調査事項①:バリアフリーの発達した街 11月11日(火・祝日) バンクーバー市内 バリアフリーに配慮したバンクーバー市の公共交通機関の試乗 ※バンクーバー市の概要 バンクーバー市は、北米大陸北西部の太平洋岸に位置しブリティシュ・コロンビア 州(BC)最大の都市である。米・加両国の国境(北緯49度線)の北方約40km のところに所在する。日系移民や貿易を通じ日本とは緊密な関係を有している。カナ ダのアジア太平洋諸国への玄関口でもあり、人口は約62万人(2007年カナダ統 計局推計)、2010年冬季オリンピックの開催都市でもある。バンクーバー市とそ の周辺市からなるメトロ・バンクーバー地域の人口は、225万人でBC州の半数以 上が集中している。 1 調査目的 10代でのスキー事故以来車椅子を利用しているサム・サリバン市長は身体障がい 者にも優しく、満足してもらえるバリアフリー度を高くした街づくりを進めている。 バリアフリーに配慮されたバンクーバー市の公共公機関を試乗、体感する。 2 調査内容 バンクーバー市の公共交通機関は、広域交通事業体「トランスリンク社」が運営し ており、バス、スカイトレイン(無人の自動運転列車)、シーバス(徒歩客のみのフ ェリー)の3種類を運行している。 バスは2連式で乗降口が3箇所あるものもあった。低床式でなおかつエアで車高を 下げる機能もあり、電動で板が出てきて車椅子使用者が自身で乗降できるように改造 されている。乗車してからも段差はなく、内部の椅子も跳ね上げ式でそこに車椅子の スペースを確保できる仕組みになっている。また、前部には自転車用のラックも装備 され、バスの種類には架線のついたトロリーバスもある。 チケットには9カナダドルで一日バス乗り放題や2カナダドルで3種類の乗り物 が90分乗り放題、高齢者などには値段を割引したお得なチケットなども販売されて いる。 トランスリンク社は誰もがアクセスできる公共交通システムを推進しており、3種 類の乗り物の結節がよく、祝日であったこともあるがどの乗り物もよく利用されてい る。 1 バンクーバー市は条例で、公共施設には必ず車椅子でアクセスできるスロープを設 置するよう定められている。 2 3 所 感 街全体にバリアフリーに配慮した設計が多いと聞いていた。現実に見聞したり乗車 したところ、バスは運転が荒いのか道路が悪いのかよく揺れた。 しかし、公共交通網が充実しているせいか車椅子使用者は慣れた感じで自然に公共 交通機関を利用されている姿を目にした。車椅子使用者、高齢者の利用率は高いと感 じた。 道路に関しては、市街地では「ONE WAY 一方通行」が当たり前のように使用されて いた。道路幅が広く取ってあることにもよるが、通勤及び退社時間帯のバス・自転車 専用道は有効と感じた。 4 豊田市への提言 ・低床式で車椅子用のリフトが装備されたバスの増車をすること。また、自転車用ラッ クを装備したバスの実現に向けての研究をすること。 ・全ての鉄道駅で車椅子の方などが利用できるエレベーター等を整備すること。 ・民間鉄道・バスに対しバリアフリー化の要請とともに公的助成をし、車両等の改造を 促すこと。 ・つまずき解消のため座席の下の四隅の脚は取り払い、不意の揺れでもつかまり可能な 縦棒を車内に設置すること。 ・自転車の電車への持ち込みについて、国に制度改正の要望をすること。 ・おいでんバスも都心経由ばかりでなく、地域核から地域核へ便利に乗り継げるように すること。 ・名鉄−愛環−おいでんバスを共通のチケットで乗り継ぎ可能にし、デイパス(一日乗 り放題)や高齢者・障がい者の方への割引チケットなど多様なチケットの販売をする こと。 ・中山間地域での鉄道からバスへ切り換えられるDMVなどの導入検討をすること。 3
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