※表紙の写真 浜北のトラ頭骨(Panthera tigris、更新世、浜松市浜北区より出土、国立科学博物館所蔵標本のレプリカ写真) Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 1 ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015 目 次 生命の輝きに触れるミュージアムへようこそ …………………………………………… 4 1 エッセイ:開館までのあゆみ ⑴ ミュージアム誕生の軌跡 ………………………………………………………… 6 ⑵ ミュージアムの展示ができるまで ……………………………………………… 39 2 沿革 ⑴ 沿革 ………………………………………………………………………………… 50 ⑵ 平成27年度の主な出来事 ………………………………………………………… 51 ⑶ 開館記念式典 ……………………………………………………………………… 52 3 基本理念 ⑴ ふじのくに地球環境史ミュージアムの基本理念 ……………………………… 54 ⑵ ふじのくに地球環境史ミュージアムVI ……………………………………… 55 4 調査研究 ⑴ 調査研究事業 ……………………………………………………………………… 57 ⑵ ミュージアム研究会 ……………………………………………………………… 58 ⑶ 研究助成金による研究 …………………………………………………………… 59 ⑷ 研究業績 …………………………………………………………………………… 60 5 展示・情報発信 2 ⑴ 常設展示 …………………………………………………………………………… 80 ⑵ 他機関との連携 …………………………………………………………………… 84 ⑶ 広報 ………………………………………………………………………………… 85 ⑷ 観覧者状況、ホームページアクセス実績 ……………………………………… 92 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 6 収集保管 ⑴ 資料概況 …………………………………………………………………………… 93 ⑵ 図書資料・収集状況 ……………………………………………………………… 95 7 教育普及 ⑴ 移動ミュージアム ………………………………………………………………… 96 ⑵ 講座 ………………………………………………………………………………… 100 ⑶ 博物館実習 ………………………………………………………………………… 102 ⑷ ミュージアムサポーター活動 …………………………………………………… 102 8 管理運営 ⑴ 事業内容 …………………………………………………………………………… 104 ⑵ 組織図 ……………………………………………………………………………… 104 ⑶ ミュージアム整備アドバイザー ………………………………………………… 106 ⑷ 予算 ………………………………………………………………………………… 107 ⑸ 施設整備 …………………………………………………………………………… 108 9 資料 ⑴ 条例・規則等 ……………………………………………………………………… 109 ⑵ 施設概要 …………………………………………………………………………… 115 ⑶ 建築・設備概要、平面図 ………………………………………………………… 116 ⑷ 新聞掲載実績 ……………………………………………………………………… 122 10 ふじのくに地球環境史ミュージアム利用案内 ⑴ 利用案内 …………………………………………………………………………… 140 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 3 生命の輝きに触れるミュージアムへようこそ これまでニュースレターを№1から№3まで刊行してきましたが、この2015年度の年報 は「ふじのくに地球環境史ミュージアム」のはじめての本格的刊行物です。 石田秀輝東北大学名誉教授・洪恒夫東京大学総合研究博物館客員教授・遠藤秀紀東京大学 総合研究博物館教授・小川義和国立科学博物館課長・中山定雄静岡文化芸術大学准教授・北 川浩之名古屋大学大学院教授・北村晃寿静岡大学大学院教授・菊池勉オフィスS・S・S代 表にはアドヴァイザーとして実に多くの示唆に富むご指導・ご指摘を頂戴しました。 旧静岡南高等学校の廃校を利用し、展示もすべて研究員をはじめ職員そしてNPOの皆 様のご協力ですばらしいものに仕上げることができました。これは川勝平太知事のご指摘 ではじめて知ったことですが、通常は地方の博物館は100億以上の予算がかかるのに、そ の10分の1の予算でできたそうです。これからは、バブル期に造った既存の施設をどう再 利用するかを考える時代にはいったと思います。そういう意味でも、このミュージアムは 未来をさきどりしていたと言えるでしょう。展示室は高等学校時代の教室で、机が展示台 として利用され、黒板がのこり、そこにはインフォメーションまで書かれています。 そのなかで気をはいたのは「移動ミュージアム・ミュージアムキャラバン」でした。「ふ じのくに地球環境史ミュージアム」は静岡大学の隣で、1時間に1本直通バスがあるとは いえ、交通の不便な場所にあります。そこで博物館は人を寄せ集めるものという考えを逆 手にとって、こちらから出かけていく「移動ミュージアム・ミュージアムキャラバン」を 2015年6月からはじめました。夏休みや冬休み中には、道の駅でも展示させていただきま した。我々の予想を超えて「移動ミュージアム・ミュージアムキャラバン」はきわめて好 評で、10ヶ月の間に実に50万人以上の静岡県民の方々が見られたのです。 教授・准教授・研究員のみなさまは、「移動ミュージアム」の展示に付随して授業もお こなってくださいました。そのお礼に生徒さんから感想文が送られてきました。その感想 文もミュージアムでは大切に展示し保管しています。木苗直秀教育長が「これはタイムカ プセルになりますね。10年後の同窓会でもう一度感想文を見れば、小学校のとき自分はこ んなことを考えていたのかとみんな懐かしく思い出すでしょう」と言われました。ミュー ジアムでは「百年後の静岡が豊かであるために」はどうしたらいいかについて、できるだ けすべての来館者に書いていただくことにしています。50年・100年と未来永劫に大切に 保管していますので、あと何年かたった後にぜひ見に来ていただきたいと思います。 県庁の会議で「私は午前中にふじのくに地球環境史ミュージアムに行ったが、実によく できていた。あれこそ未来を担う文化力の拠点にふさわしい」と内藤廣東京大学名誉教授 が発言されました。もちろん内藤先生は私が会議を傍聴している事はご存知なかったと思 います。これまで私は多くの方が「すばらしいミュージアムだった」と言ってくださるの は半分お世辞だと思っていましたが、そうではなかったのです。聞けばリピーターの方も 4 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 何人もおられ、中には4回・5回と来てくださっている方もおられるということでした。 ミュージアムは展示室のフロントヤード、その背後に標本作りの作業をするミドルヤー ド、標本を収蔵するバックヤードに分かれています。来館者にはミドルヤードまでは自由 にはいっていただき、NPOの皆様の全面的なご協力の下、標本作りの見学や作業に参加 いただけるようになっています。学校で昆虫採集や植物採集が行われなくなった今、せめ てミュージアムで本物のチョウや甲虫、さらには植物標本にふれていただきたいと思いま す。 2015年度は展示や外装などの準備に忙殺されました。展示は職員が自ら準備しなければ ならないので、本当に大変でした。そのため肝心の研究活動の時間がなかったのではない かと私はとても心配していました。ところが研究活動の一覧を見て驚きました。通常の研 究者の倍以上の仕事をしていたのです。「いつ勉強しているの?」と聞きたくなるほどで した。 「世のため人のため」に働ける人はきちんと自分の研究もできるということでしょう。 皆様にお願いがあります。それはこの「ふじのくに地球環境史ミュージアム」を訪れて 生きる力を獲得してほしいということです。みなさんの命はお父さんとお母さんからいた だいたものです。この美しい生命世界では、みなさんが生きているだけで尊いことなので す。地球上の生きとし生けるものがこんなにすばらしい生命世界を作り出し、必死で生き 抜いています。人間もまたその生命世界の一部を担う存在にすぎないことを、このミュー ジアムの展示を見て知ってほしいのです。 富士山や南アルプスと駿河湾や太平洋、さらにはそれらを結ぶ富士川・安倍川・大井 川・天竜川。 伊豆半島や浜名湖のある静岡県はきわだって自然と人間が共存可能な場です。 静岡県に生まれた人は幸福だと思います。こんなに美しい生命世界と光輝く命の水の循環 の世界で暮らすことができるのですから。清らかな水の循環にはぐくまれた食材をいただ き、健康で長生きできる。なんとすばらしい場でしょうか。徳川家康が愛した場の力と風 土が理解できる気がします。 教授・准教授・研究員などの職員をはじめ、NPOの皆様・インタープリター・サポー ター、サービススタッフが、皆様のお越しをお待ちしています。サポーターの皆様も、ふ つうは定年後のお年よりの方が多いのに、79名の方が来てくださり、多くが現役の若い人 です。 ミュージアムに来て無数の生命の輝きに触れてください。そして生きる力を獲得してく ださい。未来の自然と人間が共存可能な百年後の静岡の世界の実現にむけて、さあ一歩踏 み出そうではありませんか。 ふじのくに地球環境史ミュージアム館長 安田喜憲 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 5 1 エッセイ:開館までのあゆみ ⑴ ミュージアム誕生の軌跡 ミュージアムが生まれるまでの4年間 小室桜子 はじめに 私は、人・生物・自然・博物館をこよなく愛する、生まれも育ちも静岡の、生物の高校 教員です。この博物館づくりのミッションが与えられる以前より、福井県立恐竜博物館 (2000年開館)や金沢21世紀美術館(2004年開館)など、新設の博物館を中心に博物館め ぐりを同僚達と定期的にしていました。博物館にはその地域に固有の資料があるために、 それらを求めて多くの人が集まります。各地の博物館をめぐっているうちに気が付いたの ですが、博物館の存在はその地域に暮らす人々に安心感や安定感をもたらすだけでなく、 地域のアイディンティティの創出にも影響を与えているのではないかということです。 静岡県にこうした地域の拠点となるべく県立博物館がないことは、県民にとって大きな ディスアドバンテージだと残念に思っていたところ、平成24年3月下旬、当時の勤務先の 校長によばれ、 「県立の自然系博物館を作ることになり、あなたが任命された。色々と大 変だと思うが、しっかりと博物館を作ってきなさい」と突然の辞令を受けたのです。教員 20年目の終わりの事でした。 それからミュージアムがオープンするまでの4年間、私は知事部局に出向し、博物館づ くりのミッションを遂行することになりました。行政の仕事に全く無知な自分が、ただ静 岡県に博物館をつくりたいという熱い思いだけで突っ走ってきた4年間を振り返るのは大 変恥ずかしく気が引けるのですが、ミュージアムの赤ちゃん時代を知る数少ない証言者と して、今回記録を残すことにしました。 平成24年度 ゴールのはっきりしない船出 平成24年4月1日、私は静岡県企画広報部企画課政策推進班に配属されました。博物館 をつくるといえば博物館準備室をイメージし、きっと大勢の方が集まるのだろうと期待し ていくと、 博物館業務の専属担当は自分1人だけだったのですから驚きました。実際には、 他業務との兼務の方(0.5人工)が2人いたので、3人合わせて2人工で業務はスタート しました。 最初の説明で、博物館整備は「2段階ロケット方式」で進めること、第1段階は、静岡 県自然学習資料センターの収蔵室の移転に付け加えて展示・教育普及の機能をもたせた上 で、平成26年4月にオープンさせること、第2段階については未定であることなどが伝え 6 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 られました。 2段階整備とはうまく言ったもので、本格的に博物館を作るにはお金や人手、時間がか かるため、まずはできることから確実にコマを進めていくという戦略だったのです。私は 早速、最終ゴールである「県立博物館の完成」に向けた2段階整備のプランの作成に取り かかりました。そして、完成したプランを打合せで示したところ、衝撃的なことに、この ミッションを確実に遂行するため、 「博物館」というワードを資料から消すようにという 指示がありました。4月下旬のことでした。博物館と表だっていうと、業務の進捗に影響 が出て遅延する可能性が高くなるからというのです。博物館を作ってきなさい、と背中を 押されて知事部局に出向したのに、着任早々、博物館と言ってはいけないとは…。戦略と 分かってはいても正直なところ苦痛でした。しかし、このことがきっかけで、絶対に自分 がいる間に博物館にするのだと闘志を燃やしはじめたのも事実です。学芸員がいることが 登録博物館の必須条件だと分かるや否や、放送大学の通信講座に申込み、学芸員に必要な 単位の取得をはじめたのもこの頃でした。 「リノベーション=安い」という思い違い 第1段階の整備スケジュールは実はとてもタイトで、平成24年に改修設計、平成25年に 改修工事と移転、そして平成26年4月にはオープンというものでした。そのためには、夏 までに改修工事の予算の執行協議を終え、その後直ちに設計を発注、3月末までには設計 を完了させなければなりませんでした。しかし、行政経験の全くない当時の私は甘く考え ていて、同じ県庁内部の業務だから、改修プランの要望をまとめて営繕工事課に提出さえ すれば、あとは専門部署が協力してなんとかなるだろう位に思っていました。 しかし、NPO自然史博物館ネットワーク(自然博ネット)の皆さんと打合せをして決 めた改修プランを営繕工事課へ提出すると、今回は新築ではなく、ただのリニューアルだ から、 費用の積算や予算協議は担当事業課の方ですべて行うようにとつき離されてしまい、 結局、入札以前の内部調整はすべて自分達で行うことになりました。 その後、業務を進めていくのですが、次々と大きな壁が立ちはだかりました。まず、最 初に立ちはだかった壁は用途変更でした。学校を事務所などの特定の人が利用する施設に 改修する場合は問題ありませんが、学校を博物館などの不特定多数の人が利用する施設に 改修する場合には用途変更が必要で、それに伴う新たな工事が発生するというのです。学 校は、壁や天井などあらゆる所に木材が使われていますが、木材は可燃材のため、一旦火 災が発生すると燃え広がりやすく、不特定多数の人が訪れる博物館には適さないというわ けです。可燃材を不燃材に取り換える工事や、学校の時にはなかった排煙設備を各部屋に 新設する工事などが必要ということが夏頃になって発覚し、費用も時間も予想以上にかか ることが分かりました。 次に立ちはだかった壁は、敷地内に存在する国有地の問題でした。学校の敷地には、赤 道(旧里道)や青道(旧水路)などの国有地が残っていることが多く、学校のまま使用す Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 7 る場合は土地代が減免されるのですが、学校以外に使用する場合には減免対象ではなくな るため、その土地代を国に支払わなければなりません。公図を慌てて取り寄せ、土地の測 量費や購入費の予算を計上しました。 近年、少子化等の影響等により廃校利用にスポットが当てられるようになりましたが、 廃校利用は用途によっては想像以上に経費がかかるというデメリットについても、メリッ トと合わせて知らせるべきかと思います。 さて、3つ目に立ちはだかった壁は、予算資料作りでした。改修工事や国有地等の予算 を獲得するために、複数の業者に依頼して見積りをとる、見積内容を解読する、見積書を 比較して資料を作成する、という一連の作業は延々と続きました。最もしんどかったのは、 業者が作成した改修工事の約3億円の見積書が工事項目別だったため、それを部屋別の見 積書に作り直す作業でした。工事内容や価格を精査するために必要なことだから仕方ない と自分に言い聞かせながらやりましたが、何しろ部屋数は小さな部屋も入れて100近くも あったのですから、今思い出しても本当に気が遠くなる作業でした。 また、財政当局の要求する予算資料の精度は想像以上に高く、生半可な資料ではすぐに 突き返されました。事業の目的や必要性からはじまって、水準感や規模感が分かるように と類似施設や他県博物館のデータを添付しなければなりませんでした。県の事業は税金を 投じることだから、県民にきちんと説明できる資料でなければならないというわけです。 そのため、県内や全国の博物館へ連絡をとり、収蔵室や研究室、展示室の面積や設備の有 無等細々とした聞き取りを何度も繰り返しました。忙しいのにも関わらず、丁寧に回答し て下さった博物館関係者の方々には大変感謝しています。 私の自宅は浜松市で、県庁所在地の静岡までは新幹線通勤でしたが、この時期は毎晩終 電で、自分だけでなく一緒に暮らす家族もまいってしまい、博物館なんてもうどうでもい いと投げ出したい気持ちで一杯になったことが今は懐かしく思い出されます。その後も毎 年恒例行事のように予算協議が行われましたが、一人プレイヤーのこの時が精神的に最も 苦しかったです。 引き取り手のない赤ちゃん 当時、博物館を訪問し名刺交換をすると必ず言われたのが、「ほぅ、企画課ですか…」 という意味ありげな一言でした。企画課は、総合計画のような全体プランの企画のほか、 名前のとおり、新事業の企画、つまり赤ちゃんを産み育てる部署のため、事業を担当する ことは通常あり得ません。 ところが、この事業は、工事の設計の段階になっても企画課が所管していたのです。ス ピード感を重視してきた結果といえますが、さすがに工事が始まる前に移管しなければど うしようもない状況に迫られていました。 この所管決めを検討するために、実は平成23、24年度の2年間にわたり、庁内の関係部 局を集めて、 「静岡県自然学習資料センター検討委員会」という会議を企画課主催で定期 8 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 的に開催していました。 当初は、どの部局も新センターについて好意的にアイディアを出してくれていたのです が、所管部局をこの中から決めたいと提案するや否や、皆さんいきなり抵抗感を示しはじ めたのです。 「事業内容がはっきりしていないし、今のセンターの移転程度であれば、企 画課が引き続き所管すればいい」 「学芸員の人事採用計画も含めた事業計画があれば考慮 の余地があるが、まだどうなるとも分からない赤ん坊では手がかかりすぎる、もう少し大 きくなってからでもよいのでは」と厳しい意見が多く、4回開催したところで、タイムオー バーとなりました。 この件や前述の予算協議を通じて学んだのは、知事部局の組織の大きさ、根回し等合意 形成に至る手続きの重要性、そして組織の縦割りの強さです。教員である自分は、良くも 悪くも社会経験が乏しく、子供相手ばかりのため大人社会での処世術に疎いと痛感しまし た。これまで情熱さえあれば何とかなると思って突き進んできましたが、情熱だけでは何 ともならないことがあるということを学んだ一年でした。 県内有識者による検討委員会の開催 こうして私が内部調整に明け暮れている最中の11月頃のこと、幹部のもとに自然博ネッ トの天岸理事長らが陳情に訪れました。博物館基本構想という将来像がまずあって、その 過程に今回のセンターの改修工事があるのなら理解できるが、基本構想のないままスター トして一体何をめざすというのか、今すぐ有識者を集めて、基本構想をつくってほしい、 という内容でした。 その頃、予算協議にしても、庁内検討委員会にしても、指針となるべく基本構想がない ままでの事業計画は説明しても理解されにくく、ちょうど行き詰まり感が出始めていたこ ともあり、幹部は検討委員会を開催することを決断しました。そして、県内の有識者を集 めた「静岡県自然学習資料センター整備方針検討委員会」が平成25年2~3月に開催され、 3月末には「静岡県自然学習資料センター整備方針」がまとめられました。 しかし、実質2ヶ月間の短い期間では深い内容にまで踏み込むことはできず、あくまで もセンターの移転を支える整備方針にとどまりました。 平成25年度 優秀なプレイヤー達 新年度になると、企画課内に自然学習資料センター整備班ができ、スタッフは4名(事 務職3名+教育職1名)となりました。仲間が増えたことが何よりうれしく、いよいよ事 業が本格的に始動するのだと意気込みました。事務職の方々は事業の段取り、他部署や業 者との交渉、会議資料や予算資料等の書類作成等、何でもこなすオールマイティな仕事ぶ りで、ただ感心するばかりでした。 特に、この年は改修工事(設計と工事の両方)や、国有地(赤道・青道)の測量・購入 など、本来であれば営繕工事課や管財課などの専門部署が行うような業務を若手の事務職 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 9 の2人が引き受けてくれ、未経験の仕事でありながらもテキパキと着実にこなしていくの ですから、本当に頭が下がりました。 重かった大きな岩が動く 前年度末に県内の有識者を集めて、 「静岡県自然学習資料センター整備方針」をとりま とめたばかりでしたが、結果的にそれは基本構想とよべるものではなかったため、自然博 ネットの天岸理事長は再び幹部にかけあい、博物館の基本構想検討委員会を開催するよう に改めて陳情しました。新年度でちょうど幹部が交代したこともあり、県はようやく基本 構想検討委員会を立ち上げることを決断しました。 昭和61年(1986年)に県立博物館構想の検討が開始して27年、とうとう県は本格的に博 物館づくりにシフトチェンジしたのです。これで堂々と「博物館をつくることが私の仕事 です」と公言できるようになり、とても晴れやかな気持ちでした。 あのとき、天岸理事長があきらめずに陳情をしたからこそ、現在のミュージアムのバイ ブル「基本構想」が生まれ、あのバイブルに感動した研究員が集まって、ふじのくに地球 環境史ミュージアムは誕生したのです。 安田館長との出会い 基本構想検討委員会の委員長は、県の補佐官である安田喜憲氏に依頼することがすぐさ ま決まりました。安田先生は、平成23年度に文化・観光部の世界遺産課が開催した富士山 世界遺産センター(仮称)基本構想策定委員会及び基本構想の策定の経験・実績がおあり で、研究者としても大変著名なお方でしたので、安田先生に今回の件をお願いするのはご く自然な流れでした。 また、安田先生はこの1年後にミュージアムの館長に就任されますが、今思えば、安田 先生に委員長を依頼した際、当時の幹部の頭には既に安田先生を館長にする考えがあった のであろうと推測されるのです。 また、昨年度散々苦労した所管決めも、安田先生が県補佐官として所管している文化・ 観光部にその後すんなりと決まっていきました。 基本構想検討委員会での熱い議論 さて、安田先生を委員長とする基本構想検討委員会は平成25年7月~翌年1月にわたり 全6回開催されましたが、毎回熱い意見交換がなされ、惜しみないアイディアが飛び交い ました。こうした委員会は庁内でもよく開催されており、ともすると一般的な表面的な話 題にとどまりがちですが、この検討委員会は全く違いました。核心をつく意見が多く、時 には激しい議論となりましたが、静岡県の博物館のために委員の方々が真剣に考えて下 さったことは決して忘れられません。また、こんなにワクワクする委員会は初めてで、あ の場に立ち会えたことは本当に幸運でした。後に、何人かの委員の方から、あのときの議 10 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 論は本当に楽しかった、またやりたいねと感想をいただいたことからも委員会の内容の素 晴らしさが分かっていただけるのではないでしょうか。 こうした議論の末、博物館のテーマは自然史に絞らず地球環境史とすること、博物館と よばずにあえてミュージアムとよぶこと、調査研究重視の骨太のミュージアムとすること、 そのために博士号をもった研究員を6名採用することなどが次々に決定していきました。 一冊の本との出会い ある時、自然博ネットの三宅副理事長より、一冊の本の書評のコピーをいただきました。 本のタイトルは「モバイルミュージアム 行動する博物館」。その書評が気になって、早速 アマゾンで購入して読んでみると、これが大変面白いのです。静岡県では自然博ネットの 協力により、標本箱を単位としたミニ博物館(移動博物館)を平成22年度より実施してい るのですが、この考え方はこの本で紹介されているモバイルミュージアムと大変類似して いました。 また、本文中に出てくる長野県戸隠地質化石博物館(小学校を改修した博物館)の常設 展示やミドルヤード展示に大変興味をもっていたところ、タイミングよく視察のチャンス が訪れ、平成25年4月に実際にこの目で確かめることができました。戸隠の展示室は、教 室や学校の机、黒板を生かしつつもデザインが素敵で居心地がいい空間で、私はすっかり 魅了されました。また、ミドルヤード(バックヤードとフロントヤードの中間)も実際に 見てみると、元学校だからなのかとても馴染んでいて、多くの方がボランティアや体験活 動にフランクに参加していることが分かりました。 自然系博物館といえば、神奈川県立生命の星地球博物館や福井県立恐竜博物館などダイ ナミックな展示、巨大な恐竜が真っ先に思い浮かびますが、私たちがつくろうとしている 博物館の展示室の条件は全く正反対です。部屋も小さいし天井も低い、一体どんな展示が できるというのだろうと不安があったのですが、戸隠の展示を見て、その不安は吹き飛び ました。制限をむしろ逆手にとり、元学校であること、そしてこれからも学び舎であり続 けることを売りにしていけば、静岡らしい博物館になるに違いないと感じたのです。 そこで、戸隠の博物館を手掛けた東京大学総合博物館の洪教授に、我々は教えを乞うこ ととし、基本構想検討委員会(平成25年度)の委員ならびに展示アドバイザー(平成26・ 27年度)を依頼しました。基本構想に登場するミドルヤード展示、既存什器を生かした展 示、モバイルミュージアムなどはすべて洪教授からいただいたエッセンスなのです。 平成26年度 庁内で最も長い名前の課の誕生 この年、ようやく独立した課となり、「ふじのくに地球環境史ミュージアム整備課」が 誕生しました。文字数はなんと19文字もあり、庁内の課の中で最も長い名称でした。所管 が企画広報部から文化・観光部へと移り、それに従って執務室も県庁東館の6階から12階 へと移動することになりました。 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 11 メンバーは、昨年度のセンター整備班の4人に加え、新たに課長1名(事務職)と教育 職1名が加わって、6名となりました。これまで専属の課長がいなかったので、いつでも 相談できる課長の存在は大変有り難かったです。また、自分と同じ教育職の仲間が増え、 とても心強くなりました。教育職2人が揃ったこの時点で、本来なら教育普及プログラム の準備等にとりかかる予定だったのですが、整備の真最中で、人手不足もあって、教育職 の山本主査は、着任早々外構工事の担当となり、その後も駐車場工事など工事関係の業務 を一手に引き受けることになりました。一方、もう1人の教育職である私は、展示担当と して、 この後のミュージアムキャラバンや常設展の製作を取りまとめることになりました。 展示予算の執行協議 前年度の予算協議で、展示費用の総額は約2億円弱と大枠の予算は計上されたのですが、 それは執行協議が前提条件となっていました。執行協議とは、予算に計上した後、執行に 当たって財政当局に協議すること、つまり執行年度に詳細条件が出そろったところで、そ の条件や執行方法が正しいかどうか確認したり、執行方法の調整をしたりすることです。 平成26年度のミッションは常設展の展示設計でしたので、すぐにでも入札準備にとりかか りたかったのですが、その前に執行協議を行い、財政課の許可を得るというハードルが待 ち受けていました。 4~5月は、予算資料の作成及び予算協議に明け暮れました。他県の博物館に連絡をと り、展示面積や展示テーマにとどまらず、展示ケースや映像機器等の備品の細かい仕様や 数量、金額についても聞き取りを行い、他県比較資料を作成しました。通常であれば、庁 内の他部署に聞けば済むようなことが、今回のミュージアムの業務は廃校利用、県立博物 館整備と前例がなく初めてのことばかりで、他県に頼るしか方法がなかったのです。 ところで、少し横道にそれますが、静岡県はニュース等で話題になるような全国に先駆 けた新規公共事業、特に教育文化に関する事業が少ないのではないかと、以前から気になっ ていました。しかし、この業務に携わるようになって、その理由が少し分かった様な気が します。あくまでも私見ですが、1つは税金を慎重に使おうとする余り、財政当局の審査 が厳しくなり、そのため事業課が新規事業を敬遠したり規模を縮小したりしがちなのでは ないかということ、もう1つは組織の縦割りが強くて、複数の部署をからめた横断的な新 規事業展開が仕掛けにくいのではないかということです。県の職員の方々には、これらの 困難にめげずに、新事業にどんどんトライしていってもらいたいと切に願います。 待ち望んでいた研究員 6月1日になると、岸本准教授(昆虫博士)と山田准教授(環境史博士)が着任し、ミュー ジアム整備課は8人に増えました。研究員(ミュージアムでは学芸員ではなく、あえて研 究員と呼びます)がくるのを2年前からずっと待ち望んでいた私は、この日は本当に嬉し く、 そしてこれでバトン(研究や展示内容などの専門的なパートについて)が渡せるとホッ 12 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 としたことをよく覚えています。 普通、博物館をつくるとなれば、まずは資料の価値が分かる学芸員を連れてくるのが一 般的ですが、今回は、理科教員が最初に連れてこられたのです。将来博物館になるかどう かも分からない施設のために、学芸員を採用することはできない、それよりも理科教員を 現場から連れてくる方が手っ取り早かったに違いありません。自分以外は全員事務職とい う状況の中で、 自分が何とか学芸員の役割を少しでも果たさなければならないとの思いで、 自然博ネットの方々の協力を得ながら、2年間もがき続けてきたので、研究員は自分にとっ て救世主のような存在でした。 そして、二人が着任したその日から私は、早速自分が持っている情報をすべて伝えると ともに、すぐに展示の詳細設計に入るから、どんな展示をしたいのか具体的に考えて下さ いとお願いしました。今思えば、着任早々あれこれ要求されて、お二人は大変なところに きてしまったと驚いたに違いありません。 展示デザインへの挑戦 この年度の展示ワーキンググループ(WG)のメンバーは、岸本准教授(研究員)、山 田准教授(研究員)、山本主査(教育職)、私(教育職)の4名でした。 展示設計が進み、展示室ごとのテーマがはっきりしてくると、それに合わせた展示デザ インが展示業者より提案されました。図面などの平面だけでは分かりづらいということで、 展示什器についてはミニチュア模型が製作されました。 展示室3の机をひっくり返して作った展示ケースのミニチュア模型を初めてみたとき は、あまりに奇抜なアイディアに展示WGのメンバー全員、目が丸くなりました。しかし、 展示設計担当者よりデザインの持つ力について説明を受けるにつれ、展示で伝えたい内容 にデザインが寄り添うことで、メッセージがより伝わりやすくなることが分かってくると、 他の部屋についてもどんな模型ができてくるのかが段々楽しみになっていきました。 こうして展示WG内では理解が得られた展示デザインでしたが、周囲の理解を得るには だいぶ時間がかかりました。整備課、そして自然博ネットの方々からは次のような意見が 出されたのです。古い机や椅子を使うとかえって展示が安っぽくみえるのではないか、普 通の展示什器を使用したほうが高級感もあるし汎用性が高い、机や椅子の再利用では耐久 性が劣り破損しやすいのではないか、等々。デザインが持つ力を一生懸命説明したのです が、チャレンジして失敗したときの責任問題にまでふれられると、ついに私も折れ、展示 業者に机や椅子の再利用はやめて、通常の展示什器に変更するよう依頼をしました。 しかし、設計担当者は次のように答えました。普通の展示什器は高くてミュージアムの 限られた予算では少ししか揃えられないこと、普通の展示什器を使うと他の博物館と同じ 物差しで比較されるため予算が少ないミュージアムは引けを取ってしまうこと、ミュージ アムらしさを表現するには既存什器を再利用してコストを抑えつつも学校らしさやデザイ ン力でカバーする方が得策であること、そして今は模型だから陳腐に見えるが実際はもっ Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 13 としっかりと製作するので安心して欲しい、この設計をぜひ信じてほしいと真剣な眼差し で丁寧に説明をして下さったのです。安全で無難な道を選びかけた自分でしたが、その真 摯な思いに気持ちをふるい立たせ、原案のまま進めさせてほしいとなかば強引に、周囲を 説得したのでした。 ミュージアムキャラバンの誕生 平成26年度当初、ミュージアムのオープン予定は平成27年4月でした。改修工事が終わ るのが平成26年6月、引越しが7月、その後半年で簡易展示を陳列して、4月には公開す るというスケジュールです。改修工事が終わったのなら速やかに施設を公開すべきである、 公共事業の遅延は許されないという空気が漂っており、このオープンに備え、簡易展示を 何とかしなければならないというミッションが私にはありました。 まさかミニ博物館(平成22年度から実施している移動博物館のこと)をそのまま展示す るわけにもいかない、既存のミニ博物館を利用して新しい静岡型の移動博物館を作れない だろうかと模索していたところ、次の2つの移動博物館に出会いました。洪教授が都内の 小学校の空き教室に仕掛けていた「スクール・モバイルミュージアム」と沼津港深海水族 館が新東名高速のサービスエリアに設置した「ミニ・ミュージアム」です。 これらをヒントに考えついた新しい移動博物館のイメージは、①ドイツ箱を単位とした もの、②自立式で、空きスペースさえあれば展示可能なもの、③設置や解体が自分達で簡 単にできるもの、④車で運搬できるもの、⑤レゴブロックのように中味の入れ替えが自由 にできるもの、⑥映像や照明も工夫して、部屋全体の雰囲気を博物館らしくするもの、⑦ ミュージアムの開館PRになるようなもの、等でした。 その後、展示WGを中心に詳細プランを話し合って仕様書をまとめ、入札に向けて準備 を進めていくのですが、内部調整に難航し、無事契約にこぎつけたのは12月も終わりのこ とでした。その後、年明けから3月末までのわずか3ヶ月で、ミュージアムキャラバンは 設計から製作までの全工程を完了させるのですが、常設展の設計と並行しながらの作業は 多忙を極め、2つの展示をかけもちするのはもうこりごりだと関係者一同、口を揃えて言 います。 さて、一方でミュージアムのオープンは平成28年3月へ延期することが正式に決定した ため、平成27年度当初に展示室でお披露目するはずだったミュージアムキャラバンは、開 館までの約1年間、小・中学校を中心に館外巡業をすることになりました。 平成27年度 ふじのくに地球環境史ミュージアムの開設 平成27年3月末日に県庁からの引越しが完了し、4月1日に「ふじのくに地球環境史 ミュージアム」 が静岡南高校跡地に開設しました。ミュージアム整備課のメンバー9名(8 名に加え、平成26年度秋より非常勤職員の青木さんが仲間入りしています)に加え、安田 館長、山本企画総務課長(事務職)、渋川准教授(魚博士)、髙山准教授(植物博士)、日 14 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 下研究員(人類博士)の5名が加わり、総勢14名でスタートしました。 しかし、これでメンバーが全員揃ったわけではありませんでした。あと1人、地質・岩 石・地震の分野の研究員がまだいなかったのです。研究員の採用試験はこの年の夏に行わ れ、 菅原准教授(地質博士)が着任したのは年明け1月のこと。既に開館3か月前を切り、 常設展もほとんど工場製作に入っていたため、菅原准教授の活躍の場が常設展には少なく、 大変申し訳なかったです。 空間デザインの力 さて、平成26年度末に完成したミュージアムキャラバンですが、想像していた以上の出 来栄えでした。黒を基調としたシックなデザイン、ドイツ箱を上手に活用したグラフィッ クパネル、照明等。こんなにお洒落な移動博物館は前例がなく、きっと話題になるに違い ないと確信していました。 しかし、私の耳に入ってくるのは、こんなに大きくて重たいユニットでは移動が大変だ ろう、標本の解説が不足していてよく分からない等、ネガティブな意見も多く、段々と心 配になっていきました。ところが、実際に巡回が始まってみると、小学生の反応はとても 良く、何校か回っているうちにそんな不安はすぐに吹き飛ばされました。 特にうれしかったのは、休み時間になるとミュージアムキャラバンのある部屋に子ども 達がぞろぞろと集まってきて、標本を見ながら友達と色んな話を楽しそうにしている光景 を見たときです。暗い部屋の非日常的な感じに惹かれただけかもしれませんが、それでも 皆ワクワクした表情で中へ入っていくのです。もし、ただ標本を陳列しただけだったら、 こんなに楽しそうに何度も足を運んでくれたでしょうか。 資料をただ見せるのではなく、その見せ方がいかに大事であるか、空間デザインのもつ 力を実感しました。ミュージアムキャラバンの成功があったからこそ、このあとの大変な 常設展の製作も自信を持って取り組むことができたのです。 食材集めの苦労 展示アドバイザーの洪教授に、料理作りと展示製作は同じであると教わりました。ミュー ジアムがレストランだとすると、まずどんなお客様にきていただきたいのかを考え、次に どんな食材(資料)が手に入ってどんなメニュー(テーマ)を提供したいのか、さらにど んなお皿(展示ケース)に盛りつけるのか、照明やテーブルクロス(空間演出)はどうす るのか、など一連のプランをたてることが大切であるというのです。そのなかでも設計当 初から課題になっていたのは、食材(資料)リストの作成です。どんな食材が手に入るの かを把握しておかないと肝心なメニューが決められないからです。 客層については、比較的早い段階で方針を定めていました。公共施設のため基本的には 全年齢を対象とするけれども、現代の環境問題は子どもよりも大人にこそ真剣に考えても らいたいテーマなので、大人向けにシフトすることに決めました。さらに、マーケティン Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 15 グでは若い女性の購買決定権が注目されていることもあって、大人の集客率を高めるため に、特に若い女性をターゲットとすることにしました。 次に、食材(資料)集めですが、これが最も難航しました。食材(資料)の入手は目論 見が甘かったとしかいいようがなく、多分あるだろうとかすぐ手に入るだろうという甘い 予測のもとに先にメニュー(テーマ)を決めてしまったため、実際に調理する間際になっ て、 食材(資料)が入手できなかったり、購入費が不足したりとバタバタしっぱなしでした。 甘く考えていた原因のひとつに、約30万点の自然史資料があるという安心感があったこ とは否めません。平成15年度から自然史資料の収集保存事業を自然博ネットの協力を得て 行ってきた結果、ミュージアムには豊富な資料が保管されていたのですが、展示に回せる 資料がどれくらいあるかの事前確認が不足していました。 他県の博物館の立ち上げ時にはふつう何億円という資料購入費が計上されているのにも 関わらず、ミュージアムではその予算がわずかしかなかったのです。そのため、もの(資 料)がない、お金がない、時間がないといつも走りまわっていたように思います。 露出展示 実物標本を間近で見て、感じて欲しいから展示ケースは可能な限り使用しないで露出展 示をしたいというのが展示WGの当初の方針でした。イメージは、東京駅前KITTE内 にあるインターメディアテクの展示です。 実は、展示室3の壁面沿いの魚の剥製や、展示室8の骨格標本なども当初はケースなし でいく予定でした。議論を重ねた結果、最終的にはアクリルケースをかぶせることにした のですが、結果的にケースをかぶせて正解だったと思います。ケースがあると光が反射し て資料が見づらくなることを懸念していましたが、実際にはケースが保護の役割をきちん と果たし、どんなに近づいても破損する心配がないので、安心して資料を眺められたので す。 イメージ先行で進めてしまった露出展示の一件で、ケースについては、破損・埃等の汚 れ・虫やカビ等の諸問題があり、資料の特性に合わせた対応が必要だと学びました。 言葉のこだわり ミュージアムキャラバンにしても、常設展示にしても、どちらの展示もグラフィックパ ネルの言葉には非常に時間をかけ、こだわりました。 最初のこだわりは、常用漢字です。ミュージアムキャラバンはターゲットが小学生だっ たため、小学3年生までに習う漢字を基準としましたが、常設展のターゲットは大人のた め、常用漢字(=中学3年生までに習う漢字)を基準とし、常用漢字にはルビをふらない ことにしました。博物館には小学生の団体利用が来ることが想定されるため、それで大丈 夫かという意見もありましたが、ルビばかりの文章の読みづらさを回避することを優先し、 小学生にはワークシートを配布する等の対応をとることになりました。参考までに、新聞 16 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 や雑誌は常用漢字を採用していますし、国立科学博物館の常設展も常用漢字を基準として います。 2つ目のこだわりは、タイトルメッセージです。例えば、ミュージアムキャラバンでは 「ひらひらとアゲハチョウ、びゅんびゅんとセセリチョウ」、常設展では「ペリーとサンマ」 「地球を喰らう」「取り除かれる海の恵み」など、キャッチコピーにこだわりました。各展 示室の中央部には思考の誘発装置を仕掛けていて、資料とともに必ずタイトルメッセージ が一緒に表示されています。そのタイトルメッセージを「思考のフック」と呼んでいますが、 パッと見たとき最初に入るフレーズがただの展示資料の説明では何も心に残らない、どう 意味だろう?と少しでも引っ掛かってほしい、資料を見ながら考えをめぐらしてほしいと いう願いがこめられています。この言葉は、展示製作会社の皆さんも一緒になって、時に は我々の方が叱咤激励されながら、何日も時間をかけて吟味したものなのです。 開館直後のツイッターで次のような感想を見つけ、関係者一同、苦労が報われた気がし ました。 “…いちいち展示解説の出だしが秀逸。普通博物館にありがちな「○○の様子」とか「○ ○の世界」とか単調な書き方じゃないのが痺れる” 最後に 平成28年3月26日、ミュージアムは無事オープンすることができました。この4年間、 静岡県に県立博物館ができることを目標にずっと走り続けてきたので、この日は大変感慨 深かったです。 ミュージアムが無事開館できたのも、自然史博物館ネットワークさんをはじめ、センター 整備方針検討委員会、基本構想検討委員会、ミュージアム整備アドバイザー、県内や全国 の博物館、各種業者(展示、設計、施工、web製作等)、知事部局や教育委員会、そし てミュージアム等多くの皆さんの御協力や御支援のおかげです。本当にありがとうござい ました。この場を借りて心より感謝申し上げます。 また、結婚はゴールではなく、スタートであるとよく言いますが、ミュージアムもまさ にそれと同じで、開館はゴールではなく、スタートなのでしょう。開館に向けハード整備 を第一優先に進めてきましたが、開館後はいよいよ本格的にソフト整備にシフトします。 これからはじまるという時期に、自分一人だけミュージアムを離れるのはとてもさみしく、 また作りっぱなしで立ち去るようで大変申し訳ない気がしています。 これからはミュージアムを利用する側として、学校現場とミュージアムをつなぐかけ橋 となるべく別な形で貢献したいと思います。ミュージアムの今後のご活躍を心より応援し ています。 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 17 イチローの背面キャッチ 山田和芳 「百年後の静岡が豊かであるために」が世に出るまでの2ヶ月間 「えらいところにきちゃったな」 平成26年6月1日に静岡県で初めての県立博物館を整備するため、早稲田大学をやめ静 岡にきて、これからわたしがすることがわかってきて最初に思ったことでした。 平成26年3月にまとめられたミュージアムの展示基本計画には、展示構成やイメージ、 平面レイアウトが描かれていました。当初、これをベースに展示作成していくんだなと思っ ていました。が、実際は全く違った。まるで天と地がひっくり返ったようだった。着任早々、 展示担当者から言われたことは大きくふたつ。環境史をテーマとする展示は、環境史の専 門家がきてから、一から練り直す方針になっていること。時間がないため、6月5日に丹 青社と今後の進め方について会議がおこなわれます。それまでに環境史をテーマとしたほ ぼ完成形に近い展示構成を出さなければいけないということ。一言でいうとこれまで先送 りしてた内容を、これから4日以内にゼロベースで再構成してね、ということでした。 これまで、大学の研究畑ですくすく育ってきた自分にとっては、社会というものには、 ノルマと期限があり、これを守ることが最低限の社会人としての振る舞いであると思い込 んでいました。そのため、着任に関する手続きもそっちのけで、同僚とともに必死で展示 ストーリーの再構成をしました。今となっては、担当者の脅しが多少入っていたことは想 像できますが、当時はそう思いませんでした。結果的に、そんなにがむしゃらにやる必要 はなかったのかもしれません。ですが、このときの頑張りが、メンバー間の団結力を生み、 完成した展示につながったのかなとも思っています。 さて、話を本題に戻します。なんとか6月中には、展示構成や展開ストーリーの骨格は できあがりました。ただ、なかったものは、展示に一番大事なもの。それは、展示の大テー マでした。静岡県は、福井県のような恐竜化石や、北海道のような大きなアンモナイト化 石は出ません。つまり、展示物には目玉がないということです。ただし、ご存知のように 日本一の富士山からはじまり、日本一深い駿河湾、地殻変動の象徴にもなる伊豆半島、そ れに汽水湖の浜名湖など風光明媚な地形に、多種多様な生物相が存在しています。こうい う豊かな静岡を表現するだけでもいいのですが、そうすると純然たる自然史のみになって しまい、これまでの博物館と変わらず全く面白くない。地球環境史の要素を入れた展示を 通じて、最終的に何を知ってもらうのか。テーマをどう設定し、それを具現化させ、どう 軟着陸させるかとひとり草薙の職員住宅で悩んだ7月でした。 今でもそうですが、当時も「環境史って何?」といろいろな人に聞かれ続けました。そ れは、行政の人から、着任の挨拶廻りでお会いする人まで。説明すると、多くの人はヒト 18 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 と自然の関係の歴史とか、自然との関わり方の通史といったような過去を知る学問である ことは理解しますが、最終的には自分たちの未来を設計するための学問なんですよという ところまでは全く理解してくれませんでした。歴史なのに未来なのかと、蔑視したり、嘲 笑する人までいました。自分は対立を好まない性格なので、こういう態度を示されると内 心ムカッとしましたが、それを顔に出さずに笑顔でいつか見てろよと思って黙っていまし た。このような多くの方との問答を続けていくなかで、自然史ではなく環境史の博物館で あることを明確にできる展示の大テーマを閃きました。 そして、8月5日の展示チーム内部会議にて、今は館の活動キャッチコピーになってい る展示の全体テーマ「百年後の静岡が豊かであるために」という言葉が誕生します。実は、 最初の提案は「2100年のふじのくにが豊かであるために」でした。しかし、2100年だとい つか到達してしまうから、ずっと同じ未来までの距離になるようにということで、百年後 に落ち着きました。「百年後の静岡が豊かであるために」というメッセージには、未来を 見据える自然系博物館であることを明白にし、百年先も豊かであるためにはどうしたらよ いのかという問いかけによって思考を誘発します。まさに博物館基本構想で書かれた「見 る」博物館から「考える」博物館へと変貌する活動を、この一文で上手に表現できたこと は、 ふじのくに地球環境史ミュージアムのエポックメイキングな事柄であったと思います。 展示をご覧になった方は知っていると思いますが、「百年後~」の言葉は、常設展示の 最初と最後に出てきます。わたしは平成26年6月からミュージアム整備課に途中参加し、 平成28年3月開館直前まで続いた展示事業を含めた開館に必要な怒涛の仕事量の中、方向 性を同じにしたまま最後まで仕上げられたのも、この言葉を平成26年8月の段階で関係者 全員で共有できたことが大きかったのかなと思います。 ちなみに、私は学芸員の資格をもっているわけでもなく、博物館巡りが好きでもなく、 博物館というものにイッサイトキメカナイひとりの人間でした。博物館を作る立場になっ たあの日から、 常に考えていたこと。それは誰しもが楽しめる魅力をもった施設にしよう、 少なくとも自分のような人間がここにきて満足する施設にしたいと考えたのです。そのこ だわりは担当した展示室設計にも随所に入れています。 展示室1ができるまで この展示室は最後まで担当することになりました。最初の部屋になるので、館の姿勢、 展示表現、テーマ、空間づくり…そういうすべてをオールインワンして、来館者の心をがっ ちりつかむための要素が必要だと思っていました。すべては、来館者の博物館のイメージ を変えたい一心でした。陳列方法、解説文の情報量、ソフトパワー重視、学校の香りなど、 いろいろな仕掛けを潜ませることができました。 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 19 自然史ではなく環境史の博物館であるという位置付けをはっきりさせるために、入口最 初の展示物をモアイ像としました。実は、モアイ像も、玄関先に置く案や、伊豆石を削っ て作成する案がありましたが、最後はレプリカ作製に落ち着きました。 また、環境史を具現化するもうひとつの展示物として「年縞」も、必ず設置するという ことで話しが進んでいきました。年縞はやわらかい湖底堆積物。還元環境下で堆積して、 水を含む地層でできています。そのため、乾燥や酸化を防ぎながらどのように展示しよう か現場施工に入るぎりぎりまで悩んでいました。潤沢な予算もないため、地層まるごと樹 脂固定するという選択肢もとれませんでした。そんな中、ある研究プロジェクトのため、 高知大学に出張に行ったところ、大学院生時代から付き合いのある先生が持っていた年縞 サンプルを見せてもらいました。それは、地層剥ぎ取り試料に脱酸素材を入れて真空パウ チしたサンプル。作成から約20年が経過したものですが、縞模様が美しいまま。一目ぼれ です。恐る恐る「展示のために貸してくれませんか?」と訊いたところ、「山田くんの頼 みなら仕方ないな」と笑いながら快諾。さらに「安田先生が館長の博物館に飾ってくれる のなら、私としても有り難き幸せ。安田先生にはずいぶんお世話になった。そのお礼では ないが、これはお譲りします」と。このときほど、ひとつの懸念が払拭してホッとした瞬 間はありませんでした。 展示室1では、この年縞資料以外にも、サンゴ、樹木年輪、貝化石、微化石の電子顕微 鏡写真、植物種子、映像に使われている数多くの写真などは、これまでの研究活動でつな がっていた知り合いの研究者や専門家に打診して快く頂いたものです。できるかぎり敵を つくらず築き上げてきた自分のコミュニティーの温かさ、持つべきものはやっぱり仲間だ なと実感した平成27年夏の出来事でした。 これで一安心なら良かったのですが、実はそうではありませんでした。展示を通じて伝 えたいことは決まっていたのですが、それを表現するための展示標本がまだ足りなかった のです。これを解決してくれたのが、私が静岡に移ってきてから出会ったNPO法人静岡 県自然史博物館ネットワークの先生たちです。先生たちは、言葉にするとありきたりなん ですが、ホントすごい人たちばっかりです。展示室1だけではなくすべてに言えますが、 困っていたら助言をくれます。この標本がなくて困っているんですと相談した翌週には、 「これ使っていいよ」と標本をいただくこともしばしばでした。本物の標本にしか語れな い力があります。先生たちのおかげで、スズメやムクドリ、ウマ頭骨、フジミドリシジミ などを展示でき、ようやく展示室1は完成に向かいました。 展示製作を進めていく中で、日々迫ってくる各種の締め切りに追われた私が、NPO法 人静岡県自然史博物館ネットワークの先生たちの貴重な意見やアドバイスを聞けなくなっ ている状況もうまれました。ちょっと溝もできてしまったなと感じたこともありました が、人生を達観している先生方は、そんなことを微塵にも感じさせず、いつでもいつもど おり身に余る温かい振る舞いをしてくださいました。このことに私は救われました。静岡 県に博物館を!という声を上げてくださった偉人たちともこれからもこのミュージアムを 20 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 守り、これからを創出する場として輝き続けていきたいと強く思っています。 展示室9の地球家族会議ができるまで 博物館はなぜ斜陽化してしまうのか。その一つの解として、日に日に情報が古くなって いくからではないのかと考えています。では、常に最新の情報を伝えるためにはどうした らよいのか。ミュージアムの展示を作っていく過程でたどり着いた答えが、会議形式の対 話展示でした。来館者に対して、標本や文字というモノで伝えるのではなく、ヒトが言葉 で伝えることができないか。それを展示として成立させることができないか。当初、ボラ ンティア活動の先進的取組をおこなっている千葉市科学館や静岡科学館る・く・るを見 て、科学コミュニケーターやボランティアなど人が介在する活動の重要性は、誰よりも強 く認識していました。科学館などでよく見かける展示室と分かれた講座室での活動ではな く、人による展示としての表現活動を、展示ストーリーの一部に組み込む展示動線上に作 り、最新の知見を提供できるようなスペースを設けたい。このようなことを考えていたと ころ、時を同じく丹青社から、現在のような会議テーブルを使った展示の提案をうけまし た。あのときほど、自分が思い描いたとおりの案があがってきたことはありませんでした。 不思議です。 後日談ですが、丹青社の担当者からは、通常の博物館を作る場合、会議テーブルを展示 室内に作ることは、決してしない提案だが、ミュージアム整備課のみなさんと、何十回も 膝を突き合わせた議論があったからこそ、必要不可欠だと思ったとのこと。 「君たち、非常識だよ」「博物館を何だと思っているんだ」など、展示製作の様々な段階 で、展示チームが内外から言われた言葉です。展示チームは、博物館の学芸員になること が夢であったと小学校の卒業文集に書いた研究者もいれば、心から博物館を愛し、博物館 を作ることを使命と思っていた教員、それに私のような博物館に接点がなかった者もいま した。この混成チームだからこそ、博物館の展示に対して、様々な視点からの意見がでて、 みんなで話し合いひとつの方向性・カタチがつくられていきました。 「いいものつくりたい」 展示製作に関わったメンバーが常に思っていたことです。展示室9の対話展示という博 物館展示表現方法は、私が知りうる限りふじのくに地球環境史ミュージアムが全国初です。 これがこれからの展示のひとつのスタイルになっていければ、うれしいと感じています。 おわりに 私は、平成23年にある学術プロジェクトで、ペルーの標高4,386mの氷河湖で、湖底の地 層を採取するボーリング調査をしました。このプロジェクトは、私ともうひとりの日本人 研究者の2人、あとはごくわずかな資金で、確実に地層を採取するミッションでした。研 究代表者からは、ミッション達成のための手段は問わない。成功しなくてはいけない。な んとかしろというものでした。約1ヶ月間の調査では、現地カウンターパートの裏切りや、 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 21 高地であるがゆえのエンジン燃焼不足など数え切れないほどのトラブルが発生。さらに、 私たちも強い日差しのため日焼けがひどく、肌だけではなく唇も日焼けして腫上り、口が あかない。毎食1ソルの味気ないパンを食べるたびに、唇が切れて多量の出血、パートナー の高山病の重症化などもあって、極めて困難な作業でした。それでも、なんとか地層を採 取してミッション完遂しました。すべてが終わり、日本では見たことがない手に届くよう な青空の中、現地湖沼での撤収作業を追えているとき、 「山田くん、イチローの背面キャッ チの練習を見たことがあるか?」とパートナーに不意に聞かれました。「見たことがない ですね」と答えると、「本当は大変な苦労や努力をしているのに、プロフェッショナルは それを出さない。できて当然という顔をするだろ。自分たちも大変さは表に出さない。で きて当たり前の顔をしよう。苦労話は飲み会で言えばいい」と。この言葉は、今でも自分 の仕事の取り組み方として一番大切にしています。 今回、自分もイチローらしく展示をつくろうと思い、約2年間研究者としての自分を捨 てました。そして、今回書いているようなことは本来なら墓場まで持っていくつもりでし た。今でも「努力は隠すもの」というのが自分の美学です。しかし、このようなコラムで 書きとめる機会がなければ、自分も飲み会で自慢げに言うだけですし、だんだんとその記 憶は薄れていきます。 いつか博物館を立ち上げる人や展示を作る人が、困難にぶち当たってしまったとき、こ の真実に触れて、イチローのようになってくれることを望みます。開館後、展示を観覧す るお客様の笑顔は忘れることはありません。ほんの少しですがいいものつくれたのかなと 思う自分もいます。 もし、もう一度博物館の展示をつくってみないかといわれたら、笑顔でNOと回答しま す。もうこりごりです(笑)。 これまでとこれから 岸本年郎 静岡県としては初の県立博物館が開設され、それが自然系博物館となること、昆虫担当 の職員を公募することを知ったのは、平成25年の1月のことでした。その公募があった当 時、東京の一般財団法人自然環境研究センターという民間の研究機関で、自然環境保全に 関する研究員をしていた私の心は大きく高鳴りました。「これは面白いところになりそう だ」という確信がありました。県立の自然系博物館が新たに開館するのは、バブル経済が はじけて以降は、はじめてのことになります。そして、公表されていた「ふじのくに自然 系博物館基本構想検討委員会」の会議概要資料と「ふじのくに地球環境史ミュージアム(仮 22 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 称)基本構想(案)」は魅力的なものでした。基本構想には「ソフトパワー重視」の活動 を展開すること、調査研究を重視することがしっかりと謳われているなど、従来の博物館 とは違った新たな息吹を予感させられました。「公募にチャレンジしてみたい」と、すぐ に考えましたが、同時に懸念もありました。自然環境研究センターでの仕事には、小笠原 の生物多様性保全をはじめ、多くの挑戦中の重要な案件が山積していたこと。また、私的 なことですが、東京で新たな家を借りてすぐの時期でもありました。しかし、公募の件に ついて妻に伝えると、即座に「行きたいんでしょ。挑戦すれば良いじゃない」と背中を押 してくれました。その時のことは本当に妻に感謝しています。 その後、縁あって幸いにも静岡県に採用され、ミュージアムの立ち上げに尽力すること になりました。平成26年6月に赴任してから、怒涛のような日々を過ごし、何とか平成28 年3月の開館を迎えることができました。ここでは、その中で考えたこと、感じたことを いくつか書き残しておきたいと思います。 伝えたいこと 博物館の展示は単にモノを並べているだけではありません。モノを通じて歴史や自然、 文化等を学び伝えることを目的としています。では、ふじのくに地球環境史ミュージアム は何を伝えたいのでしょうか。そのことについて平成26年の着任後、山田和芳研究員と小 室桜子主査、山本剛士主査と集中的に議論しました。様々なことが話題に上り、伝えたい ことを煮詰める作業を行いました。そして、最終的に残った言葉が「百年後の静岡が豊か であるために」です。この言葉は当ミュージアムの哲学を、簡潔かつ、明確に表しており、 今でもとても気に入っています。まず、百年後といえば、もう自分は生きていないわけで すが、 そのような世界のことを考えるという長期的・巨視的な視点を持ちたいということ。 それから、 「豊か」という抽象的な言葉を使うことで、豊かさとは何かを皆さんに考えて いただこうという意図があります。「豊か」という概念は人によって様々です。金銭的な 豊かさ、物質的な豊かさ、精神的な豊かさ、豊かな食事、豊かな生物多様性等、様々な豊 かさが思いつきます。その豊かさの中身の現在と過去を知り、未来を創造するための思考 を育む場所にしたいというのが、ミュージアムを創るみんなの共通の意志となってゆきま した。 「かっこいい」展示を創りたい 展示を製作する上で大きかったのは、東京大学総合研究博物館の洪恒夫特任教授との出 会いです。洪さんは東京駅横のKITTE内において、日本郵便+東京大学総合研究博物館 が展開するインターメディアテクの企画・ディレクションを担当されています。このイン ターメディアテクの展示は、かつて東京大学の様々な研究教育領域で用いられてきたケー スやキャビネットを使用した、重厚かつ斬新でスタイリッシュなものです。私はミュージ アム整備課に着任してすぐに、この展示を見てこの博物館デザインの力に圧倒され、静岡 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 23 の博物館でも「かっこいい」展示を創りたいと強く思いました。洪さんには展示監修をし ていただき、デザインコンセプトの他、学校時代に培われた経年の要素(ageing)を遺し 活かすこと、展示素材を活かす方法等についての詳細な部分にも、様々に御指導・御示唆 をいただきました。洪さんのお話の中で、印象に残っているのは、「芸術作品はそれを製 作した人間の情念がこもっていて、それが見る者にも伝わり、思いが喚起される。対して 自然物は、それだけでは解釈不能なことがあり、それを助ける仕掛けが重要である。」と いうものです。なるほどなぁ、と思いました。また、展示を具現化するにあたり、設計・ 施工を請け負ってもらった丹青社のスタッフはたいへん力強いパートナーでした。特にデ ザイナーの石河孝浩さん、大場智博さん、プランナーの篠原宏一さん、ディレクション担 当の加藤剛さんは、粘り強く私達の展示がコンセプトに合うものとなるように表現を模索 し続けて下さいました。結果、完成した展示は「かっこいい」ものとなりました。しかし、 この「かっこいい」というのは、私達スタッフの自己満足なのではないかという不安もあ りました。実際に、従来の博物館展示をよく知る方々から、厳しい批評も頂戴していまし た。その不安を払拭してくれた出来事が二つありました。ひとつは川勝平太知事が展示を 見られた後に、 「学術的な内容は高度だが、伝えたいことが明確に表現されており、また 展示手法が芸術的である」と目を細めて講評していただいたこと。もうひとつは、DSA 日本空間デザイン賞2016の大賞を受賞できたことです。この賞は空間環境系のデザイン賞 では世界最大規模のもので、今回も応募総数785作品の中からの唯一の大賞です。洗練の 極みでしのぎを削る商業デザインやミラノ万博において展示部門の金賞(!)を受賞した 日本館のデザインを抑えての受賞ですので、快挙に違いありません。また、展示製作をは じめるにあたり、最初に見学して強い衝撃を受けた、インターメディアテクが2013年にこ の大賞を受賞しており、そこに並ぶことができたのも大きな喜びでした。この受賞の報を 聞いたときは信じられない思いでしたが、同時に展示製作の労苦が、一気にむくわれた気 がしました。 言葉へのこだわり 私は元々博物館が大好きで、全国各地の博物館を訪れて楽しんでいました。その中で気 になっていたのは、解説の文字が多いことがままあると感じていたことです。ゆっくり座っ て展示解説書を読むのならともかく、立って巡る展示で解説文が長いと読むのも疲れます し、全部の解説を読む人はまずいないだろうと思う量のことが多いのです。私のように博 物館好きの人間ですらそう思うのですから、そうではない人であればなおさらでしょう。 また、陳列物の量も多いのが普通です。当ミュージアムは学校校舎の改修なので、展示室 が狭く多くの資料を展示するのが難しい構造です。それなら、あえて逆の発想で、モノは 少なく、解説は控えめにして、ひとつひとつの資料や主題を印象付け、来館者の思考を拓 く展示を創ろうということにしました。そこでこだわったのは短い解説です。何を書くか、 どこまで文字を削ぎ落とせるかに注力しました。表題等は簡潔でキャッチーに、解説本文 24 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 は必要なことを入れ込んだ上に、言葉のリズムにもこだわって作文・校閲しました。また、 振り仮名はなるべく振りたくありませんでした。学校教育ではどの学年にどの漢字を教え るかが決まっており、学校教育上の配慮では振り仮名をつけるべきという考え方もあるよ うですが、私自身の経験では知りたい言葉があれば、カリキュラムに関係なく調べるもの ですし、逆に振り仮名があれば読めてしまい、意味も分からないのに理解したつもりにな るのは怖いことだと考えています。結局、常用漢字以外には振り仮名をつける方針にした のですが、哺乳類、爬虫類等、常用漢字外でも、私がこだわってこっそり振り仮名をつけ なかったものが少しだけあります。 展示室4「ふじのくにの大地」の製作 この部屋は多様な陸上生態系を取り扱う部屋です。まず、県内の生態系を区分ごとに紹 介することはすぐに考えました。高山、亜高山、落葉広葉樹林、常緑広葉樹林、里山、陸 水、河川周辺、海岸等に分けて紹介することにしました。また、ミュージアムは人と自然 の関係性を重視したいということで、里山の成立と現在の危機、そして人間生活が受ける 生態系サービスについて解説をすることを決めました。そして県内の生物分布についての 展示を行うつもりでいました。しかし、ある展示打合せの席上で「生物の食う ‐ 食われ るの関係を展示にすると面白いのではないか」という意見が出ました。確か最初に言い出 したのは小室主査だったと思います(彼女は唐突だけど、魅力的な発言をすることがよく ありました) 。私は当初、何が何を食べているかはっきり分かっているものは少ないので 難しいとは思いましたが、何だか強引に押し切られたように、生物分布ではなく里山の食 物網を展示することになりました。実際に作業をはじめてみると、どこにどの生物を配置 するか、パズルを組み立てるような楽しさがあり、私自身楽しみながら製作した展示です。 この展示は来館者の方からも好評のようで、最初は他の方の提案により受身ではじめた展 示でしたが、今ではこの展示にして正解だったと思っています。 展示室7「ふじのくにの生物多様性」の製作 当ミュージアムでは展示物に集中していただきたいという意図から、展示物を少なめに した展示室がほとんどですが、県内の生物多様性を示すこの部屋だけは、生物の標本数で 圧倒したいという思いがありました。しかし、なにぶん教室一部屋分なので、静岡県の生 物多様性の全貌を見せることはできません。その中でも狭い空間に「詰め込む」というイ メージで展示を作ってゆきました。この展示では不勉強な菌類、貝類、地衣類などを勉強 しながら最初に列品してゆき、専門の昆虫を一番最後にしましたので、開館直前には昆虫 の列品を何日か徹夜で作らなくてはならない羽目になってしまいましたが、それも既に良 い思い出になっています。植物標本を額装にしたのが、良い感じにしっくりと決まったの も、意外な収穫でした。また、既成品のラックに液浸標本を置いただけの魚類コレクショ ンも斬新な展示ではなかったかと思っています。この既成の額やラックの使用は予算がな Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 25 い状況による苦肉の策でしたが、結果的になかなか良かったのではないかと考えています。 これからの活動に向けて 博物館開館までの日々は、とにかく準備に追われて余裕がなかったのですが、これから は今後の発展・展開を考えてゆかなくてはなりません。展示以外にも、ミドルヤードでの 標本製作や研究の一部を来館者に見ていただく仕掛けや、「図鑑カフェ」と名づけた図鑑 や絵本と出会える場所の充実も行ってゆきたいと思っています。そして何より、魅力的で オリジナルな調査研究を展開し、その成果を発信してゆくことが必要です。現在、当館は 本当に人に恵まれています。安田館長をはじめ、研究員の皆さんはユニークで優秀な方々 ばかりですし、副館長、企画総務課のメンバーも良いミュージアムを創ることに労苦を 惜しまぬ方々ばかり。ミュージアム設立の契機を作って下さったNPO法人静岡県自然史 博物館ネットワークの方々の、日々の献身にはいくら感謝してもし尽くせないほどです。 ミュージアムサポーター、インタープリター、サービススタッフの方々も、熱心に活動し ていただいています。私達の活動が一人でも多くの皆さんに受け入れられ、 100年後の静 岡、そして世界の豊かさの構築につながるよう、これからも日々努力してゆきたいと思い ます。 とある博物館人の記憶 高山浩司 はじめに 「博物館人」とは、どのような人のことを指すのでしょうか?職業としての博物館人は 端的に言えばキュラトリアル・スタディ(Curatorial Study)を生業としている人のこと です。横文字を使って煙に巻くなと言われそうなので、もう少し。キュラトリアル・スタ ディは学術標本を収集・保管し、それを探究し、その存在価値を世に伝えることを目的に しています。私は前職の東京大学総合研究博物館で、実に多様な博物館人を観察してきま した。千姿万態の学術標本、標本に対する思いやその表現の仕方も多種多様で、まさに学 術標本を取り巻く知の小宇宙がありました。そして研究成果の積み重ねこそが、学術標本 の存在価値を世に伝える根底にあることを肌で感じました。 私は縁あって平成27年4月にふじのくに地球環境史ミュージアムに着任しました。平成 26年度に公開された公募に対して、応募を検討する上で参考にしたのが既に策定されてい たミュージアムの基本構想でした。基本構想には、「世界最高水準の調査研究」「長期的視 点に立った研究環境の充実」 「積極的なフィールド調査」等、研究重視の博物館の姿が描 かれ、まだ開館していない博物館を次の職場に選ぶという挑戦を後押ししてくれました。 26 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 静岡の地で自分が理想として描く「博物館人」になれるのか、そんな何年かかるかもわか らない実験をやってみようと思い立ったのでした。 初年度は開館-一般公開という最大の使命が与えられました。日増しに増える開館準備 の中で自分の研究をどう進めていくか、あるいは博物館の展示製作と自分のキュラトリア ル・スタディをどう重ね合わせていくか、これまで強く意識することがなかった新たな思 考領域に足を踏み入れた一年間でした。研究員の努力の成果は展示室だけでなく、本年報 の業績にも記してあります。本稿では私が主に担当した展示室やミュージアムサポーター 制度が如何にしてできあがっていったか、ある「博物館人」の鍛錬の序章を、薄れゆく記 憶を辿りながら記していきます。 展示室2ができるまで 平成26年度の途中までは、展示室2は静岡の地質に関する展示を行う予定で展示設計が 進んでいました。コンター・マップ(等高線図)上に、流行のプロジェクションマッピン グを行い、起伏に富んだ静岡の地形を表現し、静岡の代表的な化石や岩石を壁面に陳列す る予定でした。展示室2は無料ゾーンになることが決まっていたため、静岡の地質的な概 要をこの部屋で知ってもらうことで大筋が決まっていました。ところが事件が起きます。 開館まで1年を切ろうとしたタイミングで安田館長から、「それでは在り来りすぎる。静 岡の人の内面性も含めた“ふじのくにのすがた”」をそこで描きなさいという指令があっ たのです。一度決まりかけた展示設計は、暗礁に乗り上げました。 展示室2は地質学にも詳しい山田研究員が担当していましたが、事件後のある日、私に この部屋を担当して欲しいという要請がありました。展示全体のストーリーラインの変更 を余儀なくされ、意気消沈する中、山田研究員は展示室を多数担当していたこともあって、 着任したばかりで責務も少ない私に白羽の矢が立ったのです。山田研究員は同じ大学出身 の先輩でもありましたので、快く引き受ければよかったのですが、私には専門外の展示を つくる自信も責任感も無く、最初は材料集めだけお手伝いしますと伝え、その場はお茶を 濁しました。ところが材料集め、つまりは静岡の人の内面性を醸成したであろう材料を模 索する中で、普段の生活に変化が起こり始めました。何気ない生活の中に、静岡らしさが より感じられる様になったのです。同時に、展示室2をつくるのが段々と楽しくなってい きました。そんな後輩の姿を見てか、山田研究員も気付かぬうちに、展示室2の主担当か ら身をひいていました。 どんでん返しの末、最初は静岡県が全国で一番のものを集めて展示するということを考 えました。食に始まり、自然、ものづくり、教育、文化まで、静岡の恵みをかき集めて展 示室全体に展示するという構想でした。また、例えばお茶の栽培には、静岡の温暖な気候 と起伏に富んだ土地が欠かせないということを、地質的な標本と対応づけながら展示する ということを机上で描いていきました。ところが、実際に展示デザインに落とし込んだと きに、静岡全国一位を並べるだけでは物産展のようになってしまい、静岡の恵みを効果的 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 27 に表現できないという課題が浮き彫りになってきました。 展示業者との度重なる議論の末、2つの打開策を見出しました。ひとつは静岡の恵みを カテゴリーに分けて展示すること、そしてもうひとつは恵みの裏にある自然の変動を脅威 という側面から捉え、恵みと脅威は表裏一体であることを伝えるということです。変化に 富み、複雑で、そして豊かな静岡の自然に対する人々の畏敬の念こそが、現在の静岡の人 の内面性に繋がっているというひとつの解を展示に表現できた瞬間でした。 展示室8ができるまで 現在の展示室6と8は、平成27年度当初の展示製作会議の時点では、可変性が高い、標 本を中心とした展示室になる予定でした。両室の主担当となった私は前年度からの引き継 ぎも兼ねて、岸本研究員や山田研究員から話しを聞きだすにつれて、“可変性が高い”“標 本を中心とした”というのは、裏を返せば実際の展示物が何も決まっていないということ であることを思い知らされました。 この状況を打開すべく私の脳裏に浮かんだのは、東京大学総合研究博物館で実施されて いたモバイルミュージアムの選定会議でした。私が在職していた期間、モバイルミュージ アムでは企業のロビーに設置した展示什器内に半年おきに展示物を置いていくということ が行われていました。その展示物の選定するために、博物館に所属する各教員は自分の専 門分野の学術標本の中から逸品を会議室に持ち寄って、館長を中心に選考会を開催すると いうものでした。同じ仕組みを、収集保管業務を委託しているNPO静岡自然史博物館ネッ トワークの方々を巻き込んで行えば良いという発想でした。 選定会議の概要をNPO事務局で話したところ、その反応はあまり芳しいものではあり ませんでした。結局、私が意図することは伝えられずに、「何を展示するのか?」「デザイ ンありきでは?」等々、沢山の物言いを付けられ、半ば追い返されてしまったのです。実 際には無碍に追い返されたのではなく、ミュージアムの研究員として収蔵品のことをもっ と考えて、どのような展示を展開するか熟慮してもらいたいという愛の鞭だったのでしょ う。そのショックから立ち直るべく私がとった行動は、自分の専門以外の収蔵庫の様子を 見て、また過去の膨大な寄贈品リストを読み直すことでした。最終的には、NPOが主要 メンバーを構成する駿河ほねほね団を中心に収集保管された骨格標本を、「生命のかたち」 と題して展示室8に陳列することに決めました。 壊れやすい骨格標本の取り扱いについては、これまたNPOの方々と壮絶な議論を繰り 返しました。とても本稿では書ききれないので、また別の機会に回そうと思います。とも あれ、激しい議論の結果、大変ユニークで見応えのある展示室8が完成しました。今回は 新しい展示を創出する仕組み作りまでは踏み込むことはできませんでしたが、展示製作に 関するNPOの方々との協働は本ミュージアムにおいて不可欠です。学術標本の真価を最 も良く知る人が、自ら提案し、現代の意匠をまとい学術標本を昇華させる、それこそ来館 者が博物館に求めることではないかと考えています。さて、もうひとつの展示室6はとい 28 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 うと、突然、例の山田研究員が静岡の地質に関する展示をこの部屋でやりたいと宣言し、 泣く泣く展示室を引き渡しました。 展示室10ができるまで 展示室10は最も着手が遅れ、開館直前まで完成しなかった展示室です。展示の会議はい つも長時間に亘り、お昼から始まった会議が夜遅くまで続くことも何度もありました。た だ、律儀に展示室1から打合せを始めることが多く、いくらやっても展示室10には辿りつ きませんでした。結果として、展示室10はいつまで経っても進まないという悪循環に陥っ ていました。本来の担当であった教育普及の小室主査は、締め切りを守らない私たち研究 者を束ねるのに全精神力を注ぎ込み、展示室10はいよいよ未完成のまま開館を迎える瀬戸 際まで追い詰められていました。かつて生徒の昇降口であった面影を残す展示室10に呆然 と立ち尽くす小室主査の姿を見て、開館まで5ヶ月を切った10月になってから私が担当を 引き継ぐことにしました。バトンを繋いだ後の小室主査の晴れ晴れとした立ち姿は、今で も脳裏に焼き付いています。 展示室10では展示室9で地球環境リスクの脅威を感じた来館者に、未来の豊かな暮らし を描いてもらう展示を展開するということで大筋が決まりました。未来の豊かな暮らしを 描くためには、極めて学際的な知識と経験が必要で、若手を中心とした私たち6人の研究 者だけでは、直ぐに考えが行き詰まってしまいました。そこで、ネイチャーテクノロジー やバックキャスト思考に造詣の深い石田秀輝氏に全面監修をお願いし、展示製作を進めて いきました。 まだおしりに火が点いていなかった平成27年度前半は、実際に私たちが描く豊かな未来 や、7+1の地球環境リスクに対応した解決策を考える思考トレーニングから始まりまし た。当時は、何で展示や研究で忙しい最中にこんなことに時間を割かなければいけないの だろうと、疑問に思っていた時期もありました。ただ、後になって振り返ると、あの思考 トレーニングがあったからこそ、石田イズムを継承しながら、展示室10の製作ができたの だと身にしみて感じています。石田氏は展示完成、あるいはもっと先の未来からバックキャ ストして、私たちを導いてくれたのだと、展示が完成する間際になってようやく気付くこ とができました。 展示室10には、石田氏や安田館長と共に考え出した未来カードも設置しました。未来カー ドには来館者が描く豊かさの形を描いてもらいます。それを投函してもらい、後日、展示 室の最後の壁に大切な展示物のひとつとして掲示します。個々が考える豊かさの形が結集 し、 「豊かリウム」となります。時々疲れたときに、「豊かリウム」を眺めて癒やされてい る職員は私だけではないはずです。展示が完成して、石田氏がかけてくれた言葉に大変な 感銘を受けました。その言葉は、「すばらしい展示をつくってくれて、ありがとう」。「お 疲れ様」ではなく、「ありがとう」。そこには石田氏が本当に私たちの近くに寄り添って、 展示製作に関わってくれた思いやりが現れていました。 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 29 ミュージアムサポーターができるまで ミュージアムの生涯学習の場としての機能充実のために、私に与えられたもうひとつの 使命がボランティア制度の立ち上げでした。ボランティア制度はミュージアムの運営を支 えるにとどまらず、地域との繋がりや参加者の生涯教育に極めて重要です。名称も石田氏 からのアドバイスで、共に発展していくという意味合いを込めて「ミュージアムサポー ター」としました。他館の状況を調べたり、実際にボランティア活動が大変充実している 千葉市科学館に視察に行ったりしながら、現在あるサポーター制度を立ち上げました。 果たして何人くらいの募集があるのか不安に思いながらも、結果的には79人もの方がサ ポーターに登録して下さいました。こんなにも大勢の方が、一緒にミュージアムを盛り上 げていきたいと手を挙げて下さったことに、驚きと喜びを隠すことができませんでした。 事務室では冷静を装って、登録人数を報告しましたが、内心嬉しくて仕方がありませんで した。 しかしサポーター活動はまだ始まったばかりで、課題も少なくありません。ミュージア ムに普段何人くらいの来館者が来るのか、団体が来たときにはどうなるのか、ミュージア ムの運営とサポーター活動の充実をどう重ね合わせていくのか等、開館していない博物館 でこれらを正確に予測するのは大変難しく、サポーターの実際の活動について改善すべき 点も見つかっています。そのような中でも、サポーターの笑顔に支えられながら活動充実 を図るべく試行錯誤を繰り返しています。 おわりに 博物館の開館準備を通じて、キュラトリアル・スタディには多くの人の力が不可欠であ るということを肌で感じました。学術標本をつくる人、守る人、研究する人、表現する人、 感じる人。沢山の人の英知が集結し、学術標本が異次元の輝きを放つ。これからも、一人 でも多くの方にミュージアムに足を運んで頂き、その輝きを受けとめてもらいたいと願っ ています。 30 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 展示室3「ふじのくにの海」ができるまで 渋川浩一 展示室3は、常設展示の有料観覧スペース冒頭を飾る部屋です。「ふじのくにの海」と いうテーマのもと、静岡県の多様な海洋環境とそこに生息する水生生物、豊かな水産資源、 人と海洋生物の関わり等を紹介しています。部屋の下方部は淡い青で染まり、青色を基調 とした照明とも相まって、水の中の世界を想起させる視覚効果をもたらします。部屋の中 央に配列した展示ケースにも、モノ(展示物)に目を向けさせる工夫や、「思考を拓く」 仕掛けが施されています。 こうしたテーマやデザインは、平成27年4月に私が着任した際には既に案としてほぼま とまっていました。先に着任した研究員や展示業者(丹青社)の方々らが議論を重ねた結 果の案で、よく練られ、洗練されたものでした。私は、ひそかに安心しました。あとはそ のシナリオに沿ってモノと文章(キャプションや解説文)を揃えさえすればいい、と。 しかしそんな楽観は、すぐに破られてしまいます。まずはモノ集めからしてなかなか思 い通りに進みません。各室のデザインやコンセプトづくりに関しては他稿に詳しいので、 ここではそのモノ集めにかけた奮闘の一端を、簡単に紹介しましょう。 モノが、ない! ミュージアムには約30万点に及ぶ自然史標本コレクションが収蔵されています。NPO 法人静岡県自然史博物館ネットワークの長年にわたるご尽力により収集・保管されてき た、貴重な資料群です。水生生物の標本だけでも、例えば海藻が2,154点、淡水魚は約 35,000点、 貝類では42,314点に達するとされています[数値は『ふじのくに地球環境史ミュー ジアム展示基本計画』(静岡県、2014年)を参照]。これら標本は、展示や調査研究、教育 普及活動等、様々なミュージアム活動で活用されています。 ミュージアムの常設展示では、その豊富なコレクションの中から厳選した標本を展示す る、となっています。つまり展示物に関しては、大雑把に言えば「あとは選ぶだけ」な状 況の筈です。 ところが展示室3の場合、そう簡単ではありませんでした。まず海藻の収蔵標本は、全 てさく葉標本、すなわちいわゆる押し葉標本の状態になっています。展示室3の展示物は 液浸標本と剥製を想定していたため、残念ながら転用困難です。淡水魚は、もちろん「ふ じのくにの海」の部屋では展示できません。海産魚の標本も少なからずありますが、一部 の種を除くと個体数にさほど余裕があるわけではなく、展示による劣化(脱色等)を思う と、その活用にはかなり抵抗があります。貝類は利用可能ですが、そればかりという訳に もいきません。 あてにしていたモノが、じつはない。「ふじのくにの海」の部屋を構想通り作り上げる Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 31 には、他の多くの部屋とは異なり、モノのほぼ全てを新たに集める必要がありました。年 度末にオープンを控え、残された時間は限られています。四の五の言わず、まずはとにか く展示ストーリーに合致し、できるだけ展示映えする海洋生物を、可能な限り多くかき集 めなければなりません。 冷凍室が、ない! 「由比の定置網に1.8m程のシュモクザメが入りましたが、要りますか?」 展示用生物の収集を始めてしばらく経った6月19日の早朝、東海大学の髙見宗広さんか ら連絡が入りました。3個体を確保したとのこと。それだけの大きさのものであれば、剥 製にして展示できればかなり見栄えがします。剥製化にはやや時間がかかりますが、今な らばまだ十分に間に合います。 願ってもない朗報に「欲しい!」と即答したものの、直後に頭を抱えてしまいました。 ミュージアム展示に適した大型魚類の剥製を作るには相当の技術が必要で、そのため専門 の剥製業者に製作を依頼しなければなりません。しかし業者に引き渡すまでの間の保管に 必要な大型冷凍室が、ミュージアムに無いのです。常温下で放っておけば、時間の経過と ともに急速に腐敗が進行してしまいます。 この時は幸い、髙見さんの口利きで、同大学の秋山信彦さんの研究室の冷凍庫に一時的 に置かせていただくことができました。さらに、国立科学博物館の篠原現人さんも確か大 型サメ標本を求めていたはず、と、3個体の内の2つを寄贈することを条件にダメもとで 話を持ち掛けてみたところ、剥製業者に引き渡すまでの間、同館の冷凍室で保管していた だけることになりました。同館のある筑波までの搬送には、またしても髙見さんの御手を 煩わせてしまいました。いま展示室3で一番の存在感を放つシュモクザメ(アカシュモク ザメ)の剥製は、これら方々のご厚情のおかげでその雄姿を見せることができています。 大型動物遺体の多くは、ミュージアムのような自然系博物館にとって、非常に利用価値 の高い資料となります。ただ入手機会はごく限られており、さらに大抵、前触れなく突然 やってきます。その都度、周囲の方々にご迷惑をおかけする訳にはいきません。不測の事 態に対応するには、一時保管用の大型冷凍室の確保が必須です。大型冷凍庫があれば生物 遺体の大きさを問わず収集を進めることができ(クジラ等、極端に大きなモノを除く)、 展示のみならず、調査研究や教育普及の場においても、活動の幅を大きく広げることがで きます。 シュモクザメの一件でそれを痛感させられたにも関わらず、残念ながら、ミュージアム ではいまだ大型冷凍室導入に向けた予算確保が叶っていません。 展示したい生物が、採れない! 相手は自然なので、こちらの思惑通りにいくことばかりではありません。結局は採集で きず、展示を断念した生物も、数多くいます。 32 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 例えばオオウナギが、そうです。オオウナギは県内に生息する2種のウナギのひとつで、 うな重や蒲焼でおなじみのニホンウナギよりもはるかに大型になる種です。ただし不味と され、そもそも県内では数が極端に少ないことから、知名度はあまり高くありません。 古くから日本人の食文化に深く関わるウナギは、乱獲等のため、現在では絶滅が危惧さ れるまでに減ってしまっています。遠い海と川とを行き来するという興味深い生態とも相 まって、 「環境史」(=人と自然の関わりの歴史)を考えるにあたり非常に好適な題材とな る魚です。それに静岡と言えば、ウナギです。その主役たるニホンウナギはミュージアム 展示に当然欠かせないものとして、最大で2mを優に超すとされるオオウナギもまた、で きるならば是非ともその雄姿を紹介してみたいところです。 そんなオオウナギが、それもかなりの大型個体が採れる場所があるという噂を耳にしま した。とくに大雨の後によく姿を見せるそうです。話を聞く限り、採集できる可能性は高 そうです。 期待を膨らませつつ、情報提供者らと共にさっそくその場所に向かってみました。ウナ ギは夜行性で、夜間の方が見つけやすい魚です。懐中電灯で水底を照らしてみると、確か に大小様々なウナギがそこここにいます。しかしどれもニホンウナギばかりで、オオウナ ギが見当たりません。後日、ウナギ筒や置き針等の仕掛けも試してみましたが、まるで成 果が上がりません。何度挑戦しても空振りばかり。そうこうしている内に秋になり、時間 切れとなってしまいました。オオウナギの展示は、あきらめるしかありません。 オオウナギなき展示室3では今、ニホンウナギの成魚とレプトケパルス幼生(葉形幼生) を展示しています。後者は、日本大学ウナギ学研究室の塚本勝巳さんや渡邊俊さんらにご 協力いただき入手できた貴重な標本です。世界中の博物館を見渡しても、常設展示でこれ を展示している館はごくわずかです。オオウナギは残念でしたが、ここでも幸い温かいご 支援により、オオウナギ不在を補って余りある展示物を得ることができました。 他にも収集できなかった生物は多くいます。駿河湾の深海生物として外せないタカアシ ガニもまた、展示映えする大型個体を開館準備期間中に得ることができませんでした。今 あるタカアシガニの剥製はもともと静岡県水産技術研究所・深層水科の玄関に飾ってあっ たもので、 同科の皆様のご厚意で一時的にお借りしているにすぎません。一日も早くミュー ジアム自前の剥製を確保すべく、現在も情報収集をすすめています。 おわりに 展示室3には137点のモノが展示されています。シラスやサクラエビ等4点を除き、全 てが実際の生物を用いた剥製や液浸標本です。ひとつひとつの来歴は様々で、それぞれに 多くの方々にご高配、ご協力いただきました。とくにNPO法人静岡県自然史博物館ネッ トワークの岸本浩和さん、佐々木彰央さん、同ネットワークにも所属する東海大学の髙見 さん、同大学の武藤文人さんらには、モノの確保に多大なご協力を賜っただけでなく、県 内各地の採集行に連れていっていただき、それにより静岡の地理に不案内だった私の知見 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 33 は大きく拡充しました。初期の採集行には、同窓の川口貴光さんにも頻繁にお付き合いい ただきました。他にもご協力いただいた方々はあまりに多く、残念ながらここで全ての方 を紹介することはできません。そんな多くの方々からの温かいご支援があったおかげで展 示室3「ふじのくにの海」は無事に公開でき、部屋には今日も観覧者の方々の楽しげな声 が響いています。稿を閉じるにあたり、皆様方のご厚情に深く、深く感謝いたします。 展示づくりの魅力とは 日下宗一郎 はじめに これまで研究機関での勤務生活しかなかった私は、ふじのくに地球環境史ミュージアム に平成27年4月に着任して、はじめて展示製作に携わることになりました。しかも、翌年 3月末に開館するという極めて限られた時間の中で行う展示製作です。はてしない不安感 と、展示製作という仕事への漠然とした憧れもありました。展示ができあがるまで奮闘し た1年を思い返してみたいと思います。 展示のコンセプトを知る 平成26年度までに策定されてきた展示計画について、4月の着任時に山田さんや岸本さ んより説明がありました。既に展示のストーリーや設計ができており、開館までの残され た1年はそれを具体化していくことが主な仕事でした。その時には、展示の目玉は「人」 であったり、主なターゲットは20代の女性であったり、ミュージアムの異質さを感じられ ずにはいられませんでした。ごく普通の博物館を想像していると、ミュージアムのコンセ プトには違和感を感じてしまうと思います。このコンセプトは後々になってようやく理解 できるようになりました。6月には展示製作を委託する丹青社との契約が決まり、丹青社 との打合せや、私が所属する学芸課内の展示ワーキンググループを週一回くらいのペース で行うようになりました。 展示室5ができるまで 展示室5は、静岡の人と自然の歴史を学ぶ部屋です。ジオラマをシーソー型の展示台の 上に置くことはすでに決まっていました。しかし壁面に何を展示するのか決まっていない 状態にありました。県埋蔵文化財センターより借用した縄文土器や弥生土器、尖頭器など はありました。しかし、ジオラマは、縄文・弥生・江戸・現代の4つしかありません。旧 石器時代の尖頭器やナイフ型石器は展示するとコンセプトが崩れてしまいます。そこで縄 文時代から江戸時代の展示物は借用するとして、現代は何を展示したら良いのかについて 34 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 苦悩する日々が続きました。展示物が決まらないと実測ができませんし、実測して大きさ が決まらないと展示台が決まりません。そして、展示台が決まらないと予算が決まらない、 というように、展示製作の遅れは丹青社に迷惑がかかるという差し迫った状況が続きまし た。 展示室2から静岡県の岩石の展示を展示室5へ移動させようという話も浮上しました。 すると展示室5は、何を伝える部屋なのか、展示コンセプトが曖昧になってしまいます。 打合せを重ねる中で、岩石は展示室6へ移動させることとなりました。ようやく、7月に は中央の展示を基本として、時間軸と人-自然軸によって空間配置される部屋にしようと 大きな方針を固めました。それによって、壁側の展示は、各時代の人の暮らしを解説する 壁面と、各時代の自然を解説する壁面というように決まっていきました。最後まで各時代 の展示物を置きたいという思いはありましたが、それは予算の都合上かないませんでした。 その代わりに、写真と解説を展示するという方針になりました。 また、8月には、ジオラマの最初のイメージ図が出来上がっていました。これに具体的 な資料を用意するのが私の仕事でした。例えば、縄文人が土器で煮炊きをしている様子が あります。どんな土器で、どんな食材を食べているのでしょうか。これを実際の出土資料 を基に、具体的な写真素材を用意して、その寸法まで記載する必要がありました。それを 提出すると、その通りにジオラマ製作のプロが作ってくれます。特にこだわったのは、人 の顔です。日本人の顔は時代によって全く違います。縄文人は寸詰まりでごつごつした顔 立ちであり、弥生人は平坦で面長です。これを10分の1スケールで、実に忠実に再現され ていますので、実物をご覧いただきたいと思います。拡大した写真撮影にも耐えられる出 来映えです。論文や書籍を集めて素材を用意するのは苦しかったですが、出来上がってき たときの感動はひとしおでした。 展示室1の映像ができるまで 展示室1の映像は、ミュージアムに入って一番に見る映像ということで、展示全体の概 観となるよう作成しました。映像シノプシスと呼ばれるあらすじを丹青社が作り、それに コメントを加えることを繰り返して作っていきました。一番最初のあらすじをみると、完 成映像とはだいぶ異なることが分かります。地球の誕生から、生命が絶滅を繰り返し、人 類が生まれ、環境問題を引き起こし、未来を考える、というようなものでした。しかし、 展示物と関連づけた映像にするほうが良いだろうという洪アドバイザーの助言もあり、縄 文の土偶や、イースター島のモアイ、環境考古学に関する映像となりました。それらにつ いても説明する素材を用意し、映像中に出てくる言葉の校正も行っていきました。来館者 に気づいていただけるか分からないですが、「暮らし」か「くらし」かというように、一 言一句まで校正を行い、言葉の響きや韻を踏むなども考えて作っていきました。これはど の展示室にも共通のことであり、ルビの振り方や漢字で書くかどうかなど、展示室全体に わたって学芸課で検討しました。丹青社や映像会社との共同作業が最後まで繰り返され、 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 35 納得のいく映像が出来上がったように思います。よく映像をご覧いただくと、若き日の館 長の姿や、県内から出土した土偶なども映っているので、探してみると面白いと思います。 展示室9と地球史の旅ができるまで ここは本当に苦労した部屋です。現在の地球環境リスクを知るための部屋ということで、 最初から大きな方針は定まっていました。人類が地球に誕生した期間は、地球の歴史に比 べれば非常に短いですが、その人間の活動が環境に大きな影響を与えつつあるというメッ セージがありました。私はいわゆる地球環境問題の専門家ではないですが、石田アドバイ ザーに助言を頂きながら製作していきました。壁面のグラフィックが主だったため、他の 部屋の製作の後に取りかかりました。環境リスクについて調べて、資料作成して提出する ことの繰り返しでした。もう一つは、「人類史の短さ」が伝わるための歴史年表の作成で した。元々は展示室5に2万年歴史年表を置くという案がありましたが、打合せの過程で 展示室9に一元化されることになりました。これらのグラフィックの最終入稿の日には、 解説文を直して館内の決裁をとり、丹青社に校正を送るという作業を何度も繰り返しまし た。深夜まで作業を行った職員と、丹青社・氏デザインのメンバーがいたことは一生忘れ ないと思います。 廊下に配置する動線案内もかねた地球史動線も私が担当していました。これらは、地質 学的な知識を必要とするため、北村アドバイザーに助言を頂きながら製作しました。「人 類史の短さ」という年表のタイトルは、分かりやすくするため「地球環境史年表」としま した。 「地球史動線」も動線が博物館用語であるため、廊下を歩くことで地球史を体験す るという意味を込めて「地球史の旅」としました。このように展示物から解説文、展示物 のタイトルまで決めることができるというのが、展示製作の醍醐味であるように思います。 グラフィック主体の展示ではありますが、内容は検討を重ねに重ねて情熱が詰まっていま すので、ぜひじっくりとご覧いただきたいと思います。 おわりに この一年、試行錯誤をしながら展示製作を行ってきましたが、県立博物館の常設展示を 製作するというとても貴重な経験をさせていただきました。こうして振り返ってみると、 感動と苦悩が渾然一体となって胸を締め付けてきます。開館後には、多くの来館者に観覧 いただきとても嬉しく思っています。展示室10には、来館者に未来の豊かな静岡について 考えて書いてもらう「豊かリウム」を設けています。開館初日に、百年後の静岡が豊かで あるために、 あなたが残したいものは何ですか?という問いに対し、ある子どもさんが「お 茶、シラス、ふじさん、・・・、ミュージアム」と書いてくれたのを見て、本当に心が一 杯になりました。この一年のたいへんな苦労が一瞬にして報われたように感じました。 人の心を動かすのは、やはり人の言葉であると思います。多くの人にミュージアムで展 示物を見ていただき、何かを感じて考えてもらいたいです。ミュージアムは人の心を動か 36 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 すような言葉を発する場所、それが人と人をつなげて連鎖する場所になって欲しいと思っ ています。そんなことが実際に起きるようになれば、常設展示のねらいはひとまず達成で きたと言えるのかもしれません。最後に、常設展示の製作にご協力いただいた皆様に心よ り感謝いたします。また私事ではありますが、休日を削っての勤務や執筆活動を快く支え てくれた妻と、生まれてきてくれた二人の子供に心からのありがとうを伝えたいと思いま す。 オープン後の展示解説 菅原大助 私が着任したのは2016年1月1日で、展示製作はほとんど完了しており、これから追い 込みという時期でした。最初のうちはお客さん同然で、ここがどういう場所で何をしてい るのかを覚えるのに精一杯でしたが、展示物のキャプションやデザインの校正にも少しだ け関わることができました。ここでは、新入りの立場から展示についての所感を手短にま とめることにしたいと思います。 地球環境史のコンセプトについてはこれまでに十分解説されていると思うので、ここで 改めて述べる必要は無いと思います。地球環境の諸問題が人類の存続を脅かしている、ラ イフスタイルを含めた文明のあり方を考えるべきである、という点はとても明確で、展示 室1や9、10の内容は来館者にも十分に理解して頂けると思うし、私でも分かるつもりで す。問題はそこから先で、展示室2から8の内容がコンセプトとどのように関連するかに ついて、 自分の頭に入ってくるまでにかなり時間がかかりました(あるいは、未だにかかっ ている) 。他の研究員の解説を何度も聞いて、3月末の開館直前になってようやく、どう にか人に話せるようになったところです。展示室4にある、人間活動(稲の栽培)が生み 出す生態系の表現などは、目にして初めて多種の生物が複雑に繋がっていることを実感で き、非常に面白い展示の仕方であると思いますし、コンセプトとの関連も理解し易いもの です。しかし、他の展示室も含めて、全体の流れや個別の展示物の位置付けを理解するこ とはなかなか難しく、未だに十分でないと思う点もあります。理解したからといって、自 分の言葉で解説できる訳ではないですが…。環境問題については、何か自分なりの実践を 伴っていると、解説がもっと響くものになるでしょうか。 とりあえず自分の担当は展示室6なので、3月26日の開館からしばらくの間は、説明の 仕方を考えるために比較的頻繁に解説に立ってみました。ここは、他の部屋と比べてかな りシンプルな構成であり、展示物も多いとは言えませんが、逆にデザイン的には見栄えが するように思います。最初のうちは、コンセプトとの関連や展示の流れを意識するあまり、 自分の解説は型にはまりすぎたものになってしまった感がありました。しばらく後は、流 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 37 れを意識するよりも、個別の標本について少し突っ込んだ説明をするようにしましたが、 岩石などの標本だけを見てもその意味を分かる人は少ないので、付属の図版等でカバーし きれていない解説については、ラミネート加工した説明用カードを置くなど可能な限りの 補足を行うようにしました。デザインの観点、あるいは標本に意識を集中するというコン セプトからはやや逸脱することになってしまいましたが、自分としては、展示において最 低限必要なものは追加していく必要があると考えています。 標本一点一点については、やはり実際にそれを採取・作成した方々自身の解説に勝るも のは無いと個人的には思いますので、それとは別の観点から、自分の解説に価値を与える ようにしたいものです。自分が専門としている物事であれば、何の図版・説明文も、標本 すら無くとも自分の言葉で話すことができますが、ここミュージアムでは専門外のことで も関係なく聞かれますし、場合によっては話す必要があるので、高望みとは言え、自分の 不出来・不勉強を不甲斐なく思う次第です。ミュージアムに勤める者として、専門および 周辺情報も含め、解説の資質向上に努める所存です。 38 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 ⑵ ミュージアムの展示ができるまで 静岡南高校が閉校してからミュージアムが開館するまでの約1000日間の活動を10のパネ ルにまとめました。地球環境史という全国初のテーマをどのように展示として表現したの かまとめています。展示製作の過程をご覧ください。 ミュージアムの展示ができるまで 1000 日間の小さなストーリー 平成 25 年 3 月 31 日に静岡南高校が閉校し、 平成 28 年 3 月 26 日にふじのくに地球環境史 ミュージアムが開館するまでの 約 1000 日間。 この時間を使って、今皆様がご覧になっている カタチがつくられました。 「地球環境史」という全国初のテーマを、 どのように展示として表現したのか。 校舎の改修から始まり、展示の完成に至るまでを、 10 のパネルを中心に展示しています。 「いいものをつくりたい」 関わったメンバーすべてがその一心で作った、 ミュージアムという作品の製作過程を ご覧ください。 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 39 01_ 高校リノベーション 静岡南高校のリノベーション ふじのくに地球環境史ミュージアムは、静岡南高校をリノベーションしてつくった博物館です。 廃校を利用した学校リノベーションは、少子化の進行とともに全国的に増加していますが、そ のほとんどは小中学校であり、高校をリノベーションした博物館は大変めずらしい事例です。 ※リノベーション(renovation)とは、 英語で「刷新、 改造、 修復」を意味し、 既存建物を大規模に改修し、用途変更や機能の高度化を図り、建築物に新しい価値を加えることです。 (参考:大辞林) 静岡県立静岡南高等学校 平成 25 年 9 月の改修設計計画に伴い、平成 26 年 1 月から6月にかけて改修工事が行わ 平成 25 年 3 月 31 日閉校 れました。その後、収蔵品等の移転を行いました。(平成 26 年 2 月 25 日撮影) Before レイアウトの変化 After 視聴覚 研修室 準備 室 3F EV 図書閲覧室 書庫資料室 収蔵室 13 WC 男女 作成 室5 企画 倉庫 企画展示室1 展示室2 講座室 E EV 和室研修室 工房 収蔵室 9 収蔵室 10 作成 室6 実験室 実験室2 実験室3実験室4 実験室1 倉庫 倉庫 収蔵室 11 WC 男 WC 女 倉庫 作成室 7 WC 女 倉庫 収蔵室 12 吹抜 WC 男女 授乳室 多目的 WC 男女 収蔵室 14 倉庫 収蔵室 15 実験 室5 会議室 研究室6 研究室 研究室7研究室8 研究室9 講堂 準備 倉庫 倉庫 室 WC 男 屋 上 天体望遠鏡 2F 実習室 WC 女 キッズ ルーム 展示室 8 展示室 7 展示室 6 講座室 C 講座室 D 研究室 1 研究室 2 研究室 3 研究室 4 研究室 5 倉庫 図鑑カフェ 収集ー研究域 教育域(研修等利用) 展示域(見学者利用) 管理 - サービス域 作成 室2 資料搬入口 1F ボランティ 倉庫 アルーム 展示室9 EV 休 憩 室 学校 記念 室 収蔵室 4 収蔵室 5 作成 倉庫 室3 倉庫 倉庫 収蔵室 6 WC 女 中庭 WC 男 倉庫 多目的 WC 男女 エン 自動ドア トラ 玄関 ンス 展示 室2 展示室 3 展示室 4 展示室 5 講座室 A 講座室 B2 収蔵室 7 液浸 処理室 作成 室4 収蔵室 8 スロープ 展示室10 スロープ 解剖 室 資料搬入口 一時 作成 収蔵 一時 収蔵室 1 収蔵室 2 室 1 室 3 保管室 1 保管室 2 展示 室1 事務室 エントランス寄りの教室は展示室に、エントランスから遠いが南側で日当たりのよい教室は研究室に、北側の特別教室は温度変化を嫌う収蔵 室にしました。 40 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 02_ ビフォーアフター館内編 リノベーションの前後を比較してご覧下さい。 Before プール After Before After バス駐車場 図書館 書庫資料室 職員用玄関 エントランス 教室 生徒昇降口 展示室 10 調理室 生徒昇降口 展示室 10 第一パソコン室 進路指導室 展示室 3 職員室 図鑑カフェ 32HR 展示室 5 トイレ 解剖室 研究室 魚類収蔵室 昆虫収蔵室 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 41 03_ ビフォーアフター館外編 Before After 事務室入り口はミュージアム エントランスに変化 来客駐車場部分は、ミュージアムにお客様を迎 え入れるため、天然石舗装および人工芝を張り 巡らせた。また、外壁部分にも塗装工事できれ いにしてミュージアムブルーのラインをいれ た。 グラウンドの一部を一般駐車場に転用した 生徒昇降口は、オープンテラス に変化 生徒昇降口は、劇的に変化した。天気の良い日 には、南アルプスの凛々しい雄姿を眺めること ができる、約 20 人が一度に利用できるオープ ンテラスになった。大型ガラス越しに、中庭の 池とクスノキをみることができる。 アプローチ部分も一新 エントランスにむかうアプローチ部分も、植栽 を見直し、拡幅工事を施すことで、開放的な空 間をつくりあげている。既存整備は、インター ロッキングで目隠ししている。 憩いの場は今も昔も変わらない 校舎に取り巻かれるように存在していた中庭 も、憩いの空間のままに植栽を一部取り除き、 ウッドデッキと人工芝できれいにした。 42 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 04_ 展示の根底にある哲学 日本ではじめて環境史(Environmental History)をテーマにした博物館 環境史とは、人間と自然の関係の歴史のことです。確かな歴史を知り学び、これから私たちは どのように自然と向き合いながら、心豊かな社会を作っていくのか? 豊かな自然が残っている静岡を舞台にして、 地球とわたしたちの これから を考える内容にしていこうと 大きな方針がきまっていきました。 この哲学の基になったのは、2 人の研究者の研究です。 一人目は、環境考古学を創成した 安田喜憲(やすだよしのり)ミュージアム館長 二人目は、ネイチャーテクノロジーというモノづくりの概念を作ってきた 石田秀輝(いしだひでき)ミュージアムアドバイザー お二人の研究内容が小・中学校の国語の教科書に登場しています。 見出し ふじのくに地球環境史ミュージアムの安田喜憲館長は、 中学校 2 年の国語の教科書(光村図書)に「モアイは 語る−地球の未来」という論説で登場しています。 ふじのくに地球環境史ミュージアムアドバイザーの 石田秀輝氏は、小学校6年の国語の教科書(光村図書) に「自然に学ぶ暮らし」という論説で登場しています。 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 43 05_ 展示の基本計画 展示が出来るまでの5ステップ 博物館の展示の製作は、大きく5つのステップを経て完成する。 通常5年のスパンでおこなう博物館の展示製作は、ミュージアムの場合約 2 年という 正気の沙汰とは思えないスピードでおこなった。 1 基本計画 どのようなねらいで、何を、誰に、どのように陳列するのか? 2 基本設計 基本計画にしたがって、制作・施工のための基本的な設計図をつくる 3 実施設計 基本設計でつくった図面から工事着手できる詳細図面をつくる 4 造形製作 基本計画の段階では、連日県庁の 5 会議スペースで膝をつき合わせな 設計にあわせて、レプリカ・ジオラマ・ラベル等の製作がはじまる がら、誰もが納得するまで行われ た。展示設計業者とのやりとりで、 出される課題を解決すべく深夜ま 現場施工 での作業がつづいていく。ちなみ すべての製作物を現場で組み立て完成する に時計の針は、午後 11 時である。 ふじのくに地球環境史ミュージアムの常設展示の基本計画(平成 25 年度末) 3 4 展示実施計画 第Ⅱ期の展示のイメージ(案) 1. 第Ⅱ期の展示全体イメージ(案) ・ 平成25(2013)年度にNPO自然史ネットへヒアリングを行い、その内容を踏まえ て平成28(2016)年度に公開する展示諸室のイメージを図示化した。 ・ 展示諸室の詳細構成や取り扱う内容・資料等に関しては、平成26(2014)年度 に実施予定の展示設計で取り決める。 ①エントランス・展示室1 ②展示室2・3・4 ■静岡の生物多様性を標高差別に紹介 展示室としてスタンダードな ホワイトキューブ(展示ギ ラリー)に改装。 廊下側の 壁及びド アは新 設に取替するとともに、南 面窓側には内壁を新設し て遮光し、資料の劣化を最 低限に抑制。 NPO自然史ネット案では、 展示室3室で静岡県の特 徴である標高差7000mの 生物多様性を紹介。 ■明るさと拡がりを確保した導入空間 校長室壁面、来客用下駄 箱を撤去、光を取り込んだ 明るく 開放 的 な空 間を 確 保するとともに、自動ドア 新設して利便性を確保 展示室1は静岡を概観す る展示を展開 【 2階】 ④講座室 ■ミドルヤードとして様々な 教育普及活動を行う空間 標本製作の作業を利用者 に見せたり、講座や学芸員 と学生のミーティング等、ミ ルヤードとして様々な教育 普及活動を行う空間。 ⑤収蔵庫 ■収蔵資料の劣化を抑制 貴重な資料を未来へ継承 廊下側の壁及びドアを新設 に取替し、気密性を確保 南側窓はフィルム貼で遮光 を施すとともに、空調を新設 して収蔵資料の劣化を最低 限に抑制。 ③展示ホール・キッズコーナー ■唯一の吹抜をホールに活用 下駄箱の撤去、木製フロー リング貼により環境を一新 して展示ホールへ ナウマンゾウをはじめ、静岡 県のお宝標本を展示 キッズコーナーを設置 し、 親子連れ利用者の利便性 を確保 【1階】 6 ⑥コミュニケーションホール ■県民が憩える明るい空間 腰壁に県産材を利用、床 は2種類の木で張替。木 のぬくもりを感じ、県民 憩える空間へ。 駿河湾や御前崎が見える 優れた眺望が楽しめる。 3 7 ⑦廊下(館内全体) 2 1 - 21 - 44 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 4 5 様々な展示活動や教育 普及活動に調和するベー シックな色調で雰囲気を 一新。 ふじのくに地球環境史ミュージアム 展示基本計画 静岡県 平成 26 年 3 月 より一部抜粋 06_ 展示の基本設計 基本設計で、ミュージアムの活動テーマを具現化したコンセプトを作成し、それに従って空間設計を行っ ていった。 1 活動テーマ 基本計画 現在 ふじのくにの縮図 【ふじのくにパノラマビュー】 ・ リラックスの場 「百年後の静岡が豊かであるために」 ・ 自然を感じる学習の場 ※図鑑カフェとして活用 2 3 4 5 基本設計 ・ 未来から今を考える 豊かさを考える場 百年後の豊かなふじのくにの実現へ 百年後の豊かなふじのく バックキャス クキャスト型 ライフス ライフ スタイ タイルの提唱 の提唱・創 の提唱 創造 自ら考え、実践できる人間力を育むことを目指した 10 0 展示室 展示手法、解説計画、空間・デザインの考え方による ふじのくにと 未来 現場施工 1-2 展示室 9 ・ 自然 自然の恵み ・ ふじのくに ふじのくにの 動物 / 植物 思考型ミュージアム 生態系 678 展示室 室 見て学ぶ展示や触るなどの体験を伴う展示ではなく、思考 展示室 3 負荷 恩恵 継承 思考を拓くミュージアム ・ グロー ーバル化による環境問題の発生 ・ 文化の継承 ・ 展示室3∼8のダイジェスト ふじのくにコレクション 展示コンセプト ・ ふじのくにの ふじのくにの成り立ち ふじのくにの歴史/文化 歴 史 ・ ふじのくにの ・ ふじのくにの特徴 ・ ふじのくにの豊かさ 展示室 2 ふじのくにのいま サイン 展示室 5 ふじのくにヒストリー ふじのくにの海 ふじのくに テーマ解説 メッセージ 展示室 ・ 人類史の短さ ふじのくにと 題 ・ 7+1の地球環境問題 地球 ・ 「環境ジレンマ」 の発生 <対話> 人 と 自然の関係性 展示室 4 ふじのくにの大地 ふじのくにと地球 9 地球史動線 現在 特別展示室 負荷 する(学び、考える)ことで参加する新たな展示体験施設 ・ 生命文明思考 ・ ネイチャーテクノロジー ・ 2030 年のくらし 展示室 10 ふじのくにと未来 置かれた条件下で これからの生き方を創造する ミュージアムキャラバン (仮称) 造形製作 未来 <変革> 新しい博物館のあり方を追求 実施設計 コミュニケーションホール ・ 循環型社会による豊かさの訴求 地球 展示室 1(エントランス) 地球環境史 地球史動線 地球史動 ・ 奇跡 奇跡の の星 IN ・ 地球環境史を俯瞰 瞰 ・ 生かされている人 ている人間 展示ストーリー 展示のコンセプトワード Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 45 07_ 展示の実施設計 実施設計では、展示資料にどのようにグラフィック要素を足していき 空間を構成していくのか。その作業を展開図面を基に完成に向けてつくっていった。 46 1 基本計画 2 基本設計 3 実施設計 4 造形製作 5 現場施工 展示室1 展示室2 展示室3 展示室4 展示室6 展示室8 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 08_ 展示の造形製作 実施設計を基に、造作物や保護ケースを作成したり、野外にて必要資料を採集したり、 映像コンテンツや、解説グラフィックシートを作っていきます。 解説文の内容は、校了のギリギリまで検討を重ねます。 1 基本計画 2 基本設計 3 実施設計 解説グラフィックの基になる文章・写真・イラストも整えながら、 事実誤認の検証とともに、全体の表現方法を統一させていく 4 造形製作 5 現場施工 必要な展示物は、直接入手します。 富士山宝永火山灰層の地層剥ぎ取り (神奈川県茅ケ崎市) ジオラマなどの造形物も全体のバランスから 映像コンテンツについても、造形製作のひとつとして同時並 色まで、納得のいくものに仕上げていきます 行で進められていきます 設計図と展示品リストを一体化したパース絵を作成して、完成イメージを共有する。いよいよ机上で行う作業が終了する 展示室1 展示室2 展示室3 展示室4 展示室5 展示室6 展示室7 展示室8 展示室9 展示室10 事務所では、連日連夜、終わらない会議がおこなわれた Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 47 09_ 展示の現場施工 実施設計をもとに造作物がつくられ、ひとつにする作業の現場での製作工事がはじまります。 ミュージアム研究員、NPO 法人静岡県自然史博物館ネットワークメンバー、 アドバイザー、展示業者のみなさんが一丸となって、教室は展示室へと一気に変貌を遂げていきます。 1 基本計画 2 基本設計 3 実施設計 4 造形製作 5 現場施工 映像内容は実際に投影して、アドバイ ザーとともに確認した 展示物の一部は、今回の常設展示のためのみに収集・作成したミュージアム 研究員自作である。 現場施工時でも、最後まで検討を行う ルーシーの真似をする 高山准教授 大きな標本は、職員一同で移動した 塗装やグラフィック貼付、展示台等の設置は、展示業者のプロ集団がおこなう 展示標本を作った人、守ってきた人の心を継承して、最善の表現にするため、ひとつひとつの標本すべてにおいて、見せる角度などを詳細に展示業者のみなさん と詰めていく 空(から)の展示室は、様々な行程を経て、ようやく完成する。ふじのくに地球環境史ミュージアムは約 1000 日間の準備期間を経て完成した 48 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 10_ さらなる高みを目指して 平成 28 年 3 月 26 日ミュージアムがオープンいたしました。 静岡南高校が閉校して約 1000 日。かつての学び舎が、博物館にカタチを変え、 ほんの少しだけ特別な場所になりました。 ミュージアムの展示ができるまでが「はじまりのおわり」 。ここからさらなる高みを目指して 日々進化しています。 01 マイミュージアムノート 02 ミドルヤード活動 03 対話型展示 思考体験しながら学べる教材 来館者と研究者を結ぶ収集活 来館者同士の会話を引き出す の充実化 動を見せる展示 対話型展示 開館前日の夕暮れ時ミュージアム 開館初日には多くの来館者が訪れた 一時の静寂が包み込む ミュージアムの立ち上げには、携わったすべての方のそれぞれの努力がありました。 目指したものは「いいものをつくりたい」ということだけ。 NPO 法人の専門家、ミュージアムアドバイザーの強力なサポートをうけながら、 わずか 12 人の行政職、教育職、研究職の経歴が異なるメンバーが一丸となってつくってきました (万感の思いがこみ上げたり、安 したりするメンバー@開館記念打ち上げ 平成 28 年 3 月 27 日) Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 49 2 沿 革 ⑴ 沿革 昭和61年度 静岡県新総合計画に「博物館構想の推進」を位置付け、各種文献調査 や有識者との懇話会を開催するなど、県立博物館構想に係る検討が開 始された。 平成7年度 有識者の意見を基に博物館のテーマを富士山、駿河湾など「自然系」 と決定し、静岡県総合計画・新世紀創造計画に「自然系博物館の整備」 を位置付けた。 平成13~14年度 民間有識者による自然学習・研究機能調査検討会において「静岡県に おける自然学習・研究機能のあり方」が取りまとめられた。 平成15年度 自然史資料の収集保管を開始し、NPO法人静岡県自然史博物館ネッ トワークへ業務を委託した。 9月 収集保管業務の実施・保管場所を教育委員会三島分館に設置した。 平成17年7月 収集保管業務の実施・保管場所を中部健康福祉センター庵原分庁舎 (旧清水保健所)に移転した。 平成20年度 名称を「静岡県自然学習資料センター」とし、静岡大学の博物館実習 の受入れを開始した。 平成22年度 自然史資料を活用したミニ博物館(展示)、出前博物館(講座)を開 始した。 平成23年度 高校再編により閉校となる県立静岡南高校の校舎へ自然史資料の収集 保管拠点を移転することを決定した。 平成25年3月 静岡県自然学習資料センター整備方針検討委員会において、新しいセ ンターの機能と基本的な施設改修のあり方に関する整備方針を策定し た。 平成25年4月 企画広報部政策企画局企画課に「自然学習資料センター整備班」を設 置 平成26年1月 旧静岡南高校校舎への移転に向け、校舎を博物館に用途変更する改修 工事に着手した。 3月 ふじのくに自然系博物館基本構想検討委員会において、“ふじのくに” にふさわしい新たな博物館の検討を進め、「ふじのくに地球環境史 ミュージアム基本構想」を策定した。 4月 文化・観光部文化学術局に「ふじのくに地球環境史ミュージアム整備 課」を設置 6月 研究員2名を採用した。 50 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 7月~8月 校舎の改修工事完成に伴い、収集保管業務の実施・保管場所を旧静岡 南高校校舎に移転した。 ⑵ 平成27年度の主な出来事 4月1日 県の出先機関として「ふじのくに地球環境史ミュージアム」が発足し、 初代館長として安田喜憲氏が就任した。新たに3人の研究員を採用し た。 6月3日 県内の小中学校等を巡回展示する移動ミュージアム事業「ミュージア ムキャラバン」を開始した。 7月2日 展示製作や広報活動において重要な指針となるロゴマークなどのVI (ヴィジュアル・アイデンティティ)を定めた。 9月7日 科学研究費補助金指定機関となった。 9月30日 “ミュージアムのいま”を伝えることを目的とする季刊のニュースレ ターを創刊した。 10月~11月 開館に向け、①外構工事②駐車場工事③蓄電器付き太陽光発電設備工 事④研究室・実験室の整備及び調査研究機器の購入などの各種工事及 び常設展示の製作が始まった。 12月25日 ミュージアムの開館時間や休館日、観覧料を定めた「ふじのくに地球 環境史ミュージアム設置・管理及び使用料に関する条例」が公布され た。 2月28日 第1期ミュージアムサポーター登録。説明会及び研修会を経て日々の 博物館活動を支えるボランティアスタッフ「ミュージアムサポーター」 79名を登録した。 3月21日 公式ホームページ(https://www.fujimu100.jp)を開設した。 3月25日 3月26日のミュージアムの一般公開に先立ち、開館記念式典を行った。 3月26日・27日 開館記念イベントでは、駿河総合高校和太鼓部による演舞や、静岡商 業高校による呈茶サービスのほか、安田喜憲館長による記念講演「生 きる力」を行い、開館から2日で約3,700人が来館した。 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 51 ⑶ 開館記念式典 ミュージアムの一般公開に先立ち、平成28年3月25日に開館記念式典を行った。式典は、 主催者挨拶、来賓祝辞、館長挨拶の後、開館を記念してテープカットを行った。なお、開 式に先立ち、静岡県舞台芸術センター(SPAC)の演劇公演が行われた。また、式典終了 後の内覧会では、来賓など総勢約150人が展示を観覧した。 開館記念式典 日 時 平成28年3月25日㈮ 午前10時~12時 会 場 ふじのくに地球環境史ミュージアム 展示室10前広場 次 第 静岡県舞台芸術センター(SPAC)の演劇公演 主催者挨拶 川勝平太知事 来賓祝辞 静岡県議会議長 吉川雄二様 館長挨拶 安田喜憲館長 テープカット 内覧会 式典参加者 県外から御参加いただいた来賓のうち、年報への掲載を了解していただいた皆様の氏名 を掲載させていただきます。(順不同・敬称略) 所 属 52 氏 名 場所文化フォーラム名誉理事 吉澤 保幸 元国際日本文化研究センター教授 尾本 恵市 会津大学名誉教授 小佐野峰忠 一般財団法人 地域活性化センター理事長 椎川 忍 ものづくり生命文明機構・事務局長、日本検査キューエイ株式会社 篠上 雄彦 国家公務員共済組合連合会三宿病院脳卒中センター長、 福島県立医科大学災害医療支援講座特任教授 清水 昭 ものづくり生命文明機構理事 秦 陽一 日本検査キューエイ株式会社 角田 明広 NPO バイオマス産業社会ネットワーク副理事長 竹林 征雄 資源・環境ジャーナリスト 谷口 正次 NPO 法人森は海の恋人理事長 畠山 重篤 NPO 法人森は海の恋人 小鮒由紀子 立命館大学 衣笠リサーチオフィス課長補佐 北波 正衛 福井県安全環境部企画幹 野坂 雄二 福井県里山里海湖研究所研究員 北川 淳子 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 所 属 氏 名 放送大学 ICT 活用・遠隔教育センター教授 仁科 エミ オーライ!ニッポン会議副代表 平野 啓子 広島大学名誉教授 町田 宗鳳 株式会社結 酒井 知里 東京大学総合研究博物館教授 遠藤 秀紀 東京大学総合研究博物館客員教授 洪 恒夫 静岡文化芸術大学デザイン学部空間造形学科准教授 中山 定雄 東北大学名誉教授 石田 秀輝 名古屋大学大学院環境学研究科教授 北川 浩之 式典の様子 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 53 3 基本理念 ⑴ ふじのくに地球環境史ミュージアムの基本理念 「“ふじのくに”の地域学の創造と人・交流・連携が導く知の拠点づくり」 ア “ふじのくに”固有の自然の探求と自然史資料の保管・継承、活用 ふじのくにの現在の自然の実体とその成り立ちを探求し、普及活動に必要な資料充実 を図り、地域資産として次世代に継承していく。 イ 富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの礎となる自然から環境分野に広がる領域の 新たな地域学の創造 恵まれた自然分野に関する地域資源を活かし、人と自然、環境に係る優れた研究者が 集い、自然史を基本に環境史に広がる研究領域を新たな地域学として探求していく。 ウ “ふじのくに”の未来を育む「有徳の人づくり」の推進 多様な世代の好奇心と自発的な学びを涵養する教育活動を展開することで、地域を愛 し、自然への畏敬の念を育み、地球環境の保全を担う「有徳の人づくり」を推進する。 エ 人と情報の交流、連携が導く「知の拠点づくり」 人材と活動を重視した新たな博物館の設置を通じて、情報発信の裏づけとなる世界最 高水準の調査研究を推進し、先駆的な博物館機能の創造に取り組むことで、人々の知の 循環に繋がる社会の構築を図る。 様々な資源が集積して再資源化する“ふじのくに”の知の拠点を目指していく。 54 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 ⑵ ふじのくに地球環境史ミュージアムVI VI(ヴィジュアル・アイデンティティ)とは、展示製作や広報活動において重要な共 通指針となるヴィジュアルイメージのことで、ロゴマークやロゴタイプ、キャッチコピー で構成される。 平成27年7月に決定したVIに基づき、ハード整備においては館内のサイン計画やエン トランスの館名表示に反映され、広報をはじめとしたソフト事業として開館告知リーフ レットやニュースレターのほか、ホームページデザインなどに幅広く取り入れられている。 【ロゴマーク解説】 ア 陰と陽 ミュージアムの“m”が、逆さ富士の如く反転している。 “ふじのくに”静岡県の豊かな自然は、農林水産業はもちろん、温泉をはじめとする 観光業にとっての基盤となっている。しかし、これらの豊かさは地震や火山の噴火、風 水害等のリスクと表裏一体の関係にある。 イ 陸と海 静岡県は、標高3000m級の富士山や日本の屋根とも言われる南アルプスから、水深 2000m級の深海、駿河湾を擁している。 上下の“m”は、陸の高さと海の深さを対比的に暗示している。 ウ 百と無限 地球環境史ミュージアムは、その活動テーマとして「百年後の静岡が豊かであるため に」を掲げ、 “ふじのくに”静岡県から、サスティナブル(持続可能)な社会の実現を 目指している。100年後の静岡が豊かであるためには、無限大の記号のようにエネルギー が循環していく社会を築かねばならない。 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 55 エ 博物館四機能 博物館には、「調査研究」「収集保管」「教育普及」「展示・情報発信」の4つの機能が ある。フロントヤードで展示・情報発信や教育普及事業を展開してくためには、バック ヤードにおける日々の調査研究、収集保管活動が欠かせないものとなる。“m”(ミュー ジアム) の建物の中には、四つの機能を担うそれぞれの部屋があり、全てが連環している。 VIを用いた広報印刷物 56 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 4 調査研究 ⑴ 調査研究事業 本年度は、平成28年度に本格的な活動を開始する当館の調査研究事業の体制の整備を 行った。ミュージアムの研究員が主体的に取り組むミュージアム研究の内容は下記のとお りである。 ア 地域学の創造:ミュージアムの研究が目指すもの 顕著な地球環境の変調は、生態系に影響を及ぼし、地球規模での生物多様性喪失の危 機を招いている。現代は第6の大量絶滅時代ともいわれ、生物多様性を基盤とした現代 社会そのものの存続が危ぶまれている。 一方、静岡県は東西に広く、また日本で唯一の標高差6,000mを超える多様な地形を 有する。南アルプス、富士山、かつての火山島としての伊豆半島、駿河湾、遠州灘、浜 名湖など、極めて変化に富んだ景観がその代表的なものである。それゆえ、植物、昆虫 等の生息する種類が全国で1、2番目に多いとされている。また、現在の種類数だけで なく、フォッサマグナ地域を中心に東北日本と西南日本の動植物相の不連続性が見られ ることや、海洋では北方系の種と南方系の種が混在することなど、生物地理学的な見地 においても、日本列島の生物多様性を解明する上で極めて重要な地域である。 ミュージアムには、静岡県、ひいては日本列島、地球全体の生物多様性を守り、自然 と人間が共生可能な生命文明社会を構築する責務が与えられている。その中で、地域創 生が叫ばれるポスト東京時代に、これからの地域の時代を地球環境の保全を担うべき自 然と共に生きていくための新たな学問を創造する。 それが、グローバルな視点に基づいた「地域学」の創造である。 地球環境の現状を知り未来を考えるために、ローカルの自然を徹底的に研究するとい う新しい視点をもつミュージアム研究は、これからのグローバルな指針になる。そして、 生命文明の構築という人類の至上課題に対して、自然環境保全の「地域学」を創造する ことは、地方の博物館が果たすべき研究の新しい潮流になるべきと考える。 イ 執行体制 ミュージアムの調査研究は、自然環境のメカニズム及び人と生態環境の関わりを明ら かにする「分野別研究」と現代の社会ニーズに応える超学際研究である「総合研究」の 階層的体系で取り組む。総合研究では、外部有識者や企業、一般県民とともにシンポジ ウムや研究会など超学際的な研究活動を行う。分野別研究は、ふじのくにの地域性を紐 解く3つの柱:⑴生物(生物多様性の理解と保全)、⑵大地(大地環境変動の復元と予測)、 ⑶人類(人類史の解明と創造)を中心に展開する。客員研究員制度を設けることで、外 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 57 部研究者の参画を図る。 ⑵ ミュージアム研究会 当館の調査研究及び収集保管活動において、相互理解や円滑な運営ができるよう、関係 する研究者間の意見交換や交流を図る場としてミュージアム研究会を設けた。毎月第一金 曜日に視聴覚教室にてセミナーを行った。参加者は、ミュージアム研究員、世界遺産セン ター整備課研究員、NPO法人静岡県自然史博物館ネットワーク会員である。 No. 58 開催日 話題提供者 分 野 1 5月15日 安田 喜憲 ミュージアム館長 環境考古学 2 6月5日 岸本 年郎 ミュージアム研究員 昆虫学(ハネカクシ) 3 6月19日 山田 和芳 ミュージアム研究員 年縞環境史学 4 7月3日 内山 純蔵 世界遺産センター整備課研究員 考古学 5 7月17日 吉澤 保幸 株式会社ぴあ・役員 他 地域創生 6 8月7日 横山 謙二 NPO会員 堆積学 7 9月18日 柴 正博 NPO会員(東海大学自然史博物館) 地質学 8 10月16日 秋山 信彦 NPO会員(東海大学海洋学部) 水族繁殖学 9 11月20日 高山 浩司 ミュージアム研究員 植物生態学 10 12月4日 大高 康正 世界遺産センター整備課研究員 日本史 11 12月18日 杉野 孝雄 NPO会員 植物地理学 12 1月8日 渋川 浩一 ミュージアム研究員 魚類分類学 13 1月15日 菅原 大助 ミュージアム研究員 地質・岩石・地震関係 14 2月5日 高橋 真弓 NPO会員 昆虫学(蝶々) 15 2月19日 日下宗一郎 ミュージアム研究員 自然人類学 16 3月4日 松島 仁 世界遺産センター整備課研究員 美術史 17 3月18日 安田 喜憲 ミュージアム館長 環境考古学 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 ⑶ 研究助成金による研究 日本学術振興会、科学研究費補助金による研究活動を行った。内容は下記のとおりであ る。 名前 種別 代表/ 分担 タイトル 期間 安田 喜憲 基盤(A) 分担 環境考古学を基軸とした人類学的「環太平 平成 洋文明学」の構築 25~28年度 (代表:立命館大学 渡辺公三) 基盤(B) 分担 海外 日本海での巨大地震による津波イベントの 平成 解明と津波予測 25~28年度 (代表:北海道大学 谷岡勇市郎) 山田 和芳 若手(B) 代表 一ノ目潟における年縞編年の構築とアジア 平成 モンスーン変動の高精度復元 25~27年度 高山 浩司 若手(B) 代表 海洋島における海流散布植物の内陸環境へ 平成 の適応と進化 25~27年度 菅原 大助 挑戦的 萌芽 分担 地球上で最大スケールの輪状種を実証する 平成 (代表:琉球大学 梶田忠) 27~29年度 基盤(B) 分担 海外 海洋島の実験系を利用したマメ科ー根粒菌 平成 共生特異性の進化学的研究 27~30年度 (代表:琉球大学 梶田忠) 基盤(B) 分担 マングローブ林の保全と再生に必要な遺伝 平成 的多様性の解析:主要構成種5種の解析 25~28年度 (代表:琉球大学 梶田忠) 基盤(C) 分担 著しい種内倍数性を示すオトコエシ(オミ 平成 ナエシ科)に関する系統地理学的解析 25~28年度 (代表:東京大学 池田博) 日下宗一郎 若手(B) 代表 同位体手法を用いた古人骨の食性と帰属年 平成 代の解明 27・28年度 日本学術振興会、二国間交流事業共同研究による研究活動は下記のとおりである。 名前 タイトル 期間 ファンフェルナンデス諸島固有植物の遺伝的多様性と種分化に 平成 高山 浩司 関する研究(27年度代表:東京大学 池田博) 25~27年度 (25・26年度は代表:高山浩司) 総合地球環境学研究所、同位体環境学共同研究事業による研究活動は下記のとおりであ る。 名前 タイトル 山田 和芳 (代表) 静岡県における人類を含む動植物の安定同位体分析 日下宗一郎 (分担) 期間 平成27年度 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 59 ⑷ 研究業績 館長及び教授・准教授・研究員の研究業績を下記に記す。安田喜憲館長が平成26年4月 に、岸本年郎准教授と山田和芳准教授が平成26年6月に、渋川浩一准教授、高山浩司准教 授、日下宗一郎主任研究員が平成27年4月に、菅原大助准教授が平成28年1月にそれぞれ 着任した。研究員の着任時期が異なるため、平成27年4月1日から平成28年3月31日まで の研究業績を記した。 ■ 安田喜憲(やすだ よしのり) 館長 ア 著書(編著・単著) ・安田喜憲・阿部千春編, 2015.『津軽海峡圏の縄文文化』雄山閣, 217頁(査読無) ・安田喜憲,2015.『日本神話と長江文明』雄山閣,190頁(査読無) ・安田喜憲,2016.『環境文明論:新たな世界史像』論創社,647頁(査読無) イ 論文 ・安田喜憲, 2015. 「年縞が解明する縄文の人類史的意味とその開始をめぐって」 安田喜憲・阿部千春編『津軽海峡圏の縄文文化』雄山閣, 7-34頁(査読無) ・安田喜憲,2015.「震災復興と防潮堤」松下和夫・福山研二編,『森林環境2015』森 林文化協会, 128-138頁.(査読有) ・Fukumoto, Y., Xun, Li., Yasuda, Y., Okamura, M., Yamada, K., Kashima, K., 2015. The Holocene environmental changes in southern Indonesia reconstructed from highland caldera lake sediment in Bali Island. Quaternary International. 374, 15–33.(査読有) ウ 報告書等 ・なし エ その他の執筆 ・安田喜憲, 2015.「いのちの持続」『MOKU』MOKU出版, 276, 74–79頁(査読無) ・安田喜憲, 2015.「年縞は地球の遺伝子」『公研』公益産業研究調査会, 622, 22-34 頁(査読無) ・安田喜憲, 2015.「コンクリートの防潮堤と森の防潮堤」 『生存科学』生存科学研究所, 26-1, 89-92(査読無) ・安田喜憲, 2015.「序」李国棟『稲作文化にみる中国貴州と日本』雄山閣, ii-iv頁(査 読無) ・安田喜憲, 2015.「環太平洋文明から日本の未来を見据える」『ACADEMIA』全国 日本学士会,No.153, 26-40頁(査読無) ・安田喜憲, 2015.「山岳信仰の起源」 『比文研ニュースレター』麗澤大学比較文明文 化研究センター,20,5-6頁(査読無) 60 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 ・安田喜憲, 2016.「森と水の生命をつなげ」『きらめく水のふるさと磐梯』NPO法 人会津の文化づくり,73頁(査読無) ・安田喜憲, 2016.「三保松原学シンポジウムの開催」 『三保松原を後世に伝えていく ための活動記録』羽衣ルネッサンス協議会,33–47頁(査読無) ・安田喜憲, 2016.「開館に寄せて」 『ふじのくに地球環境史ミュージアムNEWS LETTER』003,1頁(査読無) オ 新聞記事執筆 ・安田喜憲, 2015年4月15日.「コロンビアの熊野古道」電気新聞 朝刊(査読無) ・安田喜憲, 2015年6月2日.「強い文化と弱い文化」電気新聞 朝刊(査読無) ・安田喜憲, 2015年7月13日.「政治は文化のしもべ」電気新聞 朝刊(査読無) ・安田喜憲, 2015年9月2日.「ミュージアム・フィロソフィ」電気新聞 朝刊(査読 無) ・安田喜憲, 2015年10月23日.「カップヌードルの味」電気新聞 朝刊(査読無) ・安田喜憲, 2015年12月10日.「西洋の没落」電気新聞 朝刊(査読無) ・安田喜憲, 2016年1月28日.「新嘗祭の復活」電気新聞 朝刊(査読無) ・安田喜憲, 2016年3月28日.「地球環境史ミュージアムの開館」電気新聞 朝刊(査 読無) カ 学会講演 ア 国際学会 ・なし イ 招待講演(国際) ・なし ウ 国内学会 ・なし エ 招待講演(国内) ・安田喜憲, 2015年6月13日. ライフスタイルの転換. 地球共生学会. キ 一般講演 ・安田喜憲, 2015年6月6日. 森と文明. ファミリー稲田カンパニー . 鳥取県大山町. ・安田喜憲, 2015年7月18日. 環太平洋文明の精神世界. 全国学士会. ・安田喜憲, 2015年7月31日. 未来を担う子供たち. 第12回日本の次世代リ-ダー養 成塾. ・安田喜憲,2015年6月20日.環太平洋文明. 立命館大学土曜講座. ・安田喜憲,2015年6月28日.森・里・海の水の循環:源流部の森を守る. 山梨県桂 川流域研究会. ・安田喜憲,2015年11月25日.新嘗祭の復活. 明治神宮. ・安田喜憲,2015年11月26日.稲作漁撈文明. 京都クオリ研究会. Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 61 ・安田喜憲,2016年1月9-10日.日本神話と長江文明. 立命館大学R-GIRO佐賀シン ポジウム. ・安田喜憲,2016年2月13日.生態系と人間のつながり. くらしき作陽大学50周年記 念公開講座. ・安田喜憲,2016年2月20日.三保松原の保全. 三保松原学シンポジウム. ク 授業 ・安田喜憲,2015年8月3日-6日. 比較環境. 麗澤大学集中講義. ケ 社会的活動 ア 委員・役員 ・ものづくり生命文明機構理事長 ・世界に誇るラムサール湿地三方五湖を育む会理事長 ・アースオッチジャパン理事 ・森林文協会理事 ・比較文明学会理事 ・森は海の恋人協会理事 ・オ-ライニッポン副会長 ・京セラ株式会社監査役 ・里山里湖海研究所アドバイザー ・Nature+Culture Editorial Board ・Quaternary International Editorial Board, ・Vegetation History and Archaeobotany Associate Editor イ 非常勤講師・客員教員等 ・なし ウ 査読 ・なし エ 学術交流・研究会の開催 ・3回 オ 他施設・団体への協力と県民からの問い合わせへの対応 ・なし コ テレビ・ラジオ・新聞等への出演 ・安田喜憲, 2015年12月13日, 2016年2月28日.「ちょっといい話」ABCラジオ, 一心寺提供. サ 海外学術調査 ・コロンビア・ブラジル学術調査,2015年8月20-9月8日. 62 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 ■ 渋川浩一(しぶかわ こういち) 准教授(平成28年度より教授) ア 著書(編著・単著) ・なし イ 論文 ・Suzuki, T., Shibukawa, K., Senou, H., Chen, I-S., 2015. Redescription of Rhinogobius similis Gill, 1859 (Gobiidae: Gobionellinae), the type species of the genus Rhinogobius Gill, 1859, with designation of the neotype. Ichthyological Research. Online-first (DOI 10.1007/s10228-015-0494-3).(査読有) ・Hoese, D.F., Shibukawa, K., Johnson, J.W., 2016. Description of a new species of Tomiyamichthys from Australia with a discussion of the generic name. Zootaxa. 4079 (5), 583–594.(査読有) ・鈴木寿之・渋川浩一・I-Shiung Chen・矢野維幾・千葉悟・内野啓道・高瀬歩・ 瀬能宏, 2015.琉球列島から得られた日本初記録のハゼ亜目魚類8種.Fauna Ryukyuana, 18, 9–38. ウ 報告書等 ・なし エ その他の執筆 ・渋川浩一,2015.『世界の動物遺産 世界編』自然環境研究センター(監).集英社, 東京(分担執筆).(査読無) ・渋川浩一,2015.『世界の動物遺産 日本編』自然環境研究センター(監).2015年. 集英社,東京(分担執筆).(査読無) オ 新聞記事執筆 ・なし カ 学会講演 ア 国際学会 ・なし イ 招待講演(国際) ・なし ウ 国内学会 ・鈴木寿之・渋川浩一・瀬能宏, 2015. ヨシノボリ属のタイプ種 Rhinogobius similis はヨシノボリではない. 平成27年度ゴリ研究会. 長良川うかいミュージ アム. ・藍澤正宏・渋川浩一・鈴木寿之, 2015. ハゼ科ミミズハゼ属魚類の分類:属お よび種群の定義とナガミミズハゼ種群の再検討. 2015年度日本魚類学会年会. 近畿大学 奈良キャンパス. ・武藤文人・渋川浩一, 2015. 市販香辛料クローブ Syzygium aromaticum を用 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 63 いた魚類の簡易麻酔. 2015年度日本魚類学会年会. 近畿大学 奈良キャンパス. エ 招待講演(国内) ・なし キ 一般講演 ・渋川浩一, 2016年2月27日.川の魚の種類とかたち. サイエンスピクニック 2016 生物多様性こどもシンポジウム「めざせ!!お魚マスター !!」. 静岡科学館る・く・ る. ク 授業 ・なし ケ 社会的活動 ア 委員・役員 ・日本魚類学会 編集委員 ・日本魚類学会 評議員 ・日本魚類学会 日本分類学会連合担当副代表 ・日本動物分類学会 編集委員 イ 非常勤講師・客員教員等 ・なし ウ 査読 ・4件 エ 学術交流・研究会の開催 ・なし オ 他施設・団体への協力と県民からの問い合わせへの対応 ・渋川浩一, 2015年8月22日.子ども自然体験教室inアクティ森 川の生き物を 学ぼう.森町体験の里アクティ森. ・渋川浩一, 2015年11月14~15日. 萩間川生物図鑑をつくろう! . 牧之原市社会教 育課 ・静岡市登呂博物館「企画展 登呂の食事情~もっと知りたい登呂ごはん~」 2016年1月16日~2016年5月29日. ・県民からの問い合わせへの対応:23件 コ テレビ・ラジオ・新聞等への出演 ・渋川浩一,2015年6月23日「中村こずえの興味津々」静岡SBSラジオ サ 海外学術調査 ・なし 64 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 ■ 岸本年郎(きしもと としお) 准教授 ア 著書(編著・単著) ・なし イ 論文 ・Moriguchi, S., Inoue, M., Kishimoto, T., Kameyama, T., Ito, F., Goka, K., 2015. Estimating colonization and invation risk maps for Linepithema humile, in Japan. Journal of Asia Pacific Entomology, 18, 243–350.(査読有) ・Mita, T., Watanabe, K., Kishimoto, T., 2015. Occurrence of Chrysis boninensis Tsuneki (Hymenoptera: Chrysididae) in Anijima Island, the Ogasawara Islands, with description of the male. Japanese Journal of Systematic Entomology, 21 (2), 191–194.(査読有) ・高桑正敏・酒井香・岸田泰則・太田祐司・岸本年郎, 2015. アカシジミ属の黄昏 飛翔時におけるヤンマの捕食観察例. 月刊むし, 536, 62–63.(査読無) ・寺山守・岸本年郎・高桑正敏・酒井香・岸本圭子, 2015. 東京港野鳥公園の昆虫 (甲虫目, ハチ目, チョウ目以外). 神奈川虫報, 186, 47–56.(査読無) ・高桑正敏・太田祐司・寺山守・岸本年郎, 2015. 東京港野鳥公園のチョウ・ガ類. 神奈川虫報, 185, 1–6.(査読無) ・酒井香・岸本年郎・高桑正敏, 2015. 東京港野鳥公園のコガネムシ科. 神奈川虫報, 185, 11–14.(査読無) ・寺山守・岸本年郎・酒井香・高桑正敏, 2015. 東京港野鳥公園のハチ目. 神奈川虫 報, 185, 15–21.(査読無) ウ 報告書等 ・なし エ その他の執筆 ・岸本年郎, 2015.「世界遺産と富士山と昆虫」 『昆虫と自然』50(5), 13–15.(査読無) ・岸本年郎, 2015.「加藤正世博士と甲虫」 『東京大学総合研究博物館モバイルミュー ジアム特別展・練馬区立石神井公園ふるさと文化館. 平成27年度第1回特別展「蝉 類博物館-昆虫黄金期を築いた天才・加藤正世博士の世界-」図録』 (査読無) オ 新聞記事執筆 ・なし カ 学会講演 ア 国際学会 ・なし イ 招待講演(国際) ・なし ウ 国内学会 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 65 ・岸本年郎・松本雪穂・鳥居春己, 2015年5月23-24日. ニホンジカが大型土壌動物 に与える影響と防鹿柵設置の効果-紀伊半島の冷温帯林と暖帯林の事例-. 日 本土壌動物学会第38回大会, 香川大学. ・岸本圭子・酒井香・太田祐司・寺山守・岸本年郎・高桑正敏, 2015年9月19-21 日.東京都本土に侵入した国内外来種リュウキュウツヤハナムグリの生態. 日本 昆虫学会第75回大会, 九州大学箱崎キャンパス. ・岸本年郎, 2015年9月19-21日.大型土壌動物群集解析を目的としたハンドソー ティング法の提案. 日本昆虫学会第75回大会, 九州大学箱崎キャンパス. ・岸本年郎・寺山守・岸本圭子・高桑正敏, 2015年9月.東京港埋立地の外来昆虫. 日本昆虫学会第75回大会, 九州大学箱崎キャンパス. ・岸本年郎, 2015年12月5日.甲虫をとおして生物多様性保全を考える. 2015年第3 回日本甲虫学会東京例会, 国立科学博物館付属自然教育園. ・岸本圭子・酒井香・太田祐司・寺山守・岸本年郎・高桑正敏, 2016年3月. 東京 港埋立地における外来ハナムグリの生態. 第63回日本生態学会, 仙台国際セン ター. エ 招待講演(国内) ・なし キ 一般講演 ・岸本年郎, 2015年5月23日.ふじのくに地球環境史ミュージアムの挑戦.NPO法 人みんなでつくる自然史博物館・香川 平成27年度記念講演会 静岡県「ふじのく に地球環境史ミュージアム」は、いかに生まれたか?.サンポート高松54会議室. ・岸本年郎, 2015年10月3日.身近な足もとの虫たち~土壌動物~.静岡大学キャ ンパスミュージアム2015年度公開講座「静大キャンパス探訪~静岡キャンパスの 自然と歴史~」.静岡大学キャンパスミュージアム. ・岸本年郎,2016年2月14日.外来生物について.第1回佐鳴湖未来をつなぐネット. 静岡大学浜松キャンパス高柳未来技術創造館1階. ク 授業 ・岸本年郎, 2015年7月7日.地球は虫だらけ 静岡も虫だらけ.静岡県立大学2015 年度全学共通科目静岡学特別講義「ムセイオン静岡ⅠMUSEUMと文化B」1コマ. ・岸本年郎, 2016年1月28日.ふじのくに地球環境史ミュージアムの挑戦.静岡大 学博物館フォーラム+地域課題解決支援プロジェクト2016.1コマ. ケ 社会的活動 ア 委員・役員 ・静岡県生物多様性地域戦略策定検討委員 ・河川水辺の国勢調査スクリーニング委員 ・日本昆虫学会日本昆虫目録編集委員 66 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 ・日本甲虫学会庶務幹事 ・日本甲虫学会自然保護委員会副委員長 ・日本甲虫学会賞選考委員 ・ハネカクシ談話会幹事 ・静岡昆虫同好会幹事 イ 非常勤講師・客員教員等 ・静岡県立大学客員研究員 ウ 査読 ・3件 エ 学術交流・研究会の開催 ・なし オ 他施設・団体への協力と県民からの問い合わせへの対応 ・練馬区立石神井公園ふるさと文化館・東京大学総合研究博物館共催「蝉類博物 館―昆虫黄金期を築いた天才・加藤正世博士の世界」2015年10月1日~2015年11 月29日. ・静岡市登呂博物館「企画展 登呂の食事情~もっと知りたい登呂ごはん~」 2016年1月16日~2016年5月29日. ・県民からの問い合わせへの対応:53件 コ テレビ・ラジオ・新聞等への出演 (テレビ出演) ・岸本年郎,2015年10月15日.「とびっきり!しずおか」静岡朝日テレビ. ・岸本年郎,2016年3月23日.「たっぷりしずおか」NHK静岡. (ラジオ出演) ・岸本年郎,2016年3月3日.「ワープ・ワープ・ワープ」FMマリンパル清水. (新聞) ・岸本年郎, 2015年1月5日.「標本万歳 静岡県の自然環境史① 世界と日本のベニ ヒカゲ」静岡新聞朝刊 ・岸本年郎, 2015年1月19日. 「標本万歳 静岡県の自然環境史③ 固有種」静岡新 聞朝刊 ・岸本年郎, 2015年2月23日. 「標本万歳 静岡県の自然環境史⑦ 絶滅種」静岡新 聞朝刊 ・岸本年郎, 2015年3月9日.「標本万歳 静岡県の自然環境史⑨ 増えるシカ、減る 植物」静岡新聞朝刊 ・岸本年郎, 2015年4月20日. 「標本万歳 静岡県の自然環境史⑭ 学名を担うタイ プ標本」静岡新聞朝刊 ・岸本年郎,2015年5月4日. 「標本万歳 静岡県の自然環境史⑮ ロシア人ゴシケビッ Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 67 チと昆虫」静岡新聞朝刊 ・岸本年郎,2015年10月20日.「サソリモドキ発見」伊豆新聞朝刊 ・岸本年郎,2016年1月16日.「富士山、なぜサルがいないの?」朝日新聞山梨版朝 刊 サ 海外学術調査 ・なし ■ 菅原大助(すがわら だいすけ) 准教授 ア 著書(編著・単著) ・なし イ 論文 ・Shinozaki, T., Goto, K., Fujino, S., Sugawara, D., Chiba, T., 2015. Erosion of a paleo-tsunami record by the 2011 Tohoku-oki tsunami along the southern Sendai Plain. Marine Geology 369, 127–136.(査読有) ・Leelawat, N., Suppasri, A., Charvet, I., Kimura, T., Sugawara, D., Imamura, F., 2015. A Study on Influential Factors on Building Damage in Kesennuma, Japan from the 2011 Great East Japan Tsunami. Engineering Journal, 19.(査読有) ・Charvet, I., Suppasri, A., Kimura, H., Sugawara, D., Imamura, F., 2015. A multivariate generalized linear tsunami fragility model for Kesennuma City based on maximum flow depths, velocities and debris impact, with evaluation of predictive accuracy. Natural Hazards.(査読有) ・Minoura, K., Sugawara, D., Yamanoi, T., Yamada, T., 2015. Afftereffects of Subduction-Zone Earthquakes: Potential Tsunami Hazards along the Japan Sea Coast. Tohoku J. Exp. Med. 237, 91–102.(査読有) ・Goff J., Knight, J., Sugawara, D., Terry, J.P., 2015. Anthropogenic disruption to the seismic driving of beach ridge formaition: The Sendai coast, Japan. Science of the Total Environment 544, 18–23.(査読有) ・今井健太郎・菅原大助・高橋智幸・岩間俊二・田中仁, 2015. 2011年東北津波に おける北上川河口部の大規模洗掘・堆積に関する数値的検討.土木学会論文集 B2 (海岸工学),71, I_247–251.(査読有) ・山下啓・菅原大助・高橋智幸・今村文彦・齋藤友一・今任嘉幸・甲斐恭・上原 均・加藤季広・中田一・坂良太郎・西川朝雄, 2015. 岩手県陸前高田市における 2011年東北地方太平洋沖地震津波による大規模土砂移動の再現計算.土木学会論 文集B2 (海岸工学),71, I_499–504.(査読有) ウ 報告書等 68 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 ・なし エ その他の執筆 ・なし オ 新聞記事執筆 ・なし カ 学会講演 ア 国際学会 ・なし イ 招待講演(国際) ・なし ウ 国内学会 ・Sugawara, D., Jaffe, B., Goto, K., Gelfenbaum, G., La Selle, S., 2015年5月13日. Exploring Hybrid Modeling of Tsunami Flow and Deposit Characteristics. Coastal Sedimients 2015,Hyatt Regency Mission Bay Spa and Marina(San Diego). エ 招待講演(国内) ・菅原大助・成瀬元,2015年5月27日. 津波に伴う浸食・堆積・地形変化プロセス の解明:現状と課題.日本地球惑星科学連合 連合大会 2015年大会,幕張メッ セ(千葉市). ・Sugawara, D., Yamashita, K., Takahashi, T., Imamura, F., 2015年12月14 日. Role of sediment transport model to improve the tsunami numerical simulation. 2015 AGU Fall Meeting,Moscone Convention Center(San Francisco),. キ 一般講演 ・なし ク 授業 ・菅原大助,基礎ゼミ(東北大学全学教育科目)1コマ ・菅原大助,沿岸海洋環境工学(東北大学工学部建築・社会環境工学科)1コマ ・菅原大助,サイエンスアクセス講演会(岩手県立水沢高等学校)1コマ ケ 社会的活動 ア 委員・役員 ・なし イ 非常勤講師・客員教員等 ・なし ウ 査読 ・7件 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 69 エ 学術交流・研究会の開催 ・なし オ 他施設・団体への協力と県民からの問い合わせへの対応 ・なし コ テレビ・ラジオ・新聞等への出演 ・なし サ 海外学術調査 ・国後島津波堆積物調査,2015年9月. ・ハワイ津波堆積物調査,2015年11月. ■ 山田和芳(やまだ かずよし) 准教授 ア 著書(編著・単著) ・なし イ 論文 ・Suzuki, Y., Tada, R., Yamada, K., Irino, T., Nagashima, K., Nakagawa, T., Omori, T., 2016. Mass accumulation rate of detrital materials in Lake Suigetsu as a potential proxy for heavy precipitation: a comparison of the observational precipitation and sedimentary record. Progress in Earth and Planetary Science. 3, 5 (査読有) ・Nagashima, K., Suzuki, Y., Irino, T., Nakagawa, T., Tada, R., Hara, Y., Yamada, K., Kurosaki Y., 2016. Asian dust transport during the last century recorded in Lake Suigetsu sediments. Geophysical Research Letters. 10.1002/2015GL067589. (査読有) ・Kitagawa, J., Morita, Y., Makohonienko, M., Gotanda, K., Yamada, K., Yonenobu, H., Kitaba, I., Yasuda, Y., 2016 Understanding the human impact on Akita-sugi cedar (Cryptomeria japonica) forest in the late Holocene through pollen analysis of annually laminated sediments from Ichi-no-Megata, Akita, Japan. Vegetation History and Archaeobotany. in press.(査読有) ・Hayashida, A., Nakano, R., Nagashima, A., Seto, K., Yamada, K., Yonenobu, H., 2015. Magnetic properties of surficial sediments in Lake Ogawara on the Pacific coast of northeastern Japan: Spatial variability and correlation with brackish water stratification Geomagnetism. Earth Planets and Space. 67, 171.(査読有) ・Fukumoto,Y., Xun Li, Yasuda,Y., Okamura.M., Yamada K., Kashima K., 2015 The Holocene environmental changes in southern Indonesia reconstructed from highland caldera lake sediment in Bali Island. Quaternary International. 374, 70 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 15–33.(査読有) ウ 報告書等 ・なし エ その他の執筆 ・篠塚良嗣・山田和芳,2015.「年縞による縄文時代における気候変動」安田喜憲・ 阿部千春編『津軽海峡圏の縄文文化』, 49–68,雄山閣.(分担共著)(査読無) ・瀬戸浩二・渡辺正巳・山田和芳・高安克己,2015.松江平野北部の平野発達史と 古環境変遷史.松江市史研究.6, 99–105.(査読無) ・山田和芳,2015. [書評]宮本真二・野中健一編「ネイチャー・アンド・ソサエティ 研究第1巻 自然と人間の環境史」.Laguna(汽水域研究).22, 11–12.(査読有) オ 新聞記事執筆 ・なし カ 学会講演 ア 国際学会 ・なし イ 招待講演(国際) ・なし ウ 国内学会 ・高梨祐太郎・林田明・山田和芳・五反田克也・米延仁志, 2015年5月25日.沖 縄県羽地内海堆積物の残留磁化:磁性鉱物種と続成作用の検討.日本地球惑星 科学連合大会2015年大会,幕張メッセ(千葉市). ・井内美郎・眞浦幸聖・山田和芳, 2015年5月25日.猪苗代湖湖底堆積物に記録 されたハインリッヒイベントと冬季モンスーン活動.日本地球惑星科学連合大 会2015年大会,幕張メッセ(千葉市). ・鈴木克明・多田隆治・長島佳菜・入野智久・山田和芳・中川毅・小島秀彰・ SG12/06 プロジェクト, 2015年5月25日.水月湖堆積物中の河川起源砕屑物フ ラックスを用いた降水量変動復元手法の開発.日本地球惑星科学連合大会2015 年大会,幕張メッセ(千葉市). ・長島佳菜・鈴木克明・山田和芳・入野智久・多田隆治・滝川雅之・原由香里・ 中川 毅・Project members SG06/12, 2015年5月25日.水月湖の堆積物はダ スト沈積フラックスの経年変動を記録しているか?.日本地球惑星科学連合大 会2015年大会,幕張メッセ(千葉市). ・入野智久・中井淑恵・芦松・山田和芳・米延仁志・多田隆治,2015年5月25日. 日本の湖沼堆積物に含まれる極細粒元素状炭素量の変動.日本地球惑星科学連 合大会2015年大会,幕張メッセ(千葉市). ・Kitaba, I., Staff, R.A., Shinozuka, Y., Yamada, K., July 26 - Aug. 02, 2015 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 71 Gotanda, K., Kitagawa, J., Haraguchi, T., Nakagawa, T., Yonenobu, H.,Spatiotemporal structure of deglacial climate change: climate changes reconstructed from varved sediments of Lake Ichi-no-megata, Northern Japan, and its correlation with global references, XIX INQUA Congress, Nagoya, Japan. (Oral). ・Irino, T., Nakai, Y.,Lu, S.,Yamamoto, M., Miyazaki, Y., Kawamura, K., Yamada, K., Yonenobu, H., Tada, R., Murray, R.W., Alvarez Zarikian, C.A., Expedition 346 Scientists, July 29, 2015. Temporal variation of very fine elemental carbon in marginal sea and lake sediments in the northern Far East region, XIX INQUA Congress, Nagoya, Japan. ・Nagashima, K., Hara, Y., Nishido, H., Suzuki, Y., Tada, R., Sasaoka, K., GotoAzuma, K., Yamada, K., Irino, T., Nakagawa, T., SG12/06 Project members, July 29, 2015. Asian dust input to the North Pacific and its seasonal to decadal variations, XIX INQUA Congress, Nagoya, Japan (poster). ・井内美郎・山田和芳・里口保文・芳賀裕樹・林竜馬・岡村真・松岡裕美,2015 年8月30日. 過去約5万年間の琵琶湖湖水位変動.日本第四紀学会2015年大会, 早 稲田大学(東京都). ・Nagashima, K., Hara, Y., Nishido, H., Suzuki, Y., Tada, R., Sasaoka, K., GotoAzuma, K., Yamada, K., Irino, T., Nakagawa, T.,Sept 5, 2015. Asian dust depositional flux changes during the last 100 years recorded in Lake Suigetsu sediment, Japan, 8th International Conference on Asian Marine Geology, Cheju, Korea (oral). ・井内美郎・山田和芳・里口保文・芳賀裕樹・林竜馬・岡村眞・松岡裕美,2015 年9月23日. 過去約5万年間の琵琶湖古気候変遷史.日本地質学会第122年大会, 信州大学(松本市). ・山田和芳, 2015年10月. 小川原湖を襲った縄文津波.汽水域研究会2015年(第7 回)大会,東北大学. ・入澤汐奈・瀬戸浩二・北川淳子・山田和芳, 2015年10月. 福井県日向湖におけ る過去3000 年の環境変遷(予報)汽水域研究会2015年(第7回)大会,東北大学. ・入澤汐奈・瀬戸浩二・北川淳子・山田和芳,2016年1月. 福井県三方五湖におけ る古環境変遷史.汽水域研究会第8回大会,ろうかん(島根県松江市). ・北川淳子・篠塚良嗣・山田和芳・入澤汐奈・瀬戸浩二,2016年1月. 福井県日向 湖周辺の人間活動と植生変化.汽水域研究会第8回大会,ろうかん(島根県松 江市). ・渡辺正巳・瀬戸浩二・高安克己・山田和芳,2016年1月. 松江湖の形成と松江平 野の発達.汽水域研究会第8回大会,ろうかん(島根県松江市). 72 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 エ 招待講演(国内) ・なし キ 一般講演 ・なし ク 授業 ・山田和芳, 2015年5月12日. 地球環境史から考えるしずおかの未来.静岡県立大 学2015年度全学共通科目静岡学特別講義「ムセイオン静岡ⅠMUSEUMと文化A」 1コマ. ・山田和芳, 2015年10月20日. 年縞堆積物が解き明かす地球環境史.平成27年度 第 5回環境科学専攻 月例セミナー(静岡県立大学)1コマ. ケ 社会的活動 ア 委員・役員 ・汽水域研究会 企画幹事 イ 非常勤講師・客員教員等 ・静岡大学防災総合センター客員准教授 ウ 査読 ・2件 エ 学術交流・研究会の開催 ・3回 オ 他施設・団体への協力と県民からの問い合わせへの対応 ・静岡市登呂博物館「企画展 登呂の食事情~もっと知りたい登呂ごはん~」 2016年1月16日~2016年5月29日. コ テレビ・ラジオ・新聞等への出演 (新聞) ・山田和芳, 2015年1月12日.「標本万歳 静岡県の自然環境史② オオウナギと地層」 静岡新聞朝刊 ・山田和芳, 2015年1月26日.「標本万歳 静岡県の自然環境史④ 紅葉石と珪化木」 静岡新聞朝刊 ・山田和芳, 2015年2月2日.「標本万歳 静岡県の自然環境史⑤ ブナとサンゴ」静岡 新聞朝刊 ・山田和芳, 2015年3月2日.「標本万歳 静岡県の自然環境史⑧ ヒノキと伊豆若草 石」静岡新聞朝刊 ・山田和芳, 2015年3月16日.「標本万歳 静岡県の自然環境史⑩ トラとホトケド ジョウ」静岡新聞朝刊 ・山田和芳, 2015年3月23日.「標本万歳 静岡県の自然環境史⑪ ゲンゴロウとアカ ネズミ」静岡新聞朝刊 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 73 ・山田和芳, 2015年6月11日.「なるほどリポート1 天竜川と遠州灘の造形」中日新 聞朝刊 ・山田和芳, 2016年3月4日.「伊豆半島を知ろう」静岡新聞朝刊 ・山田和芳, 2016年3月5日.「地球はロマンいっぱい」熱海新聞朝刊 サ 海外学術調査 ・コロンビア・ブラジル学術調査, 2015年8月20-9月8日. ・フィリピン学術調査, 2015年10月21-26日. ■ 高山浩司(たかやま こうじ) 准教授 ア 著書(編著・単著) ・なし イ 論文 ・Takayama, K., Sun, B.-Y., Stuessy, T.F., in press. Genetic consequences of anagenetic speciation in endemic angiosperms of Ullung Island, Korea, J. Jpn. Plants. In press.(査読有) ・Lopez Sepúlveda, P., Takayama, K., Greimler, J., Peñailillo, P., Crawford, D.J., Baeza, M., Ruiz, E., Kohl, G., Tremetsberger, K., Gatica, A., Letelier, L., Novoa, P., Novak, J., Stuessy, T.F., 2015. Speciation and Biogeography of Erigeron (Asteraceae) in the Juan Fernández Archipelago, Chile, Based on AFLPs and SSRs, Syst. Bot. 40, (3), 888-899.(査読有) ・Takayama, K., López-Sepúlveda, P., Greimler, J., Crawford, D.J., Peñailillo, P., Baeza, M., Ruiz, E., Kohl, G., Tremetsberger, K., Gatica, A., Letelier, L., Novoa, P., Novak, J., Stuessy, T.F., 2015. Genetic consequences of cladogenetic vs. anagenetic speciation in endemic plants of oceanic islands, AoB Plants, psv102. (査読有) ウ 報告書等 ・高山浩司, 2015. 海洋島の生物多様性.海洋政策研究所Ocean Newsletter. 367, 6–7.(査読無) ・高山浩司, 2015. 葉緑体ゲノム全塩基配列比較による伊豆半島ハマボウ群落の空 間的遺伝構造の解明.公益財団法人新技術開発財団2014年度年報.(査読無) エ その他の執筆 ・高山浩司, 2015. ミュージアム研究員紹介.自然史しずおか 51, 12.(査読無) ・高山浩司, 2015. 海洋島固有種の種分化と遺伝的多様性:ファン・フェルナンデ ス諸島の植物.小石川植物園ニュースレター 49, 2–5.(査読無) オ 新聞記事執筆 74 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 ・なし カ 学会講演 ア 国際学会 ・なし イ 招待講演(国際) ・なし ウ 国内学会 ・山本崇・津田吉晃・高山浩司・永嶋礼子・立石庸一・梶田忠, 2016年6月.汎 熱帯海流散布植物ハマアズキ(マメ科)を用いた太平洋内の「見えない壁」の 探索.第15回日本植物分類学会, 富山大学.(ポスター賞受賞) ・番場大・中田さゆり・青木誠志郎・高山浩司・Farfan J.N.・宮正樹・伊藤元 己・梶田忠,2016年3月. 汎熱帯海流散布植物マメ科植物に共生する根粒菌の広 域分布について.第15回日本植物分類学会, 富山大学. ・西俣美咲・矢野興一・高山浩司・山本伸子・岩坪美兼・任烔卓・池田博,2016 年3月. オトコエシ科オトコエシ種内倍数体の系統地理学的研究.第15回日本植 物分類学会, 富山大学. ・López-Sepúlveda, P., Takayama, K., Greimler, J., Crawford, D.J., Stuessy T.F., October 2015. Juan Fernandez Archipelago, a natural laboratory for studies of anagenesis and cladogenesis. XXVI reunión de la Sociedad Botánica de Chile, Valparaíso, Chile. ・Oliva, N., Fuentes, G., López-Sepúlveda, P., Takayama, K., Greimler, J., Peñailillo, P., Crawford, D.J., Baeza, M., Ruiz, E., Kohl, G., Tremetsberger, K., Gatica, A., Letelier, L., Novoa, P., Novak, J., Stuessy T.F., October 2015. Assessment of genetic diversity in Nothomyrcia fernandeziana and Myrceugenia schulzei (Myrtaceae), endemics of Juan Fernández Archipelago, Chile. XXVI reunión de la Sociedad Botánica de Chile, Valparaíso, Chile,. ・Montoya, H., López-Sepúlveda P., Takayama, K., Greimler, J., Peñailillo, P., Crawford, D.J., Baeza, M., Ruiz, E., Kohl, G., Tremetsberger, K., Gatica, A., Letelier, L., Novoa, P., Novak, J., Stuessy T.F., October 2015. Genetic variability of Dysopsis hirsuta (Euphorbiaceae), endemic of Robinson Crusoe Island, Juan Fernandez Archipelago, Chile). XXVI reunión de la Sociedad Botánica de Chile, Valparaíso, Chile. ・高山浩司・山本崇・梶田忠,ソシエテ・マルケサス諸島における内陸性オオハ マボウの集団分化.第79回日本植物学会, 朱鷺メッセ:新潟コンベンションセ ンタ-,2015年9月. ・山本崇・津田吉晃・高山浩司・永嶋礼子・立石庸一・梶田忠,2015年9月. 汎熱 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 75 帯海流散布植物ハマアズキ(マメ科)の集団遺伝解析.第79回日本植物学会, 朱鷺メッセ:新潟コンベンションセンタ-. ・番場大・中田さゆり・青木誠志郎・高山浩司・Farfan J.N.・宮正樹・伊藤元 己・梶田忠,2015年9月. 汎熱帯海流散布植物マメ科植物に共生する根粒菌.第 79回日本植物学会, 朱鷺メッセ:新潟コンベンションセンタ-. ・Mori, G., Francisco, P.M., De Souza, A.P., Takayama, K., Matsumoto, Y., Suyama, Y., Kajita T., Zucchi, M.I., 2015年9月. Genetic diversity of New World Red Mangrove revealed by molecular data. 第79回日本植物学会, 朱鷺メッセ: 新潟コンベンションセンタ-. ・Lopez Sepúlveda, P., Takayama, K., Greimler, J., Peñailillo, P., Crawford, D.J., Baeza, M., Ruiz, E., Kohl, G., Tremetsberger, K., Gatica, A., Letelier, L., Novoa, P., Novak, J., Stuessy, T.F., July 2015. Speciation and biogeography of Rhaphithamnus venustus (Verbenaceae) in the Juan Fernandez archipelago, Chile: a perspective from simple sequence repeat and AFLP markers. Botany 2015, Edmonton, Canada. ・Bamba, M., Nakata, S., Aoki, S., Takayama, K., Farfan J.N., Ito, M., Kajita, T., July 2015. Analysis of nodulating bacteria associated with pantropical legumes with sea-drifed seeds.Botany 2015, Edmonton, Canada. エ 招待講演(国内) ・高山浩司, 2015年11月21日. 植物のアーキテクチャ いのちを繋ぐ種子のかた ち.東京大学総合研究博物館小石川分館. ・高山浩司, 2015年11月16日. 汎熱帯海流散布植物の全球的系統地理 -大洋を越 えた種子散布と種分化-.第10回森林環境科学セミナー,東京農工大学. ・高山浩司, 2015年11月15日. フィールド科学に国境は無い.静岡サイエンスス クール・オータムプログラム2015, 静岡大学. ・高山浩司,2015年11月6日. 汎熱帯海流散布植物の全球的系統地理.首都大学東 京バイオカンファレンス. ・高山浩司, 2015年8月26日. 植物の教室.東大教室2015夏, インターメディアテ ク. キ 一般講演 ・なし ク 授業 ・高山浩司,系統分類学概論General Taxonomy.首都大学東京8コマ. ・高山浩司,植物野外実習.東京大学集中講義. ・高山浩司,植物野外実習.東京学芸大学集中講義. ・高山浩司,生物構造機能学.東京農工大学5コマ. 76 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 ケ 社会的活動 ア 委員・役員 ・なし イ 非常勤講師・客員教員等 ・非常勤講師,首都大学東京,2015年4月1日~2015年8月31日. ・非常勤講師,東京大学,2015年4月1日~2015年8月31日. ・非常勤講師,東京学芸大学,2015年4月1日~2015年8月31日. ・非常勤講師,東京農工大学,2015年9月1日~2016年3月31日. ・客員准教授,静岡大学,2015年4月1日~2016年3月31日. ウ 査読 ・14件 エ 学術交流・研究会の開催 ・日本学術振興会二国間交流事業オープンパートナーシップ共同研究,チリ共和 国共同研究,国立自然史博物館・国立植物園・コンセプション大学, 2015年8 月30日~2015年9月6日. オ 他施設・団体への協力と県民からの問い合わせへの対応 ・静岡市登呂博物館「企画展 登呂の食事情~もっと知りたい登呂ごはん~」 2016年1月16日~2016年5月29日. ・東京大学総合研究博物館小石川分館,建築博物誌/アーキテクトニカ常設展 2015年11月21日~未定. ・県民からの問い合わせへの対応:25件 コ テレビ・ラジオ・新聞等への出演 ・FM-Hi!,「昼ラジ!静岡情報館」, 2016年1月25日 午後12:10-12:20,「ふじのくに地球 環境史ミュージアムの開館」,スタジオゲスト. サ 海外学術調査 ・チリ学術調査, 2015年7月30日-8月6日 ■ 日下宗一郎(くさか そういちろう) 主任研究員 ア 著書(編著・単著) ・なし イ 論文 ・日下宗一郎・佐宗亜衣子・米田穣, 2015. 縄文時代の國府・伊川津遺跡から出土 した人骨の放射性炭素年代測定と炭素・窒素安定同位体分析. Anthropological Science (Japanese Series). 123, 31–40.(査読有) ・Kusaka, S., Uno, K.T., Nakano, T., Nakatsukasa, M., Cerling, T.E., 2015. Carbon Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 77 isotope ratios of human tooth enamel record the evidence of terrestrial resource consumption during the Jomon period, Japan. American Journal of Physical Anthropology. 158 (2), 300–311.(査読有) ・Mbua, E., Kusaka, S., Kunimatsu, Y., Geraads, D., Sawada, Y., Brown, F.H., Sakai, T., Boisserie, J.-R., Saneyoshi, M., Omuombo, C., Muteti, S., Hirata, T., Hayashida, A., Iwano, H., Danhara, T., Bobe, R., Jicha, B., Nakatsukasa, M., 2016. Kantis: A new Australopithecus site on the shoulders of the Rift Valley near Nairobi, Kenya. Journal of Human Evolution. 94, 28–44.(査読有) ウ 報告書等 ・日下宗一郎, 2015.「相国寺旧境内から出土した人骨および動物骨の安定同位体分 析」同志社大学歴史資料館編『同志社大学歴史資料館調査研究報告第13集 相国 寺旧境内発掘調査報告書 今出川キャンパス整備に伴う発掘調査(第4次~第6次) (本文編)』178–182頁.(査読無) エ その他の執筆 ・日下宗一郎,2015.新入会館園紹介(平成27年度)ふじのくに地球環境史ミュー ジアム.博物館研究. 50 (11) 51.(査読無) ・日下宗一郎,2016.ミュージアム研究員紹介.自然史しずおか 52, 12.(査読無) オ 新聞記事執筆 ・なし カ 学会講演 ア 国際学会 ・なし イ 招待講演(国際) ・なし ウ 国内学会 ・日下宗一郎・米田穣・山田康弘,2015年10月10日-10月12日.稲荷山貝塚より 出土した縄文時代人骨の放射性炭素年代測定.第69回日本人類学会大会,産業 技術総合研究所臨海副都心センター(東京都江東区). ・日下宗一郎.2015年12月25日.古人骨の骨と歯の炭素・窒素同位体分析による 古食性の復元,第5回 同位体環境学シンポジウム,総合地球環境学研究所(京 都府京都市). ・Onoue, T., Shirouzu, H, Michalik, J., Yamashita, D., Kusaka, S., 22-25, June, 2015. Carbon and oxygen isotope record from the Rhaetian interval at the Kardolína section, Slovakia. 31st IAS Meeting of Sedimentology, Poland. ・日下宗一郎・Kevin T. Uno・中野孝教・中務真人・Thure E. Cerling.2015 年 5月24日-5月28日. 縄文時代人骨の歯のエナメル質を用いた炭素同位体分析. 78 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 日本地球惑星科学連合2015年大会,幕張メッセ,千葉県. エ 招待講演(国内) ・日下宗一郎, 2015年8月21日.昔の人の骨を化学分析する面白さ.静岡サイエ ンススクール-サイエンス・サマープログラム2015.静岡大学理学部. ・日下宗一郎, 2016年2月27日.登呂の食について ―もっと知りたい!弥生の 食―.静岡市登呂博物館,1階登呂交流ホール. キ 一般講演 ・なし ク 授業 ・日下宗一郎, 2015年10月3日.富士山の自然と社会(富士山周辺の自然人類学). 平成27年度ふじのくに地域大学コンソーシアム単位互換短期集中事業(静岡県立 大学)1コマ. ケ 社会的活動 ア 委員・役員 ・なし イ 非常勤講師・客員教員等 ・なし ウ 査読 ・3件 エ 学術交流・研究会の開催 ・なし オ 他施設・団体への協力と県民からの問い合わせへの対応 ・静岡市登呂博物館「企画展 登呂の食事情~もっと知りたい登呂ごはん~」 2016年1月16日~2016年5月29日. コ テレビ・ラジオ・新聞等への出演 ・日下宗一郎, 2016年3月21日. 「こんにちは県庁です ふじのくに地球環境史 ミュージアムの開館」SBS静岡放送ラジオ. ・日下宗一郎,2016年3月24日.「ふじのくに地球環境史ミュージアムの開館」静岡 第一テレビ,news every. しずおか. ・日下宗一郎,2016年3月24日.「ふじのくに地球環境史ミュージアムの開館」テレ ビ静岡,しずおか!てっぺんアワー・みんなのニュースしずおか. ・2016年3月24日. 「 「大地溝帯」以東で猿人化石 アフリカ、高い環境適応力」,共 同 通 信.(Mbua et al., 2016の 研 究 紹 介, ほ か に 国 内 新 聞・Web等19件, 海 外 Web13件). サ 海外学術調査 ・なし Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 79 5 展示・情報発信 ⑴ 常設展示 研究員6名と教育職2名が中心となって、10室に及ぶ常設展示製作を行った。展示設計 と施工は株式会社丹青社である。平成27年5月から工事を開始し、平成28年2月に完了し た。展示工事費は約173百万円である。展示物は、約30万点の収蔵標本の中から、約3000 点を展示に用いた。 ふじのくに地球環境史ミュージアムの常設展示は、考えることで気づく驚きや発見を大 切にした「 “思考を拓く”ミュージアム」がコンセプトである。美術館で作品を鑑賞する ように、まずは展示とじっくり向き合い、考えを巡らせながら見ていただきたいという想 いから、解説文は極力少なく、展示ラベルの大きさも控えめにした。わからないことや疑 問に思うことは、スタッフに尋ねていただき、話し合いながら考えて生まれる新たな驚き や発見を大切にしている。そして、思考を拓いて、来館者一人一人が自分なりの答えを探 ることを目的としている。 ア 常設展示室 展示室1【地球環境史との出会い】[無料] 地球環境史とは何か? 遺されたわずかな証拠から、人と環境の歴史をひも解き、私たち 人類の未来を考える。 展示室2【ふじのくにのすがた】[無料] 自然が生み出すさまざまな事物は脅威や恵みとなり、私たちの日 常に深く関わりあっている。ここではふじのくに静岡のすがたが わかる。 展示室3【ふじのくにの海】 水深2,400mを超す日本一深い駿河湾や506kmもの海岸線を持つ静 岡県の沿岸には、多種多様な水生生物がすみ、私たちに豊かな海 の幸をもたらしてくれる。 展示室4【ふじのくにの大地】 複雑な地形や日本一の標高差を持つ静岡の大地に育まれた生物た ちは、 「食う-食われる」の食物網を通じて、私たちに豊かな生 物多様性の恵みをもたらしてくれる。 80 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 展示室5【ふじのくにの環境史】 人が静岡に暮らし始めた旧石器時代から現代まで、それぞれの時 代の人の暮らしぶりや自然環境の変化の歴史がわかる。 展示室6【ふじのくにの成り立ち】 富士山や南アルプスから駿河湾までの標高差6,000mを超える静 岡の地形環境はいかにしてつくられたのか。岩石や鉱石、化石か らその成り立ちがわかる。 展示室7【ふじのくにの生物多様性】 高山から深海まで、豊かで変化に富んだ自然環境を持つ静岡には 多種多様な生物がくらしている。ここでは標本の展示を通じて静 岡の生物多様性がわかる。 展示室8【生命のかたち】 脊椎動物は背骨をもつという特徴を共有している。ここでは長い 進化の過程で自然界を生き抜いてきた様々な脊椎動物の骨のデザ インを知ることができる。 展示室9【ふじのくにと地球】 知恵と技術を発達させた人類は、現代では地球環境に大きな負荷 を与えている。ここではインタープリター(展示交流員)ととも に地球環境リスクを知り、自然との共生を考える。 展示室10【ふじのくにと未来】 人が心豊かに暮らすにはどうしたら良いか。身近な自然や歴史な どから学び、 「百年後の静岡が豊かであるために」私たち一人一 人ができることを考える。 [地球史の旅] 地球が誕生して46億年。この間、生命は進化と絶滅を繰り返し、 現在では150万種の生物種が確認されている。この地球と生命の 歴史を順路に沿って体験する。 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 81 イ 企画展示室 企画展示室1、企画展示室2 特定のテーマをより深く掘り下げて紹介する期間限定展示を行 う。平成28年3月26日~6月15日にかけて企画展示室1には、 ミュージアムキャラバン「化石の世界」と「昆虫の世界」を展示 した。企画展示室2には、小中学校や県内施設で行った出前講座 の感想ポスターを展示した。 ウ 講座室 講座室A~E 普段見ることのできないミュージアムの舞台裏である昆虫や植物 などの標本を作製・整理する様子を見学できる。また、各種講座 を開催している。 エ その他 図鑑カフェ[無料] 「ゆっくりしながら 図鑑を愛でる 生物のデザインに驚き 知識を 増やす」をコンセプトに、たくさんの図鑑を読むことができる。 窓からは駿河湾や南アルプスを眺めることができる。 キッズルーム[無料] 「木のおもちゃを通して自然への発見・驚き・興味を創造する」を テーマにした、子どもが保護者と共に安心して遊べる空間である。 講堂 ミュージアム主催の各種講座、イベント,研修会の会場として使 用する。 学校記念室 静岡南高校同窓会の協力により、ジオラマ、航空写真、校旗、年 表など学校当時の記念の品が展示されている。 82 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 オ ミュージアムインタープリターについて 展示室9と10においては、ミュージアムインタープリター(展示交流員)が対話形式で 解説を行っている。現在人類が引き起こしている地球環境リスクと、それを解決する可能 性のあるネイチャーテクノロジーについて説明している。最後にミュージアムの活動テー マについて解説し、未来カードへメッセージを書いていただいている。この対話型展示を 「地球家族会議」と呼び、原則、平日は1日4回、休日は1日6回20分間程度の解説を行っ ている。この展示解説はミュージアムの研究員が行うこともある。この毎日開催される地 球家族会議は、全国の博物館の中でも先進的な取組である。 インタープリター登録者名簿 氏 名 海 野 徑 坂 田 尚 子 出 口 桂 中 澤 進 西 林 秀 晃 望 月 彩 子 日江井 香弥子 山 根 真智子 山 本 由紀子 地球家族会議の風景 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 83 カ 常設展示の企画、設計、施工等にあたって 常設展示製作の企画、設計、施工は株式会社丹青社である。展示製作に不慣れな研究員 と一緒に、展示製作に対して大変なご尽力をいただいた。お名前を挙げれば切りが無いほ ど多くの方々にご協力いただいたが、何度もミュージアムに足を運んでいただいた主要な メンバーの方々は下記のとおりである。 担 当 常設展示企画 ・ 設計 ・ 施工 氏 名 加藤 剛(株式会社丹青社) 藤田雅一(株式会社丹青社) 澤畠寿成(株式会社丹青社) 倉持昌幸(株式会社丹青社) 平島 亘(株式会社丹青社) 福本雅之(株式会社丹青社) 石河孝浩(株式会社丹青社) 篠原宏一(株式会社丹青社) 山田晃裕(株式会社丹青社) VI・ サイン ・ 展示グラフィック 前田 豊(氏デザイン株式会社) 大場智博(氏デザイン株式会社) キ サービススタッフについて フロントヤードでは、委託職員がサービススタッフとして受付や館内案内、展示解説、 及び監視等の来館者対応を行っている。これは、株式会社ベルキャリエールに業務委託し ている。平日には10名、休日などの繁忙期には14名が勤務している。 ⑵ 他機関との連携 NPO法人静岡県自然史博物館ネットワークとは、収集保管や教育普及の委託事業を通 じて日常的に連携を行った。学芸員単位取得のための博物館実習生を静岡大学より受け入 れた。また、静岡市立登呂博物館の企画展「登呂の食事情-米だけじゃない!弥生の食べ もの-(平成28年1月16日から5月29日)」へ展示物の貸し出しなどの協力を行った。 84 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 ⑶ 広報 ア 広報戦略 平成27年度末の開館に向けて、県民及び県外の潜在顧客層をターゲットに館の認知度を 高め、開館直後の来観者数を確保することを目標とした。 広報を行う上でのターゲットは、県立博物館であり公の施設であることから、「幅広い 世代の一般県民」であるが、メインターゲットを「20代~40代の女性」と設定した。この 世代の顧客層は、労働形態や同居世帯の状況が多様で、配偶者や子ども、友人や親世代を 伴って複数人で外出することが多く、SNS等を用いた口コミの情報発信能力が高いこと から、結果として幅広い世代の集客に繋がる可能性が高いと判断した。一方、多くの自然 系博物館の来観者において、この「20代~40代の女性」の占める割合は必ずしも高くない ことから、この世代の興味・関心を高めるための戦略を立案・実施した。 具体的な手法としては、V.I(ヴィジュアルアイデンティティ)を用いた事業展開及 び広報物の作成である。これまでの一般的な自然系博物館のイメージを一新し、シンプル で洗練された展示と広報物を製作した。 また、特に、開館日が決定した平成27年12月下旬から年度末にかけて、県広報課と連携 し、新聞広告やテレビコマーシャルなどの有料広告を掲出することで、一般県民向けの認 知度を大幅に高めることとした。 イ 広報成果 種類 時 期 内 容 規格等 印刷物 街頭広告 平成27年6月~11月 ・開館告知リーフレット A4:20,000枚 平成27年12月 ・開館日告知リーフレット A4:200,000枚/4種類 平成27年12月 ・開館日告知ポスター B2:2,000枚 ・館内案内 A4版3つ折:50,000枚 ・館内案内多言語版 A4版3つ折:各2,000枚 (英語、中国語簡体、繁体、韓国語) ・ニュースレター1~3号 A3二つ折:各20,000部 県広報媒体の利用 平成28年1月~3月 平成28年1月~3月 平成28年2月~3月 平成28年2月~3月 ・県庁本館前看板 ・静岡駅地下通路 ・ミュージアム前 ・都道府県会館ギャラリー 平成28年2月15日 平成28年2月27日 平成28年2月27日 平成28年3月31日 平成28年3月13日 平成28年3月20日 平成28年3月20日 平成28年3月21日 平成28年3月28日 ・アトリエふじのくに春号 ・県民だより3月号 ・県民だより4月号 ・ふじのくに24号 ・県広報課製作番組 La・ぶらり静岡 ・しずおかイブニングメッセージ ・こんにちは県庁です ・こんにちは県庁です 見開き特集 巻頭バナー 見開き特集、巻頭バナー 見開き特集 静岡第一テレビ 21:54~22:00放送 K-mixラジオ SBSラジオ SBSラジオ Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 85 時 期 WEB 種類 内 容 規格等 プレスリリース イベント 県広報課等負担による 有償広告 平成26年8月~ 平成26年12月~ 平成28年3月~ ・Facebook ・twitter ・ホームページ 918いいね、4,496ビュー 414フォロワー 3,724アクセス 平成27年5月25日 平成27年8月7日 平成27年11月2日 平成27年12月3日 平成27年12月21日 平成27年12月25日 平成28年3月15日 平成28年3月15日 ミュージアムキャラバン始動 夏休みミュージアムキャラバン 活動紹介 ミュージアムサポーター募集 開館日決定 新春出前講座in富士川楽座 報道内覧・開館記念式典 開館記念イベント御案内 静岡 静岡、中日、朝日 静岡 中日 静岡 中日、朝日、静岡 富士ニュース 静岡、産経、読売、毎日、 日経、中日、NHK、SBS、 第一TV、テレビ静岡、静 岡朝日テレビ 平成27年6月~ 移動ミュージアム・出前講座 平成27年11月 平成28年3月13日 平成28年3月20日 平成28年3月24日 平成28年3月25日 平成28年3月26,27日 大谷学区住民説明会 資料寄贈者向け内覧会 静岡南高校同窓会向け内覧会 大谷学区及び報道機関内覧会 開館記念式典・内覧会 開館記念イベント キ ャ ラ バ ン27か 所、 ミ ニ 博 物 館15か 所、 出 前 講 座 27か所 平成28年 3月1日~31日 平成28年1月1日 平成28年1月12日 平成28年2月17日 平成28年2月23日 平成28年2月23日 平成28年2月23日 テレビCM(15秒、58回放送) テレビ静岡、静岡第一TV 毎日新聞広告 公明新聞広告 読売新聞広告 静岡新聞広告 中日新聞広告 毎日新聞広告、無償パブ記事 平成28年2月26日 平成28年3月25日 平成28年3月26日 スポーツニッポン 朝日新聞広告特集 静岡新聞対談記事、広告 全5段モノクロ 全5段モノクロ 1面突き出しカラー 全5段カラー 全7段カラー 全5段カラー、全2段相 当記事 全1段相当モノクロ 全5段モノクロ 見開き2面カラー対談記事 ウ マスコミ掲載実績 ア 新聞 平成27年 4月6日 2 平成27年 4月20日 掲載面 静岡新聞 朝刊 特集面 静岡新聞 朝刊 特集面 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 内 容 発行元 標本万歳 静岡県の自然環境史⑬ 静岡新聞社 標本万歳 静岡県の自然環境史⑭ 静岡新聞社 記事 1 媒体名 記事 日 付 種別 86 № 内 容 平成27年 8月24日 12 河北新報 平成27年 日本神話と長江文明 8月31日 朝刊 読書・文化 (書評) 13 平成27年 9月7日 日刊工業新聞 14 平成27年 9月20日 沼津朝日 15 平成27年 10月20日 伊豆新聞下田 16 平成27年 11月13日 17 平成27年 12月22日 朝刊 静岡 18 平成27年 12月22日 朝刊 県内総合 19 平成27年 12月22日 20 平成28年 1月1日 朝刊 地域中 静岡新聞 朝刊 西部版 BOOKS 静岡新聞社 県内の海の化石を紹介 静岡新聞社 県西部の児童ら 水生生物を観察 静岡新聞社 日本神話と長江文明 (書評) 地球環境史ミュージアム 移動巡回展 1面 朝刊 3ページ サソリモドキ発見 中日新聞 「こんな虫捕まえたい」 朝刊 浜松市民 都田南小世界の昆虫標本展示 朝日新聞 中日新聞 静岡新聞 朝刊 地域東 毎日新聞 朝刊 広告 河北新聞社 日刊工業新聞 社 沼津朝日新聞 社 伊豆新聞 中日新聞社 開館日決まる 来年3月26日 朝日新聞社 3月26日に開館 中日新聞社 400種の昆虫を展示 静岡新聞社 この春、静岡に 県立博物館が誕生! 毎日新聞社 広告 11 静岡新聞 世界や県内に生息の 昆虫標本1000体展示 記事 平成27年 8月14日 朝刊 地域中 中日新聞社 記事 10 静岡新聞 佐鳴湖 天竜川と遠州灘の造形 記事 平成27年 7月31日 朝刊 西部版 朝日新聞社 記事 9 中日新聞 小中21校で巡回展 県の新博物館 記事 平成27年 6月11日 朝刊 静岡 静岡新聞社 記事 8 朝日新聞 大谷小に移動博物館 記事 平成27年 6月9日 朝刊 地域中 静岡新聞社 記事 7 静岡新聞 ミニ博物館県内巡回 記事 平成27年 6月9日 朝刊 県内総合 静岡新聞社 記事 6 静岡新聞 標本万歳 静岡県の自然環境史⑯ 記事 平成27年 5月26日 朝刊 特集面 記事 5 静岡新聞 静岡新聞社 記事 平成27年 5月11日 朝刊 特集面 標本万歳 静岡県の自然環境史⑮ 記事 4 静岡新聞 記事 平成27年 5月4日 発行元 記事 3 掲載面 記事 日 付 種別 媒体名 № Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 87 平成28年 1月3日 22 平成28年 1月23日 富士宮版 5面 静岡新聞 朝刊 県内政治 静岡新聞 朝刊 読者のページ 中日新聞 30 平成28年 2月21日 朝刊 地域中 31 平成28年 2月23日 朝刊 全面広告 32 平成28年 2月23日 33 平成28年 2月23日 34 平成28年 3月4日 35 平成28年 3月4日 朝刊 地域東 36 平成28年 3月5日 朝刊 県内版 37 平成28年 3月5日 38 平成28年 3月5日 中日新聞 朝刊 県内総合 静岡新聞 中日新聞 毎日新聞 朝刊 企画特集 静岡新聞 朝刊 特集 静岡新聞 朝刊 地域中 静岡新聞 中日新聞 静岡新聞 朝刊 県内総合 熱海新聞 朝刊 1面 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 伊豆新聞 ミュージアム開館告知 読売新聞社 県内昆虫と哺乳類 空港 中日新聞社 静岡空港でパネル展 静岡新聞社 全国初の 地球環境史ミュージアム誕生 中日新聞社 全国初の 地球環境史ミュージアム誕生 毎日新聞社 全国初の 地球環境史ミュージアム誕生 静岡新聞社 自然系博物館が 熱海中で特別授業 静岡新聞社 伊豆半島を知ろう 熱海中で特別授業 静岡新聞社 1日に8往復路線バス運行 中日新聞社 新博物館「大化けの可能性」 静岡新聞社 地球はロマンいっぱい 熱海新聞社 記事 平成28年 2月20日 下田中に化石標本200点 記事 29 夕刊 1面 静岡新聞社 記事 読売新聞 朝刊 県内生息チョウの標本250点 記事 平成28年 2月17日 静岡新聞 朝刊 地域中 静岡新聞社 記事 28 3月開館の博物館 「サポーター」募集 朝刊 県内総合 広告 伊豆新聞 静岡新聞 広告 平成28年 2月5日 中日新聞社 広告 27 1億年 化石の手触り 記事 平成28年 2月6日 静岡新聞社 記事 26 県立博物館に期待が膨らむ 広告 平成28年 1月28日 静岡新聞社 記事 25 朝刊 県内総合 地球環境史ミュージアム 3月26日開館 記事 平成28年 1月27日 富士ニュース 記事 24 地球環境史の博物館 静岡市に3月オープン 発行元 記事 88 富士ニュース 内 容 記事 平成28年 23 1月26日 掲載面 記事 21 媒体名 記事 日 付 種別 № 39 平成28年 3月5日 43 平成28年 3月25日 44 平成28年 3月25日 48 平成28年 3月26日 49 平成28年 3月27日 平成28年 3月29日 53 平成28年 3月30日 朝刊39面 静岡経済 毎日新聞 朝刊26面 静岡 読売新聞 朝刊32面 地域 中日新聞 朝刊22面 地域 静岡新聞 「地球環境史」静岡から発信 県立初の自然系博物館 今日開業 日経新聞社 県内初の自然系博物館 静岡できょう開館 日経新聞社 地球環境史学べる博物館 きょうオープン 日経新聞社 見て、考え学べる博物館 日経新聞社 人と自然の関わり紹介 「地球環境史」博物館が開館 朝刊26面 県内総合 静岡新聞社 静岡新聞社 静岡新聞 日曜別冊6.7面 こどもかがく 新聞 学校が博物館に衣替え 静岡新聞社 静岡新聞 しずおか地球環境史① 海 静岡新聞社 しずおか地球環境史② 大地 静岡新聞社 おはよう 安田喜憲さん 中日新聞社 夕刊2面 社会 静岡新聞 夕刊2面 社会 中日新聞 朝刊26面 静岡版 記事 52 日経新聞 静岡新聞社 記事 平成28年 3月28日 静岡新聞 夕刊2面 社会 あす開館、住民ら内覧 記事 51 朝刊25面 県内総合 静岡新聞社 記事 平成28年 50 3月27日 静岡新聞 大自在 記事 平成28年 3月26日 朝刊 1面 産経新聞社 記事 47 静岡新聞 初の県立博物館オープン 記事 平成28年 3月26日 朝刊27面 静岡 静岡新聞社 記事 46 産経新聞 自然を学び、遊ぶ 県中部の春のおすすめ 記事 平成28年 45 3月26日 別冊 春の観光 レジャー特集 記事 平成28年 3月25日 静岡新聞 静岡新聞社 記事 42 朝刊 県内総合 地球環境博物館展示面の 制約は 記事 平成28年 3月25日 静岡新聞 発行元 記事 41 内 容 掲載面 記事 平成28年 40 3月11日 媒体名 記事 日 付 種別 № Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 89 平成28年 3月30日 55 平成28年 3月31日 内 容 掲載面 静岡新聞 夕刊2面 社会 静岡新聞 夕刊2面 社会 発行元 しずおか地球環境史③ 環境史 静岡新聞社 しずおか地球環境史④ 生物多様性 静岡新聞社 記事 54 媒体名 記事 日 付 種別 № イ 雑誌・フリーペーパー 3 平成28年 1月24日 県議会だより 4 平成28年 3月1日 FDA機内誌 5 平成28年 3月20日 BARATEE 博物館研究 新入会館園紹介 1.4 9 ぎょうせい 新入会館園紹介 日本博物館協会 ミュージアムの設置、管理 及び使用料に関する条例 静岡県 新ミュージアムの見どころ フジドリーム エアライン 3月26日OPEN! ふじのくに地球環境史 ミュージアム サンクデザイン オフィス 記事 平成27年 10月25日 DATABANK ミュージアム キャラバン事業 記事 2 月刊ガバナンス 9月号 記事 平成27年 9月1日 発行元 記事 1 内 容 掲載面 雑誌 日 付 種別 媒体名 № ウ テレビ・ラジオ 3 平成28年 1月4日 イブアイしずおか(テレビ) 4 平成28年 1月25日 ひるラジ静岡情報館 5 平成28年 2月1日 モーニングパル(ラジオ) ミュージアムとはなにか? 昆虫展(富士川楽座)紹介 ミュージアムとはなにか? ミュージアムとはなにか? |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 マリンパル清水 SBS FM-Hi マリンパル清水 取材 モーニングカフェ(ラジオ) 静岡朝日テレビ 取材 平成27年 12月14日 海を渡る蝶が静岡に!?NPO高橋真弓氏、 岸本准教授出演 取材 2 とびっきり!しずおか 取材 1 平成27年 10月15日 放送局 内 容 取材 日 付 種別 90 番組名 № 放送局 平成28年 3月15日 たっぷりしずおか 8 平成28年 3月21日 イブアイしずおか(テレビ) 9 平成28年 3月23日 たっぷりしずおか 10 平成28年 3月24日 NHK ニュース 11 平成28年 3月24日 new every しずおか 12 平成28年 3月25日 てっぺん静岡 13 平成28年 3月25日 とびっきり!しずおか 14 平成28年 3月25日 とびっきり!しずおか(ニュース) 取材 NHK 取材 NPO副理事長 三宅隆氏出演 SBS 取材 近く開館!県立の博物館がすごい NHK 取材 開館告知(生中継) NHK 県立博物館 静岡市に完成 静岡第一テレビ 内覧会の様子を取材 テレビ静岡 あすOPEN!!新施設のみどころ 静岡朝日テレビ あすオープン!初の県立博物館 廃校の校舎を活用 県立博物館 あす開館 静岡朝日テレビ 取材 7 マリンパル清水 るくる長澤館長との対談 取材 ワープ・ワープ・ワープ 取材 平成28年 3月3日 取材 6 内 容 取材 日 付 種別 番組名 № エ ウェブ № 日 付 サイト名 掲載面 IJAMP 1 平成27年 6月25日 2 平成28年 1月26日 アットエス 3 平成28年 2月19日 るるぶ .com 4 平成28年 3月22日 まっぷるガイド 都道府県ニュース 内 容 運営会社 種 別 博物館が小学校で 出張展示 時事通信社 イベント情報 施設情報 静岡新聞社 イベント情報 観光情報 静岡新聞社 イベント情報 ニューオープン 情報 昭文社 イベント情報 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 91 ⑷ 観覧者状況、ホームページアクセス実績 ア 来館者実績 開館後の来館者実績は下記のとおりである。 603 122 3 合 計 93 無料ゾーン入館者・ 再入館者等 125 招待者 1,067 その他 0 70 歳以上 1,997 団体 大学生・専門学生 5 中学生・高校生 個人 3月 未就学児・小学生 開館日数 月 一般 1,799 5,809 イ ホームページアクセス実績 平成28年3月21日に当館のホームページを開設した。3月31日までのアクセス数は7,324 アクセスだった。 アドレス https://www.fujimu100.jp トップページ 92 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 6 収集保管 ⑴ 資料概況 当館の博物館資料は、静岡県が平成15年度から、NPO法人静岡県自然史博物館ネット ワークに整理・保存事業を委託し収集整理が行われてきたものである。収蔵室への搬入済 み資料の総数は30万点を超えるが、その詳細は現在調査中であり、順次整理登録作業を行っ ている。今年度も引き続きNPO法人静岡県自然史博物館ネットワークに整理・保存事業 を委託した。 ア 収蔵資料登録実績 今年度は昆虫標本13,519点(うち、木暮翠氏昆虫標本5,866点、小澤至氏昆虫標本7,653点)、 植物標本10,384点(うち、杉本順一氏植物(シダ)標本1,384点、杉本順一氏植物(種子植物) 標本9,000点)の登録を行った。平成28年3月31日現在の収蔵資料の登録実績を表に示す。 登録済みの資料数は全分野を通じて200,759点である。 分 野 平成26年度まで の登録数 平成27年度の 登録数 合 計 植物 57,176 10,384 67,560 藻類 2,154 0 2,154 菌類・地衣類 0 0 0 四肢動物 0 0 0 魚類 3,120 0 3,120 昆虫 74,677 13,519 88,196 その他動物 10,735 0 10,735 化石・岩石等 28,994 0 28,994 176,856 23,903 200,759 合計 イ 登録作業者 主に登録作業を行ったのは、下表のNPO法人静岡県自然史博物館ネットワークのメン バーである。 名 前 専 門 三 宅 隆 哺 乳 類 ・ 鳥 類 佐々木 彰 央 哺 乳 類・ 両 生 類・ 爬 虫 類 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 93 名 前 専 門 髙 田 歩 哺乳類・節足動物(昆虫以外) 山 本 幸 介 哺 板 井 隆 彦 魚 類 岸 本 浩 和 魚 類 髙 見 宗 広 魚 諏 訪 哲 夫 昆 虫 清 邦 彦 昆 虫 高 橋 真 弓 昆 虫 池 谷 正 昆 虫 杉 本 武 昆 虫 鈴 木 英 文 昆 虫 平 井 克 男 昆 虫 平 井 剛 夫 昆 虫 福 井 順 治 昆 虫 石 川 智 美 貝 類 髙 山 壽 彦 貝 類 今 泉 久 洋 棘 杉 野 孝 雄 植 物 湯 浅 保 雄 植 物 髙 山 達 子 植 物 榊 原 英 幸 植 物 横 山 謙 二 化 宮 澤 市 郎 化 乳 類 ・ ウ 購入資料 ・哺乳類 ニホンザル他日本産哺乳類剥製 18点 ・鳥類 アオバト剥製 オスメス各1点 ・爬虫類 シマヘビ剥製 1点 ・両生類 モリアオガエル剥製、アズマヒキガエル剥製 各1点 94 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 甲 皮 石 類 殻 動 ・ 岩 類 物 石 石 ・魚類 ラブカ剥製、ギンザメ剥製 各1点 ・化石・岩石 ストロマトライト他 7点 エ 寄贈資料 寄贈を受けて受入手続の完了した資料に関して資料名、点数、寄贈者(敬称略)の順に 記した。これらの資料は今後,順次整理登録作業を行っていく。 ・四肢動物 日本産鳥類・哺乳類 17点(富士市役所) ・化石 モロッコ産アンモナイト及び直角貝1点(故池谷仙之・NPO法人静岡県自然史博物館 ネットワーク) 白亜紀~古第三紀貝化石1点(米村新作) 有度丘陵産貝化石6点(北村晃寿) パラフズリナ化石等13点(月光天文台地学資料館) 伊豆半島産貝化石等77点(小森浩二) ・岩石・堆積物・鉱物 岩石・鉱石標本 290点(村尾智) メノウ原石1点(米村新作) カキ殻石灰岩1点(山本敬一) ⑵ 図書資料収集状況 これまでに約6万点の図書資料が県民などからの寄贈を受け所蔵しており、順次整理・ 登録を進めている。今年度は10,460点の登録を行った。 図書整理・登録作業を行っていただいたのは、下表のNPO法人静岡県自然史博物館ネッ トワークのメンバーである。 氏 名 三 宅 飛 鳥 朝 倉 久美子 高 橋 英 明 片 井 信 之 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 95 7 教育普及 ⑴ 移動ミュージアム 東西に広い静岡県において、ミュージアムへ気軽に足を運べない地域が多くある中、博 物館が所蔵する資料標本等を県下各地に展示する「移動ミュージアム」を積極的に展開す ることで、多くの県民に博物館に接する機会を提供した。 平成27年度は、「ミュージアムキャラバン」と「ミニ博物館」を実施し、自然環境への 興味関心を高め、自然との共生スタイルの普及を図ることや、ミュージアム開館前の広報 を目的として実施した。 ア ミュージアムキャラバン ミュージアムキャラバンとは、館内にある標本の中からテーマを絞り、光の演出を取り 入れた移動型の特別展示ユニットを用いて、館外で巡回展示を行うものである。 平成27年度は、「昆虫」と「化石」をテーマとしたユニットを用いて、主に教育施設を 中心に展開した。実施状況は以下のとおりである。 ・実施施設数 「昆虫の世界」16施設、「化石の世界」10施設 ・来場者延べ人数 240,667人 96 場 所 テーマ 期 間 人数(名) 1 静岡市立大谷小学校 「昆虫の世界」 6月3日 ~ 6月10日 396 2 静岡市立清水辻小学校 「昆虫の世界」 6月12日 ~ 6月28日 401 3 焼津市立和田小学校 「昆虫の世界」 6月30日 ~ 7月8日 543 4 島田市立初倉小学校 「昆虫の世界」 7月10日 ~ 7月23日 326 5 道の駅 くるら戸田 「化石の世界」 7月23日 ~ 8月11日 13,970 6 牧之原市史料館 「昆虫の世界」 7月29日 ~ 8月9日 378 7 竜洋昆虫自然観察公園 「昆虫の世界」 8月11日 ~ 8月30日 7,103 8 静岡科学館る・く・る 「化石の世界」 8月12日 ~ 8月31日 38,899 9 南伊豆町立南伊豆東小学校 「昆虫の世界」 9月8日 ~ 9月16日 148 10 清水町立南中学校 「化石の世界」 9月12日 ~ 9月24日 351 11 南伊豆町立南上小学校 「昆虫の世界」 9月18日 ~ 10月4日 129 12 伊東市立西小学校 「昆虫の世界」 10月6日 ~ 10月14日 324 13 御殿場市立朝日小学校 「化石の世界」 10月8日 ~ 10月15日 431 14 伊豆市立土肥小学校 「昆虫の世界」 10月16日 ~ 10月29日 109 15 島田市立島田第二中学校 「化石の世界」 10月22日 ~ 11月3日 645 16 浜松市立都田南小学校 「昆虫の世界」 11月6日 ~ 11月17日 467 17 富士市立吉永第二小学校 「化石の世界」 11月12日 ~ 11月23日 159 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 場 所 テーマ 期 間 人数(名) 18 浜松市立水窪中学校 「昆虫の世界」 11月19日 ~ 11月29日 100 19 磐田市立豊田北部小学校 「化石の世界」 12月3日 ~ 12月13日 441 20 富士市立岩松北小学校 「昆虫の世界」 12月8日 ~ 12月20日 678 21 富士川楽座 「昆虫の世界」 12月22日 ~ 1月6日 170,283 22 松崎町立松崎小学校 「昆虫の世界」 1月13日 ~ 1月24日 250 23 牧之原市相良中学校 「化石の世界」 1月15日 ~ 1月28日 737 24 下田市立下田中学校 「化石の世界」 2月2日 ~ 2月11日 244 25 熱海市立熱海中学校 「化石の世界」 2月23日 ~ 3月3日 380 26 静岡科学館る・く・る 「昆虫の世界」 2月26日 ~ 2月28日 2,775 「昆虫の世界」の展示内容 ・日本の蝶(セセリチョウ、アゲハチョウなど 338点) ・日本の甲虫(コガネムシ、クワガタムシなど 318点) ・世界の蝶(アゲハチョウ、タテハチョウなど 167点) ・世界の甲虫(バッタ、ナナフシなど 120点) 「化石の世界」の展示内容 ・静岡県産の化石(巻貝、サメの歯など 41点) ・アンモナイト(異常まき化石、外国産化石など 137点) ・微化石(花粉や珪藻など 160点) ・掛川層群の化石(ダンベイキサゴ、オニフジツボなど 47点) ミュージアムキャラバン「化石の世界」 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 97 訪問先の生徒の感想文 98 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 イ ミニ博物館 ミニ博物館とは、標本箱を館外に持ち出し て展示し、パネル等で標本の解説を行うもの である。展示する地域の自然環境に特化し た標本等を選別して展示できる利点がある。 NPO法人静岡県自然史博物館ネットワーク に業務委託して行った。平成27年度の実施状 況は、以下のとおりである。 ・実施施設数 15施設 ミニ博物館 ・観覧者延べ人数 268,912人 場所 テーマ 1 富士山こどもの国 富士山の生き物たち 2 富士山樹空の森 外来生物と絶滅危惧種 3 富士山こどもの国 4 期間 人数 (名) 6月5日 ~ 7月1日 9,547 6月27日 ~ 7月12日 1,037 富士山の昆虫 7月3日 ~ 8月5日 33,604 富士山こどもの国 外来生物 8月7日 ~ 9月2日 51,258 5 静岡市立日本平動物園 静岡県の鳥類 8月12日 ~ 9月8日 43,928 6 富士山こどもの国 静岡県の哺乳類 7 沼津市千本プラザ 8 9月4日 ~ 9月27日 41,872 富士山の生き物、昆虫 9月19日 ~ 9月23日 2,786 静岡県立中央図書館 静岡県の哺乳類 10月1日 ~ 10月28日 17,469 9 富士山麓山の村 富士山の生き物 10月9日 ~ 11月1日 551 10 クラーク高校 静岡キャンパス 静岡県の哺乳類 11月3日 ~ 11月25日 258 11 富士山メッセ 富士市のシカとカモシカ展 11月28日 ~ 11月29日 7,500 12 静岡科学館る・く・る 静岡県の昆虫 13 静岡市民文化会館 1月9日 ~ 2月24日 22,116 昆虫・哺乳類展 1月14日 ~ 2月16日 31,764 14 富士山樹空の森 富士山の生き物 1月23日 ~ 2月22日 1,791 15 富士山静岡空港 静岡の生物パネル展 2月19日 ~ 2月29日 3,431 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 99 ⑵ 講座 ア 講座(出前講座) 県内の教育機関や企業、団体を対象にミュージアムの職員が訪問し、自然に関する講座 を行った。平成27年度は開館前ということもあり、可能な限り受け入れて実施した。実績 状況は以下のとおりである。 ・実施回数 27回(延べ31日) ・受講者数 延べ2,013名 場 所 1 三島市民文化会館 ミュージアムの活動について 講師:山田和芳准教授 6月3日 85 2 静岡市立大谷小学校 身近な足元の虫たち 講師:岸本年郎准教授 6月8日 109 3 静岡市立清水辻小学校 身近な足元の虫たち 講師:岸本年郎准教授 6月18日 47 4 焼津市立和田小学校 身近な足元の虫たち 講師:岸本年郎准教授 6月30日 72 5 静岡市立清水高部小学校 昆虫の不思議 講師:岸本年郎准教授 7月6日 82 6 吉田町小さな理科館 貝について 講師:三宅隆・佐々木彰央 7月18日 18 7 島田市立初倉小学校 身近な足元の虫たち 講師:岸本年郎准教授 7月22日 97 8 富士山こどもの国 7月26日 24 9 富士山こどもの国 こどもの国の虫たち 講師:岸本年郎准教授 8月1日 5 10 牧之原市史料館 身近な足元の虫たち 講師:岸本年郎准教授 8月2日 78 11 くるら戸田 化石の解説 講師:山田和芳准教授 8月9日 15 12 アクティー森 川の生き物を学ぼう 講師:渋川浩一准教授 8月22日 57 13 アクティー森 身近な植物を学ぼう 講師:高山浩司准教授 8月23日 23 14 竜洋昆虫自然観察公園 静岡県の昆虫 講師:岸本年郎准教授 8月30日 30 100 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 内 容 (NPO静岡県自然史博物館ネットワーク) 「水の国」にいる魚の観察 講師:佐々木彰央 (NPO静岡県自然史博物館ネットワーク) 開催日 人数 (名) 場 所 内 容 開催日 人数 (名) 15 南伊豆町立南伊豆東小学校 身近な足元の虫たち 講師:岸本年郎准教授 9月8日 51 16 南伊豆町立南上小学校 身近な足元の虫たち 講師:岸本年郎准教授 9月29日 49 17 伊東市立西小学校 身近な足元の虫たち 講師:岸本年郎准教授 10月6日 110 18 静岡県立中央図書館 静岡県の哺乳類 講師:佐々木彰央 10月11日 27 19 御殿場市立朝日小学校 地面の下には何があるのか 講師:山田和芳准教授 10月15日 67 20 浜松市立県居小学校 化石とは何か 講師:山本剛士主査 10月23日 12 21 牧之原市役所相良庁舎 萩間川の生物図鑑を作ろう 講師:渋川浩一准教授 11月14・15日 10 22 富士市立吉永第二小学校 地面の下には何があるのか 講師:山本剛士主査 11月17日 30 23 磐田市立豊田北部小学校 地面の下には何があるのか 講師:山田和芳准教授 12月8日 208 24 浜松市立浜松科学館 ちりめんモンスターを探そう 講師:佐々木彰央 12月12・13日 100 (NPO静岡県自然史博物館ネットワーク) (NPO静岡県自然史博物館ネットワーク) 25 富士川楽座 昆虫の世界について 講師:岸本年郎准教授 1月3日 43 26 牧之原市立相良中学校 牧之原台地と化石 講師:山田和芳准教授 山本剛士主査 1月20~22日 437 27 熱海市立熱海中学校 伊豆半島と化石 講師:山田和芳准教授 3月3日 127 イ イベント 3月25日から27日にかけて開館記念イベントを行った。 3月25日㈮ 開館記念式典 イベント名 時 間 場 所 人 数 1 SPACによる演劇公演 10:00~10:15 前庭 150名 2 静岡商業高校による 静岡茶呈茶サービス 9:00~10:00 10:30~13:00 前庭 講座室E 150名 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 101 3月26日㈯ 開館日 イベント名 時 間 場 所 人 数 受付 500名 1 開館記念品プレゼント 10:00~ 2 静岡商業高校による 静岡茶呈茶サービス 10:00~16:00 講座室E 1,000名 3 SPACによる演劇公演 11:00~11:15 前庭 150名 4 駿河総合高校和太鼓部演奏 13:00~13:30 前庭 150名 時 間 場 所 人 数 3月27日㈰ 開館2日目 イベント名 1 開館記念品プレゼント 10:00~ 受付 500名 2 静岡文化芸術大学による プレゼンテーション(※) 13:00~13:40 講堂 100名 3 開館記念講演<安田館長> 生きる力 14:00~14:40 講堂 100名 (※)静岡文化芸術大学 地域連携実践演習「ミュージアムデザイン」の発表 ⑶ 博物館実習 当館では、自然系分野を専攻し、学芸員資格を取得しようとする学生を、博物館実習生 として受け入れている。本年度は8月11日から9月11日にかけて、静岡大学理学部から12 名(地球科学科11名、生物科学科1名)の実習生を受け入れた。 初日に全体ガイダンスを行い、その後は4班に分かれて各々5日間の実習を行った。本 年度の実習では、収蔵品整理(図書、植物等)、標本作成(昆虫、魚等)、ミュージアムキャ ラバン支援(解説、搬入・撤去作業等)等を行った。 ⑷ ミュージアムサポーター活動 生涯学習の場としてのミュージアム機能の充実とミュージアムと地域の連携強化のた め、ミュージアムサポーター(ボランティア)制度を設立した。2回の研修会を受講した 79名をミュージアムサポーターとして正式に登録し、開館日から活動を始めた。 説明会 ・平成28年1月27日午前・午後、31日午前 実施回数 計3回 102 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 ・参加者数 約100名 研修会 ・第1回目 平成28年2月17日、21日 ・第2回目 平成28年2月24日、28日 ・参加者数 79名 活動内容 ・展示解説 ・館内案内 ・標本資料整理 ・団体対応 ・その他館内整備 ミュージアムサポーター名簿 氏 名 阿諏訪 元 成 岸 本 浩 和 竹 内 佐枝子 前 田 久留実 石 内 智 子 久保田 克 哉 谷 真愛子 牧 野 宏 美 石 川 愛 子 栗 山 由佳子 鶴 谷 律 子 松 川 満 嘉 石 川 新 黒 岩 恒 雄 出 口 桂 村 上 晋 弘 石 川 美智子 齊 藤 裕 美 中 川 龍 一 望 月 彩 子 伊 東 正 喜 斉 藤 正 年 西 川 直 宏 望 月 駿 伊 藤 祐 子 坂 井 南海夫 西 澤 奈緒子 望 月 英 雄 今 泉 孝 泰 榊 原 学 西 林 秀 晃 森 田 明 宏 今 原 佐和子 坂 茂 樹 袴 田 蒼 太 森 田 富士子 岩 橋 くるみ 佐 野 あや子 長谷川 望 山 田 圭 子 大 谷 実 来 佐 野 美 桜 原 田 洋 子 山 田 恵 子 大 村 雅 美 澤 美 玖 平 川 美 樹 山 田 信 廣 長 田 高 子 塩 澤 新一郎 廣 瀬 由 季 横 田 紘 一 落 合 康 彦 篠 崎 勇 深 澤 真寿己 吉 岡 一 枝 兼 子 知 行 清 水 智 保 崎 有 香 吉 村 剛 直 川 口 直 希 志 水 茉衣子 星 野 千香子 若 海 貴 宏 川 口 めぐみ 杉 山 葵 星 野 徳 仁 渡 邉 忍 河 西 哲 郎 鈴 木 爽 花 細 川 英 川 野 建 一 鈴 木 義 史 堀 池 美樹子 川 野 弘 美 駿 河 一 郎 堀 内 一 平 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 103 8 管理運営 ⑴ 事業内容 ア 調査研究 地域の自然環境を明らかにする調査研究を行い、地域の自然の歴史や環境の変化を把握 するとともに、調査研究活動により収集した資料の新たな価値を発見し、その価値を高め、 展示や教育、情報発信へ反映する。 また、調査研究の成果を国際的な学術誌等への論文発表や、著書などによる一般への普 及を前提に活動を行うなど、質の高い調査研究を推進する。 イ 収集保管 貴重な地域資産の滅失・散逸を防止するため、人類共有の財産である自然史、環境史に 関する資料やそれに関連する資料等を収集し、適切な環境で保管し、次世代に継承してい く。 ウ 教育普及 県民が自立して学ぶことができる生涯学習拠点づくりを推進するため、幼児から大人ま で世代に応じた体験講座等を開催する。 移動ミュージアムや野外での自然学習講座などのアウトリーチ活動を全県で展開する。 エ 展示・情報発信 “ふじのくに”の自然の実態や成り立ち、人と自然の関わりの歴史とその変化、郷土の 生物多様性、地球環境リスクなどを紹介するとともに、来館者と未来のあり方を考える常 設展示を開催する。また、ミュージアム単独の企画や外部機関との共催による企画展を計 画的に開催する。 ⑵ 組織図 館 長 (非常勤) 副館長 企画総務課長 課員3人 学芸課長 課員7人 平成27年度は 副館長が兼務 課 長 1人 主 査 3人 主 査 1人 准教授 5人 主任研究員 1人 館長を除いた職員数 計 12人 (その他非常勤職員) 104 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 職 名 人数 非常勤嘱託員 1人 職員名簿 役 職 氏 名 館 長(非常勤) 安 田 喜 憲 副 大 場 悟 館 長 ◎ 企 画 総 務 課 課 長 山 本 晃 弘 主 査 山 本 剛 士 主 査 荒 武 浩 司 主 査 山 下 浩 平 非 常 勤 嘱 託 員 ◎ 学 准 芸 青 木 真 理 子 課 教 主 授 渋 川 浩 一 査 小 室 桜 子 准 教 授 岸 本 年 郎 准 教 授 菅 原 大 助 准 教 授 山 田 和 芳 准 教 授 髙 山 浩 司 員 日 下 宗 一 郎 主 任 研 究 ・世界遺産センター整備課との連携 ミュージアムと世界遺産センター整備課が密接に連携し、文理融合の研究基盤を形成す るため、定期的に合同会議を開催した。 ふじのくに地球環境史ミュージアム兼務職員 役 職 氏 名 教 授 (世界遺産センター整備課) 内 山 純 蔵 准 教 授 (世界遺産センター整備課) 松 島 仁 准 教 授 (世界遺産センター整備課) 大 高 康 正 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 105 ⑶ ミュージアム整備アドバイザー 博物館機能の充実や管理運営計画等の整備を図るために、下表に記載の有識者に「ふじ のくに地球環境史ミュージアム整備アドバイザー」(以下「アドバイザー」という。)を委 嘱し、必要な助言をいただいた。 氏 名 所属・役職等 東京大学総合研究博物館教授 (ふじのくに自然系博物館基本構想検討委員) 遠藤 秀紀 (H25~ H27ふじのくに地球環境史ミュージアム 職員採用選考委員会委員) 分 野 博物館運営 小川 義和 国立科学博物館事業推進部学習企画・調整課長 (ふじのくに自然系博物館基本構想検討委員) 教育普及 洪 恒夫 東京大学総合研究博物館特任教授 (ふじのくに自然系博物館基本構想検討委員) 博物館展示 中山 定雄 静岡文化芸術大学デザイン学部空間造形学科准教授 (ふじのくに自然系博物館基本構想検討委員) 外構デザイン 東北大学名誉教授 石田 秀輝 (H25ふじのくに地球環境史ミュージアム 職員採用選考委員会委員) 展示・情報発信 名古屋大学大学院環境学研究科教授 北川 浩之 (H25、H26ふじのくに地球環境史ミュージアム 職員採用選考委員会委員) 調査研究 菊地 勉 オフィス S・S・S 代表 伊東市商工会議所観光部会長 静岡大学大学院教授 北村 晃寿 (H25~ H27ふじのくに地球環境史ミュージアム 職員採用選考委員会委員) 106 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 博物館運営 人材育成 博物館展示 ⑷ 予算 ①歳入の部 (千円) 項 目 金 額 使用料・手数料 274 諸収入 363 合 計 637 ②歳出の部 (千円) 事業項目 事業内容 金 額 維持管理 庁舎、敷地等の維持管理 36,326 収集保管 資料の収集保管 12,424 調査研究 総合研究、分野別研究 教育普及 館内外の講座及びキッズルーム製作 情報発信 HP作成、広報関係 9,429 協力関係 アドバイザー、ボランティア関係 3,808 3,684 11,436 管理・運営費 ① 77,107 整 備 費 ② 539,893 合 計(①+②) 617,000 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 107 ⑸ 施設整備 年度 項 目 工 期 25 ・用途変更に伴う改修設計 平成25年6月7日-平成25年10月15日 ・用地調査業務委託 平成25年6月18日~平成26年3月25日 ・用途変更に伴う改修工事(建築) 平成25年12月12日~平成26年6月30日 ・用途変更に伴う改修工事(機械・電気) 平成26年1月10日~平成26年6月30日 *1 26 ・駐車場整備工事 ・清水分室解体工事 ・清水分室解体工事設計 ・外構工事設計 ・展示設計 ・インターネット設備改修工事 ・電話設備改修工事 ・床張替工事設計 ・内外装改修設計 (3階・外壁・太陽光発電) 平成26年5月28日~平成26年9月9日 平成26年5月30日~平成26年9月30日 平成26年5月30日~平成26年9月30日 平成26年6月2日~平成27年3月27日 平成26年6月2日~平成27年3月31日 平成26年8月1日~平成26年8月8日 平成26年8月1日~平成26年8月8日 平成26年9月1日~平成26年10月31日 平成27年3月31日~平成27年7月31日 *1 27 ・展示工事 ・外構工事 ・道路案内看板設計 ・内外装改修工事(建築・電気) ・内外装改修工事(機械) ・太陽光発電設置工事 ・駐車場整備工事設計 ・駐車場整備工事 ・キッズルーム整備工事 ・道路案内看板設置工事 平成27年5月27日~平成28年2月26日 平成27年5月26日~平成28年3月18日 平成27年8月19日~平成27年12月10日 平成27年10月22日~平成28年3月15日 平成27年11月18日~平成28年3月15日 平成27年9月1日~平成28年3月15日 平成27年9月10日~平成27年12月15日 平成28年1月19日~平成28年6月30日 *1 平成28年2月22日~平成28年3月23日 平成28年1月26日~平成28年3月23日 *1:債務負担行為 108 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 9 資 料 ⑴ 条例・規則等 ■ ふじのくに地球環境史ミュージアムの設置、管理及び使用料に関する条例 (平成27年12月25日静岡県条例第53号) ふじのくに地球環境史ミュージアムの設置、管理及び使用料に関する条例をここに公布 する。 ふじのくに地球環境史ミュージアムの設置、管理及び使用料に関する条例 (趣旨) 第1条 この条例は、ふじのくに地球環境史ミュージアムの設置、管理及び使用料に関し 必要な事項を定めるものとする。 (設置) 第2条 郷土の自然史に関する資料を収集し、保管し、及び次世代に継承するとともに、 人と地球上の生態環境との関わりを歴史的に研究し、当該収集した資料及び当該研究成 果の活用を図り、もって県民の教育、学術及び文化の発展に寄与するため、ふじのくに 地球環境史ミュージアム(以下「ミュージアム」という。)を静岡市に設置する。 (開館時間) 第3条 ミュージアムの開館時間は、午前10時から午後5時30分までとする。ただし、知 事は、特に必要があると認めるときは、これを変更することができる。 (休館日) 第4条 ミュージアムの休館日は、次のとおりとする。ただし、知事は、特に必要がある と認めるときは、休館日に開館し、又は休館日以外の日に休館することができる。 ⑴ 月曜日(その日が国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休 日に当たるときは、その翌日以降の最初の休日でない日) ⑵ 12月27日から翌年の1月3日までの日 (観覧料) 第5条 ミュージアムに展示されている自然史に関する資料等を観覧しようとする者は、 別表第1に定める額の観覧料を納めなければならない。 (特別観覧) 第6条 知事は、ミュージアムに収蔵されている自然史に関する資料等について学術研究 等のために必要があると認めるときは、当該自然史に関する資料等の模写、模造、撮影 等(以下「特別観覧」という。)をしようとする者に対して、当該特別観覧を承認する ことができる。 2 前項に規定する承認には、ミュージアムの管理のために必要な限度において条件を付 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 109 することができる。 (特別観覧料) 第7条 特別観覧をしようとする者は、別表第2に定める額の特別観覧料を前納しなけれ ばならない。 (観覧料等の減免) 第8条 知事は、特別の理由があると認めるときは、観覧料又は特別観覧料(以下「観覧 料等」という。)を減免することができる。 (観覧料等の不還付) 第9条 既納の観覧料等は還付しない。ただし、知事が特別の理由があると認めるときは、 この限りでない。 (委任) 第10条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。 附 則 この条例は、平成28年3月26日から施行する。 別表第1(第5条関係) ⑴ 常設展示 利用区分 観 覧 料 個 人 300円 団 体 1人につき 200円 備考 1 個人とは、満15歳以上の者であって、中学校、高等学校及び大学の在学者並びにこ れらに準ずる者以外のものをいう。 2 団体とは、20人以上をいう。 3 企画展示と常設展示を併せて観覧する場合の常設展示の観覧料は、減額し、又は無 料とすることができる。 ⑵ 企画展示 1,500円を限度として知事がその都度定める額 別表第2(第7条関係) 利用区分 特 別 観 覧 料 模 写 1点1日につき 2,000円 模 造 1点1日につき 2,000円 撮 影 1点1回につき 4,000円 熟 覧 1点1日につき 1,000円 原板使用 1点1回につき 3,000円 110 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 ■ ふじのくに地球環境史ミュージアムの設置、管理及び使用料に関する条例施行規則 (平成27年12月25日静岡県規則第72号) ふじのくに地球環境史ミュージアムの設置、管理及び使用料に関する条例施行規則をこ こに公布する。 ふじのくに地球環境史ミュージアムの設置、管理及び使用料に関する条例施行規則 (趣旨) 第1条 この規則は、ふじのくに地球環境史ミュージアムの設置、管理及び使用料に関す る条例(平成27年静岡県条例第53号。以下「条例」という。)の施行に関し必要な事項 を定めるものとする。 (入館時間) 第2条 ふじのくに地球環境史ミュージアム(以下「ミュージアム」という。)の入館時間は、 午前10時から午後5時までとする。ただし、ミュージアムの長(以下「館長」という。) が特に必要と認める場合には、入館時間を変更することができる。 (観覧手続) 第3条 常設展示又は企画展示を観覧しようとする者は、条例第5条に規定する観覧料を 納付し、観覧券の交付を受けなければならない。ただし、知事が認めた団体については、 観覧後に観覧料を納めることができる。 (特別観覧手続) 第4条 条例第6条第1項に規定する特別観覧(以下「特別観覧」という。)をしようと する者は、あらかじめ、様式第1号による特別観覧承認申請書を知事に提出しなければ ならない。 2 知事は、特別観覧を承認したときは、特別観覧承認書を当該申請をした者に交付する ものとする。 (観覧料等の減免) 第5条 条例第8条の規定による観覧料等(以下「観覧料等」という。)の減免は、次の 各号のいずれかに該当する場合に行うものとし、その減免する額は、当該各号に定める 額とする。 ⑴ 身体障害者手帳、療育手帳又は精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者(以 下「障害者」という。)が常設展示又は企画展示を観覧する場合 観覧料の全額 ⑵ 障害者が常設展示又は企画展示を観覧するときに現に付き添って介護をしている者 (障害者1人につき1人に限る。)が常設展示又は企画展示を観覧する場合 観覧料の 全額 ⑶ 70歳以上の者が常設展示を観覧する場合 観覧料の全額 ⑷ 70歳以上の者が企画展示を観覧する場合 観覧料(満15歳以上の者であって、中学 校、高等学校及び大学の在学者並びにこれらに準ずる者以外のものに適用される観覧 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 111 料をいう。)の2分の1の額(当該額に100円未満の端数があるときは、これを100円 に切り上げた額) ⑸ 幼稚園、小学校、中学校又は高等学校の教育課程に基づく教育活動(これらに準ず るものを含む。)として常設展示を観覧する幼児、児童、生徒等を引率する者が常設 展示を観覧する場合 観覧料の全額 ⑹ 幼稚園、小学校又は中学校の教育課程に基づく教育活動(これらに準ずるものを含 む。 )として企画展示を観覧する幼児、児童、生徒等を引率する者が企画展示を観覧 する場合 観覧料の全額 ⑺ その他知事が特別の理由があると認める場合 知事が別に定める額 2 観覧料等の減免を受けようとする者は、あらかじめ、様式第2号による観覧料等減免 承認申請書を知事に提出し、その承認を受けなければならない。ただし、前項第1号か ら第4号までに規定する者が常設展示若しくは企画展示を観覧するとき、又は前項第7 号に該当する場合であって知事がその必要がないと認めるときは、この限りでない。 3 知事は、観覧料等の減免を承認したときは、観覧料等減免承認書を当該申請をした者 に交付するものとする。 (観覧料等の還付) 第6条 条例第9条ただし書の規定による観覧料等の還付は、次の各号のいずれかに該当 する場合に行うものとする。 ⑴ 観覧をしようとする者又は特別観覧をしようとする者の責めに帰することができな い理由により観覧又は特別観覧ができなくなったとき。 ⑵ その他知事が特別の理由があると認めるとき。 2 観覧料の還付を受けようとする者は、観覧券を知事に提出しなければならない。 3 特別観覧料の還付を受けようとする者は、様式第3号による特別観覧料還付申請書を 知事に提出しなければならない。ただし、第1項第1号に掲げる場合は、この限りでない。 (委任) 第7条 この規則に定めるもののほか、ミュージアムの管理に関し必要な事項は、館長が 別に定める。 附 則 この規則は、平成28年3月26日から施行する。 112 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 様式第1号(第4条関係)(用紙 日本工業規格A4縦型) 様式第2号(第5条関係) (用紙 日本工業規格A4縦型) 特別観覧承認申請書 観覧料等減免承認申請書 年 月 日 静岡県知事 様 年 月 日 静岡県知事 様 住 所 住 所 (法人にあっては、その主たる事務所の所在地) (法人にあっては、その主たる事務所の所在地) 氏 名 印 氏 名 印 (法人にあっては、その名称及び代表者の氏名) (法人にあっては、その名称及び代表者の氏名) 次のとおり特別観覧の承認を受けたいので、ふじのくに地球環境史ミュージアムの設 置、管理及び使用料に関する条例施行規則第4条第1項の規定により申請します。 次のとおり観覧料等の減免の承認を受けたいので、ふじのくに地球環境史ミュージアム の設置、管理及び使用料に関する条例施行規則第5条第2項の規定により申請します。 自然史に関する資料等の名称 特別観覧の 目 的 区 分 日 時 担 備 訳 当 者 考 減免申請の区分 年 月 日( ) 時 分から 年 月 日( ) 時 分まで 写 点 日 円 模 造 点 日 円 日 時 年 月 日( ) 時 分から 年 月 日( ) 時 分まで 撮 影 点 回 円 熟 覧 点 日 円 原板使用 点 回 円 観 合計 円 観 覧 料 特別観覧料 申 請 の 理 由 模 写 模 造 撮 影 熟 覧 原板使用 模 内 点 数 覧 人 員 人 観覧料等の額 円 減 免 申 請 額 担 当 者 円 電話番号 電話番号 様式第3号(第6条関係)(用紙 日本工業規格A4縦型) 特別観覧料還付申請書 年 月 日 静岡県知事 様 住 所 (法人にあっては、その主たる事務所の所在地) 氏 名 印 (法人にあっては、その名称及び代表者の氏名) 次のとおり特別観覧料の還付を受けたいので、ふじのくに地球環境史ミュージアムの設 置、管理及び使用料に関する条例施行規則第6条第3項の規定により申請します。 特別観覧承認書の 年月日及び文書番号 還 付 を 受けようとする 理 由 年 月 日 第 号 還 付 を 受けようとする 金 額 担 当 者 円 電話番号 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 113 ■ ふじのくに地球環境史ミュージアムの設置、管理及び使用料に関する条例施行規則 第5条に規定する特別の理由及び別に定める額の範囲について ふじのくに地球環境史ミュージアムの設置、管理及び使用料に関する条例施行規則(平 成27年静岡県規則第72号)第5条第1項第7号に規定する「その他知事が特別の理由があ ると認める場合」は、次の表の左欄に該当する場合とし、同号に規定する「知事が別に定 める額」は、次の表の右欄に掲げる額とする。 観覧料等を減免する場合 減免する額 大学等の教員、博物館等の学芸員及びその他研究者が学術研究 のために特別観覧するとき。 特別観覧料の全額 小学校、中学校、高等学校及び特殊教育諸学校の教諭が教科研 究のために特別観覧するとき。 特別観覧料の全額 新聞社及び出版社等が掲載する記事のために特別観覧する場合 であって、ふじのくに地球環境史ミュージアムの宣伝に役立つ と認められるとき。 特別観覧料の全額 その他ふじのくに地球環境史ミュージアム館長が特別な理由が あると認めるとき。 館長が別に定める額 附 則 この規程は、平成28年3月26日から施行する。 114 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 ⑵ 施設概要 ふじのくに地球環境史ミュージアムは、旧静岡県立静岡南高等学校(昭和58年4月~平 成25年3月)の校舎を改修して整備された。教室単位で同一規格の部屋が並ぶ構造や高校 当時から中庭を囲んで回廊になっている教室の配置を活かした設計を行った。 正式館名 ふじのくに地球環境史ミュージアム (フジノクニチキュウカンキョウシミュージアム) 英語館名 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka 【諸室概要】 室名 高校当時の室名 ㎡ 説 明 フロントヤード ミドルヤード 展示室1、2 校長室・応接室 面接室・相談室 66, 59 2室の間仕切り壁を外し、展示室 とした。 展示室3~8 進路指導室 2、3年生教室 各58 教室の窓を壁で塞ぎ直射日光を防 ぎ、天井を外し照明効果が得られ る天井高を確保。 展示室9、10 生徒昇降口 100, 230 吹き抜けのある開放的な空間を活 かして展示室とした。インタープ リター(展示交流員)による対話 型展示を行っている。 企画展示室1 企画展示室2 美術室 セミナー室 91 59 普通教室の2倍の大きさがある美 術室と隣接するセミナー室を企画 展示室に改装した。 図鑑カフェ 職員室 230 駿河湾や南アルプスを一望できる 部屋に図鑑の書棚とカフェを整備 した。 キッズルーム 情報処理室 進路相談室 67 子どもが安心して遊べる木製のお もちゃを集め、親子の憩いの場と した。 学校記念室 更衣室 49 静岡南高校同窓会との協働によ り、高校当時の記録を展示する部 屋を製作した。 講座室A~D 2、3年生教室 各66 県産材の化粧材を壁面に使用しつ つ、教室の姿を残して講座室とし た。バックヤードとフロントヤー ドの中間に位置し、普段はバック ヤードで行われている標本作成の 様子を見学できる。 講座室E 作法室(和室) 99 既存の和室を講座室に転用した。 講堂 会議室 153 既存の会議室を県産材の化粧板を 貼りつけ講堂とした。 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 115 室名 高校当時の室名 ㎡ 説 明 計1,331 化石、乾燥標本、液浸標本、剥製 など、保管方法の異なる標本を収 蔵する部屋とした。窓にはUVカ ットのフィルムを施工した。 バックヤード 収蔵室1~15 理科教室、 OA教室ほか 作成室1~7 理科教室準備室等 計188 各収蔵室に隣接する部屋に既存の 実験台等を設置して標本を製作す る作成室に転用した。 研究室1~9 1年生及び南の丘 分校の教室 各66 教室をミュージアム研究員及び共 同研究員の研究室に転用した。 実験室1~5 1年及び3年生の 教室 各66 床の仕様をウェット対応に張替 え、実験室とした。 書庫資料室 図書室 255 閲覧用の机と椅子を撤去し、本棚 を増設した。(閉架) 視聴覚研修室 視聴覚室 132 実習室 化学室 132 既存の部屋をそのまま視聴覚研修 室及び実習室とした。 事務室 学校事務室 153 学校事務室の窓口をチケット売場 に改装するとともに、職員事務室 とした。 ⑶ 建築・設備概要、平面図 建築概要 区 分 所 在 敷 内 容 地 〒422-8017 静岡県静岡市駿河区大谷5762 地 敷地面積59,409㎡ , 延床面積:9,334㎡ 構 造・ 規 模 地上3階建て 仕 鉄筋コンクリート造 上 設備概要 高校再編で未利用となった校舎を3か年に亘る改修工事を経て、県立では初めての自然 系博物館を整備した。外観は外壁修繕に留め、既存の校舎の雰囲気を残した。内装は教室 を展示室や研究室に、面積の広い理科室等の特別教室を収蔵室とするなど、既存施設の特 性を活かしつつ博物館として必要な機能を有するための大規模改修を施した。そのほか、 既存のプールやグラウンドの一部を駐車場として再整備した。 116 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 施設設備 区 分 内 容 受 変 電 設 備 設備容量/675kVA 受電電圧/6,600kVA 太陽光発電設備 太陽電池出力20kW 空 調 方 式 マルチパッケージ型空気調和器(EHP及びGHP) 給 水 設 備 公共水道直結給水 排 水 設 備 合併浄化槽(474人槽) 消 火 設 備 屋内消火栓・消火器 設計・施工 (用途変更工事) 学校施設から博物館機能を有する施設への用途変更工事 区 分 期 内 容 間 (設計)平成25年6月7日~平成26年10月15日 (工事)平成25年12月12日~平成26年6月30日 (設計)企業組合針谷建築事務所 (工事)木内建設株式会社 設計・施工業者 株式会社法月電設 ツカサ設備株式会社 (第1期駐車場整備工事) プール解体撤去及び駐車場整備工事 区 分 期 施 内 容 間 工 業 平成26年5月28日~平成26年9月9日 者 (工事)株式会社鈴木工務店 (外構工事) 施設正面ファサードの整備工事 区 分 期 内 容 間 設計・施工業者 (設計)平成26年6月2日~平成27年3月27日 (工事)平成27年5月26日~平成28年3月18日 (設計)服部エンジニア株式会社 (工事)株式会社平井組 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 117 (展示工事) 施設内に陳列する常設展示に係る整備工事 区 分 期 内 容 間 設計・施工業者 (設計)平成26年6月2日~平成27年3月31日 (工事)平成27年5月27日~平成28年2月26日 (設計)株式会社丹青社 (工事)株式会社丹青社 (3階改修及び外壁修繕工事) 施設内に研究機能整備及び外壁修繕工事 区 分 内 容 (設計)平成27年3月31日~平成27年7月31日 間 (工事)平成27年10月22日~平成28年3月15日※建築・電気 平成27年11月18日~平成28年3月15日※機械 期 (設計)株式会社スギ建築事務所 (工事)株式会社平井組 設計・施工業者 株式会社東海電気工業所 ツカサ設備株式会社 (太陽光発電設備等設置工事) 防災用太陽光発電設備等の設置工事 区 分 期 内 容 間 設計・施工業者 (設計)平成27年3月31日~平成27年7月31日 (工事)平成27年9月1日~平成28年3月15日 (設計)株式会社スギ建築事務所 (工事)株式会社大和電機製作所 (第2期駐車場整備工事) グラウンド部分における駐車場整備工事 区 分 期 内 容 間 設計・施工業者 (設計)平成27年9月10日~平成27年12月25日 (工事)平成28年1月19日~平成28年6月30日 (設計)服部エンジニア株式会社 (工事)渡辺建設株式会社、日静電機工業株式会社 118 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 (キッズルーム整備工事) キッズルーム整備工事 区 分 期 内 容 間 (工事)平成28年2月22日~平成28年3月23日 設計・施工業者 (工事)特定非営利活動法人 日本グッド・トイ委員会 (道路案内看板設置工事) 道路案内看板設置工事 区 分 期 内 容 間 設計・施工業者 (設計)平成27年8月19日~平成27年12月10日 (工事)平成28年1月26日~平成28年3月23日 (設計)服部エンジニア株式会社 (工事)株式会社日本ロードライン Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 119 ■ 平面図 視聴覚 研修室 準備 室 3F 準備 倉庫 倉庫 室 収蔵室 13 WC 女 EV 図書閲覧室 書庫資料室 WC 男女 作成 室5 企画 展示室2 倉庫 企画展示室1 講堂 講座室 E EV 和室研修室 収蔵室 9 収蔵室 10 工房 作成 室6 実験室1 実験室2 実験室3 実験室4 倉庫 倉庫 収蔵室 11 WC 男 倉庫 収蔵室 12 吹抜 WC 女 WC 男女 講座室 3C 講座室 講座室 4 D 展示室 8 展示室 7 展示室 6 講座室 キッズ ルーム 研究室 1 研究室 2 倉庫 作成室 7 WC 女 授乳室 多目的 WC 男女 倉庫 収蔵室 15 実験 室5 会議室 研究室6 研究室7 研究室8 研究室9 天体望遠鏡 収蔵室 14 WC 男 屋 上 2F 実習室 研究室 3 研究室 4 研究室 5 倉庫 コミュニケー 図鑑カフェ ションホール 収集ー研究域 教育域(研修等利用) 展示域(見学者利用) 管理 - サービス域 作成 室2 収蔵室 4 収蔵室 5 資料搬入口 1F ボランティ 倉庫 アルーム 展示室9 EV 休 憩 室 学校 記念 室 作成 倉庫 室3 倉庫 倉庫 収蔵室 6 WC 女 中庭 収蔵室 7 液浸 処理室 WC 男 エン 自動ドア トラ 玄関 ンス 展示 室2 展示 室1 事務室 120 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 収蔵室 8 スロープ 展示室10 倉庫 多目的 WC 男女 作成 室4 展示室 3 展示室 4 展示室 5 講座室 講座室 A 1 講座室 講座室B2 スロープ 解剖 室 資料搬入口 一時 作成 収蔵 一時 収蔵室 1 収蔵室 2 室 1 室 3 保管室 1 保管室 2 ■ 館内案内図 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 121 ⑷ 新聞掲載実績 静岡新聞 平成27年5月8日 静岡新聞 平成27年5月26日 122 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 静岡新聞 平成27年6月9日 朝日新聞 平成27年6月9日(レイアウトを一部改変) Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 123 中日新聞 平成27年6月11日 静岡新聞 平成27年7月31日 124 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 静岡新聞 平成27年8月14日 沼津新聞 平成27年9月20日 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 125 中日新聞 平成27年11月13日 毎日新聞 平成28年1月1日 126 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 毎日新聞 平成28年1月1日 静岡新聞 平成28年1月23日 静岡新聞 平成28年1月26日 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 127 静岡新聞 平成28年1月27日 128 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 静岡新聞 平成28年2月6日 中日新聞 平成28年2月20日 静岡新聞 平成28年2月21日 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 129 静岡新聞 平成28年2月23日 中日新聞 平成28年2月23日 130 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 毎日新聞 平成28年2月23日 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 131 静岡新聞 平成28年3月25日 静岡新聞 平成28年3月25日 132 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 静岡新聞夕刊 平成28年3月25日 中日新聞 平成28年3月26日 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 133 静岡新聞 平成28年3月26日 134 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 135 毎日新聞 平成28年3月26日 136 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 静岡新聞(こどもかがく新聞) 平成28年3月27日 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 137 静岡県広報誌 県民だより 平成28年3月27日 静岡新聞夕刊 平成28年3月28日 138 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 静岡新聞夕刊 平成28年3月29日 静岡新聞夕刊 平成28年3月30日 中日新聞 平成28年3月30日 静岡新聞夕刊 平成28年3月31日 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 139 10 ふじのくに地球環境史 ミュージアム 利用案内 ⑴ 利用案内 ア 交通 ア 所在地 〒422-8017 静岡県静岡市駿河区大谷5762 Tel:054-260-7111 イ 地図 ウ 路線バス JR静岡駅北口バスターミナル8-B番乗り場より、美和大谷線「ふじのくに地球 環境史ミュージアム」行き(幕番号37 38)に乗車、終点下車。 (所要時間約30分、運賃:大人360円) エ タクシー ・JR静岡駅南口タクシー乗り場より、所要時間約15分(約6.1km) オ 東名高速道路 ・東名静岡インターより、所要時間約15分(約6.3km) ・新東名新静岡インターより、所要時間約30分(約11.3km) カ 無料駐車場 ・バス・障害者等専用駐車場:大型バス5台、乗用車21台 一般駐車場:乗用車169台 140 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015 イ 時間 ア 開館時間 10:00~17:30(最終入館17:00) イ 休館日 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は次の平日)、年末年始 ウ 料金 観覧料 一 般 大学生以下 70歳以上 常設展 企画展 個 人 団 体 300円 200円 個 人 団 体 企画展毎に定める 無料 無料 ※展示室1、展示室2、図鑑カフェ、キッズルームは無料。 ※大学生以下の学生及び70歳以上の方は要証明書提示 ※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方とその付添 者1名は、常設展及び企画展を無料で観覧可能 ※20名以上の団体の方には、団体料金が適用 Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka Annual Report 2015| 141 地球環境史 ふじのくに地球環境史ミュージアム年報2015 発行日:平成28年₉月30日 編集:ふじのくに地球環境史ミュージアム 日下宗一郎・山下浩平 発行:ふじのくに地球環境史ミュージアム© 〒422-8017 静岡市駿河区大谷5762 TEL:054-260-7111 印刷:株式会社アプライズ Global Environmental History Annual Report of Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka 2015 Edited by Soichiro Kusaka and Kohei Yamashita Published by Museum of Natural and Environmental History, Shizuoka© Printed by Aprise Printed in Japan 30th September 2016 142 |ふじのくに地球環境史ミュージアム年報 2015
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