第26回日本心エコー図学会学術集会 抄録集

第
回 日本心エコー図学会学術集会 26
会期:
(木)
~28日
(土)
会期:2015年3月26日
会場:
会場:北九州国際会議場
(福岡県北九州市小倉北区浅野
(福岡県北九州市小倉北区浅野3-9-30)
3-9-30)
会長:
会長:尾辻 豊(産業医科大学
(産業医科大学 第2内科学)
第2内科学)
プログラム・抄録集 プログラム・抄録集
26JSE2015
第26回日本心エコー図学会学術集会プログラム・抄録集表紙.indd
1
2015/01/05
16:27:34
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
JSE2015
テーマ THEME
Bridging Echocardiography to Friends
会 期 DATE
2015 年 3 月 26 日(木)∼28 日(土)
会 場 VENUE
北九州国際会議場
会 長 PRESIDENT
尾辻 豊(産業医科大学 第 2 内科学)
PROGRAM
ABSTRACTS
事務局 Congress Office
産業医科大学 第 2 内科学
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
ごあいさつ Presidential Remarks
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
会 長 尾 辻 豊
(産業医科大学 第 2 内科学)
2015 年 3 月 26 日(木)から 28 日(土)の 3 日間、北九州・小倉で第 26 回日本心エコー図学会学術
集会を開催いたします。今回のメインテーマは「Bridging Echocardiography to Friends」とさせてい
ただきました。
「心エコー」だけを勉強しても心エコーを理解できないので「心エコー以外」を併せて
勉強する、すなわち「心エコー」と「心エコー以外」を繋げる勉強の場にしたいという考えです。心
エコーと外科手術・カテーテルインターベンション・ペーシング・化学療法・妊娠出産・解剖・病理
等々を結びつけたセッションを企画しています。また、Bridging Echocardiography to Friends は「心
エコーに携わる仲間達を繋げたい」という想いも含めました。心エコー内科医・ソノグラファー・機
器メーカー社員・心臓外科医・不整脈内科医・カテーテルインターベンション医・病理医・小児科医・
心筋症専門医等、そして海外で心エコーに携わる仲間達です。このように「心エコー」と「心エコー
以外」あるいは「心エコーに関わる様々な人達」を結んだ企画がたくさん入っています。最終日の 3 時
間 30 分に及ぶ先天性心疾患の教育講演と Special Session はその最たるものと思います。
日本心エコー図学会国際化の伝統を引き継ぎ、KSE Case Conference、KSE-JSE Joint Session(Dr.
Seung Woo Park)、International Award Session(ASE、KSE、EACVI の YIA Winners)
、ASE-JSE
Joint Session(Dr. Neil J. Weissman)
、EACVI-JSE Joint Session(Dr. Bogdan A. Popescu)等、充実
した発表を用意しました。さらに今回は皆様ご存知の Dr. Roberto M. Lang、私の畏友 Dr. Jae-Kwan
Song、そして私の恩師 Dr. Robert A. Levine らに世界最高の講演をしていただきます。
数々のシンポジウム・教育講演もバランス良く配置し、Echo U-40 Club Meeting は Research
Achievement と Research Hypothesis and Design と 2 セッションにいたしました。最終日の JSE2015
Imaging Award for Sonographers はソノグラファー限定の画像賞です。実際の症例をライブで見て検
討すると大変勉強になりますが、ライブはなかなか困難です。そのために今回は過去の症例をあたか
もライブで見ているようにプレゼンして勉強するセッション Pseudo-live Case Conference を 3 つ用意
しました。このように初の試みも数多くあります。さらに今回は演題申し込みを本当に多くいただき、
一般口演発表 76 題、Moderated Poster35 題、Poster246 題と合計 357 題という史上最多の発表がござ
います。
このように第 26 回日本心エコー図学会学術集会は見所たくさんのプログラムになっています。北九
州は魚も美味しく、森 鴎外が暮らした町でもあり(旧居を観光できます)
、アインシュタイン博士が滞
在した門司港もあり(門司港レトロとして日本近代化を象徴する建物が多数存在します)
、巌流島もす
ぐそばです。学会以外にもたくさん楽しめます。どうぞ皆様、多数ご参加され、勉強され、楽しんで
いただきたいと思います。
3
第26回日本心エコー図学会学術集会
目次
Official Session のご案内 …………………………………………… 5
交通のご案内……………………………………………………………… 6
会場のご案内……………………………………………………………… 8
学術集会参加者へのご案内……………………………………………… 9
座長、演者へのご案内………………………………………………… 13
機器等展示のご案内…………………………………………………… 16
協賛/共催企業・団体一覧…………………………………………… 17
日程表…………………………………………………………………… 18
Official Session プログラム ……………………………………… 26
プログラム……………………………………………………………… 31
抄録……………………………………………………………………… 79
索引…………………………………………………………………… 267
4
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Official Session のご案内
日本心エコー図学会「Official Session」を下記の通り開催いたしますので、会員の方々
はご出席ください。
日本心エコー図学会 理事長 竹中 克
Official Session
日 程:3 月 26 日(木)
会 場:第 2 会場(北九州国際会議場「国際会議室」
)
Official Session 1
8:50∼10:20
Young Investigator s Award 審査会
日 程:3 月 27 日(金)
会 場:第 1 会場(北九州国際会議場「メインホール」
)
Official Session 2
8:40∼9:40
理事長報告
表彰
・功労会員
・海外学会発表優秀論文賞
・Journal of Echocardiography 論文賞
・男女共同参画奨励賞
・Young Investigator s Award
認定式
・日本心エコー図学会認定専門技師
次回学術集会会長挨拶
Official Session 3
13:10∼13:40
仁村レクチャー
Official Session 4
14:30∼15:00
会長講演
日 程:3 月 27 日(金)
会 場:第 3 会場(北九州国際会議場「11 会議室」
)
Official Session 5
15:50∼16:20
海外留学助成帰国報告会
→詳細は 25 頁
5
第26回日本心エコー図学会学術集会
交通のご案内
ᖹᡂ䠎䠒ᖺ䠓᭶⌧ᅾ㻌
6
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
7
第26回日本心エコー図学会学術集会
会場のご案内
北九州国際会議場
PC受付
クローク
口演会場は第1∼第3の3会場
3会場
第
運営本部
ポスター会場
展示会場
総合受付
1会場
第
1F
2会場
第
2F
8
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
学術集会参加者へのご案内
Ⅰ.参加受付
1.参加受付は会期当日会場にて行います。プログラムに参加される前に必ず受付をお済ませください。
北九州国際会議場 1 階交流ラウンジに設置しております。
2.参加費と引き換えにネームカードをお渡しします。
会場内では、ネームカードを必ず着用ください。なお、参加費は現金のみの取り扱いとなります。
参加費および参加に必要な手続きは下記の通りです。
カテゴリ
医師
技師
参加費
必要な手続き
会員
13,000 円
―
非会員
15,000 円
―
会員
7,000 円
―
非会員
8,000 円
―
学部学生(大学院生は除く)
無料
学生証提示、無料参加票発行のための登録書提出
初期研修
無料
初期研修医証明書提出
※プログラム・抄録集は総合受付で 2,000 円にて販売いたします。
※学部学生および初期研修医は参加無料です(ただし大学院生は除く)。
学部学生:受付には学生証と無料参加票発行のための登録書が必要となります。
初期研修医:受付には証明書が必要となります。
登録書と証明書はそれぞれ下記よりダウンロードいただき、必要事項をご記入の上、学術集会受付までお持ち
ください。
学術集会ホームページ『参加者へのご案内』:http://www.26jse.org/everybody.html
3.参加受付は当日のみとなります。事前参加登録は行いません。
4.受付日時:
1 日目:3 月 26 日(木)8:00∼18:10
2 日目:3 月 27 日(金)7:40∼19:00
3 日目:3 月 28 日(土)7:40∼15:00
Ⅱ.学会入会・年会費
1.北九州国際会議場 1 階交流ラウンジに設置の「日本心エコー図学会学術集会事務局受付」にお越しください。
2.年会費の払い込みも可能です。
Ⅲ.各種会合
理事会
日時:3 月 25 日(水)16:00∼18:00
会場:北九州国際会議場 3 階「32 会議室」
9
第26回日本心エコー図学会学術集会
代議員会
日時:3 月 26 日(木)18:10∼19:10
会場:第 1 会場(北九州国際会議場 1 階「メインホール」
)
Official Session
プログラム:Young Investigator s Award 審査会
日時:
3 月 26 日(木)8:50∼10:20
会場:
第 2 会場(北九州国際会議場 2 階「国際会議室」
)
プログラム:理事長報告/表彰/認定式/次回学術集会会長挨拶
日時:
3 月 27 日(金)8:40∼9:40
会場:
第 1 会場(北九州国際会議場 1 階「メインホール」
)
プログラム:仁村レクチャー
日時:
3 月 27 日(金)13:10∼13:40
会場:
第 1 会場(北九州国際会議場 1 階「メインホール」
)
プログラム:会長講演
日時:
3 月 27 日(金)14:30∼15:00
会場:
第 1 会場(北九州国際会議場 1 階「メインホール」
)
プログラム:海外留学助成帰国報告会
日時:
3 月 27 日(金)15:50∼16:20
会場:
第 3 会場(北九州国際会議場 1 階「11 会議室」
)
Ⅳ.その他
・北九州国際会議場 1 階サブエントランスホールにクロークを設置しますのでご利用ください。
・原則として会場内の呼び出しは行いませんので、総合受付付近に設置いたします掲示板をご利用ください。外部
からの呼び出しも原則としてこの掲示板に貼りだします。
・学術集会会期中は、敷地内での喫煙は禁止いたします。
Ⅴ.JB-POT 講習会
聴講には参加費が必要です。講習点数が必要な場合は事前にお申し込みください。
参加費※1
・講習点数(3 点)を必要とする場合 :3,000 円(会員・非会員を問わず)※2
・講習点数(3 点)を必要としない場合:1,000 円(会員・非会員を問わず)※3
※1:参加費は当日会場前でお支払ください。
「JB-POT 講習会」のみに参加することは出来ません。別途、第 26
回学術集会の参加費が必要です。
※2:講習点数(3 点)を必要とする場合は事前に登録する必要があります。お申し込み後、上記すべての講義に
参加された場合、講義終了後日本心臓血管麻酔学会にて、JB-POT 認定委員会認定の出席証明書を用意し、
当日お渡しします。(ただし、途中入室、途中退室の場合はお渡しできません。)
※3:講習点数(3 点)を必要としない場合は、事前受付は行いません。当日会場前での受付となります。
10
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Ⅵ.査読委員
一般演題は以下の先生方に査読をお願いいたしました。謹んで御礼申し上げます。
赤石 誠
(北里大学北里研究所病院 循環器内科)
浅沼 俊彦
(大阪大学大学院医学系研究科 先進心血管治療学寄附講座)
阿部 幸雄
(大阪市立総合医療センター 循環器内科)
有田 武史
(九州大学病院 ハートセンター内科)
石津 智子
(筑波大学 医学医療系 臨床検査医学)
泉 知里
(天理よろづ相談所病院 循環器内科)
市田 蕗子
(富山大学 小児科)
伊藤 浩
(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 循環器内科学)
岩倉 克臣
(桜橋渡辺病院 循環器内科)
麻植 浩樹
(岡山大学病院 循環器内科)
大倉 宏之
(川崎医科大学 循環器内科)
大手 信之
(名古屋市立大学大学院 医学研究科 心臓・腎高血圧内科学科)
川合 宏哉
(兵庫県立姫路循環器病センター 循環器内科)
木佐貫 彰
(鹿児島大学医学部 保健学科)
木原 康樹
(広島大学医歯薬保健学研究院 循環器内科学)
坂田 泰史
(大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
瀬尾 由広
(筑波大学 医学医療系 循環器内科)
大門 雅夫
(東京大学医学部附属病院 検査部・循環器内科)
高木 厚
(埼玉県済生会川口総合病院 循環器内科)
竹内 正明
(産業医科大学 第 2 内科学)
田中 教雄
(国立循環器病研究センター 臨床検査部)
田中 秀和
(神戸大学大学院 循環器内科学)
田邊 一明
(島根大学医学部 内科学講座第四)
谷 知子
(神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科)
土肥 薫
(三重大学医学部付属病院 循環器内科)
西上 和宏
(済生会熊本病院 集中治療室)
野間 充
(独立行政法人 地域医療機能推進機構 九州病院 医療情報部)
平田久美子
(和歌山県立医科大学 循環器内科)
平野 豊
(近畿大学医学部附属病院 中央臨床検査部)
福田 祥大
(産業医科大学 第 2 内科学)
穂積 健之
(和歌山県立医科大学 循環器画像動態診断学)
舛形 尚
(香川大学医学部 総合内科)
増山 理
(兵庫医科大学 循環器内科)
馬原啓太郎
(榊原記念病院 循環器内科)
村田 光繁
(慶應義塾大学医学部 臨床検査医学)
安河内 聰
(長野県立こども病院 循環器小児科)
山田 聡
(北海道大学大学院 医学研究科 循環病態内科学)
山近 史郎
(春回会井上病院)
山本 一博
(鳥取大学医学部 病態情報内科)
湯浅 敏典
(鹿児島大学病院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学)
芳谷 英俊
(高井病院 循環器内科)
吉牟田 剛
(金沢大学 循環器内科・保健管理センター)
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第26回日本心エコー図学会学術集会
林 英宰
(河内総合病院 心臓血管センター)
和田 靖明
(山口大学医学部附属病院 検査部)
渡邉 望
(宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科 検査科)
渡辺 弘之
(東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター・循環器内科)
(50 音順、敬称略)
Ⅶ.実行委員
第 26 回日本心エコー図学会学術集会プログラム実行委員は下記の先生方です。
謹んで御礼申し上げます。
有田 武史
(九州大学病院 ハートセンター内科)
梅田ひろみ
(小倉記念病院 検査技師部)
木佐貫 彰
(鹿児島大学医学部 保健学科)
高尾壽美恵
(新古賀病院 生理機能検査室)
瀧聞 浄宏
(長野県立こども病院 循環器小児科)
竹内 正明
(産業医科大学 第 2 内科学)
富田 文子
(済生会熊本病院 中央検査部)
西上 和宏
(済生会熊本病院 集中治療室)
野間 充
(独立行政法人 地域医療機能推進機構 九州病院 医療情報部)
福田 祥大
(産業医科大学 第 2 内科学)
水上 尚子
(鹿児島大学病院 臨床技術部 検査部門)
山近 史郎
(春回会井上病院)
湯浅 敏典
(鹿児島大学病院 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学)
芳谷 英俊
(高井病院 循環器内科)
和田 靖明
(山口大学医学部附属病院 検査部)
渡邉 望
(宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科 検査科)
(50 音順、敬称略)
Ⅷ . 学術集会用演題検索システム「Kcon-navi」について
本大会では「学術集会用演題検索システム(Kcon-navi)」を導入いたします。
演題検索やスケジュール管理にご利用ください。PC やスマートフォン、iPad のようなタブレット端末など、さま
ざまなデバイスでご利用いただけます。
◆ PC 版:http://kcon.expcp.jp/26jse/
◆スマートフォン版:http://kcon.expcp.jp/26jse/sp/
*PC 版・スマートフォン版ともに 3 月 12 日(木)開始予定です。
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The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
座長、演者へのご案内
Ⅰ.口演演題 座長へのご案内
セッション開始 10 分前までに会場内の次座長席にご着席ください。
開始時間になりましたらセッションを開始してください。時間厳守でお願いいたします。
Ⅱ.口演演題 演者へのお知らせ
セッション開始 1 時間前まで(朝一番のセッションは 15 分前まで)に各 PC 受付にお越しください。
2 日目、3 日目の朝にご発表がある場合はできるだけ前日に受付をお願いいたします。
セッション開始 10 分前までに会場内の次演者席にご着席ください。
発表は、PC 発表のみとさせていただきます。
【PC 受付設置場所】
第 1∼3 会場:北九州国際会議場 1 階サブエントランスホール
【発表時間】
一般口演
11 分(発表 7 分、質疑応答 4 分)
YIA
15 分(発表 7 分、質疑応答 8 分)
※時間厳守でお願いいたします。発表時間終了 1 分前に「黄ランプ」
、終了時には「赤ランプ」が点灯します。
【PC 発表について】
ご発表のデータは PowerPoint 2003、2007、2010、2013 で作成したものを、CD-R または USB フラッ
シュメモリーにてご持参ください。
動画を含む場合や Macintosh をご利用の方は、動作確認済の PC 本体をご自身でお持ちいただき、バックアッ
プデータも併せてご持参ください。
ご発表の 1 時間前まで(朝一番のセッションは 15 分前まで)に PC 受付にて試写を行ってください。PC 受付
ではデータの修正はできませんのでご了承ください。
ご発表時には演台に用意したマウス、キーボードにてご自身で操作していただきます。
【会場でご用意しているパソコン】
ご使用可能なアプリケーション:PowerPoint 2003 以上
対応 OS:Windows 7
フォント:OS(Windows7)に標準にインストールされているフォントをご使用ください。
例(MS ゴシック、MS 明朝、Times New Roman、Century)
静止画像:JPEG 形式で作成されることをお勧めします。
発表ファイルは作成した以外の PC でも動作の確認をしてください。
ウイルス駆除ソフトでファイルのウイルス感染のチェックをお願いします。
お預かりした発表データは学会終了後、事務局にて責任をもって消去いたします。
PowerPoint の発表者ツールはご使用できませんのでご了承ください。
13
第26回日本心エコー図学会学術集会
【PC 本体のお持ち込みについて】
会場での接続コネクターは D-sub15 pin タイプです。PC の外部モニター出力端子の形状をご確認ください。
専用の変換コネクターが必要な場合はご持参ください。
PC 受付にて外部出力のテスト、発表データのチェックおよび動作確認を行ったあと、発表の 20 分前までに会
場左前方のオペレーター席までご自身で PC をお持ちください。
PowerPoint の発表者ツールはご使用できませんのでご了承ください。
D-sub15 ピン(ミニ)
付属外部出力 ケーブル 例
AC アダプターは各自ご持参ください。
パスコードロック、スクリーンセーバーならびに省電力設定は事前に解除しておいてください。
【動画を使用される場合の注意点】
動画は可能ですが、本体の液晶画面に動画が表示されても PC の外部出力に接続した画面には表示されない場
合があります。事前に実際にお持ちいただく PC の外部出力にモニターまたはプロジェクターを接続してご確
認ください。
Ⅲ.ポスター演題 座長へのお知らせ
【Moderated Poster 発表】
Moderated Poster 演題の座長の方は、セッション開始の 15 分前までにポスター会場(北九州国際会議場 1 階
イベントホール)内の「ポスター受付」までお越しください。開始時間になりましたらセッションを開始してくだ
さい。時間厳守でお願いいたします。
【Poster】
90cm
Poster 演題の座長の方は、セッション開始の 15 分前までにポス
20cm
ター会場(北九州国際会議場 1 階イベントホール)内の「ポスター
受付」までお越しください。採点表をお渡しします。担当セッショ
20cm
演題
番号
演題名、氏名、所属
ンの採点をおこなってください。ご担当のポスターセッション終
了後、採点表を「ポスター受付」にご提出ください。
Ⅳ.ポスター演題 演者へのお知らせ
【Moderated Poster 発表】
Moderated Poster 発表とは、ポスターの前で演者が発表し、引
き続き座長と聴衆が質問する、これまでのポスター形式です。
講演時間は、発表 5 分、質疑応答 3 分の計 8 分です。
セッション開始の 15 分前までに、ポスター会場(北九州国際
会議場 1 階イベントホール)内の「ポスター受付」までお越し
ください。
14
180cm
掲示スペース
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
【Poster】
Poster とは、所定の時間内ポスターの前に演者先生が立ち、随時質問を受け付けるポスター形式(欧米学会のポス
ター形式)です。
セッション開始の 15 分前までに、ポスター会場(北九州国際会議場 1 階イベントホール)内の「ポスター受付」
までお越しください。
セッション中は、ご自身のポスター前に必ず待機し、各自質疑応答を行って下さい。
各日のベストポスター賞を座長にご推薦いただきます。優秀演題は発表当日の夕刻に、総合受付付近に設置しま
す掲示板にて発表いたしますのでご確認ください。表彰は 3 月 28 日(土)16:50 からの閉会式にて行いま
す。表彰式に参加できない場合は総合受付にその旨お伝えください。
【セッション時間】
3 月 26 日(木) 午前
10:00∼11:00
午後
14:00∼15:00
3 月 27 日(金) 午前
10:00∼11:00
午後
14:00∼15:00
3 月 28 日(土) 午前
10:00∼11:00
午後
13:00∼14:00
【掲示・撤去時間】
ポスターの掲示および撤去時間は、下記になります。撤去時間までは、ポスターを貼っておいてください。なお貼
付け用の画鋲・ピンは各パネルに貼り付けてあります。
3 月 26 日(木) 掲示
8:00∼ 8:40
撤去
17:00∼17:20
3 月 27 日(金) 掲示
8:00∼ 8:40
撤去
17:00∼17:20
3 月 28 日(土) 掲示
8:00∼ 8:40
撤去
14:00∼14:20
掲示には横 90cm×縦 180cm のパネルを用意いたします。事務局で、パネルの左上角 20cm×20cm のスペー
スに演題番号を掲示いたします。
離れた場所からも判読できるよう、文字の大きさやレイアウトを工夫して作成してください。
撤去時間を過ぎても撤去されないポスターは、会期後に事務局にて破棄いたします。
Ⅴ.個人情報保護法に関して
個人情報保護法の方針に基づき、学術集会抄録集および発表等で使用されるスライド、PC プレゼンテーションにお
いて、患者氏名およびイニシャル、ID(個人番号)、患者住所、他の情報と照合することで患者が特定される可能性
がある他の情報(例:診療科名、施設名および所在地、患者が特定される生検・剖検・画像情報等の番号、受診日・
入院日・時間)の使用を禁止しております。個人が同定できる部分は、削除ないしマスキングをお願いいたします。
マスキングの方法につきましては、学会ホームページ(http://www.jse.gr.jp/)にリンク先を案内しておりますの
で、ご利用ください。
15
第26回日本心エコー図学会学術集会
機器等展示のご案内
機器等展示を下記スケジュールで開催いたします。お気軽にご来場ください。
場 所:展示会場(北九州国際会議場「イベントホール」)
日 時:3 月 26 日(木)8:30∼18:00
3 月 27 日(金)8:30∼18:00
3 月 28 日(土)8:30∼15:00
出展企業:
株式会社井上書店 小倉店
株式会社紀伊國屋書店
株式会社九州神陵文庫
旭光物産株式会社
株式会社グッドマン
GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
シーメンス・ジャパン株式会社
正晃株式会社
東芝メディカルシステムズ株式会社
日本メドトロニック株式会社
日本ライトサービス株式会社
株式会社ニュートン・グラフィックス九州
株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン
富士フイルムメディカル株式会社
丸善株式会社
株式会社ラシュラン
株式会社ワイディ
(50 音順)
(2015 年 1 月 15 日現在)
16
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
協賛/共催企業・団体一覧
本学術集会の開催にあたり、下記の各企業・団体様のご協力・ご支援を頂きました。ここに厚く御礼申し上げ
ます。
アクテリオンファーマシューティカルズ ジャパン株式会社
中外製薬株式会社
アステラス製薬株式会社
帝人在宅医療株式会社
アストラゼネカ株式会社
帝人ファーマ株式会社
アボットバスキュラージャパン株式会社
テルモ株式会社
株式会社医学書院
東芝メディカルシステムズ株式会社
株式会社井上書店 小倉店
トーアエイヨー株式会社
エーザイ株式会社
一般財団法人 日本オーバスネイチ財団
エドワーズライフサイエンス株式会社
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
MSD 株式会社
日本メジフィックス株式会社
大塚製薬株式会社
日本メドトロニック株式会社
科研製薬株式会社
日本ライトサービス株式会社
株式会社紀伊國屋書店
日本ライフライン株式会社
株式会社九州神陵文庫
株式会社ニュートン・グラフィックス九州
旭光物産株式会社
バイエル薬品株式会社
株式会社グッドマン
バクスター株式会社
グラクソ・スミスクライン株式会社
日立アロカメディカル株式会社
興和創薬株式会社
ファイザー株式会社
株式会社三和化学研究所
株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン
GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
フクダ電子株式会社
シーマン株式会社
富士フイルムメディカル株式会社
シーメンス・ジャパン株式会社
ブリストル・マイヤーズ株式会社
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
丸善株式会社
正晃株式会社
メディキット株式会社
セント・ジュード・メディカル株式会社
持田製薬株式会社
大日本住友製薬株式会社
株式会社ラシュラン
武田薬品工業株式会社
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
田辺三菱製薬株式会社
株式会社ワイディ
(50 音順)
(2015 年 1 月 15 日現在)
17
第26回日本心エコー図学会学術集会
日程表
【第1日目】2015年3月26日(木)
会場名
室名
8:00
10 20
30
9:00
40 50
開会式
1F
第1会場
階
メイン
ホール
10 20
30
10:00
40 50
10 20
Pseudo-live
Case Conference1
(PCC1)
40 50
AS に対する治療戦略
12:00
40 50
座長:石井 克尚/高木 力
演者:出雲 昌樹、土岐 美沙子、
竹中 正人、大塚 明子、
山田 博胤、湯浅 敏典
Official Session
JSE
2015
教育講演
(SES)
Young Investigator s
Award 審査会(YIA)
Invited
Lecture1
(IL1)
2F
JSE2015
Latest
心外病変の心 Echocar機能への影響
diography
Lecture
座長:
座長:三神 大世/宇野 漢成
YIA 審査委員:三神 大世/
宇野 漢成/石井 克尚/
戸出 浩之/平田 久美子/
山田 博胤/湯田 聡
眞田 純一
演者:針村 佳江、曽山 裕子、
磯谷 彰宏、西村 俊亮、
上嶋 亮、三原 裕嗣
演者:
皆越 眞一
座長:増山 理
演者:Roberto
M. Lang
10 20
30
40 50
ランチョン
セミナー 1
(LS1)
座長:坂田 泰史
演者:安田 聡
ブリストル・
マイヤーズ株式会社/
ファイザー株式会社
ランチョン
セミナー 2
(LS2)
座長:山本 一博
演者:柴山 謙太郎、
田端 実
GE ヘルスケア・
ジャパン株式会社
北九州国際会議場
ランチョン
セミナー 3
(LS3)
第3会場
11会議室
口演 1(O1)
口演 2(O2)
口演 3(O3)
腫瘍、血栓
右心
弁膜症(僧帽弁)
座長:笠巻 祐二/
本間 博
座長:宝田 明/
田中 康博
座長:佐光 英人/
庄野 弘幸
1F
イベント
ホール
Moderated
Poster1(MP1)
Moderated
Poster
座長:岡山 英樹/
加藤 雅彦
心不全
ポスター
会場
ポスター
掲示
Poster1(P1)
イベント
ホール
Poster
18
10 20
30
運動負荷心エコー図検査の
さらなる応用
演者:阿部 幸雄、有田 武史、
柴山 謙太郎、鶴田 ひかる
第2会場
11:00
シンポジウム 1(S1)
座長:赤石 誠/渡辺 弘之
国際
会議室
30
心機能
右心
先天性心疾患
先天性心疾患(術後)
座長:梅田 ひろみ/
川合 宏哉/
桑原 栄嗣/
紺田 利子/
菅原 重生
座長:竹内 正明
演者:Roberto M.
Lang
株式会社
フィリップス
エレクトロニクス
ジャパン
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
13:00
10 20
30
14:00
40 50
10 20
30
15:00
40 50
10 20
教育
教育
教育
講演 3
講演 1
講演 2 (ES3)
(ES1)
(ES2)
肺高血圧
検診に
心房細動 症診療に
生かす
の心機能 おける心
心エコー
評価
エコー図
図検査
の役割
座長:
座長:
山岸 正和
演者:
山浦 泰子
村田 和也
演者:
和田 靖明
Invited
Lecture2
(IL2)
JSE2015
Scientific
Echocardiography
Lecture
座長:
別府 慎太郎
演者:Robert
A. Levine
30
16:00
40 50
10 20
シンポジウム 2(S2)
右室ペーシングを考える:
電気生理と心エコー図
座長:瀬尾 由広/岩倉 克臣
演者:井川 修、井上 勝次、
安部 治彦、石津 智子
座長:
伊藤 浩
座長:大木 崇/
Jae-Kwan Song
17:00
40 50
10 20
30
18:00
40 50
10 20
30
19:00
40 50
10 20
30
20:00
40 50
10 20
教育
教育
講演 4 講演 5
(ES4) (ES5)
薬剤性 抗がん化
心筋症の 学療法の
マクロと 心機能へ
及ぼす
病理
影響
座長:
山田 聡
代議員会
座長:
大手 信之
演者:
演者:
池田 善彦 河野 美穂子
演者:
窪田 佳代子
KSE Case
Conference
(KCC)
30
教育
教育 Echo U-40 Club
講演 6 講演 7
Meeting―
(ES6) (ES7)
Research
Achievement
ASO を 大血管を
Award―
エコー図 エコー図
(U40A)
検査で でどこまで
演者:阿部 幸雄、
Woo-Shik Kim、
楠瀬 賢也、
Jae-Hyeong Park
診断する 迫れるか?
座長:
松尾 汎
座長:
高木 厚
演者:
演者:
小田代 敬太 西上 和宏
イブニング
セミナー 1
(EvS1)
座長:
園田 信成
演者:
小山 靖史
座長:坂田 泰史/
竹内 正明
バイエル薬品
株式会社/
MSD 株式会社
演者:小保方 優、
菅野 昭憲、表 俊也、
柴山 謙太郎
イブニング
セミナー 2
(EvS2)
口演 4(O4)
口演 5(O5)
口演 6(O6)
口演 7(O7)
心筋症
心不全
感染性心内膜炎
心機能
座長:上松 正朗/
大西 哲存
座長:西野 雅巳/
中川 幹子
座長:増田 喜一/
山近 史郎
座長:小柳 左門/
林 英宰
座長:
赤阪 隆史
演者:
竹内 正明
帝人在宅医療
株式会社/
帝人ファーマ
株式会社
Moderated
Poster2(MP2)
虚血性心疾患
座長:大西 俊成/
中尾 伸二
ポスター撤去
Poster2(P2)
症例(心膜・その他 )
症例
(心不全・その他)
弁膜症(大動脈弁)
弁膜症(その他)
座長:柴山 謙太郎/
高尾 壽美惠/
竹中 正人/
芳谷 英俊
19
第26回日本心エコー図学会学術集会
日程表
【第2日目】2015年3月27日(金)
会場名
階
室名
8:00
10 20
30
9:00
40 50
10 20
30
10:00
40 50
30
10 20
11:00
40 50
10 20
30
12:00
40 50
10 20
30
40 50
教育講演 8
(ES8)
Official Session
1F
第1会場
理事長報告
メイン
ホール
表彰
認定式
次回学術集会
会長挨拶
モーニング
セミナー 1
(MS1)
2F
第2会場
座長:
竹内 正明
国際
会議室
演者:Roberto
M. Lang
株式会社
フィリップス
エレクトロニクス
ジャパン
ソノグラファー
のための「困っ Special Session1(SS1)
たレポート」
企業セッション(新技術)
:
「助かったレ
新技術の動向を探る
ポート」
座長:浅沼 俊彦/湯田 聡
座長:
田内 潤/
大門 雅夫
演者:平山 秀男、松田 幸男、
山本 幸弘、平野 貴史郎、三木 綾子
演者:
生田 剛士、
中岡 洋子
Invited
Lecture5
(IL5)
ASE-JSE
Special Session2(SS2) Joint
Session
右心機能を考える
座長:石津 智子/福田 祥大
演者:井川 修、池田 善彦、
田中 秀和、村田 光繁
※同時通訳有
北九州国際会議場
口演 8(O8)
第3会場
11会議室
口演 9(O9)
座長:岩永 史郎
演者:渡邉 望、
土井 潔
セント・ジュード・
メディカル株式会社
ランチョン
セミナー 5
(LS5)
座長:大手 信之
演者:兵頭 永一、
瀬尾 由広
東芝メディカル
システムズ
株式会社
ランチョン
セミナー 6
(LS6)
左房、心房細動
症例
座長:竹中 克
座長:岩瀬 正嗣/
土肥 薫
座長:高橋 秀一/
宇都宮 俊徳
演者:圡橋 卓也
武田薬品工業
株式会社
1F
イベント
ホール
Moderated
Poster3(MP3)
Moderated
Poster
座長:団 真紀子/
豊野 学朋
小児
ポスター
会場
ポスター
掲示
Poster3(P3)
イベント
ホール
Poster
20
座長:
吉川 純一
演者:Neil J.
Weissman
株式会社
フィリップス
エレクトロニクス
ジャパン
ランチョン
セミナー 4
(LS4)
感染性心内膜炎
血管、大動脈
症例(弁膜症)
座長:有田 武史/
田中 伸明/
中西 弘毅/
馬原 啓太郎/
吉福 士郎
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
13:00
10 20
30
14:00
40 50
10 20
30
Joint
僧帽弁を
診る:診断 Session
と治療の 座長:竹中 克
進歩
演者:Seung
演者:
吉田 清
40 50
10 20
30
16:00
40 50
10 20
30
17:00
40 50
10 20
30
18:00
40 50
10 20
30
19:00
40 50
Official
Invited
Session Lecture4
イブニング
会長
(IL4) International 教育講演 9(ES9)教育講演 10 セミナー 3
Award
講演
(ES10) (EvS3)
JSE2015
Echocar- Evolutional Session(IA) 妊娠・出産と心臓
Official
Invited
Session Lecture3
(IL3)
仁村
レクチャー KSE-JSE
座長:
松﨑 益德
15:00
diography
Echocaris an
Adventure diography
of Looking
Lecture
and
座長:
Thinking
大倉 宏之
座長:
演者:
鄭 忠和
Jae-Kwan
演者:
Song
尾辻 豊
Woo Park
東芝メディカル
システムズ
株式会社
Basic Session(BS)
ソノグラファーのための TEE
座長:戸出 浩之/坂田 好美
演者:田代 英樹、馬原 啓太郎、
飯田 良司、片岡 容子、永禮 裕子
口演 10(O10)
虚血性心疾患
座長:田中 信大/
谷 知子
座長:
羽田 勝征
座長:泉 知里
演者:Chi
Young Shim、 演者:神谷 千津子、
Sahmin Lee、
篠原 徳子
Marc Dweck
Special
Session3(SS3)
連合弁膜症を
考える
座長:田邊 一明/
那須 雅孝
演者:芦原 京美、
長谷川 拓也、
増山 慎二、岡田 行功
男女共同参画
委員会セッション
(男女)
座長:高野 真澄/
川合 宏哉
演者:高野 真澄、
大下 千景、
石津 智子、
広江 貴美子、
上松 正朗
血管疾患:心エコー そこまできた 座長:中谷 敏
超音波治療
図への期待
演者:Felix
座長:
穂積 健之
演者:
立花 克郎
Echo U-40 Club
Meeting―Research
Hypothesis and Design
Award―(U40H)
座長:中谷 敏/竹内 正明
演者:望月 泰秀、相川 幸生、
楠瀬 賢也、西野 峻
Kreidel
アボット
バスキュラー
ジャパン
株式会社
10 20
30
20:00
40 50
10 20
心エコー
ウルトラクイズ
in Kitakyushu(Quiz)
座長:山田 博胤/小板橋 俊美
イブニング
セミナー 4
(EvS4)
座長:
竹中 克
演者:
遠田 栄一、
田中 旬、
板谷 慶一
日立アロカ
メディカル
株式会社
Official
Session
海外留学
助成帰国
報告会
座長:
赤阪 隆史
口演 11(O11)
心筋症
座長:村田 光繁/渡辺 弘之
演者:
岩野 弘幸、
柴山 謙太郎、
片岡 明久
Moderated
Poster4(MP4)
弁膜症
座長:伊藤 隆英/
山浦 泰子
ポスター撤去
Poster4(P4)
先天性心疾患(成人)
腫瘍、血栓
小児、その他
座長:仲敷 健一/
林 研至/
福西 雅俊/
藤本 眞一/
水上 尚子
21
第26回日本心エコー図学会学術集会
日程表
【第3日目】2015年3月28日(土)
会場名
2F
第2会場
1F
第1会場
階
北九州国際会議場
第3会場
室名
メイン
ホール
8:00
10 20
30
9:00
40 50
10 20
30
10:00
40 50
10 20
モーニング
セミナー 2
(MS2)
Pseudo-live
Case Conference2
(PCC2)
座長:
坂田 泰史
心サルコイドーシスの診断、
治療をどうするか
演者:芹川 威
座長:山本 一博/寺﨑 文生
持田製薬
株式会社
演者:矢崎 善一、山田 聡、
伊藤 隆英、手塚 大介
30
11:00
40 50
国際
会議室
11会議室
口演 12(O12)
座長:
大石 充
先天性心疾患
(成人)
演者:
田中 正巳
座長:石井 正浩/
田中 教雄
座長:湯浅 敏典/梅田 ひろみ
演者:松浦 陽子、福光 梓、
加賀 早苗、勝木 桂子
Joint
Session
Pseudo-live
Case Conference3
(PCC3)
Second pump を
どのように乗り切るか
座長:渡邉 望/南方 謙二
演者:吉村 雄樹、金城 玉洋、
馬原 啓太郎、南方 謙二
口演 13(O13)
新技術/新手法
座長:神吉 秀明/
水重 克文
座長:桶家 一恭/
舛形 尚
1F
Moderated
Poster
座長:李 鍾大/
納富 雄一
心機能
ポスター
掲示
Poster5(P5)
22
30
40 50
ランチョン
セミナー 7
(LS7)
座長:原田 敬
演者:瀬尾 由広
大塚製薬株式会社
ランチョン
セミナー 8
(LS8)
座長:中谷 敏
演者:泉 知里、
有田 武史
エドワーズ
ライフサイエンス
株式会社
座長:
高梨 秀一郎/
渡辺 弘之
演者:
柴山 謙太郎、
國原 孝
シーメンス・
ジャパン株式会社
Moderated
Poster5(MP5)
Poster
口演 14(O14)
弁膜症(大動脈弁)
イベント
ホール
イベント
ホール
10 20
ランチョン
セミナー 9
(LS9)
ファイザー
株式会社
ポスター
会場
40 50
教育企画 1(EP1)
座長:
大門 雅夫
座長:
演者:Bogdan
平田 久美子
座長:
A. Popescu
木佐貫 彰
演者:
GE ヘルスケア・
渡橋 和政
ジャパン
演者:
株式会社
恒任 章
モーニング
セミナー 3
(MS3)
12:00
症状、基礎疾患で考える
心エコー
教育
Invited
教育
講演 13 Lecture6
講演 12 (ES13) (IL6)
(ES12)
EACVI-JSE
心臓血管
心臓血管 外科手術
外科から 症例の
みた TEE フォロー
アップ
10 20
30
症例(心筋症)
新技術/新手法
左房、心房細動
座長:河野 靖/
髙﨑 州亜/
豊田 茂/
平田 久美子/
森 隆之
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
13:00
10 20
30
14:00
40 50
10 20
30
15:00
40 50
10 20
教育
講演 11 Special Session4(SS4)
(ES11) 先天性心疾患の心エコー評価:
30
16:00
40 50
10 20
30
17:00
40 50
病理標本との対比から
実際の手術と術後エコー
(前半)
先天性心疾患の心エコー評
価:病理標本との対比から
実際の手術と術後エコー
(後半)
座長:
森 一博
座長:富松 宏文/瀧聞 浄宏/
安河内 聰
座長:平野 豊/田中 秀和
演者:
安河内 聰
演者:富松 宏文、瀧聞 浄宏
演者:新居 正基、井本 浩、
中野 俊秀、武井 黄太
二次性
座長:鈴木 真事/八木 登志員
心筋症の
Imaging Award 審査委員:
心エコー
麻植 浩樹/田中 教雄/
所見
遠田 栄一/富田 文子/吉牟田 剛
座長:
鈴木 健吾
演者:
水上 尚子
演者:関根 美輪子、梅田 ひろみ、
大野 佑子、嘉納 由美子、
木越 紗和子、有吉 亨、
武本 梨佳、井上 陽子、丸山 裕司
口演 15(O15)
18:00
40 50
10 20
30
19:00
40 50
10 20
30
20:00
40 50
10 20
Special Session4
(SS4)
先天性心
疾患の基
礎の基礎
教育
JSE2015 Imaging
講演 14 Award for Sonographers
(ES14)
(IAS)
10 20
30
教育企画 2(EP2)
伝わるレポート
座長:水上 尚子/伏見 悦子
閉会式と
表彰
演者:飯田 典子、田端 千里、
野間 充、小谷 敦志
JB-POT 講習会(JB)
右心
座長:有田 武史/野村 実
座長:岩永 史郎/
種村 正
演者:村田 光繁、山田 達也、小出 康弘、
渡橋 和政、国沢 卓之
Moderated
Poster6(MP6)
左房、心房細動
座長:仲宗根 出/
原田 昌彦
ポスター撤去
Poster6(P6)
症例(虚血性心疾患)
症例(弁膜症、術後)
腫瘍、血栓
座長:谷 知子/
林 篤志/山野 哲弘
23
Official Session
第26回日本心エコー図学会学術集会
Official Session
3 月 26 日(木)8:50∼10:20
第 2 会場(北九州国際会議場「国際会議室」)
Young Investigator s Award 審査会
座 長:三神 大世(北海道大学大学院 保健科学研究院 病態解析学)
宇野 漢成(東京大学医学部附属病院 コンピュータ画像診断学・予防医学講座)
審査委員:三神 大世(北海道大学大学院 保健科学研究院 病態解析学)
宇野 漢成(東京大学医学部附属病院 コンピュータ画像診断学・予防医学講座)
石井 克尚(関西電力病院 循環器内科)
戸出 浩之(群馬県立心臓血管センター 技術部)
平田久美子(和歌山県立医科大学 循環器内科)
山田 博胤(徳島大学病院 循環器内科・超音波センター)
湯田 聡(札幌医科大学 医学部 臨床検査医学)
1.HFpEF における左室動脈連関の経時的変化と左室形態との関連
筑波大学 循環器内科 針村 佳江
2.左室収縮能が低下した心不全症例において左室スティフネスの指標が予後予測因子となりう
る
兵庫医科大学 循環器内科 曽山 裕子
3.Aging Degeneration of Mitral Valve without Leaflet Prolapse or Tethering as a Cause of
Severe Mitral Regurgitation
Herzzentrum Brandenburg 磯谷 彰宏
4.心房中隔欠損症閉鎖術後の僧帽弁逆流進行の予測因子の検討
天理よろづ相談所病院 循環器内科 西村 俊亮
5.器質的僧帽弁閉鎖不全症における運動誘発性肺高血圧の安静時予測因子;左房ストレインの
有用性
聖マリアンナ医科大学 循環器内科 上嶋 亮
6.経カテーテル大動脈弁置換術後の弁周囲逆流に及ぼす大動脈弁石灰化の影響:3D 経食道心エ
コー図を用いた検討
Cedars-Sinai Heart Institute 三原 裕嗣
3 月 27 日(金)8:40∼9:40
第 1 会場(北九州国際会議場「メインホール」)
理事長報告
表彰・認定式
功労会員
平井 寛則
大川眞一郎
中村 憲司
林 輝美
菱田 仁
斎藤 穎
盛岡 茂文
小川 聡
小柳 左門
岡本 光師
千田 彰一
深谷 隆
新垣 義夫
許 俊鋭
26
(医療法人山内龍馬財団 山内病院循環器内科)
(財団法人健康医学協会 霞が関ビル診療所)
(榊原記念クリニック 循環器科)
(埼玉県央病院 循環器科)
(医療法人誠厚会名駅前診療所保健医療センター)
(博鳳会 敬愛病院)
(康生会 武田病院)
(国際医療福祉大学 三田病院)
(特定医療法人 原土井病院)
(県立広島病院 循環器内科)
(香川大学医学部 総合診療部)
(財団法人神戸市地域医療振興財団 西神戸医療センター 小児科)
(財団法人 倉敷中央病院 小児科)
(東京都健康長寿医療センター)
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
福田 信夫
増田 喜一
(徳島文理大学 保健福祉学部 臨床工学科)
(医療法人 吉田小野原東診療所)
海外学会発表優秀論文賞
<ASE>
加賀 早苗
山田 博胤
<AHA> 小澤 公哉
<ESC>
天野 雅史
出雲 昌樹
小保方 優
正木 充
(北海道大学大学院 保健科学研究院 病態解析学分野)
(徳島大学病院 循環器内科/超音波センター)
(千葉大学医学部附属病院 検査部)
(天理よろづ相談所病院 循環器内科)
(聖マリアンナ医科大学 内科学(循環器内科))
(群馬大学医学部附属病院 循環器内科)
(兵庫医科大学 循環器内科・臨床検査医学)
Journal of Echocardiography 論文賞
高木 力(高木循環器科診療所)
Tsutomu Takagi, Atsushi Takagi, Junichi Yoshikawa
“Low diastolic wall strain is associated with raised post-exercise E/E′ratio in elderly
patients without obvious myocardial ischemia”2014;12:106-111.
男女共同参画奨励賞
大下 千景
(岩国市医療センター医師会病院 循環器内科)
Young Investigator s Award 結果発表・表彰 針村 佳江
(筑波大学 循環器内科)
曽山 裕子
(兵庫医科大学 循環器内科)
磯谷 彰宏
(Herzzentrum Brandenburg)
西村 俊亮
(天理よろづ相談所病院 循環器内科)
上嶋 亮
(聖マリアンナ医科大学 循環器内科)
三原 裕嗣
(Cedars-Sinai Heart Institute)
日本心エコー図学会認定専門技師 認定式
檜垣里江子
(喜多医師会病院 生理検査室)
塩川 則子
(社会福祉法人三井記念病院 検査部)
前田久美子
(大阪掖済会病院 生理機能検査室)
煙草 敏
(東邦大学医療センター大森病院 臨床生理機能検査部)
犬塚 斉
(藤田保健衛生大学病院 臨床検査部)
次回学術集会会長挨拶 第 27 回学術集会 中谷 敏(大阪大学大学院医学系研究科 機能診断科学講座)
3 月 27 日(金)13:10∼13:40
第 1 会場(北九州国際会議場「メインホール」)
仁村レクチャー
座長:松 益德(医療法人 聖比留会)
「僧帽弁を診る : 診断と治療の進歩」
吉田 清(心臓病センター榊原病院)
27
第26回日本心エコー図学会学術集会
3 月 27 日(金)14:30∼15:00
第 1 会場(北九州国際会議場「メインホール」)
会長講演
座長:鄭 忠和(和温療法研究所)
「Echocardiography is an Adventure of Looking and Thinking」
尾辻 豊(産業医科大学 第 2 内科学)
3 月 27 日(金)15:50∼16:20
第 3 会場(北九州国際会議場「11 会議室」)
海外留学助成帰国報告会
座長:赤阪 隆史(和歌山県立医科大学 循環器内科)
岩野 弘幸(北海道大学大学院医学研究科 循環病態内科学)
留学先:Cardiology Section, Wake Forest University School of Medicine
The University of Mississippi Medical Center
柴山謙太郎(東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター 循環器内科)
留学先:Cedars-Sinai Medical Center
片岡 明久(帝京大学医学部附属病院 循環器内科)
留学先:Massachusetts General Hospital/Harvard Medical School
28
プログラム
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
仁村レクチャー
座長:松
益德(医療法人 聖比留会)
僧帽弁を診る:診断と治療の進歩
心臓病センター榊原病院
会長講演
吉田
清
!
3 月 27 日(金) 第 1 会場 14 : 30 15 : 00
座長:鄭
忠和(和温療法研究所)
Echocardiography is an Adventure of Looking and Thinking
産業医科大学 第 2 内科学
Invited Lecture1(IL1)
尾辻
豊
!
3 月 26 日(木) 第 2 会場 11 : 10 11 : 50
JSE2015 Latest Echocardiography Lecture
座長:増山
IL1
理(兵庫医科大学 循環器内科)
3D Echocardiographic Assessment of the Location of Implantable Device Leads and Mechanisms of Associated Tricuspid Regurgitation
Professor of Medicine and Radiology University of Chicago
Past President, American Society of Echocardiography, USA
Invited Lecture2(IL2)
!
Roberto M. Lang
※ビデオ講演、質疑応答は中継予定
3 月 26 日(木) 第 2 会場 13 : 10 13 : 50
JSE2015 Scientific Echocardiography Lecture
座長:別府慎太郎(大阪みなと中央病院)
IL2
Mitral Valve Prolapse:From Echocardiography to Genetic Mechanisms
Massachusetts General Hospital, USA
Invited Lecture3(IL3)
Robert A. Levine
!
3 月 27 日(金) 第 1 会場 13 : 40 14 : 20
!
KSE JSE Joint Session
IL3
座長:竹中
克(日本大学板橋病院 循環器内科)
Hemodynamic Patterns for Symptomatic Presentations of Severe Aortic Stenosis
Division of Cardiology, Department of Medicine, Samsung Medical Center
Department of Medicine, Sungkyuwan University of Medicine, Korea
Seung Woo Park
共催:東芝メディカルシステムズ株式会社
31
特 別 講 演
!
3 月 27 日(金) 第 1 会場 13 : 10 13 : 40
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
Invited Lecture4(IL4)
特 別 講 演
!
3 月 27 日(金) 第 1 会場 15 : 00 15 : 40
JSE2015 Evolutional Echocardiography Lecture
座長:大倉
IL4
宏之(川崎医科大学 循環器内科)
Cryptogenic Stroke with Patent Foramen Ovale:Challenging Issues in Diagnosis and Treatment
Asan Medical Center Heart Institute
University of Ulsan College of Medicine, Seoul, South Korea
Invited Lecture5(IL5)
!
Jae Kwan Song
!
3 月 27 日(金) 第 2 会場 11 : 20 12 : 00
!
ASE JSE Joint Session
IL5
座長:吉川
純一(西宮渡辺心臓血管センター)
Echo guidance for Percutaneous(Cath Lab)Mitral Interventions(including use of 3D TEE)
Professor of Medicine, Georgetown University
President, MedStar Health Research Institute
President, American Society of Echocardiography, USA
Neil J. Weissman
共催:株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン
Invited Lecture6(IL6)
!
3 月 28 日(土) 第 2 会場 9 : 50 10 : 30
!
EACVI JSE Joint Session
IL6
座長:大門
雅夫(東京大学医学部附属病院 検査部・循環器内科)
Role of cardiovascular imaging in hypertrophic cardiomyopathy
University of Medicine and Pharmacy“Carol Davila”
, Bucharest, Romania
Bogdan A. Popescu
共催:GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
32
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
International Award Session(IA)
座長:羽田
IA-1
勝征(榊原記念クリニック 循環器内科)
!
Platelet Attachment to Vascular Endothelium Occurs in Both Early and Late Stage Atherosclerosis Secondary to Dysregulation of Von Willebrand Factor : Evaluation by Contrast Ultrasound Molecular Imaging
Knight Cardiovascular Institute, Oregon Health & Science University, Portland, Oregon
IA-2
!
The Scripps Research Institute, La Jolla, California, USA
!
Chi Young Shim
Real Time Three Dimensional Transesophageal Echocardiography for Diagnosis of Subvalvular Pannus Formation in Mechanical Aortic Valves : Comparison with Multi detector Computed
Tomography and Surgical Findings
!
Cardiovascular Center and Division of Cardiology,
IA-3
!
Department of Internal Medicine, Seoul National University Hospital, Seoul, Korea
!
Sahmin Lee
Valvular 18F fluoride and 18F fluorodeoxyglucose uptake predict disease progression and
clinical outcome in patients with aortic stenosis
British Heart Foundation Clinical Lecturer
University of Edinburgh & The Edinburgh Heart Center, United Kingdom
海外留学助成帰国報告会
Marc Dweck
!
3 月 27 日(金) 第 3 会場 15 : 50 16 : 20
座長:赤阪
1
2
隆史(和歌山県立医科大学 循環器内科)
留学先:Cardiology Section, Wake Forest University School of Medicine
The University of Mississippi Medical Center
北海道大学大学院医学研究科 循環病態内科学
"
弘幸
留学先:Cedars Sinai Medical Center
東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター 循環器内科
3
岩野
!
柴山謙太郎
留学先:Massachusetts General Hospital Harvard Medical School
帝京大学医学部附属病院 循環器内科
片岡
明久
33
特 別 講 演
!
3 月 27 日(金) 第 1 会場 15 : 40 16 : 20
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
!
Pseudo live Case Conference1(PCC1)
!
3 月 26 日(木) 第 1 会場 8 : 50 10 : 20
AS に対する治療戦略
座長:赤石
渡辺
特別セッション
!
誠(北里大学北里研究所病院 循環器内科)
弘之(東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター・循環器内科)
大阪市立総合医療センター 循環器内科
阿部
幸雄
九州大学病院 ハートセンター内科
有田
武史
東京ベイ浦安市川医療センター 循環器内科
柴山謙太郎
慶應義塾大学 医学部 循環器内科
鶴田ひかる
Pseudo live Case Conference2(PCC2)
!
3 月 28 日(土) 第 1 会場 8 : 50 10 : 20
心サルコイドーシスの診断、治療をどうするか
座長:山本
寺
!
一博(鳥取大学医学部 病態情報内科)
文生(大阪医科大学医学部教育センター)
佐久総合病院 循環器内科
矢崎
善一
北海道大学大学院 医学研究科 循環病態内科学
山田
聡
大阪医科大学 循環器内科
伊藤
隆英
東京医科歯科大学 循環器内科
手塚
大介
Pseudo live Case Conference3(PCC3)
!
3 月 28 日(土) 第 2 会場 10 : 30 12 : 00
Second pump をどのように乗り切るか
座長:渡邉
南方
望(宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科 検査科)
謙二(京都大学大学院医学研究科 心臓血管外科学)
県立宮崎病院 循環器内科
吉村
雄樹
県立宮崎病院 心臓血管外科
金城
玉洋
原記念病院 循環器内科
京都大学大学院医学研究科 心臓血管外科学
34
馬原啓太郎
南方
謙二
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Special Session1(SS1)
!
3 月 27 日(金) 第 1 会場 10 : 30 12 : 00
企業セッション(新技術)
:新技術の動向を探る
座長:浅沼
湯田
SS1-1
俊彦(大阪大学大学院医学系研究科 先進心血管治療学寄附講座)
聡(札幌医科大学 医学部 臨床検査医学)
シーメンスの“オートマ”計測∼計測精度・再現性の向上を目指して∼
秀男
SS1-2
東芝メディカルシステムズ株式会社 超音波営業部
松田
幸男
SS1-3
GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
山本
幸弘
SS1-4
Aplio の微細血流描出能向上技術のご紹介
GE Vivid シリーズの最新技術について
VFM を日常検査に活かす!
日立アロカメディカル株式会社 マーケティング本部
SS1-5
平野貴史郎
Live 3D Echo の最新フュージョン・テクノロジー:Structural Heart Disease 治療への応用
株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン
Special Session2(SS2)
三木
綾子
!
3 月 27 日(金) 第 2 会場 9 : 50 11 : 20
右心機能を考える
座長:石津
福田
SS2-1
SS2-2
SS2-3
智子(筑波大学 医学医療系 臨床検査医学)
祥大(産業医科大学 第2内科学)
心臓構造からみた乳頭筋―周囲心筋興奮収縮連関
日本医科大学 多摩永山病院 内科・循環器内科
井川
修
国立循環器病研究センター 病理部 臨床病理科
池田
善彦
田中
秀和
右心機能低下例の病理
心不全患者における右心系の統合的評価の有用性について
神戸大学大学院 循環器内科学分野
SS2-4
慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対する肺動脈バルーン拡張術における右室機能解析の有用性について
慶應義塾大学医学部 臨床検査医学
Special Session3(SS3)
村田
光繁
!
3 月 27 日(金) 第 2 会場 15 : 10 16 : 10
連合弁膜症を考える
座長:田邊
那須
SS3-1
一明(島根大学医学部 内科学講座第四)
雅孝(医療法人社団恵仁会 三愛病院 循環器科)
大動脈弁狭窄症例の僧帽弁逆流は放置可能か?
東京女子医科大学 循環器内科
SS3-2
SS3-4
京美
S 字心室中隔を有する大動脈弁狭窄症の重症度評価,治療方針の決定
国立循環器病研究センター 心臓血管内科
SS3-3
芦原
長谷川拓也
連合弁膜症に対する外科治療戦略―MICS 法の観点から―
高の原中央病院 かんさいハートセンター 心臓血管外科
増山
慎二
倫生会みどり病院心臓弁膜症センター
岡田
行功
連合弁膜症の外科治療を考える
35
特別セッション
平山
シーメンス・ジャパン株式会社 超音波ビジネス本部 プロダクトマーケティング部
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
Special Session4(SS4)
!
3 月 28 日(土) 第 1 会場 13 : 40 15 : 10
先天性心疾患の心エコー評価:病理標本との対比から実際の手術と術後エコー(前半)
座長:富松
宏文(東京女子医科大学 循環器小児科)
瀧聞
浄宏(長野県立こども病院 循環器小児科)
安河内
特別セッション
SS4-1
先天性心疾患の心エコー評価:病理標本との対比
聰(長野県立こども病院 循環器小児科)
房室中隔欠損症
東京女子医科大学 循環器小児科
SS4-2
富松
宏文
瀧聞
浄宏
先天性心疾患の心エコー評価:病理標本との対比から実際の手術と術後エコーファロー四徴症
長野県立こども病院 循環器小児科
Special Session4(SS4)
!
3 月 28 日(土) 第 1 会場 15 : 20 16 : 40
先天性心疾患の心エコー評価:病理標本との対比から実際の手術と術後エコー(後半)
座長:平野
田中
SS4-3
SS4-4
SS4-5
SS4-6
豊(近畿大学医学部附属病院 中央臨床検査部)
秀和(神戸大学大学院 循環器内科学)
房室中隔欠損の術後評価―急性期と遠隔期の問題―
静岡県立こども病院 循環器科
新居
正基
鹿児島大学大学院 心臓血管・消化器外科学
井本
浩
福岡市立こども病院心臓血管外科
中野
俊秀
北海道大学大学院 小児科学
武井
黄太
房室中隔欠損症の修復術
ファロー四徴症の根治手術
Fallot 四徴症心内修復術後の管理と心エコー検査のポイント
Basic Session(BS)
!
3 月 27 日(金) 第 2 会場 13 : 40 15 : 10
ソノグラファーのための TEE
BS-1
座長:戸出
浩之(群馬県立心臓血管センター 技術部)
坂田
好美(杏林大学医学部附属病院 第二内科)
ソノグラファーのための TEE:適応,準備,安全管理
雪の聖母会 聖マリア病院 循環器内科
BS-2
馬原啓太郎
ソノグラファーの TEE 検査における役割と TEE 解剖の習得(カナダ・アルバータ大学病院心エコー室)
日本大学医学部 麻酔科学系麻酔科学分野(日本大学病院 麻酔科) 飯田
BS-4
片岡
容子
永禮
裕子
TAVI チームにおけるソノグラファーと TEE との関わり
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 臨床検査科
36
良司
経食道心エコー図検査におけるソノグラファーの役割
公益財団法人 心臓血管研究所附属病院 臨床検査室
BS-5
英樹
TEE の基本と TTE との比較
榊原記念病院循環器内科
BS-3
田代
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
シンポジウム 1(S1)
!
3 月 26 日(木) 第 1 会場 10 : 30 12 : 00
運動負荷心エコー図検査のさらなる応用
座長:石井
高木
S1-1
克尚(関西電力病院 循環器内科)
力(高木循環器科診療所)
Structural heart disease における運動負荷心エコー図
聖マリアンナ医科大学 循環器内科
ソノグラファーから考える運動負荷心エコー図
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 臨床検査科
S1-3
土岐美沙子
足関節伸展運動負荷心エコー法を用いた,機能性僧帽弁逆流を有する高齢心不全患者の予後予測の試み
紀南病院 中央臨床検査部
S1-4
昌樹
竹中
正人
運動負荷心エコー図による僧帽弁形成術後の機能的狭窄の評価:Partial band と Complete ring の比較
大塚
明子
徳島大学病院 循環器内科
山田
博胤
鹿児島大学 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学
湯浅
敏典
京都府立医科大学附属病院 臨床検査部
S1-5
肺高血圧症に対する運動負荷心エコー法:運動負荷右心カテーテル法によるバリデーション
S1-6
心不全における Minimal Exercise Echocardiography の有用性
シンポジウム 2(S2)
!
3 月 26 日(木) 第 1 会場 14 : 50 16 : 20
右室ペーシングを考える:電気生理と心エコー図
座長:瀬尾
岩倉
S2-1
由広(筑波大学 医学医療系 循環器内科)
克臣(桜橋渡辺病院 循環器内科)
心臓構造からみた右室中隔ペーシングの問題点
日本医科大学 多摩永山病院 内科・循環器内科
S2-2
S2-3
S2-4
井川
修
右室ペーシングは左室長軸方向グローバルストレインを悪化させる―スペックルトラッキング法を用いた
検討―
愛媛大学大学院 循環器呼吸器腎高血圧内科学
井上
勝次
産業医科大学 医学部 不整脈先端治療学
安部
治彦
筑波大学 臨床検査医学
石津
智子
ペーシング部位の重要性と臨床的課題
心臓再同期療法における右室ペーシングの意義
JSE2015 教育講演(SES)
!
3 月 26 日(木) 第 2 会場 10 : 30 11 : 10
心外病変の心機能への影響
座長:眞田
SES
純一(鹿児島県立大島病院)
心嚢内、縦隔内、胸腔内病変による左室流入障害を考える
国立病院機構鹿児島医療センター 第一循環器科
皆越
眞一
37
特別セッション
S1-2
出雲
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
教育講演 1(ES1)
!
3 月 26 日(木) 第 1 会場 13 : 10 13 : 40
座長:山岸
ES1
正和(金沢大学医薬保健研究域医学系 臓器機能制御学)
検診に生かす心エコー図検査
兵庫県予防医学協会 調査研究室
特別セッション
教育講演 2(ES2)
山浦
泰子
!
3 月 26 日(木) 第 1 会場 13 : 40 14 : 10
座長:村田
ES2
和也(むらた循環器内科)
心房細動の心機能評価
山口大学医学部附属病院 検査部
教育講演 3(ES3)
和田
靖明
!
3 月 26 日(木) 第 1 会場 14 : 10 14 : 40
座長:伊藤
ES3
浩(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 循環器内科学)
肺高血圧症診療における心エコー図の役割
鹿児島大学大学院 心臓血管・高血圧内科
教育講演 4(ES4)
窪田佳代子
!
3 月 26 日(木) 第 1 会場 16 : 30 17 : 00
座長:山田
ES4
聡(北海道大学大学院 医学研究科 循環病態内科学)
薬剤性心筋症のマクロと病理
国立循環器病研究センター 病理部 臨床病理科
教育講演 5(ES5)
池田
善彦
!
3 月 26 日(木) 第 1 会場 17 : 00 17 : 30
座長:大手
ES5
信之(名古屋市立大学大学院 医学研究科 心臓・腎高血圧内科学科)
抗がん化学療法の心機能へ及ぼす影響
国立病院機構 九州がんセンター 循環器科
38
河野美穂子
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
教育講演 6(ES6)
!
3 月 26 日(木) 第 2 会場 15 : 00 15 : 30
座長:松尾
ES6
汎(医療法人松尾クリニック)
ASO をエコー図検査で診断する
九州大学医学研究院 病態修復内科(第一内科) 小田代敬太
!
3 月 26 日(木) 第 2 会場 15 : 30 16 : 00
座長:高木
ES7
厚(埼玉県済生会川口総合病院 循環器内科)
大血管をエコー図でどこまで迫れるか?
済生会熊本病院 集中治療室
教育講演 8(ES8)
西上
和宏
!
3 月 27 日(金) 第 1 会場 9 : 50 10 : 30
ソノグラファーのための「困ったレポート」
「助かったレポート」
座長:田内
大門
ES8-1
潤(大阪労災病院 循環器内科)
雅夫(東京大学医学部附属病院 検査部・循環器内科)
レポート作成に必要なこと
医療法人藤井会 石切生喜病院
ES8-2
生田
剛士
中岡
洋子
日常臨床における心エコー検査∼依頼内容に対してどうこたえるか∼
社会医療法人近森会 近森病院 循環器内科
教育講演 9(ES9)
!
3 月 27 日(金) 第 1 会場 16 : 20 17 : 20
座長:泉
ES9-1
妊娠・出産と心臓血管疾患:心エコー図への期待
ES9-2
妊娠・出産と心臓血管疾患:心エコー図への期待
知里(天理よろづ相談所病院 循環器内科)
国立循環器病研究センター 周産期・婦人科
東京女子医科大学
神谷千津子
篠原
徳子
39
特別セッション
教育講演 7(ES7)
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
教育講演 10(ES10)
!
3 月 27 日(金) 第 1 会場 17 : 20 18 : 00
座長:穂積
ES10
健之(和歌山県立医科大学 循環器画像動態診断学)
そこまできた超音波治療
福岡大学 医学部 解剖学講座
特別セッション
教育講演 11(ES11)
立花
克郎
!
3 月 28 日(土) 第 1 会場 13 : 10 13 : 40
座長:森
ES11
一博(徳島県立中央病院 小児科)
先天性心疾患の基礎の基礎
長野県立こども病院 循環器センター
教育講演 12(ES12)
安河内
聰
!
3 月 28 日(土) 第 2 会場 8 : 50 9 : 20
座長:平田久美子(和歌山県立医科大学 循環器内科)
ES12
心臓血管外科からみた TEE
高知大学 医学部 外科学(外科二) 渡橋
教育講演 13(ES13)
和政
!
3 月 28 日(土) 第 2 会場 9 : 20 9 : 50
心臓血管外科手術症例のフォローアップ
座長:木佐貫
ES13
彰(鹿児島大学医学部 保健学科)
僧帽弁手術症例のフォローアップ
長崎大学病院 循環器内科
教育講演 14(ES14)
恒任
章
!
3 月 28 日(土) 第 2 会場 13 : 10 13 : 40
座長:鈴木
ES14
健吾(聖マリアンナ医科大学 循環器内科)
二次性心筋症の心エコー所見
鹿児島大学病院 臨床技術部 検査部門
40
水上
尚子
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
教育企画 1(EP1)
!
3 月 28 日(土) 第 1 会場 10 : 30 12 : 00
症状、基礎疾患で考える心エコー
座長:湯浅
敏典(鹿児島大学病院 心臓血管内科)
梅田ひろみ(小倉記念病院 検査技師部)
EP1-1
EP1-3
EP1-4
九州大学病院 検査部 ハートセンター生理検査部門
松浦
陽子
地域医療機能推進機構 九州病院 中央検査室
福光
梓
北海道大学大学院 保健科学研究院
加賀
早苗
大阪大学 医学部附属病院 超音波センター
勝木
桂子
症状で考える:息切れ
基礎疾患で考える:膠原病
甲状腺疾患における心エコー図検査
教育企画 2(EP2)
!
3 月 28 日(土) 第 2 会場 15 : 10 16 : 40
伝わるレポート
座長:水上
伏見
EP2-1
EP2-2
EP2-3
EP2-4
尚子(鹿児島大学病院 臨床技術部検査部門)
悦子(平鹿総合病院 循環器内科)
右心機能評価のレポート
筑波大学附属病院 検査部
飯田
典子
聖マリアンナ医科大学病院 臨床検査部 超音波センター
田端
千里
独立行政法人 地域医療機能推進機構 九州病院
野間
充
近畿大学大学院医学研究科 心臓血管外科学
小谷
敦志
運動負荷心エコー
経食道心エコー(TEE)
腎動脈エコーのレポート
!
Echo U 40 Club Meeting―Research Achievement Award―(U40A)
!
3 月 26 日(木) 第 2 会場 16 : 00 17 : 00
座長:坂田
竹内
!
泰史(大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
正明(産業医科大学 第2内科学)
!
U40A-1 Exercise induced afterload mismatch after longer inter dialytic interval in patients receiving
hemodialysis
群馬大学 医学部附属病院 循環器内科
小保方
優
U40A-2 ST 上昇型心筋梗塞における 3 次元スペックルトラッキング法による梗塞深達度評価と壁運動の変化に関
する検討
筑波メディカルセンター病院 循環器内科
菅野
昭憲
U40A-3 運動負荷心エコー図検査における 2D スペックルトラッキング法を用いた Ischemic memory の検討
!
日本医科大学 武蔵小杉病院 循環器内科
表
俊也
U40A-4 経カテーテル大動脈弁置換術前後の Valvulo arterial Impedance に関する検討
東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター
柴山謙太郎
41
特別セッション
EP1-2
症状で考える:胸痛
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
!
Echo U 40 Club Meeting―Research Hypothesis and Design Award―(U40H)
!
3 月 27 日(金) 第 2 会場 16 : 20 17 : 50
座長:中谷
竹内
敏(大阪大学大学院医学系研究科 機能診断講座)
正明(産業医科大学 第2内科学)
U40H-1 糖尿病患者における潜在性左室心筋障害と微小血管合併症との関連性
神戸大学大学院医学研究科 循環器内科学分野
特別セッション
望月
泰秀
U40H-2 組織ドップラー法による左右房室弁輪最大収縮速度比を用いた左右心機能の相対強度による心不全症例の
リスク層別化
国立循環器病研究センター 心臓血管内科
相川
幸生
楠瀬
賢也
U40H-3 下肢陽圧負荷心エコー法で評価した拡張期リザーブと運動耐容能との関連
徳島大学病院 循環器内科
U40H-4 リアルタイム 3D 心エコー図を用いた急性心筋梗塞後虚血性僧帽弁逆流のダイナミクスおよび予後との関
連についての検討
宮崎市郡医師会病院心臓病センター 循環器内科
KSE Case Conference(KCC)
西野
峻
!
3 月 26 日(木) 第 2 会場 13 : 50 14 : 50
座長:大木
!
崇(国立病院機構東徳島医療センター)
Jae Kwan Song(Asan Medical Center Heart Institute, University of Ulsan College of Medicine)
KCC-1
Prediction and Prevention of Embolic Events in Patients with Native Valve Infective Endocarditis:A Case Report
大阪市立総合医療センター 循環器内科
KCC-2
KCC-3
Prosthetic Mitral Valve Thrombosis in a Pregnant Woman
!
Kyung Hee University, Seoul, Korea
!
!
A Case of IgG4 related Disease with Multiple Coronary Aneurysms and Pseudo tumors
楠瀬
賢也
The importance of echocardiographic study before percutaneous intervention of acute ST elevation myocardial infarction
Associate Professor in Internal Medicine, School of Medicine,
Chungnam National University, Daejeon, Korea
42
幸雄
Woo Shik Kim
徳島大学病院 循環器内科
KCC-4
阿部
!
Jae Hyeong Park
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Young Investigator s Award 審査会(YIA)
!
3 月 26 日(木) 第 2 会場 8 : 50 10 : 20
座長:三神
宇野
YIA審査委員:三神
大世(北海道大学大学院 保健科学研究院 病態解析学)
漢成(東京大学医学部附属病院 コンピュータ画像診断学・予防医学講座)
大世(北海道大学大学院 保健科学研究院 病態解析学)
漢成(東京大学医学部附属病院 コンピュータ画像診断学・予防医学講座)
石井
克尚(関西電力病院 循環器内科)
戸出
浩之(群馬県立心臓血管センター 技術部)
特別セッション
宇野
平田久美子(和歌山県立医科大学 循環器内科)
山田
湯田
YIA-1
博胤(徳島大学病院 循環器内科・超音波センター)
聡(札幌医科大学 医学部 臨床検査医学)
HFpEF における左室動脈連関の経時的変化と左室形態との関連
筑波大学 循環器内科
YIA-2
YIA-4
YIA-5
曽山
裕子
Aging Degeneration of Mitral Valve without Leaflet Prolapse or Tethering as a Cause of Severe Mitral Regurgitation
Herzzentrum Brandenburg
磯谷
彰宏
天理よろづ相談所病院 循環器内科
西村
俊亮
心房中隔欠損症閉鎖術後の僧帽弁逆流進行の予測因子の検討
器質的僧帽弁閉鎖不全症における運動誘発性肺高血圧の安静時予測因子;左房ストレインの有用性
聖マリアンナ医科大学 循環器内科
YIA-6
佳江
左室収縮能が低下した心不全症例において左室スティフネスの指標が予後予測因子となりうる
兵庫医科大学 循環器内科
YIA-3
針村
上嶋
亮
経カテーテル大動脈弁置換術後の弁周囲逆流に及ぼす大動脈弁石灰化の影響:3D 経食道心エコー図を用
いた検討
!
Cedars Sinai Heart Institute
三原
裕嗣
43
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
JSE2015 Imaging Award for Sonographers(IAS)
!
3 月 28 日(土) 第 2 会場 13 : 40 15 : 10
座長:鈴木
真事(東邦大学医療センター大橋病院 臨床検査部)
八木登志員(西宮渡辺心臓・血管センター 心エコー室)
Imaging Award審査委員:麻植
特別セッション
田中
教雄(国立循環器病研究センター 臨床検査部)
遠田
栄一(三井記念病院 検査部)
富田
文子(済生会熊本病院 中央検査部)
吉牟田
IAS-1
IAS-2
IAS-3
浩樹(岡山大学病院 循環器内科)
剛(金沢大学 循環器内科・保健管理センター)
鈴カステラ
聖路加国際病院 臨床検査科
関根美輪子
一般財団法人 平成紫川会 小倉記念病院 検査技師部
梅田ひろみ
Valsalva 洞内の mass
右房・右室を占拠する腫瘤性病変
岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 循環器内科学
IAS-4
心臓の真裏で踊る vegetation
IAS-5
大動脈弁穿孔∼孔はむしろ逆流ジェットの無い収縮期に明瞭になる∼
IAS-6
Severe AR due to Sucked Flap
IAS-7
肺動脈、解離してます!
IAS-8
急変中
神戸大学医学部附属病院 検査部
京都府立医科大学附属病院 臨床検査部
IAS-9
大野
佑子
嘉納由美子
木越紗和子
山口大学医学部附属病院 超音波センター
有吉
亨
岡山大学病院 超音波診断センター
武本
梨佳
君津中央病院 生理検査部
井上
陽子
浜の町病院 臨床検査部生理検査室
丸山
裕司
消失していく橈骨仮性動脈瘤
男女共同参画委員会セッション(男女)
!
3 月 27 日(金) 第 3 会場 14 : 40 15 : 40
未来に向けて共に歩もう
座長:高野
川合
男女-1
男女共同参画委員会
男女-2
途切れずキャリアを続けるために
男女-3
受賞後活動報告
真澄(福島県立医科大学附属病院 集中治療部)
宏哉(兵庫県立姫路循環器病センター 循環器内科)
これまでの活動報告と今後について
高野
真澄
岩国市医療センター医師会病院 循環器内科
大下
千景
筑波大学 臨床検査医学
石津
智子
日本心エコー図学会男女共同参画委員会委員長,福島県立医科大学 集中治療部
男女-4
男女-5
44
第 2 回男女共同参画奨励賞
受賞後一年間の活動報告
松江市立病院 中央検査科
広江貴美子
関西労災病院 循環器内科
上松
女性医師の活用からみえてくる我が国の医療の現状
正朗
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
!
JB POT 講習会(JB)
!
3 月 28 日(土) 第 3 会場 14 : 20 16 : 50
座長:有田
野村
JB-1
JB-3
JB-4
JB-5
実(東京女子医科大学麻酔科学教室 麻酔科)
開心術患者の術前心エコーのポイント
慶應義塾大学医学部 臨床検査医学
村田
光繁
杏林大学 医学部 麻酔科学教室
山田
達也
葉山ハートセンター 麻酔科
小出
康弘
高知大学医学部外科学(外科二) 渡橋
和政
国沢
卓之
人工心肺と経食道心エコー
経食道心エコーと術中 decision making
術中 3D 経食道心エコーの応用
!
!
JB POT に挑戦:JB POT の模擬試験を体験
旭川医科大学病院 手術部
心エコーウルトラクイズ in Kitakyushu(Quiz)
!
3 月 27 日(金) 第 1 会場 18 : 50 20 : 20
座長:山田
博胤(徳島大学病院 循環器内科・超音波センター)
小板橋俊美(北里大学 循環器内科学)
45
特別セッション
JB-2
武史(九州大学病院 ハートセンター内科)
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
一般演題(口演)1(O1)
!
3 月 26 日(木) 第 3 会場 8 : 50 9 : 50
腫瘍、血栓
座長:笠巻
本間
O1-1
祐二(日本大学医学部 内科学系総合内科・総合診療医学分野)
博(日本医科大学附属病院 循環器内科)
心室中隔に転移したと思われる隆起性皮膚線維肉腫の一例
社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院
O1-2
O1-4
O1-5
智揮
心内の 4 つの弁全てに乳頭状線維弾性腫を認めた 1 例
琉球大学医学部附属病院 第三内科循環器・腎臓・神経内科
O1-3
鹿田
山里将一朗
大動脈弁に付着する腫瘍に類似した血栓を認めた、急性心筋梗塞患者の 1 例
松江市立病院 循環器内科
松田
紘治
三井記念病院 循環器内科
渡部
美佳
江口
紀子
摘出術 2 年後に再発した Calcified amorphous tumor の一例
脳梗塞を契機に発見された Caseous Mitral Annular Calcification の一例
君津中央病院 循環器科
一 般 口 演
一般演題(口演)2(O2)
!
3 月 26 日(木) 第 3 会場 9 : 50 10 : 50
右心
座長:宝田
田中
O2-1
明(兵庫県立淡路医療センター 内科)
康博(国立病院機構指宿医療センター)
不整脈原性右室心筋症における右室ストレイン指標の特徴および予後予測に関する検討
大西
哲存
徳島大学病院 循環器内科
楠瀬
賢也
(株)日立製作所 ひたちなか総合病院 循環器内科
川松
直人
川田
貴之
兵庫県立姫路循環器病センター
O2-2
O2-3
O2-4
左室駆出率の保たれた睡眠時呼吸障害患者における右室機能と予後との関連
右室同期不全と収縮能は拡張型心筋症例の労作時息切れを規定する
重症心不全を呈した拡張型心筋症例における三尖弁輪部等容収縮期移動速度の有用性
東京大学医学部附属病院 循環器内科
O2-5
三次元経食道心エコー図での右室容量と三尖弁輪径の関係
榊原記念病院 小児循環器科
46
吉敷香菜子
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
一般演題(口演)3(O3)
!
3 月 26 日(木) 第 3 会場 11 : 00 12 : 00
弁膜症(僧帽弁)
座長:佐光
庄野
O3-1
O3-2
O3-3
O3-4
英人(福岡大学病院 救命救急センター)
弘幸(済生会みすみ病院 循環器内科)
左室および左房拡大と僧帽弁輪形態の関係性
!
泉
祐樹
産業医科大学 第 2 内科学
岩瀧
麻衣
Herzzentrum Brandenburg
磯谷
彰宏
古川
敦子
狩野
実希
公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院 循環器内科
僧帽弁形態が機能的 解剖学的弁口面積に及ぼす影響
Disjunction of Mitral Valve;Morphology and Clinical Aspect
左室収縮不全を伴わない心房細動例における機能性僧帽弁逆流の発生頻度と成因
大阪市立総合医療センター 循環器内科
O3-5
乳児期発症の左冠動脈肺動脈起始症における術後遠隔期の僧帽弁閉鎖不全について
東京女子医科大学病院 循環器小児科
一 般 口 演
一般演題(口演)4(O4)
!
3 月 26 日(木) 第 3 会場 13 : 10 14 : 10
心筋症
座長:上松
大西
O4-1
正朗(関西労災病院 循環器内科)
哲存(姫路循環器病センター 循環器内科)
心エコーマルチレイヤー解析による局所心内膜長軸方向 strain を用いた左室心内膜線維化病変の検出
臓 MR を用いた HCM での検討
千葉大学大学院 医学研究院 循環器内科学
O4-2
拓也
井手本明子
心アミロイドーシスの経胸壁心エコー図検査による予後予測因子の検討
産業医科大学 心臓血管外科
O4-5
小室
乳癌化学療法による薬剤性心筋障害の早期診断における 3D スペックルトラッキングを含む心エコー図指
標の有用性についての検討
独立行政法人 労働者健康福祉機構 大阪労災病院
O4-4
公哉
2D speckle tracking echo 解析を用いた心アミロイドーシスと圧負荷に伴う左室肥大との違いに関する
検討
倉敷中央病院 臨床検査技術部
O4-3
小澤
心
角
裕一郎
10 年間に経験した好酸球性心筋炎 8 症例の心エコー所見の検討
名古屋第二赤十字病院 循環器センター 循環器内科
江口
駿介
47
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
一般演題(口演)5(O5)
!
3 月 26 日(木) 第 3 会場 14 : 10 15 : 10
心不全
座長:西野
中川
O5-1
雅巳(大阪労災病院 循環器内科)
幹子(大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学)
左室収縮機能の保たれた心不全(HFpEF)の心機能解析における TMAD 法の有用性
北里大学 北里研究所病院 診療技術部 臨床検査科
O5-2
O5-3
国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門
!
永井
利幸
菅原
政貴
心不全患者における右室 左室流入時間差と心血管イベントの予測の検討
急性非代償性左心不全において心エコー図法により推定した中心静脈圧の上昇は腎機能障害と神経体液因
子の活性化に関連する
筑波大学 循環器内科
一 般 口 演
O5-5
洋二
心不全症例における組織ドップラー法による左右房室弁輪最大収縮速度比と下大静脈径を用いた新しい低
侵襲左室充満圧推定法
兵庫医科大学 循環器内科
O5-4
上西
山本
昌良
河野
靖
Remote ischemic conditioning は慢性心不全における冠微小循環障害を改善する
大阪掖済会病院 循環器内科
一般演題(口演)6(O6)
!
3 月 26 日(木) 第 3 会場 15 : 20 16 : 20
感染性心内膜炎
座長:増田
山近
O6-1
喜一(吉田小野原東診療所 検査室)
史郎(春回会井上病院)
経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)後に合併した感染性心内膜炎の一症例
一般財団法人平成紫川会 小倉記念病院
O6-2
O6-4
O6-5
須磨谷いづみ
感染性心内膜炎 81 例での心不全の有無と臨床背景に関する検討
多摩総合医療センター 循環器内科
植松
庄子
関西労災病院 中央臨床検査部
岩永
大
佐藤
宏行
感染性心内膜炎を契機に発見された左室右房交通症の一例
心タンポナーデを発症し緊急手術で救命し得た細菌性心膜炎に伴う Vasalva 洞破裂の一例
手稲渓仁会病院 心臓血管センター 循環器内科
48
知重
高齢者感染性心内膜炎の臨床的特徴と予後予測因子
亀田総合病院 臨床検査部
O6-3
中山
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
一般演題(口演)7(O7)
!
3 月 26 日(木) 第 3 会場 16 : 20 17 : 20
心機能
座長:小柳
林
O7-1
左門(原土井病院)
英宰(河内総合病院 心臓血管センター)
拡張期の左室内エネルギー損失と左室拡張能との関連
国立成育医療研究センター 循環器科
O7-2
祥平
林
大知
大野
佑子
高齢者における動脈スティフネスは LV geometry と左室拡張機能障害(LVDD)に関連する
岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 循環器内科学
O7-5
菊池
スペックルストレインを用いた左室充満圧の推定:長軸方向最大ストレイン値の有用性
北海道大学大学院 循環病態内科学
O7-4
泰佑
左室における等容弛緩期血流の速度勾配は左室 suction の評価に有用である
名古屋市立大学大学院医学研究科 心臓・腎高血圧内科学
O7-3
林
COPD 合併による左室拡張障害
日本医科大学付属病院 循環器内科
一 般 口 演
一般演題(口演)8(O8)
久保田芳明
!
3 月 27 日(金) 第 3 会場 9 : 50 10 : 50
左房、心房細動
座長:岩瀬
土肥
O8-1
正嗣(藤田保健衛生大学 医学部 循環器内科)
薫(三重大学医学部付属病院 循環器内科)
高血圧合併糖尿病例における潜在性左房収縮能異常―大動脈左室左房連関から考察する
愛媛大学 医学部附属病院 検査部
O8-2
2 次元スペックルトラッキング法を用いた大動脈弁狭窄症患者における左房機能の検討
島根大学医学部附属病院 検査部
O8-3
一人
吉田くに子
3D 経食道心エコー図法による拡張後期僧帽弁面積変化率による心房括約筋機能の評価
太田綜合病院附属太田西ノ内病院 循環器内科
O8-5
山口
Sex Differences in Left Atrial Strain and its Relationship to CHADS2 Score in Patients with
Atrial Fibrillation
群馬大学医学部附属病院
O8-4
鹿野由香理
金澤
晃子
李
政哲
左房容積の決定因子:左房容積は左室拡張能のみで規定されるのか?
東京大学 医学部 附属病院 循環器内科
49
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
一般演題(口演)9(O9)
!
3 月 27 日(金) 第 3 会場 11 : 00 12 : 00
症例
座長:高橋
秀一(済生会中和病院 医療技術部)
宇都宮俊徳(大町町立病院)
O9-1
負荷心エコー図検査が病態の把握および治療効果の判定に有用であった僧帽弁形成術後に収縮期僧帽弁前
方運動を認めた一例
独立行政法人静岡県立病院機構 静岡県立総合病院 検査技術室
O9-2
O9-4
O9-5
駿輔
体位変換によって出現する左室流出路狭窄の 1 例
徳島大学病院 超音波センター
O9-3
鈴木
平田有紀奈
左腕頭静脈から右心房内に進展した intimal sarcoma の一例
一 般 口 演
関西医科大学 第二内科
諏訪
惠信
秋田大学 大学院医学系研究科 循環器内科学・呼吸器内科学
佐藤
和奏
本田
洵也
隔壁様構造物による総頸動脈狭窄を来たした大動脈炎症候群 2 症例
Bentall 術後に経時的な拡大を認めた上行大動脈仮性瘤の 1 例
筑波大学 医学医療系 循環器内科
一般演題(口演)10(O10)
!
3 月 27 日(金) 第 3 会場 13 : 40 14 : 40
虚血性心疾患
座長:田中
谷
O10-1
信大(東京医科大学 循環器内科)
知子(神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科)
!
Early systolic lengthening と post systolic shortening は周辺領域の収縮の影響を受ける:冠動脈 2
枝閉塞モデルによる検討
大阪大学 医学系研究科 機能診断科学講座
O10-2
山室
淳
Primary PCI 時代における AMI 機械的合併症の発生頻度:連続 2900 例に対する経胸壁心エコー図検査
による検討
宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科
木村
俊之
折居
誠
O10-4
心筋梗塞発症後のエリスロポエチン投与は冠循環を改善するか?
O10-5
Improvement Of Global Longitudinal Strain After Percutaneous Coronary Intervention For
Chronic Total Occlusions
和歌山県立医科大学 医学部 循環器内科
兵庫県立姫路循環器病センター
50
大輔
PCI 成功後における STEMI 例の LV Remodeling 予測:ドプラを用いた冠動脈血流・左室流入血流速波
形からの検討
西宮渡辺心臓・血管センター
O10-3
櫻井
千村
美里
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
一般演題(口演)11(O11)
!
3 月 27 日(金) 第 3 会場 16 : 20 17 : 40
心筋症
座長:村田
渡辺
O11-1
光繁(慶應義塾大学医学部 臨床検査医学)
弘之(東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター・循環器内科)
拡張型心筋症の予後予測における右室ストレイン指標の付加的価値
兵庫県立姫路循環器病センター 循環器内科
月城
泰栄
北里大学 医学部 循環器内科学
前川
恵美
名古屋第二赤十字病院 循環器センター 循環器内科
伊藤
歩
奈良
育美
O11-2 ‘形態的左室緻密化障害’を呈する拡張型心筋症の特徴
O11-3
O11-4
当院における左室心筋緻密化障害の検討
肥大型心筋症における左室流出路閉塞と僧帽弁弁尖長との関連
秋田大学大学院 医学系研究科 循環器内科学・呼吸器内科学
O11-5
閉塞性肥大型心筋症に対する左室心筋切除術の有効性に関する検討
O11-6
たこつぼ型心筋症の回復過程において一過性心尖部肥大様変化を示す症例の発症頻度とその特徴
札幌ハートセンター 札幌心臓血管クリニック 循環器内科
一般演題(口演)12(O12)
橋本
剛
!
3 月 28 日(土) 第 3 会場 8 : 50 9 : 50
先天性心疾患(成人)
座長:石井
田中
O12-1
O12-2
O12-3
正浩(北里大学医学部 小児科)
教雄(国立循環器病研究センター 臨床検査部)
非弁膜症性心房細動患者における経食道超音波を用いた心房中隔欠損症の罹患率及び臨床的特徴の検討
群馬県立心臓血管センター 循環器内科
後藤
依里
榊原記念病院 小児循環器科
岩澤
伸哉
成人 ASD 症例の僧帽弁形態の検討
経皮的心房中隔欠損閉鎖術後に左室充満圧は上昇するか:経胸壁心エコー図ドプラ法による検討
京都府立医科大学附属病院 循環器内科
O12-4
心腔内エコーを用いた Fallot 四徴症術後症例における肺動脈弁の形態評価
O12-5
大血管病変に対するカテーテル治療のガイドとしての経肺動脈エコーの有用性
九州大学病院 循環器内科
久留米大学 医学部 小児科
山野
倫代
坂本
一郎
須田
憲治
51
一 般 口 演
東邦大学医療センター 大橋病院 循環器内科
古堅あずさ
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
一般演題(口演)13(O13)
"
3 月 28 日(土) 第 3 会場 9 : 50 10 : 50
弁膜症(大動脈弁)
座長:神吉
水重
O13-1
秀明(さいたま市立病院 循環器内科)
克文(国立病院機構 高松医療センター)
大動脈弁狭窄のおける low flow は何で評価すべきか?―心拍出量と平均流量での比較―
公益財団法人 心臓血管研究所付属病院 臨床検査室
O13-2
渡邊
伸吾
大動脈弁狭窄症の進行度と予後に関する検討
藤田保健衛生大学 循環器内科
O13-3
宮城芽以子
低圧較差重症大動脈弁狭窄症の進行:中等度大動脈弁狭窄症および高圧較差重症大動脈弁狭窄症との比較
大谷
恭子
佐賀大学 循環器内科
坂本
佳子
心臓病センター榊原病院
鎌田
康彦
産業医科大学 第 2 内科学
O13-4
重症大動脈弁狭窄症に対する TAVI 前後における心エコー図の変化と合併症の検討について
O13-5
Low flow low gradient severeAS 症例における MR の重要性
一 般 口 演
一般演題(口演)14(O14)
"
3 月 28 日(土) 第 3 会場 11 : 00 12 : 00
!
新技術 新手法
座長:桶家
舛形
O14-1
一恭(厚生連高岡病院 循環器内科)
尚(香川大学医学部 総合内科)
左室拡張能評価における Vector Flow Mapping の有用性の検討・・・エネルギー損失の観点から
名古屋市立大学大学院医学研究科 心臓・腎高血圧内科学
O14-2
O14-4
O14-5
村井
大輔
山口大学 医学部附属病院 超音波センター
有吉
亨
心臓血管研究所
上嶋
徳久
左室弛緩に続く左房内血流伝播と左房圧・左室拡張能の関係:ドプラ心エコー図を用いた検討
加齢に伴う左室内血流エネルギー動態の変化
3D 経胸壁心エコー法による僧帽弁形態解析の信頼性と妥当性の検討:3D 経食道心エコー法との比較
社会医療法人 北海道循環器病院 臨床検査科
52
和明
血圧変動による壁応力とスペックルストレインの変化:健常者での応力―ストレイン関係の検討
北海道大学 大学院医学研究科 循環病態内科学
O14-3
若見
窪田
由季
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
一般演題(口演)15(O15)
!
3 月 28 日(土) 第 3 会場 13 : 00 14 : 00
右心
座長:岩永
種村
O15-1
O15-2
O15-3
O15-4
史郎(埼玉医科大学国際医療センター 心臓内科)
正(心臓血管研究所)
慢性肺血栓塞栓症の肺動脈血栓内膜摘除術前後における右室ストレインの有用性
東京医科大学病院 循環器内科
今井
靖子
天理よろづ相談所病院 循環器内科
天野
雅史
鹿児島大学病院 心臓血管・高血圧内科学
堀添
善尚
間質性肺炎の重症度評価における TAPSE の有用性
肺高血圧症例における右室駆出血流速波形の検討
強皮症患者におけるマスター階段昇降による運動誘発性肺高血圧とその予後
聖マリアンナ医科大学病院 循環器内科
O15-5
寺本佳楠子
3D エコーによるファロー四徴症(TOF)術後の右室機能評価
長野県立こども病院 エコーセンター
齊川
祐子
一 般 口 演
53
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
一般演題(Moderated Poster)1(MP1)
!
3 月 26 日(木) ポスター会場 10 : 00 11 : 00
心不全
座長:岡山
加藤
MP1-1
英樹(愛媛県立中央病院 循環器病センター)
雅彦(鳥取大学医学部 病態情報内科)
左室弛緩能と年齢・後負荷の相関には有意な性差がある
群馬大学医学部附属病院 循環器内科
MP1-2
山浦
玄斎
Tricuspid Annular Plane Systolic Excursion(TAPSE)は心拍出量低下の簡便かつ有用な予測因子であ
る
愛知医科大学 中央臨床検査部 生理機能検査室
MP1-4
秀美
Impact of total atrial conduction time with tissue Doppler imaging on cardiac prognosis in patients with heart failure.
山形大学 医学部附属病院
MP1-3
反町
神田
竜平
渡部
朋幸
中務
智文
L 波を有する持続性心房細動患者では、洞調律時から左室拡張能は低下している
医療生協わたり病院 内科・循環器内科
MP1-5
急性非代償性心不全による入院中における、左室駆出率の経時的評価の臨床的意義
MP1-6
HFpEF における左室心筋ストレインと左室心筋微小循環の関連性:MRI の冠静脈洞 coronary flow reserve による検討
筑波大学医学医療系循環器内科
神奈川県立循環器呼吸器病センター 検査科
齊藤
央
一般 Moderated Poster
一般演題(Moderated Poster)2(MP2)
!
3 月 26 日(木) ポスター会場 14 : 00 15 : 00
虚血性心疾患
座長:大西
中尾
MP2-1
俊成(大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
伸二(明和病院 循環器内科)
!
スペックルトラッキング法を用いた安静時 PSS(post systolic shortening)の臨床的意義ついての検討
滋賀医科大学医学部附属病院 循環器内科
MP2-2
八木
典章
3 次元スペックルトラッキング法で評価した Global Longitudinal Strain は左室リモデリング予測に有効
である
横浜市立大学附属市民総合医療センター 心臓血管センター
岩橋
徳明
MP2-3
急性心筋梗塞後の心筋ダメージ評価における低用量ドブタミン負荷下 automated global longitudinal
strain 計測の有用性
MP2-4
蓄積した心室周囲脂肪は冠微小循環を障害する:マルチモダリティによる評価
MP2-5
冠攣縮性狭心症における心臓周囲脂肪厚の意義∼超音波検査を用いた検討∼
MP2-6
緊急経皮的冠動脈形成術後早期・中長期における虚血性僧帽弁逆流のダイナミクスおよび予後との関連に
ついての検討
西宮渡辺心臓血管センター 循環器内科
馬場記念病院 循環器科
徳島大学病院 超音波センター
宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科
54
長浦
貴史
中西
弘毅
西尾
進
西野
峻
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
一般演題(Moderated Poster)3(MP3)
!
3 月 27 日(金) ポスター会場 10 : 00 11 : 00
小児
座長:団
真紀子(慶應義塾大学病院 中央臨床検査部)
豊野
学朋(秋田大学大学院 医学系研究科 小児科)
!
MP3-1 「僧帽弁輪部の収縮期移動距離(MAPSE)左室長」は簡便な左室長軸機能指標である:小児での検討
MP3-2
MP3-3
徳島県立中央病院 検査技術科
立岩
真紀
中京こどもハートセンター 小児循環器科
山本
英範
2D speckle tracking 法を用いたフォンタン術後の心房機能評価
小児循環器領域における Tissue Mitral Annular Displacement(TMAD)と左室駆出率との相関
岐阜県総合医療センター 小児医療センター 小児循環器内科
MP3-4
出生直後の早産児における心室中隔の機能の変化
岩手医科大学 小児科学講座
MP3-5
面家健太郎
那須友里恵
心臓超音波検査による心臓内幹細胞自家移植療法に伴う心筋ストレイン変化の機能解析
岡山大学 医歯薬学総合研究科 心臓血管外科
逢坂
大樹
一般演題(Moderated Poster)4(MP4)
!
3 月 27 日(金) ポスター会場 14 : 00 15 : 00
弁膜症
座長:伊藤
MP4-1
泰子(兵庫県予防医学協会)
大動脈弁輪径測定における 3D 心エコー図測定の精度の検討
千葉大学 医学部 循環器内科学
MP4-2
佐藤
麻美
重症大動脈弁狭窄症患者における大動脈基部の計測―経食道 3 次元心エコー法と MDCT の比較検討―
神戸市立医療センター中央市民病院 臨床検査技術部
MP4-4
智子
僧帽弁輪面積算出における適正計測断面の検討(3D との比較及び心形態の影響)
社会福祉法人 北海道社会事業協会 帯広病院 臨床検査科
MP4-3
馬詰
川井
順一
一般住民における無症候性大動脈弁石灰化の頻度と関連因子についての検討:岩木健康増進プロジェクト
2014
弘前大学大学院医学研究科 循環呼吸腎臓内科
!
MP4-5
大動脈基部拡大を伴う大動脈弁逆流における coaptation depth length 測定の意義
MP4-6
二次性僧帽弁閉鎖不全症患者における運動誘発性肺高血圧の意義:予後に与える影響
長崎大学病院 検査部
聖マリアンナ医科大学 循環器内科
山田
雅大
古島
早苗
出雲
昌樹
55
一般 Moderated Poster
山浦
隆英(大阪医科大学 循環器内科)
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
一般演題(Moderated Poster)5(MP5)
!
3 月 28 日(土) ポスター会場 10 : 00 11 : 00
心機能
座長:李
納富
MP5-1
MP5-2
MP5-3
鍾大(福井大学保健管理センター)
雄一(葉山ハートセンター 循環器内科)
スペックルトラッキング法による冠動脈閉塞直後の虚血心筋のストレイン変化:局所の弛緩は収縮に先行
して障害されるのか?
大阪大学 医学系研究科 機能診断学講座
岩上枝里香
兵庫医科大学 循環器内科
正井久美子
慢性心不全患者における L 波の出現の頻度と関連因子
高齢女性における左室拡張障害:閉経時期の違いとその後の左室拡張障害の関係
東京大学医学部附属病院 循環器内科
MP5-4
廣川
愛美
重光
幸栄
沖
都麦
神田
貴史
拡張早期左室内圧較差および左室変形評価による、小児がん治療後の心機能低下の早期発見
順天堂大学 小児科
MP5-5
両心室間の相互作用についての検討―左室収縮能保持例と低下例での比較―
MP5-6
理論式を用いた肺血管抵抗の推定
神戸大学医学部附属病院 検査部
関西労災病院循環器内科
一般演題(Moderated Poster)6(MP6)
!
3 月 28 日(土) ポスター会場 13 : 00 14 : 00
一般 Moderated Poster
左房、心房細動
座長:仲宗根
原田
MP6-1
出(国立循環器病研究センター 臨床検査部)
昌彦(東邦大学医療センター大森病院 臨床生理機能検査部)
心房細動患者における左室前負荷変動に伴う一回拍出量の変化量と左室拡張能の関係
山口大学医学部附属病院 超音波センター
MP6-2
香莉
心房細動患者における心房内 Electromechanical coupling―組織ドプラ法を用いた Double Peak sign
の有用性―
愛媛大学 大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学 講座
MP6-3
平山
飯尾千春子
3 次元左房 Longitudinal Strain と Circumferential Strain に影響を与える因子
昭和大学 藤が丘病院 循環器内科
辻内
美希
MP6-4
心房細動の高周波カテーテルアブレーション治療後の再発と 2D 心エコーでの左房サイズの比較検討
MP6-5
大動脈弁狭窄症患者における弁置換・冠動脈バイパス術同時施行例における術後心房細動発症に関わる因
子の検討
MP6-6
左房機能の経時的変化について
兵庫県立尼崎病院 検査・放射線部
56
大谷
幸代
順天堂大学 医学部附属順天堂医院 循環器内科
圓山
雅己
旭川医科大学病院 臨床検査・輸血部
赤坂
和美
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
一般演題(Poster)1(P1)
!
3 月 26 日(木) ポスター会場 10 : 00 11 : 00
座長:梅田ひろみ(小倉記念病院 検査技師部)
川合
宏哉(兵庫県立姫路循環器病センター)
桑原
栄嗣(指宿浩然会病院)
紺田
利子(神戸市立医療センター中央市民病院 臨床検査技術部)
菅原
重生(日本海総合病院 循環器内科)
心機能(P1-1)
P1-1-1
パーキンソン病患者における左室収縮障害:2D speckle tracking 法を用いた global longitudinal
strain による評価
地方独立行政法人 秋田県立病院機構 秋田県立脳血管研究センター 循環器内科
P1-1-2
二次元スペックルトラッキング法を用いた軟骨魚類心室の機能解析
東京慈恵会医科大学大学院 医学研究科
P1-1-3
藤原理佐子
平崎
裕二
岩野
弘幸
心不全患者における拡張早期左室内圧較差の空間的分布:健常者との相違
北海道大学大学院 循環病態内科学
"
P1-1-4
慢性腎臓病患者における新しい心筋線維化マーカー“ガレクチン 3”測定の臨床的意義
P1-1-5
右室同期左室単独ペーシングにより reverse remodeling を認めた拡張型心筋症の 1 例
P1-1-6
駆出率の保持された高血圧性肥大心における心筋層別ストレインの検討
P1-1-7
The usefulness of combined assessment of E e ratio and transmitral flow pattern to interpret
cardiac condition
P1-1-8
睡眠時無呼吸合併高血圧症例における左室収縮および拡張機能に対する C PAP の長期効果
藤田保健衛生大学 医学部 循環器内科
愛媛県立中央病院 循環器病センター 循環器内科
愛媛県立中央病院 循環器病センター 循環器内科
!
福島県立医科大学 医学部 循環器血液内科学講座
"
昭和大学 医学部 内科学講座 循環器内科学部門
P1-1-9
高田佳代子
高橋
龍徳
木下
将城
及川
雅啓
茅野
博行
煙草
敏
小林
真紀
糖尿病および高血圧症患者の心機能評価に 2D speckle tracking 法(2DST)は有用か?
東邦大学医療センター大森病院 臨床生理機能検査部
P1-1-10 心臓超音波による小児から成人の拡張早期右室内圧較差の評価
P1-1-11 肝硬変患者における左室形態の多様性
北海道大学 大学院 保健科学院 生体機能研究室
竹村盛二朗
57
一般 Poster
順天堂大学 小児科
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
右心(P1-2)
P1-2-1 新しい指標を用いた右室機能解析―circumferential strain(右室自由壁円周方向収縮)と肺動脈弁輪部運
動速度(右室流出路機能)―
徳島大学大学院 小児医学分野 早渕 康信
P1-2-2 Right ventricular performances in children with pulmonary arterial hypertension with congenital heart disease
The Hospital for Sick Children, the department of Echocardiography 奥村 謙一
P1-2-3 肺動脈性肺高血圧症における三尖弁輪部収縮期移動距離に関連する因子の検討
久留米大学 医学部 内科学講座 心臓血管内科部門 井形 幸代
P1-2-4 高度三尖弁逆流が連続波ドプラ法による収縮期右室 右房圧較差計測に及ぼす影響とその対策
北海道大学大学院 保健科学院 樋岡 拓馬
P1-2-5 三尖弁逆流が経胸壁心エコー図検査による右心機能評価指標に与える影響の検討
岡山大学病院 超音波診断センター 武本 梨佳
P1-2-6 肺高血圧症における 2 次元経胸壁心エコー右室自由壁マルチレイヤー Longitudinal Strain を用いた右心
機能の詳細評価
千葉大学大学院 医学研究院 循環器内科学 小澤 公哉
P1-2-7 有意な安静時肺高血圧の無い膠原病症例に認める運動時肺高血圧の特徴:運動負荷心エコー図の初期成績
京都府立医科大学附属病院 臨床検査部 木越紗和子
P1-2-8 右室機能評価において組織トラッキング法は M モード法に比し高い再現性を有する
国立病院機構大阪医療センター 循環器内科 安村かおり
P1-2-9 三尖弁輪部収縮期移動距離に影響を及ぼす因子の検討
国立循環器病研究センター 臨床検査部 柳
善樹
P1-2-10 健常小児における右室機能評価についての検討
鳥取大学 医学部 周産期小児医学分野 橋田祐一郎
P1-2-11 当院における経胸壁心エコーによる肺高血圧診断能の検討
弘前大学医学部附属病院医療技術部検査部門 赤崎 友美
!
先天性心疾患(P1-3)
P1-3-1
健診にて指摘された心雑音より診断に至った右冠動脈―冠静脈洞瘻の一例
兵庫県立尼崎病院 蔵垣内 敬
心臓カテーテル検査より心臓超音波検査が重症度評価、治療効果判定に有効であった動脈管開存症の一例
横浜市立大学附属病院 循環器内科 尾崎 杏奈
P1-3-3 非心臓手術後に心室細動を起こした高齢房室中隔欠損症の一例
日本大学 医学部 循環器内科 相澤 芳裕
P1-3-4 肺高血圧症を合併した心房中隔欠損症・部分肺静脈還流異常の診断に経食道心エコー検査が有用であった
一例
日本医科大学付属病院 循環器内科 吉永
綾
P1-3-5 不整脈外来で発見された高齢者の無症候性 I 型心室中隔欠損+肺動脈弁下狭窄の一例
社会医療法人 泉和会 千代田病院 検査科 牧野 貴洋
P1-3-6 巨大冠動脈瘤を合併した左冠動脈冠静脈洞瘻の診断に心エコーが有用であった 1 例
佐賀大学 検査部 梅木 俊晴
P1-3-7 脳梗塞を契機に卵円孔開存と多発心異常が発見された高齢者の一例
独立行政法人国立病院機構災害医療センター 臨床検査科 柳川 輝子
P1-3-8 連続性雑音を契機に発見された無症候性大動脈 右房トンネルの一例
徳島大学病院 超音波センター 山尾 雅美
P1-3-9 経食道心エコー図によって偶発的に発見された冠動脈起始異常の一例
産業医科大学 第 2 内科学 福山 梓子
P1-3-10 68 歳で発見された無症候性左冠動脈肺動脈起始症の 1 例
県立宮崎病院 臨床検査科 田中 美与
P1-3-11 心不全を契機に発見された 81 歳右冠動脈肺動脈起始症の 1 症例
松江市立病院 中央検査科 広江貴美子
P1-3-2
一般 Poster
!
58
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
先天性心疾患(術後)
(P1-4)
P1-4-1
動脈管開存症に対して心腔内エコーガイド下に経カテーテル的閉鎖術を施行した一例
倉敷中央病院 循環器内科
P1-4-2
経食道心エコーによる評価を行った Fontan 手術後の左側房室弁逆流の一例
九州大学病院 循環器内科
P1-4-3
P1-4-4
P1-4-5
P1-4-6
三竿あゆみ
坂本
一郎
ファロー四徴症心内修復術後の成人期における再手術の検討
北里大学 医学部 循環器内科学
小板橋俊美
慶應義塾大学医学部 循環器内科
南方
経皮的心房中隔欠損閉鎖術による右室縮小効果の予測因子
友吾
経皮的心房中隔欠損閉鎖術前後における肺動脈径の変化に関する検討
九州大学病院 ハートセンター 生理検査室
!
平川登紀子
右室二腔症術後、左室 右室短絡が顕在化した一例
秋田大学 大学院医学系研究科 循環器内科学
P1-4-7
経皮的肺動脈弁バルーン形成術が有効であった高齢者肺動脈弁狭窄の一例
P1-4-8
ファロー四徴症修復術後の妊娠出産例における心エコー図所見について
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科
富山大学附属病院 検査部
飯野
貴子
中村
裕一
塩崎
真弓
P1-4-9 大動脈弁置換術後に右室流出路狭窄の増悪による心不全症状を認め,筋束切除術を施行した右室二腔症の一
例
関西労災病院 循環器内科
一般演題(Poster)2(P2)
奥野
翔太
!
3 月 26 日(木) ポスター会場 14 : 00 15 : 00
座長:柴山謙太郎(東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター・循環器内科)
高尾壽美惠(新古賀病院 生理機能検査室)
竹中
正人(紀南病院 中央臨床検査部)
芳谷
英俊(高井病院 循環器内科)
症例(心膜・その他)
(P2-1)
化学療法が著効した結核性収縮性心膜炎の一例
P2-1-2
心エコーによる一回拍出量測定が診断に有用であった収縮性心膜炎の一例
P2-1-3
経時的変化を心エコー図で観察し得た放射線治療に伴う収縮性心膜炎の一例
P2-1-4
急速に進行する経過を観察し得た滲出性心膜炎の 1 例
京都大学医学部附属病院 検査部
愛知医科大学病院 中央臨床検査部 生理機能検査室
P2-1-5
静香
市立宇和島病院
松井
翔吾
心タンポナーデを発症した難治性心嚢液貯留に対して胸骨正中切開下開窓術を行った 1 例
角
裕一郎
反復性の血性心嚢液貯留を来した一男児例
山崎
聖子
高度の両心不全から心原性ショックに陥り、補助人工心臓の装着を要した劇症型心筋炎の一例
金沢大学付属病院 循環器内科
P2-1-8
有沢早葵子
花村
長野県立こども病院 循環器小児科
P2-1-7
智也
産業医科大学 医学部 第 2 内科学
産業医科大学 心臓血管外科
P2-1-6
米田
八木麻里子
特徴的な心エコー図所見が診断に有用であったレフレル心内膜心筋炎の症例
熊本大学医学部附属病院 中央検査部
城戸亜耶乃
59
一般 Poster
P2-1-1
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
症例(心不全・その他)
(P2-2)
P2-2-1 心肺補助装置(PCPS)の突発的血流量低下時、原因究明に経食道心エコー図検査が有用であった急性心筋
梗塞の 1 例
小野
和重
江後
京子
済生会金沢病院 内科
大平
美穂
産業医科大学病院 病理・臨床検査・輸血部
白水
利依
前羽
宏史
君津中央病院 生理検査部
P2-2-2
高心拍数のため大動脈弁逆流の検出が困難であった急性左心不全の 1 例
松下記念病院 中央臨床検査部
P2-2-3
P2-2-4
P2-2-5
乳癌化学療法中に発症したうっ血性心不全:異なる臨床経過を辿った 2 症例の検討
前壁中隔中部に限局する局所壁運動低下を認めた一例
急性肺塞栓症の経過で左室内腔圧較差の著明な上昇を来した一例
関西医科大学 第二内科
P2-2-6
経胸壁心エコーの所見を参考に、心負荷となりうる機能リハビリを遂行出来たうっ血性心不全の 1 症例
地方独立行政法人 秋田県立病院機構 秋田県立脳血管研究センター 循環器内科
藤原理佐子
P2-2-7
当院にて経験した臨床経過の異なる周産期心筋症の 2 症例
P2-2-8
ボルテゾミフデキサメサゾン療法により心エコー所見の改善をみた AL 心アミロイドーシスの 1 例
P2-2-9
下壁基部側に非緻密化層が及ぶ左室緻密化障害の一例
獨協医科大学越谷病院 循環器内科
林
亜紀子
広島鉄道病院
上田
智広
赤穂市民病院 循環器科
三好
達也
鹿児島大学病院 臨床技術部 検査部門
中村
幸美
千明
真弓
遠藤
桂輔
橋本
剛
森本
良子
P2-2-10 典型的な左室緻密化障害
P2-2-11 簡便な運動負荷心エコーが労作時息切れの診断に有効であった一例
東京大学 医学部附属病院 検査部
弁膜症(大動脈弁)
(P2-3)
P2-3-1
S 字状中隔を伴う大動脈弁狭窄症における左室流出路径計測場所の妥当性に関する検討
公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 臨床検査科
P2-3-2
大動脈弁狭窄症術後に生じる左室流出路狭窄を予測する因子についての検討
P2-3-3
骨粗鬆症治療薬の大動脈弁狭窄症進展抑制効果における検討
P2-3-4
経カテーテル的大動脈弁留置術における経食道心エコーでの人工弁周囲逆流の簡易的半定量評価
P2-3-5
大動脈弁狭窄症弁置換術後の予後と術後早期の Global Circumferential Strain の関連
P2-3-6
動脈硬化性大動脈弁狭窄症患者における大動脈弁輪形態の特徴:3 次元経胸壁心エコー図検査を用いた検
討
東邦大学医療センター 大橋病院 循環器内科
一般 Poster
順天堂大学 循環器内科
岩手医科大学附属病院 心血管腎内分泌内科
日立総合病院 循環器内科
山口大学医学部附属病院 超音波検査センター
P2-3-7
佐藤
希美
藤井
彩乃
紺田
利子
左室駆出率が低下した重症大動脈弁狭窄症例において大動脈弁置換術後に惹起されるリバースリモデリン
グ規定因子に関する検討
静岡県立総合病院 循環器内科
P2-3-9
敦
エネルギー損失係数 ELCo 計測部位による大動脈弁狭窄症重症度の違いについての検討
神戸市立医療センター 中央市民病院 臨床検査技術部
P2-3-8
田代
田中
悦子
重症大動脈弁狭窄症患者における大動脈基部の解剖学的特徴―3 次元経食道心エコー法による検討―
神戸市立医療センター中央市民病院 臨床検査技術部
川井
順一
P2-3-10 大動脈弁狭窄症の術前後における心機能と形態の変化に関する検討:二尖弁例と三尖弁例の比較
札幌医科大学附属病院 検査部
60
安井
謙司
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
弁膜症(その他)
(P2-4)
P2-4-1
非弁膜症性心房細動例において軽度の僧帽弁逆流は予後に影響を及ぼすか?
川崎医科大学 循環器内科
P2-4-2
正常心に生ずる僧帽弁の加齢変化についての検討
佐賀大学 医学部 循環器内科
P2-4-3
津守
容子
古川
敦子
秋吉
妙美
僧帽弁逸脱症における経胸壁心エコー図所見と手術所見の比較検討
佐賀大学 ハートセンター
P2-4-6
洋平
心房細動に伴う僧帽弁逆流の機序:3 次元経食道心エコー図検査を用いた検討
大阪市立総合医療センター 循環器内科
P2-4-5
井上
維持血液透析が僧帽弁に与える影響:断層心エコー図の指標を用いての検討
宮崎江南病院 内科
P2-4-4
今井孝一郎
僧帽弁逸脱による高度僧帽弁逆流における腱索断裂の僧帽弁輪への影響
公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 臨床検査技術部
横田佳代子
P2-4-7
経胸壁心エコーおよび経食道心エコーによる三尖弁逆流の評価
P2-4-8
一尖弁による重症大動脈弁狭窄症に冠動脈起始異常を合併した一例
P2-4-9
ムコ多糖症に合併した大動脈弁・僧帽弁狭窄を酵素補充療法下に心エコー図で観察した成人二症例
千葉県循環器病センター
島根県立中央病院 循環器科
和歌山県立医科大学 循環器画像動態診断学
多羅尾健太郎
江口
穂積
春樹
健之
一般 Poster
61
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
一般演題(Poster)3(P3)
!
3 月 27 日(金) ポスター会場 10 : 00 11 : 00
座長:有田
武史(九州大学病院 ハートセンター内科)
田中
伸明(山口大学大学院 病態検査学分野)
中西
弘毅(馬場記念病院 循環器科)
馬原啓太郎(榊原記念病院 循環器内科)
吉福
士郎(JA鹿児島県厚生連健康管理センター)
感染性心内膜炎(P3-1)
P3-1-1
整形外科手術後に発症した感染性心内膜炎(IE)の 2 症例
中央検査室
福嶋
友孝
熊本大学医学部附属病院 中央検査部
木下
ゆい
安城更生病院 循環器内科
子安
正純
旭川医科大学病院 臨床検査・輸血部
樋口
貴哉
聖隷三方原病院 循環器内科
宮島
佳祐
大阪大学大学院 医学系研究科 循環器内科学
仙石
薫子
昭和大学 藤が丘病院 循環器内科
前澤
秀之
北里大学北里研究所病院循環器内科
島田
恵
内田
剛敬
天理よろづ相談所病院 循環器内科
高橋
佑典
京都大学医学部附属病院 心臓血管外科
脊古
裕太
獨協医科大学病院超音波センター
川又
美咲
自衛隊中央病院 診療技術部 臨床検査課 生理検査室
小口
徳之
埼玉県済生会川口総合病院
南雲
涼太
日本大学医学部附属板橋病院 臨床検査部
関根
亨
JCHO 大阪病院
P3-1-2
P3-1-3
感染性心内膜炎による僧帽弁置換術後に形成した僧帽弁輪部仮性瘤の一例
periannular extension を合併した感染性心内膜炎の一例
P3-1-4
三尖弁に疣腫を認めた感染性心内膜炎の 1 例
P3-1-5
二次孔欠損型心房中隔欠損症に合併した肺動脈弁感染性心内膜炎の 1 例
P3-1-6
感染性心内膜炎により僧帽弁瘤穿孔を来たした一例
P3-1-7
術後 2 ヵ月以降に急激に疣贅が出現した人工弁感染性心内膜炎の一例
P3-1-8
弁輪部膿瘍を合併した大動脈弁感染性心内膜炎の 2 例
P3-1-9
感染性心内膜炎に合併した僧帽弁輪部膿瘍の進展を心エコー図で観察した一例
大阪府済生会野江病院 循環器内科
P3-1-10 非手術例の左心系感染性心内膜炎における疣贅の大きさと塞栓症との関係
P3-1-11 右室二腔症様の血行動態を呈した感染性心内膜炎
一般 Poster
P3-1-12 Streptococcus bovis による感染性心内膜炎の一例
P3-1-13 有意な弁膜症なく左室後側壁に疣腫が形成された感染性心内膜炎の一例
P3-1-14 そうぼうべん、じゃんけんぽん
P3-1-15 VSD に合併した感染性心内膜炎の 1 例
62
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
血管、大動脈(P3-2)
P3-2-1
P3-2-2
P3-2-3
P3-2-4
P3-2-5
術中経食道心エコー図検査を用いた急性 A 型大動脈解離における左冠動脈解離診断の重要性
榊原記念病院 循環器内科
太田
光彦
山口大学医学部附属病院 超音波センター
田中
智子
春日部市立病院
古市
知広
島根県立中央病院 循環器科
江口
春樹
大動脈硬化が心室中隔と上行大動脈がなす角度に与える影響
外来通院中に偶然、発見されたバルサルバ洞動脈瘤の一例
破裂部位の異なるバルサルバ洞動脈瘤破裂の 2 症例
超音波検査時の腹部大動脈瘤評価の有用性について―腹部検査と心臓検査時スクリーニングの比較―
帝京大学ちば総合医療センター 検査部
P3-2-6
独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院 検査部
P3-2-7
木村
豊
菅谷
直美
未破裂で発見された血栓を伴う左バルサルバ洞動脈瘤の一例
両弁置換術 19 年後に心不全を契機に明らかとなった上行大動脈―右房瘻孔
宮崎大学 医学部 附属病院 検査部
武田恵美子
一般財団法人 平成紫川会 小倉記念病院 検査技師部
冨山ひろみ
症例(弁膜症)
(P3-3)
P3-3-1
P3-3-2
心エコー図診断に苦慮した大動脈弁狭窄症の稀有な二症例
半年間に 3 件連続で発見された大動脈一尖弁のエコー学的特徴
埼玉県立循環器・呼吸器病センター 循環器内科
P3-3-3
良輔
特発性大動脈弁穿孔の二症例
岩手医科大学 内科学講座 心血管・腎・内分泌内科分野
P3-3-4
板倉
熊谷亜希子
弁尖および交連部 plication による形成術を施行した若年女性大動脈 2 尖弁の一治験例
亀田総合病院 循環器内科
添田
雅生
P3-3-5 リアルタイム 3D 経食道心エコー図検査で評価しえた、重度大動脈閉鎖不全症を伴った大動脈四尖弁の一例
宮崎県立宮崎病院 循環器内科
工藤
丈明
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科
上坂
浩司
大動脈弁二尖弁との鑑別に苦慮した大動脈一尖弁の一例
P3-3-7
カルチノイドに伴う三尖弁閉鎖不全症・肺動脈弁閉鎖不全症を来した 1 例
P3-3-8
外傷性三尖弁腱索断裂と診断し三尖弁形成術を施行し得た一例
P3-3-9
3D 経胸壁心エコーが経過観察に有用であった高度三尖弁逆流の一症例
亀田総合病院 臨床検査部
榊原記念病院 臨床検査科
国家公務員共済組合連合会 東北公済病院 生理検査室
須磨谷いづみ
島崎
希美
中嶋
真一
塚原
摩耶
P3-3-10 断裂したペーシングリードによる高度三尖弁逆流の一例
聖マリアンナ医科大学 循環器内科
63
一般 Poster
P3-3-6
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
症例(弁膜症)
(P3-4)
P3-4-1
乾酪性弁輪石灰化の一症例
浅川 雅子
P3-4-2 重度の僧帽弁弁輪部石灰化を伴う連合弁膜症の術式決定に三次元経食道心エコー図(3DTEE)が有用であっ
た一症例
心臓血管センター 北海道大野病院 検査部 松原 沙織
P3-4-3 症状と重症度が解離した僧房弁狭窄症に対し運動負荷心エコーが有効で、PTMC 施行中にも経胸壁心エ
コーが有用であった一例
埼玉県立循環器・呼吸器病センター 循環器内科 村上 彰通
P3-4-4 急速な経過で僧帽弁輪に石灰化腫瘤病変を認めた透析患者の 1 例
三重大学医学部附属病院 中央検査部 杉浦 早希
P3-4-5 僧帽弁狭窄の進展を心エコー図にて観察した全身性エリテマトーデスの一例
和歌山県立医科大学 循環器画像動態診断学 穂積 健之
P3-4-6 リアルタイム 3D 心エコー図法が診断に有用であった僧帽弁逸脱症を伴う先天性重複僧帽弁口の 1 例
岩手医科大学附属病院 中央臨床検査部 循環動態検査室 高橋 敬太
P3-4-7 閉塞性肥大型心筋症に合併した急性僧帽弁逆流の一例
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 循環器内科 高井
学
P3-4-8 ベッド上簡易負荷心エコー図(荷重なし足関節屈伸)により肺高血圧が誘発された弁膜疾患の 2 症例
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科 小松 美代
JR 東京総合病院
一般演題(Poster)4(P4)
循環器内科
!
3 月 27 日(金) ポスター会場 14 : 00 15 : 00
座長:仲敷
健一(豊泉会丸山病院)
林
研至(金沢大学 循環器内科)
福西
雅俊(北海道社会事業協会帯広病院 臨床検査科)
藤本
眞一(奈良県立医科大学 教育開発センター)
水上
尚子(鹿児島大学病院 臨床技術部検査部門)
先天性心疾患(成人)
(P4-1)
一般 Poster
P4-1-1
経食道心臓超音波検査を用いた卵円孔開存の評価(2D と 3D の比較検討)について
広島市民病院 循環器内科
大野
雅文
安城更生病院 臨床検査技術科
棚橋
景子
河村
愛
中尾
一浩
P4-1-2
成人左房性三心房心の一例
P4-1-3
術中経食道心エコー図にて心室中隔欠損が発見された右室二腔症の一例
川崎医科大学附属病院 循環器内科
P4-1-4
完全内臓逆位に重症大動脈弁狭窄症を合併した大動脈一尖弁の 1 例
P4-1-5
長期経過観察中の無症候性冠動脈 左室瘻の一例
!
西宮渡辺心臓・血管センター 循環器内科
社会医療社団法人社団十全会 心臓病センター榊原病院
P4-1-6
経食道心エコー図が診断に有用であった右冠動脈―右房ろうの一例
P4-1-7
3 次元心エコー図検査を用いて隔壁交通孔を詳細に評価しえた三心房心の 2 例
神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科
P4-1-9
64
笠本
学
池田 和美
動悸症状から心雑音指摘され心エコーで右室流出路壁近傍に連続性カラー血流を認めた巨大 coronary AV
fistula 疑いの 1 症例
高の原中央病院かんさいハートセンター 循環器内科 河野 仁美
CPA 蘇生後に判明した左冠動脈肺動脈起始症の一例
島根県立中央病院 循環器科 朴
美仙
産業医科大学病院 病理・臨床検査・輸血部
P4-1-8
大原美奈子
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
腫瘍、血栓(P4-2)
P4-2-1
P4-2-2
P4-2-3
P4-2-4
経食道心エコー図検査が治療方針決定に有効であった原発性大動脈平滑筋肉腫の一例
三井記念病院 循環器内科
渡部
美佳
日本大学 医学部 内科学系循環器内科学分野
黒澤
毅文
産業医科大学病院 病理・臨床検査・輸血部
津留
孝浩
木村
祐樹
神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科
中嶋
正貴
国家公務員共済組合連合会 三宿病院 臨床検査科
沼倉
陽子
志和
清隆
外科的閉鎖術後に左房内血栓を生じた高度僧房弁閉鎖不全症の一例
転移性右房内悪性腫瘍の 2 症例
経胸壁心エコーにて右房内血栓が肺塞栓に至る経過を追跡し得た 1 剖検例
公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 心臓センター
P4-2-5
P4-2-6
全身塞栓症を合併するも内科的治療にて軽快した巨大左室内血栓を生じた拡張型心筋症の 1 例
心タンポナーデを発症した胸腺腫術後遠隔期の一例
P4-2-7
左房粘液腫様形態だが典型的ではなかった血管肉腫の 1 症例
P4-2-8
うっ血性心不全治療経過中に右室心尖部血栓を認めた 1 症例
P4-2-9
治療経過中に経食道エコー図と PET 所見の乖離を認めた diffuse large B cell lymphoma の一例
東京女子医科大学附属病院 中央検査部
高知大学 医学部 附属病院 検査部
和田美智子
福島県立医科大学 循環器・血液内科学講座
小林
淳
あかね会 土谷総合病院 循環器内科
藤井
裕人
徳島大学病院 循環器内科
坂東
美佳
P4-2-10 腹部 CT で偶発的に発見された心臓血管肉腫の 2 症例
腫瘍、血栓(P4-3)
P4-3-1
P4-3-2
キアリ網に捕捉された右房内血栓の 1 例
グレン手術後に右室内血栓をきたした類洞交通を伴う肺動脈閉鎖兼正常心室中隔(PA IVS)の一例
倉岡
彩子
県立宮崎病院 臨床検査科
田中
美与
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科
小松
美代
公益社団法人 京都保健会 京都民医連中央病院
米澤
英伸
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科
中村
裕一
P4-3-3
脳塞栓と心不全にて発見された巨大左房腫瘍の 2 例
P4-3-4
付着部位の稀な心臓粘液腫の 2 症例
P4-3-5
生体弁に付着した嚢胞状腫瘤の一症例
P4-3-6
有茎性ボール状左心耳内血栓の一例
P4-3-7
慢性心房細動で左心耳、右心耳内にともに血栓を認め、脳梗塞、無症候性肺血栓塞栓症をおこしていた 1
症例
野村
康介
岡山大学病院 循環器内科
酒谷
優佳
済生会熊本病院 中央検査部生理
渡邉
未紗
上岡
亮
昭和大学 医学部 内科学講座 循環器内科学部門
P4-3-8
P4-3-9
肺血栓塞栓症に類似した原発性肺動脈血管肉腫の 2 症例
Calcified amorphous tumor が脳梗塞の塞栓源と考えられた 1 例
P4-3-10 Eustachian valve より発生し、右房内血栓と鑑別を要した papillary fibroelastoma の一例
岡山大学病院 循環器内科
65
一般 Poster
福岡市立こども病院 循環器科
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
小児、その他(P4-4)
P4-4-1
機能的肺動脈弁閉鎖を認めた非エブスタイン病の 1 新生児例
東京女子医科大学心臓病センター 循環器小児科
P4-4-2
!
P4-4-5
純人
藤岡
泰生
小松
寿里
心エコーにより川崎病性巨大冠動脈瘤を診断できた若年男性の一例
仙台市立病院 循環器内科
"
経食道心エコー中に臥位と座位を取ることにより Platypnea orthdeoxia syndrome と診断できた一例
大塚
伸子
群馬大学医学部附属病院 検査部
岡田
顕也
東京都立多摩総合医療センター
伊東
勘介
岡山大学 循環器内科
小野
環
金沢大学附属病院 検査部 金沢大学 医薬保健研究域 血液病態検査学
寺上
貴子
平塚共済病院 循環器科
大西
隆行
富永病院
桑木
恒
誠馨会 新東京病院 臨床検査室
小川
幸宏
埼玉県立循環器・呼吸器病センター 検査技術部
P4-4-6
木村
正常小児における Tracking of Mitral Annular Displacement,2D 3D Global Longitudinal Strain
の比較
静岡県立こども病院 循環器科
P4-4-4
武
小児期先天性心疾患における Tracking of tricuspid annular displacement を用いた右室収縮能評価
北里大学 医学部 小児科
P4-4-3
清水
感染性心内膜炎に対する外科治療後、巨大左室仮性瘤を形成した 1 例
P4-4-7
右房内異常構造物
P4-4-8
2 型糖尿病患者における血管内皮機能障害と左室肥大との関連
P4-4-9
震災時医療活動における下肢静脈エコーおよび凝血学的マーカーの検討
P4-4-10 心腔内エコー(AcuNav)の有用性:当科での使用経験
P4-4-11 くも膜下出血に合併する左室局所壁運動異常に対する検討
P4-4-12 当院の TAVI ハートチームにおけるソノグラファーの役割と課題
P4-4-13 初期研修医に対する心エコー図教育:福島県臨床研修病院ネットワークおよび日本心エコー図学会教育委
員会のコラボレーション
福島県立医科大学 医療人育成・支援センター
一般 Poster
66
高野
真澄
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
一般演題(Poster)5(P5)
!
3 月 28 日(土) ポスター会場 10 : 00 11 : 00
座長:河野
髙
靖(大阪掖済会病院 循環器内科)
州亜(鹿児島大学 心臓血管・高血圧内科学)
豊田
茂(獨協医科大学 心臓・血管内科)
平田久美子(和歌山県立医科大学 循環器内科)
森
隆之(佐賀県医療センター好生館 検査部)
症例(心筋症)
(P5-1)
P5-1-1
レフレル心内膜炎を呈した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の経時的変化を観察できた一例
日野市立病院 循環器科
P5-1-2
敏光
和田
輝明
馬詰
武
犬塚
斉
心室中隔壁厚が変動した家族性心筋疾患の一例
済生会熊本病院 心臓血管センター 循環器内科
P5-1-3
繼
発症から分娩後の正常化までの経過を心エコー図で観察し得た周産期心筋症の 1 症例
北海道大学大学院 産科生殖医学
P5-1-4
経過観察が行うことができた 26 例の心アミロイドーシスの心エコー所見
P5-1-5
肥大型心筋症患者の拡張機能指標:運動負荷心エコー図をもちいた検討
藤田保健衛生大学病院 臨床検査部
松下記念病院 中央臨床検査部
武岡真由美
P5-1-6 ペースメーカ植込み後早期に、心室中部型たこつぼ型心筋症と思われる可逆性の左室壁運動低下と dyssynchrony を来した 1 例
土谷総合病院 循環器内科
正岡
佳子
藤田保健衛生大学 循環器内科
高桑
蓉子
佐藤
如雄
P5-1-7
当院で長期間診療しえた拘束型心筋症
P5-1-8
心エコー図が診断に有用であった左室流出路狭窄を伴うたこつぼ心筋症の 1 例
聖マリアンナ医科大学東横病院 心臓病センター
P5-1-9 診断基準は満たさなかったが経過から心サルコイドーシスが疑われ,ステロイド療法が効果的であった一例
宮崎大学 医学部 附属病院 第一内科
福田
智子
黒木
恵美
田永
哲士
P5-1-10 甲状腺機能亢進症を基礎疾患として発症したと思われる両心室たこつぼ心筋症の 1 例
宮崎江南病院 検査部
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科
P5-1-12 心拍動下冠動脈バイパス術中僧帽弁尖 tethering は心脱転に伴う乳頭筋変位と関連する:ブタモデルにお
ける 3D 心エコー図法による評価
福島県立医科大学 心臓血管外科学講座
五十嵐
崇
67
一般 Poster
P5-1-11 診断および治療効果の経時的観察に心エコー図が有用であった急性好酸球性心筋炎の一例
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
症例(心筋症)
(P5-2)
P5-2-1
左室内血栓を合併し治療に難渋したたこつぼ型心筋症
白崎 圭輔
肥大型心筋症の病態を呈したミトコンドリア心筋症の壁運動低下の進行を心エコー図で観察した一例
和歌山県立医科大学 循環器画像動態診断学 穂積 健之
18 年間フォローを行っている、ミオパチーを背景とした拘束型心筋症の一例
倉敷中央病院 循環器内科 宮脇
大
閉塞性肥大型心筋症における左室流出路構造異常を心エコー図で正確に評価し得た一例
榊原記念病院 臨床検査科 規矩智千絵
右室優位に障害をきたした急性心筋炎の 2 例
姫路循環器病センター 循環器内科 松山 苑子
運動負荷により左室流出路圧較差の改善を認めた閉塞性肥大型心筋症(HOCM)の 2 例
心臓病センター 榊原病院 辛島 千尋
重症大動脈弁閉鎖不全症にたこつぼ型心筋症を合併し、大動脈弁置換術後に心機能回復を認めた一例
産業医科大学付属病院 循環器内科 腎臓内科 上間 貴子
【症例】自然経過において著明な左室壁厚の変化を観察しえた心サルコイドーシスの一例
北里大学医学部循環器内科学 柿崎 良太
多発する左室内血栓で発見された左室心筋緻密化障害の一例
公立学校共済組合 九州中央病院 検査技術科 本郷以津香
大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症を合併し、弁置換術を施行した Fabry 病の一例
岡山大学循環器内科 木村 朋生
食後に胸部症状が出現し、心エコーで左室流出路圧較差の増大を認めた閉塞性肥大型心筋症の一例
京都大学 医学部 附属病院 笹
智樹
埼玉県立循環器・呼吸器病センター 循環器内科
P5-2-2
P5-2-3
P5-2-4
P5-2-5
P5-2-6
P5-2-7
P5-2-8
P5-2-9
P5-2-10
P5-2-11
!
新技術 新手法(P5-3)
P5-3-1
P5-3-2
P5-3-3
一般 Poster
P5-3-4
P5-3-5
P5-3-6
P5-3-7
P5-3-8
P5-3-9
P5-3-10
P5-3-11
P5-3-12
68
自動化トラッキングによるストレイン計測:画質による精度の検討
福島県立医科大学 治療部 高野 真澄
Inferior Vena Cava Compression Maneuver as a Novel Technique to Detect Patent Foramen
Ovale
群馬県立心臓血管センター 循環器内科 山下 英治
急性心筋梗塞に伴う僧帽弁葉面積の変化:経胸壁リアルタイム 3D 心エコー図による検討
宮崎大学 医学部 附属病院 第一内科 福田 智子
TM
当院における心腔内エコー(ACUNAV )の使用経験
公立学校共済組合 関東中央病院 循環器内科 伊藤 敦彦
経胸壁 3D 心エコー図による右室リードの三尖弁通過部位に関する検討
関西労災病院 循環器内科 須永 晃弘
Multimodality imaging による Strain 評価
杏林大学 医学部 第二内科 坂田 好美
くも膜下出血に合併するたこつぼ心筋障害に対する心内膜・心外膜心筋ストレイン解析
藤田保健衛生大学 医療科学部 臨床検査学科 杉本 恵子
左室駆出率保持型 HCM における心エコーマルチレイヤー解析による Global Longitudinal Strain 値の検
者間、検者内の優れた再現性
千葉大学大学院 医学研究院 循環器内科学 小澤 公哉
全身性自己免疫疾患における心臓超音波マルチレイヤーストレイン解析による心筋特性評価、BNP、左室駆
出率、肺動脈圧との関連
千葉大学大学院 医学研究院 循環器内科学 小澤 公哉
左室流出路形態の心周期に伴う変化:3 次元経食道心エコー図による検討
心臓病センター榊原病院 循環器内科 三木 知紀
非心臓手術中に進行性低酸素血症を来たし、術直後に Vscan で右心室内浮遊血栓を指摘し得た一例
小松市民病院 麻酔科 藤井
怜
PISA(proximal isovelocity surface area)法を用いた新生児期の PDA の評価
浜松医科大学 医学部 小児科学教室 岩島
覚
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
左房、心房細動(P5-4)
P5-4-1
3D 心エコー図法を用いた肺静脈隔離術後の左房 sphericity 評価
P5-4-2
発作性心房細動に対する肺静脈隔離術の高齢患者における拡張能の変化について
P5-4-3
3D 経食道心エコーでみる左心耳機能低下の進行過程
愛媛大学 医学部付属病院 病態情報内科学
大阪労災病院 循環器内科
藤本
香織
増山
潔
君津中央病院 循環器科 藤巻 晴香
P5-4-4 左房天井部分を除いた左房ストレインは、全分画の左房ストレインと比べ CHADS2 スコアとより強く相関
する傾向にある
群馬大学 医学部 附属病院 循環器内科 黒沢 幸嗣
P5-4-5 Decreased LA peak systolic and late diastolic strain reflects left atrial appendage dysfunction
in patients with PAF
山形大学 医学部 第一内科 佐々木真太郎
P5-4-6 左房リモデリングと左房機能の関連についての検討
関西医科大学 第二内科 辻本 悟史
P5-4-7 ダビガトラン内服中に見つかった血栓がアピキサバン投与により消失した 1 例
君津中央病院 循環器科 濵
義之
P5-4-8 3D スペックルトラッキング法を用いた、肺静脈隔離術後の一過性心房細動患者の左房機能の評価
青梅市立総合病院 循環器内科 萬野 智子
P5-4-9 経胸壁心エコー図による左房拡大指標の乖離に及ぼす因子
聖マリアンナ医科大学病院循環器内科 南
圭祐
P5-4-10 Feasibility of combination of left atrial volume index and markers of thrombogenesis for predicting cardioembolic stroke
山形大学 医学部 第一内科 和根崎真大
一般演題(Poster)6(P6)
!
3 月 28 日(土) ポスター会場 13 : 00 14 : 00
座長:谷
知子(神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科)
林
篤志(産業医科大学 第2内科学)
山野
哲弘(京都府立医科大学臨床検査部 循環器内科)
症例(虚血性心疾患)
(P6-1)
P6-1-2
P6-1-3
P6-1-4
P6-1-5
P6-1-6
P6-1-7
P6-1-8
救急外来での経胸壁心エコー図検査が治療方針の決定に有用だった subepicardial aneurysm を伴う急性
下後壁心筋梗塞の一例
島根大学 医学部附属病院 循環器内科 岡田 大司
経胸壁心臓超音波検査で冠動脈血流評価が有用であった虚血性心疾患の一例
関東中央病院 循環器内科 澤田 直子
Bnatall 術後に出現した LMT 吻合部狭窄の評価に経胸壁心エコーが有用であった一例
自衛隊中央病院 診療技術部 臨床検査課 大海 延也
急性心筋梗塞発症 5 日後に急速に進行した乳頭筋不全断裂の一例
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科 上坂 浩司
左冠動脈主幹部病変に対する緊急冠動脈形成術により劇的に改善した高度虚血性僧帽弁逆流:3D 心エ
コー図による僧帽弁形状観察
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科 田永 哲士
健康診断で発見された心室中隔穿孔の一症例
九州大学病院 ハートセンター 堀川 史織
急性下壁心筋梗塞で緊急 PCI 後、一過性に SAM を来した一例
心臓病センター榊原病院循環器内科 森川 喬生
重症虚血性心筋症に対し心エコー調整下の左室形成術と冠動脈バイパス手術を施行し著明な心機能の改善
を認めた 1 例
高の原中央病院 かんさいハートセンター 心臓血管外科 小澤 達也
69
一般 Poster
P6-1-1
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
症例(弁膜症、術後)
(P6-2)
P6-2-1
僧帽弁形成術後に感染により僧帽弁狭窄をきたした 1 例
尾池
史
立花
恵子
加藤
寿光
心臓病センター榊原病院 循環器内科
澤紙
秀太
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 臨床検査科
永禮
裕子
熊本中央病院 循環器科
P6-2-2
僧帽弁置換術、三尖弁形成術後に三尖弁人工弁輪から左室へシャントを生じた一例
平塚共済病院 循環器科
P6-2-3
3 次元経食道心エコー図検査で観察し得た僧帽弁形成術後慢性期に進行した溶血性貧血の 1 例
公立富岡総合病院 循環器科
P6-2-4
P6-2-5
P6-2-6
三次元経食道心エコー図が Paravalvular leakage(PVL)の診断に有用であった一例
TAVI 術中に高度 MR をきたした一例
機能性僧帽弁閉鎖不全症に対する外科的治療∼冠動脈バイパス術時に機能性僧帽弁閉鎖不全症に対し外科
的治療を行った一例∼
東京女子医科大学病院 循環器内科
野本美智留
P6-2-7
僧帽弁生体弁置換術後に経食道心エコーで生体弁の血栓性肥厚と左心房内血栓を認め抗凝固療法にて改善
した一例
P6-2-8
僧帽弁形成術後晩期に発症した僧帽弁狭窄症の一例
P6-2-9
狭小弁輪に対する大動脈弁置換術直後に生体弁機能不全をおこした一症例
三井記念病院 循環器内科
心臓病センター榊原病院 循環器内科
心臓病センター榊原病院
加藤奈穂子
鍵山
暢之
鈴木
康太
P6-2-10 僧帽弁形成術後 15 年後に僧帽弁弁輪部狭窄を呈し、再手術となった一例
大阪大学医学部附属病院 超音波センター
藤田麻理子
P6-2-11 S 字状心室中隔に伴う左室流出路狭窄と弁穿孔による僧帽弁逆流が溶血性貧血の原因となった僧帽弁形成
術後症例
北海道大学病院 検査・輸血部
横山しのぶ
腫瘍、血栓(P6-3)
P6-3-1
先天性アンチトロンビン III 欠損症に左室内巨大血栓を伴った症例
一般 Poster
奈良県立医科大学 第 1 内科
竹田
征治
田附興風会医学研究所 北野病院 心臓センター循環器内科
関原
孝之
川崎医科大学 循環器内科
岡本
公志
八尾市立病院 循環器内科
渡部
徹也
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 循環器内科
高井
学
中村
琢
由利
卓也
佐藤
翼
福田
延昭
玉城
貴啓
P6-3-2
心房中隔腫瘍生検において心腔内エコーが有用であった一例
P6-3-3
呼吸困難を契機に発見された右室原発未分化肉腫の一例
P6-3-4
奇異性脳塞栓症と肺塞栓症を同時期に発症した 1 例
P6-3-5
両心室内に血栓形成をきたした虚血性心筋症の一例
P6-3-6
心筋浸潤を呈した成人 T 細胞性白血病リンパ腫の一例
島根大学 医学部 内科学第四
P6-3-7
壁運動異常のない左室に心室内血栓を生じた抗リン脂質抗体症候群の一例
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 循環器内科
P6-3-8
定常流型 LVAD 患者における大動脈弁の弁尖内血栓について
九州大学病院ハートセンター生理検査部門
P6-3-9
乳癌の手術前検査で僧帽弁輪に石灰化腫瘤と非対称性の左室肥大を認めた一例
国立病院機構 高崎総合医療センター 循環器科
P6-3-10 大動脈弁兼僧帽弁置換術後に心臓内膜肉腫を認め心不全治療に難渋した一例
公益財団法人 日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院
70
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
腫瘍、血栓(P6-4)
P6-4-1
P6-4-2
P6-4-3
P6-4-4
縦隔腫瘍に対する治療効果が右心負荷所見の改善にて評価可能であった一例
九州大学病院 検査部
河原
吾郎
日本大学医学部附属板橋病院 臨床検査部
中田
直美
大阪医科大学 中央検査部
小倉
文子
経肺静脈的に左房内浸潤をきたした肺癌の 1 例
左室内血栓によって形成された狭窄機転
うっ血性心不全の原因となった巨大左房粘液腫
浜の町病院 臨床検査部生理検査室
P6-4-5
左房内血栓
Hole in one
石田
万理
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 臨床検査部
光岡
優子
徳島大学病院 超音波センター
天野
里江
独立行政法人 国立病院機構 東京病院
本間
仁乃
聖路加国際大学病院 臨床検査科 生理検査室
P6-4-6
野田由美子
巨大な左房内血栓を認めた人工弁置換術後患者の一例
P6-4-7
肺動脈弁を往来する転移性心臓腫瘍の 1 例
P6-4-8
心房粗動を契機に偶然発見された左房内腫瘤性病変の一例
P6-4-9
左心耳巨大血栓形成・消失を繰り返した非弁膜症性心房細動症例の一症例
松山市民病院 循環器内科
長谷川
操
P6-4-10 マルチモダリティーによって経過を観察し得た転移性心臓腫瘍の一例
広島大学病院診療支援部生体検査部門
林
輝洋
一般 Poster
71
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
モーニングセミナー 1(MS1)
※同時通訳有
!
3 月 27 日(金) 第 2 会場 8 : 00 8 : 40
座長:竹内
MS1
正明(産業医科大学 第2内科学)
アナトミカル・インテリジェンス(A.I.
)による 3D 新時代の幕開け
Real Time Automated Transthoracic Three Dimensional Echocardiographic Left Heart Chamber Quantification with an Anatomical Intelligence based Algorithm
"
"
"
Professor of Medicine and Radiology, University of Chicago, USA
Roberto M. Lang
共催:株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン
モーニングセミナー 2(MS2)
!
3 月 28 日(土) 第 1 会場 8 : 00 8 : 40
座長:坂田
MS2
泰史(大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
不飽和脂肪酸を利用した新しい治療戦略
済生会福岡総合病院 心臓血管・大動脈センター 循環器内科
芹川
威
共催:持田製薬株式会社
モーニングセミナー 3(MS3)
!
3 月 28 日(土) 第 3 会場 8 : 00 8 : 40
座長:大石
MS3
充(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学)
糖尿病患者の大血管障害リスクをいかに管理するか
慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科
田中
正巳
共催:ファイザー株式会社
ランチョンセミナー 1(LS1)
!
3 月 26 日(木) 第 1 会場 12 : 10 13 : 00
座長:坂田
共催セミナー
LS1
泰史(大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
抗血栓療法の現状と課題
国立循環器病研究センター 心臓血管内科
!
安田
聡
共催:ブリストル・マイヤーズ株式会社 ファイザー株式会社
72
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
ランチョンセミナー 2(LS2)
!
3 月 26 日(木) 第 2 会場 12 : 10 13 : 00
座長:山本
LS2
一博(鳥取大学医学部 病態情報内科)
心臓手術での 3 次元経食道心エコー図の臨床使用の実際
東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター
柴山謙太郎
東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター
田端
実
共催:GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
ランチョンセミナー 3(LS3)
!
3 月 26 日(木) 第 3 会場 12 : 10 13 : 00
座長:竹内
LS3
正明(産業医科大学 第2内科学)
3D エコー古今東西:2000−2015∼Three Dimensional Echocardiography
Professor of Medicine and Radiology, University of Chicago, USA
Roberto M. Lang
共催:株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン
ランチョンセミナー 4(LS4)
!
3 月 27 日(金) 第 1 会場 12 : 10 13 : 00
僧帽弁形成術後の Functional MS―負荷心エコーと人工弁輪―
座長:岩永
LS4-1
史郎(埼玉医科大学国際医療センター 心臓内科)
僧帽弁形成術における術前術後運動負荷心エコー図の役割
宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科 検査科
LS4-2
渡邉
望
土井
潔
器質的僧帽弁逆流症に対する弁形成術後の僧帽弁狭窄:運動負荷エコーを用いた評価
京都府立医科大学 心臓血管外科
共催:セント・ジュード・メディカル株式会社
ランチョンセミナー 5(LS5)
!
3 月 27 日(金) 第 2 会場 12 : 10 13 : 00
ARTIDA スペックルトラッキングの活用術と最新応用
LS5-1
LS5-2
信之(名古屋市立大学大学院 医学研究科 心臓・腎高血圧内科学科)
スペックルトラッキング法をいかに応用するか?
西宮渡辺心臓・血管センター 循環器内科
兵頭
永一
筑波大学 医学医療系 循環器内科
瀬尾
由広
ARTIDA は注目される疾患,病態にどこまで迫れるか?
共催:東芝メディカルシステムズ株式会社
73
共催セミナー
座長:大手
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
ランチョンセミナー 6(LS6)
!
3 月 27 日(金) 第 3 会場 12 : 10 13 : 00
座長:竹中
LS6
克(日本大学板橋病院 循環器内科)
合併症を有する高齢者の血圧管理∼抗血栓薬服用者を中心に∼
社会医療法人製鉄記念八幡病院 高血圧センター
圡橋
卓也
共催:武田薬品工業株式会社
ランチョンセミナー 7(LS7)
!
3 月 28 日(土) 第 1 会場 12 : 10 13 : 00
座長:原田
LS7
敬(北九州市立八幡病院 循環器内科)
サムスカによる心不全管理に心エコーを活かす
筑波大学 医学医療系 循環器内科
瀬尾
由広
共催:大塚製薬株式会社
ランチョンセミナー 8(LS8)
!
3 月 28 日(土) 第 2 会場 12 : 10 13 : 00
TAVI の Screening
座長:中谷
LS8-1
TAVI に適する Candidate
LS8-2
TAVI に適さない Candidate
敏(大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻 機能診断科学講座)
天理よろづ相談所病院 循環器内科
泉
知里
九州大学病院 ハートセンター内科
有田
武史
共催:エドワーズライフサイエンス株式会社
ランチョンセミナー 9(LS9)
!
3 月 28 日(土) 第 3 会場 12 : 10 13 : 00
ハートチームで弁膜症に挑む
座長:高梨秀一郎(榊原記念病院 心臓血管外科)
共催セミナー
渡辺
弘之(東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター・循環器内科)
東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター・循環器内科
心臓血管研究所付属病院 心臓血管外科
柴山謙太郎
國原
孝
共催:シーメンス・ジャパン株式会社
74
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
イブニングセミナー 1(EvS1)
!
3 月 26 日(木) 第 2 会場 17 : 30 18 : 10
座長:園田
EvS1
信成(産業医科大学 第2内科学)
心臓 CT の包括的動脈硬化画像診断
桜橋渡辺病院 心臓血管センター 画像診断科兼放射線科
小山
靖史
!
共催:バイエル薬品株式会社 MSD 株式会社
イブニングセミナー 2(EvS2)
!
3 月 26 日(木) 第 3 会場 17 : 30 18 : 10
座長:赤阪
EvS2
隆史(和歌山県立医科大学 循環器内科)
心不全慢性期に ASV をどう使うか?:左室逆リモデリングを予測するためには?
産業医科大学 第 2 内科学
竹内
正明
!
共催:帝人在宅医療株式会社 帝人ファーマ株式会社
イブニングセミナー 3(EvS3)
!
3 月 27 日(金) 第 1 会場 18 : 00 18 : 40
座長:中谷
EvS3
敏(大阪大学大学院医学系研究科 機能診断科学講座)
"
PMVR(Percutaneous Mitral Valve Repair) Screening, Logistics, Guiding
Asklepios Hospital St. Georg, Germany
Felix Kreidel
共催:アボットバスキュラージャパン株式会社
イブニングセミナー 4(EvS4)
!
3 月 27 日(金) 第 2 会場 18 : 00 18 : 40
渦とエネルギー損失∼VFM の臨床応用∼
座長:竹中
EvS4-1
パネルディスカッション
弁膜症に対する最新の評価法について
三井記念病院 中央検査部
遠田
栄一
東京都健康長寿医療センター 循環器内科
田中
旬
北里大学 血流解析学講座
板谷
慶一
外科的立場から
共催:日立アロカメディカル株式会社
75
共催セミナー
EvS4-2
克(日本大学板橋病院 循環器内科)
抄録 Abstracts(1)
仁村レクチャー
会長講演
Invited Lecture
International Award Session
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
仁村レクチャー 3 月 27 日(金)第 1 会場/13:10−13:40
益德(医療法人 聖比留会)
僧帽弁を診る:診断と治療の進歩 吉田 清
心臓病センター榊原病院
1953 年、エドラーとハーツは世界で初めて超音波を用いて僧帽弁の評価を行った。以来、僧
帽弁は心エコー図法を研究する人たちにとって大きなターゲットの一つとなった。1970 年代
には断層心エコー図法が開発され、僧帽弁狭窄の手術の適応や手術時期、手術術式の決定に大
きな役割を果たすようになった。僧帽弁逆流に対する評価は、超音波ドプラ法の出現により劇
的に進歩した。特に我が国で世界に先駆けて開発されたカラードプラ法は、逆流に対する診断能力を大きく向上させ
た。本法により、逆流の広がりや方向、さらには逆流弁口を正確に同定することが可能となった。カラードプラ法と
断層心エコー図を組み合わせた診断法は、僧帽弁逆流に対する手術時期や手術術式の決定に大きく貢献し、本法は弁
逆流評価の gold standard となった。さらに 2000 年代には、real time 3 次元心エコー図法が登場し、僧帽弁複合体の
詳細な 3 次元的解析が可能となった。特に腱索つり上げ術においては、術中の経食道アプローチにより、弁接合や逆
流の程度を観察しながら、腱索つり上げの程度を調整するなど手術に大きく貢献するようになっている。
本講演では、過去半世紀における心臓超音波法の進歩と、僧帽弁疾患の診断、治療への貢献について総括したい。
79
特 別 講 演
座長 : 松
第26回日本心エコー図学会学術集会
会長講演 3 月 27 日(金)第 1 会場/14:30−15:00
特 別 講 演
座長 : 鄭 忠和(和温療法研究所)
Echocardiography is an Adventure of Looking and Thinking 尾辻 豊
産業医科大学 第 2 内科学
私は卒業 3 年目で鹿児島大学第一内科の心エコーグループに入りました。ちょうどカラードプラの出始めです。ほん
の僅かの断面の差で僧帽弁逆流(MR)が重症に見えたり、軽症に見えたりしました。そこで「カラードプラ MR シグ
ナルの大きさは逆流量を本当に表すのだろうか?そうだ逆流量が変わる負荷をして MR シグナルを観察しよう!」と
考えました。鄭 忠和先生から「フェニレフリンと亜硝酸アミルにしなさい。」と指導していただくと果たしてフェニ
レフリンでは逆流シグナルが大きくなり、亜硝酸アミルでは小さくなりました。
「MR シグナルの大きさは逆流量を表
している!カラードプラは逆流量変化を瞬時に表す!」と感銘を受けました。また、肥大型閉塞性心筋症の左室流出
路閉塞は左室駆出を妨げているのか?いないのか?悩んで、ある時に胸骨上窩から下行大動脈駆出血流速度を見たと
ころ収縮後期に駆出血流が殆んどないので「左室流出路閉塞はやはり左室駆出を妨げている!」とびっくりしました。
このように心エコーは「ある考えを持って画像を見ると答えが解る」あるいは「画像を見て考えると新しい概念が見
えてくる」といった素晴らしい機会を与えてくれます。英語では Echocardiography is an Adventure of Looking and
Thinking と言えると思います。留学したマサチューセッツ総合病院では心エコー画像からもボブとの会話からもたく
さん感激しましたし、産業医大でも心エコー画像を見て異様に興奮しています。英語スライドの日本語発表で日本人
も外国人も両方楽しめる内容にします。どうぞご静聴よろしくお願い申し上げます。
80
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Invited Lecture1(IL1)JSE2015 Latest Echocardiography Lecture
3 月 26 日(木)第 2 会場/11:10−11:50
3D Echocardiographic Assessment of the Location
of Implantable Device Leads and Mechanisms of
Associated Tricuspid Regurgitation Roberto M. Lang
Professor of Medicine and Radiology University of Chicago
Past President, American Society of Echocardiography, USA
Background. Pacemaker and defibrillator implantation is currently guided by fluoroscopy, which does not allow targeted positioning of the right ventricle(RV)lead relative to the tricuspid valve(TV)leaflets. These leads have
been reported to cause tricuspid regurgitation(TR)of variable degrees. We hypothesized that three-dimensional
transthoracic echocardiography(3DTTE)would be useful in clarifying the mechanism of device-lead interference
with the TV and sought to determine:
(1)the prevalence of different lead positions as they traverse the TV and
(2)
the relationship between RV lead location and TR severity. Methods. 3DTTE full-volume images of the RV and/
or zoomed images of the TV were obtained in 121 patients with implanted devices. Images were viewed offline to
determine the position of the lead relative to the TV leaflets. Severity of TR was estimated based on vena contracta
(VC)measurements. Results. The RV lead was impinging on either the posterior(20%)or septal(23%)leaflet or
was not interfering with leaflet motion(53%)when positioned near the postero-septal commissure or in the central
portion of the TV orifice. In the remaining patients, leads were impinging on either the anterior leaflet(4%)or
positioned either in the antero-posterior or the antero-septal commissure
(3%).Leads interfering with normal leaflet
mobility were associated with more TR than non-impinging leads(VC=0.63±0.28vs.0.26±0.28cm;p<0.00001)
.Conclusion. 3DTTE clearly depicts lead position in the majority of patients, helping elucidate the TR mechanism. To
minimize TR induced by device-leads, 3D guidance should be considered for placement in a commissural position.
81
特 別 講 演
座長 : 増山 理(兵庫医科大学 循環器内科)
第26回日本心エコー図学会学術集会
Invited Lecture2(IL2)JSE2015 Scientific Echocardiography Lecture
3 月 26 日(木)第 2 会場/13:10−13:50
特 別 講 演
座長 : 別府慎太郎(大阪みなと中央病院)
Mitral Valve Prolapse:From Echocardiography to
Genetic Mechanisms Robert A. Levine
Massachusetts General Hospital, USA
Echocardiography remains the primary technique for defining mitral valve prolapse
(MVP),
quantifying its associated mitral regurgitation(MR)
, and discovering its structural mechanisms. Recent studies from Japan, for example, have highlighted the dynamic interaction of ventricle and valve in
MVP:ventricular dilatation tethers non-prolapsing segments and magnifies their malcoaptation with prolapsing
ones, so that MR begets more MR. Another interaction relates to annular flattening, which can augment leaflet
stresses and predispose to chordal rupture.
Advances in technology have expanded the role of the echocardiographer to becoming an integral participant in
beating-heart procedures. Echo-based therapeutic innovation has been made possible by the combination of
advanced technology with mechanistic insights. Finally, echocardiography opens a window into mitral valve(MV)
biology by allowing correlations of valve structure and function with basic cellular, molecular, and genetic findings
and in turn, evaluation of new physiologic therapies:even the adult valve undergoes active changes that can be
therapeutic targets.
Echocardiography has been central to the diagnosis of MVP as superior leaflet displacement relative to the mitral
annulus. This definition at first created an“epidemic”of diagnosis in otherwise healthy individuals based on the
assumption of a planar mitral annulus. Three-dimensional echocardiographic proof of the saddle shape of the MV led
to recognition that prolapse could be defined most specifically by leaflet displacement relative to the anterior and
posterior high points of the annular saddle-as well as by criteria prevalent in Japan that focused primarily on leaflet
displacement relative to each other , producing malcoaptation. New diagnostic criteria have reduced prevalence from
10-15% or more to 2.4% in the general population without loss of sensitivity.
Improved diagnostic specificity has provided a firm foundation for genetic studies of this frequently inherited disease
in families without known connective tissue disorders. Family studies have in turn taught two lessons to the echocardiographer:1)There are MV morphologies without diagnostic leaflet displacement into the atrium but with
features suggesting early, potentially prodromal forms based on superior displacement of the coaptation point as a
manifestation of excessive posterior leaflet length;in the familial context, at least, such individuals share genetic
variation with relatives manifesting fully developed MVP. Although the natural history of prodromal forms is
unknown, they may indicate genetically susceptible individuals in whom early therapy may limit clinical progression.
2)Expression of leaflet thickness, displacement, and MR varies widely within the same family. Recent publications
from the Framingham Heart Study have confirmed familial clustering of MVP in the general population, including
nondiagnostic forms with abnormal anterior coaptation.
Myxomatous degeneration is characteristic of idiopathic MVP, and also prominent in the first non-syndromic condition with a known gene:the X-linked valvular dystrophy discovered in Nantes, France. Echocardiography has
provided insights into this unique condition, which affects all four valves, and has led to exploration of its molecular
pathogenesis. Filamin A not only stabilizes the actin cell cytoskeleton and regulates the ability of interstitial valve
cells to construct a stable valve matrix, but also appears to modulate growth-regulating signaling pathways, the
nature of which is suggested by the ultrasound images.
82
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Related mechanisms have been discovered at the Johns Hopkins University in Marfan syndrome, in which a mutaactivation of tissue growth factor(TGF-β)that drives abnormal valve growth. Most importantly, this effect can be
antagonized by Losartan, inhibiting TGF-β signaling.
Recent echo-based studies have discovered a mutation in some families with MVP that affects a novel pathway that,
when mutated, causes disorganization of valve cells beginning with early valve formation. How this triggers the often
decades-long progression of valve degeneration and structural disruption needs to be determined, but may involve
similar pathways to those implicated in syndromic MVP. The Leducq Foundation Mitral Network has recently completed a study of nearly 3,000 MVP patients and 9,000 controls, locating several new genetic loci associated with
MVP, some of which are known to affect the ability of cells to organize their cytoskeleton and in turn create a structurally sound valve. Surgical studies in late-stage valves reveal cellular and signaling changes similar to those with
genetic mutations. It appears that multiple mutations cause valve degeneration through a set of common, treatable
pathways that excessively stimulate valve growth and matrix turnover.
The echocardiographic definition and characterization of MVP therefore provides the foundation for genetic studies
and clues to molecular mechanisms. Interdisciplinary studies in which the echocardiographer plays an integral role
can ultimately transform our understanding and approach to this condition.
83
特 別 講 演
tion in fibrillin, a structural valve protein, causes a regulatory change in the valve. The mutation allows excessive
第26回日本心エコー図学会学術集会
Invited Lecture3(IL3)KSE-JSE Joint Session
3 月 27 日(金)第 1 会場/13:40−14:20
特 別 講 演
座長 : 竹中 克(日本大学板橋病院 循環器内科)
共催:東芝メディカルシステムズ株式会社
Hemodynamic Patterns for Symptomatic Presentations of Severe Aortic Stenosis Seung Woo Park
Division of Cardiology, Department of Medicine, Samsung Medical Center
Department of Medicine, Sungkyuwan University of Medicine, Korea
Objectives The aim of this study was to investigate intracardiac hemodynamic idiosyncrasies responsible for various presentations of severe aortic stenosis(AS).
Background Syncope, dyspnea, and chest pain are well-established indications for aortic valve replacement in
patients with severe AS. Patients survival is limited once they develop symptoms from AS, and survival depends on
what type of symptoms a patient develops. We hypothesized that there would be a relationship between the type of
AS symptoms and intracardiac hemodynamics as well as AS severity.
Methods We analyzed 498 patients(men:58.4%, 66 12 years of age)with severe AS and normal left ventricular
ejection fraction from 2003 to 2009 who had comprehensive echocardiography examination for AS. The study population was divided into 4 groups based on presenting symptom(s)
(341 in group I, asymptomatic;15 in group II,
syncope;110 in group III, dyspnea;32 in group IV, chest pain).Echocardiographic measurements for cardiac structure, function, and intracardiac hemodynamic parameters were compared among these 4 groups.
Results Mean aortic valve pressure gradient and aortic valve area were 57.1±15.2 mm Hg and 0.74±0.19 cm2,
respectively. AS severity based on mean gradient and aortic valve area was similar among 4 groups. Compared with
the asymptomatic group, symptomatic patients were older and had lower cardiac output, and higher E/e ratio while
having a similar aortic valve area and gradient. Group II(syncope)displayed smaller LV dimension, stroke volume,
cardiac output, left atrial volume index, and E/e ratio. Conversely, group III(dyspnea)was found to have the worst
diastolic function with largest left atrial volume index and highest E/e ratio.
Conclusions Among patients with severe AS, their symptoms are often linked to specific hemodynamic patterns
associated with AS:smaller left ventricular cavity and reduced output for syncope versus more advanced diastolic
dysfunction for dyspnea. Hence, comprehensive intracardiac hemodynamics including diastolic function and stroke
volume need to be evaluated in addition to aortic valve area and pressure gradient for assessment of AS.
84
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Invited Lecture4(IL4)JSE2015 Evolutional Echocardiography Lecture
3 月 27 日(金)第 1 会場/15:00−15:40
Cryptogenic Stroke with Patent Foramen Ovale:
Challenging Issues in Diagnosis and Treatment Jae-Kwan Song
Asan Medical Center Heart Institute
University of Ulsan College of Medicine, Seoul, South Korea
In about 40% of patients with acute ischemic stroke, the cause remains unidentified with the
tentative diagnosis of cryptogenic stroke. Patent foramen ovale(PFO)is the failure of the septum primum to fuse
with the septum secundum, so that a communication remains between the atria. The potential association between
cryptogenic stroke and paradoxical embolism through PFO has been an interesting topic since the development of
echocardiography and its ability to image the interatrial shunting with an injection of saline contrast. Additionally,
recent successful clinical introduction of percutaneous closure of PFO has raised a serious question regarding what
is the most appropriate treatment option for these cryptogenic stroke patients with PFO. Several randomized clinical
trials showed no beneficial advantage of percutaneous closure of PFO over medical treatment. Some limitations of
the trials include different devices used and marked heterogeneity of the cryptogenic stroke patients with PFO. Most
of the unanswered questions can be resolved by standardization of PFO diagnosis and risk stratification of PFO.
Transesophageal echocardiography with intravenous injection of hand-agitated saline remains the preferred diagnostic method. However, diagnosis of PFO is a technically demanding procedure and performing several maneuvers
for hemodynamic alterations is critical for accurate diagnosis, which is not always easy in patients with acute ischemic stroke. Transient paradoxical shunt only during high right atrial pressure is not uncommon and diagnosis of
this condition demands full cooperation of stroke patients to control deep breathing. The second challenging question
regarding the diagnosis of PFO is whether risk stratification is possible using morphologic characteristics of PFO
evaluated during the examination. As the autopsy prevalence of PFO is higher than 25%, it seems irrational to accept
that every PFO has the same clinical impact. Actually all randomized clinical trials available included all patients
with different PFO size with variable shunt amount and many investigators believe this is an inherent limitation of
the trials. Anatomical features suggested for risk stratification of PFO include size of defect, shunt amount, atrial
septal mobility, and presence of atrial septal aneurysm and right-to-left shunt at rest. Thus, patients with‘high-risk
PFO may show different results after device closure of PFO and this hypothesis needs to be tested. The last important issue is differential diagnosis of PFO. Simple visualization of bubbles in the left atrium after hand-agitated saline
injection does not necessarily mean that there is PFO. The echo specialist should rule out the possibility of extracardiac shunt, specifically pulmonary AV malformation, which is not infrequently observed and needs a different
treatment option.
Considering high prevalence of cryptogenic stroke patients with increasing numbers of transesophageal echocardiographic study to diagnose PFO, role of echo specialists for accurate diagnosis and risk stratification could not be
under-estimated. Well-designed clinical trials using a standardized diagnostic protocol for selection of cryptogenic
stroke with high-risk PFO are necessary to widen our knowledge.
85
特 別 講 演
座長 : 大倉 宏之(川崎医科大学 循環器内科)
第26回日本心エコー図学会学術集会
Invited Lecture5(IL5)ASE-JSE Joint Session
3 月 27 日(金)第 2 会場/11:20−12:00
特 別 講 演
座長 : 吉川 純一(西宮渡辺心臓血管センター)
共催:株式会社フィリップエレクトロニクスジャパン
Echo guidance for Percutaneous(Cath Lab)Mitral
Interventions(including use of 3D TEE) Neil J. Weissman
Professor of Medicine, Georgetown University
President, MedStar Health Research Institute
President, American Society of Echocardiography, USA
Successful guidance of percutaneous mitral interventions requires the interventional cardiologist and the echo-cardiologist work closely together to 1)assess the degree of mitral regurgitation and the mechanism of mitral regurgitation prior to the procedure, 2)guide the actual procedure to make sure the MitraClip(or other mitral device)is
properly placed on the mitral leaflets and 3)assess the success of the procedure in the cath laboratory to ensure it
is adequate before the patient leaves the lab. This lecture will address all three areas and also demonstrate how 3-D
TEE is particularly helpful with each. Three-dimensional echo allows the echocardiography to visualize all aspects
of the valve structure at the same time and identify the location and size of the regurgitant orifice area. In particular,
there will be an emphasis on the difference between functional and structural mitral regurgitation and how the
quantification of the severity of these two types of regurgitation is different. Functional mitral regurgitation is usually more central, an oval orifice and will often have a smaller regurgitant orifice area than in degenerative mitral
regurgitation. There will also be an emphasis on the anatomy of the mitral valve and which types of anatomy are
amendable to a MitraClip and which are not. For a MitraClip to be successful, there needs to be enough of the leaflet
available‘to clip which means that there has to be adequate coaptation of the leaflets and no cleft. Finally, in assessing the degree of regurgitation after a clip can be very challenging and this lecture will go over the technique. After
a clip is placed, there are now two orifices for the mitral regurgitation so the traditional techniques such as effective
regurgitant orifice area with PISA can not be performed and vena contracta is not helpful. Even the jet area will be
enlarged and may not represent the true amount of regurgitant volume so post-clip assessment of mitral regurgitation can be difficult. Again, 3D TEE can be helpful in this situation.
86
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Invited Lecture6(IL6)EACVI-JSE Joint Session
3 月 28 日(土)第 2 会場/9:50−10:30
共催:GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
Role of cardiovascular imaging in hypertrophic
cardiomyopathy Bogdan A. Popescu
University of Medicine and Pharmacy“Carol Davila”
, Bucharest, Romania
Hypertrophic cardiomyopathy(HCM)is a genetic disorder with a high potential for morbidity and mortality. The role of cardiovascular imaging in the proper management of this
disease has become increasingly important in recent years.
Echocardiography is still the first line imaging technique to diagnose the disease and several new echo methods
(eg Tissue Doppler Imaging, speckle tracking echocardiography, contrast echocardiography)have proven effective
in different scenarios. However, other non-ultrasound imaging techniques have an increased clinical role in defining
the extent of hypertrophy and fibrosis adding important diagnostic and prognostic information.
This lecture will discuss the imaging diagnostic criteria with an emphasis on making the differential diagnosis with
other causes of left ventricular hypertrophy(eg athlete s heart, hypertensive heart disease).It will also discuss the
various prognostic parameters and how to identify patients at risk for sudden death or atrial arrhythmias and heart
failure.
Finally, imaging has an important role in selecting the appropriate therapy in patients with obstructive HCM
assessed for septal reduction procedures, monitoring the procedure in the cath lab or in the operating room, and
evaluating the result after the procedure. The role of contrast echocardiography in selecting the coronary artery
branch for alcohol ablation and in monitoring this procedure will be underlined.
Imaging has nowadays several different tools to help in the management of patients with HCM but needs to be
used with a sound judgement in concordance with the clinical and other investigation results for the best patient
care.
87
特 別 講 演
座長 : 大門 雅夫(東京大学医学部附属病院 検査部・循環器内科)
第26回日本心エコー図学会学術集会
International Award Session(IA-1)
3 月 27 日(金)第 1 会場/15:40−16:20
特 別 講 演
座長 : 羽田 勝征(榊原記念クリニック 循環器内科)
PLATELET ATTACHMENT TO VASCULAR ENDOTHELIUM OCCURS IN BOTH EARLY AND LATESTAGE ATHEROSCLEROSIS SECONDARY TO
DYSREGULATION OF VON WILLEBRAND FACTOR:
EVALUATION BY CONTRAST ULTRASOUND
MOLECULAR IMAGING Chi Young Shim, Ya Ni Liu, Tami Atkinson, Aris Xie, Yue Qi,
Ted Foster, Yan Zhao, Brian P. Davidson, Zaverio Ruggeri,
Jonathan R. Lindne
Knight Cardiovascular Institute, Oregon Health & Science University, Portland, Oregon
The Scripps Research Institute, La Jolla, California, USA
Background:Non-thrombotic platelet-endothelial interactions may play an important role in atherosclerosis. Methods
for assessing these interactions in vivo are lacking. Using contrast ultrasound molecular imaging(CMI)
, we tested
the hypothesis that platelet-endothelial interactions occur both early and late in atherosclerosis. We also tested
whether platelets attach to adherent leukocytes or to endothelial Von Willebrand factor(VWF)which can become
activated with dysfunction of its regulatory enzyme ADAMTS-13.
Methods:Atherosclerotic mice deficient for the LDL-receptor and Apobec-1 were studied as an age-dependent
model of progressive atherosclerosis at 10, 20, 30, and 40 wks of age. In vivo CMI of the thoracic aorta was performed
with microbubbles(MB)bearing:
(a)VWF A1-domain peptide to image platelet GPIbα,
(b)GPIbα to detect endothelial VWF;or(c)control MBs. CMI performed after platelet immunodepletion was used to assess specificity of
platelet CMI. To evaluate mechanism, CMI was performed after inhibiting P-selectin or administration of exogenous
ADAMTS-13. Flow chamber assessment of ex vivo aortas was used to assess VWF multimerization using targeted
fluorescent nanospheres.
Results:CMI detected platelet adhesion in the aorta which increased progressively as disease advanced from fatty
streaks(10-20 wks)to complex large plaques without rupture(40 wks)(Figure). Platelet depletion completely
eliminated selective enhancement for GPIbα-targeted MBs. CMI signal with VWF-targeted MBs was higher than
control MBs at 10 wks of age and progressively increased with age(ANOVA p=0.017).Inhibition of P-selectin had
a modest effect on platelet CMI signal
(20-40% reduction)
;whereas ADAMTS-13 completely abolished both platelet
and VWF signal. Linear aggregates of targeted nanospheres were seen on the ex vivo aortic surface confirming
VWF multimers which increased with age.
Conclusion:In early to advanced atherosclerosis, platelet attachment to the endothelium without plaque rupture
can be detected in vivo by CMI. These interactions are largely due to progressive endothelial VWF multimerization
which occurs with loss of ADAMTS-13 activity. These findings suggest that platelet GPIbα may be a therapeutic
target for reducing platelet-endothelial interactions in atherosclerosis.
88
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
International Award Session(IA-2)
3 月 27 日(金)第 1 会場/15:40−16:20
Real-Time Three-Dimensional Transesophageal
Echocardiography for Diagnosis of Subvalvular Pannus Formation in Mechanical Aortic Valves:Comparison with Multi-detector Computed Tomography
and Surgical Findings Sahmin Lee1, Seung-Pyo Lee1, Eun-Ah Park2, Mi-Kyeong Hong1,
Ji-Hyun Kim3, Hyung-Kwan Kim1, Whal Lee2, Yong-Jin Kim1,
Dae-Won Sohn1
1
Cardiovascular Center and Division of Cardiology, Department of Internal
Medicine, Seoul National University Hospital, Seoul, Korea, 2Department of
Radiology, Seoul National University Hospital, Seoul, 3Dongguk University Ilsan
Hospital, Goyang-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
Background:Pannus formation is a rare but important complication that can be missed in patients with prosthetic
valves. However, currently available methodologies are not sufficient to diagnose subvalvular pannus formation especially in mechanical aortic valves. We explored a series of experiences with three-dimensional transesophageal echocardiography(3D-TEE)for the visualization and accurate assessment of subvalvular pannus in patients with
mechanical aortic valve.
Methods:We enrolled 11 patients(mean age 64±8.6 years, 10 patients with either double or triple valve replacement)who had previously implanted mechanical aortic valve, with transaortic mean pressure gradient >40mmHg
or transaortic maximal velocity >4m/sec despite normal occluder motion. All patients underwent 3D-TEE examination to rule out pannus formation and these findings were compared with multi-detector computed tomography
(MDCT)images and/or surgical findings.
Results:In 10 patients, 3D-TEE allowed good visualization of subaortic pannus formation whereas there was no
significant pannus ingrowth in one patient. Through cropping full-volume 3D-TEE images, subaortic pannus formation could be visualized well in en face view, which was confirmed by MDCT images. The 3D-TEE images of the
pannus were also matched with intraoperative findings in 7 patients undergoing reoperation of the mechanical aortic
valve. Quantitative measurement of geometric subvalvular area using 3D planimetry was feasible and correlated
well with the area measured by MDCT and with transaortic mean pressure gradient on transthoracic echocardiography(Spearman s ρ=0.761 and-0.726, all p-value<0.05)
.
Conclusion:Real-time 3D-TEE is a useful diagnostic tool for the anatomical assessment of subvalvular pannus formation in mechanical aortic valves.
KEY WORDS
Pannus;Mechanical aortic valve;Three-dimensional transesophageal echocardiography
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特 別 講 演
座長 : 羽田 勝征(榊原記念クリニック 循環器内科)
第26回日本心エコー図学会学術集会
International Award Session(IA-3)
3 月 27 日(金)第 1 会場/15:40−16:20
特 別 講 演
座長 : 羽田 勝征(榊原記念クリニック 循環器内科)
Valvular 18F-fluoride and 18F-fluorodeoxyglucose
uptake predict disease progression and clinical outcome in patients with aortic stenosis Marc Dweck
British Heart Foundation Clinical Lecturer
University of Edinburgh & The Edinburgh Heart Center, United Kingdom
Background
18F-Fluoride and 18F-fluorodeoxyglucose(18F-FDG)are positron emission tomography(PET)radiotracers of
calcification and inflammation activity respectively. We assessed their ability to predict disease progression and clinical outcome in patients with aortic stenosis.
Methods and Results
PET and computed tomography(CT)were performed in 121 volunteers(72±8 years, 68% men)with and without
aortic valve disease(20 controls;20 aortic sclerosis;25 mild, 33 moderate, and 23 severe aortic stenosis)using
18F-fluoride
(125 MBq)
and 18F-FDG(200 MBq)
. Disease progression was assessed at 1 and 2 years using CT aortic
valve calcium score and echocardiography. The primary clinical outcome endpoint was a composite of cardiovascular
death and aortic valve replacement(AVR)
.
Aortic valve calcium score increased by 61(5-226)AU/year and aortic valve mean gradient increased by 0.7(-0.22.9)
mmHg/year. Baseline valvular 18F-fluoride uptake correlated strongly with the rate of progression in aortic valve
calcium score(r=0.80, p<0.001)
, outperforming that observed for 18F-FDG(r=0.43, p=0.001). Modest correlations
were observed between both 18F-fluoride and 18F-FDG valvular uptake, and echocardiographic measures of disease
progression(mean aortic valve gradient;r =0.32, p=0.001 and r=0.26, p=0.001 respectively)
.
After a median of 1,232(IQR 1148-1322)days, 23 patients had undergone AVR whilst 5 had died from a cardiovascular cause. After age and sex-adjustment, valvular 18F-fluoride and 18F-FDG uptake were independent predictors
of clinical outcome(HR 1.46(1.24-1.71)
, p<0.001, and 1.59(1.21-2.09),p=0.002 respectively)
.
Conclusion
Valvluar 18F-fluoride and 18F-FDG uptake predict progression of aortic valve calcification and stenosis, and are associated with adverse clinical outcomes.
90
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Figure:18F-Fluoride Positron Emission Tomography and the Progression in Aortic Valve Calcification
特 別 講 演
Co-axial short-axis views of the aortic valve in 3 separate study subjects and disease severity categories.
A Baseline CT calcium score scans with relatively little in the way of established calcium in the valve(white)
B Fused PET/CT images with increased 18F-fluoride valvular uptake(red and yellow regions)that does not well
align with the established calcium on the CT. Also note the increased uptake in the proximal left anterior descending
coronary artery
C Repeat CT calcium score at 2 years, demonstrating an increase in the amount of established macroscopic calcium
in much the same distribution as the baseline PET uptake.
D-E Scatterplots demonstrating the close relationship between progression in the aortic valve computed tomography
calcium score and baseline valvular 18F-fluoride(D)and 18F-FDG(E)uptake. To better demonstrate the lower
calcium score data a log10 scale has been used on the y-axis.
Abbreviations:AS:aortic stenosis;AU:arbitrary units;CT:computed tomography;FDG:fluorodeoxyglucose;
MDS:Most Diseased Segment;PET:positron emission tomography;TBR:tissue to background ratio
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抄録 Abstracts(2)
Pseudo-live Case Conference(PCC)
Special Session(SS)
Basic Session(BS)
シンポジウム(S)
JSE2015 教育講演(SES)
教育講演(ES)
教育企画(EP)
Echo U-40 Club Meeting ―Research Achievement Award―(U40A)
Echo U-40 Club Meeting ―Research Hypothesis and Design Award―(U40H)
KSE Case Conference(KCC)
Young Investigator s Award 審査会(YIA)
JSE2015 Imaging Award for Sonographers(IAS)
男女共同参画委員会セッション(男女)
JB-POT 講習会(JB)
心エコーウルトラクイズ in Kitakyushu(Quiz)
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Pseudo-live Case Conference1(PCC1)3 月 26 日(木)第 1 会場 8:50−10:20
AS に対する治療戦略 座長 : 赤石 誠(北里大学北里研究所病院 循環器内科)・渡辺 弘之(東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター・循環器内科)
Pseudo-live Case Conference2(PCC2)3 月 28 日(土)第 1 会場 8:50−10:20
心サルコイドーシスの診断、治療をどうするか 座長 : 山本 一博(鳥取大学医学部 病態情報内科)・寺 文生(大阪医科大学医学部教育センター)
〈座長の言葉〉
心臓サルコイドーシスの診断はしばしば困難なことがあり、本症の診断の手引きを含めてサルコイドーシスの診断基準が改訂中である。
また、日本循環器学会により、心臓サルコイドーシスの診断ガイドラインを作成中である。心エコー図が本症の診断に極めて有用であるこ
とは論を待たないが、近年、MRI や FDG PET が導入され、早期診断への有用性が期待されている。
一方、薬物治療の主体は副腎皮質ステロイドであるが、その投与量を調節するためのマーカーや画像診断は確立されていない。他の免疫
抑制薬としてメトトレキサートが使用され、steroid-sparing effect が期待されるが、免疫抑制療法のエビデンスは未だ明確ではない。ま
た、非薬物療法としてペースメーカ治療、植え込み型除細動器や心室再同期療法などデバイス治療も適応となる。
心臓サルコイドーシスの診断、治療はこのように日進月歩の状況ではあるが、未解決の問題も少なくない。さらに、実際の臨床現場では
個々の症例に variety があり診断や治療に際して苦慮することも多い。Pseudo-Live Case Conference では、本症のエキスパートに症例
を提示していただき、一例一例検討することで、会場の皆様とともに勉強することを目的としている。
Pseudo-live Case Conference3(PCC3)3 月 28 日(土)第 2 会場 10:30−12:00
Second pump をどのように乗り切るか 座長 : 渡邉 望(宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科 検査科)・南方 謙二(京都大学大学院医学研究科 心臓血管外科学)
〈座長の言葉〉
我が国においても僧帽弁形成術がこの 20 年で急速に普及し、いまやほとんどの逸脱症例では形成術が施行されるようになっている。形
成術の手技も時代を経て変遷してきており、内科医と外科医とが常々密接な関係を持ち各症例における術前術後評価を共に分かち合うこと
は形成術を行う上で重要である。最近では、以前では困難とされていた両弁逸脱や Barlow 病などの複雑病変、感染性心内膜炎の症例にお
いても積極的に形成術を行うようになってきているが、その一方で、必ずしも形成術がうまくいかない症例があるのも事実である。うまく
いかない場合には術中に second pump の上での再形成または、弁置換への変更が必要となる。また術後に弁狭窄となったり、流出路狭窄
が生じたりするような場合もある。遠隔期も含めた逆流の再発や遺残逆流による溶血性貧血も大きな問題である。現実の臨床現場では、こ
れらのうまくいかなかった症例に時々出会うが、うまくいかなかった症例に向き合うことで学ぶべきところは多い。このセッションでは、
心臓外科医の協力を得、実際にうまくいかなかった症例を積極的に提示し、術前・術中の臨床背景や心エコー図画像を元に詳細な検討を行
い、今後の術前術中診断に活かすためのディスカッションを行いたい。これからの形成術時代に向けて内科医と外科医が共に高めあってい
く方向性を示すようなセッションにしたい。
95
特別セッション
〈座長の言葉〉
「AS の手術適応は、症状と弁の狭窄で判断される」とガイドラインに単純かつ明快に記載されている。弁の狭窄を有する患者が、日常生活
で症状を自覚したとき、それを最大の根拠として手術を選択することが基本とされている。しかし近年では、社会の高齢化とともに、AS
が進行し、高度 AS となっているが、高齢者の日常生活の要求度がきわめて低いために、見かけ上無症状となっている症例が増加してき
た。一方、左室駆出率が正常でも、左室が小さいために圧較差が少ない low pressure gradient low flow AS に遭遇することもある。見
かけ上の無症状なのか、見かけ上の高度 AS なのか、臨床現場で、私たちは悩むことが多い。私たちは、そのような症例をどのように扱う
かについて明確な方針は定まっていない。そこで今回の case conference ではただの答えだけを求めるのではなく、多くの方が納得する
プロセスを共有し、高齢化社会の AS 治療戦略に対する理解を深めることを目指したい。そして、新たな標準的な治療戦略プロセスを構築
するとともに、個々の患者のニーズに合った個別化戦略を提案するために必要な情報を整理したいと考えている。三人よれば文殊の知恵と
いうがごとく、お互いの経験と知恵を持ち寄って、新しい世界に立ち向いましょう!
第26回日本心エコー図学会学術集会
Special Session1(SS1)3 月 27 日(金)第 1 会場 10:30−12:00
企業セッション(新技術):新技術の動向を探る 座長 : 浅沼 俊彦(大阪大学大学院医学系研究科 先進心血管治療学寄附講座)・湯田 聡(札幌医科大学 医学部 臨床検査医学)
特別セッション
〈座長の言葉〉
日常臨床において、心エコー法は欠くことのできない診断ツールであり、断層法やドプラ法を駆使することで多くの心血管系の情報を非
侵襲的に得ることが可能です。しかし、その診断精度や再現性が検者の知識や技量に依存することは、なお解決されるべき問題であり、こ
れらの問題を克服するため、様々な新しい技術が開発されてきました。たとえば、組織ドプラ法やスペックルトラッキング法は、より定量
的で再現性に優れた壁運動評価を目的に開発されました。さらに断層法では理解が難しい立体構造をわかりやすく表示することや、より正
確に心機能を評価することを目的に、3 次元心エコー法や 3 次元スペックルトラッキング法が開発されてきました。今後、心エコー法によ
り高い診断精度や再現性を望み、心エコー法の可能性を追求するためには、新技術の開発は不可欠であり、それらの理解が我々には常に求
められています。
本セッションでは、心エコー法や血管エコー法に関する最新の技術をわかりやすく解説していただき、日常臨床へ“つながる”ようにな
るべく、その臨床応用や現状の問題点などをディスカッションしてゆきたいと思います。
SS1-1
シーメンスの“オートマ”計測∼計測精度・再現性の向上を目指して∼
平山 秀男
シーメンス・ジャパン株式会社 超音波ビジネス本部 プロダクトマーケティング部
心臓超音波検査では、収縮能指標である駆出率算出のための左室内腔の計
測、拡張能指標である E/A 算出のためのドプラ波形の計測などなど、心機能
を正確に、客観的に評価するため、様々な項目が計測されています。
限られた検査時間の中で、必要な画像を取得しながら、計測まで行わねば
ならない心臓超音波検査に従事する皆様は、日々多忙を極めながら、こんな
ことに悩んではいませんでしょうか?
1.計測するたびに結果が変わってしまう...
2.同じデータなのに、A 先輩と結果が違う...
3.病院統合が行われるが、計測基準を統一できるだろうか...
4.検査レポートが間に合わず、たまってしまう...
5.左房容積の計測、Strain、3D なども行いたいけど、時間が...
このような問題を解決するために、主観的要素をできるだけ排除し、スピーディーで精度がよく、再現性のよい計測方法として、
シーメンスが着目したのが、計測の自動化、つまり“オートマ”計測です。
今回は、シーメンスの“オートマ”計測への試みと、最新の“オートマ”計測をご紹介したいとも思います。
SS1-2
Aplio の微細血流描出能向上技術のご紹介
松田 幸男
東芝メディカルシステムズ株式会社 超音波営業部
近年のドプライメージング技術の向上により高速から低流速までの検出能
が向上している。弊社のドプライメージング技術では、Velocity(CDI)、
Power 表示があり、さらなる進歩を遂げたモードとして空間分解能とリアル
タイム性を追求した Advanced Dynamic Flow が開発され製品に搭載されて
いる。しかし、従来のドプライメージング技術では Wall motion Filter でク
ラッタを除去し、そのカットオフ値が低いほど遅い血流速も一緒に除去され
てしまう限界がある。今回ご紹介する新技術はこれまでのドプライメージン
グを刷新するもので、東芝独自の技術によりクラッタ信号のみを積極的に除
去することを可能とし低流速でかつ分解能良く微細血流が描出でき、しかも
高フレームレートで描出可能な SMI(Superb Micro-vascular Imaging)である。今回は SMI の有用性についてご紹介させていただ
く。
96
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
SS1-3
GE Vivid シリーズの最新技術について
山本 幸弘
GE ヘルスケア・ジャパン株式会社
GE はノルウェー VingMed 社を買収・統合後、ソフトウェアとしてはカラー組織ドプラー(TVI)による心筋動態の定量化に始まり
2001 年に TVI によるストレインでの心筋局所定量化、そして 2004 年にはスペックルトラッキング技術による 2D ストレインの開発
など現在広く使用されているアプリケーションをリードしております。またハードウェアの開発としてはボリュームビームフォーミ
ングによる 4D 技術やマトリックスプローブや XDClear プローブなど技術革新を行ってきました。さらに超音波診断装置の小型化に
も積極的に取り組み、2005 年にはノート PC 型の超音波診断装置「Vivid i/q」さらに 2011 年に携帯型超音波診断装置「Vscan」をリ
リースし、本邦においても多くの先生方に活用していただいています。本セッションでは 2015 年の新しい技術も含め、GE の最新テ
クノロジーについてご説明させていただきます。
特別セッション
SS1-4
VFM を日常検査に活かす!
平野貴史郎
日立アロカメディカル株式会社 マーケティング本部
心臓内の血行動態と心機能は密接に関連しており、血流動態を用いた心機能評価への期待が高まっています。Vector Flow Mapping
(VFM)は、超音波カラードプラ計測による 1 次元速度情報から、流体の質量保存則を用いて 2 次元速度ベクトルを算出する手法で
あり、これまで何度か皆様にご紹介しました。今回は、VFM の最新技術のご紹介と実際に臨床現場においてどのように使われてい
るか、日常検査での利用方法についてご紹介したいと思います。
SS1-5
Live 3D Echo の最新フュージョン・テクノロジー:Structural Heart Disease 治療への応用
三木 綾子
株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン
循環器疾患の治療は、近年、カテーテル治療(インターベンション)により
大きく変化しつつあります。欧米では、弁膜症や先天性心疾患などの Structural Heart Disease(SHD)治療にインターベンションが積極的に行われて
います。日本でも、ステント大動脈弁置換術(TAVI)が 2013 年に認可さ
れ、外科手術のリスクが高い高齢患者の治療に活用が始まりました。SHD の
インターベンションには、カテ専門医・循環器医・外科医・麻酔科医がチー
ムで連携する「ハートチーム」の存在が不可欠と言われています。最新技術:
EchoNavigator はチームの円滑なコミュニケーションを実現する技術です。
従来、透視とエコーはそれぞれ別の画面に表示され、エコー画像が必要な時
は内科医や麻酔科医が経食道プローブで描出していました。EchoNavigator
は、透視上にエコー画像を投影表示したり、透視と同じ部分の Live 3D エコー画像を自動表示できる画期的な機能です。これにより、
インターベンションと心エコーを強力に結びつけ、今後ますます増えると予想される SHD 治療の成績向上に寄与することを期待し
ます。
97
第26回日本心エコー図学会学術集会
Special Session2(SS2)3 月 27 日(金)第 2 会場 9:50−11:20
右心機能を考える 座長 : 石津 智子(筑波大学 医学医療系 臨床検査医学)・福田 祥大(産業医科大学 第 2 内科学)
特別セッション
〈座長の言葉〉
時代は右室に注目している。
不要な心室、忘れられた心室といわれていた右室が、この数年一躍注目の的である。それは、先天性心疾患に加え、左心不全や肺動脈性
肺高血圧症において右室が病態の鍵を握ることが近年次々と明らかになったことによる。しかし、右室の複雑な形態、生理学的特徴、中隔
を共有する左室との相互作用、心膜による締め付けなど右室特有の問題の理解にたった上で、右室機能をどう評価し、どう臨床にいかすの
か、さらなる今後の議論が必要とされている。
本セッションの前半では右室の解剖や機能の基本的な知識を整理したい(指定演題)。後半は演題を公募し、数々の臨床的問題の中でも、
特に心不全における右室の機能評価法やその活用法について深く議論したい。
SS2-1
心臓構造からみた乳頭筋―周囲心筋興奮収縮連関
井川 修
日本医科大学 多摩永山病院 内科・循環器内科
右室の興奮・収縮連関を、構造的な側面から考えると新たな展開に気づく。正常刺激伝導系の興奮は電気的に周囲と絶縁された右
脚を下行し、Purkinje 線維を介し乳頭筋(あるいはその近傍)に breakthrough する。右脚は中隔縁柱・調節帯の中に位置し、この
調節対は右室前乳頭筋と連続している。言い換えれば、心室早期興奮部位(Earliest ventricular activation site)が乳頭筋に存在する
ことを意味している。これは、最も早期に乳頭筋が興奮・収縮し房室弁に伸びる腱索を緊張させることによって、引き続く周辺心室
筋の興奮・収縮が作る血流による(房室弁翻転による)弁逆流を防ぐシステムと考えられる。
(乳頭筋−周囲心筋興奮収縮連関(Structural electromechanical coupling))。左室乳頭筋と周囲心筋の関係も同様のシステムと考えられる。つまり、心電図上の Narrow QRS
波は、構造的に一様な心室収縮をもたらすばかりでなく、正常な乳頭筋−周囲心筋興奮収縮連関を作り出しているのである。一方、
Wide QRS 例では、必ず心室内に伝導遅延部位が存在する。したがって、Wide QRS を呈する状況はいかなる場合でも、不均等な心
室収縮しかもたらさない。そればかりか、乳頭筋−周囲心筋興奮収縮連関を逆転させ、構造的に房室弁逆流防止機構を破綻させてい
る。ここでは、ヒト剖検心を用いて右室構造を確認し、心エコー図との対比を行いながら右室機能を考えたい。
SS2-2
右心機能低下例の病理
池田 善彦
国立循環器病研究センター 病理部 臨床病理科
右心機能低下を考える際には、原疾患によりその病態機序は大きく異なる。例えば拡張型心筋症のような瀰慢性に収縮能が低下した
低心拍出症候群を呈した状態では、右心機能が悪化すると予後不良であると報告されている。この場合、前負荷を下げる治療により
肺鬱血の改善が認められることはよく知られており、左室の前負荷として右心機能を捉えることが肝要である。一方で、虚血性心疾
患の場合には、前壁梗塞と下壁梗塞とで病態機序が異なる。前者における右心機能不全は広範な梗塞サイズと肺高血圧、左心機能不
全が主たる要因であり、右室後負荷の上昇が右室容量の増加を招き、その結果右室駆出率が低下するものと考えられる。後者におけ
るそれは、右室梗塞の合併により右室心基部後側壁の壁運動が直接障害されたために生じると考えられている。肺高血圧症例におい
て右心不全が生じることは理解できるが、右室負荷によって左室の拡張が制限を受け左室拡張末期圧が上昇することにより(左室右
室相互作用)、左心不全も生じ得る。高度の肺高血圧患者の心エコー図において、左室が心室中隔に押され扁平化している所見は左室
右室相互作用の結果である。このように、右心室は左心室へ血液を送る流量としての役割と左室拡張末期圧に影響を及ぼす圧として
の役割が存在する。今回、右心機能低下をきたした症例の剖検心についてこれらの病因別に提示したい。
98
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
SS2-3
心不全患者における右心系の統合的評価の有用性について
田中 秀和
神戸大学大学院 循環器内科学分野
SS2-4
慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対する肺動脈バルーン拡張術における右室機能解析の有用性について
村田 光繁1、繼 敏光2、川上 崇史3、鶴田ひかる3、福田 恵一3
1
慶應義塾大学医学部 臨床検査医学、2日野市立病院 循環器内科、3慶應義塾大学医学部 循環器内科
右室機能は肺高血圧患者の予後規定因子と言われているが、実臨床において右室機能をどのように評価し肺高血圧治療に活用するべ
きか明らかではない。そこで、本研究は、慢性血栓塞栓性肺高血圧(CTEPH)に対する肺動脈バルーン拡張術(BPA)前後に右心
カテーテル検査(RHC)および心エコー図検査を施行し、血行動態と右心機能との関係を検討することを目的とした。当院で BPA
を施行した CTEPH 患者連続 25 症例を対象とし、従来の心エコー図ルーチン検査に加え、三尖弁輪移動距離(TAPSE)、RV S 、右
室面積変化率(RVFAC)、RV Tei index、2D スペックルトラッキング法による RV strain、3 次元心エコー図による右室駆出率
(RVEF)を計測し、RHC で測定した平均肺動脈圧(mPAP)
、肺血管抵抗(PVR)、心係数(CI)との相関を求めた。BPA 後の RVFAC
および RVEF は BPA 前と比較し有意に増加し右室長軸方向 strain(RV-LS)は有意に改善したが、TAPSE、RV-S ,RV Tei index
は有意な改善を認めなかった。また、RVEF および RVFAC は CI と有意な正相関を認めた(RVEF,r=0.38,P=0.0091;RVFC,
r=0.29,P=0.039)。さらに、右室 6 分画の QRS 開始から収縮期最大 RV strain までの時間の標準偏差(SD-TP)は BPA 後に有意に
減少し、この RV dyssynchrony 改善傾向は軽度 PH 症例でも同様であった。さらに、CI 変化量は SD-TP 変化量と負の相関を認めた
が(r=-0.51,P=0.018)、mPAP とは有意な相関を示さなかった。以上より、心エコー図による右室機能評価は血行動態を把握する上
で有用であると考えられた。
Special Session3(SS3)3 月 27 日(金)第 2 会場 15:10−16:10
連合弁膜症を考える 座長 : 田邊 一明(島根大学医学部 内科学講座第四)・那須 雅孝(医療法人社団恵仁会 三愛病院 循環器科)
〈座長の言葉〉
わが国でもすでにリウマチ性弁膜症は著しく減少し、現在では高齢化などを反映して変性や動脈硬化性の弁膜症がほとんどを占めるよう
になっています。このような弁膜症の変遷に対応して治療法も大きく進歩し、術後 QOL を考慮した早期手術が増加し、また、弁形成術や
カテーテル治療が普及してきています。このような中、2014 年 3 月に発表された AHA と ACC による心臓弁膜症患者の管理に関する新
しいガイドラインは患者への治療介入の閾値を引き下げていることが最も重要な変更点とされています。ガイドラインにより単独の弁膜に
障害をもつ弁膜症の管理は心エコー図を中心とした評価により容易となっています。これに対して、複数の弁膜に障害をもつ連合弁膜症の
評価には、見逃されやすい多くの考慮すべき問題点があります。一つの弁膜の障害による血行動態の異常が他の弁膜症の重症度を過小評価
させることも少なくありません。
2008 年の日本胸部外科学会の統計によれば弁膜症への手術の約 30%が多弁の修復術ですが、今後、患者の治療介入の時期が変化し、さ
らにカテーテル治療などの治療の選択肢が増えることを考慮すると、ガイドラインに当てはめることができない連合弁膜症の管理について
検討することがきわめて重要であると思われます。本セッションでは、連合弁膜症の評価の問題点、対策などについて討論したいと思いま
す。
99
特別セッション
右室収縮能は様々な心疾患において予後規定因子であると報告されている。肺高血圧症患者では、右室収縮機能の低下は、独立した
予後規定因子であることが多数の研究結果から証明されおり、さらに左心不全患者においても、右室収縮能の低下は心血管イベント
の発生に強く関与していると報告されている。ゆえに、右室収縮能を評価することは日常臨床において重要であるが、その複雑な形
態のため、一筋縄ではいかないのが現実である。米国心エコー図学会のガイドラインに明記されている右室収縮能の指標に加えて、
近年、2 次元スペックルトラッキング法により算出された右室自由壁の長軸方向のストレインが右室収縮能を鋭敏に表すと報告され
ている。しかしながら、心不全患者における右房評価の有用性や左心機能との関連性については、まだ十分に検討されていない。我々
は、肺高血圧症患者において右室収縮能のみならず、右室拡張能ならびに右房機能も長期予後に有意に関与していることを証明した。
さらに、薬物治療後中期の右室ならびに右房のリバースリモデリングも長期予後に有意に関連する因子であることも証明した。また、
拡張型心筋症患者において、ドブタミン負荷による両心室収縮予備能評価は予後予測に有用であることも証明した。よって、左心不
全患者における心機能評価では“左室”のみの評価では不十分であり、
“右室”にも注目する必要がある。また、肺高血圧症患者でも
“右室収縮能”のみの評価では不十分であり、“右心系”全体に注目する必要があると考えられる。本セッションでは心不全患者にお
ける、右心系を含めた統合的評価の有用性について概説する。
第26回日本心エコー図学会学術集会
SS3-1
大動脈弁狭窄症例の僧帽弁逆流は放置可能か?
芦原 京美1、新井光太郎1、齋藤 千紘1、福島 敬子1、林 慶子1、山崎 健二2、萩原 誠久1
1
東京女子医科大学 循環器内科、2東京女子医科大学 心臓血管外科
特別セッション
【背景】大動脈弁狭窄症(Aortic valve stenosis:AS)症例に僧帽弁逆流(Mitralvalve regurgitation:MR)を合併することは多く、
AS に対する弁置換(AVR)時に中等度以上の MR が存在すれば僧帽弁への処置が考慮される。しかし軽度∼中等度程度の MR を放
置した場合の経過は明らかではない。【目的】重症 AS に合併する軽度∼中等度程度の MR を放置した場合の MR の経過を明らかに
する。【対象と方法】当院で 2008 年 1 月 1 日から 2011 年 12 月 31 日までに AS に対し AVR を施行した連続 265 例中、単独 AVR を
施行した 75 例(男性 31 例、女性 44 例 平均年齢 64±7.7 歳)を対象とし、心エコーにて術前、術直後(14±4.3 日)
、術後経過観察
時(1060.5±540 日)での MR を比較した。
【結果】AVR 後 MR が 1 度以上の改善をしたのは 26 例(35%)
、不変 40 例((53%)、悪
化 9 例(12%)であった。さらに術後経過観察できた 47 例中、術前に比し MR が 1 度以上改善をしたのは 14 例(30%)
、不変 28 例
(59%)、悪化 5 例(11%)であった。術直後改善して再度悪化した例はなかった。経過観察時改善例と不変+悪化例では術前の大動
脈弁平均圧較差(86.6±31.9vs.67.9±44.8mmHg)、弁口面積(0.7±0.3 vs. 0.6±0.3cm2)
、左房容積係数(55.1±17.7vs.45.6±28.5ml/
m2)、心筋重量係数(140.4±46.9vs.135.0±47.6g/m2)、左室駆出率(50.6±11.4vs.50.2±9.2%)、術後の大動脈弁流速(3.2±0.7vs.3.0±
0.6m/sec)、TVI 比(0.5±0.1vs.0.4±0.1)有効弁口面積係数(0.9±0.2vs.0.9±0.3cm2/m2)に有意差を認めなかった。MR に対する手
術が必要な例は認めなかった。
【結語】AS の単弁置換時に軽度∼中等度程度の MR を放置した場合再手術を必要とする中等度以上の
MR は認めなかった。
SS3-2
S 字心室中隔を有する大動脈弁狭窄症の重症度評価、治療方針の決定
長谷川拓也、神崎 秀明、舟田 晃、天木 誠、高濱 博幸、大原 貴裕、菅野 康夫、安斉 俊久
国立循環器病研究センター 心臓血管内科
日常の心エコー検査において、S 字心室中隔は高齢者でよくみかける所見である。左室流出路に突出すると、左室流出路に加速血
流を生じ左室流出路時間速度積分値(LVOT-VTI)が大きくなり、連続の式により大動脈弁口面積を計算すると弁口面積を過大評価
することになる。大動脈弁狭窄症に僧帽弁逆流症が合併することがあるが、その機序として S 字心室中隔による高度な左室流出路狭
窄による僧帽弁前尖収縮期前方運動(SAM)をみることがある。このような場合、大動脈弁、僧帽弁、肥厚した心室中隔基部の 3 つ
に対する治療介入を検討することになる。経食道心エコー検査は、大動脈弁口面積のトレース法による計測、僧帽弁逆流の成因、弁
尖の性状の詳細な評価に有用である。左室流出路狭窄を伴う中等度の大動脈弁狭窄症に対しては、薬物療法(β 遮断薬、シベンゾリ
ン)により症状が改善することもあり、大動脈弁に対する侵襲的介入の時期を遅らせることができることもある。左室流出路狭窄を
伴う大動脈弁狭窄症に対して大動脈弁置換術を行うと、左室後負荷の軽減により左室収縮末期容量が減少するため、左室流出路狭窄
が出現することがある。このため、大動脈弁置換術の際には心室中隔基部切除を行うことも検討する必要がある。また左室流出路狭
窄を伴う大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)において、スカートの長い自己拡張型ステントを用いた
置換弁(CoreValve など)を留置する際には、左室流出路を強く圧迫することになり房室伝導障害が発症しやすい傾向がある。この
ように S 字心室中隔が存在する場合には、大動脈弁狭窄症の評価、治療方針決定において十分に注意を払う必要がある。
SS3-3
連合弁膜症に対する外科治療戦略―MICS 法の観点から―
増山 慎二1、小澤 達也1、松濱 稔1、北村 英樹2、米田 正始1
1
高の原中央病院 かんさいハートセンター 心臓血管外科、2名古屋ハートセンター 心臓血管外科
【目的】近年、僧帽弁膜症に対して胸骨切開を行わない右小開胸手術(MICS)が普及する傾向にある.しかし連合弁膜症に対する
MICS は、国内はもとより海外においても、ごく一部の施設でしか行われていない.今回我々は連合弁膜症に対する MICS での経験
を検討・報告する.【方法】2010 年 12 月から 2014 年 9 月に行った MICS 118 症例のうち連合弁膜症に対するもの 12 例(64+/-9 歳,
男性 8 名)を検討.いずれも右肋間開胸(6cm)からの直視下手術であるが大動脈弁手術をともなう場合には僧帽弁・三尖弁手術で
の前側方切開よりもやや腋窩側での切開を行った.【成績】僧帽弁・三尖弁の合併手術が 10 例.僧帽弁・大動脈弁の手術が 2 例.大
動脈弁(2 例)はいずれも大動脈形成術を施行.カニュレーションや弁評価・心機能評価でエコーが活躍した。僧帽弁手術(12 例)
は 1 例の僧帽弁置換術をのぞく 11 例で形成術を施行できた.また複雑弁形成が必要な症例が多く、三角切除・edge to edge 法併用・
交連部形成・人工腱索再建などの手技を行った.後尖形成術 8 例、前尖後尖の同時形成術 2 例、弁輪形成術のみ 1 例.Maze 手術を
同時に施行した症例は 8 例.三尖弁手術(10 例)は心停止下に DeVega 変法 9 例、リング形成術 1 例.大動脈遮断時間 165+/-62 分.
病院死 1 例(膠原病例の ARDS)以外は大きな合併症や残存逆流はなかった.
【結論】エコーガイド下の MICS にて行った連合弁膜
症に対する手術でも、複雑弁形成術や Maze も含め通常の手術と遜色なく行えた.ただし大動脈遮断時間などが長くなりがちでさら
なる術式改良が必要であろう.
100
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
SS3-4
連合弁膜症の外科治療を考える
岡田 行功、室生 卓、文元 建宇、小暮 周平、稲波 整
倫生会みどり病院心臓弁膜症センター
Special Session4(SS4)3 月 28 日(土)第 1 会場 13:40−16:40
先天性心疾患の心エコー評価:病理標本との対比から実際の手術と術後エコー 座長 : 富松 宏文(東京女子医科大学 循環器小児科)・瀧聞 浄宏(長野県立こども病院 循環器小児科)・安河内 聰(長野県立こども病院 循環器小児科)
平野 豊(近畿大学医学部附属病院 中央臨床検査部)・田中 秀和(神戸大学大学院 循環器内科学)
〈座長の言葉〉
先天性心疾患は、救命率が著明に改善し、そのほとんどの症例が成人になると言っても過言ではありません。5 年から 10 年の内には、
循環器内科の先生や技師さんが外来で診察をしたり、心エコーをしたりすることが当たり前のこととなっていることでしょう。そんななか
先天性心疾患に対する理解をより一層深めてもらうことを目的として尾辻会長のご理解のもと 3 時間というロングセッションを企画させ
ていただきました。成人先天性心疾患の診断、治療にはどうしても疾患ごとの 3 次元構造の理解が必要です。そこで前半のセッションでは
実際の解剖のビデオを供覧しつつ、心エコー画像を対比させて解説をするという新しい方法で講義します。今回、皆さんに勉強していただ
く疾患は、房室中隔欠損とファロー四徴症です。術前の標本で右室流出路や房室弁などをいろいろな方向から観察、心エコーでは key point
となる動画像を供覧し、SIDE BY SIDE で見比べて基本構造を理解していただきます。後半では、同じ房室中隔欠損とファロー四徴症で、
実際の手術のビデオを供覧してもらいながら心臓血管外科のエクスパートの先生から解説していただき、最後に術後心エコーの取り方を循
環器小児科のスペシャリストから症例ベースで講義してもらうこととしました。新しい試みですが、明日の臨床に役立つ企画にしたいと
思っております。
SS4-1
先天性心疾患の心エコー評価:病理標本との対比 房室中隔欠損症
富松 宏文
東京女子医科大学 循環器小児科
房室中隔欠損症は心内膜床と呼ばれる膜様部中隔や房室弁形成に関与する組織の発生過程での異常により形成される。その特徴的な
形態により診断は比較的容易である。しかし、本症は心房中隔欠損症と同様の血行動態を示し比較的予後の良好な不完全型から、早
期に治療介入しなければ生存が困難であるような完全型まで様々な形態を有する。したがって、本症であることの診断だけでは不十
分であり、その病型に加え、併存する房室弁形態異常や左室流出路狭窄などの異常についての評価が重要になる。これらの診断には
心エコー検査は必須である。本症の心エコー検査を進めるための考え方としては 1.房室中隔欠損であることの診断、2.病型診断、
3.合併奇形の診断、4.病態の評価の順に診断を進めることにより見落としが少なくなる。しかし、立体的な構造異常である本症を
心エコーという二次元画面で診断するためには、本症の三次元的な構造を念頭に置き診断に必要な断面を設定する必要がある。その
ためには病理標本を観察し疾患の特徴を立体的に把握することが有用である。しかし、通常本疾患の病理標本を観察する機会はなか
なか得られない。そこで、本セッションではいくつかの病理標本を用いて本症の特徴的所見をビデオで提示し、それに対応する心エ
コー所見を合わせて提示することにより疾患の理解を深めるための一助としたい。
101
特別セッション
退行性病変による高齢者弁膜症に対する外科治療が増加しており、連合弁膜症としての治療もかつてのリウマチ性弁膜症の時代とは
異なってきている。大動脈弁狭窄症、大動脈弁逆流に合併する僧帽弁逆流に対する外科治療では、僧帽弁逆流の原因が器質的か機能
的僧帽弁逆流かの診断が重要である。いずれも中等度以上の僧帽弁逆流では手術後心拍出量の低下、遠隔期における僧帽弁逆流の進
展が危惧されるために形成術の適応と考えて形成術を行ってきた。大動脈疾患に合併する機能的僧帽弁逆流では外科的介入に大きな
議論があるが、人工弁輪による弁輪形成術で対応できる。一方、僧帽弁逆流に合併する機能的三尖弁逆流に対する手術適応は、1)三
尖弁逆流中等度以上、2)右心不全の既往、3)心房細動、4)肺高血圧(>50mmHg)のいずれかの条件があれば三尖弁輪形成術
(TAP)を行ってきた。連続 167 例の僧帽弁逆流に対する弁形成術で TAP を行った症例は 93 例(56%)で、手術後早期遠隔成績で
は TAP 施行例、TAP 非施行例ともに中等度以上の三尖弁逆流は 5%以下であり、患者選択と TAP の方法に関してほぼ満足できる
結果を得ている。
第26回日本心エコー図学会学術集会
SS4-2
先天性心疾患の心エコー評価:病理標本との対比から実際の手術と術後エコーファロー四徴症
瀧聞 浄宏
長野県立こども病院 循環器小児科
特別セッション
ファロー四徴症は、大きな心室中隔欠損、右室流出路狭窄、心室中隔欠損に対する大動脈騎乗、右室肥大を示すが、その形態変化を
もたらす原因は、肺動脈弁下の漏斗部中隔の左前方偏位にある。発生初期段階で漏斗部中隔の前方偏位と付随する中隔肥大が生じる
ことで、弁下狭窄がもたらすさまざまの程度の肺動脈弁、主肺動脈、末梢肺動脈狭窄を生じさせる。大きな心室中隔欠損は、漏斗部
中隔と流入路中隔が整列異常によって離れることで形成され、左室側にある大動脈が心室中隔に大きく騎乗する。このような基本的
概念をふまえた上でファロー四徴症の心エコーのポイントを示すと、1)右室流出路狭窄、2)大動脈騎乗、3)心室中隔欠損、4)肺
動脈弁および肺動脈形態、5)冠動脈走行、6)大動脈弓形態があげられよう。今回の、病理標本と心エコーの対比では、それぞれの
keyword について、形態学的な特徴を解説、実際の標本を動画で提示、そして、その所見をエコーで見るためにはどのような断面で
どのように観察すればいいか、どのように判断するか、心エコー動画を side by side、keyword ごとに提示しながら解説する。ファ
ロー四徴症の複雑な構造異常を 3 次元的に捉えることができるようになるであろう。
SS4-3
房室中隔欠損の術後評価―急性期と遠隔期の問題―
新居 正基
静岡県立こども病院 循環器科
房室中隔欠損は心内膜床の発生異常に伴った、房室中隔(膜様部と筋性部)の欠損と房室弁の形成不全を特徴とする解剖学的異常を
指す。房室弁の開口が左右心室に跨がった共通房室弁形態か、左右心室への開口が分離した二弁口形態か、また、弁下短絡(心室中
隔欠損)の有無に応じて 4 型に分類されている:完全型(complete)
、中間型(intermediate)、移行型(transitional)、部分型(partial)。房室中隔欠損のなかで約 6 割を占める完全型房室中隔欠損は 21-trisomy などの染色体異常や heterotaxy 等の基礎疾患に合併す
ることが多い。特に 1 歳以下で手術適応となる完全型房室中隔欠損の約 8 割を 21-trisomy が占める。一方、部分型房室中隔欠損にお
いて 21-trisomy は約 3 割に止まる。術前の治療方針については、左右心室の大きさ、乳頭筋・腱索の性状(単一乳頭筋等)、房室弁
性状(lateral leaflet の大きさ、lateral leaflet 周囲の交連形成の良否、double-orifice の合併有無)、そして左室流出路狭窄の有無等を
考慮して計画を立てる。房室中隔欠損にファロー四徴や両大血管右室起始を合併する場合は、手術の難易度が増すことから、段階的
な手術計画が必要になることもある。Heterotaxy に合併した房室中隔欠損は、通常の房室弁よりも腱索構造を含めて弁の性状が不良
のことが多く、弁逆流が高度な場合には治療に難渋する。術後の問題点としては、房室弁の逆流や狭窄、または肺高血圧の残存など
が挙げられる。具体的に術後症例を示しながら、エコー所見の解説を行う。
SS4-4
房室中隔欠損症の修復術
井本 浩
鹿児島大学大学院 心臓血管・消化器外科学
はじめに:房室中隔欠損症には完全型、部分型および中間型がある。典型的な完全型 AVSD の心内修復は、1)VSD パッチ閉鎖、2)
ASD パッチ閉鎖、3)僧帽弁形成、4)三尖弁形成、の 4 つの操作から成る。VSD パッチの形態・サイズによっては房室弁の geometry
の変化から術前になかった症例でも弁逆流や左室流出路狭窄(LVOTO)を生じることがあり、注意が必要である。手術ビデオを供
覧しながら手術上のポイントを解説する。
【症例 1:完全型 AVSD】男児、1 歳 3 か月、21-trisomy。生後 2 か月で肺動脈絞扼術(PAB)
施行。術前検査 CTR:53.9%、ECG:LAD、RVH、心エコー:Rastelli type A、房室弁逆流 trivial、心カテ(p/o PAB)
:Pp/
Ps=0.33、Qp/Qs=1.26。手術 胸骨正中切開、中等度低体温体外循環、心停止下 Two-patch method を施行。房室伝導保護のため心
房パッチ縫合線は CS の右および下方を迂回。僧帽弁 cleft は 5-0 PPP 糸 7 針で先端まで閉鎖、水試験で逆流なし。三尖弁の修復は必
要なし。PAB 部分を離断・直接吻合した。術後経過および検査 術後経過良好。心エコー:mild Mr、mild TR。
【症例 2:部分型
AVSD】男児、5 歳。術前検査 CTR:52.5%、ECG:LAD、心エコー:一次口 ASD、僧帽弁 cleft(moderate MR)、心カテ:Pp/
Ps=0.33、Qp/Qs=1.64。手術 僧帽弁 cleft を 5-0 PPP 糸 7 針で先端まで閉鎖、三尖弁前交連を 1 針固定。水試験で逆流を認めず。心
房パッチの縫合線は CS の右および下方を迂回。術後経過および検査 術後経過良好。ECG:CRBBB、LAD、心エコー:mild MR、
mild TR。まとめ:AVSD の手術においては、術前エコーおよび術中観察による形態の把握(房室弁−特に僧帽弁成分、LVOTO の
有無)が重要と思われる。
102
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
SS4-5
ファロー四徴症の根治手術
中野 俊秀
福岡市立こども病院心臓血管外科
SS4-6
Fallot 四徴症心内修復術後の管理と心エコー検査のポイント
武井 黄太、武田 充人、山澤 弘州、古川 卓朗、泉 岳
北海道大学大学院 小児科学
Fallot 四徴症(TOF)は心内修復術後の 25 年生存率が 90% 以上と報告されており多くの症例が成人に達している。近年の再手術成
績の向上に伴い、遺残病変に対してより早期に積極的に再手術が行われるようになっており的確な術後評価が求められる。先天性心
疾患の術後評価においては、術前の病変・手術手技の理解に基づいた評価を行う必要があり、TOF 術後には肺動脈弁閉鎖不全(PR)
や残存右室流出路(RVOTS)、三尖弁閉鎖不全(TR)
、残存心室中隔欠損、大動脈基部拡大・大動脈弁閉鎖不全に注意が必要である。
最も問題となる PR・TR については右室拡大の進行が再手術適応の判断基準となり、心エコーでは右室容積の正確な定量は難しい
が、定量・定性評価により右室拡大の経時的な観察を行う。右室拡大に伴う右室機能低下にも注意が必要である。RVOTS は右室流
出路血流速度や TR の流速に基づく推定右室圧により評価し、右室圧/左室圧>0.7 あるいは右室流出路圧較差 50∼60mmHg が再介入
の基準とされる。末梢性肺動脈狭窄を合併する症例もあり、心エコーでは左右肺動脈の形態や血流速度の評価を行う。残存心室中隔
欠損を認める症例では左室容量負荷を来すため、左室拡大の程度を評価する。また、大動脈騎乗による大動脈拡大が術後も進行する
ことがあり評価を要する。その他左室機能にも注意が必要である。TOF 術後にはこれらの点をふまえた心エコー評価を行うが、右室
容積の計測を始め心エコーのみでは十分な評価が出来ない点もあるため、心臓 MRI を始めとした他の検査法と組み合わせて評価して
いく必要がある。本セッションでは実際の症例を提示しながら TOF 心内修復術後の管理、心エコー評価について解説する。
103
特別セッション
ファロー四徴症の根治手術は心室中隔欠損(VSD)のパッチ閉鎖、右室漏斗部筋切除、および肺動脈弁、弁上、弁下狭窄の解除から
なる。<VSD パッチ閉鎖>:ファロー四徴症の VSD は漏斗部中隔が前方偏位した膜様部周辺流出路型もしくは筋性部流出路型がお
おく、ほとんどの症例で経右房的にパッチ閉鎖することができる。VSD の後下縁は肥厚した TSM 後脚で構成されており、刺激伝導
系は左室側へ位置する。大動脈弁輪を確認しながら PTFE パッチを結節吻合または連続吻合で逢着する。<右室漏斗部筋切除>:経
右房的に漏斗部中隔の肥厚した筋束を可及的に切除する。まず前方偏位した漏斗部中隔を楔状に切除し、右室自由壁の筋切除へ移行
する。さらに右室流出路の心室中隔側の筋束切除をすることで肺動脈弁輪の確認ができる。<肺動脈弁、弁上、弁下狭窄の解除>:
主肺動脈に縦切開を加えバルサルバ洞内まで切開を延長する。肺動脈弁の性状、形態を確認し、交連切開を加える。肺動脈弁越しに
弁下の線維筋性組織の切除を行う。経肺動脈弁の視野が不十分なときは右室流出路に小切開を置き、肺動脈弁下の筋切除を行う。交
連切開後の肺動脈弁輪径が肺動脈弁面積係数 1.5 以上であれば弁輪温存可能で主肺動脈は自己心膜パッチで拡大形成する。自己肺動
脈弁輪温存が困難な症例では一弁付き PTFE パッチで Transannular repair とする。手術ビデオを供覧し術式の解説をする。
第26回日本心エコー図学会学術集会
Basic Session(BS)3 月 27 日(金)第 2 会場 13:40−15:10
ソノグラファーのための TEE 座長 : 戸出 浩之(群馬県立心臓血管センター 技術部)・坂田 好美(杏林大学医学部附属病院 第二内科)
特別セッション
〈座長の言葉〉
経食道心エコー図(TEE)は、心房細動、弁疾患、大動脈疾患などの多くの循環器疾患の診断と治療において、きわめて有用な情報をも
たらす必要不可欠な検査法である。しかし、本法は患者に少なからず苦痛を与え、多少の危険も伴う検査法であり、患者の安全に留意しつ
つ、なるべく短時間で必要十分な情報が得られるよう心掛けなければならない。そのためには、医師とソノグラファーが検査目的を十分に
理解し、お互いの役割を認識して検査にあたることが重要である。本法の探触子操作は医師により行なわれるが、装置のパネル操作につい
ては装置に習熟したソノグラファーが担当すべきである。また、装置のメンテナンスや探触子の管理、検査に使用する器材や薬品の管理な
ど、検査をスムースに行えるための準備はソノグラファーの大切な役割である。さらに、検査を安全に進めるための事前確認と検査全体を
通しての患者観察も重要な任務である。このように、TEE においてソノグラファーの果たす役割は多大であり、検査の全般を熟知していな
ければならない。本セッションでは、TEE の基本から検査の実際を述べ、その中でソノグラファーの役割や注意点について解説していただ
く。
BS-1
ソノグラファーのための TEE:適応、準備、安全管理
田代 英樹、鹿田 智揮
雪の聖母会 聖マリア病院 循環器内科
経食道心エコーは、診断、手術中のモニター、SHD のカテーテル治療の操作のためのモニターとしての使用など多岐にわたるように
なってきた。対象疾患も、Structure Heart Disease のみならす、大動脈疾患、心臓内腫瘍、虚血性心疾患、脳梗塞患者に対する塞栓
源精査など多岐にわたるようになってきた。このため、さまざまな状況の患者に対しさまざまな状況で検査をおこなう必要がある。
経食道心エコーは安全ではあるものの、経胸壁心エコーとことなり侵襲的な側面がある。そのため、多岐にわたる患者の状況や状態
に適応して安全に検査を行うためには、適応をまもること、禁忌となるべき合併症をもっていないかの確認、しっかりとした準備、
感染管理を含む機器のメンテナンスなどが必要である。必要な機材や薬剤としては、心エコーの機械、経食道心エコーのプローベの
他に、咽頭の麻酔薬、ルート確保のための点滴、点滴台、救急カート、防水シーツ、ペーパータオル、マウスピース、プローブカバー 酸素投与のための鼻カヌーラ、吸引機、パルスオキシメーター、血圧モニターなど多岐にわたっており入念な準備が必要である。検
査中、ソノグラファーは機器の操作だけでなく、患者の状態把握やモニター類のチェックなどを行っていく必要がある。また、術後
の消毒も感染管理のために重要である。エコープローブカバーを使用しても破損の危険性があるため消毒は必要である。これら、経
食道心エコーを安全におこなうための講演をおこなう
BS-2
TEE の基本と TTE との比較
馬原啓太郎
榊原記念病院循環器内科
経食道心エコー図検査(TEE)は、弁膜症や先天性心疾患、全身性塞栓症の診断において欠かすことの出来ない検査法となってい
る。本法の探触子の操作は医師により行われるが、ソノグラファーの役割は施設により異なることが想像される。TEE は侵襲的な検
査であり、患者の苦痛を伴う検査であるために、なるべく短時間で必要な情報を得る必要がある。そのためには、TEE ではどのよう
な断面が描出でき、経胸壁心エコー図検査(TTE)とは見え方がどう異なるのかを、理解しておかなければならない。例えば、腱索
や乳頭筋など、僧帽弁の左室側の情報は TTE の方が TEE よりも多いこともある。また、心臓全体を見て、左室、右室、左房、右房
の大きさのバランスをみたり、弁膜症の定量評価を行ったりすることは TTE の方が向いている。一方で、僧帽弁や大動脈弁の性状
や逆流の原因などを詳細に検討する目的としては TEE の方が明らかに優れている。また、3 次元 TEE を併用することで、疾患を 3
次元的に捉えることが出来る。この 3 次元的な理解は TTE を施行する上でも有用であり、3 次元的なイメージを自身の頭の中に持ち
ながら TTE を施行することで、TTE においてもより詳細な観察が可能となる。本セッションでは TEE の基本から検査の実際、TTE
と TEE の見え方の違いなどについて述べたい。
104
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
ソノグラファーの TEE 検査における役割と TEE 解剖の習得(カナダ・アルバータ大学病院心エコー
室)
BS-3
飯田 良司1、Brian Sonnenberg2
1
日本大学医学部 麻酔科学系麻酔科学分野(日本大学病院 麻酔科)、2Division of Cardiology, University of Alberta Hospital
経食道心エコー図検査におけるソノグラファーの役割
BS-4
片岡 容子1、種村 正1、渡邊 伸吾1、堤 由美子1、由井 恵美1、佐々木伸子1、上嶋 徳久2、澤田 準2
1
公益財団法人 心臓血管研究所附属病院 臨床検査室、2公益財団法人 心臓血管研究所附属病院 循環器内科
当院は 1987 年に経食道心エコー図検査(TEE)を導入し、1990 年にはいつでも検査ができる体制を整えている。TEE 件数は年間
750 件で、約 400 件が血栓チェック(除細動や PV isolation 前)
、約 200 件が術前・術中評価、約 150 件が弁膜症、感染性心内膜炎、
人工弁機能不全などの精査目的である。当院の特徴として、(1)医師とソノグラファーが共同で行っていること、(2)手術室での術
前、術中検査も一緒に行っていること、(3)鎮静下よりも覚醒下を主体として検査を行っていることが挙げられる。
検査室で行う TEE は覚醒下であるため、医師との連携がとても大切である。速やかに検査を行うためには、次に何を見たいのか、
何を計測すれば良いのか、3D で何を取り込めば良いのか、常に一歩先を考えた操作ができるようにしなければならない。当院では経
胸壁エコーが撮れるようになり、機械操作が迷わず出来るようになってから検査に付くようにしている。また、不安感が軽減するよ
うに検査説明をすること、患者の様子や心電図、血圧などを観察すること、うがいの介助を行ったり、飲食などの注意事項を説明す
ることも役割の一つである。プローブの消毒、保管も重要な業務であり、私達は 7 本のプローブを中央材料室で共同管理している。
更には適切な断面が出せない初心者には走査法を助言することもある。
TEE は医師とソノグラファーがそれぞれの役割を果たす事で速やかに検査をすることができる。そのためには、医師との信頼関係
を築くことが重要であり、一緒にレポートを書いたり、勉強会を開いたりして親交を深めることが重要だと考えている。
TAVI チームにおけるソノグラファーと TEE との関わり
BS-5
永禮 裕子1、鍵山 暢之2、左古田悦子1、土岐美沙子1、福田秀一郎1、住友 泉1、有高 進悟1、
鎌田 康彦2、大原美奈子2、林田 晃寛2、近沢 元太3、坂口 太一3、吉鷹 秀範3、山本 桂三2、吉田 清2
1
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 臨床検査科、
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 循環器内科、
3
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 心臓血管外科
2
当院は循環器専門病院として数多くの外科的、内科的治療を行っている。2013 年 11 月から、当院では Transcathether Aortic Valve
Implantation(TAVI)を導入するにあたり、専門のチーム(TAVI チーム)を発足させその施行にあたっている。
TAVI は従来の外科的大動脈弁置換術と比較して直視下に弁を観察することがないため、術前における弁の形態、サイズ等のより詳
細な評価が必要とされる。また術中はダイナミックな血行動態の変化や、重大な合併症が起きることもあり、瞬時の経食道心エコー
図(TEE)撮像および判読が必要である。
当院 TAVI チームにおいてソノグラファーはその術前・術後検査として質の高い経胸壁心エコー図検査を行い、その情報を TAVI カ
ンファレンスで多職種と共有している。また、全例において術中にもソノグラファーが参加し、循環器内科医とともに TEE を施行
している。TAVI における術中の TEE は迅速性、正確性が高い水準で求められるため、熟練したソノグラファーによる的確な装置
設定、パネル操作は必要不可欠であり、所見の正確な判読に際しては TEE 担当医師とソノグラファーとのディスカッションは常時
欠かすことができない。TAVI 術後の予後不良因子とされる術後弁周囲逆流の軽減に繋がった症例や、術中に生じた高度僧帽弁逆流
に対して迅速に原因の特定および適切な対応ができた症例、評価に際し更なる討議が必要であった症例等を提示しながら、最終的に
患者及びチーム医療へ良い効果を提供できるよう模索した一年の経過を通し、TAVI においてソノグラファーが TEE に携わること
の重要性を報告する。
105
特別セッション
TEE 検査にソノグラファーが加わることは、質の高い検査を行うために不可欠である。本講演においては、私がカナダアルバータ
大学病院心エコー室のクリニカルフェローであった経験を基に、同病院におけるソノグラファーの TEE 検査における役割と TEE 解
剖の習得の実際を紹介する。TEE 検査チームは、循環器科専門医、ソノグラファー、看護師で構成されていた。フェローは TEE ト
レーニングを受ける立場でチームに参画していた。ソノグラファーは、患者の検査室入室前に、装置、探触子、検査申し込み伝票の
準備確認を行い、必要な患者情報の装置への入力を済ませていた。患者入室後、循環器科医(検者)の問診、生体モニター装着、患
者の左側臥位への体位変換、鎮静薬の静脈内投与が行われた。検者はプローブを食道へ挿入後、検査目的に応じた画像描出を行い、
ソノグラファーが検者の求めるエコー装置のパネル操作を行った。熟練したソノグラファーは検者の指示を待たずに適切なパネル操
作を行い、あうんの呼吸で検査が進行する場面もまれではなかった。このような検査の進行は、検査に余裕をもたらし、検査チーム
全員が患者観察を安全に行う環境を生み出した。循環器科医とソノグラファーの勉強会(Echo Rounds)は、週に 1 回、12 時∼13 時
に行われていた。昼食が用意されていることもあり、出席率は非常に高かった。本講演では Echo Rounds でソノグラファー向けに行
われていた TEE 解剖の概説を、プローブと心腔との位置関係を示した模式図を実際の動画と比較する形で紹介する。
第26回日本心エコー図学会学術集会
シンポジウム 1(S1)3 月 26 日(木)第 1 会場 10:30−12:00
運動負荷心エコー図検査のさらなる応用 座長 : 石井 克尚(関西電力病院 循環器内科)・高木 力(高木循環器科診療所)
特別セッション
〈座長の言葉〉
冠動脈疾患診断のための運動負荷心エコー図検査は 30 年以上の歴史を有する確立した検査法である。弁膜症や心筋症、心不全など冠動脈
疾患以外の疾患の診断にも用いられている。さらに、スペックルトラキング法や 3 次元心エコー図などの新しい技術を取り入れた運動負荷
心エコー検査も開発されている。負荷中あるいは負荷直後に心エコー図検査を実施しないといけないという従来の運動負荷心エコー検査の
欠点も、新しい技術の導入により負荷終了後相当時間が経過してからでも虚血性変化を捉えることが可能となった。
社会の高齢化により、今後、大動脈弁狭窄症や収縮能が保たれた心不全などが増加すると思われる。高齢者に対して運動負荷心エコー検査
を実施する必要性が増すと思われるが、トレッドミルやエルゴメータなど従来の負荷法では実施困難な場合がある。ドブタミン負荷やアデ
ノシン負荷などの薬物負荷心エコー検査も有用であるが、運動負荷と比較すると非生理的負荷であることは否めない。新しい運動負荷方法
も提案されているが、負荷量の定量化などに検討課題があるように思われる。
本シンポジウムでは新技術の応用、対象疾患の拡大、対象者の拡大などについて討論したいと考えている。
Structural heart disease における運動負荷心エコー図
S1-1
出雲 昌樹、鈴木 健吾、大滝 英二、明石 嘉浩
聖マリアンナ医科大学 循環器内科
近年、structural heart disease(SHD)という言葉を良く耳にする。構造的心疾患が直訳であるが、現在使用されている語法をみる
とカテーテル治療が適用される冠動脈疾患以外の疾患と考えられる。
本邦でも大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療
(transcatheter
aortic valve implantation:TAVI)が広く行われるようになり、SHD の時代に突入し、その関心も高い。TAVI を含め SHD に対す
るカテーテル治療は開胸することなく低侵襲で根治術が望め、高齢化社会に合った画期的治療法である。いずれの疾患においても適
応決定は慎重に行う必要があり、適応決定は治療成績に大きく関わると考えられる。その決定に重要な役割を果たすのが画像診断で
あり、心エコー図である。しかしながら、日常臨床において症状や重症度評価さらには適応決定に難渋する症例も少なくない。また
労作時息切れの診断を安静時心エコー図のみの評価では限界がある。ACC/AHA の弁膜症ガイドラインをはじめ、いずれのガイドラ
インにも運動負荷心エコー図は弁膜症評価に推奨された検査方法であり、安静時には得られない情報を得ることが期待でき、大変有
用な検査方法と言える。しかしながら本邦においては保険償還されていなかったという経緯もあるが、特に SHD を初めとした非虚
血性心疾患に対する運動負荷心エコー図はあまり実施されていないのが現状である。今回、SHD 診断において運動負荷心エコー図を
どのように活用していくのかについて、実症例を提示しながら皆様と考えていきたい。
ソノグラファーから考える運動負荷心エコー図
S1-2
土岐美沙子1、鍵山 暢之2、平井千雅子1、小山 卓也1、本部 弘美1、永禮 裕子1、有高 雅美1、
河田 順子1、福田秀一郎1、住友 泉1、有高 進悟1、鎌田 康彦2、大原美奈子2、林田 晃寛2、
山本 桂三2、吉田 清2
1
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 臨床検査科、
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 循環器内科
2
運動負荷心エコー図は、運動負荷前後における壁運動異常の出現を検出し、冠動脈疾患を診断するための検査として誕生し、発展し
てきた。また近年では仰臥位エルゴメータを用いることにより、運動中の弁膜症の増悪、肺高血圧や左室流出路狭窄の出現などを評
価することもできることが多数報告されている。医療経済の面から考えても、心筋シンチグラムや負荷心臓 MRI などに比べ安価で、
大がかりな装置も必要ないためエコー機器がある施設ならどの施設でも可能な検査とも言えるが、現状として、全国的に運動負荷心
エコー図の普及率は低い。
保険償還されたこともあり、当院では今年度から運動負荷心エコー図に積極的に取り組み、現在では主に弁膜症、心不全のリスク評
価を中心として、多いときで 1 日 3 件程度を行っている。運動負荷心エコー図を行う際に、足枷となるのは専門とする医師やソノグ
ラファーの不在および検査に比較的時間がかかることが中心と思われる。当院では今年度から心エコー図を専門とする医師が就任し、
当初は専門医からソノグラファーが指導を受けていた。現在、当院の検査の流れとしては準備、運動前のスキャンから解析までほと
んどの部分をソノグラファーが担当し、医師は運動中の患者状態監視のみを行っている。そのため医師は専門医である必要はなく、
ソノグラファーにあわせて検査を行えていることが、現在の件数の増加を可能としている。
実際の流れ、症例を提示しながら、運動負荷心エコー図という一見ハードルの高い検査の中で、ソノグラファーとして注意すべき点、
件数増加のための取り組みを紹介し、この有意義な検査の面白さを会場と共有したい。
106
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
足関節伸展運動負荷心エコー法を用いた、機能性僧帽弁逆流を有する高齢心不全患者の予後予測の
試み
S1-3
竹中 正人1、田中 篤2、大前 嘉良1、佐竹 理恵1、青木 浩3、岩畔 哲也3、上野 悟史3、
奥本 泰士3、木村 桂三3、赤木 秀治3、福田 祥大4、赤阪 隆史2
1
紀南病院 中央臨床検査部、2和歌山県立医科大学 循環器内科、3紀南病院 循環器科、4産業医科大学 第 2 内科学
運動負荷心エコー図による僧帽弁形成術後の機能的狭窄の評価:Partial band と Complete ring
の比較
S1-4
大塚 明子1、山野 哲弘2、木越紗和子1、芦田佳奈美1、岡部 裕美1、加藤ゆず子1、坂井 貴光1、
山野 倫代2、中村 猛2、白石 裕一2、土井 潔3、松室 明義2、白山 武司2、藤田 直久1、夜久 均3
1
京都府立医科大学附属病院 臨床検査部、2京都府立医科大学附属病院 循環器内科、3京都府立医科大学附属病院 心臓血管外科
【背景】変性性僧帽弁逆流に対する弁形成術(MVP)後にしばしば認める機能的狭窄に関する報告は少ない.一般的に MVP に使用
される Complete ring に対して,前尖可動性を温存しうる Partial band は術後に生ずる僧帽弁圧較差を軽減しうる可能性がある.
【目
的】Partial band による MVP 術後の機能的狭窄軽減の可能性を検討すること.
【方法】MVP 後初回の運動負荷心エコー図(ESE)
で,CG Future partial band(Medtronic)を使用した 10 例(B 群)を Physioring もしくは Pysioring 2(Edwards Lifesciences)を
使用した 23 例(R 群)と比較した.ESE は仰臥位エルゴメータを使用して多段階負荷法で実施し,平均圧較差(MG)は連続波ドプ
,及び
ラにて計測した.
【結果】B 群と R 群で使用された人工弁輪弁口面積(ROA:298±49 vs 302±74 mm/m2 体表面積,P =0.9)
,最大 MG(11.1
安静時 MG(3.8±1.7 vs 4.5±2.2 mmHg,P =0.4)に差は無かった.さらに最大負荷量(81±24 vs 94±24 W,P =0.2)
±5.5 vs 13.1±6.5 mmHg,P =0.4)にも差は無かった.R 群では ROA(x)が最大 MG(y)の極めて強い規定因子で,負の関連を有
.B 群でも同様だったが,その関係はより緩やかだった(y=-0.058x+29,R2=0.27).実際,ROA>290
した(y=-0.069x+34,R2=0.62)
mm/m2(中央値)の症例(B 群:n =5,R 群:n =11)では最大 MG はほぼ同等(9.6±3.7 vs 8.3±2.9 mmHg,P =0.5)だったが,ROA
.
【結論】なお検討を要す
<290 mm/m2 の症例では最大 MG は B 群で低値となる傾向だった(12.7±7.0 vs 17.5±5.7 mmHg,P =0.2)
るが,比較的小さい人工弁輪を使用せざるを得ない例では Partial band は MVP 後の機能的狭窄を軽減しうる可能性が示唆された.
肺高血圧症に対する運動負荷心エコー法:運動負荷右心カテーテル法によるバリデーション
S1-5
山田 博胤1、楠瀬 賢也1、坂東 美佳1、西尾 進2、天野 里江2、平田有紀奈2、佐田 政隆1、
平野 豊3、谷口 貢3、土肥 薫4、山田 典一4
1
徳島大学病院 循環器内科、2徳島大学病院 超音波センター、3近畿大学 循環器内科、4三重大学 循環器・腎臓内科学
【背景】肺高血圧症の早期診断,重症度や治療効果判定に運動負荷心エコー法
が有用であると考えられる.運動負荷による肺動脈圧の上昇を心エコー法で
精度よく検出可能かどうか,右心カテーテル法を用いて検討した.
【方法】心エコーおよび右心カテーテル検査中に運動負荷を行った 26 例(平
均年齢 60 歳±14 歳,男性 6 例)において,両検査中にエルゴメーターによ
る多段階運動負荷試験を施行した.心エコー法では,最大三尖弁逆流血流速
度の二乗の 4 倍値を TRPG として求めた.
【結果】全例において合併症なく検査が施行できた.TRPG は安静時 44±
43mmHg,最大運動負荷時 64±24mmHg,平均肺動脈圧(mPAP)は安静時
25±10mmHg,最大運動負荷時 49±16mmHg であった.TRPG と mPAP の
相関は,安静時 r=0.697,p=0.0001,最大運動負荷時 r=0.895,p<0.0001 で
あった.TRPG の変化量と mPAP の変化量は有意に正相関した(図)
.
【結語】エルゴメーター負荷法による肺動脈圧の上昇を,心エコー法で精度よ
く検出できた.肺血管の運動による反応性を非侵襲的に評価できる本法は,
今後の臨床応用が期待される.
107
特別セッション
【背景】機能性僧帽弁逆流(f-MR)は心不全患者に高頻度で認められ、予後不良の予測因子と報告されている。f-MR は血行動態の影
響を受けるため、運動負荷心エコー法にて評価を行うことが推奨されているが、実臨床において高齢心不全患者に対し運動負荷心エ
コー法を施行する事は一般的ではない。我々は、足関節伸展運動負荷心エコー法(AFSE)が、安全かつ簡便で高齢者にも適用可能
な容量負荷心エコー法であると報告してきた。今回 AFSE 中の TR-PG 上昇が、f-MR を有する高齢心不全患者(65 歳以上)の予後を
予測できるか前向きに検討を行った。【対象および方法】対象は 44 例。安静時心エコー図を施行後、片側 6.3kgf の負荷で AFSE を
行った。負荷前から負荷中の TR-PG 上昇差を ΔTR-PG とし、11mmHg 以上の上昇を有意とした。また心不全死もしくは入院を要す
る心不全、新たな心房細動および致死性不整脈の発生を心イベントと定義した。【結果】安静時心エコー図で、重症 f-MR(ERO≧
0.20cm2)は 18 例(41%)
、TR-PG 上昇は 28 例(31%)であった。ΔTR-PG と ERO(p=0.13)
、EF(p=0.29)および TR-PG(p=0.34)
との間にそれぞれ有意な相関関係は認めなかった。平均 19.6±10.1 ヶ月の follow 中、17 例(39%)に心イベントが発生した。KaplanMeier 法より、ΔTR-PG 有意上昇例は、非上昇例に比較し有意差を認めた(p<0.01)
。
【結論】AFSE による ΔTR-PG 上昇は、f-MR を
有する高齢心不全患者の心イベント予後不良予測因子であった。
第26回日本心エコー図学会学術集会
心不全における Minimal Exercise Echocardiography の有用性
S1-6
湯浅 敏典1、茶圓 秀人1、植屋 奈美1、堀添 善尚1、高崎 州亜1、水上 尚子3、木佐貫 彰2、大石 充1
1
鹿児島大学 医歯学総合研究科 心臓血管・高血圧内科学、2鹿児島大学医学部 保健学科、3鹿児島大学病院 臨床検査部
心不全患者の生活の質を決める最も重要な因子は運動耐容能であり、peak VO2 はその代表的指標の一つです。Peak VO2 は心肺運
動負荷試験(cardiopulmonary exerecise testing:CPX)にて、専用機器を用いることにより、その患者にとって最大限の運動を負
荷することで得られます。従って運動耐容能はどの施設でも測定できるわけではなく、より簡便で正確に心不全患者の運動耐容能を
推定できれば、心不全の日常診療に非常に役立ちます。これまで左室拡張能指標や E/Ea など安静時心エコー指標が運動耐容能と相
関することが示されています。さらに最大限運動負荷時の各心機能指標のほうが、安静時のそれらよりも運動耐容能とより強い相関
を示すことが報告されています。我々は、心不全患者に対し負担の少ない検査で運動耐容能のより良い予測できないか検討し、軽運
動負荷(10W エルゴメーター負荷)下の左室拡張能指標の変化が peak VO2 と相関することを報告いたしました。今回、さらに解析
を加えてご報告いたします。
特別セッション
シンポジウム 2(S2)3 月 26 日(木)第 1 会場 14:50−16:20
右室ペーシングを考える:電気生理と心エコー図 座長 : 瀬尾 由広(筑波大学 医学医療系 循環器内科)・岩倉 克臣(桜橋渡辺病院 循環器内科)
〈座長の言葉〉
洞機能不全症候群や完全房室ブロックに対しては一般に右室ペーシングが行われる。しかし非生理的な右室ペーシングは左室機能を低下さ
せ、長期的には左室のリモデリングを生じる可能性が報告されている。電気的な心室内非同期が左室収縮の非同期(dyssynchrony)を生
じることが機序として考えられている。ただこのように右室ペーシングの影響およびその機序についてはまだ十分に明らかになっていない
点が多い。また全ての症例に両心室ペーシングを行うことが出来ない以上、リードの位置やペーシングモードなどを調整することで、左室
機能への影響が小さい右室ペーシングを行うことが期待されている。このような課題に対しては、心エコー図検査による評価が大きな役割
を果たすともに、ペースメーカーを始めとする電気生理学についての深い知識が必要である。本シンポジウムでは心エコー図、電気生理学
について第一線の場で活躍されている先生方にご参加いただき、右室ペーシングを中心としたペースメーカー治療の今後について、熱い討
論を展開していきたい。
S2-1
心臓構造からみた右室中隔ペーシングの問題点
井川 修
日本医科大学 多摩永山病院 内科・循環器内科
洞房結節で生成された興奮が正常刺激伝導系を介し心室に伝播することによりもたらされる心室興奮様式と、心室ペーシング(とり
わけ右室ペーシング)によりもたらされる心室興奮様式は全く異なる。左室を中心に両者を考えてみると、前者は、心室内膜側にあ
るプルキンエ線維網を利用し速やかに広がった興奮が心内膜側より心外膜側へ伝導遅延なく心室全体に伝播をするものであるが、後
者は、心外膜側で与えられた興奮が心外膜側より心内膜側へ心室内伝導遅延を伴いながら心室全体に伝播するものである。ペーシン
グ部位としていかなる部位を選択しようが、心室ペーシング(とりわけ右室ペーシング)は非生理的なものであることに間違いない。
ちなみに、これまで右室ペーシング部位としてリードの安定性・ペーシングの安定性・手技の容易さなどから右室心尖部領域がよく
選択され、この方法によりきわめて多くの例で満足のいく結果が得られている。一方で、右室心尖部領域を長期間に渡りペーシング
してきた例の一部に、原因不明の心拡大をきたす例が存在することも事実である。
「心機能低下の原因はペーシング部位(右室心尖部
領域)にあり」との前提のもとに、近年、心機能改善目的に右室心尖部領域に替わるペーシング部位としてさまざまな部位(主に右
室中隔)が検討され、その部位へのリード留置が試みられてきた。しかしながら、充分に満足できる結果が得られているとは言いが
たい。ここでは、右室ペーシングを機能的な側面からは電気生理学的所見、構造的な側面からは剖検心および心エコー図所見を用い
て再考し、これからのペーシング治療の方向性を考えたい。
108
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
右室ペーシングは左室長軸方向グローバルストレインを悪化させる―スペックルトラッキング法を
用いた検討―
S2-2
井上 勝次、川上 大志、飯尾千春子、藤本 香織、河野 珠美、藤井 昭、永井 啓行、西村 和久、
鈴木 純、大木元明義、大蔵 隆文、檜垣 實男
愛媛大学大学院 循環器呼吸器腎高血圧内科学
特別セッション
2010 年に Drs Mond と Valy らは右室中隔ペーシング(RVS:RV septal pacing)が右室心尖部ペーシング(RVA:RV apical pacing)に比しより生理学
的な alternative pacing と報告した.我々は CARTO システムを用いた activation mapping 評価で,RVS 時の左室内伝導時間が RVA 時と比較して有意に
短縮を認めた虚血性心筋症の 1 例を経験した(Figure)
.この経験を踏まえ,
心機能の保たれた徐脈性不整脈例で RVA 群(n=51)と RVS 群(n=52)に
振り分け,ペースメーカー植え込み後の左室長軸方向グローバルストレイン
(GLS)の相違を検討した.結果,RVS は RVA に比し paced QRS 幅は有意
に短縮し(141ms vs. 161ms,p<0.001)
,GLS は保持されていた(-16.8% vs.
-14.3%,p<0.01).2014 年に斎藤らは 2 年間追跡を行ったランダム化比較試
験(RVA:n=78,non-RVA:n=70)のサブ解析で,RVA は non-RVA に
比し植え込み直後から左室心尖部中隔のストレイン値が低く,2 年間の GLS
低下率が大きいと報告した.本シンポジウムでは右室ペーシングによる GLS
への悪影響を中心に当院での経験を含めて報告する.
ペーシング部位の重要性と臨床的課題
S2-3
安部 治彦
産業医科大学 医学部 不整脈先端治療学
徐脈性不整脈患者に対するペーシング治療は、従来から右室心尖部からなされていた。しかし 2000 年代以降、心室ペーシング部位の
違いが患者の心機能に違いをもたらすとの報告が数多くなされるようになっている。即ち、従来の右室心尖部ペーシングが左室の機
械的・電気的 dyssynchrony を来たし、心機能を低下させ心不全を発症させるのではないかと考えられようになった。更に、右室心
尖部ペーシングは新規の心房細動発症をもたらすとの報告も多い。実際、右室心尖部ペーシングではペーシング後の QRS 幅延長や心
エコー上の非同期収縮が観察される。その後多くの施設で心室ペーシング部位を心尖部から右室中隔ペーシングに変更されるように
なった。確かに右室中隔ペーシングでは、ペーシング後 QRS 幅は心尖部ペーシングに比し短縮し、心エコー上左室の非同期収縮の程
度も改善する。しかし残念ながら現時点において、右室中隔ペーシングが心尖部ペーシングに比し、心機能の低下や心不全の発症あ
るいは新規心房細動の発症を抑制するとの科学的証拠は得られていない。本シンポジウムでは、2003 年以降当院で行った右室中隔
ペーシングの臨床成績を報告する。また心房ペーシングにおいても、従来の右心耳ペーシングから心房中隔ペーシングを行うことで
心房細動や心機能・房室伝導にどの様なメリットがあるかについても当院での成績を基に報告する。
心臓再同期療法における右室ペーシングの意義
S2-4
石津 智子1、瀬尾 由広2、渥美安紀子2、青沼 和隆2
1
筑波大学 臨床検査医学、2筑波大学 循環器内科
右室興奮収縮伝播の臨床的な意義は未だ十分検討されていない。3 次元ストレイン解析を用いた健常成人 35 例による我々の検討で
は、右室収縮は心室中隔から心尖部前壁に始まり、流入路へと伝播、その後流出路に至る。長軸方向と円周方向収縮時間を比較する
と、中隔と心尖部を除く右室自由壁において長軸が円周方向よりも早く最大収縮時相を迎えた。すなわち正常な右室の電気的興奮は
心内膜長軸方向線維に先に伝播したのち、心外膜円周方向線維に到達すると推察される。一方、右室心内膜ペーシングは心臓にとっ
て非生理的興奮伝播をもたらす。左室収縮障害や心不全の既往のある洞不全症候群に対する右室ペーシングでは、右室ペース率が増
えるほど予後不良であることから、右室ペーシングは必要悪の側面がある。しかし、心臓再同期療法における右室ペーシングの右室
機能への影響は未だ不明な点が多い。心不全 137 症例の両心室ペーシング前後における我々の検討では、術前に右室同期不全を認め
る症例の中には、両心室ペーシングにより右室同期不全が改善する場合がある。このような症例では右室収縮も改善し、左室駆出率
の改善とは独立してイベント率が低かった。この背景として、左室心内膜ペーシングは、心外膜ペーシングと異なり、心内膜刺激伝
導系の瞬時の電気的補足により、左室内同期不全をきたさないという現象がある。この現象を右室心内膜ペーシングに当てはめると、
心不全に対する両心室ペーシングの際の右室心内膜ペーシングは右室にとって右室刺激伝播の遅延をきたすことなく、左室自由壁の
収縮遅延を改善も伴うことによる中隔異常運動の改善により右室機能が改善する場合があるものと推察された。
109
第26回日本心エコー図学会学術集会
JSE2015 教育講演(SES)3 月 26 日(木)第 2 会場 10:30−11:10
心外病変の心機能への影響
座長 : 眞田 純一(鹿児島県立大島病院)
SES
心嚢内、縦隔内、胸腔内病変による左室流入障害を考える
皆越 眞一
国立病院機構鹿児島医療センター 第一循環器科
特別セッション
左室拡張障害は心筋の拡張能(relaxation)や伸展度(compliance)障害のほか、収縮性心膜炎や心タンポナーデなどの心膜病変、右
室圧上昇時における心室中隔の左室側偏位、さらには大動脈縮窄症や高血圧などによる後負荷上昇などにより影響を受けるとされて
いる。最近我々は、76 歳の女性で、巨大冠動脈瘤(10cm 径)により、左室の前壁と側壁が圧排され、壁運動の異常と左心不全を来
した症例を経験した(心嚢液貯留なし)。同症例は術前には心房細動であったが、左室駆出率 69%,E/e 20.2、右室収縮期圧 73mmHg、
BNP775pg/dl であったことから、拡大した冠動脈瘤によって左室自由壁が直接圧排され、左室流入障害と左心不全が生じたと考えら
れた。一方、心膜病変以外による左室流入障害も報告されている。石橋らは横隔膜ヘルニアにより縦隔内に逸脱した胃組織が心臓の
左室後壁を直接圧排し、左室への流入障害と左心不全が引き起こされた症例を報告している。文献 1)同症例の左室駆出率は正常で、
E/e 28.3、右室収縮期圧 52mmHg であり、縦隔内に陥入した胃組織が左室後壁を圧排したことにより左室流入障害が生じたと思われ
る。ここでは左室壁を局所的・直接的に圧排し、左室流入障害を来たすと思われる心嚢内、縦隔内、胸腔内などの病変について検討
する。
(参考文献)1)Ishibashi Y et al:Heart failure induced by the restrictive left ventricle due to hiatus hernia. J Echocardiogr
2013;11:103-105
110
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
教育講演 1(ES1)3 月 26 日(木)第 1 会場 13:10−13:40
検診に生かす心エコー図検査
座長 : 山岸 正和(金沢大学医薬保健研究域医学系 臓器機能制御学)
検診に生かす心エコー図検査
ES1
山浦 泰子1、島屋 真希1、吉田 清2
1
兵庫県予防医学協会 調査研究室、2心臓病センター榊原病院
教育講演 2(ES2)3 月 26 日(木)第 1 会場 13:40−14:10
心房細動の心機能評価
座長 : 村田 和也(むらた循環器内科)
ES2
心房細動の心機能評価
和田 靖明
山口大学医学部附属病院 検査部
心房細動は日常臨床で最も一般的にみられる不整脈であり、その罹患率は加齢とともに顕著に増加しており、65 歳を超える患者では
5%以上が罹患しているとの報告がある。急激な高齢化を避けて通れない本邦において、心房細動の頻度は今後さらに増加することが
推察される。心房細動患者における心エコーの役割には、1.基礎心疾患、器質的心疾患の有無確認 2.治療方針決定や治療効果判
定のための心機能評価 3.心内血栓の評価(主に経食道心エコー)が主にあげられ、いずれも必要不可欠な情報であり、心エコー図
検査が心房細動患者に必須の検査であることは論を俟たない。ところが、心室の興奮が不規則である絶対性不整脈である心房細動は、
心拍ごとに前負荷および post extrasystolic potenciation が変動するため、また心房の機械的収縮(ブースターポンプ機能)が消失す
るために、その心機能を心エコー図検査で詳細に評価することが困難であることも事実である。そこで、本講演では心房細動患者の
心機能を非侵襲的かつ正確に評価するために有用と思われる心エコー図指標について紹介し、それらを用いる際の注意点や現在検討
されている心エコー図指標の今後の展望ついても概説したい。
教育講演 3(ES3)3 月 26 日(木)第 1 会場 14:10−14:40
肺高血圧症診療における心エコー図の役割
座長 : 伊藤 浩(岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 循環器内科学)
ES3
肺高血圧症診療における心エコー図の役割
窪田佳代子
鹿児島大学大学院 心臓血管・高血圧内科
肺高血圧症は希少疾患であり、十数年前までほとんど有効な治療法がなかったが、近年プロスタサイクリンの持続点滴に加え、次々
に新しい内服薬が登場し、それらを用いることで生存率の飛躍的な改善がみられている。また血栓塞栓性の肺高血圧症においては、
日本発のカテーテルを用いた新しい治療が保険適応になっている。肺高血圧症の診療においてはできるだけ早期に診断すること、原
因をしっかり鑑別して、適切な治療法を選択することが非常に重要である。肺高血圧症の重症度を決定するゴールデンスタンダード
は右心カテーテル検査から得られる圧データであるが、非侵襲的に繰り返し行える心エコーが病態を把握する上で重要な検査である
ことは言うまでもない。また、当院では心エコーを用いた肺高血圧症のスクリーニング検査も積極的に行っている。今回は肺高血圧
の診断、病態評価だけでなく、原因疾患による評価の違い、治療効果判定や早期診断といった視点から、肺高血圧症の日常臨床にお
ける心エコー検査の役割について概説する。
111
特別セッション
心エコー図検査は、非侵襲的で繰り返し行うことができ、検診には適した検査である。現在、私たちは、検診の場での心エコー図検
査を、大きく分けて次の二つのような形で行っている。一つは、職域健診・学校健診・人間ドック等で、聴診・心電図・胸部 X 線撮
影などの所見から、何らかの心疾患が疑われて行う心エコー図検査である。これらの内容は、医療機関の外来で行われる心エコー図
検査とほぼ同等のものである。これらは、循環器専門医に紹介すべき患者の、専門医への橋渡しを円滑にすることと、不必要な専門
医受診を減らせることとの、両方の意義があると考えられる。もう一つは、主として職域健診における、動脈硬化の危険因子保有者
に対して行っている、心エコー図検査を含む二次検診である。近年、高齢者に多い大動脈弁狭窄や動脈硬化性疾患が増加しており、
今後さらなる社会の高齢化に伴い、その頻度は増加すると考えられる。一方、大動脈弁硬化は、大動脈弁の肥厚や石灰化を認めるが
血行動態的に狭窄はない病変で、心エコー図検査で検出可能である。高齢者になるほど高頻度でみられ、冠動脈疾患・脳卒中・心血
管死亡率の増加の独立した危険因子とされ、大動脈弁硬化を持つ人の一部が年数をかけて大動脈弁狭窄へと進行するとされている。
職域健診という比較的若い年齢において、心エコー図検査で大動脈弁硬化を検出することの意義や動脈硬化との関連性について、現
在行っている検診から得られた結果を中心に検討、考察し、述べたい。
第26回日本心エコー図学会学術集会
教育講演 4(ES4)3 月 26 日(木)第 1 会場 16:30−17:00
薬剤性心筋症のマクロと病理
座長 : 山田 聡(北海道大学大学院 医学研究科 循環病態内科学)
ES4
薬剤性心筋症のマクロと病理
池田 善彦
国立循環器病研究センター 病理部 臨床病理科
特別セッション
薬剤性心筋症として代表的な疾患にアドリアマイシン心筋症が挙げられる。急性病変と慢性病変とに分けられ、急性病変のマクロ像
は、左室壁の菲薄化を伴う左室内腔の拡張である。ミクロ像は細胞の腫大と淡明化であり、筋小胞体の拡大と筋原線維の減少を伴う。
細胞質は空胞化と多くの褐色色素を有する。細胞質の消失を伴う細胞の虚脱と細胞膜下には残存する筋原線維が認められる。核は一
般的に大型で明瞭な核小体を伴って多房性を呈し、また、単個レベル或いは巣状の好酸性を呈し、横紋が消失した心筋細胞凝固壊死
が散見される。間質は水腫状で、リンパ球及び形質細胞浸潤と時に好中球浸潤も伴う。間質の線維芽細胞も核が大型化するが、線維
化はほとんど認められない。これらの所見は右室よりも左室優位であり、心内膜及び心外膜にも認められる。心室中隔でも右室側心
内膜下は左室側より病変が軽度である。慢性病変のマクロ像も左室壁の菲薄化を伴う左室内腔の拡張であるが、ミクロ像は主として
心筋細胞の萎縮から成る。個々の心筋細胞は先細りを呈し、細胞質の処々に好酸性を伴い、筋原線維の減少と褐色色素の増加が認め
られる。横紋は明瞭である。これらの萎縮性変化は左室自由壁の心内膜下及び乳頭筋優位に認められる。稀に、変性した心筋細胞に
は筋原線維の消失と空胞化を有する。間質の水腫性変化は目立たず、炎症細胞浸潤や線維化、心内膜や心外膜の炎症性変化もほとん
ど認められない。今回、当院でのアドリアマイシン心筋症剖検心を提示しながら、これらのマクロ・ミクロ像を解説するとともに、
最近経験したハーセプチンによる心毒性が疑われた心内膜心筋生検例の病理像についても提示したい。
教育講演 5(ES5)3 月 26 日(木)第 1 会場 17:00−17:30
抗がん化学療法の心機能へ及ぼす影響
座長 : 大手 信之(名古屋市立大学大学院 医学研究科 心臓・腎高血圧内科学科)
ES5
抗がん化学療法の心機能へ及ぼす影響
河野美穂子、浦田真樹子
国立病院機構 九州がんセンター 循環器科
平成 25 年の死亡総数 126.8 万人のうちがん死亡数は 36.4 万人と今や 3.5 人に一人ががんで亡くなる時代である(平成 25 年厚労省統
計資料)。がんの治療、とくに進行がんでは単独の治療法では効果が不十分なことが多く、外科的治療、内科的治療、放射線治療を組
み合わせた集学的治療が行われている。薬物治療においては、抗がん剤に加え、多数の分子標的薬が開発、使用されている。がん化
学療法に伴う心血管合併症は心機能低下、うっ血性心不全、心筋虚血、高血圧、血栓塞栓症など多岐にわたり、急性・亜急性期の副
作用だけでなく、晩発性にも障害が起こる。国立がんセンターの推計では年間約 75 万人ががんに罹患し、そのうちサバイバーは 40
万人といわれている。アントラサイクリン系薬剤の投与後、数年∼数十年後に心筋障害を発生することがあり、発症すると予後が悪
いとの報告もあり、抗がん化学療法の既往は心血管疾患の重要な危険因子となりうる。また加齢、心血管疾患、糖尿病、高血圧、放
射線照射などの因子が加わると、抗がん化学療法による心毒性の影響を受けやすくなるので、アントラサイクリンやトラスツズマブ
など心毒性のある薬剤を使用する際には患者背景を踏まえて、慎重に心機能の経過をみる必要がある。
心機能を適切にモニターして心機能障害を検出し、必要に応じて早期に循環器系薬物治療を介入することで、有効な抗がん化学療法
を長く継続することが期待できる。心機能を非侵襲的に繰り返し評価するには、心エコー検査が有用であり、自験例を含めてお話し
する。
教育講演 6(ES6)3 月 26 日(木)第 2 会場 15:00−15:30
ASO をエコー図検査で診断する
座長 : 松尾 汎(医療法人松尾クリニック)
ES6
ASO をエコー図検査で診断する
小田代敬太
九州大学医学研究院 病態修復内科(第一内科)
生活習慣病の増加に伴い、冠動脈疾患、脳血管障害、末梢動脈疾患、大動脈疾患(大動脈瘤や大動脈解離)
、腎動脈狭窄症などの動脈
硬化性血管疾患が増加している。無侵襲に繰り返し検査ができる超音波検査は今や脈管疾患の診療に於いて欠かせない検査法となっ
てきているが、下肢動脈疾患の診療に十分に活かされているのだろうか?その有用性は理解されているのであろうか?その限界は? 我々は、現在、血管エコーを動脈硬化性血管疾患の総合的診断、血管内治療(術前・術中・術後)に活かし、血管エコーを駆使した
血管診療を行っている。今回、下肢動脈疾患の日常診療に血管エコーをいかに活かしているか自験例を示し、下肢動脈疾患に対する
血管エコーの有用性と問題点について述べたい。
112
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
教育講演 7(ES7)3 月 26 日(木)第 2 会場 15:30−16:00
大血管をエコー図でどこまで迫れるか?
座長 : 高木 厚(埼玉県済生会川口総合病院 循環器内科)
大血管をエコー図でどこまで迫れるか?
ES7
西上 和宏
済生会熊本病院 集中治療室
教育講演 8(ES8)3 月 27 日(金)第 1 会場 9:50−10:30
ソノグラファーのための「困ったレポート」「助かったレポート」
座長 : 田内 潤(大阪労災病院 循環器内科)・大門 雅夫(東京大学医学部附属病院 検査部・循環器内科)
ES8-1
レポート作成に必要なこと
生田 剛士
医療法人藤井会 石切生喜病院
心エコー図検査は心臓の形態、動態、血流情報を非侵襲的かつ短時間に得ることができるため循環器領域では必須の検査法となっ
ています。年々、新手法の登場により検査項目は増加の一途を辿るばかりであります。検査時間に限りのある日常検査で計測すべき
項目を病態に応じて計測し、レポートを作成していくことはソノグラファーの方々には多大なる負担となっていることでしょう。素
晴らしい技量を備え再現性も良く、病態の理解と客観的事実に基づき定量評価ができれば言うことはありません。しかし、それを表
現できなければ患者さんに対して臨床上問題となる可能性もあります。具体的にレポート作成にあたって今までにも様々な観点から
論じられています。そのレポートは依頼内容を満たしていますか。異常所見が整理され、その根拠となった理由、重症度、測定圧、
評価方法などを記載できていますか。ポイントとなるシェーマを記載しましょう。Follow up 目的では治療効果を判定するうえで重
要となるため、必ず前回の結果との比較を記載しましょう。挙句の果てには外科的な目線で手術を考慮したレポートを書く必要がな
どとあります。レポートはどこまで必要なのでしょう。今回、日常診療で私が経験した何気ないレポートではありますが、そこに愛
と勇気が感じられたレポートを症例提示の形式で示させて頂きます。時間を費やし臨床検査の一環として最後のレポート作成が負担
と感じておられる方々に、少しでもその負担が軽減されれば幸いであります。
ES8-2
日常臨床における心エコー検査∼依頼内容に対してどうこたえるか∼
中岡 洋子
社会医療法人近森会 近森病院 循環器内科
当院は高知県の県庁所在地に位置する救命救急センターを有する市中病院で、2013 年度の循環器関連の検査・処置数は心臓カテーテ
ル 1521 件(PCI 517 件)
、カテーテルアブレーション 57 件、ペースメーカー手術 111 件、EVT 372 件、開心術 158 件で、経胸壁心
エコー図検査は 8561 件であった。心エコー検査のほとんどを臨床検査技師 12 名(うちソノグラファー 6 名、腹部エコーや心カテ担
当なども兼務)で実施している。心エコー所見の多くを技師のみで確定しているが、医師のチェック要と判断したものや、ER・集中
治療室などで実施したエコー(医師施行分も含む)は、週に 2 回心エコー担当医師 2 名と後期研修医などで画像、所見をチェックし、
コメントを追加した後に所見を確定している。従って、多くの心エコー所見は技師の判断が最終診断となっているが、単純なパラメー
ターの記載だけでなく、依頼目的に対して適切な診断コメントが求められている。今日、心エコーは診断、治療方針に大きく関わる
重要な検査の一つとなっており、今後臨床検査技師の役割はますます大きくなるものと思われる。日常臨床における心エコー検査、
所見の記載について、日々感じていることをいくつか事例を挙げながら述べてみたい。
113
特別セッション
大血管に対するエコー図は検査室での評価にとどまらず、救急外来や集中治療室等、様々な環境下で容易に施行可能である。循環器
は心臓病が中心となるため、大血管疾患は見落とされることも少なくない。心エコーを心血管エコーと拡げて活用することが重要で
ある。
【検査室】動脈硬化性疾患では、心エコー施行の際、大動脈のスクリーニングを併せて実施することが望ましい。大動脈瘤や病
的なプラークが少なからず発見される。大動脈瘤は腹部では短軸像で最大短径を、胸部大動脈瘤や嚢状瘤では長軸増での最大径を測
定する。
【救急外来】急性大動脈解離は心タンポナーデの合併により意識消失やショックを呈し、分枝血管の虚血では臓器虚血症状が
前面にでてくるため、初診時でのエコー評価が大切である。心膜液は容易に評価でき、大動脈を診る習慣があれば、フラップや解離
所見、エントリーの検出も可能となる。外傷では、大動脈弓部遠位端や下大静脈等の損傷しやすい部位を認識しておく必要がある。
【集中治療室】人工呼吸器管理例では、経食道エコーが施行しやすく、病態把握のみならず循環補助装置の状態を含め多様な状態評価
に有用である。
【手術室及びカテーテル室】心臓血管外科の手術やカテーテル治療における大動脈損傷やカニューレーションのガイド
等、経食道エコーをモニターとして使用できる。心腔内エコーの役割も増加している。大血管に対するエコー図の評価は、描出でき
るかを悩んで躊躇するより、まずは実践してみることが大切である。
第26回日本心エコー図学会学術集会
教育講演 9(ES9)3 月 27 日(金)第 1 会場 16:20−17:20
妊娠・出産と心臓血管疾患:心エコー図への期待
座長 : 泉 知里(天理よろづ相談所病院 循環器内科)
ES9-1
妊娠・出産と心臓血管疾患:心エコー図への期待
神谷千津子
国立循環器病研究センター 周産期・婦人科
特別セッション
循環器医療や新生児医療の発展に伴い、心臓血管疾患合併妊娠数の増加とともに、その許容範囲も変化しつつある。妊娠出産に伴う
母体の心循環変化は大きく、一部の心臓血管疾患合併妊娠においては、母児リスクも高い。母体の周産期管理上、心エコー検査は非
侵襲的で胎児被爆を与えない、最も適した心血管検査である。周産期には、母体循環動態はダイナミックに変化する。主な変化とし
て、循環血漿量の増大(非妊時の約 1.5 倍)、心拍数の増加(非妊時の約 1.2 倍)、血管抵抗の変動(妊娠初期∼中期には低下、妊娠後
期に上昇)、凝固能の亢進、血管壁の脆弱性増加があげられる。これらの変化に伴って、心不全、不整脈、高血圧、血栓や大動脈解離
などの心血管イベントの合併に注意が必要である。心臓血管疾患合併妊娠においては、妊娠前もしくは初期と循環血漿量の増加がほ
ぼピークに達する 26∼30 週に心エコー検査を行い、あとはリスクや自他覚症状に応じて検査を追加することが薦められている。しか
し、肺高血圧症や大動脈拡張を伴ったマルファン症候群、重症心機能低下などのハイリスク症例では、この限りではなく、1∼2 週間
ごとの心エコー検査が必要となる。妊婦の検査に当たっては、仰臥位低血圧に留意する。妊娠後期には、増大子宮による下大静脈圧
迫により、仰臥位と左側臥位で、心拍出量が 20%異なると報告されている。よって、長時間の仰臥位では、下半身からの還流不全に
より、血圧低下が惹起されうる。同様に、子宮による圧排で下大静脈径が狭小化しているため、妊娠後期には下大静脈径が右房圧と
相関していない。妊娠後期に下大静脈径の拡大を認めれば、右房圧上昇を強く疑う。
ES9-2
妊娠・出産と心臓血管疾患:心エコー図への期待
篠原 徳子
東京女子医科大学
心臓血管疾患合併妊産婦の管理及び妊娠前カウンセリングに関する心エコーの役割は多大なものがある。しかしながら「妊産婦の心
エコー所見をどう読み解くか」はあまり知られていない。まずは、正常心妊産婦における通常の妊娠負荷による変化を理解しておく
必要がある。次に心疾患合併として、先天性心疾患、後天性心疾患、マルファン症候群や大動脈炎症候群、心筋症、冠動脈後遺症を
もつ川崎病既往、不整脈疾患等、多彩な疾患特有の所見を把握する。さらに外科治療後であれば各種外科手術の特徴とその術後チェッ
クポイント(特に複雑型先天性心疾患に対する高度な術後)を習得しておきたい。その条件下での妊娠負荷増大時を想定し、いかな
る問題が生じてくるかを予測する。すなわち心疾患・血行動態ごとの特殊性により、妊娠中に不利益となるのは容量負荷であるか、
圧負荷か、その両者か、右心系に問題のある血行動態であるか、あるいは基本的に左心系の疾患であるか等に注目する。これらを総
合し、可能であれば妊娠前カウンセリング時にリスク、分娩様式(経膣分娩か帝王切開か、無痛管理が必要かどうか等)
、出産時期等
を説明できることが理想である。妊娠中の経過観察エコーにより、管理指導(安静指導や管理入院等)、分娩待機・管理入院時期決
定、分娩・選択的帝王切開日程の決定等に役立てていく。周産期に細かい変化を見逃さないため頻回の心エコーを施行する場合もあ
る。出産後は産褥期のみならず、子育て奮闘中の 1-2 年間、さらに将来の心機能維持へと「生涯心臓歴」を視野に入れた心エコー評
価が重要である。
教育講演 10(ES10)3 月 27 日(金)第 1 会場 17:20−18:00
そこまできた超音波治療
座長 : 穂積 健之(和歌山県立医科大学 循環器画像動態診断学)
ES10
そこまできた超音波治療
立花 克郎
福岡大学 医学部 解剖学講座
近年,超音波治療法に関する研究は飛躍的に進歩した。中でも薬物治療と超音波エネルギーを併用する新しい試みがなされ,薬物の
効果促進作用が多く報告されている。血栓溶解剤と超音波を併用する超音波治療用カテーテルは米国ではすでに臨床応用されている。
深部静脈血栓症、肺塞栓治療など、使用例が 6 万件に上る。超音波エネルギーはさまざまな生体組織で薬物の吸収・浸透を促進する
働きがあることから、血管治療、再生医療、癌化学療法など、多くの分野へ広く利用される可能性をある。また,超音波造影剤(マ
イクロバブル)を超音波治療促進剤として利用すれば遺伝子の細胞内導入も可能である。今後、遺伝子治療など、様々な分野におけ
る超音波とマイクロバブルの組み合わせが期待される。マイクロバブルの崩壊を時間的,空間的に制御できることから各疾患に対す
る治療成績の向上、治療時間の短縮、薬物投与の減量、副作用の軽減につながると思われる。また、超音波分子標的造影剤(インテ
リジェント・マイクロバブル)の研究が進めば、Molecular Imaging と Molecular Therapy を同時にできる理想的な診断治療法にな
ると予想される。
114
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
教育講演 11(ES11)3 月 28 日(土)第 1 会場 13:10−13:40
先天性心疾患の基礎の基礎
座長 : 森 一博(徳島県立中央病院 小児科)
ES11
先天性心疾患の基礎の基礎
安河内 聰
長野県立こども病院 循環器センター
教育講演 12(ES12)3 月 28 日(土)第 2 会場 8:50−9:20
心臓血管外科からみた TEE
座長 : 平田久美子(和歌山県立医科大学 循環器内科)
ES12
心臓血管外科からみた TEE
渡橋 和政
高知大学 医学部 外科学(外科二)
TEE が心臓血管外科医にもっとも必要とされるのは、僧帽弁形成術である。3D−TEE により術野で見えるオリエンテーションで
僧帽弁を心拍動下に描出でき、形成の設計に用いる他、形成後の評価や再形成が必要な時の方針決定にも貴重である。これにより、
術後評価が終了した状態で手術を終えることができる。一方、急性大動脈解離で術前評価が不十分な場合、TEE でエントリー部位、
破裂部位、臓器灌流を TEE で診断する。体外循環や大動脈再建で灌流形態が変化し、新たな臓器虚血が起こりうるため、TEE で冠
動脈、弓部分枝、腹部内臓分枝をリアルタイムに評価し、想定外の臓器障害を回避する。また多発外傷や心肺停止で搬入され CT 評
価にも行けない段階で、心血管系と重要臓器の評価をすることにも応用できる。外科に特有な体外循環にも TEE のメリットがある。
体外循環の安全性が高まったとはいえ、外科医に見えない部分が存在し、特に低侵襲手術ほどその傾向が高い。低侵襲のメリットに
見合う「より高い安全性・確実性」が求められている。TEE は体外循環関連の合併症(送血管による解離、ベントカニューレや心筋
保護関連の心損傷、空気塞栓の回避など)を回避するのに役立つ。手術直後の ICU 管理においても、血行動態や呼吸状態の変化の際
にベッドサイドで情報を得るためには TEE が適している。このように、現時点で心臓血管外科における TEE は、外科治療の安全性
と確実性を高めるためのツールとして活用されている。今後、リアルタイムで 3D 画像を提供できるメリットを活かし、TEE ガイド
の心臓血管内の処置、治療が開発されることを期待している。
教育講演 13(ES13)3 月 28 日(土)第 2 会場 9:20−9:50
心臓血管外科手術症例のフォローアップ
座長 : 木佐貫 彰(鹿児島大学医学部 保健学科)
ES13
僧帽弁手術症例のフォローアップ
恒任 章
長崎大学病院 循環器内科
心臓血管外科手術後の心エコー検査を担当する際、どのような気持ちの方が多いでしょう? 初心者の頃はできれば「避けたい」
、経
験を積んでも「身を引き締めてかかる」方も、少なくないのではないでしょうか。術後の心エコー検査は易しいものではありません
が、様々な勉強ができるチャンスでもあります。僧帽弁閉鎖不全症の手術には、僧帽弁置換術と僧帽弁形成術があります。弁置換術
の場合、使用されている人工弁の情報を把握し、人工弁不全所見がないかをチェックします。人工弁のアーチファクトは一般的にど
う見えるか、描出可能な部位と不可能な部位を念頭に置いて、どのような所見から人工弁不全を疑いどう報告すべきかを学びます。
弁形成術の場合は、どのような手術が行われたのかを十分把握して検査することが重要です。遺残逆流の有無や程度を評価し、逆流
のある症例ではその原因が何かも考えながら評価します。狭窄様の血行動態になっていないかも合わせて評価する必要があります。
僧帽弁狭窄症の手術には、弁置換術と交連切開術があります。交連切開術後も形成術と同様、どのような手術が行われたのかを十分
に把握し、狭窄の再燃、合併する逆流の有無と程度およびその成因に重点を置いて検査し、肺高血圧や三尖弁逆流にも十分な注意を
払います。手術が行われた僧帽弁だけではなく、心室・心房・他の弁の状況など、総合的に評価する視点も欠かせません。本セッショ
ンでは僧帽弁術後の心エコー検査について注意すべき点を、自験例を含めて提示させて頂き、皆さんと一緒に勉強できれば幸いです。
115
特別セッション
先天性心疾患(CHD)を理解するための基本的概念と実際について概説する。CHD は心臓の発生過程における種々の異常のため、
形態的・血行動態的異常を来した疾患である。その理解のための第 1 ステップは【形態診断】である。正常な心臓の解剖学的特徴の
理解の上で、心臓を心房、心室、大血管レベルの 3 つに分解し、それぞれに部位診断を行う。つまり解剖学的右室は、体の右側か左
側かというように機械的に診断する。次に心房―心室、心室―大血管というそれぞれの 2 つの関係診断を行う。つまり右房―右室の
ように心房―心室の連結関係が一致しているかどうかという関係診断である。これでほとんどすべての CHD の形態診断が可能とな
る。理解のための第 2 ステップは【血行動態診断】である。CHD の特徴は、心房、心室、大血管レベルでの(短絡)と(二心室循
環/一心室循環)である。短絡のために血流が多い部位は拡大し弁は逆流、血流が少ない部位は縮小、閉鎖するため心内腔や大血管が
拡大または低形成を示し、弁は狭窄閉鎖する。理解のための第 3 ステップは【外科治療と術式】である。主な CHD の手術術式の理
解は、術後の特徴的な形態や血流の異常を理解する上で重要で、特に成人期での CHD の診断、治療においては治療の適応決定や予
後の判定のために不可欠である。本講演では、CHD の基本的な診断の流れを実際の症例を用いて概説する。
第26回日本心エコー図学会学術集会
教育講演 14(ES14)3 月 28 日(土)第 2 会場 13:10−13:40
二次性心筋症の心エコー所見
座長 : 鈴木 健吾(聖マリアンナ医科大学 循環器内科)
二次性心筋症の心エコー所見
ES14
水上 尚子1、湯浅 敏典2、高崎 州亜2、堀添 善尚2、中村 幸美1、湯之上真吾1、野口 慶久1、
木佐貫 彰3、大石 充2
1
鹿児島大学病院 臨床技術部 検査部門、2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科心臓血管・高血圧内科学、
鹿児島大学医学部保健学科
3
特別セッション
心筋症では、必ずしも自覚症状があるわけではなく、心電図や胸部 X 線の異常により精査目的で施行した心エコーの所見が診断の重
要な契機となることが多い。中でも、特定の原因または全身性疾患、代謝性疾患との関連が明らかな二次性心筋症(特定心筋症)で
は、診断できれば、原因となった疾患にターゲットを絞った有効な治療へと結びつくため、その診断意義は大きい。しかし、現実に
は一次性心筋症との鑑別は難しいため、心エコーの所見から安易に、肥大型心筋症や拡張型心筋症と診断されている二次性心筋症も
多いと推察される。もちろん心エコーで二次性心筋症を確定することは不可能ではあるが、二次性心筋症に関する知識があるか否か
が、心筋症の心エコー所見に大きく影響することは間違いない。ここでは、二次性心筋症にはどのような疾患があるのか、その背景
を整理した上で、どのような心エコー所見を二次性心筋症が疑われる根拠として重要視すればよいのか?また、心筋症を疑う症例の
場合、どのような評価項目を行うのか?心エコーで心筋症を疑う所見として基本となる、
「心室壁の肥厚および菲薄化、心室の拡大の
有無、壁運動評価」をキーワードに会場の皆様と共に考えてみたい。
116
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
教育企画 1(EP1)3 月 28 日(土)第 1 会場 10:30−12:00
症状、基礎疾患で考える心エコー 座長 : 湯浅 敏典(鹿児島大学病院 心臓血管内科)・梅田ひろみ(小倉記念病院 検査技師部)
EP1-1
症状で考える:胸痛
松浦 陽子
九州大学病院 検査部 ハートセンター生理検査部門
「胸痛」と表現されるものの中には、心臓や大血管、肺など内臓由来のものに加え、筋肉痛や神経痛など非内臓由来のものが含まれ
る。症状の感じ方も痛みだけではなく、圧迫感や絞扼感などをさす場合もある。その中でまずは緊急を要するものを鑑別することが
重要である。特に急性発症の場合や、冷汗やめまい、呼吸困難、嘔気を伴うものは重症疾患の可能性が高く、迅速な診断が必要とな
る。胸痛を生じる疾患で緊急を要するものに、急性冠症候群・急性大動脈解離・急性肺塞栓症がある。これらはいずれも病態が急速
に悪化する場合があり死亡率も高いため、まずはこの三疾患を疑い、一つずつ確認しながら検査を行う。急性冠症候群を鑑別するに
は左室壁運動異常の有無を確認する。急性大動脈解離の鑑別は大動脈の拡大や内膜解離の有無を確認する。急性肺塞栓症の鑑別では
右心負荷所見の有無を確認する。これらのいずれかの疾患に該当するようなら、迅速に循環器内科医に連絡をしたうえで、重症度評
価や合併症の有無の評価を追加する。また急性発症ではない場合や検査時には胸痛を生じていない場合などでも、まずは上記の三疾
患を鑑別する必要がある。糖尿病合併患者や高齢者においては痛みの感覚が鈍く、通常より痛覚が低下している場合があり、痛みを
伴わない場合や軽度の痛みであっても重篤な状態に陥っている可能性もある。これらの三疾患に該当する所見が得られなければ、そ
の他の循環器疾患があるかどうかを評価する。心大血管由来で胸痛を生じるその他の疾患として、急性心筋炎、急性心膜炎、たこつ
ぼ型心筋障害、肥大型心筋症などがある。本セッションでは心エコー画像を提示しながら解説を行いたい。
EP1-2
症状で考える:息切れ
福光 梓
地域医療機能推進機構 九州病院 中央検査室
“息切れ”とは通常の呼吸運動を行う際に伴う不快感や困難感を自覚した症状のこと言う。その原因は呼吸器疾患、循環器疾患、血
液疾患、神経・筋疾患、心因性など多岐にわたり、複数の要因が息切れの原因となることも少なくない。またほぼ全ての心疾患に出
現する症状であるため、心エコー図検査の依頼目的に「息切れ」と漠然に記載されていても、検査を施行する立場としては戸惑って
しまうことが多い。本セッションでは実例を呈示しながら、検査の進め方を解説する。
【息切れ+ α の情報を得る】検査所見:心電図や胸部 X 線などの検査所見から、心疾患の存在を疑う所見がないか確認する。息切れ
の出現形式:急性・慢性・徐々に出現したのか、労作時・安静時に出現するのか、起座呼吸で来室されているのか、など呼吸状態を
確認する。息切れの原因を鑑別していくうえで重要な手がかりとなる。
【息切れの原因を心エコー図で探す】心疾患由来の息切れは、心疾患が原因で肺循環が妨げられることにより生じるため、そのトラブ
ルを評価することにある。すなわち、左室の後方障害の評価として左房圧、左室拡張末期圧、右室の前方障害の評価として肺動脈圧
(肺血管抵抗、肺血流量)を評価し、これらの悪化を来す原因検索が検査の主軸となる。
重要なポイントは異常所見を指摘することに留まるのではなく、その所見が「息切れ」の出現を説明できる所見であるかどうかで
あり、その判断材料となる画像の記録、必要に応じた計測評価を行うことは我々の責務である。これらを考えながら検査を進めてい
くことが、依頼目的に対する検査のストラテジーとなる。
117
特別セッション
〈座長の言葉〉
日常の心エコー検査を行なう際、検査目的に具体的な内容を記載していることは少ない。その中で効率よく、見落としがない心エコー検
査を行なうには、患者の症状や基礎疾患を把握し、その病態を考え、チェックする内容や項目を整理しながら心エコー検査をすすめていく
必要がある。教育企画 1 では、日常多く遭遇する症状である胸痛と息切れ、また心エコー検査を行なううえで重要な基礎疾患である膠原病
と甲状腺疾患について、検査時に必要な予備知識、チェックすべき内容や計測項目、その理由と解釈についてなど、
“心エコー検査+臨床”
を分かりやすく解説していただき、その重要性を再確認してもらいたい。
エコーラボにいて依頼を受けて検査を実施する技師や医師はもちろん、救急外来や病棟で担当患者に対しプローブを持つ機会のある医師
の皆様にも参加いただき、各種病態と心エコー所見との関係などを整理し、今後の臨床に役立てていただきたい。
第26回日本心エコー図学会学術集会
EP1-3
基礎疾患で考える:膠原病
加賀 早苗
北海道大学大学院 保健科学研究院
特別セッション
膠原病は、全身の結合組織を舞台にして起きる慢性の炎症性疾患であり、心臓もしばしばその標的臓器となる。心エコーでは、心外
膜炎、心筋障害、弁膜症、肺高血圧症などの評価が、とくに重要である。
心外膜炎は、全身性エリテマトーデス(SLE)や全身性強皮症で高頻度にみられる。心膜液は、血行動態に影響しない程度の少量
にとどまることが多いが、ときに心タンポナーデをきたす。また、心膜液貯留の程度は、原疾患の活動性を示す指標のひとつとして
役立つかもしれない。多発性筋炎/皮膚筋炎をはじめとする膠原病では、びまん性ないし限局性の左室壁運動異常をきたすことがあ
る。SLE では、血管炎やステロイド長期投与による動脈硬化のために、心筋梗塞の発症リスクが高まるので、このことを念頭に置
き、局所壁運動異常に注意する必要がある。SLE にみられる Libman-Sacks 心内膜炎による弁の疣腫は注意深く観察しないと見落と
されることも多い。
混合性結合組織病、強皮症および SLE では、肺高血圧症の発症リスクが高い。肺高血圧症は、肺動脈性のものが多いが、左心系の
心病変、間質性肺疾患、肺血栓塞栓症などに続発するものもある。肺動脈性肺高血圧症を伴う膠原病患者の予後は不良であるが、新
しい治療薬の有効性が確認されつつあり、早期診断の重要が高まっている。連続波ドプラ法による三尖弁逆流や肺動脈弁逆流速度計
測に基づく肺動脈圧の評価は、肺高血圧症の診断、とくにそのスクリーニングや経過観察に有用である。また、肺動脈圧とともに左
室拡張機能も併せて評価すれば、病初期における肺動脈性肺高血圧症と左心不全との鑑別診断にも役立つ。
EP1-4
甲状腺疾患における心エコー図検査
勝木 桂子
大阪大学 医学部附属病院 超音波センター
日常臨床において「甲状腺疾患の心エコー所見」を意識して検査することは少ないと思われる。しかし、弁膜症や虚血性心疾患な
ど心エコー検査の対象となる症例に実は多くの甲状腺疾患が含まれている。甲状腺ホルモンは心筋細胞や血管系に作用し、心拍数、
心収縮性、体血管抵抗などを変化させる。その結果、心拍出量や血圧の変動を招く。甲状腺機能亢進症と低下症における主な特徴を
以下に示す。
【甲状腺機能亢進症】心拍数の上昇、末梢血管抵抗の低下、心収縮性の増強が相乗して心拍出量が増大し、正常時の
50-300% に達すると言われている。甲状腺中毒症になると 2-20% に心房細動がみられるが、近年では本症の早期診断が可能となった
ため、心房細動を認めるのは 2% 未満であり洞性頻脈が一般的である。心エコーでは高心拍出量を反映する所見、心腔の拡大・血流
速度の上昇がみられる。慢性化により頻脈や心房細動が持続すると頻脈性左心機能不全を生じる。特に 60 歳以上、甲状腺刺激ホルモ
ンの低値、心房細動はうっ血性心不全のリスクファクターとなる。
【甲状腺機能低下症】徐脈、体血管抵抗の上昇、心収縮性の低下に
より心拍出量が低下する。動脈硬化や拡張期高血圧を生じるため、心血管・脳血管系へのリスクが高い。心エコーでは心膜液貯留が
よく知られているが、心タンポナーデを生じることは稀である。甲状腺ホルモンの一つであるトリヨードサイロニン(T3)と心不全
の関連性が報告されており、うっ血性心不全の 30% は T3 が低値であるといわれている。
教育企画 2(EP2)3 月 28 日(土)第 2 会場 15:10−16:40
伝わるレポート 座長 : 水上 尚子(鹿児島大学病院 臨床技術部検査部門)・伏見 悦子(平鹿総合病院 循環器内科)
〈座長の言葉〉
心エコー検査は実際にプローブを持って検査を実施した者がもっとも多くの情報を得る。その多くの情報を他者に正確に伝えるためにレ
ポートがある。本企画では、レポート内容の統一化を念頭におきながら、どのような指標を計測し、レポートに記入するのか、またその指
標が持つ意義、得られた所見の総括が、レポートを見る者に正確に伝わるよう工夫している点も含めて、実際の症例を提示しながら解説し
て頂く。レポートに関する企画は、前回の第 25 回学術集会教育企画でも取り上げ、たいへん好評であった、今回は、最近その重要性が増
している右心機能評価、医師が主体に施行される運動負荷心エコー、経食道心エコー、循環器領域と関連の深い腎動脈エコーをテーマとし
て取り上げた。参加者の医師、技師の皆様とともに“伝わるレポート”について考えてみたい。
118
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
EP2-1
右心機能評価のレポート
飯田 典子1、瀬尾 由広2、石津 智子2
1
筑波大学附属病院 検査部、2筑波大学 循環器内科
EP2-2
伝わるレポート 運動負荷心エコー
田端 千里
聖マリアンナ医科大学病院 臨床検査部 超音波センター
「労作時息切れ精査」を目的とした心エコー図検査は非常に多いが,症状の原因を安静時心エコー図だけで明らかにするには限界があ
る.運動負荷心エコー図は安静時に潜在する所見を顕在化させ,労作時息切れの原因を明らかにすることが可能である.例えば、慢
性心不全患者における運動誘発性僧帽弁逆流,運動誘発性肺高血圧や肥大型心筋症患者における運動誘発性左室流出路狭窄は安静時
心エコー図で軽度の評価であっても労作時息切れの原因となり得る.また,無症候性高度大動脈弁狭窄症では,運動負荷により圧較
差が増加する症例や運動誘発性肺高血圧を呈した症例は,心血管イベントが多いと報告されており、運動負荷心エコー図は予後予測
にも有用である.このように運動負荷心エコー図は,有用性が多数報告され,本邦においても 2012 年より保険償還された新たな検査
である.運動負荷心エコー図の「伝わるレポート」として、まずは最大負荷量,運動時間,最大血圧,脈拍,心電図変化の有無,負
荷終了理由などを記載する必要がある.次いで目的に応じてエコー所見を記載するが,肉眼的評価(visual assessment)と共に客観
的に定量化した指標をできる限りレポートする.例えば壁運動障害は wall motion abnormality score,逆流程度は定量化(PISA 法,
volumetric 法),左室流出路血流速度,三尖弁逆流から簡易ベルヌーイ式を用いた肺動脈収縮期圧などを計測しレポートする.運動
中の心エコー図であり、撮像には熟練を要するが,できる限り説得力のある画像の収集に務める.当日は実際の症例を提示しながら
撮像のコツ,伝わるレポートのコツを述べる予定である.
EP2-3
伝わるレポート 経食道心エコー(TEE)
野間 充
独立行政法人 地域医療機能推進機構 九州病院
経食道心エコーは、医師が実施して医師がレポートを作成するが、標準様式は無いので、著者が作成している形式をたたき台にし
て平素伝わりやすくしている工夫についてご説明する。記載項目は、(1)術前処置・検査条件・挿入・検査時間・プローブの使用前
と使用後の状況(2)表現方法(ことば・シェーマ・画像)(3)経食道心エコー検査の所見・所感(4)他の検査結果との関連性(5)
治療方針へのコメントなどである。手書きのレポートでは、文字が判読出来ない場合や誤ったシェーマが記載されている等の場合に
は検査結果が正しく伝わらないので電子的に作成すると共にシェーマでは無くイメージにコメントをつける方式で作成している。実
例とそのレポートを通じて平素の取り組みをご紹介します。
119
特別セッション
心不全において右心機能は予後を決定する重要な因子と言われている。また、近年肺動脈性高血圧症の治療の進歩に伴い治療効果判
定や予後推定において右心機能評価が重要視されている。2010 年 ASE guideline で推奨されている指標を元に右心機能評価のレポー
トについて解説する。1.右室拡大の評価:右室は後負荷増大による影響を受けやすく急激な圧上昇が生じると壁運動が容易に低下
し、さらに心拍出量を保つために容易に拡大するため右室のサイズが重要となる。A 傍胸骨左室長軸断面および短軸断面大動脈弁口
レベルにおける右室流出路径 B 心尖部四腔断面にて基部および中部の短径、心尖部から弁輪までの長軸径 2.右室肥大の評価:心窩
部断面での壁厚の計測が推奨されている。3.右室壁運動異常:壁運動低下は通常はびまん性にみられるが、急性肺血栓塞栓症の
“McConnell sign”や心サルコードーシス、不整脈源性右室心筋症では局所に壁運動低下を認めるため、低下した部位をレポートに記
載することが大切である。4.右室収縮能評価:右室は長軸方向の収縮が主となることから三尖弁輪収縮期移動距離(TAPSE)や組
織ドプラ法による収縮期三尖弁輪速度 S が評価しやすい。また、右室の面積変化率(FAC)の計測が必要である。5.右室拡張能評
価:拡張能の指標としては左心系と同様に右室流入波形の E 波、A 波の血流速比 E/A や組織ドプラ法による e 波と E 波の比 E/e ,
E 波の減速時間 Dct を計測する。6.ペースメーカリード起因性三尖弁逆流かどうかの評価:3D エコー図によりペースメーカリード
の走行位置を確認し、リードによる三尖弁閉鎖障害の有無を評価することが大切である。
第26回日本心エコー図学会学術集会
EP2-4
「伝わるレポート」腎動脈エコーのレポート
小谷 敦志1、佐賀 俊彦2
1
近畿大学大学院医学研究科 心臓血管外科学、2近畿大学医学部 心臓血管外科
特別セッション
【腎動脈エコーの目的】腎動脈エコーの目的は,腎動脈狭窄(RAS),腎動脈瘤,腎動脈解離などの評価である.特に RAS は腎血管
性高血圧(RVHT)の主原因である.また,RVHT の診断は腎動脈エコーが第一選択とされる.
【RVHT の病態を知る】RVHT は腎
動脈の狭窄や閉塞によりレニン分泌が亢進し高血圧をきたす.主原因は中・高年者による粥状動脈硬化が約 9 割を占め,若年者に多
い線維筋性異形成(FMD)が 1 割,次いで大動脈炎・大動脈疾患などがある.粥状動脈硬化は腎動脈の起始部に,FMD は中遠位部
に好発する.粥状動脈硬化では全身の動脈硬化が進行しており,末梢動脈疾患や冠動脈疾患などの合併を伴う症例が多い.50%以上
の腎動脈狭窄は冠動脈撮影を行った患者の 10%,また末梢動脈疾患で 25%,頸動脈高度狭窄患者の 27%に認められる.
【臨床に伝わ
る報告書(レポート)とは】腎動脈エコーを初めとする血管エコーでは,検査部位や血管毎に依頼されるため,それらに生じる異常
所見や病態を把握しておくことで検査目的は必然的に理解でき,その存在の有無を明確にすることが目的となる.しかし,得られた
ひとつのエコー所見や数字だけをそのまま報告するだけでは伝わるエコーレポートにはなりにくい.エコーは技量に左右されること
は臨床でも周知されており,それを覆すに足りる信頼できる結果が記載されていることが大切である.すなわち,検者が目的に応じ
た病態を理解し,得られたエコー所見や数字の妥当性が裏付けされた結果を記載することが,伝わるエコーレポートとなる.したがっ
て,レポートは検査時に手順を進めるなかで所見や数値を取捨選択しながら頭の中で完成させることにある.
120
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Echo U-40 Club Meeting―Research Achievement Award―(U40A)3 月 26 日(木)第 2 会場 16:00−17:00
座長 : 坂田 泰史(大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学)・竹内 正明(産業医科大学 第 2 内科学)
〈座長の言葉〉
日本心エコー図学会学術プロジェクト委員会では若手の研究を応援する目的で、今年も U40 Club meeting を行います。今年は前回の好評
をうけて、昨年度の学会で発表された先生方にこの 1 年間で得られた結果を発表していただく、U40 Research Achievement Award と
昨年同様現在進行中あるいは、これから始めようとする臨床研究の目的、方法を検討する U40 Research Hypothesis and Design Award
の二つのセッションを企画しました。U40 Research Achievement Award は 1 時間のセッションで、昨年発表していただいた 4 人の先
生方に研究成果を報告していただきます。
特別セッション
U40A-1
Exercise-induced afterload mismatch after longer inter-dialytic interval in patients
receiving hemodialysis
小保方 優1、根岸 一明1、黒沢 幸嗣1、石田 秀岐2、伊藤 恭子2、小川 哲也3、安藤 義孝2、倉林 正彦1
1
群馬大学 医学部附属病院 循環器内科、2平成日高クリニック、3東京女子医科大学 東医療センター
【背景と目的】維持透析患者において心血管死亡の発症は,長い(72 時間)透析間隔後に最も多い.透析患者では透析間隔によって
前負荷,後負荷が大きく変化するため EF などの負荷依存性の指標では心機能評価が難しい.本研究の目的は透析間隔の違いが心血
管機能に与える影響を負荷非依存性の指標を使って検討することである.【方法と結果】維持透析患者 80 例に対して以下のように 3
回心エコー図を施行した(透析直後,透析後 48 時間,72 時間).心エコー法によって収縮末期エラスタンス(Ees),動脈エラスタン
ス(Ea),pressure-volume area(PVA)
,左室機械的効率(stroke work/PVA)を評価した.最大握力の 30% ハンドグリップ負荷
時も記録した.透析直後から 72 時間にかけ,End-diastolic volume index の増加と一致して Stroke volume index は有意に増加した.
Ees,Ea とも 48 時間,72 時間後で変化なく,Ea/Ees coupling も保たれていたが,PVA は 72 時間後で有意に増加しており,心筋酸
素需要量の増加を示唆した.72 時間後ではハンドグリップ負荷によって,Ees の増加率に比べ Ea の増加率が大きく,stroke volume,
stroke work/PVA が低下した.
【結論】長い透析間隔後に,安静時のフランクスターリン機序,Ea/Ees coupling は保たれていたが,
心筋酸素需要量は増加した.長い透析間隔後のみで,運動誘発性の afterload mismatch を認めた.これらの結果は,心血管死亡が長
い透析間隔後に最も多いことを部分的に説明しうる.
U40A-2
ST 上昇型心筋梗塞における 3 次元スペックルトラッキング法による梗塞深達度評価と壁運動の変
化に関する検討
菅野 昭憲1、瀬尾 由広2、高岩 由1、渡部 浩明1、掛札 雄基1、相原 英明1、仁科 秀崇1、
石津 智子2、文藏 優子1、野口 祐一1、青沼 和隆2
1
筑波メディカルセンター病院 循環器内科、2筑波大学 循環器内科
【目的】ST 上昇型心筋梗塞(STEMI)急性期において、3D-スペックルトラッキング法(STI)と梗塞深達度との関連を検討した。
さらに、慢性期における局所壁運動の改善を予測し得るかを検討した。【方法】Primary PCI を施行された STEMI 症例 60 人(年齢
63±14 歳)を前向きに検討した。入院後 7 日以内に 2D および 3D-STI を含む心エコー図とガドリニウム造影心臓 MRI を施行した。
3D-STI では longitudinal strain(LS),circumferential strain(CS)
,area strain(AS)の 3 つの心内膜ストレインを計測した。2D
−STI では LS,CS を測定した。ガドリニウム造影 MRI において壁厚の 50%以上造影された領域を貫壁性梗塞と定義した。心エコー
図および造影 MRI は 6 ヶ月後にそれぞれ再検した。
【結果】急性期では、貫壁性梗塞セグメントにおける CS および AS、2D-CS は非
貫壁性梗塞セグメントに比較して有意に低値であった(CS;-17.1±8.5vs.-23.6±7.4 p=0.0002,AS;-25.3±9.8vs.-32.5±9.0 p=0.0003,
2D-CS;-9.5±4.6vs.-12.7±5.4 p=0.0004)。6 か月後に壁運動の改善を認めたセグメントは改善のなかったセグメントに比べ、急性期 CS
および AS は有意に高値であった(CS;-19.9±7.2vs.-16.7±7.8,p=0.03,AS;-28.4±8.3vs.-24.4±8.7,p=0.02)。急性期 CS および AS
の壁運動改善に対する AUC はそれぞれ 0.59、0.61 であった。一方で 2D-STI では急性期の 2D-LS、2D-CS は壁運動改善の有無で有意
差は認めなかった(2D-LS;-9.9±5.4vs.-8.8±4.3 p=0.16,2D-CS;-10.9±4.9vs.-9.5±4.7 p=0.10)
【結論】3 次元スペックルトラッキング
法は ST 上昇型心筋梗塞における梗塞深達度と関連を示し、2 次元スペックルトラッキング法に比較し局所壁運動の変化を評価し得
た。
121
第26回日本心エコー図学会学術集会
U40A-3
運動負荷心エコー図検査における 2D スペックルトラッキング法を用いた Ischemic memory の検
討
表 俊也1、石塚 淳史1、鴫原 祥太1、曽根 教子1、高木 宏治1、池亀 翔1、中摩 健二1、
徳山 榮夫1、菊池 有史1、石原 嗣郎1、石川 昌弘1、網谷 賢一1、高橋 直人1、佐藤 直樹1、清水 渉2
1
日本医科大学 武蔵小杉病院 循環器内科、2日本医科大学 附属病院 循環器内科
特別セッション
【背景と目的】2D スペックルトラッキング法(2D-STI)は心筋虚血から時間が経過しても拡張時相の異常(Ischemic memory:IM)
を検出可能と言われているが、2D-STI を用いた運動負荷心エコー図検査において IM を証明した報告は少ない。本研究では、2D-STI
を用いて IM の持続時間と心筋虚血重症度との相関関係を検討する。【方法】対象は、運動負荷心エコー図検査と冠動脈造影検査
(FFR:冠血流予備量比測定)を施行した患者。心エコー図は負荷直前、直後、5 分後、10 分後に記録し解析。
【結果】2014 年 1 月∼
10 月の期間で 42 例の運動負荷心エコー図検査を施行した。虚血陽性は 11 例で 10 例に冠動脈造影を施行し、このうち 9 例に 75% 以
上の有意狭窄がみられ、7 例に FFR(冠血流予備量比)測定を施行した。LAD5 病変、RCA2 病変、LCX3 病変だった。虚血陰性の
8 例にも冠動脈造影をおこなったがいずれも有意狭窄は認められなかった。血管造影にて有意狭窄を認めた 9 例の内訳は、FFR0.8 未
満および 0.8 以上に分けると、各々 LAD 領域 4 例、1 例、LCX 領域 1 例、2 例、RCA 領域 1 例、1 例であった。今後、目標症例数達
成に向けて症例数を増やし解析を行い、結果を公表する予定としている。
U40A-4
経カテーテル大動脈弁置換術前後の Valvulo-arterial Impedance に関する検討
柴山謙太郎1、三原 裕嗣2、Javier Berdejo2、原田 顕治2、板橋 裕史2、Robert Siegel2、Hasan Jilaihawi2、
Raj Makkar2、塩田 隆弘2
1
東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター、2Cedars-Sinai Heart Institute
背景:経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)が valvulo-arterial impedance
(Zva)を改善させることが知られているが、Zva が増悪する理由および因子
については十分に検討されていない。目的:経胸壁心エコー図、2D・3D 経
食道心エコー図(TEE)による Zva の妥当性を評価し、TAVR 後に Zva が
増悪する理由および因子を検討すること。方法・結果:TAVR、右心カテー
テル、術中 3D TEE を施行した AS 患者 323 人を対象とした。3D TEE はそ
の他方法と比べて観血的データに最も良く一致した(r=0.85,p<0.001;limits
of agreement-1.70 to 1.71,fixed bias 0.01)
。TAVR 後の Zva の変化にもっと
も影響を与えるのは stroke volume index(SVi)
(|β|=0.715,p<0.001)で
あった(Figure)
。TAVR 前後で Zva を計測した 276 人のうち、33 人(12%)
で Zva 増悪を認めた。Zva 増悪の因子として patient-prosthesis mismatch と
術後大動脈弁逆流、僧帽弁逆流増悪が同定された。特に僧帽弁逆流増悪は SVi
の減少と関連していた(p<0.01)
。結語:3D TEE は Zva を正確に測定する。
SVi の変化が Zva の変化に影響することが示唆された。
122
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Echo U-40 Club Meeting―Research Hypothesis and Design Award―(U40H)3 月 27 日(金)第 2 会場 16:20−17:50
座長 : 中谷 敏(大阪大学大学院医学系研究科 機能診断講座)・竹内 正明(産業医科大学 第 2 内科学)
〈座長の言葉〉
日本心エコー図学会学術プロジェクト委員会では若手の研究を応援する目的で、今年も U40 Club meeting を行います。今年は前回の好評
をうけて、昨年度の学会で発表された先生方にこの 1 年間で得られた結果を発表していただく、U40 Research Achievement Award と
昨年同様現在進行中あるいは、これから始めようとする臨床研究の目的、方法を検討する U40 Research Hypothesis and Design Award
の二つのセッションを企画しました。Echo U40 Research Hypothesis and Design Award は全て公募です。
特別セッション
U40H-1
糖尿病患者における潜在性左室心筋障害と微小血管合併症との関連性
望月 泰秀、田中 秀和、堂國久美子、羽渓 優、畑澤 圭子、松添 弘樹、下浦 広之、佐野 浩之、
大岡 順一、土岐 啓己、佐和 琢磨、元地 由樹、漁 恵子、松本 賢亮、平田 健一
神戸大学大学院医学研究科 循環器内科学分野
【背景】糖尿病患者における無症候性左室心筋障害が近年報告され、特に左室長軸方向の心筋収縮能の低下は心不全発症の独立した危
険因子であるとされている。一方で心筋障害をきたす患者背景の特徴、危険因子の層別化は十分検討されていない。
【方法】冠動脈疾
患のない左室駆出率の保たれた糖尿病患者 117 例を対象とした(年齢:59±14 歳、女性:63 例、左室駆出率:66±4%)
。Global longitudinal strain(GLS)は 2 次元スペックルトラッキング法を用いて左室心尖部 3 断面から算出し、過去の報告に基づき糖尿病患者
における左室心筋障害を GLS<18% と定義した。24 時間蓄尿での尿中アルブミン量 30mg/日以上を腎症、末梢神経症状と神経伝達
速度異常が存在する例を神経症、単純性網膜症以上の存在を網膜症、Body Mass Index>25kg/m2 を肥満と定義した。【結果】49 例
において有意な左室心筋障害(GLS<18%)を認め、同群では有意に心筋重量が増加していた。多変量 logistic 解析では腎症、神経
症、肥満の存在が GLS 低下を規定する独立した因子であり、Sequential logistic 解析では、患者背景(年齢、性別、糖尿病罹患期間)
に肥満を加えたモデルにおいて有意に GLS 低下を規定し(χ2=25.1、p=0.0007)、さらに腎症、神経症を加えることでその精度が向上
。尿中アルブミン量は GLS と負の相関関係があり(r=-0.54、p p<0.001)、また GLS<18% 群においては左
した(χ2=41.8、p=0.0002)
房容積係数を規定する独立した因子であった(Β=0.34、p=0.016)。
【結論】尿中アルブミンは左室心筋障害として肥大や繊維化の程度
を鋭敏に表し、腎症のコントロール、また合併症の複合的早期診断が心不全への進行を防ぐ一助となる可能性がある。
U40H-2
組織ドップラー法による左右房室弁輪最大収縮速度比を用いた左右心機能の相対強度による心不全
症例のリスク層別化
相川 幸生1、永井 利幸1、知念 大悟2、上村 和紀3、本川 哲史1、菅野 康夫1、浅海 泰栄1、
大郷 剛1、神崎 秀明1、野口 暉夫1、安斉 俊久1、小川 久雄1、杉町 勝1、安田 聡1
1
3
国立循環器病研究センター 心臓血管内科、2日本医科大学 医学部 循環器内科、
国立循環器病研究センター研究所 循環動態制御部
背景:心不全症例において侵襲的に測定された右房圧(RAP)と左房圧(肺動脈楔
入圧:PCWP)の比(RAP/PCWP)が予後リスク層別化に有用であることが報告さ
れている。最近我々は心不全 98 例の前向き検討で組織ドプラ法による左右房室弁輪
最大収縮速度比(ST/SM)が RAP/PCWP と相関する(R2=0.16,P<0.0001)こと
を見出した。ST/SM は左室に対する右室の相対的強度を示すと考えられ、低侵襲に
心不全症例の予後リスク算定に寄与する可能性がある。目的:心不全症例の予後リス
ク層別化における ST/SM の有用性を明らかにする。方法:当院は年間約 300 例の急
性心不全(AHF)症例を前向きに登録しており、約 1500 項目にわたる臨床データを
集積し、2 年間予後を追跡している。この前向きコホートに登録される AHF 症例を
対象にして、急性冠症候群、僧帽弁置換術後を除く全例で心不全安定期に ST/SM を
測定し、予後を追跡する。エンドポイントは心臓死、心不全再入院、左室補助装置装
着とし、ROC 解析による予後予測における ST/SM のカットオフ値と、Cox 比例ハ
ザードモデルによる ST/SM のリスク比を算出する。
123
第26回日本心エコー図学会学術集会
U40H-3
下肢陽圧負荷心エコー法で評価した拡張期リザーブと運動耐容能との関連
楠瀬 賢也
徳島大学病院 循環器内科
特別セッション
【背景】心疾患患者の運動耐容能を規定する因子として,左室収縮能と同様に左室拡張能が重要であると報告されている.近年,我々
は心エコー検査中に下肢陽圧負荷を行い,前負荷増大に伴う僧帽弁口血流速波形の変化を観察することで,左室の動的スティッフネ
ス,すなわち拡張期リザーブを評価し,この拡張期リザーブが軽症心不全患者の予後予測に有用であることを報告した.今回,拡張
期リザーブの障害が,心疾患患者における運動耐容能の低下に関与するという仮説を立てた.
【目的】心臓リハビリテーションを受け
る患者において,下肢陽圧負荷心エコー法で評価した拡張期リザーブと心肺運動試験を用いて得られる運動耐容能の関連について検
討すること.【方法】心臓リハビリテーションを行う心不全患者 50 名に対して,下肢陽圧負荷心エコー検査と心肺運動負荷試験を施
行する.安静時および下肢陽圧負荷時の僧帽弁口血流速波形により,Pseudo normal pattern(PN):安静時に偽正常化パターン,
Stable impaired relaxation(IR)
:安静時,負荷時とも弛緩異常パターン,Unstable IR:安静時に弛緩異常パターンに分類し,最高
酸素摂取量や anaerobic threshold(AT)を比較する.また,各種心エコー指標のうち,運動耐容能指標を規定する因子についても
分析する.
【臨床的意義】心配運動試験で得られる運動耐容能は多くの心疾患で強力な予後規定因子であるが,検査自体が煩雑で手間
もかかる.運動耐容能と拡張期リザーブが密接に関連していれば,予後の予測および治療効果の判定において,より簡便に施行でき
る下肢陽圧負荷心エコー図法が有用である.
U40H-4
リアルタイム 3D 心エコー図を用いた急性心筋梗塞後虚血性僧帽弁逆流のダイナミクスおよび予後
との関連についての検討
西野 峻、渡邉 望、木村 俊之、桑原 大門、竹井 達郎、柳田 洋平、仲間 達也、古堅 真、
小岩屋 宏、松山 明彦、足利 敬一、栗山 根廣、柴田 剛徳
宮崎市郡医師会病院心臓病センター 循環器内科
背景:虚血性僧帽弁逆流(IMR)は虚血再灌流の過程で左室リモデリング形状と共に劇的に変化しうる病態であり,経皮的冠動脈形
成術による初期治療(primary PCI)が広く行われる昨今,急性心筋梗塞(AMI)急性期および慢性期の変化を解析する必要がある.
我々が 554 名の AMI に対し 2D 経胸壁心エコー図(TTE)で行った解析では,PCI 後急性期 MR 改善には早期再灌流が貢献し,慢
性期 MR 残存の予測因子は高齢,CK-MB 高値,急性期 EF 低値であり,急性期のみならず慢性期の MR 残存は長期予後を悪化させ
ていた.複雑な左室・僧帽弁機構形状を立体的に把握するためには,三次元的な更なる検討が必要である.目的:AMI 急性期から慢
性期にかけての IMR の変化を,左室形態・僧帽弁機構形態変化と共に三次元的かつ心周期ダイナミクスの観点から解析し,予後との
関連につき検討すること.方法:AMI の診断で搬送された連続患者を 1 年間エントリーし,搬送時・PCI 後急性期・慢性期の 3DTTE
を記録,僧帽弁機構および左室リモデリングの形態的および心周期変化につきオフライン解析を行う(解析対象約 300 例)
.僧帽弁形
状及び乳頭筋位置の解析には REAL VIEW を,左室形状解析には QLAB を使用する.なお当院は,宮崎市周辺地域の AMI 患者の約
半数を受入れ年間約 300 件超の緊急 PCI を施行しており,超音波専門技師が 24 時間院内待機し全症例において搬送直後からの
2D/3DTTE 画像を記録している.3D 解析ソフトも保有しており,本試験を施行するための準備は整っている.また,発症後数年間
にわたる定期的フォローアップ及び後方医療機関との連携が十分であるため,長期予後調査も可能である.
124
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
KSE Case Conference(KCC)3 月 26 日(木)第 2 会場 13:50−14:50
座長 : 大木 崇(国立病院機構東徳島医療センター)・Jae-Kwan Song(Asan Medical Center Heart Institute, University of Ulsan College of Medicine)
KCC-1
Prediction and Prevention of Embolic Events in Patients with Native Valve Infective
Endocarditis:A Case Report
阿部 幸雄
大阪市立総合医療センター 循環器内科
Early surgery is reasonable in patients with infective endocarditis(IE)who present with recurrent emboli and persistent vegetations despite appropriate antibiotic therapy(with class 2A recommendation in AHA/ACC guideline)
. Even without evidence of
embolic phenomenon, early surgery may be considered in patients with native left-sided IE, who exhibit severe valvular heart
disease and mobile vegetations>10 mm in length(with class 2B recommendation in AHA/ACC guideline).We report a case of a
55-year-old female with native mitral valve IE. She had a recent history of splenic emboli. Early surgery was not performed because
vegetation was not so large
(<10mm)
and mitral regurgitation was moderate on admission. Gradually, however, vegetation seemed
to become larger, valvular destruction was progressed, and MR became severe. Elective surgery was scheduled, but her right vision
suddenly decreased with retinal artery obstruction while waiting for surgery. So emergent surgery was performed, and fibrin rich
organized thrombus was seen on vegetation. We would like to discuss the optimal timing of surgery in this patient.
KCC-2
Prosthetic Mitral Valve Thrombosis in a Pregnant Woman
Woo-Shik Kim
Kyung Hee University, Seoul, Korea
Pregnancy is associated with increased risk of thrombosis among women with mechanical prosthetic heart valves. Prosthetic
valve thrombosis during pregnancy requires immediate therapy such as valve replacement, thrombolytic therapy, or surgical
thrombectomy. Recommendations of guidelines for this complication are similar to the management of prosthetic valve thrombosis
in nonpregnant patients. Recently, we experienced a pregnant woman with prosthetic mechanical valve thrombus.
A 34-year-old pregnant woman in her 19 week of pregnancy who had undergone a St. Jude Medical mitral prosthesis 17 years
earlier was referred to our hospital with severe dyspnea. She had a history of with a therapeutic dosage of low molecular weight
heparin from 6 weeks of gestation. Echocardiography revealed a mean diastolic mitral transvalvular gradient of 32 mm Hg, and a
large thrombus with mobile components on the prosthetic valve. Low-dose, slow infusion of tissue-type plasminogen activator
(tPA,
20mg alteplase for 6 hours infusion)without bolus was treated with continuous echocardiographic monitoring. After 3-day tPA
therapy, her dyspnea was improved with decreased pressure gradient(from 32 to 16 mmHg)
. We decided to stop lytic therapy
because of hematuria.
A healthy baby was delivered by caesarian section without any anomaly at 37 weeks of gestation. After delivery, mechanical
valve replacement was performed and revealed as organized thrombus with pannus at mechanical valve leaflet. As shown our
patient s case, low-dose, slow infusion of tPA monitoring by echocardiography could be a safer and effective alternative treatment
option in pregnant patients with prosthetic mechanical valve thrombus.
125
特別セッション
〈座長の言葉〉
Echocardiography is an attractive, noninvasive, and initial imaging method for evaluating the structural and functional abnormalities in patients with cardiovascular disease. This modality enables an accurate diagnosis of interesting cases by using
comprehensive technique, including conventional, tissue Doppler, and 2D speckle-tracking echocardiography compared with
other diagnostic tools. Case reports contribute to many patients that may be profound with the potential to result in various
pathways of clinical progress in cardiology. Therefore, it is our pleasure to open the case conference by sharing knowledge
and experience with familiar members of Korean and Japanese Society of Echocardiography. We are looking forward to discussing rare and educational cases during KSE Case Conference.
第26回日本心エコー図学会学術集会
KCC-3
A Case of IgG4-related Disease with Multiple Coronary Aneurysms and
Pseudo-tumors
楠瀬 賢也、山田 博胤、坂東 美佳、高川由利子、西尾 進、天野 里江、平田有紀奈、佐田 政隆
徳島大学病院 循環器内科
特別セッション
An 80-year-old man was referred for the pre-operative cardiac screening.
An echocardiographic study showed multiple masses around coronary
arteries. There is a mild to moderate pericardial effusion. Other ultrasonic
examinations showed thickened outer layer in subclavian and common iliac
arteries. Enhanced CT revealed multiple coronary aneurysms, pseudotumors, and dilatation of both coronary arteries. A parotid biopsy showed a
significant fraction of plasma cells that are positive for an anti-immunoglobulin G4
(IgG4)
antibody. We confirmed the diagnosis of IgG-4 related disease.
IgG4 related disease is a systemic disorder characterized by multi-organ
fibrosis with IgG4 producing plasma cells. Involvement of the pancreas,
salivary glands, orbit, and other organs has been well described in previous
papers;however, there have been limited data with cardiac involvement.
KCC-4
The importance of echocardiographic study before percutaneous intervention of
acute ST elevation myocardial infarction
Jae-Hyeong Park
Associate Professor in Internal Medicine, School of Medicine, Chungnam National University, Daejeon, Korea
Because of wide availability and non-invasiveness, echocardiography is the most commonly used imaging study in the cardiology
practice. Echocardiographic examination is essential in the diagnosis and management of the patients with acute ST elevation myocardial infarction(STEMI)
. It plays important roles in the establishing the diagnosis, identification of location and extent of MI,
estimation of left ventricular systolic function, and the discovery of mechanical complication. Transthoracic echocardiographic
study, especially with contrast agents or stress protocol, showed better diagnostic yield in the detection of MI in the evaluation of
patients with acute chest pain. Echocardiographic study can provide the clue of cause of MI and guide management in a certain
number of patients. Here, 2 cases of acute STEMI cases will be presented. We identified the cause of STEMI by the preprocedural
echocardiographic studies. Because there were need for further treatment, we did not insert stent in the obstructive lesions. So,
preprocedural transthoracic echocardiography can be essential in the management of patients with STEMI.
126
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Young Investigator s Award 審査会(YIA)3 月 26 日(木)第 2 会場 8:50−10:20
座長 : 三神 大世(北海道大学大学院 保健科学研究院 病態解析学)・宇野 漢成(東京大学医学部附属病院 コンピュータ画像診断学・予防医学講座)
YIA-1
HFpEF における左室動脈連関の経時的変化と左室形態との関連
針村 佳江、瀬尾 由広、石津 智子、崔 星河、中務 智文、川松 直人、佐藤 希美、菅野 昭憲、
渥美安紀子、山本 昌良、町野 智子、青沼 和隆
筑波大学 循環器内科
YIA-2
左室収縮能が低下した心不全症例において左室スティフネスの指標が予後予測因子となりうる
曽山 裕子、真野 敏昭、廣谷 信一、正木 充、藤原 昌平、江口 明世、菅原 政貴、正井久美子、
駒村 和雄、増山 理
兵庫医科大学 循環器内科
左室拡張能は心不全発症に寄与するが、左室収縮能が低下した心不全症例
(HFrEF)での左室スティフネスの意義に関する報告は少ない。今回、HFrEF
において β 遮断薬による左室スティフネスの指標である DWS の変化と心不
全予後の関係を検討した。左室収縮能が低下した心不全症例 54 例(LVEF<
50%)を対象に β 遮断薬(ビソプロロール)を導入した。心エコー図検査を
β 遮断薬導入前・6 か月後に行い DWS を以下の式で算出した。DWS={(収
縮末期左室後壁厚−拡張末期左室後壁厚)
/収縮末期左室後壁厚 }。6 か月後
DWS は有意に増加した(前 0.25±0.12、後 0.32±0.11、p<0.05)
。β 遮断薬導
入前の DWS が中央値より高値である症例は DWS が中央値より低値の症例
に比し心不全入院率が低かった。DcT、EF、E 、血清 BNP 値と心不全予後
についても同様に調べたが、有意な予測因子とはなりえなかった。左室収縮
能が低下した心不全症例において DWS は、予後予測因子となりうることが
示唆された。
YIA-3
Aging Degeneration of Mitral Valve without Leaflet Prolapse or Tethering as a Cause
of Severe Mitral Regurgitation
磯谷 彰宏、シャウトーマス、ノイスミヒャエル、シェップマーレン、ブタークリスチャン
Herzzentrum Brandenburg
Background;MR with non-prolapse and non-tethering were found in the
candidates of percutaneous mitral valve repair
(PMVR).Methods;Consecutive 251 patients with severe MR were performed PMVR in our heart center. Thirty-six patients had thickly deformed mitral leaflet(Thick ML
group), 50 patients had prolapse(PMR group)and 165 patients tethering
(FMR group)
. Results;As shown in the table, LV geometries of Thick ML
group were similar to PMR group. MR jet of Thick ML group originated at
the center(A2-P2)widely like FMR group. Severely calcified MV, smallest
mitral orifice area, shortest PML length and thickest AML leaflet were seen
in Thick ML group and this group was the oldest. Conclusions;Thick ML
group had independent characteristics. This group has not been emphasized in guidelines or textbooks. Aging degeneration is a possible etiology of
this“tertiary”MR with non-prolapse and non-tethering.
127
特別セッション
【背景】うっ血性心不全で入院した HFpEF(Heart failure with preserved ejection fraction:HFpEF)の患者の、心不全入院の際の
退院時と 1 年後の心室動脈連関を比較した。
【方法】うっ血性心不全の診断で入院した患者のうち、EF が 50% 以上の症例で検討をお
こなった。心エコーを用いて、左室収縮末期エラスタンス(Ees)を single-beat technique で、動脈エラスタンス(Ea)は、Ea=0.9
×収縮期血圧/1 回拍出量の式を用いて、心室動脈連関(Ea/Ees 比)を計測した。【結果】19 例(年齢 67±11 歳、男性 14 症例)の
うち、1 年後のエコーにて Ea/Ees が低下した症例は 10 例、増大した症例は 9 例であった。急性期 EF や、基礎疾患(HT,DM)
、
年齢、心不全入院回数は 2 群間で有意差を認めなかった。慢性期に Ea/Ees が低下した群は、慢性期に Ea/Ees が増大した群に比較
して、急性期 Ees が低値であり(2.3±0.6,3.5±1.2,p=0.02)
、急性期 LV mass が低値であり(96±26,144±44,p=0.02)
、急性期
relative wall thickness が低値となる傾向があった(0.4±0.09,0.5±0.06,p=0.06)
。また急性期 Ees と比較して、慢性期 Ees が増加
する傾向にあった(2.3±0.7,3.3±1.3,p=0.06)。
【結論】HFpEF の中でも、慢性期に Ees が回復し、Ea/Ees が低下する症例は、急
性期に肥大の強くない左室形態を呈する傾向にあった。
第26回日本心エコー図学会学術集会
YIA-4
心房中隔欠損症閉鎖術後の僧帽弁逆流進行の予測因子の検討
西村 俊亮1、泉 知里1、松谷 勇人2、橋和田須美代2、高橋 佑典1、天野 雅史1、三宅 誠1、
貝谷 和昭1、中川 義久1
1
天理よろづ相談所病院 循環器内科、2天理よろづ相談所病院 臨床病理部
特別セッション
【背景】心房中隔欠損症(ASD)に合併した僧帽弁逆流(MR)は ASD 閉鎖術後に改善すると考えられているが、一方で新規に MR
を発症する症例や進行を認める症例もあり、その頻度や進行の予測因子に関する報告は少ない。我々は成人における ASD 閉鎖術後
の MR の自然歴および進行の予測因子に関して検討した。
【対象】1983 年以降、当院で ASD に対して閉鎖術(同時に僧帽弁を治療し
た症例を除く)を施行し、心エコー図検査にてフォローアップ可能であった 87 例を後方視的に調査した。術後 MR が 2 度以上増悪
した群を MR 進行群(P 群)と定義し、進行群と非進行群(N 群)それぞれの患者背景、心エコー図所見、カテーテル検査所見につ
いて検討した。また P 群の僧帽弁所見とその経時的変化についても検討した。
【結果】ASD 閉鎖術後のフォローアップ期間の中央値
は 56 カ月であった。N 群は 75 例で P 群は 12 例であった。MR 増悪までの期間の中央値は 232 ヵ月であり、うち 4 例で僧帽弁置換術
が施行された。P 群では術前の心房細動合併率および肺血流量が高く(P<0.05)
、また術前心エコー図では、後尖が短縮しており(前
尖:23.8mm,後尖:6.6mm)、増悪時の MR ジェットは 1 例を除き左房後壁方向へ認めていた。MR 進行前後で比較すると、弁輪は
拡大傾向を認めていたが(前:28.6mm,後:30.8mm)
、tenting height の増高は認めなかった(前:4.68mm,後:4.18mm)。
【結論】
ASD 患者において閉鎖術後約 14% の症例で MR の進行を認めた。進行例では心房細動の有無だけでなく後尖短縮が特徴的であり、
僧帽弁形態を観察することが重要と考えられた。術後長期間経過してから進行する症例もあり、術直後に進行を認めない症例におい
ても注意深い経過観察が必要であると考えられた。
YIA-5
器質的僧帽弁閉鎖不全症における運動誘発性肺高血圧の安静時予測因子;左房ストレインの有用性
上嶋 亮、鈴木 健吾、出雲 昌樹、佐藤 如雄、塚原 摩耶、寺本佳楠子、南 圭祐、桑田 真吾、
水越 慶、高井 学、黄 世捷、林 明生、大滝 英二、信岡 祐彦、原田 智雄、明石 嘉浩
聖マリアンナ医科大学 循環器内科
【背景】無症候性僧帽弁閉鎖不全症(Mitral regurgitation;MR)において、運動誘発性肺高血圧(Exercise induced pulmonary
hypertension;EIPH)の有無が予後予測因子となることは広く知られている。しかしながら、無症候 MR 患者における EIPH の詳細
な機序は解明されていない。今回我々はそれを明らかにすることを目的とした。
【方法】運動負荷心エコー図を施行した無症候かつ中
等症以上(EROA≧0.2cm2)の器質的 MR 患者連続 49 名(平均年齢:58.9±13.1 歳,男性 82%)を対象とした。EIPH の定義は安静
時推定肺動脈収縮期圧(pulmonary arterial systolic pressure:PASP)
<40mmHg かつ運動時 PASP≧60mmHg とし、EIPH 群と NonEIPH 群に群別した。全症例の安静時、運動時の各種心エコー図指標、ならびに 2D スペックルトラッキング法を用いた左房機能指標
を評価した。
【結果】18 例(37%)に EIPH を生じた。EIPH 群と Non-EIPH 群では左室駆出率、左室容積、左房径、左房容積、僧帽
弁逆流量は安静時・運動時ともに有意差は認めなかったが、運動時 E/E´ は EIPH 群で有意に高く(13.1±4.9 vs. 11.5±5.1,p<0.05)
、
左房リザーバー機能の指標である安静時左房ストレイン s は優位な低下を認めた(25.9±4.7 vs. 33.0±7.8%,p<0.001)。多重ロジス
ティック解析の結果、左房ストレイン s は独立した EIPH の規定因子であった(OR:1.76, 95%CI:1.142−2.143,p<0.001)
。
【結論】
左房機能は、左房・左室容積、MR 逆流量よりも EIPH に寄与していた。左房リザーバー機能の低下が EIPH を来す機序の 1 つであ
り、左房機能は EIPH の予測に有用な安静時指標であることが示唆された。
YIA-6
経カテーテル大動脈弁置換術後の弁周囲逆流に及ぼす大動脈弁石灰化の影響:3D 経食道心エコー
図を用いた検討
三原 裕嗣、柴山謙太郎、板橋 裕史、宇都宮裕人、原田 顕治、ロベルトシーゲル、ジライハウィハサン、
マッカーラージ、塩田 隆弘
Cedars-Sinai Heart Institute
【目的】3D 経食道心エコー図を用いて、大動脈弁石灰化が経カテーテル大動脈弁置換術後(TAVR)の弁周囲逆流に及ぼす影響を検
討すること。
【方法】高度大動脈弁狭窄症に対してエドワーズ社サピエン弁を用いて TAVR を行った 227 例を対象とした。大動脈弁
石灰化の重症度は、3D 経食道心エコー図を用い、弁輪部、弁輪部直上の弁尖部、交連部の 3 部位別で、石灰化スケール(0-3)で評
価した。弁輪部石灰化の radial、circumferential 方向の長さを測定し、左室流出路に突出する石灰化の有無も調べた。術後弁周囲逆
流の重症度は弁輪部における vena contracta の断面積で判定し、中等度以上(10m2 以上)の逆流を有意な逆流と定義した。【結果】
3D 画像不良と術後弁周囲逆流評価不能の 25 例を除いた、202 例で大動脈弁石灰化を評価しえた。有意な弁周囲逆流は 37 例(18%)
でみられた。部位別石灰化スケールのうち、弁輪部スケールのみが弁周囲逆流の重症度と有意に相関していた。ROC 解析では、弁輪
部石灰化の radial、circumferential 方向の長さのいずれも有意な弁周囲逆流を予想した(それぞれ AUC 0.91,0.81)。多変量解析で
は、radial 方向 3mm 以上、及び circumferential 方向 8mm 以上の弁輪部石灰化と左室流出路に突出する石灰化が、それぞれ独立し
た術後有意弁周囲逆流の危険因子であった。3D 経食道心エコー図による 3 冠尖別弁輪石灰化の有無は 87/93(94%)で CT と一致し
ていた。
【結論】3D 経食道心エコー図による大動脈弁石灰化評価は有用で、術後弁周囲逆流と相関していた。TAVR 後の有意な弁周
囲逆流は、大動脈弁石灰化の重症度ではなく、大動脈弁輪部と左室流出路にある石灰化とそのサイズが規定していた。
128
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
JSE2015 Imaging Award for Sonographers(IAS)3 月 28 日(土)第 2 会場 13:40−15:10
座長 : 鈴木 真事(東邦大学医療センター大橋病院 臨床検査部)・八木登志員(西宮渡辺心臓・血管センター 心エコー室)
鈴カステラ
IAS-1
関根美輪子、新沼 廣幸
聖路加国際病院 臨床検査科
僧帽弁形成術中に卵円孔を直接閉鎖した。さらに三尖弁寄りに小さな欠損孔を認めたため、卵円窩のパッチ閉鎖を追加した。術後、
パッチ部分および残存壁にかけて血栓形成を認めた。
特別セッション
Valsalva 洞内の mass
IAS-2
梅田ひろみ1、有田 武史3、工藤 珠実1、海野 哲治1、杉田 国憲1、加留部貴子1、冨山ひろみ1、
中山 知重1、三浦 史郎2、安藤 献児2
1
一般財団法人 平成紫川会 小倉記念病院 検査技師部、2小倉記念病院 循環器内科、
九州大学大学院 病態修復内科学 第一内科
3
拡大した右バルサルバ洞内に mass が認められる。カテーテルでのバルサルバ洞内膜損傷による血栓形成が疑われた。新鮮な血栓と
やや器質化した血栓の性状の違いによりまるでリングのように観察され、宝石のようである。
右房・右室を占拠する腫瘤性病変
IAS-3
大野 佑子1、麻植 浩樹2、伊藤 浩1
1
岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 循環器内科学、2岡山大学病院 超音波診断センター
子宮頸癌治療中の 28 歳女性。主肺動脈にまで及ぶ一部可動性のある巨大な腫瘤性病変(100×30mm)に右房・右室が占拠されてい
た。病変の辺縁は比較的整、内部は一部 low echoic である。
129
第26回日本心エコー図学会学術集会
心臓の真裏で踊る vegetation
IAS-4
嘉納由美子1、田中 秀和2、望月 泰秀2、堂國久美子2、羽渓 優2、畑澤 圭子2、松添 弘樹2、
土岐 啓己2、下浦 広之2、大岡 順一2、佐野 浩之2、佐和 琢磨2、元地 由樹2、漁 恵子2、
松本 賢亮2、今西 孝充1、林 伸英1、平田 健一2
1
神戸大学医学部附属病院 検査部、2神戸大学大学院医学研究科 循環器内科学分野
不明熱に対する感染源の精査で経食道心エコー図検査を施行したころ、下行大動脈のエントリー部の血管内膜の著明な肥厚と疣腫を
認め、偽腔開存型大動脈解離に合併した感染性動脈内膜炎と診断した。
特別セッション
大動脈弁穿孔∼孔はむしろ逆流ジェットの無い収縮期に明瞭になる∼
IAS-5
木越紗和子1、山野 哲弘2、芦田佳奈美1、岡部 裕美1、大塚 明子1、加藤ゆず子1、坂井 貴光1、
山野 倫代2、藤田 直久1、夜久 均3
1
京都府立医科大学附属病院 臨床検査部、2京都府立医科大学附属病院 循環器内科、3京都府立医科大学附属病院 心臓血管外科
感染性心内膜炎後.明らかな逸脱の無い偏心性逆流ジェット(A,B)を契機
に,弁膜の不連続性に気付けた.同所見は拡張期(B)に比べ収縮期に鮮明
(C)だった.3D 像(D)では穿孔全体像を描出でき,術中所見(E)に酷似
した.
Severe AR due to Sucked Flap
IAS-6
有吉 亨1、和田 靖明1、田中 伸明2、藤井 彩乃1、平山 香莉1、奥田 真一3、村上和華子3、
明連 武樹3、山崎 隆弘1、矢野 雅文3
1
山口大学医学部附属病院 超音波センター、2山口大学大学院医学系研究科 病態検査学、
山口大学大学院医学系研究科 器官病態内科学
3
拡張期に上行大動脈解離内膜の左室内への陥入を認めた症例の経胸壁・経食道心エコー図および 3D 経食道心エコー図画像である。
解離内膜に伴う大動脈弁閉鎖不全により重度の大動脈弁逆流が合併していた。
130
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
肺動脈、解離してます!
IAS-7
武本 梨佳1、麻植 浩樹1、伊藤 浩2
1
岡山大学病院 超音波診断センター、2岡山大学 循環器内科
29 歳男性。肺動脈性肺高血圧の加療中に突然の胸痛にて救急搬送された。経
胸壁心エコー図検査では著明に拡大した肺動脈と主肺動脈遠位の flap、さら
に末梢に entry と思われる部位も認め、急性肺動脈解離と診断された。
特別セッション
急変中
IAS-8
井上 陽子1、関根 泰2、藤巻 晴香2、小野 和重1、村田 尚行1、國金 正宏1、江口 紀子2、
神下 耕平2、寺林 郁人2、葛 備2、濵 義之2、田中 秀造2、外池 範正2、芳生 旭志2、
松戸 裕治2、山本 雅史2、氷見 寿治2
1
君津中央病院 生理検査部、2君津中央病院 循環器科
症例は 68 歳男性。貧血、腎機能障害を認め急性腎不全の診断で入院。透析終了から 1 時間 30 分後、病室で心肺停止。急変時の心エ
コー図で、左室、左房、上行大動脈に可動性に富む巨大腫瘤を確認した。
消失していく橈骨仮性動脈瘤
IAS-9
丸山 裕司1、野田由美子1、西村 弘美1、松井 幸子1、山口 貴志1、
安部 裕美1、塩見 哲也2、船越 祐子2、臼井 真2
1
浜の町病院 臨床検査部生理検査室、2浜の町病院 循環器内科
右橈骨動脈より 6F で PCI を施行後 34 日目に仮性動脈瘤を認めた(1 段目)
。プローブ圧迫で消
失しないため保存的に経過観察。47 日目(2 段目)
、63 日目(3 段目)と経時的に瘤径は縮小、
230 日目にはほぼ消失した(4 段目)。
131
第26回日本心エコー図学会学術集会
男女共同参画委員会セッション(男女)3 月 27 日(金)第 3 会場 14:40−15:40
未来に向けて共に歩もう 座長 : 高野 真澄(福島県立医科大学附属病院 集中治療部)・川合 宏哉(兵庫県立姫路循環器病センター 循環器内科)
特別セッション
〈座長の言葉〉
日本心エコー図学会男女共同参画委員会では、心エコー図学分野における男女共同参画の推進を図り、性差なく高い専門性を維持してい
くための教育・研究・就業体制の確立をめざしています。
本セッションでは、この一年の男女共同参画委員会の活動および今後の方向性について報告します。また、第 3 回(平成 27 年度)男女
共同参画奨励賞の受賞報告、および第 2 回(平成 26 年度)男女共同参画奨励賞受賞者からこの一年間の活動をご報告いただきます。
さらに、男女共同参画への組織としての取り組みをご発表いただき、現在の問題点、そして今後の方向性について、みなさんとともに考
えてみたいと思います。このセッションは、開催 3 回目となりました。問題点はすぐには打開できなくとも、皆さんとともに現状を共有
し、考えることで未来に向けた方向性を見いだせれば良いと考えています。
男女-1
男女共同参画委員会 これまでの活動報告と今後について
高野 真澄1
1
日本心エコー図学会男女共同参画委員会委員長、福島県立医科大学 集中治療部、2日本心エコー図学会男女共同参画委員会
日本心エコー図学会 男女共同参画委員会が設置され、3 年が経過しました。当委員会では、心エコー図学分野における男女共同参
画の推進を図り、性差なく高い専門性を維持していくための教育・研究・就業体制の確立をめざしています。平成 25 年のアンケート
結果から委員会として何をすべきか、今後の方向性を検討し、その活動方針を当学会ホームページにも掲載すると共に活動してきた
ところです。本セッションでは、これまでの男女共同参画委員会として行った活動内容を報告するとともに、会員の皆さんと共に今
後の方向性について考えていきたいと思います。
男女-2
途切れずキャリアを続けるために
大下 千景1、和田 靖明2、矢野 雅文3
1
岩国市医療センター医師会病院 循環器内科、2山口大学医学部附属病院 検査部、3山口大学大学院 器官病態内科学
【所属施設の取り組みと支援の状況】2007 年より山口大学大学院にて心エコーを用いた臨床研究を開始し、2011 年に大学院を修了し
た。大学院在学中に結婚を機に転居することとなった際に、自宅からの通勤および常勤医勤務が可能な関連病院として現在の職場で
ある岩国市医療センター医師会病院に派遣していただいた。大学病院を離れリサーチカンファレンスへの毎回の参加は困難な状況と
なったが、山口大学大学院の指導医に電話やメールなどで助言を頂いて論文作成を進めることが可能であった。2012 年に出産した
が、15 時までの時間短縮勤務、当直やオンコールなどの免除といったサポートを受けながら遠距離通勤の通勤時間を利用してデータ
整理や論文作成を行うことで、育児と仕事の両立が継続可能であった。育児に関しては保育園利用のほか、家族の温かい協力があっ
た。現在も就労や臨床研究の継続を可能とするために、所属する山口大学大学院および岩国市医療センター医師会病院から個人のラ
イフイベントや環境を考慮した支援を受けている。特に、
「育児期間中は時間は短くても、途切れずに続けていくことが大切」と教え
て頂いた言葉が今も臨床研究を継続するための原動力となっている。
【受賞論文の要旨】受賞論文では、経胸壁 3 次元心エコーによる
大動脈弁輪径計測の妥当性について経胸壁 2 次元心エコー、MDCT と比較検討した。約 46%の症例では大動脈弁輪は楕円形を呈し
ており、大動脈弁輪面積は経胸壁 3 次元心エコーと MDCT による計測では良好な相関を示したが、2 次元径胸壁心エコーと MDCT
による計測では粗な相関であった。経胸壁 3 次元心エコーは大動脈弁輪の形状を評価する有用な方法であることが示された。
132
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
男女-3
受賞後活動報告
石津 智子
筑波大学 臨床検査医学
現在は上司、同僚、職場、家庭環境に恵まれ、大好きな仕事中心の活動をさせていただいております。喉元過ぎれば熱さ忘れること
にならぬよう、少しでも男女共同参画によい環境作りを目指しています。研究:筑波大学に赴任してから初めて指導した大学院生 5
人(川村了、町野智子、山本昌良、渥美安紀子、中村昭宏)が 2015 年 3 月に博士課程を卒業します。皆、素晴らしい論文を書きあげ
た研究者です。この 1 年で最も大きな成果です。エコーグループの総力をあげて取り組んだ 3 年越しの研究「ダールラットを用いた
高血圧性心疾患の心筋ストレイン」も発表できました。臨床:成人先天性心疾患外来担当では男女共同参画という概念を超えて、多
様性社会の重要性を再認識しています。その他:育児中の臨床検査技師を雇用する在宅ビジネスを起業しました。超音波画像解析の
専門技能を生かす場を広げるという、小さな一歩です。
特別セッション
男女-4
第 2 回男女共同参画奨励賞 受賞後一年間の活動報告
広江貴美子1、太田 庸子2、松田 紘治2、竹田 昌希2、岡田 清治2、太田 哲郎2
1
松江市立病院 中央検査科、2松江市立病院 循環器内科
受賞後 1 年の主な活動といたしましては、超音波検査士として日常のルーチン検査および緊急時の心エコー図検査においての臨床支
援と研修医の研修支援などに努めました。院内ではハートケアチームの一員となり、2014 年 6 月より心臓リハビリテーション本格始
動し軌道にのりました。また、ECHO HEART IZUMO をはじめとする講習会や研修医ネットワークなどでのハンズオンの講師、地
方会や研究会などでの発表をいたしました。そしてなにより第 2 回男女共同参画奨励賞を受賞した後に、同僚臨床検査技師 3 名が無
事に産休に入り出産いたしました。産後の復帰にも意欲を語っており、システム的な支援はもちろんのこと私が臨床医から受けた協
力と人的支援も重要だと考えております。加えて今後の活動といたしましては心エコー図検査が診断の手がかりとなった症例や今ま
で学会等で発表してきた症例について論文にする予定です。今後も心エコー図検査をはじめ循環器検査に臨床貢献できるよう努力い
たします。
男女-5
女性医師の活用からみえてくる我が国の医療の現状
上松 正朗
関西労災病院 循環器内科
OECD の統計(2010)によると、人口千人あたりの医師数はオーストリア 4.8 人を筆頭に欧州では 3.6-4.1 人程度であるが、我が国で
は 2.2 人と少ない。ちなみに米国は 2.4 人と医師数は少ないものの、保険制度の相違から単純には比較できない。我が国における女性
医師の割合は、長らく医師全体の 10% 以下であったが、2010 年には 18.5% にまで増加した。医師国家試験合格者における女性の割
合は 30% を越え、女性医師の割合は今後若い世代において急速に増大すると考えられる。従って我が国の医療の実践において女性医
師の活用は必須である。一方、女性には出産、育児という役割が課されており、医師としての修練の時期と重なる。女性医師のキャ
リアやスキルアップを考えた場合、長期のブランクを課すことなく、段階を追いつつも速やかに現場に復帰できる体制を構築するこ
とが重要である。ところが循環器領域では一年 365 日オンコールという実態が続いているところが多く、それを前提に医療制度が構
築されている。このことが女性医師の参画を困難にし、かつ男性医師の QOL も損ねている。医師の善意や自己犠牲に依存するシス
テムではなく、育児のサポートや救急システムを制度として構築していく必要がある。さらにアカデミックなモチベーションに対す
るサポートが重要である。日進月歩の医学に対する学習や、学術的な取り組みが医師の成長やモチベーションの維持には必須であり、
育児中の世代が学会に参画しやすくするような工夫が必要である。日常業務に比しさらに周囲の理解を得にくい領域であるが、周囲
がアカデミックな活動も業務としてとらえる姿勢がまず必要である。
133
第26回日本心エコー図学会学術集会
JB-POT 講習会(JB)3 月 28 日(土)第 3 会場 14:20−16:50
座長 : 有田 武史(九州大学病院 ハートセンター内科)・野村 実(東京女子医科大学麻酔科学教室 麻酔科教授)
特別セッション
〈座長の言葉〉
日本心エコー図学会学術集会で行う Japanese Board of Perioperative Transesophageal echocardiography(JB-POT)の講習会も
3 回目となりました。今年は「術中の経食道心エコー」を企画しました。最初は慶應義塾大学循環器内科の村田先生に、開心術を受ける患
者の術前心エコー評価のポイントを、また、心臓外科医はどんな情報を欲しがっているかについて話して頂きます。杏林大学の山田先生に
は、循環器内科医や臨床検査技師の方にはあまりなじみがない、術中の人工心肺についてと、その人工心肺の確立に術中経食道心エコーが
どのように関与しているか説明して頂きます。また、術中のいろいろな状況で、経食道心エコーを用いてどのように decision making し
ているか、葉山ハートセンターの小出先生に、多くの症例を通して解説して頂きます。最後に、最近広く用いられるようになった 3D 経食
道心エコーを術中にどのように使いこなしているか、また、2D を超えるメリットについて、高知大学の渡橋先生に講演して頂く予定です。
循環器内科の知らない世界にようこそ。今回は、旭川医大の国沢先生による「JB-POT に挑戦:JB-POT の模擬試験を体験」も企画して
います。
JB-1
開心術患者の術前心エコーのポイント
村田 光繁
慶應義塾大学医学部 臨床検査医学
開心術前の経食道心エコー図検査(TEE)は、心疾患、特に弁膜症の診断や術式決定において不可欠な検査となっている。僧帽弁逸
脱症に対する僧帽弁形成術前 TEE では、僧帽弁、腱索、乳頭筋および僧帽弁輪の形態を観察する。僧帽弁の逸脱部位がすべて僧帽
弁逆流(MR)の発症に関与しているとは限らない。逆に、MR の主因となる部位を形成後に、その他の逸脱部位から新たな MR が
術中に生じる場合もある。よって、逸脱部位を評価する場合は、MR の主因になっている部位とそうでない部位に分けて考え、外科
医に報告する必要がある。また、人工腱索再建のために乳頭筋の形態や付着部位に異常がないか、腱索が余剰なため人工腱索再建が
必要か、弁尖切除が必要かなども評価する。また、大動脈弁手術では、大動脈自己弁温存が可能か、弁置換が必要かを評価する。以
上の評価を行い、さらに 3 次元 TEE を追加で施行することにより病変の 3 次元的情報を容易に術者と共有することが可能であり有
用である。本セッションでは、僧帽弁形成術を中心に症例を示しながら開心術前の TEE 検査について概説する。
JB-2
人工心肺と経食道心エコー
山田 達也
杏林大学 医学部 麻酔科学教室
経食道心エコーは腎臓手術において必須のモニターとなっています。その役割は多岐にわたりますが、ここでは術中の人工心肺と、
その人工心肺の確立に、術中経食道心エコーがどのように関与しているかについてお話しさせて頂きます。経食道心エコーは以下に
示しますように、確実で安全な人工心肺を確立するのに重要な役割を果たしています。1.術前に診断がついていなかった所見とそれ
による治療方針の変更 2.人工心肺に関与する各種カテーテルの安全、確実な挿入 3.確実な心筋保護と心停止 4.人工心肺に関連す
る心血管系合併症の早期発見や予防講習会では、多くの経食道心エコー画像を見て頂く予定です。
134
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
JB-3
経食道心エコーと術中 decision making
小出 康弘
葉山ハートセンター 麻酔科
JB-4
術中 3D 経食道心エコーの応用
渡橋 和政
高知大学医学部外科学(外科二)
3D−TEE を用いるメリットは、2D では把握が難しいあるいは不正確となる対象で、より容易に、かつ正確に評価を行えることで
ある。ただし、そのメリットを得るためには、明瞭な 3D 画像の描出が必須の条件である。3D−TEE がもっともよく活用されている
のは、僧帽弁形成術である。外科医が直接肉眼的に見るオリエンテーションで画像を得られるため、McGoon 法を予定する際に、切
除する範囲を知ることができる。また、形成後に逆流が残ったとき、それが外科医の視点でどこにあるのかを示すことができる。同
様なメリットは、弁周囲逆流が認められるとき、外科医とその位置について情報を共有するときにもある。大動脈弁手術においては、
冠動脈の起始部についての情報が得やすい。冠動脈口が弁輪や ST junction に近い、あるいはバルサルバ洞の正中でなく交連に近い
位置からの起始など、起始異常の情報を視覚的に示すことが可能となる。また、冠動脈内の狭窄を三次元的にとらえることも可能で
ある。三尖弁逆流がペーシングリードや SG カテーテルで起こっている可能性があるとき、それらが三尖弁のどこを通っているのか
を外科医の視点で描出することができ、手術操作を行う上での参考となる。しかし、これらのメリットを得るためには、明瞭な 3D
画像を得ることが必須の条件となる。その要点は、
(1)音響陰影や手前の構造などに妨げられず、明瞭な B モード画像が得られるこ
と(アプローチする方向の選択)、
(2)適切なパネル設定(ゲイン、周波数帯域、走査線密度など)
、および(3)評価に最適な 3D 表
示モードの選択である。これらにつき、例示しながら解説する。
JB-5
JB-POT に挑戦:JB-POT の模擬試験を体験
国沢 卓之
旭川医科大学病院 手術部
JB-POT とは、北米の心エコー認定試験を行っている National Board of Echocardiography(NBE)という組織にならって、2004 年
に立ち上げられた Japanese Board of Perioperative Transesophageal Echocardiography という組織の略であり、NBE と同様に認定
試験を行っている。2014 年 11 月に第 11 回目が開催され、500 名近い受験生が試験に挑んだ。試験問題は NBE board メンバーの校
閲も受けており確立された内容ではあるが、第 1-10 回の結果は 48.9% という低い合格率であり、難易度は NBE 以上と言われている。
本講習会では、JB-POT 試験に特徴的な内容や臨床的に重要な事項に関して、過去問も含めた模擬試験を作成し、実際に問題を解い
て頂く予定である。その後、正答率や識別係数、問題作成の意図も含めた解説を計画している。模擬試験ではあるが、出題方法や一
題あたりの解答時間も可能な限り実際の試験を模倣しており、成績上位者には記念品贈与も予定していることなどからふるって参加
いただき、臨場感も含めて JB-POT 試験を体験いただけると幸いである。
135
特別セッション
手術中の経食道心エコーで診断できる病態は幅広く存在する。1)心筋虚血、2)弁機能不全(遺残逆流を含む)、3)貯留空気、4)胸
腔内貯留、など多岐にわたる。従来、開心術中のイベントは多くはブラックボックスであった。しかしながら、術中 TEE が広く応
用されるようになり、人工心肺中に左室の過伸展やカテーテル類の適切な位置ガイドなどが日常的に行われるようになり、その後の
人工心肺離脱時期でも多くの問題が解決できるようになった。ここでは、人工心肺離脱から手術終了までの期間に注目して、どのよ
うに TEE を活用して、異常事態をどのように診断して、decision making につなげてゆくかを解説しながら、さらにそのような過程
においてどのような課題があるかについて言及してゆきたい。開心術において人工心肺からの離脱時には、右冠動脈に空気が入り込
み、空気塞栓を起こす事がしばしばである。その特徴的な所見は、右冠動脈領域の心筋内に空気による高輝度エコー斑がみられるこ
とである。局所壁運動は dyskinetic までの異常を示す。一方、10 分程度人工心肺の時間を延長して、右冠動脈空気塞栓を改善させ
て、心筋エコー斑が消失した状態においても、壁運動異常が持続する場合には、心筋保護の不良を疑うべきである。僧帽弁形成術に
て逆流テストを長時間および頻回に行い、順行性冠灌流のみで対処した症例において離脱時に壁運動異常が持続する所見がみられる
ことがある。このように、細かな TEE 所見を人工心肺中から離脱にかけて継続的に観察することによって、異常事態の decision
making につなげることができる。
第26回日本心エコー図学会学術集会
心エコーウルトラクイズ in Kitakyushu(Quiz)3 月 27 日(金)第 1 会場 18:50−20:20
座長 : 山田 博胤(徳島大学病院 循環器内科・超音波センター)・小板橋俊美(北里大学 循環器内科学)
〈座長の言葉〉
学会でクイズ大会なんて不謹慎な!と言わないで下さい。昨年この企画に参加された方は、皆そろって言っていました。
「クイズ大会は、
とても勉強になったわー!」と。忙しい学会の合間に、リラックスした雰囲気で、心エコー図の知識を身につけたり、若い人たちに心エ
コー図の魅力を感じてもらうための企画です。まだ未体験の方は、ぜひ参加してください。一昨年、昨年と参加された方は来ないわけがあ
りません!今年の前説は ... 乞うご期待。
特別セッション
今年もチーム戦と個人戦で上位を表彰いたします。チーム戦では心エコー歴によるハンディキャップを加算した合計点により優勝、準優勝
を表彰します(初期研修医は特別加点あり)
。個人戦では、正解の多い順に 1 位から上位 10 位を表彰いたします。また、会長特別賞とし
て【ワークライフバランス賞】を設け、子育てや介護をしながらお仕事をしている方の中の高得点の方を表彰いたします。参加はどなたで
も可能です。
学会ホームページで参加の事前申し込みを受け付けていますので、どしどし応募してください。来ていただく方が多いほど楽しさが増幅し
ます。たくさんの方のご参加、ご来場をお待ちしています。
136
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
心室中隔に転移したと思われる隆起性皮膚線維肉腫の一例
O1-1
鹿田 智揮、江島 健一、田代 英樹
社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院
62 歳男性。49 歳の時に左大腿の軟部腫瘍に対し広範切除術が行われ、隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)と病理診断された既往があっ
た。今回、仕事中に胸部絞扼感が出現し、救急要請された。救急車収容時は脈触知可能な心室頻拍で、意識は保たれていた。当院搬
入後カルディオバージョンで洞調律に復帰した。緊急で冠動脈造影を行ったが、冠動脈に有意な狭窄病変は認めなかった。心エコー
で心室中隔基部に径 6cm 大の腫瘤を認め、形態や輝度から心臓腫瘍と考えられた。造影 CT では心室中隔に造影効果のない径 6cm 大
の不整形腫瘤を認めた他、右肺尖部背側の軟部組織にも同様の径 5cm 大の不整形腫瘤を認めた。心筋生検では腫瘍組織が採取でき
ず、右肺尖部背側腫瘍の CT ガイド下生検で DFSP の所見が得られた。PET-CT では、心室中隔や右背側の他に、右第 8 肋骨や膵尾
部にも FDG の集積を認め、いずれも同肉腫の可能性があった。左大腿部に再発は無く、49 歳の手術時には既に多発転移しており長
年かけて増大していったと考えられた。経過中、腫瘍によって刺激伝導系が障害されて完全房室ブロックになったため、永久ペース
メーカー植込術を行った。心室中隔の腫瘤は大きく、完全に切除して心室中隔を再建するのは非常に困難であり、摘出術は行わなかっ
た。DFSP は、全軟部腫瘍の約 6% 程度の稀な腫瘍である。進行は緩徐であり、予後は比較的良好で中間悪性群に分類される。切除
後に局所再発することがあるが、遠隔転移は稀である。本症例は、大腿部の DFSP 切除術から 13 年後に多発転移が診断され、心エ
コーにて心筋転移を確認し得た貴重な症例であるため、報告する。
山里将一朗、相澤 直輝、當間裕一郎、池宮城秀一、大城 克彦、新里 朋子、伊敷 哲也、岩淵 成志、
大屋 祐輔
琉球大学医学部附属病院 第三内科循環器・腎臓・神経内科
【症例】32 歳、女性。【主訴】失神。
【現病歴】発達障害にて施設入所中の女性。入所中の施設にて意識消失し、倒れているところを
発見され、他院へ救急搬送された。頭部 CT では明らかな異常所見を認めなかったが、経胸壁心臓超音波にて三尖弁に腫瘍性病変を
認め、精査目的に当院紹介となった。経胸壁心臓超音波では僧帽弁と三尖弁に 15∼20mm 大の腫瘍性病変を認め、表面にヒダ状の突
起物を認めた。腫瘍性病変による塞栓症が失神の原因となった可能性も考慮し、腫瘍切除術を行う方針となった。術中に経食道心臓
超音波を行ったところ、僧帽弁と三尖弁だけでなく、大動脈弁にも腫瘍性病変を認めた。肺動脈弁を含む心内 4 つの弁を直視下に観
察したところ、全ての弁に腫瘍性病変を認め、術中迅速組織診断の結果、乳頭状線維弾性腫と診断され、腫瘍切除術を施行した。
【考
察】原発性心臓腫瘍の頻度は、全剖検例の 0.002∼0.3% と報告されている。70% 以上は良性腫瘍とされており、乳頭状線維弾性腫は
原発性良性心臓腫瘍の中で 7∼10% と極めて稀な疾患であり、心腔内のいかなる部位からも発生しうる。同一部位で多発している報
告はあるものの、発生部位を複数認めた報告は少なく、貴重な症例と考え報告した。
大動脈弁に付着する腫瘍に類似した血栓を認めた、急性心筋梗塞患者の 1 例
O1-3
松田 紘治1、太田 哲郎1、岡田 清治1、竹田 昌希1、広江貴美子2、清水 弘治3
1
松江市立病院 循環器内科、2松江市立病院 中央検査科、3島根大学医学部 心臓血管外科
今回我々は自己の大動脈弁に付着する血栓の症例を経験したので報告する。
55 歳女性、閉塞性動脈硬化症で通院中。胸部圧迫感出現したため近医受診
し、心電図で II、III、aVF の ST 上昇認め急性心筋梗塞が疑われ当院紹介。
心臓カテーテル検査で右冠動脈#4PL 末梢に完全閉塞認めたが、末梢病変で
ありインターベンションを行わず CCU 入室し加療おこなった。入院後症状
なく経過していたが、入院 5 日目の心エコーで大動脈弁無冠尖に付着する 2.6
×1.5×1.7cm の可動性のある腫瘍像を認め、fibroelastoma などの心臓腫瘍が
疑われた。心筋梗塞の発症はこの腫瘍または腫瘍に付着する血栓の塞栓によ
る可能性が考えられ、今後の腫瘍による塞栓症を危惧されるため心臓血管外
科にコンサルトし摘出術を施行した。手術では無冠尖中央に腫瘤を認めたが、病理所見では一部器質化した血栓が認められ、大動脈
弁に付着した血栓と診断した。
137
一 般 口 演
心内の 4 つの弁全てに乳頭状線維弾性腫を認めた 1 例
O1-2
第26回日本心エコー図学会学術集会
摘出術 2 年後に再発した Calcified amorphous tumor の一例
O1-4
渡部 美佳1、竹谷 剛2、阿佐美匡彦1、塩川 則子3、楠原 隆義2、谷本 周三1、青木 二郎1、
中島 啓喜4、遠田 栄一3、田邉 健吾1
1
三井記念病院 循環器内科、2三井記念病院 心臓血管外科、3三井記念病院 生理検査室、4三井記念病院 臨床検査部
【症例】73 歳、女性。
【病歴】2000 年に糖尿病性腎症による慢性腎臓病にて透
析導入、以降維持透析されていた。2012 年 6 月に血圧低下の精査・加療目的
に当院入院となり、入院時に行った経胸壁心エコー図にて僧帽弁弁輪部前交
連側にエコー輝度の高い可動性に富む径 20mm の腫瘤性病変を認めた。血圧
低下の原因としては考えにくいが、塞栓症リスクを考慮し摘出術を行い病理
診断で Calcified amorphous tumor と診断された。以降、1 年ごとの経胸壁心
エコー図検査にて経過観察を行っていたが、術 2 年後の経胸壁心エコー図検
査にて僧帽弁弁輪部後交連側から左室流出路へ及ぶ径約 20mm 大の可動性の
あるエコー輝度の高い腫瘤性病変を認め、再度摘出手術を施行し、病理診断において前回同様 Calcified amorphous tumor と診断し
た。【結語】今回 Calcified amorphous tumor の再発症例を経験し、現在まで再発例は極めて稀でありここに報告する。
一 般 口 演
O1-5
脳梗塞を契機に発見された Caseous Mitral Annular Calcification の一例
江口 紀子、関根 泰、藤巻 晴香、寺林 郁人、神下 耕平、葛 備、濵 義之、田中 秀造、
外池 範正、芳生 旭志、松戸 裕治、山本 雅史、氷見 寿治
君津中央病院 循環器科
症例は 73 歳女性。脳梗塞で当院脳神経外科へ入院となり、心原性塞栓の検索
のため当科コンサルトとなった。経胸壁心エコー検査で左房内の後壁から僧
帽弁後尖弁輪にかけて 25×15mm の腫瘤状構造物を認めた。辺縁は高エコー、
内部は低∼混合性エコー像を認め、画像からは粘液腫が疑われた。経食道心
エコー検査では僧帽弁後尖 P2 から P3 の範囲で弁輪部から弁尖に連続する腫
瘤性病変の付着を認めた。脳梗塞の再発予防のため、外科的切除を行った。
術中所見は、僧帽弁後尖 P2 全体の基部から弁輪まで膨隆する腫瘤を認め、
膨隆部を切開したところ白色の濃厚な液体が貯留していた。腫瘤は嚢疱状の
構造となっており、内容物を吸引後に嚢疱を閉鎖し、僧帽弁置換術を行った。
病理所見は 8mm 大の嚢胞性腫瘍であり、石灰化したアテローマプラークに
類似した構造の Caseous mitral annular calcification と診断された。僧帽弁に
発生した腫瘍としては比較的稀であり、症例を報告する。
O2-1
不整脈原性右室心筋症における右室ストレイン指標の特徴および予後予測に関する検討
大西 哲存、芳井 孝輔、川合 宏哉
兵庫県立姫路循環器病センター
【背景】不整脈原性右室心筋症(ARVC)は心不全、突然死の原因となる難治性心疾患である。ARVC 症例における右室ストレイン
指標の特徴および予後予測能は明らかではない。【方法】対象は ARVC を疑われた患者連続 67 例(年齢 46±20 歳、男性 50 例)で、
精査の結果、35 例が ARVC と診断され(ARVC 確定群)
、32 例が診断基準を満たさなかった(ARVC 非確定群)
。正常対照として年
齢、性別を合わせた 27 例(NC 群)を用いた。右室機能指標として、右室流出路径、三尖弁輪収縮期移動距離(TAPSE)
、右室面積
変化率(RVFAC)を経胸壁心エコー図により測定し、右室 global longitudinal strain 最大絶対値(GLS)と右室収縮のばらつき(TsSD)を評価した。心不全指標として、全 67 症例から血漿 BNP 値を測定した。各指標につき 3 群間比較と ARVC 確定群・ARVC 非確
定群の 2 群間比較を行い、ARVC 確定群におけるストレイン指標の特徴を検討した。さらに、ARVC 確定群において、心イベント発
生群と非発生群で 2 群間比較を行い、Cox 比例ハザード解析で各指標と予後との関連を調べた。
【結果】3 群間および 2 群間比較にお
いて、ARVC 確定群の右室流出路径、Ts-SD は他群に比し大であり、TAPSE、RVFAC、GLS は小であった。また、全 67 症例の
Ts-SD は GLS と負の相関を示した。ARVC 確定群 35 例中 11 例に心イベントが発生し、イベント発生群の BNP、右室流出路径、
Ts-SD は非発生群に比し大であり、RVFAC、TAPSE、GLS は小であった。BNP、RVFAC、GLS は心イベント発生に有意に関連
し、尤度比検定の結果、予後予測能を向上させる指標であった(全て p<0.05)。【結論】右室ストレイン指標は ARVC 症例において
は GLS が有用な予後予測指標となる可能性がある。
138
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
左室駆出率の保たれた睡眠時呼吸障害患者における右室機能と予後との関連
O2-2
楠瀬 賢也1、山田 博胤1、ブライアングリフィン2、西尾 進1、坂東 美佳1、平田有紀奈1、西條 良仁1、
天野 里江1、鳥居 裕太1、山尾 雅美1、佐田 政隆1
1
徳島大学病院 循環器内科、2クリーブランドクリニック 心血管画像部門
【背景】睡眠時呼吸障害(sleep disordered breathing:SDB)は慢性心不全患者の多くに認められ,心血管イベントとの関連が示さ
れている.また近年,右室機能は先天性心疾患のみならず,虚血性心筋症や弁膜疾患における予後を規定する因子としても注目され
ている.
【目的】左室駆出率の保たれた睡眠時呼吸障害において,心エコー図検査指標,特に右室機能について注目し,将来の心不全
発症および心血管死との関連を検討する【方法】睡眠時呼吸障害患者(apnea hypo index≧5)のうち、心不全既往,左室駆出率
(LVEF)<50%,有意な弁膜症を除外した 202 名(平均年齢 58 歳,男性 50%)を対象とした.心エコー図検査指標を測定し,将来の
心不全発症および心血管死との関係を検討した.【結果】平均 3.1 年の追跡期間中,34 例(16.8%)でアウトカム(心血管死 7 例,心
不全入院 27 例)発生を認めた.Cox 回帰分析を用い,年齢と apnea hypo index で調整したところ,左房容積係数(Hazard Ratio
1.7;95% CI 1.3-2.3,p<0.001)
,E/A 比(Hazard Ratio 1.4;95% CI 1.1-1.7,p<0.001),右室収縮末期面積(Hazard Ratio 1.3;95%
CI 1.01-1.6,p=0.038)
,肺血管抵抗係数(Hazard Ratio 1.4;95% CI 1.1-1.7,p=0.005)がイベント発生に関して有意な指標であった.
【結論】心エコー図検査指標のうち,左房容積係数,E/A 比,右室サイズと肺血管抵抗係数は,睡眠時呼吸障害患者の予後予測評価
においても有用であり,これら指標が障害されている場合はより集中的な経過観察が必要である可能性が示唆された.
一 般 口 演
右室同期不全と収縮能は拡張型心筋症例の労作時息切れを規定する
O2-3
川松 直人1、石津 智子2、渥美安紀子2、中村 昭宏3、佐藤 希美2、菅野 昭憲2、山本 昌良2、
針村 佳江2、町野 智子2、川村 龍2、瀬尾 由広2、小池 朗2、青沼 和隆2
1
2
(株)日立製作所 ひたちなか総合病院 循環器内科、
筑波大学 循環器内科、
3
筑波大学大学院 人間総合科学研究科 疾患制御医学専攻小児内科
【目的】
安静時心エコー図指標と労作時息切れとの関連性について検討すること
【方法】
対象は特発性拡張型心筋症 50 例(男性 28 人,51±18 歳,左室駆出率 37.4±10.5%).
心肺運動負荷試験を行い息切れの指標である VE/VCO2 slope と心エコー図指標との関連
を検討した.右室機能として右室面積変化率(RVFAC),三尖弁輪移動距離,三尖弁輪収
縮期移動速度,心尖四腔像における右室自由壁の longitudinal strain(RVLS free)を計測
した.さらに右室非同期指標(RVPSSD)として QRS 波開始から心尖四腔像での右室自由
壁および心室中隔の 6 分画の長軸方向 peak strain までの時間の標準偏差を計測した.
【結果(表)】
単変量解析で有意であった変数を独立変数とした step-wise 多変量解析の結果,左房容積
係数,RVLS free,RVPSSD,RVFAC が VE/VCO2 slope の独立規定因子として選択され
た.三尖弁逆流圧較差は RVPSSD と相関し(r=0.61,p=0.002)独立変数として採択され
なかった.
【結論】
拡張型心筋症例において運動時の肺うっ血を反映すると考えられる VE/VCO2 slope は左房容積に加え右室収縮能,右室同期不全と独立して関連していた.
重症心不全を呈した拡張型心筋症例における三尖弁輪部等容収縮期移動速度の有用性
O2-4
川田 貴之1、大門 雅夫2、木村 公一1、中尾 倫子2、李 政哲1、廣川 愛美1、宇野 漢成3、
竹中 克4、渡辺 昌文1、矢冨 裕2、小室 一成1
1
東京大学医学部附属病院 循環器内科、2東京大学医学部附属病院 検査部、
東京大学医学部付属病院 コンピュータ画像診断学/予防医学講座、4日本大学医学部附属板橋病院 循環器内科
3
【背景】拡張型心筋症(DCM)の予後予測因子として右心機能が注目されている。心エコーによる右心機能評価は確立されておらず
様々な指標が提唱されているが、長軸方向の指標である三尖弁輪部収縮期移動距離(TAPSE)、組織ドプラ法を用いた三尖弁輪部収
縮期移動速度(RV-S )は簡便かつ再現性が高い。三尖弁輪部等容収縮期移動速度(RV-IVCv)は組織ドプラ法を用いて RV-S と同様
に簡便に計測できる相対的に後負荷非依存性の指標とされ、肺高血圧症の予後予測因子として有用と報告されているが、DCM では
その意義は不明である。
【目的】重症心不全を呈した DCM において RV-IVCv が予後予測因子となるかを検討すること。
【方法】心不
全治療または心臓移植適応評価のため入院した左室駆出率<35%の DCM 患者 48 人(平均年齢 41±15 歳、男性 35 人)を対象とし
た。右心機能指標として、TAPSE、RV-S 、RV-IVCv を測定した。心エコー検査後一年以内の左室補助人工心臓の植え込み或いは心
臓死を心イベントと定義した。
【結果】左室駆出率は平均 18.4±5.4%と極めて低かった。経過中 22 例(心臓死 3 例、左室補助人工心
臓 19 例)の心イベントが発生した。心イベントに関係する因子として年齢、収縮期血圧の他、心エコー指標では左室駆出率、E 波の
減衰時間、RV-IVCv、下大静脈径が選択された。一方 TAPSE、RV-S 、三尖弁逆流の圧較差は選択されなかった。ROC 曲線から求
めた RV-IVCv の cutoff 値 6.5cm/sec で対象を 2 群に分けると、RV-IVCv<6.5cm/sec の群で有意に心イベントが多く発生した(log
lank,p=0.01)。【結論】RV-IVCv は重症心不全を呈した DCM の予後予測因子として有用である可能性がある。
139
第26回日本心エコー図学会学術集会
三次元経食道心エコー図での右室容量と三尖弁輪径の関係
O2-5
吉敷香菜子1、馬原啓太郎2、太田 光彦2、泉 祐樹2、福本 梨沙2、岩澤 伸哉1、島崎 希美3、
規矩智千絵3、齋藤 清美3
1
榊原記念病院 小児循環器科、2榊原記念病院 循環器内科、3榊原記念病院 臨床検査科
【目的】3D 経胸壁心エコー図(TTE)では CMR に比して右室容量を過小評価する.3D 経食道心エ
コー図(TEE)では TTE ではイメージ領域外になりやすい前壁や右室流出路を描出可能である.
TEE で正確な右室容量評価が可能かを検討し、三尖弁輪径との関係を明らかにする.
【方法】TTE,
TEE で右室 3D データを取得できた連続 45 症例(弁膜症 27 例、先天性心疾患 18 例)について、右
室容量と三尖弁輪径を TomTec 社 4D RV Function で解析した.三尖弁輪径は前尖、後尖の交連部
を通過する最長直径を annulus 1 とした.
【結果】TTE では 42 例で右室流出路、右室自由壁または
心尖部のいずれかがイメージ領域から欠損していた.TEE では全例右室全体像が得られた.右室拡
張末期容積(RVEDV)(図 1)
,右室収縮末期容積ともに TTE は TEE に比べて過小評価した(P<
0.05).一方、右室駆出率は過大評価した(P<0.05).TEE での RVEDV は annulus 1 と正の相関を
示した(r=0.81).
(図 2)【結論】TEE は TTE より正確な右室容量を測定でき、3D により正確な
三尖弁輪径を計測することで右室容量を推測できると考えられた.
一 般 口 演
左室および左房拡大と僧帽弁輪形態の関係性
O3-1
泉 祐樹1、馬原啓太郎1、福本 梨沙1、太田 光彦1、岩澤 伸哉2、吉敷香菜子2、齋藤 清美3、住吉 徹哉1
1
公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院 循環器内科、
公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院 循環器小児科、
3
公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院 臨床検査科
2
【背景】左房拡大および左室拡大により僧帽弁輪も拡大すると考えられている
が、どのように構造が変化するかは不明である.
【目的・方法】高度の僧帽弁
閉鎖不全 232 例について検討を行った.3 次元経食道心エコー検査を施行し、
記録した 3D データセットを Qlab(Philips Electronics)によって解析した.
僧帽弁輪の前後径、横径、縦横比(= 前後径/横径)および弁輪周囲長を測定
した.左室収縮末期径(LVDs)および左房径(LAD)と僧帽弁輪形態との
関係について検討を行った.【結果】LAD と僧帽弁輪横径には有意な相関は
認めなかったが、LAD が拡大すると僧帽弁輪前後径は有意に拡大した.一
方、LVDs が拡大すると横径も前後径も有意に拡大した.縦横比は LAD が拡大すると増加し(p<0.0001)、1 に近づいたが、LVDs
とは有意な相関が見られなかった.弁輪周囲長は LVDs が拡大すると拡大したがが、LAD が拡大しても程度は弱いが拡大した.
【結
論】左房径が大きくなると僧帽弁輪横径は変わらず前後径だけ大きくなり縦横比は 1 に近づく.左室収縮末期径が大きくなると僧帽
弁輪横径も前後径も大きくなり縦横比は変わらない.
O3-2
僧帽弁形態が機能的/解剖学的弁口面積に及ぼす影響
岩瀧 麻衣、竹内 正明、大谷 恭子、上間 貴子、福山 梓子、角 裕一郎、永田 泰史、林 篤志、
福田 祥大、尾辻 豊
産業医科大学 第2内科学
【背景】機能的大動脈弁口面積は解剖学的大動脈弁口面積よりも小さく、大動脈弁の形態によりその面積比が異なることが報告されて
いる。【目的】僧帽弁においても形態の違いにより面積比に差がでるか検討する。【方法】3D 経食道心エコー図法(3DTEE)を施行
し、連続の式による弁口面積が 1.5cm2 以下の僧帽弁狭窄症 37 例(動脈硬化性(DMS)19 例、リウマチ性(RMS)18 例)および僧
帽弁に器質的異常を認めない 15 例(正常例:NMV)を対象とした。3D zoom mode を用いて、拡張早期における外側僧帽弁輪面積
(Outer MAA)
、内側僧帽弁輪面積(Inner MAA)、弁輪石灰化面積(Outer MAA-Inner MAA)、最大開放時の弁輪と前尖、後尖の
なす角度(α1、α2)、弁尖の高さ、解剖学的弁口面積を計測した。機能的僧帽弁口面積は左室一回拍出量を左室流入血流波形の VTI
で除して求めた。
【結果】動脈硬化性は弁輪石灰化面積が最も大きく(p<0.001)、α1、α2 は小さかった(p<0.001)。弁尖の高さは
NMV>RMS>DMS であった(p<0.001)
。機能的弁口面積は解剖学的弁口面積よりも小さく、機能的/解剖学的弁口面積比は DMS
で最も小さかった(DMS:0.74±0.08,RMS:0.80±0.08,NMV:0.94±0.05,p<0.001)。機能的/解剖学的弁口面積比は弁輪石灰化
面積、α1、α2、弁尖の高さと有意な相関を認めた。
【結語】僧帽弁開放形態が RMS に比べより平坦な DMS の方が機能的/解剖学的
弁口面積により解離を及ぼしやすいことが示唆された。
140
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Disjunction of Mitral Valve;Morphology and Clinical Aspect
O3-3
磯谷 彰宏、シャウトーマス、ノイスミヒャエル、シェップマーレン、ブタークリスチャン
Herzzentrum Brandenburg
Background;Disjunction was defined as a separation between the atrial
wall-mitral valve junction and the left ventricular attachment, first reported
in 1986. Methods;This study included consecutive 251 patients with severe
mitral regurgitation
(MR)
, who underwent percutaneous mitral valve repair
(PMVR)
in our heart center. Disjunction was assessed using TEE. Results;
Disjunction was observed in 31 patients(12%)and most of them were with
primary MR(27, 87%, P<0.001)
. All disjunction were at PML;49% were
at P1, 12% at P2 and 40% at P3. Nine patients had two or more disjunction.
In 86 patients with primary MR, LVEDD of 27 patients with disjunction
were significantly smaller while mitral annulus(MA)diameter was larger
than 59 patients without disjunction. The result of PMVR was similar. Conclusions;Disjunction was seen only at PML. Patients with disjunction had
smaller left ventricle and larger MA.
古川 敦子1、阿部 幸雄1、赤松加奈子1、加川 俊介1、松下 司1、吉山 智貴1、柚木 佳1、
占野 賢司1、中川英一郎1、小松 龍士1、土師 一夫1、成子 隆彦1、葭山 稔2、吉川 純一3
1
大阪市立総合医療センター 循環器内科、2大阪市立大学医学部 循環器病態内科学、3西宮渡辺心臓血管センター 循環器内科
【背景】左室収縮不全や左室拡大に伴う機能性僧帽弁逆流の主な機序が tethering-tenting であることは広く知られている.一方,左
室の拡大や収縮不全を伴わない心房細動例においても機能性僧帽弁逆流が見られることがあり,左房拡大やそれに続発した僧帽弁輪
の拡大が原因であると一般的に考えられている.しかし,その頻度や詳細な機序は明らかでない.
【目的】左室収縮不全を伴わない心
房細動例における機能性僧帽弁逆流の発生頻度と機序について検討すること.
【方法】経胸壁心エコー図検査を施行された連続 1241
例中のレポートと画像を後ろ向きに調べた.
【結果】193 例(9%)に心房細動が認められた.左室収縮不全(左室駆出率<50%)や他
の併存心疾患を伴わない持続性心房細動例は 37 例(3%)であり,そのうち中等度または高度僧帽弁逆流はそれぞれ 7 例(19%),1
例(3%)に認められた.この 37 例における多変量解析で,左室収縮末期径,左房容積係数および前後尖の接合マージン(僧帽弁前
尖長 + 後尖長-僧帽弁輪径)がカラードプラ法で計測した僧帽弁逆流面積の独立した規定因子だった.僧帽弁輪径は,単変量解析で逆
流面積と相関したが,多変量解析では逆流面積の独立した規定因子ではなかった.【結論】左室収縮不全を伴わない心房細動例の約
1/5 において,中等度以上の機能性僧帽弁逆流が認められた.その発生には左房や僧帽弁輪だけではなく左室や僧帽弁葉のサイズも
関与している可能性がある.
O3-5
乳児期発症の左冠動脈肺動脈起始症における術後遠隔期の僧帽弁閉鎖不全について
狩野 実希、富松 宏文、竹内 大二、清水美妃子、石井 徹子、稲井 慶、豊原 啓子、篠原 徳子、
杉山 央、中西 敏雄
東京女子医科大学病院 循環器小児科
【背景】左冠動脈肺動脈起始症(ALCAPA)は僧帽弁閉鎖不全(Mr)を高頻度に合併する。また、乳児期には成長の問題があり Mr
の手術術式には制約がある。
【目的】ALCAPA 術後遠隔期の Mr の状況を明らかにすること。
【対象】乳児期発症し 1 歳未満で冠血行
再建術を施行した 11 人の中で、周術期死亡の 2 人を除き、5 年以上の経過観察が可能であった 9 人(男性 1 人、女性 8 人)
。観察期
間の中央値は 10.4 年(5.3-24.3 年)
。
【方法】診療録から後方視的に検討した。検討項目は術前後の Mr 重症度、左室駆出率(EF)
、Mr
に対する外科的治療介入の有無等である。【結果】手術時期は生後 145±77 日。術式は冠動脈移植術:3 人、Takeuchi 法:6 人であ
り、僧帽弁への同時介入は 7 人(78%)、非介入は 2 人(22%)
。Mr の機序は前乳頭筋不全に伴う前尖の逸脱であった。術前 Mr は高
度 3 人、中等度 2 人、軽度 4 人であったが、遠隔期 Mr は全例軽度であった。しかし、前尖の逸脱は残存し前乳頭筋の輝度上昇を認
めた。遠隔期の EF は全例 50% 以上であったが、心筋シンチ施行例では高位側壁の還流欠損を認めた。
【考案】手術死亡が回避でき
た乳児期発症の ALCAPA は血行再建と僧帽弁輪形成術により遠隔期でも Mr の増悪はなかった。しかし、遠隔期の EF は改善して
いるも心筋シンチでは還流欠損を認め心筋障害は残存していた。EF の改善は血流再建によるものだけでなく僧帽弁輪形成術による
Mr の軽減も関与している可能性がある。【結語】乳児期に発症した ALCAPA に伴う Mr は術前高度であっても、遠隔期に増悪する
例はなく、EF も改善していた。
141
一 般 口 演
左室収縮不全を伴わない心房細動例における機能性僧帽弁逆流の発生頻度と成因
O3-4
第26回日本心エコー図学会学術集会
心エコーマルチレイヤー解析による局所心内膜長軸方向 strain を用いた左室心内膜線維化病変の検
出 心臓 MR を用いた HCM での検討
O4-1
小澤 公哉、船橋 伸禎、高岡 浩之、大門 道子、小林 欣夫
千葉大学大学院 医学研究院 循環器内科学
目的:肥大型心筋症(HCM)において心臓 MR で検出される左室心内膜心筋
(LVendo)の線維化病変を経胸壁心エコー(TTE)マルチレイヤー解析で算
出された局所 LVendo 縦方向=longitudinal strain(LS)を用いて検出する。
方法:1.5 T 心臓 MR と TTE(Vivid E9)を施行した HCM18 例(男性 14
名、58±17 歳)を解析した。心臓 MR では左室 17 分画における局所の LVendo
の遅延造影を視覚的に評価、TTE では同分画の LVendo の LS を算出した
(Echo PAC version 113)
。結果:心臓 MR で総計 72 部位(24%)で LVendo
の線維化病変が検出された。局所 LVendo の LS は線維化部位では非線維化
部位より有意に大であった(-11.8±6.8% vs-14.9±8.6%,P=0.008)
。ROC 曲
線で、局所 LVendo の LS を用いた、心臓 MR で検出される LVendo の線維
化病変の鑑別は Best Cut Off 値が-13.5% で感度、特異度、Area Under the
Curve がそれぞれ 53.8%、63.9%、0.603 であった。結語:HCM において局所
LVendo の LS は、心臓 MR で検出される LVendo の線維化部病変の鑑別に
有用であり、この技術は虚血性心筋症にも応用できると考えた。
一 般 口 演
2D speckle tracking echo 解析を用いた心アミロイドーシスと圧負荷に伴う左室肥大との違い
に関する検討
O4-2
小室 拓也1、丸尾 健2、遠藤 桂輔1、横田佳代子1、筑地日出文1、門田 一繁2、光藤 和明2
1
倉敷中央病院 臨床検査技術部、2倉敷中央病院 循環器内科
【背景】心アミロイドーシスは,心筋にアミロイド蛋白が沈着し,形態的,機能的異常をきたす病態であり,多くで左室壁の肥厚を認
める.また,大動脈弁狭窄症などの圧負荷のかかる心疾患にも左室肥大を認める.今回,両者の違いを 2D speckle tracking echo
(2DSTE)法を含めた心エコー指標を用い比較,検討した.
【方法】2007 年 4 月から 2014 年 9 月の間に、心アミロイドーシスと診断
された 24 例(AMY 群:男性 20 例,平均年齢 75±9 歳)と,性別,年齢を合わせた左室肥大を伴う重症大動脈弁狭窄症患者 20 例
(AS 群:男性 16 例,平均年齢 76±9 歳)を対象とした.一般的な心エコー計測項目に加え,2DSTE 法にて左室 global circumferential
strain(GCS)と global longitudinal strain(GLS)を計測し両群間で比較検討した.
【結果】AMY 群は AS 群に比べ,A 波速度は有
意に低下し(53±29cm/s vs. 92±28cm/s,P<0.001)
,E/A 比(2.0±1.3 vs. 1.0±0.6,P<0.01)は高値を示し,LVEDd(40±5mm
vs. 45±5mm,P<0.01),LVEDV(72±25ml vs. 92±29ml,P<0.05),LVEF(51±11% vs. 61±8%,P<0.01)は有意に低下してい
た.2DSTE 法では AMY 群の GLS は有意に低下していたが(-11.3±3.4% vs. -17.1±5.4%,P<0.001),GCS は有意差を認めなかった
が低下している傾向であった(-20.7±9.0% vs. -25.4±5.6%,P=0.051)
.ROC 解析では A 波速度(cutoff 値:75.9cm/s,感度 71%,特
異度 70%,AUC:0.83),GLS(cutoff 値:-13.9%,感度 71%,特異度 70%,AUC:0.82)で予測可能であった.【考察】心アミロイ
ドーシス患者は,圧負荷による左室肥大患者に比べ,心房駆出機能の低下,左室収縮能,特に左室長軸方向の収縮が著明に低下して
いる可能性が考えられた.
O4-3
乳癌化学療法による薬剤性心筋障害の早期診断における 3D スペックルトラッキングを含む心エ
コー図指標の有用性についての検討
井手本明子、西野 雅巳、安村 圭介、安元 浩司、主代 悠、増山 潔、依藤 弘紀、加藤 大志、
岡本 直高、田中 彰博、森 直己、吉村 貴裕、牧野 信彦、江神 康之、習田 龍、田内 潤
独立行政法人 労働者健康福祉機構 大阪労災病院
【背景】乳癌化学療法による薬剤性心筋障害は臨床上しばしば問題となる。
我々は 3D スペックルトラッキングを含む各種心エコー指標を用いて心筋障
害との相関を検討した。
【方法】対象は乳癌に対し化学療法が行われた連 33
例。化学療法前と投与後 3 ヶ月および 6 ヶ月で左室駆出率(EF)、E 波と A
波の比(E/A)および E 波と E の比(E/E )を評価した。また、3 例につい
ては 3D スペックルトラッキングを用いて global radial strain(GRS)
,global
longitudinal strain(GLS),global circumferential strain(GCS)および global
area tracking(GAT)で評価を行った。【結果】EF および GRS は 3 ヶ月後
より有意な差を認めたが他の指標は有意差を認めなかった(図)。【結論】心
エコー指標として EF の他、GRS が早期より化学療法による心筋障害を検出
できる可能性が示唆された。
142
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
心アミロイドーシスの経胸壁心エコー図検査による予後予測因子の検討
O4-4
角 裕一郎1、竹内 正明2、水越 慶3、永田 泰史2、大谷 恭子2、福田 祥大2、明石 嘉浩3、尾辻 豊3
1
産業医科大学 心臓血管外科、2産業医科大学 循環器内科、腎臓内科、3聖マリアンナ医科大学 循環器内科
【背景】心アミロイドーシスの予後は一般的に不良である。その予測因子とし
て心エコー図指標で検討した報告は少ない。今回我々は一回拍出量(SV)が
有益な予後予測因子となり得ると考えた。
【方法】2009 年から 2014 年まで当
院で心アミロイドーシスと診断された 30 例(44-91 歳、男性 16 人)を対象と
した。評価項目は SV に加え、通常の心エコー図検査で測定可能である指標
を用いた。エンドポイントは心臓死とし、追跡調査を行った。
【結果】中央値
246 日の観察期間中、17 例に心臓死を認めた。左室拡張末期径、左室心筋重
量係数、左室拡張末期容量係数、一回心拍出量係数(SVI)においてイベン
ト群と非イベント群で有意差を認め、ROC 解析による AUC は Simpson 法による SVI で最も大であった。ROC 解析より得られたカッ
トオフ値で対象を正常 SVI 群、低 SVI 群の 2 群に分け Kaplan-Meier 生存曲線を作成すると、SVI は Simpson 法、Doppler 法ともに
低 SVI 群で生存率は有意に低かった。【結語】経胸壁心エコー図法による SVI は測定法によらず心アミロイドーシスの予後予測に有
用であると考えられた。
江口 駿介、中村 誠之、伊藤 歩、渡邉 諒、関岡 奈津、森 悠、吉木 優、安藤萌名美、
前田眞勇輔、青山 豊、小椋 康弘、鈴木 博彦、神谷 宏樹、七里 守、吉田 幸彦、平山 治雄
名古屋第二赤十字病院 循環器センター 循環器内科
【目的】好酸球性心筋炎は心筋に浸潤した好酸球由来の好酸球性カチオン蛋白や主要塩基性蛋白などの細胞毒性物質により生じる.原
因はアレルギー性疾患・薬剤過敏・寄生虫感染から特発性まで様々である.比較的稀な疾患であり,10 年間に当院で経験した 8 症例
の心エコー所見をまとめて検討した.
【方法】2004 年 1 月から 2014 年 10 月に当院に入院した好酸球性心筋炎 8 症例の原疾患・臨床
病型・心エコー所見・治療内容を後ろ向きに検討した.診断は日本循環器学会ガイドラインに基づき行った.【結果】平均年齢 46.5
歳(20-72 歳)
,男性 5(63%)
,女性 3(38%)であった.原疾患は特発性 4(50%),寄生虫感染 2(25%),Churg-Strauss 症候群 2
(25%)であり,臨床病型は劇症型 2(25%)
,急性型 6(75%)に大別された.心エコー所見は壁運動異常(7/8),左室壁肥厚(7/8)
,
心嚢液貯留(8/8)を呈した.治療は経皮的心肺補助装(2/8)
,大動脈内バルーンパンピング(2/8),ステロイド短期大量療法(4/8)
,
ステロイド内服(8/8)で行い,8 症例すべて独歩退院した.【総括】好酸球性心筋炎の心エコー所見は多彩であり,診断と治療効果
判定に大変有用であると考えられた.
左室収縮機能の保たれた心不全(HFpEF)の心機能解析における TMAD 法の有用性
O5-1
上西 洋二1、島田 恵2、山田 洋子1、小平まさみ1、木村さゆり1、久壁 直子1、中谷 桂子1、
鈴木奈津美1、林 規隆1、小杉 理恵2、馬場 彰泰2、高橋 路子2、赤石 誠2
1
北里大学 北里研究所病院 診療技術部 臨床検査科、2北里大学 北里研究所病院 循環器内科
【背景、目的】ストレイン解析は HFpEF の診断に有用だが,解析が画像の質
等により左右される.Tissue mitral annular displacement(TMAD)法は,
簡便にできるトラッキング解析法として注目されている.本研究では,
HFpEF での心機能解析における TMAD 法の有用性を明らかにする事を目
的とした.
【方法】対象は心エコーデーターベースより抽出した左室駆出率の
保たれている 70 症例(EF50% 以上)で,正常群(n=48,41±8.2 歳)と心
不全群(n=22,78±14.3 歳)の 2 群に分類した.TMAD 法は 2D スペックル
トラッキング法を用いた弁輪部の長軸方向の収縮期移動距離を計測する方法
で,心尖部 2 腔像,4 腔像において左室と右室で計測した.ストレイン解析
は長軸方向の Global longitudinal strain(GLS)を用いて計測した.解析は,
Q-LAB ソフトウェア(Philips 社製)で行った.
【結果】表の通りで,心不全
群では拡張機能障害(E/A 低値,E/E 高値)や肺高血圧症を認めた.TMAD 法では心不全群で有意に低値であり,ストレイン解析
における GLS の結果とほぼ同様の結果だった.
【結語】TMAD 法は HFpEF の心機能解析において簡便で有用な方法である.
143
一 般 口 演
10 年間に経験した好酸球性心筋炎 8 症例の心エコー所見の検討
O4-5
第26回日本心エコー図学会学術集会
心不全症例における組織ドップラー法による左右房室弁輪最大収縮速度比と下大静脈径を用いた新
しい低侵襲左室充満圧推定法
O5-2
永井 利幸1、知念 大悟2、上村 和紀3、相川 幸生1、本川 哲史1、菅野 康夫1、浅海 泰栄1、
大郷 剛1、神崎 秀明1、野口 暉夫1、安斉 俊久1、清水 渉2、小川 久雄1、杉町 勝3、安田 聡1
1
国立循環器病研究センター 心臓血管内科部門、2日本医科大学 循環器内科、3国立循環器病研究センター 循環動態制御部
背景:心不全症例において、左室充満圧(肺動脈楔入圧:PCWP)推定法として頻用
されている左室流入血流速度と僧帽弁輪速度の比(E/Ea)の精度には限界がある。
我々は基礎研究で、右房圧(RAP)を組織ドップラー法による左右房室弁輪最大収
縮速度比(ST/SM)で補正する(RAP×ST/SM)ことで、PCWP を推定できる可能
性を報告したが、今回、心不全症例において吸気時下大静脈径(IVCDi)で推定され
た RAP を ST/SM で補正する(IVCDi×ST/SM)ことで低侵襲に PCWP を推定可
能か検討した。方法と結果:心不全の診断で入院精査の上、右心カテーテル(RHC)
を施行された 98 例に対し、前向きに RHC と心臓超音波検査を施行した。RAP と
IVCDi の間には強い相関を認め、IVCDi×ST/SM は E/Ea よりも有意に強く PCWP
。ROC 解析では、IVCDi×ST/SM>16 mm
と相関した(R2=0.47 vs. 0.18,P<0.05)
が PCWP>18 mmHg を感度 90%、特異度 77% で予測し、E/Ea よりも有意に高い推
定能を示した(AUC=0.86 vs. 0.72,P<0.05:図)
。結論:IVCDi×ST/SM は心不全
症例において新規低侵襲左室充満圧推定法になりうる。
一 般 口 演
心不全患者における右室-左室流入時間差と心血管イベントの予測の検討
O5-3
菅原 政貴1、真野 敏昭1、正木 充1、江口 明世1、藤原 昌平1、正井久美子1、曽山 裕子1、
廣谷 信一1、駒村 和雄1、辻野 健2、増山 理1
1
兵庫医科大学 循環器内科、2兵庫医療大学 薬学部 医療薬学科
【背景】心不全患者の予後予測指標として様々な心エコー図指標が用いられている.昨今,スペックルトラッキング法をはじめとする
詳細な評価は正確性が高い反面,煩雑であることがゆえに,一般化されていないことが現状にある.そこで我々はシンプルに計測で
きる指標として Dual Doppler System(DDS)を用いて,右室および左室流入速波形の開始時間差(interventricular inflow delay:
IVID)を計測した.本研究の目的は IVID が心不全の予後予測として有用かどうかを検討した.
【対象,方法】当院に入院した急性心
不全患者 60 例(男性 33 名,年齢 67±15 歳)で、一般的な心不全加療が完了後,右心カテーテル検査を行った.カテーテル検査施行
後 24 時間以内に日立アロカ社製 Pro Sound F75 を使用し,心尖部四腔断面像から DDS を用いて IVID を計測した.右室流入が先行
する群を RVF 群、左室流入が先行する群を LVF 群と二群に分けた.併せて,検査同日に血漿 BNP 濃度を測定した.検査終了後,
一年間の心血管イベント(心不全再入院もしくは心血管死)の follow up を行った.
【結果】LVF 群は RVF 群に比べて肺動脈楔入圧
は高く、血漿 BNP 値も高値であった(21±9.4 vs 10±5.0 mmHg,586±590 vs 141±126 pg/ml,respectively p<0.001).また,IVID
は検査時の NYHA 分類で重症になるほど左室流入が先行していた(p<0.004,one-way ANOVA).Kaplan-Meier 解析を行うと,
LVF 群で年間の心血管イベント発症率は高かった(p<0.05).
【結論】心不全患者において,左室流入が右室流入に比べて先行する
と心不全の予後は不良である.
O5-4
急性非代償性左心不全において心エコー図法により推定した中心静脈圧の上昇は腎機能障害と神経
体液因子の活性化に関連する
山本 昌良、瀬尾 由広、中務 智文、川松 直人、佐藤 希美、菅野 昭憲、針村 佳江、石津 智子、
青沼 和隆
筑波大学 循環器内科
目的:本研究の目的は急性非代償性左心不全においてパルスドップラー心エコー図法による左室充満圧の上昇に加えて、心エコー図
法により推定した中心静脈圧の上昇が腎機能障害や神経体液因子へ与える影響を明らかとすることである。方法:対象は急性非代償
性左心不全にて入院となった 510 症例。心エコー検査と血液検査を状態安定期に施行した。左室充満圧の上昇は、左室駆出率が低下
している症例(左室駆出率<50%)では左室流入血流速波形の E/A が 2 以上、左室駆出率の保たれている症例(左室駆出率≧50%)
および、心房細動症例では左室駆出率にかかわらず E/e が 15 以上と定義した。中心静脈圧の上昇(10mmHg 以上)は IVC 径が 21mm
以上かつ呼吸性変動が 50%未満と定義した。神経体液因子活性は採血検査での BNP 濃度、血漿レニン活性、アルドステロン濃度、
ノルアドレナリン濃度により評価した。結果:左室充満圧と中心静脈圧の両者が正常の群(両正常群)は 248 例(48.6%)、左室充満
圧のみの上昇群は 219 例(42.9%)、左室充満圧と中心静脈圧の両者が上昇している群(両上昇群)は 43 例(8.4%)であった。各神
経体液因子と血清クレアチニン値は両正常群と左室充満圧のみの上昇群とでは有意差は認められなかった。一方、両上昇群において
は、BNP(p=0.005)
、ノルアドレナリン(p=0.03)
、血清クレアチニン(p=0.006)は、他の二群よりも有意に上昇していた。血漿レ
ニン活性(p=0.05)とアルドステロン濃度(p=0.08)は他の二群より上昇する傾向を示した。結論:急性非代償性左心不全患者にお
いて心エコー図により評価した中心静脈圧の上昇は神経体液因子の活性化と腎機能障害に関連した。
144
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
Remote ischemic conditioning は慢性心不全における冠微小循環障害を改善する
O5-5
河野 靖1、福田 祥大2、花谷 彰久3、中西 弘毅4、大塚憲一郎5、田口 晴之1、島田 健永3
1
大阪掖済会病院 循環器内科、2産業医科大学 第二内科学、3大阪市立大学大学院 循環器病態内科学、4馬場記念病院 循環器科、
石切正喜病院 循環器内科
5
【背景】Remote ischemic conditioning(RIC)は炎症を抑制し血管内皮機能
を改善する事が報告されている。一方、慢性心不全では慢性炎症と血管内皮
機能低下が存在する。冠動脈に狭窄がない場合、冠血流速度予備能(CFR)
は冠微小循環を反映すると考えられる。【目的】慢性心不全症例を対象とし
て、RIC 前後で CFR を測定する。【方法】健常例 10 名(31±4 歳、男性 10
名)と左室駆出率 40%以下の慢性心不全症例 10 名(64±9 歳、男性 9 名)を
対象とした。図左に示す RIC システムは、5 分間加圧+5 分間減圧を合計 4
回繰り返すようにプログラムされている。1 週間(1 日 2 回、合計 14 回)RIC
を行い、その前後で CFR を測定した。CFR は経胸壁心エコー図を用いて測
定した。
【結果】RIC によって CFR は上昇した:健常人 4.0±0.9 から 4.6±1.3、P=0.02、心不全症例 1.9±0.4 から 2.3±0.7、P=0.03、
図右)。RIC 前後で血行動態と血液検査に変化を認めなかった。全例で有害事象を認めず、RIC 治療を継続する事ができた。
【まとめ】
1 週間の RIC 治療は慢性心不全における冠微小循環障害を改善させる事ができる。
中山 知重、梅田ひろみ、海野 哲治、貞末 信幸、工藤 珠実、杉田 国憲、加留部貴子、中島麻紀子、
吉村 沙織、樋口 裕樹、冨山ひろみ、三浦 史郎
一般財団法人平成紫川会 小倉記念病院
【はじめに】近年、手術リスクの高い重症大動脈弁狭窄症(AS)に対する経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)が行われている。
今回我々は術後に感染性心内膜炎(IE)を発症した症例を経験したので報告する。
【症例】72 歳男性。2013 年 11 月に重症 AS にて
TAVR を施行。
【経過】2014 年 5 月より発熱。近医を受診し抗菌薬を処方され軽快したが 6 月に微熱が持続するため 7 月 7 日に当院
に精査入院。入院後の血液培養にて腸球菌が同定されたため抗菌薬投与が行われた。しかし経胸壁心エコー(TTE)
、経食道心エコー
(TEE)にて人工弁を含め心内に明らかな疣贅は検出されず血液培養も陰性化したため退院。その後 8 月 8 日に再度微熱と炎症症状
を認めたため入院。血液培養にて腸球菌が同定され、TEE にて 1 ヶ月前には検出されなかった人工弁の肥厚、abnormal echo の付着
と人工弁周囲の low echo を認めた。TTE では大動脈弁逆流(AR)は mild と前回と著変なく、人工弁の肥厚は観察出来たものの明
らかな abnormal echo は検出出来なかった。入院中は抗菌薬にて解熱、9 月頃に血液培養は陰性化し、炎症反応も落ち着いたが 10 月
下旬まで抗菌薬投与を継続。抗菌薬中止後も発熱や炎症反応を認めなかったため退院となった。【考察】TAVR では paravalvular
leakage を合併することが多く、その重症度評価に苦慮することがしばしばである。TAVR 後の IE の精査においては、今回の症例の
ように TTE での AR の程度変化や疣贅の検出が困難なこともあるため、術後との詳細な比較が重要であると考えられる。
高齢者感染性心内膜炎の臨床的特徴と予後予測因子
O6-2
須磨谷いづみ1、鍵山 暢之2、佐々木裕夏1、齋藤 千恵1、蒔苗 雅紀1、金綱 英夫1、馳 亮太3、
橋本 裕二4
1
亀田総合病院 臨床検査部、2心臓病センター榊原病院 循環器内科、3亀田総合病院 感染症内科、4亀田総合病院 循環器内科
背景:感染性心内膜炎(IE)は弁膜症や先天性心疾患などを基礎として発症するが、それらの疾患は年齢により罹患率に差がある。
今まで IE に関する研究の多くは 50-60 歳代を中心としており、高齢者 IE の特徴は明らかではない。目的:高齢者 IE の臨床的特徴と
予後因子を明らかとすること。方法:2000 年から 2014 年までに当院で入院加療した IE187 例に関し、臨床所見、エコー所見、院内
合併症をカルテから検討した。結果:75 歳以上(高齢群)は 75 例(40.1%)で 75 歳未満(非高齢群)に比して、起因菌として Staphylococcus 群が多く(56.5% vs 32.1%,P=0.005)
、Streptococcus 群が少なかった(21.7% vs 40.3%,P=0.031)。疣贅の部位は僧帽弁
(43.8% vs 48.6%,P=0.548)、大動脈弁(27.4% vs 36.7%,P=0.203)、右心系(4.1% vs 3.7%,P>0.99)ともに有意差は無かった。手
術を受けた率は高齢群で有意に少なかったが(12.7% vs 31.2%,P=0.004)、院内死亡率には有意差は認めなかった(35.2% vs 24.8%,
P=0.135)
。高齢群の院内死亡は 23 例で、多変量解析の結果、起因菌が MRSA であること(Odds ratio:OR 25.8,P=0.012)、冠動脈
疾患の既往(OR 11.2,P=0.016)、CRP 高値(OR 1.10,P=0.021)
、ショック(OR 17.0,P=0.043)が独立した院内死亡予測因子で
あった。結論:高齢群と非高齢群で IE の罹患部は変わらなかったが起因菌は異なっていた。高齢群 IE の独立予後予測因子は起因菌
が MRSA であること、冠動脈疾患の既往、CRP 高値、ショックであった。
145
一 般 口 演
経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)後に合併した感染性心内膜炎の一症例
O6-1
第26回日本心エコー図学会学術集会
感染性心内膜炎 81 例での心不全の有無と臨床背景に関する検討
O6-3
植松 庄子、永田健一郎、岡部 雄太、伊東 勘介、大野 睦記、辻 正樹、小木曽正隆、巴里 彰吾、
西村 睦弘、浅野 奏、岩波 裕史、森 大、磯貝 俊明、二川 圭介、田中 博之
多摩総合医療センター 循環器内科
【背景】心不全は感染性心内膜炎において早期外科治療を考慮する重大な合併症である。しかし心不全の有無と臨床背景に関する最近
の報告は少ない。【対象と方法】2004 年 1 月∼2014 年 3 月の間に当院で感染性心内膜炎と診断された連続 81 例を心不全合併群 33 例
(41%)と心不全非合併群 48 例(59%)に分け、臨床背景について検討した。
【結果】心不全合併群は非合併群と比較し、高齢(64.3
±10.6 歳 v.s. 56.5±17.3 歳、p=0.049)で入院中の死亡が多かった(6 例、18.2% v.s. 1 例、2%、p=0.01)が、脳卒中、脾梗塞、腎梗
塞を含む塞栓症の合併は少なかった(7 例、21% v.s. 28 例、58%、p<0.001)。心不全合併群で糖尿病(11 例、33% v.s. 7 例、15%、
p=0.046)および透析(3 例、9% v.s. 0 例、0%、p=0.03)の併存が多かった。手術は心不全合併群でより多く(21 例、65.5% v.s. 18
例、37.5%、p=0.02)、より早期に(20±15 日 v.s. 48±33 日、p=0.005)施行されていた。感染部位は心不全合併群で大動脈弁(18
例、55% v.s. 14 例、29%、p=0.02)の割合が高く、10mm 以上の疣贅は心不全合併群で多く認められた(17/22 例、70% v.s. 19/38
例、50%、p=0.04)。起因菌は両群とも Streptococcus 属が最も多かったが、Staphylococcus 属は心不全合併群で 6 例(18%)、非合
併群で 14 例(29%)と有意差は認めないものの、非合併群で割合が高い傾向が見られた(p=0.25)
。
【まとめ】感染性心内膜炎 81 例
を心不全の有無により 2 群に分けて臨床背景を検討した。心不全非合併 g 群では塞栓症の合併が多く、その原因として起因菌の違い
が関与している可能性が示唆された。
一 般 口 演
感染性心内膜炎を契機に発見された左室右房交通症の一例
O6-4
岩永 大1、大畑 早苗1、吉田 辰夫1、山崎その子1、藤田 直美1、孫 東淑1、大下依里子1、
片岡 武史1、上松 正朗2、藤田 雅史2、神田 貴史2
1
関西労災病院 中央臨床検査部、2関西労災病院 循環器内科
症例は末期腎不全にて維持透析状態の 76 歳男性。全身倦怠感、発熱、嘔吐を認め、当院循環器科受診。心電図にて完全房室ブロック
を認めたため、緊急一時ペーシングを留置された。血液培養からグラム陽性球菌が検出され、経胸壁心エコー図検査にて、僧帽弁前
尖に疣贅様エコーを認め、房室中隔付近には瘤状エコーが観察され、左室右房間にシャント血流を認めた(Qp/Qs=1.28)。軽度∼中
等度の僧帽弁逆流と中等度∼重度の三尖弁逆流もあり、右室右房収縮期圧較差は 60mmHg であった。経食道心エコー図検査でも同
様に僧帽弁前尖、房室中隔付近に疣贅様エコーと左室右房間のシャント血流が確認された。感染性心内膜炎と診断されたものの、播
種性血管内凝固症候群の病態となっていたため、緊急手術は施行されず、抗生剤、グロブリン製剤投与にて経過観察となった。第 27
病日の経胸壁心エコー図検査では疣贅が消失するも、第 45 病日には、門脈内ガスおよび十二指腸から小腸、大腸の一部におよぶ壁在
気腫を認め、広範囲腸管壊死に伴う敗血症性ショックのため、永眠された。本症例は、感染性心内膜炎による僧帽弁の疣贅が房室中
隔部瘤に波及し障害されたため、左室右房交通症、完全房室ブロックを合併したものと考えられた。文献的考察も加えて報告する。
O6-5
心タンポナーデを発症し緊急手術で救命し得た細菌性心膜炎に伴う Vasalva 洞破裂の一例
佐藤 宏行、村上 弘則
手稲渓仁会病院 心臓血管センター 循環器内科
症例は 64 歳女性。58 歳時にメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)菌血症にて総合内科入院歴があり、硬膜外膿瘍に対するド
レナージ手術を施行された。その際にアルコール性肝硬変を指摘され、以後消化器内科で外来通院していた。平成 26 年 8 月 1 日、胸
痛を主訴に救急搬送され、心電図で ST 上昇を認めたため、急性冠症候群が疑われ緊急入院となった。冠動脈造影で右冠動脈起始部
に 90% 狭窄を認め、経皮的冠動脈形成術が施行された。入院後に発熱と炎症反応高値があり、経胸壁心エコーで心嚢液貯留を認め、
急性心膜炎の可能性も考えられた。第 5 病日に血液培養から MSSA が検出され、感染性心内膜炎(IE)が疑われたため、経食道心エ
コーを施行したが、疣贅や弁破壊は認めなかった。しかし、心房壁の著明な肥厚と血性心嚢液の疑いが指摘され、洞不全症候群を発
症し、経静脈的ペーシングを要した。第 12 病日に突然の血圧低下でショック状態となり、経胸壁心エコーにて心嚢液貯留の増大に伴
う心タンポナーデと診断された。緊急心嚢穿刺を試みたが、直前の造影 CT にて Valsalva 洞からの造影剤流出と周囲の血腫を認め、
感染性 Valsalva 洞破裂が疑われ、緊急開胸手術となった。手術所見では心嚢内に膿性の凝血塊があり、大動脈周囲の血腫や右冠尖・
無冠尖の Valsalva 洞に穿孔を認めたため、感染瘤の破裂と考えられた。Valsalva 洞パッチ形成術と右冠動脈バイパス術が施行され、
無事自宅退院となった。心嚢液を含む検体の培養から MSSA が検出され、入院当初の胸痛の原因は細菌性心膜炎と診断した。細菌性
心膜炎は稀な病態であるが致命的であり、緊急外科手術にて救命し得た症例を経験したため、心エコーの所見とともに報告する。
146
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
拡張期の左室内エネルギー損失と左室拡張能との関連
O7-1
林 泰佑1、板谷 慶一2、進藤 考洋3、平田陽一郎3、清水 信隆3、犬塚 亮3、宮地 鑑2
1
国立成育医療研究センター 循環器科、2北里大学 血流解析学講座、3東京大学医学部附属病院 小児科
【背景】血流の粘性摩擦によるエネルギー損失(EL)は、血流の効率をあらわし、速度の変化が急激であるほど、また、速度の向き
がばらついているほど、EL は大きい値となる。拡張期の左室内 EL は、左室の拡張能を反映すると考えられる。
【目的】Vector flow mapping で計測した拡張期左室内 EL と、左室拡張能のエコー指標の関連を検討する。
【方法】正常小児(34 例)および左室圧負荷を伴う心疾患児(4 例)を対象に、心尖部五腔像から拡張期左室内 EL を計測した。過去
の研究で求めた拡張期左室内 EL の予測基準値を用いて拡張期左室内 EL の z score(EL-z)を算出し、左室拡張能のエコー指標との
相関を検討した。左室拡張能のエコー指標として、E 波高、僧帽弁輪拡張早期最大運動速度(e )のほかに、左室弛緩能を反映する
左室流入血流伝播速度(FPV)、および左室充満圧を反映する E/FPV 比に注目した。
【結果】平均年齢 7.5±4.0 歳、EL-z は−2.2 から+2.2 であった。EL-z は、E 波高(r=0.40,p<0.05)、FPV(r=−0.43,p<0.01)、
E/FPV 比(r=0.57,p<0.001)と有意な相関があった。
【考察】拡張期左室内 EL が大きいことは、左室弛緩能の低下、左室充満圧の上昇と関連し、拡張期左室内 EL が左室拡張能評価に役
立つ可能性が示唆される。左室拡張障害を有する患者では、左室流入血流が強い渦流を形成し、拡張期左室内 EL が上昇していると
考えられる。また、強い渦流が生じるために FPV が低下し、渦流の中心では血流速度が速くなることにより E 波高が上昇し、結果
として E/FPV 比が上昇する。
菊池 祥平、若見 和明、藤田 浩志、谷 智満、大手 信之
名古屋市立大学大学院医学研究科 心臓・腎高血圧内科学
背景:等容弛緩期における左室 suction は左室弛緩能を規定する重要な要素である。Vector flow mapping(VFM)により、心周期
の各時相における左室内血流の速度ベクトルの測定が角度非依存的に可能となった。今回われわれは等容弛緩期における左室心尖部
に向かう左室内血流の速度勾配を VFM にて測定し、観血的に計測した左室機能の指標との関連性を検討した。方法:心エコー図検
査と心臓カテーテル検査を同日に施行した患者 37 人を対象とした。Prosound afla10(日立アロカメディカル社)を用いて心尖部三
腔像における左室内血流をカラードプラ法で描出した。VFM による左室内血流の速度ベクトルの測定はオフラインで DAS-RS1 によ
り解析を行った。等容弛緩期の左室内血流に沿って左室心尖部から基部にサンプリングラインを引き、サンプリングライン上の左室
心尖部から左室内最大血流速度の点までの速度勾配(∂v)と距離(∂x)を測定して、∂v を ∂x で除した指標を IVG-IR と定義した。
カテ先マノメータを用いて左室圧曲線から一時微分値(dP/dt)と左室弛緩時定数(τ)を計測し、左室造影法により左室駆出率
(LVEF)と左室収縮末期容積係数(LVESVI)を測定した。結果:IVG-IR は最大陰性 dP/dt と τ の両者との間に有意な相関を認めた
(最大陰性 dP/dt:r=0.66,p<0.0001、τ:r=0.70,p<0.0001)。また IVG-IR は LVEF と LVESVI の両者との間にも有意な相関を認
めた(LVEF:r=0.52,p=0.0009、LVESVI:r=-0.75,p<0.0001)
。結論:左室収縮機能は左室等容弛緩期における心基部から心尖部
に向かう左室内血流を通じて、左室拡張機能に強い影響を与えることが示唆された。IVG-IR は左室 suction のパラメーターとして有
用である。
スペックルストレインを用いた左室充満圧の推定:長軸方向最大ストレイン値の有用性
O7-3
林 大知1、山田 聡1、中鉢 雅大2、岩野 弘幸1、榊原 守1、渡辺 清孝3、若見 和明4、
楠瀬 賢也5、石津 智子6、山田 博胤5、土肥 薫3、瀬尾 由広6、大手 信之4、三神 大世7、筒井 裕之1
1
北海道大学大学院 循環病態内科学、2北海道大学病院 検査・輸血部、3三重大学大学院 循環器・腎臓内科学、
名古屋市立大学大学院 心臓・腎高血圧内科学、5徳島大学病院 循環器内科、6筑波大学 循環器内科、
7
北海道大学大学院 保健科学研究院
4
【背景】我々は、拡張早期の左室流入血流速度(E)と僧帽弁輪運動速度(e´)の
比(E/e´)が左室充満圧とごく弱くしか相関せず、スペックルトラッキング法に
よる長軸方向と円周方向のストレインレートの各時相の値を用いても相関性は改
善しないことを報告した。そこで、各時相のストレイン(St)による充満圧推定
の精度を検討した。
【方法】全国 5 施設で、micromanometer 付きカテーテルを用
いて、種々の心疾患を有する 77 例の左室平均拡張期圧(LVMDP)を計測した。
心尖部 3 断面から平均の長軸方向時間-St 曲線を描出し、最大 St(LS)、急速充満
(LS-LSE)、(LS-LSA)を
期 St(LSE)と心房収縮前 St(LSA)を絶対値で計測し、
求めた。同様に、短軸 3 断面から、円周方向 St の各時相の値(CS、CSE、CSA)を
計測した。
【結果】表に示す。
【結論】拡張期の各時相での St の変化量を用いた指
標よりも、最大 St の指標が左室充満圧と良好に相関した。
147
一 般 口 演
左室における等容弛緩期血流の速度勾配は左室 suction の評価に有用である
O7-2
第26回日本心エコー図学会学術集会
高齢者における動脈スティフネスは LV geometry と左室拡張機能障害(LVDD)に関連する
O7-4
大野 佑子1、麻植 浩樹2、大澤 和宏1、三好 亨1、中村 一文1、森田 宏3、伊藤 浩1
1
岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 循環器内科学、2岡山大学病院 超音波診断センター、
岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 先端循環器治療学講座
3
【目的】動脈スティフネスと左室肥大、LVDD が関連することは以前から報告されている。しかし、LV geometry(求心性肥大、遠
心性肥大、求心性リモデリング)と動脈スティフネスとの関連、さらにそれらが LVDD に与える影響は、まだ十分に明らかにされて
いない。【方法】対象は当科外来を受診された患者のうち、左室駆出率 50% 未満、冠動脈疾患、重症弁膜症、心筋症を除外した 431
名(平均年齢 70 歳、男性 323 名、糖尿病患者 176 名)。動脈スティフネスの評価には上腕―足首間脈派伝播速度(baPWV Omron 社
製)を用いた。LV geometry(左室心筋重量係数[LVMI]、相対的左室肥厚[RWT])および左室拡張機能([e ],[E/e ]
)は経胸
壁心エコー図検査を用いて計測した。また LV geometry、LVDD の分類は ASE のガイドラインに基づき行った。
【結果】LV geometry
によって患者を 4 群(求心性肥大、遠心性肥大、求心性リモデリング、正常)に分けて比べたところ、求心性肥大群において他の群
よりも baPWV 高値、LVDD の割合が有意に高かった。baPWV は LVMI(r=0.17、p<0.01)
、RWT(r=0.20、p<0.01)、e (r=0.34、
p<0.01)、E/e (r=0.16、p<0.01)と有意な相関が認められた。また baPWV の値を用いて患者を 3 群にわけ、多変量ロジスティッ
ク回帰分析を行ったところ、baPWV が最も高い群は求心性肥大(オッズ比 2.53、95% 信頼区間 1.03-6.23、P<0.01)、LVDD(オッズ
比 2.16、95% 信頼区間 1.32-3.57、P<0.01)に独立した関連が認められた。【結論】高齢者における動脈スティフネスの増加は LV
geometry に影響を与えるとともに、LVDD に関連した。
一 般 口 演
COPD 合併による左室拡張障害
O7-5
久保田芳明、浅井 邦也、吉永 綾、知念 大悟、村井 綱児、吉川 雅智、塚田 弥生、清水 渉
日本医科大学付属病院 循環器内科
背景:Chronic obstructive pulmonary disease(COPD)は心不全患者の約 30%に合併し,予後規定因子として報告されている.
COPD による肺過膨脹が一回心拍出量の低下につながることは報告されているが,左室拡張障害への影響を検討した報告は少ない.
今回,COPD 患者における左室拡張障害の合併率を検討した.対象と方法:当院で 2011 年∼2012 年の期間,同時期に呼吸機能検査
(スパイロメトリー及び残気率の計測)及び心臓超音波検査を実施した 814 名の患者のうち,EF>50%以上の患者を抽出,COPD 合
併例 112 例,性・年齢をマッチした非 COPD 合併例 112 例を対象とした.各群における高度左室拡張障害(中隔側 e,<8 もしくは側
壁側 e,<10 かつ平均 E/e,≧13 で定義)の合併率及び E/e, と呼吸機能検査の相関関係を検討した.結果:平均年齢は 74.4±10.4 歳,
72.3% が男性であった.左室拡張障害の原因となり得る高血圧症,糖尿病,貧血など併存疾患は 2 群間で差を認めなかった.平均 E/
e, 及び高度左室拡張障害の合併率は COPD 群において非 COPD 群と比較し有意に高値であった(10.5 vs. 9.1;P=0.009,11.9% vs.
4.5%;P=0.046)
.また平均 E/e, は呼吸機能検査上の 1 秒量と負の相関,残気率と正の相関関係を示した(P=0.013,r=-0.238,P=0.036,
r=0.152).高度左室拡張障害に関する因子として,単変量及び多変量解析共に,重症 COPD(global initiative for chronic obstructive
lung disease;GOLD III or IV)が同定された.結論:肺過膨脹による心臓への機械的圧排は左室拡張障害を進展する可能性がある.
COPD 患者における治療介入が肺過膨脹のみならず左室拡張障害の改善につながるか検討する必要がある.
高血圧合併糖尿病例における潜在性左房収縮能異常―大動脈左室左房連関から考察する
O8-1
鹿野由香理1、井上 勝次2、飯尾千春子2、上野 理絵2、藤本 香織2、河野 珠美2、上谷 晃由2、
藤井 昭2、西村 和久2、永井 啓行2、鈴木 純2、大木元明義2、大蔵 隆文2、檜垣 實男2、
高田 康徳3、伊藤 由美1、作岡南美子1、宮崎 真紀1、高須賀康宣1、西宮 達也1
1
愛媛大学 医学部附属病院 検査部、2愛媛大学 大学院 循環器呼吸器腎高血圧内科学、3愛媛大学 大学院 糖尿病内科講座
【方法】対象は当院に糖尿病治療目的で入院し、心エコー図検査と baPWV 測定を同日に行った連続 77 例(平均年齢 61 歳、男性 48
例)。うち高血圧合併例を H 群、非合併例を D 群とした。健常者 24 例(平均年齢 60 歳、男性 14 例)を C 群とした。GE 社製 VividE9
を用いて同一心尖部四腔像から長軸方向左室・左房グローバルストレイン指標(GLS:左室グローバルストレイン、LAa:左房ブー
スターストレイン、LAtotal:リザーバーストレイン、LAs:導管機能ストレイン)を解析した。左房容量は biplane modified Simpson
法で左房最大容量(LAVmax)と左房収縮前容量(LAVpre)を算出した。オムロンコーリン社製 Form を用いて平均 baPWV 値を
測定した。
【結果】D 群、H 群は C 群に比し LAVmax が有意に大(42±12 ml、52±16 ml vs 36±9 ml、P<0.01)で、H 群は C 群に
比し LAVpre が有意に大(39±13 ml vs 27±7 ml、P<0.01)であった。また H 群は C 群に比し baPWV と E/e が有意に高値(baPWV:
1726±252 cm/s vs 1394±229 cm/s、P<0.01、E/e :14±4 vs 9±2、P<0.01)で、GLS と LAs が有意に低値(GLS:-16±3% vs-19
±3%、P<0.001、LAs:10±4% vs 15±4%、P<0.001)であった。LAa は 3 群間に有意差は認めなかった。baPWV は GLS と関連を
、LAs(R2=0.29、P<0.001)と強い相関関係を認めた。
認めなかったが、年齢(R2=0.46、P<0.001、septal e (R2=0.33、P<0.001)
【結語】糖尿病において大動脈スティフネス亢進は左室拡張能と左房導管機能異常と関連した。特に高血圧合併例で左房収縮前容量増
加に関わらず左房ブースター機能の代償機転が制限されており、潜在性左房収縮能異常を示唆すると考えられた。
148
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
2 次元スペックルトラッキング法を用いた大動脈弁狭窄症患者における左房機能の検討
O8-2
山口 一人1、吉冨 裕之1、安達 和子2、新田 江里1、三島 清司1、長井 篤1、伊藤 新平2、
岡田 大司2、中村 琢2、菅森 峰2、高橋 伸幸2、遠藤 昭博2、田邊 一明2
1
島根大学医学部附属病院 検査部、2島根大学医学部 循環器内科
【背景】2 次元スペックルトラッキング法(2DSTE)による左房機能の解析が可能となった。今回、2DSTE を用いて大動脈弁狭窄症
(AS)の左房機能について検討した。
【方法】対象は AS 患者 25 例(76±9 歳)を対象とした。AS の重症度より中等症群(大動脈弁
口面積(AVA)≧1.0cm2)と重症(AVA<1.0 cm2)非手術群と重症手術群の 3 群に分けた。2DSTE により四腔断面から左房の Peak
global longitudinal strain(LA-S)を計測した。また左房容量係数(LAVI)及び最大左房容量(LAVmax)、最小左房容量(LAVmin)
から Left atrial emptying fraction(LAEF)を算出した。これら左房機能指標と左室の心エコー図指標を比較検討した。
【結果】中等
症群は 9 例(AVA 1.10±0.10cm2)、非手術群は 8 例(AVA 0.68±0.19cm2)、手術群は 8 例(AVA 0.52±0.18cm2)であった。3 群間
において左室駆出率(65±6 vs. 67±4 vs. 61±12%;ANOVA=0.49)と左室心筋重量係数(119±40 vs. 168±84 vs. 152±25 g/m 2;
ANOVA=0.16)に、有意差は認めなかった。LAVI は中等症群と非手術群、手術群(40±14 vs. 66±22 vs. 64±22 mL/m2)の 3 群は
有意差を認めたが(ANOVA=0.014)、非手術群と手術群の 2 群間に有意差は認められなかった(p=0.69)。LA-S、LAEF においては、
手術群が最も低値を示した(LA-S;13.8±2.8 vs. 12.9±3.0 vs. 9.1±2.6%;ANOVA=0.014、LAEF;51±6 vs. 43±10 vs. 31±13%;
ANOVA=0.006)。【結語】AS の重症度が高度になると左房の拡大を認め、手術が必要となる症例はより左房機能が低下していた。
吉田くに子1、小保方 優1、根岸 一明2、黒沢 幸嗣1、反町 秀美1、倉林 正彦1
1
群馬大学医学部附属病院、2タスマニア大学、メンジーズ研究所
Background:It is not fully elucidated why women have more embolic
stroke than men. We investigated sex differences in the relationships among
LA mechanics and CHADS2 score in AF patients. Methods:Global peak
systolic atrial longitudinal strain(GLAS)was assessed in 397 subjects(141
women)with paroxysmal/persistent AF. Results:Women were older and
had higher CHADS2 score, larger LA and lower GLAS than men. Women
had significantly stronger negative correlation(r=-0.58, p<0.001)between
GLAS and CHADS2 than men
(r=-0.27, p<0.001)
(p=0.002)
. Female gender
was an independent contributor to reduced GLAS after adjusting for confounding factors(CHADS2 components, BSA, systolic BP, LVEF, LV mass,
LA volume and rhythm during echo).Similar was found in 230 age-matched
subjects.Conclusions:Women have a greater reduction in LA strain than
men as the CHADS2 score increases.
3D 経食道心エコー図法による拡張後期僧帽弁面積変化率による心房括約筋機能の評価
O8-4
金澤 晃子1、高野 真澄2、神 雄一郎1、渡邊 俊介1、石田 悟朗1、遠藤 教子1、新妻 健夫1、
小松 宣夫1、武田 寛人1
1
太田綜合病院附属太田西ノ内病院 循環器内科、2福島県立医科大学 集中治療部
【背景】僧帽弁輪面積(MAA)は心周期に伴う形態変化を示し、拡張後期に
おける MAA の変化は、心房括約筋の収縮に伴うことが示されている。しか
しながら、僧帽弁逆流症(MR)における心房括約筋機能障害の有無につい
ては明らかにされていない。
【目的】MR 患者における心房括約筋機能と左房
拡大との関係を検討すること。
【方法】重症 MR 患者 11 名において、経食道
心エコー図法による僧帽弁の 3D 画像を取得した(full volume mode,IE33)
。
オフライン解析にて、一心周期に対する拡張後期 MAA 変化率を算出し
(MAAatrium=ΔMAA in late diastole/ΔMAA in a cardiac cycle、図)
、心房
括約筋機能の指標とした。全症例において、MAAatrium と心エコー指標と
の関連について検討した。
【結果】MR 患者において、MAAatrium は左房拡
大に伴い有意に低下していた(R=-0.55,P<0.05)が、左室径や左室駆出率
とは関連しなかった。
【結語】MR 患者において、拡張後期僧帽弁輪部面積変
化率は心房括約筋機能の指標として有用で、左房拡大に伴い低下していた。
149
一 般 口 演
Sex Differences in Left Atrial Strain and its Relationship to CHADS2 Score in
Patients with Atrial Fibrillation
O8-3
第26回日本心エコー図学会学術集会
左房容積の決定因子:左房容積は左室拡張能のみで規定されるのか?
O8-5
李 政哲1、大門 雅夫2、中尾 倫子2、川田 貴之1、木村 公一1、廣川 愛美1、宇野 漢成4、
竹中 克2、山崎 力3、小室 一成1
1
東京大学 医学部 附属病院 循環器内科、2東京大学 医学部 附属病院 検査部、
東京大学 医学部 附属病院 臨床研究支援センター、4東京大学 医学部 コンピュータ画像診断学/予防医学講座
3
【目的】
左房容積の増大は心房細動、脳梗塞、心不全発症のリスクである。ともに左室充満圧を反映することから、左房容積は左室拡張不全(Diastolic Dysfunction,DD)の解剖学的指標とされている。しかし、DD は加齢とともに進行する一方で、左房容積は加齢とともに増大しないという報告が相次いでお
り、左房容積は DD の単純な代替マーカーでないことが示唆される。そこで我々は、心房細動、脳梗塞、心不全発症のリスク因子の中から左房容積拡
大に影響する因子を包括的に検討した。
【方法】
この横断研究は東大検診部を 2009 年 7 月から 2012 年 7 月までに受診した心疾患のない 807 例(左室駆出率≧50%、平均 60±12 歳、男性 440 例)を対
象とした。左房容積係数の自然対数を目的変数とし、説明変数として性別、年齢、喫煙、飲酒、高血圧症、糖尿病、血清総コレステロール、運動習慣、
肥満指数、左室駆出率,左室重量係数、DD grade、ヘモグロビン、血清クレアチニン、血清尿酸、血清ナトリウム、血清鉄を含み包括的に評価した。
【結果】
対象のうち高血圧は 24.4%、糖尿病は 5.2%で認め、50.8%に左室拡張不全を認めた。多変量解析の結果、左房容積係数は、肥満(p 値<0.001)、運動習
慣(0.01)、DD grade 3(<0.001),DD grade 2(<0.001),貧血(<0.001)にも独立に関連した。これら因子の包括的な重回帰モデルと、DD のみの
単変量回帰分析モデルの R2 を比較すると、0.17 と 0.086 であり、単変量回帰のモデルに比べ、重回帰モデルはより、左房容積係数を説明していたこと
が示された。
【結語】
左房容積は左室拡張能のみでは規定されない。左房容積は、従来の左室拡張不全に加え、肥満、運動習慣、貧血にも独立に関連している。
一 般 口 演
負荷心エコー図検査が病態の把握および治療効果の判定に有用であった僧帽弁形成術後に収縮期僧
帽弁前方運動を認めた一例
O9-1
鈴木 駿輔1、平松 直樹1、西川 伸一1、薗田 明広1、竹内 泰代2、坂本 裕樹2、坂口 元一3、島田 俊夫4
1
独立行政法人静岡県立病院機構 静岡県立総合病院 検査技術室、
独立行政法人静岡県立病院機構 静岡県立総合病院 循環器内科、
3
独立行政法人静岡県立病院機構 静岡県立総合病院 心臓血管外科、
4
独立行政法人静岡県立病院機構 静岡県立総合病院 臨床研究部
2
症例は 52 歳男性。平成 25 年 11 月に労作時息切れと動悸を主訴に近医を受診し、僧帽弁閉鎖不全症(MR)による心不全と診断され
た。同年 12 月に当院心臓血管外科に紹介受診となり、施行された経胸壁・経食道心臓超音波検査(TTE・TEE)では、腱索断裂を
伴った後尖逸脱による重度 MR と診断された。平成 26 年 1 月下旬、僧帽弁形成術(逸脱部位を三角切除し縫合、人工弁輪縫着)が
施行され、術中所見では、後尖(P2)の支持腱索断裂と広範囲の逸脱を認めた。水試験では、有意な逆流は認めず弁尖の接合は良好
であったため、人工心肺離脱を試みたところ、収縮期僧帽弁前方運動(SAM)による中等度の MR が確認された。カテコラミン点滴
を中止し容量負荷を行うと SAM は消失し MR はわずかとなったため、手術を終了した。術後のリハビリ経過中、階段歩行時に息切
れ症状が出現した。安静時 TTE では軽度 MR を認めるのみであったため、負荷による判定が必要と判断した。薬剤負荷 TTE 評価を
行ったところ、イソプロテレノール負荷中(負荷開始 3 分後、心拍数 100bpm 時点)に、SAM による重症 MR が出現し、一過性に
血圧が 51/32mmHg と低下した。このため、再形成術が必要と判断され、同年 2 月中旬に 2 度目の僧帽弁形成術を施行。術後の運動
負荷 TTE では SAM は認めず、MR はごく軽度となった。
本症例における SAM 出現の機序は、大きな後尖による前尖の持ち上げによって生じたと考えられ、術前の心エコーによる弁の形態
評価とリスク因子検討の重要性を再認識した症例であった。また、負荷 TTE が病態の把握および治療効果の判定に有用であったの
で報告する。
体位変換によって出現する左室流出路狭窄の 1 例
O9-2
平田有紀奈1、山田 博胤2、西尾 進1、鈴川 理乃1、堀家 由貴1、玉井佑里恵1、鳥居 裕太1、
天野 里江1、山尾 雅美1、高川由利子2、坂東 美佳2、林 修司1、楠瀬 賢也2、佐田 政隆2
1
徳島大学病院 超音波センター、2徳島大学病院 循環器内科
症例:89 歳,男性.主訴は,動悸,呼吸苦.近医で心雑音と心電図異常を指
摘され,原因精査のため当院循環器内科に紹介された.来院時,脈拍 64/分・
整,血圧 116/64mmHg,SpO2 98%,第 3 肋間胸骨左縁を最強点とする Levine
2/6 度の収縮期駆出性雑音を聴取した.心エコー図検査で,心室中隔基部の
肥厚を伴う S 字状中隔による左室流出路血流の軽度加速(1.5m/s)を認め,
他には心雑音の原因は指摘できなかった.Valsalva 負荷を行うと流出路血流
速度は 2.3m/s に増加した.仰臥位での観察では,安静時の左室流出路血流速
度は 2.0 m/s と左側臥位時と比較して有意に増加し,Valsalva 負荷を施行す
ると僧帽弁の収縮期前方運動(SAM)が出現し,流出路血流速度が 5.0m/s
にまで増大した.右側臥位でも同様に,左側臥位時には認められなかった高
度の左室流出路狭窄が誘発された.結語:体位変換および Valsalva 負荷に
よって高度の左室流出路狭窄が誘発される S 字状中隔の 1 例を経験した.
150
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
左腕頭静脈から右心房内に進展した intimal sarcoma の一例
O9-3
諏訪 惠信1、宮坂 陽子1、辻本 悟史1、前羽 宏史1、岡田 隆之2、宮坂 知佳3、湊 直樹2、塩島 一朗1
1
関西医科大学 第二内科、2関西医科大学 胸部心臓血管外科、3関西医科大学 病理学
【症例】33 歳・男性。1∼2 週間前からの咳嗽と倦怠感を主訴に、2014 年 8 月某日に当院を受診した。受診時の胸部レントゲンにて両
側下肺野に浸潤影、心電図所見で I 誘導に S 波、II、III、aVF、V1-4 誘導に陰性 T 波を認めた。精査のため施行した心臓超音波検査
で、右心室の軽度拡大、推定肺動脈圧の軽度上昇(41/10 mmHg)を認めた。右心房内に可動性に富んだ mass 様エコーが充満し、
心周期に伴い右心房−右心室間の移動を認めた。下大静脈には明らかな異常構造物は認めなかった。胸部造影 CT 検査にて、異常構
造物は不均一な濃度であり、左腕頭静脈から右心房内にかけて連続性に認められた。また両側肺動脈に造影欠損を認め肺塞栓症が疑
われた。以上から、心臓腫瘍と腫瘍塞栓による肺塞栓症と診断し、心臓外科にて緊急手術を施行した。全身麻酔下に右心房と腕頭静
脈に切開を加え、腕頭静脈から右心房に連続する腫瘍を摘出した。摘出標本の病理学的検査の結果、短紡錘形や星芒状、一部多稜形
を示す細胞が多数増生し、組織学的壊死巣が散在性に認められた。核は大小不同で多形性を示し、病的核分裂像の所見が得られた。
以上の所見に加え免疫組織化学的検討を行った結果、intimal sarcoma の診断に至った。【考察】心臓腫瘍は稀有な疾患であり、80%
が良性腫瘍とされる。Cardiac sarcoma は心臓原発の悪性腫瘍のうち 75% 程度を占めるが、intimal sarcoma の報告は稀である。ま
た、過去の報告では動脈系の原発が多いとされる。今回我々は、静脈系から発生したと考えられる比較的稀な intimal sarcoma を経
験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
佐藤 和奏1、渡邊 博之1、飯野 貴子1、鬼平 聡2、伊藤 宏1
1
秋田大学 大学院医学系研究科 循環器内科学・呼吸器内科学、2きびら内科クリニック
【症例 1】40 代女性。上肢血圧の左右差を認め、大動脈炎症候群 1 型と診断された。血管エコー検査では左鎖骨下動脈と左椎骨動脈の
狭小化、左総頸動脈の完全閉塞を認めた。さらに、右総頸動脈 3 か所に限局性の薄い隔壁様構造物を認めた。本病変は可動性を伴わ
ず、同部位で中等度狭窄を来たしていた。すでに炎症は鎮静化していたため、抗血小板薬を導入した。
【症例 2】50 代女性。大動脈弁
閉鎖不全症によるうっ血性心不全のため入院。26 歳時、左橈骨動脈の脈拍減弱を指摘され、大動脈炎症候群 2b 型と診断された。そ
の際の大動脈造影検査にて上行大動脈から大動脈弓の拡張、胸部下行大動脈の狭小化、左総頸動脈の著明な狭小化、左鎖骨下動脈の
閉塞、右総頸動脈分岐部手前に狭窄病変を認めた。今回入院時の血管エコー検査では、上記所見に加え、右総頸動脈分岐部手前に可
動性のない薄い隔壁様構造物が存在し、同部で 3.0 m/s に及ぶ加速血流を認めた。脳血流シンチでは明らかな脳血流の低下は認めず、
無症候性であることから、右総頸動脈の狭窄病変は手術適応とはならず経過観察の方針とした。上記 2 症例は大動脈炎症候群に、右
総頸動脈の隔壁様構造物を合併したものである。いずれも狭窄の進行はなく、初診時から著変なく経過している。大動脈炎症候群の
頚動脈狭窄病変の形態としては、動脈壁の全周性の肥厚(マカロニサイン)が典型的で、本症例のような隔壁様構造物による狭窄は
非常に稀である。本病変は非常に薄いにも関わらず可動性を全く伴わず、その形成過程も非常に興味深く、文献的考察を含めて報告
する。
O9-5
Bentall 術後に経時的な拡大を認めた上行大動脈仮性瘤の 1 例
本田 洵也、中務 智文、山本 昌良、石津 智子、瀬尾 由広、青沼 和隆
筑波大学 医学医療系 循環器内科
症例は 53 歳女性。既往として、41 歳時に脳動脈瘤、48 歳時に躁鬱病がある。
患者は 2007 年 12 月 26 日、大動脈弁弁膜瘤(感染性心内膜炎)、大動脈弁閉
鎖不全症の診断で大動脈弁置換術を施行した。2008 年 12 月 6 日人工弁脱落
のため、緊急 Bentall 手術を施行した。2009 年 10 月 follow の CT で大動脈基
部に限局する仮性瘤を認めた。2010 年 1 月、躁鬱病で精神科入院中に胸痛発
作があり、狭心症が疑われ、冠動脈造影を施行した。RCA 入口部に 75% 狭
窄と、人工血管と LMT 吻合部に 75% 狭窄を認められた。同時期に施行した
CT では、上行大動脈仮性瘤の拡大を認められた。一度は手術困難と判断し
長期的に経過観察していたが、仮性瘤の拡大を認めるため、再手術の必要性
があると考えられた。退院後、セカンドオピニオン目的に他院を受診する方
針となった。心エコーと心電図同期下造影 CT を用いて、吻合部仮性瘤の形
成・進展を詳細に評価することが可能であったのでここで報告する。
151
一 般 口 演
隔壁様構造物による総頸動脈狭窄を来たした大動脈炎症候群 2 症例
O9-4
第26回日本心エコー図学会学術集会
O10-1
Early systolic lengthening と post-systolic shortening は周辺領域の収縮の影響を受ける:
冠動脈 2 枝閉塞モデルによる検討
櫻井 大輔1、浅沼 俊彦1、増田 佳純1、岡 雅通1、小谷晃一郎1、井上 勝次2、中谷 敏1
1
大阪大学 医学系研究科 機能診断科学講座、2愛媛大学大学院 循環器呼吸器腎高血圧内科学講座
【背景】心筋が虚血に陥ると、収縮期最大ストレイン値の低下だけでなく、収縮早期に心筋が伸展する運動 early systolic lengthening
(ESL)及び、拡張期に短縮する運動 post-systolic shortening(PSS)がみられ、虚血の鋭敏な指標になることが報告されている。シ
ミュレーションモデルにおいて、これらの微細心筋運動は周辺の収縮の保たれた非虚血領域からの張力により発生するとされている
が、実際の生体モデルでは証明されていない。動物実験により左冠動脈前下行枝(LAD)を閉塞後、引き続き左冠動脈回旋枝(LCx)
を追加閉塞し、ESL や PSS が周辺領域の収縮に影響を受けるか検討した。
【方法】麻酔開胸犬 7 頭を対象とした。GE 社製 Vivid E9
を用いて、閉塞前、LAD 閉塞時、LAD と LCx の 2 枝閉塞時に左室短軸像を取得した。スペックルトラッキング法により circumferential ストレインを解析した。LAD 領域と LCx 領域の収縮末期ストレイン値(εES)、ESL と PSS のストレイン値(εESL、εPSS)を計測
、ESL と PSS
した。【結果】LAD 閉塞時には、閉塞前と比べて LAD 領域の εES は有意に低下し(-12.7±2.1 vs. 5.9±6.0%,p<0.05)
。2 枝
が増強したため、εESL と εPSS は有意に上昇した(εESL:1.2±1.0 vs. 9.0±3.9%,p<0.05、εPSS:0.9±1.0 vs. 10.0±3.1%,p<0.05)
、LAD 領域の εESL と εPSS は有
閉塞時には、LAD 閉塞時と比べて LCx 領域の εES は有意に低下し(-11.9±2.3 vs. -0.3±1.9%,p<0.05)
。
【結論】ESL と PSS は周辺領域の収縮
意に低下した(εESL:9.0±3.9 vs. 2.4±2.2%,p<0.05、εPSS:10.0±3.1 vs. 3.1±1.8%,p<0.05)
の影響を受ける。多枝病変患者の評価には、このことを考慮する必要がある。
一 般 口 演
O10-2
PCI 成功後における STEMI 例の LV Remodeling 予測:ドプラを用いた冠動脈血流・左室流入血
流速波形からの検討
山室 淳、民田 浩一、徳田 剛宏、岩村 世晴、前田 美歌、兵頭 永一、吉川 純一
西宮渡辺心臓・血管センター
【目的】ST 上昇型心筋梗塞(STEMI)の再灌流後の左室流入血流速波形における Deceleration time(DT)の短縮は予後不良を示
す。一方、ドプラガイドワイヤーを用いた冠動脈血流波形の Diastolic deceleration time(DDT)は長期心事故合併予測が可能であ
る。研究の目的は冠動脈形成術治療(PCI)成功例において、冠動脈血流・左室流入血流速波形評価と LV remodeling の関連を検討
すること。【方法】PCI が成功した(<50% residual stenosis with TIMI flow grade 2-3)初回前壁 STEMI 連続 201 例で、冠動脈血
流速波形は PCI 直後にドプラガイドワイヤーを用い記録した。Microvascular Obstruction(MVO)は冠動脈血流速波形が DDT≦
600ms で収縮早期逆流波を示す例とした。左室流入血流速波形は心筋梗塞発症 3 日目に評価した。DT≦130ms を Restrictive パター
ンとした。左室造影は PCI 直後と発症 6 カ月目に施行し左室容積を求めた。LV remodeling は End-diastolic volume index≧20% と
定義した。患者を 3 群に分類:Group 1;Restrictive(-)MVO(-)
、Group 2;Restrictive か MVO を示す、Group 3;Restrictive
(+)MVO(+)
。
【成績】Group 3 は最も LV remodeling を合併したが、Group 1 のリスクは最低であった(7/116:6% for Group 1,
14/38:37% for Group 2,39/47:83% for Group 3;p<0.001)。
【結論】STEMI における PCI 成功例でも、冠動脈血流・左室流入血
流速波形の評価から LV remodeling 予測が可能で、急性期より患者の重症度分類に有用である。
O10-3
Primary PCI 時代における AMI 機械的合併症の発生頻度:連続 2900 例に対する経胸壁心エコー
図検査による検討
木村 俊之、渡邉 望
宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科
【背景】急性心筋梗塞(AMI)に対する再灌流療法は、心筋サルベージの点
で発症から再灌流までの時間(onset-to-reperfusion time)が重要である。同
時間の短縮が機械的合併症、院内死亡の発生率に与える影響を検討した。
【方
法】1997 年 1 月から 2014 年 3 月までに当心臓病センターに AMI で搬送され
た連続 2,900 症例で、入院時及び入院経過中に心エコー図検査が施行された。
心エコーにより診断された機械的合併症(自由壁破裂/心室中隔穿孔/乳頭筋
断裂)の発生頻度及び院内死亡率を onset-to-reperfusion time 毎の 4 群間で
比較検討した。
【結果】全症例中、機械的合併症が 3.6%、院内死亡が 9.8% に
みられた。このうち経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行しなかっ
た患者では、機械的合併症 15.3%、院内死亡 42.6% と PCI 施行群と比較し非
常に高率であった。PCI 施行群では、onset-to-reperfusion time に応じて機械
的合併症発生率(p =0.014)、院内死亡率(p =0.045)の有意な増加がみられた
(図)。
【結語】早期再灌流は致死的な機械的合併症の発生頻度を有意に低下さ
せ、AMI の死亡率を改善した。
152
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
O10-4
心筋梗塞発症後のエリスロポエチン投与は冠循環を改善するか?
折居 誠、平田久美子、湯峯奈都子、竹本 和司、塩野 泰紹、山野 貴司、松尾 好記、猪野 靖、
久保 隆史、田中 篤、赤阪 隆史
和歌山県立医科大学 医学部 循環器内科
背景:エリスロポエチン(EPO)の障害心筋に対する抗アポトーシス作用や血管新生促進効果が報告されているが、急性心筋梗塞
(AMI)患者の冠循環に及ぼす影響は明らかではない。本研究の目的は、EPO 投与による AMI 患者の冠循環改善効果の有無、およ
び心筋バイアビリティへの影響を明らかにすることである。方法:血行再建に成功した急性前壁梗塞患者 61 症例を、EPO 投与群(32
例)とコントロール群(29 例)に無作為割り付けした。EPO 群には遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤 12,000 単位を、コント
ロール群には生理食塩水を経静脈的に単回投与した。経胸壁心エコー図で左前下行枝の冠血流予備能(CFR)を AMI 発症 1 週間、
1 ヶ月、8 ヶ月後に計測した。また発症 1 ヶ月後に心臓 MRI を施行し、梗塞サイズと壁深達度(Grade 1:<25%、Grade 2:25-50%、
Grade 3:51-75%、Grade 4:>75%)を計測した。結果:クレアチンキナーゼのピーク値(EPO 群:2749±1912,コントロール群:
2234±1480 U/L,p=0.26)
、発症 1 週間後の CFR 値(EPO 群:2.1±0.5,コントロール群:1.9±0.5,p=0.12)は 2 群間で差を認めな
かった。発症 8 ヶ月後における左室駆出率に差は認めなかったが(EPO 群:53±7,コントロール群:50±7%,p=0.19)
、EPO 群の
CFR 値(2.9±0.6)はコントロール群(2.6±0.5)に比して有意に高値であった(p=0.04)。心臓 MRI おける梗塞サイズは 2 群間で差
を認めなかったが、壁深達度において EPO 群(2.2±1.3)は、コントロール群(2.9±1.2)に比して低い傾向が認められた(p=0.06)。
結論:AMI 発症後の EPO 投与は、慢性期の冠血流予備能、および心筋バイアビリティの改善に関与している可能性が示唆された。
Improvement Of Global Longitudinal Strain After Percutaneous Coronary Intervention
For Chronic Total Occlusions
千村 美里、大西 哲存、松山 苑子、月城 泰栄、川合 宏哉
兵庫県立姫路循環器病センター
Objective:Little is known of the potential effects of successful revascularization of chronic total occlusions
(CTO)
on left ventricular
(LV)function. This study was conducted to investigate the impact of revascularization of CTO on LV function using LV global
longitudinal strain(GLS).Methods:A total of 79 patients(66±8.9 years, LVEF 54±12%)with CTO who underwent percutaneous
coronary intervention
(PCI)
were included in this study. Echocardiography was performed before the procedure and 9 month after
the procedure with conventional assessment including and with 2DSTE analysis. Results:Successful PCI(TIMI 3 flow)was
obtained in 69 patients. GLS showed a significant improvement 9 months after successful PCI group and ΔGLS is greater in successful PCI group than failed group. Conclusion:Successful PCI for CTO improves left ventricular function assessed by LV GLS.
This improvement may be associated with the long-term beneficial effect of PCI for CTO lesions.
O11-1
拡張型心筋症の予後予測における右室ストレイン指標の付加的価値
月城 泰栄、大西 哲存、松山 苑子、千村 美里、山田慎一郎、谷口 泰代、矢坂 義則、川合 宏哉
兵庫県立姫路循環器病センター 循環器内科
背景;拡張型心筋症(DCM)において、右室機能は左室機能や肺血管抵抗と
ともに重要な予後指標である。目的;DCM の予後予測において、右室スト
レイン指標に左室機能指標や肺血管抵抗を上回る付加的価値があるかを検討
した。方法;心不全で入院した DCM81 症例(平均年齢 59 歳、女性 24 人、
平均左室駆出率 31%)を対象とし、観血的血行動態指標、左室機能指標、右
室ストレインを含めた右室機能指標を測定した。心血管死・心不全再入院を
エンドポイントと定義し、Cox 比例ハザードモデルにて予後解析を行った。
結果;平均 28 か月の観察期間中 11 症例がエンドポイントに達した。単変量
解析および ROC 曲線解析により、左室収縮末期径(LVESD)
、E 波減衰時間
(DT)、肺血管抵抗(PVRI)、右室長軸ストレイン(RVGLS)が予後に関連
する因子であった。さらに RVGLS を LVESD、DT、PVRI の 3 指標に加え
ることにより、DCM の予後予測能を有意に高めることがわかった(p<0.01)。
結語;DCM において RVGLS は重要な予後指標であり、左室機能指標および
肺血管抵抗に加えることにより、さらに正確な予後予測が可能となる。
153
一 般 口 演
O10-5
第26回日本心エコー図学会学術集会
O11-2
‘形態的左室緻密化障害 を呈する拡張型心筋症の特徴
前川 恵美、小板橋俊美、柿崎 良太、飯田祐一郎、池田 祐毅、鍋田 健、石井 俊輔、柳澤 智義、
成毛 崇、水谷 知泰、品川 弥人、竹内 一郎、猪又 孝元、阿古 潤哉
北里大学 医学部 循環器内科学
【背景】左室緻密化障害(left ventricular noncompaction:LVNC)は、左室内面の肉柱形成とその間の深い陥凹を形態的特徴とし、
遺伝的要素が強く主に小児にみられる稀な疾患である。診断には、病理組織により緻密層と非緻密層を証明する必要があるが、心筋
全層の病理組織検査は困難であり、心エコー図検査で形態的に評価される。しかし、成人例の多くに LVNC の定義をみたす症例を経
験する。真の LVNC と形態的な LVNC を呈した拡張型心筋症(DCM)との鑑別は困難であるが、DCM における形態的 LVNC の臨
床的意義については明らかになっていない。今回、形態的 LVNC を呈する DCM の特徴について検討した。
【方法】2007 年から 2013
年に、当院で DCM と初診断された 106 例のうち、心エコー図動画を再計測可能であった 45 例を対象とした。LVNC 所見を認める群
を NC 群(19 例)、認めない群を C 群(26 例)とし比較検討した。【結果】NC 群と C 群間で、年齢、性別、家族歴などの臨床背景
や、左室駆出率(29% vs. 32%,p=N.S.)を含めた退院時の心エコー図所見に有意な差を認めなかった。しかし、観察期間中(平均
922±576 日)に低心拍出症候群を呈する症例は NC 群で有意に多く(11 例 vs. 5 例,p<0.05)
、心臓死も同様の結果であった(5 例
vs. 0 例,p<0.05)
。【結論】形態的に LVNC 所見を呈する DCM 症例では、呈さない症例に比べて重症例で、予後不良である可能性
が示唆され、形態的な LVNC の有無は注目すべき視点であると考える。
一 般 口 演
O11-3
当院における左室心筋緻密化障害の検討
伊藤 歩、江口 駿介、鈴木 博彦、小椋 康弘、青山 豊、神谷 宏樹、七里 守、吉田 幸彦、
平山 治雄
名古屋第二赤十字病院 循環器センター 循環器内科
【背景】左室心筋緻密化障害(LVNC)は,心室壁の過剰な網目状の肉柱形成と深い間隙の 2 層構造を形態的特徴とし,AHA 分類で
は遺伝性疾患の一次性心筋症と分類されている.現在統一した診断基準はないが心臓超音波検査が有用であるとされている.多くは
新生児期・乳児期に重篤な心不全症状で発症し急激な経過をとるとされているが,近年成人の報告例も見られるようになり,それほ
ど稀な疾患ではないと考えられるようになってきている.
【目的】LVNC は疾患概念や診断基準があまり認知されていない疾患であ
り,日常診療において見逃されている可能性はないかと考え検討を行った.
【対象・方法】2012 年 12 月から 2013 年 12 月までに当院
で施行された経胸壁心臓超音波検査 8486 例中,成人かつ左室収縮率(EF)が 60%以下の症例 3043 例を対象に retrospective に検討
を行った.
【結果】LVNC を疑う症例は 27 例(0.89%)で,そのうち EF40% 以下の症例が 13 例と多く認めた.27 例中 21 例で拡張障
害を認め,左室収縮能低下に先行して拡張障害を来した症例は 8 例であった.循環器内科以外の依頼で施行され LVNC が発見された
症例は 27 例中 13 例(0.48%)であった.脳梗塞等の血栓症を伴う症例は 27 例中 5 例で,そのうち EF40% 以下が 4 例と心機能低下
症例に多く認めた.心電図で伝導障害を認めた症例は 7 例で,そのうち 3 例で左脚ブロックを認めた.【結論】LVNC は統一した診
断基準はなく,心臓超音波検査が有用である.疾患概念の普及に努め早期診断を行い,診断後は定期的に経過をおい,心機能低下を
認めた場合,合併症予防のために抗血栓療法等早期治療介入すべきである.
O11-4
肥大型心筋症における左室流出路閉塞と僧帽弁弁尖長との関連
奈良 育美、飯野 貴子、新保 麻衣、渡邊 博之、伊藤 宏
秋田大学大学院 医学系研究科 循環器内科学・呼吸器内科学
背景:閉塞性肥大型心筋症(HOCM)の左室流出路閉塞を増悪させる形態学的因子として、心室中隔の非対称性肥厚、心室中隔-僧帽
弁間の狭小化、僧帽弁の収縮期前方運動(SAM)などが知られているが、SAM を構成する僧帽弁の形態学的特徴と左室流出路閉塞
との関係は不明である。目的:肥大型心筋症(HCM)での左室流出路閉塞に寄与する形態学的因子を検討する。方法:未治療の
HCM33 例(年齢 61±17 歳、男性 17 例)を左室流出路圧較差(LVOTPG)により HOCM 群(LVOTPG≧30 mmHg)、HNCM 群(<
30 mmHg)の 2 群に分類し、心エコー上の解剖学的パラメーターを比較した。結果:2 群間で心室中隔厚・後壁厚、左室駆出率、左
室拡張末期径、左室収縮末期径(LVDs)、僧帽弁弁輪径、左室流出路径に有意差を認めなかった。HOCM 群では全例に SAM の合併
が認められたが、HNCM 群における SAM の合併率は 50% であった(p=0.04)
。僧帽弁弁尖長について検討したところ、後尖長は 2
群間で有意差を認めなかったが、前尖長(AML)は HOCM 群で HNCM 群に比し有意に長く(26.2±6.1 vs. 21.6±5.4 mm,p=0.03)、
さらに AML/LVDs 比は、HOCM 群で有意に大きかった(1.09±0.4 vs. 0.82±0.3,p=0.02)
。LVOTPG と AML/LVDs 比には正の相
関が認められ、多変量解析では AML/LVDs 比のみが LVOTPG に関与する独立した危険因子であった。結論:HOCM では AML が
延長し、AML/LVDs 比の増大は左室流出路閉塞に寄与する。
154
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
O11-5
閉塞性肥大型心筋症に対する左室心筋切除術の有効性に関する検討
古堅あずさ1、橋本 誠2、光部啓治郎2、角野 聡2、光島 隆二2、道井 洋吏2
1
札幌ハートセンター 札幌心臓血管クリニック 循環器内科、2札幌ハートセンター 札幌心臓血管クリニック 心臓血管外科
閉塞性肥大型心筋症(HOCM)に対する治療として、経皮的中隔心筋焼灼術を含め内科的治療が広く行われているが、外科的心筋切
除術は有効性が明らかでありながら日本では実施にいたる症例は少ないのが現状である。心筋切除術例における心エコー所見をふま
えた機能的・形態学的評価に関する詳細検討は少なく、外科的心筋切除術例における心エコー的特徴について検討した。
【方法】2012
年 5 月から 2014 年 9 月に、当院で pure HOCM に対する心筋切除術を施行した 9 例(年齢:48 歳-85 歳、男性 4 例)を対象とし、
Philips 社 iE33 および GE 社 E9 を用いて切除術施行前の左室形態、異常肉柱の有無、左室流出路形態および心内膜輝度の変化、僧帽
弁逆流、施行前後の圧較差変化、ドブタミン負荷心エコー所見を検討した。【結果】術前左室流出路最大圧較差は 7 例で安静時に
50mmHg 以上を認め、2 例はドブタミン負荷で 50mmHg 以上への上昇を認めた。1 例を除き安静時心エコーで SAM を認め、うち 3
例は moderate MR を呈していた。安静時 SAM を呈さなかった 1 例もドブタミン負荷で SAM を呈した。経胸壁心エコーおよび経食
道心エコーにて心筋肥厚部位・至適切除方向および範囲・異常肉柱の描出を行い、流出路心筋切除術と乳頭筋周りの異常肉柱を含め
た心筋切除術を全例で完遂し、いずれの症例も術後 SAM は消失し、左室流出路最大圧較差は 10mmHg 以下となり MR 改善を認め
た。
【結語】いずれも十分な圧較差軽減獲得が可能であり、術前に心エコーにて異常肉柱の描出を含めた左室流出路形態、至適切除範
囲の同定を良好に行うことが有用であると考えられた。
たこつぼ型心筋症の回復過程において一過性心尖部肥大様変化を示す症例の発症頻度とその特徴
橋本 剛1、鈴木 真事1、吉川 尚男1、大塚 健紀1、楠瀬友季子1、欠端 仁美2、竹内 愛2、
石川 陽子2、大崎 司2、吉川 浩一2、飯島 雷輔1、原 英彦2、諸井 雅男1、中村 正人1、杉 薫1
1
東邦大学医療センター 大橋病院 循環器内科、2東邦大学医療センター 大橋病院 臨床生理機能検査部
背景:たこつぼ型心筋症は一過性の心収縮能障害を呈する疾患として知られている。過去の報告で、心収縮能の回復過程において一
過性に心尖部肥大様の変化を呈する症例があることが示されている。本研究の目的は、心尖部肥大様の変化を示す症例群と通常の回
復過程を呈する症例群の比較をすることである。方法:当院での過去約 10 年間におけるたこつぼ型心筋症 55 例を対象とした。症例
は通常の心収縮能の回復過程を示す通常群と、心尖部肥大様の変化を示す APH 群の 2 群に分けた。心合併症は、心臓死、心不全
(KILLIP II∼IV)、持続性心室頻拍、心室細動、高度房室ブロックと定義した。結果:55 例中 15 例において、心収縮能改善過程で心
尖部肥大様変化を呈した。通常群と APH 群において、患者背景や血液検査値などに有意な差はなかったが、心合併症は APH 群が通
常群に比べて有意に少なかった(APH 群:通常群 =4/15(26.7%):27/40(70%)、P<0.001)。また、心合併症のうち心臓死を除い
た場合でも APH 群が通常群に比べて有意に少なかった(APH 群:通常群 =4/15(26.7%)
:23/40(57.5%)
、P<0.005)
。結論:たこ
つぼ型心筋症において、継続的な心エコー図検査による観察によって 27.2%に心収縮能回復過程に一過性心尖部肥大様変化を呈する
症例があることが分かった。APH 群は通常群に比べて心合併症が有意に少ないことが分かった。心尖部肥大様変化はたこつぼ型心筋
症における予後予測因子として有用であると考えられた。
O12-1
非弁膜症性心房細動患者における経食道超音波を用いた心房中隔欠損症の罹患率及び臨床的特徴の
検討
後藤 依里1、山下 英治1、藤原 健史1、佐々木健人1、中村 紘規1、熊谷 浩司1、内藤 滋人1、
岡庭 裕貴2、戸出 浩之2、大島 茂1
1
群馬県立心臓血管センター 循環器内科、2群馬県立心臓血管センター 生理機能検査課
【背景】心房中隔欠損症(ASD)患者は全人口の約 0.1%を占め、合併症の 1 つに心房細動(AF)があることは知られている。しか
し、AF 者における ASD 発症率やその臨床的特徴は明らかにされていない。
【方法】カテーテルアブレーションを予定された非弁膜
症性 AF 患者 1967 人を対象に、ASD の発症率・臨床的特徴に関して retrospective に調査を行った。対象患者には全てカテーテルア
ブレーション前に経食道超音波(TEE)を施行し、それにより ASD の検出を行った。
【結果】今回調査を行った 1967 人のうち、TEE
で ASD と診断されたのは 21 人(1.07%)であった。このうち 6 人(2.89%)は経胸壁超音波においても検出可能であった。また、
CHADS2 スコア別の罹患率は、0 点:1.11%,1 点:1.04%,2 点:0.71%,3 点以上:1.10%とスコア間で有意差は認めなかった
(p=0.99)
。全体と ASD 群で罹患年齢・CHADS2 スコア・CHA2D2-Vasc スコアごとの分布を比較したが、各分布に差は認めなかっ
た。
【結論】非弁膜症性 AF 患者における ASD の罹患率は、全人口におけるそれよりも明らかに高率であった。また、CHADS2 スコ
ア 0-1 点の血栓リスクが低い患者においても罹患率は同様に高率であり、血栓リスクが低い患者においてもカテーテルアブレーショ
ン前の TEE は必要である可能性がある。
155
一 般 口 演
O11-6
第26回日本心エコー図学会学術集会
O12-2
成人 ASD 症例の僧帽弁形態の検討
岩澤 伸哉1、馬原啓太郎2、吉敷香菜子1、太田 光彦2、泉 祐樹2、福本 梨沙2、齋藤 清美3、朴 仁三1
1
榊原記念病院 小児循環器科、2榊原記念病院 循環器内科、3榊原記念病院 臨床検査科
【目的】心房中隔欠損症では欠損孔通過血流の増加により右室が拡大する。心房中隔欠損例について右室の拡大により僧帽弁形態の変
化がみられるか検討した。
【方法】当院では 2009 年 1 月から 2014 年 11 月までに 15 歳以上の心房中隔欠損症 242 例に経胸壁心エコー
を行った。このうち mild 以上の僧帽弁逆流は 25 例であった。僧帽弁前尖の逸脱によるものが 5 例であり、多くは心房細動、陳旧性
心筋梗塞を背景としたものだった。このうち心臓カテーテル検査および経食道心エコー検査を行い、僧帽弁の 3D エコーを施行した
43 例を対象とした。心臓カテーテル検査で計測した肺体血流比(Qp/Qs)、LVDd、RVD、僧帽弁逆流および 3D 経食道心エコーで計
測した ASD 欠損孔面積、僧帽弁周囲長、僧帽弁前尖(A2)長、僧帽弁後尖(P2)長、僧帽弁前後径および横径について検討した。
【結果】対象は平均 59 歳(17-78 歳)であった。右室拡大により僧帽弁の変形をきたすとの前提で、Qp/Qs が 2 以上の A 群(21 例)
と 2 未満の B 群(22 例)にわけて検討した。ASD 欠損孔は A 群では 3.0cm2、B 群では 2.0cm2、LVDd は A 群で 39.6mm、B 群で
43.8mm、RVD は A 群:48.5mm、B 群:41.8mm であり、Qp/Qs の増加により左室は縮小し、右室は拡大した。mild 以上の僧帽弁
逆流は A 群では 6 例、B 群では 2 例であった。僧帽弁周囲長は A 群で 99.2mm、B 群で 101.6mm、僧帽弁前尖(A2)長は A 群で
20.1mm、B 群で 20.7mm、僧帽弁後尖(P2)長は A 群で 11.1mm、B 群で 11.9mm、僧帽弁前後径は A 群で 27.7mm、B 群で 28.5mm
および横径は A 群で 32.7mm、B 群で 33.2mm であり、A 群および B 群で有意差を認めなかった。【考察】肺体血流比の増加により
右室は拡大したが、僧帽弁の形態には変化を及ぼさなかった。
一 般 口 演
O12-3
経皮的心房中隔欠損閉鎖術後に左室充満圧は上昇するか:経胸壁心エコー図ドプラ法による検討
山野 倫代、山野 哲弘、中村 猛、白石 裕一、松室 明義、白山 武司
京都府立医科大学附属病院 循環器内科
【背景】経皮的心房中隔欠損(ASD)閉鎖術後、左室充満圧(LVFP)が上昇する症例が存在すると報告されている。経皮的 ASD 閉
鎖術後の経胸壁心エコー図ドプラ法により推定される LVFP の変化を評価した。【方法】2011 年 9 月から 2014 年 9 月の間に連続 84
症例に対し経皮的 ASD 閉鎖術を施行し、経胸壁心エコー図を術直前、術後 2 日、1 ヶ月、6 ヶ月で評価した。LVFP は American
Society of Echocardiography のガイドラインをもとに評価した。術後の僧帽弁輪の移動速度(e´)は、デバイス留置が中隔に与え
る影響を避けるため、側壁側(lateral e´)を使用した。
【結果】74 症例の洞調律患者のうち 11 症例は、1 ヶ月後に LVFP 上昇(E/
lateral e´:7.5±2.9 to 13.7±6.9,p=0.009)と判断した。LVFP 上昇群は非上昇群に比して、有意に年齢が高く、留置デバイスサイ
ズも大きかった(67±12 vs. 51±18 years,p=0.007;22[20-26]vs. 19[16-24]mm,p=0.04)
。また術前の心エコー図指標では、
LVFP 上昇群で lateral e´ は有意差を認めなかったが(8.7±2.8 vs. 10.5±3.6 cm/s,p=0.30)、septal e´ が有意に低値であった(5.7
±1.3 vs. 7.9±2.8 cm/s,p<0.001)
。6 ヶ月後には、E/A、E/lateral e´ は共に 1 ヶ月時に比較し低下した(1.33±0.34 to 1.03±0.17,
p=0.07;13.7±6.8 to 12.0±6.4,p=0.04)
。
【結論】ASD 閉鎖術後の LVFP 上昇は、欠損孔サイズと左室拡張機能障害に依存すること
が示唆され、その変化は一過性である可能性がある。
O12-4
心腔内エコーを用いた Fallot 四徴症術後症例における肺動脈弁の形態評価
坂本 一郎1、多田 千恵2、阿部弘太郎1、砂川 賢二1
1
九州大学病院 循環器内科、2九州大学病院 ハートセンター 生理検査室
【背景】Fallot 四徴症(TOF)術後遠隔期の肺動脈弁閉鎖不全は予後不良因子
である。しかしその原因となる肺動脈弁の形態に関しては、経胸壁心エコー
では描出が難しいため検討されていない。
【方法】心臓カテーテル検査を施行
する成人期 TOF 症例 12 例(平均年齢 30±12 歳、男:女 =4:8)に対して、
心臓カテーテル検査後に心腔内エコーを用いて肺動脈弁の評価を行った。肺
動脈弁の形態は肺動脈弁の描出の程度を 0 点から 3 点の 4 段階にスコア化
(Pulmonary Valve Visualization Score:PVVS)し評価した(グレード 3:
肺動脈弁尖まで描出可能,グレード 2:肺動脈弁尖までは描出不能,グレー
ド 1:弁輪部のみ描出可能,レード 0:描出不能)
。
【結果】経胸壁心エコーに
おける PVVS は 1.0±0.9 点であったのに対して、心腔内エコーでは PVVS は
2.3±1.0 点と有意に肺動脈弁を良好に描出した。
【結論】心腔内エコーは TOF
術後症例における肺動脈弁の形態評価に有用と考えられる。
156
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
O12-5
大血管病変に対するカテーテル治療のガイドとしての経肺動脈エコーの有用性
須田 憲治1、工藤 嘉公1、吉本 裕良1、寺町 陽三2、岸本慎太郎1、家村 素史2、松石豊次郎1
1
久留米大学 医学部 小児科、2聖マリア病院 小児循環器科
目的:心房中隔に対して心腔内エコ(ICE)―が一般的に用いられるようになった。ICE カテーテルを肺動脈内に留置し、周囲の血管
に対するカテーテル治療のガイドとして用いることができるか検討した。対象と方法:対象は 8 歳∼76 歳の動脈管開存(PDA)に対
して Amplatzer Duct Occluder あるいはコイルを用いて閉鎖した 5 例、13 歳の大動脈縮窄(CoA)に対してステントを留置した 1
例、33 歳の造影剤アレルギーの既往がある上大静脈(SVC)症候群にステントを留置した 1 例。ICE カテーテル(AcuNav 8Fr)を、
右心系各所に留置してカテーテル治療をモニターできるか検討した。結果:全例カテーテル治療は成功した。PDA では、主肺動脈に
ICE を置き軽く前屈することで、PDA の肺動脈流入部を描出できた。さらに、左肺動脈内に ICE を置き上下を反転させたうえで、
強く後屈させると、PDA の大動脈 Ampulla から肺動脈流入部にかけての長軸像を得ることが可能となり、閉鎖手技を連続的にモニ
ターすることが可能であった。また、残存短絡の評価が容易となり、造影剤の軽減に寄与した。CoA では、PDA と同様に ICE を左
肺動脈に留置・後屈することで CoA の病変を詳しく描出し、狭窄の評価も可能であった。連続的にステント留置の手技もモニターす
ることができ、術後のステントの評価も可能であった。SVC 症候群では、ICE を主肺動脈に置き、右側に向け軽く前屈することで、
大動脈越しに SVC を描出し、狭窄部位とステントの留置過程をモニターすることが可能であった。結論:経肺動脈エコーは種々の大
血管病変に対して有用なガイドと成り得る。
大動脈弁狭窄のおける low flow は何で評価すべきか?―心拍出量と平均流量での比較―
渡邊 伸吾1、上嶋 徳久2、種村 正1、佐々木伸子1、由井 恵美1、片岡 容子1、堤 由美子1、澤田 準2
1
公益財団法人 心臓血管研究所付属病院 臨床検査室、2公益財団法人 心臓血管研究所付属病院 循環器内科
【目的】AVA は flow の影響を受けるが low flow の定義は定まっていない。
Hachicha らは一回心拍出量係数(SVi)を、Blais らはドブタミン負荷エコー
での平均流量(FR)を用いている。どちらが良いかについては議論が深まっ
ていない。今回、弁抵抗値(RES)を基準として AVA の flow 依存性がどれ
くらいあるかを SVi と FR で評価した場合で比較した。
【方法】大動脈弁狭窄
1386 例(年齢 75±10 歳)を対象とした。AVA と RES の関係に SVi と FR
がどのように関与するのかを統計学的に検討した。SVi と FR は連続変数で
処理した場合と 3 分位で分けて名義変数で処理した場合の両方を検討した。
【成績】RES が同じでも SVi,FR が小さいほど AVA は小さくなった。SVi
と FR を連続変数で重回帰分析を行った場合、β 値は FR で大きかった(SVi
vs FR:-0.12 vs-0.15)
。SVi と FR を名義変数として共分散分析を行った場合、t 値は FR で大きかった((高流量に対して)SVi の低
流量/中流量 vs FR の低流量/中流量:13.1/6.5 vs 17.8/7.8)
。
【結論】AVA の流量依存性は FR の方が SVi よりも高い。flow は FR で
評価するほうがいい可能性が示唆された。
O13-2
大動脈弁狭窄症の進行度と予後に関する検討
宮城芽以子1、岩瀬 正嗣2、椎野 憲二1、高田佳代子1、高桑 蓉子1、犬塚 斉3、伊藤さつき3、
杉本 邦彦3、尾崎 行男1
1
藤田保健衛生大学 循環器内科、2藤田保健衛生大学 医療科学部 医療経営学科、3藤田保健衛生大学病院 臨床検査部
目的:本邦において、大動脈弁狭窄症の進行度と予後に関する報告は限られている。今回、大動脈弁狭窄症の進行度と経過を後ろ向
きに評価し、所見と予後の関連について検討した。方法:2000 年 1 月から 2014 年 3 月までに心エコー検査を施行した大動脈弁通過
最高血流速度(AoV pV)が 2.0m/sec 以上の症例(大動脈弁置換術後と閉塞型肥大型心筋症を除く)のうち、1 年以上の間隔で 2 回
以上心エコー図検査が記録された 419 症例(平均年齢 71.2±10.3、男性 50.1%)を対象とした。AoV pV の進行度を評価し、予後との
関連性を後ろ向きに検討した。AoV pV の重症度は 2m 以上-4m 未満を軽∼中等症 AS、4m 以上-5m 未満を重症、5m 以上を超重症に
分類した。また、進行度は過去の文献を参考に、0.3m/sec/year 未満を緩徐進行群、0.3m/sec/year 以上を急速進行群に分類した。イ
ベントは全死亡、心不全入院、心事故とし、それぞれのイベントで重症度、進行度別の log rank 検定を行った。結果:観察期間は
2000 年 8 月∼2014 年 11 月、平均観察期間は 6.4±3.4 年であった。全症例の平均 AoV pV は 279±74.2m/sec で、平均進行度は 0.162
±0.215m/sec/year であった。急速進行群は 68 症例(16.2%)であり、全イベントにおいて有意差を認めた。重症度では、軽症∼中
等症が 381 例(90.1%)、重症が 33 例(7.9%)、超重症が 5 例(1.1%)であり、心不全入院および心事故で有意差を認めた。結論:欧
米の報告と異なり、AoV pV の進行速度は遅い傾向が見られた。しかし、先行研究と同様に、急速進行群の予後は不良であり、急速
進行群は大動脈狭窄症の予後予測因子であることが示唆された。
157
一 般 口 演
O13-1
第26回日本心エコー図学会学術集会
O13-3
低圧較差重症大動脈弁狭窄症の進行:中等度大動脈弁狭窄症および高圧較差重症大動脈弁狭窄症と
の比較
大谷 恭子1、竹内 正明1、中園 朱実2、角 裕一郎1、上間 貴子1、福山 梓子1、永田 泰史1、
福田 祥大1、尾辻 豊1
1
産業医科大学 第2内科学、2産業医科大学病院 臨床検査・輸血部
【背景】欧米の奇異性低流速低圧較差大動脈弁狭窄症の予後は不良である。
【目的】本邦の低圧較差重症大動脈弁狭窄症(LPG-AS)の
進行度およびイベント発生率を中等度 AS(MAS)および高圧較差重症 AS(HPG-AS)と比較検討すること。【方法】当院にて 2 回
以上経胸壁心エコー図検査を施行した、左室駆出率>50%、大動脈弁弁口面積係数(AVAI<0.85cm2/m2 の AS 111 例(MAS 38 例、
LPG-AS 59 例、HPG-AS 14 例)を対象とした。AVA は 2D Simpson s 法にて求めた左室一回拍出量を大動脈弁通過血流波形の VTI
で除して求めた。
【結果】検査間隔は平均 1.8 年であった。平均圧較差の年間増加は HPG-AS で最も大きく、LPG-AS と MAS の間に
は有意差は認めなかった(MAS:1.6±4.6mmHg、LPG-AS:3.1±4.8mmHg、HPG-AS:7.2±8.8mmHg,p<0.01)
。AVA の年間変化
は 3 群間で変化なかった(MAS-0.06±0.16cm2、LPG-AS-0.03±0.11cm2、HPG-AS-0.05±0.09cm2)。LPG-AS 59 例中 20 例が観察期間中
HPG-AS に変化した。平均追跡期間 2.9±1.7 年における心臓死発生率は、HPG-AS 21%、LPG-AS 3%、MAS 8% であった。
【結語】本
邦の LPG-AS は HPG-AS に比し、AVA の進行速度は変わらないものの、予後は中等度 AS と同程度であり、予後決定因子としては
圧較差が重要であることが示唆された。一方約 2 年の間に 30%の症例は HPG-AS となることにも留意すべきであると考えられた。
一 般 口 演
O13-4
重症大動脈弁狭窄症に対する TAVI 前後における心エコー図の変化と合併症の検討について
坂本 佳子1、琴岡 憲彦1、小松 愛子1、秋吉 妙美3、秋吉 重康1、梅木 俊晴4、下村 光洋1、
挽地 裕1、柚木 純二2、蒲原 啓司2、田中 厚寿2、古川浩二郎2、森田 茂樹2、野出 孝一1
1
佐賀大学 循環器内科、2佐賀大学 心臓血管外科、3佐賀大学 ハートセンター、4佐賀大学 検査部
【背景】経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)後の弁周囲逆流(PVL)は予後規定因子とされている。TAVI 前後の経胸壁心エ
コー図検査の変化と合併症の経過を比較検討した。
【方法】2014 年 3 月から 10 月に当院でハイリスクの重症大動脈弁狭窄症 17 例(平
均年齢 84.2±4.8 歳、女性 14 例)に対し TAVI を施行した。手術前と術後 7 日目、術後 30 日目に心エコー図検査を行った。
【結果】
術前検査では大動脈弁位最高流速 4.63±0.79m/sec、平均圧較差 51.9±17.0mmHg、大動脈弁口面積 0.66±0.25cm2 であった。術後 7 日
目には人工弁位最高流速 2.00±0.47m/sec、平均圧較差 8.4±4.1mmHg、弁口面積 1.54±0.32cm2 と著明な改善を認めた。PVL は trivial
4 例(24%)
、mild 9 例(53%)
、moderate 以上はなく、心嚢液出現または増加例は 4 例であった。術前と術後 30 日目の心エコーの比
較では、左室拡張末期径 38.9±5.5mm vs. 35.8±5.3mm(p=0.02)
、左室収縮末期径 24.1±4.9mm vs. 22.1±3.2mm(p=0.05)
、左室後
壁厚 12.1±1.7mm vs. 11.1±1.7mm(p=0.02)
、左室心筋重量(M モード法)164.5±47.1g vs. 129.7±35.0g(p<0.001)
、左室心筋重量
【結語】TAVI の合併症は人工弁周囲逆流の頻度が多く、
係数 120.1±35.3g/m2 vs. 95.6±26.8g/m2(p=0.002)と有意な減少を認めた。
術後は経過観察を行う必要がある。また TAVI 後 30 日目で左室後壁厚と左室心筋重量の有意な減少を認め、TAVI 後早期から心筋
性状変化が出現することを確認できた。
O13-5
Low flow low gradient severeAS 症例における MR の重要性
鎌田 康彦、林田 晃寛、鍵山 暢之、大原美奈子、廣瀬 英軌、伴場 主一、廣畑 敦、山本 桂三、
吉田 清
心臓病センター榊原病院
背景:low-flow low-gradient AS(LFLG AS)は計測上 AS を過小評価しやすい。その原因の一つに僧帽弁閉鎖不全症(MR)が関与
しうるが、報告は少なく良く知られていない。方法:平成 24 年 9 月 1 日から平成 26 年 10 月 1 日までの、当院での重症大動脈弁狭窄
症(心エコー図による連続の式にて AVA1.0cm2 以下)症例(N=449)のうち、一回拍出量係数(SVI)35ml/m2 をカットオフとし、
,35ml/m2 以下を low flow 群(N=387)に分けた。各群における MR の割合を比較検討し
35ml/m2 以上を normal flow 群(N=62)
た。結果:normal flow 群に比べ、low flow 群は有意に moderate 以上の MR 合併頻度が高かった。
(50% vs 26%,respectively;P<
0.0001)また大動脈弁通過最高血流速度においても normal flow 群に比べ、low flow 群では有意に低かった(4.10±0.78 m/s vs 2.93±
0.86 m/s 結語:low flow low graditent の原因として MR が関与しうる。moderate 以上の MR が存在する場合は、AS の重症度を心
エコー図で測定する際、最高血流速度では過小評価する可能性があり、連続の式での重症度評価が重要である。
158
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
O14-1
左室拡張能評価における Vector Flow Mapping の有用性の検討・・・エネルギー損失の観点から
若見 和明、菊池 祥平、池原 典之、藤田 浩志、杉浦 知範、後藤 利彦、福田 英克、谷 智満、
大手 信之
名古屋市立大学大学院医学研究科 心臓・腎高血圧内科学
【背景】Vector Flow Mapping(VFMTM)を用いることで、心腔内の血流ベクトルが交差する際に生じるエネルギー損失(energy
loss:EL)を算出することが可能となった。
【目的】心房収縮によって左房より左室内に流入した血流の EL の総和値と、左室拡張末
期圧との関係について比較検討すること。【方法】対象は心臓カテーテル検査および心エコー図検査を同日に施行し得た洞調律の 20
症例(平均年齢 70 歳、男性 80%)および健常成人男子 10 例(平均年齢 35 歳)。全症例で心尖部カラードプラ 3 腔像を記録し(HitachiAloka Medical Ltd、ProSoundα10)、VFM 法を用いて心房収縮期の左室内 EL 値を計測し、その総和値を求めた。20 症例では左室
拡張末期圧(LVEDP)を計測し、LVEDP 正常群(<16mmHg)と上昇群の 2 群に分割した。
【結果】LVEDP 上昇群は、LVEDP 正
常群および健常群と比較して EL 総和値が有意に低値であったが、LVEDP 正常群と健常群との間には有意差を認めなかった(0.003
±0.001 vs 0.004±0.001 vs 0.004±0.002 J/msec,p<0.05)
。20 症例において EL 総和値と LVEDP との間には有意な負の相関関係を
認めた(r=−0.72,p<0.001)。【結論】左室スティッフネスが高い症例ほど心房収縮期における左室血流流入にともなうエネルギー
損失が少ないことが示唆された。
血圧変動による壁応力とスペックルストレインの変化:健常者での応力―ストレイン関係の検討
村井 大輔1、山田 聡1、林 大知1、岡田 一範2、西野 久雄3、中鉢 雅大3、阿部 歩3、
市川 絢子3、横山しのぶ3、加賀 早苗2、岩野 弘幸1、三神 大世2、筒井 裕之1
1
北海道大学 大学院医学研究科 循環病態内科学、2北海道大学 大学院保健科学研究院、3北海道大学病院 検査・輸血部
【背景】スペックルトラッキングエコー法を用いた心筋短縮能の観察に際して、壁応力-ストレイン(St)関係を考慮した評価が必要
か否かは明らかではない。
【方法】健常ボランティア 41 例(29±5 歳、女性 11 例)で、最大握力の 50% のハンドグリップ負荷を 4 分
間行い、長軸方向グローバル St(GLS)と層別の円周方向グローバル St(GCS)を計測した。血圧と収縮末期の左室径、壁厚から長
軸方向壁応力(MWS)と層別の円周方向壁応力(CWS)を算出した。
【結果】ハンドグリップ負荷により、収縮期血圧は 18.9% 増大
した(98±11 → 116±15 mmHg、p<0.01)
。MWS の 47%の増大に対し、GLS は 8.4% 低下した(17.1±2.4 → 15.4±2.7%、p<0.01)
。
内層での CWS の 31% の増大に対し CS は 10.7% 低下し(25.0±1.4 → 22.3±1.9%、p<0.01)
、中層での CWS の 46% の増大に対し CS
は 9.8% 低下した(16.9±1.2 → 15.2±1.7%、p<0.01)
。各々の壁応力と St の間には、負荷前、負荷後ともに有意な直線相関を認め、
さらに負荷前後の回帰直線はほぼ一致した。そこで、負荷前後の全ポイントで線形回帰分析を行い、応力(x)-St(y)関係の正常範
囲を求めた(長軸:y=−0.0040x+19.7、r=0.51、p<0.01;内層円周:y=−0.0075x+31.2、r=0.71、p<0.01;中層円周:y=−0.0057x+19.5、
r=0.57、p<0.01)
。
【結論】ハンドグリップ負荷による壁応力の増加率と比較し St の低下率は小さかったが、無視できるほど小さな変
化ではないと考えられる。長軸方向と円周方向の各々の壁応力と St の関係は線形であった。この応力-St 関係の正常範囲を考慮して
心筋短縮能を評価すべきである。
O14-3
左室弛緩に続く左房内血流伝播と左房圧・左室拡張能の関係:ドプラ心エコー図を用いた検討
有吉 亨1、和田 靖明1、田中 伸明2、藤井 彩乃1、平山 香莉1、奥田 真一3、村上和華子3、
明連 武樹3、山崎 隆弘1、矢野 雅文3
1
山口大学 医学部附属病院 超音波センター、2山口大学大学院 医学系研究科 病態検査学、
山口大学大学院 医学系研究科 器官病態内科学
3
背景:経僧帽弁血流速波形(TMF)と肺静脈血流速波形(PVF)による左室
拡張能や左房圧の評価は広く普及している。しかし、左室弛緩に続く左房内
血流伝播と左室拡張能や左房圧の関係に関する報告はない。方法:器質的心
疾患のない患者 139 人(N 群:58±18 歳,男性 73 人)および心不全患者 19
人(HF 群:60±15 歳,男性 14 人)を対象に経胸壁心エコー図検査を施行し
た。心電図 R 波から TMF 拡張早期最大速度(E)
、PVF 拡張期最大速度(D)
に達するまでの時間(tRE,tRD)を計測し、それらの時間差(E-D delay)
の RR 間隔による補正値(EDDI)を算出し(下図左)
、EDDI の年齢や心エ
コー指標との関係および心不全患者における変化を検討した。結果:EDDI
は N 群において年齢と正相関を、拡張早期僧帽弁輪移動速度(e )と負相関
を示した(r=0.28 P<0.001,r=0.25 P<0.01)
。一方、HF 群の EDDI は N 群と比較して有意に低値であった(下図右)
。結論:加齢に
よる左室拡張能低下に伴って遅延する E-D delay は左房圧上昇により著明に短縮することが明らかとなり、左室拡張能や左房圧を推
定する新たな指標となり得る可能性が示唆された。
159
一 般 口 演
O14-2
第26回日本心エコー図学会学術集会
O14-4
加齢に伴う左室内血流エネルギー動態の変化
上嶋 徳久、佐々木伸子、種村 正、澤田 準
心臓血管研究所
【目的】加齢により、左室拡張機能は低下する。それに伴い僧帽弁通過血流プ
ロファイルも変化する。しかし、左室内の血流エネルギー動態がいかに変化
するかは不明である。
【方法】50 歳未満の若年健常例 30 例(Y 群、35±8 歳)
と 50 歳以上の高齢健常例 30 例(O 群、55±5 歳)を対象にした。左室内血
流パターンを VFM(日立アロカ社製)を用いて解析し、運動エネルギーと
エネルギー損失を定量化した。プロファイルは 3 心拍をアンサンブル平均し
て求めた。拡張早期のピーク値とピークから半分になるまでの時間(T1/2)
を求めた。
【成績】典型的なプロファイルを図示する。運動エネルギーのプロ
ファイルは、左室の流入を反映して二峰性であった。エネルギー損失プロファ
イルも同様に二峰性を示していた。Y 群と比較して O 群では、拡張早期の
ピーク値は小さいものの(0.021±0.037 vs 0.043±0.030 J/m/s,p=0.02)
、緩
徐流入期の時相まで損失が続いていた。(T1/2:108±58 vs 80±38 ms,
p=0.02)
【結論】加齢に伴い、拡張早期の流入血流パターンの乱れが持続しエ
ネルギーが損失する。
一 般 口 演
O14-5
3D 経胸壁心エコー法による僧帽弁形態解析の信頼性と妥当性の検討:3D 経食道心エコー法との比
較
窪田 由季1、齋藤 美有1、渡邉 美穂1、山田 聡美1、安彦 千春1、古田 知子1、大野 誠子1、
柴田 正慶2、塚本 勝2、堀田 大介3
1
社会医療法人 北海道循環器病院 臨床検査科、2社会医療法人 北海道循環器病院 心臓血管外科、
社会医療法人 北海道循環器病院 循環器内科
3
【背景】3D 経食道心エコー法(以下 TEE)による僧帽弁形態の解析は広く研究されている。最近、3D 経胸壁心エコー法(以下 TTE)
による三次元僧帽弁解析ソフトが開発されたが、その信頼性と妥当性に関して 3D 経食道心エコー法と比較した報告はない。【目的】
3DTTE の三次元僧帽弁形態解析法の信頼性と妥当性について検討すること。
【対象】対象は、心疾患を有し TEE および TTE にて明
瞭な画像を取得した 32 例。
【方法】超音波装置は VIVID E9、解析装置は ECHO PAC PC、解析ソフトは MV Assesment を使用し以
下の項目を解析した。解析項目は弁輪に関する項目(APdiam,AL/PMdiam,SI,Ancircum,An Area(2D),An Area(3D))、
tenting に関する項目(Tentvolume,Tentarea,Tenthight)
、弁尖に関する項目(COMdiam、ALarea,PLarea,ALlength,PLlength,
PLangle)
、僧帽弁前後に対する大動脈弁輪の角度(ANangle)を解析した。計測値の検者内誤差の検討には級内相関係数(以下 ICC)
を、検査間相違の検討には相関係数および Bland Altman 分析を行った。
【結果】TEE、TTE ともに検者内での ICC(1,1)が 0.7 以
上と良好であった測定項目は弁輪に関する項目と COMdiam であった。これらの項目は TEE と TTE で得られた各相関係数が 0.6 以
上であり、かつ 95% 信頼区間が基線の 0 を含み検査間相違は妥当な範囲であった。
【考察】TTE で計測した弁輪に関する項目と
COMdiam は、TEE による結果と比較して信頼性のある結果が得られ、それらの評価は TTE でも可能と考える。また、Tenting、角
度、弁尖に関する項目は TEE と比較して信頼性の劣る結果であり TEE での評価が必要と考える。
【結語】TTE による弁輪に関する
計測値と COMdiam は TEE により得られた結果と比較して信頼性がある。
O15-1
慢性肺血栓塞栓症の肺動脈血栓内膜摘除術前後における右室ストレインの有用性
今井 靖子1、田中 信大1、高橋 のり1、黒羽根彩子1、武井 康悦1、小泉 信達2、松山 克彦2、
西部 俊哉2、荻野 均2、山科 章1
1
東京医科大学病院 循環器内科、2東京医科大学病院 心臓血管外科
背景:慢性肺血栓塞栓症患者(CTEPH)では右心機能は障害されており、CTEPH を含めた肺高血圧患者において 2D スペックルト
ラッキングを用いた右室ストレインの有用性は報告されている。しかし、肺動脈血栓摘除術(PEA)の急性期の効果判定において
は、右室ストレインの有用性は未だ十分に解明されていない。本研究の目的は CTEPH 患者の PEA の急性期の効果判定において右
室ストレインの有用性を検討することである。方法:当院にて CTEPH で PEA を施行した 12 例(61±14 歳、女性 7 名)を対象とし
た。PEA 前および後 1 ヶ月以内に右心カテーテル、経胸壁心エコー検査を施行した。結果:術後、右心カテーテルでは平均肺動脈圧
(41±8 to 21±8 mmHg,p<0.0001、mPA)
、肺血管抵抗(768±418 to 221±121 dyne・sec・cm-5,p<0.0001,PVR)は有意に低下
した。一方でストレインデータでは自由壁側の基部,中間部,心尖部の longitudinal ストレインは術後有意に上昇し、自由壁と中隔
領域も全て含めた global longitudinal ストレイン(-31±22 to-11±4,p<0.0001)も有意に上昇した。mPA は自由壁心尖部の longitudinal ストレインと global longitudinal ストレインと相関を認め、PVR も同様の項目で有意な相関を認めた。しかし、mPA,PVR の
それぞれの術前後変化率は右室ストレイン変化率とは有意な相関は認めなかった。結果:CTEPH 患者の PEA 後、mPA,PVR の改
善を予測する上で、右室の longitudinal ストレインやストレイン rate は有意な相関を認めず、有用性は証明されなかった。急性期で
は手術による右室虚血の影響などから、右室のストレインは改善が遅れている可能性が考えられた。
160
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
O15-2
間質性肺炎の重症度評価における TAPSE の有用性
天野 雅史1、泉 知里1、三宅 誠1、松谷 勇人2、橋和田須美代2、西村 俊亮1、高橋 佑典1、
貝谷 和昭1、中川 義久1
1
天理よろづ相談所病院 循環器内科、2天理よろづ相談所病院 臨床検査部
【目的】TASPE は右室収縮機能の指標であり経胸壁心エコー図検査(TTE)にて測定され、肺高血圧症ガイドラインでも予後予測因
子として取り上げられている。しかし、肺疾患患者における TASPE の有用性を示した報告はなく、肺高血圧症が予後予測因子とさ
れる間質性肺炎においても右室機能との関連性は示されていない。この研究の目的は、TTE にて計測される右室機能指標の間質性肺
炎における有用性を検討することである。
【方法】2013 年 5 月から 2014 年 8 月の間に、当院で右心機能指標(TASPE、S 、FAC)を
計測した 469 例のうち、間質性肺炎を主病態とする 54 例を対象として後方視的に調査した。TTE における各計測項目、胸部 CT 所
見、呼吸機能検査について検証した。また、CT 所見を線維化の程度・罹患範囲から軽症(1 点)、中等症(2 点)、重症(3 点)とし
て評価・分類した。【結果】54 例のうち、TAPSE<16mm(groupD)は 14 例(26%)、TAPSE≧16mm(groupS)は 40 例(74%)
であり、両群間で年齢(73.2 vs 71.2 歳;p=0.43)、性別(男性 43 vs 60%:p=0.27)
、左心機能(LVDd、EF、LAD、E/A、E/e )に
差を認めなかった。一方で、%VC(64.6% vs 79.5%;p=0.03)と推定右室収縮期圧(s-RV)(40.3 vs 30.9mmHg;p=0.01)は両群間
で有意差を認めた。また、CT 所見から推定した重症度に関しても groupD と S の間で 2.4 VS 1.6(p<0.01)と groupD の方がより重
症であった。さらに、TASPE と %VC には相関を認めたが(r=0.41,p<0.01)
、TASPE と s-RV では認めなかった(r=-0.25,p=0.08)。
【結論】間質性肺炎患者において、TASPE による重症度評価は間質性肺炎の予後予測項目である %VC・推定右室収縮期圧・CT 所見
の重症度と関連を認めた。
肺高血圧症例における右室駆出血流速波形の検討
堀添 善尚1、高崎 州亜1、植屋 奈美1、茶圓 秀人1、窪田佳代子1、水上 尚子2、湯浅 敏典1、
宮田 昌明1、木佐貫 彰3、大石 充1
1
鹿児島大学病院 心臓血管・高血圧内科学、2鹿児島大学病院 臨床検査部、3鹿児島大学 医学部 保健学科
【背景】肺高血圧(PH)症例の中には、右室駆出血流速波形に notch を認め、いわゆる W sign を呈する例があることが言われてい
るが、右室駆出血流速波形と、右心カテーテルによる心内圧データおよび心エコーによる右室機能との関連を検証した報告は少ない。
【方法】対象は、PH の精査加療目的で当科へ入院した連続 45 症例の中で、右室流出路駆出波形が W sign を呈した 39 症例(平均年
齢 59 才、膠原病性肺高血圧 16 例、慢性血栓塞栓性肺高血圧症 14 例、肺動脈性肺高血圧症 7 例、心房中隔欠損に伴う肺高血圧症 2
例)を検討した。右室駆出血流速波形の notch を分岐点に収縮早期の波形を P1,収縮末期の波形を P2 として、最大流速(PFV)
、
最大流速比(P1 PFV/P2 PFV)
、Velocity time integral(VTI)、VTI 比(P1 VTI/P2 VTI)
、P1 持続時間(P1d)、P1 加速時間
(AcT)
、駆出時間(ET)、前駆出時間(PEP)、PEP/ET を計測し、心内圧データとの相関を検討した。また、経胸壁心エコーでの
右室収縮能指標である TAPSE、三尖弁輪 s 、FAC および右室 speckle tracking 解析による右室 global strain との相関を検証した。
【結果】1)P1 PFV、P2 PFV、P1 VTI、P2 VTI、P1d は、右心カテーテル検査による肺血管抵抗(PVR)と相関した。2)P2 PFV、
P1 PFV/P2 PFV、P2 VTI、P1d、ET は、右心カテーテル検査による平均肺動脈圧(mPAP)と相関した。3)右室駆出血流速波形
のいずれの指標も、TAPSE、三尖弁輪 s 、FAC とは相関しなかった。4)右室駆出血流速波形のいずれの指標も右室 global strain と
は相関しなかった。【結論】PH 症例において、W sign を伴う右室駆出血流速波形の複数の指標は肺血管抵抗および平均肺動脈圧と
相関する。
O15-4
強皮症患者におけるマスター階段昇降による運動誘発性肺高血圧とその予後
寺本佳楠子、鈴木 健吾、水越 慶、上嶋 亮、高井 学、黄 世捷、出雲 昌樹、原田 智雄、
明石 嘉浩
聖マリアンナ医科大学病院 循環器内科
【背景・目的】運動負荷心エコーにより誘発される肺高血圧(Exercise induced pulmonary hypertension:Exercise PH)は強皮症患
者における潜在的肺高血圧の早期診断所見として期待されるが、多数例に対しチルトエルゴメーターを用いて運動負荷心エコーを行
うのは設備・時間の面から困難である。本研究では、安静時 PH のない強皮症患者において、マスター階段昇降によって誘発される
Exercise PH とその予後の関係を検討した。
【方法】安静時に PH を認めない(推定肺動脈収縮期圧:SPAP<50mmHg)
、WHO 機能
分類 I、II の強皮症患者 166 例にマスターダブル階段昇降負荷前後に心エコー評価を行った。PH 関連イベントは呼吸困難の悪化、
SPAP≧50mmHg、エポプロステノール、在宅酸素の新規導入、PH 関連入院、死亡と定義した。
【結果】Exercise PH 群は 166 例中
49 名(30%)であった。平均観察期間は 877 日で、Event 発生率は Exercise PH 群で高率であった(61% vs 22% p<0.001)。Event
非発生群と発生群では、年齢(59 vs 64 歳)
、Log BNP(1.5 vs 1.9)
、肺拡散能(61% vs 51%)
、左室重量係数(148 vs 159 g/m2)、
E/A(1.2 vs 1.0)
、E (7.7 vs 6.8 cm/s)
、安静時 SPAP(28 vs 31 mmHg)
、運動直後 SPAP(43 vs 53 mmHg)において有意差を認
めた。心エコー指標について Cox 回帰分析を行った結果、Exercise PH が唯一、event 発生の予測に有用であった(Hazard ratio:
0.277,0.161-0.477)
。
【結論】WHOI、II の強皮症患者において簡易運動負荷であるマスター階段負荷により 30%の症例に Exercise PH
が診断されスクリーニングツールとして期待される。また Exercise PH は肺高血圧関連イベント予測因子として有用である可能性が
示された。
161
一 般 口 演
O15-3
第26回日本心エコー図学会学術集会
O15-5
3D エコーによるファロー四徴症(TOF)術後の右室機能評価
齊川 祐子1、安河内 聰2、瀧聞 浄宏2、田澤 星一2、中野 裕介2、蝦名 冴1、柴田 綾3、日高恵以子3
1
長野県立こども病院 エコーセンター、2長野県立こども病院 循環器小児科、3長野県立こども病院 臨床検査科
【目的】3D エコー解析を用いて、TOF 術後の右室区分機能を評価する。【対
象】TOF 術後患者 19 名(TOF)
(年齢 11±6 歳,術後 10±6 年)、正常小児
11 名(N)
(6±3 歳)
。
【方法】心臓超音波装置 Vivid E9、iE33 を用いて、心
尖部四腔断面より、右室の 3D データを記録後、Tomtec 社 4DRV-function を
用いて右室容積を求めた。さらに 3DE の位置情報から、三尖弁輪(T)、肺
動脈弁輪(P)、心尖(A)を決定し、右室を inflow(i)、apical(a),outflow
(o)に 3 分割した。各分画の容積比率(RVi,RVa,RVo)および EF(EFi,
EFa,EFo)と T-A,P-A 距離変化率(rT-A,rP-A)を EF(RVEF)および推定右室圧(RVp)と比較した。
【結果】TOF は N に
比べ、RVa ↑,EFi ↓。また、rT-A ↓,rP-A ↓であった。rT-A・rP-A と RVEF は正相関(R=0.7),rP-A は RVp と負相関(R=
-0.47)を認めた。
【考察】TOF でみられた EFi ↓は、rT-A ↓,rP-A ↓にみられる長軸方向の displacement 低下によるものと考えら
れた。RVa ↑は PR による右室拡大によるものと考えられた。【結語】TOF 術後の右室は、右室各分画による容積変化に差があり、
右室局所壁運動挙動に差がある。
一 般 口 演
162
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
MP1-1
左室弛緩能と年齢・後負荷の相関には有意な性差がある
反町 秀美1、根岸 一明1、黒沢 幸嗣1、小保方 優1、吉田くに子1、丹下 正一2、倉林 正彦1
1
群馬大学医学部附属病院 循環器内科、2前橋赤十字病院 心臓血管内科
【背景】左室駆出率が保たれた心不全は女性に多いが、左室機能と後負荷の関
連に性差による相違があるかは充分に分かっていない。そこで本研究では左
室弛緩能指標と後負荷の指標との相関に性差による交互作用を評価した。
【方
法】心エコー図検査と血圧脈波速度(baPWV)検査を施行した患者 133 人
(年齢 69±13 歳、男性 76 人)を対象とした。拡張早期僧帽弁輪移動速度(e )
と後負荷指標[収縮期血圧(sBP)、脈圧(PP)、baPWV]や左室駆出率
(LVEF)との関連性を評価した。
【結果】加齢と e の相関には有意な性差を
認めた(p<0.001)
(Table)
。また e と後負荷指標(sBP,PP,baPWV)と
の相関にも有意な性差の影響を認めた。回帰分析では、ln(e )と LVMI お
よび sBP の間に独立した交互作用を認め(p=0.025,p=0.020)
、女性では LVMI
や sBP の単位あたりの増加が男性に比べ e を有意に低下させた。【結語】同
程度の収縮期血圧や心筋重量係数の増加が左室弛緩能に与える影響は女性の方が大きかった。
MP1-2
Impact of total atrial conduction time with tissue Doppler imaging on cardiac prognosis in patients with heart failure.
山浦 玄斎、渡邉 哲、和根崎真大、大瀧陽一郎、佐々木真太郎、西山 悟史、久保田 功
山形大学 医学部附属病院
MP1-3
一般 Moderated Poster
Left atrial remodeling is associated with poor prognosis in patients with
chronic heart failure
(CHF).Total atrial conduction time
(TACT)
is reported
to reflect both structural and electrical atrial remodeling. TACT was
defined as the duration from P wave onset on ECG to peak A´wave on
tissue Doppler imaging
(PA-TDI duration)
. We hypothesized that prolonged
PA-TDI is a predictor of cardiac poor prognosis in CHF patients. We measured PA-TDI duration in 56 CHF patients. There were 21 cardiac events
during a median follow-up of 386 days. PA-TDI duration was longer in
patients with cardiac events than in those without. Logistic regression
analyses revealed that prolonged PA-TDI duration was associated with
cardiac events. Kaplan-Meier analyses showed that long PA-TDI duration
had higher events than short PA-TDI duration. PA-TDI duration is a feasible parameter for poor prognosis in CHF patients.
Tricuspid Annular Plane Systolic Excursion(TAPSE)は心拍出量低下の簡便かつ有用な予
測因子である
神田 竜平1、水野 智文2、中野 雄介2、若林 宏和2、渡部 篤史2、安藤 博彦2、有沢早葵子1、
木場久美子1、岸 孝彦3、後藤 峰弘3、天野 哲也2
1
愛知医科大学 中央臨床検査部 生理機能検査室、2愛知医科大学 循環器内科、3愛知医科大学 中央臨床検査部
目的 心不全患者の治療方針決定のため心拍出量低下を予測することは重要だが、日常臨床で使用しうる簡便な方法は確立されてい
ない。本研究の目的は心エコーを用いて心拍出量低下を予測するより簡便かつ有用な方法を見つける事である。方法 当院で心エコー
を受けた患者 2546 例を対象とした。左室流出路の径と velocity time integral から stroke volume(SV)を算出し、SV が 50ml 未満
の症例を心拍出量低下群と定義した。救急外来での心エコーを想定して、2D と M-mode 画像のみから得られる指標の中で心拍出量
低下を予測する因子を解析した。結果 406 例(15.9%)が心拍出量低下群であった。心拍出量低下群は正常群に比べて有意に高齢
で、BMI が小さく、脈拍が早く、女性の割合が多かった。心拍出量低下群では EF と TAPSE のいずれもが正常群より低かった(EF;
62.7±14.8% vs 66.7±11.3%,p<0.0001,TAPSE;19.7±4.2mm vs 22.7±4.2mm,p<0.0001)TAPSE、EF は共に SV と正の相関を
認めたが相関係数は TAPSE の方が大きかった(TAPSE;R=0.30,p<0.0001 EF;R=0.129,p<0.0001)多変量解析において年齢、
BMI、性別、HR で補正すると TAPSE のみが独立した低心拍出量の予測因子であった(TAPSE;OR=1.174 p<0.0001,EF;
OR=1.001 p=0.947)ROC 解析を行うと低心拍出量を予測する TAPSE の閾値は 20.7mm だった(AUC 0.69,感度 60.2%,特異度
68.6%)結論 TAPSE は低心拍出量を予測する簡便で有用な指標である。左室収縮能よりも右室収縮能の方が心拍出量に与える影響
が強い可能性が示唆された。
163
第26回日本心エコー図学会学術集会
MP1-4
L 波を有する持続性心房細動患者では、洞調律時から左室拡張能は低下している
渡部 朋幸1、高野 真澄2、斎藤 寛美3、阿部 春奈3、野崎 陽子3、氏家 道夫3、野田 繁子3
1
医療生協わたり病院 内科・循環器内科、2福島県立医科大学付属病院 集中治療部、3医療生協わたり病院 臨床検査科
【背景】左室流入血流速波形における拡張中期 L 波の存在は、左室充満圧上昇を示唆する。また、持続性心房細動(AF)患者におけ
る L 波出現率は洞調律患者に比べ高率で、心不全発症と関連する。しかしながら、L 波を有する AF 患者において、洞調律保持時に
心機能障害を来しているか否かは明らかでない。
【目的】L 波を有する AF 患者において、洞調律保持時の心機能障害の有無について
検討すること。
【対象】2012.2 月-2014.7 月に心エコー図検査(UCG)を施行した AF 患者連続 229 名。
【方法】L 波(拡張中期順行性
波形≧20cm/s)の有無を熟練者 2 名が評価した。L 波を有する AF 患者において、6 ヶ月以上前の洞調律保持時 UCG 指標から、左
室拡張能障害の有無を検討した。UCG 直前の発作性 AF、および重症僧帽弁逆流例は除外した。
【結果】全 229 名中 84 名(36.7%)に
L 波を認め、このうち 13 名(平均年齢 79 歳)で洞調律保持時データが確認可能であった。11 名における E/A は 1.1±0.4 で、同年代
日本人健常者(JAMP study)に比べ有意に高く(P<0.05,弛緩障害型 6 名,偽正常型 6 名,拘束型 1 名)、左房拡大を認めた。ま
た、AF 移行後 9 名(69.2%)に心不全発症を認めた。
【結語】L 波を有する AF 患者において、洞調律時からすでに左室拡張能低下
を来しており、AF 移行後高率に心不全を発症していた。今後、洞調律時の心エコー図指標から、AF 移行後の L 波出現を予測し、
心不全高リスク群の判別が可能か、検討が必要である。
MP1-5
急性非代償性心不全による入院中における、左室駆出率の経時的評価の臨床的意義
中務 智文1、瀬尾 由広1、山本 昌良1、石津 智子1、本田 洵也1、針村 佳江2、青沼 和隆1
1
筑波大学医学医療系循環器内科、2龍ヶ崎済生会病院循環器内科
一般 Moderated Poster
背景:患者の状態は、急性非代償性心不全(ADHF)に対する治療により劇的に変化する。我々は、ADHF で入院した患者の左室駆
出率(LVEF)と関連する因子を検討した。方法:ADHF によって入院した 514 人の患者について前向き研究を行った(男性 328 人、
72±12 歳)
。入院時の LVEF は visual EF で評価した。visual EF と simpson 法の差異は以前の研究(N=576)でわずか 4.6%(95%
信頼区間)であったことから、退院前の安定した状態で simpson 法を用いて LVEF の再評価を行った。結果:入院時の LVEF によっ
て class1;LVEF≧60%(N=63)、class2;45≦LVEF<60%(N=128)、class3;35≦LVEF<45%(N=122)、class4;LVEF<35%
(N=201)の 4 つに分類した。退院前の再評価では、LVEF は 182 人(35.4%)で改善、75 人(14.6%)で増悪、257 人(50%)で変化
がなかった。class1 の患者のうち 41.3% おいて、LVEF が増悪していたが、関連する臨床的要素は認められなかった。class2,3 にお
ける LVEF の改善は、非虚血性心疾患と関連していた。class4 においては、頻脈,クレアチニン値,CRP 値が LVEF の改善と関連
していた。結論:半数の患者が入院時、退院時で LVEF の変化を認めた。単純に変化を予測することは困難であるため、経時的にエ
コーで評価することが臨床経過と治療の評価に重要である。
MP1-6
HFpEF における左室心筋ストレインと左室心筋微小循環の関連性:MRI の冠静脈洞 coronary
flow reserve による検討
齊藤 央1、加藤 真吾2、桐ケ谷英邦3、行徳 大紀3、山田 なお3、飯沼 直紀3、草川 由佳3、
井口 公平3、三樹 祐子3、仲地 達哉3、福井 和樹3、木村 一雄4
1
神奈川県立循環器呼吸器病センター 検査科、2ベスイスラエル・ディーコネス・メディカルセンター 循環器内科、
神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器内科、4横浜市立大学付属市民総合医療センター 心臓血管センター
3
【背景】HFpEF(Heart Failure with preserved Ejection Fraction)においては、左室心筋ストレインは低下すると報告されている
(Kraigher-Krainer et al., E. JACC 2014. 63:447)
。冠静脈洞の位相差シネ MRI を用いると、左室心筋微小循環の指標である coronary
flow reserve(CFR)を評価できる(Schwitter, J., et al. Circulation, 2000. 101:2696)
。
【目的】HFpEF 患者の心筋ストレインと左室心筋微小循環の関連性を MRI を用いて検討すること。
【方法】HFpEF 患者 25 名(平均年齢:72±7 歳)とコントロール 25 名(平均年齢:66±14 歳)を対象とした。2D スペックルトラッ
キング法で radial strain(RS);circumferential strain(CS)
;longitudinal strain(LS)を計測し、冠静脈洞の位相差シネ MRI によ
り CFR を計測した。1.5TMRI 装置を用いて、冠静脈洞の安静時と ATP 負荷時のそれぞれの血流を評価し、CFR は次式のように定
義した:CFR=ATP 負荷時冠静脈洞血流(mL/min)/安静時冠静脈洞血流(mL/min)。
【結果】HFpEF 群はコントロール群と比較して LS,CS,CFR が低下していた(LS:-16.0±3.4 vs-18.6±2.3,p=0.003;CS:-20.8±5.1
vs-24.9±6.4,p=0.01;CFR:2.21±0.55 vs 3.65±0.80,p<0.001)
。心筋ストレインと CFR の関連性を比較すると、CFR と LS(r=0.31,
ピアソンの相関係数,p=0.024)
、CFR と CS(r=0.27,p=0.047)では相関が認められたが、CFR と RS(r=0.15,p=0.29)では相関
関係は認められなかった。
【結論】HFpEF には左室心筋微小循環障害が存在し、心筋ストレイン低下の機序の一つである可能性が示唆された。
164
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
MP2-1
スペックルトラッキング法を用いた安静時 PSS(post-systolic shortening)の臨床的意義つい
ての検討
八木 典章1、石垣多佳子2、山本 孝1、堀江 稔1
1
滋賀医科大学医学部附属病院 循環器内科、2滋賀医科大学医学部附属病院 検査部
背景:PSS は軽度の心筋虚血においても出現するため虚血の鋭敏な指標とし
て注目されているが、安静時 PSS の臨床的意義について十分には検討されて
いない。そこで我々は安静時 PSS の臨床的意義について検討した。方法:安
定狭心症が疑われ、心エコーで左室壁運動が正常である患者 50 例(冠動脈
150 枝)を対象とした。カテーテル検査前に GE 社製 Vivid E9 で安静時心エ
コーを施行し、心尖部長軸像・二腔像・四腔像を GE 社製 Echo PAC を使用
して、スペックルトラッキング法による longitudinal 方向のストレイン解析
で PSS の評価を行った。次に冠動脈の狭窄度を評価し、PSS の有無と比較検
討した。結果:90% 以上の高度狭窄では 25 枝中 17 枝に PSS を認め、診断精
度は感度:68%、特異度:74% であり、陽性適中率:34%、陰性適中率:92%
であった。結論:陰性適中率が高確率であることから、安静時 PSS が陰性で
ある場合は冠動脈高度狭窄を認めない確率が高いという臨床的意義が示唆さ
れた。
MP2-2
3 次元スペックルトラッキング法で評価した Global Longitudinal Strain は左室リモデリング予
測に有効である
岩橋 徳明
横浜市立大学附属市民総合医療センター 心臓血管センター
MP2-3
一般 Moderated Poster
【背景】AMI において左室リモデリング予測は重要であり梗塞サイズは規定因
子である。一方スペックルトラッキング法を用いた Global longitudinal strain
(GLS)は有用であり、3 次元超音波を用いた GLS(3D―GLS)も計測可能であ
る。
【目的】左室リモデリング予測に関して 3D-GLS の意義を SPECT により求
めた梗塞サイズと比較検討する。方法:発症 12 時間以内に再灌流に成功した
236 人の ST 上昇型 AMI(男性 191 人、年齢 65 才、CPK=3132)。装置はフィ
リップス社製 iE33,解析ソフトは Q-lab8.1。3 次元スペックルトラッキングは
TOMTEC 社製の 4DLVanalysis。梗塞領域は TcMIBI で %uptake が 50%を切
る領域として、その総和を梗塞サイズとした。【結果】12 ヶ月後の超音波検査
で 64 人がリモデリングを認めた。ζEDV との相関関係では 3D-GLS が最も強い
相関を認めた(r=0.38,p=0.0001)。梗塞サイズとの比較では、3D-GLS が梗塞
サイズよりも強い規定因子であった。
【結語】3D-GLS は TcMIBI シンチで評価
した梗塞サイズよりも左室リモデリング予測に有効である。
急性心筋梗塞後の心筋ダメージ評価における低用量ドブタミン負荷下 automated global longitudinal strain 計測の有用性
長浦 貴史、兵頭 永一、森林 耕平、徳田 剛宏、前田 美歌、岩村 世晴、民田 浩一、山室 淳、
吉川 純一
西宮渡辺心臓血管センター 循環器内科
【背景】低用量ドブタミン負荷エコー(DSE)は、急性心筋梗塞後早期の心筋ダメージ評価に有用であるが、客観的な評価は難しいと
されている。近年、automated function imaging(AFI)を用いた global longitudinal peak strain(GLPS)がダメージ評価に有用と
されている。また、心臓 MRI における T2* での intramyocardial hemorrhage(IMH)も、心筋内の梗塞後出血の評価に用いられて
おり、心筋ダメージの評価においては microvascular obstruction(MVO)よりも有用であると考えられている。AMI 症例での DSE
における心筋ダメージ評価と、IMH、MVO の関係性については明らかではなく、今回 AMI 症例において DSE 下の GLPS と心臓 MRI
での MVO、IMH の関係性を評価した。【方法】連続した心筋梗塞 41 症例に対して発症後 7 日以内に、DSE と心臓 MRI を施行。安
静時と低用量ドブタミン負荷時の AFI による GLPS、心臓 MRI での MVO と IMH の比較検討した。【結果】DSE では、安静時と比
較し GLPS は改善した(14.1±3.4% to 17.1±4.6%)
。症例を IMH(-)
、MVO(-)(group A,n=12)
、IMH(-)、MVO(+)(group
B,n=11)
、MVO(+)IMH(+)ともに認める群(group C,n=18)に分類した.安静時の GLPS は group C に比べて、group A,
B が高かった。(A:16.2%,B:15.7%,C:11.8%)。安静時と DSE 時の GLPS の変化率(%GLPS)は group A>group B>group C
であった(A:19.4%,B:16.1%,C:14.1%)。多変量解析により、%GLPS は IMH の独立した予測因子であった。【結論】AFI にお
ける% GLPS は、AMI による心筋ダメージの評価において MVO や IMH に代わる客観的な指標となり得る。
165
第26回日本心エコー図学会学術集会
MP2-4
蓄積した心室周囲脂肪は冠微小循環を障害する:マルチモダリティによる評価
中西 弘毅1、福田 祥大2、田中 篤3、大塚憲一郎4、田口 晴之5、吉川 純一6、島田 健永7
1
馬場記念病院 循環器科、2産業医科大学 第二内科学、3和歌山県立医科大学 循環器内科、4石切生喜病院 循環器内科、
大阪掖済会病院 循環器内科、6西宮渡辺心臓血管センター、7大阪市立大学大学院医学研究科 循環器病態内科学
5
【背景】心臓周囲脂肪は隣接する血管の動脈硬化を惹起するため、心臓周囲脂
肪の局在性を評価することが重要である。よって、心臓周囲脂肪、特に心室
周囲脂肪は冠微小循環を障害する可能がある。【目的】心臓 CT 検査と心エ
コー検査を用いて心臓周囲脂肪容積および心室周囲脂肪容積と冠血流予備能
(CFR)の関連を検討する。【方法】冠動脈疾患の精査目的に心臓 CT が施行
された連続 100 例のうち、冠動脈左前下行枝に有意狭窄を有さない 74 例を対象とした。心臓 CT において、心臓周囲脂肪を心外膜の
内部に存在する脂肪組織と定義し、心臓周囲脂肪容積および心室周囲脂肪容積を測定した。心エコー検査を用いて冠動脈左前下行枝
の血流を描出し(図左)、ATP 負荷を行い CFR を測定した。
【結果】心臓周囲脂肪容積は CFR と相関しなかったが(図中)、心室周
囲脂肪容積と CFR の間に有意な負の相関を認めた(図右)
。多変量解析において、CFR の独立した規定因子は心室周囲脂肪容積
(p=0.01)であった。【結論】冠動脈疾患において心室周囲脂肪の蓄積が冠微小循環を障害する因子であることが示唆された。
MP2-5
冠攣縮性狭心症における心臓周囲脂肪厚の意義∼超音波検査を用いた検討∼
西尾 進1、山田 博胤2、平田有紀奈1、鳥居 裕太1、天野 里江1、山尾 雅美1、高川由利子2、
坂東 美佳2、林 修司1、楠瀬 賢也2、山口 浩司2、若槻 哲三2、佐田 政隆2
1
徳島大学病院 超音波センター、2徳島大学病院 循環器内科
一般 Moderated Poster
【背景】冠攣縮性狭心症は,冠動脈の攣縮により狭心症状が出現する異型狭心症である.冠攣縮性狭心症の発症には,冠動脈の内皮機
能障害や内膜肥厚,局所の炎症などのさまざまな要因が関連している.また,心臓周囲脂肪は種々の炎症性アディポサイトカインを
放出し,冠動脈硬化に寄与しており,近年,注目されている.
【目的】超音波検査を用いて心臓周囲肪厚(EAT)を計測し,冠攣縮
性狭心症と EAT との関連を明らかにすること.
【方法】対象は,冠動脈に有意狭窄を認めずアセチルコリン負荷試験を施行した患者
54 例(平均年齢 67±10 歳,男性 30 例)
.アセチルコリン負荷試験により一過性の完全または亜完全閉塞(>90%狭窄)を認めた 30
例を冠攣縮性狭心症群,アセチルコリン負荷で陽性所見を認めなかった 24 例を対照群とした.全例,心臓カテーテル検査前に心エ
コー検査で EAT の計測を行った.高周波リニアプローブを用い左側臥位で収縮期,拡張期における前室間溝の EAT,右室自由壁側
の EAT および心膜脂肪厚を計測した.
【結果】年齢,身長,体重,血圧,BMI は,2 群間で有意差を認めなかった.収縮期,拡張期
における前室間溝 EAT は,冠攣縮性狭心症群が有意に大であった(p<0.001)
.収縮期および拡張期右室自由壁側 EAT,心膜脂肪厚
には,2 群間で有意差は認めなかった.ROC 解析では,収縮期前室間溝 EAT=6.9mm をカットオフ値とすると,感度 90%,特異度
67% で冠攣縮性狭心症が予測できた.
【結語】前室間溝 EAT は,冠攣縮性狭心症群において対照群より有意に大であり,冠攣縮性狭
心症と関連がある.
MP2-6
緊急経皮的冠動脈形成術後早期・中長期における虚血性僧帽弁逆流のダイナミクスおよび予後との
関連についての検討
西野 峻、渡邉 望、木村 俊之、福島 裕介、仲間 達也、古堅 真、相良秀一郎、小岩屋 宏、
松山 明彦、足利 敬一、栗山 根廣、柴田 剛徳
宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科
背景:虚血性僧帽弁逆流(IMR)は心筋梗塞の予後を悪化させる.急性心筋梗塞(AMI)に対する緊急冠動脈形成術(PCI)前後-慢
性期にかけての IMR のダイナミクスとその変化の臨床的背景因子および予後との関連を検討した.
方法:対象は 2011.3∼2014.4 に当院搬送された急性冠症候群 1017 名のうち初回 AMI に対し PCI 施行した連続 554 名.PCI 前/退院
前/慢性期の経胸壁心エコー図 DICOM 画像から 1)PCI 後の IMR 急性変化と予測因子 2)慢性期 IMR 残存の予測因子 3)急性
期・慢性期 IMR と予後との関連につき検討した.
結果:搬送時 200 名(36%)で有意な MR を認めた.その内退院前評価可能だった 167 名中 68 名で MR が急性改善した.一方 304 名
中 58 名で PCI 後新たに MR が出現した.急性改善群では非改善群に比べ発症∼再灌流時間(reperfusion T)が短く MR 改善の独立
予測因子であった(419 vs.692 分,P=0.02).一方 PCI 後 MR 出現群は非出現群と比較し reperfusion T が長かった(751 vs.412 分,
P<0.01).2)慢性期 119 名で MR が残存しその独立予測因子は,年齢,Peak CK-MB 値,急性期 EF であった(P<0.01).3)早期
死亡 37 名であった.搬送時 IMR の存在は急性期死亡を含めた予後を明らかに悪化させ(P=0.001),さらに慢性期残存 MR の存在も
なお長期予後を有意に悪化させていた(P<0.01)
.また,RCA 病変の 37.7% で偏側の MR ジェットを認め,他の責任病変に比べ有意
に多かった(P=0.001).
結語:AMI に対する緊急 PCI 後急性期から慢性期にかけての IMR の変化をその予測因子と共に明らかにした.PCI 後急性期 MR 改
善には早期再灌流が貢献していた.慢性期 MR 残存の予測因子は高齢,CK-MB 高値,急性期 EF 低値であり,急性期のみならず慢
性期残存 MR の存在は長期予後を悪化させた.
166
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
MP3-1
「僧帽弁輪部の収縮期移動距離(MAPSE)
/左室長」は簡便な左室長軸機能指標である:小児での検
討
立岩 真紀1、森 一博2、岩佐 裕介1、平野 志乃1、一宮 千代1、寺田 知正2、井上 美紀2
1
徳島県立中央病院 検査技術科、2徳島県立中央病院 小児科
【背景】小児心疾患において,左室長軸機能は心機能評価に重要である.Speckle tracking 法を用いた global strain は最新の装置を要
し,組織ドプラ法は正常値が年齢で異なり煩雑である.本研究では,最も簡単な長軸機能である「僧帽弁輪部の収縮期移動距離」
(MAPSE)を M-mode から測定し臨床的有用性を検討した.【方法】対象は新生児から 15 歳までの正常群 210 例(平均年齢 6.5±5.0
歳).長軸機能として四腔断面左室外側弁輪部の組織ドプラ収縮期運動速度(s ),MAPSE および拡張末期左室長(L)による補正値
(MAPSE/L)も算出した.Speckle tracking 法を施行できた 74 例は長軸方向 global strain(GLS)を計測した.全例で左室後負荷と
して収縮末期壁応力(ESWS)を算出した.また疾患群として各種心筋疾患 17 例でも MAPSE と GLS を対比した.
【結果】1)MAPSE
は年齢と共に高値となった(r=0.83).MAPSE/L は 0.22±0.03 で年齢との相関は弱かった(p=0.051).s /L は 1.58±0.31/sec で年齢
と負の相関を示した(p<0.001).2)ESWS と左室内径短縮率(SF),MAPSE/L,s /L とは,各々 r=−0.63,−0.06,−0.08 の相関
を示し,MAPSE/L は後負荷の影響を受けにくかった.3)正常群 GLS(0.22±0.03)は MAPSE/L に近似し正相関を認めた(r=0.50).
4)疾患群は GLS と MAPSE/L は高い相関を認めた(r=0.90).
【考察】MAPSE/L は GLS に近似し,後負荷の影響を比較的受けにく
いことが示された.MAPSE/L は,長軸機能評価の簡便な指標として幅広い年齢層で臨床応用可能と考えられた.
MP3-2
2D speckle tracking 法を用いたフォンタン術後の心房機能評価
山本 英範1、瀧聞 浄宏2、安河内 聰2、田澤 星一2、中野 裕介2、仁田 学2、島袋 篤哉2、
百木 恒太2、山崎 聖子2、齊川 祐子2
1
中京こどもハートセンター 小児循環器科、2長野県立こども病院 循環器小児科
MP3-3
小児循環器領域における Tissue Mitral Annular Displacement(TMAD)と左室駆出率との相
関
面家健太郎1、寺澤 厚志1、星 みゆき1、山本 哲也1、後藤 浩子1、桑原 直樹1、西森 俊秀2、
中山 祐樹2、岩田 祐輔2、竹内 敬昌2、桑原 尚志1
1
岐阜県総合医療センター 小児医療センター 小児循環器内科、2岐阜県総合医療センター 小児医療センター 小児心臓外科
【はじめに】成人領域では TMAD と MRI や心エコー図での LVEF との有意
な相関が示されているが,小児領域での多数症例による報告はほとんどない.
【目的】小児における TMAD と他の指標との相関関係および心室中隔欠損
(VSD)の有無に伴う影響を検討すること.
【対象・方法】2011 年 7 月から
2014 年 11 月に iE33(Philips 社)で TMAD(左室四腔像)を測定した 773
件のうち Fontan 循環を除く、LVEF(biplane)が測定可能であった 300 件
(中央値 2.7 歳,0.0-68.4 歳)を対象とし,診療録を後方視的に検討した.
【結
果】全体(n=300)では TMAD と mSimpson 法 LVEF(BP-EF)との間に
は R2=0.61,p<0.01 の相関を認めた.非先天性心疾患(n=91)では R2=0.70,
VSD 術前(n=45)では R2=0.16,VSD 術後(n=20)においては R2=0.65 で
あった(図).
【考察】TMAD と BP-EF には相関を認めた.VSD 術後では非
先天性心疾患群とほぼ同等な分布を呈していた.一方,VSD 術前は対象数も少なく,心不全出現前の症例がほとんどであった.【結
語】小児においても TMAD は BP-EF と相関し,その相関関係は非先天性心疾患患者のみならず,VSD 術後においても認められる.
167
一般 Moderated Poster
【背景】フォンタン術後には心室機能が低下することが知られているが、心房機能に関しては明らかにされていない。
【目的】2D speckle tracking 法を用いて、フォンタン循環における心房機能の評価を行うこと。
【対象・方法】対象は中等度以上の房室弁逆流を認めないフォンタン術後患者(F 群)31 例(年齢 5∼15 歳、中央値 10 歳、HLHS10
例、TA9 例、SRV6 例、PPA6 例)と健常対照児(N 群)20 例。検査には GE 社製 Vivid 7 または Vivid 9 を、解析には同社製 Echo
PAC を使用した。心尖部四腔断面像にて、各時相(Reservoir、Conduit、Pump)における心房(F 群は心房すべて、N 群は左右各
心房)の Global longitudinal strain(GLS)を計測し、Mann-Whitney U 検定を用いて両群間で比較検討を行った。また、両群の心房
を 4 領域(左側弁付着部、左側自由壁、右側弁付着部、右側自由壁)に分画し、各部位における Regional longitudinal strain(RLS)
も同様に比較検討した。p<0.05 を統計学的有意差ありとした。
【結果】F 群は N 群に比し、Reservoir および Conduit 時相の GLS が有意に低値であり、RLS の比較では弁付着部において顕著であっ
た。Pump 時相では有意差を認めなかった。Reservoir 時相の GLS は主心室 GLS と、Conduit 時相の GLS は主心室 diastolic GLS rate
とそれぞれ相関を認め、フォンタン術後の心房機能低下は心室収縮・拡張能低下に由来する可能性が示唆された。
第26回日本心エコー図学会学術集会
MP3-4
出生直後の早産児における心室中隔の機能の変化
那須友里恵1、中野 智1、松本 敦1、早田 航1、高橋 信1、小山耕太郎1、千田 勝一1、
上田 寛修2、森野 禎浩2
1
岩手医科大学 小児科学講座、2岩手医科大学 内科学講座 循環器内科分野
【背景・目的】心エコー図上心室中隔は bright line を境にして、右室側と左室側に分かれ、機能が異なるといわれている。二次元ス
ペックルトラッキング法を用いて、胎児循環から新生児循環へ移行する際の心室中隔二層構造を含む両心室機能の変化を評価した。
【対象・方法】新生児集中治療室に入院する、呼吸循環補助を必要としない在胎 33±2 週、体重 1,913±213g の早産・低出生体重児 21
例を対象とした。出生直後、3、6、9、12、24、48、72 時間に、LA/Ao、肺動脈 AcT/ET、RVFAC、TAPSE、四腔断面における心
室中隔ストレイン、右室自由壁ストレイン、左室 global ストレインを計測した。エコー機器は IE-33(PHILIPS)を用い、解析には
QLAB 9.1(PHILIPS)を使用した。
【結果】LA/Ao は出生直後に比し 9 時間、24 時間、48 時間で有意に低下し、AcT/ET は 24 時
間以降、有意に上昇した。RVFAC は 48 時間以降、有意に上昇したが、TAPSE には有意な変化を認めなかった。心室中隔ストレイ
ンは、左室側、右室側ともに生後有意な変化を認めなかったが、右室側と左室側のストレインは出生直後と、生後 48 時間、72 時間
に有意に異なった。右室自由壁ストレイン、左室 global ストレインには有意な変化を認めなかった。【考察・結語】健康な早産・低
出生体重児全例において、bright line を境にした心室中隔の二層構造が確認された。生後 48 時間以降、心室中隔のストレイン値は左
右で有意に異なり、胎児循環から新生児循環への移行に伴う左右心室機能の変化を反映している可能性がある。
MP3-5
心臓超音波検査による心臓内幹細胞自家移植療法に伴う心筋ストレイン変化の機能解析
逢坂 大樹1、石神 修大1、奥山 倫弘1、後藤 拓哉1、大月 審一2、佐野 俊二1、王 英正3
1
岡山大学 医歯薬学総合研究科 心臓血管外科、2岡山大学 医歯薬学総合研究科 小児科、
岡山大学 新医療研究開発センター 再生医療部
3
一般 Moderated Poster
【背景】単心室症に対する外科的シャント手術が行われているが、短期的には手術単独による心収縮能や局所心筋ストレインに有意な
機能的変化は認めないとされる。当院では 2013 年より機能的単心室症患者に対する自己心臓内幹細胞移植の第 2 相ランダム化臨床試
験(PERSEUS trial:NCT01829750)を実施しており、細胞移植後による収縮能改善や BNP 値低下を認めるものの、心筋ストレイン
の機能改善は不明である。
【目的】心臓超音波検査(UCG)を用いて細胞移植前後の機能変化を明らかにする。
【対象・方法】心臓手
術 + 細胞移植群(C 群 =10 名)及び手術単独の対照比較群(N 群 =14 名)に対して、UCG による心室容量(EDVI、ESVI)
、三尖弁
輪径(TVD)、収縮能(EF、FAC)、Tei index、ストレインの比較検討を行った。
【結果】C 群において、3 か月後の EF 及び FAC
の有意な上昇がみられ(EF:baseline:43.3±8.7% vs. 3m:49.3±9.6%,P=0.006,FAC:baseline:32.5±1.7% vs. 3m:34.4±2.1%,
P=0.004)
、逆に EDVI 及び ESVI に有意な低下(EDVI:P=0.004,ESVI:P=0.0004)と TVD z-score の縮小がみられた(P=0.007)。
また、C 群は N 群に比べ、移植後 3 か月目の Tei index が有意に低値であり(C 群:0.51±0.12 vs. N 群:0.63±016,P=0.03)、心筋
ストレインは C 群で有意な上昇がみられた(baseline:17.9±21.0% vs. 3m:21.0±3.8%,P=0.03)。これら心収縮能の有意改善は、手
術単独の N 群では認められなかった。
【結論】UCG を用いた検討により、心臓シャント術単独では術後 3 か月目において有意な心機
能改善効果は認められなかったが、心臓内幹細胞自家移植を併用することで局所ストレインを含む心筋収縮能の機能改善が示唆され
た。
MP4-1
大動脈弁輪径測定における 3D 心エコー図測定の精度の検討
馬詰 智子1、柴山謙太郎2、田端 実2、神尾 恭弘2、野口 将彦2、奥村 弘史2、河野 裕志2、
中塚 大介2、平岩 伸彦2、小船井光太郎2、小林 欣夫1、渡辺 弘之2
1
千葉大学 医学部 循環器内科学、2東京ベイ浦安市川医療センター ハートセンター
【背景・目的】大動脈弁置換術の人工弁サイズ決定における 3 次元経食道心エ
コー図(3D-TEE)による大動脈弁輪径測定の精度を検討すること。
【方法】
術前に TEE を行った大動脈弁置換術症例、連続 35 症例(年齢 71±9.7 歳、
男性 54.3%)を対象とした。3D-TEE で大動脈弁輪の周囲長と面積から大動
脈弁輪径を算出し[Dcirc=周囲長/π と Darea=2 * √(面積/π)]、2D-TEE での
大動脈弁輪径(D2D)および手術中に計測した人工弁外径(DPV)と比較した。
【結果】計測された弁輪経の平均値は、Darea=22.2±2.7 mm、Dcirc=22.9±2.7
mm、D2D=22.2±2.8 mm、DPV=21.9±2.7mm であった。Darea は D2D より DPV
と合致し(r=0.879,LOA:0.00-0.44mm vs r=0.840,LOA:0.01∼0.54mm)
(図 1)、D2D より DPV との絶対値差分が小さかった(1.02±0.82mm vs 1.38±
0.73 mm,p=0.022)
。
【結語】大動脈弁置換術では、3D-TEE による大動脈弁
輪径の測定は、2D-TEE より精度が高い。
168
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
MP4-2
僧帽弁輪面積算出における適正計測断面の検討(3D との比較及び心形態の影響)
佐藤 麻美、福西 雅俊、高田裕美子、田村 悦哉、後藤 浩実
社会福祉法人 北海道社会事業協会 帯広病院 臨床検査科
【背景】僧帽弁輪面積は従来,心尖部四腔及び二腔断面の弁輪径から算出されているが,本来の弁輪径を反映していないと言われてい
る.近年,心尖部における僧帽弁交連断面と長軸断面での弁輪径が本来の弁輪径に近いとの報告がある.今回,弁輪面積を算出する
際の弁輪径を計測する上で,どちらが適正断面なのか経胸壁 3D 心エコーの値と比較し検討した.また,心形態の違いが計測値に影
響を与えるのか検討した.
【方法】当院で経胸壁心エコー検査が施行された 52 例を対象に,心尖部四腔−二腔断面(従来断面)
,心尖
部僧帽弁交連−長軸断面(交連断面)にて弁輪径を計測,弁輪面積を算出し,経胸壁 3D 心エコー計測値と比較した.また,左房拡
大群,左室拡大群,左房左室拡大群,非拡大群で 3D との面積差を比較検討した.
【結果】弁輪面積では交連断面で算出した値がより
3D と近似し,より良い相関も得られた(y=1.10x-0.38,r=0.86)
.弁輪径では,従来断面でより誤差が大きく,交連断面の方が 3D 計
測値に近似していた.3D との面積差はいずれの群の間にも有意差を認めなかった.
【考察】従来断面での僧帽弁輪面積は弁輪の長径・
短径を反映しているものではなく,面積算出の際に誤差を生じたと考えられる.今回,検討に用いた交連断面での面積は,従来法よ
り正確に僧帽弁輪面積を算出可能と思われた.左房,左室の拡大の有無にかかわらず,3D との面積差に有意差がないことから,心形
態は僧帽弁輪面積の値に影響しないと思われ,僧帽弁輪径を計測して弁輪面積を算出する際は,心尖部僧帽弁交連−長軸断面を用い
た方が良いと考える.
MP4-3
重症大動脈弁狭窄症患者における大動脈基部の計測―経食道3次元心エコー法とMDCTの比較検討―
川井 順一1、谷 知子2、藤井 洋子1、紺田 利子1、中村 仁美1、三羽えり子1、角田 敏明1、
菅沼直生子1、野本奈津美1、北井 豪2、金 基泰2、伊藤 慎八2、石橋 健太2、中嶋 正貴2、
笠本 学2、山根 崇史2、江原 夏彦2、木下 愼2、加地修一郎2、古川 裕2
1
神戸市立医療センター中央市民病院 臨床検査技術部、2神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科
MP4-4
一般 Moderated Poster
【目的】重症大動脈狭窄症(AS)における大動脈基部の解剖学的特徴につい
て、3 次元経食道心エコー法(3DTEE)および multi-detector CT(MDCT)
を用いて検討した。
【対象】対象は、重症 AS(大動脈弁口面積:0.67±0.19cm2)
と診断した 14 例(年齢:84±6 歳)であった。全例は洞調律で大動脈弁逆流
が軽度であった。【方法】超音波診断装置は Philips 社製 EPIQ 7C であり、3
次元計測によって収縮中期(大動脈弁最大開放時)における大動脈弁輪、
Valsalva 洞、ST junction の各断面の長径、短径、周囲長、周囲面積および
弁輪∼左冠動脈および右冠動脈の起始部の距離を計測した。MDCT の使用装
置は GE 社製 HD750 であり、同様の項目を計測し比較検討した。【結果】結
果を図に示す。MDCT と比較して、3DTEE は全体に各計測値が小さい傾向
にあった。
【結論】重症 AS 患者において、3DTEE にて大動脈基部の計測を
行う場合は過小評価している場合があることから注意が必要である。
一般住民における無症候性大動脈弁石灰化の頻度と関連因子についての検討:岩木健康増進プロ
ジェクト 2014
山田 雅大1、富田 泰史1、佐々木史穂2、赤崎 友美2、一戸香都江2、西崎 公貴1、村上 和男1、
丹野 倫宏1、金城 公貴1、西崎 史恵1、藤井 裕子1、樋熊 拓未1、高橋 一平3、中路 重之3、奥村 謙1
1
弘前大学大学院医学研究科 循環呼吸腎臓内科、2弘前大学医学部附属病院 検査部、3弘前大学大学院医学研究科 社会医学講座
【背景】大動脈弁石灰化(AVC)は心血管疾患の独立した危険因子であるが日本人における疫学的調査は乏しい。
【目的】経胸壁心エ
コーにて一般住民における無症候性 AVC を検出しその特徴や要因について検討する。
【方法】2014 年、青森県旧岩木町住民を対象と
した複合健診プロジェクト(1167 人)において経胸壁心エコー検査を行った 1130 人(平均年齢 54 歳、女性 702 人)を対象とした。
大動脈弁狭窄症と診断した 21 例(1.9%)
、大動脈二尖弁 5 例(0.4%)
、人工弁 2 例、画像描出不良 15 例は除外した。AVC は傍胸骨長
軸及び短軸断層像にて評価し、弁尖上の小さな単発例を軽度 AVC、複数あるいは 5mm 以上の沈着を高度 AVC と定義した。正常例
と比較し AVC を規定する被検者背景(Model 1)並びにエコー所見(Model 2)を多変量解析にて検討した。
【結果】無症候性 AVC
は 364 例(33%)に認め、軽度 AVC は 218 例(20%)、高度 AVC は 146 例(13%)であった。Model 1 では軽度 AVC の独立規定因
子は高齢(オッズ比:OR 1.04/1 歳,95%CI 1.03-1.05)
、脂質異常(OR 1.58,95%CI 1.02-2.4)であり、高度 AVC の独立規定因子は
高齢(OR 1.08/1 歳,95%CI 1.06-1.1)、男性(OR 2.03,95%CI 1.2-3.3)
、高血圧(OR 1.8,95%CI 1.1-2.8)
、BMI(OR 0.91,95%CI 0.840.98)であった。Model 2 において年齢と性別で補正した有意な独立因子は、軽度 AVC では心肥大と大動脈弁逆流と E 波の減速時間、
高度 AVC では心肥大と大動脈弁逆流と大動脈弁最大流速であった。
【考察】無症候性 AVC は一般住民においても高頻度に認め加齢
と強い相関を認める。また、AVC は重症度に応じて年齢以外の関連因子が存在し石灰化の沈着と進展には異なった機序が示唆され
た。
169
第26回日本心エコー図学会学術集会
MP4-5
大動脈基部拡大を伴う大動脈弁逆流における coaptation depth/length 測定の意義
古島 早苗1、恒任 章2、白石 亜季1、川浪のぞみ1、木村由美子1、坂口能理子1、浅田 綾子3、
森内 拓治1、森永 芳智1、南 貴子2、山近 史郎4、前村 浩二2、江石 清行3、柳原 克紀1
1
長崎大学病院 検査部、2長崎大学病院 循環器内科、3長崎大学病院 超音波センター、4長崎大学病院 心臓血管外科、
春回会井上病院 循環器科
5
【背景・目的】大動脈基部形成術後の effective height(eH)が大動脈弁逆流(AR)の再燃に影響すると報告されている。今回未手術
の大動脈基部拡大における各種 cusp 計測を行い AR のメカニズムとその関係を検討した。【方法】対象は control(c)群 22 例と
Valsalva 洞径(SinusD)または STJ 径(STJD)に拡大を認める dilatation(d)群 13 例(bicuspid 除外)。経胸壁心エコー図の傍胸
骨左室長軸像を拡張末期に計測。大動脈弁輪径(AVJD),SinusD,STJD,eH,geometric height(gH),coaptation depth(cD),
coaptation length(cL=eH-cD)
,gHratio=gH(low side)
/(1/2AVJD+eH)を計測し AR との関係を検討した。
【結果】c 群と d 群の
平 均 値 は eH9.8±1.5mm,10.3±0.8mm(n.s.),gH16.0±1.4mm,17.5±2.7mm(p<0.05)
,cD1.6±1.3mm,4.0±3.3mm(p<0.01),
cL8.3±1.0mm,6.2±2.2mm(p<0.001)
,gHratio0.8±0.1,0.7±0.1(n.s.) で あ っ た。eH,cD は SinusD(r=0.44,0.66)
,STJD
(r=0.50,0.78)と有意な正の相関、cL,gHratio は SinusD(r=-0.41,
-0.45),STJD(r=-0.50,-0.46)と有意な負の相関を示した。AR
の程度は cD,cL と有意に相関した(rs=0.39,
-0.34)。ROC 曲線から算出した中等度以上の AR を予測する至適 cut-off 値は cD2.4mm
(感度 73%,特異度 71%)、cL6.2mm(感度 64%,特異度 92%)であった。
【考察】大動脈基部の拡大で大動脈弁に tethering が生じ、
eH,cD の延長と cL,gHratio の低下を認めた。eH の延長の度合いが cD がより大きいため cL が短縮し AR が増悪している可能性
が示唆された。
【結語】cD 延長と cL 短縮が AR の程度と相関し、中等度以上の AR を予測する cut-off 値は cD≧2.4mm,cL≦6.2mm
であった。大動脈基部拡大を伴う AR において cD や cL 等 cusp 計測は重要である。
MP4-6
二次性僧帽弁閉鎖不全症患者における運動誘発性肺高血圧の意義:予後に与える影響
出雲 昌樹1、鈴木 健吾1、佐藤 如雄1、寺本佳楠子1、塚原 摩耶1、桑田 真吾1、上嶋 亮1、
水越 慶1、黄 世捷1、高井 学1、林 明生1、木田 圭亮1、米山 喜平1、大滝 英二1、
信岡 祐彦2、明石 嘉浩1
1
聖マリアンナ医科大学 循環器内科、2聖マリアンナ医科大学 臨床検査部
一般 Moderated Poster
【背景】二次性僧帽弁閉鎖不全症(MR)における運動誘発性肺高血圧(Exercise-induced pulmonary hypertension:ExPHT)の検討はなく、今回我々は
二次性 MR における ExPHT の予後に与える影響について検討した。
【方法】
運動負荷心エコー図を施行した二次性 MR 患者連続 75 名を対象とした。運
動誘発性肺高血圧の定義は肺動脈収縮期圧 60mmHg 以上と定義した。
【結果】
ExPHT 群と No-ExPHT 群に、臨床背景及び安静時心エコー図指標に差は認
めなかったが、運動時 E/ε (21.9±8.6 vs. 14.9±7.4)及び僧帽弁有効逆流弁
口面積(30.2±13.6 vs. 18.7±7.9 mm2)は ExPHT 群で有意に大きかった。
平均 4.2 年間の追跡において死亡 9 名を含む 30 名(40.5%)に心血管イベン
トを認め、ExPHT 群は No-ExPHT 群と比較して有意に心血管イベント発生
率が高かった(図)。Cox ハザード解析において ExPHT は独立した心血管イ
ベント予測因子であった(ハザード比:2.05、P<0.01)。【結語】二次性 MR
において ExPHT は独立した予後予測因子であった。運動負荷心エコー図は
二次性 MR において有用であることが示唆された。
MP5-1
スペックルトラッキング法による冠動脈閉塞直後の虚血心筋のストレイン変化:局所の弛緩は収縮
に先行して障害されるのか ?
岩上枝里香1、浅沼 俊彦1、増田 佳純1、櫻井 大輔1、岡 雅通1、小谷晃一郎1、井上 勝次2、中谷 敏1
1
大阪大学 医学系研究科 機能診断学講座、2愛媛大学大学院 循環器呼吸器腎高血圧内科学講座
[背景]虚血カスケードにおいて、dP/dt などの左室全体の機能評価では、収
縮障害に先行して弛緩障害が出現することが報告されているが、局所心筋で
も弛緩障害が先行するかは、なお議論がある。本研究では、スペックルトラッ
キング法により冠動脈閉塞直後の局所心筋ストレイン解析からこれを検討し
た。[方法]麻酔開胸犬 9 頭を対象とし、左冠動脈回旋枝を 1 分間閉塞した。
Vivid E9(GE)により、閉塞前と閉塞直後から連続 20 心拍の左室短軸画像
を取得し、各心拍での虚血領域の円周方向ストレインとストレインレートを解析した(フレームレート:109.3)。
[結果]収縮指標で
は、閉塞後 5 心拍以降より、最大ストレインまでの時間(Tpeak)の短縮及び収縮期最大ストレイン値の低下が始まり、これらはその
後さらに短縮、低下した(図)。弛緩指標では、弛緩期相当時相でのストレインレート値は、Tpeak の短縮とともに逆に増大し、明ら
かな低下が先行して認められることはなかった。
[結論]冠動脈閉塞直後の虚血心筋において、収縮障害に先行した弛緩障害の出現は
認められなかった。
170
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
MP5-2
慢性心不全患者における L 波の出現の頻度と関連因子
正井久美子、真野 敏昭、正木 充、江口 明世、藤原 昌平、菅原 政貴、曽山 裕子、廣谷 信一、
増山 理
兵庫医科大学 循環器内科
【目的】心エコー図法による左室拡張能の評価は、左室流入血流速波形、肺静脈血流速波形のパターンや、組織ドブラ法を用いた僧帽
弁弁輪速度から評価するのが一般的である。近年パルスドブラ法により得られた左室流入血流速波形上、拡張中期に認められる独立
した順行性の血流波形『L 波』は、出現頻度は低いものの、その存在から弛緩障害+左房圧の上昇を推測できる簡便な指標とされて
いる。慢性心不全患者のうち左室収縮能低下例(HFREF)と左室収縮能が保たれた例(HFPEF)とで、L 波の出現に差があるか、
また関連因子を比較した。
【対象および方法】2013 年 10 月から 2014 年 11 月に心エコー検査をおこなった慢性心不全患者のうち、89
例を対象とした。左室拡張中期に 20cm/sec 以上の速度で左房から左室に流入する順行性血流を L 波と定義した。【結果】89 例のう
ち L 波があったのは 37 例(41%)、なかったのは 52 例(59%)。HFREF 群は 45 例中、L 波があったのが 18 例(40%)、なかったの
が、27 例(60%)である。HFPEF 群ではそれぞれ 19 例(43%)と 25 例(57%)であった。両群ともに L 波と E/e´ に相関があっ
た。HFREF 群では LVDd、LAVI が大きく、E 波が高いと L 波の出現がみられたが、HFPEF 群では L 波の出現に E/e´ 以外に有
意な因子は認めなかった。
【考察】今回の検討から慢性心不全患者は L 波の出現は HFPEF 群と HFREF 群で大きな差はなかった。
左室収縮能に関係なく、E/e´ の高い患者に多く、また HFREF 群では左室、左房のサイズと関連があった。HFREF 群における L
波の意義は重症収縮能および拡張能障害の重要な指標であるといえる。
MP5-3
高齢女性における左室拡張障害:閉経時期の違いとその後の左室拡張障害の関係
廣川 愛美1、大門 雅夫2、川田 貴之1、木村 公一1、中尾 倫子2、李 政哲1、宇野 漢成3、
竹中 克2、加藤 倫子4、渡辺 昌文1、山崎 力5、小室 一成1
1
東京大学医学部附属病院 循環器内科、2東京大学医学部附属病院 検査部、
東京大学医学部附属病院 コンピュータ画像診断学 予防医学講座、4順天堂大学医学部附属 順天堂医院 心臓血管外科、
5
東京大学医学部附属病院 臨床研究支援センター
3
MP5-4
拡張早期左室内圧較差および左室変形評価による、小児がん治療後の心機能低下の早期発見
重光 幸栄1、高橋 健1、小林 真紀1、松井こと子1、山田真梨子1、大野 香奈1、秋元かつみ1、
坂口 佐知1、藤村 純也1、斉藤 正博1、板谷 慶一2、宮地 鑑2、稀代 雅彦1、清水 俊明1
1
順天堂大学 小児科、2北里大学 血流解析学講座
【背景】がん患者に対する様々な抗がん剤や放射線等の治療により心毒性が生じることは知られている。従来の心エコー法による心機
能評価では早期の心毒性は反映されない。心筋の捻じれや拡張早期の左室内圧較差(Intraventriuclar pressure difference:IVPD)等
の新たな心機能評価方法を用い小児がん治療(C 群)の心機能を、正常(N)群と比較した。
【方法】対象は小児がんを発症し、化学
療法もしくは放射線療法を行い、治療中又は治療後の 3 歳以降の症例。心尖部四腔断面像のカラー M モード画像より、左室の IVPD
をオイラーの方程式を用いて測定した。またスペックルトラッキング法により、心筋変形を評価した。【結果】C 群 18 人、N 群 80
人。平均年齢は C 群、N 群それぞれ 18.5±7.3(8-33)歳及び 20.1±8.7(8-33)歳であった。左室駆出率、僧帽弁流入 E 波 E/A は有
意差を認めなかった。IVPD は C 群(2.27+0.89mmHg)が N 群(2.96+0.59mmHg)よりも有意に低下していた(p<0.001)。左室捻
じれ角度及び円周方向ストレインは C 群が N 群に対し有意に低下していたが(p=0.006 及び p<0.001)
、縦方向ストレインは有意差
を示さなかった。IVPD は左室捻じれ角度、左室捻じれほどけ角速度及び円周方向ストレインと相関を示した(p=0.003,p=0.001 及
び p<0.001)。
【考察】小児がん治療群では、左室捻じれや円周方向収縮能が低下し、それに伴い IVPD も低下していた。これらの測
定により、小児がん治療後の心機能低下を早期に反映する可能性がある。
171
一般 Moderated Poster
背景:高齢女性は、拡張性心不全のハイリスクである。男性と比較して、女性では 50 代以降に左室拡張障害を有する割合が増加する
傾向があり、閉経によるエストロゲンの減少が重要な一因とされている。我々は、閉経時期の違いがその後の左室拡張能に与える影
響について検討した。方法:当院における検診受診者の中から、受診時に閉経しており明らかな心疾患を持たない女性 115 名を対象
にした。対象を閉経年齢が 50 歳以下の早期閉経群 61 名(63±9 歳)と閉経年齢が 50 歳を超えていた後期閉経群 54 名(62±7 歳)の
2 群に分けて、患者背景、心エコーでの左室拡張能指標について比較した。結果:2 群間で、平均年齢に有意差は認めなかったが、閉
経からの経過年数は有意に早期閉経群で長かった(16±10 年と 10±6 年,p<0.001)
。また、血圧、肥満度、脂質、貧血など臨床背景
は 2 群間で差を認めなかった。左室拡張能指標については、いずれの指標も有意差を認めなかった(e p=0.052;E/e ,p=0.081;左
房容積,p=0.83;左室拡張能グレード分類,p=0.316)
。さらに、重回帰分析を用いて、それぞれの左室拡張能指標を規定している因
子を検討したが、年齢やヘモグロビン濃度が主な独立規定因子で、閉経からの経過年数は有意な規定因子では無かった。結論:閉経
時期の早い遅いは、女性におけるその後の左室拡張障害の進行には関係しない。高齢女性の拡張障害の進行には、閉経以外の因子が
関係している可能性がある。
第26回日本心エコー図学会学術集会
MP5-5
両心室間の相互作用についての検討―左室収縮能保持例と低下例での比較―
沖 都麦1、田中 秀和2、松本 賢亮2、元地 由樹2、堂國久美子2、羽渓 優2、畑澤 圭子2、
松添 弘樹2、土岐 啓己2、下浦 広之2、大岡 順一2、佐野 浩之2、佐和 琢磨2、望月 泰秀2、
漁 恵子2、辰巳 和宏2、今西 孝充1、林 伸英1、平田 健一2、河野 誠司1
1
神戸大学医学部附属病院 検査部、2神戸大学大学院医学研究科 循環器内科学分野
【背景】近年左心不全患者の予後評価として、右室収縮能評価の有用性が報告されているが、両心室間の相互作用については明らかで
はない。本研究の目的は心疾患患者における左室機能と右室機能の関連性を検討することである。
【方法】204 例を対象とした(平均
年齢 61±16 歳、女性 75 例)。対象を左室駆出率(LVEF)により、LVEF 保持群(n=134、LVEF=64±4%)と LVEF 低下群(n=70、
LVEF=33±10%)の 2 群に分類した。左室収縮能は LVEF で評価し、左室拡張能は拡張早期僧帽弁輪運動速度(e )および、拡張早
期左室流入速度との比(E/e )で評価した。右室収縮能は M モード法を用いて三尖弁輪部収縮期移動距離(TAPSE)で評価した。
【結果】両群間に年齢、性別に有意差は認めなかった。LVEF 保持群では、TAPSE は e と有意に相関した(r=0.21、p=0.016)
。ま
た、E/e とは統計学的に有意ではないが相関傾向を呈した(r=0.14、p=0.099)
。一方、LVEF 低下群では、TAPSE は e 、E/e とも
に有意な相関を認めなかった(e :r=0.12、p=0.343;E/e :r=0.06、p=0.638)
。また、両群において、TAPSE は LVEF と有意な相関
を示さなかった。
【結語】左室収縮能が保持された例では、左室拡張能と右室収縮能とは有意に関連し、左室収縮能の低下に伴いその
関連性は崩れることが証明された。左心不全を管理する上で両心室間の相互作用を評価することは重要である可能性が示唆された。
MP5-6
理論式を用いた肺血管抵抗の推定
神田 貴史、藤田 雅史、増田 正晴、須永 晃弘、飯田 修、岡本 慎、石原 隆行、南都 清範、
白記 達也、辻村 卓也、松田 祥宏、奥野 翔太、谷仲 厚治、上松 正朗
関西労災病院循環器内科
一般 Moderated Poster
【背景】肺血管抵抗(PVR)は右心カテーテル検査(RHC)で得られる値が
最も信頼性が置ける。過去に心エコー図(TEE)を用いた推定法の報告がな
されてきたが、それらは経験式に基づくものであり、正確さに欠けるもので
あった。今回我々は理論式に基づく PVR の推定法を提案する。
【方法】心不
全または肺高血圧症の診断で RHC を施行した 27 人を対象とした。RHC と同
日に TEE を行った。簡易ベルヌーイ式を用いて、収縮期三尖弁圧較差
(TRPG)、拡張期肺動脈弁圧較差(PRPGed)、左室流出路血流時間速度積分
値から心拍出量(COLVOT)を算出した。理論式から推定される肺血管抵抗
(PVRtheo)を PVRtheo=(TRPG-PRPGed)/3COLVOT と定義した。線形分
析および Bland-Altman 法により PVRtheo と RHC から得られた肺血管抵抗(PVRcath)とを比較した。
【結果】線形解析では PVRtheo
は PVRcath と良好な相関を示した(r=0.835,P<0.01)
。Bland-Altman 法では PVRtheo-PVRcath=-0.12±1.57 Wood(平均±2SD)で
あった。【結論】理論式を用いた肺血管抵抗の推定は正確性をもって肺血管抵抗を推定しうる。
MP6-1
心房細動患者における左室前負荷変動に伴う一回拍出量の変化量と左室拡張能の関係
平山 香莉1、和田 靖明1、有吉 亨1、田中 智子1、藤井 彩乃1、奥田 真一3、村上和華子3、
明連 武樹3、田中 伸明2、矢野 雅文3
1
山口大学医学部附属病院 超音波センター、2山口大学大学院 医学系研究科 病態検査学、
山口大学大学院 医学系研究科 器官病態内科学
3
目的:心房細動(AF)患者において、左室前負荷変動に伴う 1 回拍出量(SV)
の変化量と左室拡張能の関係について検討する。方法:心房細動患者 50 例を
対象として経胸壁心エコー図検査を施行し、連続 20 心拍記録された左室駆出
血流速度波形を用いて計測された SV 係数と先行 RR/先々行 RR(RR1/RR2)
を点描した散布図の近似直線の傾き(A)を算出した(右図)
。対象患者は A
中央値(A=10.1)により 2 群に分けられた(A>10:H 群,A≦10:L 群)
。
結果:H 群では拡張早期僧帽弁輪運動速度(e )のみが L 群と比較して有意
に低値で、その他の心エコー指標では両群間に有意差はみられなかった。結
論:AF 患者において左室前負荷変動に伴う SV 変化が大きい症例では左室
拡張能が低下しており、RR1/RR2 変動に伴う SV 係数変化の程度を観察する
ことにより左室拡張能を評価できる可能性が示唆された。
172
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
MP6-2
心房細動患者における心房内 Electromechanical coupling―組織ドプラ法を用いた Double
Peak sign の有用性―
飯尾千春子1、井上 勝次1、藤井 昭1、永井 啓行1、西村 和久1、上谷 晃由1、鈴木 純1、
舩田 淳一2、大蔵 隆文1、檜垣 實男1、大木元明義1
1
愛媛大学 大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学 講座、2愛媛医療センター循環器内科
心房細動(AF)アブレーション治療(PVI)後に,Double Peak(DP)sign
(二峰性の lateral a :図上)を示す症例がある.
【方法】対象は PVI 行った連
続 46 例(平均 62 歳,発作性/持続性 31/15 例).左房側壁基部における P 波
開始点から peak negative strain(speckle tracking 法)までの時間を伝導収
縮時間(EMT-ε)と定義した(図下).CARTO system で評価した心房内伝
導時間(electrical activation time:EAT)と術後 24 時間以内の DP sign,
EMT-ε を比較検討し,エコー図指標は治療 6 ヶ月後に再取得した.
【結果】
EMT-ε は EAT と正の相関を認めた(R2=0.35,P<0.001).DP sign は持続
性 AF で発作性に比し有意に陽性を示した(60% vs 29%,P=0.04).DP sign
陽性群は陰性群に比し EAT と EMT-ε が有意に延長していた(EAT:112±
16 ms vs 92±14 ms,P<0.001,EMT-ε:230±64 ms vs 191±44 ms,P=
0.03)
.術後 6 ヶ月後に左房容量,EMT-ε は改善し,DP sign 陽性群は有意に
減少した(42.6% vs 21.3%,P<0.01)
.【結語】DP sign は心房内伝導収縮遅
延を示唆する簡便で有用な指標と思われた.
MP6-3
3 次元左房 Longitudinal Strain と Circumferential Strain に影響を与える因子
辻内 美希、江波戸美緒、倉田 征昭、水上 拓也、前田 敦雄、田辺 彩夏、池田 尚子、前澤 秀之、
鈴木 洋
昭和大学 藤が丘病院 循環器内科
MP6-4
心房細動の高周波カテーテルアブレーション治療後の再発と 2D 心エコーでの左房サイズの比較検
討
大谷 幸代1、吉谷 和泰2、小野眞守美1、中澤 佳代1、入江まゆ子1、長尾 秀紀1、小幡 朋愛1、
笹倉 明子1、須原 信子3、石橋万亀朗1
1
兵庫県立尼崎病院 検査・放射線部、2兵庫県立尼崎病院 循環器内科、3兵庫県立塚口病院 検査・放射線部
【目的】心房細動(AF)に対する高周波カテーテルアブレーション治療(RF)
前に施行した経胸壁心エコー検査での心房サイズが心房細動の再発に関与し
ているか検討した。
【方法】対象は 2012 年 4 月から 2013 年 11 月の間に初回
アブレーション治療を行った発作性心房細動(PAF)96 例(男性 61 例、年
齢 68±9 歳)および持続性心房細動(CAF)87 例(男性 53 例、年齢 67±8
歳)。RF 治療前に経胸壁心エコー検査で左房径(LAD)
、Simpson 法による
左房容量(LAV)、四腔断面から左房(LA)
・右房(RA)の縦径および横径
を計測した。【結果】RF 後の平均観察期間は、PAF・CAF とも 22±6 か月
で、PAF での AF 再発は 28 例(29%)、CAF での AF 再発は 41 例(47%)
だった。計測結果は表のとおりである。今回計測した様々な心房サイズは PAF の RA 横径を除いて再発(+)群でいずれもやや大き
い傾向を示したが、再発(+)群と再発(-)群で有意差は認めなかった。
【結語】AF のアブレーション治療後の再発を予測する様々
な因子が報告されているが、今回の検討では LA サイズのみでは再発の関与を指摘できなかった。今後更なる検討を継続していきた
い。
173
一般 Moderated Poster
背景:左室収縮期 Longitudinal strain は左房を縦方向に牽引することで左房リザーバー機能に影響していると推測される。目的:3
次元スペックルトラッキング法(3DSTA)による 3 次元左房 Longitudinal Strain(3DLALS)と Circumferential Strain(3DLACS)
が従来の左室拡張能指標との間にどのような関連が認められるかを検討した。方法:東芝社製 Artida によって記録された当院 3DSTA
データ登録症例からランダムに選んだ洞調律例 74 例(平均年齢 65±11 才、男性 68%、陳旧性心筋梗塞 20 例、狭心症 10 例、高血圧
性心疾患 25 例、拡張型心筋症例 7 例、肥大型心筋症 5 例、高血圧 8 例)の 2 次元心エコーデータと 3DLALS、3DLACS および 3D
area strain(3DLAAS)との関連を検討した。結語:3DLALS は 3DLACS、3DLAAS に比し 2 次元左室 Global Longitudinal Strain、
平均 E との間の相関が高かった(r=0.64,0.48,0.56:0.48,0.38.0.42,p<0.01)
。また 3DLACS は 3DLALS,3DLAAS に比し E/
e との相関がよく(r=0.52,0.32,0.44 p<0.01)
、低 EF 群(左室駆出率<40%)では E/A とより高い相関を示した(r=0.54,0.41,
0,44 p<0.01)結語:3DLALS は 3DLACS に比し左室長軸方向収縮からの影響が大であった。一方 3DLACS は 3DLALS より平均左
房圧に強く影響されることが示唆された。
第26回日本心エコー図学会学術集会
MP6-5
大動脈弁狭窄症患者における弁置換・冠動脈バイパス術同時施行例における術後心房細動発症に関
わる因子の検討
圓山 雅己1、加藤 倫子2、森本 良子1、宮崎彩記子1、大門 雅夫1、大村 寛敏1、天野 篤2、代田 浩之1
1
順天堂大学 医学部附属順天堂医院 循環器内科、2順天堂大学 医学部附属順天堂医院 心臓血管外科
【目的】心臓手術後の心房細動(POAF)は、術後の予後不良因子であり、入院期間の延長や心血管イベントの発症に深く関与する。
これまで大動脈弁狭窄症(AS)に対し単独の大動脈弁置換術(AVR)を施行した症例において術前の左房の容量やストレイン値な
どが POAF 発症の予測因子に成り得るとの報告があるが、冠動脈バイパス同時施行例における検討は未だなされていない。今回、
我々は冠動脈病変を伴う AS の AVR 症例において、POAF 発症の予測因子を検討した。
【方法】対象は 2009 年から 2013 年に当院
で、退行変性の AS に対して AVR および冠動脈バイパス術(CABG)を同時施行した症例のうち、既知の心房細動症例および僧帽
弁・三尖弁手術、MAZE 手術を施行した症例を除外した 50 例。病歴と術前の検査結果および心エコー図所見から POAF の規定因子
について検討した。【結果】術後 1 か月間に POAF を発症した症例は 50 例中 23 例(46%)であった。発症の有無で対象を 2 群に分
け比較すると、2D speckle tracking 法による左房 global longitudinal strain(GLS)が POAF を有した群で有意に低値(28.6±8.4 vs
34.8±11.8%、p=0.039)であり、また a 値が POFA を有した群で有意に低値(7.3±2.1 vs 8.5±1.6cm/s、p=0.028)であった。さら
に多変量解析において a が POAF の独立規定因子であった(Exp(B)=0.695、95%CI 0.493-0.979、p=0.038)
。また、AS 重症度や、
左房容量・左室駆出率・心筋重量などは有意な関係を認めなかった。
【結論】AS 患者の AVR と CABG 同時施行例において POFA の
発症には、a 値および左房 GLS が予測因子となる可能性を示した。
MP6-6
左房機能の経時的変化について
赤坂 和美1、樋口 貴哉1、柳谷 貴子1、中森 理江1、青沼 達也2、河端奈穂子3、伊達 歩2、
吉田千佳子4、藤井 聡1、長谷部直幸2
1
旭川医科大学病院 臨床検査・輸血部、2旭川医科大学 循環・呼吸・神経病態内科学、3旭川リハビリテーション病院 内科、
旭川医科大学病院 リハビリテーション科
4
一般 Moderated Poster
【目的】左房機能の経時的変化について,基礎心疾患により差があるか否かを検討した.
【対象と方法】GE 社 Vivid7 あるいは VividE9
にて半年以上の間隔で 2 回以上 TTE を施行した連続 130 例中,記録不良例と検査時の心房細動,心サルコイドーシス合併例を除外
した 40 例を対象として,後ろ向きに検討した.HCM,d-HCM,DCM の心筋疾患 A 群 16 例と虚血性心疾患などの B 群 24 例におい
て,4CV における左房 6 か所の平均 longitudinal strain(LS)
,左房容積係数(LAVI),EF を観察期間内における初回(pre)と最
終回(post)で比較した.【結果】A 群は平均観察期間(30±30 vs 33±29 か月)
,年齢(70±8 vs 70±8 歳)
,preEF(53.6±16.3 vs
56.6±14.9%),postEF(51.6±15.6 vs 53.5±16.3%)に B 群との間に差を認めなかった.preLS は両群間に差を認めなかった(23.0±
12.1 vs 26.8±8.2%)が,postLS において A 群は B 群に比して有意に低値であった(17.8±8.2 vs 24.5±7.9%,p<0.05).一方,preLAVI
(60.6±21.1 vs 41.3±15.2 ml/m2,p<0.01)も postLAVI(64.3±22.1 vs 39.3±13.7 ml/m2,p<0.01)も A 群で高値であった.pre と
post の差は LAVI において差を認めなかったが,LS において A 群で有意に大であった(5.2±5.4 vs 2.4±3.0%,p<0.05)
.paired
t-test では両群とも postLS は preLS に比して有意に低値であった(p<0.01)
.発作性心房細動は A 群において有意に高率であった.
【結語】左房機能は心筋疾患において,より進行性に低下する可能性が示唆された.
174
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P1-1-1
パーキンソン病患者における左室収縮障害:2D speckle tracking 法を用いた global longitudinal strain による評価
藤原理佐子1、高野 真澄2、大手 信之3
1
地方独立行政法人 秋田県立病院機構 秋田県立脳血管研究センター 循環器内科、2福島県立医科大学 集中治療部、
名古屋市立大学 心臓・腎高血圧内科
3
【背景】パーキンソン病では、心臓の交感神経機能の障害が指摘されている。しかし左室機能障害の有無は明らかではない。【目的】
パーキンソン病患者における左室心機能障害の有無について検討すること。
【対象】2011 年 2 月から 2014 年 6 月までに経胸壁心エ
コー図検査を施行したパーキンソン病患者 9 例(PD 群、平均年齢 75±8 歳)、及び年齢の一致したコントロール 9 例(C 群、平均年
齢 75±7 歳)。【方法】全例において、通常の心エコー図法による心機能評価指標、僧帽弁輪部における組織ドプラ波形、および心尖
部 3 断面から 2D speckle tracking 法を用いた global longitudinal strain(GLS,EchoPac,Vivid 9)により、左室機能評価を行った。
明らかな心疾患の既往、および慢性・発作性心房細動例は除外した。
【結果】両群間において、左室駆出率(69.6±6.5 vs 67.5±8.5%)
、
E/A(0.83±0.29 vs 0.86±0.13)
、E/E (10.8±2.8 vs 12.7±3.4)に差を認めなかったが、PD 群では C 群に比し左房径は有意に拡大し
ていた(36.0±2.4 vs 32.7±3.5 mm、P<0.05)
。組織ドプラ法により、両群間で e 、a に差を認めなかったが、s は PD 群で C 群に比
し低い傾向にあった(7.3±1.3 vs 11.0±4.4 cm/s,P=0.17)
。また GLS は PD 群で C 群に比し有意に低下していた(-21.2±2.0 vs-23.5
±2.5%,P<0.05)
。
【結語】パーキンソン病において、2D speckle tracking 法による GLS が低下しており、左室心駆出率では検出で
きないような左室収縮障害が存在していることが示唆された。
P1-1-2
二次元スペックルトラッキング法を用いた軟骨魚類心室の機能解析
平崎 裕二1、南沢 享2、岡部 正隆3
1
東京慈恵会医科大学大学院 医学研究科、2東京慈恵会医科大学 細胞生理学講座、3東京慈恵会医科大学 解剖学講座
背景.哺乳類の左心室では緻密心筋線維がらせん状に配置されているために収縮期に心室の回転/捻れが生じる.この回転/捻れ運動
が哺乳類に特有なものか否かは不明である.我々は緻密心筋と海綿状心筋からなる単心室を持つ軟骨魚類の心室が回転運動を行うか
否かについて,二次元スペックルトラッキング心エコー法を用いて検討した.対象と方法.当施設動物実験委員会の承認の下,軟骨
魚類 7 体(ネコザメ 2 体,イヌザメ 2 体,アカエイ 3 体)を鎮静し,超音波画像診断装置(Vivid E9,GE)を用いて心エコー画像を
記録した.各個体について心基部,心尖部短軸断面各 5 心拍分の画像データを抽出し,円周方向ストレイン(Global SC)
,ストレイ
ンレート(SrC),回転角度(Rot)を測定した.結果.三次元画像上房室弁は左背側に,動脈円錐は右側腹側に描出された.また,
心室中央部に発達した肉柱が存在し,心室を不完全ながら左右に区画していた.心尖部 Global SC の極値は-19.7±4.4%(平均±標準
偏差),SrC の拡張早期/後期波比(E/A 比)は 0.40±0.26,Rot は心基部、心尖部でそれぞれ-1.9±3.6°,-2.3±2.8°
であった.Rot の心
尖部:心基部比は 1.0±0.4 であった.考察・結語.軟骨魚類の心室は発生中の哺乳類心臓に共通する形態学的特徴を持っていた.SC
極値はヒトのそれに近似していた.心室充満は心房収縮の占める割合が高かった.心室回転角度はヒトのそれより小さく,回転方向
は心基部と心尖部で同一で,捻れは認められなかった.以上より,軟骨魚類心室は緻密心筋線維のらせん状配列構造を持たないこと
が示唆された.
一般 Poster
P1-1-3
心不全患者における拡張早期左室内圧較差の空間的分布:健常者との相違
岩野 弘幸1、大原 貴裕3、山田 聡1、筒井 裕之1、William C. Little2
1
北海道大学大学院 循環病態内科学、2University of Mississippi Medical Center、3国立循環器病センター 心不全科
背景:拡張早期には、左房-左室間の圧較差(intraventricular pressure difference:IVPD)によって左室急速充満が起こる。心不全患者では、左室 suction
の低下のために心尖部付近の IVPD が低下する一方で、左房圧上昇の影響で
心基部付近の IVPD は保たれ、心基部の IVPD が左室急速充満を規定するこ
とが予想される。
方法:左室駆出率の保たれた心不全患者(HFpEF)50 例、低下した心不全
患者(HFrEF)101 例と健常対照 28 例で、左室流入血流のカラー M モード
像の情報からオイラーの運動方程式を積分して IVPD を推定した。左房-左室
心尖部間(total)
、左房-左室中部間(basal)、左室中部-心尖部間(apical)で
それぞれ IVPD を計測した。
結果:左室拡張早期流入血流速度(E)と basal IVPD は群間で差がなかった
のに対し、apical IVPD と total IVPD は HFpEF と HFrEF で健常群に比し
て低値であった(図)。健常群では、basal と apical の IVPD が E と相関した
が、心不全患者では basal IVPD のみが E と相関した。
結論:心不全患者では apical IVPD の低下に反して basal IVPD は保たれ、basal IVPD により左室急速充満が規定される。
175
第26回日本心エコー図学会学術集会
P1-1-4
慢性腎臓病患者における新しい心筋線維化マーカー“ガレクチン-3”測定の臨床的意義
高田佳代子1、石井 潤一2、岩瀬 正嗣3、宮城芽以子1、高桑 蓉子1、椎野 憲二1、山田 晶1、
高橋 礼子4、犬塚 斉4、伊藤さつき4、影山 仁美4、杉本 邦彦4、尾崎 行男1
1
藤田保健衛生大学 医学部 循環器内科、2藤田保健衛生大学 医学部 臨床検査科、3藤田保健衛生大学 医療科学部、
藤田保健衛生大学病院 臨床検査部
4
背景:ガレクチン-3 は可溶性の β ガラクトシダーゼ結合蛋白であり、新しい心筋線維化のマーカーとして期待されている。目的:慢
性腎臓病(CKD)患者における血清ガレクチン-3 濃度測定の臨床的意義を検討した。方法:外来通院中の非透析 CKD(推定糸球 GFR
<60mL/min/1.73m2)患者において左室駆出率(LVEF)が 50%以上に保たれている 373 例(平均年齢、69.7 歳)を対象とした。外
来受診時にガレクチン-3、BNP および高感度 CRP 濃度の測定用採血を施行し、左室流入波形および組織ドプラ法より E/e を算出し
た。E/e 15 以上を左室拡張不全ありと定義した。結果:ガレクチン-3 濃度の 3 分位により 3 群(T1:<21.7pg/mL、T2:21.7-33.5pg/
mL、T3:>33.5pg/mL)に分類した。ガレクチン-3 濃度は E/e (r=0.17、P=0.001)
、BNP(r=0.22、P=0.0001)および推定 GFR
(r=-0.74,P<0.0001)と相関関係を示したが、LVEF および高感度 CRP とは相関関係を認めなかった。多重ロジスティック回帰分
析では、ガレクチン-3 濃度上昇(>33.5pg/mL)の規定因子は E/e (オッズ比 1.10、P=0.01)および推定 GFR(0.92、P<0.0001)で
あった。ガレクチン-3 濃度の上昇(T1、T2、T3)とともに左室拡張不全の頻度(12%、18.5%、32.5%;P<0.0001)および平均 820
日の観察期間における心血管イベント発生率(7.6%、16.5%、22.1%;P=0.007)は高率になった。総括:CKD 患者において血清ガ
レクチン-3 濃度は左室拡張不全および予後との有意な関係を認めたが、腎機能の影響を受けると考えられた。
P1-1-5
右室同期左室単独ペーシングにより reverse remodeling を認めた拡張型心筋症の 1 例
高橋 龍徳、岡山 英樹、川村 豪、重松 達哉、木下 将城、三好 徹、原 佳世、檜垣 彰典、
川田 好高、日浅 豪、山田 忠克、風谷 幸男
愛媛県立中央病院 循環器病センター 循環器内科
症例は 70 歳台男性。労作時呼吸困難を主訴に当院を紹介受診した。施行した心電図では QRS 幅 145ms の完全左脚ブロックを認めて
おり、経胸壁心エコー図検査(TTE)では左室の全周性高度壁運動低下、左室腔拡大、septal flash、apical shuffle を認め、左室駆出
率(LVEF)は 20%台と低下していた。Time to peak radial strain の最早期部位と最遅延部位の差は 375ms であった。原因精査のた
め施行した CAG や造影 MRI の結果から、特発性拡張型心筋症と診断し、心臓再同期療法の適応と考え、心不全コントロール後に両
室ペーシング機能付き埋込型除細動器(CRT-D)植込術を施行した。本体は Viva Quad XT CRT-D(Medtronic 社)、左室リードは
4 極リードである Attain Performa(Medtronic 社)を用いた。植え込み 1 週間後、TTE を用いて CRT-D の optimization を行ったと
ころ、自己 PQ 間隔が約 130ms と短い症例であったこともあり、両室ペーシングよりも右室同期左室単独ペーシングの方がより長い
拡張期時間を確保することができ、dyssynchrony の改善も認めていた。最終的に心室ペーシングは右室同期左室単独ペーシングの
みとし、心房センシング時の AV delay は 100ms、心房ペーシング時の AV delay は 130ms とした。約 6 ヶ月後の TTE では左室の
reverse remodeling を認め、LVEF は 55%にまで改善し、dyssynchrony は消失していた。右室同期左室単独ペーシングが左室の
reverse remodeling に有効であった症例を経験したため、文献的考察を加えて報告する。
一般 Poster
P1-1-6
駆出率の保持された高血圧性肥大心における心筋層別ストレインの検討
木下 将城1、岡山 英樹1、川村 豪1、重松 達哉1、高橋 龍徳1、三好 徹1、檜垣 彰典1、
原 佳世1、川田 好高1、日浅 豪1、山田 忠克1、風谷 幸男1、西村 和久2
1
愛媛県立中央病院 循環器病センター 循環器内科、2愛媛大学大学院 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学講座
【背景】駆出率(EF)の保持された高血圧性肥大心では、長軸方向ストレインが低下していることが報告されている。また、その機
序は、心筋の内膜側から障害されると考えられている。しかし、高血圧性肥大心において心筋層別のストレインの検討はなされてい
ない。【目的】EF の保持された高血圧患者における心筋層別のストレインを検討すること。【方法】対象は、無治療の高血圧患者 56
名を(normal geometry:N 群,n=28,concentric hypertrophy:CH 群,n=28)と健常者 28 名(C 群)。GE 社製 EchoPac(Version113.0.4)を用いて検討した。除外疾患は、心房細動、糖尿病、虚血性心疾患、心筋症、弁膜症、二次性高血圧症、心不全とした。
【結果】長軸方向グローバルストレインは心筋全層において N 群では保たれていたが、CH 群では有意に低下していた(P<0.01)
。円
周方向グローバルストレインは CH 群では保たれていたが、N 群では内層の有意な増加を認めた(P<0.05)。左室心筋重量係数と相
対的左室壁厚は心筋全層において長軸方向グローバルストレインと負の相関を認めた。
【結語】Normal geometry では、円周方向の
ストレインが増加して代償機構が働いていることが示唆された。さらに EF の保持された concentric hypertrophy では、心筋全層に
おいて長軸方向のストレインは低下しているが、円周方向のストレインは保たれていることが示唆された。
176
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P1-1-7
The usefulness of combined assessment of E/e ratio and transmitral flow pattern to
interpret cardiac condition
及川 雅啓、小林 淳、山内 宏之、鈴木 聡、義久 精臣、中里 和彦、鈴木 均、斎藤 修一、
竹石 恭知
福島県立医科大学 医学部 循環器血液内科学講座
Background:Mitral E velocity to tissue Doppler e ratio(E/e )and early and late diastolic velocity ratio(E/A)have been used
to assess cardiac diastolic function, but the relationship between E/e and E/A is not fully understood. Methods:We analyzed 1266
patients who underwent echocardiography. The patients were grouped based on E/e (low E/e , <15, high E/e , ≧15)and E/A
(low E/A, ≦0.8, high E/A, >0.8)
.Results:First, we analyzed a role of E/A in the setting of high E/e . The low E/A with high
E/e group(n=95)displayed lower tricuspid regurgitant pressure gradient(TRPG, 22[16-28]mmHg vs. 29[23-38]mmHg, P<
0.01)and higher peak systolic and diastolic velocity ratio of pulmonary vein(1.5[1.4-1.8]vs. 1.0[0.7-1.4]
, P<0.01)than high E/
A with high E/e group(n=136), suggesting that low E/A indicated controlled fluid retention and left ventricular(LV)filling
pressure even with high E/e . We next investigated in the setting of low E/A state. Compared to the low E/e with low E/A group
(n=584),the high E/e with low E/A group showed larger LV end-diastolic diameter(48[42-52]mm vs. 45[40-50]mm, P<0.01)
,
larger left atrial volume(53[38-67]ml vs. 41[29-54]ml, P<0.01)
, indicating that high E/e was a predictor of cardiac remodeling
in low E/A group. Conclusions:Combined assessment of E/e and E/A is useful to interpret cardiac condition.
P1-1-8
睡眠時無呼吸合併高血圧症例における左室収縮および拡張機能に対する C-PAP の長期効果
茅野 博行1、松井 泰樹1、福岡 裕人1、土至田 勉1、安達 太郎1、横江 琢也2、木庭 新治1、小林 洋一1
1
昭和大学 医学部 内科学講座 循環器内科学部門、2昭和大学 医学部 内科学講座 呼吸器内科学部門
目的:C-PAP 治療は閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)症例の心血管事故発症リス
クを軽減させると報告されているが、左室心筋機能への影響は解明されてい
ない。本研究の目的は OSA 症例の左室機能に対する C-PAP の長期効果を検
討することである。方法:中等度から重症(無呼吸低呼吸指数≧15)の OSA
症例(65.0±9.9 歳)を C-PAP 治療群(30 例)と非治療群(10 例)の二群に
分けて、Speckle tracking image(Strain values)を用いて左室心筋の収縮機
能を長軸方向(longitudinal global strain;GLS、%)、壁厚方向(Radial global
strain;GRS,%)、円周方向(Circumferential global strain;GCS,%)の
三方向で計測し OSA 診断時と follow up 時(平均 2.3±0.3 年後)における変
化を比較した。同時に従来の心エコー指標も同時に評価した。成績:Table
参照。結論:CPAP 治療群は非治療群に比べて左室心筋の長軸方向収縮運動
(GLS,%)が有意に改善した。また E/e 値や左房径が減少するなど拡張能の
改善も認められた。
一般 Poster
P1-1-9
糖尿病および高血圧症患者の心機能評価に 2D speckle tracking 法(2DST)は有用か?
煙草 敏1、原田 昌彦1、吉川 良美1、宮坂 匠1、寳田 雄一1、林 京子1、桝谷 直司1、
藤井悠一郎2、原 文彦2、池田 隆徳2
1
東邦大学医療センター大森病院 臨床生理機能検査部、2東邦大学医療センター大森病院 循環器内科
【目的】高血圧症(HT)における左房拡大や左室肥大は心血管疾患の予測因
子であり、糖尿病(DM)においては HT 合併なく血糖コントロールが良好
でも拡張障害を認めることが報告されている。両疾患の心機能評価における
2DST の有用性を検討した。
【方法】対象は HT 単独 100 例(HT 群;平均
60.5 歳)
、DM 単独 46 例(DM 群;平均 62.2 歳)
、両者合併 53 例(DM+HT
群;平均 62.5 歳)
、健常者 50 例(健常群;平均 59.2 歳)。心房細動、虚血性
心疾患、弁膜症、EF55%未満は除外し、各心エコー指標を比較した。
【結果】
4 群間における多重比較検定で、HT 群、DM 群、DM+HT 群の長軸方向
strain と strain rate(SR)
、円周方向 SR は健常群に比し有意に低値であり、
DM+HT 群で最も低かった。DM 群の左房容積係数(LAVI)、左室心筋重量
係数(LVMI)
、e 、E/e は健常群と有意差はなかった。
【結語】DM では左房
拡大や左室肥大の有無に関わらず心筋障害が生じている可能性があり、DM
単独ないし HT 合併患者の心機能評価に 2DST 法は有用と思われる。
177
第26回日本心エコー図学会学術集会
P1-1-10
心臓超音波による小児から成人の拡張早期右室内圧較差の評価
小林 真紀1、高橋 健1、山田真梨子1、松井こと子1、重光 幸栄1、大野 香奈1、板谷 慶一2、
宮地 鑑2、稀代 雅彦1、清水 俊明1
1
順天堂大学 小児科、2北里大学 血流解析講座
【背景】右室機能は運動耐容能や生命予後を規定し、右室機能の評価は重要な課題である。拡張早期の右室の陰圧形成による血液の引
き込みは、右室内圧較差(Intraventriclar pressure diffeerence)として超音波で測定可能となり、右室の tau index と相関する拡張
能の重要な指標であるが、小児のデータは存在しない。
【目的】小児から成人の右室 IVPD の評価と、それに影響を与える要素を明ら
かにすること。
【方法】対象は 4 歳から 48 歳の健常者 27 例。心尖部四腔断面像のカラー M モード画像より、右室及び左室の全 IVPD
及び心尖部から房室弁までを 3 分割した各部位の IVPD を測定した。またスペックルトラッキング法により、右室及び左室の変形を
評価した。【結果】右室 IVPD は全例で拡張早期に発生し、ピークのタイミングは大動脈弁閉鎖から 85.2±18.3msec 後であった。右
室 IVPD は年齢と共に増加したが、左室 IVPD は一定であった。右室 IVPD と左室 IVPD は弱く相関し(r=0.36,p=0.026)、右室
IVPD(1.32±0.49mmHg)は左室(2.98±0.63 mmHg)より有意に小さかった。流入部および中間部で左室 IVPD は右室 IVPD より
有意に大きく、心尖部では有意差は認めなかった。右室 IVPD と右室ストレイン及びストレインレートは相関しなかったが、左室長
軸方向のストレインレートと相関した。考察:右室 IVPD は左室 IVPD より小さいが全年齢で拡張早期に存在し、左室機能と連動し
て形成されている。これは右室拡張能の新しい知見である。
P1-1-11
肝硬変患者における左室形態の多様性
竹村盛二朗1、三神 大世2、岡田 一範2、加賀 早苗2、阿部 歩2、中鉢 雅大3、西野 久雄3、
横山しのぶ3、西田 睦3、岩野 弘幸4、山田 聡4、筒井 裕之4
1
北海道大学 大学院 保健科学院 生体機能研究室、2北海道大学 大学院 保健科学研究院、3北海道大学病院 検査・輸血部、
北海道大学 大学院 医学研究科 循環病態内科学
4
【背景】肝硬変(LC)では、全身の微小動静脈短絡などによる高心拍出のため心臓に容量負荷をきたすが、LC における左室形態の変
化についてはよくわかっていない。
【方法】対象は、北大病院心エコー検査室で検査を行った LC 患者連続 87 例である。年齢を合わせた健常 30 例を対照(NC)とした。
肝硬変の重症度の指標として Child-Pugh スコア(CPS)と AST/血小板数比(APRI)を算出し、また、高血圧や糖尿病の病歴、血
圧、血中の Hb、HbA1C、クレアチニン(Cr)などを調べた。心エコーで左室の拡張末期径(LVDd)、平均壁厚(MWT)
、相対的壁
厚(RWT)、心筋重量係数(LVMI)
、左房容積係数(LAVI)
、一回拍出量係数(SVI)、心係数(CI)、経僧帽弁血流の E/A、減速時
間(DT)、等容弛緩時間(IRT)、拡張早期僧帽弁輪運動速度(e )および E/e を計測した。LC 例を、LVMI と RWT の値から、正
常形態(LC-NG)群、遠心性肥大(LC-EH)群および求心性リモデリング(LC-CR)群に分けた。
【結果】LC 例全体では、NC 群より、SVI、CI、LVDd、MWT、RWT、LVMI、LAVI、DT、E/e が有意に大、IRT と e が有意に
小であった。LC 87 例中、LC-NG 群が 51 例(59%)
、LC-EH 群が 22 例(25%)
、LC-CR 群が 14 例(16%)であった。LC3 群の比較
では、LC-EH 群では、LC-CR 群より、SVI と LAVI が有意に大、Hb が有意に小であった。LC-CR 群では、LC-NG 群より、e と LAVI
が有意に小であった。CPS、APRI、収縮期血圧、高血圧の頻度、HbA1C、糖尿病の頻度には 3 群間に有意差を認めなかった。
【結論】肝硬変患者では、高心拍出による遠心性左室肥大に加え、その逆に、左室の求心性リモデリングをきたす例も少なからず存在
した。
一般 Poster
P1-2-1
新しい指標を用いた右室機能解析―circumferential strain(右室自由壁円周方向収縮)と肺動脈
弁輪部運動速度(右室流出路機能)―
早渕 康信、阪田 美穂、香美 祥二
徳島大学大学院 小児医学分野
【背景】右室機能評価は四腔断面像における三尖弁輪部運動速度,TAPSE,Longitudinal strain(LS)など長軸方向の解析が多く報
告されている。しかし、右室の形態は複雑であり、一方向のみの計測では評価されない部位が存在する。また、長軸方向の評価が適
さない疾患もある。
【目的】
(1)右室自由壁の円周方向の収縮能(Circumferential strain;CS)および(2)右室流出路の収縮能(肺
動脈弁輪運動速度)の 2 指標の有用性を検討する。
【方法】
(1)心窩部アプローチ左室短軸像を描出し、同断面における右室自由壁の
global-CS を Speckle tracking 法を用いて計測した。
(2)右室流出路長軸断面像を描出し、肺動脈弁輪運動速度を組織ドプラ法で記録
した。正常群、心房中隔欠損症(ASD)群、肺高血圧症(PAH)群、ファロー四徴症術後(TOF)群を比較した。
【結果】
(1)globalCS は global-LS よりも RVEF,RVFAC との相関において優れていた(r=0.75 vs 0.54,r=0.74 vs 0.59)。(2)肺動脈弁輪部運動速度
は全症例において 2 峰性の収縮期波(S1,S2)と拡張期の 2 波(e ,a )が確認できた。ASD 群では前負荷増加のために S1,S2 は
上昇していた。PAH 群,TOF 群では、S1,S2 波の有意な低下が認められ、三尖弁輪部運動速度よりも鋭敏に異常を評価できた。
PAH 群,TOF 群では、e ,a も有意に低下していた。これらは、右室圧負荷、右室流出路再建術による心筋障害などの影響であると
考えられた。
【結語】(1)右室自由壁の CS 解析は LS 解析よりも右室機能評価に有用である。(2)右室圧負荷や右室流出路再建術後
の症例では右室流出路の機能評価に肺動脈弁輪部運動速度の計測が有用である。右室機能評価では病態を判断した多方向性解析が必
要である。
178
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P1-2-2
Right ventricular performances in children with pulmonary arterial hypertension with
congenital heart disease
奥村 謙一1
1
The Hospital for Sick Children, the department of Echocardiography、2大阪労災病院 小児科
【Background】We investigated echocardiographic parameters of right ventricular(RV)function in children with pulmonary arterial hypertension
(PAH)
in relation to simultaneously measured invasive reference measures.
【Methods】
We prospectively recruited
sixteen children undergoing catheterization for evaluation of PAH. Echocardiography was performed simultaneously with catheterization.【Results】Systolic function-Significant correlations were found between catheter dP/dT maximum and tricuspid regurgitation derived dP/dT maximum and tricuspid isovolumic acceleration. Indexed pulmonary blood flow correlated significantly with the
systolic:diastolic(S:D)duration ratio, isovolumic contraction time, tissue Doppler Tei index, longitudinal strain and strain rate
(SR).Diastolic function-Significant correlations were found between tau and tricuspid deceleration time, E , E/E , TimeE-E , A wave
velocity and early and late diastolic SR. Catheter dP/dT minimum correlated significantly with A , tissue Doppler S:D ratio and
late diastolic SR. End-diastolic pressure correlated significantly with tissue Doppler S:D ratio.Correlations between echocardiographic and catheter parameters were more prevalent and robust in children without an active intracardiac shunt.
【Conclusion】
Echocardiography correlates with invasive reference measures of RV function in children with PAH.
P1-2-3
肺動脈性肺高血圧症における三尖弁輪部収縮期移動距離に関連する因子の検討
井形 幸代、田原 宣広、田原 敦子、本多 亮博、新田 良和、福本 義弘
久留米大学 医学部 内科学講座 心臓血管内科部門
【背景】肺動脈性肺高血圧症(pulmonary artery hypertension:PAH)は、肺血管抵抗の増加から肺動脈圧の上昇が進行性に起こり、
右心不全をもたらし、死に至る可能性がある予後不良な疾患群である。心エコー検査にて簡便に計測することができる三尖弁輪部収
縮期移動距離(tricuspid annular plane systolic excursion:TAPSE)は右室収縮能を反映することが報告され、PAH において TAPSE
低下例は生命予後が不良である報告がなされている。
【目的】TAPSE に関連する因子について検討する。【対象・方法】対象は、心
臓カテーテル検査を行い PAH と診断された 26 名(男性 7 名、女性 19 名、平均年齢 51.3±17.5 歳)
。TAPSE は心尖部 4 腔断面を用
いて右室自由壁側の三尖弁輪の移動距離を M モード法より計測し、心拍出量と肺動脈圧は心臓カーテル検査の値を用いた。
【結果】
TAPSE の平均値は 19.4±5.1mm、予後不良とされる 18mm 未満は 11 名(42.3%)であった。単回帰分析では、年齢(p=0.042)が負
関連、心拍出量(p=0.003)、6 分間歩行距離(p=0.023)、左室 E/A 比(p=0.008)が正関連を示し、これらの因子を用いて重回帰分
。
【結論】PAH に
析を行うと心拍出量(p=0.008)と左室 E/A 比(p=0.024)が TAPSE に独立して関連する因子であった(R2=0.457)
おいて TAPSE に独立して関連する因子は心拍出量と左室 E/A 比であり、左室 E/A 比を改善させることも PAH の治療ターゲット
として重要であると考えられた。
一般 Poster
P1-2-4
高度三尖弁逆流が連続波ドプラ法による収縮期右室-右房圧較差計測に及ぼす影響とその対策
樋岡 拓馬1、三神 大世2、加賀 早苗2、岡田 一範2、村山 迪史3、横山しのぶ4、西野 久雄4、
中鉢 雅大4、西田 睦4、榊原 守5、山田 聡5、筒井 裕之5
1
北海道大学大学院 保健科学院、2北海道大学大学院 保健科学研究院、3北海道大学医学部 保健学科、
北海道大学病院 検査・輸血部、5北海道大学大学院 循環病態内科学
4
【背景】肺動脈圧の非侵襲的評価には、三尖弁逆流(TR)の流速から簡易ベルヌーイ式により求めた収縮期右室-右房圧較差が広く使
われている。高度 TR があると、この方法は原理的に不正確になるとの指摘はあるが、臨床例におけるその実態は明らかではない。
【方法】対象は右心カテーテル検査を行った連続 50 例で、カラードプラ法の TR 縮流部幅(VCTR)が≦3mm の軽度 TR(24 例)、3∼
7mm の中等度 TR(11 例)および>7mm の高度 TR(15 例)に分けた。連続波ドプラ法により、TR の収縮期ピーク流速から右室右房圧較差(TRPG)を、肺動脈弁逆流の拡張早期ピーク流速から肺動脈-右室圧較差(PRPG)を求めた。心カテーテル法による圧
記録から、収縮期の最大右室-右房圧較差(RV-RACATH)と拡張早期の最大肺動脈-右室圧較差(PA-RVCATH)を求めた。
、Bland-Altman 解析で正の加算誤差を認めた。TRPG/RV-RACATH は、VCTR
【結果】TRPG は RV-RACATH と有意に相関したが(r=0.72)
と有意に相関し(r=0.60)、高度 TR 群(1.36±0.36)で、軽度 TR 群(1.03±0.18)と中等度 TR 群(1.12±0.29)より有意に大であっ
、加算誤差は認めなかった。PRPG/PA-RVCATH
た(順に p<0.001、p=0.032)
。一方、PRPG も PA-RVCATH と有意に相関したが(r=0.73)
は、VCTR と有意に相関せず、軽度 TR 群(0.99±0.39)
、中等度 TR 群(0.91±0.33)および高度 TR 群(0.92±0.30)の間に有意差を
、1 に近かった。
認めなかった。高度 TR 群では、PRPG/PA-RVCATH は、TRPG/RV-RACATH より有意に小で(p=0.001)
【結論】高度の TR があると、TRPG は RV-RACATH を過大評価する。このような場合、肺高血圧症の有無や程度の評価には、PRPG を
用いるのがよいと考えられた。
179
第26回日本心エコー図学会学術集会
P1-2-5
三尖弁逆流が経胸壁心エコー図検査による右心機能評価指標に与える影響の検討
武本 梨佳1、麻植 浩樹1、渡辺 修久1、大野 佑子2、坂本 瞳1、池田まどか1、内藤 優佳2、
木村 朋生2、高谷 陽一2、伊藤 浩2
1
岡山大学病院 超音波診断センター、2岡山大学 循環器内科
【背景】近年、右心機能は左心機能障害を認める心疾患の病態や予後に重要な影響を及ぼすと言われており、右心機能評価は重要であ
る。しかし、右室は左室と比べ壁厚が薄く、心室内圧が低いため、圧負荷、容量負荷の影響を受けやすいと言われている。
【目的】三
尖弁逆流が右心機能評価指標に与える影響についての検討。
【方法】対象は当院で心臓 MRI と経胸壁心エコー図検査(TTE)にて右
心機能評価を行った連続 117 名(女性 51 名,年齢:54±18 歳)
。心臓 MRI より計測した右室駆出率(RVEF)と TTE にて計測した
三尖弁収縮期移動距離(TAPSE)、三尖弁収縮期移動速度(s )、右室面積変化率(FAC)との比較を行い、それらに TR が影響する
のかを比較検討した。
【結果】Mild TR 以下では TAPSE・s ・FAC は RVEF と良好な相関を示した。
(r=0.229,p=0.0180,r=0.290,
p=0.0024,r=0.616,p<0.0001)Moderate-severe TR は 11 例であった。TAPSE・s は RVEF と有意な相関を認めなかったが、FAC
は良好な相関を示した。
(r=0.477,p=0.1422,r=0.057,p=0.8717,r=0.834,p=0.0007)
【考察】中等度以上の三尖弁逆流は、TAPSE・
s の評価に影響を及ぼす可能性があると考えられた。
P1-2-6
肺高血圧症における 2 次元経胸壁心エコー右室自由壁マルチレイヤー Longitudinal Strain を用い
た右心機能の詳細評価
小澤 公哉1、船橋 伸禎1、高岡 浩之1、田邉 信宏2、巽 浩一郎2、小林 欣夫1
1
千葉大学大学院 医学研究院 循環器内科学、2千葉大学大学院 医学研究院 呼吸器内科学
目的:右室自由壁心筋は内層では縦方向、外層では円周方向が主要な線維方向と報告されている。右室肥大を認める肺高血圧症にお
いて、2 次元経胸壁心エコー(TTE)を用いて右室自由壁の Global Longitudinal Strain(GLS)のマルチレイヤー層別解析を行い、
他の右心系パラメータと比較した。方法:TTE(Vivid E-9)を行った右室肥大を認める肺高血圧症 28 例(女性 24 名、年齢 57±15
歳、拡張末期の右室自由壁厚≧5mm)の右室自由壁の全層、内層、外層の GLS を Echo PAC version113 で解析した。右室容積は
TOMTEC ソフトウェアで 3 次元的に計測した。結果:右室自由壁の全層、内層、外層の GLS はそれぞれ-19.1±6.2%、
-20.8±6.4%、
-17.8±6.1% であった。3 次元的右室拡張末期容積(EDV)
、収縮末期容積(ESV)、駆出率(EF)はそれぞれ 81.1±25.6 ml、51.7±
18.7 ml、36.9±7.7% であり、右室面積変化率(2 次元)は 31.6±9.2、三尖弁 E/E は 6.1±3.6 であった。右室自由壁の全層、内層、外
層の GLS とこれらの指標の相関係数はそれぞれ 0.51、0.52、0.51(右室 EDV)
、0.59、0.60、0.59(右室 ESV)
、-0.46、-0.47、-0.45(右室
EF)、-0.49、-0.51、-0.46(右室面積変化率)
、0.48、0.43、0.50(三尖弁 E/E)であった。結語:右室肥大を認める肺高血圧症において、
右室自由壁の内層 GLS は右室収縮能との関連が、全層と外層の GLS と同等、もしくは若干良い相関を示し、右室収縮能の新しい指
標となりえる可能性が示唆された。
一般 Poster
P1-2-7
有意な安静時肺高血圧の無い膠原病症例に認める運動時肺高血圧の特徴:運動負荷心エコー図の初
期成績
木越紗和子1、山野 哲弘2、芦田佳奈美1、岡部 裕美1、大塚 明子1、加藤ゆず子1、坂井 貴光1、
山野 倫代2、中村 猛2、白石 裕一2、松室 明義2、白山 武司2、藤田 直久1、川人 豊3
1
京都府立医科大学附属病院 臨床検査部、2京都府立医科大学附属病院 循環器内科、
京都府立医科大学附属病院 膠原病・リウマチ・アレルギー科
3
【背景】膠原病に合併する肺高血圧(PH)の早期診断に運動負荷心エコー図(ESE)による運動時肺高血圧(EPH)の評価が有用と
の報告があるが,不明なことが多い.
【目的】EPH の頻度や特徴について検討すること.【対象】以下の条件を満たす全身性強皮症
(SSc)及び混合性結合組織病 13 例(女性 11 例,61±14 歳)
;1)安静時左室駆出率正常(>55%).2)中等度以上の左心系弁膜症が
無い.3)僅かでも三尖弁逆流(TR)がある.4)中等度以上の安静時 PH が無い(推定肺動脈収縮期圧 sPAP<50 mmHg)
.
【方法】
仰臥位エルゴメータにて症候限界性負荷法による ESE を実施した.sPAP は TR 圧較差+10 として求め,SSc 診療ガイドラインに準
じて正常:安静時 sPAP<41 mmHg,肺線維症(ILD)は画像所見に加えて %VC<80% と定義した.EPH は運動時 sPAP>60 mmHg
とした.
【結果】ESE は負荷量中央値 50 W(25-100 W)まで実施し,13 例中 5 例(38%)に EPH を認めた.運動時 sPAP は安静時
sPAP と強く関連し(R =0.78,P =0.002),安静時に軽度の PH(41≦sPAP<50 mmHg)の存在した 3 例は全例で EPH を認めた.EPH
.
【結論】安静時 PH の
群は非 EPH 群に比較して ILD を認める例が多い傾向だった(EPH 群:3/5 例,非 EPH 群:2/8 例,P =0.3)
無い膠原病例に EPH は比較的高率に認めた.EPH は安静時 sPAP と強く関連し,ILD もその成因に関与することが示唆された.安
静時 PH の進行について今後心エコー図の follow-up を行うことが EPH の臨床的意義を検討するために重要と考えられた.
180
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P1-2-8
右室機能評価において組織トラッキング法は M モード法に比し高い再現性を有する
安村かおり1、古川 哲生1、安部 晴彦2、廣岡 慶治1、井上 裕之1、西田 博毅1、坂口 大起1、
篠内 和也1、三浦 弘之1、宮崎 宏一1、小出 雅雄1、安村 良男1、是恒 之宏1、楠岡 英雄1
1
国立病院機構大阪医療センター 循環器内科、2国立病院機構大阪医療センター 臨床研究センター
【背景】三尖弁輪収縮期移動距離(TAPSE)は右室機能の簡便な指標として広く用いられているが、M モードで測定する必要があ
り、2D 断層像描出不良例では計測困難であることも多い。しかしながら、TAPSE は、カラー組織ドプラ法による組織トラッキング
法によって、組織速度から算出することも可能である。本研究では、TAPSE 計測における再現性を組織トラッキング法と M モード
法とで比較した。
【方法】当院で経胸壁心エコーを施行し、M モード法およびカラー組織ドプラ法による TAPSE 計測を行った 59 例
を対象とし、2 検者間の再現性が一致相関係数を求めて比較した。さらに、2D 断層像描出良好例と不良例に分類して 2 検者間の再現
性を比較検討した。
【結果】平均年齢 68±13 歳、性別は男性 38 人、女性 23 人であった。左室駆出率は 57±16% で、M モード法によ
る TAPSE(M-TAPSE)およびカラー組織ドプラ法による TAPSE(T-TAPSE)はそれぞれ 18.6±5.0mm、18.3±5.3mm であった。
M-TAPSE と T-TAPSE の再現性はそれぞれ r=0.70、P<0.001;r=0.96、P<0.001 と T-TAPSE のほうが高い再現性を示した。描出
良好 43 例での再現性は r=0.87、P<0.001;r=0.96、P<0.001 であり、描出不良 16 例での再現性は r=0.70、P=0.002;r=0.98、P<0.001
と M-TAPSE と比較して T-TAPSE は 2D 断層像描出の良し悪しに関係なく高い再現性を示した。
【結論】カラー組織ドプラ法による
TAPSE 計測は M モード法と比較して再現性が高く、M モード法による描出困難な症例においても有用であった。
P1-2-9
三尖弁輪部収縮期移動距離に影響を及ぼす因子の検討
柳 善樹1、橋本 修治1、大原 貴裕2、浅田 高至1、福田 和弘1、安達名緒子1、山下 江美1、
水田 理香1、佐藤惠美子1、仲宗根 出1、田中 教雄1、長谷川拓也2、神崎 秀明2
1
国立循環器病研究センター 臨床検査部、2国立循環器病研究センター 心臓血管内科
【背景】右心機能は心不全の予後を強く規定する。三尖弁輪部収縮期移動距離
(tricuspid annular plane systolic excursion,TAPSE)は右室駆出率とよく
相関し、計測が簡便で広く使用されているが、右心機能以外の規定因子は明
らかではない。【方法】対象は当院で心エコーを実施した 66 例(虚血性心筋
症 15 例、非虚血性心筋症 29 例、弁膜症 13 例、その他 9 例、年齢 61±18
歳)。TAPSE は心尖四腔像で右室自由壁側三尖弁輪の長軸方向移動距離とし
て M モードで計測した。臨床データ、心エコー指標と TAPSE との相関解析
を行った。
【結果】TAPSE は LVEF(r=0.549、P<0.0001、図)
、SV(r=0.497、
P<0.0001)、LVDs(r=-0.435、P<0.001)、BSA(r=0.347、P=0.004)、log
BNP(r=-0.417、P=0.001)と相関をした。
【結論】TAPSE は右心機能のみな
らず、左心機能、体格の影響を受けるため、これらの因子を考慮に入れて解
釈する必要がある。
健常小児における右室機能評価についての検討
橋田祐一郎、坂田 晋史、倉信 裕樹、美野 陽一、神崎 晋
鳥取大学 医学部 周産期小児医学分野
【背景】右室機能評価の定量的な指標として、三尖弁収縮期移動距離(TAPSE)、右室長軸断面積変化率(FAC)、組織ドプラ法によ
る右室自由壁弁輪部における収縮期速度(S 波)、speckle tracking 法(STI)による右室長軸方向の strain(global longitudinal strain:
GLS)などが用いられているが、健常小児における報告は少ない。
【目的】健常小児の TAPSE、FAC、S 波、GLS について検討す
る。【対象・方法】対象は、健常小児 125 例(男:69 例,女:56 例)
。年齢は、日齢 21∼18 歳(中央値:5.0 歳)。エコー装置は GE
社製 S6 で、心尖部四腔断面像より TAPSE、FAC、S 波を測定し、GLS は STI 解析が可能であった 58 例において GE 社製 Echopac
PC を用いてオフラインで解析した。また、それぞれの指標と年齢、身長、体重、体表面積との相関関係について線形回帰分析を用
いて検討した。
【結果】TAPSE の平均値は 19.1±3.9 mm、S 波の平均値は 12.4±2.2 cm/s で、いずれも年齢、身長、体重、体表面積
すべてにおいて有意な正の相関を認め(p<0.001)、特に、TAPSE と年齢、身長、体重、体表面積の間に強い正の相関を認めた(各々
r=0.79,r=0.86,r=0.75,r=0.81)。また、TAPSE と S 波は有意な正の相関を認めた(r=0.62,p<0.001)
。一方で、FAC の平均値は
45±5%、GLS の平均値は-26.4±3.7% で、いずれも年齢、身長、体重、体表面積に相関は認めなかった。
【結語】小児において、TAPSE
や S 波を用いた右室機能評価を行う際は年齢や体格の影響を考慮する必要がある。一方で、FAC と GLS はこれらパラメーターに影
響を受けることなく評価可能である。
181
一般 Poster
P1-2-10
第26回日本心エコー図学会学術集会
P1-2-11
当院における経胸壁心エコーによる肺高血圧診断能の検討
赤崎 友美1、久米田麻衣1、渡邊 美妃1、長尾 祥史1、駒井 真悠1、佐々木史穂1、佐藤めぐみ1、
小山 有希1、成田 優子1、原 悦子1、一戸香都江1、小島 佳也1、山田 雅大2、藤井 裕子2、
齋藤 紀先3、萱場 広之3
1
弘前大学医学部附属病院医療技術部検査部門、2弘前大学医学部附属病院循環器・呼吸器・腎臓内科、
弘前大学大学院医学研究科臨床検査医学講座
3
【背景】経胸壁心エコー検査は非侵襲的に肺動脈圧を推定でき肺高血圧症(PH)のスクリーニングにおいて有用である。一般的に三
尖弁逆流最大圧較差(TRPG)から PH を予測しているが原疾患の違いや逆流の程度により精度の低下が指摘されている。
【目的】PH
の診断精度を上げるためエコー指標を複合的に検討する。
【方法と結果】2013 年 4 月から 2014 年 10 月までの間当院で心エコー検査
を施行し,右心カテーテル検査を前後 2 日以内に行った 83 例を対象とした。右心カテーテル検査による平均肺動脈圧 25mmHg 以上
を PH(n=34)と定義した。PH の有無に有意な関連性を示したエコー指標は TRPG(p<0.0001,r2 0.33),meanTRPG(p<0.0001,
r2 0.29)、右室流出路血流の加速時間(AcT)(p<0.0006,r2 0.145)とその駆出時間比(AcT/ET)(p<0.0007,r2 0.14)であった。
r2 値の最も高い TRPG について PH 診断の ROC 解析を行ったところ、カットオフ値 24mmHg にて感度 81%、特異度 74%、陽性的
中率(PPV)69%、陰性的中率(NPV)85%、AUC0.86 と良好な診断能であった。TR が評価できない症例(n=17)では AcT/ET の
r2 値の最も高く、ROC 解析ではカットオフ値 0.32 で感度 80%、特異度 92%、PPV80%、NPV92%、AUC0.85 と良好な PH 診断能を
有した。TR の有無に応じて TRPG と AcT/ET のカットオフ値を用いた総合的な診断精度は感度 81%、特異度 78%、PPV70%、
NPV87% であった。【結語】経胸壁心エコー検査による PH 診断において TRPG と AcT/ET を組み合わせた検討が有用であった。
P1-3-1
健診にて指摘された心雑音より診断に至った右冠動脈-冠静脈洞瘻の一例
蔵垣内 敬、堀田 幸造、宮本 忠司、佐藤 幸人
兵庫県立尼崎病院
症例は特記すべき既往のない 17 歳女性。高校健診で心雑音を認め当科紹介となった。初診時、聴診で左第 3 肋間胸骨左縁に連続性雑
音を認め、経胸壁心臓超音波検査では、冠静脈洞、右冠動脈の拡大(8.8mm)
、右冠動脈から冠静脈洞への瘻孔を認めた。冠動脈 CT、
冠動脈造影検査でも同様に冠静脈洞、右冠動脈の拡大、右冠動脈から冠静脈への交通を認め、右冠動脈の末梢は造影されず、左冠動
脈前下行枝から右冠動脈に側副血行路を認めた。心筋シンチでは虚血性変化を認めなかった。心不全症状はなかったが、肺体血流比
は 2.45 で、心臓血管外科で瘻孔閉鎖術を施行する方針となった。術中の経食道心臓超音波検査は瘻孔部位の特定に有用であった。今
回我々は、冠静脈洞に開口した冠動静脈瘻の診断に経胸壁心臓超音波検査が有用であった一例を経験したので若干の文献的考察を踏
まえて報告する。
一般 Poster
P1-3-2
心臓カテーテル検査より心臓超音波検査が重症度評価、治療効果判定に有効であった動脈管開存症
の一例
尾崎 杏奈1、安部 開人1、矢野 英人1、木野 旅人1、鍵本美奈子1、田口 有香1、松下 広興1、
岩田 究1、木村裕一郎1、清國 雅義1、細田 順也1、川浦 範之1、松本 克己1、松下 浩平1、
菅野 晃靖1、石上 友章1、石川 利之1、木村 一雄2、梅村 敏1
1
横浜市立大学附属病院 循環器内科、2横浜市立大学附属市民総合医療センター 心血管センター
症例は 59 歳女性。幼少時から心肥大を指摘されていたが未精査であった。41 歳時、心雑音を契機に近医にて心臓カテーテル検査を
含む精査施行され動脈管開存症(PDA)と診断された(Qp/Qs:1.8,総肺動脈圧(s/e/m:103/65/94mmHg)
)
。その後積極的治療
介入なく経過、59 歳時、糖尿病を契機に再受診となり心臓超音波検査にて重度肺高血圧合併 PDA を指摘され、当院紹介、精査加療
となった。造影 CT 検査にて血栓を伴う瘤化した動脈管を認めた。心臓超音波検査にて左室圧排所見、MaxPRPG:89.9mmHg、Qp/
Qs:0.86 を認めた。心臓カテーテル検査にて右室圧(s/e/m:132/3/47mmHg)
、総肺動脈圧(s/e/m:126/63/93mmHg)
、肺動脈楔
入圧(s/e/m:18/0/8)、上行(AscAo)
/下行大動脈(DesAo)圧(s/e/m:133/71/97,137/73/100mmHg)と重度肺高血圧症を認
めた。動脈血サンプリングでは、AscAo:94%、DesAo:82.3% と動脈管を介在した右左シャントを認めた。25 年前のカテーテル検
査からの Qp/Qs との比較のため、今回もカテーテル検査から Qp/Qs 測定を試みた。PDA の Qp/Qs 測定に際しては、そのシャント
の部位から心臓カテーテル検査による動脈血サンプリングでは測定が困難であることが問題として指摘されている。今回、AscAo、
DesAo の各値、平均値から Qp/Qs を算出したが各値間での差異は大きく(AscAo:1.11,DesAo:0.63,AveAo:0.87)、心臓超音
波検査による Qp/Qs が最も現状を評価していると思われた。現状での根治術は困難と判断し、多剤薬物療法を開始、心臓超音波検査
にて肺高血圧の改善、QOL 向上を確認することが可能であった。PDA における血行動態評価・治療効果判定に心臓超音波検査が改
めて有効であった一例を経験したため報告する。
182
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P1-3-3
非心臓手術後に心室細動を起こした高齢房室中隔欠損症の一例
相澤 芳裕、藤井 信如、山本 顕介、黒澤 毅文、廣 高史、平山 篤志
日本大学 医学部 循環器内科
【症例】74 歳、女性【既往】歴糖尿病、僧房弁閉鎖不全症、心房中隔欠損症のため近位診療所で内服加療中。平成 23 年から子宮脱の
ため前医婦人科に通院中。【現病歴】平成 26 年 8 月、不正性器出血認め前医婦人科を受診した。子宮体癌の診断で当院婦人科紹介受
診し手術目的で入院した。【経過】術前検査施行し心電図上心拍数 94bpm,心房細動、左軸偏位。経胸壁および経食心エコー上、
LVDd/s 39/22mm,IVST 13mm,PWT 13mm,LAD 69mm、一次孔欠損型の ASD と VSD 認め、僧房弁はクレフトを認め中等度
の僧房弁閉鎖不全を認めた。三尖弁閉鎖不全と右房拡大を認め、移行型房室中隔欠損症と診断した。追加検査として心臓カテーテル
検査を施行し、LAD#7 75%、#9 75%、LCX#13 90% 狭窄認め、MR、ASD(Qp/Qs 3.15)認めた。第 25 病日全身麻酔下に腹式子
宮単純全摘術+両側卵管卵巣摘出術施行した。術中トラブルなく、術後は ICU で加療していたが第 26 病日、血圧 190/80mmHg 程に
上昇し心室期外収縮頻発後に心室心拍、心室細動出現し、除細動で心房細動に復帰した。その後は血圧コントトール良好で心室性不
整脈を認めなかった。
【考察】ASD、MR、心房細動として加療されていた高齢者が、婦人科手術前検査で不完全型房室中隔欠損症と
診断され、冠動脈に有意狭窄を認められた。冠動脈バイパス術およびパッチ閉鎖・クレフト閉鎖術の適応と考えられたが心臓手術へ
の拒否が強く、婦人科疾患が悪性であることから、婦人科手術を優先して行った。術中の血行動態には異常は認めなかったが、術後
に血圧高値が持続したことから体血管抵抗が増加し、シャント血流が増加を引き起こし、冠血流低下によって心室性不整脈を誘発し
たものと考えられた。
P1-3-4
肺高血圧症を合併した心房中隔欠損症・部分肺静脈還流異常の診断に経食道心エコー検査が有用で
あった一例
吉永 綾1、久保田芳明1、小野寺健太1、谷田 篤史1、知念 大悟1、吉川 雅智1、松崎つや子3、
本間 博1、石井 庸介2、新田 隆2、清水 渉1
1
日本医科大学付属病院 循環器内科、2日本医科大学付属病院 心臓血管外科、3日本医科大学付属病院 生理機能センター
症例は 67 歳,女性.高血圧・慢性心不全・慢性心房細動で近医通院していた
が,数年来の呼吸困難の遷延と腎機能増悪から,精査・加療目的で紹介となっ
た.来院時の経胸壁心エコー検査で左室は右室に圧排され,TR max PG
84.3mmHg と高値であり肺高血圧症が示唆されたが同検査・単純心臓 MRI で
も先天性心疾患は指摘出来なかった.その他,肺高血圧症の原因検索を行っ
たが CT 上,肺野に器質的な異常は認めず,肺換気/血流シンチでも肺塞栓症
は否定的,自己抗体等陰性で膠原病を示唆する所見は認めなかった.門脈圧
亢進症や睡眠時無呼吸症候群も諸検査から否定的であった.心臓カテーテル
では安静時平均肺動脈圧 53mmHg と高値であった.サンプリング検査で右
心房において O2 step up を認め,Qp/Qs 2.85 であり,シャント疾患が示唆さ
れた.このため経食道心エコー検査を追加し,卵円孔開存・静脈洞型心房中
隔欠損症を認め,更に部分肺静脈還流異常の合併も疑い追加した造影 CT で
確認し得た。静脈洞型心房中隔欠損症・部分肺静脈還流異常の診断に経食道
心エコー検査が有用であった 1 例を経験し報告する.
一般 Poster
P1-3-5
不整脈外来で発見された高齢者の無症候性 I 型心室中隔欠損+肺動脈弁下狭窄の一例
牧野 貴洋1、戸井田玲子2、田中 裕子1、内田真由美1、小宮 憲洋3、渡邉 望4、北村 和雄2
1
社会医療法人 泉和会 千代田病院 検査科、2宮崎大学医学部附属病院 第1内科、
社会医療法人 泉和会 千代田病院 循環器内科、4宮崎市郡医師会病院 循環器内科
3
【背景】近年,不整脈治療の発展に伴い様々な不整脈を主訴に循環器特殊外来
に紹介される患者が増加している.しかし,不整脈の原因となる基礎疾患に
関しては見逃されていること少なくなく,初診時の心エコー図検査によるス
クリーニングが重要である.一方,I 型心室中隔欠損(VSD)は欠損孔が小
さくても大動脈弁逸脱・逆流を生じたり,valsalva 洞瘤が合併する事が知ら
れている.【症例】症例は 81 歳女性で幼少時に心雑音を指摘されていたが,
精査はされていなかった.2014 年 10 月に初めて動悸を自覚し近医を受診し
たところ,心房粗動を指摘され当院の外来へ紹介となった.受診時症状はな
いものの,心拍数 123 回/分の心房粗動であった.心臓超音波検査で I 型 VSD
(Qp/Qs 2.3、L → R shunt)と肺動脈弁下狭窄,大動脈弁逆流を認めた.
【考察】不整脈の治療目的に外来受診する患者において,そ
の基礎疾患の有無は治療方針決定に際して重要である.心エコー図検査は,基礎疾患のスクリーニングに力を発揮する重要な検査で
あり,本症例は先天性心疾患を含めたスクリーニング検査の重要性を改めて考えさせられた一例であった.
183
第26回日本心エコー図学会学術集会
P1-3-6
巨大冠動脈瘤を合併した左冠動脈冠静脈洞瘻の診断に心エコーが有用であった 1 例
梅木 俊晴1、秋吉 妙美2、秋吉 重康3、坂本 佳子3、小松 愛子3、琴岡 憲彦3、諸隈 宏之4、
蒲原 啓司4、末岡榮三朗1、森田 茂樹4、野出 孝一3
1
佐賀大学 検査部、2佐賀大学 ハートセンター、3佐賀大学 循環器内科、4佐賀大学 心臓血管外科
【症例】50 歳台 女性【主訴】発熱【現病歴】20XX 年 1 月下旬より 39 度台の発熱が出現し近医を受診した。発熱を繰り返すため、
2 月下旬、当院に紹介された。胸部 X 線にて心拡大を認め、心エコー検査にて巨大冠動脈瘤、冠動静脈瘻が疑われ、不明熱もあり精
査加療目的のため入院となった。
【既往歴】関節リウマチ【心電図】洞調律 HR80bpm【胸部 X 線】CTR 70%【心エコー検査】
AoD25mm、LAD38mm、IVS10mm、LVPW10mm、LVDd52mm、LVDs32mm、LVEF68%、FS38%。左室側方に拡張・蛇行した管
腔像を認め、管腔像は左房後方にて 56×51mm 大に瘤状に拡大を認めた。更に瘤部から連続した管腔像は蛇行し冠静脈洞(CS)へ血
流の流入を認めた。
【心臓 CT】左冠動脈主幹部(LMT)から回旋枝(LCX)は拡張・蛇行し、LCX に 52×59×63mm の巨大冠動脈
瘤を認め、瘤から続く管腔は CS に流入していた。【心臓カテーテル検査】拡張・蛇行している LCX は巨大冠動脈瘤を介して CS に
【入院後経過】入院時の血液培養
流入していた。CS で O2step up を認め、QP/QS=1.6、シャント率 37.1%と有意なシャントを認めた。
より α 溶血連鎖球菌を検出したため、抗生剤投与を行い速やかに菌血症は改善した。心エコー検査、心臓カテーテル検査、心臓 CT
から巨大冠動脈瘤、左冠動脈冠静脈洞瘻と診断され、冠動脈瘤破裂のリスクとシャント量の増大に伴う心不全の出現を考慮して手術
の方針となった。【考察】巨大冠動脈瘤を合併した左冠動脈冠静脈洞瘻を経験したので文献的考察も加えて報告する。
P1-3-7
脳梗塞を契機に卵円孔開存と多発心異常が発見された高齢者の一例
柳川 輝子1、加藤 隆一2、近江 哲生2、植木 理絵1、品田 祐希1、橘 まりか1、中尾知江美1、
後藤 信之1、渡司 博幸1、伊藤 順子3、野里 寿史2、佐藤 康弘2
1
独立行政法人国立病院機構災害医療センター 臨床検査科、2独立行政法人国立病院機構災害医療センター 循環器科、
たはらほほえみクリニック
3
症例は 75 歳女性。脂質異常症で他院に通院中、平成 26 年 6 月に左片麻痺のため他院に緊急入院し、脳梗塞の診断で加療を行った。
心電図にて心房細動の疑い、心臓超音波検査で ASD の疑いを指摘され、退院後、精査目的で当院を紹介受診となった。当院で施行
した経胸壁心臓超音波検査では大動脈弁下狭窄を認め、peak velocity は 4.7m/sec であった。さらに卵円孔開存(PFO)を認めた。
右室が左に位置し修正大血管転位が疑われると考えた。CT 検査では、右冠尖より 3 本の冠動脈が起始している異常を認めた。また
弁下狭窄の部位に一致して左室内憩室が確認された。経食道心臓超音波検査では、ASD・VSD はなく、PFO が確認された。また、
左室内憩室と考えられる部分への血液の流入を認めた。脳梗塞の原因は PFO によるものと考え投薬治療を継続とした。多発性心異
常が発見されたものの、現時点では外科的治療の必要はないと判断し経過観察中である。修正大血管転位は比較的まれな先天性心異
常で我が国の先天性心疾患剖検例の 1.2%を占めるとされている。学校検診などで偶発的に発見されることが多いが、比較的高齢の偶
発的に発見された修正大血管転位と考えられる症例を経験した。比較的稀有であり、教訓的な症例と考え報告する。
一般 Poster
P1-3-8
連続性雑音を契機に発見された無症候性大動脈―右房トンネルの一例
山尾 雅美1、山田 博胤2、西尾 進1、平田有紀奈1、鳥居 裕太1、天野 里江1、高川由利子2、
坂東 美佳2、楠瀬 賢也2、林 修司1、三代裕一郎3、佐田 政隆2
1
徳島大学病院 超音波センター、2徳島大学病院 循環器内科、3三代内科循環器科クリニック
症例は 29 歳女性,生来健康であった.職場検診で心雑音を指摘され,近医を受診した.近医で連続性雑音が聴収され,心エコー検査
でバルサルバ洞破裂が疑われ,精査目的で当院循環器内科へ紹介となった.来院時,第 4 肋間胸骨左縁を最強点とする levin3/6 度の
連続性雑音を聴収した.呼吸音は清,下腿浮腫なし,右橈骨動脈および上腕動脈の触知は良好であった.経胸壁心エコー図検査では,
両房および左室が軽度拡大していた.バルサルバ洞の右冠尖洞から右房に続く管腔様構造物を認めた.Color Doppler 法で,同管腔
内を通過し右房に向かって吹く血流シグナルを認め,連続波ドプラ法では収縮期と拡張期にピークを有する連続性の波形を呈してい
た.右冠尖から右房に向かうシャント血流と三尖弁逆流の区別が難しく,肺動脈圧の評価は困難であった.経食道心エコー図検査で
は,バルサルバ洞右冠尖洞から右房に交通する管腔構造が明瞭に観察され,Color Doppler 法で同管腔内およびそこから右房に流入
する血流シグナルを認め,大動脈-右房トンネルが考えられた.右冠動脈の入口部は判別困難であった.冠動脈 CT 検査でも右冠尖洞
から右房に続く径 7∼8mm のトンネル状の異常構造物が確認された.また,軽度の肺高血圧を認めた.右心カテーテル検査では,肺
動脈レベルで酸素飽和度のステップアップを認め,Qp/Qs=2.43 であり,手術適応と考えた.以上より,大動脈-右房トンネルと診断
し,β-ブロッカーによる治療を開始するとともに,手術を予定している.大動脈-右房トンネルと思われる稀な先天性心疾患の一例を
経験した.その診断に心エコー図検査が有用であったので報告する.
184
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P1-3-9
経食道心エコー図によって偶発的に発見された冠動脈起始異常の一例
福山 梓子、福田 祥大、林 篤志、角 裕一郎、上間 貴子、永田 泰史、岩瀧 麻衣、大谷 恭子、
竹内 正明、尾辻 豊
産業医科大学 第2内科学
症例は 82 歳男性。左下肢の脱力発作を主訴に当院を受診し、一過性脳虚血発
作を疑った。脳 MRI、頚動脈エコーでは症状の原因となる異常所見は認め
ず、ホルター心電図上不整脈も認めなかった。心原性塞栓症の精査目的で経
食道心エコー図検査を施行したところ、左房内に血栓は認めなかった。大動
脈レベル短軸像(図左)で大動脈弁無冠尖の背側をまわり左心耳方向に向か
う管腔構造を認めた。そのため、冠動脈造影 CT 検査を施行したところ、左
回旋枝が右冠動脈から分岐し、冠動脈起始異常と診断した(図右)。
冠動脈起始異常は冠動脈造影を行った症例の 1-5% に認められ、左回旋枝が
右バルサルバ洞もしくは右冠動脈近位部から分岐する起始異常は約 150 人に
1 人と報告されている。冠動脈起始異常は冠動脈造影で偶発的に発見されることが多い。本症例では経食道心エコー図検査が冠動脈
起始異常の発見に有用であった。冠動脈起始異常の評価における経食道心エコー図検査の有用性について、文献的知見を加えて考察
する。
P1-3-10
68 歳で発見された無症候性左冠動脈肺動脈起始症の 1 例
田中 美与1、吉村 雄樹2、工藤 丈明2、増田 浩一2、増山 浩幸2、福永 隆司2
1
県立宮崎病院 臨床検査科、2県立宮崎病院 循環器内科
症例は 68 歳女性。小学生の時に心臓検診を受診、以降 follow されていない。数日前から下腹部腫瘤感を自覚し近医を受診。胸腹部
CT で骨盤腔内に充実性腫瘤と、心臓周囲に異常血管を認めたため、術前精査目的で当科紹介となった。経胸壁心エコー図で両心室
心外膜側に拡張蛇行する数珠状の異常血管と、心室中隔筋層内に下壁側から前壁中隔側に向かう側副血行路と思われる豊富な血流信
号を認めた。さらに大動脈弁短軸断面で肺動脈側壁側から肺動脈内に流入する異常血流を認めた。異常血流は二峰性・収縮期優位
(max velocity 160cm/s)の冠血流速波形であった。CAG で LCX、RCA は大動脈から起始していたが LAD は認めず、LCX と RCA
より LAD に向け発達した側副血行路を認めた。さらに LAD から連続して PA に shunt 血流を認めた。冠動脈 CT でも同様の所見を
認め、左冠動脈(前下行枝)肺動脈起始症と診断された。
【考察】左冠動脈肺動脈起始症は極めて稀な先天性心疾患で、生後 1 年以内に約 90% が死亡すると報告されている。本症例は LCX が
大動脈から起始する変型であったことと、LAD への良好な側副血行路により 68 歳の現在もイベントなく経過する稀な症例である。
経胸壁心エコー図で本症に特徴的な所見を捕らえ、診断のきっかけとなり得た。
一般 Poster
P1-3-11
心不全を契機に発見された 81 歳右冠動脈肺動脈起始症の 1 症例
広江貴美子1、松田 紘治2、竹田 昌希2、太田 庸子2、岡田 清治2、太田 哲郎2
1
松江市立病院 中央検査科、2松江市立病院 循環器内科
症例は 81 歳女性。主訴は労作時呼吸困難。高血圧、心房細動で近医加療中、労作時呼吸
困難、喘鳴が出現したため当院循環器内科を受診した。胸部レントゲンで心拡大、肺うっ
血を認めた。両肺野に湿性ラ音認め、心尖部に Levine 3/4 の収縮期雑音を認めた。心エ
コー図では左室拡張末期径は 66mm と拡大し全体的な左室壁運動低下を認めた。左室駆
出率 41%と低下し、僧帽弁の tethering による重度の僧帽弁逆流を認めた。また肺動脈
に φ7mm の管腔を認め、冠動脈肺動脈瘻を疑った。利尿剤等の薬物治療を行い心不全の
改善を認め、第 12 病日に冠動脈造影を施行した。冠動脈造影では拡張した左冠動脈のみ
が大動脈から起始し、拡張蛇行した交通血管を介して右冠動脈が造影され肺動脈に流入
しており、右冠動脈肺動脈起始と診断した。心エコー図を再検し、心室中隔内を走行す
る複数の異常血流シグナル、肺動脈主幹部への拡張期流入血流を認めた。側副血行路で
ある中隔枝を通過する速い血流と、右冠動脈後下行枝を心尖部から心基部に逆行する血
流が描出され、本症に特徴的所見と考えられた。
185
第26回日本心エコー図学会学術集会
P1-4-1
動脈管開存症に対して心腔内エコーガイド下に経カテーテル的閉鎖術を施行した一例
三竿あゆみ1、天野 秀生1、小室 拓也3、丸尾 健2、荻野 佳代2、林 知宏2、脇 研自2、
新垣 義夫2、門田 一繁1、光藤 和明1
1
倉敷中央病院 循環器内科、2倉敷中央病院 小児科、3倉敷中央病院 臨床検査科
【症例】82 歳、女性。
【現病歴】45 歳時に他院で動脈管開存症に対して開胸手術を受け、3 年前より動脈管開存症術後遺残短絡、軽度
大動脈弁狭窄症、慢性心不全について当院循環器内科に定期通院していた。1 年前より労作時呼吸苦、心不全増悪を認めたため、動
脈管開存症残存に対して AMPLATZER Duct occluder(ADO)を用いた動脈管閉鎖術を施行する方針となった。
【経過】高度腎機能
障害があるため造影 CT は困難であり、経胸壁心エコー、経食道心エコー、単純 MRI で解剖学的位置や PDA の形態を術前に評価し
た。経胸壁心エコーでは大動脈弓部から肺動脈内に吹く血流(flow 4.3m/s)を確認できたが、PDA の形態や径は評価困難であった。
経食道心エコーでは PDA を比較的良好に描出することができた。大動脈側の PDA の径は 4mm、長さ 5mm 程度で、PDA 周囲の大
動脈に石灰化を認めた。単純 MRI では大動脈弓部より肺動脈主幹部に連絡する PDA を認めたが、アーチファクトの影響で PDA の
形態評価は困難であった。治療当日、局所麻酔下に心腔内エコーガイド下に経カテーテル的閉鎖術を施行した。左大腿静脈から肺動
脈内に挿入した心腔内エコーで、動脈管・大動脈を明瞭に描出することができた。PDA の大動脈側の径を測定すると 2.4-2.8mm、長
さ 5mm 程度であった。ADO は 8/6mm を選択し、心腔内エコー・非造影での X 線透視画像を見ながらワイヤーを通過、デバイスを
展開、留置した。リークはほぼ消失し合併症なく終了した。
【結語】経カテーテル的 PDA 閉鎖術の術中モニタリング・ガイドとして
心腔内エコーは有用であり、造影剤を使用せずに治療を行なう事も可能である。
P1-4-2
経食道心エコーによる評価を行った Fontan 手術後の左側房室弁逆流の一例
坂本 一郎、児玉 祥彦、砂川 賢二
九州大学病院 循環器内科
症例は 34 歳、男性。出生時よりチアノーゼ認め、単心室症(両側房室弁左室
流入)
・肺動脈狭窄・完全大血管転位症と診断され、3 歳時に Classical Glenn
手術、10 歳時に Modified Fontan 手術(IVC-LPA anastomosis)施行され
た。27 歳時に初めて心房細動を認め、電気的除細動により洞調律に復帰し
た。この際中等度左側房室弁逆流を認めており、弁形成術を検討されたが、
発作の頻度が少ないことから手術は見送られた。31 歳より年に 2 回心房細動
を認めるようになり、34 歳になり月に 1∼2 回心房細動を認めるようになり、
左側房室弁逆流再評価のため経食道心エコー施行した。左側房室弁は弁複を
中心に全体的に心房側に落ち込み、弁尖は一部接合しない部分を認め、同部
位より高度の左側房室弁逆流を認めた。成人先天性心疾患では経胸壁からの
アプローチでは良好な window が得られないことが多く、また単心室症にお
ける房室弁形態は複雑であり、経食道心エコーによる評価が有用と思われる。
一般 Poster
P1-4-3
ファロー四徴症心内修復術後の成人期における再手術の検討
小板橋俊美1、猪又 孝元1、柿崎 良太1、鍋田 健1、前川 恵美1、木村 純人2、岡 徳彦3、
宮地 鑑3、石井 正浩2、阿古 潤哉1
1
北里大学 医学部 循環器内科学、2北里大学 医学部 小児科、3北里大学 医学部 心臓血管外科
【背景】ファロー四徴症(TOF)術後の成人例が増加する一方、右室流出路
狭窄の解除に伴う肺動脈弁逆流(PR)は、慢性期に右心不全をきたし予後不
良因子となっている。近年より若年で肺動脈弁置換術(PVR)を行う傾向だ
が、著明な右室拡大例、術後長期経過例では PVR の効果は乏しいとの報告
も散見され、成人、特に 40 代以降での再手術は躊躇される。【症例】44 歳、
女性。5 歳で心内修復術を施行。37 歳時より心不全症状が出現し、内服加療
を開始するも増悪傾向を認めた。重症 PR と三尖弁逆流を認め、右室拡張・
収縮末期容量はそれぞれ 519、328ml と右室は著明に拡大していたが、内科
的治療抵抗性な両心不全と肺高血圧を呈し、PVR、三尖弁形成術に踏み切っ
た。術後に右室容量は減少し、肺動脈圧と両心内圧の低下、6 分間歩行の改
善を認めた。【結語】TOF では元の病型や重症度、術式や手術年齢により術
後の病態は大きく変わる。本症例のように、術後 39 年経ち、著明な右室拡大を呈しても、再手術が効果的なケースもある。成人期に
おいても、再手術は検討すべき治療戦略であると考える。
186
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P1-4-4
経皮的心房中隔欠損閉鎖術による右室縮小効果の予測因子
南方 友吾1、村田 光繁2、徳田 華子1、安田理紗子1、繼 敏光3、鶴田ひかる1、団 真紀子2、
河村 朗夫1、福田 恵一1
1
慶應義塾大学医学部 循環器内科、2慶應義塾大学医学部 中央臨床検査部、3日野市立病院 循環器科
【背景】心房中隔欠損症(ASD)は右室容量負荷に伴い右室拡大を来し、重症例では右心不全を来しうる疾患である。通常、欠損孔
閉鎖術により右室形態は改善するが、その程度は症例により様々であり十分に検討されていない。
【目的】経皮的心房中隔欠損閉鎖術
(ASO)前後での右室形態および機能を比較検討する。
【方法】当院で 2011 年 3 月から 2012 年 7 月までに ASO を施行した連続 50 症
例のうち右室機能解析不能例、残存シャント症例を除く 23 症例を対象とした。ASO 術前および術後(6 ヶ月∼12 ヶ月)に GE 社製
解析装置 EchoPac を用いて右室機能を測定した。また、右室径(RVD)、右室拡張末期面積(RVEDA)、右室面積変化率(RVFAC)、
三尖弁輪部収縮期移動距離(TAPSE)、三尖弁輪部移動速度(RV S )を評価項目とした。
【結果】RVEDA,RVESA,RVFAC は術
後有意に減少したが、TAPSE および RV S は有意な変化を認めなかった。さらに、術後 RVEDA<20cm2 に正常化した群(n=8)と
非正常化群(n=15)で比較すると、非正常化群では ASO 前の RVEDA および RVD が有意に高値で、RVFAC は低い傾向にあった。
【考
また、RVEDA=28cm2 をカットオフ値とすると感度 88%、特異度 68% で術後 RVEDA<20cm2 を予測可能であった(AUC 0.83)。
察】ASO による右室縮小効果は術前の右室拡大や右室収縮機能と関係しており、容量負荷による右室障害の程度が予測因子となるこ
とが示唆された。
P1-4-5
経皮的心房中隔欠損閉鎖術前後における肺動脈径の変化に関する検討
平川登紀子1、坂本 一郎2、松浦 陽子1、河原 吾郎1、堀川 史織1、佐藤 翼1、大竹沙矢香1、砂川 賢二2
1
九州大学病院 ハートセンター 生理検査室、2九州大学病院 循環器内科
【背景】成人の心房中隔欠損症(ASD)は右心系の容量負荷により、右室・
右房及び肺動脈の拡大を認める。治療前後における右室拡大改善の評価は見
受けられるが、肺動脈に関する検討は認められない。
【方法】当院で経皮的心
房中隔欠損閉鎖術(ASO)を施行した 24 例のうち、治療前後で主肺動脈径
の計測ができた 10 例(平均年齢 56.4±11.4 歳,男:女=2:8)において比較
検討を行った。
【結果】ASO 前の主肺動脈径は 35.2±14.7mm で、ASO 後 32.8
±11.8mm とわずかに縮小していた。中でも ASO 前に肺動脈圧上昇(TRPG
>30mm Hg)を示した群に関しては、主肺動脈径が 50.3±16.21mm から 44.41
±3.1mm と有意な縮小を認めた。
【結語】肺動脈圧上昇を示す心房中隔欠損
症では肺動脈の拡大を認め、ASO により肺動脈拡大は有意に心房中隔欠損症
では特に肺動脈の拡大を認め、ASO により肺動脈拡大は改善する。
右室二腔症術後、左室-右室短絡が顕在化した一例
飯野 貴子、渡邊 博之、伊藤 宏
秋田大学 大学院医学系研究科 循環器内科学
【症例】49 歳女性【現病歴】幼少時より Erb 領域に最強点をもつ収縮期駆出性雑音を指摘されていた。労作時息切れが増悪したため、
原因精査目的に入院した。心エコー検査にて、右室内の異常筋束の発達と、同部位を狭窄機転とする 155mmHg の圧較差を認めた。
右室は、異常筋束より中枢側の high pressure chamber と末梢側の low pressure chamber の二腔に分かれ、high pressure chamber
の壁厚は増大していた。一方、low pressure chamber の壁肥厚は認めなかった。心臓カテーテル検査により右室内圧を測定すると、
high pressure chamber の収縮期圧 210mmHg、low pressure chamber の収縮期圧 53mmHg であり、心エコー検査の所見に合致する
所見であった。以上より、右室二腔症と診断した。右室二腔症には膜様部型心室中隔欠損症の合併が多いことが知られている。本症
例は、経食道心エコー上、small ASD の合併を認めたものの、両心室間に短絡血流は認められなかった。しかし、左室造影を施行し
たところ、心室性期外収縮連発時にのみ、左室から右室への短絡血流が出現し、潜在性の左室-右室短絡の存在が示唆された。後日、
右室内筋束切除術を施行した。術中、心室中隔欠損は確認できず、閉鎖術は施行できなかった。しかし、術後の心エコー検査では左
室から右室(術前 high pressure chamber であった腔)に短絡するわずかな異常血流が確認された。右室内圧較差解除後に、左室-右
室短絡が顕在化した稀な一例を経験したのでここに報告する。
187
一般 Poster
P1-4-6
第26回日本心エコー図学会学術集会
P1-4-7
経皮的肺動脈弁バルーン形成術が有効であった高齢者肺動脈弁狭窄の一例
中村 裕一1、渡邉 望2、福島 裕介2、柴田 剛徳2
1
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科、2宮崎市郡医師会病院 心臓病センター
67 歳男性。幼少期より心雑音を指摘されていたが、特に精査されないまま成人。その後も長年にわたり農作業などの労作時の息切れ
を自覚していたが、数年前に心房粗動と完全房室ブロックを発症し当科受診するまで精査されずに過ごしていた。同年当科にてカテー
テルアブレーション及び一時的ペースメーカー挿入のため入院した際の心エコー図検査で、右室流出路から肺動脈にかけての狭窄及
び右室拡大と右室壁肥厚を認めた(PV 4.1m/s,PG 62mmHg)。心臓カテーテル検査にて肺動脈弁上狭窄が疑われ、アブレーション
による洞調律回復後定期的に心エコー図検査でフォローアップ行われていた。右室―肺動脈間圧較差に変化なく、NYHA2 度程度の
息切れ症状は持続状態であった。心エコー図検査にて再度詳細に観察した結果、狭窄は肺動脈弁部である疑いが強く、症状改善のた
め経皮的肺動脈弁バルーン形成術施行予定となった。20×40mm バルーンを用いて肺動脈弁を拡張、最大圧較差 2.8m/s,PG32mmHg
に減少した。合併症なく終了し、退院後心不全症状は劇的に改善、農作業中にもほとんど息切れを感じない程度となった。60 年に渡
り未診断であった有症状の肺動脈弁狭窄を心エコー図で正確に診断し、経皮的バルーン形成術により治療することができた高齢者の
肺動脈弁狭窄の症例を経験したので報告する。
P1-4-8
ファロー四徴症修復術後の妊娠出産例における心エコー図所見について
塩崎 真弓1、大角 友紀1、山岸 奈々1、成瀬 里恵1、内山 賢子1、角田 美鈴1、横田 綾1、
野手 良剛1、稲尾 杏子2、平井 忠和2、市田 蕗子3、井上 博2、芳村 直樹4、北島 勲1
1
富山大学附属病院 検査部、2富山大学附属病院 第二内科、3富山大学附属病院 小児科、4富山大学附属病院 第一外科
【背景】ファロー四徴症に対する治療法の進歩により、根治手術をうけた多くの症例が成人に達し、妊娠出産を経験する例が増えてい
る。しかし修復手術後も遺残奇形や合併症が残っており、妊娠出産の心機能におよぼす影響は不明な点が多い。【目的と方法】ファ
ロー四徴症修復術後に当院において妊娠出産を経験した 4 症例の心エコー図所見を器質的心疾患のない対照群(10 例)と比較検討し
た。
【結果】ファロー四徴症修復術後(4 例:平均年齢 31 歳)の妊娠前または妊娠初期の M-mode 心エコー図の左室拡張末期径(LVDD)
は、器質的心疾患のない対照群の LVDD より小さかった(40±4mm vs 45±4mm,p<0.05)が、左室駆出分画(LVEF)に差はな
かった(LVEF:59±12% vs 64±6%)
。右室径はファロー四徴症例で対照群と比較し拡大していたが(34±4mm vs 20±4mm,p<
0.05)、右室収縮分画(% RVFAC)は 42±9%と保たれていた。ファロー四徴症修復術後の 4 例中、2 例においてカラードプラー上、
中等度の肺動脈弁逆流をみとめ、また 1 例は心室中隔欠損症(左右シャント:Qp/Qs=1.4)を有していた。血中 BNP は平均 50.9±
14.2 pg/ml と軽度上昇していたが、4 例とも妊娠経過は順調であった。ファロー四徴症修復術後に中等度の肺動脈弁逆流を認めた例
および心室中隔欠損症を有した例では、妊娠経過中および出産後も右室拡大が持続した。
【結論】心機能が比較的良好なファロー四徴
症修復術後例では妊娠出産が可能であったが、遺残奇形のある症例で出産後も右室拡大の進行を認め、心エコー図による経過観察が
重要と思われた。
一般 Poster
P1-4-9
大動脈弁置換術後に右室流出路狭窄の増悪による心不全症状を認め,筋束切除術を施行した右室二
腔症の一例
奥野 翔太、上松 正朗、藤田 雅史、飯田 修、増田 正晴、岡本 慎、石原 隆行、南都 清範、
白記 達也、神田 貴史、須永 晃弘、辻村 卓也、松田 祥宏、谷仲 厚治
関西労災病院 循環器内科
症例は 60 歳代女性.出生時より心雑音を指摘されていたが,詳細は不明である.小児期は運動制限を指示されていたが,成長に伴
い,医療機関への定期受診はなくなり,成人後 3 児を出産した.60 歳となり易疲労感を主訴に近医を受診し,精査加療目的に当院紹
介受診となった.心エコー図検査にて重症大動脈弁逆流症を認め,経過観察されていたが,次第に心拡大をきたしたため,4 年前に
大動脈弁置換術(SJM19mm 機械弁)を施行した.術後 4 年の心エコー図にて右房右室間収縮期圧較差 76mmHg と高値であり,右室
流出路の加速血流を認め、右心カテーテル検査上,右室内に 69mmHg の圧較差が認められた。経食道心エコー図にて大動脈弁レベ
ルでの大動脈弁側の右室流出路に壁肥厚を認め,心電図同期造影 CT にて収縮期に同部位での狭窄をきたしており,右室二腔症と診
断した.NYHA II 度の心不全症状を認めており,右室内圧較差も高値であるため,手術適応と判断し,筋束切除術および流出路再建
術を施行した.術後は良好に経過し,心エコー図にて右室流出路に加速血流を認めなくなり,心不全症状も NYHA I 度に改善した.
心臓リハビリテーションを行い,術後約 1 ヶ月で独歩退院された.右室二腔症は中隔縁柱から右室自由壁にのびる肉柱が肥厚し,右
室に流入側高圧腔と流出路側低圧腔の 2 つの腔を形成する疾患である.本疾患は、従来まれな先天性心疾患であるとされてきたが,
最近では二次的な心疾患の可能性を示唆する報告も散見される.今回大動脈弁置換術後に右室流出路狭窄の増悪を認め,筋束切除術
を施行した一例を経験したため報告する.
188
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P2-1-1
化学療法が著効した結核性収縮性心膜炎の一例
米田 智也1、牧山 武2、矢野真理子2、土井 孝浩1、木村 剛2、一山 智1
1
京都大学医学部附属病院 検査部、2京都大学医学部附属病院 循環器内科
症例は 31 歳女性。3 週間続く微熱、咳嗽など感冒様の症状を呈し、その後も発熱(39 度)が持続していたため近医を受診。心エコー
で心嚢水貯留を認め、軽度心不全兆候もあり急性心外膜炎の診断にて当院循環器内科へ緊急入院となった。第 12 病日の心エコーでは
心膜癒着サインあり、血性様の心嚢水貯留が疑われた。血行動態は保たれているが、110∼120bpm の洞性頻脈を認めた。採血検査で
は QFN が判定保留(国際基準では陰性)であった。第 13 病日に施行した CT で縦隔リンパ節の壊死性リンパ節炎を認め結核性の可
能性も考えられた。結核性心膜炎の診断目的に外科的に第 34 病日に心膜生検を施行。抗酸菌培養、PCR は陰性であったが、病理組
織の結果は凝固壊死を伴う類上皮細胞性肉芽腫が複数認められ結核性収縮性心膜炎と診断した。右心カテーテルや術中所見は収縮性
心膜炎に合致するものであった。第 47 病日より抗結核薬、ステロイド内服を開始し第 84 病日に退院。10 ヶ月加療を行った。第 99
病日の心エコーでは収縮性心膜炎の所見は消失していた。結核性心膜炎は結核症の 1% 以下に出現する比較的まれな病態であるが、
死亡率を増加させることが知られている。結核性心膜炎における死亡率増加の原因としては診断が難しく抗結核薬投与を含めた治療
が遅れること、心タンポナーデや収縮性心膜炎などにより心機能障害を起こすことが挙げられる。今回、化学療法が著効した結核性
収縮性心膜炎の一例を経験したので報告する。
P2-1-2
心エコーによる一回拍出量測定が診断に有用であった収縮性心膜炎の一例
有沢早葵子1、水野 智文2、中野 雄介2、向井健太郎2、渡部 篤史2、安藤 博彦2、神田 竜平1、
木場久美子1、岸 孝彦3、後藤 峰弘3、天野 哲也2
1
愛知医科大学病院 中央臨床検査部 生理機能検査室、2愛知医科大学病院 循環器内科、3愛知医科大学病院 中央臨床検査部
症例:62 歳男性。身長 170cm、体重 59kg。既往歴:非糖尿病性の腎不全があり 20 年前から他院で加療、18 年前から維持透析を施行
している。生活歴:喫煙 20 本/日、機会飲酒。現病歴:某年初旬から発作性心房細動を認め、近医で β ブロッカーと抗不整脈薬の処
方を受けていたが、次第に持続性心房細動に移行した。心拍数は 150-160bpm 台、収縮期血圧は 90mmHg 台となり、透析中の血圧低
下により除水がままならなくなった。心房細動による頻脈と考えられベラパミルを併用されていたが、頻脈の改善はなく全身倦怠感
が出現したため、当院へ紹介され精査目的で入院となった。経過:入院時の心エコーでは、LVEF45%、LVDd44mm、LAD53mm、
RVDd28mm、TAPSE15.5mm、TRPG22mmHg、IVC17mm(呼吸性変動無し)
、LVOT SV39ml であった。頻拍誘発性の心機能低
下と SV 低下を疑い電気的除細動を行った。しかし洞調律下においても EF42%、SV34ml、と同様の所見を呈し HR119bpm の洞性頻
拍であった。SV の低下が病態の本質であると考え、収縮性心膜炎(CP)を疑い胸部 CT を行ったところ心膜の肥厚が認められた。
精査目的で行った両心カテーテル検査でも SV の低下と dip & plateau が確認されたため CP と診断し、心膜剥離術を施行した。術後
の経過は良好で、現在は NYHA classI に改善し、安定して維持透析を受けている。考察:CP は右室の拡張障害に伴う SV の低下が
主たる病態である。頻拍性の心房細動を合併した場合は頻拍に伴う SV の低下との鑑別が重要となるが、本症例では洞調律に復した
後も SV の低下が遷延し CP の存在を疑うに至った。CP は診断が遅れると致死的な疾患であり SV の低下に着目することが診断への
足がかりとなる可能性がある。
一般 Poster
P2-1-3
経時的変化を心エコー図で観察し得た放射線治療に伴う収縮性心膜炎の一例
花村 静香1、竹内 正明1、坂本 恭子2、中園 朱実2、角 裕一郎1、上間 貴子1、福山 梓子1、
永田 泰史1、大谷 恭子1、福田 祥大1、尾辻 豊1
1
産業医科大学 医学部 第2内科学、2産業医科大学病院 病理・臨床検査・輸血部
縦隔への放射線治療は収縮性心膜炎の原因の一つとして知られている。がん治療の進歩により、長期生存者における放射線治療によ
る遅発性心臓障害が徐々に問題となってきている。心臓への放射線照射は心膜、心筋、弁、冠動脈や他の脈管、伝導系のいずれにも
障害を来しうる。放射線障害の急性障害として生じる心膜炎や遅発性心膜障害の報告が過去に散見されている。今回我々は放射線治
療に伴う収縮性心膜炎の経時的変化を心エコーで観察し得たので報告する。症例は 76 歳男性。右肺がん(Stage IIIB)に対して肺に
40Gy、右鎖骨上窩リンパ節に 40Gy の放射線照射を施行した。照射 5 ヶ月後頃より呼吸困難感を主訴に入退院を繰り返し、この際の
診断は放射線性肺臓炎および肺がんに伴う胸水貯留であり、心エコー図検査上心障害を示唆する所見は認めなかった。照射 9 ヶ月後
に再度呼吸困難感の増悪、下腿浮腫を生じ、心エコー図検査を施行したところ心膜の癒着、心室流入血流波形の呼吸性変動増強を認
めた。放射性治療に伴う収縮性心膜炎と診断し、利尿剤を用いて治療し、自他覚的症状の改善を得た。放射線治療にともなう心障害
の報告は、照射後数ヶ月から数年後と多岐にわたり、本症例では照射 9 ヶ月後に収縮心膜炎の所見を認めた。心エコー図検査は収縮
性心膜炎の診断のみならず、非侵襲的で繰り返し施行でき、経時的変化の推移を検討する上でも有用な検査法であると考えられ、若
干の文献的考察を加え報告する。
189
第26回日本心エコー図学会学術集会
P2-1-4
急速に進行する経過を観察し得た滲出性心膜炎の 1 例
松井 翔吾、池田俊太郎、櫃本 竜朗、中村 真幸、門田 久紀、清水 秀晃、大島 清孝、濱田 希臣
市立宇和島病院
症例は 74 歳男性。僧房弁閉鎖不全症および三尖弁閉鎖不全症に対して僧房弁
形成術・三尖弁輪形成術を施行した。術後に心嚢液貯留を認めていたが、心
不全なく経過していた。術後から約 12 カ月後より心不全・微熱による入退院
を繰り返すようになった。同時期より経胸壁心臓超音波検査にて、心嚢水が
海綿状の隔壁を形成し、徐々に増大していく様子を観察した。またこのよう
な形態学的変化に伴って、拡張能の経時的な増悪を認めた。ストレイン解析
では、心膜の癒着による局所的な収縮能低下を認めた。心膜の肥厚や石灰化
は認めなかった。薬物治療や経皮的心嚢ドレナージ施行後も構造物は残存し、
右室圧の dip and plateau 等の所見を認め、滲出性収縮性心膜炎に類似する血
行動態を呈していると推察された。心不全のコントロールが困難であり外科
的ドレナージを施行した。経胸壁心臓超音波検査にて、術後の慢性心嚢水が
急速に機能的/形態学的に変化する過程を観察し得たので、文献的考察を含めて報告する。
P2-1-5
心タンポナーデを発症した難治性心嚢液貯留に対して胸骨正中切開下開窓術を行った 1 例
角 裕一郎1、竹内 正明2、上間 貴子2、福山 梓子2、永田 泰史2、大谷 恭子2、福田 祥大2、
江藤 政尚1、西村 陽介1、尾辻 豊2
1
産業医科大学 心臓血管外科、2産業医科大学 循環器内科、腎臓内科
【背景】今回我々は、繰り返し経皮的心嚢ドレナージを行うも心タンポナーデを発症し、胸骨正中切開下に開窓術を行った難治心嚢液
貯留の症例を経験したので報告する。【症例】高血圧で近医加療中の 55 歳男性。繰り返す心嚢液貯留に対して前医で加療を行われて
いたが改善せず、精査加療目的で当院に入院した。入院後胸腔鏡(VATS)下心膜生検を行い、心嚢液ドレナージを 2 回施行するも、
明らかな原因は不明で、心嚢液は容易に再貯留した。その後徐々に心膜の癒着と心嚢内血腫と思われる high echoic mass が心嚢内に
出現し、心タンポナーデ徴候を認めたため、胸骨正中切開下にタンポナーデ解除術および心膜開窓術を行った。心嚢液は淡血性で、
血腫は心尖部を中心に貯留していた。心膜、心外膜は炎症性に肥厚していた。術中経食道心エコーでは開胸後より右室、左室が拡大
し、経時的に心拍出量が増加した。また、中隔の奇異性運動も消失した。その後左右の心膜を一部切除し心嚢-胸腔瘻として手術を終
了した。術後は再度心嚢液貯留することなく経過し、退院となった。
【考察】原因不明の難治性心嚢液貯留に対する治療は確立されて
いない。近年では VATS 下開窓術がよく用いられているが、本症例のように心嚢内血腫貯留および炎症性心膜肥厚を伴っている場合
は、胸骨正中切開アプローチによるタンポナーデ解除術も選択肢の一つとして考えるべきであると思われた。
【結語】加療中に心タン
ポナーデを発症し、胸骨正中切開下開窓術を行った難治性心嚢液貯留症例を若干の文献的考察を加え報告する。
一般 Poster
P2-1-6
反復性の血性心嚢液貯留を来した一男児例
山崎 聖子1、瀧聞 浄宏1、安河内 聰1、田澤 星一1、中野 裕介1、仁田 学1、島袋 篤哉1、
百木 恒太1、梅津健太郎2、新富 静矢2
1
長野県立こども病院 循環器小児科、2長野県立こども病院 心臓血管外科
【背景】小児で心嚢液貯留を来す疾患は,腫瘍を除くと希有である.原因不明の
血性心嚢液貯留を反復し,心タンポナーデに至った症例を報告する.
【症例】14
歳男児.数日前に発熱、感冒症状があり,起床時に胸痛と呼吸苦で近医受診,
少量の心嚢液貯留を指摘され.NSAIDS を処方された.3 日後,野球の部活動後
に再度胸痛と呼吸困難を自覚,ショックとなり救急搬送された.心全周性に
20mm の心嚢液貯留を認め緊急ドレナージを施行,心嚢液は Hct30% の血性で
あった.止血剤,コルヒチンの内服を開始したが,11 日後に再び心嚢液貯留し,
当院へ搬送された.エコー上心膜腔にフィブリン塊を多量に認め外科的にドレ
ナージを施行.外傷,腫瘍,膠原病は否定的で明らかな感染も認めなかった.
厳しい運動制限下で経過観察,心嚢液の再貯留はない.
【結語】感染性心外膜炎
から心嚢液貯留を生じ,炎症で脆弱化した血管に何らかの物理的要因が加わり
心膜腔へ出血したと推測された.心嚢水貯留では、鑑別診断の必要性はもちろ
んであるが、十分な安静と慎重な経過観察を要する。
190
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P2-1-7
高度の両心不全から心原性ショックに陥り、補助人工心臓の装着を要した劇症型心筋炎の一例
八木麻里子1、永田 庸二1、森 三佳1、大平 美穂1、吉牟田 剛1、林 研至1、川尻 剛照1、
植田 初江2、山岸 正和1
1
金沢大学付属病院 循環器内科、2国立循環器病研究センター病理部
症例は 58 歳女性。約 2 ヶ月前に高度房室ブロックを発症し、他院で恒久的ペースメーカー植え込み術を施行された。この際、エコー
上 LVEF 63% と保たれており、冠動脈造影で異常は指摘されなかった。約 1 ヶ月前より労作時息切れが出現し、以降増悪した。2 日
前に起坐呼吸となり同院再診し、急性心不全の診断で緊急入院となった。強心薬が開始されたが血行動態は改善せず、翌日夜間に心
原性ショックに陥り、IABP 挿入の上、当院へ緊急搬送された。心エコー上、両心室は高度収縮障害(LVEF 11%、RV-FAC 4.9%)
を呈し、左室壁の肥厚・浮腫性変化は見られず、基部から中部の前壁中隔が高輝度で菲薄化および逆運動を呈していた。右心カテー
テル検査で PAP s/d/m 25/19/22 mmHg、RAP 8 mmHg、CI 1.9 L/min と低心拍出状態を来たしており、PCPS 挿入の上心筋生検を
施行された。大量免疫グロブリン療法(1 g/kg×2 日間)施行後も心機能は改善せず、心筋生検では心筋細胞の壊死、変性像ならび
に多数のリンパ球浸潤が確認され、劇症型心筋炎と診断された。補助人工心臓(LVAS)導入の適応と判断され、第 6 病日に転院搬
送となり、同日体外式 LVAS が装着された。術中施行された左室心尖部の心筋生検では、心筋内に多数の多核巨細胞の浸潤を認め、
巨細胞性心筋炎と診断された。画像からは心サルコイドーシスとの鑑別が困難な上、急速に進行する劇症型心筋炎例であった。この
際、巨細胞性心筋炎も疑うことが重要であり、重症心不全急性期においても心筋生検での確定診断が治療法決定の上から重要である
と推察される。
P2-1-8
特徴的な心エコー図所見が診断に有用であったレフレル心内膜心筋炎の症例
城戸亜耶乃1、安田 久代1、堀端 洋子2、木下 ゆい1、穴井 聡子1、池田 勝義1、大林 光念1、安東由喜雄1
1
熊本大学医学部附属病院 中央検査部、2国立療養所 菊池恵楓園 内科
【はじめに】レフレル心内膜心筋炎の心エコー図所見には、心内膜直下の心内膜面の輝度上昇や拘束型の心筋障害などがある。今回特
徴的な心エコー図所見が診断に有用であった同症の一例を経験したので報告する。
【症例】48 歳、女性【現病歴・経過】X 年、好酸
球増多を伴う咳嗽・鼻汁が出現、原因不明のまま自然寛解した。X+3 年に再度同様の感冒様症状が出現し、好酸球増多と IgE 上昇を
認めた。好酸球数は数日後に低下したものの、急激な低酸素血症と左室収縮低下を呈したことから、心筋炎が疑われ、当院へ搬送と
なった。心エコー図検査にて、左室心尖部の壁肥厚と内膜面の輝度上昇、著明な左室機能低下を認めた。補助循環装置を導入し、冠
動脈造影を行うも有意狭窄は認めなかった。心内膜心筋生検にて好酸球浸潤と心筋細胞の変性・脱落を一部で認め、慢性経過である
ことや心エコー図検査所見と併せレフレル心内膜心筋炎が強く疑われた。その後、補助循環からは速やかに離脱し、セミパルス療法
施行による好酸球低下に伴い心機能も改善した。しかし、多発性脳梗塞と多剤耐性緑膿菌感染、後腹膜多発血腫に伴う DIC などによ
り入院後 60 日目に永眠された。
【考察】レフレル心内膜心筋炎の予後は不良であり、進行により 3 段階に分けられる。今回の症例は
内膜面の輝度上昇を認めたことから心筋線維期であったと考える。【まとめ】レフレル心内膜心筋炎の確定診断は心筋生検によるが、
サンプリングエラーや生検自体が困難な場合がある。今回の症例のように特徴的な心エコー図所見を認識することは、迅速な診断に
結びつき、臨床診断に貢献することが可能である。
心肺補助装置(PCPS)の突発的血流量低下時、原因究明に経食道心エコー図検査が有用であった
急性心筋梗塞の 1 例
小野 和重1、関根 泰2、藤巻 晴香2、井上 陽子1、村田 尚行1、國金 正宏1、江口 紀子2、
神下 耕平2、寺林 郁人2、葛 備2、濵 義之2、田中 秀造2、外池 範正2、芳生 旭志2、
松戸 裕治2、山本 雅史2、氷見 寿治2
1
君津中央病院 生理検査部、2君津中央病院 循環器科
症例は 71 歳男性。前胸部痛にて近医受診し、急性心筋梗塞(AMI)の疑い
で搬送された。心電図検査にて III、aVF、の ST 上昇、V4∼V6 で ST 低下
を認めた。経胸壁心エコー図検査にて後下壁の壁運動低下を認め、AMI の診
断で冠動脈造影検査を施行、#2 が閉塞、#5 が 99%狭窄していた。#2 に対
し経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行後、冠動脈バイパス術を行う方針とし
た。術中、呼吸循環動態が悪化し PCI と平行して気管挿管と大動脈内バルー
ンパンピングを挿入した。その後も血行動態は安定せず、左大腿動静脈より
心肺補助装置(PCPS)を挿入した。当初、PCPS の血流は 2.4L/min 得られ
ていたが約 10 分後 PCPS の血流量が突然確保出来なくなった。経食道心エ
コー図検査(TEE)を施行し、下行と上行の大動脈解離と多量の心嚢液貯留
を認め、PCPS 送血部位から逆行性に大動脈解離をきたしたと考えられた。
PCPS 挿入中の血管合併症の早期診断に TEE 検査が有用であった 1 例であり
症例を報告する。
191
一般 Poster
P2-2-1
第26回日本心エコー図学会学術集会
P2-2-2
高心拍数のため大動脈弁逆流の検出が困難であった急性左心不全の 1 例
江後 京子1、川崎 達也2、山野 倫代3、武岡真由美1、岩見裕美子1、坂口 智子1、西川 昌伸1、
小西 英子1、佐藤 良美2、本田早潔子2、張本 邦泰2、三木 茂行2、神谷 匡昭2
1
松下記念病院 中央臨床検査部、2松下記念病院 循環器内科、3京都府立医科大学附属病院 循環器内科
【症例】46 歳男性.【主訴】胸背部痛.
【現病歴】帰宅途中に背部痛を自覚したが 1 時間ほどで消失した.その後は倦怠感が続き,翌
日には胸痛も出現したため深夜に救急外来を受診した.
【身体所見】心拍数は 160 回/分,血圧は 160/86mmHg,酸素飽和度は室内気
で 77%であった.頚静脈は怒脹し心音は減弱していた.肺雑音のため心雑音や過剰心音の評価はできなかった.下腿浮腫はなかっ
た.
【検査】心電図は正常洞調律で ST 部分の上昇はなかった.胸部 X 線で著明な肺うっ血あり,脳性ナトリウム利尿ペプチドは 130.3
pg/ml であった.ポータブル心エコー図検査では,左室の壁運動はび慢性に低下していたが有意な弁疾患は検出しなかった(検査中
の心拍数は 150-160 回)
.【経過】急性左心不全と診断しカルペリチドや利尿薬,酸素投与などで開始した.翌朝に行った心エコー図
検査で左室駆出率は 45%まで回復し,やはり有意な弁疾患はないと判断した(心拍数は 130 回).肺うっ血と自覚症状は経時的改善
したが,頻脈は依然持続していた.第 5 病日の心エコー図検査で高度の大動脈弁逆流の存在が判明した(心拍数 120 回)
.大動脈弁逆
流の原因として右冠尖の逸脱と可動性索状物の付着が疑われたが,確定診断には至らなかった.その後,造影 CT でバルサルバ洞か
ら腹部大動脈に及ぶ大動脈解離を認め,スタンフォード A 型の偽腔開存型解離と診断した.再検した心エコー図では,大動脈弁の直
上にフラップを描出することができた.その後,他院の心臓血管外科で緊急手術が施行された.
【考察】高心拍数は大動脈弁逆流の検
出を困難にする可能性がある.
P2-2-3
乳癌化学療法中に発症したうっ血性心不全:異なる臨床経過を辿った 2 症例の検討
大平 美穂1、森 三佳2、八木麻里子2、吉牟田 剛2、林 研至2、川尻 剛照2、荒木 勉1、山岸 正和1
1
済生会金沢病院 内科、2金沢大学附属病院 循環器内科
症例 1 は 42 歳女性。41 歳時に左乳癌、多発転移と診断され(stage4)
、Doxorubicin+Cyclophosphamide 投与(AC 療法)を開始さ
れた。3 ヶ月後に呼吸困難が出現(NYHA 2)したが、AC 療法は予定通り 6 ヶ月施行された(Doxorubicin 総投与量:442mg/m2)。
翌月より Paclitaxel+Bevacizumab を開始されたが、1 ヶ月後に呼吸困難が悪化し、うっ血性心不全と診断された(NYHA 3、LVDd/
Ds:52/44 mm、LVEF 31%、BNP 766 pg/ml)
。抗腫瘍薬を中止の上、利尿薬、β 遮断薬、ASV にて血行動態は改善し、左室サイ
ズは縮小した(NYHA 1,LVDd/Ds:48/38 mm,EF 44%,BNP 17.7 pg/ml)
。症例 2 は 61 歳女性。48 歳時に左乳癌を発症し(Stage
2A,T2N0M0)、乳房温存手術、放射線療法を施行された。53 歳時に局所再発を来し、Trastuzumab を開始となった(LVDd/Ds:
46/31 mm,LVEF 60%)
。58 歳時には心エコーで EF 54%と軽度低下を認めたが、自覚症状なく経過。61 歳時に Pertuzumab 追加
となったが、4 ヶ月後より呼吸困難が出現し(NYHA 2)
、翌月に急性心不全を発症した(NYHA 4,Clinical Scenario 3,LVDd/Ds:
59/49 mm,LVEF 22%,severe MR,BNP 297 pg/ml)
。抗腫瘍薬を中止の上、利尿剤、Dobutamine、Milrinone、ASV にて血行動
態は改善し、左房容積の縮小、MR 軽減を認めた(NYHA 3、LVDd/Ds:54/48 mm,LVEF 26%,moderate MR,BNP 29.1 pg/
ml)。
抗腫瘍薬により心機能低下を来したと考えられた心不全症例であった。心機能変化の追跡、使用薬剤の開始、中止に心エコー所見が
有意義であったため報告する。
一般 Poster
P2-2-4
前壁中隔中部に限局する局所壁運動低下を認めた一例
白水 利依1、福田 祥大2、中園 朱実1、坂本 恭子1、池田 和美1、立花佐和美1、津留 孝浩1、
野原 正信1、大谷 恭子2、永田 泰史2、上間 貴子2、福山 梓子2、角 裕一郎2、木村 聡1、
平田信太郎1、竹内 正明2、尾辻 豊2
1
産業医科大学病院 病理・臨床検査・輸血部、2産業医科大学 循環器・腎臓内科
症例は 64 歳女性。敗血症で入院し、心電図で V1-V3 にて ST-T 変化を認めた。心筋逸脱酵素の上昇を認めなかった。傍胸骨長軸像
にて前壁中隔中部に限局した局所壁運動低下を認め、他部位はやや過収縮であった。
192
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P2-2-5
急性肺塞栓症の経過で左室内腔圧較差の著明な上昇を来した一例
前羽 宏史、諏訪 惠信、辻本 悟史、宮坂 陽子、塩島 一朗
関西医科大学 第二内科
症例は 72 歳女性。高血圧、気管支喘息の既往あり。原田氏病に対してステロイド投与中であった。2014 年 9 月に心肺停止状態で当
院 CCU へ搬送となり、心肺蘇生後に IABP、PCPS による管理を開始した。12 誘導心電図において下壁誘導の ST 上昇を認めたた
め、冠動脈造影を施行したが正常冠動脈であった。PCPS 離脱可能になった時点で胸部造影 CT 検査を行い、両側肺動脈主幹部血栓
塞栓症と診断。以後、IAPB、カテコラミン投与により血行動態の管理を行ったが、経時的に血圧の低下を認め、ドパミンの増量を行
うも反応は不良であった。その時点で再度、経胸壁心エコー検査を施行したところ、著明な右室拡大、左室圧排像に加え、左室内腔
の狭小化、及び著明な左室内腔圧較差の上昇(最大圧格差 85mmHg)を認めた。ただちに補液の増量、ドパミンの減量を行ったとこ
ろ、速やかに血行動態の改善が得られた。CCU 管理患者において、血行動態の悪化や治療に対する反応が芳しくない際に、経胸壁心
エコー検査を繰り返し行うことの重要性を改めて痛感した一例を経験した。若干の文献的考察を加えて報告する。
P2-2-6
経胸壁心エコーの所見を参考に、心負荷となりうる機能リハビリを遂行出来たうっ血性心不全の 1
症例
藤原理佐子
地方独立行政法人 秋田県立病院機構 秋田県立脳血管研究センター 循環器内科
【症例】32 歳女性【既往歴】以前より高血圧を指摘されるも放置、心疾患の指摘は無い【現病歴】2014 年脳梗塞にて当院に入院され
た。入院時 NYHA 分類 III であり、低酸素血症、胸部レントゲン写真にて心拡大、また経胸壁心エコー(UCG)にて心駆出率(EF)
:
0.3 台、びまん性に壁肥厚及び壁運動低下、拡張障害の所見が見られた。脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)358pg/ml でありうっ
血性心不全合併していた。既往歴、UCG 所見より高血圧性心疾患と判断し、降圧剤及び β ブロッカー少量より投与を開始した。脳梗
塞の症状である、右上下肢運動麻痺,運動失調,両下肢筋力低下に対する機能リハビリも並行して行った.機能リハビリによる心不
全悪化の有無及び β ブロッカー加療の効果判定目的に UCG を経時的に施行し、徐々に壁運動の改善、EF:0.33 → 0.659、左室径及び
左房径の縮小(53.7 → 50.5mm、44.2 → 36.9mm)や TDI での e 、s の増加を確認出来た(e :2.93 → 5.97cm/s、a :4.1 → 6.85cm/
s)。リハビリは体重や自覚的運動強度を目安に負荷をかけ、定期的な 6 分間歩行にて心臓の運動耐用能の改善を確認しながら施行し、
認麻痺や失調、筋力低下はほぼ消失し、退院となった。
【結論】NYHA 分類 III を呈するうっ血性心不全と麻痺がある脳梗塞を合併し
た症例において、UCG の所見を参考に、心負荷となりうる機能リハビリを遂行出来た症例を経験したのでここに報告する。
一般 Poster
P2-2-7
当院にて経験した臨床経過の異なる周産期心筋症の 2 症例
林 亜紀子1、小林さゆき1、江口美知子1、千田 龍二1、虎溪 瑞穂1、東 昭宏1、中川 彩子1、
酒井 良彦1、田口 功1、小沼 善明2、佐々木伸二2、澤 朋美2、小俣 諭子2
1
獨協医科大学越谷病院 循環器内科、2獨協医科大学越谷病院 臨床検査部
【はじめに】周産期心筋症は、発症時は急性心不全症状を呈し約半数は完全治癒するが、半数は心機能低下が残存すると言われてい
る。今回当院にて経過を追えた周産期心筋症の 2 症例を報告する。
【症例 1】29 歳女性 双胎妊娠にて当院産婦人科紹介受診。妊娠中
毒症を認め、帝王切開にて出産するも同日呼吸困難出現。人工呼吸器管理となり、心不全加療目的に当科転科となる。経胸壁心エコー
図では、LVDd 63mm,LVDs 56mm,LVEF 0.24 と心拡大、全周性の高度壁運動低下を認めた。利尿剤等の加療を行い、心機能改善
に約 2 年の期間を要した。現在 9 年目となり、外来通院中である。
【症例 2】32 歳女性 妊娠 8 か月より息切れ、咳、下腿浮腫が出
現。正常分娩にて第 1 子を出産。出産後 4 日目より呼吸困難増悪し出産後 9 日目に胸水貯留を認め、心不全にて当科緊急入院となる。
経胸壁心エコー図では、LVDd 52mm,LVDs 39mm,LVEF 0.49 と全周性の軽度壁運動低下を認めた。また左室心尖部に約 2cm 大
の血栓を認め、抗凝固療法を開始し、約 2 週間後、血栓は消失した。また心不全加療を行い、経過良好にて第 23 病日に退院した。
【まとめ】周産期心筋症の原因は未だ不明であり、治療も確立されていない。又、危険因子も複数報告されている。我々は、異なる経
過をたどった 2 症例を経験し、貴重な症例と考え報告する。
193
第26回日本心エコー図学会学術集会
P2-2-8
ボルテゾミフデキサメサゾン療法により心エコー所見の改善をみた AL 心アミロイドーシスの 1 例
上田 智広1、河村 道徳2、小田 康子2、藤井 雄一1、寺川 宏樹1、野村 秀一3、黒田 芳明4
1
広島鉄道病院、2広島鉄道病院生理検査部、3広島鉄道病院総合内科、4広島大学病院血液内科
症例は 79 歳、男性。2009 年に肺がん手術の既往がある。201X 年 9 月に両下
肢 浮 腫 と BNP487pg/ml と 上 昇 が あ り、 当 科 を 受 診 し た。 心 エ コ ー で は
IVST14mm LVPWT14mm LVDd/Ds45/25mm EF64% E/A 比 1.8 で、全周
性の心肥大・拡張障害に加えて中等度以上の僧帽弁逆流と三尖弁逆流を認め
た。心機能の保たれた心不全として加療を開始した。心電図で低電位所見が
ある事と尿中ベンズジョーンズ蛋白が陽性であったため、心筋生検および骨
髄検査等を施行し多発性骨髄腫に合併した AL 心アミロイドーシスと診断し
た。11 月より他院にてボルテゾミフデキサメサゾン療法を開始した。以後は
1 年以上にわたって心不全の再発をきたす事なく良好に経過しており、
BNP127pg/ml も 低 い 状 態 を 維 持 し て い る。 心 エ コ ー 所 見 に お い て も
IVST11mm LVPWT9mm LVDd/Ds48/31mm EF65% E/A 比 0.9 と心肥大の
減少傾向と拡張指標の改善を認めている。我々は治療経過が良好な心アミロ
イドーシスを、比較的長期間観察し得たため報告する。
P2-2-9
下壁基部側に非緻密化層が及ぶ左室緻密化障害の一例
三好 達也、二ノ丸 平、吉田 尚史、永松 裕一、玉田 直己、平沼 永敏、佐々木義浩、觀田 学、
小林 憲恭、藤井 隆
赤穂市民病院 循環器科
【症例】72 歳、男性【主訴】なし(心電図異常)
【現病歴】62 歳時、健診で心電図異常
(II、III、aVF で ST-T 変化)を指摘され、当院紹介。運動負荷 Tl 心筋シンチでは、初
期像で下壁基部∼中部に欠損像を認め、遅延像で再分布を認めなかった。冠動脈造影で
は、有意狭窄を認めず、左室造影において、左室後壁での肉柱構造が粗造であった。経
胸壁心エコー図検査でも、左室後下壁の基部∼中部を中心とした肉柱形成を認め、左室
緻密化障害と考えられた。以後、定期的に外来通院していたが、70 歳頃より心不全症状
はないものの、徐々に BNP が上昇し、さらなる心電図変化(V5-6 での T 波陰転化)を
認めた。経胸壁心エコーでは、左室駆出率が以前と比較してわずかに低下していた。
【考
察】本症例は、左室緻密化障害の診断から経時的な観察が可能であった一例である。左
室での過剰な網目状肉柱形成と深い間隙を特徴とする疾患であるが、心尖部から左室中
部で緻密化障害を認めることが多く、本症例の様に、基部側に緻密化障害を認めること
は稀であるため、文献的考察を交えて報告する。
一般 Poster
P2-2-10
典型的な左室緻密化障害
中村 幸美1、水上 尚子1、野口 慶久1、湯之上真吾1、前之園隆一1、大園 七瀬1、小林 沙織1、
湯浅 敏典2、高崎 州亜2、堀添 善尚2、茶園 秀人2、植屋 奈美2、窪田佳代子2、木佐貫 彰2
1
鹿児島大学病院 臨床技術部 検査部門、2鹿児島大学病院 心臓血管内科
43 歳男性心房粗動の焼灼術目的で入院。左室側壁∼前壁、心尖部に深い間隙を伴う異常肉柱構造と壁運動低下を認め、心筋緻密化障
害が疑われた。肉柱層/緻密層 =4.1 であった。MRI でも特徴的な海綿状構造が確認された。
194
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P2-2-11
簡便な運動負荷心エコーが労作時息切れの診断に有効であった一例
千明 真弓1、宇野 漢成2、大門 雅夫1、中尾 倫子1、川田 貴之3、木村 公一3、李 政哲3、
廣川 愛美3、佐々木賀津乃1、岡野 智子1、宮崎 令子1、菅原 将代1、安東 恵1、竹中 克4、
矢冨 裕1
1
東京大学 医学部附属病院 検査部、2東京大学 医学部附属病院 コンピューター画像診断学/予防医学講座、
東京大学 医学部附属病院 循環器内科、4日本大学 板橋病院 循環器内科
3
症例は 71 歳男性。労作時息切れを主訴に他院を受診した。喫煙歴より肺気腫が疑われたが、胸部 CT、呼吸機能検査で異常所見は認
めなかった。狭心症を鑑別するために行われた冠動脈造影でも、冠動脈に有意狭窄は認めなかった。さらに労作時の息切れが強くなっ
たため、精査を希望して当院を受診した。12 誘導心電図は正常洞調律で 3-4LSB に Levine2/6 の収縮期雑音を認めた。心エコーでは
LVDd は 36mm と小さく、S 字状中隔で左室流出路圧較差は 12mmHg、推定右室収縮期圧は 23mmHg であった。Valsalva 負荷を行
うと、僧帽弁前尖収縮期前方運動(SAM)が顕在化し、左室流出路圧較差は 26mmHg に上昇した。さらに、患者の症状が最も顕著
な階段昇降を行って直後に心エコーを施行したところ、SAM はさらに顕著になり、左室流出路圧較差は 47mmHg に増大し、推定右
室収縮期圧は 46mmHg と肺高血圧を認めた。これらの所見より、患者の症状は労作によって誘発される左室流出路狭窄と肺高血圧
に起因すると考えられた。β 遮断薬の処方により症状は改善した。負荷心エコーは通常専用の負荷装置や薬剤を必要とするが、本症
例ではこれらの装置を用いなかった。さらに日常生活における主訴を再現した状況で症状を誘発し、得られたエコー所見が診断と治
療の決め手となった。息切れを訴える患者で安静時の心エコーで異常所見がない場合でも、本症例のように小さな左室と S 字状中隔
に起因する運動誘発性の左室流出路狭窄は、念頭におくべき鑑別疾患の 1 つである。特別な装置を用いずに症状を再現した状態で行っ
た心エコーが有用であった一例であり、報告する。
P2-3-1
S 字状中隔を伴う大動脈弁狭窄症における左室流出路径計測場所の妥当性に関する検討
遠藤 桂輔1、丸尾 健2、小室 拓也1、中村貴美子1、横田佳代子1、福 康志2、筑地日出文1、
門田 一繁2、光藤 和明2
1
公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 臨床検査科、
公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 循環器内科
2
【背景】大動脈弁狭窄(AS)に対し連続の式で大動脈弁口面積(AVA)を求める際,S 字状中隔症例では,左室流出路径(LVOTD)
の計測場所が困難である.そこで,S 字状中隔症例を伴う AS 症例において,連続の式を用い複数の LVOT の計測場所で AVA を評
価し,各々の計測場所における妥当性を CT と比較検討した.
【方法】S 字状中隔を伴う mild 以上の AS 患者 26 例を対象とした.連
続の式を用いて AVA 求める際に,LVOTD を大動脈弁基部の LVOTDbase,orifice から 5mm∼10mm での最大径 LVOTDmax,最小径
LVOTDmin と 3 カ所で計測し,各々から求めた AVA を AVAbase,AVAmax,AVAmin とした.また,造影 CT から AVA を Planimetry
【結果】AVACT(0.70±0.25cm2)より,AVAbase(0.61±0.20cm2,p=0.003)
,AVAmax(0.53
法で計測し AVACT とし,各々と比較した.
2
,AVAmin(0.44±0.15cm2,p<0.001)は,何れも有意に低値だった.AVACT と AVAbase(R=0.82,p<0.001),
±0.19cm ,p<0.001)
,AVAmin(R=0.78,p<0.001)は,何れも正相関を示したが,AVAbase の相関係数が最大だった.BlandAVAmax(R=0.80,p<0.001)
Altman 解析でも各々 Bias 0.09±0.14,0.17±0.15,0.27±0.16 と AVAbase が最も良好な結果だった.【結語】S 字状中隔症例では,大
動脈の基部で計測した LVOTD から得られた AVA が AS の重症度評価を行う際には適している可能性が示唆された.
一般 Poster
P2-3-2
大動脈弁狭窄症術後に生じる左室流出路狭窄を予測する因子についての検討
橋本 剛1、鈴木 真事1、吉川 尚男1、大塚 健紀1、楠瀬友季子1、山下 裕正2、飯島 雷輔1、
原 英彦1、諸井 雅男1、尾崎 重之2、中村 正人1、杉 薫1
1
東邦大学医療センター 大橋病院 循環器内科、2東邦大学医療センター 大橋病院 心臓血管外科
背景:大動脈弁狭窄症の外科的治療後に左室流出路狭窄を発症することがある。左室流出路狭窄は術後の血行動態に影響を及ぼし、
生命予後に影響を与えることが知られている。大動脈弁狭窄症に対する外科的治療後に左室流出路狭窄を呈した患者群の特徴や発症
予測因子について後ろ向きに検討した。方法:対象は手術適応のある大動脈弁狭窄症患者 67 例である。治療前にすべての症例に対し
経胸壁心エコー図検査、経食道心エコー図検査を施行した。標準的な心エコー指標の他、左室流出路の最小径(Minimal Diameter of
Left Ventricular Outflow Tract:MDOT)、Aorto-Septal Angle(ASA)
、外科的弁輪径等を計測した。術後に左室流出路狭窄を生じ
た群(16 例)と生じなかった群(51 例)の 2 群において各指標について比較検討した。結果:心室中隔厚(IVST)は狭窄群で有意
に厚かった(P=0.0039)
。MDOT は狭窄群で有意に小さかった(P=0.0025)
。外科的弁輪径は狭窄群で有意に小さかった(P=0.0467)
。
ASA に関しては両群に有意な差を認めなかった。ROC 曲線を作成しカットオフ値を算出したところ、IVST は 17.5mm で感度 43.75%、
特異度 94.12%、MDOT は 15.24mm で感度 87.50%、特異度 60.78%、外科的弁輪径は 21mm で感度 87.50%、特異度 34.78%であっ
た。結論:大動脈弁狭窄症術後に左室流出路狭窄を発症する予測因子として、IVST、MDOT、外科的弁輪径等を組み合わせること
で有用な予測指標となりうることが示唆された。
195
第26回日本心エコー図学会学術集会
P2-3-3
骨粗鬆症治療薬の大動脈弁狭窄症進展抑制効果における検討
森本 良子1、大門 雅夫1、宮崎彩記子1、圓山 雅己1、加藤 倫子2、大村 寛敏1、代田 浩之1
1
順天堂大学 循環器内科、2順天堂大学 心臓血管外科
【背景】高齢化社会において、大動脈弁狭窄症(AS)患者数が増加傾向にあり、その進展予防の介入は社会的急務である。スタチン
や、ACE 阻害剤は AS の進行抑制薬として期待されたが、有効性は証明されていない。AS の進行には、加齢、閉経、糖尿病、炎症
など多因子が関与しており、血中副甲状腺ホルモンの上昇やビタミン D の低下に伴う全身の Ca 代謝も影響している。これまでに骨
粗鬆症治療薬であるビスホスフォネート製剤は骨吸収を抑制し、Ca 代謝に影響を及ぼすことから、動脈硬化抑制効果が報告されてい
る。
【目的】骨粗鬆症治療薬が大動脈弁硬化、AS の進行を抑制するか検討すること。
【方法】当院外来の閉経後女性に対し、心エコー
図検査を施行し、大動脈弁硬化、AS 所見がある症例に骨塩定量を行い骨粗鬆症の有無を確認した。骨粗鬆症のある症例を、リセド
ロネートと活性型ビタミン D を投与する群と、対照群として活性型ビタミン D のみを投与する 2 群無作為割付し、3 年後の心エコー
図指標(大動脈弁平均圧較差;mean PG、大動脈弁口面積;AVA)を比較検討した。
【結果】リセドロネート群は 12 例(73±9 歳)、
対照群は 17 例(77±5 歳)
、初年度の mean PG はリセドロネート群で 12±12 mmHg、対照群で 9±5 mmHg と両群間で有意差はな
かった(p=0.072)
。しかし 3 年後リセドロネート群で 26±16 mmHg、対照群で 14±10 mmHg(p=0.148)
、AVA は 1.2±0.6cm2、1.4
【結語】今回の検討では両群とも進行を認
±0.7cm2(p=0.545)と、有意差はないもののリセドロネート群で進行する傾向にあった。
め、骨粗鬆症治療薬による抑制は認められなかった。AS の進行は多因子が関与しており、今後は症例数を増やし個々に応じた検討
が必要である。
P2-3-4
経カテーテル的大動脈弁留置術における経食道心エコーでの人工弁周囲逆流の簡易的半定量評価
田代 敦1、熊谷亜希子1、芳沢美知子2、阪本 亮平2、中島 祥文2、房崎 哲也2、森野 禎浩2、
中村 元行1、鎌田 武3、岡林 均3
1
岩手医科大学附属病院 心血管腎内分泌内科、2岩手医科大学附属病院 循環器内科、3岩手医科大学附属病院 心臓血管外科
【背景と目的】経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)において経食道心エ
コー(TEE)での大動脈弁周囲逆流(PVL)の評価は後拡張の判断に重要で
ある。しかし、長い金属フレームをもつ SAPIEN XT 弁の PVL 評価は、通
常の大動脈弁逆流の評価と異なり容易ではない。弁周囲逆流周囲長/弁綸周囲
長率も提唱されているが、迅速性が求められる術中評価には非現実的である。
そこで簡略化した PVL の半定量スコア評価を試みた。
【対象と方法】当院で
施行した TAVI の連続 12 例を対象にした。年齢は 72∼90 歳(平均 83 歳)
。
SAPIEN XT 生体弁 23mm 使用 5 例、26mm 使用 7 例であった。術中 TEE
の人工弁綸短軸像で、全周を時計同様に計 12 点として 0.5 点毎の半定量評価
を試みた。逆流なしを 0 点、全周性逆流は 12 点と定義した(図左 1.0 点・図右 5.0 点)
。
【結果】TAVI 直後の評価では PVL は 1.0 点
∼5.5 点(平均 2.4 点)の範囲であった。結果的に 2.5 点以上の PVL 全例(6 例)・平均 3.6 点で BAV が施行され、平均 2.3 点に改善
された。【結論】TAVI 術直後の TEE での PVL 評価には、逆流周囲長率を簡略化したスコアが有用と考えられた。
一般 Poster
P2-3-5
大動脈弁狭窄症弁置換術後の予後と術後早期の Global Circumferential Strain の関連
佐藤 希美1、瀬尾 由広2、川松 直人2、菅野 昭憲2、渥美安紀子2、山本 昌良2、針村 佳江2、
町野 智子2、川村 龍2、石津 智子2、青沼 和隆2
1
日立総合病院 循環器内科、2筑波大学 循環器内科
【目的】重症大動脈弁狭窄症(AS)の大動脈弁置換術後(AVR)後の予後と周術期の心エコー指標との関連について検討すること。
【方法】国内の 2 施設で 2008 年から 2013 年までの間に AVR が施行された 115 例の AS 症例を対象とし、術前、術後早期(10±3 日)、
術後遠隔期(435±208 日)の心エコー図検査結果を収集し左室 reverse remodeling、予後との関連を評価した。また、74 例は 2D ス
ペックルトラッキング法による Global longitudinal strain(GLS),Global circumferential strain(GCS)を評価し同様の検討を行っ
た。【結果】AVR 術後の経過中(952±561 日)に 5 例(4%)の死亡を認めた。左室心筋重量係数(LVMi)
、左室容積(LVEDV、
LVESV)は術後早期から低下を認め(術前 vs. 術後早期 vs. 術後遠隔期、LVMi;144±60 vs. 116±57 vs. 101±43 g/m2、p<0.001、
LVEDV;106±33 vs. 93±24 vs. 91±25 ml、p<0.001、LVESV;39±20 vs. 35±16 vs. 28±11 ml、p<0.001)、GLS は術後遠隔期に
改善を認めた(GLS;−18±5 vs.−16±5 vs.−21±4%、p<0.001)
。LVEF、左房容積係数、GCS は有意な改善を認めなかった。イ
ベント群では術後早期の LVEF、GCS が有意に低下(LVEF;53±12 vs. 64±8%,p=0.01,GCS;−15±3 vs.−27±7%,p=0.03)、
LVEDV、LVESV が有意に高値(LVEDV;122±17 vs. 92±24 ml,p=0.02,LVESV;59±20 vs. 34±15 ml,p=0.001)であった
が、術前・術後遠隔期のエコー指標は予後との関連を認めなかった。【結論】AVR 術後早期の GCS と予後との関連が示唆された。
196
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P2-3-6
動脈硬化性大動脈弁狭窄症患者における大動脈弁輪形態の特徴:3 次元経胸壁心エコー図検査を用
いた検討
藤井 彩乃1、和田 靖明1、有吉 亨1、田中 智子1、平山 香莉1、奥田 真一2、村上和華子2、
明連 武樹2、田中 伸明3、矢野 雅文2
1
山口大学医学部附属病院 超音波検査センター、2山口大学大学院医学系研究科 器官病態内科学、
山口大学大学院医学系研究科 病態検査学、4岩国市医療センター医師会病院
3
目的:三次元経胸壁心エコー図法(3DTTE)を用いて、大動脈弁輪(AA)
形態に影響する要因の動脈硬化進行による変化について検討する。方法:大
動脈弁狭窄症(AS)患者 50 例と心血管疾患のない患者(C)150 例を対象に
3DTTE を施行し、AA の最大径と最小径、Ellipsoid index(EI=1-AA 最小
径/AA 最大径)、Valsalva 洞径(VALd)、心室中隔と上行大動脈がなす角度
(SAA)を計測した。C 群は生活習慣病の有無により 2 群(有:C1、無:C2)
に分類した。結果:EI と有意な相関のあった計測項目を用いて重回帰分析を行ったところ、AS 群では EI の独立規定因子は認められ
なかったが、C1 群では年齢と SAA、C2 群では SAA と VALd/体表面積が EI の独立規定因子であった(上表)。結論:正常健常者
では心臓大血管構造が大動脈弁輪形態に影響しているが、動脈硬化の進行に伴ってその影響が弱まることが示唆された。
P2-3-7
エネルギー損失係数 ELCo 計測部位による大動脈弁狭窄症重症度の違いについての検討
紺田 利子1、谷 知子2、藤井 洋子1、中村 仁美1、三羽えり子1、川井 順一1、角田 敏明1、
菅沼直生子1、野本奈津美1、宮本 淳子1、中野 彩1、北井 豪2、金 基泰2、古川 裕2
1
神戸市立医療センター 中央市民病院 臨床検査技術部、2神戸市立医療センター 中央市民病院 循環器内科
大動脈弁狭窄症(AS)の診断には解剖学的弁口面積 geometric orifice area(GOA)や機能的弁口面積 effective orifice area(EOA)
を用いる.Gorlin の式の EOAG は,上行大動脈 AAo に拡大がない場合は圧回復現象にて連続の式の EOAC より大きくなる.EOAC
を上行大動脈断面積(AA)にて補正した energy loss coefficient(ELCo)は,EOAG と相関し境界領域(EOAC 0.75∼1.0cm2)で
AAo 拡大のない場合に適する.
【目的】AA は ST junction(STJ)径で算出するが,STJ 径に拡大なく AAo 径に拡大を認める症例
は,STJ 径での ELCo は真の弁口面積より大きく AS を過小評価しうる.今回 STJ 径に拡大はないが AAo 径に軽度拡大を認める AS
で ELCo による重症度評価を検討した.
【方法】対象は EOAC 0.7∼1.0cm2(GOA 0.77∼1.14cm2)
,STJ 径 3.0cm 未満,AAo 径(STJ
より 2cm 上部 Ao 内径)3.0∼4.0cm の AS 10 例.左室傍胸骨長軸像にて STJ 径・AAo 径を計測し各々の ELCo を比較検討した.
【結
果】STJ:ELCo 0.84∼1.28cm2,AAo 部位:ELCo 0.76∼1.10cm2 であり,GOA と比較し STJ では AS を過小評価する傾向を認め
た.STJ:ELCo>1.0cm2 かつ AAo 部位:ELCo<1.0cm2 の症例を 4 例認めた.
【結論】ELCo の計測には圧回復現象をふまえた大動
脈形態の関与を考慮する必要があり,さらなる検討が必要である.
左室駆出率が低下した重症大動脈弁狭窄症例において大動脈弁置換術後に惹起されるリバースリモ
デリング規定因子に関する検討
田中 悦子1、鈴木 駿輔2、浦山 直樹2、西川 伸一2、島田 俊夫2、坂本 裕樹1、坂口 元一3
1
静岡県立総合病院 循環器内科、2静岡県立総合病院 検査部 臨床検査科、3静岡県立総合病院 心臓血管外科
【背景】大動脈弁狭窄(AS)が進行すると,左室は求心性肥大/心筋線維化/左室駆出率(LVEF)低下等リモデリングを来す。重症
AS 症例に大動脈弁置換術(AVR)等を施行すると,病態の進行は止まり,増加した左室心筋重量係数(LVMI)が減少する等リバー
スリモデリングが生じることが知られている。AS 解除後も LVEF が回復しない症例があるが,心筋線維化も一因と考えられる。
【目
的】術前の LVEF が低下した重症 AS 症例を,AVR 後 LVEF 改善群/非改善群に分け,改善/非改善を規定する因子を統計学的に推
定し,当該因子の cutoff 値を求める。
【方法】当院心臓血管外科にて AVR を施行された,術前大動脈弁口面積(AVA)
<1.0cm2 かつ
LVEF<50%の重症 AS 症例のうち,冠動脈有意狭窄や重症 AS 他弁膜症合併のない 13 例を,AVR 後 LVEF 改善群(6 例)と非改
善群(7 例)に分けた。改善群は AVR 後 1 ヶ月以内に LVEF 増加(+5%<),非改善群は AVR 後 1 ヶ月以上経っても LVEF 不変
(±5%),または低下(-5%>)と定義した。心エコー法を用いて,AVA(連続の式)
,平均大動脈弁圧較差,LVMI,左室拡張終期
容量,LVEF,左房収縮終期容量を測定した。ロジスティック回帰分析/ROC 曲線より,上記規定因子を推定し,その cutoff 値を求
めた。【結果】AVR 時年齢,術前エコー指標のうち,LVMI のみ,術後 LVEF 改善/非改善に関連(p<0.001)していた。改善群/非
。Cutoff 値は,221g/m2 であった。
改善群の LVMI 値は,それぞれ 190±15g/m2,251±10g/m2 で,非改善群で大きかった(p<0.01)
【結論】術前 LVEF が低下した重症 AS 症例において,AVR 後の LVEF 改善/非改善を規定する因子は LVMI と考えられ,221g/m2
を超えると改善しにくくなることが示唆された。さらに症例を重ねて検討する。
197
一般 Poster
P2-3-8
第26回日本心エコー図学会学術集会
P2-3-9
重症大動脈弁狭窄症患者における大動脈基部の解剖学的特徴―3 次元経食道心エコー法による検討―
川井 順一1、谷 知子2、藤井 洋子1、紺田 利子1、中村 仁美1、三羽えり子1、角田 敏明1、
菅沼直生子1、野本奈津美1、北井 豪2、金 基泰2、伊藤 慎八2、笠本 学2、村井 亮介2、
吉澤 尚志2、山根 崇史2、江原 夏彦2、木下 愼2、加地修一郎2、古川 裕2
1
神戸市立医療センター中央市民病院 臨床検査技術部、2神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科
【目的】重症大動脈狭窄症(AS)における大動脈基部の解剖学的特徴について、3 次元経食道
心エコー図を用いて検討した。
【対象】対象は、AS 群(大動脈弁通過血流速度 Vp:4.4±1.1m/
sec)17 例とコントロール群:アブレーション施行前患者(Vp:1.5±0.4m/sec)13 例であっ
た。全例は洞調律で大動脈弁逆流が軽度であった。【方法】超音波診断装置は Philips 社製
EPIQ7C であり、3 次元計測によって収縮中期での大動脈弁輪、Valsalva 洞、ST junction の
各断面の長径、短径、周囲長、周囲面積および弁輪から左・右冠動脈の起始部までの距離を計
測して比較検討した。
【結果】結果を表に示す。AS 群は有意に高齢で BSA は小さかった。弁
輪部位での径や面積に有意差はなかったが、ST junction での計測値は AS 群でいずれも有意
に小さかった。弁輪部から左および右冠動脈までの距離にも有意差を認めた。
【結論】AS 症例
では弁輪部のみならず ST junction の形態も考慮すべきであると考えられる。
P2-3-10
大動脈弁狭窄症の術前後における心機能と形態の変化に関する検討:二尖弁例と三尖弁例の比較
安井 謙司1、湯田 聡2、川向 美奈3、村中 敦子3、大久保亜友美1、村井 麻衣1、藤田 美紀1、
佐藤 保美1、大井由紀子1、阿部記代士1、淺沼 康一1、橋本 暁佳3、樋上 哲哉4、三浦 哲嗣3
1
札幌医科大学附属病院 検査部、2札幌医科大学 医学部 臨床検査医学講座、
札幌医科大学 医学部 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座、4札幌医科大学 医学部 心臓血管外科学講座
3
【目的】大動脈弁狭窄症(AS)での術後早期および慢性期の心機能と形態の変化については、不明な点が少なくない。そこで、三尖
弁 AS(TAV)と二尖弁 AS(BAV)に分け、その差異について検討した。
【対象および方法】2011 年 1 月から 2014 年 9 月までに大動脈弁置換術を施行し、術前および術後早期(平均 10 日)で心エコー検査
を実施し得た AS50 例(年齢 71±12 歳、男性 24 例)を対象とした。さらに 14 例(年齢 75±14 歳)は、慢性期(術後平均 17 ヶ月)
に心エコー検査を施行した。手術所見より TAV 群(39 例、年齢 75±8 歳)と BAV 群(11 例、年齢 60±16 歳)に分類し、術前後
の心機能と形態の変化の程度を検討した。僧帽弁輪運動速度(e )は、中隔側と側壁側の平均値を用いた。なお、心房細動合併例、
冠動脈バイパス術や僧帽弁形成術の同時施行例は検討から除外した。
【結果】1)TAV 群に比べ、BAV 群は若年(p<0.01)であり、e および大動脈弁口面積はいずれも高値(p<0.01)を示した。また、
TAV 群の上行大動脈(Ao)径は大きく(p<0.01)
、Ao 径 40mm 以上の拡大例を高頻度(3% vs. 55%、p<0.01)に認めた。2)術後
早期では、術前に比べ、TAV 群の e (p<0.01)は改善した。3)慢性期では、両群とも術前に比べ、左室心筋重量(p<0.05)は減少
し、e (p<0.01)は改善を示した。4)術前と比べ、術後早期および慢性期における各心形態、機能指標の変化度には、両群間で差異
を認めなかった。
【結語】TAV 群に比べ BAV 群の左室拡張能は保持され、Ao は拡大していたが、術後早期および慢性期での心機能と形態指標の変化
度に差異は認めなかった。
一般 Poster
P2-4-1
非弁膜症性心房細動例において軽度の僧帽弁逆流は予後に影響を及ぼすか?
今井孝一郎1、山田亮太郎1、久米 輝善1、根石 陽二1、吉田 清2、大倉 宏之1
1
川崎医科大学 循環器内科、2心臓病センター榊原病院
【背景】虚血性心疾患では、たとえ軽度であっても僧帽弁逆流(MR)を合併するとその予後は不良である。非弁膜症心房細動(NVAF)
例でも、心エコー図で軽度の MR を合併する例は多い。しかしながら、軽度の MR が予後に影響するか否かについては不明である。
【目的】NVAF 例において、軽度の MR が予後に影響するか否かについて明らかにすること。
【方法】対象は NVAF263 例であった。
MR 合併例(M 群、182 例)と非合併例(N 群、81 例)に分類し、両者の心イベントを Kaplan-Meier 法にて比較した。心イベント
は心臓死+心不全による入院とした。
【結果】M 群は N 群に比べ有意に高齢であった(p=0.01)。心エコー図所見では M 群に三尖弁
逆流の合併が有意に多かった(82% vs. 59% p<0.01)
。左房径や左室駆出率には両群に差は認めなかった。観察期間(平均 2.5 年)中
の心イベント回避生存率は M 群で低い傾向にあったが、有意差にはいたらなかった(Log rank p=0.08)。
【結語】NVAF 例におい
て、軽度の MR が予後に影響するとの結論は得られなかった。
198
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P2-4-2
正常心に生ずる僧帽弁の加齢変化についての検討
井上 洋平1、渡邉 望2、西野 峻2、木村 俊之2、柴田 剛徳2、吉田 清3、栗山 根廣2、
足利 敬一2、野出 孝一1
1
佐賀大学 医学部 循環器内科、2宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科、3岡山心臓病センター榊原病院 循環器内科
【背景】近年、臨床上問題となる僧帽弁狭窄の原因として、非リウマチ性の弁硬化・石灰化があるこ
とがわかってきている。【方法】心血管疾患のない正常心 194 例(0-97 歳;57±24 歳)を対象とし、
経胸壁心エコー図傍胸骨長軸像拡大図を記録し計測を行った。僧帽弁の硬化・柔軟性の指標として、
1)僧帽弁前尖拡張期最大開口時の厚み(MV-thickness)および 2)収縮期の僧帽弁前弁輪部と弁尖
tip を結んだ直線ラインから前尖の弁葉カーブ頂点までの長さ(MV-bending height)を計測した。
【結果】MV-thickness と MV-bending height は 20 歳まで body surface area(BSA)に依存して上昇
したが 20 歳以上にでは MV-thickness/BSA は年齢と正の相関を示した(r=0.39)。一方で MV-bending
height/BSA は年齢と負の相関を示した(r=-0.48)。【結論】正常心に置いて、僧帽弁は加齢に伴い厚
みを増し、柔軟性が低下していることが示唆された。僧帽弁の加齢変化は、非リウマチ性僧帽弁狭窄
のメカニズムを理解する上での重要な所見であると思われた。
P2-4-3
維持血液透析が僧帽弁に与える影響:断層心エコー図の指標を用いての検討
津守 容子1、渡邉 望2、黒木 恵美3、清 真由美3、福田 智子4、鬼塚 久充4、山田 和弘1、
渡邊 玲子1、平山 直輝1、松尾 剛志1
1
宮崎江南病院 内科、2宮崎市郡医師会病院心臓病センター 循環器内科、3宮崎江南病院 検査部、
宮崎大学医学部附属病院 第一内科
4
維持血液透析患者においては非透析患者に比較し石灰化弁の頻度が高く心臓関連イベントの risk factor であることが報告されてい
る。近年大動脈弁に関しては多くの研究がなされ、透析患者群では非透析患者群に比較して狭窄が急速に進行するグループがあるこ
と等が報告されている。しかし僧帽弁に関しては詳細な検討がなされていない。
【目的】維持血液透析が僧帽弁に及ぼす影響を明らか
にすること。
【方法】当院で維持血液透析中の入院患者 40 名(男性 24、女性 16、平均 72.8±8 歳)の透析中日の経胸壁心エコー図検
査を施行し 1)傍胸骨長軸断面像にて僧帽弁前尖の中央の厚み(MV 厚)
、2)連続波ドプラ(CWD)で計測した僧帽弁通過血流の最
高流速値、また 3)連続の式を用いて僧帽弁弁口面積を計測した。対象として非透析患者 51 名(男性 28、女性 23、平均 59.1±18 歳)
も同様に計測を行い両群間での比較検討を行った。心房細動、重症の僧帽弁逆流、大動脈弁逆流症例は除外した。
【結果】1)MV 厚:
透析群 2.69±0.69mm、非透析群 2.37±0.50mm(P=0.031)
、2)CWD 最高流速値:透析群 122.8±30.9cm/sec、非透析群 102.5±24.6cm/
sec(P=0.0019)、3)連続の式による僧帽弁弁口面積:透析群 2.61±1.37cm2、非透析群 2.97±1.2cm2(P=0.017)であり透析群におい
て非透析群より有意に MV 厚が厚く CWD の最高流速値が早く、弁口面積が小さかった。透析群での検討では透析期間が長い方が
MV 厚が厚く、連続の式による弁口面積が小さい傾向があった。【結語】維持血液透析は僧帽弁 leaflet の硬化を進める可能性が示唆
された。非リウマチ性動脈硬化性僧帽弁狭窄のメカニズムとしての血液透析の関与も考えられ今後のさらなる検討が必要と思われた。
一般 Poster
P2-4-4
心房細動に伴う僧帽弁逆流の機序:3 次元経食道心エコー図検査を用いた検討
古川 敦子1、伊東 風童2、阿部 幸雄1、赤松加奈子1、加川 俊介1、松下 司1、吉山 智貴1、
柚木 佳1、占野 賢司1、中川英一郎1、小松 龍士1、土師 一夫1、嶋田 芳久2、成子 隆彦1、
葭山 稔3、吉川 純一4
1
大阪市立総合医療センター 循環器内科、2春秋会 城山病院、3大阪市立大学医学部 循環器病態内科学、
西宮渡辺心臓血管センター 循環器内科
4
【背景】心房細動(AF)患者において,左室収縮能が保たれているにも関わらず,機能性僧帽弁逆流(MR)が生じることがある.
【目的】3 次元経食道心エコー図検査(3DTEE)を用いて,AF 患者において生じる機能性 MR と,左房拡大や僧帽弁の構造変化の関
係を明らかにすること.
【方法】左室駆出率>50%で,中等度以上の非器質性 MR を有する 10 名の AF 患者を対象とした.収縮期に
おける僧帽弁の構造を 3DTEE にて解析した.それらを MR を伴わない 10 名の AF 患者群と比較した.【結果】MR 群において,左
.3DTEE において,3D 弁輪長が MR 群で有意に長かっ
房容積係数は有意に大きかった(67±24 ml/m2 vs. 34±13 ml/m2,p<0.01)
た(119±15 mm vs. 102±12 mm,p<0.01)
.また,弁輪と前尖の角度は有意に小さかった(10.4±4.7°vs. 24.2±10.2°
,p<0.01)
.
そして,弁輪と後尖の角度は 2 群間で有意差はなかったが,弁輪と後尖先端との角度は MR 群で有意に大きかった(23.5±8.5°vs. 28.7
±7.6°,NS,60.4±11.7°vs. 44.4±9.9°,p<0.01).
【結語】左室収縮能が保たれているにも関わらず,左房が拡大して MR が生じてい
る AF 患者では,僧帽弁輪は拡大して前尖は平らになっている.その一方で後尖は折れ曲がって立っている.この結果は,左房拡大
によって生じる僧帽弁後尖の hamstringing という古典的概念に合致している.
199
第26回日本心エコー図学会学術集会
P2-4-5
僧帽弁逸脱症における経胸壁心エコー図所見と手術所見の比較検討
秋吉 妙美1、琴岡 憲彦2、小松 愛子2、坂本 佳子2、浅香真知子2、多胡 素子2、秋吉 重康2、
梅木 俊晴3、森田 茂樹4、野出 孝一2
1
佐賀大学 ハートセンター、2佐賀大学 循環器内科、3佐賀大学 検査部、4佐賀大学 心臓血管外科
【背景】近年、僧帽弁形成術の手技が確立され、第一に推奨される外科手術となったことにより、術前検査でより正確な逸脱部位の評
価を行うことが必要とされている。
【方法】2007 年より 2014 年 10 月までに僧帽弁逸脱による僧帽弁閉鎖不全症で僧帽弁形成術を行っ
た 87 例(108 部位、平均 64±13 歳、男性 70%)を対象とし、Carpentier 分類に基づいて僧帽弁を 8 領域に分類し、術前経胸壁心エ
コー図所見と術中所見を比較した。
【結果】単独逸脱 65 例(75%)、複数同時逸脱 22 例(25%)であった。逸脱部位別では C1:5 例、
C2:8 例、A1:6 例、A2:13 例、A3:12 例、P1:11 例、P2:34 例、P3:19 例と、前尖 31 例に対して後尖 64 例と後尖の逸脱が多
く、P2 逸脱が最も多かった。術中所見と心エコー図検査所見の逸脱部位が完全に一致していた症例 56 例(64%)、部分一致 21 例
(24%)、不一致 10 例(12%)であった。腱索断裂の有無では 66 例(76%)が一致し、21 例(24%)が不一致であった。逸脱部位にお
いて完全一致しなかった 31 例の内訳は、逸脱範囲が異なるもの 11 例、癒合等の通常と形態が異なった症例 8 例、交連部の誤認 8 例、
副病変の不一致 2 例、隣接する領域と誤認したもの 2 例であった。
【結論】僧帽弁逸脱部位の評価において、心エコー図所見は術中所
見と概ね合致していたが、主病変と隣接する領域の逸脱の有無や、癒合や著明に伸長した弁、交連部や隣接する弁の逸脱を判断する
ときには部位の判断を誤ることがあるので注意を要する。
P2-4-6
僧帽弁逸脱による高度僧帽弁逆流における腱索断裂の僧帽弁輪への影響
横田佳代子1、丸尾 健2、川原 瑞紀1、宮井亜由美1、中村貴美子1、遠藤 桂輔1、小室 拓也1、
筑地日出文1、福 康志2、小宮 達彦3、門田 一繁2、光藤 和明2
1
公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 臨床検査技術部、
公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 循環器内科、
3
公益財団法人 大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 心臓血管外科
2
【背景】僧帽弁逸脱による高度僧帽弁逆流(MR)では,多くの症例で弁輪拡大を伴う.しかし,腱索断裂の有無で弁輪拡大に違いが
あるかは明らかではない.そこで,僧帽弁逸脱において弁輪の大きさを 3D 経食道心エコー(3D-TEE)を用いて計測し,腱索断裂の
有無での差を検討した.
【方法】僧帽弁逸脱による MR のため手術適応となった 91 例を対象とした.術前に 3D-TEE を施行し 3 次元
的に僧帽弁輪の再構築を行い、僧帽弁輪面積(MAA)を計測した.また,経胸壁心エコーから左室拡張末期容積(EDV)
、収縮末期
容積(ESV)、拡張末期径(LVDd)、収縮末期径(LVDs)
,駆出率(LVEF)
,左房容積(LA volume)を計測した.EF 以外の各数
値は全て BSA 補正をした.T 検定を用い,腱索断裂の有無での有意差を比較した.【結果】91 例中 60 例で腱索断裂を認めた.断裂
無し群は断裂有り群と比較して MAA(792±225 vs. 644±114cm2/m2,p<0.001),ESV(31±16 vs. 26±11ml/m2,p=0.037)は大き
く、LVEF(62±7.6 vs. 66±7.8%,p=0.037)は小さかった.【結論】腱索断裂無し群の方が左室拡大、収縮能低下傾向が見られ、僧
帽弁輪面積がより拡大していた.このことから腱索断裂無し群の方が,手術に至るまでの罹患期間がより長いことが推測された.
一般 Poster
P2-4-7
経胸壁心エコーおよび経食道心エコーによる三尖弁逆流の評価
多羅尾健太郎1、宮崎 彰1、中村 精岳1、井上 寿久1、田永 幸正1、孫 慶淑2
1
千葉県循環器病センター、2千葉大学医学部附属病院麻酔疼痛緩和医療科
僧帽弁や大動脈弁など左心系の弁膜症手術において、三尖弁輪形成術や三尖弁置換術の付与の決定は非常に重要である。日本循環器
学会のガイドラインでは高度の三尖弁逆流がある場合、僧帽弁との同時初回手術における三尖弁輪形成術の適応となっている。手術
方式の決定には三尖弁逆流の重症度や三尖弁輪径により適応が考慮されるが、三尖弁逆流においてはその重症度評価が難しい。一般
的には術前には経胸壁心エコーを用いるが、経食道心エコーと比較し検出される重症度に差があることに着目した。本研究では経胸
壁心エコーと経食道心エコーによる三尖弁逆流の評価がどの程度異なるかを後ろ向きに検証した。方法は 2013 年 4 月より 2014 年 3
月までに当院で三尖弁輪形成術を行った症例において術前の経胸壁心エコーと術前の経食道心エコーによる Vena contracta の値を
比較した。結果は Vena contracta による重症度評価において、経胸壁心エコーに比較して経食道心エコーが平均で 3.9mm 過小評価
すると考えられ、経食道心エコーによる三尖弁重症度評価にはより注意が必要であると思われた。
200
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P2-4-8
一尖弁による重症大動脈弁狭窄症に冠動脈起始異常を合併した一例
江口 春樹、朴 美仙、吉田 雅昭、鈴木 慎介、井本 宏治、園山 一彦、河端 哲也、小田 強
島根県立中央病院 循環器科
小児期に心臓弁膜症を指摘された既往がある 42 歳男性。労作時呼吸苦を主訴
に当院を受診。胸部レントゲン写真で肺うっ血を認め、経胸壁心エコー検査
にて二尖弁による重症大動脈弁狭窄症が疑われ当科入院となった。入院後に
施行した経食道心エコー検査(TEE)では、弁尖は高度に石灰化しており、
左冠尖-右冠尖と右冠尖-無冠尖に raphe を認め、一尖弁が疑われた(図)。ま
た、左冠尖から 2 本の独立して分岐する冠動脈を認めた。その後施行した心
臓 CT や冠動脈造影検査でも同様の所見を認め、後日心臓血管外科にてベン
トール手術が施行された。術中所見でも大動脈弁は左冠尖と無冠尖の間にの
み交連が存在する一尖弁であった(図)。左冠動脈は左前下行枝と回旋枝が独
立して左冠尖から分岐しており、Carrel パッチを用いて再建した。TEE によ
る詳細な検討によって術前に一尖弁 + 冠動脈起始異常と診断された症例を経験した。若年者の大動脈弁疾患をみた場合、弁尖数や合
併奇形などについて、より詳細な術前評価が必要であると考えられた。
P2-4-9
ムコ多糖症に合併した大動脈弁・僧帽弁狭窄を酵素補充療法下に心エコー図で観察した成人二症例
穂積 健之1、田中あけみ2、藤田澄吾子3、伊藤 朝広3、岩田 真一3、松村 嘉起3、杉岡 憲一3、葭山 稔3
1
和歌山県立医科大学 循環器画像動態診断学、2大阪市立大学 医学部 小児科、3大阪市立大学 医学部 循環器内科
【はじめに】ムコ多糖症(MPS)は、ライソゾーム中のムコ多糖分解酵素が先天的に欠損することにより、全身臓器にムコ多糖の蓄
積をきたす疾患である。心病変としては、大動脈弁や僧帽弁の肥厚・硬化・弁の開放制限等がみられうる。今回、大動脈弁狭窄(AS)
および僧帽弁狭窄(MS)を有する成人 MPS2 例において、酵素補充療法(ERT)下に、心エコー図にて弁病変の経過を評価したの
で報告する。
【症例 1】41 歳男性。MPS I 型(Scheie 病)にて、ERT が開始された。治療前心エコー図では、左室の内径・壁厚・壁
運動は正常範囲(Dd 44mm,DS 30mm,IVS 9mm,PW 9mm)だが、大動脈弁最高流速(maxAV)3.1m/s、大動脈弁口面積(AVA)
1.4cm2 の AS、僧帽弁口面積(MVA)1.7cm2、左房―左室平均圧較差(mMVPG)4mmHg の MS を認めた。治療開始 5 年後の心エ
コー図では、1)AS については、maxAV(3.8m/s)と AVA(1.1cm2)に進行がみられたが、2)MS については、MVA(1.6cm2)と
mMVPG(3mmHg)に著変みられなかった。【症例 2】61 歳男性。MPS II 型(Hunter 病)にて、ERT が開始された。治療前心エ
コー図では、左室拡大と左室肥大を認めるも、壁運動は正常であった(Dd 56mm,DS 34mm,IVS 14mm,PW 13mm)。弁につい
。治療開始 6 年後の心エコー図
ては、AS(maxAV 3.0m/s,AVA 1.4 cm2)および MS を認めた(MVA 1.7cm2,mMVPG 6mmHg)
では、1)AS については、maxAV(3.5m/s)と AVA(1.2cm2)に進行がみられたが、2)MS については、MVA(1.7cm2)と mMVPG
(6mmHg)に著変みられなかった。
【総括】酵素補充療法 5∼6 年後の AS および MS の経過を心エコー図で評価した成人ムコ多糖症
の 2 例を経験したので報告する。
一般 Poster
P3-1-1
整形外科手術後に発症した感染性心内膜炎(IE)の 2 症例
福嶋 友孝1、岡田 昌子2、森 智美1、長濱 大介1、植島 里佳1、北田 弘美1、小川 恭子1、
寺本 美穂1、藤井 弘通3、笹子 佳門3
1
JCHO 大阪病院 中央検査室、2JCHO 大阪病院 臨床検査科、3JCHO 大阪病院 心臓血管外科
<症例 1>70 代女性、2011 年 11 月左全人工膝関節置換術後。2013 年 10 月に全身倦怠感、微熱が出現。11 月に左膝の腫脹、熱感を
認め、左人工関節感染と診断され入院。血液ならびに関節液培養で Streptococcus anginosus を検出し、第 5 病日に膝関節再置換術
を施行。心不全を来し、血液培養陽性であっため、第 7 病日に経胸壁心エコーを施行。僧帽弁に可動性腫瘤性病変と高度逆流を認め
た。感染性心内膜炎(IE)の診断にて緊急弁置換術となった。<症例 2>60 代男性、2012 年 11 月腰部脊柱管狭窄症に対して腰椎椎
体間固定術施行。12 月 38 度の発熱、腰痛にて入院。血液培養にて Enterococcus faecalis を検出、CT・MRI にて左腎嚢胞内感染、
椎間板炎、左腸腰筋膿瘍を認めた。第 6 病日に施行した経胸壁心エコーにて大動脈弁無冠尖の穿孔と中等度大動脈弁逆流を認めた。
腸腰筋膿瘍に対して 4 週間抗生物質による治療を継続し、大動脈弁に対して手術を施行する予定であったが、第 25 病日に心不全のた
め血行動態が維持できなくなり準緊急の弁置換術となった。<考察>2 例とも整形外科領域の術後であり、局所感染徴候があり、整
形外科的な術後感染を第一に疑った。しかし、入院時より血液培養陽性であり、IE が疑われる起因菌を検出、全身検索を同時に進め
たところ IE を併発していた。IE に対する手術は、人工弁感染の危険性ならびに心不全の増悪と塞栓症の危険性について考慮せねば
ならず、特に 2 例目では手術時期の判断が困難であった。整形外科的感染症を併発した IE の診断ならびに治療の特徴について考察
した。
201
第26回日本心エコー図学会学術集会
P3-1-2
感染性心内膜炎による僧帽弁置換術後に形成した僧帽弁輪部仮性瘤の一例
木下 ゆい1、今村華奈子1、安田 久代1、堀端 洋子2、穴井 聡子1、後藤 友紀1、池田 勝義1、
大林 光念1、安東由喜雄1
1
熊本大学医学部附属病院 中央検査部、2国立療養所 菊池恵楓園 内科
【はじめに】感染性心内膜炎は心内膜に疣腫を形成し、弁破壊や全身の塞栓症などの合併症を起こしうる重篤な疾患である。今回、感
染性心内膜炎に対する人工弁置換術後に、左房内穿破を来した僧帽弁輪部仮性瘤の診断に、心エコー図検査が有用だった一例を経験
したので報告する。
【症例】24 歳、女性。薬物注射による感染性心内膜炎の為、過去二度(20 歳、22 歳時)にわたる僧帽弁置換術(生体弁)を受けてい
た。その後再燃なく経過していたが、再手術 1 年後に心房性頻脈が持続し、アブレーション目的で当院紹介受診となった。初診時の
経胸壁心エコー図検査で僧帽弁輪周囲に Echo free space を認め、左室より同部位に流入する血流シグナルが観察された。経食道心
エコー図検査で、左室下後壁側に 25×30 mm 大の Echo free space を認め、同部位から左房内へ Vmax=4.5 m/s の高速血流が観察さ
れた。さらに左室と両方向性の血流シグナルを認め、仮性瘤は左房・左室の両方に交通していると思われた。後の経胸壁心エコー図
検査でも同様の所見を認め、胸部 CT 上、心基部僧帽弁下方に左室と交通する径 30 mm、径 12 mm の 2 つの嚢状仮性瘤を認めた。
【考察】経胸壁心エコー図検査では人工弁によるアーチファクトにより、左房と交通する血流シグナルの検出は評価困難であった。し
たがって多断面より評価することが必須で、評価困難例には積極的に検出感度のよい経食道心エコーで評価することが望ましい。
【結語】感染性心内膜炎に対する人工弁置換術後の心エコー図検査においては、仮性瘤などのまれな合併症も念頭に置き、異常血流に
ついて注意深く観察する必要がある。
P3-1-3
periannular extension を合併した感染性心内膜炎の一例
子安 正純
安城更生病院 循環器内科
症例は 60 歳台前半の男性、主訴は発熱。既往歴に高血圧、脂質異常症にて内
服中。2014 年 5 月上旬、発熱にて近医を受診、抗生剤内服にて改善せず当院
へ紹介受診となる。CRP 30.0 mg/dl と著明な炎症反応を認め、胸腹部単純
CT にて心嚢内の左房とバルサルバ洞の間に微小な air を伴う高吸収域を認
め、心嚢内膿瘍の疑いにて当科コンサルトとなる。その直後、意識障害を認
め、頭部 MRI にて急性期脳梗塞を認めた。経胸壁心エコーにて大動脈弁二尖
弁、AVA 0.94cm2(連続の式)とバルサルバ洞外側に膿瘍の疑いあり、同日
心臓 CT 検査を施行、左房腹側に一部血流を認めた。意識障害にて経食道心
エコーは施行できず、periannular extension を合併した感染性心内膜炎から
の左房瘻と判断し、第 3 病日に膿瘍ドレナージ術、若しくはベントール術の
予定となるも、手術当日に心不全が増悪、NPPV 装着し手術開始となる。術
中経食道心エコーにて左房解離とバルサルバ洞左房瘻を認めた。血性心嚢水
排液とドレーン挿入したところで心室細動、心停止となり、心肺蘇生を施行
するも心拍は再開せず、永眠された。
一般 Poster
P3-1-4
三尖弁に疣腫を認めた感染性心内膜炎の 1 例
樋口 貴哉1、赤坂 和美1、吉田千佳子2、柳谷 貴子1、中森 理江1、藤井 聡1
1
旭川医科大学病院 臨床検査・輸血部、2旭川医科大学病院 リハビリテーション科
症例は 70 歳代女性。平成 25 年 9 月に大腸憩室穿孔性腹膜炎の手術を前医にて施行された後、10 月下旬より発熱が出現し全身状態が
悪化した。三尖弁に疣腫を認める感染性心内膜炎と敗血症性肺塞栓症の診断にて、11 月に当院心臓外科に転院となった。転院翌日に
施行した経胸壁心エコー図検査(TTE)では、三尖弁の全ての弁尖全体に付着し、弁尖と一塊となっている疣腫を認めた。疣腫は表
面不整であり、一部には可動性を有していたが、心窩部走査においてのみ描出可能であったため、三尖弁の詳細な観察は困難であっ
た。弁輪部膿瘍は明らかではなく、三尖弁逆流は中等度であった。転院 5 日目に施行した経食道心エコー図検査(TEE)でも TTE
同様の所見であったが、疣腫と三尖の関係や病変の解剖学的把握に 3D-TEE が有用であった。血液培養よりメチシリン耐性黄色ブド
ウ球菌が検出され、抗生剤治療の開始から約 1 か月後に生体弁による三尖弁置換術が施行された。手術所見では三尖ともに多数の疣
贅を伴い高度の炎症性変化を認めたが、弁輪は比較的保たれていた。感染性心内膜炎の 5∼16%が右心系のみに所見を有し、先天性
心疾患合併例やデバイス関連、薬物常習者において高率とされるが、それ以外での報告も散見される。また、3D-TEE が三尖弁の疣
腫の観察に有用であることも指摘されており、若干の文献的考察を加えて報告する。
202
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P3-1-5
二次孔欠損型心房中隔欠損症に合併した肺動脈弁感染性心内膜炎の 1 例
宮島 佳祐、若林 康、大谷 速人、佐藤 亮太、高木 友誠、谷 信彦、榊原 智晶、生駒 剛典
聖隷三方原病院 循環器内科
【症例】27 歳男性。今まで心疾患を指摘されたことはなかった。平成 26 年 6 月上旬より発熱、胸痛が出現した。近医で感冒疑われ解
熱剤を処方されたが症状は改善しなかった。WBC 12960/μL CRP 21.9/mg/dL と炎症反応高値を認めたため当院紹介となった。身体
所見では明らかな心雑音は聴取されなかった。胸部 CT で両肺野に多発する結節影を認めたため精査加療目的で入院となった。肺結
節影は末梢に多発しており、一部空洞化・血管陰影の引き込みを認めており敗血症性肺塞栓として矛盾のない所見であった。血液培
養よりメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)が検出され、MSSA による敗血症性肺塞栓であると考えられた。右心系感染性心
内膜炎を疑い経胸壁心臓超音波検査、経食道心臓超音波検査を施行したところ二次孔欠損型心房中隔欠損症(ASD)と肺動脈弁に付
着する 6×10mm 大の疣腫の付着を認めた。その他の弁には疣腫の付着を認めなかった。エコー上 ASD の欠損孔は 5mm、Qp/Qs は
1.15 であった。MSSA による肺動脈弁感染性心内膜炎と診断しセファゾリン、ゲンタマイシンの投与を開始した。抗生剤投与により
発熱、炎症反応は速やかに改善し血液培養も陰性化し第 38 病日退院となった。本人の希望もあり保存的に経過観察としているが発熱
の再燃なく、現在経過は良好である。右心系感染性心内膜炎は感染性心内膜炎の感染性心内膜炎の 5-10% と報告されているが、三尖
弁が感染部位となっている事が多く肺動脈弁のみに限局した感染性心内膜炎は稀である。二次孔欠損型心房中隔欠損症に合併した肺
動脈弁感染性心内膜炎の 1 例の非常に稀な 1 例を経験したため報告する。
P3-1-6
感染性心内膜炎により僧帽弁瘤穿孔を来たした一例
仙石 薫子1、大西 俊成1、大谷 朋仁1、齋藤 佑記1、木岡 秀隆1、勝木 桂子2、森本裕美子2、
藤田麻理子2、中谷 敏4、澤 芳樹3、坂田 泰史1
1
大阪大学大学院 医学系研究科 循環器内科学、2大阪大学医学部附属病院 超音波センター、
大阪大学大学院 医学系研究科 心臓血管外科学、4大阪大学大学院 医学系研究科 機能診断学講座
3
症例は 66 歳男性。63 歳時に化膿性脊椎炎の既往あり。2 週間前より腰痛および 38℃を超える発熱が持続したため、近医を受診した
ところ、MRI 検査にて化膿性脊椎炎の再発と診断された。また、経胸壁心エコー図にて、重度の僧帽弁逆流と疣腫様エコーの付着を
認めたため、感染性心内膜炎の疑いにて、当院へ転院となった。当院で施行した経食道心エコー図では、僧帽弁前尖 A2 領域に穿孔
を伴う弁瘤と同部位より重度の僧帽弁逆流を認めた。また、中等度の大動脈弁逆流があり、逆流ジェットが僧帽弁前尖の弁瘤に当たっ
ている状態であった。さらに血液培養よりグラム陽性球菌が検出されたため、感染性心内膜炎による僧帽弁の弁瘤穿孔と診断され、
外科的手術となった。手術所見では、僧帽弁前尖 A2 領域の rough zone に、中心部に穿孔を伴った隆起状の瘤(6×5mm)を認め
た。また、大動脈弁には疣腫の付着はないものの、無冠尖に小さな穿孔とその周囲の肥厚を認めた。僧帽弁に対して弁瘤切除後自己
心膜パッチによる僧帽弁形成術を、大動脈弁に対しては大動脈弁置換術(Epic-23mm)を施行した。今回、感染性心内膜炎により僧
帽弁瘤穿孔を来たした一例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。
一般 Poster
P3-1-7
術後 2 ヵ月以降に急激に疣贅が出現した人工弁感染性心内膜炎の一例
前澤 秀之1、江波戸美緒1、辻内 美希1、倉田 征昭1、水上 拓也1、久野 越史2、田辺 彩夏1、
池田 尚子1、前田 敦雄1、北井 仁美4、礒 良崇2、竹内 晋3、田中 弘之3、鈴木 洋1
1
昭和大学 藤が丘病院 循環器内科、2昭和大学 藤が丘リハビリテーション病院 循環器内科、
昭和大学 藤が丘病院 心臓血管外科、4昭和大学 藤が丘病院 臨床検査部
3
症例は 75 歳女性。高血圧、脂質異常症に加え、2010 年に狭心症のため冠動脈ステント留置術(PCI)を施行した既往がある。2014
年より労作時息切れおよび胸部圧迫感が出現し、大動脈弁狭窄症が進行していたため、同年 7 月某日に大動脈弁置換術(AVR)を施
行した。術後第 22 病日頃より発熱を認め、術後第 25 病日の血液培養で Staphylococcus epidermidis (CNS)が検出された。経胸壁
心エコー検査(TTE)で明らかな疣贅を認めなかったが、人工弁感染性心内膜炎に準じて抗生剤治療を行った。血液培養は陰性化し
たが、発熱が持続するため定期的な TTE を施行するも人工弁の圧較差の軽度増大(peak PG 32mmHg、mean PG 19mmHg)を認め
るのみであった。抗生剤投与を 30 日間行うも微熱が続いたため、術後 58 病日に経食道心エコー検査(TEE)を施行したが疣贅を認
めなかった。術後 79 病日より労作時胸部圧迫感を、術後 83 病日には持続性胸痛となり、心電図で下壁誘導の ST 上昇を認めた。さ
らに TTE で下壁の壁運動低下に加え、生体弁に 13mm 大の可動性疣贅が付着しており、圧較差は著明に増大(peak PG 101mmHg、
mean PG 68mmHg)していた。緊急心臓カテーテルで右冠動脈 seg.3 の完全閉塞に対し PCI を施行した。TEE では人工弁の弁基部
に可動性に富む塊状疣贅が収縮期に大動脈弁輪に嵌り込む状態であった。そのため術後 90 病日に 2 回目の AVR を施行した。術中所
見では弁輪の大動脈側に 10mm 程度の疣贅、および左室側に 20mm 以上の塊状疣贅を認めた。術後約 2 ヵ月目に経食道心エコー検査
で疣贅がないのを確認したが、その後急激に疣贅が出現し、急性心筋梗塞を合併した人工弁感染性心内膜炎の一例を経験したので報
告する。
203
第26回日本心エコー図学会学術集会
P3-1-8
弁輪部膿瘍を合併した大動脈弁感染性心内膜炎の 2 例
島田 恵1、小杉 理恵1、工藤 樹彦2、馬場 彰泰1、高橋 路子1、岡本 一真2、志水 秀行2、赤石 誠1
1
北里大学北里研究所病院循環器内科、2慶応義塾大学医学部心臓血管外科
症例 1 は 78 歳男性。持続する発熱を主訴に入院。経胸壁心エコー(TTE)で大動脈弁二尖弁(L,R-N rache)と軽度の大動脈弁閉
鎖不全(AR)を認めたが疣腫は特定できず、経食道心エコー(TEE)を施行、弁輪部膿瘍を疑わせる淡い陰影を大動脈弁短軸像で
認めた。血液培養陽性(Streptococcus sanguis)
、弁逆流の所見、などから感染性心内膜炎診断基準を満たし、ペニシリン G(PCG)
+ ゲンタマイシン(GM)の治療を開始した。塞栓症状もなく、炎症所見も陰性化したが、TTE で心拡大を認め、外科医に早期にコ
ンサルテーションし、抗生剤開始後第 25 病日に大動脈弁置換術を施行、手術所見では R-N rache 近傍に疣種と弁輪部膿瘍の所見を認
めたが穿孔はなし。症例 2 は 65 歳男性。発熱症状で入院、TTE で大動脈弁二尖弁(L,R-N rache)と小さな疣腫を認めたが、逆流
はなかった。TEE では R-N 側に 8.5mm の疣腫と軽度の AR を認めたが膿瘍は特定できなかった。血液培養陽性(γ Streptococcus)
と疣腫の存在から診断基準を満たし、PCG+GM の治療を開始した。塞栓症は脳梗塞、脾梗塞、化膿性脊椎炎を認めたが、疼痛管理
のみ行った。その後 TTE の所見は変化なかったが、炎症反応が遷延、ABPC+GM に抗生剤を変更、治療開始第 30 病日で CRP 陰性
化したが、第 32 病日に 37 度の発熱、TTE で L 側の新たな疣種の出現と AR の増悪を認め、心不全症状を来し、第 34 病日に緊急手
術を施行した。手術所見では L 側に大きな疣種と弁輪部膿瘍の所見を認めたが穿孔はなし。以上より、大動脈弁感染性心内膜炎での
弁輪部膿瘍の合併は感染のコントロールが十分でない場合に心不全や塞栓症発症のリスクも高く、TTE、TEE を駆使した上で早期
に手術適応を判断すべきと結論した。
P3-1-9
感染性心内膜炎に合併した僧帽弁輪部膿瘍の進展を心エコー図で観察した一例
内田 剛敬1、廣田 峰基1、穂積 健之2、谷 久弥子3、波元 智香3、有馬 隆幸3、谷口 寛昌1、
胡内 一郎1、葭山 稔4
1
大阪府済生会野江病院 循環器内科、2和歌山県立医科大学 循環器画像動態診断学、3大阪府済生会野江病院 臨床検査科、
大阪市立大学 医学部 循環器内科
4
症例は 77 歳女性。慢性関節リウマチにて血液内科外来にて治療中であったが、発熱と全身倦怠感にて、同科に受診となった。受診
時、心雑音・肺ラ音は聴取されず。血液検査では炎症所見がみられた。既往に大動脈弁置換術と冠動脈バイパス術を施行されている
が、心エコー図では、観察できる範囲で、大動脈弁位生体弁や僧帽弁に明らかな異常所見はみられなかった。血液培養にて MRSA が
検出され、抗菌薬治療が行われたが、改善はみられなかった。その後、造影 CT を施行したところ、左心房左側・右心室尾側に嚢胞
様病変がみられ、膿瘍が疑われた。心エコー図では、僧帽弁後尖に径 1 cm の mass echo が認められ、疣贅と考えられた。さらに、
僧帽弁輪部から左房後壁側には、径 5 cm 大の echogenic な腔がみられた。経食道心エコー図を施行すると、僧帽弁後尖と弁輪部側
後方に各々径 1 cm と 1.5 cm の疣贅と考えられる mass echo がみられた。さらに、弁輪部側後方に心筋の解離、その外方と右心室側
面に 5×3 cm の echogenic な腔が認められ、弁輪部膿瘍が進展して弁輪部が解離し、外方に血腫を生じていると考えられた。その時
点では全身状態不良で、頭部 MRI で脳梗塞急性期所見がみられたため、手術を待機していたところ、病状が悪化して永眠された。弁
輪部膿瘍は、IE の重篤な合併症であるが、大動脈弁輪部に比べて、僧帽弁輪部にできることは少ないとされている。今回、MRSA に
よる IE に合併した僧帽弁輪部膿瘍が急速に進展したと考えられる、まれな心エコー図を経験したので報告する。
一般 Poster
P3-1-10
非手術例の左心系感染性心内膜炎における疣贅の大きさと塞栓症との関係
高橋 佑典、泉 知里、松谷 勇人、桑野 和代、橋和田須美代、西村 俊亮、黒田真衣子、芳川 裕亮、
天野 雅史、羽山友規子、今村 沙梨、大西 尚昭、田巻 庸道、榎本操一郎、三宅 誠、近藤 博和、
田村 俊寛、貝谷 和昭、中川 義久
天理よろづ相談所病院 循環器内科
【背景/目的】感染性心内膜炎において塞栓症は重要な合併症である。特に脳
梗塞の頻度が高く、重篤となりやすい。また大きな疣贅は塞栓症と関係する
と言われている。当院における塞栓症の頻度と重症度の調査ならびに疣贅の
大きさとの関連性を検討した。
【方法】2009 年 8 月から 2014 年 8 月に当院に
入院した自然弁の左心系感染性心内膜炎のうち保存的加療を行った 25 例を
後方視的に検討した。診断は Duke 診断基準の確定例とした。
【結果】平均年
齢は 67 歳、男性が 14 人であった。塞栓症は 13 例で認め、うち脳梗塞は 12
例であった。有症状の脳梗塞は 6 例で、全例で診断確定前に症状を認めてい
た。疣贅の大きさが 10mm 以上の群と 10mm 未満の群で検討した。10mm 以
上の群で塞栓症が多い傾向であったが、統計学的有意差は認めなかった。罹患弁は僧帽弁が 14 例、大動脈弁が 5 例、僧帽弁と大動脈
弁が 1 例、疣贅を認めなかった症例が 5 例であった。起炎菌は連鎖球菌が 10 例と最多、ブドウ球菌と腸球菌が 5 例ずつであった。
【結論】疣贅が大きいほうが塞栓症は多い傾向にあった。脳梗塞のうち半数は無症候性であった。
204
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P3-1-11
右室二腔症様の血行動態を呈した感染性心内膜炎
脊古 裕太1、山田 千夏2、米田 智也3、藤田 啓誠2、木下 秀之2、土井 孝浩2、静田 聡2、
渡辺謙太郎1、熊谷 基之1、山崎 和裕1、南方 謙二1、木村 剛2、坂田 隆造1
1
京都大学医学部附属病院 心臓血管外科、2京都大学医学部附属病院 循環器内科、3京都大学医学部附属病院 検査部
症例は 59 歳男性。幼少時より喘息として加療を受けていた。2014 年 10 月に熱発を伴う倦怠感あり近医を受診、抗生剤投与された。
その後も症状改善なく、同月中旬に前医を受診した。血液検査で炎症反応の亢進および血小板減少を認め、心エコーで感染性心内膜
炎が疑われたため、当科救急外来を紹介受診となった。経胸壁心エコー上、僧帽弁に疣贅所見あり、また、三尖弁中隔尖に疣贅もし
くは pouch formation を疑う異常構造物の付着を認め、それぞれに逆流を認めた。同日施行した経食道心エコーでは、上記に加え、
大動脈弁と肺動脈弁にも疣贅を疑う所見を認めた。右室内腔の狭窄及び同部位での加速血流を認め、右室二腔症様の血行動態を呈し
た感染性心内膜炎と診断した。心室中隔欠損およびシャント血流は描出されなかった。頭部 MR で多発性脳梗塞を、CT で脾・腎梗
塞を認め、集中治療室での抗生剤加療を開始した。右室二腔症は、中年以降に症状が出現し初めて診断されることも少なくないが先
天性心疾患の 0.5-1% 程度と頻度としては比較的稀であるため、貴重な症例と考え、その後の治療経過も含め考察する。
P3-1-12
Streptococcus bovis による感染性心内膜炎の一例
川又 美咲1、豊田 茂2、伊波 秀2、天野 裕久2、有川 拓男2、吉田 敦3、今野佐智代1、井上 晃男2
1
獨協医科大学病院超音波センター、2獨協医科大学心臓・血管内科、3獨協医科大学病院感染制御センター
【症例】65 歳男性【既往歴】18 歳時に交通事故にて右膝手術【主訴・現病歴】体重減少を主訴に近医受診。全身倦怠感、37.3℃の発
熱認められ、血液培養 2 セット施行。CDTR-PI300mg 投与にて帰宅。その後血液培養から Streptococcus bovis(S.bovis)同定され
たため、経胸壁心エコー図検査施行したところ僧帽弁に疣腫認められ、重度の僧帽弁閉鎖不全症(MR)を伴っていた。このため感
染性心内膜炎(IE)の診断にて当院転院となった。
【経過】当院にて PCG2400 万単位および GM180mg 投与開始しその後発熱、炎症
所見改善。大腸癌合併有無精査目的に大腸内視鏡施行したところ大腸ポリープを認めたため、内視鏡にて摘出術施行した。その後当
院心臓・血管外科にて IE・重症 MR に対する手術施行。僧帽弁前尖 A2 は組織損傷が強く、A3 に穿孔を認めた。このため僧帽弁置
換術(Epic 31mm)施行。その後合併症なく退院となった。
【考察】S. bovis は現在 S.gallolyticus をはじめとする複数の菌種・亜種
に整理されている。このなかで S.gallolyticus subsp. gallolyticus が大腸癌・大腸腺腫と最も強く関連している。本症例は当院感染症
センターにて血液培養を詳細に検討したところ S. bovis group の Subsp. pasteurianus と判明した。しかしながら近年 S.gallolyticus
subsp. pasteurianus と大腸癌との関連性についても報告されている。今回 S. bovis による IE および大腸癌との関連性について文献
的考察を加え症例報告する。
一般 Poster
P3-1-13
有意な弁膜症なく左室後側壁に疣腫が形成された感染性心内膜炎の一例
小口 徳之1、竹村 明子1、長畑 公宣1、大海 延也1、荒川 純子2、濱部 晃2、永井 知雄2、
勝然 秀一2、佐藤 仁哉3、田中 良昭4
1
自衛隊中央病院 診療技術部 臨床検査課 生理検査室、2自衛隊中央病院 循環器内科、3自衛隊中央病院 病理課、
埼玉東部循環器病院 心臓血管外科
4
症例は 67 歳男性。慢性膵炎、アルコール依存症・肝障害、糖尿病などで当院内科にて経過観察中であった。平成 25 年 12 月 14 日意
識障害にて当院救急搬送。炎症反応高値(WBC30,000/μl.CRP30mg/dl.)、血液培養では黄色ブドウ球菌陽性で全身状態、呼吸状態
不良のため敗血症の診断で集中治療管理となった。経胸壁心エコーで、左室基部後側壁に可動性のある 15mm 大の可動性腫瘤を認め
た。左室壁運動は保たれ、有意な弁膜症は認めなかった。感染性心内膜炎を疑い 12 月 17 日左室内腫瘤除去術が施行された。左室基
部後壁に、20mm 大の脆弱な腫瘤を認めた。僧帽弁は正常であった。腫瘤は、病理組織学的にフィブリン塊からなる好中球浸潤とグ
ラム陽性球菌増殖を伴なっており感染性心内膜炎と診断された。術後、一旦は症状が改善するも感染兆候が再燃し全身状態悪化。第
19 病日に永眠された。明らかな弁膜症や弁破壊を来たさず、左室内に孤立性疣腫が存在する感染性心内膜炎は比較的稀であり報告す
る。
205
第26回日本心エコー図学会学術集会
P3-1-14
そうぼうべん、じゃんけんぽん
南雲 涼太、高木 厚、上野 彰子、絹田 泰三、菊池純一郎、村田絵梨香
埼玉県済生会川口総合病院
62 歳の透析症例.大葉性肺炎で入院し血液培養で Corynebacterium が検出された.第 9 病日から心雑音を聴取し,第 12 病日の経食
道エコーでは僧帽弁両尖に巨大疣贅が付着し腱索断裂と弁腹穿孔による複数の MRjet を認めた.
P3-1-15
VSD に合併した感染性心内膜炎の 1 例
関根 亨1、相澤 芳裕2、中田 直美1、小笠原智恵子1、山本 顕介2、橋本 賢一3、笠巻 祐二3、
廣 高史2、畑 博明4、相馬 正義3、塩野 元美4、平山 篤志2
1
日本大学医学部附属板橋病院 臨床検査部、2日本大学医学部附属板橋病院 循環器内科、
日本大学医学部附属板橋病院 総合内科、4日本大学医学部附属板橋病院 心臓外科
3
48 歳男性。小児期より心雑音を指摘。半年前、抜歯治療後から発熱。肺動脈弁弁尖に付着した大きさ 9mm のやや輝度の高い可動性
を伴う塊状の異常構造物を認める。心室中隔欠損を伴う感染性心内膜炎の症例。
一般 Poster
P3-2-1
術中経食道心エコー図検査を用いた急性 A 型大動脈解離における左冠動脈解離診断の重要性
太田 光彦1、馬原啓太郎1、泉 祐樹1、福本 梨沙1、吉敷香菜子2、内藤 和寛3、金 一3、
福井 寿啓3、高梨秀一郎3、梅村 純1、住吉 徹哉1
1
榊原記念病院 循環器内科、2榊原記念病院 小児循環器科、3榊原記念病院 心臓血管外科
【背景】急性 A 型大動脈解離(AAD)において冠動脈解離が合併すると特に予後不良であることから、迅速な診断と積極的な血行再
建術が必要とされている。
【目的】左冠動脈解離を合併した AAD 症例で術中経食道心エコー図検査(TEE)の果たす役割について検
討する。
【方法】対象は 2009 年 10 月から 2014 年 9 月までに当院で TEE を施行した AAD 連続 271 例。術式、術中 TEE 所見、予後
などについて検討を行った。超音波装置は Philips 社製 iE33 および GE 社製 Vivid E9 を使用した。
【結果】12 例で左冠動脈解離を合
併した。そのうち 11 例で術前・術中に左冠動脈解離の診断が可能であった。1 例は初回術後に血行動態が破綻したことを契機に術中
のエコー画像を再確認し診断した。再開胸のうえ冠動脈バイパス術(CABG)を追加で施行したが死亡した。術前・術中に診断がつ
いた 11 例のうち 1 例は手術前に死亡した。残りの 10 例中 7 例で人工血管置換術に CABG を追加した。そのうち 2 例が死亡したが、
いずれも術前から状態が極めて不良であった。CABG を追加しなかった 3 例では、いずれも冠動脈解離の進展がわずかなものと判断
していたが、そのうち 1 例は術後に左冠動脈支配領域の広範囲心筋梗塞をきたした。
【結語】左冠動脈解離を合併した AAD は重篤な
経過をたどることも多く、術中 TEE を用いて冠動脈の状態を正確に評価することが重要である。
206
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P3-2-2
大動脈硬化が心室中隔と上行大動脈がなす角度に与える影響
田中 智子1、和田 靖明1、有吉 亨1、藤井 彩乃1、平山 香莉1、奥田 真一2、村上和華子2、
明連 武樹2、田中 伸明3、矢野 雅文2
1
山口大学医学部附属病院 超音波センター、2山口大学大学院 医学系研究科 器官病態内科学、
山口大学大学院 医学系研究科 病態検査学
3
背景:高齢化に伴って心室中隔と上行大動脈がなす角度(SAA)が鋭角であ
る症例に遭遇することは少なくないが、その要因は明らかではない。方法:
経胸壁心エコー(TTE)と MDCT を同日に施行し得た患者連続 20 例を対象
として、3 次元 TTE により SAA を、MDCT により胸部大動脈長(TAD)
を計測した。結果:単回帰分析により SAA と有意な相関がみられた項目は
TAD/身長(r=-0.62;p<0.01)
、拡張期血圧(r=0.60;p<0.01)であった(下
図)。これらを用いて重回帰分析を行ったところ、両項目ともに SAA の独立
規定因子であった(TAD/身長:stdβ-0.51;p<0.01,拡張期血圧:stdβ-0.40;
p<0.05)。結論:大動脈硬化に伴う胸部大動脈の延長と拡張期血圧の低下が
SAA の鈍角化に関与していることが示唆された。
P3-2-3
外来通院中に偶然、発見されたバルサルバ洞動脈瘤の一例
古市 知広1、眞野 博明1、相澤 芳裕2、河野 通1、有馬 健1
1
春日部市立病院、2日本大学医学部附属板橋病院循環器内科学分野
【症例】79 歳、男性。巨赤芽球性貧血で当院血液内科へ通院中の患者。家族歴、既往歴に特記すべきことなし。定期外来診察時に VB12
の筋肉内注射を投与され、Hb15g/dl 程度を保っていた。平成 26 年 1 月 21 日外来受診し胸部の違和感を訴え診察したところ、聴診
上、第 2 肋間胸骨左縁に収縮期雑音を聴取され、4 月 1 日の心臓超音波検査では右冠尖上方の右バルサルバ洞に 43×58mm 大の巨大
な動脈瘤を認め、動脈瘤は右室方向へ嚢状の瘤を形成していた。CT でも同様に右バルサルバ洞に動脈瘤と大動脈弓に嚢状瘤を認め
た。動脈瘤破裂の危険性が考慮されたため、都内大学病院心臓血管外科へ手術目的に 4 月 2 日転院となった。4 月 3 日バルサルバ洞
動脈瘤、遠位弓部嚢状瘤に対し、バルサルバ洞動脈瘤入口部縫合閉鎖、及び Total arch replacement が施行された。術後、血行動態
は安定し第 1 病日で人工呼吸器を離脱したが、抜管から 4 時間後に突然の意識消失、血圧低下となった。出血による心タンポナーデ
と診断し CPR を行いながら緊急試験開胸となった。縦隔内は大量の血腫を認め人工心肺を確立し、出血源の検査をしたところ、右バ
ルサルバ洞破裂での縫合閉鎖部直上が破綻していた。基部置換術を施行したが血行動態は維持できず第 2 病日に死亡した。未破裂バ
ルサルバ洞動脈瘤は偶然発見されることが多くまれな疾患ではあるが胸痛、失神等の有症状の場合には本疾患も念頭に置く必要性を
考えた。
一般 Poster
P3-2-4
破裂部位の異なるバルサルバ洞動脈瘤破裂の 2 症例
江口 春樹、朴 美仙、吉田 雅昭、園山 一彦、鈴木 慎介、井本 宏治、河端 哲也、小田 強
島根県立中央病院 循環器科
バルサルバ洞動脈瘤破裂の進展方向については今野らの分類が知られている
が、今回 2 つの異なるタイプの症例を経験したため報告する。症例 1 46 歳男
性。心雑音の精査目的で当院へ紹介となった。経胸壁心エコー検査(TTE)に
て無冠尖から先端に 7×7mm の欠損孔を伴う管状構造物が右房に開口してお
り、4 型のバルサルバ洞動脈瘤破裂と診断した(図上段)
。本症例は手術にて同
様の所見を認め、パッチ閉鎖術が施行された。症例 2 83 歳男性。心雑音と心
不全の疑いで当院へ紹介となった。TTE にて、右冠尖中央からやや左冠尖寄
りに吸い込み血流を伴い、肺動脈弁直下へ流入するシャント血流を認め、2 型
のバルサルバ洞動脈瘤破裂と診断した(図下段)。また、本症例は膜様部型の
心室中隔欠損も合併していた。手術適応と判断されたが、術前精査にて進行肺
癌を指摘されたため、保存的加療にて経過観察の方針となった。バルサルバ洞
動脈瘤破裂は稀な疾患であるが、破裂部位や合併する心疾患について心エコー
検査による詳細な評価が必要である。
207
第26回日本心エコー図学会学術集会
P3-2-5
超音波検査時の腹部大動脈瘤評価の有用性について―腹部検査と心臓検査時スクリーニングの比較―
木村 豊1、後藤 光1、小川 優1、林 真希1、山本 祐子1、平野映里佳1、高師 紀子1、
森 文恵1、梅津 華織1、高木 伸光1、中村 文隆2
1
帝京大学ちば総合医療センター 検査部、2帝京大学ちば総合医療センター 第三内科
【目的】腹部大動脈瘤(AAA)は画診断で偶然発見されることが多い。超音波検査において腹部大動脈(AAo)は腹部または心臓超
音波検査時に付随的に観察されることが多い。今回は心臓および腹部超音波検査を行った患者を対象とし、それぞれの AAA 有病率
を算出し、心臓超音波検査時にスクリーニングを行う有用性を検討した。
【対象・方法】当センター超音波室で心臓または腹部超音波
検査を行った 40 歳以上の患者 837 例(男 472 例、女 304 例、平均年齢 67±12 歳)を対象とした。心臓および腹部検査実施後 AAo の
検索を行ない、外膜間最大短径 30mm 以上を AAA 有りと判定した。
【結果】腹部検査では 369 例中 5 例(1.4%)で AAA を認めた。
一方、心臓検査では 468 例中 22 例(4.7%)に認め、心臓検査で多くの AAA が検出された。発見された AAA は大部分が 40mm 以
下の小瘤で、35mm 以上は 7 例、40mm 以上の AAA は 3 例のみであった。動脈瘤の形態は 1 例が嚢状瘤、その他は紡錘瘤であった。
【考察】AAA は動脈硬化の進展を背景に発生すると考えられており、心臓超音波検査の対象となる患者と共通の背景を有している。
今回の検討でも腹部検査時よりも心臓検査において多くの AAA が検出され、また AAA が発見された多くの患者では、他の動脈硬
化性疾患が併存していた。心臓超音波検査時は食止めでないことが多く、消化管ガスにより AAo 全長に渡り十分な画像が得られな
い可能性がある。また腹部血管という本来の検査対象外の部位を検索する手間が増加するなどのデメリットはあるが、無症候 AAA
を効率的に発見できるメリットは大きいと考えられる。【結語】心臓超音波検査時に AAo のスクリーニングを行うことは、AAA の
早期発見において有用と思われる。
P3-2-6
未破裂で発見された血栓を伴う左バルサルバ洞動脈瘤の一例
菅谷 直美1、野田 徳子1、加田 賢治2、坪井 直哉2
1
独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院 検査部、2独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院 循環器内科
【症例】77 歳男性【現病歴】数日前より動悸が治まらない為近医受診し、心
不全を疑われ当院へ紹介入院となった。
【入院時現症】心電図:心房細動
(HR130)、胸部 X 線:両側胸水貯留、血液検査:proBNP2140ng/ml(正常
値 125 ng/ml 以下)他特に異常値なし【経胸壁心エコー】大動脈基部から左
房に突出する直径 4cm の腫瘤像が描出された。腫瘤周囲には瘤状の膜様のも
のを認め、短軸像では左冠動脈洞と連続しており、左バルサルバ洞動脈瘤が
疑われた。また、突出する瘤状の部分は 6cm と大きく、左房を圧排し機能的
僧帽弁狭窄をきたしており、僧帽弁弁口面積は 1.1cm2 であった。左室収縮能
はやや低下しているが、限局性の壁運動異常はみられなかった。
【経食道心エ
コー】膜様の瘤は左冠動脈洞と連続し、瘤の中へ流入する血流を確認できた。
瘤内にはもやもやエコーを認め、内部の腫瘤は血栓と考えられた。【CT】瘤は左冠動脈洞から連続し、心外へ突出していた。左冠動
脈は瘤とは連続せず、上方から起始していた。【結語】心外性、未破裂の左バルサルバ洞動脈瘤の 1 例を経験したので報告する。
一般 Poster
P3-2-7
両弁置換術 19 年後に心不全を契機に明らかとなった上行大動脈―右房瘻孔
武田恵美子1、福田 智子2、坂元 紀陽2、井手口武史2、田中 浩喜2、戸井田玲子2、鬼塚 久充2、
鶴田 敏博2、石川 哲憲2、梅木 一美1、山本 成郎1、中村 都英3、北村 和雄2、岡山 昭彦1
1
宮崎大学 医学部 附属病院 検査部、2宮崎大学 医学部 附属病院 第1内科、3宮崎大学 医学部 附属病院 第2外科
【症例】77 歳,男性.57 歳時に健診で大動脈弁閉鎖不全症(AR)を指摘され近医にて内服加療が開始された.翌年に感染性心内膜炎
を発症し急性心不全と脳梗塞の合併を認め当院 ICU に入院.当院心臓血管外科で緊急大動脈弁及び僧帽弁置換術を施行した.術後,
左室駆出率(EF)は 20%とびまん性に低下し,繰り返す心不全の精査のため 67 歳時に当院循環器内科に第 1 回入院となった.心エ
コー図検査では,弁機能不全は認めず EF も同程度であった.負荷心筋シンチ,MIBG シンチでは,下壁後壁∼心尖部に集積低下及
び欠損像を認めたが,冠動脈造影は本人の意向により施行されなかった.その後は外来にて薬物治療を継続していたが,77 歳時に労
作時呼吸苦の症状出現し,右胸水貯留を認めた.利尿剤加療後も BNP 1505pg/ml と上昇したため,第 2 回循環器内科入院となった.
入院時心エコー図検査で拡大した上行大動脈(65mm)を認め,上行大動脈基部より約 4cm 頭側部に右房への短絡血流を検出でき,
心不全増悪の一因と考えられた.心臓カテーテル検査でも,上大静脈から右房で SaO2 の増加を認め,肺体血流比 1.49,平均肺動脈圧
は 41mmHg と上昇を認めた.肺体血流比が 1.5 以下で低左心機能であることから外科的加療適応はないと判断され,保存的加療を継
続することとなった.
【まとめ】日常ルーチンの心エコー図検査では上行大動脈の観察は見過ごされがちであるが,今回の症例のよう
に上行大動脈-右房瘻孔のシャントフロー検出がまれに心不全の診断のきっかけとなることがあり注意を要すると思われた.
208
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P3-3-1
心エコー図診断に苦慮した大動脈弁狭窄症の稀有な二症例
冨山ひろみ1、梅田ひろみ1、工藤 珠実1、海野 哲治1、貞末 信幸1、杉田 国憲1、石橋 正博1、
加留部貴子1、中島麻紀子1、吉村 沙織1、樋口 裕樹1、中山 知重1、三浦 史郎2、井上 勝美3
1
一般財団法人 平成紫川会 小倉記念病院 検査技師部、2一般財団法人 平成紫川会 小倉記念病院 循環器内科、
一般財団法人 平成紫川会 小倉記念病院 検査部
3
【症例 1】50 代女性、10 年前から大動脈弁狭窄兼閉鎖不全症にて外来経過観察をしていたが、徐々に労作時呼吸困難などの自覚症状
が出現。経胸壁心エコー図にて重度大動脈弁狭窄症の所見(Vmax 4.53m/s、mean PG 52mmHg、AVA 0.78cm2)を認めた。大動脈
弁レベル短軸像では弁尖数は不明であり、経食道心エコー図にて LCC と RCC 間に開口部がある単尖弁症が疑われた。胸部 CT 検査
にて上行大動脈が 43mm と軽度拡大あり、当院心臓血管外科にて大動脈弁置換術と上行大動脈置換術が施行された。術中所見では
RCC と NCC が癒合した二尖弁と診断されたものの、NCC と LCC の交連部も癒合しているため弁の形態は概して単尖弁様を呈して
いた。
【症例 2】30 代女性、労作時胸部圧迫感を主訴に他院受診し大動脈弁狭窄症の疑いにて当院循環器内科紹介受診。経胸壁心エ
コー図にて重度大動脈弁狭窄症の所見(Vmax 4.18m/s、mean PG 42mmHg、AVA 0.65cm2)を認めた。大動脈弁レベル短軸像では
前後型の二尖弁様に観察され、経食道心エコー図でも同様の所見であった。その後大動脈弁置換術を施行、術中所見でもほぼ弁輪を
二分するような形態の二尖弁と考えられた。
【病理所見】いずれの症例においても肉眼的には全体的に馬蹄形を呈していたが、詳細な
検索により、前者は交連部の癒合を伴う二尖弁症、後者は単尖弁症と診断された。
【考察】大動脈弁単尖弁症は非常に稀な疾患であり
心エコー図のみの所見からは一概に二尖弁との鑑別は困難な場合が多い。しかしながら単尖弁症は大動脈疾患を含めて若年で臨床症
状が発現することが多く、早期に発症する大動脈弁疾患においては単尖弁症の可能性も念頭に置いた上での検索が必要と考えられる。
P3-3-2
半年間に 3 件連続で発見された大動脈一尖弁のエコー学的特徴
板倉 良輔1、宮本 敬史1、柳 弘子2、大塚 伸子2、大久保輝男2、油座 記子2、鈴木みどり2、
豊岡 郁子2、白崎 圭輔1、村上 彰通1、石川 哲也1、武藤 誠1、佐々木達海1
1
埼玉県立循環器・呼吸器病センター 循環器内科、2埼玉県立循環器・呼吸器病センター 検査技術部
[はじめに]成人で発見される大動脈一尖弁は極めて稀な先天性弁膜症であり、その頻度は 0.02% と言われている。今回この極めて稀
な大動脈一尖弁を半年間に 3 例経験したので報告する。[症例 1]36 才男性。健診で心雑音指摘され受診。経胸壁心エコー(TTE)
上、上行大動脈拡大(50mm)と二尖弁の AR が疑われ経食道心エコー(TEE)施行。当初 TEE でも二尖弁と思われたが 3D エコー
でさらに詳細に観察すると LN commissural type の一尖弁と判明。大動脈弁形成術 Try したが AVR となった。
[症例 2]64 才男性。
胃がんオペ前検査で TTE 上、二尖弁の AS が疑われた。TEE 施行した所、石灰化著明で大動脈弁形態評価困難であったが、3D エ
コーにて LN commissural type の一尖弁による AS と判明し AVR となる。
[症例 3]57 才男性。労作時の息切れで受診。TTE 上、
上行大動脈拡大(48mm)と二尖弁の AS が疑われ TEE 施行。石灰化がひどく、3D エコーにて LN commissural type の一尖弁によ
る AS と判明し AVR と上行大動脈置換術となった。3 症例とも当初 TTE にて二尖弁が疑われており,TEE にて 1)Single aortic
leaflet 2)Eccentric valvular orifice 3)Unicommissural valve を確認できた.また 3 例中 2 例に上行大動脈拡大を認めた。[まと
め]近年 TAVI をはじめとする経カテーテル的治療がまさに全盛を迎えようとしているが、その適応にあたり大動脈弁の弁形態評価
は今後も一層その正確さを求められている。今回、大動脈弁形態の観察にあたり教訓的な症例を経験したので考察を加えて報告する。
一般 Poster
P3-3-3
特発性大動脈弁穿孔の二症例
熊谷亜希子1、田代 敦1、芳沢美知子2、高橋 康子3、嘉村 幸恵3、工藤 幸子3、平賀悠里江3、
高橋 敬太3、熊谷 和也4、岡林 均4、森野 禎浩2、中村 元行1
1
岩手医科大学 内科学講座 心血管・腎・内分泌内科分野、2岩手医科大学 内科学講座 循環器内科分野、
岩手医科大学附属病院 循環動態検査室、4岩手医科大学 心臓血管外科
3
【症例 1】50 代男性。平成 25 年心電図異常で他院初診。心エコー図で高度 AR を認め当院紹介となった。当院の心エコー図では RCC
と NCC が癒合した二尖弁で弁尖の肥厚がみられた。NCC の逸脱と大動脈基部の拡大(Annulus/Sinus of Valsalva/Sino Tubular
Junction 3.0/4.3/3.4 cm)があり、LVDd index 40mm/m2、LVDs index 30mm/m2 と左室拡大を認めた。逆流の重症度は ERO 0.92cm2
(PISA 法)
、Vena contracta 7.8mm と高度で、経過中心不全を発症し手術となった。大動脈基部再建術、大動脈弁形成術が行われた
が、術前に指摘し得なかった 2mm 大の穿孔を LCC に認めた。切除した一部の大動脈弁組織に感染所見は認めなかった。
【症例 2】70 代女性。平成 26 年 5 月、心不全発症し他院で入院加療された。心不全の原因として AR が疑われ当院紹介となった。当
院の心エコー図では三尖に及ぶ硬化、LCC・RCC の交連部の高度石灰化、NCC の逸脱を認めた。中央からの幅広い逆流で、逆流口
の同定は困難であった。EROA 0.37cm2、Vena contracta 6mm の高度 AR に対し 10 月手術施行。手術所見では RCC に 2 ヶ所、NCC
に 1 ヶ所穿孔を認めた。また LCC に fenestration がみられた。弁変性や石灰化が高度で形成は困難と判断され、弁置換術が施行され
た。病理所見は 3 尖ともに動脈硬化性変化のみで、炎症や感染の所見はみられなかった。
【結語】弁穿孔の多くは感染性心内膜炎に起因するが、今回、明らかな感染所見を伴わない大動脈弁穿孔の 2 症例を経験したので報告
する。
209
第26回日本心エコー図学会学術集会
P3-3-4
弁尖および交連部 plication による形成術を施行した若年女性大動脈 2 尖弁の一治験例
添田 雅生1、吉岡 賢二1、松田 祐治1、須藤 悠太1、星野 昌弘1、二宮 亮1、黒田 俊介1、
大野 真紀1、岩塚 良太1、米津 太志1、鈴木 誠1、松村 昭彦1、須磨谷いづみ2、佐々木裕夏2、
二本柳洋志2、蒔苗 雅紀2、金綱 英夫2、齋藤 千恵2、田邊 大明3、橋本 裕二1
1
亀田総合病院 循環器内科、2亀田総合病院 臨床検査部、3亀田総合病院 心臓血管外科
近年僧帽弁閉鎖不全症に対する形成術は、手術手技、エコー評価技術の向上により広く普及している。一方、大動脈弁閉鎖不全症
(AR)に対する形成術として、David 法、Yacob 法などの自己弁温存基部置換術は普及しつつあるが、大動脈弁単独形成術(AVP)
は普及しているとは言えない。しかし、適応を選択すれば有用な術式となりうる。今回我々の施設において若年女性大動脈 2 尖弁に
対して AVP を施行し良好な結果を得たので心臓超音波による早期術後評価を含め報告する。
【症例】33 歳女性,2012 年に近医を受
診し心雑音を聴取したため精査を行ったところ、中等度の AR を認めた。自覚症状は見られず定期経過観察をされていた。2014 年よ
り労作時呼吸困難感が出現するようになったため、当院に紹介となる。経胸壁/経食道超音波検査で、中等度以上の AR、左室容積の
拡大(LVDd/Ds 58/39mm),左冠尖右冠尖癒合型大動脈 2 尖弁を認めた。手術は AR に対する AVP(弁尖および交連部 plication)
を行った。上行大動脈径は 29mm であったため、上行大動脈置換術は施行しなかった。術後エコーにて AR は trivial に改善し、左室
容積も継時的に縮小した。【結語】AVP は抗凝固、感染といった人工弁関連合併症の発生を抑える可能性がある術式であり、症例の
選択に注意すれば有用な術式となる。特に本例のような大動脈 2 尖弁は AVP に適していると思われる。しかし、弁形成術は弁置換
術に比べ再発、再手術のリスクもありすべての AR に対して AVP が推奨できるかどうかは明確ではないため、その施行の選択には
慎重を要する。AVP は欧米では積極的に施行している施設も見られ、良好な成績が報告されている。今回自験例もふまえ文献的考察
を含め報告する。
P3-3-5
リアルタイム 3D 経食道心エコー図検査で評価しえた、重度大動脈閉鎖不全症を伴った大動脈四尖
弁の一例
工藤 丈明1、田中 美与2、増田 浩一1、吉村 雄樹1、増山 浩幸1、福永 隆司1
1
宮崎県立宮崎病院 循環器内科、2宮崎県立宮崎病院 臨床検査科
症例は 79 歳男性。大動脈弁閉鎖不全症、発作性心房細動のため、近医にて加
療されていた。数ヶ月前より、労作時の呼吸困難を自覚するようになったた
め、精査加療目的に当院当科紹介受診した。心雑音は、胸骨左縁第 2 肋間で
Levine III/VI の拡張期雑音を聴取した。経胸壁心エコー図検査を施行したと
ころ、大動脈四尖弁が疑われ、弁尖中央部に逆流 jet を認め、重度大動脈弁
閉鎖不全症と診断した。後日、経食道心エコー図検査を施行したところ、大
動脈四尖弁と診断し、大動脈弁の形態や副尖、冠動脈起始部など観察するこ
とが可能であった。大動脈四尖弁は、非常に稀な疾患であるが、心エコー図
検査、MDCT 等の画像検査の発達により、大動脈弁置換術症例では、0.85∼
1.46% と報告例は増加してきている。大動脈四尖弁の弁機能異常を、リアルタイム 3D 経食道心エコー図検査で、詳細に観察すること
が可能であったので報告する。
一般 Poster
P3-3-6
大動脈弁二尖弁との鑑別に苦慮した大動脈一尖弁の一例
上坂 浩司、渡邉 望、相良秀一郎、矢野 光洋、柴田 剛徳
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科
65 歳男性、労作時息切れを主訴に近医受診。心エコー図にて大動脈弁狭窄兼
逆流閉鎖を認めたため当院紹介された。入院時、NYHA2 度、胸部 X 線では
肺血管陰影軽度増強、心電図は心房細動。経胸壁心エコー図検査では大動脈
弁左冠尖/無冠尖間および無冠尖/右冠尖間の癒合に伴う高度大動脈弁狭窄と
高度大動脈弁逆流を認めた。経食道心エコー図検査では、左冠尖と無冠尖の
癒合と無冠尖と右冠尖の部分的癒合を認め、大動脈二尖弁の硬化進行もしく
は大動脈一尖弁の可能性を考えた。上行大動脈の拡大も認め、当院心臓血管
外科にて大動脈弁置換術および上行大動脈置換術を施行された。術中所見で
は、弁尖の器質的変化は軽度であり、無冠尖は左冠尖・右冠尖とそれぞれ交
連部で癒合、一尖弁と診断された。術前の心エコー図で二尖弁との鑑別に苦
慮した大動脈弁一尖弁の症例を経験したので報告する。
210
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P3-3-7
カルチノイドに伴う三尖弁閉鎖不全症・肺動脈弁閉鎖不全症を来した 1 例
須磨谷いづみ1、鍵山 暢之2、佐々木裕夏1、齋藤 千恵1、蒔苗 雅紀1、金綱 英夫1、吉岡 賢二3、
添田 雅生3、橋本 裕二3
1
亀田総合病院 臨床検査部、2心臓病センター榊原病院 循環器内科、3亀田総合病院 循環器内科
症例は 70 歳女性,68 歳時に原発性卵巣腫瘍に対して開腹下付属器摘出術を施行され,病理診断で卵巣カルチノイドと確定された.
その後多発肝転移・リンパ節転移に対して化学療法を施行していた.その頃より重症三尖弁閉鎖不全症が指摘されていたが,自覚症
状も乏しく経過観察されていた.入院の 1 ヶ月前より下肢浮腫増強があり利尿剤を開始したがコントロール不良で,著明な全身浮腫
のため入院となった.入院時の心エコー図では三尖弁,肺動脈弁ともに明らかな肥厚と短縮,可動性の低下を認め,重症三尖弁閉鎖
不全症,重症肺動脈弁閉鎖不全症,右房・右室の拡大を認めた.入院後,利尿剤を増量したが右心不全のコントロールがつかず,入
院 30 日目に三尖弁置換術(Carpentier-Edwards Magna EASE #27)が施行された.入院 32 日目に抜管し,一時は車椅子移乗まで
ADL は改善したが,その後敗血性ショックを来して入院 39 日目に永眠された.手術所見および剖検所見では三尖弁弁葉および弁下
組織は高度に肥厚しかつ短縮,硬化所見あり,弁尖の可動性はほぼ消失していた.肺動脈弁もほぼ同様の所見であった.病理検査で
は弁尖に筋線維芽細胞,平滑筋細胞,粘液基質の沈着を認め,カルチノイドによる右心系の変化と診断された.現行のガイドライン
では一次性の重症三尖弁閉鎖不全症に対する手術適応は有症状の場合となっている.今回我々は明らかな症状が発現した後に急速な
経過で不幸な転機をたどった 1 例を経験した.症状発現後は病状が比較的急速に悪化することもあるため,早期の症状の発現に注意
し,適切な時期に手術を検討する必要があると考えられる.
P3-3-8
外傷性三尖弁腱索断裂と診断し三尖弁形成術を施行し得た一例
島崎 希美1、馬原啓太郎2、吉敷香菜子3、太田 光彦2、泉 祐樹2、規矩智千絵1、齋藤 清美1、
岩澤 伸哉3、稲毛 章郎3、高梨秀一郎4
1
榊原記念病院 臨床検査科、2榊原記念病院 循環器内科、3榊原記念病院 循環器小児科、4榊原記念病院 心臓血管外科
【症例】36 歳、女性。1989 年に交通事故で完全対麻痺となった。1991 年 6 月に学校検診で心電図異常を指摘されて前医を受診し、高
度三尖弁逆流と右心拡大を診断された。エプスタイン奇形と考えられたが、自覚症状を認めなかったため年 1 回の経胸壁心エコー図
検査で経過観察となっていた。日常生活での息切れを自覚したため、当院へ紹介となった。
【身体所見】身長 165cm,体重 61kg,BP
122/66mmHg,HR 72bpm,SpO2 93%,心雑音 収縮期逆流性雑音 2/6 を聴取,中等度の下腿浮腫を認めた。
【検査結果】経胸壁心
エコー図検査では右室および右房は著明に拡大し、三尖弁尖は接合を失っていた。中隔尖の plastering や肺高血圧は明らかではなく、
前尖に逸脱を認めた。3D 経食道心エコー図検査による解析で前尖は腱索断裂により flail しており、中隔尖の前尖側は高度に tethering
していた。経過から、外傷性の高度三尖弁逆流と診断し、胸骨正中切開により三尖弁形成術を施行した。術後 1 週間での経胸壁心エ
コーでは軽度から中等度の三尖弁逆流の残存を認め、右室収縮能は著明に低下していたが、術後 2 週間での経胸壁心エコーでは三尖
弁逆流は軽度にまで改善しており、右室および右房も著明に縮小していた。
【結語】外傷性の三尖弁前尖腱索断裂に伴う慢性的な高度
三尖弁逆流に対し三尖弁形成術を行った。術前に 3 次元心エコー図検査を用いて詳細に観察し、逆流の原因を正確に診断することが
重要と考えられた。
一般 Poster
P3-3-9
3D 経胸壁心エコーが経過観察に有用であった高度三尖弁逆流の一症例
中嶋 真一
国家公務員共済組合連合会 東北公済病院 生理検査室
88 才男性。心房細動、体重増加と下肢浮腫で入院となる。入院時収縮期弁離
開を伴う高度三尖弁逆流を認め(上段)
、治療後収縮期弁離開と三尖弁逆流の
改善(下段)を 3D 経胸壁心エコーにて評価観察できた症例。
211
第26回日本心エコー図学会学術集会
P3-3-10
断裂したペーシングリードによる高度三尖弁逆流の一例
塚原 摩耶1、高井 学2、出雲 昌樹1、佐藤 如雄2、南 圭祐2、林 明生2、山内 正博2、
大宮 一人2、鈴木 健吾1、明石 嘉浩1
1
聖マリアンナ医科大学 循環器内科、2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 循環器内科
【症例】83 歳、男性。【経過】平成 22 年、完全房室ブロックの診断で恒久的
ペースメーカ植え込み術を施行し、以降は近医通院中であった。平成 25 年 4
月、心房リードの抵抗値が著しく低下し、7 月には異常高値となり、心房感
度は閾値以下となった。8 月頃より下腿浮腫が出現し、胸部エックス線写真
で心房リードの断裂を認めたため、精査・加療目的で当科紹介。心エコー図
検査では、断裂した心房リードが三尖弁口内に陥入し、後尖から中隔尖にか
けての閉鎖障害に起因する高度三尖弁逆流を認めた。右心不全治療に極めて
難渋し、原因に対する介入が必要と判断したため、人工心肺下に断裂リード
抜去術を施行した。断裂リードは右房側が右心耳内で固定されていた以外は、
断裂断端側まで癒着はなく、容易に抜去が可能であった。術後経過は良好で、
速やかに右心不全の改善が得られた。
【結語】断裂したペーシングリードにより高度三尖弁閉鎖不全症を呈した極めて稀な症例を経験
したため報告する。
P3-4-1
乾酪性弁輪石灰化の一症例
浅川 雅子1、小野寺一義2、鷲谷 宗秋2、大竹 睦美2、村上 遙香1、若井布由子1、碓井 伸一1、
杉下 和郎1、安喰 恒輔1、高橋 利之1
1
JR 東京総合病院 循環器内科、2JR 東京総合病院 臨床検査科
症例:70 歳代女性 当科に高血圧にて通院。2012 年心エコーにて僧帽弁後尖から弁輪部にかけての約 11mm の腫瘤影が出現。内部
はほぼ等輝度で、弁輪石灰化または弁変性を疑った。半年後経胸壁心エコー検査再検、Dd 39mm、Ds 22mm、LA 35mm、EF 75%、
E/A=53/91,S 字状中隔を認め、僧帽弁狭窄はなし、僧帽弁後尖弁輪部腫瘤は周辺が高輝度で内部は一部等輝度、大きさは前回より
もやや拡大したため、精査目的で経食道心エコーを施行した。経食道心エコーでは、僧帽弁後尖弁輪部から弁にかけて張り出すよう
な直径約 14mm の高輝度腫瘤を認めた。内部血流は伴わず、可動性は低かった。3D エコーでは腫瘤の全容がとらえられた。これら
の所見と経過より、緩徐に拡大傾向にある乾酪性弁輪石灰化と診断し、現在内科的に経過観察中である。考察:乾酪性弁輪石灰化
(CCMA)は、僧帽弁輪石灰化(MRC)の約 0.6%と稀な病態で良性疾患ではあるが、MRC とは異なり仮に破裂すれば内部のコレス
テロールや脂肪酸、石灰化などの乾酪組織による塞栓症の原因となりうるとされる。高齢女性に多く、また腎疾患や代謝疾患でも認
めることがあり、カルシウム代謝との関連が示唆されている。また形態的には、血栓や心臓腫瘍、弁輪膿瘍との鑑別が重要である。
診断には心エコーで内部が低輝度であり、MRI 画像とともに内部構造の評価が重要となる。進行性の場合には手術適応となった報告
もある一方で、自然消退の報告もみられる。CCMA は稀な病態であり、その存在を認識し、心エコーによる診断がさらなる精査・加
療に結びつく教訓的症例として、報告した。
一般 Poster
P3-4-2
重度の僧帽弁弁輪部石灰化を伴う連合弁膜症の術式決定に三次元経食道心エコー図(3DTEE)が有
用であった一症例
松原 沙織1、高野奈緒美1、今井夕紀子1、青木 朋1、佐藤明日香1、帆苅 紗香1、野村 文一2、
大川 洋平2、鈴木 正人2、安達 昭2、坂上 直子2、大野 猛三2
1
心臓血管センター 北海道大野病院 検査部、2心臓血管センター 北海道大野病院 心臓血管外科
症例は 82 歳女性。以前より僧帽弁狭窄症、重症大動脈弁狭窄症を指摘され、経過観察とされていたが軽労作でも胸痛を来すように
なった。今回、手術目的で当院に入院となった。
【経胸壁心エコー図】左室径 3.4cm。EF57%、diffuse mild hypokinesis。大動脈弁は
三尖とも高度石灰化を認め開放低下。弁口面積は連続の式で 0.65cm2。僧帽弁は後尖に高度石灰化を認め、可動性低下。弁口面積はプ
ラニメトリ法で 1.6cm2 であったが描出不良で正確な評価はできなかった。術前の経食道心エコーは重度の認知症で検査協力が得られ
ないこと、軽労作ですぐに胸部症状を来すことから施行されず、僧帽弁置換術の可否については術中 3DTEE で判断することとなっ
た。
【術中 3DTEE】大動脈弁の弁口面積はプラニメトリ法で 0.77cm2。左室流出路狭窄(+)。僧帽弁は後尖後交連側を除き可動性は
保たれていた。3D データより解析ソフトを用いて僧帽弁の短軸像を切り出してトレースした弁口面積は 1.8cm2、3D 画像では 1.78cm2
であった。軽度僧帽弁狭窄と判断し、僧帽弁置換術は不要とされ、大動脈弁置換術、三尖弁形成術、メイズ術、左心耳閉鎖術、morrow
術が施行された。
【考察】僧帽弁弁輪部高度石灰化における僧帽弁置換術では石灰化を除去する必要に迫られ弁輪再建を必要とする場
合が少なくない。本症例は予定術式が多く、心停止時間が長時間に及び追加手術により許容範囲を超える可能性が高く、心機能面で
リスクの高い症例であった。3DTEE は正確な僧帽弁口を切り出すことができ、斜め切りや弁腹レベルでの計測による過大評価を避
けることができる。今回、術式の決定に有益な情報を提供することができた一症例を経験した。
212
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P3-4-3
症状と重症度が解離した僧房弁狭窄症に対し運動負荷心エコーが有効で、PTMC 施行中にも経胸壁
心エコーが有用であった一例
村上 彰通1、宮本 敬史1、柳 弘子2、大塚 伸子2、大久保輝男2、油座 記子2、鈴木みどり2、
豊岡 郁子2、板倉 良輔1、白崎 圭輔1、石川 哲也1、武藤 誠1、佐々木達海1
1
埼玉県立循環器・呼吸器病センター 循環器内科、2埼玉県立循環器・呼吸器病センター 検査技術部
[はじめに]僧房弁狭窄症(MS)は衛生状況の改善と抗生剤の普及により減少しつつある弁膜症であるが、その診断には心エコーは
欠かせないものである。今回軽症 MS と診断されていたにも関わらず、運動負荷心エコー行った結果重症 MS と診断でき、PTMC 施
行中にも経胸壁心エコー(TTE)が有用であったので報告する。
[症例]71 才女性。以前より MS は軽度と診断されるも労作時の息
切れは出現していた。脳梗塞発症を契機に心内血栓精査で当科受診。経胸壁心エコー上、Trace 法で MVA 1.6 cm2、Pressure half
time 法で MVA 1.1cm2、Mean PG 5mmHg、収縮期肺動脈圧 29mmHg で軽症∼中等度 MS と診断した。労作時の息切れが著明であ
ることからトレッドミル運動負荷心エコー施行。負荷開始早々から息切れ出現し Bruce stage1 で終了。Mean PG 24mmHg まで上昇
し、収縮期肺動脈圧 57mmHg まで上昇したため重症 MS と診断。後日 PTMC 施行し、当初から判明していた後交連側から P3 にか
けての石灰化と石灰化のあまり無い前交連側からの Trivial MR に十分注意を払いながらイノウエバルーンを拡張。最終的には 27mm
まで拡張し弁口面積も 1.5 cm2 から 2.2 cm2 まで改善し MR の増悪も認めなかった。[まとめ]安静時に症状が無くとも労作時に症状
がある場合は積極的に心臓に揺さぶりをかけ MS の重症度を明らかにすることが大切である。石灰化と癒合の laterality がある症例
であったが、TTE ガイド下に PTMC を慎重に行い合併症無く無事拡張に成功したので考察を加えて報告する。
P3-4-4
急速な経過で僧帽弁輪に石灰化腫瘤病変を認めた透析患者の 1 例
杉浦 早希1、佐藤 雄一2、土肥 薫2、櫻井 裕子1、別所 由梨1、福田はるみ1、大沼 秀知1、
武内哲史郎2、澤井 俊樹2、森本 誠1、伊藤 正明2、登 勉3
1
三重大学医学部附属病院 中央検査部、2三重大学医学部附属病院 循環器・腎臓内科学、3三重大学医学部附属病院 検査医学
症例は 60 歳、男性。2004 年から糖尿病性腎症による腎不全に対し、維持透析治療を開始。2013 年 1 月に無症候性心筋虚血に対し、
冠動脈形成術(ステント留置)を施行。また、2013 年 9 月にステント内再狭窄に対し、冠動脈形成術を施行。2013 年 9 月の経胸壁心
エコー上、僧帽弁後尖基部の高度石灰化を認めた。しかし 2014 年 7 月の経胸壁心エコー上、以前にあった僧帽弁後尖基部の高度石灰
化に連続して付着する高輝度な可動性索状物が新たに出現し、当院へ紹介。形状から感染性心内膜炎の疣贅や心臓腫瘍が疑われたが、
感染性心内膜炎は臨床経過から否定的であった。心臓腫瘍に関しては、明らかな転移を疑う原発巣は見当たらなかった。術前評価の
冠動脈造影検査で右冠動脈及び、高位側壁枝に高度狭窄病変を認めた。塞栓症の危険性が高く、僧帽弁置換術 + 冠動脈バイパス術を
施行。術後の病理組織から Calcified Amorphous Tumor(CAT)の確定診断に至った。CAT は、1997 年に Raynolds らにより報告
された非腫瘍性の腫瘤病変であり、心内腫瘤のうち、変性した血性成分が慢性炎症性変化を背景として石灰化病変を伴っているもの
を指す。今回、我々が経験した症例は、維持透析患者で僧帽弁輪の石灰化を背景に比較的短期間で腫瘤形成を認め、心エコー経過を
経時的に追えた。CAT に関する報告は少なく、文献的考察を加えて報告する。
一般 Poster
P3-4-5
僧帽弁狭窄の進展を心エコー図にて観察した全身性エリテマトーデスの一例
穂積 健之1、松村 嘉起4、藤田澄吾子4、伊藤 朝広4、岩田 真一4、杉岡 憲一4、根来 伸夫2、
柴田 利彦3、末廣 茂文3、葭山 稔4
1
4
和歌山県立医科大学 循環器画像動態診断学、2大阪市立大学 医学部 膠原病内科、3大阪市立大学 医学部 心臓血管外科、
大阪市立大学 医学部 循環器内科
症例は 32 歳女性。16 年前より、膠原病内科外来にて、全身性エリテマトーデスの診断にて、ステロイド等の内服治療をされてきた。
10 年前の心エコー図では、僧帽弁弁尖の肥厚、軽度から中等度の僧帽弁逆流を指摘されていた。ところが、3 年前の心エコー図では、
僧帽弁尖の肥厚に加えて、弁尖および弁輪部の石灰化、僧帽弁前尖の開放制限と前交連部の癒合による弁口面積の狭小化が認められ
[僧帽弁口面積(MVA)1.7cm2、平均左房―左室圧較差(mPG)11mmHg]、僧帽弁狭窄と診断された。自覚症状はなく、引き続き
内科的にフォローされたが、2 年後には、弁口面積の狭小化進行がみられた(MVA 1.1cm2、mPG 15mmHg)。ただし、腱索の肥厚・
短縮は軽度であった。半年前からは、労作時の呼吸困難が進行し、推定肺動脈圧の上昇(66mmHg)もみられたた。3 次元経食道心
エコー図でも、僧帽弁尖の肥厚・石灰化、僧帽弁輪部の石灰化がみられ、MVA は 1.2 cm2 と評価され、僧帽弁置換術の適応と考えら
れた。術中所見では、僧帽弁尖の硬化および僧帽弁輪部の石灰化を認めたが、腱索の肥厚・短縮は軽度であった。全身性エリテマトー
デスでは、僧帽弁に弁病変が合併することが報告されているが、その多くは僧帽弁逆流であり、僧帽弁狭窄の報告は少ない。今回経
験した症例は、当初弁肥厚と軽度逆流であった僧帽弁病変が弁狭窄の状態となり、重症度が進展した症例で、その経過を心エコー図
にて観察し得たので報告する。
213
第26回日本心エコー図学会学術集会
P3-4-6
リアルタイム 3D 心エコー図法が診断に有用であった僧帽弁逸脱症を伴う先天性重複僧帽弁口の 1
例
高橋 敬太1、山本 裕香1、川村理恵子1、工藤 幸子1、平賀悠里江1、武田 智弓1、三上有里子1、
嘉村 幸恵1、横沢 里美1、佐々木幸子1、高橋 康子1、芳沢美知子2、熊谷亜希子2、田代 敦2、諏訪部 章3
1
岩手医科大学附属病院 中央臨床検査部 循環動態検査室、2岩手医科大学 内科学講座 心血管・腎・内分泌内科分野、
岩手医科大学 臨床検査医学講座
3
【症例】49 歳女性、他院にて心雑音を指摘され、精査目的で当院に紹介となっ
た。来院時の血液検査では BNP46.8 pg/mL と軽度高値であった。2D 経胸壁
心エコー図検査で外側の弁口が大きい重複僧帽弁口が疑われた。外側の弁の
前尖逸脱と腱索延長、高度僧帽弁逆流(ERO=0.50 cm2)、左房拡大を認めた。
明らかな腱索断裂は認めなかった。さらにリアルタイム 3D 経食道心エコー
図検査を施行した。僧帽弁口の間には隔壁様構造物がみられ、外側弁口前尖
の隔壁に接している部位の腱索延長による逸脱が確認され、同部位から 2 方
向性の逆流ジェットが認められた。僧帽弁逸脱症と高度僧帽弁逆流を伴う先天性重複僧帽弁口と診断し、今後僧帽弁形成術を検討す
る方針となった。
【結語】リアルタイム 3D 心エコー図法は弁や腱索の形態、逸脱や逆流部位の立体的な観察が瞬時に可能であり、複
雑な先天的僧帽弁形態異常を伴う本例の診断に有用であった。
P3-4-7
閉塞性肥大型心筋症に合併した急性僧帽弁逆流の一例
高井 学1、出雲 昌樹2、笠原みづほ1、林 明生1、山内 正博1、大宮 一人1、鈴木 健吾2、明石 嘉浩2
1
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 循環器内科、2聖マリアンナ医科大学
【症例】74 歳、女性【経過】平成 24 年 10 月より閉塞性肥大型心筋症の診断
で薬物加療を開始。自覚症状なく病状は安定し外来通院されていた。平成 26
年 4 月、突然の呼吸困難を自覚し救急要請、当院搬送となった。胸部単純 X
線写真では肺うっ血、心拡大が増悪。心エコー図検査では外来経過で認めて
いた SAM に伴う僧帽弁逆流とは異なる、新たな偏在性の逆流を認め、後尖、
後交連部付近の逸脱が疑われた。大動脈バルーンパンピングを挿入し、右心
カテーテルによる血行動態監視下で心不全加療を開始したが症状改善得られ
ず、人工呼吸器管理となった。経食道心エコー図では著明な左室流出路狭窄
と腱索断裂による後内側交連部および P3 の逸脱を認めた。内科的加療での血行動態管理が困難であり、手術適応と判断し、中隔心
筋切除術および僧帽弁置換術を施行した。術後経過は良好で、術後 25 日目に独歩にて退院となった。
【結語】閉塞性肥大型心筋症に
合併した急性僧帽弁逆流の一例を経験したため報告する。
一般 Poster
P3-4-8
ベッド上簡易負荷心エコー図(荷重なし足関節屈伸)により肺高血圧が誘発された弁膜疾患の 2 症
例
小松 美代1、渡邉 望2、日高 忠良1、田永 哲士1、小岩屋 宏2、矢野 光洋3、柴田 剛徳2
1
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科、2宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科、3宮崎市郡医師会病院 心臓血管外科
はじめに:負荷心エコー図は虚血性心疾患の他,心不全患者に対する有用性も報告されている.しかし,エルゴメータなどの負荷装
置を用いる検査は費用と手間がかかる他リスクもあり,検査技師のみで施行することは困難である.安全かつ簡便な負荷法として荷
重なし足関節屈伸負荷心エコー法を用いて,弁膜症患者の軽労作時の評価を試みた.方法:安静時心エコー図に引き続き側臥位のま
ま足関節の屈伸運動(1 回/秒)を行い,負荷中も継続して心エコー画像を記録し,推定右室収縮期圧(RVSP),左室駆出率(EF),
心拍出量(CO)の測定を行った.有意な RVSP 上昇を認めた時点で運動負荷を中止した.症例 1:67 歳女性.労作時息苦しさあり
受診,大動脈弁逆流および僧帽弁逆流の診断を受け手術予定となった.入院時心エコー検査では高度大動脈弁逆流と軽度大動脈弁狭
窄,中等度僧帽弁逆流,左室拡大,左房拡大を認めた.安静時には症状なく,肺高血圧は認めなかった.足関節屈伸負荷を行った.
負荷により RVSP36 → 52mmHg,EF 57.0 → 59.0%,CO 4.4 → 5.5 l/min と変化した.症例 2:64 歳女性.12 年前に他院で僧帽弁狭
窄症に対し経皮経静脈的僧帽弁交連切開術を施行された.最近になり動悸と労作時呼吸苦を自覚するようになり,当院紹介された.
心エコー図検査で中等度僧帽弁狭窄と左房拡大を認め,安静時肺高血圧はごく軽度であった.足関節屈伸負荷を行った.負荷により
RVSP41 → 60mmHg,EF 67.5 → 67.5%,CO 1.8 → 2.4 l/min と変化した.結語:ベッド上での荷重なし足関節屈伸負荷は,検査技師
のみで簡便に行うことができる負荷法である.有症状の心疾患患者で検査時に肺高血圧を認めない場合,本法での軽労作を加えるこ
とで臨床上有意義な情報を得ることができると思われた.
214
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P4-1-1
経食道心臓超音波検査を用いた卵円孔開存の評価(2D と 3D の比較検討)について
大野 雅文、臺 和興、山路 貴之、森田 裕一、橋本 東樹、播磨 綾子、大井 邦臣、岡 俊治、
中間 泰晴、西楽 顕典、西岡 健司、三浦 史晴、嶋谷 祐二、井上 一郎
広島市民病院 循環器内科
背景:近年若年者における脳梗塞の原因として奇異性塞栓症が注目されており、経食道心エコー(TEE)を用いた卵円孔開存(PFO)
の評価が重要となっている。
目的:TEE での PFO の検出率について、2D と 3D の比較検討を行うこと。
方法:2D/3D-TEE にて PFO の評価を行った 207 例を対象とした。内訳としては男性が 150 例(72%)
、平均年齢は 64 歳であった。
TEE にて、マイクロバブルを右房内に充満させた後 Valsalva 負荷をかけ、左房内へのバブルの流入の有無について評価した。Valsalva
負荷解除後 3 心拍以内に左房内へのバブルの流入を認めた場合、PFO 陽性とした。
結果:2D-TEE で PFO 陽性は 71 例(34%)、3D-TEE で PFO 陽性は 54 例(26%)であった。うち 1 例は 2D-TEE で PFO 陽性となっ
たが、3D-TEE で 2 つのシャント部位を認め、卵円孔開存に加えて小さな心室中隔欠損症(small ASD)の存在が確認された。
結語:TEE での PFO の検出率は 2D-TEE で高率であった。3D-TEE では、バブルの左房への流入部位を特定し肺内シャント等の心
外シャントを鑑別でき、その局在診断において有用であると考えられた。
P4-1-2
成人左房性三心房心の一例
棚橋 景子1、水口 和代1、柴田 妙子1、濱口 幸司1、加藤 友大2、内川 智浩2、澤田 康裕3、
庄村 遊3、水元 亨3、谷 知子4
1
安城更生病院 臨床検査技術科、2安城更生病院 循環器内科、3安城更生病院 心臓血管外科・呼吸器外科、
神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科
4
今回、手術施行となった成人の三心房心を経験したので報告する。
【症例】30
歳女性。胸部絞扼感と息苦しさを自覚し当院受診。経胸壁心エコーでは左室
拡張末期径(LVDd)54mm、左室駆出率(EF)54.7%、左房径(LAD)39mm、
左房内に異常隔壁があり交通孔を認めた。左房副腔・真腔間の血流は最大圧
較差 17mmHg、最大流速 207cm/s と圧較差を認めた。その後、心臓 CT が
行われ、心房中隔欠損、肺静脈還流異常、左上大静脈遺残は認めなかった。
心 臓 カ テ ー テ ル 検 査 で は 平 均 肺 静 脈 楔 入 圧 25mmHg、 左 室 拡 張 末 期 圧
10mmHg と 15mmHg の圧較差を生じており、平均肺動脈圧 30mmHg、右室
収縮期圧 40mmHg であった。圧較差が 10mmHg を超えており、重症僧帽弁
狭窄症に準じて手術を選択、左房隔壁切除術が施行された。術後 9 日目の経
胸壁心エコーでは LAD50mm、LVDd58mm、EF65.2% と心機能良好であり
左房内の圧較差は認めなかった。
【結語】三心房心の多くは幼少期に診断、治
療となるために成人で遭遇する機会は少ない。しかし、左房内異常エコーを
認めた場合には本症例も念頭に入れる必要があると考えられる。
一般 Poster
P4-1-3
術中経食道心エコー図にて心室中隔欠損が発見された右室二腔症の一例
河村 愛、今井孝一郎、岡本 公志、古山 輝將、玉田 智子、山田亮太郎、久米 輝善、根石 陽二、
大倉 宏之
川崎医科大学附属病院 循環器内科
【症例】40 歳代男性【主訴】心雑音【現病歴】幼少期に右胸心と心雑音を指
摘されていた。20XX 年、心雑音の精査目的で当院へ入院した。
【入院時現症】
身体所見では、第 2 肋間胸骨右縁に Levine 6/6 の汎収縮期雑音を聴取した。
心エコー図では右室肥大と肥大した心筋による右室の二腔化を認め、右室二
腔症(DCRV)と診断した。連続波ドプラ法による三尖弁逆流速度から測定
した推定右室収縮期圧は 150 mmHg で、手術適応と判断した。【術中所見】
右室内の異常心筋を切除した後に、術中経食道心エコー図を施行したところ、
それまで認められなかった心室中隔の左右シャントを新たに出現していた
(図)。心室中隔欠損(VSD)と診断し、パッチ閉鎖術を行った。
【考察】DCRV
ではしばしば VSD を合併する。本例は術前に右室圧の上昇により、VSD に
よるシャント血流が認められず、術後に右室圧が低下したため、VSD の存在
が初めて明らかになったものと思われた。
215
第26回日本心エコー図学会学術集会
P4-1-4
完全内臓逆位に重症大動脈弁狭窄症を合併した大動脈一尖弁の 1 例
中尾 一浩1、兵頭 永一1、長浦 貴史1、森林 耕平1、徳田 剛宏1、前田 美歌1、岩村 世晴1、
中井 秀和2、吉田 和則2、民田 浩一1、山室 淳1、吉川 純一1
1
西宮渡辺心臓・血管センター 循環器内科、2西宮渡辺心臓・血管センター 心臓血管外科
症例は 72 歳、男性。近医にて完全内臓逆位を指摘されていた。労作時呼吸困難を主訴に当院受診された。右側臥位による経胸壁心エ
コー図検査にて大動脈弁口面積 0.7cm2 の重症大動脈弁狭窄症を認めた。形態的右房・右室は左側、形態的左房・左室は右側に認め
た。胸腹部 CT では右肺は二葉肺、肝臓は左側、胃・脾臓は右側に存在し完全内臓逆位症例であった。経食道心エコー図検査(TEE)
では右側臥位にて行い、TEE は通常と正反対に 180°を 0°と考えて操作した。典型的な 4 腔像は 180°
,長軸像は 55°で描出でき,術
中の操作が正反対である違和感解消のため鏡を通してモニターをみる操作も行った。TEE 上は大動脈二尖弁を疑った。当症例に対し
て大動脈弁置換(AVR)と Maze 手術の方針となった。手術は術者が患者左側に立ち、仰臥位、胸骨正中切開でアプローチした。大
動脈弁は石灰化が高度な一尖弁であった。型のごとく AVR を行い、手術を終了した。
【考察】完全内臓逆位は 10000 人に 1 人の頻度
で生じるとされるが、90% の症例は、正位房室結合であり、正常解剖の mirror image と報告される。また大動脈一尖弁は極めてま
れでありほとんどが大動脈弁狭窄症にて発見となる。完全内臓逆位患者に TEE を行う際は,心奇形合併の見落としを回避するため
に,胸部 X 線で右胸心であっても腹部臓器も逆位であるかをエコー前に確認し,基本的な画像描出法は正常心患者と変わらないこ
と,走査面は正常面±180°で行うこと,構造が逆であるために TEE の走査に違和感がある場合は鏡に映して走査するなどの工夫も
必要な場合がある。本例のような完全内臓逆位に大動脈一尖弁を伴う症例は極めてまれであり、若干の文献的考察を加えて報告する。
P4-1-5
長期経過観察中の無症候性冠動脈-左室瘻の一例
大原美奈子、鍵山 暢之、鎌田 康彦、林田 晃寛、山本 桂三、吉田 清
社会医療社団法人社団十全会 心臓病センター榊原病院
冠動脈瘻は冠動脈から両心房、心室、肺動脈、冠状静脈洞などにシャントが形成される疾患で冠動脈造影における検討では 0.1∼0.26%
に認めたと報告されている。我々の施設において心エコー図検査にて指摘された冠動脈瘻 5 症例(男性 3 例、平均年齢 65.2±5.7 歳、
症例 1:両冠動脈-左室、2:両冠動脈-肺動脈、3:右冠動脈-冠状静脈洞、4:左冠動脈-冠状静脈洞、5:左冠動脈-冠状静脈洞、右冠動
脈-肺動脈)のうち症例 1 の経過について報告する。65 歳男性、2008 年 9 月に冠動脈 CT にて左冠動脈対角枝-左室瘻、右冠動脈-左室
瘻と左冠動脈主管部∼前下行枝、対角枝の冠動脈瘤(対角枝 14mm)を指摘された。心エコー図検査では LVDd50mm、LVDs33mm、
EF62% で肺高血圧は認めず、心臓 MRI では LVEDV141ml、ESV59ml、SV82.5ml、EF58%、薬剤負荷心筋シンチでは虚血は認めな
かったため経過観察とした。2014 年 10 月に施行した心エコー図検査では LVDd51mm、SV65mm、EF60%、冠動脈 CT では左冠動
脈対角枝 14mm で著変なかった。冠動脈瘻は先天異常のことが多く、成長とともにシャント量が増えて心不全や心筋虚血、肺高血圧
などを発症するリスクが高くなるため有症状例ではコイル塞栓や手術を行うことが推奨されている。しかし長期予後の報告は少なく、
無症状症例に対する治療方針は意見が分かれるところである。本症例は 6 年間の経過で心負荷の増大は認めず、シャント量が多くて
も無症状例は治療を必要としない可能性も考えられる。冠動脈瘻の長期予後の報告は少なく、文献的考察を加えて報告する。
一般 Poster
P4-1-6
経食道心エコー図が診断に有用であった右冠動脈-右房ろうの一例
笠本 学、北井 豪、金 基泰、谷 知子、古川 裕
神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科
症例は 70 歳男性。無症状であったが、前医で肺炎評価目的に撮像された CT にて腎腫瘍が指摘、さらに腎腫瘍フォローの CT にて心
臓周囲に異常構造物を指摘され当科紹介となった。身体所見では Levine 2/6 の連続性雑音を第二肋間傍胸骨右縁に聴取し、心電図は
洞調律で左室肥大が認められた。慢性腎臓病のため造影 CT は施行できず、経胸壁心エコー図では、起始部から φ12mm 程度に著明
に拡大した右冠動脈が同定された。同血管は、屈曲蛇行していたが、開口部の同定は困難であった。肺高血圧、右室負荷所見は認め
なかった。経食道心エコー図にて、起始直後から拡張した右冠動脈が屈曲蛇行しながら房室間溝を走行し、上大静脈流入直後の高位
右房に流入する巨大な右冠動脈―右房ろうと診断した。右心カテーテルでは、上大静脈に比べ下大静脈と右心房にて酸素飽和度の上
昇が見られ、肺体血流比は 1.51 であった。負荷心筋シンチグラフィーでは下壁領域に軽度の可逆性欠損領域を認めたが、無症状であ
り経過観察の方針とした。冠動脈ろうは一般に先天的なものが多いと報告されているが、外傷や手術手技によると思われるものの報
告も散見され、頻度は全人口集団の 0.002%と推定されている。冠動脈ろうの中で心腔内へ流入するものが 75%を占めるとされ、そ
の中で右心房に流入するものは 35%程度とされる。症状や高度のシャントがない場合はエコーを始めとした画像的フォローと抗血小
板療法や感染に対する抗生剤の予防的投与などが考慮される。今回、経食道心エコー図にて診断しえた右冠動脈右房ろうの症例を経
験したので報告する。
216
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P4-1-7
3 次元心エコー図検査を用いて隔壁交通孔を詳細に評価しえた三心房心の 2 例
池田 和美1、福田 祥大2、大谷 恭子2、永田 泰史2、福山 梓子2、上間 貴子2、角 裕一郎2、
中園 朱実1、坂本 恭子1、立花佐和美1、白水 利依1、津留 孝浩1、野原 正信1、木村 聡1、
平田信太郎1、竹内 正明2、尾辻 豊2
1
産業医科大学病院 病理・臨床検査・輸血部、2産業医科大学 循環器・腎臓内科
【はじめに】
三心房心は先天性心疾患の 0.1% 程度と稀な疾患である。隔壁によって心房が
二分されることが本疾患の特徴であり、隔壁交通孔の程度が治療方針を大き
く左右する。偶然発見された左房性三心房心において、3 次元心エコー図検
査が交通孔の評価に有用であった 2 例を報告する。
【症例 1】
15 歳男性。健康診断で心雑音を指摘され来院した。2 次元心エコー図検査を
施行し、左房内に隔壁様構造物を認め三心房心と診断した。3 次元心エコー
図検査を用いて隔壁を描出したところ交通孔を 2 つ認め、面積はそれぞれ
0.9cm2、2.3cm2 であった。
【症例 2】
80 歳女性。他科の術前評価目的で施行された 2 次元心エコー図検査によって三心房心を発見診断した(図左)
。3 次元心エコー図検査
を施行し、交通孔を描出したところ、大動脈側に偏位した交通孔を 1 つ確認し、その面積は 6.5cm2 であった(図右)。
【結語】
我々は偶発発見された左房性三心房心の 2 症例を経験した。3 次元心エコー図検査を用いることで、交通孔の形態を詳細に把握する
ことができた。
P4-1-8
動悸症状から心雑音指摘され心エコーで右室流出路壁近傍に連続性カラー血流を認めた巨大 coronary AV fistula 疑いの 1 症例
河野 仁美1、太田 剛弘1、水野 博之1、村岡 英幸1、長江 啓二1、米田 正始2
1
高の原中央病院かんさいハートセンター 循環器内科、2高の原中央病院かんさいハートセンター 心臓血管外科
【症例】71 歳男性【主訴】動機、胸部違和感【現病歴】以前は特に症状感じず現在も運動もしている。数ヶ月前から下肢冷感あり、
急いで歩くと動機がするようになった。運動で易疲労、息切れなどあり近医受診したところ心雑音、心拡大指摘され当院紹介となっ
た。【既往歴】平成 11 年肺癌治療【心エコー検査】経胸壁心エコーで右室流出路前壁に収縮期優位の連続性カラー血流が記録され、
RVOT に流出する coronary AV fistula が疑われた。左室壁運動異常は認めないが LVEF52%と軽度低下、LVDd61mm,LVDs47mm
と心拡大、左室肥大あり。中等度以下の大動脈弁逆流認める。
【冠動脈造影 CT】LCA 起始部から最大径約 18 mm の異常血管の巨大
な集合が描出され、複雑に蛇行し一塊となっていた。症状と Fistula の存在との関連を考え、トレッドミル負荷心電図テスト施行し
Bruce プロトコール Stage 3(7 Mets)で息切れあり、ECG の ST 低下など虚血が coronary steal によると考えた。症状増悪あり中
止とした。治療方針確定のため心臓カテーテル検査等施行とした。【治療方針】coronary AV fistula はまれな先天性疾患だが、成人
となり coronary steal 現象による狭心症を合併する場合、心機能低下前に閉鎖治療が有用である。外科的治療とするか、経カテーテ
ル塞栓術とするか議論があるが、運動負荷テストなどで虚血が顕在化する場合は、手術治療が望ましいとされる。
【まとめ】今回われ
われは、動機を訴え、連続性雑音が聞かれた症例に、心エコーで左心機能低下、左心負荷、右室近傍の連続性異常血流を認め、冠動
脈 CT で複雑に蛇行する大きな冠動脈ろう症例で、運動負荷にて coronary steal を疑う症例を経験した。
CPA 蘇生後に判明した左冠動脈肺動脈起始症の一例
朴 美仙、河端 哲也、江口 春樹、吉田 雅昭、鈴木 慎介、井本 宏治、園山 一彦、小田 強
島根県立中央病院 循環器科
14 歳,女児.生来基礎疾患指摘なし.激しい運動直後に卒倒し心肺停止となり,直ちに心肺蘇生が開始された.AED の初期波形は
心室細動であり,1 回の除細動で正常洞調律に復帰した.除細動後の心電図では ST 低下を認めた.当院に搬送され,来院時は自己
心拍,自発呼吸はあったものの,意識レベルは JCS300 であった.脳低体温療法が開始され,神経学的に後遺症は残さず回復した.
経胸壁心エコー図検査では,右冠動脈が拡大し下壁∼中隔において冠動脈血流が目立っていた.左回旋枝および左前下行枝には逆行
性の血流を認め,かつ左主幹部と肺動脈の連続を示唆する所見を認めた.後日冠動脈 CT を撮影したところ,左主幹部が肺動脈から
起始しており,右冠動脈から中隔を介した側副血行路が著明に発達していた.このことから左冠動脈肺動脈起始症と確定診断に至り,
後日左冠動脈移植術および肺動脈再建術が施行された.左冠動脈肺動脈起始症は,左冠動脈が肺動脈から起始することで,本来左冠
動脈に灌流されるべき心筋に高度の虚血が生じる.その結果多くの症例は幼少時に心肺停止に至り致命的となる.しかし右冠動脈と,
それに由来する側副血行路が発達した症例では,高度の虚血を惹起せず無症状で成長することがある.本症例は右冠動脈と側副血行
路の発達により心筋が灌流され,激しい運動時に虚血を生じた結果心肺停止に至ったと考えられた.心エコー図検査では非侵襲的に
冠動脈の異常な走行や,側副血行路の発達が観察でき,診断の一助となる有用な検査であった.本症例を踏まえながら,左冠動脈肺
動脈起始症を疑う臨床所見やその予後などについて考察する.
217
一般 Poster
P4-1-9
第26回日本心エコー図学会学術集会
P4-2-1
経食道心エコー図検査が治療方針決定に有効であった原発性大動脈平滑筋肉腫の一例
渡部 美佳1、竹谷 剛2、阿佐美匡彦1、塩川 則子3、楠原 隆義2、谷本 周三1、青木 二郎1、
中島 啓喜4、遠田 栄一3、田邉 健吾1
1
三井記念病院 循環器内科、2三井記念病院 心臓血管外科、3三井記念病院 生理検査室、4三井記念病院 臨床検査部
【症例】76 歳、女性。
【病歴】高血圧と多発肝細胞癌で当院通院中の患者。背
部痛を主訴に来院し造影 CT 検査を施行。下行大動脈に突出する辺縁不整な
内部不均一の異常陰影及び腎梗塞と脾梗塞を認め、精査目的に入院となった。
CT 所見では血栓や腫瘍病変が考えられた。経食道心エコー図を施行し、可
動性に富む多房性のエコー像と球状のエコー像を認め、内部は不均一で表面
に膜様組織を疑う所見を認めた。発生部位、エコー所見より腫瘍が考えられ、
また可動性に富み、塞栓症を発症しており緊急摘出術施行し、病理診断は平
滑筋肉腫であった。原発性血管腫瘍は稀な疾患であり、その予後は不良であ
る。特異的な症状もなく、画像診断も確立されていないためその診断や治療
方針決定に苦慮することが多い。これまで CT の報告は多いが、エコー図の
報告は少なく、本症例では経食道心エコー図により腫瘍を疑い、早期治療を
施行することができた。
【結語】今回、経食道心エコー図が有用であった原発
性大動脈平滑筋肉腫の比較的稀な一例を経験したため報告する。
P4-2-2
外科的閉鎖術後に左房内血栓を生じた高度僧房弁閉鎖不全症の一例
黒澤 毅文1、相澤 芳裕1、山本 顕介1、中井 俊子1、廣 高史1、畑 博明2、塩野 元美2、平山 篤志1
1
日本大学 医学部 内科学系循環器内科学分野、2日本大学 心臓血管外科
【症例】66 歳、女性【既往歴】56 歳時より慢性心房細動【現病歴】平成 26 年 8 月、労作時の息切れを主訴に近医から紹介受診した。
受診時、聴診上収縮期逆流性雑音を心尖部に聴取し、胸部レントゲン上 CTR 0.71 と心拡大認め、右側胸水貯留を認めた。心エコー
上、明らかな壁運動異常は認めず、LVDd/s 57/33mm,EF 73%、著明な左房拡大(100×78mm)と僧房弁輪拡張によると思われる
高度な僧房弁閉鎖不全と、右房拡大(62×43mm)と中等度の三尖弁閉鎖不全を認めた。経食道心エコー上、弁尖や弁下組織に高度
な器質的変化は認めず、左房内・左心耳内に血栓は認めなかった。僧房弁閉鎖不全症による慢性心不全と考え、僧房弁輪形成術+左
心耳縫縮術+三尖弁輪形成術を施行した。術後経過は良好で心臓リハビリを問題なく施行できており、術後もヘパリンによる抗凝固
療法を行っていた。術後第 7 病日に施行した心エコー上、僧帽弁逆流はほぼ消失していたが、左房内に 30×17mm 程度の可動性を有
する壁在血栓と左房内モヤモヤエコーを認めた。創部からの出血がないことを確認し、同日よりワルファリンによる抗凝固療法再開
し、血栓の縮小を認めた。術後第 25 病日に経食道心エコーで左房内血栓がないことを確認し、退院となった。
【考察】慢性心房細動
による高度な左房拡大と、弁輪拡張を主な成因とした僧房弁閉鎖不全症により心拍出量が減少していることが心不全の原因と考えら
れたために外科的治療の適応と考えられた。僧房弁輪を縫縮することにより、逆流の制御に成功したが、結果として左房内の血鬱滞
を惹起し、左心耳縫縮後にもかかわらず左房内血栓形成が誘発されたものと考えられた。
一般 Poster
P4-2-3
転移性右房内悪性腫瘍の 2 症例
津留 孝浩1、福田 祥大2、中園 朱実1、坂本 恭子1、池田 和美1、立花佐和美1、白水 利依1、
大谷 恭子2、永田 泰史2、福山 梓子2、上間 貴子2、角 裕一郎2、野原 正信1、平田信太郎1、
木村 聡1、竹内 正明2、尾辻 豊2
1
産業医科大学病院 病理・臨床検査・輸血部、2産業医科大学 循環器・腎臓内科
【はじめに】
心臓悪性腫瘍は原発性よりも転移性が多く、全悪性腫瘍の約 15% が心臓に転
移すると報告されている。我々は、下大静脈を介して右房内へ浸潤した転移
性右房内悪性腫瘍の 2 症例を経験したので報告する。
【症例 1】
67 歳男性。既往歴は 2 型糖尿病、高血圧、白内障。貧血、食欲不振にて受診
し、胸腹部造影 CT が施行された。左腎悪性腫瘍および下大静脈内腫瘍塞栓、
肺転移と診断された。
経胸壁心エコー図検査において、下大静脈から連続し棍棒状の腫瘍像を右房
内に認めた(図左内矢印)。腫瘍は可動性を有し、拡張期には腫瘍先端が三尖弁を越えて右室内に到達していた。
【症例 2】
64 歳男性。腹満感、倦怠感、食欲不振を認め、肝細胞癌と診断された。腫瘍は下大静脈に浸潤していた。経胸壁心エコー図検査にお
いて、下大静脈から右房内に連続する太い紐状の腫瘍像を認めた。腫瘍は右房内腔をほぼ占拠していた(図右内矢印)。
【結語】
心臓外悪性腫瘍から下大静脈を経由して右房内浸潤した転移性右房内悪性腫瘍の 2 症例を経験した。
218
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P4-2-4
経胸壁心エコーにて右房内血栓が肺塞栓に至る経過を追跡し得た 1 剖検例
木村 祐樹、鄒 佳苗、木村 昌弘、舩迫 宴福、加藤 貴雄、中根 英策、宮本 昌一、和泉 俊明、
春名 徹也、猪子 森明
公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 心臓センター
【背景】深部静脈血栓症(DVT)に由来する肺塞栓症はしばしば認めるが、経過中に右房内血栓を認めることは比較的稀である。今
回我々は、心エコーで右房内血栓を検出し肺塞栓に至る経過を追跡し得た症例を経験したので報告する。
【症例】64 歳、男性。原発
不明癌に対する入院精査中、突然の心窩部痛、呼吸困難感を認め失神を来し低酸素血症を認めた。経胸壁心エコー(TTE)で右心系
の拡大および肺高血所見を認め、右房内に約 5cm の可動性を有する数珠状の腫瘤を認めた。胸部造影 CT で左下葉枝、右上葉枝の末
梢側に肺塞栓症(PE)の所見を認めた。発症 9 日後、胸痛および低酸素血症の増悪を認めた。再度 TTE を施行すると右房内の巨大
な腫瘤は消失しており、肺高血圧所見の増悪を認めた。胸部造影 CT では右肺動脈主幹部に新たに PE を認め、左浅大腿静脈から膝
窩静脈の血栓閉塞を認めた。下大静脈への腫瘍浸潤がないことから DVT が塞栓原と考えられた。下大静脈フィルターを留置し抗凝
固療法を開始し血行動態や症状は改善したが、原疾患の進行により 40 日後に永眠された。病理解剖の結果、原発は膵臓の adenocarcinoma と考えられ、肺動脈内に血栓や腫瘍は認めなかった。塞栓原となった血栓が抗凝固療法により溶解、消失したものと考えられ
た。TTE で右房内に可動性血栓を検出した場合、肺塞栓発症による致死率は高く開胸手術も考慮されるが、本症例は原疾患の予後が
不良であったため抗凝固療法による保存的加療を選択した。悪性疾患に伴う深部静脈血栓症から肺塞栓に至る経過中、右房内血栓を
TTE で検出でき、肺塞栓に至る経過を複数のモダリティで追跡することができた稀な症例を経験したため、文献的考察を交えて報告
する。
P4-2-5
全身塞栓症を合併するも内科的治療にて軽快した巨大左室内血栓を生じた拡張型心筋症の 1 例
中嶋 正貴1、谷 知子1、北井 豪1、金 基泰1、角田 敏明2、川井 順一2、紺田 利子2、
藤井 洋子2、佐々木康博1、山根 崇史1、小堀 敦志1、江原 夏彦1、木下 愼1、加地修一郎1、
北 徹1、古川 裕1
1
神戸市立医療センター中央市民病院 循環器内科、2神戸市立医療センター中央市民病院 臨床検査技術部
P4-2-6
一般 Poster
43 歳女性。5 年前に拡張型心筋症と診断され内服加療にて心機能は正常化す
るも内服自己中断した。2014 年他院に心不全入院中に施行した経胸壁心エ
コー図で 40mm 大の左室内血栓を認め抗凝固療法を開始となるも、脳梗塞を
発症した為転院となった。
経胸壁心エコー図では、左室拡張末期径 54mm、びまん性壁運動低下(左室
躯出率 38%)
、心尖部前壁中隔に付着し浮動する 45×17mm 大の棒状血栓を
認めた。散在性脳梗塞を発症しており、抗凝固療法を継続し準緊急外科的血
栓除去術を行う方針となった。
しかし第 3 病日に全身塞栓症(両腎梗塞・脾梗塞・脳梗塞・右前脛骨動脈・
腓骨動脈)を発症した。直後の経胸壁心エコー図では血栓は完全に消失して
いた。両腎梗塞に対して血栓吸引、動注血栓溶解療法を施行した。新規の神
経症状は認めなかった。以後抗凝固療法を継続し、血栓症再発を認めず第 24
病日に独歩自宅退院となった。2 ヶ月後の心エコー図では左室躯出率 56% へ
と改善していた。
幸いにも致死的塞栓症は発症せず軽快退院となったが、緊急手術を検討すべ
き症例であった。若干の文献的考察を加え報告する。
心タンポナーデを発症した胸腺腫術後遠隔期の一例
沼倉 陽子1、斎藤菜々子1、畑岡 麻子1、安田真由美1、島田 教子1、細谷 侑未1、田畑 博嗣2、
石神 徳郎2、永井 知雄3、勝然 秀一3、小原 聖勇4
1
国家公務員共済組合連合会 三宿病院 臨床検査科、2国家公務員共済組合連合会 三宿病院 循環器内科、
自衛隊中央病院 循環器内科、4自衛隊中央病院 胸部外科
3
【症例】52 才男性【既往歴】2003 年、胸腺腫で手術を行うが再発し化学療法を行っ
ていた。
【現病歴】2014 年 9 月、痙攣発作で当院救急受診 入院となった。入院時
心電図は洞性頻脈、右軸変位、不完全右脚ブロック、胸部 X−P での CTR は 53%
であった。4 病日後にショック状態となり 経胸壁心エコーを行ったところ中等度
の心嚢液貯留と右室の虚脱を認め 心タンポナーデと診断された。外科的に心嚢液
ドレナージ術を行い心タンポナーデは改善した。フォローアップの経胸壁心エコー
では心膜は全周性に肥厚し 左室後壁基部および側壁中部の壁側心膜には充実性
エコーを認めた。心臓 CT でも同様の所見が確認され、胸腺腫の心膜転移と考えら
れた。
【結語】術後 11 年の超遠隔期に心膜浸潤により心タンポナーデを生じた胸腺
腫の診断に、経胸壁心エコーが有用であった一例を経験した。
219
第26回日本心エコー図学会学術集会
P4-2-7
左房粘液腫様形態だが典型的ではなかった血管肉腫の 1 症例
志和 清隆1、黒川 文夫1、新井光太郎2、齋藤 千紘2、福島 敬子2、林 慶子2、芦原 京美2、
萩原 誠久2、津久井宏行3、山崎 健二3
1
東京女子医科大学附属病院 中央検査部、2東京女子医科大学 循環器内科、3東京女子医科大学 心臓血管外科
症例は 33 歳女性。息切れで近医を受診後心不全の診断で当院紹介。内部エコーが等∼低輝度な左房内腫瘤を認めた。経食道エコーで
は腫瘤は僧帽弁後尖を中心に両尖に広く付着し、一部は左心耳入口部、肺動脈左房側、僧帽弁基部心房中隔にもおよんでいた。表面
の性状は比較的平滑で大動脈壁や肺動脈壁への浸潤は明らかでない。腫瘤は心周期に従い拡張期には左室側、収縮期には左房側に翻
転していた。腫瘤と後尖との付着部位は輝度がやや高く粗造な部分があり、後尖に癒着している可能性があった。腫瘤内部のドプラ
信号(−)、腫瘤サイズは最大で 56×20mm(120°)であった。LVIF=2.6m/sec,MVG(mean)=17mmHg,PHT=200msec,MVA
=1.10cm2(PHT 法)と腫瘤による流入障害を認め、Mr;mild であった。Ar;(−)、Tr;mild、Tr flow=3.9m/sec、RVSP=
70.8mmHg、粘液腫としては付着部位や弁尖への癒着など非典型的であり悪性腫瘍を含む検索の必要があると思われた。その他の弁、
心内腔に腫瘤は認めなかった。腫瘤による高度左室流入障害と肺高血圧症をきたしており、第 2 病日腫瘤除去および僧帽弁人工弁置
換(SJM25M)、左心耳切除術を施行した。右側左房切開すると、腫瘤は左房後壁から僧帽弁弁輪にかけて付着し左心耳や両尖にも付
着していた。表面は平滑で剥離が可能な部位が多かったが、特に後尖とは強固に癒合しており剥離はできず弁を含め切除した。左心
耳は腫瘤付着部位と正常組織の境界部で切除した。迅速診断で左房粘液腫様であるが細胞異形が強いと返信があり、のちに血管肉腫
と診断された。心臓腫瘍の最終診断は組織検査であることは言うまでもないが、非典型的所見を示した場合には注意が必要と再認識
した。
P4-2-8
うっ血性心不全治療経過中に右室心尖部血栓を認めた 1 症例
和田美智子1、宮川 和也3、佐々木逸美1、吉川 智絵1、安岡 由夏1、平川 大悟1、馬場 裕一3、
永井 英里3、松村 敬久2、北岡 裕章3、杉浦 哲朗2
1
高知大学 医学部 附属病院 検査部、2高知大学 医学部 病態情報診断学講座、3高知大学 医学部 老年病・循環器・神経内科
症例は 50 歳代女性。20××年×月から心窩部不快感、体重増加、浮腫と息苦しさ、胸部 X 線写真で肺うっ血所見を認め、心不全の
診断で前医に入院した。心エコー図で左室および右室にびまん性の壁運動低下を認めたが、心電図では有意な ST-T 変化や異常 Q 波
は認めず、トロポニン I 陰性、CK-MB 正常より、急性冠症候群は否定的と判断され、内服治療で心不全は改善した。安定期の冠動脈
造影では有意狭窄を認めなかった。入院 3 週間後の心エコー図で新たに右室心尖部に血栓様構造物を認めた。造影 CT で肺動脈塞栓
は認めなかったが発症リスクもあり、外科治療の適応も考慮され、当院へ緊急搬送された。当院入院時心エコー図では、左室拡大と
左室収縮能低下(LVDd/Ds:56/46 mm、LVEF:30−35%)、および右室収縮能低下(RVD:24 mm、RVFAC:20%)を認めた。
血栓様構造物(20×12 mm)は右室中隔の心尖部付近に付着し、茎状形態はなく、表面は平滑で大部分は echogenic(内部は一部 low
echoic)でわずかに可動性を認めた。右室収縮低下による右室内血栓の可能性が高いと判断し抗凝固療法を開始した。治療開始 3 週
間後に構造物はほぼ消失したことから右室内血栓と診断した。心不全の原疾患として、心サルコイドーシスや不整脈源性右室心筋症
の可能性も否定はできないが、診断基準は満たしておらず、右室収縮能低下を合併した拡張型心筋症と診断した。
両室収縮不全のある心不全患者で右室心尖部血栓を認めた症例を経験した。拡張型心筋症において右室内血栓は稀な合併症であるが、
右室にも血栓が形成される可能性を考慮して、心エコー図による十分な観察が必要である。
一般 Poster
P4-2-9
治療経過中に経食道エコー図と PET 所見の乖離を認めた diffuse large B cell lymphoma の一例
小林 淳1、半沢 ゆみ2、遠藤由美子2、堀越 裕子2、高橋 裕志1、及川 雅啓1、七島 晶子1、
小川 一英1、竹石 恭知1
1
福島県立医科大学 循環器・血液内科学講座、2福島県立医科大学附属病院 検査部
症例は 69 歳女性、左乳房腫瘤にて近医で精査。生検にて diffuse large B cell
lymphoma(DLBCL)の診断となり、当院に紹介となった。当院で施行した
PET-CT では両側乳房、左腋窩リンパ節の他に心房にも病変が指摘されたた
め、当科での精査を依頼された。経食道エコー図検査では、左房壁に広がる
low density の構造物が確認され、DLBCL が心房壁に広がっていると考えら
れた。当院血液内科にて DLBCL に対し化学療法が開始となり、3 クール終
了時に PET-CT を行い、化学療法前に認めていた両側乳房、左腋窩リンパ
節、心房の集積の消失が確認された。病変の確認のため経食道エコー図検査
を行った。経食道エコー図検査では、前回認められた左房壁に広がる low
density の構造物が減少しているのが確認されたが、残存が認められた。
【結
語】腫瘍の全身検索に対する PET-CT の有用性は確立されているが、今回
我々は、PET にて指摘できなかった DLBCL の心臓病変を経食道エコー図検
査にて観察した一例を経験したので報告する。
220
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P4-2-10
腹部 CT で偶発的に発見された心臓血管肉腫の 2 症例
藤井 裕人1、正岡 佳子1、廣延 直也1、川瀬 共治1、田邊 雪乃2、大藤 蛍子2、遠藤美奈穂2、
砂押 春香2、舟木 麻美2、土井 裕枝2、沖野 清美2
1
あかね会 土谷総合病院 循環器内科、2あかね会 土谷総合病院 心機能検査室
【症例 1】67 歳男性。S 状結腸癌術後のフォローアップ目的で施行した腹部造影 CT で左房腫瘤を認め、当院紹介受診となった。経胸
壁心エコー図(TEE)で左房後壁に広基性に付着する腫瘍を認めた。2D 及び 3D 経食道心エコー図(TEE)では腫瘍は左房後側壁に
付着し、僧房弁後尖の弁輪部から弁腹に癒着していたが、弁機能は保たれ、心嚢水貯留も認めなかった。腫瘍摘除術を施行した。僧
房弁後尖弁輪から後尖左房後壁にかけて 3.0×2.0cm の暗赤色の腫瘍を認め、腫瘍は僧帽弁後尖へ浸潤していた。腫瘍を左房壁及び僧
帽弁後尖とともに切除し、欠損部を自己心膜で補填し僧帽弁置換術を施行した。病理診断は血管肉腫であった。
【症例 2】63 歳男性。上行結腸憩室炎の評価目的で施行した腹部造影 CT で右房腫瘤を認め、当院紹介受診となった。TTE で心房中
隔右房側に広基性に付着する腫瘍を認めた。2D 及び 3DTEE で心房中隔下部から右房内に突出する腫瘍を認めたが、三尖弁機能は保
たれ、右房流入障害や心嚢水貯留も認めなかった。腫瘍切除術を施行した。心房中隔下部の右房側に、広茎性の 4.0×3.0cm の暗赤色
の腫瘍を認めた。腫瘍とともに心房中隔を切除し、自己心膜で心房中隔欠損部を閉鎖した。病理診断は血管肉腫であった。
2 症例とも遠隔転移は認めず、術後 4 ヶ月の時点で再発は認めていない。
【考案】血管肉腫は悪性度が高く、初診時の遠隔転移も高頻度であり、通常重篤な症状を来たして発見されることが多い。他疾患精査
目的の腹部 CT で、症状出現前に偶発的に発見された心臓血管肉腫の 2 症例を経験した。早期の血管肉腫の TTE、2D 及び 3DTEE
所見の報告はきわめて少なく、貴重な症例であり報告する。
P4-3-1
キアリ網に捕捉された右房内血栓の 1 例
坂東 美佳1、山田 博胤1、高川由利子1、西條 良仁1、楠瀬 賢也1、林 修司2、西尾 進2、
平田有紀奈2、鳥居 裕太2、天野 里江2、山尾 雅美2、佐田 政隆1
1
徳島大学病院 循環器内科、2徳島大学病院 超音波センター
40 歳代,女性.高熱,咽頭痛が出現し,近医でインフルエンザ A 型と診断
された.発症 4 日後に嘔吐,下痢,両下肢倦怠感が出現した.発症 8 日目職
場復帰時に下肢倦怠感が持続し,労作時息切れを認めたため,近医を受診し
たところ,経胸壁心臓超音波検査で心膜液貯留を指摘され,同日当科を紹介
受診した.血液検査で炎症反応の亢進および D ダイマーの上昇を認めた.経
胸壁心臓超音波検査で中等度心膜液貯留を認め,軽度肺高血圧が疑われた.
また右房内に可動性を有する構造物を認め,
血栓が疑われた.経食道心エコー
検査を行ったところ,キアリ網が観察され,それに付着する可動性に富む紐
状血栓を認めた.下肢静脈超音波検査および肺血流シンチグラフィの結果,
深部静脈血栓による肺塞栓と診断し,抗凝固療法を開始した.経過良好のた
め,入院 14 日目に当科退院した.キアリ網に捕捉されたと思われる右房内血
栓症の診断に経食道超音波検査が有用であった.
グレン手術後に右室内血栓をきたした類洞交通を伴う肺動脈閉鎖兼正常心室中隔(PA IVS)の一例
倉岡 彩子1、連 翔太1、井福 俊允1、杉谷雄一郎1、宮本 辰樹1、石原 健一1、中村 真1、
牛ノ濱大也1、佐川 浩一1、石川 司朗1、中野 俊秀2、角 秀秋2
1
福岡市立こども病院 循環器科、2福岡市立こども病院 心臓血管外科
【背景】機能的単心室には右心バイパス手術(UVR)が選択される。UVR 適
応群には潜在的に凝固異常が伴うことが知られており適切な抗血小板・抗凝
固療法が必要である。今回、右室低形成を伴う PAIVS の術後早期に右室内
血栓を形成したが、保存的治療で消失した症例を経験したので報告する。
【症
例】6 ヶ月女児。右心室が小さな PAI VS で、冠血流の一部右室から類洞交
通により逆行性に供給されていた。UVR 適応と判断し、体肺短絡術を経て
6 ヶ月時にグレン術(BDG)をおこなった。3POD に中心静脈カテを抜去、
7POD よりアスピリン開始、9POD の心エコーで右室内血栓(10×8mm)を
確認した。ワーファリン内服とヘパリン持続静注を開始し、ウロキナーゼに
よる血栓溶解療法も併用した。血栓は治療開始 6 日目に消失し、出血性合併
症や心筋梗塞はみとめなかった。ワーファリン量(PT-INR:2∼2.5)を調節
し血栓再発はなかった。
【考察】右室が小さく盲端構造となる PAIVS は、血
栓形成高リスク群として慎重な観察が必要であることを再認識した。
221
一般 Poster
P4-3-2
第26回日本心エコー図学会学術集会
P4-3-3
脳塞栓と心不全にて発見された巨大左房腫瘍の 2 例
田中 美与1、吉村 雄樹2、工藤 丈明2、増田 浩一2、増山 浩幸2、福永 隆司2、金城 玉洋3
1
県立宮崎病院 臨床検査科、2県立宮崎病院 循環器内科、3県立宮崎病院 心臓血管外科
症例 1 は 54 歳女性。失神のため救急搬送となった。右半身麻痺を認め、緊急
MRI で左内頚動脈閉塞と左中大脳動脈領域の超急性期脳梗塞所見を認めた。
経胸壁心エコー図では心房中隔に付着し拡張期に僧帽弁弁輪を超えて左室腔
内に翻る 8×3cm 大の左房内腫瘤を認めた。腫瘤は辺縁不整で形態的には
polypoid type 粘液腫が疑われた。保存的加療を行うも呼吸状態悪化し翌日永
眠された。症例 2 は 42 歳女性。1 年前に失神にて近医に入院するも原因不明
であった。1 ヶ月前から呼吸困難、浮腫が出現し増悪傾向にあるため近医を
受診。心不全と診断され内科的療法をされていたが、数日後心エコー図にて
左房内腫瘤が発見され当院紹介となった。経胸壁心エコー図で拡張期に左室
内に陥頓する左房内巨大腫瘤を認め、形態的に round type 粘液腫と考えられ
た。緊急手術が施行され左房内腫瘤の最終病理診断は粘液腫であった。
【考察】同時期に巨大左房腫瘍を 2 例経験した。2 例とも緊急
を要する状態であったが、限られた時間の中で経胸壁心エコー図にて腫瘍の形態・性状を観察し、病態把握、治療方針に貢献するこ
とができた。
P4-3-4
付着部位の稀な心臓粘液腫の 2 症例
小松 美代1、日高 忠良1、渡邉 望2、足利 敬一2、早瀬 崇洋3、柴田 剛徳2
1
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科、2宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科、3宮崎市郡医師会病院 心臓血管外科
症例 1:73 歳男性.恒久的ペースメーカー植込後,発作性心房細動を繰り返
しカテーテルアブレーション予定となった.しかし術前経食道心エコー図に
て左心耳基部に 5mm 大の可動性腫瘤を認め治療延期となった.塞栓リスク
があること,付着部位がアブレーション焼灼部位に一致していたことから外
科的切除を施行した.手術所見では左心耳背側辺縁に 5-8mm で茎が非常に細
い腫瘍を認めた.病理組織所見では粘液組織,線維芽細胞,慢性炎症性細胞
を認めた.症例 2:66 歳男性.健診で不整脈を指摘され他院に検査入院した
際に,心エコー図検査で僧帽弁近傍の可動性腫瘤を指摘された.腫瘤は後尖
middle scallop の弁腹または弁腹近傍の腱索に付着していた.発生部位から
は乳頭状線維弾性腫が考えられたが心エコー図上の形態からは粘液腫も疑われた.術中所見は桑実状で半透明な柔らかい腫瘍で,付
着部位は僧帽弁後尖 middle scallop 中央に接続する腱索および弁葉であり,大きさは 10mm×20mm 程度であった.腫瘍につながる
腱索数本と弁尖の一部を含めて切除し弁形成術を施行した.病理学的検査により粘液腫と診断された.
一般 Poster
P4-3-5
生体弁に付着した嚢胞状腫瘤の一症例
米澤 英伸1、増田 信弥1、四方 典裕1、木下 千春1、白鳥 健一1、藤田 葉子1、土井 潔2、夜久 均2
1
公益社団法人 京都保健会 京都民医連中央病院、2京都府立医科大学 心臓血管外科
【症 例】78 歳 女性
【既往歴】慢性腎不全(HD)、IE、MVR 後、Paf、脳塞栓症
【現病歴】2002 年より血液透析を導入され当院通院中。2011 年 8 月に IE 発症し、僧帽弁置換術(生体弁)施行。2014 年 5 月 27 日、
透析中に発熱等ないがしんどさの訴えあり、同日精査のため心臓超音波検査を施行。
【検査所見】
《血液検査》炎症所見はなくワルファリン使用のため PT 時間 26.6 秒、PT-INR2.46 と延長するが、その他特記すべき所見
は認められなかった。
《心エコー図検査》4 ヶ月前には認めなかったが、僧帽弁位生体弁左房側に 1.1×2.0cm 大の内腔が嚢胞状で生体
弁内を振子様に激しく動く soft echo の腫瘤が付着していた。
【経過】頭部・四肢などに塞栓症を疑う所見は見られなかったが、腫瘤は大きく可動性があったため塞栓症発症のリスクが高いと判断
し、他院にて腫瘤摘出術を施行することとなった。術中所見は僧帽弁位の人工弁の弁輪上に、嚢胞状腫瘤が付着していた。
【病理所見】腫瘤は嚢胞状でフィブリン塊を認め、内部に組織球の集簇がみられ好中球が混ざったリンパ球主体の炎症細胞浸潤を軽度
に認めるが、内皮細胞はなく腫瘍・感染を示唆する所見も認められず、血栓と診断された。
【考察】一般的に生体弁は血栓が付着しにくく、抗凝固療法は必要ないとされている。本症例では、一過性心房細動のためワルファリ
ンによる抗凝固療法がされていたにも関わらず、上記構造物が生体弁に生じた。心臓超音波検査所見では袋状構造物が確認でき、術
中所見からも通常の血栓とは言い難く、Blood cyst を疑った。抗凝固のコントロールができているにも関わらず嚢胞状腫瘤を発生し
た一例を経験したので文献的考察も加え報告する。
222
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P4-3-6
有茎性ボール状左心耳内血栓の一例
中村 裕一1、渡邉 望2、古堅 真2、柴田 剛徳2
1
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科、2宮崎市郡医師会病院 心臓病センター
81 歳女性。前医にて頻拍性心房細動と診断され、経食道心エコー図検査を施
行された際、左心耳内に血栓を疑う腫瘤が認められたためエリキュース開始
され、当院紹介受診となる。当院入院時の経食道心エコー図検査で、左心耳
内に 20mm 程度の円形で可動性のある有茎性の腫瘤が認められた。慢性心房
細動患者であり血栓が強く疑われたが、有茎性であり、付着部位が心耳基部
近くであったため腫瘍の可能性も考えられた。ワーファリン導入の後、経胸
壁心エコー図検査で毎日フォローアップ行ったが腫瘤サイズ・形状に変化は
見られなかったため、可溶性の血栓ではないと判断し当院心臓血管外科にて
摘出術施行した。術中所見では、球状の腫瘤が繊維状の茎で心耳壁に付着し
ており、病理検査により腫瘤はボール状血栓と確認された。今回の症例は、
心房細動患者の心耳内腫瘤であったため血栓の可能性が第一に考えられた
が、その形状と付着部位から腫瘍との鑑別を要した。外科手術に至るまで、
心エコー図による頻回の観察を行い治療方針の決定に至った。
P4-3-7
慢性心房細動で左心耳、右心耳内にともに血栓を認め、脳梗塞、無症候性肺血栓塞栓症をおこして
いた 1 症例
野村 康介、福岡 裕人、松井 泰樹、宗次 裕美、辻田 裕昭、金子 堯一、塚本 茂人、渡辺 則和、
土至田 勉、濱嵜 裕司、茅野 博行、小林 洋一
昭和大学 医学部 内科学講座 循環器内科学部門
【症例】70 歳女性。心原性脳塞栓症と慢性心房細動、慢性腎不全の診断で近
医より抗凝固療法を行われていた。2014 年 10 月 5 日に労作時呼吸苦が出現
し、当科受診。急性左心不全の診断で入院となった。心不全の加療中、経胸
壁(TTE)および経食道心エコー図(TEE)検査でモヤモヤエコー、左心耳
内血栓を認めた。右心耳に可動性のない腫瘤様エコーを認めため、3D-TEE
を施行し右心耳内血栓が最も疑われた。肺換気・血流シンチグラフィーで換
気血流 mismatch を認めため肺血栓塞栓症と診断した。抗凝固療法を強化
(PT-INR を 2.5∼3.5 の維持を目標)したところ D-ダイマーの低下と 3DTEE
で左右心耳血栓の縮小消褪を認めた。
【まとめ】左心耳血栓を認める慢性心房
細動例や原因不明の肺塞栓症例では右心耳内血栓の存在の評価も必要と考え
られた。その際、右心耳の評価には 2D-TEE に加えて 3D-TEE に評価確認す
ることが診断精度を上げるうえで重要と考えられる。今回、慢性心房細動例
で左右心耳内に血栓形成を認め無症候性肺塞栓症を合併し、原因が右心耳内
血栓であると 3D-TEE で確認できた症例を経験したため報告する。
一般 Poster
P4-3-8
肺血栓塞栓症に類似した原発性肺動脈血管肉腫の 2 症例
酒谷 優佳1、木村 朋生1、山中 俊明1、麻植 浩樹1、大野 佑子1、池田まどか2、武本 梨佳2、
渡辺 修久2、森田 宏1、伊藤 浩1
1
岡山大学病院 循環器内科、2岡山大学病院 超音波診断センター
症例 1 61 歳男性。増悪する労作時息切れを主訴に近医を受診。心エコーで
右心負荷所見、造影 CT で肺血栓塞栓症(PE)を疑われて当院転院。再検し
た心エコーで肺動脈弁下部から右室流出路に浮遊する腫瘍性病変を認め、心
臓 MRI では粘液腫も疑われた。抗凝固療法では状態改善認めず、準緊急手術
を施行。病理診断で intimal sarcoma と判明、術後も右心不全が続き経皮的
心肺補助装置からの離脱が出来ず永眠された。症例 2 43 歳男性。増悪する
労作時息切れを主訴に近医を受診し、待合にて意識消失を認めた。心エコー
で右心負荷所見、造影 CT で肺動脈主幹部・両側肺動脈に腫瘍性病変、PET-CT で同部位に一部集積を認め、肺動脈腫瘍疑いとして
当院紹介。右心カテーテルを用いた腫瘍生検で intimal sarcoma と診断されたが、手術は希望されず化学療法・放射線療法を開始。
腫瘍の軽度縮小と肺高血圧の改善を認め、現在治療継続中である。原発性肺動脈血管肉腫は非常に稀な疾患で有効な治療法の少ない
予後不良な疾患とされている。早期診断が難しいとされるが、症例 2 では確定診断に生検が有用であった。
223
第26回日本心エコー図学会学術集会
P4-3-9
Calcified amorphous tumor が脳梗塞の塞栓源と考えられた 1 例
渡邉 未紗1、富田 文子1、尾形 裕里1、村上未希子1、西上 和宏2
1
済生会熊本病院 中央検査部生理、2済生会熊本病院 集中治療室
【現病歴】59 歳,男性.11 年前に陳旧性下壁梗塞,4 年前から人工透析を導入されている.今回,前大脳動脈領域の脳梗塞を発症し
入院になり,原因検索のため心エコーが施行された.
【超音波所見】経胸壁心エコーで僧帽弁後交連側(左室側)に,可動性に富む 12×4mm 大の腫瘤様エコーを認めた.腫瘤の先端には
紐状の構造物も観察された.経食道心エコーでは,僧帽弁後交連側弁輪部の石灰化部分から連続するように左室内に伸び,心拍にあ
わせて大きく旋回する 10×8 mm 大の球状構造物を認めた.球状構造物のエコー輝度は高く,音響陰影を伴っており,その先端には
長さ 8mm 大の構造物が付着しているように観察された.13 ヵ月前の経胸壁心エコーでは,僧帽弁輪部の石灰化を認めたが,腫瘤の
形成はみられなかった.
【経過】腫瘤様エコーが脳梗塞の塞栓源と判断され,僧帽弁置換術が施行された.病理学所見では,フィブリンを伴う石灰化組織がみ
られ,calcified amorphous tumor と診断された.
【まとめ】脳梗塞の原因精査目的で心エコーを施行し,偶発的に発見された calcified amorphous tumor の 1 例を経験した.まれな症
例と考えられ,若干の文献的考察を含めて報告する.
P4-3-10
Eustachian valve より発生し、右房内血栓と鑑別を要した papillary fibroelastoma の一例
上岡 亮1、麻植 浩樹2、武本 梨佳2、大野 佑子2、坂本 瞳2、池田まどか2、渡辺 修久2、
笠原 真悟3、佐野 俊二3、伊藤 浩1
1
岡山大学病院 循環器内科、2岡山大学病院 超音波診断センター、3岡山大学病院 心臓血管外科
症例は 67 歳の女性.骨盤内動静脈奇形に対する塞栓術後,フォローアップの
ために施行された造影 CT にて肺塞栓および深部静脈血栓症を認めた.右心
負荷評価のために経胸壁心エコー図検査を施行したところ,右房内に 34×
24mm の巨大な血栓様の腫瘤を認めた.腫瘤は可動性に富み可視範囲内に茎
はみられず,臨床状況から心内血栓の可能性も否定出来ないと判断し緊急手
術の方針とした.心エコー図にて右房内血栓と思われた腫瘤は術中所見では
白色・房状の腫瘍であり,下大静脈と右房の境界付近に付着していたことか
ら Eustachian valve から発生したものと推定された.また三尖弁にも後尖を
中心に房状の病変を認めた.
腫瘤は一塊にして切除され,
組織学的に papillary
fibroelastoma と診断された.本疾患は大半が左心系に発生するとされ,また
Eustachian valve からの発生は非常に稀であり,文献的考察を交え報告する.
一般 Poster
P4-4-1
機能的肺動脈弁閉鎖を認めた非エブスタイン病の 1 新生児例
清水 武、富松 宏文、石井 徹子、杉山 央、稲井 慶、中西 敏雄
東京女子医科大学心臓病センター 循環器小児科
【背景・目的】機能的肺動脈弁閉鎖(fPA)は、まれな病態であり、エプスタイン病に合併することが知られている。今回エプスタイ
ン病を伴わないにもかかわらず fPA をきたした新生児例を経験し、その継時的変化を観察することができたので報告する。
【症例】胎
児心エコー検査で肺動脈には右室からの順行性の血流を認めず、著明な三尖弁逆流を認めていた。在胎 36 週 2 日、出生体重 1610g、
Apgar スコア 6/7 で出生、チアノーゼは認めなかった。心エコーでは三尖弁の低形成と開放制限を認め、高度な三尖弁逆流を認め、
最大三尖弁逆流速度は 2.8m/s であった。右室は流入路と流出路はともに形成されており、肺動脈弁組織と思われるわずかに可動性の
ある構造物を認めた。しかし、主肺動脈には動脈管からの血流が流入し、右室からの順行性駆出血流は明瞭ではなかった。わずかな
肺動脈弁逆流の血流を検出した。以上より、三尖弁狭窄兼閉鎖不全を伴った fPA と診断した。生理的肺高血圧の改善とともに動脈管
開存症が症候化したためプロスタグランジン阻害薬の投与を行い動脈管の閉鎖を試みた。その結果、動脈管の狭小化に従い、肺動脈
弁の開放は大きくなり右室からの順行性駆出血流は増加した。
【考察】今回の症例ではエプスタイン病とは異なり、右室はやや低形成
であるものの右室収縮力は低下しておらず、生理的肺高血圧に加え動脈管からの血流により肺動脈圧が右室圧を凌駕していたことが
fPA の原因と考えられた。【結語】非エプスタイン病に伴った fPA の 1 新生児例を経験し、動脈管の狭小化に従い右室からの順行性
駆出血流の出現を継時的に観察できたので報告する。
224
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P4-4-2
小児期先天性心疾患における Tracking of tricuspid annular displacement を用いた右室収縮能
評価
木村 純人、安藤 寿、北川 篤史、本田 崇、高梨 学、峰尾 恵梨、石井 正浩
北里大学 医学部 小児科
【背景】
先天性心疾患において心臓超音波による右室機能評価は困難であることが多く、右室形態の複雑さから一定の見解が未だない。また、超音
波の入射が不良である症例も多い。Tracking of tricuspid annular displacement(TTAD)は speckle tracking 法を応用し、三尖弁輪-心尖
間における輝点の移動距離を計測、右室長軸方向の収縮能を評価することができる。本法は輝点の設定が簡便なことから再現性が高い検査
である。TTAD を用いて小児先天性心疾患患者の右室長軸方向の収縮能と心臓カテーテル検査にて得られた右室収縮能を比較検討した。
【方法】
症例は複雑型心奇形を含む先天性心疾患患者 13 名。予定心臓カテーテル検査当日に心臓超音波を施行し、画像を収集した。超音波診断機
材は Philips 社製 IE 33、プローベは S5 または S8 プローベを使用した。解析には同社製 Qlab 10.1 software を使用した。仰臥位にて 2D エ
コーを施行。心尖四腔像を描出し、三尖弁輪中隔側、自由壁側及び右室心尖部の 3 点に輝点を設定し TTAD を解析。TTAD で得られた
midpoint displacement と心臓カテーテルによって得られた RVEF を比較した。
【結果】
TTAD midpoint displacement の平均値は 21.2%(SD±4.84)であり、心臓カテーテルにより得られた RVEF(平均 56.1%、SD±9.17)と
有意な相関を得た(R=0.66、P<0.01)。術後症例や複雑型心奇形による画像精度の低下が散見されたが、全例で TTAD 解析が可能であっ
た。
【結論】
TTAD より算出した右室長軸方向収縮能は心臓カテーテル法にて得られた RVEF と有意な相関が得られた。検査手技が簡便で角度依存性
を持たない本法は、形態的に複雑な先天性心疾患における右室収縮能の測定に有用である。
P4-4-3
正常小児における Tracking of Mitral Annular Displacement,2D/3D Global Longitudinal
Strain の比較
藤岡 泰生1、新居 正基1、鬼頭真知子1、石垣 瑞彦1、松尾久実代1、佐藤 慶介1、芳本 潤1、
金 成海1、満下 紀恵1、瀧聞 浄宏2、高橋 健3、豊野 学朋4、岩島 覚5、井上 奈緒6、小野 安生1
1
静岡県立こども病院 循環器科、2長野県立こども病院 循環器小児科、3順天堂大学 小児科、4秋田大学 小児科、
浜松医科大学 小児科、6聖隷浜松病院 小児循環器科
5
【はじめに】左室長軸方向収縮機能の指標としてスペックルトラッキング法(STE)を用いた Global Longitudinal Strain(GLS)や
Tracking of Mitral Annular Displacement(TMAD)が知られる。GLS は先天性/後天性心疾患の評価に有用とされるが、画像依存
性や vendor 間での解析値の差異が問題とされる。一方、TMAD は輝点設定の簡便さから、再現性が高く画像不良例でも計測可能と
されるが、小児における GLS と TMAD を比較した報告は少ない。
【目的】2D/3D-STE を用い正常小児における左室長軸方向収縮機
能を評価し、TMAD が GLS に代用しうるかを検討。
【対象と方法】対象は健常小児 67 例(男 38 例、中央値 8.5 歳)
。IE-33(PHILIPS)
と Vivid E9(GE Healthcare)により心尖部四腔像と full volume data を記録。QLAB9.0(PHILIPS)により解析した僧帽弁中点移
動率(midpt%)と EchoPac(GE Healthcare)
、4D-LV analysis(TomTec)を用い解析した 2D-GLS、3D-GLS の相関性を検討。
【結
果】TMAD、2D-GLS、3D-GLS の解析率はそれぞれ 91%、88%、81% で統計学的有意差は認めなかった。midpt%、2D-GLS、3D-GLS
はそれぞれ 18.1±2.1%、
-22.2±2.4%、-22.0±2.4% であった。midpt% と 2D-GLS(p<0.001,r=-0.62)、3D-GLS(p=0.01,r=-0.35)に有
意な負の相関を認めた。
【考察】TMAD と GLS に有意な相関を認め、TMAD により 2D-GLS の評価が困難な症例においても左室長
軸方向収縮機能を評価できる可能性が示唆されたが、強固な相関ではなかった。midpt% が GLS に比較してやや小さい値になること
は、小児においてよく認められる心室基部の収縮期の外側への拡大を反映している可能性がある。
心エコーにより川崎病性巨大冠動脈瘤を診断できた若年男性の一例
小松 寿里、佐藤 弘和、八木 哲夫、石田 明彦、三引 義明、山科 順裕、中川 孝、佐藤 英二
仙台市立病院 循環器内科
背景:川崎病は診断が困難であり、今日でも急性期に適切な診断・治療がなされていないことがある。また、川崎病による急性冠症
候群は典型的な胸痛などの症状を欠くことも多いとされる。
症例:19 歳男性。12 歳時に、川崎病の疑いとして経過観察された既往がある。雪かき中に、胸部不快を認め、顔面蒼白、冷汗を伴
い、近医受診。促進性固有心室調律、下壁誘導で軽度 ST 低下を認めた。採血では、h-FABP 陽性、CK 上昇を認め、当初、急性心筋
炎を疑った。経過中に、心エコーで右冠動脈起始部に 8mm の巨大冠動脈瘤を認め、後日、冠動脈 CT を施行したところ、3 枝に冠動
脈瘤を認めた。心臓カテーテル検査では、右冠動脈起始部の巨大冠動脈瘤は血栓閉塞しており、左冠動脈からの側副血行路が発達し
ていた。左前下行枝は瘤の前後に 90%狭窄を認め、後日、冠動脈バイパス術を施行した。
本症例は、川崎病の急性期に適切な診断・治療がなされず、巨大冠動脈瘤を残した症例である。慢性期に典型的な心筋虚血の症状を
欠いたが、心エコーでの冠動脈の観察により、適切な診断に至ることができた。若年で非特異的な症状であっても、心エコーをする
際には、冠動脈の観察も注意深く行う必要があると考えられ、示唆に富んだ症例であり報告する。
225
一般 Poster
P4-4-4
第26回日本心エコー図学会学術集会
P4-4-5
経食道心エコー中に臥位と座位を取ることにより Platypnea-orthdeoxia syndrome と診断でき
た一例
大塚 伸子1、宮本 敬史2、柳 弘子1、大久保輝男1、油座 記子1、鈴木みどり1、豊岡 郁子1、
板倉 良輔2、白崎 圭輔2、村上 彰通2、石川 哲也2、武藤 誠2、佐々木達海2
1
埼玉県立循環器・呼吸器病センター 検査技術部、2埼玉県立循環器・呼吸器病センター 循環器内科
[はじめに]Platypnea-orthdeoxia syndrome(POS)は臥位から立位への体位変換時に呼吸困難を主訴とする極めて稀な症候群であ
る。今回、呼吸器内科入院中の患者で偶然 POS を診断し得たので報告する。
[症例]76 才男性。過敏性肺臓炎にてステロイド内服中
で経過良好であったが、呼吸困難のため入院。入院中に座位にて SpO2 が 73% と低値にも関わらず臥位で SpO2 が 100% へ改善する
ことが判明し、POS 疑いにて循環器内科にコンサルトとなる。経胸壁心エコーにてバブルテストを経静脈的に行い Positive であった
ため、経食道心エコー(TEE)施行。径 4mm 大の心房中隔欠損(ASD)を認めた。Color Doppler(CD)と Pulse Doppler(PD)施
行し収縮期∼拡張早期に右→左シャント、拡張末期∼心房収縮期に左→右シャントを認めた。続いて座位にした所、心房収縮期以外
は全て CD も PW も右→左シャントとなり、座位での右→左シャント量の増加が証明され SpO2 の低下も確認した。Ampltzer によ
る ASD 閉鎖術検討されたが、認知症と日常動作レベルの低下もあり施行は見送れた。[まとめ]今回、CT・エコー上、大動脈の過
伸展に伴う右房の圧排と、TEE 上 Eustachian valve の存在を認め、体位変換により右→左シャント量が増加する環境が整う可能性
が示唆された。特に Eustachian valve は胎生期に下大静脈から流入してくる酸素化された血液を卵円孔を通して左房へ誘導する役割
があることを考えると大変興味深い。考察を加えて報告する。
P4-4-6
感染性心内膜炎に対する外科治療後、巨大左室仮性瘤を形成した 1 例
岡田 顕也1、黒沢 幸嗣2、高田 智子1、丹羽加奈子1、生駒 卓宏1、町田 哲男1、倉林 正彦2、村上 正己1
1
群馬大学医学部附属病院 検査部、2群馬大学医学部附属病院 循環器内科
右心系に張り出す大きな瘤状構造物。右心系との交通の有無が不明だったが、生食コントラストエコーで瘤内にバブルの流入認めず。
右心系と交通のない巨大左室瘤と診断した。
一般 Poster
P4-4-7
右房内異常構造物
伊東 勘介、永田健一郎、植松 庄子
東京都立多摩総合医療センター
【症例】62 歳男性.重症僧帽弁逆流症の術前評価目的に経食道心エコーを実
施した.僧帽弁逸脱症を認める他に冠静脈洞の拡大と右房内異常構造物を認
め,心房内中隔上後方から右房側壁にかけて長さ約 30mm,太さ約 5mm の
表面は平滑で心筋壁に近い輝度の構造物を認めた.手術の際に肉眼的に観察
すると表面平滑で心内膜面に近い性状の棒状構造物を右房内に認めていた.
病理学的には心筋組織であった.右房内に認められる異常構造物ついては,
腫瘍,血栓,キアリ網,下大静脈弁,右心耳肉柱,三心房心などがある.本
症例の右房内異常構造物は既知の構造物とは異なる特徴を認めた.開心術が
行われたため右房内異常筋束の確定診断がついた稀な症例を経験した.
226
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P4-4-8
2 型糖尿病患者における血管内皮機能障害と左室肥大との関連
小野 環1、大野 佑子1、麻植 浩樹2、三好 亨1、中村 一文1、森田 宏3、伊藤 浩1
1
岡山大学 循環器内科、2岡山大学病院 超音波診断センター、3岡山大学 先端循環器治療学講座
背景:血管内皮機能障害と左室心筋重量の増加は心血管事故の重要な危険因
子とされている。また flow-mediated dilatation(FMD)は left ventricular
mass index(LVMI)の予測因子といわれているが、2 型糖尿病患者における
FMD と LVMI の関連については明らかではない。目的:2 型糖尿病患者に
おける FMD と LVMI の関連、および LVMI の予測因子について検討するこ
と。対象と方法:当院において、2011 年 7 月から 2014 年 9 月までに同時期
に FMD と心臓超音波検査を施行された 2 型糖尿病患者 178 人(63.5±11.9
歳、男性 59%)を対象とした。FMD はユネクスイーエフ(UNEX Co,
Nagoya,Japan)を用いて計測した。結果:平均 FMD は 5.6±2.5%、平均 LVMI は 84.8±18.6g/m2、FMD と LVMI の間には有意
な負の相関を認めた(R=-0.206,p=0.006)
。LVMI に対する多変量解析の結果を表に示す。結論:2 型糖尿病患者における血管内皮機
能障害は左室肥大の予測因子となりうる。
P4-4-9
震災時医療活動における下肢静脈エコーおよび凝血学的マーカーの検討
寺上 貴子1、林 研至2、木村 美香2、大江 宏康2、南部 裕子2、堀田 宏2、酒井 佳夫2、
高村 雅之3、森下英理子4、山岸 正和3、和田 隆志2
1
金沢大学附属病院 検査部 金沢大学 医薬保健研究域 血液病態検査学、2金沢大学附属病院 検査部、3金沢大学 循環器内科、
金沢大学 医薬保健研究域 血液病態検査学
4
【背景】震災後には深部静脈血栓症(DVT)が高率に発症するため、その発症予防と早期発見・早期治療が重要である。我々は能登
半島地震後、被災者に対し下肢静脈エコーと凝血学的マーカー測定を行い、DVT の頻度および DVT とマーカーの関連性について検
討した。【対象と方法】2007 年 3 月の能登半島地震発生後に避難所生活を余儀なくされていた一般住民のうち、インフォームドコン
セントが得られた 197 例を対象とした(平均年齢 72.4±11.5 歳、女性 133 例)
。問診、携帯型超音波診断装置による下腿の深部・表在
静脈の観察、および血中 FDP、D ダイマー、可溶性フィブリン(SF)測定を実施した。
【結果】197 症例中 28 例(14.2%)に DVT
を検出した。DVT 陽性群(n=28)の FDP(6.34±0.74 μg/mL)および D ダイマー(3.18±0.38 μg/mL)は、陰性群(n=169)の FDP
(1.94±0.3μg/mL)および D ダイマー(0.94±0.15μg/mL)に比し共に有意に高値であった(p<0.001)
。一方、SF は両群で有意差を
認めなかった。ROC 曲線から算出した FDP、D ダイマー、SF の[1]曲線下面積(AUC)
、
[2]カットオフ値(μg/mL)
、
[3]感度
(%)、
[4]特異度(%)は、それぞれ[1]0.765、0.762、0.592、
[2]1.9、0.9、1.87、
[3]86、82、79、
[4]65、66、42 であった。
【結
語】震災後避難所生活の住民の約 14% に DVT が認められた。今回の検討では、凝血学的マーカーのうち FDP および D ダイマーが
DVT 検出に有用であると考えられた。
一般 Poster
P4-4-10
心腔内エコー(AcuNav)の有用性:当科での使用経験
大西 隆行、大西 祐子、小林 一士、立花 恵子、檮木 優哉、松本 彩和、笠野 健介、村本 容崇、
樋口 晃司、鈴木 篤、梅澤 滋男、丹羽 明博
平塚共済病院 循環器科
背景:Structural heart disease へのカテーテル治療が進歩する中,経静脈的に負担が少なく心内を観察できる心腔内エコーへの期待
が高まっている.心腔内エコーの当科での使用経験を総括し有効性を評価した.方法と結果:対象は 2013 年 12 月から 2014 年 6 月ま
でに当科で心腔内エコー(AcuNav)を施行した連続 29 例(71±14 歳,男性 66%)
.28 例(97%)が弁膜症,1 例(3%)が先天性心
疾患(卵円孔開存)に施行された.弁膜症では,12 例(43%)が大動脈弁疾患,15 例(54%)が僧帽弁疾患,両者の連合弁膜症が 1
例(3%)であった.22 例(76%)は診断カテーテル検査時に,7 例(24%)はカテーテル治療時(PTAV4 例,PTMC3 例)に使用さ
れ合併症無く施行された.経心房中隔順行性アプローチによる PTAV と PTMC では合併症無く心腔内エコー下に中隔穿刺が可能で
あった.PTAV では,短軸像と長軸像で大動脈弁の石灰化や肥厚変性,交連部癒合の有無,冠尖数,弁輪径,バルーン位置,拡張時
の弁の挙動の観察が可能であった.PTMC においては,僧帽弁短軸像の描出が困難であった.左室長軸像での観察では,僧帽弁の肥
厚変性や弁下組織の肥厚,バルーン拡張の観察が可能であった.但し 1 例において,拡張後に前尖 A1 から前交連にかけての裂傷に
よる重症僧帽弁逆流を併発し緊急手術となった.長軸像でのみ観察したため,バルーン位置が前外側寄りに偏位していたことを把握
できずに拡張した可能性が考えられた.結論:心腔内エコーは安全に施行可能で,局所麻酔,覚醒下のカテーテル治療時に有用であ
る.但し僧帽弁短軸像の描出が困難であり,今後の課題と考えられた.
227
第26回日本心エコー図学会学術集会
P4-4-11
くも膜下出血に合併する左室局所壁運動異常に対する検討
桑木 恒、氏野 経士、竹田 光男、尾崎 健、尾田 知之
富永病院
【背景】くも膜下出血には 10−30%程度の左室局所壁運動異常が合併すると報告されているが、どのような症例に左室局所壁運動異
常が出現するかどうかは分かっていない。
【目的・方法】2012 年から 2014 年の間に当院へくも膜下出血の診断で入院し、経胸壁心エ
コー図検査を施行した連続 35 症例を対象とし、左室局所壁運動異常の出現部位と頻度を検討した。また、同時期に脳梗塞で入院した
患者の左室拡張能と比較検討した。
【結果】35 症例中、左室局所壁運動異常を認めたのは 5 例(14%)であり、壁運動異常が出現し
た群と出現しなかった群では収縮能の違いはあるが、拡張能に有意差を認めなかった。また、くも膜下出血患者の左室拡張能は脳梗
塞患者と比較して保たれていることがわかった。
【結語】くも膜下出血患者の左室拡張能は保たれており、壁運動異常出現の有無と拡
張能との間に関連は認めなかった。
P4-4-12
当院の TAVI ハートチームにおけるソノグラファーの役割と課題
小川 幸宏1、矢澤 信之1、出野由美子1、中尾 達也2、高木 健督3、中村 淳3
1
誠馨会 新東京病院 臨床検査室、2誠馨会 新東京病院 心臓血管外科、3誠馨会 新東京病院 心臓内科
2013 年より保険治療が始まった transcatheter aortic valve implantation(TAVI)では、実施施設基準のひとつに、心臓血管専門医
や循環器専門医を含めた『ハートチーム』が条件づけられている。しかしコメディカルにおいては、ハートチームの構成メンバーの
明確な記載はなく、手術適応から手技および術前術中術後管理にわたりバランスよく機能するためのハートチームが望まれる。その
中で、心エコー図は TAVI 治療に必要なモダリティーであると同時に、ソノグラファーもハートチームに存在になるべきと考えま
す。当院はソノグラファーがハートチームに加わり、術前術後の経胸壁心エコー検査から、術前術中の経食道エコー補助業務を行なっ
ている。さらにハートチームカンファレンスでは心エコー所見を的確に伝えの治療方針を検討している。ソノグラファーがハートチー
ムのなかでバランスよく機能するためには、TAVI の手技を理解し、術中では合併症の予測や成否評価、術後の心エコー図による経
過観察を行い、その情報をハートチームに共有することが重要な役割と考えます。
一般 Poster
P4-4-13
初期研修医に対する心エコー図教育:福島県臨床研修病院ネットワークおよび日本心エコー図学会
教育委員会のコラボレーション
高野 真澄1、瀬尾 由広2、渡部 朋幸3、菅原 重生4、伏見 悦子5、伊藤 記彦6、藤田 雅史7、
大谷 晃司1、日本心エコー図学会教育委員会
1
福島県立医科大学 医療人育成・支援センター、2筑波大学 循環器内科、3わたり病院 内科循環器科、
日本海総合病院 循環器内科、5平鹿総合病院 循環器内科、6東北大学病院 生理検査センター、7みやぎ県南中核病院 検査部
4
【背景】日本心エコー図学会教育委員会では、若手医師への心エコー図学の普及・啓蒙に努めるため、小規模講習会を行うこととし
た。2013.10 月および、2014.10 月に福島県の初期研修医等を対象とし、福島県臨床研修病院ネットワーク主催、福島県地域医療人材
育成事業(福島県地域医療再生基金)を財源とした心エコー図ハンズオンセミナーを開催した。共催は日本心エコー図学会で、教育
委員会がプログラムの企画・講師派遣を行った。【方法】参加者は主として初期研修医とし、2013 年には事前課題なし、2014 年の参
加者には基本断面の描出などの事前課題を課した。セミナーは、心エコー図の基本に関する講義とハンズオンの後、心疾患と心エコー
図に関する講義および救急外来を想定したハンズオンを行った。セミナー修了時アンケート調査を行い、過去 2 回開催における心エ
コー図法の啓蒙成果を検討した。
【結果】2013 年に比べ 2014 年では 1 年次研修医が増加した(66.7 → 76.7%)が、エコー経験が皆無
の参加者は減少した(34 → 19%)
。セミナー全体は「良かった」が 91%、今後同様のセミナーに「参加したい」が 85%あり、今後臨
床において心エコー図を積極的に施行したいという感想が多かった。
【考案】2014 年のセミナーでは、1 年時研修医では事前課題を出
したことで心エコーの経験値をあげられたこと、2 年次研修医では前年のセミナー開催後心エコーを行う研修医が増え、全体として
日常臨床で心エコー図を行うことが多くなった可能性がある。
【結語】地域組織と連携しながらの心エコー図ハンズオンセミナーの継
続開催は、若手医師への心エコー図学の普及・啓蒙に有効である。
228
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P5-1-1
レフレル心内膜炎を呈した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の経時的変化を観察できた一例
繼 敏光1、村田 光繁2、筒井 達也3、井上 宗信1
1
日野市立病院 循環器科、2慶応義塾大学医学部臨床検査医学、3日野市立病院生理機能検査室
レフレル心内膜炎は心筋炎剖検例の 0.1% に認める稀な疾患である。増加した好酸球から分泌される Eosinophilic cationic protein に
より心病変を来たし、5 年生存率は 54% と予後不良である。症例は 57 歳男性。好酸球性多発血管炎性肉芽腫症のため、通院中であっ
た。心エコー図で左室壁肥厚や壁運動異常はなかったが、心尖部に血栓を認めた。好酸球増加(9405/μL)
、トロポニン I 上昇および
心電図の変化があり、レフレル心内膜炎を疑い、ステロイドと抗凝固療法を開始した。6 ヶ月後、好酸球は正常化したが、左室収縮
機能低下を認め、心筋障害の増悪が示唆された。その後、左室機能はさらに低下し、血栓は増大した。本疾患は壊死期、血栓形成期、
線維化期の 3 期に分類され、経過中に左室壁運動異常、刺激伝導障害、弁膜症、血栓形成などの心病変を呈する。左室壁運動と血栓
の変化を心エコー図で経時的変化を観察しえた症例を経験したので報告する。
P5-1-2
心室中隔壁厚が変動した家族性心筋疾患の一例
和田 輝明、西上 和宏、本田 俊弘、兒玉 和久、岡松 秀治、田中 靖章、田口 英詞、宮本 信三、
坂本 知浩、中尾 浩一
済生会熊本病院 心臓血管センター 循環器内科
症例は 55 歳男性。16 年前に心電図異常を指摘され、精査にて肥大型心筋症(心室中隔壁厚 23mm)が疑われた。14 年前、非持続性
心室頻拍に対してアミオダロンが導入された。その後、当科外来にて経過観察されていた。姉は心電図異常が指摘され、肥大型心筋
症が疑われて進行性に心機能低下を認めた。突然死の家族歴はなし。本症例も進行性に心機能低下を認め、今回慢性心不全の急性増
悪にて当科入院となった。入院時、経胸壁心エコー検査にて心室中隔壁厚 16mm と肥大が軽減しており、左室駆出率 26%と低左心機
能であり、右室内腔面積変化率(FAC)24%と右心機能の高度低下を認めた。ドブタミン、ミルリノンの長期投与を要し、ドブタミ
ンの減量により心不全が再増悪したため、ピモベンダンを導入した。導入後、右心機能の改善(FAC 48%)によりドブタミン、ミル
リノンを中止できた。4 か月後、CRT-D 植込み術を施行し、その後、心不全の増悪なく経過している。術前の経胸壁心エコー検査に
て左室駆出率 37%と左心機能が改善しており、心室中隔壁厚 24mm と再肥大化を認めた。今回我々は心室中隔壁厚が変動した家族性
心筋疾患の一例を経験したので報告する。
一般 Poster
P5-1-3
発症から分娩後の正常化までの経過を心エコー図で観察し得た周産期心筋症の 1 症例
馬詰 武1、山田 聡2、山田 崇弘1、村井 大輔2、林 大知2、岡田 一範4、中鉢 雅大3、
西野 久雄3、横山しのぶ3、筒井 裕之2、水上 尚典1
1
北海道大学大学院 産科生殖医学、2北海道大学大学院 循環病態内科学、3北海道大学病院 検査・輸血部、
北海道大学大学院 保健科学研究院
4
周産期心筋症(PPCM)は、心疾患のない妊婦が周産期に心不全をきたし、
拡張型心筋症様の病態を示す心筋症である。今回、PPCM 発症から分娩後の
正常化までの経過を心エコー図で観察し得た症例を経験したので報告する。
【症例】既往歴のない 27 歳、双胎妊娠の初産婦。PPCM の前方視的研究に参
加し、経時的な心エコー検査が施行された。妊娠 26 週で妊娠高血圧腎症を発
症した。24 週での左室拡張末期径(LVDd)は 53 mm、左室駆出率(LVEF)
は 58% であったが、27 週から左室拡大、29 週から収縮障害が出現し、31 週
で LVDd 59 mm、LVEF 44% となり、PPCM と診断した。32 週で帝王切開
術を施行し、産褥 3 日には LVEF は 35% と最低値をとり、32 日には 49%、
122 日には 58% まで改善した。24 週で 7mm であった左室壁厚は、30 週では
左室拡大にもかかわらず 9mm と増大し、産後 32 日には 7mm と減少を認め、
心筋浮腫の関与が疑われた。体重、LVDd、LVEF と脳性ナトリウム利尿ペ
プチド(BNP)濃度の推移を図に示す。
229
第26回日本心エコー図学会学術集会
P5-1-4
経過観察が行うことができた 26 例の心アミロイドーシスの心エコー所見
犬塚 斉1、岩瀬 正嗣2、杉本 邦彦1、伊藤さつき1、加藤 美穂1、神野 真司1、椎野 憲二3、
高田佳代子3、高桑 蓉子3、石井 潤一1、尾崎 行男3
1
藤田保健衛生大学病院 臨床検査部、2藤田保健衛生大学 医療科学部、3藤田保健衛生大学 医学部 循環器内科
背景:心アミロイドーシス(CA)は、アミロイドーシスの病因により予後、治療法が大きく異なるが報告されている。今回、当院で
経験した CA の心エコー図所見と病態進行による変化を検討したので報告する。対象:当院で 2000 年 11 月から 2014 年 6 月までに経
過観察ができた症例 26 例(年齢 63±13.5 歳、男性 16 例)であった。方法:心エコー図所見および心エコー図計測項目について検討
を行った。結果:経過観察期間は平均 639 日。イベントを死亡とし全死亡 9 例(心死亡 6 例)であった。初検時の左室壁の肥厚 26 例
(100%)、granular sparkling sign9 例(34%)、弁および心房中隔の肥厚 5 例(19%)であった。Dct の初検時は経過観察時よりも有
意(201±106 vs 181±94ms)に短縮し、左室拡張末期径(43±14 vs 40±13mm)および拡張末期容積(71±59 vs 63±49ml)は有
意に縮小した。また、% WT(64±40 vs 75±36mm)は有意に増大した。しかし、E/A、E/e の変化は認めなかった。Cox 比例ハ
ザード解析よりイベント発生の独立した規定因子は E/A のみであった。また、Kaplan-Meier 曲線による心事故回避率は E/A1.42 未
満群は 1.42 以上群よりも有意に高値であった(p<0.008)。まとめ:26 例の CA を経過観察することができた。心エコー図検査は、
形態的、機能的異常を評価することが可能であり、スクリーニング検査として有用であった。また、CA 患者において E/A は予後規
定因子となりうる可能性も示唆された。
P5-1-5
肥大型心筋症患者の拡張機能指標:運動負荷心エコー図をもちいた検討
武岡真由美1、山野 倫代2、川崎 達也3、江後 京子1、岩見裕美子1、坂口 智子1、西川 昌伸1、
小西 英子1、佐藤 良美3、本田早潔子3、張本 邦泰3、三木 茂行3、神谷 匡昭3
1
松下記念病院 中央臨床検査部、2京都府立医科大学附属病院 循環器内科、3松下記念病院 循環器内科
背景:肥大型心筋症患者における、拡張機能指標の解釈には不明瞭な点が多
い。運動負荷心エコー図は、拡張機能障害を評価しうる方法である。目的:
肥大型心筋症患者の安静時の拡張機能指標と、運動後のその指標の変化を評
価すること。方法:当院でトレッドミルによる運動負荷心エコー図を施行し
た 12 例の非閉塞性肥大型心筋症患者(HCM 群;69±8 歳,女性 3 名)と、
器質的心疾患を有しない 25 例(NM 群;57±13 歳,女性 9 名)を対象とし
た。目標心拍数((220-年齢)x0.85)を到達点としたトレッドミル負荷を施行
し、負荷直前、直後に経胸壁心エコー図を行った。安静時の拡張機能パラメー
タより両群をそれぞれ 2 群に分け(normal+mild DD,moderate DD+severe
DD)、運動後のパラメータの変化を検討した。結果:NM 群は、normal+mild
DD 群で負荷直後に E/e が安静時よりも低下し、moderate DD+severe DD
群で安静時よりも上昇し 2 群間で有意差を認めた。しかし HCM 群では群間
で有意な差を認めなかった(Table)
。結論:HCM 患者の拡張機能を評価す
る際に、正常群とは同様の解釈が困難である可能性が示唆された。
一般 Poster
P5-1-6
ペースメーカ植込み後早期に、心室中部型たこつぼ型心筋症と思われる可逆性の左室壁運動低下と
dyssynchrony を来した 1 例
正岡 佳子1、藤井 裕人1、廣延 直也1、川瀬 共治1、田邊 雪乃2、大藤 蛍子2、遠藤美奈穂2、
砂押 春香2、舟木 麻美2、沖野 清美2、土井 裕枝2
1
土谷総合病院 循環器内科、2土谷綜合病院 心機能検査室
【症例】82 歳、女性。完全房室ブロックで入院。入院時心エコー図では中等症大動脈弁閉鎖不全症と左室弛緩障害を認めたが、左室
駆出率 78% と収縮能は保たれていた。恒久ペースメーカ植込み術(心室電極は中隔に挿入)を施行。術後 5 日目に夜間呼吸困難を訴
えた。術後 6 日目の胸部 XP で心拡大と肺うっ血を認め、心エコー図を再検した。心室中部の前中隔を中心に、前壁、側壁、下壁に
かけて広汎な壁運動異常が出現し、左室駆出率が 41% に低下したが、心基部と心尖部の壁運動は保たれていた。心室中隔中部から心
尖部にかけて高度の shuffle motion を認めた。2D speckle tracking 法の radial strain の解析にて、心室中部の広範囲の strain 値の低
下と高度の dysynchrony を認めた。軽度のトロポニン I の上昇以外には心筋逸脱酵素の上昇は認めず、冠動脈造影で高度狭窄は認め
ず、心室中部型たこつぼ型心筋症を併発したと考えられた。5 ヶ月の経過で徐々に壁運動異常と dyssynchrony は改善した。pacing
cite の心室中隔の strain 値が最も低下し改善も遅延した。dyssynchrony は術後 2 週間目が最も重症であった。心電図変化では、術後
2 週間目に胸部誘導に陰性 T 波が出現し、QTc の著明な延長を伴ったが、QRS 幅は変化を認めなかった。
【結語】ペースメーカ植込み後早期に、心室中部型たこつぼ型心筋症と思われる可逆性の左室壁運動低下と dyssynchrony を来し、
5 ヶ月の経過で改善した症例を経験した。ペースメーカ植込み術後のたこつぼ型心筋症の報告は散見されるが、dyssynchrony 合併の
報告は見られず、貴重な症例であり報告する。
230
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P5-1-7
当院で長期間診療しえた拘束型心筋症
高桑 蓉子1、岩瀬 正嗣2、宮城芽以子1、高田佳代子1、椎野 憲二1、犬塚 斉3、伊藤さつき3、
杉本 邦彦3、加藤 靖周1、尾崎 行男1
1
藤田保健衛生大学 循環器内科、2藤田保健衛生大学 医療経営情報学科、3藤田保健衛生大学病院 臨床検査部
拘束型心筋症 restrictive cardiomyopathy:RCM は左室拡張障害、左室の拡大や肥大の欠如、正常に近い左室収縮能、原因不明の 4
条件を満たす心筋症である。特発性拘束型心筋症は長期にわたり重症心不全が続く症例が多いとされるが、その経過は未だ不明な点
が多い。今回、我々の施設で長期間にわたり診療しえた 3 症例を提示する。内訳は特発性 RCM2 症例、RCM が疑われた心房細動症
例 1 症例、前 2 症例は剖検を実施した。1 症例目は、母親、長男、同胞 8 人中 4 人が 60 代までに心疾患で死亡している RCM の 60 代
後半の女性。死亡する 15 年前から肥大型心筋症、心房細動で通院。死亡する 3 年前から心不全入院を繰り返すようになり、心エコー
上両心房拡大と E/E 上昇が進行したが、EF は保たれていた。剖検時心重量は正常心の 2 倍の 600g に増加、壁肥厚は 12mm と軽度
であった。剖検の光学顕微鏡所見では左室心筋に錯綜配列と心筋細胞間の膠原線維増生を認めた。2 症例目は家族歴のない 40 代の男
性。死亡する 8 年前、拘束型心筋症を疑われ紹介。心房細動を合併。死亡する 2 年前より心不全入院を繰り返すようになった。紹介
時、心エコー上両心房拡大と DT の低下を認め、EF は保たれていた。その後心房拡大や DT の低下は進まなかったが EF は低下し
た。剖検の光学顕微鏡所見で左室心筋細胞間の著明な膠原線維増生を認めた。3 症例目は存命の 70 代男性、20 年前から高血圧と心房
細動で外来通院。心エコー上、EF も拡張能も保たれていたが、両心房が著明に拡大しており心精査を実施。肺動脈平均圧は 24mmHg、
dip&Plateau を認め、coronary に有意狭窄は認めなかった。右室心筋生検に特異所見は認めなかった。脳出血のため転院したが、経
過が注目される。
P5-1-8
心エコー図が診断に有用であった左室流出路狭窄を伴うたこつぼ心筋症の 1 例
佐藤 如雄1、黄 世捷1、出雲 昌樹2、塚原 摩耶1、徳丸 睦1、田中 修1、三須 一彦1、
鈴木 健吾2、明石 嘉浩2
1
聖マリアンナ医科大学東横病院 心臓病センター、2聖マリアンナ医科大学 循環器内科
【症例】57 歳、女性、大学講師。
【現病歴】出勤時に駅構内を全力疾走したと
ころ、突然胸部不快感とふらつきが出現。その後も症状が持続し当院救急搬
送となった。来院時の心電図変化は乏しかったが、聴診にて心尖部を最強点
とする収縮期雑音を聴取した。心エコー図は心尖部領域で dyskinesis・ballooning を呈し、心基部は過収縮を認めた。大動脈弁収縮期半閉鎖、僧帽弁収
縮期前方運動(SAM:systolic anterior motion of the mitral valve)及び左
室流出路狭窄、また SAM に伴う高度僧帽弁逆流症(MR:mitral regurgitation)を認めた。緊急心臓カテーテル検査施行し冠動脈に有意狭窄は認めず、
たこつぼ心筋症の診断で即日入院となった。入院後 β 遮断薬内服を開始とし、
左室流出路狭窄及び MR は速やかに改善、第 16 病日に退院となった。
【結論】
心電図変化に乏しく、聴診及び心エコー図検査が大変有用であったたこつぼ
心筋症の 1 例を経験したため報告する。
診断基準は満たさなかったが経過から心サルコイドーシスが疑われ,ステロイド療法が効果的で
あった一例
福田 智子1、井手口武史1、田中 浩喜1、戸井田玲子1、坂元 紀陽1、鬼塚 久充1、渡邉 望2、
石川 哲憲1、北村 和雄1
1
宮崎大学 医学部 附属病院 第一内科、2宮崎市郡医師会病院 循環器内科
【はじめに】心サルコードーシスが疑われ,ステロイド治療にて改善を認めた症例を経験したので報告する.
【症例】77 歳,女性.24
年前に健診で両側肺門部腫大を指摘され,近医で肺サルコイドーシスと診断されたが,特に加療を受けることなく経過観察となった.
61 歳時に眼前暗黒感を認め,同院で完全房室ブロックが確認されたため当院に入院し,恒久的ペースメーカーを挿入した.当時の心
エコー図検査・左室造影検査では EF70% で局所壁運動異常は認められず,心筋生検でも心サルコイドーシスの所見はなかった.77
歳時のペースメーカー検診で胸部レントゲン上,心拡大・胸水を指摘され,精査のため再び当院に入院した.入院時 EF52% と低下
し,心尖部に壁運動低下を認めた.BMIPP 心筋シンチで心尖部・心基部の脂肪酸代謝低下,同部位に FDG-PET の集積亢進を認め
た.ACE・リゾチームは正常範囲,Ga シンチで心臓・肺,その他の臓器に集積はなく,各種検査から心サルコイドーシスの診断基
準は満たされなかった.しかし,臨床経過から心サルコイドーシスの関与を否定できず,診断的治療を兼ねてステロイド療法を開始
した.加療開始一か月で,心エコー図上左室壁運動の全体的な改善を認め,follow-up FDG-PET での集積像は明らかに改善し,ステ
ロイド治療の効果が示唆された.
【考察】肺サルコイドーシスに心病変を合併した症例を経験した.サルコイドーシスは比較的予後良
好の疾患と言われているが,剖検による検討では死因の 6 割以上を心病変が占めていたという報告もあり,心病変合併の鑑別は臨床
的に重要である.診断に心エコー図検査が果たす役割は大きく,注意深い観察が必要である.
231
一般 Poster
P5-1-9
第26回日本心エコー図学会学術集会
P5-1-10
甲状腺機能亢進症を基礎疾患として発症したと思われる両心室たこつぼ心筋症の 1 例
黒木 恵美1、津守 容子2、渡邉 望4、清 真由美1、花牟禮富美雄1、福田 智子3、渡邊 玲子2、
平山 直輝2、松尾 剛志2
1
宮崎江南病院 検査部、2宮崎江南病院 内科、3宮崎大学医学部附属病院 第一内科、
宮崎市郡医師会病院 心臓病センター循環器内科
4
【症例】80 歳代女性。心房細動と中等度僧帽弁逆流で経過観察されていた。2014 年 7 月頃より時折胸痛を認めていたが、8 月になり
易疲労感・動悸・全身浮腫・呼吸苦等の症状増悪のため当院内科に入院した。入院時胸部レントゲンで心拡大、肺うっ血、胸水貯留
を認め、血圧 188/138mmHg、心電図は HR 90-130/min の頻拍性心房細動で V2∼5 で T 波の陰性化が見られた。血液検査では CPK
の軽度上昇のみでトロポニン T 陰性であった。心エコー図検査では、左室前壁中隔は心基部から壁運動が低下し、特に心尖部は全周
性に無収縮であった。また右室は拡大し、右室心尖部も無収縮であった。虚血性心疾患も否定できず冠動脈造影が施行されたが有意
狭窄所見は認めなかった。心不全症状増悪の原因は、右室壁運動異常を伴う両心室たこつぼ心筋症が疑われた。発症 1 ヶ月後の心エ
コー図検査では、両心室の壁運動異常は改善していたが、左室心尖部を中心とした壁肥厚を認め、心尖部肥大型心筋症様のエコー像
を呈していた。更に 1 ヶ月後の検査では、心尖部肥大型心筋症様の左室壁肥厚は改善し、両心室の壁運動も良好であった。入院時血
液検査で未治療の甲状腺機能亢進を認めており発症要因の可能性が疑われた。
【まとめ】甲状腺機能亢進症が誘発原因とされるたこつ
ぼ心筋症の報告が散見されているが、本症例も明らかな精神的、身体的ストレスは特定できず、甲状腺機能亢進症が誘因となった可
能性はある。また、右室収縮能低下を伴い、回復過程においては心尖部肥大型心筋症様の左室形態を呈するなど、発症から回復まで
多彩な経過を認めた稀な症例と思われるため若干の文献的考察を加え報告する。
P5-1-11
診断および治療効果の経時的観察に心エコー図が有用であった急性好酸球性心筋炎の一例
田永 哲士1、渡邉 望2、有馬 美樹1、小岩屋 宏2、柴田 剛徳2
1
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科、2宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科
症例:39 歳女性。胸部違和感が 2∼3 日持続し、息切れも出現したので当院
受診。心電図は四肢誘導で低電位と陰性 T 波、心エコー図で著明な左室壁肥
厚と下後壁の運動異常が見られ、全周性に少量の心膜液の貯留も認め、心筋
炎が強く疑われた。直ちに心臓カテーテル検査を施行し、冠動脈造影と心筋
生検を行った。病理所見で、心筋内の著明な好酸球の侵潤や間質の浮腫が認
められ、急性好酸球性心筋炎と診断された。治療としてステロイドの短期大
量療法(1000mg×3 日間)を行った。その間継続して行った心エコー図で経
過観察をしていたが、治療効果として左室壁厚(LVPWd 16.8 → 9.0mm)
、
EF 39 → 65% と著明な改善が見られた(図)
。
結語:本症例は明らかな顕性心不全徴候はなく、入院時末梢血の好酸球数増
加も見られなかったが、心エコー図所見により急性心筋炎が強く疑われ、迅速な診断と治療によって短期間で劇的な症状の改善が見
られた。心エコー図は急性心筋炎の診断や治療効果の判定に有用であった。
一般 Poster
P5-1-12
心拍動下冠動脈バイパス術中僧帽弁尖 tethering は心脱転に伴う乳頭筋変位と関連する:ブタモデ
ルにおける 3D 心エコー図法による評価
五十嵐 崇1、高野 真澄2、高瀬 信弥1、横山 斉2
1
福島県立医科大学 心臓血管外科学講座、2福島県立医科大学 集中治療部
【背景】心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)中の心脱転に伴い、僧帽弁逆流(MR)増悪および循環動態悪化例が認められるが、
MR 増悪の成因および僧帽弁装置の形態変化は明らかでない。
【目的】3D 心エコー図法を用いて、OPCAB 時心脱転に伴う僧帽弁装
置の形態変化および MR 増悪の要因を検討すること。【方法】開胸拍動心モデル(LWD 系ブタ、n=9)において、拍動心を対照位、
前下行枝吻合時(LAD 位)、右冠動脈吻合時(RCA 位)
、および左回旋枝吻合時(LCX 位)の脱転位にポジショニングした。各脱転
位において 3D full volume データ(iE33TM,X7-1)を取得し、Real-viewTM および Cardio-viewTM を用いて心脱転による僧帽弁装置の
変化を検討した。
【結果】大動脈圧は対照位に比べ LCX 位で有意に低下した(69.8±2.7 vs 48.9±2.5 mmHg,p<0.001)
。脱転位間に
おいて、maximum tenting length(対照位 2.93±1.3,LAD 位 2.71±1,RCA 位 3.68±0.9,LCX 位 4.1±0.9 mm,p<0.01)、および
tenting volume(対照位 0.7±0.3,LAD 位 0.65±0.3,RCA 位 0.79±0.2,LCX 位 0.95±0.3 cm3,p<0.05)は LCX 位で有意に高値だっ
た。また、tenting volume は後乳頭筋−僧帽弁前尖弁輪と僧帽弁輪のなす角度(r=-0.643,p<0.001)
、僧帽弁後尖と僧帽弁輪のなす
角度(r=0.438,p<0.01)と有意に相関した。各乳頭筋の 3 次元的座標の検討により、後乳頭筋は LAD 位および LCX 位において内
側方向へ有意に変位し(p<0.01)、LCX 位では左室狭小化を伴っていた。
【結語】OPCAB モデルにおいて、心脱転に伴い生じた僧帽
弁尖の tethering は後乳頭筋の変位と関連し、MR 増悪の要因として心脱転に伴う僧帽弁装置の geometry の変化が関与することが示
唆された。
232
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P5-2-1
左室内血栓を合併し治療に難渋したたこつぼ型心筋症
白崎 圭輔1、宮本 敬史1、柳 弘子2、大塚 伸子2、大久保輝男2、油座 記子2、鈴木みどり2、
豊岡 郁子2、板倉 良輔1、村上 彰通1、石川 哲也1、武藤 誠1、佐々木達海1
1
埼玉県立循環器・呼吸器病センター 循環器内科、2埼玉県立循環器・呼吸器病センター 検査技術部
[はじめに]たこつぼ型心筋症(TTC)は apical ballooning ため心基部が過収縮を呈する疾患であり、稀に心尖部に左室内血栓を合
併すると言われている。今回、重症肺炎を契機に TTC を発症し、低心機能、貧血、左室内血栓を合併して、治療に難渋した症例を
経験したので報告する。
[症例]82 才女性。肺炎にて入院中に起座呼吸を呈し当院救急搬送。心電図上、前胸部誘導にて T 波の陰転
化を認め、経胸壁心エコー上、EF30% 台で心尖部を中心に ballooning を認めた。また心尖部には 15mm 大の比較的新鮮な血栓を認
めた。起座呼吸のため気管内挿管行い、急性心筋梗塞も否定できないため緊急心臓カテーテル検査施行した。冠動脈に有意狭窄やプ
ラーク破綻所見は認めず TTC と診断した。CCU にて心不全管理を行い、重症肺炎治療を行いつつ抗凝固療法も検討したが、カテー
テル穿刺部の血腫により貧血進行し抗凝固療法開始が速やかにできなかった。しかし、入院 8 日後の心エコーでは血栓は消失してお
り、幸いなことに重篤な塞栓症状認めかった。その後、重症肺炎も軽快し入院 10 日後に無事抜管し退院となった。
[まとめ]文献的
に TTC に左室内血栓が生じる頻度は 2∼5% 台と言われており、心筋梗塞症例の左室内血栓頻度と比べると極めて稀な合併症である。
症例報告として SLE や肝膿瘍の治療中に左室内血栓を合併した TTC が散見され、炎症の存在が血栓形成に関与している可能性もあ
る。過去 10 年間の当院での TTC の左室内血栓症例も交え考察を加えて報告する。
P5-2-2
肥大型心筋症の病態を呈したミトコンドリア心筋症の壁運動低下の進行を心エコー図で観察した一
例
穂積 健之1、林 雄介2、柿原 準2、藤田澄吾子2、伊藤 朝広2、岩田 真一2、松村 嘉起2、
杉岡 憲一2、高木 雅彦2、葭山 稔2
1
和歌山県立医科大学 循環器画像動態診断学、2大阪市立大学 医学部 循環器内科
症例は 31 歳男性。6 年前、WPW 症候群と心肥大を指摘され、紹介受診となった。心エコー図では、左室内径・壁運動は正常(拡張
期径 DD=50mm、収縮期径 DS=32mm、駆出率 EF=56%)であったが、左室壁厚の増大(心室中隔厚 =17 mm、左室後壁厚 =15mm)
が認められた。ドプラ法では、E=83cm/s、A=30cm/s、DCT=171ms、e =6.0cm/s、E/e =14 であった。左室肥大の明らかな原因は
みられず、肥大型心筋症(HCM)の病態と考えられた。日常生活では症状に乏しく経過観察されたが、心エコー図では著変みられな
かった。4 年近くたった頃、軽度の労作で息切れがみられ、心エコー図にて、左室の全体的な壁運動低下が認められた(DD=54mm、
DS=42mm、EF=35%)ため、入院となった。両側感音性難聴に加え、血清乳酸値,ピルビン酸値の上昇を認めため、心筋生検を施
行したところ、心筋に顆粒状物質、空胞変性所見を認め、ミトコンドリア心筋症と考えられた。内服治療が行われているが、その後
2 年半を経過した時点で、壁運動低下のさらなる進行(DD=53mm、DS=48mm、EF=25%)がみられ、ドプラ法では、E=84cm/s、
A=29cm/s、DCT=142ms、e =4.0cm/s、E/e =21 である。ミトコンドリア心筋症、ミトコンドリアの機能障害に基づく疾患で、心伝
導障害あるいは HCM、拡張型心筋症、拘束型心筋症等の病態を呈する。HCM の病態を呈することが多いとされるが、心エコー図に
よる経時的変化の報告は少ない。今回、心エコー図にて HCM の病態を呈したミトコンドリア心筋症で、心エコー図にて経時的にフォ
ローし、壁運動低下の進行を観察した一例を経験したので報告する。
18 年間フォローを行っている、ミオパチーを背景とした拘束型心筋症の一例
宮脇 大、丸尾 健、三宅 剛、多田 毅、門田 一繁、光藤 和明
倉敷中央病院 循環器内科
【症例】33 歳男性【家族歴】両親いとこ婚。母は 35 歳で完全房室ブロックを認め、両下肢筋力低下を認めている。母の兄弟は心疾患
のため若年にて心疾患関連にて死亡している。
【治療経過】15 歳時、健診にて心電図異常(LVH-strain pattern)を指摘され当科紹介
受診。心エコー図より肥大型心筋症の疑いにて、1 年に 1 度経過観察を行っていた。18 歳時、左房・右房の拡大を認めるも、無症状
のため経過観察の方針となった。29 歳時、労作時呼吸苦が出現した。右心系の拡大および機能低下を認め、重度三尖弁逆流を認め
た。利尿薬および ARB 開始し症状は改善傾向。精査にて冠動脈は正常範囲内であり、原発性肺高血圧症は否定された。30 歳時、心
不全症状の増悪および心房粗動を認めたため、三尖弁形成術および右房 Maze 手術を行った。経過は良好であり、症状改善が認めら
れ、心不全に対する内服加療を継続した。32 歳時、心不全症状の増悪を認めた。左房・右房の拡大および右心室収縮能低下に加え、
左室収縮能の低下(EF 43%)を認めており、内服加療の強化を行い症状は改善した。経過からは遺伝疾患を背景とした拘束型心筋症
の可能性が高いと考えられ精査継続、並行して心移植の検討を行った。33 歳時、母が筋原線維性ミオパチーの一種である Desminopathy と診断、本人も同疾患を背景とした心筋症と考えられた。
【結語】15 歳時より心エコー図がフォローされている、ミオパチーを背
景とした拘束型心筋症の 1 例について報告する。
233
一般 Poster
P5-2-3
第26回日本心エコー図学会学術集会
P5-2-4
閉塞性肥大型心筋症における左室流出路構造異常を心エコー図で正確に評価し得た一例
規矩智千絵1、馬原啓太郎2、吉敷香菜子3、太田 光彦2、泉 祐樹2、島崎 希美1、齋藤 清美1、
岩澤 伸哉3、間淵 圭2、高梨秀一郎4
1
榊原記念病院 臨床検査科、2榊原記念病院 循環器内科、3榊原記念病院 循環器小児科、4榊原記念病院 心臓血管外科
【症例】16 歳男性。生後、特徴的体型及び肺動脈弁狭窄(PS)
、肥大型心筋症(HCM)を認め Noonan 症候群と診断された。PS と
HCM は徐々に進行を認め、生後 9 ヶ月時、PS に対して経皮的バルーン形成術を施行した。その後は内服加療にて経過観察されてい
たが、12 歳時頃より NYHA2∼3 度と自覚症状の悪化がみられ、階段も息切れにより途中で休まないと上れない状態となった。経胸
壁心エコー図検査にて前壁中隔基部の著明な壁肥厚と左室流出路圧較差 149mmHg、収縮期前方運動(SAM)による高度僧帽弁逆流
(MR)を認め、経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)を施行した。圧較差は 39mmHg へと改善し、自覚症状も、階段昇降を息切れ無く
できる程度まで改善した。しかし、PTSMA 施行から 2 年が経過した頃より動悸と失神の頻度が増え、再度入院となった。
【入院後経
過】経胸壁心エコー図では、心室中隔基部の肥大部位に付着する異常筋束を認め、僧帽弁後尖及び異常筋束により左室流出路狭窄を
生じていた。前尖は後尖基部と接合して MR は認めなかった。安静時の左室流出路圧較差は 26mmHg であったが、異常筋束を含む
構造上の問題で圧較差が残存し、自覚症状も増悪したことから、中隔心筋・異常筋束切除術を行うこととなった。術中所見は、経胸
壁エコーと同様であり、中隔心筋と異常筋束の切除を行い SAM は消失した。術後の経過は良好で、エコーにおいて左室流出路にわ
ずかなモザイク血流はあるものの、血流速度は 2m/秒以下に改善された。【まとめ】閉塞性肥大型心筋症において構造的異常を伴う
場合は心筋切除術が必要となるため、圧較差が生じる機序を術前に正確に評価することが重要と考えられた。
P5-2-5
右室優位に障害をきたした急性心筋炎の 2 例
松山 苑子、月城 泰栄、千村 美里、大西 哲存、谷口 泰代、矢坂 義則、川合 宏哉
姫路循環器病センター 循環器内科
【症例 1】13 歳男性。突然の胸痛にて発症、心電図にて ST 上昇および炎症反応・心筋逸脱酵素の高度上昇(peak CPK 7252IU/dl)を
認めた。心エコー図検査にて、右室の著明な拡大と全周性に高度壁運動低下が認められ、これにより左室腔の扁平化を来していた。
炎症反応が低下し急性期を過ぎた後も、右室機能は回復せず、高度の右室機能障害が残存した。
【症例 2】33 歳女性。発熱・感冒様症
状にて発症。完全房室ブロックおよび炎症反応・心筋逸脱酵素の上昇(peak CPK 1103IU/dl)を認め、一時的体外式ペーシングを挿
入した。心エコー図検査で、右室の拡大と壁運動低下・三尖弁逆流が認められた。徐々に右室機能は改善し局所壁運動異常を残すの
みとなったが、完全房室ブロックが残存した。急性心筋炎は、無症状から不整脈・心不全・ショック・突然死まで多彩な臨床像を示
す。炎症に伴う可逆的な心筋機能低下であり急性期を過ぎれば回復するとされるが、中には炎症が持続し拡張型心筋症様の経過をた
どることもある。また、多くの心筋炎は左室機能障害が主体であり右室優位の障害は稀である。今回我々は、右室優位に心筋障害を
来した急性心筋炎の 2 症例を経験したので、心エコー図検査所見、また他の画像診断や考察を加えて報告する。
一般 Poster
P5-2-6
運動負荷により左室流出路圧較差の改善を認めた閉塞性肥大型心筋症(HOCM)の 2 例
辛島 千尋、鍵山 暢之、由利 卓也、松本 健佑、大原美奈子、廣瀬 英軌、林田 晃寛、廣畑 敦、
山本 桂三、吉田 清
心臓病センター 榊原病院
背景:閉塞性肥大型心筋症(HOCM)において左室内圧較差は予後を規定する重要な因子であり、Maron らは 50mmHg 以上の左室
内圧較差を予後不良因子としている。また運動が突然死を誘発するとされ、運動に関連した血行動態異常の存在が知られている。一
般的に運動は左室の収縮力を高め、左室流出路狭窄を高度にすると考えられているが、今回我々は運動負荷下で圧較差の改善を認め
た 2 症例を経験したので報告する。症例 1:66 歳女性。60 歳時に心電図異常にて HOCM を指摘され受診。経胸壁心エコー図上、左
室流出路圧較差 76.8mmHg、僧帽弁前尖の前方運動(SAM)を認めるも NYHA1-2 度で経過していた。圧較差の増悪を認め、今回運
動負荷エコーを行った。連続波ドブラ法により狭窄出現部位の最高流速を測定、簡易ベルヌイ式を用い圧較差を経時的に評価したと
ころ、安静時に 105mmHg であった左室流出路圧較差は 25watt の運動負荷開始後 68.6mmHg まで減少し、運動中止により 130mmHg
まで増悪した。症例 2:64 歳女性。62 歳時、食事後の動悸を主訴に受診。経胸壁心エコー図で HOCM を指摘され安静時圧較差
102mmHg、SAM を認めた。翌年心不全症状が増悪し、精査目的に運動負荷エコーを施行した。運動開始前の左室流出路圧較差は連
続波ドプラ法で 121mmHg であったが、25watt の負荷開始 2 分で圧較差は 27.3mmHg へ減少し、負荷終了後に 92.5mmHg へ増悪し
た。この 2 例を当院での HOCM 患者で運動負荷時に圧較差の増悪を示した 2 例と比較したところ、圧較差が減少した群では前尖が
短く、厚かった。このように運動負荷で圧較差の改善を示す例は HOCM の約 24%に認められると今まで論文的に報告されている。
これらの 2 例を当院での経験と合わせ報告する。
234
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P5-2-7
重症大動脈弁閉鎖不全症にたこつぼ型心筋症を合併し、大動脈弁置換術後に心機能回復を認めた一
例
上間 貴子、竹内 正明、角 裕一郎、福山 梓子、永田 泰史、岩瀧 麻衣、林 篤志、大谷 恭子、
福田 祥大、尾辻 豊
産業医科大学付属病院 循環器内科 腎臓内科
【症例】69 歳女性【主訴】呼吸困難【現病歴】以前より心雑音を指摘されるも未精査であった。x 年 2 月発作性心房細動で当院へ紹
介受診、その際心エコー図検査で重症大動脈弁閉鎖不全症を認めた。左室駆出率(LVEF)は 60%、左室拡張末期径/左室収縮末期径
は 65/40mm で手術適応と思われたが無症状のため経過観察となった。同年 8 月、夜間就寝前に突然の呼吸困難、起坐呼吸が出現し
たため、当院救急外来を受診。胸部レントゲン写真で肺うっ血、両側胸水を認めた。血液検査では CK が 450 U/I と軽度上昇、トロ
ポニン T 陽性であった。心エコー図検査上 LVEF20%、左室壁運動は心尖部を中心に対称性に無収縮を認め左室基部は過収縮であっ
た。冠動脈造影検査では有意狭窄は認めず、重症大動脈弁閉鎖不全症に合併したたこつぼ型心筋症と診断した。その後集約的内科的
治療を施行するも LVEF は回復せず、心嚢液貯留が出現、徐々に増加。大動脈弁閉鎖不全症による左室容量負荷がたこつぼ型心筋症
からの回復を妨げていると考え、大動脈弁閉鎖不全症に対し大動脈弁置換術を施行し、術後心機能はやや回復した。術中の心筋生検
から炎症 + 壊死所見が認められた。
【考察】たこつぼ型心筋症の心機能障害は一過性であり予後良好といわれている。本症例は、大
動脈弁閉鎖不全症による wall stress 増加が心機能障害を遷延させた一因と考え、時期を逸しない外科的介入が重要であると思われ
た。
【結語】大動脈弁閉鎖不全症にたこつぼ型心筋症を合併し、大動脈弁置換術に至った一例を経験したので文献的考察を加えて報告
する。
P5-2-8
【症例】自然経過において著明な左室壁厚の変化を観察しえた心サルコイドーシスの一例
柿崎 良太、小板橋俊美、石井 俊輔、前川 恵美、猪又 孝元、阿古 潤哉
北里大学医学部循環器内科学
症例は 77 歳女性。3 年前に高度房室ブロックに対し、当院でペースメーカー
移植術を施行した。心臓超音波検査では肥大型心筋症(HCM)様の壁肥厚を
認め、左室壁運動は保たれていた。肺門リンパ節腫脹を認め、Ga シンチグラ
フィではリンパ節と左室前壁中隔への集積増加を認めた。心サルコイドーシ
スの臨床診断群に該当したが、患者の拒否によりステロイド治療は施行され
ず、他院で経過観察となった。しかし今回、心不全増悪をきたし、当院に再
入院となった。心臓超音波検査では厚かった心室中隔は著明に菲薄化し、左
室壁運動は左室駆出率 24% と著明に低下していた(図)。HCM の拡張相
(DHCM)への移行に類似した経過をとった。
予後を左右する心サルコイドーシスでは、診断とともにステロイド治療の適応となり、自然経過は不明である。本症例では、ステロ
イド非投与下において壁厚と心機能の劇的な変化を観察しえた。HCM や DHCM 様の心エコー図所見を呈する際にはサルコイドーシ
スの除外を積極的に行うべきである。
一般 Poster
P5-2-9
多発する左室内血栓で発見された左室心筋緻密化障害の一例
本郷以津香1、伊波 拓也1、福本 遥佳1、坂本 憲亜1、井 裕美1、福山 修治1、柳 裕子1、
鬼木 秀幸2、前淵 大輔2
1
公立学校共済組合 九州中央病院 検査技術科、2公立学校共済組合 九州中央病院 循環器内科
症例は 51 歳男性。2 か月前から増悪する労作時息切れを主訴とし、近医で施行された胸部 X 線、腹部エコーで胸水と肝内腫瘤を認め
たため、当院紹介受診となった。来院時の血液検査では肝機能異常と BNP、FDP、D ダイマーの上昇を認め、心電図上は I,aVL,
V5-6 に ST-T 異常を認めていた。胸腹部 CT では、両側胸水と左室内腔の拡大、左室内の腫瘤を認めていたが肝臓内に明らかな腫瘤は
指摘されず、経胸壁心エコーでは、著明な左房・左室の拡大と左室駆出率の低下を認めており、左室内の下壁∼側壁心尖部、前壁中
間部、前壁心基部に高輝度で可動性を有する血栓様構造物を認めた。以上より高度の左室収縮障害によるうっ血性心不全と多発する
左室内血栓症の診断で入院となり、抗凝固療法および心不全治療が開始された。治療開始から 1 週間後の経胸壁心エコー検査では、
前壁に認めていた 2 つの血栓はほぼ消失し、心尖部の血栓も縮小傾向であった。さらに 1 週間後には心尖部の血栓も消失していた。
傍胸骨左縁短軸像では心尖部の血栓があった下壁∼側壁に網目状の過剰な肉柱形成を認め、カラードプラでその肉柱の間隙に心腔と
連続する血流を認めた。心臓 MRI 検査では、心尖部と、乳頭筋レベルの前壁に発達した肉柱で左室心筋は 2 層になっており、その比
から左室心筋緻密化障害と診断した。左室心筋緻密化障害は、左室壁の過剰な網目状の肉柱形成と、心腔と連続する深い間隙を形態
的特徴とし、その肉柱の間には血栓が生じやすいことが知られている。今回、左室内に多発する血栓を認め、血栓消失後に左室心筋
緻密化障害と診断した一例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。
235
第26回日本心エコー図学会学術集会
P5-2-10
大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症を合併し、弁置換術を施行した Fabry 病の一例
木村 朋生、麻植 浩樹、西井 伸洋、中村 一文、森田 宏、伊藤 浩
岡山大学循環器内科
症例は 59 歳男性。47 歳時に腎 Fabry 病と診断され酵素補充療法を開始され
た。54 歳時に腹膜透析を導入。2014 年 1 月より労作時呼吸困難が出現したた
め経胸心エコー図検査を施行したところ、全周性の左室肥大および中等度以上
の僧帽弁閉鎖不全症と大動脈弁狭窄症を認めた。経食道心エコー図検査では僧
帽弁輪径の拡大、軽度の弁尖肥厚、および tethering、弁輪部の石灰化を認め、
大動脈弁の高度石灰化と開放制限もみとめた。冠動脈造影検査では多枝病変
(#7 90%,#9 100%,#111 50%)もみられたため、同年 8 月冠動脈バイパス術
および大動脈弁置換術(SJM 25mm)、僧帽弁形成術(MEMO 3D 30mm)が
施行された。Fabry 病の特徴的な心エコー図所見としては左室肥大、僧帽弁・
大動脈弁尖の軽度肥厚などが知られる。弁膜症は閉鎖不全が多く重症化は少な
いとされるが、本症例では中等度以上の僧帽弁閉鎖不全、大動脈狭窄症の合併
と比較的早い病状の進行を認めた。Fabry 病での大動脈弁狭窄症の合併は稀と
されており、本例の弁膜症の進行には腹膜透析や高血圧などの影響が考えられ
た。
P5-2-11
食後に胸部症状が出現し、心エコーで左室流出路圧較差の増大を認めた閉塞性肥大型心筋症の一例
笹 智樹、岡林真梨恵、山田 千夏、木下 秀之、木村 剛
京都大学 医学部 附属病院
症例は 40 代女性。2 年前より頻回に食後胸痛が出現し、また食後の歩行時に突然失神することを主訴に、当院を受診。受診時の心エ
コーで閉塞性肥大型心筋症が疑われた。心臓カテーテル検査を施行したところ、左室流出路最大圧較差 100mmHg と著明な高値を認
めた。食事摂取前後で心エコーを実施したところ、左室流出路の最大通過血流速度 3.0 → 4.8m/sec、最大圧較差 38 → 91mmHg と、
食事摂取後に著明な圧較差の増大を認めた。これらの所見により、食後に出現する胸痛について、閉塞性肥大型心筋症の関与が考え
られた。β 遮断薬(ビソプロロール)を内服開始したところ、心エコー上は左室流出路圧較差の減少を認め、また症状の改善をえた。
今回我々は摂食に伴い症状が誘発される閉塞性肥大型心筋症に対して、心エコーを実施し、食後で左室流出路圧較差の著明な亢進を
認めた一例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
一般 Poster
P5-3-1
自動化トラッキングによるストレイン計測:画質による精度の検討
高野 真澄1、武田 守彦2、柴 信行2
1
福島県立医科大学 治療部、2国際医療福祉大学病院 循環器内科
【背景】2D wall motion tracking を用いた strain 計測では、再現性が低いことが問題とされる。近年改良されたロバスト型 Automated
Contour Trace 法(rACT)により strain 計測の再現性向上が期待されるが、画質に応じた精度の検討はなされていない。【目的】
rACT 法による global longitudinal strain(GLS)算出におけるトラッキング精度と画質との関係を明らかにすること。【方法】対象
は虚血性心疾患患者連続 100 例。心尖部 4 腔像(東芝社製 ArtidaTM)において、rACT 法による GLS(rACT-GLS)を算出した。
解析に用いた画像の画質を視覚的に評価し(good,fair,poor)、rACT 法によるトラッキングの視覚的許容度との関係を評価した。
33 名においては、熟練者による manual 法を用いた GLS(manual-GLS)値および同画像を用いた rACT 法による GLS(rACT-GLS)
を算出し、検者間・検者内誤差および一致係数を検討した。
【結果】rACT 法によるトラッキングにおいて、視覚的許容度は良好な画
質では高かった(good:30/35,85.7%,fair:28/42,66.7%)が、画質不良例では低かった(3/23,13.0%)
。全症例において、manualGLS(-13.8±4.2%)と rACT-GLS(-14.1±4.2%)に有意差を認めず、強い相関を示した(r=0.96,P<0.001)
。同一検者における rACTGLS は高い再現性が認められ(熟練者:一致係数 0.98,変動係数 3.3%、初心者:一致係数 0.93,変動係数 5.4%)
、また検者間におい
ても再現性が高かった(R=0.893,p<0.001、一致係数 0.89)
。
【結語】ロバスト型 ACT 法による GLS 値は再現性が高く、熟練者によ
る manual 法を用いた GLS 値と一致したが、トラッキングの精度と画質には密接な関係があり、解析には注意が必要である。
236
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P5-3-2
Inferior Vena Cava Compression Maneuver as a Novel Technique to Detect Patent
Foramen Ovale
山下 英治1、後藤 依里1、村田 智行1、佐々木健人1、吉田くに子2、藤原 健史1、岡庭 裕貴3、
戸出 浩之3、中村 紘規1、熊谷 浩司1、内藤 滋人1、星崎 洋1、大島 茂1
1
群馬県立心臓血管センター 循環器内科、2群馬大学医学部附属病院 循環器内科、3群馬県立心臓血管センター 生理機能検査課
Background:Valsalva maneuver, the most sensitive testing to identify patent foramen ovale(PFO),cannot always be performed
by all the patients adequately during transesophageal echocardiography(TEE)especially under sedation. We aimed to investigate
the effectiveness of newly-invented“inferior vena cava compression(IVCC)maneuver”to diagnose PFO compared with Valsalva
maneuver. Methods:We prospectively enrolled 84 consecutive patients with paroxysmal AF who received TEE prior to left atrial
ablation. Except for 2 patients newly diagnosed as atrial septal defect by TEE, agitated saline injection was performed under following 3 conditions:Valsalva maneuver without or under minimal sedation, at rest and IVCC maneuver under sedation. IVCC
maneuver was defined as manual compression of about 5cm right-side of epigastric region during 30 seconds and releasing the
compression immediately before right atrial opacification of microbubbles by agitated intravenous saline. Results:Compared with
at rest(9 patients, 11.0% of the patients)
, IVCC maneuver obtained higher detection rate of PFO(22 patients, 26.8%, P<0.001),
which was not inferior to Valsalva maneuver(18 patients, 22.0%, P=0.019 vs at rest, P=0.21 vs IVCC maneuver)
. Conclusions:
IVCC maneuver is feasible and effective provocation testing to detect PFO, which is not inferior to Valsalva maneuver.
P5-3-3
急性心筋梗塞に伴う僧帽弁葉面積の変化:経胸壁リアルタイム 3D 心エコー図による検討
福田 智子1、渡邉 望2、足利 敬一2、栗山 根廣2、田永 哲士4、戸井田玲子1、石川 哲憲1、
柴田 剛徳2、北村 和雄1、吉田 清3
1
宮崎大学 医学部 附属病院 第一内科、2宮崎市郡医師会病院 循環器内科、3心臓病センター榊原病院 循環器内科、
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科
4
目的:3D 心エコー図法による僧帽弁立体形状解析により,慢性左室機能障害
例における僧帽弁逆流の抑止機構として,僧帽弁葉の拡大(leaflet adaptation)が注目された.一方,動物や剖検例の研究で,弁葉自体の可逆的な伸展
性が報告されている.しかし臨床例での検討はこれまでになく,本研究では
経胸壁リアルタイム 3D 心エコー図(RT3DE)を用いて急激な左室形態変化
に伴う僧帽弁の伸展性について検討した.方法:正常心に発生した急激な僧
帽弁機構形態変化の臨床モデルとして初回心筋梗塞例(n=25)について,急
性期および経皮的冠動脈形成術後に follow-up の RT3DE を施行.解析ソフト
を用いて三次元的に僧帽弁葉面積(MVarea)を計測し,EF 改善群と非改善
群で比較した.結果:EF 改善群の急性期 MVarea は follow-up に比べ有意に
大きかった.一方 EF 非改善群は急性期よりも follow-up の MVarea が有意
に大きかった(図).結語:僧帽弁葉は急性左室機能低下時に伸展し,急性期
の critical な逆流を抑止する可能性が示唆される.さらにこの急性期伸展が mitral adaptation の first step である可能性が考えられ
た.
当院における心腔内エコー(ACUNAVTM)の使用経験
伊藤 敦彦1、澤田 直子1、原田 修2
1
公立学校共済組合 関東中央病院 循環器内科、2公立学校共済組合 関東中央病院 臨床検査科
【はじめに】不整脈領域において心腔内エコー(ICE:Intracardiac Echocardiography)は 3D システムとの併用にてその効果を発揮
している.ICE は心腔内から 9.0MHz で観察するため、クリアに描画されると考えられる.そのため、不整脈領域にとどまらず、そ
の利用価値が高いと思われる.今回当院にて、心腔内エコー(ACUNAVTM)の利用価値があると考えて、使用できた 33 症例の使用
経験を報告する.
【観察目的】アブレーション時以外での使用で、症例個々で目的(一つではない)を定めて、各弁評価をはじめ両心
房、左室心筋、大動脈などの観察を行った.目的別には、心室の壁観察では虚血後が 7 例、非虚血で 8 例で、弁観察では三尖弁 5 例、
大動脈弁 5 例、僧房弁 9 例、両心房内(特に左心房)の観察は 11 例、大血管の観察は 4 例であった.【実際の観察結果】右心系の右
心房、心房中隔、三尖弁は全例で観察良好であった.また、大動脈弁はほとんどの例で、長軸短軸方向の観察ができた.しかし、僧
房弁に関しては逆流シグナルや一部逸脱の観察にはよいが、経食道エコーに勝るものではなかった.僧房弁の描出は症例により描出
方法が異なり、困難なケースも見受けられた.左心房は大きさにより観察が影響された.三尖弁を越えて左室長軸方向の断層像は得
られ、中隔基部から中部の性状評価はできた.経胸壁心エコーよりも解像度は良好で、心筋障害をよりよく描出された.
【考察】心腔
内エコーは右心系からの観察が主となることから、右心系の大きさ、形態によりカテ操作が影響を受け、観察範囲、方向、内容が左
右された.【結語】右心房、上行大動脈、大動脈弁、心房・心室中隔の評価には比較的良好と思われた.
237
一般 Poster
P5-3-4
第26回日本心エコー図学会学術集会
P5-3-5
経胸壁 3D 心エコー図による右室リードの三尖弁通過部位に関する検討
須永 晃弘、増田 正晴、神田 貴史、藤田 雅史、飯田 修、岡本 慎、石原 隆行、南都 清範、
白記 達也、辻村 卓也、奥野 翔太、谷仲 厚治、松田 祥宏、上松 正朗
関西労災病院 循環器内科
背景:ペースメーカなどで経静脈的に挿入した右室リードが、三尖弁逆流を引き起こす可能性があることが報告されている。これは
右室リードが三尖弁の弁尖と干渉して起こると理解されているが、これまで十分な検証は行われていない。目的:右室リードと三尖
弁の弁尖との位置関係の検証が径胸壁 3D 心エコー図を用いて可能かどうか検討し、右室リードの三尖弁通過部位を明らかにするこ
とである。方法:対象はペースメーカや植込み型除細動器などの心臓デバイス植込み後で、経胸壁 3D 心エコー図を施行した連続 22
患者とした。三尖弁通過部位は経胸壁 3D 心エコー図の心尖部アプローチにて評価した。通過部位は前尖上、中隔尖上、後尖上、前
尖中隔尖間、中隔尖後尖間、後尖前尖間、中央の 7 カ所に分類した。結果:経胸壁 3D 心エコー図にて三尖弁通過部位が観察できた
のは 22 人中 15 人(68%)であった。観察できた 15 人の内、中隔尖後尖間を通過したものは 7 人(47%)、中隔尖上を通過したもの
は 3 人(20%)、後尖上を通過したものは 2 人(13%)、中央を通過したものは 2 人(13%)、後尖前尖間を通過したものは 1 人(7%)
であった。その他の部位を通過するリードはなかった。結論:経胸壁 3D 心エコー図にて右室リードの三尖弁通過部位を確認するこ
とが、一部の症例を除いて可能であった。またリードと弁尖が干渉している症例も少なからず認められた。
P5-3-6
Multimodality imaging による Strain 評価
坂田 好美1、今井 昌康2、横山 健一2、似鳥 俊明2、井坂 葵1、上杉陽一郎1、南島 俊徳1、
古谷 充史1、吉野 秀朗1
1
杏林大学 医学部 第二内科、2杏林大学 病院 放射線部
【目的】心筋壁運動を定量的に評価することは有用である。現在、心エコーにおける Speckle-tracking 法による strain 解析が全体お
よび局所の心筋機能を定量的に評価できる有用な方法として用いられている。また、心臓 MRI では tagging 法が定量的評価法として
用いられていたが解析に時間がかかる。
今回、
心エコーで用いられている Specking-tracking 法を心臓 cine magnetic resonance images
(CMRI)に応用し strain の解析を行い、心エコーと CMRI の strain 値の比較評価を行い、心筋機能の評価に有用性を検討した。
【方
法】対象は、健常者 33 例(平均年齢 32±7 歳)である。同日に心臓 cine MRI(Ecelert VantagTM Atlas,Toshiba)と心エコー
(Aritida,Toshiba)を施行し、心尖部四腔・二腔・三腔像、短軸像(僧帽弁位・乳頭筋位・心尖部位)を記録した。心臓 cine MRI
は、Multimodality Tissue Tracking version 6.0(Toshiba)、心エコーは UrtraExtend(Toshiba)を用いて Speckle-tracking 法によ
る strain 解析を行い、左室 circumferential strain、longitudinal strain を求めた。
【成績】左室短軸像より求めた global circumferential
strain は、ECHO-strain(平均−30.1±4.7)と CMRI-strain(平均−33.1±7.8)の 2 modality 間で有意な相関(r=0.70,p<0.01)を
認めた。心尖部像より求めた global longitudinal strain は、ECHO-strain(平均−20.4±2.5)と CMRI-strain(平均−21.4±3.2)で有
意な相関(r=0.72,p<0.01)を認めた。
【結論】CMRI と心エコーの両 modality で Speckle-tracking 法による strain 値の解析が可能
で、それぞれの strain 値は良好な相関を認め心筋機能評価に有用であると考えられた。
一般 Poster
P5-3-7
くも膜下出血に合併するたこつぼ心筋障害に対する心内膜・心外膜心筋ストレイン解析
杉本 恵子1、山田 晶2、高橋 礼子3、中村 和広3、築島まり恵3、杉本 邦彦3、椎野 憲二2、
高田佳代子2、岩瀬 正嗣4
1
藤田保健衛生大学 医療科学部 臨床検査学科、2藤田保健衛生大学 医学部 循環器内科、3藤田保健衛生大学病院 臨床検査部、
藤田保健衛生大学 医療科学部 医療経営情報学科
4
【目的】くも膜下出血(SAH)に合併するたこつぼ心筋障害(TC)に対し、
2D スペックルトラッキング法を用いた心筋ストレイン解析にて、心内膜側
(Endo)
・心外膜側(Epi)の収縮様式を検討すること【対象】2009 年 4 月∼
2014 年 7 月に当大学病院救命救急センターに入院した、TC を合併した SAH
患者のうち、解析可能な画像が得られた 12 症例(女性:10 例、平均年齢:
69.3±15.2 歳、TC 群とする)を対象とした。
【方法】TC は入院時に心エコー
図検査を施行し、健常者 10 症例(女性:7 例、平均年齢:36.2±12.0 歳、N
群とする)と比較した。心尖部四腔像にて基部・中部・心尖部の Endo・Epi
における longitudinal peak systolic strain 値および post-systolic shortening
(PSS)を RR 間隔で補正した補正 PSS 値の解析を行った。
【結果】表に示す。
【考察】2D スペックルトラッキング法による心筋ストレイン解析にて、SAH
に合併する TC に対し、心内膜・心外膜心筋の収縮様式を評価した。心尖部の収縮率および収縮遅延等の異常は心内膜側だけでなく、
心外膜側も同時に発生していた。
238
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P5-3-8
左室駆出率保持型 HCM における心エコーマルチレイヤー解析による Global Longitudinal Strain
値の検者間、検者内の優れた再現性
小澤 公哉1、船橋 伸禎1、高岡 浩之1、鎌田 知子2、野村 文夫2、小林 欣夫1
1
千葉大学大学院 医学研究院 循環器内科学、2千葉大学医学部附属病院 検査部
目的:肥大型心筋症(HCM)において最新の経胸壁心エコーマルチレイヤー解析を用いた、2 次元(2D)global longitudinal(GLS)、
circumferential strain(GCS)の計測値の検者間と検者内の再現性の評価を行う。方法:左室駆出率(LV EF)の保たれた HCM22 例
(男性 16 例、年齢 61±15 歳、LV EF>50%)に TTE(Vivid E9)を施行、収集したデータを循環器内科医が 2 回、超音波検査技師
が 1 回、off line で strain 解析(Echo PAC version113)を行った。GLS は左室心尖部 4、2、3 腔像から、GCS は傍胸骨長軸像の僧
帽弁、乳頭筋、心尖部レベルから解析し、全層、内層、外層の定量値を測定した。結果:2D GLS の全層、内層、外層の計測値の検
者間の相関係数は左室心尖部 4、2、3 腔像でそれぞれ 0.87,0.83,0.86(4 腔像)、0.68,0.56,0.74(2 腔像)、0.87,0.82,0.88(3 腔
像)であった。2D GCS の全層、内層、外層の計測値の検者間の相関係数は帽弁、乳頭筋、心尖部でそれぞれ 0.47,0.48,0.49(僧帽
弁)、0.45,0.45,0.43(乳頭筋)、0.87,0.74,0.82(心尖部)であった。2D GLS の全層、内層、外層の計測値の検者内(循環器内科
医)の相関係数は左室心尖部 4、2、3 腔像でそれぞれ 0.92,0.90,0.84(4 腔像)、0.88,0.86,0.87(2 腔像)、0.90,0.89,0.88(3 腔
像)であった。2D GCS の全層、内層、外層の計測値の検者内(循環器内科医)の相関係数は帽弁、乳頭筋、心尖部でそれぞれ 0.60,
0.69,0.48(僧帽弁)、0.75,0.81,0.58(乳頭筋)、0.78,0.56,0.72(心尖部)であった。結語:LV EF の保たれた HCM 症例におい
て、全層、内層、外層の 2D GLS は 2D GCS より優れた検者間と検者内の再現性を示した。
P5-3-9
全身性自己免疫疾患における心臓超音波マルチレイヤーストレイン解析による心筋特性評価、
BNP、左室駆出率、肺動脈圧との関連
小澤 公哉、船橋 伸禎、高岡 浩之、杉浦 淳史、小林 欣夫
千葉大学大学院 医学研究院 循環器内科学
目的:全身性自己免疫疾患症例において、2 次元(2D)経胸壁心臓超音波(TTE)マルチレイヤーストレイン解析で心筋特性評価を
行い、血清 BNP、左室駆出率(LVEF)、推定肺動脈ある(ePAP)との関連を評価する。方法:全身性自己免疫疾患症例 20 名(女
性 18 名、年齢 48.5±17.5 歳;SLE 35%、強皮症 5%、関節リウマチ 5%、MCTD 5%、血管炎 20%、その他 30%)に TTE(Vivid E9,
GE)を施行した。Global longitudinal strain(GLS)は左室心尖部 4、2、3 腔像より左室 17 分画から、global circumferential strain
(GCS)は傍胸骨短軸像の乳頭筋レベルから、マルチレイヤー解析(Echo PAC version 113)により各断面、各レベルの全層、内層、
外層の値を算出した。結果:GLS、GCS の全層、内層、外層はそれぞれ-20.0±4.4%、
-22.9±4.7%、-17.6%±4.1%(GLS)、-23.6±3.9%、-36.3
±6.5%、-15.1±3.7%(GCS)であった。BNP は 44.4±39.6 pg/ml、LV EF は 65.5±4.6%、ePAP は 30.1±14.6 mmHg であった。GLS
の全層、内層、外層は BNP,LVEF,ePAP と有意な相関は無かった。GCS の全層、内層、外層と BNP はそれぞれ 0.606、0.452、
0.447、GCS の内層と LV EF は-0.466、GCS の全層、外層と ePAP はそれぞれ 0.528、0.457 と有意な相関があった。結語:全身性自
己免疫疾患症例において、GCS が BNP(全層、内層、外層)
、ePAP(全層、外層)と有意な正の相関、LVEF(内層)と有意な負の
相関を示す特徴を示した。
左室流出路形態の心周期に伴う変化:3 次元経食道心エコー図による検討
三木 知紀、鍵山 暢之、鎌田 康彦、大原美奈子、林田 晃寛、山本 桂三、吉田 清
心臓病センター榊原病院 循環器内科
【背景】左室流出路(LVOT)の形態に関しての理解は大動脈弁狭窄症(AS)に対する手術や経カテーテル的大動脈弁置換術を行う
にあたり重要である。近年 LVOT の形態は正円ではなく楕円であることが報告されているが、その心周期における変化については明
らかではない。
【目的】3 次元経食道心エコー(3DTEE)を用いて LVOT の形態的変化を明らかにする。
【方法】中等度以上の AS 患
者 23 人と正常患者 63 人に対して 3DTEE を用いて LVOT の短軸および長軸、上行大動脈長軸と心室中隔のなす角度(aorto-septal
angle:ASA)を、拡張末期、収縮末期、拡張中期、収縮中期で計測して比較、検討を行った。
【結果】AS 群、正常群ともに ASA は
拡張中期で最小となり、収縮中期で最大となった。また、AS 群では正常群と比較して、ASA の心周期に伴う変化が大きかった。
(8.57±3.75°vs.7.03±2.57°、p=0.034)さらに、楕円率[ellipsoid index:EI=1 (LVOT
の短径/LVOT の長径)
]でも AS 群で拡張末
期と収縮末期の差が大きくなった。(-0.05±0.11 vs.0.00±0.11、p=0.047)
【結論】3DTEE を用いて大動脈弁狭窄症患者群と正常患者
群において LVOT の周期的変化における違いを明らかにした。LVOT の心周期における形態の変化は大動脈弁治療を行う際に重要
になると思われる。
239
一般 Poster
P5-3-10
第26回日本心エコー図学会学術集会
P5-3-11
非心臓手術中に進行性低酸素血症を来たし、術直後に Vscan で右心室内浮遊血栓を指摘し得た一例
藤井 怜1、森 三佳2、西村 和浩1、吉田 豊1
1
小松市民病院 麻酔科、2金沢大学循環器内科
【症例】81 歳女性、身長 150 cm、体重 95 kg。既往歴に高血圧、脂質異常症、間質性肺炎があり、プレドニゾロン内服中であった。
80 歳時に S 状結腸穿孔を発症し人工肛門造設術を受けた。今回、入院 3 日前より経口摂取不良となり、1 日前に近医で炎症反応上昇
を指摘され、精査加療目的に当院外科を受診した。腹部 CT で人工肛門近傍に多数の憩室と遊離ガスを認め、憩室穿孔及び限局性腹
膜炎と診断され緊急手術となった。術前の血液検査で WBC 11700/μL、CRP 20 mg/dl と高値であり、経胸壁心エコー図で推定右室
圧 60 mmHg、中等度三尖弁閉鎖不全を認めた。心腔内血栓は指摘されず、間質性肺炎の急性増悪に伴う肺高血圧と考えられた。そ
のため高濃度酸素を使用する全身麻酔は選択しづらく、主治医と協議し区域麻酔による麻酔管理が選択された。L3/4 椎間より脊髄く
も膜下麻酔を、Th12/1 椎間より硬膜外麻酔を行い、結腸切除術及び横行結腸双孔式人工肛門造設術が行われた(手術時間 1 時間 35
分)。しかし、術中に低酸素血症が進行し、用手的 BiPAP を必要とした。手術終了後に Vscan を用いて経胸壁心エコーを施行した
際、右房および右室内に浮遊する塊状構造物を認め、その後造影 CT で肺塞栓症と診断された。ヘパリン投与により酸素化は改善し、
3 日後に血栓の消失が認められた。
【考察】肺塞栓症の存在下では区域麻酔は相対的禁忌とされており、肺高血圧症例における肺塞栓
の有無の検索は重要である。Vscan は小型で手術室でも容易かつ繰り返し使用可能であり、本例においても術中病態変化の迅速な原
因検索に寄与し得た。
P5-3-12
PISA(proximal isovelocity surface area)法を用いた新生児期の PDA の評価
岩島 覚、石川 貴充、内山 弘基
浜松医科大学 医学部 小児科学教室
【はじめに】今回新生児期の PDA について PDA-PISA 法を用い評価し若干の考察を加え報告する。
【対象】2002 年 7 月から 2013 年
2 月までに浜松医科大学周産母子センターおよび小児科に入院した新生児 52 症例。男児 28 例、女児 24 例、PDA 以外の先天性心疾
患症例は除外した。
【方法】PDA を長軸断面から Color Doppler をできる限り平行になるように描出し PDA 血流を first aliasing 部位
の吸い込み血流の半円(radius)を計測。PISA 法を用い PDA-effective shunt orifice area(ESOA)(cm2)=2π(PDA radius)^2
×Aliging velocity(cm/sec)
/PDA peak velocity(cm/sec)
、および aliasing point 近傍の最も狭い幅の vena contracta width(VCW,
mm/BSA)を計測した。PDA-ESOA および VCW と左室収縮径(LVDs,mm/BSA)
,左室拡張末期径(LVDd,mm/BSA),左室
駆出率(LVEF%)、左房大動脈径比(LA/Ao 比)
、左房容積(LA volume,ml/BSA)等の相関について検討した。解析には SPSS
ver22 を用い p 値 0.05 未満を有意差ありとした。【結果】VCW,PDA-ESOA ともに LVDd,LVDs,LA/Ao、LA volume と有意な
正相関を認めた。これら有意な相関を認めた指標についてステップワイズ法を使用した線形回帰解析を行い PDA-ESOA は LA/Ao と
LA volume,VCW は LA volume,と有意な相関関係を認めた(PDA-ESOA;LA/A,beta=0.380,LA volume,beta=0.515,VCW,
LA volume,beta=0.387)
。8 症例で心不全のため ligation 施行され PDA-ESOA の Recever-Operator Curve(ROC 曲線)解析では
AUC=0.983(p<0.001)で Cutoff 値 0.06 cm2 で感度 100%,特異度 88.6% であった。
【結論】新生児期における PISA 法を用いた PDA
の定量的評価は有用である。
一般 Poster
P5-4-1
3D 心エコー図法を用いた肺静脈隔離術後の左房 sphericity 評価
藤本 香織1、井上 勝次1、西村 和久1、飯尾千春子1、上野 理絵1、河野 珠美1、藤井 昭1、
永井 啓行1、鈴木 純1、西山 光2、城戸 輝仁3、望月 輝一3、大蔵 隆文1、檜垣 實男1、大木元明義1
1
愛媛大学 医学部付属病院 病態情報内科学、2愛媛大学附属病院 診療支援部 診療放射線技術部門、
愛媛大学大学院 医学系研究科医学専攻 器官形態放射線医学
3
肺静脈隔離術(PVI)施行後の心房細動(AF)症例で左房 sphericity の改善が認められることが報告されている.
【方法】対象は薬
剤抵抗性孤立性 AF 連続 30 例(発作性/持続性:15 例/15 例).研究 1:PVI 施行時に 3D エコー図法と心臓 CT を用いて左房容量・
形態を比較検討した.研究 2:PVI 直後と 6 ヶ月後の 3D エコーデータから左房容量・形態変化を調査した.左房 sphericity 評価とし
て,左心耳上縁レベルの左房横断面積,左房横径(Rmajor)および前後径(Rminor)を算出した.
【結果】3D エコー図法は心臓 CT
,両測定値間に有意な相関を認め(R=0.82,P<0.0001)
,
に比し LAVI を過小評価したが(54±22 mL/m2 vs 70±21 mL/m2,P<0.01)
左房横断面積,Rmajor,Rminor においても有意な相関を認めた(左房横断面積:R=0.54,Rmajor:R=0.64,Rminor:R=0.42,P<
0.01 for all)
.PVI 施行 6 ヶ月後は PVI 直後に比し LAVI,Rminor が有意に縮小し(LAVI:35 mL/m2 vs 54 mL/m2,P<0.001,
Rminor:3.3±0.7 cm vs 3.7±0.7,P<0.01)
,左房横断面は楕円形に変化した(Rmajor/Rminor:1.24±0.15 vs 1.14±0.12,P<0.01).
【結論】AF に対する PVI 治療後,左房前後径が短縮し,左房 sphericity が軽減した.左房 sphericity 評価に 3D エコー図法が有用で
あった.
240
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P5-4-2
発作性心房細動に対する肺静脈隔離術の高齢患者における拡張能の変化について
増山 潔、習田 龍、安村 圭介、安元 浩司、主代 悠、依藤 弘紀、井手本明子、加藤 大志、
岡本 直高、田中 彰博、森 直己、吉村 貴裕、牧野 信彦、江神 康之、西野 雅巳、田内 潤
大阪労災病院 循環器内科
【背景】発作性心房細動(PAF)症例の肺静脈隔離術(PVI)後の拡張能はど
う変化するかはあまり知られていない。今回我々は PAF 症例の PVI 後の洞
調律維持がどのような症例において拡張能に影響するかを心エコー指標を用
い検討した。
【方法】対象は 2010 年 1 月から 2013 年 12 月に PVI 施行した
PAF 症例で PVI 前と 6 ヶ月後に心エコーを受けた連続 149 例。年齢(70 歳
未満か以上)、性別で 4sub group(SB)に分け、各 SB で左室拡張末期径
(LVDd)
、左室駆出率(LVEF)、E/e 、deceletion time(DcT)の変化率を
成功(洞調律を 1 年以上維持)群と不成功群で比較検討した。
【方法と結果】
PAF 例で PVI 後の拡張能の指標において 70 歳以上の男性で DcT が成功群
で有意に延長していた(表)が、他の指標に差はなかった。また他の SB に
おいて成功群と不成功群において有意差を認める心エコー指標はなかった。
【結論】PAF 患者に対する PVI 成功は特に高齢男性において拡張能が改善される可能性が示唆された。
P5-4-3
3D 経食道心エコーでみる左心耳機能低下の進行過程
藤巻 晴香、濵 義之、関根 泰、江口 紀子、寺林 郁人、神下 耕平、葛 備、田中 秀造、
外池 範正、芳生 旭志、松戸 裕治、藤本 善英、山本 雅史、氷見 寿治
君津中央病院 循環器科
【背景】心房細動患者の左心耳機能は進行性に低下することが知られている。しかし、機能低下の進行過程に関しては知られていな
い。【方法】経食道心エコーを施行し、左心耳の 3D データを取得した 70 人の持続性心房細動患者を対象とした(平均年齢 67±10
歳,男性 53 人)。左心耳入口部から先端にむけての軸に対して直行する左心耳断面像を左心耳入口部及び左心耳中部の二カ所で評価
した。各断面の最大面積、最小面積から面積変化率を計測し、それぞれ入口部断面積変化率(CR-O)
、中部断面積変化率(CR-M)と
定義した。面積変化率 30% 以下を左心耳収縮能低下とし、各部位における収縮能低下と心房細動持続期間の関連を評価した。
【結果】
CR-O、CR-M の値により 4 群に分けたところ CR-O、CR-M 共に 30% 以上に保たれている群(Group1,n=39)
、CR-O のみ低下し、
CR-M は 30% 以上の群(Group2,n=17)
、CR-O,CR-M 共に 30% 以下に低下している群(Group3,n=14)となった。CR-O の収縮
能が保たれ、CR-M のみ低下している患者は存在しなかった。Group1,2,3 の心房細動持続期間はそれぞれ 25±34 ヶ月、76±69 ヶ
月、86±89 ヶ月であった。Group3 でのみ有意に左心耳血流が低下し(37.8±19cm/s、33.6±13cm/s、18.7±7cm/s)、血栓が多かっ
た。(0%、5.9%、64.3%)【結論】左心耳機能は、心房細動持続により入口部から中部の方向に機能低下が進行し、その結果左心耳血
栓が形成されることが示唆された。
左房天井部分を除いた左房ストレインは、全分画の左房ストレインと比べ CHADS2 スコアとより
強く相関する傾向にある
黒沢 幸嗣1、根岸 一明2、反町 秀美1、増田くに子1、小保方 優1、倉林 正彦1
1
群馬大学 医学部 附属病院 循環器内科、2タスマニア大学、メンジーズ研究所
【背景】左房ストレイン(LAs)は左心耳血流や CHADS2 スコアとよく相関
し、血栓塞栓症のリスク評価に有用である。しかし左房の収縮は一様ではな
く、特に天井部分の収縮は他と比べて低下している。LAs 計測時にこれを含
めるかどうかについての一定の見解はまだない【方法】左心耳血栓評価目的
に経食道心エコー図検査(TEE)を受けた連続 102 例(年齢 66±12 歳、男
性 72 例)を対象とした。心尖四腔像と二腔像を用いて左房壁の基部と中部の
ストレイン、合計 8 分画を平均した値(LAs_8)と天井部を含めた合計 12 分
画(LAs_12)を平均した値のどちらが CHADS2 スコアと相関するか比較検
討した【結果】TEE 施行時 53 例は洞調律であった。LAs_8(20.7±8.9%)
は、LAs_12(16.2±7.0%)よりも有意に大きかった(p<0.001)
。CHADS2 ス
コアは平均 1.7±1.3 であった。LAs_8 と LAs_12 はどちらも CHADS2 スコア
と有意に相関した(0.37,p<0.001;0.32,p=0.001)。LAs_8 の方が CHADS2
スコアとより強い相関示す傾向(p=0.0823)だったが有意ではなかった【結
論】8 分画の LAs と CHADS2 スコアの相関は、12 分画の LAs よりも強い傾向にあった
241
一般 Poster
P5-4-4
第26回日本心エコー図学会学術集会
P5-4-5
Decreased LA peak systolic and late diastolic strain reflects left atrial appendage
dysfunction in patients with PAF
佐々木真太郎1、渡邉 哲1、山浦 玄斎1、和根崎真大1、田村 晴俊2、西山 悟史1、久保田 功1
1
山形大学 医学部 第一内科、2榊原記念病院 循環器内科
We and others previously reported that decreased longitudinal left atrial(LA)peak systolic strain(S-LAs)evaluated by 2D speckle
tracking echocardiography predicts LA appendage(LAA)dysfunction. However, usefulness of LA late diastolic strain(S-LAa)
for predicting LAA dysfunction remains to be determined. Transthoracic and transesophageal echocardiography was performed in
77 sinus rhythm patients with paroxysmal atrial fibrillation(PAF).S-LAs and S-LAa were calculated by averaging the results for
each segment. Twelve patients had ischemic stroke history and 11 patients had LAA dysfunction defined as presence of LAA
thrombus and/or severe spontaneous echo contrast.S-LAs and S-LAa were significantly lower in patients with LAA dysfunction
than in those without. S-LAs significantly correlated with LAA emptying flow velocity, whereas S-LAa didn t. Multivariate logistic
regression analysis showed that S-LAs and S-LAa were independent predictors of LAA dysfunction(S-LAs, odds ratio 1.267, 95%
confidence interval 1.09-1.589, p<0.01;S-LAa, odds ratio 1.237, 95% confidence interval 1.04-1.560, p=0.01)
. In conclusion, decreased
S-LAs and S-LAa were independently associated with LAA dysfunction in patients with PAF. However S-LAa can t measure in
patients with AF. These results demonstrate the feasibility of usefulness of S-LAs in patients with and without AF.
P5-4-6
左房リモデリングと左房機能の関連についての検討
辻本 悟史、宮坂 陽子、諏訪 惠信、前羽 宏史、塩島 一朗
関西医科大学 第二内科
【背景】近年、2D スペックルトラッキング(2DST)法を用いて、ドプラ角度に依存すること無く左房機能の評価が可能となった。
今回、我々は左房リモデリングと 2DST で評価した左房機能の指標との関連について検討した。
【方法】経胸壁心エコーを施行した
患者で、中等度以上の弁膜症及び上室性不整脈の既往がない患者を対象とし、2DST 法を用いて左房長軸方向の strain 及び strain rate
を測定した。strain の測定項目として peak left atrial(LA)longitudinal strain(LAS-S)、early diastolic(LAS-E)、late diastolic(LAS-A)
LA longitudinal strain を、strain rate の測定項目として systolic(LASR-S)、early diastolic(LASR-E)、late diastolic(LASR-A)strain rate
を評価した。左房容積は biplane area length 法を用いて測定した。
【結果】対象は 103 例(年齢 64±15 歳、男性 46%)で、平均左房
、LAS-E(r=0.336、P<0.01)
、LASR-S(r=-0.543、
容積係数は 27.9±5.8ml/m2 であった。左房機能の指標では LAS-S(r=-0.369、P<0.001)
P<0.001)
、LASR-E(r=0.410、P<0.001)、LASR-A(r=0.394、P<0.001)、また左室重量係数(r=0.449、P<0.001)及び mitral E/E´
(r=0.453、P<0.001)が左房容積と有意な相関を示した。重回帰分析では LASR-S(Β =-0.379、P<0.001)、左室重量係数(Β =0.229、
P<0.01)及び mitral E/E´(Β =0.253、P<0.01)が独立して左房容積と関連する因子であった。
【結語】左房のリザーバー機能の指
標である LASR-S のみが左房容積と独立して関連する因子であった。左房リモデリングが左房リザーバー機能の低下に関連している可
能性が示唆された。
一般 Poster
P5-4-7
ダビガトラン内服中に見つかった血栓がアピキサバン投与により消失した 1 例
濵 義之、関根 泰、藤巻 晴香、江口 紀子、寺林 郁人、神下 耕平、葛 備、田中 秀造、
外池 範正、芳生 旭志、松戸 裕治、藤本 善英、氷見 寿治
君津中央病院 循環器科
心房細動に対する抗凝固療法として NOACs が注目されている。しかし、左心耳内血栓に対する NOACs の効果は限定的である。我々
は、ダビガトラン投与中に診断された左心耳内血栓がアピキサバン変更後に消失した 1 例を経験したので報告する。症例は 83 歳男
性。健康診断で心房細動を指摘された。eGFR40mL/min、cre1.3mg/dl と中等度の腎機能障害を認めていることもあり、ダビガトラ
ン 220mg/day が投与された。6 ヶ月後、息切れを主訴に当院受診、心房細動、心不全の診断となった。RI にて虚血性心疾患は否定
的であった。経食道心エコーにて左心耳内血栓を認めたため、ダビガトランをアピキサバン 10mg/day に変更した。3 ヶ月後、経食
道心エコーを再検したところ左心耳内血栓は消失していた。
242
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P5-4-8
3D スペックルトラッキング法を用いた、肺静脈隔離術後の一過性心房細動患者の左房機能の評価
萬野 智子1、矢田沙和子1、福島 琢1、大坂 友希1、佐藤 弘典1、古浦 賢二1、宮崎 徹1、
栗原 顕1、小野 裕一1、清水 茂雄1、大友建一郎1、本橋 弘子2
1
青梅市立総合病院 循環器内科、2青梅市立総合病院 検査科
【目的】エコーによる心房機能評価については様々の方法があるが、3D スペックルトラッキング法を用いた左房ストレインによる左
房機能の評価の有用性についての報告がなされている。肺静脈隔離術(PVI)を施行した一過性心房細動患者において、術前及び術
後の左房ストレインの変化を評価し、その有用性について検討する。
【方法】当院で PVI を施行した一過性心房細動患者で、洞調律
中にエコーを施行した 13 症例で、術前、術後 1 ヶ月、3 ヶ月、6 ヶ月の左房ストレインを評価した。
【結果】13 症例の内、6 カ月間に
心房細動の再発を認めず、左房容積及び駆出率が改善した 4 症例に関しては、左房壁運動の同期性の改善を認め、左房収縮期に陰性
であったストレイン値が経過と伴に陽性となっており、より正常症例のストレイン値に近くなっていた。しかし、左房壁運動の同期
性の改善に乏しく、左房駆出率の低下を認めた 4 症例では、左房収縮期に陽性であったストレイン値が経過と伴に陰転化しており、
動悸の残存あるいは心房細動の再発を認めた。
【考察】左房容積、駆出率、壁運動の同期性の改善のみではなく、左房収縮期のストレ
イン値の変化が再発率に影響している可能性が示唆された。また、術後に悪化する症例に関しては、焼灼による心房筋への障害を含
め、検討の必要があると考えられる。
P5-4-9
経胸壁心エコー図による左房拡大指標の乖離に及ぼす因子
南 圭祐1、出雲 昌樹1、鈴木 健吾1、佐藤 如雄1、寺本佳楠子1、塚原 摩耶1、桑田 真吾1、
上嶋 亮1、水越 慶1、黄 世捷1、高井 学1、林 明生1、米山 喜平1、大滝 英二2、
原田 智雄1、信岡 祐彦3、明石 嘉浩1
1
聖マリアンナ医科大学病院循環器内科、2おおたき循環器内科クリニック、3聖マリアンナ医科大学病院臨床検査医学
【背景】左房の大きさは様々な心疾患の予後予測因子の一つとして重要であるが、経胸壁心エコー図(TTE)による左房径(LAD)
と左房容積(LAV)とに乖離を認める症例が少なくない。LAV は LAD と比較して、より正確に左房の大きさを反映していると考え
られているが、LAD はより簡便で検者間誤差も少なく日常臨床において広く用いられている指標である。今回我々は TTE における
LAD と LAV それぞれで定義した左房拡大において乖離を認める症例の特徴を検討した。
【方法】2011 年 4 月から 2014 年 4 月におい
て TTE 及び心臓 CT を施行した心房細動患者連続 235 例(62.2±9.7 歳)を対象とした。CT では左房容積に加えて、胸骨柄-椎体(前
後径)、胸郭横径(横径)、前後径/横径を測定した。
【結果】TTE により計測した LAV は LAD よりも CT にて計測した LAV と相関
が強かった(R=0.78 vs. 0.69)
。左房拡大に乖離を認める症例(LAD<40mm、LAV≧58ml)は 29 人(12.3%)であった。乖離を認め
る症例は、乖離を認めない群(LAD≧40mm、LAV≧58ml)と比較して、胸郭横径に差は認めなかったが、体重(70.7±12.6 vs.64.15
±12.7 kg、p<0.05)、body mass index(25.7±3.5 vs.23.6±3.7、p<0.01)
、前後径(10.8±1.24 vs.8.6±1.3cm、p<0.01)、前後径/横径
(0.45±0.05 vs.0.36±0.007、p<0.01)は有意に低値を認めていた。ロジスティック回帰分析ではこれらの指標の中で前後径が乖離の予
測に有用であった。
(Odds 比 0.6)
【結論】TTE における左房拡大指標の乖離は約 12% の症例に認めた。この乖離には左房の大きさ
や体格に加えて、胸郭形態も関与している可能性が示唆された。
Feasibility of combination of left atrial volume index and markers of thrombogenesis
for predicting cardioembolic stroke
和根崎真大1、渡邉 哲1、西山 悟史1、佐々木真太郎1、山浦 玄斎1、田村 晴俊2、久保田 功1
1
山形大学 医学部 第一内科、2榊原記念病院 循環器内科
Circulatory stasis, hypercoagulability, and endothelial dysfunction are important factors for thrombus formation, which is known as
the Virchow s triad. The aim of this study was to investigate whether combination of noninvasive thrombogenesis markers based
on Virchow s triad is associated with cardioembolic stroke. We measured plasma soluble fibrin monomer complex(SFMC)as a
marker of hypercoagulability and plasma von Willebrand factor(vWF)as a marker of endothelial dysfunction in 112 consecutive
patients with cardioembolic stroke who underwent transthoracic and transesophageal echocardiography. We enrolled 168 proximal
atrial fibrillation patients into the present study as control. We measured left atrial volume index(LAVI)which reflects left atrial
appendage(LAA)dysfunction as a marker of circulatory stasis. Multivariate regression analysis revealed that increased LAVI,
high vWF and high SFMC were independent risk factors. LAVI was the strongest risk predictor among these parameters. We
assigned 2 points to increased LAVI and 1 point each for high vWF and high SFMC to create a new stroke-risk schema. We defined
the risk score≧2 as high risk for cardioembolic stroke. In conclusion, combined assessment of LAA dysfunction with hypercoagulability and endothelial dysfunction may be a reliable evaluation for risk of cardioembolic stroke.
243
一般 Poster
P5-4-10
第26回日本心エコー図学会学術集会
P6-1-1
救急外来での経胸壁心エコー図検査が治療方針の決定に有用だった subepicardial aneurysm を
伴う急性下後壁心筋梗塞の一例
岡田 大司1、伊藤 新平1、中村 琢1、森田 裕介1、安達 和子1、中島 龍馬1、菅森 峰1、
遠藤 昭博1、高橋 伸幸1、吉冨 裕之2、田邊 一明1
1
島根大学 医学部附属病院 循環器内科、2島根大学 医学部附属病院 生理検査部
症例は ADL の自立した 91 歳女性。糖尿病で近医通院中であった。入院当日の 0 時頃から再び胸部圧迫感が出現し、症状が持続する
ため、同日正午にかかりつけ医の往診を依頼。12 誘導心電図にて下壁誘導で ST 上昇を認め、当院ヘリ搬送となり 15 時に到着した。
来院時、胸部症状は持続し、心電図は下壁誘導で ST 上昇及び small Q を認めていた。バイタルサインは血圧:122/61 mmHg、脈
拍:64/分、SpO2:100%(マスク 5L)と保たれていたが、経胸壁心エコー図検査で下壁後壁の基部・中部が無収縮であった他に、
右心室・右心房の虚脱を伴う心嚢液、下壁中部に subepicardial aneurysm を認めたため、急性下後壁心筋梗塞及び oozing 型心破裂
と診断した。心臓血管外科にコンサルトし手術準備と平行し、緊急冠動脈造影検査を行なった。#4AV 末梢で完全閉塞していたが、
左冠動脈からの側副血行は認めなかった。確定診断し緊急開胸、心筋修復術(sutureless technique)を施術、第 30 病日に独歩退院
した。Peak CK/CK-MB は来院時の 884 U/L、88.3 ng/mL であった。心筋梗塞に伴う自由壁破裂は 1%以下とされているが、blowout 型心破裂を合併すると致死的である。心破裂のリスク因子は血栓溶解療法、側副血行路がないこと、持続する ST 上昇または Q
波の形成、持続する胸痛、前壁梗塞、70 歳以上、女性と報告されている。本症例は、12 時間以上持続する胸痛、ST 上昇・Q 波の形
成を認める超高齢女性が、救急外来の経胸壁心エコー図検査で心嚢液に加え subepicardial aneurysm を確認することができたこと
で、oozing 型心破裂を合併した心筋梗塞として迅速に外科的手術へ方針決定し、独歩退院する事ができた症例であり報告する。
P6-1-2
経胸壁心臓超音波検査で冠動脈血流評価が有用であった虚血性心疾患の一例
澤田 直子1、伊藤 敦彦1、原田 修2、田部井史子1
1
関東中央病院 循環器内科、2関東中央病院 検査科
症例は 71 歳男性。2012 年 6 月に労作時胸痛を自覚し近医を受診、心電図で ST-T 変化を認め急性冠症候群疑いで当院搬送となった。
心エコーでは前壁中隔領域の壁運動低下を認め、緊急冠動脈造影を施行した。左前下行枝の近位部に高度狭窄を認め、薬剤溶出性ス
テント留置を施行した。2013 年 2 月の確認造影前の心エコーでは、壁運動異常を認めず、冠動脈は左主幹部から左前下行枝まで描出
良好であり、Aliasing を伴う加速血流は認めなかった。冠動脈造影でもステント内再狭窄や新規狭窄は認めなかった。2014 年 6 月に
駅までの歩行で左前胸部の焼けるような痛みを自覚したので受診した。心エコーで壁運動異常は認めないものの、左前下行枝の近位
部に Aliasing の出現を認め、速度は約 3.0m/s の加速血流であり、高度狭窄が疑われた。緊急冠動脈造影で、左前下行枝のステント
内に 99% 狭窄を認め、カッティングバルーンで拡張した。血行再建後は、同部位の速度は 0.2m/s に低下した。以降は胸部症状なく
経過していたが、2014 年 10 月の確認造影前の心エコーでは、前回認めなかった左前下行枝分岐直後と中間部に Aliasing を認め、そ
れぞれ 0.4m/s と 0.7m/s であった。冠動脈造影では心エコーで予測されていた部位に狭窄を認め FFR 0.68 であった。近位部は薬剤
溶出性バルーンで拡張し、中間部はステント留置をして血行再建を行い血流速度は 0.2m/s になった。虚血性心疾患の冠動脈狭窄部位
や重症度の予測に、経胸壁心臓超音波での冠動脈血流評価法が有用であった一例を経験したので報告する。
一般 Poster
P6-1-3
Bnatall 術後に出現した LMT 吻合部狭窄の評価に経胸壁心エコーが有用であった一例
大海 延也1、竹村 明子1、長畑 公宣1、小口 徳之1、荒川 純子2、濱部 晃2、永井 知雄2、
勝然 秀一2、潟手 祐子3、田中 良昭4
1
自衛隊中央病院 診療技術部 臨床検査課、2自衛隊中央病院 循環器内科、3自衛隊中央病院 心臓血管外科、4埼玉東部循環器病院
症例は 67 歳男性.2007 年,感染性心内膜炎(IE)にて AVR 施行,2013 年
7 月 redo AVR 施行,同年 11 月大動脈基部の IE 再発にて Bental 術施行.
2014 年 5 月,呼吸困難出現し救急外来受診した.経胸壁心エコー(TTE)で
は 前 壁 中 隔 か ら 心 尖 部 の 壁 運 動 異 常 を 認 め, シ ン プ ソ ン 変 法 に よ る
LVEF30%であった,color Doppler にて左冠動脈主幹部(LMT)にモザイッ
ク血流を認め,FFT 解析にて約 3m/s の拡張期血流を認め LMT 吻合部狭窄
を疑った.冠動脈 CT でも LMT 高度狭窄を認めた.LMT 吻合部狭窄の診断
にて PCI(S-stent4.0/11mm)が施行された.術後 TTE では LMT に留置さ
れたステントが明瞭に描出された,color Doppler でのモザイック血流は認め
るものの,拡張期血流は FFT 解析にて約 3m/s から 1.5m/s へと低速化した.
Bentall 術後に出現した LMT 吻合部狭窄の評価と術後評価に TTE が有用で
あった一例を経験したので報告する.
244
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P6-1-4
急性心筋梗塞発症 5 日後に急速に進行した乳頭筋不全断裂の一例
上坂 浩司、渡邉 望、西野 峻、柴田 剛徳
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科
74 歳男性。2 日前発症の急性心筋梗塞を疑われ当院に緊急搬送となった。入院時の経胸壁心エコー図検査で下壁の壁運動低下と僧帽
弁逸脱に伴う中等度逆流を認めた。乳頭筋部分断裂が示唆されたが、断裂を疑う部分は極一部であり血行動態も保持されていたため、
右冠動脈に対する緊急経皮的冠動脈形成術を施行した。再潅流後の経過は良好であり僧帽弁逆流の程度にも大きな変化認めなかった。
しかし発症 5 日後の第 3 病日に急速に心不全が進行、心エコー図検査にて後乳頭筋の伸展に伴う逸脱の悪化と逆流の増加を認めた。
乳頭筋不全断裂の進行と判断し、緊急開心術施行した。術中所見は、僧帽弁前尖後交連部側の腱索が付着する乳頭筋ヘッドの一部に
小さな断裂があり、残存する乳頭筋は壊死して伸展し一部に亀裂を生じ不全断裂の状態であった。乳頭筋の修復困難と判断され、機
械弁による弁置換が施行された。急性心筋梗塞発症 5 日後に急速に乳頭筋不全断裂が進行し、経時的心エコー図で恐らく完全断裂に
至る直前の状態を診断し救命した一例を報告する。
P6-1-5
左冠動脈主幹部病変に対する緊急冠動脈形成術により劇的に改善した高度虚血性僧帽弁逆流:3D
心エコー図による僧帽弁形状観察
田永 哲士1、渡邉 望2、福田 智子3、西野 峻2、木村 俊之2、小松 美代1、竹井 達郎2、
足利 敬一2、栗山 根廣2、柴田 剛徳2
1
宮崎市郡医師会病院 臨床検査科、2宮崎市郡医師会病院 心臓病センター 循環器内科、3宮崎大学 医学部附属病院 第一内科
左冠動脈主幹部(LMT)を責任病変とした急性心筋梗塞(AMI)に対する緊急冠動脈形
成術(PCI)により虚血性僧帽弁逆流(MR)が劇的に改善した症例につき,僧帽弁形態
の三次元的解析を行った.
症例:78 歳女性.AMI の診断で搬送.心エコー図では下後壁から側壁の壁運動異常及び
僧帽弁 tethering に伴う高度虚血性 MR を認めた.緊急冠動脈造影の結果 LMT 高度狭窄
を含む三枝病変であり,右冠動脈は低形成であった.責任病変の LMT 分岐部に PCI を
施行し再灌流を得た.再灌流 2 週間後に側壁,1 ヶ月後には下後壁の壁運動が著明に回
復,それに伴い MR も軽度となった.3D 心エコー図画像より,経時的僧帽弁形態の立体
的解析を行った(図).壁運動の改善に伴い,僧帽弁輪面積,僧帽弁 tenting 容積,tenting
長は減少,弁接合面積は増加した.
考察:本症例は左回旋枝が発達していたことで,LMT 閉塞により前後乳頭筋双方を含む
左室壁運動異常が生じ急性期に高度 tethering に伴う高度 IMR を合併したと考えられる.
LMT 病変に対する緊急 PCI により,前後両側の乳頭筋を含む広範囲の壁運動が改善し,
弁 tethering も改善,虚血性 MR は劇的に改善したと考えられた.
一般 Poster
P6-1-6
健康診断で発見された心室中隔穿孔の一症例
堀川 史織、坂本 一郎、日浅 謙一、多田 千恵、松浦 陽子、河原 吾郎、平川登紀子、佐藤 翼、
砂川 賢二
九州大学病院 ハートセンター
症例は 40 代男性。生来健康で 37 歳頃から脂質異常症を指摘される他は特に異常は指摘されていなかった。2014 年 6 月に運転中、冷
汗を伴う胸部の強い絞扼感を自覚し自然軽快した。その後は症状なく過ごしていた。7 月の健康診断で初めて心雑音を指摘され、近
医で施行した経胸壁心エコーで心室中隔欠損症を疑われ、精査加療目的で当院受診となった。経胸壁心エコーで心室中隔筋性部基部
寄りに 11×8mm の defect、その右室側には瘤状部位を認め、左室から瘤状部位に流入し右室へと抜ける短絡血流を認めた。また心
室中隔から下壁基部の壁運動は低下していた。入院後の心臓カテーテル検査では冠動脈造影検査で右冠動脈 seg1 に 99%、seg2 に 90%
狭窄を認め、左前下行枝より側副血行路を伴っていた。左室造影検査では心室中隔基部に瘤を伴って心室中隔の欠損を認め、Qp/
Qs=2.1 と高値であった。右冠動脈 seg1 を責任病変とする心筋梗塞後の心室中隔穿孔(VSP)で矛盾しない所見であり、VSP に対す
るパッチ閉鎖術、右冠動脈への冠動脈バイパス術施行した。手術所見では右室側から検索すると muscular inlet に 5×8mm の VSP と
その周囲に 2 ヶ所の VSP を認めた。この 2 ヶ所の間を切開し大きな VSP とし、VSP 越しに中隔瘤の向こう側に確認できた左室側の
VSP をパッチにて閉鎖、続けて右室側も閉鎖した。VSP は急性心筋梗塞の機械的合併症の一つで、心原性ショックや急性心不全とな
ることが多く、その自然歴は 24 時間以内に 33%、1 週間以内に 65% が死亡する予後不良疾患であり、健康診断で発見された本症例
は非常にまれな症例と考え報告する。
245
第26回日本心エコー図学会学術集会
P6-1-7
急性下壁心筋梗塞で緊急 PCI 後、一過性に SAM を来した一例
森川 喬生、鍵山 暢之、林田 晃寛、山本 桂三、吉田 清
心臓病センター榊原病院循環器内科
症例は 63 歳女性、第 0 病日に胸痛を訴え当院受診された。心電図上 ST 上昇を認めたため、緊急冠動脈造影検査を施行した。Seg1
に血栓様の透亮像、Seg4PD,4AV の閉塞を認めたため Seg1 に薬剤溶出性ステントを留置、Seg4PD,4AV に血栓吸引を行った。治
療は TIMI3 で終了し、Peak CPK は 1103 であった。第 1 病日に、収縮期雑音を認めたため心臓超音波検査を施行したところ、左室
は過収縮であり新規発症の左室流出路狭窄(圧較差 42mmhg)とそれに伴う中等度の MR を認めた。補液とプロプラノロール投与し
たところ、左室収縮末期径は大きくなり、SAM および左室流出路の圧較差は消失した。β ブロッカー内服(ビソプロロール、皮疹出
現し後日カルベジロールに変更)を開始し、その後 SAM の出現は認めなかった。第 14 病日に運動負荷心臓超音波検査を施行。最大
50W まで負荷を行ったが、SAM は誘発されなかった。急性下壁心筋梗塞で緊急 PCI 後、一過性に発症した発生機序の解釈に難渋し
た SAM の症例を経験したので報告する。
P6-1-8
重症虚血性心筋症に対し心エコー調整下の左室形成術と冠動脈バイパス手術を施行し著明な心機能
の改善を認めた 1 例
小澤 達也1、松濱 稔1、増山 慎二1、太田 剛弘2、米田 正始1
1
高の原中央病院 かんさいハートセンター 心臓血管外科、2高の原中央病院 かんさいハートセンター 循環器内科
背景 虚血性心筋症に対する左室形成術は STICH trial で否定的な結果が発表されたが患者背景や手術法について問題が指摘されて
いる。我々は重症虚血性心筋症に対し心エコー調整下の左室形成術と冠動脈バイパス手術を施行し心機能の劇的ともいえる改善を認
めた症例を経験したので報告する。患者は 68 歳男性。呼吸苦のため救急搬送された。NYHA 4 度の重症心不全であり BNP 736 pg/
ml、心エコー上 EF 23%,Dd 58mm,Ds 53mm,RVSP 52mmHg,MR 軽微、左室壁運動はび漫性に重度に低下し特に心尖部は無運
動で心室壁のひ薄化を認めた。精査目的に CAG 施行したところ重症三枝病変のため CABG 目的に心臓血管外科紹介。術前エコー評
価で左室機能の著明改善が見込まれたため左室形成術施行の方針となった。術中、心尖部のひ薄部を切開。健常部との境界部・心内
膜側に全周性の糸をかけ左室形態が正常の洋ナシ型になるよう形成した。術中エコーで最適左室形態と最適縮小度の達成を確認し形
成完了とした。また、LITA-LAD、Ao−SVG-LCX の 2 枝バイパス術を施行した。術後経過も良好であったが心尖部に壁在血栓がで
きワーファリン投与にて消退した。術前無運動であった心尖部壁運動も改善し術後約 50 日の心エコーにて EF 54%,Dd 44mm,RVSP
20mmHg まで改善し NYHA 1 度で元気に暮らしている。結語 本例ではバイパス手術単独では考えにくいレベルの左室機能改善が
得られた。術中エコーによる調整を含めた周術期心エコーの活用により、虚血性心筋症に対する左室形成術は適応と方法を選べば心
機能と ADL 向上に役立つ可能性がある。
一般 Poster
P6-2-1
僧帽弁形成術後に感染により僧帽弁狭窄をきたした 1 例
尾池 史1、宇宿 弘輝1、堀端 洋子1、中出 泰輔1、森久 健二1、釘宮 史仁1、西嶋 方典1、
角田 等1、野田 勝生1、大嶋 秀一1、許 敞一2、中津 太郎2、柳 茂樹2、田村 暢成2
1
熊本中央病院 循環器科、2熊本中央病院 心臓血管外科
症例は 49 歳男性。X 年他院にて僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術を施行され
た。その後特に変わりなく経過していたが、術後 4 か月の経胸壁心エコー(TTE)で
は、平均圧較差 13mmHg の軽度僧帽弁狭窄(MS)を認めていた。X+2 年 5 月上旬、
サーフィン中に呼吸苦が出現し、血痰も認めたため当院外来受診。TTE にて僧帽弁弁
輪部に 10mm 程度の可動性のある線状構造物を認めた。感染性心内膜炎、血栓、腫瘍
等が疑われ、精査加療目的に当科入院となった。経食道心エコー(TEE)では線状構
造物に加え、左房壁に沿う low echoic な構造物も認めた。炎症反応に乏しく、血栓を
疑い血栓溶解療法を開始した。線状構造物の縮小は認めず、抗生剤の内服加療も開始
した。TTE 上線状構造物は縮小傾向を認めた。7 月に再僧帽弁形成術を施行した。術
中所見では、前回弁形成術のリングは瘢痕組織に埋もれており、その内部に膿瘍を認
めた。リング抜去と瘢痕組織が除去され、後交連部 1 針の縫縮にて逆流は消失した。
弁形成術のリングに感染をきたし瘢痕組織の形成により MS をきたした非常にまれな
症例を経験したため報告する。
246
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P6-2-2
僧帽弁置換術、三尖弁形成術後に三尖弁人工弁輪から左室へシャントを生じた一例
立花 恵子、大西 隆行、松本 彩和、檮木 優哉、笠野 健介、村本 容崇、樋口 晃司、鈴木 篤、
小林 一士、大西 祐子、梅澤 滋男、丹羽 明博
平塚共済病院 循環器科
症例は 76 歳 男性。重症僧帽弁閉鎖不全症と慢性心房細動による心房拡大に対し、僧帽弁置換術・三尖弁形成術・両心房縫縮術を施
行した。第 23 病日の経胸壁心エコー図で三尖弁弁輪部付近より右心房内へ異常血流をみとめたが、血行動態に影響なく経過観察して
いた。第 45 病日に血液検査で Hb8.6g/dl、LDH1500IU/l、T-bil2.1mg/dl と溶血性貧血を認め、経胸壁心エコー図で三尖弁弁輪部付近
より右心房内へ異常血流の増大を認めた。第 46 病日に経食道心エコー図を施行し、大動脈弁の無冠尖と右冠尖の間より右心房への
シャント血流を認めた。左室造影と大動脈造影では明らかなシャント血流は指摘できなかった。第 61 病日に Hb6.6g/dl と貧血の進行
があり、第 64 病日にシャント閉鎖術を施行した。術前の経食道心エコー図では大動脈弁輪から右心房へのシャントと考えていたが、
術中の所見では三尖弁の人工弁輪から左室への瘻孔を認め、左室から右心房へのシャントを生じていた。左室-右心房シャント閉鎖術
と三尖弁輪形成術を施行した。術後の経胸壁心エコー図では異常血流は認めなかった。僧帽弁置換術・三尖弁形成術後に溶血性貧血
を認め、心内シャントの同定に難渋した一例を経験したので報告する。
P6-2-3
3 次元経食道心エコー図検査で観察し得た僧帽弁形成術後慢性期に進行した溶血性貧血の 1 例
加藤 寿光1、黒沢 幸嗣2、藍原 和史1、杉戸 美勝1、瀬田 享博1、金子 克己1、倉林 正彦2
1
公立富岡総合病院 循環器科、2群馬大学医学部附属病院 循環器内科
症例は 33 歳、男性。健康診断で収縮期雑音を指摘され、精査目的で施行した
経胸壁心エコー図検査(TTE)で、僧帽弁前尖 lateral 側の逸脱による重度僧
帽弁逆流(MR)が確認された。左室駆出率は 70% と保たれていたが、経食
道心エコー図検査(TEE)では弁尖の変性は少なく、形成術可能と判断し僧
帽弁形成術を施行した。術後 TEE では、残存僧帽弁逆流は微量であった。
経過良好で外来経過管理となったが、自宅収縮期血圧が内服加療にも関わら
ず 140∼160 台と高値であった。術後 1 カ月から LDH が上昇傾向となり、軽
度の貧血が進行した。破砕赤血球が確認され、溶血性貧血の診断となった。
聴診で Levine1 の収縮期雑音が聴取された。TTE で、後尖 lateral 寄りに
acceleration flow を認めたが、MR jet の描出は不良であった。再検した TEE
では、3 次元画像で前尖 lateral 側の逸脱と、逸脱部位の後方から medial 方向
に向かい反時計回りに僧帽弁輪部を回旋する MR が観察され、溶血性貧血の
原因と考えられた。溶血性貧血の focus が 3 次元 TEE により鮮明に描出され
た 1 例であった。
一般 Poster
P6-2-4
三次元経食道心エコー図が Paravalvular leakage(PVL)の診断に有用であった一例
澤紙 秀太、林田 晃寛、辛島 千尋、由利 卓也、吉村 真吾、森川 喬生、三木 知紀、川内 喬矢、
松本 健佑、鍵山 暢之、鎌田 康彦、西田 剛、三宅 祐一、吉田 俊伸、武 寛、吉岡 亮、
大原美奈子、廣畑 敦、吉田 清、山本 桂三
心臓病センター榊原病院 循環器内科
87 才、女性。リウマチ性僧帽弁狭窄症に対し 1961 年に CMC 施行。連合弁膜症に対し 1985 年に DVR 施行。1997 年に Re-DVR
(SJM25/21)施行。20××年に Hb 低下、LDH 上昇を認め、心不全症状出現のため入院となった。入院時 Hb 6.6g/dl、LDH 1692IU/
l であり、適宜輸血を行った。TTE や TEE では、僧帽弁、大動脈弁ともに paravalvular leakage(PVL)ははっきりしなかったが、
機械弁による溶血性貧血を呈していると思われた。合併していた徐脈性心房細動に対して右室心尖部ペーシングを施行したところ、
ある程度の貧血進行抑制効果は認めた。それから約 2 ヶ月後に再度 Hb 7.2g/dl、LDH 1784IU/l と貧血が進行し、右心不全症状(体
重増加、両下腿浮腫)が出現したため再入院となった。TTE では、僧帽弁の音響陰影のために弁周囲の評価は困難であった。TEE
では、僧帽弁の lateral 側より逆流 jet を描出できた。3D-TEE を活用すると、2 ヶ月前の TEE では transvalvular leakage と判断し
ていたが、再弁置換(サイズダウンして置換)の際に残していた sewing cuff と再弁置換した弁輪との境界より吹く PVL を描出でき
た。上記より、Paravalvular leakage の診断に三次元経食道心エコー図は有用であった。
247
第26回日本心エコー図学会学術集会
P6-2-5
TAVI 術中に高度 MR をきたした一例
永禮 裕子1、鍵山 暢之2、土岐美沙子1、有高 進悟1、平良 良集2、鎌田 康彦2、吉田 俊伸2、
林田 晃寛2、山本 桂三2、近沢 元太3、坂口 太一3、吉鷹 秀範3、吉田 清2
1
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 臨床検査科、
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 循環器内科、
3
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 心臓血管外科
2
症例は 91 歳、女性。大動脈弁狭窄症(AS)による心不全にて他院より救急搬入された。経胸壁心エコー図検査では左室駆出率 57%、
大動脈弁最大通過血流速度 5.9m/sec、平均圧較差 90mmHg、大動脈弁口面積 0.50cm2 で重症 AS と中等度の大動脈弁逆流(AR)を
認めた。僧帽弁逆流(MR)は軽度であった。ADL は自立しており、認知症を認めず、外科的弁置換術ハイリスク症例であるため、
経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)が検討された。麻酔導入直後の経食道心エコー図(TEE)評価は大動脈弁輪径 19.4mm、AR
と MR の増悪は認めなかった。経大腿動脈アプローチにて 20mm バルーンによる大動脈弁形成術を施行した直後、rapid pacing 解除
後にも血圧の回復を認めずショック状態となった。TEE では高度な MR と僧帽弁の強い tenting、および左室壁運動低下を認め、冠
動脈起始部の異常や心嚢液貯留は認めなかった。デバイスとワイヤーを抜去するも血行動態は回復せず MR の減少も認めなかった。
経皮的補助人工心肺装置(PCPS)を挿入したところ、左室壁運動の改善と共に MR も軽度へ減少した。すみやかに人工弁(サピエ
ン XT 23mm)を留置し、TEE にて弁周囲逆流と MR が軽度であることを確認し終了となった。術後第 1 病日に PCPS を抜去し、心
不全コントロール良好にて第 17 病日に退院となった。TAVI 術中に血行動態破綻をきたし PCPS 挿入を必要としたが、TEE による
正確な病態の把握により良好な転帰を得ることができた一例を経験したため報告する。
P6-2-6
機能性僧帽弁閉鎖不全症に対する外科的治療∼冠動脈バイパス術時に機能性僧帽弁閉鎖不全症に対
し外科的治療を行った一例∼
野本美智留、林 慶子、後藤 礼美、片岡 翔平、齋藤 千紘、福島 敬子、新井光太郎、芦原 京美、
萩原 誠久
東京女子医科大学病院 循環器内科
症例 63 歳女性、2000 年に糖尿病、高血圧の加療を開始し、2003 年より糖尿病性腎症で透析導入となった。2013 年 11 月不安定狭心
症の診断で心臓カテーテル検査を行い #1 100% に対して冠動脈形成術を施行された。その後胸痛症状はないものの、透析中の低血圧
精査のため 2014 年 10 月当科入院となった。経胸壁心エコーでは 1 年前と比し、著しい左室収縮力の低下(EF45%→ 33%)
、後下壁
に新規壁運動異常の出現、僧帽弁閉鎖不全症(重度)
・三尖弁閉鎖不全症(中等度)の増悪および肺高血圧を認め、虚血性心疾患によ
る機能性僧帽弁閉鎖不全症が出現したと考えられた。さらに、僧帽弁輪の石灰化も進行を認めた。心臓カテーテル検査を施行し、冠
動脈造影では左主幹部+三枝病変(#1 100%、#5os 75%、#5d 90%、#6 75%、#7 50%、#11p 99%、#13d 100%)であり、左室造
影では僧帽弁逆流 4 度を認め、右心カテーテルでは肺高血圧を認めた。準緊急で冠動脈バイパス術(LITA-LAD,SVG-OM-4PD)+
僧帽弁形成術(MVP)+三尖弁形成術(TAP)を施行した。本症例は冠動脈バイパス術の必要な虚血性心疾患による機能性僧帽弁閉
鎖不全症(重度)であったが、弁輪の高度石灰化や左室収縮力の低下を認めており、通常の僧帽弁輪縫着術は困難と判断した。その
ため、本症例に対しては edge-to-edge repair による MVP を選択し、術後に僧帽弁閉鎖不全症の改善を認めた。虚血性心疾患による
機能性僧帽弁閉鎖不全症に対する術式選択を文献的考察も踏まえて報告する。
一般 Poster
P6-2-7
僧帽弁生体弁置換術後に経食道心エコーで生体弁の血栓性肥厚と左心房内血栓を認め抗凝固療法に
て改善した一例
加藤奈穂子1、中島 啓喜3、楠原 義隆2、竹谷 剛2、五十嵐真衣子3、塩川 則子3、高木 秀祐3、
渡部 美佳1、谷本 周三1、青木 二郎1、遠田 栄一3、大野 貴之2、田邉 健吾1
1
三井記念病院 循環器内科、2三井記念病院 心臓血管外科、3三井記念病院 臨床検査科
症例は 50 歳女性。急性大動脈解離 stanford A 型を発症し当院心臓外科で上
行大動脈置換を行った。人工心肺遮断時に血圧低下と術中経食道心エコー
(TEE)で壁運動低下を認め、冠動脈左前下行枝の解離による心筋梗塞の併
発と診断し冠動脈バイパス術が追加された。人工心肺の離脱が困難で経皮的
心肺補助装置(PCPS)下に集中治療室で管理した。術後 1 日目も循環動態が
安 定 せ ず、 重 度 の 虚 血 性 僧 帽 弁 逆 流 症 が 原 因 と 判 断 し 僧 帽 弁 置 換 術
(MAGNA 25mm)を行った。術後 6 日目 PCPS を離脱している。その後全
身状態は改善したが、微熱と炎症反応の上昇が遷延した。経胸壁心エコー
(TTE)では僧帽弁生体弁の可動性の低下が疑われた。TEE では僧帽弁は 3 尖ともに肥厚し、一部可動性低下を認めた。また左房内
心房中隔に一部突出する付着物が広がっており、付着様式から血栓が疑われた。ワルファリンによる抗凝固療法を強化し 2 週間後
TEE を行うと、弁の肥厚や可動性は改善し、心房中隔の付着物は縮小していた。僧帽弁生体弁置換術後 3 次元 TEE による血栓弁、
左房内血栓の消退の経時的変化の報告は稀であり報告する。
248
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P6-2-8
僧帽弁形成術後晩期に発症した僧帽弁狭窄症の一例
鍵山 暢之1、林田 晃寛1、土岐美沙子2、有高 進悟2、鎌田 康彦1、大原美奈子1、廣瀬 英軌1、
伴場 主一1、廣畑 敦1、山本 桂三1、坂口 太一3、吉田 清1
1
心臓病センター榊原病院 循環器内科、2心臓病センター榊原病院 臨床検査科、3心臓病センター榊原病院 心臓血管外科
症例は 62 歳男性。8 年前に僧帽弁逸脱症による僧帽弁逆流症に対して僧帽弁形成術(四角切除 + 弁輪縫縮術)を施行した。術直後の
心エコー図では僧帽弁に有意な逆流はなく、半減時間 59mmHg、通過血流最高速度 145m/s と良好な結果であった。その後、縦隔炎
を繰り返したが、有意な僧帽弁狭窄や逆流はなく近医にて経過観察されていた。受診 4 か月ほど前から労作性呼吸困難を自覚するよ
うになったため当院を紹介受診し、当院受診時には心エコー図検査にて肺高血圧症は認めなかったものの、僧帽弁口面積 1.2cm2、左
房左室平均圧較差 10mmHg の僧帽弁狭窄症を認めた。運動負荷心エコー図にて左房左室平均圧較差 30mmHg、右房右室最大圧較差
74mmHg と著明な上昇を認めたため僧帽弁置換術を施行する方針とした。術前に施行した経食道心エコー図では後尖弁葉が肥厚・硬
化して可動性を失っており、また疣贅様の紐状エコーが認められた。手術所見では人工弁輪が全面にわたって厚い内膜に覆われ、後
尖に疣贅様の物質が付着していた。病理所見は僧帽弁弁葉に線維化と粘液編成を認め、リンパ球、形質細胞主体の炎症性細胞浸潤を
認め、一部にはフィブリンと好中球を含む炎症細胞浸潤からなる疣贅様構造物を認め、感染性心内膜炎として矛盾しない結果であっ
た。臨床的には周術期に感染症を疑う所見はなく、血液培養、手術標本培養ともに陰性であり、無症候性に経過し自然治癒した感染
性心内膜炎と考えられた。感染性心内膜炎で疣贅や膿瘍による血流通過障害の報告はあるが、弁変性により弁逆流を来さずに狭窄を
呈した報告は殆どなく、非常に稀有な症例と考えここに報告する。
P6-2-9
狭小弁輪に対する大動脈弁置換術直後に生体弁機能不全をおこした一症例
鈴木 康太、田村健太郎、平岡 有努、都津川敏範、近沢 元太、石田 敦久、鍵山 暢之、林田 晃寛、
坂口 太一、吉鷹 秀範
心臓病センター榊原病院
症例は 83 歳女性、2014 年 5 月に胸部圧迫感を認め精査にて大動脈弁狭窄症を指摘された。身長 140cm・体重 42kg(BSA 1.27)と小
柄な女性で、術前 echo では EF 71% と収縮能は保たれており、peak-PG 91mmHg・mean-PG 52mmHg・AVA 0.63cm2 と重度の大
動脈弁狭窄症を認めた。また、術前 echo では弁輪径 18mm と狭小弁輪で CT でも同様の所見であった。大動脈弁置換術を施行した
が術前の予想通り Valsalva 洞から弁輪にかけて非常に狭く、弁輪拡大(Nicks 法)を施行してなんとか生体弁(Mitroflow 19mm)が
縫着可能であった。また、人工弁逢着時に右冠動脈起始部が閉塞したため冠動脈バイパス術(SVG-RCA#3)を追加した。術中経食
道 echo では弁周囲逆流も含め特に異常は認めなかった。術当日の経過は問題なく翌朝に抜管となったが術後 1-2 日目にかけて無尿状
態となり、echo にて弁性の重度の大動脈弁逆流を認めた。すぐに再手術を施行し人工弁を観察すると無冠尖部の弁葉が valsalva 洞に
接着した状態で開放位のまま固定されていた。Mitroflow は取り外し機械弁(ATS-AP 16mm)を縫着して手術を終了した。術後は
一時的に乏尿状態となり CHDF を必要としたが、術後 echo では弁周囲逆流も認めずに第 44 病日に軽快退院となった。同じ外巻き生
体弁である Trifecta で術後 3 ヶ月ではあるが似たような経過の症例が報告されている。この報告と同様に今回の症例でも大動脈切開
部と生体弁の距離が近く、縫合糸と生体弁の接触反応により早期に機能不全に陥った可能性がある。大動脈基部の小さい症例では同
様の危険性があると考えられるが Mitroflow に関しては同様の報告はなく非常に稀であると考えられるため報告する。
一般 Poster
P6-2-10
僧帽弁形成術後 15 年後に僧帽弁弁輪部狭窄を呈し、再手術となった一例
藤田麻理子1、勝木 桂子1、大西 俊成2、齋藤 佑記2、木岡 秀隆2、大谷 朋仁2、森本裕美子1、
中谷 敏3、坂田 泰史2
1
大阪大学医学部附属病院 超音波センター、2大阪大学大学院 医学系研究科 循環器内科学、
大阪大学大学院 医学系研究科 機能診断科学講座
3
【症例】30 歳代男性【主訴】動悸と労作時息切れ【現病歴】生後 10 ヶ月で心雑音を指摘され、僧帽弁閉鎖不全症と診断された。17 歳
時に僧帽弁形成術(31mm Duran flexible ring 使用)を施行した。2013 年 7 月に心房細動の出現と左室駆出率の低下を認めたため精
査目的で入院となった。経胸壁心エコー図にて左室拡大と駆出率の低下を認めた。また、僧帽弁弁輪部付近に高輝度エコーが認めら
れた。カラードプラ法では弁輪部から加速血流がみられ、同部位の血流速度は 1.7m/sec、平均圧較差は 5mmHg であった。経食道心
エコー図でも経胸壁と同様に僧帽弁弁輪部に高輝度エコーと同部位からの加速血流を認めた。三次元構築画像では、僧帽弁リング周
囲に隆起状の構造物を認め狭窄が疑われたが、僧帽弁最大通過血流速度及び平均圧較差が低値でであったため運動負荷心エコー図を
施行した。その結果、最大負荷時 75W で左房-左室平均圧較差が 21mmHg となった。以上の所見から、ring による僧帽弁上部狭窄と
診断され、同年の 12 月に僧帽弁置換、Maze、左心耳閉鎖術を行うこととなった。術中所見では、僧帽弁自体に明らかな変性は認め
られなかったが、弁輪部全周にわたるパンヌスが確認された。
【結語】僧帽弁形成術後、弁輪部狭窄により再手術となり、その診断に
経食道心エコー図及び運動負荷心エコー図が有用であった症例を経験した。
249
第26回日本心エコー図学会学術集会
P6-2-11
S 字状心室中隔に伴う左室流出路狭窄と弁穿孔による僧帽弁逆流が溶血性貧血の原因となった僧帽
弁形成術後症例
横山しのぶ1、山田 聡2、岩野 弘幸2、新宮 康栄3、阿部 歩4、市川 絢子1、中鉢 雅大1、
西野 久雄1、岡田 一範5、加賀 早苗5、林 大知2、村井 大輔2、若狭 哲3、西田 睦1、
澁谷 斉1、重松 明男1、清水 力1、三神 大世5、筒井 裕之2、松居 喜郎3
1
北海道大学病院 検査・輸血部、2北海道大学大学院 循環病態内科学、3北海道大学病院 循環器外科、
北海道大学病院 超音波センター、5北海道大学大学院 保健科学研究院
4
症例は 80 代前半の女性である。74 歳時に僧帽弁逆流に対して他院で僧帽弁形成術が施行された。直近 1 年で溶血性貧血が進行し(ヘ
モグロビン 6.7g/dl)
、手術適応の検討のため当院循環器外科に紹介となった。経胸壁心エコー検査では、左室肥大を伴わない S 字状
心室中隔と最大圧較差 161mmHg の左室流出路狭窄、さらに僧帽弁の収縮期前方運動に伴う高度の僧帽弁逆流を認めた。逆流ジェッ
トは後方の人工弁輪に衝突し、溶血の原因になりうると考えられた。輸血後には、左室流出路狭窄は改善し僧帽弁逆流は軽度となっ
たが、経食道心エコー検査では、僧帽弁後尖の縫合部付近に穿孔が疑われ、穿孔を通じて後側方に向かう軽度の逆流を認めた。逆流
ジェットは人工弁輪に衝突し、こちらも溶血の原因になりうると考えられた。その後も貧血が徐々に進行し、心エコー検査を再検し
たところ、左室流出路狭窄と高度の僧帽弁逆流が再び出現していた。複数回の輸血後も溶血性貧血を繰り返すため、外科的介入が必
要と考え、弁穿孔に対する僧帽弁形成術と S 字状心室中隔に対する心筋切除術を施行した。手術所見では、僧帽弁後尖の縫合部の右
縁に穿孔を認め、人工弁輪は内膜に覆われていたが、その中央付近はむき出しになっており、逆流ジェットが衝突していた影響と考
えられた。術後には、左室流出路狭窄と問題となる僧帽弁逆流は認められず、溶血は消失した。
P6-3-1
先天性アンチトロンビン III 欠損症に左室内巨大血栓を伴った症例
竹田 征治1、岡山 悟志1、中田 康紀1、水野 麗子2、藤本 眞一3、斎藤 能彦1
1
奈良県立医科大学 第1内科、2奈良県立医科大学 中央臨床検査部、3奈良県立医科大学 教育開発センター
症例は 59 歳男性。生来健康であり、検診も受けていなかった。57 歳時に長女が妊娠 6 カ月で左大腿部に紫斑を自覚し、血液検査で
先天性アンチトロンビン III 欠損症と診断された。家族の精査を勧められた際に血液検査で同様に先天性アンチトロンビン III 欠損症
を指摘されたが、無症状のために経過観察とされた。59 歳時、1 か月前に胸部圧迫感と嘔気を自覚したが、1 日で改善したために病
院は受診しなかった。その後、2 週間前からの労作時息切れを自覚し増悪傾向を示したために近医を受診し、急性心不全の診断で入
院となり NIPPV と薬物療法で改善した。入院後の心エコーで多量の左室心尖部血栓を認めたために、ワーファリンが投与された。
虚血性心疾患の精査を目的として当科に紹介された。入院後の心エコーでは左室前壁の壁運動低下と心尖部の巨大血栓を認め心筋梗
塞に心尖部血栓と心不全を伴ったと考えられた。ワーファリン投与で左室内血栓は縮小傾向を示したが、可動性を示すようになった
ために手術適応と考え、冠動脈造影を施行したところ左冠動脈前下降枝 #6 の慢性完全閉塞病変を認めた。心臓血管外科に紹介し、
冠動脈バイパス術に加えて左室内血栓除去術を施行した。血栓はフィブリン血栓で一部に器質化を伴っていた。術後は心不全症状な
ど認めず、経過は良好であった。先天性アンチトロンビン III 欠損症に巨大心尖部血栓を認めた症例につき報告する。
一般 Poster
P6-3-2
心房中隔腫瘍生検において心腔内エコーが有用であった一例
関原 孝之、木村 祐樹、林 秀幸、岡野 光真、鄒 佳苗、木村 昌弘、舩迫 宴福、加藤 貴雄、
中根 英策、宮本 昌一、和泉 俊明、春名 徹也、猪子 森明
田附興風会医学研究所 北野病院 心臓センター循環器内科
【症例】72 歳、女性【主訴】胸痛【現病歴】3 年前より皮膚筋炎に対しプレドニゾロン、メトトレキセート(MTX)
、シクロスポリン
A で加療中の患者。入院 1 ヶ月前と 1 週前に夜間の胸痛、呼吸困難感、めまい等を認めたため近医を受診した。心電図上完全房室ブ
ロックを認め、血液検査で心筋トロポニン値の上昇を認め当院紹介となった。躯幹造影 CT で左房下後壁から心房中隔にかけて長径
6cm の腫瘤を認め、一部は右房側に突出していた。経胸壁心エコーでも同様の腫瘤が僧帽弁輪部まで及んでいることが確認され、後
尖の可動性低下による僧帽弁逆流を認めた。FDG-PET では腫瘤に強い集積を認め心臓原発悪性腫瘍と考えられたが、前縦隔および
左腸骨にも遠隔転移を認めた。外科的手術での根治は困難と考えられ、化学療法の方針となった。確定診断目的に腫瘍生検を行う方
針としたが心室側からの腫瘍生検は困難と考えられ、心腔内エコーを用いて右房より腫瘍を観察した後、X 線透視および心腔内エコー
ガイド下に心房中隔から右房側へ突出した部位より腫瘍生検を施行した。病理組織学的検査の結果、びまん性大細胞性リンパ腫
(DLBCL)であり MTX 関連リンパ増殖性疾患と考えられ、THP−COP、リツキシマブ併用療法による化学療法を開始した。治療開
始後は腫瘍の著明な縮小を認め、完全寛解が得られた。【考察】心臓原発悪性リンパ腫は全心臓腫瘍中 1.3%と非常に稀である。しか
し、化学療法が奏功する例も報告されており、治療開始前の確定診断が非常に重要である。安全かつ確実に心臓腫瘍生検を施行する
手段として、心腔内エコーガイドの有用性を示唆する貴重な症例と考えられ報告する。
250
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P6-3-3
呼吸困難を契機に発見された右室原発未分化肉腫の一例
岡本 公志、今井孝一郎、河村 愛、古山 輝將、玉田 智子、山田亮太郎、久米 輝善、根石 陽二、
大倉 宏之
川崎医科大学 循環器内科
【症例】50 代歳女性。
【主訴】呼吸困難現病歴】20XX 年 3 月中旬から呼吸困
難が出現したため当院へ救急搬送された。
【入院時現症】血圧 109/80mmHg、
脈拍 86 回/分、体温 36.5 度、SpO2 99%(room air)
。胸造影 CT で右室から
肺動脈へ連続する腫瘤を認めた。心エコー図で右室から肺動脈にかけて可動
性を有する腫瘤を認め、一部は右室内に広基性に付着していた。急で腫瘤摘
出術を施行した。
【術中所見】右室内は、ほぼ腫瘤で充満しており右房側と右
肺動脈側へ腫瘤が進展していた。右房と肺動脈内の腫瘤は除去できたものの
右室内は完全除去できず手術を終了した。腫瘤は病理診断で未分化肉腫と診
断された。
【考察】心エコー図で心臓内の異常構造物として腫瘍と血栓が鑑別
にあがる。心臓原発の悪性腫瘍は極めて稀であるが、心腔内に広基性に付着
していれば肉腫、有茎性であれば良性の粘液腫が考えられる。本例では腫瘤
が右室内広く充満しており心臓原発の悪性腫瘍が疑われた。未分化肉腫は全
心臓腫瘍の 2∼3% ときわめて稀である。その、80%が左房原発と報告されて
いるが本例は右室原発であった。
P6-3-4
奇異性脳塞栓症と肺塞栓症を同時期に発症した 1 例
渡部 徹也、篠田 幸紀、乾 礼興、星田 四朗
八尾市立病院 循環器内科
症例は 50 代女性。平成 26 年某月、起床後左半身の脱力を自覚し当院救急外来を受診した。入院時、意識は清明であったが左片麻痺
および左半側空間失認を認めた。MRI 検査にて右中大脳動脈閉塞を認め右前頭葉・側頭葉に脳梗塞を認めた。入院後血行動態は安定
していたが、発症時期は不明であるため血栓溶解療法は行わなかった。第 2 病日の頭部 MRI では右中大脳動脈の再開通を認め一部出
血性梗塞を来していたが前日とは著変を認めなかった。心エコー図では左室拡張末期径 42mm で左室の拡大なく左室壁運動も正常で
あったが、右室の拡大を認めた。第 2 病日夜間に突然意識消失および SaO2 75% と著明な低下を認めた。造影 CT にて左右肺動脈に
複数の造影欠損領域を認め肺塞栓症と診断した。その後抗凝固療法を行い徐々に全身状態は改善した。下肢静脈エコーにて左右ヒラ
メ筋静脈・左腓骨静脈に血栓を認めたが、頸動脈エコーにて有意狭窄を認めず、高血圧、脂質異常症、糖尿病、心房細動などのリス
ク因子も認めないため、脳梗塞の原因として奇異性脳塞栓を疑い第 9 病日に経食道心エコー図を施行した。左室および左心耳の血栓
は認めず明らかな心房中隔欠損も認めなかったが、コントラストエコー法にてバルサルバ負荷時に右左シャントを確認した。血行動
態の破綻する肺塞栓症を来していたためワルファリンによる抗凝固療法とともに第 11 病日に下大静脈フィルターを挿入した。その
後、リハビリを行い独歩にて退院された。奇異性脳塞栓症と肺塞栓症を同時期に発症したと考えられる稀な 1 例を経験したので報告
する。
両心室内に血栓形成をきたした虚血性心筋症の一例
高井 学1、出雲 昌樹2、笠原みづほ1、林 明生1、山内 正博1、大宮 一人1、鈴木 健吾2、明石 嘉浩2
1
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 循環器内科、2聖マリアンナ医科大学
【症例】50 歳、男性【経過】高血圧症、糖尿病の加療歴のある患者。平成 25
年 3 月頃より下腿および陰嚢浮腫が出現し、精査・加療目的に当院紹介となっ
た。心エコー図所見では左室の瀰漫性高度壁運動障害(LVEF15%程度)、内
腔拡大を認めたが、壁厚は比較的保たれていた。肺高血圧所見(推定肺動脈
収縮期圧:62mmHg)を認め、下大静脈は拡大し呼吸性変動も消失していた。
また、両心室内心尖部には約 20∼30mm 径の血栓を認めた(図)。低心機能
による右心不全を主体とした慢性心不全の増悪と診断し加療を行った。また
血栓に対してはヘパリン持続投与による抗血栓療法を行ったところ、合併症
を発症することなく速やかに血栓は消失した。心不全加療後の心臓カテーテ
ル検査では前下行枝、回旋枝に有意狭窄病変を認めた。左室内血栓は虚血に
よる収縮障害から生じた血栓であり、一方、右室内血栓は高度のうっ血に伴
う右室収縮障害と血流うっ滞により生じた血栓と考えた。
【結語】両心室内に
血栓形成をきたした虚血性心筋症の一例を経験した。
251
一般 Poster
P6-3-5
第26回日本心エコー図学会学術集会
P6-3-6
心筋浸潤を呈した成人 T 細胞性白血病リンパ腫の一例
中村 琢1、吉冨 裕之2、熊御堂 慧3、足立 優也1、岡崎 浩一1、黒田 紘章1、森田 祐介1、
山口 直人1、伊藤 新平1、岡田 大司1、安達 和子1、中島 龍馬1、菅森 峰1、遠藤 昭博1、
高橋 伸幸1、田邊 一明1
1
島根大学 医学部 内科学第四、2島根大学 医学部附属病院 検査部、3島根大学医学部 腫瘍・血液内科
【症例】71 歳女性。10 年前から近医で成人 T 細胞性白血病リンパ腫(ATLL)
のくすぶり型としてフォローされていた。200X 年の定期受診の際に LDH
1181U/L と高値、CT で多量の心膜液を認め、精査目的に当院へ転院した。
心エコー図検査では、左室心筋の肥厚がみられ、一部は腫瘤状の変化がみら
れた。また、僧帽弁口外側と、大動脈弁基部後方に腫瘤を認め、左室壁運動
異常を認めた。心膜液の細胞診および、左室の組織心で ATLL 細胞を認め、
成人 T 細胞性白血病リンパ腫の心筋浸潤と考えられた。COEP4 剤による化
学療法を行い、僧帽弁口外側と、大動脈弁基部後方の腫瘤は縮小がみられ、
左室の肥厚は退縮したが、壁運動異常は悪化し、一部は瘤状変化がみられた。
【考察】2 次性心臓腫瘍のうちの約 9% が悪性リンパ腫とされる。ATLL は悪
性リンパ腫の 1 つであるが、心臓転移の多くは B 細胞性リンパ腫であり T 細
胞性は症例報告が少ない。造血器悪性腫瘍は心筋浸潤する可能性があることを念頭におき、早期に的確な診断を下す事が重要である
と考えられた。
P6-3-7
壁運動異常のない左室に心室内血栓を生じた抗リン脂質抗体症候群の一例
由利 卓也1、鍵山 暢之1、住友 泉2、有高 進悟2、鈴木 康太3、鎌田 康彦1、大原美奈子1、
林田 晃寛1、都津川敏範3、近沢 元太3、廣畑 敦1、坂口 太一3、山本 桂三1、吉鷹 秀範3、吉田 清1
1
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 循環器内科、
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 臨床検査部、
3
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院 心臓血管外科
2
左室内血栓は陳旧性心筋梗塞や拡張型心筋症など壁運動低下のある心疾患で
時に認められ様々な塞栓症の原因となる。一方で器質的心疾患なく左室内血
栓が生じることは非常に稀である。今回我々は、気質的心疾患を有さない抗
リン脂質抗体症候群(APS)患者に発生した左室内血栓を経験した。症例は
45 歳女性。以前より APS を指摘されており多発性脳梗塞の既往があった。
来院時心臓超音波検査にて左室壁運動は良好で明らかな壁運動低下を認め
ず、有意な弁膜症も認めなかったが、左室心尖部に一部可動性のある直径 2cm
ほど左室内腔に突出する腫瘤を指摘された。脳梗塞の既往もあり可動性も有
したため同日緊急入院。翌日に右肋間小開胸経左房的腫瘤除去術を施行した。
術後経過は良好で心臓超音波検査でも残存血栓は認めず、抗凝固療法を継続
し第 13 病日に軽快退院となった。病理結果はフィブリン析出を伴った血栓で
あった。今回我々は凝固異常により壁運動異常のない左室に心室内血栓を生
じた非常に稀な症例を経験したので報告する。
一般 Poster
P6-3-8
定常流型 LVAD 患者における大動脈弁の弁尖内血栓について
佐藤 翼1、坂本 一郎2、伊藤 浩司2、多田 千恵1、松浦 陽子1、河原 吾郎1、堀川 史織1、
平川登紀子1、大竹沙矢香1、肥後 太基2、田ノ上禎久3、富永 隆治3、砂川 賢二2
1
九州大学病院ハートセンター生理検査部門、2九州大学病院 循環器内科、3九州大学病院 心臓外科
【背景】重症心不全患者に対して、左室補助装置(LVAD)が使用されるが、
血栓塞栓症や大動脈弁閉鎖不全症の合併症が知られている。また、大動脈弁
の弁尖内に血栓を認めた症例も少数ながら報告されており、今回定常流型
LVAD と拍動型 LVAD でその発生頻度について比較検討を行った。
【方法】
当院における定常流型 LVAD 患者(C 群)及び拍動型 LVAD 患者(P 群)そ
れぞれ連続 12 症例について、大動脈弁の弁尖内血栓の発生頻度、大動脈弁開
放頻度について検討を行った【結果】C 群では 12 例中 2 例に大動脈弁の弁尖
内血栓を認めたが、P 群では 1 例も認められなかった。抗凝固療法(PT-INR)
や chamber size、駆出率については二群間で有意な差は認められなかった
が、大動脈弁の開放を認めた人数は C 群で 12 例中 2 例(17%)、P 群で 11 例
中 6 例(55%)と P 群の方が多かった。
【考察】大動脈弁の開放は大動脈弁内
に血栓が形成されるリスクの一因である可能性が示唆された。
252
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P6-3-9
乳癌の手術前検査で僧帽弁輪に石灰化腫瘤と非対称性の左室肥大を認めた一例
福田 延昭、岩瀬 晴香、小林 紘生、菅野 幸太、柳沢 三郎、静 毅人、齋藤 章宏、広井 知歳
国立病院機構 高崎総合医療センター 循環器科
症例は、52 歳の女性。心疾患の既往はなし。乳癌の転移検索の胸部 CT にて僧帽弁輪に石灰化腫瘤を認めた。経胸壁心エコーにて僧
帽弁後尖弁輪部に表面平滑で高輝度な円形腫瘤を認め、可動性はなく弁の機能不全は認めず、また左室に非対称性肥大を認めた。こ
のため、転移性心臓腫瘍の鑑別を含めた精査目的に当院に紹介となった。精査のため行った心臓 MRI において弁輪腫瘤は低輝度で、
遅延造影では腫瘤周囲のリング状造影効果を認め、また左室心筋には midwall fibrosis の所見を認めた。これらより乳癌とは関連の
ない caseous calcification と肥大型心筋症と診断した。caseous calcification は、僧帽弁輪石灰化(MAC)の 0.6% の頻度と報告され
比較的稀な腫瘤構造で、心臓腫瘍・膿瘍・血栓・嚢胞などとの鑑別を要する。また、不必要な外科的切除は回避すべきとされている。
本症例は、乳癌の手術は予定通りに行い、経過は良好で、心エコーにて定期的な経過観察を行っている。今回、乳癌の術前検査にて
心臓腫瘍との鑑別が問題となったが各種画像診断を用いて caseous calcification と肥大型心筋症と診断し得た一例を経験したので報
告する。
P6-3-10
大動脈弁兼僧帽弁置換術後に心臓内膜肉腫を認め心不全治療に難渋した一例
玉城 貴啓、馬原啓太郎、吉敷香菜子、太田 光彦、泉 祐樹、田村 晴俊、鈴木 誠、高梨秀一郎
公益財団法人 日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院
症例は 70 歳女性。3 年前に重度の僧帽弁閉鎖不全兼狭窄症と中等度の大動脈弁閉鎖不全症に対し、二弁置換術を施行した。病理診断
は、大動脈弁の線維性肥厚・ムコイド変性・器質化血栓の疑い、僧帽弁はムコイド変性・線維性肥厚・器質化血栓の疑いという結果
であった。術後 1 年後から労作時息切れが出現、三尖弁閉鎖不全症の増悪と右心不全を認め入院となった。左室左房内膜に張り付く
ように広がる構造物を認め、腫瘍が疑われた。二弁置換術施行した際の大動脈弁、僧帽弁を病理を再検したが腫瘍を疑わせる所見は
認めなかった。その後、利尿剤調整での心不全コントロール困難であるため、重度三尖弁閉鎖不全症に対して三尖弁置換術を施行し
た。左室生検も施行し、国立がん研究センターに提出し、心臓内膜肉腫の診断となった。しかし、抗がん剤の感受性がほとんど望め
ない種類であることや、心機能が落ちているため治療自体の負荷に耐えることができないと考えられたため抗がん剤は投与せずに、
対症療法、緩和医療の方針となった。その後、心不全は徐々に増悪し、心不全加療目的に入院加療となった。入院時の心エコー図検
査では左室内腔の狭小化と著明な右室拡大を認めた。入院中に左前頭葉の広範囲脳出血を認め、死亡となった。今回報告の少ない心
臓内膜肉腫を経験したため、ここに報告する。
縦隔腫瘍に対する治療効果が右心負荷所見の改善にて評価可能であった一例
河原 吾郎1、坂本 一郎3、松浦 陽子1、多田 千恵2、堀川 史織2、平川登紀子2、佐藤 翼2、砂川 賢二3
1
九州大学病院 検査部、2九州大学病院 ハートセンター、3九州大学病院 循環器内科
【症例】20 代男性【主訴】労作時呼吸苦【現病歴】2012 年 1 月複視を自覚し
近医受診。原始神経外胚葉腫瘍の診断。2014 年 2 月頃より息切れ出現し、近
医にて縦隔リンパ節転移の診断。治療開始前の心機能評価目的にて心エコー
を施行。軽度の左室収縮能低下と右心系の拡大および著名な右室壁運動低下
を認めた。さらに肺動脈分岐部に充実性の腫瘍病変を認め、左右肺動脈はに
狭窄所見が観察された(RPA-PG 32nnHg/LPA-PG 57mmHg)。右心負荷は
腫瘍が肺動脈を圧排、肺動脈狭窄によるものと考えられた。治療を開始し、
14 病日での心エコーにて肺動脈分岐の腫瘍病変は消失、両側肺動脈狭窄、右
室機能の改善が認められた【考察/まとめ】治療前の心機能評価目的での心エ
コーにて、腫瘍を原因とした二次的作用により右心拡大および右心機能の低
下を捉えることができた。治療により腫瘍が退縮、右心負荷所見の改善が確
認できたことから、心エコーが治療の効果判定のひとつとして評価可能で
あったと考えられた貴重な症例と考え報告する
253
一般 Poster
P6-4-1
第26回日本心エコー図学会学術集会
P6-4-2
経肺静脈的に左房内浸潤をきたした肺癌の 1 例
中田 直美1、相澤 芳裕2、関根 亨1、山本 顕介2、大木 隆史3、権 寧博3、廣 高史2、
橋本 修3、平山 篤志2
1
日本大学医学部附属板橋病院 臨床検査部、2日本大学医学部附属板橋病院 循環器内科、
日本大学医学部附属板橋病院 呼吸器内科
3
55 歳男性 咳、微熱、嗄声、胸部異常陰影にて受診。傍胸骨左縁、大動脈弁
レベルよりやや心尖部側に傾けた短軸像にて左房内に左肺静脈より連続する
充実性腫瘤を認め、肺癌の肺静脈内浸潤・左房内への進展と考えられる
P6-4-3
左室内血栓によって形成された狭窄機転
小倉 文子1、柴田多恵子1、西口 温子1、武藤 望1、池田 有利1、竹内 淑恵1、伊藤 隆英2、
石坂 信和2、岡田 仁克1
1
大阪医科大学 中央検査部、2大阪医科大学 循環器内科
左室中部から心尖部にかけての腔内を占拠する血栓像が観察され、その一部
は左室内狭窄の発生機転となっている(左)。連続波ドプラでは同部位に圧較
差がみられる(中)。右は多発性塞栓を示唆する頭部 MRI 画像である。
一般 Poster
P6-4-4
うっ血性心不全の原因となった巨大左房粘液腫
野田由美子1、丸山 裕司1、西村 弘美1、松井 幸子1、山口 貴志1、安部 裕美1、塩見 哲也2、
船越 祐子2、臼井 真2
1
浜の町病院 臨床検査部生理検査室、2浜の町病院 循環器内科
うっ血性心不全で救急受診した 58 歳女性。卵円窩に茎を有す 70×60mm の巨大な粘液腫を
左房内に認めた。拡張期には僧帽弁輪を大きく超えて左室に落込み、塞栓嵌頓のリスクが高
く、準緊急で腫瘍摘出術を施行した。
254
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
P6-4-5
左房内血栓 Hole in one
石田 万理、新沼 廣幸
聖路加国際大学病院 臨床検査科 生理検査室
大動脈弁置換術・僧帽弁形成術を施行後、心房中隔左房側壁ほぼ全域で血栓
形成され、その一部が剥離し左房内を浮遊したため、形成後の僧帽弁に血栓
が陥入した様子が観察された。
P6-4-6
巨大な左房内血栓を認めた人工弁置換術後患者の一例
光岡 優子1、高井 学2、林 明生2、山崎 幸子1、粕谷佳菜子1、川口 珠巳1、大宮 一人2
1
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 臨床検査部、2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 循環器内科
84 歳、男性。30 年前に僧帽弁置換術を施行。今回、被殻出血入院中に突然の意識消失があり、心エコー図検査施行。左房内に複数の
巨大な浮遊血栓を認め、その浮遊血栓が機械弁に吸い付く様子が観察された。
一般 Poster
P6-4-7
肺動脈弁を往来する転移性心臓腫瘍の 1 例
天野 里江1、山田 博胤2、西尾 進1、阿部 美保2、楠瀬 賢也2、坂東 美佳2、山尾 雅美1、
鳥居 裕太1、平田有紀奈1、佐田 政隆2
1
徳島大学病院 超音波センター、2徳島大学病院 循環器内科
転移性右室腫瘍の症例である.腫瘍は低∼等エコーで不整形,右室流出路を占拠しており,右室流出路狭窄をきたしていた.腫瘍の
一部は棒状で可動性を有し,収縮期に肺動脈弁を越えて肺動脈主幹部に突出していた.
255
第26回日本心エコー図学会学術集会
P6-4-8
心房粗動を契機に偶然発見された左房内腫瘤性病変の一例
本間 仁乃、岡橋 典子、小川 一矢、青木 和浩
独立行政法人 国立病院機構 東京病院
症例は 72 歳男性。糖尿病、高血圧のため近医通院中、健康診断の心電図で心
房粗動を指摘されたため、当院を紹介受診となった。来院時の経胸壁心臓超
音波検査にて、両心房拡大と左心耳入口部に可動性腫瘤を認めた。左房内血
栓および心臓腫瘍の可能性を考慮し、経食道心臓超音波検査を施行したとこ
ろ、左房内にもやもやエコーは認めず、左心耳血流は 20-45cm/sec であった。
また、腫瘤は、左上肺静脈開口部の左心耳側に茎を有し、17×14mm 大、辺
縁整、内部不均一なゼラチン状で、可動性に富み、粘液腫が疑われた。可動
性を有する腫瘤であり、塞栓症が危惧されたため速やかに心臓血管外科に紹
介し、左房内腫瘤摘出術+左心耳閉鎖術+アブレーションを施行した。病理
診断では粘液腫の診断であった。術後、心房細動の再発を認めたため電気的
除細動にて洞調律化し、抗凝固薬および洞調律維持薬の導入を行った。心房
粗動を契機に発見された左房内腫瘤で、血栓および腫瘍の鑑別に苦慮した症
例を経験したので、考察を交えて報告する。
P6-4-9
左心耳巨大血栓形成・消失を繰り返した非弁膜症性心房細動症例の一症例
長谷川 操、高橋 夏来、松下 純一
松山市民病院 循環器内科
症例は 69 歳女性。既往歴は高血圧症、狭心症、糖尿病、気管支喘息、非弁膜症性心房細動(CHADS2 スコア;3 点)である。
下腿浮腫を主訴に来院し、心不全増悪・18mm×22mm の左心耳血栓を認め入院した。脳梗塞のリスクは高度であり外科治療を行う
べき症例であったが、患者希望が得られなかったことから外科的加療を行わずウロキナーゼによる血栓溶解療法を行った。入院経過
中に血栓は残存している状態で自主退院したものの、リバロキサバンを内服し 2 か月後の外来受診時には血栓が消失していた。
半年後に再度下腿浮腫にて受診し、左心耳血栓形成を認め 32mm×14mm と前回よりも巨大であった。受診時経胸壁心エコーは左室
駆出率 20%、軽度僧帽弁逆流、左房径 52mm と拡大を認めた。うっ血性心不全および左心耳血栓と診断し、精査加療目的に入院し
た。同日より心不全管理とヘパリンおよびアピキサバンによる抗凝固療法を開始した。第 6 病日に左心耳血栓は 27mm×12mm 大に
縮小し、第 14 病日には消失していた。経過を通じて塞栓症発症を疑う episode・身体所見を認めなかったことから、血栓は溶解した
と判断した。
巨大血栓の再発・消失を認めた一例を経験したので若干の文献的考察を踏まえ報告する。
一般 Poster
P6-4-10
マルチモダリティーによって経過を観察し得た転移性心臓腫瘍の一例
林 輝洋1、加納 昭子1、岡野 典子1、横山 幸枝1、桑原 知恵1、政田 賢治2、日高 貴之2、
横崎 典哉3、木原 康樹2
1
広島大学病院診療支援部生体検査部門、2広島大学病院循環器内科、3広島大学病院検査部
【患者】67 歳男性【症例】食道癌の精査目的で行った PET-CT で心臓への FDG 異常集積(SUVmax 4.6)が認められ,心エコー図検
査が依頼された.左室心筋基部前壁中隔に高輝度,一部左室内腔に突出する 13×15mm 大の腫瘍を認めた.造影 CT でも心筋中隔の
左室側に造影効果の乏しい 10mm 大の腫瘍が認められた.食道癌の心臓転移の可能性が高いと診断された.化学療法開始 2 ヶ月後,
左室 FDG 集積は SUVmax 2.6 と低下していたが,造影 CT,心エコー図検査では腫瘍のサイズに変化を認めなかった.化学療法開始
4 ヶ月後,造影 CT 上,左室心筋内腫瘍は指摘されなかったが,心エコー図検査では腫瘍にサイズ変化は認められなかった.
【まとめ】
今回我々は,食道癌の心臓転移を認め,化学療法前後に PET CT,造影 CT,心エコー図検査にて経過を観察し得た症例を経験した
ので報告する.
256
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
MS1
アナトミカル・インテリジェンス(A.I.)による 3D 新時代の幕開け
Real-Time Automated Transthoracic Three-Dimensional Echocardiographic Left Heart
Chamber Quantification with an Anatomical Intelligence-based Algorithm
※同時通訳有
Roberto M. Lang
Professor of Medicine and Radiology, University of Chicago, USA
Background:Cardiac chamber quantification from 3D transthoracic echocardiography(3D-TTE)is superior to 2D-TTE measurements. However, integration of 3D quantification into clinical practice has been limited by time-consuming workflow and the need
for 3D expertise. We developed and tested the feasibility and accuracy of a fully automated algorithm that simultaneously quantifies
3D-TTE left atrial(LA)and left ventricular(LV)volumes and LV ejection fraction(LVEF)without human interaction.
Methods and Results:Two protocols were used. In protocol 1, 94 patients underwent 3D-TTE studies(EPIQ, x5-1, Philips)covering the LA and LV. 3D-TTE LA and LV volumes and LVEF were obtained using the fully automated analysis software with and
without contour correction and compared to averaged manual 3D volumetric measurements. In protocol 2, automated measurements from 69 separate patients were compared to cardiac MRI(CMR)values. Pearson s correlation, Bland-Altman analysis and
paired t-tests assessed the agreement between the different methodologies. Correlations between automated and manual 3DE
measurements were strong(r=0.82-0.98)
. LVEF was slightly underestimated and automated LV end-diastolic, LV end-systolic and
LA volumes were slightly overestimated even with contour correction. Comparisons between automated echo analysis and CMR
were also high(R=0.87-95).Test-retest variability was low.
Conclusions:Rapid and fully automated simultaneous quantification of LA and LV volumes and LVEF is feasible in the majority
of patients and does not require specialized 3D-software analysis training. Program measurements are not only
MS2
不飽和脂肪酸を利用した新しい治療戦略
芹川 威
済生会福岡総合病院 心臓血管・大動脈センター 循環器内科
不飽和脂肪酸は JELLIS Study(Lancet;2007 Mar 31;369(9567)
:1090-8.)という強力なエビデンスをもとに、動脈硬化疾患に新
しい治療選択をもたらした。様々なガイドラインにおいて一次予防、二次予防に位置づけされ臨床の場でその恩恵を受けることも多
い。しかしながら不飽和脂肪酸はその多面的効果を示す性格から、その他の疾患、病態にも効果を示す可能性がある。数々をエビデ
ンス踏まえて、動脈硬化疾患への踏み込み方や不整脈疾患、心不全などの様々な病態と不飽和脂肪酸の関係性から新しい治療戦略を
検討していく。
MS3
糖尿病患者の大血管障害リスクをいかに管理するか
田中 正巳
慶應義塾大学医学部 腎臓内分泌代謝内科
257
共催セミナー
糖尿病は冠動脈疾患、脳血管障害の既往の有無にかかわらず、それ自体が大血管障害の重大なリスク因子である。さらに、高血圧/脂
質異常症を合併すると脳・心血管イベント発症率が相加・相乗的に上昇する。したがって血糖コントロールのみならず、同じくリス
ク因子である血圧と脂質の厳格な管理も重要である。このように糖尿病患者の実臨床では、経口血糖降下薬、脂質異常症治療薬、降
圧薬と内服薬の錠数が増えることは避けられず、いかに服薬アドヒアランスを良好に維持するかも治療成功の鍵を握る。今回 2 型糖
尿病患者に対して、アムロジピン/アトルバスタチン配合剤(製品名:カデュエット)の臨床的検討を行い、血圧、脂質改善効果に加
え、酸化ストレス軽減や抗動脈硬化作用を確認した。本研究の参加者には、糖尿病罹病期間が長く血糖コントロール不良な患者が多
く含まれていて、多くが肥満、糖尿病性細小血管障害、大血管障害を合併していた。それにもかかわらず本配合剤による副作用は特
に認めなかったことから、高リスク状態においても本薬剤の安全性が確認されたと考える。また、併せて実施したアンケート結果か
ら、本配合錠の服薬アドヒアランスの高いことが示唆され、治療継続意欲へ好影響を与えたと思われる。本配合錠が内服アドヒアラ
ンス向上、酸化ストレス軽減、動脈硬化改善を介して脳・心血管イベント抑制に大きく寄与することが期待される。以上の結果をふ
まえ本講演では、脳・心血管イベント抑制を見据えた糖尿病治療戦略について、主要ガイドラインと自験例を交えながら論じたい。
第26回日本心エコー図学会学術集会
LS1
抗血栓療法の現状と課題
共催セミナー
安田 聡
国立循環器病研究センター 心臓血管内科
冠動脈疾患、特にかつて致命的といわれた急性冠症候群の治療成績は、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)とステントの進歩、
抗血小板療法の確立により大きく向上した。我が国においてはこれまで、ステント留置患者に対しては、抗血小板薬アスピリン・ク
ロビドグレルの 2 剤併用(DAPT)が行われてきた。しかしながらクロピドグレルの治療効果に関しては薬物代謝酵素の CYP2C19
遺伝子多型の影響を受け、血小板凝集抑制作用には個体差があることも知られるようになった。このような背景から、CYP2C19 の影
響を受けにくい新規抗血小板薬への期待が臨床現場において高まっている。高齢化が進む現代において、近年少なからず経験するの
が、冠動脈疾患と心房細動(AF)を合併した症例である。AF では脳卒中予防のためにリスクに応じて抗凝固療法の適応となる。こ
の数年、非ビタミン K 阻害経口抗凝固薬(NOAC)の臨床現場での使用も増えてきておる。しかしながら抗血小板療法と抗凝固療法
の併用療法の在り方については、循環器専門医の間でもいまだコンセンサスは得られていないのが現状である。エビデンスが構築さ
れ、それに基づいたコンセンサスを得るのが、今後の方向性であると考える。このような治療に悩む症例を提示し問題点を明らかに
するとともに、今後の方向性について議論したいと思う。
LS2
心臓手術での 3 次元経食道心エコー図の臨床使用の実際
柴山謙太郎、田端 実
東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター
近年の 3 次元経食道心エコー図の技術的な発展により、臨床の現場で 3 次元データを容易に活用できるようになった。そして様々
な臨床データの蓄積にともない、3 次元経食道心エコー図検査が従来の心エコー図検査の補足的な情報となるだけでなく、立体的な
構造をしている僧帽弁輪や大動脈基部のように 2 次元のみでは詳細評価が困難な対象を解析する場合に有用であることが認識されて
きた。これらの結果、心臓手術への 3 次元経食道心エコー図の臨床使用は徐々に進展している。例えば、僧帽弁閉鎖不全症では 3 次
元経食道心エコー図により、術者と同様の視野をえることができる(surgeon s view)
。これを用いれば、任意の断面を切り出すこと
が可能であり病変の広がりや程度を確認することができる。また、切り出した断面で各種計測することも可能であり、定量的な評価
が可能な点にも注目すべきである。術者はこれらの画像や評価を確認することで、実際の手術でどのような手技を行うかをあらかじ
めシミュレーションし、使用する人工弁輪の大きさを術前より計画することができる。本講演では実例を用いて術前の 3 次元経食道
心エコー図による評価ポイントを画像診断医から提示し、実際の手術でどのように生かされたかを心臓血管外科医より示していく。
LS3
3D エコー古今東西:2000-2015∼Three Dimensional Echocardiography
Roberto M. Lang
Professor of Medicine and Radiology, University of Chicago, USA
共催セミナー
Significant advances in three-dimensional echocardiography(3DE)technology have ushered its use into mainstream clinical
practice. The recent advent of real-time three dimensional echocardiography
(RT3DE)
utilizing matrix 3D trans-thoracic and transesophageal technology consisting of greater than 3000 simultaneously active ultrasound elements in a 128-channel probe has
resulted in improved spatial resolution and therefore, enhanced visualization of the patho-morphology of the valves compared to
previously used sparse array transducers. It has enabled an unparalleled real-time visualization of valves, subvalvular anatomy and
physiology from a single acquisition of volumetric echocardiographic data without the need for off-line reconstruction. On-cart or
off-line efficient post-processing utilizing commercial or custom 3D software has allowed quantification of valvular parameters,
including orifice area, segmental analysis of prolapse or billowing in the mitral valve
(MV),malformations of the semi-lunar crownlike aortic annulus, and extent of tricuspid annular dilation. The“en face”view of all cardiac valves using RT3DE facilitates accurate and dynamic identification of stenotic diseased segments and regurgitant severity. The ease and precision with which 3DE
facilitates identification, location, quantification of valvular dimensions, stenotic disease and regurgitant severity, and accordingly,
management and intervention in regurgitant, stenotic, or prosthetic valves has established its place in clinical practice. Although
trans-esophageal studies have demonstrated higher resolution resulting in unparalleled anatomic detail, non-invasive trans-thoracic
imaging has also demonstrated comparable prowess in large number of diseases in consecutive patients.
258
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
LS4-2
器質的僧帽弁逆流症に対する弁形成術後の僧帽弁狭窄:運動負荷エコーを用いた評価
土井 潔
京都府立医科大学 心臓血管外科
器質性僧帽弁逆流症において弁輪は一般的に拡大しており、人工弁輪を用いた弁輪のリモデリングは僧帽弁形成術の成績を左右する
要素の一つである。しかし前尖を基準とした just サイズの人工弁輪を用いた場合でも、形成術後の僧帽弁位圧較差が大きい症例を経
験することがある。我々はこれまで形成術後の圧較差を運動負荷心エコーを用いて評価して来た。Semi-rigid complete ring を使用し
て形成術を行った 20 例と健常者 6 例を比較すると運動負荷時の最大 mPG は形成術群で有意に高かった(14.2±6.3 mmHg vs 7.2±1.9
mmHg)。また負荷強度あるいは心拍数の増加に伴い平均圧較差(mPG)はいずれも直線的に増加し、その相関直線の傾きは形成術
群で有意に急峻であった。形成術を行った 20 例のうち 7 例において運動負荷時の最大 mPG が 15 mmHg 以上となり、AHA/ACC ガ
イドラインによれば高度の僧帽弁狭窄に分類された。僧帽弁狭窄をきたす要因を検討したところ、手術から検査までの期間・左室駆
出率・左室サイズ・弁尖修復手技などの影響は明らかでなかった。しかしながら使用した人工弁輪の弁口面積を各患者の体表面積で
補正した値(人工弁輪弁口面積係数)は、運動負荷時の最大 mPG と有意な逆相関関係を示した。以上の結果より僧帽弁形成術にお
いて、just サイズであっても体表面積に比しサイズの小さい人工弁輪を使用した場合、運動負荷時に有意となる僧帽弁狭窄を認めた。
近年は無症状であっても高度の器質的僧帽弁逆流を認めれば積極的に形成術を行う傾向にある。しかしこの運動負荷時に有意となる
僧帽弁狭窄の存在は、特に若年者において手術適応を決定する際、十分に考慮すべき問題であろう。
LS5-1
スペックルトラッキング法をいかに応用するか?
兵頭 永一
西宮渡辺心臓・血管センター 循環器内科
スペックルトラッキング法を臨床応用するにあたり、左室機能評価としての(1)収縮能および(2)拡張能評価、
(3)dyssynchrony
評価と大きく 3 通りの使い方があると考えられます。
(1)の収縮能の評価ではもちろん局所の評価も重要でありますが、特に左室全
体の収縮能の指標である global strain の有用性が報告されています。EF は前負荷、後負荷に大きく影響され、計測には検者間のば
らつきも大きいことが報告されており、収縮能を EF のみで判断するのは限界があります。このレクチャーでは、現在のスペックル
トラッキング法の問題点から global strain の有用性、臨床応用について検討したいと思います。また(2)の拡張能評価ですが、我々
は運動負荷直後の収縮期壁運動異常評価に加えて運動負荷 5 分後にスッペックルトラッキング法を用いて diastolic stunning を評価す
ることにより、虚血評価を行っています。また現在、多施設共同試験として、急性冠症候群患者診断における diastolic stunning 評価
の有用性について我々の施設を含めて検討が行われていますが、その現状についてお話し、臨床応用の可能性について考察したいと
思います。
(3)の dyssynchrony 評価は、近年盛んに行われている心臓再同期療法(CRT)において必須の評価法でありますが、で
は実際どのような dyssynchrony の種類があり、そのおのおのについてどう評価を行っていくかについてお話しする予定です。その
他、最近の試みとして左室だけでなく、左房や右室評価に 3D スペックルトラッキング法が用いられています。我々の施設における
データーをお示しながら、皆さんと今度の臨床応用の可能性ついて考察したいと思います。
LS5-2
ARTIDA は注目される疾患、病態にどこまで迫れるか?
瀬尾 由広
筑波大学 医学医療系 循環器内科
259
共催セミナー
3D 心エコーが臨床に与えたインパクトは大きいと感じています。一方、ストレインなどの心筋変形を解析する研究は病態を深く理解
するのに役立っています。ARTIDA が特異である点は、この両者を融合させている点であり、今もなお進化していることです。最近
の画像研究では MRI,CT の発展が目立ちますが、これからは一つの画像で診断するのではなく複数の画像から診断し治療に役立て
る時代が来ています。このような時代には、心エコーの長所であるリアルタイム 3D エコーやストレインを使ったイメージングをど
のように使っていくかを様々な疾患で研究、確立していかなければなりません。このような時代に ARTIDA は応えてくれそうな気
がします。SHD や心不全では心筋機能だけでなくその性状判定が注目され、さらには右心系の重要性がいわれています。また、common disease である心房細動、高血圧さらには HFpEF が多いに注目されています。このセミナーでは、ARTIDA の持つポテンシャ
ルがこれらの注目される病態に迫り臨床応用が可能か、今後の課題は何か、皆様と考えて見たいと思います。
第26回日本心エコー図学会学術集会
合併症を有する高齢者の血圧管理∼抗血栓薬服用者を中心に∼
LS6
共催セミナー
圡橋 卓也
社会医療法人製鉄記念八幡病院 高血圧センター
日本における高血圧人口は 4300 万人と推定されている。超高齢化社会を迎え、高齢者高血圧は日々遭遇する疾患と言える。合併症や
臓器障害を有することが多い高齢者に対して降圧治療を行うか否かの判断は、単に年齢や血圧値に基づくのではなく、降圧治療で得
られるメリットと潜在的デメリットを勘案し、個別に検討する必要がある。最近、frailty(虚弱)という概念が高齢者の降圧治療の
適否を判断する指標として提唱されている。高血圧治療ガイドライン(JSH2014)では、6m 歩行を完遂できない人において、血圧が
高い方が生命予後良好であったという報告を引用し、治療の適応を考える際の目安として提唱している。また JSH2014 では、虚弱で
ない後期高齢者の降圧目標について 150/90mmHg 未満を初期目標とし、忍容性があれば前期高齢者と同様 140/90mmHg 未満を目指
すことを提唱している。一方、抗血栓薬服用者においては、出血リスクを考慮してさらに厳格な降圧を行うことを推奨しているが、
BAT 研究で示された適切な降圧レベル 130/81mmHg 未満を達成するためには、多くの降圧薬を併用する場合が多く、降圧に伴う臓
器虚血や降圧薬による副作用の出現に注意しながら慎重な降圧を心がける必要がある。高齢者高血圧の治療に際しては、標準的な治
療方針を理解した上で、病態に応じた降圧レベルと使用薬剤を個別に判断する柔軟な考え方が必要である。
サムスカによる心不全管理に心エコーを活かす
LS7
瀬尾 由広
筑波大学 医学医療系 循環器内科
心不全治療における利尿薬の功罪が言われる昨今、サムスカは新たな利尿薬治療の可能性をもたらしました。最近は、治療効果に加
えて発売当時危惧された副作用も少ないことが広く認知されるようになり、かなり多くの心不全症例に投与されるようになってきま
した。サムスカの特徴は水利尿であることは広く知られています。従来のナトリウム利尿薬と比較して水利尿が様々な血行動態指標
や神経体液因子の改善をもたらすことが心不全の専門領域では広く研究されています。心エコーの専門家も同じく血行動態を広く研
究していることは本学会にご参加の皆様には言うまでもありません。日常臨床では臨床像の変化を経時的に観察することが重要です
が、やはり客観的な道標が欲しくなります。まさに心エコーには経時的に、かつ非侵襲的に観察できる利点があります。一方、心不
全における利尿薬の役割を語るときには心腎連関に注目する必要があります。そこで、このセミナーではサムスカの効果をエコーで
捉える試みを報告させていただきたいと考えています。少しでも日常診療の道標になれれば幸いです。
LS8-1
TAVI に適する Candidate
泉 知里
天理よろづ相談所病院 循環器内科
共催セミナー
TAVI は、有症状の重症 AS 例の中で、外科的大動脈弁置換術がハイリスクである症例に対して適応となる。しかし、その全例が
TAVI の適応となるわけではない。心エコーや CT による術前のスクリーニング検査により、合併症のハイリスク症例をピックアッ
プし、適応を最終的に決定していく。そのためには、大動脈弁を、左室流出路から大動脈基部まで含めて大動脈複合体として評価す
る必要がある。また、合併する病態の診断も同時に行い、適応やアプローチの方法を決定していく。
「TAVI に適した Candidate」と
は、
「TAVI に適さない Candidate」を除いた症例ということになる。以下に心エコーでみるポイントについて挙げる。
(1)大動脈弁
狭窄症の重症度:当然重症 AS であることが絶対条件である。
(2)大動脈複合体の形態診断(a)弁尖:石灰化の程度と分布、弁尖の
数、大きさの比率など(b)流出路:流出路狭窄の有無(c)大動脈基部径:現在使用できる弁サイズは 23mm と 26mm で Basal ring
の径を計測することで弁サイズが決定される。また狭小弁輪、逆に大きすぎる弁輪は TAVI の適応にならない。STJ 径が小さいと大
動脈基部穿孔や解離のハイリスクとなり、またバルサルバ洞径が小さければ冠動脈閉塞のハイリスクとなる。(3)左室の大きさ・壁
運動:左室が小さいとワイヤーによる左室穿孔のリスクが高くなる。また壁運動高度低下例はハイリスク症例となる。(4)大動脈弁
逆流の程度(5)その他合併する病態:大動脈弓部や下行大動脈のアテローマの程度、合併する僧帽弁逆流の程度や機序当日は術前評
価のポイントについて症例を挙げなからその注意点を考えたい。
260
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
LS8-2
TAVI に適さない Candidate
有田 武史
九州大学病院 ハートセンター内科
TAVI はきわめて解剖学的要件の制限が多い治療法であり、その要件を満たせば低侵襲かつ十分なアウトカムをもつ治療法として推
奨される。TAVI を行うに当たって必要な解剖要件を以下に列挙する(下肢血管以外)。大動脈弁複合体をそれぞれ解析する必要があ
る。ST junction の石灰化または狭小化はバルーン拡張による損傷をうけることがある。狭小なバルサルバ洞はカテーテル人工弁を
挿入した際にもともとの弁尖が格納される十分なスペースが確保できない。狭小バルサルバ洞では人工弁の拡張不良のみならず、弁
尖に付着する石灰化塊によってバルサルバ洞破裂をきたすことがある。左右冠動脈の開口部の位置は十分な高さがなくてはならず低
い位置にあれば冠動脈閉塞の危険性がある。弁尖の可動性は AS においては明らかに低下してはいるが、二尖弁やそれに準じたある
一部分の弁尖の極端な可動性のなさは他方の弁尖および弁輪に多大なストレスを与え弁輪破裂の可能性がある。弁輪部の石灰化はそ
の程度・分布・場所が重要でありいくつかの弁輪破裂の危険性を予測できるパターンがある。左室流出路の石灰化も同様に注意が必
要である。ほかにも僧房弁疾患の程度・状態、左室内腔の大きさ状態も十分に評価することが重要である。有意な僧房弁疾患の併存
は術中に血行動態破たんをきたす可能性がある。僧房弁閉鎖不全が機能性か器質性かについては十分な検討が必要である。狭小な左
室内腔においては硬いワイヤーによる左室破裂をきたす危険性があり慎重なワイヤー操作が必要である。TAVI は解剖要件をこまや
かに評価することが重要であり、手術リスクは最重要事項ではない。
LS9
ハートチームで弁膜症に挑む
座長 : 高梨秀一郎(榊原記念病院 心臓血管外科)・渡辺 弘之(東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター・循環器内科)
〈座長の言葉〉
今、大動脈弁形成術の治療は大きい変換点を迎えつつある。特に El Kohley
の成功はこのプロセスを最も強力に推進させた。大動脈弁逆流は、外科医に
よって再定義され、画像診断を活用した逆流メカニズムの同定は、その解決
を明瞭に示した。そして大動脈弁複合体という考え方は、ハートチームの歴
史が作り上げた概念である。
大動脈弁形成術の目的は適切な大動脈基部サイズを選択し、弁葉の高さを
揃えて接合面積を増やすことである。そのためには少なくとも三つの条件が
ある。
1 central plication による大動脈弁の高さの調節
2 適切な弁輪サイズへの縮小
3 大動脈弁複合体の性状診断
である。
心エコー図はメカニズム診断から重症度の定量評価まで、その他の診断ツールにはない特徴である。近年では三次元データがその
価値を高めている。
今回のセッションでは、外科医から大動脈弁形成術の中身を学び、内科医から最新の心エコー図アプリケーションの成果を聞く。
この二つの情報が、皆様の症例に最適な治療法を提供することにつながれば幸いである。
共催セミナー
261
第26回日本心エコー図学会学術集会
EvS1
心臓 CT の包括的動脈硬化画像診断
共催セミナー
小山 靖史
桜橋渡辺病院 心臓血管センター 画像診断科兼放射線科
近年 MDCT は、冠動脈造影検査に代わり、非侵襲的心臓画像診断法として、広く臨床の現場で使用されるようになってきた。また
MDCT の多列化及び、ガントリー回転速度の高速化により、短時間で心臓全体のスキャンが可能となってきた。また得られた膨大な
画像データから、画像処理技術の進歩により、形態評価である冠動脈狭窄及び、プラーク評価、機能性状評価である心機能評価、心
筋性状評価など多くの情報を提供できるようになってきた。動脈硬化診断の形態評価から機能評価について非造影検査から造影検査
まで最新の情報も含め議論、検討を深めたい。
EvS2
心不全慢性期に ASV をどう使うか?:左室逆リモデリングを予測するためには?
竹内 正明
産業医科大学 第 2 内科学
心不全のディバイス治療として ASV は揺るぎない地位を確保している。心不全急性期に ASV を含めた陽圧マスク治療をすること
で、気管内挿管必要率は激減している。入院後の ASV の継続は薬物治療に相加的、相乗的効果をもたらし、入院期間の短縮に貢献
している。退院後の ASV 慢性治療は左室、左房の逆リモデリングを生じ、予後を改善することが報告されている。しかし全例に逆
リモデリングが生じるわけではないこと、治療費が高額であることはどのような症例に ASV を慢性期まで使い続けるのかの疑問を
投げかけている。また ASV 患者さんを外来で診ていると、状態が重症である人ほど長い時間 ASV を使用しており、コンプライアン
スが良いことが逆リモデリングを関係しているわけでは必ずしもないことが痛感される。本講演では左室逆リモデリングを予測しう
る心エコー指標を自験例からの解析結果から皆様に提示したいと思う。
EvS3
PMVR(Percutaneous Mitral Valve Repair)- Screening, Logistics, Guiding
Felix Kreidel
Asklepios Hospital St. Georg, Germany
Introduction into subject mitral valve/mitral regurgitation. Echocardiographic analysis of mitral valve with emphasis on screening
for PMVR(Percutaneous Mitral Valve Repair)
. Discussion of set-up in Hybrid-OR/Cath-lab. Presentation of a systematic approach
for guiding PMVR implantation. Case studies.
共催セミナー
262
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
EvS4
渦とエネルギー損失∼VFM の臨床応用∼
座長 : 竹中 克(日本大学板橋病院 循環器内科)
〈座長の言葉〉
日立アロカメディカルが開発した VFM・Vector Flow Mapping は海外からも高い評価を受け、欧州・米国・アジアへと大きな広
がりを見せていますが、「臨床現場においてどのように活用すれば良いのか?」との声が聞こえてきます。
本日は「渦の意義とは?エネルギー損失とは?どんな新しい情報が見えてくる?」等の疑問に対して、臨床の第一線でご活躍の先
生お二人との問答形式で板谷先生に解説していただきます。
さらに、ご講演として血流解析の最先端を走っておられる板谷先生から特に弁膜症に対する評価法についてわかりやすくお話しい
ただきます。
共催セミナー
263
索 引
座長索引
演者索引
セッション記号一覧
記号
セッション名
IL
Invited Lecture
IA
International Award Session
PCC
Pseudo-live Case Conference
SS
Special Session
BS
Basic Session
S
シンポジウム
SES
JSE2015 教育講演
ES
教育講演
EP
教育企画
U40H
Echo U-40 Club Meeting ―Research Hypothesis and Design Award―
U40A
Echo U-40 Club Meeting ―Research Achievement Award―
KCC
KSE Case Conference
YIA
Young Investigator s Award 審査会
IAS
JSE2015 Imaging Award for Sonographers
男女
男女共同参画委員会セッション
JB
JB-POT 講習会
Quiz
心エコーウルトラクイズ in Kitakyushu
O
一般口演
MP
一般 Moderated Poster
P
一般 Poster
LS
ランチョンセミナー
EvS
イブニングセミナー
MS
モーニングセミナー
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
■
【A-Z】
■
■ 座 長 索 引 ■■
眞田 純一 SES
■
EvS3
湯田
聡 SS1,YIA
柴山謙太郎 P2
中西 弘毅 P3
吉川 純一 IL5
庄野 弘幸 O3
那須 雅孝 SS3
芳谷 英俊 P2
菅原 重生 P1
西野 雅巳 O5
吉福 士郎 P3
鈴木 健吾 ES14
納富 雄一 MP5
吉牟田 剛 IAS
誠 PCC1
鈴木 真事 IAS
野村
赤阪 隆史 海外留学助成帰国報告会,
瀬尾 由広 S2
!
Song, Jae Kwan KCC
【あ行】
赤石
EvS2
【は行】
園田 信成 EvS1
浅沼 俊彦 SS1
【た行】
有田 武史 JB,P3
実 JB
羽田 勝征 IA
林
篤志 P6
研至 P4
石井 克尚 S1,YIA
大門 雅夫 IL6,ES8
林
石井 正浩 O12
高尾壽美惠 P2
原田
石津 智子 SS2
高木
厚 ES7
原田 昌彦 MP6
泉
高木
力 S1
平田久美子 ES12,YIA,P5
知里 ES9
伊藤 隆英 MP4
髙
伊藤
高梨秀一郎 LS9
福田 祥大 SS2
岩倉 克臣 S2
高野 真澄 男女
福西 雅俊 P4
岩瀬 正嗣 O8
高橋 秀一 O9
伏見 悦子 EP2
岩永 史郎 O15,LS4
宝田
藤本 眞一 P4
上松 正朗 O4
瀧聞 浄宏 SS4
別府慎太郎 IL2
宇都宮俊徳 O9
竹内 正明 U40A,U40H,
穂積 健之 ES10
浩 ES3
宇野 漢成
州亜 P5
明 O2
YIA
MS1,
LS3
平野
敬 LS7
本間
梅田ひろみ EP1,P1
竹中
麻植 浩樹 IAS
竹中 正人 P2
克 IL3,LS6,EvS4
大石
充 MS3
田中 伸明 P3
舛形
大木
崇 KCC
増山
大手 信之 ES5,LS5
田中 秀和 SS4
松尾
大西 哲存 O4
田中 康博 O2
松
大西 俊成 MP2
田邊 一明 SS3
馬原啓太郎 P3
岡山 英樹 MP1
谷
三神 大世 YIA
桶家 一恭 O14
種村
正 O15
水上 尚子 EP2,P4
田内
潤 ES8
水重 克文 O13
南方 謙二 PCC3
忠和 会長講演
村田 和也 ES2
加藤 雅彦
寺
文生
村田 光繁 O11
川合 宏哉 男女,P1
戸出 浩之 BS,YIA
森
一博 ES11
神吉 秀明 O13
遠田 栄一 IAS
森
隆之 P5
木佐貫 彰 ES13
土肥
桑原 栄嗣 P1
富田 文子 IAS
小板橋俊美 Quiz
富松 宏文 SS4
八木登志員 IAS
河野
豊田
安河内 聰 SS4
紺田 利子 P1
【さ行】
薫 O8
茂 P5
【な行】
【や行】
山浦 泰子 MP4
山岸 正和 ES1
山田
聡 ES4
中尾 伸二 MP2
山田 博胤 YIA,Quiz
坂田 好美 BS
中川 幹子 O5
山近 史郎 O6
坂田 泰史 U40A,MS2,
佐光 英人
仲敷 健一 P4
山野 哲弘 P6
LS1
仲宗根 出 MP6
山本 一博 PCC2,LS2
O3
中谷
湯浅 敏典 EP1
敏
U40H,
LS8,
望 PCC3
渡辺 弘之 PCC1,O11,LS9
汎 ES6
鄭
豊野 学朋 MP3
渡邉
益德 仁村レクチャー
団 真紀子 MP3
靖 P5
【わ行】
理 IL1
笠巻 祐二 O1
小柳 左門 O7
英宰 O7
尚 O14
増田 喜一 O6
PCC2
林
【ま行】
田中 教雄 IAS,O12
MP1
鍾大 MP5
博 O1
田中 信大 O10
【か行】
李
豊 SS4
大倉 宏之 IL4
知子 O10,P6
【ら行】
267
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
■
■
■ 演 者 索 引 ■■
青沼 和隆 S2-4,U40A-2,
【A-Z】
■
渥美安紀子 S2-4,YIA-1,
YIA-1,
O2-3,
O2-3,
P2-3-5
安藤 献児 IAS-2
安藤
寿 P4-4-2
Atkinson, Tami IA-1
O5-4,
O9-5,
穴井 聡子 P2-1-8,P3-1-2
安藤 博彦 MP1-3,P2-1-2
Berdejo, Javier U40A-4
MP1-5,
P2-3-5
安彦 千春 O14-5
安東
阿部
安藤萌名美 O4-5
青沼 達也 MP6-6
Dweck, Marc IA-3
青山
豊 O4-5,O11-3
P1-1-11,
安東由喜雄 P2-1-8,P3-1-2
Foster, Ted IA-1
赤石
誠 O5-1,P3-1-8
P6-2-11
安藤 義孝 U40A-1
Hong, Mi Kyeong IA-2
赤木 秀治 S1-3
安部 開人 P1-3-2
Jilaihawi, Hasan U40A-4
赤坂 和美 MP6-6,P3-1-4
阿部記代士 P2-3-10
Kim, Hyung Kwan IA-2
赤阪 隆史 S1-3,O10-4
阿部弘太郎 O12-4
井
Kim, Ji Hyun
赤崎 友美
阿部 春奈
飯尾千春子 S2-2,O8-1,
!
!
!
IA-2
!
!
Kim, Woo Shik KCC-2
MP4-4,
P1-2-11
明石 嘉浩 S1-1,YIA-5,
歩 O14-2,
恵 P2-2-11
Davidson, Brian P. IA-1
MP1-4
【い】
安部 治彦 S2-3
裕美 P5-2-9
MP6-2,
P5-4-1
Kim, Yong Jin IA-2
O4-4,
O15-4,
安部 晴彦 P1-2-8
飯島 雷輔 O11-6,P2-3-2
Lang, Roberto M. IL1,
MP4-6,
安部 裕美 IAS-9,P6-4-4
飯田
P3-3-10,
阿部 美保 P6-4-7
P3-4-7,
P5-1-8,
阿部 幸雄 PCC1-1,KCC-1,
MS1,
LS3
Lee, Sahmin IA-2
!
Lee, Seung Pyo
IA-2
O3-4,
P2-4-4
P5-4-9,
P6-3-5
修 MP5-6,P1-4-9,
P5-3-5
飯田 典子 EP2-1
飯田祐一郎 O11-2
Lee, Whal IA-2
赤松加奈子 O3-4,P2-4-4
天木
誠 SS3-2
飯田 良司 BS-3
Levine, Robert A. IL2
秋元かつみ MP5-4
天野
篤 MP6-5
飯沼 直紀 MP1-6
Lindne, Jonathan R. IA-1
秋吉 重康 O13-4,P1-3-6,
天野 哲也 MP1-3,P2-1-2
Liu, Ya Ni IA-1
Makkar, Raj
秋吉 妙美
U40A-4
!
!
Park, Eun Ah IA-2
Park, Jae Hyeong KCC-4
Popescu, Bogdan A.
Qi, Yue
P2-4-5
天野 秀生 P1-4-1
O13-4,
P1-3-6,
天野 裕久
P2-4-5
天野 雅史 YIA-4,O15-2,
阿古 潤哉 O11-2,P1-4-3,
IL6
P5-2-8
天野 里江
P3-1-12
飯野 貴子 O9-4,O11-4,
P1-4-6
家村 素史 O12-5
井形 幸代 P1-2-3
P3-1-10
五十嵐 崇 P5-1-12
S1-5,
KCC-3,
五十嵐真衣子 P6-2-7
浅井 邦也 O7-5
O2-2,
O9-2,
井川
Ruggeri, Zaverio IA-1
浅海 泰栄 U40H-2,O5-2
MP2-5,
P1-3-8,
生田 剛士 ES8-1
Shim, Chi Young IA-1
浅香真知子 P2-4-5
P4-3-1,
P6-4-7
井口 公平 MP1-6
Siegel, Robert U40A-4
浅川 雅子 P3-4-1
網谷 賢一 U40A-3
池亀
Sohn, Dae Won IA-2
浅田 綾子 MP4-5
新井光太郎 SS3-1,P4-2-7,
池田 和美 P2-2-4,P4-1-7,
IL4
浅田 高至 P1-2-9
IA-1
!
Song, Jae!
Kwan
P6-2-6
修 SS2-1,S2-1
翔 U40A-3
P4-2-3
Weissman, Neil J. IL5
淺沼 康一 P2-3-10
新垣 義夫 P1-4-1
池田 勝義 P2-1-8,P3-1-2
Woo Park, Seung IL3
浅沼 俊彦 O10-1,MP5-1
荒川 純子 P3-1-13,P6-1-3
池田俊太郎 P2-1-4
Xie, Aris IA-1
浅野
荒木
池田 隆徳 P1-1-9
Zhao, Yan IA-1
阿佐美匡彦 O1-4,P4-2-1
有川 拓男 P3-1-12
池田 尚子 MP6-3,P3-1-7
足利 敬一
U40H-4,
有沢早葵子
池田まどか P1-2-5,P4-3-8,
MP2-6,
P2-4-2,
有田 武史 PCC1-2,IAS-2,
【あ】
相川 幸生 U40H-2,O5-2
P3-1-15,
P6-1-5
有高 進悟 BS-5,S1-2,
P4-3-10
池田 祐毅 O11-2
池田 有利 P6-4-3
P6-2-5,
P6-2-8,
池田 善彦 SS2-2,ES4
芦田佳奈美 S1-4,IAS-5,
P6-3-7
池原 典之 O14-1
P1-2-7
芦原 京美 SS3-1,P4-2-7,
藍原 和史 P6-2-3
P6-2-6
相原 英明 U40A-2
安達
青木 和浩 P6-4-8
安達 太郎 P1-1-8
青木 二郎 O1-4,P4-2-1,
安達 和子 O8-2,P6-1-1,
昭 P3-4-2
P6-2-7
P6-3-6
青木
朋 P3-4-2
安達名緒子 P1-2-9
青木
浩 S1-3
足立 優也 P6-3-6
268
MP1-3,
P2-1-2
安喰 恒輔 P3-4-1
P3-2-3,
P4-2-2,
P6-4-2
勉 P2-2-3
LS8-2
P4-3-4,
P5-3-3,
相澤 直輝 O1-2
相澤 芳裕 P1-3-3,
奏 O6-3
有高 雅美 S1-2
池宮城秀一 O1-2
有馬
健 P3-2-3
生駒 卓宏 P4-4-6
有馬 隆幸 P3-1-9
生駒 剛典 P3-1-5
有馬 美樹 P5-1-11
井坂
有吉
石井 潤一 P1-1-4,P5-1-4
亨 IAS-6,O14-3,
葵 P5-3-6
MP6-1,
P2-3-6,
石井 俊輔 O11-2,P5-2-8
P3-2-2
石井 徹子 O3-5,P4-4-1
安斉 俊久 SS3-2,U40H-2, 石井 正浩 P1-4-3,P4-4-2
O5-2
石井 庸介 P1-3-4
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
石垣多佳子 MP2-1
P1-1-10,
井上 奈緒 P4-4-3
石垣 瑞彦 P4-4-3
EvS4-2
井上
【う】
博 P1-4-8
石神 修大 MP3-5
板橋 裕史 U40A-4,YIA-6
井上 裕之 P1-2-8
William C., Little P1-1-3
石上 友章
市川 絢子
井上 美紀
上岡
P1-3-2
O14-2,
P6-2-11
MP3-1
亮 P4-3-10
石神 徳郎 P4-2-6
市田 蕗子 P1-4-8
井上 陽子 IAS-8,P2-2-1
植木 理絵 P1-3-7
石川 司朗 P4-3-2
一戸香都江 MP4-4,P1-2-11
井上 洋平 P2-4-2
上坂 浩司 P3-3-6,P6-1-4
石川 貴充 P5-3-12
一宮 千代 MP3-1
猪子 森明 P4-2-4,P6-3-2
上嶋 徳久 BS-4,O13-1,
石川 哲憲 P3-2-7,P5-1-9,
一山
猪又 孝元 O11-2,P1-4-3,
智 P2-1-1
植島 里佳 P3-1-1
出野由美子 P4-4-12
伊波 拓也 P5-2-9
上杉陽一郎 P5-3-6
井手本明子 O4-3,P5-4-2
井福 俊允 P4-3-2
上田 智広 P2-2-8
石川 利之 P1-3-2
伊藤
今井孝一郎 P2-4-1,P4-1-3,
植田 初江 P2-1-7
石川 昌弘 U40A-3
伊東 風童 P2-4-4
石川 陽子 O11-6
伊東 勘介 O6-3,P4-4-7
今井 昌康 P5-3-6
上谷 晃由 O8-1,MP6-2
伊敷 哲也
伊藤 恭子
今井 靖子
上野 彰子 P3-1-14
石川 哲也 P3-3-2,P3-4-3,
P4-4-5,
P5-2-1
O1-2
井手口武史 P3-2-7,P5-1-9
O14-4
P5-2-8
P5-3-3
歩 O4-5,O11-3
U40A-1
P6-3-3
O15-1
上田 寛修 MP3-4
石坂 信和 P6-4-3
伊藤 浩司 P6-3-8
今井夕紀子 P3-4-2
上野 悟史 S1-3
石田 明彦 P4-4-4
伊藤さつき O13-2,P1-1-4,
今西 孝充 IAS-4,MP5-5
上野 理絵 O8-1,P5-4-1
今村華奈子 P3-1-2
上間 貴子 O3-2,O13-3,
石田 敦久 P6-2-9
P5-1-4,
P5-1-7
石田 悟朗 O8-4
伊藤 順子 P1-3-7
今村 沙梨 P3-1-10
P1-3-9,
P2-1-3,
石田 秀岐 U40A-1
伊藤 新平 O8-2,P6-1-1,
井本 宏治 P2-4-8,P3-2-4,
P2-1-5,
P2-2-4,
石田 万理 P6-4-5
石津 智子 S2-4,EP2-1,
P6-3-6
P4-1-7,
P4-2-3,
井本
U40A-2,
YIA-1,
伊藤 隆英 PCC2-3,P6-4-3
入江まゆ子 MP6-4
植松 庄子 O6-3,P4-4-7
男女-3,O2-3,
伊藤 朝広 P2-4-9,P3-4-5,
岩上枝里香 MP5-1
上松 正朗 男女-5,O6-4,
O5-4,
O7-3,
MP5-6,
P1-4-9,
P5-3-4,P6-1-2
岩佐 裕介
P5-3-5
P2-3-5
伊藤 記彦 P4-4-13
石橋万亀朗 MP6-4
O12-2,
P3-3-8,
P1-4-6
伊藤
浩 IAS-3,IAS-7,
MP3-1
岩澤 伸哉 O2-5,O3-1,
宏 O9-4,O11-4,
MP4-3
P5-2-7
岩畔 哲也 S1-3
伊藤 敦彦
伊藤
浩 SS4-4
P5-2-2
O9-5,
MP1-5,
石塚 淳史 U40A-3
石橋 健太
P4-1-9
伊藤 慎八 MP4-3,P2-3-9
上村 和紀 U40H-2,O5-2
植屋 奈美 S1-6,O15-3,
P2-2-10
P5-2-4
岩島
覚 P4-4-3,P5-3-12
氏家 道夫 MP1-4
石橋 正博 P3-3-1
O7-4,
P1-2-5,
岩瀬 晴香 P6-3-9
氏野 経士 P4-4-11
石原 健一 P4-3-2
P4-3-8,
岩瀬 正嗣 O13-2,P1-1-4,
牛ノ濱大也 P4-3-2
石原 嗣郎 U40A-3
P4-3-10,
P5-1-4,
P5-1-7,
碓井 伸一 P3-4-1
石原 隆行 MP5-6,P1-4-9,
P4-4-8,
P5-2-10
P5-3-7
臼井
P5-3-5
泉
泉
岳 SS4-6
知里 YIA-4,O15-2,
真 IAS-9,P6-4-4
伊藤 正明 P3-4-4
岩田
究 P1-3-2
宇宿 弘輝 P6-2-1
伊藤 由美 O8-1
岩田 真一 P2-4-9,P3-4-5,
内川 智浩 P4-1-2
稲井
慶 O3-5,P4-4-1
P5-2-2
内田 剛敬 P3-1-9
稲尾 杏子 P1-4-8
岩田 祐輔 MP3-3
内田真由美 P1-3-5
和泉 俊明 P4-2-4,P6-3-2
稲毛 章郎 P3-3-8
岩瀧 麻衣 O3-2,P1-3-9,
内山 弘基 P5-3-12
泉
O2-5,
O3-1,
稲波
O12-2,
P3-2-1,
伊波
P3-3-8,
P5-2-4,
乾
P6-3-10
犬塚
P3-1-10,
LS8-1
祐樹
整
秀 P3-1-12
礼興 P6-3-4
斉 O13-2,P1-1-4,
出雲 昌樹 S1-1,YIA-5,
礒
SS3-4
P5-1-4,P5-1-7
P5-2-7
内山 賢子 P1-4-8
岩塚 良太 P3-3-4
檮木 優哉 P4-4-10,P6-2-2
岩永
宇都宮裕人 YIA-6
大 O6-4
岩波 裕史 O6-3
宇野 漢成 O2-4,O8-5,
岩野 弘幸 海外留学助成帰国報告会,
MP5-3,
P2-2-11
O15-4,
MP4-6,
犬塚
亮 O7-1
O7-3,
O14-2,
馬詰
P3-3-10,
猪野
靖 O10-4
P1-1-3,
馬詰 智子 MP4-1
P3-4-7,
P5-1-8,
井上 一郎 P4-1-1
P1-1-11,
梅木 一美 P3-2-7
P5-4-9,
P6-3-5
井上 勝次 S2-2,O8-1,
P6-2-11
梅木 俊晴 O13-4,P1-3-6,
良崇 P3-1-7
磯貝 俊明 O6-3
武 P5-1-3
O10-1,
MP5-1,
岩橋 徳明 MP2-2
MP6-2,
P5-4-1
岩淵 成志 O1-2
梅澤 滋男 P4-4-10,P6-2-2
P2-4-5
磯谷 彰宏 YIA-3,O3-3
井上 勝美 P3-3-1
岩見裕美子 P2-2-2,P5-1-5
梅津健太郎 P2-1-6
板倉 良輔 P3-3-2,P3-4-3,
井上 宗信 P5-1-1
岩村 世晴 O10-2,MP2-3,
梅田ひろみ IAS-2,O6-1,
板谷 慶一
P4-4-5,
P5-2-1
井上 晃男 P3-1-12
O7-1,
MP5-4,
井上 寿久
P2-4-7
P4-1-4
P3-3-1
梅津 華織 P3-2-5
269
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
梅村
敏 P1-3-2
大川 洋平 P3-4-2
大西 隆行 P4-4-10,P6-2-2
岡庭 裕貴 O12-1,P5-3-2
梅村
純 P3-2-1
大木 隆史 P6-4-2
大西 哲存 O2-1,O10-5,
岡野 智子 P2-2-11
O11-1,
P5-2-5
岡野 典子 P6-4-10
P3-1-6,
P6-2-10
岡野 光真 P6-3-2
浦田真樹子 ES5
浦山 直樹
大木元明義 S2-2,O8-1,
P2-3-8
海野 哲治 IAS-2,O6-1,
P3-3-1
【え】
MP6-2,
P5-4-1
大久保亜友美 P2-3-10
大西 尚昭 P3-1-10
岡橋 典子 P6-4-8
大久保輝男 P3-3-2,P3-4-3,
大西 祐子 P4-4-10,P6-2-2
岡林
大沼 秀知 P3-4-4
岡林真梨恵 P5-2-11
大野 香奈 MP5-4,P1-1-10
岡部 裕美 S1-4,IAS-5,
P4-4-5,
P5-2-1
大蔵 隆文 S2-2,O8-1,
江石 清行 MP4-5
江神 康之 O4-3,P5-4-2
MP6-2,
P5-4-1
大倉 宏之 P2-4-1,P4-1-3,
江口 明世 YIA-2,O5-3,
MP5-2
大西 俊成
P6-3-3
大郷
剛 U40H-2,O5-2
均 P2-3-4,P3-3-3
大野 誠子 O14-5
P1-2-7
大野 貴之 P6-2-7
岡部 正隆 P1-1-2
大野 猛三 P3-4-2
岡部 雄太 O6-3
大野 真紀 P3-3-4
岡松 秀治 P5-1-2
江口 駿介 O4-5,O11-3
大坂 友希 P5-4-8
大野 雅文 P4-1-1
岡本 一真 P3-1-8
江口 紀子 IAS-8,O1-5,
大崎
大野 睦記 O6-3
岡本
司 O11-6
大澤 和宏
P5-4-7
大下依里子 O6-4
P1-2-5,
P4-3-8,
岡本 直高 O4-3,P5-4-2
大下 千景 男女-2
P4-3-10,
P4-4-8
岡本 公志 P4-1-3,P6-3-3
江口 春樹 P2-4-8,P3-2-4,
O7-4
大野 佑子
慎 MP5-6,P1-4-9,
P2-2-1,
P5-4-3,
IAS-3,
O7-4,
P5-3-5
大島 清孝 P2-1-4
大畑 早苗 O6-4
岡山 昭彦 P3-2-7
江口美知子 P2-2-7
大島
大林 光念 P2-1-8,P3-1-2
岡山 悟志 P6-3-1
江後 京子 P2-2-2,P5-1-5
大嶋 秀一 P6-2-1
大原 貴裕 SS3-2,P1-1-3,
岡山 英樹 P1-1-5,P1-1-6
江島 健一 O1-1
大城 克彦 O1-2
江藤 政尚 P2-1-5
大園 七瀬 P2-2-10
榎本操一郎 P3-1-10
太田 剛弘 P4-1-8,P6-1-8
O13-5,
P4-1-5,
小川 恭子 P3-1-1
江波戸美緒 MP6-3,P3-1-7
太田 哲郎 男女-4,O1-3,
P4-1-9
茂 O12-1,P5-3-2
江原 夏彦 MP4-3,P2-3-9,
P4-2-5
蝦名
太田 光彦
P1-2-9
大原美奈子 BS-5,S1-2,
小川 一英 P4-2-9
小川 一矢 P6-4-8
P5-2-6,
小川 哲也 U40A-1
P1-3-11
P5-3-10,
小川 久雄 U40H-2,O5-2
O2-5,
O3-1,
P6-2-4,
P6-2-8,
小川
P6-3-7
小川 幸宏 P4-4-12
優 P3-2-5
冴 O15-5
O12-2,
P3-2-1,
遠藤 昭博 O8-2,P6-1-1,
P3-3-8,
P5-2-4,
大平 美穂 P2-1-7,P2-2-3
沖
P6-3-10
大藤 蛍子
小木曽正隆 O6-3
P6-3-6
遠藤 桂輔 O4-2,P2-3-1,
P2-4-6
P4-2-10,
P5-1-6
太田 庸子 男女-4,P1-3-11
大前 嘉良 S1-3
荻野 佳代 P1-4-1
大滝 英二 S1-1,YIA-5,
大宮 一人 P3-3-10,
沖野 清美 P4-2-10,P5-1-6
遠藤 教子 O8-4
MP4-6,
P5-4-9
P3-4-7,
P6-3-5,
荻野
P6-4-6
奥田 真一 IAS-6,O14-3,
遠藤美奈穂 P4-2-10,P5-1-6
大瀧陽一郎 MP1-2
遠藤由美子 P4-2-9
大竹沙矢香 P1-4-5,P6-3-8
大村 寛敏 MP6-5,P2-3-3
大竹 睦美 P3-4-1
大屋 祐輔 O1-2
大谷 恭子 O3-2,O4-4,
岡
俊治 P4-1-1
【お】
都麦 MP5-5
均 O15-1
MP6-1,
P2-3-6,
P3-2-2
奥野 翔太 MP5-6,P1-4-9,
及川 雅啓 P1-1-7,P4-2-9
O13-3,
P1-3-9,
岡
徳彦 P1-4-3
尾池
史 P6-2-1
P2-1-3,
P2-1-5,
岡
雅通 O10-1,MP5-1
英正 MP3-5
P2-2-4,
P4-1-7,
岡崎 浩一 P6-3-6
奥村 謙一 P1-2-2
P4-2-3,
P5-2-7
小笠原智恵子 P3-1-15
奥村 弘史 MP4-1
岡田 一範 O14-2,
奥本 泰士 S1-3
王
逢坂 大樹 MP3-5
P5-3-5
奥村
謙 MP4-4
近江 哲生 P1-3-7
大谷 晃司 P4-4-13
麻植 浩樹 IAS-3,IAS-7,
大谷 幸代 MP6-4
P1-1-11,
奥山 倫弘 MP3-5
O7-4,
P1-2-5,
大谷 朋仁 P3-1-6,P6-2-10
P1-2-4,
P5-1-3,
小倉 文子 P6-4-3
P4-3-8,
大谷 速人 P3-1-5
P6-2-11
小椋 康弘 O4-5,O11-3
P4-3-10,
大塚 明子 S1-4,IAS-5,
P1-2-7
P4-4-8,
P5-2-10
大井 邦臣 P4-1-1
大塚憲一郎 O5-5,MP2-4
大井由紀子 P2-3-10
大塚 健紀 O11-6,P2-3-2
大石
大塚 伸子 P3-3-2,P3-4-3,
充 S1-6,ES14,
O15-3
P4-4-5,
P5-2-1
岡田 顕也 P4-4-6
尾崎 杏奈 P1-3-2
岡田 清治 男女-4,O1-3,
尾崎
P1-3-11
岡田 大司 O8-2,P6-1-1,
大江 宏康 P4-4-9
大月 審一 MP3-5
岡田 昌子 P3-1-1
大岡 順一 U40H-1,IAS-4,
大手 信之 O7-2,O7-3,
MP5-5
大角 友紀
270
P1-4-8
大友建一郎
尾崎 行男 O13-2,P1-1-4,
P6-3-6
岡田 隆之 O9-3
健 P4-4-11
尾崎 重之 P2-3-2
P5-1-4,
P5-1-7
小澤 公哉 O4-1,P1-2-6,
P5-3-8,P5-3-9
岡田 行功 SS3-4
小澤 達也 SS3-3,P6-1-8
O14-1,
P1-1-1
尾形 裕里 P4-3-9
小田
P5-4-8
岡田 仁克
P6-4-3
強 P2-4-8,P3-2-4,
P4-1-9
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
尾田 知之 P4-4-11
角田 美鈴 P1-4-8
小田 康子 P2-2-8
欠端 仁美 O11-6
加納 昭子 P6-4-10
川又 美咲 P3-1-12
小田代敬太 ES6
掛札 雄基 U40A-2
狩野 実希 O3-5
川松 直人 YIA-1,O2-3,
尾辻
会長講演,
O3-2,
影山 仁美
嘉納由美子
O4-4,
O13-3,
風谷 幸男 P1-1-5,P1-1-6
鎌田
P1-3-9,
P2-1-3,
笠野 健介 P4-4-10,P6-2-2
鎌田 知子 P5-3-8
河村
P2-1-5,
P2-2-4,
笠原 真悟 P4-3-10
鎌田 康彦 BS-5,S1-2,
河村 朗夫 P1-4-4
P4-1-7,
P4-2-3,
笠原みづほ P3-4-7,P6-3-5
O13-5,
P4-1-5,
川村
P5-2-7
笠巻 祐二 P3-1-15
P5-3-10,
河村 道徳 P2-2-8
笠本
P6-2-4,
P6-2-5,
川村理恵子 P3-4-6
P6-2-8,
P6-3-7
豊
鬼木 秀幸 P5-2-9
小野 和重 IAS-8,P2-2-1
小野
環 P4-4-8
小野眞守美
MP6-4
P4-2-5
神下 耕平 IAS-8,O1-5,
神崎 秀明 SS3-2,U40H-2,
加田 賢治
小野寺一義 P3-4-1
小野寺健太 P1-3-4
豪 P1-1-5,P1-1-6
晋 P1-2-10
P5-4-7
片岡 翔平 P6-2-6
愛 P4-1-3,P6-3-3
龍 O2-3,P2-3-5
P3-2-6
片岡 明久 海外留学助成帰国報告会
川向 美奈 P2-3-10
神崎
P2-2-1,
P5-4-3,
小野 裕一 P5-4-8
O5-4,
P2-3-5
川村
粕谷佳菜子 P6-4-6
小野 安生 P4-4-3
豊 P1-2-7
神尾 恭弘 MP4-1
P4-1-6
加地修一郎 MP4-3,P2-3-9,
川人
IAS-4
武 P2-3-4
学 MP4-3,P2-3-9,
鬼塚 久充 P2-4-3,P3-2-7,
P5-1-9
P1-1-4
P3-3-7
觀田
学 P2-2-9
亮 YIA-5,O15-4,
神田 貴史 O6-4,MP5-6,
MP4-6,
P5-4-9
P1-4-9,
P5-3-5
片岡 武史 O6-4
神谷 匡昭 P2-2-2,P5-1-5
神田 竜平 MP1-3,P2-1-2
片岡 容子 BS-4,O13-1
上西 洋二 O5-1
小幡 朋愛 MP6-4
潟手 祐子 P6-1-3
神谷千津子 ES9-1
小原 聖勇 P4-2-6
葛
【き】
神谷 宏樹 O4-5,O11-3
木岡 秀隆 P3-1-6,P6-2-10
小船井光太郎 MP4-1
P2-2-1,
P5-4-3,
嘉村 幸恵 P3-3-3,P3-4-6
菊池 有史 U40A-3
小保方 優 U40A-1,O8-3,
P5-4-7
蒲原 啓司 O13-4,P1-3-6
菊池純一郎 P3-1-14
MP1-1,
P5-4-4
備 IAS-8,O1-5,
上嶋
O5-2,
P1-2-9
勝木 桂子 EP1-4,P3-1-6,
小俣 諭子 P2-2-7
小室 拓也
O4-2,
P1-4-1,
勝然 秀一
P2-3-1,
P2-4-6
表
俊也 U40A-3
面家健太郎
MP3-3
角
茅野 博行 P1-1-8,P4-3-7
菊池 祥平 O7-2,O14-1
P6-2-10
萱場 広之 P1-2-11
規矩智千絵 O2-5,P3-3-8,
P3-1-13,
辛島 千尋
P4-2-6,
P6-1-3
加留部貴子 IAS-2,O6-1,
秀秋 P4-3-2
角 裕一郎
O3-2,
O4-4,
P5-2-6,P6-2-4
川井 順一
MP4-3,
P2-3-7,
O13-3,
P1-3-9,
P2-3-9,
P4-2-5
小山 有希 P1-2-11
P2-1-3,
P2-1-5,
川合 宏哉 O2-1,O10-5,
折居
P2-2-4,
P4-1-7,
誠 O10-4
【か】
貝谷 和昭 YIA-4,O15-2,
P3-1-10
加賀 早苗 EP1-3,O14-2,
O11-1,
P5-2-5
P1-2-7
木佐貫 彰 S1-6,ES14,
O15-3,
P2-2-10
岸
孝彦 MP1-3,P2-1-2
吉敷香菜子 O2-5,O3-1,
川内 喬矢 P6-2-4
O12-2,
P3-2-1,
加藤 真吾 MP1-6
川浦 範之 P1-3-2
P3-3-8,
P5-2-4,
加藤 大志 O4-3,P5-4-2
川上 崇史 SS2-4
加藤 貴雄 P4-2-4,P6-3-2
川上 大志 S2-2
岸本慎太郎 O12-5
加藤 寿光 P6-2-3
川口 珠巳 P6-4-6
稀代 雅彦 MP5-4,P1-1-10
加藤 倫子 MP5-3,MP6-5,
P4-2-3,
P5-2-7
P1-1-11,
P1-2-4,
P6-2-11
木越紗和子 S1-4,IAS-5,
P3-3-1
小山耕太郎 MP3-4
渡橋 和政 ES12,JB-4
P5-2-4
加藤 友大
P6-3-10
川崎 達也 P2-2-2,P5-1-5
木田 圭亮 MP4-6
P2-3-3
川尻 剛照 P2-1-7,P2-2-3
北
徹 P4-2-5
P4-1-2
川瀬 共治
北井
豪 MP4-3,P2-3-7,
P4-2-10,
P5-1-6
香美 祥二 P1-2-1
加藤奈穂子 P6-2-7
河田 順子 S1-2
P2-3-9,
P4-1-6,
加川 俊介 O3-4,P2-4-4
加藤 美穂 P5-1-4
川田 貴之 O2-4,O8-5,
P4-2-5
柿崎 良太 O11-2,P1-4-3,
加藤 靖周 P5-1-7
P5-2-8
柿原
加藤ゆず子 S1-4,IAS-5,
MP5-3,
P2-2-11
北井 仁美 P3-1-7
川田 好高 P1-1-5,P1-1-6
北岡 裕章 P4-2-8
準 P5-2-2
P1-2-7
川浪のぞみ MP4-5
北川 篤史 P4-4-2
鍵本美奈子 P1-3-2
加藤 隆一 P1-3-7
河野 誠司 MP5-5
北島
鍵山 暢之 BS-5,S1-2,
門田 一繁 O4-2,P1-4-1,
河野 仁美 P4-1-8
北田 弘美 P3-1-1
P2-3-1,
P2-4-6,
河野 裕志 MP4-1
北村 和雄 P1-3-5,P3-2-7,
P5-2-3
河端 哲也 P2-4-8,P3-2-4,
O6-2,
O13-5,
P3-3-7,
P4-1-5,
勲 P1-4-8
P5-1-9,
P5-3-3
P5-2-6,
門田 久紀 P2-1-4
P5-3-10,
金澤 晃子 O8-4
河端奈穂子 MP6-6
城戸亜耶乃 P2-1-8
P6-1-7,
P6-2-4,
金子 克己 P6-2-3
河原 吾郎 P1-4-5,P6-1-6,
城戸 輝仁 P5-4-1
P6-2-5,
P6-2-8,
金子 堯一 P4-3-7
P6-2-9,
P6-3-7
金綱 英夫
O6-2,
P3-3-4,
P4-1-9
川原 瑞紀
北村 英樹 SS3-3
P6-3-8,
P6-4-1
鬼頭真知子 P4-4-3
P2-4-6
絹田 泰三 P3-1-14
271
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
木野 旅人 P1-3-2
P4-3-1,
P6-4-7
木下 千春 P4-3-5
楠瀬友季子 O11-6,P2-3-2
木下 秀之 P3-1-11,
楠原 隆義 O1-4,P4-2-1
桑野 和代 P3-1-10
小林 沙織 P2-2-10
楠原 義隆
桑原 大門
小林さゆき P2-2-7
P5-2-11
木下
愼 MP4-3,P2-3-9,
P4-2-5
P5-4-9
U40H-4
小林 憲恭 P2-2-9
桑原 知恵 P6-4-10
小林 紘生 P6-3-9
桑原 直樹 MP3-3
小林 真紀 MP5-4,P1-1-10
P3-3-5,P4-3-3
工藤 珠実 IAS-2,O6-1,
【こ】
P3-3-1
工藤 樹彦 P3-1-8
小池
鬼平
工藤 嘉公 O12-5
小泉 信達 O15-1
國金 正宏 IAS-8,P2-2-1
小板橋俊美 O11-2,P1-4-3,
金
基泰 MP4-3,P2-3-7,
成海
P2-3-9,
P4-1-6,
国沢 卓之 JB-5
P4-2-5
國原
P4-4-3
久保 隆史
木村 一雄 MP1-6,P1-3-2
孝 LS9
聡 P2-2-4,P4-1-7,
P4-2-3
木村さゆり O5-1
剛 P2-1-1,
熊谷亜希子 P2-3-4,P3-3-3,
P3-4-6
熊谷 和也 P3-3-3
熊谷 浩司 O12-1,P5-3-2
P5-2-11
熊谷 基之
O10-3,
MP2-6,
黄
P3-1-11
小林 欣夫 O4-1,MP4-1,
P1-2-6,
P5-3-8,
P5-3-9
小堀 敦志 P4-2-5
駒井 真悠 P1-2-11
小松 愛子 O13-4,P1-3-6,
JB-3
小岩屋 宏 U40H-4,
P2-4-5
小松 寿里 P4-4-4
MP2-6,
P3-4-8,
小松 宣夫 O8-4
P5-1-11
小松 美代 P3-4-8,P4-3-4,
世捷 YIA-5,O15-4,
久保田芳明 O7-5,P1-3-4
P3-1-11,
木村 俊之 U40H-4,
小出 康弘
窪田 由季 O14-5
木村 純人 P1-4-3,P4-4-2
木村
P5-2-8
小出 雅雄 P1-2-8
窪田佳代子 ES3,O15-3,
P2-2-10
小林 洋一 P1-1-8,P4-3-7
朗 O2-3
P5-4-10
MP5-3,
P2-2-11
木村
O10-4
久保田 功 MP1-2,P5-4-5,
木村 桂三 S1-3
木村 公一 O2-4,O8-5,
小林 一士 P4-4-10,P6-2-2
桑原 尚志 MP3-3
木原 康樹 P6-4-10
金
淳 P1-1-7,P4-2-9
工藤 丈明 P1-3-10,
木場久美子 MP1-3,P2-1-2
聡 O9-4
小林
工藤 幸子 P3-3-3,P3-4-6
木下 将城 P1-1-5,P1-1-6
木下 ゆい P2-1-8,P3-1-2
P6-2-7
桑田 真吾 YIA-5,MP4-6,
P6-1-5
MP4-6,
P5-1-8,
小松 龍士 O3-4,P2-4-4
P5-4-9
駒村 和雄 YIA-2,O5-3
光島 隆二 O11-5
小宮 達彦 P2-4-6
胡内 一郎 P3-1-9
小宮 憲洋 P1-3-5
河野 珠美 S2-2,O8-1,
小室 一成 O2-4,O8-5,
P5-4-1
河野
通
P3-2-3
熊御堂 慧 P6-3-6
河野美穂子 ES5
久米 輝善 P2-4-1,P4-1-3,
河野
靖 O5-5
MP5-3
米田 正始
SS3-3,
P4-1-8,
P6-1-8
子安 正純 P3-1-3
古浦 賢二 P5-4-8
小山 卓也 S1-2
久米田麻衣 P1-2-11
小口 徳之 P3-1-13,P6-1-3
古山 輝將 P4-1-3,P6-3-3
倉岡 彩子 P4-3-2
小暮 周平 SS3-4
小山 靖史 EvS1
木村 昌弘 P4-2-4,P6-3-2
蔵垣内 敬 P1-3-1
小島 佳也 P1-2-11
是恒 之宏 P1-2-8
木村 美香 P4-4-9
倉田 征昭 MP6-3,P3-1-7
古島 早苗 MP4-5
権
木村裕一郎 P1-3-2
倉信 裕樹 P1-2-10
小杉 理恵 O5-1,P3-1-8
紺田 利子 MP4-3,P2-3-7,
木村 祐樹 P4-2-4,P6-3-2
倉林 正彦 U40A-1,O8-3,
小平まさみ O5-1
P6-3-3
P2-4-2,
P6-1-5
木村 朋生 P1-2-5,P4-3-8,
P5-2-10
木村
豊 P3-2-5
木村由美子 MP4-5
小谷 敦志 EP2-4
近藤 博和 P3-1-10
P5-4-4,
P6-2-3
小谷晃一郎 O10-1,MP5-1
今野佐智代 P3-1-12
栗原
許
栗山 根廣 U40H-4,
行徳 大紀 MP1-6
清國 雅義 P1-3-2
P2-3-9,
P4-2-5
MP1-1,
P4-4-6,
久野 越史 P3-1-7
敞一 P6-2-1
寧博 P6-4-2
顕 P5-4-8
兒玉 和久 P5-1-2
【さ】
児玉 祥彦 P1-4-2
MP2-6,
P2-4-2,
後藤 依里 O12-1,P5-3-2
崔
P5-3-3,
P6-1-5
星河 YIA-1
後藤 拓哉 MP3-5
齊川 祐子 O15-5,MP3-2
桐ケ谷英邦 MP1-6
Kreidel, Felix EvS3
後藤 利彦 O14-1
西條 良仁 O2-2,P4-3-1
金
黒川 文夫 P4-2-7
後藤 信之 P1-3-7
齋藤 章宏 P6-3-9
金城 公貴 MP4-4
一 P3-2-1
黒木 恵美 P2-4-3,P5-1-10
後藤 浩子 MP3-3
齋藤 清美 O2-5,O3-1,
金城 玉洋 PCC3-2,P4-3-3
黒沢 幸嗣 U40A-1,O8-3,
後藤 浩実 MP4-2
【く】
MP1-1,
P4-4-6,
後藤
P5-4-4,
P6-2-3
後藤 峰弘 MP1-3,P2-1-2
光 P3-2-5
斎藤 修一 P1-1-7
齋藤 千恵 O6-2,P3-3-4,
釘宮 史仁 P6-2-1
黒澤 毅文 P1-3-3,P4-2-2
後藤 友紀 P3-1-2
草川 由佳 MP1-6
黒田 俊介 P3-3-4
後藤 礼美 P6-2-6
楠岡 英雄 P1-2-8
黒田 紘章 P6-3-6
琴岡 憲彦 O13-4,P1-3-6,
楠瀬 賢也 S1-5,U40H-3,
黒田真衣子 P3-1-10
272
O12-2,
P3-3-8,
P5-2-4
P3-3-7
齋藤 千紘 SS3-1,P4-2-7,
P2-4-5
P6-2-6
KCC-3,
O2-2,
黒田 芳明 P2-2-8
小西 英子 P2-2-2,P5-1-5
齊藤
O7-3,
O9-2,
黒羽根彩子 O15-1
小沼 善明 P2-2-7
斎藤菜々子 P4-2-6
MP2-5,
P1-3-8,
桑木
木庭 新治 P1-1-8
齋藤 紀先 P1-2-11
恒 P4-4-11
央 MP1-6
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
斎藤 寛美 MP1-4
佐々木健人 O12-1,P5-3-2
斉藤 正博 MP5-4
佐々木達海 P3-3-2,P3-4-3,
齋藤 美有 O14-5
齋藤 佑記
P3-1-6,
P6-2-10
澤田 康裕 P4-1-2
【し】
P4-4-5,
P5-2-1
佐々木伸子
斎藤 能彦 P6-3-1
BS-4,
O13-1,
椎野 憲二
O14-4
西楽 顕典 P4-1-1
佐々木史穂 MP4-4,P1-2-11
佐賀 俊彦 EP2-4
佐々木康博 P4-2-5
坂井 貴光 S1-4,IAS-5,
佐々木裕夏 O6-2,P3-3-4,
島田 健永 O5-5,MP2-4
島田 俊夫 O9-1,P2-3-8
島田 教子 P4-2-6
O13-2,
P1-1-4,
島田
P5-1-4,
P5-1-7,
嶋田 芳久 P2-4-4
P5-3-7
嶋谷 祐二 P4-1-1
シェップマーレン YIA-3,
O3-3
塩川 則子 O1-4,P4-2-1,
恵 O5-1,P3-1-8
島袋 篤哉 MP3-2,P2-1-6
島屋 真希 ES1
清水 茂雄 P5-4-8
P1-2-7
P3-3-7
酒井 佳夫 P4-4-9
佐々木義浩 P2-2-9
P6-2-7
清水
武 P4-4-1
酒井 良彦 P2-2-7
笹倉 明子 MP6-4
塩崎 真弓 P1-4-8
清水
力 P6-2-11
坂上 直子 P3-4-2
笹子 佳門 P3-1-1
塩島 一朗 O9-3,P2-2-5,
清水 俊明 MP5-4,P1-1-10
榊原 智晶 P3-1-5
佐田 政隆 S1-5,KCC-3,
榊原
守 O7-3,P1-2-4
坂口 元一
O9-1,
P2-3-8
坂口 佐知 MP5-4
P5-4-6
清水 信隆 O7-1
O2-2,
O9-2,
塩田 隆弘 U40A-4,YIA-6
清水 秀晃 P2-1-4
MP2-5,
P1-3-8,
塩野 元美
志水 秀行 P3-1-8
P4-3-1,
P6-4-7
P3-1-15,
P4-2-2
塩野 泰紹 O10-4
清水 弘治 O1-3
坂口 大起 P1-2-8
佐竹 理恵 S1-3
塩見 哲也 IAS-9,P6-4-4
清水美妃子 O3-5
坂口 太一 BS-5,P6-2-5,
清水
貞末 信幸 O6-1,P3-3-1
鹿田 智揮 BS-1,O1-1
P6-2-8,
P6-2-9,
佐藤 麻美 MP4-2
四方 典裕 P4-3-5
P6-3-7
佐藤明日香 P3-4-2
鹿野由香理 O8-1
占野 賢司 O3-4,P2-4-4
坂口 智子 P2-2-2,P5-1-5
佐藤 英二 P4-4-4
鴫原 祥太 U40A-3
下浦 広之 U40H-1,IAS-4,
坂口能理子 MP4-5
佐藤惠美子 P1-2-9
重松 明男 P6-2-11
坂田 好美 P5-3-6
佐藤 希美 YIA-1,O2-3,
重松 達哉 P1-1-5,P1-1-6
下村 光洋 O13-4
坂田 晋史 P1-2-10
渉 U40A-3,O5-2,
O7-5,
P1-3-4
MP5-5
重光 幸栄 MP5-4,P1-1-10
シャウトーマス YIA-3,O3-3
阪田 美穂 P1-2-1
佐藤 慶介 P4-4-3
静
習田
龍 O4-3,P5-4-2
坂田 泰史
佐藤
P1-4-5,
P6-1-6,
静田
庄村
遊 P4-1-2
P6-3-8,
P6-4-1
P3-1-6,
P6-2-10
O5-4,
P2-3-5
翼
坂田 隆造 P3-1-11
毅人 P6-3-9
聡
P3-1-11
七島 晶子 P4-2-9
白石 亜季 MP4-5
酒谷 優佳 P4-3-8
佐藤 直樹 U40A-3
品川 弥人 O11-2
白石 裕一 S1-4,O12-3,
坂本 一郎
O12-4,
P1-4-2,
佐藤 仁哉
品田 祐希
P1-4-5,
P6-1-6,
佐藤 弘和 P4-4-4
篠内 和也 P1-2-8
ジライハウィハサン YIA-6
P6-3-8,
P6-4-1
佐藤 弘典 P5-4-8
篠田 幸紀 P6-3-4
白記 達也 MP5-6,P1-4-9,
佐藤 宏行 O6-5
篠原 徳子 ES9-2,O3-5
佐藤めぐみ P1-2-11
柴
坂元 紀陽 P3-2-7,P5-1-9
佐藤 康弘 P1-3-7
柴田
坂本 知浩 P5-1-2
佐藤 保美 P2-3-10
柴田 妙子 P4-1-2
白鳥 健一 P4-3-5
坂本 憲亜 P5-2-9
佐藤 雄一 P3-4-4
柴田多恵子 P6-4-3
白山 武司 S1-4,O12-3,
坂本
佐藤 如雄 YIA-5,MP4-6,
柴田 利彦 P3-4-5
坂本 恭子 P2-1-3,P2-2-4,
P4-1-7,
P4-2-3
瞳 P1-2-5,P4-3-10
P3-1-13
P1-3-7
信行 P5-3-1
P3-3-10,
柴田 正慶 O14-5
坂本 佳子 O13-4,P1-3-6,
P5-1-8,P5-4-9
柴田 剛徳 U40H-4,
佐藤 幸人
P1-3-1
P5-3-5
白崎 圭輔 P3-3-2,P3-4-3,
綾 O15-5
坂本 裕樹 O9-1,P2-3-8
P2-4-5
P1-2-7
P4-4-5,
P5-2-1
P1-2-7
白水 利依 P2-2-4,P4-1-7,
P4-2-3
MP2-6,
P1-4-7,
志和 清隆 P4-2-7
阪本 亮平 P2-3-4
佐藤 良美 P2-2-2,P5-1-5
P2-4-2,
P3-3-6,
神 雄一郎 O8-4
相良秀一郎 MP2-6,P3-3-6
佐藤 亮太 P3-1-5
P3-4-8,
P4-3-4,
新宮 康栄 P6-2-11
佐川 浩一 P4-3-2
佐藤 和奏 O9-4
P4-3-6,
新里 朋子 O1-2
作岡南美子 O8-1
佐野 俊二 MP3-5,P4-3-10
P5-1-11,
進藤 考洋 O7-1
櫻井 大輔 O10-1,MP5-1
佐野 浩之 U40H-1,IAS-4,
P5-3-3,
P6-1-4,
新富 静矢 P2-1-6
P6-1-5
神野 真司 P5-1-4
櫻井 裕子 P3-4-4
左古田悦子 BS-5
笹
MP5-5
佐和 琢磨 U40H-1,IAS-4,
智樹 P5-2-11
柴山謙太郎 海外留学助成帰国報告会,
MP5-5
新保 麻衣 O11-4
PCC1-3,
【す】
佐々木逸美 P4-2-8
澤
朋美 P2-2-7
U40A-4,
YIA-6,
佐々木賀津乃 P2-2-11
澤
芳樹 P3-1-6
MP4-1,
LS2,
鄒
佐々木幸子
澤井 俊樹
LS9
末岡榮三朗 P1-3-6
斉 P6-2-11
末廣 茂文 P3-4-5
P3-4-6
P3-4-4
佐々木伸二 P2-2-7
澤田 直子 P5-3-4,P6-1-2
澁谷
佐々木真太郎 MP1-2,
澤田
島崎 希美 O2-5,P3-3-8,
P5-4-5,
P5-4-10
準 BS-4,O13-1,
O14-4
P5-2-4
佳苗 P4-2-4,P6-3-2
菅沼直生子 MP4-3,P2-3-7,
P2-3-9
273
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
菅野 昭憲 U40A-2,YIA-1,
鈴木みどり P3-3-2,P3-4-3,
O2-3,
O5-4,
菅野 幸太
P4-4-5,
P5-2-1
P2-3-5
須田 憲治 O12-5
P6-3-9
須藤 悠太
菅野 晃靖 P1-3-2
曽山 裕子 YIA-2,O5-3,
MP5-2
反町 秀美 O8-3,MP1-1,
P3-3-4
P5-4-4
砂押 春香 P4-2-10,P5-1-6
孫
慶淑 P2-4-7
菅野 康夫 SS3-2,U40H-2, 須永 晃弘 MP5-6,P1-4-9,
孫
東淑 O6-4
O5-2
菅原 政貴 YIA-2,O5-3,
P5-3-5
MP5-2
菅森
峰 O8-2,P6-1-1,
P6-3-6
菅谷 直美 P3-2-6
杉
和興 P4-1-1
高橋 一平 MP4-4
高橋 敬太 P3-3-3,P3-4-6
高橋
健 MP5-4,
P1-1-10,
P4-4-3
高橋
信 MP3-4
高橋 龍徳 P1-1-5,P1-1-6
臺
P6-3-8,
P6-4-1
大海 延也 P3-1-13,P6-1-3
高橋 直人 U40A-3
代田 浩之 MP6-5,P2-3-3
高橋 夏来 P6-4-9
須磨谷いづみ O6-2,P3-3-4, 大門 雅夫 O2-4,O8-5,
P3-3-7
角田 敏明 MP4-3,P2-3-7,
薫 O11-6,P2-3-2
高橋 礼子 P1-1-4,P5-3-7
P1-4-5,
P6-1-6,
須原 信子 MP6-4
菅原 重生 P4-4-13
菅原 将代 P2-2-11
【た】
砂川 賢二 O12-4,P1-4-2,
P5-1-12,
P5-3-1
P2-3-9,
P4-2-5
高橋 利之 P3-4-1
高橋 伸幸 O8-2,P6-1-1,
MP5-3,
MP6-5,
P6-3-6
P2-2-11,
P2-3-3
高橋 のり O15-1
大門 道子 O4-1
高橋 裕志 P4-2-9
杉浦 淳史 P5-3-9
角田
等 P6-2-1
平良 良集 P6-2-5
高橋 路子 O5-1,P3-1-8
杉浦 早希 P3-4-4
住友
泉 BS-5,S1-2,
高井
高橋 康子 P3-3-3,P3-4-6
杉浦 知範 O14-1
角野
聡 O11-5
杉岡 憲一 P2-4-9,P3-4-5,
住吉 徹哉 O3-1,P3-2-1
杉浦 哲朗 P4-2-8
P5-2-2
P6-3-7
P5-4-6
諏訪部 章 P3-4-6
P3-3-1
【せ】
杉谷雄一郎 P4-3-2
杉戸 美勝
杉町
P6-2-3
勝 U40H-2,O5-2
MP4-6,
清 真由美
高岩
P3-1-10
P3-4-7,P5-4-9,
高濱 博幸 SS3-2
P6-3-5,P6-4-6
高村 雅之 P4-4-9
由 U40A-2
高岡 浩之 O4-1,P1-2-6,
P5-3-8,
P5-3-9
高谷 陽一 P1-2-5
寳田 雄一 P1-1-9
瀧聞 浄宏 SS4-2,O15-5,
高川由利子 KCC-3,O9-2,
P2-4-3,
P5-1-10
MP3-2,
P2-1-6,
MP2-5,
P1-3-8,
瀬尾 由広 S2-4,EP2-1,
杉本 邦彦 O13-2,P1-1-4,
高橋 佑典 YIA-4,O15-2,
P3-3-10,
諏訪 惠信 O9-3,P2-2-5,
杉下 和郎 P3-4-1
杉田 国憲 IAS-2,O6-1,
学 YIA-5,O15-4,
P4-3-1
U40A-2,
YIA-1,
高木
厚 P3-1-14
P5-1-4,
P5-1-7,
O2-3,
O5-4,
高木 健督
P5-3-7
P4-4-12
P4-4-3
澤紙 秀太 P6-2-4
田口
功 P2-2-7
田口 英詞 P5-1-2
O7-3,
O9-5,
高木 宏治 U40A-3
田口 晴之 O5-5,MP2-4
杉本 恵子 P5-3-7
MP1-5,
P2-3-5,
高木 友誠 P3-1-5
田口 有香 P1-3-2
杉山
P4-4-13,
高木 伸光 P3-2-5
武
LS5-2,LS7
高木 秀祐 P6-2-7
武井 黄太 SS4-6
関岡 奈津 O4-5
高木 雅彦 P5-2-2
竹井 達郎 U40H-4,P6-1-5
関根
高桑 蓉子 O13-2,P1-1-4,
武井 康悦 O15-1
央 O3-5,P4-4-1
鈴川 理乃 O9-2
鈴木
篤 P4-4-10,P6-2-2
鈴木 健吾 S1-1,YIA-5,
鈴木 康太
泰 IAS-8,O1-5,
O15-4,
MP4-6,
P2-2-1,
P5-4-3,
P3-3-10,
P5-4-7
P5-1-4,
P5-1-7
高崎 州亜 S1-6,ES14,
亨 P3-1-15,P6-4-2
寛 P6-2-4
竹石 恭知 P1-1-7,P4-2-9
竹内
愛 O11-6
P3-4-7,
P5-1-8,
関根
P5-4-9,
P6-3-5
関根美輪子 IAS-1
高師 紀子 P3-2-5
竹内
P6-2-9,P6-3-7
関原 孝之
高須賀康宣
竹内 大二 O3-5
P6-3-2
O15-3,
P2-2-10
O8-1
竹内 一郎 O11-2
晋 P3-1-7
鈴木
聡 P1-1-7
脊古 裕太 P3-1-11
高瀬 信弥 P5-1-12
竹内 敬昌 MP3-3
鈴木
純 S2-2,O8-1,
瀬田 享博 P6-2-3
高田佳代子 O13-2,P1-1-4,
武内哲史郎 P3-4-4
P5-1-4,
P5-1-7,
竹内 淑恵 P6-4-3
P5-3-7
竹内 正明 O3-2,O4-4,
MP6-2,
P5-4-1
鈴木 駿輔 O9-1,P2-3-8
芹川
威 MS2
仙石 薫子 P3-1-6
鈴木 慎介 P2-4-8,P3-2-4,
【そ】
P4-1-9
鈴木奈津美 O5-1
早田
航 MP3-4
鈴木
均 P1-1-7
相馬 正義 P3-1-15
鈴木
洋 MP6-3,P3-1-7
添田 雅生 P3-3-4,P3-3-7
高田 智子 P4-4-6
O13-3,
P1-3-9,
高田 康徳 O8-1
P2-1-3,
P2-1-5,
高田裕美子 MP4-2
P2-2-4,
P4-1-7,
高梨秀一郎 P3-2-1,P3-3-8,
P4-2-3,
P5-2-7,
P5-2-4,
P6-3-10
曽根 教子 U40A-3
高梨
鈴木
誠 P3-3-4
Sonnenberg, Brian BS-3
高野奈緒美 P3-4-2
武岡真由美 P2-2-2,P5-1-5
鈴木
誠 P6-3-10
薗田 明広 O9-1
高野 真澄 男女-1,O8-4,
武田 充人 SS4-6
鈴木 真事 O11-6,P2-3-2
鈴木 正人
274
P3-4-2
園山 一彦 P2-4-8,P3-2-4,
P4-1-9
学 P4-4-2
EvS2
鈴木 博彦 O4-5,O11-3
竹内 泰代 O9-1
MP1-4,
P1-1-1,
武田恵美子 P3-2-7
P4-4-13,
武田 智弓 P3-4-6
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
武田 寛人 O8-4
田中 信大 O15-1
田村 俊寛 P3-1-10
恒任
竹田 昌希 男女-4,O1-3,
田中 教雄 P1-2-9
田村 暢成 P6-2-1
坪井 直哉 P3-2-6
P1-3-11
竹田 光男
田中 秀和 SS2-3,U40H-1, 田村 晴俊 P5-4-5,
P4-4-11
IAS-4,
MP5-5
P5-4-10,
章 ES13,MP4-5
津守 容子 P2-4-3,P5-1-10
津留 孝浩 P2-2-4,P4-1-7,
武田 守彦 P5-3-1
田中 浩喜 P3-2-7,P5-1-9
竹田 征治 P6-3-1
田中 裕子 P1-3-5
多羅尾健太郎 P2-4-7
鶴田 敏博 P3-2-7
竹谷
田中 弘之 P3-1-7
団 真紀子 P1-4-4
鶴田ひかる PCC1-4,SS2-4,
田中 博之 O6-3
丹下 正一 MP1-1
田中 正巳 MS3
丹野 倫宏 MP4-4
剛 O1-4,P4-2-1,
P6-2-7
竹中
克 O2-4,O8-5,
MP5-3,
P2-2-11
田中 美与 P1-3-10,
竹中 正人 S1-3
P4-2-3
P6-3-10
【ち】
P3-3-5,
P4-3-3
P1-4-4
【て】
手塚 大介 PCC2-4
竹村 明子 P3-1-13,P6-1-3
田中 靖章 P5-1-2
竹村盛二朗 P1-1-11
田中 良昭 P3-1-13,P6-1-3
竹本 和司 O10-4
棚橋 景子 P4-1-2
千明 真弓 P2-2-11
寺澤 厚志 MP3-3
武本 梨佳
IAS-7,
P1-2-5,
田辺 彩夏
筑地日出文
O4-2,
P2-3-1,
寺田 知正 MP3-1
P4-3-8,
P4-3-10
田邊 一明 O8-2,P6-1-1,
P2-4-6
寺林 郁人 IAS-8,O1-5,
多胡 素子 P2-4-5
田澤 星一 O15-5,MP3-2,
P6-3-6
田邉 健吾 O1-4,P4-2-1,
P2-1-6
田代
敦 P2-3-4,P3-3-3,
P3-4-6
MP6-3,
P3-1-7
P6-2-7
近沢 元太 BS-5,P6-2-5,
寺上 貴子 P4-4-9
P6-2-9,
P6-3-7
寺川 宏樹 P2-2-8
千田 勝一 MP3-4
千田 龍二 P2-2-7
知念 大悟 U40H-2,O5-2,
田邉 信宏 P1-2-6
田邊 大明 P3-3-4
O7-5,
P1-3-4
田邊 雪乃 P4-2-10,P5-1-6
多田
谷 久弥子 P3-1-9
茶園 秀人 P2-2-10
谷
茶圓 秀人 S1-6,O15-3
多田 千恵 O12-4,P6-1-6,
立花 克郎
知子 MP4-3,P2-3-7,
P6-3-8,
P6-4-1
P2-3-9,
P4-1-2,
ES10
P4-1-6,
P4-2-5
P5-4-7
寺町 陽三 O12-5
寺本佳楠子 YIA-5,O15-4,
千村 美里 O10-5,O11-1,
田代 英樹 BS-1,O1-1
毅 P5-2-3
P2-2-1,
P5-4-3,
P5-2-5
【つ】
MP4-6,
P5-4-9
寺本 美穂 P3-1-1
【と】
土井
潔 S1-4,P4-3-5,
LS4-2
立花 恵子 P4-4-10,P6-2-2
谷
智満 O7-2,O14-1
塚田 弥生 O7-5
土井 孝浩 P2-1-1,P3-1-11
立花佐和美 P2-2-4,P4-1-7,
谷
信彦 P3-1-5
塚原 摩耶 YIA-5,MP4-6,
土井 裕枝 P4-2-10,P5-1-6
P4-2-3
谷口 寛昌
P3-1-9
道井 洋吏 O11-5
P5-1-8,
P5-4-9
戸井田玲子 P1-3-5,P3-2-7,
橘 まりか P1-3-7
谷口
辰巳 和宏 MP5-5
谷口 泰代 O11-1,P5-2-5
塚本 茂人 P4-3-7
巽 浩一郎 P1-2-6
谷田 篤史 P1-3-4
塚本
伊達
谷本 周三 O1-4,P4-2-1,
築島まり恵 P5-3-7
歩 MP6-6
貢 S1-5
P3-3-10,
立岩 真紀 MP3-1
田中 彰博 O4-3,P5-4-2
P6-2-7
種村
篤 S1-3,O10-4,
O14-4
P5-2-5
繼
敏光 SS2-4,P1-4-4,
田ノ上禎久 P6-3-8
MP2-4
田内
潤 O4-3,P5-4-2
津久井宏行 P4-2-7
煙草
敏 P1-1-9
辻
田中 悦子
田端 千里
田中
辻内 美希
MP6-3,
P3-1-7
田畑 博嗣 P4-2-6
辻田 裕昭 P4-3-7
田端
辻野
田中 秀造 IAS-8,O1-5,
田原 敦子 P1-2-3
実 MP4-1,LS2
P2-2-1,
P5-4-3,
田原 宣広 P1-2-3
P5-4-7
田部井史子 P6-1-2
旬 EvS4-1
田永 哲士 P3-4-8,
MP5-5
當間裕一郎 O1-2
遠田 栄一 O1-4,P4-2-1,
P6-2-7,
EvS4-1
土岐 啓己 U40H-1,IAS-4,
正樹 O6-3
田永 幸正 P2-4-7
田中
修 P5-1-8
EP2-2
堂國久美子 U40H-1,IAS-4,
P5-1-1
田中 厚寿 O13-4
P2-3-8
戸出 浩之 O12-1,P5-3-2
月城 泰栄 O10-5,O11-1,
正 BS-4,O13-1,
田中あけみ P2-4-9
田中
勝 O14-5
P5-1-9,
P5-3-3
健 O5-3
MP5-5
土岐美沙子 BS-5,S1-2,
P6-2-5,
P6-2-8
徳田 剛宏 O10-2,MP2-3,
辻村 卓也 MP5-6,P1-4-9,
P5-3-5
辻本 悟史 O9-3,P2-2-5,
玉井佑里恵 O9-2
P5-4-6
P4-1-4
徳田 華子 P1-4-4
徳丸
睦 P5-1-8
徳山 榮夫 U40A-3
玉城 貴啓 P6-3-10
圡橋 卓也 LS6
土至田 勉 P1-1-8,P4-3-7
P5-1-11,
田巻 庸道 P3-1-10
筒井 達也 P5-1-1
都津川敏範 P6-2-9,P6-3-7
P5-3-3,
P6-1-5
玉田 智子 P4-1-3,P6-3-3
筒井 裕之 O7-3,O14-2,
外池 範正 IAS-8,O1-5,
田中 智子 MP6-1,P2-3-6,
P3-2-2
玉田 直己 P2-2-9
P1-1-3,
P2-2-1,
P5-4-3,
民田 浩一
O10-2,
MP2-3,
P1-1-11,
P5-4-7
P4-1-4
P1-2-4,
P5-1-3,
田中 伸明 IAS-6,O14-3,
MP6-1,
P2-3-6,
田村 悦哉 MP4-2
P3-2-2
田村健太郎
P6-2-9
P6-2-11
堤 由美子
BS-4,
O13-1
土肥
薫 S1-5,O7-3,
P3-4-4
富田 文子 P4-3-9
275
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
富田 泰史 MP4-4
中島 龍馬 P6-1-1,P6-3-6
富永 隆治 P6-3-8
仲宗根 出 P1-2-9
中村 文隆 P3-2-5
富松 宏文 SS4-1,O3-5,
中園 朱実 O13-3,P2-1-3,
中村
P4-4-5,
P5-2-1
豊田
茂 P3-1-12
峻 U40H-4,
MP2-6,
P2-4-2,
真 P4-3-2
P6-1-4,
P6-1-5
中村 正人
P4-2-3
中村 真幸 P2-1-4
P1-1-11,
永田健一郎 O6-3,P4-4-7
中村 誠之 O4-5
P1-2-4,
P5-1-3,
中田 直美 P3-1-15,P6-4-2
中村 元行 P2-3-4,P3-3-3
中田 康紀 P6-3-1
中村 裕一 P1-4-7,P4-3-6
西野 雅巳 O4-3,P5-4-2
永田 泰史 O3-2,O4-4,
中村 幸美 ES14,P2-2-10
西部 俊哉 O15-1
冨山ひろみ IAS-2,O6-1,
豊岡 郁子 P3-3-2,P3-4-3,
西野
P2-2-4,
P4-1-7,
P4-4-1
P3-3-1
P2-3-9
O11-6,
P2-3-2
西野 久雄
O14-2,
P6-2-11
豊野 学朋 P4-4-3
O13-3,
P1-3-9,
中村 精岳 P2-4-7
西宮 達也 O8-1
豊原 啓子 O3-5
P2-1-3,
P2-1-5,
中森 理江 MP6-6,P3-1-4
西村 和久 S2-2,O8-1,
虎溪 瑞穂 P2-2-7
P2-2-4,
P4-1-7,
中谷 桂子 O5-1
P4-2-3,
P5-2-7
中山 知重 IAS-2,O6-1,
鳥居 裕太 O2-2,O9-2,
MP2-5,
P1-3-8,
永田 庸二 P2-1-7
P4-3-1,
P6-4-7
中谷
【な】
敏 O10-1,MP5-1,
P3-1-6,
P6-2-10
P3-3-1
中山 祐樹 MP3-3
MP6-2,
P1-1-6,
P5-4-1
西村 和浩 P5-3-11
西村 俊亮 YIA-4,O15-2,
永禮 裕子 BS-5,S1-2,
仲地 達哉 MP1-6
P6-2-5
P3-1-10
西村 弘美 IAS-9,P6-4-4
内藤 和寛 P3-2-1
中津 太郎 P6-2-1
南雲 涼太 P3-1-14
西村 陽介 P2-1-5
内藤 滋人 O12-1,P5-3-2
中塚 大介 MP4-1
那須友里恵 MP3-4
西村 睦弘 O6-3
内藤 優佳 P1-2-5
中務 智文 YIA-1,O5-4,
七里
守 O4-5,O11-3
西森 俊秀 MP3-3
鍋田
健 O11-2,P1-4-3
西山 悟史 MP1-2,P5-4-5,
長井
篤 O8-2
O9-5,
MP1-5
永井 英里 P4-2-8
中出 泰輔 P6-2-1
波元 智香 P3-1-9
永井 啓行 S2-2,O8-1,
中西 弘毅 O5-5,MP2-4
奈良 育美 O11-4
西山
P5-4-10
光 P5-4-1
中西 敏雄 O3-5,P4-4-1
成田 優子 P1-2-11
似鳥 俊明 P5-3-6
中井 俊子 P4-2-2
中根 英策 P4-2-4,P6-3-2
成毛
新田 江里 O8-2
永井 利幸
中野
彩
成子 隆彦
中野
智 MP3-4
MP6-2,
P5-4-1
U40H-2,
O5-2
永井 知雄 P3-1-13,
P4-2-6,
P6-1-3
中井 秀和 P4-1-4
P2-3-7
中野 俊秀 SS4-5,P4-3-2
崇 O11-2
新田
隆 P1-3-4
成瀬 里恵 P1-4-8
仁田
学 MP3-2,P2-1-6
南都 清範 MP5-6,P1-4-9,
新田 良和 P1-2-3
中野 裕介 O15-5,MP3-2,
長浦 貴史 MP2-3,P4-1-4
P2-1-6
長江 啓二 P4-1-8
中野 雄介 MP1-3,P2-1-2
中尾 一浩 P4-1-4
長畑 公宣 P3-1-13,P6-1-3
中尾 浩一 P5-1-2
中鉢 雅大 O7-3,O14-2,
O3-4,
P2-4-4
P5-3-5
南部 裕子 P4-4-9
【に】
二ノ丸 平 P2-2-9
二宮
亮 P3-3-4
日本心エコー図学会教育委員会
P4-4-13
新居 正基 SS4-3,P4-4-3
二本柳洋志 P3-3-4
長尾 祥史 P1-2-11
P1-1-11,
新妻 健夫 O8-4
丹羽 明博 P4-4-10,P6-2-2
中尾 達也 P4-4-12
P1-2-4,
P5-1-3,
新沼 廣幸 IAS-1,P6-4-5
丹羽加奈子 P4-4-6
中尾知江美 P1-3-7
P6-2-11
西井 伸洋 P5-2-10
中尾 倫子 O2-4,O8-5,
長濱 大介 P3-1-1
西尾
【ぬ】
進 S1-5,KCC-3,
中摩 健二 U40A-3
O2-2,
O9-2,
主代
長尾 秀紀 MP6-4
仲間 達也 U40H-4,MP2-6
MP2-5,
P1-3-8,
沼倉 陽子 P4-2-6
中岡 洋子 ES8-2
中間 泰晴 P4-1-1
P4-3-1,
P6-4-7
中川 彩子 P2-2-7
永松 裕一 P2-2-9
西岡 健司 P4-1-1
中川英一郎 O3-4,P2-4-4
中村 昭宏 O2-3
西上 和宏 ES7,P4-3-9,
中川
中村 和広 P5-3-7
MP5-3,
P2-2-11
孝 P4-4-4
中川 義久 YIA-4,O15-2,
中村 一文 O7-4,P4-4-8,
P3-1-10
P5-2-10
P5-1-2
西川 伸一 O9-1,P2-3-8
西川 昌伸 P2-2-2,P5-1-5
中里 和彦 P1-1-7
中村貴美子 P2-3-1,P2-4-6
西口 温子 P6-4-3
中澤 佳代 MP6-4
中村 都英 P3-2-7
西崎 公貴 MP4-4
中路 重之 MP4-4
中村 紘規 O12-1,P5-3-2
西崎 史恵 MP4-4
中嶋 真一 P3-3-9
中村
淳 P4-4-12
西嶋 方典 P6-2-1
中島 啓喜 O1-4,P4-2-1,
中村
琢 O8-2,P6-1-1,
西田
P6-2-7
中島麻紀子 O6-1,P3-3-1
P6-3-6
中村
猛 S1-4,O12-3,
中嶋 正貴 MP4-3,P4-2-5
中島 祥文
276
P2-3-4
剛 P6-2-4
西田 博毅
西田
睦 P1-1-11,
P1-2-7
中村 仁美
MP4-3,
P2-3-7,
P1-2-8
仁科 秀崇
悠 O4-3,P5-4-2
【ね】
根石 陽二 P2-4-1,P4-1-3,
P6-3-3
根岸 一明 U40A-1,O8-3,
MP1-1,
P5-4-4
根来 伸夫 P3-4-5
【の】
ノイスミヒャエル YIA-3,
O3-3
野口 暉夫 U40H-2,O5-2
野口 将彦 MP4-1
P1-2-4,
P6-2-11
野口 祐一 U40A-2
U40A-2
野口 慶久 ES14,P2-2-10
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
野崎 陽子 MP1-4
馬場 彰泰 O5-1,P3-1-8
野里 寿史 P1-3-7
馬場 裕一 P4-2-8
O5-4,
MP1-5,
平田陽一郎 O7-1
野田 勝生 P6-2-1
濵
P2-3-5
平沼 永敏 P2-2-9
野田 繁子
針村 佳江 YIA-1,O2-3,
義之 IAS-8,O1-5,
MP1-4
野田 徳子 P3-2-6
P4-3-1,
P6-4-7
P2-2-1,
P5-4-3,
張本 邦泰
P2-2-2,
P5-1-5
平野映里佳 P3-2-5
P5-4-7
春名 徹也 P4-2-4,P6-3-2
平野 志乃 MP3-1
野田由美子 IAS-9,P6-4-4
濱口 幸司 P4-1-2
半沢 ゆみ P4-2-9
平野貴史郎 SS1-4
野出 孝一 O13-4,P1-3-6,
濱嵜 裕司 P4-3-7
坂東 美佳 S1-5,KCC-3,
平野
豊 S1-5
濱田 希臣 P2-1-4
O2-2,
O9-2,
平松 直樹 O9-1
野手 良剛 P1-4-8
濱部
MP2-5,
P1-3-8,
平山 篤志 P1-3-3,
野原 正信 P2-2-4,P4-1-7,
林
P2-4-2,
P2-4-5
晃 P3-1-13,P6-1-3
明生 YIA-5,MP4-6,
P4-2-3
P3-3-10,
信岡 祐彦 YIA-5,MP4-6,
P3-4-7,
P5-4-9,
P5-4-9
P3-1-15,
P4-3-1,P6-4-7
伴場 主一 O13-5,P6-2-8
【ひ】
P6-3-5,
P6-4-6
P4-2-2,
P6-4-2
平山 香莉 IAS-6,O14-3,
MP6-1,
P2-3-6,
登
勉 P3-4-4
林 亜紀子 P2-2-7
日浅 謙一 P6-1-6
野間
充
林
篤志
O3-2,
P1-3-9,
日浅
P5-2-7
樋岡 拓馬 P1-2-4
平山 治雄 O4-5,O11-3
野村 秀一 P2-2-8
林
輝洋 P6-4-10
檜垣 彰典 P1-1-5,P1-1-6
平山 秀男 SS1-1
野村 文夫 P5-3-8
林
京子 P1-1-9
檜垣 實男 S2-2,O8-1,
廣
野村 文一 P3-4-2
林
慶子 SS3-1,P4-2-7,
EP2-3
野村 康介 P4-3-7
野本奈津美 MP4-3,P2-3-7,
P2-3-9
P6-2-6
林
研至 P2-1-7,P2-2-3,
野本美智留 P6-2-6
【は】
萩原 誠久 SS3-1,P4-2-7,
P4-4-9
林
修司 O9-2,MP2-5,
林
大知 O7-3,O14-2,
P1-3-8,
P4-3-1
P6-2-6
朴
美仙 P2-4-8,P3-2-4,
P5-1-3,
P6-2-11
豪
P1-1-5,
P1-1-6
P3-2-2
平山 直輝 P2-4-3,P5-1-10
MP6-2,
P5-4-1
東
高史 P1-3-3,
P3-1-15,
昭宏 P2-2-7
P4-2-2,
P6-4-2
樋上 哲哉 P2-3-10
広井 知歳 P6-3-9
挽地
広江貴美子 男女-4,O1-3,
裕 O13-4
樋口 晃司 P4-4-10,P6-2-2
P1-3-11
樋口 貴哉 MP6-6,P3-1-4
廣岡 慶治 P1-2-8
樋口 裕樹 O6-1,P3-3-1
廣川 愛美 O2-4,O8-5,
樋熊 拓未
MP4-4
MP5-3,
P2-2-11
廣瀬 英軌 O13-5,P5-2-6,
林
泰佑 O7-1
肥後 太基 P6-3-8
P4-1-9
林
知宏 P1-4-1
久壁 直子 O5-1
P1-2-10
林
伸英
日高恵以子
橋本 暁佳 P2-3-10
林
規隆 O5-1
日高 貴之 P6-4-10
橋本 賢一 P3-1-15
林
秀幸 P6-3-2
日高 忠良 P3-4-8,P4-3-4
橋本
剛 O11-6,P2-3-2
林
真希 P3-2-5
櫃本 竜朗 P2-1-4
廣延 直也 P4-2-10,P5-1-6
橋本
修 P6-4-2
林
雄介 P5-2-2
氷見 寿治 IAS-8,O1-5,
廣畑
橋田祐一郎
橋本 修治 P1-2-9
IAS-4,
MP5-5
林田 晃寛 BS-5,S1-2,
橋本 東樹 P4-1-1
O13-5,
P4-1-5,
橋本
P5-2-6,
誠 O11-5
橋本 裕二 O6-2,P3-3-4,
P5-3-10,
P3-3-7
橋和田須美代 YIA-4,O15-2,
P3-1-10
O15-5
P6-2-8
廣田 峰基 P3-1-9
廣谷 信一 YIA-2,O5-3,
MP5-2
敦 O13-5,P5-2-6,
P2-2-1,
P5-4-3,
P6-2-4,
P6-2-8,
P5-4-7
P6-3-7
兵頭 永一 O10-2,MP2-3,
【ふ】
P4-1-4,
LS5-1
P6-1-7,
P6-2-4,
平井 忠和 P1-4-8
福
P6-2-5,
P6-2-8,
平井千雅子 S1-2
福井 和樹 MP1-6
康志 P2-3-1,P2-4-6
P6-2-9,
P6-3-7
平岩 伸彦 MP4-1
福井 寿啓 P3-2-1
土師 一夫 O3-4,P2-4-4
早瀬 崇洋 P4-3-4
平岡 有努 P6-2-9
福岡 裕人 P1-1-8,P4-3-7
馳
早渕 康信 P1-2-1
平賀悠里江 P3-3-3,P3-4-6
福島 敬子 SS3-1,P4-2-7,
長谷川拓也 SS3-2,P1-2-9
羽山友規子 P3-1-10
平川 大悟 P4-2-8
長谷川 操 P6-4-9
原
悦子 P1-2-11
平川登紀子 P1-4-5,P6-1-6,
長谷部直幸 MP6-6
原
佳世 P1-1-5,P1-1-6
畑
亮太 O6-2
博明 P3-1-15,P4-2-2
P6-3-8,
P6-4-1
P6-2-6
福島
琢 P5-4-8
福嶋 友孝 P3-1-1
原
英彦 O11-6,P2-3-2
平崎 裕二 P1-1-2
福島 裕介 MP2-6,P1-4-7
畑岡 麻子 P4-2-6
原
文彦 P1-1-9
平田久美子 O10-4
福田 和弘 P1-2-9
畑澤 圭子 U40H-1,IAS-4,
原田
平田 健一 U40H-1,IAS-4,
福田 恵一 SS2-4,P1-4-4
MP5-5
羽渓
優 U40H-1,IAS-4,
修 P5-3-4,P6-1-2
原田 顕治 U40A-4,YIA-6
原田 智雄 YIA-5,O15-4,
MP5-5
P5-4-9
MP5-5
平田信太郎 P2-2-4,P4-1-7,
P4-2-3
福田 祥大 S1-3,O3-2,
O4-4,
O5-5,
花谷 彰久 O5-5
原田 昌彦 P1-1-9
花村 静香 P2-1-3
巴里 彰吾 O6-3
O2-2,
O9-2,
P1-3-9,
P2-1-3,
花牟禮富美雄
播磨 綾子
MP2-5,
P1-3-8,
P2-1-5,
P2-2-4,
P5-1-10
P4-1-1
平田有紀奈 S1-5,KCC-3,
福田秀一郎 BS-5,S1-2
O13-3,
MP2-4,
277
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
P4-1-7,
P4-2-3,
藤巻 晴香 IAS-8,O1-5,
P5-2-7
福田 智子 P2-4-3,P3-2-7,
増田 正晴 MP5-6,P1-4-9,
P2-2-1,
P5-4-3,
細谷 侑未 P4-2-6
P5-3-5
P5-4-7
堀田 幸造 P1-3-1
桝谷 直司 P1-1-9
P5-1-9,
伏見 悦子 P4-4-13
堀田 大介 O14-5
増山
P5-1-10,
藤村 純也 MP5-4
穂積 健之 P2-4-9,P3-1-9,
増山 慎二 SS3-3,P6-1-8
P5-3-3,
P6-1-5
藤本 香織 S2-2,O8-1,
福田 延昭 P6-3-9
P5-4-1
福田はるみ P3-4-4
藤本 眞一 P6-3-1
福田 英克 O14-1
藤本 善英 P5-4-3,P5-4-7
福永 隆司 P1-3-10,
藤原 昌平 YIA-2,O5-3,
P3-3-5,
P4-3-3
MP5-2
福西 雅俊 MP4-2
藤原 健史 O12-1,P5-3-2
福光
藤原理佐子 P1-1-1,P2-2-6
梓 EP1-2
福本 遥佳 P5-2-9
福本 義弘
細田 順也 P1-3-2
ブタークリスチャン YIA-3,
P1-2-3
福本 梨沙 O2-5,O3-1,
O12-2,
P3-2-1
福山 梓子 O3-2,O13-3,
O3-3
P3-4-5,P5-2-2
堀江
増山
稔 MP2-1
堀川 史織 P1-4-5,P6-1-6,
潔 O4-3,P5-4-2
理 YIA-2,O5-3,
MP5-2
増山 浩幸 P1-3-10,
P6-3-8,
P6-4-1
P3-3-5,
P4-3-3
堀家 由貴 O9-2
町田 哲男 P4-4-6
堀越 裕子 P4-2-9
町野 智子 YIA-1,O2-3,
堀添 善尚 S1-6,ES14,
O15-3,
P2-2-10
堀田
宏 P4-4-9
堀端 洋子
二川 圭介 O6-3
P2-3-5
松井 幸子 IAS-9,P6-4-4
松井こと子 MP5-4,P1-1-10
P2-1-8,
P3-1-2,
松井 翔吾 P2-1-4
P6-2-1
松井 泰樹 P1-1-8,P4-3-7
舟木 麻美 P4-2-10,P5-1-6
本郷以津香 P5-2-9
松居 喜郎 P6-2-11
船越 祐子 IAS-9,P6-4-4
本多 亮博 P1-2-3
松石豊次郎 O12-5
P1-3-9,P2-1-3,
舩迫 宴福 P4-2-4,P6-3-2
本田早潔子 P2-2-2,P5-1-5
松浦 陽子 EP1-1,P1-4-5,
P2-1-5,
P2-2-4,
舟田
本田 洵也 O9-5,MP1-5
P4-1-7,
P4-2-3,
舩田 淳一 MP6-2
本田
崇 P4-4-2
P6-4-1
P5-2-7
船橋 伸禎 O4-1,P1-2-6,
本田 俊弘 P5-1-2
松尾久実代 P4-4-3
福山 修治 P5-2-9
P5-3-8,
P5-3-9
本間
松尾 剛志 P2-4-3,P5-1-10
晃 SS3-2
房崎 哲也 P2-3-4
文藏 優子 U40A-2
藤井
文元 建宇 SS3-4
昭 S2-2,O8-1,
MP6-2,
P5-4-1
本間 仁乃 P6-4-8
【ま】
ブライアングリフィン
藤井 彩乃 IAS-6,O14-3,
O2-2
MP6-1,
P2-3-6,
古市 知広 P3-2-3
P3-2-2
古川 敦子
O3-4,
P2-4-4
博 P1-3-4
前川 恵美 O11-2,P1-4-3,
前澤 秀之
P6-1-6,
P6-3-8,
松尾 好記 O10-4
マッカーラージ YIA-6
松崎つや子 P1-3-4
松下 広興 P1-3-2
P5-2-8
松下 浩平 P1-3-2
MP6-3,
P3-1-7
松下 純一 P6-4-9
藤井
聡 MP6-6,P3-1-4
古川浩二郎 O13-4
前田 敦雄 MP6-3,P3-1-7
松下
藤井
怜 P5-3-11
古川 卓朗 SS4-6
前田眞勇輔 O4-5
松添 弘樹 U40H-1,IAS-4,
藤井
隆 P2-2-9
古川 哲生 P1-2-8
前田 美歌 O10-2,MP2-3,
藤井 信如 P1-3-3
古川
裕 MP4-3,P2-3-7,
藤井 裕子 MP4-4,P1-2-11
P4-1-4
P2-3-9,
P4-1-6,
前之園隆一 P2-2-10
藤井 弘通 P3-1-1
P4-2-5
前羽 宏史 O9-3,P2-2-5,
藤井 雄一 P2-2-8
古堅あずさ O11-5
藤井悠一郎 P1-1-9
古堅
真 U40H-4,
藤井 裕人 P4-2-10,P5-1-6
藤井 洋子 MP4-3,P2-3-7,
P2-3-9,
P4-2-5
MP2-6,
P4-3-6
古田 知子 O14-5
古谷 充史
藤岡 泰生 P4-4-3
P5-2-2
別所 由梨 P3-4-4
藤田 啓誠 P3-1-11
【ほ】
藤田 直久 S1-4,IAS-5,
P1-2-7
芳生 旭志 IAS-8,O1-5,
藤田 直美 O6-4
P2-2-1,
P5-4-3,
藤田 浩志 O7-2,O14-1
P5-4-7
藤田 雅史 O6-4,MP5-6,
P1-3-11
松田 祥宏 MP5-6,P1-4-9,
P5-3-5
前淵 大輔 P5-2-9
松田 祐治 P3-3-4
前村 浩二 MP4-5
松田 幸男 SS1-2
蒔苗 雅紀 O6-2,P3-3-4,
松谷 勇人 YIA-4,O15-2,
P3-3-7
牧野 貴洋 P1-3-5
P3-1-10
松戸 裕治 IAS-8,O1-5,
牧野 信彦 O4-3,P5-4-2
牧山
P2-2-1,
P5-4-3,
武 P2-1-1
正井久美子 YIA-2,O5-3,
MP5-2
P5-4-7
松濱
稔 SS3-3,P6-1-8
松原 沙織 P3-4-2
正岡 佳子 P4-2-10,P5-1-6
松村 昭彦 P3-3-4
正木
松村 嘉起 P2-4-9,P3-4-5,
充 YIA-2,O5-3,
MP5-2
P5-2-2
帆苅 紗香 P3-4-2
政田 賢治 P6-4-10
松村 敬久 P4-2-8
P1-4-9,
朴
増田 佳純 O10-1,MP5-1
松室 明義 S1-4,O12-3,
P4-4-13,
P5-3-5
星 みゆき
仁三 O12-2
MP3-3
藤田麻理子 P3-1-6,P6-2-10
星崎
藤田 美紀 P2-3-10
星田 四朗 P6-3-4
藤田 葉子 P4-3-5
星野 昌弘 P3-3-4
278
MP5-5
松田 紘治 男女-4,O1-3,
P5-4-6
P5-3-6
【へ】
藤田澄吾子 P2-4-9,P3-4-5,
司 O3-4,P2-4-4
洋 P5-3-2
増田くに子
P5-4-4
増田 浩一 P1-3-10,
P3-3-5,
P4-3-3
増田 信弥 P4-3-5
P1-2-7
松本
敦 MP3-4
松本 克己 P1-3-2
松本 健佑 P5-2-6,P6-2-4
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
松本 賢亮 U40H-1,IAS-4,
MP5-5
松本 彩和 P4-4-10,P6-2-2
光岡 優子 P6-4-6
三好 達也 P2-2-9
満下 紀恵 P4-4-3
三好
亨 O7-4,P4-4-8
光藤 和明 O4-2,P1-4-1,
三好
徹 P1-1-5,P1-1-6
松山 明彦 U40H-4,MP2-6
P2-3-1,
P2-4-6,
松山 克彦 O15-1
松山 苑子 O10-5,O11-1,
P5-2-5
三羽えり子 MP4-3,P2-3-7,
P2-3-9
P5-2-3
光部啓治郎 O11-5
【む】
南方 謙二 PCC3-4,
真野 敏昭 YIA-2,O5-3,
P3-1-11
森
三佳 P2-1-7,P2-2-3,
P5-3-11
森
悠 O4-5
森内 拓治 MP4-5
森川 喬生 P6-1-7,P6-2-4
森下英理子 P4-4-9
森田 茂樹 O13-4,P1-3-6,
向井健太郎 P2-1-2
MP5-2
南方 友吾 P1-4-4
武藤
望 P6-4-3
眞野 博明 P3-2-3
水上 尚典 P5-1-3
武藤
誠 P3-3-2,P3-4-3,
馬原啓太郎 PCC3-3,BS-2,
皆越 眞一 SES
P4-4-5,
P5-2-1
P2-4-5
森田
宏 O7-4,P4-3-8,
P4-4-8,
P5-2-10
森田 裕一 P4-1-1
O2-5,
O3-1,
湊
直樹 O9-3
宗次 裕美 P4-3-7
森田 祐介 P6-3-6
O12-2,
P3-2-1,
南
圭祐 YIA-5,P3-3-10,
村井 綱児 O7-5
森田 裕介 P6-1-1
村井 大輔 O14-2,P5-1-3,
森永 芳智 MP4-5
P5-4-9
P3-3-8,
P5-2-4,
P6-3-10
南
貴子
MP4-5
P6-2-11
享 P1-1-2
村井 麻衣 P2-3-10
森野 禎浩 MP3-4,P2-3-4,
間淵
圭 P5-2-4
南沢
丸尾
健 O4-2,P1-4-1,
南島 俊徳 P5-3-6
村井 亮介 P2-3-9
森林 耕平 MP2-3,P4-1-4
P2-3-1,
P2-4-6,
峰尾 恵梨 P4-4-2
村岡 英幸 P4-1-8
森久 健二 P6-2-1
P5-2-3
美野 陽一 P1-2-10
村上 彰通 P3-3-2,P3-4-3,
森本
P3-3-3
誠 P3-4-4
圓山 雅己 MP6-5,P2-3-3
三原 裕嗣 U40A-4,YIA-6
丸山 裕司 IAS-9,P6-4-4
三引 義明 P4-4-4
村上 和男 MP4-4
森本 良子 MP6-5,P2-3-3
萬野 智子 P5-4-8
宮井亜由美 P2-4-6
村上 遙香 P3-4-1
諸井 雅男 O11-6,P2-3-2
宮川 和也 P4-2-8
村上 弘則 O6-5
諸隈 宏之 P1-3-6
宮城芽以子 O13-2,P1-1-4,
村上 正己 P4-4-6
【み】
三浦 史郎 IAS-2,O6-1,
P3-3-1
三浦 哲嗣 P2-3-10
P5-1-7
三宅
剛 P5-2-3
三宅
誠 YIA-4,O15-2,
三浦 弘之 P1-2-8
三浦 史晴
P4-1-1
三神 大世 O7-3,O14-2,
P4-4-5,
P5-2-1
三宅 祐一
宮坂
匠 P1-1-9
【や】
村上未希子 P4-3-9
村上和華子 IAS-6,O14-3,
P3-1-10
P6-2-4
森本裕美子 P3-1-6,P6-2-10
連
翔太
八木 哲夫 P4-4-4
MP6-1,
P2-3-6,
八木 典章 MP2-1
P3-2-2
八木麻里子 P2-1-7,P2-2-3
P4-3-2
夜久
均 S1-4,IAS-5,
村田絵梨香 P3-1-14
P4-3-5
P1-1-11,
宮坂 知佳 O9-3
村田 智行 P5-3-2
矢坂 義則 O11-1,P5-2-5
P1-2-4,
P6-2-11
宮坂 陽子 O9-3,P2-2-5,
村田 尚行 IAS-8,P2-2-1
矢崎 善一 PCC2-1
村田 光繁 SS2-4,JB-1,
矢澤 信之 P4-4-12
三上有里子 P3-4-6
P5-4-6
三木 綾子 SS1-5
宮崎
三木 茂行 P2-2-2,P5-1-5
宮崎 宏一 P1-2-8
村中 敦子 P2-3-10
安岡 由夏 P4-2-8
三木 知紀 P5-3-10,P6-2-4
宮崎彩記子 MP6-5,P2-3-3
村本 容崇 P4-4-10,P6-2-2
安河内 聰 ES11,O15-5,
三樹 祐子 MP1-6
宮崎
村山 迪史 P1-2-4
三竿あゆみ P1-4-1
宮崎 真紀 O8-1
三島 清司 O8-2
宮崎 令子 P2-2-11
三代裕一郎
宮地
P1-3-8
彰 P2-4-7
徹 P5-4-8
鑑
三須 一彦 P5-1-8
P1-4-4,
P5-1-1
室生
【も】
O7-1,
MP5-4,
P1-1-10,
P1-4-3
水上 拓也 MP6-3,P3-1-7
宮島 佳祐 P3-1-5
水上 尚子 S1-6,ES14,
宮田 昌明 O15-3
卓 SS3-4
安井 謙司 P2-3-10
MP3-2,
P2-1-6
安田
聡 U40H-2,O5-2,
LS1
安田 久代
P2-1-8,
P3-1-2
望月 輝一 P5-4-1
安田真由美 P4-2-6
望月 泰秀 U40H-1,IAS-4,
安田理紗子 P1-4-4
MP5-5
安村かおり P1-2-8
宮本 淳子 P2-3-7
本川 哲史 U40H-2,O5-2
安村 圭介 O4-3,P5-4-2
水口 和代 P4-1-2
宮本 昌一 P4-2-4,P6-3-2
元地 由樹 U40H-1,IAS-4,
安村 良男 P1-2-8
水越
宮本 信三 P5-1-2
O15-3,
P2-2-10
慶 YIA-5,O4-4,
O15-4,
MP4-6,
宮本 敬史 P3-3-2,P3-4-3,
P4-4-5,
P5-2-1
P5-4-9
MP5-5
矢田沙和子 P5-4-8
本部 弘美 S1-2
矢冨
谷仲 厚治 MP5-6,P1-4-9,
水田 理香 P1-2-9
宮本 忠司 P1-3-1
百木 恒太 MP3-2,P2-1-6
水谷 知泰 O11-2
宮本 辰樹 P4-3-2
森
水野 智文
宮脇
森
MP1-3,
P2-1-2
水野 博之 P4-1-8
大
P5-2-3
一博 MP3-1
大
O6-3
裕 O2-4,P2-2-11
P5-3-5
柳川 輝子 P1-3-7
森
智美 P3-1-1
柳
茂樹 P6-2-1
水野 麗子 P6-3-1
MP6-1,
P2-3-6,
森
直己 O4-3,P5-4-2
柳
弘子 P3-3-2,P3-4-3,
水元
P3-2-2
森
文恵
亨
P4-1-2
明連 武樹 IAS-6,O14-3,
安元 浩司 O4-3,P5-4-2
本橋 弘子 P5-4-8
P3-2-5
P4-4-5,
P5-2-1
279
第 26 回日本心エコー図学会学術集会
柳
裕子 P5-2-9
山田 忠克 P1-1-5,P1-1-6
由井 恵美 BS-4,O13-1
柳
善樹 P1-2-9
山田 達也 JB-2
油座 記子 P3-3-2,P3-4-3,
柳沢 三郎 P6-3-9
柳澤 智義
山田 千夏 P3-1-11,
O11-2
P5-2-11
湯田
聡
P5-3-2
吉田 辰夫 O6-4
P4-4-5,
P5-2-1
吉田千佳子 MP6-6,P3-1-4
P2-3-10
吉田 俊伸 P6-2-4,P6-2-5
柳田 洋平 U40H-4
山田 なお MP1-6
湯之上真吾 ES14,P2-2-10
吉田 尚史 P2-2-9
柳原 克紀 MP4-5
山田 典一 S1-5
柚木
吉田 雅昭 P2-4-8,P3-2-4,
柳谷 貴子 MP6-6,P3-1-4
山田 博胤 S1-5,KCC-3,
柚木 純二 O13-4
佳 O3-4,P2-4-4
P4-1-9
矢野 英人 P1-3-2
O2-2,
O7-3,
湯峯奈都子 O10-4
吉田 幸彦 O4-5,O11-3
矢野 雅文 IAS-6,男女-2,
O9-2,
MP2-5,
由利 卓也 P5-2-6,P6-2-4,
吉田
O14-3,
MP6-1,
P1-3-8,
P4-3-1,
P2-3-6,
P3-2-2
P6-4-7
P6-3-7
【よ】
矢野真理子 P2-1-1
山田 雅大 MP4-4,P1-2-11
矢野 光洋 P3-3-6,P3-4-8
山田真梨子 MP5-4,P1-1-10
横江 琢也 P1-1-8
山内 宏之 P1-1-7
山田 洋子 O5-1
横崎 典哉 P6-4-10
山内 正博
山田亮太郎
P2-4-1,
P4-1-3,
横沢 里美
P6-3-3
横田
P3-3-10,
P3-4-7,
P6-3-5
山浦 玄斎 MP1-2,P5-4-5,
P5-4-10
山浦 泰子 ES1
山近 史郎 MP4-5
山尾 雅美 O2-2,O9-2,
P4-2-5
吉冨 裕之 O8-2,P6-1-1,
P6-3-6
吉永
綾
O7-5,
P1-3-4
吉野 秀朗 P5-3-6
横田佳代子 O4-2,P2-3-1,
義久 精臣 P1-1-7
P2-4-6
吉牟田 剛 P2-1-7,P2-2-3
横山 健一 P5-3-6
吉村 沙織 O6-1,P3-3-1
横山しのぶ O14-2,
吉村 真吾 P6-2-4
山野 貴司 O10-4
P1-1-11,
吉村 貴裕 O4-3,P5-4-2
P4-3-1,
P6-4-7
山野 哲弘 S1-4,IAS-5,
P1-2-4,
P5-1-3,
芳村 直樹 P1-4-8
P6-2-11
吉村 雄樹 PCC3-1,
山岸 正和 P2-1-7,P2-2-3,
O12-3,
P1-2-7
山野 倫代 S1-4,IAS-5,
横山
斉 P5-1-12
P4-4-9
O12-3,
P1-2-7,
横山 幸枝 P6-4-10
O8-2
P2-2-2,
P5-1-5
芳井 孝輔
山口 浩司 MP2-5
山室
淳 O10-2,MP2-3,
山口 貴志 IAS-9,P6-4-4
山口 直人
P6-2-9,
P6-3-7
吉谷 和泰 MP6-4
MP2-5,
P1-3-8,
山岸 奈々 P1-4-8
山口 一人
吉鷹 秀範 BS-5,P6-2-5,
綾 P1-4-8
山中 俊明 P4-3-8
山根 崇史 MP4-3,P2-3-9,
P3-4-6
豊 P5-3-11
P6-3-6
山崎 和裕 P3-1-11
山本 成郎
O2-1
P1-3-10,
P3-3-5,
P4-3-3
芳本
潤 P4-4-3
吉岡 賢二 P3-3-4,P3-3-7
吉本 裕良 O12-5
P4-1-4
吉岡
吉山 智貴 O3-4,P2-4-4
P3-2-7
吉川 浩一
山本 桂三 BS-5,S1-2,
亮 P6-2-4
O11-6
葭山
吉川 純一 O3-4,O10-2,
稔 O3-4,P2-4-4,
P2-4-9,
P3-1-9,
山崎 健二 SS3-1,P4-2-7
O13-5,
P4-1-5,
山崎 幸子 P6-4-6
P5-2-6,
山崎 聖子 MP3-2,P2-1-6
P5-3-10,
吉川 智絵 P4-2-8
米田 智也 P2-1-1,P3-1-11
山崎その子 O6-4
P6-1-7,
P6-2-4,
吉川 尚男 O11-6,P2-3-2
米津 太志 P3-3-4
山崎 隆弘 IAS-6,O14-3
P6-2-5,
P6-2-8,
吉川 雅智 O7-5,P1-3-4
米山 喜平 MP4-6,P5-4-9
山崎
P6-3-7
芳川 裕亮 P3-1-10
依藤 弘紀 O4-3,P5-4-2
力 O8-5,MP5-3
山里将一朗 O1-2
山本 顕介 P1-3-3,
MP2-3,
MP2-4,
P2-4-4,
P4-1-4
P3-1-15,
吉木
山路 貴之 P4-1-1
P4-2-2,
P6-4-2
吉澤 尚志 P2-3-9
MP2-1
芳沢美知子
山下 英治
山本
孝
山本 哲也 MP3-3
山本 英範 MP3-2
吉田
山科
山本 雅史 IAS-8,O1-5,
吉田 和則 P4-1-4
山田
晶 P1-1-4,P5-3-7
P2-2-1,
P5-4-3
山本 昌良 YIA-1,O2-3,
P3-4-6
吉田
O5-4,
O9-5,
ES1,
O13-5,
山田
MP1-5,
P2-3-5
P2-4-1,
P2-4-2,
恵子 U40H-1,IAS-4,
MP5-5
【ろ】
ロベルトシーゲル YIA-6
【わ】
O14-2,
P1-1-3,
山本 祐子 P3-2-5
P4-1-5,
P5-2-6,
若井布由子 P3-4-1
P1-1-11,
山本 裕香 P3-4-6
P5-3-3,
若狭
P1-2-4,
P5-1-3,
山本 幸弘 SS1-3
P5-3-10,
若槻 哲三 MP2-5
P6-1-7,
P6-2-4,
若林 宏和 MP1-3
P6-2-5,
P6-2-8,
若林
P6-3-7
若見 和明 O7-2,O7-3,
P6-2-11
山田 聡美 O14-5
山田慎一郎 O11-1
山田 崇弘 P5-1-3
280
漁
清 仁村レクチャー,
BS-5,
S1-2,
政哲 O2-4,O8-5,
MP5-3,
P2-2-11
敦 P3-1-12
山田 和弘 P2-4-3
聡 PCC2-2,O7-3,
李
P2-3-4,
P3-3-3,
山下 裕正 P2-3-2
章 O15-1
【り】
優 O4-5
山下 江美 P1-2-9
山科 順裕 P4-4-4
米澤 英伸 P4-3-5
吉川 良美 P1-1-9
山澤 弘州 SS4-6
O12-1,
P5-3-2
P3-4-5,
P5-2-2
【ゆ】
湯浅 敏典 S1-6,ES14,
O15-3,
P2-2-10
吉田くに子 O8-3,MP1-1,
哲 P6-2-11
康 P3-1-5
O14-1
The 26th Annual Scientific Meeting of the Japanese Society of Echocardiography
脇
研自 P1-4-1
鷲谷 宗秋 P3-4-1
和田 隆志 P4-4-9
和田 輝明 P5-1-2
和田美智子 P4-2-8
和田 靖明 ES2,IAS-6,
男女-2,
O14-3,
MP6-1,
P2-3-6,
P3-2-2
渡司 博幸 P1-3-7
渡部 篤史 MP1-3,P2-1-2
渡辺 清孝 O7-3
渡辺謙太郎 P3-1-11
渡邊 俊介 O8-4
渡邊 伸吾 BS-4,O13-1
渡邉
哲 MP1-2,P5-4-5,
P5-4-10
渡部 徹也 P6-3-4
渡部 朋幸 MP1-4,P4-4-13
渡邉
望 U40H-4,
O10-3,
MP2-6,
P1-3-5,
P1-4-7,
P2-4-2,
P2-4-3,
P3-3-6,
P3-4-8,
P4-3-4,
P4-3-6,
P5-1-9,
P5-1-10,
P5-1-11,
P5-3-3,
P6-1-4,
P6-1-5,
LS4-1
渡辺 修久 P1-2-5,P4-3-8,
P4-3-10
渡辺 則和 P4-3-7
渡辺 弘之 MP4-1
渡邊 博之 O9-4,O11-4,
P1-4-6
渡辺 昌文 O2-4,MP5-3
渡部 美佳 O1-4,P4-2-1,
P6-2-7
渡邊 美妃 P1-2-11
渡邉 未紗 P4-3-9
渡邉 美穂 O14-5
渡邉
諒 O4-5
渡邊 玲子 P2-4-3,P5-1-10
渡部 浩明 U40A-2
和根崎真大 MP1-2,P5-4-5,
P5-4-10
281
Memo
守りたい人がいる。
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び
全身性塞栓症の発症抑制に
【警 告】
本剤の投与により出血が発現し、重篤な出血の場合には、死亡に至るお
それがある。本剤の使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤
投与の適否を慎重に判断すること。
本剤による出血リスクを正確に評価
できる指標は確立されておらず、本剤の抗凝固作用を中和する薬剤は
ないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や
貧血等の徴候を十分に観察すること。
これらの徴候が認められた場合に
は、直ちに適切な処置を行うこと。
(「禁忌」、
「用法・用量に関連する使用
上の注意」
「
、慎重投与」
「
、重要な基本的注意」
「
、過量投与」
の項参照)
【禁 忌(次の患者には投与しないこと)
】
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)臨床的に問題となる出血症状のある患者[出血を助長するおそれ
がある。
(「重要な基本的注意」の項参照)
]
(3)血液凝固異常及び臨床的に重要な出血リスクを有する肝疾患
患者[出血の危険性が増大するおそれがある。]
(4)腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min 未満)の患者[使用
経験がない。]
効能又は効果
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
用法及び用量
通常、成人にはアピキサバンとして1回5mgを1日2回経口投与する。
なお、年齢、体重、腎機能に応じて、アピキサバンとして1回2.5mg 1日2回投与へ
減量する。
〈用法・用量に関連する使用上の注意〉
次の基準の2つ以上に該当する患者は、出血のリスクが高く、本剤の血中濃度が上昇
するおそれがあるため、
1回2.5mg 1日2回経口投与する。
(「臨床成績」の項参照)
・80歳以上(
「高齢者への投与」の項参照)
・体重60kg以下
・血清クレアチニン1.5mg/dL以上
使用上の注意
1. 慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
(1) 出血のリスクが高い患者(先天性あるいは後天性出血性疾患、活動性の潰瘍性消化
管疾患、細菌性心内膜炎、血小板減少症、血小板疾患、出血性脳卒中の既往、
コント
ロール不良の重度の高血圧症、脳・脊髄・眼科領域の最近の手術歴等を有する患者)
[出血の危険性が増大するおそれがある。]
(2) 重度の肝障害のある患者
[使用経験がない。]
(3) 腎障害(クレアチニンクリアランス15∼50mL/min)のある患者[出血の危険性が
増大するおそれがある。
]
(4) 高齢者(
「高齢者への投与」の項参照)
(5) 低体重の患者[低体重の患者では出血の危険性が増大するおそれがある。]
2. 重要な基本的注意
(1) 凝固能検査(プロトロンビン時間(PT)、国際標準比(INR)、活性化部分トロンボプラ
スチン時間(aPTT)等)は、本剤の抗凝固能をモニタリングする指標とはならない
ため、本剤投与中は出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。
また、必要に応じて、
血算値(ヘモグロビン値)、便潜血等の検査を実施し、急激なヘモグロビン値や血圧
の低下等の出血徴候を確認すること。臨床的に問題となる出血や貧血の徴候が認め
られた場合には、本剤の投与を中止し、出血の原因を確認すること。
また、症状に応じ
て、適切な処置を行うこと。
(2) 患者には、鼻出血、皮下出血、歯肉出血、血尿、喀血、吐血及び血便等、異常な出血の
徴候が認められた場合、
医師に連絡するよう指導すること。
(3) 他の抗凝固剤と併用する場合には、出血の徴候を十分に観察しながら本剤を投与す
ること。
(
「相互作用」の項参照)
(4) 抗血小板薬との併用療法を必要とする患者においては、出血リスクが増大することに
注意すること。
これらの薬剤と本剤の併用の可否については、本剤との併用を開始す
る前に、
リスクベネフィットを考慮して慎重に判断すること。抗血小板薬2剤との
併用時には、出血リスクが特に増大するおそれがあるため、本剤との併用については
これ
さらに慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、
らの薬剤と併用すること。
(
「相互作用」
「その他の注意」
、
の項参照)
(5) ビタミンK拮抗剤(ワルファリン)から本剤へ切り替える際には、
ビタミンK拮抗剤
の投与を中止し、
PT-INRが2.0未満となってから本剤の投与を開始すること。
(6) 本剤からビタミンK拮抗剤(ワルファリン)
に切り替える際には、PT-INRが治療域の
下限を超えるまでは、本剤とワルファリンを併用すること。
(7) 他の抗凝固剤(注射剤)から本剤に切り替える場合、次回に投与を予定していた時間
まで間隔をあけて、本剤の投与を開始すること。ただし、抗凝固剤(ヘパリン等)の
持続静注から切り替える場合は、持続静注中止と同時に本剤の投与を開始すること。
(8) 本剤から他の抗凝固剤(注射剤)へ切り替える場合は、次回に投与を予定していた
時間まで間隔をあけて、
切り替える薬剤の投与を開始すること。
(9) 待機的手術又は侵襲的手技を実施する患者では、患者の出血リスクと血栓リスクに
応じて、本剤の投与を一時中止すること。出血に関して低リスク又は出血が限定的で
コントロールが可能な手術・侵襲的手技を実施する場合は、前回投与から少なくとも
24時間以上の間隔をあけることが望ましい。
また、出血に関して中∼高リスク又は臨
床的に重要な出血を起こすおそれのある手術・侵襲的手技を実施する場合は、前回
投与から少なくとも48時間以上の間隔をあけること。なお、必要に応じて代替療法
(ヘパリン等)の使用を考慮すること。緊急を要する手術又は侵襲的手技を実施する
患者では、
緊急性と出血リスクが増大していることを十分に比較考慮すること。
(10)待機的手術、
侵襲的手技等による抗凝固療法(本剤を含む)の一時的な中止は、塞栓
症のリスクを増大させる。手術後は、患者の臨床状態に問題がなく出血がないことを
確認してから、
可及的速やかに再開すること。
(11)患者の判断で本剤の服用を中止することのないよう十分な服薬指導をすること。
本剤を服用し忘れた場合には、気づいたときにすぐに1回量を服用し、その後通常
どおり1日2回服用するよう指導すること。服用し忘れた場合でも一度に2回量を
服用しないよう指導すること。
3. 相互作用
本剤は、主にCYP3A4/5によって代謝される。
また、本剤はP-糖蛋白及び乳癌耐性蛋白
(BCRP)の基質となる。
(
「薬物動態」の項参照)
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等:アゾール系抗真菌剤(フルコナゾールを除く),イトラコナゾール,ボリコナゾール
等,HIVプロテアーゼ阻害剤,リトナビル等 薬剤名等:マクロライド系抗菌薬 クラリス
ロマイシン エリスロマイシン等,フルコナゾール,ナプロキセン,ジルチアゼム 薬剤名等:
リファンピシン,フェニトイン,カルバマゼピン,フェノバルビタール,セイヨウオトギリソウ
(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 薬剤名等:血小板凝集抑制作
用を有する薬剤,アスピリン,クロピドグレル硫酸塩,ジピリダモール,チクロピジン塩酸塩,シ
ロスタゾール,オザグレルナトリウム等 薬剤名等:抗凝固剤,ワルファリンカリウム,未分
画ヘパリン,へパリン誘導体,低分子ヘパリン,エノキサパリンナトリウム,フォンダパリヌクス
ナトリウム,ダビガトランエテキシラート,メタンスルホン酸塩,アルガトロバン水和物等 血
栓溶解剤,ウロキナーゼ,t-PA等非ステロイド性消炎鎮痛剤,ジクロフェナクナトリウム,ナ
プロキセン等
4. 副作用
非弁膜症性心房細動患者を対象とした第3相国際共同試験(日本人335例を含む総投薬
症例数18,140例)
において、9,088例に本剤が投与された。副作用が報告された症例は
9,088例中2,524例(27.8%)であった。主な副作用は、鼻出血456例(5.0%)、血尿
234例(2.6%)、挫傷151例(1.7%)、血腫129例(1.4%)、貧血103例(1.1%)で
あった。日本人335例中160例に本剤が投与され、副作用が報告された症例は45例
(28.1%)であった。主な副作用は、鼻出血11例(6.9%)、皮下出血8例(5.0%)、結膜出
血4例(2.5%)、挫傷3例(1.9%)、皮下血腫3例(1.9%)、便潜血3例(1.9%)、血尿3
例(1.9%)であった。非弁膜症性心房細動患者を対象とした国内第2相試験(総症例218
例)では、143例に本剤が投与された。副作用が報告された症例は143例中34例
(23.8%)であった。主な副作用は、鼻出血5例(3.5%)、尿中血陽性3例(2.1%)であっ
た。(承認時)
(1) 重大な副作用
出血:頭蓋内出血(頻度不明注))、消化管出血(0.7%)、眼内出血(0.3%)等の出血が
あらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を
中止するなど適切な処置を行うこと。
(2) その他の副作用
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
その他の詳細につきましては、添付文書をご参照下さい。また、添付文書の改訂にご留意下さい。
製 造
販売元
資料請求先:メディカル情報部
TEL.0120-093-507
2014年3月作成
(第4版)
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小型軽量のコンパクト設計なので、
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に搭載して移動できるだけでなく、本体だ
けでポータブルとして持ち運ぶことも可能
です。様々な環境で抜群の機動性を発揮し
ます。
モニタ表示や操作パネルに日本語を採用。
検査の一連の操作がスムーズに進められま
す。また、操作キーは2色発光キーを使用し
ており、暗所での視認性にも優れます。