平成15年度 三重大学工学部物理工学科 社会人向けリカレント教育講座 パソコン大人の科学 −トマトは磁石にくっつくか?− 平成15年8月9日(土) 目次 ■ サイエンスチャンネルを散策 ・・・・・ −トマトは磁石にくっつくか?− 1-1 物理工学科 助教授 小林 正 ■ Mathematicaを使って科学計算 −3次方程式を解いてみよう− 物理工学科 助教授 小林 正 ・・・・ 2-1 サイエンスチャンネルを散策 −トマトは磁石にくっつくか?− 物理工学科 助教授 小 林 正 [email protected] 1.はじめに または, ●知ってる? 学研の「大人の科学」 (3) 磁石の性質・磁石の性質II・電磁石 http://kids.gakken.co.jp/kit/otona/ で実験の映像を見ることができます.この番組を見れば,自 分で実験してみることもできます. という科学体験キットが静かなブームですが,本講座ではパ ソコンを使って大人の科学を行ないます. 番組の中で説明していましたように,トマトの大部分の水 分が反磁性という性質を示し,その結果“トマトと磁石は反 発しあう”ことになります.詳しくは後程説明します. まず,科学的な番組を配信しているホームページ「サイエ ンスチャンネル」 http://sc-smn.jst.go.jp/ 小学生のころの理科の実験で“磁石につくもの,つかない もの”みたいなお勉強をした記憶があると思います.たぶん そのときは『トマトは磁石にくっつかない』と答えると,『よ くできました』と誉められたと思います.まあ,ランドセル をしょった小学生が『トマトの大部分の水分が反磁性という 性質を示すので,トマトと磁石は反発しあう』なんて答える のもちょっとブキミではありますが. を紹介し,その中のいくつかを実際に実験してみます. 例えば「大人の科学」には,“エジソン式コップ蓄音機” “ベルリナー式円盤蓄音機”という蓄音機組み立て用キット がありますが,「サイエンスチャンネル」には, ●遊ぼう!米ちゃんとわんぱく実験 (28) 挑戦!エジソンの蓄音機 昔の“トマトは磁石にくっつかない”というのはある意味 真実であり,最近の“トマトと磁石は反発しあう”というの ももちろん真実です.トマトと磁石が反発しあう反発力はも ちろん非常に微力で,昔の磁石は磁界が弱くて,このような 実験をしても微少な反発力を簡単には検知できませんでした. 最近“ネオジウム鉄磁石”という超強力な磁石が発明され, このような実験が簡単にできるようになりました.どのくら い超強力かといいますと,磁界でくっついている二つの“ネ オジウム鉄磁石”を引き剥がすのに汗をかくくらいです. という番組があります(現在残念ながらインターネット放送さ れていません). また,「大人の科学」には,“磁界検知式鉱石ラジオ”と いう鉱石ラジオ組み立て用キットがありますが,「サイエン スチャンネル」には, ●遊ぼう!米ちゃんとわんぱく実験 (30) 手軽に作れる!?手作りラジオに挑戦 という番組があります(これも現在残念ながらインターネット 放送されていません). ちなみに“ネオジウム鉄磁石”は,例えば,「二六製作所」 このように「サイエンスチャンネル」でも工作・実験の方 法がたくさん放送されています. http://www.26magnet.co.jp/ 2.○○○は磁石にくっつくか? 2-2 アルミは磁石にくっつくか? 2-1 トマトは磁石にくっつくか? 同様にして, で通信販売しています. ●ようこそ!米ちゃんの工作ランドへ “トマトは磁石にくっつくか?” (3) ロウソクチンチン!磁石の不思議 この答えは,もちろん または, “トマトは磁石にくっつかない” ●知ってる? という何のオチもないものではありません.正解は, (3) 磁石の性質・磁石の性質II・電磁石 “N極を近づけても,S極を近づけても,トマトと磁石は反 発しあう” では“アルミは磁石にくっつくか?”という実験の映像を放 送しています.答えは, のです.その様子は,「サイエンスチャンネル」の番組 “N極をゆっくり近づけても,S極をゆっくり近づけても, アルミと磁石は引き付けあう(“ゆっくり”がポイント)” ●ようこそ!米ちゃんの工作ランドへ のです.もちろん吸引力も非常に微力です. (3) ロウソクチンチン!磁石の不思議 番組では説明されていませんでしたが,アルミは常磁性と 1-1 いう性質を示し,その結果“アルミと磁石は引き付けあう” ことになります.やはり詳しくは後程説明します. まとめますと,水は反磁性,アルミは常磁性,ついでに磁 石は強磁性といいます. 2-3 反磁性 磁界 まずはじめにトマトの水分の反磁性について説明します. アルミの ブロック 反磁性の物質は,後で説明します常磁性(図5(a))や強磁性 (図6)と違って,図1(a)のようにミクロに見てもまったく小さ な磁石を持っていません.しかし,外から磁界を加えると, すなわち例えば磁石を近づけると,図1(b)のように反対向き の小さな磁石が現われます.N極どうしが向き合いますので, 微少な反発力が働きます. (a) アルミのブロックと磁石がともに止まっていると,アル ミと磁石は微妙に引き付けあいます. (a) 普段はミクロに見てもまったく磁石を持っていません. (b) 磁石をアルミにすばやく近づけていきますと(“すばやく” がポイント), (b) 磁石を近づけると,反対向きの小さな磁石が現われ,微 妙に反発しあいます. 図1 反磁性の物質,例えば水 この理由の説明はややこしいのですが,以下で例を示して 説明します. 電界 アルミのブロックと磁石を図2(a)のように置きます.アル ミも磁石も動いていません.このとき“2-2.アルミは磁石 にくっつくか?”のとおり,アルミと磁石は引き付けあいま す.次に図2(b)のように磁石をアルミにすばやく近づけてい きます(“すばやく”がポイント).すると図2(c)のように電界 の渦ができ,この電界がアルミの中の自由電子を動かして図 2(d)のように電流が流れます.この電流は磁界を作りますが, 1-2 (c) 電界の渦ができ, 磁界の方向は図2(e)のとおりで,結局図2(f)のように反対向き の小さな磁石があるように見え,アルミと磁石は反発しあい ます.なお,アルミと磁石をゆっくり近づけると,電流がほ とんど流れませんので,アルミと磁石は反発しません. トマトの水分の反磁性は,原子レベルで図2(f)のようなこ とが起きているのです.そのためトマトと磁石が静止してい ても反発力が働きます. 2-4 アンペールの法則とファラデーの電磁誘導の法則 電流 図2(c),図2(e)に関連し,アンペールの法則とファラデー の電磁誘導の法則を説明します.難しければ,ここは飛ば して下さい. 「サイエンスチャンネル」の番組 ●知ってる? (d) この電界がアルミの中の自由電子を動かして電流が流れ, (3) 磁石の性質・磁石の性質II・電磁石 で実験していますように,電線に直流電流を流しますと図 3(a)のように電流の周りに磁界の渦ができます.磁界の渦 ができてるかどうかは,図3(b)のように方位磁石をおいて みるとわかります.これは電流が磁界の渦を作るという法 則で,アンペールの法則といいます.この電流は直流でも 交流でも構いません.交流電流では,磁界の強さは時々刻々 変わり,磁界の渦の方向は電流の向きにしたがって右回り になったり左回りになったりします. 磁界 電流 磁界 (e) この電流は磁界を作ります. (a) 電流の周りに磁界の渦ができます. (b) 磁界の渦ができてるかどうかは,方位磁石をおいてみ るとわかります. 図3 アンペールの法則 磁界を作るためには電流が必要でしたが,では電界を作 るにはどうすればいいでしょうか? それには,交流磁界 が必要です.直流磁界,すなわち時間的に変化しない磁界 ではダメです.例えば止まっている磁石が作る磁界は直流 磁界,すなわち時間的に変化しない磁界で,これからは電 界はできません.磁石を動かすと,時間的に変化する磁界 ができ,その周りに電界の渦ができます. (f) 結局反対向きの小さな磁石があるように見え,アルミと磁 石は反発しあいます. 図2 アルミのブロックと磁石 1-3 例えば,図4(a)のように時間的に増加する磁界がある場 合,図のように電界の渦ができます.電界の渦ができてる かどうかは,図4(b)のように電線を置き,電線に電圧計を つなぐとわかります.図4(c)のように電圧計の代わりに抵 抗をつなぐと,電界の渦が電線の中の自由電子を動かして 電流が流れます.これは時間的に変化する磁界が電界の渦 を作るという法則で,ファラデーの電磁誘導の法則といい ます.電流が流れるのはたまたまそこに電線があるからで, それは本質的なことではありません.本質的なことは,電 界の渦ができるということです.そして,磁界の時間変化 が大きければ大きい程,強い電界ができます. をしています(現在残念ながらインターネット放送されて いません). また, ●米ちゃんのWhat is “IT”? (9) What is“電子マネー”? では,アンペールの法則とファラデーの電磁誘導の法則の 両方を応用して,電磁調理器を使って電球を点灯させる実 験をしています. 時間的に増加する磁界 電界 (a) 時間的に増加する磁界がある場合,電界の渦ができま す. (a) 小さな小さな磁石からできていますが,みんなバラバラ な方向を向いています. 電線 電圧計 (b) 電界の渦ができてるかどうかは,電線を置き,電線に 電圧計をつなぐとわかります. 電流 抵抗 (c) 電圧計の代わりに抵抗をつなぐと,電界の渦が電線の 中の自由電子を動かして電流が流れます. 図4 ファラデーの電磁誘導の法則 「サイエンスチャンネル」の番組 ●遊ぼう!米ちゃんとわんぱく実験 (19) 巻いてびっくり!コイルで遊ぼう (b) 磁石を近づけると,平均すると同じ向きの小さな磁石が 現われ,微妙に引きあいます. では,アンペールの法則を応用した手作りスピーカーや, ファラデーの電磁誘導の法則を応用した人間マイクの実験 図5 常磁性の物質,例えばアルミ 1-4 2-5 常磁性 ところで, ●ようこそ!米ちゃんの工作ランドへ 次にアルミの常磁性について説明します. (3) ロウソクチンチン!磁石の不思議 図5(a)のように小さな小さな磁石からできていますが,み んなバラバラな方向を向いています.この図は時間を止めて 描いたもので,別の時間には,それぞれの小さな磁石はまた 違った方向を向いています.すなわちある一つの小さな磁石 に注目しますと,それは時間とともにいろいろな方向を向き ます. でやっていますように,磁石は加熱しますと磁石でなくなっ てしまいます.もう少し正確にいいますと,前に説明しま した常磁性の状態になります.音楽を録音します光ディス クのミニディスクは,実は“磁石は加熱しますと磁石でな くなってしまう”原理を利用して録音しています.加熱源 は,レーザー光線です. 小さな磁石がこのようにバラバラな方向を向く原因は熱運 動をしているからです.室温はそれほど高い温度とは思わな いでしょうが,絶対零度から見るとメチャクチャ高温です. 2-7 宙に浮く磁石“ス−パーレビトロン” このバラバラに運動している小さな磁石の いる数と を向いて おまけで,磁石を空中に浮かせてみましょう. を向いている数は同じで,同様にして, と , と , と も同じです.すなわち全体を 平均してみたとき,磁石にはなっていません. しかし,外から磁界を加えると,すなわち例えば磁石を近 づけると,図5(b)のように小さな磁石の を向いている 数より を向いている数の方がやや多くなります.同様 にして, より , より の数の方がやや多 くなります.そして全体を平均してみると,図のように同じ 向きの小さな磁石が存在するのことと同じになります.N極 とS極が向き合いますので,微少な吸引力が働きます. 2-6 強磁性 最後に強磁性について説明します. 強磁性の物質は図6のように小さな小さな磁石からでき ています.そしてその小さな磁石がみんな同じ方向を向い ているとき,全体として磁石として働きます.ここで,“み んな同じ方向を向いている”ことが重要です.小さな磁石 がそれぞれ勝手な方向を向いていると,全体として磁石で は無くなってしまいます. (a) N極どうしを向かい合わせにしても,磁石はすぐ倒れ て, 小さな小さな磁石からできていて,みんな同じ方向を向い ています. (b) 結局二つの磁石がくっついてしまいます. 図6 強磁性の物質,例えば磁石 図7 磁石を空中に浮かせることは可能でしょうか? 1-5 磁石でできたコマ 磁石 磁石が実際に宙に浮かんでいるところ 図9 空中に浮く磁石“ス−パーレビトロン” 3.まとめ 宙に浮かせようとする磁石をコマのように回転させると? 図8 磁石を空中に浮かせる方法 “N極を近づけても,S極を近づけても,トマトと磁石は反 発しあう” 強力な磁石が二つあれば,N極どうしを向かい合わせに することにより,磁石を宙に浮かせることができそうに思 えますが,実は世の中そんなに甘くはありません.やって みればすぐわかりますが,宙に浮かせようとする図7(a)の ように磁石はすぐ倒れて,N極とS極が向い合せになり, 図7(b)のように結局二つの磁石がくっついてしまいます. “N極をゆっくり近づけても,S極をゆっくり近づけても, アルミと磁石は引き付けあう” のです.ただしこの効果は微妙です.でも“ネオジウム鉄磁 石”という超強力な磁石が発明され,このような実験が簡単 にできるようになりました. では本当に方法はないのでしょうか? そしてこのような実験は,サイエンスチャンネルにいけば, いつでも好きなときに見ることができます. ●遊ぼう!米ちゃんとわんぱく実験 (7) まわしてナットク!コマの秘密 または, ●不思議の扉 (12) 電磁誘導 で紹介されていますオモチャ(商品名“ス−パーレビトロ ン”“U-CAS”)は,磁石を空中に浮かせることに成功し ています(“まわしてナットク!コマの秘密”は現在残念 ながらインターネット放送されていません). 原理は,宙に浮かせようとする磁石を図8のようにコマ のように回転させます.宙に浮かせようとする磁石が倒れ てN極とS極が向い合せになろうとしますが,コマのよう に回転していますとその運動が妨げられ,結果磁石を宙に 浮かせることができます.図9は実際に宙に浮かんでいる ところです. ちなみに“ス−パーレビトロン”は,例えば,「中村理 科工業」 http://www.rika.com/ で通信販売しています. 1-6 (付録 1) サイエンスチャンネルを見るにはどうす ればいいの? “ニュース・情報” 以下のいずれかで見ることができます. の中から選択 1.Web放送,すなわちインターネットで見ます. 3.“全シリーズ索引”をクリック “科学館・研究所紹介” “イベント紹介” http://sc-smn.jst.go.jp/ ナローバンド配信(56kbps)と,ブロードバンド配信 (512kbps)をしています. 以下にいくつかの番組を紹介します.番組はどんどん増え ていますので,気をつけて下さい. 当然ブロードバンドで見た方が綺麗で,テレビ並み(?)に綺 麗です. ●@mic GO! GO! ∼原子と原子核 基礎講座∼ 見たい番組を見たいときに見られます. 高校の物理をわかりやすく解説しています. 事情によりWeb放送できないものもあります. (1) 陰極線 (2) 電子の電荷と質量 1 2.CS放送(スカイパーフェクTV!)に加入します. (3) 電子の電荷と質量 2 765ch(サイエンスチャンネルの放送時間帯はノンスクラン ブル) (4) 放射線の性質 見たい番組が放送されるまで,じっと待つしかありません. 事情によりWeb放送できないものも放送されます. (5) 原子の構造 (6) 質量数と同位体 (7) 放射線の種類と性質 (8) 半減期 1 3.110度CS放送に加入します. (9) 半減期 2 009ch(サイエンスチャンネルの放送時間帯はノンスクラン ブル) (10) 光の粒子性 (11) コンプトン効果 (12) 電子の波動性 4.一部のケーブルテレビ局でもやっています. (13) 水素原子のスペクトル (14) ボーアの理論 1 5.一部の科学館でもやっています. (15) ボーアの理論 2 (16) X線 1 6.番組の貸し出しもやっています. (17) X線 2 Tel: 03-5214-8458 (18) 質量とエネルギーの等価性 email: [email protected] (19) 核力 (20) 核分裂 (付録 2) サイエンスチャンネルの番組にはどんな ものがあるの? (21) 核融合 (22) 素粒子 (23) 素粒子の性質 http://sc-smn.jst.go.jp/ (24) 放射能と放射線 1 へいき,以下のいずれかを使って番組を探します. (25) 放射能と放射線 2 (26) 放射線の利用 1.“みたい番組を探す”で検索 (27) 加速器 2.“スペシャル” (28) エンリコ・フェルミ “生命・自然” (29) キュリー夫妻 “宇宙” (30) 原子力発電 1 “環境・エネルギー問題” (31) 原子力発電 2 “生活・社会” (32) 原子力発電 3 “研究者・技術者(人物紹介)” (33) アーネスト・ラザフォード “実験・工作” ●@mic GO! GO! ∼原子と原子核 基礎講座∼ “基礎科学・学習” 1-7 ●THE MAKING (45) 消火器ができるまで いろいろなものがどうやってできるかを見ることができま す. (46) ペットボトルリサイクル (1) 1万円札ができるまで (48) 墨ができるまで (2) マヨネーズのできるまで (49) ファスナーができるまで (3) 一眼レフカメラのできるまで (50) ハイテク野菜ができるまで (4) 清涼飲料のできるまで∼ミルクティー∼ (51) 乾電池ができるまで (5) ホッチキスのできるまで (52) 蚊取り線香ができるまで (6) 鉛筆のできるまで (53) 貨幣ができるまで(新500円貨幣) (7) 段ボール箱のできるまで (54) 化粧品ができるまで (8) 板ガラス・鏡ができるまで (55) ポテトチップができるまで (9) アルミなべのできるまで (56) 信号灯器ができるまで (10) 雑誌ができるまで (57) ストローができるまで (11) レンズ付フィルムのリサイクル (58) ばね(自動車用) ができるまで (12) 口紅ができるまで (59) ブラインドができるまで (13) ピアノができるまで (60) スプーンとフォークができるまで (14) くつ下ができるまで (61) 使い捨てマスクができるまで (15) 発泡スチロールトレーのリサイクル (62) コンタクトレンズができるまで (16) アルミ缶のリサイクル (63) スチールボールができるまで (17) 自動車ができるまで (64) 輪ゴムができるまで (18) 時計ができるまで (65) フォークギターができるまで (19) ミシンができるまで (66) チョコレート菓子ができるまで (20) セロハンテープのできるまで (67) バットができるまで (21) 万年筆ができるまで (68) ローソクができるまで (22) ぬいぐるみができるまで (69) ハサミができるまで (23) ランドセルができるまで (70) 救急バンソウコウができるまで (24) 蛍光ランプができるまで (71) 人工芝ができるまで (25) 歯ブラシ・歯ミガキができるまで (72) 柿の種ができるまで (26) トランペットができるまで (73) 耐火レンガができるまで (27) 石けんのできるまで (74) かまぼこができるまで (28) スニーカーができるまで (75) 茶わんができるまで (29) オルゴールができるまで (76) ハーモニカができるまで (30) ストッキングができるまで (77) 琴ができるまで (31) ティッシュペーパーができるまで (78) 七輪ができるまで (32) お菓子ができるまで (79) 判子(ハンコ) ができるまで (33) コンビニエンスのお弁当ができるまで (80) 草刈機ができるまで (34) 缶詰ができるまで (81) 鍵盤ハーモニカができるまで (35) おもちゃができるまで (82) グミキャンディーができるまで (36) 自転車ができるまで (83) 釣竿ができるまで (37) 麺ができるまで (84) 卓球ラケットができるまで (38) Tシャツができるまで (85) メガネフレームができるまで (39) 原子力発電所ができるまで (86) 野球グラブができるまで (40) パイができるまで (87) 手袋ができるまで (41) シャンプー・リンスができるまで (88) ボウリングの球ができるまで (42) 羽子板ができるまで (89) 金属バットができるまで (43) レトルト食品ができるまで (90) 硬式野球ボールができるまで (44) 食品サンプルができるまで (91) しょう油ができるまで (47) カップめんができるまで 1-8 (92) プラモデルができるまで (6) 科学技術館(2) たまご舞台 VS たまごのカラ天びん・や じろべえ (93) 電球ができるまで (7) 茨城県つくばエキスポセンター(1) カップ・スピーカー VS ホバークラフト (94) スピーカができるまで (95) ビデオテープができるまで (8) 茨城県つくばエキスポセンター(2) 水はアーチスト VS 海はなぜ青いか観察器 (96) パン粉ができるまで (97) 魔法瓶ができるまで (98) パスタができるまで (9) 千葉県立現代産業科学館(1) エジソン電球 VS 自在フッ ク (99) 割りばしができるまで (10) 千葉県立現代産業科学館(2) コップ蓄音機 VS 光電話 (100) レコードができるまで (11) 日立シビックセンター科学館(1) キャベツ色の五重奏 VS キャベツ絵の具 (101) マッチができるまで (103) かつお節ができるまで (12) 日立シビックセンター科学館(2) あき缶電池 VS 水カン リンバ (104) ワイングラスができるまで ●アイデア競演!実験の鉄人 (102) リコーダーができるまで (105) そろばんができるまで (106) かい中電灯ができるまで (107) 紙コップができるまで (108) とび箱ができるまで ●遊ぼう!米ちゃんとわんぱく実験 (109) 粒ガムができるまで 『えっ!』と思う実験が多いです. (110) 毛布ができるまで (1) 戻ってクルクル!手作りのブーメラン (111) 手のべそうめんができるまで (2) 弾む!伸びる!ふしぎ物体をつくろう (112) プチケーキができるまで (3) 鳴らして探そう!音の正体 (113) おもちができるまで (4) フィルムケースで放射線をキャッチ! (114) スティック菓子ができるまで (5) 発射オーライ!手作りのロケット (115) みかんの缶詰ができるまで (6) ガラスの正体,突き止めよう! (116) 缶コーヒーができるまで (7) まわしてナットク!コマの秘密 (117) 地球儀ができるまで (8) かんたんパワー!空き缶電池 (118) ボールペンができるまで (9) まわれクルクル!手作りモーター (119) マシュマロができるまで (10) 虹は七色!光の秘密 (120) 清涼菓子ができるまで (11) ドキドキワクワク!雑木林で遊ぼう (121) バレーボールができるまで (12) くっつく!はなれる?磁力の不思議 (122) ガラスびんができるまで (13) 大空に舞え!手作りヒコーキ (123) ノートができるまで (14) グルグルビックリ!うずまきパワー (124) ローラチェーンができるまで (15) バチッと体験!静電気 (125) 便器ができるまで (16) 砂糖で作ろう!オカシナお菓子 ●THE MAKING (17) 浮かせて遊ぼう!流れのパワー (18) 缶もつぶれる?大気のちから (19) 巻いてびっくり!コイルで遊ぼう (20) 蒸気のパワーでポンポン船を走らせよう! ●アイデア競演!実験の鉄人 (21) 浮いた!沈んだ?浮力の不思議 身近なものを使って様々な工作をします. (22) 動けロボット!手作り発電機 (1) 東京 多摩六都科学館(1) 活性炭電話 VS フランクリン モーター (23) 太古に戻って火起こし体験 (2) 東京 多摩六都科学館(2) ヘロンの噴水 VS 水時計 (25) 作ろう!巨大しゃぼん玉 (3) 名古屋市科学館(1) 磁石ルーレット VS リニアモーター カー (26) 飛ばして遊ぼう!手作りジャイロ (4) 名古屋市科学館(2) 1弦エレキギター VS エコー電話 (28) 挑戦!エジソンの蓄音機 (5) 科学技術館(1) アルミかいろ VS 電波遮断箱 (29) 調べてナットク!手作り気象観測装置 (24) 未来で活躍!クリーンエネルギー (27) 見えない電波をアルミはくでキャッチ! 1-9 (30) 手軽に作れる!?手作りラジオに挑戦 ●知ってる? (31) なぜ燃える?燃焼のふしぎ 中学の理科をわかりやすく解説しています. (32) 初めての電池 ボルタの電池に挑戦 (1) 光の反射と屈折・凸レンズのはたらき・音の世界 (33) 酸っぱい!甘い?酸とアルカリの不思議 (2) 気体の性質・気体の種類を探る・物質の状態変化 (34) 遊園地には科学がいっぱい! (3) 磁石の性質・磁石の性質II・電磁石 (35) 組み合わせれば百人力!てこと滑車の力 (4) 分解・化合・燃焼 (36) 超つめたい!ドライアイスのふしぎパワー (5) 火山と岩石・地層と堆積岩・岩石の見分け方 (37) 夏だ!祭りだ!花火の科学 (6) プランクトンの観察・解剖I,II (38) 天までとどけ!太陽熱気球 ●知ってる? (39) クリーンエネルギー!?ゴム動力に挑戦 (40) ふわふわドッキリ!ふしぎ飛行物体 (41) 見直そう!昔のエネルギー (42) 原子力発電のひみつ ●匠の息吹を伝える∼“絶対”なき技術の伝承∼ (43) 野山は自然のおもちゃ箱 その道のプロの技は凄いです. ●遊ぼう!米ちゃんとわんぱく実験 (1) 達人と金属のしなやかな対話∼ヘラ絞り∼ (2) 目指せ!マルチ技能士∼自動化工場∼ (3) 技能五輪金メダルに挑む∼精密機器組立て∼ ●サイエンス・レンジャー ファイル (4) ゼロ平面への挑戦!マスター・オブ・マスター∼ラップ 仕上げ∼ その分野のプロが実験します. (5) スタイリングの極限へ∼自動車ボディ用金型∼ (1) 飛田賀光∼巨大シャボン玉の謎∼ (6) 受け継がれる「モノ作り」の心∼技能検定(普通旋盤)∼ (2) 湯口秀敏∼セロハンテープ万華鏡の謎∼ (7) 独学で得た“神の技”∼真空機器・精密溶接∼ (3) 池本勲∼七色(レインボー)ジュースの謎∼ (8) 町工場発!つながりが生むハイテク製品 (4) 滝川洋二∼風船IN風船の謎∼ (9) 下町の夢はぐくむ実験室∼理化学ガラス製造∼ (5) 井上貫之∼超低温魔球の謎∼ (10) わずかな隙間との格闘∼蒸気タービンの分解・組立∼ (6) 岡崎正路∼真空稲妻落としの謎∼ (11) 造形のシャドウシミュレーション∼鋳物用木型製作∼ (7) 杉山美次∼闇に光る大根の謎∼ (12) 夢のレンズ・収差0への道∼非球面ガラスレンズの開発 ∼ (8) 田中晃二∼反射超合金X(エックス)の謎∼ (13) 研ぎすまされた“目感”“手感”を求めて∼医療手術器 具製造∼ (9) 山本明利∼空飛ぶ電気クラゲの謎∼ (10) 原田正治∼デコボコアルミはくの謎∼ (11) 宝多卓男∼恐怖!針山地獄の謎∼ (14) 温度計測定の基本をつくる喜び∼ガラス基準温度計の製 造∼ (12) 水島耕成∼金・銀・銅 金属色変化の謎∼ (15) 絶対音を響かせる∼音叉の製作∼ (13) 中村好伸∼電撃!百人おどしの謎∼ (16) 発酵微生物との対話∼醤油のもろ味仕込み∼ (14) 切畠和宏∼とろろピカールいくらの謎∼ (17) 新世紀 無敵のクリエーター集団∼極小金型づくり∼ (15) 平井博政∼エジソン電球の謎∼ (18) 最先端を追求する秘伝∼金型・深絞りプレス加工∼ (16) 渡辺泰樹∼七色光線の謎∼ (19) 安全性を貫いて3万m∼山岳トンネル掘削∼ (17) 谷俊雄∼花咲く炎のバンジ−の謎∼ (20) 鋼に命を吹き込む男達∼金属熱処理∼ (18) 森幸一∼甲賀流ブーメランの謎∼ (21) 技を受け継ぐ(安全はすべてに優先する)∼保線技術∼ (19) 大山光晴∼ニンジンと宇宙の謎∼ (22) 世界一極上の切れ味∼切断加工機製造∼ (20) 小出和美∼われない卵の謎∼ (23) 加速器性能の鍵をにぎる∼ECRイオン源の操作∼ (21) 川村康文∼虹を作る黒い光の謎∼ (24) 匠三代 受け継がれる技能∼焼結金属(粉末冶金)製造∼ (22) 壇上慎二∼北緯34度冷凍作戦の謎∼ (25) 泡を測る∼ボイド率計の開発∼ (23) 長浜音一∼バナナの気持ちの謎∼ (26) 笛一つ1200tを操る∼水車発電機オーバーホール∼ (24) 渡部智博∼カレイドスコープの謎∼ (27) 金属板でストーリーを組立てる∼板金加工∼ (25) 長井正三郎∼鋼鉄金魚(アイアンフィッシュ)13号の謎∼ (28) きれいな空気を送れ!∼潜水機器製作∼ (26) 濱崎修∼明日にふりかける虹の謎∼ (29) 透明な世界に挑む!∼特殊ガラス製造∼ ●サイエンス・レンジャー ファイル 1-10 (30) 彩り豊かな音色を響かせる∼トランペット製造技術∼ ●追跡!エレキクイズ (31) 入魂一直線∼発電機のけがき作業∼ 小学生のための電気のお勉強です. (32) ハイテクに挑む若き匠たち∼レーザー・電子ビーム加工 ∼ (1) 発電所に潜入! (33) 型破りのアイデアで打ち勝て!∼金型製造技術∼ (3) 電線と電柱の謎 (34) 匠の工房・型を極める∼木型・金型・板金製作∼ (4) 電車の秘密 (35) 最先端科学を“ものづくり”から支える∼実験装置製造 ∼ (5) 家の中の電気 (2) 送電線は続くよどこまでも (6) 不思議!?ネオンの輝き (36) 真空を追求する∼真空ポンプ開発∼ (7) 電池の謎 (37) 金属に輝きと長寿命を与える∼めっき技術∼ (8) 街の電気屋さん (38) 常に難物に挑戦∼鋳造技術∼ (9) 配線器具の秘密 (39) 6平方mに700万個の孔∼精密打ち抜きスクリーン(金網) ∼ (10) 驚き!?電球の謎 (11) なるほど!大型画面 (40) 感覚の道具に込められた技と知恵∼ピンセット製造∼ (12) エレベーターを探ろう! (41) 橋に身を潜めて安全を守る∼橋梁伸縮装置∼ (13) なるほど!太陽電池 (42) “硬さのスタンダード”を求めつづける∼硬さ基準片製 造∼ (14) 計器の番人 (43) 赤い帽子に誇りを込めて∼航空機整備∼ (15) 石炭火力発電所の秘密 (44) レーザーを使いこなす∼三次元測定機の開発∼ (16) 発電所をつくる (45) 切る!細く・薄く∼アモルファス合金スリット加工∼ (17) 地球を救う!燃料電池 (46) 世界が舞台のモノづくり∼高度技能者育成∼ (18) 風力発電の未来を探る! (47) 1/100mmの調整∼機械式時計篇∼ (19) 水力発電所を追跡! (48) 大きく育て めっきの樹∼めっき最先端技術∼ (20) 揚水発電って、何? (49) ゲージを仕上げるハンドラップ∼規格測定用工具製造∼ (21) みんなで鉄塔をつくろう!! (50) コンベアベルトに夢を載せて∼ベルトエンドレス接合∼ (22) 潜入!鉄塔建設現場 (51) タフで錆びない鉄塔を作る∼溶融亜鉛メッキ∼ (23) 電線を作る人 (52) 電工作業の原点は信頼∼コイル製作∼ (24) 変圧器を作る (53) 電工作業の真髄は正直∼変圧器製作∼ (25) 電気を通さないすぐれもの がいし (54) 「すばる」を支える高精度な技術∼音叉式センサの製造 ∼ (26) 突撃!電柱作りの謎を追え!! ●追跡!エレキクイズ (55) “食感”を機械に写す∼食品自動製造機製造∼ (56) 五感を駆使して山を掘る∼ボーリング地質調査∼ (57) アークと歩んだ人生∼原子力発電プラント溶接∼ (58) 鍛冶匠と工業高校生∼古式製法で包丁を造る・鍛冶∼ ●テクノ・ギャラリー (59) 家族の絆で絞るラジコンマフラー∼板金へら絞り技術∼ 科学のプロのお話です. (60) 布の織りなす小宇宙∼自動織機パターン開発∼ (1) 血管を泳ぐ!?マイクロマシン (61) 自分流で匠になる∼精密ガラス加工∼ (2) ミツバチたちはにおいでおしゃべり (62) 走れる喜び∼義肢装具の製作∼ (3) 夢のエネルギー!?「核融合」 (63) 目と耳で切りとる∼ワイヤーソー工法∼ (4) 驚き!「藻」がCO2から石油をつくる (64) 限りなく純度を高める∼銅荒引き線 精錬技術∼ (5) ハエと「求愛」と遺伝子 (65) 匠の技でまつ毛クルクル30年∼アイラッシュカーラー製 作∼ (6) 花と昆虫の生き残り戦略 (66) 夢は蒸気にのって∼SLの運転・整備∼ (8) 細胞から作る!試験管臓器 (67) 靴という名の宝石を履く∼婦人皮革靴製造∼ (9) 謎の素粒子「ニュートリノ」! ●匠の息吹を伝える∼“絶対”なき技術の伝承∼ (10) 原子力発電所とロボットの未来 (7) 衛星画像で発掘!地球の姿 (11) シマリスに学ぶ!冬眠の謎 (12) 予測に挑む!山崩れと流動化 (13) 夢のガン治療!陽子加速器 1-11 (14) 大地に注ぐ自然のエネルギー (61) ガンマーフィールドで品種改良 (15) 原子炉が解く?右ききアミノ酸の反乱! (62) 昆虫の微小脳を解明せよ (16) 植物の正しい分類法 (63) ニルスの不思議な旅 (17) 46億年前の化石!すい星研究 ●テクノ・ギャラリー (18) カニ6000種!標本から進化を探る (19) 人工生態系「アクア・スフィア」 (20) 現実?仮想?3次元空間合成の世界 (21) 脳を創る カオス・ニューラル・コンピュータ ●中はどうなってるの? (22) 触れるだけでくっつく「常温接合」 (23) 頭蓋骨は語る いろいろなものがどういう仕組みで,どんなふうに動いて いるかを解説しています. (24) 水のイメージ (1) エアコンの中はどうなってるの? (25) スズメバチ社会のアミノ酸言語 (2) 自動車の中はどうなってるの? (26) 15分の1のオホーツク海を渡る (3) 電子レンジの中はどうなってるの? (27) 鉄腕アトムの夢 (4) コピー機の中はどうなってるの? (28) 大気圏突入!宇宙往還機 (5) テレビの中はどうなってるの? (29) 認知脳科学がいどむ心の謎 (6) 洗濯機の中はどうなってるの? (30) ミトコンドリアに生命を探る (7) 掃除機の中はどうなってるの? (31) 未来を作る!カーボンナノチューブ (8) ビデオデッキの中はどうなってるの? (32) 寄生虫とヒト,共生のメカニズム (9) カメラの中はどうなってるの? (33) ブラックホールを見つけるコツ (10) CDプレーヤーの中はどうなってるの? (34) 男と女,性はいつ生じるのか (11) バーコード・レジの中はどうなってるの? (35) 太陽風予測!宇宙天気予報 (12) ミシンの中はどうなってるの? (36) 生物に学ぶ航空力学 (13) エレクトリックギターの中はどうなってるの? (37) 人間と放射線 (14) 電気はどこで生まれるの?<<前編>>∼発電の仕組み∼ (38) ヒトはなぜ肥満になるのか? (15) 電気はどこで生まれるの?<<後編>>∼コンセントの向 こうには∼ (39) 生物はなぜ多様に進化したのか? (16) 自動改札機の中はどうなってるの? (40) とても小さな大きい世界∼分子をつくる∼ (17) 冷蔵庫の中はどうなってるの? (41) ダ・ヴィンチの微笑み (18) FAXの中はどうなってるの? (42) 微生物社会の大きなコミュニティー (19) 田植え機の中はどうなってるの? (43) 音の秘密,楽器の秘密 (20) 浄水器の中はどうなってるの? (44) 病の源に挑む!糞科学 (21) パソコンの中はどうなってるの? (45) においは脳にどう働きかけるのか (22) X線はどうなってるの? (46) バーチャルリアリティの現在 (23) ビデオカメラの中はどうなってるの? (47) 地震予報!可能性への挑戦 (24) エレベーターの中はどうなってるの? (48) 植物の機能を探る (25) ドライヤーの中はどうなってるの? (49) 元素誕生の謎に迫る (26) 液晶ディスプレイの中はどうなってるの? (50) インド洋の熱水域にカニを探す (27) 飛行機の中はどうなってるの? (51) CIP 奇異なる果実 (28) ヘリコプターの中はどうなってるの? (52) 水で読み解く地球の歴史 (29) 炊飯器の中はどうなってるの? (53) 発見!39K超伝導体 (30) 衣類乾燥機の中はどうなってるの? (54) 二酸化炭素をどう捨てる? (31) カーナビの中はどうなってるの? (55) 人工光合成に挑む!光触媒 ●中はどうなってるの? (56) 磁気リコネクションって何だ? (57) 心の進化を探る (58) パソコンは使いやすい? (59) 地上3mの頂きを目指して (60) ミクロの巨人たち 1-12 ●不思議の扉 (26) 特級機械検査技能士 早川洋司 科学のプロがその分野を優しく解説します. (27) どの子供もどんな子供もいとしく思って (1) 静電気 (28) 日本酒は米と水の芸術品 (2) 界面活性剤 (29) 放射性同位体で脳と心の謎を探る (3) さびとめっきと電池の不思議な関係 (30) 地震の巣 活断層を探せ! (4) 無電解めっき (31) おもしろ科学の伝道師 (5) 2進数とコンピュータ (32) コダワリの競技用車いす (6) ジェットコースターの燃料は? (33) 目指せ!世界一のレーシングカー (7) 光の不思議 (34) ビオトープ計画管理士 (8) 写真はなぜ写るのか? (35) 蒸気をあげて,走れD51! (9) 温度を自在に操る不思議な箱∼気化・液化∼ (36) 限界に挑む 超高速シャッター (10) プラズマ (37) 木に魅せられた若者たち∼手作り家具の職人∼ (11) 電磁波 (38) 地球にやさしいエアロトレイン (12) 電磁誘導 (13) 三角関数 (39) 波のある日は電車を降りて・・・∼サーフボード・シェ イパー/塩谷正紀さん∼ ●不思議の扉 (40) 日光リサイクル奮闘記 (41) 建設コンサルタント∼がけ崩れから命を守る∼ (42) 高温岩体発電に挑む (43) 世界一のテレビカメラレンズを作る! ●夢をつむぐ人々 (44) 未来の発電システムMCFC 開発者の“夢”を紹介しています. (45) 環境汚染物質の監視人 (1) 太陽を手に入れた男∼吉延映輔さん∼ (46) 「一生使ってもらいたい」∼手づくり万年筆の職人∼ (2) 自転車は夢を乗せて (47) 竹を磨き 自分を磨く∼バンブーロッドビルダー∼ (3) パソコンは視覚障害者の夢の機械 (48) 科学のふろく 百聞は実験にしかず (4) 燃費の世界チャンピオンを目指せ! (49) THE LIGHTNING MAN 雷の謎に挑みつづける (5) CG(コンピュータグラフィック)で創る夢の世界 (50) 世界中の子供たちに、雪の白さを冷たさを (6) バイオで作る奥多摩やまめ (51) 究極の電池開発へ リチウム電池最前線 (7) 風力発電で自然と共に歩みたい (52) 世界の砂漠を緑豊かに 乾燥地研究 稲永 忍 (8) 夢は放射線で環境問題を克服すること (53) 「関わりから生まれる建築」一級建築士真島元之さん (9) 超薄型時計をつくる (54) エンジンを理解し思いやる 若き飛行機整備士平井さん (10) 非破壊検査で見えてくるもの,人 (55) 美(ちゅ)ら海 石垣のサンゴに魅せられて (11) ガンとたたかう重粒子 (56) 女の子同士で楽しい舞台 女性猿まわし芸人 (12) ハイテクを支える伝統技術きさげ (57) レトロで新鮮! 8ミリフィルムの世界 (13) 樹木医・「木のいのち」を守る仕事 (58) 私の名前はチョウザメ課長 (14) 人と環境にやさしい乗り物 ノンステップバス (59) ホタルは私の先生です (15) 『音の生態学』 音と人との関わりを知る学問 (60) よみがえれ,川よ.酸性河川の中和事業 (16) 0.01mmを手にした男 ヘラ絞り職人 (61) ロボットで蘇る巨大恐竜 特殊造形物の世界 (17) 超電導リニアモーターカー∼未来の乗り物から現実の乗 り物へ∼ (62) 阿蘇を見つめて∼山地防災研究者∼ (18) 放射線で人生を照らした男 池田正道 (64) がんばれ!女性新人消防士 (19) 科学技術で障害を乗り越えよう! (65) 常識への挑戦!双眼天体望遠鏡の発明者 (20) バタリナリー・テクニシャン (21) 越前の発明王 酒井 弥(みつる)さん (66) 化石で探る9000万年前の世界 御船町恐竜博物館・学芸 員 (22) 南紀の海の語り部に 森 拓也さん (67) 科学の知恵で鉄を打つ 刃物鍛冶職人 (23) 義肢装具士という仕事 (68) 金属燃料・乾式リサイクル技術 原子燃料サイクルの完 成を目指して (63) 古代は宝の山∼縄文人の知恵∼ (24) アイデアで守る地場産業 (69) 島の暮らしを支えるエネルギー 八丈島地熱発電所 (25) 伝統を守り伝える・・表具師の世界 1-13 (70) 家畜からバイオガス発電 八木町職員の挑戦 (71) 古代の謎を解く 放射性炭素年代測定法 (72) 水力発電を守る 東北電力発変電課員 (73) 風の力は無尽蔵 風力発電所技術者 (74) 波の力で航路を照らす 波力発電装置技術者 (75) 日本最大出力 スーパーごみ発電 電気主任技術者 ●夢をつむぐ人々 ●ようこそ!米ちゃんの工作ランドへ 『えっ!』と思う工作が多いです. (1) プロペラカーを作ろう! (2) ストローで笛を作ろう! (3) ロウソクチンチン!磁石の不思議 (4) 火起こし道具をつくろう! (5) 空飛ぶ種だ!プロペラシューター (6) 音が光に?光が音に?光通信に挑戦! (7) カンタン合金 青銅器を作ろう! (8) 外へ出よう!雑木林で遊ぼう (9) 飛ばそう!不思議飛行物体 (10) ふるえて走れ!たわしカー (11) 蒸気の力だ!ポンポン船 (12) シャボン玉で遊ぼう! (13) 本格!木のブーメランを作ろう ●ようこそ!米ちゃんの工作ランドへ ●米ちゃんのWhat is “IT”? ITの仕組みを実験をとおして解説しています. (1) What is“コンピューター”? (2) What is“携帯電話”? (3) What is“インターネット”? (4) What is“LAN”? (5) What is“デジタル画像”? (6) What is“カーナビ”? (7) What is“DVD”? (8) What is“ブロードバンド”? (9) What is“電子マネー”? (10) What is“ネットトラブル”? ●米ちゃんのWhat is “IT”? 1-14 Mathematicaを使って科学計算 −3次方程式を解いてみよう− 物理工学科 助教授 小 林 正 [email protected] 1.はじめに パソコンは元々電子計算機と呼ばれていました.計算が得意です.そこで,パソコンを使って様々な科学計算をして みます.中学生のとき2次方程式の解を一生懸命覚えました.では,3次方程式は解けますか? この講座で実際に解いてみます.BasicもC言語も要りません.とっても簡単です. 2.2次方程式を解いてみよう まず,2次方程式を解いてみます. Mathematicaを使って2次方程式 2 ax + bx + c = 0 を解くには, Solve[a*x^2+b*x+c==0, x] と入力し,shiftキーとenterキーを同時に押して実行します.すぐに, 2 2 -b - Sqrt[b - 4 a c] -b + Sqrt[b - 4 a c] {{x -> ---------------------}, {x -> ---------------------}} 2 a 2 a と表示されます.“Sqrt”はsquare root,すなわち平方根です.これは,見慣れた x= − b − b 2 − 4ac 2a x= − b + b 2 − 4ac 2a と同じです. “Solve[]”は“[]”の中を解きなさい(Solve)という命令であり,“a*x^2+b*x+c==0”は解く方程式,“x”は解く 変数で,“,”で区切って入れます. “Solve”は“S”のみ大文字で他は小文字にしないとエラーとなります.また,解く方程式のイコールは“=”ではな く,“== ”と二つ入力しないとエラーとなります. 2 2 2次方程式ですから一般的に解が二つあります.b − 4ac < 0 のときは複素数となりますが,これは虚数単位 i (i = −1) という概念を知っていればどうということはありません.しかし,2次方程式を始めて解いた人は,そうは思っていなかっ 2 たでしょう.『b − 4ac < 0 のときは,解はないね.』で済んでいたでしょう. 3.3次方程式を解いてみよう では,3次方程式 3 2 ax + bx + cx + d = 0 を解いてみましょう. 2-1 Solve[a*x^3+b*x^2+c*x+d==0, x] を実行します.すぐに, -b {{x -> --3a 1/3 2 2 (-b + 3 a c) - -----------------------------------------------------------------------------------------3 2 2 3 3 2 2 1/3 3 a (-2 b + 9 a b c - 27 a d + Sqrt[4 (-b + 3 a c) + (-2 b + 9 a b c - 27 a d) ]) 3 2 2 3 3 2 2 1/3 (-2 b + 9 a b c - 27 a d + Sqrt[4 (-b + 3 a c) + (-2 b + 9 a b c - 27 a d) ]) + --------------------------------------------------------------------------------------}, 1/3 3 2 a -b {x -> --3 a 2 (1 + I Sqrt[3]) (-b + 3 a c) + ----------------------------------------------------------------------------------------------2/3 3 2 2 3 3 2 2 1/3 3 2 a (-2 b + 9 a b c - 27 a d + Sqrt[4 (-b + 3 a c) + (-2 b + 9 a b c - 27 a d) ]) 3 2 2 3 3 2 2 1/3 (1 - I Sqrt[3]) (-2 b + 9 a b c - 27 a d + Sqrt[4 (-b + 3 a c) + (-2 b + 9 a b c - 27 a d) ]) - ------------------------------------------------------------------------------------------------------}, 1/3 6 2 a -b {x -> --3 a 2 (1 - I Sqrt[3]) (-b + 3 a c) + ----------------------------------------------------------------------------------------------2/3 3 2 2 3 3 2 2 1/3 3 2 a (-2 b + 9 a b c - 27 a d + Sqrt[4 (-b + 3 a c) + (-2 b + 9 a b c - 27 a d) ]) 3 2 2 3 3 2 2 1/3 (1 + I Sqrt[3]) (-2 b + 9 a b c - 27 a d + Sqrt[4 (-b + 3 a c) + (-2 b + 9 a b c - 27 a d) ]) - ------------------------------------------------------------------------------------------------------}} 1/3 6 2 a と表示されます.“I”は虚数単位i のことです.これを見易くしますと, 2-2 x= − + 2 1/ 3 ( −b 2 + 3ac) 3a( −2b + 9abc − 27a d + 4(−b 2 + 3ac) 3 + (−2b 3 + 9abc − 27a 2 d) 2 )1/ 3 3 − −b 3a (1+ 3i)(− b 2 + 3ac) 2 3a(−2b + 9abc − 27a d + 4( −b 2 + 3ac)3 + (−2b 3 + 9abc − 27a 2 d) 2 )1/ 3 2/ 3 3 2 (1− 3i)(−2b 3 + 9abc − 27a 2 d + 4( −b 2 + 3ac)3 + (−2b 3 + 9abc − 27 a 2 d)2 )1/ 3 2 1/ 3 6a x= + 2 ( −2b 3 + 9abc − 27a 2 d + 4(−b 2 + 3ac) 3 + (−2b 3 + 9abc − 27a 2 d) 2 )1/ 3 2 1/ 3 3a x= + −b 3a −b 3a (1− 3i)(−b 2 + 3ac) 2 2/ 3 3a(−2b 3 + 9abc − 27a 2 d + 4( −b 2 + 3ac)3 + (−2b 3 + 9abc − 27a 2 d) 2 )1/ 3 (1+ 3i)(−2b 3 + 9abc − 27a 2 d + 4( −b 2 + 3ac)3 + (−2b 3 + 9abc − 27 a 2 d) 2 )1/ 3 2 1/ 3 6a となります.『いきなり公式を見せられても信用できない.』『証明できないと気持ちが悪い.』という方は,検索エ ンジン“グーグル” http://www.google.co.jp/ で,“3次方程式 解”,“三次方程式 解”,または“カルダノの公式”などで検索してください.証明の方法が見つ かります.ただし,上のような形にまで変形していないところがほとんどです. 3次方程式ですから一般的に解が三つありますが,よく見ますと,二つめと三つめの解に虚数単位i がはいっています. 『3次方程式で三つの解がすべて異なるとき,二つは必ず複素数になるの?』と見えるかもしれませんが,そうではあり ません.例えば, 3 x −15 x − 4 = 0 の解は, x=4 x = −2 − 3 x = −2 + 3 となり,三つの解がすべて異なるのですが,三つの解すべてが実数です. 三つの解すべてが異なる実数である場合が存在するにも関わらず,3次方程式の一般解には虚数単位i が必ずはいりま す.すなわち,3次方程式を一般的に解く場合,虚数単位i という概念は避けて通れません.2次方程式のときには避けて 通ろうとすれば,そうできたのですが... − 4.円周率πの計算をしてみよう 1873年,W. Shanksという人が一生をかけて(?)円周率を計算しました.もちろんコンピューターという便利なものは ありませんでしたが,当時でも機械式の計算機はあったようです.そして最終的に小数点以下第707位まで計算したそう ですが,機械式の計算機を使ったとしても大変なことです.どのくらい大変かといいますと,1946年までShanksの計算 結果を検算した人が(多分)いなかったからです. コンピューターが発明され1946年にShanksの計算結果を検算したところ,小数点第528位以下に誤りがあることが発 見されてしまいました.すなわち小数点以下第527位まで正解でした. 2-3 さて,現在Mathematicaを使って円周率π を計算するには,例えば, N[Pi, 10] を実行します.すぐに, 3.141592654 と表示されます. “N[]”は“[] ”の中の式を数値(Numerical value)にしなさいという命令,“Pi”はπ です.“N”“P”は大文字, “i”は小文字にしないとエラーとなります.“10”は有効数字を10桁にしなさい,すなわちこの場合小数点以下第9位 までを計算し表示しなさいという意味です. “10”を“1000”にしますと小数点以下第999位までを計算し表示させることができ, N[Pi, 1000] 3.14159265358979323846264338327950288419716939937510 58209749445923078164062862089986280348253421170679 82148086513282306647093844609550582231725359408128 48111745028410270193852110555964462294895493038196 44288109756659334461284756482337867831652712019091 45648566923460348610454326648213393607260249141273 72458700660631558817488152092096282925409171536436 78925903600113305305488204665213841469519415116094 33057270365759591953092186117381932611793105118548 07446237996274956735188575272489122793818301194912 98336733624406566430860213949463952247371907021798 60943702770539217176293176752384674818467669405132 00056812714526356082778577134275778960917363717872 14684409012249534301465495853710507922796892589235 42019956112129021960864034418159813629774771309960 51870721134999999837297804995105973173281609631859 50244594553469083026425223082533446850352619311881 71010003137838752886587533208381420617177669147303 59825349042875546873115956286388235378759375195778 1857780532171226806613001927876611195909216420198 となります.もう,この時点で,Shanksの結果をはるかに超えています. 現在の最高計算桁数は,1兆2411億桁です.でももしかしたら今この時間にこの記録が塗り替えられているかもしれま せん. http://3.141592653589793238462643383279502884197169399375105820974944592.jp/ にいきますと,1兆2411億桁の結果を見ることが“原理的には”可能です. 半角英数字一文字は1バイト必要ですから,1兆2411億桁の数字を保存するためには1兆2411億バイト必要です.1兆バ イト = 約1テラバイトで,今時のハードディスクでも1台100ギガバイト程度の容量ですから,1兆2411億桁の数字を保存 するためには,ハードディスクが10台程度必要になります. 5.Taylor展開って? 1 3 5 7 sin 関数はご存じのことと思いますが,実は, x , x , x , x ,・・・を使って, ∞ x 1 x3 x 5 x 7 x 2n−1 n+1 sin x = − + − + ⋅⋅⋅ = −1 1! 3! 5! 7! (2n − 1)! n=1 ∑ 2-4 1 3 5 と表すことができます.sin x はもちろん 2π を周期とする周期関数です.ところが x や x や x などは,もちろん周期関 数ではありません.『周期関数を周期関数でないもので表すことができる.』と言われてもなんか詐欺にあったような 気分になるでしょう. では,これをMathematicaを使って確認してみましょう. まず手始めにn = 3 で打ち切ってみます.すなわち, 3 x1 x 3 x 5 x 2n−1 n+1 − + = −1 1! 3! 5! n=1 ( 2n −1)! ∑ をMathematicaを使って数値的に計算し,グラフにしてみます. Plot[Sum[(-1)^(n+1)*x^(2*n-1)/(2*n-1)!,{n,1,3}],{x,-4*Pi,4*Pi}, PlotRange -> {{-4*Pi, 4*Pi}, {-2, 2}}] を実行します.すぐに, と表示されます. 入力した式の意味ですが,まず, Plot[ f ( x) , {x, -4*Pi, 4*Pi}, PlotRange -> {{-4*Pi, 4*Pi}, {-2, 2}}] ですが,“Plot[]”は f ( x) という関数をグラフにして表しなさいという命令です.“{x, -4*Pi, 4*Pi}”は,変数が “x”で, −4π から4π の範囲で計算しなさいという命令です. また,“PlotRange -> {{-4*Pi, 4*Pi}, {-2, 2}}”は, x 軸(横軸)を−4π から 4π , y 軸(縦軸)を −2 から2 でグラフ にしなさいという命令です. ここでは, f ( x) として, Sum[(-1)^(n+1)*x^(2*n-1)/(2*n-1)!, {n, 1, 3}] としていますが,これは, 3 x 2n−1 n+1 −1 (2n − 1)! n=1 ∑ という意味です.“{n, 1, 3}”は,“n”について,“1”から“3”まで足しなさいという意味です. グラフを見ますと, x = 0 付近でなんとなくsin 関数っぽく見えますが,とても sin 関数といえる代物ではありません. 2-5 では次に n = 10 まで足してみます.すなわち, 10 x 2n−1 n+1 −1 (2n − 1)! n=1 ∑ の結果は, となります.なんだか sin 関数に近づいてきました. では思いっきってn = 100 まで足してみます.すなわち, 100 x 2n−1 n+1 −1 (2n − 1)! n=1 ∑ を計算してみますと, です.これだけ見せられたら『これはsin 関数でしょ!』と思うでしょうが,実は, 100 x 2n−1 n+1 −1 (2n − 1)! n=1 ∑ を計算した結果です. sin 関数を x 1 x3 x 5 x 7 sin x = − + − + ⋅⋅⋅ = 1! 3! 5! 7! ∞ ∑ −1 n+1 n=1 x 2n−1 (2n − 1)! で表すことを,Taylor 展開といいます. 筆者がTaylor 展開を勉強したとき,こんな計算をしてみたいと思ったのですが,あいにくその時代にはパソコンとい う便利なものはありませんでした.プログラム電卓は非常に高価で,やっと関数電卓が手ごろな値段になった時代でし た.で,ちょっと考えるとすぐわかりますが,このような計算を関数電卓だけで確かめるのは非常に大変で,無謀なこ 2-6 となので,諦めました.それから15年度,パソコンとMathematicaを購入し,やっとこのように確かめることができ, 気分がすっきりしました. 6.Fourier級数って? sin 関数のグラフはすぐ書けると思いますが,では, ∞ 1 1 1 sin x + sin3x + sin5x + ... = sin(2n −1) x 3 5 2n −1 n=1 ∑ はどういうグラフになるでしょうか? いきなり無限個ではではよくわかりませんのでとりあえず2個,すなわち, 2 1 1 sin x + sin3x = sin(2n − 1) x 3 2n −1 n=1 ∑ を考えてみます. Plot[Sum[Sin[(2*n-1)*x]/(2*n-1), {n, 1, 2}], {x, 0, 4*Pi}, PlotRange -> {{0, 4*Pi}, {-1.5, 1.5}}] を実行します.すぐに, と表示されます.頭がつぶれたsin 関数になりました. “Sin[]”はsin 関数で,“S”のみ大文字です. 2-7 では3個,すなわち, 1 1 sin x + sin3x + sin5x = 3 5 3 ∑ 2n1− 1 sin(2n − 1) x n=1 は, Plot[Sum[Sin[(2*n-1)*x]/(2*n-1), {n, 1, 3}], {x, 0, 4*Pi}, PlotRange -> {{0, 4*Pi}, {-1.5, 1.5}}] となり,頭が三つに分かれました. 思いきって10個では, Plot[Sum[Sin[(2*n-1)*x]/(2*n-1), {n, 1, 10}], {x, 0, 4*Pi}, PlotRange -> {{0, 4*Pi}, {-1.5, 1.5}}] で,頭が平らになってきました. 2-8 どうせパソコンがやることだからと,100個計算させてみますと, Plot[Sum[Sin[(2*n-1)*x]/(2*n-1), {n, 1, 100}], {x, 0, 4*Pi}, PlotRange -> {{0, 4*Pi}, {-1.5, 1.5}}] となり,やっと sin x + 1 1 sin3x + sin5x + ... = 3 5 ∞ ∑ 2n1−1 sin(2n −1) x n=1 の正体が見えてきました.この波を矩形波,または方形波といいます.sin x もsin 3x も sin 5x もみんなクネクネした関数 ですが,それらをうまく組み合わせますと,このようなカクカクしたグラフになります.そしてこの級数をFourier級数 といいます. 別の波,例えばのこぎり波は,もちろん別の級数で表されます.具体的には, ∞ 1 1 n+1 1 sin x − sin 2x + sin 3x − ... = (−1) sinnx 2 3 n n=1 ∑ で, Plot[Sum[(-1)^(n+1)*Sin[n*x]/n, {n, 1, 100}], {x, 0, 4*Pi}, PlotRange -> {{0, 4*Pi}, {-2, 2}}] 2-9 三角波ですと, 1 1 cos x + cos3x + cos 5x + ... = 9 25 ∞ ∑ (2n1−1) 2 cos(2n −1) x n=1 で, Plot[Sum[Cos[(2*n-1)*x]/(2*n-1)^2, {n, 1, 100}], {x, 0, 4*Pi}, PlotRange -> {{0, 4*Pi}, {-1.5, 1.5}}] です. 矩形波や,のこぎり波や,三角波はありきたりですので,もっと変わった波,すなわち半波整流波はどうでしょうか? ∞ 1 1 21 2 1 2 1 1 1 2 1 n+1 + cos x + cos 2x − cos 4x + cos 6x − ... = + cos x + ( −1) cos2nx π 2 π 3 π 15 π 35 π 2 π n=1 4n 2 − 1 ∑ Plot[1/Pi+Cos[x]/2+2/Pi*Sum[(-1)^(n+1)*Cos[2*n*x]/(4*n^2-1), {n, 1, 100}], {x, 0, 4*Pi}, PlotRange -> {{0, 4*Pi}, {-0.5, 1.5}}] cos 関数の下半分がなくなった波なのですが,きれいに下半分がなくなっています.もちろんこのグラフは定数と cos 関数だけを使って書いています. 2-10 ついでに,全波整流波は, 2 41 4 1 4 1 2 4 + cos 2x − cos 4x + cos 6x − ... = + π π 3 π 15 π 35 π π ∞ ∑( −1) n=1 n+1 1 cos 2nx 4n 2 − 1 Plot[2/Pi+4/Pi*Sum[(-1)^(n+1)*Cos[2*n*x]/(4*n^2-1), {n, 1, 100}], {x, 0, 4*Pi}, PlotRange -> {{0, 4*Pi}, {-0.5, 1.5}}] となり,cos 関数の下半分を上に折り返した波になっています. もうおわかりのことと思いますが,どんなに奇妙な周期関数でも,定数と, sin 関数と,cos 関数だけで作ることがで きます. 7.ややっこしい積分 2次方程式が解けて,3次方程式も解けた.円周率の計算もちょいちょい.グラフもかける.それじゃあ微分積分はで きるかな? ということで, ∞ x dx 2 2 3 /2 0 (x + a ) ∫ という見ただけで『げっ』と思うような計算をさせてみましょう.ちなみに, ∞ x 1 dx = 2 2 3 /2 0 (x + a ) a2 ∫ と解けています.『自分で解かないと気が済まない.』という方, x = a tan θ という変数変換をすることにより解けますので,解いてみてください.『なんでそんな置き換えをするの?』と聞かれ ても困るのですが,『そうすると解けるから』なんです.なお,『 1/ a = 1/ a じゃないの?』と思うかもしれませんが, ∞ x dx > 0 2 2 3 /2 0 (x + a ) 2 ∫ です.もし,a < 0 ですと, 1/ a < 0 となっておかしなことになってしまいます. 2-11 さて, Integrate[x/(x^2+a^2)^(3/2), {x, 0, Infinity}] を実行しますとすぐに, 1 -------2 Sqrt[a ] と表示されます.すなわち 1 a2 ということです. “Integrate[]”は“[]”の中を積分しなさい(Integrate)という命令であり,“x/(x^2+a^2)^(3/2) ”は被積分関数, “{x, 0, Infinity}”は,積分変数が“x”で, 0 から∞ (Infinity)まで積分しなさいという命令です. 2 ちゃんと 1/ a であって, 1/ a でないところが賢いです. 8.積分もうひとつ −x 2 y=e という関数は, Plot[Exp[-x^2], {x, -3, 3}] によりグラフを表示することができます.“Exp[-x^2]”とは e −x 2 ということです.その結果, という美しいグラフが書けます.これを−∞ から ∞ まで積分すると,すなわち, ∫ ∞ −∞ e − x2 dx はいくつになるでしょうか? 2-12 Integrate[Exp[-x^2], {x, -Infinity, Infinity}] を実行しますと, Sqrt[Pi] となります.すなわち ∫ ∞ −∞ e − x2 dx = π となります.左辺の積分を見る限りではπ には縁がないように見えるのですが,実は π というのが答えです.これも 紙と鉛筆があれば証明することができますが,ここでは省略します. 9.微分方程式! 微分方程式といいますとものすごく仰々しいのですが,例えば, d y(x ) = − y(x ) dx というような式です.微分方程式を解くということは, d / dx を無くして, y(x ) を具体的に x で示すということです. DSolve[y'[x]==-y[x], y[x], x] を実行しますと, C[1] {{y[x] -> ----}} x E が得られます.すなわち, c −x y(x ) = x = c e e −x となります. y(x ) = c e から, d −x y(x ) = −c e dx であり, −x − y( x) = −c e であるので, d y(x ) = − y(x ) dx −x が成り立っていることがわかります.ここで c は任意の数で,いくつであろうが y(x ) = c e は d y(x ) = − y(x ) の解です. dx 言い換えますと,このままでは y(x ) は c だけ不定で,完全には決まりません. どこでもいいのですがどこか1点,例えば, x = 0 のときの y(x ) ,すなわち y(0) がわかっていて,例えば, y(0) = 1 であるならば, −0 y(0) = c e = c = 1 となって, −x y(x ) = e と y(x ) が決定します. 2-13 y(0) = 1 のことを初期条件といいますが,初期条件つき微分方程式を解く場合には, DSolve[{y'[x]==-y[x], y[0]==1}, y[x], x] を実行し,その結果, -x {{y[x] -> E }} すなわち, −x y(x ) = e が得られます. 10.まとめ 2次方程式は中学生でも解けますが,3次方程式を解くのは難しいです.でも今時のパソコンは賢いので,3次方程式も 平気で解いてしまいます. 円周率だって1000桁くらい簡単に計算してくれます.グラフだってかけます.それだけに限らずややっこしい積分も, さらに微分方程式だって解いてくれます. なぜ解けるのでしょうか? それはその昔解いた人がいて答えがわかっているからです. 中学校や,高校や,大学の3年までは,ここで示した問題が解けると『アンタは偉い!』と誉められました.もちろん 解けなければ誉められませんが... でも大学4年の卒業研究や,大学院の研究や,会社で行なう研究や開発では,このように答えがわかっていて,パソコ ンでも解けるような問題が解けたとしても『それがどうした』といわれるだけです. 重要なことは,ちょっと大袈裟ですが, 人類の誰も知らないことを発見・発明すること です(宇宙人が知ってても構いません).そのとき本当に『アンタは偉い!』のです. もう何でもかんでもわかっていて,発見とか発明とかはないのではと思うのは間違いで,人類はまだまだほんの少し のことしかわかっていません. 新しい発見とか発明するとき,過去の発見とか発明を全部知っている必要はありません.パソコンに聞けば教えてく れることもたくさんあります.そんなときはパソコンに聞いてみるのもいいでしょう. (付録) Mathematicaはいくらなの? いろいろあるのですが, ・Professional版一般向け価格 450,000円 (4まん5せん円ではなく,45まん円です) ・Professional版教育機関向け価格 227,000円 ・Student(学生)版価格 29,000円 (こちらは,本当に2まん9せん円です) ここで“学生”とは,中学生以上の学生または院生のことを指すそうです. 価格,購入資格等は必ずお店で確かめてください. 2-14
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