人工衛星及び宇宙探査機の軌道 (宇宙学入門ノート,宮澤政文,2010年) 主な人工衛星軌道(円・楕円軌道) 軌道名 軌道の特徴・形状等 利用例 低高度地球周回軌道 高度 約200 ∼ 500kmの円・楕円軌道 科学観測,宇宙実験等に利用される。国際宇宙 Low Earth Orbit (LEO) 東回り地球周回軌道 ステーションは高度 約400km,スペースシャト 周期=約90分,軌道傾斜角=0 ∼ 60° ルは300km程度の円軌道である。 目的の軌道に移行するための暫定的パーキング (Parking)軌道として,科学・実用目的に利用 される。 中高度GPS軌道 高度 約20,000kmの東回り円軌道 24基の衛星群を基本とする。 周期=約12時間,軌道傾斜角=55° 地球上の目標物体の位置を測定する。 静止軌道 赤道上空35,786kmの円軌道 通信及び(地表全体の)観測に最適。 Geosynchronous Earth Orbit 軌道傾斜角ゼロで1周回/日 放送衛星,気象観測衛星など大多数の実用衛星 (GEO) 地表と相対的に静止 が利用する。 ホーマン・トランスファ軌道 高度の低い軌道(近地点)と高い軌道(遠地点) 静止衛星を打ち上げるとき必ず利用する。 Hohmann Transfer Orbit を結ぶ楕円軌道 このときの近地点はパーキング軌道の赤道上空 衛星を高度の高い円・楕円軌道に打ち上げる 点,遠地点高度は静止衛星高度となる。 とき,最もエネルギー効率のよい軌道 宇宙探査機も利用する。 (例)火星探査のとき, (全地球測位システム) 太陽を焦点とする地球軌道を近日点,火星軌道 を遠日点とするホーマン・トランスファ軌道を 用いる。 太陽同期軌道 衛星軌道面と太陽のなす角度が常に一定であ 地球観測に最適。 Sun-Synchronous Orbit (SSO) る南北周回軌道 殆ど全ての地球観測衛星は太陽同期かつ準回帰 衛星通過地点の地方時が一定 の円軌道を利用している。 軌道高度と軌道傾斜角に一定の条件あり 殆どの地球観測衛星は高度600 ∼ 900km,傾 斜角98 ∼ 99°の円軌道 準回帰軌道 衛星がN日後に同じ地点(の上空)に戻ってく Subrecurrent Orbit る軌道
© Copyright 2024 Paperzz