石巻湾巡検 実施日 10月22日~24日 2泊3日 参加学性 地理学専攻大学院生 3名 調査地 宮城県石巻市および松島町 引率教員 藁谷哲也教授 菅平巡検 実施日 11月12日~13日 参加学性 地理学科4年生2名、3年生6名、2年生13名、1年生2名、大学院生1名 計24名 調査地 長野県上田市菅平高原 引率教員 森島 済教授、羽田麻美助教 軽井沢巡検 実施日 11月3日~5日 2泊3日 参加学性 地理学科3年生15名、4年生12名、大学院生2名 計29名 調査地 長野県軽井沢町 引率教員 落合康浩教授 甲府盆地巡検 実施日 10月22日(土)~23日(日) 1泊2日 参加学性 地理学科1年生84名、2年生2名、3年生3名、 計89名 調査地 山梨県甲府盆地およびその周辺 引率教員 牛垣雄矢助教、羽田麻美助教、畠山輝雄助教、両角政彦助教 本巡検は、地理学科1年生必修科目「地理調査法(含実習)2」における野外実習として行われた。1年生にとっては、前期の上野原巡 検に続き2回目の巡検であるが、初めての宿泊による巡検であった。初日は、バスにより甲府盆地へ移動し、京戸川扇状地において扇 状地の形成過程を確認したほか、扇状地上の土地利用と扇頂・扇央・扇端の水質調査を行った。扇頂や扇央では硝酸態窒素の濃度 が低い一方で、先端の湧水帯では濃度が濃くなっていたことや、扇頂ではキウイ栽培が多い一方で扇央や扇端ではブドウや桃の栽培 が多いことが明らかとなった。 2日目は、甲府市中心市街地において、市街地の形成過程と現状について調査した。城下町を起源とする甲府の市街地の移動と近 年のモータリゼーションの進展に伴う郊外の大型店の建設の結果として中心市街地が衰退した現状について考察した。午後は、笛吹 市にあるモンデ酒造(ワイナリー)に移動し、甲府盆地で栽培されるぶどうの加工業の実態および観光としてのワイナリー見学の実態 を調査した。 なお、調査の結果は、地理調査法(含実習)2の中でまとめられ、班別にパワーポイントによる発表を行う予定である。 軽井沢・浅間巡検 実施日 9月14日(水)~18日(日) 参加学性 地理学科2年生45名、3年生5名 合計50名 調査地 長野県北佐久郡軽井沢町及び浅間山周辺 引率教員 森島済教授、藁谷哲也教授 本巡検は、地理学科2年生専門科目「地形学実験1」と「気候学実験1」の合同野外実習として実施されたものである。本巡検の目的 は地形学や気候学における基礎的な野外調査の技能習得を目指すもので、「地形学実験1」は地形学的観察・測定を通じて様々な地 形プロセスで形成された地形(火山地形)の特徴について学び、「気候学実験1」では山谷風及び樹林内での気象観測を通して気温分 布特性など小気候学的アプローチから現象を明らかにするためにそれぞれ実習が行われた。 初日は、午前9時に日本大学文理学部に集合し、バスで軽井沢まで向かい、軽石層が観察できる白糸の滝で露頭のスケッチを行っ た。その後、GPS・クリノメータ・ハンドレベルの使用法を学び、本日の実習のまとめと翌日の実習内容に関する講義を受けた。2日目は 東大火山観測所や黒豆河原を訪れ、露頭のスケッチや前日に習得したハンドレベルを用いた比高計測などを行った。また、亜高山帯 に分布するシラビソなどの木本類や草本類の植生観察も並行して行われた。3日目は「地形学実験1」の履修者は田切地形の観察を し、露頭下部の風化プロセスの違いに関する説明を受けた。そして、ポールとコンベックスを使用してその露頭の剥離深と高さを測定し た。昼食後、小諸市の千曲川左岸の段丘面・段丘崖を歩き、段丘区分図の作成や段丘崖の比高測定を行った。「気候学実験1」の履修 者は軽井沢での気象観測実習に伴う定点・移動観測地点の選定と観測方法や観測機器の使用法について学んだ。4日目は「気候学 実験1」の履修者は午前9時半から軽井沢での気象観測を実施したが、時折り小雨が降る状況下で観測が行われた。また、前日の観 測地点の選定において山谷風現象を捉えるために山腹斜面上に複数の観測地点を置く予定であったが、観測ルートの確保が困難で あるため、主に山麓に広がる樹林内での観測に変更された。観測項目は気温の移動観測と定点による気温・風向・風速・気圧の観測 で、学生が6グループに分かれて午後1時半まで行った。併せて樹林内における気温の差異をもたらす要因となる樹高と地表・樹木・雲 の表面温度の測定をそれぞれクリノメータ・巻尺・放射温度計を用いて行った。観測終了後は演習形式で気温の時間・器差補正につい て学び、実際に得られた気温データから補正値をそれぞれ算出した。最終日は気温の補正値をもとに等温線を描き、本巡検の全日程 を終えた。 後期に開講される「地形学実験2」は野外で採取した岩石の物性に関する実験を行い、「気候学実験2」では本巡検の観測で得られた データからコンピューターを用いて図化・解析手法を学ぶ予定である。本巡検での実習が今後の卒業論文のテーマ設定や野外での調 査時に活かされることを期待したい。 黒部川巡検 実施日 9月14日(水)~17日(土) 参加学性 地理学科2年生14名、4年生1名 合計15名 調査地 富山県黒部川扇状地 引率教員 水嶋一雄 教授 本巡検は,地理学科2学年専門科目「野外調査法(含実習)」の野外実習として実施されたものである.本巡検の調査対象地域は,富 山県入善町黒部川扇状地周辺であり,「農業・農村における持続性と環境保全の取り組み」をテーマとして,「農業の取り組みの現 状」,「第2次,第3次産業の立地と展開」,「農村地域における高齢化の現状と課題」,「フィールド・ミュージアムの立地と展開」,「地域 資源の利活用の現状と課題」の各視点からグループに分かれて調査を行った. 初日は12時に入善駅に集合し,入善町役場のマイクロバスをかりて,入善町全体を散策した.水嶋一雄教授の説明を受けながら,入 善町および黒部川扇状地について理解を深めた.16時からは米沢政明入善町長と懇談し,学生がそれぞれ質問する場を設けていた だいた. 2日目,3日目以降は各班に分かれ,関係機関への聞き取り調査や,現地での実地調査を行った.初日の夜に行われたミーティング では,初めて学生だけで現地調査を行うことに対する不安や戸惑いが見られたが,2日目,3日目になるとミーティングは活発化し,調 査に対する意欲が見られるようになった. 4日目は黒部川扇状地の地勢を理解するため,黒部峡谷を走るトロッコ電車に乗車した.朝から雨が降るあいにくの天気だったもの の,学生たちは宇奈月駅から欅平駅間に広がる大自然に圧倒されている様子であった. 本巡検は,参加した学生たちにとって初めての本格的な野外調査となった.今回の経験が,今後の学生生活および4年時の卒業論 文制作に生かされれば幸いである.なお,今回の調査結果は,後期専門科目である地域分析法で2011年日本大学地理学会秋季大会 での発表に向けた準備を行い,年度末には報告書を作成する予定である. 海外実地研究3 実施日 8月28日(日)~9月13日(火) 17日間 参加学性 地理学科1年生 8名、2年生 19名、史学科3年生 6名、体育学科3年生 1名、心理学科1年生 1名 調査地 西ヨーロッパ4か国(ドイツ・オランダ・ベルギー・フランス) 引率教員 佐野充教授、畠山輝雄助教 第1 日 目(8月28日) 成田空港よりフランクフルト空港に到着しました。到着初日ということもあり、フランクフルト市内を散策するのみとしました。 第2日目(8月29日) 全員にて大学都市ハイデルベルクに訪問しました。ハイデルベルク旧市街にある名門ハイデルベルク大学のほか、ハイデルベルク城 にも訪れました。ここは、多くの観光客が訪れる観光地でもあるため、観光客に対してアンケート調査を実施しました。その後、環境先 進都市カールスルーエを訪問し、トラムを利用したトランジットモールの実態について調査をしました. 第3日目(8月30日) マインツより船に乗り、ライン川をボッパルトまで下りました。途中はブドウ畑の中に古城が立つ景観が広がっていました。また、タン カーなどが往来するヨーロッパにおける水上交通の大動脈であることも確認できました。さらに、世界遺産ケルン大聖堂のあるケルン に来訪し、観光客へのアンケート調査も実施しました。 第4日目(8月31日) 班別に調査を実施しました。カールスルーエ・フライブルクに環境都市調査をしに行く班、フランクフルト市内でカフェや市場などを調査 する食文化班、世界遺産ストラスブールにおいて都市調査する生活・文化班、世界遺産ヴュルツブルクにて観光実態調査をする観光 班と都市機能・景観班にわかれました。 第5日目(9月1日) フランクフルトからドイツ北部のハンザ同盟の都市として世界遺産に登録されるリューベックへICEで移動しました。ホテル到着後、 リューベックの旧市街地の景観調査を実施しました。 第6日目(9月2日) 班別に調査を実施しました。リューベックにおいて観光実態調査を実施した観光班、リューベックと世界遺産都市ヴィスマルにおいて都 市景観調査を実施した都市機能・景観班、ハンブルクにおいて文化調査を実施した生活・文化班、ハンブルクにおいて市場調査を実施 した食文化班、ロストクにおいて路面電車の調査を実施した環境・交通班にわかれました。 第7日目(9月3日) 班別に調査を実施しました。ハンブルクにおいて運河交通等の都市機能調査を実施した班、港町キールにおいて都市景観調査を実施 した班、ブレーメンにおいて観光実態調査をした班、リューネブルクにおいて都市景観調査を実施した班にわかれました。 第8日目(9月4日) リューベックから、4回の乗継を経て、オランダ・ロッテルダムに到着しました。計7時間の大移動だったため、この日はロッテルダム市内 を散策するのみにとどめました。 第9日目(9月5日) 首都アムステルダムにて都市景観調査を実施しました。東京駅のモデルとなったアムステルダム中央駅からダム広場に向かって運河 と建物の景観を観察しました。その後、一部の班はライデンに行き都市景観調査を実施しました。 第10 日目 (9月 6日) 世界 遺産 キンデルダイクにて観光実態調査を行うとともに、低地の国オランダのポルダーの形成と原理について学びました。その後、ユトレヒト に移動し、都市景観調査を実施しました。 第11日目(9月7日) ベルギーの首都ブリュッセルに都市景観調査と観光実態調査に行きました。世界遺産に登録されるグランプラスでは17世紀以前に建 てられた建築物に囲まれた広場において多くの観光客がおり、アンケート調査を行うことができました。また、その後古都ブルージュに 移動し、こちらも世界遺産に登録される中世の街並みが残る旧市街地において景観調査とアンケート調査を行うことができました。 第12日目(9月8日) ロッテルダムからパリを経由し、フランスブルターニュ地方の中心都市レンヌに到着しました。ホテルに到着後、レンヌ市街地にて景観 調査を実施しました。 第13日目(9月9日) レンヌからランスにある潮汐発電所を訪問しました。福島原発事故後、再生可能エネルギーが注目されていますが、15㎞あるという干 満差をいかして発電を行う仕組みを理解しました。その後、世界遺産モンサンミシェルを訪れ、陸繋島に建設した修道院の宗教的意義 を学びました。その後、パリへ移動しました。 第14日目(9月10日) パリにおいて各般のテーマ別に調査を行いました。食文化班はパリ市内のカフェの立地調査やマルシェの市場調査、観光班はエッフェ ル塔や凱旋門などの観光地の調査、都市機能景観班は市内の街並みの調査、交通班はパリで先進的に行われているレンタル自転 車の調査、生活文化班は書店やスポーツ施設の調査をしました。 第15日目(9月11日) この日も引き続き、パリ市内の調査を班別に行いました。また、ヨーロッパの生活文化を体験するために、ヨーロッパで盛んなサッカー の試合を観戦しに行きました。 第16日目(9月12日) この日は、東京に帰国する日であったため、パリ市内を散策する程度にとどめました。夕方、シャルルドゴール空港に移動し、無事東 京に帰ってきました。 海外実地研究では、17日間にわたり西ヨーロッパ諸国の生活を体験しながら、各班および個人のテーマに応じた調査を実施してきまし た。海外が初めての学生も多くいる中で、大きな事故もなく全員が無事に帰国できたことは大変うれしく思います。また、慣れない海外 の環境の中で調査実習をこなすことができたことは今後の学生たちの大きな財産になると自負しています。今回の調査の成果は、調 査報告書にまとめることになっています。 高山巡検 実施日 8月22日(月)~24日(水) 参加学性 地理学科3年生 14名、地理学先行博士前期課程 1名 調査地 岐阜県高山市 引率教員 落合康浩教授、 中田昭一郎助手 頸城平野巡検 実施日 8月18日(木)~19日(金) 参加学性 地理学専攻博士前期課程 1名、博士後期課程 1名 調査地 新潟県頸城平野 引率教員 水嶋一雄教授 松本巡検 実施日 8月10日(水)~8月13日(土) 参加学性 地理学科2年生30名 調査地 長野県松本市およびその周辺 引率教員 落合康浩教授、 中田昭一郎助手 本巡検は,地理学科2年生専門科目「野外調査法(含実習)」の野外実習として実施されたものである。本巡 検では,「松本市の産業・社会に関する実態調査」をテーマに,「城下町の土地割の変遷および現代の土地利 用」,「伝統工芸品生産の現状と問題点」,「漬物生産および販売の実態と特徴」,「中心商業地域における現 状と問題点」,「市街地における景観整備の取り組みと実態」,「水源および水辺環境の保全と利活用」の各視 点からグループにわかれて調査を行った。 初日は松本駅に集合し,松本市中町蔵の会館(中町・蔵シック館)にて,参加者全員で松本市役所職員の方か ら地域の概要や政策などの説明を受けた。その後,グループごとに分かれて,市役所の担当者に対して詳細な聞 き取り調査を行った。2日目以降は,朝からグループごとに分かれて,松本市の土地利用や中心市街地における 店舗構成,伝統工芸品や漬物の生産・販売の実態,景観整備の取り組み状況や水辺環境の利活用の実態などの調 査を行った。 参加学生たちにとっては,初めての本格的な調査を実施した巡検であった。本巡検を通して学んだことが,今 後の学生生活に生かされることを期待したい。なお,本巡検の成果は,平成23年度日本大学地理学会秋季学術大 会において発表し,報告書にまとめることを予定している。 京滋巡検 実施日 7月31日(日)~8月3日(水) 参加学性 地理学科2年生29名、3年生1名 合計30名 調査地 琵琶湖周辺地域を中心とする京滋地方 引率教員 井村博宣教授 本巡検は,地理学科2年生専門科目である「野外調査法(含実習)」における野外実習として,実施さ れたものである.本巡検の調査対象地域は琵琶湖周辺地域を中心とする京滋地方であり,産業地域の 現状と課題を分析するため,事前に設定したテーマについて現地調査を行い,地理学的研究を進める ために必要な現地調査の能力を習得することを目的としている.具体的には,漁業,海レク・外来魚 への漁家対応,伝統産業,歴史的町並み,重要文化的景観,水害と治水利水史等に関する調査をグ ループに別れ行なった. 日程は3泊4日であり,1日目はJR草津駅前に集合し,全員で琵琶湖周辺をバスにて調査した.途中, 草津の宿場町や天井川,琵琶湖博物館,彦根の城や城下,マキノ町海津の港跡を見学し,湖周の古くか らの人々の生活や産業と課題を学びながら,高島市の宿泊先に到着した.2日目は,希望者は井村教授 指導のもと安曇川平野において巡検を実施,針江地区の川端文化や,安曇川におけるやな漁・人工河 川等の見学をおこなった.その他の学生は各自の研究テーマに基づく調査を行った.3・4日目は全学 生が環境・産業・文化等の各自研究テーマに基づく調査を,聞き取り調査や,アンケート調査を主な 方法として行なった.各日夜間はミーティングを行ない調査の進行状態や課題などを話し合った. 今回の巡検は天候にも恵まれ,4日間の現地調査を無事に終えることができた.2年生にとって本格 的な4日間の現地調査は,講義とは違った経験ができ,また観光等で訪れることの少ない地域を見て, 知ることのできた良い機会になったと思う.とくに,事前調査と現地調査後の相違や聞き取りといっ た調査の難しさは,今後の研究において貴重な経験になったはずである.また,各学生が調査をして いる時に交通機関が限られ,気温が高い中,広い調査地域を積極的に自分の足で調査を行なっていた 姿は印象的であった.なお,今回の調査を後期専門科目である地域分析法(含実習)でまとめ,結果 を日本大学地理学会秋季学術大会で発表し,年度末に報告書を作成する予定である. 甲府盆地巡検 実施日 平成23年7月3日(日) 参加学性 地理学科3年生、4年生、地理学専攻大学院生 計26名 調査地 山梨県甲府盆地 引率教員 水嶋一雄 教授 上野原巡検-上野原における地形と土地利用の調査 実施日 平成23年6月4日(土) 参加学性 地理学科1年生 82名、2年生 1名、3年生 1名 調査地 山梨県上野原市 引率教員 牛垣雄矢助教、羽田麻美助教、畠山輝雄助教、両角政彦助教 本巡検は、地理学科1年生専門科目「地理調査法(含実習)1」の野外実習として実施されたものである。朝10時にJR中央線上野原駅 に集合し、午前中はクラス別に桂川右岸の河岸段丘の調査を行った。段丘面と段丘崖の差を歩きながら体験し、また異なる面の露頭 を観察しながら、堆積物や形成年代の差異における講義を受けた。そして、ハンドレベルを使用し、段丘外の比高計測も実施した。さら に、段丘面における農地などの土地利用についても、地形図と見比べながら調査をした。午後は、班に分かれ、桂川左岸をオリエン テーリング方式で巡検した。チェックポイントでは教員が、そのポイントにまつわる説明をした。上野原段丘崖、対岸を望めるポイント、 旧宿場町の市街地内にある牛倉神社、貯水池、松留発電所において教員から説明を聞き、見識を深めた。巡検の結果は、今後の授 業においてまとめていく予定である。1年生にとっては、地理学科に入学して最初の巡検であり、印象深いものになったと思われる。こ の巡検が4年間の起点として位置づけられ、今後の学生の成長につながれば幸いである。
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