(別紙7)《会派用》 代 表 者 齋 平成 27 年 藤 誠 様 視察者(代表)氏名 視 7 月 24 日 察 報 告 綿 貫 伸 子 印 ○ 書 このことについて、次のとおり報告します。 期 間 2 視 察 先 1 平成 27 年 7 月 1 日~平成 27 年 7 月 3 日( 2泊3日 ) 兵庫県伊丹市・京都府長岡京市・京都府京田辺市・三重県名張市 3 調査事項 (1)伊丹市・・・・自転車の安全利用の促進と放置の防止に係る施策の推進 (2)長岡京市・・・災害用マンホールトイレ整備事業 (3)京田辺市・・・京田辺エコパークかんなび(市民ボランティア協働事業) (4)名張市・・・・名張版ネウボラについて 4 視察参加人数 4 人 参加者は次のとおり 磯 野 5 和 夫 ・ 加 賀 谷 調 査 概 要 別添資料のとおり 勉 ・ 齋 藤 誠 ・ 綿 貫 伸 子 調 査 概 要 伊丹市の概要 伊丹市は、兵庫県の南東部に位置し、面積 25.09 ㎢の市域を有している。神 戸市から約 20 ㎞、大阪市から約 10 ㎞の圏域にある、尼崎市、西宮市、宝塚市、 川西市、大阪府池田市および豊中市に接している。 鉄道は、JR 福知山線と阪急電鉄伊丹線があり、大阪・神戸および阪神地域の 都市と結び、山陽新幹線が市域の南部を東西に通過している。 道路は、国道 171 号線が市の中央部を東西に横断し、中国自動車道および国 道 176 号線が市域の北部を東西に通過している。 市域の東には大阪国際空国が立地している。 地形は、おおむね平坦で、北から南にゆるやかに傾斜し、市域の東西には猪 名川、武庫川が南北に流れている。 気象は、年間を通じて気温が高く降水量が少ないという瀬戸内気候を示して いる。 視察地選定理由 自転車に関連する交通事故が増加傾向にあるなか、道路交通法が改正になり、 その一部が本年 6 月 1 日から施行されました。自転車は、環境にやさしく手軽 に利用できること、健康的な交通手段である反面、自転車利用者の交通ルール を違反した運転に起因する事故が増加しており、改めて自転車の安全利用の促 進が求められています。自転車に特化したハード面の整備が容易ではないとこ ろから、平成 26 年 4 月から「伊丹市自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐 車対策の推進に関する条例」を施行し、本年 2 月には、 「伊丹市自転車の適正利 用計画」を策定し、交通事故と放置自転車を減らし自転車に笑顔で乗れるまち づくりを目指していることについては、今後のまちづくりの参考になるとの思 いから視察地として選定したところであります。 1 調査事項 「自転車の安全利用の促進と放置の防止に係る施策の推進」について 【1】施策の導入に至った経緯 伊丹市における自転車分担率(代表交通手段として自転車を利用している人 の割合)は、29.0%であり、これは、各国の主要都市と比較した場合、1 位で あるコペンハーゲンの 30.1%に次ぐ数値を示している。 そのような状況において、全人身事故に占める自転車関連事故割合は、兵 庫県下平均の約 2 倍であり、その割合は非常に高い。 そのうえ、自転車等の放置は市内鉄道 5 駅周辺の自転車放置禁止区域を中 心に常態化している等、さまざまな問題が生じている。 【2】取り組みの目的 このような状況を鑑み、伊丹市では、自転車の安全な利用の促進と放置の 防止に係る施策を総合的に推進することにより、自転車交通の安全並びに駅 周辺等の災害時の避難路確保及び、まちの美観の維持を図り、市民の安全で 良好な生活環境を形成するために取り組みを進めた。 【3】導入の効果、市民の反応 自転車関連事故の減少に向けて ① 交差点出会頭事故 ② 歩道上自転車歩行者接触 ③ 走行環境未整備道路通行量多い ④ 走行マナー悪化 ⑤ 交通法規認知不足 これまで①から⑤の解決に、交差点改良・市道への自転車通行指定・自転車 交通安全教室などに取り組んできたが ⇒もう一歩踏み込んだ対策が必要 ① 交差点注意喚起表示 ② 押し歩き区間の設定 ③ 自転車の車道通行 ④ 走行環境整備路線へ再配分 ①から④について社会実験にて効果を検証 (市民評価) 実験結果の検証により伊丹市で本格実施 2 【4】事業の予算措置 平成 26 年度 補正予算 (単位:千円) 駐輪対策を起点とした地域通貨制度創設事業 18,630 自転車施策パッケージ 1,673 平成 27 年度 当初予算 生活道路の整備 209,600 自転車レーン等整備事業 19,000 自転車駐車場整備事業 63,268 【6】今後の課題と展望 今後も、地域や関係企業、学校関係者、交通管理者、道路管理者等が連 携し、自転車問題の改善を図るため PDCA サイクルにて、ハード及びソフ トを含む総合的な自転車適正利用対策を効果的に実施できるよう継続的に 検証していくことが重要となる。 主な質問・応答(要約) Q 放置自転車に対する路上への啓発サインを中学生の作品を活用している とのことであるが、効果についてはいかがか。 A 中学生の夏休みの宿題として路上啓発サインを作成し、設置している。放 置自転車台数の減少効果が確認できた。 Q 「自転車専用レーンの設置」を進め都市環境整備を進めると、市長がマニ フェストで、重点施策として掲げているが。 A 約束実現へ、平成 26 年 4 月に都市交通部を創設し、9 月には社会実験を 実施、平成 27 年 2 月には条例改正をし、平成 27 年度に各施策を展開す るステップを踏んでいる。 所感 行政だけで対策を推進しても、その効果には限界があると思います。自 転車はもちろんですが、交通に関する施策は、今後の高齢化社会を踏まえ るとまちづくりに直接関わってくると思います。そのために、市民や関係 団体、鉄道事業者、警察との市民の利便性に主眼を置いた協働による対策 の推進や、キャンペーンの実施など、地域全体での継続した取り組みや社 会実験を踏まえての計画の策定など大いに参考になりました。 3 調 査 概 要 【視察地の内容】 〔市 名〕 京都府長岡京市 〔市制施行〕 昭和 47 年 10 月 1 日 〔人 口〕 80,198 人(平成 27 年 1 月 1 日現在) 〔面 積〕 19.17k㎡ 〔市の概況〕 京都盆地の西南部に位置し、北は向日市・京都市、東は京都市、南は 大山崎町、西は西山連峰を境に大阪府と接している。東西約 6.5km、南 北約 4.3km で東西に長い長方形をなしている。 総面積の約 65%が可住地の平坦部であり、残りの西山山地は、市街地 の背景として景観の主体となっている。 河川は、小畑川が東部を南北に、小泉川が西南部をほぼ東西に貫流し て桂川に注いでいる。 気候は、山城盆地特有の晴れの日が多く、概ね温和で、京都市内の盆 地気候よりしのぎやすい。 歴史的にも古い町で、すでに弥生時代に農耕が行われており、建国神 話に関係のある神を祭る神社や壮大な古墳が現存していることから、住 民は古代から温和な気候風土に恵まれて、平和な生活を送っていたもの と思われる。 その後、6 世紀には「弟国宮(おとくにのみや)」、8 世紀には「長岡京」 と二度にわたって都として栄え、近畿地方における産業・文化の先進地 であった。特に、長岡京の規模は、現在の長岡京市・向日市・大山崎町 に及ぶ区域にわたっており、諸官庁・民家が建設され、条坊制による整 然とした都市造成が行われていた。 封建時代には、再三戦禍をうけるものの、皇室・公家・寺社等に細分 して領有され、平和な農村として明治時代に至っている。 昭和 24 年に 3 カ村が合併し、長岡町が誕生。10 年後の昭和 34 年頃 から日本経済のめざましい成長に伴い、京都・大阪両都市の衛星都市と して立地条件が良いため、住宅建設、工場の進出が目立ってきた。その 上、急ピッチで都市化が進み、昭和 45 年には人口が 5 万人を超えた。 昭和 47 年 10 月 1 日に市制が施行され、人口も順調に増加してきた。 平成になると、人口は微増に転じ、平成 23 年には 8 万人を突破し、現在 に至っている。 【視察地の選定理由】 近年の異常気象などによる集中豪雨など、いつ起こるかわからない 災害に、各自治体も対応を迫られている。災害時における避難所生活 でのトイレの確保対策として、長岡京市内の避難所のうち公共施設に 災害用マンホールトイレを整備する事業に関心を持ち、その事業導入 の経緯や今後の課題など調査し、また現地へ行って現物を目にするこ とで、当市での取り組みに参考になるよう、この事業を選定した。 【調査事項】 『災害用マンホールトイレ整備事業』について ■この事業の導入の経緯と目的 平成 7 年の阪神・淡路大震災、平成 16 年の新潟県中越地震などを契機と して、平成 21 年度長岡京市地域防災計画並びに長岡京市下水道地震対策緊 急整備計画に基づき、一時避難場所となる市内 14 小中学校に 5 年間(H21 ~H25)で設置の計画をした。 このマンホールトイレシステムは、地域防災計画に位置付けられた施設 (敷地面積 1ha 以上の防災拠点又は避難所)に整備するもので、避難所内 に新たに下水道の取付管を敷設し、一定間隔でマンホールを設置しておき、 災害時にマンホール蓋を取り、テント・トイレ椅子を組み立てて、直接下 水道管に流せるようにする仕組みである。平成 21 年度より、5 カ年計画で、 合計 204 基を設置した。 ■導入の効果及び市民の反応 (導入の効果) ●防災訓練時に、施設を見学してもらったが、ほとんどの方が女性であっ た。 (全体の 8~9 割)やはり、災害時のトイレについては不安があるようだ。 ●汚物などの滞留や流出防止、衛生環境を確保できる。 ●避難所にすぐ使用できるトイレがある。 (排泄に対するメンタル面の緩和) ●市の防災訓練で、市民に実際組み立てていただいたが、初めての方でも 容易に設置が可能である。 ●小学校の環境学習でも取り上げて啓発しているし、小学生でも設置が可 能である。 (市民の反応) ●この施設があれば、男女及び大便・小便の区別を各自治会で考えてみる、 とのこと。 ●自治会で行う小規模な防災訓練でも利用してみたい、とのこと。 ■この事業の総事業費 ▲下部構造物(地中部) 10,000,000 円/校×14 校=140,000,000 円 ▲上部構造物(便座・テント)50,000 円/基×204 基≒ 10,000,000 円 ※全体事業費 約 150,000,000 円 ( 国庫補助事業 : 地震対策緊急整備事業 ) ■今後の課題 ●便器が汚れた場合を考慮し、雨水貯留タンクなどの設置が必要である。 ●仮設テントを使用しているので、強い雨・風に対して不安定である。 ●校舎のグランド下に埋設されている箇所は、設置までにかなりの労力 が必要である。 ●使用する際の防犯面(施錠や夜間照明など)の強化体制をどう構築して いくのか。 ●使用後における防臭対策や維持管理体制をどのようにしていくのか。 ■今後の展望 ●当初は便座の大きさが一種類であったが、ワイド型もそろえる。 ●子どもたちが使用できるように、便座の高さも調節できるようにする。 ●洋式便座に加え、和式便座もそろえる。 ●災害に備え、2~3 年に 1 回の総点検も必要である。 ●各自治会に、使用方法・トイレ(便座・テント)の収納場所などをお互 いに確認し、平時よりサポート体制などの構築が必要である。 【主な質疑応答】 Q. 仮設テントをただ置いてあるだけとのことで、特に強い風などに対しては 不安定だが、その対策は。 A. テントの四隅をしっかり固定するなど、今後の研究課題でもある。 Q. マンホールトイレ 1 基につき、どのくらいの人数が使用できるものなのか。 A. 基本的基準として、収容人数 100 人に対して、マンホールトイレ 1 基設置 する考えである。 【所 感】 ここ数年、自然災害が頻繁に発生している。万が一、災害が発生した時 には、電気や水道が止まり、家庭や避難所で水洗トイレが使用できなくな る可能性がある。衛生環境が悪化すると、精神的ストレスの原因にもつな がる。 不測の事態への備えとして、災害用マンホールトイレの設置は、とても 興味関心をもって、視察させていただいた。 担当者からの説明にもあったが、当然メリット・デメリットは存在する。 メリットとしては、貯留型で事前に貯めておくので、水の使用量が少なく てすむことだ。反面、水源が必要になるとともに、水道本管が被災したら、 使用不能となってしまう。 しかし、長引く避難所生活で、排せつ施設であるトイレが多くあれば、 ストレス面の解消にもつながるであろう。災害時のマンホールトイレにつ いては、大いに参考になった。 調 査 概 要 【視察地の内容】 〔市 名〕 京都府京田辺市 〔市制施行〕 平成 9 年 4 月 1 日 〔人 口〕 66,879 人(平成 27 年 4 月 1 日現在) 〔面 積〕 42.94k㎡ 〔市の概況〕 京田辺市は、京都府の南西部に位置し、東には木津川が流れ、西には 生駒山系に連なる甘南備山が控える豊かな自然に囲まれた都市である。 歴史は古く、継体天皇が筒城宮として、山城の国に皇居を最初に定め られた地といわれている。奈良時代には奈良から太宰府に抜ける山陽道 の要衝であった。平安末期から室町時代には、源平時代に三度も関白職 に就いた近衛基通公や「とんちの一休さん」で知られる一休宗純禅師が この地を愛し、晩年を過ごした。酬恩庵一休寺の庭園は名勝地に、本堂 は重要文化財に指定されており、多くの人々が訪れている。 明治 31 年に関西鉄道(現 JR 片町線)、昭和 3 年に奈良電気鉄道(現 近鉄京都線)が開通したことから、南山城地域の中心地として発展して きた。 明治 39 年 10 月 12 日に町制施行により、田辺村から田辺町となり、 昭和 26 年 4 月には、4 か村を編入統合し、現在の市域となり、その後 平成 9 年 4 月 1 日に市制を施行し、京田辺市となった。 昭和 40 年代以降、近畿大都市圏への地理的利便性から、交通機関の 充実、主要幹線道路網の整備、大規模住宅地開発などが進められた。 昭和 61 年には、同志社大学が開校し、21 世紀を担う文化・学術の中 核都市として期待されている。また、全国的に有名な高級玉露、田辺ナ スやえびいもの生産、花き類栽培が行われている。 昭和 38 年 9 月に「交通安全」、昭和 39 年 6 月に「暴力追放」、昭和 40 年 5 月に「明るく、正しい選挙推進」、昭和 60 年 7 月に「平和都市」 、 平成 2 年に「ゆとり宣言」、平成 10 年に「青少年の健全な育成をめざす 都市」 の各宣言を行い、まちづくりの指針としている。また、平成 23 年 3 月 20 日に「京田辺市非核平和都市宣言条例」を施行した。 また、平成 9 年に策定したごみ処理基本計画に基づき、リサイクルプ ラザを建設し、平成 18 年には女性施策として、女性交流支援ルーム「 ポケット」を開設した。さらに、同志社大学等との「連携協力に関する 協定」に基づき、ヒューマンカレッジの開催や市民文化祭の連携など、 “大学のある都市”として、特長あるまちづくりをおこなっている。 【視察地の選定理由】 市民ボランティアとの協働事業で、「もったいない」の心を次世代に つなげ、ごみ減量に向けて、市とともに3R に取り組んでいる現状を視 察したく選んだ。わが市でも“協働”の取り組みがなされて久しいが、 京田辺市のこの協働事業について調査したいと考えた。 また、この事業に取り組むにあたっての予算面、経費面についても、 情報を得たいと思い、選定した次第である。 【調査事項】 「京田辺エコパークかんなび」について(市民ボランティア協働事業) ■「京田辺エコパークかんなび」とは。 ◆京田辺エコパークかんなび は、3R 活動のために、京田辺市が施設を提 供し、市民ボランティアが運営する『市と市民が一体となった組織』であ る。 ◆NPO でも、行政でもない組織であり、市の補助金は運営費としては、0円 である。 ■活動内容は。 ◆市民から無償で提供を受けた不要品について、ボランティアの方々が点検 を行い、必要なものについては、修理を加えた後で、1 品 10 円からの安価 で市民に提供するリユース活動が中心。 ◆有償にしているのは、安価でも「買った」ことを通じて、再度「ごみにな らない」ようにするための アイディア である。 ■導入の経緯は。 ◆平成 18 年 3 月より、3R の諸活動を行うボランティア団体の会員募集をお こない、平成 19 年 5 月には、循環型社会の形成を図るため、廃棄物等の再 利用を促進するとともに、体験学習、情報提供などの事業を通じ、ボラン ティア団体として、環境衛生センター甘南備園(市の焼却施設)リサイク ルプラザ館を拠点に“エコパークかんなび”が、30 余名の会員で、設立さ れた。 ■成果及び効果 ◆設立当初から、どんどん利用者は伸びていき、平成 26 年度は、来場者は、 年間 27,980 人、1 か月平均で、2,300 人を超える来場者があり、提供した 品物の数は、51,224 点、エコ効果は 39 トン(1 か月で、約 3.2 トン)にも 達している。 ◆提供した品物の売上げは、環境学習の啓発など、市民などに有効活用(還 元)されている。平成 21 年には、市が子どもや市民の環境学習施設として リサイクルプラザ館に、太陽光発電設備を設置する際に、費用の一部にと、 売上金 300 万円を寄付。 ◆平成 24 年「第 5 回ゆめづくり・まちづくり賞・優秀賞」受賞 (国土交通省・近畿地方整備局) 平成 25 年「リデュース・リユース・リサイクル推進協議会会長賞 受賞 平成 27 年「京都府環境保全功労者表彰・京都府知事賞 受賞 ■市の役割 ◆京田辺エコパークかんなびの活動を支援するために、職員の垣根を越えた 協力活動を実施 ◆平成 23 年 6 月には、3R 活動の充実と、市内商店街の活性化を図るために、 新田辺東キララ商店街内の空き店舗を活用し、 「京田辺エコパークかんなび キララ店」を協働で解説 ◆市の産業祭などでリユースフェアに出展 ◆市内小学校全校が参加する「もったいない子どもポスター展」などを協働 で開催 ■エコパーク関連予算 ◆エコパークかんなびの運営には、1 円の補助金も交付していない。 ボランティアさんが集まって、 リユース活動にかかる費用、 たとえば交通費や、会議のお茶代などに 市は予算を全く使っていない。 ◆市がおこなっていることは、 ① 施設を準備すること (空き店舗借上げ分の経費も含む) 新田辺東商店街 空き店舗 借上げ料 972,000 円 / 年 新田辺東商店街 空き店舗 光熱水費 129,000 円 / 年 新田辺東商店街 空き店舗 修繕費 100,000 円 / 年 ② 協働事業として、職員を配置すること 臨時職員 3 人分の賃金 5,747,000 円 / 年 ▲リユース量拡充のため、リユース品を自宅まで引き取る サービスを実施するための職員・・・・・・・・ 1 人 ▲キララ店のセキュリティのための常駐職員・・・ 2 人 ③ 市開催の市民対象講座 謝礼金 講師謝礼金(講師 1 人 1,000 円) 関連予算額 91,000 円 / 年 7,418,000 円 / 年 ■今後の課題と展望 ◆課題 ▲ボランティア会員の高齢化 ・スタートから 8 年経過し、他のボランティア団体と同様、新規会員の 入会が課題 ▲活動の継続、または継続しやすい活動のあり方が課題 ・重い家具などの取り扱いなど ・来館者との関係 ▲新たな来館者の開拓 ・毎年来館者は増加しているが、大半がリピーター 新たな来館者の開拓が課題 ◆展望 ▲ホームページや機関誌の充実、広く市民に3R の推進をしていく ▲小学生の体験学習、ポスター展など環境教育を通じて 「もったいない!」の啓発活動を展開していく ▲活動内容を高く評価されることにより、市民に3R の環を拡大 していく 【主な質疑応答】 Q. 市からの運営補助金はないとのことだが、実際の運営はどうなっているか。 A. 市と協働事業のため、家賃などのランニングコストは市が負担している。 またここ数年、売り上げ額が年間 500 万円を推移しているため、平成 21 年 には太陽光発電に、平成 23 年には東日本大震災復興にそれぞれ寄付をした。 Q. ボランティアの会員募集は、どのようにおこなっているのか。 A. 継続的な活動を通して実績をあげてきているため、口コミで訪ねてくる人 もいる。また、広報誌「かんなび通信」などで募集記事を載せている。 【所 感】 市民ボランティア団体「京田辺エコパークかんなび」は、物を大切に使っ て、ごみ減量化に向けて京田辺市とともに、3R 活動に取り組み、たくさん の市民とふれあいながら、元気に活動している。 エコパークかんなびのリユースで、最も多いのは家具など、大きなものの ようだ。きれいに使っていて、捨てるには「もったいない」大きなタンスや ソファーなど、毎日たくさんのリユース品が持ち込まれているそうだ。 リユースされている限り、ごみにはならないが、もしごみになったら、こ れらは粗大ごみとなる。 粗大ごみの処理は、ごみ収集事業のなかでも、お金のかかる事業である。 出した人と、出さない人の差が、持ち込みごみに次いで大きい事業でもある。 今後、粗大ごみを出す前に、よく考えてみよう。 今回の視察で、そんなことを感じた次第である。 調 査 概 要 【視察地の内容】 〔市 名〕 名 張 市 〔市制施行〕1954年3月31日 〔人 口〕80,284 人(平成26年) 〔面 積〕129.76k㎡ 〔市の概況〕 三重県名張市は、県の西部、伊賀盆地の南西部にあたり、近畿、中部両県の 接点に、位置している。万葉の昔から宿駅として開け,伊勢参りの宿場町とし て栄えた。1960 年代から大規模住宅地が造成され、大阪や名古屋までの鉄道 のアクセスも良い典型的なベッドタウンとして発展してきた。 2004 年に現市長が就任して以来、都市内分権でまちづくりを進めてきた。公 民館を中心とする 15 のまちづくり組織に「ゆめづくり地域交付金」を交付し、 自律的、主体的なまちづくりの機運を高めてきた。また、地域づくりと一体的 に地域福祉を推進し、住民の身近な健康相談などの窓口として、まちの保健室 を公民館単位に 15 か所設置し、健康づくりや、地域福祉活動の拠点として位 置づけた。 【視察地選定理由】 人口減少社会にとって、子どもを産み育てやすいまちづくりを推進していく ことは、重要な施策である。三重県名張市は。国のモデル事業として、「名張 版ネウボラ 妊娠、出産、育児の切れ目のない支援」を行っている。当市にと っても参考にするべき施策があるのではとの思いで視察地として選定した。 【 調査事項 】 名張版ネウボラの推進 【事業の概要】 1.事業の導入の経緯と目的 名張市は、典型的なベットタウンのまちで、人口減少と、急速な高齢化が 進んでいる。核家族が多く暮らし、保育園の待機児童数は年々増加している 状況である。近年、母子保健の課題として、妊婦自身の高齢化と孤立化、生 活困窮などの生活上の課題を抱える妊婦が増加傾向にあった。また、妊婦の 高齢化により、産後の手助けがないばかりか、子育てと親の介護も同時に行 わなければならない状況にある妊婦の姿もあった。今までは、低出生体重児 などのハイリスクアプローが中心となっていたが、一般的な妊婦や産婦に目 を向け、ポピュレーションアプローチを重視していく必要性が出てきた。 2013 年に名張市健康支援室で、妊婦にアンケートを取ったところ、出産回 数 2 回目以上の者(3 人目)のほうが、出産に不安を抱くことが多いことが分か った。その理由としては、予定していた妊娠ではなかったり、親が高齢で出 産後の協力が得られない状況にあったり、経済的な問題があることに起因し ていた。これらのことを解消すべく名張版ネウボラ事業を立ち上げた。 その目的は、不安のない子育て環境を目指し、妊娠期から出産までの切れ目 のない支援を行うことである。「産み育てるにやさしいまちづくり」名張をモ ットーに、妊娠前から出産・育児期までの時をつないでいく。人と人・人と地 域をつないでいく。保険・医療・福祉の仕組み(人)をつなぐ。この3つの観点 で名張版ネウボラの構築を目指してきた。 2.事業内容 ①チャイルドパ-トナー ・母子保健コーディネーターの設置 まちの保健室で、妊娠段階から出産育児まで継続的に相談支援を行う人材と して職員をチャイルドパートナーと位置づけ、妊産婦及び乳幼児の保護者に対 する伴奏型の予防的 支援ができる環境を整える。チャイルドパートナーはま ちの保健室や子育て支援広場において妊産婦の相談に応じる。必要に応じ母子 保健コーディネーターにつなぐ。子ども支援センターやマイ保育ステーション と地域づくり組織による子育て支援資源や各事業と連携し、各地域に根差した 活動をする。 母子保健コーディネーターは妊娠届出時にポピュレーション(一般的な)支 援計画書をもとに、産前産後のイメージを妊婦と共有する。産後 2 週間目に全 戸電話連絡を実施し、母子保健と子育て支援サービスなどとつなぐ。また、チ ャイルドパートナーや各機関からの情報をもとに、必要に応じて支援の方向性 を判断し、支援に結び付けハイリスクの支援プランを作成する。 ②健康教育・相談事業 思春期から育児中まで、保健師や助産師が教室や訪問・面接などの方法で相 談事業を行う。特に希薄であった妊娠前の教育と妊娠中の健康教育や相談の仕 組みを構築するとともに、子育て支援と母子保健双方の既存事業や地域づくり 組織の仕組みの中で充実を図る。 ③産前産後サポート事業(地域の子育て応援力事業) 地域づくり組織や子育て支援拠点事業等と連携し、地域特性に応じ、地域の 強みを活かした地域のニーズに応じた子育て支援サービスの検討と実施支援 ができるような機会を設け交流会や研修を行う。 ④産後ケア事業・医療機関連絡体制整備 医療機関と連携し、連絡体制を強化し、妊娠中からの相談・支援、産後の心 身のケアができる体制を医療機関・地域づくり組織、子育て支援機関等多様な 主体によって整備する。産後のケアを産婦の状況に応じて訪問型・参加型・宿 泊型において実施する。 3.26年度より、新たに取り組んでいる具体的な事業(主なもの) ●となりのまごちゃん応援教室 地域のシニア世代に子育てサポーターになってもらう。 ●生後 2 週間目全戸電話相談 保健師等による産後のニーズ把握とアセスメント、相談支援。 ●安心育児・おっぱい教室、相談 助産師等による妊娠中と産後の相談教育支援・ニーズ把握。 [所 感] 名張版ネウボラを視察させていただき、大変に勉強になった。 都市内分権が進み、地域住民が、公民館を拠点にまちづくりを行い、まちの 保健室で地域の住民の健康福祉の相談窓口となってきた名張市のまちづくり の仕組みは、身近な地域で、子育て世帯に寄り添い、妊娠出産の切れ目のない 支援を提供するネウボラ事業の環境と適合していたことが考えられる。 実際に、美旗町のまちの保健室を見学させていただき、お話を伺った。地域 包括のブランチとして、高齢者の相談にものり、チャイルドパートナーとして の役割もこなす大変に多忙な仕事だが、地域住民の幸せにつくすやりがいのあ る仕事であると笑顔で語っていた。 このネウボラ事業と 3 人目プロジェクト(第 3 子以降の保育園の保育料の無 料化など経済的負担の軽減)で出生率の向上を目指している。具体的な成果 はこれからであるが、妊娠出産にかかわる不安を軽減し、子育て世代の孤立 化を防ぎ、地域住民の温かいネットワークで子育て世代を応援するという熱 い情熱を感じ取る視察となった。
© Copyright 2024 Paperzz