国際学部の学生の皆さんへ 〔1〕 はじめに 〔2〕 国際学部

平成24年度版
国際学部の学生の皆さんへ
-国際学部の4年間における教育体制:その特色とねらい-
〔1〕
はじめに
以下に述べる事柄は、主に教務関連の事柄に関して、国際学部の学生の皆さんに、学部
に関する基礎知識として是非知っておいて欲しいと思う事柄です。もちろん、これらの事
柄に関しては毎年4月に行われる学生の皆さんへの学部ガイダンスにおいて、教務委員会
から詳しい説明があります。しかし、それに先立つ基礎知識として、国際学部の教育体制
に関する必須事項を以下に文書の形で述べておきます。よく読んで、国際学部における皆
さんの今後の学習をより効果的に、より円滑なものにしてください。記載の順序は次の通
りです。
〔2〕国際学部の特色とねらい
〔3〕主に1年次生(平成24年度入学生)の皆さんへ
〔4〕主に2年次生(平成23年度入学生)の皆さんへ
〔5〕主に3年次生(平成22年度入学生)の皆さんへ
〔6〕主に4年次生の皆さんへ
〔7〕語学研修・海外留学について
〔8〕教育ネットワーク中国単位互換事業
提供科目履修の留意点について
一応学年別に記載されていますが、国際学部の学生の皆さんは、全項目に目を通して、
国際学部の4年間の教育体制の全体像を把握してください。各教科の単位数、配当年次、
卒業に必要な単位等のさらに細かい事項は、皆さんに既に配付してある別冊「学生 HAND
BOOK」(平成 22 年度入学生以前の学生は「学生便覧」)に記載されていますので、そちら
を参照してください。
〔2〕
国際学部の特色とねらい
21世紀の国際社会は、グローバル化を一つのキーワードに、大きな変容を遂げようと
しています。現在の社会で求められているのは、異質で多様な文化、言語、政治、経済、
経営(ビジネス)などについての知識を、単なる情報としてだけでなく、問題の解決に役
立つべく統合された新しい知として身につけ、世界各地域の違いのあり方を尊重し、共生
の必要を理解できる国際的な感覚を備えた人材です。
多面的、多角的に世界をとらえ、国際人として知識、能力を高めていこうとするあなた
に、広島市立大学国際学部で学んでほしいと思っています。
i
人材育成の目標
1 21世紀の国際社会に関する学習意欲
国際社会がかかえているグローバルな問題、地域社会で生じているローカルな問
題に関心をもち、それらの解決を真摯に考える人の育成をめざします。
2 共生と境界を越える思考の追求
学問分野、地域・国などの境界を越えて、問題を考え、その解決を探求し、寛容
な精神を身につけようとする人の育成をめざします。
3 地域社会への貢献と国際的な活動の展開
ひとりひとりが卒業後に地域社会で貢献し、さらには国際的な活動を展開してい
くための、しっかりとした基盤を築こうとする人の育成をめざします。
教育・研究方針
国際学部は、進化する“手づくりの教育”として、次の四つの特色をもつ教育・研究を
学生の皆さんに提供しています。
1.「学際性」の实現に向けて
政治・文化・経済といった枠だけにとらわれることなく、私たちの周りや世界各地域
の異質で多様なものを単に知識としてではなく、多面的・複眼的に関連づけて理解する
ためのカリキュラムが提供されています。講義を受けるなかで国際的な視野が広がりま
す。新しい発想がうまれます。
2.5つのプログラムの可能性
①「国際政治・平和」、「公共政策・NPO」、「多文化共生」、「言語・コミュニ
ケーション」、「国際ビジネス」の5つのプログラムのいずれかを深く究める、②複数
のプログラムを組み合わせてステップアップする、③特定の地域あるいは将来の進路な
ど、各自の関心や将来目標に応じたあなただけのルートづくり、多様な履修方式が可能
です。
3.尐人数の魅力
学生数10名程度の基礎演習(1年次)から始まって、4年次で卒業論文を書くまで
所属ゼミ生は数人です。教員と学生の距離が近く、友だちと協力でき、一貫した尐人数
ゼミが、あなたを国際学部のなかにしっかりと受けとめます。積極的に授業に参加でき、
あなたを表現でき、合点のいく議論ができます。
4.丁寧で、適切なサポート体制
学生一人ひとりの関心や目標の实現のために、教職員によるきめ細やかなサポート体
制がお手伝いをします。正課の授業だけでなく課外活動を含む、豊かな大学生活は、一
人ひとりが磨いてきた知性、完成、理性をもとにした独創性のある卒業論文とともに、
一生の宝となるでしょう。
これら四つの特色を持つ学際的な国際学部で、問題解決能力と、多種多様なものの価値
を発見し、受容し、共生できる寛大な精神を養うことができます。幅広くかつ総合的に研
究し、学習することで、総合的な人間力が育まれます。
さらに国際学部に関して、特筆すべきことは、海外の大学と学術交流協定を結び、積極
ii
的に留学生を受け入れ、また国際学部からも派遣学生海外に送り出そうとしていることで
す。具体的には、次のような大学と学術交流協定・学部間協定を結んでいます。1.ハノ
ーバー専科大学〔ドイツ〕、2.アラヌス大学[ドイツ]、3.ハワイ大学マノア校〔アメ
リカ〕、4.オルレアン大学[フランス]、5.レンヌ第2大学[フランス]、6.メトロポ
リタン大学[イギリス]、7.西京大学校〔韓国〕、8.西南大学〔中国〕、9.国際関係
学院[中国]、10.モハメド五世大学〔モロッコ〕、11.梨花女子大学校(韓国)。
〔3〕
主に1年次生(平成24年度入学生)の皆さんへ
1.総合共通科目の特色とねらい
総合共通科目は、国際学部に入学した皆さんに、様々な科目に興味を持って勉強しても
らい、より広い視野をもった人間に成長して欲しいという願いをもって設置されている科
目です。総合科目は、国際・情報・芸術の3学部、あるいはまた平和研究所からの教員が
複数参加して、講義をします。広島・平和科目は、広島の歴史と文化、平和と人権につい
て多面的に学びます。共通科目A(人間と社会)は主に国際学部の教員が担当する科目で
す。当初あまり関心のなかった分野・領域を勉強するのは、どことなくおっくうで、なか
なか興味の持てないものですが、視野の狭い、片寄った人間にならないために、これらの
科目を履修することは学生の皆さんにとって大きな意義のあることです。それぞれの分野
の最先端で活躍している教員の講義に接して、皆さんの視野を広めてください。また、担
当教員の指示する参考書等はつとめて購入または図書館を積極的に利用して読むようにし
てください。(テーマに沿って関連する科目を集めた関連科目群(パッケージ)について
は、学生 HAND BOOK74ページを参照してください。)
2.一般情報処理科目の特色とねらい
周知のごとく、本学の特色の一つは情報処理関連の科目を勉強する設備が整っていると
いうことです。情報処理センターにも、語学センターにも、時代の最先端をゆく情報処理
機器が設置されています。これらの機器は定期的に最新鋭の機器に入れ替えられます。こ
れらの機器を使って、国際学部の皆さんはコンピュータの扱い方を学習します。皆さんが
大学を卒業して就職した場合、コンピュータを利用しない職場はないと言っても過言では
ありません。コンピュータは私たちの生活の中に広く入りこんでいます。また、皆さんが
自分で調査・研究活動を始める場合でも、コンピュータをうまく使いこなせるかどうかが、
皆さんの調査・研究活動の出来不出来を左右します。一般情報処理の授業に積極的に参加
して、情報機器の扱い方に熟達してください。現在では、パソコンの値段も一時に比べる
と格安になりました。個人で一台購入しておくと〔出来れば、大学にあるのと同様の操作
ですむ機種〕、早くコンピュータに習熟できると思います。現在では種々の辞典、辞書類、
文学書等もパソコンで呼び出せるようになっています。
iii
3.保健体育科目の特色とねらい
皆さんは、「健康科学」〔前期のみ、2単位〕か、「体育实技」〔前期・後期で合計2単
位〕のどちらかを選択することになります。前者においては、スポーツに親しむための知
識、心の健康を維持し、毎日意欲的に活動するための方法を学習します。後者の科目にお
いては、履修生は各自の希望する種目〔バドミントン、テニス、アーチェリー、サッカー、
エァロビクス、フィットネス〕においてその技を磨きながら、同時に体を鍛えます。健全
な身体は、皆さんの活動の全ての土台です。この機会を利用して、スポーツを楽しみなが
ら、同時に体力づくりと友達づくりに励んでください。本学の保健体育科目に関してさら
に大切なことは、講義においても、あるいは实技においても、精神面での健康の重要さが
強調されるということです。大学生にとって精神面・社会面でのケアは何よりも大切です。
これも本学の保健体育科目の大きなねらいのひとつです。
4.外国語系科目の特色とねらい
外国語系科目には第1外国語としての英語、第2外国語としてのドイツ語、フランス語、
中国語、ハングル、ロシア語、アラビア語、スペイン語、日本語〔留学生向け〕がありま
す。外国語科目は、そのいずれに関しても国際学部が、特に力を入れて教育している科目
です。
まず英語に関しては、国際学部では英語の实践的運用能力に重点を置き、一貫して英語学
習を行えるよう、継続性のある英語カリキュラムが準備されています。
本学は基礎的な英語力の向上を目的として、コンピュータを利用した英語集中プログラム
が、「CALL英語集中」(1年次及び2年次生を対象)という正規の英語授業として行
われています。この英語集中プログラムは、多くの受講者がその英語力、特に読解力と聴
解力を大きく向上させています。また、教員と学生の対面・対話型の「英語応用演習」(1
年次及び2年次生)は、大学の英語教育では珍しい尐人数クラスで運営され、特に会話力
と書く力を大きく向上させます。
次に第2外国語〔ドイツ語、フランス語、中国語、ハングル、ロシア語、アラビア語、
スペイン語、日本語〕ですが、これらに関しては、次の点に注意してください。
①
どの外国語も週に二回授業が行われます。従って前期2単位、後期2単位の履修と
なります。現在、第2外国語は火曜日と木曜日に開講されています。但し週二回の授
業の両方を受講しなければ単位になりません。出席が非常に重視されます。これらの
単位は必修となっております。以上は1年次生に関してです。
②
2年次生に関しては、1年次に引きつづいて、さらに継続して訓練が行われます。
これも1年次同様、週2回の授業を受けないと単位になりません。但し、これは必修
ではなく、選択科目です。
③
1年次には、通常その外国語の基本的文法・文型を中心とした授業が行われ、挨拶
や簡単な会話に用いられる表現の訓練が行われます。
④ 2年次には、平易な読み物や日常会話を扱った教科書が用いられ、1年次で得られた
基礎の上に立って、より高度な訓練が行われます。
iv
また、本学の語学センターにはそれぞれの外国語を自習することができる設備・教材が
整っています。これらを利用して、積極的に外国語運用能力を高めてください。
5.「基礎演習」の特色とねらい
国際学部生は、1年次に基礎演習を履修します〔必修科目〕。これは1クラス 10 名ぐら
いの小グループのクラスです〔クラス分けは学年初めに別途に指示があります〕。基礎演
習の授業において、皆さんは研究書に直接ふれ、内容把握、発表の仕方、レポートの書き
方等について学習します。基礎演習において皆さんが修得すべき最も大切なことは、「感
想文」と「論文」の違いをマスターすることです。前者は自分の心に浮かんだことを、思
いつくままに述べればいいのですが、後者に関しては、資料を調べ、先行研究を把握し、
自分が議論しようとする内容を論理的かつ体系的に述べることが要求されます。そのため
に、基礎演習では、調べたことを発表する、すなわちプレゼンテーションの技術も学びま
す。発表するためには、さまざまな意見を出し合い、議論することも必要です。基礎演習
の尐人数クラスで、ディスカッションやディベートを实践することは、後の発展演習〔2
年次〕、専門演習〔3年次〕や卒論演習・卒業論文〔4年次〕に向けて、基礎的なスキル
を学ぶことを目的としています。
6.「国際研究入門」の特色とねらい
「国際研究入門」は、「基礎演習」と並んで1年次生の必修科目です。講義は複数の教
員が担当するオムニバス形式によって行われます。国際学部では、多様で複雑な現代国際
社会について、多角的な視点と観点から総合的・学際的に学ぶことができるように、5つ
のプログラムによる専門領域の授業科目群が用意されています。皆さんが「国際政治・平
和」「公共政策・NPO」「多文化共生」「言語・コミュニケーション」「国際ビジネス」
などのそれぞれの専門的な領域へと進む前に、広範な専門領域についての展望を与え、学
際的に考察する手伝いをするのが、この講義の目的です。21 世紀の国際社会へと羽ばたく
皆さんは、常にグローバルな問題意識と知的好奇心をもって、5つのプログラム科目群の
中から自分にとって必要な授業科目を選択していただきます。この講義を通して、学問へ
の知的好奇心と多彩な専門分野への学際的関心が芽生えることを願っています。
7.「国際研究特講」の特色とねらい
21世紀に入って、世界は大きく変わろうとしています。その変化はグローバル化と知
識化という二つのキーワードで説明されます。
グローバル化とは、今日まで国家という単位として動いていたことが、国という枠組み
を超えて地球的規模で動くようになったことをいいます。知識化とは、社会を動かす原動
力、そして未解決の問題を解決する力としての知識が育まれることをいいます。
このグローバル化と知識化は、情報技術の発展、とりわけインターネットによって一層
加速されています。その結果、知識の陳腐化の速度も加速され、“継続学習”や“組織学
習”をどう实現するかが個人や組織の重要な課題となっています。共通言語としての英語
v
の重要性が増しています。また他方で、個々の文化と芸術の重要性もますます高まってき
ています。
こうした状況のなかで、新しい課題に接近するプログラムを即時・随時に開設する必要
が生まれてきます。しかし、従来型の特定科目名だけの教育課程表(カリキュラム)では
すぐに対応できない場合があります。カリキュラムの柔軟性を確保しておくことが大切に
なってきています。
そこで、そうしたことに対応できる科目として、国際研究特講Ⅰ・Ⅱを開設しました。
国際研究特講Ⅰ・Ⅱは、ひとつの特定の内容にかかわることを授業する科目ではありませ
ん。そのときのプログラム名(テーマ)は、国際研究特講Ⅰ・Ⅱの後に続くカッコ内に示
されます。したがって、年度によっては複数の国際研究特講Ⅰ・Ⅱが開講される場合があ
ります。あるいはまた、毎年継続的に開講されるプログラムもあるでしょうし、単年度だ
けのプログラムもあります。さらに、他大学等の科目を履修し単位を修得したとき(互換
科目は除く)、本学部に「単位読み替え」をするべき適切な科目がない場合に国際研究特
講Ⅰ・Ⅱをあてることもあるでしょう。(なお、「単位読み替え」に該当する場合の詳細に
ついては、教務学生室で確認してください。)
平成 15 年度からは国際研究特講科目として「HIROSHIMA and PEACE」を開講してい
ます。これは夏期(7月末~8月上旪)の約2週間で行われる集中プログラムで、毎年、
海外 10 か国以上の学生が国際学部生と一緒に講義を受講し、討論を行います。授業や討論
はすべて英語で行われますので、国際学部生を対象とした事前研修が实施されます。
平成 19 年度からは、企業や学校で行うインターンシップも国際研究特講科目として単位
認定されています。
この講義を通して、みなさんが異質で多様な文化、政治、経済等を関連づけて理解して
いく能力や統合された知をいっそう身につけることにつながれば、と願っています。
8.教職科目の特色とねらい
教職科目を所定の単位数履修すると、中学校及び高等学校の教員免許状〔英語〕が取得
できます。教員免許は学芸員資格とともに、本学で履修できる本格的な資格です。教職単
位の多くは、卒業に必須の単位とは別個に修得することになるので〔単位数の詳細に関し
ては、学生 HAND BOOK 内の「教育職員免許状受領資格取得関係科目表」を参照すること〕、
皆さんの負担がそれだけ増すことになります。しかし、皆さんが取得した教員免許状は、
人生のさまざまな場面で力を発揮するでしょう。
9.学芸員資格取得関係科目の特色とねらい
教員免許状と並んで重要な資格に、学芸員の資格があります。各国の美術館、博物館、
記念館等の文化施設は、まさにその国の文化のバロメーターです。それらの社会教育〔生
涯学習〕施設に何をどのように収集し保存するか、またそれらを伝承して、どのように効
率的に運営し、公開展示するかは非常に重要な事柄です。さらに、その館の設置目的に応
じた調査研究、博物館資料〔美術品、考古資料、歴史資料、民俗資料〕を通しての文化の
普及、広報PRの活動が求められます。これらの活動を学芸員が担います。ですから学芸
員には高度な専門的知識と研究能力、それに入館者に対する徹底した奉仕ともてなしの精
vi
神がいります。それゆえ、これらの施設には博物館法に則り、学芸員有資格者が必要とな
ります。資格を取得する上でのネックの一つは博物館实習です。3年次までに学内の講義
形式の単位を全て修得したうえ、4年次に实習参加(通例、夏季休業中1週間)となりま
すが、無制限に受け入れてもらえるわけではありません。原則的に自分で实習受け入れ先
の博物館施設と交渉し、内諾を得ます。但し、広島県立美術館〔県内出身者に限定〕、広
島市現代美術館、ひろしま美術館については、希望者をまとめて申請します。資格を取っ
ても、超難関であり稀にしか行われない学芸員採用試験を受験し、それに合格しなければ、
学芸員になれません。学芸員資格取得試験課程を経ても实際に学芸員になるのは容易では
ありません。しかし、今日の社会でこれらの施設の果たす役割は大きく、それらの知識は
自分の生活にも活用できるはずです。
〔4〕
主に2年次生(平成23年度入学生)の皆さんへ
1.5プログラムによる専門科目の履修
1年次に皆さんは、主に総合共通科目、外国語科目、保健体育科目等のさまざまな分野
の勉強をします。しかし、2年次からは、各自の専門分野を定め、その分野を中心に深く
勉強していきます。先にも述べたように、人間は狭い領域にこり固まらないことが大切で
す。それが総合共通科目を所定の単位数履修することの意義でした。しかし、また同時に、
人間は「これなら誰にも負けない」「これなら自信を持って議論できる」と言えるような
専門領域を持つことも大切です。2年次に皆さんは、個人の関心や将来設計に従って5プ
ログラムの専門科目を履修することになります。そして、それぞれのプログラムから36
単位以上を履修した場合には、当該プログラム「領域」を専門に履修したことが認定され
ます。ふたつの「領域」が認定されることもありますし、これは他大学のいわゆる「学部」
とは異なる、広島市立大学国際学部で学ぶことの大きな特徴です。
したがって、2年次生になったらまず皆さんは、自分の専門分野をどれにするか、関心
のある専門分野を組み合わせて学際的に学ぶにはどの科目を履修するのか、を決めてくだ
さい。各分野において实際どのような授業科目があるのかは、『学生 HAND BOOK』に掲載さ
れています。また授業科目の内容は、WEB版シラバスを参照してください。
2.5プログラムの特色とねらい
1.公共政策・NPOプログラム
望ましい社会を創造するために、人々の生活の基礎である経済や社会のあり方につい
て学び、市民、NPO、政府などの果たす役割や協力しあう仕組みを考えます。
2.国際政治・平和プログラム
紛争、テロ、難民、開発、環境など、地球規模の問題を理解し、その解決方法への鍵
となる国際関係の理論と歴史、そして平和研究の方法や实践について学びます。
3.多文化共生プログラム
国家、地域、民族、文化の垣根を乗り越え、多様な考え方をもつ人びとと「共に生き
vii
る」を合言葉に、文化的対話の方法や可能性について理論と实践の両面から学びます。
4.言語・コミュニケーションプログラム
言語を基本とするコミュニケーション上の諸問題(社会問題、外国語教育・政策、言
語比較、異文化理解など)について学び、同時に外国語の实践能力の養成を重点的に行
います。
5.国際ビジネスプログラム
これまでの経営学や経済学の領域で捉えられてきた問題を、国内的・国際的な幅広い
視野と、文化的・社会的・政治的環境との相互関係で捉え、問題発生の予防にもつなが
る総合的な問題解決型の思考を育みます。
3. 「発展演習」の特色とねらい
発展演習では、1 年次に基礎演習で学んだ基礎的スキル全般の復習を行うとともに、書く
ことを意識した読み方やリサーチの仕方に力点を置いて实践的に学びます。前期では、「深
く読み、書く」ことを目標に、尐人数のゼミで文献を読み、それについて議論をしたあと、
それぞれの本についてレポートを作成します。後期はリサーチ实践入門です。それぞれの
ゼミのリサーチ・テーマに基づいて、調査をし、資料を分析し、それについてクラスで発
表を行い、議論します。最後に、それぞれのリサーチ・テーマについて、レポートをまと
めます。
4.「専門演習Ⅰ・Ⅱ」の選択と履修手続き
2年生の皆さんは、3年次から各自が選考する分野の「専門演習Ⅰ・Ⅱ」を秋に決める
ことになります。これは4年次の「卒業論文」や「卒論演習 I・II」とも密接に関連してきま
すからよく考えて選択・履修手続きを行ってください。
1.「専門演習Ⅰ・Ⅱ」とは
「専門演習Ⅰ・Ⅱ」は、専門分野の学問領域を特定の教員の指導を受けながら研究す
るものです。一般に「専門ゼミ」と呼ばれています。「専門演習Ⅰ・Ⅱ」に関しては、
便宜上、次のような取り決めがあります。
① 卒業するためには、「専門演習Ⅰ・Ⅱ」を必ず2単位以上履修すること。
② 「専門演習Ⅰ・Ⅱ」は、二つ以上履修してもよい。
③ 各教員は「専門演習」の定員を設けているので、選考となる場合がある。
④ 「専門演習Ⅰ」と「専門演習Ⅱ」は、異なる教員にしてもよい。
⑤
「専門演習」と「卒業論文」「卒論演習」は原則として無関係である。しかし、教
員によっては、前者を受講していることが後者受講の必須要件になっている場合があ
るので注意すること。
viii
2.「専門演習Ⅰ・Ⅱ」の選択方法
選択方法については後期始め頃に資料を配付し、ガイダンスで詳しく説明しますが、
皆さんも自分が何をしたいのか、どの教員に指導してもらいたいかなどよく考えておい
て下さい。次ページに専門演習Ⅰ・Ⅱの担当教員とその教員の専門分野、概要が載せて
あります。
3.「専門科目」に関する必修単位数について
「専門科目」に関する履修単位数は、次のようになっていますので注意してください。
「専門科目」に関して卒業に必要な単位数は「卒業論文」「卒論演習 I・II」を含めて
88 単位以上です。ただし、英語特講から4単位以上、「専門演習」2単位以上(演習 I
と演習 II を各1単位以上)を履修しなければなりません。
〔5〕
主に3年次生(平成22年度入学生)の皆さんへ
1.「専門演習」の特色とねらい
国際学部の目標の一つは、尐人数クラスによる「手づくりの教育」ですが、その一環が
基礎演習、発展演習に続く「専門演習」です。皆さんは2年次の終わりに「専門演習Ⅰ」
の履修手続きを終え、实際の授業は3年次から始まります。今まで学部で勉強してきて、
自分が一番興味や関心のもてる分野において、研究を進めるのがこの「専門演習」です。
3年次に履修する「専門演習」は、皆さんが希望すればそのまま「卒業論文」に続けるこ
とができます〔もちろん、「卒業論文」は別の教員の指導のもとでも可能です〕。従って「専
そしゃく
門演習」において、種々の研究書・学術資料に接し、それらを十分に咀嚼し、理解と探究
の度合いを深めていくことが大切です。尐人数であるため、予習や調べたことの発表に相
当な手間暇がかかり、受講生の皆さんの苦労も並大抵のものではないと思います。しかし、
研究はコツコツと努力することが大切です。そのように忍耐や辛抱の意味も「専門演習」
において学んでください。
ここで大切なことがあります。それは、皆さんの勉強段階では「興味や関心は常に変わ
り得る」ということです。面白いと思って始めた研究でも、途中で面白くなくなることが
あります。別の方面に関心が向くこともあります。それは皆さんの段階では当たり前のこ
とであり、何ら恥じることではありません。種々の「専門演習」を履修して、あるいは後
期には違う「専門演習」を履修して、自分の興味や関心が奈辺にあるかを知るのも方法の
1つです。「変更したら教員に悪い」との考え方で、遠慮する必要はありません。
2.専門演習Ⅰ・Ⅱの専門分野と担当教員
専門演習Ⅰ・Ⅱの専門分野と担当教員は次のとおりです。( )内は担当プログラム
(A):国際政治・平和、(B):公共政策・NPO、(C):多文化共生、(D):言語・コミュニケーション、(E):国際ビジネス
専門演習Ⅰ・Ⅱ(言語教育論)
教授
青木 信之
(D)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(教育経営学)
教授
赤星 晋作
(B)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(国際関係論)
教授
新垣 修
(A)
ix
専門演習Ⅰ・Ⅱ(マスメディア学)
教授
井上 泰浩
(C)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(応用言語論)
教授
岩井 千秋
(D)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(ジェンダー研究)
教授
ヴェール,ウルリケ
(C)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(イスラーム社会)
教授
宇野 昌樹
(C)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(国際法)
教授
太田 育子
(A)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(多国籍企業論・国際貿易論) 教授
大東和 武司
(E)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(民族国家論)
教授
大庭 千恵子
(A)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(国際関係史)
教授
金
(A)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(日本文化)
教授
佐藤 深雪
(C)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(美学)
教授
関村 誠
(C)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(スポーツ文化経営論)
准教授 曾根 幹子
(B)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(音楽人類学)
教授
塚田 健一
(C)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(財政学)
教授
寺田 英子
(B)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(日本経済論)
教授
富永 憲生
(B)(E)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(国際開発論)
教授
中島 正博
(B)(C)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(金融論・国際金融論)
教授
二村 英夫
(B)(E)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(ロシアと日本)
教授
ミハイロバ,ユリア
(A)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(国際社会論)
教授
湯浅 正恵
(A)(C)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(国際関係論)
教授
吉田 晴彦
(A)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(翻訳論)
教授
横山 知幸
(D)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(言語文化学)
教授
欒
(D)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(フランス文化と文学)
教授
ル・ディムナ,クリスチャン
専門演習Ⅰ・Ⅱ(国際関係史(中国))
准教授 飯島 典子
(A)(C)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(アイルランド文化)
准教授 池田 寛子
(D)(C)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(開発政治論)
准教授 板谷 大世
(A)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(日本語学・日本語教育学)
准教授 岩田 一成
(D)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(比較国際教育学)
准教授 卜部 匡司
(B)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(人的資源管理論)
准教授 王
(E)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(現代思想研究)
准教授 柿木 伸之
(C)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(非営利組織論)
准教授 金谷 信子
(B)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(財務管理論)
准教授 城多 努
(E)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(国際経営論)
准教授 金
泰旫
(E)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(国際関係史)
准教授 金
栄鎬
(A)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(アメリカ政治外交史)
准教授 倉科 一希
(A)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(アメリカ文学)
准教授 ゴーマン,マイケル
(D)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(会計学・国際会計論)
准教授 潮﨑 智美
(E)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(美術史)
准教授 城市 真理子
(C)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(環境経済学)
准教授 瀋
(B)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(経済政策論)
准教授 高橋 広雅
x
栄鎬
竹民
英燕
俊毅
(D)
(B)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(アフリカ研究・文化人類学) 准教授 田川 玄
(C)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(国際安全保障論)
准教授 西田 竜也
(A)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(現代社会と法)
准教授 野崎 亜紀子
(B)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(健康心理学)
准教授 山口 光明
(B)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(ラテンアメリカ研究)
准教授 吉江 貴文
(C)
専門演習Ⅰ・Ⅱ(異文化間コミュニケーション)
准教授 渡辺 智恵
(D)
3.「卒業論文」の履修手続き
現時点で3年生の皆さんは、4年生になると「卒業論文」にとりかかることになります。
その履修手続きは3年次秋に行います。「卒業論文」は、皆さんの大学生活を締めくくる
重要な研究活動です。以下のことをよく読んで、問違いのないように履修手続きをしてく
ださい。
1.「卒業論文」の指導体制について
①
「卒業論文」の指導が出来るのは、専任の教授・准教授・講師です。
② 「卒業論文」の指導に関しては、前もって各自が希望する教員の了解が必要です。
早い時期に教員を尋ね、希望を述べ相談してください。
③ 「専門演習」と「卒業論文」は原則として無関係です。しかし、教員によっては、
前者を後者の履修の条件にしている場合があります。
④
「卒業論文」指導の教員が決まらない場合は、遠慮なく教務委員会の各委員に相
談してください。
2.「卒業論文」指導教員の登録手続きについて
登録手続きは 11 月に行います。
詳細は 11 月に掲示し、資料を配付します。
3.「卒業論文」の履修に関する、皆さんの履修資格について
「卒業論文」を履修するためには、卒業に必要な単位を十分に履修していることが
条件になっています〔学生便覧の広島市立大学履修規程第8条を参照〕。この履修条
件を皆さんが満たしているかどうかの判断は、国際学部教授会が行います。履修資格
のない者へは、教務委員会がその旨通知します。未修了単位が多い者でも、一応「卒
業論文」の登録はしておいてください。
※2011 年度以降入学生の卒業論文着手要件については、学生 HAND BOOK の卒業論文等
登録条件を参照のこと。
4.「卒業論文」の単位数について
「卒業論文」は4単位、「卒論演習Ⅰ・Ⅱ」はそれぞれ1単位であり、すべて必修
です。卒業するには、「専門科目」に関して、「卒業論文」「卒論演習Ⅰ・Ⅱ」の6
単位を含めて 88 単位以上が必要です。
5.副指導教員について
xi
①
「卒業論文」には、指導教員の判断、あるいは履修生の希望によって、副指導教
員を置くことができます。
②
副指導教員になることができるのは、国際学部の専任教員全員です。また、副指
導教員の数は、学生1人につき2名までです。
〔6〕
主に4年次生の皆さんへ
4年生の皆さんに関しては、大切なことが3つあります。それは(1)卒業論文を完成
させること、(2)就職に関すること、(3)大学院への進学です。以下にこれらの事柄
に関して、順を追って述べます。
1.卒業論文の書式・提出について
〔卒業論文の書式〕国際学部は、卒業論文の厳密な書式を設定しておりません。卒業論文
の書式については、指導教員の指示に従ってください。あるいは本屋等で売られている
「論文・レポートの書き方」等の書物を参照するのも一つのアイデアです。しかし、指導
教員より特に指示がない場合は、次の諸項目が国際学部の一応の「書式」の目安になって
おります。よく読んで、間違いのないようにしてください。
① 日本語以外で、卒業論文を書くことができる。
② ワープロを使用するのが望ましい。用紙はA4サイズを使用。
③ 横書きの場合は、横 40 字×縦 30 行とする。これで 17 枚を目安とする。
④ 原稿用紙の場合は 400 字詰めで、50 枚を目安とする。
⑤ 原稿用紙の場合は手書きのものを、ワープロの場合は打ち出しのものを正本とする。
そのコピーを副本とする。鉛筆書きは、認めない。
⑥ 表紙、目次、まえがき、あとがき等をつける。
⑦ ページ番号を入れる。ぺ一ジ番号は、ページ下の中央に入れる。
⑧ 欧文の場合は、A4の用紙で、ダブル・スペースで 30 枚を目安とする。
⑨ 写真や図表は原則としてページ数に換算しない。
⑩
過去に提出された卒業論文は、附属図書館に保管されている。希望者はこれを閲覧
することができる。
⑪ 卒業論文は後で製本するため、用紙の両側の余白を2センチ半位にする。
〔卒業論文の提出〕例年、卒業論文の提出に関してはもめごとが多くあります。途中で自
転車のタイヤがパンクした、パソコンが急に故障した、前の日が休日で語学センターが閉
まっていた、猫がコーヒー・カップを倒して論文が汚れた、一度提出したが、書き換えた
い箇所がある等。いずれも、提出期限を延長してもらいたいための口实だと思われます。
以下に記すことは、毎年厳密に適用しています。
① 提出期限は1月下旪(1月最後の金曜日)ですが、正式の日時は 10 月頃までに掲示
します。
(なお、9月卒業の場合の提出期限は、7月の最後の平日です。)
xii
提出期限は厳守してください。
提出場所は、国際学部分室です。
②
正本1部はクリップで綴じて、封筒に入れて提出する。必ず各自封筒を持参し、そ
の上に「卒業論文」「学籍番号」「提出者氏名」「指導教員名」「論文題目」「提出
年月日」を記載する。これは大学保管用です。
③ 副本1部は、バインダーで綴じて提出する。バインダーの上には、「卒業論文」「学
籍番号」「提出者氏名」「指導教員名」「論文題目」「提出年月日」を記載する。こ
れは国際学部分室より、指導教員に渡されます。
④
副指導教員がある場合には、副指導教員の人数分だけのコピーを作成し、それぞれ
バインダーで綴じて国際学部分室に提出する。
⑤
提出者は必ず本人であること。提出者は、身分証明書を提示し、必ず「卒業論文提
出票」〔別紙〕に必要事項を記入し、それを卒業論文とともに提出する。国際学部分
室の係より「卒業論文受領証」〔別紙〕を受け取る。
⑥
卒業論文は、1月になったら、提出期限前のいつの日でも提出できます。ただし、
それより以前の提出は認めません。
⑦
卒業論文を指導教員のみに渡した場合、それは卒業論文を提出期日までに提出した
とはみなしません。〔派遣学生で外国にいる場合は別途考慮する〕
⑧
一度提出した卒業論文は、内容の手直し、ページの差し替え等は出来ない。たとえ
提出期限前に提出した論文であっても同じである。
2.就職について
4年次生の就職活動は、3年次の春より各種プログラムが始まり、4年次の後期にまで
就職活動が続いているのが現状です。それほど近年の就職事情には厳しいものがあります。
このような状況での皆さんの就職活動に関しては、次のことに特に気をつけてください。
就職相談室に頻繁に出入りして、係の人によく相談してください。自分一人でくよくよ
考えても何にもなりません。係の人に常に相談し、自分の考えを述べ、また係の人のアド
バイスを聞いて、就職活動をすることが大切です。また、種々のパンフレットや情報によ
く目を通し、こまめに動くことが大切です。種々の説明会、ガイダンス、講演会がありま
すから、それらには積極的に参加して情報を得てください。
次に大切なことは、「己を知り、己を磨く」ということです。学生時代に TOEIC で高得
点を達成した、秘書技能検定試験やワープロ技能検定試験に合格した、实用英語技能検定
試験において高レベルに合格した等、企業は各分野における皆さんの専門能力を求めてい
ます。そして何よりも、企業はエネルギッシュで、コミュニケーション能力のある若者を
望んでいます。学生時代にクラブ活動やボランティア活動に意欲的に参加するなかで培わ
れるキャラクターとキャリアは、就職活動の中で大きなプラスになります。就職は「己を
知る」良い機会であることを十分認識してください。
就職が決まらない場合も諦めず、就職相談室、卒論担当の教員などの助言を参考にし、
前向きに就職活動を続けることが大切です。自分の将来に関してあまり悲観的にならず、
大きな広い立場から自分を見直し、再び厳しく鍛えなおすことを考えてください。人生に
はさまざまな道があり、人間にはさまざまな可能性があります。
xiii
3.大学院への進学について
広島市立大学には、平成10年に修士課程が、平成12年度から博士課程が設置されました。
これで博士課程前期・後期の5ケ年コースが完備したことになります。学部を終えて、更
に勉学を続けたい人は、是非大学院に進学して、勉学を続けてください。
大学院に進学を希望する人は、まず自分が希望する分野の教員のところに行って相談し
てください。大学院への進学には、もちろん大学院の試験があります。その受験科目、傾
向と対策等に関して、教員は出来る範囲内でのアドバイスをしてくれます。大学院の試験
には外国語が課されていますので、その訓練は大学に入学した早い時期からやっておく必
要があります。
大学院進学は、他大学を受験する場合もあると思います。その時も、国際学部の教員に
先ず相談してみてください。相談の結果、それではどの大学どの研究科がいいだろうとい
うことになるはずです。その時点で、受験を希望する大学院の教員に連絡をとり、アドバ
イスを得るのが得策です。いずれにしろ、自分一人であれこれ考えるのではなく、このよ
うなことに関して経験豊かな指導教員にまず相談してください。どの大学も過去の大学院
の試験問題を保存しています。それには必ず目を通しておく必要があります。
〔7〕
海外学術交流協定大学への派遣学生の募集
国際学部は、ハノーバー専科大学(ドイツ・ハノーバー市)
、アラヌス大学(ドイツ・
アルフタ―)
、ハワイ大学マノア校(アメリカ・ホノルル)、オルレアン大学(フランス・
オルレアン市)
、レンヌ第 2 大学(フランス、レンヌ)
、西京大学校(韓国・ソウル市)、
西南大学(中国・重慶市)
、梨花女子大学校(韓国・ソウル市)
、国際関係学院(中国・北
京市)の 9 大学と半年又は 1 年間を派遣期間とする学生交換事業を行っています。
派遣学生は、広島市立大学に授業料を支払い、在籍したまま派遣されます。派遣先の大
学に授業料を払う必要はありません。また派遣を理由に卒業が延期になることもありませ
ん。ただし、往復の旅費、現地での生活費、授業料以外の学習にかかる経費は派遣学生の
負担になります。
派遣学生の募集は、派遣開始時期の 1 年前に掲示により案内します。
〔8〕
語学研修について
広島市立大学は、毎年「海外語学研修補助事業」を行っており、国際学部の学生は毎年
数名が外国の大学等での語学研修に対して補助金を受けています。この募集は2年次生
以上の全員に対して掲示でなされます。掲示をよく注意して見ておいてください。選ば
れた人には、語学研修費の半額が支給されます。選抜の基準は提出された書類と、本学
入学以降の勉強の成績です。語学研修を受ける時期は、夏季休業又は春季休業中になり
ます。この語学研修で得た単位は、広島市立大学の単位として認定はされません。
また個人やグループで海外の語学研修に参加した場合、適切であると認定されれば本学
の単位として認められることがありますので、語学担当の教員に相談してください。
xiv
〔9〕
教育ネットワーク中国単位互換事業提供科目履修の留意点について
教育ネットワーク中国(以下、「ネットワーク」という。)は、主に広島県内に存立す
るさまざまな大学などの間で協力体制をつくり、教育や研究活動を質的に向上させるため
に 1998 年4月1日に発足しました。その連携・協力の具体的な方策のひとつとして、ネッ
トワーク加盟大学間の単位互換事業があります。
単位互換とは、所属大学以外の大学が提供した科目を受講し、それによって修得した単
位を所属大学の単位として認定する仕組みのことです。各大学はそれぞれの特色ある教育
課程をもっていますが、みなさんの関心を深めるためには、所属大学以外の講義を受けて
みたいということもあるでしょう。そうした場合に、単位互換という制度を用いれば、他
大学で講義を受けることができます。
国際学部では、国際学部生がネットワーク単位互換事業提供科目(以下「互換科目」と
いう。)を履修した場合、以下のような考え方と方法によって、その単位を認定します。
ネットワークに加盟している他大学で履修できる互換科目の一覧表とその単位を認定す
る場合の区分(「総合共通」、「専門」、「自由」に三区分)等については、4月初旪に
説明会があります。互換科目の履修を検討しているみなさんは必ずその説明会に出席し、
誤解がないようにしてください。なお、互換科目履修登録と通常の履修登録とはその期限
が異なっていますので、細心の注意をはらってください。
1.単位互換事業単位認定にあたっての基本的な考え方
①
本学部および本学の教育課程表(カリキュラム)科目は、以下のような理念・教育
方針を实現するために開設されている。したがって、本学部および本学開設科目での
履修を基本としたうえで、互換科目の取り扱いを考える。
・社会の未解決な課題を整理し、定型的な解決策のない問題を解決できる人材を育成
する。
そのために、
・世界の異質で多様な文化、政治、経済等を関連づけて理解していく能力を育み、総
合された知を身につけさせる。
・世界を複眼的にとらえていく地域研究を重視し、世界の各地域の違いを尊重しあい、
共生の必要性を深く理解できる人材を育む。
・英語の实践的な運用能力を養成する。
・情報処理の实践的な運用能力を高める。
・個別的な学習効果をあげるために、尐人数制の学習指導など、「手づくりの教育」
を行う。
② 互換科目が本学部カリキュラムに即しているかどうかをふまえ、「専門」、「総合
共通」、そして「自由」に三区分する。「専門」は本学部カリキュラムの専門教育科
目に、「総合共通」は本学部カリキュラムの総合共通科目に即していると教授会で認
められたものとする。「自由」は本学部カリキュラムと直接的な関連性が薄いと教授
会で認められた科目とする。
③ 本学部および本学開設科目と重複している互換科目(類似科目も含む)については、
本学部および本学開設科目での履修を第一と考え、互換科目を履修し、合格した場合
でも、卒業要件に含まれる単位とはしない。その場合は、自由科目として単位を認定
xv
する。
④ 学則第 37 条において、「…他の学部又は他大学若しくは短期大学の…授業科目につ
いて修得した単位を、卒業要件となる単位として認めることができる。…合わせて 30
単位を超えないものとする。」と規定されており、互換科目もこの扱いとする。なお、
第 38 条によって、「…本学に入学する前に大学又は短期大学において…修得した単位
(科目等履修生として修得した単位を含む。)…」は、「…編入学又は転入学の場合
を除き、…」30 単位に含まれるものと規定されている。
2.単位認定の方法等
① 国際学部の卒業要件に含まれる科目として単位認定をする場合。
A:総合共通科目として単位認定する場合。
当該年度の互換科目のうち「総合共通」として学部が認めた科目を履修し、合格
した場合には、国際学部総合共通科目の単位として認定する。ただし、卒業要件を
満たすためには、総合科目2単位、広島・平和科目2単位、共通科目A(人間と社
会)6単位、共通科目B(数理と自然)2単位、共通科目C(芸術)2単位、基礎・
教養演習0単位以上、キャリア形成支援科目0単位以上の合計 14 単位は本学の開設
科目によって単位修得しておく必要がある。なお、卒業に必要な総合共通科目単位
数は 16 単位である。
16 単位-14 単位=2単位を互換科目(「総合共通」)で満たすことが可能である。
B:専門教育科目として単位認定する場合。
当該年度の互換科目のうち「専門」として学部が認めた科目を履修し、合格した
場合には、国際学部専門教育科目の単位として認定する。
卒業必要単位数 129 単位-(専門教育科目 94 単位+全学共通系科目 33 単位)=2
単位を互換科目(「専門」)で満たすことが可能である。
区
総
合
科
目
広 島 ・ 平 和 科 目
共通科目A(人間と社会)
共通科目B(数理と自然)
共通科目C(芸
術)
基 礎 ・ 教 養 演 習
キャリア形成支援科目
総 合 共 通 科 目 小 計
一般情報処理教育科目
保 健 体 育 科
目
外 国 語 系 科
目
全学共通系科目等
計
単 位 数
2単位以上
2単位以上
6単位以上
2単位以上
2単位以上
0単位以上
0単位以上
16単位
3単位
2単位
12単位以上
33単位以上
専
門
教
育
科
目
専
目
6単位
目
88単位以上
卒
業
数
94単位以上
129単位
全
学
共
通
系
科
目
門
専
分
基
礎
門
科
科
計
必
要
単
位
xvi
② 国際学部の卒業要件には含まれないが、自由科目として単位を認定する場合。
上記の総合共通科目、専門教育科目の単位として認定されなかった互換科目を履修
し、合格した場合には、自由科目として単位を認定する。なお、自由科目として認定
する場合には、単位数の上限は定めない。
③ 「総合共通」、「専門」、「自由」という単位互換事業提供科目の三区分等を事前に提示
することで、本学部生に履修上の誤解が生じないように留意する。
xvii