2015 年第 3 号(全 36 号) - CCPIT Patent and Trademark Law Office

2015 年第 3 号(全 36 号)
2015 年 5 月 22 日
2015 年 5 月
目次
2014 年中国 PCT 出願件数は 2 桁増、伸び率は最高 ................................ 2
中国専利法改正草案が意見公募 ................................................. 3
『職務発明条例草案(送審稿)
』が意見公募 ...................................... 5
中国:商標登録の年間出願件数が初めて二百万件の大台に ......................... 6
工商総局:地理的表示に係る商標の保護キャンペーンを展開 ....................... 8
工商総局:中国は商標大国になったが、ブランド強国へはまだ道半ば ............... 9
中国:2014 年ソフトウェア著作権の登録数が 20 万の大台に ...................... 10
中国:2014 年植物新品種の出願数は 1772 件 .................................... 11
北京知財裁判所の第一四半期の案件の受理・裁判終了の情況について ............... 12
質検総局:電子商取引分野の権利侵害典型案件を公表 ............................ 14
上海自由貿易区知財裁判廷が設立 .............................................. 15
中国林業知財権データベースのデータ記録が 55 万件に ........................... 16
知財分野の独占禁止 国家工商総局が措置を取る ................................ 17
最高裁:昨年、新規の知財権行政一審案件が 2 倍超増 ............................ 19
専利検索サービスシステムに七言語のバージョンが追加 .......................... 20
1
2015 年 5 月
専利
2014 年中国 PCT 出願件数は 2 桁増、伸び率は最高
3 月 19 日付世界知的所有権組織(WIPO)の報告によると、2014 年中国の PCT
国際専利出願件数は 2.5539 万件で、2013 年より 18.7%増加し、世界で唯一の
2 桁増の国となった。中国企業は PCT 国際出願の大手企業となっている。
報告によると、アメリカが依然として PCT 国際出願件数が最も多く、2014
年の出願件数は同期比 7.1%増の 6.1492 万件で、世界全体の 28.7%を占めた。
それに次ぐ日本の出願件数は同 3%減の 4.2459 万件で、全体の 19.8%を占め
た。三番目の中国の出願件数は同 18.7%増の 2.5539 万件で、全体の 11.9%を
占めた。
2014 年企業別の国際専利出願では、中国の華為技術有限公司(ファーウェ
イ)が 3442 件で PCT 国際出願企業ランキングの一位となった。米国のクアル
コム社(Qualcomm)が 2409 件で二位に、中興通訊股份有限公司が 2179 件で三
位である。
PCT 国際出願件数の企業別ランキング上位 50 社には、中国の騰訊科技(テ
ンセント)、深せん華星光電、京東方、華為ターミナルがそれぞれ第 17 位、第
23 位、第 34 位、第 46 位に入っている。
これらについて、WIPO のフランシス・ガリ事務局長は「PCT 国際出願件数の
急速な成長は知的財産の重要性が段々と認められ、世界経済システムにおける
知財の位置づけが外郭から中心へと移行しつつあることを示している」とコメ
ントした。また前回の中国訪問の際、ガリ氏は「世界経済のグローバル化に伴
って、中国企業の国際化事業が目覚しい進展を遂げている。中国は全面的な改
革深化を継続的に推進しており、中国の知的財産事業は不断の進歩を遂げてい
る。このことは中国企業が世界経済の発展の潮流にさらに乗ることを推進する
ものである」と指摘した。
関係専門家によると、PCT 国際出願は中国の自主開発能力を測る物差しとな
っている。ここ数年間に中国の PCT 国際出願件数が急増したことは、中国企業
の国際化運営の品質向上と市場化競争力の強化を示すものである。
http://www.sipo.gov.cn/yw/2015/201503/t20150325_1092597.html
2
2015 年 5 月
中国専利法改正草案が意見公募
中国専利事業にとって、4 月 1 日は特別な日である。30 年前のこの日、『中
華人民共和国専利法』が正式に施行された。それから 30 年経ったこの日、国
家知識産権局により起草された『中華人民共和国専利法改正草案(意見募集
稿)』(以下、『草案』と略す)が公表され、意見公募が始まった。
「専利権保護を強化し権利者の合法的権益を保護することが、今回の改正の
ポイントの一つだ」と国家知識産権局条法司の関係責任者は語っている。『草
案』は 30 の条文を実質的に改正している。内訳は、修正が 18 ヶ条、新規追加
が 11 ヶ条、削除が 1 ヶ条、また『専利の実施と運用』の章を新たに追加し、2
ヶ条に対して相応の文字的調整を行っている。
説明によると、改正内容には主に専利権保護を強化し、権利者の合法的権益
を保護すること、専利の実施と運用を促進し、専利の価値を実現させること、
政府機能の法による決定を実現し、サービス型政府を構築すること、専利審査
制度を完備し、専利の品質を向上させること、専利代理に関する法律制度を完
備し、知的財産サービス業の健全な発展を促進することなどの五つが含まれて
いる。その中で、専利権保護を強化し、権利者の合法的な権益を保護すること
については、中国の特色ある専利保護制度をさらに完備し、専利保護と法執行
の強化をめぐり専利権者に指摘されている「挙証が難しい、時間が長い、コス
トが高い、賠償が低い、効果が薄い」などの課題に対し、対応措置を提出して
専利権侵害を取り締まる長期的な有効メカニズムを構築し、専利の行政措置と
司法保護の効果的な繋がりを促進し、法執行の効率を向上させ、専利権行使の
コストダウンを実現し、公正公平、規範的で透明性のある法治・市場環境を作
ることが含まれる。
「施行から 30 年、専利法はイノベーションを奨励・保護し、経済社会の発
展を支える上で重要な役割を果たしてきた」と、国家知識産権局条法司の関係
責任者は語っている。同氏によると、中国は改革開放と、イノベーションの発
展に伴い、1992 年、2000 年、2008 年に三回にわたって専利法の改正を行った。
ここ数年、中国経済の急速な発展に伴い、知財保護の強化、自主イノベーショ
ン能力の向上が、経済発展モードの変換の加速やイノベーション駆動型発展戦
略の実施の内在的需要となっている。新しい情勢の下で、専利事業には高い目
標と要求が新たに求められている。全人代常務委員会が 2014 年に専利法の執
行に関する調査を行った結果、専利保護の実際の効果とイノベーション主体の
期待との間に比較的大きなギャップが存在し、専利運用力不足等のような問題
が見つかった。その関係指示の主旨を実行し、当面の課題を解決し、社会全体
のイノベーション活力を刺激するため、国家知識産権局は専利法第四回改正作
業をスタートした。
「中国専利制度の核心と基礎となる専利法に対する第四回改正は改革の深化、
イノベーション駆動型発展の重要なサポートとなり、また知財戦略実施の深化、
3
2015 年 5 月
知財強国建設の加速にも法的保障を提供することになる」と、中南財経政法大
学知財研究センター常務副主任の曹新明教授は、中国知識産権新聞の記者イン
タビューに応じてコメントしている。また同氏は、「党中央、国務院は知財を
重要視し、最近公表された『体制改革を深化し、イノベーション駆動型発展の
実施を加速することについての中国共産党中央部と国務院の若干意見』は、知
財制度がイノベーション奨励の基本的な保障となるように、知財保護制度の厳
格な実施を強調し、専利制度の構築について新たな要求を提出している。これ
より、専利法の第四回改正は情勢に応じた適時のもので、必ずや中国専利事業
の発展に堅牢な基礎を築き、改革の深化とイノベーションの発展に一層強力な
法的保障を提供することになるだろう」と語った。
http://www.sipo.gov.cn/yw/2015/201504/t20150403_1096787.html
4
2015 年 5 月
『職務発明条例草案(送審稿)』が意見公募
4 月 2 日、国務院法制弁公室は、国家知識産権局、科学技術部が国務院に提
出し審議を求めた『職務発明条例草案(送審稿)』について、意見の公募を始
めた。
説明によると、送審稿は七章四十四ヶ条からなり、発明の権利帰属、発明の
報告と知財出願、職務発明者に対する奨励と報酬、職務発明の運用と実施の促
進、監督検査と法的責任など複数の面で職務発明制度について規定している。
また、職務発明制度は職務発明に関する権利帰属と利益配分を調整するため
の基本制度であり、科学技術人材とその所属単位の、科学技術イノベーション
やその転化運用における積極性に直接に繋がるものでもある。2010 年 6 月に
中国共産党中央部、国務院により公布された『国家中長期人材発展計画綱要
(2010-2020 年)』は「職務技術成果に関する条例を制定し、科学技術成果の
知財権の帰属と利益配分のメカニズムを完備し、科学技術成果の創造者の合法
的権益を保護する。職務発明者の権益を明確し、主要発明者の受益割合を引き
上げる」ことを明確にしている。これを実施するため、2010 年に国家知識産
権局と科学技術部などの関連主管部門は条例の起草作業をスタートし、調査研
究を行い、広範囲で意見募集をし、複数回に亘り議論した上で『職務発明条例
草案(送審稿)』を作成し、国務院に提出して審議を求めた。
国務院法制弁の公式サイトによると、関係者は 2015 年 5 月 2 日までに中国
政府法制情報ネットに登録して、または書簡、電子メールにて意見を提出する
ことができる。
http://www.sipo-reexam.gov.cn/xwgg/zscqdt/10796.htm
5
2015 年 5 月
商標
中国:商標登録の年間出願件数が初めて二百万件の大台に
国家工商総局商標局によると、2014 年、商標局が受理した商標登録出願は
同期比 21.47%増の 228.54 万件に上り、記録を更新した。これで中国商標登
録の年間出願件数は初めて 200 万件の大台に乗り、13 年連続で世界一位にな
った。2014 年末現在、中国商標登録の出願数は累計 1552.67 万件、商標登録
数は累計 1002.75 万件、有効登録商標は 839 万件で、世界一位を維持した。
2014 年 5 月 1 日に新『商標法』が施行されてから、商標登録と審査プロセ
スが一層簡素化され、商標登録が便利になっている。また、商標登録管理部門
が積極的に役割を転換し、上質な公共サービスを提供するために、法的基盤を
構築した。国家工商総局中国共産党党組の重視と支持の下で、商標局は新『商
標法』の施行を契機に、『商標審査メカニズムを完備し、審査作業の効率を向
上させることについての工商総局の意見』を真剣に実行し、商標登録審査メカ
ニズムを改革し、ハードワーク、人手不足、高難度化する審査業務、作業シス
テムのバージョンアップがもたらす問題を解消し、商標審査の品質保証をベー
スに、難関を乗り越え、審査スピードを加速して、2014 年の一年間に同期比
70.32%増の 242.64 万件の商標登録出願を審査した。商標出願件数と審査件数
は共に 200 万件の大台に乗った。商標登録までの平均審査期間を 9 ヶ月に縮め、
法定審査期限を保証した。2014 年、商標局が認可した商標登録数は 1375104
件で、同期比 37.96%増、初歩査定による公告数は 1546962 件で、同期比 65.14%
増、拒絶査定は 480550 件で、同期比 83.29%増、商標登録の部分拒絶査定は
398871 件で、同期比 76.69%増であった。
注目すべきところは、2014 年の商標登録出願のうち、電子出願が 138.4 万
件に上り、同期出願全体の 60.56%を占めた点だ。新『商標法』の施行以来、
商標局はオンラインサービスシステムを整備しつつ、テクニカルサポート行っ
ている。2014 年に商標局は商標代理機構に、商標デジタル証書 810 件を新規
発行し、294 件を変更・更新した。現在までに計 9249 の商標代理組織(944
の法律事務所を含む)がオンライン出願システムを通して商標登録出願を提出
できるようになり、出願人に大きな利便性をもたらしている。
http://www.iprchn.com/Index_NewsContent.aspx?newsId=83923
コメント:
商標出願数の持続的増加に伴い、有効登録商標数も増え続けているが、この
ことは商標出願が拒絶される確率をも大幅に高めている。その要因は、識別・
使用しやすい文字商標は使用される割合が高いものの、日常よく使われる漢字
は凡そ 4000 字程しかなく、外国語文字商標も同じ課題に直面していることに
ある。つまり商標として使える文字資源が徐々に減っているため、商標出願人
6
2015 年 5 月
は商標を考案する際、ブランド自体の意味だけではなく、文字を選ぶ時、いか
に工夫して先願や先行登録商標との近似を避けるかを考えなければならない。
その対策例として、文字のデザイン化や装飾などの手法がある。
7
2015 年 5 月
工商総局:地理的表示に係る商標の保護キャンペーンを展開
先頃、国家工商総局商標局の公式サイトは 2014 年の各省、自治区、直轄市
の商標出願と登録統計表・統計明細表を発表した。統計によると、2014 年、
中国国内出願数ランキング上位 5 省(市)は順に広東省(406393 件)、浙江省
(196993 件)、北京市(191152 件)、上海市(137615 件)、江蘇省(122817 件)
であった。この 5 省市の出願数の合計は国内出願総数の過半数となる 50.81%
を占めている。
統計表は省・区・市別に出願件数、登録件数と有効登録数を統計している。出
願件数と登録件数は 2013 年 12 月 16 日から 2014 年 12 月 15 日までの商標統計
データで、その他は 2014 年 12 月 31 日までのデータである。
出願数が 4 万件を超えた地域は山東省、福建省、香港特別行政区、四川省、
河南省、河北省、湖南省、安徽省、湖北省、重慶市である。2013 年と比較し
た出願数上昇幅ランキング上位 5 位は順にマカオ特別行政区(同期比 93.56%
増)、台湾省(同 49.09%増)、北京市(同 43.17%増)、海南省(同 40.7%増)、
チベト自治区(同 38.6%増)であった。
西部 12 省区市の商標出願数は同期比 9.73%増の 282957 件であった。
国内有効登録数ランキング上位 5 位は広東省(1314188 件)、浙江省(965127
件)、北京市(545713 件)、江蘇省(516356 件)、上海市(431987 件)であっ
た。国際登録出願数ランキング上位 5 位は山東省(820 件)、広東省(598 件)、
浙江省(322 件)、江蘇省(244 件)、福建省(147 件)であった。
http://www.nipso.cn/onews.asp?id=25586
8
2015 年 5 月
工商総局:中国は商標大国になったが、ブランド強国へはまだ道半ば
国務院新聞弁公室(State Council Information Office)は記者会見を開き、
2014 年中国知財権発展状況を説明し、記者の質問に答えた。記者会見で、国
家工商行政管理総局の劉俊臣副局長は、
「昨年の商標登録出願数は同期比 21%
増の 228.5 万件に達し、再び記録を更新した。中国は 13 年連続で世界一位を
維持しており、既に真の商標大国となっている。しかしながら、統計データに
よれば、まだブランド強国とは言えない」と語った。
出願件数が 13 年連続で世界一位
劉俊臣氏によると、昨年の出願数は同期比 21%増の 228.5 万件に達し、再
び記録を更新した。中国は 13 年連続で世界一位となり、真の商標大国になっ
た。今年 3 月末現在の商標登録出願数は累計 1600 万件、登録数は 1000 万件を
超え、有効登録数は 900 万件に近い。
商標の国際化の面では、国内出願人がマドリッド協定により締約国を指定
(領域指定)して拡張保護を求めるケースは 2140 件であった。世界知的所有
権機関のマドリッド協定に加盟した国と地域の中で、中国は第七位だった。な
お、国外出願人が中国を領域指定して拡張保護を求めたケースは 2 万件を上回
り、世界一位である。
まだブランド商標強国ではない
劉俊臣氏は、中国は商標大国になったが、統計データによると、まだブラン
ド商標強国ではないとの認識を示し、「中国は市場主体1万軒あたりに千件余
りの商標しか保有していないのに対し、アメリカなど先進国は企業 1 万軒あた
りに 3000 件余りの商標を保有している。中国は先進国の三分の一ぐらいだ」
と語った。
世界で一般的に公認されたブランド・ランキング、例えば世界ブランド研究
所(World Brand Lab)のブランド 500 強ランキングにランク入りしたブランド
の数は、昨年中国は 29、アメリカは 227、日本は 39 であった。中国の自主ブ
ランド企業の輸出製品は輸出総額全体の 11%であり、その割合は明らかに低
い。
最後に劉俊臣氏は、
「李克強総理は今年 3 月 20 日に工商総局を視察した際に、
『偽物・粗悪品の製造販売、知財権侵害などの行為に対する断固とした取り締
まりは、良質製品・サービスを提供するよう企業を奨励し、中国製に対する公
衆の信頼を高めることに繋がる』と述べたが、これからは総理の要求に従って、
商標法を真剣に施行し、商標登録の利便化をさらに推進し、商標専用権をより
よく保護し、中国のブランド経済の発展に良好な市場環境を作る」と決意を述
べた。
http://www.nipso.cn/onews.asp?id=25625
9
2015 年 5 月
版権
中国:2014 年ソフトウェア著作権の登録数が 20 万の大台に
4 月 8 日に中国版権保護センターが発表した『2014 年中国ソフトウェア著作
権登録状況分析報告』によると、2014 年の中国のソフトウェア著作権登録数
が 218783 件となり、初めて 20 万件の大台に乗り、記録を更新した。これは
2011 年に中国のソフトウェア登録数が初めて 10 万件を超えて以来の大きな突
破であり、ソフトウェア産業の急成長や著作権者の権利保護意識の持続的向上
と共に、中国のソフトウェア登録数が高度成長期に入っていることを表してい
る。
ソフトウェア登録数の地域別ランキングを見ると、2014 年の全国トップ 5
は北京市、広東省、上海市、江蘇省、浙江省である。この五地域は計 140300
件のソフトウェアを登録し、登録数全体の約 64.13%を占めたが、その割合は
2013 年よりやや減少した。北京市は 48650 件のソフトウェアを登録し、中国
登録総数の約 22.24%を占め、連続して全国一位となった。
ソフトウェア登録数の多い分野を見ると、APP(Application software)、モ
ノのインターネット、エンベデッドシステム、地理情報などに代表されるホッ
トな分野におけるソフトウェア登録数がそれぞれ異なる程度の急速な伸びを
見せている。APP ソフトウェアの登録は 30742 件で、2013 年より 20120 件増加
し、同期比 189.42%増であった。目下、中国において APP ソフトウェアは最
も成長率の高いソフトウェアの一つである。
2014 年、中国のゲームソフトウェアの登録数は急速な増加を維持し、年間
登録数は 13716 件で、初めて 1 万件の大台に乗り、2013 年より 4056 件増加し、
同期比 41.99%増であった。うち携帯ゲームの登録数はゲームソフトウェア登
録数全体の 65.05%を占め、著しい上昇傾向を見せた。
中国版権保護センターの索来軍副主任は、「政府の産業政策に恵まれ、ソフ
トウェア著作権登録数は急速に成長している。ソフトウェア企業はハイテク企
業の資格とソフトウェア製品・ソフトウェア企業の『ダブル・ソフト』資格を
取るために、著作権登録をしなければならない。これらの資格を取得すれば、
税の優遇措置を受けることができる」と語った。
http://www.iprchn.com/Index_NewsContent.aspx?newsId=84194
10
2015 年 5 月
その他
中国:2014 年植物新品種の出願数は 1772 件
広州で開催された 2015 年農業植物新品種 DUS テスト及び新品種保護作業会
議によると、2014 年、中国の植物新品種の登録出願数が 1772 件に達し、記録
を更新した。
今回の会議では『国家知識産権戦略実施の深化に関する行動計画(2014-2020
年)』の要求に従って、2014 年の農業植物新品種保護とテスト作業を総括し、
『国家農業植物新品種 DUS テストシステム構築計画(2015-2020 年)』の実行
などについて検討が行われた。
会議は「植物新品種は農業分野における最も重要な知財権として現代種苗業
界の発展を支える役割を担っており、植物新品種の保護と品種テストの強化は
種苗業の科学技術イノベーション駆動力を発揮する重要な措置である」と強調
し、「種苗産業をめぐる三つの重点作業、すなわち一つは種子法改正への積極
的な参加、一つは種子法執行へのテクニカル・サービスの提供、一つは植物新
品種検定に関するテクニカルサポートの提供を遂行しなければならない」と指
摘した。
農業部の関係責任者は「経済発展の新常態(ニューノーマル)の下で、植物
新品種保護事業とテスト作業が更に多くのチャンスとチャレンジに直面して
いる。今後、満ち溢れた熱情、堅実な取り組み、開拓精神をもって団結一致し
て新品種保護事業を推進し、現代種苗産業を発展させ、種苗産業強国の構築に
大きく貢献しよう」と呼びかけた。
http://www.iprchn.com/Index_NewsContent.aspx?newsId=83951
11
2015 年 5 月
北京知財裁判所の第一四半期の案件の受理・裁判終了の情況について
受理状況
2015 年 3 月 20 日現在で、北京知財裁判所の案件受理数は計 2400 件で、う
ち一審案件は 2058 件、二審案件は 342 件である。
2014 年 11 月 6 日の設立から 2015 年 3 月 20 日までのわずか四ヶ月余りの間
に、北京知財裁判所は 2400 件の案件を受理し、うち一審案件が 2058 件にも達
したことだけを見ても、裁判官にかかったプレッシャーの大きさが窺える。
北京知財裁判所は全国範囲で知財権付与・権利確認の審決不服案件の専属管
轄権を持つ。即ち専利、商標の権利付与、権利確認を不服として提出された行
政訴訟は全て北京知財裁判所が管轄する。この専属管轄を背景に、当然のこと
ながら北京知財裁判所が受理した案件の大半は一審案件であり、これは今後も
常態化するだろう。北京知財裁判所における一審案件の受理状況は、全国の知
財出願や行政機関における権利付与・権利確認の状況を反映する側面をもつ。
受理された一審案件の内訳は、著作権紛争が 55 件、商標権紛争が 1463 件(う
ち商標行政紛争 1431 件)、専利権紛争が 505 件(うち専利行政紛争 294 件)、
技術契約、不正競争などその他紛争が 35 件である。
件数と割合を見ると、商標権紛争が 71%という高い割合を占め、次いで専
利権紛争となっている。なお、この二つでは、行政訴訟が比較的高い割合を占
め、特に商標権紛争は行政訴訟の割合が 97.8%である。
その原因は、一つに上述の専属管轄権を背景に、全国の商標、専利に関する
権利付与・確認などの関連行政行為を不服として提起された行政訴訟は全て北
京知財裁判所に集中しているため、行政訴訟案件の割合が高いこと。一つにこ
れまで商標行政審判に未解決案件が残っていたため、商標行政訴訟件数が多く
なったこと。一つに大衆の知財権、特にブランド保護意識が高くなったこと、
である。
角度を変えて見ると、これまで長期間、商標行政紛争件数の多さに対して、
専利行政紛争は比較的に少ない状態にある。このことは、専利出願の件数が商
標出願の件数に遥かに及ばないからだとも言える。知財保護意識の向上によっ
て商標権保護が重視されているものの、一方で専利出願及び専利の転化の割合
がまだ低いことは、イノベーション型国家という目標にはまだ開きがあること
を示している。
受理された二審案件の内訳は、著作権紛争が 259 件、商標権紛争が 31 件、
専利権紛争が 3 件、技術契約、不正競争などその他の紛争が 49 件である。
著作権紛争が主役であり、且つその割合は他の案件よりもずっと高い。今回
の二審案件は全て権利侵害紛争に関する一審判決を不服として提起された上
訴案件であるため、二審案件における各種の案件の割合から考えると、一審案
件の中で著作権侵害訴訟の割合が比較的高いことが分かる。
12
2015 年 5 月
裁判終了案件の状況
設立から 2015 年 3 月 20 日までに、北京知財裁判所は計 587 件の裁判を終了
し、終了率は 24.5%であった。うち一審では 346 件の裁判を終了、終了率は
16.8%、二審では 241 件を終了、終了率は 70.5%である。
一審終了案件の内訳は、著作権紛争案件が 7 件で、終了率は 12.7%、商標
権紛争が 280 件(うち商標行政紛争 276 件)で、終了率は 19.1%、専利権紛
争が 58 件(うち専利行政紛争 35 件)で、終了率は 11.5%、その他紛争が 1
件である。また上記のうち、商標行政紛争案件の一審終了率は 19.3%、専利
行政紛争案件の一審終了率は 11.9%であり、行政紛争案件全体の一審終了率
は 18%で、一審終了率の 16.8%より高い。
二審終了案件の内訳は、著作権紛争が 197 件で、終了率は 76%、商標紛争
が 18 件で、終了率は 58%、専利権紛争が 2 件で、終了率は 66.7%、技術契約、
不正競争などその他紛争が 24 件となっている。
http://www.cnipr.com/sfsj/zscqfy/201504/t20150407_187803.htm
13
2015 年 5 月
質検総局:電子商取引分野の権利侵害典型案件を公表
国家質量監督検験検疫総局(以下、
「質検総局」)によると、国家質検総局は
市場の監督管理の持続的強化をベースに、電子商取引分野における知財権侵害
と偽物の製造・販売に対する取り締まりを強化すると共に、全国の品質検査機
関を組織して電子商取引分野における権利侵害・偽物・粗悪品に対する検査を
行っているが、4 月 3 日、最近摘発した一連の典型案件を公表した。
説明によると、知財権侵害と偽物・粗悪品の製造販売に関する典型案件には
上海某公司「ブランド服飾品偽物案件」、某実業有限公司「偽 USB 充電器製造
販売案件」、某公司「偽電源アダプタ製造販売案件」等が含まれている。調査
によると、上海某公司の「ブランド服飾品の偽物案件」については、該公司に
HP にて偽 BURBERRY などの偽ブランド服飾品を製造販売した容疑がかかり、現
場検証の結果、当該公司が他社の名称、住所、登録商標を冒用していたことが
判明した。販売される予定だった偽「BURBERRY」などの偽ブランド服飾品は計
683 件、推定価値は 15 万元に上る。調査によると、該公司のこの七ヶ月の生
産販売額は 80 万元近くに上っている。関連法律規定に基づき、本件は公安機
関に移送された。
今年に入り、国家質検総局は電子商取引の商品品質を管理する「12365 苦情・
告発処理指揮センター」を組織して品質違法容疑のある一連の電子商取引製品
案件を調査したうえ、調査で得た手がかりを用いて上海、浙江、広東など9つ
の省市に品質検査機関の要員を投入して検査・摘発行動を行い、電子商取引シ
ステムを利用した偽物・粗悪品販売案件を取り締まっている。
http://www.nipso.cn/onews.asp?id=25508
14
2015 年 5 月
上海自由貿易区知財裁判廷が設立
2015 年 4 月 9 日、上海市浦東新区裁判所に自由貿易区知財裁判廷が設立さ
れ、同時に最高裁判所知財審判廷自由貿易区知財権司法保護調査研究連絡所も
始動した。
説明によると、上海自由貿易試験区(以下、
「上海自貿区」)の開放措置の一
部が適用範囲を浦東新区まで拡大し、ハイテク産業、精密加工産業の発展や国
際的有名企業の進出に伴い、クロスボーダー貿易、特に知財権取引が急増して
いる。上海自貿区における知財権司法保護の需要が日に日に増加し、知財権保
護は一連の新情勢、新問題に直面しているため、上海自貿区の知財権司法保護
メカニズムを一層完備する必要がある。最高裁判所裁判委員会委員、知財権裁
判廷廷長の宋暁明氏は「浦東新区裁判所自由貿易区知財権裁判廷と最高裁判所
知財廷自貿区知財権司法保護調査研究連絡所の設立は司法サービス保障シス
テムの、自由貿易試験区におけるもう一つの重要措置だ」と評価した。
http://finance.china.com.cn/roll/20150410/3049021.shtml
15
2015 年 5 月
中国林業知財権データベースのデータ記録が 55 万件に
国家林業局によると、近年、国家林業局は林業知財権事業を重要視し、知財
権データベースの建設を継続的に強化している。現時点で中国林業知財権デー
タベースのデータ記録は 55 万件に達し、林業の発展を力強く支えている。
説明によると、国家林業局は次の措置を取って林業知財権の基本データベー
スと情報共用プラットフォームの建設の強化を続けている。即ち、「林業知財
権管理情報システム」ソフトウェアを開発し、関連するソフトウェア著作権登
録を行ったこと。国内外の林業知財権情報資源を統合し、林業関係専利、植物
新品種に関する権利、林産品の地理的表示、商標、著作権、林業知財権文献、
法律法規、資源ナビゲーションなど林業知財権基本データベース 14 個を完備
したこと。2014 年、国外植物新品種法律全文データベースを新規作成し、累
計 5 万件以上の新規データを増やし、データ数は合計 55 万件に達したこと。
同時に、中国林業知財権データベースのフルテキストインデックスを完備し、
林業知財権展示プラットフォームで、権利付与された発明専利、登録された林
業植物新品種、ソフトウェア著作権、産業化パイロットプロジェクト、専利賞、
専利譲渡などでの中国林業知財権事業における成果を発表し、林業知財権の活
用、交流及び協力を促進していることである。
http://www.sipo.gov.cn/mtjj/2015/201504/t20150410_1099533.html
16
2015 年 5 月
知財分野の独占禁止
国家工商総局が措置を取る
国家工商総局によると、知財権濫用による競争排除・制限行為で齎される独
占に対し、同局は『知的財産権濫用による競争排除・制限行為の禁止に関する
工商行政管理機関の規定』を打ち出し、市場支配的地位を有する経営者は正当
な理由が無い場合、知財権行使の際、むやみに商品の抱き合わせ販売をしては
ならないと規定した。
国家工商総局は次のように説明した。知財分野の独占禁止は独占禁止法執行
の重要内容である。近年、知財権濫用による競争排除・制限行為が益々注目を
集めている。知財権濫用による競争排除・制限行為はイノベーションを妨害し、
競争を阻害し、知財権保護の趣旨に背き、さらには独占問題を引き起こす。今
回新しい規定を打ち出したのは、ルールに合うように経営者の知財権行使をリ
ードし、正当な権利行使と競争を排除・制限する濫用行為との線引きを明確す
るためである。
『規定』は 19 ヶ条からなり、非価格的な知財権濫用による競争排除・制限
行為や関連市場などの概念を定義し、知財権行使の手段を利用して経営者間で
独占協定を結ぶことを禁止している。市場支配的地位を有する経営者が知財権
行使の際に市場支配的地位を濫用して競争を排除・制限することを禁止し、ま
た知財権ライセンスを与えないことや限定的取引、抱合せ販売、取引に不合理
な制限を加えること、差別的取り扱いなど実務上よく見られる具体的な濫用行
為に関する禁止規定を行ったうえで、その構成要件、表現形式などについても
詳細に規定している。
抱合せ販売については、知財権行使の際、市場支配的地位を有する経営者は
正当な理由がなく、取引慣習、消費習慣などに反してまたは商品の機能を無視
して、異なる商品を強制的に抱合せ販売し、又は組み合わせて販売し、且つ当
該主たる商品又は従たる商品の市場における他の経営者の競争などを排除、制
限した場合、規定違反と見なすとしている。
さらに『規定』は次のことを明確にしている。経営者の知財権濫用による競
争排除・制限行為が独占協定行為を構成した場合、工商部門は違法行為を停止
するよう命じ、違法所得を没収するほか、前年度売上高の1%以上 10%以下
の罰金を科す。ただし、締結された独占協定がまだ実施されていない場合、50
万元以下の罰金を科す。経営者の知財権濫用による競争排除・制限行為が市場
支配的地位の濫用を構成した場合、工商部門は違法行為の性質、情状、程度、
継続時間などの要素を踏まえて、具体的な罰金額を確定する。
『規定』は今年 8 月 1 日より施行する。
http://ip.people.com.cn/n/2015/0414/c136655-26841525.html
17
2015 年 5 月
コメント:
『規定』第十二条はパテント・プール、第十三条は知財権関連基準に係わる
独占行為について規定している。通常は、このような専利に係る行政規定は国
家知識産権局が制定(又は共同制定)するが、本『規定』は国家工商行政管理
総局によって制定されている。
本『規定』第三条は「価格的独占行為」を除外しているが、このことは価格
にのみ係る知財権濫用による競争制限行為は本『規定』を適用しないことを意
味する。
最近、中国は知財権に係る方向性を示す一連の政策を打ち出した。例えば、
専利法改正草案(意見募集稿)における職務発明、標準必要専利等の改正内容
である。本『規定』は中国の経済新常態(ニューノーマル)において知財分野
に投じられたもう一つのマクロコントロール措置である。
18
2015 年 5 月
最高裁:昨年、新規の知財権行政一審案件が 2 倍超増
最高裁は 4 月 20 日、重慶市で全国裁判所知財司法保護重慶会議を開いた。
最高裁が公表した『中国裁判所知財権司法保護状況(2014)白書』によると、
昨年、中国裁判所が受理した知財権行政一審案件は 243.66%の大幅増であっ
た。
白書によると、全国裁判所は 2014 年、各種知財権案件 133863 件を新規に受
理し、127129 件の裁判を終了した。2013 年よりそれぞれ 19.52%と 10.82%の
増加であった。
注目に値するのは、2013 年に比べて、昨年は中国の知財権行政一審案件が
大幅に増えたことである。
白書のデータによると、全国の地方裁判所は 2014 年、知財権行政一審案件
9918 件を新規に受理し、4887 件の裁判を終了した。2013 年よりそれぞれ
243.66%と 68.46%の増加であった。内訳は、専利案件が 539 件で同期比
22.67%減、商標案件が 9305 件で同期比 330.59%増、著作権案件が 12 件で同
期比 300%増、その他行政案件が 62 件、同期比 148%増である。
最高裁民三廷の宋暁明廷長によると、知財権行政一審案件の中で、主に商標
案件と著作権案件が大幅に増加しているが、商標権行政一審案件の大幅増は改
正商標法の施行に係わるものという。
案件の地域別分布状況を見ると、浙江、河南、湖北、湖南の四省が新規の知
財権民事案件の増加幅が比較的大きく、いずれも 30%超である。広東は案件
受理数が全国で最も多い省であるが、新規に受理した案件は同期比でやや減少
している。新規案件の分布は沿海発達地域から中・西部地域にシフトする傾向
を見せている。
著作権案件については、新規案件は主にカラオケ著作権関連の商業権利保護
民事案件の増加によるもので、行政案件の大幅増をもたらした。
http://www.cnipr.com/ynzx/201504/t20150420_188193.htm
19
2015 年 5 月
専利検索サービスシステムに七言語のバージョンが追加
国外利用者のニーズに応えるため、国家知識産権局専利検索サービスシステ
ムに従来の中国語、英語バージョンの他、日本語、ロシア語、スペイン語、ポ
ルトガル語、ドイツ語、アラビア語、フランス語などの計七言語のバージョン
が新規に追加された。この七言語のバージョンが組み込まれたシステムは 4
月 27 日より正式にオンライン運用が始まっている。
説明によると、専利検索サービスシステムは、公衆の専利関係情報の把握に
利便性を与え、よりよい専利情報サービスを提供するために国家知識産権局が
開発した専利に関する検索と分析を一体化した総合的専利サービスシステム
である。このシステムは 2011 年にオンライン運用を開始してから、利用者に
高く評価されている。国外利用者のニーズを踏まえて、国家知識産権局は国外
利用者の操作習慣や各国言語の特徴を十分に分析した上で、システム機能に新
たなユーザインタフェースを設計し、機能アプリを維持したうえで、ユーザー
エクスペリエンス(訳注:User Experience: UX)を完備した。七言語のバー
ジョンがオンライン運用を開始することによって、これらの言語を利用する国
外ユーザはシステムを通して、システムにおける全ての専利検索機能と専利分
析機能を利用できると共に、システムのバージョンアップ、データ更新に関す
る最新情報を受取ることができるようになった。
情報によると、最近行われた一連の補完と改良の結果、当面の専利検索サー
ビスシステムには、従来の機能の他、ワン・ストップ検索、薬物特定テーマ検
索、ドリリング検索・分析、専利活用プラットフォーム及び多言語バージョン
など多数の機能が追加されている。
http://www.cnipr.com/ynzx/201505/t20150504_188559.htm
20