№1 機械工学 №2 機械工業

№1
○機械工学
機械材料学
材料力学
機械力学
機構学
機械工学
機械設計学
機械工作法
流体力学
熱力学
○機械工学の最近の発展
・超 LSI,光ディスク → 超精密加工技術
↓
超微細加工技術
記憶容量の増大,演算の高速化
・工場の無人化 → フレキシブル生産システム
1) 数値制御(NC)工作機械
2) 知能ロボット
3) コンピューターの有機的活用
№2 機械工業
○機械 (machine)
原動機
中間機械
作業機械
輸送機械
―
―
―
―
熱機関,蒸気機関
トルクコンバータ,減速機
工作機械,製造機械,運搬機械
自動車,電車,船,飛行機
○機械工業の過去と未来
①過去
欧米先進国で発達 → 日本が開発し、発展
→ 貿易摩擦,産業の空洞化
②現在・将来
1)独創的な技術開発
VTR,液晶,携帯電話,エンジン
2)エネルギー
石油,原子力 → 自然エネルギー (太陽光,風力,地熱)
省エネルギー
未利用エネルギー (廃棄物発電,ゴミ処理発電)
○センサと機械工業
①センサ
―プリント―
②センサの応用 (農業分野)
1) AE センサによる植物根計測
2) 植物水分蒸散測定装置
3) 通信衛星を利用した植物生産遠隔診断システム
№3 機械材料
①機械材料とその用途
1) 構造用材料
機械構造物の強さを支える材料
高強度材料 …高荷重
耐熱材料 …高温
耐食材料 …腐食
2) 機能材料
特殊機能を実現する材料
金属等の切断用,金型用,ばね・軸受用,接着剤,タイヤ,潤滑剤
②材料の機械的性質
1) 引張試験
A:降伏点
B:引張強さ
C:破断
D:耐力
a) 弾性
P:荷重
δ:伸び(l0-lf)
σ=
P
A0
σ:応力(単位面積当りの力)
ε:歪み(単位面積当りの伸び)
δ l −l
ε= = f 0
l0
l0
ヤング率(縦弾性係数) …弾性の比例定数
b) 塑性
εp …塑性ひずみ (永久歪み)
εf …破断ひずみ
A0 − A f
絞り=
× 100 … 延性
A0
脆性材料 …塑性変形を生じない材料(セラミックス)
2) 硬さ試験
F:試験荷重
D:圧子の直径
d :くぼみの直径
a) ブリネル硬さ (Hb)
H
2F
H b = 0.102 = 0.102 ×
S

πD D − D 2 − d 2 


S:くぼみの表面積
b) ビッカース硬さ (HV)
2 F sin θ2
F
F
H v = 0.102 = 0.102 ×
= 0.1891 2
S
d2
d
d :くぼみの対角線の長さ平均
θ:ダイヤモンド圧子の対面角 (136°)
c) ロックウェル硬さ (HR)
基準荷重 = 10kgf
試験荷重 = 60, 100, 150 kgf
硬さは基準荷重と試験荷重の圧力の押込み量の差により計算
d) ショア硬さ (HS)
(反発硬さ試験) 一定の高さから試料に落下,衝突させたハンマーの跳ね上がりの
高さにより硬さを表す
k1 …落下高さ
k
HS = k 2
k 2 … 反発高さ
k1
e) 異なる材料の硬さ試験
ⅰ) プラスチック硬さ試験
ブリネル硬さ
ロックウェル硬さ
バーコール硬さ
ⅱ) ゴム硬さ試験
スプリング硬さ (デュロメータ)
定荷重式硬さ
…1.361kgf の荷重を加えたときの深さ
プセイ-ジョンズ硬さ …1.000kgf の荷重を加えたときの深さ
ⅲ) ガラス硬さ試験
ビッカース硬さ
引っ掻き硬さ
ⅳ) 木材硬さ試験
ブリネル試験
F
HB =
kDh
3) 衝撃試験
シャルピー衝撃試験
塵性(ねばさ)の試験
k : π −1 = 0.32(mm)
③構造用金属材料の強さのメカニズム
※転移…結晶格子の欠陥部分
1) 塑性変形 …滑り面上に作用するせん断応力によって転移が移動し、変形が生じる
2) ひげ結晶 …転移を含まない細かい単結晶
例)強化用繊維
④転移の移動を妨げる方法
1) 固溶変化
結晶格子内に他の原子を導入
例) 鉄中に炭素,窒素原子を導入
2) 転移の高密度化
冷間加工により著しい塑性変形を与える
例) ピアノ線
3) 微小析出粒子の分散
母地中に小さな炭化物,合金析出物を密に分布させる
例) 鋼のセメンタイト粒子,ジュラルミンの Al-Cu 化合物
4) 結晶粒の微細化
熱処理により実現
⑤金属の結晶構造
固体金属は原子が三次元的に規則正しく配列した結晶の集合体
1) 面心立方格子
展性,延性に富む金属
2) 体心立方格子
展性,延性は面心立方格子に次ぐ
3) 稠密六方格子
展性はあるが延性に乏しい
№4 構造用炭素鋼
①純鉄の平衡状態図
α鉄
γ鉄
-273℃ 0℃
906℃
α,δ鉄…体心立方格子
γ鉄…面心立方格子
δ鉄
1401℃
②鉄と炭素量との関係
純鉄 …(ferrite) 炭素量 0.02%以下
鉄鋼 …(steel) 炭素量 0.03〜1.7%
鋳鉄 …(cast iron) 炭素量 2〜6%
機械構造用炭素鋼中の炭素量の増大
→ 強さ,硬さが増大し、破断伸びは減少
溶けた鉄
1528℃
③鉄-炭素系平衡状態図
④熱処理
1) 焼なまし (焼鈍)
温度(A3 変態点+50℃)保持後、炉中で除冷する
残留応力の除去,結晶組織の調整,材質の軟化,被削性の向上
2) 焼ならし (焼準)
温度(A3 変態点+50℃)保持後、大気中で放冷する
残留応力の除去,結晶粒の調整,パーライト層状組織の微細化
3) 調質 (焼入れした後焼戻し)
a) 焼入れ
温度(A3 変態点+50℃)保持後、急冷 (水,油,熱浴)
材質を硬く強くするが脆くなる
b) 焼もどし
温度(A1 変態点)保持後、大気中で放冷する
焼入れの粘度を増す(硬さは変化なし),残留応力の除去,耐摩性の向上
4) 焼入れの方法
水焼入れ,油焼入れ,塩浴入れ,真空焼入れ,空気焼入れ
5) 表面硬化処理
・高周波焼入れ(高周波電流による誘導加熱)
・火炎焼入れ (ガス)
・浸炭焼入れ (鋼の表面に炭素を増加)
・窒化
(鋼の表面層に窒素を拡散,ガス窒化)
・イオン窒化 (グロー放電,窒化性ガス雰囲気中)
⑤様々な炭素鋼
1) 高張力鋼
用途:船舶,車輌,橋染
強度:引張強さ 500MPa ,降伏点 300MPa 以上
2) 構造用合金鋼
用途:軸,歯車,ボルト
例 :ニッケルクロム鋼(SNC) ,ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM)
3) 耐熱鋼・耐熱合金
用途:ジェットエンジン,ガスタービン,蒸気タービン
例 :耐熱鋼(SUH) ,耐熱超合金(インコネル,ハステロイ)
4) ステンレス鋼
用途:化学プラント,海洋構造物
オーステナイト系,フェライト系,マルテンサイト系
5) 鋳鉄
炭素 2〜4%,ケイ素 1〜3%
a) ねずみ鋳鉄 (FC)
引張強さは鋼に比較して低い
伸びは 0
切削性,耐摩性,振動吸収能が高い
b) 球状黒鉛鋳鉄 (FCD)
引張強さはねずみ鋳鉄の 2 倍以上
伸びは少しある
耐熱性が良い
6) 鋳鋼
鍛造では作りにくく、鋳鉄では強度が不足する場合
a) 炭素鋳鋼 (SC)
炭素量 0.1〜0.5%
用途:鉄道車両,造船,鉱山
b) 合金鋳鋼
合金元素(Ni,Cr,Mn,Mo,W)を添加
用途:高 Mn 鋼…耐摩性機械部品
高 Cr,高 Si 鋼…耐熱用部品
№5 構造用非鉄金属
①アルミニウム
1) 純アルミニウム
耐食性,熱・電気の伝導性,展延性が良い
※Mg…1.74 ,Be…1.8 ,Al…2.7
用途:板材…電気機器,光学機器,建築
線材…高圧導電用ケーブル
箔 …菓子,煙草,食料の包装用
2) アルミニウム合金
a) 鋳物用アルミニウム合金
鍛錬用アルミニウムに比較し溶融点が低い
ダイカスト法 …金型に鋳込み、多量に製品を生産
b) 鍛錬用アルミニウム合金
鍛造,圧延,引抜,押出の加工
板,棒,管,線に加工
c) 耐食アルミニウム合金
Al-Mn,Al-Mg 系合金
耐食性を重視
d) 高力アルミニウム合金
Al-Cu 系合金,ジュラルミン
強度を重視
②マグネシウム
実用金属中最も軽い金属
1) 純マグネシウム
強度は高いが伸びが小さい → 用途は少ない
2) マグネシウム合金
a) 鋳物用マグネシウム合金
比重は小さいが、強度は Al 合金鋳物に匹敵
耐食性が悪い
b) 鍛錬用マグネシウム合金
加工性が悪いため、高温加工(約 300℃)を実施
Mg-Al 系合金…押出
Mg-Mn 系合金…圧延,押出
Mg-Al-Sn 系合金…鍛造
③チタン
比強度(引張強さと比重との比)が大きい
ガス(N2,O2)により影響を受ける → 加工はアルゴンガス,真空中で行う
チタン合金は鉄合金に匹敵 (1320MPa)
用途:航空機,化学機械
№6 工具材料
①加工
切削加工
塑性加工
研削加工
工具 (刃物)が必要
②必要条件
1) 常温,高温強度が大 → 切削工具の切れ味
2) 加熱による硬度変化が小 → 熱間加工用ダイス
3) 強靭 → 衝撃,振動に対して強い → タガネ,ポンチ
4) 熱処理加工の取扱が容易
5) 熱処理による変形が小 → ゲージ,ダイス
③炭素工具鋼 (SK)
炭素量 0.6〜1.5%
安価で取扱が容易
木工用,軟質金属用,軽切削の加工用
④合金工具鋼
炭素工具鋼に W,Cr,Ni,V,Mo,Mn を添加
焼入れ硬度,高温硬度が高い
焼が入りやすい,焼入れ歪みが小さい
高級な工具材料
1) 切削用合金工具鋼 (SKS)
バイト,タップ,ドリル,カッター,ヤスリ
2) 耐衝撃用合金工具鋼 (SKS)
タガネ,ポンチ,削岩機用ピストン
3) 耐摩不変用合金工具鋼 (SKS,SKD)
ゲージ等の精密測定器具
4) 熱間加工用合金工具鋼 (SKD,SKT)
熱間加工用プレス型,ダイカスト用ダイス
⑤高速度鋼 (SKH)
高速切削用 (約 600℃でも切れ味が落ちない)
工具鋼の中で最も優秀な鋼
⑥焼結硬質合金 (超硬合金)
硬質炭化物を圧縮成形,高温焼結で作成 (焼入れなし)
常温・高温硬度は高いが、脆い (HRA = 88〜92)
WC-Co 系
…鋳鉄,非鉄金属の切削用工具
WC-TiC-Co 系 …鋼の切削用工具
⑦ファインセラミックス
アルミナ,炭化ケイ素,窒化ホウ素
超硬合金よりも硬い (HRA = 93)
鉄鋼の仕上げ切削工具,研削工具
№7 非鉄金属・複合材料
①高分子材料 (プラスチック)
1) エンジニアリングプラスチック
高強度高分子材料 → 歯車,軸,ケーシング
射出形成,押出し形成
2) FRP (fiber reinforced plastics)
母地(プラスチック)をガラス繊維,炭素繊維で補強
航空機・車・船のボディー,釣り竿
②FRM (fiber reinforced metal)
母地(アルミニウム合金)を炭素,窒化ホウ素で補強
№8 潤滑材
①潤滑材
使用場所:軸と軸受,機械のしゅう動部品
目的:摩擦・磨耗の減少,焼付けの防止,冷却
②潤滑油
高速機械
重荷重を受ける機械
高温・高真空
深絞り加工
…低粘度,スピンドル油
…高粘度,工業用ギア油
…黒鉛,二硫化モリブデンの粒子
…動植物油,黒鉛
№9 機械の強度
①外部作用と変形
外部作用(負荷) →
②負荷の種類
負荷
外力
物体
→ 変形・応力
静荷重 …大型構造物の自重
水中構造物の静水圧
変動荷重 …繰り返し曲げ
(繰返し荷重) ねじり荷重
衝撃荷重 …短時間に作用する荷重
慣性力(遠心力) …物体の回転する慣性力
温度変化
…熱応力
物理・化学作用 …腐食作用
③機械の損傷
1) 破壊
…2 個以上の断片に分離
2) 塑性変形・座屈 …折れ曲がる
3) 弾性変形
…軸と軸受の組合せ数 10 ミクロン
↓
対策:剛性を大きくする
④負荷に対する材料の強さ
1) 静的強さ
引張り試験による引張り強さ
2) 疲れ強さ
繰返し応力のもとでの材料の強さ
a) 疲れ限度 …無限回繰返しても破壊しない応力振幅の上限
b) S-N 曲線 …応力振幅 S で破壊するまでの繰り返し数 N との関係
3) クリープ強さ
高温での一定の応力により、歪みが増大し破断する現象
a) クリープ破断強さ
規定温度のもとで規定した時間に破断する応力
b) クリープ制限応力
一定時間に一定の歪が生ずる応力
4) 応力腐食割れ,腐食強さ
腐食環境の中で生ずる現象
鋼の水素割れ …化学プラント,海洋構造物
⑤安全率と許容応力
機械が破壊,破損しないために許容応力を作用
基準強さ
許容応力 =
安全率(1以上)
※基準強さ …降伏点,引張り強さ,疲れ限度,クリープ強さ
№10
材料の変形特性
①材料の変形特性の理想化
剛体
弾性体
剛塑性体
応
力
σ
弾塑性体
歪みε
a) 剛体
… 外力を受けても変形しない物体
b) 弾性体 … 外力に比例した変形量
c) 塑性体 … 一定の力以上で塑性変形する物体
d) 粘弾性体… 一定の応力で時間と共に歪みが増大する物体
弾性域
塑性域
×
応
力
σ
破断
永久歪み
歪みε
弾性歪み
②棒状部材の強度と変形の解析
1) 引張・圧縮
P
P
A
P = N = ∫A σ dA
δ = ε・l =
x
σ ・l
E
=
→
P・l
EA
垂直応力σ=
P
A
(弾性体:σ= Eε )
a
a'
l '−l
l
a '−a
横歪み:εy =
a
↓
縦歪み:εx =
P
l
l'
εy
ポアソン比ν= −
εx
P
y
[例題] 図に示すような左端および右端の直径が
d1 および d2 であるテーパ棒が引張張力 P
を受けているとき、任意断面の応力と棒
の全伸びを求めよ。
[解答]  dx a + x
x
x

= 1 + より、dx = 1 + d1
 =
d
a
a
a


1

 d
a
d1l
1
a=
 =
d 2 − d1
 d2 a + x

P
σ x =
Ax

より、
Ax =
σ
x
π d x2
4
=
dx
P
P
d1
dx
d2
x
a
b
π d1 (a + x) 2
x
・
τ +  d1 =
a 
a
4 
4
π 
2
P a2
4
=
・
π d1 (a + x) 2
δ =
,
P l
EA
微小距離 dx に対する伸びの増分 dδ は、
P a2
1 P・dx 1
1 4
・
・
・dx
= ・σ x・dx = ・
E
A
E
E π d1 (a + x) 2
dδ =
全伸びは、
δ = ∫0
l
1
4 Pa 2
σ x dx =
E
πEd12
1 
1
 −

 a a+l 
2) せん断
平均せん断応力τ =
Δl
P
P
A
∆l
∆l
より、γ =
l
l
E
横弾性係数G =
2(1 + ν )
l γ
微小歪み:tan γ =
せん断応力τ = G・γ
3) 引張りとせん断の組合せ
A
σ 0 A0 = σ
∴σ = σ 0 cos θ
cos θ
この応力は面 mm に垂直な成分σn
と平行な成分τに分解できる。
σ n = σ cosθ = σ 0 cos 2 θ


σ0
sin 2θ
τ = σ sin θ = σ 0 sin θ cosθ =
2

m
σn
θ
σ0
τ
m
σ
σ0
№11
曲げ
①曲げモーメント
曲げモーメント = 外力×腕の長さ
図:両端支持はり
x
x
P
RA
A
RB
b
a
B
l
垂直方向の釣り合い
RA + RB = P
A 点に関するモーメントの釣り合い
RB・l = P・a
これより、
R A = P − RB = P −
Pa
b
 a
= P1 −  = P
l
l
l


Pa
l
0≦x≦a の場合
RB =
M ( x) = RA x =
Pb
x
l
a<x≦l の場合
M ( x) = R A x = P ( x − a )
曲げモーメントの最大値
x = aの場合、M (a) =
②曲げによる応力
Pab
l
x(1+ ε)
PQ OP
=
より、
NN1 ON
A
P
dx(1 + ε ) R + y
y
dx
=
= 1+
N
dx
R
R
B
y
M
∴ε =
R
dφ
σ = Eεより、
y
σ =E
R
はりの中立面から距離 y にある微小面積を dA とすると、
曲げ応力σが中立軸のまわりの持つモーメントは
σ・dA・y
y
Q
C
引張り
N1
D
R
伸びは0
圧縮
M = ∫A σ ⋅ dA ⋅ y = ∫A E
y
E
dA ⋅ y =
R
R
∫A y
2
dA =
E
I
R
これより、
断力二次モーメントI = ∫A y 2 dA
曲率は曲げモーメントに比例
1 M
=
EI …曲げ剛性
R EI
y M
σ =E =
y
R
I
最大応力 y = ymax → σmax
1
M
σ max =
, z=
z
ymax
z = 曲げの断面係数
[例題]
直径 10cm の鋼の丸棒
丸棒の断面係数は、
z=
πd 3
=
P=10kN
π × 0.13
M max =
b=2m
a=2m
A
32
32
曲げモーメントの最大値は
B
l=4m
P ⋅ a ⋅ b (10 × 10 3 ) × 2 × 2
=
= 102MPa
l
4
最大応力は、
σ max =
最大応力σmax
πd 3
32
=
M (10 × 103 ) × 2 × 2 × 32
=
= 102MPa
z
4 ×π× 0.13
= 60MPa のとき、
M
32 1 × 104
より、 d =
⋅
= 0.119(m)
60
π 60 × 106
③2 個の集中荷重を受ける両端支持はりのせん断応力及び曲げモーメントを求める
反力
x
l 5
1 3
RA =  P l + P  = P
P
P
l 4
2 4
R
A
RB = 2 P −
A
せん断応力
l
4
l
l
<x<
4
2
l
< x<l
2
0< x<
RB
5P 3
= P
4
4
FAC = R A =
C
5
P
4
FCD = R A − P =
l/4
l/4
1
P
4
FDB = R A − P − P = −
3
P
4
l/2
D l
B
曲げモーメント
5
l
0 < x < のとき、 M AC = RA x = Px
4
4
l
5
5
l
MC = P × =
Pl
x = のとき、
4
4 10
4
l 1
l
l

< x < のとき、M CD = RA x − P x −  = P (l + x)
4
2
4 4

l
1 
l 3
x = のとき、
M D = P l +  = Pl
2
4  2 8
l
< x < lのとき、
l
l 3


M DB = RA x −  l −  = P x −  = P(l − x)
2
2 4
 2

④平均強さのはり
大型の構造物 → 軽量化,材料の節約
→ はりの各断面の最大応力を等しくする
断面係数を用いる
P
h=h 0 x
x
h
x
l
σ max
M
=
z
Mとzが比例する断面形状では、
h = h0 x
M = − Pa
⑤はりのたわみ
O
x+dx
x
dx
A
dθ
x
B
R
θx
ds
θx =
ds
dx
x
dy
dx
y
,
θ x + dx =
x
dy
dx
x + dx
曲率半径 R は、
1
dθ
ds = Rdθより、 =
R
ds
x → x+dx の場合、θは減少するから、
1
dθ
=−
R
ds
θx+dθ
積分する事により、任意の位置のたわみが計算できる。
曲げモーメント M = -P(l-x)より、
EI =
d2y
dx 2
積分すると、
EI =
d2y
2
= P (l − x)
= P(lx −
dx
x = 0 で固定すると、
dy
dx
=0
P
…①
x2
) + c1
2
x
…②
l
∴ c1 = 0
x =0
②式を積分すると、
l
x3 
EIy = P x 2 −  + c2
2
6 

x = 0 , y = 0 のとき、c2 = 0 だから、
y=
P ⋅ x3
(3l − x)
6 EI
最大のたわみ x = l のとき、 y =
P ⋅ l3
3EI
P
a
B
A
RA =
Pb
,
l
RB =
x
Pa
より、
l
0 ≤ x ≤ aのとき、 EI
l
d2y
dx 2
= − RA x = −
Pb
x
l
2
a < x ≤ lのとき、 EI d y = − Pb x + P( x − a )
l
dx 2
①,②式を積分すると、
dy
Pb 2
0 ≤ x ≤ aのとき、 EI
=−
x +c
dx
2l
a < x ≤ lのとき、 EI
b
…①
…②
dy
Pb 2 P( x − a ) 2
=−
x +
+c
dx
2l
2



③


荷重 P の着力点 x = a では、
2 たわみ曲線は共通の接線を持つ式③の傾斜 dy/dx は等しくなり、
c = c1 (=cx)
③式を積分すると、
Pb 3

0 ≤ x ≤ aのとき、 EIy = −
x + c x + c2

6l

④
Pb 3 P ( x − a )3

a < x ≤ lのとき、 EIy = −
x +
+ c x + c3
6l
6

荷重 P の着力点では 2 式のたわみ y は等しくなり、
c2 = c3
両端 x=0, x=l のわたみ y=0 より、④式の第一式より、
c2 = c3 = 0
…⑤
④式の第二式より、
c=
Pbl Pb3 Pb(l 2 − b 2 )
−
=
6
6l
6l
…⑥
⑤,⑥式を④式に代入すると、たわみ曲線は、
0 ≤ x ≤ aのとき、 EIy =
Pbx 2
(l − 6 2 − x 2 )
6l
…⑦
a < x ≤ lのとき、 EIy =
Pbx 2
P ( x − a )3
(l − 6 2 − x 2 ) +
6
6l
…⑧
P 点を中心として、⑦は左側,⑧は右側
⑥丸棒のねじり
A
B
r
φ
γ
d
C
C'
D
Mt
l
d
γ ⋅ l = ϕ より、
2
γ=
ϕ d
⋅
l 2
ϕ
1
θ= とおくと、 γ = θ d
l
2
せん断応力は、
τ = G ⋅γ =
(θ:比ねじり角)
1
Gθd
2
任意の点 d/2 → r とおくと、 τ= Gθγ
これより、
M t = ∫A τ ⋅ r ⋅ dA = Gθ ∫A r 2 dA = GθI p
d /2 2
I p = ∫0
d /2 2
r dA = ∫0
d /2 3
r 2πrdr = 2π ∫0
r dr =
π
32
Ip:丸棒の断面の中心周りの断面 = 次極モーメント
従って、
θ=
Mt
M
, τ= t r
G⋅Ip
Ip
d4
№12
①内圧を受ける薄肉円筒容器
σz
変形と応力の解析
t
↑
←P →
↓
↑
←P →
↓
d
σθ
円筒の周方向に生ずる引張力 Q は
d
π /2
2Q = ∫o P sin θ dθ = Pd
2
Q =σθ t より、
Pd
σθ =
2t
円筒の軸方向に生ずる応力
π dtσ z =
π
4
∴Q =
Pd
∴σ z =
4t
2
d P
№13
σθ
Qd
2
P
P
dθ
θ
d /2
数値応力解析と応力集中
①数値応力解析
単純な構造解析 → 手計算
複雑な形状の構造解析
→ コンピュータによる有限要素法 (境界要素法)
二次元 → 三角形,四角形 …
三次元 → 四面体,直方体 …
②応力集中
物体の不連続部,切欠部の応力が平均応力より高くなる
最大応力
応力集中係数 α =
最小断面の平均応力
切欠き係数
β=
平滑材の疲限度
切欠き材の疲れ限度
№14
①振動
直線振動
回転(ねじり)振動
自由振動
強制振動
自励振動
不規則振動
機械の振動解析の基礎
②振動波形
A:振動
ω:角周波数
T :周期
f :周波数
T=
2π
ω
=
1
f
d
―
2 dθ
σθ
Q
1) 減衰のない自由振動
0
d 2x
= kx
dt 2
一般解
x
m
k
x = A sin ω t + B cos ω t = C sin(ω t + β )
m
β:初位相
2) 減衰を伴う自由振動
0
d 2x
dx
= −kx − c
より、
dt
dt 2
st
解をx = Ae と仮定すると、
d 2x
dx
+ kx + c
=0
dt
dt 2
2
ms + cs + k = 0
これより、
s=
m
x
k
m
m
− c ± c 2 − 4mk
2m
二次方程式の判別式の値により、解は 3 種類
(1)
c > 2 mk の場合
x = Ae s1t + Be s 2t
単調に減少し、振動を生じない
(2)
c = 2 mk の場合
x = ( A + Bt )e
−( 2cm ) t
※c:臨界減衰係数Ctで示す。
t = 1 / ωまでxは増大し、以後は減少
(3)
c < 2 mk の場合
x=e
−( 2cm ) t
c sin( Pt + r )
※P =
k  c 
−

m  2m 
2
時間と共に減衰する
3) 強制振動
0
x
k
P 0 sinωt
m
P0
k
x=

ω
1 −
 ω
n

2
  C ω 
 + 2


  Ct ω n 
2
d 2x
dx
+ kx + c
= P0 sin ω t
dt
dt 2
x = C sin ω t + D cos ω t とおくと、
m
= sin(ω t − δ )
c = 0 , ωn=ωのとき、振動は無限大
ω≪ωn の場合 A→1 (防振効果なし)
ω=ωn の場合 A→大 (c=0 では共振)
ω≫ωn の場合 A→小 (防振効果あり)
C ω
2
Ct ω n
cω
tσ ⋅ δ =
=
ω
k − mω
1−
ωn
№15
①機械装置とその保全
静的結合要素
運動部品結合要素
運動伝達要素
運動部品支持要素
流体部品
―
―
―
―
―
機械要素
ねじ,ピン,C キー,リベット
軸継手,クラッチ,ブレーキ
ベルト、チェーン,摩擦車
軸受,すべり案内面,ばね
管フランジ,弁
②寸法の規格
・日本工業規格 (JIS)
・国際標準化規格 (ISO)
③静的結合要素
1) 分離可能結合方式
点検,補修が可能。結合部が緩むことがある。
機構が複雑 (ねじなど)
2) 永久結合方式
内部の信頼性は保証。部品は単純
例) リベット,溶接接合
3) ねじ
締付け用
…三角ねじ
運動伝達用 …角ねじ,台形ねじ,ボールねじ
a) ねじ部品
ボルト,ナット,植込みボルト,小ねじ,止めねじ,
木ねじ,タッピンねじ,座金
b) 締付け用具とゆるみ止め
スパナ
… 六角ボルトの締付け
六角棒スパナ
… 六角穴付ボルトの締付け
めがねレンチ
… 強い締付けトルク
トルクレンチ
… 締付けトルク直結
ナットゆるみ止め … ダブルナット,割ピン,座金
4) ピン
部品の結合位置決め
平行ピン
…正確な位置決め
テーパピン …大きい力のかかる締結
割ピン
…ナットの緩み止め
5) C キー
回転軸とベルト車,歯車とのトルク伝達
6) リベットおよび溶接継手
a) リベット継手
金属板に穴あけし、リベットにより永久に締結する方法
b) 溶接継手
二枚の金属を溶接して、接合する方法
7) ばね
a) コイルばね
円形断面や直方形断面の線材をコイル状に巻いたばね。
引張り,圧縮,円錐,ねじり コイルばね
b) 重ね板ばね
細長い板を重ね、中央部を締付けたばね
トラックや鉄道車両の懸架装置
c) トーションパー
棒のねじり変形を利用
形状が簡単で小さなスペースで大きなエネルギーを吸収
d) うずまきばね
薄板を渦上に巻いたばね
小さな容積に大きな回転変位とエネルギーを貯蔵
e) さらばね
背の低い形状をし、中央部に穴があいている
小さな容積で大きな圧縮荷重を支持することができる
f) 輪ばね
内側に傾斜面を持つ外輪と外側に傾斜面を持つ内輪を交互に組合わせたもの
限られた場所で、比較的大きなエネルギーを吸収
鉄道車両の連結器,砲の緩衝装置
g) 止め輪
軸や穴に取り付けられた部品が軸方向に移動するのを防ぐ
④運動部品結合要素
1) 軸継手
運動中に 2 軸の連結は脱着不可能
…2 軸が同一線上にあるもの
a) 固定継手
…2 軸がほぼ同一線上にあるもの
b) たわみ継手
c) オーダム継手 …2 軸が平行で少しずれているもの
…2 軸がある角度で交わるもの
d) 自在継手
2) クラッチ
運動中に連結が可能
a) かみ合いクラッチ
b) 円錐クラッチ,円盤クラッチ
c) 電磁流体クラッチ
d) 流体継手(トルクコンバータ)
…爪または歯がかみ合うもの
…摩擦面で固着するもの
…摩擦粒子で固着するもの
…流体が介在するもの
⑤運動伝達要素
1) 間接伝導
a) 平ベルト伝導
b) V ベルト伝導
平ベルトに比べ見かけ上大きな摩擦力を現す
c) 歯つきベルト伝導
歯をつけたベルト車に掛けて伝達する
d) チェーン伝導
ローラーチェーンをスプロケットにかみ合わせて伝達する
2) 直接接触伝導
a) ころがり接触伝導
摩擦力を利用して回転運動を伝える
ⅰ)摩擦車 …トラクションドライブ
ⅱ)無段変速装置 …摩擦車を応用
b) 歯車伝導
ⅰ)歯車とその種類
・平行軸歯車 …平歯車,はすば歯車,やまば歯車
・交差軸歯車 …すくばかさ歯車,はすばかさ歯車,まがりばかさ歯車
・食違軸歯車 …ねじ歯車,ハイポイトギア,円筒ウォームギア
ⅱ)並歯標準歯車
ピッチ円直径d × π
歯数z
t はπが含まれているため、わずらわしいので、
d
モジュールm =
,t = πm
z
円ピッチt =
ⅲ)遊星歯車と差動歯車機構
A : 太陽歯車
B : 遊星歯車
C : 遊星腕
B
C
A
長所 : 小型軽量で大きな回転比が得られる。
入力軸と出力軸を同一線上におくことができる
短所 : 高速回転には不向き
部品点数が大きくなるため、価格が割高となる
⑤運動部品支持要素
1) すべり軸受
潤滑油を用いて固体すべり磨耗を流体磨耗に置き換える
2) ころがり軸受
コロなどの回転動体を入れて、ころがり磨耗に置き換える
3) 潤滑油の種類と用途
a) スピンドル油 … ミシン,時計など
b) タービン油 … 蒸気タービン,真空ポンプ,空気圧機械
c) マシン油
… 一般機械,工作機械,鉄道車両
№16
機械工作
①機械工作
原料を加工して、都合のよい品物を製作,製造すること
1776 年 ジェームズ・ワット 蒸気機関の発明
②製造技術の今後の課題
1) 生産能力の向上
2) 高度な品質を得るための作製手段の開発
3) 新しい加工方法の発明
③鉄鋼を素材とする機械部品の製造過程
素材
切断
標準棒材
溶接
標準形材
標準線材
鍛造
塑性加工 プレス形成
除去加工
切削加工
研削加工
特殊加工
組立
熱処理
検査
塗装
完成
鋳造
④機械工作の分類
変形加工
機
械
工
作
付加加工
除去加工
鋳造加工
:ダイカスト
塑性加工
:圧延,引抜,プレス,転造
接合加工
:融接,圧接,ろう付
被覆加工
:めっき,金属溶射,コーティング
切削加工
:旋削,スライス,穴あけ,歯切
エネルギー加工 :電子ビーム,イオンビーム,レーザー
№17
機械工作の加工
①鋳造加工
金属を溶かして鋳型に注ぎ、凝固させて所定の形状を得る
1) 砂型鋳造
・鋳型が作りやすく、模型の寸法,形状を正確に再現できること
・溶湯の熱に耐えられること
・溶湯の流入による熱衝撃,動圧,静圧に耐えること
・通気性があること
・鋳造後、製品の砂落しが容易なこと
・砂の再利用が可能なこと
2) 蝋型法
蝋型を鋳型材中に埋め、加熱することにより蝋を流出燃焼させ、できた空隙部に注
湯して鋳物を作る。
特徴:寸法精度が高い,表面が滑らかで後加工が不要
用途:ガスタービン,ジェット機関用鋳物部品,ゴルフのアイアンヘッド
3) ダイカスト
金属製鋳型の中に溶融金属を高速高圧で射出する鋳造法
特徴:鋳肌が滑らか,寸法精度が高い,高能率生産
用途:アルミニウム合金,マグネシウム合金,亜鉛合金 …低融点金属
4) 遠心鋳造
高速で回転する円筒形の鋳型の中に溶融金属を流し込み、遠心力を利用して欠陥の
ない鋳物を製造する
用途:大管径,エンジンのシリンダーライナー
②塑性加工
塑性ひずみ → 永久変形
原材料に圧力を加え、変形させる加工法 (脆性材料には適用できない)
・冷間加工 …再結晶温度以下(室温) :表面,寸法精度がよい
・熱間加工 …
〃
以上(室温) :低い加工力
・温間加工 …
〃
以下に加熱 :加工力を低減
③接合
1) 融接
金属を積極的に溶融して接合する
a) アーク溶接 … 低電圧,大電流の放電現象を利用
TIG 溶接 → アルミニウム
MIG 溶接 → チタン合金
b) ガス溶接
… 可燃ガス(アセチレン,水素,都市ガス)と酸素を利用
2) 圧接
金属を加熱して変形しやすい状態で加圧して接合
a) 電気抵抗溶接
電気抵抗を利用して加熱・圧着する
b) ガス圧接
高いガス圧を水圧的に作用させて加熱・圧着する
c) 鍛接
適当な温度に加熱し、圧力または打撃を与えて接合
d) ロール圧接
3) ろう付
融点が 450℃以下:軟ろう (はんだ)
融点が 450℃以上:硬ろう (アルミろう,銀ろう,黄銅ろう,リン銅ろう)
④被覆加工
耐摩耗性や防錆防食を目的とした部分加工
電気めっき
めっき 無電解めっき
軟式めっき
被
覆
ライニング … ビニールライニング
加
工
セラミックコーティング … セラミック粉末を吹き飛ばす
塗装
1) 電気めっき
銅,ニッケル,クロム,亜鉛,金,銀,スズ
a) ひっかけによるめっき
ひっかけ,治具に取り付けて槽中に保持・通電
b) バレルめっき
小物部品をバレルに入れて大量生産
c) 高速めっき
電気めっきを高速で処理
標準 : 1μm/min 以下
クロム: 10μm/min 以下
銅 : 75μm/min 以下
鉄 :150μm/min 以下
d) 線および板の連続めっき
線・板材を高速かつ連続してめっきする
100m/min 以上
e) 部分めっき法
不必要な部分を絶縁し被膜しめっき槽へ浸漬してめっきする
めっきすべき部分だけをめっき液に接触させてめっきする
例) プリント基板の二次銅めっき
レジスト用はんだめっき
接点部めっき
2) 無電解めっき
銅,ニッケル,金
電気めっきのような外部電源を用いない
銅イオンと還元剤(ホルマリン)を含む溶液にめっきしたい部分を浸漬する
例) プラスチックへのめっき,プリント基板のスルホールめっき
3) 乾式めっき
a) 溶融めっき
融点の低い亜鉛,スズ,アルミニウム,鉛を溶かし、素材を浸漬してその表面
で凝固させてめっきする
b) 金属溶射
金属を加熱して溶かし、微粒子にして吹きつける。
火炎溶射,プラズマ溶射,爆裂溶射
c) PVD (真空めっき:物理的蒸気からの金属析出法)
真空中で気化した金属や化合物を酸化させず、かつ妨害物なしにめっきする
真空蒸着法,スパッタリング法,イオンプレーティング法
d) CVD (気相めっき:化学的蒸気からの金属析出法)
めっきしようとする物質の化合物の蒸気をキャリヤガスとともに送り、表面で
熱分解させてめっきする。
⑤切削加工
工作物より硬い工具(刃物)を用いて、素材から不要な部分を切り落として除去し、必要な
形状・寸法の製品を得る加工。
工作機械 …切削・研削加工に用いる機械
あらゆる機械の母 (マザー・マシン)
1) 旋削
工作物を回転させ、工具を接触させて金属を切削する
2) 平削り
工作物が往復運動して比較的大きい品物の平面や溝を切削する (プレーナー)
3) 形削り・立削り
刃物が往復運動して平面や溝を削る (シェーパー)
4) 穴あけ
ドリルに回転と送りを与え、工作物に穴を開ける (ボール盤)
5) 中ぐり
既に開けられた穴を中ぐりバイトを用いて広げる (中ぐり盤)
6) フライス削り
円筒の外周に刃物を持ち、回転切削運動を与えて変を平滑にする (フライス盤)
7) 研削
砥石の粒子で、工作物をの表面を削り取り、面を平滑にする。刃を自生する
8) ホーミング
油といしをつけた工具を用いて穴の内面を精密に研ぎ上げる
⑥エネルギー加工
ロケットエンジン,ジェットエンジン,コンピュータ
→ 高硬度材料加工,複雑形状加工,極微細加工
1) 電子ビーム,イオンビーム,レーザ,プラズマ加工
粒子線エネルギーを作用面に集中させ、溶解・蒸発除去する
2) 噴射,液体ジェット,超音波加工
物理的エネルギーを作用点に集中し、振動や衝撃で除去する
3) 放電加工
電気エネルギーを直接作用
4) 電解加工,電解研削
電気化学的エネルギーを利用
5) ケミカルリーミング
化学作用
6) フォトエッチング
写真技術を応用
№18
工作機械と切削加工面
①切削加工 ― 加工物と工具の相対位置を保ち、不要部分を除去する加工
↓
工作機械
②母性原則と選択原則
1) 母性原則
強性加工において工作機械の精度が工作物に転写されること
↓
新しく製作された工作機械の精度は、使用した工作機械の精度よりも悪くなり、よ
り精度の高い工作機械は出現しない。
↓
しかし、圧力加工(ラッピング,ホーミング,超仕上げ)により高精度化
↓
加工面の精度は加工の進行とともによくなる
↓
使用した工作機械の精度を超えることができる
2) 圧力加工 → 前加工の不正を一挙に矯正できない。しかし、工具と工作物の突起部が
選択的に加工されて、双方とも同時に精度を高めていく。
↓
選択原則
№19
工作法と生産性
①生産方式
・単品生産方式 … ロット数 1×102
汎用工作機械
・バッチ生産方式 … ロット数 102〜5×104 マシニングセンター
・大量生産方式 … ロット数 5×104 以上 トランスファマシン
②NC(numerical control(数値制御))工作機械
NC 旋盤,NC スライス盤など
工作物,工具の位置決め,送り運動を数値化させ、サーボ機構で制御し加工する
③マシニングセンタ (MC:machining center)
ドリル加工,中ぐり加工,フライス加工が行え、
自動工具交換装置(ATC:automatic fool changer)を持っている。
④ターニングセンタ (TC:turning center)
軸物 に旋削,フライス,ドリル,タップなどの加工ができる複合 NC 旋盤
⑤トランスファマシン (transfer machine)
工作物が搬送装置によって工程順に並べられた各ユニットに送られ、そこでドリル加
工やフライス加工が行われる(専用工作機械群)
⑥FMS (flexible manufacturering system)
コンピュータによりロボット・マシニングセンター等を結合し、多種類の加工品が同時
にかつ柔軟に加工できる。
⑦適応制御 (adaptive control)
加工材質や形状に応じた最適加工条件を選択して行う。
№20
精密測定
①高精度な測定を行うための方法
1) 寸法に関する場合、測定物の温度を測る必要がある
2) 力を加えないこと (非接触測定がよい)
3) 測定器の精度は測定対象の精度の 5〜10 倍の高い精度が必要
②高精度化の基本的評価項目
1) 寸法精度
ブロックゲージ,測定器,マイクロメータ,ノギス
2) 角度精度
角度定規,ロータリーエンコーダ,サインバー
3) 形状精度
真円度測定機,三次元測定機
4) 表面粗さ
表面粗さ測定機
№21
流体機械
①流体機械
1) 原動機
流体の持つ圧力,速度,位置エネルギーを機械的エネルギーに変換する
水車,風車,油圧・空圧モータ
2) 作業機
機械的エネルギーを流体的エネルギーに変換
ポンプ,圧縮機,送風機
②水車
高所にある水の位置エネルギーを運動エネルギーに変え、羽根車を回転して動力を
発生する機械
1) 衝撃水車
水量が比較的少ない場合
落差:200〜1800m
2) 反動水車
フランシス水車 …最も普及
③ポンプ
機械的エネルギーにより、水や油等の流体に圧力をかけたり、低所や高所へ押し上げ
たりする水力作業機械
④送風機・圧縮機
送風機,圧縮機はいずれも気体を送り出す装置で、吐出し圧力と吸い込み圧力の比の
大きさで分ける
⑤風車
自然の風から回転動力を得る機械