№145 平成28年11月1日 発行 環境学館いずみボランティア ~環境学館いずみボランティアスタッフによる「いずみガイド」~ 9月11日(日)理科教室「光の不思議」 理科教室「光の不思議」が開催されました。講師の先生は山崎先生です。出席者は小学 4~6 年生の 11 名(男子 5 名、女子 6 名)とボランティアスタッフ 4 名です。定刻の 13 時 30 分に河合館長の挨拶、講師の紹介、ボランテ ィアスタッフの紹介がありました。その後、山崎先生から本日のテーマである光についての説明と質問があり、実 験が始まりました。 質問1 身近にある光るもの 自然界にある光るもの…太陽、月、星、銀河、オーロラ、稲妻 光る生き物…ほたる、クラゲ、深海魚、光苔など 質問 2 人間が作った光るもの 電球(白熱灯)…エジソンが発明 LED(発光ダイオード)…日本の中村、赤崎、天野博士により発明(ノーベル物理学賞) 光反射板…避難誘導板 レーザー光線 蛍光灯 実験 1 光の分光 蛍光反射板と懐中電灯を使った実験です。懐中電灯の光をプリズムに当て、光の分光について学びまし た。また、先生から光には目に見える可視域と見えない領域(赤外線や紫外線など)があることも学び ました。子供たちは分光してできる虹色の光に興味津々でした。 実験 2 光の反射 アルミ箔を使った実験です。アルミ箔を平らにした状態(しわのない状態)としわをつけた状態で何が 変わるかを調べました。しわのない平らな状態では実験者の顔や手が写りますが、しわをつけると実験 者の顔や手が写らなくなりました。この実験から、光は表面が平らならば鏡のように正反射し、凹凸が あると乱反射するということがわかりました。 実験 3 光の屈折 ビーカーに水を入れて 10 円玉を沈めます。何もしないで上から覗き、どのように見えるか、ビーカー内 の水をかき混ぜると見え方はどう変わるかなどを調べました。また、新聞の小さな文字を水滴(水玉) のついたガラスを通して見てみる実験も行いました。子供たちは各々の実験に真剣に取り組んでいまし た。 実験 4 光の散乱 夕焼けの原理を再現しました。透明なケースを 10 個並べます。このケース全てに水を入れ、端からLE Dの光を当て、どのように見えるか確認します。その後、ワックス(不純物)を入れ、再度確認します。 LEDの光は水の入った 10 個の透明なケースを通して見ると赤く見えます。これは赤い光が遠くまで届 く性質を持っていて、青い光は散乱しやすく、遠くまで届かない性質を持っているからです。これが夕 焼けの原理です。この赤い光が遠くまで届く性質を利用したものが信号機の赤です。 (霧が濃いときも遠 くから見らえるようにしている。) 実験 5 光の干渉 光には波長があり、この波がぶつかると干渉を起こします。この波の強弱によりいろいろな色が見えま す。 ① シャボン玉を使った実験 ビニールのコップを 2 個用意し、平らな容器にシャボン液を入れます。ビニールコップの 1 個の底に カッターで十文字の切込みを入れます。もう 1 個のコップにはドライアイスを入れ、そこにお湯を入 れます。切込みを入れたコップにシャボン液をつけます。(膜が出来ます)この膜が壊れないように 注意して、ドライアイスの入ったコップに重ねます。しばらくするとシャボン玉が膨らんできます。 子供たちはできたシャボン玉の色の変化を観察しました。 ② スライドグラス(顕微鏡などで使用するもの)を使った実験 スライドグラスを 2 枚用意します。1 枚にテープを貼り、貼った面にもう 1 枚のスライドグラスを重 ねます。光を背にして観察するとCDの裏側と同じような色の模様が観察できました。 実験 6 万華鏡作り 紙コップを 2 個用意し、底の部分にカッターで穴を開けます。次に 2 枚の偏光板の角を切り、八角形にし ます。また、透明な板も同じように八角形に切ります。偏光板についているテープをはがし、両面テープ を貼りつけます。1 つ目の紙コップには底の外側に、もう 1 つには底の内側に偏光板を貼り付けます。透 明板を紙コップの底に置き、2 つの紙コップの間に透明板が来るように紙コップを重ね、覗いてみます。 紙コップをまわすと見え方が変化していきます。次に透明板にセロハンテープを貼り付けて、またコップ の間に戻し、万華鏡の完成です。セロハンテープの貼る枚数を増やすと見え方がどう変化するのかなど、 実験しました。 たくさんの実験と工作を体験し、みんな真剣に取り組んでいました。カッターを使う工作もありましたが、事故 もなく無事に実験を行うことが出来ました。特に人気のあった実験は万華鏡作りでした。透明板に何枚もセロハン テープを貼り、万華鏡を覗いていました。15 時 30 分にアンケートを提出し、終了しました。 (S.H) 9月18日(日)いずみ自然塾「水の恵みマップについて」 今日の講座は、 「水の恵みマップ」をテーマにしたものです。坂戸台地は、地下水に恵まれた特別なところである ことを理解して頂き、それをいつでも見ることができる環境マップ(水の恵みマップ)を知っていただくことが目 的です。 三連休の中日でしたが、23名の参加を頂きました。 まず、雷電池に行きました。昭和 24 年の航空写真を紹介し、周囲の環境の変化と地形の段差を知ってもらいま した。発掘調査で分かった過去の水田の用水として利用できた多量の湧水量を偲びました。一方で、龍神伝説で 想像される渇水で困った不安定な湧水量であることも知ってもらい、これは涵養域の環境変化もさることながら、 旧入間川が作った金子礫層の自由面地下水が理由で、円礫からなる帯水層の確認をしました。また、今年行われ た雨乞まつりのこと、今は涸れてしまったが、引水して水量を確保している雷電池の現状を見て頂きました。ま た、龍神に変わって、今の雷電池の住人になっている鯉たちに挨拶しました。 次に、池尻池に向かいました。こちらは、おかねが井戸、変電所付近からの湧水を引き入れて、温め、水田に 使えるようにする池です。周辺は縄文時代から人が住んだ歴史があり、五右衛門山等今でも民家の名前が地名に 残っています。これは水が豊富だったことを伺えさせます。池の真ん中には島があり、諏訪明神が祀られ、周辺 にも念仏塚があり、念仏供養等宗教行事が行われていたようで、昔のパワースポットの可能性をお話ししました。 鶴ヶ島市は、日光街道周遊コースを作っており、このコースは雷電池、池尻池、逆木の池、太田が谷池等かつて の湧水に関連した池を見て回れることを紹介しました。若葉駅からスタートなので、駅前駐輪場のレンタサイク ルを使うと良いかもしれません。その後、池尻池下流の水路を確認して、その水量にびっくりしました。これが 飯盛川の源流です。こちらの湧水は、雷電池とは違い武蔵野礫層を帯水層としたもので、高倉の大規模湧水は、 広く拡がる武蔵野礫層の規模と涵養させる雑木林の規模を想像させるものです。そう言っていると、アオサギが 池の真ん中の島に舞い降りてくれました。カルガモも姿をみせてくれ、鯉といっしょに和ませてくれました。蓮 の花が終わってしまったのが残念ですが、曼珠沙華が咲いていました。おかねが井戸付近の雑木林は、最後に残 った貴重な涵養林であり、鶴ケ島市はこれを保護林にボランティアが管理をしていることを紹介しました。 最後は、弓削田醤油の湧水と清水の上親水公園に行きました。弓削田醤油は、100t/日の湧水があり、今でも大 事に保全しています。また、醤油は深さ80m の井戸から地下水をとって作っています。醤油や豆腐さん等は水が 大事ですね。親水公園は、3m 程度の崖の上から2m 程度から、最近の雨の影響か今日はじゃあじゃあという感じ で湧いています。これらの湧水は武蔵野礫層の水ですが、高倉の湧水と違い、武蔵野面と立川面の境の段差に生 じたものです。この段差は、長く連続しているもので、いたる所に湧水があります。流末は、滝不動の西側にあ る水路です。滝不動も似ていますが、少し違うのは、立川面がなくなり、さらに低い沖積面につながる崖になっ ていることです。東京は、多摩川が作った関東平野にあり、地表面には関東ローム層が厚く、私の住んでいた小 平市では厚さは15m に及びます。一方ここは、ローム層が薄く、すぐに水が得られるのが特徴です。 かつて、水が豊富な坂戸台地ですが、昭和 9 年から始まった高萩村の平地林の伐採が大きな打撃となり、地下 水位の低下につながったこと紹介しました。今では、水道水の3割を井戸による地下水でまかなっていることも 影響しているとお伝えしました。 最後まで、天気がもっていましたが、講座を終わった途端に降り始めました。龍神様が見守ってくれていたの かもしれませんね。私の講座で、雨で中止になったことはありません。 (Y.I)
© Copyright 2024 Paperzz