学初年次から
実施することである。事業の柱は、CALL教室による少人数教育と、
工学英語のための新しい教材開発であり、プログラムの最後には海外連
携校訪問も組み込んでいる。現在、計画を立ち上げたばかりであるが、
その進捗状況についても紹介したい。
- 70 -
資 料 集 : 研 究 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
(3)Creating Learning Communities online
4.2.11 Fレックス第11回研究会
山田 晴美(仁愛大学) This presentation reports on the practice of creating online learning
●テーマ: 情報教育における連携
communities as part of the presenter
日 時: 2010年2月12日(金)17:00
s English language courses.
The presenter will report on the procedures she has used to set up
場 所: 福井工業大学 多目的会議室
such communities, how participants interactions were promoted, and
福井県福井市学園3-6-1
how students have reacted to this activity.
(1)ELI2010海外発表報告
19:30
参加メンバー
(4) コミュニケーション豊かな学習環境の提供
藤原 正敏(仁愛女子短期大学)
、徳野 淳子(福井県立
澤崎 敏文(コミュニティ推進員) 大学)
、澤崎 敏文(コミュニティ推進員)
、篭谷 隆弘
(仁愛大学)
、入澤 学(敦賀短期大学)
語学は、毎日の継続的な学習が欠かせません。その一方で、授業時間は
(2)情報教育における連携
限られており、いかに授業外での学習を継続的に行い、かつ、学生との
a. 情報基礎教育の現状報告
コミュニケーションを豊かにしていくかが重要であると感じています。
6つの高等教育機関の担当者より、どのような環境
今年度から、FレックスのLMSを活用して、読む、書く、聞く、話す
とポリシーで情報基礎教育を行っているのか。学部・
の四技能を限られた時間の中で効果的に学習するための授業方法などを
学科共通の情報系カリキュラムを中心に現状報告を行
模索してきましたが、仁愛大学、福井工業高等専門学校での実践例など
っていただきます。
もご紹介しながら、皆さんと情報交換したいと考えています。
b.連携で進めるリメディアル化
Fレックス参加校の連携により、情報教育分野にお
いて、どのような利点が生み出せるか、ICT基盤を
有効に活用する方法などを模索しした。
- 71 -
資 料 集 : 研 究 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
4.2.12 Fレックス第12回研究会
●テーマ: Fレックス活動報告
日 時: 2010年2月26日(金) 14:00
17:30
場 所: 福井県立大学 福井キャンパス図書館棟2
階 情報第2演習室
(1)2009年度チーム活動報告
推進協議会
山川 修 (福井県立大学) 学習チーム
山川 修 (福井県立大学) FDチーム
坪川 武弘(福井工業高等専門学校)
地域チーム
菊沢 正裕(福井県立大学)
基盤チーム
篭谷 隆弘(仁愛大学)
学生チーム
澤崎 敏文(コミュニティ推進員)
(2)連携参加校の活動報告
福井県立大学 徳野 淳子
福井工業大学 杉原 一臣
仁愛大学 森 俊之
仁愛女子短大 田中 洋一
敦賀短期大学 北野 皓嗣
福井工業高等専門学校 坪川 武弘
(3)活動のまとめと今後についての討論
・ 司会:山川 修
- 72 -
資 料 集 : 研 究 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
4.2.13 Fレックス第13回研究会
4.2.14 Fレックス第14回研究会
●テーマ: 高等教育のあり方について
●テーマ: Fレックスの効果的な利用法
日 時: 2010年3月26日(金) 15:00 17:00
日 時: 2010年4月16日(金) 17:00 19:00
場 所: 福井工業高等専門学校 e-ラーニング室
場 所: 福井県立大学 図書館棟情報第2演習室
第1部 「国際会議報告」
Fレックス基盤システム概要説明
WBE2010
山川 修 (福井県立大学)
Sharm El Sheikh,Egypt 15-17 March
L M S (Moodle)利用法
小寺 光雄、青山 義弘(福井工業高等専門学校)
津村 文彦 (福井県立大学)
e-Society2010
S N S (OpenSNP)利用法
PortoPorto,Portugal,18-21 Maech 2010
澤崎 敏文 (コミュニティ推進員)
山川 修 (福井県立大学)
e ポートフォリオ(Mahara)利用法
大学教育改革プログラム合同フォーラム
山川 修 (福井県立大学)
Tokyo,Big Sight JAPAN 7-8 January
TV 会議システムWeb 会議システム紹介
坪川 武弘(福井工業高等専門学校) 徳野 淳子 ( 福井県立大学)
第2部 「高等教育のあり方」
撮影用機材・編集用機材紹介
簡単な問題提起と自由討論
マイク・ヨコハマ (コミュニティ推進員)
司会:山川 修(福井県立大学)
第16回大学教育研究フォーラム(2010.3.19)か
らの話題提供
藤原 正敏(仁愛女子短期大学)
- 73 -
資 料 集 : 研 究 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
4.2.15 Fレックス第15回研究会
●テーマ: テキストマイニングの利用法
日 時: 2010年5月27日(木) 17:00 19:00
場 所: 福井県立大学 図書館棟情報第2演習室
開催主旨
現在,ICTを利用した教育システムには,様々なテキスト
データが蓄積されています.今回の研究会では,こういったテ
キストデータを解析するテキストマイニングの専門家を迎え,
Web 上のテキストデータの分析事例を報告していただきます.
そのうえで,教育システム上に蓄積されたテキストデータの解
析手法に関しての議論を行います.
講 演
クラウドコンピューティングによるテキストマイニング
井上 和治氏(株式会社 サイエンスクラフト社長)
質疑応答とフリーディスカッション
教育システムのテキストマイニングをどう実施するか
災害の規模や地域性も考慮した上での応用例は?
テキスト収集時のノイズの除去方法は?
回帰曲線からの乖離度の評価の方法は?
気候変動や農業分野への応用は?
テキスト分析に必要なコーパスの数は?
特異値の処理方法の妥当性は?
ツイッターの短文を収集・分析するねらいは?
- 74 -
資 料 集 : 研 究 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
4.2.16 Fレックス第16回研究会
●テーマ: 公開授業と授業改善の取り組み
日 時: 2010年7月15日(木)17:00 19:00
場 所: 福井県立大学 図書館棟情報第2演習室
公開授業(15 日の研究会のために参観ください)
7 月1日(木)1限目(9:00 10:30)に福井県立
大学共通講義棟
L109で行われる「東南アジアの文化と社会」を参
観し、受講者人数の多い大規模講義での授業の組み立
て等を中心に授業改善の為の話し合いを持ちます。
当日、参観できない場合は、ムービーおよび関連資料
http://lms.f-leccs.jp/course/view.php?id=218
研究会プログラム(15 日 17:00_)
・講義者からのコメント
・参観者からのコメント(3名)
・ 討論
- 75 -
資 料 集 : 研 究 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
4.2.17 Fレックス第17回研究会
4.2.18 Fレックス第18回研究会
●テーマ:SNSにおけるコミュニティ活動
●テーマ:日本語パソコン学習会による多文化交流
日 時: 2010年11月4日(木) 17:00 19:00
日 時: 2010年11月19日(金) 17:00 19:00
場 所: 福井工業大学 多目的会議室
場 所: 福井県国際交流会館 会議室3
プログラム
プログラム
司会挨拶
第1部 講 演 在福外国人の現状
コミュニティの紹介(6 group)
高嶋 起代子 福井県国際交流協会 質疑応答( 全体)
オーストラリアにおけるICTを活用した移民定住支援
舟木 紳介 福井県立大学看護福祉学部 開催趣旨
第2部 フォーラム
Fレックスでは、2008年秋の発足以来、コミュ
日本語パソコン学習会による多文化交流に向けて
ニ テ ィ サ ポ ー ト の ツ ー ル と し て S N S ( Social
活動紹介 地域チームの実践報告(ビデオ)
Networking Service)サーバーを立ち上げ運営してき
パネルディスカッション 今後の活動のための議論
ました。2010年10月1日現在、大学、クラス、
座 長 菊沢 正裕(福井県立大学)
サークル、ゼミ、趣味、アート、地域活動など様々な
パネリスト 高嶋氏、在福外国人、学生と教員
コミュニティが265登録されています。その中でユ
開催趣旨:10 回にわたる実践(日本語パソコン学習会)を振り
ニークな活動を行っているコミュニティ・グループに
返り、その意義と今後の展開をどうするかについて在福外国人
活動報告および宣伝を行っていただき、インフォーマ
やその関係者、 実践に参加された教員や学生、その他F レッ
ルラーニングとしてのSNS利用法の可能性を模索し
クスメンバーと議論します。参加対象は、上記に加えて一般の
ます。
方を含みます。
- 76 -
資 料 集 : 研 究 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
4.2.19 Fレックス第19回研究会
4.2.20 Fレックス第20回研究会
●テーマ:授業収録・配信システムの運用について
●テーマ: 学習評価・GPAの導入と学士力保証
日 時: 2010年12月22日(水) 18:00 20:00
日 時: 2011年1月28日(金) 17:00 19:00
場 所: 福井県立大学 第2情報演習室
場 所: 仁愛女子短期大学 A210
プログラム
プログラム
授業収録・配信システムの概要説明
第1部 基調講演
徳野 淳子(福井県立大学)
学習評価とG P A 導入- 同志社大学の事例-
レコーダーの操作方法
圓月 勝博 ( 同志社大学)
Mediasite サーバーの操作方法
第2部 ディスカッション
木村 圭佑 氏( メディアサイト株式会社)
福井県内大学の事例報告と情報交換
F レックス収録用機材の紹介
開催趣旨
マイク・ヨコハマ(コミュニティ推進員)
高等教育機関における「学力」とは何か,その保証(い
開催趣旨
わゆる学士力保証)とは何なのかが様々議論されるよ
F レックスでは、2010年9月に、授業改善を目的と
うになってきました。このような議論の整理のために
した授業収録・配信システム:Mediasite レコーダー
今回学習評価・成績評価に焦点を当てて研究会を開催
および、サーバーを新たに導入しました。今回の研究
いたします。GPA導入など進んだ経験を持つ同志社
会では、この利用方法について分かりやすく説明しま
大学の事例をお聞きします。
す。また、F レックスが現在整備している収録用機材
GPA (= Grade Point Average) とは,アメリカ等の大学で導入
を紹介した上で、連携校の間でこれを効率的に運用し
されている成績評価システム。それぞれの教科の単位数と成績
ていく方法について議論を行います。
を基に指標を提示する。不可の科目の点数も加算されるため、
これまでとは違った学生の評価が得られる。
- 77 -
資 料 集 : 研 究 会 ( 2 0 1 0 年 度 )
4.2.21 Fレックス第21回研究会
●テーマ:3年間のFレックス活動報告
日 時: 2011年2月28日(月)13:00 18:00
場 所: 福井県立大学 第2情報演習室
プログラム
下谷政弘福井県立大学学長挨拶
第1部 チーム活動報告
・ FDチーム(坪川 武弘)
・学習チーム(杉原 一臣)
・地域チーム(菊沢 正裕)
・基盤チーム(篭谷 隆弘)
・ 学生チーム(澤崎 敏文
・ 推進協議会(山川 修)
第2部 参加校の活動報告
・福井県立大学(徳野 淳子)
・福井工業大学(杉原 一臣)
・仁愛大学 (森 俊之)
・仁愛女子短期大学(田中 洋一)
・敦賀短期大学(北野 皓嗣)
・福井医療短期大学(高島 良美)
・福井工業高等専門学校(坪川 武弘)
第3部 全体討論
(今後の連携に向けて)
開催趣旨
Fレックスは、2008年に文部科学省「戦略的大学
連携支援事業」に採択され、5つの参加校で基盤整備
などを開始し、今では、参加校も7つに増え、5回の
シンポジウム、20回の研究会、1回の合宿研修会を
始め、いろいろな活動を通じて人のネットワークおよ
びICTシステムを構築してきました。3年間の活動
成果をまとめると共に、今後の連携のあり方について
議論してみたいと考えております。
- 78 -
資料集:その他のイベント(2010年度)
4-3 その他のイベント
福井県立大学小浜キャンパスを始め、Fレックス参
加校でも配信を行い、別会場からの質疑応答も行われ
Fレックスでは、年に2 3回のシンポジウム、ほ
ました。
ぼ毎月行われる研究会以外にもいろいろなイベントを
行っています。
教員の活動としては、FD活動を中心とした学内向
けのイベントを相互に参加校の教職員に参加を許可し
たり、TV会議システムを使って他の参加校に配信し、
双方向で質疑応答をやりとりしたり、VOD化してL
MSサーバーにアップロードしたり、メディアサイト
システムを使って視聴できるようにしています。20
10年度からは、合宿研修会も始まりました。
また、共催で北陸三県合同フォーラムも開催しまし
た。
学生チームの活動としては、福井仕事塾、ライトニ
ングトーク、ラウンドテーブル、BBQ大会、スポー
ツ交流会、展示、ラジオやテレビへの出演などを行っ
てきました。
4.3.1 F レ ッ ク ス 参 加 校 テ レ ビ 配 信 企 画
Vol.001
●テーマ: 大学におけるキャリア教育の位置付けと
その他、LMSサーバーにアーカイブされているも
キャリアセンターの役割
のを列記します。
- 専門知識と技能を持つ、自立した職業人の育成 -
・ 2009年11月18日 福井工業大学第1回FDシン
日 時: 2009年6月24日(水) 13:00 15:00
ポジウム
場 所: 福井県立大学 福井キャンパス
・ 2010年7月7日 福井工業大学第1回FDシ
共通講義棟 L208教室
ンポジウム
講 師: 鈴木 賞子
・ 2010年11月17日 福井工業大学第2回FDシ
成蹊大学経済学部客員教授・人事コンサルタント
ンポジウム
・ 2010年11月24日 仁愛女子短期大学FDシン
■研究領域■
ポジウム
低学年からのキャリア形成支援プログ
・ 2010年11月30日 マハラ講習会 at 福井工業
ラムの開発、長期のインターンシッププ
大学
ログラムの開発、留学生のキャリア形成
・ 2011年1月6日 福井県立大学新春特別講座
支援プログラムの開発
「日本的労使関係の終演」
■専門分野■
・ 2011年2月4日 福井工業高等専門学校FD
キャリア教育学・キャリア開発論・企業人事制度
講演会
- 79 -
資料集:その他のイベント(2010年度)
4.3.2 北陸三県合同フォーラム
4.3.3 第1回合宿研修会
戦略的連携支援事業(戦略GP)採択プログラム
戦略的連携支援事業(戦略GP)採択プログラム
北陸三県合同フォーラム
北陸三県合同フォーラム
●テーマ: 戦略GP採択プログラムの成果と展望
●テーマ: Fレックス参加校共同のFD活動として、
日 時: 2010年12月18日(日) 1315 18:00
討論時間に余裕のある研究会と参加教職員のスキルア
場 所: 石川県政記念しいのき迎賓館
ップをはかるための合宿研修を行なう。福井県内の高
サブ会場: 富山大学五福キャンパス
等教育機関の教職員の交流をはかる。
ライブ配信; インターネットを使った同時配信をF
日 時: 2010年9月3日(金) 9月4日(土)
レックスがメディアサイトレコーダーを使って実施し、
場 所: 渓流温泉「冠 荘」
VOD化して視聴可能にしました。
〒910-2523 福井県池田町志津原14-17
研究会1
「初年次教育、ポートフォリオの取り組み」報告
島田 幹夫・宇治橋康行 氏 (福井工業大学)
本田 知己 氏 ( 福井大学)
研究会2
「アンケートから見る福井県の学生の特徴」
溝上 慎一 氏(京都大学)
研究会3
「スキルアップ講座 プレゼン能力の向上を目指そ
う」
澤崎 敏文 氏 (Fレックスコミュニティ推進員)
- 80 -
資料集:その他のイベント(2010年度)
4.3.3 学生チームの活動
4.3.3.2 ライトニングトーク
4.3.3.1
福井仕事塾!
What is Lightning Talk?
地元福井で活躍する社長さんを招いての講演やグル
ライトニングトーク(LT)とは、もともとはアメリカ
ープワーク・プレゼンテーションを行いました。
のIT 技術者の集まりで行われていた5分程度のショー
●テーマ: 社長に学ぶ、就職・仕事・授業に役立つ
トプレゼンです。
マーケティングの深い話
気負わず、気楽に、さらに雷のように短く話すところ
日 時: 2009年5月31日(日) 13:30 17:00
からこの名前が来ています。
場 所: アオッサ6階 研修室601C
F レックスのLT では、テーマに従って各自自由にプレ
ゼンすることになっています。
多くの学生が参加したこのイベントは、報道機関にも
取材され後日、新聞やテレビでも報道されました。
第1回 ライトニングトーク
● テーマ: 限られた時間で伝えよう be interest
in
日 時: 2009年12月19日(土)17:00 20:00
場 所: 鯖江コミュニティスペース「らてんぽ」
学生チーム有志の呼びかけて集まった学生、教職員
がそれそれの関心のあることに付いて5分間でスピー
チを行い、その後の交流会で親睦を深めました
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資料集:その他のイベント(2010年度)
第2回 ライトニングトーク
第4回 ライトニングトーク
● テーマ 「ふるさと」
● テーマ 「あなたのオススメのお祭り」
日 時: 2010年3月3日(水)13:00 16:00
日 時: 2010年9月5日(日)10:30 12:30
場 所: 福井県立大学 第2情報演習室
場 所: 敦賀短期大学 116教室
第3回 ライトニングトーク
第5回 ライトニングトーク
● テーマ 「福井のオススメのスポット」
● テーマ「オススメのデートスポットまたはプラン」
日 時: 2010年6月27日(日)10:00 12:00
日 時: 2010年11月14日(日)10:30 12:30
場 所: 仁愛女子短期大学 A201
場 所: 仁愛女子短期大学 A201
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資料集:その他のイベント(2010年度)
第6回 ライトニングトーク
第7回 ライトニングトーク
● テーマ 「その時 私のターニングポイント 」
● テーマ 「2011年のマイプラン」
日 時: 2010年12月19日(日)10:00 12:00
日 時: 2011年2月11日(金)13:00 15:00
場 所: 福井工業高等専門学校 図書館棟
場 所: 福井工業大学 多目的会議室
参加校の学生がを自主的に企画・運営を行っている
ため、案内チラシもバラエティに富んでいます。
2011年4月以降も開催が予定されています。
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資料集:その他のイベント(2010年度)
4.3.3.3 ラウンドテーブル
円卓(ラウンドテーブル)にすることで、出席者の
序列や上下関係を問わず、フラットな立場での意見交
換を目的にした会議。 今回は、
「働く」ということを
身近にとらえ、企業等の第一線で活躍する方々から、
実際の仕事のあり方やアドバイスをいただき、また、
普段の就職活動等ではできない自由闊達な意見交換を
フラットな立場で行うことで、実践的なビジネススキ
ルやコミュニケーションスキル等を学び、自分自身の
スキルアップにつなげていくことが目的としたイベン
トです。
第1回 ラウンドテーブル
● テーマ: 仕事を知る、夢を語る。
日 時: 2010年7月9日(水)18:00 20:00
場 所: 福井県立大学図書館棟1階 共同研究室
第3回 ラウンドテーブル
● テーマ: 地域を支える力。そして、世界へ。
日 時: 2010年9月15日(水)10:00 12:00
場 所: 江守商事株式会社 本社 4階会議室
第2回 ラウンドテーブル
● テーマ: 仕事とライフスタイル。
日 時:2010年8月11日(水)10:00 12:30
場 所:仁愛大学サテライトキャンパス(JR武生駅前)
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資料集:その他のイベント(2010年度)
第4回 ラウンドテーブル
4.3.3.4 BBQ大会
● テーマ: 仕事を知る、夢を語る。
日 時: 2010年10月29日(金)18:00 21:00
2010年5月30日に福井市SSTランドにて行
場 所: 福井県立大学図書館棟2階 第2演習室
われました。
仁愛女子短期大学の学生有志3名が中心となり、F
マーケティングの基礎レクチャー
レックスSNSなどで呼びかけ、約40名が参加。
グループディスカッション演習
宝探しゲームやサプライズ企画もあり、ネットだけ
参加企業からの講評
でなく、その後のリアルな対面でのコミュニケーショ
ンが活発になりました。
その時撮影された集合写真は、パンフレットや活用
ガイドの表紙写真として使用されました。
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資料集:その他のイベント(2010年度)
4.3.3.5 その他の小規模なイベント
学生の対面やネット会議を経て、Fレックスメンバ
ーにインタビューしたものを動画や音声で紹介する企
画「Fレックス人物紹介」
、Ustream を使ったインター
ネット番組企画「エフレクストリーム」
、などが、継続
的に始まっています。
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資 料 集 : 配 布 印 刷 物 ( 2 0 1 0 年 度 )
4-4 配布印刷物
4.4.2 Fレックスニュースレター
Fレックスでは、広報活動の一環として、配布印刷
大きさ: A4用紙8ページ
物を制作しています。主なものとして、Fレックスパ
発行日: 2009年1月1日創刊、年に4回発行
ンフレット、ニュースレター、活用ガイドがあります。
内 容: 研究会、シンポジウムの特集、活用ガイド、
トピックなどで構成
4.4.1 Fレックスパンフレット
大きさ: A4用紙4ページ
発行日: 2010年8月
内 容: 表紙 人のネットワークから学びの創造へ
見開き面 5つのチームの関係図など
裏表紙 参加校紹介
Vol.1 2010.1.1 P.1
Vol.6
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2011.4.1 P.2-P3
資 料 集 : 配 布 印 刷 物 ( 2 0 1 0 年 度 )
4.4.3 Fレックス活用ガイド
SNS活用ガイド
大きさ: A4用紙3つ折りサイズ
発行日: 2010年9月以降
テーマ別に4種類を制作しました。
1 総合活用ガイド
2 SNS活用ガイド
3 LMS活用ガイド
4 eポートフォリオ活用ガイド
LMS活用ガイド
eポートフォリオ活用ガイド
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