新潟県における定期報告制度の 現況について

新潟県における定期報告制度の
現況について
財団法人 新潟県建築住宅センター
1.はじめに
新潟県は日本海に面し、富山、長野、群馬、
として発足、その後、社会的要請に応じて住宅
関連業務の振興を図る事業を推進するため、昭
和 59 年に現在の名称に改称いたしました。
福島、山形の5県と接する県境が越後山脈で囲
現在は、設立当初の業務のほか、建築確認・
まれ、県のほぼ中央部に信濃川と阿賀野川流域
検査、構造計算適合性判定、適合証明書交付(フ
が広がる日本最大の面積を誇る広大な平野を抱
ラット 35)、住宅瑕疵担保責任保険、住宅完成保
えた、自然豊かなところです。
証制度、住宅性能評価、長期優良住宅等技術的
南北に広がる県土の総面積は約 13000 ㎡と、
審査、エコポイント対象住宅証明、弁護士によ
全国第5位の広さを誇り、人口は全国で第 14 位
る建築・住宅相談窓口、新潟市木造住宅耐震診
の約 240 万人となっております。
断に係る業務等を行っております。
平成の大合併によって平成 19 年に政令指定
また、定期報告制度関連業務においては、一
都市となった新潟市をはじめ、新潟県では人口
部の業務について特定行政庁から業務を受託し、
が都市部に集中しており、新潟県を始めとして、
適切に遂行することで、県民の皆様の安全安心
新潟、長岡、上越、柏崎、三条、新発田の6市、
な暮らしをサポートしております。
併せて7特定行政庁が置かれています。
新潟県では、これら特定行政庁及び関係団体
による連絡会を結成し、特殊建築物及び昇降機
等それぞれにおいて、制度の適正かつ円滑な推
進を図るため、一丸となって取り組んでおりま
す。
3.定期報告関連業務
1)業務内容
当センターは所有者(管理者)と特定行政庁
の間にあって、その推進と円滑な運営を図るた
め、下記の業務を行っております。
2.事業の概要
当センターは、昭和 49 年 8 月に建築物の安全
・定期報告制度の普及啓発
性の確保と防災対策に関する諸施設の推進及び
・調査検査資格者への指導啓発
適正な維持管理の重要性についての啓発活動を
・定期報告台帳の整備
行うことを目的に、(財)新潟県建築防災センター
・所有者(管理者)への通知・督促文の送付
・報告書提出の窓口業務
会員
・定期報告結果の集計報告
定期報告連絡会議(特殊建築物等)
新潟県、新潟市、長岡市、上越市、
柏崎市、三条市、新発田市
活動
また、業務の詳細な内容と流れについては、
図-1に示すとおりです。
2)定期報告状況
新潟県昇降機定期検査連絡会(昇降機等)
すとおりです。
より詳細となった平成 20 年度の告示改定以降、
管理者や調査・検査者の皆様から、お問合せや
新潟県、新潟市
㈳日本エレベータ協会関東支部新潟県支所
㈶新潟県建築住宅センター
活動
また、最近の動向としては、調査検査項目が
対象用途、規模の見直し等の検討
報告結果の効果的活用検討
会員
定期報告の報告状況については、表-1に示
報告率向上のための取組検討
会員による定期検査現場研修会の実施
有資格者への講習会の実施
相談等を多く頂いております。
さらに、報告書においては記入のミス、書類
の不足などが散見されましたが、講習会や、調
査検査者への個別照会を行うことで、近年はこ
のようなケースも少なくなってきております。
今後も県民の皆様の安全安心な暮らしのため、
各連絡会を通じ、各特定行政庁及び関係団体と
連携をとりつつ、定期報告制度の適正かつ円滑
な推進に努めていく所存です。
最後に、日頃より当センターの業務推進に際
4.おわりに
定期報告制度は昭和 34 年に開始され、時代の
変遷と共に、これまで何度も見直しが行われて
きました。近年においても建築物・昇降機等が
し、ご理解ご協力頂いております行政関係部署
の皆様、各地域法人及びブロック協議会の皆様、
並びに調査者検査者の皆様に、改めて感謝申し
上げます。
適切に維持管理されていなかったことに起因す
る事故が相次ぎ、平成 20 年 4 月に大きく見直し
がなされたのは、皆様の記憶にも新しいところ
と存じます。
このように、定期報告制度を取り巻く状況が
大きく変化しているなか、新潟県においても制
度をより的確に実施し、建築物・昇降機等の安
全安心を推進することを目的に、それぞれ連絡
組織を設置、運営しているところです。
財団法人 新潟県建築住宅センター
〒950-0965
新潟市中央区新光町 15 番地 2
公社総合ビル 7 階
TEL 025-283-0851(担当:防災部 小出)
図-1 業務フロー
(財)新潟県建築住宅センター
①新規台帳の作成
情報提供
②既存台帳の整理
▼
(特殊建築物・設備)
③通知文作成・発送
▼
調査検査依頼
管
理
者
(
所
有
者
調査検査報告
報告書提出
④報告書の受付
報告書送付
⑤報告書の点検
調
査
者
検
査
者
特
定
行
政
庁
⑥報告結果の台帳入力
▼
⑦報告済証の発行
▼
)
(昇降機)
(特殊建築物・設備)
(特殊建築物・設備)
12条5項の発行
⑧12条5項(控)の送付
▼
▼
▼
⑨督促文作成・発送
▼
⑩報告結果集計・報告
結果報告
表-1 定期報告の報告状況
報告対象
規模
平成19年度
期間
対象件数 報告件数
平成20年度
報告率
対象件数 報告件数
平成21年度
報告率
対象件数 報告件数
報告率
劇場、映画館又は演芸場
A>=200,F>=3又は
主階が1階にないもの
2年
10
6
60.0%
-
-
-
11
8
72.7%
観覧場(屋外観覧場を除く)、公
会堂又は集会場
A>=200又はF>=3
2年
421
330
78.4%
-
-
-
446
352
78.9%
病院、診療所(患者の収容施設
があるものに限る)、老人ホー
ム又は児童福祉施設等
A>=300又はF>=3
3年
1030
880
85.4%
-
-
-
-
-
-
A>=1500かつF>=3
1年
353
189
53.5%
351
176
50.1%
353
179
50.7%
A<1500かつF>=3
2年
-
-
-
360
83
23.1%
-
-
-
A>=300かつF>=2
3年
-
-
-
1316
220
16.7%
-
-
-
F>=3又はA>=300,
かつ、F>=2
3年
-
-
-
4975
2818
56.6%
-
-
-
A>=2000,又はF>=3
3年
-
-
-
-
-
-
537
498
92.7%
百貨店、マーケット、展示場、ダンス A>=2000,かつF>=3
ホール、遊技場、公衆浴場、待
A<2000,かつF>=3
合、料理店、飲食店又は物品販
売業を営む店舗
A>=500,かつF>=2
1年
103
55
53.4%
95
51
53.7%
99
61
61.6%
2年
221
84
38.0%
-
-
-
220
75
34.1%
3年
-
-
-
-
-
-
522
250
47.9%
旅館又はホテル
特
殊
建 下宿、共同住宅又は寄宿舎
築
物 学校、体育館、博物館、美術
館、図書館、ボーリング場、ス
キー場、スケート場、水泳場又
はスポーツの練習場
キャバレー、カフェ、ナイトクラブ又はバー
A>=300,かつF>=3
2年
11
0
0.0%
-
-
-
10
1
10.0%
地下街
A>=1500
1年
1
1
100.0%
1
1
100.0%
1
1
100.0%
2150
1545
71.9%
7098
3349
47.2%
2199
1425
64.8%
32.5%
合計
換気設備
建
築 排煙設備
設 非常用の照明装置
備
毎年
1508
446
29.6%
1430
388
27.1%
1405
457
毎年
536
182
34.0%
511
161
31.5%
499
186
37.3%
毎年
1647
209
12.7%
1574
179
11.4%
1523
203
13.3%
3691
837
22.7%
3515
728
20.7%
3427
846
24.7%
毎年
6018
5897
98.0%
6229
5634
90.4%
6519
6018
92.3%
毎年
639
576
90.1%
629
530
84.3%
669
600
89.7%
毎年
2702
2236
82.8%
2712
2185
80.6%
2797
2161
77.3%
毎年
48
48
100.0%
48
47
97.9%
50
44
88.0%
9407
8757
93.1%
9618
8396
87.3%
10035
8823
87.9%
合計
エレベーター
昇 エスカレーター
降
機 小荷物専用昇降機
等 遊戯施設
合計