3.OSインストール:Windows Embedded Standard 7編

アプリケーション ノート
Windows Embeded Standard 7のインストール
本書の内容
ディジタル・サイネージ、セットトップ・ボックス、POS端末などは、多彩なグラフィカル
ユーザ・インターフェイスにくわえ、ネットワーク・アクセス、USB等を活用したI/O拡張性を必要
とします。このような機器に向け、マイクロソフト社は、Windows7のリソースを活用できる組み
込み向けOSのWindows Embedded Standard 7(以下、WES7)をリリースしています。
SECO社のx86ベースQseven SOM(System-on Module)は、Windows系OSを幅広くサポートして
います。既存Windowsベースの資産を生かした開発、あるいはWindowsの利便性を活用した開発を
希望される方のお役に立つハードウェア・プラットフォームです。
本資料では、 x86ベースSOMの一例として、QuadMo747-E6xxを取り上げ、オンボード
SSD(NANDフラッシュ)や、外付けSATA HDDにWES7をインストールする際のポイントを紹介
します。キャリア・ボードとしてSECOCQ7-MXMを使いますが、SECOCQ7-pITX/Xboardなど、
他のキャリア・ボードを使う場合でも参考にしていただけます。
それでははじめましょう
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Windows Embedded Standard 7
評価用パッケージが利用可能
マイクロソフト社は、使用期間に制限をかけた評価用WES7パッケージを配布しています。今回はこの
評価用パッケージを使用します。パッケージは、マイクロソフト社の以下サイトより入手できます。
http://www.microsoft.com/windowsembedded/ja-jp/evaluate/windows-embedded-standard-7.aspx
32bitおよび64bitの2つのパッケージがダウンロード可能です。今回は32bit版をダウンロードします。
ファイル分割されており、これらをダウンロード後に結合するとISOイメージが作成されます。このISO
イメージをDVD-Rに焼くことで、インストール・ディスクができます。
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BIOS設定でブート・デバイスを設定する-1
Quadmo747-E6xxは、以下のメディアを起動ドライブとして認識できます。また、BIOSの設定にて、
起動順序を設定できます。
1.USB disk(USB FDドライブや、USBカードリーダに接続されたSDカードなど)
2.USB CD-R(USB接続の光ディスク・ドライブ(CD / DVDなど))
3.SATA0(外付けのSATAドライブ)
4.SATA1(オンボードSSD)
5.内蔵LAN経由
キャリア・ボードにUSBキーボードを接続します。USBポートの位置は任意です。つぎにボードに電源を
投入します。電源投入直後、DELキーを押下することでBIOSセットアップ・メニュ・モードに移行できる
ことを示すメッセージが画面下部中央に表示されます。表示を確認したら、キーボードのDEL(Delete)
キーを押下します。
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BIOS設定でブート・デバイスを設定する-2
BIOSが、ボードに接続されたドライブのチェックを行った後、
しばらくすると、パスワードを入力する画面が表示されます。
デフォルトでは、パスワードは設定されていないので、
リターン・キーを押下します。
この後、BIOSセットアップ画面が表示され
ます。矢印キーを使い、上から2番目の
メニュをポイントし、リターンキーを押下し
ます。
(ADVANCED CMOS CONFIGURATION)
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BIOS設定でブート・デバイスを設定する-3
ADVANCED CMOS CONFIGURATIONメニュを開きます。画面右側にブート・デバイスの種類や優先
順位を設定する項目があります。下図のように、USB CD-RをFirst boot deviceとして選択します。矢印
キーで項目をえらび、PageUp / PageDownキーで設定値を変更します。Second boot Deviceとして
SATA0またはSATA1を選択します。オンボードSSDにインストールする場合はSATA1を、外付けSATA
HDDを対象とする場合はSATA0を選択します。選択したら、ESCキーを押してトップ・メニュに戻ります。
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BIOS設定でブート・デバイスを設定する-4
CHIPSET CONFIGURATIONメニュを開きます。SATA Ports Enabledというメニュがあります。
本メニュは、2つのSATAポートのうちのいづれ(あるいは両方)を有効にするかを設定するメニュです。
例えば、オンボードSSDにWES7をインストールする場合は、下図のようにSATA1のみを有効にしておき
ます。同様に、外付けSATA HDDをインストール対象とする場合はSATA0のみを選択します。
これにより、WES7インストーラからは、
非選択のSATAポートに接続されたドラ
イブは見えなくなります。このように設定
することで、OSインストール先ドライブの
選択ミスや、インストールのトラブルを
防ぐことができます。選択したら、ESC
キーを押してトップ・メニュに戻ります。
最後に、WRITE TO CMOS AND EXITを
選択して、設定内容をセーブします。
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周辺機器を接続する
左図のように、マウス、キーボード
外付けHDD、DVDドライブ、LCD
パネルを接続します。外付けHDDは
Qseven オンボードSSDにインス
トールする場合は不要です。
接続後、電源を投入すれば、先に
作成したWES7インストール・ディ
スク(USB DVDドライブ)よりイン
ストーラが起動されます。
※USB DVDドライブは、USBバス
パワーよりも、外部給電可能な
タイプを推奨します。
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Windows Embedded Standard 7
インストール・タイプ
WES7には、いくつかのインストール・モデルが用意されています。今回は、「Internet Explorer,
Windows Media Player、Remote Desktop」モデルを選択しました。
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インストール・オプションの選択
インストール・プロセスにおいて、インストール・オプションを選択できます。今回は、.NET Framework
のみ、追加でインストールするようにします。その他の追加設定項目はなく、インストーラの指示にそのまま
したがいます。
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OSインストール直後のようす
WES7インストール終了後、いくつかのデバイスに対するドライバはまだインストールされていない状態です。
SECO社は、製品ユーザ様にデバイス・ドライバ等のパッケージを専用サイトを通じて提供しています。
つぎに、ドライバの入手、インストールについて解説します。
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SECOプライベート・サイトにログインする
SECOプライベート・サイトにアクセスします。登録したユーザ名 / パスワードでログインします。
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ドライバ・アーカイブをダウンロードする
Quadmo747-E6xxセクションには、いくつかのカテゴリが用意されています。
『Drivers』を選択すると、ファイルがいくつか現れます。以下の2つのアーカイブをダウンロードします。
1.IEMGD_HEAD_Windows7_103.zip
2.Intel_PCH_EG20T_Driver_Win7_and_WES7_Rel1_10.zip
インストールしたWES7は、USBストレージ・ドライブを認識できます。ダウンロードしたアーカイブは、
解凍してUSBメモリ等にコピーしたのち、WES7をインストールしたディスクにコピーします。
※ ファイル名(バージョン、内容物)は、本資料制作時点のものです。
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ドライバをインストールする
2つのアーカイブには、各々インストーラ(EXEファイル)が含まれるので、これを実行してドライバの
インストールを行います。途中Windowsセキュリティがファイルの出処を確認できない旨の警告を表示
しますが、インストールする、を選択します。インストールを終了したら、OSを再起動します。
※
再起動の前に、USBメモリはキャリア・ボードから外しておきます。
なお、QuadMo747-E6xxはC温度グレード品ではRealtek社のRTL8111Eイーサネット・コントローラが
実装されています。このため、Realtek社が提供するWindows7用イーサネット・ドライバを使えます。
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ドライバ・インストール状況を確認する
Windows付属のデバイス・マネージャで、各デバイスが正しくセットアップされているか確認します。
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WES7の動作を確認する
これまでの作業で、ネットワーク
(イーサネット)や、各種のUSB
デバイスが使えます。
Webブラウザによるネットワーク
アクセス、メディア・プレーヤ
によるMP4ファイルの再生などが
行えます。
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改 定
日
履 歴
付
改
2013年1月25日
定
内
容
初版作成
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