~2016年秋号~ 皆さんこんにちは!9 月に入っても、まだまだ暑い日が続いていますね。 今回の EAC便りは、循環器診療・エキゾチックアニマル診療・眼科診療についてです。 ◆循環器診療(心臓を中心とした病気) 循環器疾患はわんちゃんねこちゃん共にとても多い病気です。 そこで月に 2 回程度、循環器特別診療日を設けています。 以下、特に多い循環器の病気について簡単に説明します。 <わんちゃん> 僧帽弁閉鎖不全症という病気が多いです 心臓は4つの部屋に分かれており、それぞれの部屋には 仕切りの役割を果たす弁が存在します。 この病気では左側にある弁(僧帽弁)の閉まりが悪く、 正常な血流とは逆に血液が流れてしまいます。これによ り全身の循環血液量が減少してしまうため、代償機能が 働き心臓に負担がかかってしまいます。治る病気ではな いため、内服薬は生涯継続となることが多く、進行度に よってお薬を追加されることが多いです。 好発品種は、シーズー・チワワ・キャバリア・トイプードル・パピヨン・ペキニーズ等で日本でと ても人気な小型のトイ犬種はみんな好発犬種と言えます。 <ねこちゃん> 肥大型心筋症という病気が多いです この病気は心臓の筋肉が内側に向かって分厚くなり心臓 の部屋が狭くなる事により十分な血液を体に送る事がで きなくなってしまう病気です。 好発品種はアメリカンショートヘア・メインクーン・ スコティッシュホールド・ペルシャ等、人気の純血種の 洋猫さんはリスクが高いといえます。 上記の他にも様々な心臓病があり、命を落とす原因と なる恐いものばかりです。どのような原因で心臓が悪くなっているのかを突き止め、適切な治療をし なければなりませんが、循環器の診療、特に胸部の超音波検査は高度な技術が必要となります。 《検査の種類》 ○身体検査(体重、呼吸様式など) ○聴診(心雑音の有無、雑音の場所や強度、肺雑音の有 無など) ○レントゲン検査(心拡大の有無、心臓の形の異常や肺 野や気管支陰影の異常) ○血液検査(循環不全、心臓病特有の検査項目 ANP・ BNP) ○血圧測定 ○超音波検査 重要!!(心臓内部の動きをエコー検 査により確認) 循環器の疾患は上記の検査を組み合わせて病態を把握しますが、中でも胸部の超音波検査は非常に重 要です。実際に心臓の内部の動きを直接観察し、弁の動きや血流を見て逆流の有無やその程度、血流 の速さ等の細かい異常を見つける事が出来るからです。 循環器診療は基本的に時間予約制となっており、特別診療費として初回 3000 円、2回目以降 1000 円が通常の診察料に加えてかかります。 当院の循環器専門医の紹介:大森 貴裕先生 東京農工大学獣医学部卒業 東京農工大学動物医療センター循環器科・外科にて単科研修中 ◆エキゾチックアニマル診療 当院では以前からエキゾチックアニマル(犬・猫以外の小動物) の診療を行ってきましたが、近年その種類が多様化し、より飼い主 様のニーズにお応えするため、この度「エキゾチックアニマル診 療」枠を設けました。今日はこのご紹介をしようと思います。 健診のすすめ こんにちは、エキゾチックアニマル診療を担当します獣医師の荒 井です。 エキゾチックアニマルは犬や猫と異なり、ケージの中で多くの時 間または生涯を過ごします。 また、ペットになってからの日が浅く、インターネットでも情報が錯綜しています。 それゆえ、誤った飼育方法や飼育環境、食生活で病気になってしまうことが多々あります。 そこで、ペットショップなどから家にお迎えしたら、まず一度 健康診断 でご来院することを おすすめします。 動物自身の健康状態を診るのはもちろんですが、飼育環境や食生活をお聞きすることで病気の芽を 摘み取ることができるかもしれません。 また、その後も定期的に健康診断を受けることをおすすめします。 特に中高齢期に入ると、どの動物も病気や体調を崩しやすくなり ますが、体が小さな動物は病気の徴候が現れにくく、飼い主様だ けでは見つけづらく、気が付いた時にはかなり進行していること もあります。 また、いざ病気になってしまっても、小さな体には検査そのも のが負担になり、正確な診断ができないこともあります。 人も動物も日々の食生活と生活環境や重要です。 生活習慣に気を付けることで病気を予防し、少しでも長生きさせ てあげることができるように、私達と一緒に予防医療に取り組ん でみませんか? ☆「エキゾチックアニマル診療」について☆ ・毎週土曜日(原則予約制) ※但し、他の特別診療との兼ね合いで変動あり ・エキゾチックアニマル特別診療費 初回:1000 円、2 回目以降:500 円(税別) ※別途、通常の診療費(初診:2000 円、再診:800~1500 円(税別)がかかります。 ・診療可能動物、土曜日以外の診療については、事前にお問合せ下さい。 ☆エキゾチックアニマル診療担当 自己紹介☆ 獣医師 荒井 和美(あらい かずみ) 略歴 1983 年 神奈川県横浜市生まれ 2009 年 日本大学卒業、金町アニマルクリニック勤務 2012 年~年 1 回小笠原へ動物医療派遣団として派遣 所属学会 東京都獣医師会、エキゾチックペット研究会、野生動物救護獣医師協会 加齢に伴い生じる疾患はもちろん、種特異性の高い病気もあるので、例えばご家族である動物が犬 なのか猫なのか、ダックスなのか柴なのかでかかりやすい病気も異なってきます。まだ若齢の子でも、 将来的にどのような病気になる傾向があるかを知っておくのは大事です。 毎日ペットを可愛がる際、愛らしい目を見つめるかと思いますので、いつもと違ったところがない かチェックしてあげてくださいね。 <検査について> 眼科検査は今の眼の状態を肉眼的にチェックした上で、症状に応じて複数 の検査を組み合わせて行います。 ・スリットランプ①:眼に光を当て、角膜、眼房、虹彩、水晶体などを観察 する検査です。丸い光や細い光を眼のよく見たいところに当て、機械を覗く と拡大して見えるので、眼球を鮮明に観察することができます。 ・シルマーティアテスト②:試験紙を瞼に挟んで1分間後の流出した涙の量 を測定します。 ・フルオルセイン染色検査:角膜に染色液をたらし、特殊なライトで観察し ます。角膜上皮に傷があるとその部分が染まります。また、鼻涙管が正常 に開通していると鼻孔から染色液が確認できます。 ・眼圧測定③:ペンタイプの機械を眼球に垂直にトントン当てて眼圧を測 定します。緑内障の診断に必要不可欠です。 ・眼底検査④:散瞳剤を点眼し、虹彩を散大させ、レンズや特殊なライト を使って目の奥底(眼底)を覗き、網膜、視神経乳頭等の観察を行います。 ・超音波検査:超音波を当てて眼球の構造を見ます。水晶体の厚さや透過 性、位置の異常を検出したり、眼球内の腫瘍、網膜剥離の診断にも用いら れます。 ・視覚機能検査:対光反射、威嚇瞬き反応、眩目反射等から視覚の有無を 確認し、ない場合は視覚消失がどこから生じているかを推測します。 ① ② ③ 眼科診療は基本的に時間予約制となっており、特別診療費として初回 3000 円、2回目以降 1000 円が通常の診察料に加えてかかります。 最近眼が白くなってきた、眼が赤い、目ヤニの量が増えた等、ささいな事 でもお気軽に御相談ください。 ④ ◆KAC 眼科診療について こんにちは、金町アニマルクリニック眼科担当獣医師の増田裕です。 眼科専門病院の安部動物病院で研修し、現在 KAC で毎週金曜日の眼科 診療をしております。 <眼の病気について> 飼い主の皆さんは愛犬、愛猫、愛エキゾチック動物達の眼の病気に どのようなものがあるかご存知ですか? 人と同じように、動物の眼にも白内障や緑内障、ドライアイ等の病気 が起こります。 ◆金町アニマルクリニック◆ 葛飾区金町 2-29-6 03-3609-7517 ◆永代橋アニマルクリニック◆ 江東区永代1-9-1 03-5875-8771 2016 年 9 月 1 日発行
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